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特表2024-503278修飾PBMCを用いたがんの治療方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】修飾PBMCを用いたがんの治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/15 20150101AFI20240118BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K35/15
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K39/395 T
A61K39/395 N
A61P35/04
A61P31/18
A61K35/17
A61K39/395 D ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539810
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 US2021065362
(87)【国際公開番号】W WO2022147026
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/131,504
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/190,194
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/249,739
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/278,788
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518071763
【氏名又は名称】スクイーズ バイオテクノロジーズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン, オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ジー, ルイルー
【テーマコード(参考)】
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085DD61
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4C085GG08
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB34
4C087BB63
4C087MA02
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZC75
(57)【要約】
本出願は、HPV関連がんを治療するための修飾PBMCを提供する。修飾PBMCは、少なくとも一つのHPV抗原が細胞内に送達される入力PBMCに由来する。一部の実施形態では、PBMCは、CTLA4拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1作動薬などのチェックポイント阻害剤との組み合わせで投与される。一部の態様では、本発明は、個体におけるヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんを治療する方法を提供し、当該方法は、有効量の末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物を個体に投与することであって、PBMCが細胞内送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、CTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬の有効量を個体に投与することと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんを個体において治療する方法であって、
末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を前記個体に投与することであって、前記PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む、投与することと、
有効量のCTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬を前記個体に投与することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記CTLA4の拮抗薬は、CTLA4に結合する抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PD-1/PD-L1の拮抗薬は、PD-1に結合する抗体またはPD-L1に結合する抗体である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体が、前記個体に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
CTLA-4に結合する抗体が、前記個体に投与され、およびPD-L1に結合する抗体が、前記個体に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記CTLA-4に結合する抗体が、イピリムマブである、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記PD-1に結合する抗体が、ニボルマブである、請求項3、4および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記PD-1に結合する抗体が、ペンブロリズマブである、請求項3、4および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記PD-L1に結合する抗体が、アテゾリズマブである、請求項3、4および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
個体においてHPV再発性腫瘍、局所進行性腫瘍、または転移性腫瘍を治療する方法であって、末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を前記個体に投与することを含み、前記PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む、方法。
【請求項11】
前記PBMCを含む組成物が、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と併せて投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記チェックポイント阻害剤は、前記個体に対するCTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤が、PD-L1、CTLA-4、またはPD-1に結合する抗体である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記PBMCを含む組成物が、CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体と併せて投与される、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記PD-L1に結合する抗体が、アテゾリズマブである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記CTLA-4に結合する抗体が、イピリムマブである、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記PD-1に結合する抗体が、ニボルマブである、請求項13、14および16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記PD-1に結合する抗体が、ペンブロリズマブである、請求項13、14および16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも一つのHPV抗原が、HPV-16抗原またはHPV-18抗原である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも一つのHPV抗原が、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも一つのHPV抗原が、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2-制限ペプチドを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記HLA-A2制限ペプチドが、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも一つのHPV抗原が、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記PBMCが、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原および配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記個体がヒトである、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記個体がHLA-A02に陽性である、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記PBMCがHLA-A02に陽性である、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記PBMCが、前記個体に対して自己由来である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記個体が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に陽性である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記HPV関連がんが、頭頸部がん、子宮頸がん、肛門がん、または食道がんである、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記PBMCを含む組成物が、静脈内投与される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記CTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬が、静脈内、経口、または皮下投与される、請求項1~9および12~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記CTLA-4に結合する抗体、および/または前記PD-1に結合する抗体、および/または前記PD-L1に結合する抗体が、静脈内投与される、請求項2~9および13~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量が、約0.5×10細胞/kg~約5.0×10細胞/kgである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
イピリムマブの有効量が、約1mg/kg~約3mg/kgである、請求項6~9および16~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
ニボルマブの有効量が、約360mgである、請求項7および17~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
アテゾリズマブの有効量が約1200mgである、請求項9、15、16、および19~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記PBMCを含む前記組成物が、三週間のサイクルの1日目に送達される、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記PBMCを含む前記組成物が、最初の三週間サイクルの2日目にさらに投与される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、約5.0×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgが、前記最初の三週間サイクルの2日目に投与される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記CTLA‐4に結合する抗体、および/または前記PD-1に結合する抗体、および/または前記PD-L1に結合する抗体が、三週間サイクル当たり一回投与される、請求項2~9および13~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記CTLA-4に結合する抗体が、各三週間サイクルの1日目に投与される、請求項38~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記CTLA-4に結合する抗体が、二つの三週間サイクル当たり一回投与される、請求項38~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記CTLA-4に結合する抗体がイピリムマブであり、前記イピリムマブは約3mg/kgの用量で投与される、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記PD-1に結合する抗体が、前記最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記PD-1に結合する抗体が、ニボルマブであり、前記ニボルマブが、約360mgの用量で投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記CTLA-4に結合する抗体が、イピリムマブであり、前記イピリムマブが、約1mg/kgの用量で、二つの三週間サイクルの前記最初の三週間のサイクルの1日目に投与され、前記PD-1に結合する抗体が、約360mgの用量で、前記最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、請求項38~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記PD-L1に結合する抗体が、前記最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、請求項38~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記PD-L1に結合する抗体が、アテゾリズマブであり、前記アテゾリズマブが、約1200mgの用量で投与される、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記PBMCを含む組成物が、前記個体に少なくとも約三か月、六か月、九か月、または一年間投与される、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、
b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約3%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、
b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約2.75×10PBMC、
b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHは約pH7.4である、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC/mL、
b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHは約pH7.4である、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、
b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、
b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約2.5×10PBMC、
b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHは約pH7.4である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC/mL、
b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
前記製剤のpHは約pH7.4である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項52~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記PBMCが、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球の二つ以上を含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記PBMCが、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
(a)前記PBMCの約25%~約80%がT細胞である、
(b)前記PBMCの約1.5%~約30%がB細胞である、
(c)前記PBMCの約3.0%~約20%がNK細胞である、または
(d)前記PBMCの約4.0%~約45%が単球である、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも一つのHPV抗原を含む前記PBMCが、
a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径は、前記懸濁液中の前記入力PBMCの直径の関数であり、それによって、前記少なくとも一つのHPV抗原が通過するのに十分な大きさの前記入力PBMCの摂動を引き起こして、摂動入力PBMCを形成する、通過させることと、
b)前記摂動入力PBMCの集団を、前記少なくとも一つのHPV抗原と、前記抗原が前記摂動入力PBMCに入るのを許容するのに十分な時間培養することであって、それによって、前記少なくとも一つのHPV抗原を含む前記PBMCを生成する、培養することと、を含むプロセスによって調製される、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記狭窄部の前記直径が、約4.2μm~約6μmまたは約4.2μm~約4.8μmである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記少なくとも一つのHPV抗原を含む前記PBMCが馴化される、請求項1~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも一つのHPV抗原を含む前記PBMCが、前記PBMCの馴化のために、前記PBMCを、約37℃で約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間、アジュバントと培養することを含むプロセスによって馴化される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STING作動薬、RIG-I作動薬、ポリI:C、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記アジュバントが、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項68または69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月29日に出願された米国仮特許出願第63/131,504号、2021年5月18日に出願された米国仮特許出願第63/190,194号、2021年9月29日に出願された米国仮特許出願第63/249,739号、および2021年11月12日に出願された米国仮特許出願第63/278,788号の利益を主張するものであり、それら各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
【0002】
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:750322003140SEQLIST.TXT、記録日:2021年12月23日、サイズ:13,144バイト)。
【0003】
本開示は、概して、一つ以上のヒトパピローマウイルス(HPV)抗原を含む末梢血単核細胞(PBMC)を使用した、HPV関連がんを有する個人を治療するための方法、ならびにその用量およびレジメンに関する。HPV抗原を含むこのようなPBMCの製造方法、およびそれらの組成物も開示される。
【背景技術】
【0004】
パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する小さな非エンベロープDNAウイルスである。100を超えるHPV遺伝子型が完全に特徴付けられており、より多くの数が存在すると推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびに一部の外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの公知の原因である。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、発がん性HPV型の一つによる持続性感染は、前がん状態またはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、一般的ないぼ、足底いぼ、扁平いぼ、肛門性器いぼ、肛門病変、表皮発育異常症、巣状上皮性過形成、口腔パピローマ、疣贅嚢胞、喉頭部パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰部上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内腫瘍(VAIN)が挙げられる。
【0005】
公知のHPV型の多くは、良性病変を引き起こし、サブセットは発がん性である。疫学的および系統発生学的関係に基づき、HPV型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「推定高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがん、ならびに他の肛門性器がん、例えば、外陰がん、膣がん、陰茎がん、肛門がん、および肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16および18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81型)は、良性かつ低悪性度の子宮頸部変化、生殖器いぼ、および再発性呼吸器パピローマとして現れることが知られている。皮膚HPVの5、8、および92型は、皮膚がんに関連している。一部のHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Suresh and Burtness Am J Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。
【0006】
免疫療法は、概して受動的介入と能動的介入の二つの主なタイプに分けられる。受動的プロトコルには、予め活性化されたおよび/もしくは操作された細胞(例えば、CAR T細胞)、疾患特異的な治療用抗体、ならびに/またはサイトカインの投与が含まれる。活性免疫療法戦略は、インビボで免疫系エフェクター機能を刺激することを目的としている。現在行われているいくつかのプロトコルには、疾患関連ペプチド、溶解物、または同種異系の全細胞を用いたワクチン接種戦略、腫瘍抗原送達用のビヒクルとしての自己由来樹状細胞(DC)の注入、および免疫チェックポイントモジュレータの注入が含まれる。Papaioannou, Nikos E., et al. Annals of translational medicine 4.14(2016)を参照。養子免疫療法は、免疫応答を調節し、抗腫瘍活性を増強し、HPV関連がんを治療または予防するという目標を達成するために利用することができる。
【0007】
疾患関連抗原によって刺激されるCD8細胞毒性Tリンパ球(CTL)およびCD4ヘルパーT(Th)細胞は、疾患細胞を標的とし、破壊する潜在性を有するが、内因性T細胞応答を誘導するための現在の方法は、課題に直面している。本明細書の開示はまた、HPV抗原を含むPBMCを使用して、HPV関連がんを有する個体を治療するための方法、治療、用量、およびレジメンを含む。また、HPV抗原および/またはアジュバントを含むPBMCを、高スループット様式で効率的に生成するために使用される方法が提供され、これは、HPV抗原への頑強なT細胞応答の誘導に利用され得る。
【0008】
特許出願および刊行物を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。特許刊行物WO2013/059343、WO2015/023982、WO2016/070136、WO2017041050,WO2017008063、WO2017/192785、WO2017/192786、WO2019/178005、WO2019/178006、WO2020/072833、WO2020/154696、およびWO2020/176789、US20180142198、およびUS20180201889は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2013/059343号
【特許文献2】国際公開第2015/023982号
【特許文献3】国際公開第2016/070136号
【特許文献4】国際公開第2017/041050号
【特許文献5】国際公開第2017/008063号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Suresh and Burtness Am J Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)
【非特許文献2】Papaioannou, Nikos E., et al. Annals of translational medicine 4.14(2016)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一部の態様では、本発明は、個体におけるヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんを治療する方法を提供し、当該方法は、有効量の末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物を個体に投与することであって、PBMCが細胞内送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、CTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬の有効量を個体に投与することと、を含む。一部の実施形態では、CTLA4の拮抗薬は、CTLA4に結合する抗体である。一部の実施形態では、PD-1/PD-L1の拮抗薬は、PD-1に結合する抗体またはPD-L1に結合する抗体である。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体は、個体に投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、個体に投与され、PD-L1に結合する抗体は、個体に投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブである。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブである。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ペンブロリズマブである。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブである。
【0012】
一部の態様では、本発明は、個体におけるHPV+再発性腫瘍、局所進行性腫瘍、または転移性腫瘍を治療する方法を提供し、当該方法は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と併せて投与される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、個体に対するCTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬である。一部の実施形態では、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1、CTLA-4、またはPD-1に結合する抗体である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体と併せて投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブである。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブである。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ペンブロリズマブである。
【0013】
本発明の一部の実施形態では、本発明のPBMCは、少なくとも一つのHPV抗原を含み、当該一つのHPV抗原は、HPV-16抗原またはHPV-18抗原である。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2制限ペプチドを含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチド制限ペプチドは、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、PBMCは、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原および配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原を含む。
【0014】
本発明の治療方法の一部の実施形態では、個体はヒトである。一部の実施形態では、個体は、HLA-A02について陽性である。一部の実施形態では、PBMCは、HLA-A02について陽性である。一部の実施形態では、PBMCは個体に対して自己由来である。一部の実施形態では、個体はヒト免疫不全ウイルス(HIV)について陽性である。一部の実施形態では、HPV関連がんは、頭頸部がん、子宮頸がん、肛門がん、または食道がんである。
【0015】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、静脈内投与される。一部の実施形態では、CTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-Laの拮抗薬は、静脈内、経口、または皮下投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体、および/またはPD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体は、静脈内投与される。
【0016】
本発明の治療方法の一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量は、約0.5×10細胞/kg~約5.0×10細胞/kgである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約1mg/kg~約3mg/kgである。一部の実施形態では、ニボルマブの有効量は、約360mgである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約1200mgである。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、三週間のサイクルの1日目に送達される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、最初の三週間のサイクルの2日目にさらに投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、約5.0×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgが、最初の三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、CTLA4に結合する抗体、および/またはPD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体は、三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、二つの三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、約3mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブであり、ニボルマブは、約360mgの用量で投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、約1mg/kgの用量で、二つの三週間サイクルの最初の三週間のサイクルの1日目に投与され、PD-1に結合する抗体は、約360mgの用量で、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブであり、アテゾリズマブは、約1200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、少なくとも約三か月、六か月、九か月、または一年間、個体に投与される。
【0017】
本発明の一部の実施形態では、個体に投与されるPBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約3%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約2.75×10PBMC、b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC/mL、b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約2.5×10PBMC、b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC/mL、b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。一部の実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS10である。一部の実施形態では、低温保存培地は、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0018】
一部の実施形態では、本発明のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球の二つ以上を含む。一部の実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む。一部の実施形態では、(a)PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、(b)PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、(c)PBMCの約3.0%~約20%はNK細胞であり、または(d)PBMCの約4.0%~約45%は単球である。
【0019】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、以下を含むプロセスにより調製される:a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、およびb)摂動入力PBMCの集団を、少なくとも一つのHPV抗原と、抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを生成する、培養すること。一部の実施形態では、狭窄部の直径は、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが馴化される。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するために、約37℃で約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間、PBMCをアジュバントと培養するプロセスよって馴化される。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STING作動薬、RIG-I作動薬、ポリI:C、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、コホート1~3の治療レジメンを示す。
【0021】
図2図2は、コホート4の治療レジメンを示す。
【0022】
図3図3は、コホート5の治療レジメンを示す。
【0023】
図4図4は、コホート6の治療レジメンを示す。
【0024】
図5図5は、コホート7の治療レジメンを示す。
【0025】
図6図6は、Cell Squeeze(登録商標)技術によって生成されたSQZ-PBMC-HPV-101治験薬の機序を示し、SQZ-PBMC-HPVワクチンがCD8 T細胞応答を直接刺激することを示す概略図である。
【0026】
図7図7は、臨床試験デザインの概略図である。SQZ-PBMC-HPVは、指示用量(体重当たりの細胞数)で三週間毎(q3w)に単剤療法として単剤療法段階で投与されるか、またはチェックポイント阻害剤(アテゾリズマブ、イピリムマブ(Ipi)、ニボルマブ(Nivo))の指示用量と併せて、指示された間隔(q3w、q3w×4、q6w)で、投与される。
【0027】
図8図8A~Cは、SQZ-PBMC-HPVの製造結果を示し、SQZ-PBMC-HPVの平均生存率、平均エンドツーエンドプロセス時間、およびIFN-γ分泌アッセイをそれぞれ示す。
【0028】
図9図9は、全コホートにわたる最良総合効果(BOR)、試験での生存(日数)、およびRoyal Marsden Hospital(RMH)1スコアの概要を示す。
【0029】
図10A図10A~Cは、治療後のケーススタディ患者2における、総腫瘍サイズ、中央腫瘍におけるCD8 TILの変化を示すIHC画像解析、およびCD8 TILを示す代表的なIHC画像をそれぞれ示す。
図10B】同上。
図10C】同上。
【0030】
図11A図11A~Cは、治療後のケーススタディ患者7における、総腫瘍サイズ、中央腫瘍におけるCD8 TILの変化を示すIHC画像解析、およびCD8 TILを示す代表的なIHC画像をそれぞれ示す。
図11B】同上。
図11C】同上。
【0031】
図12図12は、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびサイクル2の8日目(C2D8、投与後)における腫瘍におけるCD8+細胞の密度を示す。
【0032】
図13図13は、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における腫瘍におけるCD8+/グランザイムB+(GZMB+)細胞の密度を示す。
【0033】
図14図14は、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における腫瘍におけるCD8+/Ki67+細胞の密度を示す。
【0034】
図15図15は、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における腫瘍におけるCD8+/Ki67-細胞の密度を示す。
【0035】
図16図16は、H-スコアによって測定された、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)の腫瘍におけるMHC-1の発現を示す(上部パネル)。スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)におけるMHC-、MHC-1低、MHC-1中、およびMHC-1高細胞の相対比が、下部パネルに示される。
【0036】
図17図17は、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)におけるPD-L1膜染色を有する腫瘍細胞の%を示す。TPSは、腫瘍割合スコアを示す。
【0037】
図18図18は、RNA ISH修飾H-スコアによって測定された、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)の腫瘍におけるHPV16 E6の発現を示す(上部パネル)。スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、HPV16陰性、HPV16+1、HPV16+2、HPV16+3、およびHPV16+4細胞の相対比が、下部のパネルに示される。は、細胞の形態がスコア化するのに適していなかったことを示す。
【0038】
図19図19は、RNA ISH修飾H-スコアによって測定された、コホート1、2、3および3aの患者のスクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)の腫瘍におけるHPV16 E7の発現を示す(上部パネル)。スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、HPV16陰性、HPV16+1、HPV16+2、HPV16+3、およびHPV16+4細胞の相対比が、下部のパネルに示される。は、細胞の形態がスコア化するのに適していなかったことを示す。
【0039】
図20図20は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)におけるコホート1、2、3、および3aの患者の腫瘍中央内の面積によるPD-1細胞を有する腫瘍細胞の%を示す。は、細胞の形態がスコア化するのに適していなかったことを示す。
【0040】
図21図21は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における患者112-068に対する腫瘍のCD8浸潤を示す。左のパネルは、中央腫瘍(CN)における腫瘍浸潤、ならびに間質および実質における浸潤を示す。中央パネルは、CD8、GZMBおよびFoxP3によって測定された腫瘍におけるCTL、TregおよびNK機能を示す。右のパネルは、GZMB+細胞であるCD8+細胞の割合を示す。
【0041】
図22図22は、図21のデータが導出された免疫組織化学画像の例を示す。
【0042】
図23図23は、CD8+、CD8+/Ki67-、CD8-/Ki67+、およびCD8+/Ki67+である細胞の密度によって示される、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)の患者112-068からの腫瘍における増殖/活性化細胞密度を示す。免疫組織化学を右のパネルに示す。上部画像は低解像度、下部画像は高解像度である。
【0043】
図24図24は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)のPD-L1染色を有する患者112-068からの腫瘍細胞の%を示す。
【0044】
図25図25は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における患者112-068からの腫瘍におけるMHC-1およびHPV16 E6およびE7エピトープの発現を示す。左上のパネルは、スクリーニング時およびC2D8におけるMHC-1発現を示す。上部中央パネルは、スクリーニング時およびC2D8における腫瘍中の細胞におけるMHC-1の相対的発現を示す。左下のパネルは、HPV16 E6の発現を示す。下部中央パネルは、HPV16 E7の発現を示す。右パネルは、左および中央パネルのデータが取得された免疫組織化学の例を示す。
【0045】
図26図26は、患者112-068の腫瘍増殖動態を示す。
【0046】
図27図27は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、患者103-027に対する腫瘍のCD8浸潤を示す。左のパネルは、中央腫瘍(CN)における腫瘍浸潤、ならびに間質および実質における浸潤を示す。中央パネルは、CD8、GZMBおよびFoxP3によって測定された腫瘍におけるCTL、TregおよびNK機能を示す。右のパネルは、GZMB+細胞であるCD8+細胞の割合を示す。
【0047】
図28図28は、図27の日付が導出された免疫組織化学画像の例を示す。
【0048】
図29図29は、CD8+、CD8+/Ki67-、CD8-/Ki67+、およびCD8+/Ki67+である細胞の密度によって示される、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における患者103-027からの腫瘍における増殖/活性化細胞密度を示す。免疫組織化学を右のパネルに示す。上部画像は低解像度、下部画像は高解像度である。
【0049】
図30図30は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)のPD-L1染色を有する患者103-027からの腫瘍細胞の%を示す。
【0050】
図31図31は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、患者103-027からの腫瘍におけるMHC-1ならびにHPV16 E6およびE7エピトープの発現を示す。左上のパネルは、スクリーニング時およびC2D8におけるMHC-1発現を示す。上部中央パネルは、スクリーニング時およびC2D8における腫瘍中の細胞におけるMHC-1の相対的発現を示す。左下のパネルは、HPV16 E6の発現を示す。下部中央のパネルは、HPV16 E7の発現を示す。は、細胞の形態がスコア化するのに適していなかったことを示す。右パネルは、左および中央パネルのデータが取得された免疫組織化学の例を示す。
【0051】
図32図32は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、患者103-008に対する腫瘍のCD8浸潤を示す。左のパネルは、中央腫瘍(CN)における腫瘍浸潤、ならびに間質および実質における浸潤を示す。中央パネルは、CD8、GZMBおよびFoxP3によって測定された腫瘍におけるCTL、TregおよびNK機能を示す。右のパネルは、GZMB+細胞であるCD8+細胞の割合を示す。
【0052】
図33図33は、図32の日付が導出された免疫組織化学の例を示す。
【0053】
図34図34は、CD8+、CD8+/Ki67-、CD8-/Ki67+、およびCD8+/Ki67+である細胞の密度によって示される、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)の患者103-008からの腫瘍における増殖/活性化細胞密度を示す。免疫組織化学を右のパネルに示す。上部画像は低解像度、下部画像は高解像度である。
【0054】
図35図35は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、PD-L1染色を有する患者103-008からの腫瘍細胞の%を示す。
【0055】
図36図36は、スクリーニング時(投与前)およびC2D8(投与後)における、患者103-008からの腫瘍におけるMHC-1およびHPV16 E6およびE7エピトープの発現を示す。左上のパネルは、スクリーニング時およびC2D8におけるMHC-1発現を示す。上部中央パネルは、スクリーニング時およびC2D8における腫瘍中の細胞におけるMHC-1の相対的発現を示す。左下のパネルは、HPV16 E6の発現を示す。下部中央パネルは、HPV16 E7の発現を示す。右パネルは、左および中央パネルのデータが取得された免疫組織化学の例を示す。
【0056】
特許または出願ファイルは、色付きで描かれた少なくとも一つの図面を含む。本特許または色付きの図を有する特許出願公報の写しは、要求に応じて、必要な料金の支払いがあった時点で、オフィスから提供される。
【発明を実施するための形態】
【0057】
一部の態様では、本発明は、個体におけるヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんを治療する方法を提供し、当該方法は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。
【0058】
一部の態様では、本発明は、個体におけるHPV関連がんを治療する方法を提供し、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含む投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することと、を含む。一部の実施形態では、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4の拮抗薬(例えば、限定されないが、イピリムマブ)、PD-1の拮抗薬(例えば、限定されないが、ニボルマブ)、および/またはPD-L1の拮抗薬(例えば、限定されないが、アテゾリズマブ)を含む。
【0059】
一部の態様では、本発明は、個体におけるHPV関連がんを治療する方法を提供し、当該方法は、活性PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは、細胞内に送達された少なくとも一つのHPV抗原を含む投与すること、およびイピリムマブ、ニボルマブ、またはアテゾリズマブの一つ以上の有効量を投与することであって、PBMCは、HPV抗原を含み、および/または一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、三週間サイクルで投与される投与すること、を含み、PBMCの有効量は、約0.5×10細胞/kg~約5×10細胞/kgであり、有効量のイピリムマブは、約1mg/kg~約3mg/kgであり、ニボルマブの有効量は、約360mgであり、およびアテゾリズマブの有効量は、約1200mgである。
【0060】
HPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの組成物、ならびにHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを調製する方法も提供される。一部の実施形態では、PBMCは、以下を含むプロセスにより調製される:a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中のPBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、およびb)摂動入力PBMCの集団を、HPV抗原およびアジュバントと、抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原およびアジュバントを含む修飾PBMCを生成する、培養すること。また、HPV抗原に対する免疫応答の誘導に使用するための、またはHPV関連がんの治療のための組成物が提供される。また、HPV抗原に対する免疫反応を刺激するため、またはHPV関連がんを治療するための、医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供される。
【0061】
一般的な手法
本明細書で説明または参照される技術および手順は、一般的に十分に理解されており、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrook et al.,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2012);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,2003);the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.,1995);Antibodies,A Laboratory Manual(Harlow and Lane,eds.,1988);Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique and Specialized Applications(R.I.Freshney,6th ed.,J.Wiley and Sons,2010);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,Academic Press,1998);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,Plenum Press,1998);Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,J.Wiley and Sons,1993-8);Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1996);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,J.Wiley and Sons,2002);Immunobiology(C.A.Janeway et al.,2004);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、およびCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,2011)に記載される広範に利用されている方法論など、当業者によって従来の方法論を使用して一般的に利用される。
【0062】
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用されるが、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形を含み、その逆も同様である。以下に記載されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書と矛盾する場合、上記に定める定義が優先するものとする。
【0063】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、および「含む(including)」、ならびにその他の類似の形態、およびそれらの文法的等価物は、意味が同等であり、これらの用語のいずれか一つに続く項目または複数の項目が、かかる項目または複数の項目の網羅的なリストであることを意味するものではなく、または列挙された項目または複数の項目のみに限定されることを意味するという点で、オープンエンドであることを意図している。例えば、成分A、B、およびCを含む物品は、成分A、B、およびCから成り得るか(すなわち、それのみを含む)、または成分A、B、およびCだけでなく、一つ以上の他の成分も含み得る。そのため、「含む」および同様の形態、ならびにその文法的等価物は、「から本質的になる」または「からなる」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
【0065】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段に明確に指示しない限り、下限の単位の十分の一までの各介在する値は、その範囲の上限および下限、ならびにその範囲内の他の記載された値または介在する値の間の値が、記載された範囲内の特定の除外限界に従うことを条件として、本開示内に包含されることが理解される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除外する範囲も開示に含まれる。
【0066】
本明細書で使用される「約」という用語は、当技術分野の当業者に容易に認識されるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(および説明する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。
【0067】
本明細書で使用される場合、「末梢血単核細胞」または「PBMC」は、丸い核を有する血液細胞の不均一な集団を指す。PBMCの集団に見出され得る細胞の例には、T細胞、B細胞、NK細胞(ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)およびサイトカイン誘導性キラー細胞(CIK細胞)を含む)などのリンパ球、ならびにマクロファージおよび樹状細胞などの単球が含まれ得る。本明細書で使用される「複数のPBMC」とは、少なくとも二種類の血液細胞の細胞を含むPBMCの調製物を指す。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞の二つ以上を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞の三つ以上を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞の四つ以上を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、および樹状細胞を含む。
【0068】
PBMCは、当技術分野で公知の手段によって単離することができる。例えば、PBMCは、他の血液細胞と比較したPBMCの密度に基づいて、個体の末梢血から得ることができる。一部の実施形態では、PBMCは、Ficoll(例えば、Ficoll勾配)を使用して個体の末梢血から得ることができる。一部の実施形態では、PBMCは、ELUTRA(登録商標)細胞分離システムを使用して個体の末梢血から得ることができる。PBMCは、アフェレーシスを受けている個体から取得することができる。
【0069】
一部の実施形態では、PBMCの集団は個体から単離される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、自己由来のPBMC集団であり、この集団は、特定の個体に由来し、本明細書に記載のいずれかの方法によって操作され、その特定の個体に戻される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、同種異系のPBMCの集団であり、この集団は、本明細書に記載のいずれかの方法によって操作された、ある個体に由来し、れ、第二の個体に投与される。
【0070】
一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCの再構成調製物である。一部の実施形態では、複数のPBMCは、例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球の二つ以上の集団を混合することによって、PBMCの集団に典型的に見出される細胞を混合することによって生成されてもよい。
【0071】
本明細書で使用する場合、「ペイロード」は、PBMCに装填されるなど、PBMCに送達されようとする材料を指す。「ペイロード」、「カーゴ」、「送達物質」、および「化合物」は、本明細書では互換的に使用される。一部の実施形態では、ペイロードは、タンパク質、低分子、核酸(例えば、RNAおよび/またはDNA)、脂質、炭水化物、巨大分子、ビタミン、ポリマー、蛍光色素およびフルオロフォア、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、ならびにステロイドを指し得る。一部の実施形態では、ペイロードは、タンパク質または低分子薬剤を指し得る。一部の実施形態では、ペイロードは、一つ以上の化合物を含み得る。
【0072】
コード配列および制御配列などの核酸配列に関連するような「異種」という用語は、通常は一緒に連結されていない、および/または特定の細胞と通常は関連しない配列を意味する。したがって、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別の核酸分子内のまたは別の核酸分子と付着した核酸のセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、天然ではコード配列と関連して見出されない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例は、コード配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種DNAを生じさせない。
【0073】
ペプチド配列およびポリペプチド配列などのアミノ酸配列に関連するような「異種」という用語は、通常は一緒に連結されていない、および/または特定の細胞と通常は関連しない配列を意味する。したがって、ペプチド配列の「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別のアミノ酸分子内にあるかまたは別のアミノ酸分子に付加したアミノ酸のセグメントである。例えば、ペプチド構築物の異種領域は、天然ではペプチドのアミノ酸配列と関連して見出されない配列が隣接するペプチドのアミノ酸配列を含み得る。異種性ペプチド配列の別の例は、ペプチド配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコードされたアミノ酸を有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しないアミノ酸構築物を発現するベクターにより形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種ペプチドを生じさせない。
【0074】
例えば、抗原またはアジュバントなどの、細胞に関連する剤に関して使用される場合の「外因性」という用語は、細胞の外側の剤または細胞の外側から細胞内に送達される剤を指す。細胞は、既に存在する剤を有してもよいし有しなくてもよく、外因性の剤が送達された後に剤を産生してもよいし産生しなくてもよい。
【0075】
本明細書で使用される「相同」という用語は、同じ生物に由来する分子を指す。一部の例では、用語は、所与の生物内で通常見出されるか、もしくは発現される、核酸またはタンパク質を指す。
【0076】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療する」は、臨床結果を含む、有益なまたは望ましい結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益または望ましい臨床結果には、疾患に起因する一つ以上の症状を緩和する、疾患の程度を軽減する、疾患を安定化する(例えば、疾患の悪化を予防するもしくは遅延する)、疾患の蔓延(例えば、転移)を予防するもしくは遅延する、疾患の再発を予防するもしくは遅延する、疾患の進行を遅延するもしくは遅らせる、疾患の状態を回復する、疾患を(部分的または完全に)寛解する、疾患を治療するために必要な一つ以上の他の薬物の用量を低減する、疾患の進行を遅延する、生活の質を増加するまたは改善する、体重増加が増加する、および/または生存期間が延長する、の一つ以上が含まれるが、これらに限定されない。また、「治療」には、がんの病理学的結果(例えば、腫瘍体積など)の減少も包含される。本発明の方法は、治療のこれらの態様のいずれか一つ以上を企図する。
【0077】
本明細書で使用される場合、「予防的治療」という用語は、個体が、障害を有することまたは障害を有するリスクがあることが知られているかまたは疑われるが、障害の症状を呈していないかまたは最小限の症状を呈している治療を指す。予防的治療を受ける個体は、症状の発症前に治療され得る。一部の実施形態では、個体は、それらが前がん病変、特にHPV感染に関連する前がん病変を有する場合に治療され得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「併用療法」とは、第一の薬剤が別の薬剤と併せて投与されることを意味する。「と併せて」とは、同じ個体への本明細書に記載の免疫コンジュゲートの投与に加えて本明細書に記載のPMBCの組成物を投与するなど、別の治療モダリティに加えてある一つの治療モダリティを投与することを指す。したがって、「と併せて」とは、この個体へ他の治療モダリティを送達する前、間、または後に、ある一つの治療モダリティを投与することを指す。
【0079】
本明細書で使用される「同時投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法が、約15分以内、例えば約10分以内、5分以内、または1分以内のいずれかなどの時間間隔で投与されることを意味する。第一および第二の療法が同時に投与される場合、この第一および第二の療法は、同じ組成物中に含まれてもよいし(例えば、第一および第二の療法のどちらも含む組成物)、別の組成物に含まれてもよい(例えば、一方の組成物中に第一の療法が含まれ、他方の組成物中に第二の療法が含まれる)。
【0080】
本明細書で使用される場合、「連続投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法が、約15分超、例えば約20分、30分、40分、50分、60分、またはそれ以上のいずれかなどの時間間隔で投与されることを意味する。第一の療法または第二の療法のいずれかが最初に投与され得る。第一および第二の療法は、同じまたは異なるパッケージまたはキットに含まれ得る、別々の組成物中に含まれる。
【0081】
本明細書で使用される場合、「同時投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法の投与が互いに重複することを意味する。
【0082】
がんの文脈において、「治療する」という用語は、がん細胞を死滅させること、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に関連する一つ以上の症状を回復することのいずれかまたは全てを含む。
【0083】
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、特定の標的の存在または活性を変化させる、改変する、変更する、またはさもなければ修正する作用を指し得る。例えば、免疫応答を調節することは、免疫応答を変える、変化させる、変更する、またはその他改変することをもたらす任意の作用を指し得る。一部の例では、「調節」は、特定の標的の存在または活性を増強することを指す。一部の例では、「調節」は、特定の標的の存在または活性を抑制することを指す。他の例では、核酸の発現を調節することには、核酸の転写の変化、mRNA量の変化(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の対応する変化、mRNA翻訳の変化などを含み得るが、これらに限定されない。
【0084】
本明細書で使用される場合、「阻害する」という用語は、特定の標的の存在または活性を遮断、低減、排除、またはさもなければ拮抗する作用を指し得る。阻害は、部分的阻害または完全阻害を指し得る。例えば、免疫応答を阻害することは、免疫応答の遮断、低減、排除、または任意の他の拮抗作用をもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の阻害には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害、遺伝子編集などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の阻害は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。別の実施例では、阻害は、例えば、腫瘍細胞の成長を遅延させるか、もしくは防止するなど、成長を緩徐化させるか、または停止する作用を指し得る。
【0085】
本明細書で使用される場合、「抑制する」という用語は、特定の標的の存在または活性を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはその他縮小する作用を指し得る。抑制は、部分的な抑制または完全な抑制を指し得る。例えば、免疫応答を抑制することは、免疫応答を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはその他縮小することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の抑制には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の抑制は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。
【0086】
本明細書で使用される場合、「増強する」という用語は、特定の標的の存在または活性を向上する、ブーストする、高める、またはその他増加する作用を指し得る。例えば、免疫応答を増強することは、免疫応答を向上させる、ブーストする、高める、またはその他増加させることをもたらす任意の作用を指し得る。例示的な一例では、免疫応答を増強することは、抗原および/またはアジュバントを利用して、免疫応答を向上させる、ブーストする、高める、またはその他増加することを指し得る。他の例では、核酸の発現を増強することには、核酸の転写の増加、mRNA量の増加(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の低減、mRNA翻訳の増加などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を増強することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で使用される場合、「誘導する」という用語は、結果を開始する、促進する、刺激する、確立する、またはさもなければ産生する作用を指し得る。例えば、免疫応答を誘導することは、所望の免疫応答を開始、促進、刺激、確立、またはその他産生することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現を誘導することには、核酸の転写の開始、mRNAの翻訳の開始などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を誘導することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、この用語には、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然の、化学的もしくは生化学的に修飾された、非天然の、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、一本鎖、二本鎖、もしくは複数鎖のDNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはポリマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基(典型的にはRNAまたはDNAに見出される)、または修飾もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドの骨格は、ペプチド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシンなどの反復単位(すなわち、ペプチド核酸)を含むことができる。あるいは、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホルアミデートおよびホルフォルチオエートなどの合成サブユニットのポリマーを含むことができ、したがって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホルアミデート(P-NH2)または混合ホスホロチオエート-ホスホロジエステルオリゴマーまたは混合ホスホルアミデート-ホスホジエステルオリゴマーであり得る。加えて、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成し、適切な条件下で鎖をアニーリングするか、または適切なプライマーを用いてDNAポリメラーゼを使用して相補鎖をデノボ合成するかのいずれかにより化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から取得することができる。
【0089】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さに限定されない。そのようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含有していてもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、および多量体を含むがこれらに限定されない。完全長タンパク質およびその断片の両方が定義によって包含される。この用語には、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含まれる。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」とは、所望の活性を維持する限り、天然の配列に対して欠失、付加、および置換などの改変(一般に天然では保存されている)を含むタンパク質を指す。これらの改変は、部位特異的変異誘導を介してのように意図的であってもよいし、タンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅によるエラーを介するなど偶発的であってもよい。
【0090】
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を調節および/または生成する物質を指す。概して、アジュバントは抗原と併せて投与されて、抗原単独と比較して抗原に対する免疫応答の増強をもたらす。様々なアジュバントが本明細書に記載される。
【0091】
本明細書における「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」および「CpG ODN」という用語は、リン酸によって分離されたシトシンおよびグアニンのジヌクレオチド(本明細書では「CpG」ジヌクレオチド、または「CpG」とも称される)を含有する、10~30ヌクレオチド長のDNA分子を指す。本開示のCpG ODNは、少なくとも一つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。すなわち、CpGジヌクレオチド中のシトシンはメチル化されない(すなわち、5-メチルシトシンではない)。CpG ODNは、部分的または完全なホスホロチオエート(PS)骨格を有し得る。
【0092】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容可能な」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的にまたはその他望ましくないものではない物質を意味し、例えば、その物質は、望ましくない重大な生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれを含有する組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込まれ得る。医薬的に許容可能な担体または賦形剤は、毒性および製造試験の必要な基準を満たしており、および/または米国食品医薬品局によって準備された不活性成分ガイドに含まれることが好ましい。
【0093】
本明細書に記載される構造的および機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
【0094】
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体システム」は、少量(例えば、mL、nL、pL、fL)の流体が処理されて、少量の液体の個別の処理を達成するシステムを指す。本明細書に記載される特定の実施には、多重化、自動化、およびハイスループットスクリーニングが含まれる。流体(例えば、緩衝液、溶液、ペイロード含有溶液、または細胞懸濁液)は、移動、混合、分離、または別の方法で処理することができる。本明細書に記載される特定の実施形態では、マイクロ流体システムを使用して、緩衝液中に懸濁された細胞に機械的狭窄を適用し、細胞内に摂動を誘発し(例えば、穴)、それによってペイロードまたは化合物が細胞のサイトゾルに入ることを可能にする。
【0095】
本明細書で使用される場合、「狭窄部」は、入口部分、中心点、および出口部分によって画定されるマイクロ流体チャネルの部分を指し得、中心点は、幅、長さ、および深さによって画定される。他の実施例では、狭窄部は、細孔を指してもよく、または細孔の部分であってもよい。細孔は、表面(例えば、フィルタおよび/または膜)上に含まれ得る。
【0096】
本明細書に記載される構造的および機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
【0097】
治療方法
一部の態様では、個体におけるHPV関連疾患を治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。一部の実施形態では、方法は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を個体に投与することをさらに含む。
【0098】
一部の態様では、個体におけるHPV関連疾患を治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、TLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬の有効量を個体に投与することと、を含む。
【0099】
一部の態様では、個体におけるHPV関連疾患を治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、有効量は、約0.5×10細胞/kg~約5.0×10細胞/kgであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。
【0100】
一部の態様では、個体におけるHPV関連疾患を治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、有効量は、約0.5×10細胞/kg~約5.0×10細胞/kgであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。
【0101】
一部の実施形態では、HPV関連疾患は、HPV関連がんである。一部の実施形態では、HPV関連がんは、子宮頸がん、肛門周囲がん、肛門性器がん、口腔がん、唾液腺がん、中咽頭がん、膣がん、外陰部がん、陰茎がん、皮膚がん、食道がん、または頭頸部がんである。一部の実施形態では、HPV関連疾患は、HPV関連感染性疾患である。
【0102】
一部の実施形態では、有効量のPBMCは、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、および1.0×10細胞/kgのいずれか一つである。一部の実施形態では、有効量は、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、または約0.5×10~約1.0×10の細胞/kgのいずれか一つである。一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、有効量は、約0.5×10g~約5×10PBMC/kgであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。
【0103】
一部の実施形態では、方法は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することをさらに含む。例示的な免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの拮抗薬であるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1と結合する抗体、PD-L1と結合する抗体、CTLA-4と結合する抗体、LAG3と結合する抗体、TIM-3と結合する抗体、TIGITと結合する抗体、VISTAと結合する抗体、TIM-1と結合する抗体、B7-H4と結合する抗体、またはBTLAと結合する抗体の一つ以上である。さらなる実施形態では、抗体は、完全長抗体または任意のバリアント、例えば、抗体断片、単鎖可変断片(ScFv)、または断片抗原結合(Fab)であり得るが、これらに限定されない。さらなる実施形態では、抗体は、二重特異性、三重特異性、または多重特異性であり得る。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上に結合および/または一つ以上を阻害する一つ以上の化学的な化合物である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上に結合および/または一つ以上を阻害する一つ以上のペプチドである。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4を標的とする。
【0104】
一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することと、を含む。一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体へ投与することであって、有効量は約0.5×10~約5×10PBMCであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することと、を含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1の拮抗薬である。一部の実施形態では、一つ以上のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4の拮抗薬、PD-1の拮抗薬、および/またはPD-L1の拮抗薬を含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4に結合する抗体である。一部の実施形態では、PD-1の拮抗薬は、PD-1に結合する抗体である。一部の実施形態では、PD-L1の拮抗薬は、PD-L1に結合する抗体である。一部の実施形態では、一つ以上のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4に結合する抗体、PD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体を含む。
【0105】
一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、CTLA-4の拮抗薬、PD-1の拮抗薬、および/またはPD-L1の拮抗薬の有効量を投与することと、を含む。一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む投与することと、CTLA-4に結合する抗体、PD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体の有効量を投与することと、を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブである。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ペンブロリズマブである。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブである。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、個体に投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、個体に投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、個体に投与される。
【0106】
一部の態様では、個体においてHPV抗原に対する免疫応答を刺激する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは、少なくとも一つのHPV抗原を含み、少なくとも一つのHPV抗原は、細胞内でPBMCに送達される。一部の実施形態では、PBMCは、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される任意の組成物の有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。
【0107】
一部の態様では、個体において腫瘍の増殖を抑える方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは、少なくとも一つのHPV抗原を含み、少なくとも一つのHPV抗原は、細胞内でPBMCに送達される。一部の実施形態では、PBMCは、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される任意の組成物の有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。
【0108】
一部の態様では、それを必要とする個体においてワクチンを接種する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは、少なくとも一つのHPV抗原を含み、少なくとも一つのHPV抗原は、細胞内でPBMCに送達される。一部の実施形態では、PBMCは、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される任意の組成物の有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。
【0109】
一部の態様では、個体においてがんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは、少なくとも一つのHPV抗原を含み、少なくとも一つのHPV抗原は、細胞内でPBMCに送達される。一部の実施形態では、PBMCは、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される任意の組成物の有効量を投与することを含む。
【0110】
一部の態様では、個体においてHPV抗原に対する免疫応答を刺激するための方法が提供され、当該方法は、以下を含む:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、b)摂動PBMCを、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントと、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを生成する、培養すること、c)HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの有効量を個体に投与すること。
【0111】
一部の態様では、個体において腫瘍の増殖を抑制するための方法が提供され、当該方法は、以下を含む:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、b)摂動PBMCを、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントと、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを生成する、培養すること、c)HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの有効量を個体に投与すること。
【0112】
一部の態様では、それを必要とする個体においてワクチンを接種するための方法が提供され、当該方法は、以下を含む:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、b)摂動PBMCを、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントと、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを生成する、培養すること、c)HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの有効量を個体に投与すること。
【0113】
一部の態様では、個体においてがんを治療するための方法が提供され、当該方法は、以下を含む:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、b)摂動PBMCを、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントと、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを生成する、培養すること、c)HPV抗原またはHPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの有効量を個体に投与すること。
【0114】
本明細書に記載の任意の方法、使用または組成物による一部の実施形態では、当該方法は、以下を含む:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、b)摂動入力PBMCを、HPV抗原と、HPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原を含む修飾PBMCを生成する培養すること、およびc)個体にHPV抗原を含む修飾PBMCの有効量を投与すること。
【0115】
一部の実施形態では、個体においてHPVタンパク質に対する免疫応答を刺激するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、腫瘍の増殖を抑制するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。一部の実施形態では、個体においてがんを治療するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載されるHPV抗原の少なくとも一つを含むPBMCを含む組成物のいずれか一つを含む。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がん、肛門周囲がん、肛門性器がん、口腔がん、唾液腺がん、中咽頭がん、膣がん、外陰部がん、陰茎がん、皮膚がん、頭頸部がんまたは食道がんである。
【0116】
一部の実施形態では、個体においてHPVタンパク質に対する免疫応答を刺激するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、腫瘍の増殖を抑制するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。一部の実施形態では、個体においてがんを治療するための組成物が提供され、当該組成物は、本明細書に記載されるHPV抗原の少なくとも一つを含むPBMCを含む組成物のいずれか一つを含む。
【0117】
一部の実施形態では、HPV抗原に対する免疫応答を刺激するための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体における腫瘍の増殖を低減するための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。一部の実施形態では、個体におけるがんの治療をするための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。
【0118】
一部の実施形態では、HPV抗原タンパク質に対する免疫応答を刺激するための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体における腫瘍の増殖を低減するための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。一部の実施形態では、個体は、がんを有する。一部の実施形態では、個体におけるがんの治療をするための医薬品の製造におけるPBMCの有効量を含む組成物の使用が提供され、当該組成物は、本明細書に記載される少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物のいずれか一つの有効量を含む。
【0119】
本明細書に記載される方法、使用、または組成物による一部の実施形態では、個体は、がんを有する。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がん、肛門周囲がん、肛門性器がん、口腔がん、唾液腺がん、中咽頭がん、膣がん、外陰部がん、陰茎がん、皮膚がん、頭頸部がんまたは食道がんである。一部の実施形態では、がんは、HPVと関連したがんである。一部の実施形態では、がんは、局在性がんである。一部の実施形態では、がんは、局在性がんである。一部の実施形態では、がんは、局在性進行がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性がんである。一部の実施形態では、がんは、固形がんである。一部の実施形態では、がんは、液体がんである。
【0120】
一部の実施形態では、がんは、手術、放射線、および/または化学放射線療法による治療的処置を受け付けない。一部の実施形態では、がんは、アジュバントまたは再発の設定でのプラチナ系レジメンによる過去の全身化学療法後に進行している。一部の実施形態では、がんは、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、および/または5FUの一つ以上を用いた、以前の化学療法治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、以前の免疫チェックポイント阻害剤治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、ペンブロリズマブ、ベバシズマブ、および/またはペンブロリズマブの一つ以上による前治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、プラチナ製剤で治療された。一部の実施形態では、がんはプラチナ耐性を有する。一部の実施形態では、個体は、最近の前治療を受けている間、または最近の前治療完了後に進行性疾患を有する。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がんである。一部の実施形態では、がんは、再発性または転移性子宮頸がんである。
【0121】
一部の実施形態では、がんは、手術、放射線、および/または化学放射線療法による治療的処置を受け付けない。一部の実施形態では、がんは、初回、アジュバント、または再発設定における少なくとも1回(例えば、1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上)の以前のプラチナ系化学療法後に進行しており、チェックポイント免疫療法が提供されている。一部の実施形態では、がんは、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、および/または5FUの一つ以上を用いた、以前の化学療法治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、以前の免疫チェックポイント阻害剤治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、ペンブロリズマブ、ベバシズマブ、および/またはペンブロリズマブの一つ以上による前治療後に進行している。一部の実施形態では、がんは、プラチナ製剤で治療された。一部の実施形態では、がんはプラチナ耐性を有する。一部の実施形態では、個体は、プラチナ含有の確定的化学放射線療法後またはアジュバント化学放射線療法後に再発しており、再発時のプラチナ再チャレンジは、有益とみなされない。一部の実施形態では、がんは、頭頸部がんである。一部の実施形態では、がんは、再発性または転移性の頭頸部がんである。
【0122】
一部の実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの平均直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの集団内で最小の直径を有する入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μm、約3μm~約3.5μm、約3.5μm~約4μm、約4μm~約4.5μm、約3.2μm~約3.8μm、約3.8μm~約4.3μm、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、4.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μm、または15μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部は、直列および/または並列に配置されている。
【0123】
一部の実施形態では、入力PBMCは個体に対して自己由来である。一部の実施形態では、入力PBMCは個体に対して同種異系である。一部の実施形態では、HPV抗原を含む修飾PBMCは個体に対して自己由来である。一部の実施形態では、HPV抗原を含む修飾PBMCは個体に対して同種異系である。
【0124】
本明細書に記載される方法、使用、または組成物のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに十分な時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約1~約24時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約2~約10時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約3~約6時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約1時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、20時間、または24時間のいずれか一つの間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、HPV抗原もしくはHPV抗原をコードする核酸をPBMCに導入する前に馴化される。一部の実施形態では、PBMCは、HPV抗原もしくはHPV抗原をコードする核酸をPBMCに導入した後に馴化される。一部の実施形態では、馴化するのに使用されるアジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン-ポリシチジル(ポリI:C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG 7909である。
【0125】
一部の実施形態では、PBMCはB細胞を含み、一つ以上の共刺激分子は、馴化されていないPBMCのB細胞と比較して、馴化されたPBMCのB細胞において上方制御される。一部の実施形態では、一つ以上の共刺激分子は、馴化されていない複数のPBMCのB細胞と比較して、馴化された複数のPBMCのB細胞において上方制御される。一部の実施形態では、共刺激分子は、CD80および/またはCD86である。一部の実施形態では、馴化された複数のPBMCは、馴化されていない複数のPBMCと比較して、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αの一つ以上の発現が増加している。一部の実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αの一つ以上の発現が、馴化されていない複数のPBMCと比較して、約1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、8倍、または10倍を超えて増加している。
【0126】
一部の実施形態では、PBMCは、ヒト細胞である。一部の実施形態では、PBMCは、HLA-A02、HLA-A01、HLA-A03、HLA-A24、HLA-A11、HLA-A26、HLA-A32、HLA-A31、HLA-A68、HLA-A29、HLA-A23、HLA-B07、HLA-B44、HLA-B08、HLA-B35、HLA-B15、HLA-B40、HLA-B27、HLA-B18、HLA-B51、HLA-B14、HLA-B13、HLA-B57、HLA-B38、HLA-C07、HLA-C04、HLA-C03、HLA-C06、HLA-C05、HLA-C12、HLA-C02、HLA-C01、HLA-C08、またはHLA-C16のハプロタイプを有するヒト細胞である。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞の二つ以上を含む。一部の実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、および/またはNK-T細胞の一つ以上である。
【0127】
一部の実施形態では、PBMCは、一つ以上の共刺激分子の発現が増加するようにさらに修飾される。一部の実施形態では、共刺激分子は、B7-H2(ICOSL)、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、CD70、LIGHT、HVEM、CD40、4-1BBL、OX40L、TL1A、GITRL、CD30L、TIM4、SLAM、CD48、CD58、CD155、またはCD112である。一部の実施形態では、複数のPBMCが、一つ以上のサイトカインの発現が増加するようにさらに修飾される。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-10、IL-15、IL-12、IL-2、IFN-α、IFN-γ、またはIL21である。
【0128】
一部の実施形態では、HPV抗原は、同じおよび/または異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。一部の実施形態では、HPV抗原は、一つ以上の抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原が、他の抗原またはアジュバントと複合体化する。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスI制限ペプチドに処理されることが可能である。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスII制限ペプチドに処理されることが可能である。
【0129】
一部の実施形態では、方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの複数回の投与を含む。一部の実施形態では、方法は、HPV抗原を含むPBMCの約3回~約9回の投与を含む。一部の実施形態では、方法は、HPV抗原を含むPBMCの約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回のいずれか一つの投与を含む。一部の実施形態では、方法は、必要に応じてHPV抗原を含むPBMCの連続的な投与を含む。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCの二回の連続した投与の間の時間間隔は、約1日~約30日の間である。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCの二回の連続した投与の間の時間間隔は、約21日である。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCの二回の連続した投与の間の時間間隔は、約1、2、3、4、5、6、7、8、10、12、14、16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、または150日のいずれか一つである。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCの最初の二回の連続した投与の間の時間間隔は、1日または2日である。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCの最初の二回の連続投与の間の時間間隔は、1日または2日であり、方法は、HPV抗原を含むPBMCの2回を超える(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15回、またはそれ以上の投与であるが、これらに限定されない)投与を含む。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、静脈内、腫瘍内、経口および/または皮下投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、静脈内投与される。
【0130】
一部の実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチドである。一部の実施形態では、アジュバントは、ポリI:Cである。
【0131】
一部の実施形態では、個体は、HLA-A02、HLA-A01、HLA-A03、HLA-A24、HLA-A11、HLA-A26、HLA-A32、HLA-A31、HLA-A68、HLA-A29、HLA-A23、HLA-B07、HLA-B44、HLA-B08、HLA-B35、HLA-B15、HLA-B40、HLA-B27、HLA-B18、HLA-B51、HLA-B14、HLA-B13、HLA-B57、HLA-B38、HLA-C07、HLA-C04、HLA-C03、HLA-C06、HLA-C05、HLA-C12、HLA-C02、HLA-C01、HLA-C08、またはHLA-C16の発現について陽性である。
【0132】
免疫チェックポイントは、免疫系の調節因子であり、免疫応答を抑制する。免疫チェックポイント阻害剤を使用して、免疫応答の増強を促進することができる。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物および免疫チェックポイント阻害剤は、同時に投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物および免疫チェックポイント阻害剤は、連続して投与される。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤および/またはHPV抗原を含むPBMCは、静脈内、腫瘍内、経口および/または皮下投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、静脈内投与される。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内、腫瘍内、経口および/または皮下投与される。
【0133】
一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前に投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後に投与される。例えば、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、または約7日間で投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
【0134】
一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、または約50日間で投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、または約45日間~約50日間で投与される。
【0135】
一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後に投与される。例えば、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、または約7日間で投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
【0136】
一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、または約50日間で投与される。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、または約45日間~約50日間で投与される。
【0137】
一部の実施形態では、方法は、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物の複数回の投与および/または免疫チェックポイント阻害剤の複数回の投与を含む。例えば、一部の実施形態では、方法は、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物および/または免疫チェックポイント阻害剤の二回の投与、三回の投与、四回の投与、五回の投与、六回の投与、七回の投与、八回の投与、九回の投与、十回の投与、十一回の投与、十二回の投与、十三回の投与、十四回の投与、または十五回の投与を含む。例えば、一部の実施形態では、方法は、HPV抗原を含むPBMCを含む組成物および/または免疫チェックポイント阻害剤の五回未満の投与、十回未満の投与、十五回未満の投与、二十回未満の投与、二十五回未満の投与、三十回未満の投与、五十回未満の投与、七十五回未満の投与、百回未満の投与、または二百回未満の投与を含む。
【0138】
例示的な免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAを標的とするが、これらに限定されない。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1と結合する抗体、PD-L1と結合する抗体、CTLA-4と結合する抗体、LAG3と結合する抗体、またはTIM-3と結合する抗体、TIGITと結合する抗体、VISTAと結合する抗体、TIM-1と結合する抗体、B7-H4と結合する抗体、またはBTLAと結合する抗体の一つ以上である。さらなる実施形態では、抗体は、完全長抗体または任意のバリアント、例えば、抗体断片、単鎖可変断片(ScFv)、または断片抗原結合(Fab)であり得るが、これらに限定されない。さらなる実施形態では、抗体は、二重特異性、三重特異性、または多重特異性であり得る。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上に結合および/または一つ以上を阻害する一つ以上の化学的な化合物である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、またはBTLAの一つ以上に結合および/または一つ以上を阻害する一つ以上のペプチドである。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1を標的とする。
【0139】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれか一つに従って、個体において免疫応答を刺激する方法で使用するための少なくとも一つのHPV抗原を含む複数のPBMCが提供される。
【0140】
本明細書に記載されるHPV関連がんの治療方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、治療は、がん細胞を死滅させること、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に関連する一つ以上の症状を寛解させることのいずれかまたはすべてを含む。一部の実施形態では、HPV関連がんを治療する方法は、腫瘍負荷が高い患者よりも腫瘍負荷が低い患者において有効である。一部の実施形態では、HPV関連がんを治療する方法は、以下の一つ以上において、より高い率をもたらす:がん細胞を死滅させること、がん細胞の増殖を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および高い腫瘍負荷を有する患者と比べて、より低い腫瘍負荷を有する患者において、疾患に関連する一つ以上の症状を改善すること。
【0141】
HPV抗原を含むPBMCの組成物
本明細書に記載される治療方法の一部の実施形態では、PBMCは、細胞内に送達されるHPV抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが馴化される。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するために、約37℃で約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間、PBMCをアジュバントと培養するプロセスよって馴化される。
【0142】
一部の実施形態では、治療方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量を投与することを含み、少なくとも一つのHPV抗原tを含むPBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成する培養すること。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0143】
一部の実施形態では、方法は、HPV抗原およびアジュバントを含むPBMCの有効量を投与することを含み、HPV抗原およびアジュバントを含むPBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、HPV抗原およびアジュバントが、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、およびb)摂動入力PBMCを、HPV抗原およびアジュバントと、HPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、HPV抗原およびアジュバントを含む修飾PBMCを生成する培養すること。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0144】
一部の態様では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの組成物が提供され、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過させること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成する培養すること。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~4および18~25のいずれか一つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0145】
一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの集団内で最小の直径を有する入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μm、約3μm~約3.5μm、約3.5μm~約4μm、約4μm~約4.5μm、約3.2μm~約3.8μm、約3.8μm~約4.3μm、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、4.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μm、または15μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、入力PMBCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部は、直列および/または並列に配置されている。一部の実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部は、直列および/または並列に配置されている。
【0146】
一部の実施形態では、HPV抗原は、同じおよび/または異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。一部の実施形態では、HPV抗原は、一つ以上の抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原が、他の抗原またはアジュバントと複合体化する。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスI制限ペプチドに処理されることが可能である。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスII制限ペプチドに処理されることが可能である。
【0147】
一部の実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0148】
用量およびレジメン
一部の実施形態では、個体におけるHPV関連疾患を治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、有効量は、約0.5×10g~約5×10細胞/kgであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。一部の実施形態では、方法は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することをさらに含む。
【0149】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCの有効量は、少なくとも一つのHPV抗原0.5×10~約5×10細胞/kgを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMC有効量は、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、および1.0×10細胞/kgのいずれか一つである。一部の実施形態では、有効量は、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、または約0.5×10~約1.0×10の細胞/kgのいずれか一つである。一部の実施形態では、個体におけるHPV関連がんを治療する方法が提供され、当該方法は、PBMCを含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、有効量は、約0.5×10g~約5×10細胞/kgであり、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む。
【0150】
一部の実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することをさらに含み、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4に結合する抗体である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約0.1mg/kg~約30mg/kgである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約1mg/kg~約3mg/kgのいずれかである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約0.1、0.2、0.5、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、または約30mg/kgのいずれか一つである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約0.1~0.2、0.2~0.5、0.5~1.0、1.0~1.2、1.2~1.4、1.4~1.6、1.6~1.8、1.8~2.0、2.0~2.2、2.2~2.4、2.4~2.6、2.6~2.8、2.8~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~12、12~14、14~16、16~18、18~20、20~25、または25~30mg/kgのいずれか一つである。
【0151】
一部の実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することをさらに含み、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に結合する抗体である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。一部の実施形態では、ニボルマブの有効量は、約30mg~約1000mgである。一部の実施形態では、ニボルマブの有効量は、約300mg~約400mgのいずれか一つである。一部の実施形態では、ニボルマブの有効量は、約360mgである。一部の実施形態では、ニボルマブの有効量は、約30、50、100、150、200、250、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、700、800、900または1000mgのいずれか一つである。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、約30~50、50~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~320、320~340、340~360、360~380、380~400、400~450、500~550、550~600、600~700、700~800、800~900、900~1000mgのいずれか一つである。
【0152】
一部の実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤の有効量を投与することをさらに含み、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1を標的とする。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1の拮抗薬である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1に結合する抗体である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約100mg~約2500mgである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約900mg~約1500mgである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約1200mgのいずれか一つである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1150、1200、1250、1300、1400、1500、1600、1800、2000、2200、または2500mgのいずれか一つである。一部の実施形態では、アテゾリズマブの有効量は、約100~200、200~300、300~400、400~500、500~600、600~700、700~800、800~900、900~1000、1000~1100、1100~1200、1200~1300、1300~1400、1400~1500、1500~1600、1600~1800、1800~2000、2000~2200、2200~2500mgのいずれか一つである。
【0153】
一部の実施形態では、治療方法は、本明細書に記載されるPBMCを個体に投与する複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のいずれか)サイクルを含む。例えば、一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原がPBMCに入るように、入力PBMCを狭窄部を介して通過させて、摂動入力PBMCを形成することによって産生された、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを、個体に2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の頻度で、投与することによって、抗原に対して個体にワクチン接種をする方法が提供される。一部の実施形態では、修飾PBMCの任意の二回の連続投与の間の期間は、少なくとも約1日である(少なくとも約2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、またはこれら値の範囲を含むそれ以上のいずれか)。
【0154】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10週間のサイクルのいずれか一つで投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10週間のサイクルのいずれか一つの1日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、3週間のサイクルで投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、6週間のサイクルで投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルにおける1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日目の一つ以上で投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルの1日目および2日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルの1日目および3日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、治療サイクルの8日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、三週間のサイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、三週間のサイクルの2日目にさらに投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、PBMC組成物供給が枯渇するまで、または一年間、3週間サイクルで投与される。一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、少なくとも約三か月、六か月、九か月、一年間、または二年間、個体に投与される。
【0155】
一部の実施形態では、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10,、および1.0×10細胞/kg のPBMCのいずれか一つが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg~約5×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、および1.0×10細胞/kgのいずれか一つが、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、および1.0×10細胞/kgのいずれか一つが、最初の三週間サイクルの1日目および2日目に投与され、約0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、および1.0×10細胞/kgのいずれか一つが、その後の三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgは、最初の三週間サイクルの1日目および2日目に投与され、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgは、その後の三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg~約5×10細胞/kgが、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、または約5.0×10細胞/kgが、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、0.5×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、0.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、0.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、0.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、0.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの3日目に投与される。一部の実施形態では、2.5×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、2.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、2.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、2.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、2.5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの3日目に投与される。一部の実施形態では、2.5×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの2日目に投与される。一部の実施形態では、5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの1日目に投与され、5×10細胞/kgは、各三週間サイクルの3日目に投与される。
【0156】
一部の実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤の一つ以上の有効量を投与することをさらに含み、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4を標的とする。PD-1および/またはPD-L1。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体、および/またはPD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体は、サイクル毎に1、2、3、4、5、6回またはそれ以上の回数で投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体、および/またはPD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体は、三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、二つの三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、二つの三週間サイクル毎に一回投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、二つの三週間サイクル毎に一回投与される。
【0157】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10週間のサイクルのいずれか一つで投与される。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、9-、、または10週間のサイクルのいずれか一つの1日目に投与される。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、治療サイクルの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日目のいずれか一日に、一回以上投与される。
【0158】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4に結合する抗体であり、CTLA-4に結合する抗体は、各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、最大四用量にわたって投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体の有効量は、約1mg/kg~約3mg/kgである。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブである。一部の実施形態では、イピリムマブは、約1mg/kg~約3mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、各三週間サイクルの1日目に約3mg/kgの用量で投与される。
【0159】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に結合する抗体であり、PD-1に結合する抗体は、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブである。一部の実施形態では、ニボルマブは、約360mgの用量で投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブであり、ニボルマブは、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に、約360mgの用量で投与される。
【0160】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤の一つ以上は、CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体を含み、CTLA-4に結合する抗体は、隔三週間サイクルの1日目(すなわち、各6週間サイクルの1日目、または二つの三週間サイクルの最初の三週間サイクルの1日目)に投与され、PD-1に結合する抗体は、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体はイピリムマブであり、PD-1に結合する抗体はニボルマブである。一部の実施形態では、イピリムマブは、約1mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、ニボルマブは、約360mgの用量で投与される。一部の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、約1mg/kgの用量で、各隔三週間サイクルの1日目(すなわち、各6週間サイクルの1日目、または二つの三週間サイクルの最初の三週間サイクルの1日目)に投与され、PD-1に結合する抗体は、ニボルマブであり、ニボルマブは、約360mgの用量で、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される。
【0161】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1に結合する抗体であり、PD-L1に結合する抗体は、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各三週間サイクルの1日目に投与される。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、アテゾリズマブは、約1200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、アテゾリズマブであり、アテゾリズマブは、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に、約1200mgの用量で投与される。
【0162】
HPV抗原を含むPBMCの組成物を生成する方法
一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを含む組成物を生成する方法であって、少なくとも一つのHPV抗原が、細胞内でPBMCに送達される方法が、提供される。例えば、本明細書に記載される治療方法における使用のための組成物を生成するための方法。一部の実施形態では、HPV抗原およびアジュバントを含むPBMCを含む組成物を生成する方法であって、HPV抗原およびアジュバントが、細胞内でPBMCに送達される方法が、提供される。
【0163】
一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、以下を含むプロセスにより調製される:a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす、通過すること、およびb)摂動入力PBMCの集団を、少なくとも一つのHPV抗原およびアジュバントと、抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成する、培養すること。
【0164】
一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E6に由来するペプチドを含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E7に由来するペプチドを含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E6に由来するペプチドを含む。
【0165】
一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約15μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約10μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約6μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約6μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約4.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約3.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.5μm~約4μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4μm~約4.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μm、または15μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μm、3.1μm、3.2μm、3.3μm、3.4μm、3.5μm、3.6μm、3.7μm、3.8μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.2μm、4.3μm、4.4μm、4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μm、または5.0μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、4.5μmである。一部の実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部は、直列および/または並列に配置されている。
【0166】
一部の実施形態では、HPV抗原は、同じおよび/または異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。一部の実施形態では、HPV抗原は、一つ以上の抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原が、他の抗原またはアジュバントと共に送達される。一部の実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。一部の実施形態では、HPVは、HPV-16またはHPV-18である。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。一部の実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む。一部の実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2制限ペプチドを含む。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスI制限ペプチドに処理されることが可能である。一部の実施形態では、HPV抗原が、MHCクラスII制限ペプチドに処理されることが可能である。
【0167】
一部の実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0168】
HPV抗原
本明細書に記載の方法による一部の実施形態では、外因性抗原は、HPV抗原である。パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する小さな非エンベロープDNAウイルスである。100を超えるHPV遺伝子型が完全に特徴付けられており、より多くの数が存在すると推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびに一部の外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの公知の原因である。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、発がん性HPV型の一つによる持続性感染は、前がん状態またはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、一般的ないぼ、足底いぼ、扁平いぼ、肛門性器いぼ、肛門病変、表皮発育異常症、巣状上皮性過形成、口腔パピローマ、疣贅嚢胞、喉頭部パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰部上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内腫瘍(VAIN)が挙げられる。公知のHPV型の多くは、良性病変を引き起こし、サブセットは発がん性である。疫学的および系統的関係に基づき、HPV型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「推定高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがん、ならびに他の肛門性器がん、例えば、外陰がん、膣がん、陰茎がん、肛門がん、および肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16および18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81型)が、良性かつ低悪性度の子宮頸部変化、生殖器いぼ、および再発性呼吸器パピローマとして現れることが知られている。皮膚HPVの5、8、および92型は、皮膚がんに関連している。一部のHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Sursh and Burtness,Am J Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。一部の実施形態では、外因性抗原は、同じおよびまたは異なる抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。一部の実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原への免疫応答を減少させない。一部の実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。一部の実施形態では、HPVは、HPV-16またはHPV-18である。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。一部の実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む。一部の実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2制限ペプチドを含む。一部の実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2制限ペプチドを含み、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HLA-A2制限ペプチドは、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原が、配列番号18~25のいずれか一つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号18と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号19と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号20のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号21のアミノ酸配列からなる。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号22のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号23のアミノ酸配列からなる。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号24のアミノ酸配列からなる。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号25のアミノ酸配列からなる。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列の少なくとも一つを含む複数の抗原である。一部の実施形態では、外因性抗原は、配列番号18~25のいずれか一つの2、3、4、5、6、7、または8のアミノ酸配列を含む複数の抗原である。一部の実施形態では、外因性抗原は、配列番号19と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列、および配列番号23と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む複数の抗原である。一部の実施形態では、外因性抗原は、配列番号19のアミノ酸配列および配列番号23のアミノ酸配列を含む複数の抗原である。一部の実施形態では、複数の抗原は、非共有結合したペプチドのプール内に含まれる。一部の実施形態では、複数の抗原は、非共有結合したペプチドのプール内に含まれ、各ペプチドは、一つ以下の抗原を含む。一部の実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれるものであり、配列番号19のアミノ酸配列と配列番号25のアミノ酸配列とが、別個のペプチド内に含有される。
【0169】
一部の実施形態では、HPV抗原は、同じおよび/または異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプール内にある。一部の実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原への免疫応答を減少させない。一部の実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPV抗原と一つ以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-A11-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-B7-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、HLA-C8-特異的エピトープから構成される。一部の実施形態では、HPV抗原は、完全長HPVタンパク質のN末端ドメインの一部または全てを含む。
【0170】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCは、複数の免疫原性エピトープを含む複数のHPV抗原を含む。さらなる実施形態では、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含むPBMCを個体に投与した後、複数の免疫原性エピトープのいずれもが、他の免疫原性エピトープのいずれかに対する個体における免疫応答を減少させない。一部の実施形態では、HPV抗原は、ポリペプチドであり、また免疫原性エピトープは、免疫原性ペプチドエピトープである。一部の実施形態では、免疫原性ペプチドエピトープは、N末端隣接ポリペプチドおよび/またはC末端隣接ポリペプチドと融合されている。一部の実施形態では、HPV抗原は、免疫原性ペプチドエピトープおよび一つ以上の異種ペプチド配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、HPV抗原は、N末端および/またはC末端で異種ペプチド配列に隣接する免疫原性ペプチドエピトープを含むポリペプチドである。一部の実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、疾患関連免疫原性ペプチドに由来する。一部の実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、天然に存在しない配列である。一部の実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、免疫原性合成長鎖ペプチド(SLP)に由来する。一部の実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドに処理されることが可能である。
【0171】
アジュバント
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を直接的にまたは間接的のどちらかで調節するおよび/または生じる物質を指すことができる。本発明の一部の実施形態では、アジュバントは、PBMC集団に細胞内に送達され、アジュバントを含む修飾PBMCを形成する。一部の例では、アジュバントは、HPV抗原単独と比較して、HPV抗原に対する免疫応答を増強するHPV抗原を含むPBMCと併せて投与される。一部の実施形態では、PBMCは、狭窄部を介してPBMCが通過する前、通過中、または通過後にアジュバントと培養されて、PBMCの馴化(例えば、これに限定されないが成熟)を促進する。アジュバントを使用して、HPV抗原に対する免疫細胞応答(例えば、T細胞応答)の誘発を押し上げることができる。例示的なアジュバントとしては、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)作動薬、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)作動薬、ならびにTLR3、TLR4、TLR7、TLR8、および/またはTLR9の作動薬が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアジュバントには、CpG ODN、インターフェロン-α(IFN-α)、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、イミキモド(R837)、レシキモド(R848)、またはリポ多糖(LPS)が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アジュバントは、ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI: C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。特定の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。一部の実施形態では、CpG ODNは、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODN、またはクラスC CpG ODNである。一部の実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1018、CpG ODN 1585、CpG ODN 2216、CpG ODN 2336、CpG ODN 1668、CpG ODN 1826、CPG ODN 2006、CpG ODN 2007、CpG ODN BW006、CpG ODN D-SL01、CpG ODN 2395、CpG ODN M362、CpG ODN D-SL03の群からの選択を含む。一部の実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1826(TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号30))、またはCpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号31))オリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG 7909である。一部の実施形態では、RIG-I作動薬は、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用により、免疫応答の惹起を増強することもできる。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントによって馴化される。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用により、免疫応答の惹起を増強することもできる。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬の任意の組み合わせをさらに含む。一部の実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STING作動薬、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-I作動薬、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬の任意の組み合わせをさらに含む。
【0172】
PBMC内の構成細胞
一部の実施形態では、本明細書に開示する方法は、それを必要とする個体に少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの組成物の有効量の投与を提供し、少なくとも一つのHPV抗原が、細胞内に送達される。一部の実施形態では、PMBCの組成物は、免疫細胞の組成物である。一部の実施形態では、PBMCの組成物は、複数のPBMCを含む。一部の実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、および/またはNK-T細胞の一つ以上である。
【0173】
本発明の特定の実施形態では、組成物のHPV抗原を含む細胞は、PBMCである。本明細書で使用される場合、PBMCは、個体から取得される全血からの白血球アフェレーシスなどのアフェレーシスによって単離され得る。また、同じ個体または異なる個体由来の異なるプールのPBMCを混合することによって再構成されたPBMC組成物も提供される。他の例では、PBMCは、生成されたプロファイルを有する混合細胞組成物に異なる細胞集団を混合することによって再構成することもできる。一部の実施形態では、PBMCを再構成するために使用される細胞集団は、混合された細胞集団(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球の一つ以上の混合物)である。一部の実施形態では、PBMCを再構成するために使用される細胞集団は、精製された細胞集団(例えば、精製されたT細胞、B細胞、NK細胞、または単球)である。追加の例では、PBMC組成物の再構成に使用される異なる細胞集団は、同じ個体から(例えば、自己由来)単離するか、または異なる個体から(例えば、同種異系および/もしくは異種で)単離することができる。
【0174】
したがって、本明細書に記載される方法による一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞の一つ以上を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、CD3+T細胞、CD20+B細胞、CD14+単球、CD56+NK細胞の一つ以上を含む。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と本質的に同じである。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と本質的に同じである。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%以下のいずれか一つで異なる。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と10%以下のいずれか一つで異なる。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%以下のいずれか一つで異なる。一部の実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比率と10%以下のいずれか一つで異なる。
【0175】
本明細書に記載の方法による一部の実施形態では、修飾PBMCの約25%~約80%は、T細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約1.5%~約30%は、B細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約3%~約35%は、NK細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約4%~約45%は、NK細胞である。
【0176】
本明細書に記載される方法による一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%のいずれか一つは、T細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約25%は、T細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、7.5%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、、または30%のいずれか一つは、B細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約1.5%は、B細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、7.5%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、、または30%のいずれか一つは、NK細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約3%は、NK細胞である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、25%、30%、35%、40% 、または45%のいずれか一つは、単球である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約4%は、単球である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約25%はT細胞であり、PBMCの少なくとも約1.5%はB細胞であり、PBMCの少なくとも約3%はNK細胞であり、およびPBMCの少なくとも約4%は単球である。
【0177】
本明細書に記載される方法による一部の実施形態では、PBMCの約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、、または90%以下のいずれか一つは、T細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約80%以下は、T細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約5%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、25%、30%、35%、40%,、または50%以下のいずれか一つは、B細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約30%以下は、B細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、または60%以下のいずれか一つは、NK細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約35%以下は、NK細胞である。一部の実施形態では、PBMCの約5%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、25%、30%、35%、40%、または50%以下のいずれか一つは、単球である。一部の実施形態では、PBMCの約45%以下は、単球である。一部の実施形態では、PBMCの約80%以下はT細胞であり、PBMCの約30%以下はB細胞であり、PBMCの約20%以下はNK細胞であり、PBMCの約45%以下は単球である。
【0178】
本明細書に記載される方法による一部の実施形態では、修飾PBMCの約20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、または75%~80%のいずれか一つは、T細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約25%~約80%は、T細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約1%~1.5%、1.5%~2.5%、2.5%~4%、4%~6%、6%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%、または25%~30%のいずれか一つは、B細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約2.5%~約14%は、B細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約1%~2%、2%~3%、3%~5%、5%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、または35%~40%のいずれか一つは、NK細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約3.0%~約35%は、NK細胞である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約2%~4%、4%~6%、6%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、または30%~45%のいずれか一つは、単球である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約4%~約45%は、単球である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、修飾PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、修飾PBMCの約3%~約35%はNK細胞であり、および修飾PBMCの約4%~約45%は単球である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、修飾PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、修飾PBMCの約3%~約20%はNK細胞であり、および修飾PBMCの約4%~約45%は単球である。一部の実施形態では、修飾PBMCの約25%~約70%はT細胞であり、修飾PBMCの約2.5%~約14%はB細胞であり、修飾PBMCの約3.5%~約20%はNK細胞であり、および修飾PBMCの約4%~約25%は単球である。
【0179】
本明細書で使用される場合、PBMCは、単核血球(例えば、リンパ球および単球)の混合細胞集団の組成物を操作した後に生成することもできる。一部の事例では、PBMCは、単核血球の混合細胞集団内の特定の亜集団(例えばB細胞)を低減(例えば枯渇)させた後に生成される。個体における単核血球の混合細胞集団中の組成物を操作して、細胞集団を同じ個体の全血由来の白血球アフェレーシス産物にいっそう厳密に類似させることができる。他の例では、単核血球(例えば、マウス脾細胞)の混合細胞集団中の組成物を操作して、細胞集団をヒト全血由来の白血球アフェレーシス産物から単離されたヒトPBMCにいっそう厳密に類似させることもできる。
【0180】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、PBMCに見られる細胞の集団である。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBC組成物は、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞の一つ以上を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、CD3+T細胞、CD20+B細胞、CD14+単球、CD56+NK細胞の一つ以上を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のT細胞のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%のT細胞を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のB細胞のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%のB細胞を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のNK細胞のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%のNK細胞を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の単球のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%の単球を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の樹状細胞のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%の樹状細胞を含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のNK-T細胞のいずれかを含む。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPMBCの組成物は、100%のNK-T細胞を含む。
【0181】
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの製造可能性
本明細書に記載される方法または組成物のいずれか一つによる一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの生存率は、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98%のいずれか一つである。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの生存率は、少なくとも約90%である。
【0182】
一部の実施形態では、治療方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量を投与することを含み、少なくとも一つのHPV抗原を含む PBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成し、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの生存率は、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98%のいずれか一つである、培養すること。
【0183】
本明細書に記載される方法または組成物のいずれか一つによる一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCのエンドツーエンドの処理時間(例えば、以下の一つ以上を含む処理:患者のleukopakの水簸、PBMCの組成物の操作、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの生成および/または調整など)は、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間のいずれか一つである。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCのエンドツーエンドの処理時間は、約15時間である。
【0184】
一部の実施形態では、治療方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量を投与することを含み、少なくとも一つのHPV抗原を含む PBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成し、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCのエンドツーエンドの処理時間は、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23 、または24時間のいずれか一つである、培養すること。
【0185】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法または組成物のいずれか一つによると、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300pg/mLのIFNγ-分泌を刺激することができる。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300、500、750、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000,、または10000pg/mLのいずれか一つのIFNγ-分泌を刺激することができる。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCの少なくとも約90%のバッチは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300pg/mLのIFNγ-分泌を刺激することができる。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95% または98%のバッチのいずれか一つは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300pg/mLのIFNγ-分泌を刺激することができる。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCの100%のバッチは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300pg/mLのIFNγ-分泌を刺激することができる。
【0186】
一部の実施形態では、治療方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量を投与することを含み、少なくとも一つのHPV抗原を含み、PBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成し、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300、500、750、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、または10000pg/mLのいずれか一つのIFNγ-分泌を刺激することができる、培養すること。
【0187】
一部の実施形態では、治療方法は、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量を投与することを含み、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、以下により調製される:a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、およびb)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成し、修飾PBMCの少なくとも二つ以上のバッチが調製され、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%のいずれか一つのバッチは、HPV抗原特異的レスポンダーT細胞と共培養する場合、少なくとも約300pg/mLのIFNγ-分泌を刺激することができる、培養すること。
【0188】
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCのさらなる修飾
本明細書に記載する方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCの組成物は、この薬剤を含まない対応するPMBCの組成物と比較して、PMBCの生存率および/または機能を増強するある薬剤をさらに含む。一部の実施形態では、PBMCの組成物は、凍結融解サイクル時に、PBMCの生存率および/または機能を、この薬剤を含まない対応するPBMCの組成物と比較して、PBMCの生存率および/または機能を増強するある薬剤をさらに含む。一部の実施形態では、薬剤は、凍結保存剤および/または低温保存剤である。一部の実施形態では、凍結保存剤も低温保存剤も、薬剤を含むPBMC組成物中で、任意の凍結融解サイクルの前にその薬剤を含まない対応するPBMCの組成物と比較して、10%または20%を超える細胞死を生じさせない。一部の実施形態では、凍結保存剤および/または低温保存剤を含むPBMC組成物の凍結融解サイクルは、凍結保存剤および低温保存剤を含まない対応するPBMC組成物の凍結融解サイクルと比較して、生存細胞の10%、20%、30%、40%、または50%減少した損失を生じる。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約70%、約80%、約90%、または95%は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結融解サイクル後に生存可能である。一部の実施形態では、PBMCの少なくとも約70%、約80%、または90%は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結融解サイクル後に生存可能である。一部の実施形態では、薬剤は、エンドサイトーシスを増強する化合物、安定化剤、または補因子である。一部の実施形態では、薬剤は、アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、またはヒトアルブミンである。一部の実施形態では、薬剤は、マウス、ウシ、またはヒトアルブミンの一つ以上である。一部の実施形態では、薬剤は、ヒトアルブミンである。一部の実施形態では、薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、またはEDTAの一つ以上である。一部の実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+、Zn2+、またはCa2+の一つ以上である。一部の実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、DMSO、HEPES、グリセロール、グルタチオン、イノシン、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン、マグネシウム金属イオン、塩化物、アセテート、グルコネート、スクロース、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの一つ以上である。一部の実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、Rejuvesol(登録商標)、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、PlasmaLyte(登録商標)、DMSO、Cryostor(登録商標)CS2、Cryostor(登録商標)CS5、Cryostor(登録商標)CS10、Cryostor(登録商標)CS15、HEPES、グリセロール、グルタチオン、HypoThermosol(登録商標)の一つ以上である。
【0189】
本明細書に記載される方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、PBMCの組成物は、一つ以上の共刺激分子の発現を増加させるようにさらに改変された複数の修飾PBMCを含む。一部の実施形態では、共刺激分子は、B7-H2(ICOSL)、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、CD70、LIGHT、HVEM、CD40、4-1BBL、OX40L、TL1A、GITRL、CD30L、TIM4、SLAM、CD48、CD58、CD155、、またはCD112である。一部の実施形態では、複数の修飾PBMCは、一つ以上の共刺激分子の発現の増加をもたらす核酸を含む。一部の実施形態では、複数の修飾PBMCは、一つ以上の共刺激分子の発現の増加をもたらすmRNAを含む。一部の実施形態では、共刺激分子は、T細胞活性化の刺激におけるシグナル2エフェクターである。
【0190】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、修飾PBMCは、一つ以上のサイトカインの発現を増加させるためにさらに修飾される。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-2、IL-12、IL-21、またはIFNα2の一つ以上である。一部の実施形態では、複数の修飾PBMCは、一つ以上のサイトカインの発現および/または分泌の増加をもたらす核酸を含む。一部の実施形態では、サイトカインは、T細胞活性化の刺激におけるシグナル3エフェクターである。
【0191】
本明細書に記載される方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、複数の修飾PBMC中の少なくとも一つの細胞は、HLA-A2の発現について陽性である。一部の実施形態では、修飾PBMCは、MHCクラスI発現を調節するためのさらなる修飾を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、HLA-A02 MHCクラスIの発現を調節するためのさらなる修飾を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、HLA-A11 MHCクラスIの発現を調節するためのさらなる修飾を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、HLA-B07 MHCクラスIの発現を調節するためのさらなる修飾を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、HLA-C08 MHCクラスIの発現を調節するためのさらなる修飾を含む。HLA発現の上方制御をもたらすことができる薬剤には、IFNγ、IFNα、IFNβ、および放射線が含まれるが、これらに限定されない。
【0192】
一部の実施形態では、修飾PBMCは、MHCクラスII発現を調節するためのさらなる修飾を含む。一部の実施形態では、同種異系状況における修飾PBMCの投与に応答して、個体で開始される自然免疫応答は、同種異系状況における対応するさらなる修飾を含まない修飾PBMCの投与に応答して個体で開始される自然免疫応答と比較して減少する。一部の実施形態では、修飾PBMCの投与された個体におけるそれらの循環半減期は、それらの投与された個体におけるさらなる修飾を含まない対応する修飾PBMCの循環半減期と比較して増加する。一部の実施形態では、修飾PBMCの投与された個体におけるそれらの循環半減期は、それらの投与された個体におけるさらなる修飾を含まない対応する修飾PBMCの循環半減期と比較して、約10%、25%、50%、75%、100%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、200倍、または500倍以上のいずれか一つで増加する。一部の実施形態では、修飾PBMCの投与された個体におけるそれらの循環半減期は、それらの投与された個体におけるさらなる修飾を含まない対応する修飾PBMCの循環半減期と本質的に同じである。
【0193】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、プロセスは、さらなる培養ステップを行わずに調製された対応するPBMCと比較して、PBMCの生存率および/または機能を増強する剤とPBMCの組成物を培養するステップをさらに含む。
【0194】
一部の実施形態では、組成物は、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×1010、1.0×1010PBMC/mLのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、有効量は、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、または約0.5×10~約1.0×10PBMC/mLのいずれか一つである。一部の実施形態では、組成物は、1×10、1×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、1×10 PBMC/mLのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、組成物は、約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mLを含む。
【0195】
一部の実施形態では、組成物は、約5×10~約5×10PBMCを含む。一部の実施形態では、組成物は、約5×10~約5×10PBMCを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10、0.5×10、1.0×10 、および5.0×10PBMCのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、約1.0×10~約0.5×10、約0.5×10~約1.0×10、または約1.0×10~約5×10PBMCのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、組成物は、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、および1×10のPBMCのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、組成物は、約2×10PBMC~約3×10PBMCを含む。一部の実施形態では、組成物は、2.1×10、2.2×10、2.3×10、2.4×10、2.5×10、2.6×10、2.7×10、2.8×10、2.9×10、および3.0×10PBMCのいずれか一つを含む。一部の実施形態では、組成物は、約2.75×10PBMCを含む。一部の実施形態では、組成物は、約2.5×10PBMCを含む。
【0196】
一部の実施形態では、組成物は、凍結保存培地を含む。一部の実施形態では、組成物は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%,、または85%(w/w)のいずれか一つの濃度の凍結保存培地を含む。一部の実施形態では、組成物は、約20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、または80%~85%(w/w)のいずれか一つの濃度の凍結保存培地を含む。
【0197】
一部の実施形態では、組成物は、低温保存培地を含む。一部の実施形態では、組成物は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%(w/w)のいずれか一つの割合の低温保存培地を含む。一部の実施形態では、組成物は、約10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、または65%~70%(w/w)のいずれか一つの割合の低温保存培地を含む。
【0198】
一部の実施形態では、組成物は、約2%、3%、4%、5%、8%、または10%(w/w)のいずれか一つの割合のヒト血清アルブミンを含む。一部の実施形態では、組成物は、約2%~3%、3%~5%、5%~8%、または8~10%(w/w)のいずれか一つの割合のヒト血清アルブミンを含む。一部の実施形態では、ヒト血清アルブミンは、ヒト血清アルブミン製剤として製剤に加えられる。一部の実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の割合は、約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%(w/w)のいずれか一つである。一部の実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の割合は、約10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、または45%~50%(w/w)のいずれかである。
【0199】
一部の実施形態では、製剤のpHは、約5.0~約9.5である。一部の実施形態では、製剤のpHは、約6.0~約8.5である。一部の実施形態では、製剤のpHは、約7.4である。一部の実施形態では、製剤のpHは、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10のいずれか一つである。一部の実施形態では、製剤のpHは、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一つである。一部の実施形態では、製剤のpHは、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一つである。一部の実施形態では、製剤のpHは、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一つである。
【0200】
一部の実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS10を含む。一部の実施形態では、組成物は、CryoStor(登録商標)CS10中に約5×10~約5×10PBMCを含むPBMCを含む。
【0201】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地、およびd)約3%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。
【0202】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地、およびd)約3%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。
【0203】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約2.75×10PBMC、b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。
【0204】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC/mL、b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約30%(w/w)の割合の低温保存培地、およびd)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。
【0205】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。
【0206】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH6.0~約pH8.5である。
【0207】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約2.75×10PBMC、b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。
【0208】
一部の実施形態では、PBMCを含む組成物は、a)約5×10PBMC/mL、b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミンを含み、組成物のpHは、約pH7.4である。
【0209】
HPV抗原を含むPBMCの組成物の生成に使用される狭窄部
一部の実施形態では、本発明は、免疫応答を刺激するHPV抗原を含むPBMCの組成物を提供する。一部の実施形態では、HPV抗原は、細胞内でPBMCに送達される。ペイロードをPBMCに導入する方法は、当技術分野で公知である。
【0210】
一部の実施形態では、HPV抗原は、細胞の膜に一過性の細孔が導入され、それによりHPV抗原が細胞に入ることができるように、細胞に狭窄部を通過させることによってPBMCに導入される。狭窄部による細胞内への化合物の送達の例は、WO2013/059343、WO2015/023982、WO2016/070136、WO2017041050、WO2017008063、WO2017/192785、WO2017/192786、WO2019/178005、WO2019/178006、WO2020/072833、WO2020/154696,および国際公開第2020/176789号によって提供される。
【0211】
一部の実施形態では、HPV抗原およびアジュバントは、PBMCを含む細胞懸濁液を狭窄部に通過させることによって、本発明のPBMCを産生するためにPBMC内に送達され、狭窄部は、入力PBMCを変形させ、それによってHPV抗原およびアジュバントが摂動入力PBMC内に入るように、入力PBMCの摂動を引き起こす。一部の実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含まれる。一部の実施形態では、複数の狭窄部を、マイクロ流体チャネル内で並列および/または直列に配置することができる。
【0212】
一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部は、入口部分、中心点、および出口部分を含む。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の長さ、深さ、および幅は変動し得る。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の幅は、PBMC細胞の直径の関数である。PBMCの直径を決定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、ハイコンテンツイメージング、細胞カウンタ、またはフローサイトメトリーである。
【0213】
一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの集団内で最小の直径を有する入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のいずれか一つである。
【0214】
狭窄部によるPBMCへのHPV抗原の送達の一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約15μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約10μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約6μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約6μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約4.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約3.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.5μm~約4μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約4μm~約4.5μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μm、または15μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μm、3.1μm、3.2μm、3.3μm、3.4μm、3.5μm、3.6μm、3.7μm、3.8μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.2μm、4.3μm、4.4μm、4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μm、または5.0μm以下のいずれか一つまたはそれ未満である。一部の実施形態では、狭窄部の幅は、4.5μmである。
【0215】
PBMC内への化合物の送達に影響を与え得るパラメータの例としては、以下に限定されないが、狭窄部の寸法、狭窄部の入射角、狭窄部の表面特性(例えば、粗さ、化学的な変形、親水性、疎水性など)、動作時の流速(例えば、狭窄部を通過する細胞の通過時間)、細胞濃度、細胞懸濁液中の化合物の濃度、細胞懸濁液中の緩衝液、および狭窄部を通過した後にPBMCが回収または培養される時間の長さ、が挙げられ、これらは送達された化合物のPBMC内への通過に影響を与え得る。PBMCへの化合物の送達に影響を与えるさらなるパラメータとしては、狭窄部での入力PBMCの速度、狭窄部でのせん断速度、細胞懸濁液の粘度、流速に垂直な速度成分、および狭窄部内での時間を挙げることができる。加えて、直列および/または並列でチャネルを含む複数のチップは、PBMCへの送達に影響を与え得る。並列の複数のチップは、スループットを増強するために有用であり得る。このようなパラメータは、化合物の送達を制御するように設計することができる。一部の実施形態では、細胞濃度は、約10から少なくとも約1012細胞個/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲である。一部の実施形態では、送達化合物濃度は、約10ng/mLから約1g/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。一部の実施形態では、送達化合物濃度は、約1pMから少なくとも約2Mの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。
【0216】
一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約10mMである。例えば、一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のいずれかである。一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約10mMを超える。一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約0.1μM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのいずれかである。一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約1mMである。一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約10mMである。一部の実施形態では、PBMCと培養されるHPV抗原の濃度は、1μMである。
【0217】
一部の実施形態では、摂動入力PBMCと培養される抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えば、一部の実施形態では、摂動入力PBMCと培養される抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。一部の実施形態では、摂動入力Pと培養される抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。一部の実施形態では、摂動入力PBMCと培養される抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。一部の実施形態では、摂動入力PBMCと培養される抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0218】
一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1nM~約1mMの濃度のアジュバントを含む。例えば、一部の実施形態では、修飾PBMCは、約0.01μM、約0.1μM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mM、または約10mM未満のいずれかの濃度のアジュバントを含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約10mMのいずれかよりも高い濃度のアジュバントを含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1nM~約10nM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mMまたは約1mM~約10mMのいずれかの濃度のアジュバントを含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約0.1μM~約1mMの濃度のアジュバントを含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1μMの濃度のアジュバントを含む。
【0219】
一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1nM~約1mMの濃度の抗原を含む。例えば、一部の実施形態では、修飾PBMCは、約0.01μM、約0.1μM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mM、または約10mM未満のいずれかの濃度の抗原を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約10mMのいずれかよりも高い濃度の抗原を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1nM~約10nM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mMまたは約1mM~約10mMのいずれかの濃度の抗原を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約0.1nM~約1mMの濃度の抗原を含む。一部の実施形態では、修飾PBMCは、約1μMの濃度の抗原を含む。
【0220】
一部の実施形態では、修飾PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えば、一部の実施形態では、修飾PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。一部の実施形態では、修飾PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。一部の実施形態では、修飾PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。一部の実施形態では、修飾PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0221】
PBMCの馴化
本明細書に記載される方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが、馴化される。さらなる実施形態では、PBMCは成熟している。一部の実施形態では、PBMCは、狭窄部媒介性の送達に続いて馴化される。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、狭窄部により送達されるHPV抗原を含む細胞が馴化するのに十分な時間の間、アジュバントと培養され、それにより、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化細胞の組成物を生成する。一部の実施形態では、PBMCは、狭窄部媒介性の送達の後に馴化される。一部の実施形態では、狭窄部により送達されるHPV抗原を含むPBMCは、狭窄部により送達される変異HPV抗原を含むPBMCが馴化するのに十分な時間の間、アジュバントと培養され、それにより、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を生成する。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STING作動薬、RIG-I作動薬、ポリI:C、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)である(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号31))。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG 7909である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0222】
一部の態様では、以下のステップを含むプロセスにより調製された少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を提供する:a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の幅は、懸濁液中の入力PBMCの関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、摂動入力PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こす通過すること、b)摂動入力PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原と、少なくとも一つのHPV抗原が摂動PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む修飾PBMCを生成する培養すること、およびc)狭窄部により送達されるHPV抗原を含む修飾PBMCを、アジュバントと、狭窄部により送達されるHPV抗原を含む修飾PBMCを馴化するのに十分な時間培養することであって、それにより、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を生成する培養すること。一部の実施形態では、プロセスは、HPV抗原を含む修飾PBMCを、修飾PBMCを馴化するためにアジュバントと培養する前に、細胞懸濁液から単離することをさらに含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0223】
一部の実施形態では、PBMCは、狭窄部媒介性の送達の前に馴化される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCが馴化されるのに十分な時間の間、アジュバントと培養され、それによってPBMCを馴化する。一部の実施形態では、以下のステップを含むプロセスにより調製された少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を提供する:a)PBMCを、PBMCが馴化されるのに十分な時間の間、アジュバントと培養することであって、それにより、馴化PBMCを生成する培養すること、b)馴化PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の幅は、懸濁液中のPBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が、馴化摂動PBMCを形成するために通過するのに十分な大きさのPBMCの摂動を引き起こす通過すること、およびc)馴化摂動PBMCを、少なくとも一つのHPV抗原で、少なくとも一つのHPV抗原が馴化摂動PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化PBMCを生成する、培養すること。一部の実施形態では、プロセスは、馴化PBMCを細胞変形狭窄部に通過させる前に、馴化PBMCをアジュバントから単離することをさらに含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0224】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによる一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するのに約1~約24時間アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約2~約10時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約3~約6時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約1時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、20時間、または24時間のいずれか一つの間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、アジュバントと、約4、8、12、16、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40℃のいずれか一つの温度で培養される。一部の実施形態では、PBMCは、約37℃でアジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約37℃で約4時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、CpG 7909と培養される。一部の実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約37℃で約4時間、CpG 7909と培養される。一部の実施形態では、PBMCは、約0.20mg/mL、0.25mg/mL、0.30mg/mL、0.35mg/mL、0.40mg/mL、0.45mg/mL、または0.50mg/mL、またはその間の任意の濃度でCpG 7909と培養される。一部の実施形態では、PBMCは、約0.35mg/mLの濃度でCpG7909と培養される。一部の実施形態では、PBMCは、CpG 7909と約0.35mg/mLの濃度で、および約37℃で約4時間にわたって、PBMCが馴化するために培養される。
【0225】
一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCが提供され、これは、PBMCを馴化するのに十分な時間の間、少なくとも一つのHPV抗原を含む複数のPBMCを、アジュバントと培養し、それにより、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを生成することにより調製される。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCが提供され、これは、少なくとも一つのHPV抗原のPBMCへの導入の前に、PBMCを馴化するのに十分な時間の間、複数のPBMCをアジュバントと培養し、それにより、少なくとも一つのHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを生成することにより調製される。
【0226】
本明細書に記載される馴化された複数のPBMCのいずれかによる一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約1~約24時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約2~約10時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約3~約6時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約1時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、20時間、または24時間のいずれか一つの間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、アジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、約4、8、12、16、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40℃のいずれか一つの温度でアジュバントと培養される。一部の実施形態では、PBMCは、約37℃でアジュバントと培養される。一部の実施形態では、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するために、約37℃で約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間、PBMCをアジュバントと培養することを含むプロセスによって馴化される。
【0227】
本明細書に記載される馴化された複数のPBMCのいずれか一つによる一部の実施形態では、一つ以上の共刺激分子は、馴化されていない複数の修飾PBMCと比較して、馴化された複数の修飾PBMCにおいて上方制御される。一部の実施形態では、一つ以上の共刺激分子は、馴化された複数の修飾PBMCにおける細胞の亜集団では、馴化されていない複数の修飾PBMC中の細胞の亜集団と比較して上方制御される。一部の実施形態では、一つ以上の共刺激分子は、馴化された複数の修飾PBMCのB細胞では、馴化されていない複数の修飾PBMC中のB細胞と比較して上方制御される。一部の実施形態では、共刺激分子は、CD80および/またはCD86である。一部の実施形態では、共刺激分子は、CD86である。一部の実施形態では、CD80および/またはCD86は、馴化された複数の修飾PBMCのB細胞では、馴化されていない複数の修飾PBMC中のB細胞と比較して、約1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、8倍を超えて、または10倍を超えて上方制御される。一部の実施形態では、CD80および/またはCD86は、馴化された複数の修飾PBMCのB細胞では、馴化されていない複数の修飾PBMC中のB細胞と比較して、約1.2倍~約1.5倍、約1.5倍~約1.8倍、約1.8倍~約2倍、約2倍~約3倍、約3倍~約4倍、約4倍~約5倍、約5倍~約8倍、約8倍~約10倍、約10倍~約20倍、約20倍~約50倍、約50倍~約100倍、約100倍~約200倍、約200倍~約500倍、または約500倍超のいずれかで上方制御される。一部の実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αのいずれか一つ以上の発現は、馴化された複数の修飾PBMCでは、馴化されていない複数の修飾PBMCと比較して増加する。一部の実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αの一つ以上の発現は、馴化された複数の修飾PBMCでは、馴化されていない複数の修飾PBMC中の亜集団と比較して増加する。一部の実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αの一つ以上の発現は、馴化された複数の修飾PBMCでは、馴化されていない複数の修飾PBMCと比較して、約1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、8倍、または10倍を超えて増加する。一部の実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αの一つ以上の発現は、馴化された複数の修飾PBMCでは、馴化されていない複数の修飾PBMCと比較して、約1.2倍~約1.5倍、約1.5倍~約1.8倍、約1.8倍~約2倍、約2倍~約3倍、約3倍~約4倍、約4倍~約5倍、約5倍~約8倍、約8倍~約10倍、約10倍~約20倍、約20倍~約50倍、約50倍~約100倍、約100倍~約200倍、約200倍~約500倍、または約500倍超のいずれかで増加する。
【0228】
システムおよびキット
一部の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法で使用するための、狭窄部、PBMC細胞懸濁液、HPV抗原、またはアジュバントの一つ以上を含むシステムを提供する。システムは、上記で開示された方法について記載された任意の実施形態を含むことができ、そのようなものとしては、細胞変形狭窄部、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータ、化合物、および/またはアプリケーションなどを提供するためのマイクロ流体チャネルまたは細孔を有する表面が挙げられる。一部の実施形態では、細胞変形狭窄部は、PBMCへの送達のためにサイズ設定される。一部の実施形態では、動作流速、細胞および化合物濃度、狭窄部内の細胞の速度、ならびに細胞懸濁液の組成(例えば、浸透圧、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pHなど)などの送達パラメータは、免疫応答を抑制するかまたは寛容を誘導するための化合物の応答が最大になるように最適化される。
【0229】
また、HPVに関連するがんを有する個体の治療において使用するためのキットまたは製品も提供する。一部の実施形態では、キットは、細胞内にHPV抗原および細胞内にアジュバントを含むPBMCを含む。一部の実施形態では、キットは、がんなどのHPVに関連する疾患を有する個体の治療において使用するためのPBMCの生成において使用するための、狭窄部、PBMC懸濁液、HPV抗原またはアジュバントの一つ以上を含む。一部の実施形態では、キットは、適したパッケージングに、本明細書に記載の組成物(例えば、細孔を含むマイクロ流体チャネルもしくは表面、細胞懸濁液、および/または化合物)を含む。適したパッケージング材料は当技術分野で公知であり、そのようなものとしては、例えば、バイアル(密閉バイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージ(例えば、密閉マイラまたはビニールバッグ)などが挙げられる。これらの製品はさらに、滅菌および/または密封されてもよい。
【0230】
本発明はまた、本明細書に記載の方法の構成要素を含むキットを提供し、HPVに関連するがんを有する個体を治療する方法を実施するための指示、ならびに/または少なくとも一つのHPV抗原をPBMCに導入するための指示をさらに含み得る。本明細書に記載のキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、および本明細書に記載のいずれかの方法を実施するための指示が記載された添付文書、例えばHPVに関連するがんを有する個体を治療するための指示、または細胞内に少なくとも一つのHPV抗原を含有するPBMCを生成するための指示など、を含む他の材料をさらに含み得る。
【0231】
例示的な実施形態
実施形態1.
ヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんを個体において治療する方法であって、
末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を個体に投与することであって、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む、投与することと、
有効量のCTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬を個体に投与することと、を含む、方法。
【0232】
実施形態2.
CTLA4の拮抗薬が、CTLA4に結合する抗体である、実施形態1に記載の方法。
【0233】
実施形態3.
PD-1/PD-L1の拮抗薬が、PD-1に結合する抗体またはPD-L1に結合する抗体である、実施形態1または2に記載の方法。
【0234】
実施形態4.
CTLA-4に結合する抗体およびPD-1に結合する抗体が、個体に投与される、実施形態1~3のいずれか一つに記載の方法。
【0235】
実施形態5.
CTLA-4に結合する抗体が、個体に投与され、およびPD-L1に結合する抗体が、個体に投与される、実施形態1~3のいずれか一つに記載の方法。
【0236】
実施形態6.
CTLA-4に結合する抗体が、イピリムマブである、実施形態2~5のいずれか一つに記載の方法。
【0237】
実施形態7.
PD-1に結合する抗体が、ニボルマブである、実施形態3、4および6のいずれか一つに記載の方法。
【0238】
実施形態8.
PD-1に結合する抗体が、ペンブロリズマブである、実施形態3、4および6のいずれか一つに記載の方法。
【0239】
実施形態9.
PD-L1に結合する抗体が、アテゾリズマブである、実施形態3、4および6のいずれか一つに記載の方法。
【0240】
実施形態10.
個体においてHPV+再発性腫瘍、局所進行性腫瘍、または転移性腫瘍を治療する方法であって、末梢血単核細胞(PBMC)を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、PBMCは細胞内に送達される少なくとも一つのHPV抗原を含む、方法。
【0241】
実施形態11.
PBMCを含む組成物が、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と併せて投与される、実施形態10に記載の方法。
【0242】
実施形態12.
チェックポイント阻害剤が、個体に対するCTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-L1の拮抗薬である、実施形態11に記載の方法。
【0243】
実施形態13.
一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1、CTLA-4、またはPD-1に結合する抗体である、実施形態11または12に記載の方法。
【0244】
実施形態14.
PBMCを含む組成物が、CTLA-4に結合する抗体およびPD 1に結合する抗体と併せて投与される、実施形態11~13のいずれか一つに記載の方法。
【0245】
実施形態15.
PD-L1に結合する抗体が、アテゾリズマブである、実施形態13に記載の方法。
【0246】
実施形態16.
CTLA-4に結合する抗体が、イピリムマブである、実施形態13~15のいずれか一つに記載の方法。
【0247】
実施形態17.
PD-1に結合する抗体が、ニボルマブである、実施形態13、14および16のいずれか一つに記載の方法。
【0248】
実施形態18.
PD-1に結合する抗体が、ペンブロリズマブである、実施形態13、14および16のいずれか一つに記載の方法。
【0249】
実施形態19.
少なくとも一つのHPV抗原が、HPV-16抗原またはHPV-18抗原である、実施形態1~18のいずれか一つに記載の方法。
【0250】
実施形態20.
少なくとも一つのHPV抗原が、HPV E6および/またはE7に由来するペプチドを含む、実施形態19に記載の方法。
【0251】
実施形態21.
少なくとも一つのHPV抗原が、HPV E6および/またはE7に由来するHLA-A2制限ペプチドを含む、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
【0252】
実施形態22.
HLA-A2制限ペプチドが、配列番号1~4のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、実施形態21に記載の方法。
【0253】
実施形態23.
少なくとも一つHPV抗原が、配列番号18~25のいずれか一つのアミノ酸配列を含む、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
【0254】
実施形態24.
PBMCが、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原および配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原を含む、実施形態1~23のいずれか一つに記載の方法。
【0255】
実施形態25.
個体がヒトである、実施形態1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0256】
実施形態26.
個体がHLA-A02に陽性である、実施形態1~25のいずれか一つに記載の方法。
【0257】
実施形態27.
PBMCがHLA-A02に陽性である、実施形態1~26のいずれか一つに記載の方法。
【0258】
実施形態28.
PBMCが、個体に対して自己由来である、実施形態1~27のいずれか一つに記載の方法。
【0259】
実施形態29.
個体が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に陽性である、実施形態1~28のいずれか一つに記載の方法。
【0260】
実施形態30.
HPV関連がんは、頭頸部がん、子宮頸がん、肛門がん、または食道がんである、実施形態1~29のいずれか一つに記載の方法。
【0261】
実施形態31.
PBMCを含む組成物が、静脈内投与される、実施形態1~30のいずれか一つに記載の方法。
【0262】
実施形態32.
CTLA-4の拮抗薬および/またはPD-1/PD-Laの拮抗薬が、静脈内、経口、または皮下投与される、実施形態1~9または12~31のいずれか一つに記載の方法。
【0263】
実施形態33.
CTLA-4に結合する抗体および/またはPD-1に結合する抗体および/またはPD-L1に結合する抗体が、静脈内投与される、実施形態2~9または13~32のいずれか一つに記載の方法。
【0264】
実施形態34.
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCの有効量が、約0.5×10細胞/kg~約5.0×10細胞/kgである、実施形態1~33のいずれか一つに記載の方法。
【0265】
実施形態35.
イピリムマブの有効量が、約1mg/kg~約3mg/kgである、実施形態6~9または16~34のいずれか一つに記載の方法。
【0266】
実施形態36.
ニボルマブの有効量が、約360mg/kgである、実施形態7または17~35のいずれか一つに記載の方法。
【0267】
実施形態37.
アテゾリズマブの有効量が、約1200mg/kgである、実施形態9、15、16または19~36のいずれか一つに記載の方法。
【0268】
実施形態38.
PBMCを含む組成物が、三週間のサイクルの1日目に送達される、実施形態1~37のいずれか一つに記載の方法。
【0269】
実施形態39.
PBMCを含む組成物が、最初の三週間のサイクルの2日目にさらに投与される、実施形態1~38のいずれか一つに記載の方法。
【0270】
実施形態40.
約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、約5.0×10細胞/kgが、各三週間サイクルの1日目に投与される、実施形態38または39に記載の方法。
【0271】
実施形態41.
約0.5×10細胞/kg、約2.5×10細胞/kg、約5.0×10細胞/kgが、最初の三週間サイクルの2日目に投与される、実施形態39または40に記載の方法。
【0272】
実施形態42.
CTLA-4に結合する抗体および/またはPD-1に結合する抗体および/またはPD-L1に結合する抗体が、三週間サイクル毎に一回投与される、実施形態2~9または13~41のいずれか一つに記載の方法。
【0273】
実施形態43.
CTLA-4に結合する抗体が、各三週間サイクルの1日目に投与される、実施形態38~42のいずれか一つに記載の方法。
【0274】
実施形態44.
CTLA-4に結合する抗体が、二つの三週間サイクル当たり一回投与される、実施形態38~42のいずれか一つに記載の方法。
【0275】
実施形態45.
CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、約3mg/kgの用量で投与される、実施形態38~44のいずれか一つに記載の方法。
【0276】
実施形態46.
PD-1に結合する抗体が、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、実施形態42~45のいずれか一つに記載の方法。
【0277】
実施形態47.
PD-1に結合する抗体は、ニボルマブであり、ニボルマブは、約360mgの用量で投与される、実施形態46に記載の方法。
【0278】
実施形態48.
CTLA-4に結合する抗体は、イピリムマブであり、イピリムマブは、約1mg/kgの用量で、二つの三週間サイクルの最初の三週間のサイクルの1日目に投与され、PD-1に結合する抗体は、約360mgの用量で、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、実施形態38~42のいずれか一つに記載の方法。
【0279】
実施形態49.
PD-1に結合する抗体が、最初の三週間サイクルの8日目およびその後の各サイクルの1日目に投与される、実施形態38~45のいずれか一つに記載の方法。
【0280】
実施形態50.
PD-L1に結合する抗体は、アテゾリズマブであり、アテゾリズマブは、約1200mgの用量で投与される、実施形態48に記載の方法。
【0281】
実施形態51.
PBMCを含む組成物が、少なくとも約三か月、六か月、九か月、または一年間、個体に投与される、実施形態1~49のいずれか一つに記載の方法。
【0282】
実施形態52.
PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、
b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c) 約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約3%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
【0283】
実施形態53.
PBMCを含む組成物が、
a)約2.75×10PBMC、
b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c) 約30%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHは約pH7.4である、実施形態1~52のいずれか一つに記載の方法。
【0284】
実施形態54.
PBMCを含む組成物が、
a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、
b)約40%~約60%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c) 約25%~約35%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、実施形態1~53のいずれか一つに記載の方法。
【0285】
実施形態55.
PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC/mL、
b)約50%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c) 約30%(w/w)の割合の低温保存培地、および
d)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHは約pH7.4である、実施形態1~54のいずれか一つに記載の方法。
【0286】
実施形態56.
PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC~約5×10PBMC、
b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
【0287】
実施形態57.
PBMCを含む組成物が、
a)約1×10PBMC/mL~約1×10PBMC/mL、
b)約65%~約95%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約3%~約8%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHが、約pH6.0~約pH8.5である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
【0288】
実施形態58.
PBMCを含む組成物が、
a)約2.5×10PBMC、
b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHは約pH7.4である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
【0289】
実施形態59.
PBMCを含む組成物が、
a)約5×10PBMC/mL、
b)約80%(w/w)の割合の凍結保存培地、
c)約5%(w/w)の割合のヒト血清アルブミン、を含み、
製剤のpHは約pH7.4である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
【0290】
実施形態60.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、実施形態52~59のいずれか一つに記載の方法。
【0291】
実施形態61.
低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、実施形態52~55のいずれか一つに記載の方法。
【0292】
実施形態62.
PBMCが、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球の二つ以上を含む、実施形態1~61のいずれか一つに記載の方法。
【0293】
実施形態63.
PBMCが、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む、実施形態1~62のいずれか一つに記載の方法。
【0294】
実施形態64.
(a)PBMCの約25%~約80%がT細胞であり、
(b)PBMCの約1.5%~約30%がB細胞であり、
(c)PBMCの約3.0%~約20%がNK細胞であり、または
(d)PBMCの約4.0%~約45%が単球である、実施形態1~63のいずれか一つに記載の方法。
【0295】
実施形態65.
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが、
a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径は、懸濁液中の入力PBMCの直径の関数であり、それによって、少なくとも一つのHPV抗原が通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こして、摂動入力PBMCを形成する通過させることと、
b)摂動入力PBMCの集団を、少なくとも一つのHPV抗原と、抗原が摂動入力PBMCに入るのを許容するのに十分な時間培養することであって、それによって、少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCを生成する培養することと、を含むプロセスによって調製される、実施形態1~64のいずれか一つに記載の方法。
【0296】
実施形態66.
狭窄部の直径が、約4.2μm~約6μmまたは約4.2μm~約4.8μmである、実施形態65に記載の方法。
【0297】
実施形態67.
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが馴化される、実施形態1~66のいずれか一つに記載の方法。
【0298】
実施形態68.
少なくとも一つのHPV抗原を含むPBMCが、PBMCを馴化するために、約37℃で約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間、PBMCをアジュバントと培養することを含むプロセスよって馴化される、実施形態67に記載の方法。
【0299】
実施形態69.
アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STING作動薬、RIG-I作動薬、ポリI:C、R837、R848、TLR3作動薬、TLR4作動薬、またはTLR9作動薬である、実施形態68に記載の方法。
【0300】
実施形態70.
アジュバントが、CpG7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、実施形態68または69に記載の方法。
【実施例
【0301】
当業者は、一部の実施形態が本発明の範囲および趣旨の範疇で可能であることを認識するものとなる。これより、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をより詳細に記述する。以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然のことながら、形はどうあれその範囲を制限しているものと解釈されるべきではない。
実施例1 SQZ-PBMC-HPVの安全性および忍容性に関する第I相試験
【0302】
再発性、局所進行性、または転移性のHPV16陽性固形腫瘍を有するHLA A02+患者において、SQZ-PBMC-HPVの単剤療法として、ならびに(1)アテゾリズマブ、(2)イピリムマブ、(3)ニボルマブ、および(4)ニボルマブ+イピリムマブと組み合わせた、安全性および忍容性、抗腫瘍活性、ならびに免疫原性および薬力学的効果に関する第1相非盲検、多角的試験を実施する。
【0303】
SQZ PBMC HPVは、HLA-A血清型群陽性(HLA-A02+)患者のヒト白血球抗原(HLA)血清型においてヒトパピローマウイルス(HPV)株16陽性(HPV16+)がんの治療のための末梢血単核細胞(PBMC)製品を提示する抗原である。SQZ PBMC HPVは、HPV16のE6およびE7タンパク質の免疫原性エピトープを提示する自己由来PBMCからなる。PBMCは、主にT細胞、単球、ナチュラルキラー細胞、およびB細胞からなる。PBMC-HPV原薬は、凍結培地を含有するSQZ PBMC HPVに製剤化され、次いで凍結保存される。SQZ PBMC HPVは、凍結保存下で保存され、使用時に解凍される。
【0304】
SQZ-PBMC-HPV原薬は、製造プロセス中にサイトゾル内で送達されたHPV16のHLA-A02制限E6およびE7エピトープを含有する合成長ペプチド(SLP)を有する自己由来PBMCからなる。
【化1】
【0305】
次いで、PBMC-HPV細胞を、CpGオリゴデオキシヌクレオチドであるCpG7909で成熟させる。製造プロセス中のPBMC HPVのこの成熟は、内因性T細胞が適切な状況において抗原で刺激されることを容易にする。
概要
【0306】
治験対象母集団は、進行期HPV16+固形腫瘍(頭頸部、子宮頸がん、および他の腫瘍型)を有するHLA-A02+である患者からなる。HLA A02+状態およびHPV16+腫瘍状態は、実験報告書を介して確認する必要があり、患者の白血球アフェレーシスの前にすべての適格性基準を満たす必要がある。局所的にHPV16+状態が確認された患者は、実験室認証の文書がスポンサーによって不十分であると判断された場合、スクリーニング時に採取された新鮮腫瘍生検から中央確認が行われる場合がある。
【0307】
適格な患者は、試験施設において単一の白血球アフェレーシスを受ける。白血球アフェレーシス産物は、各患者のパーソナライズされた自己由来細胞療法の製造のために製造業者に送付される。次いで、SQZ PBMC HPVの凍結バイアルを、投与のために試験施設に送付する。
【0308】
この試験は三つのパートで行われ、パート1は、SQZ-PBMC-HPV単剤療法の安全性プロファイルおよびRP2Dを決定するための用量漸増で構成される。試験のパート2では、免疫チェックポイント阻害剤と併用した場合のSQZ-PBMC-HPVの安全性および予備的有効性を評価する。パート3では、四つの用量拡大コホートにおいて、SQZ-PBMC-HPV単剤療法RP2Dを評価する。パート3の各コホートには最大29人の患者が登録される。
【0309】
四つの用量拡大コホートは、最適なSimonの2段階設計を使用して評価される。第一段階では、HIV陰性患者最大10名が登録される。これらの10人の患者に少なくとも一つの反応が観察される場合、さらに19人の患者が登録され、合計で29人となる。
【0310】
すべてのコホートにおいて、SQZ PBMC-HPVが、3週間間隔で最大1年間、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または治療中止基準が満たされるまでの、いずれかが到来するまで投与される。
【0311】
パート1およびパート2のすべての患者は、SQZ PBMC HPVの各投与後、少なくとも4時間にわたって観察される。さらに、各コホートの最初の2人の患者は、SQZ PBMC-HPVの初回投与後、少なくとも23時間の観察を受ける。
【0312】
RECIST 1.1およびiRECISTにより、疾患進行、許容できない毒性、同意の撤回、死亡、またはSQZ PBMC HPVの初回投与日から2年間の、いずれかが起こるまで、試験を通じて腫瘍評価を実施する。RECIST 1.1による疾患進行を経験する患者は、治療を行う研究員よって最善の利益であると考慮された場合、疾患進行の確認を可能にするために、投与を継続することができる。すなわち、iRECISTによるiCPD(Seymour et al ,2017)である。
【0313】
治験薬の最終投与後、安全性および忍容性を監視し、全生存期間を評価するために、追跡来院が行われる。
パート1:漸増期(SQZ-PBMC-HPV単剤療法)
【0314】
漸増期のための計画された用量コホートを表1に示す。従来の3+3デザインは、安全性および忍容性を評価することを意図しているが、コホート内の最大6人の追加の患者を治療して、安全性および忍容性、免疫原性効果、および抗腫瘍活性をさらに調査することが賢明であり得る。この修正された3+3デザインでは、コホート当たり最大12人の患者がいるであろう。
【0315】
単剤療法のRP2Dレジメンについては、すべてのコホートにおけるDLT評価が完了する。RP2Dレジメンは、入手可能な全ての安全性、忍容性、免疫原性、および他の薬力学的および抗腫瘍データのレビューに基づいて選択される。
【0316】
RP2Dレジメンが定義されると、パート2(併用安全性期)およびパート3(単剤療法用量拡大期)が開始される。
【表1】
DLT=用量制限毒性、iRECIST=免疫療法の固形腫瘍試験への組み入れに関するRECIST基準の修正、RECIST=固形腫瘍に対する反応評価基準バージョン1.1
a.SQZ-PBMC-HPVの投与は、治療中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間、のいずれかが到来するまで、3週間毎に継続される。RECIST 1.1による疾患進行を経験する患者は、治療を行う研究員よって最善の利益であると考慮された場合、疾患進行の確認を可能にするために、投与を継続することができる。すなわち、iRECISTによるiCPD(Seymour et al,2017)である。
b.サイクル1では、患者は1日目および2日目にSQZ-PBMC-HPVの投与を受
ける。
【0317】
腫瘍評価は、RECIST 1.1またはiRECISTによる疾患進行まで、試験を通して実施される。治験薬の最終投与後、安全性および忍容性、免疫原性効果、ならびに腫瘍評価を観察するために、追跡来院が行われる。
【0318】
患者は、修正された3+3用量漸増デザインで評価される。SQZ PBMC HPVの少なくとも2用量レベル(0.5×10生細胞/kgおよび2.5×10生細胞/kg)を単剤療法として評価する(コホート1、2、および3)。コホート1およびコホート2の患者は、各21日サイクルの1日目にSQZ-PBMC-HPVを投与され(単一プライミング)、コホート3の患者は、SQZ-PBMC-HPVを、サイクル1の1日目および2日目(ダブルプライミング)、およびその後の各サイクルの1日目に投与されるである(図1参照)。各コホートにおいて、最初の2名の患者は、コホート内の追加の患者をそのコホートで治療し得る前に、サイクル1の8日目を完了しなければならない。
【0319】
患者は、コホートで投与される少なくとも3回の完全なSQZ-PBMC-HPV用量投与を達成するのに十分な自己由来薬剤を有していなければならず、さもなくばより低い用量のコホートに割り当てられる。
【0320】
従来の3+3デザインは、安全性および忍容性を評価することを意図しているが、コホート内の最大6人の追加の患者を治療して、安全性および忍容性、免疫原性効果、および抗腫瘍活性をさらに調査することが賢明であり得る。この修正された3+3デザインでは、コホート当たり最大12人の患者がいる。
【0321】
RP2Dレジメンは、入手可能な全ての安全性、忍容性、免疫原性、および他の薬力学的および抗腫瘍データのレビューに基づいて選択される。単剤療法のRP2Dレジメンについては、すべてのコホートにおけるDLT評価が完了している。
【0322】
患者は、すべての研究施設にわたって段階的に登録される。すなわち、コホート内の2名以上の患者は、1週間以内にSQZ PBMC-HPVの初回投与を受けない。
【0323】
患者は、単剤療法コホートにおいて、SQZ PBMC-HPVの初回投与後28日間、DLTの発生について監視される。修正された3+3ルールに従い、DLTに関してコホートの安全性を確認するために必要な最小患者数は、3名で0 DLT、6名で1 DLT以下、9名で2 DLT以下、または12名で3 DLT以下である。
【0324】
用量レジメンは以下に列挙されるが、入手可能な安全性データのレビューに基づいて、必要に応じて中間用量レベルが選択されることがある。
5×10生細胞/kg(単一プライム)
5×10生細胞/kg(ダブルプライム)
より低い用量レベル(単一またはダブルプライム)
【0325】
所与の用量レベルで最初の3人の患者がDLT観察期間を完了した後に、6~12人の患者に用量漸増または用量拡大を検討し、安全性データのレビューにより安全性について評価可能であることが判明した。DLTの観察期間は、パート1の28日間と定義される。
【0326】
DLT観察期間を通して、所定の用量レベルで最初の3人の登録患者のいずれかにDLTが観察されない場合、次のより高い用量レベルのコホートを登録のために開放する。最初の3人の患者のうち1人がDLTを経験する場合、さらに3人の患者が登録される(同じ用量レベルで合計6人の評価可能な患者)。最初の3人の患者のうち1人超または6人の患者のうち2人以上がDLTを経験する場合、さらなる用量漸増は考慮されず、これを最大投与用量(MAD)とする。RP2Dは、以前に評価された、より低い用量レベルであってもよく、またはさらなる評価のために代替的な中間用量レベルを選択してもよい。RP2D判定は、少なくとも6人の患者から得られた安全性データに基づいて行われる。RP2Dは、本試験のパート2(併用安全性期)およびパート3(単剤療法用量拡大期)でさらに評価される。代替的に、RP2Dは、薬力学的評価に基づいて宣言され、最大生物学的効果が達成され、患者がさらなる用量漸増から利益を得ることはないと決定される。
【0327】
安全性以外の任意の理由により、患者がDLT観察期間を完了できない場合、または薬力学的評価が試験療法の生物学的効果を定義するのに不十分である場合、患者は評価不可能であるとみなされる。評価不可能とみなされたパート1の患者は、研究員とスポンサーとの協議の上、交換することができる。
【0328】
任意の用量投与後に発生する有害事象は、その後の投与時にグレード2未満に改善したはずである。同様に、任意の用量投与後に発生するAESIは、その後の投与時にグレード2未満に改善したはずである。コホート3で、これらの再治療基準が満たされた場合、二回目のSQZ PBMC-HPV投与は、23時間以上の観察期間(すなわち、初回投与の16~24時間後)中に行われるべきである。患者は、二回目のプライミング投与後少なくとも4時間観察される。2回の投与の最小間隔は16時間とする。
パート2: 併用安全性期(SQZ-PBMC-HPV+チェックポイント阻害剤)
【0329】
SQZ-PBMC-HPV単剤療法RP2Dが定義されると、併用安全性期が開始される。併用安全性探索中に評価されたSQZ-PBMC-HPV用量は、入手可能な全ての安全性、忍容性、免疫原性、および他の薬力学的および抗腫瘍データのレビューに基づいて選択される。
【0330】
コホートは、SQZ PBMC HPV RP2Dおよび併用パートナーによって定義される。SQZ-PBMC-HPVは、コホート4、5、6、および7においてRP2Dで投与される。
コホート4: SQZ-PBMC-HPV(RP2D)+アテゾリズマブ(1200mgを3週間毎)
コホート5: SQZ-PBMC-HPV(RP2D)+イピリムマブ(3週間毎に3mg/kg、忍容性が許す限り最大4用量)
コホート6: SQZ-PBMC-HPV(RP2D)+ニボルマブ(360mgを3週間毎)
コホート7(コホート5および6でそれぞれ治療を受けた6人の患者の安全性評価を条件として): SQZ-PBMC-HPV(RP2D)+ニボルマブ(3週間毎に360mg)およびイピリムマブ(6週間毎に1mg/kg)
【0331】
パート2への登録は、コホート4、5、および6で始まる。コホート5および6の6人の患者がそれぞれ登録され、42日間のDLT評価期間を無事完了すると、すなわち、33%未満の患者がDLTを経験すると、コホート7が登録を開始する。両方のコホートからの入手可能な安全性データに基づいて、コホート5および6に対して選択されたSQZ-PBMC-HPVの用量レジメンが、コホート7に対して選択されるか、またはより低い用量レジメンで開始するかが決定される。コホート7に対するより低い用量のSQZ-PBMC-HPVが決定されると、6人の患者が最初に登録され、42日間観察される。DLTを経験している患者の33%未満であるため、SSCが併用を安全とみなす場合、SQZ-PBMC-HPVの用量を完全な単剤療法RP2Dに漸増し、最大12人の患者が登録されるまで登録を継続することができる。
【0332】
すべての患者が、安全性および忍容性ならびに抗腫瘍反応の予備的証拠について評価される。
コホート4 - SQZ-PBMC-HPV+アテゾリズマブ
【0333】
サイクル1では、パート1で決定されたRP2Dに従って、すなわち、1日目および2日目にダブルプライミングとして、または1日目の単一プライム用量として、SQZ-PBMC-HPVをIV投与する。アテゾリズマブ1200mgを、サイクル1の8日目に60分間かけてIV投与する。その後のサイクルでは、アテゾリズマブが、SQZ PBMC HPVの投与後、各3週間のサイクルの1日目に投与され、最大2年間、または治療中止基準の1つが満たされるまで継続される(図2)。SQZ PBMC-HPVが、3週間間隔で治療中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで投与される。
コホート5 - SQZ-PBMC-HPV+イピリムマブ
【0334】
サイクル1では、パート1で決定されたRP2Dに従って、すなわち、1日目および2日目にダブルプライミングとして、または1日目の単一プライム用量として、SQZ-PBMC-HPVをIV投与する。イピリムマブ、3mg/kgは、SQZ PBMC HPVが1日目に投与される前に、90分間かけてIV投与される。サイクル2、3、および4では、イピリムマブは、SQZ-PBMC-HPVの投与後に、1日目に投与される。イピリムマブは、最大4サイクルの間投与される。SQZ-PBMC-HPVが、3週間間隔で治療中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで投与される(図3)。
コホート6-SQZ-PBMC-HPV+ニボルマブ
【0335】
サイクル1では、パート1で決定されたRP2Dに従って、すなわち、1日目および2日目にダブルプライミングとして、または1日目の単一プライム用量として、SQZ-PBMC-HPVをIV投与する。サイクル1の8日目に、ニボルマブは、360mgの用量で、30分間にわたってIV投与される。その後のサイクルでは、SQZ-PBMC-HPVに続いてニボルマブを1日目に3週間ごとに投与する。ニボルマブは、3週間ごとに最長2年間、または中止基準が満たされるまで投与することができる。SQZ-PBMC-HPVが、3週間間隔で中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで投与される(図4)。
コホート7 - SQZ-PBMC-HPV+ニボルマブ+イピリムマブ
【0336】
サイクル1では、パート1で決定されたRP2Dに従って、すなわち、1日目および2日目にダブルプライミングとして、または1日目の単一プライム用量として、SQZ-PBMC-HPVをIV投与する。イピリムマブは、1mg/kgの用量で、SQZ-PBMC-HPVの前に、1日目に30分間かけてIV投与される。サイクル1の8日目に、30分間かけてニボルマブ360mg がIV投与される。ニボルマブは、SQZ-PBMC-HPVの投与後、その後の3週間のサイクルの1日目に投与される。イピリムマブは、その後のサイクルにおけるSQZ-PBMC-HPVおよびニボルマブの投与後、6週間毎に投与される。ニボルマブおよびイピリムマブは、サイクル1の1日目から治療中止基準の1つが満たされるまで、2年間投与することができる。SQZ-PBMC-HPVは、3週間間隔で中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで投与される。
【0337】
免疫介在性AEにより、患者がチェックポイント阻害剤の中止基準を満たし、かつ研究員が事象はニボルマブまたはイピリムマブに関連しているかどうかを判断できない場合、患者は両方の薬剤を中止すべきであるが、SQZ-PBMC-HPVは継続することができる。
コホート7 - SQZ-PBMC-HPV+ニボルマブ+イピリムマブ
【0338】
サイクル1では、パート1で決定されたRP2Dに従って、すなわち、1日目および2日目にダブルプライミングとして、または1日目の単一プライム用量として、SQZ-PBMC-HPVをIV投与する。イピリムマブは、1mg/kgの用量で、SQZ-PBMC-HPVの前に、1日目に30分間かけてIV投与される。サイクル1の8日目に、30分間にわたってニボルマブ360mg がIV投与される。ニボルマブは、SQZ-PBMC-HPVの投与後、その後の3週間のサイクルの1日目に投与される。イピリムマブは、その後のサイクルにおけるSQZ-PBMC-HPVおよびニボルマブの投与後、6週間毎に投与される。ニボルマブおよびイピリムマブは、サイクル1の1日目から治療中止基準の1つが満たされるまで、2年間投与することができる。SQZ-PBMC-HPVが、3週間間隔で中止基準が満たされるまで、またはSQZ-PBMC-HPVの供給が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで投与される。
【0339】
免疫介在性AEにより、患者がチェックポイント阻害剤の中止基準を満たし、かつ研究員が事象はニボルマブまたはイピリムマブに関連しているかどうかを判断できない場合、患者は両方の薬剤を中止すべきであるが、SQZ-PBMC-HPVは継続することができる。
【0340】
パート2のすべてのコホートについて、サイクル1の2日目の第二のSQZ-PBMC-HPV投与は、23時間以上の観察中に行われる。任意の用量投与後に発生する有害事象は、その後の投与時にグレード2以下に改善する。同様に、任意の用量投与後に発生するAESIは、その後の投与時にグレード2未満に改善する。これらの再治療基準が満たされた場合、二回目のSQZ PBMC HPV投与は、23時間以上の観察期間(すなわち、初回投与の16~24時間後)中に行われる。患者は、二回目のプライミング投与後少なくとも4時間観察される。2回の投与の間の最小間隔は16時間である。各コホートにおいて、最初の2名の患者は、コホート内の追加の患者を治療し得る前に、サイクル1の14日目を完了しなければならない。
【0341】
患者は、併用療法コホートにおいて、SQZ PBMC-HPVの初回投与後42日間、DLTの発生について監視される。
【0342】
個々の患者においてDLTまたは他の有意な毒性がある場合、より低いSQZ PBMC-HPV用量への漸減が起こる。個別併用安全性コホートの患者から得られた利用可能な安全性、有効性、および薬力学的データのレビュー後、ダブルプライミングは、1つ以上の用量の組合せのため推奨できないと決定され得る。この場合、二回目(サイクル1の2日目)のSQZ-PBMC-HPVの用量の取り止めが推奨される場合がある。代替的に、SQZ-PBMC-HPVのより低い用量レベルを探索してもよい(用量漸減)。例えば、個別併用安全性コホートの患者の33%超にDLTが観察される場合、より低いSQZ-PTMC-HPVレベルを評価するコホートを開き、探索する。
パート3: 単剤療法用量拡大
【0343】
RP2DレジメンがSQZ PBMC HPV単剤療法に対して定義されると、単剤療法用量拡大期が開始される。患者は、安全性および忍容性、ならびに抗腫瘍反応の予備的証拠をさらに評価するために、疾患特異的コホートに登録される。SQZ PBMC HPVは、単剤療法のためにRP2Dで投与される。パート3への登録は、パート2と並行して行うことができる。
コホート8:局所進行性または転移性のHPV16+頭頸部がん。
コホート9:局所進行性または転移性のHPV16+子宮頸がん。
コホート10:局所進行性または転移性のHPV16+肛門がん。
コホート11:局所進行性または転移性の他のHPV16+がん。
【0344】
コホート8、9、10、および11は並行して登録される。4つの用量拡大コホートのそれぞれを、最適なSimonの2段階デザインを使用して登録する。第一段階では、最大10名の患者が登録される。これらの10人のHIV陰性の患者に少なくとも一つの反応が観察される場合、さらに19人の患者が登録され、合計で29人となる。
【0345】
投与スケジュールおよび試験期間
すべての患者は、治療開始前に単回の白血球アフェレーシスを受ける。患者は、試験施設において、典型的にはSQZ PBMC HPVの初回投与の8~14日前に、白血球アフェレーシスを受ける。SQZ PBMC HPVの初回投与のスケジューリングは、施設の所在地および出荷物流を考慮する。
【0346】
サイクルは、21日間の治療期間として定義される。
【0347】
患者は、治験薬が枯渇するまで、または治療中止基準が満たされるまでのいずれかが到来するまで、3週間間隔で最大1年間、SQZ PBMC HPVの投与を受ける。
【0348】
累積的な臨床証拠は、免疫系刺激剤で治療された一部の対象が、臨床的客観的応答および/または安定した疾患を示す前に、(従来の応答基準によって)疾患の進行の徴候を明らかにしうることを示す。この現象を説明するために、二つの仮説が提示されている。第一に、腫瘍内の炎症の増強は、拡大した指標病変として、および新たに視認された小さな非指標病変として現れる腫瘍サイズの増加をもたらす可能性がある。経時的に、腫瘍の悪性および炎症性の部分の両方が減少し、臨床的な改善の明白な兆候につながる可能性がある(Wolchok et al,2009)。あるいは、一部の個体では、腫瘍の増殖の動態は、抗腫瘍免疫活性を当初は上回る場合がある。十分な時間があれば、抗腫瘍活性が優勢となり、臨床的に明らかになる。したがって、各時点で並行してRECIST 1.1およびiRECISTを評価することが、重要である。
【0349】
患者は、初回のRECIST 1.1で定義された進行の後に試験治療を継続することができ、したがって、以下の基準が満たされた場合、iRECIST(Seymour et al , 2017)による疾患進行の確認を可能にする。
1.研究員が評価する臨床的有益性、および急速な疾患進行の欠如
2.研究員が定義する治験薬の耐性
3.安定した一般状態
4.進行を超えた治療は、急速に進行する疾患からの重篤な結果を防ぐために、差し迫った介入を遅らせることはない。
5.疾患進行の合併症の欠如(CNS転移など)
【0350】
臨床的利益の評価は、対象が臨床的に悪化しており、継続治療からさらなる利益を受ける可能性が低いかどうかを考慮に入れる。
【0351】
単剤療法の用量拡大期(パート3)の治療期間は、選択されたRP2Dレジメンに依存する。
【0352】
SQZ PBMC-HPVは、3週間間隔で、治療中止基準が満たされるまで、または治験薬が枯渇するまで、または最大1年間の、いずれかが到来するまで、投与される。コホート4、6、および7の免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療は、サイクル1の1日目から2年間継続され得る。コホート5の患者は、SQZ-PBMC-HPVの供給を枯渇させる前に、4サイクルのイピリムマブを完了してもよく、この場合、患者は、治療中止基準が満たされるまで、または治験薬が消耗するまで、または最大1年間のいずれかが到来するまで、SQZ PBMC-HPVの単剤投与を継続することができる。
【0353】
用量制限毒性
患者は、1)受けた細胞用量に関わらず、DLT評価期間中にDLTを経験した場合、または2)DLT評価期間中に、少なくとも70%のSQZ-PBMC-HPVの意図される用量を受けた後に、DLT評価期間中にDLTを経験しなかった場合に、DLT評価に対して評価可能とみなされる。DLTを経験していないが、DLT評価期間中に意図されるSQZ-PBMC-HPV用量の70%未満を投与された患者は、DLTの評価可能とはみなされず、置き換えられる。
【0354】
IRRではないDLTを経験している患者は、試験を中止する。治験薬による治療の継続が患者の最善の利益となる場合、その後の治療は、研究員がスポンサーと協議の上決定される。IRRについては、前投薬または投与速度が調整され、患者が試験を継続できるように調整する。
【0355】
DLTは、疾患、疾患進行、併発性疾患、併用薬/処置、または環境要因に無関係であるが、SQZ-PBMC-HPVに関連する(単独または併用のいずれか)と、主任研究員によって評価され、SSCによって確認されたAEまたは臨床検査値異常であり、単剤療法の最初の28日間または併用療法の最初の42日間のいずれかに発生し、および 国立がん研究所(NCI)有害事象共通用語規準(CTCAE)バージョン5.0を用いて以下に列挙した所定の基準のいずれかを満たすもの、として定義される。CRSおよび神経毒性のグレード分けは、それぞれ6.2.2項および6.2.3項で言及される、米国移植細胞療法学会(ASTCT)コンセンサスグレーディングを使用する。
非血液毒性
グレード4またはグレード5
最適な支持療法にもかかわらず7日以内にグレード1以下またはベースラインまで改善しないグレード3毒性。24時間以内にグレード2以下まで改善しないグレード3のCRSまたは神経毒性を除く。
7日間超持続し、医学的介入を必要とするグレード3の臨床検査値。
48時間超持続するグレード3超の肝毒性は、以下の例外を除く。ベースラインでグレード2のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、および/またはアルカリホスファターゼ異常を有する患者については、48時間超持続する8超×ULNへの増加のみがDLTとみなされる。
Hy’s law基準を満たす肝臓検査異常。
血液毒性
任意のグレード5の毒性。
任意のグレード4の貧血。
任意のグレード3以上の発熱性好中球減少。
7日間超持続するグレード4以上の好中球減少(絶対好中球数500/μL未満)。
グレード4以上の血小板減少(<25,000/μL)。
臨床的に有意な出血に関連する7日間超持続するグレード3以上の血小板減少(<50,000/μL)。
少なくとも、予定されたSQZ PBMC HPV投与のサイクル2の1日目での、恒久的な中止または14日間超の遅延をもたらす、SQZ-PBMC-HPVに関連する可能性があるTEAE(単独または併用のいずれか)。
研究員およびスポンサーの判断において、DLTとみなされる任意の他の事象。
【0356】
以下の事象はDLTとはみなされない。
グレード3以上のアミラーゼ値、または膵炎の臨床症状もしくはX線写真の証拠を伴わない、分離されたグレード3のリパーゼ値。
対症療法の有無に関わらず24時間以内にグレード2以下まで改善するグレード3のCRS。
適切な支持療法の有無に関わらず、7日以内にグレード2以下まで改善するグレード3の皮膚発疹。
グレード2未満まで24時間で可逆的である細胞産物の投与から2時間以内に発生する即時性過敏反応。
臨床的続発症なしに72時間以内に是正される、グレード1またはグレード2の電解質異常。
脱毛症。
【0357】
前投薬の追加または投与速度の変更により適切に管理できるグレード3のIRRは、これらの変更が試験に登録されたその後の全ての患者に適用されるとみなされない限り、DLTとはみなされない。変更がその後のすべての患者に適用される場合、コホートはDLT評価のために再開する。グレード3の注入反応を経験した患者は、前投薬または注入速度の変更により試験に留まり得る。
【0358】
どのコホートでもMTDに達していない場合、追加の細胞用量レベルまたはレジメンが試験される。AEが、DLTの定義に含まれるがSQZ-PBMC-HPVとは無関係な場合、所見はSSCによって検討される。
【0359】
コホートの中止基準、コホートへの用量漸増または進行の中止、ならびに試験の終了
【0360】
変更された3+3ルールは、コホートが安全であると宣言する最終的な決定を定義する。コホートが安全であると確認するために必要な最小患者数は、DLTが0で3名であり、コホートが安全であることを確認するために、最大12名まで増やすことができる(すなわち、DLTの患者が33%未満、例えば、患者6名でDLT2未満、患者9名でDLT3未満、または患者12名でDLT4未満、いずれもがコホートの安全性を確認する)。どのコホートも、MTDに到達したことを示さない場合、追加の細胞用量レベルまたはレジメンを試験してもよい。AEが、DLTの定義に含まれるがSQZ-PBMC-HPVとは無関係ない場合。
【0361】
DLTの定義を満たし、DLT期間外で発生するAEは、DLTとしてカウントされず、代わりに、所与のコホートの全体的な安全性評価およびRP2Dレジメンの選択において考慮される。
【0362】
コホート中止規則は、同じ用量コホート内で治験薬を受けている最大12人の患者において3超のDLTの発生(約33%)である。中止規則が発動された場合、以下の推奨の一つが行われる。
以前の耐用量レベルをMTDとして宣言する。
DLTを観察せずに用量レベルをMADレベルと宣言する。したがって、RP2DはMTDではない。
中間用量レベルの試験を推奨する。
患者の安全性を高めるため、プロトコルの修正を推奨する。
登録および/または試験を中止する。
【0363】
患者の投与は、これらの一般的な安全性基準に基づいて、患者の安全性のために中止される場合がある。
生命を脅かす可能性があり、医療モニターによって治験薬に関連すると評価された任意のSAE。
研究員またはスポンサーに重大な忍容性の懸念を示す、任意の他の臨床的に有意な変化。
【0364】
治験対象母集団
進行期HPV16+固形腫瘍(頭頸部、子宮頸がん、および他の腫瘍型)を有するHLA-A02+の患者。さらに、HIV陽性は、併用安全性期への登録が許可される。漸増期では、HIV陽性患者の登録は、スポンサーと話し合う必要がある。
【0365】
患者は、PD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤(イピリムマブ、またはT細胞共刺激またはチェックポイント経路を特異的に標的化する任意の他の抗体または薬剤を含む)を用いた治療を以前に受けた場合がある。
患者数
【0366】
患者の数は、安全性および観察された免疫原性効果に依存する。単剤療法の漸増期では、DLT評価可能な約9~36人の患者が登録され得ると予想される。どの予定されるコホートも、MTDに到達したことを示さない場合、追加の細胞用量レベルまたはレジメンを試験してもよい。合計で最大48名の評価可能な患者が、併用安全性期に登録される(コホート当たりn=12)。すべてのコホートが開放され、所定の成功基準により各コホートの第二段階が開放される場合、合計で最大116人の患者が拡張期に登録される(コホート当たり最大n=29)。コホート内の患者を置き換える必要性に応じて、約173~200人の評価可能な患者が試験で治療されることが予想される。どの予定されるコホートも、MTDに到達したことを示さない場合、追加の細胞用量レベルまたはレジメンを試験してもよい。
試験対象患者基準
1.血液からの遺伝子型アッセイにより確認された、HLA-A02+である、18歳以上の男性または女性患者。
2.組織学的に確認された、HPV16+である不治または転移性固形腫瘍(子宮頸部および頭頸部腫瘍を含むが、これらに限定されない)。
3.手術、放射線、および/または化学放射線療法による治療的処置に適さない子宮頸がんについては、アジュバントまたは再発設定におけるプラチナ系レジメンによる全身化学療法の過去の治療後に、がんが進行していなければならない。患者は、最近の前治療を受けている間、または最近の前治療完了後に進行性疾患を有する必要がある。
再発性疾患に対するプラチナ系全身化学療法治療に不耐性またはそれを拒否する患者については、理由を文書化しなければならない。
4.手術、放射線、および/または化学放射線療法による治療的処置に適さない再発性および転移性の頭頸部がんについては、がんは、初回、アジュバント、または再発の設定で少なくとも1回の以前のプラチナ系化学療法後に進行し、チェックポイント免疫療法が提案されていなければならない。再発時のプラチナ再チャレンジが、有益とみなされない場合、プラチナ含有の確定的化学放射線療法後またはアジュバント化学放射線療法後に再発した患者は、適格である。
再発性疾患に対するプラチナ系全身化学療法治療に不耐性またはそれを拒否する患者については、理由を文書化しなければならない。
5.子宮頸がんまたは頭頸部がん以外の不治または転移性のHPV16+がんを有する患者は、不治の疾患に対して少なくとも1つの利用可能な標準療法後に進行している必要があるか、または患者が標準療法に不耐性であるか、または標準療法を拒否しているか、または患者は標準療法が存在しない腫瘍を有する。
漸増期(パート1)および併用安全性期(パート2)
a.HIV+患者の登録は、スポンサーと話し合う必要がある。
拡張期(パート3)
b.HIV+患者は、コホート当たり6人中1人の割合またはその倍数を超えないように、スポンサーと話し合う必要がある。HIV+患者は、以前に少なくとも1回以上の全身がん治療を受けているか、標準治療を受ける資格を有していない必要がある。HIV+患者は、適格となるには、以下の基準を満たす必要がある。
CD4+T細胞数350細胞/mL超、および過去12か月以内に免疫不全症候群(AIDS)を定義する日和見性感染の既往歴なし
予防的抗菌患者薬の投与を受けている患者の登録は、スポンサーと話し合う必要がある。
6.米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)の一般状態(PS)は0~1である。
7.患者は、白血球アフェレーシスのための静脈アクセスに同意し、静脈アクセスが問題の場合は、セントラルラインの挿入を希望する必要がある。
8.切除不能または転移性固形腫瘍を有する患者は、許容可能な臨床リスクでの生検が可能な病変を有し、スクリーニング時およびサイクル2の8日目(±2日)に新鮮な生検を受けることに同意する必要がある。
a.以前に放射線を照射された領域の病変は、試験の登録前に病変の進行の客観的証拠がある限り、生検され得る。
9.RECIST 1.1による少なくとも1つの測定可能な病変。
a.以前に放射線を照射された領域の病変は、試験の登録前に病変の進行の客観的証拠がある場合、測定可能と見なされる資格がある。
10.白血球アフェレーシス前の14日以内に実施された以下の臨床検査評価により示された適切な臓器機能と骨髄予備能。
a.骨髄機能:絶対好中球数≧1000/μL、ヘモグロビン≦9g/dL、血小板数≧75,000/μL。注記:ヘモグロビン値が9g/dL未満の安定した患者において、輸血を利用して、試験対象患者基準を満たすことができる。
b.肝機能:血清総ビリルビン≦1.5×ULN、血清AST/ALT、≦2.5×ULN(肝転移の存在下では≦5×ULN)、アルカリホスファターゼ<2.5×ULN、ただし以下の例外:肝臓および骨の関与を有する患者:アルカリホスファターゼ≦5×ULN。
i.ビリルビン代謝の遺伝性障害を有する患者については、スポンサーと協議すべきである。
c.腎機能:尿収集またはCockcroft-Gault推定のいずれかに基づいて、血清クレアチニン≦2.5×ULNまたはクレアチニンクリアランス≧30mL/分。
d.凝固プロファイル:プロトロンビン時間(PT)、国際標準化比(INR)/部分トロンボプラスチン時間(PTT)≦1.5×ULN。白血球アフェレーシス前に少なくとも30日間、抗凝固療法の安定した、維持レジメンを受けている患者は、研究員が、患者が試験に適していると判断した場合、>1.5×ULNのPT/INR測定値を有し得る。登録前に、適切な根拠をスポンサーに提供しなければならない。
11.ホルモン補充療法を必要とする免疫チェックポイント阻害剤による治療後に免疫介在性内分泌障害を有する患者は適格である。
a.ホルモン補充療法の一環としてプレドニゾンを必要とする患者は、一日用量が10mgを超えない場合に適格である。
12.妊娠可能な女性患者は、以下でなければならない。
a.スクリーニング時に陰性の血清ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)妊娠検査を受け、
b.インフォームドコンセントの時点から、免疫チェックポイント阻害剤またはSQZ PBMC-HPVの最終投与から少なくとも5か月後まで、二重避妊を使用することに同意する。
13.精管切除術を受けていない男性患者は、インフォームドコンセントの時点から、免疫チェックポイント阻害剤またはSQZ PBMC HPVの最終投与から少なくとも5か月後まで、コンドームを使用する意思がなければならない。
14.患者はプロトコルを理解し、遵守することができ、必要なインフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名した。関連する試験手順を実施する前に、適切なICFに署名する必要がある。該当する場合、男性患者の女性パートナーは、妊娠パートナーICFを理解し、署名する。
除外基準
1.白血球アフェレーシス前の2週間以内に、研究療法を含む抗がん治療による治療。半減期が3日を超える前治療については、治療中止のタイミングをスポンサーと協議すべきである。
2.白血球アフェレーシスの少なくとも2週間前に改善しない(すなわち、グレード1以下)抗がん療法または研究療法を伴う前治療に関連するNCI CTCAEバージョン5.0によるグレード1超のAE(グレード2の脱毛症を除く)を有する患者。
3.過去の免疫療法からの任意のグレード4のirAEの既往歴(補充療法もしくは血清アミラーゼまたはリパーゼの無症候性上昇で管理された内分泌障害を有する患者が適格である)、以前の免疫療法の恒久的な中止に至った任意のirAE、または白血球アフェレーシスの前の6か月以内に発生した任意のグレード3のirAE。
4.過去6か月以内に非コルチコステロイド系免疫抑制剤で治療を受けた患者は、適格ではない可能性があり、スポンサーと協議すべきである。
5.活動性の自己免疫疾患、公知の自己免疫疾患、または自己免疫疾患が疑われる患者は、適格ではない可能性があり、スポンサーと協議すべきである。
6.同種異系骨髄移植または固形臓器移植の既往を有する患者は、適格ではない可能性があり、スポンサーと協議すべきである。
7.白血球アフェレーシス前の4週間以内の生ウイルス予防接種。
8.白血球アフェレーシス前の14日以内のコルチコステロイド(プレドニゾン>10mgまたは一日あたり同等のもの)または他の免疫抑制薬のいずれかによる全身治療。吸入ステロイド、鼻腔内ステロイド、関節内ステロイド、および局所(眼を含む)ステロイドは許容される。副腎機能不全を有する患者に対するステロイド補充の使用は許容される。副腎機能不全を有する患者における電解質コルチコイド補充のためのフルドロコルチゾンの使用は許容される。
9.活性の中枢神経系の転移および/またはがん性髄膜炎が知られている。以前に治療された脳転移を有する患者は、(治験薬の初回投与の前の少なくとも4週間の間に撮像による進行の証拠がなく、任意の神経学的症状がベースラインに戻った)安定しており、新たなまたは増大した脳転移の証拠がなく、白血球アフェレーシス前の少なくとも7日間ステロイドを使用していない場合に、参加することができる。この例外には、臨床状態にかかわらず除外されるがん性髄膜炎は含まれない。
10.ステロイドを必要とする間質性肺疾患、特発性肺線維症、肺炎(薬剤誘発性を含む)、または器質化肺炎(例えば、閉塞性細気管支炎、クリプトジェニック器質化肺炎)の既往歴。
a.肺炎に対してステロイド療法を必要としない無症候性肺炎を有する患者は適格である。
11.白血球アフェレーシス前の6か月以内の不安定性狭心症、急性心筋梗塞、ニューヨーク心臓協会のクラスIIIまたはIVのうっ血性心不全、および治療を必要とする不整脈を含む、臨床的に重要な心疾患。
12.白血球アフェレーシス前の1か月以内の、脳血管障害(虚血性発作を含む)などの全身性動脈血栓性または塞栓性事象。
13.白血球アフェレーシス前の1か月以内の全身性静脈血栓性事象(例えば、深部静脈血栓)または肺動脈事象(例えば、肺塞栓)。
a.安定した抗凝固療法を受けている白血球アフェレーシス前に静脈血栓性事象を有する患者は適格である。
14.研究員の意見において、臨床的に意義のある心電図異常(ECG)の既往歴または存在。
15.左室駆出分画率(LVEF)<50%。
16.白血球アフェレーシスの2週間以内の大手術。白血球アフェレーシスの2週間を超え る以前の大手術の後は、すべての外科手術創傷は治癒し、感染または離開のない状態である必要がある。
17.活動性感染、既知の精神医学的または神経学的障害などの、任意の他の臨床的に重要な併存疾患、もしくは研究員の判断において、プロトコルの遵守に支障を来す、研究結果の解釈を妨げる、または患者に安全性のリスクを生じさせる可能性がある他の状態。
18.既知の活動性B型肝炎またはC型肝炎、もしくは活動性マイコバクテリウム結核菌感染症。
19.患者が、登録の12か月以内にアルコールおよび/または違法薬物乱用の既往歴を有する。
20.スクリーニング来院時または登録時に、授乳している、または血清妊娠検査が陽性である女性患者。
21.SQZ PBMC HPVの任意の成分に対するアレルギーまたは過敏症の既往歴がある患者。
22.キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、または注入タンパク質に対する重度のアレルギー性アナフィラキシー反応の既往歴(併用コホートのみ)。
23.アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、チャイニーズハムスター卵巣細胞製品、またはアテゾリズマブ、イピリムマブ、またはニボルマブ製剤の任意の成分に対する既知の過敏症(併用コホートのみ)。
【0367】
白血球アフェレーシス
白血球アフェレーシスの目標は、延長治療期間を支援するために、各患者に約10~14×10個の細胞のWBCの収率を提供することである。例えば、最大15リットルの血液量を処理することによって、低い収率が予想される場合に手順を調整するよう努力が行われる。現地の手順に従い、可能であれば、処理された血液量が増加し得るように、白血球アフェレーシス中にWBCまたは全血球数を測定する。白血球アフェレーシス中にWBCまたは全血球数が測定できない場合、白血球アフェレーシスの終了時にサンプルを採取し、可能であれば、leukopak中のWBC数を決定する。結果は可能な限り速やかに処理され、リアルタイムでスポンサーに提供される。
【0368】
腫瘍反応の評価およびスケジュール
腫瘍評価はスクリーニング時(ベースライン)に実施され、腫瘍応答は、研究員によって、SQZ PBMC HPVの初回投与後1年間は9週間(±7日)ごとに、その後、12週間(±7日)ごとに、RECISTおよびiRECISTによる病勢進行の確認、許容できない毒性、同意の撤回、死亡、またはSQZ PBMC HPVの初回投与日から2年の、いずれかが起こるまで評価される。
【0369】
疾患は、X線撮影を介して評価される。RECIST 1.1による疾患進行を経験する患者は、治療を行う研究員よって最善の利益であると考慮された場合、疾患進行の確認を可能にするために、投与を継続することができる。すなわち、iRECISTによるiCPD(Seymour et al,2017)である。
【0370】
進行以外の理由で患者が治験薬を中止した場合、その患者は、先に概説したスケジュールに従って、引き続き撮像されるべきである。放射線学的評価を取得し、CRFに記録する必要がある。
【0371】
スクリーニング時およびその後のすべての時点で、子宮頸部、肛門/直腸、外陰部/膣、および陰茎がんは、胴体(胸部、腹部および骨盤)およびすべての既知の疾患の部位のコンピュータ断層撮影(CT)を必要とし、中咽頭がんは、頭部、頸部、および胸部ならびに既知の関与する他の領域のCTを必要とする。正当な理由により、CTスキャンを使用できない場合、またはCTによる適切な腫瘍評価が行えない場合、磁気共鳴画像法(MRI)が許可され、スクリーニング時にスポンサーに通知されなければならない。スクリーニング時に疾患部位の評価に使用されるのと同じX線撮影手順が、試験全体を通して使用される。他のすべての進行固形腫瘍型については、研究員は、研究員がその腫瘍型に最良であると考える撮像モダリティを使用して、すべての既知の疾患部位を撮像する。
【0372】
脳転移の既往歴を有する全ての患者において、脳の磁気共鳴撮像がスクリーニング時に必要とされ、脳の磁気共鳴撮像は、脳転移の既往歴を有する任意の患者において、および/または脳転移を示唆する症状を発現する任意の患者において、その後の時点で繰り返されてもよい。患者がMRIに耐えられないか、またはMRIに対する禁忌がある場合、CTスキャンを使用できる。
【0373】
同じ評価者が評価を行い、来院間の内部の整合性を確保する。研究員の裁量で、PDが疑われる場合は、いつでもCTスキャンを繰り返す必要がある。部分奏功(PR)または完全奏功(CR)を達成した患者については、腫瘍評価を4週間後に繰り返し、反応を確認すべきである。
【0374】
免疫原性測定を含む薬力学的評価
サンプル収集スケジュール
腫瘍生検
白血球アフェレーシスの前に、患者はスクリーニング腫瘍生検(原発腫瘍または転移)を受けるが、この生検は、以前に放射線照射を受けた腫瘍の増殖が活発な部位からであり得る。すべての患者は、サイクル2の8日目(±2日)に、同じ原発腫瘍または転移の腫瘍生検を繰り返す必要がある。可能であれば、サイクル5の1日目(+ 2日)に、追加の反復腫瘍生検(投与前)を得る。このサンプルは任意である。予備的データから、治療中の腫瘍生検時点の変更がより適切であることが示唆される場合、治療中の腫瘍生検時点の代替的時点を考慮してもよい。
【0375】
スクリーニング時に採取される新鮮な腫瘍生検は、原発腫瘍または転移部位から採取され、その後の生検は、スクリーニング時に生検された同じ原発腫瘍または転移から採取されるべきである。
【0376】
薬力学的評価
可能な限り、ベースラインサンプルは、四量体染色を含むフローサイトメトリーによる免疫表現型検査、HPVペプチドとの共培養後のサイトカインのT細胞産生の評価(IFNγ-およびグランザイムB酵素結合免疫スポット[ELISPOT])、および循環細胞を含まないHPV16 DNA(cfHPV DNA)を含むが、これらに限定されない、細胞相関検査の長軸方向評価に使用される。ベースライン腫瘍生検および選択された血液サンプルは、治療後サンプルのみとの比較に使用される(表2)。
【表2】
略語:DNA=デオキシ核酸、HPV16=ヒトパピローマウイルス株16、IFNγ=インターフェロンガンマ
【0377】
ELISPOTを介して検出された内因性免疫反応に関する情報は、腫瘍生検の免疫組織化学的分析に情報を与える。
【0378】
サイトカイン評価
すべての患者から、サイトカイン用の血液サンプルを収集する。グレード2、3、または4のCRSを有する患者は、グレード2、3、または4のCRS事象の間に実施される追加のサイトカイン血漿レベルを有する。CRSの診断時、重症度が増加した時(例えば、グレード2のCRSがグレード3のCRSに進行したとき)、神経学的症状の発症時、および退院時または回復時に、採血が行われる。
【0379】
サイトカインパネルの評価には、IFNガンマ(IFN?)およびIL6が含まれるが、これらに限定されない。CRSは遅発性の発症を有する可能性があるが、治療開始後14日を超えて発現することはまれである。この期間の外側に現れるCRSと一致する症状を呈する患者は、他の原因について注意深く評価される。
【0380】
サイトカインは、薬力学的評価のために観察される。ベースラインおよび治療後の血清サンプルは、薬剤炎症反応に関する情報を提供する可能性のあるサイトカインを測定することによって、抗腫瘍免疫応答を評価するために収集される。
【0381】
安全性評価
安全性は、NCI CTCAEバージョン5.0に従って定義され、等級分けされた、すべてのSAEおよび非重篤なAEおよび臨床検査異常の観察を通して、本試験で評価される。一般的な安全性評価には、身体検査、および血液性化学検査、凝固、および差を含む血球数を含む特定の臨床検査評価が含まれる。SAEおよびグレード2以上のAESIは、安全性データベースへの登録のために、迅速化されて報告される。
【0382】
試験実施中、観察された安全性事象の総計(グレード2に改善したCRS事象を含む)がレビューされ、所定の事象が、この事象の後、患者の段階的登録の開始を必要とするかどうかについての、決定が行われる。潜在的な追加の単剤療法コホート(パート1)または併用安全性コホート(パート2)における段階的登録では、コホートのその後の新たに登録された患者すべてが1週間ずらされる必要がある。該当する場合、患者の半順次登録が一部のコホートで継続される場合がある。患者は、試験中にサイトカイン放出アッセイを実施される。グレード2、3、または4のCRSを有する患者は、安全性臨床検査およびサイトカインパネルの評価のために追加の血液サンプルが採取される。
【0383】
免疫チェックポイント阻害剤への曝露は、irAE、特に自己免疫性状態のリスクを増加させる可能性がある。そのため、irAEは早期に認識され、重大な合併症の可能性を避けるために速やかに治療される。
【0384】
すべての患者は、最後の治験薬投与後15~45日以内に、安全性追跡来院のためにクリニックに戻る。すべてのAEおよびSAEは、治験薬(EOD6W)の最終投与から6週間後まで、または脱落から45日後まで、または別の抗がん療法の開始までのいずれかが起こるまで記録される。研究員によって、SQZ-PBMC-HPV単剤療法または併用療法におそらく、多分、または間違いなく関連すると決定された継続中のSAEのみが追跡される。
【0385】
身体検査、身長および体重
身体検査には、身長(スクリーニングのみ)、体重、全身の外見の評価、ならびに適応に応じて、皮膚、頭部、目、耳、鼻、口/喉/首、甲状腺、リンパ節、呼吸器、心血管、消化器、四肢、筋骨格、神経、および婦人科および泌尿生殖器系として示される系の評価が含まれる。白血球アフェレーシスの24時間以内に患者の身体検査中に体重を捕捉することは、患者の用量が体重によって決定されるため、特に重要である。
【0386】
一般状態
Eastern Cooperative Oncology Groupの尺度および基準は、患者の一般状態を評価し、疾患が患者の日常生活能力にどのように影響するかを評価し、適切な治療および予後を決定するために使用される。
【0387】
バイタルサイン
バイタルサインを収集し、バイタルサインは、患者が座わっている状態での収縮期および拡張期血圧、心拍数、体温、および呼吸数を含む。
【0388】
12誘導心電図
12誘導ECGは、QTcB(Bazettの式で補正されたQTc)およびQTcF(Fridericiaの式で補正されたQTc)によって収集される心拍数、PR間隔、QRS間隔、RR間隔、QT間隔、およびQTc間隔を決定するECG装置を使用して、資格のある施設スタッフによって実施される。ECGの収集中、患者は、ECGの収集前の少なくとも10分間、気を散らすもの(テレビ、携帯電話など)のない静かな環境で休息している。
【0389】
すべてのECGは、異常の有無について、資格を有する医師によって評価されなければならない。
【0390】
心エコー図
スクリーニング時にLVEFを測定するため、また臨床的な示唆があれば、心エコー図またはマルチゲート収集(MUGA)スキャンを実施する。
【0391】
臨床検査評価
臨床検査評価用のサンプルが収集される。表3に概説される臨床検査は、施設によって実施される。表3に概説する臨床検査用のサンプルは、適切な管に収集され、施設の標準手順に従って取り扱われる。
【0392】
臨床検査変数を表3に列挙する。
【表3】
a.これらの臨床検査の結果は、白血球アフェレーシスの前に、または白血球アフェレーシス当日に、白血球アフェレーシスの前に利用可能な結果と共に、取得されている必要がある。
b.凝固パラメータの結果は、任意の腫瘍生検の当日または翌日に必要とされる。
c.ベースラインおよびCRS症例で収集。
略語:CRS=サイトカイン放出症候群、T3=トリヨードチロニン、T4=チロキシン、TSH=甲状腺刺激ホルモン
【0393】
有害事象
定義
有害事象
AEとは、投与された治験薬と必ずしも因果関係がない、患者における任意の望ましくない医学的事象である。したがって、AEは、治験薬と関連しているか否かにかかわらず、治験薬の使用と一時的に関連のある任意の好ましくないまたは意図しない兆候(臨床検査所見の異常を含む)、症状、または疾患であり得る。有害事象は、新たな事象であってもよく、または重症度もしくは頻度が重くなったもしくは悪化した既存の状態であってもよい。
【0394】
有害事象は、身体検査、臨床検査、または他の診断的調査において、ベースラインから臨床的に有意な変化である可能性がある。
【0395】
本試験では、AEは、発現時間が治験薬投与から治験薬の最終投与後6週間までである場合に、治療による発現とする。
重篤な有害事象
【0396】
SAEは、以下のいずれかをもたらす任意のAEである:
死亡。
直ちに生命を脅かす。
入院または既存の入院期間の延長を必要とする。
持続的または顕著な障害または無能力をもたらす。
先天性異常または先天性欠損が生じる。
患者を危険にさらす可能性がある、または上記の転帰の1つを防止するために医学的介入を必要とする可能性がある、重要な医療事象である。
【0397】
患者がICFに署名した後、治療前、治療中、または治療中止後30日以内に発生したすべてのSAEは、それらが試験に関連しているか否かにかかわらず、適切な臨床手順フォームに記録されなければならない。
特に注目すべき有害事象
【0398】
AESIは、治験薬に特有の科学的および医学的懸念のAE(重篤または非重篤)であり、継続的な観察と研究員によるスポンサーへの即時通知が必要となる。このようなAEの特徴付けと理解には、さらなる調査が必要となる場合がある。特に注目すべき有害事象は、プロトコルの改訂により、試験中に追加または除去することができる。
【0399】
以下のAEがAESIとみなされる:
過敏症、サイトカイン放出、全身性炎症反応症候群、全身性炎症活性化を示唆する事象。
インフルエンザ様疾患。
注入反応症候群。
心筋炎、神経学的irAE、免疫関連病因の高トランスアミナーゼ血症、および腎炎などの、免疫療法に関連するirAE。
【0400】
さらに、以下のイベントがスポンサーに報告される。
SQZ-PBMC-HPVの過剰投与の疑い。
Hy’s Law基準を満たす肝臓検査異常、すなわち、プロトコルによって特定されたまたは予定外の臨床検査により決定される、≧3×ULNのASTまたはALTの臨床検査値、および≧2×ULNの総ビリルビンの臨床検査値、および同時に、<2×ULNのアルカリホスファターゼの臨床検査値。
重症度の評価
【0401】
NCI CTCAEバージョン5.0は、AEおよび臨床検査異常の重症度の評価およびグレード分けに使用される。ASTCTコンセンサスグレーディングは、CRSおよびICANSに使用される。各AE用語は、最新バージョンの国際医薬用語集(MedDRA)の用語およびコードにマッピングされる。
【0402】
事象がCTCAEバージョン5.0で取り上げられていない場合、表4に示すガイドラインを使用して重症度を評価するべきである。
【表4】
出典:(NIAID、2003年)
略語:CTCAE=有害事象共通用語規準
【0403】
因果関係の評価
治験薬との関連は、研究員によって評価される。したがって、AEおよびSAE報告フォームには、SQZ-PBMC-HPV、アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、またはそれらの組み合わせに因果関係を帰属させる選択肢が含まれる。SQZ PBMC-HPVおよび免疫チェックポイント阻害剤との併用療法を受けている患者については、因果関係を、各プロトコルに指定された療法について個別に評価する。合理的な因果関係の疑いは、事象が免疫チェックポイント阻害剤の標識と一致する場合、免疫チェックポイント阻害剤のみに起因する。
【0404】
AEと治験薬(すなわち、SQZ-PBMC-HPV、アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、またはこれらの組み合わせ)との関係は、以下のように文書化される:
明確である:AEは明らかに治験薬に関連している。
推定される:AEは治験薬に関連する可能し得る。
可能性がある:AEは治験薬に関連する可能性し得る。
可能性が低い:AEは治験薬に関連するか疑わしい。
関連なし:AEは明らかに治験薬に関連していない。
【0405】
医学の資格を持った研究員は、各AEについて治験薬との関連を判断する。研究員は、その医学的判断において、事象が治験薬によって引き起こされた合理的な可能性があるかどうかを判断する。関連性を示唆する正当な理由がない場合、AEは「関連なし」として分類される。治験薬とAEの発現との間に因果関係の可能性を疑う正当な理由がある場合、たとえ判断されていなくても、AEは「関連あり」とみなされる。
【0406】
AE/SAEと治験薬との関係が「明確である」、「可能性がある」、または「推定される」と判断された場合、事象は、規制上の報告を迅速に行うことを目的として、治験薬に関連するとみなされる。
予想度
【0407】
該当する製品情報(例えば、SQZ-PBMC-HPVのIB、またはアテゾリズマブ、イピリムマブ、またはニボルマブの承認された標識)に列挙されていない、または特異性または重症度と矛盾するAEは、予想外であるとみなされる。
【0408】
有効性解析
定義
無増悪生存期間(PFS)は、サイクル1の1日目から、RECIST 1.1による客観的腫瘍進行(PD、放射線学的)の最初の記録、または任意の原因による死亡のいずれかが到来するまでの時間として定義される。無増悪生存期間データは、客観的腫瘍進行を有しておらず、かつ解析の時点でまだ試験中である患者、治験薬以外の抗腫瘍治療を受ける患者、または客観的腫瘍進行の文書化の前に治療追跡から除去される患者について、PDが存在しないことを文書化する最後の腫瘍評価の日にセンサー(censor)される。登録後に腫瘍評価を受けておらず、死亡したことが知られていない患者は、サイクル1の1日目にPFSがセンサー(censor)される。参加施設間の異なる診療方法に対応するため、RECIST 1.1基準およびiRECIST基準の両方により、PFSが評価される。
【0409】
全生存期間(OS)は、サイクル1の1日目から任意の原因による死亡日までの時間として定義される。死亡確認がない場合、生存時間は、患者が生存していることが知られている最後の日にセンサー(censor)される。サイクル1の1日目以降のデータがない患者の、生存期間はサイクル1の1日目にセンサー(censor)される。
【0410】
客観的奏効率(ORR)は、RECIST 1.1によるCRまたはPRを有する患者の割合として定義される。客観的奏効率は、未確認および確認されたORRとして提供される。確認された応答は、応答の当初の記録から少なくとも28日後に、反復撮像研究で持続する応答である。同様に、iRECISTによるiORRも要約され、報告される。
【0411】
奏功期間(DoR)は、PRまたはCRの最初の記録から、任意の原因による客観的腫瘍進行または死亡の最初の記録までの時間として定義される。奏功期間データは、腫瘍進行を有しておらず、かつ解析の時点でまだ試験中である患者、治験薬以外の抗腫瘍治療を受ける患者、または客観的腫瘍進行の文書化が最後の腫瘍評価においてセンサー(censor)される前に研究追跡から除去される患者について、PDが存在しないことを文書化する最後の腫瘍評価の日にセンサー(censor)される。同様に、iRECISTによるiDoRも要約され、報告される。
【0412】
最良総合効果(BOR)は、サイクル1の1日目から疾患進行または死亡までのすべての腫瘍評価が記録された後に決定される。一般的に、これはすべての評価にわたって最良の応答である。しかしながら、CR、PR、および安定した疾患(SD)の確認も、BOR決定に使用される。CRまたはPRを確認するために、腫瘍測定値の変化は、反応基準が最初に満たされた後の4週間(28日)以上であるべき反復評価によって確認されなければならない。SDを確認するためには、サイクル1の1日目から少なくとも12週間経過している必要があり、そうでない場合、BORはその後の評価に依存する。最良総合効果は、登録をアンカー日として使用して、最良の反応までのイベント変数までの時間または割合として、要約される。同様に、iRECISTによるiBORも要約され、報告される。
【0413】
疾患制御率(DCR)は、定義された時点でRECIST 1.1によりBORがCR、PR、またはSDとして決定される患者の割合である。ベースライン時に測定可能な疾患を有し、腫瘍評価に適格である安全性集団中の全ての患者は、3、6、および12か月時点での、DCR割合の分母とみなされる。同様に、iRECISTによるiNCRも要約され、報告される。
【0414】
安定した疾患12週間は、BORがRECIST 1.1によりCR、PR、またはSDとして決定され、少なくとも12週間維持される患者の割合である。ベースライン時に測定可能な疾患を有し、腫瘍評価に適格である安全性集団中の全ての患者は、3、6、および12か月時点での、割合の分母とみなされる。同様に、iRECISTによる12週間のSDも要約され、報告される。
分析
【0415】
有効性解析が、安全性集団に対して実施される。抗腫瘍活性(ORR、PFS、OS)は、HLAクラスI発現が記録された患者についても記載されている。プロトコル毎の集団が安全性集団と異なる場合、有効性解析もPP集団を使用して実施される。
【0416】
カプランマイヤー法を使用して、PFS中央値および両側95%信頼区間を推定する。死因にかかわらず、死亡する患者は、死亡前に後続抗がん療法を受けていない限り、事象があったとみなされる。後続治療を受ける場合、患者は、後続治療前の、最後の評価可能な腫瘍評価の日付をセンサー(censor)される。試験に対する同意を撤回した患者は、同意を撤回する前の、最後の評価可能な腫瘍評価の時点でセンサー(censor)されたとみなされる。臨床データカットオフ日の時点でまだ生存している患者は、もっとも最近の評価可能な腫瘍評価でセンサー(censor)される。臨床データのカットオフ日以前に追跡不能となったすべての患者も、追跡不能になる前の最後の評価可能な腫瘍評価の時点でセンサー(censor)されたとみなされる。
【0417】
奏功期間、最良総合効果までの時間、および全生存期間は、PFSと同じ方法を使用する。さらに、iRECISTを使用したiPFS、iBOR、iNCR、およびiBORまでの時間が、類似の方法を使用して分析され、報告される。
【0418】
客観的奏効率(ORR)は、正確な二項分布に基づく95%信頼区間を有する割合として提示される。ORRの点推定値および両側95%信頼区間が提供される。少なくとも12週間継続するDCRおよびSDは、点推定値として報告される。
安全性解析
【0419】
すべての安全性パラメータは、安全性集団を使用して分析される。安全性パラメータには、以下が含まれる。AE、臨床検査評価、バイタルサイン、ECOG、曝露、ECG、ECHO/MUGAおよび身体検査。
【0420】
安全性の主要評価項目は、任意のAEを有し、SQZ-PBMC-HPV投与に対する毒性が観察された患者数であり、重症度はNCI CTCAEバージョン5.0を使用して評価される。SQZ-PBMC-HPVの初回投与後に発症したすべてのAEを解析に含める。有害事象は、インフォームドコンセントへの署名から収集されるが、解析は、治療により発生したAEに焦点を当てて行われる。
【0421】
AEは、記述統計量を使用して分析される。所定のAEが複数回発生する患者については、最も高い重症度が使用される。
有害事象
【0422】
AEは、現在のバージョンのMedDRAコーディング辞典を使用してコーディングされる。
【0423】
AEは、サイクル1の1日目から治験薬の最終投与後6週までに発現した場合、治療による発現とする。部分的な発現時間を有するAEについては、AEが治療により発現したかどうかを判定するために、日付が欠落していない部分が使用される。治験薬の投与に対してAEがいつ発生したかについて判断できない場合、AEは治療により発生したと分類される。治療により発現したAEには、治験薬の初回投与前に存在し、投与後に毒性が悪化した任意のAEも含まれる。
【0424】
本項で説明する解析は、簡潔さのために本項で単にAEと呼称されるTEAEに基づく。
【0425】
研究員によって治験薬に関連する可能性がある、おそらく関連があると推定される、または明らかに関連があるとみなされる有害事象は、要約目的のために関連ありとして分類される。
【0426】
任意のAE、任意の関連AE、任意のSAE、任意の関連SAE、任意のグレード3以上のAE、任意のグレード3以上のAEを有する患者の数および割合、ならびに各カテゴリーに対する事象の総数を要約する。AEによる死亡数、AEによる入院者数、およびAEによる治療中止数、ならびにDLT数およびAESI数を要約する。
【0427】
AEを発現した患者の数および割合、ならびにAEの総数は、器官分類および優先用語別に要約される。この集計は、関連するAE、AESI、SAE、関連するSAE、およびグレード3以上のAE、ならびに関連するグレード3以上のAEに対して繰り返される。
【0428】
非TEAEを含むすべてのAEは、患者リストに記載されている。治験薬の投与中止を引き起こすAE、死亡につながるAE、SAE、関連AE、AESI、DLT、および重度のAEの患者リストが生成される。
【0429】
臨床検査評価
ベースラインは、治験薬への最初の曝露前の最後の非欠測値として定義される。これは通常、投与前のサイクル1日目であるが、より早い場合もある。ベースラインの臨床検査からの実際の値および変化は、治験来院ごとに要約される。
【0430】
臨床検査結果は、NCI CTCAEバージョン5.0および治験責任医師が決定する研究員に従って分類される。パラメータごとの治験来院ごとに、1つ以上の臨床検査結果を報告する場合、最も重篤な分類をもたらす結果が分析のために選択される。シフトテーブルは、グレード分けされた臨床検査パラメータのベースラインからの最大の変化を示すために作成される。
【0431】
すべての臨床検査評価は、リストに記載されている。
【0432】
臨床的に有意な臨床検査結果の異常を有する患者がリストされている。このリストには、治験来院中に研究員が患者について、異常であり、臨床的に有意であると判断した臨床検査パラメータのすべての結果が含まれる。
【0433】
バイタルサイン
ベースラインは、治験薬への最初の曝露前の最後の非欠測値として定義される。バイタルサインの実際の値およびベースラインからの変化は、治験来院および治験時点で要約される。すべてのバイタルサインデータは、患者リストに提示される。
【0434】
バイタルサイン値は、研究員が決定する臨床的有意性に従って分類される。非欠損結果を有する患者の数、非臨床的に有意な結果を有する患者の数および割合、ならびに臨床的に有意な結果は、治験来院および治験時点ごとに要約される。治験来院およびパラメータごとの治験時点ごとに、1つを超えるバイタルサイン結果を報告する場合、最も重篤な分類をもたらす結果が分析のために選択される。
【0435】
臨床的に有意なバイタルサイン値を有する患者がリストされている。このリストには、治験時点にわたって研究員が患者について、臨床的に有意であると判断したバイタルサインパラメータのすべての結果が含まれる。
【0436】
身体検査
異常な身体検査所見が列挙されている。
12誘導ECG
【0437】
ECG結果は、シフトテーブル(正常、臨床的に有意ではない異常、異常、臨床的に有意な以上)に示され、ベースラインからの最大の変化を示す。すべてのECG結果は患者リストに表示される。
【0438】
その他の安全性変数
29T2All安全性データはリストに記載されている。
【0439】
ECOG PSおよびECOG PSのベースラインからの変化は、それが収集される各予定される来院で要約される。ECOG PSのベースラインからの変化は、連続変数および分類変数として要約される。ベースラインから1ポイント以上の減少は、ベースラインからの「改善」として分類される。ベースラインからの1ポイント以上の増加は、ベースラインからの「悪化」として分類される。ベースラインからの改善、悪化、および変化のないECOG PSは、ECOG PSが評価される各登録後の時点での治療による分類変数として要約される。
【0440】
薬力学的分析
バイオマーカーは、各時点、ベースラインからの変化およびベースラインからの変化%について要約される。薬力学的マーカーとSQZ-PBMC-HPVとの間の相関を、記述的およびグラフィカルな方法で探索する。
【0441】
各マーカーの記述統計値(平均、標準偏差、中央値、最小値、最大値、および幾何平均)が報告される。用量群による経時的な個々の値のグラフが提示される。
【0442】
実施例2 コホート1~3の分析
Cell Squeeze(登録商標)技術は、抗原をサイトゾルに直接送達する堅牢な能力を示しており、それによって、ほとんどのワクチンが依存するクロスプレゼンテーションプロセスを回避し、効率的なMHC-I提示および抗原特異的CD8 T細胞活性化を可能にする。前臨床データは、インビトロおよびインビボでの、CD8 T細胞の活性化および抗腫瘍効果の優越性を実証している。
【0443】
図6は、Cell Squeeze(登録商標)技術によって生成されたSQZ-PBMC-HPV-101治験薬の予想される機序を示し、SQZ-PBMC-HPVワクチンがCD8 T細胞応答を直接刺激する:
1. 末梢血単核細胞(PBMC)は、白血球アフェレーシスによって患者から得られたもので、HPV16 E6およびE7合成長ペプチド(SLP)と混合される
2. Cell Squeeze(登録商標)技術は、PBMCの急速な機械的変形を使用して膜を一時的に破壊し、E6およびE7抗原カーゴを細胞質に直接送達する
3. 得られた抗原提示細胞(APC)は、CpG7909で成熟される
4. SQZ-PBMC-HPVは、このプロセスによって遺伝子改変されず、保存および患者への出荷のために凍結保存される
5. 前臨床データは、抗原特異的CD8 T細胞活性化を駆動するために、マウスSQZ(商標)APCがリンパ器官を本拠地とすることを実証している
6. 前臨床モデルでは、腫瘍部位を本拠地とする活性化T細胞は、腫瘍細胞死を誘導し、長期保護を提供するメモリーを形成する。SQZ-PBMC-HPVは、前臨床モデルにおいて他の技術と比較評価した場合、ワクチンの効力において劇的な改善を示した。
【0444】
図7に示されるように、SQZ-PBMC-HPV-101臨床試験の主要研究目的は、単剤療法のための28日間のDLT期間の安全性、およびチェックポイント阻害剤(CPI)との組み合わせのための42日間のDLT期間の安全性を含む。二次的な試験目的には、安全性および忍容性、有効性(RECIST 1.1によるORRなど)、ならびに薬力学的マーカーが含まれる。
【0445】
方法
SQZ-PBMC-HPV-101は、無制限の過去の治療後に進行する不治のHPV16+がんを有する患者を登録している(図7)。
【0446】
適格患者は、ECOG 0-1、十分な臓器機能、および許容可能な臨床リスクを伴う生検が可能な病変を有する必要がある。
【0447】
患者は、試験施設において単一の白血球アフェレーシスを受け、ニューハンプシャー州、Postsmouth、LonzaでSQZ-PBMC-HPVバッチを製造した。SQZ-PBMC-HPVは遺伝子改変されなかった。静脈から静脈への所要時間は約1週間であった。
【0448】
バッチキャラクタリゼーションを、バッチ放出前に実施し、細胞生存率およびIFN-γ分泌の誘導を含んだ。
【0449】
外来患者のSQZ-PBMC-HPVは、以前の馴化レジメンなしで3週間毎にIV投与され、各コホートでは、最初のおよび二人目の患者が23時間にわたって観察された。
【0450】
ダブル抗原プライミング(DP)をコホート3で導入し、サイクル1の1日目および2日目に実施した。
【0451】
DLT期間は、単剤療法では28日、併用期では42日であった。
【0452】
単剤療法の用量漸増は、3+3ルールに従って行われた。すべてのコホートにおいて、最大12人の患者が登録される。
【0453】
腫瘍生検をベースラインおよびC2D8で収集し、FFPEブロックに処理し、切片化し、適格なモノプレックスアッセイ、デュアルプレックスアッセイ、およびトリプレックスアッセイを使用して、自動免疫組織化学染色装置で染色した。
【0454】
各患者の治療期間は、それらの割り当てられた用量およびそれらの製造バッチにおけるバイアルの数によって決定された。
【0455】
反応は、RECIST 1.1およびiRECISTを介して評価された。
【0456】
患者の人口統計学的特性、疾患特性、治療による有害事象の発現(TEAE)
表5は、登録患者の人口統計学的特性および疾患特性を示す。
【表5】
【0457】
表6は、登録患者の配置を示す。
【表6】
*プロトコルv1.2までは、3用量の制限があった。v2.0が承認された後、患者は利用可能な用量だけ投与を受けることができた。
^治療は、プロトコルバージョン2.0以前は3回の投与に限定された。
患者はホスピスに解放され、その後死亡した。
【0458】
表7は、2人以上の患者において報告された因果関係TEAEの概要を示す。
【表7】
【0459】
SQZ-PBMC-HPVの製造可能性
製造プロセスは、患者当たり<24時間であり、一回のランから複数回の用量を生産することを可能にした。製造および放出試験の劇的な改善は、約1週間の静脈間時間を支持する。
【0460】
図8AおよびBで示すように、SQZ-PBMC-HPVの製造は、約90%の平均生存率を示し、エンドツーエンドのプロセス時間の平均は24時間未満であった。図8Cで示すように、すべての患者バッチから生成されたSQZ-PBMC-HPVは、応答性T細胞IFN-γ分泌でアッセイされたT細胞活性を誘導する能力によって示されるように、HPV抗原を提示した。
【0461】
治療結果
治療結果は、図9に要約され、全コホートにわたる、最良総合効果(BOR)、試験における生存(日数)、およびロイヤルマースデン病院(RMH)1スコアの概要を示す(スコアに基づく影付け)。図9に示されるように、全てのコホート3患者は、2のRMHスコアを有し、CD8腫瘍浸潤リンパ球の有意な増加はなかった。
【0462】
患者のケーススタディ
異なる腫瘍負荷を有する患者を、さらなるケーススタディのために選択した。
【0463】
ケーススタディ患者2
65歳の子宮頸がん女性は、(1)シスプラチン/パクリタキセル/ベバシズマブ[BOR=CR]および(2)ペンブロリズマブ[BOR=PD]による治療の後、コホート1に診断後3.5年で登録した(0.5e6/kg q3w)。
【0464】
低腫瘍負荷、ベースラインで、0のECOGおよび1のロイヤルマースデン病院(RMH)1スコア、10か月超の治験。
【0465】
腫瘍負荷1の標的病変(TL)(15mmのSOD)および3つのNTL(2つのリンパ節、肺)。RECIST 1.1:SDによる最良総合効果。
【0466】
図10は、腫瘍増殖動態の減少を示す(図 10A)、IHC画像解析の結果は、中央腫瘍におけるCD8 TILの2倍の増加を示し(図10B、スクリーニングと比較したC2D8)、およびIHC画像の例は、CD8 TILの増加をさらに示す(図10C、矢印)。
【0467】
ケーススタディ患者7
頭頸部がんを有する67歳の男性は、カルボプラチン/5FU/ペンブロリズマブ(BOR=PR)による治療後に診断後1年で、コホート2(2.5e6/kg q3w)に登録された。
【0468】
高腫瘍負荷、ベースラインで、1のECOGおよび0のロイヤルマースデン病院(RMH)1スコア、3か月超の治験。
【0469】
腫瘍負荷2 TL:69mm SOD、1NTL(リンパ節)。RECIST 1.1:SDによる最良総合効果。
【0470】
図11は、腫瘍増殖動態の減少を示す(図 11A)、IHC画像解析の結果は、治療中の中央腫瘍におけるCD8 TILの6倍の増加を示す(図11B、C2D8スクリーニングと比較して)およびIHC画像の例は、CD8 TILの有意な増加を示す(図 11C、矢印)。
【0471】
結論
安全性および忍容性
・SQZ-PBMC-HPVは、2~10回の用量投与を受けた患者において、すべての用量レベルで安全で忍容性十分であった。
・DLTまたはG>2治療関連SAEは観察されなかった。
【0472】
製造可能性
・すべてのバッチを、仕様と一致するcGMPに基づいて製造し、24時間未満で複数の凍結保存用量を得られ、約1週間の静脈間時間を許容した。
・T細胞活性(IFN-γ分泌)に基づく製品キャラクタリゼーションアッセイは、既往歴または個々の患者のRMH第1相スコアとは無関係に、すべての患者のバッチにおける抗原提示を確認した。
【0473】
バイオマーカー
・ケーススタディでは、患者2および7などの患者に免疫活性の増加が観察された。高用量コホートの9人中六人の患者が、ベースラインでRMHの第1相スコア2を有し、これは、進行性疾患および免疫不全患者を反映している。
・2つのケーススタディによると、患者2などの腫瘍負荷が少ない進行のより少ない患者は、臨床的利益の可能性が高くなる可能性がある。
【0474】
将来の開発:現在の用量レベルの評価が完了すると、免疫チェックポイント阻害剤との安全併用期の開始が予測される。
【0475】
実施例3 腫瘍のバイオマーカー解析
実施例2に記載される臨床試験に登録された患者からの腫瘍サンプルを、バイオマーカーの発現について評価した。腫瘍生検を、ベースラインで、およびサイクル2の8日目(C2D8)に収集し、FFPEブロックに処理し、切片化し、適格なモノプレックスアッセイ、デュアルプレックスアッセイ、およびトリプレックスアッセイを使用して、自動免疫組織化学染色装置でIHC染色した。
【0476】
本実施例に記載されるコホートを表8に示す。
【表8】
【0477】
結果
有害事象
SQZ-PBMC-HPVは安全で十分な忍容性があると考えられる。バイオマーカー試験時の有害事象を表9に示す。
【表9】
* 一般的な関連AE(>1患者):疲労、低血圧、注入に伴う反応、悪心、掻痒。M=百万、SP=単一プライム、DP=ダブルプライム、AE=有害事象
【0478】
事前に特定されたDLT基準を満たした対象はいなかった
【0479】
2人の患者において三つのAESIが報告された:
【0480】
グレード2のサイトカイン放出症候群(CRS)ならびにグレード1および2の免疫関連反応
【0481】
関連するグレード3以上のSAEは報告されなかった:
【0482】
グレード2(関連)-CRS(1ポイント)
【0483】
1患者における関連AE グレード3+(貧血)
【0484】
鼻づまりのため一人の患者に一回の投薬遅延があった
【0485】
DLT、中止につながる関連するAE、致死的な関連AEは、全て観察されなかった。
【0486】
バイオマーカー試験
全腫瘍組織におけるCD8+細胞密度を図12に示す。腫瘍はまた、砂漠(免疫細胞の欠如)、除外された(周辺のみの免疫細胞)、または炎症として評価された。
【0487】
グランザイムB(GZMB+)細胞間のCD8+細胞密度を図13に示す。CD8+/Ki67+細胞の密度を図14に示し、CD8+/Ki67-細胞の密度を図15に示す。MHC-1発現は、H-スコアに基づいて図16に示される。以下のMHCカテゴリー、MHC-、MHC-1低、MHC-1中、およびMHC-1高の%細胞も示されている。スコアリングには、染色の強度および各強度で陽性に染色される細胞の割合が含まれる。染色シグナルは、4つの異なる強度カテゴリーに分けられる:0:染色なし、1+:弱い染色(高倍率で目に見える)、2+:中間(または中程度)染色(低倍率で目に見える)、3+:強い染色(低倍率でも目立つ)。
【0488】
PD-L1を発現する腫瘍細胞の割合を図17に示す。
【0489】
HPV E6の発現は、H-スコアに基づいて図18に示される。以下のHPVカテゴリー、HPV-、HPV16 +1、HPV16 +2 HPV16 +3、およびHPV16 +4の%細胞も示される。1~3個のプローブスポットを有する細胞=+1、4~9個のスポット=+2、10~13個のスポット=+3、および>14個のスポット=+4。
【0490】
HPV E7の発現は、H-スコアに基づいて図19に示される。以下のHPVカテゴリー、HPV-、HPV16 +1、HPV16 +2 HPV16 +3、およびHPV16 +4の%細胞も示される。1~3個のプローブスポットを有する細胞=+1、4~9個のスポット=+2、10~13個のスポット=+3、および>14個のスポット=+4。コホート1~3の患者の生検を、PD1の発現について評価した(図20)。
【0491】
選択された患者の概要
112-068(コホート3a)
中咽頭の扁平上皮細胞がんを有する52歳の男性は、最高用量コホート(5.0M細胞/kg DP)に登録された。初期診断は3.7年前で、その後シスプラチン、カルボ/5FU/ぺンブロ(pembro)(BOR=PD)、ドセタキセル、セツキシマブ、抗TGFβ/ぺンブロ(pembro)(BOR=PD)、セツキシマブ/パクリタキセルの6つの全身療法を受けた。重大な症状負担を伴う大きな原発病変。SQZ-PBMC-HPVの7回の投与をすべて受け、グレードの低い関連AE(G1顔面紅潮、G1疲労)はほとんどなかった。28日目の治療生検は、PD-L1発現の反射性増加を伴う、腫瘍を浸潤するCD8の8倍の増加を示した。最後の腫瘍評価時に新しい皮膚病変を伴う標的病変(縦隔リンパ節(RECIST 1.1))上の確認されたCRを含む、放射線学的応答。症候の改善(嚥下障害)および身体検査での病変の肉眼による改善。
【0492】
腫瘍は砂漠(免疫細胞なし)から炎症に移行した。患者は、最も高いCD8浸潤(およびCD8+細胞上のエフェクター分子GZMB発現)を示した。増殖する(Ki67+)CD8+細胞に変化はなかった。MHC-IおよびPD-L1の増加が観察された。患者は、ベースライン時に腫瘍の最も高いE6およびE7発現を示し、治療後の変化が最も大きかった。
【0493】
この患者の中央腫瘍の免疫表現型のより詳細な解析を図21に示す。右のパネルは、腫瘍の間質および実質におけるCD8+細胞密度を示す。真ん中のパネルは、トリプレックスアッセイにおけるCD8、GZMBおよびFoxP3の発現に基づく、腫瘍における免疫細胞のCTL、TregおよびNK機能の密度を示す。右のパネルは、CD8+およびGZMB+である細胞の割合を示す。これらの結果は、免疫組織化学によってさらに実証される(図22)。
【0494】
増殖/活性化CD8+細胞の密度のより詳細な分析を図23に示す。
【0495】
図24に示すように、PD-L1の発現の増加が観察された。
【0496】
図25に示すように、腫瘍内のMHC-1細胞の数は、MHC-1高細胞の割合の増加を含め、C2D8により増加した(左のパネル、上)。対照的に、HPV16 E6およびHPV16 E7を発現する細胞の数は、C2D8により減少した(左のパネル、下)。これらの結果は、免疫組織化学(右パネル)でも示される。
【0497】
腫瘍増殖動態を図26に示す。
【0498】
103-027(コホート2)
この患者の腫瘍は、試験開始時に炎症を起こし、炎症はC2D8により増加した。CD8浸潤物に有意な増加があった(CD8+細胞上のエフェクター分子GZMB発現に変化はなかった)。この患者は、CD8+/Ki67+で測定されたCD8+細胞の最大増殖を有していた。MHC-IおよびPD-L1の発現に有意な変化はなかった。
【0499】
この患者の免疫表現型のより詳細な解析を図27に示す。右のパネルは、腫瘍の間質および実質における中央腫瘍のCD8+細胞密度を示す。真ん中のパネルは、トリプレックスアッセイにおけるCD8、GZMBおよびFoxP3の発現に基づく、腫瘍における免疫細胞のCTL、TregおよびNK機能の密度を示す。右のパネルは、CD8+およびGZMB+である細胞の割合を示す。これらの結果は、免疫組織化学によってさらに実証される(図28)。
【0500】
増殖/活性化CD8+細胞の密度のより詳細な分析を図29に示す。
【0501】
図30に示すように、PD-1およびPD-L1の発現はほぼ同じままであった。
【0502】
図31に示すように、腫瘍内のMHC-1細胞の数は、ほぼ同じままであったが、MHC-1高細胞の割合は増加した(左のパネル、上)。対照的に、HPV16 E6およびHPV16 E7を発現する細胞の数は、C2D8により減少した(左のパネル、下)。これらの結果は、免疫組織化学(右パネル)でも示される。
【0503】
103-008(コホート1)
この患者の腫瘍は、試験開始時に炎症を起こし、炎症はC2D8により増加した。CD8浸潤の増加傾向が観察されたが、CD8+細胞上のエフェクター分子GZMB発現に変化はなかった。増殖する(Ki67+)CD8+細胞に変化は観察されなかった。PD-L1に変化は観察されなかった。ベースラインまたは投与後の腫瘍におけるE6およびE7発現に変化はなかった。
【0504】
この患者の免疫表現型のより詳細な解析を図32に示す。右のパネルは、腫瘍の間質および実質における中央腫瘍のCD8+細胞密度を示す。真ん中のパネルは、トリプレックスアッセイにおけるCD8、GZMBおよびFoxP3 FoxP3の発現に基づく、腫瘍における免疫細胞のCTL、TregおよびNK機能の密度を示す。右のパネルは、CD8+およびGZMB+である細胞の割合を示す。これらの結果は、免疫組織化学によってさらに実証される(図33)。
【0505】
増殖/活性化CD8+細胞の密度のより詳細な分析を図34に示す。
【0506】
図35に示すように、PD-1の発現は、C2D8でほぼ同じままであった。PD-L1は、初期スクリーニング時またはC2D8のいずれにおいても検出されなかった。
【0507】
図36に示すように、腫瘍内のMHC-1細胞の数は、HPV16 E6およびHPV16 E7を発現する細胞の数(左のパネル、下)がそうであるように、ほぼ同じであった(左のパネル、上)。これらの結果は、免疫組織化学(右パネル)でも示される。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
【配列表】
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【国際調査報告】