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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】SOS1阻害剤及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20240118BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 307/20 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 407/12 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20240118BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
C07D231/56 Z
C07D471/04 104Z
C07D403/04 CSP
C07D409/04
C07D401/04
C07D307/20
C07D407/12
C07D471/04 106Z
C07D405/04
C07D405/12
A61K31/404
A61K31/444
A61K31/4439
A61K31/416
A61K31/454
A61K31/496
A61K31/341
A61K31/4433
A61K31/437
A61K31/4436
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P35/02
A61P1/02
A61P9/00
A61P17/00
A61P25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539813
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021063685
(87)【国際公開番号】W WO2022146698
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/131,674
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.LABRASOL
(71)【出願人】
【識別番号】519359402
【氏名又は名称】レボリューション メディシンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REVOLUTION MEDICINES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バックル,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン,セベリン
(72)【発明者】
【氏名】ギル,エイドリアン・エル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB08
4C063CC11
4C063CC22
4C063CC26
4C063CC42
4C063CC73
4C063CC78
4C063CC94
4C063CC95
4C063DD03
4C063DD06
4C063DD10
4C063DD11
4C063DD12
4C063DD22
4C063EE01
4C065AA04
4C065AA05
4C065BB04
4C065BB05
4C065CC01
4C065DD02
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH08
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP06
4C065PP12
4C065PP13
4C065QQ02
4C065QQ04
4C065QQ05
4C065QQ07
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA03
4C086BC13
4C086BC16
4C086BC17
4C086BC37
4C086BC39
4C086BC50
4C086BC61
4C086CB05
4C086GA02
4C086GA03
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086ZA01
4C086ZA36
4C086ZA67
4C086ZA89
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、SOS1の調節剤及び疾患の治療におけるその使用を対象とする。また、それを含む医薬組成物も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の構造を有する化合物、
【化1】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であって、式中、
が、NHまたはSであり、
が、CHまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、CRまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
が、H、-NH-C1-6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
が、H、-O-C1-6アルキル、及び-O-C1-6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
が、結合またはOであり、
が、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、1つ以上のC1-6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1-6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aが、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rが、1、2、または3であり、
各R4bが、独立して、H、C1-6アルキルであり、
各R4cが、独立して、HまたはC1-6アルキルである、前記化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項2】
が、任意に置換された6員アリールである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項3】
が、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項4】
以下からなる群から選択される構造を有し、
【化2】
式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、請求項1に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項5】
以下からなる群から選択される構造を有し、
【化3】
式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、請求項1に定義されるとおりであり、
、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項6】
以下からなる群から選択される構造を有し、
【化4-1】
【化4-2】
式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、請求項1に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項7】
、R、R、R、及びRのうちの1~3つが、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項8】
、R、R、R、及びRのうちの1~3つが、ハロゲン及び-OHで置換されたC1-6アルキルである、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項9】
、R、R、R、及びRのうちの1~3つが、ハロゲンであり、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つが、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項10】
、R、R、R、及びRのうちの1~3つが、-NHである、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項11】
、R、R、R、及びRのうちの1つが、-NHであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つが、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項12】
任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、3~14員縮合環を形成し、前記縮合環が、ハロゲンで置換されている、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項13】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、または式(Ic-3)の構造を有し、X、X、X、X、X、L、及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項14】
が、結合である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項15】
式(II)、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、または式(IIc-3)の構造を有し、X、X、及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項16】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、または式(IIIc-3)の構造を有し、X、X、R、及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項17】
以下からなる群から選択される構造を有し、
【化5】
式中、R、R、L、及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項18】
式(II-1)の構造を有し、
【化6】
式中、R及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項19】
式(III-1)または(III-2)の構造を有し、
【化7】
式中、R、R、及びRが、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項20】
が、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、C1-6アルキル-OR4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-CN、-NR4b4c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換されている、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【請求項21】
以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
【化8-1】
【化8-2】
【化8-3】
【化8-4】
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項23】
対象におけるSOS1を阻害する方法であって、前記対象に、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
細胞におけるSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害するか、または細胞におけるSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法であって、前記細胞に、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
疾患を治療または予防する方法であって、前記疾患を治療または予防することが、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用の阻害、またはSOS1とRAC1との相互作用の阻害を特徴とし、前記方法が、それを必要とする対象に、有効量の請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記対象に、有効量の請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
前記疾患またはがんが、膵臓がん、肺がん、結腸直腸がん、血液がん、胆管がん、多発性骨髄腫、黒色腫、子宮がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病、膀胱がん、尿路上皮がん、胃がん、子宮頸がん、頭頸部扁平上皮がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膠芽腫、腎がん、及び肉腫からなる群から選択される、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記がんが、RasMUTまたはNF1LOF変異を含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記疾患が、RAS病である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記RAS病が、神経線維腫症1型(NF1)、ヌーナン症候群(NS)、多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)、毛細血管奇形-動静脈奇形症候群(CM-AVM)、コステロ症候群(CS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、レジウス症候群、及び遺伝性歯肉線維腫症からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月29日に出願された米国出願第63/131,674号に対する優先権の利益を主張するものであり、その開示は、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、疾患または障害の治療に有用なSOS1の阻害剤に関する。具体的には、本開示は、SOS1を阻害する化合物及び組成物、SOS1に関連する疾患を治療する方法、ならびにこれらの化合物を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
KRAS(V-Ki-ras2 Kirstenラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ)、NRAS(神経芽細胞腫RASウイルスがん遺伝子ホモログ)、及びHRAS(Harveyマウス肉腫ウイルスがん遺伝子)を含むRASファミリータンパク質、ならびに任意のそれらの変異体は、GTP結合またはGDP結合状態のいずれかにある細胞中に存在する低分子量GTPアーゼである(McCormick et al.,J.Mol.Med.(Berl),2016,94(3):253-8、Nimnual et al.,Sci.STKE.,2002,2002(145):pl36)。RASファミリータンパク質は、弱い内因性GTPase活性、及び遅いヌクレオチド交換速度を有する(Hunter et al.,Mol.Cancer Res.,2015,13(9):1325-35)。NF1などのGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)の結合は、RASファミリータンパク質のGTPアーゼ活性を増加させる。SOS1(Son of Sevenless 1)などのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)の結合は、RASファミリータンパク質からのGDPの放出を促進し、GTP結合を可能にする(Chardin et al.,Science,1993,260(5112):1338-43)。GTP結合状態にある場合、RASファミリータンパク質は、活性であり、RAF及びホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)を含むエフェクタータンパク質と結合して、RAF/マイトジェンまたは細胞外シグナル調節キナーゼ(MEK/ERK)を促進する。公開データは、がんにおける変異体KRAS活性化及び発がん性シグナル伝達における、SOS1の重大な関与を示している(Jeng et al.,Nat.Commun.,2012,3:1168)。SOS1レベルを枯渇させると、KRAS変異を有する腫瘍細胞の増殖率及び生存率が減少したが、KRAS野生型細胞株では影響は観察されなかった。SOS1の喪失の影響は、触媒部位が変異したSOS1の導入によっては救済することができず、KRAS変異体がん細胞におけるSOS1 GEF活性の重要な役割を実証している。
【0004】
SOS1は、RASファミリータンパク質の変異以外のメカニズムを介して、がんにおけるRASファミリータンパク質シグナル伝達の活性化に決定的に関与する。SOS1は、アダプタータンパク質Grb2と相互作用し、結果として生じるSOS1/Grb2複合体は、活性化/リン酸化受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR-A/B、FGFR1/2/3、IGF1 R、INSR、ALK、ROS、TrkA、TrkB、TrkC、RET、c-MET、VEGFR1/2/3、AXL)に結合する(Pierre et al.,Biochem.Pharmacol.,2011,82(9):1049-56)。SOS1はまた、T細胞受容体(TCR)、B細胞受容体(BCR)、及び単球コロニー刺激因子受容体などの他のリン酸化細胞表面受容体に動員される(Salojin et al.,J.Biol.Chem.2000,275(8):5966-75)。RASファミリータンパク質の近位にある形質膜へのSOS1のこの局在化により、SOS1は、RASファミリータンパク質の活性化を促進することができる。RASファミリータンパク質のSOS1活性化はまた、慢性骨髄性白血病において一般的に見られるBCR-ABL腫瘍性タンパク質とのSOS1/Grb2の相互作用によっても媒介され得る(Kardinal et al.,2001,Blood,98:1773-81、Sini et al.,Nat.Cell Biol.,2004,6(3):268-74)。さらに、SOS1の変質は、がんに関与している。SOS1変異は、胎児性横紋筋肉腫、セルトリ細胞精巣腫瘍、皮膚の顆粒細胞腫瘍(Denayer et al.,Genes Chromosomes Cancer,2010,49(3):242-52)、及び肺腺癌(Cancer Genome Atlas Research Network.,Nature,2014,511(751 1):543-50)に見られる。一方、SOS1の過剰発現は、膀胱癌(Watanabe et al.,IUBMB Life,2000,49(4):317-20)及び前立腺癌(Timofeeva et al.,Int.J.Oncol.,2009;35(4):751-60)におけるものが記載されている。がんに加えて、遺伝性SOS1変異は、例えば、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、及び遺伝性歯肉線維腫症1型などのRAS病の病因に関与している(Pierre et al.,Biochem.Pharmacol.,2011,82(9):1049-56)。
【0005】
SOS1はまた、GTPアーゼRAC1(Ras関連C3ボツリヌス毒素基質1)の活性化のためのGEFでもある(Innocenti et al.,J.Cell Biol.,2002,156(1):125-36)。RAC1は、RASファミリータンパク質と同様に、様々なヒトのがん及び他の疾患の病因に関与している(Bid et al.,Mol.Cancer Ther.2013,12(10):1925-34)。
【0006】
哺乳動物細胞におけるSOS1のホモログであるSon of Sevenless 2(SOS2)はまた、RASファミリータンパク質の活性化のためのGEFとしても機能する(Pierre et al.,Biochem.Pharmacol.,2011,82(9):1049-56、Buday et al.,Biochim.Biophys.Acta.,2008,1786(2):178-87)。マウスノックアウトモデルの公開データは、成体マウスの恒常性におけるSOS1及びSOS2の重複した役割を示唆している。マウスにおけるSOS1の生殖細胞系列ノックアウトは、中期胎生期の致死をもたらすが(Qian et al.,EMBO J.,2000,19(4):642-54)、全身状態SOS1ノックアウト成体マウスは生存可能である(Baltanas et al.,Mol.Cell.Biol.,2013,33(22):4562-78)。SOS2遺伝子標的化は、マウスにいかなる明白な表現型ももたらさなかった(Esteban et al.,Mol.Cell.Biol.,2000,20(17):6410-3)。対照的に、SOS1及びSOS2の二重ノックアウトは、成体マウスにおける急速な致死につながる(Baltanas et al.,Mol.Cell.Biol.,2013,33(22):4562-78)。これらの公開データは、個別のSOSアイソフォームの選択的標的化(例えば、選択的SOS1標的化)が、SOS1/RASファミリータンパク質駆動がん(または他のSOS1/RASファミリータンパク質病理)と正常な細胞及び組織との間の治療指数を達成するために十分に許容され得ることを示唆している。
【0007】
SOS1の触媒部位のRASファミリータンパク質への結合の選択的な薬理学的阻害により、RASファミリータンパク質のGTP結合型へのSOS1媒介型活性化を防ぐことが期待される。そのようなSOS1阻害剤化合物は、結果的にRASファミリータンパク質の下流の細胞におけるシグナル伝達(例えば、ERKリン酸化)を阻害することが期待されている。RASファミリータンパク質への依存に関連するがん細胞(例えば、KRAS変異体がん細胞株)において、SOS1阻害剤化合物は、抗がん効果(例えば、増殖、生存、転移などの阻害)を送達することが期待されている。SOS1:RASファミリータンパク質結合(ナノモルレベルIC50値)及び細胞内のERKリン酸化(ナノモルレベルIC50値)の阻害に対する高い効力は、SOS1阻害剤化合物の望ましい特性である。さらに、SOS1阻害剤化合物の望ましい特性は、SOS2よりもSOS1を選択的に阻害することであろう。この結論は、上述したような、SOS1ノックアウトマウスの生存可能な表現型及びSOS1/SOS2二重ノックアウトマウスの致死性に基づいている。
【0008】
これらの特性は、前述のSOS1阻害剤化合物では達成されていない。過去数十年で、RASファミリータンパク質-SOS1タンパク質相互作用に対する認識が高まっている。RASのエフェクター結合部位またはSOS1の触媒結合部位のいずれかを標的とする結合剤を特定及び最適化するためのいくつかの試み(選択されたレビューについては、Lu et al.,ChemMedChem.2016,11(8):814-21を参照されたい)は、限られた成功を収めている。
【0009】
近年、RAS結合部位に近接したSOS1の親油性ポケットに結合する小さな活性化分子が特定されている(Burns et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.2014,111(9):3401-6)。しかしながら、これらの分子の結合は、ヌクレオチド交換の増加につながり、それによってRASの非活性化ではなく活性化につながるようである。
【0010】
RASファミリータンパク質とSOS1とのタンパク質間相互作用を安定化し、RASファミリータンパク質のGTPによる再負荷を防ぐための試みにおいて、その後、いくつかの異なる断片が特定された(Winter et al.,J.Med.Chem.2015,58(5):2265-74)。しかしながら、断片のSOS1への可逆的結合は、ヌクレオチド交換に対する測定可能な効果には変換されず、RASに共有結合した断片では弱い効果しか観察されなかった。
【0011】
また、近年は、合理的な設計とスクリーニングプラットフォームとを組み合わせて、SOS1の小分子阻害剤(Evelyn et al.,Chem.Biol.2014,21(12):1618-28、Evelyn et al.,J.Biol.Chem.2015,290(20):12879-98、Zheng et al.,WO2016/077793)、すなわち、SOS1に結合し、RASファミリータンパク質とのタンパク質間相互作用を阻害する化合物を特定するための研究も行われている。SOS1に対してわずかな阻害効果を有する化合物が特定されているが、グアニンヌクレオチド交換及び細胞シグナル伝達調節(例えば、ERKリン酸化)に対する効果は弱い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2016/077793号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】McCormick et al.,J.Mol.Med.(Berl),2016,94(3):253-8
【非特許文献2】Nimnual et al.,Sci.STKE.,2002,2002(145):pl36
【非特許文献3】Hunter et al.,Mol.Cancer Res.,2015,13(9):1325-35
【非特許文献4】Chardin et al.,Science,1993,260(5112):1338-43
【非特許文献5】Jeng et al.,Nat.Commun.,2012,3:1168
【非特許文献6】Pierre et al.,Biochem.Pharmacol.,2011,82(9):1049-56
【非特許文献7】Salojin et al.,J.Biol.Chem.2000,275(8):5966-75
【非特許文献8】Kardinal et al.,2001,Blood,98:1773-81
【非特許文献9】Sini et al.,Nat.Cell Biol.,2004,6(3):268-74
【非特許文献10】Denayer et al.,Genes Chromosomes Cancer,2010,49(3):242-52
【非特許文献11】Cancer Genome Atlas Research Network.,Nature,2014,511(751 1):543-50
【非特許文献12】Watanabe et al.,IUBMB Life,2000,49(4):317-20
【非特許文献13】Timofeeva et al.,Int.J.Oncol.,2009;35(4):751-60
【非特許文献14】Innocenti et al.,J.Cell Biol.,2002,156(1):125-36
【非特許文献15】Bid et al.,Mol.Cancer Ther.2013,12(10):1925-34
【非特許文献16】Buday et al.,Biochim.Biophys.Acta.,2008,1786(2):178-87
【非特許文献17】Qian et al.,EMBO J.,2000,19(4):642-54
【非特許文献18】Baltanas et al.,Mol.Cell.Biol.,2013,33(22):4562-78
【非特許文献19】Esteban et al.,Mol.Cell.Biol.,2000,20(17):6410-3
【非特許文献20】Lu et al.,ChemMedChem.2016,11(8):814-21
【非特許文献21】Burns et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.2014,111(9):3401-6
【非特許文献22】Winter et al.,J.Med.Chem.2015,58(5):2265-74
【非特許文献23】Evelyn et al.,Chem.Biol.2014,21(12):1618-28
【非特許文献24】Evelyn et al.,J.Biol.Chem.2015,290(20):12879-98
【発明の概要】
【0014】
本開示は、SOS1の活性を阻害することができる化合物に関する。本開示は、化合物を調製するためのプロセス、そのような化合物を含む医薬調製物、ならびにSOS1の異常な活性に関連する疾患または障害の管理においてそのような化合物及び組成物を使用する方法をさらに提供する。
【0015】
本開示の一態様は、式(I)、式(II)、もしくは式(III)の構造を有する化合物、
【化1】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であって、式中、
が、NHまたはSであり、
が、CHまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、CRまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、CHまたはNであり、
が、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
が、H、-NH-C1-6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
が、H、-O-C1-6アルキル、及び-O-C1-6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
が、結合またはOであり、
が、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、1つ以上のC1-6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1-6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aが、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rが、1、2、または3であり、
各R4bが、独立して、H、C1-6アルキルであり、
各R4cが、独立して、HまたはC1-6アルキルである、化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0016】
本開示の別の態様は、式(Ia)、(IIa)、もしくは(IIIa)の化合物、
【化2】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であって、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0017】
本開示の別の態様は、式(Ib)、(IIb)、もしくは(IIIb)の化合物、
【化3】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であって、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりであり、
、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0018】
本開示の別の態様は、式(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、もしくは(IIIc-3)の化合物、
【化4-1】
【化4-2】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であって、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRが、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRが、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールが、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14が、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルが、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている、化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0019】
本開示の別の態様は、式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、もしくは(I-8)の化合物、
【化5】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、R、R、L、及びRは、式(I)に定義されるとおりである。
【0020】
本開示の別の態様は、式(II-1)の化合物、
【化6】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、R及びRは、式(II)に定義されるとおりである。
【0021】
本開示の別の態様は、式(III-1)もしくは(III-2)の化合物、
【化7】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、R、R、及びRは、式(III)に定義されるとおりである。
【0022】
本開示の一態様は、SOS1の阻害を必要とする対象においてそれを行う方法に関し、方法は、対象に、本開示のSOS1阻害剤、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0023】
本開示の別の態様は、SOS1と、RASファミリータンパク質及び/またはRAC1との相互作用の阻害によって影響を受けるかまたはそれによって特徴付けられる疾患を治療または予防することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、有効量の本開示の化合物、または医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、方法に関する。
【0024】
本開示の別の態様は、細胞におけるSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害するか、または細胞におけるSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法であって、細胞に、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、方法に関する。
【0025】
本開示の別の態様は、疾患を治療または予防することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、対象に、有効量の本開示の化合物、または医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む、方法に関する。
【0026】
本開示の別の態様は、SOS1を阻害する方法に関する。方法は、投与を必要とする患者に、有効量の本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0027】
本開示の別の態様は、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、及びその医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を対象とする。この医薬的に許容される担体は、賦形剤、希釈剤、または界面活性剤をさらに含み得る。医薬組成物は、SOS1調節に関連する疾患の治療または予防を必要とする対象においてそれを行うために有効であり得る。医薬組成物は、がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行うために有効であり得る。
【0028】
本開示の別の態様は、SOS1調節に関連する疾患の治療または予防に使用するための、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。本開示の別の態様は、疾患がんの治療または予防に使用するための、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体、及び異性体に関する。
【0029】
本開示の別の態様は、SOS1調節に関連する疾患を治療または予防するための医薬品の製造における、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体の使用に関する。本開示の別の態様は、がんを治療または予防するための医薬品の製造における、本開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体、及び異性体の使用に関する。
【0030】
本開示はまた、SOS1の阻害に有用な化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の詳細は、下記添付の説明に記載される。本明細書で説明されるものと同様または同等の方法及び材料を本開示の実践または試験において使用することができるが、ここでは例示の方法及び材料について説明する。本開示の他の特長、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形は複数形も含む。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用されるすべての特許及び出版物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
用語
冠詞「a」及び「an」は、本開示において、その冠詞の文法的目的語の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
【0033】
「及び/または」という用語は、別途示されない限り、本開示において「及び」または「または」のいずれかを意味するために使用される。「または」という用語の使用は、選択肢のみを指すことが明示的に示されない限り、または選択肢が相互排他的でない限り、「及び/または」を意味するために使用されるが、本開示は、選択肢及び「及び/または」のみを指す定義を支持する。
【0034】
記号「
【化8】
」は、化合物への結合点を表す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、値が、値を決定するために用いられるデバイスまたは方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。特定の実施形態では、「約」という用語は、別途記載のない限り、または別途内容から明らかでない限り(例えば、そのような数が可能な値の100%を超え得る場合)、記載された値のいずれかの方向(上回るまたは下回る)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下に含まれる値の範囲を指す。
【0036】
「任意の」または「任意に」は、その後に記載される事象または状況が起こり得るかまたは起こり得ないこと、及びその記載が、事象または状況が起こる場合とそれが起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「任意に置換されたアリール」は、本明細書で定義される「アリール」及び「置換アリール」の両方を包含する。1つ以上の置換基を含有する任意の基に関して、当業者であれば、そのような基が、立体的に非実用的、合成的に実行不可能、及び/または本質的に不安定である任意の置換または置換パターンを導入することを意図しないことを理解するであろう。
【0037】
別途指定されない限り、「任意に置換される」という用語は、基が非置換であり得るか、または置換基が同じであり得るかもしくは異なり得る基について列挙された当該置換基のうちの1つ以上(例えば、0、1、2、3、4、もしくは5つ以上、またはそこから導出可能な任意の範囲)によって置換され得ることを意味する。一実施形態では、任意に置換された基は、1つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、2つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、3つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、4つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、5つの置換基を有する。例えば、任意に置換されたアルキル基は、完全飽和アルキル鎖(すなわち、純粋な炭化水素)であり得る。代替的に、同じ任意に置換されたアルキル基は、水素とは異なる置換基を有することができる。例えば、鎖に沿った任意の点で、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または本明細書に記載される任意の他の置換基に結合することができる。したがって、「任意に置換された」という用語は、所与の化学部分が他の官能基を含有する可能性を有するが、必ずしも任意のさらなる官能基を有しないことを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、1~10個の炭素原子を有する直鎖または分枝状の飽和鎖を意味する。代表的な飽和アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなど、及びより長いアルキル基、例えば、ヘプチル、及びオクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、非置換または置換であり得る。3個以上の炭素原子を含有するアルキル基は、直鎖状または分枝状であり得る。本明細書で使用される場合、「低級アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS原子)で置き換えられている「アルキル」基(本明細書で定義される)を指す。ヘテロ原子は、ラジカルの中央または端部に出現し得る。
【0040】
「アルケニル」という用語は、炭素-炭素二重結合を含有し、鎖中に約2~約6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。特定のアルケニル基は、鎖中に2~約4個の炭素原子を有する。分枝状とは、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が、直鎖状のアルケニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルケニル基には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、及びi-ブテニルが挙げられる。C-Cアルケニル基は、2~6個の炭素原子を含むアルケニル基である。
【0041】
「アルキニル」という用語は、炭素-炭素三重結合を含有し、鎖中に約2~約6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。特定のアルキニル基は、鎖中に2~約4個の炭素原子を有する。分枝状とは、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が、直鎖状のアルキニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルキニル基には、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、及びn-ペンチニルが挙げられる。C-Cアルキニル基は、2~6個の炭素原子を含むアルキニル基である。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を意味する。
【0043】
本明細書で使用される場合、「オキソ」という用語は、「=O」基を指す。オキソ基が炭素原子に結合している場合、本明細書ではC(O)またはC=Oとも略記され得る。オキソ基はまた、硫黄原子(例えば、S=O及びS(O))またはリン原子(例えば、P=O、PO、PO、POなど)に結合することができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「イミン」という用語は、「=N」基を指す。イミンが炭素原子に結合している場合、本明細書ではC=Nとも略記され得る。窒素はまた、硫黄に二重結合することができる(例えば、S=N、これはチオイミンと称される)。
【0045】
本明細書に記載の環系(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール)に関連する用語と併せて使用される「環状原子」という用語は、系中に存在する環原子の総数を指す。したがって、「環状原子」には、環に結合した置換基中に存在する原子は含まれない。したがって、「環状原子」の数には、縮合環中に存在するすべての原子が含まれる。例えば、2-インドリル環、
【化9】
は、5員ヘテロアリールとみなされているが、9個の環状原子を含有するヘテロアリールでもある。別の例では、ピリジンは、6員ヘテロアリールとみなされ、かつ6個の環状原子を含有するヘテロアリールである。
【0046】
「シクロアルキル」は、3~20個の環状炭素原子(すなわち、C-C20シクロアルキル)、例えば、3~15個の環状原子、例えば、3~12個の環状原子を有する単一の飽和全炭素環を指す。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、または二環式系(「二環式シクロアルキル」)などの縮合、架橋、またはスピロ環系を含有し、かつ飽和され得る。「シクロアルキル」は、上記に定義されるようなシクロアルキル環が1つ以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、結合点はシクロアルキル環上にあり、そのような場合、列挙される炭素原子の数は、結合点を含有するシクロアルキル環中の炭素の数を示し続ける。シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2-アダマンチル
【化10】
2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン)
【化11】
及び9-フルオレニル
【化12】
が挙げられる。上記のように、シクロアルキル環は、環状原子の数によってさらに特徴付けることができる。例えば、シクロヘキシル環は、6個の環状原子を有するCシクロアルキル環であるが、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン)は、9個の環状原子を有するCシクロアルキル環である。また、例えば、9-フルオレニルは、13個の環状原子を有するCシクロアルキル環であり、2-アダマンチルは、10個の環状原子を有するCシクロアルキルである。
【0047】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、環当たり3~18個の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合を含有する、部分飽和、単環式、縮合またはスピロ多環式全炭素環を指す。「シクロアルケニル」は、上記に定義されるようなシクロアルケニル環が1つ以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、結合点はシクロアルケニル環上にあり、そのような場合、列挙される炭素原子の数は、結合点を含有するシクロアルケニル環中の炭素の数を示し続ける。シクロアルケニル環は、環状原子の数によってさらに特徴付けることができる。シクロアルケニルの例には、1-シクロヘキサ-1-エニル及びシクロペント-1-エニルが挙げられる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単一の全炭素芳香族環または多重縮合全炭素環系を指し、ここで、環のうちの少なくとも1つは芳香族である。例えば、特定の実施形態では、アリール基は、5~20個の環状炭素原子、5~14個の環状炭素原子、または5~12個の環状炭素原子を有する。アリールはまた、少なくとも1つの環が芳香族であり、他の環が芳香族であっても、芳香族でなくてもよい(すなわち、シクロアルキル)、約9~20個の炭素原子を有する多重縮合環系(例えば、2、3、または4つの環を含む環系)も含む。「アリール」は、上記に定義されるようなアリール環が1つ以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、結合点はアリール環上にあり、そのような場合、列挙される炭素原子の数は、結合点を含有するアリール環中の炭素原子の数を示し続ける。アリール基の例としては、フェニル及び5-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン):
【化13】
が挙げられる。上記のように、アリール環は、環状原子の数によってさらに特徴付けることができる。例えば、フェニル環は、6個の環状原子を有するCアリールであるが、5-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン)は、9個の環状原子を有するCアリールである。
【0049】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」は、環中に少なくとも1個のヘテロ原子(酸素、窒素、リン、及び硫黄から選択される少なくとも1個の環状ヘテロ原子)を有する単一飽和または部分不飽和の非芳香族環または非芳香族多環系(縮合及びスピロ多環式を含む)を指す。別途明記しない限り、ヘテロシクリル基は、5~約20個の環状原子、例えば、5~15個の環状原子、例えば、5~10個の環状原子を有する。したがって、この用語は、環中に、約1~6個の環状炭素原子、ならびに酸素、窒素、リン、及び硫黄からなる群から選択される約1~3個の環状ヘテロ原子を有する単一飽和または部分不飽和環(例えば、3、4、5、6、または7員環)を含む。この用語はまた、環中に、約4~9個の環状炭素原子、ならびに酸素、窒素、リン、及び硫黄からなる群から選択される約1~3個の環状ヘテロ原子を有する単一飽和または部分不飽和環(例えば、5、6、7、8、9、または10員環)を含む。「ヘテロシクリル」は、上記に定義されるようなヘテロシクリル環が1つ以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、結合点は複素環式環上にあり、そのような場合、列挙される環員の数は、結合点を含有する複素環式環中の環状原子の数を示し続ける。複素環式環は、環状原子の数によってさらに特徴付けることができる。複素環式基の例には、ピペリジニル(6個の環状原子を有する6員複素環)、アゼパニル(7個の環状原子を有する7員複素環)、及び3-クロマニル(10個の環状原子を有する6員複素環)
【化14】
が挙げられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、環中に炭素以外の少なくとも1個の原子を有する単一芳香族環を指し、原子は、酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択され、この用語はまた、少なくとも1つのそのような芳香族環を有する多重縮合環系も含む。したがって、この用語は、環中に、約1~10個の環状炭素原子、ならびに酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択される約1~5個の環状ヘテロ原子の単一ヘテロアリール環を含む。硫黄及び窒素原子は、酸化形態でも存在し得るが、但し、環が芳香族であることを条件とする。「ヘテロアリール」は、上記に定義されるようなヘテロアリール環が1つ以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、結合点はヘテロアリール環上にあり、そのような場合、環員の数は、結合点を含有するヘテロアリール環中の環員数を示し続ける。ヘテロアリール環は、環状原子の数によってさらに特徴付けることができる。例えば、ピリジンは、6個の環状原子を有する6員ヘテロアリールである。
【0051】
本開示は、有効量の開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体と、医薬的に許容される担体と、を含む医薬組成物も含む。代表的な「医薬的に許容される塩」には、例えば、水溶性及び水不溶性塩、例えば、酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-二硫酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシル酸、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フィウナル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩、エンボン酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、及び吉草酸塩が挙げられる。
【0052】
「互変異性体」という用語は、同じ数及び種類の原子を有するが、結合連結性の点で異なり、互いに平衡状態にある一組の化合物を指す。「互変異性体」は、この化合物のセットの単一のメンバーである。典型的には、単一の互変異性体が描かれるが、この単一の構造は、存在し得るすべての可能性のある互変異性体を表すことを意味することが理解される。例には、エノール-ケトン互変異性が挙げられる。ケトンが描かれる場合、エノール形態及びケトン形態の両方が本開示の一部であることが理解される。
【0053】
別途記載のない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体的に濃縮された原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられる。同位体で標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識された化合物)は、化合物または基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(すなわち、H)及び炭素-14(すなわち、14C)同位体は、それらの調製の容易さ及び検出能において有用であり得る。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減)から得られる特定の治療上の利点をもたし得る。いくつかの実施形態では、1個以上の水素原子がHもしくはHで置換されているか、または1個以上の炭素原子が13C-もしくは14C-濃縮炭素で置換されている。15O、13N、11C、及び18Fなどのポジトロン放出同位体は、基質受容体占有を検査するためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体で標識された化合物の調製は、当業者に既知である。例えば、同位体で標識された化合物は、一般的に、本明細書に記載の本発明の化合物について開示されるものと類似の手順に従うことによって、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を使用することによって調製することができる。
【0054】
本開示で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、代謝手段(例えば、加水分解)によってインビボで開示される化合物に変換可能な化合物を意味する。さらに、本明細書で使用される場合、プロドラッグは、体内で不活性であるが、典型的には胃腸管からの吸収中または吸収後のいずれかに体内で活性化合物へ変換される薬物である。プロドラッグの体内での活性化合物への変換は、化学的または生物学的に(すなわち、酵素を使用して)行われ得る。
【0055】
「溶媒和物」という用語は、溶質及び溶媒によって形成される可変化学量論の複合体を指す。本開示の目的のためのそのような溶媒は、溶質の生物学的活性を妨害し得ない。好適な溶媒の例には、水、MeOH、EtOH、及びAcOHが挙げられるが、これらに限定されない。水が溶媒分子である溶媒和物は、典型的には、水和物と称される。水和物には、化学量論量の水を含有する組成物、ならびに可変量の水を含有する組成物が含まれる。
【0056】
「異性体」という用語は、同じ組成及び分子量を有するが、物理的及び/または化学的特性の点で異なる化合物を指す。この構造的な差異は、構成(幾何異性体)または偏光平面を回転させる能力(立体異性体)に存在し得る。立体異性体に関して、本明細書の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有し得、ラセミ体、ラセミ混合物、及び個別のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして生じ得る。
【0057】
「立体異性体」という用語は、同じ数及び種類の原子を有し、それらの原子間で同じ結合接続性を共有するが、三次元構造が異なる化合物のセットを指す。「立体異性体」という用語は、この化合物のセットの任意のメンバーを指す。例えば、立体異性体は、エナンチオマーまたはジアステレオマーであり得る。
【0058】
「エナンチオマー」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像である、立体異性体の対を指す。「エナンチオマー」という用語は、この立体異性体の対の単一のメンバーを指す。「ラセミ」という用語は、エナンチオマーの対の1:1の混合物を指す。
【0059】
「ジアステレオマー」という用語は、単結合の周りの回転によって重ね合わせることができない立体異性体のセットを指す。例えば、シス及びトランス二重結合、二環式環系でのエンド及びエキソ置換、ならびに異なる相対配置を有する複数の立体中心を含有する化合物は、ジアステレオマーであるとみなされる。「ジアステレオマー」という用語は、この化合物のセットの任意のメンバーを指す。提示されたいくつかの例では、合成経路は、単一のジアステレオマーまたはジアステレオマーの混合物を生成し得る。
【0060】
「有効量」とは、化合物に関連して使用される場合、本明細書に記載の対象における疾患を治療または予防するのに有効な量である。
【0061】
本開示で使用される場合、「担体」という用語は、賦形剤及び希釈剤を包含し、対象のある臓器または身体の一部から別の臓器または身体の一部への医薬剤の運搬または輸送に関与する材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料を意味する。
【0062】
対象に関する「治療」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状の改善を指す。治療には、障害の治癒、改善、または少なくとも部分的な寛解が含まれる。
【0063】
対象に関する「予防する」または「予防」という用語は、対象が疾患または障害に罹患することを防ぐことを指す。予防には、予防的治療が含まれる。例えば、予防には、対象が疾患に罹患する前に本明細書に開示される化合物を対象に投与することが含まれ得、この投与が、対象が疾患に罹患することを防ぐ。
【0064】
「阻害」及び「低減」という用語、またはこれらの用語の任意の変形には、所望の結果を達成するための任意の測定可能な阻害または完全な阻害が含まれる。例えば、正常値と比較して、約、最大約、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、もしくはそれ以上、またはそこから導出可能な任意の範囲で減少した、活性(例えば、SOS1:Rasファミリータンパク質結合活性)の低減があり得る。
【0065】
「障害」という用語は、本開示において、別途指示されない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように使用され、それらと互換的に使用される。
【0066】
「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、本開示で使用される場合、開示される化合物または開示される化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、または組成物を対象に直接投与するか、あるいは対象の体内に当量の活性化合物を形成し得るその化合物のプロドラッグ誘導体もしくは類似体またはその化合物の医薬的に許容される塩または組成物を対象に投与するかのいずれかを指す。
【0067】
「患者」または「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、または非ヒト霊長類、例えば、サル、チンパンジー、ヒヒ、または赤毛猿である。
【0068】
開示される式の化合物
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)、式(II)、もしくは式(III)の構造を有する化合物、
【化15】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、
は、NHまたはSであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、H、-NH-C1-6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
は、H、-O-C1-6アルキル、及び-O-C1-6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、結合またはOであり、
は、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、1つ以上のC1-6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1-6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立して、H、C1-6アルキルであり、
各R4cは、独立して、HまたはC1-6アルキルである。
【0069】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された6員アリールである。いくつかの実施形態では、6員アリールは、以下の構造を有し、
【化16】
式中、R、R、R、R、及びRは、式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)に関連して以下に定義されるとおりである。
【0070】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造のうちのいずれかを有する6員ヘテロアリールであり、
【化17】
式中、R、R、R、R、及びRは、式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)に関連して以下に定義されるとおりである。
【0071】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造を有する5員ヘテロアリールであり、
【化18】
式中、R、R、及びRは、式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)に関連して以下に定義されるとおりである。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(Ia)、式(IIa)、及び式(IIIa)からなる群から選択される構造を有する化合物、
【化19】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(Ib)、式(IIb)、及び式(IIIb)からなる群から選択される構造を有する化合物、
【化20】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、式(I)、式(II)、または式(III)に定義されるとおりであり、
、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、及びRは、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)からなる群から選択される構造を有する化合物、
【化21-1】
【化21-2】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、式(I)、式(II)、または式(III)に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIIc-1)、もしくは式(IIIc-2)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0076】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1-6アルキルであり、アルキルは、ハロゲンで任意に置換されている。一実施形態では、アルキルは、ハロゲンで置換されている。
【0077】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1-6アルキルであり、アルキルは、ハロゲン及び/または-OHで任意に置換されている。
【0078】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1-6アルキルであり、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで任意に置換されたC1-6アルキルである。
【0079】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンであり、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで任意に置換されたC1-6アルキルである。一実施形態では、アルキルは、ハロゲンで置換されている。
【0080】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、-NHである。
【0081】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-NHであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、ハロゲンで任意に置換されたC1-6アルキルである。一実施形態では、アルキルは、ハロゲンで置換されている。
【0082】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、3~14員縮合環を形成する。式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、3~8員縮合環を形成する。式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、4~8員縮合環を形成する。式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、4員縮合環または5員縮合環を形成する。いくつかの実施形態では、縮合環は、3~8員ヘテロシクリルまたは3~8員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は、4~8員ヘテロシクリルまたは4~8員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は、4員ヘテロシクリルまたは5員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、縮合環は、4員シクロアルキルまたは5員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は、-OH、C1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換されている。いくつかの実施形態では、縮合環は、ハロゲンで任意に置換されている。
【0083】
式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、及び(IIIc-3)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つ以上は、-CF、-CHF、-NH、-F、及び-CFCHOHの中から選択される。式(Ia)、(IIa)、または(IIIa)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-CFであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-NHである。(Ia)、(IIa)、または(IIIa)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-Fであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-CFCHOHである。(Ia)、(IIa)、または(IIIa)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-Fであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-CHFである。
【0084】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【化22】
の中から選択される。
【0085】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【化23】
の中から選択される。
【0086】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【化24】
の中から選択される。
【0087】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【化25】
の中から選択される。
【0088】
式(I)、式(II)、もしくは式(III)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、
【化26】
の中から選択される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、及び式(Ic-3)からなる群から選択される構造を有する化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0090】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CHである。
【0091】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CHである。
【0092】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0093】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、Sであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0094】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、Nであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0095】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0096】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、Nである。
【0097】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0098】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体の前述の実施形態のいくつかでは、Rは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-C1-3アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-CHである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-C1-3ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-O-CHである。
【0099】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、もしくは式(Ic-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Lは、結合である。いくつかの実施形態では、Lは、Oである。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(II)、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、及び式(IIc-3)からなる群から選択される構造を有する化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0101】
式(II)、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、もしくは式(IIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Xは、CHである。
【0102】
式(II)、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、もしくは式(IIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-C1-3アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-CHである。いくつかの実施形態では、Rは、-O-C1-3ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-O-CHである。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示は、式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)からなる群から選択される構造を有する化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0104】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、もしくは式(IIIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、CHであり、Xは、Nである。
【0105】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、もしくは式(IIIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Xは、CHであり、Xは、CHである。
【0106】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、もしくは式(IIIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、Hである。
【0107】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、もしくは式(IIIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、NHである。
【0108】
式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、もしくは式(IIIc-3)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、-NH-CHである。
【0109】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、以下からなる群から選択される構造、
【化27】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を有し、式中、R、R、L、及びRは、式(I)に定義されるとおりである。
【0110】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、式(II-1)の構造、
【化28】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を有し、式中、R及びRは、式(II)に定義されるとおりである。
【0111】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、式(III-1)もしくは式(III-2)の構造、
【化29】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を有し、式中、R、R、及びRは、式(III)に定義されるとおりである。
【0112】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1-6アルキル-OR4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-CN、-NR4b4c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、式中、R4a、R4b、及びR4cは、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりである。
【0113】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1-6アルキル-OR4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-CN、-NR4b4c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、式中、R4a、R4b、及びR4cは、式(I)、(II)、または(III)に定義されるとおりである。
【0114】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R4aは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rは、1、2、または3であり、各R4bは、独立して、H、C1-6アルキルであり、各R4cは、独立して、HまたはC1-6アルキルである。
【0115】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、R4aは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rは、1、2、または3であり、各R4bは、独立して、H、C1-6アルキルであり、各R4cは、独立して、HまたはC1-6アルキルである。
【0116】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、3~14員ヘテロシクリルである。式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0117】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、3~6員ヘテロシクリルで置換された3~14員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル置換基は、オキセタニルである。
【0118】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルで置換された3~14員ヘテロシクリルである。式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、-CHで置換された3~14員ヘテロシクリルである。式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、-CH-で置換された3~14員ヘテロシクリルであり、すなわち、置換基は、ヘテロシクリル環中の2つの炭素原子を架橋するメチレン架橋である。
【0119】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、3~6員ヘテロシクリルで置換された3~14員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキル置換基は、シクロプロピルである。
【0120】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、1つ以上の=Oで置換された3~14員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、3~14員ヘテロシクリルは、1つ以上の=Oで置換されており、C1-6アルキルでさらに置換されている。そのような実施形態の1つでは、C1-6アルキルは、-CHである。
【0121】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、-C(O)R4aで置換された3~14員ヘテロシクリルである。一実施形態では、R4aは、C1-6アルキルである。一実施形態において、R4aは、-CHである。
【0122】
式(I)、(II)、(III)、(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(Ic-1)、(Ic-2)、(Ic-3)、(IIc-1)、(IIc-2)、(IIc-3)、(IIIc-1)、(IIIc-2)、(IIIc-3)、(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)、(I-5)、(I-6)、(I-7)、(I-8)、(II-1)、(III-1)、もしくは(III-2)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体のいくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化30】
【0123】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化31】
【0124】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化32】
【0125】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化33】
【0126】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化34】
【0127】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化35】
【0128】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化36】
【0129】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化37】
【0130】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化38】
【0131】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化39】
【0132】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化40】
【0133】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化41】
【0134】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化42】
【0135】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化43】
【0136】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択されるヘテロシクリルである。
【化44】
【0137】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択される。
【化45】
【0138】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択される。
【化46】
【0139】
いくつかの実施形態では、Rは、3~14員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された3~14員シクロアルキルである。
【0140】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択される。
【化47】
【0141】
いくつかの実施形態では、Rは、6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、-OCH及び-CNの中から選択される1つまたは2つの基で置換されたフェニルである。
【0142】
いくつかの実施形態では、Rは、5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1H-ピロール、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンの中から選択され、これらの各々は、-F、-OCH、及び-OCHCHOHの中から選択される基で任意に置換されている。
【0143】
いくつかの実施形態では、Rは、以下の中から選択される。
【化48】
【0144】
本開示は、以下の表Aの化合物からなる群から選択される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【0145】
開示される化合物の合成方法
本開示の化合物は、標準化学を含む様々な方法によって作製され得る。好適な合成経路は、以下に提供されるスキームに示される。
【0146】
本明細書に記載される式のいずれかの化合物は、以下の合成スキーム及び例によって部分的に説明される有機合成の技術分野で既知の方法によって調製され得る。以下に記載されるスキームでは、一般的な原理または化学に従って必要に応じて感受性基または反応性基の保護基が用いられることが十分に理解されている。保護基は、有機合成の標準的な方法に従って操作される(T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“
Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999)。これらの基は、当業者には容易に明らかである方法を使用して、化合物の合成の都合のよい段階において除去される。選択プロセスならびに反応条件及びそれらの実施順序は、本明細書に開示される任意の式の化合物の調製と一致させるものとする。
【0147】
当業者であれば、立体中心が本開示の化合物のうちのいずれかに存在するかを認識するであろう。したがって、本発明は、可能性のある立体異性体を両方含み(その合成において別途特定されない限り)、ラセミ化合物のみならず、個別のエナンチオマー及び/またはジアステレオマーも含む。化合物が単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして所望される場合、立体特異的合成によって、または最終生成物もしくは任意の都合のよい中間体の分解によって取得され得る。最終生成物、中間体、または出発物質の分割は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法の影響を受け得る。例えば、”Stereochemistry of Organic Compounds” by E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Mander(Wiley-lnterscience,1994)を参照されたい。
【0148】
化合物の調製
本開示に記載される化合物は、既知の有機、無機、及び/または酵素プロセスを使用して、市販の出発物質から合成され得る。
【0149】
本開示の化合物は、有機合成の当業者に周知のいくつもの方法で調製することができる。一例として、本開示の化合物は、以下に記載される方法を、有機合成化学の分野で既知の合成方法、または当業者に理解されるその変形と一緒に使用して合成され得る。これらの方法には、以下に記載される方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0150】
置換1H-インダゾール-7-カルボキサミドまたは類似の複素環の一般的な合成は、スキーム1に概説されている。
【化49】
【0151】
5-ブロモ-1H-インダゾール-7-カルボン酸または類似の適切に置換されたハロゲン化複素環式環は、適切に置換されたベンジルアミンとのアミドカップリングを受けることができる。得られたフェニルエチル1H-インダゾール-7-カルボキサミドまたは類似のハロゲン化複素環式環は、次いで、適切に置換されたアミン、アミド、アルキル、オレフィン、芳香族またはヘテロ芳香族とのクロスカップリング反応に使用することができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護及び/または官能化ステップが必要とされ得る。
【0152】
代替的に、酸素置換基を5位に有する最終化合物は、スキーム2に概説されるように、アルコールとメチル5-フルオロ-1H-インドール-7-カルボキシレートまたは類似の適切に置換されたハロゲン化複素環との間のSNAr反応によって調製することができる。得られたアリールエーテルは、次いで、適切に置換されたベンジルアミンとのアミドカップリングを受けることができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護及び/または官能化ステップが必要とされ得る。
【化50】
【0153】
置換1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミドまたは類似の複素環の一般的な合成は、スキーム3に概説されている。
【化51】
【0154】
3-アミノ-6-ブロモピリジンまたは類似の適切に置換されたハロゲン化複素環式環は、適切に置換されたアミン、アミド、アルキル、オレフィン、芳香族またはヘテロ芳香族とのクロスカップリング反応を受けることができる。得られた中間体は、次いで、適切な末端アルキンとのクロスカップリング反応に使用することができる。得られた2-アルキニルピリジン-3-アミンは、次いで、Cu触媒の存在下で分子内ヒドロアミノ化を受けることができる。得られた7-クロロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジンまたは類似の適切にハロゲン化された複素環は、次いで、パラジウム触媒である一酸化炭素の存在下で、適切に置換されたベンジルアミンにカップリングされ得る。最終化合物を生成するために、追加の脱保護及び/または官能化ステップが必要とされ得る。
【0155】
適切に置換されたベンジルアミンビルディングブロックは、スキーム4に概説されているように調製することができる。適切に置換されたアリールまたはヘテロアリールブロミドは、金属ハロゲン交換、続いてアセチル化試薬の添加によって対応するアセチルアレーンまたはヘテロアレーンに変換することができる。ケトン官能基は、次いで、エルマン試薬を使用して、所望のキラルベンジルアミンに立体選択的に変換することができる。
【化52】
【0156】
治療的使用
本開示の化合物、それらの互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物、及び上述のすべての形態の塩は、それらの生物学的特性によって、がんなどの過剰または異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに好適であり得る。
【0157】
例えば、以下のがん、腫瘍、及び他の増殖性疾患は、それらに限定されることなく、本開示の化合物を用いて治療され得る。
-頭頸部のがん/腫瘍/癌腫:例えば、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔(唇、歯茎、歯槽堤、臼後三角、口底、舌、硬口蓋、頬粘膜を含む)、中咽頭(舌根、扁桃腺、扁桃柱、軟口蓋、扁桃窩、咽頭壁を含む)、中耳、喉頭(声門上、声門、声門下、声帯を含む)、下咽頭、唾液腺(小唾液腺を含む)の腫瘍/癌腫/がん;眼内がん(例えば、ブドウ膜黒色腫)、ならびに眼窩及び付属器がん;
-肺のがん/腫瘍/癌腫:例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)(扁平上皮がん、紡錘細胞がん、腺がん、大細胞がん、明細胞がん、気管支肺胞)、小細胞肺がん(SCLC)(燕麦細胞がん、中間細胞がん、複合燕麦細胞がん);
-縦隔の新生物:例えば、神経原性腫瘍(神経線維腫、神経鞘腫、悪性神経鞘腫、神経肉腫、神経節神経芽細胞腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、傍神経節腫を含む)、胚細胞腫瘍(セミノーマ、奇形腫、非セミノーマを含む)、胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺脂肪腫、胸腺がん、胸腺カルチノイドを含む)、間葉系腫瘍(線維腫、線維肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、粘液腫、中皮腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、黄色肉芽腫、間葉腫、血管腫、血管内皮腫、血管外皮腫、リンパ管腫、リンパ管周囲細胞腫(lymphangiopericytoma)、リンパ管筋腫を含む)、星状細胞腫(脳、小脳、びまん性、原線維性、未分化、毛様細胞性、原形質性、肥胖細胞性)、神経膠芽腫、神経膠腫、乏突起神経膠腫、乏突起星細胞腫、上衣腫、上衣芽腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫、髄膜腫、シュワン腫、血管芽腫、血管腫、血管外皮腫、神経腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫(例えば、聴神経腫)、脊髄軸腫瘍;
-胃腸(GI)管のがん/腫瘍/癌腫:例えば、食道、胃(胃がん)、膵臓、肝臓、及び胆樹(肝細胞がん(HCC)、例えば、小児HCC、線維層状HCC、複合HCC、紡錘細胞HCC、明細胞HCC、巨細胞HCC、癌肉腫HCC、硬化性HCC;肝芽腫;胆管がん;胆管細胞がん;肝嚢胞腺がん、血管肉腫、血管内皮腫、平滑筋肉腫、悪性シュワン腫、線維肉腫、クラツキン腫瘍を含む)、胆嚢、肝外胆管、小腸(十二指腸、空腸、回腸を含む)、大腸(盲腸、結腸、直腸、肛門を含む;結腸直腸がん、消化管間葉性腫瘍(GIST))、泌尿生殖器系(腎臓、例えば、腎盂、腎細胞がん(RCC)、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、副腎腫、グラヴィッツ腫瘍;尿管;膀胱、例えば、尿膜管がん、尿路上皮がん;尿道、例えば、遠位、球膜性、前立腺;前立腺(アンドロゲン依存性、アンドロゲン非依存性、去勢耐性、ホルモン非依存性、ホルモン不応性)、陰茎)の腫瘍/癌腫/がん;
-精巣のがん/腫瘍/癌腫:例えば、セミノーマ、非セミノーマ;
-婦人科系のがん/腫瘍/癌腫:例えば、卵巣、卵管、腹膜、子宮頸部、外陰部、膣、子宮体(子宮内膜、子宮底を含む)の腫瘍/癌腫/がん;
-乳房のがん/腫瘍/癌腫:例えば、乳がん(浸潤性乳管、コロイド、小葉浸潤、管状、腺嚢胞、乳頭状、髄様、粘液性)、ホルモン受容体陽性乳がん(エストロゲン受容体陽性乳がん、プロゲステロン受容体陽性乳がん)、HER2陽性乳がん、トリプルネガティブ乳がん、乳房ページェット病;
-内分泌系のがん/腫瘍/癌腫:例えば、内分泌腺の腫瘍/癌腫/がん、甲状腺(甲状腺がん/腫瘍;乳頭状、濾胞性、未分化、髄質)、副甲状腺(副甲状腺がん/腫瘍)、副腎皮質(副腎皮質がん/腫瘍)、下垂体腺(プロラクチノーマ、頭蓋咽頭腫を含む)、胸腺、副腎腺、松果体腺、頸動脈体、膵島細胞腫瘍、傍神経節、膵臓内分泌腫瘍(PET;非機能性PET、PPオーマ、ガストリノーマ、インスリノーマ、VIPオーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、GRFオーマ、ACTHオーマ)、カルチノイド腫瘍;
-軟組織の肉腫:例えば、線維肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、カポジ肉腫、グロムス腫瘍、血管周囲細胞腫、滑膜肉腫、腱鞘の巨細胞腫、胸膜及び腹膜の孤立性線維性腫瘍、びまん性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、顆粒細胞腫瘍、明細胞肉腫、メラニン細胞性シュワン腫、神経細胞腫、神経芽細胞腫、神経節細胞芽腫、神経上皮腫、骨外性ユーイング肉腫、傍神経節腫、骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、間葉細胞腫、胞巣状軟部肉腫、類上皮肉腫、腎外性ラブドイド腫瘍、線維形成性小細胞腫瘍;
-骨の肉腫:例えば、骨髄腫、網状細胞肉腫、軟骨肉腫(中枢、末梢、明細胞、間葉性軟骨肉腫を含む)、骨肉腫(傍骨性、骨膜性、高悪性度表在性、小細胞、放射線誘発性骨肉腫、ページェット肉腫を含む)、ユーイング腫瘍、悪性巨細胞腫、アダマンチノーマ、(繊維性)組織球腫、線維肉腫、脊索腫、小円形細胞肉腫、血管内皮腫、血管外皮腫、骨軟骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、軟骨芽細胞腫;
-中皮腫:例えば、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫;
-皮膚のがん:例えば、基底細胞がん、扁平上皮がん、メルケル細胞がん、黒色腫(皮膚、表在拡大型、悪性黒子、肢端黒子型、結節性、眼内黒色腫を含む)、日光角化症、眼瞼がん;
-末梢及び中枢神経系ならびに脳の新生物:例えば、星状細胞腫(脳、小脳、びまん性、原線維性、未分化、毛様細胞性、原形質性、肥胖細胞性)、神経膠芽腫、神経膠腫、乏突起神経膠腫、乏突起星細胞腫、上衣腫、上衣芽腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫、髄膜腫、シュワン腫、血管芽腫、血管腫、血管外皮腫、神経腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫(例えば、聴神経腫)、脊髄軸腫瘍、神経原性腫瘍(神経線維腫、神経鞘腫、悪性神経鞘腫、神経肉腫、神経節神経芽細胞腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、傍神経節腫を含む)、胚細胞腫瘍(セミノーマ、奇形腫、非セミノーマを含む)、胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺脂肪腫、胸腺がん、胸腺カルチノイドを含む)、間葉系腫瘍(線維腫、線維肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、粘液腫、中皮腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、黄色肉芽腫、間葉腫、血管腫、血管内皮腫、血管外皮腫、リンパ管腫、リンパ管周囲細胞腫(lymphangiopericytoma)、リンパ管筋腫を含む);
-リンパ腫及び白血病:例えば、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、リンパ形質細胞様リンパ腫(LPL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLCL)、バーキットリンパ腫(BL)を含む)、バーキット白血病、T細胞非ホジキンリンパ腫(未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)を含む)、リンパ芽球性T細胞リンパ腫(T-LBL)、成人T細胞リンパ腫、リンパ芽球性B細胞リンパ腫(B-LBL)、免疫細胞腫、慢性B細胞リンパ性白血病(B-CLL)、慢性T細胞リンパ球性白血病(T-CLL)、B細胞小リンパ球性リンパ腫(B-SLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)、原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)、免疫芽細胞腫(immunoblastoma)、ホジキン病(HD)(結節性リンパ腫優位型HD(NLPHD)、結節性硬化症HD(NSHD)、混合細胞性HD(MCHD)、リンパ球豊富型古典的HD、リンパ球枯渇型HD(LDHD)を含む)、大顆粒リンパ球性白血病(LGL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性/骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ球性/リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、毛細胞白血病、慢性骨髄性/骨髄性白血病(CML)、骨髄腫、形質細胞腫、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞腫、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、JMML(若年性骨髄単球性白血病)、分化系統不明瞭な急性白血病、骨髄増殖性新生物、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、初期T細胞前駆体白血病、ナチュラルキラー細胞白血病/リンパ腫、好酸球増加症を伴う骨髄性/リンパ性新生物、骨髄性肉腫、一過性骨髄異常増殖症;ならびに
-原発部位不明のがん(CUP)。
【0158】
体内の特定の位置/起源によって特徴付けられる上述のすべてのがん/腫瘍/癌腫は、原発腫瘍及びそれに由来する転移性腫瘍の両方を含むことを意味する。
【0159】
上述のすべてのがん/腫瘍/癌腫は、それらの組織病理学的分類によってさらに区別され得る。
-上皮がん、例えば、扁平上皮がん(SCC)(上皮内がん、表在性浸潤性、疣贅性がん、偽肉腫、未分化、移行細胞、リンパ上皮)、腺がん(AC)(高分化型、粘液性、乳頭状、多形性巨大細胞、管、小細胞、印環細胞、紡錘細胞、明細胞、燕麦細胞、コロイド、腺扁平上皮、粘膜表皮性、腺様嚢胞がん)、粘液性嚢胞腺がん、腺房細胞がん、大細胞がん、小細胞がん、神経内分泌腫瘍(小細胞がん、傍神経節腫、カルチノイド);膨大細胞がん;ならびに
-非上皮性及び間葉性がん、例えば、肉腫(線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫、巨細胞肉腫、リンパ肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、神経線維肉腫)、リンパ腫、黒色腫、胚細胞腫瘍、血液腫瘍、混合及び未分化がん。
【0160】
本開示の化合物は、一次治療、二次治療、または任意のさらなる治療の状況下で治療レジメンに使用され得る。
【0161】
本発明の化合物は、上述の疾患の予防、短期または長期の治療のために、任意で放射線療法及び/または外科手術及び/または他の化合物とも組み合わせて使用され得る。
【0162】
当然ながら、上記はまた、上記の疾患の治療を必要とする患者に治療有効用量を投与することによってそれを行う様々な方法における本開示の化合物の使用、ならびにそのような疾患の治療のための医薬品の製造のためのこれらの化合物の使用、ならびに本発明のそのような化合物を含む医薬組成物、ならびに本発明のそのような化合物を含む医薬品の調製及び/または製造なども含む。
【0163】
開示される化合物の追加の使用方法
本開示の一態様は、SOS1の阻害を必要とする対象においてそれを行う方法に関し、方法は、対象に、本開示のSOS1阻害剤、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0164】
本開示の別の態様は、SOS1とRASファミリータンパク質及び/またはRAC1との相互作用の改変(阻害を含む)によって影響を受けるかまたは特徴付けられる疾患の治療または予防を必要とする対象においてそれを行う方法に関する。この方法は、SOS1調節に関連する疾患または障害の治療を必要とする対象または患者に、有効量の本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0165】
特定の実施形態では、細胞におけるSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害するか、または細胞におけるSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法が提供され、方法は、細胞に、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体と、医薬的に許容される担体とを投与することを含む。
【0166】
特定の実施形態では、がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行う方法が提供され、方法は、対象に、有効量の本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0167】
特定の実施形態では、疾患は、がんであり得るが、これに限定されない。特定の実施形態では、疾患またはがんは、膵臓がん、肺がん、結腸直腸がん、血液がん、胆管がん、多発性骨髄腫、黒色腫、子宮がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病、JMML(若年性骨髄単球性白血病)、急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫、リンパ腫、中枢及び末梢神経系の腫瘍、上皮性及び非上皮性腫瘍ならびに間葉系腫瘍、膀胱がん、尿路上皮がん、胃がん、子宮頸がん、頭頸部扁平上皮がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膠芽腫、腎がん、ならびに肉腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、結腸直腸がんまたは膵臓がんである。
【0168】
特定の実施形態では、疾患は、がんであり得るが、これに限定されない。特定の実施形態では、疾患またはがんは、膵臓がん、肺がん、結腸直腸がん、血液がん、胆管がん、多発性骨髄腫、黒色腫、子宮がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病、膀胱がん、尿路上皮がん、胃がん、子宮頸がん、頭頸部扁平上皮がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膠芽腫、腎がん、及び肉腫からなる群から選択される。
【0169】
特定の実施形態では、疾患は、RAS病であり得るが、これに限定されない。特定の実施形態では、RAS病は、神経線維腫症1型(NF1)、ヌーナン症候群(NS)、多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)、毛細血管奇形-動静脈奇形症候群(CM-AVM)、コステロ症候群(CS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、レジウス症候群、及び遺伝性歯肉線維腫症からなる群から選択される。
【0170】
本開示の別の態様は、SOS1を阻害する方法を対象とする。この方法は、投与を必要とする患者に、有効量の本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0171】
本開示は、SOS1の活性を調節する(例えば、阻害する)ことができる組成物に関する。本開示はまた、そのような化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体の治療的使用に関する。
【0172】
開示される化合物は、対象において障害を治療もしくは予防し、及び/またはその発症を予防するのに有効な量で投与することができる。
【0173】
本開示の別の態様は、SOS1とRASファミリータンパク質及び/またはRAC1との相互作用の改変によって影響を受ける疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。本開示の別の態様は、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用またはSOS1とRAC1との相互作用の阻害を特徴とする疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0174】
本開示の別の態様は、疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、治療または予防することは、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用の阻害によってまたはSOS1とRAとの相互作用の阻害によって影響を受けるか、またはそれを特徴とする。
【0175】
本開示の別の態様は、過剰増殖性障害の治療または予防のための医薬品の調製において、20μM以下の濃度の存在下でhSOS1によって触媒されるヌクレオチド交換反応を阻害するが、20μM以下の濃度のEGFRキナーゼに対して実質的に不活性である、hSOS1のH-またはN-またはK-RAS及びそれらの臨床的に既知の変異への結合の阻害に使用するための、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0176】
本開示の別の態様は、過剰増殖性障害の治療または予防のための医薬品の調製において、20μM以下の濃度の存在下でhSOS1によって触媒されるヌクレオチド交換反応を阻害するが、20μM以下の濃度のEGFRキナーゼに対して実質的に不活性である、hSOS1のK-RAS G12Cタンパク質または本明細書に記載されるような別のRAS変異への特異的な結合の阻害に使用するための医薬品を製造するための、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関する。
【0177】
別の態様では、本開示は、疾患を治療または予防するための医薬品の製造における、本明細書に開示される任意の式の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体の使用に関する。
【0178】
開示される化合物の投与は、治療剤の任意の投与様式を介して達成することができる。これらの様式には、全身または局所投与、例えば、経口、経鼻、非経口、静脈内、経皮、皮下、膣内、口腔、直腸、または局所投与様式が挙げられる。同様に、それらは、静脈内(ボーラス及び輸注の両方)、腹腔内、皮下、または筋肉内形態でも投与することができ、すべての使用形態は、製薬技術分野の当業者に周知である。
【0179】
意図される投与様式に応じて、開示される化合物または医薬組成物は、時には単位投薬量で、かつ従来の薬務と一致する、例えば、注入可能物、錠剤、坐剤、丸剤、徐放性カプセル剤、エリキシル剤、チンキ剤、乳剤、シロップ剤、散剤、液体、懸濁液などの固体、半固体、または液体剤形であり得る。
【0180】
例示的な医薬組成物は、本開示の化合物及び医薬的に許容される担体、例えば、a)希釈剤、例えば、精製水、トリグリセリド油、例えば、硬化もしくは部分硬化植物油もしくはそれらの混合物、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、魚油、例えば、EPAもしくはDHA、またはそれらのエステルもしくはトリグリセリドもしくはそれらの混合物、オメガ-3脂肪酸もしくはその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコース、及び/またはグリシン、b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び/またはポリエチレングリコール、錠剤の場合さらに、c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、天然糖、例えば、グルコースもしくはベータ-ラクトース、コーン甘味料、天然及び合成ガム、例えば、アカシア、トラガカント、もしくはアルギン酸ナトリウム、ワックス及び/またはポリビニルピロリドン、所望される場合、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物、e)吸収剤、着色剤、風味剤、及び甘味料、f)乳化剤または分散剤、例えば、Tween 80、Labrasol、HPMC、DOSS、カプロイル909、ラブラファク、ラブラフィル、ペセオール、トランスクトール、カプムルMCM、カプムルPG-12、カプテックス355、ゲルシレ、ビタミンE TGPS、もしくは他の許容される乳化剤、及び/またはg)本化合物の吸収を強化する薬剤、例えば、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-シクロデキストリン、PEG400、PEG200を含む錠剤及びゼラチンカプセル剤である。
【0181】
液体、特に注入可能な組成物は、例えば、溶解、分散などによって調製することができる。例えば、開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなどの医薬的に許容される溶媒中に溶解されるか、またはそれと混合されて、それにより、注入可能な等張溶液または懸濁液を形成する。アルブミン、カイロミクロン粒子、または血清タンパク質などのタンパク質を使用して、開示される化合物を可溶化することができる。
【0182】
開示される化合物はまた、担体としてプロピルレングリコールなどのポリアルキレングリコールを使用して、脂肪乳剤または懸濁液から調製することができる坐剤としても製剤化することができる。
【0183】
開示される化合物はまた、小単層ベシクル、大単層ベシクル、及び多層ベシクルなどのリポソーム送達系の形態でも投与することができる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンを含有する様々なリン脂質から形成され得る。いくつかの実施形態では、脂質成分の膜は、例えば、米国特許第5,262,564号(その内容は参照として本明細書に組み込まれる)に記載されるように、薬物水溶液で水和されて、その薬物を封入する脂質層を形成する。
【0184】
開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体はまた、開示される化合物が結合している個別の担体としてのモノクローナル抗体の使用によっても送達することができる。開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体はまた、標的化可能な薬物担体として可溶性ポリマーとも結合することができる。そのようなポリマーには、パルミトイル残基で置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパンアミドフェノール、またはポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、開示される化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに結合することができる。一実施形態では、開示される化合物は、ポリマー、例えば、ポリカルボン酸ポリマー、またはポリアクリレートに共有結合されない。
【0185】
注入可能物の非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内、または静脈内注入及び輸注に使用される。注入可能物は、液体溶液もしくは懸濁液のいずれかとしての従来の形態で、または注入前に液体中に溶解させるのに好適な固体形態で調製することができる。
【0186】
本開示の別の態様は、本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。この医薬的に許容される担体は、賦形剤、希釈剤、または界面活性剤をさらに含み得る。
【0187】
組成物は、それぞれ、従来の混合、造粒、または被覆方法に従って調製することができ、本医薬組成物は、重量または体積で、約0.1%~約99%、約5%~約90%、または約1%~約20%の開示される化合物を含有し得る。
【0188】
開示される化合物を利用する投薬量レジメンは、患者の種類、種、年齢、体重、性別、及び医学的状態、治療される状態の重症度、投与経路、患者の腎機能または肝機能、ならびに用いられる特定の開示される化合物を含む様々な要因に従って選択される。当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医であれば、その状態を予防するか、それに対抗するか、その進行を停止させるのに必要とされる有効量の薬物を容易に決定及び処方することができる。
【0189】
有効投薬量の開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体は、指示された効果のために使用される場合、その状態を治療するのに必要とされる約0.5mg~約5000mgの範囲である。インビボまたはインビトロでの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、もしくは5000mg、またはこの用量リスト内のある量から別の量までの範囲内の開示される化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を含有し得る。一実施形態では、この組成物は、割線入りであり得る錠剤の形態である。
【0190】
併用療法
本開示の方法は、単独で、または1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)と組み合わせて使用される本開示の化合物を含み得る。併用療法は、例えば、2つの療法を組み合わせ得るか、または3つ以上の療法(例えば、3つの治療剤の三重療法)を組み合わせることができる。1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)の投薬量は、単独で投与される場合、標準的な投薬量から減らされ得る。例えば、用量は、薬物の組み合わせ及び順列から経験的に決定され得るか、またはアイソボログラフィー分析によって推定され得る(例えば、Black et al.,Neurology 65:S3-S6(2005))。
【0191】
本開示の化合物は、そのような1つ以上の追加の療法の前、後、またはそれと同時に投与し得る。組み合わせた場合、本発明の化合物の投薬量及び1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)の投薬量は、治療効果(例えば、相乗的または相加的治療効果)を提供する。本発明の化合物及び追加の療法、例えば抗がん剤は、単一の医薬組成物中に一緒に、または別個に投与され得、別個に投与される場合、同時にまたは連続して投与され得る。このような連続投与は、投与間隔が短くても離れていてもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、追加の療法は、副作用制限剤(例えば、治療の副作用の発生または重症度を軽減するよう意図された薬剤)の投与である。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の化合物はまた、悪心を治療する治療剤と組み合わせて使用することもできる。悪心を治療するために使用することができる薬剤の例には、ドロナビノール、グラニセトロン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、及びプロクロルペラジン、またはそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。
【0193】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、非薬物治療(例えば、外科手術または放射線療法)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、もしくオートファジー阻害剤である化合物または生物学的製剤)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、非薬物治療(例えば、外科手術または放射線療法)及び治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、もしくオートファジー阻害剤である化合物または生物学的製剤)を含む。他の実施形態では、1つ以上の追加の療法は、2つの治療剤を含む。さらに他の実施形態では、1つ以上の追加の療法は、3つの治療剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、4つ以上の治療剤を含む。
【0194】
非薬物療法
非薬物治療の例には、放射線療法、凍結療法、温熱療法、外科手術(例えば、腫瘍組織の外科的切除)、及びT細胞養子移入(ACT)療法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、外科手術後の補助療法として使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、外科手術前の術前補助療法として使用され得る。
【0196】
放射線療法は、対象(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト))において、異常な細胞増殖を阻害するため、またはがんなどの過剰増殖性障害を治療するために使用され得る。放射線療法を投与するための技術は、当該技術分野で既知である。放射線療法は、いくつかの方法のうちの1つ、または方法の組み合わせによって投与することができ、これらの方法には、外部ビーム療法、内部放射線療法、インプラント放射線、定位放射線手術、全身放射線療法、放射線療法、及び永続的または一時的な間質性近接照射療法が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「近接照射療法」という用語は、腫瘍もしくは他の増殖性組織疾患部位で、またはその近辺で体内に挿入された空間的に閉じ込められた放射性物質によって送達される放射線療法を指す。この用語は、これらに限定されるものではないが、放射性同位元素(例えば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-188、Sm-153、Bi-212、P-32、及びLuの放射性同位体)への曝露を含むことを意図している。本発明の細胞調整剤として使用するのに好適な放射線源には、固体及び液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、固体源としてのI-125、I-131、Yb-169、Ir-192、固体源としてのI-125などの放射性核種、または、光子、ベータ粒子、ガンマ線、もしくは他の治療光線を放出する他の放射性核種であり得る。放射性物質はまた、放射性核種(複数可)の任意の溶液、例えば、I-125もしくはI-131の溶液から作製された流体であり得るか、または放射性流体は、Au-198もしくはY-90などの固体の放射性核種の小さな粒子を含有する好適な流体のスラリーを使用して生成され得る。さらに、放射性核種(複数可)は、ゲルまたは放射性ミクロスフェアで具体化することができる。
【0197】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、異常な細胞を、そのような細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害する目的の放射線治療に対してより感受性にすることができる。したがって、本発明は、哺乳動物の異常細胞を放射線治療に対して感作させる方法にさらに関し、この方法は、異常細胞を放射線治療に対して感作させるのに有効な量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む。この方法における化合物の量は、本明細書に記載のそのような化合物の有効量を確認するための手段に従って決定することができる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、放射線療法後の補助療法として、または放射線療法前の術前補助療法として使用され得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、非薬物治療は、T細胞養子移入(ACT)療法である。いくつかの実施形態では、T細胞は、活性化T細胞である。T細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように改変され得る。CAR改変T(CAR-T)細胞は、当該技術分野で既知の任意の方法によって生成することができる。例えば、CAR-T細胞は、CARをコードする好適な発現ベクターをT細胞に導入することによって生成することができる。T細胞の増殖及び遺伝子改変前に、T細胞源を対象から得る。T細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍を含むいくつかの源から得ることができる。本発明の特定の実施形態では、当該技術分野で入手可能な任意の数のT細胞株が使用され得る。いくつかの実施形態では、T細胞は、自家T細胞である。望ましいタンパク質(例えば、CAR)を発現するためのT細胞の遺伝子改変前または後にかかわらず、T細胞は、一般に、例えば、米国特許第6,352,694号、同第6,534,055号、同第6,905,680号、同第6,692,964号、同第5,858,358号、同第6,887,466号、同第6,905,681号、同第7,144,575号、同第7,067,318号、同第7,172,869号、同第7,232,566号、同第7,175,843号、同第7,572,631号、同第5,883,223号、同第6,905,874号、同第6,797,514号、及び同第6,867,041号に記載の方法を使用して、活性化及び増殖することができる。
【0199】
治療剤
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状の治療に使用される化合物であり得る。
【0200】
例えば、治療剤は、ステロイドであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、ステロイドを含む。好適なステロイドは、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチル、フルコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、及びそれらの塩または誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0201】
本開示の化合物との併用療法に使用され得る治療剤のさらなる例には、以下の特許:米国特許第6,258,812号、同第6,630,500号、同第6,515,004号、同第6,713,485号、同第5,521,184号、同第5,770,599号、同第5,747,498号、同第5,990,141号、同第6,235,764号、及び同第8,623,885号、ならびに国際特許出願第WO01/37820号、同第WO01/32651号、同第WO02/68406号、同第WO02/66470号、同第WO02/55501号、同第WO04/05279号、同第WO04/07481号、同第WO04/07458号、同第WO04/09784号、同第WO02/59110号、同第WO99/45009号、同第WO00/59509号、同第WO99/61422号、同第WO00/12089号、及び同第WO00/02871号に記載の化合物が挙げられる。
【0202】
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状の治療に使用される生物学的製剤(例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロンまたはIL-2などのインターロイキン))であり得る。いくつかの実施形態では、生物学的製剤は、免疫グロブリン系の生物学的製剤、例えば、モノクローナル抗体(例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fc融合タンパク質、またはそれらの機能的断片)であり、これは標的に苦痛を与えて抗がん応答を刺激するか、またはがんにとって重要な抗原に拮抗する。また、抗体-薬物コンジュゲートも含まれる。
【0203】
治療剤は、チェックポイント阻害剤であり得る。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、阻害性抗体(例えば、モノクローナル抗体などの単一特異性抗体)である。抗体は、例えば、ヒト化または完全ヒト抗体であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、融合タンパク質、例えば、Fc受容体融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質と相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4(例えば、抗CTLA-4抗体または融合タンパク質)の阻害剤(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-2(例えば、PDL-2/Ig融合タンパク質)の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体またはFc融合もしくは小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはそれらの組み合わせの阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、PDR001(NVS)、REGN2810(Sanofi/Regeneron)、PD-L1抗体、例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ピジリズマブ、JNJ-63723283(JNJ)、BGB-A317(BeiGene&Celgene)、またはPreusser,M.et al.(2015)Nat.Rev.Neurol.に開示されているチェックポイント阻害剤であり、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、AMP224、AMP514/MEDI0680、BMS936559、MEDl4736、MPDL3280A、MSB0010718C、BMS986016、IMP321、リリルマブ、IPH2101、1-7F9、及びKW-6002が挙げられるが、これらに限定されない。
【0204】
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状を治療する薬剤(例えば、細胞毒性剤、非ペプチド小分子、またはがんもしくはそれに関連する症状の治療に有用な他の化合物、総称して「抗がん剤」)であり得る。抗がん剤は、例えば、化学療法剤または標的療法剤であり得る。
【0205】
抗がん剤には、有糸分裂阻害剤、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞サイクル阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答改変剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体及び関連阻害剤、ビンカアルカロイド、エピポドピロトキシン、抗生物質、L-アスパラギナーゼ、トポイソメラーゼ阻害剤、インターフェロン、プラチナ配位複合体、アントラセンジオン置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン、アンドロゲン、抗アンドロゲン、及びゴナドトロピン放出ホルモン類似体が挙げられる。さらなる抗がん剤としては、ロイコボリン(LV)、イレノテカン、オキサリプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、及びドキセタキセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、2つ以上の抗がん剤を含む。2つ以上の抗がん剤は、組み合わせて投与されるか、または別個に投与されるカクテルに使用することができる。組み合わせ抗がん剤の好適な投与レジメンは、当該技術分野で既知であり、例えば、Saltz et al.,Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.18:233a(1999)、及びDouillard et al.,Lancet 355(9209):1041-1047(2000)に記載されている。
【0206】
抗がん剤の他の非限定的な例には、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ);Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);Casodex(ビカルタミド);Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ);アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチルアメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチローロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(例えば、合成類似体トポテカン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(例えば、そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びバイゼレシン合成類似体);クリプトフィシン(具体的には、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(例えば、合成類似体KW-2189及びCB1-TM1);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチインA;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カムルスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、例えば、カリケアマイシンガンマll及びカリケアマイシンオメガll(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed Engl.33:183-186(1994)を参照);ダイネミシンAなどのダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;ネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、デオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの抗代謝物;デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロンBなどのエポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン、マイタンシン及びアンサミトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;T-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA、及びアングイジンなどのトリコテセン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、Abraxane(登録商標)(発色団不含、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤)、及びTaxotere(登録商標)(ドキセタキセル(doxetaxel));クロランブシル;タモキシフェン(Nolvadex(商標));ラロキシフェン;アロマターゼ阻害化4(5)-イミダゾール;4-ヒドロキシタモキシフェン;トリオキシフェン;ケオキシフェン;LY 117018;オナプリストン;トレミフェン(Fareston(登録商標));フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン;クロラムブシル;Gemzar(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;Navelbine(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;エスペラミシン;カペシタビン(例えば、Xeloda(登録商標));ならびに上記のうちのいずれかの医薬的に許容される塩が挙げられる。
【0207】
抗がん剤の追加の非限定的な例には、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、ABVD、アビシン、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗腫瘍薬(例えば、細胞サイクル非特異的抗腫瘍薬、及び本明細書に記載の他の抗腫瘍薬)、抗腫瘍性ハーブ、アパジクオン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリキュリン、ジクロロ酢酸、ジスコーダモリド、エルサミトル、エノシタビン、エリブリン、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、フォスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール、ラロタキセル、レナリドマイド、ルカントン、ルルトテカン、マフォスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スウェインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、及びゾスキダルが挙げられる。
【0208】
抗がん剤のさらなる非限定的な例には、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、エピジポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、L-アスパラギンを全身的に代謝し、独自のアスパラギンを合成する能力を有しない細胞を奪うL-アスパラギナーゼ)、抗血小板剤、窒素マスタードなどの抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、ならびにクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラアミン及びチオテパ)、CDK阻害剤(例えば、リボシクリブ、アベマシクリブ、またはパルボシクリブなどのCDK4/6阻害剤)、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ダイナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB286638、及びSCH727965)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロ尿素(例えば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、ならびにストレプトゾシン)、トラゼネス-ダカルバジニン(DTIC)、葉酸類似体、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体などの抗増殖性/抗有糸分裂性代謝物及び関連阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、及び白金配位複合体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、スベロイルアニリドヒドロアミック酸、ボリノスタット、LBH 589、ロミデプシン、ACY-1215、及びパノビノスタット)、mTOR阻害剤(例えば、ビストセルチブ、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えば、Array 520)、DNA結合剤(例えば、Zalypsis(登録商標))、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS-1101及びTGR-1202)などのPI3K阻害剤、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(例えば、CAL-130)、コパンリシブ、アルペリシブ、及びイデラリシブ;マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えば、エストロゲン)、及びロイチン化ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド、及びトリプトレリン)などのホルモンアゴニスト、BAFF中和抗体(例えば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(例えば、CNT0328)、テロメラーゼ阻害剤(例えば、GRN 163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX-CD38))、抗CS1(例えば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17 AAG及びKOS953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリホシン)、Akt阻害剤(例えば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(例えば、エンザスタウリン)、FTI(例えば、Zarnestra(商標))、抗CD138(例えば、BT062)、Torcl/2特異的キナーゼ阻害剤(例えば、INK128)、ER/UPR標的化剤(例えば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(例えば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(例えば、CYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ及びベリパリブ(ABT-888))、及びBCL-2アンタゴニストなどの天然物が挙げられる。
【0209】
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、Navelbine(登録商標)、ソラフェニブ、または前述のものの任意の類似体または誘導体バリアントから選択される。
【0210】
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、ALK阻害剤である。ALK阻害剤の非限定的な例としては、セリチニブ、TAE-684(NVP-TAE694)、PF02341066(クリゾチニブまたは1066)、アレクチニブ、ブリガチニブ、エヌトレクチニブ、エンサルチニブ(X-396)、ロルラチニブ、ASP3026、CEP-37440、4SC-203、TL-398、PLB1003、TSR-011、CT-707、TPX-0005、及びAP26113が挙げられる。ALKキナーゼ阻害剤の追加の例は、WO05016894の実施例3~39に記載されている。
【0211】
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)/増殖因子受容体の下流のメンバーの阻害剤(例えば、SHP2阻害剤(例えば、SHP099、TNO155、RMC-4550、RMC-4630、JAB-3068、RLY-1971、JAB-3312、BBP-398、ERAS-601、SH3809、PF-07284892、ICP-189)、別のSOS1阻害剤(例えば、BI-1701963)、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、またはmTOR阻害剤(例えば、mTORC1阻害剤もしくはmTORC2阻害剤)である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、JAB-3312である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、Ras阻害剤(例えば、AMG 510、MRTX1257、LY349946、MRTX849、ARS-3248(JNJ-74699157)、MRTX1133、ARS-853、BPI-421286、LY3537982、JDQ443、JAB-21000、RMC-6291、RMC-6236、GDC-6036、MRTX1133、JAB-22000、JAB-23000、もしくはARS-1620、またはWO2020/132597、WO2021/091956、WO2021/091982、WO2021/091967に記載のRas阻害剤などの本明細書に記載の他のRas阻害剤)、もしくはRasワクチンであるか、またはRasの発がん活性を直接的もしくは間接的に低下させるように設計された別の治療法である。
【0212】
いくつかの実施形態では、Rasタンパク質は、野生型である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、RasWT(例えば、K-RasWT、H-RasWT、またはN-RasWT)を含むがんを有する患者を治療する方法で用いられる。いくつかの実施形態では、Rasタンパク質は、Ras増幅(例えば、K-Rasamp)である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、Rasamp(例えば、K-Rasamp、H-Rasamp、またはN-Rasamp)を含むがんを有する患者を治療する方法で用いられる。いくつかの実施形態では、がんは、Ras変異(RasMUT)を含む。いくつかの実施形態では、変異は、以下から選択される。
(a)以下のK-Ras変異体:G12D、G12V、G12C、G13D、G12R、G12A、Q61H、G12S、A146T、G13C、Q61L、Q61R、K117N、A146V、G12F、Q61K、L19F、Q22K、V14I、A59T、A146P、G13R、G12L、もしくはG13V、及びそれらの組み合わせ;
(b)以下のH-Ras変異体:Q61R、G13R、Q61K、G12S、Q61L、G12D、G13V、G13D、G12C、K117N、A59T、G12V、G13C、Q61H、G13S、A18V、D119N、G13N、A146T、A66T、G12A、A146V、G12N、もしくはG12R、及びそれらの組み合わせ;ならびに
(c)以下のN-Ras変異体:Q61R、Q61K、G12D、Q61L、Q61H、G13R、G13D、G12S、G12C、G12V、G12A、G13V、G12R、P185S、G13C、A146T、G60E、Q61P、A59D、E132K、E49K、T50I、A146V、もしくはA59T、及びそれらの組み合わせ;
または前述したもののいずれかの組み合わせ(例えば、K-Ras G12C及びK-Ras G13Cの両方)。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V及びG13Vからなる群から選択されるRas変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V、及びG13Vからなる群から選択される少なくとも2つのRas変異を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、がんは、NF1LOF変異を含む。本明細書における方法のいくつかの実施形態では、がんは、RasMUTを含み、本発明の化合物は、例えば、それを必要とする患者に、追加の治療剤、例えば、本明細書に記載のMEK阻害剤などのMEK阻害剤と組み合わせて投与される。本明細書における方法のいくつかの実施形態では、がんは結腸直腸がんであり、本発明の化合物は、例えば、それを必要とする患者に、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン)などの追加の治療剤と組み合わせて投与される。本明細書における方法のいくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺がんであり、本発明の化合物は、例えば、それを必要とする患者に、追加の治療剤、例えば、本明細書に記載のMEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)などのMEK阻害剤と組み合わせて投与される。本明細書における方法のいくつかの実施形態では、がんは、非小細胞肺がんまたは結腸直腸がんであり、本発明の化合物は、例えば、それを必要とする患者に、本明細書に記載のRas阻害剤(例えば、AMG 510、MRTX1257、LY349946、MRTX849、ARS-3248(JNJ-74699157)、MRTX1133、ARS-853、BPI-421286、LY3537982、JDQ443、JAB-21000、RMC-6291、RMC-6236、GDC-6036、MRTX1133、JAB-22000、JAB-23000、またはARS-1620)などのRas阻害剤と組み合わせて投与される。
【0214】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物と組み合わせ得る治療剤は、MAPキナーゼ(MAPK)経路の阻害剤(または「MAPK阻害剤」)である。MAPK阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のMAPK阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、MAPK阻害剤は、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、LErafAON(NeoPharm)、ISIS 5132、ベムラフェニブ、ピマセルチブ、TAK733、RO4987655(CH4987655)、CI-1040、PD-0325901、CH5126766、MAP855、AZD6244、レファメチニブ(RDEA 119/BAY 86-9766)、GDC-0973/XL581、AZD8330(ARRY-424704/ARRY-704)、RO5126766(Roche、PLoS One.2014 Nov 25;9(11)に記載)、及びGSK1120212(またはJTP-74057、Clin Cancer Res.2011 Mar 1;17(5):989-1000に記載)のうちの1つ以上から選択され得る。
【0215】
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS-RAF-ERKまたはPI3K-AKT-TORまたはPI3K-AKTシグナル伝達経路の破壊因子または阻害剤である。PI3K/AKT阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のPI3K/AKT阻害剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、PI3K/AKT阻害剤は、NVP-BEZ235、BGT226、XL765/SAR245409、SF1126、GDC-0980、PI-103、PF-04691502、PKI-587、GSK2126458のうちの1つ以上から選択され得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、PD-1またはPD-L1アンタゴニストである。
【0217】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤には、EGFR阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、MCL-1阻害剤、BCL-2阻害剤、SHP2阻害剤、プロテアソーム阻害剤、及び免疫療法が挙げられる。
【0218】
IGF-1R阻害剤には、リンシチニブ、またはその医薬的に許容される塩が挙げられる。
【0219】
EGFR阻害剤には、小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、または特定のアンチセンスヌクレオチドもしくはsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。EGFRの有用な抗体阻害剤には、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブが挙げられる。さらなる抗体ベースのEGFR阻害剤には、その天然リガンドによるEGFR活性化を部分的または完全に遮断することができる任意の抗EGFR抗体または抗体断片が挙げられる。抗体ベースのEGFR阻害剤の非限定的な例には、Modjtahedi et al.,Br.J.Cancer 1993,67:247-253、Teramoto et al.,Cancer,1996,77:639-645、Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1995,1:1311-1318、Huang et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935-40、及びYang et al.,Cancer Res.1999,59:1236-1243に記載のものが挙げられる。EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(上記Yang,1999)、もしくはMab C225(ATCC受託番号HB-8508)、またはそれらの結合特異性を有する抗体もしくは抗体断片であり得る。
【0220】
EGFRの小分子アンタゴニストには、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、及びラパチニブ(TykerB(登録商標))が挙げられる。例えば、Yan et al.,Pharmacogenetics及びPharmacogenomics In Oncology Therapeutic Antibody Development,BioTechniques 2005,39(4):565-8、及びPaez et al.,EGFR Mutations In Lung Cancer Correlation With Clinical Response To Gefitinib Therapy,Science 2004,304(5676):1497-500を参照されたい。小分子EGFR阻害剤のさらなる非限定的な例としては、以下の特許出版物:EP0520722、EP0566226、WO96/33980、米国特許第5,747,498号、WO96/30347、EP0787772、WO97/30034、WO97/30044、WO97/38994、WO97/49688、EP837063、WO98/02434、WO97/38983、WO95/19774、WO95/19970、WO97/13771、WO98/02437、WO98/02438、WO97/32881、DE19629652、WO98/33798、WO97/32880、WO97/32880、EP682027、WO97/02266、WO97/27199、WO98/07726、WO97/34895、WO96/31510、WO98/14449、WO98/14450、WO98/14451、WO95/09847、WO97/19065、WO98/17662、米国特許第5,789,427号、米国特許第5,650,415号、米国特許第5,656,643号、WO99/35146、WO99/35132、WO99/07701、及びWO92/20642に記載のEGFR阻害剤のうちのいずれか、ならびにそのようなEGFR阻害剤のすべての医薬的に許容される塩が挙げられる。小分子EGFR阻害剤のさらなる非限定的な例としては、Traxler et al.,Exp.Opin.Ther.Patents 1998,8(12):1599-1625に記載のEGFR阻害剤のうちのいずれかが挙げられる。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、オシメルチニブである。
【0221】
MEK阻害剤には、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ(Cotellic(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、及びビニメチニブ(Mektovi(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、D67N、P124L、P124S、及びL177Vから選択されるクラスI MEK1変異であるMEK変異を標的とする。いくつかの実施形態では、MEK変異は、ΔE51-Q58、ΔF53-Q58、E203K、L177M、C121S、F53L、K57E、Q56P、及びK57Nから選択されるクラスII MEK1変異である。
【0222】
PI3K阻害剤には、ワートマニン、WO06/044453に記載の17-ヒドロキシワートマニン類似体、4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(ピクチリシブまたはGDC-0941としても既知であり、WO09/036082及びWO09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ 235またはNVP-BEZ 235としても既知であり、WO06/122806に記載されている)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(WO08/070740に記載)、LY294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、PI 103塩酸塩(3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノール塩酸塩(Axon Medchemから入手可能)、PIK 75(2-メチル-5-ニトロ-2-[(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-1-メチルヒドラジド-ベンゼンスルホン酸、一塩酸塩)(Axon Medchemから入手可能)、PIK 90(N-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチンアミド(Axon Medchemから入手可能)、AS-252424(5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メタ-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン(Axon Medchemから入手可能)、TGX-221(7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリニジン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、XL-765、及びXL-147が挙げられるが、これらに限定されない。他のPI3K阻害剤としては、デメトキシビリジン、ペリホシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、Palomid 529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TGI 00-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136が挙げられる。
【0223】
AKT阻害剤には、Akt-1-1(Aktlを阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408)、Akt-1-1,2(Akl及び2を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408)、API-59CJ-Ome(例えば、Jin et al.,Br.J.Cancer 2004,91:1808-12)、1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(例えば、WO05/011700)、インドール-3-カルビノール及びその誘導体(例えば、米国特許第6,656,963号、Sarkar and Li J Nutr.2004,134(12 Suppl):3493S-3498S)、ペリホシン(例えば、Akt膜の局在化を妨げる、Dasmahapatra et al.Clin.Cancer Res.2004,10(15):5242-52)、ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(例えば、Gills and Dennis Expert.Opin.Investig.Drugs 2004,13:787-97)、及びトリシリビン(TCNまたはAPI-2またはNCI識別子:NSC 154020、Yang et al.,Cancer Res.2004,64:4394-9)が挙げられるが、これらに限定されない
【0224】
mTOR阻害剤には、ATP競合的mTORC1/mTORC2阻害剤、例えば、PI-103、PP242、PP30;Torin 1;FKBP12増強剤;4H-1-ベンゾピラン-4-オン誘導体;ならびにラパマイシン(シロリムスとしても既知)及びその誘導体、例えば、テムシロリムス(Torisel(登録商標));エベロリムス(Afinitor(登録商標)、WO94/09010);リダフォロリムス(デフォロリムスまたはAP23573としても既知);ラパログ、例えば、WO98/02441及びWO01/14387に開示されているようなもの、例えば、AP23464及びAP23841;40-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン;40-[3-ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)メチルプロパノエート]-ラパマイシン(CC1779としても既知);40-エピ-(テトラゾライト)-ラパマイシン(ABT578とも称される);32-デオキソラパマイシン;16-ペンチニルオキシ-32(S)-ジヒドロラパニシン;WO05/005434に開示されている誘導体;米国特許第5,258,389号、同第5,118,677号、同第5,118,678号、同第5,100,883号、同第5,151,413号、同第5,120,842号、及び同第5,256,790号、ならびにWO94/090101、WO92/05179、WO93/111130、WO94/02136、WO94/02485、WO95/14023、WO94/02136、WO95/16691、WO96/41807、WO96/41807、及びWO2018204416に開示されている誘導体、ならびにリン含有ラパマイシン誘導体(例えば、WO05/016252)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、二立体阻害剤(例えば、WO2018204416、WO2019212990、及びWO2019212991を参照)、例えば、RMC-5552である。
【0225】
本発明の化合物と組み合わせて使用され得るBRAF阻害剤には、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、及びエンコラフェニブが挙げられる。BRAFは、クラス3 BRAF変異を含み得る。いくつかの実施形態では、クラス3 BRAF変異は、ヒトBRAFにおける以下のアミノ酸置換:D287H、P367R、V459L、G466V、G466E、G466A、S467L、G469E、N581S、N581I、D594N、D594G、D594A、D594H、F595L、G596D、G596R、及びA762Eのうちの1つ以上から選択される。
【0226】
MCL-1阻害剤には、AMG-176、MIK665、及びS63845が挙げられるが、これらに限定されない。骨髄性細胞白血病-1(MCL-1)タンパク質は、B細胞リンパ腫-2(BCL-2)タンパク質ファミリーの主要な抗アポトーシスメンバーの1つである。MCL-1の過剰発現は、腫瘍の進行、ならびに従来の化学療法に対してだけでなく、ABT-263などのBCL-2阻害剤を含む標的治療薬に対する耐性と密接に関連している。
【0227】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、SHP2阻害剤である。SHP2は、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンホスファターゼであり、増殖、分化、細胞周期の維持、及び移動などの複数の細胞機能に寄与する。SHP2は、2つのN末端Src相同性2ドメイン(N-SH2及びC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、及びC末端テールを有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在及び機能調節を制御する。この分子は、N-SH2ドメイン及びPTPドメインの両方からの残基に関与する結合ネットワークによって安定化された、不活性な自己阻害型コンフォメーションで存在する。例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を介して作用するサイトカインまたは増殖因子による刺激は、触媒部位の曝露につながり、SHP2の酵素的活性化をもたらす。
【0228】
SHP2は、RASマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、JAK-STAT、またはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介したシグナル伝達に関与する。PTPN11遺伝子の変異及びその後のSHP2の変異は、ヌーナン症候群及びレオパード症候群などのいくつかのヒト発達疾患、ならびに若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、ならびに乳房、肺、及び結腸のがんなどのヒトのがんにおいて特定されている。これらの変異のいくつかは、SHP2の自己阻害型コンフォメーションを不安定化し、SHP2の自己活性化または強化された増殖因子駆動活性化を促進する。したがって、SHP2は、がんを含む様々な疾患の治療のための新規療法の開発にとって非常に魅力的な標的である。RAS経路阻害剤(例えば、MEK阻害剤)と組み合わせたSHP2阻害剤(例えば、RMC-4550またはSHP099)は、インビトロで複数のがん細胞株(例えば、膵臓がん、肺がん、卵巣がん、及び乳がん)の増殖を阻害することが示されている。したがって、SHP2阻害剤及びRAS経路阻害剤を併用する併用療法は、広範囲の悪性腫瘍における腫瘍抵抗性を予防するための一般的な戦略となり得、SOS1阻害剤を含む三重併用阻害剤の基礎を形成し得る。
【0229】
当該技術分野で既知であるそのようなSHP2阻害剤の非限定的な例には、以下:Chen et al.Mol Pharmacol.2006,70,562、Sarver et al.,J.Med.Chem.2017,62,1793、Xie et al.,J.Med.Chem.2017,60,113734、及びIgbe et al.,Oncotarget,2017,8,113734、ならびにPCT出願:WO2005094314、WO2007117699、WO2008124815、WO2009049098、WO2009135000、WO2010011666、WO2010121212、WO2011022440、WO2012041524、WO2014113584、WO2014176488、WO2015003094、WO2015107493、WO2015107494、WO2015107495、WO2016191328、WO2016196591、WO2016203404、WO2016203405、WO2016203406、WO2017078499、WO2017079723、WO2017100279、WO2017156397、WO2017210134、WO2017211303、WO2018013597、WO2018057884、WO2018081091、WO2018129402、WO2018130928、WO2018136264、WO2018136265、WO2018160731、WO2018172984、WO2018218133、WO2019051469、WO2019051084、WO2019067843、WO2019152454、WO2019158019、WO2019165073、WO2019167000、WO2019182960、WO2019183364、WO2019183367、WO2019213318、WO2019233810、WO2020022323、WO2020033286、WO2020033828、WO2020061101、WO2020061103、WO2020063760、WO2020072656、WO2020073945、WO2020073949、WO2020081848、US20110281942、US20160030594及びUS8637684が挙げられ、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0230】
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、活性部位に結合する。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、混合型の不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、アロステリック部位、例えば、非共有結合アロステリック阻害剤に結合する。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、ホスファターゼの活性部位の外側にあるシステイン残基(C333)を標的とする阻害剤などの共有結合SHP2阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、SHP099である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、TNO155である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RMC-4550である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RMC-4630である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、JAB-3068である。
【0231】
プロテアソーム阻害剤には、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、及びオプロゾミブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0232】
免疫療法には、モノクローナル抗体、免疫調節イミド(IMiD)、GITRアゴニスト、遺伝子操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)、二重特異性抗体(例えば、BiTE)、ならびに抗PD-1、抗PDL-1、抗CTLA4、抗LAG1、及び抗OX40剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0233】
免疫調節剤(IMiD)は、イミド基を含有する免疫調節薬物(免疫応答を調整する薬物)のクラスである。IMiDクラスには、サリドマイド及びその類似体(レナリドマイド、ポマリドマイド、及びアプレミラスト)が含まれる。
【0234】
抗PD-1抗体及びそれらを使用するための方法は、Goldberg et al.,Blood 2007,110(1):186-192、Thompson et al.,Clin.Cancer Res.2007,13(6):1757-1761、及びWO06/121168(A1)、ならびに本明細書の他の場所に記載されている。
【0235】
GITRアゴニストには、GITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)、例えば、米国特許第6,111,090号、米国特許第8,586,023号、WO2010/003118、及びWO2011/090754に記載のGITR融合タンパク質、または、例えば、米国特許第7,025,962号、EP1947183、米国特許第7,812,135号、米国特許第8,388,967号、米国特許第8,591,886号、米国特許第7,618,632号、EP1866339、ならびにWO2011/028683、WO2013/039954、WO05/007190、WO07/133822、WO05/055808、WO99/40196、WO01/03720、WO99/20758、WO06/083289、WO05/115451、及びWO2011/051726に記載の抗GITR抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0236】
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤には、インビトロで合成的に調製された化学組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種、ならびにそれらの組み合わせ及びコンジュゲートが挙げられるが、これらに限定されない。抗血管新生剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節剤、毒素であり得るか、またはより一般的には、その標的を阻害もしくは刺激するように作用(例えば、受容体または酵素の活性化または阻害)し、それによって細胞死を促進するか、または細胞増殖を停止させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗血管新生剤を含む。
【0237】
抗血管新生剤は、MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックス-メタロプロチエナーゼ9)阻害剤、及びCOX-II(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤であり得る。抗血管新生剤の非限定的な例には、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブが挙げられる。有用なCOX-II阻害剤の例には、アレコキシブ、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172、WO96/27583、WO98/07697、WO98/03516、WO98/34918、WO98/34915、WO98/33768、WO98/30566、WO90/05719、WO99/52910、WO99/52889、WO99/29667、WO99007675、EP0606046、EP0780386、EP1786785、EP1181017、EP0818442、EP1004578、及びUS20090012085、ならびに米国特許第5,863,949号、及び同第5,861,510号に記載されている。好ましいMMP-2及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性がほとんどまたはまったくないものである。より好ましいのは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)と比較して、MMP-2またはAMP-9を選択的に阻害するものである。MMP阻害剤のいくつかの特定の例は、AG-3340、RO 32-3555、及びRS 13-0830である。
【0238】
さらなる例示的な抗血管新生剤には、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体及び抗原結合領域)、抗VEGF剤(例えば、VEGF、またはそれらの可溶性VEGF受容体もしくはリガンド結合領域に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域)、例えば、VEGF-TRAP(商標)、及び抗VEGF受容体剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、例えば、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、抗Ang1及び抗Ang2剤(例えば、それらもしくはそれらの受容体、例えば、Tie2/Tekに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。他の抗血管新生剤としては、Campath、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(US2003/0162712;US6,413,932)、抗TWEAK剤(例えば、特異的結合抗体もしくは抗原結合領域、または可溶性TWEAK受容体アンタゴニスト;US6,727,225を参照)、そのリガンドへのインテグリンの結合に拮抗するADAMディスインテグリンドメイン(US2002/0042368)、特異的結合抗eph受容体もしくは抗エフリン抗体または抗原結合領域(米国特許第5,981,245号、同第5,728,813号、同第5,969,110号、同第6,596,852号、同第6,232,447号、同第6,057,124号、及びその特許ファミリーメンバー)、及び抗PDGF-BBアンタゴニスト(例えば、特異的結合抗体または抗原結合領域)ならびにPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体または抗原結合領域、ならびにPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。追加の抗血管新生剤としては、SD-7784(Pfizer,USA);シレンジタイド(Merck KGaA,Germany,EPO 0770622);ペガプタニブオクタナトリウム(Gilead Sciences,USA);Alphastatin(BioActa,UK);M-PGA(Celgene,USA,US 5712291);イロマスタット(Arriva,USA,US5892112);エマキサニブ(Pfizer,USA,US 5792783);バタラニブ(Novartis,Switzerland);2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA);TLC ELL-12(Elan,Ireland);酢酸アネコルタブ(Alcon,USA);α-D148 Mab(Amgen,USA);CEP-7055(Cephalon,USA);抗Vn Mab(Crucell,Netherlands);DAC抗血管新生剤(ConjuChem,Canada);Angiocidin(InKine Pharmaceutical,USA);KM-2550(Kyowa Hakko,Japan);SU-0879(Pfizer,USA);CGP-79787(Novartis,Switzerland,EP 0970070);ARGENTテクノロジー(Ariad,USA);YIGSR-Stealth(Johnson&Johnson,USA);フィブリノゲン-E断片(BioActa,UK);血管新生阻害剤(Trigen,UK);TBC-1635(Encysive Pharmaceuticals,USA);SC-236(Pfizer,USA);ABT-567(Abbott,USA);Metastatin(EntreMed,USA);マスピン(Sosei,Japan);2-メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA);ER-68203-00(IV AX,USA);BeneFin(Lane Labs,USA);Tz-93(Tsumura,Japan);TAN-1120(Takeda,Japan);FR-111142(Fujisawa,Japan,JP 02233610);血小板因子4(RepliGen,USA,EP 407122);血管内皮増殖因子アンタゴニスト(Borean,Denmark);ベバシズマブ(pINN)(Genentech,USA);血管新生阻害剤(SUGEN,USA);XL 784(Exelixis,USA);XL 647(Exelixis,USA);MAb、α5β3インテグリン、第2世代(Applied Molecular Evolution,USA及びMedImmune,USA);塩酸エンザスタウリン(Lilly,USA);CEP 7055(Cephalon,USA及びSanofi-Synthelabo,France);BC 1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy);rBPI 21及びBPI由来抗血管新生剤(XOMA,USA);PI 88(Progen,Australia);シレンジタイド(Merck KGaA,German;Munich Technical University,Germany,Scripps Clinic及びResearch Foundation,USA);AVE 8062(Ajinomoto,Japan);AS 1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand);SG 292、(Telios,USA);エンドスタチン(Boston Children‘s Hospital,USA);ATN 161(Attenuon,USA);2-メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA);ZD 6474、(AstraZeneca,UK);ZD 6126、(Angiogene Pharmaceuticals,UK);PPI 2458、(Praecis,USA);AZD 9935、(AstraZeneca,UK);AZD 2171、(AstraZeneca,UK);バタラニブ(pINN)、(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany);組織因子経路阻害剤、(EntreMed,USA);ペガプタニブ(Pinn)、(Gilead Sciences,USA);キサントリゾール、(Yonsei University,South Korea);ワクチン、遺伝子ベース、VEGF-2、(Scripps Clinic及びResearch Foundation,USA);SPV5.2、(Supratek,Canada);SDX 103、(University of California at San Diego,USA);PX 478、(ProlX,USA);METASTATIN、(EntreMed,USA);トロポニンI、(Harvard University,USA);SU 6668、(SUGEN,USA);OXI 4503、(OXiGENE,USA);o-グアニジン、(Dimensional Pharmaceuticals,USA);モツポラミンC、(British Columbia University,Canada);CDP791、(Celltech Group,UK);アチプリモド(pINN)、(GlaxoSmithKline,UK);E 7820、(Eisai,Japan);CYC 381、(Harvard University,USA);AE 941、(Aeterna,Canada);ワクチン、血管新生剤、(EntreMed,USA);ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子阻害剤、(Dendreon,USA);オグルファニド(pINN)、(Melmotte,USA);HIF-lα阻害剤、(Xenova,UK);CEP 5214、(Cephalon,USA);BAY RES 2622、(Bayer,Germany);Angiocidin、(InKine,USA);A6、(Angstrom,USA);KR 31372、(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea);GW 2286、(GlaxoSmithKline,UK);EHT 0101、(ExonHit,France);CP 868596、(Pfizer,USA);CP 564959、(OSI,USA);CP 547632、(Pfizer,USA);786034、(GlaxoSmithKline,UK);KRN 633、(Kirin Brewery,Japan);薬物送達系、眼内、2-メトキシエストラジオール;アンジネックス(Maastricht University,Netherlands及びMinnesota University,USA);ABT 510(Abbott,USA);AAL 993(Novartis,Switzerland);VEGI(ProteomTech,USA);腫瘍壊死因子-α阻害剤;SU 11248(Pfizer,USA及びSUGEN USA);ABT 518(Abbott,USA);YH16(Yantai Rongchang,China);S-3APG(Boston Childrens Hospital,USA及びEntreMed,USA);MAb、KDR(ImClone Systems,USA);MAb、α5β(Protein Design,USA);KDRキナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK及びJohnson&Johnson,USA);GFB 116(South Florida University,USA及びYale University,USA);CS 706(Sankyo,Japan);コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA);コンドロイチナーゼAC(IBEX,Canada);BAY RES 2690(Bayer,Germany);AGM 1470(Harvard University,USA、Takeda,Japan、及びTAP,USA);AG 13925(Agouron,USA);Tetrathiomolybdate(University of Michigan,USA);GCS 100(Wayne State University,USA);CV 247(Ivy Medical,UK);CKD 732(Chong Kun Dang,South Korea);イルソグラジン、(Nippon Shinyaku,Japan);RG 13577(Aventis,France);WX 360(Wilex,Germany);スクアラミン(Genaera,USA);RPI 4610(Sirna,USA);ヘパラナーゼ阻害剤(InSight,Israel);KL 3106(Kolon,South Korea);Honokiol(Emory University,USA);ZK CDK(Schering AG,Germany);ZK Angio(Schering AG,Germany);ZK 229561(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany);XMP 300(XOMA,USA);VGA 1102(Taisho,Japan);VE-カドヘリン-2アンタゴニスト(ImClone Systems,USA);Vasostatin(National Institutes of Health,USA);Flk-1(ImClone Systems,USA);TZ 93(Tsumura,Japan);TumStatin(Beth Israel Hospital,USA);短縮型可溶性FLT 1(血管内皮増殖因子受容体1)(Me
rck&Co,USA);Tie-2リガンド(Regeneron,USA);ならびにトロンボスポンジン1阻害剤(Allegheny Health,Education及びResearch Foundation,USA)が挙げられる。
【0239】
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤のさらなる例には、肝細胞増殖因子(HGF、スキャッター因子としても既知)のアンタゴニストなどの増殖因子の活性を特異的に結合及び阻害する薬剤(例えば、抗体、抗原結合領域、または可溶性受容体)、ならびにその受容体であるc-Metに特異的に結合する抗体または抗原結合領域が挙げられる。
【0240】
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、オートファジー阻害剤である。オートファジー阻害剤には、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型または1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPの類似体、ならびにアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチンなどのcAMPレベルを上昇させる薬物が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ATG5(オートファジーに関与する)を含むがこれらに限定されないタンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、オートファジー阻害剤を含む。
【0241】
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗悪性腫瘍剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗悪性腫瘍剤を含む。抗悪性腫瘍剤の非限定的な例には、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ancer)、アンセスチム、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM-002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロモデオキシウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスフェート、DA 3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフールの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-NI、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-la、インターフェロンベータ-lb、インターフェロンガンマ、天然型インターフェロンガンマ-la、インターフェロンガンマ-lb、インターロイキン-1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC 9018(Yakult)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストーン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミス対合二重鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規の赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサン、ポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント(rasburiembodiment)、エチドロン酸レニウムRe186、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、甲状腺刺激ホルモンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然型、ウベニメクス、膀胱がんワクチン、丸山ワクチン、黒色腫可溶化液ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチンスチマラマーまたはゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA-B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン-2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA 125MAb(Biomira)、がんMAb(Japan Pharmaceutical Development)、HER-2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131 MAb(Techni clone)、多形上皮性ムチン-イットリウム90 MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX 6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P 30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU 5416(SUGEN)、TA 077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス黒色腫細胞可溶化物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールが挙げられる。
【0242】
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の追加の例には、イピリムマブ(Yervoy(登録商標));トレメリムマブ;ガリキシマブ;ニボルマブ、BMS-936558(Opdivo(登録商標))としても既知;ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標));アベルマブ(Bavencio(登録商標));AMP224;BMS-936559;MPDL3280A、RG7446としても既知;MEDI-570;AMG557;MGA271;IMP321;BMS-663513;PF-05082566;CDX-1127;抗OX40(Providence Health Services);huMAbOX40L;アタシセプト;CP-870893;ルカツムマブ;ダセツズマブ;ムロモナブ-CD3;イピルムマブ;MEDI4736(Imfinzi(登録商標));MSB0010718C;AMP 224;アダリムマブ(Humira(登録商標));アド-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標));アフリベルセプト(Eylea(登録商標));アレムツズマブ(Campath(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標));カナキヌマブ(Ilaris(登録商標));セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標));ダクリズマブ(Zenapax(登録商標));ダラツムマブ(Darzalex(登録商標));デノスマブ(Prolia(登録商標));エクリズマブ(Soliris(登録商標));エファリズマブ(Raptiva(登録商標));ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標));ゴリムマブ(Simponi(登録商標));イブリツモマブチウキセタン(ゼバリン(登録商標));インフリキシマブ(Remicade(登録商標));モタビズマブ(Numax(登録商標));ナタリズマブ(Tysabri(登録商標));オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標));オファツムマブ(Arzerra(登録商標));オマリズマブ(Xolair(登録商標));パリビズマブ(Synagis(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ラニビズマブ(Lucentis(登録商標));ラキシバクマブ(Abthrax(登録商標));トシリズマブ(Actemra(登録商標));トシツモマブ;トシツモマブ-i-131;トシツモマブ及びトシツモマブ-i-131(Bexxar(登録商標));ウステキヌマブ(Stelara(登録商標));AMG 102;AMG 386;AMG 479;AMG 655;AMG 706;AMG 745;及びAMG951が挙げられる。
【0243】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物との併用療法で使用される追加の化合物は、CDK4/6阻害剤(例えば、アベマシクリブ、パルボシクリブ、またはリボシクリブ)、KRAS:GDP G12C阻害剤(例えば、AMG 510、MRTX1257、MRTX849)または他の変異体Ras:GDP阻害剤、KRAS:GTP G12C阻害剤または他の変異体Ras:GTP阻害剤(例えば、WO2020/132597、WO2021/091956、WO2021/091982、WO2021/091967に記載されているRas阻害剤;RMC-6291、またはRMC-6236)、MEK阻害剤(例えば、レファメチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、またはコビメチニブ)、SHP2阻害剤(例えば、TNO155、RMC-4630)、ERK阻害剤、及びRTK阻害剤(例えば、EGFR阻害剤)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、Ras阻害剤、SHP2阻害剤、またはMEK阻害剤と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、併用療法は、SOS1阻害剤、RAS阻害剤及びMEK阻害剤を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物との併用療法で使用される追加の化合物は、ABT-737、AT-7519、カルフィルゾミブ、コビメチニブ、ダヌセルチブ、ダサチニブ、ドキソルビシン、GSK-343、JQ1、MLN-7243、NVP-ADW742、パクリタキセル、パルボシクリブ、及びボラセルチブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物との併用療法で使用される追加の化合物は、ネラチニブ、アセチニブ、及びリバーシンからなる群から選択される。
【0245】
本明細書に記載の化合物は、治療される状態に応じて、本明細書に開示される薬剤または他の好適な薬剤と組み合わせて使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上の化合物は、本明細書に記載されるような他の療法と同時投与される。併用療法で使用される場合、本明細書に記載の化合物は、第2の薬剤と同時にまたは別個に投与され得る。この組み合わせての投与は、同じ剤形での2つの薬剤の同時投与、別個の剤形での同時投与、及び別個の投与を含み得る。すなわち、本明細書に記載の化合物及び本明細書に記載の任意の薬剤は、同じ剤形に一緒に製剤化され、同時に投与することができる。代替的に、本発明の化合物及び本明細書に記載の任意の療法は、同時に投与することができ、両方の薬剤は、別個の製剤で存在する。別の代替法では、本開示の化合物を投与し、続いて本明細書に記載の任意の療法を投与することができ、その逆も可能である。別個の投与プロトコルのいくつかの実施形態では、本発明の化合物及び本明細書に記載の任意の療法は、数分間隔、または数時間間隔、または数日間隔で投与される。
【0246】
いくつかの実施形態では、組み合わせ治療レジメンは、2つの治療剤、本発明の化合物を1つと、本明細書に記載の治療剤から選択される第2の治療剤とを用いる。いくつかの実施形態では、組み合わせ治療レジメンは、3つの治療剤、本発明の化合物を1つと、本明細書に記載の治療剤から選択される2つの治療剤とを用いる。いくつかの実施形態では、組み合わせ治療レジメンは、4つ以上の治療剤、本発明の化合物を1つと、本明細書に記載の治療剤から選択される3つの治療剤とを用いる。
【0247】
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の療法(例えば、本発明の化合物)及び1つ以上の追加の療法は、いずれかの順序で同時にまたは連続して投与される。第1の治療剤は、1つ以上の追加の療法の直前もしくは直後、または前後最大1時間、最大2時間、最大3時間、最大4時間、最大5時間、最大6時間、最大7時間、最大8時間、最大9時間、最大10時間、最大11時間、最大12時間、最大13時間、最大14時間、最大16時間、最大17時間、最大18時間、最大19時間、最大20時間、最大21時間、最大22時間、最大23時間、最大24時間、または前後最大1~7、1~14、1~21、もしくは1~30日目に投与される。
【0248】
本開示はまた、(a)本明細書に記載の薬剤(例えば、本発明の化合物)を含む医薬組成物と、(b)本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実施するための説明書が挿入されたパッケージと、を含むキットを特徴とする。いくつかの実施形態では、キットは、(a)本明細書に記載の薬剤(例えば、本発明の化合物)を含む医薬組成物と、(b)1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)と、(c)本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実施するための説明書が挿入されたパッケージと、を含む。
【0249】
本開示の一態様は、別個に投与され得る医薬的に活性な化合物の組み合わせを用いた疾患またはそれに関連する症状の治療を企図するため、本発明は、キットの形態で別個の医薬組成物を組み合わせることにさらに関する。キットは、2つの別個の医薬組成物、すなわち本発明の化合物と、1つ以上の追加の療法とを含み得る。キットは、分割されたボトルまたは分割されたホイルパケットなどの別個の組成物を収容するための容器を含み得る。容器の追加の例には、注射器、箱、及び袋が挙げられる。いくつかの実施形態では、キットは、別個の成分を使用するための指示書を備え得る。キットの形態は、別個の成分が好ましくは異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与される場合、異なる投薬間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の成分の滴定が処方医療従事者によって所望される場合に、特に有利である。
【0250】
この併用療法の項では、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、記載されている薬剤のすべての参考文献が参照により組み込まれる。
【0251】
例示的な実施形態
本開示は、以下の非限定的な実施形態によってさらに例示される。
【0252】
実施形態1は、式(I)、式(II)、もしくは式(III)の構造を有する化合物、
【化53】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、NHまたはSであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、H、-NH-C1-6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
は、H、-O-C1-6アルキル、及び-O-C1-6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、結合またはOであり、
は、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、1つ以上のC1-6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1-6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立して、H、C1-6アルキルであり、
各R4cは、独立して、HまたはC1-6アルキルである。
【0253】
実施形態2は、実施形態1による化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、任意に置換された6員アリールである。
【0254】
実施形態3は、実施形態1による化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0255】
実施形態4は、以下からなる群から選択される構造を有する、実施形態1による化合物、
【化54】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、実施形態1に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0256】
実施形態5は、以下からなる群から選択される構造を有する、実施形態1による化合物、
【化55】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、実施形態1に定義されるとおりであり、
、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRが、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0257】
実施形態6は、以下からなる群から選択される構造を有する、実施形態1による化合物、
【化56-1】
【化56-2】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、X、X、X、X、R、L、及びRは、実施形態1に定義されるとおりであり、
、R、R、R、及びRは、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで任意に置換されているか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現時に、独立して、H、D、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して、-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換されている。
【0258】
実施形態7は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである。
【0259】
実施形態8は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲン及び-OHで置換されたC1-6アルキルである。
【0260】
実施形態9は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンであり、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである。
【0261】
実施形態10は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、-NHである。
【0262】
実施形態11は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-NHであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、ハロゲンで置換されたC1-6アルキルである。
【0263】
実施形態12は、実施形態4~6のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、3~14員縮合環を形成し、縮合環は、ハロゲンで置換されている。
【0264】
実施形態13は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、または式(Ic-3)の構造を有する、実施形態1~12のうちのいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、X、X、X、L、及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0265】
実施形態14は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CHである。
【0266】
実施形態15は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CHである。
【0267】
実施形態16は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0268】
実施形態17は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、Sであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0269】
実施形態18は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、Nであり、Xは、Nであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0270】
実施形態19は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、Nであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0271】
実施形態20は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、Nである。
【0272】
実施形態21は、実施形態13による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、CHであり、Xは、CHであり、Xは、CRであり、Xは、CHである。
【0273】
実施形態22は、実施形態16~21のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、Hまたは-O-CHである。
【0274】
実施形態23は、実施形態13~22のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Lは、結合である。
【0275】
実施形態24は、式(II)、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、または式(IIc-3)の構造を有する、実施形態1~12のうちのいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0276】
実施形態25は、実施形態24による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、NHであり、Xは、CHである。
【0277】
実施形態26は、式(III)、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、または式(IIIc-3)の構造を有する、実施形態1~12のうちのいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、X、X、R、及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0278】
実施形態27は、実施形態26による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、CHであり、Xは、Nである。
【0279】
実施形態28は、実施形態26による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Xは、CHであり、Xは、CHである。
【0280】
実施形態29は、実施形態26~28のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、Hである。
【0281】
実施形態30は、実施形態26~28のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、NHである。
【0282】
実施形態31は、実施形態26~28のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、-NH-CHである。
【0283】
実施形態32は、以下からなる群から選択される構造を有する、実施形態1による化合物、
【化57】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、L、及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0284】
実施形態33は、式(II-1)の構造を有する、実施形態1による化合物、
【化58】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0285】
実施形態34は、式(III-1)または(III-2)の構造を有する、実施形態1による化合物、
【化59】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、及びRは、実施形態1に定義されるとおりである。
【0286】
実施形態35は、実施形態1~34のうちのいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、Rは、H、C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1-6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1-6アルキル-OR4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-CN、-NR4b4c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換されている。
【0287】
実施形態36は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、3~14員ヘテロシクリルである。
【0288】
実施形態37は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、3~6員ヘテロシクリルで置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0289】
実施形態38は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、C1-6アルキルで置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0290】
実施形態39は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、3~6員シクロアルキルで置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0291】
実施形態40は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、1つ以上の=Oで置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0292】
実施形態41は、実施形態40による化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、3~14員ヘテロシクリルは、C1-6アルキルでさらに置換されている。
【0293】
実施形態42は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、-C(O)R4aで置換された3~14員ヘテロシクリルである。
【0294】
実施形態43は、実施形態42による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R4aは、C1-6アルキルである。
【0295】
実施形態44は、実施形態1~34のいずれか1つによる化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、Rは、
【化60】
からなる群から選択され、式中、
【化61】
は、化合物への結合点を表す。
【0296】
実施形態45は、実施形態1による化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、以下からなる群から選択される。
【化62-1】
【化62-2】
【化62-3】
【化62-4】
【0297】
実施形態46は、実施形態1~45のうちのいずれか1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物である。
【0298】
実施形態47は、対象におけるSOS1を阻害する方法であり、方法は、対象に、実施形態1~45のうちのいずれか1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0299】
実施形態48は、細胞におけるSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害するか、または細胞におけるSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法であり、方法は、細胞に、実施形態1~45のうちのいずれか1つの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0300】
実施形態49は、疾患を治療または予防する方法であり、疾患を治療または予防することは、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用の阻害、またはSOS1とRAC1との相互作用の阻害を特徴とし、方法は、それを必要とする対象に、有効量の実施形態1~45のうちのいずれかの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0301】
実施形態50は、がんの治療または予防を必要とする対象においてそれを行う方法であり、方法は、対象に、有効量の実施形態1~45のうちのいずれかの化合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体を投与することを含む。
【0302】
実施形態51は、実施形態49または50による方法であり、疾患またはがんは、膵臓がん、肺がん、結腸直腸がん、血液がん、胆管がん、多発性骨髄腫、黒色腫、子宮がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病、膀胱がん、尿路上皮がん、胃がん、子宮頸がん、頭頸部扁平上皮がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膠芽腫、腎がん、及び肉腫からなる群から選択される。
【0303】
実施形態52は、実施形態49による方法であり、疾患は、RAS病である。
【0304】
実施形態53は、実施形態52による方法であり、RAS病は、神経線維腫症1型(NF1)、ヌーナン症候群(NS)、多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)、毛細血管奇形-動静脈奇形症候群(CM-AVM)、コステロ症候群(CS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、レジウス症候群、及び遺伝性歯肉線維腫症からなる群から選択される。
【0305】
実施形態54は、実施形態50または51による方法であり、がんは、RasMUTまたはNF1LOF変異を含む。
【実施例
【0306】
本開示は、以下の実施例及び合成例によってさらに例示され、これらは、本開示の範囲または趣旨を本明細書に記載の特定の手順に限定するものとみなされるべきではない。実施例は、特定の実施形態を例示するために提供されること、及びそれによって本開示の範囲に対するいかなる制限も意図されていないことを理解されたい。本開示の趣旨及び/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆し得る、様々な他の実施形態、改変、及びそれらの同等物に対する手段が取られ得ることをさらに理解されたい。
【0307】
以下の実施例及び本明細書の他の場所において使用されている定義は、以下のとおりである。
【表2-1】
【表2-2】
【0308】
実施例1:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インドール-7-カルボキサミドの合成
【化63】
ジオキサン(1mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インドール-7-カルボキサミド(100mg、243μmol)の溶液に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-1,1-ジオキシド(81.6mg、316μmol)、NaCO(51.6mg、486μmol)、HO(0.5mL)、及びPd(PPhCl(17.1mg、24.3μmol)をN下で添加した。反応混合物を、100℃で12時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、粗物質を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インドール-7-カルボキサミド(15mg、収率13%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2322Sについての計算値:463.1、実測値463.1; H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 10.19 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.55-7.51 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.32-7.30 (m, 1H), 7.24-7.22 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.93 (t, J = 54.8 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.56-6.54 (m, 1H), 5.86-5.84 (m, 1H), 5.58-5.51 (m, 1H), 3.86-3.85 (m, 2H), 3.30-3.27 (m, 4H), 1.69 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0309】
実施例2:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミドの合成
【化64】
ステップ1:
MeOH(2.5mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン(500mg、2.16mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl・CHCl(52.9mg、64.8μmol)及びEtN(2.5mL、18mmol)をN下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、COで数回パージした。反応混合物を、70℃で3時間、CO(50psi)下で撹拌した。混合物を25℃に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、メチル5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(400mg、収率88%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]CClNについての計算値:211.0、実測値211.0。
【0310】
ステップ2:
THF(2mL)及びMeOH(2mL)中のメチル5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキシレート(350mg、1.66mmol)の溶液に、LiOH・HO(209mg、4.99mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、0℃で2時間撹拌した。1N HCl水溶液を添加することによってpHを約7に調整し、次いで、混合物をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸(310mg、収率95%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]CClNについての計算値:197.0、実測値197.0。
【0311】
ステップ3:
THF(3mL)中の5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボン酸(310mg、1.58mmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン(358mg、1.89mmol)の溶液に、DIEA(1.10mL、6.31mmol)及びTP(純度50%、1.51g、2.37mmol)を25℃で添加した。反応混合物を、25℃で2時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(450mg、収率78%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1714ClFOについての計算値:368.1、実測値368.1。
【0312】
ステップ4:
DME(7mL)及びHO(2mL)中の5-クロロ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(450mg、1.22mmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(416mg、1.35mmol)の混合物に、Pd(PPh(141mg、122μmol)及びNaCO(259mg、2.45mmol)を、N下で、20℃で添加した。反応混合物を、N下で、100℃で10時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。次いで、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(500mg、収率79%)を得た。H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.77 (s, 1H) 7.52-7.50 (m, 2H) 7.42-7.40 (m, 1H) 7.22-7.20 (m, 1H) 7.05 (t, J = 54.8 Hz, 1H) 6.58 (s, 1H) 6.55-6.54 (m, 1H) 5.54-5.50 (m, 1H) 4.17-4.16 (m, 2H) 3.72-3.69 (m, 2H) 2.74-2.73 (m, 2H), 1.67 (d, J = 6.8 Hz, 3H) 1.49 (s, 9H)。
【0313】
ステップ5:
HCl(EtOAc中4M、121μL、484μmol)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(250mg、486μmol)の溶液を、25℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-7-カルボキサミド(20mg、収率10%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2222Oについての計算値:415.17、実測値415.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 11.52 (s, 1H) 8.98-8.86 (m, 1H) 7.83 (s, 1H) 7.80-7.79 (m, 1H) 7.52-7.50 (m, 1H) 7.54-7.52 (m, 1H) 7.37-7.11 (m, 2H) 6.69 (s, 1H) 6.57-6.56 (m, 1H) 5.54-5.50 (m, 1H) 3.48-3.47 (m, 2H) 3.00-2.98 (m, 2H) 2.57-2.56 (m, 2H) 1.64 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0314】
実施例3:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化65】
ステップ1:
THF(1mL)中の5-ブロモ-1H-インダゾール-7-カルボン酸(100mg、415μmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン(94.2mg、498μmol)の溶液に、DIEA(217μL、1.24mmol)及びTP(純度50%、396mg、622μmol)を添加した。反応混合物を、Nでパージし、25℃で3時間、N下で撹拌した。次いで、混合物をHOでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(60mg、収率35%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1714BrFOについての計算値:412.02、実測値412.0。
【0315】
ステップ2:
ジオキサン(1mL)及びHO(0.2mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(60mg、1456μmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(54.0mg、175μmol)の混合物に、Pd(PPhCl(0.22mg、15μmol)及びNaCO(30.9mg、291μmol)を、N下で、25℃で添加した。反応混合物を、N下で、100℃で10時間撹拌した。次いで、混合物をHOでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル-4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(50mg、収率55%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+Na]C2729Naについての計算値:537.2、実測値537.3。
【0316】
ステップ3:
MeOH(0.5mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(30.0mg、58.3μmol)の溶液に、MeOH(4M、1mL)中のHClを添加した。反応混合物を、25℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(16mg、収率66%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2222Oについての計算値:415.2、実測値415.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.09 (br s, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.70 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.51 (t, J = 7.2 Hz 1H), 7.38-7.11 (m, 2H), 6.38 (s, 1H), 5.50-5.38 (m, 1H), 3.80-3.72 (m, 2H), 3.18-3.11 (m, 2H), 2.68-2.61 (m, 2H), 1.57 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0317】
実施例4:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-3H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミドの合成
【化66】
ステップ1:
THF(4mL)中の6-ブロモ-3H-ベンズイミダゾール-4-カルボン酸(430mg、1.78mmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン・HCl(483mg、2.14mmol)の溶液に、DIEA(1.55mL、8.92mmol)及びTP(純度50%、1.70g、2.68mmol)を25℃で添加した。反応混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、DCMで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-3H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミド(330mg、収率45%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M-H]C1712BrFOについての計算値:410.0、実測値409.9。
【0318】
ステップ2:
ジオキサン(1.5mL)及びHO(0.3mL)中の6-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-3H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミド(180mg、437μmol)の溶液に、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(176mg、568μmol)、NaCO(92.6mg、873μmol)、及びPd(PPh(252mg、218μmol)を、N下で、25℃で添加した。反応混合物を、85℃で12時間撹拌した。混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(80mg、収率34%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M-H]C2728についての計算値:513.2、実測値513.2。
【0319】
ステップ3:
HCl(MeOH中4M、2mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(70.0mg、136μmol)の溶液を、25°Cで2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-3H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミド(12mg、収率21%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2222Oについての計算値:415.2、実測値415.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 10.38 (br s, 1H), 8.52 (br s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.65 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.54 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.38-7.09 (m, 2H), 6.24 (s, 1H), 5.53-5.45 (m, 1H), 3.51 (s, 2H), 3.07 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.52 (s, 2H), 1.59 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0320】
実施例5:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミドの合成
【化67】
ステップ1:
ジオキサン(50mL)及びHO(15mL)中の6-ブロモ-2,4-ジクロロ-ピリジン-3-アミン(4.00g、16.5mmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(5.62g、18.2mmol)の溶液に、Pd(PPhCl(1.16g、1.65mmol)及びNaCO(3.51g、33.1mmol)を、Nの雰囲気下で添加した。反応混合物を、100℃で3時間撹拌した。水を添加することによって反応物をクエンチし、次いで、EtOAcで抽出し、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(5-アミノ-4,6-ジクロロ-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(5.07g、収率89%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H-56]C1112Clについての計算値:288.0、実測値288.0。
【0321】
ステップ2:
EtN(100mL)中のtert-ブチル4-(5-アミノ-4,6-ジクロロ-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(5.00g、14.5mmol)の溶液に、Pd(PPhCl(510mg、726μmol)及びCuI(138mg、726μmol)を、Nの雰囲気下で、0℃で添加した。次いで、エチニル(トリメチル)シラン(3.02mL、21.8mmol)を0℃で添加し、反応混合物を、80℃で4時間撹拌した。混合物を冷却し、Celite(登録商標)を通して濾過し、TEAで洗浄し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-[5-アミノ-4-クロロ-6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ピリジル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(2.85g、収率48%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2029ClNSiについての計算値:406.2、実測値406.2。
【0322】
ステップ3:
DMF(270mL)中のtert-ブチル4-[5-アミノ-4-クロロ-6-(2-トリメチルシリルエチニル)-2-ピリジル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(2.70g、6.65mmol)の溶液に、CuI(253mg、1.33mmol)を、Nの雰囲気下で添加した。反応混合物を、110℃で2時間撹拌した。水(400mL)を添加することによって反応混合物をクエンチし、次いで、EtOAcで抽出し、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(7-クロロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(280mg、収率13%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1721ClNについての計算値:334.1、実測値334.1。
【0323】
ステップ4:
ジオキサン(1mL)中のtert-ブチル4-(7-クロロ-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(50.0mg、150μmol)の溶液に、(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エタンアミン(85.0mg、449μmol)、Mo(CO)(39.5mg、150μmol)、TEA(52.1μL、374μmol)、及びPd(dppf)Cl(11.0mg、15.0μmol)を、Nの雰囲気下で添加した。反応混合物を、マイクロ波反応器で、120℃で4時間撹拌した。混合物をHOで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(100mg、粗製)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2730についての計算値:515.2、実測値515.3。
【0324】
ステップ5:
tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(100mg、194μmol)を、MeOH(4M、4mL)中のHClの溶液中に溶解し、次いで、25℃で1時間撹拌した。反応物をLCMSによってモニタリングした。混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド(6.0mg、収率7%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2222Oについての計算値:415.2、実測値415.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 11.33 (br s, 1H), 9.38 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.70 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.53-7.45 (m, 2H), 7.37-7.10 (m, 2H), 6.71 (s, 1H), 6.56 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.52-5.48 (m, 1H), 3.63-3.61 (m, 2H), 3.13-3.10 (m, 2H), 2.74-2.72 (m, 2H), 1.57 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0325】
実施例6:(R)-N-(1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)-5-(1,1-ジオキシド-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化68】
ステップ1:
O(0.4mL)及びジオキサン(2mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(200mg、485μmol)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド(163mg、631μmol)の溶液に、NaCO(103mg、970μmol)を添加し、次いで、Pd(PPhCl(34.1mg、48.5μmol)を、N下で、室温で添加した。次いで、混合物を100℃で5時間撹拌した。反応物をHO(20mL)でクエンチし、水相を酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、化合物N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(53.8mg、収率24%)を得た。
【0326】
LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2221Sについての計算値:464.1、実測値:464.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.10 (s, 1H), 9.27 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.03 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.68 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.51 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.31 - 7.37 (m, 1H), 7.16 (d, J = 54.4 Hz, 1H), 6.12 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 5.50 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.96(d, J = 2.8 Hz, 2H), 3.40 - 3.42 (m, 2H), 3.16 - 3.18 (m, 2H), 1.55 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0327】
実施例7:(R)-N-(1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)-5-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化69】
ステップ1:
MeOH(3.5mL)及びTHF(3.5mL)中のN-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(70.0mg、151μmol)及びPd/C(50.0g、純度10%、ウェット50%)の溶液を、H(30psi)下で、室温で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソチアン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(8mg、収率11%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2223Sについての計算値:466.1、実測値:466.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.97 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.03 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.83 (s, 1H), 7.69 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.10 - 7.38 (m, 2H), 5.51 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 3.08 - 3.19 (m, 3H), 2.17 - 2.32 (m, 4H), 1.57 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0328】
実施例8:5-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化70】
THF(2mL)中のN-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-ピペリジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドHCl(175mg、386μmol)の溶液に、EtN(269μL、1.93mmol)及びアセチルクロリド(24.8μL、348μmol)を、0℃で30分間添加した。反応物に水(10mL)を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、5-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(40mg、収率20%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2426についての計算値:459.2、実測値:459.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.83 - 13.04 (br s, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.00 - 8.09 (m, 2H), 7.80 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.49 - 7.56 (m, 1H), 7.39 - 7.06 (m, 2H), 5.51 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.11 - 3.23 (m, 1H), 2.88 - 2.97 (m, 1H), 2.58 - 2.69 (m, 1H), 2.06 (s, 3H), 1.83 - 1.93 (m, 2H), 1.61 - 1.78 (m, 2H), 1.56 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0329】
実施例9:5-(1-アセチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化71】
ステップ1:
THF(4mL)中の5-ブロモ-1H-インダゾール-7-カルボン酸(400mg、1.66mmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミンHCl(449mg、1.99mmol)の溶液に、DIEA(1.45mL、8.30mmol)及びTP(1.48mL、2.49mmol)を室温で添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、追加のDIEA(578μL、3.32mmol)及びTP(987μL、1.66mmol)を混合物に添加し、室温で1時間撹拌した。反応物に水を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、室温で、酢酸エチルで粉砕して、5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(600mg、収率86%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.27 (br s, 1H), 9.27 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.27 (s , 1H), 8.22 (d , J = 1.6 Hz, 1H), 8.11 (s , 1H), 7.70 (t , J = 7.2 Hz, 1H), 7.52 (t , J = 6.8 Hz, 1H), 7.08 - 7.39 (m , 2H), 5.48 (q , J = 7.2 Hz, 1H), 1.55 (d , J = 6.8 Hz, 3H)。
【0330】
ステップ2:
ジオキサン(3mL)及びHO(0.6mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(300mg、728μmol)の溶液に、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(293mg、946μmol)、NaCO(154mg、1.46mmol)、及びPd(PPh(421mg、364μmol)を、N下で、室温で添加した。反応物を85℃で12時間撹拌した。反応物に水を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(100mg、収率27%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2730についての計算値:515.2、実測値:515.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.02 (s, 1H), 9.19 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.92 - 8.02 (m, 1H), 7.70 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.58 - 7.65 (m, 2H), 7.48 - 7.58 (m, 3H), 7.08 - 7.38 (m, 2H), 6.30 (s, 1H), 5.51 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 4.04 - 4.12 (m, 2H), 3.53 - 3.66 (m, 2H), 2.59 - 2.60 (m, 2H), 1.56 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.44 (s, 9H)。
【0331】
ステップ3:
HCl(EtOAc中4M、1mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(100mg、194μmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。反応物に水を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドHCl(80mg)を得ると、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2222Oについての計算値:415.2、実測値:415.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 9.43 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 8.32 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.75 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.48 - 7.65 (m, 4H), 7.09 - 7.38 (m, 2H), 6.43 (s, 1H), 5.48 - 5.58 (m, 1H), 3.80 - 3.82 (m, 2H), 3.35 - 3.36 (m, 2H), 2.84 - 2.88 (m, 2H), 1.58 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0332】
ステップ4:
THF(1mL)中のN-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドHCl(80.0mg、177μmol)の溶液に、TEA(123μL、887μmol)及びアセチルクロリド(15.2μL、213μmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。反応物に水を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、5-(1-アセチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(38.1mg、2ステップで収率43%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2424についての計算値:457.2、実測値:457.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.04 (s, 1H), 9.21 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.05 - 8.15 (m, 1H), 7.96 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.70 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.49 - 7.57 (m, 1H), 7.07 - 7.40 (m, 2H), 6.33 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.52 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 2.2, 17.6 Hz, 2H), 3.61 - 3.77 (m, 2H), 2.66 - 2.74 (m, 1H), 2.59 (s, 1H), 2.09 (d, J = 15.2 Hz, 3H), 1.57 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0333】
実施例10:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-5-(ピペラジン-1-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化72】
ステップ1:
ジオキサン(6mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(300mg、728μmol)及びtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(324mg、1.74mmol)の混合物に、tert-BuONa(210mg、2.18mmol)及び[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-メチルスルホニルオキシ-パラジウム-ジtert-ブチル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(57.8mg、72.8μmol)を、N下で、室温で添加し、N下で、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を、水の添加によってクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル-4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(30mg、収率8%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2631についての計算値:518.24、実測値:518.3。
【0334】
ステップ2:
tert-ブチル-4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(30mg、58.0μmol)HCl(EtOAc中4M、0.5mL)の混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物を濾過し、分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-ピペラジン-1-イル-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(20mg、収率82%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2123Oについての計算値:418.19、実測値:418.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.83 (br s, 1 H) 9.17 (s, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 7.97 (s, 1 H) 7.89 (s, 1 H) 7.69 (t, J = 7.2 Hz, 1 H) 7.52 (t, J = 7.2 Hz, 1 H) 7.10 - 7.34 (m, 3 H) 5.46 - 5.53 (m, 1 H) 3.14 - 3.16 (m, 4 H) 3.01 - 3.05 (m, 4 H) 1.55 (d, J = 7.2 Hz, 3 H)。
【0335】
実施例11:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-5-(ピロリジン-3-イル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化73】
ステップ1:
DME(4mL)及びHO(0.8mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(500mg、1.21mmol)及びtert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,5-ジヒドロピロール-1-カルボキシレート(394mg、1.33mmol)の溶液に、NaCO(386mg、3.64mmol)及びPd(PPh(280mg、243μmol)を、N下で添加した。混合物を、N雰囲気下で、85℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ入れ、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル3-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-2,5-ジヒドロピロール-1-カルボキシレート(385mg、収率61%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2628についての計算値:501.2、実測値:501.2;H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.11 (s, 1 H) 7.89 (s, 1 H) 7.78 (d, J = 4.4 Hz, 1 H) 7.68 - 7.72 (m, 1 H) 7.55 (t, J = 4.0 Hz, 2 H) 7.24 (d, J = 7.6 Hz, 1 H) 6.79 - 7.06 (m, 2 H) 6.21 (d, J = 16.8 Hz, 1 H) 5.57 - 5.61 (m, J = 7.2 Hz, 1 H) 4.60 (d, J = 7.6 Hz, 2 H) 4.36 (d, J = 16.8 Hz, 2 H) 1.71 (d, J = 6.8 Hz, 3 H) 1.54 (d, J = 6.8 Hz, 9 H)。
【0336】
ステップ2:
MeOH(4mL)中のtert-ブチル3-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-2,5-ジヒドロピロール-1-カルボキシレート(380mg、759μmol)の溶液に、Pd/C(500mg、純度10%、ウェット50%)をN下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした。混合物を、H(30psi)下で、30℃で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を、濾過し、濾液を濃縮して、tert-ブチル3-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピロリジン-1-カルボキシレート(277mg、収率68%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M - 56+H]C2222についての計算値:447.1、実測値:447.1;H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 11.60 (br s, 1 H) 8.06 (s, 1 H) 7.79 (s, 1 H) 7.52 - 7.55 (m, 3 H) 7.22 - 7.26 (m, 1 H) 6.79 - 7.06 (m, 2 H) 5.55 - 5.62 (m, 1 H) 3.86 - 3.92 (s, 1 H) 3.63 - 3.70 (m, 1 H) 3.44 - 3.56 (m, 3 H) 2.33 - 2.35 (m, 1 H) 2.06- 2.13 (m, 1 H) 1.70 (d, J = 7.2 Hz, 3 H) 1.50 (s, 9 H)。
【0337】
ステップ3:
HCl(EtOAc中4M、3mL)中のtert-ブチル3-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピロリジン-1-カルボキシレート(227mg、452μmol)の溶液を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]-5-ピロリジン-3-イル-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(53.6mg、収率26%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2122Oについての計算値:403.1、実測値:403.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 9.39 (br s, 1 H) 8.50 (s, 1 H) 8.24 (s, 1 H) 8.10 (s, 1 H) 7.91 (s, 1 H) 7.74 (t, J = 7.2 Hz, 1 H) 7.52 (t, J = 4.0 Hz, 1 H) 7.07 - 7.40 (m, 2 H) 5.49 - 5.56 (m, 1 H) 3.57 - 3.69 (m, 2 H) 3.44 (t, J = 8.0 Hz, 1 H) 3.23 - 3.28 (m, 2 H) 2.39 - 2.41 (m, 1 H) 2.05 - 2.12 (m, 1 H) 1.58 (d, J = 7.2 Hz, 3 H)。
【0338】
実施例12:2-アミノ-N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンズアミドの合成
【化74】
ステップ1:
CHCN(5mL)中のメチル5-フルオロ-2-ニトロ-ベンゾエート(500mg、2.51mmol)の溶液に、CsCO(2.45g、7.53mmol)及び(3S)-テトラヒドロフラン-3-オール(265.46mg、3.01mmol)を添加した。混合物を100℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンゾエート(150mg、収率22%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1214NOについての計算値:268.1、実測値:268.0。H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.08 - 8.02 (m, 1H), 7.05 - 6.98 (m, 2H), 5.03 (t, J = 2.2, 4.1 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 3.95 (s, 3H), 3.94 - 3.88 (m, 1H), 2.36 - 2.25 (m, 2H)。
【0339】
ステップ2:
THF(1mL)、MeOH(0.5mL)、及びHO(1mL)中のメチル2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンゾエート(150mg、561μmol)の溶液に、LiOH・HO(47.1mg、1.12mmol)を添加した。混合物を20℃で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄し、HCl(2M)でpH=3に酸性化し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧下で除去して、2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-安息香酸(140mg、収率99%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1112NOについての計算値:254.1、実測値:254.0。
【0340】
ステップ3:
THF(2mL)中の2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-安息香酸(140mg、553μmol)の溶液に、TP(247μL、829μmol)、DIEA(289μL、1.66mmol)、及び3-[(1R)-1-アミノエチル]-5-(トリフルオロメチル)アニリン(113mg、553μmol)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンズアミド(130mg、収率53%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2021についての計算値:440.1、実測値:440.1。
【0341】
ステップ4:
O(0.25mL)及びEtOH(0.5mL)中のN-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-2-ニトロ-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンズアミド(110mg、250μmol)の溶液に、Fe(69.9mg、1.25mmol)及びNHCl(6.70mg、125μmol)を添加した。反応物を95℃で5時間撹拌した。混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCによって精製して、2-アミノ-N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]-オキシ-ベンズアミド(40mg、収率39%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2023についての計算値:410.2、実測値:410.2。H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.11 - 7.08 (br m, 1H), 6.95 - 6.86 (m, 3H), 6.83 - 6.80 (m, 1H), 6.77 - 6.73 (m, 1H), 5.16 - 5.09 (m, 1H), 4.95 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.01 - 3.81 (m, 4H), 2.24 - 2.07 (m, 2H), 1.52 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0342】
実施例13:N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-2-(メチルアミノ)-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボキサミドの合成
【化75】
ステップ1:
DMF(25mL)中の5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン-3-カルボン酸(5.00g、22.7mmol)の混合物に、KCO(6.28g、45.5mmol)及びCHI(1.84mL、29.6mmol)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン-3-カルボキシレート(3.7g、収率70%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 8.67 - 8.62 (m, 1H), 8.55 (dd, J = 8.2, 2.4 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H)。
【0343】
ステップ2:
DMF(35mL)中のメチル5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン-3-カルボキシレート(3.50g、15.0mmol)及びメチルアミン塩酸塩(1.51g、22.4mmol)の混合物に、CsCO(14.6g、44.9mmol)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-ブロモ-2-(メチルアミノ)ピリジン-3-カルボキシレート(3.3g、収率90%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C10BrNについての計算値:245.0、実測値:245.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 8.40 - 8.35 (m, 1H), 8.14 - 8.09 (m, 1H), 7.91 - 7.83 (m, 1H), 3.83 - 3.80 (m, 3H), 2.92 (d, J = 4.9 Hz, 3H)。
【0344】
ステップ3:
0℃でのTHF(13mL)中のメチル5-ブロモ-2-(メチルアミノ)ピリジン-3-カルボキシレート(1.30g、5.30mmol)の混合物に、BocO(1.46mL、6.37mmol)、及びNaHMDS(5.83mL、5.83mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-ブロモ-2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピリジン-3-カルボキシレート(1.3g、収率71%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1318BrNについての計算値:345.0、実測値:345.0。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 8.77 - 8.70 (m, 1H), 8.28 (s, 1H), 3.85 - 3.76 (m, 3H), 3.26 (s, 3H), 1.49 - 1.26 (m, 9H)。
【0345】
ステップ4:
ジオキサン(10mL)中のメチル5-ブロモ-2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピリジン-3-カルボキシレート(1g、2.90mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(883mg、3.48mmol)の混合物に、KOAc(853mg、8.69mmol)、及びPd(dppf)Cl CHCl(473mg、579μmol)を、窒素ガス下で添加した。混合物を100℃で2時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCによって精製して、[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(660mg、収率73%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1320BNについての計算値:311.1、実測値:311.1; H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 8.87 - 8.82 (m, 1H), 8.56 - 8.39 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.33 - 3.23 (m, 3H), 1.33 (d, J = 9.5 Hz, 9H)。
【0346】
ステップ5:
MeOH(6mL)中の[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(580mg、1.87mmol)の混合物に、UHP(704mg、7.48mmol)を添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。反応物を、飽和NaSO水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ピリジン-3-カルボキシレート(425mg、収率81%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1319についての計算値:283.1、実測値:283.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 10.40 - 10.31 (m, 1H), 8.15 - 8.08 (m, 1H), 7.55 - 7.45 (m, 1H), 3.81 (m, 3H), 3.24 - 3.07 (m, 3H), 1.43 - 1.18 (m, 9H)。
【0347】
ステップ6:
DMF(4mL)中のメチル2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ピリジン-3-カルボキシレート(375mg、1.33mmol)の混合物に、[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]-4-メチルベンゼンスルホネート(483mg、1.99mmol)、及びCsCO(866mg、2.66mmol)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボキシレート(384mg、収率82%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1725についての計算値:353.2、実測値:353.2。
【0348】
ステップ7:
THF(1mL)、MeOH(0.5mL)、及びHO(1mL)中のメチル2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボキシレート(214mg、607μmol)の混合物に、NaOH(48.6mg、1.21mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄し、HCl(2M)でpH=2に酸性化し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボン酸(170mg、収率83%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1623についての計算値:339.1、実測値:339.2; H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 8.23 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 5.21 - 5.11 (m, 1H), 4.03 - 3.85 (m, 4H), 3.28 - 3.19 (m, 3H), 2.38 - 2.24 (m, 1H), 2.18 - 2.08 (m, 1H), 1.56 - 1.29 (m, 9H)。
【0349】
ステップ8:
THF(2mL)中の2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボン酸(200mg、591μmol)及び3-[(1R)-1-アミノエチル]-5-(トリフルオロメチル)アニリン(144mg、709μmol)の混合物に、DIEA(309μL、1.77mmol)、及びTP(264μL、887μmol)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチルN-[3-[[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]カルバモイル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-2-ピリジル]-N-メチル-カルバメート(135mg、収率44%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2532についての計算値:525.2、実測値:525.3。
【0350】
ステップ9:
tert-ブチルN-[3-[[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]カルバモイル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-2-ピリジル]-N-メチル-カルバメート(130mg、248μmol)を、MeOH(5mL)中のHCl溶液中に溶解し、混合物を25℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-2-(メチルアミノ)-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ピリジン-3-カルボキサミド(43.1mg、収率35%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2024についての計算値:425.2、実測値:425.2; H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.88 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 6.81 (s, 1H), 5.16 - 5.07 (m, 1H), 4.95 (J = 2.1, 3.7 Hz, 1H), 4.03 - 3.83 (m, 4H), 2.90 (s, 3H), 2.26 - 2.08 (m, 2H), 1.52 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0351】
実施例14:N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンズアミドの合成
【化76】
ステップ1:
DMF(2mL)中のメチル3-ヒドロキシベンゾエート(200mg、1.31mmol)及び[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]4-メチルベンゼンスルホネート(350mg、1.45mmol)の混合物に、CsCO(514mg、1.58mmol)を添加した。混合物を60℃で12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、メチル3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシベンゾエート(220mg、収率75%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1215についての計算値:223.1、実測値:223.1;H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.65 (d, J = 7.6 Hz, 1 H) 7.53 (s, 1 H) 7.35 (t, J = 8.0 Hz, 1 H) 7.07 - 7.10 (m, 1 H) 4.99 - 5.01 (m, 1 H) 3.92 - 4.03 (m, 4 H) 3.91 (s, 3H) 2.16 - 2.26 (m, 2 H)。
【0352】
ステップ2:
THF(2mL)、MeOH(0.5mL)、及びHO(0.5mL)中のメチル3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシベンゾエート(200mg、900μmol)の溶液に、LiOH・HO(56.7mg、1.35mmol)を添加した。反応物を25℃で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、HCl(1M)でpH=2に酸性化し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ安息香酸(250mg、粗製)を得た。H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 1 H) 7.59 (s, 1 H) 7.34 - 7.45 (m, 1 H) 7.14 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1 H) 4.95 - 5.06 (m, 1 H) 3.88 - 4.08 (m, 4 H) 2.12 - 2.34 (m, 2 H)。
【0353】
ステップ3:
DCM(3mL)中の3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ安息香酸(200mg、961μmol)の溶液に、DIEA(669μL、3.84mmol)及びHATU(730mg、1.92mmol)を添加した。反応物を25℃で30分間撹拌した。次いで、3-[(1R)-1-アミノエチル]-5-(トリフルオロメチル)アニリン(216mg、1.06mmol)を添加し、混合物を25℃で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-3-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-ベンズアミド(140mg、収率36%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2022についての計算値:395.2、実測値:395.1;H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.28 - 7.40 (m, 3 H) 7.02 (s, 2 H) 6.79 - 6.95 (m, 2 H) 6.33 (br d, J = 7.2 Hz, 1 H) 5.25 (q, J = 7.2 Hz, 1 H) 4.98 - 4.99 (m, 1 H) 3.84 - 4.05 (m, 4 H) 2.09 - 2.31 (m, 2 H) 1.58 (d, J = 7.2 Hz, 3 H)。
【0354】
実施例15:N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-1H-インドール-7-カルボキサミドの合成
【化77】
ステップ1:
TFA(15mL)中のメチル2-アミノ-5-ブロモ-ベンゾエート(3.00g、13.0mmol)の溶液に、NIS(3.02g、13.4mmol)を添加した。反応物を15℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-アミノ-5-ブロモ-3-ヨード-ベンゾエート(4.30g、収率91%)を得た。H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H)。
【0355】
ステップ2:
TEA(25mL)中のメチル2-アミノ-5-ブロモ-3-ヨード-ベンゾエート(2.60g、7.30mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl(802mg、1.10mmol)及びCuI(209mg、1.10mmol)を、窒素下で添加した。反応物を15℃で20分間撹拌した。次いで、エチニル(トリメチル)シラン(1.32mL、9.50mmol)を添加し、反応物を15℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで、残留物をDCM中に溶解し、Celite(登録商標)のプラグを通して濾過し、DCMで洗浄した。濾液を水及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル2-アミノ-5-ブロモ-3-(2-トリメチルシリルエチニル)ベンゾエート(1.90g、収率80%)を得た。H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.80 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 0.16 (s, 9H)。
【0356】
ステップ3:
メチル2-アミノ-5-ブロモ-3-(2-トリメチルシリルエチニル)ベンゾエート(1.90g、5.82mmol)を、0℃でNMP(15mL)中に溶解した。次いで、NMP(15mL)中のtert-BuOK(1.44g、12.8mmol)を混合物に滴加し、反応物を0℃で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、MTBEで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-ブロモ-1H-インドール-7-カルボキシレート(210mg、収率14%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C10BrNOについての計算値:254.0、実測値253.9。H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.00 (s, 3H)。
【0357】
ステップ4:
ジオキサン(4mL)中のメチル5-ブロモ-1H-インドール-7-カルボキシレート(200mg、787μmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl(57.6mg、78.7μmol)及びKOAc(309mg、3.15mmol)を添加した。反応物を20分間撹拌し、次いでビス(ピナコラート)ジボロン(300mg、1.18mmol)を反応物に添加した。混合物を110℃で3時間撹拌した。反応物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-7-カルボキシレート(210mg、収率89%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1621BNOについての計算値:302.2、実測値302.1。H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 9.93 (br s, 1H), 8.36 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 - 7.32 (m, 1H), 6.62 (dd, J = 2.4, 3.2 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 1.43 (s, 12H)。
【0358】
ステップ5:
MeOH(5mL)中のメチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-7-カルボキシレート(200mg、664μmol)の溶液に、NaOH(106mg、2.66mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(138mg、1.99mmol)を添加した。反応物を20℃で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-ヒドロキシ-1H-インドール-7-カルボキシレート(100mg、収率79%)を得た。H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.37 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.39 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H)。
【0359】
ステップ6:
DMF(1mL)中のメチル5-ヒドロキシ-1H-インドール-7-カルボキシレート(50.0mg、262μmol)の溶液に、テトラヒドロフラン-3-イル4-メチルベンゼンスルホネート(63.4mg、262μmol)及びKCO(108mg、785μmol)を添加した。反応物を90℃で5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-1H-インドール-7-カルボキシレート(40mg、収率59%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1416NOについての計算値:262.1、実測値:262.0;H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.05 (dd, J = 2.4, 5.2 Hz, 1H), 3.94 - 4.02 (m, 6H), 3.79 - 3.93 (m, 1H), 2.16 - 2.26 (m, 2H)。
【0360】
ステップ7:
トルエン(2mL)中のメチル5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-1H-インドール-7-カルボキシレート(35.0mg、134μmol)の溶液に、3-[(1R)-1-アミノエチル]-5-(トリフルオロメチル)アニリン(82.1mg、402μmol)及びAl(CH(2M、134μL)を添加した。反応物を100℃で2時間撹拌した。混合物を水で希釈し、DCMで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]オキシ-1H-インドール-7-カルボキサミド(10mg、収率8%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2223についての計算値:434.2、実測値434.2;H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 10.08 (br s, 1H), 7.32 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.48 - 6.52 (m, 2H), 5.27 - 5.30 (m, 1H), 4.98 - 5.04 (m, 1H), 3.90 - 4.10 (m, 5H), 3.84 - 3.90 (br m, 2H), 2.21 - 2.29 (m, 2H), 1.62 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0361】
実施例16:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキサミドの合成
【化78】
ステップ1:
酢酸(7.5mL)中のメチル2,3-ジアミノ-5-ブロモ-ベンゾエート(500mg、2.04mmol)の溶液を、25℃で10分間撹拌した。次いで、HO(1mL)中のNaNO(155mg、2.24mmol)の溶液を添加し、反応物を30分間撹拌した。反応物を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄した。固体を減圧下で乾燥させて、メチル6-ブロモ-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキシレート(440mg、収率84%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]CBrNについての計算値:255.96、実測値255.9;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 16.18 (br s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 3.99 (s, 3H)。
【0362】
ステップ2:
THF(4mL)、MeOH(2mL)、及びHO(2mL)中のメチル6-ブロモ-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキシレート(440mg、1.72mmol)の溶液に、LiOH・HO(216.33mg、5.16mmol)を添加した。反応物を25℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄し、HCl(2M)を使用してpH=2に酸性化し、濾過し、固体を減圧下で乾燥させて、6-ブロモ-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボン酸(450mg、粗製)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]CBrNについての計算値:241.95、実測値241.8;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 16.10 (br s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.10 (s, 1H)。
【0363】
ステップ3:
THF(5mL)中の6-ブロモ-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボン酸(430mg、1.78mmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン(403mg、2.13mmol)の溶液に、TP(3.17mL、5.33mmol)及びDIEA(2.48mL、14.21mmol)を添加した。反応物を25℃で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキサミド(550mg、収率75%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1613BrFOについての計算値:413.0、実測値412.8;H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 8.23 (d, J = 33.2 Hz, 2H), 7.51 - 7.68 (m, 2H), 7.30 - 7.32 (m, 1H), 7.02 (t, J = 54.8 Hz, 1H), 5.58 - 5.63 (m, 1H), 1.68 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0364】
ステップ4:
ジオキサン(2mL)及びHO(0.4mL)中の6-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキサミド(200mg、484μmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(299mg、968μmol)の溶液に、NaCO(102mg、968μmol)及びPd(PPhCl(34.0mg、48.4μmol)を窒素下で添加した。混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(240mg、粗製)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2629についての計算値:516.21、実測値:516.2。
【0365】
ステップ5:
HCl(EtOAc中4M、2mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(200mg、388μmol)の溶液を、25℃で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-3H-ベンゾトリアゾール-4-カルボキサミド(30mg、収率18%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2121Oについての計算値:416.2、実測値416.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 10.35 - 10.41 (m, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.66 - 7.70 (m, 1H), 7.52 - 7.56 (m, 1H), 7.11 - 7.38 (m, 2H), 6.24 (s, 1H), 5.50 - 5.53 (m, 1H), 3.75 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 3.29 - 3.31 (m, 2H), 2.72 - 2.80 (m, 2H), 1.61 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0366】
実施例17:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-ピペリジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化79】
ステップ1:
THF(10mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(800mg、1.55mmol)の溶液に、Pd/C(純度10%、800mg、389μmol)を窒素下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、水素ガスでパージした。反応物を、水素ガス(30psi)下で、25℃で12時間撹拌した。反応物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(175mg、収率22%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2732についての計算値:517.2、実測値:517.1;H NMR (400 MHz,メタノール-d) δ ppm 7.95 - 8.07 (m, 2H), 7.84 (s, 1H), 7.63 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.51 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.25 - 7.32 (m, 1H), 7.01 (t, J = 54.8 Hz, 1H), 5.60 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 4.23 - 4.31 (m, 2H), 2.85 - 2.99 (m, 3H), 1.93 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.71 - 1.81 (m, 2H), 1.64 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.49 (s, 9H)。
【0367】
ステップ2:
HCl(EtOAc中4M、1mL)中のtert-ブチル4-[7-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]カルバモイル]-1H-インダゾール-5-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(70.0mg、136μmol)の溶液を、25℃で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-ピペリジル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(35mg、収率62%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2224Oについての計算値:417.2、実測値:417.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 12.95 (br s, 1H), 9.22 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 18.0 Hz, 2H), 7.77 (s, 1H), 7.70 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.09 - 7.39 (m, 2H), 5.51 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.25 - 3.26 (m, 1H), 2.83 - 2.96 (m, 4H), 1.80 - 1.99 (m, 4H), 1.56 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0368】
実施例18:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-4-メトキシ-1H-インダゾール-7-カルボキサミドの合成
【化80】
ステップ1:
トルエン(7mL)中の7-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(700mg、3.08mmol)の溶液に、無水酢酸(487μL、5.19mmol)を添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、HOで希釈し、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(7-ブロモ-4-メトキシ-インダゾール-1-イル)エタノン(700mg、収率84%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1010BrNについての計算値:269.0、実測値:269.0。
【0369】
ステップ2:
THF(8mL)中の1-(7-ブロモ-4-メトキシ-インダゾール-1-イル)エタノン(760mg、2.82mmol)の溶液に、NBS(782mg、4.39mmol)を-10℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌した。次いで、混合物をHOで希釈し、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5,7-ジブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(330mg、収率38%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]CBrOについての計算値:304.9、実測値:304.8。
【0370】
ステップ3:
ジオキサン(3mL)中の5,7-ジブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(260mg、850μmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン(322mg、1.70mmol)の溶液に、Mo(CO)(89.7mg、340μmol)、TEA(237μL、1.70mmol)、及びPd(dppf)Cl(62.2mg、85.0μmol)をNの雰囲気下で添加した。反応混合物を、マイクロ波反応器で、120℃で5時間撹拌した。混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取TLCによって精製して、5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-4-メトキシ-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(50mg、収率13%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1816BrFについての計算値:442.0、実測値:442.0。
【0371】
ステップ4:
ジオキサン(1mL)及びHO(0.2mL)中の5-ブロモ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-4-メトキシ-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(40.0mg、90.4μmol)の溶液に、CsCO(88.4mg、271μmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド(70.1mg、271μmol)、及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体(13.2mg、18.1μmol)を添加した。反応混合物を、N下で、100℃で2時間撹拌した。次いで、混合物をMeOHで希釈し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-4-メトキシ-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(8.5mg、収率19%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2323Sについての計算値:494.1、実測値:494.0;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 13.09 (br s, 1H) 9.08 (s, 1H) 8.41 (s, 1H) 7.93 (s, 1H) 7.67 (t, J = 8.0 Hz, 1H) 7.49-7.34 (m, 1H) 7.32-7.10 (m, 1H) 5.72 (s, 1H) 5.49-5.46 (m, 1H) 4.23 (s, 3H) 3.93 (br s, 2H) 3.35 (br s, 2H) 3.02 (br s, 2H) 1.54 (d, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0372】
実施例19:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-2-オキソ-インドリン-7-カルボキサミドの合成
【化81】
ステップ1:
ジオキサン(4mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-インドリン-2-オン(300mg、1.22mmol)及び(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミン(460mg、2.43mmol)の溶液に、Mo(CO)(129mg、487μmol)、TEA(339μL、2.43mmol)、及びPd(dppf)Cl(89.1mg、122μmol)をNの雰囲気下で添加した。反応混合物を、マイクロ波反応器で、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、5-クロロ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-2-オキソ-インドリン-7-カルボキサミド(220mg、収率29%、純度62%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1815ClFについての計算値:383.1、実測値:383.0。
【0373】
ステップ2:
THF(1mL)及びHO(0.2mL)中の5-クロロ-N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-2-オキソ-インドリン-7-カルボキサミド(100mg、261μmol)の溶液に、クロロ[(ジ(1-アダマンチル)-N-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(17.5mg、26.1μmol)、KPO(111mg、523μmol)、及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド(101mg、392μmol)を添加した。反応混合物を、N下で、80℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-2-オキソ-インドリン-7-カルボキサミド(4.8mg、収率3.8%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2322Sについての計算値:479.1、実測値:479.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 9.86 (br, s, 1H) 9.10 (br, s, 1H) 7.86 (s, 1H) 7.65 (t, J = 6.4 Hz, 1H) 7.55-7.47 (m, 2H) 7.38-7.09 (m, 1H) 6.00 (s, 1H) 5.50-5.38 (m, 1H) 3.92 (s, 2H) 3.51 (s, 2H) 3.38 (s, 2H) 3.13-3.04 (m, 2H) 1.52 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0374】
実施例20:N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-メチル-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミドの合成
【化82】
ステップ1:
ジオキサン(100mL)及びHO(20mL)中の6-ブロモ-2,4-ジクロロ-ピリジン-3-アミン(5.00g、20.7mmol)及び2-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(5.14g、22.7mmol)の溶液に、Pd(PPhCl(1.45g、2.07mmol)及びNaCO(4.38g、41.3mmol)をNの雰囲気下で、25℃で添加した。反応混合物を100℃で4時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、2,4-ジクロロ-6-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)ピリジン-3-アミン(4.00g、収率74%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1011ClSについての計算値:261.0、実測値:260.9。
【0375】
ステップ2:
TEA(80mL)中の2,4-ジクロロ-6-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)ピリジン-3-アミン(4.00g、15.3mmol)の溶液に、Pd(PPhCl(538mg、766μmol)及びCuI(146mg、766μmol)をNの雰囲気下で、0℃で添加した。次いで、エチニル(トリメチル)シラン(3.18mL、23.0mmol)を添加し、反応混合物を80℃で12時間撹拌した。次いで、混合物を冷却し、濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-クロロ-6-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-2-(2-トリメチルシリルエチニル)ピリジン-3-アミン(2.90g、収率59%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1520ClNSSiについての計算値:323.1、実測値:322.9。
【0376】
ステップ3:
DMF(10mL)中の4-クロロ-6-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-2-(2-トリメチルシリルエチニル)-ピリジン-3-アミン(1.00g、3.10mmol)の溶液に、CuI(118mg、619μmol)をNの雰囲気下で添加した。反応混合物を110℃で4時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで処理し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-クロロ-5-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(380mg、収率49%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1212ClNSについての計算値:251.0、実測値:250.9。
【0377】
ステップ4:
THF(3mL)中の7-クロロ-5-(3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(280mg、1.12mmol)の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、1.03mL)をNの雰囲気下で、-10℃で滴加した。混合物を-50℃に冷却し、MeSO(116μL、1.23mmol)を滴加した。反応混合物を-50℃で30分間撹拌し、次いで、NHOH(1.5ml)及びヘプタン(1.5ml)希釈水溶液にゆっくりと移した。反応混合物を、25℃に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残留物を分取TLCによって精製して、7-クロロ-5-(4-メチル-2,3-ジヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(50mg、収率17%)を黄色の固体として得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1314ClNSについての計算値:265.0、実測値:264.9。
【0378】
ステップ5:
THF(2mL)中の7-クロロ-5-(4-メチル-2,3-ジヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(60.0mg、227μmol)の溶液に、Pd/C(純度10%、6.0mg、23μmol)をNの雰囲気下で添加した。懸濁液をHでパージし、反応混合物を、H(15psi)下で、25℃で4時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、7-クロロ-5-(4-メチルテトラヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(60mg、収率99%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C1316ClNSについての計算値:267.1、実測値:267.0。
【0379】
ステップ6:
ジオキサン(1mL)中の7-クロロ-5-(4-メチルテトラヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン(60mg、225μmol)の溶液に、(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エタンアミンHCl塩(128mg、566μmol)、Mo(CO)(59.4mg、225μmol)、TEA(188μL、1.35mmol)、及びPd(dppf)Cl(16.5mg、22.5μmol)をNの雰囲気下で添加した。反応混合物を、マイクロ波反応器で、120℃で16時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-メチルテトラヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド(22mg、収率22%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2325OSについての計算値:448.2、実測値:448.1。
【0380】
ステップ7:
O(1mL)及びMeOH(3mL)中のN-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-メチルテトラヒドロチオピラン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド(20.0mg、44.7μmol)の混合物に、Oxone(登録商標)(55.0mg、89.4μmol)をNの雰囲気下で添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって精製して、N-[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]-5-(4-メチル-1,1-ジオキソ-チアン-4-イル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-7-カルボキサミド(10mg、収率58%)を得た。LCMS(ESI):m/z:[M+H]C2325Sについての計算値:480.1、実測値:480.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 11.34 (br s, 1H), 9.28 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.68 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.57-7.51 (m, 2H), 7.36-7.10 (m, 2H), 6.58 (dd, J = 2.0, 3.2 Hz, 1H), 5.53-5.46 (m, 1H), 3.18-3.15 (m, 2H), 3.00-2.95 (m, 2H), 2.87-2.83 (m, 2H), 2.22-2.15 (m, 2H), 1.58 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.37 (s, 3H)。
【0381】
追加の化合物
実施例1~20について上に記載されるものと同様の方法を使用して、表Bに列挙される化合物を調製した。
【表3-1】
【表3-2】
【0382】
生物学的実施例
効力アッセイ:表面プラズモン共鳴(SPR)を使用した、SOS1に対する本開示の化合物の結合親和性の測定
SPRアッセイの目的は、センサチップ上に固定化されたSOS1触媒ドメイン(残基564~1049)への化合物の直接結合を測定することであった。データを、平衡解離定数(K)値として報告した。
【0383】
GE Biacore 8K SPR機器を使用して、aviタグ付きSOS1触媒ドメインタンパク質を、0.01MのHEPES、0.15MのNaCl、及び0.05%v/vの界面活性剤P20を含有するアッセイ緩衝液中のトレプトアビジンコーティングSPRセンサチップ上で約6000応答ユニット(RU)のレベルに固定化した。2%DMSOを含有するアッセイ緩衝液において、試験化合物の濃度系列を、10回の2倍希釈にわたって5μM~4.9nMの範囲で生成した。各試験化合物について、後続の二重参照減算中に使用するために、別個の0μMのサンプルを生成した。各試験化合物について連続的に、個々の希釈サンプルを固定化SOS1タンパク質上に50μL/分の流速で流し、SOS1との会合をモニタリングした。結合した試験化合物のSOS1タンパク質からの解離を、センサ表面にアッセイ緩衝液を流し、化合物の非存在下で見られるベースラインレベルに戻る結合シグナルの減少をモニタリングすることによって、直ちにモニタリングした。これを、各系列のすべての化合物希釈について反復した。各試験化合物濃度の結合レベル応答を、会合段階の終了直前に記録し、各化合物希釈系列について生成された試験化合物濃度に対する結合応答レベルを示す二次プロットを生成した。このデータを、試験化合物とSOS1との間の可逆的な平衡1:1結合を記載するモデルに適合し、相互作用のK推定値を得た。
【0384】
表面プラズモン共鳴(SPR)を使用したSOS1の結果を以下の表Cに示す。
【表4】
【0385】
効力アッセイ:pERK
このアッセイの目的は、細胞内のSOS1機能を阻害する試験化合物の能力を測定することである。SOS1は、受容体型チロシンキナーゼの活性化に応答して、RAS・GDPからRAS・GTPへの変換を触媒することにより、RASタンパク質を活性化する。RASの活性化は、一連の細胞シグナル伝達事象を誘発し、その結果、スレオニン202及びチロシン204(pERK)でERKのリン酸化が増加する。以下に説明する手順は、PC-9細胞(EGFR Ex19Del)の試験化合物に応答して、細胞pERKのレベルを測定する。
【0386】
PC-9細胞を、ATCCにより推奨されている培地と手順を使用して、増殖及び維持した。化合物添加の前日に、細胞を384ウェル細胞培養プレート(40μL/ウェル)に播種し、37℃、5%COのインキュベーター中で一晩増殖させた。試験化合物を、DMSO中で10回3倍希釈し、最高濃度10mMで調製した。アッセイ当日に、Echo550液体ハンドラー(LabCyte)を使用して、40nLの試験化合物を細胞培養プレートの各ウェルに添加した。試験化合物の濃度を2回反復試験し、最高試験濃度は10μMであった。化合物添加後、細胞を37℃、5%COで1時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。
【0387】
細胞のpERKレベルを、AlphaLISA SureFire Ultra p-ERK1/2アッセイキット(PerkinElmer)を使用して決定した。細胞を25μLの溶解緩衝液中に溶解し、室温で15分間、600RPMで振とうした。溶解物(10μL)を384ウェルOpti-plate(PerkinElmer)に移し、5μLの受容体ミックスを添加した。プレートを1000RPMで1分間遠心分離し、暗所で2時間インキュベートした。このインキュベーションに続いて、5μLのドナーミックスを添加し、プレートを密封して、1000RPMで1分間遠心分離し、混合物を室温で2時間インキュベートした。標準AlphaLISA設定を使用して、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)上でシグナルを読み取った。生データの分析を、Excel(Microsoft)及びPrism(GraphPad)で行った。シグナルを化合物濃度の10の対数に対してプロットし、IC50を4パラメータのシグモイド濃度応答モデルを適合することによって決定した。
【0388】
SOS1 pERK IC50アッセイの結果を、以下の表Dに示す。
【表5】
【0389】
作用機序アッセイ:SOS1ヌクレオチド交換活性の阻害
このアッセイの目的は、KRASのSOS1ヌクレオチド交換に対する化合物の阻害活性を特徴付けることであった。データを、TR-FRETシグナルに基づくIC50値として報告した。
【0390】
注記-以下のプロトコルは、本発明の化合物に応答した野生型KRASのSOS1ヌクレオチド交換活性の阻害をモニタリングするための手順を説明している。他のKRAS変異体及びRASアイソフォームを用いてもよい。
【0391】
20mMのHEPES、pH7.5、150mMのNaCl、5mMのMgCl、0.05%のTween-20、0.1%のBSA、1mMのDTTを含有するアッセイ緩衝液において、試験化合物の濃度系列を、384ウェルアッセイプレート中に20μLの体積で、11回の3倍段階希釈にわたって100μM~1.7nMの範囲で生成した。SOS1の精製されたタグなし触媒ドメイン(残基564~1049)を、最初に100nMの濃度のアッセイ緩衝液中に希釈し、次いで20μLのSOS1含有溶液を化合物プレートに直接分注した。SOS1/化合物混合物を、室温で20分間、オービタルシェーカー上で絶えず混合しながらインキュベートして、反応を平衡に到達させた。KRAS混合物を、66.7nMのaviタグ付きKRAS(残基1~169)、3.33nMのストレプトアビジン-Tb、及び333nMのEDA-GTP-DY-647P1をアッセイ緩衝液中に希釈することにより調製した。この混合物を、内因性ヌクレオチド交換を防ぐために、SOS1/化合物混合物に添加する直前に調製した。次いで、5μLのプレインキュベートしたSOS1/化合物混合物及び7.5μLのKRAS混合物を、384ウェルの少量の黒い丸底プレートに順次添加し、室温で30分間、絶えず振とうしながらインキュベートした。時間分解蛍光を、PerkinElmer Envisionプレートリーダーにおいて測定した。DMSOと10μMの化合物(i)を、それぞれ、陰性対照と陽性対照として使用した。
【化83】
【0392】
各化合物について、3回の反復実験を行った。データを、以下によって正規化した:(陽性対照-サンプルシグナル)/(陽性対照-陰性対照)*100。データを、4パラメータロジスティックフィットを使用して適合した。
【0393】
SOS1 TR-FRET IC50アッセイの結果を、以下の表Eに示す。
【表6】
【0394】
等価物
本発明を上記の特定の実施形態と併せて説明してきたが、それらの多くの代替、修正、及び他の変形が当業者には明らかであろう。そのようなすべての代替、修正、及び変形は、本発明の趣旨及び範囲内に含まれることが意図されている。
【国際調査報告】