(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】活性化抗原担体の製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 39/00 20060101AFI20240118BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20240118BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20240118BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240118BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20240118BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240118BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240118BHJP
C07K 14/025 20060101ALI20240118BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20240118BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K39/00 G
A61K39/39
A61P31/20
A61P37/04
A61K39/12
A61K47/20
A61K47/46
C07K14/025 ZNA
C12N1/00 F
C12M1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539809
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021073142
(87)【国際公開番号】W WO2022147442
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518071763
【氏名又は名称】スクイーズ バイオテクノロジーズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バーンスタイン, ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ヤラル, デフネ
(72)【発明者】
【氏名】ブラゴヴィッチ, カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナン, アムリタ
(72)【発明者】
【氏名】ダドガー, マイサム
(72)【発明者】
【氏名】クリア, ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】マリー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】アブデルジャワド, タレク
(72)【発明者】
【氏名】ページ, クレア
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB13
4B029GB10
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4B065AA95Y
4B065BB11
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4B065CA46
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4C085AA03
4C085AA38
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4C085EE03
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4C085FF14
4C085FF21
4C085GG01
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本出願は、活性化抗原担体(AAC)の製剤を提供し、当該製剤は、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACと、凍結保存培地と、を含む。いくつかの態様では、本発明は、活性化抗原担体(AAC)を含む医薬製剤を提供し、製剤は、a)AACが少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAAC、ならびに、b)凍結保存培地を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化抗原担体(AAC)を含む医薬製剤であって、前記製剤が、
a)AACであって、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む、AACと、
b)凍結保存培地と、を含む、医薬製剤。
【請求項2】
前記製剤が、約0.5×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACを含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記製剤が、約7×10
9個のAACを含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記製剤が、凍結前に約7×10
9個のAACを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤が、解凍後に約9×10
9個のAACを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記製剤が、約0.5×10
9個/mLのAAC~約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記製剤が、約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記製剤が、凍結前に約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤が、解凍後に約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記AACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACが、機能的である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記製剤中の前記AACが、約70%以上の機能性を維持する、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記製剤が、約1×10
8個/mLの機能的AAC~約1×10
9個/mLの機能的AACを含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記AACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACが、アネキシン染色に対して陽性である、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記製剤中の前記AACが、約70%以上でアネキシン染色に対して陽性を維持する、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記アネキシンがアネキシンVである、請求項13または14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記凍結保存培地がジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記凍結保存培地が、約0.5%~約5%のDMSOを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記凍結保存培地が、約2%のDMSOを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記製剤のpHが、約6.0~約8.5である、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記製剤のpHが、約7.6である、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項22】
AACの医薬製剤であって、前記製剤は、凍結保存培地中に約0.5×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACを含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH6.0~約pH8.5である、医薬製剤。
【請求項23】
AACの医薬製剤であって、前記製剤は、凍結保存培地中に約0.5×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACを含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH7.6である、医薬製剤。
【請求項24】
前記製剤が、凍結前に約7×10
9個のAACを含む、請求項22または23に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤が、解凍後に約9×10
9個の細胞を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記製剤が、約0.5×10
9個/mLのAAC~約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項27】
前記製剤が、約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項22~26のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記製剤が、凍結前に約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤が、解凍後に約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項30】
AACの医薬製剤であって、前記製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×10
9個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH7.6である、医薬製剤。
【請求項31】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、請求項22~30のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記製剤は、無菌である、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記製剤は、マイコプラズマを含まない、請求項1~33のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項35】
前記少なくとも一つの抗原が、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原である、請求項1~34のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項36】
前記HPVが、HPV-16またはHPV-18である、請求項35に記載の製剤。
【請求項37】
前記抗原が、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む、請求項35または36に記載の製剤。
【請求項38】
前記抗原が、HPV E6に由来するペプチドおよびHPV E7に由来するペプチドを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項39】
前記抗原が、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項40】
前記抗原が、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項41】
前記AACは、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原と、配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原と、を含む、請求項35~40のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項42】
前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである、請求項1~41のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項43】
前記アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項42に記載の製剤。
【請求項44】
前記少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む前記AACが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記摂動無核細胞を、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントと、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントが前記摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間、インキュベートし、それによって、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントを含む前記AACを生成することと、を含む、プロセスにより調製される、請求項1~43のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項45】
前記狭窄部の前記直径が、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記インプット無核細胞が、赤血球である、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
請求項1~46のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む、バイアル。
【請求項48】
医薬製剤を含むバイアルであって、前記医薬製剤は、凍結保存培地中に約1×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH6.0~約pH8.5である、バイアル。
【請求項49】
医薬製剤を含むバイアルであって、前記医薬製剤は、凍結保存培地中に約1×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【請求項50】
前記製剤が、凍結前に約7×10
9個のAACを含む、請求項48または49に記載のバイアル。
【請求項51】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤は、解凍後に約9×10
9個の細胞を含む、請求項48~50のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項52】
前記製剤が、約0.5×10
9個/mLのAAC~約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項48~51のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項53】
前記製剤が、約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項48~52のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項54】
前記製剤が、凍結前に約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項48~53のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項55】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤は、解凍後に約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項48~54のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項56】
医薬製剤を含むバイアルであって、前記医薬製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×10
9個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【請求項57】
前記AACは、約9.5mLの前記凍結保存培地中に存在する、請求項48~56または39のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項58】
医薬製剤を含むバイアルであって、前記医薬製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×10
9個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【請求項59】
前記製剤は、無菌である、請求項47~58のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項60】
AACの医薬製剤を作成する方法であって、前記方法は、凍結保存培地を前記AACに加えることを含み、前記AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む、方法。
【請求項61】
AACの医薬製剤を作成する方法であって、前記AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、前記方法が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記摂動無核細胞を、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントと、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントが前記摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間インキュベートし、それによって、前記少なくとも一つの抗原および前記アジュバントを含む前記AACを生成することと、
c)前記AACを洗浄することと、
d)前記AACを凍結保存培地中で製剤化することと、を含む、方法。
【請求項62】
前記狭窄部の前記直径が、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記AACが約6回洗浄される、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記AACは、遠心分離および再懸濁によって、または遠心分離および濾過によって洗浄される、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記遠心分離が約4000rpmである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
約1×10
9個のAAC~約1×10
10個のAACが、約9mL~約10mLの前記凍結保存培地中で製剤化される、請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記医薬製剤が、凍結前に約7×10
9個のAACを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤が、解凍後に約9×10
9個の細胞を含む、請求項66または67に記載の方法。
【請求項69】
前記製剤が、約0.5×10
9個/mLのAAC~約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項66~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記製剤が、約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項66~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記製剤が、凍結前に約0.7×10
9個/mLのAACを含む、請求項66~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記製剤が、以前に凍結されたAACを含み、前記製剤は、解凍後に約1×10
9個/mLのAACを含む、請求項66~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
約7×10
9個のAACが、約10mLの前記凍結保存培地中で製剤化される、請求項66~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、請求項66~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記インプット無核細胞が、赤血球である、請求項61~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記方法が、約-170℃で前記AACの製剤を凍結することをさらに含む、請求項60~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記AACの製剤が、
a)前記製剤をチャンバー内に置くことと
b)前記チャンバーの温度を、約-3℃に低下させることと
c)前記チャンバーの温度を、約-20℃/分の速度で約-140℃に低下させることと、
d)前記チャンバーの温度を、約-1.5℃/分の速度で約-150℃に低下させることと、
e)前記チャンバーの温度を、約-1.0℃/分の速度で約-170℃に低下させることと、
f)前記チャンバーの温度を、約-170℃で少なくとも約10分間保持することと、を含むプロセスにより凍結される、請求項75に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年12月29日に出願された米国仮出願第63/131,457号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容であるコンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:750322003440SEQLIST.TXT、記録日:2021年12月23日、サイズ:13,016バイト)については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、概して、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む活性化抗原担体(AAC)の製剤、ならびに凍結保存培地に関する。少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むこうしたAACを製造する方法、凍結保存可能な製剤を製剤化する方法、およびその製剤を凍結保存する方法も提供される。
【背景技術】
【0004】
パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する小さな非エンベロープDNAウイルスである。100を超えるヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子型が完全に特徴付けられており、さらに多くの数が存在するものと推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびにいくつかの外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの公知の原因である。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、発癌性HPV型の一つによる持続性感染は、前がんまたはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、尋常性いぼ、足底いぼ、扁平いぼ、肛門性器いぼ、肛門病変、表皮異形成、局所性上皮肥厚、口腔パピローマ、いぼ状嚢胞、喉頭パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内腫瘍(VAIN)が挙げられ得る。
【0005】
公知のHPV型の多くは、サブセットが発がん性である良性病変を引き起こす。疫学的および系統学的な関係に基づくと、HPVの型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「潜在的な高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがんとして、ならびに他の肛門性器がん、例えば外陰部がん、膣がん、陰茎がん、肛門がんおよび肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16およびHPV18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81型)が、良性かつ低悪性度の子宮頸部変化、生殖器いぼ、および再発性呼吸器パピローマとして現れることが知られている。皮膚型HPVの5型、8型、および92型は、皮膚がんに関連している。いくつかのHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Suresh and Burtness Am J Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。
【0006】
免疫療法は、概して、受動的介入と能動的介入いずれかの二つの主要なタイプに分けられ得る。受動的プロトコルには、予め活性化および/もしくは操作した細胞(例えば、CAR T細胞)、疾患特異的な治療用抗体、ならびに/またはサイトカインの投与が含まれる。活性免疫療法戦略は、インビボで免疫系エフェクター機能を刺激することを目的としている。現在のいくつかの活性プロトコルには、疾患関連ペプチド、可溶化物、または同種異系の全細胞によるワクチン接種戦略、腫瘍抗原送達用のビヒクルとしての自己樹状細胞(DC)の注入、および免疫チェックポイントモジュレータの注入が含まれる。Papaioannou,Nikos E.,et al.Annals of translational medicine 4.14(2016)を参照されたい。免疫応答を調節し、抗腫瘍活性を増強し、そしてHPV関連のがんを治療または予防するという目標を達成するために、養子免疫療法を採用することができる。
疾患関連抗原によって刺激されるCD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)およびCD4+ヘルパーT(Th)細胞は、疾患細胞を標的とし、破壊する潜在性を有するが、内因性T細胞応答を誘導するための現在の方法は、課題に直面している。本明細書に記載される製剤およびバイアルは、凍結保存培地中のAACを含み、それを必要とする個体に投与する前に、機能性を損なうことなく製造、保存、輸送することができる。本明細書に記載の方法は、少なくとも一つのHPV抗原とアジュバントを含む無核細胞または無核細胞由来の実体であり得るAACを、ハイスループットな方法で効率的に作成するために使用され、HPV抗原に対する強固なT細胞応答を誘導するために利用することができる。本明細書の開示はまた、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを使用して、HPV関連がんを有する個体を治療するための方法、治療、用量およびレジメンも記載する。
特許出願および刊行物を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。特許文献である国際公開第2013/059343号、国際公開第2015/023982号、国際公開第2016/070136号、国際公開第2017041050号、国際公開第2017008063号、国際公開第2017/192785号、国際公開第2017/192786号、国際公開第2019/178005号、国際公開第2019/178006号、国際公開第2020/072833号、国際公開第2020/154696号、および国際公開第2020/176789号、米国特許出願公開第20180142198号および米国特許出願公開第20180201889号は、参照によりその全体として明示的にここに組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013/059343号
【特許文献2】国際公開第2015/023982号
【特許文献3】国際公開第2016/070136号
【特許文献4】国際公開第2017/041050号
【特許文献5】国際公開第2017/008063号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Papaioannou,Nikos E.,et al.Annals of translational medicine 4.14(2016)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの態様では、本発明は、活性化抗原担体(AAC)を含む医薬製剤を提供し、製剤は、a)AACが少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAAC、ならびに、b)凍結保存培地を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約9×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、フローサイトメトリーによって測定される場合、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、コールターカウンターによって測定される場合、解凍後に約0.7×109個/mLのAACを含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、製剤中のAACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACが機能的である。いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、約70%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×108個/mL~約1×109個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、AACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACがアネキシン染色陽性である。いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、約70%以上のアネキシン染色陽性を維持する。いくつかの実施形態では、アネキシンは、アネキシンVである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約5%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約2%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。
【0012】
いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約7.6である。
【0013】
いくつかの態様では、本発明はAACの医薬製剤を提供し、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHはpH約6.0~約pH8.5である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約9×109個の細胞を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、製剤のAACは、少なくとも一つのヒトパピローマウイルス(HPV)抗原を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV-16抗原またはHPV-18抗原である。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6由来のペプチドと、HPV E7由来のペプチドとを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、AACは、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原と、配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原とを含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、製剤のAACはアジュバントを含み、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR 9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0016】
本発明のいくつかの態様では、製剤は、以下を含むプロセスによって調製された少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。いくつかの実施形態では、狭窄部の直径が、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球である。
【0017】
いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルを提供し、当該医薬製剤は、約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを凍結保存培地中に含有し、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルを提供し、当該医薬製剤は、約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを凍結保存培地中に含有し、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは、約pH7.6である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約9×109個の細胞を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、フローサイトメトリーによって測定される場合、解凍後に約9×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、コールターカウンターによって測定される場合、解凍後に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、フローサイトメトリーによって測定される場合、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、コールターカウンターによって測定される場合、解凍後に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルを提供し、当該医薬製剤は、約7×109個のAACを約9.5mLの凍結保存培地中に含有し、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは、約pH7.6である。いくつかの実施形態では、AACは、約9.5mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。
【0018】
いくつかの態様では、本発明は、AACの医薬製剤を作製する方法を提供し、当該方法は、凍結保存培地をAACに加えることを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む。いくつかの態様では、本発明は、AACの医薬製剤を製造する方法を提供し、当該AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該方法は以下を含む:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させること、およびb)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること、c)AACを洗浄すること、およびd)AACを凍結保存培地中で製剤化すること。いくつかの実施形態では、狭窄部の直径が、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、AACは約6回洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、遠心分離および再懸濁によって、または遠心分離および濾過によって洗浄される。いくつかの実施形態では、遠心分離は約4000rpmである。いくつかの実施形態では、約1×109個のAAC~約1×1010個のAACは、約9mL~約10mLの凍結保存培地中で製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含有する。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約9×109個の細胞を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、製剤は、フローサイトメトリーによって測定される場合、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、コールターカウンターによって測定される場合、解凍後に約0.7×109個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、約7×109個のAACは、約10mLの凍結保存培地中で製剤化される。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球である。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、AACの製剤を約-170℃で凍結させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、AACの製剤化は、以下を含むプロセスにより凍結される:a)製剤をチャンバー内に置くこと、b)チャンバーの温度を約-3℃に下げること、c)チャンバーの温度を、約-20℃/分の速度で約-140℃に下げること、d)チャンバーの温度を、約1.5℃/分の速度で約-150℃に下げること、e)チャンバーの温度を約1.0℃/分の速度で約-170℃に下げること、およびf)チャンバーの温度を少なくとも約-170℃で少なくとも約10分間保持すること。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、血小板除去の評価を示し、RBC回収は、七人の異なる健康なドナーからのLOVOプロセスにわたって実施された。
【0021】
【
図2】
図2は、LOVO上の送達媒体による細胞洗浄および再懸濁、ならびに白血球除去フィルタを介した精製を含む、RBC精製工程にわたる十一回のランのRBC、血小板、および白血球の平均全体的回収率を示す。
【0022】
【
図3】
図3Aは、60psiおよび75psiの動作圧力で異なるチップ構成を赤血球が通過した後のアネキシンV+集団の増加を示す。
図3Aは、60psiおよび75psiの動作圧力で異なるチップ構成を赤血球が通過した後のOva647の送達を示す。
【0023】
【
図4】
図4は、異なる細胞濃度のチップを赤血球が通過した後のOva647の送達を示す。
【0024】
【
図5】
図5は、異なる細胞濃度のチップを赤血球が通過した後のFAM標識E6およびE7ペプチドの送達を示す。
【0025】
【
図6】
図6は、異なる圧力のチップを赤血球が通過した後のFAM標識E7ペプチドの送達を示す。
【0026】
【
図7】
図7は、AACが37℃の静置期間中に希釈された、または希釈されていないAACである場合に、IFNγレベルによって測定される機能分析を示す。
【0027】
【
図8】
図8は、二つの異なるプロトコルを使用したLOVO処理の平均回収率を示す。
【0028】
【
図9】
図9は、7×10
8AAC/mLの目標濃度を達成するためのLOVO処理を示す。
【0029】
【
図10】
図10は、開発されたプロトコルを使用して凍結保存されたSQZ-AAC-HPVの48バイアルの代表的な負荷を示す。
【0030】
【
図11】
図11は、二つのラック構成を使用して凍結保存されたSQZ-AAC-HPVの64バイアルの代表的な負荷を示す。
【0031】
【
図12】
図12は、五つのプロセス開発バッチからの解凍後の数を示す。これら五つのバッチにわたる平均AAC数は、1.03×10
9AAC/mLであった。
【発明を実施するための形態】
【0032】
いくつかの態様では、本発明は、AACを含む医薬製剤を提供し、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバント、ならびに凍結保存培地を含む。いくつかの実施形態では、本発明は活性化抗原担体(AAC)の医薬製剤を提供し、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個/mLのAAC~約1×1010個/mLのAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地中に約0.7×109個/mLのAACを含む。
【0033】
いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルを提供し、当該医薬製剤は、約0.5×109個/mLのAAC~約1×1010個/mLのAACを凍結保存培地(CryoStor(登録商標)CS2などであるが、これに限定されない)中に含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは、約pH7.6である。
【0034】
いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルを提供し、当該医薬製剤は、約0.7×109個/mLのAACを凍結保存培地(CryoStor(登録商標)CS2などであるが、これに限定されない)中に含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは、約pH7.6である。
【0035】
少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを含む製剤およびバイアル、ならびに少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACの製剤を調製する方法も提供する。いくつかの実施形態では、AACは、以下を含むプロセスによって調製される:a)インプット無核細胞の集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞の集団を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV抗原である。また、HPV抗原に対する免疫応答の誘導の際に使用するため、またはHPV関連のがんを治療するための組成物も提供する。また、HPV抗原に対する免疫応答を刺激またはHPV関連のがんを治療する医薬の製造において、有効量のAACを含む製剤を使用することも提供する。
【0036】
いくつかの実施形態では、AACの医薬製剤を製造する方法が提供され、当該AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該方法は以下を含む:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させること、およびb)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること、c)AACを洗浄すること、およびd)AACを凍結保存培地中で製剤化すること。
【0037】
一般的な手法
本明細書で説明または参照される技術および手順は、一般的に十分に理解されており、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrook et al.,4thed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2012);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,2003);the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.,1995);Antibodies,A Laboratory Manual(Harlow and Lane,eds.,1988);Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique and Specialized Applications(R.I.Freshney,6thed.,J.Wiley and Sons,2010);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,Academic Press,1998);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,Plenum Press,1998);Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,J.Wiley and Sons,1993-8);Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1996);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,J.Wiley and Sons,2002);Immunobiology(C.A.Janeway et al.,2004);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、およびCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,2011)に記載される広範に利用されている方法論など、当業者によって従来の方法論を使用して一般的に利用される。
【0038】
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用されるが、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形を含み、その逆も同様である。以下に記載されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書と矛盾する場合、上記に定める定義が優先するものとする。
【0039】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、および「含む(including)」、ならびにその他の類似の形態、およびそれらの文法的等価物は、意味が同等であり、これらの用語のいずれか一つに続く項目または複数の項目が、かかる項目または複数の項目の網羅的なリストであることを意味するものではなく、または列挙された項目または複数の項目のみに限定されることを意味するという点で、オープンエンドであることを意図している。例えば、成分A、B、およびCを含む物品は、成分A、B、およびCから成り得るか(すなわち、それのみを含む)、または成分A、B、およびCだけでなく、一つ以上の他の成分も含み得る。そのため、「含む」および同様の形態、ならびにその文法的等価物は、「から本質的に成る」または「から成る」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
【0041】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段に明確に指示しない限り、下限の単位の十分の一までの各介在する値は、その範囲の上限および下限、ならびにその範囲内の他の記載された値または介在する値の間の値が、記載された範囲内の特定の除外限界に従うことを条件として、本開示内に包含されることが理解される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除外する範囲も開示に含まれる。
【0042】
本明細書で使用される「約」という用語は、当技術分野の当業者に容易に認識されるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(および説明する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、「無核細胞」は、核を欠く細胞を指す。そのような細胞には、血小板、赤血球および網赤血球などの赤血球(RBC)が含まれるが、これらに限定されない。網赤血球は、未成熟(例えば、まだ両凹ではない)の赤血球であり、典型的には人体における赤血球の約1%を構成する。網赤血球も無核である。特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、無核細胞(例えば、RBC、網赤血球、および/または血小板)の濃縮(例えば、全細胞集団のうち、自然界に見られるよりも大きなパーセンテージを含む)、精製、または単離された(例えば、それらの自然環境から、実質的に純粋または均一な形態で)集団の治療および/または処理のために使用される。特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、RBC(例えば、赤血球または網赤血球)、血小板、および他の血球を含む全血の治療ならびに/または処理に使用される。これらの細胞型の精製または濃縮は、密度勾配システム(例えば、Ficoll-Hypaque)、蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気細胞選別、または赤芽球および赤血球系前駆体のインビトロ分化などの既知の方法を使用して達成される。
【0044】
本明細書で使用される「小胞」という用語は、脂質二重層によって囲まれた液体を含む構造を指す。いくつかの例では、脂質二重層は、天然に存在する脂質組成物に由来する。いくつかの例では、脂質二重層は、細胞膜から供給され得る。いくつかの例では、小胞は、細胞などの様々な種類の実体に由来し得る。こうした例では、小胞は、元の実体からの分子(細胞内タンパク質または膜成分など)を保持することができる。例えば、赤血球に由来する小胞は、赤血球および/または赤血球の膜成分中にあった任意の数の細胞内タンパク質を含み得る。いくつかの例では、小胞は、所望のペイロードに加えて、細胞内に任意の数の分子を含むことができる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ペイロード」は、無核細胞由来小胞(例えば、AAC)内に送達される、例えば、装填される、物質を指す。「ペイロード」、「カーゴ」、「送達材料」、および「化合物」は、本明細書では互換的に使用される。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質、低分子、核酸(例えば、RNAおよび/またはDNA)、脂質、炭水化物、巨大分子、ビタミン、ポリマー、蛍光色素およびフルオロフォア、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、ならびにステロイドを指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質または低分子薬剤を指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、一つ以上の化合物を含み得る。
【0046】
コード配列および制御配列などの核酸配列に関連する場合の「異種」という用語は、通常は一緒に連結されないおよび/または通常は特定の細胞と結合しないものである配列を意味する。したがって、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別の核酸分子内のまたは別の核酸分子と付着した核酸のセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、天然ではコード配列と関連して見出されない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例は、コード配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種DNAを生じさせない。
【0047】
ペプチド配列およびポリペプチド配列などのアミノ酸配列に関連するような「異種」という用語は、通常は一緒に連結されていないおよび/または特定の細胞と通常は関連しない配列を意味する。したがって、ペプチド配列の「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別のアミノ酸分子内にあるかまたは別のアミノ酸分子に付加したアミノ酸のセグメントである。例えば、ペプチド構築物の異種領域は、天然ではペプチドのアミノ酸配列と関連して見出されない配列が隣接するペプチドのアミノ酸配列を含み得る。異種性ペプチド配列の別の例は、ペプチド配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコードされたアミノ酸を有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しないアミノ酸構築物を発現するベクターにより形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種ペプチドを生じさせない。
【0048】
細胞またはAACに関連する抗原またはアジュバントなどの剤に関して使用される場合の「外因性」という用語は、細胞の外側の剤または細胞の外側から細胞内に送達される剤を指す。細胞は、既に存在する薬剤を有してもよく、または有しなくてもよく、外因性薬剤が送達された後、薬剤を産生してもよく、または産生しなくてもよい。
【0049】
本明細書で使用される「相同」という用語は、同じ生物に由来する分子を指す。いくつかの例では、用語は、所与の生物内で通常見出されるか、もしくは発現される、核酸またはタンパク質を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療する」は、臨床結果を含む、有益なまたは望ましい臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益または望ましい臨床結果には、以下の一つ以上が含まれるが、これらに限定されない:疾患に起因する一つ以上の症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定させること(例えば、疾患の悪化を予防するもしくは遅延する)、疾患の蔓延(例えば、転移)を予防するもしくは遅延すること、疾患の再発を予防するもしくは遅延すること、疾患の進行を遅延するもしくは遅らせること、疾患の状態を回復すること、疾患を(部分的または完全に)寛解すること、疾患を治療するために必要な一つ以上の他の薬物の用量を低減すること、疾患の進行を遅延すること、生活の質を増加するまたは改善すること、体重増加が増加すること、および/または生存期間が延長すること。また、「治療」には、がんの病理学的結果(例えば、腫瘍体積など)の減少も包含される。本発明の方法は、治療のこれらの態様のいずれか一つ以上を企図する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「予防的治療」という用語は、個体が、障害を有することまたは障害を有するリスクがあることが知られているかまたは疑われるが、障害の症状を呈していないかまたは最小限の症状を呈している治療を指す。予防的治療を受ける個体は、症状の発症前に治療され得る。いくつかの実施形態では、個体は、前がん病変、特にHPV感染に関連する前がん病変を有する場合に治療され得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「併用療法」とは、第一の薬剤が別の薬剤と併せて投与されることを意味する。「と併せて」とは、同じ個体への本明細書に記載の免疫コンジュゲートの投与に加えて本明細書に記載の有核細胞の組成物を投与するなど、別の治療モダリティに加えてある一つの治療モダリティを投与することを指す。したがって、「と併せて」とは、この個体へ他の治療モダリティを送達する前、間、または後に、ある一つの治療モダリティを投与することを指す。
【0053】
本明細書で使用される「同時投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法が、約15分以内、例えば約10分以内、5分以内、または1分以内のいずれか一つなどの時間間隔で投与されることを意味する。第一の療法および第二の療法が同時に施与される場合、この第一の療法および第二の療法は、同一組成物中に含有されてもよく(例えば、第一の療法および第二の療法の両者を含む組成物)、または別個の組成物に含有されてもよい(例えば、一の組成物中に第一の療法が含まれ、また別の組成物中に第二の療法が含まれる)。
【0054】
本明細書で使用される場合、「連続投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法が、約15分超、例えば約20分、30分、40分、50分、60分、またはそれ以上のいずれかなどの時間間隔で投与されることを意味する。第一の療法または第二の療法のいずれかが最初に投与され得る。第一および第二の療法は、同じまたは異なるパッケージまたはキットに含まれ得る別々の組成物中に含まれる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「同時投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法の投与が互いに重複することを意味する。
【0056】
がんの文脈において、「治療する」という用語は、がん細胞を死滅させること、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に関連する一つ以上の症状を回復することのいずれかまたは全てを含む。
【0057】
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、特定の標的の存在または活性を変化させる、改変する、変更する、またはさもなければ修正する作用を指し得る。例えば、免疫応答を調節することは、免疫応答を変える、変化させる、変更する、またはその他改変することをもたらす任意の作用を指し得る。一部の例では、「調節」は、特定の標的の存在または活性を増強することを指す。一部の例では、「調節」は、特定の標的の存在または活性を抑制することを指す。他の例では、核酸の発現を調節することには、核酸の転写の変化、mRNA量の変化(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の対応する変化、mRNA翻訳の変化などを含み得るが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書で使用される場合、「阻害する」という用語は、特定の標的の存在または活性を遮断、低減、排除、またはさもなければ拮抗する作用を指し得る。阻害は、部分的阻害または完全阻害を指し得る。例えば、免疫応答を阻害することは、免疫応答の遮断、低減、排除、または任意の他の拮抗作用をもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の阻害には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害、遺伝子編集などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の阻害は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。別の実施例では、阻害は、例えば、腫瘍細胞の成長を遅延させるか、もしくは防止するなど、成長を緩徐化させるか、または停止する作用を指し得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「抑制する」という用語は、特定の標的の存在または活性を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはその他縮小する作用を指し得る。抑制は、部分的な抑制または完全な抑制を指し得る。例えば、免疫応答を抑制することは、免疫応答を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはその他縮小することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の抑制には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の抑制は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
本明細書で使用される場合、「増強する」という用語は、特定の標的の存在または活性を向上する、ブーストする、高める、またはさもなければ増加する作用を指し得る。例えば、免疫応答を増強することは、免疫応答を向上させる、ブーストする、高める、またはその他増加させることをもたらす任意の作用を指し得る。例示的な一例では、免疫応答を増強することは、抗原および/またはアジュバントを利用して、免疫応答を向上させる、ブーストする、高める、またはその他増加することを指し得る。他の例では、核酸の発現を増強することには、核酸の転写の増加、mRNA量の増加(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の低減、mRNA翻訳の増加などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を増強することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用される場合、「誘導する」という用語は、結果を開始する、促進する、刺激する、確立する、またはさもなければ産生する作用を指し得る。例えば、免疫応答を誘導することは、所望の免疫応答を開始、促進、刺激、確立、またはその他産生することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現を誘導することには、核酸の転写の開始、mRNAの翻訳の開始などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を誘導することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、この用語には、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然の、化学的もしくは生化学的に修飾された、非天然の、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、一本鎖、二本鎖、もしくは複数鎖のDNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはポリマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基(典型的にはRNAまたはDNAに見出される)、または修飾もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドの骨格は、ペプチド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシンなどの反復単位(すなわち、ペプチド核酸)を含むことができる。あるいは、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホロアミダートおよびホルホルチオエートなどの合成サブユニットのポリマーを含み得、したがって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホロアミダート(P-NH2)またはホスホロチオエート-ホスホロジエステル混合オリゴマーまたはホスホロアミダート-ホスホジエステル混合オリゴマーであり得る。加えて、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成し、適切な条件下で鎖をアニーリングするか、または適切なプライマーを用いてDNAポリメラーゼを使用して相補鎖をデノボ合成するかのいずれかにより化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から取得することができる。
【0063】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さに限定されない。そのようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含有していてもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、および多量体を含むがこれらに限定されない。完全長タンパク質およびその断片の両方が定義によって包含される。この用語には、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含まれる。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」とは、所望の活性を維持する限り、天然の配列に対して欠失、付加、および置換などの改変(一般に天然では保存されている)を含むタンパク質を指す。これらの改変は、部位特異的変異誘導を介してのように意図的であってもよいし、タンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅によるエラーを介するなど偶発的であってもよい。
【0064】
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を調節および/または生成する物質を指す。概して、アジュバントは抗原と併せて投与されて、抗原単独と比較して抗原に対する免疫応答の増強をもたらす。様々なアジュバントが本明細書に記載される。
【0065】
本明細書における「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」および「CpG ODN」という用語は、リン酸によって分離されたシトシンおよびグアニンのジヌクレオチド(本明細書では「CpG」ジヌクレオチド、または「CpG」とも称される)を含有する、10~30ヌクレオチド長のDNA分子を指す。本開示のCpG ODNは、少なくとも一つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。すなわち、CpGジヌクレオチド中のシトシンはメチル化されない(すなわち、5-メチルシトシンではない)。CpG ODNは、部分的または完全なホスホロチオエート(PS)骨格を有し得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容可能な」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的にまたはその他望ましくないものではない物質を意味し、例えば、その物質は、望ましくない重大な生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれを含有する組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込まれ得る。医薬的に許容可能な担体または賦形剤は、毒性および製造試験の必要な基準を満たしており、および/または米国食品医薬品局によって準備された不活性成分ガイドに含まれることが好ましい。
【0067】
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体システム」は、少量(例えば、mL、nL、pL、fL)の流体が処理されて、少量の液体の別個の処理を達成するシステムを指す。本明細書に記載される特定の実施には、多重化、自動化、およびハイスループットスクリーニングが含まれる。流体(例えば、緩衝液、溶液、ペイロード含有溶液、または細胞懸濁液)は、移動、混合、分離、または別の方法で処理することができる。本明細書に記載される特定の実施形態では、マイクロ流体システムを使用して、緩衝液中に懸濁された細胞に機械的狭窄を適用し、細胞内に摂動を誘発し(例えば、穴)、それによってペイロードまたは化合物が細胞のサイトゾルに入ることを可能にする。
【0068】
本明細書で使用される場合、「狭窄部」は、入口部分、中心点、および出口部分によって画定されるマイクロ流体チャネルの一部分を指し得、中心点は、幅、長さ、および深さによって画定される。他の実施例では、狭窄部は、細孔を指してもよく、または細孔の一部分であってもよい。細孔は、ある面(例えば、フィルタおよび/または膜)上に含有され得る。
【0069】
本明細書に記載される構造的および機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
【0070】
抗原を含むAACの製剤化
いくつかの実施形態では、PBMCを含む医薬製剤が提供され、製剤は、a)AACであって、少なくとも一つの抗原およびアジュバント含むAAC、およびb)凍結保存培地を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107個のAAC~約1×1012個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109個のAAC~約1×1011個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。フローサイトメトリー法によって測定される解凍後の1.0×109AAC/mLの期待濃度は、より低い感度によるコールターベースの計数法の負バイアスに基づいて、コールターベースの細胞計数法によって測定される解凍後の7.0×108AAC/mLとほぼ同等である。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107個のAAC~約1×1012個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109個のAAC~約1×1011個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、製剤の量は、約2mL~約50mLである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約5mL~約20mLである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約1~約2、約2~約3、約3~約4、約4~約5、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10、約10~約11、約11~約12、約12~約13、約13~約14、約14~約15、約15~約16、約16~約17、約17~約18、約18~約19または約19~約20mLのいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約9.5mLである。
【0073】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106~約1×1011個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107~約1×1010個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×108個/mLのAACを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10EU/mLのいずれか一つ未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0075】
凍結保存培地中のAACの製剤化
本明細書に記載の方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、AACの組成物は、薬剤であって、当該薬剤を含まない対応するAACの組成物と比較して、AACの機能を増強する薬剤、をさらに含む。いくつかの実施形態では、AACの組成物は、薬剤であって、当該薬剤を含まない対応するAACの組成物と比較して、凍結-解凍のサイクルにおいてAACの機能を増強する薬剤、をさらに含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、凍結保存剤および/または低温保存剤である。いくつかの実施形態では、凍結保存剤も低温保存剤も、薬剤を含むAACの組成物中で、あらゆる凍結-解凍サイクルの前のその薬剤を含まないAACの対応する組成物と比較して、10%または20%を超える細胞死を防ぐものではない。いくつかの実施形態では、凍結保存剤および/または低温保存剤を含むAAC組成物の凍結-解凍サイクルは、凍結-解凍サイクル前の対応するAAC組成物と比較して、機能の損失が10%、20%、30%、40%、または50%以下で生じる。いくつかの実施形態では、凍結保存剤および/または低温保存剤を含むAAC組成物の凍結-解凍サイクルは、凍結保存剤および/または低温保存剤を含まない対応するAACの組成物の凍結-解凍サイクルと比較して、機能の損失が10%、20%、30%、40%、または50%より少なく生じる。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原を含むAAC組成物の機能または機能性は、アネキシンV染色が陽性であるAACの割合によって測定される。いくつかの実施形態では、AAC組成物の機能または機能性は、アネキシンV染色が陽性であるAACの割合によって測定される。いくつかの実施形態では、AAC組成物の機能または機能性は、CD235a染色が陽性であるAACの割合によって測定される。いくつかの実施形態では、AAC組成物の機能または機能性は、CD235aおよびアネキシンV染色が陽性である無核細胞由来の小胞の割合によって測定される。いくつかの実施形態では、AACの少なくとも約70%、約80%、または約90%は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクル後に機能的である。いくつかの実施形態では、薬剤は、エンドサイトーシスを増強する化合物、安定化剤、または補因子である。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、またはヒトのアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、マウス、ウシ、またはヒトのアルブミンの一つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、またはEDTAの一つ以上である。いくつかの実施形態では、二価の金属カチオンは、Mg2+、Zn2+、またはCa2+の一つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、HEPES、グリセリン、グルタチオン、イノシン、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン、マグネシウム金属イオン、塩化物、酢酸塩、グルコン酸塩(gluoconate)、スクロース、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの一つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、Rejuvesol(登録商標)、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、PlasmaLyte(登録商標)、DMSO、Cryostor(登録商標)CS2、Cryostor(登録商標)CS5、Cryostor(登録商標)CS10、Cryostor(登録商標)CS15、HEPES、グリセロール、グルタチオン、HypoThermosol(登録商標)の一つ以上である。
【0076】
本明細書に記載される方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、プロセスは、更なるインキュベーション工程なしで調製された対応する無核細胞と比較して、無核細胞の機能を増強する薬剤と無核細胞の組成物をインキュベートする工程を更に含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109~約1×1011個のAACを約9mL~約10mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108個のAAC、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109個のAAC、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9.5mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9mL~約10mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9.5mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを約9.5mLの凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを解凍後の凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターによって測定される約0.7×109個/mLのAACを解凍後の凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。
【0078】
いくつかの実施形態では、AACを含む組成物は、約7×109個のAACを、約9mL~約10mLのCryoStor(登録商標)CS2中に含む。いくつかの実施形態では、AACを含む組成物は、約7×109個のAACを、約9.5mLのCryoStor(登録商標)CS2中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを約9.5mLのCryoStor(登録商標)CS2中に含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、-140℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下での温度で少なくとも12か月間保存した後、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下の温度で、少なくとも6、9、12、15、18、24、30、または36か月間保存した後、約70%以上の機能性を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、または-200℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上の機能性を維持する。
【0080】
いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%以上のアネキシン陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%以上のアネキシン陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、-140℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上のアネキシン陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下での温度で少なくとも12か月間保存した後、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上のアネキシン陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下の温度で、少なくとも6、9、12、15、18、24、30、または36か月間保存した後、約70%以上のアネキシン陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、または-200℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上のアネキシン陽性染色を維持する。
【0081】
いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のAACは、-140℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下での温度で少なくとも12か月間保存した後、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-140℃以下の温度で、少なくとも6、9、12、15、18、24、30、または36か月間保存した後、約70%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、または-200℃以下の温度で少なくとも12か月間保存した後、約70%以上のアネキシンVおよびCD235a陽性染色を維持する。
【0082】
いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×10、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011、約1.0×1011~約0.5×1012個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個の機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109~約1×1010個の機能的AACを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106~約1×1011個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107~約1×1010個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×108個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×108~約1×109個/mLの機能的AACを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、解凍後に約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108個のAAC、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109個のAAC、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010個のAAC、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個の機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×109個の機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109~約1×1010個の機能的AACを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×106~約1×1011個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×107~約1×1010個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLの機能的AACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×108個/mLの機能的AACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×108~約1×109個/mLの機能的AACを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約25%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約5%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、10%、15%、20%、および25%のDMSOのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約5%、約5%~約10%、約10%~約20%のDMSOのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約2%のDMSOを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約7.6である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または10のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一つである。
【0088】
いくつかの態様では、AACの医薬製剤が提供され、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH6.0~約pH8.5である。いくつかの実施形態では、AACの医薬製剤が提供され、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約1×106~約1×1011個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約1×107~約1×1010個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約6.65×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のAACの濃度は、コールターカウンターによって測定される。
【0090】
いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、凍結前に約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結前に約6.65×109個のAACを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×106~約1×1011個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×107~約1×1010個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、および5×109個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約6.65×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×106~約1×1011個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×107~約1×1010個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約7×108個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約6.65×108個/mLのAACを解凍後に含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×106~約1×1011個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×107~約1×1010個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109、0.5×1010、1.0×1010、0.5×1011、および1.0×1011個のPBMC/mLのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×109個/mLのAACを解凍後に含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、解凍後に約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約9×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約6.65×109個のAACを含む。
【0095】
本明細書に記載の製剤のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、AACは、約2mL~約50mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約5mL~約20mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のいずれか一つの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約1~約2mL、約2~約3mL、約3~約4mL、約4~約5mL、約5~約6mL、約6~約7mL、約7~約8mL、約8~約9mL、または約9~約10mL、約10~約11mL、約11~約12mL、約12~約13mL、約13~約14mL、約14~約15mL、約15~約16mL、約16~約17mL、約17~約18mL、約18~約19mLまたは約19~約20mLのいずれか一つの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約9.5mLの凍結保存培地中にある。
【0096】
いくつかの態様では、AACの医薬製剤が提供され、製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。
【0097】
いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10EU/mLのいずれか一つ未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
医薬製剤を含むバイアル
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤のいずれか一を含むバイアルを提供する。
【0099】
いくつかの態様では、医薬製剤を含むバイアルが提供され、当該医薬製剤はAACを含み、製剤は約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを凍結保存培地中に含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。いくつかの実施形態では、AACの医薬製剤が提供され、製剤は、凍結保存培地中に約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である。
【0100】
本明細書に記載のバイアルのいずれかによるいくつかの実施形態では、AACは、約2mL~約50mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約5mL~約20mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のいずれか一つの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、AACは、約1~約2mL、約2~約3mL、約3~約4mL、約4~約5mL、約5~約6mL、約6~約7mL、約7~約8mL、約8~約9mL、または約9~約10mL、約10~約11mL、約11~約12mL、約12~約13mL、約13~約14mL、約14~約15mL、約15~約16mL、約16~約17mL、約17~約18mL、約18~約19mLまたは約19~約20mLのいずれか一つの凍結保存培地中にある。
【0101】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106~約1×1011個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107~約1×1010個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、DMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約25%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約5%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、10%、15%、20%、および25%のDMSOのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約0.5%~約5%、約5%~約10%、約10%~約20%のDMSOのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約2%のDMSOを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約7.6である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または10のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一つである。
【0103】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109個のAAC~約1×1011個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108個のAAC、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを解凍後の凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターによって測定される約0.7×109個/mLのAACを解凍後の凍結保存培地中に含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×106~約1×1011個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×107~約1×1010個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約6.65×108個/mLのAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×106~約1×1011個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×107~約1×1010個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.5×106、0.7×106、1.0×106、0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、および1.0×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、および1×109個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約7×108個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約6.65×108個/mLのAACを解凍後に含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×106~約1×1011個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×107~約1×1010個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109、0.5×1010、1.0×1010、0.5×1011、および1.0×1011個のPBMC/mLのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109個/mLのAACのいずれか一つを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、フローサイトメトリーにより測定される約1×109個/mLのAACを解凍後に含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、AACを含む製剤は、解凍後に約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約9×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約7×109個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約6.65×109個のAACを含む。
【0107】
いくつかの態様では、活性化AACの医薬製剤が提供され、製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。
【0108】
いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10EU/mLのいずれか一つ未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0109】
抗原およびアジュバントを含むAACの組成物
いくつかの実施形態では、AACは、細胞内に送達された抗原およびアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、細胞内に送達されたHPV抗原およびアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞に由来する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット赤血球に由来する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット網赤血球に由来する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット赤血球(RBC)に由来する。いくつかの実施形態では、AACは、HPV抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞である。いくつかの実施形態では、AACは、HPV抗原およびアジュバントを含むRBC由来の小胞である。
【0110】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACは、以下によって調製される:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。
【0111】
いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントを含むAACは、以下によって調製される:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、HPV抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)HPV抗原およびアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、HPV抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、無核細胞は、RBCまたは血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、赤血球または網赤血球である。いくつかの実施形態では、AACは無核細胞由来小胞である。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、RBC由来小胞または血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、赤血球由来小胞または網赤血球由来小胞である。
【0113】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACは、以下によって調製される:a)インプット赤血球を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット赤血球の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット赤血球の摂動を引き起こして、摂動インプット赤血球を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動インプット赤血球に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット赤血球を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。
【0114】
いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントを含むAACは、以下によって調製される:a)インプット赤血球を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット赤血球の直径の関数であり、それにより、HPV抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット赤血球の摂動を引き起こして、摂動インプット赤血球を形成する、通過させること、b)HPV抗原およびアジュバントが摂動インプット赤血球に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット赤血球を、HPV抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞(例えば、赤血球)の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm~約4μm、約1μm~約4μm、約1.2μm~約3μm、約1.4μm~約2.6μm、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列および/または並列に配置される。
【0116】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、一つ以上の抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、他の抗原またはアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0117】
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0118】
抗原およびアジュバントを含むAACを含む医薬製剤を生成する方法
いくつかの実施形態では、医薬製剤内に含まれるAACは、無核細胞由来小胞である。いくつかの実施形態では、抗原およびアジュバントを含むAACを含む組成物を生成する方法が提供され、少なくとも一つの抗原およびアジュバントは、AACに細胞内送達される。いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを含む組成物を生成する方法が提供され、HPV抗原およびアジュバントは、AACに細胞内送達される。
【0119】
本明細書に記載のいずれか一つの製剤によるいくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACは、以下を含むプロセスによって調製される:a)インプット無核の集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞の集団を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。
【0120】
いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントを含むAACは、以下を含むプロセスによって調製される:a)インプット無核の集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、HPV抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞の集団を、HPV抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること。
【0121】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6由来のペプチドと、HPV E7由来のペプチドとを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球(RBC)または血小板である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞が、赤血球または網赤血球である。いくつかの実施形態では、AACは無核細胞由来小胞である。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、RBC由来小胞または血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、赤血球由来小胞または網赤血球由来小胞である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、組成物を受ける個体に対して自己である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、組成物を受ける個体に対して同種異系である。
【0123】
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm~約4μm、約1μm~約4μm、約1.2μm~約3μm、約1.4μm~約2.6μm、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列および/または並列に配置される。
【0124】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、一つ以上の抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、他の抗原またはアジュバントと共に送達される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPVが、HPV-16またはHPV-18である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するHLA-A2拘束性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0125】
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0126】
いくつかの実施形態では、AACの医薬製剤を製造する方法が提供され、当該AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該方法は以下を含む:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させること、およびb)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートすることであって、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成する、インキュベートすること、c)AACを洗浄すること、およびd)AACを凍結保存培地中で製剤化すること。いくつかの実施形態では、AACは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の回数のいずれか一つで、洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは約6回洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、PBS中で洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは培地中で洗浄される。いくつかの実施形態では、培地は、インプット無核細胞用の培地と実質的に同一である。いくつかの実施形態では、AACは、一つ以上の安定化剤を含む培地中で洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、一つ以上の凍結保存剤を含む培地中で洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、遠心分離および再懸濁によって洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、遠心分離および濾過によって洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の工程の遠心分離および再懸濁によって洗浄される。いくつかの実施形態では、AACは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の工程の遠心分離および濾過によって洗浄される。いくつかの実施形態では、一つ以上の遠心分離工程は、約100xg、150xg、200xg、250xg、300xg、350xg、400xg、450xg、500xg、550xg、600xg、650xg、700xg、750xg、および800xgのいずれか一つで実施される。いくつかの実施形態では、一つ以上の遠心分離工程は、約1000rpm、1500rpm、2000rpm、2500rpm、3000rpm、3500rpm、4000rpm、または4500rpmのいずれか一つで実施される。
【0127】
本明細書に記載される方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、製剤は、約1×107個のAAC~約1×1012個のAACを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109個のAAC~約1×1011個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107、0.7×107、1.0×107、0.5×108、0.7×108、1.0×108、0.5×109、0.7×109、1.0×109、0.5×1010、0.7×1010、1.0×1010、0.5×1011、0.7×1011、1.0×1011、0.5×1012、0.7×1012、および1.0×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108個のAAC、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109個のAAC、約0.5×109~約1.0×109、約1.0×109~約0.5×1010、約0.5×1010~約1.0×1010、約1.0×1010~約0.5×1011、約0.5×1011~約1.0×1011個のAAC、約1.0×1011~約0.5×1012個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、および1×1010個のAACのいずれか一つを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9mL~約10mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約7×109個のAACを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6.65×109個のAACを約9.5mL中に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、コールターカウンターにより測定される約0.7×109個/mLのAACを解凍後に含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは、少なくとも一つの抗原とアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS2である。
【0128】
いくつかの実施形態では、方法は、約-80℃~約-250℃でのAACの製剤の凍結保存(凍結など)をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約-170℃でのAACの製剤の凍結保存(凍結など)をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、AACの製剤を、-80℃、-90℃、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、-200℃、-210℃、-220℃、-230℃、-240℃、または-250℃で冷凍することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、AACの製剤を、約-80℃~約-90℃、約-90℃~約-100℃、約-100℃~約-110℃、約-110℃~約-120℃、約-120℃~約-130℃、約-130℃~約-140℃、約-140℃~約-150℃、約-150℃~約-160℃、約-160℃~約-170℃、約-170℃~約-180℃、約-180℃~約-190℃、約-190℃~約-200℃、約-200℃~約-210℃、約-210℃~約-220℃、約-220℃~約-230℃、約-230℃~約-240℃、または約-230℃~約-240℃のいずれか一つで凍結することを含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、製剤は、以下を含むプロセスによって凍結保存される:a)製剤をチャンバー内に置くこと、b)チャンバーの温度を約0℃~約-20℃に低下させる第一の工程、c)チャンバーの温度を、約-10℃/分~約-30℃/分の速度で約-130℃~約-150℃に低下させる第二の工程、d)チャンバーの温度を、約-0.5℃/分~約-5℃/分の速度で約-140℃~約-160℃に低下させる第三の工程、e)チャンバーの温度を、約-0.1℃/分~約-5℃/分の速度で約-150℃~約-200℃に低下させる第四の工程、およびf)チャンバーの温度を、約-150℃~約-200℃に少なくとも約5~約30分間保持すること。いくつかの実施形態では、チャンバーは、限定されるものではないが、例えば、MR.FROSTY(商標)(Thermo Scientific(商標))などの安定した温度低下速度を促進する凍結保存チャンバーなどの凍結保存チャンバーである。いくつかの実施形態では、異なる凍結保存チャンバーが、上述の工程の一つ以上に使用される。いくつかの実施形態では、製剤はその後、チャンバーから除去され、永久貯蔵物(例えば、液体窒素タンク、および例えば、液体相、液体蒸気転移相または液体窒素の気相などであるがこれらに限定されない)に移動される。
【0130】
いくつかの実施形態では、チャンバーのチャンバーの温度を低下させる第一の工程は、温度を、約0℃、-1℃、-2℃、-3℃、または-4℃、またはそれらの間の任意の温度または範囲のいずれか一つに低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第二の工程は、チャンバーの温度を、約-130℃、-131℃、-132℃、-133℃、-134℃、-135℃、-136℃、-137℃、-138℃、-139℃、-140℃、-141℃、-142℃、-143℃、-144℃、-145℃、-146℃、-147℃、-148℃、-149℃、-150℃、またはそれらの間の任意の温度または範囲のいずれか一つに低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第二の工程は、温度を、約-1、-2、-3、-4、-5、-6、-7、-8、-9、-10、-11、-12、-13、-14、-15、-16、-17、-18、-19、-20℃/分、またはそれらの間の任意の速度または範囲のいずれか一つで低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第三の工程は、チャンバーの温度を、約-140℃、-141℃、-142℃、-143℃、-144℃、-145℃、-146℃、-147℃、-148℃、-149℃、-150℃、-151℃、-152℃、-153℃、-154℃、-155℃、-156℃、-157℃、-158℃、-159℃、-160℃、またはそれらの間の任意の温度または範囲のいずれか一つに低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第三の工程は、温度を、約-0.5、-1、-1.5、-2、-2.5、-3、-3.5、-4、-4.5、-5℃/分、またはそれらの間の任意の速度または範囲のいずれか一つで低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第四の工程は、チャンバーの温度を、約-150℃、-152℃、-154℃、-156℃、-158℃、-160℃、-162℃、-164℃、-166℃、-168℃、-170℃、-172℃、-174℃、-176℃、-178℃、-180℃、-182℃、-184℃、-186℃、-188℃、-190℃、またはそれらの間の任意の温度または範囲のいずれか一つに低下させることを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの温度を低下させる第三の工程は、温度を、毎分約-0.1、-0.2、-0.3、-0.4、-0.5、-0.6、-0.7、-0.8、-0.9、-1、-1.1、-1.2、-1.3、-1.4、-1.5、-2、-2.5、-3、-3.5、-4、-4.5、-5℃のいずれか一つの速度で低下させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、チャンバーの温度を、約-150℃、-152℃、-154℃、-156℃、-158℃、-160℃、-162℃、-164℃、-166℃、-168℃、-170℃、-172℃、-174℃、-176℃、-178℃、-180℃、-182℃、-184℃、-186℃、-188℃、-190℃、またはそれらの間の任意の温度または範囲に、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60分またはそれらの間の任意の時間間隔または範囲の間、維持することを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、製剤は、以下を含むプロセスにより凍結保存(例えば、冷凍)される:a)製剤をチャンバー内に置くこと、b)チャンバーの温度を約-3℃に低下させること、c)チャンバーの温度を約-20℃/分の速度で約-140℃に低下させること、d)チャンバーの温度を、約-1.5℃/分の速度で約-150℃に低下させること、e)チャンバーの温度を、約-1.0℃/分の速度で約-170℃に低下させること、およびf)チャンバーの温度を-170℃に少なくとも約10分間保持すること。
【0132】
抗原
本明細書に記載の方法、製剤またはバイアルによるいくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原は、外因性抗原である。本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、外因性抗原は、HPV抗原である。パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する小さな非エンベロープDNAウイルスである。100を超えるHPV遺伝子型が完全に特徴付けられ、より高い数が存在するものと推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびにいくつかの外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの公知の原因である。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、発癌性HPV型の一つによる持続性感染は、前がんまたはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、尋常性いぼ、足底いぼ、扁平いぼ、肛門性器いぼ、肛門病変、表皮異形成、局所性上皮肥厚、口腔パピローマ、いぼ状嚢胞、喉頭パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内腫瘍(VAIN)が挙げられ得る。公知のHPV型の多くは、サブセットが発がん性である良性病変を引き起こす。疫学的および系統学的な関係に基づくと、HPVの型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「潜在的な高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがんとして、ならびに他の肛門性器がん、例えば外陰部がん、膣がん、陰茎がん、肛門がんおよび肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16およびHPV18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81型)が、良性かつ低悪性度の子宮頸部変化、生殖器いぼ、および再発性呼吸器パピローマとして現れることが知られている。皮膚型HPVの5型、8型、および92型は、皮膚がんに関連している。いくつかのHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Suresh and Burtness,Am J Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、同じおよびまたは異なる抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原に対して向けられる免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPVが、HPV-16またはHPV-18である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するHLA-A2拘束性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HLA-A2拘束性ペプチドは、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HLA-A2拘束性ペプチドは、配列番号18~25のいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原が、配列番号18~25のいずれか一と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号2と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号20のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号21のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号22のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号23のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号24のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号25のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列の少なくとも一つを含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列の2、3、4、5、6、7、または8を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号19と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列、および配列番号23と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号19のアミノ酸配列、および配列番号23のアミノ酸配列を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれる。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれるものであり、各ペプチドは、一以下の抗原を含む。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれるものであり、配列番号19のアミノ酸配列と配列番号23のアミノ酸配列とが、別個のペプチド内に含有される。
【0133】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプール中にある。いくつかの実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原に対して向けられる免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPV抗原と一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A11-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-B7-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-C8-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、完全長HPVタンパク質のN末端ドメインの一部または全てを含む。
【0134】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、AACは、複数の免疫原性エピトープを含む複数のHPV抗原を含む。さらなる実施形態では、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含むAACを個体に投与した後、当該複数の免疫原性エピトープのいずれもが、他の免疫原性エピトープのいずれかに対する個体における免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、ポリペプチドであり、また免疫原性エピトープは、免疫原性ペプチドエピトープである。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドエピトープは、N末端の隣接ポリペプチドおよび/またはC末端の隣接ポリペプチドと縮合する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、免疫原性ペプチドエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、N末端および/またはC末端で異種ペプチド配列に隣接する免疫原性ペプチドエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、疾患関連免疫原性ペプチドに由来する。いくつかの実施形態では、上記隣接異種ペプチド配列は、天然に存在しない配列である。いくつかの実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、免疫原性の合成長鎖ペプチド(SLP)に由来する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0135】
アジュバント
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を直接的にまたは間接的にのうちのどちらかで調節するおよび/または生じる物質を指すことができる。本発明のいくつかの実施形態では、アジュバントは、RBCもしくはRBC由来小胞の集団などの無核細胞または無核由来小胞の集団に細胞内で送達され(すなわち、狭窄処理の前、間、および/または後であるが個体への投与前に、細胞または小胞をアジュバントとインキュベーション)、アジュバントを含むAACを形成する。いくつかの例では、アジュバントは、HPV抗原単独と比較して、HPV抗原に対する免疫応答を増強するHPV抗原と併せて投与される。したがって、アジュバントを使用して、変異型Ras抗原に対する免疫細胞応答(例えば、T細胞応答)の誘発を押し上げることができる。例示的なアジュバントとしては、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)アゴニスト、ならびにTLR3、TLR4、TLR7、TLR8、および/またはTLR9のアゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアジュバントには、CpG ODN、インターフェロン-α(IFN-α)、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、イミキモド(R837)、レシキモド(R848)、またはリポ多糖(LPS)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。特定の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、上記アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、上記CpG ODNは、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODN、またはクラスC CpG ODNである。いくつかの実施形態では、上記CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1018、CpG ODN 1585、CpG ODN 2216、CpG ODN 2336、CpG ODN 1668、CpG ODN 1826、CPG ODN 2006、CpG ODN 2007、CpG ODN BW006、CpG ODN D-SL01、CpG ODN 2395、CpG ODN M362、CpG ODN D-SL03の群からの選択を含む。いくつかの実施形態では、上記CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1826(TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号30))、またはCpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号31))オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記アジュバントは、CpG 7909である。いくつかの実施形態では、RIG-Iアゴニストは、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用で使用して、免疫応答の惹起を増強することもできる。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むAACは、複数のアジュバントをさらに含む。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用で使用して、免疫応答の惹起を増強することもできる。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むAACは、複数のアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むAACは、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストの任意の組み合わせをさらに含む。
【0136】
抗原およびアジュバントを含むAACの組成物の生成に使用される狭窄部
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを含む製剤を提供する。いくつかの実施形態では、無核細胞は、RBCまたは血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、赤血球または網赤血球である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、AACの組成物を受ける個体に対して自己である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、AACの組成物を受ける個体に対して自己である。いくつかの実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原は、細胞内で無核細胞に送達される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、細胞内で無核細胞に送達される。ペイロードを無核細胞に導入する方法は、当該技術分野で公知である。
【0137】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、細胞の膜に一過性の細孔が導入され、それによりHPV抗原が細胞に入ることができるように、細胞を狭窄部に通過させることによって無核細胞に導入される。細胞への化合物の狭窄ベースの送達の例は、国際公開第2013/059343号、国際公開第2015/023982号、国際公開第2016/070136号、国際公開第2017041050号、国際公開第2017008063号、国際公開第2017/192785号、国際公開第2017/192786号、国際公開第2019/178005号、国際公開第2019/178006号、国際公開第2020/072833号、国際公開第2020/154696号,および国際公開第2020/176789号、米国特許出願公開第20180142198号、および米国特許出願公開第20180201889号により示されている。
【0138】
いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントは、無核細胞(例えば、RBC)を含む細胞懸濁液を狭窄部に通過させることによって、無核細胞に送達され、本発明のAACを生成し、狭窄部は細胞を変形させ、それにより、HPV抗原およびアジュバントが細胞に入るように細胞の摂動を引き起こす。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含まれる。いくつかの実施形態では、複数の狭窄部を、マイクロ流体チャネル内で並列および/または直列に配置することができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部は、入口部分、中心点、および出口部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の長さ、深さ、および幅は、変化し得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の幅は、無核細胞の直径の関数である。無核細胞の直径を決定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、ハイコンテントイメージング、細胞カウンター、またはフローサイトメトリーである。
【0140】
HPV抗原の無核細胞由来小胞への狭窄に基づく送達のいくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約10μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1μm~約4μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1μm~約3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.5μm~約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.2μm~約2.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm~約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.5μm~約2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約3.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μmである。
【0141】
AACへの化合物の送達に影響を与え得るパラメータの例には、これらに限定されないが、狭窄部の寸法、狭窄部の入射角、狭窄部の表面特性(例えば、粗さ、化学修飾、親水性、疎水性など)、動作時の流速(例えば、狭窄部を通過する細胞の通過時間)、細胞濃度、細胞懸濁液中の化合物の濃度、細胞懸濁液中の緩衝液、および狭窄部を通過した後にAACが回復またはインキュベートする時間の量が含まれ、これらは送達された化合物の無核細胞由来小胞内への通過に影響を与え得る。AACへの化合物の送達に影響を与える追加のパラメータとしては、狭窄部内のインプット無核細胞の速度、狭窄部内のせん断速度、細胞懸濁液の粘度、流速に垂直な速度成分、および狭窄部内での時間を挙げることができる。加えて、直列および/または並列のチャネルを含む複数のチップは、無核細胞由来小胞への送達に影響を与え得る。複数のチップを並列にすることは、スループットを増強するために有用であり得る。このようなパラメータは、上記化合物の送達を制御するように設計することができる。いくつかの実施形態では、上記細胞濃度は、約10~少なくとも約1012細胞個/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲である。いくつかの実施形態では、送達化合物濃度は、約10ng/mLから約1g/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。いくつかの実施形態では、送達化合物濃度は、約1pMから少なくとも約2Mの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約10mMである。例えば、いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のいずれかである。いくつかの実施形態では、P無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約10mMを超える。いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約0.1μM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのいずれかである。いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約1mMである。いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約10μMである。いくつかの実施形態では、無核細胞またはAACとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約1μMである。
【0143】
いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約0.01μM~約10mMである。例えば、いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約0.01μM、約0.1μM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mM、または約10mM未満のいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約10mMを超える。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約0.01μM~約0.1μM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約0.1μM~約1mMである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、約0.1μM~約10μMである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原の濃度は、1μMである。
【0144】
いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えばいくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。いくつかの実施形態では、摂動インプット無核細胞とインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0145】
いくつかの実施形態では、AACは、約1nM~約1mMの濃度のアジュバントを含む。例えば、いくつかの実施形態では、AACは、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のいずれかの濃度のアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、約10mMを超える濃度のアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、約1nM~約10nM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのいずれかの濃度のアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、約0.1μM~約1mMの濃度のアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、AACは、約1μMの濃度のアジュバントを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、AACは、約1nM~約1mMの濃度の少なくとも一つ抗原を含む。例えば、いくつかの実施形態では、AACは、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のいずれかの濃度の少なくとも一つ抗原を含む。いくつかの実施形態では、AACは、約10mMのいずれかよりも高い濃度の少なくとも一つの抗原を含む。いくつかの実施形態では、AACは、約1nM~約10nM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのいずれかの濃度の少なくとも一つの抗原を含む。いくつかの実施形態では、AACは、約0.1μM~約1mMの濃度の少なくとも一つ抗原を含む。いくつかの実施形態では、AACは、約1μMの濃度の少なくとも一つ抗原を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、AAC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えばいくつかの実施形態では、AAC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、AAC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。いくつかの実施形態では、AAC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0148】
AACの特徴および抗原提示細胞による内在化
本明細書に記載される方法、バイアル、または製剤のいずれか一つによる実施形態では、AACは、以下を含むプロセスにて生成される:a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させること、b)少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間、摂動インプット無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントとインキュベートし、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成すること。いくつかの実施形態では、ペイロード(HPV抗原およびアジュバントなど)を含むAACは、インプット無核細胞と比較して異なる特徴を示す。いくつかの実施形態では、ペイロード(HPV抗原およびアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、他の送達方法(溶血性負荷またはエレクトロポレーションなど)によって導入されたペイロードを含む無核細胞と比較して異なる特徴を示す。
【0149】
いくつかの実施形態では、哺乳動物への投与後のAACの半減期は、哺乳動物への投与後のインプット無核細胞の半減期と比較して減少する。いくつかの実施形態では、AACのヘモグロビン含有量は、インプット無核細胞のヘモグロビン含有量と比較して減少する。いくつかの実施形態では、AACのATP産生は、インプット無核細胞のATP産生と比較して減少する。いくつかの実施形態では、AACは球状形態を示す。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、AACは、インプット赤血球と比較して減少した両凹形状を有する。いくつかの実施形態では、AACは赤血球ゴーストである。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製されたAAC胞は、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約1.5倍を超えるホスファチジルセリンを有する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製されたAACの集団プロファイルは、インプット無核細胞と比較して、表面上でより高い平均ホスファチジルセリンレベルを呈する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製された少なくとも50%以上のAACの集団プロファイルは、インプット無核細胞と比較して、表面上でより高いホスファチジルセリンレベルを呈する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、組織または細胞において優先的な取り込みを示す。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、食細胞および/または抗原提示細胞において優先的な取り込みを示す。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、組織または細胞における取り込みを増強するように修飾される。いくつかの実施形態では、AACは、修飾されていない無核細胞由来小胞と比較して、食細胞および/または抗原提示細胞における取り込みを増強するように修飾される。いくつかの実施形態では、食細胞および/または抗原提示細胞は、樹状細胞またはマクロファージの一つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組織または細胞は、肝臓または脾臓の一つ以上を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、その表面上にCD47を含む。
【0150】
AACを生成するための上記の方法のいくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含まれる。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルは、複数の狭窄部を含む。いくつかの実施形態では、複数の狭窄部は、直列および/または並列に配置される。いくつかの実施形態では、狭窄部は、複数のマイクロピラーの間、アレイに構成された複数のマイクロピラーの間、または一つ以上の移動可能なプレートの間である。いくつかの実施形態では、狭窄部は、細孔であるか、または細孔内に含まれる。いくつかの実施形態では、細孔は、表面内に含まれる。いくつかの実施形態では、表面は、フィルタである。いくつかの実施形態では、表面は、膜である。いくつかの実施形態では、狭窄部サイズは、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数である。いくつかの実施形態では、狭窄部サイズは、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約70%である。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約0.25μm~約4μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μm、または約0.25μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約2.2μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiの範囲の圧力下で狭窄部を通過する。いくつかの実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄部を通過する前に、同時発生的に、または後に少なくとも一つの抗原と接触する。
【0151】
いくつかの実施形態では、ペイロード(例えば、少なくとも一つのHPV抗原およびアジュバント)を含むAACは、インプット無核細胞から調製され、当該AACは、以下の特性の一つ以上を有する:(a)哺乳動物における循環半減期が、インプット無核細胞と比較して低減する、(b)インプット無核細胞と比較して低減したヘモグロビンレベル、(c)球状形態、(d)インプット無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)インプット無核細胞と比較して減少したATP産生。
【0152】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球または血小板である。いくつかの実施形態では、赤血球は、赤血球または網赤血球である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、組成物を受ける個体に対して自己である。いくつかの実施形態では、無核細胞は、組成物を受ける個体に対して自己である。
【0153】
いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるAACの循環半減期は、インプット無核細胞と比較して減少する。いくつかの実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプット無核細胞と比較して、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%を超えて減少する。
【0154】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞であり、AACの循環半減期は、約1分、約2分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約10日、約25日、約50日、約75日、約100日、約120日未満である。
【0155】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、AAC中のヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して減少する。いくつかの実施形態では、AACにおけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、または約100%減少する。いくつかの実施形態では、AACにおけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞におけるヘモグロビンのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%である。
【0156】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、AACは、形態的に球状である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、AACは、インプット無核細胞と比較して減少した両凹形状を有する。
【0157】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球またはエリスロサイトであり、AACは、赤血球ゴースト(RBCゴースト)である。
【0158】
いくつかの実施形態では、AACは、その表面にCD47を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、増加した表面ホスファチジルセリンレベルを有する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製されたAAC胞は、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約1.5倍を超えるホスファチジルセリンを有する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、約100%、または約100%以上のホスファチジルセリンを有する。
【0160】
いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、減少したATP産生を有する。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞によって産生されるATPのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%未満でATPを産生する。いくつかの実施形態では、AACはATPを産生しない。
【0161】
いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、組織または細胞において増強された取り込みを示す。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞の取り込みと比較して、肝臓もしくは脾臓における、または食細胞もしくは抗原提示細胞による優先的な取り込みを示す。
【0162】
いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞と比較して、組織または細胞における取り込みを増強するように更に修飾される。いくつかの実施形態では、AACは、インプット無核細胞の取り込みと比較して、肝臓もしくは脾臓における、または食細胞もしくは抗原提示細胞による取り込みを増強するように更に修飾される。
【0163】
いくつかの実施形態では、AACは、肝臓もしくは脾臓における、または食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増強された取り込みを示し、AACの内在化は、食細胞または抗原提示細胞の成熟マーカーの増加した発現をもたらす。いくつかの実施形態では、食細胞および/または抗原提示細胞は、単球由来樹状細胞(MODC)である。いくつかの実施形態では、成熟マーカーは、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上である。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上の発現は、HPV抗原を含むAACと接触していない食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、HPV抗原を含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上の発現は、インプット無核細胞と接触した食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、HPV抗原を含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。
【0164】
いくつかの実施形態では、HPV抗原、またはHPV抗原およびアジュバントを含むAACは、肝臓もしくは脾臓における、または食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増加された取り込みを示し、当該AACの内在化は、無核細胞由来小胞内に含まれるHPV抗原の増加した提示をもたらす。いくつかの実施形態では、HPV抗原の提示は、他の送達方法(溶血性負荷などであるが、これに限定されない)によって導入された同じHPV抗原を含む対応する無核細胞と接触した食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、HPV抗原を含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。
【0165】
いくつかの実施形態では、HPV抗原、またはHPV抗原およびアジュバントを含むAACは、肝臓もしくは脾臓における、または食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増加された取り込みを示し、当該AACの内在化は、当該食細胞および/または抗原提示細胞が抗原特異的免疫応答を誘導する増加した能力をもたらす。いくつかの実施形態では、HPV抗原、またはHPV抗原およびアジュバントを含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞によって媒介される抗原特異的免疫応答は、インプット無核細胞と接触した食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。いくつかの実施形態では、HPV抗原、またはHPV抗原およびアジュバントを含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞によって媒介される抗原特異的免疫応答は、他の送達方法(溶血性負荷などであるが、これに限定されない)によって導入された同じHPV抗原を含む無核細胞と接触した食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、抗原特異的CD4+T細胞応答である。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、抗原特異的CD8+T細胞応答である。
【0166】
いくつかの実施形態では、個体は、HLA-A*02、HLA-A*01、HLA-A*03、HLA-A*24、HLA-A*11、HLA-A*26、HLA-A*32、HLA-A*31、HLA-A*68、HLA-A*29、HLA-A*23、HLA-B*07、HLA-B*44、HLA-B*08、HLA-B*35、HLA-B*15、HLA-B*40、HLA-B*27、HLA-B*18、HLA-B*51、HLA-B*14、HLA-B*13、HLA-B*57、HLA-B*38、HLA-C*07、HLA-C*04、HLA-C*03、HLA-C*06、HLA-C*05、HLA-C*12、HLA-C*02、HLA-C*01、HLA-C*08、および/またはHLA-C*16に陽性である。
【0167】
本明細書に記載される方法、組成物、または使用のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、食細胞は、HLA-A*02、HLA-A*01、HLA-A*03、HLA-A*24、HLA-A*11、HLA-A*26、HLA-A*32、HLA-A*31、HLA-A*68、HLA-A*29、HLA-A*23、HLA-B*07、HLA-B*44、HLA-B*08、HLA-B*35、HLA-B*15、HLA-B*40、HLA-B*27、HLA-B*18、HLA-B*51、HLA-B*14、HLA-B*13、HLA-B*57、HLA-B*38、HLA-C*07、HLA-C*04、HLA-C*03、HLA-C*06、HLA-C*05、HLA-C*12、HLA-C*02、HLA-C*01、HLA-C*08、および/またはHLA-C*16のハプロタイプを有するヒト細胞である。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞は、HLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、またはHLA-C*08のハプロタイプを有するヒト細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞および/または抗原提示細胞によって提示されるHPV抗原は、HLA-A2特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞および/または抗原提示細胞によって提示されるHPV抗原は、HLA-A11特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞および/または抗原提示細胞によって提示されるHPV抗原は、HLA-B7特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞および/または抗原提示細胞によって提示されるHPV抗原は、HLA-C8特異的エピトープから構成される。
【0168】
いくつかの実施形態では、方法は、HPV抗原およびアジュバントを含むAACを個体に投与することを含み、AACは、食細胞および/または抗原提示細胞によって取り込まれる。いくつかの実施形態では、AACは、食細胞および/もしくは抗原提示細胞によって取り込まれ、当該AACの内在化は、食細胞または抗原提示細胞の成熟マーカーの発現の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、食細胞および/または抗原提示細胞は、単球由来樹状細胞(MODC)である。いくつかの実施形態では、成熟マーカーは、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上である。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上の発現は、HPV抗原を含むAACと接触していない食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、HPV抗原を含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの一つ以上の発現は、インプット無核細胞と接触した食細胞および/または抗原提示細胞と比較して、HPV抗原を含むAACと接触した食細胞および/または抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍、またはそれ以上のいずれか一つで増加する。
【0169】
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、無核細胞由来小胞の調製中に、(a)熱処理、(b)化学処理されず、および/または(c)低張条件もしくは高張条件に供されなかった。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、インプット無核細胞からのAACの調製中に維持された。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、約200mOsm~約600mOsmに維持された。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、約200mOsm~約400mOsmに維持された。
【0170】
システムおよびキット
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に開示される方法で使用するための、狭窄部、無核細胞懸濁液、抗原、またはアジュバントの一つ以上を含むシステムを提供する。このシステムは、上記において開示した方法で説明したあらゆる実施形態を含むことができ、これには、細胞変形狭窄部を提供するマイクロ流体チャネルもしくは細孔を有する面、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータ、化合物、および/またはアプリケーションなどが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞変形狭窄部は、無核細胞への送達のためにサイズ設定される。いくつかの実施形態では、動作時の流速、細胞および化合物の濃度、狭窄部内の細胞の速度、ならびに細胞懸濁液の組成(例えば、モル浸透圧濃度、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pHなど)などの送達パラメータは、免疫応答を抑制するかまたは寛容を誘導するための化合物の応答が最大になるように最適化される。
【0171】
また、HPVに関連するがんを有する個体の治療において使用するための製作のキットまたは物品も提供する。いくつかの実施形態では、キットは、細胞内に抗原および細胞内にアジュバントを含むAACを含む。いくつかの実施形態では、キットは、がんなどのHPVに関連する疾患を有する個体の治療において使用するためのAACの生成において使用するための、狭窄部、無核細胞懸濁液、HPV抗原、またはアジュバントの一つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、適したパッケージ内に、本明細書に記載の組成物(例えば、細孔を含むマイクロ流体チャネルもしくは面、細胞懸濁液、および/または化合物)を含む。適したパッケージ材料は当技術分野で公知であり、そのようなものとしては例えば、バイアル(密閉バイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージ(例えば、密閉のマイラーバッグまたはプラスチックバッグ)などが挙げられる。これらの製造品はさらに、滅菌および/または密封されてもよい。
【0172】
本発明はまた、本明細書に記載される方法の構成要素を含むキットを提供し、HPVに関連するがんを有する個体を治療する方法を実施するための指示、ならびに/またはHPV抗原およびアジュバントを無核細胞に導入するための指示を更に含み得る。本明細書に記載のキットは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するための指示、例えばHPVに関連するがんを有する個体を治療するための指示、または細胞内にHPV抗原および細胞内にアジュバントを含有させるようにAACを生成するための指示を伴う、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、および添付文書をはじめとする他の材料をさらに含み得る。
【0173】
例示的な実施形態
実施形態1.
活性化抗原担体(AAC)を含む医薬製剤であって、製剤が、
a)AACであって、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む、AACと、
b)凍結保存培地と、を含む、医薬製剤。
【0174】
実施形態2.
製剤が、約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含む、実施形態1に記載の医薬製剤。
【0175】
実施形態3.
製剤が、約7×109個のAACを含む、実施形態1または2に記載の医薬製剤。
【0176】
実施形態4.
製剤が、凍結前に約7×109個のAACを含む、実施形態1~3のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0177】
実施形態5.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤が、解凍後に約9×109個のAACを含む、実施形態1~4のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0178】
実施形態6.
製剤が、約0.
5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む、実施形態1~5のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0179】
実施形態7.
製剤が、約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態1~6のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0180】
実施形態8.
製剤が、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態1~7のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0181】
実施形態9.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤が、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む、実施形態1~8のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0182】
実施形態10.
AACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACが機能的である、実施形態1~9のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0183】
実施形態11.
製剤中のAACが、約70%以上の機能性を維持する、実施形態1~10のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0184】
実施形態12.
製剤が、約1×108個/mL~約1×109個/mLの機能性AACを含む、実施形態1または2のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0185】
実施形態13.
AACの集団の少なくとも約70%、80%、90%、または95%のAACが、アネキシン染色が陽性である、実施形態1~12のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0186】
実施形態14.
約70%以上の機能性を維持する製剤中のAACは、アネキシン染色が陽性である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0187】
実施形態15.
アネキシンがアネキシンVである、実施形態13または14に記載の医薬製剤。
【0188】
実施形態16.
凍結保存培地がジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、実施形態1~15のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0189】
実施形態17.
凍結保存培地が、約0.5%~約5%のDMSOを含む、実施形態1~16のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0190】
実施形態18.
凍結保存培地が、約2%のDMSOを含む、実施形態1~17のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0191】
実施形態19.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、実施形態1~18のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0192】
実施形態20.
製剤のpHが、約6.0~約8.5である、請求項1~19のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0193】
実施形態21.
製剤のpHが、約7.6である、請求項1~20のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0194】
実施形態22.
AACの医薬製剤であって、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH6.0~約pH8.5である、医薬製剤。
【0195】
実施形態23.
AACの医薬製剤であって、製剤は、凍結保存培地中に約0.5×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である、医薬製剤。
【0196】
実施形態24.
製剤が、凍結前に約7×109個のAACを含む、実施形態22または23に記載の医薬製剤。
【0197】
実施形態25.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤が、解凍後に約9×109個の細胞を含む、実施形態22~25のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0198】
実施形態26.
製剤が、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む、実施形態22~25のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0199】
実施形態27.
製剤が、約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態22~26のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0200】
実施形態28.
製剤が、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態22~27のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0201】
実施形態29.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤が、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む、実施形態22~28のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0202】
実施形態30.
AACの医薬製剤であって、製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該製剤のpHは約pH7.6である、医薬製剤。
【0203】
実施形態31.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、実施形態22~30のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0204】
実施形態32.
製剤が、無菌である、実施形態1~31のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0205】
実施形態33.
製剤が、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む、実施形態1~32のいずれか一つに記載の医薬製剤。
【0206】
実施形態34.
製剤は、マイコプラズマを含まない、実施形態1~33のいずれか一つに記載の製剤。
【0207】
実施形態35.
少なくとも一つの抗原が、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原である、実施形態1~34のいずれか一つに記載の製剤。
【0208】
実施形態36.
HPVが、HPV-16またはHPV-18である、実施形態35に記載の製剤。
【0209】
実施形態37.
抗原が、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む、実施形態35または36に記載の製剤。
【0210】
実施形態38.
抗原が、HPV E6に由来するペプチドおよびHPV E7に由来するペプチドを含む、実施形態35~37のいずれか一つに記載の製剤。
【0211】
実施形態39.
抗原が、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、実施形態35~38のいずれか一つに記載の製剤。
【0212】
実施形態40.
抗原が、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、実施形態35~39のいずれか一つに記載の製剤。
【0213】
実施形態41.
AACが、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原および配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原を含む、実施形態35~40のいずれか一つに記載の製剤。
【0214】
実施形態42.
アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである、実施形態1~41のいずれか一つに記載の製剤。
【0215】
実施形態43.
アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、実施形態42に記載の製剤。
【0216】
実施形態44.
少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させることと、
b)摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントと、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間、インキュベートし、それによって、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成することと、を含む、プロセスにより調製される、実施形態1~43のいずれか一つに記載の製剤。
【0217】
実施形態45.
狭窄部の幅が、約1.6μm~約2.4μmまたは約1.8μm~約2.2μmである、実施形態44に記載の方法。
【0218】
実施形態46.
インプット無核細胞が、赤血球である、実施形態44または45に記載の方法。
【0219】
実施形態47.
実施形態1~46のいずれか一つに記載の医薬製剤を含む、バイアル。
【0220】
実施形態48.
医薬製剤を含むバイアルであって、当該医薬製剤は、凍結保存培地中に約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH6.0~約pH8.5である、バイアル。
【0221】
実施形態49.
医薬製剤を含むバイアルであって、当該医薬製剤は、凍結保存培地中に約1×109個のAAC~約1×1010個のAACを含み、AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【0222】
実施形態50.
製剤が、凍結前に約7×109個のAACを含む、実施形態48または49に記載のバイアル。
【0223】
実施形態51.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約9×109個の細胞を含む、実施形態48~50のいずれか一つに記載のバイアル。
【0224】
実施形態52.
製剤が、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む、実施形態48~51のいずれか一つに記載のバイアル。
【0225】
実施形態53.
製剤が、約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態48~52のいずれか一つに記載のバイアル。
【0226】
実施形態54.
製剤が、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態48~53のいずれか一つに記載のバイアル。
【0227】
実施形態55.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む、実施形態48~54のいずれか一つに記載のバイアル。
【0228】
実施形態56.
医薬製剤を含むバイアルであって、当該医薬製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含みAACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【0229】
実施形態57.
AACは、約9.5mLの凍結保存培地中に存在する、実施形態48~56または39のいずれか一つに記載のバイアル。
【0230】
実施形態58.
医薬製剤を含むバイアルであって、当該医薬製剤は、約9.5mLの凍結保存培地中に約7×109個のAACを含みAACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、製剤のpHは約pH7.6である、バイアル。
【0231】
実施形態59.
製剤は、無菌である、実施形態47~58のいずれか一つに記載のバイアル。
【0232】
実施形態60.
AACの医薬製剤を作成する方法であって、当該方法は、凍結保存培地を当該AACに加えることを含み、当該AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含む、方法。
【0233】
実施形態61.
AACの医薬製剤を作成する方法であって、当該AACは少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含み、当該方法が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動無核細胞を形成する、通過させることと、
b)摂動無核細胞を、少なくとも一つの抗原およびアジュバントと、少なくとも一つの抗原およびアジュバントが摂動無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間インキュベートし、それによって、少なくとも一つの抗原およびアジュバントを含むAACを生成することと、
c)当該AACを洗浄することと、
d)当該AACを凍結保存培地中で製剤化することと、を含む、方法。
【0234】
実施形態62.
狭窄部の幅が、約1.6μm~約2.4μm、または約1.8μm~約2.2μmである、実施形態61に記載の方法。
【0235】
実施形態63.
AACを約6回洗浄する、実施形態61または62に記載の方法。
【0236】
実施形態64.
AACは、遠心分離および再懸濁によって、または遠心分離および濾過によって洗浄される、実施形態61~63のいずれか一つに記載の方法。
【0237】
実施形態65.
遠心分離が、約4000rpmである、実施形態64に記載の方法。
【0238】
実施形態66.
約1×109個のAAC~約1×1010個のAACが、約9mL~約10mLの凍結保存培地中で製剤化される、実施形態61~65のいずれか一つに記載の方法。
【0239】
実施形態67.
医薬製剤が、凍結前に約7×109個のAACを含む、実施形態66に記載の方法。
【0240】
実施形態68.
製剤が、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約9×109個の細胞を含む、実施形態66または67のいずれか一つに記載の方法。
【0241】
実施形態69.
製剤が、約0.5×109個/mLのAAC~約1×109個/mLのAACを含む、実施形態66~68のいずれか一つに記載の方法。
【0242】
実施形態70.
製剤が、約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態66~69のいずれか一つに記載の方法。
【0243】
実施形態71.
製剤が、凍結前に約0.7×109個/mLのAACを含む、実施形態66~70のいずれか一つに記載の方法。
【0244】
実施形態72.
製剤は、以前に凍結されたAACを含み、当該製剤は、解凍後に約1×109個/mLのAACを含む、実施形態66~71のいずれか一つに記載の方法。
【0245】
実施形態73.約7×109個のAACが、約10mLの凍結保存培地中で製剤化される、実施形態66~72のいずれか一つに記載の方法。
【0246】
実施形態74.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS2である、実施形態66~73のいずれか一つに記載の方法。
【0247】
実施形態75.
インプット無核細胞が、赤血球である、実施形態61~74のいずれか一つに記載の方法。
【0248】
実施形態75.
方法が、約-170℃でAACの製剤を凍結することをさらに含む、実施形態60~75のいずれか一つに実施形態に記載の方法。
【0249】
実施形態76.
AACの製剤が、
a)製剤をチャンバー内に置くことと
b)チャンバーの温度を、約-3℃に低下させることと
c)チャンバーの温度を、約-20℃/分の速度で約-140℃に低下させることと
d)チャンバーの温度を、約1.5℃/分の速度で約-150℃に低下させることと
e)チャンバーの温度を、約1.0℃/分の速度で約-170℃に低下させることと
f)チャンバーの温度を、約-170℃に少なくとも約10分間維持することと、を含むプロセスにより凍結される、実施形態75に記載の方法。
【実施例】
【0250】
当業者は、一部の実施形態が本発明の範囲および趣旨の範疇で可能であることを認識するものとなる。これより、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をより詳細に記述する。以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然のことながら、形はどうあれその範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0251】
実施例1 AAC-HPVの開発
AAC-HPV原薬製造プロセスの開発については、健康なドナーから採取された全血を使用してプロセス開発試験を実施し、冷蔵条件(2~8℃)で一晩で製造業者に発送した。
全血希釈
【0252】
製造室で血液バッグを受け取った際に、出発物質情報を製造バッチ記録と照合して検証した。血液バッグから試料を無菌で回収し、血液分析器を介して全血球計算(CBC)測定値を、情報のみのために取得する。また、コールターベースの細胞カウンターを使用してRBC数を取得する。RBCの総数の暫定基準は、≧5×1011の総RBCである。
【0253】
試料収集後、開始全血をRPMI+5%DMSO(希釈媒体)で希釈し、LOVO細胞洗浄システムでの処理のために細胞濃度を減少させた。希釈媒体は5%のDMSOを含み、このユニット操作の下流の送達プロセスで使用されるSLPおよびアジュバントの溶解に必要な媒体と類似している。
【0254】
LOVO細胞洗浄前の全血希釈比
全血希釈比の評価を実施した。この評価の目的のために、いくつかの健康なドナーから採取された全血を、異なる比率で希釈媒体で希釈し、LOVO上で処理した。この評価には、血小板除去のために機器ベンダー(Fresenius Kabi)が推奨するLOVOパラメータを使用した。細胞洗浄後、採取した生成物を細胞数について評価し、RBCの段階的な回収を計算した。異なる全血希釈率評価からのRBC回収結果を、表1に示す。示される測定値は、コールターベースの細胞計数または血液分析器を使用した全血球計算のいずれかから取得された。
【表1】
【0255】
表1に示されるように、1:3~1:9の希釈比はすべて、LOVOプロセスにわたって類似のRBC回収率を示す。SQZ-AAC-HPVプロセスでは、予想される患者出発物質(抗凝固剤を含む全血)の量は260~270mLであり、製造プロセスを簡略化するために希釈媒体の体積を1Lに設定した。全血希釈工程の最終パラメータを表2に示す。全血希釈後、中間生成物を、無菌の単回使用40μm血液フィルタを通して重力濾過し、全ての潜在的な細胞凝集体を除去する。
【表2】
a患者の出発物質には、追加でおよそ60~70mLの抗凝固剤が加えられ、予想される容量の合計は260~270mLとなる。
【0256】
RBC精製およびペプチド+アジュバント導入
希釈血液バッグから試料を無菌で回収し、RBCを計数した。次いで、希釈された血液をLOVO細胞洗浄システムで処理し、細胞は、50μM E6 SLP、250μM E7 SLPおよび5%DMSOを有するRPMI 1640媒体中の1.5mg/mLのポリI:Cの、無菌の濾過された混合物(送達媒体と称される)で洗浄され、血小板が除去される。血小板除去後、細胞をLOVOシステムを使用して送達媒体で再懸濁した。送達媒体での再懸濁に続いて、白血球を除去する白血球除去フィルタを通して、生産工程内材料を無菌処理し、送達媒体中に精製されたRBC懸濁液を得た。次いで、精製細胞懸濁液を、RBC数およびWBCおよび血小板を捕捉する全血球計算(FIO)について評価した。すべての処理は、環境条件で行われた。
【0257】
RBC精製-血小板除去およびペプチド+アジュバント導入
全血の希釈後、RBCを洗浄し、環境条件下でLOVOシステムを使用して送達媒体で再懸濁した。LOVOシステムは、4μmのスピニングメンブレンからなる単回使用のLOVOキットを利用し、RBCの回収を最大化しながら血小板の除去を可能にする。可変入口および出口流量を使用して、LOVOシステムは、細胞の洗浄および濃縮を可能にする。LOVOシステムで、送達媒体を用いてRBCを洗浄および再懸濁するために使用する処理パラメータは、機器ベンダー(Fresenius Kabi社)によって提供された。ベンダーが提供した推奨パラメータは、開発活動中に評価された。
【0258】
血小板除去およびRBC回収の評価を、7人の異なる健康なドナーから採取したLOVOプロセスにわたって行った。ユニット動作は、
図1に示すように89.12±5.75%の平均RBC回収および74.56±10.52%の平均血小板除去を示した。血小板除去のためのLOVO処理パラメータを表3に提供する。
【表3】
【0259】
RBC精製-白血球除去(WBC除去)
RBCの洗浄および送達媒体への再懸濁の後、中間生成物は、環境条件において、無菌の単回使用白血球除去濾過アセンブリを通して濾過される。濾過アセンブリは、白血球除去フィルタ(LRF)、40μmの血液フィルタ、および直列に組み立てられた18μmの血液フィルタからなる。白血球除去濾過アセンブリは、WBC、および任意の潜在的な細胞凝集体の除去を可能にする。白血球除去フィルタはまた、非特異的な様式で血小板を除去することも注目されている。白血球除去濾過工程を用いた最初の試験ランは、他の取り扱いの前に、受入ドナー全血を白血球除去しようと試みたが、濾過時間が、法外に長いことが観察された。最終的に、LOVO上で最初のRBC精製が行われた後に、濾過時間を<5分に短縮した、白血球除去工程が最も適していると判定された。
【0260】
図2は、LOVO上の送達媒体での細胞洗浄および再懸濁、ならびに白血球除去フィルタを介した精製を含む、RBC精製工程にわたるn=11のランのRBC、血小板、およびWBCの平均全体的回収率を示す。データは、後続の処理工程におけるペプチドおよびアジュバント送達のための調製における適切なRBC精製を示す。
【0261】
ペプチド(E6およびE7 SLP)およびアジュバント(ポリI:C)送達
RBC送達プロセスの開発には、2.2μmの狭窄部を有するマイクロ流体チップを使用した。マイクロ流体チップを、前臨床試験中に使用されるチップ狭窄幅と整列するように選択した。送達工程前のAAC-HPVの製造中の生産工程内に残された少数の残留WBC(
図2を参照)は、チップを詰まらせないことに留意されたい。
【0262】
適切な送達パラメータを特定するための予備的研究を、代理送達材料として蛍光標識されたOvalbumin(Ovalbumin 647)を用いて実施した。最初の設計空間が確立されると、蛍光標識されたE6およびE7 SLP(FAM-E6およびFAM-E7)を用いて検証試験が実施された。ポリI:Cも送達材料として使用されたが、蛍光標識されたポリI:Cは入手できなかったため、これらの試験では測定されなかった。
E6 SLP:QLCTELQTTIHDIILECVYCKQQLL(配列番号19)
E7 SLP:QLCTELQTYMLDLQPETTYCKQQLL(配列番号23)
【0263】
Ovalbumin 647を用いた予備的送達評価
前臨床試験スケールの送達研究に基づく、目標動作温度2~8℃。Ovalbumin 647を使用したRBC送達をフローサイトメトリーを使用して分析し、各試験についてOvalbumin 647およびAnnexin V+表現型(膜外葉上のホスファチジルセリンの測定)の細胞送達を測定した。
【0264】
圧力評価およびマイクロ流体チップ構成
動作圧力およびマイクロ流体チップ構成の試験を、異なる動作圧力で、並列に配置された異なる数の2.2μmの収縮チップを利用して、Ovalbumin 647送達およびAnnexin V陽性を評価するために実施した。この試験では、同じチップタイプの三つの個別のチップ構成(1個のチップ、並列な2個のチップ、並列な4個のチップ)と動作圧力(60psi、75psi)を評価した。
【0265】
図3は、60psiの動作圧力で行われた試験群と比較して、75psiの動作圧力で行われた試験群におけるアネキシンV+集団の増加を示す。さらに、75psiの動作圧力でOvalbumin 647で送達された集団は、試験した三つのチップ構成すべてにわたって最も一貫した結果(>90%送達)を示した。この評価の結果、送達プロセスの細胞内送達およびスループットを最大化するために、75psiの動作圧力および4個のチップ構成が選択された。
【0266】
細胞濃度評価
各ドナーから入ってくる赤血球数の変化により、ペプチドおよびアジュバント送達プロセスには、様々な細胞濃度が予想される。様々な細胞濃度の評価を実施した。様々な濃度の赤血球を、75psiの動作圧力で並列な4個のチップを通して送達材料としてOvalbumin 647で処理し、送達について分析した。
【0267】
図4の結果は、以前に選択された動作パラメータを使用した送達が、0.5×10
9~4.0×10
9個/mLのRBCの範囲の細胞濃度にわたって一貫していることを示す。この評価の結果として、SLPおよびアジュバントを用いたRBC送達の動作範囲を、試験した細胞濃度に対して設定した。SQZ-AAC-HPVの製造プロセスにおける細胞濃度は、試験された範囲内に収まると予想される。
【0268】
標識ペプチド(FAM-E6およびFAM-E7 SLP)およびポリI:C含有量を用いた送達評価
Ovalbumin 647を使用した予備的研究の後、FAM標識されたE6およびE7 SLPならびに非標識ポリI:Cを使用して検証試験を実施した。試験を、送達パラメータ(4xチップ構成、75psi、2~8℃)を使用して実施した。
【0269】
図5は、FAM-E6 SLPおよびFAM-E7 SLPが送達された集団の%を、それぞれ>88%および>96%と示す。
【0270】
ペプチド(E6およびE7 SLP)およびアジュバント(ポリI:C)送達に対する低減した動作圧力
二つの試験を、送達の比較のための75psiの対照と共に、FAM標識E7ペプチドを用いて70psiで送達された同じドナー全血を使用して実施した。結果を
図6に示す。
【0271】
これらの実験の結果は、70psiのより低い動作圧力が、75psiの動作圧力と同等のFAM-E7送達をもたらすことを実証した。この評価の結果として、ペプチドおよびアジュバントの送達の目標動作圧力を70psiに変更した。
【0272】
選択された最終送達パラメータを表4に示す。
【表4】
【0273】
送達プロセスパラメータの開発が完了した後、ポリI:C含有量をSQZ-AAC-HPV医薬品バイアルから測定した。代表的なバッチの結果を、表5に示す。
【表5】
【0274】
製品の静置(37℃インキュベーション)
ペプチドおよびアジュバント送達プロセスの30分間の周囲静置工程に続いて、AACを希釈し、次いで、37℃でインキュベーター内のロッカー上に2時間置いてさらに静置する。これらのパラメータを決定するために、静置時間および試験前希釈体積の評価を実施した。
【0275】
試験は、1時間および2時間の静置時間を比較し、希釈AAC(RPMI媒体で希釈)および非希釈AACの静置を比較した。これらの試験は、静置期間にわたる段階的回収および最終医薬品中のAACの集団の%について測定された。これらの評価の結果は、1時間の静置と比較して、AACを2時間静置したときの回収の改善を示した。
【0276】
希釈されたAACと希釈されていないAACの製品の静置を用いて、追加の評価を実施した。各試験条件からのそれぞれの医薬品の機能的応答を評価した。
【0277】
図7に報告されたデータは、希釈されたAACが静置される場合、プロセスにおいて静置される未希釈のAACと比較して、有意に高い分泌IFN-γレベルを示す。この評価に基づいて、37℃の静置に先立ち、送達されたAACの1L希釈を製造プロセスにて実施した。
【0278】
n=15試験にわたる製品静置工程にわたる平均AAC回収は、93.6%であると分析された。このデータは、インキュベーションのために評価および実施されるパラメータを用いて、高いAAC回収率が達成されることを実証する(表6)。
【表6】
【0279】
臨床製造のためのAAC-HPV原薬数
連続処理のため、最小限のAAC-HPV原薬の生産工程内保持時間が望まれる。これを可能にするために、試料は、製品静置工程の前に、生産工程内AACから取得される。2時間の静置中、試料を分析し、補正係数0.9で測定された計数を使用して、最終AAC-HPV原薬中の総AACを計算する。0.9の補正係数は、開発中に観察された93.7%(四捨五入して90%とした)の平均インキュベーション段階的回収率を考慮して確立された。
【0280】
静置後、送達されたAACは、無菌単回使用の40μm血液フィルタを通して重力濾過される。40μmの濾過後、原薬を洗浄し、LOVOを使用して最終製剤媒体に交換する。
【0281】
全血保持時間
全血保持時間は、全血採取の終了(すなわち、患者の採血の終了)から全血希釈の開始(製造の開始)までの時間として定義される。全血保持時間の初期評価は、2~8℃で36時間および50時間の保持時間で行った。試験は、健康なドナー血液ユニットの一つを分割し、半分を使用して、対照群として1日保持(約24時間)後にSQZ-AAC-HPVを産生し、残りの半分は36時間または50時間の保持後に産生することにより構成された。得られたSQZ-AAC-HPV医薬品を、機能的応答について分析した。いずれかの保持時間(36時間または50時間)を使用する経時全血から作製された産物は、対照(24時間)と同様のアッセイおよびプロセス変動内で機能的応答を誘発する。保守的アプローチとして、36時間を、患者の出発物質に対する全血保持時間として実施した。この保持時間は、より長い保持時間を支持するより多くのデータが生成されるにつれて延長され得る。
【0282】
実施例2 医薬品製剤
製剤SQZ-AAC-HPVは、7.0×108個/mLのAACの濃度(クールターベースの細胞計数(Moxi GO II)を使用して分析されるように)を目標に、製剤化工程中のAAC損失を考慮し、CryoStor(登録商標)CS2中でAAC-HPV原薬を製剤化し、バイアルに充填することによって、調製される。このバイアルは、チャンバー温度≦-170℃の速度制御冷蔵庫を使用して凍結保存されるが、この時、バイアルは、製造、保管および出荷中に≦-140℃の温度に到達し、かつ維持されるようにする。
【0283】
解凍後のAAC回収は、この凍結保存培地がSQZ-AAC-HPV医薬品に適していることを確認する。
【0284】
以下の評価を実施して、医薬品製剤化プロセスを開発する。
【0285】
医薬品製剤のLOVOシステムパラメータの検証
初期LOVOプロトコル(プロトコル1)は、装置ベンダー(Fresenius Kabi)のガイダンスを得て開発された。このプロトコルの目的は、99.97%のプロセスに対して、高い理論的ウォッシュアウト(すなわち、緩衝液交換)を達成することであった。これは、以下の方程式によって与えられる最大出口充填セル体積(出口PCV)を作成することによって可能となった。
出口PCV=(入口流量÷出口流量)×入口PCV。
【0286】
LOVOプロトコル1のパラメータを以下の表7に列挙する。
【表7】
【0287】
8人のドナーからの材料を用いたn=13の実験でプロトコル1を評価した後、観察された平均図段階的回収率は、
図8に示すように42.4%であった。製剤化工程で観察された低回収率は、製造プロセス収率に著しい影響を与えた。低回収率の結果、製造プロセス収率の増加を目的として、第二のLOVOプロトコルを評価した。
【0288】
プロトコル2では、LOVO処理パラメータを調整して、6回すべての洗浄サイクルについて、36%のより低い最大出口PCVを目標にし、99.96%の高理論的ウォッシュアウトを維持しながら、回収率を向上させた。LOVOプロトコル2のパラメータは、以下の表8に見出すことができる。プロトコルは、8人の異なるドナーからの材料を用いたn=10の実験で実施され、
図8に示すように、平均AAC回収率は74.5%に増加した。改善された回収のため、プロトコル2をSQZ-AAC-HPVの臨床製造に使用するように選択した。
【表8】
【0289】
LOVO処理パラメータを表8に示すものに確定し、
図9に示す結果と共に、フルスケールのプロセス開発研究の間に使用した。これらの結果は、最終製剤での7×10
8個/mLのAACの目標濃度が、これらのLOVOパラメータで達成可能であることを実証する。
【0290】
バイアルの充填、検査、およびラベリング
バイアルへの充填を、バイオセーフティキャビネット内で行う。バイアルは、無菌で、完全に栓をされ、すぐに使用できる状態で供給される。充填のために、各バイアルは、9.98g±5%の生成物(すなわち、9.5mL、これは、8.9mLの抽出可能体積を許容する)で充填される。充填後、各バイアルは封止され、重量が確認され、その後キャップが付けられる。バイアル充填が完了すると、照明付きの白黒の背景を備えた検査ブースを使用して、視認される欠陥(大きな塊または凝集物を含む)がないか各充填されたバイアルを目視で検査する。その後、各バイアルに、低温貯蔵ラベルが付与される。
【0291】
充填プロセスについて、プロセスパフォーマンス能力(Ppk)評価を実施した。技術移転バッチにわたって達成された最小充填Ppkは4.66であり、充填プロセスが堅牢であり、制御された状態にあることを示した。この解析結果を表9に示す。
【表9】
1Ppk=以下の最小値:(USL-Mean)/3
*σ)または(Mean-LSL)/(3
*σ)
2充填されたバイアルの総数は62バイアルであり、1バイアルは可視粒子のため却下された
【0292】
凍結保存および保存
標識されたSQZ-AAC-HPVバイアルを含む二次的貯蔵ボックスは、速度制御冷蔵庫内のラックに装填され、その後、140℃以下の製品温度で凍結保存される。凍結保存後、バイアルは放出、特徴解析、安定性試験のためにQCに提供され、長期保存のために等温LN2タンクに設置される。残りの凍結保存バイアルは、標識された二次的保管箱に保管され、長期保管のために等温LN2タンクに設置される。
【0293】
34Lチャンバー容量およびカスタム凍結保存プロトコルを有するCryoMed(登録商標)速度制御冷蔵庫を使用して、SQZ-AAC-HPV医薬品を凍結保存した。カスタム凍結プロファイルは、製剤の核形成中に放出される潜熱を制御するように設計されている。製剤中の氷核形成は、約-5℃で開始される。製剤の核形成中に放出される潜熱を制御するには、製品温度が核形成点(-5℃)に到達する前にチャンバーの急速冷却を開始しなければならない。SQZ-AAC-HPVの凍結保存中、チャンバー温度は、生成物温度が核形成点(-5℃)をわずかに上回る-3℃に達した後、-20℃/分の冷却速度で-140℃まで急速に冷却される。その後、生成物は、-1.5℃/分の冷却速度で-150℃に冷却される。製品温度が-150℃に達すると、チャンバーは-1℃/分の冷却速度で-170℃に冷却され、その後-170℃で10分間保持される。SQZ-AAC-HPVの凍結保存用に64バイアルの最大チャンバー荷重を設定し、バイアルの一つを製品温度観察に使用した。凍結保存プロトコルの詳細を表10に示す。凍結保存プロトコルから生じるチャンバーおよび製品温度プロファイルを
図10および11に示す。
【表10】
【0294】
図10は、開発されたプロトコルを使用して凍結保存されたSQZ-AAC-HPVの48バイアルの代表的な負荷を示す。上記の製品温度トレースに示されるように、凍結チャンバー内の異なる場所で凍結保存されたSQZ-AAC-HPVは、類似の時間で核形成され、サイクル完了前に-140℃以下の最終製品温度に達する。代表的なチャンバー負荷の合計凍結保存サイクル時間は、約100分である。
【0295】
図11は、二つのラック構成を使用して凍結保存されたSQZ-AAC-HPVの64バイアルの最大負荷を示す。
図10および11に示されるように、凍結チャンバー内の異なる位置の両方のラックに置かれたSQZ-AAC-HPVは、類似の時間で核形成され、サイクル完了前に-140℃以下の最終製品温度に達する。最大チャンバー負荷の合計凍結保存サイクル時間は、約95分である。
【0296】
両方のチャンバーの負荷からの温度プロファイルに基づいて、開発されたプロトコルは、最大64バイアルまでのすべてのバイアル負荷にわたって一貫したプロファイルを達成できることを示す。
【0297】
解凍後のAAC回収
凍結保存後のAACの安定性および回収を評価するために、製剤を解凍し、フローサイトメトリーを使用してAAC数について試験する。注目すべきは、コールターベースの計数とは対照的に、フローサイトメトリー分析を使用して解凍後にAAC濃度の増加が観察され、その結果、生産工程内データと比較して、リリース時のバイアル当たりのAAC含有量が高かったことである。コールターベースの細胞カウンターであるMoxi GO IIは、生産工程内のAAC試料を数えるために使用される。対照的に、フローサイトメトリー法を使用して、SQZ-AAC-HPV医薬品のQC放出中にAAC(CD235a+アネキシンV+)を特定し、計数する。感度の低いMoxi GO IIカウンターを使用した生産工程内のAAC試料分析は、フローサイトメトリー法を使用したSQZ-AAC-HPVの対応する解凍後測定の測定値に対して負バイアスを有する。
【0298】
最終製剤化工程中に標的とされる濃度は、7.0×10
8個/mLのAACであり、Moxi GO IIを使用したn=5のプロセス開発バッチの生産工程内計数は、平均で7.36×10
8個/mLのAACであった(
図9参照)。
【0299】
図12に示すデータは、n=5のプロセス開発バッチからの解凍後の数を示す。これら5つのバッチの平均AAC数は、1.03x10
9個/mLのAACであり、Cryostor(登録商標)CS2賦形剤における凍結融解サイクルを通じたAAC回収が、期待された解凍後の目標濃度1.0x10
9個/mLのAACを満たすことを示した。解凍後の計数は、これらの結果と一致している(表11)。
【表11】
a全体的なプロセス回収=100%×(バイアル充填×解凍後AAC数×9.5mL)/全血開始RBC数。
b血液分析器で測定。
cフローサイトメトリー法によって測定
【0300】
全血から医薬品への平均プロセス回収(61.8%)に基づいて、全血中の暫定最小RBC、5.0×10
11総細胞が、32バイアルのSQZ-AAC-HPV(全血中の5.0×10
11RBC×61.8%の平均プロセス回収/9.5×10
9標的AAC/医薬品バイアル)をもたらすと推定される。
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【配列表】
【国際調査報告】