(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】発酵プロポリスを含む抗老化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/98 20060101AFI20240118BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240118BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240118BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20240118BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240118BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20240118BHJP
A61K 35/644 20150101ALI20240118BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20240118BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20240118BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20240118BHJP
A61P 17/16 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
A61K8/98
A23L33/10
A61Q19/00
A61K8/99
A61P29/00
A61P17/18
A61K35/644
A61K35/747
A61K31/192
A61P39/06
A61P17/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537418
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2021018946
(87)【国際公開番号】W WO2022131738
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178888
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175504
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】テ・ホ・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・キ・ペク
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
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4B018LB08
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4B018LE02
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(57)【要約】
本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物及びその製造方法に関する。本発明による発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物は、皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症用途に多様に使用されてもよく、前記組成物は、本発明による製造方法によりアルテピリンCの含量が増加し、より優れた効果を示すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む、皮膚のシワまたは皮膚の弾力改善用化粧料組成物。
【請求項2】
発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む、皮膚の美白用化粧料組成物。
【請求項3】
発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む、皮膚の抗酸化用化粧料組成物。
【請求項4】
発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む、抗炎症用化粧料組成物。
【請求項5】
発酵プロポリス抽出物は、アルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加したものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
プロポリスは、グリ-ンプロポリス、レッドプロポリス及びブラウンプロポリスからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
発酵プロポリス抽出物は、化粧料組成物の総重量に対して0.01~15重量%で含まれるものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
発酵は、ラクトバチルスアシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルスカゼイ(Lactobacilluscasei)、ラクトバチルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルスラムノサス(Lactobacillusrhamnosus)、ラクトバチルスプランタルム(Lactobacillusplantarum)、ラクトバチルスルテリ-(Lactobacillusreuteri)、ラクトバチルスコンヒュ-サス(Lactobacillusconfusus)、ラクトバチルスファ-メンタム(Lactobacillusfermentum)、ラクトバチルスブレビス(Lactobacillusbrevis)、及びテルムスサ-モフィルス(Thermus thermophillus)からなる群から選ばれる1種以上の菌株によるものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
プロポリス原塊(propolis wax)を5℃~40℃の温度で低温抽出(Cold Extraction)してプロポリス抽出物を製造する第1の段階と、
第1の段階で抽出されたプロポリス抽出物を超音波抽出(Ultrasonic Extraction)する第2の段階と、
第2の段階で得られた抽出物を発酵菌株で発酵させる第3の段階と、
第3の段階で発酵された抽出物の総重量に基づいて20~40重量%の1,3-ブチレングリコ-ル(1,3-butylene glycol)を溶媒抽出する第4の段階と、を含む、アルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法。
【請求項10】
低温抽出は、炭素数1~5のアルコ-ル溶媒抽出するものである、請求項9に記載のアルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法。
【請求項11】
第2の段階の超音波抽出は、10KHz~40KHzの波長及び10℃~40℃の温度で行われるものである、請求項9に記載のアルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法。
【請求項12】
第3の段階の発酵菌株は、ラクトバチルスアシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルスカゼイ(Lactobacilluscasei)、ラクトバチルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルスラムノサス(Lactobacillusrhamnosus)、ラクトバチルスプランタルム(Lactobacillusplantarum)、ラクトバチルスルテリ-(Lactobacillusreuteri)、ラクトバチルスコンヒュ-サス(Lactobacillusconfusus)、ラクトバチルスファ-メンタム(Lactobacillusfermentum)、ラクトバチルスブレビス(Lactobacillusbrevis)、及びテルムスサ-モフィルス(Thermus thermophillus)からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項9に記載のアルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法。
【請求項13】
第3の段階の発酵は、65~80時間培養されるものである、請求項9に記載のアルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法。
【請求項14】
請求項9に記載の製造方法により製造された発酵プロポリス抽出物。
【請求項15】
発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における皮膚のシワまたは皮膚の弾力を改善する段階を含む、皮膚のシワまたは皮膚の弾力改善方法。
【請求項16】
発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における皮膚の美白を改善する段階を含む、皮膚の美白方法。
【請求項17】
発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚の酸化を抑制または減少させる段階を含む、皮膚の抗酸化方法。
【請求項18】
発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における炎症の発生を抑制または減少させる段階を含む、皮膚炎症の予防、改善または治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロポリス(propolis)は、ロシアンペニシリンまたは天然ペニシリンとも呼ばれるが、ハチが樹木類から生長点保護物質、真液などの樹脂(resin)を収集し、自分が分泌した唾液と混合して作った天然ワックス状混合物であって、植物性樹脂、ワックス、精油、花粉、フラボノイド及びその他の有機物とミネラルなど300種類以上の物質から構成されている。
【0003】
プロポリスの主な効能としては、抗炎、抗酸化、抗がん、及び免疫増強などがある。近年では、プロポリスに含まれる成分であるフラボノイド(flavonoids)とテルペノイド(terpenoids)が示す抗酸化作用に起因した様々な薬理作用について多くの研究と関心が集まっている。特に皮膚、粘膜及び口腔感染に対する治療効果は、プロポリスから分離同定された様々な物質に起因するもので、少なくとも150個余りのテルペン(terpene)類や、カフェイン酸エステル(caffeic acid ester)類、フラボノイド(flavonoids)及びアミノ酸などのフェニルプロパン(phenylpropane)誘導体が関与することが研究されており、このような炎症性疾患の緩和にプロポリスを使用しようとする研究が次第に増えるにつれて、プロポリスを活用した様々な製品も開発されている。
【0004】
このようなプロポリスは地域別に生息している植物の種類と分布によって活性成分、色、味などに差があるが、これは働き蜂が木の樹種や樹脂を収集してくる種類によって成分が変わるためである。プロポリスの色は様々な種類があり、色の差によって有効成分においても差がある。グリーンプロポリス、レッドプロポリス、ブラウンプロポリスなどが知られている。
【0005】
一方、微生物は従来の食品に有用に使用されてきた。近年では、医薬品の製造と化粧品産業でもその使用が増加している。
【0006】
乳酸菌は、炭水化物を嫌気的に用いて乳酸を生産する微生物である。このような乳酸菌を化粧品原料として使用しているが、例えば、ストレプトコッカス属(Streptococcus sp.)、ペディオコッカス属(Pediococcus sp.)、ロイコノストック属(Leuconostoc sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、スポロラクトバチルス属(Sporolactobacilus sp.)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium sp.)などの乳酸菌を培養して得られる発酵液は、従来、美白や保湿などの効果があると報告されているが、プロポリスをこのような乳酸菌株で発酵して皮膚のシワ、皮膚の弾力、皮膚の美白、皮膚の抗酸化、皮膚の保湿及び皮膚抗炎症効果が増進される効果を開示した文献はなかった。
【0007】
一方、プロポリスの中でもグリーンプロポリスは、他のプロポリスと異なり、アルテピリンC(Artepillin C)が含まれており、抗酸化、抗炎などに優れた効果があることが知られている。
【0008】
このようなアルテピリンCは、一般的な抽出方法で抽出時に極少量で抽出されるため、抽出物の製造時にアルテピリンCの含量を増進させることができる製造方法に対する必要性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワの改善、弾力改善、美白、抗酸化または抗炎症用組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、アルテピリンCの含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法及びそれによって製造された発酵プロポリスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような本発明の目的を達成するため、本発明者らはプロポリス内に含まれている、すなわち、抽出物の製造時に抽出物内にアルテピリンC(Artepillin C)の含量を増加させることができる方法を研究した結果、低温抽出(Cold Extraction)、超音波抽出(Ultrasonic Extraction)、発酵菌株の接種、溶媒抽出を通じて抽出すると、アルテピリンCの含量が増加した発酵プロポリス抽出物を得ることができることを確認し、本発明を完成した。
【0013】
したがって、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物を提供する。本発明による前記組成物は、アルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加されたものであってもよい。
【0014】
本発明において、アルテピリンC(Artepillin C)の分子式はC19H24O3であり、分子量は300.40であり、下記化1で表される。
【0015】
【0016】
本発明において、前記プロポリスはその種類が制限されるものではないが、グリーンプロポリス、レッドプロポリス及びブラウンプロポリスからなる群から選ばれる1種以上であってもよく、好ましくは、グリーンプロポリスであってもよい。
【0017】
一方、グリーンプロポリス内に多量に含まれていることが知られている前記アルテピリンCは、従来、美白、抗酸化(「Artepillin C and phenolic compounds responsible for antimicrobial and antioxidant activity of green propolis and Baccharis dracunculifolia DC」、M.C. Marcucci他、Journal of Applied Microbiology 122,911-920)、抗炎症(「Anti-inflammatory effects of a bioavailable compound,Artepillin C,in Brazilian propolis」、 Walter A.Bretz他、European Journal of Pharmacology 587(2008)296-301)、保湿などの効果があることが知られている成分である。
【0018】
本発明は、このようなアルテピリンCの含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法を提供する。
【0019】
一実施例によれば、本発明による製造方法により製造された発酵プロポリス抽出物内に含まれるアルテピリンCの含量は35ppmで、一般的な抽出方法を通じて得られたプロポリス抽出物内に含まれたアルテピリンCの含量6ppmに対して約5.8倍含量が増加することを確認した。
【0020】
本発明の組成物は、低温抽出(Cold Extraction)、超音波抽出(Ultrasonic Extraction)、発酵菌株接種及び溶媒抽出を通じてプロポリスに含まれているアルテピリンCの含量を増加させることができ、これにより、より優れた皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化及び/又は抗炎症効果を提供しうる。このような側面で、本発明は、皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化及び/又は抗炎症用組成物を提供する。前記組成物は、化粧料組成物、薬学的組成物、外用剤組成物、医薬部外品組成物または食品組成物などとして使用されてもよく、前記各組成物は、使用目的、有効成分の含量などによってカテゴリーを異にして使用してもよい。
【0021】
本明細書において、「シワ改善効果」とは、皮膚にシワが生じるのを予防、抑制または阻害するか、または既に生成されたシワを緩和させることをいう。
【0022】
本明細書において、「弾力改善効果」とは、皮膚の弾力が維持または改善されることをいう。
【0023】
本明細書において、「リフティング改善効果」とは、皮膚の弾力性の改善及びシワの改善効果によって皮膚組織が物理的に引き上げられる効果を指す。
【0024】
本発明の一実施例によれば、プロポリス抽出物及びプロポリス抽出物を発酵菌株で発酵させた発酵プロポリス抽出物をヒト線維芽細胞培地に処理したとき、発酵前のプロポリス抽出物処理群では、細胞活性効能が現れなかったが、発酵後の発酵プロポリス抽出物処理群では、細胞活性の効能が現れたことを確認した。
【0025】
本発明の他の実施例において、プロポリス抽出物の目元のシワ、目の下のシワ、ほうれい線、首のシワにおける改善効果を確認し(
図4~7)、左右側の頬の蝶ゾーン部位、口元、目元、ほうれい線部位、二重顎部位及び顎部位でリフティング改善効果を確認し(
図8~14)、皮膚の緻密度及び皮膚の弾力改善効果を確認し(
図15及び16)、シミ面積の改善(
図17)、皮膚光彩増加効果(
図18)、皮膚の保湿改善効果(
図19及び20)を確認した。
【0026】
前述した本発明の効果は、本発明の製造方法により製造された発酵プロポリス抽出物内にその含量が増加したアルテピリンCによって得られるものであってもよい。
【0027】
本発明の組成物は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワまたは皮膚弾力改善用組成物であってもよい。
【0028】
本明細書において「美白効果」とは、肌のトーンを明るくするだけでなく、紫外線、ホルモンまたは遺伝に起因したシミ、そばかす、過色素沈着症を緩和または改善することをいう。
【0029】
本明細書において「光彩効果」とは、皮膚の保湿により皮膚が水分を含有してしっとりとし、美白効果により透明な肌のトーンを維持する状態をいう。
【0030】
本発明の組成物は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚の美白用組成物であってもよい。
【0031】
本発明において「保湿」とは、乾燥した大気と刺激により乾燥し、ざらざらで、角質が浮いた皮膚に水分を供給し、水分の蒸発を遮断して皮膚の柔軟性を維持し、均一な角質の脱落を誘導して滑らかな表面を維持させることである。
【0032】
前記保湿は、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、皮膚乾燥症、湿疹及び色素性乾皮症からなる群から選ばれる1つ以上に対するものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0033】
したがって、本発明の組成物は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚の保湿用組成物であってもよい。
【0034】
本発明において「抗酸化効果」とは、細胞内代謝または紫外線の影響による酸化的ストレスによって反応性の高いフリーラジカル(free radical)または活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)による細胞の酸化を抑制することをいい、フリーラジカルまたは活性酸素種を除去し、これによる細胞の損傷が減少することを含む。
【0035】
したがって、本発明の組成物は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚の抗酸化用組成物であってもよい。
【0036】
本発明において「抗炎症効果」とは、炎症を抑制することをいい、前記炎症はある刺激に対する生体組織の防御反応の一つで、組織変質、循環障害と滲出、組織増殖の3つを併発する複雑な病変をいう。より具体的に、炎症は先天性免疫の一部であり、他の動物と同様に、ヒトの先天性免疫は、病原体に特異的に存在する細胞表面のパターンを認識する。食細胞はそのような表面を持つ細胞を非自己として認識し、病原体を攻撃する。病原菌が身体の物理的障壁を破って入ってくると、炎症反応が起こる。炎症反応は、傷部位に侵入した微生物に対する敵対環境を作る非特異的な防御作用である。炎症反応において、傷ついたり、外部感染体が体内に入ってきたとき、初期段階の免疫反応を担当している白血球が集まってサイトカインを発現する。したがって、細胞内のサイトカインの発現量が炎症反応活性化の指標となる。炎症に関連した皮膚疾患の例としては、アトピー性皮膚炎、乾癬、放射線、化学物質、やけどなどによって引き起こされる紅斑性疾患、酸やけど、水疱性皮膚病、苔蘚状の種類の疾患、アレルギーによるかゆみ、脂漏性湿疹、バラニキビ、尋常性天疱瘡、多形滲出性紅斑、結節性紅斑、亀頭炎、陰門炎、円形脱毛症などの炎症性毛髪損失、皮膚T-細胞リンパ腫などがあるが、これに制限されるものではない。
【0037】
したがって、本発明の組成物は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む含炎症用組成物であってもよい。
【0038】
本発明において、プロポリスの獲得方法は特に限定されず、自然物から抽出及び/又は精製、当業界に公知の方法で化学的に合成するか、または市販の物質を使用してもよい。
【0039】
一実施例によれば、本発明のプロポリスは、「蜂膠」または「原塊」として知られた物質に由来したものであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0040】
本発明による化粧料組成物、薬学的組成物、外用剤組成物、医薬部外品組成物または食品組成物において、前記発酵プロポリス抽出物の含量は、化粧料組成物、薬学的組成物、外用剤組成物、医薬部外品組成物または食品組成物の全重量に対して0.01~15重量%であってもよく、好ましくは、0.1~10重量%であってもよい。
【0041】
本発明の用語の「抽出物」は、プロポリスの抽出処理により得られる抽出液、前記抽出液の希釈液や濃縮液、前記抽出液を乾燥して得られる乾燥物、前記抽出液の粗精製物や精製物、またはこれらの混合物など、抽出液のそのもの及び抽出液を用いて形成可能なすべての剤形の抽出物を含む。
【0042】
一方、本発明は、アルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物を製造する方法は、プロポリス原塊を低温抽出してプロポリス抽出物を製造する第1の段階、
【0043】
第1の段階で抽出されたプロポリス抽出物を超音波抽出する第2の段階、
【0044】
第2の段階で得られた抽出物を発酵菌株で発酵させる第3の段階、及び
【0045】
第3の段階で発酵された抽出物に1,3-ブチレングリコ-ル(1,3-butylene glycol)溶媒を抽出する第4の段階を含むアルテピリンC(Artepillin C)の含量が増加した発酵プロポリス抽出物の製造方法を提供する。
【0046】
前記低温抽出温度は5~40℃、または5~25℃の範囲であってもよく、好ましくは、10~20℃の範囲であってもよく、抽出時間は200~400時間、または230~370時間であってもよく、好ましくは、250~350時間であってもよい。
【0047】
また、前記低温抽出は、炭素数1~5のアルコ-ル溶媒抽出するものであってもよく、例えば、エタノ-ル、プロピルアルコ-ル、ブチルアルコ-ルなどであってもよく、好ましくは、エタノ-ルであってもよい。
【0048】
もし、前記低温抽出時に使用される溶媒が炭素数1~5のアルコ-ル溶媒でない場合、本発明の発酵プロポリス抽出物内の有効成分が有効量として抽出されなくてもよい。
【0049】
前記超音波抽出時の波長は10KHz~40KHzであってもよく、温度は10℃~40℃であってもよく、処理時間は30分~2時間行われてもよい。
【0050】
もし、前記超音波抽出時の波長、温度及び処理時間条件を満たさない場合、本発明の発酵プロポリス抽出物内の有効成分は、有効量で抽出されなくてもよい。
【0051】
本発明において、プロポリス抽出物は、超音波抽出後に発酵菌株を通じて発酵されてもよい。前記発酵菌株はその種類が制限されるものではないが、ラクトバチルスアシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルスカゼイ(Lactobacilluscasei)、ラクトバチルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルスラムノサス(Lactobacillusrhamnosus)、ラクトバチルスプランタルム(Lactobacillusplantarum)、ラクトバチルスルテリ-(Lactobacillusreuteri)、ラクトバチルスコンヒュ-サス(Lactobacillusconfusus)、ラクトバチルスファ-メンタム(Lactobacillusfermentum)、ラクトバチルスブレビス(Lactobacillusbrevis)、及びテルムスサ-モフィルス(Thermus thermophillus)からなる群から選ばれる1種以上であってもよく、発酵時間は、24~120時間(1日~5日)であってもよく、好ましくは、48~96時間(2日~4日)であってもよい。
【0052】
前記発酵後に得られた抽出物の総重量に基づいて20~40重量%または23~37重量%の1,3-ブチレングリコ-ル(1,3-butylene glycol)を添加して抽出してもよく、好ましくは、25~35重量%の1,3-ブチレングリコ-ル(1,3-butylene glycol)を添加して抽出し、最終的にアルテピリンCの含量が増加した発酵プロポリス抽出物が得られる。
【0053】
もし、前記1,3-ブチレングリコ-ルが前記重量%を満たさないか、または1,3-ブチレングリコ-ルでない他の溶媒が使用される場合、抽出物の溶解度安定性が低下して析出される可能性があり、防腐力が低下して微生物が増殖することがある。
【0054】
一実施例において、前記製造方法で得られた発酵プロポリス抽出物は、従来公知のプロポリス抽出物に比べて約5.8倍程度のアルテピリンCの含量が増加することを確認した。
【0055】
したがって、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含むアルテピリンCの含量が増加した組成物を提供する。
【0056】
一方、本発明による組成物は、溶液、外用軟膏、クリ-ム、フォ-ム、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、乳液、メイクアップベ-ス、エッセンス、石鹸、洗浄剤、入浴剤、サンスクリ-ンクリ-ム、サンオイル、懸濁液、乳濁液、ペ-スト、ゲル、ロ-ション、パウダ-、石鹸、界面活性剤-含有クレンジング、オイル、粉末ファンデ-ション、乳濁液ファンデ-ション、ワックスファンデ-ション、パッチ及びスプレ-からなる群から選ばれる剤形として製造してもよく、好ましくは、化粧水、エッセンス、ロ-ション、クリ-ム、パック、ジェル、パウダ-、ファンデ-ションまたは洗浄剤であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0057】
本発明による化粧料組成物は、一般皮膚化粧料に配合される化粧学的に許容可能な担体を1種以上さらに含んでもよく、通常の成分として、例えば、油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコ-ル、増粘剤、キレ-ト剤、色素、防腐剤、香料などを適宜配合してもよいが、これに制限されるものではない。
【0058】
本発明の剤形がパウダ-やスプレ-の場合には、担体成分として、ラクト-ス、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケ-ト、ポリアミドパウダ-またはこれらの混合物が使用されてもよく、特にスプレ-の場合には、さらにクロロフルオロヒドロカ-ボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエ-テルなどの推進剤を含んでもよい。
【0059】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として溶媒、溶解化剤、または乳濁化剤が使用され、例えば、水、エタノ-ル、イソプロパノ-ル、エチルカ-ボネ-ト、エチルアセテ-ト、ベンジルベンゾエイト、プロピレングリコ-ル、1,3-ブチルグリコ-ルオイルがあり、特に、綿実オイル、ピ-ナッツオイル、トウモロコシ配種オイル、オリ-ブオイル、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロ-ル脂肪族エステル、ポリエチレングリコ-ルまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0060】
本発明の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として水、エタノ-ルまたはプロピレングリコ-ルなどの液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコ-ル、ポリオキシエチレンソルビト-ルエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微結晶性セルロ-ス、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガまたはトラカントなどが使用されてもよい。
【0061】
本発明の剤形が石鹸の場合には、担体成分として脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸ヘミエステル塩、脂肪酸タンパク質ヒドロリゼ-ト、イセチオネ-ト、ラノリン誘導体、脂肪族アルコ-ル、植物油、グリセロ-ル、糖などが使用されてもよい。
【0062】
本発明は、さらに発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物を対象体の皮膚に塗布する段階を含む、皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または炎症の予防、改善または治療方法を提供する。
【0063】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における皮膚のシワまたは皮膚の弾力を改善する段階を含む皮膚のシワまたは皮膚の弾力改善方法を提供する。
【0064】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における皮膚の美白を改善する段階を含む皮膚の美白方法を提供する。
【0065】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚の酸化を抑制または減少させる段階を含む皮膚の抗酸化方法を提供する。
【0066】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚における炎症の発生を抑制または減少させる段階を含む、皮膚の炎症の予防、改善または治療方法を提供する。
【0067】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を含む組成物を対象体または対象体の皮膚に投与または塗布する段階及び前記対象体または対象体の皮膚に保湿を提供する段階を含む皮膚の保湿方法を提供する。
【0068】
前記対象体は、ヒト、家畜、ラットなどを含む哺乳動物を制限なく含む。
【0069】
本発明の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症用薬学的組成物を提供する。
【0070】
本発明において、「薬学的組成物」という用語は、「医薬外品」または「医薬品」の意味を含む概念として使用されてもよい。
【0071】
本発明の組成物は、経口または非経口の様々な剤形であってもよいが、好ましくは、非経口製剤であってもよい。製剤化する場合は、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、これらの固形製剤は、1つ以上の化合物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロ-ス(sucrose)またはラクト-ス(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製される。また、単純な賦形剤の他にステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては懸濁剤、内容液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコ-ル(propylene glycol)、ポリエチレングリコ-ル、オリ-ブオイルなどの植物油、エチルオレ-トなどの注射可能なエステルなどが使用されてもよい。
【0072】
本発明の他の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワまたは皮膚の弾力改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症用外用剤組成物を提供しうる。
【0073】
前記発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物を皮膚外用剤の剤形として使用する場合、さらに脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁液剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型または非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレ-ト化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、エッセンシャルオイル(essential oil)、染料、顔料、親水性または親油性活性剤、脂質小胞または皮膚外用剤組成物に通常使用される任意の他の成分などの皮膚科学の分野で通常使用される補助剤を含有してもよい。また、前記成分は、皮膚科学の分野で一般的に使用される量で導入されてもよい。
【0074】
前記化1の化合物が外用剤組成物として提供される場合、軟膏、パッチ、ゲル、クリ-ムまたは噴霧剤の剤形を有してもよいが、これに制限されるものではない。
【0075】
本発明の外用剤組成物は、特に好ましくは、非経口用製剤として使用されてもよく、例えば、外用剤組成物はワセリン、ステアリルアルコ-ルなどの薬学的に許容される適切な基剤、ポリソルベ-ト、ソルビタンセスキオレ-トなどの薬学的に許容される適切な界面活性剤、グリセリンなどの薬剤学的に許容される適切な保湿剤、薬学的に許容される適切な溶媒、及び着香剤、着色剤、安定化剤、粘性化剤などを均質に混合する通常の皮膚外用剤組成物の製造方法により製造されてもよい。
【0076】
本発明のさらに他の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症用医薬部外品組成物を提供しうる。
【0077】
前記発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物が医薬部外品組成物として提供される場合、前記医薬部外品組成物は、ヒドロキシシンナム酸、イソアミルアセテ-ト及びベタインからなる群から選ばれる1つ以上の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むことに加えて、必要に応じて薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含んでもよい。前記薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤は、本発明の効果を損なわない限り制限されず、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含んでもよい。
【0078】
本発明の前記医薬部外品組成物は、消毒清浄剤、シャワ-フォ-ム、軟膏液、ウェットティッシュ、コ-ティング剤などが挙げられ、好ましくは、外用軟膏、ロ-ションなどの半固形製剤として製造されてもよいが、これに制限されるものではない。前記医薬外品の製剤化方法、用量、利用方法、構成成分などは、技術分野で公知の通常の技術から適宜選ばれてもよい。
【0079】
本発明のさらに他の一態様において、本発明は、発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症用食品組成物を提供しうる。
【0080】
前記発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物が食品組成物として提供される場合、前記組成物は、有効成分の他に食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含んでもよい。
【0081】
前記食品補助添加剤は、食品に保存的に添加できる構成要素を意味し、各剤形の健康機能食品を製造するために添加されるものとして当業者が適宜選択して使用してもよい。食品補助添加剤の例としては、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコ-ル、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などが含まれるが、その種類がこれに制限されるものではない。
【0082】
また、前記食品組成物には健康機能食品が含まれてもよい。本発明において健康機能食品とは、食品に物理的、生化学的、生物工学的手法などを用いて当該食品の機能を特定の目的に作用、発現するように付加価値を付与した食品群や食品組成が有する生体防御リズム調節、疾病防止と回復などに関する体調節機能を生体に対して十分に発現するように設計して加工した食品を意味する。一般食品に比べて積極的な健康維持や増進効果を有し、健康補助食品(health supplement food)は、健康補助目的の食品を意味する。場合によっては、機能性食品、健康食品、健康補助食品の用語は、混用される。
【0083】
具体的に、前記健康機能食品は、本発明の組成物を飲料、茶類、香辛料、ガム、菓子類などの食品素材に添加するか、またはカプセル化、粉末化、懸濁液などとして製造した食品で、これを摂取する場合、健康上特定の効果をもたらすことを意味するが、一般薬品とは異なり、食品を原料として薬品の長期服用時に発生することがある副作用がないという長所がある。
【0084】
前記食品には食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含んでもよく、健康機能食品の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含んでもよい。
【0085】
前記組成物は、食品組成物に通常使用されて匂い、味、視覚などを向上させることができる追加成分を含んでもよい。例えば、ビタミンA、C、D、E、B1、B2、B6、B12、ナイアシン(niacin)、ビオチン(biotin)、ポレ-ト(folate)、パントテン酸(panthotenic acid)などを含んでもよい。また、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、クリウム(Cr)などのミネラルを含んでもよい。また、リジン、トリプトファン、システイン、バリンなどのアミノ酸を含んでもよい。本発明の健康機能食品の形態には制限がなく、通常の意味の食品をすべて含んでもよく、機能性食品など当業界に知られた用語と混用可能である。
【0086】
また、本発明の健康機能食品は、当業者の選択に応じて食品に含まれてもよい適切なその他の補助成分と公知の添加剤を混合して製造してもよい。添加できる食品の例としては、肉類、ソ-セ-ジ、パン、チョコレ-ト、キャンディ-類、スナック類、菓子類、ピザ、ラ-メン、その他の麺類、ガム類、アイスクリ-ム類を含む酪農製品、各種ス-プ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコ-ル飲料及びビタミン複合剤などがあり、本発明による抽出物を主成分として製造した汁、お茶、ゼリ-及びジュ-スなどに添加して製造してもよい。また、動物の飼料として用いられる食品も含む。
【0087】
本発明の組成物は、当業界に公知の皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症成分をさらに含んでもよい。追加成分は、全組成物重量に対して0.0001重量%~10重量%で含まれてもよく、前記含量の範囲は、皮膚安全性、剤形化時の容易性などの要件に応じて調節されてもよい。
【0088】
本発明による化粧料組成物に含まれる前記で言及された各成分は、好ましくは、各国の政府によって規定された≪化粧品の使用・許可≫に関する規定に明示された最大使用量を超えない範囲内で本発明の化粧料組成物に含まれてもよい。
【0089】
本発明において「有効量」とは、皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症効果を十分に示すことができる抽出物の量を意味する。
【0090】
以上、本明細書に記載された数値は、特に明示されていない限り、均等範囲まで含むものと解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0091】
本発明による発酵プロポリス抽出物を有効成分として含む組成物は、皮膚のシワまたは皮膚の弾力の改善、皮膚の美白、皮膚の保湿、皮膚の抗酸化または抗炎症の用途のために多様に使用されてもよく、前記組成物は本発明による製造方法によりCの含量が増加し、より優れた効果を示し、抗老化、アンチエイジング効果を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1】
図1は、本発明の製造方法により発酵する前のプロポリス抽出物が細胞活性において効果がないことを示す。
【
図2】
図2は、本発明の製造方法により発酵された後、プロポリス抽出物が細胞活性が陰性対照群に対して増加したことを示す。
【
図3】
図3は、本発明の発酵プロポリス抽出物の抗酸化効果を示す。本発明の発酵プロポリス抽出物が2.91±0.12%濃度(IC
50)で50%のラジカルを消去することが分かる。
【
図4】
図4は、本発明の発酵プロポリス抽出物のシワ改善効果として目元のシワ改善効果を示す。
【
図5】
図5は、本発明の発酵プロポリス抽出物のシワ改善効果として目の下のシワ改善効果を示す。
【
図6】
図6は、本発明の発酵プロポリス抽出物のシワ改善効果としてほうれい線の改善効果を示す。
【
図7】
図7は、本発明の発酵プロポリス抽出物のシワ改善効果として首のシワ改善効果を示す。
【
図8】
図8は、本発明の発酵プロポリス抽出物の蝶ゾ-ン部位のリフティング(左側頬)改善効果を示す。
【
図9】
図9は、本発明の発酵プロポリス抽出物の蝶ゾ-ン部位のリフティング(右側頬)改善効果を示す。
【
図10】
図10は、本発明の発酵プロポリス抽出物の口元のリフティング改善効果を示す。
【
図11】
図11は、本発明の発酵プロポリス抽出物の目元のリフティング改善効果を示す。
【
図12】
図12は、本発明の発酵プロポリス抽出物のほうれい線部位のリフティング改善効果を示す。
【
図13】
図13は、本発明の発酵プロポリス抽出物の二重顎部位のリフティング改善効果を示す。
【
図14】
図14は、本発明の発酵プロポリス抽出物の顎のリフティング改善効果を示す。
【
図15】
図15は、本発明の発酵プロポリス抽出物の皮膚緻密改善効果を示す。
【
図16】
図16は、本発明の発酵プロポリス抽出物の皮膚の弾力改善効果を示す。
【
図17】
図17は、本発明の発酵プロポリス抽出物のシミ面積改善効果を示す。
【
図18】
図18は、本発明の発酵プロポリス抽出物の皮膚光彩改善効果を示す。
【
図19】
図19は、本発明の発酵プロポリス抽出物の皮膚の保湿改善効果を示す。
【
図20】
図20は、本発明の発酵プロポリス抽出物の皮膚の深い保湿改善効果を示す。
【
図21】
図21は、本発明の発酵プロポリス抽出物の蝶ゾ-ン部位、口元、目元のリフティング角度分析の例示を示す。
【
図22】
図22は、本発明の発酵プロポリス抽出物の顎リフティング角度分析の例示を示す。
【
図23】
図23は、本発明の発酵プロポリス抽出物が従来の一般的なプロポリス抽出物より高い抗酸化効果があることを示し、本発明の発酵プロポリス抽出物が高温でも抗酸化活性がよく維持されることを示す。
【発明を行うための最良の形態】
【0093】
以下、本発明を下記実施例により詳細に説明する。ただし、下記実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
【0094】
製造例 1:発酵グリ-ンプロポリス抽出物の製造
下記製造例では、プロポリスの一つであるグリ-ンプロポリスを用いて抽出物を製造し、その製造例は、下記の通りである。
【0095】
1.1次抽出:グリ-ンプロポリス原塊(Green propolis wax)をエタノ-ルを溶媒として10℃で300時間低温抽出(Cold Extraction)を行う。
【0096】
2.2次抽出:1次抽出で得られた抽出物を常温で20KHz超音波を処理し、再び1時間超音波抽出(Ultrasonic Extraction)を行う。
【0097】
3.2次で得られた結果物をろ過(Filtration)、濃縮(Evaporation)、殺菌(Autoclave)を行う。
【0098】
4.こうして得られたグリ-ンプロポリス抽出物に乳酸菌(Lactobacillus acidophilus)を培養液状態で接種し、72時間発酵(培養)させる。
【0099】
5.滅菌、ろ過後、1,3-ブチレングリコ-ル(1,3-Butylene glycol)を30%になるように添加した後、もう一度ろ過して発酵グリ-ンプロポリス抽出物を完成する。
【0100】
比較例1:グリ-ンプロポリス抽出物の製造
1.グリ-ンプロポリスの原塊1,3-ブチレングリコ-ル:蒸留水を50:50の割合で混合した溶液を溶媒として60度で湯煎し、1時間撹拌して熱抽出する。
【0101】
2.得られた結果物を1次ろ過(Filtration)した後、3日間放冷する。
【0102】
3.3日後に2次ろ過(Filtration)する。
【0103】
4.防腐目的で1,2-Haxandiolを2%重量比になるように添加し、もう一度ろ過(Filtration)してグリ-ンプロポリス抽出物を完成する。
【0104】
製造例2:発酵グリ-ンプロポリス抽出物を含む組成物の製造
前記製造過程を通じて製造された発酵グリ-ンプロポリス抽出物を含む組成物の製造は、下記実施例(表1)及び比較例(表2)で示した。
【0105】
【0106】
【0107】
実験例1:アルテピリンC含量分析の比較
液体クロマトグラフィ-(LIQUID CHROMATOGRAPHY)を用いてグリ-ンプロポリスの指標成分であるArtepillin C(強力な抗酸化効能成分)の含量を分析した。
【0108】
【0109】
-製造例1:本発明の製造方法により製造された発酵グリ-ンプロポリス抽出物
-比較例1:一般的なグリ-ンプロポリス抽出物
【0110】
アルテピリンCの含量を分析した結果、本発明の製造方法により製造された発酵グリ-ンプロポリス抽出物から約5.8倍程度のアルテピリンCが検出された。
【0111】
実験例2:グリ-ンプロポリス抽出物の発酵前後の細胞活性比較(in vitro)
ヒト線維芽細胞培養液(Human fibroblast culture)において前記試料の細胞活性効果を評価した。
【0112】
試料を希釈して濃度別に48時間処理した後、CCK-8kitを使用して細胞活性を確認した。
【0113】
試料の細胞活性は、陰性対照群(serum 0%含有DMEM)に対して増加比率を計算した。
【0114】
その結果、発酵前のグリ-ンプロポリス抽出物(比較例1)は細胞活性効能がなく、培地の全組成物に対して発酵後のグリ-ンプロポリス抽出物0.01重量%を処理したとき、陰性対照群に対して細胞活性が14%増加した(
図1及び
図2)。
【0115】
実験例3:発酵グリ-ンプロポリス抽出物の抗酸化効果(in vitro)
前記製造例1で製造された発酵グリ-ンプロポリス抽出物の抗酸化効果を確認するため、DPPH(2,2-Diphenyl 1-picrylhydrazyl radical)に存在するラジカルが消去されるとき、DPPHが紫色から黄色に変化することを用いたラジカル消去能テスト(DPPH試験)を通じて抗酸化効果を評価した。
【0116】
DPPHは、シグマ社(Sigma co.,Ltd,アメリカ)から購入して使用した。
【0117】
まず、製造例1の発酵グリ-ンプロポリス抽出物をDMSOに溶かした後、ラジカル消去能テストを行い、0.15mm DPPH溶液と前記発酵グリ-ンプロポリス抽出物を同量(100μl)ずつ混合して常温で30分反応させた後、DPPHの色変化を540nmで吸光度(A540)を測定した。測定されたA540値を介してIC50値を求めてラジカル消去能を比較評価した。
【0118】
IC50は、ラジカルを50%消去するために必要な発酵グリ-ンプロポリス抽出物またはビタミンCの濃度を意味する。
【0119】
評価結果、
図3のように代表的な強力な抗酸化物質であるビタミンC(アスクロビン酸)に比べてその活性は低いが、抗酸化効果を示すことが分かった。
【0120】
実験例4:発酵グリ-ンプロポリス抽出物のシワ改善効果
前記実施例3のように発酵グリ-ンプロポリスを9重量%含有するアンプル剤形の化粧品を用いて、計23人の被験者を対象に計4週間の製品の目元のシワ、目の下のシワ、ほうれい線及び首のシワの改善効能試験を行った。
【0121】
-試験製品の使用
試験順序は、使用前、使用後1週間、使用後2週間及び4週間後に分けて測定したが、使用前の最初のテストは、訪問日12時間前から基礎製品の使用を禁止した。また、人体適用試験期間中に試験製品以外に試験結果に影響を及ぼしうる活性成分が入った化粧品の例:美白、シワ改善などの機能性化粧品の使用を一切禁じた。4週間の朝夕1日2回の使用を基準とした。
【0122】
-目元/目の下/ほうれい線/首のシワの測定及び分析方法
目元/目の下/ほうれい線/首のシワの測定は、3D皮膚撮影装置であるAntera3D CS(Miravex Ltd., Ireland)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の左側の目元、左側の目の下、左側のほうれい線、中央の首部位を撮影した。保存したイメ-ジをWrinkles Medium modeに変換し、目元のシワの分析は、直径10.7mmの円(Cricle)、目の下のシワ/ほうれい線の分析は、線(Line)、首のシワの分析は、直径24.0mmの円(Cricle)を用いて該当部位を含む分析範囲を指定した。目元のシワ/首のシワは、範囲内のシワの平均粗さ(Ra)を表すIndentation index値を分析し、単位はA.U.であり、目の下のシワ/ほうれい線は、範囲内のシワの平均深さを表すDepth値を分析し、単位はmmである。各Indentation index(A.U.)、Depth(mm)値が減少するほど、目元/目の下/ほうれい線/首のシワの改善に効果があることを意味する。
【0123】
-試験結果
図4~7に示すように、試験部位のシワ改善率は、使用1週間後の目元のシワ:4.504%、目の下のシワ7.627%、ほうれい線9.821%及び首のシワ4.943%の改善、使用2週間後の目元のシワ:8.831%、目の下のシワ:11.017%、ほうれい線:13.393%及び8.062%の改善、使用4週間後の目元のシワ:11.413%、目の下のシワ:18.644%、ほうれい線:19.643%、首のシワ:9.920%改善されることを確認した。
【0124】
結論として、使用1週目から統計的に有意なレベルのシワ改善効果を示した。
【0125】
実験例5:発酵グリ-ンプロポリス抽出物のリフティング改善効果
化粧品素材としての有効性評価のため、前記実施例3のように発酵グリ-ンプロポリスを9重量%含有するアンプル剤形の化粧品を用いて、計23人の被験者を対象に計4週間、製品の蝶ゾ-ン部位、口元、目元、顎、ほうれい線部位、二重顎のリフティング効能試験を行った。
【0126】
-試験製品の使用
試験順序は、使用前、使用後1週間、使用後2週間及び4週間後に分けて測定したが、使用前の最初のテストは、訪問日12時間前から基礎製品の使用を禁止した。また、人体適用試験期間中に試験製品以外に試験結果に影響を及ぼしうる活性成分が入った化粧品の例:美白、シワ改善などの機能性化粧品の使用を一切禁じた。4週間の朝夕1日2回の使用を基準とした。
【0127】
-蝶ゾ-ン部位、口元、目元、顎のリフティングの測定及び分析方法
蝶ゾ-ン部位、口元、目元、顎リフティングの測定は、皮膚の様子を等高線で表す機器であるF-ray(BEYOUNG Co.,Ltd,Korea)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の顔を撮影し、試験部位の付近に形成された曲線を基準に測定した。蝶ゾ-ン部位のリフティングは、30°側面で撮影したイメ-ジにおいて両頬部位をImage-pro(登録商標)plus(Media Cybernetics、USA)で分析した。頬骨の近くに形成された円の真ん中から下方向に直線を引き、下の等高線と出会う始点から等高線写真に描かれた横縞状に沿って右方向に3マス移動したところで、始まる円と反対色の模様と接する内側の境界点で直線を描いた後、2つの直線間の角度(°)を測って評価し、2つの直線間の角度(°)が減少するほど、蝶ゾ-ン部位のリフティング改善に効果があることを意味する。
【0128】
顎リフティングは、45°の側面で撮影したイメ-ジにおいてImage-pro(登録商標)plus(Media Cybernetics、USA)で分析し、口元から顎まで直線を引いて、目元から顎まで直線を引いて2点を連結させた後、顎部位の角度を測って評価し、角度が減少するほど、垂れ下がった顎のリフティング改善に効果があることを意味する。
【0129】
-ほうれい線部位のリフティングの測定及び分析方法
ほうれい線部位のリフティングの測定は、3D皮膚撮影装置であるAntera 3D CS(Miravex Ltd.,Ireland)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の左側のほうれい線部位を撮影した。保存したイメ-ジをDepressions-Medium modeに変換して線(Lin)を用いて該当部位を含む分析範囲を指定し、範囲内で凹んだ体積mm3値を分析した。凹んだ体積(mm3)値が減少するほど、ほうれい線部位のリフティングの改善に効果があることを意味する。
【0130】
-二重顎部位のリフティングの測定及び分析方法
二重顎部位のリフティングの測定は、3Dイメ-ジで皮膚の体積を測定できるVectra XT(Canfield Imaging Systems,USA)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の二重顎部位を撮影したイメ-ジを分析して評価し、保存したイメ-ジの二重顎部位の体積(mL)値を分析した。体積(mL)値が減少するほど、二重顎部位のリフティングの改善に効果があることを意味する。
【0131】
-試験結果
図8~14に示すように、試験部位のリフティング改善率は、使用1週間後の蝶ゾ-ン(左):1.770%、蝶ゾ-ン(右):1.560%、口元:0.789%、目元:0.928%、ほうれい線:14.105%、二重顎:6.217%、顎:0.634%改善、使用2週間後の蝶ゾ-ン(左):3.619%、蝶ゾ-ン(右):3.135%、口元:1.664%、目元:1.722%、ほうれい線:19.995%、二重顎:9.625%、顎:1.421%改善、使用4週間後の蝶ゾ-ン(左):5.845%、蝶ゾ-ン(右):5.477%、口元:2.679%、目元:2.605%、ほうれい線:31.986%、二重顎:14.877%、顎:2.243%改善されることを確認した。
【0132】
結論として、使用1週目から統計的に有意なレベルのリフティング改善効果を示した。
【0133】
実験例6:発酵グリ-ンプロポリス抽出物の弾力改善効果
化粧品素材としての有効性を評価するため、前記実施例3のように発酵グリ-ンプロポリスを9重量%含有するアンプル剤形の化粧品を用いて、計23人の被験者を対象に計4週間の製品の皮膚緻密度、弾力改善効能試験を行った。
【0134】
-試験製品の使用
試験順序は、使用前、使用後1週間、使用後2週間及び4週間後に分けて測定したが、使用前の最初のテストは、訪問日12時間前から基礎製品の使用を禁止した。また、人体適用試験期間中において試験製品以外に試験結果に影響を及ぼしうる活性成分が入った化粧品の例:美白、シワ改善などの機能性化粧品の使用を一切禁じた。4週間の朝夕1日2回の使用を基準とした。
【0135】
-皮膚緻密度の測定及び分析方法
皮膚緻密度の測定は、Skin Scanner DUB-USB(TPM taberna pro-medicum,Germany)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の左側の目元部位を測定した画像を通じて皮膚緻密度を分析した。皮膚緻密度の測定パラメ-タはDensityであり、単位は%である。測定値が増加するほど、皮膚緻密性の改善に効果があることを意味する。
【0136】
-皮膚の弾力の測定及び分析方法
皮膚の弾力の測定は、Cutometer MPA580(Courage+Khazaka electronic GmbH,Germany)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の右側の頬部位を測定した。皮膚の弾力度(elasticity)を測定し、皮膚に垂直に密着させたprobeの内部に一定の陰圧を加えて皮膚を引っ張る程度と復元される程度を測定した。3回行ってその平均値を皮膚の弾力性評価試料として使用し、分析パラメ-タであるR2(皮膚の再変形力)値は、総体的な弾性で1に近い値であるほど、皮膚がより弾力的であることを意味する。
【0137】
-試験結果
図15~16に示すように、試験部位の皮膚の弾力改善率は、使用1週間後の皮膚緻密:1.443%、弾力:3.434%改善、使用2週間後の皮膚緻密度:9.869%、弾力:7.475%改善、使用4週間後の皮膚の緻密度:16.139%、弾力:10.505%改善されることを確認した。
【0138】
結論として、使用2週目から統計的に有意なレベルの弾力改善効果を示した。
【0139】
実験例7:発酵グリ-ンプロポリス抽出物のシミ改善及び皮膚の光彩改善効果
化粧品素材としての有効性を評価するため、前記実施例3のように発酵グリ-ンプロポリスを9重量%含有するアンプル剤形の化粧品を用いて、計23人の被験者を対象に計4週間製品のシミ改善効能試験を行い、1回使用で皮膚光彩効能試験を行った。
【0140】
-試験製品の使用
シミ改善試験の手順は、使用前、使用後1週間、使用後2週間及び4週間後に分けて測定したが、使用前の最初のテストは、訪問日12時間前から基礎製品の使用を禁止した。また、人体適用試験期間中において試験製品以外に試験結果に影響を及ぼしうる活性成分が入った化粧品の例:美白、シワ改善などの機能性化粧品の使用を一切禁じた。4週間の朝夕1日2回の使用を基準とした。光彩評価の場合、1回使用後の皮膚光彩を測定した。
【0141】
-皮膚シミ面積の測定/皮膚光彩の測定及び分析方法
シミ面積の測定は、3D皮膚撮影装置であるAntera 3D CS(Miravex Ltd.,Ireland)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の左側の頬部位の同一の皮膚シミ部位を撮影した。イメ-ジをMelanin modeに変換して分析範囲(d=44.8mm)を指定し、範囲内のシミ面積(mm2)を分析した。値が減るほど、シミ面積の改善に効果があることを意味する。
【0142】
皮膚光彩の測定は、VISIA-CR(Canfield Imaging Systems,USA)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の顔を撮影した。パラレルモ-ド(Parallel mode)イメ-ジを介してImage-pro(登録商標)plus(Media Cybernetics,USA)で分析し、頬部位に特定の領域を指定した後、明度(Intensity)値を分析した。明度(Intensity)値が増加するほど、皮膚光彩の改善に効果があることを意味する。
【0143】
-試験結果
図17~18に示すように、試験部位のシミ面積改善率は、使用1週間後に16.179%改善、使用2週間後に21.14%改善、使用4週間後に26.302%改善されることを確認し、皮膚光彩の場合、1回の使用後、光彩が2.909%改善されることを確認した。
【0144】
結論として、使用1週目から統計的に有意なレベルのシミ改善効果を示し、使用直後に皮膚光彩改善効果を示した。
【0145】
実験例8:発酵グリ-ンプロポリス抽出物の保湿改善効果
化粧品素材としての有効性を評価するため、前記実施例3のように発酵グリ-ンプロポリスを9重量%含有するアンプル剤形の化粧品を用いて、計23人の被験者を対象に計4週間製品の皮膚の保湿効能試験を行った。
【0146】
-試験製品の使用
試験順序は使用前、使用後1週間、使用後2週間及び4週間後に分けて測定したが、使用前の最初のテストは訪問日12時間前から基礎製品の使用を禁止した。また、人体適用試験期間中において試験製品以外に試験結果に影響を及ぼしうる活性成分が入った化粧品の例:美白、シワの改善などの機能性化粧品の使用を一切禁じた。4週間の朝夕1日2回の使用を基準とした。
【0147】
-皮膚の保湿の測定及び分析方法
皮膚の保湿の測定は、Corneometer CM825(Courage Khazaka eletronic GmbH,Germany)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の右側の頬部位を測定し、測定時にCorneometer probeを皮膚に接触させてSensorを通じて3回行って、その平均値を皮膚水分量評価資料として使用した。Corneometerは、皮膚を基本的に不導体とみなして水分が多く含有されるほど、電気がよく通じる性質を応用した装備で、プロ-ブが接触するところの静電容量(capacitance)を測定する。したがって、水分含量と静電容量は互いに比例し、測定値が高いほど、水分含量が高いと言える。単位は、単位定数であるarbitrary unit(A.U.)である。
【0148】
-深い保湿の測定及び分析方法
深い保湿の測定は、MoistureMeter D(Delfin Technologies Ltd,Finland)のProbeのうちXS5(0.5mm)を用いて試験製品の使用前後に試験対象者の同一の右側の頬部位を測定した。評価値は、EM waveを用いて測定され、単位は、単位定数であるarbitrary unit(A.U.)であり、測定値が増加するほど、深い保湿改善に効果があることを意味する。
【0149】
-試験結果
図19~20に示すように、試験部位の皮膚の保湿改善率は、使用1週間後の保湿:6.245%、深い保湿:3.199%改善、使用2週間後の保湿:8.266%、深い保湿:4.116%改善、使用4週間後の保湿:12.993%、深い保湿:4.157%改善されることを確認した。
【0150】
結論として、使用1週目から統計的に有意なレベルの皮膚の保湿改善効果を示した。
【0151】
実験例9:発酵グリ-ンプロポリス抽出物の抗酸化増進効果
前記実験例3及び
図3の結果を通じて本発明の発酵グリ-ンプロポリス抽出物が抗酸化効果を示すことを確認した。一方、本発明の発酵グリ-ンプロポリス抽出物(実施例3)と従来の一般的なグリ-ンプロポリス抽出物(比較例2)の抗酸化活性効果を比較した。
【0152】
-材料
実験に使用したDPPHは、Sigma aldrichから購入して使用した。
【0153】
-試料の処理方法
グリ-ンプロポリスアンプル及び発酵グリ-ンプロポリスアンプルは、高温で0時間、100時間入れておいた後、各時間別に最終濃度が0.08、0.16、0.31、0.63、1.25、2.50、5.00%となるようにメタノ-ル(methanol)で希釈して使用した。
【0154】
-抗酸化活性(DPPHラジカル消去活性)の測定
各試料抽出物の抗酸化活性は、測定はBlois法によるDPPHフリ-ラジカル消去法により測定した(Blois,1958)。各試料をMeOHで希釈して様々な濃度で準備した後、マイクロチュ-ブに500μLずつ分注し、メタノ-ルに溶かした300uM DPPHを同量添加した後、37℃で30分間放置した。上澄み液を96well plateに200μLずつ分注し、ELISA Readerを用いて517nmで吸光度を測定した。陽性対照群としてL-アスコルビン酸(ascorbic acid,Asc.A)を0.0005%で調製して吸光度を測定し、試料と比較した。反応混合物の吸光度が低いほど、高いフリ-ラジカル消去活性を示す。DPPHフリ-ラジカル消去活性は、次式から算出し、電子供与能(EDA%)による還元力で抗酸化能を表示した。各試料別に3回繰り返し実験後の平均値を求めた。
【0155】
DPPHフリ-ラジカル消去活性(%)={(対照群吸光度-試料吸光度)/対照群吸光度}×100
【0156】
試料吸光度=試料を添加した反応液の吸光度
【0157】
対照群吸光度=試料の代わりにメタノ-ルを添加した反応液の吸光度
【0158】
-統計分析
資料は平均値±標準偏差で表示し、表示された実験結果は、3回以上の独立した実験結果であり、統計的な有意性は、Independent t-testでp<0.05有意水準で検証した。
【0159】
-結果
実験結果、発酵グリ-ンプロポリス抽出物を9%含むアンプルの抗酸化効果が一般的なグリ-ンプロポリス抽出物9%を含むアンプルの抗酸化効果よりはるかに優れており、高温に100時間放置時に抗酸化活性が減少する従来のアンプル、すなわち、グリ-ンプロポリス抽出物に比べて、発酵グリ-ンプロポリス9%適用アンプルのIC50値は、0時間で0.44%、100時間で0.43%であり、抗酸化活性が高温でも良好に維持されることを確認した。
【国際調査報告】