(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】PBMCの凍結保存のための製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 39/12 20060101AFI20240118BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240118BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240118BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240118BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240118BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240118BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240118BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240118BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240118BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240118BHJP
C12N 5/078 20100101ALI20240118BHJP
C12N 5/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K39/12
A61K47/42
A61K47/20
A61K47/22
A61K47/18
A61K47/12
A61K47/46
A61K35/17
A61P43/00 121
A61P37/04
C12N5/078 ZNA
C12N5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539811
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021065352
(87)【国際公開番号】W WO2022147017
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518071763
【氏名又は名称】スクイーズ バイオテクノロジーズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バーンスタイン, ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ラフヘッド, スコット
(72)【発明者】
【氏名】ブーティー, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】フラヴァティ, ケラン
(72)【発明者】
【氏名】アブデルジャワド, タレク
(72)【発明者】
【氏名】ダドガー, マイサム
(72)【発明者】
【氏名】マリー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】チャルグウィン, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】アン, ハリー
(72)【発明者】
【氏名】シャレイ, アーモン アール.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065BA22
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4C076BB11
4C076CC06
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4C076GG05
4C085AA06
4C085AA38
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4C085DD84
4C085DD86
4C085EE01
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4C085FF11
4C085GG01
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087CA04
4C087DA19
4C087MA02
4C087MA44
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA10
4C087ZB09
4C087ZC75
(57)【要約】
本願は、改変された末梢血単核細胞(PBMC)の製剤を提供するものであり、ここで製剤は、少なくとも一の抗原(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原)を含むPBMCと凍結保存培地とを含む。いくつかの実施形態では、PBMCは、アジュバントの存在下でPBMCをインキュベートすることによって馴化される。いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、b)凍結保存培地、およびc)ヒト血清アルブミンを含む、医薬製剤を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、
a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、
b)凍結保存培地と、
c)ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤。
【請求項2】
末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、
a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、
b)凍結保存培地と、
c)低温保存培地と、
d)ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤。
【請求項3】
組成物が、約5×10
6個のPBMC~約5×10
7個のPBMCを含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
組成物が、約2×10
7個のPBMC~約3×10
7個のPBMCを含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
組成物が、約2.75×10
7個のPBMCを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
組成物が、約1×10
6個のPBMC/mL~約1×10
7個のPBMC/mLを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
組成物が、約4×10
6個のPBMC/mL~約6×10
6個のPBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
組成物が、約5.0×10
6個のPBMC/mLを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
組成物中のPBMCのうち≧70%、≧80%、≧90%、または≧95%が生存可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
組成物が、約3×10
6個の生存PBMC/mL~約7×10
6個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
組成物が、約5×10
6個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
組成物は、予め凍結されており、また組成物は、解凍後に、約4×10
6個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記医薬製剤中のPBMCが、≦-196℃で少なくとも約12カ月間保存した後、約≧70%の生存率を維持する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記医薬製剤中の前記凍結保存培地の百分率が、約40%~約95%(w/w)である、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記医薬製剤中の前記凍結保存培地の百分率が、約80%(w/w)である、請求項1および請求項3から14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記医薬製剤中の前記凍結保存培地の百分率が、約50%(w/w)である、請求項2から14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記凍結保存培地がジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約5%~約15%(w/w)である、請求項17に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約10%のDMSO(w/w)である、請求項17または18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項1から19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記医薬製剤中の前記低温保存培地の百分率が、約25%~約35%(w/w)である、請求項2から14および16から20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項22】
前記医薬製剤中の前記低温保存培地の百分率が、約30%(w/w)である、請求項2から14および16から21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記低温保存培地が、ビタミンEの水溶性アナログを含む、請求項2~14および16~22のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項24】
低温培地が、トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を含む、請求項2から14および16から23のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項2から14および16から24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記ヒト血清アルブミンが、ヒト血清アルブミン溶液で提供される、請求項1から25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項27】
前記医薬製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約15%~約25%(w/w)である、請求項26に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記医薬製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約20%(w/w)である、請求項26または27に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記ヒト血清アルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.08mmol/gでカプリル酸ナトリウムおよび/またはアルブミン濃度は約0.08mmol/gでアセチルトリプトファンを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項30】
前記医薬製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約2%~約8%(w/w)である、請求項1から29のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項31】
前記医薬製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約5%(w/w)である、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記医薬製剤のpHが、約6.0~約8.5である、請求項1から31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記医薬製剤のpHが、約7.4である、請求項1から32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項34】
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約1×10
6個のPBMC/mL~約1×10
7個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約65%~約95%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤。
【請求項35】
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約5×10
6個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約7.4である、医薬製剤。
【請求項36】
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約1×10
6個のPBMC/mL~約1×10
7個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約40%~約60%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約25%~約35%の百分率で低温保存培地と、
d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤。
【請求項37】
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約5×10
6個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約30%(w/w)の百分率で低温保存培地と、
d)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約7.4である、医薬製剤。
【請求項38】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項36から37のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項39】
前記低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項36から38のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項40】
前記医薬製剤は、無菌である、請求項1から39のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項41】
前記医薬製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む、請求項1から40のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項42】
前記医薬製剤は、マイコプラズマを含まない、請求項1から41のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項43】
PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球のうちの二以上を含む、請求項1から42のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項44】
PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む、請求項1から43のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項45】
(a)PBMCの約25%~約80%がT細胞であり、
(b)PBMCの約1.5%~約30%がB細胞であり、
(c)PBMCの約3.0%~約20%がNK細胞であり、または
(d)PBMCの約4.0%~約45%が単球である、請求項1から44のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項46】
少なくとも一の抗原が、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原である、請求項1から45のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項47】
HPVが、HPV-16またはHPV-18である、請求項46に記載の医薬製剤。
【請求項48】
少なくとも一の抗原が、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む、請求項46または47に記載の医薬製剤。
【請求項49】
少なくとも一の抗原が、HPV E6に由来するペプチドおよびHPV E7に由来するペプチドを含む、請求項46から48のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項50】
少なくとも一の抗原が、配列番号1~3のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む、請求項46から49のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項51】
少なくとも一の抗原が、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む、請求項46から50のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項52】
PBMCの集団は、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原と、配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原とを含む、請求項46から51のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項53】
少なくとも一の抗原を含むPBMCは、
a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一の抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCの集団を形成することと、
b)摂動を与えられた入力PBMCの集団を、少なくとも一の抗原とともに、当該抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団を生成することとによって調製される、請求項1から52のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項54】
前記狭窄部の直径が、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである、請求項53に記載の医薬製剤。
【請求項55】
少なくとも一の抗原を含むPBMCは、馴化される、請求項1から54のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項56】
少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団は、改変PBMCを馴化するために、約37℃で、アジュバントと共にPBMCを約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間の間、インキュベートすることを含む工程によって馴化される、請求項55に記載の医薬製剤。
【請求項57】
前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである、請求項56に記載の医薬製剤。
【請求項58】
前記アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項57に記載の医薬製剤。
【請求項59】
請求項1から58のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む、バイアル。
【請求項60】
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約5×10
6個のPBMC~約5×10
7個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約65%~約95%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、製剤を含む、バイアル。
【請求項61】
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約2.75×10
7個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約80%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約5%の濃度でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約7.4である、製剤を含む、バイアル。
【請求項62】
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約1×10
6個のPBMC/mL~約1×10
7個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約40%~約60%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地と、
d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、製剤を含む、バイアル。
【請求項63】
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約5×10
6個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約30%(w/w)の濃度で低温保存培地と、
d)約5%(w/w)の濃度でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約7.4である、製剤を含む、バイアル。
【請求項64】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項60から63のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項65】
前記低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項62から64のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項66】
前記製剤は、無菌である、請求項59から65のいずれか一項に記載のバイアル。
【請求項67】
PBMCの製剤を作製する方法であって、凍結保存培地およびヒト血清アルブミンを、PBMCの集団であって、該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む、方法。
【請求項68】
a)前記製剤中のPBMCの集団が、約1×10
6個のPBMC/mL~約1×10
7個のPBMC/mLであり、
b)前記凍結保存培地が、約65%~約95%(w/w)の百分率で添加され、
c)前記ヒト血清アルブミンが、約2%~約8%(w/w)の濃度で添加されるものであり、
前記製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5に調整される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
a)前記製剤中のPBMCの集団が、約6×10
6個のPBMCであり、
b)前記凍結保存培地が、約80%(w/w)の百分率で添加され、
c)前記ヒト血清アルブミンは、約5%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
前記製剤のpHが、pH約7.4に調整される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
PBMCの製剤を作製する方法であって、凍結保存培地、低温保存培地およびヒト血清アルブミン溶液を、PBMCの集団であって、該PBMCは抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む、方法。
【請求項71】
a)前記製剤中のPBMCの集団が、約1×10
6個のPBMC~約1×10
7個のPBMCであり、
b)前記凍結保存培地が、約40%から約60%(w/w)の百分率で添加され、
c)前記低温保存培地が、約25%~約35%(w/w)の百分率で添加され、
d)前記ヒト血清アルブミン溶液は、約15%~約25%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
前記製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5に調整される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
a)前記製剤中のPBMCの集団が、約6×10
6個のPBMCであり、
b)前記凍結保存培地が、約50%(w/w)の百分率で添加され、
c)前記低温保存培地が、約30%(w/w)の百分率で添加され、
c)ヒト血清アルブミンは、約20%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
前記製剤のpHが、pH約7.4に調整される、請求項70または71に記載の方法。
【請求項73】
前記凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項67から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項70から73のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年12月29日に出願された米国仮出願第63/131,454号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容であるコンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:750322003040SEQLIST.TXT、記録日:2021年12月23日、サイズ:12,994バイト)については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、概して、凍結保存培地中に少なくとも一の抗原を含む末梢血単核細胞(PBMC)の製剤に関する。少なくとも一の抗原を含むこうしたPBMCを製造する方法、凍結保存可能な製剤を製剤化する方法、およびその製剤を凍結保存する方法も提供する。
【背景技術】
【0004】
パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する非エンベロープ型の小さなDNAウイルスである。100を超えるヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子型が完全に特徴付けられており、さらに多くの数が存在するものと推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびに一部の外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの原因であることがわかっている。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、腫瘍形成HPVの一つの型による持続感染は、前がん状態またはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、尋常性ゆうぜい、足底ゆうぜい、扁平ゆうぜい、肛門性器ゆうぜい、肛門病変、表皮異形成、局所性上皮肥厚、口腔パピローマ、ゆうぜい嚢胞(verrucous cyst)、喉頭パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内新生腫瘍(VAIN)が挙げられ得る。
【0005】
公知のHPV型の多くは、サブセットが発がん性である良性病変を引き起こす。疫学的および系統学的な関係に基づくと、HPVの型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「潜在的な高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがんとして、ならびに他の肛門性器がん、例えば外陰部がん、膣がん、陰茎がん、肛門がんおよび肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16およびHPV18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81)は、良性かつ低悪性度の子宮頸部の変化、性器ゆうぜい、および再発性呼吸器パピローマ症として現れることが知られている。皮膚HPVの5型、8型、および92型は、皮膚がんと関連する。一部のHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Suresh and Burtness AmJ Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。
【0006】
免疫療法は、概して、受動的介入と能動的介入いずれかの二つの主要なタイプに分けられ得る。受動的プロトコルには、予め活性化および/もしくは操作した細胞(例えば、CAR T細胞)、疾患特異的な治療用抗体、ならびに/またはサイトカインの投与が含まれる。活性免疫療法戦略は、インビボで免疫系エフェクター機能を刺激することを目的としている。現在のいくつかの活性プロトコルには、疾患関連ペプチド、可溶化物、または同種異系の全細胞によるワクチン接種戦略、腫瘍抗原送達用のビヒクルとしての自己樹状細胞(DC)の注入、および免疫チェックポイント調節因子の注入が含まれる。Papaioannou,Nikos E.,et al.Annals of translationalmedicine 4.14(2016)を参照されたい。免疫応答を調節し、抗腫瘍活性を増強し、そしてHPV関連のがんを治療または予防するという目標を達成するために、養子免疫療法を採用することができる。
疾患関連抗原によって刺激されるCD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)およびCD4+ヘルパーT(Th)細胞が、疾患細胞を標的として破壊する潜在性を有するものの、内因性T細胞応答を誘導する現行の方法は、課題に直面している。本明細書に記載する方法は、少なくとも一の抗原を含むPBMCをハイスループットな様式で効率的に生成するために使用されるものであり、強固な抗原特異的T細胞応答を誘導する際に利用することができる。少なくとも一の抗原を含むPBMC、凍結保存培地、ならびにPBMCの生存率および/または機能を増強する一以上の薬剤を含む製剤を開示する。少なくとも一の抗原を含むこうしたPBMCを製造する方法、凍結保存可能製剤を製剤化する方法、およびその製剤を凍結保存する方法も開示する。本明細書に記載する方法はまた、HPV抗原および/またはアジュバントを含むPBMCを使用して、HPV関連がんを有する個体を治療する方法、治療、用量およびレジメンについても記述する。
特許出願および公開公報を含め、本明細書で引用する全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。特許文献である国際公開第2013/059343号、国際公開第2015/023982号、国際公開第2016/070136号、国際公開第2017041050号、国際公開第2017008063号、国際公開第2017/192785号、国際公開第2017/192786号、国際公開第2019/178005号、国際公開第2019/178006号、国際公開第2020/072833号、国際公開第2020/154696号、および国際公開第2020/176789号、米国特許出願公開第20180142198号および米国特許出願公開第20180201889号は、参照によりその全体として明示的にここに組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013/059343号
【特許文献2】国際公開第2015/023982号
【特許文献3】国際公開第2016/070136号
【特許文献4】国際公開第2017041050号
【特許文献5】国際公開第2017008063号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Suresh and Burtness AmJ Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)
【非特許文献2】Papaioannou,Nikos E.,et al.Annals of translationalmedicine 4.14(2016)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、b)凍結保存培地、およびc)ヒト血清アルブミンを含む、医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、b)凍結保存培地、c)低温保存培地、およびd)ヒト血清アルブミンを含む、医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、組成物が、約5×106個のPBMC~約5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約2×107個のPBMC~約3×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約4×106個のPBMC/mL~約6×106個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約5.0×106個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、組成物中のPBMCのうち≧70%、≧80%、≧90%、または≧95%が生存可能である。いくつかの実施形態では、組成物が、約3×106個の生存PBMC/mL~約7×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、約5×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、予め凍結されており、また該組成物は、解凍後に約4×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCが、≦-196℃で少なくとも約12カ月間保存した後、約≧70%の生存率を維持する。
【0010】
いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約40%~約95%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約80%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約50%(w/w)である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約5%~約15%(w/w)である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約10%のDMSO(w/w)である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。
【0011】
いくつかの実施形態では、製剤中の低温保存培地の百分率が、約25%~約35%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の低温保存培地の百分率が、約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、ビタミンEの水溶性アナログを含む。いくつかの実施形態では、低温培地が、トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0012】
いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンが、ヒト血清アルブミン溶液で提供される。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約15%~約25%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約20%(w/w)である。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.08mmol/gでカプリル酸ナトリウムおよび/またはアルブミン濃度は約0.08mmol/gでアセチルトリプトファンを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約2%~約8%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約5%(w/w)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。
【0014】
いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約65%~約95%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHがpH約7.4である、医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約40%~約60%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約25%~約35%の百分率で低温保存培地と、d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約30%(w/w)の百分率で低温保存培地と、d)約5%の百分率のヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHがpH約7.4である、医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、この製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球のうちの二以上を含む。いくつかの実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む。いくつかの実施形態では、(a)PBMCのうち約25%~約80%がT細胞であり、(b)PBMCのうち約1.5%~約30%がB細胞であり、(c)PBMCのうち約3.0%~約20%がNK細胞であり、または(d)PBMCのうち約4.0%~約45%が単球である。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原が、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原である。いくつかの実施形態では、HPVが、HPV-16またはHPV-18である。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原は、HPV E6由来のペプチドと、HPV E7由来のペプチドとを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原は、配列番号1~3のうちのいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原は、配列番号18~25のうちのいずれか一つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PBMCの集団は、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原と、配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原とを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCは、a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一の抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCの集団を形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCの集団を、少なくとも一の抗原とともに、抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団を生成することとを含む工程によって調製される。いくつかの実施形態では、狭窄部の直径が、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCは、馴化される。いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団は、当該改変したPBMCの馴化のために、約37℃で、アジュバントと共にPBMCを約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間の間、インキュベートすることを含む工程によって馴化される。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR 9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0019】
いくつかの態様では、本発明は、製剤を含むバイアルであって、該製剤がa)約5×106個のPBMC~約5×107個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約65%~約95%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンとを含み、当該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5である、製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの態様では、本発明は、製剤を含むバイアルであって、該製剤がa)約2.75×107個のPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約80%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約5%の濃度でヒト血清アルブミンとを含み、当該製剤のpHがpH約7.4である、製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの態様では、本発明は、製剤を含むバイアルであって、該製剤がa)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約40%~約60%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地と、d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含み、当該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5である、製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの態様では、本発明は、製剤を含むバイアルであって、該製剤がa)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約30%(w/w)の濃度で低温保存培地と、d)約5%(w/w)の濃度でヒト血清アルブミンとを含み、当該製剤のpHがpH約7.4である、製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。
【0020】
いくつかの態様では、本発明は、PBMCの製剤を作製する方法を提供し、この方法は、凍結保存培地およびヒト血清アルブミンを、PBMCの集団であって、該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであり、b)凍結保存培地が、約65%~約95%(w/w)の百分率で添加され、またc)ヒト血清アルブミンが、約2%~約8%(w/w)の濃度で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5に調整される。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約6×106個のPBMCであり、b)凍結保存培地が、約80%(w/w)の百分率で添加され、またc)ヒト血清アルブミンが、約5%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約7.4に調整される。
【0021】
いくつかの態様では、本発明は、PBMCの製剤を作製する方法を提供し、この方法は、凍結保存培地、低温保存培地およびヒト血清アルブミン溶液を、PBMCの集団であって、該PBMCは抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC~約1×107個のPBMCであり、b)凍結保存培地が、約40%~約60%(w/w)の百分率で添加され、c)低温保存培地が、約25%~約35%(w/w)の百分率で添加され、またd)ヒト血清アルブミン溶液が、約15%~約25%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5に調整される。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約6×106個のPBMCであり、b)凍結保存培地が、約50%(w/w)の百分率で添加され、c)低温保存培地が、約30%(w/w)の百分率で添加され、またd)ヒト血清アルブミンが、約20%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約7.4に調整される。
【0022】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
いくつかの態様では、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、凍結保存培地と、ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、本発明は、PBMCを含む医薬製剤であって、PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、凍結保存培地と、低温保存培地と、ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤を提供する。本明細書に記載する製剤を含むバイアルも提供する。
【0024】
いくつかの態様では、本発明は、PBMCの医薬製剤であって、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、約65%~約95%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、PBMCの医薬製剤を提供する。本明細書に記載する製剤を含むバイアルも提供する。
【0025】
いくつかの態様では、本発明は、PBMCの医薬製剤であって、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、約40%~約60%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、約25%~約35%の百分率で低温保存培地と、約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、PBMCの医薬製剤を提供する。本明細書に記載する製剤を含むバイアルも提供する。
【0026】
いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルであって、凍結保存培地(例えば、これに限定されるものではないが、CryoStor(登録商標)CS10など)中の約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMC、ならびに/または該PBMCの生存率および/もしくは機能を増強する一以上の薬剤を含む医薬製剤を含むバイアルを提供するものであり、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含み、当該製剤のpHはpH約7.4である。
【0027】
いくつかの態様では、本発明は、医薬製剤を含むバイアルであって、凍結保存培地(例えば、これに限定されるものではないが、CryoStor(登録商標)CS10など)中の約4×106個のPBMC/mL~約5×106個のPBMC/mLであるPBMC、ならびに/または該PBMCの生存率および/もしくは機能を増強する一以上の薬剤を含む医薬製剤を含むバイアルを提供するものであり、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含み、当該製剤のpHはpH約7.4である。
【0028】
少なくとも一の抗原を含むPBMCを含む製剤およびバイアル、ならびに少なくとも一の抗原を含むPBMCの製剤を調製する方法も提供する。いくつかの実施形態では、AACは、a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一の抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCの集団を形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCの集団を、少なくとも一の抗原とともに、抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団を生成することとを含む工程によって調製される。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV抗原である。また、HPV抗原に対する免疫応答の誘導の際に使用するため、またはHPV関連のがんを治療するための組成物も提供する。また、HPV抗原に対する免疫応答を刺激またはHPV関連のがんを治療する医薬の製造において、有効量のPBMCを含む製剤を使用することも提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPBMCの製剤のいずれかを作製する方法を提供するものであり、この方法は、凍結保存培地、低温保存培地および/またはヒト血清アルブミンを、PBMCの集団であって、該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む。
【0030】
全般的な技術
本明細書で説明または参照する技術および手順は、通常十分に理解されており、また例えば、Molecular Cloning:A Laboratorymanual(Sambrook et al.,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2012)、Current Protocols inmolecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,2003)、the seriesmethods in Enzymology(Academic Press,Inc.);PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.,1995)、Antibodies,A Laboratorymanual(Harlow and Lane,eds.,1988)、Culture of Animal Cells: Amanual of Basic Technique and Specialized Applications(R.I.Freshney,6th ed.,J.Wiley and Sons,2010)、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods inmolecular Biology,Humana Press;Cell Biology: A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,Academic Press,1998)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,PlenumPress,1998)、Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,J.Wiley and Sons,1993-8)、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1996)、Gene Transfer Vectors formammalian Cells(J.M.Miller andm.P.Calos,eds.,1987)、PCR: The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols inmolecular Biology(Ausubel et al.,eds.,J.Wiley and Sons,2002)、Immunobiology(C.A.Janeway et al.,2004)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal Antibodies: A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies: A Laboratorymanual(E.Harlow and D.Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、およびCancer: Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,2011)、に記載される広範に利用されている方法論など、当業者によって従来の方法論を使用して通常採用されている。
【0031】
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用されるが、該当する場合には、単数形で使用した用語は複数形も含むこととなり、その逆も同様である。以下に記載するいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書と矛盾する場合、上記に定める定義が優先するものとする。
【0032】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段の指示がない限り、複数形を含む。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「含むこと(comprising)」、「有すること(having)」、「含有すること(containing)」、および「含むこと(including)」、ならびに他の類似の形態、およびそれらの文法的等価物は、意味が同等であることと、これら用語のいずれか一つに続く項目が、かかる項目の包括的な列挙であることを意味するものではないか、または列挙された項目のみに限定されることを意味するという点でオープンエンドであることとを意図している。例えば、構成要素A、B、およびCを「含む(comprising)」物品とは、構成要素A、B、およびCからなり得るか(すなわち、これらのみを含有する)、または構成要素A、B、およびCだけでなく、一以上の他の構成要素も含み得る。そのため、「~を含む」ならびにその類似の形態およびその文法的等価物は、「本質的に~から成る」または「~から成る」の実施形態の開示を含むということが意図され、理解される。
【0034】
値の範囲を提供する場合において、文脈が別段に明確に指示しない限り、その範囲の上限および下限とその記載された範囲内の他の記載された値またはその中間にある値との間にある、下限の単位の10分の1までの中間にある各値は、記載された範囲内にある特段に除外されたあらゆる限界値に従うことを条件として、本開示内に包含されることが理解される。その記載された範囲が上限下限の一方または両方を含む場合、それら含まれた上限下限のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、開示に含まれる。
【0035】
本明細書で使用する場合「約」という用語は、当技術分野の当業者に容易に認識されるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体に向けられた実施形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」という記載は、「X」という記載を含む。
【0036】
本明細書で使用する場合、「末梢血単核細胞」または「PBMC」は、丸い核を有する血球の不均質な集団を指す。PBMCの集団中で見られ得る細胞の例としては、例えばT細胞、B細胞、NK細胞(ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)およびサイトカイン誘導性キラー細胞(CIK細胞)を含む)などのリンパ球、ならびに例えばマクロファージおよび樹状細胞などの単球が挙げられる。本明細書で使用する「複数のPBMC」とは、少なくとも二種の血球の細胞を含むPBMCの調製物を指す。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞のうちの二以上を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞のうちの三以上を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、または樹状細胞のうちの四以上を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、および樹状細胞を含む。
【0037】
PBMCは、当技術分野で公知の手段によって単離することができる。例えば、PBMCは、他の血球と比較したPBMCの比重に基づいて、個体の末梢血から得ることができる。いくつかの実施形態では、PBMCは、フィコール(例えば、フィコール勾配)を使用して個体の末梢血から得ることができる。いくつかの実施形態では、PBMCは、ELUTRA(登録商標)細胞分離システムを使用して個体の末梢血から得られる。PBMCは、アフェレーシスを受けている個体から得ることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、PBMCの集団は個体から単離される。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、自己PBMC集団であり、この集団は、特定の個体から得られ、本明細書に記載のいずれかの方法によって操作され、そしてその特定の個体に戻される。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、同種異系間PBMC集団であり、この集団は、ある個体から得られ、本明細書に記載のいずれかの方法によって操作され、そして第二の個体に投与される。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMCの再構成調製物である。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMC集団中で典型的に見られる細胞を混合することによって、例えばT細胞、B細胞、NK細胞、または単球のうちの二以上の集団を混合することによって、生成され得る。
【0040】
本明細書で使用する場合、「ペイロード」は、PBMCに装填されるなど、PBMCに送達されようとする材料を指す。「ペイロード」、「カーゴ」、「送達材料」、および「化合物」は、細胞内に送達される材料を指す場合に、本明細書において区別なく使用する。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質、低分子、核酸(例えば、RNAおよび/またはDNA)、脂質、炭水化物、巨大分子、ビタミン、ポリマー、蛍光色素およびフルオロフォア、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、ならびにステロイドを指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質または低分子薬剤を指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、一以上の化合物を含み得る。
【0041】
コード配列および制御配列などの核酸配列に関連する場合の「異種」という用語は、通常は一緒に連結されないおよび/または通常は特定の細胞と結合しないものである配列を意味する。したがって、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、別の核酸分子内の核酸または別の核酸分子と結合した核酸のセグメントであって、この別の核酸分子はもう一方の核酸分子との結合が天然では見られないものである。例えば、核酸構築物の異種領域は、コード配列であって、該コード配列との結合が天然では見られない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例としては、そのコード配列自体が天然に見られない構築物がある(例えば、天然遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または天然に生じる変異事象は、本明細書で使用する場合、異種DNAを生じさせない。
【0042】
ペプチド配列およびポリペプチド配列などのアミノ酸配列に関連する場合の「異種」という用語は、通常は一緒に連結されないおよび/または通常は特定の細胞と結合しない配列を意味する。したがって、ペプチド配列の「異種」領域は、別のアミノ酸分子内のアミノ酸または別のアミノ酸分子と結合したアミノ酸のセグメントであって、この別のアミノ酸分子はもう一方の分子との結合が天然では見られないものである。例えば、ペプチド構築物の異種領域は、ペプチドのアミノ酸配列であって、該ペプチドのアミノ酸配列との結合が天然では見られない配列が隣接するペプチドのアミノ酸配列を含み得る。異種ペプチド配列の別の例としては、そのペプチド配列自体が天然に見られない構築物がある(例えば、天然遺伝子とは異なるコードされたアミノ酸を有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しないアミノ酸構築物を発現するベクターにより形質転換された細胞は、本発明の目的では異種と考えられるものとなる。対立遺伝子変異または天然に生じる変異事象は、本明細書で使用する場合、異種ペプチドを生じさせない。
【0043】
細胞に関連する例えば抗原またはアジュバントなどの薬剤に関して使用される場合の「外因性」という用語は、細胞の外側の薬剤または細胞の外側から細胞内に送達される薬剤を指す。当該細胞は、既に存在する薬剤を有してもよいし有しなくてもよく、また外因性の薬剤が送達された後にこの薬剤を産生してもよいし産生しなくてもよい。
【0044】
本明細書で使用する「相同」という用語は、同じ生物に由来する分子を指す。いくつかの例では、この用語は、所与の生物内で通常見られるかまたは発現される、核酸またはタンパク質を指す。
【0045】
本明細書で使用する場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果を含めた、有益または望ましい結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益または望ましい臨床結果としては、疾患に起因する一以上の症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化を予防もしくは遅延する)、疾患の蔓延(例えば、転移)を予防もしくは遅延すること、疾患の再発を予防もしくは遅延すること、疾患の進行を遅延もしくは遅らせること、疾患の状態を改善すること、疾患を(部分的または完全に)寛解させること、疾患の治療に必要な一以上の他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延すること、生活の質を高めるまたは向上すること、体重増加を高めること、ならびに/または生存を延長することのうちの一以上が挙げられるが、これらに限定されない。また、「治療」には、がんの病理学的結果(例えば、腫瘍体積など)の減少も包含される。本発明の方法は、治療のこれら態様のうちのいずれか一以上を企図する。
【0046】
本明細書で使用する場合、「予防的治療」という用語は、個体が、障害を有することまたは障害を有するリスクがあることがわかっているかまたは疑われるが、障害の症状を呈していないかまたは最小限の症状を呈している場合の治療を指す。予防的治療を受ける個体は、症状の発症前に治療され得る。いくつかの実施形態では、個体は、前がん病変、特にHPV感染に関連する前がん病変を有する場合に治療され得る。
【0047】
本明細書で使用する場合、「併用療法」とは、第一の薬剤が別の薬剤と併せて投与されることを意味する。「~と併せて」とは、一つの治療モダリティを、別の治療モダリティに加えて施与することを指し、例えば同じ個体への本明細書に記載の免疫コンジュゲートの投与に加えて、本明細書に記載のPBMCの組成物を投与することなどである。したがって、「~と併せて」とは、ある一つの治療モダリティを、当該個体にもう一方の治療モダリティを送達する前、その間、またはその後に、施与することを指す。
【0048】
本明細書で使用する場合「同時投与」という用語は、併用療法において第一の療法および第二の療法を、約15分以内、例えば約10分以内、5分以内、または1分以内のうちのいずれかなどの時間間隔で投与することを意味する。第一の療法および第二の療法が同時に施与される場合、この第一の療法および第二の療法は、同一組成物中に含有されてもよく(例えば、第一の療法および第二の療法の両者を含む組成物)、または別個の組成物に含有されてもよい(例えば、一の組成物中に第一の療法が含まれ、また別の組成物中に第二の療法が含まれる)。
【0049】
本明細書で使用する場合、「連続投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法を、約15分超、例えば約20分以上、30分以上、40分以上、50分以上、60分以上、またはそれ以上のうちのいずれかなどの時間間隔で施与することを意味する。第一の療法または第二の療法のいずれかが最初に投与され得る。第一の療法および第二の療法は、同一または異なるパッケージまたはキット内に含有され得る別個の組成物中に含有される。
【0050】
本明細書で使用する場合、「同時投与」という用語は、併用療法における第一の療法および第二の療法の投与が互いに重複することを意味する。
【0051】
がんの文脈において、「治療する」という用語は、がん細胞を死滅させること、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に付随する一以上の症状を改善することのうちのいずれかまたは全てを含む。
【0052】
本明細書で使用する場合、「調節する」という用語は、特定の標的の存在または活性を変える、変化させる、変動させる、またはそうでなければ改変するという作用を指し得る。例えば、免疫応答を調節することは、免疫応答を変える、変化させる、変動させる、またはそうでなければ改変することをもたらす任意の作用を指し得る。いくつかの例では、「調節する」は、特定の標的の存在または活性を増強することを指す。いくつかの例では、「調節する」は、特定の標的の存在または活性を抑制することを指す。他の例では、核酸の発現を調節することには、核酸の転写の変化、mRNA存在量の変化(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の対応する変化、mRNA翻訳の変化などを含み得るが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用する場合、「阻害する」という用語は、特定の標的の存在または活性を遮断、低減、除去、またはそうでなければ拮抗する作用を指し得る。阻害は、部分的阻害または完全阻害を指し得る。例えば、免疫応答を阻害することは、免疫応答の遮断、低減、除去、または任意の他の拮抗作用をもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の阻害には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害、遺伝子編集などが含まれ得るが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の阻害は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。別の例では、阻害は、例えば、腫瘍細胞の成長を遅延させるか、もしくは防止するなど、成長を緩徐化させるか、または停止する作用を指し得る。
【0054】
本明細書で使用する場合、「抑制する」という用語は、特定の標的の存在または活性を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはそうでなければ縮小する作用を指し得る。抑制は、部分的な抑制または完全な抑制を指し得る。例えば、免疫応答を抑制することは、免疫応答を減少、低減、妨害、制限、軽減、またはそうでなければ縮小することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の抑制には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害などが含まれ得るが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の抑制は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の低減などを含み得るが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用する場合、「増強する」という用語は、特定の標的の存在または活性を向上させる、押し上げる、高める、またはそうでなければ増加させるという作用を指し得る。例えば、免疫応答を増強することは、免疫応答を向上させる、押し上げる、高める、またはそうでなければ増加させることをもたらす任意の作用を指し得る。例示的な一例では、免疫応答を増強することは、抗原および/またはアジュバントを利用して、免疫応答を向上させる、押し上げる、高める、またはそうでなければ増加させることを指し得る。他の例では、核酸の発現を増強することには、核酸の転写の増加、mRNA量の増加(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の低減、mRNA翻訳の増加などが含まれ得るが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を増強することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書で使用する場合、「誘導する」という用語は、ある結果を開始する、促進する、刺激する、確立する、またはそうでなければ生じさせるという作用を指し得る。例えば、免疫応答を誘導することは、所望の免疫応答を開始、促進、刺激、確立、またはそうでなければ生じさせることをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現を誘導することには、核酸の転写の開始、mRNAの翻訳の開始などが含まれ得るが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を誘導することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、この用語には、一本鎖、二本鎖または複数鎖のDNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはプリン塩基およびピリミジン塩基、もしくは他の天然の、化学的に修飾もしくは生化学的に修飾された、非天然の、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基(典型的にはRNAまたはDNAにおいて見られ得るような)、または修飾もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含み得る。ポリヌクレオチドの骨格は、ペプチド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシンなどの反復単位(すなわち、ペプチド核酸)を含み得る。あるいは、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホロアミダートおよびホスホロチオエートなどの合成サブユニットのポリマーを含み得、したがって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホロアミダート(P-NH2)またはホスホロチオエート-ホスホロジエステル混合オリゴマーまたはホスホルアミデート-ホスホジエステル混合オリゴマーであり得る。加えて、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成し、当該鎖を適切な条件下でアニーリングすることによるか、または適切なプライマーでのDNAポリメラーゼを使用して相補鎖をデノボ合成することによるいずれかにより、化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から取得することができる。
【0058】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために区別なく使用され、また最小の長さに限定されない。こうしたアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含有し得、またアミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、および多量体を含むがこれらに限定されない。完全長タンパク質およびその断片の両方が定義によって包含される。この用語には、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含まれる。さらに、本発明の目的のために、「ポリペプチド」とは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然の配列に対して例えば欠失、付加および置換などの修飾(概して事実上保存的である)を含んだタンパク質を指す。これら修飾は、部位特異的変異誘導を介するように意図的であってもよいし、またはタンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅に起因したエラーを介するなど偶発的であってもよい。
【0059】
本明細書で使用する場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を調節および/または生じさせる物質を指す。概して、アジュバントは抗原と併せて投与されて、抗原単独の場合と比較して抗原に対する免疫応答の増強をもたらす。様々なアジュバントを本明細書で記載する。
【0060】
本明細書における「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」および「CpG ODN」という用語は、リン酸によって分離されたシトシンおよびグアニンのジヌクレオチド(本明細書では「CpG」ジヌクレオチド、または「CpG」とも称される)を含有する、10~30ヌクレオチド長のDNA分子を指す。本開示のCpG ODNは、少なくとも一の非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する。すなわち、CpGジヌクレオチド中のシトシンはメチル化されていない(すなわち、5-メチルシトシンではない)。CpG ODNは、部分的または完全なホスホロチオエート(PS)骨格を有し得る。
【0061】
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的でない物質またはそうでなければ望ましくない物質を意味するものであり、例えば当該物質は、望ましくない重大な生物学的効果をなんら引き起こすことなく、またはそれを含有する組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込まれ得る。薬学的に許容される担体または賦形剤は、毒性試験および製造試験の要求される基準を満たしており、ならびに/または米国食品医薬品局によって準備された非活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれることが好ましい。
【0062】
本明細書に記載する構造的および機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
【0063】
本明細書で使用する場合、「マイクロ流体システム」は、少量(例えば、m¥L、nL、pL、fL)の流体が処理されて、少量の液体の別個の処理を達成するシステムを指す。本明細書に記載する特定の実施には、多重化、自動化、およびハイスループットのスクリーニングが含まれる。この流体(例えば、緩衝液、溶液、ペイロード含有溶液、または細胞懸濁液)は、移動、混合、分離、またはそうでなければ処理され得る。本明細書に記載する特定の実施形態では、マイクロ流体システムを使用して、緩衝液中に懸濁された細胞に機械的な狭窄を与えて、細胞内に、ペイロードまたは化合物が細胞のサイトゾルに入ることを可能にさせる摂動(例えば、穴)を誘発する。
【0064】
本明細書で使用する場合、「狭窄部」は、入口部分、中心点、および出口部分によって画定されるマイクロ流体チャネルの一部分を指し得るものであり、この中心点は、幅、長さ、および深さによって画定される。他の例では、狭窄部は、細孔を指し得、または細孔の一部であり得る。細孔は、ある面(例えば、フィルタおよび/または膜)上に含有され得る。
【0065】
本明細書に記載する構造的および機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
【0066】
抗原を含むPBMCの製剤化
いくつかの態様では、PBMCを含む医薬製剤であって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、凍結保存培地、低温保存培地、ならびに/またはPBMCの生存率および/もしくは機能を増強する一以上の薬剤を含む、医薬製剤を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、PBMCを含む医薬製剤であって、a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、b)凍結保存培地、およびc)ヒト血清アルブミンを含む、医薬製剤を提供する。
【0068】
いくつかの実施形態では、PBMCを含む医薬製剤であって、a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMC、b)凍結保存培地、c)低温保存培地、およびd)ヒト血清アルブミンを含む、医薬製剤を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、この製剤は、約5×104~約5×109個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約5×106~約5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109、および5.0×109個のPBMCのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個のPBMCのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個のPBMCのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2×107のPBMC~約3×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2.1×107、2.2×107、2.3×107、2.4×107、2.5×107、2.6×107、2.7×107、2.8×107、2.9×107、および3.0×107個のPBMCのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2.5×107個のPBMCを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、製剤の量は、約2mL~約50mLである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約5mL~約20mLである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のうちのいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約1~約2、約2~約3、約3~約4、約4~約5、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10、約10~約11、約11~約12、約12~約13、約13~約14、約14~約15、約15~約16、約16~約17、約17~約18、約18~約19または約19~約20mLのいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約10mLである。いくつかの実施形態では、製剤の量は、約5mLである。
【0071】
いくつかの実施形態では、製剤は、約1×104~約1×109個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106~約1×107個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、および1.0×109個のPBMC/mLのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、0.5×104~約1.0×104、約1.0×104~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個のPBMC/mLのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、および1×107個のPBMC/mLのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2×106個のPBMC/mL~約3×106個のPBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約4×106、4.2×106、4.4×106、4.6×106、4.8×106、5.0×106、5.2×106、5.4×106、5.6×106、5.8×106および6×106個のPBMC/mLのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5×106個のPBMC/mLを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10EU/mLのうちのいずれか一つ未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0073】
凍結保存培地中の抗原を含むPBMCの製剤
本明細書に記載の方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、PBMCの組成物は、ある薬剤を含むものであって、PBMCの生存率および/または機能を、この薬剤を含まない対応するPBMCの組成物と比較して増強する薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、PBMCの組成物は、ある薬剤を含むものであって、凍結-解凍サイクル時のPBMCの生存率および/または機能を、この薬剤を含まない対応するPBMCの組成物と比較して増強する薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、この薬剤は、凍結保存剤および/または低温保存剤である。いくつかの実施形態では、凍結保存剤も低温保存剤も、当該薬剤を含むPBMCの組成物中で、あらゆる凍結-解凍サイクルの前のその薬剤を含まないPBMCの対応する組成物と比較して、10%または20%を超える細胞死は生じない。いくつかの実施形態では、凍結保存剤および/または低温保存剤を含むPBMC組成物の凍結-解凍サイクルは、凍結-解凍サイクル前の対応するPBMC組成物と比較して、生存細胞の損失が10%、20%、30%、40%、または50%以下で生じる。いくつかの実施形態では、凍結保存剤および/または低温保存剤を含むPBMC組成物の凍結-解凍サイクルは、凍結保存剤および/または低温保存剤を含まない対応するPBMCの凍結-解凍サイクルと比較して、生存細胞の損失が10%、20%、30%、40%、または50%より少なく生じる。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約70%、約80%、約90%、または約95%は、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクル後に生存可能である。いくつかの実施形態では、当該薬剤は、エンドサイトーシスを増強する化合物、安定化剤、または補因子である。いくつかの実施形態では、当該薬剤は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、またはヒトのアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、マウス、ウシ、またはヒトのアルブミンのうちの一または複数である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、二価の金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセリン、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、またはEDTAのうちの一または複数である。いくつかの実施形態では、二価の金属カチオンは、Mg2+、Zn2+、またはCa2+のうちの一以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、HEPES、グリセリン、グルタチオン、イノシン、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン、マグネシウム金属イオン、塩化物、酢酸塩、グルコン酸塩(gluoconate)、スクロース、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムのうちの一または複数である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、Rejuvesol(登録商標)、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、PlasmaLyte(登録商標)、DMSO、Cryostor(登録商標)CS2、Cryostor(登録商標)CS5、Cryostor(登録商標)CS10、Cryostor(登録商標)CS15、HEPES、グリセリン、グルタチオン、HypoThermosol(登録商標)のうちの一または複数である。
【0074】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、その工程が、別のインキュベーションステップを行わずに調製された対応するPBMCと比較してPBMCの生存率および/または機能を増強する薬剤と共に、PBMCの組成物をインキュベートするステップをさらに含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約98%が生存可能である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約98%は、≦-196℃で少なくとも3、6、9、12、15、18、24、30、36、42、または48か月間保存した後に生存可能である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約98%は、≦-120℃で少なくとも3、6、9、12、15、18、24、30、36、42、または48か月間保存した後に生存可能である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約98%は、≦-220℃で少なくとも3、6、9、12、15、18、24、30、36、42、または48か月間保存した後に生存可能である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約98%は、最大1、2、3、4、5またはそれ以上の凍結-解凍サイクル後に生存可能である。
【0076】
いくつかの実施形態では、この製剤は、約1×104~約1×109個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約1×106~約1×107個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、および1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、0.5×104~約1.0×104、約1.0×104~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、および1×107個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約2×106個の生存PBMC/mL~約8×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約3×106個の生存PBMC/mL~約7×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約3×106、3.2×106、3.4×106、3.6×106、3.8×106、4.0×106、4.2×106、4.4×106、4.6×106、4.8×106 および5×106個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約4×106個の生存PBMC/mLを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、製剤は、予め凍結した製剤の解凍後に約1×104~約1×109個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×106~約1×107個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、および1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、0.5×104~約1.0×104、約1.0×104~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、および1×107個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約2×106~約8×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約3×106~約7×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約3×106、3.2×106、3.4×106、3.6×106、3.8×106、4.0×106、4.2×106、4.4×106、4.6×106、4.8×106 および5×106個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約4×106個の生存PBMC/mLを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、この製剤は、約5×104~約5×109個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約10mL中に、約5×106~約5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約5mL中に、約0.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109および5.0×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約10mLの凍結保存培地中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約0.5×107、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2×107個の生PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLのCryoStor(登録商標)CS10中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLのCryoStor(登録商標)CS10中に、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLのCryoStor(登録商標)CS10中に、約2×107個の生PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地凍結保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.0×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む約5mLの溶液中に、約2.0×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のCryoStor(登録商標)CS10の百分率は約50%(w/w)であり、また製剤中のHypoThermasol(登録商標)の百分率は約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109および5.0×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2×107個の生PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む約5mLの溶液中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む約5mLの溶液中に、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む約5mLの溶液中に、約2×107個の生PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のCryoStor(登録商標)CS10の百分率は約50%(w/w)であり、また製剤中のHypoThermasol(登録商標)の百分率は約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.0×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む約5mLの溶液中に、約2.0×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のCryoStor(登録商標)CS10の百分率は約50%(w/w)であり、また製剤中のHypoThermasol(登録商標)の百分率は約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、最大1回、2回、3回、4回、5回の凍結-解凍サイクルで、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、-140℃以下の温度で、少なくとも12カ月間保存した後、約70%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、-140℃以下の温度で、少なくとも12カ月間保存した後、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、-140℃以下の温度で、少なくとも3、6、9、12、15、18、24、30、または36カ月間保存した後、約70%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、または-200℃以下の温度で、少なくとも3カ月間保存した後、約70%以上の生存率を維持する。いくつかの実施形態では、製剤中のPBMCは、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、または-200℃以下の温度で少なくとも12カ月間保存した後、約70%以上の生存率を維持する。
【0083】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9または10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一である。
【0084】
本明細書に記載の方法のいずれか一つによるいくつかの実施形態では、その工程が、別のインキュベーションステップを行わずに調製された対応するPBMCと比較してPBMCの生存率および/または機能を増強する薬剤と共に、PBMCの組成物をインキュベートするステップをさらに含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、この製剤は、1mLあたり約0.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109、0.5×1010、1.0×1010個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個のPBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107、1×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、1×1011個のPBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態ではこの製剤は、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地を含む。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%(w/w)のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率は、約20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、または90%~95%(w/w)のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約40%~約95%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約80%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の凍結保存培地の百分率が、約50%(w/w)である。
【0087】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約25%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約5%~約15%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、23%、24%、および25%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約5%、約5%~約6%、約6%~約7%、約7%~約8%、約8%~約9%、約9%~約10%、約10%~約11%、約11%~約12%、約12%~約13%、約13%~約14%、約14%~約15%、または約15%~約20%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約10%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。
【0088】
いくつかの実施形態では、製剤は、低温保存培地を含む。いくつかの実施形態においては、製剤は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%(w/w)のいずれか一の濃度で低温保存培地を含む。いくつかの実施形態では、製剤中の低温保存培地の百分率が、約10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、または65%~70%(w/w)のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤中の低温保存培地の百分率が、約25%~約35%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中の低温保存培地の百分率が、約30%である。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、ビタミンEの水溶性アナログを含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2、5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0089】
いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンが、ヒト血清アルブミン溶液で提供される。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%、3%、4%、5%、8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%(w/w)のうちのいずれか一つの濃度でヒト血清アルブミン溶液を含む。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約2%~3%、3%~5%、5%~8%、8%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、または45%~50%(w/w)のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約15%~約25%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約20%(w/w)である。いくつかの実施形態では、ヒトアルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.001、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.5、または1mmol/gのいずれか一でカプリル酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ヒトアルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.08mmol/gでカプリル酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ヒトアルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.001、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.5、または1mmol/gのいずれか一でアセチルトリプトファンを含む。いくつかの実施形態では、ヒトアルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.08mmol/gでアセチルトリプトファンを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、製剤は、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、20%、または25%(w/w)のいずれか一つの濃度でヒト血清アルブミンを含む。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約0.5%~1%、1%~2%、2%~3%、3%~4%、4%~5%、5%~6%、6%~7%、7%~8%、8%~9%、9%~10%、10%~12%、12%~15%、15%~20%、または20%~25%(w/w)のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約2%~約8%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約5%(w/w)である。
【0091】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。
【0092】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS10を含む。いくつかの実施形態では、PBMCを含む組成物は、CryoStor(登録商標)CS10中に、約5×106~約5×107のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0093】
いくつかの実施形態では、製剤は、無菌である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10EU/mLのうちのいずれか一つ未満のエンドトキシンを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、マイコプラズマを含まない。
【0094】
いくつかの実施形態では、PBMCの医薬製剤であって、a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約65%~約95%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、PBMCの医薬製剤を提供する。
【0095】
いくつかの実施形態では、PBMCの医薬製剤であって、a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。
【0096】
いくつかの実施形態では、PBMCの医薬製剤であって、a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約40%~約60%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約25%~約35%の百分率で低温保存培地と、d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、PBMCの医薬製剤を提供する。
【0097】
いくつかの実施形態では、PBMCの医薬製剤であって、a)約5×106個のPBMC/mLのPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、c)約30%(w/w)の百分率で低温保存培地と、d)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。
【0098】
医薬製剤を含むバイアル
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤のいずれか一を含むバイアルを提供する。
【0099】
いくつかの態様では、医薬製剤を含むバイアルであって、該医薬製剤が、a)約5×106個のPBMC~約5×107個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約65%~約95%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約2%~約8%(w/w)の濃度でヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの実施形態では、医薬製剤を含むバイアルであって、該医薬製剤が、a)約2.5×107個のPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約80%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約5%の濃度でヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、医薬製剤を含むバイアルを提供する。
【0100】
いくつかの態様では、医薬製剤を含むバイアルであって、該医薬製剤が、a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約40%~約60%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地と、d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHはpH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤を含むバイアルを提供する。いくつかの実施形態では、医薬製剤を含むバイアルであって、該医薬製剤が、a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む該PBMCと、b)約50%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、c)約30%(w/w)の濃度で低温保存培地と、d)約5%(w/w)の濃度でヒト血清アルブミンとを含み、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、医薬製剤を含むバイアルを提供する。
【0101】
本明細書に記載のバイアルのいずれかによるいくつかの実施形態では、PBMCは、約2mL~約50mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、約5mL~約20mLの凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のうちのいずれか一の凍結保存培地中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、約1~約2mL、約2~約3mL、約3~約4mL、約4~約5mL、約5~約6mL、約6~約7mL、約7~約8mL、約8~約9mL、または約9~約10mL、約10~約11mL、約11~約12mL、約12~約13mL、約13~約14mL、約14~約15mL、約15~約16mL、約16~約17mL、約17~約18mL、約18~約19mLまたは約19~約20mLのうちのいずれか一の凍結保存培地中にある。
【0102】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約25%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約5%~約15%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、23%、24%、および25%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約5%、約5%~約6%、約6%~約7%、約7%~約8%、約8%~約9%、約9%~約10%、約10%~約11%、約11%~約12%、約12%~約13%、約13%~約14%、約14%~約15%、または約15%~約20%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約10%のDMSOを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0104】
本明細書に記載のバイアルのいずれかによるいくつかの実施形態では、PBMCは、凍結保存培地および低温保存培地を含む約2mL~約50mLの溶液中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mL~約20mLの溶液中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、凍結保存培地および低温保存培地を含む約1、2、3、4、5、6、7、8、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50mLまたはそれ以上のうちのいずれか一の溶液中にある。いくつかの実施形態では、PBMCは、凍結保存培地および低温保存培地を含む約1~約2mL、約2~約3mL、約3~約4mL、約4~約5mL、約5~約6mL、約6~約7mL、約7~約8mL、約8~約9mL、または約9~約10mL、約10~約11mL、約11~約12mL、約12~約13mL、約13~約14mL、約14~約15mL、約15~約16mL、約16~約17mL、約17~約18mL、約18~約19mLまたは約19~約20mLのうちのいずれか一の溶液中にある。いくつかの実施形態では、凍結保存培地および低温保存培地を含む溶液は、CryoStor(登録商標)CS10およびHypoThermasol(登録商標)を含む。いくつかの実施形態では、製剤中のCryoStor(登録商標)CS10の百分率は約50%(w/w)であり、また製剤中のHypoThermasol(登録商標)の百分率は約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。
【0106】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、約5×104~約5×109個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約1mL~10mL中に、約5×106~約5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、または約10mL中に約5×106~約5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mL中に、約0.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109および5.0×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約0.5×107、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×107、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.75×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、約5×104~約5×108個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約1mL~10mL中に、約5×106~約5×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、または約10mL量中に約5×106~約5×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mL中に、約.5×104、1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、および0.5×109個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約0.5×107、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個の生存PBMCのうちのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2.75×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5mLの凍結保存培地中に、約2.5×107個のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、約0.5×109~約1.0×109、または約1.0×109~約5×109個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約0.5×107、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、および1×108個の生存PBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.75×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に、約2.5×107個の生存PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、バイアル中の製剤は、約1×104~約1×109個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約1×106~約1×107個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、および1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、0.5×104~約1.0×104、約1.0×104~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、および1×107個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約2×106個の生存PBMC/mL~約8×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約3×106個の生存PBMC/mL~約7×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約3×106、3.2×106、3.4×106、3.6×106、3.8×106、4.0×106、4.2×106、4.4×106、4.6×106、4.8×106 および5×106個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約4×106個の生存PBMC/mLを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、バイアル中のこの製剤は、予め凍結した製剤の解凍後に約1×104~約1×109個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約1×106~約1×107個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109および1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、0.5×104~約1.0×104、約1.0×104~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106および1×107個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約2×106~約8×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約3×106~約7×106個の生存PBMC/mLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に、約3×106、3.2×106、3.4×106、3.6×106、3.8×106、4.0×106、4.2×106、4.4×106、4.6×106、4.8×106 および5×106個の生存PBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、解凍後に約4×106個の生存PBMC/mLを含む。
【0112】
いくつかの態様では、PBMCの医薬製剤であって、約5mLの凍結保存培地中に約2.5×107個のPBMCを含み、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、PBMCの医薬製剤であって、約5mLの凍結保存培地中に約2.75×107個のPBMCを含み、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。
【0113】
いくつかの態様では、PBMCの医薬製剤であって、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に約2.5×107個のPBMCを含み、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。いくつかの態様では、PBMCの医薬製剤であって、凍結保存培地および低温保存培地を含む約5mLの溶液中に約2.75×107個のPBMCを含み、当該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであり、当該医薬製剤のpHはpH約7.4である、PBMCの医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)である。いくつかの実施形態では、製剤中のCryoStor(登録商標)CS10の百分率は約50%(w/w)であり、また製剤中のHypoThermasol(登録商標)の百分率は約30%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤は、約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5%(w/w)のヒト血清アルブミンをさらに含む。
【0114】
HPV抗原を含むPBMCの組成物
いくつかの実施形態では、PBMCは、細胞内に送達されるHPV抗原およびアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは馴化される。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、PBMCの馴化のために、約37℃で、アジュバントと共にPBMCを約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間の間、インキュベートすることを含む工程によって馴化される。
【0115】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも一のHPV抗原を含む有効量のPBMCを投与することを含み、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一のHPV抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCを形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCを、少なくとも一のHPV抗原とともに、少なくとも一のHPV抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一のHPV抗原を含む改変PBMCを生成することとによって調製される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~25のうちのいずれか一と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、方法は、HPV抗原およびアジュバントを含む有効量のPBMCを投与することを含み、該HPV抗原およびアジュバントを含むPBMCは、a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対してHPV抗原およびアジュバントが通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCを形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCを、HPV抗原およびアジュバントとともに、HPV抗原およびアジュバントが摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによってHPV抗原およびアジュバントを含む改変PBMCを生成することとによって調製される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~255のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~25のうちのいずれか一と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0117】
いくつかの態様では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物を提供するものであり、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、a)入力PBMCを含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一のHPV抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCを形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCを、少なくとも一のHPV抗原とともに、少なくとも一のHPV抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一のHPV抗原を含む改変PBMCを生成することとによって調製される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1~3および18~25のうちのいずれか一と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの集団内で最小の直径を有する入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のうちのいずれか一である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のうちのいずれか一である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μm、約3μm~約3.5μm、約3.5μm~約4μm、約4μm~約4.5μm、約3.2μm~約3.8μm、約3.8μm~約4.3μm、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μmもしくは15μmのいずれか一の幅、または当該いずれか一の幅未満である。いくつかの実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過するものであり、該複数の狭窄部は、直列および/または並列で配置されている。いくつかの実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過するものであり、該複数の狭窄部は、直列および/または並列で配置されている。
【0119】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、一以上の抗原性HPVエピトープと一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、他の抗原またはアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0120】
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0121】
抗原を含むPBMCの組成物を生成する方法
いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCを含む組成物を生成する方法であって、当該少なくとも一の抗原が、PBMCに細胞内に送達されるものである、当該組成物を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗原およびアジュバントを含むPBMCを含む組成物を生成する方法であって、当該抗原およびアジュバントが、PBMCに細胞内に送達されるものである、当該組成物を生成する方法を提供する。
【0122】
いくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCは、a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一の抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCを形成することと、b)摂動を与えられた入力PBMCの集団を、少なくとも一の抗原とアジュバントとともに、抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一の抗原を含む改変PBMCを生成することとを含む工程によって調製される。
【0123】
いくつかの実施形態では、抗原は、HPV抗原である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6に由来するペプチドを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のうちのいずれか一である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約15μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約10μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約6μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約6μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約4.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約3.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.5μm~約4μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4μm~約4.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μmもしくは15μmのいずれか一の幅、または当該いずれか一の幅未満である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μm、3.1μm、3.2μm、3.3μm、3.4μm、3.5μm、3.6μm、3.7μm、3.8μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.2μm、4.3μm、4.4μm、4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μmもしくは5.0μmのいずれか一の幅、または当該いずれか一の幅未満である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.5μmである。いくつかの実施形態では、入力PBMCを含む細胞懸濁液は、複数の狭窄部を通過するものであり、該複数の狭窄部は、直列および/または並列で配置されている。
【0125】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、一以上の抗原性HPVエピトープと一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、他の抗原またはアジュバントと共に送達される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPVが、HPV-16またはHPV-18である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するHLA-A2拘束性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0126】
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
【0127】
いくつかの態様では、本明細書に記載のPBMCの製剤のいずれか一を作製する方法を提供する。いくつかの態様では、PBMCの製剤を作製する方法であって、凍結保存培地およびヒト血清アルブミンを、PBMCの集団であって、該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む、PBMCの製剤を作製する方法を提供する。
【0128】
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、PBCの製剤を作製することであって、a)製剤中のPBMCの集団は、約1×104個のPBMC/mL~約1×1010個のPBMC/mLであり、b)凍結保存培地は、約20%~約98%(w/w)の百分率で添加され、またc)ヒト血清アルブミンは、約0.5%~約25%(w/w)の濃度で添加されるものであり、該製剤のpHはpH約5.0~pH約9.5に調整される、該製剤を作製することに関する。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであり、b)凍結保存培地が、約65%~約95%(w/w)の百分率で添加され、またc)ヒト血清アルブミンが、約2%~約8%(w/w)の濃度で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5に調整される。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約6×106個のPBMCであり、b)凍結保存培地が、約80%(w/w)の百分率で添加され、またc)ヒト血清アルブミンが、約5%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約7.4に調整される。
【0129】
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、PBCの製剤を作製することであって、a)製剤中のPBMCの集団は、約1×104個のPBMC~約1×1010個のPBMCであり、b)凍結保存培地は、約20%~約80%(w/w)の百分率で添加され、c)低温保存培地は、約15%~約45%(w/w)の百分率で添加され、またd)ヒト血清アルブミン溶液は、約5%~約35%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHはpH約5.0~pH約9.5に調整される、該製剤を作製することに関する。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC~約1×107個のPBMCであり、b)凍結保存培地が、約40%~約60%(w/w)の百分率で添加され、c)低温保存培地が、約25%~約35%(w/w)の百分率で添加され、またd)ヒト血清アルブミン溶液が、約15%~約25%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHがpH約6.0~pH約8.5に調整される。いくつかの実施形態では、a)製剤中のPBMCの集団は、約6×106個のPBMCであり、b)凍結保存培地は、約50%(w/w)の百分率で添加され、c)低温保存培地は、約30%(w/w)の百分率で添加され、またd)ヒト血清アルブミン溶液は、約20%(w/w)の百分率で添加されるものであり、該製剤のpHはpH約7.4に調整される。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率(ヒト血清アルブミン溶液を介して添加)は、約2%~約8%(w/w)である。いくつかの実施形態では、製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約5%(w/w)である。
【0130】
いくつかの実施形態では、この製剤は、1mLあたり約1.0×104、0.5×105、1.0×105、0.5×106、1.0×106、0.5×107、1.0×107、0.5×108、1.0×108、0.5×109、1.0×109、0.5×1010、1.0×1010個のPBMCのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.5×104~約1.0×104、約1.0×105~約0.5×105、約0.5×105~約1.0×105、約1.0×105~約0.5×106、約0.5×106~約1.0×106、約1.0×106~約0.5×107、約0.5×107~約1.0×107、約1.0×107~約0.5×108、約0.5×108~約1.0×108、約1.0×108~約0.5×109、または約0.5×109~約1.0×109個のPBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約1×107、1×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、1×1011個のPBMC/mLのいずれか一を含む。いくつかの実施形態では、この製剤は、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約6×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約4×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、方法は、凍結保存培地を所定の百分率で添加することを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%(w/w)のうちのいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、または90%~95%(w/w)のいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約80%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、凍結保存培地は、約50%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である。
【0132】
CryoStor(登録商標)CS10(BioLife Solution社)は、10%のDMSOを含有する、無血清、タンパク質不含の画成された凍結保存培地であり、これは凍結保護剤、浸透圧剤(osmolality agent)として、およびpH制御のために使用される。CryoStor(登録商標)CS10は、細胞内での氷の形成による細胞損傷を軽減するのに役立つ凍結保護剤であるDMSOで予め製剤化されている。
【0133】
いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約25%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約5%~約15%のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、23%、24%、および25%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約2%~約5%、約5%~約6%、約6%~約7%、約7%~約8%、約8%~約9%、約9%~約10%、約10%~約11%、約11%~約12%、約12%~約13%、約13%~約14%、約14%~約15%、または約15%~約20%のいずれか一のDMSOを含む。いくつかの実施形態では、凍結保存培地が、約10%のDMSOを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、方法は、低温保存培地を所定の百分率で添加することを含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%(w/w)のうちのいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、約10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、または65%~70%(w/w)のいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、約25%~約35%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、約30%の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、ビタミンEの水溶性アナログを含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地は、トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を含む。いくつかの実施形態では、低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである。
【0135】
HypoThermosol(登録商標)FRS(BioLife Solution社)は、血清を含まない、タンパク質を含まない、DMSOを含まない低温保存培地であり、これは組成物中でCryoStor(登録商標)CS10と類似している。これらは、CryoStor(登録商標)CS10がDMSOを含有し、HypoThermosol(登録商標)FRSではこのDMSOがトロロックス(ビタミンEの水溶性アナログ)で置換される点で相違する。
【0136】
いくつかの実施形態では、方法は、ヒト血清アルブミンを所定の百分率で添加することを含む。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、20%、または25%(w/w)のうちのいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約0.5%~1%、1%~2%、2%~3%、3%~4%、4%~5%、5%~6%、6%~7%、7%~8%、8%~9%、9%~10%、10%~12%、12%~15%、15%~20%、または20%~25%(w/w)のいずれか一の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約2%~約8%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約5%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約15%~約25%(w/w)の百分率で添加される。いくつかの実施形態では、ヒト血清アルブミンは、約20%(w/w)の百分率で添加される。
【0137】
いくつかの実施形態では、製剤は、アルブミン溶液を製剤に添加することによって産生される。いくつかの実施形態では、このアルブミン溶液は、約15%~約35%の最終百分率で添加される。いくつかの実施形態では、このアルブミン溶液は、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%の最終百分率で添加される。いくつかの実施形態では、アルブミン溶液は、アルブミン(ヒト)、USP、25%溶液である。アルブミン(ヒト)、USP、25%溶液は、静脈内投与用のアルブミンの滅菌調製物である。アルブミン(ヒト)は、水性希釈剤中のアルブミンの25%滅菌溶液である。調製物は、カプリル酸ナトリウム(約0.08mmol/gのアルブミン)およびアセチルトリプトファン(約0.08mmol/gのアルブミン)で安定化される。これは透明でわずかに粘性のある液体であるが、ほぼ無色、黄色、琥珀色、または緑色の範囲にわたる可能性がある。いくつかの実施形態では、アルブミン溶液は防腐剤を含有しない。
【0138】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5.0~約9.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約6.0~約8.5である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7.4である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9または10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、または約9~約10のいずれか一である。いくつかの実施形態では、製剤のpHが、約7~約7.1、約7.1~約7.2、約7.2~約7.3、約7.3~約7.4、約7.4~約7.5、約7.5~約7.6、約7.6~約7.7、約7.7~約7.8、約7.8~約7.9、または約7.9~約8.0のいずれか一である。
【0139】
抗原
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、外因性抗原は、HPV抗原である。パピローマウイルスは、直径約55nmのビリオンサイズを有する非エンベロープ型の小さなDNAウイルスである。100を超えるHPV遺伝子型が完全に特徴決定されており、さらに多くの数が存在するものと推定されている。HPVは、子宮頸がん、ならびに一部の外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、および直腸がんの原因であることがわかっている。ほとんどのHPV感染は無症状であり自然に消失するが、腫瘍形成HPVの一つの型による持続感染は、前がん状態またはがんに進行し得る。他のHPV関連疾患としては、尋常性ゆうぜい、足底ゆうぜい、扁平ゆうぜい、肛門性器ゆうぜい、肛門病変、表皮異形成、局所性上皮肥厚、口腔パピローマ、ゆうぜい嚢胞(verrucous cyst)、喉頭パピローマ、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、および膣上皮内新生腫瘍(VAIN)が挙げられ得る。公知のHPV型の多くは、サブセットが発がん性である良性病変を引き起こす。疫学的および系統学的な関係に基づくと、HPVの型は、十五の「高リスク型」(HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、および82)と、三つの「潜在的な高リスク型」(HPV26、53、および66)とに分類され、これらはともに、低悪性度および高悪性度の子宮頸部の変化およびがんとして、ならびに他の肛門性器がん、例えば外陰部がん、膣がん、陰茎がん、肛門がんおよび肛門周囲がんなど、ならびに頭頸部がんとして現れることが知られている。最近では、高リスク型のHPV16およびHPV18と乳がんとの関連も記述された。「低リスク型」に分類される十一種類のHPV型(HPV6、11、40、42、43、44、54、61、70、72、および81)は、良性かつ低悪性度の子宮頸部の変化、性器ゆうぜい、および再発性呼吸器パピローマ症として現れることが知られている。皮膚HPVの5型、8型、および92型は、皮膚がんと関連する。一部のHPV関連がんでは、免疫系が低下し、それに応じて抗腫瘍応答が著しく損なわれる。Suresh and Burtness,AmJ Hematol Oncol 13(6):20-27(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、同じおよびまたは異なる抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原に対して向けられる免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPVエピトープと一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPVが、HPV-16またはHPV-18である。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、HPV E6および/またはHPV E7に由来するHLA-A2拘束性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、HLA-A2拘束性ペプチドは、配列番号1~4のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HLA-A2拘束性ペプチドは、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原が、配列番号18~25のうちのいずれか一と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号1と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号2と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号4と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号20のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号21のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号22のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号23のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号24のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号25のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列のうちの少なくとも一を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列のうちの2、3、4、5、6、7、または8を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号19と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列、および配列番号23と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、外因性抗原は、配列番号19のアミノ酸配列、および配列番号23のアミノ酸配列を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれる。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれるものであり、各ペプチドは、一以下の抗原を含む。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合で結合したペプチドのプール内に含まれるものであり、配列番号19のアミノ酸配列と配列番号23のアミノ酸配列とが、別個のペプチド内に含有される。
【0140】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、同じおよびまたは異なるHPV抗原に対する応答を惹起する複数のポリペプチドのプール中にある。いくつかの実施形態では、複数の抗原のプール中の抗原は、複数の抗原のプール中の他の抗原に対して向けられる免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、抗原性HPV抗原と一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、それ自体と、他の抗原と、またはアジュバントと、複合体を形成する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A2-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-A11-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-B7-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、HLA-C8-特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、完全長HPVタンパク質のN末端ドメインの一部または全てを含む。
【0141】
本明細書に記載の方法のいずれか一によるいくつかの実施形態では、PBMCは、複数の免疫原性エピトープを含む複数のHPV抗原を含む。さらなる実施形態では、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含むPBMCを個体に投与した後、該複数の免疫原性エピトープのいずれによっても、他の免疫原性エピトープのいずれかに対する個体における免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、ポリペプチドであり、また免疫原性エピトープは、免疫原性ペプチドエピトープである。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドエピトープは、N末端の隣接ポリペプチドおよび/またはC末端の隣接ポリペプチドと縮合する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、免疫原性ペプチドエピトープと一以上の異種ペプチド配列とを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、N末端および/またはC末端で異種ペプチド配列に隣接する免疫原性ペプチドエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、疾患関連免疫原性ペプチドに由来する。いくつかの実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、天然に存在しない配列である。いくつかの実施形態では、隣接異種ペプチド配列は、免疫原性の合成長鎖ペプチド(SLP)に由来する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
【0142】
アジュバント
本明細書で使用する場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を直接的または間接的のいずれかで調節および/または引き起こす物質を指し得る。本発明のいくつかの実施形態では、アジュバントは、PBMC集団に対して細胞内に送達され、該アジュバントを含む改変PBMCを形成する。いくつかの例では、アジュバントは、HPV抗原単独と比較して、HPV抗原に対する免疫応答を増強するHPV抗原を含むPBMCと併せて投与される。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCが狭窄部を通過する前、通過中、または通過後にアジュバントと共にインキュベートされて、PBMCの馴化(例えば、これに限定されないが成熟)を促進する。アジュバントを使用して、HPV抗原に対する免疫細胞応答(例えば、T細胞応答)の誘発を押し上げることができる。例示的なアジュバントとしては、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)アゴニスト、ならびにTLR3、TLR4、TLR7、TLR8、および/またはTLR9のアゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアジュバントには、CpG ODN、インターフェロン-α(IFN-α)、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)、イミキモド(R837)、レシキモド(R848)、またはリポ多糖(LPS)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである。特定の実施形態では、アジュバントが、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNが、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODN、またはクラスC CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1018、CpG ODN 1585、CpG ODN 2216、CpG ODN 2336、CpG ODN 1668、CpG ODN 1826、CPG ODN 2006、CpG ODN 2007、CpG ODN BW006、CpG ODN D-SL01、CpG ODN 2395、CpG ODNm362、CpG ODN D-SL03の群からの選択から構成される。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントが、CpG ODN 1826(TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号30))オリゴヌクレオチドまたはCpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号31))オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909である。いくつかの実施形態では、RIG-Iアゴニストは、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用で使用して、免疫応答の惹起を増強することもできる。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントによって馴化される。複数のアジュバントを、HPV抗原との併用で使用して、免疫応答の惹起を増強することもできる。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、複数のアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストの任意の組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原を含むPBMCは、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストの任意の組み合わせによって馴化される。
【0143】
PBMC内の構成細胞
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、それを必要とする個体にPBMCの組成物であって少なくとも一の抗原を含むPBMCの組成物の有効量を投与することであって、少なくとも一の抗原は細胞内に送達されているものである、当該投与することを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、それを必要とする個体にPBMCの組成物であって少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物の有効量を投与することであって、少なくとも一のHPV抗原は細胞内に送達されているものである、当該投与することを提供する。いくつかの実施形態では、PBMCの組成物は、複数のPBMCを含む。いくつかの実施形態では、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、および/またはNK-T細胞のうちの一または複数である。
【0144】
本発明の特定の実施形態では、組成物のHPV抗原を含む細胞は、PBMCである。本明細書で使用する場合、PBMCは、ある個体から取得される全血からの白血球アフェレーシスなどのアフェレーシスによって単離され得る。また、同じ個体または異なる個体由来のPBMCの異なるプールを混合することによって再構成されたPBMC組成物も提供する。他の例では、PBMCは、生成されたプロファイルで混合細胞組成物に異なる細胞集団を混合することによって再構成することもできる。いくつかの実施形態では、PBMCを再構成するために使用する細胞集団は、混合細胞集団(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球のうちの一または複数の混合物など)である。いくつかの実施形態では、PBMCを再構成するために使用する細胞集団は、精製細胞集団(例えば、精製されたT細胞、B細胞、NK細胞、または単球など)である。さらなる例では、PBMC組成物の再構成に使用する異なる細胞集団は、同じ個体から単離(例えば、自己)するか、または異なる個体から単離(例えば、同種および/または異種)することができる。
【0145】
したがって、本明細書に記載する方法によるいくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞のうちの一または複数を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、CD3+T細胞、CD20+B細胞、CD14+単球、CD56+NK細胞のうちの一または複数を含む。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と本質的に同じである。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と本質的に同じである。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%のうちのいずれか一つ以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と10%以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と1%、2%、5%、10%15%、20%、25%、30%、40%、または50%のうちのいずれか一つ以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含み、また複数のPBMC中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比は、全血由来の白血球アフェレーシス産物中のPBMCの総数に対するT細胞、B細胞、NK細胞、および単球の比と10%以下だけ異なる。
【0146】
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、改変PBMCの約25%~約70%は、T細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約2.5%~約14%は、B細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約3.5%~約35%は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約4%~約25%は、NK細胞である。
【0147】
本明細書に記載する方法によるいくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%のうちのいずれか一は、T細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約25%は、T細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、7.5%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、または30%のいずれか一は、B細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約1.5%は、B細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、7.5%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、または30%のいずれか一は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約3%は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、25%、30%、35%または40%のいずれか一は、単球である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約4%は、単球である。いくつかの実施形態では、PBMCの少なくとも約25%はT細胞であり、PBMCの少なくとも約1.5%はB細胞であり、PBMCの少なくとも約3%はNK細胞であり、またPBMCの少なくとも約4%は単球である。
【0148】
本明細書に記載する方法によるいくつかの実施形態では、PBMCの約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%のうちのいずれか一つ以下は、T細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約70%以下は、T細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約5%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、25%、30%、35%、40%、または50%のいずれか一つ以下は、B細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約30%以下は、B細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%または60%のいずれか一つ以下は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約20%以下は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、PBMCの約5%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、25%、30%、35%、40%、または50%のうちのいずれか一つ以下は、単球である。いくつかの実施形態では、PBMCの約45%以下は、単球である。いくつかの実施形態では、PBMCの約80%以下はT細胞であり、PBMCの約30%以下はB細胞であり、PBMCの約20%以下はNK細胞であり、またPBMCの約45%以下は単球である。
【0149】
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、改変PBMCのうちの約20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%または75%~80%のうちのいずれか一つは、T細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約25%~約80%は、T細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCのうちの約1%~1.5%、1.5%~2.5%、2.5%~4%、4%~6%、6%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%または25%~30%のうちのいずれか一つは、B細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約1.5%~約30%は、B細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約1%~2%、2%~3%、3%~5%、5%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、または35%~40%のうちのいずれか一つは、NK細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約3.0%~約35%は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約2%~4%、4%~6%、6%~8%、8%~10%、10%~12%、12%~14%、14%~16%、16%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、または30%~45%のうちのいずれか一つは、単球である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約4%~約45%は、単球である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、改変PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、改変PBMCの約3%~約35%はNK細胞であり、また改変PBMCの約4%~約45%は単球である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、改変PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、改変PBMCの約3%~約20%はNK細胞であり、また改変PBMCの約4%~約45%は単球である。いくつかの実施形態では、改変PBMCの約25%~約80%はT細胞であり、改変PBMCの約1.5%~約30%はB細胞であり、改変PBMCの約3.0%~約20%はNK細胞であり、また改変PBMCの約4%~約45%は単球である。
【0150】
本明細書で使用する場合、PBMCはまた、単核血球(例えば、リンパ球および単球)の混合細胞集団の組成物を操作した後にも生成し得る。いくつかの例では、PBMCは、単核血球の混合細胞集団内の特定の亜集団(例えばB細胞)を低減(例えば枯渇)させた後で生成する。個体における単核血球の混合細胞集団中の組成物を操作して、この細胞集団を同じ個体の全血由来の白血球アフェレーシス産物に一層密接に類似させることができる。他の例では、単核血球(例えば、マウス脾細胞)の混合細胞集団中の組成物を操作して、この細胞集団をヒト全血由来の白血球アフェレーシス産物から単離されたヒトPBMCに一層密接に類似させることもできる。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、PBMCに見られる細胞の集団である。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、T細胞、B細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、またはNK-T細胞のうちの一または複数を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、CD3+T細胞、CD20+B細胞、CD14+単球、CD56+NK細胞のうちの一または複数を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかのT細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%のT細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかのB細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%のB細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかのNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%のNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかの単球を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%の単球を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかの樹状細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%の樹状細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のいずれかのNK-T細胞を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCの組成物は、100%のNK-T細胞を含む。
【0152】
HPV抗原を含むPBMCの組成物の生成に使用される狭窄部
いくつかの実施形態では、本発明は、免疫応答を刺激するHPV抗原を含むPBMCの組成物を提供する。いくつかの実施形態では、HPV抗原は、PBMCに細胞内に送達される。ペイロードをPBMCに導入する方法は、当該技術分野で公知である。
【0153】
いくつかの実施形態では、HPV抗原は、細胞の膜に一過性の細孔が導入され、それによりHPV抗原が細胞に入ることができるように、細胞を狭窄部に通過させることによってPBMCに導入される。狭窄部による細胞内への化合物の送達の例は、WO2013/059343、WO2015/023982、WO2016/070136、WO2017041050、WO2017008063、WO2017/192785、WO2017/192786、WO2019/178005、WO2019/178006、WO2020/072833、WO2020/154696および国際公開第2020/176789号によって提供される。
【0154】
いくつかの実施形態では、HPV抗原およびアジュバントは、PBMCを含む細胞懸濁液を狭窄部に通過させることによって、本発明のPBMCを産生するためにPBMC内に送達されるものであり、該狭窄部は、入力されたPBMCを変形させ、それによってHPV抗原およびアジュバントが摂動を与えられた入力PBMC内に入るように、入力PBMCの摂動を引き起こす。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含有される。いくつかの実施形態では、複数の狭窄部を、マイクロ流体チャネル内に並列および/または直列で配置することができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部は、入口部分、中心点、および出口部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の長さ、深さ、および幅は変動し得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の幅は、PBMC細胞の直径の関数である。PBMCの直径を決定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、ハイコンテンツイメージング、細胞カウンタ、またはフローサイトメトリーである。
【0156】
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、PBMCの集団内で最小の直径を有する入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のうちのいずれか一である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、入力PBMCの平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、または約60%~約70%のうちのいずれか一である。
【0157】
狭窄部によるPBMCへのHPV抗原の送達のいくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約15μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約10μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約6μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約6μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.2μm~約4.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μm~約3.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.5μm~約4μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4μm~約4.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、6.5μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm、10μm、10.5μm、11μm、11.5μm、12μm、12.5μm、13μm、13.5μm、14μm、14.5μmもしくは15μmのいずれか一の幅、または当該いずれか一の幅未満である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、およそ3.0μm、3.1μm、3.2μm、3.3μm、3.4μm、3.5μm、3.6μm、3.7μm、3.8μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.2μm、4.3μm、4.4μm、4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μm、もしくは5.0μmのいずれか一の幅、または当該いずれか一の幅未満である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約4.5μmである。
【0158】
PBMC内への化合物の送達に影響を与え得るパラメータの例としては、以下に限定されないが、狭窄部の寸法、狭窄部の入射角、狭窄部の表面特性(例えば、粗さ、化学的な改変、親水性、疎水性など)、動作時の流速(例えば、狭窄部を通過する細胞の通過時間)、細胞濃度、細胞懸濁液中の化合物の濃度、細胞懸濁液中の緩衝液、および狭窄部を通過した後にPBMCが回収またはインキュベートされる時間の長さが挙げられ、これらは送達化合物のPBMC内への通過に影響を与え得る。PBMCへの化合物の送達に影響を与えるさらなるパラメータとしては、狭窄部での入力PBMCの速度、狭窄部でのせん断速度、細胞懸濁液の粘度、流速に垂直な速度成分、および狭窄部内での時間を挙げることができる。加えて、直列および/または並列でチャネルを含む複数のチップは、PBMCへの送達に影響を与え得る。並列での複数のチップは、スループットを増強するために有用であり得る。このようなパラメータは、化合物の送達を制御するように設計することができる。いくつかの実施形態では、細胞濃度は、約10~少なくとも約1012個の細胞/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲である。いくつかの実施形態では、送達化合物の濃度は、約10ng/mLから約1g/mLの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。いくつかの実施形態では、送達化合物の濃度は、約1pMから少なくとも約2Mの範囲、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度範囲であり得る。
【0159】
いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約10mMである。例えば、いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約10mMを超える。いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.01μM~約0.1μM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、または約1mM~約10mMのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約1mMである。いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約0.1μM~約10μMである。いくつかの実施形態では、PBMCとインキュベートされるHPV抗原の濃度は、約1μMである。
【0160】
いくつかの実施形態では、摂動を与えられた入力PBMCとインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えばいくつかの実施形態では、摂動を与えられた入力PBMCとインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動を与えられた入力Pとインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、摂動を与えられた入力PBMCとインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。いくつかの実施形態では、摂動を与えられた入力PBMCとインキュベートされる抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0161】
いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1nM~約1mMの濃度でアジュバントを含む。例えば、いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のうちのいずれかの濃度でアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約10mMのいずれかよりも高い濃度でアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1nM~約10nM、約0.1μm~約1μm、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1mMまたは約1mM~約10mMのいずれかの濃度でアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約0.1μM~約1mMの濃度でアジュバントを含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1μMの濃度でアジュバントを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1nM~約1mMの濃度で抗原を含む。例えば、いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約0.01μM未満、約0.1μM未満、約1μM未満、約10μM未満、約100μM未満、約1mM未満、または約10mM未満のうちのいずれかの濃度で抗原を含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約10mMのいずれかよりも高い濃度で抗原を含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1nM~約10nM、約0.1μm~約1μm、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1mMまたは約1mM~約10mMのいずれかの濃度で抗原を含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約0.1μM~約1mMの濃度で抗原を含む。いくつかの実施形態では、改変PBMCは、約1μMの濃度で抗原を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1:10000のいずれかである。例えばいくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000、または約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約10000:1~約1000:1、約1000:1~約100:1、約100:1~約10:1、約10:1~約1:1、約1:1~約1:10、約1:10~約1:100、約1:100~約1:1000、約1:1000~約1:10000のいずれかである。いくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約200:1である。いくつかの実施形態では、改変PBMC中の抗原のアジュバントに対するモル比は、約20:1である。
【0164】
PBMCの馴化
本明細書に記載する方法のいずれか一によるいくつかの実施形態では、少なくとも一の抗原を含むPBMCは、馴化される。本明細書に記載する方法のいずれか一によるいくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、馴化される。さらなる実施形態では、PBMCは成熟される。いくつかの実施形態では、PBMCは、狭窄部による送達に続いて馴化される。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、狭窄部により送達されるHPV抗原を含む細胞が馴化されるのに十分な時間の間、アジュバントとインキュベートされ、それにより少なくとも一のHPV抗原を含む馴化細胞の組成物を生成する。いくつかの実施形態では、PBMCは、狭窄部による送達に続いて馴化される。いくつかの実施形態では、狭窄部により送達されるHPV抗原を含むPBMCは、狭窄部により送達される変異HPV抗原を含むPBMCが馴化されるのに十分な時間の間、アジュバントとインキュベートされ、それにより少なくとも一のHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を生成する。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR 9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG ODN 2006(CpG 7909としても公知)である(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号31))。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909である。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0165】
いくつかの態様では、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を提供するものであり、これはa)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の幅が、懸濁液中の入力PBMCの関数であり、それにより、少なくとも一のHPV抗原が通過するのに十分な大きさの入力PBMCの摂動を引き起こして、摂動を与えられた入力PBMCを形成する、通過させるステップと、b)少なくとも一のHPV抗原が摂動を与えられたPBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動を与えられた入力PBMCを、少なくとも一のHPV抗原とインキュベートし、それにより、少なくとも一のHPV抗原を含む改変PBMCを生成するステップと、c)狭窄部により送達されたHPV抗原を含む改変PBMCが馴化されるのに十分な時間の間、狭窄部により送達されたHPV抗原を含む改変PBMCを、アジュバントとインキュベートし、それにより、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物を生成するステップと、を含む工程によって調製される。いくつかの実施形態では、この工程は、HPV抗原を含む改変PBMCを、改変PBMCを馴化するためのアジュバントとインキュベーションする前に、細胞懸濁液から単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0166】
いくつかの実施形態では、PBMCは、狭窄部による送達の前に馴化される。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCが馴化されるのに十分な時間の間、アジュバントとインキュベートされ、それによってPBMCが馴化される。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化PBMCの組成物が提供され、これはa)PBMCを馴化するのに十分な時間の間、アジュバントとPBMCをインキュベートし、それにより、馴化PBMCを生成するステップと、b)馴化PBMCを含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の幅が、懸濁液中のPBMCの直径の関数であり、それにより、少なくとも一のHPV抗原が通過するのに十分な大きさのPBMCの摂動を引き起こして、摂動を与えられた馴化PBMCを形成する、通過させるステップと、c)少なくとも一のHPV抗原が摂動を与えられた馴化PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動を与えられた馴化PBMCを少なくとも一のHPV抗原とインキュベートし、それにより、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化PBMCを生成するステップと、を含む工程によって調製される。いくつかの実施形態では、この工程は、馴化PBMCを細胞変形狭窄部に通過させる前に、馴化PBMCをアジュバントから単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である。
【0167】
本明細書に記載の方法のいずれか一によるいくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するのに約1~約24時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約2~約10時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約3~約6時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約1時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、20時間、または24時間のうちのいずれか一つの間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、約37℃で、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、約37℃で、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、約0.20mg/mL、0.25mg/mL、0.30mg/mL、0.35mg/mL、0.40mg/mL、0.45mg/mL、または0.50mg/mL、またはその間の任意の濃度のいずれかの濃度で、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、約0.35mg/mLの濃度でCpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、約37℃で、約0.35mg/mLの濃度でCpG 7909とインキュベートする。
【0168】
いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを提供するものであり、これはPBMCを馴化するのに十分な時間の間、少なくとも一のHPV抗原を含む複数のPBMCを、アジュバントとインキュベートし、それにより、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを生成することにより調製される。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを提供するものであり、これは少なくとも一のHPV抗原を複数のPBMCに導入する前に、複数のPBMCを馴化するのに十分な時間の間、複数のPBMCをアジュバントとインキュベートし、それにより、少なくとも一のHPV抗原を含む馴化された複数のPBMCを生成することにより調製される。
【0169】
本明細書に記載の馴化された複数のPBMCのいずれかによるいくつかの実施形態では、当該複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約1~約24時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約2~約10時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約3~約6時間の間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約1時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、20時間、または24時間のうちのいずれか一つの間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、複数のPBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間、アジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、アジュバントと、約4、8、12、16、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40℃のうちのいずれか一の温度でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、PBMCは、約37℃でアジュバントとインキュベートする。いくつかの実施形態では、少なくとも一のHPV抗原を含むPBMCは、PBMCを馴化するのに約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間の間、約37℃で、PBMCをアジュバントとインキュベートすることを含む工程によって馴化する。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、約37℃で、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、約0.20mg/mL、0.25mg/mL、0.30mg/mL、0.35mg/mL、0.40mg/mL、0.45mg/mL、または0.50mg/mL、またはその間の任意の濃度のいずれかの濃度で、CpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、約0.35mg/mLの濃度でCpG 7909とインキュベートする。いくつかの実施形態では、PBMCは、PBMCを馴化するのに約4時間の間、約37℃で、約0.35mg/mLの濃度でCpG 7909とインキュベートする。
【0170】
本明細書に記載する馴化された複数のPBMCのいずれか一つによるいくつかの実施形態では、一または複数の共刺激分子が、未馴化の複数の改変PBMCと比較して、馴化された複数の改変PBMCで発現増加する。いくつかの実施形態では、一または複数の共刺激分子が、馴化された複数の改変PBMC中の細胞の亜集団において、未馴化の複数の改変PBMC中の細胞の亜集団と比較して発現増加する。いくつかの実施形態では、一または複数の共刺激分子が、馴化された複数の改変PBMCのB細胞において、未馴化の複数の改変PBMC中のB細胞と比較して発現増加する。いくつかの実施形態では、共刺激分子は、CD80および/またはCD86である。いくつかの実施形態では、共刺激分子は、CD86である。いくつかの実施形態では、CD80および/またはCD86は、馴化された複数の改変PBMCのB細胞において、未馴化の複数の改変PBMC中のB細胞と比較して、約1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、8倍または10倍を超えて発現増加する。いくつかの実施形態では、CD80および/またはCD86は、馴化された複数の改変PBMCのB細胞において、未馴化の複数の改変PBMC中のB細胞と比較して、約1.2倍~約1.5倍、約1.5倍~約1.8倍、約1.8倍~約2倍、約2倍~約3倍、約3倍~約4倍、約4倍~約5倍、約5倍~約8倍、約8倍~約10倍、約10倍~約20倍、約20倍~約50倍、約50倍~約100倍、約100倍~約200倍、約200倍~約500倍、または約500倍超のうちのいずれかだけ発現増加する。いくつかの実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αのうちの一または複数の発現が、馴化された複数の改変PBMCにおいて、未馴化の複数の改変PBMCと比較して増加する。いくつかの実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αのうちの一または複数の発現が、馴化された複数の改変PBMC中の細胞の亜集団において、未馴化の複数の改変PBMC中の細胞の亜集団と比較して増加する。いくつかの実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αのうちの一または複数の発現が、馴化された複数の改変PBMCにおいて、未馴化の複数の改変PBMCと比較して、約1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、8倍だけ、または10倍を超えて増加する。いくつかの実施形態では、IFN-γ、IL-6、MCP-1、MIP-1β、IP-10、またはTNF-αのうちの一または複数の発現が、馴化された複数の改変PBMCにおいて、未馴化の複数の改変PBMCと比較して、約1.2倍~約1.5倍、約1.5倍~約1.8倍、約1.8倍~約2倍、約2倍~約3倍、約3倍~約4倍、約4倍~約5倍、約5倍~約8倍、約8倍~約10倍、約10倍~約20倍、約20倍~約50倍、約50倍~約100倍、約100倍~約200倍、約200倍~約500倍、または約500倍超のうちのいずれかだけ増加する。
【0171】
システムおよびキット
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に開示する方法で使用するための、狭窄部、PBMC細胞懸濁液、HPV抗原、またはアジュバントのうちの一以上を含むシステムを提供する。このシステムは、上記において開示した方法で説明したあらゆる実施形態を含むことができ、これには、細胞変形狭窄部を提供するマイクロ流体チャネルもしくは細孔を有する面、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータ、化合物、および/またはアプリケーションなどが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞変形狭窄部は、PBMCへの送達のためにサイズ設定される。いくつかの実施形態では、動作時の流速、細胞および化合物の濃度、狭窄部内の細胞の速度、ならびに細胞懸濁液の組成(例えば、浸透圧、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pHなど)などの送達パラメータは、免疫応答を抑制するかまたは寛容を誘導するための化合物の応答が最大になるように最適化される。
【0172】
また、HPVに関連するがんを有する個体の治療において使用するための製作のキットまたは物品も提供する。いくつかの実施形態では、キットは、細胞内にHPV抗原および細胞内にアジュバントを含むPBMCを含む。いくつかの実施形態では、キットは、がんなどのHPVに関連する疾患を有する個体の治療において使用するためのPBMCの生成において使用するための、狭窄部、PBMC懸濁液、HPV抗原、またはアジュバントのうちの一以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、適したパッケージ内に、本明細書に記載の組成物(例えば、細孔を含むマイクロ流体チャネルもしくは面、細胞懸濁液、および/または化合物)を含む。適したパッケージ材料は当技術分野で公知であり、そのようなものとしては例えば、バイアル(密閉バイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージ(例えば、密閉のマイラーバッグまたはプラスチックバッグ)などが挙げられる。これら製品はさらに、滅菌および/または密閉されてもよい。
【0173】
本発明はまた、本明細書に記載の方法の構成要素を含むキットを提供し、HPVに関連するがんを有する個体を治療する当該方法を実施するための指示、ならびに/または少なくとも一のHPV抗原をPBMCに導入するための指示をさらに含み得る。本明細書に記載のキットは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するための指示、例えばHPVに関連するがんを有する個体を治療するための指示、または細胞内に少なくとも一のHPV抗原を含有させるようにPBMCを生成するための指示を伴う、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、および添付文書をはじめとする他の材料をさらに含み得る。
【0174】
例示的な実施形態
実施形態1.
末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、
a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、
b)凍結保存培地と、
c)ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤。
【0175】
実施形態2.
末梢血単核細胞(PBMC)を含む医薬製剤であって、
a)PBMCであって、少なくとも一の抗原を含むPBMCと、
b)凍結保存培地と、
c)低温保存培地と、
d)ヒト血清アルブミンとを含む、医薬製剤。
【0176】
実施形態3.
組成物が、約5×106個のPBMC~約5×107個のPBMCを含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【0177】
実施形態4.
組成物が、約2×107個のPBMC~約3×107個のPBMCを含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0178】
実施形態5.
組成物が、約2.75×107個のPBMCを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0179】
実施形態6.
組成物が、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0180】
実施形態7.
組成物が、約4×106個のPBMC/mL~約6×106個のPBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0181】
実施形態8.
組成物が、約5.0×106個のPBMC/mLを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0182】
実施形態9.
組成物中のPBMCのうち≧70%、≧80%、≧90%、または≧95%が生存可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0183】
実施形態10.
組成物が、約3×106個の生存PBMC/mL~約7×106個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0184】
実施形態11.
組成物が、約5×106個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0185】
実施形態12.
組成物は、予め凍結されており、また組成物は、解凍後に、約4×106個の生存PBMC/mLを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0186】
実施形態13.
医薬製剤中のPBMCが、≦-196℃で少なくとも12カ月間保存した後、約≧70%の生存率を維持する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0187】
実施形態14.
医薬製剤中の凍結保存培地の百分率が、約40%~約95%(w/w)である、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0188】
実施形態15.
医薬製剤中の凍結保存培地の百分率が、約80%(w/w)である、請求項1および請求項3から14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0189】
実施形態16.
医薬製剤中の凍結保存培地の百分率が、約50%(w/w)である、請求項2から14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0190】
実施形態17.
凍結保存培地がジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0191】
実施形態18.
凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約5%~約15%(w/w)である、請求項17に記載の医薬製剤。
【0192】
実施形態19.
凍結保存培地であるDMSOの百分率が、約10%のDMSO(w/w)である、請求項17または18に記載の医薬製剤。
【0193】
実施形態20.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項1から19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0194】
実施形態21.
医薬製剤中の低温保存培地の百分率が、約25%~約35%(w/w)である、請求項2から14および16から20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0195】
実施形態22.
医薬製剤中の低温保存培地の百分率が、約30%(w/w)である、請求項2から14および16から21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0196】
実施形態23.
低温保存培地が、ビタミンEの水溶性アナログを含む、請求項2から14および16から22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0197】
実施形態24.
低温培地が、トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を含む、請求項2から14および16から23のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0198】
実施形態25.
低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項2から14および16から24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0199】
実施形態26.
ヒト血清アルブミンが、ヒト血清アルブミン溶液で提供される、請求項1から25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0200】
実施形態27.
医薬製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約15%~約25%(w/w)である、請求項26に記載の医薬製剤。
【0201】
実施形態28.
医薬製剤中のヒト血清アルブミン溶液の百分率が、約20%(w/w)である、請求項26または27に記載の医薬製剤。
【0202】
実施形態29.
ヒト血清アルブミン溶液は、アルブミン濃度は約0.08mmol/gでカプリル酸ナトリウムおよび/またはアルブミン濃度は約0.08mmol/gでアセチルトリプトファンを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0203】
実施形態30.
医薬製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約2%~約8%(w/w)である、請求項1から29のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0204】
実施形態31.
医薬製剤中のヒト血清アルブミンの百分率が、約5%(w/w)である、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0205】
実施形態32.
医薬製剤のpHが、約6.0~約8.5である、請求項1から31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0206】
実施形態33.
医薬製剤のpHが、約7.4である、請求項1から32のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0207】
実施形態34.
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約65%~約95%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤。
【0208】
実施形態35.
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約7.4である、医薬製剤。
【0209】
実施形態36.
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約40%~約60%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約25%~約35%の百分率で低温保存培地と、
d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、医薬製剤。
【0210】
実施形態37.
末梢血単核細胞(PBMC)の医薬製剤であって、
a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の百分率で凍結保存培地と、
c)約30%(w/w)の百分率で低温保存培地と、
d)約5%(w/w)の百分率でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
医薬製剤のpHが、pH約7.4である、医薬製剤。
【0211】
実施形態38.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項36から37のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0212】
実施形態39.
低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項36から38のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0213】
実施形態40.
医薬製剤は、無菌である、請求項1から39のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0214】
実施形態41.
医薬製剤は、約2EU/mL未満のエンドトキシンを含む、請求項1から40のいずれか一項に記載の製剤。
【0215】
実施形態42.
医薬製剤は、マイコプラズマを含まない、請求項1から41のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0216】
実施形態43.
PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、または単球のうちの二以上を含む、請求項1から42のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0217】
実施形態44.
PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、および単球を含む、請求項1から43のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0218】
実施形態45.
(a)PBMCの約25%~約80%がT細胞であり、
(b)PBMCの約1.5%~約30%がB細胞であり、
(c)PBMCの約3.0%~約20%がNK細胞であり、または
(d)PBMCの約4.0%~約45%が単球である、請求項1から44のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0219】
実施形態46.
少なくとも一の抗原が、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原である、請求項1から45のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0220】
実施形態47.
HPVが、HPV-16またはHPV-18である、請求項46に記載の医薬製剤。
【0221】
実施形態48.
少なくとも一の抗原が、HPV E6および/またはHPV E7に由来するペプチドを含む、請求項46または47に記載の医薬製剤。
【0222】
実施形態49.
少なくとも一の抗原が、HPV E6に由来するペプチドおよびHPV E7に由来するペプチドを含む、請求項46から48のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0223】
実施形態50.
少なくとも一の抗原が、配列番号1~3のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む、請求項46から49のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0224】
実施形態51.
少なくとも一の抗原が、配列番号18~25のうちのいずれか一のアミノ酸配列を含む、請求項46から50のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0225】
実施形態52.
PBMCの集団は、配列番号19のアミノ酸配列を含む抗原と、配列番号23のアミノ酸配列を含む抗原とを含む、請求項46から51のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0226】
実施形態53.
少なくとも一の抗原を含むPBMCは、
a)入力PBMCの集団を含む細胞懸濁液を、細胞変形用狭窄部であって、当該狭窄部の直径が懸濁液中の入力PBMCの直径の関数である細胞変形用狭窄部に通過させて、それによって入力PBMCに対して少なくとも一の抗原が通過するのに十分な大きさの摂動を引き起こし、摂動を与えられた入力PBMCの集団を形成することと、
b)摂動を与えられた入力PBMCの集団を、少なくとも一の抗原とともに、当該抗原が摂動を与えられた入力PBMCに入ることを可能にするのに十分な時間の間インキュベートし、それによって少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団を生成することとによって調製される、請求項1から52のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0227】
実施形態54.
狭窄部の直径が、約4.2μm~約6μm、または約4.2μm~約4.8μmである、請求項53に記載の医薬製剤。
【0228】
実施形態55.
少なくとも一の抗原を含むPBMCは、馴化される、請求項1から54のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【0229】
実施形態56.
少なくとも一の抗原を含むPBMCの集団は、改変PBMCを馴化するために、約37℃で、アジュバントと共にPBMCを約2時間~約10時間、約3時間~約6時間、または約4時間の間、インキュベートすることを含む工程によって馴化される、請求項55に記載の医薬製剤。
【0230】
実施形態57.
アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、またはTLR9アゴニストである、請求項56に記載の医薬製剤。
【0231】
実施形態58.
アジュバントが、CpG 7909オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項47に記載の医薬製剤。
【0232】
実施形態59.
請求項1から58のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む、バイアル。
【0233】
実施形態60.
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約5×106個のPBMC~約5×107個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約65%~約95%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約2%~約8%(w/w)のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、製剤を含む、バイアル。
【0234】
実施形態61.
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約2.75×107個のPBMCであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約80%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約5%の濃度でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約7.4である、製剤を含む、バイアル。
【0235】
実施形態62.
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約40%~約60%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約25%~約35%(w/w)の低温保存培地と、
d)約2%~約8%のヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5である、製剤を含む、バイアル。
【0236】
実施形態63.
製剤を含むバイアルであって、製剤が、
a)約5×106個のPBMC/mLであるPBMCであって、少なくとも一の抗原を含む当該PBMCと、
b)約50%(w/w)の濃度で凍結保存培地と、
c)約30%(w/w)の濃度で低温保存培地と、
d)約5%(w/w)の濃度でヒト血清アルブミンとを含むものであり、
製剤のpHが、pH約7.4である、製剤を含む、バイアル。
【0237】
実施形態64.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項60から63のいずれか一項に記載のバイアル。
【0238】
実施形態65.
低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項62から64のいずれか一項に記載のバイアル。
【0239】
実施形態66.
製剤は、無菌である、請求項59から65のいずれか一項に記載のバイアル。
【0240】
実施形態67.
PBMCの製剤を作製する方法であって、凍結保存培地およびヒト血清アルブミンを、PBMCの集団であって、該PBMCは少なくとも一の抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む、方法。
【0241】
実施形態68.
a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC/mL~約1×107個のPBMC/mLであり、
b)凍結保存培地が、約65%~約95%(w/w)の百分率で添加され、
c)ヒト血清アルブミンが、約2%~約8%(w/w)の濃度で添加されるものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5に調整される、請求項67に記載の方法。
【0242】
実施形態69.
a)製剤中のPBMCの集団が、約6×106個のPBMCであり、
b)凍結保存培地が、約80%(w/w)の百分率で添加され、
c)ヒト血清アルブミンは、約5%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
製剤のpHが、pH約7.4に調整される、請求項68に記載の方法。
【0243】
実施形態70.
PBMCの製剤を作製する方法であって、凍結保存培地、低温保存培地およびヒト血清アルブミン溶液を、PBMCの集団であって、該PBMCは抗原を含むものであるPBMCの集団に添加することを含む、方法。
【0244】
実施形態71.
a)製剤中のPBMCの集団が、約1×106個のPBMC~約1×107個のPBMCであり、
b)凍結保存培地が、約40%から約60%(w/w)の百分率で添加され、
c)低温保存培地が、約25%~約35%(w/w)の百分率で添加され、
d)ヒト血清アルブミン溶液は、約15%~約25%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
製剤のpHが、pH約6.0~pH約8.5に調整される、請求項70に記載の方法。
【0245】
実施形態72.
a)製剤中のPBMCの集団が、約6×106個のPBMCであり、
b)凍結保存培地が、約50%(w/w)の百分率で添加され、
c)低温保存培地が、約30%(w/w)の百分率で添加され、
c)ヒト血清アルブミンは、約20%(w/w)の百分率で添加されるものであり、
製剤のpHが、pH約7.4に調整される、請求項70または71に記載の方法。
【0246】
実施形態73.
凍結保存培地が、CryoStor(登録商標)CS10である、請求項67から72のいずれか一項に記載の方法。
【0247】
実施形態74.
低温保存培地が、HypoThermasol(登録商標)FRSである、請求項70から73のいずれか一項に記載の方法。
【実施例】
【0248】
当業者は、一部の実施形態が本発明の範囲および趣旨の範疇で可能であることを認識するものとなる。これより、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をより詳細に記述する。以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然のことながら、形はどうあれその範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0249】
実施例1 SQZ-PBMC-HPVの開発
PBMC-HPV原薬は、主要な組織適合性複合体クラスI(MHC-I)上のHPV16のHLA-A*02拘束性のE6エピトープおよびE7エピトープを提示する自己PBMCからなる。PBMCの大部分(>90%)は、T細胞、単球、NK細胞、およびB細胞からなる。
【0250】
PBMC-HPV原薬の製造において出発物質として使用されるE6 SLPおよびE7 SLPを以下に示す。これらペプチドは、HPV16の抗原エピトープ(太字で示されている)を含有する。
【化1】
【0251】
これらペプチドは、製造工程中に細胞サイトゾルに送達された後、細胞によってプロセシングされて、その結果生じる抗原エピトープ含有セグメントが、様々なPBMC細胞のMHC-I上で提示される。
【0252】
PBMC-HPV原薬製造工程の一部として、PBMC-HPV細胞は、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)であるCpG7909で成熟される(または馴化される)。この成熟が、PBMC-HPV細胞による炎症性サイトカインの産生、ならびにB細胞上の共刺激性分子(例えば、CD86)およびMHC-Iの発現上昇をもたらす。成熟期間後、PBMC-HPV原薬を二回洗浄し、その後製剤化して、薬剤産物SQZ PBMC HPVとなる。
【0253】
PBMC-HPV原薬プロセスの開発のために実施したすべての試験は、健常ドナーのleukopak物質を使用して実施した。
【0254】
PBMCの精製
leukopakからのPBMCの精製に使用する工程としては、溶出法(elutriation)がある。主要な溶出工程パラメータの使用、溶出培地(1%ヒト血清アルブミン(HSA)を含むハンク平衡塩溶液(HBSS))の選択、および出発物質の希釈に関する推奨事項は、装置ベンダー(Terumo BCT社)によって提供された。
ペプチド(E6 SLPおよびE7 SLP)の導入
【0255】
溶出後、精製したPBMCを、LOVOシステムを使用して、Gibco(商標)RPMI 1640培地で二回洗浄し、続いて送達培地(Gibco(商標)RPMI 1640培地中の50μMのE6および50μMのE7の溶液)で再懸濁する。LOVOシステムで、送達培地を用いてPBMCを洗浄および製剤化するために使用した処理パラメータは、機器ベンダー(Fresenius Kabi社)によって提供された。
ペプチド(E6 SLPおよびE7 SLP)の送達
【0256】
送達培地でのPBMCの再懸濁後、合わせた混合物をSQZシステムを使用して2~8℃に冷却し、その後二つの平行するシリコンマイクロ流体チップに通して流すが、この際細胞は、クエンチ培地(Gibco(商標)RPMI 1640培地および10%ヒト血清)を含有する滅菌単回使用バッグに回収される。
CpG 7909を用いたPBMCの成熟
【0257】
E6 SLPおよびE7 SLPのPBMCへの送達後、0.35mg/mLの濃度でPBS中に製剤化されたCpG 7909の滅菌濾過溶液を細胞懸濁液に無菌的に添加し、そして細胞を37℃±1℃で四時間成熟させ、PBMC-HPV原薬を得た。
【0258】
単位操作ごとの細胞回収率を、五つのプロセス展開ロットにわたって計算した(表1)。
【表1】
【0259】
leukopakから医薬品までの平均プロセス回収率(30.1%)に基づき、leukopak中での提案される最小WBCは、合計で4×109であると推定され、43バイアルが得られることとなる(4×109×30.1%/2.75×107細胞/バイアル)。
【0260】
実施例2 PBMC-HPV製剤の開発
SQZ-PBMC-HPVは、ヒトパピローマウイルス16(HPV16)のE6タンパク質およびE7タンパク質の免疫原性エピトープを標的とするPBMCを提示する自己抗原である、製剤化されたPBMC-HPV原薬からなる。PBMCは、主に単球、T細胞、B細胞、およびNK細胞からなる。
【0261】
SQZ-PBMC-HPVは、50%(w/w)のCryoStor(登録商標)CS10、30%(w/w)のHypoThermosol(登録商標)FRS、および20%(w/w)の25%ヒト血清アルブミンを含有する溶液中で、PBMC-HPV原薬を5×106生細胞/mLの濃度に調製し、バイアルに充填することによって調製される。このバイアルは、チャンバー温度≦-170℃を使用して凍結保存されるが、この際バイアルは、製造、保管および出荷中に≦-140℃の温度に到達し、かつ維持されるようにする。
【0262】
SQZ-PBMC-HPV製剤の開発については、異なるDMSO濃度(5、7.5、および10%)でのCryoStor(登録商標)塩基培地の評価を完了した。生細胞を、各クライオ培地製剤に製剤化し、クライオバイアルに分注し、温度制御フリーザーを使用してチャンバー温度≦-170℃に凍結した。解凍後、各製剤の細胞数および生存率について評価した。最終DMSO濃度5%では、試験した条件の中で、解凍後の生細胞回収率および生存率が最も高いことを示したので、医薬品製剤の最終濃度として選択された。
【0263】
解凍後の細胞回収率および生存率を最適化するため、ヒト血清アルブミン(HSA)を、異なる濃度(0、5、および10%)でCryoStor(登録商標)塩基培地(最終DMSO濃度5%)に組み入れた。次いで細胞を、各培地製剤への再懸濁を介して組み合わせて、クライオバイアルに分注し、温度制御フリーザーを使用してチャンバー温度≦-170℃に凍結した。解凍後、各製剤の細胞数および生存率について評価し、最終HSA濃度5%がSQZ-PBMC-HPVに最適であると見なした。これら評価に基づき、5%のDMSOと5%のHSAを含有する最終医薬品製剤をSQZ-PBMC-HPV用に選択した。
【0264】
最終医薬品の製剤の前に、PBMC-HPV原薬を製剤用培地で二回洗浄し、次いで同じ培地に再懸濁した。PBMC-HPV原薬を洗浄および次いでSQZ-PBMC-HPVを製剤化するためにLOVOシステムで使用した処理パラメータは、機器ベンダー(Fresenius Kabi社)によって提供された。
【0265】
バイアルへの充填は、ISO 5バイオセーフティキャビネット内で行う。バイアルは、滅菌され、完全に栓をされ、すぐに使用できる状態で供給される。充填に関して、各バイアルは5.78g±5%の生成物(すなわち、5mLの送達容量を可能にする、臨界プロセスパラメータ、すなわち5.5mL)で充填する。充填後、各バイアルは封止され、重量が確認され、その後キャップが付けられる。バイアル充填が完了すると、照明付きの白黒の背景を備えた検査ブースを使用して、視認される欠陥(粒子状物質を含む)がないか各充填バイアルを目視で検査する。その後、各バイアルは、低温貯蔵ラベルが付与される。
【0266】
ラベル付与後、すべてのバイアルは温度制御フリーザーに入れ、バイアルが≦-140℃(臨界プロセスパラメータ)の温度に達した状態で、チャンバー温度≦-170℃で最終医薬品を凍結保存する。凍結保存培地のTgは、-120~130℃である。凍結保存されるバイアルは、長期保存のために等温LN2タンクに入れられる。
【0267】
開発された凍結保存プロファイルのプロトコルを表2に示す。
【表2】
【0268】
健常対象よりのleukopakを含むバッチのセットを、一貫性を確保するように作製した。各バッチからのデータを表3に示す。
【表3】
【0269】
安定性
SQZ-PBMC-HPV医薬品の長期安定性試験の概要を表4に示す。無菌試験およびエンドトキシン試験は、各バッチの出荷時に実施した。マイコプラズマに関しては、医薬品を試験する代わりに、医薬品の製造中に生成された工程内洗浄サンプルをマイコプラズマについて試験した。これら洗浄サンプルの試験は、最終医薬品に対する試験よりもマイコプラズマの検出への感度がより高い。
【表4】
NA=該当なし
a5つのバッチすべてにT=0および1か月、3つのバッチに2か月、および2つのバッチに3か月のデータが利用可能である。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【配列表】
【国際調査報告】