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特表2024-503268補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品の製造のための方法、および構造部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品の製造のための方法、および構造部品
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/44 20060101AFI20240118BHJP
   B64C 1/06 20060101ALI20240118BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240118BHJP
   B29C 43/12 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B29C70/44
B64C1/06
B64C1/00 B
B29C43/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023539356
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 IB2021062160
(87)【国際公開番号】W WO2022144699
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】102020000032490
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ジュゼッペ・コルヴァグリア
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ガッロ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ・セリオ
【テーマコード(参考)】
4F204
4F205
【Fターム(参考)】
4F204AA36
4F204AC03
4F204AD16
4F204AG06
4F204AG28
4F204AH31
4F204FA01
4F204FA13
4F204FB01
4F204FB11
4F204FG09
4F204FN11
4F204FN15
4F204FN17
4F204FQ37
4F205AA36
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG06
4F205AG28
4F205AH31
4F205HA09
4F205HA22
4F205HA33
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HB11
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK05
4F205HT26
(57)【要約】
使用中にベクトル(4)の外側シェル(3)の少なくとも一部を定め、外板(5)と、前記外板(5)に強固に一体的に固定された中空区域を有する複数のストリンガ(2)とを備える、補強ストリンガ(2)で強化された、複合材料での構造部品(1)の製造のための方法であって、
a) ベクトル(4)の内部環境に面する構造部品(1)の内面を使用中に定める前記外板(5)の第1の面(5b)が外板(5)を形成するための硬化工具(6)の外面(6a)に面するように、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第1の層(5a)を、硬化工具(6)の外面(6a)に積層するステップと、
b) 各々のストリンガ(2)が、少なくとも部分的に、1つのそれぞれの中空挿入体(10)の外面(10a)に巻かれることで、関係する中空挿入体(10)によって係合させられる各々のストリンガ(2)の長手方向の空洞(11)を決定するように、および、1つの前記中空挿入体(10)に巻かれる1つの前記ストリンガ(2)によって各々が定められる複数の強化要素(12)をこの方法で得るように、長手方向軸(B)を各々が有する複数の前記ストリンガ(2)を形成するための長手方向の中空拡張可能挿入体(10)に、複合材料のそれぞれの複数の第2の層(2a)を積層するステップと、
c) 前記第1の面(5b)と反対にあり、ベクトル(4)の外部の環境に面する構造部品(1)の外面を使用中に定める外板(5)の第2の面(5c)の方に各々のストリンガ(2)の空洞(11)が面するように、前記第2の面(5c)に各々の補強要素(12)を位置決めするステップと、
d) 工具(6)に対するそれぞれの固定位置において、各々の補強要素(12)を外板(5)の第2の面(5c)に保持するステップと、
e) 工具(6)、外板(5)、および補強要素(12)を真空バッグ(13)の内部に収容するステップと、
f) 真空バッグ(13)の内部に真空を適用することで、外板(5)を形成する第1の層(5a)を、ストリンガ(2)を形成する第2の層(2a)と一体に圧縮するステップと、
g) ステップf)の後、工具(6)、外板(5)、および補強要素(12)をさらなる真空バッグ(15)に収容するステップと、
h) 真空室(16)を中に画定するために、さらなる真空バッグ(15)を封止するステップと、
i) 複合材料を硬化し、外板(5)の第2の面(5c)へのストリンガ(2)の強固な一体的な取り付けを決定するために、所定の温度および圧力を真空室(16)の外側に適用するステップと
を含む方法。
前述の製造方法によって得られる構造部品(1)も記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中にベクトル(4)の外側シェル(3)の少なくとも一部を定め、外板(5)と、前記外板(5)に強固に一体的に固定された中空区域を有する複数のストリンガ(2)とを備える、補強ストリンガ(2)で強化された、複合材料での構造部品(1)の製造のための方法であって、
a) 使用中に前記ベクトル(4)の内部環境に面する前記構造部品(1)の内面を定める前記外板(5)の第1の面(5b)が、硬化工具(6)の外面(6a)に面するように、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第1の層(5a)を、前記外板(5)を形成するために前記硬化工具(6)の前記外面(6a)に積層するステップと、
b) 各々のストリンガ(2)が、少なくとも部分的に、1つのそれぞれの中空挿入体(10)の外面(10a)に巻かれることで、関係する中空挿入体(10)によって係合させられる各々のストリンガ(2)の長手方向の空洞(11)を決定するように、および、1つの前記中空挿入体(10)に巻かれる1つの前記ストリンガ(2)によって各々が定められる複数の強化要素(12)をこの方法で得るように、長手方向軸(B)を各々が有する複数の前記ストリンガ(2)を形成するために、長手方向の中空拡張可能挿入体(10)に、複合材料のそれぞれの複数の第2の層(2a)を積層するステップと、
c) 前記第1の面(5b)と反対にあり、使用中に前記ベクトル(4)の外部の環境に面する前記構造部品(1)の外面を定める前記外板(5)の第2の面(5c)に各々の補強要素(12)を位置決めするステップであって、各々のストリンガ(2)の前記空洞(11)が前記第2の面(5c)に面する、ステップと、
d) 前記工具(6)に対するそれぞれの固定位置において、各々の補強要素(12)を前記外板(5)の前記第2の面(5c)に保持するステップと、
e) 前記工具(6)、前記外板(5)、および前記補強要素(12)を真空バッグ(13)の内部に収容するステップと、
f) 前記真空バッグ(13)の内部に真空を適用することで、前記外板(5)を形成する前記第1の層(5a)を、前記ストリンガ(2)を形成する前記第2の層(2a)と一体に圧縮するステップと、
g) ステップf)の後、前記工具(6)、前記外板(5)、および前記補強要素(12)をさらなる真空バッグ(15)に収容するステップと、
h) 真空室(16)を中に画定するために、前記さらなる真空バッグ(15)を封止するステップと、
i) 前記複合材料を硬化し、前記外板(5)の前記第2の面(5c)への前記ストリンガ(2)の強固な一体的な取り付けを決定するために、所定の温度および圧力を前記真空室(16)の外側に適用するステップと
を含む方法。
【請求項2】
j) 前記ステップa)の間に前記外面(6a)への前記第1の層(5a)の接着を向上させるために、積層するステップa)の前に、前記工具(6)の前記外面(6a)に接着性物質(7)を適用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
q) 積層するステップa)の前で、適用するステップj)に続いて、前記接着性物質(7)が先に撒かれた前記外面(6a)に、気体に対して非浸透性または実質的に非浸透性のガスバリア材料の層を適用するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
k) 1つのそれぞれの加圧バッグ(19)を、各々の中空挿入体(10)によって画定される空洞の内部に挿入するステップをさらに含み、
ステップg)は、前記加圧バッグ(19)を前記真空室(16)の内部に収容することも含み、
ステップh)は、各々の挿入体(10)の空洞の内部に先に収容された各々の加圧バッグ(19)を、前記真空室(16)の外側の硬化環境(17)と流体連通するように配置することも含み、
ステップi)は、各々の加圧バッグ(19)の内部に所定の温度および圧力を適用することも含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
保持する前記ステップd)は、
l) 前記補強要素(12)を、前記工具(6)に対するそれらのそれぞれの固定位置において保持するために、少なくとも1つの保持要素(20、22、24、26)を各々の補強要素(12)に配置するステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップl)は、
各々の挿入体(10)の前記空洞を通じてベルト要素(20)を挿入するステップと、
前記ベルト要素(20)のそれぞれの両端を前記工具(6)に取り付けるステップと、
それぞれの前記挿入体(10)の前記空洞の内部に挿入され、前記工具(6)に固定される前記ベルト要素(20)を使用して、各々の補強要素(12)を前記工具(6)に固定するステップと
を順に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工具(6)は、強磁性材料から作られる強磁性部分を備え、ステップl)は、
少なくとも1つの磁気要素(22)を各々の補強要素(12)に配置するステップと、
前記磁気要素(22)と前記強磁性部分との間の磁気相互作用を用いて前記補強要素(12)をその位置において保持するように、前記補強要素(12)をそれぞれの前記磁気要素(22)と前記工具(6)との間に介在させるステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
収容する前記ステップe)は、前記保持要素(20、22、24、26)を前記真空バッグ(13)の内部に収容するステップも含み、
前記方法は、
m) ステップf)において言及された前記圧縮が完了され、ステップg)、h)、およびi)を実行する前に、前記保持要素(20、22、24、26)を除去するステップも含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
n) ステップc)の前に、前記工具(6)に積層された前記外板(5)の周りに真空バッグ(25)を巻くステップであって、前記真空バッグ(25)は、互いの間に流体を通さない手法で封止可能な複数の隣接した長手方向のポケット(26)を備える、ステップをさらに含み、
位置決めするステップc)は、各々の補強要素(12)をそれぞれのポケット(26)の内部に連続的に配置するステップを含み、
収容するステップe)は、巻くステップn)および位置決めするステップc)によって実施され、
圧縮するステップf)は、それぞれの前記補強要素(12)を収容する各々のポケット(26)の内部に真空を連続的に適用することで実施され、
保持するステップd)は、ステップf)において言及された前記圧縮を用いて実行される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
o) ステップf)において言及された前記圧縮が完了され、ステップg)、h)、およびi)を実行する前に、前記真空バッグ(13、25)を除去するステップも含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
p) ステップd)の後でステップe)の前に、さらなる長手方向の挿入体(14)を前記外板(5)の前記第2の面(5c)に位置決めするステップをさらに含み、
ステップp)は、各々の補強要素(12)について、それぞれの前記補強要素(12)の長手方向の側部に各々が隣接し、それぞれの前記ストリンガ(2)の前記長手方向軸(B)と平行である前記さらなる挿入体(14)の対を配置するステップを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記さらなる挿入体(14)は接着性複合材料から作られ、
収容するステップe)は、前記さらなる挿入体(14)を前記真空バッグ(13、25)に収容するステップをさらに含み、
圧縮するステップf)は、各々の補強要素(12)に隣接するさらなる挿入体(14)の各々の対を圧縮するステップを含み、前記さらなる挿入体(14)の対が、それぞれの前記補強要素(12)の前記長手方向の側部において、それぞれの前記ストリンガ(2)を形成する前記第2の層(2a)と、前記外板(5)を形成する前記第1の層(5a)とに圧縮される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
積層する前記ステップa)は、前記第1の層(5a)を前記硬化工具(6)の滑らかな外面(6a)に配置することで実行される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記工具(6)は中心軸(C)の周りに実質的に円筒の形を有し、
位置決めするステップc)は、それぞれの前記ストリンガ(2)の前記長手方向軸(B)が互いと平行、かつ前記中心軸(C)と平行な状態に、前記補強要素(12)を、前記中心軸(C)の周りの角度的に等しく離間されたそれぞれの位置において、前記外板の前記第2の面(5c)に位置決めすることで実行される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
使用中にベクトル(4)の外側シェル(3)の少なくとも一部を定め、補強ストリンガ(2)で強化された、複合材料での構造部品(1)であって、
互いと積層された未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第1の層(5a)によって定められる外板(5)と、
それぞれの長手方向軸(B)に沿って前記外板(5)に強固に一体的に固定された中空区域を有し、互いと積層された未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第2の層(2a)によって各々が定められる複数のストリンガ(2)と
を備え、
前記外板(5)は、使用中に前記ベクトル(4)の内部環境の方に面する前記構造部品(1)の内面を使用中に定める第1の面(5b)と、前記第1の面(5b)の反対にあり、使用中に前記ベクトル(4)の外部の環境に面する前記構造部品(1)の外面を使用中に定める第2の面(5c)とを有し、
前記ストリンガ(2)は前記第2の面(5c)に強固に一体的に固定される、構造部品(1)。
【請求項16】
各々のストリンガ(2)について、同じストリンガ(2)の前記長手方向軸(B)と平行に、前記ストリンガ(2)の長手方向の側部に各々が隣接して配置される複合材料製の挿入体(14)の対をさらに備え、
前記第1の層(5a)、前記第2の層(2a)、および前記挿入体(14)の前記複合材料は、前記外板(5)への前記ストリンガ(2)の前記強固な一体的な固定と、前記外板(5)および前記ストリンガ(2)への前記挿入体(14)の前記強固な一体的な固定とを決定するような方法で硬化される、請求項15に記載の構造部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2020年12月28日に出願されたイタリア国特許出願第102020000032490からの優先権を主張し、その開示全体は、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品の製造のための方法に関し、詳細には、例えば宇宙モジュールまたは超高速列車といった、ベクトルの構造部品に関する。
【0003】
本発明は、補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品にも関し、詳細には、例えば宇宙モジュールまたは超高速列車といった、ベクトルの構造部品に関する。
【0004】
詳細には、本記載は、明確には宇宙モジュールシェルの製造に言及し、「シェル」は、例えば宇宙船のモジュールといった宇宙モジュールの内部環境を画定する管状の外部構造を意味するが、それによって一般性を失うことはない。
【背景技術】
【0005】
複合材料から作られる、航空機の機体およびその部品など、航空分野で使用される構造部品が知られている。
【0006】
最先端の技術では、軽合金で製作され、延いては金属材料で製作され、その後に航空機の機体を形成することになる航空用構造部品がある。
【0007】
知られているように、機体は、ペイロード(乗組員、乗客、貨物など)に適切な保護を提供しなければならないが、同時に、所望の重量限度を超えてはならない。
【0008】
したがって、より大きな強度のための金属部品の使用は、その引き換えに全体のコストを増加させてしまう。
【0009】
これは結果的に、航空機の全体の重量を低減するために、複合材料での構造部品の必要性をもたらす。実際、複合材料の使用は、航空機の全体の重量を減らすのと同時に、非常に強い構造を得ることを可能にする。
【0010】
典型的には、例えば機体またはその部品といった上記の構造部品は、複合材料から作られた外板を、都合良くは、機体の長手方向に延びる方向と平行に位置決めされる同じく複合材料の複数の補強ストリンガと結合することで作られる。
【0011】
具体的には、各々のストリンガは、
- 通常は凹状であり、例えば矩形、多角形、円弧形、半楕円形、半卵形といった所定の断面を有する中心部分と、
- ストリンガの長手方向に対して横断する方向に関して、中心部分の両側から延びる2つの長手方向の横部分または翼部と
を備える薄壁の長手方向の輪郭によって通常は定められる。
【0012】
この分野で最も一般的に使用されているストリンガは、Ω字形の断面を有する。
【0013】
最も広く受け入れられている解決策では、使用される複合材料はよく知られている工程に従って(例えば、「レジントランスファ成形」またはRTMとして知られている方法を用いて)、概して流体樹脂で予め含侵される未硬化またはプレキュアの炭素繊維などの繊維材料から成る。
【0014】
具体的には、複合材料の各々の層は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの様々な種類の繊維で強化された熱硬化性(樹脂)マトリックスプリプレグから通常は成る。
【0015】
外板を製作するために、前記未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の層が一体に積層される。
【0016】
同様に、ストリンガを製作するために、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の層が適切に成形された形成工具に配置される。
【0017】
外板およびストリンガが製造されると、ストリンガは、各々のストリンガの中心の凹状部分と外板自体との間に閉じた輪郭の空洞のセットを形成するために、それぞれの翼部において外板と接触させられる。
【0018】
このように形成された組立体は、次に、前述の空洞を維持しつつ、複合材料を硬化させ、前述の層を一体に圧縮し、ストリンガを外板に結合するように、高い圧力および温度を適用することで、硬化工程を受ける。
【0019】
実際には、各々のストリンガは、外板の一方の面に強固に一体的に適用され、通常は、その面は外板の内壁を定め、つまり、使用中に機体の内側に面する面を定める。
【0020】
それによって構造部品が製作される。外板とストリンガとを結合することは、いくつかの方法で実施できる。
【0021】
「インナーモールドライン」またはIMLとして知られている様式は、「スピンドル」と称されることもある硬化工具の使用を提供し、これは、例えば機体または機体の一部分など、実現される構造体または構造体の一部分の内面を定めるように、外部で成形される。実際には、スピンドルは、各々1つが補強ストリンガを収容するように適合されたそれぞれの長手方向の空洞を有する。
【0022】
ストリンガが上記のスピンドル空洞に位置決めされると、この分野では「ブラダ」または「ヌードル」として知られている様々な種類の挿入体が、スピンドルへのストリンガの位置決めの結果として形成される様々な空洞へと挿入され、これらの挿入体は、様々な構成部品を所定位置で保持するように、および、後続の硬化ステップの間にそれら構成部品が潰されるのを防止するように、適合させられる。
【0023】
この点において、スピンドル、ストリンガ、および挿入体から成る組立体は、機体の前述の一部分の外面を形成する外板の関係する一部分で覆われる。
【0024】
そのため、結果的にできた組立体では、スピンドルが最も内側の構成部品を定める。
【0025】
この点において、組立体全体が、高温高圧の硬化作業のためのオートクレーブへと持って行かれ、それによって、ストリンガは外板に強固に連結されて一体化されてしまう。
【0026】
上記のことに鑑みて、構成部品の外面は外板の滑らかな外面によって定められ、一方、構成部品の内面、つまり、ベクトルの内部環境に面する面は、ストリンガが一体に固定される外板の成形された内面によって定められる。
【0027】
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、前述のことに従う補強ストリンガで強化された、複合材料での航空用構造部品を製造するための方法および装置をそれぞれ記載している。
【0028】
航空宇宙分野における複合材料の使用は益々広がっており、本記載は、その一般性を失うことなくそれらに言及する。
【0029】
この分野では、複合材料での構成部品の使用は、宇宙飛行体および宇宙モジュールの全重量を低減するための必要性によって決定付けられる。
【0030】
具体的には、複合材料から作られる宇宙モジュールシェル、つまり、衛星または宇宙カプセルのシェルなど、宇宙モジュールの内部環境を画定する外部管状構造への要求がある。
【0031】
このシェルは、ペイロード(センサ、供給物、乗組員など)のための適切な保護を確保しなければならないが、同時に、宇宙モジュールを軌道へと載せることが非常に高価であるという事実によって課せられる重量の限度を超えてはならず、そのため、重量のあらゆる低減はコストにおける相当の低減の意味を含む。
【0032】
そのため、航空宇宙分野に特に言及すると、宇宙飛行体または宇宙モジュールの構造部品、具体的にはシェルまたはその一部分を複合材料で製作する必要性が認識されており、構造部品は、このようなモジュールが真空で機能するという事実に起因する、モジュールが打ち上げの間に受ける大きな応力(例えば、急激な加速)に対する適切な圧縮耐性を有し、また、微小隕石、または人の活動に由来する宇宙デブリなどの衝突体への適切な耐性によっても特徴付けられる圧縮耐性を有する。
【0033】
この最後の態様は、数ミリメートルから、地球の軌道を占める飛行体または宇宙モジュールを損傷させる可能性のある非常に大きな物体までの大きさの範囲で、地球の軌道の多くが近年の無数の人の活動によって発生させられる宇宙デブリによって侵されているため、益々重要になってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/122413(A1)号
【特許文献2】DE102009056978A1
【特許文献3】EP2998228A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
そのため、本発明の目的は、先に明示された、宇宙飛行体または宇宙モジュールで使用される複合材料での構造部品に関する要件を、単純にコスト効率よく満たすことができる、補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品の製造のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明によれば、この目的は、請求項1において請求されているような補強ストリンガで強化された構造部品を製造するための方法によって達成される。
【0037】
本発明のさらなる目的は、先に明示された、宇宙飛行体または宇宙モジュールで使用される複合材料での構造部品に関する要件を、単純にコスト効率よく満たすことを可能にする、補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品を設計することである。
【0038】
本発明によれば、この目的は、請求項15において請求されているような補強ストリンガで強化された、複合材料での構造部品によって達成される。
【0039】
本発明のより良好な理解のために、いくつかの好ましい非限定的な実施形態が、純粋に例を用いて、添付の図面の助けで、以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による製造方法によって作られた2つの構造部品から成る外側シェルを有する、具体的には宇宙船といったベクトルの、明確性のために部品が除去されている斜視図である。
図2図1における構造部品のうちの一方の、明確性のために部品が除去されている斜視図である。
図3】本発明による方法の2つのそれぞれの後続のステップの概略的な斜視図である。
図4】本発明による方法の2つのそれぞれの後続のステップの概略的な側面図である。
図5】本発明による方法で使用される拡張可能な挿入体の斜視図である。
図6】本発明による構造部品1の補強要素の斜視図である。
図7a】本発明による方法で使用される拡張可能な挿入体の側面図である。
図7b】本発明による構造部品1の補強要素の側面図である。
図8】本発明による方法のステップの2つの後続の瞬間の概略的な斜視図である。
図9】本発明による方法のステップの2つの後続の瞬間の概略的な斜視図である。
図9a】本発明による方法のステップの第1の実施形態の斜視図である。
図9b】本発明による方法のステップの第2の実施形態の斜視図である。
図9c】本発明による方法のステップの第3の実施形態の斜視図である。
図9d】本発明による方法のステップの第4の実施形態の側面図である。
図9e】本発明による方法のステップの第4の実施形態の側面図である。
図9f】本発明による方法のステップの第4の実施形態の側面図である。
図10】本発明による方法のステップの概略的な斜視図である。
図11】本発明による方法のステップの概略的な斜視図である。
図12】本発明による方法のステップの概略的な斜視図である。
図13】本発明による方法の2つの後続のステップの概略的な斜視図である。
図14】本発明による方法の2つの後続のステップの概略的な斜視図である。
図15】本発明による方法の2つの後続のステップの概略的な斜視図である。
図16】本発明による方法の2つの後続のステップの概略的な斜視図である。
図17】本発明による方法のステップの概略的な側面図である。
図18】本発明による方法のステップの斜視図である。
図19】本発明による方法の図18のステップの間の構造部品の詳細の拡大した縮尺での部分断面図である。
図20】本発明による方法のステップの斜視図である。
図21】本発明による方法の図20のステップの間の構造部品の詳細の拡大した縮尺での部分断面図である。
図22】本発明による方法のステップの概略的な斜視図である。
図23図22のステップを実施する前の構造部品の詳細の断面図である。
図24図22のステップを実施した後の構造部品の詳細の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1および図2を参照すると、符号1は、使用中にベクトル4の外側シェル3の少なくとも一部を定め、複合材料での複合外板5と、中空区域を有し、外板5に強固に一体的に固定された複合材料での複数の複合ストリンガ2とを備える、補強ストリンガ2で強化された、複合材料から作られる構造部品を全体として指示している。
【0042】
具体的には、本記載は、一般性を失うことなく、例えば、宇宙船または宇宙モジュールの外側シェル3またはこのようなシェル3の一部分といった、航空宇宙分野で使用される構造部品1と、このようなシェル3またはシェル3の一部分を製造するための工程とに明示的に言及することになる。
【0043】
より具体的には、本明細書に記載および図示されている部品1は、ベクトル4の外側シェル3の円筒モジュール部分を定めており、この円筒モジュールは、この好ましい非限定的な実施形態において、一般性を失うことなく本記載が明示的に言及する宇宙船または宇宙船モジュール(つまり、ペイロードを保管および輸送するように意図されている前記宇宙船の一部分)によって定められる。
【0044】
より正確には、「外側シェル」は、ベクトル4(つまり、宇宙モジュール)の内部環境を、ベクトル4の外部の環境から分離し、ベクトル4の中身を画定する保護シェルを意味する。
【0045】
例えば、航空機の場合、このようなシェル3は機体によって定められる。列車の場合、具体的には超高速列車の場合、シェル3は、各々の客車または機関車の本体を定める外側シェルによって定められる。
【0046】
構造部品1が、ストリンガ2が強固に一体的に固定される外板5の一部分を正確に備えるパネル(図示されていない)などのこのようなシェル3の部品または一部分によって定められ得ることも、留意されるべきである。
【0047】
本明細書に記載および図示されている好ましい非限定的な実施形態によれば、部品1は長手方向軸Aの周りに円筒の形を有する。
【0048】
具体的には、図1のベクトル4のシェル3は、直列に配置され、軸方向の環状の壁において一体に結合される2つの円筒形の構造部品1から成る。
【0049】
部品1は、複合材料での外板5と、パネルを強化および補強するように構成された、好ましくは閉じた区域を伴う中空の長手方向の補強ストリンガ2のセットとを備える。
【0050】
各々のストリンガ2は、1つの長手方向に対して直交する他の2つの方向における広がりより、このような長手方向において相当に大きい広がりを有する。
【0051】
ストリンガ2の広がりの上記の長手方向は、使用中(つまり、搭載/組み立ての状態にある)、構造部品1によって少なくとも一部で形成されたシェル3の軸Aと平行でもある。
【0052】
別の言い方をすれば、各々のストリンガ2は、使用中、シェル3の軸A、つまり外板5の軸Aと平行な長手方向軸B(図7b)を有する。
【0053】
複合材料での構成部品の使用は、宇宙飛行体および宇宙モジュールの全重量を低減するための必要性によって決定付けられる。
【0054】
一実施形態では、複合材料は、未硬化またはプレキュアの炭素繊維などの繊維材料から成る。
【0055】
一実施形態では、このような材料は、詳細には記載されていないよく知られている工程に従って(例えば、「レジントランスファ成形」またはRTMとして知られている方法によって)、流体樹脂で予め含侵される。
【0056】
実際には、複合材料の各々の層は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの様々な種類の繊維で強化された熱硬化性(樹脂)マトリックスプリプレグから通常は成る。
【0057】
本発明は、好ましくは各々のストリンガ2が外板5と共にそれ自体で閉じた輪郭の中空区域を画定するようにストリンガ2を外板5に強固に一体的に適用することで得られる構造部品1を製造するための工程に関する。
【0058】
具体的には、本記載は、一般性を失うことなく、中空で円筒形(つまり、管状)の部品1の製造に明示的に言及することになる。
【0059】
しかしながら、構造および機能の特性および工程ステップは、平坦な面に沿って、湾曲した面に沿って、または、例えば、実質的にパラボラ、円天井、または、なおも(実質的に)円筒形もしくは円錐台の表面に沿ってなど、回転で湾曲して位置する面に沿って延びる単一のパネルの製造に等しく適用可能である。
【0060】
したがって、ここでの場合、外板5は、軸Aに対応する中心長手方向軸を有する(実質的に)円筒の形を有することになる。ストリンガ2は、軸Aと平行なそれぞれの長手方向軸Bで配置されることになる。
【0061】
また、本記載は、一般性を失うことなく、「インナーモールドライン」またはIMLとして知られている種類の製造工程に明示的に言及することになる。
【0062】
しかしながら、工程のステップは、構造部品が、それ自体知られており、詳細には記載されない「アウターモールドライン」またはOMLとして知られている種類の工程に従って製造される場合(図示されていない)に、必要な変更を加えて、等しく適用可能である。
【0063】
図4を参照すると、外板5は、未硬化またはプレキュアの複合材料の第1の層5a(そのうちの1つだけが図4に示されている)が、「スピンドル」として一般的に知られている硬化工具6に配置されることで得られ、硬化工具6は、本明細書に記載されている非限定的な例において、実質的に円筒の形を有し、長手方向の中心軸Cを有する。
【0064】
実際には、外板5を形成するために、製造方法は、ベクトル4の内部環境に面する部品1の内面を使用中に定める外板5の第1の面5b(図2)が工具6の外面6aに面するように、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第1の層5aを、工具6の外面6aに積層するステップを含む。
【0065】
都合良くは、外面6aは滑らかであり、つまり、成形されておらず、つまり、裸眼で感知できる溝または空洞を画定するように適合された表面の大規模な特徴がない。
【0066】
したがって、積層は、工具6の滑らかな表面6aに層5aを配置することで実行される。
【0067】
有利には、層5aを工具6に積層する前に、方法は、図3に示されているように、例えば接着性または粘着性の樹脂といった接着性物質7を外面6aに適用するステップ、具体的には撒くステップを含む。
【0068】
工具6の外面6aにおける接着性物質7の存在は、複合材料の層5aの積層の間の接着をさらに向上させる。
【0069】
好ましくは、層5aを工具6に積層する前で、接着性物質7を工具6に適用する前に、方法は、ガスバリア材料層を適用する有利なステップを含む。
【0070】
詳細には、気体に対して非浸透性または実質的に非浸透性である材料の層は、EVOH(エチレンビニルアルコール)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、または、目的に適した他のポリマおよび/もしくは金属の材料の外板によって定められ得る。
【0071】
都合良くは、本発明による製造方法の有利なステップ(図示されていない)によれば、接着性物質7のさらなる層が、気体に対して不浸透性または実質的に不浸透性である材料の層の上方に適用され得る。
【0072】
代替で、気体に対して不浸透性または実質的に不浸透性である材料の単一の層が、硬化(または共接合)工程の後に得られる硬化組立体の外部に適用させることができ、これは後で説明される。
【0073】
好ましくは、工具6への複合材料の層5aの配置、延いては積層が、「AFPM」(自動繊維配置機械)と通常は称される、それ自体は知られており、詳細には説明されない自動機械8を用いて実行される。
【0074】
代替の実施形態では、層5aの配置は手作業で行われる。
【0075】
各々の層5aの配置の間、工具6はそれ自体の軸Cの周りに回転して配置される。
【0076】
図5図6、および図7を参照すると、各々のストリンガ2は、先に記載されているような長手方向軸Bを有する。
【0077】
具体的には、各々のストリンガ2は、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第2の層2aを、それぞれの中空の拡張可能な挿入体10(「ブラダ」として一般的に知られている)に配置することで作られる。
【0078】
より具体的には、各々の挿入体10は、細長い長手方向の形を有し、反対にある開放した軸方向端を有し、閉じた輪郭の中空区域を有し、中空区域は、記載されている例によれば、実質的な台形を有する。
【0079】
ストリンガ2を形成するために、本発明による方法は、各々のストリンガ2がそれぞれの挿入体10の外面10aに巻かれることで、それぞれの挿入体10によって係合される各々のストリンガ2の長手方向の空洞11を決定するように、それぞれの軸Bを各々1つが有する複数のストリンガ2を形成するために、それぞれの複数の第2の層2aをそれぞれの挿入体10へと積層するステップを含む。
【0080】
好ましくは、層2aは、挿入体10の外面10aの周りに完全に巻き付いて外面10aを覆うように配置される。
【0081】
したがって、本明細書に記載されている非限定的な例によれば、各々のストリンガ2は、台形を伴う閉じた輪郭の中空区域を有する。
【0082】
各々の挿入体10は、弾性的に変形可能な材料から作られ、後でより詳細に説明されるように、空洞11を維持するために、部品1の後続の硬化工程の間に拡張可能である。
【0083】
図示されていない代替の実施形態によれば、各々のストリンガ2は、それぞれの挿入体10の周りに層2aを部分的に巻くことで形成され、例えば、中心部分と、中心部分から横断して延びる2つの翼部とを伴うΩ字形を有する断面を得る。この場合、ストリンガ2の閉じた輪郭の中空区域は、ストリンガ2が外板5に取り付けられると得られる。
【0084】
例えば、ストリンガ2は、Ω字形の断面を有し得る、または、形が半円形であり得る。
【0085】
図示されていない代替の実施形態によれば、各々のストリンガ2は、T字形またはL字形の断面を有するようにそれぞれの挿入体10に巻かれてもよい。この場合、外板5に位置決めされると、ストリンガ2の各々は、先の場合におけるように閉じられていない開放した輪郭の断面を定めることになる。さらに、この場合、ストリンガ2を外板5に取り付けるために、共接合または共硬化の工程が実行される。
【0086】
したがって、図6において見られるように、それ自体の空洞11においてそれぞれの挿入体10を収容するストリンガ2によって各々1つが定められる、または、それぞれの挿入体10に巻かれるストリンガ2によって各々1つが定められる補強要素12のセットが、得られる。
【0087】
図8および図9を参照すると、部品1の構造的な成形を実行するために、方法は、第1の面5bと反対にあり、ベクトル4の外部の環境に面する部品1の外面を使用中に定める外板5の第2の面5cの方に各々のストリンガ2の空洞11が面するように、前記第2の面5cに各々の補強要素12を位置決めするステップを含む。
【0088】
都合良くは、位置決めするこのようなステップは、ストリンガ2のそれぞれの長手方向軸Bが互いと平行で、中心軸Cと平行な状態で、補強要素12を、軸Cの周りで互いと角度的に等しく離間されたそれぞれの位置において、外板5の第2の面5cに配置することで実行される。
【0089】
図示されていない代替の実施形態では、補強要素12、延いてはストリンガ2は、軸Cの周りで等しく離間されずに配置される。
【0090】
さらなる実施形態では、補強要素12、延いてはストリンガ2は、互いと平行でなく、軸Cと平行でないそれぞれの長手方向軸Bで配置される。
【0091】
前述のことに鑑みて、補強要素12、延いてはストリンガ2は、部品1の外面を使用中に定める外板5の面、つまり、ベクトル4の外部の環境を使用中に向く、内面ではない部品1の面に、適用される、つまり取り付けられる。
【0092】
方法は、工具6に対するそれぞれの固定位置において、各々の補強要素12を外板5の第2の面5cに保持するステップ、つまり維持するステップも含む。
【0093】
保持するこのようなステップは、補強要素12を、工具6に対するそれらのそれぞれの固定位置において保持するために、少なくとも1つの保持要素20、22、24、26を各々の補強要素12に配置することで好ましくは実行される。
【0094】
保持する様態は後でより詳細に説明される。
【0095】
外板5へのストリンガ2の効果的な接着を確保するために、複合材料の層5aと層2aとは一体に圧縮される。
【0096】
そのために、図13図16を参照すると、真空バッグ13が、工具6、外板5、および補強要素12を収容するように、それまでに得られた組立体の周りに巻かれる(図13および図14)。
【0097】
真空バッグ13がひとたび封止されると、真空が真空バッグ13の内部に適用される。それによって、層5aの層2aとの圧縮が実行される(図15および図16)。
【0098】
この圧縮のステップの後、複合材料が前述の樹脂で予め含侵されているという事実のおかげで、補強要素12、つまりストリンガ2は、前述の保持要素20、22、24、26の除去の後であっても、外板5の第2の面5cにおけるそれぞれの位置において固定されたままである。
【0099】
図10図11、および図12を参照すると、方法は、好ましくは、必然ではないが、外板5の第2の面5cにおいて各々の補強要素12を保持するステップの後で、これまでに得られた組立体の周りでの真空バッグ13の適用(巻くこと)の前に、さらなる長手方向の挿入体14を外板5の第2の面5cに配置するステップを含む。
【0100】
具体的には、さらなる挿入体14は、「ヌードル」として一般的に知られており、複合材料から作られ、より明確には接着性複合材料から作られ、より具体的にはプリプレグ複合材料から作られ、未硬化またはプレキュアとされ、好ましくは円形の断面の棒材によって定められる。
【0101】
技術的に知られているように、さらなる挿入体14は、充填材として作用し、そのため、組み立て状態において、ストリンガ2と外板5とに係合し、それらの間に定められる空洞および隙間を満たすように構成される。
【0102】
有利には、挿入体14は、接着性複合材料から作られるため、あらゆる保持要素を外板5において保持させる必要はないが、そうでない場合、挿入体14は所定位置で接着によって保持される。
【0103】
図10図11、および図12において見えるように、さらなる挿入体14を位置決めするステップは、各々の補強要素12について、それぞれの補強要素12の長手方向の側部に各々1つが隣接するさらなる挿入体14の対を、それぞれのストリンガ2の軸Bと平行に配置することで実行される。
【0104】
別の言い方をすれば、さらなる挿入体14の対が各々のストリンガ2の側部に配置される。
【0105】
したがって、これまでに得られた組立体を真空バッグ13の中に収容するステップは、さらなる挿入体14を真空バッグ13自体に収容するステップをさらに含む。
【0106】
そのため、真空バッグ13の内部に真空を適用することで実行される層5aの層2aとの前述の圧縮は、さらなる挿入体14のこのような対が、それぞれの補強要素12の長手方向の側部において、それぞれのストリンガ2を形成する第2の層2aと、外板5を形成する第1の層5aとに圧縮されるように、それぞれのストリンガ2に隣接する位置でのさらなる挿入体14の各々の対の圧縮も含む。
【0107】
したがって、圧縮ステップの終了において、さらなる挿入体14は、図17に示されているように、第1の層5aおよび第2の層2aと一体に圧縮されている。
【0108】
好ましくは、上記の圧縮が実行されると、真空バッグ13が除去される(図17)。
【0109】
図20図24において見られるように、このように形成された組立体、つまり、工具6と、外板5と、補強要素12と、適用可能な場合にはさらなる挿入体14とを備える組立体は、続いて、複合材料を硬化させ、前述の層5aおよび2aを一体に圧縮し、ストリンガ2を外板5と結合させる一方で、前述の空洞11を維持するように、高い圧力および温度を適用することで硬化工程を受ける。
【0110】
具体的には、硬化工程は、先の組立体に高い圧力および温度(おおよそ6barおよび180℃)を適用することから成る。
【0111】
この点において、構造部品1の製造のための方法は、
- 上記の圧縮の完了の後、工具6、外板5、補強要素12、および、適用可能な場合にはさらなる挿入体14を、さらなる真空バッグ15に収容するステップと(図20)、
- 真空室16を中に画定するために、真空バッグ15を封止するステップと、
- 複合材料を硬化するように、および、外板5の第2の面5cへのストリンガ2の強固な一体的な取り付けと、存在する場合には、第2の面5cおよびストリンガ2へのさらなる挿入体14の強固な一体的な取り付けとを決定するように、所定の温度および圧力(好ましくは、約6barおよび180℃)を真空室16の外側に適用するステップと
を同じく含む。
【0112】
具体的には、真空バッグ15を封止した後、組立体全体が、上記の温度および圧力の条件が内部で適用されるオートクレーブ17に挿入される(図22)。
【0113】
オートクレーブ17の内部で、挿入体10は、高い温度の適用により拡張し、それによって、空洞11を維持し、適用された高い圧力によって空洞11が潰されるのを防止する。
【0114】
硬化工程を用いることで、複合材料は硬化され、外板5、ストリンガ2、および挿入体14が互いに取り付けられて圧縮された部品となる条件(図23)から、これらの部品が硬化された複合材料から作られた単一の構造18を定める条件(図24)へと移行する。
【0115】
このようにして構造部品1は得られる。真空バッグ15はこの時点において除去され、好ましくは、挿入体10が除去される一方で、さらなる挿入体14は、述べられているように、部品1の構造18に含まれたままである。
【0116】
硬化工程に続く挿入体10の除去の後、各々の補強要素12が、関係するストリンガ2だけによって定められることは、留意されるべきである。
【0117】
都合良くは、圧縮が実行される真空バッグ13は、硬化工程の上記のステップの前に除去される。
【0118】
好ましくは、硬化工程を向上させるために、それぞれの加圧バッグ19が、具体的には上記の圧縮の後、各々の中空挿入体10によって画定された空洞11の内部に挿入される。
【0119】
その結果、バッグ19も、真空バッグ15によって定められた真空室16の内部に収容される。
【0120】
方法は、各々の挿入体10の空洞の内部に先に収容された各々のバッグ19を、オートクレーブ17の内部と、つまり、真空室16の外側の硬化環境と、流体連通で配置するステップをさらに含む。
【0121】
そのため、硬化工程の間、前述の所定の温度および圧力は各々のバッグ19の内部にも適用される。
【0122】
それによって、オートクレーブ17では、硬化工程の間、バッグ19は拡張し(図23および図24)、各々のストリンガ2の空洞11を維持するためにさらに寄与する。
【0123】
本発明によれば、工具6に対するそれぞれの固定位置において、各々の補強要素12を外板5の第2の面5cに保持する前述のステップは、様々な方法で実行でき、それらのいくつかが後で述べられる。
【0124】
第1の実施形態によれば、補強要素12をそれらのそれぞれの固定位置で保持することは、図9bに示されているように、前述の拘束する要素を定めるベルト要素20の使用を伴う。
【0125】
具体的には、方法は、
- 各々の挿入体10の空洞を通じてベルト要素20を挿入するステップと、
- ベルト要素20のそれぞれの反対の端を工具6に取り付けるステップと、
- それぞれの挿入体10の空洞の内部に挿入され、工具6に固定されるベルト要素20を用いて、各々の補強要素12を工具に固定するステップと
を含む。
【0126】
都合良くは、工具6は、それぞれのベルト要素20によって、具体的には、それぞれのベルト要素20の端によって各々1つが係合されるように適合される空洞21を備え、空洞21の中で、端は、工具6自体へのそれぞれの補強要素12の係合を決定するために、工具6に、または互いに取り付けられる。
【0127】
さらなる実施形態によれば、補強要素12をそれらのそれぞれの固定位置で保持することは、磁気要素22の使用を伴う(図9a)。
【0128】
具体的には、このような場合、工具6は、強磁性材料から作られる強磁性部分を備え、方法は、
- 少なくとも1つの磁気要素22を各々の補強要素12に配置するステップと、
- 磁気要素22と工具6の強磁性部分との間の磁気相互作用を用いて補強要素12をその位置において保持するように、補強要素12をそれぞれの磁気要素22と工具6との間に介在させるステップと
を含む。
【0129】
詳細には、各々の磁気要素22は永久磁石によって定められる。
【0130】
より詳細には、磁気バンド23、つまり、磁気要素22を担持するポリマまたは複合材料の帯片が、各々の挿入体10によって画定される空洞の内部に挿入される。バンド23の磁気要素22と工具6の強磁性部分との間の磁気相互作用は、関連の補強要素12を所定位置で保持する。
【0131】
さらなる実施形態によれば、補強要素12は端子24を用いて保持され(図9c)、端子24は、それぞれの補強要素12を工具6に保持するように、それぞれの挿入体10と工具6とに各々1つで固定される。
【0132】
前述のことに鑑みて、組立体を真空バッグ13に収容するステップは、保持要素がベルト要素20、磁気要素22、または端子24のいずれによって定められても、保持要素を真空バッグの中に収容することをさらに含む。
【0133】
前述の圧縮のステップが真空バッグ13を用いて実行されると、保持要素20、22、24は、硬化工程のステップの前に、具体的には、さらなる真空バッグ15を組立体に巻く前に、除去される。
【0134】
圧縮のため、補強要素12は、保持要素20、22、24の除去の後であっても、それらの固定位置に留まる。
【0135】
代替の実施形態によれば、それぞれの固定位置における補強要素12の保持は、流体を通さないように一体に封止された隣接する複数の長手方向のポケット26を備える真空バッグ25の使用を伴う(図9d、図9e、図9f)。
【0136】
詳細には、このような場合、方法は、具体的には、工具6に積層された外板5に補強要素12を位置決めする前に、同じ外板5の周りにポケット26を備える前記バッグ25を巻くステップを含む。
【0137】
その後、補強要素12の位置決めは、各々の補強要素12をそれぞれのポケット26の内部に連続的に配置することで実行される(図9d)。
【0138】
したがって、この実施形態によれば、組立体を真空バッグの内部に収容するステップが、バッグ25を巻き、補強要素12をポケット26の内部に配置する前述のステップを用いて実行される。
【0139】
したがって、真空バッグ13は、この場合、バッグ25によって定められる。
【0140】
次に、各々のポケット26は、例えば通常のバッグシール材によって、流体を通さないように再び封止され、真空がポケット26の内部に適用される。
【0141】
次に、層5aおよび2aと、存在する場合にはさらなる挿入体14との連続した圧縮が、各々のポケット26の中に真空を適用することで連続的に実行される。
【0142】
そのため、補強要素12を外板5の第2の面5cに保持するステップは、上記の圧縮を用いて実行される。
【0143】
好ましくは、バッグ25は、圧縮がすべてのポケット26について実行されると、先に記載されている硬化工程のステップの前に除去される。
【0144】
この場合、保持要素はポケット26によって定められる。
【0145】
最終的には、上記の製造方法を用いて、構造部品1が得られ、好ましくは、外板5と、外板5の第2の面5cに強固に一体的に固定された複数のストリンガ2とを備える、宇宙モジュールによって定められたベクトル4の円筒形の管状のシェル3が得られ、第2の面5cは、使用中、ベクトル4の外部の環境に面するように適合される前記構造部品1の外面を定める。
【0146】
したがって、構造部品1の内面はストリンガ2を有しておらず、滑らかである。
【0147】
先に記載されている構造部品1の製造のための方法、および構造部品1の特性を精査すると、それらが得ることができる利点は明らかである。
【0148】
具体的には、ストリンガ2が、外板5の第2の面5cに配置され、そのため、構造部品1の外面を定め、好ましくはシェル3の外面を定めるという事実のおかげで、圧縮に対して向上した耐性を有し、微小隕石、または人の活動から生じた宇宙デブリなどの衝撃体に対しても増加した耐性を有し、それによってベクトル4の内部に含まれるペイロードの適切な保護を保証する構造部品1を得ることが可能である。この強度における増加は、ストリンガ2を覆うように配置され、つまり、ベクトル4の実際の外側シェルとして配置されるさらなるアルミニウムの保護層によって、好ましくは得られる。
【0149】
同時に、複合材料から作られるため、構造部品1は、所望の重量限度をより容易に満たし、そのため、追加のペイロードを運ぶためのより大きい容量を有する。これは、ベクトル4が宇宙モジュールまたは宇宙船によって定められる場合に特に有利である。
【0150】
この場合、ストリンガ2が外側に配置されている状態での構造部品1の具体的な外部の形態は、ベクトル4が打ち上げの間に受ける応力へのより大きい耐性を保証する。
【0151】
本発明による製造方法は、IML技術を用いて外部ストリンガ2を伴う構造部品1を得るための手順を有利に示すため、このような構造部品1を得ることを可能にする。
【0152】
明確には、変更および変形が、請求項によって定められる保護の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および図示されているような構造部品1の製造のための方法に行われてもよい。
【0153】
具体的には、記載されている製造方法は、構造部品1が、シェル3のパネル、つまり平坦な部分によって定められる場合、等しく適用可能である。
【符号の説明】
【0154】
1 構造部品
2 補強ストリンガ
2a 第2の層
3 シェル
4 ベクトル
5 外板
5a 第1の層
5b 第1の面
5c 第2の面
6 硬化工具
6a 外面、滑らかな表面
7 接着性物質
8 自動機械
10 中空挿入体
10a 外面
11 空洞
12 補強要素
14 さらなる挿入体
15 さらなる真空バッグ
17 オートクレーブ
18 単一の構造
19 加圧バッグ
20 保持要素、ベルト要素
21 空洞
22 保持要素、磁気要素
23 磁気バンド
24 保持要素、端子
25 真空バッグ
26 保持要素、ポケット
A シェル3の軸
B ストリンガ2の長手方向軸
C 硬化工具6の中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図8
図9
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2020年12月28日に出願されたイタリア国特許出願第102020000032490からの優先権を主張する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中にケーシング(4)の外側シェル(3)の少なくとも一部を定め、外板(5)と、前記外板(5)に強固に一体的に固定された中空区域を有する複数のストリンガ(2)とを備える、補強ストリンガ(2)で強化された、複合材料から作られる構造部品(1)の製造のための方法であって、
a) 使用中に前記ケーシング(4)の内部環境に面する前記構造部品(1)の内面を定める前記外板(5)の第1の面(5b)が硬化工具(6)の外面(6a)に面するように、未硬化またはプレキュアの複合材料の複数の第1の層(5a)を、前記外板(5)を形成するために前記前記硬化工具(6)の前記外面(6a)に積層するステップと、
b) 各々のストリンガ(2)が、少なくとも部分的に、1つのそれぞれの中空挿入体(10)の外面(10a)に巻かれることで、関係する中空挿入体(10)によって係合させられる各々のストリンガ(2)の長手方向の空洞(11)を決定するように、および、1つの前記中空挿入体(10)に巻かれる1つの前記ストリンガ(2)によって各々が定められる複数の強化要素(12)をこの方法で得るように、長手方向軸(B)を各々が有する複数の前記ストリンガ(2)を形成するために、長手方向の中空拡張可能挿入体(10)に、複合材料のそれぞれの複数の第2の層(2a)を積層するステップと、
c) 前記第1の面(5b)と反対にあり、使用中に前記ケーシング(4)の外部の環境に面する前記構造部品(1)の外面を定める前記外板(5)の第2の面(5c)に各々の補強要素(12)を位置決めするステップであって、各々のストリンガ(2)の前記空洞(11)が前記第2の面(5c)に面する、ステップと、
d) 前記工具(6)に対するそれぞれの固定位置において、各々の補強要素(12)を前記外板(5)の前記第2の面(5c)に保持するステップと、
e) 前記工具(6)、前記外板(5)、および前記補強要素(12)を真空バッグ(13)の内部に収容するステップと、
f) 前記真空バッグ(13)の内部に真空を適用することで、前記外板(5)を形成する前記第1の層(5a)を、前記ストリンガ(2)を形成する前記第2の層(2a)と一体に圧縮するステップと、
g) ステップf)の後、前記工具(6)、前記外板(5)、および前記補強要素(12)をさらなる真空バッグ(15)に収容するステップと、
h) 真空室(16)を中に画定するために、前記さらなる真空バッグ(15)を封止するステップと、
i) 前記複合材料を硬化し、前記外板(5)の前記第2の面(5c)への前記ストリンガ(2)の強固な一体的な取り付けを決定するために、所定の温度および圧力を前記真空室(16)の外側に適用するステップと
を含み、
前記方法は、
n) ステップc)の前に、前記工具(6)に積層された前記外板(5)の周りに真空バッグ(25)を巻くステップであって、前記真空バッグ(25)は、互いの間に流体を通さない手法で封止可能な複数の隣接した長手方向のポケット(26)を備える、ステップをさらに含み、
位置決めするステップc)は、各々の補強要素(12)をそれぞれのポケット(26)の内部に連続的に配置することを含み、
収容するステップe)は、巻くステップn)および位置決めするステップc)によって実施され、
圧縮するステップf)は、それぞれの前記補強要素(12)を収容する各々のポケット(26)の内部に真空を連続的に適用することで実施され、
保持するステップd)は、ステップf)において言及された前記圧縮を用いて実行される、方法。
【請求項2】
j) 前記ステップa)の間に前記外面(6a)への前記第1の層(5a)の接着を向上させるために、積層するステップa)の前に、前記工具(6)の前記外面(6a)に接着性物質(7)を適用するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
q) 積層するステップa)の前で、適用するステップj)に続いて、前記接着性物質(7)が先に撒かれた前記外面(6a)に、気体に対して非浸透性または実質的に非浸透性のガスバリア材料の層を適用するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
k) 1つのそれぞれの加圧バッグ(19)を、各々の中空挿入体(10)によって画定される空洞の内部に挿入するステップをさらに含み、
ステップg)は、前記加圧バッグ(19)を前記真空室(16)の内部に収容することも含み、
ステップh)は、各々の挿入体(10)の空洞の内部に先に収容された各々の加圧バッグ(19)を、前記真空室(16)の外側の硬化環境(17)と流体連通するように配置することも含み、
ステップi)は、各々の加圧バッグ(19)の内部に所定の温度および圧力を適用することも含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
保持する前記ステップd)は、
l) 前記補強要素(12)を、前記工具(6)に対するそれらのそれぞれの固定位置において保持するために、少なくとも1つの保持要素(20、22、24、26)を各々の補強要素(12)に配置するステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップl)は、
各々の挿入体(10)の前記空洞を通じてベルト要素(20)を挿入するステップと、
前記ベルト要素(20)のそれぞれの両端を前記工具(6)に取り付けるステップと、
それぞれの前記挿入体(10)の前記空洞の内部に挿入され、前記工具(6)に固定される前記ベルト要素(20)を使用して、各々の補強要素(12)を前記工具(6)に固定するステップと
を順に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工具(6)は、強磁性材料から作られる強磁性部分を備え、ステップl)は、
少なくとも1つの磁気要素(22)を各々の補強要素(12)に配置するステップと、
前記磁気要素(22)と前記強磁性部分との間の磁気相互作用を用いて前記補強要素(12)をその位置において保持するように、前記補強要素(12)をそれぞれの前記磁気要素(22)と前記工具(6)との間に介在させるステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
収容する前記ステップe)は、前記保持要素(20、22、24、26)を前記真空バッグ(13)の内部に収容するステップも含み、
前記方法は、
m) ステップf)において言及された前記圧縮が完了され、ステップg)、h)、およびi)を実行する前に、前記保持要素(20、22、24、26)を除去するステップも含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
o) ステップf)において言及された前記圧縮が完了され、ステップg)、h)、およびi)を実行する前に、前記真空バッグ(13、25)を除去するステップも含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
p) ステップd)の後でステップe)の前に、さらなる長手方向の挿入体(14)を前記外板(5)の前記第2の面(5c)に位置決めするステップをさらに含み、
ステップp)は、各々の補強要素(12)について、それぞれの前記補強要素(12)の長手方向の側部に各々が隣接し、それぞれの前記ストリンガ(2)の前記長手方向軸(B)と平行である前記さらなる挿入体(14)の対を配置するステップを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記さらなる挿入体(14)は接着性複合材料から作られ、
収容するステップe)は、前記さらなる挿入体(14)を前記真空バッグ(13、25)に収容するステップをさらに含み、
圧縮するステップf)は、各々の補強要素(12)に隣接するさらなる挿入体(14)の各々の対を圧縮するステップを含み、前記さらなる挿入体(14)の対が、それぞれの前記補強要素(12)の前記長手方向の側部において、それぞれの前記ストリンガ(2)を形成する前記第2の層(2a)と、前記外板(5)を形成する前記第1の層(5a)とに圧縮される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
積層する前記ステップa)は、前記第1の層(5a)を前記硬化工具(6)の滑らかな外面(6a)に配置することで実行される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記工具(6)は中心軸(C)の周りに実質的に円筒の形を有し、
位置決めするステップc)は、それぞれの前記ストリンガ(2)の前記長手方向軸(B)が互いと平行、かつ前記中心軸(C)と平行な状態に、前記補強要素(12)を、前記中心軸(C)の周りの角度的に等しく離間されたそれぞれの位置において、前記外板の前記第2の面(5c)に位置決めすることで実行される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】