(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】追跡レーザー測距システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 17/66 20060101AFI20240118BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G01S17/66
G01C3/06 120Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539370
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021072543
(87)【国際公開番号】W WO2022147391
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500216318
【氏名又は名称】ピーエルエックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PLX INC.
【住所又は居所原語表記】40 West Jefryn Boulevard, Deer Park, NY 11729, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュニア、イタイ
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリー、マルコルム
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA01
2F112CA05
2F112DA05
2F112DA09
2F112DA15
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA05
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC02
5J084AC04
5J084AC07
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA04
5J084BA20
5J084BA35
5J084BA36
5J084BA39
5J084BA40
5J084BA47
5J084BA50
5J084BA52
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB14
5J084BB27
5J084BB28
5J084CA03
5J084CA28
5J084CA29
5J084CA65
5J084DA01
5J084EA05
5J084EA23
(57)【要約】
視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するための追跡レーザー測距計が提供される。実施形態では、追跡レーザー測距計は、レーザートリガー信号に応答して第1の時間にレーザーパルスを生成し放射するように構成されたレーザー源と、走査面内で物体に向けてレーザーパルスを偏向させて方向付けるように構成された高速走査ミラーと、第2の時間に物体からレーザーパルスの反射を受信し、帰還パルス検出信号を出力するように構成されたセンサと、帰還パルス検出信号を受信し、第1の角度、第2の角度、および物体までの距離を判定するように構成された、コントローラと、を備える。第1の角度および第2の角度は、高速走査ミラーの位置に基づくことができる。物体の距離は、第1の時間を開始時間として含み、第2の時間を終了時間として含む時間に基づいて計算することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するための追跡レーザー測距計であって、前記追跡レーザー測距計が、
レーザートリガー信号に応答して第1の時間にレーザーパルスを生成し放射するように構成されたレーザー源と、
走査面内で物体に向けて前記レーザーパルスを偏向させて方向付けるように構成された高速走査ミラーと、
第2の時間に前記物体から前記レーザーパルスの反射を受信し、帰還パルス検出信号を出力するように構成されたセンサと、
前記帰還パルス検出信号を受信し、第1の角度、第2の角度、および前記物体までの距離を判定するように構成された、コントローラと、を備え、
前記第1の角度および前記第2の角度が、前記高速走査ミラーの位置に基づいており、および
前記物体の距離が、前記第1の時間を開始時間として含み、前記第2の時間を終了時間として含む時間に基づいて計算される、追跡レーザー測距計。
【請求項2】
前記センサが、アバランシェフォトダイオード、シリコン光電子増倍管、または光電子増倍管を備える、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項3】
前記センサが、象限アバランシェフォトダイオードまたはIaGaAsアバランシェフォトダイオードを備える、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項4】
前記高速走査ミラーが、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、ボイスコイルミラー(VCM)、または圧電アクチュエータミラーを備える、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項5】
前記追跡レーザー測距計がデジタル信号プロッセッサ(DSP)をさらに備え、前記デジタル信号プロッセッサ(DSP)が、
光ノイズをフィルタリングする、
電子ノイズをフィルタリングする、
偽ポジティブ信号を拒絶する、
前記レーザーパルスの反射の信号対ノイズ比を増加させる、または
前記レーザーパルスの反射に対するタイムスタンプを生成する、ように構成される、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項6】
前記高速走査ミラーおよび前記センサが、前記走査面内で移動する前記物体をリアルタイムで発見して追跡するように構成される、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項7】
前記コントローラが、基準信号と前記帰還パルス検出信号とを組み合わせることから振幅および位相の情報を生成するロックインアンプを備え、前記基準信号が、モニタ受光器の出力または前記レーザートリガー信号の出力のサンプリングに基づいている、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項8】
前記物体からの前記レーザーパルスの反射を含む、前記視野内の反射光パルスを収集するように構成された光学システムをさらに備える、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項9】
前記光学システムが、非テレセントリック走査レンズおよびFシータレンズの少なくとも1つを備える、請求項8記載の追跡レーザー測距計。
【請求項10】
前記光学システムが、前記レーザーパルスを前記物体に向けるように構成される、請求項8記載の追跡レーザー測距計。
【請求項11】
前記レーザーパルスを前記走査面内の任意の点に向けるように構成された第2の光学システムをさらに備える、請求項8記載の追跡レーザー測距計。
【請求項12】
前記走査面内の点をロックインして追跡するために前記高速走査ミラーに同期された帰還高速走査ミラーをさらに備える、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項13】
前記コントローラが、タイムスタンプ、前記第1の角度、前記第2の角度、および前記物体までの距離を含む物体位置データをホストシステムに出力するように構成される、請求項1記載の追跡レーザー測距計。
【請求項14】
前記コントローラが、測距モード、探索モード、または追跡モードのいずれかで動作するように構成される、請求項13記載の追跡レーザー測距計。
【請求項15】
視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するための追跡レーザー測距計であって、前記追跡レーザー測距計が、
レーザートリガー信号に応答して第1の時間にレーザーパルスを生成し放射するように構成されたレーザー源と、
走査面内で物体に向けて前記レーザーパルスを偏向させて方向付けるように構成された高速走査ミラーと、
第2の時間に前記物体から前記レーザーパルスの反射を受信し、帰還パルス検出信号を出力するように構成されたセンサと、
前記帰還パルス検出信号を受信し、振幅および位相の情報を生成するように構成されたコントローラと、を備え、
基準が、モニタ受光器(MPR)の出力または前記レーザートリガー信号をサンプリングすることによって決定され、
前記振幅および位相の情報が、ロックインアンプで前記基準と前記帰還パルス検出信号とを組み合わせることから生成され、および
前記物体の第1の角度、第2の角度、および距離が、前記高速走査ミラーの位置と前記振幅および位相の情報とに基づいて判定される、追跡レーザー測距計。
【請求項16】
視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するためのコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法が、
レーザー源によって、少なくとも1つのレーザーパルスを有するパルスレーザービームを放射する工程と、
光学システムによって、前記パルスレーザービームを視野内の物体に向ける工程と、
センサによって、前記視野内の前記物体からの少なくとも1つのレーザーパルスの反射を検出する工程と、
高速走査ミラーによって、前記視野内で移動する前記物体をリアルタイムで追跡するようにパルスレーザービームを方向付ける工程と、
コントローラによって、前記視野内を移動する前記物体の角度情報および距離情報を出力する工程と、を含み、
前記角度情報および前記距離情報が、リアルタイムで継続的に出力される、コンピュータ実施方法。
【請求項17】
前記角度情報が、前記物体に対する第1の角度および前記物体に対する第2の角度を含む、請求項16記載のコンピュータ実施方法。
【請求項18】
モニタ受光器の出力またはレーザー源を駆動させて前記パルスレーザービームを生成するレーザートリガー信号をサンプリングする工程と、
サンプリングされた前記レーザートリガー信号に基づいて基準を生成する工程と、
ロックインアンプによって、前記角度情報および前記距離情報を生成するために前記基準と前記センサからの帰還パルス検出信号とを組み合わせる工程と、をさらに含む、請求項16記載のコンピュータ実施方法。
【請求項19】
光ノイズをフィルタリングする、電子ノイズをフィルタリングする、偽ポジティブ信号を拒絶する、または前記少なくとも1つのレーザーパルスの反射に対するタイムスタンプを生成するために、前記センサからの帰還パルス検出信号をデジタル信号処理する工程をさらに含む、請求項16記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
帰還高速走査ミラーによって、前記高速走査ミラーと同期して前記少なくとも1つのレーザーパルスの反射を方向付ける工程をさらに含む、請求項16記載のコンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、全体が引用により本明細書に組み込まれる、2020年12月28日に出願された「Tracking Laser Range Finder」と題する米国仮特許出願第63/131,252号、および2021年4月8日に出願された「TRACKING LASER RANGE FINDER SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許出願第17/225,281号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、物体までの距離を検出、識別、標的化、追跡、または判定するための光学素子、電子機器、電子ファームウェア、レーザー技術、およびコンピュータリソースに関する。
【背景技術】
【0003】
測距技術は、観察者からターゲットまでの距離を測定するためのさまざまな用途に使用される。たとえば、レーザー測距計は、多くの他の用途の中でも、ゴルフ、弾道学、測量、建築、航空機誘導、監視、および衛星ナビゲーションで一般的に使用されている。当該技術は典型的に、レーザー、LiDAR(光検出および測距)、レーダー、ソナー、または超音波測距コンポーネントを含む。
【0004】
既存の測距技術は、典型的に、ほとんどの用途にとって満足できるものであるか、または多くの場合、満足以上のものであるが、高速応答時間または低レイテンシを必要とする用途には適さない場合がある。たとえば、既存の測距技術は、たとえば、発射体、ミサイル、または航空機などの、高速で移動する物体の検出、標的化、追跡、または測距には適さない場合があるか、または陸上、水上、または空中で移動または静止し得る物体を検出、標的化、追跡、または測距するために、高速で移動する車両からそのような操作を実施するのには適さない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、1つまたは複数の物体を検出、標的化、追跡、または測距することができるデバイス、コンピュータ実施方法、およびシステムを提供する。本開示の非限定的な実施形態では、視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するための追跡レーザー測距計が提供される。実施形態では、追跡レーザー測距計は、レーザートリガー信号に応答して第1の時間にレーザーパルスを生成し放射するように構成されたレーザー源と、走査面内で物体に向けてレーザーパルスを偏向させて方向付けるように構成された高速走査ミラーと、第2の時間に物体からレーザーパルスの反射を受信し、帰還パルス検出信号を出力するように構成されたセンサと、帰還パルス検出信号を受信し、第1の角度、第2の角度、および物体までの距離を判定するように構成された、コントローラと、を備える。第1の角度および第2の角度は、高速走査ミラーの位置に基づくことができる。物体の距離は、第1の時間を開始時間として含み、第2の時間を終了時間として含む時間に基づいて計算することができる。
【0006】
実施形態では、センサは、アバランシェフォトダイオード、シリコン光電子増倍管、または光電子増倍管を備える。
【0007】
実施形態では、センサは、象限アバランシェフォトダイオードまたはIaGaAsアバランシェフォトダイオードを備える。
【0008】
実施形態では、高速走査ミラーは、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、ボイスコイルミラー(VCM)、または圧電アクチュエータミラーを備える。
【0009】
追跡レーザー測距計は、光ノイズをフィルタリングする、電子ノイズをフィルタリングする、偽ポジティブ信号を拒絶する、レーザーパルスの反射の信号対ノイズ比を増加させる、またはレーザーパルスの反射に対するタイムスタンプを生成する、ように構成されたデジタル信号プロセッサ(DSP)を備えることができる。
【0010】
実施形態では、高速走査ミラーおよびセンサは、走査面内で移動する物体をリアルタイムで発見して追跡するように構成することができる。
【0011】
実施形態では、コントローラは、基準信号と帰還パルス検出信号とを組み合わせることから振幅および位相の情報を生成するロックインアンプを備えることができ、基準信号は、モニタ受光器の出力またはレーザートリガー信号の出力のサンプリングに基づいている。
【0012】
追跡レーザー測距計は、物体からのレーザーパルスの反射を含む、視野内の反射光パルスを収集するように構成された光学システムを備えることができる。
【0013】
実施形態では、光学システムは、非テレセントリック走査レンズおよび/またはFシータレンズを備える。
【0014】
実施形態では、光学システムは、レーザーパルスを物体に向けるように構成される。
【0015】
追跡レーザー測距計は、レーザーパルスを走査面内の任意の点に向けるように構成された第2の光学システムを備えることができる。
【0016】
追跡レーザー測距計は、走査面内の点をロックインして追跡するために高速走査ミラーに同期された帰還高速走査ミラーを備えることができる。
【0017】
実施形態では、コントローラは、タイムスタンプ、第1の角度、第2の角度、および物体までの距離を含む物体位置データをホストシステムに出力するように構成される。
【0018】
実施形態では、コントローラは、測距モード、探索モード、または追跡モードのいずれかで動作するように構成される。
【0019】
実施形態では、追跡レーザー測距計は、レーザートリガー信号に応答して第1の時間にレーザーパルスを生成し放射するように構成されたレーザー源と、走査面内で物体に向けてレーザーパルスを偏向させて方向付けるように構成された高速走査ミラーと、第2の時間に物体からレーザーパルスの反射を受信し、帰還パルス検出信号を出力するように構成されたセンサと、帰還パルス検出信号を受信し、振幅および位相の情報を生成するように構成された、コントローラと、を備える。基準は、モニタ受光器(MPR)の出力またはレーザートリガー信号をサンプリングすることによって決定することができる。振幅および位相の情報は、ロックインアンプで基準と帰還パルス検出信号とを組み合わせることから生成することができる。物体の第1の角度、第2の角度、および距離は、高速走査ミラーの位置と振幅および位相の情報とに基づいて判定することができる。
【0020】
実施形態では、視野内においてリアルタイムで物体を検出、標的化、位置特定、または追跡するためのコンピュータ実施方法が提供される。当該方法は、レーザー源によって、少なくとも1つのレーザーパルスを有するパルスレーザービームを放射する工程と、光学システムによって、パルスレーザービームを視野内の物体に向ける工程と、センサによって、視野内の物体からの少なくとも1つのレーザーパルスの反射を検出する工程と、高速走査ミラーによって、視野内で移動する物体をリアルタイムで追跡するようにパルスレーザービームを方向付ける工程と、コントローラによって、視野内を移動する物体の角度情報および距離情報を出力する工程と、を含み、角度情報および距離情報は、リアルタイムで継続的に出力される。角度情報は、物体に対する第1の角度および物体に対する第2の角度を含むことができる。
【0021】
実施形態では、当該方法は、モニタ受光器の出力またはレーザー源を駆動させてパルスレーザービームを生成するレーザートリガー信号をサンプリングする工程と、サンプリングされたレーザートリガー信号に基づいて基準を生成する工程と、ロックインアンプによって、角度情報および距離情報を生成するために基準とセンサからの帰還パルス検出信号とを組み合わせる工程と、を含む。
【0022】
実施形態では、当該方法は、光ノイズをフィルタリングする、電子ノイズをフィルタリングする、偽ポジティブ信号を拒絶する、または少なくとも1つのレーザーパルスの反射に対するタイムスタンプを生成するために、センサからの帰還パルス検出信号をデジタル信号処理する工程を含む。
【0023】
実施形態では、当該方法は、帰還高速走査ミラーによって、高速走査ミラーと同期して少なくとも1つのレーザーパルスの反射を方向付ける工程を含む。
【0024】
本開示の追加の特徴、利点、および実施形態は、詳細な説明および図面の考慮から明記され得るか、または明らかになり得る。また、本開示の以下の要約および以下の詳細な説明および図面が、請求される開示の範囲を限定することなく、さらなる説明を提供することを意図されている非限定的な例を提供することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、詳細な説明とともに本開示の原理を説明するように機能する。本開示およびそれが実施され得るさまざまな方法の基本的な理解に必要とされ得る以上に、本開示の構造的詳細を詳細に示す試みは行われていない。
【0026】
【
図1】本開示の原理に従って構築された、追跡レーザー測距(T-LRF)デバイスを示す。
【
図2】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス用のコントローラを示す。
【
図3】本開示の原理に従って構築された、別のT-LRFデバイスを示す。
【
図4】本開示の原理に従って構築された、さらなるT-LRFデバイスを示す。
【
図5】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス用の別のコントローラを示す。
【
図6】本開示の原理に従って構築された、さらなるT-LRFデバイスを示す。
【
図7】本開示の原理に従って構築された、さらなるT-LRFデバイスを示す。
【
図8】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス用のさらなるコントローラを示す。
【
図9】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイスによって実施することができるLRFモードプロセスを示す。
【
図10】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイスによって実施することができる探索モードプロセスを示す。
【
図11】本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイスによって実施することができる追跡モードプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、以下の詳細な説明でさらに説明される。
【0028】
[開示の詳細な説明]
本開示およびそのさまざまな特徴および有利な詳細は、添付の図面に記載または例示され、以下の説明で詳述される、非限定的な実施形態および実施例を参照してより十分に説明される。図面に例示される特徴が必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、明示的に述べられていなくても、当業者が認識するように、一実施形態の特徴を他の実施形態とともに利用することができることが留意されるべきである。周知のコンポーネントおよび処理技術の説明は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないように省略される場合がある。実施例は、単に本開示を実施することができる方法の理解を容易にし、さらに当業者が本開示の実施形態を実施することができるようにすることが意図されている。したがって、実施例および実施形態は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。また、いくつかの図面全体を通して、同様の参照番号は同様の部分を表すことが留意される。
【0029】
現在、LiDAR技術は、たとえば、無人航空システム(UAS)のナビゲーション、高解像度マップの生成、または、とりわけ、測量、測地学、地質学、地理学、地形学、地震学、林学、大気物理学、レーザー誘導、および航空機レーザースワスマッピング(airborne laser swath mapping)(ALSM)における多くの用途を含む、多くのハイテク用途のための候補の測距技術である傾向がある。LiDARは、レーザーで物体を標的化し、反射光ビームが受信機に帰還するまでの時間を測定することによって機能する。これに関して、LiDARは、典型的に、遭遇するあらゆる反射パルスから距離データを取得して、データの点群を生成する。LiDARは、飛行時間を使用して、各パルスに対する移動時間を計測し、各パルスの反射光ビームが帰還する時間を判定する。
【0030】
LiDARレーザーは、MEMS(微小電気機械システム)デバイスなどの走査ミラーを使用して、ラスターまたはリサージュパターンで走査することができる。各パルス時の走査ミラーの角度と感知された距離とを組み合わせて使用することで、距離の点群を構築することができる。本発明者らは、LiDAR技術がほとんどの用途に適しているが、高速で移動する物体が関与する特定の用途には適さない可能性があることを発見した。LiDARシステムは、継続的な走査を必要とする傾向があるため、レイテンシの問題が発生しやすい。たとえば、LiDARシステムが視野(FoV)全体を走査するには数秒かかり得るが、これは、FoV全体のすべての点を走査したり、走査操作によって生成される傾向にある大量のデータを処理したりするには、かなりの時間がかかり得るためである。これは、高速で移動するターゲットが関与する場合に問題となり得るが、これは、ターゲットが、LiDARシステムが追跡することができないレートでの速度または方向で移動することができるか、または速度や方向を変更することができるためである。これは、たとえばカウンターUASシステムなどの長距離カメラが識別のためにターゲットに向けられる必要がある用途、または情報が標的化に使用される用途では特に問題となり得る。
【0031】
多くの用途に必要な分解能を維持するために、飛行時間(ToF)を使用してターゲットまでの距離を判定する測距動作ごとに1つのパルスを使用する必要がある。カウンタータイマーは、典型的に、ToFを測定するために使用され、出射パルスがソースに帰還するまでにかかる時間を測定する。空気(または任意の他の媒体)中の光の速度が、既知であり得るか、または判定され得るため、距離(またはターゲットまでの間隔)は、光ビームパルスが発信から帰還までのその移動を完了するのにかかる時間に基づいて判定することができる。これは、相関法またはロックインアンプなどのデジタル信号処理(DSP)技術が、そのような制約下では使用することが不可能であることを意味している。また、LiDARシステムは、内部コンポーネントによって生成されるノイズを含む、ノイズの多い環境で動作するため、帰還パルスが、LiDARシステムまたはその周囲のノイズフロアを超えて検出可能になることを確かなものとするために、高出力レーザーを生成する必要があり、それによりレーザー出力要件が増加する。結果として、たとえば、人が存在し得る位置で測距操作を実施するときなど、レーザーが目に安全である必要がある場合に、LiDARシステムの距離がしばしば制限される。
【0032】
たとえばLiDARシステムなどの、既存の測距技術のこのような問題または欠点を克服する追跡レーザー測距(T-LRF)技術が提供される。T-LRF技術は、物体を正確に検出、標的化、追跡、または測距することができるT-LRFデバイス、コンピュータ実施のT-LRF方法、およびT-LRFシステムを含む。測距性能を向上させるために、T-LRFデバイスまたはT-LRFシステムは、広域からの光を小さなスポットに集中させるように構成させることができ、これは、検出器の受光器(DPR)に向けて焦点を合わせることができる。DPRは、飛行時間(ToF)センサを含むことができる。DPRは、飛行時間タイマー集積回路(IC)およびToFセンサを含むことができる。T-LRF技術は、濃縮比要件と受光角要件のバランスを調整することができる。以下で詳細に論じられるように、T-LRFデバイスは、エタンデュ(Etendue)の原則を克服するように構成させることができ、それによって、LiDARなどの技術を含む既存の技術よりも長距離のパフォーマンスを実現する。
【0033】
本明細書に記載されるT-LRF技術は、既存の技術では不可能である濃縮比および受光角を達成することができる。T-LRFデバイスは、複数の集光器の光学素子および検出器を含むことができ、各光検出器チャネルの出力がすべての他の出力と合計されるように信号を電子的に組み合わせることができる。
【0034】
T-LRFデバイスは、ノイズフロアに近いまたはノイズフロアを下回る信号を含む、既存の技術よりも弱くてノイズの多い信号で機能するように構成することができる。これに関して、T-LRFデバイスは、信号対ノイズ比(SNR)を向上させるデジタル信号処理(DSP)を含むことができる。信号が、典型的にアナログであり、レーザーのパルス持続時間が非常に短いため、信号をデジタル形式に変換するために非常に高速なアナログデジタル変換器(ADC)を含めることができ、信号は、その後DSPに入力することができる。
【0035】
DSPは、不要なノイズをフィルタリングして除去し、受信した反射光ビームパルスまたはパルスバーストごとにタイムスタンプを生成するように構成することができる。
【0036】
T-LRFデバイスはコントローラを含むことができる。T-LRFコントローラは、非常に高速で多数のカスタムデジタル機能を実施するためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に実装することができるデジタルロジックを有するプロセッサを含むことができる。プロセッサはFPGAを含むことができる。
【0037】
T-LRFデバイスは、飛行時間型(ToF)集積回路(IC)(またはToF IC)を含むことができる。ToF ICは、典型的に、比較的安価で、強い信号に対して優れたタイミング精度を提供することができるICチップとして提供される。ToF ICは、消費電力が少なく、小型で軽量であるため、航空機に搭載されて使用され得るT-LRFデバイスに含めるのに適している。
【0038】
T-LRFデバイスは、T-LRFの視野内の走査面(たとえば、X-Y面)における任意またはすべての点を走査するように構成することができる。この非限定的な例では、X、Y、Zは、デカルト座標系のX軸、Y軸、およびZ軸座標に対応している。走査面は、視野の中心軸(CFoV)に対して垂直になるように構成することができ、それにより、CFoVに沿って移動する出射パルスレーザービーム、レーザーパルス、またはレーザーバーストが、視野内にある走査面の部分の中心に衝突することになる。レーザーパルスは、単一のレーザーパルスまたはレーザーパルスのバーストを含むことができる。CFoVは、走査面とレーザー源との間の視野内の最短距離である。視野内の任意の点の位置は、CFoVに対するその位置およびレーザー源までの距離に基づいて判定することができる。たとえば、視野内の任意の点の位置は、視野内のその点の位置までの、CFoVに対する、角度Xおよび角度Yと一緒に取られたレーザーパルスの移動時間(出射時間と帰還時間)に基づいて、その点とレーザートランシーバとの間の距離を測定することによってT-LRFデバイスで判定することができる。T-LRFデバイスは、角度X、角度Y、および視野内に現れる各物体までの距離Dを計算するように構成することができる。角度-距離データ(たとえば、X、Y、D)は、T-LRFデバイスによってホストシステム(図示せず)に出力することができる。ホストシステム(図示せず)は、たとえば、操作を実施または制御するために角度-距離データを受信または使用するように構成することができるUASコントローラ、無人航空機(UAV)制御システム、または任意のコンピューティングデバイス、通信デバイス、またはコンピューティングリソースを含むことができる。
【0039】
T-LRFデバイスは、たとえば約100kHz以上などの、高い繰り返し率でレーザーパルスを発射し、方向付けるように構成することができる。たとえば飛行時間型集積回路(ToF IC)などの、タイマーは、レーザーパルスの放射とT-LRFデバイスへのその帰還までにかかる時間をカウントするように、レーザーパルスが放射されるたびにトリガーされ得る。タイマーは、送信されたレーザーパルスのトリガーと同時にトリガーされ得、タイミングを開始することができる。十分な強度の反射レーザーパルスが検出されたときに、タイマーを停止させることができる。その後、各パルスに対する距離は、この飛行時間からを計算することができ、反射レーザーパルスが受信された瞬間に高速走査ミラーのX角度およびY角度と一緒に記録することができる。
【0040】
図1は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス1の非限定的な実施形態を示す。T-LRFデバイス1は、レーザー源10、固定ミラー(FM)20、モニタ受光器(MPR)30、高速走査ミラー(FSM)40、および光学素子50を含むことができる。T-LRFデバイス1は、検出器の受光器(DPR)60および集光(LC)光学素子70を含むハウジングを含むことができる。DPR60は、支持体65に取り付けることができるか、または支持体65と一体的に形成することができる。DPR60は、飛行時間型(ToF)センサを含むことができる。DPR60は、飛行時間型集積回路(ToF IC)およびToFセンサを含むことができる。実施形態では、DPR60は、ToF ICに接続することができる。ToF ICは、レーザー源10による初期の放射の時間から、帰還するレーザーパルスがDPR60に衝突する瞬間までの、帰還するレーザーパルスの飛行時間をカウントするように構成されたタイマーを含むことができる。DPR60は、衝突して帰還レーザーパルスを感知すると、帰還パルス検出信号を出力するように構成することができる。
【0041】
レーザー源10は、たとえば、固体レーザー、ガスレーザー、エキシマレーザー、色素レーザー、半導体レーザー(たとえば、レーザーダイオード)、またはコヒーレントで高度にコリメートされた光のビーム、パルス、またはバーストを放射することができる任意のデバイスなどの、レーザーパルスまたはバースト発生器を含むことができる。レーザー源10は、コリメータレンズ(図示せず)、ズームレンズ(図示せず)、レーザーライン発生器レンズ(図示せず)、パウエルレンズ(図示せず)、非テレセンターレンズ(図示せず)、または焦点レンズ(図示せず)を含むことができる。レーザー源10は、たとえば、方向、波長、利得帯域幅、単色性、空間的または時間的プロファイル、コリメーション、出力パワー、コヒーレンス、または偏光を含むレーザーの特性を調整するように、構成することができるか、または制御することができる。
【0042】
非限定的な実施形態では、レーザー源10は、パルスレーザーダイオード(PLD)または短パルスレーザーダイオードを備える。レーザー源10は、たとえば90ワット(W)で905ナノメートル(nm)の波長を有するコヒーレントで高度にコリメートされた光を生成するように構成することができる。レーザー源10は、905nmより短い、もしくは905nmより長い波長、または90Wより大きい、もしくは90W未満の出力を生成するように構成することができる。たとえば、レーザー源10は、たとえば635nmから980nmの間の範囲の波長を生成するように構成することができる。
【0043】
別の非限定的な実施形態では、レーザー源10は、50kWおよび1534nmのパルスレーザー、5kWおよび1550nmのパルスレーザー、または100Wおよび1550nmのパルスレーザー、またはそれらの任意の組み合わせを生成するように構成することができ、この場合、パルスレーザーは、同時にまたは交互に生成することができる。他の実施形態では、レーザー源10は、前述の出力定格のいずれよりも大きい(または小さい)出力定格、または前述の波長のいずれよりも大きい(または小さい)波長を含むことができる。
【0044】
レーザー源10に選択される波長-出力の組み合わせは、用途に応じて変化し得る。たとえば、目に安全なより低い出力レベルを達成するために、905nm-90Wの波長-出力の選択を使用することができる。実施形態では、レーザーは1550nmの波長を有することができ、これは、状況によっては、損傷を引き起こすことなくより高い出力レベルを可能にするため、目の安全にとってより良好であり得る。しかし、目の安全性があまり懸念されない場合は、より高い出力の波長-出力の組み合わせを使用することができる。
【0045】
固定ミラー(FM)20は、たとえば、平面ミラー、曲面ミラー、またはレーザーの光出力を損失することなくレーザーを偏向する目的に適した任意のミラーデバイスを含むことができる。固定ミラー20は、安定ミラー、超安定ミラー、またはハードマウントミラーを含むことができる。固定ミラー20は、無視できる量の光出力の損失で、または光出力の損失なしで、レーザー源10から光ビームを受け取り、高速走査ミラー40へと偏向させるように位置づけることができる。
【0046】
モニタ受光器(MPR)30は、固定ミラー20に近接して配置することができるか、または取り付けることができ、たとえば、周波数、波長、出力、方向、パルス形状、またはタイミングを含む、レーザーの1つまたは複数の特性を測定および監視するように構成することができる。MPR30は、レーザー源10と一体化することができる。MPR30は、レーザーの波長、周波数、位相、時間、または出力レベルを含む、レーザー源10によって放射されたレーザーの一部を検出するように構成することができる。これに関して、FSM20は、たとえば、レーザーの98%以上を偏向させて、2%以下をMPR30によって感知することを可能にするように構成することができる。MPR30の出力は、(たとえば、
図2に示される)プロセッサ105に供給することができ、これは、その後、たとえばプロセッサ105内のDSPにおけるロックインアンプによるノイズ低減に対する基準値を決定するためにサンプリングおよび使用することができる。
【0047】
モニタ受光器(MPR)30は、受光器または光センサ、もしくは受光器または光センサのアレイを含むことができる。アレイは、受光器または光センサの一次元アレイもしくは多次元アレイ(たとえば、二次元または三次元アレイ)を含むことができる。受光器または光センサは、たとえば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、ソラリスタ、または電荷結合素子(CCD)などの、半導体ベースのデバイスを含むことができる。
【0048】
高速走査ミラー(FSM)40は、当業者によって理解されるように、たとえば、単一MEMSミラー、二軸MEMSミラー、単軸マイクロオプトエレクトロメカニカルシステム(MOEMS)ミラー、二軸MOEMS、単軸コイルミラー(CM)、二軸CM、単軸ボイスコイルミラー(VCM)、二軸VCM、圧電アクチュエータミラー(PAC)、またはT-LRFデバイス1に含めるためのサイズ、重量、電力消費、およびの性能要件を満たすことができる任意のジンバルのない単軸または二軸ミラーデバイスを含むことができる。高速走査ミラー40は、
図1に示されるように、走査軸(たとえば、X軸またはY軸)に沿って走査面(たとえば、X-Y平面)内でレーザーを走査するように構成することができる。高速走査ミラー40は、T-LRFデバイス1の視野全体を走査するように構成することができる。高速走査ミラー40は、多次元視野(X、Y、Z)内の任意の点に当たるようにレーザーを方向付けるべく(たとえば、X-Yドライバ回路によって)駆動させられるように構成することができる。
【0049】
FSM40は、正確で高速応答の制御のための内蔵された位置フィードバックを含むことができる。MEMSデバイスは、たとえば、電磁式、静電式、または圧電ベースのMEMSデバイスを含むことができる。FSM40は、任意の適切な高速ステアリングミラーデバイスを含むことができる。FSM40は、たとえば、チップ/チルトミラープラットフォーム、高速チップ/チルトステアリングミラー、チップ/チルトピストンミラー、チップ/チルト/ピストンプラットフォーム、ピエゾZステージ、またはピエゾZチップ-チルトステージを含むことができる。
【0050】
光学素子50または集光(LC)光学素子70は、たとえば、1つまたは複数のレンズ、1つまたは複数のビームスプリッタ、1つまたは複数のミラー、1つまたは複数のシャッター、1つまたは複数のフィルタ、1つまたは複数の偏光子、または他の光学部品を含むことができる。光学素子50またはLC光学素子70は、たとえば、コリメータレンズ(図示せず)、ズームレンズ(図示せず)、レーザーライン発生器レンズ(図示せず)、パウエルレンズ(図示せず)、非テレセントリックレンズ(図示せず)、または焦点レンズ(図示せず)を含むことができる。
【0051】
検出器の受光器(DPR)60は、たとえば波長または周波数などの、レーザー源10によって生成されたレーザーに対応する特性を有する光を検出するように構成された受光器または光センサを含むことができる。DPR60は、単一の受光器または光センサ、または受光器または光センサのアレイを含むことができる。アレイは、受光器または光センサの一次元アレイまたは多次元アレイを含むことができる。検出器の受光器60は、たとえば、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、光電子増倍管、InGaAS(インジウム/ガリウム/ヒ素)アバランシェフォトダイオード(APD)、または象限APD(QAPD)を含むことができる。
【0052】
検出器の受光器60は、たとえば
図1に見られるように、T-LRFデバイス1内のレーザー生成要素またはビームステアリング要素から分離して構成することができるか、または、たとえば
図3に見られるように、特定のレーザー生成要素またはビームステアリング要素と組み合わせることができる。
図1に示される実施形態では、検出器の受光器60は、高速走査ミラー40のサイズを最小限に抑えるようにレーザー生成要素またはビームステアリング要素から分離されており、したがって、高速動作が可能になる。これによって、検出器の受光器60に対する反射光の収集のためのより大きな開口が可能になる。
【0053】
T-LRFデバイス1は、高速で移動する物体の位置をリアルタイムで発見して追跡するためのレーザー測距計を備えて、高速走査ミラー(FSM)40を動作させるように構成することができる。レーザー源10は、FSM40によってレーザーをターゲットに方向付けるように偏向および配向させられ得る、高繰り返し率、高出力のレーザーパルスを生成するように構成することができる。出射レーザーパルスは、ロックインアンプに対する基準レベルとしてサンプリングおよび使用することができ、これは、その後、たとえば基準レベルと入射パルスを組み合わせることによって振幅および位相の情報を生成することができる。これにより、不要な光ノイズおよび電子ノイズもフィルタリングすることができ、それによって、T-LRFデバイス1の感度が向上する。
【0054】
図2は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス用のコントローラ100の非限定的な実施形態を示す。T-LRFコントローラ100は、T-LRFデバイスに含めることができるか、またはT-LRFデバイスに接続することができる。この非限定的な実施形態では、コントローラ100は、
図2に見られるような、少なくとも1つのプロセッサ105、高電圧(HV)電源ユニット(PSU)110、アナログデジタル変換器(ADC)115、トランスインピーダンス増幅器(TIA)120、ADC125、TIA130、レーザードライバ135、デジタル-アナログ(DAC)グループ140、HV PSU145、および高電圧(HV)増幅器グループ150を備える。コントローラ100は、本実施形態では、905nmのパルスレーザーダイオード(10)、6.4mmの二軸MEMSミラー(40)、およびアバランシェフォトダイオード(60)を、それぞれ備える、レーザー源10、高速走査ミラー40、および検出器の受光器60を備えることができるか、またはそのいずれかに接続することができる。
【0055】
プロセッサ105は、さまざまな市販のコンピューティングデバイスのうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。プロセッサ105は、たとえば、中央処理デバイス(CPU)、ARM(アドバンスドRISCマシン)CPU、グラフィック処理デバイス(GPU)、汎用GPU(GPGPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FGPA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータ(SBC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、メニーコアプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、または本明細書で記載または企図される操作を実施することができる任意のコンピューティングデバイスアーキテクチャを含むことができる。プロセッサ105はストレージ(図示せず)を含むことができる。プロセッサ105は、本開示に含まれる、記載される、または企図されるプロセスを実行または促進するために、コンポーネント110~150、または10、または40、または60のいずれかとインタラクトするように構成することができる。
【0056】
図2に示される非限定的な実施形態では、プロセッサ105は、CPUおよびDSPを備える。プロセッサ105内のDSPは、デジタル基準信号として出射するレーザーパルスの周波数および高調波成分、ならびに検出器の受光器60からの反射レーザーパルス信号を感知するための信号取得ハードウェアを含むことができる。デジタル基準信号と受信した反射レーザーパルス信号の両方は、DSPベースのロックインアンプに供給することができる。基準信号は、たとえば、(
図1に示される)MPR30の出力に基づいて決定することができる。DSPは、遠くのターゲットから受信したパルスの振幅および位相の情報を生成して、出力することができる。
【0057】
DSPベースのロックインアンプは、プロセッサ105内、またはコントローラ100内の他の場所に含めることができる。
【0058】
ロックインアンプは、T-LRFデバイス1の距離および性能を拡張すると同時に、レーザーの目に安全な態様を維持するために含めることができる。ロックインアンプは、受信した反射パルス信号を、受信機に存在する周囲の光学的および電子的ノイズのノイズフロアよりも30dB以上低くすることを可能にし、それでも受信した反射パルス信号を識別可能とするように構成することができる。
【0059】
ロックインアンプは、振幅情報を生成するように構成することができ、振幅情報は、その後、ターゲットの存在検出および位相判定に使用することができ、後者は測距および計算に使用可能である。(たとえば、プロセッサ105内の)ロックインアンプは、MPR30からの出力をサンプリングして、(
図1に示される)レーザー源10から放射されるレーザーの周波数、波長、位相、タイミング、または出力レベルを判定するように構成することができる。
【0060】
代替の実施形態では、サンプリングされた(またはデジタル)基準信号および帰還反射レーザーパルス信号は、プロセッサ105によって、DSP技術を使用して信号対ノイズ比を改善し、偽ポジティブ信号を拒絶するように処理することができる。
【0061】
デジタル基準信号に関して、出射レーザーパルスは、MPR30またはTIA130およびADC125を介してプロセッサ105によって監視および測定することができる。TIA130は、レーザー源10に連結することができ、出射レーザーパルスの周波数および高調波成分を受信し、アナログ基準信号をADC125に出力するように構成することができる。本実施形態では、ADC125は、アナログ基準信号をデジタル基準信号に変換することができる16ビットADCを含み、デジタル基準信号は、その後、ADC125からプロセッサ105の入力に出力することができる。
【0062】
同時に、反射光ビームパルスは、検出器の受光器60によって検出することができる。反射光ビームパルスは、ターゲットから反射され、(
図1に示される)LC光学素子70によって収集され、出射レーザーパルスの反射(または帰還パルス)を含むことができる。反射光ビームパルスが衝突すると、検出器の受光器60は、衝突した反射光ビームパルスに対応するパルス信号を生成し、出力することができる。結果として生じるパルス信号は、TIA120によって増幅させることができ、本実施形態では16ビットADCであるADC115によってデジタル形式に変換することができる。
図2に見られるように、デジタルパルス信号は、ADC115からプロセッサ105の入力に出力することができる。
【0063】
本実施形態ではDPR60がアバランシェフォトダイオード(APD)を含むため、HV PSU110は、APDを動作させるために高電圧バイアスを適用するように構成することができ、これは、APDが、たとえば20ボルト(V)から90Vの間の、またはそれを超える電圧バイアスを必要とするためである。HV PSU110は、プロセッサ105によって制御することができる。
【0064】
プロセッサ105はまた、本実施形態では905nmのパルスレーザーダイオードを含むレーザー源10を制御し、駆動させるように構成される。レーザー源10は、プロセッサ105に接続することができる、パルスレーザードライバ135によって制御することができるか、または駆動させることができる。
【0065】
受信したデジタル基準信号および受信した反射レーザーパルス信号に基づいて、プロセッサ105は、遠くのターゲットから受信したパルスの振幅および位相の情報を生成することができる。振幅情報は、たとえばレーザーが、ターゲットで反射しているのか、または自由空間に入っているのかを判定するために使用することができる。一方で、位相は、たとえばターゲットまでの距離を判定するために使用することができる。この情報は、走査ミラー40の角度とターゲットの角度との間の緊密なロックを維持するために、プロセッサ150によってレーザー源10を揺動させ、それによってレーザーパルスを揺動させるために使用することができる。ミラー角度情報および距離情報は、はるかにより高いリフレッシュレートでホストシステム(図示せず)に継続的にフィードバックすることができる。
【0066】
ホストシステム(図示せず)は、たとえば、航空機、発射装置、カメラ、ディスプレイ、もしくはT-LRFコントローラ100を使用することができるか、またはその使用から恩恵を得ることができる任意のデバイスもしくはシステムに搭載のコンピュータを含むことができる。
【0067】
T-LRFコントローラ100は、探索パターンでレーザーを掃引することによってターゲットを発見するための探索モードと、レーザーが連続距離およびX/Y角度の情報(たとえば、角度X、角度Y、距離Dのデータ)を生成するようにターゲット上で保持される追跡モードと、レーザーがターゲットの中心に方向付けられるか、ターゲットの本体に照準を合わせるか、または視野内の任意の点に方向付けられるレーザー測距計(LRF)モードと、いう3つのモードのいずれかを含む、任意の数のモードで動作するように構成することができる。コントローラ100がホストシステムに接続されるか、または含められる実施形態では、連続した距離およびX/Y角度の情報はホストシステムに出力することができる。
【0068】
実施形態では、LRFモードにおいて、デバイスが静的にまたはゆっくりと移動するターゲットまでを測距し得るため、リフレッシュレートはそれほど重要ではないかもしれない。このシナリオでは、ユーザは、リフレッシュレートを距離に交換することができる。T-LRFは、たとえば、読み取りごとに多数のパルスを送信することによって、これを実現することができる(処理時にデバイスが送信するパルスが多いほど、信号対ノイズ比を向上させることができる)。
【0069】
探索モードの場合、プロセッサ105は、視野内のターゲットを取得するように構成することができる。プロセッサ105の制御下で、レーザーは、潜在的なターゲットの位置を特定するために探索パターンで高速走査ミラー40によって方向付けることができる。プロセッサ105は、たとえば、取得時間を短縮し、間違ったターゲットへの誤ったロックオンを防ぐために、レーダー(図示せず)などの長距離センサからのおおよそのX/Y座標および距離データを含むことができる、ホストシステムなどからのキューを受信することができる。この段階中、正しいターゲットの選択を支援するために、振幅および距離の情報をプロセッサ105によってホストシステムにフィードバックすることができる。
【0070】
図2を参照すると、高速走査ミラー50が動作する角度、方向、および速度は、HV PSU145によって電力を供給することができるDACグループ150およびHV増幅器グループ150を介してプロセッサ105によって制御することができる。DACグループ150およびHV増幅器グループ150は、
図2に見られるように、4つのチャネル(X軸制御用の2つのチャネルおよびY軸制御用の2つのチャネル)を含むことができる。走査ミラー40のリアルタイムの角度、動作の方向、および動作の速度は、プロセッサ105によって継続的に知ることができる。
【0071】
ターゲットが取得されると、コントローラ100は追跡モードに切り替えることができる。追跡モードでは、コントローラ100は、(たとえば、プロセッサ105のDSP内の)ロックインアンプから受信した振幅および距離のデータに基づいて、レーザーをターゲットを中心に揺動させ、一貫してターゲットに向けられたままにするべく方向付けるように高速走査ミラー40を動作させることができる。高速走査ミラー40の非常に速い応答時間によって、コントローラ100は、高い半径方向速度/加速度条件下でもターゲット上にロックされた状態を維持することが可能である。高速走査ミラー40の位置から判定された距離データおよびX/Y角度データは、ホストシステムに連続的に出力することができる。
【0072】
探索モードおよび追跡モードのいずれかまたは両方において、反射光ビームパルスの強度(たとえば、振幅)および距離は、目の安全性を向上させるためにレーザー源10のレーザー出力を調整するように使用することができる。たとえば、反射光ビームパルスは、T-LRFデバイス1に近いターゲットに対して非常に強くなり得、その場合、レーザー出力は、正確なロックを維持するために必要な最小出力まで低減され得る。逆に、近くにターゲットが存在しない場合は、長距離性能を最大化するために、レーザー出力を増加させることができる。したがって、このようにレーザー出力を制御することによって、近距離にいる動物の目に入る可能性のある平均レーザー出力および個々のパルス出力を最小限に抑えることができる。
【0073】
コントローラ100を含むT-LRFデバイス1は、柔軟であるように設計することができ、そのため、たとえばドローン、鳥、ミサイル、または宇宙デブリなどの、非協力的ターゲットに対して動作することができる。T-LRFデバイス1は、たとえばカウンターUASなどの短距離用途、またはたとえば宇宙(たとえば、地球の軌道)からの危険なデブリの除去などの長距離用途に適し得る。
【0074】
T-LRFシステムは、T-LRFデバイス1および1つまたは複数の協力的ターゲットを含むことができる。たとえば再帰反射器などの協力的ターゲットの場合、コントローラ100を含むT-LRFデバイス1の用途は、たとえば宇宙船もしくは衛星の正確な航行またはドッキングを含むように大幅に増加させることができる。
【0075】
図3は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス1の別の非限定的な実施形態を示す。
図1に見られるコンポーネントに加えて、T-LRFデバイス1の本実施形態は、ビームスプリッタ(BS)15およびビームトラップ(BT)フィードバックセンサ35を含むことができる。見られるように、T-LRFデバイス1の本実施形態におけるコンポーネントは、
図1に示される実施形態と比較して異なるように構成することができる。また、本実施形態では、検出器の受光器(DPR)60は、アバランシェフォトダイオードの二次元アレイを含むことができる象限アバランシェフォトダイオード(QAPD)を含むことができる。
【0076】
ビームスプリッタ(BS)15は、レーザー源10によって放射された偏光のみを透過させる、および他のすべての偏光を反射する、偏光ビームスプリッタを含むことができる。
【0077】
図1に示される実施形態と比較すると、
図3に見られるT-LRFデバイス1の実施形態は、ビームの方向付けを揺動させる必要性を排除することができ、これは、QAPD60が、レーザーを揺動させる必要なく、正確なターゲット追跡およびより高速な探索を提供することができるためである。この機能は、QAPD60の二次元領域によって促進させることができる。
【0078】
加えて、
図3に示される実施形態は、低発散のための広いビームウエストを可能にすると同時に、ターゲットに対する強力なまたは高エネルギーのビームを可能にする。しかし、T-LRFデバイス1の本実施形態では、反射レーザーパルスの帰還強度が高速走査ミラー40の直径によって制限され得、ビームスプリッタ15またはビームトラップ35が結果としてレーザーエネルギー損失を引き起こし得ることを考慮することが望ましい場合がある。
【0079】
図4は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス1の別の非限定的な実施形態を示す。
図1に見られるコンポーネントに加えて、T-LRFデバイス1の本実施形態は、ビームスプリッタ(BS)15を含むことができる。見られるように、T-LRFデバイス1の本実施形態におけるコンポーネントは、
図1または3に示される実施形態と比較して異なるように構成することができる。
図3に示される実施形態と同様に、本実施形態において、検出器の受光器(DPR)60はQAPDを含むことができる。
【0080】
図3に示される実施形態と同様に、T-LRFデバイス1の本実施形態は、レーザーの方向付けを揺動させる必要性を排除することができ、これは、QAPD60が、レーザーを揺動させる必要なく、正確なターゲット追跡およびより高速な探索を提供できるためである。別のタイプの象限センサまたは焦点面アレイが検出器の受光器60に使用することができることが留意される。
【0081】
本実施形態では、ビームスプリッタ15は偏光ビームスプリッタを含むことができ、高速走査ミラー40は2mmのMEMSミラーを含むことができ、光学素子50は非テレセントリック走査レンズを含むことができ、レーザー源10は、1550nm、5kWのパルスレーザー源を含むことができる。非テレセントリック走査レンズを含む光学素子50は、
図1または3に示される実施形態における光学素子50よりも著しく大きな面積を有するように構成することができる。光学素子50は、他の実施形態のいくつかと比較して、より広い視野をカバーするように構成することができる。
【0082】
非テレセントリック走査レンズを含む光学素子50は、走査後に出射レーザーをポストフォーカスするように構成することができ、それによって、小型の高速走査ミラー40で使用することができる大きなビームウエストを提供する。この構成は、同軸検知のために高速走査ミラー40上に帰還されている、およびフォーカスされて戻されている、大量の反射レーザーパルスを提供することもできる。したがって、検出器の受光器60からの信号は、プロセッサ105によって処理することができ、レーザーをターゲットに方向付けるように高速走査ミラー40を制御するために使用することができる。
【0083】
光学素子50は、光が収集されてDPR60に帰還される領域を改善するために使用される二次ビーム折り曲げ光学素子として構成することができる。同じ光学素子50は、レーザーの焦点を合わせ、コリメートするのにも役立ち得る。
【0084】
いくつかの他の実施形態と比較して、
図4に示されるT-LRFデバイス1の実施形態は、より大量の帰還反射レーザーパルスを収集することができ、衝撃または振動に対するより大きな抵抗または耐性を提供しながら、より高速なターゲットの発見および追跡を可能にするより小型の高速走査ミラー40を含むことができる。より小型の高速走査ミラー40によって、ターゲットのサイズ、ターゲットの形状、または反射強度に基づいた複数のターゲット間の識別が可能になる。実施形態は、より大きなビームウエストを提供することができ、その結果、目に安全でありながら、より広いかつより高速な適用範囲が得られる。加えて、T-LRFデバイス1の本実施形態は、QAPD60によって行われる多次元レーザーパルス検出に基づいた同軸検知、たとえば、ガイドビームの方向付けを可能にすることができる。
【0085】
本実施形態では、プロセッサ105は、出射レーザーパルスの大きな発散によりターゲット上で結果として生じ得るより低い強度を補正するためにレーザー強度を調整するように構成することができる。プロセッサ105はまた、距離精度の低下を最小限に抑えるかまたは回避するために、高速走査ミラー40についていくべく変調周波数を調整するように構成することができる。
【0086】
図5は、
図3または4に示されるT-LRFデバイス1の非限定的な実施形態とともに使用することができる、コントローラ100の別の非限定的な実施形態を示す。T-LRFコントローラ100の本実施形態は、(
図3または4に示される)T-LRFデバイス1のいずれかの実施形態に含めることができ、
図2に示されるコントローラ100の実施形態と比較して、本実施形態は、ADC115(115a、115b、115c、115d)の複数のチャネル(たとえば、4つのチャネル)およびTIA120(120a、120b、120c、120d)の同数のチャネルに接続されたQAPD60を含むことができる。
【0087】
図5を参照すると、T-LRFコントローラ100は、たとえば象限アバランシェ光検出器(APD)60を含まない他の実施形態よりも良好な追跡性能を提供することができ、これは、APD60のどのクオーターで信号が遠くの物体から最も強いかについての指向性フィードバックを提供することができる。しかし、高速走査ミラー40のサイズは、APD60に帰還した反射レーザーパルスの視野および量を決定するものであり得るため、考慮に入れられる必要がある。
【0088】
図6は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス1の別の非限定的な実施形態を示す。
図1に見られるコンポーネントの一部に加えて、T-LRFデバイス1の本実施形態は、反射高速走査ミラー(RFSM)80、焦点ミラー90、およびレンズ95を含むことができる。本実施形態では、レーザー源10は1550nmのパルスレーザーモジュールを含むことができ、検出器の受光器60はInGaAS(インジウム/ガリウム/ヒ素)アバランシェフォトダイオード(APD)受信機を含むことができる。反射高速走査ミラー80は、単軸または多軸のMEMSミラーを含むことができる。
【0089】
FMS40およびRFMS80は、同一であり得るか、または互いに異なり得る。FMS40およびRFMS80は同期させることができる。FMS40は、出射レーザーを走査し、方向付けるように構成することができる。RFMS80は、受信した反射レーザーパルスビームを走査し、方向付けるように構成することができる。FMS40およびRFMS80の位置、方向、または運動速度は、互いに同期させることができ、それにより、RFMS80を、出射レーザーが同時に衝突しているターゲット上の同じまたは略同じ位置にリアルタイムで向けることができる。FMS40およびRFMS80のこの構成は、T-LRFデバイス1の他の実施形態のいくつかと比較して、より簡潔な光学素子を可能にすることができる。T-LRFデバイス1の本実施形態は、ターゲットから帰還したレーザーに対する受光角を増加させながら、検出器の受光器60上に必要な集光を提供するように構成することができる。
【0090】
図6に示される実施形態では、T-LRFデバイス1は、反射レーザーがDPR60に帰還するように方向付けるのをRFSM80が助けることができるため、エタンデュに付随する問題を回避することができる。したがって、より簡潔な光学素子を用いて、より広い収集領域を提供することができる。コントローラ100は、たとえば、存在する可能性のある製造ばらつきを補正するように、FSM40とRFSM80を同期させるための位相ロックループ(PLL)を含むことができる。
【0091】
図7は、本開示の原理に従って構築された、T-LRFデバイス1の別の非限定的な実施形態を示す。
図1に見られるコンポーネントの一部に加えて、T-LRFデバイス1の本実施形態は、一対のレーザー源10Aおよび10B、ビームコンバイナ/スイッチ(BC/S)12、およびコリメータ/ズームレンズ(CL/ZL)14を含むことができる。本実施形態は、T-LRFデバイス1の他の実施形態のいくつかと比較して、距離能力および距離精度を増加させるためのレーザー測距技術を含むことができる。
【0092】
本実施形態では、大型受光LC光学素子70は、反射光ビームパルスを受信するためのより大きな捕捉領域を可能にする大きな領域を有することができる。検出器の受光器(DPR)60は、同軸検出および感知のためのInGaAsAPDを含むことができる。高速走査ミラー(FSM)40は、2mmのMEMSミラー(単軸または二軸)を含むことができる。
【0093】
BC/S12は、ビームコンバイナレンズ、ビームスイッチ、またはレーザー源10Aもしくは10Bから出力されたレーザーを結合するもしくは切り替えることができる任意のコンポーネントまたはデバイスを含むことができる。
【0094】
CL/ZL14は、コリメータレンズ、ズームレンズ、焦点レンズ、またはBC/S12からのレーザーをコリメート、ズーム、または集束させることができる任意の光学部品もしくはデバイスを含むことができる。
【0095】
本実施形態では、レーザー源10Aは、1534nm、50kWのパルスレーザー源を含み、レーザー源10Bは、1550nm、100Wのパルスレーザー源を含む。レーザー10B(または10A)は、目に安全でありながらより高いレーザー出力を提供するように構成することができる。レーザー源10Aまたは10Bが各々、本明細書で論じられるレーザー源10の実施形態のいずれかを含むことができることが留意される。
【0096】
本実施形態は、反射高速走査ミラー(RFSM)80、焦点ミラー90、およびレンズ95を含むことができる。本実施形態では、レーザー源10は1550nmのパルスレーザーモジュールを含むことができ、検出器の受光器60はInGaASアバランシェフォトダイオード(APD)受信機を含むことができる。反射高速走査ミラー80は、単軸または多軸のMEMSミラーを含むことができる。
【0097】
図8は、
図7に示されるT-LRFデバイス1の非限定的な実施形態とともに使用することができる、コントローラ100の別の非限定的な実施形態を示す。T-LRFコントローラ100の本実施形態は、
図7に示されるT-LRFデバイス1の実施形態に含めることができ、
図2および5に示されるコントローラ100の実施形態と比較して、本実施形態は、各々がそれぞれレーザー10A、10Bを駆動させるように構成された一対のレーザードライバ135A、135B、時間デジタル変換器(TDC)160、およびデジタルアナログ変換器(DAC)170を含むことができる。
【0098】
レーザードライバ135Aは、パルスレーザードライバを含むことができる。レーザードライバ135は、レーザー変調器ドライバを含むことができる。
【0099】
DAC170は、5.9GHzまでの、またはそれ以上の正弦波形を合成するように構成することができるダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)を含むことができる。
【0100】
TDC160は、スタートパルスと最大n個のストップパルスとの間の経過時間を測定するように構成することができ、ここで、nは非ゼロの正の整数である。TDC160は、どのストップパルスが最良の性能をもたらすかを選択する柔軟性をプロセッサ105に持たせることを可能にするように構成することができる。TDC160は、経時的にまたは温度経過とともにドライバを補償することができる内部自己較正タイムベースを含むことができる。
【0101】
上述したように、コントローラ100は、たとえば、レーザー測距モード(LRF)、探索モード、または追跡モードを含む3つのモードのいずれかで動作するように構成することができる。
図9、10、および11は、それぞれ、コントローラ100によって実施することができる、レーザー測距(LRF)モードプロセス200、探索モードプロセス300、および追跡モードプロセス400の非限定的な実施形態を示す。コントローラ100は、コンピュータ可読媒体を含むことができ、これは、たとえば、プロセッサ105内のストレージに含めることができる。コンピュータ可読媒体は、プロセッサ105によって実行されるときに、
図9~
図11に示される工程の各々を実施することができるコンピューティングリソースを含むことができる。コンピューティングリソースは、プロセッサ105にプロセス200、300、または400の各工程を実行させることができる、コードまたはコンピュータ命令のセクションを含むことができる。
【0102】
図9は、プロセッサ105がLRFモードに設定される(工程210)ときに開始することができるLRFモードプロセス200の非限定的な実施形態を示す。
図2、5、または8とともに、
図9を参照すると、ホストシステム(図示せず)によって要求される角度に応答して、高速走査ミラー(FSM)10に対してX/Y角度を設定することができ(工程220)、レーザー源10(または10A、10B)がレーザーパルスを放射するようにトリガーされる(工程230)。レーザーパルスがトリガーされるのと同時に、プロセッサ105(またはTDC160)で飛行時間もトリガーされ得る(工程230)。レーザーパルスが視野内の物体に衝突すると、レーザーパルスは、反射されてT-LRFデバイス1に帰還され、DPR60によって検出され得る(工程250)。反射されたレーザーパルス信号を受信すると、たとえば、タイムゲートでパルス信号を受信した後に、タイマーを停止させることができる。タイマー値に基づいて、レーザーパルスが移動した距離を計算して、物体までの距離を判定することができる(工程260)。ミラーの角度、距離、および強度も、受信したレーザーパルスに基づいて判定することができ、これはその後、ホストシステム(図示せず)に送信することができる。
【0103】
図9に見られるように、T-LRFデバイス1の視野内の任意の方位からの距離を求めることができる。これは、読み取りごとに単一のパルスまたは一連のパルスを介して平均化/処理して行うことができ、距離および精度を向上させる。
【0104】
図10は、プロセッサ105が探索モードに設定される(工程305)ときに開始することができる探索モードプロセス300の非限定的な実施形態を示す。コントローラ100、特にプロセッサ105は、T-LRFデバイス1の視野内の任意の方位からの距離を判定することができる第1のモードとして探索モードを有するように構成することができる。これは、読み取りごとに単一のレーザーパルスまたは一連のパルスを介して平均化し、処理して行うことができ、距離および精度を向上させる。
【0105】
図2、5、または8とともに、
図10を参照すると、探索モードで動作すると、コントローラは、背景光ノイズをサンプリングし、閾値およびフィルタリングを設定することができる(工程310)。FSM40のX/Y角度は、走査パターン(たとえば、ラスター走査パターン、リサージュパターン、外向き螺旋パターン、内向き螺旋パターン)で次の点に対して設定することができ(工程315)、レーザー源10(または10A、10B)を、レーザーパルス信号を放射するようにトリガーさせることができる(工程320)。同時に、たとえば飛行時間型集積回路(IC)などのタイムカウンターの時間をトリガーすることができる。T-LRFデバイス1の視野内の任意の物体が衝突する可能性があり、それによって、レーザーパルスが反射されてデバイスに戻され、そこでDPR60によって受信され検出される(工程325)。反射レーザーパルスを、たとえばタイムゲート内で受信し、タイマーを停止することができる。受信した反射レーザーパルスを測定し、タイマー値を、物体までの距離の距離値に変換することができる(工程330)。FSM40の強度およびX/Y角度を判定し、ホストシステム(図示せず)に送信することができる(工程330)。
【0106】
反射レーザーパルスに対する距離、角度、および強度パラメータが、出射レーザーパルスのものと適合するかどうかの判定を行うことができる(工程335)。受信したレーザーパルスの距離、角度、または強度パラメータが、出射レーザーパルスの距離、角度、または強度パラメータの所定の閾値内にある場合に、適合を判定することができる。閾値は、たとえば、(
図1に示される)光学素子50とLC光学素子70との間の距離に加えて、T-LRFデバイス1のレーザー発光コンポーネントと反射レーザー受信コンポーネントとの間の製造公差も考慮するように設定することができる。
【0107】
適合が判定された(工程335で「はい(YES)」)場合、コントローラ100は追跡モードに切り替えることができ(工程340)、そうでない(工程335で「いいえ(NO)」)場合、走査パターンの終わりに達したかどうかの判定を行うことができる(工程345)。走査パターンの終わりに達した(工程345で「はい(YES)」)場合、FSM40を開始位置に戻し(工程350)、サンプリングし、閾値設定およびフィルタリングを実行する(工程310)。しかし、走査パターンの終わりに達していない(工程345で「いいえ(NO)」)場合、FSM40のX/Y角度を、走査パターンで次の点に対して設定することができる(工程315)。
【0108】
プロセス300は、視野内の領域にわたってレーザーを走査するようにコントローラ100によって実行することができる。プロセス300は、たとえば最適な走査パターンを選択することによって、視野内の物体を探索するように最適化することができる。コントローラ100は、ホストシステム(図示せず)からの最も可能性の高い方位および距離に構成することができ、受信した方位および距離の値に従って指し示すことによって開始することができる。コントローラは、たとえば、その時点で螺旋を開始するように構成することができ、ターゲットを迅速に捕捉するために中心から遠ざかるように螺旋を描く。
【0109】
図11は、プロセッサ105が追跡モードに設定される(工程405)ときに開始することができる追跡モードプロセス400の非限定的な実施形態を示す。
図2、5、または8とともに、
図11を参照すると、追跡モードで動作すると、コントローラ100は、追跡パターンで次の点に対してFSM40上のX/Y角度を設定することができ(工程410)、レーザー源10(または10A、10B)を、レーザーパルスを放射するようにトリガーさせることができる(工程415)。同時に、たとえば飛行時間型集積回路(IC)などのタイムカウンターの時間をトリガーすることができる。T-LRFデバイス1の視野内の任意の物体が衝突する可能性があり、それによって、レーザーパルスが反射されてデバイスに帰還し、そこでDPR60によって受信され検出される(工程425)。反射レーザーパルスを、たとえばタイムゲート内で受信し、タイマーを停止することができる。受信した反射レーザーパルスを測定し、タイマー値を、物体までの距離に対する距離値に変換することができる(工程430)。強度およびFSM40のX/Y角度も判定することができる。コントローラ100は、反射レーザーパルスの強度およびFSM40のX/Y角度に基づいてターゲット位置を更新することができる。その後、この情報を、コントローラ100からホストシステム(図示せず)に送信することができる(工程435)。
【0110】
走査パターンの終わりに達したかどうかの判定を行うことができる(工程440)。走査パターンの終わりに達した(工程440で「はい(YES)」)場合、FSM40を開始位置に戻すことができ(工程450)、そうでない(工程440で「いいえ(NO)」)場合、FSM40のX/Y角度を、走査パターンで次の点に対して設定することができる(工程410)。
【0111】
視野における走査パターンでの各点に関して、T-LRFデバイス1は、周囲ノイズフロアの上で検出した任意の物体の方位、検出距離、および反射強度をホストにフィードバックするように構成することができる。T-LRFデバイス1、より具体的にはコントローラ100は、これを予測される距離と比較して、検出された反射が所望のターゲットであるかどうかを判定するように構成することができる。ターゲットが取得されると、コントローラ100は追跡モードに自動的に切り替えることができる。
【0112】
実施形態では、コントローラ100は、X、Y角度データ、距離データ、および強度データの任意の組み合わせを計算し、それらを入出力(IO)インターフェース、送信機、または送受信機を介してホストシステム(図示せず)に送信するように構成することができる。T-LRFデバイス1は、受信機、送信機、または送受信機を含むことができる。T-LRFデバイス1は、変調器/復調器またはエンコーダ/デコーダを含むことができる。ホストは、たとえば、無人航空機(UAV)、自動運転車、ロボット、またはT-LRF技術の実装から恩恵を受ける可能性のある任意の他のシステムを含むことができる。
【0113】
本開示で使用される用語「a」、「an」、および「the」は、特に他に明記されていない限り、「1つまたは複数(one or more)」を意味する。
【0114】
本開示で使用される用語「バックボーン」は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスまたは通信デバイスを相互接続して、1つまたは複数のコンピューティングデバイスまたは通信デバイス間にデータ信号および命令信号を伝達する経路を提供する伝送媒体を意味する。バックボーンは、バスまたはネットワークを含むことができる。バックボーンは、イーサネット(登録商標)TCP/IPを含むことができる。バックボーンは、分散型バックボーン(distributed backbone)、コラプス型バックボーン(collapsed backbone)、並列型バックボーン(parallel backbone)、または直列型バックボーン(serial backbone)を含むことができる。
【0115】
本開示で使用される用語「バス」は、さまざまな市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用して、メモリバス(メモリコントローラの有無にかかわらず)、周辺バス、またはローカルバスにさらに相互接続することができるいくつかのタイプのバス構造のいずれかを意味する。用語「バス」はバックボーンを含むことができる。
【0116】
本開示で使用される用語「通信デバイス(communicating device)」および「通信デバイス(communication device)」は、通信リンクを介してデータパケット、命令信号、データ信号、または無線周波数信号を送信または受信することができる任意のハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを意味する。通信デバイスは、コンピュータまたはサーバを含むことができる。通信デバイスは、携帯型または静止型であり得る。
【0117】
本開示で使用される用語「通信リンク」は、少なくとも2点間でデータまたは情報を伝達する有線または無線媒体を意味する。有線または無線媒体は、たとえば、金属導体リンク、無線周波数(RF)通信リンク、赤外線(IR)通信リンク、または光通信リンクを含むことができる。RF通信リンクは、たとえば、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、IEEE802.11、DECT、0G、1G、2G、3G、4G、または5Gのセルラー規格、またはBluetooth(登録商標)を含むことができる。通信リンクは、たとえば、RS-232、RS-422、RS-485、または任意の他の適切なシリアルインターフェースを含むことができる。
【0118】
本開示で使用される用語「コンピュータ」、「コンピューティングデバイス」、または「プロセッサ」は、1つまたは複数の命令に従ってデータを操作することができる任意のマシン、デバイス、回路、コンポーネント、もしくはモジュール、またはマシン、デバイス、回路、コンポーネント、もしくはモジュールの任意のシステムを意味する。用語「コンピュータ」、「コンピューティングデバイス」、または「プロセッサ」は、たとえば、限定することなく、通信デバイス、コンピュータリソース、プロセッサ、マイクロプロセッサ(μC)、中央処理デバイス(CPU)、グラフィック処理デバイス(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、汎用コンピュータ、スーパーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、サーバ、サーバファーム、コンピュータクラウド、もしくはプロセッサ、μC、CPU、GPU、ASIC、汎用コンピュータ、スーパーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、もしくはサーバのアレイまたはシステムを含むことができる。
【0119】
本開示で使用される用語「コンピューティングリソース」または「コンピュータリソース」は、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、ウェブアプリケーション、ウェブページ、コンピュータアプリケーション、コンピュータプログラム、コンピュータコード、機械実行可能命令、ファームウェア、もしくは、1つまたは複数のプロセスとして、コンピューティングデバイス上で実行するように構成することができるプロセスを意味する。
【0120】
本開示で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータによって読み取り可能であるデータ(たとえば、命令)の提供に関与する任意の非一時的な記憶媒体を意味する。このような媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含む、さまざまな形態をとることができる。不揮発性媒体は、たとえば、光ディスクまた磁気ディスク、および他の永続メモリを含むことができる。揮発性媒体は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含むことができる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、たとえば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EEPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、複数(たとえば、数千)のコンピュータ上の複数(たとえば、数千)のメモリキャッシュにわたるファイルの分散を含むことができる「クラウド」を含むことができる。
【0121】
コンピュータ可読媒体のさまざまな形態が、コンピュータへの一連の命令の伝達に関与することができる。たとえば、一連の命令は、(i)RAMからプロセッサに送達することができるか、(ii)無線伝送媒体を介して搬送することができるか、または(iii)たとえば、WiFi、WiMAX、IEEE802.11、DECT、0G、1G、2G、3G、4G、もしくは5Gのセルラー規格、もしくはBluetoothを含む、多数のフォーマット、規格、またはプロトコルに従ってフォーマットすることができる。
【0122】
本開示で使用される用語「含む(including)」、「備える(comprising)」、およびそれらの変形は、特に他に明記されていない限り、「限定されないが、~を含む(including, but not limited to)」を意味する。
【0123】
本開示で使用される用語「ネットワーク」は、限定されないが、たとえば、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、グローバルエリアネットワーク(GAN)、ブロードバンドエリアネットワーク(BAN)、セルラーネットワーク、ストレージエリアネットワーク(SAN)、システムエリアネットワーク、パッシブ光ローカルエリアネットワーク(POLAN)、エンタープライズプライベートネットワーク(EPN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネットなどのうちの少なくとも1つ、または前述のものの任意の組み合わせを意味し、それらはいずれも、無線および/または有線通信媒体を介してデータを通信するように構成することができる。これらのネットワークは、限定されないが、たとえば、Ethernet、IP、IPX、TCP、UDP、SPX、IP、IRC、HTTP、FTP、Telnet、SMTP、DNS、ARP、ICMPを含む、さまざまなプロトコルを実行することができる。
【0124】
本開示で使用される用語「サーバ」は、クライアントサーバアーキテクチャの一部として接続された通信デバイスに対してサービスを実施するための少なくとも1つのコンピューティングリソースまたは少なくとも1つのコンピュータを含む、ソフトウェアまたはハードウェアの任意の組み合わせを意味する。少なくとも1つのサーバアプリケーションは、限定されないが、たとえば、通信デバイスに応答を送り返すことによって通信デバイスからのサービス要求への接続を受け入れることができるアプリケーションプログラムなどのコンピューティングリソースを含むことができる。サーバは、少なくとも1つのコンピューティングリソースを、人間の指示を最小限に抑えて、または人間の指示なしで長期間無人で、多くの場合重い作業負荷下で実行するように構成することができる。サーバは、少なくとも1つのコンピューティングリソースが作業負荷に応じてコンピュータ間で分割されて構成された複数のコンピュータを含むことができる。たとえば、軽い負荷下では、少なくとも1つのコンピューティングリソースは、単一のコンピュータ上で実行することができる。しかし、重い負荷下では、少なくとも1つのコンピューティングリソースを実行するために複数のコンピュータが必要になり得る。サーバ、または存在する場合にそのコンピュータは、ワークステーションとしても使用することができる。
【0125】
本開示で使用される用語「送る(send)」、「送られた(sent)」、「送信(transmission)」、または「送信する(transmit)」は、無線周波数(RF)または赤外線(IR)スペクトルでの通信によって生成されたものなどの、電気、音波、光波、または他の電磁放射を介した、データ、データパケット、コンピュータ命令、または任意の他のデジタルもしくはアナログ情報の伝達を意味する。このような伝送のための伝送媒体は、プロセッサに連結されたシステムバスを構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含むことができる。
【0126】
本開示で使用される用語「飛行時間型センサ」または「ToFセンサ」は、当該用語が使用される文脈で他に明示または指示がない限り、用語「検出器の受光器」または「DPR」と交換可能に使用することができる。
【0127】
相互に通信しているデバイスは、特に他に明記されていない限り、相互に継続的に通信している必要はない。加えて、相互に通信しているデバイスは、直接的にまたは1つまたは複数の媒介を通じて間接的に通信し得る。
【0128】
プロセスの工程、方法の工程、またはアルゴリズムは、順次または並列の順序で説明され得るが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、交互の順序で動作するように構成され得る。換言すれば、順次説明され得る工程のシーケンスまたは順序は、工程がその順序で実施されるという要件を必ずしも示すわけではなく、いくつかの工程が同時に実施され得る。同様に、工程のシーケンスまたは順序が並列(または同時)の順序で説明されている場合、そのような工程は順次実施することができる。本明細書で説明されるプロセス、方法、またはアルゴリズムの工程は、実際的な任意の順序で実施され得る。
【0129】
単一のデバイスまたは物品が説明されている場合、単一のデバイスまたは物品の代わりに1つを超えるデバイスまたは物品が使用され得ることは容易に明らかであろう。同様に、1つを超えるデバイスまたは物品が説明されている場合、1つを超えるデバイスまたは物品の代わりに単一のデバイスまたは物品が使用され得ることは容易に明らかであろう。デバイスの機能性または特徴は、そのような機能性または特徴を有すると明示的に説明されていない1つまたは複数の他のデバイスによって代替的に具体化されてもよい。
【0130】
上記の内容は、例示目的のみで提供されており、限定するものとして解釈されるべきではない。例示され説明された例示的な実施形態および用途に従うことなく、および以下の請求項における一連の列挙によって、またこれらの列挙と同等である構造および機能または工程によって定義される、本開示によって包含される本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される内容に対してさまざまな修正および変更を行うことができる。
【国際調査報告】