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特表2024-503250一体化された酸素送達を有するベンチレータシステムおよび関連付けられたデバイスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】一体化された酸素送達を有するベンチレータシステムおよび関連付けられたデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/10 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A61M16/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537551
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 US2021064722
(87)【国際公開番号】W WO2022140462
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/128,739
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513285561
【氏名又は名称】ベンテック ライフ システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シポローン, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン, アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ルーク コブラー
(72)【発明者】
【氏名】アハマド, サミール エス.
(72)【発明者】
【氏名】ホームズ, マイケル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】キープル, クリストファー ティー.
(57)【要約】
本技術は、ベンチレーション治療および酸素治療の両方を提供することができるベンチレータシステムに関する。本明細書中に記載のシステムは、患者回路に吸気ガスを提供することができるベンチレーションアセンブリと、酸素送達回路に酸素のパルスを提供することができる酸素アセンブリとを含み得る。いくつかの実施形態において、酸素送達回路は、患者回路とは異なる。例えば、患者回路は、ベンチレーションマスクに結合された波形導管を含むことができ、酸素送達回路は、鼻カニューレを含むことができる。ベンチレーションマスクは、患者が吸気ガスおよび酸素のパルスの両方を受け取ることができるように、鼻カニューレの上に位置付けられることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に治療を提供するためのベンチレータシステムであって、前記ベンチレータシステムは、
少なくとも部分的に吸気ガスから成る呼吸を提供するように構成されているベンチレーションアセンブリであって、前記ベンチレーションアセンブリは、前記吸気ガスを患者回路に提供するためのベンチレーションポートを含む、ベンチレーションアセンブリと、
酸素のパルスを提供するように構成されている酸素アセンブリであって、前記酸素アセンブリは、前記酸素のパルスを酸素送達回路に送達するための酸素ポートを含む、酸素アセンブリと、
前記呼吸および/または前記酸素のパルスの送達をトリガするための圧力レベルを測定するように構成されたセンサと
を備え、
前記システムは、(a)前記ベンチレーションアセンブリが吸気ガスを前記患者回路に提供するベンチレーションモードと、(b)前記酸素アセンブリが酸素のパルスを前記酸素送達回路に提供する酸素モードと、(c)前記ベンチレーションアセンブリが吸気ガスを前記患者回路に提供し、前記酸素アセンブリが酸素のパルスを前記酸素送達回路に提供する組み合わせモードとの間で遷移可能である、ベンチレータシステム。
【請求項2】
前記ベンチレーションモード、前記酸素モード、および/または前記組み合わせモードの間で前記システムを遷移させるように構成された制御モジュールをさらに備える、請求項1に記載のベンチレータシステム。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記ベンチレーションモード、前記酸素モード、および/または前記組み合わせモードの間で前記システムを自動的に遷移させるように構成されている、請求項2に記載のベンチレータシステム。
【請求項4】
前記制御モジュールは、ユーザ入力に応答して、前記ベンチレーションモード、前記酸素モード、および/または前記組み合わせモードの間で前記システムを遷移させるように構成されている、請求項2に記載のベンチレータシステム。
【請求項5】
前記患者回路は、前記酸素送達回路とは異なる、請求項1~4のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項6】
前記酸素送達回路は、カニューレである、請求項1~5のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項7】
前記ベンチレータシステムは、ハウジングをさらに備え、前記ベンチレーションアセンブリおよび前記酸素アセンブリは、前記ハウジング内に位置付けられる、請求項1~6のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項8】
前記ベンチレータシステムは、前記酸素出口ポート、前記酸素送達回路、および前記センサとインターフェースを取るように構成されたアダプタをさらに備え、前記アダプタは、(i)前記酸素のパルスおよび/または前記呼吸の前記送達をトリガするために、患者の初期吸気労作中に前記酸素送達回路内に誘発される負圧の少なくとも一部を前記センサに伝達することと、(ii)前記酸素のパルスを前記酸素出口ポートから前記酸素送達回路にルーティングすることとを行うようにさらに構成されている、請求項1~7のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項9】
前記アダプタは、(iii)前記センサにおける圧力が前記酸素のパルスの送達中に最大閾値を超えることを防止するようにさらに構成されている、請求項8に記載のベンチレータシステム。
【請求項10】
前記アダプタは、圧力伝達膜を含む、請求項8または請求項9に記載のベンチレータシステム。
【請求項11】
前記アダプタは、圧力解放弁を含む、請求項8~10のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項12】
前記ベンチレータシステムは、前記酸素送達回路をさらに備え、前記酸素送達回路は、
前記センサを収納しているセンサポートと前記患者との間に延在するように構成された第1のルーメンと、
前記酸素ポートと前記患者との間に延在するように構成された第2のルーメンと
を含み、
前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンは、流体的に隔離されている、請求項1~11のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項13】
患者に治療を提供するためのベンチレータシステムであって、
少なくとも部分的に吸気ガスから成る呼吸を提供するように構成されているベンチレーションアセンブリであって、前記ベンチレーションアセンブリは、前記吸気ガスを患者回路に送達するための吸気ガス出口ポートを含む、ベンチレーションアセンブリと、
酸素のパルスを提供するように構成されている酸素アセンブリであって、前記酸素アセンブリは、前記酸素のパルスを酸素送達回路に送達するための酸素出口ポートを含む、酸素アセンブリと、
圧力レベルを測定するように構成されたセンサであって、前記測定された圧力レベルは、前記呼吸および/または前記酸素のパルスの送達をトリガするために使用される、センサと、
前記酸素出口ポート、前記酸素送達回路、および前記センサとインターフェースを取るように構成されたアダプタであって、前記アダプタは、(i)前記酸素のパルスおよび/または前記呼吸の送達をトリガするために、患者の初期吸気労作中に前記酸素送達回路内に誘発される負圧の少なくとも一部を前記センサに伝達することと、(ii)前記酸素のパルスを前記酸素出口ポートから前記酸素送達回路にルーティングすることと、(iii)前記センサにおける圧力が前記酸素のパルスの送達中に最大閾値を超えることを防止することとを行うようにさらに構成されている、アダプタと
を備えるベンチレータシステム。
【請求項14】
前記アダプタは、前記酸素のパルスを前記センサから流体的に隔離するように構成された圧力伝達膜を含む、請求項13に記載のベンチレータシステム。
【請求項15】
前記アダプタは、前記圧力伝達膜に隣接して位置付けられたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記患者の初期吸気労作中に前記圧力伝達膜が反転することを防止するように構成されている、請求項14に記載のベンチレータシステム。
【請求項16】
前記ストッパは、前記圧力伝達膜と前記酸素出口ポートとの間に位置付けられている、請求項15に記載のベンチレータシステム。
【請求項17】
前記アダプタは、前記圧力伝達膜に隣接して位置付けられたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記酸素のパルスの送達中に前記圧力伝達膜が反転することを防止するように構成されている、請求項14に記載のベンチレータシステム。
【請求項18】
前記ストッパは、前記圧力伝達膜と前記センサとの間に位置付けられている、請求項17に記載のベンチレータシステム。
【請求項19】
前記圧力伝達膜は、ダイヤフラムおよび/または拡張可能部材を含む、請求項14~18のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項20】
前記最大閾値は、約5PSI~約10PSIである、請求項13~19のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項21】
前記最大閾値は、約5PSIである、請求項13~19のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項22】
前記患者回路は、前記酸素送達回路とは異なる、請求項13~21のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項23】
前記酸素送達回路は、カニューレである、請求項13~22のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項24】
前記ベンチレータシステムは、ハウジングをさらに備え、前記ベンチレーションアセンブリおよび前記酸素アセンブリは、前記ハウジング内に位置付けられる、請求項13~23のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項25】
前記ベンチレータシステムは、前記測定された圧力レベルを受信するように構成された制御モジュールをさらに備え、前記制御モジュールは、前記測定された圧力レベルが所定の閾値を超えたときに、前記呼吸および/または前記酸素のパルスの送達をトリガするようにさらに構成されている、請求項13~24のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項26】
前記システムは、前記患者回路を介した呼吸と、前記酸素送達回路を介した酸素のパルスとを同時に提供するように構成されている、請求項13~25のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項27】
患者にベンチレーション治療を送達するためのベンチレーションモードと、前記患者に酸素を送達するための酸素モードとにおいて動作可能なベンチレータシステムであって、前記システムは、
ポータブルベンチレータであって、前記ポータブルベンチレータは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置付けられたベンチレーションアセンブリであって、前記ベンチレーションモード中、前記ベンチレーションアセンブリは、少なくとも部分的に吸気ガスから成る呼吸を提供するように構成されている、ベンチレーションアセンブリと、
前記ベンチレーションモード中、前記ベンチレーションアセンブリから患者回路に前記吸気ガスを送達するための吸気ガス出口ポートと、
前記ハウジング内に位置付けられた酸素アセンブリであって、前記酸素モード中、前記酸素アセンブリは、酸素のパルスを提供するように構成されている、酸素アセンブリと、
前記酸素モード中、前記酸素アセンブリから酸素送達回路に前記酸素のパルスを送達するための酸素出口ポートと、
圧力レベルを測定するように構成されたセンサを含むセンサポートであって、前記測定された圧力レベルは、前記ベンチレーションモード中の前記吸気ガスおよび/または前記酸素モード中の前記酸素のパルスの送達をトリガするために使用される、センサポートと
を含む、ポータブルベンチレータと、
アダプタであって、前記アダプタは、
前記酸素出口ポートに結合可能な第1のルーメンと、
前記第1のルーメンと流体連通している酸素送達回路接続特徴であって、前記酸素送達回路接続特徴は、前記酸素送達回路に結合可能である、酸素送達回路接続特徴と、
前記センサポートに結合可能な第2のルーメンと、
前記第1のルーメンから前記第2のルーメンを流体的に隔離している膜と
を含む、アダプタと
を備え、
前記アダプタは、(i)患者の初期吸気労作中に前記酸素送達回路内に誘発される負圧の少なくとも一部を前記センサポートに伝達することと、(ii)前記第1のルーメンを介して前記酸素出口ポートから前記酸素送達回路に前記酸素のパルスをルーティングすることとを行うように構成されている、ベンチレータシステム。
【請求項28】
前記アダプタは、前記膜に隣接して位置付けられたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記患者の初期吸気労作中に前記膜が反転することを防止するように構成されている、請求項27に記載のベンチレータシステム。
【請求項29】
前記ストッパは、前記膜と前記第1のルーメンとの間に位置付けられている、請求項28に記載のベンチレータシステム。
【請求項30】
前記アダプタは、前記膜に隣接して位置付けられたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記酸素のパルスの送達中に前記圧力伝達膜が反転することを防止するように構成されている、請求項27に記載のベンチレータシステム。
【請求項31】
前記ストッパは、前記膜と前記第2のルーメンとの間に位置付けられている、請求項30に記載のベンチレータシステム。
【請求項32】
前記アダプタは、前記センサにおける圧力が前記酸素のパルスの送達中に最大閾値を超えることを防止するようにさらに構成されている、請求項27~32のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項33】
前記最大閾値は、約5PSI~約10PSIである、請求項32に記載のベンチレータシステム。
【請求項34】
前記最大閾値は、約5PSIである、請求項32に記載のベンチレータシステム。
【請求項35】
前記患者回路は、前記酸素送達回路とは異なる、請求項27~34のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項36】
前記酸素送達回路は、カニューレである、請求項27~35のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項37】
前記システムは、前記患者回路を介した呼吸と、前記酸素送達回路を介した酸素のパルスとを同時に提供するように構成されている、請求項27~36のいずれかに記載のベンチレータシステム。
【請求項38】
患者にベンチレーション治療を送達するためのベンチレーションモードと、前記患者に酸素を送達するための酸素モードとにおいて動作可能なベンチレータを使用して、患者に治療を提供するための方法であって、前記方法は、
前記ベンチレータ内で1つ以上のセンサを介して圧力レベルを測定することと、
前記測定された圧力レベルが所定の閾値を超えたときに、酸素のパルスを提供するように酸素アセンブリをトリガすることと、
前記酸素のパルスを前記患者に送達することであって、前記酸素のパルスを前記患者に送達することは、(i)前記ベンチレータの酸素出口ポートおよび前記センシングポートに結合されたアダプタと、(ii)前記アダプタおよび前記患者に結合された酸素送達回路とを通して、前記酸素のパルスをルーティングすることを含む、ことと
を含み、
前記アダプタは、前記患者の初期吸気労作中に前記酸素送達回路内に誘発される負圧の少なくとも一部を前記センシングポートに伝達し、前記アダプタは、前記センシングポートにおける前記圧力レベルが、前記酸素のパルスの送達中に最大閾値を超えることを防止する、方法。
【請求項39】
ベンチレーション治療のための要求に対応するユーザ入力を受信することと、
前記測定された圧力レベルが前記所定の閾値を超えたときに、酸素のパルスを提供するように前記酸素アセンブリをトリガすることに加えて、前記患者に吸気ガスを提供するようにベンチレーションアセンブリをトリガすることと、
患者回路を介して前記患者に前記吸気ガスを送達することであって、前記患者回路は、前記酸素送達回路から流体的に隔離されている、ことと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記患者回路は、患者マスクを含み、前記酸素送達回路は、鼻カニューレを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記患者に前記吸気ガスを提供するように前記ベンチレーションアセンブリをトリガする前に、前記患者マスクを前記カニューレの上に位置付けることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記最大閾値は、約5PSI~約10PSIである、請求項38~41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記最大閾値は、約5PSIである、請求項38~41のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
ベンチレータを使用して患者を処置するための方法であって、前記方法は、
前記ベンチレータに結合された酸素送達回路を介して前記患者に1つ以上の酸素のパルスを提供するように、酸素モードにおいて前記ベンチレータを動作させることであって、前記酸素モードにおいて、前記患者は、ベンチレーションガスを受け取らない、ことと、
ユーザ入力に応答して、(1)前記酸素送達回路を介して前記患者に前記1つ以上の酸素のパルスを提供することと、(2)前記ベンチレータに結合されたベンチレーションガス送達回路を介して前記患者にベンチレーションガスを提供することとを行うために、組み合わせモードにおいて前記ベンチレータを動作させることと
を含み、
前記患者は、前記酸素モードから前記組み合わせモードへの前記遷移中、前記酸素送達回路に継続的に接続されたままであり、前記酸素のパルスを受け取る、方法。
【請求項45】
前記ベンチレーションガス送達回路は、患者マスクを含み、前記酸素送達回路は、カニューレを含み、前記方法は、前記組み合わせモードにおいて前記ベンチレータを動作させる前に、前記患者マスクを前記カニューレの上に位置付けることをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ベンチレータは、ポータブルである、請求項44または請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮出願第63/128,739号(出願日2020年12月21日、発明の名称“VENTILATOR SYSTEMS WITH INTEGRATED OXYGEN DELIVERY, AND ASSOCIATED DEVICES AND METHODS”)に対する優先権を主張するものであり、該米国仮出願の開示は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本技術は、概して、ベンチレータシステムに関しており、特に、酸素治療、ベンチレーション治療、および/または酸素およびベンチレーション治療の両方を送達することができるベンチレータシステムに関している。
【背景技術】
【0003】
(背景)
機械的ベンチレータは、呼吸を補助するために使用される。例えば、従来の機械的ベンチレータは、典型的には、患者の呼吸を補助するために患者の肺の中に吸気ガスを駆動する。しかしながら、ベンチレータを使用する多くの患者は、絶え間ないベンチレーションを必要としない。その代わりに、彼らは、一日を通した様々な機会に、例えば従来のポータブル酸素コンセントレータから受け取られた酸素のパルス等の補充酸素を受け取ることのみを好み得る。ある時には機械的ベンチレーションを必要とし、ある時には補充酸素を好む患者は、概して、これらの異なる治療を提供するために、ベンチレータおよび酸素コンセントレータを含む複数の異なる機械を有する。不都合なことに、複数の機械に依拠させることは、患者の独立性を低減させ(例えば、彼らは、両方の機械なしに家を出ることを望まないことがあり得る)、治療選択肢間で切り替えるロジスティックの負荷を増大させる。したがって、患者の進化するニーズに合う様々な治療選択肢を患者に提供する改善されたシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本技術は、ベンチレーション治療および酸素治療の両方を提供することができるベンチレータシステムに関する。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されているシステムは、患者の呼吸をサポートするために患者回路に吸気ガスを提供することができるベンチレーションアセンブリを含む。患者回路は、患者に吸気ガスをルーティングすることができる。本明細書中に記載されているシステムは、酸素送達回路に酸素のパルスを提供することができる酸素アセンブリを含むことができる。酸素送達回路は、患者に酸素のパルスをルーティングすることができる。いくつかの実施形態において、酸素送達回路は、患者回路とは異なる。例えば、患者回路は、ベンチレーションマスクに結合された波形導管を含むことができ、酸素送達回路は、鼻カニューレを含むことができる。ベンチレーションマスクは、患者が吸気ガスおよび酸素のパルスの両方を受け取ることができるように、鼻カニューレの上に位置付けられることができる。
【0005】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載のシステムは、患者にベンチレーション治療を送達することとは独立して、患者に酸素を送達することができる。例えば、患者は、従来のポータブル酸素コンセントレータを使用する患者と同様に、ベンチレータシステムを使用して、専ら鼻カニューレを通して補充酸素のパルスを受け取ることができる。同様に、本明細書中に記載のシステムは、酸素のパルスとは独立して、または、それとの組み合わせで、患者にベンチレーション治療を送達するために使用されることができる。例えば、患者は、例えばベンチレータマスクまたは気管チューブ等の患者接続を介して酸素と混合されたベンチレーションガスを受け取ることができる。別の実施例として、患者は、第1の患者接続(例えば、ベンチレータマスク)を通してベンチレーションガスを受け取ることができ、同時に、第2の患者接続(例えば、鼻カニューレ)を通して酸素のパルスを受け取ることができる。
【0006】
本明細書中に記載のシステムは、したがって、進化する患者ニーズに見合うフレキシブルな治療選択肢を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載のシステムは、同一の患者接続または異なる患者接続のいずれかを通して、(1)患者にベンチレーション治療を送達することとは独立して、患者に補充酸素のパルスを送達することができ、(2)患者に補充酸素を送達することとは独立して、患者にベンチレーション治療を送達することができ、(3)患者にベンチレーションガスおよび酸素のパルスを同時に送達することができる。単一のポータブルベンチレータから様々な治療選択肢を提供することは、患者が依拠しなければならない呼吸サポートデバイスおよびシステムの数を減少させることによって、および/または、一日中および/または経時的に変動し得る患者が必要とする治療のタイプおよびレベルをより正確に調整することによって、患者の生活の質を改善することが期待される。
【0007】
デバイス、方法、および使用のさらなる局面および利点は、単なる実施例として与えられている後続の記載から明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本技術の多くの局面は、以下の図面を参照してより良く理解されることができる。図面における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではない。その代わりに、本技術の原理を明確に図示するために、強調がされている。
【0009】
図1A図1Aは、酸素送達回路および患者回路を含み、本技術の実施形態にしたがって構成されたベンチレータシステムの等角図である。
【0010】
図1B図1Bは、患者回路が省略されている図1Aに示されているベンチレータシステムの等角図である。
【0011】
図1C図1Cは、酸素送達回路が省略されている図1Aに示されているベンチレータシステムの等角図である。
【0012】
図2図2は、図1A~1Cに示されているベンチレータシステムの概略図である。
【0013】
図3図3は、ベンチレータシステムとの使用のための、本技術の実施形態にしたがって構成されたアダプタの等角図である。
【0014】
図4図4は、図3に示されているアダプタの部分的分解図である。
【0015】
図5図5Aおよび図5Bは、図3に示されているアダプタの様々な実施形態の概略図である。
【0016】
図6図6Aは、図3に示されているアダプタの側面図であり、図6Bは、図6Aに表されている軸に沿って切り取られたアダプタの断面図である。
【0017】
図7図7Aは、図3に示されているアダプタの平面図であり、図7Bは、図7Aに表されている軸に沿って切り取られたアダプタの断面図である。
【0018】
図8図8は、本技術の実施形態にしたがって患者に酸素治療を提供するための方法のフローチャートである。
【0019】
図9図9は、本技術の実施形態にしたがって患者に酸素治療およびベンチレーション治療を提供するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
下記に提示される記載において使用されている術語は、それが本術語のある特定の実施形態の詳細な説明と併せて使用されていたとしても、その最も広い合理的な方法で解釈されることが意図されている。以下では、ある用語が強調されることもあり得る。しかしながら、任意の限定された方法で解釈されることが意図されている任意の術語は、この詳細な説明セクションにおいて、明示的かつ具体的にそのように定義され得る。加えて、本技術は、実施例の範囲内にあるが、図1A~9に関して詳細に記載されていない他の実施形態を含むことができる。
【0021】
本明細書を通した「一実施形態」または「実施形態」に対する参照は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な場所におけるフレーズ「一実施形態において」または「実施形態において」の出現は、必ずしも、全てが同一実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。
【0022】
本明細書を通した相対的用語、例えば、「概して(generally,)」、「おおよそ(approximately)」および「約(about)」に対する参照は、述べられた値±10%を意味するように本明細書中では使用される。用語「実質的に(substantially)」またはその文法的バリエーションは、少なくとも約50%、例えば75%、85%、95%、または98%を参照する。
【0023】
図1Aは、ベンチレータ100、患者回路110、および酸素送達回路150(カニューレとして示されている)を含み、本技術の実施形態にしたがって構成されたシステム10の等角図である。ベンチレータ100は、ポータブルであるように、かつ、内部バッテリ(示されていない)および/または外部電源(示されていない)(例えば、従来の壁付コンセント等)によって電力供給されるように構成され得る。ベンチレータ100は、患者への送達のための患者回路110に呼吸ガスを送達するための主要ベンチレータ接続104(本明細書中では、「吸気ガス出口ポート」または「ベンチレーションポート」としても参照され得る)を有することができる。以下でさらに詳細に記載されるように、患者回路110は、患者に結合するために患者接続106(マスクとして示されている)を含むことができる。ベンチレータ100は、ベンチレータ100から、患者への送達のための酸素送達回路150に酸素のボーラスまたはパルスを送達するための酸素出口ポート105を含むことができる。図示されているように、酸素送達回路150は、患者回路110とは異なる。例えば、患者回路110および酸素送達回路150は、異なるポートにおいてベンチレータに結合され(例えば、主要ベンチレータ接続104対酸素出口ポート105)、また、異なる患者接続インターフェースを介して患者に結合可能である(例えば、患者回路110は、マスクを介して患者に結合可能であり、酸素送達回路150は、鼻カニューレを介して患者に結合可能である)。
【0024】
ベンチレータ100は、呼吸センシングポート103をさらに含むことができる。呼吸センシングポート103は、患者の呼吸のおよび/またはシステム内の1つ以上のパラメータ(例えば、流動、圧力、体積等)を測定するための1つ以上のトランスデューサまたはセンサ(例えば、図2に示されているセンサ208)を含むことができる。いくつかの実施形態において、呼吸センシングポート103は、例えば米国特許第10,245,406号および米国特許第10,315,002号に記載されているもの等のマルチルーメンチューブ接続であることができ、これらの米国特許の開示は、それらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書中に組み込まれる。測定されたパラメータは、主要ベンチレータ接続104を通した呼吸ガスおよび/または酸素出口ポート105を通した酸素のパルスの送達をトリガするために使用されることができる。
【0025】
システム10は、酸素送達回路150とベンチレータ100との間に位置付け可能なアダプタ152をさらに含むことができる。アダプタ152は、酸素出口ポート105および呼吸センシングポート103の両方とインターフェースを取る(例えば、プラグインする)ことができる。図2~7Bに関して以下で詳細に記載されているように、アダプタ152は、ベンチレータ100から酸素送達回路150に酸素を流動させることを可能にし、その一方で同時に、患者吸気労作が呼吸センシングポート103によって検出されることを可能にし、それにより、患者の呼吸と同期した酸素パルスの送達を可能にする。アダプタ152はまた、酸素パルスの相対的に高い圧力の送達から損傷を受けることから呼吸センシングポート103のセンサを保護するように構成されることができる。
【0026】
以下でさらに詳細に記載されるように、ベンチレータ100は、ベンチレーション治療とは独立して、および/または、ベンチレーション治療と組み合わせて、患者に酸素を送達することができる。例えば、システム10は、患者に酸素のパルスを提供する酸素モード、患者に吸気ガスを提供するベンチレーションモード、および/または、患者に吸気ガスおよび酸素のパルスの両方を提供する組み合わせモードにおいて動作することができる。ベンチレータ100は、患者回路110および酸素送達回路150の両方が、図1Aに示されているようにベンチレータ100に結合されるときに(例えば、患者回路110がベンチレータ100に結合され、ベンチレータ100が、依然として専ら酸素送達回路150を介して補充酸素を提供するために使用されることができたとしても)、前述のモードのうちの任意のものにおいて動作することができる。しかしながら、他の構成も可能である。例えば、図1Bは、酸素送達回路150がベンチレータ100に結合されているが、患者回路110が(例えば、酸素モードにおける使用のために)そうではない構成を図示している。図1Cは、患者回路110がベンチレータ100に結合されるが、酸素送達回路150が(例えば、ベンチレーションモードにおける使用のために)そうではない付加的な構成を図示している。図1Cに示されているように、患者回路110は、随意に、吸気ガスおよび酸素の両方が(例えば、組み合わせモードにおける使用のために)患者回路110を介して患者に送達されることができるように、酸素出口ポート105に結合されることができる酸素ルーメン109を有し得る。そのような実施形態において、酸素送達回路150は、組み合わせモードのために必要とされないが、所望される場合には依然として使用されることができる。システム10は、ベンチレータ100にまたはベンチレータ100から患者回路110および/または酸素送達回路150を単純に結合または分断することによって、図1A~1Cに示されている3つの構成の間で容易に遷移することができる。したがって、選択された構成は、ユーザの選好、動作のモード、構成要素の利用可能性等に基づき得る。
【0027】
図2は、システム10のブロック図であり、システム10の付加的な特徴を図示している。図示されているように、ベンチレータ100は、患者202にベンチレーションまたは吸気ガス(例えば、「空気224」)を提供するためのベンチレーションアセンブリ220を含むことができる。空気224は、ベンチレーションアセンブリ220に結合された患者空気吸入口222を介してベンチレータ100によって受け取られる。「空気」として識別されているが、当業者は、空気224がベンチレータ100の外部の任意の源から取得された周囲空気または加圧空気を含み得ることを理解する。ベンチレーションアセンブリ220は、呼吸の吸気フェーズ中に主要ベンチレータ接続104に空気224を提供することができる。いくつかの実施形態において、ベンチレータ100は、呼吸の呼気フェーズ中に呼気ガスを受け取り得る。ベンチレータは、したがって、患者呼気ガス228を通気するためにベンチレーションアセンブリ220に結合された出口ポート226を有し得る。
【0028】
ベンチレータ100は、患者回路110および患者接続106を介して患者202に結合されることができる。本明細書中では「ベンチレーションガス送達回路」としても参照されることができる患者回路110は、患者202におよび/または患者202からガス(例えば、吸気フェーズ中には空気224、および、呼気フェーズ中には患者吐出ガス)を輸送するために導管またはルーメン(例えば、チュービング)を含むことができる。患者回路110は、例えば米国特許第10,518,059号および米国特許第10,105,509号に記載されているもの等の受動患者回路または能動患者回路を含むことができ、これらの米国特許の開示は、それらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書中に組み込まれる。患者接続106は、例えば完全リブリーザマスク、部分リブリーザマスク、鼻マスク、マウスピース、気管チューブ等の患者202に空気224を送達するために患者回路110に結合された任意の適切なインターフェースであることができる。
【0029】
ベンチレータ100はまた、酸素出口ポート105を介して患者202に酸素を提供するために酸素アセンブリ230を含むことができる。酸素は、例えばその開示の全体があらゆる目的のために参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第10,046,134号に記載されるものを含む圧力スイング吸着酸素生成器等によってベンチレータ内に内的に生成されることができる。酸素が内的に生成されたとき、ベンチレータ100は、出口通気口235を介して排出ガス(例えば、窒素豊富ガス236)を出力し得る。いくつかの実施形態において、酸素はまた、随意の低圧力酸素源234(例えば、酸素コンセントレータ)および/または随意の高圧力酸素源232から受け取られ得る。ベンチレータ100は、したがって、随意の低圧力酸素源234に結合され、そこから随意の低圧力酸素を受け取るように構成された低圧力酸素入口233を含み得る。ベンチレータ100はまた、随意の高圧力酸素源232に結合され、そこから随意の高圧力酸素を受け取るように構成された随意の高圧力酸素入口231を含み得る。
【0030】
酸素アセンブリ230は、それ自体で使用されることができ、または、(例えば、酸素と混合された吸気ガスを提供するために)ベンチレーションアセンブリ220との組み合わせで使用されることができる。例えば、ベンチレータ100は、酸素送達回路150に酸素のパルスを送達することができ、酸素送達回路150は、患者202に直接的に酸素のパルスを(例えば、患者に送達される前に空気224と混合することなしに)送達することができる。他の実施形態において、患者回路110の一部(例えば、図1Cに示されている酸素ルーメン109)は、例えば以前に参照により本明細書中に組み込まれた米国特許第10,245,406号および米国特許第10,315,002号に記載されているように、患者回路110が、主要ベンチレータ接続104および酸素出口ポート105の両方に結合され、酸素が患者に送達される前に空気224と混合されることができるように、酸素出口ポート105に結合され得ることができる。
【0031】
ベンチレータ100は、ベンチレータ100の動作を制御するための制御モジュール212を含み得る。例えば、制御モジュール212は、ベンチレーションアセンブリ220および/または酸素アセンブリ230の動作を制御するための1つ以上の信号を生成することができる。例えば、制御モジュール212は、ベンチレーションモード、酸素モード、および/または組み合わせモードの間でベンチレータ100を遷移させることができる。これは、自動的に、または、ユーザ入力に応答して行われ得る。制御モジュール212はまた、患者の呼吸とベンチレータ100の動作を同期させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、制御モジュール212は、呼吸センシングポート103において(1つまたは複数の)センサ208から1つ以上の測定されたパラメータを受信する。ベンチレータ100は、したがって、体積制御されたベンチレーション、圧力制御されたベンチレーション、および/または流動制御されたベンチレーションを提供するように構成され得る。例えば、制御モジュール212は、呼吸センシングポート103から受信された(1つまたは複数の)測定されたパラメータを解析することができ、解析に基づいて、患者回路110を介して呼吸の送達をトリガすること、および/または、酸素送達回路150を介して酸素のパルスの送達をトリガすることができる。制御モジュール212はまた、ベンチレータ100の様々な局面を監視および/または制御するために、ベンチレーションアセンブリ220および/または酸素アセンブリ230からフィードバック信号を受信し得る。
【0032】
ベンチレータ100は、ユーザインターフェース214をさらに含むことができる。ユーザインターフェース214は、ユーザ(例えば、患者202と関連付けられた介護士、臨床医等)から入力を受信し、制御モジュール212にその入力を提供するように構成されている。ユーザインターフェース214を介して受信された入力は、例えばベンチレータ設定、動作のパラメータ、動作のモード等を含むことができる。特定の実施例において、ユーザは、ユーザインターフェース214を使用して、ベンチレーションモード、酸素モード、および/または組み合わせモードの間で選択し得る。ユーザインターフェース214は、例えば選択されたベンチレータ設定、動作のパラメータ、動作のモード等を含む情報をユーザおよび/または患者に表示するようにさらに構成されることができる。ユーザインターフェース214は、例えばベンチレータ設定および動作パラメータのデジタルディスプレイを有するタッチスクリーン等の当該技術分野において公知の任意の適切なユーザインターフェースであることができる。
【0033】
ベンチレータ100は、随意に、本明細書中に記載されたベンチレーションおよび酸素送達を超える付加的な機能を含むことができる。例えば、ベンチレータ100は、随意に、ネブライザアセンブリ240に結合するためのネブライザ接続240および/または吸引アセンブリ243に結合するための吸引接続242を含むことができる。ベンチレータ100は、患者に咳補助を提供するための咳補助モジュール(示されていない)をさらに含み得る。咳補助モジュールは、例えばその全体があらゆる目的のために本明細書中に参照により組み込まれた米国特許第9,956,371号に記載されているように、システム10が患者回路110から患者を分断することなしに患者に咳補助を提供することができるように、ベンチレータ100に一体化されることができる。ベンチレータ100は、監視およびアラームモジュール216をさらに含み得る。
【0034】
図3は、アダプタ152の拡大等角図である。アダプタ152は、アダプタの本体部分360と酸素入口ポート354との間に延在している第1のアーム353を含む。酸素入口ポート354は、そこから酸素を受け取るためにベンチレータ100の酸素出口ポート105に接続されることができる。例えば、第1のアーム353は、酸素出口ポート105にアダプタ152を固定するための第1の接続特徴366を含むことができる。酸素ルーメンまたは導管355は、酸素入口ポート354において受け取られた酸素をアダプタ152の本体部分360の中に向けるために、酸素入口ポート354と本体部分360との間に第1のアーム353を通して延在することができる。アダプタ152は、例えば図1および図2において示されているカニューレ等の酸素送達回路に解放可能に係合するように構成された酸素送達回路接続特徴359(本明細書中では「カニューレ接続特徴」としても参照される)をさらに含む。酸素送達回路が酸素送達接続特徴359におけるアダプタ152に接続されたとき、酸素入口ポート354を介してアダプタ152の中に流動している酸素は、酸素送達回路接続特徴359を介してアダプタ152の外に、かつ、酸素送達回路の中に流動する。
【0035】
アダプタ152は、本体部分360とセンサ接続ポート357との間に延在している第2のアーム356をさらに含む。センサ接続ポート357は、ベンチレータ100の呼吸センシングポート103に接続されることができる。例えば、第2のアーム356は、呼吸センシングポート103にアダプタ152を固定するための第2の接続特徴367を含むことができる。センシングルーメン358は、ベンチレータの呼吸センシングポート103に患者の呼吸と関連付けられたパラメータ(例えば、圧力)を提供するために第2のアーム356を通して延在することができる。以下で詳細に記載されるように、アダプタ152は、酸素入口ポート354から酸素送達回路接続特徴359に流動する酸素がセンシングルーメン358に入ることを防止するか、または、少なくとも低減させるが、患者の吸気労作によって誘発される圧力信号が、同期された酸素送達をトリガするためにセンシングルーメン358を介して呼吸センシングポート103に伝達されることを可能にする。
【0036】
図4は、アダプタ152の分解図である。図示されているように、本体部分360は、第1のポート461および第2のポート462を含むことができる。第1のポート461は、それが酸素ルーメン355と流体連通するように、第1のアーム353に結合されることができる。第2のポート462は、センシングルーメン358と流体連通するように、第2のアーム356に結合されることができる。第1および第2のアーム353、356は、いくつかの実施形態においては、異なる構成要素として示されているが、第1および第2のアーム353、356のうちの一方または両方は、本体部分360と一体であり得る。本体部分360は、キャップ部分463およびベース部分464を含む。ダイヤフラムまたは膜470およびストッパ475は、キャップ部分463と、ベース部分464との間に位置付けられる。ダイヤフラム470およびストッパ475の付加的な詳細は、図5Aおよび図5Bに関して以下で記載される。
【0037】
図5Aは、アダプタ152の選択局面の概略図である。図示されているように、ダイヤフラム470は、本体部分360内に位置付けられ、本体部分360を第1の(例えば、より低い)チャンバ580と第2の(例えば、より上方の)チャンバ582とに分割している。第1のチャンバ580は、(第1のポート461を介して)酸素ルーメン355と流体連通しており、そして、(酸素送達回路接続特徴359を介して)酸素送達回路150と流体連通している。第2のチャンバ582は、(第2のポート462を介して)センシングルーメン358と流体連通している。ダイヤフラム470は、中央圧力伝達膜574のまわりで円周方向に延在する隆起部分またはリッジ572を含む。ダイヤフラム470は、例えばゴム、シリコーン等の実質的にガス不浸透性かつセミフレキシブルな材料から成ることができる。したがって、ダイヤフラム470は、概して、流体またはガスが第1のチャンバ580と、第2のチャンバ582との間で流動することを防止するが、第1のチャンバ580内の圧力変化が、少なくとも部分的に、圧力伝達膜574を横断して第2のチャンバ582の中に伝達されることを促進する。
【0038】
ストッパ475もまた、ダイヤフラム470に隣接して本体部分360内に位置付けられる。例えば、図5Aに図示される実施形態において、ストッパ475は、第1のチャンバ580内に位置付けられる(例えば、ダイヤフラム470と、酸素ルーメン355との間に)。ストッパ475は、圧力伝達膜574が第1のチャンバ580内の圧力変化の少なくとも一部を捉えることを可能にする複数の開口部578を含む。ストッパ475はまた、ダイヤフラム470の隆起部分572に対応する1つ以上のリッジ状突起を含む。理論によって束縛されるものではないが、ストッパ475は、例えば、第1のチャンバ580内の圧力が第2のチャンバ582内の圧力よりも顕著に低いときに、ダイヤフラム470が反転することを低減または防止することが期待される。
【0039】
動作中(例えば、システム10(図1)が、例えばカニューレ等の酸素送達回路を介して患者に酸素を送達するために使用されているとき)、患者の初期吸気労作は、酸素送達回路150および第1のチャンバ580内に負圧を誘発し得る。ストッパ475は、ダイヤフラム470が第1のチャンバ580内の負圧から反転することを防止する。しかしながら、患者の吸気労作によって誘発される負圧は、少なくとも部分的に、圧力変換膜574を通して第2のチャンバ582に伝達される。そして、負圧は、第2のチャンバ582からセンシングルーメン358を介してベンチレータ100の呼吸センシングポート103(図2)に伝導される。結果として、患者の吸気労作によって誘発される負圧は、呼吸センシングポート103によって測定されることができ、患者の吸気フェーズ中に酸素のパルスの送達をトリガするために使用されることができる。いくつかの実施形態において、ダイヤフラムは、第1のチャンバと、第2のチャンバとの間の100%圧力伝達を可能にする(例えば、患者の初期吸気労作中に、第1のチャンバ580内の圧力は、第2のチャンバ582内の圧力に等しい)。他の実施形態において、ダイヤフラムは、第1のチャンバ580から第2のチャンバ582への100%未満(例えば、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%等)の圧力伝達を可能にするが、患者の呼吸の開始を表して酸素のパルスの送達をトリガするために十分な圧力伝達を可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、ダイヤフラム470は、センシングルーメン358に患者信号の少なくとも50%を伝達し得る。
【0040】
いったん酸素のパルスがトリガされると、ベンチレータ100は、酸素送達回路150を介して患者に酸素を送達する。アダプタ152は、酸素送達回路150とベンチレータ100との間に位置付けられるので、酸素は、アダプタ152を通して流動する。より具体的には、酸素は、酸素ルーメン355を通過し、第1のチャンバ580の中に、そして、酸素送達回路接続特徴359における酸素送達回路150の中に入る。例えば図6A~7Bに関して記載されているようないくつかの実施形態において、アダプタ152は、酸素が酸素ルーメン355から酸素送達回路150に移動する際に通過するための別の流動経路を含むことができ、これは、少なくとも部分的に、第1のチャンバ580をバイパスし、ダイヤフラム470に対する酸素の影響を低減させる。バイパスが存在するかどうかに関わらず、そして以前に記載されたように、ダイヤフラム470は、酸素が第1のチャンバ580から第2のチャンバ582に流動することを防止する。これは、いくつかの利点を提供することが期待される。第1に、酸素を第2のチャンバ582の中にではなく、酸素送達回路150の中に、ひいては患者に流動するように向けることによって、酸素を節約する。第2に、これは、ベンチレータ100上のセンサ208および/または呼吸センシングポート103を損傷し得る、第2のチャンバ582およびセンシングルーメン358内の圧力が閾値よりも上に上昇することを防止する。例えば、ダイヤフラム470は、センシングルーメン358内および/または呼吸センシングポート103における圧力が、酸素パルスの送達中に、約5PSI、約6PSI、約7PSI、約8PSI、約9PSI、および/または約10PSIを超えることを防止し得る。第3に、ダイヤフラム470は、センサ208および呼吸センシングポート103を例えば結露または埃等の環境条件から保護するための物理的バリアを提供する。
【0041】
図5Bは、本技術の実施形態にしたがって構成されたアダプタ152aの別の実施形態を図示している。アダプタ152aは、概して、ストッパ475が第1のチャンバ580の代わりに第2のチャンバ582内に(例えば、ダイヤフラム470と、センシングルーメン358との間に)位置付けられており、ダイヤフラム470の向きがフリップされていることを除き、図5Aに関して記載されたアダプタ152に類似している。結果として、ストッパ475は、酸素が患者に送達されている際にダイヤフラム470が反転されることを防止する。理論によって束縛されるものではないが、ストッパを第2のチャンバ582内に配置することはまた、ダイヤフラム470が第2のチャンバ582の中に偏向することができる距離を低減させることによって、酸素送達中に第2のチャンバ582内に生成される圧力を、ひいては、酸素送達中の呼吸センシングポート103における圧力をさらに低減させ得る。しかしながら、ダイヤフラムは、依然として、患者の吸気労作によって生成された負圧に応答して、第1のチャンバ580の中に偏向することができ、負圧を第2のチャンバ582の中に伝達し、酸素のパルスの送達をトリガすることができる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されているアダプタは、第1のチャンバ580および第2のチャンバ582の両方においてストッパ475を有することができる。
【0042】
図6Aは、アダプタ152の側面図であり、図6Bは、図6Aに表されている軸A-Aに沿って切り取られたアダプタ152の断面図である。図7Aは、アダプタ152の平面図であり、図7Bは、図7Bに表されている軸A-Aに沿って切り取られたアダプタ152の断面図である。最初に図6Bを参照すると、本体部分360は、酸素ルーメン355および酸素送達回路接続特徴359に流体的に結合された第1の導管686を含む。動作中、矢印Fによって表されているように、酸素は、第1の導管686を介して、酸素ルーメン355から酸素送達回路接続特徴359に流動する。第1の導管686は、概して、第1のチャンバ580(図6Bに示されていない)および第2のチャンバ582をバイパスし、酸素流動とダイヤフラム470との相互作用を低減させる。しかしながら、図7Bに最良に示されているように、チャネル785は、患者の初期吸気労作によって誘発される負圧が依然としてダイヤフラム470において感知されるように、第1の導管686と第1のチャンバ580とを流体的に接続する。ここで、図6Bおよび図7Bの両方を参照すると、本体部分360はまた、入口687を介して第2のチャンバ582に流体的に結合された第2の導管688を含む。第2の導管688は、第2のチャンバ582をセンシングルーメン358に流体的に結合する。したがって、第2のチャンバ582内で患者の初期吸気労作によって生成された負圧は、入口687および第2の導管688を介して、センシングルーメン358に伝達される。
【0043】
アダプタ152は、本明細書中に明示的に示されているものを超える他の形態を取り得る。いくつかの実施形態において、例えば、アダプタ152は、複数のダイヤフラムおよび/または圧力伝達膜を含み得る。アダプタ152はまた、ダイヤフラム470に加えて、または、ダイヤフラム470の代わりに、拡張可能部材(例えば、バルーン)を含むことができる。拡張可能バルーンは、酸素のパルスおよび/または呼吸の送達をトリガし、その一方でまた、センサにおける圧力が酸素のパルスの送達中に最大閾値を超えることを防止するために、患者の初期吸気労作中に酸素送達回路内に誘発される負圧の少なくとも一部をセンサに伝達するように構成されたコンプライアントな/弾力的な材料から作られることができる。拡張可能バルーンは、したがって、圧力伝達膜としても記載されることができる。またさらに、アダプタ152は、酸素のパルスの送達中に、センサにおける圧力が最大閾値を超えることを防止するように、圧力解放弁を含み得る。
【0044】
本技術は、患者に治療を送達するための方法をさらに提供する。例えば、図8は、例えば本明細書中に記載されているベンチレータ100等のベンチレータを使用して患者に酸素治療を提供するための方法800のフローチャートである。方法800は、アダプタをベンチレータのセンシングポートおよび酸素出口ポートに接続することによって、ステップ802において開始することができる。いくつかの実施形態において、アダプタは、概して、本明細書中に記載されているアダプタ152に類似することができ、または同一であることができる。したがって、アダプタをセンシングポートに接続することは、センシングポートと流体連通しているアダプタ内にセンシングルーメンを配置することを含むことができ、アダプタを酸素出口ポートに接続することは、酸素出口ポートと流体連通しているアダプタ内に酸素ルーメンを配置することを含むことができる。方法800は、酸素送達回路をアダプタに接続することによって、ステップ802に継続することができる。酸素送達回路は、以前に記載されたような、従来の鼻カニューレであることができ、当該技術分野において公知の任意の適切な手段を通して(例えば、摩擦嵌めを介して)アダプタに接続されることができる。いくつかの実施形態において、アダプタは、ステップ804が省略されるように、酸素送達回路と一体的に製造されることができる。酸素送達回路はまた、患者に接続されることができる。
【0045】
方法800は、「酸素モード」の選択に対応するユーザ入力をベンチレータ上のユーザインターフェースを介して受信することによって、ステップ806に継続することができる。例えば、いくつかの実施形態において、ベンチレータは、タッチスクリーンディスプレイを含み得、ユーザは、治療選択肢のメニューから「酸素モード」を選択することができる。ステップ806においてユーザ入力を受信することに応答して、ベンチレーション内の制御アセンブリは、ベンチレータが患者に酸素のパルスを送達している間に、酸素モードを開始することができる。いくつかの実施形態において、ステップ806は、ステップ802および804の前に起こることができる。
【0046】
ベンチレータが酸素モードにおいて動作している状態で、方法800は、センシングポートを介して圧力レベルを測定することによって、ステップ808に継続する。例えば、本明細書中に以前に記載されたように、センシングポートは、アダプタを介してセンシングポートに伝達される酸素送達回路内の圧力に対応する圧力レベルを測定し得る。方法800は、少なくとも部分的に、測定された圧力レベルに基づいて、酸素のパルスを提供するためにベンチレータ内の酸素アセンブリをトリガすることによって、ステップ810に継続する。例えば、酸素アセンブリは、酸素パルスの送達が患者の自然な吸気と一致するように、測定された圧力レベルが、例えば患者の初期吸気労作に対応する閾値等の所定の閾値を超えたときに、トリガされることができる。いくつかの実施形態において、所定の閾値は、0PSIであり、酸素アセンブリは、システム内の圧力が正から負に遷移する(患者が吸気を開始したことを表している)ときにトリガされる。別の実施形態において、所定の閾値は、システム内のベースライン圧力値に対応する非ゼロ値であり、酸素アセンブリは、システム内の圧力がシステム内のベースライン圧力値の下に降下するときにトリガされる。別の実施形態において、所定の閾値は、システムの圧力値の変化のレートである。
【0047】
いったん酸素アセンブリがトリガされると、方法800は、患者に酸素のパルスを送達することによって、ステップ812に継続する。これは、例えば、酸素のパルスをベンチレータの酸素出口ポートに結合されたアダプタを通してベンチレータから、患者への送達のための酸素送達回路の中にルーティングすることを含むことができる。以前に記載されたように、アダプタは、センシングポートにおける圧力レベルが、酸素のパルスの送達中に、最大閾値(例えば、5PSI、10PSI等)を超えることを防止することができる。方法800は、患者の呼吸作用と同期された酸素のパルスを患者に提供するために、ステップ808、810、および812を反復的に繰り返すことによって継続することができる。
【0048】
図9は、本技術の実施形態による、ベンチレータを使用して患者に酸素治療およびベンチレーション治療を提供するための方法900のフローチャートである。方法900は、ベンチレーション治療および酸素治療の両方を含む「組み合わせモード」の選択に対応するユーザ入力をベンチレータ上のインターフェースを介して受信することによって、ステップ902において開始することができる。例えば、いくつかの実施形態において、ベンチレータは、タッチスクリーンディスプレイを含み得、ユーザは、治療選択肢のメニューから「組み合わせモード」を選択することができる。いくつかの実施形態において、ユーザ入力は、図8に関して記載されているように、ベンチレータが患者に酸素のパルスを送達するために酸素モードにおいて既に動作している間に、受信される。したがって、ステップ902は、図8に関して記載されているステップ808、810、および812の反復プロセス中に任意の時点に起こることができる。方法900の以下の記載は、ユーザが組み合わせモードを選択するときにベンチレータが酸素モードにおいて既に動作している、そのような実施形態に関し得る。しかしながら、当業者であれば本明細書中の開示から理解し得るように、ステップ902におけるユーザ入力はまた、ベンチレータがベンチレーションモードにおいて動作している間に、または、ベンチレーションモードまたは酸素モードにおいて動作していない間に、受信されることもできる。
【0049】
方法900は、吸気ガス出口ポート(例えば、ベンチレータ100の主要ベンチレータ接続104)に患者回路(例えば、患者回路110)の第1の端部分を接続することによって、ステップ904に継続することができる。患者回路は、例えば細長い波形導管等の患者にベンチレーション治療を送達するための当該技術分野において公知の任意の適切な患者回路であることができる。方法900は、患者の口および/または鼻の上に患者回路の第2の端部分に結合されたベンチレーションマスクを位置付けることによって、ステップ906に継続することができる。患者が既に酸素治療を受けている場合、患者の口および/または鼻の上にベンチレーションマスクを位置付けることは、患者に酸素を送達する酸素送達回路(例えば、鼻カニューレ)の上にベンチレーションマスクを位置付けることを含むことができる。
【0050】
ベンチレータが組み合わせモードにおいて動作している状態で、方法900は、センシングポートを介して圧力レベルを測定することによって、ステップ908に継続する。例えば、センシングポートは、図8に関して記載されているように、アダプタを介してセンシングポートに伝達される酸素送達回路内の圧力に対応する圧力レベルを測定することを継続し得る。方法900は、少なくとも部分的に、測定された圧力レベルに基づいて、(1)酸素のパルスを提供するようにベンチレータ内の酸素アセンブリをトリガし、(2)吸気ガス(例えば、空気)を提供するようにベンチレータ内のベンチレーションアセンブリをトリガすることによって、ステップ910に継続する。例えば、酸素アセンブリおよびベンチレーションアセンブリは、酸素パルスおよび吸気ガスの送達が患者の自然な吸気と一致するように、測定された圧力レベルが、例えば患者の初期吸気労作に対応する閾値等の所定の閾値を超えたときに、トリガされることができる。
【0051】
いったんベンチレーションアセンブリおよび酸素アセンブリがトリガされると、方法900は、患者に酸素のパルスおよび吸気ガスを送達することによって、ステップ912に継続する。方法800に関して上述されているように、酸素のパルスは、ベンチレータから、ベンチレータの酸素出口ポートに結合されたアダプタを通して、患者への送達のための酸素送達回路の中にルーティングされることができる。吸気ガスは、ベンチレータから患者回路を通して、患者への送達のためのベンチレーションマスクの中にルーティングされることができる。いくつかの実施形態において、酸素のパルスおよび吸気ガスは、同時に患者に送達される。他の実施形態において、最初に酸素のパルスが送達され、吸気ガスは、パルスの送達が終了された時点またはその後に送達される。しかしながら、酸素および吸気ガスの送達がオフセットされたときであっても、吸気ガスは、依然として患者の自然な吸気フェーズ中に送達される。さらに、患者の自然な吸気フェーズ中に吸気ガスを提供するものとして記載されているが、当業者であれば、方法900はまた、呼気終末陽圧(PEEP;Positive End Expiratory Pressure)ベンチレーションと整合するように、患者の呼吸サイクルを通して(例えば、患者の吸気フェーズおよび呼気フェーズ中に)患者回路内に正圧を提供することを含むことができることを理解し得る。方法900は、患者の呼吸作用と同期された酸素のパルスおよび吸気ガスを患者に提供するために、ステップ908、910、および912を反復的に繰り返すことによって継続することができる。
【0052】
当業者であれば、本明細書中の開示から理解し得るように、上述されたシステムの様々な構成要素は、本技術の範囲から逸脱することなしに省略されることができることを理解し得る。例えば、いくつかの実施形態において、アダプタは省略されることができ、酸素送達回路(例えば、カニューレ)は、呼吸センシングポート103と患者との間に延在している第1のルーメンと、酸素出口ポート105と患者との間に延在している第2のルーメンとを有することができる。第1のルーメンは、患者の吸気の開始を感知するために使用されることができ、第2のルーメンは、患者の酸素のパルスを送達するために使用されることができる。第1および第2のルーメンは、呼吸センシングポート103が、酸素のパルスの適用中に、酸素出口ポート105から流体的に隔離されたままであることを確実にするために、流体的に隔離されることができる。
【0053】
同様に、明示的に上述されてない付加的な構成要素が、本技術の範囲から逸脱することなしに、システムに付加され得る。例えば、本技術の特定の実施形態は、図示を目的として本明細書中に記載されてきたが、周知の構造および機能は、本技術の実施形態の記載を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されることまたは記載されることはされていない。さらに、本技術の特定の実施形態およびその実施例は、図示目的のために上述されているが、当業者であれば認識し得るように、様々な同等の改変が、本技術の範囲内で可能である。例えば、ステップは所与の順序で提示されているが、代替的な実施形態が、異なる順序でステップを実施し得る。本明細書中に記載されている様々な実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するように、組み合わされ得る。したがって、本技術は、本明細書中で明示的に識別されている構成に限定されるものではなく、むしろ、記載されているシステムおよび方法のバリエーションおよび代替を包含する。
【0054】
さらに、本技術のいくつかの実施形態に関連した利点は、これらの実施形態の文脈において記載されているが、他の実施形態もまたそのような利点を示し得、全ての実施形態が本技術の範囲内に入るためにそのような利点を示す必要はない。したがって、本開示および関連付けられた技術は、本明細書中に明示的に示されても記載されてもいない他の実施形態を包含することができる。
【0055】
文脈がそうではないことを明確に要求していない限り、記載および実施例を通して、単語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」等は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、すなわち「含むがそれに限定されない(including、but not limited to)」という意味で解釈される。本明細書中で使用されるように、用語「接続され(connected)」、「結合され(coupled)」、またはそれらの任意のバリアントは、2つの要素間の直接的または間接的のいずれかの任意の接続または結合を意味し、要素間の接続の結合は、それらの物理的なもの、論理的なものまたは組み合わせであることができる。加えて、単語「本明細書中(herein)」、「上記(above)」、「下記(below)」および同様の用語は、本願において使用されるとき、本願の任意の特定の部分ではなく、本願全体を参照するものとする。文脈が許す限り、上記の詳細な説明における単数または複数の数を使用する単語はまた、それぞれ、複数または単数の数を含み得る。本明細書中で使用されるとき、「Aおよび/またはB(A and/or B)」におけるもの等のフレーズ「および/または(and/or)」は、Aのみ、Bのみ、ならびにAおよびBを参照する。さらに、実施形態が関連している技術分野において公知の同等のものを有する特定の整数が本明細書中で言及される場合、そのような公知の同等のものは、あたかも個別に記載されているかのように本明細書中に組み込まれていると見做される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】