(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】航空機に搭載されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための方法、関連するコンピュータプログラム、電子制御デバイス、及びメディアサーバ
(51)【国際特許分類】
B64D 11/06 20060101AFI20240118BHJP
G06F 11/20 20060101ALI20240118BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B64D11/06
G06F11/20 630
G06F11/20 631
G06F11/20 633
G06F11/20 641
B64D47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540183
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 EP2021087749
(87)【国際公開番号】W WO2022144368
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フロケ
【テーマコード(参考)】
5B034
【Fターム(参考)】
5B034BB02
5B034BB04
5B034BB17
(57)【要約】
本発明は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための方法に関する。各コンピュータボードは、少なくとも1つのソフトウェア機能を実行するように意図されている。本方法は、電子制御デバイスによって実施され、コンピュータボードのセットの中からのコンピュータボードの選択のステップ200と、選択されたボード以外の1以上のコンピュータボードへの、選択されたボードによる実行を保留している1つのソフトウェア機能または各ソフトウェア機能の再割り当てを管理する第1のステップ220と、第1の管理ステップ220に続いて、選択されたボードに再起動命令を送信するステップ230とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)のコンピュータボード(32)のセットを制御するための方法であって、
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を実行するように意図され、
前記方法が、電子制御デバイス(65)によって実施され、
-コンピュータボード(32)の前記セットの中からのコンピュータボード(32)を選択する選択ステップ(200)と、
-前記選択されたボード以外の1以上のコンピュータボード(32)へ、前記選択されたボードによる実行を保留しているソフトウェア機能(60)を再割り当てする第1の管理ステップ(220)と、
-前記第1の管理ステップ(220)に続いて、前記選択されたボードに再起動命令を送信するステップ(230)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記管理ステップ(220)が、
-実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)を少なくとも1つの他のコンピュータボード(32)上にコピーする第1の命令を前記選択されたボードに送信するサブステップ(222)と、
-少なくとも1つの前記他のコンピュータボード(32)に以前にコピーされた前記ソフトウェア機能(60)を削除する第1の削除命令を前記選択されたボードに送信するサブステップ(226)と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理ステップ(220)が、コピーする前記第1の命令を送信する前記サブステップ(222)と前記第1の削除命令を送信する前記サブステップ(226)との間に、前記選択されたボード上で実行されている前記ソフトウェア機能(60)のそれぞれの前記実行の完了信号を前記選択されたボードから受信するサブステップ(224)をさらに含み、
前記第1の削除命令を送信する前記サブステップ(226)が、前記完了信号を受信する前記サブステップ(224)に続いて、または第1の所定の時間遅延の満了に続いて行われ、
前記第1の削除命令が、前記選択されたボードのすべての前記ソフトウェア機能(60)を削除する命令である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
再起動命令を送信する前記ステップ(230)の後に、前記選択されたボード以外のコンピュータボード(32)による実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を前記選択されたボードへ再割り当てすることを管理する第2のステップ(260)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記管理ステップ(260)が、
-前記選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボード(32)に対して、前記コンピュータボード(32)による実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を前記選択されたボード上にコピーする第2の命令を発行するサブステップ(262)と、
-ソフトウェア機能(60)がそこから事前にコピーされた前記選択されたボード以外の前記コンピュータボード(32)に対して、前記ソフトウェア機能(60)を削除する第2の命令を発行するサブステップ(266)と
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択ステップ(200)と前記第1の管理ステップ(220)との間において、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれの計算要件と、前記選択されたボード以外の前記コンピュータボード(32)それぞれの計算能力[を判定すること]とから第1のテーブルを生成する生成ステップ(210)をさらに含み、
前記第1のテーブルが、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれに、前記ソフトウェア機能(60)が再割り当てされることが意図されているコンピュータボード(32)を関連付け、
前記第1の管理ステップ(220)において、実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれが、前記第1のテーブルに従って再割り当てされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのプロセッサ(45)とランダムアクセスメモリ(50)とを備え、
前記生成ステップ(210)において、前記計算能力が、少なくとも1つの前記プロセッサ(45)の可用性を表す数量及び前記ランダムアクセスメモリ(50)の利用可能なメモリ量から判定され、前記ソフトウェア機能それぞれの計算上の必要性が、前記数量及び利用可能なメモリの前記数量に応じて表される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータによって実行されると、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するソフトウェア命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項9】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)であって、前記メディアサーバ(15)がコンピュータボード(32)のセットを備え、前記コンピュータボード(32)のうちの少なくとも1つが請求項8に記載のコンピュータプログラムを実行するのに適する、メディアサーバ(15)。
【請求項10】
前記コンピュータボード(32)のうちの少なくとも2つが請求項8に記載のコンピュータプログラムを含み、複数の前記コンピュータボード(32)が、前記コンピュータプログラムを含む前記ボードの中から、前記コンピュータボード(32)のうちのマスターボード(C
M)と呼ばれる1つを選択するように構成され、前記マスターボード(C
M)が、前記コンピュータプログラムを実行するのに適する、請求項9に記載のメディアサーバ(15)。
【請求項11】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)のコンピュータボード(32)のセットの電子制御デバイス(65)であって、
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を実行するように意図されており、
前記電子制御デバイス(65)が、
-前記コンピュータボード(32)の前記セットから前記コンピュータボード(32)を選択するように構成された選択モジュール(70)と、
-前記選択されたボード以外の1以上の前記コンピュータボード(32)への、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)の再割り当てを管理するように構成された管理モジュール(80)と、
-前記再割り当てに続いて、前記選択されたボードに再起動命令を送信するように構成された送信モジュール(85)と
を備える、電子制御デバイス(65)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、コンピュータによって実行されると、そのような制御方法を実施するソフトウェア命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0003】
本発明は、さらに、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバに関し、サーバがコンピュータボードのセットを備え、コンピュータボードのうちの少なくとも1つがそのようなコンピュータプログラムを実行するのに適する。
【0004】
本発明は、さらに、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための電子デバイスに関する。
【0005】
そして、本発明は、主に長距離民間航空機に搭載されるIFE(インフライト・エンターテイメント)システムとも呼ばれる航空機エンターテイメントシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0006】
周知のように、このようなIFEシステムは、一般に個々の画面またはタブレットの形態で、ユーザ端末とも呼ばれる複数のエンターテイメント端末を備える。各エンターテイメント端末は、例えば乗客座席または乗客座席の前の座席に組み込まれている。
【0007】
このように構成されることにより、このような端末は、乗客が飛行中にメディアコンテンツ(例えば、映画、TV番組、ゲーム、または音楽)を調べたり、飛行の経過について(高度、速度、現在位置、進捗など)情報を得たりすることを可能にする。
【0008】
場合によっては、端末は、例えば到着空港に関する特定の実用的な情報を与えるために、ならびに乗務員によってなされるアナウンスを音声及び/またはビデオ形式でブロードキャストするためにさらに使用され得る。
【0009】
エンターテイメント端末は、一般に、有線または無線ネットワークのいずれかによって、同様にIFEシステムの一部であるオンボードメディアサーバに接続される。
【0010】
これにより、コンピュータコンテンツにアクセスし、そのような機能を実施するために、各端末は、ネットワークを介してオンボードメディアサーバにアクセスする。
【0011】
これにより、メディアサーバ上で発生するエラーが、場合によってはもはや端末を介して再生することができないコンテンツの変更を引き起こす可能性がある。
【0012】
メディアサーバでは、このようなエラーが頻発することが知られている。エラーのうち、一般的な種類のエラーは、NFF(障害未検出(No Failure Found))と呼ばれる。このようなエラーは、このようなエラーがメディアサーバの電気的再起動によって修正され得るという事実を特徴とする。
【0013】
しかしながら、使用中にメディアサーバを再起動すると、メディアサーバの動作はしばらくの間停止され、よくても乗客へのエンターテイメントコンテンツ(複数可)のブロードキャストの中断につながり、最悪の場合、例えば乗客の安全に関する乗客への重要な情報(複数可)のブロードキャストを妨げることになるため、使用中にメディアサーバの再起動を考えることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、NFFエラーをより効率的に修正するために使用される、メディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための方法、関連する電子制御デバイス、及び関連するコンピュータプログラムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的のために、本発明の主題は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための方法であり、各コンピュータボードが、少なくとも1つのソフトウェア機能を実行するように意図されており、
本方法は、電子制御デバイスによって実施され、
コンピュータボードのセットの中からコンピュータボードを選択するステップと、
選択されたボード以外の1以上のコンピュータボードへの、選択されたボードによる実行を保留している1つのソフトウェア機能または各ソフトウェア機能の再割り当ての管理の第1のステップと、
第1の管理ステップに続いて、選択されたボードに再起動命令を送信するステップと
を含む。
【0016】
NFFエラーは、メディアサーバのコンピュータボードにある揮発性メモリで発生する誤動作の結果であることが多い。そのような誤動作は、例えば、孤立粒子によるSEU(シングル・イベント・アップセット(Single Event Upset)の略)からの外乱である。そのような誤動作は、即時の障害からメディアサーバを介してゆっくり伝播するものまで、ランダムな影響をもたらすデータ破損を引き起こす可能性がある。
【0017】
使用中のメディアサーバは、飛行1000時間毎に孤立粒子からの外乱を受けやすいことが知られている。よって、このよう誤動作は、各航空機において年に数回発生する。
【0018】
よって、本発明による方法は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバに影響を及ぼす孤立粒子からの外乱に作用することによってNFFエラーの数を制限するために使用され得る。
【0019】
そのため、制御方法は、ソフトウェア機能の処理の連続性を提供しながら、コンピュータボードを再起動して、NFFエラー(複数可)の発生及び孤立粒子からの外乱の伝播を制限するために使用され得ることが理解される。
【0020】
これにより、そのような再起動において、選択されたボード上に潜在的に存在する孤立粒子からの外乱は、選択されたボードの再起動中に排除される。
【0021】
さらに、制御方法は、選択されたボード上での実行を保留しているソフトウェア機能が、選択されたボードが再起動されている間にそのソフトウェア機能を実行するのに適する他のコンピュータボードにコピーされるため、メディアサーバとエンターテイメント端末との間におけるコンテンツ(複数可)の送信を妨害しない。
【0022】
本発明の他の有利な態様によれば、制御方法は、個々にまたはすべての技術的に可能な組み合わせに従って採用される、1以上の以下の特徴を含む。
-管理ステップが、
-実行を保留しているソフトウェア機能または各ソフトウェア機能を少なくとも1つの他のコンピュータボードにコピーする第1の命令を選択されたボードに送信するサブステップと、
-少なくとも1つの他のコンピュータボードに以前にコピーされたソフトウェア機能または各ソフトウェア機能を削除する第1の命令を選択されたボードに送信するサブステップと
を含む。
-管理ステップはまた、コピーする第1の命令を送信するサブステップと第1の削除命令を送信するサブステップとの間に、上記選択されたボード上で実行されているソフトウェア機能のそれぞれの実行のための完了信号を選択されたボードから受信するサブステップも含み、
第1の削除命令を送信するサブステップは、完了信号の受信に続いて、または第1の所定の時間遅延の満了に続いて実行され、このとき、第1の削除命令が、選択されたボードのすべてのソフトウェア機能を削除するための命令である。
-再起動命令を送信するステップの後に、選択されたボードへの、選択されたボード以外のコンピュータボードによる実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能の再割り当てを管理する第2のステップ。
-第2の管理ステップが、
-選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボードに対して、上記他の1以上のコンピュータボードによる実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能を選択されたボード上にコピーする第2の命令を発行するサブステップと、
-ソフトウェア機能がそこから事前にコピーされた選択されたボード以外のコンピュータボードまたは各コンピュータボードに対して、上記ソフトウェア機能を削除する第2の命令を発行するサブステップと
を含む。
-選択ステップと第1の管理ステップとの間において、選択されたボードによる実行を保留している各ソフトウェア機能の計算上の必要性と選択されたボード以外の各コンピュータボードの計算能力とから第1のテーブルを生成するステップを含み、
第1のテーブルが、選択されたボードによる実行を保留している各ソフトウェア機能に、上記ソフトウェア機能が再割り当てされることが意図されているコンピュータボードを関連付け、第1の管理ステップにおいて、実行を保留している各ソフトウェア機能が、第1のテーブルに従って再割り当てされる。
-各コンピュータボードが、少なくとも1つのプロセッサと1つのランダムアクセスメモリとを備え、
生成ステップにおいて、計算能力が、少なくとも1つのプロセッサの可用性を表す数量及びランダムアクセスメモリの利用可能なメモリ量から判定され、各ソフトウェア機能の計算上の必要性が、上記数量及び利用可能なメモリの上記数量に応じて表される。
【0023】
本発明は、さらに、コンピュータによって実行されると、上で定義したような制御方法を実施するソフトウェア命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0024】
本発明のさらなる主題は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバであり、メディアサーバがコンピュータボードのセットを備え、コンピュータボードのうちの少なくとも1つがそのようなコンピュータプログラムを実行するのに適する。
【0025】
本発明の有利な態様によれば、メディアサーバが、コンピュータボードのうちの少なくとも2つがコンピュータプログラムを含み、コンピュータボードのセットが、コンピュータプログラムを含むボードの中から、マスターボードと呼ばれるコンピュータボードのうちの1つを選択するように構成され、マスターボードが、上記コンピュータプログラムを実行するのに適するという特徴を含む。
【0026】
本発明のさらなる主題は、航空機に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバのコンピュータボードのセットを制御するための電子デバイスであり、この電子デバイスは、
各コンピュータボードが、少なくとも1つのソフトウェア機能を実行するように意図されており、
電子制御デバイスが、
-コンピュータボードのセットからコンピュータボードを選択するように構成された選択モジュールと、
-選択されたボード以外の1以上のコンピュータボードへの、選択されたボードによる実行を保留している1つのソフトウェア機能または各ソフトウェア機能の再割り当てを制御するように構成された制御モジュールと、
-再割り当てに続いて、選択されたボードに再起動命令を送信するように構成された送信モジュールと
を備える。
【0027】
本発明のこのような特徴及び利点は、非限定的な例としてのみ与えられ、添付の図面を参照してなされる以下の説明を読めばより明確になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】メディアサーバを形成する電子ボックスであって、ボックスが、バックプレーンボードと、バックプレーンボードに接続された複数の電子ボードとを備え、キャビネットが航空機に搭載されて運ばれる、電子ボックスの概略図である。
【
図2】
図1に示す電子ボックスに含まれる3つのコンピュータボードの概略図である。
【
図3】本発明による制御方法であって、本方法が
図2に示す制御デバイスによって実施される、制御方法のフローチャートである。
【
図4】本発明による制御方法の一連のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、メディアサーバ15を備える航空機10を部分的に示す。
【0030】
航空機10は、優先的には、飛行機、より具体的には長距離飛行機などの民間航空機である。航空機10は、乗客、特に数十人の乗客、またはさらには数百人の乗客を輸送するのに適する。
【0031】
航空機10に搭載された各エンターテイメントシステムは、例えば1以上のエンターテイメント端末(図示せず)を介して、航空機10の乗客に、より具体的には飛行中に、メディアコンテンツ(例えば、映画、テレビ番組、ゲーム、または音楽)を、及び/または飛行の進捗に関する情報(高度、速度、現在位置、進捗など)をブロードキャストするように構成される。
【0032】
場合により追加として、エンターテイメントシステムは、例えば音声及び/またはビデオアナウンスを介して、例えば到着空港に関する実用的な情報をブロードキャストするように構成される。
【0033】
各エンターテイメント端末は、それ自体既知であり、航空機10に搭載されたローカルネットワーク(図示せず)を介してメディアサーバ15に接続される。
【0034】
各エンターテイメント端末は、例えば、乗客の座席に取り付けられるもしくは組み込まれる、または乗客の座席の前方に配置された座席の背もたれに取り付けられるもしくは組み込まれる。座席は、通常、航空機10内で列状に配置される。
【0035】
ユーザ端末とも呼ばれる各エンターテイメント端末は、ヒューマン/マシンインターフェースHMIと、処理モジュールと、アプリケーションモジュールと、電気通信モジュールとを備える。HMIヒューマン/マシンインターフェースは、例えば、タッチスクリーン、またはスクリーン及びキーボードを含む。アプリケーションモジュールは、1以上のアプリケーションブロックを含む。電気通信モジュールは、制御ブロックと、データの送信及び受信に適した1以上の電気通信インターフェースとを含む。処理モジュールは、アプリケーションモジュール、ヒューマン/マシンインターフェースHMI、及び通信モジュールの動作を制御及び調整するのに適する。
【0036】
一実施形態では、エンターテイメント端末は、プロセッサと、メモリ、例えばハードディスクまたは特に電気通信モジュールを介して受信されたデジタルコンテンツを記憶するのに適する任意の他のストレージスペースとを備える。
【0037】
各エンターテイメント端末は、機内エンターテイメントシステムによって提供されるコンテンツを乗客に配信するのに適する。例えば、そのエンターテイメント端末のHMIの画面上に表示されたフィールドの乗客による選択に続いて、処理モジュールは、アプリケーションのうちの1つ、例えば映画のリストを選択するためにメニューを表示しなければならないことを識別するのに適する。そして、処理モジュールは、乗客による映画の選択を検出すると、画面上での映画の表示を開始するのに適する。映画に加えて、様々なコンテンツ、例えば映画、テレビ番組、ゲーム、または音楽などのメディアコンテンツ、飛行パラメータ(高度、速度など)及びその進捗(例えば、「移動地図」を使用する)、乗組員によって行われるアナウンス(音声及び/またはビデオ)をアプリケーションによって配信することができる。原文の「動画地図(movie map)」は、「移動地図(moving map)」と読まれるべきであることに注意されたい。
【0038】
画面は、マルチメディアサーバ15からブロードキャストされるデジタルコンテンツに対応する画像を表示するのに適する。より正確には、デジタルコンテンツは、上記電気通信モジュールを介してメディアサーバ15から事前にダウンロードされた後、ストリーミングの形態でメディアサーバ15から電気通信モジュールを介して受信される、または端末のメモリに記憶される。
【0039】
メディアサーバ15は、例えば、バックプレーンボード28、複数の電子ボード30、31、32を含む電子ボックス26の形態で製造され、複数の電子ボード30、31、32は、とりわけ、少なくとも1つのネットワークスイッチボード30、場合により、1以上のデータストレージボード31、及び複数のコンピュータボード32である。サーバ15は、1以上の電源ボード34をさらに備える。
【0040】
各電子ボード30、31、32及び各電源ボード34はそれぞれ、
図1に示すように、対応するバックプレーンコネクタ36を介してバックプレーンボード28に対応して接続される。電子ボックス26は、バックプレーンボード28及び複数のネットワークスイッチボード(複数可)30、複数のストレージボード31、複数のコンピュータボード32、及び複数の電源ボード(複数可)34を内部に収容する保護ケース38と、ケース38の周囲に配置された外部コネクタ40とをさらに備える。外部コネクタ40は、特に、機内ローカルネットワーク及び航空機10に搭載されて運ばれる電力供給網にメディアサーバ15を接続するように意図されている。
【0041】
メディアサーバ15は、優先的には、
図1に示す、SWとも示されるネットワークスイッチボード30、Sとも示されるデータストレージボード31、Cとも示されるコンピュータボード32、及びPとも示される電源ボード34からなる群から選択される同じ機能タイプの複数のボード30、31、32、34を備える。
図1に示す例では、メディアサーバ15は、2つのネットワークスイッチボード30と、1つのデータストレージボード31と、4つのコンピュータボード32と、2つの電源ボード34とを備える。
図1に示す例では、コンピュータボード32は、任意に、それぞれ第1のコンピュータボードC
1、第2のコンピュータボードC
2、第3のコンピュータボードC
3、及び第4のコンピュータボードC
4と命名される。
【0042】
メディアサーバ15は、6つのコンピュータボード32を備えると都合がよい。
【0043】
航空機10に搭載されたローカルエリアネットワークは、有線のみのネットワーク、または部分的に有線かつ部分的に無線のネットワーク、またはさらに無線のみのネットワークである。
【0044】
搭載されたネットワークが部分的に無線であるとき、メディアサーバ15は、例えば、座席の各列のエンターテイメント端末に有線で接続され、上記端末は、メディアサーバ15に有線で接続され、これにより、座席の列の他の端末に無線でリンクされる。
【0045】
各無線リンクは、例えば、Wi-Fi(商標)規格とも呼ばれるIEEE802.11規格のバージョンのうちの少なくとも1つに準拠するリンクなどの無線リンク、または例えばIEEE802.15.7規格によるLi-Fi(商標)規格に準拠するリンクである。
【0046】
各電子ボード30、31、32は、例えば、ネットワークスイッチボードSW、またはデータストレージボードS、またはコンピュータボードCなどの機能タイプを有する。換言すれば、そのような例によれば、各電子ボード30、31、32は、ネットワークスイッチボードSW、データストレージボードS、コンピュータボードCからなる群からの1つの機能タイプを有する。
【0047】
各ネットワークスイッチボード30は、それ自体既知の仕方でローカルネットワークとの通信を管理するように構成される。各ネットワークスイッチボード30は、ローカルネットワークと他の電子ボード31、32との間でデータを切り替えるのに適しており、すなわち、それ自体既知であり、例えば、2019年11月12日に出願された仏国特許出願公開第19 12615号明細書に記載されている技法による、イーサネットスイッチングなどのネットワークスイッチング機能を実施する。
【0048】
他の電子ボード31、32の中でも、各データストレージボード31は、データ、特にエンターテイメント端末への配信を意図されているコンピュータコンテンツのストレージに専用のボードである。データストレージボード31は、通常、1以上の大容量ストレージメモリを含む。
【0049】
コンピュータボード32のセットは、コンピュータボード32のセットの中から、例えばランダムに、以下CMで示されるマスターボードを選択するように構成される。これにより、コンピュータボード32のセットは、マスターボードCMと、3つの他のコンピュータボード32とを備える。一般性を失うことなく、一例として、以下の説明では、マスターボードCMとして選ばれたボードが第4のコンピュータボードC4であると見なされる。
【0050】
図2を参照すると、各コンピュータボード32が、中央処理ユニット45またはCPUと、ランダムアクセスメモリ50またはRAMと、読取専用メモリまたはROMなどのデータストレージユニット55とを備える。
【0051】
中央処理ユニット45は、例えば、機能とも呼ばれるタスクを実行するのに適した1以上のプロセッサを備える。
【0052】
よって、各コンピュータボード32は、中央処理ユニット45及びランダムアクセスメモリ50に部分的に含まれる揮発性メモリを規定する。揮発性メモリは、ボード32が再起動されるたびに消去され得るデータを記憶する。
【0053】
各読取専用メモリ55は、中央処理ユニット45によって実行されるのに適した複数のソフトウェア機能60を記憶するのに適する。
【0054】
図2に示す例では、各ソフトウェア機能60は、黒色の塗りつぶしで示すように、対応するコンピュータボード32によって、すなわちボード32の対応する中央処理ユニット45によって実行されている、または白色の塗りつぶしで示すように、対応するコンピュータボード32による実行を保留している。
【0055】
各ソフトウェア機能60は、例えば、GoogleのKubernetes system、Docker,Inc.のDocker Swarm、またはHashiCorpのNomadによるオーケストレーションされたマイクロサービスである。
【0056】
マイクロサービスまたはユニットサービスは、他のサービスとは独立して実行されるのに適したソフトウェア機能60を指す。これにより、そのようなユニットサービスは、例えば、あるコンピュータボード32から別のコンピュータボード32に移動可能である。
【0057】
さらに、読取専用メモリ55は、電子制御デバイス65をさらに備える。
【0058】
電子制御デバイス65は、選択モジュール70と、第1の管理モジュール75と、送信モジュール80とを備える。
【0059】
場合により、制御デバイス65は、生成モジュール85と、検出モジュール90と、第2の管理モジュール95とを備える。
【0060】
上述のように、
図1に示す例では、制御デバイス65は、各コンピュータボード32の読取専用メモリ55に含まれる。これにより、そのような例によれば、選択モジュール70、管理モジュール75、送信モジュール80、ならびに場合により生成モジュール85、検出モジュール90、及び第2の管理モジュール90は、中央処理ユニット45によって実行され得るソフトウェアプログラムまたはソフトウェアブリックの形態でそれぞれ生成される。次いで、モジュール70、75、80、85、90は、選択ソフトウェア、第1の制御ソフトウェア、送信ソフトウェア、ならびに場合により生成ソフトウェア、検出ソフトウェア、及び第2の制御ソフトウェアの形態で読取専用メモリ65に記憶される。
【0061】
一変形形態(図示せず)では、制御デバイス65は、各コンピュータボード32に接続された別個の電子デバイスである。一変形形態(図示せず)では、選択モジュール70、第1の管理モジュール75、送信モジュール80、ならびに場合により生成モジュール85、及び検出モジュール90、及び第2の管理モジュール90はそれぞれ、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)などのプログラマブル・ロジック・コンポーネントの形態で、またはさらにASIC(特定用途向け集積回路)などの専用集積回路の形態で製造される。
【0062】
電子制御デバイス65が1以上のソフトウェアプログラムの形態、すなわちコンピュータプログラムの形態で製造される場合、電子制御デバイス65はコンピュータ可読媒体(図示せず)に記録されるのにさらに適する。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子命令を記憶し、コンピュータシステムのバスに結合されるのに適した媒体である。一例として、可読媒体は、光ディスク、磁気ディスク、ROMメモリ、RAMメモリ、任意のタイプの不揮発性メモリ(例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュ、NVRAM)、磁気カード、または光カードである。そして、ソフトウェア命令を含むコンピュータプログラムが可読媒体に格納される。
【0063】
選択モジュール70は、コンピュータボード32のセットからコンピュータボードC1、C2、C3、またはC4を選択するように構成される。以下の説明では、選択モジュール70によって選択されたコンピュータボード32を選択されたボードと呼ぶ。この目的のために、選択モジュール70は、周期的に繰り返される所定のシーケンスに従って、コンピュータボード32のそれぞれを順に選択するように構成される。そのような所定のシーケンスは、例えば、第1のコンピュータボードC1、次いで第2のコンピュータボードC2、次いで第3のコンピュータボードC3、次いで第4のコンピュータボードC4というシーケンスである。別の所定のシーケンスは、第2のコンピュータボードC2、次いで第3のコンピュータボードC3、次いで第1のコンピュータボードC1、次いで第2のコンピュータボードC2、最後に第4のコンピュータボードC4である。各コンピュータボード32が平均して同じ回数だけ選択される必要はないことを当業者には認識されよう。しかしながら、本方法は、各コンピュータボード32が少なくとも1回選択される場合に、一層効率的である。
【0064】
一変形形態では、選択モジュール70は、コンピュータボード32のセットの中からコンピュータボード32のうちの1つをランダムに選択するように構成される。
【0065】
一般性を失うことなく、一例として、
図2を参照すると、本明細書では、選択されたボードは第1のコンピュータボードC
1と見なされる。
【0066】
マスターボードCMは選択モジュール70によって選択され得、そうすると選択されたボードを形成するのに適することに当業者には留意されたい。以下では、同じコンピュータボード32が、マスターボードCMと選択されたボードとの両方を形成する場合について、一変形形態として説明する。
【0067】
第1の管理モジュール75は、選択されたボード以外の1以上のコンピュータボード32への、選択されたボードによる実行を保留しているソフトウェア機能60の再割り当てを管理するように構成される。
【0068】
第1の管理モジュール75は、第1の送信ユニット100と、受信ユニット105と、第2の送信ユニット110とを備える。
【0069】
第1の送信ユニット100は、選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボード32上に、選択されたボードによる実行を保留しているソフトウェア機能60をコピーする第1の命令を選択されたボードに送信するように構成される。この目的のために、第1の送信ユニット100は、コピーする第1の命令を介して、生成モジュール85によって生成された第1のテーブルを選択されたボードに送信するように構成される。
【0070】
「命令」という用語は、以下の説明では「コマンド」という用語の同義語として使用される。
【0071】
第1のテーブルは、選択されたボードによる実行を保留している各ソフトウェア機能60(ターゲット機能と呼ばれる)に、選択されたボード以外のコンピュータボード32(ターゲット機能がコピーされるターゲットボードと呼ばれる)を関連付ける。
【0072】
各コンピュータボード32は、コピーする第1の命令を介した第1のテーブルの受信に続いて、第1のテーブルにおいて関連付けられたターゲットボード上に1つのターゲット機能または各ターゲット機能をコピーするように構成され、かつ読取専用メモリ55に記憶された自律コピー機能を実装する。
【0073】
一変形形態では、第1の送信ユニット100は、上記ターゲット機能の識別子と関連付けられたターゲットボードの識別子とを含む、対応するコピーする第1の命令を選択されたボードに、かつ第1のテーブルの各ターゲット機能について送信するように構成される。
【0074】
このような変形形態によれば、次いで、各コンピュータボード32は、対応するコピーする第1の命令を介したターゲット機能の識別子とターゲットボードの識別子との対の受信に続いて、関連付けられたターゲットボード上にターゲット機能または各ターゲット機能をコピーするように構成され、かつ読取専用メモリ55に記憶されたユニットコピー機能を実施する。
【0075】
第1の送信ユニット100はまた、選択されたボードへの対応するソフトウェア機能(複数可)60の割り当てを禁止する命令を選択されたボードに送信するように構成される。次いで、各コンピュータボード32は、禁止命令の受信に続いて、対応するソフトウェア機能(複数可)60のコンピュータボード32へのいかなる新しい割り当て(複数可)をも禁止するように構成され、かつ読取専用メモリ55に記憶された禁止機能を実施する。「割り当て(assignment)」という名称は、「割り当て(allocation)」という名称と同義であることを意味する。換言すれば、選択されたボードによる禁止命令の受信後、選択されたボードへの新しい対応するソフトウェア機能60の割り当ては禁止される。
【0076】
受信ユニット105は、選択されたボードから、実行中の各ソフトウェア機能の実行が完了した、すなわち終了したことを示す第1の完了信号を受信するように構成される。
【0077】
第2の送信ユニット110は、選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボード32上に以前にコピーされたソフトウェア機能60を削除する第1の命令を選択されたボードに送信するように構成される。
【0078】
各コンピュータボード32は、自身の第1の削除命令の受信に続いて、別のコンピュータボード32にコピーされたソフトウェア機能60を削除するように構成された自律削除機能を実施し、削除が第1のテーブルに従って実行される。
【0079】
場合により追加として、第2の送信ユニット110は、受信ユニット105による第1の完了信号の受信に続いて、または所定の時間遅延の満了に続いて、第1の削除命令を送信するように構成される。
【0080】
このような場合による追加によれば、自律削除機能は、第1の削除命令の受信に続いて、選択されたボード上のすべてのソフトウェア機能60を削除するように構成される。
【0081】
より具体的には、第2の送信ユニット110は、完了信号の受信に続いて、または所定の遅延の満了時に、及び自律コピー機能による各ターゲット機能のコピーに続いて、第1の削除命令を送信するように構成される。第1の削除命令の受信に続いて、自律削除機能は、選択されたボードから各ターゲット機能を削除するように構成される。
【0082】
あるいは、第2の送信ユニット110は、満了の受信または所定の時間遅延の完了後にのみ第1の削除命令を送信するように構成される。次いで、自律削除機能は、第1の削除命令の受信後に各ターゲット機能を削除するように、また対応するターゲットボード上に各ターゲット機能をコピーするように構成される。
【0083】
所定の時間遅延の存在は、成功しない対応するソフトウェア機能60の実行によって制御デバイス65がブロックされるのを防ぐことを意図されていることに当業者には留意されたい。
【0084】
送信モジュール80は、特に第2の送信ユニット110による第1の削除命令の送信に続いて、選択されたボードに再起動命令を送信するように構成される。
【0085】
各コンピュータボード32は、再起動命令の受信に続いて、上記コンピュータボード32の再起動を要求するように構成された再起動機能を実施する。
【0086】
本明細書では、再起動という用語は、対応するコンピュータボード32の電気的再起動またはハードリセットの意味で理解される。換言すれば、そのような再起動において、コンピュータボード32は、所定の期間にわたってオフに切り替えられる。所定の期間は、例えば5秒に等しい。その場合、そのような再起動は、コンピュータボード32の揮発性メモリ内のすべてのデータの消去を確実にすることを可能にする。上記は、孤立粒子からの外乱が特にボード32の揮発性メモリ内で発生するため、特に有利である。
【0087】
生成モジュール85は、コピーされることを意図された各ソフトウェア機能60に、機能60がコピーされることになるコンピュータボード32を関連付ける、第1の再割り当てテーブルとも呼ばれる第1のテーブルを生成するように構成される。換言すれば、生成モジュール85は、対応するターゲットボードを各ターゲット機能に関連付ける第1のテーブルを生成するように構成される。ターゲットマップは、宛先マップとも呼ばれる。
【0088】
さらに、生成モジュール85は、選択されたボード上にコピーされることが意図されているソフトウェア機能のセットを、機能(複数可)がそこからコピーされることが意図されている各コンピュータボード32に関連付ける第2のテーブルを生成するように構成される。第2のテーブルに存在する各コンピュータボード32は、始動ボードまたはソースボードとも呼ばれる。第2のテーブルに存在する各ソフトウェア機能60は、ソース機能とも呼ばれる。換言すれば、第2のテーブルは、選択されたボードにその再起動後にコピーされるように意図された各ソース機能に、上記ソース機能がそこからコピーされる対応するソースボードを関連付ける。
【0089】
この目的のために、生成モジュール85は、コピーされるように意図された各ソフトウェア機能60の計算上の必要性を推定するためのユニット115と、各コンピュータボード32の計算能力を判定するためのユニット120と、第1のテーブルを設定するように構成された設定ユニット125とを備える。
【0090】
推定ユニット115は、コピーされるように意図された各ソフトウェア機能60、すなわち各ソース機能及びターゲット機能の計算上の必要性を推定するように構成される。この目的のために、推定ユニットは、実行を保留している各ソフトウェア機能60について、対応する中央処理ユニット45による計算能力及び上記機能の実行に必要なランダムアクセスメモリ55のメモリ量を表す定量化可能な数量の形態の上記計算上の必要性を推定するように構成される。定量可能な数量は、例えば、flops、好ましくはMflops、Gflops、またはTflopsで表される。定量化可能な数量は、通常、特にすべてのコンピュータボード32が同一の計算能力を有する場合、プロセッサ利用率に対応する。ランダムアクセスメモリ55のメモリ量は、ランダムアクセスメモリ量とも呼ばれる。
【0091】
各コンピュータボード32が別のボード32の性能と同じ性能を提供する中央処理ユニット45を備える場合、利用率は、CPU比率とも呼ばれる最大CPU負荷の割合、すなわち中央処理ユニット45の最大能力の割合として表される。
【0092】
利用可能なランダムアクセスメモリ量は、例えばMbitsまたはGbitsで表される。
【0093】
判定ユニット120は、各コンピュータボード32の計算能力を判定するように構成される。この目的のために、判定ユニット120は、各コンピュータボード32の計算能力及び各コンピュータボードの利用可能なランダムアクセスメモリの数量を表す定量化可能な数量に応じて計算能力を判定するように構成される。
【0094】
設定ユニット125は、各ターゲット機能の計算上の必要性及び各ターゲットマップの計算能力から、第1のテーブルを設定するように構成される。
【0095】
この目的のために、設定ユニット125は、各ターゲット機能に、上記機能を実行するのに適したターゲットボードを関連付けるように構成される。換言すれば、設定ユニット125は、各ターゲット機能に、その計算能力が上記ターゲット機能の計算要件よりも大きいターゲットボードを関連付けるように構成される。
【0096】
場合により、設定ユニット125は、計算負荷がすべてのターゲットボード間で可能な限り均一に分散されるように、各ターゲット機能に、対応するターゲットボードを関連付けるように構成される。本明細書では、計算負荷は、対応するコンピュータボード32のプロセッサ(複数可)の利用率及び使用されるランダムアクセスメモリ量の意味で理解される。
【0097】
場合により加えて、設定ユニット125は、各ソフトウェア機能60の計算上の必要性及び各コンピュータボード32の計算能力から、第2のテーブルを設定するように構成される。
【0098】
この目的のために、設定ユニット125は、メディアサーバ15上で実行を保留しているソフトウェア機能60のセットから、選択されたボードに再割り当てされるように意図されている1以上の機能、すなわち1以上のソース機能を選択するように構成される。この目的のために、設定ユニット125は、計算負荷がすべての計算ボード32の間で可能な限り均一に分散されるようにソース機能を選択するように構成される。
【0099】
次いで、設定ユニット125は、ソース機能がその上での実行を保留しているソースボードを各ソース機能に関連付けることによって第2のテーブルを設定するように構成される。
【0100】
検出モジュール90は、選択されたボードの再起動に続いて、バックプレーンボード28における選択されたボードの電源投入を検出するように構成される。
【0101】
第2の制御モジュール95は、検出モジュール90による選択されたボードの検出に続いて、1以上の対応するソフトウェア機能60を選択されたボードに再割り当てするように構成される。この目的のために、第2の管理モジュール95は、第1の発行ユニット130と第2の発行ユニット140とを備える。
【0102】
第1の発行ユニット130は、対応する新しいソフトウェア機能60の割り当てを認可するために、選択されたボードに命令を送信するように構成される。次いで、各コンピュータボード32は、認可命令の受信に続いて、コンピュータボード32への対応するソフトウェア機能(複数可)60の任意の新しい割り当て(複数可)を認可するように構成され、かつ読取専用メモリ55に記憶された認可機能を実施する。換言すれば、認可命令の受信に続いて、対応するソフトウェア機能60の選択されたボードへの任意の新しい割り当てが認可され、これにより、禁止機能の効果が取り消される。
【0103】
第1の発行ユニット130は、選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボード32に対して、選択されたボード上に、上記コンピュータボード(複数可)32による実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能60をコピーする第2の命令を発行するように構成される。各コンピュータボード32のコピー機能は、コピーする第2の命令の受信に続いて、実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能60を選択されたボード上にコピーするようにさらに構成される。
【0104】
より具体的には、第1の発行ユニット130は、第2のテーブルを含む、コピーする第2の命令を、対応するソースボードを形成する各コンピュータボード32に発行するように構成される。各ソースボードは、コピーする第2の命令を介した第2のテーブルの受信に続いて、選択されたボードに対して対応するソース機能の自律コピー機能を実行するように構成される。
【0105】
一変形形態では、第1の発行ユニット130は、ソース機能の識別子及び選択されたボードの識別子を含む、対応するコピーする第2の命令を各ソースボードに発行するように構成される。
【0106】
次いで、各ソースボードは、コピーする第2の命令を介した対応するソース機能の識別子と選択されたボードの識別子との各対の受信に続いて、識別されたソース機能から選択されたボードへのユニットコピー機能を実行するように構成される。
【0107】
第2の発行ユニット140は、コピーする第2の命令の発行に続いて、各ソースボードに対して第2の削除命令を発行するように構成される。
【0108】
各コンピュータボード32は、自身の読取専用メモリ55からの第2の削除命令の受信に続いて、別のコンピュータボード32上にコピーされたソフトウェア機能60を削除するように構成されたユニット削除機能を実施し、削除が第2のテーブルに従って実行される。
【0109】
より詳細には、第2の発行ユニット140は、各ソースボードについて、各ソース機能のコピー後に第2の削除命令を発行するように構成される。第2の削除命令の受信に続いて、各ソースボードのユニット削除機能は、関連付けられたソースボードから各ソース機能を削除するように構成される。
【0110】
あるいは、第2の送信ユニット140は、各ソースボードについて、コピーする第2の命令または各第2の命令を送信した後に第2の削除命令を送信するように構成される。第2の削除命令の受信、及び選択されたボード上への各ソース機能のコピーの後、各ソースボードに関連付けられたユニット削除機能は、各ソースボードから各ソース機能を削除するように構成される。
【0111】
制御デバイス65から送信または発行された命令は、バックプレーンボード28を回して伝わることに留意されたい。
【0112】
第1の変形形態によれば、第1の送信ユニット100、第2の送信ユニット110、第1の発行ユニット130、第2の発行ユニット140のうちの少なくとも2つが共通である。
【0113】
第1の変形形態と互換性のある第2の変形形態によれば、選択モジュール70は、検出モジュール90による、以前に選択されたボードと呼ばれる以前に選択されたボードの電源投入の検出に続いて、コンピュータボード32のセットの中から、新たに選択されたボードと呼ばれる新しいコンピュータボード32を選択するように構成される。このとき、以前に選択されたボードと新たに選択されたボードとが区別される。次いで、生成モジュール85は、以前に選択されたボードに関連付けられた第2のテーブルを、新たに選択されたボードに関連付けられた第1のテーブルと同時に設定するように構成される。次いで、第1のテーブル及び第2のテーブルは、新たに選択されたボードによる実行を保留しているすべてのソフトウェア機能を含み、これらのソフトウェア機能はそれぞれ、以前に選択され、すでに再起動されたボード上にコピーされることが意図されている。換言すれば、このようなテーブルの目的は、新たに選択されたボードによる実行を保留しているすべての機能を、再起動されたばかりの最初に選択されたボード上にコピーすることである。
【0114】
第1の変形形態及び第2の変形形態と互換性がある第3の変形形態によれば。コンピュータボード32のセットは、選択モジュール70が以前に選択されたマスターボードCMを選択した場合に、選択されたボードを除く他のコンピュータボード32の中から新しいマスターボードを選択するように構成される。
【0115】
先の変形形態のそれぞれと互換性のある第4の変形例によれば、第2の送信ユニット110は、検出モジュール90による選択されたボードの電源投入の検出に続いて第2の削除命令を送信するように構成される。第4の変形形態では、第2の制御モジュール95は、第2の送信ユニット110による第2の削除命令の送信に続いて、対応するソフトウェア機能60を選択されたボードに再割り当てするように構成される。
【0116】
先の変形形態のそれぞれと互換性のある第6の変形形態によれば、第1の管理モジュール70及び第2の管理モジュール95は単一の管理モジュールを形成する。
【0117】
先の変形形態のそれぞれと互換性のある第7の変形形態によれば、第2の管理モジュール95は、上記ソースボードが現在実行中のすべてのソフトウェア機能の実行を完了したときに第2の完了信号を各ソースボードから取得するように構成された取得ユニット(図示せず)を備える。
【0118】
第7の変形形態によれば、第2の発行ユニット140は、第2の完了信号の取得に続いて、各ソースボードに対して第2の削除命令または各第2の削除命令を発行するように構成される。次いで、各ソースボードは、第2のテーブルから、または第2の削除命令もしくは各第2の削除命令を介して受信されたソース機能識別子から、ユニタリ削除機能を実行するように構成される。
【0119】
ここで、メディアサーバ15、より具体的には電子制御デバイス65の動作を、デバイス65の動作方法のフローチャートを表す
図3を参照しながら、また3つのコンピュータボード32のセットに対する方法の効果を示す
図4を参照しながら説明する。
【0120】
最初に、メディアサーバは動作中であり、各コンピュータボード32は、対応するソフトウェア機能60を実行し、実行を保留している特定の数のソフトウェア機能60を含む。
【0121】
図4を参照すると、メディアサーバ15は、4つのコンピュータボードC
1、C
2、C
3、C
4を備え、そのうちの最初の3つが示されている。これにより、引き続き
図4を参照すると、第1のコンピュータボードC
1は、実行を保留している2つのソフトウェア機能を含み、それぞれが斜線の入った六角形で表されている。第2のコンピュータボードC
2及び第3のコンピュータボードC
3はそれぞれ、実行を保留している対応するソフトウェア機能60を含み、それぞれが白色の六角形によって識別される。
【0122】
次いで、コンピュータボード32のセットは、マスターボードC
Mを選択する。
図4に示す例では、一般性を失うことなく、マスターボードC
Mは、
図4には示されていない第4のボードC
4である。
【0123】
図4において矢印F
1によって表される選択ステップ200において、マスターボードC
Mに含まれる選択モジュール70は、コンピュータボード32のセットの中からコンピュータボード32を選択する。一般性を失うことなく、
図4に示す例では、選択されたボードは第1のコンピュータボードC
1である。選択されたボードは、左上の星印によって識別される。
【0124】
場合により、第1の生成ステップ210において、生成モジュール85は第1のテーブルを生成する。この目的のために、生成ステップ210は、例えば、推定サブステップ212と、判定サブステップ214と、設定サブステップ216とを含む。
【0125】
推定サブステップ212において、推定ユニット115は、上述のように、選択されたボードによる実行を保留している各ソフトウェア機能60(ターゲット機能とも呼ばれる)の計算上の必要性を推定する。
【0126】
判定サブステップ214において、判定ユニット120は、選択されたボード以外の各コンピュータボード32(ターゲットボードとも呼ばれる)の計算能力を判定する。
図4に示す例では、判定ユニット120は、マスターボードC
M、第2のコンピュータボードC
2、及び第3のコンピュータボードC
3の計算能力を判定する。
【0127】
設定サブステップ216において、設定ユニット125は、各ターゲット機能の計算上の必要性及び各ターゲットボードの計算能力から第1のテーブルを設定して、計算上の必要性が対応する計算能力以上であることを毎回チェックする。
【0128】
第1の管理ステップ220において、管理モジュール75は、選択されたボード以外の1以上のコンピュータボード32への1つのターゲット機能または各ターゲット機能の第1の再割り当てを管理する。この目的のために、第1の管理ステップは、送信サブステップ222と、受信サブステップ224と、送信サブステップ226とを含む。
【0129】
図4において矢印F
2によって表される第1の送信サブステップ222において、第1の送信ユニット100は、第1のテーブルを含む、コピーする第1の命令を選択されたボード送信する。次いで、選択されたボードは、実行を保留しているそのソフトウェア機能60のそれぞれを、第1のテーブルに従って規定された対応するターゲットボードにコピーするように、その自律コピー機能を実行する。
図4を参照すると、選択されたボードC
1から毎回、第1のターゲット機能が第2のコンピュータボードC
2にコピーされ、第2のターゲット機能が第3のコンピュータボードC
3にコピーされる。
図4では、第2のコンピュータボードC
2及び第3のコンピュータボードC
3にそれぞれコピーされた第1のターゲット機能及び第2のターゲット機能は、斜線の入った六角形によって表される。
【0130】
第1の送信サブステップ222において、第1の送信ユニット100はまた、選択されたボードC1への対応する新しいソフトウェア機能60の割り当てを禁止する命令を送信する。禁止命令の受信に続いて、選択されたボードC1は、読取専用メモリ55に記憶された禁止機能を実行して、選択されたボードC1への対応する新しいソフトウェア機能60(複数可)の割り当て(assignment)または割り当て(allocation)を禁止する。
【0131】
受信サブステップ224において、受信ユニット105は、選択されたボードから第1の完了信号を受信する。
【0132】
図4において矢印F
3によって表される第2の送信サブステップ226において、受信ユニット105による第1の完了信号の受信に続いて、第2の送信ユニット110は、選択されたボードに第1の削除命令を送信する。
【0133】
このような送信に続いて、選択されたボードC
1は、その自律削除機能を実行し、これにより、その読取専用メモリ55から各ターゲット機能を削除する。
図4では、削除された各ターゲット機能は、輪郭が点線である六角形で表される。
【0134】
次いで、
図4の矢印F
4によって表される送信ステップ230において、送信モジュール80は、選択されたボードに再起動命令を送信する。
【0135】
再起動命令の受信に続いて、選択されたボードC
1は、その再起動機能を実行する。上記機能を実行した後、選択されたボードC
1は約5秒間電源オフにされる。
図4では、再起動は稲妻で表される。
【0136】
選択されたボードC1の再起動に続いて、検出ステップ240において、検出モジュール90は、選択されたボードC1の電源投入を検出する。このような検出は、選択されたボードがもはや電源オフにされず、その再起動が終了したことを意味する。
【0137】
第2の生成ステップ250において、生成モジュール85は、上述のように、第2のテーブルを生成する。
【0138】
この目的のために、第2の生成ステップ250において、推定ユニット115は、各ソフトウェア機能60の計算上の必要性を推定する。判定ユニット120は、各コンピュータボード32の計算能力を判定する。設定ユニット125は、計算負荷がコンピュータボード32のセットにわたって均一に分散されるように、ソース機能または各ソース機能を選択することによって第2のテーブルを設定する。
【0139】
次いで、
図4に矢印F
5で表される第2の制御ステップ260において、第2の管理モジュール95は、再起動されたばかりの選択されたボード以外のコンピュータボードによる実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能60の選択されたボードへの第2の再割り当てを駆動する。第2の制御ステップ260は、例えば、第1の発行サブステップ262と第2の発行サブステップ266とを含む。
【0140】
第1の発行サブステップ262において、第1の発行ユニット130は、選択されたボードに対して、新しい対応するソフトウェア機能(複数可)の割り当てを認可する命令を発行する。認可命令の受信に続いて、選択されたボードC1は、そのように選択されたボードへの新しい対応するソフトウェア機能(複数可)60の割り当て(assignment)または割り当て(allocation)を認可するために、その読取専用メモリ55に記憶された認可機能を実行して、これにより、禁止機能の効果が取り消される。
【0141】
第1の発行サブステップ260において、第1の発行ユニット130は、選択されたボード以外の各コンピュータボード32に対して、第2のテーブルを含む、コピーする第2の命令を発行する。コピーする第2の命令の受信に続いて、各ソースボードは、第2のテーブルにおいて識別されたソース機能(複数可)を、再起動されたばかりの選択されたボードにコピーするために、その自律コピー機能を実行する。
【0142】
コピーする各第2の命令の発行262に続いて、第2の発行サブステップ266において、第2の発行ユニット125は、次いで、少なくとも1つの対応するソフトウェア機能60がそこからコピーされたコンピュータボード32または各コンピュータボードに対して、第2の削除命令を発行する。第2の削除命令の受信に続いて、対応する各コンピュータボード32は、次いで、選択されたボード上にコピーされた1以上のソフトウェア機能60をその読取専用メモリ55から削除するために、その削除機能を実行する。
【0143】
次いで、本方法は、場合により何度も反復される。何度も反復する際、選択ステップ200において、別のコンピュータボード32が選択される。これにより、本方法の連続的な反復によって、各コンピュータボード32は定期的に再起動され、孤立粒子からの外乱を除去するために使用される。
【0144】
以下、本発明による制御デバイス65の動作の変形形態について説明する。変形形態の動作と上述の動作との間の共通する要素については、繰り返し説明しない。それにより、動作の上記変形形態の説明では、違いのみが指定される。
【0145】
図4において点線の矢印F
3’、F
4’、及びF
5’によって表される動作の第1の変形形態によれば、第2の送信サブステップ226は検出ステップ240に続いて実施される。これにより、第1の完了信号の受信224に続いて、制御デバイス65は、矢印F
4’によって表される、選択されたボードC
1の再起動後の選択されたボードC
1のソフトウェア機能を削除するために、矢印F
3’によって表される送信ステップ222に移動し、次いで検出ステップ240に移動し、次いで第2の送信サブステップ226に移動する。第2の送信サブステップ226に続いて、制御デバイス65は、第2の生成ステップ250に移動し、次いで矢印F5’によって表される第2の制御ステップ260に移動する。
【0146】
動作の第1の変形形態と互換性のある動作の第2の変形形態(図示せず)によれば、ターゲット機能のコピーは制御デバイス65によって管理され、選択されたボードC1は、コピーする第1の命令が受信されるにつれてターゲットボードに対してターゲット機能の各コピーを漸進的に実行する。
【0147】
第2の変形形態によれば、第1の送信サブステップ222において、第1の送信ユニット100は、第1のテーブルの各ターゲット機能について、上記ターゲット機能の識別子と第1のテーブルにおいて関連付けられたターゲットボードの識別子とを含む、対応するコピーする第1の命令を選択されたボードに送信する。
【0148】
第2の変形形態によれば、選択されたボードのユニットコピー機能は、受信された各ターゲット機能識別子及び受信された各ターゲットボード識別子について、コピーする第1の命令または第1の命令のうちの1つにおいて実行されるように構成される。
【0149】
同様に、動作の第1の変形形態及び第2の変形形態と互換性のある動作の第3の変形形態(図示せず)によれば、ソース機能のコピーは制御デバイス65によって管理され、各ソースボードC2、C3は、コピーする第2の命令が受信されるにつれて、選択されたボードC1へのソース機能の各コピーを漸進的に実行する。
【0150】
第3の変形形態によれば、第1の発行サブステップ262において、第1の発行ユニット115は、第2のテーブルの各ソース機能について、関連付けられたソースボードに対して、上記ソース機能の識別子と選択されたボードの識別子とを含む、コピーする第2の対応する命令を発行する。
【0151】
第3の変形形態によれば、各ソースボードのユニットコピー機能は、受信された各ソース機能識別子について、受信されたコピーする命令または命令のうちの1つにおいて実行されるように構成される。
【0152】
第2の制御モジュール95が取得ユニットを備える変形形態(図示せず)によれば、本方法は、第1の発行サブステップ262と第2の発行サブステップ266との間に取得サブステップを備え、取得サブステップにおいて、取得ユニットは、ソフトウェア機能60がそこからコピーされたコンピュータボード32または各コンピュータボード32から第2の完了信号を取得する。
【0153】
後者の変形形態によれば、第2の完了信号の取得に続いて、制御デバイス65は、各ソースボードについて、各第2の削除命令が対応するソースボードに対して発行される第2の発行サブステップ266に移動し、それにより、読取専用メモリ55の各ソース機能が対応するソースボードから削除される。
【0154】
本発明による方法では、このようにして、選択されたボードは、実行を保留しているそのソフトウェア機能60のそれぞれを別のコンピュータボード32上にコピーした後に再起動され、このことは、IFEシステムユーザに中断なくエンターテイメントを提供するために、上記ソフトウェア機能(複数可)60を失うことなく、孤立粒子すなわちSEUからの外乱を排除するために使用される。
【0155】
さらに、第2の管理ステップ260は、選択されたボードにその再起動後に対応するソフトウェア機能60を再割り当てするために使用される。よって、ソフトウェア機能60のすべてがより少数のコンピュータボードに一時的に分散されるという事実に起因する計算能力の損失は、一時的に極めて制限される。実際、そのような状況の持続時間は、選択されたボードの電源がオフにされる時間、すなわち約5秒よりもわずかに長い。
【0156】
以上より、本発明による方法は、選択されたボードを再起動することによって、優先的には、コンピュータボード32のそれぞれの定期的な再起動に起因して、孤立粒子からの外乱の数を非常に著しく減少させることによって、NFFエラーの数を減少させることが容易に理解される。
【符号の説明】
【0157】
10 航空機、15 メディアサーバ、26 電子ボックス、28 バックプレーンボード、30 ネットワークスイッチボード、31 ストレージボード、32 コンピュータボード、34 電源ボード、36 バックプレーンコネクタ、38 保護ケース、40 外部コネクタ、45 中央処理ユニット、50 ランダムアクセスメモリ、55 読取専用メモリ、60 ソフトウェア機能、65 電子制御デバイス、70 選択モジュール、75 第1の管理モジュール、80 送信モジュール、85 生成モジュール、90 検出モジュール、95 第2の管理モジュール、100 第1の送信ユニット、105 受信ユニット、110 第2の送信ユニット、115 推定ユニット、120 判定ユニット、125 設定ユニット、130 第1の発行ユニット、140 第2の発行ユニット、C コンピュータボード、C1 第1のコンピュータボード、C2 第2のコンピュータボード、C3 第3のコンピュータボード、C4 第4のコンピュータボード、CM マスターボード、F1,F2,F3,F3’,F4,F4’,F5,F5’ 矢印、P 電源ボード、S データストレージボード、SW ネットワークスイッチボード
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)のコンピュータボード(32)のセットを制御するための方法であって、
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を実行するように意図され、
前記方法が、電子制御デバイス(65)によって実施され、
-コンピュータボード(32)の前記セットの中からのコンピュータボード(32)を選択する選択ステップ(200)と、
-前記選択されたボード以外の1以上のコンピュータボード(32)へ、前記選択されたボードによる実行を保留しているソフトウェア機能(60)を再割り当てする第1の管理ステップ(220)と、
-前記第1の管理ステップ(220)に続いて、前記選択されたボードに再起動命令を送信するステップ(230)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記管理ステップ(220)が、
-実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)を少なくとも1つの他のコンピュータボード(32)上にコピーする第1の命令を前記選択されたボードに送信するサブステップ(222)と、
-少なくとも1つの前記他のコンピュータボード(32)に以前にコピーされた前記ソフトウェア機能(60)を削除する第1の削除命令を前記選択されたボードに送信するサブステップ(226)と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理ステップ(220)が、コピーする前記第1の命令を送信する前記サブステップ(222)と前記第1の削除命令を送信する前記サブステップ(226)との間に、前記選択されたボード上で実行されている前記ソフトウェア機能(60)のそれぞれの前記実行の完了信号を前記選択されたボードから受信するサブステップ(224)をさらに含み、
前記第1の削除命令を送信する前記サブステップ(226)が、前記完了信号を受信する前記サブステップ(224)に続いて、または第1の所定の時間遅延の満了に続いて行われ、
前記第1の削除命令が、前記選択されたボードのすべての前記ソフトウェア機能(60)を削除する命令である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
再起動命令を送信する前記ステップ(230)の後に、前記選択されたボード以外のコンピュータボード(32)による実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を前記選択されたボードへ再割り当てすることを管理する第2のステップ(260)をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記管理ステップ(260)が、
-前記選択されたボード以外の少なくとも1つのコンピュータボード(32)に対して、前記コンピュータボード(32)による実行を保留している少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を前記選択されたボード上にコピーする第2の命令を発行するサブステップ(262)と、
-ソフトウェア機能(60)がそこから事前にコピーされた前記選択されたボード以外の前記コンピュータボード(32)に対して、前記ソフトウェア機能(60)を削除する第2の命令を発行するサブステップ(266)と
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択ステップ(200)と前記第1の管理ステップ(220)との間において、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれの計算要件と、前記選択されたボード以外の前記コンピュータボード(32)それぞれの計算能力[を判定すること]とから第1のテーブルを生成する生成ステップ(210)をさらに含み、
前記第1のテーブルが、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれに、前記ソフトウェア機能(60)が再割り当てされることが意図されているコンピュータボード(32)を関連付け、
前記第1の管理ステップ(220)において、実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)それぞれが、前記第1のテーブルに従って再割り当てされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのプロセッサ(45)とランダムアクセスメモリ(50)とを備え、
前記生成ステップ(210)において、前記計算能力が、少なくとも1つの前記プロセッサ(45)の可用性を表す数量及び前記ランダムアクセスメモリ(50)の利用可能なメモリ量から判定され、前記ソフトウェア機能それぞれの計算上の必要性が、前記数量及び利用可能なメモリの前記数量に応じて表される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータによって実行されると、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するソフトウェア命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項9】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)であって、前記メディアサーバ(15)がコンピュータボード(32)のセットを備え、前記コンピュータボード(32)のうちの少なくとも1つが請求項8に記載のコンピュータプログラムを実行するのに適する、メディアサーバ(15)。
【請求項10】
前記コンピュータボード(32)のうちの少なくとも2つが請求項8に記載のコンピュータプログラムを含み、複数の前記コンピュータボード(32)が、前記コンピュータプログラムを含む前記ボードの中から、前記コンピュータボード(32)のうちのマスターボード(C
M)と呼ばれる1つを選択するように構成され、前記マスターボード(C
M)が、前記コンピュータプログラムを実行するのに適する、請求項9に記載のメディアサーバ(15)。
【請求項11】
航空機(10)に搭載されて運ばれるように意図されたメディアサーバ(15)のコンピュータボード(32)のセットの電子制御デバイス(65)であって、
前記コンピュータボード(32)それぞれが、少なくとも1つのソフトウェア機能(60)を実行するように意図されており、
前記電子制御デバイス(65)が、
-前記コンピュータボード(32)の前記セットから前記コンピュータボード(32)を選択するように構成された選択モジュール(70)と、
-前記選択されたボード以外の1以上の前記コンピュータボード(32)への、前記選択されたボードによる実行を保留している前記ソフトウェア機能(60)の再割り当てを管理するように構成された管理モジュール(80)と、
-前記再割り当てに続いて、前記選択されたボードに再起動命令を送信するように構成された送信モジュール(85)と
を備える、電子制御デバイス(65)。
【国際調査報告】