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特表2024-503310ロボットカテーテル及び手動吸引カテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ロボットカテーテル及び手動吸引カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20240118BHJP
   A61B 90/96 20160101ALI20240118BHJP
   A61B 90/98 20160101ALI20240118BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20240118BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20240118BHJP
【FI】
A61M25/08
A61B90/96
A61B90/98
A61M25/01
B25J11/00 Z
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540052
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 IB2021062087
(87)【国際公開番号】W WO2022144688
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,864
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ハーモニックドライブ
3.ケブラー
4.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ポン・ラッセル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス・トーマス・アール
(72)【発明者】
【氏名】バエズ・ジュニア・ルイス・アンドラーデ
(72)【発明者】
【氏名】ノデル・ブライアン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・カ・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエン・ケン
【テーマコード(参考)】
3C707
4C130
4C267
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707DS01
3C707JS02
3C707LV02
4C130AA02
4C130AA34
4C130AA50
4C130AB01
4C267AA03
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB62
4C267CC26
(57)【要約】
吸引カテーテルが、細長いシャフトと、シャフトに結合され、シャフトの少なくとも遠位部分の作動を制御するように構成された器具基部と、を含むことができる。シャフトは、吸引システムに結合して、患者から対象物を除去することなどのために、標的部位に吸引を提供するように構成されたルーメンを含むことができる。器具基部は、シャフトの少なくとも遠位部分を関節運動させるように、ロボット制御及び/又は手動制御され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーメンを含み、吸引システムに結合して、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部であって、ロボットアームに関連付けられた駆動出力アセンブリに結合するように構成された駆動入力アセンブリを含む、器具基部と、を含む、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記細長いシャフトは別のルーメンを含み、前記ロボット制御可能なカテーテルアセンブリは、
前記別のルーメン内に摺動可能に配置され、前記細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含み、
前記駆動入力アセンブリは、前記細長い移動部材に接続されて、前記細長いシャフトの関節運動を制御する、請求項1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記器具基部は、前記細長いシャフトの近位端に結合され、前記吸引システムに結合するように構成されたポートを含む、請求項1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記器具基部は、前記ロボット制御可能なカテーテルアセンブリの識別子に関連付けられた識別要素を含み、前記識別要素は、無線周波数識別タグ、クイックレスポンス(QR)コード、バーコード、又は磁石のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
手動入力を受け取って、前記細長いシャフトの操作を制御するように構成されたハンドヘルド器具アダプタを更に含み、前記ハンドヘルド器具アダプタは、前記器具基部の前記駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラと、前記カプラに接続され、前記カプラを操作するように構成された手動アクチュエータと、を含む、請求項1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記カプラは、前記手動アクチュエータと係合され、前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された歯車アセンブリを含む、請求項5に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記細長いシャフトを操作するように構成されたプルワイヤを更に含み、
前記カプラは、前記駆動入力アセンブリを操作することから前記手動アクチュエータを解放するように構成され、前記プルワイヤの張力を調節するように構成された引張機構を含む、請求項5に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
基部と、
前記基部内に回転可能に支持されたカプラであって、ロボット制御可能な医療器具の駆動入力アセンブリに結合するように構成された、カプラと、
前記カプラに動作可能に結合され、前記カプラを操作して前記ロボット制御可能な医療器具を関節運動させるように構成された第1の手動アクチュエータと、を含む、システム。
【請求項9】
前記カプラは、前記第1の手動アクチュエータに結合され、前記ロボット制御可能な医療器具の前記駆動入力アセンブリに結合するように構成された係合アセンブリを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記係合アセンブリは、(i)前記手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記係合解除機構は、手動入力を受け取って、前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への前記結合を係合解除するように構成された第2の手動アクチュエータを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
(i)吸引システムに結合して、標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、(ii)前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部と、を含む、前記ロボット制御可能な医療器具を更に含み、前記器具基部は、前記駆動入力アセンブリを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記細長いシャフトはルーメンを含み、前記ロボット制御可能な医療器具は、前記ルーメン内に摺動可能に配置され、前記細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含み、
前記駆動入力アセンブリは、前記細長い移動部材に接続されて、前記細長いシャフトの関節運動を制御する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記カプラは、前記駆動入力アセンブリを操作することから前記第1の手動アクチュエータを解放するように構成され、前記細長い移動部材の張力を調節するように構成された引張機構を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
システムであって、
遠位端部分と、近位端部分と、ルーメンとを含む細長いシャフトであって、吸引システムに結合して、前記ルーメンを介して吸引を提供するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合されたハンドルであって、
前記ハンドルが前記細長いシャフトの関節運動を制御するためのロボット入力を受け取るロボットモードと、
前記ハンドルが前記細長いシャフトの関節運動を制御するための手動入力を受け取る手動モードと、において動作するように構成された、ハンドルと、を含む、システム。
【請求項16】
前記ロボット入力を前記ハンドルに提供するように構成された駆動出力アセンブリを含むロボットアームを更に含み、
前記ハンドルは、前記ロボットアームの前記駆動出力アセンブリに結合されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハンドルは、前記細長いシャフトに結合され、前記手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハンドルは、前記ロボット入力を受け取るように構成された器具基部と、前記器具基部に結合するように構成されたアダプタと、を含み、前記アダプタは、前記手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記アダプタは、前記器具基部の駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラを含み、前記カプラは、(i)前記手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記係合解除機構は、手動入力を受け取って、前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への前記結合を係合解除するように構成された別の手動アクチュエータを含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月31日に出願された「ROBOTIC AND MANUAL ASPIRATION CATHETERS」と題する米国特許仮出願第63/132,864号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
種々の医療処置は、患者体内の標的解剖学的部位にアクセスするための1つ以上の医療デバイスの使用を伴う。いくつかの例では、処置に関連して部位にアクセスするときに特定のデバイスを不適切に使用することは、患者の健康、医療デバイス(複数可)の完全性、及び/又は処置の有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実装形態では、本開示は、ルーメンを含み、吸引システムに結合して、ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、細長いシャフトに結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部と、を備えるロボット制御可能なカテーテルアセンブリに関する。器具基部は、ロボットアームに関連付けられた駆動出力アセンブリに結合するように構成された駆動入力アセンブリを含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトは別のルーメンを含み、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリは、別のルーメン内に摺動可能に配置され、細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含む。駆動入力アセンブリは、細長い移動部材に接続されて、細長いシャフトの関節運動を制御することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、器具基部は、細長いシャフトの近位端に結合され、吸引システムに結合するように構成されたポートを含む。更に、いくつかの実施形態では、器具基部は、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリのための識別子に関連付けられた識別要素を含む。識別要素は、無線周波数識別タグ、クイックレスポンス(QR)コード、バーコード、又は磁石のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリは、手動入力を受け取って、細長いシャフトの操作を制御するように構成されたハンドヘルド器具アダプタを更に含む。ハンドヘルド器具アダプタは、器具基部の駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラと、カプラに接続され、カプラを操作するように構成された手動アクチュエータと、を含むことができる。例では、カプラは、手動アクチュエータと係合され、駆動入力アセンブリと係合するように構成された歯車アセンブリを含む。更に、例では、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリは、細長いシャフトを操作するように構成されたプルワイヤを更に含む。カプラは、駆動入力アセンブリを操作することから手動アクチュエータを解放するように構成され、プルワイヤの張力を調節するように構成された引張機構を含むことができる。
【0007】
いくつかの実装形態では、本開示は、ルーメンを含み、吸引システムに結合して、ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、細長いシャフトに結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成された手動アクチュエータを含む器具ハンドルと、を備える手動制御可能なカテーテルに関する。
【0008】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトはワイヤルーメンを含み、手動制御可能なカテーテルは、ワイヤルーメン内に摺動可能に配置され、細長いシャフトの遠位端に接続されたプルワイヤを更に備える。手動アクチュエータは、プルワイヤに接続されて、細長いシャフトの関節運動を制御することができる。更に、いくつかの実施形態では、器具ハンドルは、細長いシャフトの近位端に結合され、吸引システムに結合するように構成されたポートを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、手動アクチュエータは、器具ハンドルが順手の様式でユーザによって保持されるとき、ユーザの親指によって作動されるように構成される。更に、いくつかの実施形態では、手動アクチュエータは、器具ハンドルがユーザによって逆手の様式で保持されるとき、ユーザの親指によって作動されるように構成される。
【0010】
いくつかの実装形態では、本開示は、基部と、基部内に回転可能に支持されたカプラと、カプラに動作可能に結合された第1の手動アクチュエータと、を含むシステムに関する。カプラは、ロボット制御可能な医療器具の駆動入力アセンブリに結合するように構成されている。第1の手動アクチュエータは、カプラを操作して、ロボット制御可能な医療器具を関節運動させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、カプラは、第1の手動アクチュエータに結合され、ロボット制御可能な医療器具の駆動入力アセンブリに結合するように構成された係合アセンブリを含む。例では、係合アセンブリは、(i)手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)第1の係合部材の第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含む。更に、例では、係合解除機構は、手動入力を受け取って、第1の係合部材の第2の係合部材への結合を解放するように構成された第2の手動アクチュエータを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本システムは、(i)吸引システムに結合して、標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、(ii)細長いシャフトに結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部と、を含むロボット制御可能な医療器具を更に含む。器具基部は、駆動入力アセンブリを含むことができる。例では、細長いシャフトはルーメンを含み、ロボット制御可能な医療器具は、ルーメン内に摺動可能に配置され、細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含む。駆動入力アセンブリは、細長い移動部材に接続されて、細長いシャフトの関節運動を制御することができる。更に、例では、カプラは、駆動入力アセンブリを操作することから第1の手動アクチュエータを解放するように構成され、細長い移動部材の張力を調整するように構成された引張機構を含む。更に、例では、器具基部は、細長いシャフトの近位端に結合され、吸引システムに結合するように構成されたポートを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、カプラは、第1の手動アクチュエータと係合され、駆動入力アセンブリと係合するように構成された歯車アセンブリを含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、本開示は、細長いシャフトと、細長いシャフトに結合されたハンドルと、を含むシステムに関する。細長いシャフトは、遠位端部分と、近位端部分と、ルーメンとを含む。細長いシャフトは、吸引システムに結合して、ルーメンを介して吸引を提供するように構成される。ハンドルは、ハンドルが細長いシャフトの関節運動を制御するためのロボット入力を受け取るロボットモードと、ハンドルが細長いシャフトの関節運動を制御するための手動入力を受け取る手動モードと、において動作するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、本システムは、ロボット入力をハンドルに提供するように構成された駆動出力アセンブリを含むロボットアームを更に含む。ハンドルは、ロボットアームの駆動出力アセンブリに結合されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ハンドルは、細長いシャフトに結合され、手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、ロボット入力を受け取るように構成された器具基部と、器具基部に結合するように構成されたアダプタと、を含む。アダプタは、手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含むことができる。例では、アダプタは、器具基部の駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラを含む。カプラは、(i)手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)第1の係合部材の第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含むことができる。更に、例では、係合解除機構は、手動入力を受け取って、第1の係合部材の第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された別の手動アクチュエータを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、細長いシャフトの遠位端部分を操作するように構成されたプルワイヤを含む。例では、ハンドルは、プルワイヤの張力を調整するように構成された引張機構を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、ルーメン及び吸引システムに接続するように構成されたポートを含む。
【0019】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び特徴が記載されている。必ずしもこのような利点がすべて、何らかの特定の実施形態により実現され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示した実施形態は、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも実現することなく行う方法で実行し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
種々の実施形態を説明を目的として添付図面に示すが、決して本開示の範囲を限定するものと解釈するべきではない。加えて、異なる開示した実施形態の種々の特徴を組み合わせて、本開示の一部である更なる実施形態を形成することができる。図面の全体を通して、参照番号を、参照要素間の対応関係を示すために再使用する場合がある。
図1】1つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の尿管鏡検査処置のために構成された例示的なロボット医療システムを示す図である。
図2】1つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の気管支鏡検査処置のために構成された例示的なロボット医療システムを示す図である。
図3】1つ以上の実施形態による、例示的なテーブルベースのロボットシステムを示す図である。
図4】1つ以上の実施形態による、図1図3の医療システムのいずれかに実装され得る例示的な医療システム構成要素を示す図である。
図5】1つ以上の実施形態による、患者の腎臓に配置された例示的なカテーテルを示す図である。
図6】1つ以上の実施形態による、シャフトとハンドルとを含む例示的カテーテルを示す図である。
図7A】1つ以上の実施形態による、図6のカテーテルのシャフトの側面図である。
図7B】1つ以上の実施形態による、図6のカテーテルのシャフトの断面図である。
図8A】1つ以上の実施形態による、例示的なロボット制御可能なカテーテルの斜視図である。
図8B】1つ以上の実施形態による、図8Aの例示的なロボット制御可能なカテーテルの底面図である。
図8C】1つ以上の実施形態による、図8A図8Bの例示的なロボット制御可能なカテーテルの底部の斜視図である。
図9-1】1つ以上の実施形態による、図8A図8Cのカテーテルの器具基部の上面図である。
図9-2】1つ以上の実施形態による、器具基部の上部部分を除去された、図8A図8Cのカテーテルの器具基部の上面図である。
図10】1つ以上の実施形態による、図8A図8Cのカテーテルの器具基部の例示的な構成要素を示す図である。
図11】1つ以上の実施形態による、ロボットアームに関連付けられる例示的な器具デバイスマニピュレータアセンブリの分解図である。
図12-1】1つ以上の実施形態による、ロボット制御可能な医療器具に結合するように構成された例示的な手動アダプタを示す図である。
図12-2】1つ以上の実施形態による、図18-1のアダプタの例示的な構成要素を示す分解図である。
図12-3】1つ以上の実施形態による、図12-1のアダプタの手動アクチュエータと係合される例示的な係合アセンブリを示す図である。
図12-4】1つ以上の実施形態による、図12-3の係合アセンブリを示す分解図である。
図12-5】1つ以上の実施形態による、図12-1のアダプタの例示的な手動アクチュエータ及び歯車/カプラの底面図である。
図13A】1つ以上の実施形態による、ロボット制御可能なカテーテルに結合された図12-1のアダプタを示す図である。
図13B】1つ以上の実施形態による、ロボット制御可能なカテーテルに結合された図12-1のアダプタを示す図である。
図14A】それぞれ、1つ以上の実施形態による例示的な手動制御可能なカテーテルの斜視図、側面図、及び上面図である。
図14B】それぞれ、1つ以上の実施形態による例示的な手動制御可能なカテーテルの斜視図、側面図、及び上面図である。
図14C】それぞれ、1つ以上の実施形態による例示的な手動制御可能なカテーテルの斜視図、側面図、及び上面図である。
図15A】1つ以上の実施形態による、図14A図14Cの例示的な手動制御可能なカテーテルの側面図及び斜視図である。
図15B】1つ以上の実施形態による、図14A図14Cの例示的な手動制御可能なカテーテルの側面図及び斜視図である。
図15C】1つ以上の実施形態による、図14A図14Cの例示的な手動制御可能なカテーテルの側面図及び斜視図である。
図16】1つ以上の実施形態による、図14A図14Cの例示的な手動制御可能なカテーテルの手動アクチュエータ及び他の特徴部を示す図である。
図17】1つ以上の実施形態による、ユーザによって保持される、図14A図14Cの例示的な手動制御可能なカテーテルを示す図である。
図18-1】1つ以上の実施形態による別の例示的な手動制御可能なカテーテルを示す図である。
図18-2】1つ以上の実施形態による、図18-1の手動制御可能なカテーテルの例示的な内部構成要素を示す図である。
図19】1つ以上の実施形態による、ユーザによって保持される、図18-1及び図18-2の例示的な手動制御可能なカテーテルを示す図である。
図20-1】1つ以上の実施形態による更なる例示的な手動制御可能なカテーテルを示す図である。
図20-2】1つ以上の実施形態による、図20-1の手動制御可能なカテーテルの例示的な内部構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で提供する見出しは、単に便宜的なものであり、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。特定の実施形態及び例を以下に開示するが、主題は、具体的に開示した実施形態を越えて他の代替的な実施形態及び/又は使用まで、並びに変更及びその均等物にまで及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に説明する特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で行ってもよく、必ずしも何らかの特定の開示された順序に限定されない。種々の動作を、特定の実施形態を理解することに役立ち得る方法で、複数の別個の動作として順々に説明する場合がある。しかし、説明の順序は、これらの動作が順序に依存することを意味すると解釈してはならない。更に、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素又は別個の構成要素として具体化され得る。種々の実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点について説明する。必ずしもこのような態様又は利点がすべて、何らかの特定の実施形態によって実現されるわけではない。したがって、例えば、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、やはり本明細書で教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも実現することなく行う方法で、種々の実施形態を実行し得る。
【0022】
特定の空間的に相対的な語、例えば「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「頂部」「底部」、及び同様の用語は、本明細書では、あるデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的関係を説明するために用いられるが、これらの用語は、本明細書では、図面に例示するように、要素/構造間の位置関係を説明するために説明を簡単にする目的で用いられることを理解されたい。空間的に相対的な語は、図面に示す向きに加えて、使用又は動作時に、要素/構造の異なる向きを包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、要素/構造が別の要素/構造の「上方」にあると説明される場合、対象患者又は要素/構造の代替的な向きに対してそのような他の要素/構造の下方又は脇にある位置を表すことがあり、逆もまた同様である。上に列挙されたものを含む空間的に相対的な用語は、参照される図のそれぞれの図示された向きに対して理解され得るものであることを理解されたい。
【0023】
1つ以上の点で類似する特徴を有するデバイス、構成要素、システム、特徴部、及び/又はモジュールに対する便宜のために、本開示の図セットの異なる図にわたって特定の参照番号が再使用される。しかしながら、本明細書に開示される実施形態のいずれかに関して、図面における共通の参照番号の再使用は、そのような特徴部、デバイス、構成要素、又はモジュールが同一であるか、あるいは類似していることを必ずしも意味しない。むしろ、当業者は、共通の参照番号の使用が、参照される主題の間の類似性を暗示し得る程度に関して、文脈によって通知され得る。特定の図の説明の文脈における特定の参照番号の使用は、その特定の図における識別されるデバイス、構成要素、態様、特徴部、モジュール、又はシステムに関連すると理解され得るものであり、必ずしも別の図において同じ参照番号によって識別される任意のデバイス、構成要素、態様、特徴部、モジュール、又はシステムに関連するものではないと理解され得る。更に、共通の参照番号で識別される別個の図の態様は、特性を共有するように、あるいは互いに完全に独立しているように解釈され得る。
【0024】
本開示は、吸引/灌注カテーテル/デバイスに関する。本開示に関連する経皮的アクセスデバイス及び他の医療デバイスに関して、用語「デバイス」は、その広義の通常の意味に従って使用され、任意のタイプのツール、器具、アセンブリ、システム、装置、構成要素等を指し得る。本明細書のいくつかの文脈では、用語「器具」は、用語「デバイス」と実質的に互換的に使用され得る。
【0025】
本開示のある特定の態様は、腎臓結石の除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓学的な手技の文脈において本明細書で詳細に記載されるが、かかる文脈は、便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、気管支鏡検査などの任意の適切な医療処置に適用可能であることを理解されたい。しかし、前述したように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明を、本明細書で開示する考え方の説明を助けるために以下に提示する。
【0026】
腎臓結石疾患は、尿路結石症としても知られているが、尿路において、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石症」、又は「腎結石症」と言われる物質の固体片が形成されることを含む医学的状態である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱内で形成及び/又は見出される場合がある(「膀胱結石」と言われる)。このような尿路結石は、尿中のミネラルが濃縮した結果として形成される可能性があり、このような結石が、尿管又は尿道を通る尿流を妨げるのに十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こす可能性がある。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、及び/若しくは他の化合物、又はそれらの組み合わせから形成される場合がある。
【0027】
腎臓結石を有する患者を治療するためにいくつかの方法を使用することができ、これには、観察、医学的治療(排除療法など)、非侵襲的治療(体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy)(ESWL)など)、及び外科的治療(尿管鏡術及び経皮的腎切石術(percutaneous nephrolithotomy)(「PCNL」)など)が挙げられる。いくつかのアプローチ(例えば、尿管鏡検査及びPCNL)では、医師は、結石にアクセスし、結石は、より小さい破片又は断片に破砕され、比較的小さい結石断片/粒子は、バスケットデバイス及び/又は吸引を使用して腎臓から抽出される。
【0028】
尿管鏡検査処置において、医師は、膀胱及び尿管から尿路結石を除去するために、尿管鏡を尿道を通して尿管に挿入することがある。通常、尿管鏡はその遠位端に、尿路の視覚化を可能にするように構成された撮像デバイスを含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するための砕石デバイスを含むことができる。尿管鏡処置中に、1人の医師/技師が、尿管鏡の位置を制御し得る一方で、別の医師/技師は、砕石デバイス(複数可)を制御し得る。
【0029】
比較的大きい結石を除去するために使用され得るPCNL処置では、医師は、皮膚を通して(すなわち、経皮的に)、また介在組織を通して腎臓鏡を挿入し、結石(複数可)を破砕及び/又は除去するための治療部位へのアクセスを提供し得る。PCNL処置中に、流体工学を適用して、治療部位及び/又は視野から結石粉、小片、及び/又は血栓を除去することができる。いくつかの例では、比較的直線状及び/又は剛性の腎臓鏡が使用され、医師は、患者の身体に対してデバイスを押圧すること/てこ作用させることによって、腎臓鏡の先端部を腎臓(例えば、腎杯)内の適切な場所に位置付ける。この動きは、患者にとって有害であり得る(例えば、組織損傷を引き起こす)。
【0030】
以下で更に詳細に論じられる処置のうちの1つ以上の処置など、他の処置では、医師は、腎臓結石を除去するために、経皮的及び/又は直接的アクセス経路を介して、複数の器具を使用することができる。例えば、医師は、患者の尿道を通して腎臓内の標的部位までスコープをナビゲートし、患者の皮膚を通して標的部位内にカテーテルデバイスを挿入することができる。医師は、スコープ及びカテーテルデバイスを協働させて使用して、腎臓結石を断片化し、断片を患者体内から抽出することができる。
【0031】
本開示は、医療処置を実施するために標的部位にナビゲートする、及び/又は標的部位を吸引/灌注するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。例えば、細長いシャフトと、シャフトに結合され、(少なくともシャフトの遠位部分において)シャフトの作動を制御するように構成されたハンドル/基部と、を含むカテーテルが実現され得る。シャフトは、吸引/灌注システムに結合し、患者から対象物を除去するなどのために標的部位に吸引/灌注を提供するように構成されたルーメンを含むことができる。カテーテルのハンドル/基部は、ロボット制御及び/又は手動によって制御されてシャフトの遠位部分を関節運動させることができその結果、カテーテルは、患者の解剖学的構造内でナビゲートされ得る。例えば、カテーテルは、シャフトの遠位部分及びカテーテルのハンドル内の1つ以上の操作構成要素に結合される、複数のプルワイヤ又は他の細長い移動部材を含むことができる。プルワイヤ/細長い移動部材を(ハンドルを使用して)操作し、シャフトの遠位部分の移動を制御することができる。それに加えて、あるいはそれに代わって、カテーテルのハンドルは、カテーテルの先端部を挿入/後退させるため等、カテーテルの遠位部分の移動を制御するために移動され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じられる技法及びデバイスは、患者の解剖学的構造への損傷及び/又は除去デバイスへの損傷を防止する効率的な様式で、対象物を患者体内から除去することを可能にし得る。例えば、本明細書で説明される関節運動可能なカテーテル構造は、医師が、カテーテルの全体を移動させることなく(例えば、カテーテルのハンドル/基部内の1つ以上の要素を制御することによって)、患者体内のカテーテルの遠位部分をナビゲートすることを可能にし得る。対照的に、いくつかの腎臓鏡検査処置では、医師がネフロースコープの近位部分をてこ作用で動かして、ネフロースコープの先端部を患者体内の適切な場所に配置する必要があり、その結果、患者の解剖学的構造に損傷が生じる。
【0033】
いくつかの実施態様では、本明細書で説明される本技法は、ロボット支援医療処置を実装し、ロボットツールは、医師が標的解剖学的部位のための、内視鏡のアクセス及び/又は経皮的アクセス、並びに/若しくは内視鏡による処置及び/又は経皮的処置を行うことを可能にし得る。例えば、ロボットツールは、スコープ、カテーテル、又は別の器具などの1つ以上の医療器具と係合し、かつ/又はそれらを制御して、患者内の標的部位にアクセスし、かつ/又は標的部位において処置を行うことができる。いくつかの場合には、ロボットツールは、医師によって誘導/制御される。他の場合には、ロボットツールは、自動的又は半自動的に動作する。いくつかの技法がロボット支援医療処置の文脈で論じられるが、それらの技法は、ロボットツールを実装しない、又は比較的少ない動作(例えば、閾値数未満)のためにのみロボットツールを実装する手技など、他のタイプの医療手技にも適用可能であり得る。例えば、本技法は、医師によって完全に制御される手動カテーテル及び/又はスコープなどの手動で動作される医療器具が実装される処置に適用可能である可能性がある。
【0034】
本開示の特定の態様は、腎臓結石除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓の処置の文脈で本明細書で説明される。しかし、そのような文脈は便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、任意の好適な医療処置に適用可能であることを理解されたい。例えば、以下の説明は、経皮的に、かつ/又は内視鏡的アクセスを介して治療部位又は患者の体腔(例えば、食道、尿管、腸、眼など)から除去することができる任意の対象物を含む、患者からの対象物の除去に関する他の外科/医療手術又は医療処置、例えば、胆嚢結石除去、肺臓(肺/経胸腔)腫瘍生検、又は白内障除去などにも当てはまる。しかし、前述のように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明が、本明細書で開示する考え方の説明を助けるために以下に提示されている。
【0035】
図1は、1つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の尿管鏡検査処置のために構成された例示的なロボット医療システム100を示す。医療システム100は、患者120に対する処置を行うために1つ以上の医療器具/医療デバイスと係合し、かつ/又はそれらを制御するように構成されたロボットシステム110を含む。図1の例では、ロボットシステム110は、スコープ130及びカテーテル140に結合する。しかしながら、ロボットシステム110は、任意のタイプの医療器具に結合することができる。医療システム100はまた、ロボットシステム110及び/又は医師160とのインターフェースとなり、処置に関する情報を提供し、かつ/又は種々の他の動作を行うように構成された制御システム150を含む。例えば、制御システム150は、処置を行う際に、医師160を支援するための特定の情報を提示するように構成されたディスプレイ(複数可)156を含むことができる。医療システム100はまた、カテーテル140、スコープ130、器具/デバイス142、及び/又は別の器具/デバイス等を介して、標的部位に吸引及び/又は灌注を提供するように構成された流体管理システム170(「吸引システム170」又は「灌注システム170」と称されることもある)を含むことができる。医療システム100は、患者120を保持するように構成されたテーブル180(例えば、ベッド)を含むことができる。種々の行為は、医師160によって行われると本明細書では記載されている。これらの行為は、医師160、医師160の指示の下でのユーザ、別のユーザ(例えば、技師)、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザによって直接行うことができる。医療システム100のデバイス/構成要素は、処置のタイプ、処置の段階、ユーザの好みなどに応じて、種々の方法で構成され得る。
【0036】
制御システム150は一般に、ロボットシステム110と協働して動作して医療処置を実施することができる。例えば、制御システム150は、無線又は有線接続を介してロボットシステム110と通信して、ロボットシステム110に接続された医療器具を制御し、医療器具などによって捕捉した画像(複数可)を受信することができる。例えば、制御システム150は、スコープ130(例えば、スコープ130に関連付けられた撮像デバイス)から画像データを受信し、画像データ(及び/又はそこから生成された表現)を医師160に表示して、医師160が患者120内でスコープ130及び/又はカテーテル140をナビゲートするのを支援することができる。医師160は、コントローラなどの入力/出力(I/O)デバイスを介して入力を提供することができ、制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して、ロボットシステム110に接続されたスコープ130及び/又はカテーテル140の移動を制御することができる。スコープ130及び/又はカテーテル140(及び/又は別の医療器具)は、関節運動する、回転するなど、種々の方式で動くように構成され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ以上の電気的接続を介してロボットシステム110に電力を提供すること、1つ以上の光ファイバ又は他の構成要素を介してロボットシステム110に光学系を提供することなどができる。例では、制御システム150は医療器具と通信して、(ロボットシステム110を介して、かつ/又は医療器具から直接)センサデータを受信することができる。センサデータは、医療器具の位置及び/又は配向を示すことができ、又はそれらを判定するために使用することができる。更に、例では、制御システム150はテーブル180と通信して、テーブル180を特定の配向に位置付けるか、又は別様にテーブル180を制御することができる。また、例では、制御システム150はEM場発生器(例示せず)と通信して、患者120の周りのEM場の発生を制御することができる。
【0038】
ロボットシステム110は、医療器具(複数可)/医療デバイスと係合するか、又はそれらを制御するように構成された1つ以上のロボットアーム112を含むことができる。各ロボットアーム112は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み、これにより、複数の運動の度合いを提供することができる。ロボットアーム112(例えば、エンドエフェクタ)の遠位端は、器具/デバイスに結合するように構成することができる。図1の例では、ロボットアーム112(A)は、カテーテル140のハンドル141に結合される。第2のロボットアーム112(B)は、スコープ130のロボット制御/前進を円滑にすることができるスコープ-ドライバ器具結合部/デバイス131に結合される。更に、第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130のハンドル132に結合され、これは、スコープ130の作業チャネルを通して展開される器具など、スコープ130を通して展開され得るスコープ130及び/又は医療器具の前進及び/又は動作を円滑にするように構成され得る。この例では、第2のロボットアーム112(B)及び/又は第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130の動き(例えば、関節運動、回転など)を制御することができる。図1では3つのロボットアームが特定の医療器具に接続されているが、ロボットシステム110は、任意のタイプの医療器具/医療デバイスに接続するように構成された任意の数のロボットアームを含むことができる。
【0039】
ロボットシステム110は、医療システム100の任意の構成要素に通信可能に結合することができる。例えば、一例では、ロボットシステム110は、制御システム150に通信可能に結合されて、制御システム150から制御信号を受信し、ロボットアーム112を特定の方式で制御する、医療器具を操作するなどの動作を行うことができる。更に、ロボットシステム110は、患者120の内部解剖学的構造を示す画像(画像データとも称される)をスコープ130から受信し、かつ/又は画像を制御システム150に送信するように構成され、その後、画像はディスプレイ(複数可)156上に表示することができる。更に、ロボットシステム110は、制御システム150及び/又は流体管理システム170などの医療システム100の構成要素に、流体、光学系、電力、データなどを構成要素から受け取ることができるような方式で結合することができる。
【0040】
流体管理システム170は、標的部位への吸引及び/又は灌注を提供/制御するように構成され得る。図示のように、流体管理システム170は、1つ以上の流体バッグ/容器171を保持し、かつ/又はそこからの/そこへの流体フローを制御するように構成され得る。例えば、灌注ライン172は、バッグ/容器171のうちの1つ以上と、経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142の灌注ポートとに結合され得る。灌注流体は、灌注ライン172及び経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して、標的の解剖学的構造に提供され得る。流体管理システム170は、ディスプレイ173、フロー制御機構、及び/又は特定の関連する制御回路など、特定の電子構成要素を含み得る。流体管理カート170は、独立型タワー/カートを含んでもよく、その1つ以上の側面に吊り下げられた1つ以上のIVバッグ171を有してもよい。カート170は、吸引流体が吸引チャネル/管174を介して収集容器/カートリッジに引き込まれ得るポンプを含んでもよい。吸引チャネル/管174は、カテーテル140内のルーメンを介した吸引を促進するために、カテーテルハンドル141に結合されてもよい。
【0041】
図示されたシステム100において、経皮的アクセスデバイス142は、患者120の腎臓190への経皮的アクセスを提供するように実装される。経皮的アクセス器具142は、1つ以上のシース及び/又はシャフトを含んでもよく、これを通して、器具142の遠位端が配置される標的生体構造に器具及び/又は流体がアクセスし得る。この例では、カテーテル140は、経皮的アクセスデバイス142を通して腎臓の解剖学的構造にアクセスする。すなわち、カテーテル140は、標的部位にアクセスするために器具142に挿入される。
【0042】
様々な例が、カテーテル140及び/又は経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して灌注/吸引を提供する文脈で論じられているが、灌注流体及び/又は吸引は、場合によっては、スコープ130などの別のデバイスを通して治療部位(例えば、腎臓)に提供されてもよい。更に、灌注及び吸引は、同じ器具(複数可)を通して提供されてもよく、あるいは提供されなくてもよい。器具のうちの1つ以上が灌注及び/又は吸引機能を提供する場合、それらの器具のうちの1つ以上の他の器具は、除去されるべき対象物を分解すること等の他の機能のために使用されてもよい。
【0043】
医療器具は、(「内視鏡」と称されることもある)スコープ、カテーテル、針、ガイドワイヤ、砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、バキューム、針、外科用メス、撮像プローブ、撮像デバイス、掴み具、ハサミ、捕捉器具、針ホルダ、マイクロ解剖器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなどの種々のタイプの器具を含むことができる。医療器具には、直接侵入器具、経皮侵入器具、及び/又は別のタイプの器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療器具は操縦可能デバイスであり、一方で、他の実施形態では、医療器具は操縦不可能デバイスである。いくつかの実施形態では、手術ツールは、針、外科用メス、ガイドワイヤなどの、人体構造を穿刺するか又は人体構造を通して挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかし、手術ツールは他のタイプの医療器具を指すこともできる。
【0044】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、画像生成、視認、及び/又は捕捉機能を有し(又は作業チャネルを通して展開される撮像デバイスを用いてそのような機能を提供するように構成され)、身体の任意のタイプの器官、体腔、管腔、チャンバ、及び/又は空間内に導入されるように構成される、任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、スコープ130などのスコープ又は内視鏡は、(例えば、尿路にアクセスするための)尿管鏡、腹腔鏡、(例えば、腎臓にアクセスするための)腎臓鏡、(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)気管支鏡、(例えば、結腸にアクセスするための)結腸鏡、(例えば、関節にアクセスするための)関節鏡、(例えば、膀胱にアクセスするための)膀胱鏡、ボアスコープなどを指すことができる。スコープ/内視鏡は、いくつかの例では、剛性チューブ又は可撓性チューブを含んでもよく、また外側シース、カテーテル、導入器、又は他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされてもよく、あるいはそのようなデバイスを用いることなく使用されてもよい。いくつかの実施形態では、スコープは、砕石器、バスケットデバイス、鉗子、レーザデバイス、撮像デバイスなどの更なるツール/医療器具を処置部位内に導入することができる1つ以上の作業チャネルを含む。
【0045】
「直接侵入」又は「直接アクセス」という用語は、患者の身体内の自然開口部又は人工開口部を通る器具の任意の侵入を指すことができる。例えば、スコープ130は、尿道を介して患者の尿路内に侵入するため、スコープ130は直接アクセス器具と称されてもよい。
【0046】
用語「経皮侵入」又は「経皮的アクセス」は、患者の皮膚、及び処置に関連付けられた標的解剖学的部位(例えば、腎臓の腎杯網)に達するために必要な任意の他の身体層を通る器具の穿刺及び/又は小切開などによる侵入を指すことができる。したがって、経皮的アクセス器具は、針、外科用メス、ガイドワイヤ、シース、シャフト、スコープ、カテーテルなど、皮膚及び/又は他の組織/解剖学的構造を通して穿刺するか又はそれを通して挿入されるように構成された医療器具、デバイス、又はアセンブリを指すことができる。しかし、経皮的アクセス器具は、本開示の文脈において他のタイプの医療器具を指すことができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、経皮的アクセス器具は、患者の皮膚を通る穿刺及び/又は小切開を容易にするデバイスによって挿入又は実装される器具/デバイスを指す。例えば、カテーテル140は、カテーテル140が患者の皮膚に挿入されたシース/シャフトを通して挿入されるとき、経皮的アクセス器具と称され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、医療器具は、センサデータを生成するように構成された(位置センサとも称される)センサを含む。例では、センサデータは、医療器具の位置及び/若しくは向きを示すことができ、かつ/又は医療器具の位置及び/若しくは向きを判定するために用いることができる。例えば、センサデータは、スコープの位置及び/又は配向を示すことができ、これはスコープの遠位端の回転を含むことができる。医療器具の位置及び向きは、医療器具の姿勢と称され得る。センサは、医療器具の遠位端及び/又は任意の他の場所に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、センサは、センサデータを制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は別のシステム/デバイスに提供し、医療器具の位置及び/又は配向を判定/追跡するための1つ以上の位置特定技法を行うことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサは、伝導性材料のコイルを伴う電磁気(EM)センサを含むことができる。ここで、EM場発生器は、医療器具上のセンサEMによって検出されるEM場をもたらすことができる。磁界は、EMセンサのコイル内に小電流を誘導することができ、小電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び/又は角度/向きを判定することができる。更に、センサは、カメラ、距離センサ(例えば、深度センサ)、レーダデバイス、形状検知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどの別のタイプのセンサを含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、C型アームに一体化され、かつ/又は蛍光透視術タイプの処置の場合などの処置中に撮像するように構成することができる撮像デバイス(図1に例示せず)を含むことができる。撮像デバイスは、1つ以上のX線又はCT画像など、処置中に患者120の1つ以上の画像を取り込む/生成するように構成することができる。例では、撮像デバイスからの画像を、医師160が処置を行うのを支援するために患者120内の解剖学的構造及び/又は医療器具を視認するように、リアルタイムで提供することができる。撮像デバイスを使用して、(例えば、患者120内で造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技法を実行し得る。
【0050】
医療システム100の種々の構成要素を、無線及び/又は有線ネットワークを含むことができるネットワークを介して互いに通信可能に結合することができる。例示的なネットワークとしては、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ以上の支持ケーブル、チューブなどを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0051】
いくつかの例では、医療システム100は、腎臓結石を処置するなど、腎臓の解剖学的構造に関連する医療処置を行うように実装される。例えば、ロボットツール(例えば、医療システム100の1つ以上の構成要素)によって、医師/泌尿器科医が内視鏡(例えば、尿管鏡検査)標的アクセス並びに経皮的アクセス/治療を実施することが可能となる場合、ロボット支援型経皮的処置が実現され得る。しかし、本開示は腎臓結石除去及び/又はロボット支援型処置に限定されない。いくつかの実施態様では、ロボット医療ソリューションによって、厳密に手動の処置と比較して、特定の器具に対して比較的高い精度、優れた制御、及び/又は優れた眼と手の協調を得ることができる。例えば、いくつかの処置による腎臓へのロボット支援型経皮的アクセスによって、泌尿器科医が直接侵入の内視鏡腎臓アクセスと経皮的腎臓アクセスとの両方を行うことを有利に可能にすることができる。本開示のいくつかの実施形態は、カテーテル、腎臓鏡、尿管鏡、及び/又はヒトの腎臓の解剖学的構造の文脈で提示されているが、本明細書で開示した原理は、任意のタイプの内視鏡/経皮的処置又は別のタイプの処置において実装され得ることを理解されたい。
【0052】
1つの例示的かつ非限定的な処置では、医療システム100は患者120から腎臓結石191を除去するために使用され得る。処置のためのセットアップ中、医師160は、ロボットシステム110のロボットアーム112を所望の構成に位置決めし、かつ/又は適切な医療器具を取り付けることができる。例えば、医師160は、第1のロボットアーム112(A)を治療部位の近くに位置付け、EM場発生器(図示せず)を取り付けることができ、これは、処置中にスコープ130及び/又は他の器具/デバイスの場所を追跡することを支援することができる。更に、医師160は、第2のロボットアーム112(B)を患者120の脚の間に位置付けて、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができるスコープ-ドライバ器具結合部131を取り付けることができる。いくつかの例では、医師160は、シース/アクセス器具135を患者120の尿道192内に、かつ/又は膀胱193を通して、尿管194へと挿入することができる。医師160は、シース/アクセス器具135をスコープ-ドライブ(scope-drive)器具結合部131に接続することができる。シース/アクセス器具135は、スコープ130を受容するように構成されたルーメン型デバイスを含むことができ、それによって、スコープ130を患者120の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。しかしながら、いくつかの実施形態では、シース/アクセス器具135は使用されない(例えば、スコープ130は尿道192内に直接挿入される)。次いで、医師160は、スコープ130をシース/アクセス器具135に手動で、ロボットで、あるいはそれらの組み合わせで挿入することができる。医師160は、スコープ130のハンドル132を第3のロボットアーム112(C)に取り付けることができ、これは、スコープ130を通して展開されるバスケットデバイス、レーザデバイス、及び/又は別の医療器具の前進及び/又は動作を容易にするように構成することができる。
【0053】
医師160は、制御システム150と対話して、ロボットシステム110に、スコープ130を腎臓190の中へ前進及び/又はナビゲートさせることができる。例えば、医師160は、コントローラ又は他のI/Oデバイスを使用してスコープ130をナビゲートして、腎臓結石191の位置を特定することができる。制御システム150は、画像表現(例えば、スコープ130を用いて取得されたリアルタイム画像(複数可))を見るなどのために、医師160がスコープ130をナビゲーションするのを支援するために、スコープ130に関する情報を、ディスプレイ(複数可)156を介して提供し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、位置特定技法を用いて、スコープ130の位置及び/又は配向を決定し得るが、これは、場合によっては、ディスプレイ(複数可)156を介して医師160によって視認され得る。更に、スコープ130の制御時に医師160を支援するために、患者120の内部解剖学的構造のX線画像など、他のタイプの情報がディスプレイ(複数可)156を介して提示することもできる。
【0054】
(例えば、腎臓190の腎杯内の)腎臓結石191の部位に達すると、スコープ130を使用して、腎臓190に経皮的にアクセスするために、カテーテルの標的場所を指定/タグ付けすることができる。腎臓190及び/又は周りの解剖学的構造に対する損傷を最小限にするために、医師160は、カテーテルを用いて腎臓190内に経皮的に侵入するための標的場所として乳頭を指定することができる。しかし、他の標的場所を指定又は決定することができる。乳頭を指定するいくつかの実施形態では、医師160は、乳頭に接触するようにスコープ130をナビゲートすることができ、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ130の場所(例えば、スコープ130の遠位端の場所)を判定することができ、制御システム150は、スコープ130の場所と標的場所とを関連付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、医師160は、乳頭まで特定の距離内にある(例えば、乳頭の前に留置する)ようにスコープ130をナビゲートし、標的場所がスコープ130の視野内にあることを示す入力を提供することができる。制御システム150は、標的場所の場所を判定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技法を実行し得る。更に、いくつかの実施形態では、スコープ130は、標的場所として乳頭をマークするための基準点を送達することができる。
【0055】
標的場所が指定されると、カテーテル140が経皮的アクセス経路を通して患者120に挿入されて、標的部位に達(例えば、スコープ130と合体)し得る。例えば、カテーテル140は、(EM場発生器を除去すると)第1のロボットアーム112(A)に接続されることができ、医師160は、図1に示されるように、制御システム150と対話して、ロボットシステム110にカテーテル140を前進及び/又はナビゲートさせることができる。代替的あるいは追加的に、カテーテル140は、カテーテル140が手動制御可能なカテーテルとして実現される場合など、手動で挿入及び/又は制御され得る。いくつかの実施形態では、針又は別の医療器具を患者120内に挿入して、経皮的アクセス経路を形成する。制御システム150は、カテーテル140に関する情報をディスプレイ(複数可)156を介して提供して、医師160がカテーテルをナビゲートするのを支援することができる。例えば、ディスプレイ(複数可)156は、スコープ130の視点からの画像データを提供することができ、画像データは、(例えば、スコープ130の撮像デバイスの視野内にあるときの)カテーテル140を描写し得る。
【0056】
スコープ130及び/又はカテーテル140が標的場所に配置されると、医師160は、スコープ130を使用して、腎臓結石191を破壊し、かつ/又はカテーテル140を使用して、腎臓結石191の破片を患者120から取り出すことができる。例えば、スコープ130は、腎臓結石191を破片に断片化するために、作業チャネルを通してツール(例えば、レーザ、切断器具、砕石器など)を展開することができ、カテーテル140は、腎臓190から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引することができる。カテーテル140は、腎臓結石191をカテーテル140の遠位端及び/又は相対的に固定された位置に維持/保持するために吸引を提供することができ、スコープ130は、図1に示されるように、ツール(例えば、レーザ)を使用して腎臓結石191を断片化する。流体管理システム170は、経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して標的部位に灌注を提供し、かつ/又はカテーテル140(例えば、カテーテル140内のルーメン)を介して標的部位に吸引を提供することができる。
【0057】
様々な例示的な処置が、ロボット制御されるカテーテル140を実現する文脈で論じられているが、処置は、手動制御可能なカテーテルを用いても実現され得る。例えば、カテーテル140は、医師160によって保持/操作されるように構成された手動制御可能なハンドルを含むことができる。医師160は、ハンドル及び/又は手動アクチュエータを回転、挿入、後退、又は別様に操作することによって、カテーテル140をナビゲートすることができ、これは、カテーテル140の遠位部分の関節運動をもたらすことができる。例示的なロボット制御可能なカテーテル及び手動制御可能なカテーテルについては、以下で更に詳細に説明される。
【0058】
医療システム100(及び/又は本明細書で議論される他の医療システム)によって種々の利益が得られ、それらは例えば、医師が処置(例えば、器具追跡、器具ナビゲーション、器具較正など)を行うことを支援する誘導が得られる、医師が、熟練を要するアームの動き及び/又は姿勢を必要とせずに人間工学的位置から処置を行うことができる、1人の医師が1つ以上の医療器具を用いて処置を行うことができる、放射線被曝(例えば、蛍光透視法技法に関連付けられた)が回避される、処置を単一の手術設定で行うことができる、連続的な吸引/灌注が得られて対象物がより効率的に除去される(例えば、腎臓結石を除去する)などである。例えば、医療システム100によって、出血及び/又は解剖学的構造(例えば、判定器官、血管など)への損傷を最小限にしながら、医師が種々の医療器具を用いて標的解剖学的特徴にアクセスするのを支援するための誘導情報が得られる。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション及び/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、少なくとも制御システム150とロボットシステム110との間に分散された機能を提供することができ、これにより、独立して移動可能になることができる。そのような機能及び/又は可動性の分散は、制御システム150及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置に対して最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周りの作業エリアを最大化し、かつ/又は医師が処置を行うための最適化された場所を提供することが可能になる。
【0059】
種々の技法及びシステムがロボット支援型処置(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する処置)として実装されるものとして論じられているが、これらの技法及びシステムは、完全ロボット医療処置、(例えば、ロボットシステムを含まない)人間のみによる処置などの他の処置で実装することができる。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく、かつ医師がロボットシステム/アームの移動を制御することなく、処置(例えば、処置を指示するために比較的少ない入力に依存する完全ロボット処置)を行うために使用することができる。すなわち、処置中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム112などの、医療システム100の構成要素によって保持/制御することができる。
【0060】
図2は、1つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の気管支鏡検査処置のために構成された例示的なロボット医療システム100を示す。気管支鏡検査の間、ロボットシステム110のアーム(複数可)112は、気管支鏡検査用の処置特有の気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡210などの医療器具を、診断用具及び/又は治療用具を送達するための自然開口アクセスポイント(すなわち、この例ではテーブル180に位置付けられた患者120の口)に送達するように構成され得る。図示のように、ロボットシステム110(例えばカート)は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の胴体上部に近接して位置決めされ得る。同様に、ロボットアーム112は、アクセスポイントに対して気管支鏡210を位置決めするために作動され得る。図2の構成は、消化管(Gastro-Intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃鏡を用いて行うときにも利用され得る。
【0061】
ロボットシステム110が適切に位置決めされると、ロボットアーム112は、操縦可能な内視鏡210をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者内に挿入することができる。操縦可能な内視鏡210は、内側リーダ部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含んでもよく、各部分は器具ドライバのセットとは別個の器具ドライバに結合され、かつ/又は、各器具ドライバは、個々のロボットアーム112の遠位端部に結合される。器具ドライバのこのような線形の構成は、1つ以上のロボットアーム112を様々な角度及び/又は位置に操作することによって空間において位置付けし直すことができる「仮想レール」220を作り出す。本明細書に記載の仮想レール/経路は、システムのいかなる物理的構造も描写しない破線を使用して図に描写されている。仮想レール220に沿った器具ドライバのうちの1つ以上の並進は、患者120から内視鏡210を前進又は後退させることができる。
【0062】
内視鏡210は、標的の手術部位に到達するまで、ロボットシステム110からの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に向けられてもよい。別個の器具ドライバの使用は、内視鏡/アセンブリ210の別個の部分の独立した駆動を可能にすることができる。例えば、患者の肺内の病巣又は小結節などの標的に生検針を送達するように、内視鏡210を向けることができる。針は、内視鏡210の長さにわたる作業チャネルの下流に展開されて、病理医によって分析される組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、更なる生検で、更なるツールを内視鏡210のワーキングチャネルを展開させていくことができる。例えば、小結節が悪性と識別されたとき、内視鏡210は、潜在的な癌組織を切除するためにツールを内視鏡的に送達してもよい。いくつかの例では、診断処置及び治療的処置を別の処置で果たすことができる。これらの状況において、基準を送達して、標的となる小結節の場所を「マーク」するのにも、内視鏡210を使用することができる。他の例では、診断的処置及び治療的処置を同じ処置中に果たすことができる。
【0063】
図2のシステム100の構成において、患者導入器230は、ポート(図示せず)(例えば、外科用チューブ)を介して患者120に取り付けられる。患者導入器230はテーブル180に固定され得る(例えば、導入器230を支持し、テーブル180又は他の構造に対して患者導入器230の位置を固定するように構成された患者導入器ホルダを介して)。いくつかの実施形態では、患者導入器230は、近位端と、遠位端と、それらの間の導入器チューブと、を含むことができる。患者導入器230の近位端は、器具210(例えば、気管支鏡)を受容するように構成され得る開口部/オリフィスを提供することができ、患者導入器230の遠位端は、器具210を患者アクセスポート内に誘導するように構成され得る第2の開口部を提供することができる。導入器230の湾曲管構成要素は、その近位端と遠位端とを接続し、導入器230を通して器具210を案内することができる。
【0064】
導入器230の湾曲は、ロボットシステム110が、患者アクセスポートと直接軸方向に整列していない位置から器具210を操作することを可能にすることができ、それによって、室内にロボットシステム110を配置する上でより大きな柔軟性が得られる。更に、導入器230の湾曲は、ロボットシステム110のロボットアーム112が患者導入器230と実質的に水平方向に位置合わせされることを可能にすることができ、これは、必要に応じてロボットアーム(複数可)112の手動移動を容易にし得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるカテーテルのうちの1つ以上は、図2に図示されるもの等の気管支鏡検査処置において実現され得る。例えば、カテーテルは、患者120から対象物を除去するために、内視鏡210と協働して、あるいはその代わりに実現されてもよい。一例では、カテーテルと内視鏡210は、ロボットアーム112上で交換され、標的部位を調査/治療するために別々に使用される。ここで、カテーテルは、患者導入器230を通して挿入され、患者120から物体を除去する等、吸引/灌注を提供するために使用され得る。別の例示では、灌注/吸引を提供するために、内視鏡210上の作業チャネルを通してカテーテルが展開される。
【0066】
図3は、1つ以上の実施形態による、医療処置を実施するように構成されたテーブルベースのロボットシステム300を示す。ここで、ロボット医療システム100のロボット構成要素のうちの1つ以上は、テーブル302に組み込まれ得るが、これにより、カートベースのロボットシステムと比較して、手術室内の資本設備の量を低減すること、及び/又は患者120へのより多くのアクセスを得ることが可能となる。例えば、システム300は、制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は流体管理システム170の1つ以上の構成要素を含むことができる。
【0067】
図示のように、テーブル302は、医療器具(複数可)/デバイスと係合し、かつ/又はそれを制御するように構成された1つ以上のロボットアーム304を含むことができる。各ロボットアーム304は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み、これにより、複数の運動の度合いを提供することができる。ロボットアーム304の遠位端(すなわち、エンドエフェクタ306)は、器具/デバイスに結合するように構成され得るが、器具/デバイスには、カテーテル、針、スコープなど、本明細書で説明される医療器具/デバイスのいずれもが含まれ得る。各ロボットアーム304は、図1及び図2のシステム100のロボットアーム112と同様であっても異なっていてもよい。更に、各エンドエフェクタ306は、ロボットシステム100のエンドエフェクタと同様であっても、異なっていてもよい。
【0068】
図示のように、ロボット対応テーブルシステム300は、1つ以上のキャリッジ312(例えば、リング形状の可動構造体)に結合されたカラム310を含むことができ、そこから1つ以上のロボットアーム304が伸びることができる。キャリッジ(複数可)312は、カラム310の長さ方向の少なくとも一部分にわたって延びる垂直カラム接合部に沿って並進して、そこからロボットアーム304が患者120に達するように位置付けられ得る様々な視座を与えることができる。キャリッジ(複数可)312は、いくつかの実施形態において、カラム310内に位置付けられた機械式モータを使用してカラム310を中心として回転して、ロボットアーム304がテーブル302の複数の側面へのアクセスを得ることを可能にし得る。キャリッジ(複数可)312の回転及び/又は並進により、システム300は、内視鏡及び/又はカテーテルなどの医療器具を患者120の異なるアクセスポイントと位置合わせすることができる。垂直方向の調整をもたらすことによって、ロボットアーム304は、テーブルシステム300のプラットフォームの下方にコンパクトに収容され、その後に処置の間に上昇されるように構成され得る。ロボットアーム304は、ロボットアーム304に付加的な構成可能性を提供するために個別に回転しかつ/又は入れ子式に延び得る一連のジョイントを含み得る1つ以上のアームマウント314を介してキャリッジ(複数可)312に装着されてもよい。カラム310は、テーブルプラットフォームの支持及びキャリッジ(複数可)312の垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。カラム310はまた、キャリッジ(複数可)312及び/又はその上に装着されたロボットアーム304に電力及び制御信号を伝達してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、テーブルベースのロボットシステム300は、制御システム150と同様の制御システムを含むか、あるいはそれに関連付けられて、医師と相互作用し、かつ/又は医療処置に関する情報を提供することができる。例えば、制御システムは、医師が1つ以上のロボットアーム304及び/又は1つ以上のロボットアーム304に取り付けられた医療器具を制御することを可能にする入力構成要素(複数可)を含むことができる。いくつかの実現形態では、入力構成要素(複数可)は、医師が医療器具を物理的に保持/操作しているかのように、医師が医療器具を制御するための入力を提供することを可能にする。
【0070】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、図1図3の医療システムのいずれかに実装され得る医療システム構成要素を示す。特定の構成要素が図4に示されているが、示されていない追加の構成要素が本開示による実施形態に含められ得ることを理解されたい。更に、例示した構成要素のうちのいずれも、省略、交換、及び/又はテーブル180、医療器具などの他のデバイス/システムに一体化することができる。
【0071】
制御システム150は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)、すなわち、制御回路401、1つ以上の通信インターフェース402、1つ以上の電源ユニット403、1つ以上のI/O構成要素404、及び/又は1つ以上の可動化構成要素405(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)のうちの1つ以上を、別個に/個別に、かつ/又は組み合わせて/まとめて含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、制御システム150の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収容又は含むように構成され、かつ/又は寸法決めされたハウジング/エンクロージャを備えることができる。この例では、制御システム150は、1つ以上の可動化構成要素405と共に移動可能なカートベースのシステムとして例示されている。場合によっては、適切な位置に達した後に、1つ以上の可動化構成要素405を、車輪ロックを使用して固定して、制御システム150を所定の位置に保持することができる。しかし、制御システム150は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスなどに一体化することができる。
【0072】
制御システム150の種々の構成要素は、制御回路の一部であってもなくてもよい特定の接続回路/デバイス/特徴部を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続特徴部(複数可)は、制御システム150の種々の構成要素/回路のうちの少なくとも一部の取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150の構成要素のうちの2つ以上を、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0073】
1つ以上の通信インターフェース402は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース402は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信インターフェース402は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0074】
1つ以上の電源ユニット403は、制御システム150(及び/又は、場合によってはロボットシステム110/流体管理システム170)に対する電力を管理及び/又は提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット403は、リチウム系電池、鉛酸蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット403は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット403は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。
【0075】
1つ以上のI/O構成要素/デバイス404は、医療処置を行うことを支援するためにユーザとのインターフェースになるなどのために、入力を受け取る、かつ/又は出力を提供するための種々の構成要素を含むことができる。1つ以上のI/O構成要素404は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。例では、1つ以上のI/O構成要素404は、ロボットシステム110を制御すること、ロボットシステム110に取り付けられた(及び/又はスコープを介して展開される)スコープ/カテーテル又は他の医療器具をナビゲートすること、テーブル180を制御すること、蛍光透視デバイスを制御することなどのために、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用することができる。例えば、医師(図示せず)は、I/O構成要素(複数可)404を介して入力を提供することができ、それを受けて、制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して医療器具を操作することができる。例では、医師は同じI/Oデバイスを使用して、複数の医療器具を制御する(例えば、器具間の制御を切り替える)ことができる。
【0076】
図示のように、1つ以上のI/O構成要素404は、データを表示するように構成された(「1つ以上のディスプレイデバイス156」と称される場合がある)1つ以上のディスプレイ156を含むことができる。1つ以上のディスプレイ156は、1つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプ(複数可)の技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ156は、入力を受け取る、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素404は、タッチパッド、コントローラ(例えば、ハンドヘルドコントローラ、ビデオゲームタイプコントローラ、指のような動きを可能にするフィンガベース制御/フィンガクラッチなど)、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、フットパネル(例えば、ユーザの足下のボタン)などを含むことができる1つ以上のI/Oデバイス/制御装置406を含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素404は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受け取ってオーディオ信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素404は、コンソールを含むか又はコンソールとして実装される。
【0077】
いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素404は、処置に関連した情報を出力することができる。例えば、制御システム150は、スコープによって捕捉されたリアルタイム画像を受信し、リアルタイム画像及び/又はリアルタイム画像の視覚的表現/画像表現をディスプレイ(複数可)156を介して表示することができる。ディスプレイ(複数可)156は、スコープ及び/又は別の医療器具からの画像データを含み得るインターフェース(複数可)を提示することができる。更に又は代替的に、制御システム150は、患者に関連付けられた医療用モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ信号、デジタル信号、電気信号、音響信号/音波信号、空気圧信号、触知信号、油圧信号など)を受信することができ、ディスプレイ(複数可)156は、患者の健康又は環境に関する情報を提示することができる。このような情報には、医療用モニタを介して表示される、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、血液酸素飽和度(例えば、SpO)、CO、脳波(例えば、EEG)、環境温度及び/又は局部温度若しくは中核体温などの情報を含めることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介して、ロボットシステム110、テーブル180若しくは別のテーブル、及び/又は医療器具に結合され得る。いくつかの実施態様では、制御システム150からの支援機能を単一のケーブルを介して提供することができ、手術室を簡素化して片付けることができる。他の実施態様では、特定の機能を別個のケーブル線及び接続部において結合することができる。例えば、電力は単一の電源ケーブルを介して提供することができるが、制御、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションに対する支援は、別個のケーブルを介して提供することができる。
【0079】
ロボットシステム110は、一般に、細長い支持構造410(「カラム」とも称される)、ロボットシステム基部411、及びカラム410の頂部におけるコンソール412を含む。カラム410は、1つ以上のロボットアーム112の展開を支持するための1つ以上のキャリッジ413(「アーム支持部材413」とも称される)を含むことができる。キャリッジ413は、患者に対して位置付けるために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する個別に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ413はまた、キャリッジ413がカラム410に沿って垂直方向に並進するのを可能にするキャリッジインターフェース414を含む。キャリッジインターフェース414は、キャリッジ413の垂直並進を誘導するためにカラム410の両側に位置付けられたスロット415などのスロットを通して、カラム410に接続することができる。スロット415は、キャリッジ413を基部411に対して種々の垂直高さに位置付け、かつ/又は保持するための垂直並進インターフェースを含むことができる。キャリッジ413が垂直並進すると、ロボットシステム110は、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、種々のテーブル高さ、患者サイズ、医師の選好などを満たすことができる。同様に、キャリッジ413上の個別に構成可能なアームマウントによって、ロボットアーム112のロボットアーム基部416を、種々の構成で角度付けすることができる。カラム410は、歯車及び/又はモータなどのメカニズムであって、I/Oデバイス(複数可)からの入力などのユーザ入力を受けて生成される制御信号を受けて、キャリッジ413を機械化された方式で並進させるように、垂直方向に位置合わせされた親ねじを使用するように設計された機構を内部に備えることができる。
【0080】
基部411は、フロアなどの表面上で、カラム410、キャリッジ413、及び/又はロボットアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部411は、1つ以上の電子機器、モータ、電源などのより重い構成要素、並びにロボットシステム110の移動を可能にし、かつ/又は固定する構成要素を収容することができる。例えば、基部411は、ロボットシステム110が処置のために部屋を動き回ることを可能にする回転可能車輪417(「キャスタ417」又は「可動化構成要素417」とも称される)を含むことができる。適切な位置に達した後に、キャスタ417は車輪ロックを使用して固定され、処置中にロボットシステム110を所定の位置に保持することができる。図示のように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110の操縦、及び/又は安定化を支援するためのハンドル418を含む。この例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカートベースのシステムとして示されている。しかし、ロボットシステム110は、固定システムとして実装されるか、テーブルに一体化されるなどが可能である。
【0081】
ロボットアーム112は、一般に、一連のジョイント421によって接続された一連のリンク機構420(「アームセグメント420」とも称される)によって分離された、ロボットアーム基部416及びエンドエフェクタ419を備えることができる。各ジョイント421は、独立したアクチュエータを備えることができ、各アクチュエータは独立して制御可能なモータを備えることができる。各独立して制御可能なジョイント421は、ロボットアーム112が利用できる独立した自由度を表す。例えば、アーム112はそれぞれ、7つのジョイントを有することができ、したがって7つの自由度を得ることができる。しかし、任意の数のジョイントを任意の自由度を伴って実装することができる。例では、多数のジョイントによって多数の自由度を得ることができ、「冗長」自由度が可能になる。冗長自由度によって、ロボットアーム112は、それぞれのエンドエフェクタ419を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、配向、及び/又は軌跡に位置付けることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ419は、医療器具、デバイス、対象物などと係合し、かつ/又はそれらを制御するように構成することができる。アーム112の運動の自由度により、ロボットシステム110が、空間内の所望の点から医療器具を位置付け、かつ/若しくは方向付けることができ、かつ/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に好都合な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスすることができる。
【0082】
ロボットアーム112の各々のエンドエフェクタ419は、器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)を備えることができる。いくつかの実施形態では、IDMを除去し、異なるタイプのIDMで置き換えることができる。例えば、第1のタイプのIDMは内視鏡を操作することができ、第2のタイプのIDMはカテーテルを操作することができ、第3のタイプのIDMはEM場発生器などを保持することができ、といった具合である。しかしながら、同じIDMが使用されてもよい。いくつかの例では、IDMは、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号をロボットアーム112との間で伝達するためのコネクタを含むことができる。IDMは、例えば、直接駆動、ハーモニックドライブ、歯車駆動、ベルト/プーリ、磁気駆動などを含む技法を使用して、医療器具を操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、IDMをロボットアーム112のそれぞれの1つに取り付けることができ、ロボットアーム112は、それぞれの結合された医療器具を処置部位内に挿入するか又はそこから後退させるように構成されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、それに取り付けられた医療器具(例えば、スコープのシース及び/又はリーダ)の位置、配向、及び/又は関節運動を制御するように構成することができる。例えば、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープ/カテーテルを操作するように構成/構成可能とすることができる。細長い移動部材としては、1つ以上のプルワイヤ、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。例示すると、ロボットアーム112は、スコープ/カテーテルに結合された複数のプルワイヤを作動させ、スコープ/カテーテルの先端部を偏向させるように構成することができる。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープ/カテーテルは、細長い移動部材によって印加された力を受けて、非線形挙動を示すように構成されている。非線形挙動は、スコープ/カテーテルの剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間のたるみ又は剛性の変動性に基づき得る。
【0084】
図示のように、コンソール412は、ロボットシステム110のカラム410の上端に位置付けられている。コンソール412は、医師/ユーザに術前データ及び/又は術中データ、ロボットシステム110を構成するための情報などを提供するなどのために、ユーザ入力を受け取る、かつ/又は出力(例えば、タッチスクリーンなどの二重目的デバイス)を提供するためのユーザインターフェースを提供するディスプレイ(複数可)を含むことができる。潜在的な術前データとしては、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含み得る。術中データは、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ情報及び/又は座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などのバイタル患者統計を含むことができる。コンソール412は、医師がアーム基部416の反対のカラム410の側からコンソール412にアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾転され得る。この位置から、医師は、コンソール412をロボットシステム110の背後から動作させながら、コンソール412、ロボットアーム112、及び患者を視認してもよい。
【0085】
ロボットシステム110はまた、制御回路422と、1つ以上の通信インターフェース423と、1つ以上の電源ユニット424と、1つ以上の入力/出力構成要素425と、1つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426と、を含むことができる。1つ以上の通信インターフェース423は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース423は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。
【0086】
1つ以上の電源ユニット424は、ロボットシステム110に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、リチウム系電池、鉛酸蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット424は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット424は、制御システム150から電力を受け取るために制御システム150に結合するように構成されたコネクタを含む。
【0087】
1つ以上のI/O構成要素/デバイス425は、例えばユーザと相互作用するために、入力を受け取る、かつ/又は出力を提供するように構成され得る。1つ以上のI/O構成要素425は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。例では、1つ以上のI/O構成要素425は、ロボットシステム110を制御/構成などをするために、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用できる。1つ以上のI/O構成要素425は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイを含むことができる。1つ以上のディスプレイは、1つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイは、入力を受け取る、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素425は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素425は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受け取ってオーディオ信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素425は、コンソール412を含むか又はコンソール412として実装される。更に、1つ以上のI/O構成要素425は、(ロボットアーム112の手動操作/移動のためのロボットアーム112のアドミタンス制御モードを有効/無効にすることができる)ロボットアーム112の遠位端上のボタンなどの、物理的に押すことができる1つ以上のボタンを含むことができる。
【0088】
1つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426は、ロボットアーム112の運動を円滑にするように構成することができる。各アクチュエータ426はモータを備えることができ、モータは、ジョイント及び/又は接続されたアームセグメント/リンク機構の運動を円滑にするために、ロボットアーム112内のジョイント又は他の場所に実装することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、電子ユーザ制御装置を使用することなく、ロボットアーム112を手動で操作することができる。例えば、外科手術室におけるセットアップ中、又は処置中の任意の時点で、ユーザは、ロボットアーム112の遠位端上のボタンを選択して、アドミタンス制御モードを有効にし、次いで、ロボットアーム112を特定の配向/位置に手動で移動させてもよい。
【0089】
ロボットシステム110の種々の構成要素は、制御回路422の一部であってもなくてもよい特定の接続回路/デバイス/特徴部を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続特徴部(複数可)は、ロボットシステム110の種々の構成要素/回路のうちの少なくとも一部の取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110の構成要素のうちの2つ以上は、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0090】
ロボット流体管理システム170は、制御回路430と、1つ以上の通信インターフェース432と、1つ以上の電源ユニット433と、1つ以上の入力/出力構成要素434と、1つ以上のポンプ435と、1つ以上の減圧器436と、灌注流体源437と、を含むことができる。1つ以上の通信インターフェース432は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース432は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。
【0091】
1つ以上の電源ユニット433は、流体管理システム170に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット433は、リチウム系電池、鉛酸蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ以上の電池を含む。すなわち、1つ以上の電源ユニット433は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット433は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット433は、制御システム150から電力を受け取るために制御システム150に結合するように構成されたコネクタを含む。
【0092】
1つ以上のI/O構成要素/デバイス434は、例えばユーザと相互作用するために、入力を受け取る、かつ/又は出力を提供するように構成され得る。1つ以上のI/O構成要素434は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。1つ以上のI/O構成要素434は、ディスプレイ、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、スピーカ、マイクロフォンなどを含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素434は、物理的に押し下げられ得る1つ以上のボタンを含むことができる。
【0093】
流体管理システム170は、灌注/吸引を提供するためにポンプ(複数可)435及び/又は減圧器(複数可)436を制御するように構成され得る。例えば、医療器具は、ポンプ(複数可)435/減圧器436に取り付けられて、医療器具を介して標的部位に灌注/吸引を提供してもよい。例では、流体管理システム170は、医療器具のための制御された灌注及び/又は吸引/吸込み能力を提供するために、1つ以上の流量計、弁制御装置、及び/又は他の流体/フロー制御構成要素(例えば、圧力センサ等のセンサデバイス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、灌注/吸引を制御するために、1つ以上の信号を生成し、流体管理システム170に提供することができる。
【0094】
ポンプ(複数可)435は灌注流体源437に取り付けることができ、灌注流体源は、流体バッグ(複数可)/容器(複数可)171、及び/又は医療器具(複数可)に接続するための流体ライン(複数可)/コネクタ(複数可)438を含むことができる。ポンプ(複数可)435は、1つ以上の医療器具を通して治療部位の中に灌注流体(例えば、生理食塩水)を圧送することができる。いくつかの例では、ポンプ(複数可)435は、蠕動ポンプ(複数可)である。いくつかの実施形態では、ポンプ(複数可)435は、灌注流体源437から、それぞれの結合された医療器具を通して外へと、灌注流体を引き出すために真空圧力を印加するように構成された減圧器と置き換えることができる。図4はポンプ(複数可)435を含むが、いくつかの実施形態では、灌注流体フローはポンプを使用せずに達成され、そのようなフローは主に重力によって駆動される。
【0095】
減圧器(複数可)436は、流体吸引を容易にするように構成され得る。例えば、減圧器(複数可)436は、治療部位から流体を引き出すために負圧を印加するように構成され得る。減圧器(複数可)436は、回収された流体が収集される収集容器に接続されてもよい。いくつかの例では、吸引吸込みは、減圧器ではなく1つ以上のポンプによって促進されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、吸引は、能動的な吸込みによるものではなく、主に受動的である。したがって、本開示の実施形態は減圧器構成要素を含まなくてもよいことが理解されるべきである。
【0096】
上記で参照されるように、システム150、110、及び170は、それぞれ、本明細書に説明される特定の機能性を行うように構成された制御回路401、422、及び430を含むことができる。用語「制御回路」は、1つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ以上の能動デバイス及び/又は受動デバイス及び/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス、ステートマシン(例えば、ハードウェアステートマシン)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は回路及び/又は動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は更に、1つ以上の記憶デバイスを含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路において具体化することができる。このようなデータ記憶装置としては、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶装置レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを挙げることができる。制御回路がハードウェアステートマシンを含み(及び/又はソフトウェアステートマシンを実装し)、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶装置(複数可)/レジスタ(複数可)は、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の内部に又はその外部に埋め込めることに注意されたい。
【0097】
制御回路は、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素とは別個の構成要素として例示しているが、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素のいずれか又はすべてが、制御回路において少なくとも部分的に具体化できることを理解されたい。例えば、制御回路は、種々のデバイス(能動及び/又は受動)、半導体材料及び/又はエリア、層、領域、及び/又はそれらの一部分、導体、リード、ビア、接続部などを含むことができ、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素のうちの1つ以上及び/又はその一部分(複数可)は、そのような回路構成要素/デバイスにおいて少なくとも部分的に形成及び/又は具体化することができる。
【0098】
更に、図4には示されていないが、制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は流体管理システム170のうちの1つ以上はそれぞれ、データ/命令を記憶するように構成されたデータストレージ/メモリを含むことができる。例えば、データ記憶装置/メモリは、特定の機能/動作を実行するために制御回路によって実行可能な命令を記憶することができる。用語「メモリ」は、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、1つ以上のコンピュータ可読媒体としては、1つ以上の揮発性データ記憶装置、不揮発性データ記憶装置、取り外し可能なデータ記憶装置、及び/又は取り外し不可能なデータ記憶装置であって、任意の技術、レイアウト、及び/又はデータ構造(複数可)/プロトコルを用いて実装されるものを挙げることができ、これらは、任意の好適な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。本開示の実施形態に従って実装され得る、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書において特定の文脈で用いる場合、コンピュータ可読媒体は全般的に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まない場合がある。したがって、コンピュータ可読媒体は全般的に、非一時的媒体を指すと理解しなければならない。
【0099】
いくつかの例では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、対象物/医療器具の配向/位置を決定/追跡するために1つ以上の位置特定技術を実装するように構成される。例えば、1つ以上の位置特定技術は、入力データを処理して、医療器具の位置/配向データを生成することができる。対象物/医療器具の位置/配向データは、基準枠に対する対象物/医療器具の位置/配向を示すことができる。基準枠は、患者の解剖学的構造、既知の対象物(例えば、EM場発生器、システムなど)、座標系/空間などに対する基準枠とすることができる。いくつかの実施態様では、位置/配向データは、医療器具の遠位端(及び/又は、場合によっては近位端)の位置及び/又は配向を示すことができる。例えば、スコープの位置/配向データは、スコープの遠位端の回転の量を含む、スコープの遠位端の位置及び配向を示すことができる。対象物の位置及び向きは、対象物の姿勢と言うことができる。
【0100】
対象物/医療器具の位置/配向データを生成するために使用することができる例示的な入力データは、医療器具に関連付けられたセンサからのセンサデータ(例えば、EM場センサデータ、医療器具上の撮像デバイス/深度センサ/レーダデバイスによって捕捉された視覚/画像データ、医療器具上の加速度計からの加速度計データ、医療器具上のジャイロスコープからのジャイロスコープデータ、衛星ベースのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))からの衛星ベースの測位データなど)、ロボットアーム/構成要素からの(「運動学データ」とも称される)フィードバックデータ(例えば、ロボットアーム/構成要素がどのように移動/作動したかを示すデータ)、ロボットアーム/構成要素のためのロボットコマンドデータ(例えば、ロボットアーム112/医療器具の移動を制御するためにロボットシステム110/ロボットアーム112に送信される制御信号)、形状検知ファイバからの形状検知データ(医療器具の場所/形状に関する情報を提供することができる)、患者の解剖学的構造に関するモデルデータ(例えば、患者の解剖学的構造の内部/外部部分のモデル)、患者の位置データ(例えば、患者がテーブル上にどのように位置付けられているかを示すデータ)、術前データ、などを含み得る。
【0101】
図5は、1つ以上の実施形態による、患者の腎臓506内に少なくとも部分的に配置された例示的なカテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504を示す。カテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504は、本明細書で議論されるカテーテル及び経皮的アクセスデバイスのうちのいずれかを代表し得る。この例では、器具502、504は、腎臓506から腎臓結石508を治療/除去するための泌尿器科処置との関連で示されている。しかしながら、器具502、504は、他のタイプの処置においても使用され得る。上述したように、泌尿器科処置及び/又は他のタイプの手技処置は、少なくとも部分的に手動で実現することができ、かつ/又はロボット技術を使用して実行することができる。
【0102】
カテーテル502は、カテーテル502の少なくとも遠位端/先端などに対して、関節運動されるように構成され得る。例えば、カテーテル502の遠位端部分/先端を様々な方向に偏向させることができる。例では、カテーテル502は、2自由度(2-DOF)(例えば、x、y、z、ヨー、ピッチ、又はロール運動のうちの2つ)で動くように構成され得る。例示すると、カテーテル502の遠位端部分は、右/左又は上/下に動き(例えば、x、y、又はz運動)、また、カテーテル502を挿入/後退させるように動く(例えば、x、y、又はz軸に沿って並進する)ように構成され得る。他の実施例では、カテーテル502は、3-DOF(例えば、x、y、z、ヨー、ピッチ、又はロール運動のうちの3つ)で動くように構成され得る。例示すると、カテーテル502の遠位端部分は、右/左及び上/下に動き(例えば、x、y、又はz運動のうちの2つ)、また、カテーテル502を挿入/後退させるように動くように構成され得る。しかしながら、カテーテル502はまた、4-DOF(例えば、x、y、z、及びピッチ/ヨー/ロール運動)、6-DOF(例えば、x、y、z、ピッチ、ヨー、及びロール運動)等で移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル502がロボット制御可能なハンドルを伴って実現される場合など、カテーテル502はロール運動のために構成されない。しかしながら、カテーテル502は、カテーテル502が手動制御可能なハンドル又はいくつかのロボット制御可能な場合を伴って構成されるとき等、いくつかの場合において、回転及び/又は他のタイプの運動のために構成され得る。
【0103】
示されるように、カテーテル502は、腎臓506に吸引/灌注を提供するために、経皮的アクセスデバイス504と共に実現されてもよい。経皮的アクセスデバイス504は、1つ以上のシース及び/又はシャフトを含んでもよく、これを通して、デバイス504の遠位端が配置される標的生体構造に器具(例えばカテーテル502)及び/又は流体がアクセスし得る。いくつかの実施形態では、能動的吸引/吸込みは、カテーテル502のルーメン510を通してカテーテル502の近位端(例えば、カテーテル502のハンドル)に引き込まれてもよい。更に、いくつかの実施形態では、灌注は、同心シース間等の経皮的アクセスデバイス504を介して提供され得る。例えば、流体管理システム(図示せず)を灌注ポート512のポートに接続して、灌注を経皮的アクセスデバイス504に提供することができ、この灌注は、経皮的アクセスデバイス504を下って標的部位まで移動する。図5は、カテーテル502のルーメン510内への吸引流体のフロー、及び経皮的アクセスデバイス504からの灌注流体のフローの一例を示す。いくつかの実施形態では、受動的吸引流出チャネルが、カテーテル502の外壁と経皮的アクセスデバイス/アセンブリ504の内壁/シースとの間の空間に形成されてもよい。カテーテル502が経皮的アクセスデバイス504内に配置されるとき、カテーテル502と経皮的アクセスデバイス504のシャフト(複数可)/シース(複数可)は、概ね同心状であってもよい。カテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504は、少なくともその一部分にわたって、略円形の断面形状を有してもよい。
【0104】
カテーテル502は、手動制御及び/又はロボット制御のいずれかに基づいて、任意の好適な又は望ましい方法で制御可能であり得る。図5において、ハンドル/基部514、516は、カテーテル502を制御するために使用され得る例を提供する。ハンドル514は、カテーテル502の動きを制御するために医師/ユーザによって操作されるように構成されたハンドヘルド/手動ハンドルを示す。一方、ハンドル516は、カテーテル502の動きを制御するために、ロボットアームのエンドエフェクタなどのロボットアームによって操作されるように構成されたロボット制御可能なハンドルを示す。例示的なロボット制御可能なカテーテル及び手動制御可能なカテーテルについては、以下で更に詳細に説明される。関節運動可能なカテーテルを実現することによって、本技法/構造は、患者の解剖学的構造への損傷を防止/最小化する様式で、患者体内の種々の位置に到達することを可能にすることができる。例えば、医師は、カテーテル502のシャフトの残りの部分及び/又は経皮的アクセスデバイス504を再配置することなく、腎臓結石が位置する腎臓506(例えば、腎杯)内の特定の空洞に到達するように、カテーテル502の遠位部分をナビゲートすることができる。
【0105】
実施形態では、カテーテル502は、撮像デバイスを含まない。すなわち、カテーテル502は、患者の内部解剖学的構造の画像データを捕捉するために、遠位端に撮像デバイス/カメラを伴うことなく実装される。しかしながら、他の実施形態では、カテーテル502は、カテーテル502の先端等に撮像デバイス(複数可)を含むことができる。更に、実施形態では、カテーテル502は、位置センサなしで実装される(すなわち、位置センサを含まない)。しかしながら、カテーテル502は、場合によっては、カテーテル502の遠位端などに位置センサを伴って実装され得る。
【0106】
図6及び図7は、本開示の1つ以上の実施形態によるロボット制御/手動制御可能なカテーテル602の例示的な特徴を示す。カテーテル602の特徴は、本明細書に説明されるカテーテルのうちの1つ以上の文脈において実現されてもよい。カテーテル602は、ハンドル/基部606(「器具基部606」とも呼ばれる)に接続された細長いシャフト604を含み、ハンドル/基部は、細長いシャフト604の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されている。図6に示すように、ハンドル606は、ロボットアームに結合するように構成されたロボット制御可能なハンドル(例えば、ハンドル606(A))、及び/又はユーザによって保持/操作されるように構成された手動制御可能なハンドル(例えば、ハンドル606(B)、606(C)、及び606(D))として実装され得る。いくつかの実施形態では、細長いシャフト604は、ハンドル606を通ってハンドル606のポート608まで延びることができ、ポート608は、吸引、灌注、カテーテル602の作業チャネルを通じた器具の展開などを容易にするために、流体管理システム及び/又は別のシステムに接続され得る。特定のハンドルは、手動制御可能なカテーテル又はロボット制御可能なカテーテルに実装される文脈で論じられているが、そのようなカテーテルは、他の文脈で実装され得る。例えば、手動制御可能なカテーテルは、ロボット制御可能なカテーテル(例えば、ロボットカテーテルとしての二次的使用)として実装されるロボット構成要素を含むことができ、かつ/又はロボット制御可能なカテーテルは、手動制御可能なカテーテル(例えば、手動カテーテルとしての二次的使用)として実装される手動構成要素を含むことができる。したがって、場合によっては、カテーテルは、手動操作とロボット操作の両方のために構成される。
【0107】
図7A及び図7B(及び他の図)に示されるように、シャフト604は、遠位/先端セクション/部分702(「遠位端部分702」と呼ばれることもある)、中間/内側セクション/部分704、近位セクション/部分706(「近位端部分706」と呼ばれることもある)、及び/又はシャフト604の少なくとも一部を通って延びるルーメン708を含むことができる。例えば、ルーメン708は、遠位セクション702(患者の標的部位に位置付けられ得る)から近位セクション706(ハンドル606のポート608に接続され得る)までシャフト604の全体を通って延びることができる。しかしながら、ルーメン708は、カテーテル602を通って別の距離だけ延びることができる。例では、ルーメン708は作業チャネルと呼ばれることもある。遠位セクション702、中間セクション704、及び/又は近位セクション706はそれぞれ、任意の縦方向長さを伴って実装され得る。遠位、中間/内側、近位、及び/又は他の用語は、別の特徴部に対する特徴部の位置を説明するために使用される。例えば、カテーテル602の近位特徴部は、(例えば、使用/手技中に)標的又は解剖学的部位から最も遠い特徴部を指すことができ、カテーテル602の遠位特徴部は、標的又は解剖学的部位に最も近い特徴部を指すことができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、シャフト604の遠位セクション702は、シャフト604を通して吸引するときなどに、特定の物体がシャフト604の残りの部分に入るのを防止するように構成され、かつ/又はシャフト604の遠位端に物体を収容するように構成されたフィルタ/収容構造/特徴部716(「先端構造716」とも呼ばれる)を含むことができる。例えば、泌尿器科処置に関連して、カテーテル602の遠位部分702は、標的部位に配置され、腎臓から1つ以上の腎臓結石断片を吸引するために使用され得る。ここで、先端構造716は、標的部位に別のデバイスから展開される器具によって等、腎臓結石が小片に断片化されている間、結石を保持するように構成され得る。先端構造716はまた、シャフト604を詰まらせ、吸引フローを妨害/停止させ得る、特定のサイズよりも大きい断片がシャフト604の残りの部分に吸い込まれることを防止することができる。先端構造716は、シャフト604の残りの部分とは別個の構成要素として実装され得るが、先端構造716は、シャフト604の残りの部分と一体化されても、他の様式で実装されてもよい。
【0109】
先端構造716がシャフト604の残りの部分とは別個の構成要素として実装される場合、先端構造716は、接着剤、締結具、連動機構等(例えば、タブ、溝等)を用いてシャフト604の残りの部分に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、シャフト604は、先端構造716のシャフト604の残りの部分への結合を容易にするために、かつ/又は先端構造716がシャフト604の残りの部分に固定された後に先端構造716を覆うために、(図11及び他の箇所に示されるように)リング部分1102を含む。この例では、シャフト604(先端構造716を含む)は、実質的に円筒形の形態(例えば、円形断面を有する)で実装される。しかしながら、シャフト604は、長方形/正方形の形態又は別の形状などの他の形態をとることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、シャフト604の少なくとも一部分は、シャフト604の少なくとも一部分が関節運動のために可撓性であるように、プラスチック、ゴム、椎骨リンク、金属又はプラスチック編組/コイル等の種々の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、シャフト604は、シャフト604の可撓性を強化及び/又は促進するために、補強材料(例えば、編組)を含む。例えば、シャフト604は、フープ強度のために、かつ/又はシャフト604が患者の解剖学的構造内でナビゲートされるときにシャフト604のねじれを防止するために、編組補強材を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、シャフト604は、本明細書で論じられるシャフト604の特徴を容易にするために様々な構成で実装される材料の複数の層を含む。ある場合には、先端構造716は、シャフト604の残りの部分とは異なる材料から形成される。例えば、先端構造716は、壊滅的な劣化などの特定の状況における劣化を回避する材料で実装され得る。先端構造716は、ステンレス鋼(又は他の種類の鋼)、チタン、タングステン、及び/又は、レーザビームが意図せずかつ/若しくは時折先端構造716に接触するという場合にもその構造を概ね維持することができる他の材料(閾値を超える比較的高い融点を有し得る材料)で実装され得る。しかしながら、先端構造716及び/又はシャフト604の任意の他の部分は、他の材料で実装されてもよい。
【0111】
シャフト604は、図7Aに示される線に沿ってとられた図7Bの断面図に示されるように、外壁等のシャフト604の壁712内に配置される1つ以上のルーメン710(「1つ以上のワイヤルーメン710」とも称される)を含むことができる。1つ以上のルーメン710は、シャフト604の壁の周囲又は別の場所に等距離で離間され得る。カテーテル604は、1つ以上のワイヤルーメン710内に摺動可能に配置された1つ以上の細長い移動部材714を含むことができる。1つ以上の細長い移動部材714としては、1つ以上のプルワイヤ、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。1つ以上の細長い移動部材714は、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル602は、1つ以上の細長い移動部材714によって印加された力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成される。非直線的挙動は、カテーテル602の剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材714間の緩み又は剛性の変動性に基づくものであり得る。特定の数のワイヤルーメン710及び細長い移動部材714が図に示されているが、任意の数のルーメン及び/又は細長い移動部材が実装され得る。
【0112】
1つ以上の細長い移動部材714は、シャフト604の遠位セクション702に取り付けられる/遠位セクション702へと延びることができる。近位側において、1つ以上の細長い移動部材714は、シャフト604の遠位セクション702を偏向させることなどによって、シャフト604の関節運動を制御するように構成されたハンドル606の構成要素(複数可)(例えば、入力アセンブリ)に結合され得る。ハンドル606は、遠位セクション702を長手方向軸から偏向させるために、1つ以上のルーメン710内で1つ以上の細長い移動部材714を引っ張る(及び/又はその張力を解放する)ように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル602は、1つ以上の細長い移動部材714の操作に基づいて2つの方向(例えば、上/下又は右/左)に移動するように構成される。他の実施形態では、カテーテル602は、1つ以上の細長い移動部材714の操作に基づいて4つの方向(例えば、上/下及び右/左)に移動するように構成される。更に他の実施形態では、カテーテル602は、他の方向に移動するように構成される。いくつかのロボットの例では、カテーテル602は、4つの主方向と4つの細長い移動部材の組み合わせを使用することによって、任意の方向に移動することができる。
【0113】
図8図11は、本開示の1つ以上の実施形態による例示的なロボット制御可能なカテーテル1402(「ロボット制御可能なカテーテルアセンブリ1402」と呼ばれることもある)を示す。特に、図8Aはカテーテル1402の斜視図を示し、図8Bはカテーテル1402の底面図を示し、図8Cはカテーテル1402の底部の斜視図を示す。図8A図8Cに示すように、カテーテル1402は、ハンドル/基部1406(「器具基部1406」とも呼ばれる)に結合された細長いシャフト1404を含み、ハンドル/基部は、細長いシャフト1404の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されている。シャフト1404は、本明細書で論じられるシャフトのうちのいずれかを表すことができる。例えば、シャフト1404は、患者体内に配置されるように構成された遠位端部分1408と、器具基部1406上のポート1412に結合するように構成された近位端部分1410と、遠位端部分1408と近位端部分1410との間に延びるルーメン(図示せず)と、を含むことができる。ポート1412は、吸引チャネル/チューブなどを介して、流体管理システムに結合するように構成することができる。ポート1412は、器具基部1406の表面から突出することができ、かつ/又はチャネル/チューブとの接続を容易にするために他の形態/構造を含むことができる。器具基部1406は、実質的に円形の形態で示されているが、器具基部1406は、長方形の形態などの他の形態をとることもできる。
【0114】
ロボット制御可能なカテーテル1402は、器具基部1406をロボットアーム及び/又は別のデバイス/インターフェース(例えば、滅菌アダプタ)に結合するように構成された1つ以上の取り付け機構1414を含むことができる。1つ以上の取り付け機構1414は、クリップ、ピン、フック、バックル、クランプ、ねじ、ボルト、フランジ、フックアンドループ、磁石、接着剤などの1つ以上の締結具を含むことができる。1つ以上の取り付け機構1414に結合するように構成されるデバイス/インターフェースは、1つ以上の取付け機構1414を受容/接続するための1つ以上の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の取り付け機構1414は、器具基部1406の上部部分1406(A)と一体である。しかしながら、1つ以上の取り付け機構1414は、上部部分1406(A)とは別個に実装されてもよく、器具基部1406の底部部分1406(B)に一体化されてもよく、あるいは別様に実装されてもよい。
【0115】
図8図10に示すように、ロボット制御可能なカテーテル1402はまた、ロボットアームの駆動出力アセンブリ及び/又は別のデバイス/インターフェースに結合するように構成された駆動入力アセンブリ1416を含むことができる。図9-1は、上部部分1406(A)を有する器具基部1406を示し、図9-2は、駆動入力アセンブリ1416及び他の特徴部を示すために上部部分1406(A)が除去された器具基部1406を示す。駆動出力アセンブリは、カテーテル1402のシャフト1404の関節運動を制御するために、駆動入力アセンブリ1416と相互作用することができる。例えば、駆動入力アセンブリ1416は、1つ以上の細長い移動部材1502(図9及び図10に示される)に結合され得る。1つ以上の細長い移動部材1502は、シャフト1404の一部分内に摺動可能に配置され、シャフト1404の遠位端部分1408に取り付けられ得る。1つ以上の細長い移動部材1502は、器具基部1406内のシャフト1404から出て(例えば、近位端部分1410に向かって)、器具基部1406内の駆動入力アセンブリ1416に結合することができる。1つ以上の細長い移動部材1502は、シャフト1404の外壁の1つ以上の穴1504を介してシャフト1404から出ることができる。駆動出力アセンブリは、駆動入力アセンブリ1416を作動(例えば、回転)させて、1つ以上の細長い移動部材1502を引っ張る(及び/又はその張力を解放する)ことができ、シャフト1404の遠位端部分1408の作動をもたらす。様々な実施例は、出力部及び入力部の外径及び内径上の一連の歯が噛合するスプラインインターフェース結合を例証するが、駆動出力アセンブリと駆動入力アセンブリ1416は、種々の歯、突出部、又は他の噛合係合特徴部及び構成のうちのいずれかを介して結合され得る。
【0116】
この例では、駆動入力アセンブリ1416は、1つ以上の細長い移動部材1502に結合するように構成された1つ以上のプーリ/スプール1602を含む。図10は、駆動入力アセンブリ1416(A)の例示的な詳細を示す。ここで、細長い移動部材1502(A)(この場合、ワイヤとして実装される)は、器具基部1406内のシャフト1404から出て、スプール1602(A)に巻き付いてスプール1602(A)に取り付けられ、かつ/又はプルワイヤ1502(A)の緩みを除去する。プルワイヤ1502(A)は、器具基部1406の他の内部構成要素との接触を回避するために、適切な場所でシャフト1404から出ることができる。例えば、シャフト1404は、1つ以上のプルワイヤ1502がシャフト1404の外壁の1つ以上のワイヤルーメンから出て、器具基部1406の他の構成要素と干渉することなく1つ以上のプーリ1602に取り付けられ得るように、シャフト1404の近位端から特定の距離をおいてシャフト1404の外壁に1つ以上の穴1504を含むことができる。1つ以上のプルワイヤ1502は、シャフト1414の近位端に対して同じ距離又は異なる距離をおいてシャフト1404から出ることができる。
【0117】
スプール1602(A)の上端1604(A)において、プルワイヤ1502(A)は、チャネル/溝1606(A)内に巻き付くことができ、ストッパ/拡大/端部特徴部1610(A)を使用してプルワイヤ1502(A)の遠位端において空洞1608(A)に固定/係留することができる。しかしながら、任意のタイプの締結具、接着剤、ワイヤを挟み込むこと/締め付けること、アンカーを生成するために端部において金属ボールをはんだ付けすること、アンカーとして使用され得るボール形状に端部をレーザ溶融すること等の他のタイプの取り付け機構が使用され得る。この例では、プルワイヤ1502(A)を維持/固定するために、リング1612(A)が上端1604(A)の上に配置される。プルワイヤ1502(A)は、スプール1602(A)に対するプルワイヤ1502(A)の摩擦、プルワイヤ1502(A)の張力、ストッパ1610(A)、及び/又はリング1612(A)によって、スプール1602(A)に結合され得る。スプール1602(A)の底端部1614(A)において、スプール1602(A)は、駆動出力アセンブリと相互作用するように構成された結合機構/カプラ1616(A)を含むことができる。例えば、結合機構1616(A)は、歯車又は他の機構を含むことができる。駆動入力アセンブリ1416について様々な例示的な特徴が示されているが、駆動入力アセンブリ1416は、様々な他の様式で実装されてもよい。
【0118】
シャフト1404の関節運動を制御するために、1つ以上のスプール1602/1416を回転させて、それに取り付けられた1つ以上のプルワイヤ1502を引っ張る(又はその張力を解放する)ことができる。例えば、スプール1602(A)を図10に対して反時計回り方向に回転させることにより、プルワイヤ1502(A)をスプール1602(A)により完全に巻き付けることができ、プルワイヤ1502(A)のプル運動がもたらされる。したがって、スプール1602(A)を回転させて、プルワイヤ1502(A)の緩み/張力の量を制御することができる。いくつかの例では、複数のスプールが同時に(例えば、協働して)回転されて、特定の方向へのシャフト1404の関節運動が促進される。スプールは、特定の動きを促進するために同じ方向又は異なる方向に回転させることができる。上述したように、図11に示すような駆動出力アセンブリは、1つ以上のスプールの回転を制御することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル1402は、1つ以上の細長い移動部材1502の操作に基づいて、上下又は左右などの2つの方向に移動するように構成される。他の実施形態では、カテーテル1402は、1つ以上の細長い移動部材1502の操作に基づいて、上下左右などの4つの方向に移動するように構成される。いずれにしても、カテーテル1402は、器具基部1406の動き(例えば、器具基部1406に取り付けられたロボットアームの動き)に基づいて、仮想レールなどに沿って挿入/後退されるように構成することもできる。
【0119】
いくつかの実施形態では、ロボット制御可能なカテーテル1402は、様々な図に示すように、カテーテル1402の較正及び/又は識別を容易にするために、無線周波数識別(RFID)タグ1418及び/又は1つ以上の他の要素1420を含むことができる。例えば、RFIDタグ1418は、器具基部1406に接続するように構成された器具ドライバデバイス(例えば、ロボットアーム、滅菌アダプタなど)上に位置するRFIDリーダに情報を提供することができる。RFIDリーダは、カテーテル1402を較正するためにRFIDタグ1418からデータを無線で取得/読み取るように構成することができる。1つ以上の要素1420は、1つ以上の磁石、1つ以上のクイックレスポンス(QR)コード、1つ以上のバーコードなどを含むことができる。例では、器具基部1406上の1つ以上の磁石1420の配置/場所、1つ以上の磁石1420の磁極性、及び/又は磁場強度によって、デバイスのタイプが示され得る。例えば、(器具基部1406に結合する)器具ドライバデバイスは、1つ以上の磁石1420の配置、磁場強度、及び/又は磁気極性を検出し、そのような情報に基づいて器具ドライバデバイスに結合されたデバイスのタイプを決定するように構成され得る(例えば、デバイス内の2つの磁石を用いて、4つのデバイス:北北、北南、南北、及び南南を識別する)。更に、いくつかの例では、視覚/光学システムが、1つ以上のバーコード/QRコード1420を走査して、器具ドライバに結合されたデバイスのタイプを識別することができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグ1418及び/又は1つ以上の要素1420は、識別要素と称される。RFIDタグ1418及び1つ以上の要素1420は、それぞれ較正データ及び識別情報を提供する文脈で一般的に説明されているが、RFIDタグ1418及び/又は1つ以上の要素1420は、それぞれ較正データ及び/又は識別情報を提供することができる。
【0120】
図11は、1つ以上の実施形態による、ロボットアーム1704に関連付けられた例示的な器具デバイスマニピュレータアセンブリ1702の分解図を示す。器具マニピュレータアセンブリ1702は、ロボットアーム1704の遠位端に関連付けられた器具ドライバ1706(例えば、エンドエフェクタ)を含む。器具マニピュレータアセンブリ1702は、カテーテル1402に関連付けられた器具ハンドル/基部1406を更に含む。器具ハンドル1406は、器具1402/シャフト1404を作動させるための電気機械的手段を組み込むことができる。この例では、器具1402は吸引カテーテルとして説明されているが、器具1402は任意のタイプの医療/外科用器具であってよい。上向き及び下向きの表面、プレート、面、構成要素、及び/又は他の特徴部若しくは構造の本明細書における説明は、図11に示されるデバイスマニピュレータアセンブリ1702の特定の配向を基準として理解され得る。すなわち、器具ドライバ1706は、概して、ある範囲の方向及び配向に面する及び/又は配向されるように構成可能であり得るが、便宜上、本明細書におけるそのような構成要素の説明は、図11に示される器具ドライバ1706の概して垂直に面する向きの文脈にあり得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、器具デバイスマニピュレータアセンブリ1702は、器具ドライバ1706と器具ハンドル1406との間にドライバインターフェースを提供するように構成されたアダプタ1708を更に含む。アダプタ1708及び/又は器具ハンドル1406は、ロボットアーム1704から取り外し可能又は分離可能であってもよく、いくつかの実施形態では、モータ等の任意の電気機械構成要素を欠いていてもよい。この二分は、医療処置において使用される医療器具を滅菌することが必要であること、及び/又は医療器具の複雑な機械組立と敏感な電子機器とに起因して高価な資本設備を十分に滅菌することができないことによって引き起こされる可能性がある。したがって、器具ハンドル1406及び/又はアダプタ1708は、個々の滅菌又は廃棄のために、器具ドライバ1706(従ってシステム)から分離され、取り外され、かつ/又は交換されるように設計されてもよい。対照的に、器具ドライバ1706は、いくつかの例では交換又は滅菌される必要がなく、保護のためにドレーピングをすることができる。
【0122】
アダプタ1708(「滅菌アダプタ1708」と呼ばれることもある)は、ロボットアーム1704及び/又は器具ドライバ1706から器具ハンドル1406に空気圧、電力、電気信号、機械的作動、及び/又は光信号を伝達するためのコネクタを含むことができる。例えば、アダプタ1708は、エンドエフェクタ1706の駆動出力アセンブリ(複数可)170に結合する駆動入力アセンブリ(複数可)と、器具ハンドル1406の駆動入力アセンブリ(複数可)に結合するように構成された駆動出力アセンブリ(複数可)と、を含むことができる。アダプタ1708の駆動入力アセンブリと駆動出力アセンブリは、器具ドライバ1706から器具ハンドル1406に制御/作動を伝達するために互いに結合され得る。
【0123】
器具ハンドル1406は、1つ以上のダイレクトドライブ、ハーモニックドライブ、歯車ドライブ、ベルト/プーリ、磁気ドライブ、及び/又は他のマニピュレータ手段若しくは機構を使用して、カテーテル1402を操作するように構成されてもよい。ロボットアーム1704は、結合されたカテーテル1402を治療部位の内に前進させ/挿入する、又は治療部位から後退させることができる。いくつかの実施形態では、器具ハンドル1406は、異なるタイプの器具を操作するなどのために、除去され、異なるタイプの器具ハンドルと交換され得る。
【0124】
ロボットアーム1704のエンドエフェクタ1706(例えば、器具ドライバ)は、アダプタ1708、ハンドル1406、及び/又はカテーテル1402の構成要素に接続及び/又は整列するように構成された様々な構成要素/要素を含むことができる。例えば、エンドエフェクタ1706は、医療器具を制御/関節運動させるための駆動出力アセンブリ1710(例えば、係合特徴部を有する駆動スプライン、歯車、又は回転可能ディスク)と、医療器具からデータを読み取るためのリーダ1712(例えば、医療器具からのシリアル番号及び/又は他のデータ/情報を読み取るための無線周波数識別(RFID)リーダ)と、カテーテル1402及び/又はアダプタ1708を器具ドライバ1706に取り付けるための1つ以上の締結具1714と、患者に手動で取り付けられる器具(例えば、アクセスシース)と位置合わせするため、及び/又はデバイスマニピュレータアセンブリ1702の前部表面を規定するためのマーカ1716と、を含むことができる。1つ以上の締結具1714は、アダプタ1708の1つ以上の取り付け機構1718及び/又はハンドル1406の1つ以上の取付け機構1414に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ1706及び/又はロボットアーム1704は、ロボットアーム1704を手動で移動させることができるアドミタンス制御モードを有効にするためのボタン1720を含む。
【0125】
いくつかの構成では、ロボットアーム1704とカテーテル1402との間に滅菌バリアを提供するために、プラスチックシートなどの滅菌ドレープ1722が器具ドライバ1706とアダプタ1708との間に配置されてもよい。例えば、ドレープ1722は、ドライバ1706からアダプタ1708への機械的トルクの伝達を可能にするように、アダプタ1708に結合されてもよい。アダプタ1708は、概して、アダプタ1708自体が滅菌バリアを提供するようにするため、その作動構成要素の周囲にシールを維持するように構成されてもよい。アダプタ1708及び/又はデバイスマニピュレータアセンブリ1702のより多くの他の構成要素(複数可)に結合されたドレープ1722の使用は、ロボットアーム1704と術野との間に滅菌バリアを提供してもよく、それによって、アーム1704に関連付けられたロボットシステムを滅菌術野において使用することが可能となる。ドライバ1706は、ロボットアーム1704のドライバ1706上に装填されること、及び/又はそこから除去されることが可能である、種々のタイプの滅菌アダプタに結合されるように構成されてもよい。アーム1704がプラスチックでドレーピングされた状態で、医師及び/又は他の技術者(複数可)は、処置中にアーム1704及び/又はロボットカートの他の構成要素(例えば、スクリーン)と相互作用してもよい。ドレーピングは更に、機器のバイオハザード汚染から保護し、かつ/又は処置後の清掃を最小限に抑えることができる。
【0126】
図11に示される特定のアダプタ1708は、吸引カテーテルハンドルなどのカテーテルハンドル1406と結合するように構成され得るが、本開示の態様によるデバイスマニピュレータアセンブリと共に使用するためのアダプタは、内視鏡(例えば、尿管鏡)、バスケットデバイス、レーザファイバドライバなどの任意のタイプの外科用又は医療用デバイス又は器具と結合するように構成され得る。
【0127】
図12及び図13は、1つ以上の実施形態による、ロボット制御可能な医療器具に結合するように構成された例示的なアダプタ1802(「ハンドヘルド器具アダプタ1802」又は「手動アダプタ1802」と呼ばれることもある)を示す。ハンドヘルド器具アダプタ1802は、一般にロボット操作用に構成された医療器具を手動制御可能な器具に変換するように構成され得る。例えば、手動アダプタ1802は、ロボット制御可能な医療器具に結合し、ロボット制御を使用する代わりに手動でロボット制御可能な医療器具を制御するための手動入力を受け取るように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、医療器具は、器具基部が手動アダプタ1802から分離され、医療器具のシャフトの関節運動などの医療器具を制御するためのロボット入力を受け取るロボットモードで動作するように構成され、器具基部が手動アダプタ1802に結合され、医療器具を制御するための手動入力を受け取る手動モードで動作するように構成され得る。
【0128】
図12-1に示されるように、手動アダプタ1802は、基部/ハウジング1804と、基部1804内に支持された1つ以上のカプラ1806、1808と、カプラ1806、1808に結合された手動アクチュエータ1810と、を含むことができる。カプラ1806、1808は、ロボット制御可能な医療器具の駆動入力アセンブリに結合するように構成され得る。手動アクチュエータ1810は、カプラ1806、1808を操作して、ロボット制御可能な医療器具(図19に示す)を関節運動させるように構成され得る。例えば、手動アクチュエータ1810は、カプラ1806、1808のうちの1つ以上を回転させ、それによって、カプラ1806、1808に結合された駆動入力アセンブリの1つ以上の構成要素を回転させることができる。2つのカプラ1806、1808が示されているが、カプラ1806、1808は、任意の数のカプラを含むことができる。例では、ベース1804は、上部部分1804(A)及び底部部分1804(B)を含む。しかしながら、基部1804は、単一の部品などの様々な様式で実装されてよい。
【0129】
図12-2~図12-4に示されるように、カプラ1806、1808はそれぞれ、係合/係合解除アセンブリを含むこと/これに取り付けることができ、係合/係合解除アセンブリは、医療器具を制御するために手動アクチュエータ1810を係合/解放するように構成され得る。各係合アセンブリ1806、1808は、医療器具に関連付けられた1つ以上の細長い移動部材の張力の調整を可能にすることができる。例えば、カプラ/係合アセンブリ1806は、手動アクチュエータ1810と係合するように構成された第1の係合/結合部材1806(A)、医療器具の駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材1806(B)、及び/又は第1の係合部材1806(A)と第2の係合部材1806(B)との間を接合するように構成された手動アクチュエータ/タブ1806(C)を含むことができる。タブ1806(C)は、以下で更に詳細に説明されるように、手動入力を受け取って、第1の係合部材1806(A)の第2の係合部材1806(B)への結合を係合解除するように構成され得る。いくつかの実施形態では、各係合アセンブリ1806、1808は、歯車アセンブリ(例えば、互いに係合/係合解除するように構成された1つ以上の歯車及び/又は駆動入力アセンブリ)として実装される。更に、係合/係合解除アセンブリが多くの図に示されているが、場合によっては、そのような特徴は実装されない。
【0130】
図示の例では、第2の係合部材1806(B)/1808(B)とタブ1806(C)/1806(C)はキー留めされ、各要素が相互係止する(例えば、共に結合されるとき、一方の要素が他方に対して回転することを回避する)ことができる。更に、図12-2及び図12-4に示されるように、タブ1806(C)/1808(C)と第1の係合部材1806(A)/1808(A)は、歯車又は他の機構を介して結合され得る。例えば、タブ1806(C)は、第1の係合部材1806(A)上の第2の歯車1806(A)(1)と係合するように構成された第1の歯車1806(C)(1)を含むことができる。第2の係合部材1806(B)は、基部1804内に配置/設置されると(例えば、使用状態において)、タブ1806(C)に力(例えば、軸力)を加えて第1の歯車1806(C)(1)を第2の歯車1806(A)(1)と係合させるように構成されたばね1806(B)(1)を保持/受容することができる。この係合状態(例えば、デフォルト/一般使用状態)では、第1の係合部材1806(A)と、第2の係合部材1806(B)と、タブ1806(C)は、直接対応して一緒に回転することができる。このように、第2の係合部材1806(B)は手動アクチュエータ1810に間接的に結合されることができ、手動アクチュエータ1810の動きが第2の係合部材1806(B)を基部1804内で回転させる。したがって、係合アセンブリ1806は、基部1804内に回転可能に支持され得る。図12-3は、手動アクチュエータ1810の手動作動が第2の係合部材1806(B)/1808(B)を回転させる係合状態で動作する要素を示す。
【0131】
いくつかの実施形態では、手動アクチュエータ1810は、第2の係合部材1806(B)/1808(B)から係合解除され得るが、それによって、第2の係合部材1806(B)/1808(B)は第1の係合部材1806(A)/1806(A)から独立して回転することが可能となる。これは、医療器具の駆動入力アセンブリを回転させて医療器具の1つ以上の細長い移動部材の張力/緩みを調整するための手動入力を提供するのに有用であり得る。例えば、ユーザは、タブ1806(C)を押し下げて、タブ1806(C)の第1の歯車1806(C)(1)を第1の係合部材1806(A)の第2の歯車1806(A)(1)から係合解除させることができる。タブ1806(C)と第2の係合部材1806(B)は、(例えば、ペアリングを介して)共に結合されるため、これは、第2の係合部材1806(B)を第1の係合部材1806(A)から分断させることができる。そのような要素がいったん分断/係合解除されると、ユーザは、手動アクチュエータ1810の位置に影響を及ぼすことなく、タブ1806(C)を捻転/回転させ、第2の係合部材1806(B)を回転させることができる。そのような回転は、最終的に、医療器具の1つ以上の細長い移動部材における張力の調整をもたらすことができる。これにより、ユーザは、1つ以上の細長い移動部材の緩み(医療器具がロボットアームから取り外される場合などに生じ得る)を除去することができる。例えば、ユーザは、医療器具のシャフトが直線状であり、かつ/又は手動アクチュエータ1810が中間の場所に位置付けられているときに、1つ以上の細長い移動部材の緩みを除去することによって、アダプタ1802を使用のために準備/較正することができる。したがって、いくつかの実施形態では、アセンブリ1806/1808の要素のうちの1つ以上は、「引張機構」及び/又は「係合解除機構」と称され得る。
【0132】
議論を容易にするために、上記の例は、係合アセンブリ1806の特定の例示的な特徴を参照する。係合アセンブリ1808は、係合アセンブリ1806と同様に動作し得ることを理解されたい。更に、係合アセンブリ1806、1808は、この例では様々な歯車を用いて実装されているが、係合アセンブリ1806、1808は、他の機械的機構などの他の方法で実装することもできる。
【0133】
いくつかの実施形態では、手動アクチュエータ1810は、係合アセンブリ1806、1808に結合/係合するように構成された歯車/カプラ1810(B)に結合された細長い部材1810(A)を含む。図12-2に示されるように、アダプタ1802は、手動アクチュエータ1810の移動を円滑にするために、ピン/回転機構1812(A)を有するプレート1812を含むことができる。例えば、歯車1810(B)は、ピン1812(A)がプレート1812上の穴1810(B)(1)内に延びる状態で、プレート1812上に回転可能に配置することができる。歯車1810(B)は、ピン1812(A)上で回転することができ、結果として細長い部材1810(A)の回転がもたらされる。図示のように、プレート1812はまた、係合アセンブリ1806、1808を受容/維持するように構成された穴/陥凹部分1812(C)を含むことができる。
【0134】
いくつかの実装形態では、手動アクチュエータ1810は、手動アクチュエータ1810の移動後に定位置に係止され得る。例えば、ユーザは、手動アクチュエータ1810を押し下げ、手動アクチュエータ1810を前向き又は後向きの方向に移動させ、手動アクチュエータ1810を解放して手動アクチュエータ1810を定位置にロックすることができる。いくつかの例では、そのような特徴を容易にするために、細長い部材1810(A)は、1つ以上の歯/陥凹部分を含む溝1812(B)内に配置されるように構成されたピン1814に接続することができる。細長い部材1810(A)は、(図12-3に示されるように)歯車1810(B)の溝1810(B)(2)内で移動/摺動することができ、概して、歯車1810(B)の枢動点から離れるように外向きに押しやられ得る。この例では、(図12-5に示されるような)1つ以上のばね1816は、細長い部材1810(A)の端部/取り付け特徴部1810(A)(1)に、かつ歯車1810(B)の取り付け特徴部1810(B)(3)に結合するように構成される。これによって、細長い部材1810(A)を歯車1810(B)の枢動点から引き離す力が及ぼされ、最終的に、(細長い部材1810(A)に取り付けられた)ピン1814が溝1812(B)内の歯の中に引き込まれることになり得る。ユーザは、細長い部材1810(A)を押し下げて、ピン1814を歯から解放させ、溝1812(B)内で自由に摺動させることができる。解放状態では、ユーザは、細長い部材1810(A)を別の位置に移動/回転させることができる。係止特徴部は、特定の要素と共に示されるが、係止特徴部は、種々の他の様式で実装されてもよい。
【0135】
図13A及び図13Bは、1つ以上の実施形態による、ロボット制御可能なカテーテル1402に結合された手動アダプタ1802を示す。そのような構成では、ロボット制御可能なカテーテル1402は、手動アダプタ1802を通してユーザによって提供される手動入力に基づいて制御され得る。図13A及び図13Bは、ロボット制御可能なカテーテル1402に結合されたアダプタ1802を示すが、アダプタ1802は、ロボット制御可能なスコープ又は別の器具などの他のタイプのロボット制御可能な医療器具に結合されて、ロボット制御可能な医療器具が手動入力を使用して制御されることを可能にし得る。
【0136】
図14図17は、本開示の1つ以上の実施形態による例示的な手動制御可能なカテーテル2002を示す。図14A図14Cに示されるように、カテーテル2002は、ハンドル/基部2006に結合された細長いシャフト2004を含み、ハンドル/基部は、細長いシャフト2004の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されている。シャフト2004は、本明細書で論じられるシャフトのうちのいずれかを表すことができる。例えば、シャフト2004は、患者体内に配置されるように構成された遠位端部分と、ハンドル2006上のポート2008に結合するように構成された近位端部分と、遠位端部分と近位端部分との間に延びる吸引/灌注ルーメン(図示せず)と、を含むことができる。ポート2008は、吸引チャネル/チューブなどを介して、流体管理システムに結合するように構成することができる。ポート2008は、ハンドル2006/シャフト2004から取り外し可能であってもよく、かつ/又はハンドル2006/シャフト2004に一体化されてもよい。図示のように、カテーテル2002は、細長いシャフト2004の作動を制御するように構成された手動アクチュエータ2010を含むことができる。例えば、手動アクチュエータ2010は、ユーザから手動入力を受け取って、細長いシャフト2004の遠位端部分の作動を制御するように構成され得る。
【0137】
ハンドル2006の内部構成要素を示す図15A図15Cに示されるように(外部エンクロージャは、図15Aでは部分的に取り外され、図15B及び図15Cでは完全に取り外されている)、手動アクチュエータ2010は、細長いシャフト2004内に少なくとも部分的に配置された1つ以上の細長い移動部材2102(例えば、プルワイヤ)に結合され得る。ここで、カテーテル2002は、シャフト2004の遠位端部分に結合された2つの細長い移動部材2102を含むが、しかしながら、任意の数の細長い移動部材2102が実装され得る。細長い移動部材2102は、ハンドル2006内の細長いシャフト2004の壁から出ることができる。この例では、ハンドル2006は、細長い移動部材2102を手動アクチュエータ2010に送るために、ハンドル2006の遠位端に位置するガイド/位置合わせ構造2104を含む。ガイド構造2104は、1つ以上の溝、開口部などを含むことができる。図示されるようないくつかの例では、細長い移動部材2102は、細長い移動部材2102を手動アクチュエータ2010に送るために、1つ以上のピン/シャフト2105(ハウジング/エンクロージャに支持/接続される)の周りに延びている。手動アクチュエータ2010は、1つ以上の細長い移動部材2102を受け入れるための突起/延長部2106を有する実質的に円形の形態を有することができる。細長い移動部材2102は、突起2106内の穴2108を通して送られ得る。突起2106は、手動アクチュエータ2010が作動されたときにシャフト2004の遠位端の実質的な移動(例えば、突起2106が排除された場合よりも多くの移動)を可能にすることができる。
【0138】
手動アクチュエータ2010はまた、細長い移動部材2102をスプール/係留部材2112と整列させるために、陥凹部2110を含むことができる。いくつかの実施形態では、細長い移動部材2102は、図16に示されるように、スプール2112の周りに少なくとも部分的に巻き付いて溝2202に入ることができる。細長い移動部材2102の遠位端は、図15Aに示されるように、ストッパ/拡大特徴部2114を使用して、スプール2112に取り付けられる/係留されることが可能である。例では、細長い移動部材2102がスプール2112の周りに巻き付けられると、スプール2112及び/又は細長い移動部材2102は、接着剤及び/又は締結具を使用して手動アクチュエータ2010に固定され得る。カテーテル2002を製造/較正するいくつかの実装形態では、手動アクチュエータ2010は、利用可能な移動範囲に対して中間位置に配置され、スプール2112は、細長い移動部材2102の緩みを除去するように回転される(シャフト2004は、図14A図14Cに示されるように直線配向に位置決めされる)。次いで、細長い移動部材2102及び/又はスプール2112を手動アクチュエータ2010に固定するために、接着剤/締結具が適用される。
【0139】
様々な図に示されるように、手動アクチュエータ2010は、ハンドル2006に対する手動アクチュエータ2010の回転を容易にするために、シャフト2116及び/又はスリーブ2118上に回転可能に配置/支持され得る。特に、手動アクチュエータ2010は、(例えば、図15Aに示されるような手動アクチュエータ2010の実質的に円形の構造に対して)手動アクチュエータ2010の中心に穴を含み、シャフト2116がスリーブ2118内に位置付けられた状態で、シャフト2116及びスリーブ2118を受容することができる。シャフト2116及び/又はスリーブ2118は、ハンドル2006の外部エンクロージャ/ハウジングなどのハンドル2006に結合され得る。
【0140】
この例は、カテーテル2002の様々な例示的な特徴部を論じているが、他の特徴部が実装されてもよい。例えば、細長い移動部材2102は、他のタイプの締結/送り機構を使用することなどによって、他の様式で手動アクチュエータ2110に送られ、かつ/又は取り付けられ得る。更に、手動アクチュエータ2010、ハンドル2006、及び/又は他の特徴部は、図14図17に示されるものとは異なる形態を含むことができる。いくつかの例では、本明細書で論じられる他の例示的カテーテルの構成要素のうちのいずれか(ロボット又は手動にかかわらず)が、代替的に、あるいは追加的に実装されてもよい。更に、カテーテル2002の構成要素のいずれかは、本明細書で論じられる他のカテーテルにおいて実装され得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、手動カテーテル2002は、ユーザによる手動入力等の手動アクチュエータ2010の操作に基づいて、上下又は左右等の2つの方向に移動するように構成される。例では、細長いシャフト2004(及び/又は他のカテーテルの細長いシャフト)の遠位部分及び各部分は、細長いシャフト2004の長手方向軸に対して少なくとも150°、90~270°などだけ関節運動することができるが、しかしながら、様々な他の程度の運動が実現されてもよい。カテーテル2002はまた、ユーザ等によるハンドル2006の運動に基づいて、挿入/後退及び/又は回転されるように構成され得る。いくつかの例では、カテーテル2002は、2つの細長い移動部材2102を含むことができ、各細長い移動部材2102は、先端の上部/左部分及び先端の底部/右部分等、シャフト2004の遠位端部分の異なる部分に取り付けられる。使用中、手動アクチュエータ2010の作動により、細長い移動部材2102のうちの1つを引っ張り、他の細長い移動部材2102の張力を解放させることができる。しかしながら、他の例では、カテーテル2002は、上、下、左、及び右等の2つ以上の方向に移動するように構成されてもよく、かつ/又はカテーテル2002は、そのような移動を円滑にするために、2つ以上の細長い移動部材2102を含んでもよい。
【0142】
図17に示されるように、いくつかの実装形態では、カテーテル2002のハンドル2006は、ユーザ2302によって逆手の様式で保持/操作されるように構成される。ここで、ユーザの親指は、手動アクチュエータ2010に接触すること/それを作動させることが可能であり、ユーザの残りの指は、ハンドル2006の周りをハンドル2006の反対側まで把持することができる。ユーザ2302は、手動アクチュエータ2010を前向き又は後向きに関節運動させて細長いシャフト2004の遠位端部分の関節運動を生じさせるように、(図17に対して)前向き又は後向きの方向に自身の親指を動かすことができる。しかしながら、カテーテル2002は、様々な他の様式でユーザによって保持/操作され得る。いくつかの例では、ユーザは、自身の手首を捻転させることによってカテーテル2002を回転させることができる。
【0143】
図18図19は、本開示の1つ以上の実施形態による別の例示的な手動制御可能なカテーテル2402を示す。図示のように、カテーテル2402は、ハンドル/基部2406に結合された細長いシャフト2604を含み、ハンドル/基部は、細長いシャフト2404の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されている。シャフト2404は、本明細書に記載されるシャフトのうちのいずれかを含むことができる。カテーテル2402は、細長いシャフト2404の作動を制御するように構成された手動アクチュエータ2408を含むことができる。例えば、手動アクチュエータ2408は、ユーザから手動入力を受け取って、細長いシャフト2404の遠位端部分の作動を制御するように構成され得る。カテーテル2402のハンドル2406は、1つ以上のハウジング/エンクロージャ部品を含むことができる。図18-1は、エンクロージャ/ハウジングを有するハンドル2406を示し、図18-2は、内部の特徴部を明らかにするためにハウジング/エンクロージャの一部分が除去されたハンドル2406を示す。
【0144】
図18-2に示されるように、ハンドル2406は、シャフト2404から細長い移動部材2410を送り出し、細長い移動部材2410を手動アクチュエータ2408に取り付けるための1つ以上の構成要素を含むことができる。例えば、ハンドル2406は、細長い移動部材2410を1つ以上のプーリ2414に送るための1つ以上の穴/管/特徴部を有するプレート構造体2412を含むことができる。細長い移動部材2410の遠位端は、手動アクチュエータ2408に結合されたプーリ2414に取り付けられ得る。プーリ2414は、手動アクチュエータ2408の作動がプーリ2414を回転させ、それによって細長い移動部材2410を引っ張る(及び/又はその張力を解放する)ことができるように、ハンドル2406内に回転可能に支持され、手動アクチュエータ2408に取り付けられ得る。例では、プーリ2414は、歯車、ベルトなどの1つ以上のカプラを介して互いに結合される。したがって、一方のプーリ2414の回転は、他方のプーリ2414を同じ方向又は異なる方向に回転させることになり得る。
【0145】
カテーテル2402は、シャフト2404の遠位端部分などにおいて、様々な方向に移動するように構成され得る。一例では、細長い移動部材2410の端部は、2つの細長い移動部材を呈し、各細長い移動部材2410は、シャフト2404の遠位端部分を通ってループ状になっている。ここで、シャフト2404の先端部分は、上下又は左右の2方向に移動可能に構成されていてもよい。別の例示では、細長い移動部材2410の端部は、4つの細長い移動部材の近位端を表し、各細長い移動部材2410の遠位端は、シャフト2404の遠位端部分に取り付けられる。ここで、シャフト2404の先端部分は、上下左右などの4方向に移動可能に構成され得る。しかしながら、任意の数の細長い移動部材及び/又は移動方向が実装され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル2402は、1つ以上の歯車2416に結合されたアクチュエータ/制御装置を介して提供される手動入力などに基づいて、細長いシャフト2404の回転を円滑にするための1つ以上の歯車2416を含む。
【0146】
カテーテル2402は特定の構成要素と共に示されているが、他の構成要素が実装されてもよい。例えば、プレート構造体2412及び/又はプーリ2414は、細長い移動部材2410を送るため、及び/又は細長い移動部材2410の引っ張り/解放を円滑にするために、他の構成要素と置き換えられてもよい。いくつかの例では、本明細書で論じられる他の例示的カテーテルの構成要素のうちのいずれか(ロボット又は手動にかかわらず)が、代替的に、あるいは追加的に実装されてもよい。更に、カテーテル2402の構成要素のいずれかは、本明細書で論じられる他のカテーテルにおいて実装され得る。
【0147】
図19に示されるように、いくつかの実装形態では、カテーテル2402のハンドル2406は、順手の様式(例えば、サムズアップの様式)でユーザ2502によって保持/操作されるように構成される。ここで、ユーザの親指は、手動アクチュエータ2408に接触すること/それを作動させることが可能であり、ユーザの残りの指は、ハンドル2406の周りをハンドル2406の反対側まで把持することができる。ユーザ2502は、手動アクチュエータ2408を上下に関節運動させて細長いシャフト2404の遠位端部分の関節運動を生じさせるように、(図19に対して)上下の方向に自身の親指を動かすことができる。しかしながら、カテーテル2402は、様々な他の様式でユーザによって保持/操作され得る。
【0148】
図20-1及び図20-2は、本開示の1つ以上の実施形態による別の例示的な手動制御可能なカテーテル2602を示す。ここで、カテーテル2602は、1つ以上の細長い移動部材の移動を円滑にするためのプレート構造体を含む。特に、カテーテル2602は、ハンドル/基部2406に結合された細長いシャフト2604を含み、ハンドル/基部は、細長いシャフト2404の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されている。シャフト2604は、本明細書に記載されるシャフトのうちのいずれかを含むことができる。図示のように、カテーテル2602は、細長いシャフト2404の作動を制御するように構成された手動アクチュエータ2608を含むことができる。カテーテル2602のハンドル2606は、吸引チャネル/管などを介して流体管理システムに結合するように構成された1つ以上のハウジング/エンクロージャ部品及び/又はポート2610を含むことができる。ここで、シャフト2604の近位端は、ポート2610に結合される。図20-1は、エンクロージャ/ハウジングを有するハンドル2606を示し、図20-2は、ハウジング/エンクロージャの一部分が除去されたハンドル2606を示す。
【0149】
図20-2に示されるように、手動アクチュエータ2608は、プレート2614を介して細長い移動部材2612に結合される。細長い移動部材2612は、接着剤、締結具、アンカーなどを使用してプレート2412に結合され得る。いくつかの実装形態では、細長い移動部材2612は、プレート2614が図20-2に示される様式で配向されるとき(例えば、シャフト2604の関節運動を伴わないデフォルト状態)、ポート2610に対するプレート2614の最近位端2614(A)に取り付けられる。図示されるように、細長い移動部材2612は、ハンドル2606内のシャフト2604から出て、プレート2614の両端に取り付けられ得る。使用中、手動アクチュエータ2608の作動は、プレート2614をハンドル2606内で回転させるが、それによって、細長い移動部材2612のうちの一方が引っ張られ、他方の細長い移動部材2612の張力が解放されることになり得る。例えば、手動アクチュエータ2608をシャフト2604の近位端に向かって(例えば、図20-1及び図20-2に対して反時計回りに)回転させることにより、細長い移動部材2612(A)をシャフト2604内により多く解放させ、細長い移動部材2612(B)をシャフト2604からより多く引き出すことができる。
【0150】
カテーテル2606は、シャフト2604の遠位端部分などにおいて、様々な方向に移動するように構成され得る。一例では、細長い移動部材2612の端部は、2つの細長い移動部材の近位端を呈し、各細長い移動部材2612の遠位端は、シャフト2604の遠位端部分に取り付けられる。ここで、シャフト2604の先端部分は、上下又は左右の2方向に移動可能に構成されていてもよい。しかしながら、任意の数の細長い移動部材及び/又は移動方向が実装され得る。例では、カテーテル2602は、順手又は逆手の様式で保持されるように構成されている。
【0151】
カテーテル2602は特定の構成要素と共に示されているが、他の構成要素が実装されてもよい。例えば、プレート2614及び/又は他の構成要素は、他の構成要素と置き換えられてもよい。いくつかの例では、本明細書で論じられる他の例示的カテーテルの構成要素のうちのいずれか(ロボット又は手動にかかわらず)が、代替的に、あるいは追加的に実装されてもよい。更に、カテーテル2602の構成要素のいずれかは、本明細書で論じられる他のカテーテルにおいて実装され得る。
【0152】
更なる実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載のアルゴリズム又はプロセスのうちのいずれかの特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で行うことができ、追加しても、マージしても、又は完全に除外してもよい。したがって、ある実施形態では、説明した行為又は事象のすべてがプロセスの実行にとって必要なわけではない。
【0153】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される条件的文言は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、全般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝達することを意図している。したがって、そのような条件的文言は、一般的に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、オーサ入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実施されるかどうかを決定するための論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語は、それらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、更なる要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用され、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又はすべてを意味する。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、項目、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用されるような文脈で理解される。したがって、そのような接続言語は、全般的に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、それぞれ存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0154】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴が、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明において共にグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例解及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれと共に使用することができる。更に、いずれの構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書における本開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ判定されるべきであることが意図される。
【0155】
特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供される場合があり、必ずしも物理的特性又は順序付けを示唆するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示すわけではなく、むしろ、全般的に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。更に、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0156】
別途定義されない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、実施形態例が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0157】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」という空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、図面に例解されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描写される向きに加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる向きを包含することを意図していると理解されたい。例えば、図面に示されるデバイスが反転される場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置決めされたデバイスは、別のデバイスに「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例解的用語は、下側及び上側位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向される場合があり、したがって、空間的に相対的な用語は、向きに応じて異なって解釈され得る。
【0158】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0159】
〔実施の態様〕
(1) ルーメンを含み、吸引システムに結合して、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部であって、ロボットアームに関連付けられた駆動出力アセンブリに結合するように構成された駆動入力アセンブリを含む、器具基部と、を含む、ロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(2) 前記細長いシャフトは別のルーメンを含み、前記ロボット制御可能なカテーテルアセンブリは、
前記別のルーメン内に摺動可能に配置され、前記細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含み、
前記駆動入力アセンブリは、前記細長い移動部材に接続されて、前記細長いシャフトの関節運動を制御する、実施態様1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(3) 前記器具基部は、前記細長いシャフトの近位端に結合され、前記吸引システムに結合するように構成されたポートを含む、実施態様1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(4) 前記器具基部は、前記ロボット制御可能なカテーテルアセンブリの識別子に関連付けられた識別要素を含み、前記識別要素は、無線周波数識別タグ、クイックレスポンス(QR)コード、バーコード、又は磁石のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(5) 手動入力を受け取って、前記細長いシャフトの操作を制御するように構成されたハンドヘルド器具アダプタを更に含み、前記ハンドヘルド器具アダプタは、前記器具基部の前記駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラと、前記カプラに接続され、前記カプラを操作するように構成された手動アクチュエータと、を含む、実施態様1に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
【0160】
(6) 前記カプラは、前記手動アクチュエータと係合され、前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された歯車アセンブリを含む、実施態様5に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(7) 前記細長いシャフトを操作するように構成されたプルワイヤを更に含み、
前記カプラは、前記駆動入力アセンブリを操作することから前記手動アクチュエータを解放するように構成され、前記プルワイヤの張力を調節するように構成された引張機構を含む、実施態様5に記載のロボット制御可能なカテーテルアセンブリ。
(8) ルーメンを含み、吸引システムに結合して、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された手動アクチュエータを含む器具ハンドルと、を含む、手動制御可能なカテーテル。
(9) 前記細長いシャフトはワイヤルーメンを含み、前記手動制御可能なカテーテルは、
前記ワイヤルーメン内に摺動可能に配置され、前記細長いシャフトの遠位端に接続されたプルワイヤを更に含み、
前記手動アクチュエータは、前記プルワイヤに接続されて、前記細長いシャフトの関節運動を制御する、実施態様8に記載の手動制御可能なカテーテル。
(10) 前記器具ハンドルは、前記細長いシャフトの近位端に結合され、前記吸引システムに結合するように構成されたポートを含む、実施態様8に記載の手動制御可能なカテーテル。
【0161】
(11) 前記手動アクチュエータは、前記器具ハンドルが順手の様式でユーザによって保持されるとき、前記ユーザの親指によって作動されるように構成されている、実施態様8に記載の手動制御可能なカテーテル。
(12) 前記手動アクチュエータは、前記器具ハンドルが逆手の様式でユーザによって保持されるとき、前記ユーザの親指によって作動されるように構成されている、実施態様8に記載の手動制御可能なカテーテル。
(13) 基部と、
前記基部内に回転可能に支持されたカプラであって、ロボット制御可能な医療器具の駆動入力アセンブリに結合するように構成された、カプラと、
前記カプラに動作可能に結合され、前記カプラを操作して前記ロボット制御可能な医療器具を関節運動させるように構成された第1の手動アクチュエータと、を含む、システム。
(14) 前記カプラは、前記第1の手動アクチュエータに結合され、前記ロボット制御可能な医療器具の前記駆動入力アセンブリに結合するように構成された係合アセンブリを含む、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記係合アセンブリは、(i)前記手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含む、実施態様14に記載のシステム。
【0162】
(16) 前記係合解除機構は、手動入力を受け取って、前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への前記結合を係合解除するように構成された第2の手動アクチュエータを含む、実施態様15に記載のシステム。
(17) (i)吸引システムに結合して、標的部位に吸引を提供するように構成された細長いシャフトと、(ii)前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部と、を含む、前記ロボット制御可能な医療器具を更に含み、前記器具基部は、前記駆動入力アセンブリを含む、実施態様13に記載のシステム。
(18) 前記細長いシャフトはルーメンを含み、前記ロボット制御可能な医療器具は、前記ルーメン内に摺動可能に配置され、前記細長いシャフトの遠位端に接続された細長い移動部材を更に含み、
前記駆動入力アセンブリは、前記細長い移動部材に接続されて、前記細長いシャフトの関節運動を制御する、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記カプラは、前記駆動入力アセンブリを操作することから前記第1の手動アクチュエータを解放するように構成され、前記細長い移動部材の張力を調節するように構成された引張機構を含む、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記器具基部は、前記細長いシャフトの近位端に結合され、前記吸引システムに結合するように構成されたポートを含む、実施態様17に記載のシステム。
【0163】
(21) 前記カプラは、前記第1の手動アクチュエータと係合され、前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された歯車アセンブリを含む、実施態様13に記載のシステム。
(22) システムであって、
遠位端部分と、近位端部分と、ルーメンとを含む細長いシャフトであって、吸引システムに結合して、前記ルーメンを介して吸引を提供するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合されたハンドルであって、
前記ハンドルが前記細長いシャフトの関節運動を制御するためのロボット入力を受け取るロボットモードと、
前記ハンドルが前記細長いシャフトの関節運動を制御するための手動入力を受け取る手動モードと、において動作するように構成された、ハンドルと、を含む、システム。
(23) 前記ロボット入力を前記ハンドルに提供するように構成された駆動出力アセンブリを含むロボットアームを更に含み、
前記ハンドルは、前記ロボットアームの前記駆動出力アセンブリに結合されている、実施態様22に記載のシステム。
(24) 前記ハンドルは、前記細長いシャフトに結合され、前記手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含む、実施態様22に記載のシステム。
(25) 前記ハンドルは、前記ロボット入力を受け取るように構成された器具基部と、前記器具基部に結合するように構成されたアダプタと、を含み、前記アダプタは、前記手動入力を受け取るように構成された手動アクチュエータを含む、実施態様22に記載のシステム。
【0164】
(26) 前記アダプタは、前記器具基部の駆動入力アセンブリに結合するように構成されたカプラを含み、前記カプラは、(i)前記手動アクチュエータと係合する第1の係合部材と、(ii)前記駆動入力アセンブリと係合するように構成された第2の係合部材と、(iii)前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への結合を係合解除するように構成された係合解除機構と、を含む、実施態様25に記載のシステム。
(27) 前記係合解除機構は、手動入力を受け取って、前記第1の係合部材の前記第2の係合部材への前記結合を係合解除するように構成された別の手動アクチュエータを含む、実施態様26に記載のシステム。
(28) 前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトの前記遠位端部分を操作するように構成されたプルワイヤを含む、実施態様22に記載のシステム。
(29) 前記ハンドルは、前記プルワイヤの張力を調整するように構成された引張機構を含む、実施態様28に記載のシステム。
(30) 前記ハンドルは、前記ルーメン及び前記吸引システムに接続するように構成されたポートを含む、実施態様22に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9-1】
図9-2】
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図12-4】
図12-5】
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18-1】
図18-2】
図19
図20-1】
図20-2】
【国際調査報告】