(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】熱可塑性物質から製造されたプリフォーム又は容器のための成形後冷却装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/64 20060101AFI20240118BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B29C49/64
B29C49/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537674
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 IB2021062060
(87)【国際公開番号】W WO2022137097
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020000032357
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523229528
【氏名又は名称】エッセ.イ.ピ.アー ソシエタ インダストリアリッザツィオーネ プロジェッタジツィオーネ エ オウトマツィオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カヴァリーニ、フランコ
(72)【発明者】
【氏名】フレア、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ピアイ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス、マッテオ
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208LA09
4F208LB01
4F208LH01
4F208LH09
4F208LH10
4F208LJ11
4F208LJ14
4F208LJ16
4F208LJ22
4F208LW02
4F208LW15
(57)【要約】
熱可塑性材料から製造されたプリフォームPを冷却するための回転冷却装置であって、それ自体の外周を画定し略垂直な回転軸の周りを回転するように適応されたカルーセル1と、外周の一部に沿って配置され固定されたガイド要素6と、カルーセルの外周に沿って径方向に配置された冷却デバイス3であって、回転軸に対して径方向に沿って略水平方向に平行移動するように適応され径方向に沿って連続的に配置され、冷却される各々のプリフォームを受け入れるように適応された冷却管4が設けられた冷却デバイス3と、ピックアンドリリース装置5であって、各々の冷却デバイス3と協働し移送ホイールからプリフォームをピックし冷却管4のうちの1つの中に代わる代わるプリフォームをリリースしプリフォームを再びピックして回転装置の下流にプリフォームをリリースするように適応された、ピックアンドリリース装置5と、を備える回転冷却装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料から製造されたプリフォーム又は容器を冷却するための回転冷却装置であって、
それ自体の外周を有し、略垂直な回転軸Xの周りを回転するように適応されたカルーセル(1)と、
前記外周の少なくとも一部に沿って配置された少なくとも1つの固定されたガイド要素(6)と、
前記カルーセルの前記外周に沿って径方向に配置された複数の冷却デバイス(3)であって、各冷却デバイス(3)は、前記回転軸Xに対して径方向に沿って略水平方向に平行移動するように適応され、前記各冷却デバイス(3)には、前記径方向に沿って連続的に配置され、冷却されるそれぞれのプリフォームをそれぞれ受け入れるように適応された複数の冷却管(4)が設けられた、複数の冷却デバイス(3)と、
複数のピックアンドリリース装置(5)であって、各ピックアンドリリース装置(5)は、それぞれの冷却デバイス(3)と協働し、移送ホイールからプリフォームをピックし、前記冷却管(4)のうちの1つの中に代わる代わる前記プリフォームをリリースし、前記プリフォームを再びピックして前記回転冷却装置の下流に前記プリフォームをリリースするように適応され、少なくとも1つの前記ピックアンドリリース装置(5)は、前記カルーセル(1)の回転中に前記少なくとも1つの固定されたガイド要素(6)と協働することによって、前記径方向に対して交差する方向に上方又は下方に平行移動するように適応された、複数のピックアンドリリース装置(5)と
を備える
回転冷却装置。
【請求項2】
少なくとも1つの冷却デバイス(3)と少なくとも1つの対応するピックアンドリリース装置(5)とが前記回転冷却装置の冷却モジュール(2)を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各冷却モジュール(2)が、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の冷却デバイス(3)と、対応する1つ、2つ、3つ又はそれ以上のピックアンドリリース装置(5)とを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
好ましくは、1つの冷却管とそれに隣接する冷却管との間のピッチに等しい、第1の向きの又は前記第1の向きと反対の第2の向きの、前記径方向に沿った平行移動を少なくとも1つの前記冷却デバイス(3)に与えるように適応された移動デバイス(17)が設けられた、請求項1から3までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの前記ピックアンドリリース装置(5)が、前記径方向に直角に平行移動するように適応された、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の冷却管(4)が、前記カルーセルの構造体上に固定された少なくとも1つのガイド(9)上を摺動するように適応された摺動ベース(7)上に配置された、請求項1から5までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
各冷却管(4)には、冷却流体のための内部回路と、前記冷却管中への前記プリフォームの導入を促進するための吸気ダクトとが設けられ、前記ベース(7)には、各冷却管の前記内部回路に接続された、前記冷却流体のためのチャネルが設けられ、及び各冷却管の前記吸気ダクトに接続された、空気のためのチャネルが設けられた、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の回転冷却装置(10)を備える、熱可塑性材料から製造されるプリフォーム又は容器を製造するためのプラントであって、前記回転冷却装置(10)が回転射出成形機(11)の下流に配置され、移送ホイール(12)が前記回転射出成形機(11)と前記回転冷却装置(10)との間に設けられた、プラント。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の回転冷却装置の動作方法であって、移送ホイール(12)が前記回転冷却装置(10)の上流に設けられ、全速において前記方法が、各冷却デバイス(3)について、前記カルーセル(1)の回転中に以下のステップ、すなわち、
a)第1のプリフォームの受け入れ位置に設けられた第1の管中を除いて、それぞれの冷却管(4)中に導入された、冷却されるプリフォーム又は容器を与えるステップと、
b)ピックアンドリリース装置(5)によって前記移送ホイール(12)から第1のプリフォームをピックし、前記第1の管中に前記第1のプリフォームをリリースするステップと、
c)好ましくは前記第1の管に隣接する第2の管が前記受け入れ位置に到達するように、第1の向きに、又は前記第1の向きと反対の第2の向きに、前記径方向に沿って前記冷却デバイス(3)を平行移動させるステップと、
d)前記ピックアンドリリース装置(5)によって前記第2の管から第2のプリフォームをピックし、前記回転冷却装置の下流に前記第2のプリフォームをリリースするステップと、
e)前記ピックアンドリリース装置(5)によって前記移送ホイールから新たな第2のプリフォームをピックし、前記第2の管中に前記新たな第2のプリフォームをリリースするステップと、
f)それぞれ第3のプリフォームから第nのプリフォームまでを冷却するように適応された、前記複数の冷却管のうちの第3の管から第nの管までについて、ステップc)からステップe)を繰り返すステップと、
g)前記第1の管が前記受け入れ位置に戻るように、前記第2の向き又は前記第1の向きに前記径方向に沿って前記冷却デバイス(3)を平行移動させるステップと、
h)前記ピックアンドリリース装置(5)によって前記第1の管から前記第1のプリフォームをピックし、前記回転冷却装置の下流に前記第1のプリフォームをリリースするステップと、
i)ステップb)からステップh)を繰り返すステップと
を含む、動作方法。
【請求項10】
第1の移送ホイールから前記プリフォームをピックすることが第1の高さにおいて行われ、前記それぞれの冷却管中に前記プリフォームをリリースすることが、前記第1の高さよりも低い第2の高さにおいて行われ、前記それぞれの冷却管から前記プリフォームをピックすることが、前記第2の高さよりも低いか又はそれに等しい第3の高さにおいて行われ、前記回転冷却装置の下流に前記プリフォームをリリースすることが、前記第2の高さよりも高い第4の高さにおいて行われる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料から製造される、たとえば、PETから製造されるプリフォーム又は容器を生産するための生産プラントに関し、特に、当該プラントに用いられる冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かなりの数の熱可塑性容器、特にボトルの生産は、一般的にポリエチレンテレフタレート又はPETである原料から開始することにより市場の最も変動するニーズに適応された形状、特に複雑な形状さえも有し、特に軽量であり、また、室温において強い圧力を受けたときに抵抗性もある、完成した容器を得ることを可能にするプロセスである。
【0003】
グラニュールの形態の未加工状態のPETからプラスチック容器への移行は1段プロセス又は2段プロセスを選択することによって達成され得る。
【0004】
1段プロセスは、射出成形(mold injection)ステップによるPETグラニュールからプリフォームへの移行と、ストレッチブロー成形(stretch-blowing)ステップによるプリフォームからプラスチック容器への移行とがプリフォームを室温まで完全に冷却させることなしに連続的に行われる、単一の生産プラントを用いて実行される。それにより、プリフォームは、射出成形ステップから残っている潜熱(latent heat)の一部を依然として保持し、プリフォームが室温から開始して再加熱されるケースに対して、ブロー成形に好適な温度までその後戻されるためにプリフォームが必要とする熱がより少ないので、かなりのエネルギーが節約される。代わりに、いわゆる「2段」プロセスは、必ずしもそうであるとは限らないが一般的に2つの別個のプラントにおいて実行され、一方の生産プラントは、PETグラニュールからプリフォームへの移行を伴う、容器の生産プロセスの第1の部分を実行する、すなわち、一方の生産プラントは射出成形金型へのPETプリフォームの射出成形ステップを実行する。PET容器をブロー成形するために今日一般的に使用される技法であるストレッチブロー成形技法を用いてブロー成形機中でプリフォームを最終的な容器に変換するプロセスの第2の部分は、他方の生産プラントにおいて実行される。2段プロセスはまた、同じ生産プラントにおいて実行され得、その生産プラントはプリフォームの射出成形と容器へのプリフォームのブロー成形とを行うが、2つの動作は2つの別個の時間において実行される。プリフォームは、まず、特殊な冷却プラントにおいて室温に達するまで冷却され、次いで、使用される熱可塑性物質に一般的なブロー成形プロセスを実行するために必要とされる温度、又はPETが使用される場合には、ストレッチブロー成形のために必要とされる温度までプリフォームを戻すために、適切なオーブン中に導入されるのを待つ間、保管される。
【0005】
顎が装備された伸長可能なアームを有する一連のグリッパーが設けられた回転可能なホイールを備えるいわゆるスターが、回転カルーセル(carousel)からなるプラントにおいてプリフォーム又は最終容器を移送するために用いられ得る。PETプリフォーム又は容器を生産するためのこのタイプの生産プラントに関するいくつかの問題は、自動化能力の向上、信頼性の向上、一方のステーションから他方のステーションへのプリフォームの移送速度の向上、保守時間の短縮、及び、何よりも生産時間の短縮を行う必要性に関する。プリフォームの生産能力を向上させるために、高度に自動化されたシステムを利用する必要があり、また、プリフォームが成形モジュール中に残っている時間と、プリフォームが変形の危険なしに移送スター又はホイールのグリッパーによってピックされ得るように、プリフォームを外側で十分に固くするための、プリフォームの最初の冷却のために必要とされる時間とを短縮する必要がある。これらの時間を最小にすることは、プリフォームが室温に急速に戻され得る効率的な冷却装置にプリフォームを急速に移送するためのシステムが利用可能でない場合に、結晶化(crystallinity)ゾーンが形成される危険をもたらし得る。したがって、生産性を高めるという市場ニーズを満たすために、特にPETから製造されるプリフォーム又は容器を生産するための、回転機械を有する新たなプラントを製造する必要性が感じられる。また、したがって、述べた理由では、新たなより効率的な冷却プラントも必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の問題を解決する、熱可塑性物質プリフォーム又は容器、特にPETを生産するための生産プラントのための回転冷却装置を提供することである。これらの問題のうちの1つは、特に、プリフォーム又は、たとえば試験管などの容器の冷却時間に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
解決策は、高い生産速度を有するプリフォーム又は試験管などの容器の生産プラントに用いられ得る回転冷却装置、すなわち、熱可塑性材料から製造された、特にPETから製造されたプリフォーム又は容器の回転冷却装置であって、
それ自体の外周を有し、略垂直な回転軸Xの周りを回転するように適応されたカルーセルと、
当該外周の少なくとも一部に沿って配置された少なくとも1つの固定されたガイド要素と、
カルーセルの外周に沿って径方向に配置された複数の冷却デバイスであって、各冷却デバイスは、当該回転軸Xに対して径方向に沿って略水平方向に平行移動するように適応され、各冷却デバイスには、当該径方向に沿って連続的に配置され、冷却されるそれぞれのプリフォームをそれぞれ受け入れるように適応された複数の冷却管が設けられた、複数の冷却デバイスと、
複数のピックアンドリリース装置であって、各ピックアンドリリース装置は、それぞれの冷却デバイスと協働し、移送ホイール(transfer wheel)からプリフォームをピックし、当該冷却管のうちの1つの中に代わる代わる当該プリフォームをリリースし、当該プリフォームを再びピックして当該回転装置の下流に当該プリフォームをリリースするように適応され、当該少なくとも1つのピックアンドリリース装置は、カルーセルの回転中に、当該少なくとも1つの固定されたガイド要素と協働することによって、当該径方向に対して交差する方向に上方又は下方に平行移動するように適応された、複数のピックアンドリリース装置と
を備える、回転冷却装置である。
【0008】
本発明の別の態様は、上述の回転冷却装置を備える、熱可塑性材料から製造されるプリフォーム又は容器を生産するための生産プラントであって、当該回転冷却装置が回転射出成形機の下流に配置され、移送ホイールが当該回転射出成形機と当該回転冷却装置との間に設けられた、生産プラントを提供する。
【0009】
本発明のさらなる態様は、回転冷却装置の動作方法であって、移送ホイールが回転冷却装置の上流に設けられ、全速において本方法は、各冷却デバイスについて、カルーセルの回転中に以下のステップ、すなわち、
a)第1のプリフォームの受け入れ位置(receiving position)に設けられた第1の管中を除いて、それぞれの冷却管中に導入された、冷却されるプリフォーム又は容器を与えるステップと、
b)ピックアンドリリース装置によって移送ホイールから第1のプリフォームをピックし、当該第1の管中に第1のプリフォームをリリースするステップと、
c)好ましくは第1の管に隣接する第2の管が当該受け入れ位置に到達するように、第1の向きに、又は第1の向きと反対の第2の向きに、径方向に沿って冷却デバイスを平行移動させるステップと、
d)当該ピックアンドリリース装置によって当該第2の管から第2のプリフォームをピックし、回転冷却装置の下流に第2のプリフォームをリリースするステップと、
e)ピックアンドリリース装置によって移送ホイールから新たな第2のプリフォームをピックし、当該第2の管中に新たな第2のプリフォームをリリースするステップと、
f)それぞれ第3のプリフォームから第nのプリフォームまでを冷却するように適応された、当該複数の冷却管のうちの第3の管から第nの管までについて、ステップc)からステップe)までを繰り返すステップと、
g)第1の管が当該受け入れ位置に戻るように、当該第2の向き又は当該第1の向きに径方向に沿って冷却デバイスを平行移動させるステップと、
h)当該ピックアンドリリース装置によって当該第1の管から第1のプリフォームをピックし、回転冷却装置の下流に第1のプリフォームをリリースするステップと、
i)ステップb)からステップh)までを繰り返すステップと
を含む、回転冷却装置の動作方法に関する。
【0010】
有利には、本発明の解決策は、
より高い温度においてそれぞれの射出成形キャビティからプリフォーム又は容器を抜き出すことによって、プリフォームを生産するための生産プラントの生産性を向上させることと、
曲がり又は屈曲(curvature)を回避しながら、プリフォーム又は容器の収縮を最適に制御することと、
厚さが増した最適な品質のプリフォーム又は容器を生産することと、
プリフォーム又は容器の連続的な流れを処理することであって、それにより、プリフォーム自体又は容器自体の容易なインライン品質管理が可能にし、したがって、単一の製品に欠陥があった場合に、成形されたプリフォーム又は容器のセット全体を廃棄することが回避される、プリフォーム又は容器の連続的な流れを処理することと
を可能にする。
【0011】
従属クレームは本発明の好ましい実施例を記載しており、したがって本明細書の一体部分を形成する。
【0012】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面の助けを借りて非限定的な例として示されている、射出成形又は射出圧縮成形タイプのプラスチック容器を生産するための装置に従って説明される、好ましい、ただし排他的ではない、実施例の詳細な説明に照らせば、より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による回転冷却装置がそれの中に組み込まれている、熱可塑性物質から製造されるプリフォーム又は容器を生産するための生産プラントの実例の概略平面図である。
【
図2】本発明の回転冷却装置の不等角投影図(axonometric view)である。
【
図3】
図2の回転冷却装置のモジュールの不等角投影図である。
【
図4】
図3のモジュールの正面図と、ピックアンドリリース装置の高さを調整するためのガイド要素の一部とを示す図である。
【
図6】本発明による装置の全速における動作サイクルのダイヤグラムを示す図である。
【
図7】本発明の装置の開始ステップのダイヤグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面中の同じ参照番号及び文字は同じ要素又は構成要素を識別する。
【0015】
図1を参照すると、熱可塑性材料から製造されるプリフォーム、又はたとえば試験管などの容器を生産するための生産プラントが示されており、プラントは本発明による回転冷却装置10を備える。
【0016】
回転冷却装置10は、回転射出成形機11、たとえば、必ずしもそうであるとは限らないが、回転射出圧縮成形機の下流に配置される。
【0017】
移送ホイール12が回転射出成形機11と回転冷却装置10との間に設けられる。冷却されたプリフォーム又は容器をアンローディング(unloading)するための任意の技術的解決策が回転冷却装置10の下流に設けられ得る。たとえば、
図1に示されているように、1つ又は複数のアンローディング・ホイール13が設けられ得る。
図1の曲線矢印は生産プラントの様々な構成要素の回転方向を示す。
【0018】
直線タイプのアンローディング・デバイス又は任意のその他の好適なアンローディング・デバイス、たとえば冷却された製品を受け入れるための1つ又は複数の容器をアンローディング・ホイール13の代わりとして設けることができる。
【0019】
好ましくは、回転冷却装置10の下流の、個々のプリフォームの又は個々の容器の光学制御システムが設けられる。
図1の具体例では、個々のプリフォームの又は個々の容器のそうした光学制御システムを用意するために回転冷却装置10の下流の3つのアンローディング・ホイール13が使用される。それによって、個々のプリフォームの又は個々の容器の品質検査をインラインで実行し、それによって、背景技術の解決策において行われるような、個々の製品に欠陥があった場合に、成形されたプリフォーム又は容器のセット全体を廃棄することを回避することができる。
【0020】
図2から
図5を参照すると、それらのすべての実施例において、本発明の回転冷却装置は、
それ自体の円形の外周を画定し、略垂直な回転軸Xの周りを回転するように適応されたカルーセル1と、
カルーセル1の外周の少なくとも一部に沿って配置された、
図4に部分的にのみ示されている、少なくとも1つの固定されたガイド要素6、たとえば単一のガイド要素又はカムと、
カルーセルの外周に沿って径方向に配置された複数の冷却デバイス3であって、各冷却デバイス3は、回転軸Xに対して径方向に沿って略水平方向に平行移動するように適応され、各冷却デバイス3には、互いに平行に、径方向に沿って連続的に配置され、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるようにそれぞれ適応された複数の冷却管4が設けられた、複数の冷却デバイス3と、
複数のピックアンドリリース装置5であって、各ピックアンドリリース装置5は、それぞれの冷却デバイス3と協働し、移送ホイール12からプリフォームをピックし、当該冷却管4のうちの1つの中に代わる代わる当該プリフォームをリリースし、次いで、冷却が完了すると、同じプリフォームを再びピックして、回転冷却装置10の下流、たとえばアンローディング・ホイール13において、そのプリフォームをリリースするように適応された、複数のピックアンドリリース装置5と
を備える。
【0021】
特に、ガイド要素6は、連続的な又は非連続的な環状要素、すなわち、閉じているか又はその一部分が開いていて、カルーセル1と同心であり、異なる高さに領域が設けられた環状要素であり得る。
【0022】
少なくとも1つのピックアンドリリース装置5は、カルーセル1の回転中に、固定されたガイド要素6とのそれの協働によって、径方向に対して交差する方向に、たとえば径方向に対して直角に上方又は下方に平行移動するように適応される。
【0023】
たとえば、各ピックアンドリリース装置5は、カルーセルの構造体に固定された略垂直なガイド15に沿って摺動することができる支持構造体14を備える。そうした支持構造体14には、好ましくはその上端にローラ要素又はリフタ要素16が設けられ、ローラ要素又はリフタ要素16は、カルーセル1の回転中に、ガイド要素6を摺動させるか又はガイド要素6に追従することによって、対応するピックアンドリリース装置5の上方又は下方の平行移動を引き起こす。支持構造体14には、好ましくはその下端にグリッパー18が代わりに設けられる。随意に、少なくとも1つの冷却デバイス3と少なくとも1つの対応するピックアンドリリース装置5とが配置され、したがって、回転冷却装置の冷却モジュール2を画定する。
【0024】
冷却モジュール2が存在する場合、少なくとも1つのガイド15が各冷却モジュール上に固定される。
【0025】
図2~
図5の実例では、各冷却モジュール2は、3つの冷却デバイス3と、3つの対応するピックアンドリリース装置5とを備える。
【0026】
他の変形態では、3つよりも少ないか又は3つよりも多い冷却デバイス3とそれぞれのピックアンドリリース装置5とが各冷却モジュール2に設けられ得る。また、単一の冷却デバイス3と単一の対応するピックアンドリリース装置5とが設けられ得る。
【0027】
図5の実例に示されているように、必ずしもそうであるとは限らないが、好ましくは、1つの冷却管とそれに隣接する冷却管との間のピッチに等しい、第1の向きの、又は第1の向きと反対の第2の向きの、径方向Yに沿った平行移動を、対応する冷却デバイス3に与えるように適応された、少なくとも1つの移動デバイス17、たとえば、関係する変速機をもつ少なくとも1つのモータが設けられる。
【0028】
好ましくは、実質的に、径方向に沿って、次に続く冷却管と互いに隣接する、各冷却デバイス3の複数の冷却管4がベース7上に配置され、ベース7は、冷却モジュール2に一体的に固定されたガイド9上を摺動する。
【0029】
したがって、移動デバイス17、たとえば関係する変速機を有する少なくとも1つのモータは、ベース7に対して径方向である方向Yに沿った平行移動を与える。
【0030】
冷却管4は、ベース7によって画定された縦軸に直角である、その略垂直な軸をそれぞれ画定する。
【0031】
各冷却管4には、たとえば、冷却流体、たとえば水のための内部回路と、ピックアンドリリース装置5によってリリースされたときのプリフォームの冷却管中への導入を促進するための吸気ダクトとが設けられる。
【0032】
各冷却デバイス3のベース7には、各冷却管の内部回路に接続された、冷却流体のためのチャネルが設けられ、また、各冷却管4の吸気ダクトに接続された、空気のためのチャネルが設けられる。特に、冷却流体のための、少なくとも1つの入口チャネルと少なくとも1つの出口チャネルとがベース7中に設けられる。
【0033】
以下は、移送ホイール12が回転冷却装置10の上流に設けられ、アンローディング・ホイール13が当該回転冷却装置10の下流に設けられることを考慮した、本発明による、プリフォームの回転冷却装置の動作方法の説明である。容器、たとえば試験管がプリフォームの代わりに冷却され得る。
【0034】
上述のように、直線タイプのアンローディング・デバイス又は任意の他の好適なアンローディング・デバイス、たとえば、冷却された製品を受け入れるための1つ又は複数の容器が、アンローディング・ホイール13の代わりとして設けられ得る。
【0035】
その中にそれぞれのプリフォームを収容している
図6及び
図7の冷却管4は、線が引かれた背景によって示されている一方、空の冷却管は背景なしで示されている。
【0036】
回転冷却装置10の全速における動作方法は、各冷却デバイス3について、カルーセル1の回転中に、以下のステップ(
図6)、すなわち、
a)第1のプリフォームの受け入れ位置に設けられた第1の管中を除いて、すべてのそれぞれの冷却管4中に導入された、冷却されるプリフォームを与えるステップ(たとえば
図3参照)と、
b)ピックアンドリリース装置5によって移送ホイール12から第1のプリフォームをピックし、第1の管中に第1のプリフォームをリリースするステップと、
c)必ずしもそうであるとは限らないが、好ましくは第1の管に隣接する第2の管が受け入れ位置に到達するように、第1の向きに、又は第1の向きと反対の第2の向きに、径方向に沿って冷却デバイス3を平行移動させるステップと、
d)ピックアンドリリース装置5によって第2の管から第2のプリフォームをピックし、アンローディング・ホイール13に回転冷却装置の下流で第2のプリフォームをリリースするステップと、
e)ピックアンドリリース装置5によって移送ホイール12から新たな第2のプリフォームをピックし、依然として受け入れ位置にある当該第2の管中に新たな第2のプリフォームをリリースするステップと、
f)それぞれ第3のプリフォームから第nのプリフォームまでを冷却するように適応された、複数の管のうちの第3の管から第nの管まで(単なる実例として、3つから10個までの冷却管、たとえば、
図2~
図7に示されているように8つの冷却管が、冷却デバイス3中に設けられ得る)について、ステップc)からステップe)までを繰り返すステップと、
g)第1の管が当該受け入れ位置に戻るように、当該第2の向き又は当該第1の向きに径方向に沿って冷却デバイス3を平行移動させるステップと、
h)ピックアンドリリース装置5によって当該第1の管から第1のプリフォームをピックし、アンローディング・ホイール13に第1のプリフォームをリリースするステップと、
i)ステップb)からステップh)までを繰り返すステップと
を含む。
【0037】
受け入れ位置とは、対応するピックアンドリリース装置5の下の冷却管の位置、特に、冷却管4が、ピックアンドリリース装置5の、閉位置にあるグリッパー18によって囲まれたエリアと同軸であるときの冷却管4の位置を意味する。
【0038】
冷却されるそれぞれのプリフォームの、移送ホイール12からのピック、及び冷却管4、たとえば第1の管から第nの管までの中へのリリースは、全速における動作に先行する、本発明の装置の開始ステップにおいて行われる。この開始ステップの実例が
図7に示されている。
【0039】
好ましくは、移送ホイール12からプリフォーム又は容器をピックすることは第1の高さにおいて行われ、それぞれの冷却管4中にプリフォームをリリースすることは、第1の高さよりも低い第2の高さにおいて行われ、それぞれの冷却管4からプリフォームをピックすることは、第2の高さよりも低いか又はそれに等しい第3の高さにおいて行われ、アンローディング・ホイール13又はその他の好適なアンローディング・デバイスにプリフォームをリリースすることは、第2の高さよりも高い第4の高さにおいて行われる。第1の高さと第4の高さとは互いに等しくなり得る。
【0040】
図1のプラントを参照すると、各プリフォームは、点Aにおいてそれぞれのピックアンドリリース装置5を用いて移送ホイール12によって把持される。プリフォームがそれぞれの冷却デバイス3の対応する管4中にリリースされた(ステップb)後に、また、上述のプリフォームの冷却が完了され、ステップc)からステップg)が実行される、回転装置10の何回かの回転の後に、プリフォームは同じピックアンドリリース装置5によって再び把持され、ピックアンドリリース装置5は、管からプリフォームを取り外し、点Bにおいて回転冷却装置10の下流にプリフォームをリリースする(ステップh)。
【0041】
鋭角の中心角αを画定する、回転装置10の範囲ABにおいて、ピックアンドリリース装置5には常にプリフォームがない。全速動作において、この範囲AB中の各冷却デバイス3はただ1つの空の冷却管を有する。
【国際調査報告】