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特表2024-503355逆液体解凍のシステムおよびその手法の改善
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】逆液体解凍のシステムおよびその手法の改善
(51)【国際特許分類】
   F25B 47/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
F25B47/02 540C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540798
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 IT2021050439
(87)【国際公開番号】W WO2022144946
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202020000007202
(32)【優先日】2021-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523249892
【氏名又は名称】パオレッティ,クリスティアーノ
【氏名又は名称原語表記】PAOLETTI, Cristiano
【住所又は居所原語表記】viale Genova, 27 63084 Folignano (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パオレッティ,クリスティアーノ
(57)【要約】
逆液体解凍システムおよび、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を持つ閉ループ蒸気サイクル冷却システムの複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置の手法が提供されます。解凍の間は、液体冷媒(選択された蒸発装置の中で熱を放出するものがサブクーリングされる)が、この独自の膨張装置によって、または異なる蒸発圧力(その高い方の蒸発圧力が追加の液体を流す管と、チェックバルブ、排出装置、蒸気液体分離装置、および分離バルブ(吸入口圧力タイプの上昇時に自動的に閉じるバルブにできるもの)の使用を通じて圧縮吸入圧力になるもの得るもの)で少なくとも2つの独立した選択されていない蒸発装置に供給するために、最終的に補助的な膨張装置によっても、残りの選択されていない蒸発装置を循環されます。様々な再加熱パフォーマンスレベルで熱ポンプモバイルシステムとして車両で使用できます。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の要素で構成される、閉ループ蒸気サイクル冷却システム:
各蒸発装置が通常の蒸気の流れのための排出口と吸入口を有する、複数の蒸発装置;排出口と吸入口を有する凝縮装置;排出口および吸入口を有する圧縮装置と、圧縮装置の排出口と凝縮装置の吸入口とを繋ぐ圧縮された加熱気体を流す管;排出口と吸入口を有する膨張装置;凝縮装置の排出口と膨張装置の吸入口との繋ぐ液体を順方向に流す管で、液体を順方向に流す管用バルブを有するもの;冷媒を流す複数の管で、各々が膨張装置の排出口と蒸発装置の吸入口とを繋ぎ、チェックバルブを有するもの;1つの排出口と蒸気装置と同じ数の吸入口を有する吸入マニホールド;冷却気体を流す複数の管で、各々が1つの蒸発装置と1つの吸入マニホールドとを繋ぎ、各々が冷却気体を流す管用バルブを有するもの;吸入マニホールドの排出口と圧縮装置の吸入口とを繋ぐ吸入管;凝縮装置の排出口と複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置の排出口とを繋ぐ液体を逆方向に流す管で、液体を逆方向に流す管用バルブを有するもの;
更に、選択された蒸発装置の吸入口と液体を順方向に流す管用バルブの低圧側とを繋ぐ追加の液体を逆方向に流す管で構成され、当該の追加の液体を逆方向に流す管がチェックバルブを有するもの。
【請求項2】
液体を順方向に流す管が排出装置と蒸気液体分離装置を有し、吸入マニホールドの排出口から始まる吸入管が当該の排出装置の吸入ポートを通過してから当該の排出装置の排出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過し、最終的に圧縮装置の吸入口に至り、各々の冷却気体を流す管が追加の分離バルブを有する、請求項1のシステム;更に、複数の補助的な冷却気体を流す管で構成される当該のシステムで、各々の補助的な冷却気体を流す管が、対応する冷却気体を流す管用バルブと対応する分離バルブとの間に配置された冷却気体を流す管の一部と、排出装置の排出ポートと蒸気液体分離装置の吸入口との間に配置された吸入管の一部とを繋ぐもので、各々の補助的な冷却気体を流す管がチェックバルブを有するもの。
【請求項3】
更に、以下で構成される請求項2:排出口と吸入口を有する補助的な膨張装置;液体を順方向に流す管から分岐し、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側と補助的な膨張装置の吸入口とを繋ぐ、補助的な液体を流す管;補助的な冷媒を流す複数の管で、各々が補助的な膨張装置の排出口と蒸発装置の吸入口とを繋ぐもので、各々が補助的な冷媒を流す管用の分離バルブを有するもの。
【請求項4】
更に、補助的な液体を流す管で配置された2つ目の補助的な膨張装置と2つ目の蒸気液体分離装置で構成される請求項3のシステムで、圧縮装置が圧縮装置の排出口の高圧側と圧縮装置のメインの吸入口の低圧側との間の中間の圧力である追加の吸入口を有し、補足の液体を流す管が2つ目の蒸気液体分離装置の排出口と当該の中間圧力である圧縮装置の追加の吸入口とを繋いでいるもの。
【請求項5】
更に、補助的な液体を流す管で配列されたエキスパンダーと2つ目の蒸気液体分離装置で構成される請求項3で、圧縮装置が圧縮装置の排出口の高圧側と圧縮装置のメインの吸入口の低圧側との間の中間の圧力である追加の吸入口を有し、補足の液体を流す管が2つ目の蒸気液体分離装置の排出口と前述の中間圧力である圧縮装置の追加吸入口とを繋いでいるもの。
【請求項6】
更に、以下で構成される請求項5:前述のエキスパンダーと共に配置される2つ目の圧縮装置で、当該のエキスパンダー‐圧縮装置のグループがエキスパンダーの排出ポートと当該の2つ目の圧縮装置の排出ポートの両方に対応するように、膨張装置‐圧縮装置グループを形成するもの;吸入管から分岐し、1つ目の蒸気液体分離装置の排出口と1つ目の圧縮装置のメインの吸入口との間に配置された吸入管の一部と当該の2つ目の圧縮装置の吸入口とを繋ぐ更なる補足の液体を流す管;液体を順方向に流す管と補助的な液体を流す管との間に配置された内部熱交換装置;当該の内部熱交換装置の周囲にある補助的な液体を流す管の迂回管;当該の内部熱交換装置の周囲にある当該の迂回管に配置されたバルブ。
【請求項7】
エキスパンダー‐圧縮装置グループを形成するために前述のエキスパンダーと共に配置された2つ目の圧縮装置のシャフトが、同じエキスパンダー‐圧縮装置グループのエキスパンダーのシャフトと接続される請求項6のシステム。
【請求項8】
更に、液体を順方向に流す管から分岐した更なる補足の液体を流す管で配置された更なる補助的な膨張装置と外部熱交換装置から構成され、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側と、排出装置の排出ポートと1つ目の蒸気液体分離装置の吸入口との間に配置された吸入管の一部とを繋ぐ、請求項4-7のシステム。
【請求項9】
液体を順方向に流す管用バルブと液体を順方向に流す管用バルブの周囲にある当該の迂回管に配置されたバルブの周囲にある液体を順方向に流す管の迂回管から構成される請求項2-8のシステム。
【請求項10】
閉ループ蒸気サイクル冷却システムで蒸発装置を解凍する手法で、当該の閉ループ蒸気サイクル冷却システムが少なくとも複数の蒸発装置で構成され、各々の蒸発装置が通常の流れのための排出口と吸入口を有するもの;排出口と吸入口を有する凝縮装置;排出口および吸入口と、圧縮装置の排出口と凝縮装置の吸入口とを繋ぐ圧縮された加熱気体を流す管を有する圧縮装置;排出口と吸入口を有する膨張装置;凝縮装置の排出口と膨張装置の吸入口とを繋ぐ液体を順方向に流す管で、凝縮装置から出た液体冷媒の通常の流れが当該の液体を順方向に流す管用の開いたバルブを通過して膨張装置に侵入することを可能にするように、液体を順方向に流す管用バルブを有するもの;冷媒を流す複数の管で、膨張装置から出た液体冷媒の通常の流れが当該のチェックバルブを通して蒸発装置に侵入することを1つ目とし、冷媒が液体状態から蒸発した冷却気体の状態に変化できるように液体冷媒が蒸発装置を通過する間に蒸発することを2つ目として可能にするように、各々が膨張装置の排出口と蒸発装置の吸入口とを繋ぎ、チェックバルブを有するもの;1つの排出口と蒸発装置と同じ数の吸入口を有する吸入マニホールド;冷却気体を流す複数の管で、各蒸発装置を出た蒸発して冷却気体となった冷媒の通常の流れが対応する冷却気体を流す管用の開いたバルブを通過して吸入マニホールドに侵入することを可能にするように、各々が1つの蒸発装置の排出口と1つの吸入マニホールドの吸入口とを繋ぎ、各々が冷却気体を流す管用バルブを有するもの;吸入マニホールドを出た蒸発して冷却気体となった冷媒の通常の流れが圧縮装置を通過していったん圧縮された凝縮装置に侵入することを可能にするように、吸入マニホールドの排出口と圧縮装置の吸入口とを繋ぐ吸入管;
以下のステップで構成される当該の手法:
凝縮装置の排出口と複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置の排出口とを繋ぐ液体を逆方向に流す管を提供すること、
当該の液体を逆方向に流す管に配置された液体を逆方向に流す管用バルブを提供すること、
選択された蒸発装置の吸入口と液体を順方向に流す管用バルブの低圧側とを繋ぐ追加の液体を逆方向に流す管を提供すること、
当該の追加の液体を逆方向に流す管に配置されたチェックバルブを提供すること、
選択された蒸発装置の排出口と対応する吸入マニホールドの吸入口とを繋ぐ冷却気体を流す管に配置された冷却気体を流す管用バルブを閉じること、
液体を逆方向に流す管用バルブを開くこと、
液体冷媒のサブクーリングと選択された蒸発装置の解凍を引き起こし、逆方向に通常の流れで選択された蒸発装置から出たサブクーリングされた液体冷媒が追加の液体を逆方向に流す管用チェックバルブを通過してから、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を通過し、その後に膨張装置を通過することを可能にし、サブクーリングされた液体冷媒が膨張装置を流れることを可能にし、膨張装置を出たサブクーリングされた液体冷媒が複数の蒸発装置から選択されていない1つの蒸発装置の冷媒を流す管用チェックバルブを通過してから、選択されていない1つの蒸発装置を通過することを可能にし、冷媒がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるようにサブクーリングされた液体冷媒が選択されていない1つの蒸発装置を通過して蒸発することを可能にし、選択されていない1つの蒸発装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒が対応する冷却気体を流す管用の開いたバルブを通過してから、吸入マニホールドを通過し、その後に圧縮装置を通過していったん圧縮された凝縮装置に侵入することを可能にするように、液体を順方向に流す管用バルブを閉じ、凝縮装置から出た液体冷媒の流れが逆方向に液体を逆方向に流す管用の開いたバルブを通過してから、逆方向に通常の流れで選択された蒸発装置を通過することを可能にすること、
液体冷媒が選択された蒸発装置を通過することによるサブクーリングと、選択された蒸発装置の解凍を引き起こすのを可能にするように、凝縮装置から出た液体冷媒が液体を逆方向に流す管用の開いたバルブを通過してから、選択された蒸発装置を逆方向に通常の流れで通過すること、
選択された蒸発装置を出たサブクーリングされた液体冷媒が逆方向に通常の流れで追加の液体を逆方向に流す管用チェックバルブを通過してから、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を通過すること、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側から出たサブクーリングされた液体冷媒が膨張装置を通過すること、
サブクーリングされた液体冷媒が膨張装置を通過すること、
膨張装置を出たサブクーリングされた液体冷媒が選択されていない蒸発装置の冷媒を流す管用チェックバルブを通過してから、選択されていない蒸発装置を通過すること、
冷媒がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるように、サブクーリングされた液体冷媒が選択されていない蒸発装置を通過することで蒸発すること、
選択されていない蒸発装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒が対応する冷却気体を流す管用の開いたバルブを通過してから、吸入マニホールドを通過し、その後に圧縮装置を通過して、選択された蒸発装置が解凍されるまでにいったん圧縮された凝縮装置に侵入すること。
【請求項11】
液体を順方向に流す管用の開いたバルブから出た液体冷媒の通常の流れが排出装置の原動力ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、膨張装置に侵入することと、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒が排出装置の原動力ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、選択された蒸発装置が解凍されるまでに、膨張装置に侵入することの両方を可能にするように、閉ループ蒸気サイクル冷却システムが液体を順方向に流す管で配置された排出装置と蒸気液体分離装置で構成される前述の請求項、および、吸入マニホールドを出た蒸発して冷却気体になった冷媒が排出装置の吸入ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、圧縮装置に侵入する通常の流れと、吸入マニホールドを出た蒸発して冷却気体になった冷媒が排出装置の吸入ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、選択された蒸発装置が解凍されるまでに圧縮装置に侵入する流れの両方を可能にすることを1つ目とし、蒸気液体分離装置に侵入する液体冷媒の通常の流れの一部を蒸気液体分離装置を出て蒸発した冷却気体になって圧縮装置に侵入する冷媒の通常の流れに運搬することと、蒸気液体分離装置に侵入するサブクーリングされた液体冷媒の流れの一部を選択された蒸発装置が解凍されるまでに蒸気液体分離装置から出た蒸発して冷却気体になって圧縮装置に侵入する冷媒の流れに運搬することの両方を2つ目として可能にするように、吸入マニホールドの排出口から開始された吸入管が排出装置の吸入ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、圧縮装置に侵入することに至る前述の請求項、および更に解凍手法が以下のステップで構成される前述の請求項:
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒が排出装置の原動力ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、膨張装置に侵入すること、
吸入マニホールドを出た蒸発して冷却気体になった冷媒が排出装置の吸入ポートを通過してから、排出装置の放出ポートを通過し、その後に蒸気液体分離装置の吸入口を通過し、その後に蒸気液体分離装置の排出口を通過して、圧縮装置に侵入すること、および
蒸気液体分離装置に侵入するサブクーリングされた液体冷媒の流れの一部を、選択された蒸発装置が解凍されるまでに蒸気液体分離装置から出た蒸発して冷却気体になり圧縮装置に侵入する冷媒の流れに運搬すること。
【請求項12】
各々の冷却気体を流す管用の開いたバルブから出た蒸発して冷却気体になった冷媒の通常の流れが対応する開いた分離バルブを通過してから吸入マニホールドに侵入することと、選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブを出た蒸発して冷却気体になった冷媒の流れが対応する開いた分離バルブを通過してから選択された蒸発装置が解凍されるまでに吸入マニホールドに侵入することの両方を可能にするように、閉ループ蒸気サイクル冷却システムが各々の冷却気体を流す管で配置された分離バルブで構成されるで構成される前述の請求項、および更に解凍手法が以下のステップで構成される前述の請求項:
選択されていない蒸発装置の排出口と対応する吸入マニホールドの吸入口とを繋ぐ冷却気体を流す管で配置された分離バルブを開くこと、および
選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブを出た蒸発して冷却気体になった冷媒が、対応する開いた分離バルブを通過してから、選択された蒸発装置が解凍されるまでに、吸入マニホールドに侵入すること。
【請求項13】
少なくとも3つの蒸発装置で構成される複数の蒸発装置を持ち、更に解凍手法が以下のステップで構成される、前述の請求項:
排出口と吸入口を有する補助的な膨張装置を提供すること、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが補助的な膨張装置を通過することを1つ目とし、当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が補助的な膨張装置を通過する間に当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が流れることを2つ目として可能にするように、液体を順方向に流す管から分岐した補助的な液体を流す管を提供することと、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側と補助的な膨張装置の吸入口を繋ぐこと、
補助的な膨張装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが2つ目の選択されていない蒸発装置を通過することを1つ目とし、当該のサブクーリングされた液体冷媒部分がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるように2つ目の選択されていない蒸発装置を通過する間に当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が蒸発することを2つ目として可能にするように、補助的な膨張装置の排出口と複数の蒸発装置における2つ目の選択されていない蒸発装置の吸入口とを繋ぐ補助的な冷媒を流す管を提供すること、
補助的な膨張装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが当該の開いた分離バルブを通過して2つ目の選択されていない蒸発装置に侵入することを可能にするように、補助的な冷媒を流す管で配置された分離バルブを提供すること、
2つ目の選択されていない蒸発装置の排出口と、対応する冷却気体を流す管用バルブと対応する分離バルブとの間に配置された対応する吸入マニホールドの吸入口とを繋ぐ冷却気体を流す管の一部に1つ目の終点を有し、2つ目の選択されていない蒸発装置から出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒の流れ(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)が対応する冷却気体を流す管用の開いたバルブを通過することを1つ目とし、2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブから出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)が吸入マニホールドと排出装置を迂回して蒸気液体分離装置に侵入できるように2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブを出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒の流れ(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)を排出装置を出た蒸発して冷却気体になり蒸気液体分離装置に侵入する冷媒の流れに運搬することを2つ目として可能にするように、排出装置の放出ポートと蒸気液体分離装置の吸入口との間に配置された吸入管の一部に2つ目の終点を有する、補助的な冷媒を流す管を提供すること、
2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブから出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒の流れ(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)が当該の補助的な冷却気体を流す管の当該のチェックバルブを通過してから、2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブを出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒の流れ(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)を、蒸気液体分離装置に侵入する前に、排出装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の流れに運搬することを可能にするように、当該の補助的な冷媒を流す管で配置されたチェックバルブを提供すること、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒部分が補助的な膨張装置を通過すること、
当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が補助的な膨張装置を通過する間に流れること、
補助的な冷媒を流す管に配置された分離バルブを開くこと、
補助的な膨張装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が補助的な冷媒を流す管に配置された開いた当該の分離バルブを通過してから2つ目の選択されていない蒸発装置を通過すること、
当該の冷媒部分がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるように、当該のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の選択されていない蒸発装置を通過する間に、当該のサブクーリングされた液体冷媒部分を蒸発させること、
2つ目の選択されていない蒸発装置を出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)が対応する冷却気体を流す管用の開いたバルブを通過すること、
2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブから出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)の流れが当該の対応する閉じた分離バルブを通過し、吸入マニホールドも通過し、排出装置も通過するのを防止するように、2つ目の選択されていない蒸発装置の排出口と対応する吸入マニホールドの吸入口とを繋ぐ冷却気体を流す管に配置された分離バルブを閉じること、
2つ目の選択されていない蒸発装置の冷却気体を流す管用の開いたバルブから出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)が補助的な冷却気体を流す管用チェックバルブを通過すること、および
当該の補助的な冷却気体を流す管の当該のチェックバルブを出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒の流れが吸入マニホールドと排出装置の両方を迂回して選択された蒸発装置が解凍されるまでに蒸気液体分離装置に侵入するように、当該の補助的な冷却気体を流す管の当該のチェックバルブを出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該のサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)の流れを、蒸気液体分離装置に侵入する前に排出装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の流れに運搬すること、
【請求項14】
更に解凍手法が以下のステップで構成される前述の請求項:
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の補助的な膨張装置を通過することを1つ目とし、前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の補助的な膨張装置を通過する間に流れることを2つ目とし、2つ目の補助的な膨張装置を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の蒸気液体分離装置を通過して1つ目の補助的な膨張装置に侵入することを3つ目として可能にするように、補助的な液体を流す管で配置された2つ目の補助的な膨張装置と2つ目の蒸気液体分離装置を提供すること、
排出口の高圧部とメインの吸入口の低圧部との間の中間圧力で圧縮装置に追加の吸入口を提供すること、
2つ目の蒸気液体分離装置に侵入する前述のサブクーリングされた液体冷媒部分の一部の流れが2つ目の蒸気液体分離装置の当該の排出口を通過してから、当該の中間圧力で圧縮装置の追加の吸入口を通過することを可能にするように、2つ目の蒸気液体分離装置の排出口と圧縮装置の追加の吸入口とを繋ぐ補足の液体を流す管を提供すること、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の補助的な膨張装置を通過すること、
前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の補助的な膨張装置を通過する間に流れること、
2つ目の補助的な膨張装置を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の補助的な膨張装置を通過して1つ目の補助的な膨張装置に侵入すること、および
2つ目の蒸気液体分離装置に侵入した前述のサブクーリングされた液体冷媒部分の一部が2つ目の蒸気液体分離装置の当該の排出口を通過してから、選択された蒸発装置が解凍されるまでに当該の中間圧力で圧縮装置の追加の吸入口を通過すること。
【請求項15】
更に解凍手法が以下のステップで構成される請求項13:
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分がエキスパンダーを通過することを1つ目とし、前述のサブクーリングされた液体冷媒部分がエキスパンダーを通過する間に膨張することを2つ目とし、エキスパンダーを出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが2つ目の蒸気液体分離装置を通過して1つ目の補助的な膨張装置に侵入することを3つ目として可能にするように、補助的な液体を流す管で配置されたエキスパンダーと2つ目の蒸気液体分離装置を提供すること、
圧縮装置の排出口の高圧部と圧縮装置のメインの吸入口の低圧部との間の中間圧力で圧縮装置に追加の吸入口を提供すること、
2つ目の蒸気液体分離装置に侵入する前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の一部の流れが2つ目の蒸気液体分離装置の当該の排出口を通過してから、当該の中間圧力で圧縮装置の追加の吸入口を通過することを可能にするように、2つ目の蒸気液体分離装置の排出口と圧縮装置の追加の吸入口とを繋ぐ補足の液体を流す管を提供すること、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た前述のサブクーリングされた液体冷媒部分がエキスパンダーを通過すること、
前述のサブクーリングされた液体冷媒部分がエキスパンダーを通過する間に膨張させること、
エキスパンダーを出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分が2つ目の蒸気液体分離装置を通過して1つ目の補助的な膨張装置に侵入すること、および
2つ目の蒸気液体分離装置に侵入した前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の一部が2つ目の蒸気液体分離装置の当該の排出口を通過してから、選択された蒸発装置が解凍されるまでに当該の中間圧力で圧縮装置の追加の吸入口を通過すること。
【請求項16】
更に解凍手法が以下のステップで構成される前述の請求項:
エキスパンダー圧縮装置グループの排出口がエキスパンダーの排出ポートと当該の2つ目の圧縮装置の排出ポートの両方に対応する形で、エキスパンダー圧縮装置グループを形成するために、前述のエキスパンダーと共に配置される2つ目の圧縮装置を提供すること、
1つ目の蒸気液体分離装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の一部の流れが当該の2つ目の圧縮装置の吸入口を通過することを1つ目とし、蒸発して冷却気体になった冷媒の当該の一部が当該の2つ目の圧縮装置を通過する間に圧縮されることを2つ目とし、当該の2つ目の圧縮装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒を圧縮したものの当該の一部をエキスパンダー圧縮装置グループのエキスパンダーから出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分に運搬することを3つ目として可能にするように、吸入管から分岐した更なる補足の液体を流す管を提供することと、1つ目の蒸気液体分離装置の排出口と1つ目の圧縮装置のメインの吸入口との間に配置された吸入管の一部と当該の2つ目の圧縮装置の吸入口とを繋ぐこと、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒を更に冷却したものが排出装置に侵入し、エキスパンダー圧縮装置グループから出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分を加熱したものが2つ目の蒸気液体分離装置に侵入することを可能にするように、液体を順方向に流す管と補助的な液体を流す管との間に配置された内部熱交換装置を提供すること、
エキスパンダー圧縮装置グループを出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の一部の流れが当該の内部熱交換装置を迂回して2つ目の蒸気液体分離装置を通過することを可能にするように、当該の内部熱交換装置の周囲に補助的な液体を流す管の迂回管を提供すること、
エキスパンダー圧縮装置グループを出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の当該の一部の流れが、当該の内部熱交換装置を迂回して当該の内部熱交換装置の周囲にある補助的な液体を流す管の当該の迂回管に配置された当該の開いたバルブを通過して2つ目の蒸気液体分離装置に侵入することを可能にするように、当該の内部熱交換装置の周囲にある補助的な液体を流す管の当該の迂回管に配置されたバルブを提供すること、
1つ目の蒸気液体分離装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の当該の一部が当該の2つ目の圧縮装置を通過すること、
蒸発して冷却気体になった冷媒の当該の一部が当該の2つ目の圧縮装置を通過する間に圧縮されること、
当該の2つ目の圧縮装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒が圧縮されたものの当該の一部の流れを、エキスパンダー圧縮装置グループのエキスパンダーを出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の流れに運搬すること、
当該の内部熱交換装置の周囲にある補助的な液体を流す管の当該の迂回管に配置されたバルブを開くこと、
エキスパンダー圧縮装置グループから出た前述の膨張されたサブクーリングされた液体冷媒部分の一部が、選択された蒸発装置が解凍されるまでに、当該の熱交換装置を迂回して、当該の内部熱交換装置の周囲にある補助的な液体を流す管の当該の迂回管に配置された開いた当該のバルブを通過して、2つ目の蒸気液体分離装置に侵入すること。
【請求項17】
エキスパンダー圧縮装置グループを形成するために、前述のエキスパンダーと共に配置された2つ目の圧縮装置のシャフトが、同じエキスパンダー圧縮装置グループのエキスパンダーのシャフトと接続されている前述の請求項。
【請求項18】
更に解凍手法が以下のステップで構成される請求項14‐17:
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た更にサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが当該の更なる補助的な膨張装置を通過することを1つ目とし、当該の更なるサブクーリングされた液体冷媒部分が当該の更なる補助的な膨張装置を通過する間に流れることを2つ目とし、当該の更なる補助的な膨張装置を出た当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分の流れが外部熱交換装置を通過することを3つ目とし、当該の更なる冷媒部分がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるように当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分を蒸発させたものが熱交換装置を通過することを4つ目とし、1つ目の蒸気液体分離装置に侵入する前に外部熱交換装置から出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)の流れを排出装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の流れに運搬することを5つ目として可能にするように、液体を順方向に流す管から分岐した更なる補足の液体を流す管で配置された更なる補助的な膨張装置と外部熱交換装置を提供することと、液体を順方向に流す管用バルブの低圧側と、排出装置の放出ポートと1つ目の蒸気液体分離装置の吸入口との間に配置された吸入管の一部とを繋ぐこと、
液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を出た当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分が当該の更なる補助的な膨張装置を通過すること、
当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分が当該の更なる補助的な膨張装置を通過する間に流れること、
当該の補助的な膨張装置を出た当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分が外部熱交換装置を流れること、
当該の更なる冷媒がサブクーリングされた液体状態から蒸発した冷却気体状態に変化できるように、当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分が外部熱交換装置を流れる間に蒸発すること、
選択された蒸発装置が解凍されるまでに、1つ目の蒸気液体分離装置に侵入する前に、外部熱交換装置から出た当該の蒸発して冷却気体になった冷媒(当該の更にサブクーリングされた液体冷媒部分から生じたもの)の流れを、排出装置を出た蒸発して冷却気体になった冷媒の流れに運搬すること
【請求項19】
更に解凍手法が以下のステップで構成される請求項12‐18:
凝縮装置から出た液体冷媒の一部の流れが液体を逆方向に流す管用の開いたバルブと選択された蒸発装置用と追加の液体を逆方向に流す管用のチェックバルブの両方を迂回して液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を通過することを1つ目とし、凝縮装置を出て液体を逆方向に流す管用の開いたバルブと選択された蒸発装置と追加の液体を逆方向に流す管用のチェックバルブの両方を迂回した当該の液体冷媒の一部の流れを追加の液体を逆方向に流す管のチェックバルブを出たサブクーリングされた液体冷媒の流れに運搬することを2つ目として可能にするように、液体を順方向に流す管用の閉じたバルブの周囲に液体を順方向に流す管の迂回管を提供すること、
凝縮装置を出た当該の液体冷媒の一部の流れが液体を逆方向に流す管用の開いたバルブと選択された蒸発装置と追加の液体を逆方向に流す管用のチェックバルブを迂回して液体を順方向に流す管用の閉じたバルブの周囲にある液体を順方向に流す管の迂回管に配置された当該の開いたバルブを通過して液体を順方向に流す管用バルブの低圧側に侵入することを可能にするように、液体を順方向に流す管用の閉じたバルブの周囲にある液体を順方向に流す管の迂回管に配置されたバルブを提供すること、
液体を順方向に流す管用の閉じたバルブの周囲にある液体を順方向に流す管の迂回管に配置されたバルブを開くこと、
凝縮装置から出た液体冷媒の一部が液体を順方向に流す管用の閉じたバルブの周囲にある液体を順方向に流す管の迂回管に配置された当該の開いたバルブを通過してから、液体を逆方向に流す管用の開いたバルブと選択された蒸発装置と追加の液体を逆方向に流す管用のチェックバルブの両方を迂回して液体を順方向に流す管用バルブの低圧側を通過すること、および
凝縮装置から出て液体を逆方向に流す管用の開いたバルブと選択された蒸発装置と追加の液体を逆方向に流す管のチェックバルブの両方を迂回した液体冷媒の当該の一部の流れを選択された蒸発装置が解凍されるまでに追加の液体を逆方向に流す管のチェックバルブを出たサブクーリングされた液体冷媒の流れに運搬すること。
【請求項20】
少なくとも1つの分離バルブが排出口側に配置されたチェックバルブで構成されている請求項2-9および12-19。
【請求項21】
選択された蒸発装置が複数の蒸発装置のうちの各蒸発装置であ順番にる前述の請求項。
【請求項22】
閉ループ蒸気サイクル冷却システムの冷媒が二酸化炭素である前述の請求項。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、蒸発装置のコイルの外側に形成される氷の除去と、自動的な稼働、そして効率性の向上を行うために、解凍サイクルを必要とするあらゆるタイプの閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムを修正および改善する。具体的には、本発明は、選択された蒸発装置が複数の蒸発装置のうちの1つである場合に、すべての蒸発装置に通常の流れで供給する独自の膨張装置を有する、閉ループ蒸気サイクル冷却システムにおける、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置を逆液体解凍することに関係している。更に具体的には、本発明は、逆液体解凍システムと選択された蒸発装置という手法に向けられている。この選択された蒸発装置とは、複数の蒸発装置のうちの1つである。そして、この複数の蒸発装置とは、すべての蒸発装置に通常の流れで供給する独自の膨張装置を有する、閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムのものであり、このシステムでは、液体を逆方向に流す専用の管を使って通常の流れとは逆の方向で液体冷媒を選択された蒸発装置を通じて循環させることによって解凍が成される。そして、放熱によって選択された蒸発装置のコイルに蓄積した氷が解凍され、このシステムを通過した液体冷媒がサブクーリングされる。その後、液体を逆方向に流す専用の更なる管とチェックバルブを利用することによって、他の選択されていないすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置に当該のサブクーリングされた液体冷媒を循環させる。または、選択された蒸発装置のコイルに蓄積した氷の解凍のための放熱をするために通常の流れとは逆の方向で選択された蒸発装置を通じて液体冷媒を循環させることによって、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を有する、閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムの、複数の蒸発装置のうちの1つである選択された1つの蒸発装置を解凍している間は、2つの異なる蒸発圧力で2つの異なる選択されていない蒸発装置に供給されるように、選択された蒸発装置を通過してサブクーリン液体冷媒が、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置と補助的な膨張装置の両方を循環する。その結果として、更なる液体を流す管と、更なるチェックバルブ、排出装置、蒸気液体分離装置、および分離バルブを使用することによって、最終的に圧力低下を起こすことなく、圧縮装置の吸入圧力が2つの異なる選択されていない蒸発装置の高い方の蒸発圧力となる。当該の分離バルブは、制御バルブ(ソレノイドバルブなど)または吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブにすることができる。本発明に従ったこのシステムの効率性の更なる改善は、2つ目の蒸気液体分離装置に接続された2つ目の圧縮ステージの利用と、エキスパンダー圧縮装置グループによって置き換え可能な更なる補助的な膨張装置の利用によって成される。
本発明に従ったこのシステムは、様々な再加熱パフォーマンスレベルで、車内空調のための熱ポンプモバイルシステムとして使用することができる。
【本発明の背景】
【0002】
複数の蒸発装置を有する冷却システムには、蒸発装置のコイルの外側に形成される氷を取り除くために、解凍サイクルが必要になる場合がある。事実、通常の稼働時の間には、蒸発装置はそのコイルの外側で蒸気の凍結を引き起こすだけの低温で稼働し、氷が形成され、その氷が蓄積して空気の流れが制限され、最終的に冷却機能が失われることがある。特定の装置に氷が蓄積される速度は、その装置のタイプと、その装置の容量、その装置および冷媒の温度、そして冷却される装置内の空気の湿度に依存する。その結果として、蒸発装置のコイルの表面は、断続的に解凍しなければならない。特定の蒸発装置を解凍しなければならない頻度は、氷が蓄積される速度と、蒸発装置に対する冷却負荷、そして解凍できる速度に依存する。一般的に、解凍にかかる時間は、蒸発装置のコイルに氷が蓄積している度合いと、その氷を溶かすために熱を加えることができる速度に依存する。従って、氷の蓄積は、設置方法のタイプと、装置内部の条件、そして解凍の頻度によって異なる。一般的に、解凍は蒸発装置に熱い蒸気状態の冷媒を通過させることによって達成できるが、Alsenzは、アメリカ合衆国の特許(番号:6,000,231)において、液体を逆方向に流す専用の管を通じて通常の流れとは逆の方向で選択された蒸発装置のコイルに液体冷媒を導入することによって、閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムの、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置を解凍するためのシステムおよび手法を発見している。この液体を逆方向に流す専用の管は、各々が複数の蒸発装置のうちの選択されていない蒸発装置に供給する複数の個別の膨張装置を通過できるように、当該のコイルがサブクーリングされる経路で、選択された蒸発装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒が、液体を流す管に戻ることを可能にする。更に具体的には、Alsenzの発明は、閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムから選択された1つの蒸発装置を逆液体解凍するシステムと手法によって構成される。この冷却システムには、液体冷媒を圧縮するための1つ以上の圧縮装置と、圧縮されて高温気体状態になった冷媒を凝縮させるための凝縮装置、凝縮された冷媒を蓄積するための受取装置、受取装置から来た液体冷媒を低圧の低温気体状態の冷媒へ蒸発させるための複数の蒸発装置、各々が複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置へ供給する複数の膨張装置および複数の蒸発装置を出た低圧低温気体状態の冷媒の複数の流れを圧縮装置に接続された1つの吸入管にまとめるための吸入マニホールド、凝縮装置または受取装置から放出された液体冷媒を選択された蒸発装置へ通常の流れとは逆の方向で導入して放熱によって選択された蒸発装置を解凍するために凝縮装置または受取装置の排出口と複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置の排出口/放出口および制御バルブとを繋ぐ液体を逆方向に流す専用の管が含まれる。この液体冷媒は、選択された蒸発装置を通過して同時にサブクーリングされるので、蓄積された霜および氷に蓄えられた冷却効果を回復する。この冷却効果は、サブクーリングされた液体冷媒を個々の膨張装置に供給することによって選択されていない蒸発装置へと転送される。個々の膨張装置は、複数の蒸発装置のうちの選択されていない蒸発装置により低温の液体を供給する。
【技術的問題】
【0003】
Alsenzは、自身の発明が複数の蒸発装置を有する冷却システム内の1つの膨張装置でも機能すると主張しているが、彼のシステムおよび手法は、選択された蒸発装置が複数の蒸発装置のうちの1つである場合に、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置がある事例では直接的には適用できない。加えて、彼の図面には、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自のの膨張装置の事例は描かれていない。最後に、彼のシステムの請求では、いかなる膨張装置にも言及されていない。
【0004】
通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置がある事例では、Alsenzによって発見されていない追加の液体を逆方向に流す管とチェックバルブを導入しなければ、Alsenzの発明には、複数の蒸発装置のうちの選択されていない他のすべての蒸発装置へ供給する独自の膨張装置を通過させるために、選択された蒸発装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒が液体を流す管に再び放出されることを可能にするように、選択された蒸発装置がサブクーリングされる経路で、液体冷媒を選択された蒸発装置のコイルに通常の流れとは逆の方向で導入することによって選択された蒸発装置の解凍が成し遂げられる際に、選択された蒸発装置が複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置になることができないという技術的な問題が存在する。
【0005】
Alsenzの発明に存在するもう1つの技術的問題は、選択された蒸発装置を解凍している間、圧縮装置の吸入圧力を、最終的に圧力低下を起こすことなく、異なる蒸発圧力で稼働する2つの異なる選択されていない蒸発装置の高い方の蒸発圧力にすることができず、不可避的に最低になるということである。
【この技術的問題の解決方法】
【0006】
本発明の目的の1つは、選択された蒸発装置が複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置である場合に、追加の液体を逆方向に流す管とチェックバルブを利用することによって、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置の事例における、Alsenzのシステムおよび手法の1つ目の技術的問題を解決することである。より具体的には、本発明の目的の1つは、追加の液体を逆方向に流す管とチェックバルブによって、複数の蒸発装置のうち選択されてない他のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を通過できるように、選択された蒸発装置を出た当該のサブクーリングされた液体冷媒が通常の流れとは逆の方向で液体を流す管に再び放出されるのを可能にするように、選択された蒸発装置がサブクーリングされる経路で、液体冷媒を逆方向に流す専用の管によって、通常の流れとは逆の方向で選択された蒸発装置に導入し、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を有する閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムの、複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置である、選択された1つの蒸発装置を解凍できるシステムおよび手法を発見することである。前述の通り、各々の蒸発装置にそれぞれ膨張装置が備わっているAlsenzのより一般的なシステムとは対照的に、本発明に従ったこのシステムは、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を有していることと、各々がチェックバルブを有する冷媒を流す管によって独自の膨張装置の排出口と複数の蒸発装置の各々の蒸発装置の吸入口とが接続されることで、改善を達成している。そして、凝縮装置または受取装置の排出口は、液体を順方向に流す管によって独自の膨張装置の吸入口に接続されている。先に述べたように冷媒を流す管用のチェックバルブを使用することに加えて、1つ目の技術的問題の解決方法は、追加の液体を逆方向に流す管を使用することで暗黙裡に成し遂げられる。この追加の液体を逆方向に流す管は、それぞれが銘々のチェックバルブの下流に配置された冷媒を流す管の一部を液体を順方向に流す管に繋げ、追加の液体を逆方向に流す管はそれぞれがチェックバルブを有している。こういったチェックバルブが存在することから、冷媒は通常の稼働をしている間は当該の追加の液体を逆方向に流す管を流れることはないが、選択された蒸発装置が解凍を行っている間にのみ当該の液体を逆方向に流す管を流れる。とりわけ、冷媒は、選択された蒸発装置の冷媒を流す管の一部と液体を順方向に流す管の一部とを繋ぐ追加の液体を逆方向に流す管のみしか流れない。一方で、いかなる場合においても、冷媒は、他の追加の液体を逆方向に流す管を流れることはない。この他の追加の液体を逆方向に流す管は、選択された蒸発装置が解凍を行っている間、それぞれが選択されていない蒸発装置の冷媒を流す管の一部と液体を順方向に流す管の一部とを繋げている。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、前述したAlsenzのシステムおよび手法に関連した2つ目の技術的問題を解決することである。この問題とは、複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置である選択された蒸発装置の逆液体解凍をしている間に、圧縮装置の吸入圧力を、最終的に圧力低下を起こすことなく、異なる蒸発圧力で稼働する2つの異なる選択されていない蒸発装置の高い方の蒸発圧力にすることを成し遂げるために、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置に常に当てはまる問題である。この2つ目の技術的問題の解決方法は、液体を順方向に流す管に配置された更なる追加の排出装置および蒸気液体分離装置と、更なるチェックバルブ、分離バルブ、液体を順方向に流す管から分岐して補助的な膨張装置まで延びる補助的な液体を流す管を含む更なる液体を流す管によって達成される。この補助的な膨張装置は、選択された蒸発装置の逆液体解凍の間に、1つ目の選択されていない蒸発装置が、通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置によって供給される蒸発圧力と比較して、幾分高い蒸発圧力で複数の蒸発装置のうちの2つ目の選択されていない蒸発装置に供給をする。
【0008】
加えて、本発明の更なる目的は、2つ目の蒸気液体分離装置に接続された2つ目の圧縮ステージの利用と、エキスパンダー圧縮装置グループによって置き換え可能な更なる補助的な膨張装置の利用によって、この発見されたシステムの効率性を高めることである。
本発明の最後の目的は、様々な再加熱パフォーマンスレベルで、車内空調のための熱ポンプモバイルシステムとして使用することである。
本発明の重要な特徴は、以下の詳細な説明がより良く理解される順序、および本発明の貢献がより良く理解される順序で広範に要約されている。本発明の追加の特徴は、以下で詳細に説明され、本文書に添付される請求の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図表の一覧は、本発明の図表を構成する図形に関する簡潔な説明を提供し、ここでは同様の要素が同様の参照番号によって特定される。
図1図1は、(最新の)当技術分野で周知のように、とりわけ、液体を逆方向に流す専用の管を使用することによって、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置のコイルを逆液体解凍する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムを具体化したものである;
図2図2は、液体を逆方向に流す専用の管に加えて、本発明に従って、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置の事例において、追加の液体を逆方向に流す管およびチェックバルブを使用することによって、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置のコイルを逆液体解凍する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムを具体化したものである;
図3図3は、液体を逆方向に流す専用の管に加えて、本発明に従って、液体を順方向に流す管に配置された排出装置および蒸気液体分離装置で更に構成される、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置の事例において、追加の液体を逆方向に流す管およびチェックバルブを使用することによって、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置のコイルを逆液体解凍する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムを具体化したものである;
図4図4は、図3を参照して前述の通り、閉ループ蒸気サイクル冷却システムを具体化したものであり、図3は、補助的な膨張装置まで延びる液体を順方向に流す管から分岐した補助的な液体を流す管で構成され、この補助的な膨張装置は、選択された蒸発装置が解凍されている間に、複数の蒸発装置のうちの選択されていない2つ目の蒸発装置に供給する。この際の蒸発圧力は、独自の膨張装置によって供給される選択されていない1つ目の蒸発装置の蒸発圧力と比較すると幾分高くなっている。この独自の膨張装置は、本発明に従って、更なる液体を流す管と、更なるチェックバルブ、および分離バルブを使用することによって、通常の流れですべての蒸発装置に供給する。従って、圧縮装置の吸入圧力では、最終的な圧力低下を起こすことなく、複数の蒸発装置のうちの選択されていない2つの異なる蒸発装置の高い方の蒸発圧力が達成される;
図5図5は、図4を参照して前述の通り、閉ループ蒸気サイクル冷却システムを具体化したものであり、図4では、より一般的な分離制御バルブが、排出口側にチェックバルブを備えた吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブによって置き換えられている。当該の吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブは、この吸入口の圧力が参照圧力よりも幾分低くなったときにだけ開く。当該の参照圧力は、本発明に従って、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブに細い管によって送られる閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの都合の良いセクションの圧力である;
図6図6は、図5を参照して前述の通り、閉ループ蒸気サイクル冷却システムを具体化したものであり、図5は、本発明に従って、2つ目の蒸気液体分離装置に接続された2つ目の圧縮ステージに加えて、更なる補助的な膨張装置で構成される;
図7】図 7は、図6を参照して前述の通り、このシステムの具体化に関連して、選択された1つの蒸発装置を逆液体解凍するプロセスのフロー図である。 図7では、矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは本発明に従ったこのシステムの関連するセクションを示している;
図8】図 8は、図6の具体化を参照して前述の通り、本発明に従ったこのシステム内を循環する低沸点冷媒の熱力学的状態を示すモリエ線図であり、図6は、図7のフロー図におけるこのシステムで関連するセクションである。図7は、選択された1つの蒸発装置が解凍されている間の図で、図8ではギリシャ文字が熱力学的サイクルの様々な圧力レベルを示している;
図9図9は、図6を参照して前述の通り、本発明に従って、このシステムを具体化したものであり、更なる補助的な膨張装置と、内部熱交換装置、補足の液体を流す管、および補足のバルブの場所に車内空気の膨張装置圧縮装置グループの処理ユニットにおいて、とりわけ凝縮装置と共に配置される外部熱交換装置を使用することに加えて、車内空調のための熱ポンプモバイルシステムとして使用するために修正して適合されている;
図10図10は、図9を参照して前述の通り、本発明に従って、このシステムを具体化することに関した通常のフロー図であり、車内の空気の「冷却」機能に対応する低再加熱パフォーマンスによる直列フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している;
図11図11は、図9を参照して前述の通り、本発明に従って、このシステムを具体化することに関した通常のフロー図であり、車内の空気の「直列除湿加熱」機能に対応する中再加熱パフォーマンスによる直列フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している;
図12図12は、図9を参照して前述の通り、本発明に従って、このシステムを具体化することに関した通常のフロー図であり、車内の空気の「並行除湿加熱」機能に対応する高再加熱パフォーマンスによる並行フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している;
図13図13は、図9を参照して前述の通り、このシステムの具体化に関連して、選択された1つの蒸発装置のコイルを逆液体解凍するプロセスのフロー図であり、本発明に従って、車内の空気の「並行除湿加熱」機能に対応する高再加熱パフォーマンスによる並行フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7の逆液体解凍プロセスのフロー図における同一の関連するセクションを示している;
図14図14は、図9を参照して前述の通り、このシステムの具体化に関連して、選択された1つの蒸発装置のコイルを逆液体解凍するプロセスのフロー図であり、本発明に従って、車内の空気の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7の逆液体解凍プロセスのフロー図における同一の関連するセクションを示している;
図15図15は、図9を参照して前述の通り、このシステムを具体化することに関連したフロー図であり、本発明に従って、貯留装置として機能する1つ目の蒸気液体分離装置内に冷媒を集めるための「ポンプダウン」稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している;
図16図16は、図10で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている;
図17図17は、図11で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている;
図18図18は、図12で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている;
図19図19は、図13で既に示されている逆液体解凍プロセスのフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されており、ギリシャ文字は、本発明に従って、図8のモリエ線図として同じ圧力レベルを示している;
図20図20は、図14で既に示されている逆液体解凍プロセスのフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されており、ギリシャ文字は、本発明に従って、図8のモリエ線図として同じ圧力レベルを示している;
図21図21は、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブの自動バルブのセクションであり、このバルブは吸入圧力が参照圧力よりも幾分低くなった場合にしか開かない。当該の参照圧力は、本発明に従って、当該の自動バルブに細い管によって送られる閉ループ蒸気サイクル冷却システムの都合の良いセクションの圧力である;
図22図22は、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブの自動バルブの1つのバリエーションのセクションであり、このバルブはこのバルブは吸入圧力が参照圧力よりも幾分低くなった場合にしか開かない。このバルブは、そのセクションは図21に示されている前述のバルブとは異なり、 幹部が単純にピストン上に位置している。これは弾性シーリング要素にとって不可欠である;
図23図23は、図14で示されている逆液体解凍プロセスの特定のフロー図であり、図9で示され前述されている本発明に従って、このシステムを具体化することに関連している。ここでは適切な数のバルブと、関連するセクション、そして液体を流す管を組み込んだ1つのグループが強調されている;
図24図24は、図14で示されている逆液体解凍プロセスのフロー図であり、図9で示され前述されている本発明に従って、このシステムを具体化することに関連している。このシステムは一般的な車両の前部ボンネットに収納されており、ここでは適切な数のバルブと、関連するセクション、そして液体を流す管が、図23で示され前述されているグループに組み込まれている;
図25図25は、一般的な車両の前部ボンネットに収納されている車内空調の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間のもので、(最新の)当技術分野で周知のように、車内空調のために使用される気体注入を用いた従来型の熱ポンプモバイルシステムに関連したフロー図であり、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図24のフロー図に類似したいくつかの関連するセクションを示している;
図26図26は、閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの具体化に関連した解凍プロセスのフロー図であり、ここでは複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置のコイルの解凍が液体冷媒によって達成されており、この液体冷媒は当技術分野で周知のように、通常の流れと同じ方向で当該のコイルを通過して循環する。これは、図6を参照して前述の通り、発見された発明を具体化したものの装置とすべて同じものを使用し、それらだけを使用している。ここでは、矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7に示されている同一の関連するセクションを示している;
図27図27は、最新技術に関連したものと比較して、発見されたシステムの全体的な効率性の改善を定量化するためのケーススタディを検証した気体冷却装置のKA曲線であり、電力交換関数として描画されている;
図28図28は、最新技術に関連したものと比較して、発見されたシステムの全体的な効率性の改善を定量化するためのケーススタディを検証した、1つ目と2つ目の圧縮ステージの効率性を示した図(等エントロピーおよび容積測定)であり、圧縮比の関数として報告されている;
図29図29は、最新技術に関連したものと比較して、発見されたシステムの全体的な効率性の改善を定量化するためのケーススタディの検証に関連した2つのグラフで構成されており、参照基準として取ったシステムの従来型の稼働サブサイクルの開始から経過した時間と、発見されたシステムの最初の3つの連続的な稼働サブサイクルの開始時点に一致させた最初の瞬間に従って、それぞれが様々な「解凍を行っていない」蒸発装置の排出口の冷媒温度と、様々な「解凍を行っていない」蒸発装置の全体的な熱交換係数を示している;
図30図30は、最新技術に関連したものと比較して、発見されたシステムの全体的な効率性の改善を定量化するためのケーススタディの検証に関連した4つの図で構成されており、最新および発見されたシステムの両方の完全な稼働サイクルの開始時点から経過した時間に従って、それぞれが有効熱パワー(「熱」)の傾向と、全体的な電力消費(補助的な装置を含む)、有効COP、および解凍熱パワーを示しており、ここでは枠で囲まれた値は各サイクルの銘々の平均値を示している;
図31図31は、最新技術に関連したものと比較して、発見されたシステムの全体的な効率性の更なる改善を定量化するために検証されたケーススタディのバリエーションに関連した4つの図で構成されており、最新および発見されたシステムの両方の完全な稼働サイクルの開始時点から経過した時間に従って、それぞれが有効熱パワー(「熱」)の傾向と、全体的な電力消費(補助的な装置を含む)、有効COP、および解凍熱パワーを示しており、ここでは枠で囲まれた値は各サイクルの銘々の平均値を示している。
【具体化とその稼働の説明】
【0010】
適切な比較の方法によって、複数の蒸発装置のうちから選択された1つの蒸発装置を逆液体解凍する複数の蒸発装置を有する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムのために、最新のものと比較して、具体化を詳細に説明する。
【0011】
図1を参照すると、(最新の)当技術分野で周知のように、これは閉ループ蒸気サイクル冷却システム10の具体化を示しており、これには液体冷媒を圧縮するための圧縮装置12および13などの1つ以上の圧縮装置が含まれている。そして、圧縮されて加熱気体状態になった冷媒は、冷却と凝縮のために凝縮装置21を流れるか通過して、凝縮された冷媒を蓄積させるための貯留装置または受取装置31に移動する。その後、受取装置31から出た当該の液体冷媒は、装置または各蒸発装置周囲の冷却空間を冷却できるように、3つの膨張装置43a-cを循環し、3つの蒸発装置41a-cに移動して蒸発する。蒸発した冷媒は、冷却気体状態で蒸発装置41a-cを出て、銘々の冷却気体を流す3つの管76a-cを流れ、吸入マニホールド77に移動する。この吸入マニホールド77は、3つの冷却気体を流す管76a-c内の3つの冷却気体状態の冷媒の流れを1つの吸入管79にまとめる。この吸入管79は、気体状態の冷媒を蒸発装置41a-cから圧縮装置12および3に移動させるために、圧縮装置12および13の吸入口に繋がっている。一般的に、凝縮装置21には、冷媒の凝縮を促進するために、凝縮装置21に空気を通過させるためのファン221が含まれている。更に、圧縮加熱気体を流す管71は、圧縮された冷媒の加熱気体を凝縮装置21に移動させるために、圧縮装置12および13の排出口と凝縮装置21の吸入口とを繋いでいる。凝縮冷媒を流す管72は、凝縮装置21から受取装置31へ移動する凝縮冷媒を蓄積するために、凝縮装置21の排出口と受取装置または貯留装置31の吸入口とを繋いでいる。液体を順方向に流す管73は、自身の3つの液体を流す管の最終部分74a-cによって、受取装置31の排出口と複数の蒸発装置41a-cの各蒸発装置の吸入口とを繋いでいる。液体を順方向に流す管73の3つの液体を流す管の最終部分74a-cの各々は、対応する膨張装置を通過する:例えば、液体を順方向に流す管73の液体を流す管の最終部74aは、蒸発装置41aのコイル42aで液体冷媒を蒸発させられるように、蒸発装置41aに液体冷媒を供給するために、膨張装置43aを通過する。同様のことが他の蒸発装置でも発生する。更に、バルブ110が、液体を流す管の最終部74a-cの上流部にある液体を順方向に流す管73に配置されており、バルブ110の周囲にある液体を順方向に流す管73の迂回管にはバルブ111が含まれている。閉ループ蒸気サイクル冷却システム10の通常の稼働の間は、バルブ110はバルブ111が閉じている間に開いている;反対に、選択された蒸発装置の解凍プロセスの間は、バルブ110が閉じ、バルブ111が開いている。更に、システム10は、解凍プロセスの間に通常の流れとは逆の方向で液体冷媒を供給するために、受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口と蒸発装置41a-cの排出口とを繋ぐ3つの液体を逆方向に流す管75a-cで構成されている。例えば、液体を逆方向に流す管75aは、蒸発装置41aの解凍プロセスの間に、蒸発装置41aに通常の流れとは逆の方向で液体冷媒を供給するために、受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口と蒸発装置41aの排出口とを繋いでいる。従って、液体を逆方向に流す管75aは、蒸発装置41aの解凍プロセスの間は、解凍液体を供給する管として機能する。図1では、液体を逆方向に流す管75aが、バルブ110の上流部にある液体を順方向に流す管73から分岐しているように描かれているが、この管は同等の形で受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口からも開始され得ると理解されなければならない。更に、図 1では、液体を逆方向に流す管75aが、冷却気体を流す管76aと合流するように描かれているが、この管は同等の形で蒸発装置41aの排出口で直接終了し得ると理解されなければならない。同様のことが、液体を逆方向に流す管75bおよび75cと蒸発装置41bおよび41cとの関係性においても発生する。
【0012】
図1を参照すると、蒸発装置41aが詳細に説明されている。蒸発装置41aの説明は、蒸発装置41bおよび41cにも等しく当てはまる。蒸発装置41aには、コイル42aなどの1つ以上のコイルが含まれている。また、蒸発装置41aには、1つ以上の温度センサー301aおよび302aも含まれており、これらのセンサーはコイル42aに侵入する空気の流れとコイル42aの最終部にある冷却気体を流す管76aにそれぞれ配置されている。温度センサー301aおよび302aは、制御装置700にシグナルを供給する。また、蒸発装置41aには、蒸発装置41aのコイル42aに凍結状態が存在するかどうかを示すために、制御装置700にシグナルを提供する凍結検知装置308aも含まれている。また、蒸発装置41aには、コイル42a上で空気を動かすためと、冷却される装置と製品に冷却気体を循環させるためのファン241aも含まれている。更に、制御装置700にシグナルを提供するために、コイル42aの最終部にある冷却気体を流す管76aに、圧力センター309aも配置されている。
【0013】
再び図1を参照すると、液体を流す管には、液体制御バルブが配置されている:とりわけ、解凍液体供給バルブ101a-cは、液体を逆方向に流す管75a-cにそれぞれ配置されている;冷却気体バルブ102a-cは、冷却気体を流す管76a-cにそれぞれ配置されている.これらのバルブは、すべて制御回路700と電気的に接続され、その制御下にある。センサー304は、制御装置700にシグナルを提供するために、液体冷媒が存在している1つの吸入管79に配置されている。この制御装置700には、冷却システム10の稼働を制御するために、様々なセンサーからシグナルを受信するための入力701と、様々なバルブと他の装置に制御シグナルを送信するための出力702を有する制御回路が含まれている。迂回管のバルブ111は、選択された蒸発装置の解凍プロセスの間に、解凍される選択された蒸発装置のコイル周囲の液体冷媒に圧力差を作り出すために提供された差圧バルブであり、これによって、通常の流れとは逆の方向で選択された蒸発装置を出た液体冷媒が、バルブ110の下流部にある液体を順方向に流す管73に再び放出され、他の選択されていない蒸発装置に供給する膨張装置に液体冷媒が供給されることが可能になる。とりわけ、解凍される選択された蒸発装置が蒸発装置41aである場合、解凍プロセスの間は、差圧バルブ111は解凍される選択された蒸発装置41aのコイル42a周囲に液体冷媒の圧力差を作り出し、これによって、通常の流れとは逆の方向で蒸発装置41aを出た液体冷媒が、バルブ110の下流部にある液体を順方向に流す管73に再び放出され、液体を順方向に流す管73の液体を流す管の最終部74bおよび74cを介して循環されてから、膨張装置43bおよび43cを通過し、その後に蒸発装置41bおよび41cのコイル42bおよび42cをそれぞれ通過して蒸発することが可能になる。
【0014】
(最新の)当技術分野で周知のように、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置を逆液体解凍する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの複数の蒸発装置は、通常の流れで並列に配置された少なくとも2つの蒸発装置で達成される。図1に示されているように、最新のものと比較した特定の具体化の説明は、複数の蒸発装置が通常の流れで並列に配置された3つの蒸発装置で構成されているように描かれているが、これは2つ以上のあらゆる数の蒸発装置で有効であることを意図されている。
【0015】
ここで、選択された1つの蒸発装置の逆液体解凍をする複数の蒸発装置を有する閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムに関連して、本発明に従ったこのシステムの詳細な説明への参照がなされる。この選択された1つの蒸発装置は、複数の蒸発装置のうちの1つの蒸発装置であり、通常の流れですべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置を有している。
【0016】
ここで、図2を参照すると、本発明に従ったこのシステムにおいて推奨される具体化が示されている。ここでは、閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムに、液体冷媒を圧縮するための圧縮装置12および13として、1つ以上の圧縮装置が含まれている。圧縮装置12および13は、図2では往復圧縮装置として描かれているが、本発明の範囲を逸脱することなく、当技術分野で周知のように、遠心圧縮装置や、ロータリー圧縮装置、スクロール圧縮装置、ベンチュリ圧縮装置、ジェットエンタルピー圧縮装置、または他のタイプの圧縮装置にもすることができると理解されなければならない。圧縮されて加熱気体状態になった冷媒は、冷却と凝縮のために凝縮装置21を流れるか通過して、凝縮された冷媒を蓄積させるための貯留装置または受取装置31に移動する。遷臨界サイクルの場合には、凝縮装置21は気体冷却装置と置き換えられるが、本発明の範囲および理念から逸脱することを意味してはいない。これは、以降、遷臨界サイクルの場合において、気体冷却装置21を出て貯留装置または受取装置31に至る高圧高密度の冷媒が、適切な単純化のために液体冷媒であると定義することで決着させる。そして、受取装置31から出た当該の液体冷媒は、装置または各蒸発装置周囲の冷却空間を冷却できるように、3つの膨張装置41a-cに供給する独自の膨張装置61に移動して蒸発する。蒸発した冷媒は、冷却気体状態で蒸発装置41a-cを出て、銘々の冷却気体を流す3つの管76a-cを流れ、吸入マニホールド77に移動する。この吸入マニホールド77は、3つの冷却気体を流す管76a-c内の3つの冷却気体状態の冷媒の流れを1つの吸入管79にまとめる。この吸入管79は、圧縮装置12および13の吸入口に繋がっている。一般的に、凝縮装置21には、冷媒の凝縮を促進するために、凝縮装置21に空気を通過させるためのファン221が含まれている。更に、圧縮加熱気体を流す管71は、圧縮された加熱気体状態の冷媒を凝縮装置21に移動させるために、圧縮装置12および13の排出口と凝縮装置21の吸入口とを繋いでいる。凝縮冷媒を流す管72は、凝縮装置21から受取装置31へ移動する凝縮冷媒を蓄積するために、凝縮装置21の排出口と受取装置または貯留装置31の吸入口とを繋いでいる。液体を順方向に流す管73は、受取装置31の排出口と独自の膨張装置61の吸入口とを繋いでいる。受取装置31を出た液体冷媒は、独自の膨張装置61を流れて通過する。3つの冷媒を流す管74a-cは、冷媒を流す管74aが液体冷媒を蒸発装置41aに供給するように、液体冷媒を蒸発装置に供給するために、独自の膨張装置61の排出口と複数の蒸発装置41a-cの各々の蒸発装置とを繋いでいる。更に、バルブ110が液体を順方向に流す管73に配置されており、バルブ110の周囲にある液体を順方向に流す管73の迂回管にはバルブ111が含まれている。通常の稼働の間は、バルブ110はバルブ111が閉じている間に開いている;反対に、選択された蒸発装置の解凍プロセスの間は、バルブ110が閉じ、バルブ111が開いている。更に、システム10は、解凍プロセスの間に通常の流れとは逆の方向で液体冷媒を供給するために、受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口と蒸発装置41a-cの排出口とを繋ぐ3つの液体を逆方向に流す管75a-cで構成されている。例えば、液体を逆方向に流す管75aは、蒸発装置41aの解凍プロセスの間に、蒸発装置41aに通常の流れとは逆の方向で液体冷媒を供給するために、受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口と蒸発装置41aの排出口とを繋いでいる。従って、液体を逆方向に流す管75aは、蒸発装置41aの解凍プロセスの間は、解凍液体を供給する管として機能する。図2では、液体を逆方向に流す管75aが、バルブ110の上流部にある液体を順方向に流す管73から分岐しているように描かれているが、この管は同等の形で受取装置31の排出口または凝縮装置21の排出口からも開始され得ると理解されなければならない。更に、図2では、液体を逆方向に流す管75aが、冷却気体を流す管76aと合流するように描かれているが、この管は同等の形で蒸発装置41aの排出口で直接終了し得ると理解されなければならない。同様のことが、液体を逆方向に流す管75bおよび75cと蒸発装置41bおよび41cとの関係性においても発生する。
【0017】
上述の内容および図1に示されているとおり、最新のものと比較した具体化とは対照的に、図2で示されているとおり、本発明に従ったこのシステムの推奨の具体化には、複数の膨張装置が含まれていない(各膨張装置は複数の蒸発装置の各々の蒸発装置のために提供されている)。しかしながら、独自の膨張装置はすべての蒸発装置に対して共通である。更に、本発明に従ったこのシステムのこの推奨される具体化における液体を流す管74a-c(最新のものと比較した具体化では、液体を順方向に流す管73の最終部なので、少なくとも銘々の膨張装置43までのセクションに対しては膨張されていない液体冷媒が横断する)は、最初の部分から膨張された冷媒を流す管であり、更にそこにチェックバルブが備え付けられている。
【0018】
図2を参照すると、蒸発装置41aが詳細に説明されている。蒸発装置41aの説明は、蒸発装置41bおよび41cにも等しく当てはまる。上述の内容および図1に示されているとおり、最新の具体化と等しく、蒸発装置41aには、コイル42aなどの1つ以上のコイルが含まれている。また、蒸発装置41aには、1つ以上の温度センサー301aおよび302aも含まれており、これらのセンサーはコイル42aに侵入する空気の流れとコイル42aの最終部にある冷却気体を流す管76aにそれぞれ配置されている。温度センサー301aおよび302aは、制御装置700にシグナルを供給する。また、蒸発装置41aには、当技術分野で周知のように、蒸発装置41aのコイル42aに凍結状態が存在するかどうかを示すために、制御装置700にシグナルを提供する凍結検知装置308aも含まれている。また、蒸発装置41aには、コイル42a上で空気を動かすためと、冷却される装置と製品に冷却気体を循環させるためのファン241aも含まれている。更に、制御装置700にシグナルを提供するために、冷却気体を流す管76aにあるコイル42aの最終部に圧力センター309aも配置されている。
【0019】
再び図2を参照すると、液体制御バルブが液体を流す管に配置されている:とりわけ、解凍液体供給バルブ101a-cは、液体を逆方向に流す管75a-cにそれぞれ配置されている;冷却気体バルブ102a-cは、冷却気体を流す管76a-cにそれぞれ配置されている。これらすべてのバルブは、電気的に動作するバルブ(ソレノイドバルブなど)であるが、当技術分野に熟練した者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、他のタイプのバルブも使用できることを認識できるはずである。これらすべてのバルブは、制御回路700と電気的に接続され、その制御下にある。センサー304は、制御装置700にシグナルを提供するために、液体冷媒が存在している1つの吸入管79に配置されている。この制御装置700には、冷却システム10の稼働を制御するために、様々なセンサーからシグナルを受信するための入力701と、様々なバルブと他の装置に制御シグナルを送信するための出力702を有する制御回路が含まれている。この冷却システムを稼働させるために、あり得るすべての温度および圧力のセンサーが示されているわけではない。制御装置700は、プログラム可能論理制御装置(PLC)や、マイクロ制御装置、マイクロコンピューター、または閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの稼働を制御するために当技術分野で周知の制御回路に基づいた何らかのマイクロプロセッサーにすることができる。制御システム700の出力702のあり得るすべての接続は、この図にも以降の図にも示されていない。更に具体化には、制御システム700からの出力702と何らかのタイプの制御装置との接続しか示されていない。この何らかのタイプの制御装置は、こういった装置が挿入されている液体を流す管内の冷媒の流れを完全に停止させることができる。上述の内容および図1に示されているとおり、最新の具体化とは対照的に、図2で示されているとおり、本発明に従ったこのシステムの推奨の具体化では、迂回管のバルブ111は、差圧バルブではなく、より一般的な電動式バルブである。この迂回管のバルブ111はスロットルバルブにすることができる。更に、システム10には3つの追加の液体を逆方向に流す管78a-cが含まれており、それぞれの追加の液体を逆方向に流す管78は、(銘々のチェックバルブの下流部分に配置された)対応する冷媒を流す管74の一部とバルブの110の低圧側とを繋いでいる;それぞれの追加の液体を逆方向に流す管78はチェックバルブを有し、このチェックバルブは、対応する蒸発装置の解凍プロセスの間に、液体冷媒が流れることを可能にする。事実、冷媒は通常の稼働では当該の追加の液体を逆方向に流す管78a-cを流れず、以下で詳細に説明される解凍プロセスの間しか流れない。そして、このことは、ここに添付される請求項の主題である。更に、図2では、バルブ101a-cと、102a-c、110、および111は、図1と比較して、異なる(より図式的でない)図的表現が成されている。
【0020】
図2を参照すると、これは本発明に従った冷却システム10の通常の稼働であり、どの蒸発装置も解凍されていない稼働状態である。従って、バルブ110および102a-cは開いているが、バルブ111および101a-cは閉じている。低圧の気体冷媒は、圧縮装置12および13によって高圧に圧縮される。その後、圧縮された加熱気体冷媒は、加熱気体を流す管71に放出され、凝縮装置21を通過する。凝縮装置21は、冷媒から空気へ熱を伝達することによって、気体冷媒を冷却および凝縮する。これは、ファン221によって凝縮装置21を通じて強制することができる。この凝縮された冷媒は、凝縮装置21から凝縮された冷媒を流す管72を通じて受取装置31に放出される。受取装置31からでた液体冷媒は、液体を順方向に流す管73を流れ、開いたバルブ110を循環し、独自の膨張装置61に移動する。この液体冷媒は、膨張装置61を通過しながら、積層冷却冷媒へ膨張する。その後、冷却液体冷媒は、冷媒を流す管74a-cを流れ、銘々のチェックバルブを循環し、蒸発装置41a-cに移動する。具体的には、冷媒を流す管74aは、冷却液体冷媒を蒸発装置41aに提供する。蒸発装置41a-cでは、冷却液体冷媒が、コイル42a-cをそれぞれ通過し、ここでは、冷却される装置または冷却空間に空気が循環するような形で、蒸発して冷却をする。装置または冷却空間から冷媒へ循環して伝達される熱は、ファン241a-cによって増加させることができる。そして、冷媒は、蒸発装置41a-cの吸入口における冷却液体状態から、それらの蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、蒸発した冷却気体冷媒は、冷却気体を流す管76a-cを流れ、吸入マニホールド77に移動し、冷却気体を流す管102a-cの対応する開いたバルブを循環する。この吸入マニホールド77は、3つの冷却気体を流す管76a-c内の3つの蒸発した冷却気体状態の冷媒の流れを1つの吸入管79にまとめる。この吸入管79は、蒸発した冷却気体冷媒を蒸発装置41a-cから空圧縮装置12および13に移動させるために、圧縮装置12および13の吸入口に繋がっている。上述の通常の流れにおける冷却システム10の冷却サイクルは、複数の蒸発装置41a-cの各々の蒸発装置が継続的に通常の稼働をすることで発生する。つまり、どの蒸発装置も解凍されていない状態である。
【0021】
図2を参照すると、複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置の解凍プロセスが、凍結状態が冷却システム10の蒸発装置41aのコイル42aで検知されている事例のために説明されている。従って、解凍される選択された蒸発装置は蒸発装置41aであるが、選択されていない蒸発装置は蒸発装置41bおよび41cである。蒸発装置41aのコイル42aに十分な霜または氷が蓄積すると、その冷却パフォーマンスが低下し、冷却される装置または冷却空間が望ましい温度に維持されなくなる。こういった凍結状態は、凍結センサー308aによって検知される。そして、このセンサーが凍結状態を示す電気的シグナルを制御装置700に送信する。その後、解凍サイクルが蒸発装置41aのために制御装置700から開始される。または、解凍サイクルは、別の解凍開始装置もしくはタイマーによって自動的に開始させることもできる。このタイマーでは、特定の蒸発装置が通常の稼働をどれくらいの時間行ったら解凍サイクルを開始するかを設定する。図2を参照すると、ここで説明した事例のための解凍サイクルの間は、冷却システム10の稼働は制御装置700によって制御されており、冷却気体を流す管用バルブ102aは蒸発装置41aと圧縮装置12および13とを分離するために閉じている。その後、液体を逆方向に流す管75aに配置された解凍液体供給バルブ101aは、冷却気体を流す管用の閉じたバルブ102aと解凍液がある蒸発装置41aとの間に配置された冷却気体を流す管76aの一部をゆっくりと加圧するために、ゆっくりと開くかパルス状に開く。冷却気体を流す管用の閉じたバルブ102aと蒸発装置41aとの間に配置された冷却気体を流す管76aの一部のこのゆっくりとした加圧は、冷却気体を流す管76aと蒸発装置41a自体の両方のショック効果を防止する。その後、バルブ110が閉じてから、迂回管のバルブ111が開く。この迂回管のバルブ111はスロットル開放をすることができる。そして、蒸発装置41aが、液体を逆方向に流す管75aおよびコイル42aを通過する液体冷媒の逆方向の流れによって解凍される。この液体冷媒は、液体を逆方向に流す管用の開いたバルブ101aを以前に循環している。この液体冷媒は、通常の流れとは逆の方向でコイル42aを通過する間に熱を放出し、コイル42aに蓄積した氷を溶かすので、液体冷媒がサブクーリングされる際にコイルを解凍する。解凍プロセスの間の解凍液の流れは、液体を逆方向に流す管用バルブ101aによって制御することができるので、このバルブは解凍液体供給バルブとして機能する。このサブクーリングされた液体冷媒は、通常の流れとは逆の方向で蒸発装置41aを出て、通常の流れとは逆の方向で冷媒を流す管74aに入ってから、冷媒を流す管74aを出て、追加の液体を逆方向に流す管78aに入り、関係するチェックバルブを循環し、こういった形でバルブ110の低圧側を通過する。ここでは、受取装置31から出た液体冷媒と、スロットル開放できる迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒が合流する。その後、このサブクーリングされた液体冷媒(選択された蒸発装置から来たサブクーリングされた液体冷媒と、受取装置31から出て迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒の合計)は、バルブ110の下流部にある液体を順方向に流す管73に入り、独自の膨張装置61に移動する。このサブクーリングされた液体冷媒は、膨張装置61を通過する際に、液体と蒸気の混合物に流れ込む:すなわち、選択された蒸発装置から来たサブクーリングされた液体冷媒と、受取装置31から出て迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒の両方が流れる。その後、独自の膨張装置61を出たこのサブクーリングされた液体冷媒は、2つの冷媒を流す管74bおよび74cを流れ、銘々のチェックバルブを循環し、2つの蒸発装置41bおよび41cに移動して、そこで蒸発する。この冷媒は、この2つの蒸発装置41bおよび41cの吸入口における液体状態から、これらの蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、2つの蒸発装置41bおよび41cを出たこの蒸発した冷却気体状態の冷媒は、2つの冷却気体を流す管76bおよび76cに入り、冷却気体を流す管102bおよび102cの開いたバルブを循環し、吸入マニホールド77に移動してから、1つの吸入管79によって圧縮装置12および13の吸入口へ流れる。従って、蒸発装置41aのコイル42aに蓄積した霜と氷に蓄えられた冷却効果が、液体冷媒のサブクーリングによって回復され、その後、他の2つの蒸発装置41bおよび41cに伝達される。この解凍サイクルの間は、ファン241aを停止させることができ、凍結検知装置308aからのシグナルがモニタリングされる。コイル42aが完全に解凍されると、解凍液の流れは解凍液体供給バルブ101aを閉じることによって停止され、その後、バルブ110が冷媒の通常の流れの復旧開始のために開き、冷却気体を流す管用バルブ102aが開いて、迂回管のバルブ111が閉じる。ファン241aは、蒸発装置41aの解凍プロセスの間に停止されていた場合は、再び起動する。冷却気体を流す管用バルブ102aは、まだ存在している何らかの液体を冷却気体を流す管76aからゆっくりと流すためにパルス開放またはスロットル開放のいずれかをすることができる。この際、液体センサー304が慎重にモニタリングをしている。
【0022】
冷却気体を流す管用バルブ102aをパルス開放またはスロットル開放している間に、液体冷媒が液体センサー304によって検知された場合は、待機時間が課されるか、冷却気体を流す管用バルブ102aが抑制されなければならない。選択された蒸発装置41aのための解凍サイクルに関する上述の説明は、選択された蒸発装置が蒸発装置41bまたは蒸発装置41cであれば、類推適用される。
【0023】
図2で示されているとおり、本発明に従ったこのシステムの特定の具体化の説明は、複数の蒸発装置が通常の流れで並列に配置された3つの蒸発装置で構成されているように描かれているが、これは2つ以上のあらゆる数の蒸発装置で有効であることを意図されている。
【0024】
ここで、図これは、図2で示され上述された推奨される具体化とは異なっている。具体的には、液体を順方向に流す管73に配置された排出装置500および蒸気液体分離装置801を有している点が異なっている。排出装置(排出装置500)には2つの吸入口(原動力ポートと吸入ポート)と1つの排出口(放出ポート)があるため、あらゆる排出装置の(従って排出装置500の)機能の説明は、理想的に排出装置が2つの独立した排出口を備えているかのようにすることができる。つまり、2つの独立した放出ポートということである。従って、これは2つの独立した理想的な流れによって横断される:1つ目の理想的な流れとは、原動力ポートに侵入し、2つの理想的な放出ポートのうちの1つ目から出るもので、2つ目の理想的な流れとは、吸入ポートに侵入し、2つの理想的な放出ポートのうち2つ目から出るものである。熱力学的な条件は、当然、2つの理想的な流れの排出装置の排出口で同一である。更に、あらゆる蒸気液体分離装置は1つの吸入口だけでなく複数の独立した吸入口を有しているかのように、その(とりわけ、蒸気液体分離装置801の)機能を理想的に説明することが可能である。この陳述をすることによって、前述した2つの理想的な流れのための2つの独立した理想的な吸入口を有しているかのように、液体を順方向に流す管73と並んでいる排出装置500の下流部に配置された蒸気液体分離装置801の機能を理想的に説明することが可能である:蒸気液体分離装置801の1つ目の理想的な吸入口を通じて、1つ目の理想的な流れが原動力ポート501によって排出装置500に侵入し、排出装置500の2つの理想的な放出ポートのうちの1つ目から出る。反対に、蒸気液体分離装置801の2つ目の理想的な吸入口を通じて、2つ目の理想的な流れが吸入ポート502によって排出装置500に侵入し、排出装置500の2つの理想的な放出ポートのうちの2つ目から出る。いずれの場合でも、排出装置500の独自の物理的排出口と蒸気液体分離装置801の独自の物理的吸入口とを繋ぐために、1つのパイプではなく、2つのパイプを並行に使用することが技術的に可能である。この事例では、排出装置500の独自の物理的排出口と蒸気液体分離装置801の独自の物理的吸入口とを繋ぐ2つの理想的な並列の液体を流す管は、1つ目を液体を順方向に流す管73として、2つ目を1つの吸入管79として、それぞれ理解される。回路10の残りの構成要素は、図2で示されている推奨される具体化のために既に説明されたものと同じである。詳細としては、図3に示されているとおり、閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムは、気体冷媒を圧縮するための2つの圧縮装置12および13で構成されている。そして、圧縮された加熱気体冷媒は、冷却および凝縮のために加熱気体を流す管71によって凝縮装置21に流れ、凝縮された冷媒を蓄積するために凝縮冷媒を流す管72によって受取装置または貯留装置31に移動する。その後、液体冷媒は、受取装置31の排出口と独自の膨張装置61の吸入口とを繋ぐ液体を順方向に流す管73を流れ、液体を順方向に流す管用の開いたバルブ110を循環してから、原動力ポートによって排出装置500を通過し、その後に蒸気液体分離装置801を通過する。従って、通常の稼働では、(液体を順方向に流す管用の開いたバルブ110を循環した後に)受取装置31を出た液体冷媒は、排出装置500を通過する際は、主に液体と蒸気の混合物として流れる。この過程では、こういった混合物は単純に主に液体の冷媒と表現される。そして、排出装置500を出たこの主に液体の冷媒は蒸気液体分離装置801に移動し、ここで液体相と蒸気相という2つの相に分離される。主に液体の冷媒の液体相は、液体を順方向に流す管73から独自の膨張装置61へ流れ続ける;その後、主に液体の冷媒の液体相は、冷媒を流す管74a-cを流れ、銘々のチェックバルブを循環し、蒸発装置41a-cの吸入口に移動する。その後、この主に液体の冷媒の液体相が、各蒸発装置の周囲にある装置または他の冷却空間を冷却できるように、蒸発装置41a-cに流れる。この冷媒は、蒸発装置41a-cの吸入口における液体状態から、同一の蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、蒸発装置41a-cから出た主に液体の冷媒の液体相から生じた蒸発冷却気体は、冷却気体を流す管76a-cを流れ、冷却気体を流す管用の開いたバルブ102a-cを循環し、吸入マニホールド77に移動する。この吸入マニホールド77は、3つの蒸発冷却気体の流れを1つの吸入管79にまとめる。主に液体の冷媒の液体相から生じた当該の1つの蒸発冷却気体の流れは、1つの吸入管79を流れ、吸入ポート502によって排出装置500を循環し、ここで圧力が上昇する。その後、主に液体の冷媒の液体相から生じて圧力が上昇した蒸発冷却気体冷媒の流れは、蒸気液体分離装置801に流れ、ここで前述した主に液体の冷媒の蒸気相と合流し、一緒になって圧縮装置12および13の吸入口に流れる。従って、蒸気液体分離装置801は、圧縮装置12および13のための蓄積装置として機能する。
【0025】
図3を参照すると、要素42a-cと、75a-c、78a-c、101a-c、111、221、241a-c、301a-c、302a-c、304、308a-c、309a-c、700、701、および702としてまだ言及されていないすべてのチェックバルブは、システム10内ならびに図2で示され上述された推奨される具体化と同じ位置に配置されており、同じ機能を有している。
【0026】
図3で示されているとおり、本発明に従ったこのシステムのこの他の具体化の説明は、複数の蒸発装置が通常の流れで並列に配置された3つの蒸発装置で構成されているように描かれているが、これは2つ以上のあらゆる数の蒸発装置で有効であることを意図されている。
【0027】
図3を参照すると、本発明に従ったこのシステムのこの他の具体化において、選択された蒸発装置41aの解凍プロセスが説明されている。より具体的には、選択された蒸発装置41aの解凍プロセスの間は、冷媒の循環は、圧縮装置を出てから、図2で示されている推奨される具体化と比較して、選択された蒸発装置41aの解凍プロセスのために既に説明されたのと全く同じ形で進行するが、選択された蒸発装置41aから来て液体を順方向に流す管用の閉じたバルブ110の低圧側を通過するサブクーリングされた液体冷媒が、受取装置31から出た液体冷媒と合流し、迂回管の開いたバルブ111を通過するまでである。この時点以降、図2で示されている推奨される具体化と比較して既に説明されたこととは対照的に、液体を順方向に流す管用のバルブ110の低圧側を出たこういったサブクーリングされた液体冷媒(選択された蒸発装置41aから来たサブクーリングされた液体冷媒と、受取装置31から出て迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒の合計)は、原動力ポートを通じて排出装置500に侵入し、そこで液体と蒸気の混合物と混ざる。この過程では、こういった混合物は、主に液体の冷媒として既に単純に説明された通常の稼働と類似した形で示されている。その後、当該の主に液体の冷媒は蒸気液体分離装置801に移動し、ここで液体相と蒸気相という2つの相に分離される。この主に液体の冷媒の液体相は、液体を順方向に流す管73によって独自の膨張装置61へ流れ続ける。その後、この主に液体の冷媒の液体相は、膨張装置61を流れて通過する。その後、この主に液体の冷媒の液体相の流れは、冷媒を流す管74bおよび74cのみを流れ、銘々のチェックバルブを循環し、2つの選択されていない蒸発装置41bおよび41cに供給され、そこで蒸発する。この冷媒は、この2つの蒸発装置41bおよび41cの侵入部における液体状態から、これらの蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、主に液体の冷媒の液体相から生じた蒸発冷却気体は、2つの選択されていない蒸発装置41bおよび41cを出て、2つの冷却気体を流す管76bおよび76cを流れ、銘々の冷却気体を流す管用の開いたバルブ102bおよび102cを循環し、吸入マニホールド77に移動してから、1つの吸入管79を循環し、吸入ポート502によって排出装置500を通過して、そこで加圧される。その後、主に液体の冷媒の液体相から生じて圧力が上昇した蒸発冷却気体は、蒸気液体分離装置801に流れ、ここから主に液体の冷媒の蒸気相と合流し、一緒になって圧縮装置12および13に流れる。図3に示されている通り、本発明に従ったこの他の具体化の選択された蒸発装置41aのための解凍サイクルの上述の説明は、選択された蒸発装置が蒸発装置41bまたは蒸発装置41cである場合に、類推適用される。ここで、図4を参照すると、本発明に従ったこのシステムの別の具体化が示されている。ここでは、図3で示され上述された具体化とは対照的に、このシステム10は、補助的な液体を流す管80の最終部に配置された補助的な膨張装置62で更に構成されている。この補助的な液体を流す管80は、液体を順方向に流す管73から分岐しており、とりわけ、液体を順方向に流す管110の低圧側と当該の補助的な膨張装置62の吸入口とを繋いでいる。そして、3つの補助的な冷媒を流す管は、当該の補助的な膨張装置62の排出口と3つの冷媒を流す管74a-cの一部とを繋いでおり、この3つの冷媒を流す管74a-cの一部は、それぞれが対応するチェックバルブと対応する蒸発装置41との間に配置されている。この3つの補助的な冷媒を流す管は、それぞれが分離バルブ401を有している。例えば、当該の補助的な膨張装置62の排出口と冷媒を流す管74cの一部(対応するチェックバルブと対応する蒸発装置41cとの間に配置されているもの)とを繋いでいる補助的な冷媒を流す管には、分離バルブ401cが含まれている。同様のことが、バルブ401aおよび401bと蒸発装置41aおよび41bとの関係性においても発生する。この分離バルブ401a-cは、(ソレノイドバルブなどの)一般的な制御バルブである。もう1つの違いは、このシステム10が、更に3つの分離バルブ402a-cで構成されていることで、これらの分離バルブは、それぞれが銘々の冷却気体を流す管76に配置され、対応する冷却気体を流す管用バルブ102と吸入マニホールド77との間に位置している。例えば、分離バルブ402cは、冷却気体を流す管76cに配置され、対応する冷却気体を流す管用バルブ102cと吸入マニホールド77との間に位置している。同様のことが、バルブ402aと402bにおいても発生する。もう1つの違いは、システム10が3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cで構成されていることで、これら3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cは、それぞれが対応する冷却気体を流す管76の一部(この一部は対応する冷却気体を流す管用バルブ102と対応する分離バルブ402との間に位置している)と蒸気液体分離装置801とを直接的に繋いでいる。この繋がりは、蒸気液体分離装置801の理想的な3つ目の吸入口を介している。このことは、蒸発装置41a-cを出た蒸発して冷却気体になった冷媒が、吸入マニホールド77と排出装置500の両方を迂回して、蒸気液体分離装置801に侵入することを可能にするように、以下で更に説明される。これら3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cは、それぞれがチェックバルブを有している。
【0028】
図4を参照すると、要素12と、13、21、31、42a-c、61、71、72、75a-c、78a-c、79、101a-c、111、221、241a-c、301a-c、302a-c、304、308a-c、309a-c、501、502、700、701、および702としてまだ言及されていない他のチェックバルブは、システム10内ならびに図3で示され上述された具体化と同じ位置に配置されており、同じ機能を有している。とりわけ、上述の通り、排出装置500の機能は、理想的に排出装置500が2つの独立した排出口を備えているかのようにすることができる。つまり、2つの独立した放出ポートということである。従って、これは2つの独立した理想的な流れによって横断される:1つ目の理想的な流れとは、原動力ポート501に侵入し、2つの理想的な放出ポートのうちの1つ目から出るもので、2つ目の理想的な流れとは、吸入ポート502に侵入し、2つの理想的な放出ポートのうち2つ目から出るものである。熱力学的な条件は、当然、2つの理想的な流れの排出装置の排出口で同一である。
【0029】
更に、既に予想されている通り、および図3に示され上述されている具体化に類似して、図4に示されているこの具体化では、3つの独立した理想的な吸入口を有しているかのように、蒸気液体分離装置801の機能を理想的に説明することが可能である:蒸気液体分離装置801の1つ目の理想的な吸入口を通じて、1つ目の理想的な流れが原動力ポート501によって排出装置500に侵入し、排出装置500の2つの理想的な放出ポートのうちの1つ目から出る。反対に、蒸気液体分離装置801の2つ目の理想的な吸入口を通じて、2つ目の理想的な流れが吸入ポート502によって排出装置500に侵入し、排出装置500の2つの理想的な放出ポートのうちの2つ目から出る。最後に、上述の通り、蒸気液体分離装置801の3つ目の理想的な吸入口は、共通の最終部分と繋がっている。つまり、銘々のチェックバルブの下流部分であり、これは3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cのもので、通常の稼働の間はいかなる冷媒の流れによっても横断されないが、選択された蒸発装置が解凍されている間にだけは横断される。このことは以下で更に説明される。
【0030】
図4で示されているとおり、本発明に従ったこのシステムのこの他の具体化の説明は、複数の蒸発装置が通常の流れで並列に配置された3つの蒸発装置で構成されいるかのように描かれているが、これは3つ以上のあらゆる数の蒸発装置で有効であることを意図されている。
【0031】
図4を参照すると、通常の稼働の間は、3つの分離バルブ401a-cは閉じている:従って、冷媒は補助的な液体を流す管80を流れず、補助的な膨張装置62を通過せず、当該の補助的な膨張装置62から開始された3つの補助的な冷媒を流す管を流れない。更に、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cに配置されたチェックバルブが存在することによって、通常の稼働の間、冷媒は当該の3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cのいずれをも流れることはない。反対に、通常の稼働の間は、冷媒は3つの開いた分離バルブ402a-cを通過して、吸入マニホールド77に侵入する。従って、3つの開いた分離バルブ402a-cを通じて蒸発して冷却気体になった冷媒が循環することを除いて、通常の稼働は図3で示されている具体化を参照して説明されたものと全く同じである。
【0032】
図4を参照すると、選択された蒸発装置41aの解凍サイクルが詳細に説明されている。とりわけ、模範的な事例のための解凍サイクルが説明されており、ここでは冷却システム10の蒸発装置41aのコイル42aで凍結状態が検知されており、蒸発装置41aのコイル42aはちょうど解凍された状態で、蒸発装置41bのコイル42bは部分的に凍結しているが、まだ解凍される必要はない状態である。初期段階では、通常の稼働の間は、バルブ110と、バルブ102a-c、および前述の分離バルブ402a-cが開いているが、バルブ111と、バルブ101a-c、および前述の分離バルブ401a-cは閉じている。凍結センサー308aによって蒸発装置41aでコイル42aの凍結状態が検知されると、制御回路700によって蒸発装置41aのための解凍サイクルが開始される。この模範的な事例の解凍サイクルの間は、圧縮装置12および13から出た圧縮されて加熱気体となった冷媒が、冷却と凝縮のために加熱気体を流す管71によって凝縮装置21に流れ、凝縮された冷媒は蓄積されるために凝縮冷媒を流す管72によって貯留装置または受取装置31に移動する;その後、液体冷媒が液体を順方向に流す管73を流れる。その後、冷却気体を流す管用バルブ102aが閉じ、蒸発装置41aが圧縮装置12および13から分離される。その後、液体を逆方向に流す管75aに配置された解凍液体供給バルブ101aは、冷却気体を流す管用の閉じたバルブ102aと解凍液がある蒸発装置41aとの間に配置された冷却気体を流す管76aの一部をゆっくりと加圧するために、ゆっくりと開くかパルス状に開く。冷却気体を流す管用の閉じたバルブ102aと蒸発装置41aとの間に配置された冷却気体を流す管76aの一部のこのゆっくりとした加圧は、冷却気体を流す管76aと蒸発装置41aのショック事象を防止する。その後、バルブ110が閉じてから迂回管のバルブ111が開き、その後に分離バルブ402cが閉じてから分離バルブ401cが開く。この迂回管のバルブ111はスロットル開放をすることができる。この時点で、液体冷媒の逆方向の流れが、液体を逆方向に流す管75aを通過し、開いた解凍液体供給バルブ101aを循環してから、コイル42aを通過することによって、蒸発装置41aが解凍される。この液体冷媒は、通常の流れとは逆の方向でコイル42aを通過する間に熱を放出し、コイル42aに蓄積した氷を溶かすので、コイル42aが解凍される。同時に、液体冷媒がサブクーリングされる。コイル42aが解凍される間の解凍液体の流れは、開いた解凍液体供給バルブ101aによって制御することができる。このサブクーリングされた液体冷媒は、通常の流れとは逆の方向で蒸発装置41aを出て、通常の流れとは逆の方向で冷媒を流す管74aに入ってから、追加の液体を逆方向に流す管78aに入り、銘々のチェックバルブを循環し、こういった形で液体を順方向に流す管用バルブ110の低圧側を通過する。ここでは、受取装置31から出た液体冷媒と、迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒が合流する。その後、液体を順方向に流す管用のバルブ110の低圧側を出たこういったサブクーリングされた液体冷媒の1つの流れ(選択された蒸発装置41aから来たサブクーリングされた液体冷媒と、受取装置31から出て迂回管の開いたバルブ111を通過した液体冷媒の合計)は、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分と、サブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分に分割される。このサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分は、液体を順方向に流す管73を流れ、原動力ポート501によって排出装置500を通過する:反対に、サブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分は、補助的な膨張装置62に移動するために補助的な液体を流す管80を流れる。当該のサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分は、補助的な膨張装置62を通過する。その後、補助的な膨張装置62を出たサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分は、当該の補助的な膨張装置62の排出口と冷媒を流す管74cの一部とを繋ぐ補助的な冷媒を流す管を流れ、開いた分離バルブ401cを循環し、蒸発するために、冷媒を流す管74cの最終部分によって蒸発装置41cのコイル42cに侵入する。この最終部分は、銘々のチェックバルブの下流部分に配置されている。この冷媒は、蒸発装置41cの吸入口におけるサブクーリングされた液体状態から、この蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、サブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分から生じた蒸発した冷却気体状態の冷媒は、蒸発装置41cを出て、冷却気体を流す管76cを流れ、冷却気体を流す管用の開いたバルブ102cを循環してから、補助的な冷却気体を流す管81cを流れ、銘々のチェックバルブを循環する。これは、吸入マニホールド77と排出装置500を通過することなく、蒸気液体分離装置801に直接的に至るまでにである。なぜなら、バルブ402cが閉じるからである。反対に、液体を順方向に流す管73を流れるサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分は、原動力ポート501によって排出装置500に侵入する。このサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分は、排出装置500を通過する際に、液体と蒸気の混合物に混ざる:この過程では、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分のみに由来するこういった混合物は、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分として示されている。このサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分は、蒸気液体分離装置801に侵入し、そこで液体相と蒸気相に分割される。蒸気液体分離装置801から出たこのサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の液体相は、膨張装置61を通過する。このサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の液体相は、補助的な膨張装置62を出たサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分よりも幾分低い圧力で、膨張装置61を通過する。その後、このサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の液体相は、膨張装置61を出て、冷媒を流す管74bを流れ、関係するチェックバルブを通過し、蒸発装置41bのコイル42bに移動して蒸発する。この冷媒は、蒸発装置が41bの吸入口における液体状態から、同一の蒸発装置の排出口で蒸発した冷却気体状態に変化する。その後、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の液体相から生じた蒸発して冷却気体となった冷媒は、蒸発装置41bを出て、冷却気体を流す管76bを通過し、冷却気体を流す管用の開いたバルブ102bを循環し、開いた分離バルブ402bを通過してから、吸入マニホールド77を通過し、その後に1つの吸入管79を流れ、排出装置500の吸入ポート502を循環して加圧される。その後、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の液体相から生じて加圧された蒸発して冷却気体となった冷媒は、1つの吸入管79から排出装置500を出て、蒸気液体分離装置801に侵入し、そこでサブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分の蒸気相および蒸発装置41cを出たサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分から生じた蒸発して冷却気体になった冷媒の両方と合流し、これら他の2つの冷媒の流れと一緒になって吸入管79を流れ、圧縮装置12および13の吸入口に移動する。その結果として、圧縮装置12および13の吸入口の圧力は、最終的に低下することなく、蒸発装置41cから出たサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分から生じた蒸発して冷却気体になった冷媒の圧力であり、つまり、蒸発装置41cの蒸発圧力である。当該の蒸発圧力は、上述の通り、蒸発装置41bの蒸発圧力よりも幾分高い。従って、圧縮装置12および13の吸入圧力は、最終的に低下することなく、模範的な事例の解凍サイクルの間は、2つの独立した選択されていない蒸発装置41bおよび41cの蒸発圧力の高い方の圧力である。このことは明示的に観察される。なぜなら、ここで述べた模範的な事例の解凍プロセスの間は、冷却気体を流す管用のバルブ102aが閉じているので、分離バルブ402aの開閉状態は、この分離バルブに供給されてないことと関係がないからである。従って、通常の稼働と比較すると、バルブ101b-cおよび401a-bは、模範的な事例の解凍サイクルの間は閉じたままであるが、バルブ101aと、111、および401cは開いている。反対に、通常の稼働と比較すると、バルブ102b、102c、および402bは、模範的な事例の解凍サイクルの間は開いたままであるが、バルブ102aと、110、および402cは閉じている。一方で、バルブ402aは、無関係に開いたままにすることも、閉じることもできる。
【0033】
図5を参照すると、本発明に従ったこのシステムの別の具体化が示されている。ここでは、図4で示され上述された具体化とは対照的に、冷却システム10では、分離バルブは吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブで、一般的な制御バルブ(ソレノイドバルブなど)ではなく、排出口側にチェックバルブがある。吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブは、それぞれが吸入圧力が参照圧力よりも幾分低くなった場合にしか開かない;当該の参照圧力は、以降で更に具体的に説明されるように、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブに細い管によって送られる閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの都合の良いセクションの圧力である。
【0034】
図5を参照すると、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401cは、通常の稼働の間は、最初のうちは閉じている。事実、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401cの参照圧力は、蒸発装置41aの吸入圧力である。通常の稼働の間は、蒸発装置41aの吸入圧力は、膨張装置61を出た冷媒の低い圧力である。反対に、冷媒が補助的な膨張装置61から蒸発装置41cの吸入口に向かう方向で自動バルブ401cを通過できるようにするために、バルブ401cの上流部の圧力はこのバルブ自体の下流部の圧力よりも低くはできない。更に、自動バルブ401cの下流部の圧力は、蒸発装置41cの入口では低い圧力である。つまり、膨張装置61から出た冷媒の圧力であり、参照圧力である。従って、通常の稼働の間は、自動バルブ401cの吸入圧力は、参照圧力よりも低くすることはできないので、自動バルブ401cは閉じている。吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401cが通常の稼働の間に閉じる条件の説明は、自動バルブ401aおよび401bにも同じように適用される。なぜなら、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401aの参照圧力は、蒸発装置41bの吸入口の圧力であり、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401bの参照圧力は、蒸発装置41cの吸入口の圧力だからである。
【0035】
一方で、模範的な事例の解凍プロセスの間は、選択された蒸発装置41aの吸入口の圧力は、サブクーリングされた液体冷媒の圧力なので、高い圧力である。常に、模範的な事例の解凍プロセスの間は、自動バルブ401cの吸入圧力は、補助的な膨張装置62を出た冷媒の低い圧力である。従って、自動バルブ401cの吸入圧力は、模範的な事例の解凍プロセスの間は、参照圧力よりも確実に幾分低い。従って、自動バルブ401cは開く。
【0036】
反対に、模範的な事例の解凍プロセスの間は、自動バルブ401aの吸入圧力は、参照圧力よりも高い:事実、上述の通り、自動バルブ401aの吸入圧力は、蒸発装置41cの蒸発圧力であり、これは上述の通り蒸発装置41bの蒸発圧力よりも幾分高いので、自動バルブ401aは閉じたままである。最後に、模範的な事例の解凍プロセスの間は、自動バルブ401bの吸入圧力は、自動バルブ401cの吸入圧力と同じである一方で、自動バルブ401bの参照圧力は、自動バルブ401cの排出圧力と同じである。従って、自動バルブ401bの吸入圧力は、参照圧力よりも低くない:従って、自動バルブ401bは閉じたままである。
【0037】
図5を参照すると、3つの吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ402a-cは、通常の稼働の間は、最初のうちは開いている。事実、3つの自動バルブ402a-cの参照圧力は、(銘々のチェックバルブの下流部にある)3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分の圧力である。ここでは、蒸気液体分離装置801の前に更なる要素は配置されておらず、蒸気液体分離装置801の圧力と同じ圧力で、つまり、膨張装置61の吸入口の高い圧力と同じ圧力である。反対に、自動バルブ401a-cの吸入圧力は、蒸発した冷媒の低い圧力である。従って、自動バルブ401a-cの吸入圧力は、通常の稼働の間は、参照圧力よりも確実に低くなるので、自動バルブ401a-cは開いている。
【0038】
図5を参照すると、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ402bは、模範的な事例の解凍プロセスの間は、開いたままである。なぜなら、この場合は、蒸気液体分離装置801の圧力、つまりバルブ402bの参照圧力は、最終的に低下することなく、蒸発装置41cの蒸発圧力だからである。この圧力は、前述の通り、蒸発装置41bの蒸発圧力よりも幾分高い。従って、自動バルブ402bの吸入圧力は、参照圧力よりも幾分低いので、自動バルブ402bは開いたままである。
【0039】
5を参照すると、模範的な事例の解凍プロセスの間は、補助的な冷却気体を流す管81cのチェックバルブの上流部の圧力は同じであるか、確実にチェックバルブ自体の下流部の圧力よりも低くないことが明確に示されている。従って、模範的な事例の解凍プロセスの間は、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ402cは閉じる。なぜなら、この自動バルブ401cの吸入圧力は、これ自体のチェックバルブの上流部の圧力と同じであり、これ自体のチェックバルブの下流部の圧力よりも確実に低くない、つまり、参照圧力よりも低くないからである。
【0040】
図4に示され上述されているシステムの具体化に対して既に述べられているように、また、図5で示されている本発明に従ったこのシステムのこの他の具体化に対しても既に述べられているように、模範的な事例の解凍プロセスの間は、分離バルブ402aの開閉状態は、これが自動バルブであるかどうかにかかわらず、分離バルブ402aに供給されていないことと関係がない。なぜなら、冷却気体を流す管102aが閉じているからである。図4で示され既に説明されている具体化と比較して、図5で示されている本発明に従ったこのシステムのこの他の具体化については、制御装置700の出力702でビジー状態なものの数が少ないのは明白である。
【0041】
図5を参照すると、要素12と、13、21、31、42a-c、71、72、73、74a-c、75a-c、76a-c、77、78a-c、79、80、101a-c、102b-c、110、111、221、241a-c、301a-c、302a-c、304、308a-c、309a-c、500、501、502、700、701、および702としてまだ言及されていない他のチェックバルブは、システム10内ならびに図4で示され上述された具体化と同じ位置に配置されており、同じ機能を有している。更に具体的には、本発明に従って図5で示されているこの他の具体化に対しては、模範的な事例のための通常の稼働と解凍プロセスの両方は、図4で示され上述された具体化を同じである。
【0042】
ここで、図6を参照すると、本発明に従ったこのシステムの別の具体化が示されている。ここでは、図5で示され上述された具体化とは対照的に、システム10は、補助的な液体を流す管80で配置された2つ目の補助的な膨張装置63と2つ目の蒸気液体分離装置802で更に構成されている。更に、システム10は、2つの並列な他の圧縮装置14および15で構成されており、当該の並列関係は、並列な圧縮装置12および13の下流部分に直列に配置されているので、この蒸気の圧縮は2つのステージで行われる圧縮である。更に、システム10は、2つ目の蒸気液体分離装置802の排出口と2つ目の圧縮ステージの吸入口とを繋ぐ補足の液体を流す管82で構成されている。この2つ目の圧縮ステージの吸入口とは、1つ目の圧縮ステージの排出口のことである。更に、排出装置500を出て1つ目の蒸気液体分離装置801に侵入する2つの独立した理想的な液体を流す管は、ここで1つの液体を流す管へと合流する。ここでは、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分も合流する。これは、銘々のチェックバルブの下流部にあるものである。ここから503という番号が振られる独自の物理的排出ポートによって排出装置500をから出ていて、独自の物理的吸入ポートによって1つ目の蒸気液体分離装置801の吸入口に侵入しているこの独自の液体を流す管は、銘々のチェックバルブの下流部にある3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分とも合流しており、吸入管79であるので、液体を順方向に流す管73は排出装置500の原動力ポート501で終了していると想定されている。 更に、1つ目の蒸気液体分離装置801と通常の流れで複数の蒸発装置のすべての蒸発装置に供給する独自の膨張装置61とを繋いでいる液体を流す管は、以前は液体を順方向に流す管73の不可欠な一部だったが、ここでは更なる独立した補足の液体を流す管83として番号が振られている。最後に、更なるチェックバルブは、「遮断」の間に排出装置の溢れを防止するために、吸入管79に配置され、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分の合流部と1つ目の蒸気液体分離装置801の吸入口との間に配置されている。図6を参照すると、要素21と、31、41a-c、42a-c、62、71、72、74a-c、75a-c、76a-c、77、78a-c、101a-c、102a-c、110、111、221、241a-c、301a-c、302a-c、304、308a-c、309a-c、401a-c、402a-c、502、700、701、および702としてまだ言及されていないチェックバルブは、システム10内ならびに図5で示され上述された具体化と同じ位置に配置されており、同じ機能を有している。更に具体的には、本発明に従って図6で示されているこの他の具体化に対しては、通常の稼働は、図4および図5で示され上述された2つの具体化と関係したものと同じである。反対に、模範的な事例の解凍プロセスは、図6で示されているこの具体化とは、図4および図5で示され上述された模範的な事例の解凍プロセスにおいては、サブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分が2つ目の補助的な膨張装置63を通過してから、2つ目の蒸気液体分離装置802で液体相と蒸気相という2つの相に分離するという事実が異なっている。サブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分の蒸気相は、補足の液体を流す管82を流れ、2つ目の圧縮ステージの吸入口へ移動する。反対に、1つ目の補助的な膨張装置62に侵入するサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分の液体相は、図4および図5で示され上述された2つの具体化に関連した模範的な事例の解凍プロセスの間に、1つ目の補助的な膨張装置62に侵入するサブクーリングされた液体冷媒の2つ目の部分の「流れない」ものとして説明されたもののようにふるまう。最後に、サブクーリングされた液体冷媒の1つ目の部分は、図4および図5で示され上述された2つの具体化に関連した模範的な事例の解凍プロセスのために既に説明されたのと同じ方法で流れる。
【0043】
更に具体的には、図6で示され、ここで検証されている具体化の稼働に関しては、模範的な事例の解凍プロセスの間は、図7を参照することができ、ここでは模範的な事例のための逆液体解凍プロセスのフロー図が示されている。つまり、繰り返しになるが、凍結状態が冷却システム10の蒸発装置41aのコイル42aで検知されていて、蒸発装置41cのコイル42cがちょうど解凍された状態で、蒸発装置41bのコイル42bは部分的に凍結しているが、まだ解凍される必要はない状態なので、コイル42bへの蒸発圧力よりも幾分高いコイル42cへの蒸発圧力は、最終的に低下することなく、圧縮装置12および13の吸入圧力と一致している事例である。図7のフロー図における矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットはシステム10の関連するいくつかのセクションを示している。
【0044】
簡略化するために、図6を参照して前述された具体化に関連して、これらは蒸発装置41bおよび41cのための銘々の逆液体解凍プロセスの2つの類似したフロー図では示されていない。
【0045】
ここで図8を参照すると、ここでは、図6の具体化を参照して前述の通り、このシステム内を循環する二酸化炭素としての低沸点冷媒の熱力学的状態を示すモリエ線図が示されており、これは図7のフロー図で枠で囲まれたアルファベットで示されているこのシステムで関連するセクションにおける模範的な事例の解凍プロセスの間のものである。表記サイズが大きければ大きいほど、対応するセクションにおける冷媒の質量流量が大きいということである。ギリシャ文字は、熱力学的サイクルの様々な圧力レベルを示している。
【0046】
図9を参照すると、本発明に従ったこのシステムの別の具体化が示されている。ここでは、図6で示され上述された具体化とは対照的に、システム10は、様々な再加熱パフォーマンスレベルで、車内空調のための熱ポンプモバイルシステムとして使用するために修正して適合されている。更に具体的には、本発明に従ったこのシステムのこの直近の具体化は、図6で示され上述された具体化とは異なっている。その主な理由は、液体を順方向に流す管73から分岐した更なる補足の液体を流す管84で配置されたもう1つの補助的な膨張装置64および外部熱交換装置51があることと、液体を順方向に流す管用バルブ110の低圧側に1つ目の最終部分があること、そして3つの補助的な冷却気体を流す管81a-c、つまり、銘々のチェックバルブの下流部にあるものの共通の最終部分の一部に対応した2つ目の最終部分があることである。この外部熱交換装置51は、車内空調ユニット900のケース901に配置され、凝縮装置21と、ファン221を置き換える送風装置251、エアミックスドア902、および凝縮装置21周囲の迂回経路903によって内部が更に構成されている。更に具体的には、送風装置251は、外部熱交換装置51の侵入側に配置され、ケース901全体の換気を提供する。エアミックスドア902は、外部熱交換装置51の排出側と、凝縮装置21および迂回経路903の両方の換気の吸入側に配置されている。このエアミックスドア902は、凝縮装置21を通過する空気の量と、迂回経路903を通過する空気の量との間の比率を調節する機能を果たす。この空気は、外部熱交換装置51を既に通過した換気空気である。凝縮装置21および迂回経路903のいずれかの換気空気の流れの排出側では、混合空間(図9には示されていない)が、凝縮装置21によって加熱された換気空気と、凝縮装置21によって加熱されていない迂回経路903を通過した換気空気とを混合するために提供されている。混合空間で混合された(ここで調整された)換気空気を、車内(空気によって調整される空間として意図された車内)に送風するための開口部(図9には示されていない)が、ケース901の換気空気の流れの下流部側の遠くの位置に提供されている。外部熱交換装置51では、その最終部分に更なる補足の液体を流す管84に配置された温度センサー351として、1つ以上の温度センサーが含まれている。更に、図9に示されているこの他の具体化では、更なる補足の液体を流す管84の冷媒の流れを妨害するために、バルブ110が3方向バルブとなっている。更に、補助的な液体を流す管80に配置された2つ目の補助的な膨張装置63は、エキスパンダー圧縮装置グループ600によって置き換えられている。ここでは、液体を順方向に流す管用バルブ110の低圧側を出たサブクーリングされた液体冷媒の一部が、補助的な液体を流す管80を流れ、エキスパンダー圧縮装置グループ600のエキスパンダーの吸入ポート601を通過してから、エキスパンダー圧縮装置グループ600の排出ポート603を通過し、その後に2つ目の蒸気液体分離装置802に侵入する。この置き換えを理由にして、ここで追加された補助的な膨張装置64は、これ以降、2つ目の補助的な膨張装置として示される。エキスパンダー圧縮装置グループの排出口は、エキスパンダーの排出口とエキスパンダー圧縮装置グループの圧縮装置の排出口の両方に対応している。更に、図9ではエキスパンダー圧縮装置グループがエキスパンダーと圧縮装置の両方に共通の独自のシャフトを有しているように描かれているが、本発明の範囲を逸脱することなく、エキスパンダー圧縮装置グループの2つの構成要素の間で機械的および/または電気的な他の接続形式を使用できることが意図されている。
【0047】
9を参照すると、3つ目の補助的な膨張装置65とチェックバルブが、外部熱交換装置51の下流部にある既に更にされた補足の液体を流す管84に配置されている。また、この3つ目の補助的な膨張装置65は、EPR(蒸発圧力制御装置)にすることもできる。更に、図9に示されているこの他の具体化では、受取装置または貯留装置31は存在していない。なぜなら、これらの装置の機能が1つ目の蒸気液体分離装置801によって実行されているからである。凝縮冷媒を流す管72は、液体を順方向に流す管73に組み込まれているので、凝縮装置21の排出口と排出装置500の原動力ポート501とを繋いでいる。更に、バルブ101および102の各ペアは、適した3方向バルブ103で置き換えられている。例えば、バルブ101aおよび102aのペアが、適した3方向バルブ103aで置き換えられている。同様のことが、3方向バルブ103bと103cでも発生する。更に、システム10は、銘々のチェックバルブの下流部と前述された補足の液体を流す管84の2つ目の最終部分の上流部に配置された3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の一部に対応する1つ目の最終部分と、3方向バルブと2つ目の補助的な膨張装置64との間に配置された前述された補足の液体を流す管84の一部に対応する2つ目の最終部分を有する、更なる補足の液体を流す管85で構成されている。当該の更なる液体を流す管85はチェックバルブを有している。更に、更なるチェックバルブは、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分に配置され、前述された補足の液体を流す管85の1つ目の最終部分と前述された補足の液体を流す管84の2つ目の最終部分との間に配置されている。更に、システム10は、3つ目の補助的な膨張装置65とチェックバルブとの間に配置された前述された補足の液体を流す管84の一部に対応する1つ目の最終部分と、吸入マニホールド77と排出装置500の吸入ポート502との間に配置された吸入管79の一部に対応する2つ目の最終部分を有する、更なる補足の液体を流す管86で構成されている。更に、分離バルブ403が当該の更なる補足の液体を流す管86に配置されている:この分離バルブ403は、1つ目の蒸気液体分離装置801の参照圧力を持ち、チェックバルブの排出側に提供された、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブにすることができる。更に、システム10は、関係するチェックバルブの上流部にある3つの冷媒を流す管74a-cの共通の一部に対応する1つ目の最終部分と、前述された補足の液体を流す管84に配置され、前述された補足の液体を流す管85の2つ目の最終部分と2つ目の補助的な膨張装置64の吸入口との間に配置された、3方向バルブ112に対応する他の最終部分を有する、更なる補足の液体を流す管87で構成されている。更に、システム10は、吸入管79から分岐し、1つ目の蒸気液体分離装置801と圧縮装置12および13の吸入口との間に配置された吸入管79の一部に対応する1つ目の最終部分と、エキスパンダー圧縮装置グループ600の圧縮装置の吸入ポート602に2つ目の最終部分を有する、更なる補足の液体を流す管88で構成されている。更に、システム10は、液体を順方向に流す管73と補助的な液体を流す管80との間に配置された内部熱交換装置91で構成されている:より具体的には、当該の内部熱交換装置91は、液体を順方向に流す管用バルブ110の低圧側から出て排出装置500の原動力ポート501に向かう液体を順方向に流す管73を流れる液体冷媒と、エキスパンダー圧縮装置グループ600の排出ポート603から出て2つ目の蒸気液体分離装置802に向かう補助的な液体を流す管80を流れる冷媒との間の熱交換を可能にする。この補助的な液体を流す管80は、当該の内部熱交換装置91の周囲にある迂回管で構成されている:当該の迂回管は、バルブ115を有している。このバルブ115はスロットルバルブにすることができる。更に、システム10は、1つ目の補助的な膨張装置62を出た3つの補助的な冷媒を流す管の共通の一部に対応する1つ目の最終部分と、3つの冷媒を流す管74a-cの共通の一部に対応する2つ目の最終部分を有する、更なる補足の液体を流す管89で構成されている:当該の更なる液体を流す管89は、分離バルブ404を有している;こういった分離バルブ404は、1つ目の蒸気液体分離装置801の参照圧力を持ち、チェックバルブの排出側に提供された、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブにすることができる。最後に、システム10は、更に4つの新しいチェックバルブで構成されている。これらは図6に示されている具体化では提示されておらず、まだ具体的に説明されていないが、いずれにしても図9に示されている。これらは、「ポンプダウン」稼働の間にしか作用しない、手動の3方向バルブ113と、手動の2方向バルブ114、関連する相互接続用の液体を流す管、そして回路10の残りの部分と一緒に配置されている。図9を参照すると、要素14と、15、41a-c、42a-c、61、71、75a-c、76a-c、78a-c、82、83、111、241a-c、301a-c、302a-c、304、308a-c、309a-c、401a-c、402a-c、503、700、701、および702としてまだ言及されていないチェックバルブは、システム10内ならびに図6で示され上述された具体化と同じ位置に配置されており、同じ機能を有している。
【0048】
図9で示されている具体化を参照すると、いかなる蒸発装置も解凍されていない通常の稼働が、1つのケースではなく、対応する様々な再加熱パフォーマンスのレベルに応じて、3つの独立したケースで構成されていることが観察できる。これら3つの独立したケースは、以下で説明される3つの独立した図の銘々のフロー図によって個別に示されている。
【0049】
ここで図10を参照すると、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連した通常のフロー図が示されており、これは、車内の空気の「冷却」機能に対応する低再加熱パフォーマンスによる直列フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している。
【0050】
ここで図11を参照すると、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連した通常のフロー図が示されており、車内の空気の「直列除湿加熱」機能に対応する中再加熱パフォーマンスによる直列フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している。
【0051】
ここで図12を参照すると、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連した通常のフロー図が示されており、車内の空気の「並行除湿加熱」機能に対応する高再加熱パフォーマンスによる並行フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している。
【0052】
図9で示されている具体化を参照すると、本発明に従った手法による解凍プロセスが2つの独立したケースで構成されていることが観察できる。これら2つの独立したケースは、以下で説明される2つの独立した図の銘々のフロー図によって個別に示されている。
【0053】
ここで図13を参照すると、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連した模範的な事例の逆液体解凍プロセスのフロー図が示されており、車内の空気の「並行除湿加熱」機能に対応する高再加熱パフォーマンスによる並行フロー構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7の逆液体解凍プロセスのフロー図における同一の関連するセクションを示している。
【0054】
ここで図14を参照すると、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連した模範的な事例の逆液体解凍プロセスのフロー図が示されており、車内の空気の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7の逆液体解凍プロセスのフロー図における同一の関連するセクションを示している。
【0055】
完全を期すために、図15では、図9を参照して説明されたこのシステムの具体化に関連したフロー図が示されており、これは貯留装置として機能する1つ目の蒸気液体分離装置内に冷媒を集めるための「ポンプダウン」稼働の間のもので、ここでは矢印を伴う太線は冷媒回路を示している。
【0056】
ここで図16を参照すると、図10で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものが示されており、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている。更に、図10で既に示されているプロセスの類似のフロー図と比較すると、制御装置700(およびその入力701および出力702)と、すべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、351)、更に、細い管を除いて冷媒の循環によって影響されない閉回路10のすべての要素が意図的に含められていない。この細い管によって、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ403および404に参照圧力が伝達される。内部熱交換装置91は、一次および二次という2つの部分に分けられている。描写の完全を期すために、要素241a-cと、251、900、902、903も描かれている。
【0057】
ここで図17を参照すると、図11で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものが示されており、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている。更に、図11で既に示されているプロセスの類似のフロー図と比較すると、制御装置700(およびその入力701および出力702)と、すべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、351)、更に、細い管を除いて冷媒の循環によって影響されない閉回路10のすべての要素が意図的に含められていない。この細い管によって、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ403および404に参照圧力が伝達される。内部熱交換装置91は、一次および二次という2つの部分に分けられている。描写の完全を期すために、要素241a-cと、251、900、902、903も描かれている。
【0058】
ここで図18を参照すると、図12で既に示されている通常のフロー図を縮小および再配置したものが示されており、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている。更に、図12で既に示されているプロセスの類似のフロー図と比較すると、制御装置700(およびその入力701および出力702)と、すべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、351)、更に、細い管を除いて冷媒の循環によって影響されない閉回路10のすべての要素が意図的に含められていない。この細い管は、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cと関係するチェックバルブを除いて、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ402a-cと、403、および404に参照圧力を伝達する。内部熱交換装置91は、一次および二次という2つの部分に分けられている。描写の完全を期すために、要素241a-cと、251、900、902、903も描かれている。18では、電気ヒーターが更に示されている。このヒーターは、3つの補助的な冷却気体を流す管81a-cの共通の最終部分に閉じ込められた冷媒の温度(そして圧力)を高く保つために、稼働させることができる。
【0059】
ここで図19を参照すると、これは図13で既に示されている模範的な事例の逆液体解凍プロセスのフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている。更に、図13で既に示されているプロセスの類似のフロー図と比較すると、制御装置700(およびその入力701および出力702)と、すべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、351)、更に、細い管を除いて冷媒の循環によって影響されない閉回路10のすべての要素が意図的に含められていない。この細い管によって、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401cおよび402bに参照圧力が伝達される。内部熱交換装置91は、一次および二次という2つの部分に分けられている。描写の完全を期すために、要素241a-cと、251、900、902、903も描かれている。更に、ギリシャ文字は、図8のモリエ線図の同一の圧力レベルを示している。
【0060】
ここで図20を参照すると、これは図14で既に示されている模範的な事例の逆液体解凍プロセスのフロー図を縮小および再配置したものであり、ここでは冷媒の循環によって影響を受けるこのシステムの要素が、圧力上昇関数として、下部から上部へ配置されている。更に、図14で既に示されているプロセスの類似のフロー図と比較すると、制御装置700(およびその入力701および出力702)と、すべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、351)、更に、細い管を除いて冷媒の循環によって影響されない閉回路10のすべての要素が意図的に含められていない。この細い管によって、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ401cおよび402bに参照圧力が伝達される。内部熱交換装置91は、一次および二次という2つの部分に分けられている。描写の完全を期すために、要素241a-cと、251、900、902、903も描かれている。更に、ギリシャ文字は、図8のモリエ線図の同一の圧力レベルを示している。最後に、冷媒によって横断されることはないが、図20では、これまでの種々の図との適切な比較のために、外部熱交換装置51も示されている。
【0061】
ここで図21を参照すると、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ400のセクションが示されており、このバルブは吸入圧力が参照圧力よりも幾分低くなった場合にしか開かない。当該の参照圧力は、本発明に従って、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ400に細い管411によって送られる閉ループ蒸気サイクル型の冷却システム10の都合の良いセクションの圧力である。この自動バルブ400の説明は、上述の自動バルブ401a-cと、402a-c、403、および404すべてに等しく当てはまる。図21に示されている吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ400は、英語の略称C.R.I.バルブ(Close on Rise of Inlet pressure valve(吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ))という名称がついている。図21に示されている吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブ400では、細い管411が自動バルブ400の分離チャンバー412と繋がっている;当該の分離チャンバー412は、ふいごや、ダイヤフラム、または他の類似した柔軟な装置などの弾性シーリング要素414によって、自動バルブ400のハウジング413から分離されている。当該のハウジング413は吸入口と、排出口、伝達経路、ハウジングの吸入口および排出口の内腔を定める経路内のバルブシート417、バルブが閉じられた際に漏れを防ぐシーリングを作り出すためにバルブシート417と接触する吸入口の内腔に配置されたバルブメンバー416(シーリングディスクとして)、バルブメンバー416から当該の排出口の内腔を経て弾性シーリング要素414に延びる幹部415、およびバルブ410の本体とバルブメンバー416との間で圧縮される吸入口の内腔にあるコイルスプリング419を有している。このバルブメンバー416と幹部415は、弾性シーリング要素414を圧縮できるようにバルブシート417に対して閉じた位置と、弾性シーリング要素414を拡大できるようにバルブシート417から離れるように吸入口の内腔で開く位置との間で動くことができる。参照圧力は、弾性シーリング要素414の外側に力を発揮し、これによって弾性シーリング要素が拡大する。この力は、当該の弾性シーリング要素416をバルブシート417から遠ざけるために、幹部415(ロッドや、スパイク、または他の類似の要素)を通じてシーリングディスク416(または他の類似したバルブメンバー)に伝達される。この力は、最終的に、弾性シーリング要素414と幹部415の両方と一体となっているピストン418として配置されている伝達要素によって、弾性シーリング要素414と幹部415に伝達することができる。圧縮されたコイルスプリング419は、シーリングディスク416をバルブシート417の方向へ押すために、シーリングディスク416に力を発揮する。幹部415とバルブ410の本体との間にある間隔420によって、排出圧力は、弾性シーリング要素414の外側に作用するので、弾性シーリング要素414に押しつぶす力を発揮する。また、この排出圧力は、シーリングディスク416をバルブシート417から遠ざけるために、排出口の内腔に面したシーリングディスク416の表面にも作用する。弾性シーリング要素414の外部有効面積が排出口の内腔に面したシーリングディスク416(または他の類似のバルブメンバー)の表面積と同じであるため、排出圧力によって発揮されるこの2つの力は大きさが等しく方向が反対であるので相殺され、排出圧力が無効化される。反対に、この吸入圧力は、シーリングディスク416をバルブシート417の方向へ押すために、吸入口の内腔に面したシーリングディスク416の表面に作用する。従って、吸入圧力によって吸入口の内腔に面したシーリングディスク416の表面に作用する力は、圧縮されたコイルスプリングの力と同じ方向かつ大きさを持ち、この両方の力によって自動バルブ400が閉じられる。これら2つの力は、参照圧力による自動バルブ400の独自の開く力に対抗する。自動バルブ400を作動させる力は、これら3つの力のみである。弾性シーリング要素414の内部有効面積が吸入口の内腔に面したシーリングディスク416の表面積とおおよそ同じであるため、吸入圧力が参照圧力と近い場合、参照圧力による開く力は吸入圧力による閉じる力とおおよそ同一かつ反対方向なので、これら2つの力は実施的に均衡する。従って、本質的に、圧縮されたコイルスプリング419によるバルブを閉じる力だけが残る。また、吸入圧力が参照圧力よりも幾分高ければ、このバルブは、当然、閉じたままとなる。反対に、吸入圧力が参照圧力よりも幾分低い場合のみ、バルブが開く。事実、この場合にのみ、吸入圧力と圧縮されたコイルスプリングによる2つの力の合計である閉じる力が、参照圧力による開く力と比較して十分に低くなる。
【工業的応用】
【0062】
既に述べたように、本発明は、解凍サイクルを必要とするあらゆるタイプの閉ループ蒸気サイクル型で複数の蒸発装置を有する冷却システムに工業的に応用することができ、こういったシステムが使用されるあらゆる分野で蒸発装置のコイルの外側に形成される氷を除去することができる。既に述べられている特定の分野は、車内空調に関連したものである。とりわけ、図24では、図14のフロー図において、図9を参照して前述の通り、このシステムを具体化することに関して、このシステムが一般的な車両の前部ボンネットに挿入されており、ここでは適切な数のバルブと、関連するセクション、そして液体を流す管が、適切なグループに組み込まれている。図23は、図14のフロー図の具体例として、このグループの詳細を示している。図24では、図14で既に示されている類似のプロセスのフロー図と比較して、制御装置700(およびその入力701と出力702)と、(可視化を簡素化するために)圧縮装置13および15、そしてすべてのセンサー(301a-cと、302a-c、304、308a-c、309a-c、および351)が意図的に含められていない。
【0063】
適切な比較をするために、図25では、一般的な車両の前部ボンネットに挿入されている車内空調の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間のもので、(最新の)当技術分野で周知のように、車内空調のために使用される気体注入を用いた熱ポンプモバイルシステムに関連したフロー図であり、ここでは、図24のフロー図に類似して、枠で囲まれたアルファベットはいくつかの関連するセクションを示している。この比較は、本発明に従ったこのシステムの、温度自動調節膨張バルブや、電気膨張バルブ、圧力制御バルブ、毛細管バルブなどタイプは何であれ、膨張装置の総数(4つ)が、最新のシステムのものと同じであることを示している。更に、この比較は、本発明に従ったこのシステムが、最新のシステムと比較して、蒸発装置の交換面積がおおよそ50%増加していて、3つの同じ部分に分割されていることを示している:模範的な事例の解凍サイクルの間は、2つの部分が蒸発プロセスにあり、これらは外気の通過を可能にするファンと蒸発装置との間に配置された2つのベネチアンシャッターの開いたフィンを特徴としており、もう1つの部分は解凍プロセスにあり、この部分は外気の通過を妨げる対応するファンと蒸発装置との間に配置されたベネチアンシャッターの閉じたフィンを特徴としている。最後に、同じ冷媒を用いて、図25のフロー図に関連した熱力学的サイクルが、図8に示されているものと質的に同じであり、これが図14のフロー図に関連していることを証明できる。ただし、点L、O、P、およびQ、ならびにこれらを繋げる関係する変形管は例外であり、これらの管は、この関係するセクションが図25の最新の従来型モバイルシステムには存在していないため、描写されていない。更に、この特定の事例における点MおよびNは点Kと一致しており;点Eは点Dと;点Gは点Fと一致している。
【バリエーション】
【0064】
ここで図26を参照すると、これは、当技術分野で周知のように、閉ループ蒸気サイクル型の冷却システムの具体化に関連した解凍プロセスのフロー図であり、ここでは複数の蒸発装置から選択された1つの蒸発装置のコイルの解凍が液体冷媒によって達成されており、この液体冷媒は、通常の流れと同じ方向で当該のコイルを通過して循環する。これは、図6を参照して前述の通り、発見された発明を具体化したものの装置とすべて同じものを使用し、それだけを使用している。ここでは、矢印を伴う太線は冷媒回路を示しており、枠で囲まれたアルファベットは図7に示されている同一の関連するセクションを示している。更に詳細には、図7で示されている模範的な事例の逆液体解凍プロセスの対応するフロー図と比較して、図6を参照して前述の通り、発見された発明の具体化のために図26で示されているフロー図は、以下の2つの変更で構成されている:1つ目の変更は液体を流す管75a-cで、これらはこれまでの図では液体を逆方向に流す管だったが、図26では液体を順方向に流す管であり、これはバルブ110の上流部にある液体を順方向に流す管73の1つ目の最終部分を常に有し、対応する冷却気体を流す管76a-cの代わりに対応する冷媒を流す管74a-cの一部の最終部分を有している。2つ目の変更は3つの液体を流す管78a-cで、これらはこれまでの図では追加の液体を逆方向に流す管だったが、図26では追加の液体を順方向に流す管であり、これは液体を順方向に流す管用のバルブ110の低圧側の2つ目の最終部分を常に有し、対応する冷媒を流す管74a-cの一部の代わりに対応する冷却気体を流す管76a-cの一部の1つ目の最終部分を有している。図9の具体化で示されているすべての装置が(それらが何であれ)、具体化の中で配置されていることは容易に示すことができる。これに対しては、図26のフロー図では、3方向バルブ103を唯一の例外として、同じ位置(図9で既に正確に説明されている発見された発明の具体化によって占有)が参照され、同じ機能が実行されている。事実、このバリエーションのデメリットは、バルブ101および102がもはや銘々の蒸発装置の同じ側になく、正確には反対側にあることである。このバリエーションにおけるバルブ101は蒸発装置の吸入口側にある一方で、バルブ102は依然として蒸発装置の排出口側にある。このことによって、2つのバルブ101および102を1つの適した3方向バルブ103で置き換えることが不可能になっているので、構造的な問題の原因となっている。最後に、図26のフロー図において枠で囲まれたアルファベットで特定されている関連するセクションで循環している低沸騰冷媒の熱力学的状態を示すモリエ線図が、図6を参照する図8で示されているものと同じであることは明記されている。これは、図7のフロー図で示されている関連するセクションに対応しており、同じ冷媒液体を使用した選択された蒸発装置の解凍プロセスの間のものである。
【0065】
本発明に従った冷却システムのもう1つの可能なバリエーションは、自動バルブ401aと、401b、および401cのための参照圧力のとして、蒸発装置41bと、41c、および41aの吸入口の圧力の代わりに、排出口の圧力をそれぞれ提供することによって達成される。
【0066】
最後に、図22では、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブのバリエーションのセクションが示されており、これは図21で示され説明された元々の400とは異なり、幹部415が単純にピストン418上に位置している。このピストン418は弾性シーリング要素414にとって不可欠である。
【メリット】
【0067】
既に説明された本発明に従って達成される改善は、数多くのメリットに繋がる。Alsenzの特許と比較した場合の1つ目のメリットは非常に明白で、その理由は通常の流れに必要な膨張装置の数が少ないこと(1つまで減らされていること)である。このことによって、排除された高価な装置による経済的な面およびシステム全体の構築の簡素化という面の両面で即時の節約効果があり、制御回路によって操作されるこのシステムの操作が安全かつ簡素になっている。
【0068】
2つ目のメリットは、より一般的なメリットで、吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブとして分離バルブが使用されていることによっている。このバルブによって、高価な電気的アクチュエーターを排除することによる即時の経済的節約ができ、電気配線を減らすことでシステムを更に簡素化し、制御回路が制御しなければならない動作を減らすことができる。加えて、こういった吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブには、一切較正が必要でないため、本質的に安価である。
【0069】
3つ目のメリットは、とりわけ排出装置と、1つ目の蒸気液体分離装置、および1つ目の説明された補助的な膨張装置の組み合わせ使用によっている。これによって、吸入圧力が最終的に低下することなく、2つの独立した選択されていない蒸発装置の2つの独立した蒸発圧力の(低い方でなく)高い方の圧力となり、全体的な効率性が改善する。
【0070】
4つ目のメリットは、2つ目の蒸気液体分離装置に接続された2つ目の圧縮ステージの以前のケースと比較した更なる使用と、補助的な液体を流す管に配置された更なる補助的な膨張装置によっている。これによって、全体的な効率性がより決定的に改善されている。ここで説明された条件における全体的な効率性のこういった改善を定量化するために、参照基盤として、完全なサイクルの間に(最新の)当技術分野で周知のように車内空調のために使用される気体注入を用いた従来型の熱ポンプモバイルシステムを検討したケーススタディを検証する。この完全なサイクルは、車内空気の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成におけるサブサイクルを稼働することで構成され、そのフロー図は図25で既に示されており、解凍サブサイクルのものも示されている。参照基準として取ったこういったシステムが、図6の発見されたシステムと比較されている:事実、図6で示されている発見された発明の具体化(図7の関係するフロー図24として)は、熱ポンプモバイルシステムと呼ばれるものとして非常によく理解することができる。このシステムでは、凝縮装置21が車内空調の処理ユニット内部に挿入されている(示されてはいない)。更に詳細には、図7のフロー図は、凝縮装置21が内部空気の処理ユニット内部に挿入されている場合(示されてはいない)の、車内空気の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間の車内空調のための熱ポンプモバイルシステムに関連した選択された1つの蒸発装置の逆液体解凍プロセスのフロー図として非常によく理解することができる。この事例では、完全な稼働サイクルは、3つの類似した連続的に稼働する解凍サブサイクルで構成されており、これらのサブサイクルでは、1つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41aを解凍し、2つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41bを、そして3つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41cを解凍し、銘々がタイミングに合わせて選択される。更に、図6の発見されたシステムを参照すると、チェックバルブを備えた排出口側にある吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブは、吸入圧力が参照圧力の0.5barよりも低い場合にのみ各バルブが開くような大きさになっている。そして、以下では、仮想の電気バスのために、ここで述べられたケーススタディのための参照条件をレポートする:
a) 冷媒:二酸化炭素;
b) 平均有効熱:26.7 kW;
c) 2つ目の圧縮ステージの放出温度:121°C;
d) 過熱:0K;
e)
【0071】
f) 気体冷却装置のKA-これは、このケーススタディでは、冷媒の二酸化炭素を有する凝縮装置を置き換え、図27に示されているように、電力交換関数として描画されている;
g) 図28に示されているように、圧縮比の関数として描画されている1つ目と2つ目の圧縮ステージの効率性(等エントロピーおよび容積測定);
h) 二次液体気体冷却装置の吸入口温度:30°C;
i) 二次液体気体冷却装置の排出口温度: 70°C;
j) 従来型蒸発装置の交換面積: 180 (2 x 90) m2;
k) 発見された蒸発装置の交換面積 270 (3 x 90) m2;
l) 外気温:-15°C;
m) 外気の相対湿度:72%;
n) 補助的装置の電力消費:0.872 kW;
o) 1つ目の圧縮ステージの変位:6.38 m3/h;
p) 2つ目の圧縮ステージの変位:5.62 m3/h.
【0072】
ここでは、平均とは、上記で定義されたものとしてサイクル全体の平均値を意味し、蒸発装置の交換面積とは、外気と接する蒸発装置の全体的な外部の表面積を意味している。しかしながら、図29のグラフAおよびBでは、それぞれにおいて、参照基準として取ったシステムのための従来型の稼働サブサイクルの開始時点と発見されたシステムのための3つの連続的な稼働サブサイクルの1つ目の開始時点の両方から経過した時間に従って描画された、様々な「解凍を行っていない」蒸発装置の排出口の冷媒温度と様々な「解凍を行っていない」蒸発装置の全体的な熱交換係数が示されている。以下の表1は、図25の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値が示されている。これは、ここで検証されているケーススタディのための参照基準として取った従来型のシステムの稼働サブサイクルの「開始」条件である。反対に、以下の表2は、図25の関連するセクションにおける冷媒の流量の値と熱力学的な条件の値が示されている。これは、ここで検証されているケーススタディのための参照基準として取った従来型のシステムの稼働サブサイクルの「終了」条件である。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
以下の表3では、図7の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値が示さされている。これは、ここで検証されているケーススタディのための発見されたシステムの3つの連続的な稼働サブサイクルのそれぞれの「開始」条件である。以下の表4では、図7の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値が示さされている。これは、ここで検証されているケーススタディのための発見されたシステムの3つの連続的な稼働サブサイクルのそれぞれの「終了」条件である。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
図30のグラフAと、B、C、およびDでは、発見されたシステムの全体的な効率性の改善の定量化の結果が、検証されたケーススタディのための最新のものと比較されたものが示されている。更に詳細には、この結果は、最新のものと発見されたシステムのものの両方の完全な稼働サイクルの開始時点から経過した時間に従って、それぞれが有効熱パワーと、総電力消費(補助的装置を含む)、有効COP、および解凍熱パワーの時間的傾向を示した4つの図によって表現されている。枠で囲まれた値は、各サイクルの銘々の平均値を示している。この全体的な効率性の改善の定量化プロセスは、平均の有効熱パワー(参照条件の点bで規定されている26.7 kW)が変わらない条件で開始されていることから、13.6%という平均の有効COPの改善が、従来型システムの2.13から発見されたシステムの2.42への変化であることが示されている。
【0079】
5つ目のメリットは、発見されたシステムにおけるエキスパンダー圧縮装置グループの追加の使用によっている。これは、補助的な液体を流す管に配置された更なる補助的な膨張装置および内部熱交換装置に設置されており、全体的な効率性の更なる改善に貢献している。ここで説明された発見されたシステムにおける構成要素の導入による全体的な効率性の更なる改善を定量化するために、参照基盤として、完全なサイクルの間に(最新の)当技術分野で周知のように車内空調のために使用される気体注入を用いた従来型の熱ポンプモバイルシステムを再び検討した以前の検証したケーススタディのバリエーションを検証する。この完全なサイクルは、車内空気の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成におけるサブサイクルを稼働することで構成され、そのフロー図は図25で既に示されており、解凍サブサイクルのものも示されている。参照基準として再び取られたこういったシステムが、図9で示されている発見されたシステムと比較されており、その関係するフローは図14と、図20、および図24であり、これは図23を参照したバルブのグループに関するものである。また、これは完全なサイクルの間の車内空調の「除湿なし加熱」機能に対応する再加熱なし構成における稼働の間のもので、3つの連続的に稼働する解凍サブサイクルで構成されており、これらのサブサイクルでは、1つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41aを解凍し、2つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41bを、そして3つ目の稼働サブサイクルが蒸発装置41cを解凍し、銘々がタイミングに合わせて選択される。更に、図9の発見されたシステムを参照すると、その関係するフローは図14と、図20、および図24であり、これは図23を参照したバルブのグループに関するもので、チェックバルブを備えた排出口側にある吸入口の圧力が上昇すると自動的に閉じるタイプのバルブは、吸入圧力が参照圧力の0.5barよりも低い場合にのみ各バルブが開くような大きさになっている。参照条件(仮想の電気バスに対して有効)は、既に検証されたケーススタディで説明されたものと同じであるが、1つ目と2つ目の圧縮ステージの変位は例外であり、これらの変位はそれぞれ発見されたシステムでは 4.61 m3/hおよび5.36 m3/hとなっている一方で、参照基準として取られた従来型のシステムでは6.38 m3/hおよび5.62 m3/hのままである。更に、エキスパンダー圧縮装置グループのエキスパンダーの膨張等エントロピー効率が0.68で固定されている一方で、エキスパンダー圧縮装置グループの圧縮装置の圧縮等エントロピー効率は0.70で固定されている。
【0080】
図25の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値は、ここで検証されているケーススタディのこういったバリエーションのためにも再び参照基準として取られた従来型のシステムの稼働サブサイクルの「開始」条件および「終了」条件のもので、それぞれ表1および表2で既に示されたものと同じである。反対に、以下の表5では、図14と、図20図23、および図24の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値が示されている。これは、発見されたシステムの3つの連続的な稼働サブサイクルのそれぞれの「開始」条件において、ここで検証されているケーススタディのバリエーションのためのものである。
【0081】
【表5】
【0082】
最後に、以下の表6では、図14と、図20図23、および図24の関連するセクションにおける冷媒の流量の値および熱力学的な条件の値が示されている。これは、発見されたシステムの3つの連続的な稼働サブサイクルのそれぞれの「終了」条件において、ここで検証されているケーススタディのバリエーションのためのものである。
【0083】
【表6】
【0084】
図31のグラフAと、B、C、およびDでは、発見されたシステムの全体的な効率性の更なる改善の定量化の結果が、検証されたケーススタディのバリエーションのために最新のものと比較されたものが示されている。更に詳細には、この結果は、最新のものと発見されたシステムのものの両方の完全な稼働サイクルの開始時点から経過した時間に従って、それぞれが有効熱パワーと、総電力消費(補助的装置を含む)、有効COP、および解凍熱パワーの時間的傾向を示した4つの図によって表現されている。枠で囲まれた値は、各サイクルの銘々の平均値を示している。とりわけ、図31の有効熱パワーの図Aとして観察されたものは、図30の有効熱パワーの図Aのものと同一である。また、検証されているケーススタディのこのバリエーションに対しては、全体的な効率性の更なる改善の定量化プロセスが平均の有効熱パワー(26.7 kW)が変わらない条件で開始されていることから、19.7%という平均の有効COPの改善が、従来型システムの2.13から発見されたシステムの2.55への変化であることが示されている。
【0085】
これまでなされた説明は、図示と説明を目的として、本発明の特定の具体化を対象としている。しかしながら、当技術分野に熟練した者にとっては、これまでに述べられてきたそういった具体化に対する多くの修正および変更が、本発明の範囲および理念を逸脱することなく可能なことが明白なはずである。これは、以下の請求がこういった修正および変更を内包するものとして解釈できることを意図されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【国際調査報告】