(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】光学的に拡大されたスポーツウェア及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A41D 1/04 20060101AFI20240118BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A41D1/04 Z
A41D13/00 115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537281
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021063670
(87)【国際公開番号】W WO2022133007
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523225933
【氏名又は名称】クエスト ベスト、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ペハニッチ、 ジョセフ ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】フォン、 フランク
(72)【発明者】
【氏名】フォン、 アルビン
【テーマコード(参考)】
3B031
3B211
【Fターム(参考)】
3B031AA02
3B031AE01
3B031AE16
3B211AA01
3B211AB11
(57)【要約】
スポーツウェア用の衣服、より具体的には、サッカーの練習などの運動競技のために選手が着用するタンクトップ、ベスト又はジャージが開示される。衣服は、中間色の本体と鮮やかな上部とを特徴とし、着用すると、見る人の目を鮮やかな色に引き寄せる。鮮やかな上部は、チームの識別子として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服であって、
胴体部と、上部と、腰開口部と、首開口部と、一対の腕開口部とを含む本体を含み、
前記胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、前記胴体部は第1の織物から成る内面及び外面を有し、前記第1の織物は中間色を有し、
さらに、前記上部は前記着用者の首の周りに延在するように構成され、前記上部は第2の織物から成る内面及び外面を有し、前記第2の織物は鮮やかな色を有し、
さらに、前記鮮やかな色は前記中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能する、衣服。
【請求項2】
前記第1の織物と前記第2の織物は色のみが異なる、請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
前記第1の織物と前記第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択される、請求項1に記載の衣服。
【請求項4】
前記第1の織物と前記第2の織物の少なくとも一方がメッシュである、請求項1に記載の衣服。
【請求項5】
襟をさらに含む、請求項1に記載の衣服。
【請求項6】
前記襟は前記鮮やかな色である、請求項5に記載の衣服。
【請求項7】
前記首開口部にV字形の切り欠きをさらに含む、請求項1に記載の衣服。
【請求項8】
前記上部は、第1の色の第1の生地層と、前記第1の色とは異なる第2の色の第2の生地層とを有する、請求項1に記載の衣服。
【請求項9】
第2の胴体部と、第2の上部と、第2の腰開口部と、第2の首開口部と、第2の一対の腕開口部とを含む第2の本体をさらに含み、
前記第2の胴体部は前記着用者の胴体の周りに延在するように構成され、前記第2の胴体部は第3の織物から成る内面及び外面を有し、前記第3の織物は中間色を有し、
さらに、前記第2の上部は前記着用者の首の周りに延在するように構成され、前記第2の上部は第4の織物から成る内面及び外面を有し、前記第4の織物は鮮やかな色を有し、
さらに、前記第4の織物の鮮やかな色は、前記中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能し、
さらに、前記本体と前記第2の本体とが互いに固定される、請求項1に記載の衣服。
【請求項10】
さらに、前記第1の織物の内面と前記第1の織物の外面は同じ色である、請求項1に記載の衣服。
【請求項11】
さらに、前記第1の織物の内面と前記第1の織物の外面は異なる色である、請求項1に記載の衣服。
【請求項12】
さらに、前記第2の織物の内面と前記第2の織物の外面は同じ色である、請求項1に記載の衣服。
【請求項13】
さらに、前記第2の織物の内面と前記第2の織物の外面は異なる色である、請求項1に記載の衣服。
【請求項14】
衣服の製造方法であって、
中間色を有する第1の織物を選択することと、
前記第1の織物から着用者の胴体の周りに延在するように機能する胴体部を形成することであって、前記胴体部が内面及び外面を有することと、
鮮やかな色を有する第2の織物を選択することと、
前記第2の織物から前記着用者の首の周りに延在するように機能する上部を形成することであって、前記上部が前面パネル及び背面パネルを有することと、
前記胴体部を前記上部に接続して、前記衣服が前記胴体部と、前記上部と、腰開口部と、首開口部と、一対の腕開口部とを含む本体を有するようにすることと
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の織物と前記第2の織物は色のみが異なる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の織物と前記第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の織物と前記第2の織物の少なくとも一方がメッシュである、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記首開口部に襟を固定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記襟は前記鮮やかな色である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記首開口部にV字形の切り欠きをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
中間色を有する第3の織物を選択するステップと、
前記第3の織物から前記着用者の胴体の周りに延在するように機能する胴体部を形成するステップであって、前記胴体部が内面及び外面を有するステップと、
鮮やかな色を有する第4の織物を選択するステップと、
前記第4の織物からの前記首の周りに延在するように機能する上部を形成するステップであって、前記上部が前面パネル及び背面パネルを有するステップと、
前記第3の織物の胴体部を前記第4の織物の上部に接続して第2の本体を形成するステップと、
前記第1の本体を前記第2の本体に接続するステップと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
リバーシブルの衣服であって、
胴体部と、上部と、腰開口部と、首開口部と、一対の腕開口部とを含む本体を含み、
前記胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、前記胴体部は第1の織物から成る前面パネル及び背面パネルを有し、前記第1の織物は中間色を有し、
さらに、前記上部は前記着用者の首の周りに延在するように構成され、前記上部は第2の織物から成る前面パネル及び背面パネルを有し、前記第2の織物は鮮やかな色を有し、
さらに、前記鮮やかな色は、前記中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能し、
さらに、前記衣服の第1の面の中間色及び鮮やかな色の少なくとも1つが前記衣服の第2の面とは異なる、リバーシブルの衣服。
【請求項23】
前記第1の織物と前記第2の織物は色のみが異なる、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項24】
前記第1の織物と前記第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択される、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項25】
前記第1の織物と前記第2の織物の少なくとも一方がメッシュである、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項26】
襟をさらに含む、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項27】
前記襟は前記鮮やかな色である、請求項26に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項28】
前記首開口部にV字形の切り欠きをさらに含む、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【請求項29】
前記上部は、第1の色の第1の生地層と、前記第1の色とは異なる第2の色の第2の生地層とを有する、請求項22に記載のリバーシブルの衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:スポーツウェア用の衣服、より具体的には、サッカーの練習などの運動競技のために選手が着用するタンクトップ、ベスト又はジャージが開示される。
【背景技術】
【0002】
相互参照
本出願は、2020年12月16日に出願された「光学的に拡大されたスポーツベスト」と題する米国仮出願第63/126,126号の利益を主張する、2021年7月26日に出願された「光学的に拡大されたスポーツウェア及び製造方法」と題する米国非仮出願第17/385,666号の優先権を主張するものであり、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0003】
背景:サッカー練習及び試合における選手又は選手は多くの場合、(発汗した皮膚を容易に冷却できるように)通気性のメッシュ生地で作られ、選手の(又は選手の)チームを識別するために均一な色又は均一な一組の色を有するベスト又はトップスを着用する。選手がチームメイトを識別できるように、異なるチームで異なる色のタンクトップ、ベスト又はジャージが使用される。
【0004】
しかしながら、ユースリーグやアマチュアリーグなどの一部の環境では、選手はフィールド上の動きを見るために目を上げ続けることがまだ十分に訓練されておらず、特にグラウンド上のプレーを見ることに気を取られている場合がある。各チームを識別するために異なる色の服を使用する場合、選手の周辺視野は通常、チームのメンバーを識別するためにユニフォームのウエストヘムを含むことができるため、選手はグラウンドを見上げることなくチームメイトを見つけ出すことができる。選手はそれによって周囲の観察力が低下しているため、このようなユニフォームを使用するとプレーに支障をきたす可能性がある。これは特に、ランダムな分割によって「チーム」が形成され、新たに形成された「チーム」に指名するために異なる色の練習着が配布される、チーム内練習に当てはまり得る。したがって、正式なユニフォームは使用されず、どの服を着ているかをすばやく観察することによって実際のチームメイトと一時的なライバルを見分けることがさらに重要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、服の上部のみにチームの識別情報を表示し、誰がチームメイトで誰が競争相手であるかを見極めるために選手に目を上げて周りを見回すことを余儀なくさせ、状況認識力をより高めることができる競技用衣服が必要である。さらに、配色などのチームを識別する特徴を光学的に強化し、一目見ただけで明確かつ迅速に見極めることができるようにする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願で開示される発明は、衣服の上部のみにチームを識別する色及び/又は記章を有するスポーツウェア用の衣服に関する。このようなデザインは、チームの所属を特定するために、他の選手が顔を上げて衣服の上部を見ることを必要とする。また、このようなデザインは、選手が近くにいる他の選手の頭や肩の領域に目を向け続ける傾向を促進することにより、若い選手や経験の浅い選手のトレーニングにも適している。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明による衣服の本体は中間色(白、黒、灰色など)から作られ、一方、衣服のチーム識別部は特徴的な色の襟を有することによって提供される。いくつかの実施形態では、本発明による衣服の襟の特徴的なチーム識別色は、それらが容易に迅速に識別できるように、蛍光染料で色付きの生地を使用することによって提供され得る。いくつかの実施形態では、襟の特徴的なチーム識別色は、「光沢のある」色付きの生地、すなわち衣服の本体に対して反射率を高めた生地を使用することによって提供され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、衣服の上部における特徴的なチーム識別色は、昇華プロセスを使用して衣服の上部の生地にチーム識別色及び/又は記章を印刷することによって提供され得る。
【0009】
ベストには3つのパネル、すなわち本体、襟、及び本体と襟を結びつけるパイピングがある。片面の衣服には、単一層の素材の3つのパネルがある。リバーシブルの衣服は、本体とパイピングが単一層で、コントラスト部分が2層であることができる。
【0010】
本開示の一態様は、衣服であって、胴体部と、上部と、腰開口部と、首開口部と、一対の腕開口部とを含む本体を含み、胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、胴体部は第1の織物から成る内面及び外面を有し、第1の織物は中間色を有し、さらに、上部は着用者の首の周りに延在するように構成され、上部は第2の織物から成る内面及び外面を有し、第2の織物は鮮やかな色を有し、さらに、鮮やかな色は中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能する衣服を対象とする。第1の織物及び第2の織物は、色のみが異なることができる。また、第1の織物及び第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択することができる。第1の織物及び第2の織物の少なくとも一方は、メッシュであることができる。いくつかの構成では、衣服はさらに襟を含む。襟は鮮やかな色である。また、首開口部にV字形の切り欠きを設けることができる。衣服の上部は、第1の色の第1の生地層と、第1の色とは異なる第2の色の第2の生地層とを有する。衣服の少なくともいくつかの構成は、第2の胴体部と、第2の上部と、第2の腰開口部と、第2の首開口部と、第2の一対の腕開口部とを含む第2の本体をさらに含むことができ、第2の胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、第2の胴体部は第3の織物から成る内面及び外面を有し、第3の織物は中間色を有し、さらに、第2の上部は着用者の首の周りに延在するように構成され、第2の上部は第4の織物から成る内面及び外面を有し、第4の織物は鮮やかな色を有し、さらに、第4の織物の鮮やかな色は中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能し、さらに、本体と第2の本体は互いに固定される。第1の織物の内面と第1の織物の外面は、同じ色であっても異なる色であってもよい。第2の織物の内面と第2の織物の外面は、同じ色であっても異なる色であってもよい。
【0011】
本開示の別の態様は、衣服の製造方法であって、中間色を有する第1の織物を選択することと、第1の織物から着用者の胴体の周りに延在するように機能する胴体部を形成することであって、胴体部が内面及び外面を有することと、鮮やかな色を有する第2の織物を選択することと、第2の織物から着用者の首の周りに延在するように機能する上部を形成することであって、上部が前面パネル及び背面パネルを有することと、胴体部を上部に接続して、衣服が胴体部と、上部と、腰開口部と、首開口部と、一対の腕開口部とを含む本体を有するようにすることとを含む方法を対象とする。第1の織物及び第2の織物は、色のみが異なることができる。また、第1の織物及び第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択することができる。第1の織物及び第2の織物の少なくとも一方は、メッシュであることができる。いくつかの構成では、衣服はさらに襟を含む。襟は鮮やかな色である。また、首開口部にV字形の切り欠きを設けることができる。衣服の上部は、第1の色の第1の生地層と、第1の色とは異なる第2の色の第2の生地層とを有する。衣服の少なくともいくつかの構成は、第2の胴体部と、第2の上部と、第2の腰開口部と、第2の首開口部と、第2の一対の腕開口部とを含む第2の本体をさらに含むことができ、第2の胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、第2の胴体部は第3の織物から成る内面及び外面を有し、第3の織物は中間色を有し、さらに、第2の上部は着用者の首の周りに延在するように構成され、第2の上部は第4の織物から成る内面及び外面を有し、第4の織物は鮮やかな色を有し、さらに、第4の織物の鮮やかな色は中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能し、さらに、本体と第2の本体は互いに固定される。第1の織物の内面と第1の織物の外面は、同じ色であっても異なる色であってもよい。第2の織物の内面と第2の織物の外面は、同じ色であっても異なる色であってもよい。
【0012】
本開示のさらに別の態様は、リバーシブルの衣服であって、胴体部、上部、腰開口部、首開口部及び一対の腕開口部を含む本体を含み、胴体部は着用者の胴体の周りに延在するように構成され、胴体部は第1の織物から成る前面パネル及び背面パネルを有し、第1の織物は中間色を有し、さらに、上部は着用者の首の周りに延在するように構成され、上部は第2の織物から成る前面パネル及び背面パネルを有し、第2の織物は鮮やかな色を有し、さらに、鮮やかな色は中間色に対して目を引くコントラストを作り出すように機能し、さらに、衣服の第1の面の中間色及び鮮やかな色の少なくとも1つが衣服の第2の面とは異なる。リバーシブルの衣服を対象とする。第1の織物及び第2の織物は、色のみが異なることができる。また、第1の織物及び第2の織物は、ポリエステルと弾性ポリウレタン繊維とを含む群から選択することができる。第1の織物及び第2の織物の少なくとも一方は、メッシュであることができる。いくつかの構成では、衣服はさらに襟を含む。襟は鮮やかな色である。また、首開口部にV字形の切り欠きを設けることができる。衣服の上部は、第1の色の第1の生地層と、第1の色とは異なる第2の色の第2の生地層とを有する。
【0013】
前述の全体的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される開示された実施形態を限定するものではない。
【0014】
参照による組み込み
本明細書に記載されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
1945年2月13日にSolomonに付与された米国特許第2,369,416号
【0016】
1953年6月23日にHeilbronnerに付与された米国特許第2,642,570号
【0017】
2001年10月23日にSchweerに付与された米国特許第6,305,024号
【0018】
2011年3月29日にTakamotoらに付与された米国特許第7,913,323号
【0019】
2016年1月26日にSokolowskiらに付与された米国特許第9,241,516号
【0020】
2019年4月9日にKenneyらに付与された米国特許第10,251,432号
【0021】
2019年6月18日にConnorに付与された米国特許第10,321,873号
【0022】
2007年1月4日に公開されたMacDonaldらの米国特許出願公開第2007/0000007号
【0023】
2007年1月25日に公開されたHarberらの米国特許出願公開第2007/0016999号
【0024】
2007年12月27日に公開されたFurgersonらの米国特許出願公開第2007/0294801号
【0025】
2010年12月2日に公開されたSnyderらの米国特許出願公開第2010/0299810号
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって得られる。
【0027】
【
図1】タンクトップなどの競技用衣服の概略図を示す。
【0028】
【
図2】
図2A~2Bは、本開示の一実施形態による衣服の正面図及び背面図を示す。
【0029】
【
図3】
図3A~3Bは、本開示の一実施形態による他の衣服の正面図及び背面図を示す。
【0030】
【
図4】
図4A~4Bは、本開示の一実施形態によるリバーシブル衣服の正面図を示す。
【0031】
【
図5】
図5A~5Bは、本開示による他の衣服の正面図及び背面図を示す。
【0032】
【
図6】
図6A~6Cは、競技用衣服での使用に適したタグを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
I.製造品
【0034】
サッカーなどのスポーツのための典型的な競技用衣服100が
図1に示されている。衣服100は多くの場合、ノースリーブであり、通常はチームカラーを表す均一な色の素材から製造される。2cm幅のヘム112、122、122’、132が、ウエスト110、腕用の衣服開口部120、及び首用の衣服開口部130の周りに設けられる。サッカー選手のための典型的な衣服100は、ポリエステルなどの合成繊維、又はライクラ(登録商標)もしくはスパンデックス(登録商標)などの弾性ポリウレタン繊維で作られたメッシュで作られ得る。衣服のサイズ範囲、例えば、小(S)、中(M)、大(L)、特大(XL)は、約30cmから70cmの幅W、約40cmから75cmの長さLを有する。Sサイズは通常、選手の身長が1.2m未満の選手用であり、Mサイズは通常、選手の身長が1.2mから1.5mの選手用であり、Lサイズは通常、選手の身長が1.75m以上の選手用である。
【0035】
図2A~2Bを参照すると、本開示による衣服200が正面図(
図2A)及び背面図(
図2B)から示されている。衣服200は本体202(
図1で説明した衣服と同様に、ノースリーブでもあることができ、メッシュで作ることもできる)を有する。衣服200の本体202は、中間色(典型的には灰色、黒又は白)を有し、衣服の上部にのみ色付きのチーム識別部204を有する。色付きのチーム識別部204は、色付きのチーム識別部204が設けられた衣服200の上部チーム識別部204に観察者の目が引き寄せられるように、本体202との鮮明で際立った色のコントラストを提供する色を有する。チーム識別部204に適した色の例は、赤紫色、青、及び任意のネオンカラーを含むが、これらに限定されない。
【0036】
ブランドロゴタグなどのタグ208をウエストのところに取り付けることができ、ネックヘムに「v」字形要素などのネック要素206を設けることができる。
【0037】
リブ付きの襟などのトリム212を首開口部及び/又は腕開口部の周囲に設けることができる。トリム214は、本体と色付きチーム識別部との間に設けることもできる。トリム216は、アーム用の開口部130の周囲に設けることができる。トリム212、214、216は、本体202及びチーム識別部204とは異なる色を有することができ、又は本体202又はチーム識別部204のいずれかと同じ色を有することができる。
【0038】
図3A~3Bに示すように、衣服200は、チーム識別部204と、衣服200に取り付けられた特徴的な配色を有する襟310とを有する。このような襟310は、約1~2インチ(2.54~5.08cm)の幅を有し、首のところのヘムと、衣服の本体に襟を取り付ける縫い目とを有する。このような実施形態では、衣服の本体202はまた、色付きの襟の追加の素材を可能にするために、通常よりも大きい首開口部130を有する。襟310は、チーム識別部204の代わりに、又はチーム識別部204に加えて設けることができる。襟310は、本体202とは異なる色を有することができる。いくつかの構成では、襟310は、チーム識別部204と同じ色を有する。
【0039】
図4A~4Bに示すように、衣服200は、V字形の下縁214を有するチーム識別部204を有する。図示のように、第1の色を外側に面したチーム識別部に使用することができ、別の色を衣服の内側表面の全部又は一部に設けることができる。また、衣服200はリバーシブルであり、衣服を裏返すとチーム識別部204が第1の色から第2の色に変わる。本体202は、(図示のように)同じ色であっても異なる中間色であってもよい。裏表とも使えることは、様々なゲーム中にチームを識別する際のより大きな柔軟性を可能にする。したがって、例えば、外側の色の組み合わせは、チーム識別部204のネオンピンク及び本体202の白と、チーム識別部204のネオングリーン及び本体202の黒とすることができる。また、チーム識別部のスタイルは、一方の側と他方の側とで異なることができる(例えば、
図2の曲線形状と
図4の角のある形状を混合する)。
【0040】
図5A~5Bは、チーム識別部204が、例えば、衣服200の上半分又は上3分の1であり、チーム識別部204と本体202との区別が衣服200を横切る直線又は実質的に直線である、衣服200の別の形状を示す。
【0041】
図6A~6Cは、衣服200に固定するための可能なタグ208を示す。
【0042】
これらの概略図において、衣服の全体的な構造及びサイズは、
図1に関して図示及び説明した衣服のような標準的な衣服に類似しており、同様のプロセスを用いて製造することができる。本開示のいくつかの実施形態では、首の周りの単一の縫い目は、1インチ(2.54cm)より大きく、典型的には1.5インチ(3.81cm)又は2インチ(5.08cm)のいずれかの幅を有する色付きの襟に置き換えられる。色付きの襟は、首のところにヘムを有し、襟の素材が衣服の本体に取り付けられるところに縫い目を有することができる。衣服の本体は、その結果、襟の追加の幅を見越して、首の開口部が適切に大きくなるように裁断される。
【0043】
色付きの襟の素材は、衣服の本体に使用されるようなメッシュ生地であってもよく、主な違いは、異なるチームの選手が異なる色付きの襟の衣服を着用してチームの識別を可能にすることができるように、色付きの襟のメッシュ生地が明るい色であることである。また、素材は、衣服を裏表とも使用することを容易にするために、第1の表面に第1の色を有し、第2の表面に第2の色を有することができる。
【0044】
色付きの襟は、チーム識別を可能にするために着色染料を使用することができるが、好ましくは、蛍光染料又はネオン染料を使用して、蛍光色の「昼間大気光」の性質が視認性を促進することを可能にし、一目でチームを迅速に識別することを可能にする。
【0045】
いくつかの実施形態では、色付きの襟の素材は、衣服の本体と同じメッシュ寸法のメッシュ生地を使用することができる。他の実施形態では、色付きの襟の素材は、衣服の本体よりも小さいメッシュ寸法のメッシュ生地を使用することができる。いくつかの実施形態では、色付きの襟の素材は、衣服の本体よりも大きいメッシュ寸法のメッシュ生地を使用することができる。
【0046】
さらに他の実施形態では、色付きの襟の素材は、表面反射率を高めた素材を使用することができ、これにより素材をより「光沢」にし、この場合も視認性とより迅速なチーム識別を促進する。
【0047】
色付きの襟の素材はまた、衣服の主要部分と連続していることができ、衣服の上部の色によるチームの指定は、生地に直接色を加える昇華プリントプロセスを使用して提供される。昇華プロセスでは、着色パターンは、特殊な染料を使用して特殊なシートに印刷され、その後、加熱と圧力を伴うプロセスを使用して衣服の生地に転写される。これは、昇華プリント染料が一般に合成繊維によりよく吸収されるため、ポリエステルを使用して衣服を製造する実施形態により適している可能性がある。
【0048】
上の図に示すように、衣服はノースリーブで示されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、上半身のチーム識別部は、袖を有するジャージと共に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、袖はさらに、肩の周りなどにチーム識別用生地(これも明るい色又は蛍光色であり得る)を有することができる。
【0049】
II. 製造プロセス
【0050】
衣服を製造するために、1つのプロセスは以下のステップを含むことができる。
【0051】
第1に、衣服の本体を、ウエストとアームホールにヘムを有して(又は袖のあるデザインを使用する場合は袖にヘムを有し、袖を衣服本体に接続する縫い目を有して)、従来の衣服と同様に製造する。中間色(例えば黒、灰色、又は白)を有する従来の素材が好ましく、素材はスポーツ用衣服に通常使用されるメッシュ材であり得る。しかしながら、従来の衣服とは異なり、本発明のいくつかの実施形態による本体のネックは通常よりも大きく設計されており、ネックホーム用の生地の縁はヘムがないままである。
【0052】
次に襟の素材を準備する。襟はメッシュ材を用いて製造することもできるが、本体とは異なる色になる。襟は、典型的には幅が1インチ(2.54cm)以上であり、いくつかの実施形態では幅が約1.5インチ(3.81cm)であり、他の実施形態では幅が2インチ(5.08cm)である。襟は、衣服の本体のネック孔に縫い付けられ、その後、襟は首のところで縁取りされる。
【0053】
いくつかの実施形態では、襟のループは、襟の両側を互いに取り付けるように首の前で縫い目を縫い合わせることによって閉じることができる。この縫い目は、
図2~3に示される「V」形状のような外観上の変化を伴い得る。いくつかの実施形態では、襟のループは、襟の両端を互いに取り付けるように首の後ろで縫い目を縫い合わせることによって閉じることができる。いくつかの実施形態では、襟は、衣服の前部のための1つと後部のための1つの2つの部分を含み、これらは互いに縫い合わされ、また肩のところで衣服の主要部分に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ヘム及び縫い目の一部又は全部を織テープで補強する必要がある。襟は、襟を作成するために2つの生地が使用され、第1の生地が第1の色であり、第2の生地が第2の色である場合など、第1の表面に第1の色を有し、第2の表面に第2の色を有することができる。2つの色は、第1の面とリバーシブルの面とを区別するように機能する。別の構成では、襟は、第1の面に第1の色を有し、第2の面に第1の色とは異なる第2の色を有するリバーシブル素材の単一の断片で作ることができる。
【0054】
図2Aに示すように、前面の装飾的な「V」字形状は、デザインを向上させるために、襟に切り込まれ、首のヘムの一部として縁取りされ得る。
【0055】
当業者によって追加の変形例が想像され得る。例えば、チームロゴなどの追加の記章を衣服の上部又は衣服の本体の前面又は背面に設けることもできる。
【0056】
III. 用途
【0057】
本明細書に開示される競技用衣服100は、両チームが同じ色の本体202と異なる目を引く色を有するチーム識別部204とを有する衣服100を着用するチーム競技の環境(例えばサッカー)に展開することができる。同じ本体202を提供することにより、選手は、他の選手がどのチームに属しているかを見極めるべくチーム識別部204を見るために視線を上に持っていくことを強制される。
【0058】
しかしながら、チームの記章は類似していることがあるので(例えば、円又は盾形の概形図)、迅速な識別は困難である。したがって、衣服100のすべてのチーム識別部に別個の蛍光色を使用し、本体202に同様の中間色を使用することにより、試合の真最中により迅速なチームの識別が可能となる。
【0059】
開示された競技用衣服100の使用は、選手による視覚的認識の向上とゲーム内パフォーマンスの向上につながる。また、裏表とも使えることは、他の選手と衣服を共有する代わりに、個々の選手が個々の衣服を使用することを促進し、これにより感染症の伝播を低減する。
【0060】
さらに、本明細書に開示される競技用衣服100は、各チームが異なる目を引く色の異なるチーム識別部204を有する衣服100を着用するトレーニング環境(例えば、サッカー)に展開することができる。選手はその結果、選手が同じチームカラー又は相手のチームカラーのいずれかを有する選手の列に近づくトレーニングドリル(コーンエクササイズなど)を行うことができ、選手は、トレーニングドリルに従ってボールを操作しながら、すぐに接近する選手が同じチームにいるのか相手チームにいるのかも見分ける。
【0061】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、説明してきたが、このような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更及び置換を思いつくであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替案が本発明を実施する際に使用され得ることを理解すべきである。特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造ならびにそれらの均等物がそれによってカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】