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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】カテーテル先端
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540059
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2021062089
(87)【国際公開番号】W WO2022144689
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,885
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ハーモニックドライブ
3.ケブラー
4.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ポン・ラッセル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス・トーマス・アール
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・カ・チュン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA03
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB52
4C267BB63
4C267CC16
4C267CC20
4C267CC26
(57)【要約】
吸引カテーテルが、細長いシャフトと、シャフトに結合され、シャフトの少なくとも遠位部分の作動を制御するように構成された器具ベースと、を含むことができる。シャフトは、患者から対象物を除去するためなど、標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されたルーメンを含むことができる。シャフトの遠位端部分の少なくとも一部分は、特定のサイズよりも大きい対象物が入ることを防止するために、シャフトの残りの部分の内径よりも小さい内径を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
遠位セクションと、中間セクションと、近位セクションと、ルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間セクションが、第1の内径を含み、前記遠位セクションの少なくとも一部分が、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を含み、前記ルーメンが、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具基部と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第2の内径を含む前記遠位セクションの前記少なくとも一部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記細長いシャフトの前記遠位セクションに結合された細長い移動部材を更に備え、
前記器具基部が、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1の部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備え、前記細長い移動部材が、前記第1の部分に結合されており、
前記器具基部が、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、前記細長いシャフトの前記中間セクションに取り外し可能に結合されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
吸引カテーテルであって、
吸引システムに結合するように構成された細長いシャフトであって、前記細長いシャフトが、近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在するルーメンと、を含み、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記先端部分が、患者内のデブリを除去可能に受容するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、吸引カテーテル。
【請求項10】
前記先端部分が、座ぐり又は皿穴のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項11】
前記先端部分の長さが、前記先端部分の前記第2の内径よりも小さい、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項12】
前記中間部分の前記第1の内径に対する前記先端部分の前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項13】
前記細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備え、前記プルワイヤが、前記先端部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記プルワイヤを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項14】
前記先端部分が、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項15】
前記第1の部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項14に記載の吸引カテーテル。
【請求項16】
前記細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備え、前記プルワイヤが、前記第1の部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記プルワイヤを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項14に記載の吸引カテーテル。
【請求項17】
前記先端部分が、前記中間部分に取り外し可能に結合されている、請求項9に記載の吸引カテーテル。
【請求項18】
カテーテルであって、
第1のセクションと、前記第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、ルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記第1のセクションが、第1の内径を含み、前記第2のセクションの少なくとも一部分が、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を含み、前記細長いシャフトが、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、カテーテル。
【請求項19】
前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記第2のセクションの長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記第2のセクションに結合された細長い移動部材を更に備え、
前記器具ハンドルが、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記細長いシャフトの前記第2のセクションが、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記第1の部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備え、前記細長い移動部材が、前記第1の部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記細長いシャフトの前記第2のセクションが、1つ又は2つ以上の配向マーキングを含む、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項26】
システムであって、
近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在する第1のルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記第1のルーメンが、前記第1のルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内の第2のルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材であって、前記先端部分に結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、細長い移動部材と、を備える、システム。
【請求項27】
前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記先端部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記先端部分が、第1のセクションと、前記第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、を含み、前記第1のセクションが、前記第2の内径を含み、前記第2のセクションが、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のセクションの長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記先端部分が、2MPa・m1/2以上の破壊靱性を有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記先端部分が、ステンレス鋼、チタン、タングステン、アルミニウム合金、鉄合金、合金鋼、チタン合金、又はタングステン合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月31日に出願され、「CATHETER TIP」と題する米国特許仮出願第63/132,885号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
様々な医療処置は、患者内の標的解剖学的部位にアクセスするための1つ又は2つ以上の医療デバイスの使用を伴う。いくつかの例では、処置に関連して部位にアクセスするときに特定のデバイスを不適切に使用することは、患者の健康、医療デバイスの完全性、及び/又は処置の有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実装形態では、本開示は、細長いシャフトと、細長いシャフトに結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具基部と、を備える、カテーテルに関する。細長いシャフトは、遠位セクションと、中間セクションと、近位セクションと、ルーメンと、を含む。中間セクションは、第1の内径を含み、遠位セクションの少なくとも一部分は、第1の内径よりも小さい第2の内径を含む。ルーメンは、ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている。
【0004】
いくつかの実施形態では、第1の内径に対する第2の内径の比は、0.5~0.9の範囲内である。更に、いくつかの実施形態では、第2の内径を含む遠位セクションの少なくとも一部分の長手方向長さは、第2の内径よりも小さい。
【0005】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、細長いシャフトの遠位セクションに結合された細長い移動部材を更に備える。器具基部は、細長い移動部材を操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトの遠位セクションは、第1の部分と、第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含む。第1の部分は、第2の内径を含むことができる。第2の部分は、第2の内径よりも大きい第3の内径を含むことができる。例では、第1の部分の長手方向長さは、第2の内径よりも小さい。更に、例では、カテーテルは、細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備える。細長い移動部材は、第1の部分に結合することができる。器具基部は、細長い移動部材を操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトの遠位セクションは、細長いシャフトの中間セクションに取り外し可能に結合されている。
【0008】
いくつかの実装形態では、本開示は、吸引システムに結合するように構成された細長いシャフトと、細長いシャフトに結合され、細長いシャフトを操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、吸引カテーテルに関する。細長いシャフトは、近位部分と、中間部分と、先端部分と、近位部分から先端部分まで延在するルーメンと、を含む。中間部分は、先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含む。先端部分は、患者内のデブリを除去可能に受容するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、先端部分は、座ぐり又は皿穴のうちの少なくとも1つを含む。更に、いくつかの実施形態では、先端部分の長さは、先端部分の第2の内径よりも小さい。更に、いくつかの実施形態では、中間部分の第1の内径に対する先端部分の第2の内径の比は、0.5~0.9の範囲内である。
【0010】
いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備える。プルワイヤは、先端部分に結合されている。器具ハンドルは、プルワイヤを操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、先端部分は、第1の部分と、第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含む。第1の部分は、第2の内径を含むことができる。第2の部分は、第2の内径よりも大きい第3の内径を含むことができる。例では、第1の部分の長さは、第2の内径よりも小さい。更に、例では、吸引カテーテルは、細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備える。プルワイヤは、第1の部分に結合することができる。器具ハンドルは、プルワイヤを操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、先端部分は、中間部分に取り外し可能に結合されている。
【0013】
いくつかの実装形態では、本開示は、細長いシャフトと、細長いシャフトに結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成された器具ハンドルと、を備える、カテーテルに関する。細長いシャフトは、第1のセクションと、第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、ルーメンと、を含む。第1のセクションは、第1の内径を含み、第2のセクションの少なくとも一部分は、第1の内径よりも小さい第2の内径を含む。細長いシャフトは、ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の内径に対する第2の内径の比は、0.5~0.9の範囲内である。更に、いくつかの実施形態では、第2のセクションの長手方向長さは、第2の内径よりも小さい。更に、いくつかの実施形態では、カテーテルは、第2のセクションに結合された細長い移動部材を更に備える。器具ハンドルは、細長い移動部材を操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトの第2のセクションは、第1の部分と、第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含む。第1の部分は、第2の内径を含むことができ、第2の部分は、第2の内径よりも大きい第3の内径を含むことができる。例では、第1の部分の長さは、第2の内径よりも小さい。更に、例では、カテーテルは、細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備える。細長い移動部材は、第1の部分に結合することができる。器具ハンドルは、細長い移動部材を操作して、細長いシャフトの作動を制御するように構成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトの第2のセクションは、1つ又は2つ以上の配向マーキングを含む。
【0017】
いくつかの実装形態では、本開示は、近位部分と、中間部分と、先端部分と、近位部分から先端部分まで延在する第1のルーメンと、を含む、細長いシャフトを備えるシステムに関する。中間部分は、先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含む。第1のルーメンは、第1のルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている。システムは、細長いシャフト内の第2のルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備える。細長い移動部材は、先端部分に結合され、細長いシャフトの作動を制御するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の内径に対する第2の内径の比は、0.5~0.9の範囲内である。更に、いくつかの実施形態では、先端部分の長さは、第2の内径よりも小さい。
【0019】
いくつかの実施形態では、先端部分は、第1のセクションと、第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、を含む。第1のセクションは、第2の内径を含むことができ、第2のセクションは、第2の内径よりも大きい第3の内径を含むことができる。例では、第1のセクションの長手方向長さは、第2の内径よりも小さい。
【0020】
いくつかの実施形態では、先端部分は、2MPa・m1/2以上の破壊靱性を有する。更に、いくつかの実施形態では、先端部分は、ステンレス鋼、チタン、タングステン、アルミニウム合金、鉄合金、合金鋼、チタン合金、又はタングステン合金のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び特徴が記載されている。必ずしもこのような利点が全て、何らかの特定の実施形態により実現され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示した実施形態は、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群を、本明細書で教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく、実現又は最適化する方法で行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
様々な実施形態が、説明を目的として添付図面に示されているが、決して本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。加えて、異なる開示した実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である更なる実施形態を形成することができる。図面の全体を通して、参照番号を、参照要素間の対応関係を示すために再使用する場合がある。
図1】1つ又は2つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の尿管鏡検査処置のために装置構成された例示的なロボット医療システムを示す。
図2】1つ又は2つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の気管支鏡検査処置のために装置構成された例示的なロボット医療システムを示す。
図3】1つ又は2つ以上の実施形態による、例示的なテーブルベースのロボットシステムを示す。
図4】1つ又は2つ以上の実施形態による、図1図3の医療システムのいずれかに実装され得る例示的な医療システム構成要素を示す。
図5】1つ又は2つ以上の実施形態による、患者の腎臓に配設された例示的なカテーテルを示す。
図6】1つ又は2つ以上の実施形態による、シャフトとハンドルとを含む例示的カテーテルを示す。
図7A】1つ又は2つ以上の実施形態による、図6のカテーテルのシャフトの側面図を示す。
図7B】1つ又は2つ以上の実施形態による、図6のカテーテルのシャフトの断面図を示す。
図8】1つ又は2つ以上の実施形態による、図6のカテーテルのシャフトの斜視図を示す。
図9A】1つ又は2つ以上の実施形態による、ループ構造を使用して細長い移動部材が遠位端部分に取り付けられている例における、図6のシャフトの遠位端部分の斜視図を示す。
図9B】1つ又は2つ以上の実施形態による、ループ構造を使用して細長い移動部材が遠位端部分に取り付けられている例における、図6のシャフトの遠位端部分の斜視図を示す。
図10A】1つ又は2つ以上の実施形態による、細長い移動部材が遠位端部分に個別に取り付けられている別の例における、図6のシャフトの遠位端部分の斜視図を示す。
図10B】1つ又は2つ以上の実施形態による、細長い移動部材が遠位端部分に個別に取り付けられている別の例における、図6のシャフトの遠位端部分の斜視図を示す。
図11】1つ又は2つ以上の実施形態による、図6のシャフトの例示的なフィルタ構造の分解図を示す。
図12A】1つ又は2つ以上の実施形態による、例示的なフィルタ構造の正面図を示す。
図12B】1つ又は2つ以上の実施形態による、例示的なフィルタ構造の後面図を示す。
図13-1】1つ又は2つ以上の実施形態による、カテーテルのシャフトの例示的な遠位端部分の断面図を示す。
図13-2】1つ又は2つ以上の実施形態による、カテーテルのシャフトの別の例示的な遠位端部分の断面図を示す。
図14A】1つ又は2つ以上の実施形態による、いくつかの例ではシャフトの先端構造上に実装されることができる、1つ又は2つ以上のマーキングの斜視図を示す。
図14B】1つ又は2つ以上の実施形態による、図14Aの1つ又は2つ以上のマーキングの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で提供する見出しは、単に便宜的なものであり、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。特定の実施形態及び例を以下に開示するが、主題は、具体的に開示した実施形態を越えて他の代替的な実施形態及び/又は使用まで、並びに変更及びその均等物にまで及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に説明する特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で行ってもよく、必ずしも何らかの特定の開示した順序に限定されない。様々な動作を、特定の実施形態を理解することに役立ち得る方法で、複数の別個の動作として順々に説明する場合がある。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が順序に依存することを意味すると解釈してはならない。追加的に、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素又は別個の構成要素として具体化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点について説明する。必ずしもこのような態様又は利点が全て、何らかの特定の実施形態によって実現されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態が、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群を、やはり本明細書で教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも実現することなく、実現又は最適化する方法で行われ得る。
【0024】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などの特定の空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、本明細書では、あるデバイス/要素又は解剖学的構造の、別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的関係を説明するために使用されているが、これらの用語は、本明細書では、図面に例示するように、要素/構造間の位置関係を説明するために説明を簡単にするために使用されていることを理解されたい。空間的に相対的な用語は、図面に示す配向に加えて、使用又は動作時に、要素/構造の異なる配向を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上方」にあると説明される要素/構造が、対象の患者又は要素/構造の代替的な配向に対してそのような他の要素/構造の下方又は脇にある位置を表すことがあり、逆もまた同様である。上に列挙されたものを含む空間的に相対的な用語は、参照される図のそれぞれの図示された配向に関して理解され得るものであることを理解されたい。
【0025】
1つ又は2つ以上の点で類似する特徴を有するデバイス、構成要素、システム、特徴部、及び/又はモジュールに対する便宜のために、本開示の図セットの異なる図にわたって特定の参照番号が再使用される。しかしながら、本明細書に開示される実施形態のいずれかに関して、図面における共通の参照番号の再使用は、そのような特徴部、デバイス、構成要素、又はモジュールが同一であるか、あるいは類似することを必ずしも示さない。むしろ、当業者は、共通の参照番号の使用が、参照される主題の間の類似性を暗示し得る程度に関して、文脈によって通知され得る。特定の図の説明の文脈における特定の参照番号の使用は、その特定の図における識別されるデバイス、構成要素、態様、特徴部、モジュール、又はシステムに関連するものであり、必ずしも別の図において同じ参照番号によって識別される任意のデバイス、構成要素、態様、特徴部、モジュール、又はシステムに関連するものではないと理解され得る。更に、共通の参照番号で識別される別個の図の態様は、特性を共有するように、又は互いに完全に独立しているように解釈され得る。
【0026】
本開示は、吸引/灌注カテーテル/デバイスに関する。本開示に関連する経皮的アクセスデバイス及び他の医療デバイスに関して、「デバイス」という用語は、その広義の通常の意味に従って使用され、任意のタイプのツール、器具、アセンブリ、システム、装置、構成要素などを指し得る。本明細書のいくつかの文脈では、「器具」という用語は、「デバイス」という用語と実質的に互換的に使用され得る。
【0027】
本開示のある特定の態様が、腎臓結石の除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓学的な処置の文脈において本明細書で詳細に記載されているが、かかる文脈は、便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、気管支鏡検査などの任意の適切な医療処置に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、前述したように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明を、本明細書で開示する考え方の説明を助けるために以下に提示する。
【0028】
尿路結石症としても知られている腎臓結石疾患は、尿路において、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石症」、又は「腎結石症」と称される物質の固体片が形成されることを含む医学的状態である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱(「膀胱結石」と称される)内で形成及び/又は発見される場合がある。このような尿路結石は、尿中のミネラルが濃縮した結果として形成される可能性があり、このような結石が、尿管又は尿道を通る尿流を妨げるのに十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こす可能性がある。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、シスチン、及び/若しくは他の化合物、又はそれらの組み合わせから形成される場合がある。
【0029】
腎臓結石を有する患者を治療するために、観察、医学的治療(排除療法など)、非侵襲的治療(体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy、ESWL)など)、低侵襲治療又は外科的治療(尿管鏡検査及び経皮的腎切石術(「percutaneous nephrolithotomy、PCNL」)など)などを含む、いくつかの方法を使用することができる。いくつかのアプローチ(例えば、尿管鏡検査及びPCNL)では、医師は、結石にアクセスし、結石は、より小さい破片又は断片に破砕され、比較的小さい結石断片/粒子は、バスケットデバイス及び/又は吸引を使用して腎臓から抽出される。
【0030】
尿管鏡検査処置において、医師は、膀胱及び尿管から尿路結石を除去するために、尿管鏡を、尿道を通して尿管に挿入することがある。通常、尿管鏡はその遠位端部に、尿路の視覚化を可能にするように構成された撮像デバイスを含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するための砕石デバイスを含むことができる。尿管鏡検査処置中に、1人の医師/技師が、尿管鏡の位置を制御し得る一方で、別の他の医師/技師が、砕石デバイスを制御し得る。
【0031】
比較的大きい結石を除去するために使用され得るPCNL処置では、医師は、皮膚を通して(すなわち、経皮的に)、かつ介在組織を通して腎臓鏡を挿入して、結石を破砕及び/又は除去するための治療部位へのアクセスを提供し得る。PCNL処置中に、流体工学を適用して、治療部位及び/又は視野から結石粉、小片、及び/又は血栓を取り除くことができる。いくつかの例では、比較的直線状及び/又は剛性の腎臓鏡が使用され、医師は、患者の身体に対してデバイスを押圧すること/てこで動かすことによって、腎臓鏡の先端を腎臓(例えば、腎杯)内の適切な場所に位置決めする。この動きは、患者にとって有害である(例えば、組織損傷を引き起こす)場合がある。
【0032】
以下で更に詳細に論じられる処置のうちの1つ又は2つ以上の処置など、他の処置では、医師は、腎臓結石を除去するために、経皮的及び/又は直接的アクセス経路を介して、複数の器具を使用することができる。例えば、医師は、患者の尿道を通して腎臓内の標的部位までスコープをナビゲートし、かつ患者の皮膚を通して標的部位内にカテーテルデバイスを挿入することができる。医師は、スコープとカテーテルデバイスとを協働させて使用して、腎臓結石を断片化し、かつ断片を患者から抽出することができる。
【0033】
(上述の処置又は他の処置において)腎臓結石を除去するためにデバイスを使用するいくつかの例では、結石断片が、比較的大きく、デバイス内に固着する場合がある。例えば、結石を破片に断片化するとき、結石の破片が、除去デバイスのシャフト/管の全体に通すには依然として大きすぎる場合がある。更に、(楕円形又は他の形状を有する)結石の破片が、最初に、シャフト/管内に進むように適切な配向で位置決めされ得るが、配向が変化すると、シャフト/管内で詰まるようになる。いずれにしても、医療デバイス内で詰まった結石/結石断片が、例えば他の結石の破片が除去されるのを妨げること、医療デバイスに損傷を与えることなどによって、医療デバイスの完全性及び/又は処置の有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0034】
本開示は、医療処置を実施するために標的部位にナビゲートする、及び/又は標的部位を吸引/灌注するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。例えば、細長いシャフトと、シャフトに結合され、(少なくともシャフトの遠位部分において)シャフトの作動を制御するように構成されたハンドル/基部と、を含むカテーテルが実装され得る。シャフトは、患者から対象物を除去するためなど、標的部位に吸引/灌注を提供するために、吸引/灌注システムに結合するように構成されたルーメンを含むことができる。カテーテルのハンドル/基部は、シャフトの遠位部分を関節運動させるようにロボット制御及び/又は手動制御され得、その結果、カテーテルは、患者の解剖学的構造内でナビゲートされ得る。例えば、カテーテルは、シャフトの遠位部分及びカテーテルのハンドル内の1つ又は2つ以上の操作構成要素に結合される、複数のプルワイヤ又は他の細長い移動部材を含むことができる。プルワイヤ/細長い移動部材は、シャフトの遠位部分の移動を制御するために(ハンドルを使用して)操作され得る。追加的に、又は代替的に、カテーテルのハンドルは、カテーテルの先端を挿入/後退/転動させるためなど、カテーテルの遠位部分の移動を制御するために移動され得る。
【0035】
いくつかの例では、カテーテルの遠位部分は、特定のサイズよりも大きい対象物がカテーテルのシャフトに入ることを防止するためのフィルタセクションを含む。例えば、カテーテルのシャフトは、近位部分と、中間部分と、遠位先端部分と、近位部分から先端部分まで延在するルーメンと、を含むことができる。中間部分は、対象物がシャフトの中間部分に入ることを防止するために、遠位先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含むことができる。いくつかの実装形態では、遠位先端部分は、特定のサイズよりも大きい対象物がカテーテルのシャフト内に入ることを更に防止するために、遠位先端部分の第2の内径よりも小さい長さを有する。これはまた、特定の楕円形状の対象物がシャフト内に通過することを防止し得る。いくつかの実装形態では、遠位先端部分は、より小さい内径(すなわち、対象物をフィルタリングするための第2の内径)を有する制御セクションと、より大きい内径を有する、制御セクションの遠位に位置する座ぐり/皿穴セクションと、を含む。これは、別の器具(例えば、レーザ、超音波断片化デバイス、砕石器デバイスなど)が腎臓結石を破片に断片化する間に、結石を比較的固定された位置に維持するためなどに、対象物がシャフト内に通過せずにカテーテルによって保持されることを可能にし得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じられる技法及びデバイスは、患者の解剖学的構造への損傷及び/又は除去デバイスへの損傷を防止する効率的な様式で、対象物を患者から除去することを可能にし得る。例えば、本明細書で説明される関節運動可能なカテーテル構造は、医師が、カテーテルの全体を移動させることなく(例えば、カテーテルのハンドル/基部内の1つ又は2つ以上の要素を制御することによって)、患者内のカテーテルの遠位部分をナビゲートすることを可能にし得る。対照的に、いくつかの腎臓鏡検査処置では、医師が腎臓鏡の近位部分をてこで動かして、腎臓鏡の先端を患者内の適切な位置に配置する必要があり、その結果、患者の解剖学的構造に損傷が生じる。更に、本明細書で説明する技法及びデバイスは、望ましくない対象物がデバイス内に入ることを回避するためのフィルタリング機能を提供することができる。例えば、カテーテルの遠位部分は、望ましくないサイズの対象物がカテーテルのシャフトの残りの部分に入ることを防止するために、特定の内径及び/又は長さを有するフィルタセクションを含むことができる。更に、カテーテルの遠位部分は、別のデバイスが対象物を処理する間などに対象物を保持するための座ぐり/皿穴セクションを含むことができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、本明細書で説明される技法は、ロボットツールにより、医師が標的解剖学的部位に対して内視鏡的及び/若しくは経皮的アクセス、並びに/又は内視鏡的及び/若しくは経皮的治療を行うことを可能にする、ロボット支援医療処置を実現する。例えば、ロボットツールは、患者の標的部位にアクセスし、かつ/又は標的部位において治療を行うために、スコープ、カテーテル、又は別の器具などの1つ又は2つ以上の医療器具と係合し、かつ/又は制御することができる。いくつかの場合には、ロボットツールは、医師によって誘導/制御される。他の場合には、ロボットツールは、自動的又は半自動的に動作する。いくつかの技法がロボット支援医療処置の文脈で論じられるが、それらの技法は、ロボットツールを実装しない、又は比較的少ない動作(例えば、閾値数未満)のためにのみロボットツールを実装する処置など、他のタイプの医療処置にも適用可能であり得る。例えば、本技法は、医師によって完全に制御される手動カテーテル及び/又はスコープなどの手動で動作される医療器具が実装される処置に適用可能である可能性がある。
【0038】
本開示の特定の態様が、腎臓結石除去/治療処置などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓の処置の文脈において本明細書で説明される。しかしながら、そのような文脈は便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、任意の好適な医療処置に適用可能であることを理解されたい。例えば、以下の説明は、経皮的に、かつ/又は内視鏡的アクセスを介して治療部位又は患者の体腔(例えば、食道、尿管、腸、眼など)から除去することができる任意の対象物を含む、患者からの対象物の除去に関する他の外科/医療手術又は医療処置、例えば、胆嚢結石除去、肺臓(肺/経胸腔)腫瘍生検、又は白内障除去などにも当てはまる。しかしながら、前述のように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的な問題及び処置の説明が、本明細書で開示する考え方の説明を助けるために以下に提示されている。
【0039】
図1は、1つ又は2つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の尿管鏡検査処置のために装置構成された例示的なロボット医療システム100を示す。医療システム100は、患者120に対する処置を行うために1つ又は2つ以上の医療器具/医療デバイスと係合し、かつ/又は制御するように構成されたロボットシステム110を含む。図1の例では、ロボットシステム110は、スコープ130及びカテーテル140に結合する。しかしながら、ロボットシステム110は、任意のタイプの医療器具に結合することができる。医療システム100はまた、ロボットシステム110及び/又は医師160とのインターフェースとなり、処置に関する情報を提供し、かつ/又は様々な他の動作を行うように構成された制御システム150を含む。例えば、制御システム150は、処置を行う際に、医師160を支援するための特定の情報を提示するように構成されたディスプレイ156を含むことができる。医療システム100はまた、カテーテル140、スコープ130、器具/デバイス142、及び/又は別の器具/デバイスなどを介して、標的部位に吸引及び/又は灌注を提供するように構成された流体管理システム170(「吸引システム170」又は「灌注システム170」と称されることもある)を含むことができる。医療システム100は、患者120を保持するように構成されたテーブル180(例えば、ベッド)を含むことができる。様々な行為は、医師160によって行われると本明細書では記載されている。これらの行為は、医師160、医師160の指示の下でのユーザ、別のユーザ(例えば、技師)、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザによって直接行うことができる。医療システム100のデバイス/構成要素は、処置のタイプ処置の段階、ユーザの好みなどに応じて、様々な方法で装置構成され得る。
【0040】
制御システム150は一般に、ロボットシステム110と協働して動作して医療処置を実施することができる。例えば、制御システム150は、無線又は有線接続を介してロボットシステム110と通信して、ロボットシステム110に接続された医療器具を制御し、医療器具などによって捕捉した画像を受信することができる。例えば、制御システム150は、スコープ130(例えば、スコープ130に関連付けられた撮像デバイス)から画像データを受信し、画像データ(及び/又はそこから生成された表現)を医師160に表示して、医師160が患者120内でスコープ130及び/又はカテーテル140をナビゲートするのを支援することができる。医師160は、コントローラなどの入力/出力(input/output、I/O)デバイスを介して入力を提供することができ、制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して、ロボットシステム110に接続されたスコープ130及び/又はカテーテル140の移動を制御することができる。スコープ130及び/又はカテーテル140(及び/又は別の医療器具)は、関節運動する、回転するなど、様々な方式で移動するように構成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ又は2つ以上の電気的接続を介してロボットシステム110に電力を提供すること、1つ又は2つ以上の光ファイバ又は他の構成要素を介してロボットシステム110に光学系を提供することなどができる。例では、制御システム150は医療器具と通信して、(ロボットシステム110を介して、かつ/又は医療器具から直接)センサデータを受信することができる。センサデータは、医療器具の位置及び/又は配向を示すことができ、又は判定するために使用することができる。更に、例では、制御システム150はテーブル180と通信して、テーブル180を特定の配向に位置決めするか、又は別様にテーブル180を制御することができる。また、いくつかの例では、制御システム150はEM場発生器(例示せず)と通信して、患者120の周りのEM場の発生を制御することができる。
【0042】
ロボットシステム110は、医療器具/医療デバイスと係合するか、又は制御するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム112を含むことができる。各ロボットアーム112は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動の度合いを提供することができる。ロボットアーム112(例えば、エンドエフェクタ)の遠位端部は、器具/デバイスに結合するように構成することができる。図1の例では、ロボットアーム112(A)は、カテーテル140のハンドル141に結合される。第2のロボットアーム112(B)は、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができるスコープ-ドライバ器具結合部/デバイス131に結合される。更に、第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130のハンドル132に結合され、これは、スコープ130の作業チャネルを通して展開される器具など、スコープ130を通して展開され得るスコープ130及び/又は医療器具の前進及び/又は動作を容易にするように構成され得る。この例では、第2のロボットアーム112(B)及び/又は第3のロボットアーム112(C)は、スコープ130の移動(例えば、関節運動、回転など)を制御することができる。図1では3つのロボットアームが特定の医療器具に接続されているが、ロボットシステム110は、任意のタイプの医療器具/医療デバイスに接続するように構成された任意の数のロボットアームを含むことができる。
【0043】
ロボットシステム110は、医療システム100の任意の構成要素に通信可能に結合することができる。例えば、一例では、ロボットシステム110は、制御システム150に通信可能に結合されて、制御システム150から制御信号を受信し、ロボットアーム112を特定の方式で制御する、医療器具を操作するなどの動作を行うことができる。更に、ロボットシステム110は、患者120の内部解剖学的構造を示す画像(画像データとも称される)をスコープ130から受信し、かつ/又は画像を制御システム150に送信するように構成され、その後、画像はディスプレイ156上に表示することができる。更に、ロボットシステム110は、制御システム150及び/又は流体管理システム170などの医療システム100の構成要素に、流体、光学系、電力、データなどを構成要素から受け取ることができるような方式で結合することができる。
【0044】
流体管理システム170は、標的部位への吸引及び/又は灌注を提供/制御するように構成され得る。流体管理システム170は、1つ又は2つ以上の流体バッグ/容器171を保持し、かつ/又はそこからの/そこへの流体フローを制御するように構成され得る。例えば、灌注ライン172は、バッグ/容器171のうちの1つ又は2つ以上と、経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142の灌注ポートとに結合され得る。灌注流体は、灌注ライン172及び経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して、標的の解剖学的構造に提供され得る。流体管理システム170は、ディスプレイ173、フロー制御機構、及び/又は特定の関連する制御回路など、特定の電子構成要素を含み得る。流体管理カート170は、独立型タワー/カートを含んでもよく、その1つ又は2つ以上の側面に吊り下げられた1つ又は2つ以上のIVバッグ171を有してもよい。カート170は、吸引流体が吸引チャネル/管174を介して収集容器/カートリッジに引き込まれ得るポンプを含んでもよい。吸引チャネル/管174は、カテーテル140内のルーメンを介した吸引を促進するために、カテーテルハンドル141に結合されてもよい。
【0045】
図示されたシステム100において、経皮的アクセスデバイス142は、患者120の腎臓190への経皮的アクセスを提供するように実装される。経皮的アクセス器具142は、器具142の遠位端部が配設される標的生体構造に器具及び/又は流体がそれを通してアクセスし得る、1つ又は2つ以上のシース及び/又はシャフトを含んでもよい。この例では、カテーテル140は、経皮的アクセスデバイス142を通して腎臓の解剖学的構造にアクセスする。すなわち、カテーテル140は、標的部位にアクセスするために器具142に挿入される。
【0046】
様々な例が、カテーテル140及び/又は経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して灌注/吸引を提供する文脈で論じられているが、灌注流体及び/又は吸引は、場合によっては、スコープ130などの別のデバイスを通して治療部位(例えば、腎臓)に提供されてもよい。更に、灌注及び吸引は、同じ器具を通して提供されてもよいか、又は提供されなくてもよい。器具のうちの1つ又は2つ以上が灌注及び/又は吸引機能を提供する場合、それらの器具のうちの1つ又は2つ以上の他の器具は、除去されるべき対象物を分解することなどの他の機能のために使用されてもよい。
【0047】
医療器具は、(「内視鏡」と称されることもある)スコープ、カテーテル、針、ガイドワイヤ、砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、バキューム、針、外科用メス、撮像プローブ、撮像デバイス、掴み具、ハサミ、捕捉器具、針ホルダ、マイクロ解剖器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなどの様々なタイプの器具を含むことができる。医療機器には、直接侵入器具、経皮侵入器具、及び/又は別のタイプの器具を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療機器は操縦可能デバイスであり、一方で、他の実施形態では、医療機器は操縦不可能デバイスである。いくつかの実施形態では、手術ツールは、針、外科用メス、ガイドワイヤなどの、人体構造を穿刺するか又は人体構造を通って挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかしながら、手術ツールは他のタイプの医療機器を指すこともできる。
【0048】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、画像生成、視認、及び/又は捕捉機能を有し(又は作業チャネルを通して展開される撮像デバイスを用いてそのような機能を提供するように構成され)、身体の任意のタイプの器官、体腔、管腔、チャンバ、及び/又は空間内に導入されるように構成される、任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、スコープ130などのスコープ又は内視鏡は、(例えば、尿路にアクセスするための)尿管鏡、腹腔鏡、(例えば、腎臓にアクセスするための)腎臓鏡、(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)気管支鏡、(例えば、結腸にアクセスするための)結腸鏡、(例えば、ジョイントにアクセスするための)関節鏡、(例えば、膀胱にアクセスするための)膀胱鏡、ボアスコープなどを指すことができる。スコープ/内視鏡は、場合によっては、剛性チューブ又は可撓性チューブを含んでもよく、また外側シース、カテーテル、導入器、又は他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされてもよく、あるいはそのようなデバイスを用いることなく使用されてもよい。いくつかの実施形態では、スコープは、砕石器、バスケットデバイス、鉗子、レーザデバイス、撮像デバイスなどの更なるツール/医療器具を治療部位内に導入することができる1つ又は2つ以上の作業チャネルを含む。
【0049】
「直接侵入」又は「直接アクセス」という用語は、患者の身体内の自然開口部又は人工開口部を通る器具の任意の侵入を指すことができる。例えば、スコープ130は、尿道を介して患者の尿路内に侵入するため、スコープ130は直接アクセス器具と称されてもよい。
【0050】
「経皮侵入」又は「経皮的アクセス」という用語は、患者の皮膚、及び処置に関連付けられた標的解剖学的部位(例えば、腎臓の腎杯網)に達するために必要な任意の他の身体層を通る器具の穿刺及び/又は小切開などによる侵入を指すことができる。したがって、経皮的アクセス器具は、針、外科用メス、ガイドワイヤ、シース、シャフト、スコープ、カテーテルなど、皮膚及び/又は他の組織/解剖学的構造を通って穿刺するか又はそれを通って挿入されるように構成された医療機器、デバイス、又はアセンブリを指すことができる。しかしながら、経皮的アクセス器具は、本開示の文脈において他のタイプの医療機器を指すことができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、経皮的アクセス器具は、患者の皮膚を通った穿刺及び/又は小切開を容易にするデバイスによって挿入又は実装される器具/デバイスを指す。例えば、カテーテル140は、カテーテル140が患者の皮膚に挿入されたシース/シャフトを通して挿入されるとき、経皮的アクセス器具と称され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、医療器具は、センサデータを生成するように構成された(位置センサとも称される)センサを含む。例では、センサデータは、医療機器の位置及び/若しくは配向を示すことができ、かつ/又は医療機器の位置及び/若しくは配向を判定するために用いることができる。例えば、センサデータは、スコープの位置及び/又は配向を示すことができ、これはスコープの遠位端部の回転を含むことができる。医療機器の位置及び配向は、医療機器の姿勢と称され得る。センサは、医療機器の遠位端部及び/又は任意の他の場所に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、センサは、センサデータを制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は別のシステム/デバイスに提供し、医療器具の位置及び/又は配向を判定/追跡するための1つ又は2つ以上の位置特定技法を行うことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、センサは、伝導性材料のコイルを伴う電磁気(electromagnetic、EM)センサを含むことができる。ここで、EM場発生器は、医療機器上のセンサEMによって検出されるEM場を与えることができる。磁界は、EMセンサのコイル内に小電流を誘導することができ、小電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び/又は角度/配向を判定することができる。更に、センサは、カメラ、距離センサ(例えば、深度センサ)、レーダデバイス、形状検知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、全地球測位システム(全地球測位システム、(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどの別のタイプのセンサを含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、C型アームに一体化され、かつ/又は蛍光透視術タイプの処置の場合などの処置中に撮像するように構成することができる撮像デバイス(図1に例示せず)を含むことができる。撮像デバイスは、1つ又は2つ以上のX線又はCT画像など、処置中に患者120の1つ又は2つ以上の画像を取り込む/生成するように構成することができる。例では、撮像デバイスからの画像を、医師160が処置を行うのを支援するために患者120内の解剖学的構造及び/又は医療器具を視認するように、リアルタイムで提供することができる。撮像デバイスを使用して、(例えば、患者120内で造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技法を実行し得る。
【0054】
医療システム100の様々な構成要素を、無線及び/又は有線ネットワークを含むことができるネットワークを介して互いに通信可能に結合することができる。例示的なネットワークとしては、1つ又は2つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ又は2つ以上の支持ケーブル、チューブなどを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0055】
いくつかの例では、医療システム100は、腎臓結石を処置するなど、腎臓の解剖学的構造に関連する医療処置を行うように実装される。例えば、ロボットツール(例えば、医療システム100の1つ又は2つ以上の構成要素)によって、医師/泌尿器科医が内視鏡(例えば、尿管鏡検査)標的アクセス並びに経皮的アクセス/治療を実施することが可能となる場合、ロボット支援型経皮的処置が実現され得る。しかしながら、本開示は腎臓結石除去及び/又はロボット支援型処置に限定されない。いくつかの実装形態では、ロボット医療ソリューションによって、厳密に手動の処置と比較して、特定の器具に対して比較的高い精度、優れた制御、及び/又は優れた眼と手の協調を得ることができる。例えば、いくつかの処置による腎臓へのロボット支援型経皮的アクセスによって、泌尿器科医が直接侵入の内視鏡腎臓アクセスと経皮的腎臓アクセスとの両方を行うことを有利に可能にすることができる。本開示のいくつかの実施形態は、カテーテル、腎臓鏡、尿管鏡、及び/又はヒトの腎臓の解剖学的構造の文脈で提示されているが、本明細書で開示した原理は、任意のタイプの内視鏡/経皮的処置又は別のタイプの処置において実装され得ることを理解されたい。
【0056】
1つの例示的かつ非限定的な処置では、医療システム100は患者120から腎臓結石191を除去するために使用され得る。処置のためのセットアップ中、医師160は、ロボットシステム110のロボットアーム112を所望の構成に位置決めし、かつ/又は適切な医療器具を取り付けることができる。例えば、医師160は、第1のロボットアーム112(A)を治療部位の近くに位置決めし、EM場発生器(図示せず)を取り付けることができ、これは、処置中にスコープ130及び/又は他の器具/デバイスの場所を追跡することを支援することができる。更に、医師160は、第2のロボットアーム112(B)を患者120の脚の間に位置決めして、スコープ130のロボット制御/前進を容易にすることができるスコープ-ドライバ器具結合部131を取り付けることができる。医師160は、シース/アクセス器具135を患者120の尿道192内に、かつ/又は膀胱193を通して、尿管194の上に挿入することができる。医師160は、シース/アクセス器具135をスコープ-ドライバ器具結合部131に接続することができる。シース/アクセス器具135は、スコープ130を受容するように構成されたルーメン型デバイスを含むことができ、それによって、スコープ130を患者120の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。しかしながら、いくつかの実施形態では、シース/アクセス器具135は使用されない(例えば、スコープ130は尿道192内に直接挿入される)。次いで、医師160は、スコープ130をシース/アクセス器具135に手動で、ロボットで、又はそれらの組み合わせで挿入することができる。医師160は、スコープ130のハンドル132を第3のロボットアーム112(C)に取り付けることができ、これは、スコープ130を通して展開されるバスケットデバイス、レーザデバイス、及び/又は別の医療器具の前進及び/又は動作を容易にするように構成することができる。
【0057】
医師160は、制御システム150と対話して、ロボットシステム110に、スコープ130を腎臓190の中へ前進及び/又はナビゲートさせることができる。例えば、医師160は、コントローラ又は他のI/Oデバイスを使用してスコープ130をナビゲートして、腎臓結石191の位置を特定することができる。制御システム150は、画像表現(例えば、スコープ130を用いて取得されたリアルタイム画像)を見たりするために、医師160がスコープ130をナビゲーションするのを支援するために、スコープ130に関する情報を、ディスプレイ156を介して提供し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、位置特定技法を用いて、スコープ130の位置及び/又は配向を決定し得るが、これは、場合によっては、ディスプレイ156を介して医師160によって視認され得る。更に、スコープ130の制御時に医師160を支援するために、患者120の内部解剖学的構造のX線画像など、他のタイプの情報がディスプレイ156を介して提示することもできる。
【0058】
スコープ130が、(例えば、腎臓190の腎杯内の)腎臓結石191の部位に達すると、スコープ130を使用して、腎臓190に経皮的にアクセスするために、カテーテルの標的場所を指定/タグ付けすることができる。腎臓190及び/又は周りの解剖学的構造に対する損傷を最小限にするために、医師160は、カテーテルを用いて腎臓190内に経皮的に侵入するための標的場所として乳頭を指定することができる。しかしながら、他の標的場所を指定又は判定することができる。乳頭を指定するいくつかの実施形態では、医師160は、乳頭に接触するようにスコープ130をナビゲートすることができ、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ130の場所(例えば、スコープ130の遠位端部の場所)を判定することができ、制御システム150は、スコープ130の場所と標的場所とを関連付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、医師160は、乳頭まで特定の距離内にある(例えば、乳頭の前に留置する)ようにスコープ130をナビゲートし、標的場所がスコープ130の視野内にあることを示す入力を提供することができる。制御システム150は、標的場所の場所を判定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技法を実行し得る。更に、いくつかの実施形態では、スコープ130は、標的場所として乳頭をマークするための基準点を送達することができる。
【0059】
標的場所が指定されると、カテーテル140が、標的部位に達する(例えば、スコープ130と合体する)ように、経皮的アクセス経路を通して患者120に挿入され得る。例えば、カテーテルは、(EM場発生器140を除去すると)第1のロボットアーム112(A)に接続されることができ、医師160は、図1に示されるように、制御システム150と対話して、ロボットシステム110にカテーテル140を前進及び/又はナビゲートさせることができる。代替的又は追加的に、カテーテル140は、カテーテル140が手動制御可能なカテーテルとして実現される場合など、手動で挿入及び/又は制御され得る。いくつかの実施形態では、針又は別の医療機器を患者120内に挿入して、経皮的アクセス経路を形成する。制御システム150は、カテーテルに関する情報を、ディスプレイ156を介して提供して、医師160がカテーテル140をナビゲートするのを支援することができる。例えば、ディスプレイ156は、スコープ130の視点からの画像データを提供することができ、画像データは、(例えば、スコープ130の撮像デバイスの視野内にあるときの)カテーテル140を描写し得る。
【0060】
スコープ130及び/又はカテーテル140が標的場所に位置すると、医師160は、スコープ130を使用して、腎臓結石191を破壊し、かつ/又はカテーテル140を使用して、腎臓結石191の破片を患者120から取り出すことができる。例えば、スコープ130は、腎臓結石191を破片に断片化するために、作業チャネルを通してツール(例えば、レーザ、切断器具、砕石器など)を展開することができ、カテーテル140は、腎臓190から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引することができる。カテーテル140は、腎臓結石191をカテーテル140の遠位端部及び/又は相対的に固定された位置に維持/保持するために吸引を提供することができ、スコープ130は、図1に示されるように、ツール(例えば、レーザ)を使用して腎臓結石191を断片化する。流体管理システム170は、経皮的アクセスデバイス/アセンブリ142を介して標的部位に灌注を提供し、かつ/又はカテーテル140(例えば、カテーテル140内のルーメン)を介して標的部位に吸引を提供することができる。
【0061】
様々な例示的な処置が、ロボット制御されるカテーテル140を実現する文脈で論じられているが、処置は、手動制御可能なカテーテルを用いても実現され得る。例えば、カテーテル140は、医師160によって保持/操作されるように構成された手動制御可能なハンドルを含むことができる。医師160は、ハンドル及び/又は手動アクチュエータを回転、挿入、後退、又は別様に操作することによって、カテーテル140をナビゲートすることができ、これは、カテーテル140の遠位部分の関節運動をもたらすことができる。例示的なロボット制御可能なカテーテル及び手動制御可能なカテーテルについては、以下で更に詳細に説明される。
【0062】
医療システム100(及び/又は本明細書で議論される他の医療システム)によって、例えば、医師が処置(例えば、器具追跡、器具ナビゲーション、器具較正など)を行うことを支援する誘導が得られる、医師が、熟練を要するアームの動き及び/又は位置を必要とせずに人間工学的位置から処置を行うことができる、1人の医師が1つ又は2つ以上の医療機器を用いて処置を行うことができる、放射線被曝(例えば、蛍光透視法技法に関連付けられた)が回避される、処置を単一の手術設定で行うことができる、連続的な吸引/灌注が得られて対象物がより効率的に除去される(例えば、腎臓結石を除去する)など様々な利益が得られる。例えば、医療システム100によって、出血及び/又は解剖学的構造(例えば、判定器官、血管など)への損傷を最小限にしながら、医師が様々な医療機器を用いて標的解剖学的特徴にアクセスするのを支援するための誘導情報が得られる。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション及び/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、少なくとも制御システム150とロボットシステム110との間に分散された機能を提供することができ、これにより、独立して移動可能になることができる。そのような機能及び/又は可動性の分散は、制御システム150及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置に対して最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周りの作業エリアを最大化し、かつ/又は医師が処置を行うための最適化された場所を提供することが可能になる。
【0063】
様々な技法及びシステムがロボット支援型処置(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する処置)として実装されるものとして論じられているが、これらの技法及びシステムは、完全ロボット医療処置、(例えば、ロボットシステムを含まない)人間のみの処置などの他の処置で実装することができる。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく、かつ医師がロボットシステム/アームの移動を制御することなく、処置(例えば、処置を指示するために比較的少ない入力に依存する完全ロボット処置)を行うために使用することができる。すなわち、処置中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム112などの、医療システム100の構成要素によって保持/制御することができる。
【0064】
図2は、1つ又は2つ以上の実施形態による診断及び/又は治療用の気管支鏡検査処置のために装置構成された例示的なロボット医療システム100を示す。気管支鏡検査の間、ロボットシステム110のアーム112は、気管支鏡検査用の処置特有気管支鏡であり得るステアリング可能な内視鏡210などの医療器具を、診断用具及び/又は治療用具を送達するための自然開口アクセスポイント(すなわち、この例ではテーブル180に位置決めされた患者120の口)に送達するように構成され得る。図示のように、ロボットシステム110(例えばカート)は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の胴体上部に近接して位置決めされ得る。同様に、ロボットアーム112は、アクセスポイントに対して気管支鏡210を位置決めするために作動され得る。図2の装置構成は、消化管(gastro-intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃鏡を用いて行うときにも利用され得る。
【0065】
ロボットシステム110が適切に位置決めされると、ロボットアーム112は、操縦可能な内視鏡210をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者内に挿入することができる。操縦可能な内視鏡210は、内側リーダ部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含んでもよく、各部分は器具ドライバのセットとは別個の器具ドライバに結合され、かつ/又は、各器具ドライバは、個々のロボットアーム112の遠位端部に結合される。器具ドライバのこのような線形の装置構成は、1つ又は2つ以上のロボットアーム112を様々な角度及び/又は位置に操作することによって空間において再位置決めすることができる「仮想レール」220を作り出す。本明細書に記載の仮想レール/経路は、システムの如何なる物理的構造も描写しない破線を使用して図に描写されている。仮想レール220に沿った器具ドライバのうちの1つ又は2つ以上の並進は、患者120から内視鏡210を前進又は後退させることができる。
【0066】
内視鏡210は、標的の手術部位に到達するまで、ロボットシステム110からの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に向けられてもよい。別個の器具ドライバの使用は、内視鏡/アセンブリ210の別個の部分の独立した駆動を可能にすることができる。例えば、患者の肺内の病巣又は小結節などの標的に生検針を送達するように、内視鏡210を向けることができる。針は、内視鏡210の長さにわたる作業チャネルの下流に展開されて、病理医によって分析される組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、更なる生検で、更なるツールを内視鏡210のワーキングチャネルを展開させていくことができる。例えば、小結節が悪性と識別されたとき、内視鏡210は、潜在的な癌組織を切除するためにツールを内視鏡的に送達してもよい。場合によっては、診断処置及び治療的処置を別の処置で果たすことができる。これらの状況において、基準を送達して、標的となる小結節の場所を「マーク」するのにも、内視鏡210を使用することができる。他の例では、診断的処置及び治療的処置を同じ処置中に果たすことができる。
【0067】
図2のシステム100の装置構成において、患者導入器230は、ポート(図示せず)(例えば、外科用チューブ)を介して患者120に取り付けられる。患者導入器230は、(例えば、導入器230を支持し、テーブル180又は他の構造に対して患者導入器230の位置を固定するように構成された患者導入器ホルダを介して)テーブル180に固定され得る。いくつかの実施形態では、患者導入器230は、近位端部と、遠位端部と、それらの間の導入器チューブと、を含むことができる。患者導入器230の近位端部は、器具210(例えば、気管支鏡)を受容するように構成され得る開口部/オリフィスを提供することができ、患者導入器230の遠位端部は、器具210を患者アクセスポート内に誘導するように構成され得る第2の開口部を提供することができる。導入器230の湾曲管構成要素は、その近位端部と遠位端部とを接続し、導入器230を通して器具210を案内することができる。
【0068】
導入器230の湾曲は、ロボットシステム110が、患者アクセスポートと直接軸方向に整列していない位置から器具210を操作することを可能にし得、それによって、室内にロボットシステム110を配置する上でより大きな柔軟性が得られる。更に、導入器230の湾曲は、ロボットシステム110のロボットアーム112が患者導入器230と実質的に水平方向に位置合わせされることを可能にし得、これは、必要に応じてロボットアーム112の手動移動を容易にし得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるカテーテルのうちの1つ又は2つ以上は、図2に図示されるものなどの気管支鏡検査処置において実現され得る。例えば、カテーテルは、患者120から対象物を除去するために、内視鏡210と協働するか、又はその代わりに実現されてもよい。一例では、カテーテルと内視鏡210は、ロボットアーム112上で交換され、標的部位を調査/治療するために別々に使用される。ここで、カテーテルは、患者導入器230を通して挿入され、患者120から物体を除去するなど、吸引/灌注を提供するために使用され得る。別の例示では、灌注/吸引を提供するために、内視鏡210上の作業チャネルを通してカテーテルが展開される。
【0070】
図3は、1つ又は2つ以上の実施形態による、医療処置を実施するように構成されたテーブルベースのロボットシステム300を示す。ここで、ロボット医療システム100のロボット構成要素のうちの1つ又は2つ以上は、テーブル302に組み込まれ得るが、これにより、カートベースのロボットシステムと比較して、手術室内の資本設備の量を低減すること、及び/又は患者120へのより多くのアクセスを得ることが可能となる。例えば、システム300は、制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は流体管理システム170の1つ又は2つ以上の構成要素を含むことができる。
【0071】
図示のように、テーブル302は、医療器具/デバイスと係合し、かつ/又はそれを制御するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム304を含むことができる。各ロボットアーム304は、ジョイントに結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動の度合いを提供することができる。ロボットアーム304の遠位端部(すなわち、エンドエフェクタ306)は、器具/デバイスに結合するように構成され得るが、器具/デバイスには、カテーテル、針、スコープなど、本明細書で説明される医療器具/デバイスのいずれもが含まれ得る。各ロボットアーム304は、図1及び図2のシステム100のロボットアーム112と同様であっても異なっていてもよい。更に、各エンドエフェクタ306は、ロボットシステム100のエンドエフェクタと同様であっても、異なっていてもよい。
【0072】
図示のように、ロボット対応テーブルシステム300は、1つ又は2つ以上のキャリッジ312(例えば、リング形状の可動構造)に結合されたコラム310を含むことができ、そこから1つ又は2つ以上のロボットアーム304が発することができる。キャリッジ312は、カラム310の長さ方向の少なくとも一部分にわたって延びる垂直カラム接合部に沿って並進して、そこからロボットアーム304が患者120に達するように位置決めされ得る様々な視座を与えることができる。キャリッジ312は、いくつかの実施形態において、カラム310内に位置決めされた機械式モータを使用してカラム310を中心として回転して、ロボットアーム304がテーブル302の複数の側面へのアクセスを得ることを可能にし得る。キャリッジ312の回転及び/又は並進により、システム300は、内視鏡及び/又はカテーテルなどの医療器具を患者120の異なるアクセスポイントに整合させることができる。垂直方向の調整をもたらすことによって、ロボットアーム304は、テーブルシステム300のプラットフォームの下方にコンパクトに収容され、その後に処置の間に上昇されるように構成され得る。ロボットアーム304は、ロボットアーム304に付加的な構成可能性を提供するために個別に回転しかつ/又は入れ子式に延在し得る一連の継手を含み得る1つ又は2つ以上のアームマウント314を介してキャリッジ312に装着されてもよい。カラム310は、テーブルプラットフォームの支持及びキャリッジ312の垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。カラム310はまた、キャリッジ312及び/又はその上に装着されたロボットアーム304に電力及び制御信号を伝達してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、テーブルベースのロボットシステム300は、制御システム150と同様の制御システムを含むか、又はそれに関連付けられて、医師とインターフェース接続し、かつ/若しくは医療処置に関する情報を提供することができる。例えば、制御システムは、医師が1つ又は2つ以上のロボットアーム304及び/又は1つ又は2つ以上のロボットアーム304に取り付けられた医療器具を制御することを可能にする入力構成要素を含むことができる。いくつかの実装形態では、入力構成要素は、医師が医療器具を物理的に保持/操作しているかのように、医師が医療器具を制御するための入力を提供することを可能にする。
【0074】
図4は、本開示の1つ又は2つ以上の実施形態による、図1図3の医療システムのいずれかに実装され得る医療システム構成要素を示す。特定の構成要素が図4に図示されているが、図示されていない追加の構成要素が本開示による実施形態に含められ得ることを理解されたい。更に、例示した構成要素のうちのいずれも、省略し、交換し、かつ/又はテーブル180、医療器具などの他のデバイス/システムに一体化することができる。
【0075】
制御システム150は、以下のうちの1つ又は2つ以上の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)、すなわち、制御回路401、1つ又は2つ以上の通信インターフェース402、1つ又は2つ以上の電源ユニット403、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404、及び/又は1つ又は2つ以上の可動化構成要素405(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)を、別個に/個別に、かつ/又は組み合わせて/まとめて含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、制御システム150の構成要素のうちの1つ又は2つ以上の少なくとも一部を収容又は含むように構成され、かつ/又は寸法決めされたハウジング/エンクロージャを備えることができる。この例では、制御システム150は、1つ又は2つ以上の可動化構成要素405とともに移動可能なカートベースのシステムとして例示されている。場合によっては、適切な位置に達した後に、1つ又は2つ以上の可動化構成要素405を、車輪ロックを使用して固定して、制御システム150を所定の位置に保持することができる。しかしながら、制御システム150は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスなどに一体化することができる。
【0076】
制御システム150の様々な構成要素は、制御回路の一部であってもなくてもよい特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続機能部は、制御システム150の様々な構成要素/回路のうちの少なくとも一部の取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ又は2つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150の構成要素のうちの2つ又は3つ以上を、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0077】
1つ又は2つ以上の通信インターフェース402は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース402は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の通信インターフェース402は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0078】
1つ又は2つ以上の電源ユニット403は、制御システム150(及び/又は、場合によってはロボットシステム110/流体管理システム170)に対する電力を管理及び/又は提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット403は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット403は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット403は、交流(alternating current、AC)又は直流(direct current、DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。
【0079】
1つ又は2つ以上のI/O構成要素/デバイス404は、医療処置を行うことを支援するためにユーザとのインターフェースになるなどのために、入力を受け取り、かつ/又は出力を提供するための様々な構成要素を含むことができる。1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。例では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、ロボットシステム110を制御すること、ロボットシステム110に取り付けられた(及び/又はスコープを介して展開される)スコープ/カテーテル又は他の医療器具をナビゲートすること、テーブル180を制御すること、蛍光透視デバイスを制御することなどのために、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用することができる。例えば、医師(図示せず)は、I/O構成要素404を介して入力を提供することができ、それを受けて、制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して医療器具を操作することができる。例では、医師は同じI/Oデバイスを使用して、複数の医療器具を制御する(例えば、器具間の制御を切り替える)ことができる。
【0080】
図示するように、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、データを表示するように構成された(「1つ又は2つ以上のディスプレイデバイス156」と称される場合がある)1つ又は2つ以上のディスプレイ156を含むことができる。1つ又は2つ以上のディスプレイ156は、1つ又は2つ以上の液晶ディスプレイ(liquid-crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイ156は、入力を受け取り、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ又は2つ以上のタッチスクリーンを含むことができる。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、タッチパッド、コントローラ(例えば、ハンドヘルドコントローラ、ビデオゲームタイプコントローラ、指のような動きを可能にするフィンガベース制御/フィンガクラッチなど)、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、フットパネル(例えば、ユーザの足下のボタン)などを含むことができる1つ又は2つ以上のI/Oデバイス/制御装置406を含むことができる。追加的に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ又は2つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受け取ってオーディオ信号を生成するように構成された1つ又は2つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、コンソールを含むか又はコンソールとして実装される。
【0081】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素404は、処置に関連した情報を出力することができる。例えば、制御システム150は、スコープによって捕捉されたリアルタイム画像を受信し、リアルタイム画像及び/又はリアルタイム画像の視覚的表現/画像表現を、ディスプレイ156を介して表示することができる。ディスプレイ156は、スコープ及び/又は別の医療器具からの画像データを含み得るインターフェースを提示することができる。追加的に又は代替的に、制御システム150は、患者に関連付けられた医療用モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ信号、デジタル信号、電気信号、音響信号/音波信号、空気圧信号、タクタイル信号、油圧信号など)を受信することができ、ディスプレイ156は、患者の健康又は環境に関する情報を提示することができる。このような情報には、医療用モニタを介して表示される、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、血液酸素飽和度(例えば、SpO)、CO、脳波(例えば、EEG)、環境温度及び/又は局部温度若しくは中核体温などの情報を含めることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介して、ロボットシステム110、テーブル180若しくは別のテーブル、及び/又は医療器具に結合するために使用され得る。いくつかの実装形態では、制御システム150からの支援機能を単一のケーブルを介して提供することができ、手術室を簡素化して片付けることができる。他の実装形態では、特定の機能を別個のケーブル線及び接続部において結合することができる。例えば、電力は単一の電源ケーブルを介して提供することができるが、制御、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションに対する支援は、別個のケーブルを介して提供することができる。
【0083】
ロボットシステム110は、一般に、(「カラム」とも称される)細長い支持構造410、ロボットシステム基部411、及びカラム410の頂部におけるコンソール412を含む。カラム410は、1つ又は2つ以上のロボットアーム112の展開を支持するための(「アーム支持部材413」とも称される)1つ又は2つ以上のキャリッジ413を含むことができる。キャリッジ413は、患者に対して位置決めするために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する個別に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ413はまた、キャリッジ413がカラム410に沿って垂直方向に並進するのを可能にするキャリッジインターフェース414を含む。キャリッジインターフェース414は、キャリッジ413の垂直並進を誘導するためにカラム410の両側に位置決めされたスロット415などのスロットを通して、カラム410に接続することができる。スロット415は、キャリッジ413を基部411に対して様々な垂直高さに位置決めし、かつ/又は保持するための垂直並進インターフェースを含むことができる。キャリッジ413が垂直並進すると、ロボットシステム110は、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、様々なテーブル高さ、患者サイズ、医師の選好などを満たすことができる。同様に、キャリッジ413上の個別に構成可能なアームマウントによって、ロボットアーム112のロボットアーム基部416を、様々な構成で角度付けすることができる。カラム410は、歯車及び/又はモータなどのメカニズムであって、I/Oデバイスからの入力などのユーザ入力を受けて生成される制御信号を受けて、キャリッジ413を機械化された方式で並進させるように、垂直方向に位置合わせされた親ねじを使用するように設計された機構を内部に備えることができる。
【0084】
基部411は、フロアなどの表面上で、カラム410、キャリッジ413、及び/又はロボットアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部411は、1つ又は2つ以上の電子機器、モータ、電源などのより重い構成要素、並びにロボットシステム110の移動を可能にし、かつ/又は固定する構成要素を収容することができる。例えば、基部411は、ロボットシステム110が処置のために部屋を動き回ることを可能にする(「キャスタ417」又は「可動化構成要素417」とも称される)回転可能車輪417を含むことができる。適切な位置に達した後に、キャスタ417は、処置中にロボットシステム110を所定の位置に保持するために車輪ロックを使用して固定することができる。図示するように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110の操縦、及び/又は安定化を支援するためのハンドル418を含む。この例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカートベースのシステムとして示されている。しかしながら、ロボットシステム110は、固定システムとして実装されるか、テーブルに一体化されるなどが可能である。
【0085】
ロボットアーム112は、一般に、一連のジョイント421によって接続された(「アームセグメント420」とも称される)一連のリンク機構420によって分離された、ロボットアーム基部416及びエンドエフェクタ419を備えることができる。各ジョイント421は、独立したアクチュエータを備えることができ、各アクチュエータは独立して制御可能なモータを備えることができる。各独立して制御可能なジョイント421は、ロボットアーム112が利用できる独立した自由度を表す。例えば、アーム112はそれぞれ、7つのジョイントを有することができ、したがって7つの自由度を得ることができる。しかしながら、任意の数のジョイントを任意の自由度を伴って実装することができる。例では、多数のジョイントによって多数の自由度を得ることができ、「冗長」自由度が可能になる。冗長自由度によって、ロボットアーム112は、それぞれのエンドエフェクタ419を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、配向、及び/又は軌跡に位置決めすることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ419は、医療器具、デバイス、対象物などと係合し、かつ/又は制御するように構成することができる。アーム112の運動の自由度により、ロボットシステム110が、空間内の所望の点から医療機器を位置決めし、かつ/若しくは方向付けることができ、かつ/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に好都合な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスすることができる。
【0086】
ロボットアーム112の各々のエンドエフェクタ419は、器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)を備えることができる。いくつかの実施形態では、IDMを除去し、異なるタイプのIDMで置き換えることができる。例えば、第1のタイプのIDMは内視鏡を操作することができ、第2のタイプのIDMはカテーテルを操作することができ、第3のタイプのIDMはEM場発生器などを保持することができ、以下同様である。しかしながら、同じIDMが使用されてもよい。いくつかの例において、IDMは、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号をロボットアーム112から/ロボットアーム112に伝達するためのコネクタを含むことができる。IDMは、例えば、直接駆動、ハーモニックドライブ、歯車駆動、ベルト/プーリ、磁気駆動などを含む技法を使用して、医療器具を操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、IDMをロボットアーム112のそれぞれの1つに取り付けることができ、ロボットアーム112は、それぞれの結合された医療器具を治療部位内に挿入するか又はそこから後退させるように構成されている。
【0087】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、それに取り付けられた医療器具(例えば、スコープのシース及び/又はリーダ)の位置、配向、及び/又は関節運動を制御するように構成することができる。例えば、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープ/カテーテルを操作するように構成/構成可能とすることができる。細長い移動部材としては、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。例示すると、ロボットアーム112は、スコープ/カテーテルに結合された複数のプルワイヤを作動し、スコープ/カテーテルの先端を偏向するように構成することができる。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープ/カテーテルは、細長い移動部材によって印加された力を受けて、非線形挙動を示すように構成されている。非線形挙動は、スコープ/カテーテルの剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間のたるみ又は剛性の変動性に基づき得る。
【0088】
図示するように、コンソール412は、ロボットシステム110のカラム410の上端に位置決めされている。コンソール412は、医師/ユーザに術前データ及び/又は術中データ、ロボットシステム110を構成するための情報などを提供するなどのために、ユーザ入力を受け取り、かつ/又は出力(例えば、タッチスクリーンなどの二重目的デバイス)を提供するためのユーザインターフェースを提供するディスプレイを含むことができる。潜在的な術前データとしては、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含み得る。術中データは、ツールから提供される光学情報、センサ及び/又は座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などのバイタル患者統計を含むことができる。コンソール412は、医師がアーム基部416の反対側のカラム410の側からコンソール412にアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾転され得る。この位置から、医師は、コンソール412をロボットシステム110の背後から動作させながら、コンソール412、ロボットアーム112、及び患者を視認してもよい。
【0089】
ロボットシステム110はまた、制御回路422と、1つ又は2つ以上の通信インターフェース423と、1つ又は2つ以上の電源ユニット424と、1つ又は2つ以上の入力/出力構成要素425と、1つ又は2つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426と、を含むことができる。1つ又は2つ以上の通信インターフェース423は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース423は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。
【0090】
1つ又は2つ以上の電源ユニット424は、ロボットシステム110に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット424は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット424は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット424は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット424は、制御システム150から電力を受け取るために制御システム150に結合するように構成されたコネクタを含む。
【0091】
1つ又は2つ以上のI/O構成要素/デバイス425は、例えばユーザとのインターフェース接続のために、入力を受け取り、かつ/又は出力を提供するように構成され得る。1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。例では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、ロボットシステム110を制御/構成などをするために、デバイス/システムの制御に関する入力を提供するために使用できる。1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、データを表示するように構成された1つ又は2つ以上のディスプレイを含むことができる。1つ又は2つ以上のディスプレイは、1つ又は2つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、入力を受け取り、かつ/又はデータを表示するように構成された1つ又は2つ以上のタッチスクリーンを含むことができる。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想現実デバイス又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる。追加的に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、オーディオ信号に基づいて音声を出力するように構成された1つ又は2つ以上のスピーカ、及び/又は音声を受け取ってオーディオ信号を生成するように構成された1つ又は2つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、コンソール412を含むか又はコンソール412として実装される。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素425は、(ロボットアーム112の手動操作/移動のためのロボットアーム112アドミタンス制御モードを有効/無効にすることができる)ロボットアーム112の遠位端部上のボタンなどの、物理的に押すことができる1つ又は2つ以上のボタンを含むことができる。
【0092】
1つ又は2つ以上のアクチュエータ/ハードウェア426は、ロボットアーム112の移動を容易にするように構成することができる。各アクチュエータ426はモータを備えることができ、モータは、ジョイント及び/又は接続されたアームセグメント/リンク機構の移動を容易にするために、ロボットアーム112内のジョイント又は他の場所に実装することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、電子ユーザ制御装置を使用することなく、ロボットアーム112を手動で操作することができる。例えば、外科手術室におけるセットアップ中、又は処置中の任意の時点で、ユーザは、ロボットアーム112の遠位端部上のボタンを選択して、アドミタンス制御モードを有効にし、次いで、ロボットアーム112を特定の配向/位置に手動で移動させてもよい。
【0093】
ロボットシステム110の様々な構成要素は、制御回路422の一部であってもなくてもよい特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。例えば、接続機能部は、ロボットシステム110の様々な構成要素/回路のうちの少なくとも一部の取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ又は2つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110の構成要素のうちの2つ又は3つ以上は、互いに電気的に、かつ/又は通信可能に結合することができる。
【0094】
ロボット流体管理システム170は、制御回路430と、1つ又は2つ以上の通信インターフェース432と、1つ又は2つ以上の電源ユニット433と、1つ又は2つ以上の入力/出力構成要素434と、1つ又は2つ以上のポンプ435と、1つ又は2つ以上の減圧器436と、灌注流体源437と、を含むことができる。1つ又は2つ以上の通信インターフェース432は、1つ又は2つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ又は2つ以上の通信インターフェース432は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信することができる。
【0095】
1つ又は2つ以上の電源ユニット433は、流体管理システム170に対する電力を管理及び/又は提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット433は、リチウム系電池、鉛蓄電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ又は2つ以上の電池を含む。すなわち、1つ又は2つ以上の電源ユニット433は、電源を提供し、かつ/又は電力管理機能を提供するように構成された1つ又は2つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット433は、交流(AC)又は直流(DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。更に、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電源ユニット433は、制御システム150から電力を受け取るために制御システム150に結合するように構成されたコネクタを含む。
【0096】
1つ又は2つ以上のI/O構成要素/デバイス434は、例えばユーザとのインターフェース接続のために、入力を受け取り、かつ/又は出力を提供するように構成され得る。1つ又は2つ以上のI/O構成要素434は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。1つ又は2つ以上のI/O構成要素434は、ディスプレイ、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、スピーカ、マイクロフォンなどを含むことができる。更に、1つ又は2つ以上のI/O構成要素434は、物理的に押し下げられ得る1つ又は2つ以上のボタンを含むことができる。
【0097】
流体管理システム170は、灌注/吸引を提供するためにポンプ435及び/又は真空436を制御するように構成され得る。例えば、医療器具は、ポンプ435/減圧器436に取り付けられて、医療器具を介して標的部位に灌注/吸引を提供してもよい。実施例では、流体管理システム170は、医療器具のための制御された灌注及び/又は吸引/吸込み能力を提供するために、1つ又は2つ以上の流量計、弁制御装置、及び/又は他の流体/フロー制御構成要素(例えば、圧力センサなどのセンサデバイス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、灌注/吸引を制御するために、1つ又は2つ以上の信号を生成し、流体管理システム170に提供することができる。
【0098】
ポンプ435は、流体バッグ/容器171及び/又は医療器具に接続するための流体ライン/コネクタ438を含むことができる灌注流体源437に取り付けることができる。ポンプ435は、1つ又は2つ以上の医療器具を通して治療部位の中に灌注流体(例えば、生理食塩水)を圧送することができる。いくつかの例では、ポンプ435は、蠕動ポンプである。いくつかの実施形態では、ポンプ435は、灌注流体源437から、それぞれの結合された医療器具を通して外へと、灌注流体を引き出すために真空圧力を印加するように構成された減圧器と置き換えることができる。図4はポンプ435を含むが、いくつかの実施形態では、灌注流体フローはポンプを使用せずに達成され、そのようなフローは主に重力によって駆動される。
【0099】
減圧器436は、流体吸引を容易にするように構成され得る。例えば、減圧器436は、治療部位から流体を引き出すために負圧を印加するように構成され得る。減圧器436は、回収された流体が収集される収集容器に接続されてもよい。いくつかの例では、吸引吸込みは、減圧器ではなく1つ又は2つ以上のポンプによって促進されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、吸引は、能動的な吸込みによるものではなく、主に受動的である。したがって、本開示の実施形態は減圧器構成要素を含まなくてもよいことが理解されるべきである。
【0100】
上記で参照されるように、システム150、110、及び170は、それぞれ、本明細書に説明されるある機能性を行うように構成された制御回路401、422、及び430を含むことができる。「制御回路」という用語は、1つ又は2つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ又は2つ以上の能動デバイス及び/又は受動デバイス及び/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス、ステートマシン(例えば、ハードウェアステートマシン)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は回路及び/又は動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は更に、1つ又は2つ以上の記憶デバイスを含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路において具体化することができる。このようなデータ記憶装置としては、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶装置レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを挙げることができる。制御回路がハードウェアステートマシンを含み(及び/又はソフトウェアステートマシンを実装し)、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶装置/レジスタは、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の内部に又はその外部に埋め込めることに注意されたい。
【0101】
制御回路は、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素とは別個の構成要素として例示しているが、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素のいずれか又は全てが、制御回路において少なくとも部分的に具体化できることを理解されたい。例えば、制御回路は、様々なデバイス(能動及び/又は受動)、半導体材料及び/又はエリア、層、領域、及び/又はそれらの一部分、導体、リード、ビア、接続部などを含むことができ、制御システム150/ロボットシステム110/流体管理システム170の他の構成要素のうちの1つ又は2つ以上及び/又はその一部分は、そのような回路構成要素/デバイスにおいて少なくとも部分的に形成及び/又は具体化することができる。
【0102】
更に、図4には示されていないが、制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は流体管理システム170のうちの1つ又は2つ以上はそれぞれ、データ/命令を記憶するように構成されたデータストレージ/メモリを含むことができる。例えば、データ記憶装置/メモリは、特定の機能/動作を実行するために制御回路によって実行可能な命令を記憶することができる。「メモリ」という用語は、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体としては、1つ又は2つ以上の揮発性データ記憶装置、不揮発性データ記憶装置、取り外し可能なデータ記憶装置、及び/又は取り外し不可能なデータ記憶装置であって、任意の技術、レイアウト、及び/又はデータ構造/プロトコルを用いて実装されるものを挙げることができ、これらは、任意の好適な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。本開示の実施形態に従って実装され得る、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disk read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書において特定の文脈で用いる場合、コンピュータ可読媒体は全般的に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まない場合がある。したがって、コンピュータ可読媒体は全般的に、非一時的媒体を指すと理解しなければならない。
【0103】
いくつかの例では、制御システム150及び/又はロボットシステム110は、対象物/医療器具の配向/位置を決定/追跡するために1つ又は2つ以上の位置特定技術を実装するように構成される。例えば、1つ又は2つ以上の位置特定技術は、入力データを処理して、医療器具の位置/配向データを生成することができる。対象物/医療器具の位置/配向データは、基準枠に対する対象物/医療器具の位置/配向を示すことができる。基準枠は、患者の解剖学的構造、既知の対象物(例えば、EM場発生器、システムなど)、座標系/空間などに対する基準枠とすることができる。いくつかの実装形態では、位置/配向データは、医療器具の遠位端部(及び/又は、場合によっては近位端部)の位置及び/又は配向を示すことができる。例えば、スコープの位置/配向データは、スコープの遠位端部の回転の量を含む、スコープの遠位端部の位置及び配向を示すことができる。対象物の位置及び配向は、対象物の姿勢と称され得る。
【0104】
対象物/医療器具の位置/配向データを生成するために使用することができる例示的な入力データは、医療器具に関連付けられたセンサからのセンサデータ(例えば、EM場センサデータ、医療器具上の撮像デバイス/深度センサ/レーダデバイスによって捕捉された視覚/画像データ、医療器具上の加速度計からの加速度計データ、医療器具上のジャイロスコープからのジャイロスコープデータ、衛星ベースのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))からの衛星ベースの測位データなど)、ロボットアーム/構成要素からの(「運動学データ」とも称される)フィードバックデータ(例えば、ロボットアーム/構成要素がどのように移動/作動したかを示すデータ)、ロボットアーム/構成要素のためのロボットコマンドデータ(例えば、ロボットアーム112/医療器具の移動を制御するためにロボットシステム110/ロボットアーム112に送信される制御信号)、形状検知ファイバからの形状検知データ(医療器具の位置/形状に関する情報を提供することができる)を含み得る。患者の解剖学的構造に関するモデルデータ(例えば、患者の解剖学的構造の内部/外部部分のモデル)、患者の位置データ(例えば、患者がテーブル上にどのように位置決めされているかを示すデータ)、術前データ、などの様々な異なる形態をとることができる。
【0105】
図5は、1つ又は2つ以上の実施形態による、患者の腎臓506内に少なくとも部分的に配設された例示的なカテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504を示す。カテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504は、本明細書で議論されるカテーテル及び経皮的アクセスデバイスのうちのいずれかを代表し得る。この例では、器具502、504は、腎臓506から腎臓結石508を治療/除去するための泌尿器科処置との関連で示されている。しかしながら、器具502、504は、他のタイプの処置においても使用され得る。上述したように、泌尿器科処置及び/又は他のタイプの処置は、少なくとも部分的に手動で実現することができ、かつ/又は少なくとも部分的にロボット技術を使用して実行することができる。
【0106】
カテーテル502は、カテーテル502の少なくとも遠位端部/先端などに対して、関節運動されるように構成され得る。例えば、カテーテル502の遠位端部分/先端を様々な方向に偏向させることができる。実施例では、カテーテル502は、2自由度(two degrees of freedom、2-DOF)(例えば、x、y、z、ヨー、ピッチ、又はロール運動のうちの2つ)で移動するように構成され得る。例示すると、カテーテル502の遠位端部分は、右/左又は上/下に移動し(例えば、x、y、又はz移動)、また、カテーテル502を挿入/後退させるように移動する(例えば、x、y、又はz軸に沿って平行移動する)ように構成され得る。他の実施例では、カテーテル502は、3-DOF(例えば、x、y、z、ヨー、ピッチ、又はロール運動のうちの3つ)で移動するように構成され得る。例示すると、カテーテル502の遠位端部分は、右/左及び上/下に移動し(例えば、x、y、又はz移動のうちの2つ)、また、カテーテル502を挿入/後退させるように移動するように構成され得る。しかしながら、カテーテル502はまた、4-DOF(例えば、x、y、z、及びピッチ/ヨー/ロール運動)、6-DOF(例えば、x、y、z、ピッチ、ヨー、及びロール運動)などで移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル502がロボット制御可能なハンドルを伴って実現される場合など、カテーテル502はロール運動のために構成されない。しかしながら、カテーテル502は、カテーテル502が手動制御可能なハンドル又はいくつかのロボット制御可能な場合を伴って構成されるときなど、いくつかの場合において、ロール及び/又は他のタイプの運動のために構成され得る。
【0107】
示されるように、カテーテル502は、腎臓506に吸引/灌注を提供するために、経皮的アクセスデバイス504とともに実現されてもよい。経皮的アクセスデバイス504は、デバイス504の遠位端部が配設される標的生体構造に器具(例えばカテーテル502)及び/又は流体がそれを通してアクセスし得る、1つ又は2つ以上のシース及び/又はシャフトを含んでもよい。いくつかの実施形態では、能動的吸引/吸込みは、カテーテル502のルーメン510を通してカテーテル502の近位端部(例えば、カテーテル502のハンドル)に引き込まれてもよい。更に、いくつかの実施形態では、灌注は、同心シース間などの経皮的アクセスデバイス504を介して提供され得る。例えば、流体管理システム(図示せず)を灌注ポート512のポートに接続して、灌注を経皮的アクセスデバイス504に提供することができ、この灌注は、経皮的アクセスデバイス504を下って標的部位まで移動する。図5は、カテーテル502のルーメン510内への吸引流体のフロー、及び経皮的アクセスデバイス504からの灌注流体のフローの一例を示す。いくつかの実施形態では、受動的吸引流出チャネルが、カテーテル502の外壁と経皮的アクセスデバイス/アセンブリ504の内壁/シースとの間の空間に形成されてもよい。カテーテル502が経皮的アクセスデバイス504内に配設されるとき、カテーテル502と経皮的アクセスデバイス504のシャフト/シースは、概ね同心状であってもよい。カテーテル502及び経皮的アクセスデバイス504は、少なくともその一部分にわたって、略円形の断面形状を有してもよい。
【0108】
カテーテル502は、手動制御及び/又はロボット制御のいずれかに基づいて、任意の好適な又は望ましい方法で制御可能であり得る。図5において、ハンドル/基部514、516は、カテーテル502を制御するために使用され得る例を提供する。ハンドル514は、カテーテル502の動きを制御するために医師/ユーザによって操作されるように構成されたハンドヘルド/手動ハンドルを示す。一方、ハンドル516は、カテーテル502の動きを制御するために、ロボットアームのエンドエフェクタなどのロボットアームによって操作されるように構成されたロボット制御可能なハンドルを示す。例示的なロボット制御可能なカテーテル及び手動制御可能なカテーテルについては、以下で更に詳細に説明される。関節運動可能なカテーテルを実現することによって、本技法/構造は、患者の解剖学的構造への損傷を防止/最小化する様式で、患者内の様々な位置に到達することを可能にすることができる。例えば、医師は、カテーテル502のシャフトの残りの部分及び/又は経皮的アクセスデバイス504を再位置決めすることなく、腎臓結石が位置する腎臓506(例えば、腎杯)内の特定の空洞に到達するように、カテーテル502の先端部分をナビゲートすることができる。
【0109】
実施形態では、カテーテル502は、撮像デバイスを含まない。すなわち、カテーテル502は、患者の内部解剖学的構造の画像データを捕捉するために、遠位端部に撮像デバイス/カメラを伴うことなく実装される。しかしながら、他の実施形態では、カテーテル502は、カテーテル502の先端などに撮像デバイスを含むことができる。更に、実施形態では、カテーテル502は、位置センサなしで実装される(すなわち、位置センサを含まない)。しかしながら、カテーテル502は、場合によっては、カテーテル502の遠位端部などに位置センサを伴って実装され得る。
【0110】
図6図13は、本開示の1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボット制御/手動制御可能なカテーテル602の例示的な特徴を示す。カテーテル602の特徴は、本明細書に説明されるカテーテルのうちの1つ又は2つ以上の文脈において実現されてもよい。カテーテル602は、細長いシャフト604の少なくとも一部分の作動を制御するように構成されたハンドル/基部606(「器具基部606」とも称される)に接続された細長いシャフト604を含む。図6に示すように、ハンドル606は、ロボットアームに結合するように構成されたロボット制御可能なハンドル(例えば、ハンドル606(A))、及び/又はユーザによって保持/操作されるように構成された手動制御可能なハンドル(例えば、ハンドル606(B)、606(C)、及び606(D))として実装され得る。いくつかの実施形態では、細長いシャフト604は、ハンドル606を通ってハンドル606のポート608まで延在することができ、ポート608は、吸引、灌注、カテーテル602の作業チャネルを通じた器具の展開などを容易にするために、流体管理システム及び/又は別のシステムに接続され得る。特定のハンドルは、手動制御可能なカテーテル又はロボット制御可能なカテーテルに実装される文脈で論じられているが、そのようなカテーテルは、他の文脈で実装され得る。例えば、手動制御可能なカテーテルは、ロボット制御可能なカテーテル(例えば、ロボットカテーテルとしての二次的使用)として実装されるロボット構成要素を含むことができ、かつ/又はロボット制御可能なカテーテルは、手動制御可能なカテーテル(例えば、手動カテーテルとしての二次的使用)として実装される手動構成要素を含むことができる。したがって、場合によっては、カテーテルは、手動操作とロボット操作の両方のために構成される。
【0111】
図7A及び図7B(及び他の図)に示されるように、シャフト604は、遠位/先端セクション/部分702(「遠位端部分702」と称されることもある)、中間/内側セクション/部分704、近位セクション/部分706(「近位端部分706」と称されることもある)、及び/又はシャフト604の少なくとも一部を通って延びるルーメン708を含むことができる。例えば、ルーメン708は、遠位セクション702(患者の標的部位に位置決めされ得る)から近位セクション706(ハンドル606のポート608に接続され得る)までシャフト604の全体を通って延びることができる。しかしながら、ルーメン708は、カテーテル602を通って別の距離だけ延びることができる。各例では、ルーメン708は作業チャネルと称され得る。遠位セクション702、中間セクション704、及び/又は近位セクション706はそれぞれ、任意の長手方向長さを伴って実装され得る。遠位、中間/内側、近位、及び/又は他の用語は、別の特徴に対する特徴の位置を説明するために使用される。例えば、カテーテル602の近位特徴部は、(例えば、使用/処置中に)標的又は解剖学的部位から最も遠い特徴部を指すことができ、カテーテル602の遠位特徴部は、標的又は解剖学的部位に最も近い特徴部を指すことができる。
【0112】
シャフト604の遠位セクション702は、シャフト604を通して吸引するときなどに、特定の対象物がシャフト604の残りの部分に入ることを防止するように構成され、かつ/又はシャフト604の遠位端部に対象物を収容するように構成されたフィルタ/収容構造/特徴部716(「先端構造716」とも称される)を含むことができる。例えば、泌尿器科処置に関連して、カテーテル602の先端部分702は、標的部位に位置決めされ、腎臓から1つ又は2つ以上の腎臓結石断片を吸引するために使用され得る。ここで、先端構造716は、標的部位に別のデバイスから展開される器具によってなど、腎臓結石が小片に断片化されている間、結石を保持するように構成され得る。先端構造716はまた、シャフト604を詰まらせ、吸引フローを妨害/停止させ得る、特定のサイズよりも大きい断片がシャフト604の残りの部分に吸い込まれることを防止することができる。先端構造716は、多くの例では(例えば、シャフト604の残りの部分に取り外し可能に結合された)シャフト604の残りの部分とは別個の構成要素として示されているが、先端構造716は、シャフト604の残りの部分と一体化されても、又は他の様式で実装されてもよい。先端構造716の例示的な特徴は、以下で更に詳細に説明される。
【0113】
いくつかの実施形態では、シャフト604の少なくとも一部分は、シャフト604の少なくとも一部分が関節運動のために可撓性であるように、プラスチック、ゴム、椎骨リンク、金属又はプラスチック編組/コイルなどの様々な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、シャフト604は、シャフト604の可撓性を強化及び/又は促進するために、補強材料(例えば、編組)を含む。例えば、シャフト604は、フープ強度のために、かつ/又はシャフト604が患者の解剖学的構造内でナビゲートされるときにシャフト604のねじれを防止するために、編組補強材を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、シャフト604は、本明細書で論じられるシャフト604の特徴を容易にするために様々な構成で実装される材料の複数の層を含む。ある場合には、先端構造716は、シャフト604の残りの部分とは異なる材料から形成される。例えば、先端構造716は、壊滅的な劣化などの特定の状況における劣化を回避する材料で実装され得る。先端構造716は、ステンレス鋼(又は他の種類の鋼)、チタン、タングステン、アルミニウム合金、鉄合金、鋼合金、チタン合金、タングステン合金、及び/又は、レーザビームが意図せずかつ/若しくは時折先端構造716に接触するという場合にもその構造を概ね維持することができる他の材料(閾値を超える比較的高い融点を有し得る材料)で実装され得る。しかしながら、先端構造716及び/又はシャフト604の任意の他の部分は、他の材料で実装されてもよい。いくつかの例では、先端構造716は、レーザによって接触されるときなど、特定の状況において低減された劣化を有することができる特定の材料を含む。例えば、先端構造716は、2MPa・m1/2以上の破壊靱性を有する材料から形成することができる。しかしながら、他の破壊靱性値/範囲を実装することができる。
【0114】
シャフト604は、図7Aに示される線に沿ってとられた図7Bの断面図に示されるように、外壁などのシャフト604の壁712内に配設される1つ又は2つ以上のルーメン710(「1つ又は2つ以上のワイヤルーメン710」とも称される)を含むことができる。1つ又は2つ以上のルーメン710は、シャフト604の壁の周囲又は別の場所に等距離で離間され得る。カテーテル604は、1つ又は2つ以上のワイヤルーメン710(「壁ルーメン710」とも称される)内に摺動可能に配設された1つ又は2つ以上の細長い移動部材714を含むことができる。1つ又は2つ以上の細長い移動部材714としては、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル602は、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714によって印加された力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成される。非直線的挙動は、カテーテル602の剛性及び/又は圧縮性、並びに異なる細長い移動部材714間の緩み又は剛性の変動性に基づくものであり得る。特定の数のワイヤルーメン710及び細長い移動部材714が図に示されているが、任意の数のルーメン及び/又は細長い移動部材が実装され得る。
【0115】
1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、図9図10及び図13に示されているように、シャフト604の遠位セクション702に取り付けられ/延在することができる。近位側において、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、シャフト604の遠位セクション702を偏向させることなどによって、シャフト604の関節運動を制御するように構成されたハンドル606の構成要素(例えば、入力アセンブリ)に結合され得る。ハンドル606は、遠位セクション702を長手方向軸から偏向させるために、1つ又は2つ以上のルーメン710内で1つ又は2つ以上の細長い移動部材714を引っ張る(及び/又はその張力を解放する)ように構成され得る。
【0116】
いくつかの例では、図9A及び図9Bに示すように、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、先端構造716に取り付けられて、シャフト604の遠位部分702を関節運動させる。ここで、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、先端構造716の一部分の周りにループ状構造を形成している。例えば、細長い移動部材714は、シャフト604の近位部分706から延在し、先端構造716の第1の穴902(A)から出て、先端構造716の一部分にわたって第2の穴902(B)まで延在し、第2の穴902(B)を介してシャフト604の近位部分706に戻る。これにより、細長い移動部材714を先端構造716に取り付けることができる。ここで、カテーテル602は、概して、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714の操作に基づいて2つの方向(例えば、上/下又は右/左)に移動するように構成することができる。他の例では、図10A及び図10Bに示すように、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、固着点1002において先端構造716に個々に取り付けられる(これは、例えばレーザ溶融ボール端部、はんだ付け固着部などによって、様々な方法で実装することができる)。ここで、カテーテル602は、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714の操作に基づいて4つの方向(例えば、上/下及び右/左)に移動するように構成することができる。更に他の例では、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は、先端構造716又は遠位部分702の別のセクションへの取り付けを含む別の方法でシャフト604に取り付けられる。図11は、(図9A及び図9B並びに図10A及び図10Bに示すのと同様に)シャフト604の残りの部分から取り外された先端構造716を示すが、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714は取り外されている(例えば、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714のない分解図)。一方、図12Aは、先端構造716の正面図を図示し、図12Bは、1つ又は2つ以上の細長い移動部材714を受容するための穴902を伴う先端構造716の後面図を示す。
【0117】
先端構造716がシャフト604の残りの部分とは別個の構成要素として実装される場合、先端構造716は、接着剤、締結具、連動機構(例えば、タブ、溝など)などを用いてシャフト604の残りの部分に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、シャフト604は、先端構造716のシャフト604の残りの部分への結合を容易にするために、かつ/又は先端構造716がシャフト604の残りの部分に固定された後に先端構造716を覆うために、(図11及び他の場所に示されるように)リング部分1102を含む。この例では、シャフト604(先端構造716を含む)は、実質的に円筒形の形態(例えば、円形断面を有する)で実装される。しかしながら、シャフト604は、長方形/正方形の形態又は別の形状などの他の形態をとることができる。
【0118】
図13-1及び図13-2は、先端構造716及びシャフト604の残りの部分の様々な特徴を示すために、シャフト604の2つの例示的な実装形態を示す。各図は、図12Aの断面線に沿った先端構造716の断面図を示す。特に、図13-1は、実質的に均一な内径を有する制御セクション1302を有する先端構造716を示し、図13-2は、複数の内径を有する制御セクション1302を有する先端構造716を示す。説明を容易にするために、先端構造716は、シャフト604の遠位部分702と称され得る。しかしながら、遠位部分702は、図示される長さよりも長く又は短く延在し得ることを理解されたい。例えば、シャフト604の遠位部分702は、先端構造716を越えてシャフト604の近位端部に向かって延在することができる。
【0119】
図13-1の例に示されるように、先端構造716の少なくとも一部分の内径は、シャフト604の中間部分704の内径1304よりも小さく、特定の対象物が中間部分704に入ることを防止することができる。例えば、先端構造716は、第1の部分1302(すなわち、最近位部分)(「制御セクション1302」とも称される)と、制御セクション1302に隣接する/遠位の第2の部分/セクション1306(すなわち、最遠位部分)(「座ぐり/皿穴セクション1306」とも称される)と、を含むことができる。ここで、制御セクション1302は、中間部分704の内径1304よりも小さい内径1308を有する。換言すれば、内径1304は、内径1308よりも大きい。いくつかの実施形態では、制御セクション1302の内径(inner diameter、ID)1308とシャフト部分704の内径1304との比(すなわち、
【0120】
【数1】
)は、0.4~0.9、0.5~0.9、0.4~0.8、0.5~0.8、又は他の範囲であり得る。例では、そのような比は、対象物除去効率を妨げずに対象物(例えば、結石)をフィルタリングするための最適な比を提供することができる。
【0121】
更に、図13-1に示すようないくつかの例では、制御セクション1302の長手方向長さ1310は、制御セクション1302の内径1308よりも小さい。制御セクション1302の長さ1310は、シャフト部分704内に入る対象物の配向を制御するのを支援することができる。しかしながら、他の例では、制御セクション1302の長さ1310は、内径1308と同じであるか、又は内径1308よりも大きい。いくつかの例では、長さ1310と内径1308との比(すなわち、
【0122】
【数2】
は、0.4以上とすることができる。しかしながら、他の比を実装することができる。
【0123】
本明細書に説明される特徴のうちの1つ又は2つ以上を有する制御セクション1302を実装することによって、先端構造716は、特定のサイズ/形状の対象物がシャフト704の残りの部分に入ることを防止することができる。例えば、カテーテル602は、標的部位を吸引するために使用することができ、流体は、シャフト604のルーメン708を通って先端構造716からシャフト604の近位部分に流れる。カテーテル602が1つ又は2つ以上の対象物をシャフト604内に吸い込もうとするとき、制御セクション1302は、特定のサイズよりも大きい対象物及び/又は特定の形状を有する対象物がシャフト604の中間部分704内に入ることを防止することができる。例では、制御セクション1302は、少なくとも2つの寸法(例えば、幅及び高さ)のあるサイズの対象物が、シャフト604の残りの部分に進むことを制限し、シャフト604の詰まりを防止することができる。更に、制御セクション1302の長さ1310は、そうでなければ特定の配向で及び/又は対象物の形状(例えば、楕円形の対象物)に起因して制御セクション1302を通過し得る対象物が、シャフト604の残りの部分内に入ることを防止するのに役立つように設計することができる。
【0124】
また、図13-1に示されるように、先端構造716は、シャフト604の遠位端部で対象物を保持/安定化させるための皿穴/座ぐりセクション1306を含む。特に、皿穴セクション1306の内径1312は、制御セクション1302の内径1308よりも大きい。内径1312は、シャフト部分704の内径1304と同じサイズであってもよいか、又はシャフト部分704の内径1304よりも小さく/大きくてもよい。いずれにしても、制御セクション1302及び皿穴セクション1306の内径の差は、対象物の少なくとも一部分を保持/安定化するための特徴部を作り出すことができる。この例では、皿穴セクション1306の長さ1314が制御セクションの長さ1310よりも短いものとして示されているが、長さ1314は、制御セクション1302の長さ1310と同じであってもよいか、又はそれよりも長くてもよい。いくつかの場合において、先端構造716の長さ(すなわち、長さ1314及び/又は長さ1310)は、制御セクション1302の内径1308より小さい。しかしながら、他の長さを実装することができる。図示のように、皿穴セクション1306は、斜角の付いた縁部(例えば、この例では皿穴)によって制御セクション1302に移行することができる。しかしながら、例えば湾曲した縁部、座ぐり穴などの他のタイプの移行部を実装することができる。
【0125】
上述したように、皿穴セクション1306を実装することによって、シャフト604は対象物を保持/安定化させることができる。例えば、カテーテル602は、腎臓結石を患者の腎臓から除去するためにスコープと協働して使用され得る。スコープは、カテーテル602を介して除去されるのに十分に小さい破片に腎臓結石を断片化するために、器具(例えば、レーザ、超音波断片化など)を展開することができる。多くの場合、断片化器具(及び/又は腔内に提供される灌注/吸引)は、腎臓結石を腎臓内であちこちに移動させる可能性があり、これは、結石を正確にレーザ照射/切断することを困難にし、(例えば、レーザ/超音波断片化/砕石器が誤って患者の解剖学的構造に接触することに起因して)患者の周囲の解剖学的構造に損傷を与える可能性がある。例えば、腎臓結石は、レーザが接触したときに移動する可能性がある。したがって、皿穴セクション1306(及び/又はカテーテル602によって促進される吸引)は、腎臓結石が断片化され、腎臓から吸引される間、カテーテル602が結石を適所(例えば、シャフト604の遠位端部内)に保持することを可能にすることができる。
【0126】
図13-2は、複数の内径を有する制御セクション1302を有する先端構造716を示す。図示のように、制御セクション1302は、2つのサブセクション1302(A)及び1302(B)を有することができ、第1のサブセクション1302(A)は、第2のサブセクション1302(B)の内径1308(B)よりも大きい内径1308(A)を有する。しかしながら、他の場合には、内径1308(A)は、内径1308(B)と同じであってもよいか、又はそれよりも小さくてもよい。この例では、第1のサブセクション1302(A)の長さ1310(A)は、第2のサブセクション1302(B)の長さ1310(B)よりも短い。しかしながら、長さ1310(A)は、長さ1310(B)と同じであってもよいか、又はそれよりも大きくてもよい。
【0127】
図13-1及び図13-2の例では、先端構造716は、実質的に丸みを帯びた遠位端部を含む。例えば、図13-2において参照されるように、先端構造716の遠位端部は、外部表面/縁部1316及び内部表面/縁部1318上で丸みを帯びている(例えば、先端構造716は、丸みを帯びた縁部外形を含む)。これは、カテーテル602がナビゲーション中に患者の組織に接触するときに、患者の解剖学的構造に損傷を与えることを回避することができる。しかしながら、先端構造716は、長方形形状の縁部などの他の形態を含むことができる。更に、多くの例では、シャフト604は、円形断面を有する。しかしながら、シャフト604は、長方形/正方形形態(例えば、平行六面体)などの他の断面形態を有することができる。そのような場合、異なる内径を有するシャフト604の複数の部分/セクションの代わりに、部分/セクションは、異なる幅、高さなどを有することができる。
【0128】
図14A及び図14Bは、それぞれ、1つ又は2つ以上の実施形態による、いくつかの例ではシャフト604の先端構造716上に実装されることができる、1つ又は2つ以上のマーキング1402の斜視図及び正面図を示す。例では、シャフト604は円筒形態を有することができるため、1つ又は2つ以上のマーキング1402(「配向マーキング1402」とも称される)は、シャフト604の遠位端部の配向を見るために使用することができる。例えば、シャフト604に近接して位置決めされたスコープの視点からなど、別のデバイスの視点からシャフト604を見るとき、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、ユーザがシャフト604の遠位端部の配向(例えば、スコープに対する及び/又は患者の解剖学的構造に対するシャフト604の転動の量)を識別するのを支援することができる。本明細書では様々な図が1つ又は2つ以上のマーキング1402なしで示されているが、本明細書に説明される例示的なシャフト/先端構造のいずれも、1つ又は2つ以上のマーキング1402を含むことができる。
【0129】
1つ又は2つ以上のマーキング1402は、変形(例えば、凹み、穴、切り欠き、平坦セクションなど)、着色(例えば、先端の一方の側を第1の色に着色し、他方の側を異なる色に着色する、異なる側を同じ色に着色する、着色されたローマ数字など)、画像(例えば、数字、文字、形状、又は他の画像)などを含むことができる。図14A及び図14Bの例では、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、先端構造716の一方の側にローマ数字Iの凹み、及び先端構造716の反対側にローマ数字IIの凹みの形態で実装されている。いくつかの実施形態では、凹みマーキングは、先端構造716上に比較的平滑な表面を提供するように、物質で充填することができる。例では、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、図示のように、先端構造716の外径及び内径の両方に実装されることができる。しかしながら、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、内側縁部/内径又は外側縁部/外径などの1つの縁部上に実装されることができる。1つ又は2つ以上のマーキング1402が内径/内側縁部上のみの凹みとして実装される場合、先端構造716は、滑らかな外側縁部を提供することができ、これは、いくつかの場合に、患者の解剖学的構造上の引っ掛かりを回避しながら、シャフト604をナビゲートするのに有利であり得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、例えばパターン、画像(例えば、QRコード)などの画像処理技法によってより容易に検出可能である特定の様式で実装される。1つ又は2つ以上のマーキング1402は、先端構造716上に実装されるが、1つ又は2つ以上のマーキング1402は、シャフト604の別の部分などの他の位置に位置することができる。
【0130】
更なる実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載のアルゴリズム又はプロセスのうちのいずれかの特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で行うことができ、追加し、マージし、又は完全に除外してもよい。したがって、ある実施形態では、説明した行為又は事象の全てがプロセスの実行にとって必要なわけではない。
【0131】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e. g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される条件的文言は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、全般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝達することを意図している。したがって、そのような条件的文言は、一般的に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ若しくは2つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ若しくは2つ以上の実施形態が、オーサ入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実施されるかどうかを決定するための論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語は、それらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、更なる要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、項目、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用されるような文脈で理解される。したがって、そのような接続言語は、全般的に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、それぞれ存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0132】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴が、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ又は2つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明においてともにグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例解及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれとともに使用することができる。更に、いずれの構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書における本開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲の公正に読むことによってのみ判定されるべきであることが意図される。
【0133】
特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供される場合があり、必ずしも物理的特性又は順序付けを示唆するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示すわけではなく、むしろ、全般的に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ又は2つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ又は2つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0134】
別途定義されない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、実施形態例が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0135】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」という空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、図面に例解されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、図面に示されるデバイスが反転される場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置決めされたデバイスは、別のデバイスに「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例解的用語は、下側及び上側位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向される場合があり、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なって解釈され得る。
【0136】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0137】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
遠位セクションと、中間セクションと、近位セクションと、ルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間セクションが、第1の内径を含み、前記遠位セクションの少なくとも一部分が、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を含み、前記ルーメンが、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具基部と、を備える、カテーテル。
(2) 前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記第2の内径を含む前記遠位セクションの前記少なくとも一部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記細長いシャフトの前記遠位セクションに結合された細長い移動部材を更に備え、
前記器具基部が、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0138】
(6) 前記第1の部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備え、前記細長い移動部材が、前記第1の部分に結合されており、
前記器具基部が、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様5に記載のカテーテル。
(8) 前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、前記細長いシャフトの前記中間セクションに取り外し可能に結合されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 吸引カテーテルであって、
吸引システムに結合するように構成された細長いシャフトであって、前記細長いシャフトが、近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在するルーメンと、を含み、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記先端部分が、患者内のデブリを除去可能に受容するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、吸引カテーテル。
(10) 前記先端部分が、座ぐり又は皿穴のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
【0139】
(11) 前記先端部分の長さが、前記先端部分の前記第2の内径よりも小さい、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
(12) 前記中間部分の前記第1の内径に対する前記先端部分の前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
(13) 前記細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備え、前記プルワイヤが、前記先端部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記プルワイヤを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
(14) 前記先端部分が、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
(15) 前記第1の部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様14に記載の吸引カテーテル。
【0140】
(16) 前記細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備え、前記プルワイヤが、前記第1の部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記プルワイヤを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様14に記載の吸引カテーテル。
(17) 前記先端部分が、前記中間部分に取り外し可能に結合されている、実施態様9に記載の吸引カテーテル。
(18) カテーテルであって、
第1のセクションと、前記第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、ルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記第1のセクションが、第1の内径を含み、前記第2のセクションの少なくとも一部分が、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を含み、前記細長いシャフトが、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、カテーテル。
(19) 前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、実施態様18に記載のカテーテル。
(20) 前記第2のセクションの長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様18に記載のカテーテル。
【0141】
(21) 前記第2のセクションに結合された細長い移動部材を更に備え、
前記器具ハンドルが、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様18に記載のカテーテル。
(22) 前記細長いシャフトの前記第2のセクションが、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、実施態様18に記載のカテーテル。
(23) 前記第1の部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様22に記載のカテーテル。
(24) 前記細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備え、前記細長い移動部材が、前記第1の部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、実施態様22に記載のカテーテル。
(25) 前記細長いシャフトの前記第2のセクションが、1つ又は2つ以上の配向マーキングを含む、実施態様18に記載のカテーテル。
【0142】
(26) システムであって、
近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在する第1のルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記第1のルーメンが、前記第1のルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内の第2のルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材であって、前記先端部分に結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、細長い移動部材と、を備える、システム。
(27) 前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、実施態様26に記載のシステム。
(28) 前記先端部分の長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様26に記載のシステム。
(29) 前記先端部分が、第1のセクションと、前記第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、を含み、前記第1のセクションが、前記第2の内径を含み、前記第2のセクションが、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、実施態様26に記載のシステム。
(30) 前記第1のセクションの長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、実施態様29に記載のシステム。
【0143】
(31) 前記先端部分が、2MPa・m1/2以上の破壊靱性を有する、実施態様26に記載のシステム。
(32) 前記先端部分が、ステンレス鋼、チタン、タングステン、アルミニウム合金、鉄合金、合金鋼、チタン合金、又はタングステン合金のうちの少なくとも1つを含む、実施態様26に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13-1】
図13-2】
図14A
図14B
【手続補正書】
【提出日】2023-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
遠位セクションと、中間セクションと、近位セクションと、ルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間セクションが、第1の内径を含み、前記遠位セクションの少なくとも一部分が、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を含み、前記ルーメンが、前記ルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具基部と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第2の内径を含む前記遠位セクションの前記少なくとも一部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1の部分の長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記細長いシャフト内の壁ルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材を更に備え、前記細長い移動部材が、前記第1の部分に結合されており、
前記器具基部が、前記細長い移動部材を操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記細長いシャフトの前記遠位セクションが、前記細長いシャフトの前記中間セクションに取り外し可能に結合されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
吸引カテーテルであって、
吸引システムに結合するように構成された細長いシャフトであって、前記細長いシャフトが、近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在するルーメンと、を含み、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記先端部分が、患者内のデブリを除去可能に受容するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトに結合され、前記細長いシャフトを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、器具ハンドルと、を備える、吸引カテーテル。
【請求項9】
前記先端部分が、座ぐり又は皿穴のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項10】
前記先端部分の長さが、前記先端部分の前記第2の内径よりも小さい、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項11】
前記中間部分の前記第1の内径に対する前記先端部分の前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項12】
前記細長いシャフト内のワイヤルーメン内に摺動可能に配設されたプルワイヤを更に備え、前記プルワイヤが、前記先端部分に結合されており、
前記器具ハンドルが、前記プルワイヤを操作して、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成されている、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項13】
前記先端部分が、第1の部分と、前記第1の部分の遠位にある第2の部分と、を含み、前記第1の部分が、前記第2の内径を含み、前記第2の部分が、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項14】
前記先端部分が、1つ又は2つ以上の配向マーキングを含む、請求項に記載の吸引カテーテル。
【請求項15】
システムであって、
近位部分と、中間部分と、先端部分と、前記近位部分から前記先端部分まで延在する第1のルーメンと、を含む、細長いシャフトであって、前記中間部分が、前記先端部分の第2の内径よりも大きい第1の内径を含み、前記第1のルーメンが、前記第1のルーメンを介して標的部位に吸引を提供するために、吸引システムに結合するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内の第2のルーメン内に摺動可能に配設された細長い移動部材であって、前記先端部分に結合され、前記細長いシャフトの作動を制御するように構成された、細長い移動部材と、を備える、システム。
【請求項16】
前記第1の内径に対する前記第2の内径の比が、0.5~0.9の範囲内である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記先端部分が、第1のセクションと、前記第1のセクションの遠位にある第2のセクションと、を含み、前記第1のセクションが、前記第2の内径を含み、前記第2のセクションが、前記第2の内径よりも大きい第3の内径を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のセクションの長手方向長さが、前記第2の内径よりも小さい、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記先端部分が、2MPa・m1/2以上の破壊靱性を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記先端部分が、ステンレス鋼、チタン、タングステン、アルミニウム合金、鉄合金、合金鋼、チタン合金、又はタングステン合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【国際調査報告】