(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】非折りたたみ式カテーテルチューブ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240118BHJP
A61M 25/04 20060101ALI20240118BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20240118BHJP
A61M 25/14 20060101ALI20240118BHJP
A61F 5/44 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61M25/04
A61M39/24 100
A61M25/14 514
A61F5/44 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023539293
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021065295
(87)【国際公開番号】W WO2022146972
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ミンリャン ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ザリアンケヴィッチ,パヴェル
【テーマコード(参考)】
4C066
4C077
4C098
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA02
4C066QQ15
4C077AA26
4C077KK30
4C098AA09
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE11
4C267AA09
4C267BB10
4C267BB26
4C267BB27
4C267BB33
4C267BB40
4C267CC24
4C267EE11
4C267GG05
4C267HH08
4C267HH09
(57)【要約】
特定の実施形態による装置は、一般に、近位端および反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、前記遠位端を取り囲む膨張可能なバルーンとを含む。前記細長い管状部材は、アウタチューブと、前記アウタチューブ内に配置された非折りたたみ式のインナチューブと、前記アウタチューブと前記インナチューブの間に配置された圧縮性材料とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、
遠位端を取り囲む膨張可能なバルーンと、を有し、
前記細長い環状部材は、アウタチューブと、前記アウタチューブ内に配置され非折りたたみ式のインナチューブと、
前記アウタチューブと前記インナチューブとの間に配置された圧縮性材料と、
を有する装置。
【請求項2】
前記非折りたたみ式のインナチューブは、前記非折りたたみ式のインナチューブの長さの少なくとも一部に沿って波形である
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記非折りたたみ式のインナチューブは、交互に配置された厚肉部と薄肉部とを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記非折りたたみ式のインナチューブは、壁の厚さが0.8mmから4mmまで、または、1.0mmから2.5mmまでである
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記非折りたたみ式のインナチューブは、らせん要素を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記らせん要素は、ワイヤを有する
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記らせん要素は、非折りたたみ式のインナチューブと一体的に形成されている
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記非折りたたみ式のインナチューブは、デュロメータがショアA80以下、ショアA70以下、または、ショアA60以下である
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮性材料は、オープンセルフォームまたはポリウレタンのうち少なくとも一方を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPaから約15kPa、または約2kPaから約5kPaを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記圧縮性材料のデュロメータは、50ショアD未満、および/または、100ショアA未満である
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記圧縮性材料は、乾燥状態で約50kPaから約200kPa、または好ましくは約100kPaから150kPaの引張強度を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記圧縮性材料は、前記圧縮性材料が圧縮されていないとき、約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満の厚さを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記圧縮性材料は、前記圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%のときに、約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満の厚さを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記バルーン内に配置された第2の圧縮性材料をさらに有する
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の圧縮性材料は、前記バルーンを圧縮する圧力に応じて膨張状態から圧縮状態に移動するように構成されており、
前記第2の圧縮性材料は、圧力の除去に応じて圧縮状態から膨張状態に戻り、それによって前記バルーンの膨張を引き起こすように構成されている
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記チャンバに流体連通されたバルブアセンブリをさらに有し、
前記バルブアセンブリは、少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記逆止弁は、ダックビル弁、アンブレラ弁、ディスク弁、ダイヤフラム弁、またはオープンベントのうちの少なくとも1つを有する
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記圧縮性材料は、前記アウタチューブと前記インナチューブの間に画定されるチャンバ内に配置されている
請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記チャンバに流体連通されたバルブアセンブリをさらに有し、
前記バルブアセンブリは、前記チャンバと前記圧縮性材料の圧縮時に、前記チャンバから流体が流出するように作動可能な第1の逆止弁と、前記チャンバと前記圧縮性材料の膨張時に、前記チャンバへの流体の流入を許容するように動作可能な第2の逆止弁とを有する
請求項18に記載の装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置を有する糞便管理システム。
【請求項23】
近位端と反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、
遠位端を取り囲む膨張可能なバルーンと、
前記細長い管状部材または前記バルーンのいずれか1つに形成された第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに収容された第1の圧縮性材料と、
前記第1のチャンバに流体連通されたバルブアセンブリと、を有し、
前記バルブアセンブリは、少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する、
装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの圧力調整逆止弁は、第1の逆止弁と第2の逆止弁とを有し、
前記第1の逆止弁は、前記第1のチャンバと前記第1の圧縮性材料の圧縮時に、前記第1のチャンバから流体が流出できるように構成され、
前記第2の逆止弁は、前記第1のチャンバと前記第1の圧縮性材料の膨張時に、前記第1のチャンバに流体が流入できるように構成されている
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第1のチャンバは、前記細長い管状部材内に形成されている
請求項23の記載の装置。
【請求項26】
前記細長い管状部材は、アウタチューブと、前記アウタチューブ内に配置されたインナチューブとを有し、
前記第1のチャンバは、前記インナチューブと前記アウタチューブの間に画定されている
請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記インナチューブは、非折りたたみ式である
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の圧縮性材料は、前記第1の圧縮性材料が圧縮されていないとき、約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満の厚さを有する
請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の圧縮性材料は、前記圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%のときに、約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満の厚さを有する
請求項23に記載の装置。
【請求項30】
他の細長い管状部材または前記バルーンに形成された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内に収容された第2の圧縮性材料と、をさらに有する
請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバは、互いに流体連通されている
請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の圧縮性材料は、前記第1のチャンバを圧縮する圧力に応じて膨張状態から圧縮状態に移動するように構成されており、
前記第1の圧縮性材料は、圧力の除去に応じて圧縮状態から膨張状態に戻り、それによって前記第1のチャンバの膨張を引き起こすように構成されている
請求項23に記載の装置。
【請求項33】
前記逆止弁は、前記第1のチャンバと流体源との間の差圧が前記逆止弁のクラッキング圧力を超えることに応じて、前記流体源から前記第1のチャンバへの流体の流入を許容するように構成されている
請求項23に記載の装置。
【請求項34】
前記クラッキング圧力は、10mmHgから25mmHgまでである
請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記流体源は、大気圧である
請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPaから約15kPa、または約2kPaから約5kPaを有する
請求項23に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の圧縮性材料のデュロメータは、50ショアD未満、および/または、100ショアA未満である
請求項23に記載の装置。
【請求項38】
前記第1の圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する
請求項23に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の圧縮性材料は、乾燥状態で約50kPaから約200kPa、または好ましくは約100kPaから150kPaの引張強度を有する
請求項23に記載の装置。
【請求項40】
請求項23に記載の装置を有する糞便カテーテル。
【請求項41】
細長い管状部材を、軟組織を有する体腔内に挿入する方法であって、
前記細長い管状部材は、アウタチューブ、前記アウタチューブ内に配置されて非折りたたみ式のインナチューブ、および前記インナチューブと前記非折りたたみ式のインナチューブの間に配置された第1の圧縮性材料を有する、
方法。
【請求項42】
前記細長い管状部材の挿入端に結合されたバルーンを膨張させ、それによって軟組織とのシールを形成することをさらに有する
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記バルーンを膨張させることは、前記バルーンのキャビティ内に配置された第2の圧縮性材料を膨張させることを有する
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の圧縮性材料を、圧縮状態から膨張状態に膨張して、それによって前記アウタチューブと前記軟組織との間にシールを形成することをさらに有する
請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の圧縮性材料を膨張することは、前記第1の圧縮性材料が収容されているチャンバに流体を導入することを有する
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記体腔は、直腸腔である
請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の圧縮性材料の膨張中に、前記第1の圧縮性材料と流体連通された逆止弁を介して、前記前記第1の圧縮性材料に流体を選択的に流し、それにより第1の圧縮性材料の膨張を促進することをさらに有する
請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の圧縮性材料の圧縮中に、前記第1の圧縮性材料と流体連通された逆止弁を介して、前記第1の圧縮性材料から流体を流出し、それにより第1の圧縮性材料の圧縮を促進することをさらに有する
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記逆止弁は、さらに流体源に流体連通されており、
前記第1の圧縮性材料に選択的に流体を流すことは、前記第1の圧縮性材料と前記流体源との間の差圧が前記逆止弁のクラッキング圧力を超える場合にのみ、流体を前記第1の圧縮性材料に流すことを有する
請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記流体源は、大気である
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記クラッキング圧力は、10mmHgから25mmHgの範囲である
請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記クラッキング圧力は、25mmHg以下である
請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の圧縮性材料は、非折りたたみ式のインナチューブを取り囲み、アウタチューブで取り囲まれている
請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記キャビティからの廃棄物を、前記非折りたたみ式のインナチューブを介して前記細長い管状部材の近位端に接続される廃棄物収集装置に導くことをさらに有する
請求項41に記載の方法。
【請求項55】
近位端と反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、
前記細長い管状部材に形成されたチャンバと、
前記チャンバに収容された圧縮性材料と、
前記チャンバと流体連通されたバルブアセンブリとを有し、
前記バルブアセンブリは少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する、
装置。
【請求項56】
前記少なくとも1つの圧力調整逆止弁は、第1の逆止弁と第2の逆止弁とを有し、
前記第1の逆止弁は、前記チャンバおよび前記圧縮性材料の圧縮時に流体が前記チャンバから流出するように構成され、
前記第2の逆止弁は、前記チャンバおよび前記圧縮性材料の膨張時に流体が前記チャンバに流入するように構成される
請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記細長い管状部材は、アウタチューブと、前記アウタチューブ内に配置されたインナチューブと、を有し、前記インナチューブと前記アウタチューブの間に前記チャンバが画定されている
請求項55に記載の装置。
【請求項58】
前記インナチューブは、非折りたたみ式である
請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記圧縮性材料は、前記圧縮性材料が圧縮されていないとき、約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満の厚さを有する
請求項55に記載の装置。
【請求項60】
前記圧縮性材料は、前記圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%のときに、約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満の厚さを有する
請求項55に記載の装置。
【請求項61】
前記圧縮性材料は、前記チャンバを圧縮する圧力に応じて膨張状態から圧縮状態に移動するように構成されており、
前記圧縮性材料は、圧力の除去に応じて圧縮状態から膨張状態に戻り、それによって前記チャンバの膨張を引き起こすように構成されている
請求項55に記載の装置。
【請求項62】
前記逆止弁は、前記チャンバと流体源との間の差圧が前記逆止弁のクラッキング圧力を超えることに応じて、前記流体源から前記チャンバへの流体の流入を許容するように構成されている
請求項55に記載の装置。
【請求項63】
前記クラッキング圧力は、10mmHgから25mmHgまでである
請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記流体源は、大気圧である
請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPaから約15kPa、または約2kPaから約5kPaを有する
請求項55に記載の装置。
【請求項66】
前記圧縮性材料のデュロメータは、50ショアD未満、および/または、100ショアA未満である
請求項55に記載の装置。
【請求項67】
前記圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する
請求項55に記載の装置。
【請求項68】
前記圧縮性材料は、乾燥状態で約50kPaから約200kPa、または好ましくは約100kPaから150kPaの引張強度を有する
請求項55に記載の装置。
【請求項69】
請求項55に記載の装置を有する糞便カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【出願との相互参照】
【0001】
本出願は、2021年5月10日に出願された米国仮特許出願第63/186,546号および2020年12月28日に出願された米国仮特許出願第63/131,154号の利益を主張するものであり、それぞれの内容は参照によりその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
腐食性の廃液による患者の皮膚の汚染を防ぎ、感染の可能性のある物質による汚染のリスクを低減し、寝具の汚れを最小限に抑えるために、歩行不可能な入院患者の液体または半液体の糞便を捕捉し、封じ込めるために留置型糞便管理カテーテルが利用される。糞便管理用カテーテルは一般に、カテーテルを直腸内に固定する膨張可能なバルーンと、糞便を患者の直腸から遠ざけるチューブを有する。
【発明の概要】
【0003】
排便管理中に括約筋にかかる力を軽減するため、ほとんどの留置型排便カテーテルのチューブは折りたたみ式になっており、患者の肛門周囲でカテーテルチューブの外側に糞便の漏出経路が生じる可能性がある。本開示の特定の実施形態は、括約筋に最小限の圧力を加えながら、糞便の効果的な排出を可能にし、カテーテルチューブ周囲の漏洩を減少させるか全くしないようにするカテーテルチューブに関する。いくつかの実施形態では、カテーテルチューブは、圧縮して周囲の組織にかかる過剰な圧力を軽減し、患者の動きに対応する材料を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルは、圧縮可能で括約筋組織にかかる圧力が低減された、柔らかくて非折りたたみ式のチューブを有する。これは、折りたたみ式のカテーテルチューブ(すなわち、柔らかく折りたたみ可能な)または高圧を生じ、カテーテルチューブ括約筋に損傷を与える可能性がある固定容積のエアポケットを有する他のカテーテル設計とは対照的である。米国特許第8,016,816号B2およびEP第2,278,945号B1に記載されているように、一般的な糞便カテーテルは折りたたみ式のカテーテルチューブを採用しているが、米国特許第8,939,952号およびWO2007118621A1には、直腸組織に対する改善されたシールを提供するために二重バルーンからなるエアポケットが開示されている。後者の設計は閉じたエアポケットを使用するが、排便中、患者の動きまたは患者が座っている間、エアポケットの閉じたシステムにより圧力が増加するという欠点がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、柔らかくて非折りたたみ式の波形チューブを有する例示的な糞便管理システムの断面図である。
【0005】
【
図2】
図2は、柔らかくて薄肉部分と厚肉部分を有する非折りたたみ式のチューブを有する糞便管理システムの例示的な断面図である。
【0006】
【
図3】
図3は、柔らかくて非折りたたみ式のスパイラルチューブを有する例示的な糞便管理システムの断面図である。
【0007】
【
図4】
図4は、柔らかくて非折りたたみ式の肉厚チューブを有する例示的な糞便管理システムの断面図である。
【0008】
【
図5】
図5は、圧縮性材料を有する追加チャンバの断面図である。
【0009】
【
図6】
図6は、細長い管状チャンバと大気との間に好ましい差圧を維持する、通気口への1つの接続と一方向逆止弁への2つ目の接続を持つTコネクタ設計を示している。
【例示的実施形態の詳細な説明】
【0010】
本開示の概念は様々な修正および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示および添付の特許請求の範囲に合致するすべての変更、等価物、および代替物を対象とする意図があることを理解されたい。
【0011】
本明細書における「一実施形態」、「一実施形態」、「例示的実施形態」等への言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を有する可能性があることを示すが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を有するとは限らない。さらに、このような表現は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、「好ましい」構成要素または特徴への言及は、ある実施形態に関して特定の構成要素または特徴の望ましさを示す場合があるが、本開示は、そのような構成要素を省略できる他の実施形態に関してそれほど限定するものではないことを理解されたい。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に関連して実施することは当業者の知識の範囲内であることを提出する。
【0012】
さらに、「A、B、Cの少なくとも1つ」という形式のリストに含まれる項目は、(A);(B);(C);(AおよびB);(BおよびC);(AおよびC);または(A、B、C)を意味し得ることが理解されるべきである。同様に、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という形で記載されている項目は、(A)、(B)、(C)、(AとB)、(BとC)、(AとC)、または(A、B、C)を意味することがある。A、B、および/またはC」の形で記載されている項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(BおよびC)、(AおよびC)、または(A、B、およびC)を意味することもある。さらに、特許請求の範囲に関して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つ」、および/または「少なくとも1つ部分」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、そのような要素を1つのみに限定するように解釈されるべきではなく、「少なくとも一部」、および/または「一部」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、そのような要素の一部のみを有する実施形態と、そのような要素の全体を有する実施形態との両方を包含するように解釈されるべきである。
【0013】
本明細書において、「約」という用語は、特定の定量的測定を修正するために使用されることがある。様々な態様において、「約」という用語は、表現された値が最大10%、最大5%、または最大1%異なる可能性があることを意味する場合がある。したがって、圧力が「約100kPa」という表示は、圧力が90kPaから110kPaまで、95kPaから105kPaまで、または99kPaから101kPaまでであることを示す場合がある。
【0014】
図面では、いくつかの構造的または方法的特徴が、特定の特別な配置および/または順序で示されている場合がある。しかし、そのような特別な配置および/または順序は必ずしも必要ではないことを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、反対の指示がない限り、例示的な図に示されているのとは異なる方法および/または順序で配置されてもよい。さらに、特定の図に構造的特徴または方法的特徴を含めることは、そのような特徴がすべての実施形態において必要であることを意味するものではなく、実施形態によっては、省略されてもよく、または他の特徴と組み合わされてもよい。
【0015】
本開示の一態様では、医療廃棄物の排水のための細長い管状要素を有する医療器具が提供される。医療器具は、糞便管理システム(FMS)の一部であってもよく、この場合、管状要素は、FMS周囲の糞便物質の漏れを最小限にするか、または漏れをなくすように設計されている。いくつかの実施形態では、医療器具は、括約筋によって管状要素に力が加えられたときに組織に適合する、管状要素内に配置された圧縮性材料を有する。FMSとして具現化された例示的医療機器を
図1に示す。
【0016】
例示的なFMS100は、遠位端150および近位端152を有する細長い管状要素104を有するカテーテル101と、遠位端150を取り囲む膨張可能なバルーン102とを有する。メインチューブ104は、遠位アダプタ118および近位アダプタ120のそれぞれを介してインナチューブ122に接続されている。図示の実施形態では、膨張可能なバルーン102は、例えば、膨張ルーメンをメインチューブ104およびバルーン102のチャンバに接続するポート124を介して、空気または液体(例えば、生理食塩水)などの流体で膨張させることができる。いくつかの実施形態では、膨張可能なバルーン102は、圧縮性材料106を収容できる。細長いチャンバ110内には、洗浄通路128、バルーンの膨張/収縮通路126、および圧力管理用の細長いチューブチャンバ110への通路114が形成されている。
【0017】
図示の形態では、本装置は糞便管理システム100のカテーテル101として提供される。また、カテーテル101は、フォーリー(尿道)カテーテルとして、または別の形態のカテーテルとして使用するなど、別の用途に提供されることも想定される。さらに、本明細書に記載されている細長い管状要素104は、呼吸装置用の気道を形成するなど、身体の他の領域に使用できる可能性があることも考えられる。
【0018】
図示の形態では、細長い管状要素104の遠位部分は被験者の直腸に挿入可能であり、遠位部分から細長い管状要素104内の排液路116を通って近位部に流れる排泄物を収集する。遠位部分が直腸内に挿入されると、膨張可能なバルーン102は体内組織と係合して遠位部分を直腸内に保持し、体内の排泄物を、排水通路116を通して迂回させるためのシールを提供し得る。装置がカテーテルとして使用されるような特定の実施形態では、カテーテル101の近位端152は、廃棄物を受け取るための廃棄物収集装置(例えば、バッグまたは他の容器)と接続されてもよい。装置が気道通路として使用されるように意図されているような他の実施形態では、近位端152は、空気源と接続されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、細長い管状要素104は非折りたたみ式であり、流体は完全に妨害されることなく排水通路116を通過できる。例えば、非折りたたみ式の細長い管状要素104は、ワイヤで補強されてもよい。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素104は、管を非折りたたみ式にするための螺旋状インサートを有する。いくつかの実施形態では、細長い管状要素104は、非折りたたみ式の管状要素122をさらに有する。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、非折りたたみ式である厚肉チューブを有する。壁の厚さは、0.8mmから4mmまで、好ましくは1.0mmから2.5mmまでであってもよい。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図1に示されるような波形チューブを有する。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図2に示すように、薄い部分と厚い部分が交互に配置された異形押出管を有する。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図3に示されるような強化されたスパイラルまたはワイヤを有する。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図3に示すに、補強スパイラルと共押出しされた薄肉チューブを有する。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図4に示されるような厚い壁を有する。
【0020】
細長い管状要素104の材料は、ショアA80(ASTMD2240)以下、好ましくはショアA70以下、最も好ましくはショアA60以下のデュロメータを有し得る。細長い管状要素104は、約0.5mmから約3mmまで、または好ましくは0.5mmから1mmまでの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は、例えば
図3に示されるような強化スパイラルを有する。スパイラルはチューブと同じ材料であってもよいし、より高いデュロメータを有する異なる材料であってもよい。いくつかの実施形態では、非折りたたみ式の管状要素122は波形チューブを有する。いくつかの実施形態において、非折りたたみ式チューブ122の硬度は、ショアA80(ASTM D2240)以下、好ましくはショアA70以下、より好ましくはショアA60以下である。いくつかの実施形態において、非折りたたみ式管122および圧縮性材料112からなる細長い管状要素104の硬度は、ショアA80(ASTM D2240)以下、好ましくはショアA70以下、より好ましくはショアA60以下である。
【0021】
細長い管状要素104は、括約筋が細長い管状要素104に力を加えたときに組織に適合し得る圧縮性材料112をさらに有する。場合によっては、圧縮性材料112は、膨張可能なバルーン102内の圧縮性材料106と同じ特性を持つ同じ材料を有する。場合によっては、細長い管状要素104の圧縮性材料112は、膨張可能なバルーン102内の圧縮性材料106とは異なる材料および/または異なる特性を有する。圧縮性材料112および/または圧縮性材料106として使用するのに適した材料の非限定的な例としては、オープンセルフォームおよびポリウレタンが挙げられる。
【0022】
いくつかの実施形態において、圧縮性材料106および/または圧縮性材料112は、約20kg/m3~約60kg/m3、好ましくは約20kg/m3~約30kg/m3の密度(ISO845)を有する。いくつかの実施形態において、圧縮性材料106および/または圧縮性材料112の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPa~約15kPa、好ましくは2kPa~5kPa(ISO 3386-1)を有する。いくつかの実施形態において、圧縮性材料106および/または圧縮性材料112の乾燥時の引張強さは、約50kPa~約200kPa、好ましくは約100kPa~約150kPa(ISO1798)を有する。いくつかの実施形態では、圧縮性材料の公称硬度(デュロメータ、ASTM D2240)は、50ショアD未満、および/または100ショアA未満、または好ましくは90ショアA未満である。いくつかの実施形態では、圧縮性材料は、10秒以内、できれば5秒以内に、初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームである。いくつかの実施形態では、圧縮性材料106および/または圧縮性材料112は、圧縮された形状を維持する形状記憶フォームである。
【0023】
いくつかの実施形態では、圧縮性材料112の厚さは、圧縮性材料112が圧縮されていないとき、約8mm未満、約5mm未満、または約2mm未満である。いくつかの実施形態では、圧縮性材料112の厚さは、圧縮性材料112が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%であるとき、約4mm未満、約2mm未満、または約1mm未満である。
【0024】
圧縮性材料112は、細長い管状要素104の内部に配置されている。いくつかの実施形態では、圧縮性材料112は、内部のチャンバ132内に配置される。非限定的な例として、チャンバ110は、細長い管状要素104の内部に隣接するチューブを有し得る。別の例として、圧縮性材料112を有する細長い管状要素の内部に1つ以上のチャンバ132が配置されてもよい。チャンバ110は、
図5に示すように細長い管状要素104の内部の一部であってもよいし、別個の構造であってもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ110は、アウタチューブ104の内部とインナチューブ122の外部とによって画定され得る。いくつかの実施形態では、チャンバ110はポリウレタンを有する。いくつかの実施形態では、チャンバ110はシリコーンを有する。いくつかの実施形態では、チャンバ110は熱可塑性エラストマーを有する。
【0025】
FMS100はさらに、リリースバルブ138およびバルブシステム136を介してチャンバ110を大気と接続する第1の圧力制御通路114を有する。逆止弁システム136は、チャンバ110に作用する力が突然取り除かれたときに、チャンバ110への流体の迅速な流入を可能にするように意図されている。リリースバルブ138は、便意や患者の動きによって圧力が高まったときに圧力を解放するためのものである。第1の通路114は、リリースバルブ138を介して、チャンバ110と大気との間の圧力平衡を可能にできる。チャンバ110内の圧力が大気圧よりも高い場合、平衡に至るプロセスには、チャンバ110から第1の通路114を通ってリリースバルブ138に至り、大気に至る流体(例えば、空気、液体)の流れが含まれ得る。FMSの場合、括約筋組織にかかる圧力は、チャンバ110内の圧縮性材料112のばね係数と大きさによって決定される。
【0026】
チャンバ110が過充填されると(例えば、括約筋によって強い力で圧縮されると)、圧力は、耐えられるように選択されたばね係数よりも高くなり、圧縮性材料112は、圧力を受けて流体がリリースバルブ138を通って出てくるように圧迫される。チャンバが充填不足であり(例えば、チャンバ110に作用する力が突然除去された結果)、圧縮性材料112の膨張力が組織抵抗よりも大きい場合、流体はリリースバルブ138及び/又は逆止弁136を通ってチャンバ110に流入し、圧縮性材料112は所定の大きさまで又は組織抵抗がばね係数に一致するまで膨張する。一部の実施形態では、流量は圧力勾配に比例し、チャンバ110内の過剰圧力が大きいと、過剰圧力が小さい場合よりも大気に向かって流体がより速く放出される。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の通路114は、リリースバルブ138のような通気口を有し、咳、腸の蠕動、又は患者の動きからの圧力などの短いパーミュテーション(permutations)の間にチューブが突然つぶれた場合に、チャンバ110から流体の流れを促進できる。いくつかの実施形態では、通気口は微多孔質材料を有する。いくつかの実施形態では、通気口は焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を有する。非限定的な例では、通気口はPorex PM0530を有する。いくつかの実施形態では、通気口は、平均孔径約200ミクロン~約500ミクロンの発泡PTFE(ゴア社製)を有する。通気口の目的は、空気を素早く流出させることである。たとえば、少なくとも、70 mbarの圧力勾配で0.5リットル/時/cm2(liters/hr/cm2)~50リットル/時/cm2(liters/hr/cm2)、できれば1リットル/時/cm2(liters/hr/cm2)~5リットル/時/cm2(liters/hr/cm2)である。70mbarの圧力勾配でリットル/時/cm2である。追加の例示的な通気口、部分透過性プラグ、膜、または他の材料には、PTFE、シリコーンゴム、および高密度ポリウレタンフォームが含まれる。いくつかの実施形態では、通気口は、大気への小さな穴または一連の穴である。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1の通路114は、5mmHgから100mmHgまで、好ましくは10mmHgから50mmHgまでの範囲の圧力を示すことができる圧力インジケータに接続される。圧力インジケータは、管状チャンバ110の適切な圧力を示す圧力計または機械的手段とできる。圧力インジケータは、装置の近位端にあるバルブ136を介して通路114に接続できる。いくつかの実施形態では、バルブ136は逆止弁として提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、FMSは、膨張可能なチャンバ110と流体連通する第2の通路を有する。場合によっては、第2の通路を通って膨張可能なチャンバ110に流入する流体の流速は、少なくとも第2の通路を通って膨張したチャンバ110から流出する流体の流速の約2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍である。膨張したチャンバ110への注入速度が速いため、排便や患者の動きによる迅速な充填が可能である。いくつかの実施形態では、膨張したチャンバ110からの流出量は、毎分最大約2mlから約15mlである。いくつかの実施形態では、膨張したチャンバ110への流入量は、毎分約20ml、30ml、40ml、50ml、60ml、または70ml以下とできる。FMSの膨張可能なチャンバ110の場合、膨張可能なチャンバは約2分未満、約90秒未満、約80秒未満、約70秒未満、約60秒未満、約50秒未満、約40秒未満、または約30秒未満で充填できる。FMSの膨張可能なチャンバ110の場合、膨張可能なチャンバは、約1分~約15分、又は約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、又は約10分で収縮できる。
【0030】
いくつかの実施形態では、FMS100は、膨張可能なバルーン102を膨張可能なチャンバ110に接続し、次いでバルーン102および膨張可能なチャンバ110の両方を膨張/収縮させるための同じバルブ134に接続する第3の通路126を有する。通路126を通る保持バルーン120の圧力管理は、通路114を通る膨張可能なチャンバ110の圧力管理と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、膨張可能なチャンバ110または膨張可能なバルーン102の圧力を制御するために追加のコネクタを使用できる。逆止弁136は、膨張可能なチャンバ110から液体を排出するために使用される。同様に、バルブ134は、膨張可能なバルーン102から流体を排出するために使用される。膨張可能なチャンバ110および膨張可能なバルーン102が収縮すると、折りたたまれた保持バルーンを直腸内に挿入できる。装置が所定の位置に挿入されると、コネクタ144を介してTコネクタ148(
図6)をバルブシステム136またはバルブシステム134に接続できる。
【0031】
逆止弁136は、一方向に素早く空気を流入させるが、反対方向への空気の流出を防ぐ一方向弁として設けられてもよい。リリースバルブ138は、流体(例えば、空気)を放出させるための通気口である。いくつかの実施形態において、一方向逆止弁のクラッキング圧力は、30mmHg~35mmHg、または好ましくは15mmHg~20mmHg、または最も好ましくは5mmHg~10mmHgで選択され得る。クラッキング圧力は、膨張可能なチャンバ110または保持バルーン102の圧力レベルを決定する。言い換えると、Tコネクタ148がコネクタ144を介してバルブシステム136またはバルブシステム134に接続されると、膨張可能なチャンバ110または膨張可能なバルーン102の圧力は、一方向逆止弁142のクラッキング圧力を超えることはできない。
【0032】
例示的な使用方法において、FMS100は、それぞれ弁134及び通路126及び114を介して、例えば注射器を用いて膨張可能なバルーン102及び膨張可能なチャンバ110から流体を引き出すことによって、直腸への挿入のために準備される。液体は膨張可能なチャンバ110から直接引き出すことができる。流体の吸引により、膨張可能なチャンバ110内に外部大気に対して負圧が生じ、周囲の大気圧が膨張可能なチャンバ110と膨張可能なチャンバ110内に存在する可能性のある圧縮性材料112をしぼませる。バルーン102が完全に収縮したら、膨張可能なバルーン102の遠位部分と膨張可能なチャンバ110を有する細長い管状部材104の一部を、例えば膨張可能なバルーン102の一部と細長い管状要素104の間に位置する指ポケットを用いて直腸に挿入する。一旦挿入されると、流体が再注入されて、膨張可能なバルーン102と膨張可能なチャンバ110の両方が膨張する。膨張したバルーン102は、カテーテルが所定の位置に留まるための固定手段を提供する一方で、細長い管状要素内の膨張したチャンバは、括約筋組織に向かって効果的なシールを可能にし、したがって、肛門周囲領域での漏れを抑制する。流体は空気でも液体でもよい。膨張可能なバルーン102への流体と膨張可能なチャンバ110への流体は同じでも異なっていてもよい。例示的な実施形態では、流体は空気である。
【0033】
膨張可能なチャンバ110が圧縮性材料112を有する場合、膨張可能なチャンバ110は圧縮性材料106の作用によって膨張したままになる可能性がある。流体を注入すると、膨張可能なチャンバ110内の流体の大気圧が回復し、圧縮性材料112が減圧できるようになる。場合によっては、挿入のために除去されたのと同じ量の液体を再注入すると、膨張可能なチャンバ110内にわずかな正の流体圧力が発生する可能性がある。しかしながら、過剰な流体がゆっくりと排出されて大気圧の流体圧力の平衡が回復するため、この正圧は徐々に減少する可能性がある。排便中または患者の動きの一時的な正圧は、括約筋組織または糞便を邪魔にならない場所に移動させて適切に密閉するのに役立つ。例示的な使用方法では、一方向逆止弁142及びリリースバルブ146を有するTコネクタ148をバルブシステム136又は134に結合して、一方向逆止弁142又は146のクラッキング圧力によって設定されるシステム圧力を維持できる。別の例示的な使用方法では、通気口が通路114を介して膨張可能なチャンバ110に接続されており、括約筋組織に対して効果的なシールを形成するように、管状チャンバ110内の圧力を迅速に調整できる。
【0034】
膨張可能なバルーン102および膨張可能なチャンバ110を有する細長い管状部材104の一部が直腸に挿入されると、膨張可能なチャンバ110と圧縮性材料112を有する細長い管状要素104の非折りたたみ式の特徴は、細長い管状部材104の周辺部の漏れを低減又は防止しながら、糞便の排出を可能にする。これは、第1の通路114を介してチャンバ110と大気との間の圧力平衡を達成することによって達成され得る。細長い管状要素104内の膨張可能なチャンバ110と圧縮性材料112は、括約筋の圧縮力とバランスを取ることを目的としている。例えば、括約筋の圧力が膨張可能なチャンバ110の圧力より高い場合、正圧により圧縮性材料112を有する膨張したチャンバ110が圧縮され、その圧力がリリースバルブ138を通して解放されるトリガーとなる。流体は、膨張可能なチャンバ110内の流体圧力が大気圧に達するまで逃げ続ける。括約筋の圧縮圧が弱まるか患者が動くと、圧縮性材料112の回復により膨張可能なチャンバ110が膨張し、負のゲージ圧が発生する。負のゲージ圧が逆止弁136のクラッキング圧力を超えると、逆止弁136が開き、流体がチャンバ110に流入する。リリースバルブ138と逆止弁136は自己調整式であり、膨張可能なチャンバ110と周囲の括約筋との間の圧力バランスを維持する。細長い管状要素112を有する圧縮性材料104を囲む括約筋組織にかかる圧力は、チャンバ110内の圧縮性材料112のばね係数および/またはサイズによって決定され得る。いくつかの実施形態では、FMS100内の第1の通路114は通気口を有し、平衡に達するプロセスには通気口を通る流体の流れが含まれる。いくつかの実施形態では、第1の通路114は、膨張可能なバルーン102によって圧力制御を管理するように設計された通路126に接続されている。いくつかの実施形態では、第1の通路114は、圧縮性材料106をさらに有する膨張可能なバルーン102によって圧力制御を管理するように設計された通路126に接続されている。
【0035】
細長い管状要素104の膨張可能なチャンバ110内に圧縮性材料112を有するFMSの場合、括約筋組織に対する圧力は、膨張可能なチャンバ110内の圧縮性材料112のばね係数及び/又は大きさによって決定される。膨張可能なチャンバ110が過剰に膨張されると、膨張可能なチャンバ110と組織の間にかかる圧力は、圧縮性材料112が耐えられるように設計されたばね係数よりも高くなる。このような場合、膨張可能なチャンバ110が圧迫され、膨張可能なチャンバ110内の流体に圧力がかかることになる。その結果、膨張可能なチャンバ110からの流体は、第2の通路を通って外側に流れ、圧力を解放する。第2の通路および/または第1の通路が通気口を有する場合、通気口は流体の流れを制限するため、圧力は括約筋組織と筋肉によってゆっくりと下がる。膨張可能なチャンバ110内の液圧が大気圧に達するまで、液体は逃げ続ける。
【0036】
膨張可能なチャンバ110の膨張が不十分で、圧縮性材料112によって生成される膨張圧力が括約筋組織の抵抗よりも大きい場合、流体は第1および/または第2の通路を通って引き込まれることになる。その結果、圧縮性材料112は、膨張可能なチャンバ110を膨張した形状まで、または組織の抵抗が圧縮性材料112の弾性率と一致するまで、膨張させる傾向がある。通気口が存在する場合、流体の流入速度も制限される可能性がある。
【0037】
例示的なシステム100は、チャンバ110と流体連通しているバルブアセンブリを含む圧力管理装置をさらに有することができ、この圧力管理装置は、一般に、チャンバ内の圧力を、最低圧力及び最大圧力を有する選択された圧力範囲に維持することを含む。特定の実施形態では、最低圧力は大気圧から大気圧より約15mmHg低い圧力までである。特定の実施形態では、最低圧力は大気圧より8mmHg低い圧力から12mmHg低い圧力までである。特定の実施形態では、最低圧力は大気圧から大気圧より約10mmHg低い圧力までである。特定の実施形態では、最大圧力は大気圧より約30mmHg高いまたは低い。特定の実施形態では、最大圧力は大気圧より約20mmHg高いかそれ以下。特定の実施形態では、最大圧力は大気圧より約10mmHg高いかそれ以下。特定の実施形態では、最大圧力は大気圧より4-6mmHg高い。特定の実施形態では、圧力管理手段は、チャンバ110内の圧力を、大気圧より10mmHg低い値から大気圧より20mmHg高い値までの範囲に維持することを含むことができる。特定の実施形態では、圧力管理手段は、チャンバ110内の圧力を、大気圧より10mmHg低い圧力から大気圧より10mmHg高い圧力までの範囲に維持することを含むことができる。特定の実施形態において、圧力管理手段は、チャンバ110内の圧力を、大気圧より10mmHg低い圧力から大気圧より5mmHg高い圧力までの範囲に維持することを含むことができる。外部圧力は、上述のチャンバ内部圧力と、弾力性のあるフォーム112によってチャンバ110に及ぼされる膨張力との和であり、表1に従って選択されたフォームの種類に基づいて、約10mmHg以下であってもよい。したがって、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、肛門括約筋に接触する最大カフ圧を、最大圧力が大気圧より約30mmHg以上、好ましくは、最大圧力が大気圧より約20mmHg以上、より好ましくは、最大圧力が大気圧より約10mmHg以上とすることを可能にする。
【0038】
当業者であれば、チャンバ110内に維持される圧力範囲は、逆止弁136に対して選択されたクラッキング圧力に少なくとも部分的に依存することを容易に理解し、チャンバ110内に所望の圧力範囲を維持するために適切なクラッキング圧力を有する逆止弁を容易に選択できるであろう。例えば、チャンバ110内の圧力について選択された最小値が大気圧より約10mmHg低い実施形態では、入口逆止弁136は、約10mmHg(例えば、10mmHg±2mmHg)のクラッキング圧力で選択され得る。同様に、チャンバ110内の圧力について選択された最大値が大気より約20mmHg高い実施形態では、放出逆止弁138は、約20mmHg(例えば、20mmHg±4mmHg)以下のクラッキング圧力で選択され得る。特定の実施形態は、大気圧への迅速な均衡を可能にするために、オープンベントを利用できる。
【0039】
本願の特定の実施形態は、近位端および反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、遠位端を取り囲む膨張可能なバルーンとを有し、細長い管状部材は、アウタチューブと、アウタチューブ内に配置された非折りたたみ式のインナチューブと、アウタチューブとインナチューブとの間に配置された圧縮性材料と、を有する装置に関する。
【0040】
特定の実施形態では、非折りたたみ式のインナチューブは、非折りたたみ式のインナチューブの長さの少なくとも一部に沿って波形である。
【0041】
特定の実施形態では、非折りたたみ式のインナチューブは、交互に並ぶ厚肉部と薄肉部を有する。
【0042】
特定の実施形態では、非折りたたみ式のインナチューブは、壁厚さが0.8mmから4mmまで、または1.0mmから2.5mmまでである。
【0043】
特定の実施形態では、非折りたたみ式のインナチューブがらせん要素を有する。
【0044】
特定の実施形態では、らせん要素がワイヤを有する。
【0045】
特定の実施形態では、らせん要素は非折りたたみ式のインナチューブと一体的に形成されている。
【0046】
特定の実施形態では、非折りたたみ式のインナチューブはデュロメータがショアA80以下、ショアA70以下、またはショアA60以下である。
【0047】
特定の実施形態では、圧縮性材料はオープンセルフォームまたはポリウレタンの少なくとも1つを有する。
【0048】
特定の実施形態では、圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPa~約15kPa、または約2kPa~約5kPaである。
【0049】
特定の実施形態では、圧縮性材料のデュロメータが50ショアD未満および/または100ショアA未満である。
【0050】
特定の実施形態では、圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する。
【0051】
特定の実施形態では、圧縮性材料の乾燥時の引張強さは、約50kPa~約200kPa、好ましくは約100kPa~150kPaである。
【0052】
特定の実施形態では、圧縮性材料が圧縮されていないとき、厚さが約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満である。
【0053】
特定の実施形態では、圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%のときに、圧縮性材料の厚さは約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満である。
【0054】
特定の実施形態では、装置は、バルーン内に配置された第2の圧縮性材料をさらに有する。
【0055】
特定の実施形態において、第2の圧縮性材料は、バルーンを圧縮する圧力に応答して、膨張状態から圧縮状態に移動するように構成され、第2の圧縮性材料は、圧力の除去に応じて圧縮状態から膨張状態に戻り、それによってバルーンの膨張を引き起こすように構成される。
【0056】
特定の実施形態では、装置はさらに、チャンバに流体連通されたバルブアセンブリを有し、バルブアセンブリは少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する。
【0057】
特定の実施形態では、逆止弁はダックビル弁、アンブレラ弁、ディスク弁、ダイヤフラム弁、またはオープンベントの少なくとも1つを有する。
【0058】
特定の実施形態では、圧縮性材料は、アウタチューブとインナチューブとの間に画定されたチャンバ内に配置されている。
【0059】
特定の実施形態において、装置は、チャンバを有する流体連通されたバルブアセンブリをさらに有し、バルブアセンブリは、チャンバおよび圧縮性材料の圧縮の間、流体がチャンバから流出するのを可能にするように作動可能な第1の逆止弁と、チャンバおよび圧縮性材料の膨張の間、流体がチャンバに流入するのを可能にするように作動可能な第2の逆止弁とを有する。
【0060】
本出願の特定の実施形態は、本装置を有する糞便カテーテルに関する。
【0061】
本出願の特定の実施形態から、近位端と反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、遠位端を取り囲む膨張可能なバルーンと、細長い管状部材またはバルーンのいずれかに形成された第1のチャンバと、第1のチャンバに収容される第1の圧縮性材料と、第1のチャンバとともに流体連通されたバルブアセンブリと、を含み、バルブアセンブリは少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する装置に関する。
【0062】
特定の実施形態では、少なくとも1つの圧力調整逆止弁は第1の逆止弁と第2の逆止弁を有し、第1の逆止弁は、第1のチャンバおよび第1の圧縮性材料の圧縮中に流体が第1のチャンバから流出できるように構成され、第2の逆止弁は、第1のチャンバおよび第1の圧縮性材料の膨張中に流体が第1のチャンバに流入できるように構成されている。
【0063】
特定の実施形態では、第1のチャンバが細長い管状部材内に形成されている。
【0064】
特定の実施形態において、細長い管状部材は、アウタチューブと、アウタチューブの中に位置するインナチューブを有し、第1のチャンバは、インナチューブとアウタチューブの間に画定される。
【0065】
特定の実施形態では、インナチューブは非折りたたみ式である。
【0066】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料が圧縮されていないとき、厚さが約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満である。
【0067】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%である場合、第1の圧縮性材料の厚さは約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満である。
【0068】
特定の実施形態では、装置はさらに、細長い管状部材またはバルーンの他方に形成された第2のチャンバと、第2のチャンバ内に収容された第2の圧縮性材料と、を有する。
【0069】
特定の実施形態では、第1のチャンバと第2のチャンバが互いに流体連通されている。
【0070】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料は、第1のチャンバを圧縮する圧力に応じて膨張状態から圧縮状態に移動するように構成され、第1の圧縮性材料は、圧力の除去に応じて圧縮状態から膨張状態に戻り、それによって第1のチャンバの膨張を引き起こすように構成される。
【0071】
特定の実施形態では、第1のチャンバと流体源との間の差圧が逆止弁のクラッキング圧力を超えた場合に、逆止弁が流体源から第1のチャンバに流体を流入させるように構成されている。
【0072】
特定の実施形態では、クラッキング圧力は10mmHgから25mmHgまでである。
【0073】
特定の実施形態では、流体源は大気圧である。
【0074】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPa~約15kPa、または約2kPa~約5kPaである。
【0075】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料のデュロメータが50ショアD未満および/または100ショアA未満である。
【0076】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する。
【0077】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料の乾燥時の引張強さ、約50kPa~約200kPa、好ましくは約100kPa~約150kPaを有する。
【0078】
本出願の特定の実施形態は、本装置を有する糞便管理システムに関する。
【0079】
本出願の特定の実施形態は、細長い管状部材を、軟組織を有する体腔内に挿入することを有する方法に関する。細長い管状部材は、アウタチューブ、アウタチューブ内に配置されて非折りたたみ式のインナチューブ、およびインナチューブと非折りたたみ式のインナチューブの間に配置された第1の圧縮性材料を有する。
【0080】
特定の実施形態では、この方法は、細長い管状部材の挿入端に結合されたバルーンを膨張させ、それによって軟組織とのシールを形成することをさらに有する。
【0081】
特定の実施形態では、バルーンを膨張させることは、バルーンのキャビティ内に配置された第2の圧縮性材料を膨張させることを有する。
【0082】
特定の実施形態では、この方法は、第1の圧縮性材料を圧縮された状態から展開された状態に拡大し、それによってアウタチューブと軟組織との間にシールを形成することをさらに有する。
【0083】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料を膨張させることは、第1の圧縮性材料が収容されているチャンバに流体を導入することを有する。
【0084】
特定の実施形態では、体腔は直腸腔である。
【0085】
特定の実施形態において、この方法は、第1の圧縮性材料の膨張中に、第1の圧縮性材料と流体に接続された逆止弁を介して第1の圧縮性材料に流体を選択的に流し、それによって第1の圧縮性材料の膨張を促進することをさらに有する。
【0086】
特定の実施形態では、この方法は、第1の圧縮性材料の圧縮中に、第1の圧縮性材料と流体連通された逆止弁を経由して第1の圧縮性材料から流体を流し、それによって第1の圧縮性材料の圧縮を促進することをさらに含む。
【0087】
特定の実施形態において、逆止弁は、流体源とさらに流体連通されており、第1の圧縮性材料に選択的に流体を流すことは、第1の圧縮性材料と流体源との間の差圧が逆止弁のクラッキング圧力を超える場合にのみ、流体を第1の圧縮性材料に流すことを有する。
【0088】
特定の実施形態では、流体源は大気である。
【0089】
特定の実施形態では、クラッキング圧力は10mmHgから25mmHgの範囲である。
【0090】
特定の実施形態では、クラッキング圧力が25mmHg以下である。
【0091】
特定の実施形態では、第1の圧縮性材料が非折りたたみ式のインナチューブを取り囲み、アウタチューブに囲まれている。
【0092】
特定の実施形態において、この方法は、キャビティからの廃棄物を、非折りたたみ式のインナチューブを介して細長い管状部材の近位端と接続された廃棄物収集装置に導くことをさらに有する。
【0093】
本願関連の特定の実施形態は、近位端と反対側の遠位端を有する細長い管状部材と、細長い管状部材に形成されたチャンバと、チャンバに収容された圧縮性材料と、チャンバと流体連通されたバルブアセンブリとを有し、バルブアセンブリは少なくとも1つの圧力調整逆止弁を有する装置に関する。
【0094】
特定の実施形態において、少なくとも1つの圧力調整逆止弁は、第1の逆止弁と第2の逆止弁を有し、第1の逆止弁は、チャンバおよび圧縮性材料の圧縮時に流体がチャンバから流出するように構成され、第2の逆止弁は、チャンバおよび圧縮性材料の膨張時に流体がチャンバに流入するように構成される。
【0095】
特定の実施形態では、細長い管状部材は、アウタチューブと、アウタチューブ内に配置されたインナチューブとを有し、インナチューブとアウタチューブとの間にチャンバが画定されている。
【0096】
特定の実施形態では、インナチューブは非折りたたみ式である。
【0097】
特定の実施形態では、圧縮性材料が圧縮されていないとき、厚さが約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満である。
【0098】
特定の実施形態では、圧縮性材料が完全に圧縮された状態の少なくとも約90%である場合、厚さは約2mm未満、約1.5mm未満、または約1mm未満である。
【0099】
特定の実施形態において、圧縮性材料は、圧縮する圧力に応じて展開された状態から圧縮された状態に移動するように構成され、圧縮性材料は、圧力を除去することに応じて圧縮された状態から展開された状態に戻り、それによって拡大を引き起こすに戻るように構成される。
【0100】
特定の実施形態では、チャンバと液体源との間の差圧が逆止弁のクラッキング圧力を超えたことに応じて、流体源からチャンバに流体が流入するように逆止弁が構成されている。
【0101】
特定の実施形態では、クラッキング圧力は10mmHgから25mmHgまでである。
【0102】
特定の実施形態では、流体源は大気圧である。
【0103】
特定の実施形態では、圧縮性材料の40%たわみにおける圧縮荷重は、約2kPa~約15kPa、または約2kPa~約5kPaである。
【0104】
特定の実施形態では、圧縮性材料のデュロメータが50ショアD未満および/または100ショアA未満である。
【0105】
特定の実施形態では、圧縮性材料は、10秒以内、好ましくは5秒以内に初期体積の90%まで膨張するように構成された高速回復フォームを有する。
【0106】
特定の実施形態では、圧縮性材料の乾燥時の引張強さは、約50kPa~約200kPa、好ましくは約100kPa~約150kPaを有する。
【0107】
本出願の特定の実施形態は、本装置を有する糞便カテーテルに関する。
【0108】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態が例示としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明を逸脱することなく、数多くの変形、変更、置換が可能である。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定するものであり、これらの特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の方法および構造が、これによってカバーされることを意図している。
【国際調査報告】