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特表2024-503360歯石除去のためのホスホネートおよびN-ハラミン組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】歯石除去のためのホスホネートおよびN-ハラミン組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/55 20060101AFI20240118BHJP
   A61K 31/663 20060101ALI20240118BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20240118BHJP
   A61K 31/785 20060101ALI20240118BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K8/55
A61K31/663
A61Q11/00
A61P1/02
A61K9/48
A61K8/81
A61K47/69
A61K31/785
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540811
(86)(22)【出願日】2022-01-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 IL2022050009
(87)【国際公開番号】W WO2022149126
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】279966
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】523250371
【氏名又は名称】オー.ワイ.エム.イノベーション リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】593003710
【氏名又は名称】バル・イラン・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】BAR ILAN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マルゲル,シュロモ
(72)【発明者】
【氏名】シュタインメッツ,ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバー,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドシュタイン,ヤルデン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA30
4C076AA53
4C076BB22
4C076CC16
4C076CC41
4C076DD29
4C076EE59
4C076FF01
4C083AB331
4C083AB332
4C083AC891
4C083AC892
4C083AD071
4C083AD072
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD14
4C083EE33
4C083EE37
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA34
4C086FA03
4C086FA06
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA37
4C086MA57
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA67
4C086ZC75
(57)【要約】
デンタルケアのため、特定的には、成熟歯石を含む歯石(カルキュラス)除去するためのホスホネート、N-ハラミンまたはそれらの組合わせを含む組成物および方法が本明細書で提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項2】
前記ポリホスホネートはビスホスホネート化合物またはその塩、テトラホスホネート化合物またはその塩、重合ホスホネートまたはその塩、重合ビスホスホネートまたはその塩、または重合テトラホスホネートまたはその塩を含む、請求項1に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項3】
前記ポリホスホネートまたはその塩はナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項1または2に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項4】
前記ポリホスホネート化合物は式Iの構造またはその塩により表され:
【化1】
式中、
Rは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、
【化2】
または
【化3】
であり;
Lはアルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は前記炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である、請求項1-3のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項5】
前記ポリホスホネート化合物は下記構造(γ-Glu-BP)またはその塩により表されるビスホスホネート化合物である、請求項1-4のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物:
【化4】
【請求項6】
前記ポリホスホネートは、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるビスホスホネートモノマーに基づく重合ビスホスホネートである、請求項1-4のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物
【化5】
【請求項7】
前記ポリホスホネートは、下記構造またはその塩により表されるテトラホスホネート化合物であり
【化6】
式中、
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は前記炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である、請求項1-4のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項8】
前記テトラホスホネート化合物は、下記構造(スクシニルテトラホスホネート(-SUTP)またはそのアルカリ塩;またはマロン酸テトラホスホネートまたはそのアルカリ塩により表される、請求項7に記載の使用のためのデンタルケア組成物:
【化7】
または
【化8】
【請求項9】
前記組成物は、少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を前記組成物の0.1重量%-10重量%の量でさらに含む、請求項1-8のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項10】
前記N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む、請求項9に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項11】
前記N-ハラミン系粒子は、ナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項9に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項12】
前記N-ハラミン系粒子は、下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化9】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である、請求項9または11に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項13】
前記N-ハラミンポリマーは、下記構造により表され:
【化10】
【化11】
または
【化12】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である、請求項9に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項14】
前記N-ハラミン系ポリマーは、ナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項9または13に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項15】
前記ハロゲン化物は塩化物である、請求項12または13に記載のデンタルケア組成物。
【請求項16】
前記ポリホスホネートはカプセル化されている、請求項1-15のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項17】
前記N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子はカプセル化されている、請求項9-16のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項18】
被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.1重量%-10重量%の量の少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子;および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項19】
前記歯石は成熟歯石である、請求項18に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項20】
前記N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む、請求項18または19に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項21】
前記N-ハラミン系粒子は、下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化13】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である、請求項18または19に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項22】
前記N-ハラミンポリマーは、下記構造により表され:
【化14】
【化15】
または
【化16】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である、請求項18または19に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項23】
う蝕を治療または予防する際に、および/または、インプラント周囲炎または歯周病を治療または予防するために使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.1-10重量%の量のN-ハラミン系ポリマーまたはN-ハラミン系粒子、および薬学的に許容される担体を含み、前記N-ハラミン系重合物は下記構造により表され:
【化17】
【化18】
または
【化19】
N-ハラミン系粒子は下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化20】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である、組成物。
【請求項24】
前記N-ハラミン系粒子はナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項18、19、21および23のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項25】
前記N-ハラミン系ポリマーはナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項18、19、22および23のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項26】
前記ハロゲン化物は塩化物である、請求項21-23のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項27】
前記組成物は、前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩をさらに含む、請求項18-26のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項28】
前記ポリホスホネートは、ビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む、請求項27に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項29】
前記ポリホスホネートまたはその塩はナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項27-28に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項30】
前記ポリホスホネートは式Iの構造またはその塩により表され:
【化21】
式中、
Rは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール;
【化22】
または
【化23】
であり;
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は前記炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である、請求項27-29のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項31】
前記ポリホスホネートは、下記構造(γ-Glu-BP)またはその塩により表されるビスホスホネート化合物である、請求項30に記載の使用のためのデンタルケア組成物:
【化24】
【請求項32】
前記ポリホスホネートは、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるビスホスホネートモノマーに基づく、重合ビスホスホネートである、請求項27-29のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物
【化25】
【請求項33】
前記ポリホスホネートは下記構造(スクシニルテトラホスホネート(-SUTP)またはそのアルカリ塩またはマロン酸テトラホスホネートまたはそのアルカリ塩により表されるテトラホスホネート化合物である、請求項27-30のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物:
【化26】
または
【化27】
【請求項34】
前記ポリホスホネートまたはその塩はカプセル化されている、請求項27-33のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項35】
前記N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子はカプセル化されている、請求項18-34のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項36】
前記組成物は、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、フォーム、練り歯磨き、口腔洗浄薬、歯科用トレー、歯フィラー、歯磨剤、溶解性もしくは非溶解性薄膜、溶解性もしくは非溶解性歯科用ストリップとして、可食塗膜形成剤、ドロップ、チューインガムとして、または歯科インプラント上のコーティングとして製剤化される、請求項1-35のいずれか一項に記載の使用のためのデンタルケア組成物。
【請求項37】
下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物:
【化28】
【請求項38】
下記構造またはそのアルカリ塩により表されるマロニルテトラホスホネート化合物
【化29】
【請求項39】
請求項37または38に記載のスクシニルまたはマロニルテトラホスホネート化合物またはそのアルカリ塩および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
デンタルケアのため、特定的には、歯石(カルキュラス)を除去するためのホスホネート、N-ハラミンまたはそれらの組合わせを含む組成物および方法が本明細書で提供される。
【背景技術】
【0002】
デンタルカルキュラス(歯石)は、プラーク蓄積のために歯の上で固まった(石灰化)固体材料である。
【0003】
歯垢は歯表面上で自然に成長し、コロニー形成バリアとして機能することにより、外因性微生物の宿主防御口の一部を形成する。このバリア効果は、コロニー形成抵抗性として知られている。プラークはおよそ80%の水と20%の固体を含む。プラークの乾燥重量の約半分が細菌および唾液タンパク質である。およそ、25%のプラーク乾燥重量は、その高いタンパク質濃度、炭水化物、および脂質に加えて、プラークマトリクス中にある。
【0004】
デンタルカルキュラス(歯石)は硬化表面であり、プラークが付着するためのより多くの表面積を提供する。より多くのプラークはより多くの歯周病、口臭およびう蝕を意味する可能性がある。そのため、カルキュラスを除去することは長期口腔保健に対する重要なステップである。歯石の別の欠点は、その多孔性品質のため、容易に汚れを吸収しやすい能力である。
【0005】
歯垢のコントロール不良の細菌は、歯および歯肉縁下表面上に位置する口腔バイオフィルムの形成を起こす。それは、局所炎症(歯肉炎)を、さらに歯周病の発症を誘発する可能性がある。ストレプトコッカス・ミュータンスおよびポルフィロモナス・ジンジバリスなどの様々な口腔細菌がう蝕および歯周炎の発症に関与する。非常に高頻度の細菌感染はカンジダ症(カンジダ・アルビカンス)と関連する。
【0006】
2つのタイプのデンタルカルキュラス(歯石)が存在する:(i)歯肉縁上歯石は歯肉線上方に生じる。それは黄色または黄褐色であり、歯の表面上で視認可能であり;ならびに(ii)歯肉縁下歯石は歯肉線下方に、歯と歯肉線の間の溝(間隙)において生じる。それは、歯肉後退がすでに起こっていなければ、典型的には裸眼では視認できない。
【0007】
さらに、2つのステージのデンタルカルキュラス(歯石)が存在する:(i)初期(未熟)カルキュラス(初期歯石);および(ii)成熟カルキュラス(成熟歯石)。初期カルキュラス(初期歯石)はカルキュラスを形成する初期段階を示し、これは、大部分は無機ブルーサイトCaHPO.2HOである。初期カルキュラスはその本質においてより柔らかく、そのため、白色歯磨剤および歯ブラシによりこすり落とすことができる。成熟カルキュラス(成熟歯石)はカルキュラスを形成する後期段階の歯石を示し、これは、中間相にあるリン酸オクタカルシウムCaH(PO.2HOの少なくとも1つを含み、それはさらに、ヒドロキシアパタイトCa10(OH)(PO4)および/またはウイトロカイトCa(POXPOに変化する。成熟歯石はハード歯石としても知られている。初期カルキュラスは歯表面に付着する石灰化プラークのようにチョークのようなスポンジ状である。その初期段階では、歯石は比較的柔らかく、歯表面に対しより弱い接着強度を有する。さらに、初期歯石は、歯ブラシストロークにより、および、化学物質-例えば、歯石制御練り歯磨きにおける材料成分に妨害される傾向がより大きい。初期歯石は未処置のまま、それは蓄積し、より石灰化した層となり、固い結晶となり、歯表面に固く接着し、成熟歯石と考えられる。
【0008】
一旦、成熟カルキュラスが歯上で形成されると、それは歯科専門家によってしか除去できず、定期的なブラッシングおよびフロッシングはそれを除去するには有効ではなく、一方、初期段階の歯石は歯石制御歯磨剤の影響をより受けやすい。成熟歯石はデブリードマンとして知られているプロセスを介して、ハンドヘルド機器により、または、歯石を除去するための超音波装置を使用して除去される。デンタルカルキュラスは健康な歯を維持するために周期的に除去されるべきである。
【0009】
今日では、「歯石制御」または「歯石防御」とラベル付きの歯石を除去するための広範な製品が売り出されている(マウスリンス、練り歯磨き、チューインガム、など)が、しかしながら、成熟カルキュラス(成熟歯石)を除去するための商品はない。
【0010】
多くの研究が、ピロホスフェートが歯石を除去するための製品において一般的に使用されることを示しているが、しかしながら、この発明の発明者らは(図6-9)、ピロホスホネートは成熟歯石を除去しないことを示す。
【0011】
ビスホスホネートは、それらの、カルシウムイオンと二座および/または三座キレートを生成する能力のために、カルシウムイオンに対して高親和性である非加水分解性ピロホスフェート類似体である。その結果として、ビスホスホネートは象牙質、エナメル質および骨との強い相互作用を引き起こす。今日に至るまで、認可されたビスホスホネートの広い臨床用途は、骨悪性腫瘍、骨粗鬆症、パジェット病、などの骨断片化に関連する骨疾患の治療のためである。それらの骨塩中のカルシウムイオンへの強い親和性に加えて、ビスホスホネート(とりわけ、OHを有するもの)は骨芽細胞作用を促進し、一方、破骨細胞を強く阻害し、よって骨形成の増強に寄与する。
【0012】
N-ハラミンは、1つ以上の窒素-ハロゲン共有結合を含む化合物のクラスであり、それらの抗菌活性で知られている。N-ハラミンは、水溶液中での長期安定性、特異性、低い毒性、比較的安価なこと、およびハロゲンを運搬するための効率的な再生能力を含むいくつかの利点を有する。後者は、N-ハラミンを他の抗菌薬から識別する特有の特性である。
【0013】
インプラント周囲炎疾患はインプラントの周りの軟および硬組織に影響する炎症プロセスであり、これは、支持骨の損失という結果になる。天然の歯と同様に、細菌はインプラントのベース上、歯肉線下方に蓄積する可能性がある。時間と共に、細菌は歯肉組織を刺激し、炎症を生じさせ、組織にダメージを与え、早期に見つけられないと、インプラントの下の骨構造を悪化させる。
【0014】
歯肉疾患としても知られている歯周病は歯の周りの組織に影響する1組の炎症状態である。一般に、歯の周りの組織に感染する口内の細菌による。
【0015】
歯科専門家の必要なくカルキュラス(歯石)を除去する、とりわけ成熟カルキュラス(成熟歯石)を除去するための、ポリホスホネート(ビスホスホネート、テトラホスホネート、重合ホスホネート)および/またはN-ハラミンの効率的な使用が本明細書で提供される。さらに、この発明の組成物はまた、う蝕を治療し、予防し、または、インプラント周囲炎もしくは歯周病を治療する。
【発明の概要】
【0016】
いくつかの実施形態では、この発明は被験体の歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩;および、薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。別の実施形態では、デンタルケア組成物はN-ハラミンをさらに含む。
【0017】
1つの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はポリホスホネートまたはその塩を含み、ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。
【0018】
1つの実施形態では、ポリホスホネートはナノ粒子またはマイクロ粒子の形態である。
【0019】
1つの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物は、下記構造またはその塩により表されるポリホスホネートを含み:
【化1】
式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール;
【化2】
または
【化3】
であり;ならびに
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;アミノ酸の側鎖は炭素に結合され;前記アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である。
【0020】
別の実施形態では、ポリホスホネートは下記構造(γ-Glu-BP)またはその塩により表されるビスホスホネート化合物である:
【化4】
【0021】
別の実施形態では、ポリホスホネートは、下記構造またはその塩により表されるビスホスホネートにモノマーを含む重合ビスホスホネートである:
【化5】
【0022】
別の実施形態では、ポリホスホネートは下記構造またはその塩により表されるテトラホスホネート化合物であり:
【化6】
式中、
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;アミノ酸の側鎖は炭素に結合され;ならびに、前記アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は置換され、または非置換である。
【0023】
別の実施形態では、テトラホスホネート化合物は下記構造により表される:(スクシニルテトラホスホネート(SUTP)またはそのアルカリ塩:;またはマロン酸テトラホスホネートまたはそのアルカリ塩):

【化7】
または
【化8】
【0024】
別の実施形態では、デンタルケア組成物はN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を前記組成物の0.1重量%-10重量%の量でさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.1重量%-10重量%の量の、少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子;および薬学的に許容される担体を含む組成物が本明細書で提供される。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0026】
別の実施形態では、N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む。
【0027】
別の実施形態では、N-ハラミン系粒子は下記構造により表される、コア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化9】


式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である。
【0028】
別の実施形態では、N-ハラミンポリマーは下記構造により表され:
【化10】
【化11】
または
【化12】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である。
【0029】
いくつかの実施形態では、う蝕を治療または予防する際に、および/または、インプラント周囲炎または歯周病を治療または予防するために使用するためのデンタルケア組成物であって、前記組成物の0.1-10重量%の量の、少なくとも1つのN-ハラミン系ポリマーまたはN-ハラミン系粒子、および薬学的に許容される担体を含む組成物が本明細書で提供され、N-ハラミン系ポリマーは下記構造により表され:
【化13】
【化14】
または
【化15】
N-ハラミン系粒子は下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化16】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である。
【0030】
別の実施形態では、デンタルケア組成物は、本明細書で提供されるN-ハラミン、および、本明細書で提供されるポリホスホネートまたはその塩を含む。
【0031】
1つの実施形態では、本明細書で提供されるデンタルケア組成物は、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、フォーム、練り歯磨き、口腔洗浄薬、歯科用トレー、歯フィラー、歯磨剤、溶解性もしくは非溶解性薄膜、溶解性もしくは非溶解性歯科用ストリップとして、可食塗膜形成剤、ドロップ、チューインガムとして、または歯科インプラント上のコーティングとして製剤化される。
【0032】
1つの実施形態では、この発明は、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物:
【化17】
または下記構造またはそのアルカリ塩により表されるマロニルテトラホスホネート化合物を提供する:
【化18】
【0033】
いくつかの実施形態では、この発明は、この発明のスクシニルまたはマロニルテトラホスホネート化合物またはそのアルカリ塩および薬学的に許容される担体を含むデンタルケア組成物を提供する。
【0034】
発明と見なされる対象物が明細書の最終部分において特定的に指摘されており、明確に特許請求される。しかしながら、発明は、組織および動作方法の両方について、その目的、特徴、および利点と共に、添付の図面と共に読む場合、下記詳細な説明を参照することにより最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】10mg/mLのスクシニルテトラホスホネート、SUTP(図1A:治療前;図1B:治療後);および1mg/mLのSUTP(図1C:治療前;図1D治療後)を用いた治療前後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図2】ポリ(スチリルビスホスホネート) NP(ポリ(StBP) NP)治療(1mg/ml)前(図2A)および後(図2B)の成熟歯石を有するヒトの歯の写真を示す。
図3】γ-Glu-BP治療(1mg/ml)前(図3A)および後(図3B)の成熟歯石を有するヒトの歯の写真を示す。
図4】7.5mM Si-尿素-Cl NP(図4A:治療前および図4B:治療後)および2mMのSi-尿素-Cl NP(図4C:治療前および図4D:治療後)を用いた治療前後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図5】20mMのPMAA-Cl(図5A:治療前;図5B:治療後);および2mMのPMAA-Cl(図5C:治療前;図5D治療後)を用いた治療前後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図6】1mg/mlの濃度のスクシニルテトラホスホネート(SUTP)を用いた治療前後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図7】1mg/mlの濃度を有するピロリン酸ナトリウム四塩基性治療前および後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図8】1mg/mlの濃度を有するピロリン酸ナトリウム二塩基性治療前および後の成熟歯石を有する歯の写真を示す。
図9】歯磨き後の、(1mg/ml)の濃度の3つの溶液:SUTP溶液(図9A)、ピロリン酸ナトリウム二塩基性溶液(図9B)およびピロリン酸ナトリウム四塩基性溶液(図9C)の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図の簡略化および明確化のために、図において示された要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことが認識されるであろう。例えば、要素のいくつかの寸法は、明確にするために、他の要素に対して誇張され得る。さらに、適切と考えられる場合、参照番号は、対応または類似する要素を示すために、図の中で繰り返すことができる。
【0037】
下記詳細な説明において、発明の完璧な理解を提供するために、多くの具体的詳細が明記される。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの具体的詳細なしで実施可能であることが理解されるであろう。他の例では、よく知られた方法、手順、および成分は、本発明を不明瞭にしないように、詳細に記載されていない。
【0038】
組成物
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、N-ハラミンまたはそれらの組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。
【0039】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子またはそれらの任意の組み合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。
【0040】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、および薬学的に許容される担体。別の実施形態では、ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:テトラホスフェート化合物またはそのアルカリ塩およびビスホスホネート化合物またはその塩。
【0042】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:テトラホスフェート化合物またはそのアルカリ塩および重合ビスホスホネートまたはその塩。
【0043】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩および薬学的に許容される担体。
【0044】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ、および薬学的に許容される担体。
【0045】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートおよびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子の少なくとも1つ;および薬学的に許容される担体。
【0046】
この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー、および薬学的に許容される担体。
【0047】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネート、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。別の実施形態では、歯石は初期および成熟歯石である。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0048】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供し:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体;ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の、少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体。1つの実施形態では、ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:前記組成物の0.05重量%-10重量%の量の、少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体。1つの実施形態では、ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。
【0051】
別の実施形態では、本明細書で提供されるポリホスホネートまたはその塩はナノ粒子またはマイクロ粒子の形態である。
【0052】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:前記組成物の0.1重量%-10重量%の量の、少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子;および薬学的に許容される担体。
【0053】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子またはそれらの組合わせ;または少なくとも1つのポリホスホネートおよびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子の組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0054】
この発明は、う蝕を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子またはそれらの組合わせ;または、少なくとも1つのポリホスホネート化合物およびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子の組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。この発明は、インプラント周囲炎を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子またはそれらの組合わせ;または、少なくとも1つのポリホスホネート化合物およびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子の組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。
【0055】
いくつかの実施形態では、この発明は、歯周病を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子またはそれらの組合わせ;または、少なくとも1つのポリホスホネート化合物およびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子の組合わせ、または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。
【0056】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石(カルキュラス)を除去する;または(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、および薬学的に許容される担体。
【0057】
別の実施形態では、被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する際に使用するための、少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、および薬学的に許容される担体を含むデンタルケア組成物。
【0058】
別の実施形態では、被験体の歯表面から、リン酸オクタカルシウムCaH(PO.2HO、ヒドロキシアパタイトCa10(OH)(PO4)、ウイトロカイトCa(POXPOまたはそれらの任意の組み合わせを除去する際に使用するための、少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、および薬学的に許容される担体を含むデンタルケア組成物。別の実施形態では、歯科用組成物はN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせをさらに含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:テトラホスフェート化合物またはそのアルカリ塩およびビスホスホネート化合物またはその塩、および薬学的に許容される担体。
【0060】
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:テトラホスフェート化合物またはそのアルカリ塩および重合ビスホスホネートまたはその塩、および薬学的に許容される担体。
【0061】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ、および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態では、歯科用組成物はポリホスホネートをさらに含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iv)う蝕を治療または予防する;(v)インプラント周囲炎を治療または予防する;または、(vi)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:N-ハラミン、およびポリホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0063】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0064】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩、N-ハラミン、またはそれらの組合わせまたはそれらの組合わせ;または、ホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0065】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ、および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態では、歯科用組成物はポリホスホネートをさらに含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、この発明は、インプラント周囲炎を治療または予防する、または、歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供する:N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ、および薬学的に許容される担体。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態では、歯科用組成物はポリホスホネートまたはその塩をさらに含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防する際に使用するための、下記を含むデンタルケア組成物を提供し:N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン系粒子、またはそれらの組合わせ、および薬学的に許容される担体、N-ハラミン系ポリマーは下記構造により表され:
【化19】
【化20】
または
【化21】
N-ハラミン系粒子は下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化22】
式中、Xはハロゲン化物であり、kは1-10である。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態では、歯科用組成物はポリホスホネートまたはその塩をさらに含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物は歯表面から成熟歯石を除去する際に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物は歯表面からリン酸オクタカルシウムCaH(PO.2HOを除去または分解する際に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はヒドロキシアパタイトCa10(OH)(PO4)および/またはウイトロカイトCa(POXPOを除去または分解する際に使用するためのものである。
【0069】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物を用いた歯石の除去は歯肉縁上歯石の除去を示す。いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物を用いた歯石の除去は歯肉縁下歯石の除去を示す。
【0070】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物を用いた成熟歯石の除去は歯肉縁上成熟歯石の除去を示す。いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物を用いた成熟歯石の除去は歯肉縁下成熟歯石の除去を示す。
【0071】
「歯周病」という用語は、本明細書では、歯肉疾患としても知られており、歯の周りの組織に影響する1組の炎症状態である。一般に、歯の周りの組織に感染する口内の細菌による。歯周病はまた、歯肉炎または歯周炎を含む。
【0072】
1つの実施形態では、インプラント周囲炎疾患は歯科インプラントの周りの軟および硬歯肉組織に影響する炎症状態である。天然の歯と同様に、細菌はインプラントのベース上、歯肉線下方に蓄積する可能性がある。時間と共に、細菌は歯肉組織を刺激し、炎症を生じさせ、組織にダメージを与え、早期に見つけられないと、インプラントの下の骨構造を悪化させる。
【0073】
別の実施形態では、本明細書で提供される組成物およびその使用方法は0.01重量%-10重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-30重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-60重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-2重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.5重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-1重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.2重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.3重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.4重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.6重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.7重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.8重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.9重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.2重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.3重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.4重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.6重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.7重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.8重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.05重量%-0.9重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は1重量%-3重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は1重量%-5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、0.05重量%-1.5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、0.1重量%-1.5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は3重量%-10重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、1重量%-7.5重量%ポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は2重量%-5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は1重量%-5重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は4重量%-8重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は3重量%-10重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は5重量%-10重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、0.5-10重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、0.05重量%-7.5重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は、0.05重量%-10重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は、0.05重量%-20重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は、0.05重量%-25重量%のポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は、1重量%-20重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、2重量%-10重量%ポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は、2重量%-20重量%ポリホスホネートを含む。別の実施形態では、組成物は5重量%-30重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は10重量%-12重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、15-20重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、12-20重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は、20-30重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は30重量%-40重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は40重量%-50重量%のポリホスホネートまたはその塩を含む。別の実施形態では、組成物は0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.0.4重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%、2重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、5.0重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6.0重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7.0重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8.0重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9.0重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10.0重量%、11重量%、11.5重量%、12重量%、12.5重量%13重量%、13.5重量%14重量%、14.5重量%15重量%、15.5重量%16重量%、16.5重量%、17重量%、17.5重量%、18重量%、18.5重量%、19重量%、19.5重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%のポリホスホネートまたはその塩またはその任意の範囲を含む。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0074】
別の実施形態では、組成物は0.1重量%-10重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-2重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.5重量%-10重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.5重量%-2重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-0.5重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-1重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は1重量%-3重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は1重量%-5重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-1.5重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%-1.5重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。
【0075】
別の実施形態では、組成物は2重量%-5重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は4重量%-8重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は3重量%-10重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は5重量%-10重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。別の実施形態では、組成物は0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%、2重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、5.0重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6.0重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7.0重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8.0重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9.0重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10.0重量%のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0076】
別の実施形態では、この発明の組成物は0.05%-30%w/wのポリホスホネートまたはその塩および0.01%-10%w/wN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、デンタルケア組成物はポリホスホネート、およびN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を含み、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子の量は前記組成物の0.1重量%-10重量%である。
【0078】
「歯石」または「カルキュラス」または「デンタルカルキュラス」という用語は、プラークの成熟により形成された歯表面上の部分的にミネラル化した堆積物を意味する。歯石は、細菌食べ物のかすおよび落屑上皮細胞と混合された、主に炭酸およびリン酸カルシウムからなる無機塩の堆積物である。
【0079】
「成熟カルキュラス」、「成熟歯石」という用語は、カルキュラスを形成する後期段階を意味し、これは、リン酸オクタカルシウムCaH(PO.2HO、ヒドロキシアパタイトCa10(OH)(PO4)および/またはウイトロカイトCa(POXPOの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、成熟歯石はハード歯石としても知られている。別の実施形態では、成熟歯石は、デブリードマンとして知られているプロセスを介してハンドヘルド機器により、または、歯石を除去するための超音波装置を使用して除去する必要がある歯石を示す。
【0080】
この発明の組成物は、カルキュラスまたは歯石を除去または分解するために使用される。1つの実施形態では、この発明の組成物は、成熟カルキュラス(成熟歯石)を除去するために使用される。組成物は任意の公知の方法により歯に適用することができる。本明細書で提供される組成物は、歯磨剤(練り歯磨きを含む)、ゲル、口腔洗浄薬、溶解性もしくは非溶解性薄膜、溶解性もしくは非溶解性歯科用ストリップとしての、可食塗膜形成剤としての、ドロップおよびチューインガム、スプレー、歯ファイラー、歯科用トレー、溶液、ペースト、フォーム、練り歯磨き、または歯フィラーとしての製剤である。
【0081】
別の実施形態では、組成物は、糖衣錠、ロゼンジ、溶解性ロゼンジ、ドロップまたはチューインガムとして製剤化される。別の実施形態では、この発明の組成物は歯科インプラントのためのコーティングとして使用される。
【0082】
別の実施形態では、この発明の組成物は、練り歯磨き、経口ゲル、パップ(例えば、歯科用ドレッシング材)ペースト、口腔洗浄薬、スプレー、歯磨剤、歯磨き粉、マウスリンス、チューインガム、ロゼンジ、または含浸フロスもしくはブラシ、歯硬化剤で製剤化される。本組成物はまた、溶解性および非溶解性フィルムで提供され得る。他の実施形態では、この発明の組成物は溶液、ペースト、ゲル、口腔洗浄薬またはクリームである。
【0083】
いくつかの実施形態では、ポリホスホネートまたはその塩、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、N-ハラミン粒子またはホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマーは本明細書で、カルキュラス除去剤と呼ばれる。他の実施形態では、この発明のカルキュラス除去剤は粒子である。他の実施形態では、この発明のカルキュラス除去剤はカプセル化されている。他の実施形態では、この発明のカルキュラス除去剤は重合されている。
【0084】
ポリホスホネート
「ポリホスホネート」という用語は、本明細書では、ビスホスホネートまたはその塩、トリホスホネートまたはその塩、テトラホスホネートまたはその塩、重合ビスホスホネートまたはその塩、重合トリホスホネートまたはその塩、重合テトラホスホネートまたはその塩あるいはそれ以上を示す。
【0085】
別の実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はポリホスホネートを含み、ポリホスホネートはビスホスホネート化合物、テトラホスホネート化合物、重合ホスホネート、または重合ビスホスホネート、または重合テトラホスホネートを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるポリホスホネート化合物はナノ粒子またはマイクロ粒子である。
【0086】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物内のポリホスホネートは式Iの構造またはその塩により表され:
【化23】
式中、
Rは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、
【化24】
または
【化25】
であり;
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;アミノ酸の側鎖は炭素(C-OH)に結合され;ならびに、前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である。
【0087】
他の実施形態では、ポリホスホネートはこの発明の組成物内のビスホスホネート化合物であり、下記構造(γ-Glu-BP)またはその塩により表される:
【化26】
【0088】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物内のポリホスホネートは重合ビスホスホネートを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、ポリホスホネートは、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるビスホスホネートモノマーに基づく重合ビスホスホネートである
【化27】
【0090】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物内のポリホスホネートはテトラホスホネート化合物またはそのアルカリ塩を含む。
【0091】
他の実施形態では、テトラホスホネート化合物は下記構造:
【化28】
またはその塩により表され
式中、
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;アミノ酸の側鎖は炭素に結合され;ならびに、前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は置換され、または非置換である。
【0092】
いくつかの実施形態では、この発明のポリホスホネートのLはアルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;アミノ酸の側鎖は炭素に結合される。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルである。別の実施形態では、Lは非置換アルキルである。別の実施形態では、Lは置換アルキルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換C2-C5アルキルである。別の実施形態では、Lは非置換C2-C5アルキルである。別の実施形態では、Lは置換C2-C5アルキルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルアリールである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキニルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アリールである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルエーテルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルチオエーテルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルアミドである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換アルキルアミンである。
【0093】
別の実施形態では、本明細書で提供される式Iまたはビスホスホネートまたはテトラホスホネート化合物のLは置換もしくは非置換C1-C5アルキルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換C2-C5アルキルである。別の実施形態では、Lは置換もしくは非置換C2-C8アルキルである。別の実施形態では、Lは非置換C2-C3アルキルである。別の実施形態では、Lは置換C2-C3アルキルである。
【0094】
いくつかの実施形態では、この発明のポリホスホネートのLはアルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミドまたはアルキルアミンは置換され、または非置換である。置換基はハロ、CN、NO、アルキル、OH、COOH、アミン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、オキソ、シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ナフチル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフィニル、スルフィニルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、またはアルキルスルホニル基から選択される。いずれの置換基も非置換とすることができ、または、これらの前記置換基のいずれか一つでさらに置換させることができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、この発明のポリホスホネートはカプセル化されている。
【0096】
別の実施形態では、テトラホスホネート化合物は下記構造(スクシニルテトラホスホネート-SUTP)またはそのアルカリ塩により表される:
【化29】
【0097】
別の実施形態では、テトラホスホネート化合物は下記構造(マロニルテトラホスホネート)またはそのアルカリ塩により表される:
【化30】
【0098】
いくつかの実施形態では、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するための、デンタルケア組成物が本明細書で提供され、これは、前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の少なくとも1つのポリホスホネート;および、薬学的に許容される担体を含み;ポリホスホネートはビスホスホネート化合物またはテトラホスホネート化合物を含み;ビスホスホネートは下記構造またはその塩により表され:
【化31】
式中、Rはアミノ酸であり、アミノ酸の側鎖は炭素に結合され;ならびに、テトラホスホネート化合物は下記構造(スクシニルテトラホスホネート(-SUTP)またはそのアルカリ塩;またはマロン酸テトラホスホネートまたはそのアルカリ塩により表される:
【化32】
または
【化33】
別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0099】
1つの実施形態では、ポリホスフェートのヒドロキシ基は、pH環境によってイオン化することができる。別の実施形態では、ポリホスフェートのヒドロキシ基のイオン化はそのアルカリ塩を含む。
【0100】
別の実施形態では、テトラホスホネート化合物、ビスホスホネート化合物、ポリホスホネートまたは式Iの構造のアルカリ塩はLi+、Na+、K+、Rb+、またはCs+である。別の実施形態では、アルカリ塩はNa+である。
【0101】
1つの実施形態では、この発明は、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物を提供する:
【化34】
【0102】
1つの実施形態では、この発明は、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物:
【化35】
および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。別の実施形態では、組成物は、デンタルケア組成物である。
【0103】
1つの実施形態では、この発明は、カルキュラス除去剤として使用するための、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物:
【化36】
および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。別の実施形態では、組成物は成熟カルキュラス除去剤として使用するためのものである。
【0104】
1つの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から成熟歯石を除去するために歯を治療する際に使用するための、スクシニルテトラホスホネート化合物を含むデンタルケア組成物を提供する。
【0105】
1つの実施形態では、この発明は、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるマロン酸テトラホスホネート化合物を提供する:
【化37】
【0106】
1つの実施形態では、この発明は、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるマロン酸テトラホスホネート化合物:
【化38】
および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。別の実施形態では、組成物は、デンタルケア組成物である。
【0107】
1つの実施形態では、この発明は、カルキュラス除去剤として、抗う蝕剤として、またはそれらの組合わせとして使用するための、下記構造またはそのアルカリ塩により表されるスクシニルテトラホスホネート化合物:
【化39】
および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0108】
1つの実施形態では、この発明は、被験体の歯表面から歯石を除去するために歯を治療する際に使用するための、マロン酸テトラホスホネート化合物を含むデンタルケア組成物を提供する。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0109】
N-ハラミン
「N-ハラミン」という用語は、本明細書では、特定的に、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマーおよび/またはN-ハラミン粒子に言及されない場合、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマーおよび/またはN-ハラミン粒子を示す。
【0110】
別の実施形態では、「N-ハラミン」はN-ハラミン化合物を示す。別の実施形態では、「N-ハラミン」はN-ハラミン系ポリマーを示す。別の実施形態では、「N-ハラミン」はN-ハラミン系粒子を示す。
【0111】
別の実施形態では、N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む。
【0112】
別の実施形態では、N-ハラミン系粒子はナノ粒子またはマイクロ粒子である。
【0113】
別の実施形態では、N-ハラミン系ポリマーはナノ粒子またはマイクロ粒子である。
【0114】
別の実施形態では、N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子はカプセル化されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はN-ハラミン化合物を含む。他の実施形態では、N-ハラミン化合物はハロゲン化一級アミン、二級アミン、三級アミン、一級もしくは二級アミド、イミン、または尿素を含む。他の実施形態では、N-ハラミンはN-クロロアミンである。他の実施形態では、N-ハラミンはN-ブロモアミンである。他の実施形態では、N-ハラミンはN-ヨードアミンである。他の実施形態では、N-ハラミンはN-フルオロアミンである。
【0116】
N-ハラミン化合物の例としては、下記が挙げられる:N-クロログリシン、N-ブロモグリシン、N-ヨードグリシン、N-クロロサルコシン、N-ブロモサルコシン、N-ヨードサルコシン、N-クロロαアミノイソ酪酸、N-クロロタウリン、N-ブロモタウリン、N-ヨードタウリン、N-クロロアミノメタンスルホン酸N-クロロエタノールアミン、N-クロロ-N-アセチルグリシン、N-ブロモエタノールアミン、N-ヨードエタノールアミン、N-ヨード-N-アセチルグリシン、N-ブロモN-アセチルグリシン、N-クロロアラニン、N-クロロβアラニン、N-ブロモβアラニン、N-クロロセリン、N-ブロモセリン、N-ヨードセリン、N-クロロ-N-フェニルアラニン、N-クロロイソロイシン、N-クロロ-ノルバリン、N-クロロロイシン、N-ブロモロイシン、N-ヨードロイシン、N-クロロプロリン、N-ブロモプロリン、N-ヨードプロリン、N-クロロヒドロキシプロリン、N-クロロωアミノウンデカン酸、N-クロロアスパラギン酸、N-ブロモアスパラギン酸、N-クロログルタミン酸、N-ヨードグルタミン酸、N-クロロバリン、N-クロロチロシン、N-ブロモ-チロシン、N-ヨードチロシン、N-クロロスレオニン、N-クロロシステイン、N-クロロシスチン、N-クロロメチオニン、N-クロロヒスチジン、N-クロロアルギニン、N-クロログルタミン、N-ブロモグルタミン、N-クロロリジン、N-クロロγアミノ酪酸、N-クロロα、εジアミノピメリン酸、N-クロロ-オルニチン、N-クロロヒドロキシリジン、N-クロロアントラニル酸、N-クロロp-アミノ安息香酸、N-クロロスルファニル酸、N-クロロフェニルスルファミン酸、N-クロロアミノプロパンスルホン酸、N-クロロ-プロパノールアミン、N-クロロ-ジエタノールアミン、N-クロロエチレンジアミン四酢酸。
【0117】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はN-ハラミン系ポリマーを含む。他の実施形態では、N-ハラミンポリマーはナノ粒子またはマイクロ粒子を形成する。
【0118】
別の実施形態では、N-ハラミン系粒子は下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化40】

式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10の整数である。別の実施形態では、ハロゲン化物は塩化物である。
【0119】
別の実施形態では、N-ハラミンポリマーは下記構造により表され:
【化41】
【化42】
または
【化43】
式中、
Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である。別の実施形態では、ハロゲン化物は塩化物である。
【0120】
いくつかの実施形態では、N-ハラミン系粒子のkは1-10の整数である。別の実施形態では、kは1-5の整数である。別の実施形態では、kは2-5の整数である。別の実施形態では、kは1-8の整数である。別の実施形態では、kは2-8の整数である。別の実施形態では、kは3-5の整数である。別の実施形態では、kは2-10の整数である。別の実施形態では、kは1である。別の実施形態では、kは2である。別の実施形態では、kは3である。別の実施形態では、kは4である。別の実施形態では、kは5である。別の実施形態では、kは6である。別の実施形態では、kは7である。別の実施形態では、kは8である。別の実施形態では、kは9である。別の実施形態では、kは10である。
【0121】
いくつかの実施形態では、N-ハラミン系ポリマーのnは2-100の整数である。別の実施形態では、nは10-20の整数である。別の実施形態では、nは20-30である。別の実施形態では、nは30-40の整数である。別の実施形態では、nは40-50である。別の実施形態では、nは50-60の整数である。別の実施形態では、nは60-70の整数である。別の実施形態では、nは70-80である。別の実施形態では、nは80-90の整数である。別の実施形態では、nは90-100の整数である。別の実施形態では、nは2-20の整数である。別の実施形態では、nは2-30の整数である。別の実施形態では、nは2-40の整数である。別の実施形態では、nは2-50の整数である。別の実施形態では、nは2-60の整数である。別の実施形態では、nは2-70の整数である。別の実施形態では、nは2-80の整数である。別の実施形態では、nは2-90の整数である。別の実施形態では、nは2-80の整数である。別の実施形態では、nは5-25の整数である。別の実施形態では、nは2-80の整数である。別の実施形態では、nは25-50の整数である。別の実施形態では、nは2-80の整数である。別の実施形態では、nは50-75の整数である。別の実施形態では、nは2-80の整数である。別の実施形態では、nは75-100の整数である。
【0122】
いくつかの実施形態では、デンタルケア組成物は、N-ハラミン系ポリマー(ハロゲン化は両方共、一級および二級アミド上である)を含み、下記構造により表される:
【化44】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である。別の実施形態では、XはClである。
【0123】
いくつかの実施形態では、デンタルケア組成物は、重合N-ハラミンを含み、下記構造により表され:
【化45】
または
【化46】

式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100の整数である。別の実施形態では、XはClである。
【0124】
いくつかの実施形態では、被験体の歯表面から歯石を除去する際に使用するためのデンタルケア組成物が本明細書で提供され、これは、前記組成物の0.1重量%-10重量%の量のN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子;および薬学的に許容される担体を含む。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0125】
別の実施形態では、N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、う蝕を治療または予防する際に、および/または、インプラント周囲炎または歯周病を治療または予防するために使用するためのデンタルケア組成物が本明細書で提供され、これは、前記組成物の0.1-10重量%の量のN-ハラミン系ポリマーまたはN-ハラミン系粒子および薬学的に許容される担体を含み、N-ハラミン系重合物は下記構造により表され:
【化47】
【化48】
または
【化49】
N-ハラミン系粒子は下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化50】
式中、Xはハロゲン化物であり、kは1-10である。
【0127】
本明細書では、「アルキル」という用語は、1つの実施形態では、「C~C12アルキル」を示し、直鎖および分枝、飽和もしくは不飽和(例えば、アルケニル、アルキニル)基を表し、後者はアルキル鎖中の炭素原子の数が2以上である場合のみであり、混合構造を含むことができる。非限定的な例は、1~6の炭素原子を含むアルキル基(C~Cアルキル)、または1~4の炭素原子を含むアルキル基(C~Cアルキル)である。飽和アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミルおよびヘキシルが挙げられるが、それらに限定されない。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、ブテニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。同様に、「C~C12アルキレン」という用語は1~12の炭素の二価ラジカルを示す。
【0128】
アルキル基は非置換とすることができ、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、オキソ、シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ナフチル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフィニル、スルフィニルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、またはアルキルスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換させることができる。いずれの置換基も非置換とすることができ、または、これらの前記置換基のいずれか一つでさらに置換させることができる。
【0129】
本明細書で単独で、または、別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、6-14の環炭素原子を含む芳香環系を示す。アリール環は単環式、二環式、三環式などとすることができる。アリール基の非限定的な例はフェニル、ナフチル、例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチル、などである。アリール基は非置換とすることができ、または、利用できる炭素原子を介して、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、オキソ、シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ナフチル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフィニル、スルフィニルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、またはアルキルスルホニル基などの1つ以上の基で置換させることができる。いずれの置換基も非置換とすることができ、または、これらの前記置換基のいずれか一つでさらに置換させることができる。
【0130】
「塩」という用語は任意の公知の無機または有機塩を示す。一定の化合物の「塩」という用語はその一定の化合物の生物学的効果および特性を保持する塩を示し、それらは、生物学的に、または別様に、望ましくなくはない。薬学的に許容される酸付加塩は、無機および有機酸から調製され得る。無機酸から誘導される塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、などを含む。有機酸から誘導される塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、などを含む。別の実施形態では、「塩」という用語は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛およびアンモニウムからなる群より選択される、薬学的に許容される有機または無機塩基もしくは塩基の残基を示す。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基から調製され得る。無機塩基から誘導される塩は、NaOH、KOH、などを含む。有機塩基から誘導される塩は、NHOH、NH、などを含む。
【0131】
別の実施形態では、薬学的に許容される塩はリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛およびアンモニウムからなる群より選択される無機カチオンを含む。各可能性が、本発明の別個の実施形態を示す。
【0132】
別の実施形態では、塩はアルカリ塩である。
【0133】
「アルカリ塩」という用語はアルカリカチオンを示す。本明細書で提供されるポリホスホネートのアルカリ塩は、ホスホン酸基上のOH基の少なくとも1つがO-M+であり、M+がアルカリカチオンであるものを示す。
【0134】
「アルカリカチオン」は、本明細書では、Li、Na、K、Rb、またはCsを示す。
【0135】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物は重合ホスホネートを含む。他の実施形態では、重合ホスホネートはナノ粒子またはマイクロ粒子を形成する。ナノ粒子は高い表面積を有し、そのため、それらの表面上の活性基の効果が増加し得ることがよく知られている。
【0136】
「ハロゲン化物」は、本明細書では、Cl、F、BrまたはIを示す。1つの実施形態では、ハロゲン化物は塩化物である。他の実施形態では、ハロゲン化物はフッ化物である。他の実施形態では、ハロゲン化物は臭化物である。他の実施形態では、ハロゲン化物はヨウ化物である。
【0137】
いくつかの実施形態では、この発明のデンタルケア組成物はコポリマーを含み、コポリマーは、ポリホスホネート骨格およびポリN-ハラミン骨格を含む。他の実施形態では、ポリホスホネート骨格はポリビスホスホネート骨格を含む。他の実施形態ではポリホスホネート骨格の非限定的な例はポリ(スチリルビスホスホネート)またはポリエチレングリコールビスホスホネートを含む。他の実施形態では、コポリマーはナノ粒子またはマイクロ粒子の形態である。
【0138】
「骨格」という用語は、各々、コポリマーのN-ハラミンまたはホスホン酸基を含むモノマー単位を示す。
【0139】
いくつかの実施形態では、この発明は、下記を含むデンタルケア組成物を提供し:少なくとも1つのポリホスホネート、N-ハラミンまたはそれらの組合わせ;またはポリホスホネート骨格およびポリN-ハラミン骨格を含むコポリマー;および薬学的に許容される担体、ポリホスホネート、N-ハラミンおよび/またはコポリマーはカプセル化されている。別の実施形態では、ポリホスホネートはカプセル化されている。別の実施形態では、N-ハラミンはカプセル化されている。別の実施形態では、コポリマーはカプセル化されている。別の実施形態では、コアシェルシリカ尿素粒子の形態でカプセル化された組成物が本明細書で提供される。
【0140】
この発明のカルキュラス除去剤をカプセル化するための非限定的な例はUS10508126号において見出すことができる。
【0141】
この発明の「成熟歯石を除去する」という用語は、被験体の歯表面からのリン酸オクタカルシウムCaH(PO.2HO、ヒドロキシアパタイトCa10(OH)(PO4)および/またはウイトロカイトCa(POXPOの除去または分解を示す。
【0142】
いくつかの実施形態では、「除去する」という用語は被験体の歯表面からの歯石または成熟歯石の完全除去を示す。
【0143】
別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも50%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも60%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも70%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも75%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも80%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも85%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも90%を示す。別の実施形態では、歯石~成熟歯石の除去は歯表面から少なくとも95%を示す。
【0144】
いくつかの実施形態では、歯石または成熟歯石の完全除去はこの発明の組成物の反復投与または適用後である。
【0145】
いくつかの実施形態では、歯石または成熟歯石の完全除去はこの発明の組成物の反復投与または適用、続いて、歯磨き後である。
【0146】
この発明のデンタルケア組成物のための薬学的に許容される担体は、本組成物を口腔粘膜に適用するために使用することができる好適な担体、好適なビヒクルを示す。
【0147】
適切に、本発明の組成物においては、経口的に許容されるビヒクルは、香味料、着色剤、甘味料、保水剤、増粘剤、バインダおよび界面活性剤などの他の成分を含んでもよい。
【0148】
バインダおよび増粘剤は、ペースト、ゲル、フィルムおよび液体ペーストにおける物理的一体性を確保するために添加することができる。好ましい増粘および結合剤としては、例えば天然および合成ゴム、例えばキサンタンおよびアカシアゴム、カラゲナン、アルギナート、セルロースエーテルおよびエステル、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリオキシアルキルポリマー、例えばプルロニックポリマー、PVP材料、カルボキシビニルポリマーにより例示されるある一定のポリマー、およびシリカが挙げられる。
【0149】
加えて、経口的に許容されるビヒクルは任意で、界面活性剤、甘味剤、香味剤、抗う蝕剤(ホスファターゼ酵素阻害薬として提供されるフッ化物イオン源に加えて)、抗プラーク剤、抗菌薬、例えばセチルピリジニウム塩化物、歯脱感作剤、着色剤および顔料を含み得る。
【0150】
この発明の組成物は、その上、口腔洗浄薬またはマウスリンスとして製剤化することができる。口腔洗浄薬またはリンスは95%までの水、30%までのアルコール、香味、多価アルコール、抗う蝕剤、プラーク除去剤、甘味料、染料およびレーキを含むであろう。
【0151】
活性材料はまた、現在のところ既存の製剤中に組み入れることができ、非限定的な例、例えばCepacol(Lakeside Pharmaceuticals)、Plax(Pfizer)、Scope(Procter&Gamble)、などが挙げられる。
【0152】
いくつかの実施形態では、この発明の組成物は溶液である。別の実施形態では、溶液は3.0-9.5のpHである。別の実施形態では、溶液は酸性である。別の実施形態では、溶液は塩基性である。
【0153】
方法
この発明は、本明細書で提供される組成物を投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;(v)歯周を治療または予防するための方法を提供する。各々がこの発明の別個の実施形態を表す。
【0154】
この発明は、この発明の組成物を必要とする歯表面に投与/適用することにより、歯表面から歯石を除去するための方法を提供する。
【0155】
この発明は、この発明の組成物を必要とする歯表面に投与/適用することにより、被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去するための方法を提供する。この発明は、この発明の組成物の、必要とする歯表面への反復投与または適用により、被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去するための方法を提供する。
【0156】
この発明は、この発明の組成物を必要とする歯表面に投与/適用することにより、う蝕を治療または予防するための方法を提供する。
【0157】
この発明は、この発明の組成物を必要とする歯表面に投与/適用することにより、インプラント周囲炎を治療または予防するための方法を提供する。
【0158】
この発明は、この発明の組成物を必要とする歯表面に投与/適用することにより、歯周を治療または予防するための方法を提供する。
【0159】
他の態様では、この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するために、この発明の組成物を必要とする歯に適用し、その一方、歯の残りは影響を受けないままとして、歯を治療する方法を提供する。(例えば、象牙質またはエナメル質は完全に影響を受けない)。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0160】
他の態様では、この発明は、被験体の歯表面から歯石を除去または低減させ、よって、プラークおよび/または歯石の蓄積を予防するために、この発明の組成物を必要とする歯に適用し、その一方、歯の残りは影響を受けないままとすることにより、歯を治療する方法を提供する。(例えば、象牙質またはエナメル質は、完全に影響を受けない)。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0161】
他の態様では、この発明は、この発明の組成物を必要とする歯に適用することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;または(iii)う蝕を治療または予防するために歯を治療する方法を提供し、よって、ドリル、バーおよび手工具による機械的除去の必要性が最小限に低減され、または、完全に排除される。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0162】
他の態様では、この発明は、この発明の組成物を必要とする歯に適用することにより、被験体の歯表面から歯石を除去するために歯を治療し、よって、プラークおよび/または歯石の蓄積を予防する方法を提供し、よって、ドリル、バーおよび手工具による機械的除去の必要性が最小限に低減され、または、完全に排除される。別の実施形態では、歯石は成熟歯石である。
【0163】
この発明は、本明細書で提供されるポリホスホネートまたはその塩を含む組成物を必要とする歯に投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)被験体の歯表面上での歯石形成の蓄積を予防する;(iv)う蝕を治療または予防する;(v)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(vi)歯周を治療または予防するための方法を提供する。
【0164】
この発明は、本明細書で提供されるN-ハラミンを含む組成物を必要とする歯に投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)被験体の歯表面上での歯石形成の蓄積を予防する;(iv)う蝕を治療または予防する;(v)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(vi)歯周を治療または予防するための方法を提供する。
【0165】
この発明は、N-ハラミンおよびポリホスホネートの組合わせを投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)被験体の歯表面上での歯石形成の蓄積を予防する;(iv)う蝕を治療または予防する;(v)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(vi)歯周を治療または予防するための方法を提供し、N-ハラミンおよびポリホスホネートは、どちらかの順序で、順次または付随して投与される。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0166】
この発明は、N-ハラミンならびにホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマーの組合わせを投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iiii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するための方法を提供し、N-ハラミンおよびコポリマーは、どちらかの順序で、順次または付随して投与される。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0167】
この発明は、ポリホスホネート(poly-phosphante)ならびにホスホネート骨格およびN-ハラミン骨格を含むコポリマーの組合わせを投与することにより、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するための方法を提供し、ポリホスホネート(poly-phosphante)およびコポリマーは、どちらかの順序で、順次または付随して投与される。各々が、この発明の別個の実施形態を表す。
【0168】
レジメン
いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯から歯石を除去するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物を歯に適用することを含む。いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯から歯石を除去するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物を歯に適用すること、続いて、歯磨きを含む。いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯から歯石を除去するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物の歯への反復適用を含む。いくつかの実施形態では、この発明は、被験体の歯から歯石を除去するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物の歯への反復適用、続いて、歯磨きを含む。
【0169】
この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物を歯に適用すること、任意で、続いて歯磨きを含む。
【0170】
この発明は、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するためのレジメンを提供し、レジメンはこの発明のデンタルケア組成物を歯科インプラント上で適用することを含む。
【0171】
1つの実施形態では、(i)被験体の歯表面から歯石を除去する;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去する;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するレジメンは、提供されるデンタルケア組成物を歯に2分、5分、10分、20分、30分、40分、50分間、または1時間適用することを含む。別の実施形態では、(i)被験体の歯表面から歯石を除去または低減させる;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去または低減させる;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するためのレジメンは、この発明のデンタルケア組成物を歯に1日1回、1日2回、週に1回、週に2回適用すること、任意で、続いて、歯磨きを含む。
【0172】
別の実施形態では、(i)被験体の歯表面から歯石を除去または低減させる;(ii)被験体の歯表面から成熟歯石(成熟カルキュラス)を除去または低減させる;(iii)う蝕を治療または予防する;(iv)インプラント周囲炎を治療または予防する;または(v)歯周を治療または予防するためのレジメンは、この発明のデンタルケア組成物を歯に1日1回、1日2回、週に1回、週に2回適用することを含み、組成物は口腔洗浄薬をかける、または、練り歯磨きを適用する、または、歯科用トレーを適用することにより適用される。
【0173】
発明のある一定の実施形態をより詳しく説明するために下記非限定的な例が提示される。しかしながら、それらは決して、発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、発明の範囲から逸脱せずに本明細書で開示される原理の多くの変更および改変を容易に考案することができる。
【0174】
実施例
実施例1
スクシニルテトラホスホネートの合成(SUTP、スキーム1)
【化51】

スキーム1:SUTPの合成:a)P(OSiMe、THF、0℃~R.T.b)MeOH、NaOH、R.T.
スクシニルジクロリド(3.5ml、5g、0.03mol)をTHF(100ml)に窒素環境で溶解し、氷浴に入れた。亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(46.8ml、41.8g、0.14mol)を添加し、次いで、得られた黄色混合物をRTに到達させ、次いで24時間撹拌した。次いで、混合物を蒸発乾固させ、次いで、メタノール(200ml)を添加し、オレンジ溶液を得、次いで、これを24時間、RTで撹拌し、白色沈殿を得た。白色固体をBuckner濾過により収集し、メタノール(100ml)で洗浄し、黄色濾液を得た。これを真空乾燥させ、所望の化合物、スクシニルテトラホスホネート(SUTP、図1A-1D)を得た。
【0175】
実施例2
γ-Glu-BPの合成(スキーム2)
【化52】
スキーム2:γ-Glu-BPの合成:a)AcOH、145℃、1.5h、44.4%。b)AcO、100℃、2h、91.6%。c)P(OSiMe)、THF、R.T.、o.n.d)MeOH、R.T.2h、83.3%(2ステップについて)。E)HCl 6M、還流、o.n.、98.7%。
γ-N-フタロイルグルタミン酸の合成-ステップa
N-フタロイルグルタミン酸を下記の通り合成した(スキーム2-ステップa):酢酸(34ml)を無水フタル酸(12.88g、0.087mol)およびL-グルタミン酸(17g、0.11mol)を含む500ml丸底フラスコに添加し、混濁溶液を得た。溶液を145℃で1.5時間加熱し、透明無色溶液を得た。溶液を室温まで冷却させ、次いで、蒸発させ、無色油を得た。次いで、再蒸留水(DDW)(334ml)を油に添加し、100℃まで加熱し、透明無色溶液を得た。次いで、溶液を室温まで冷却させ、32%HCI(6ml)を添加し、混合物を一晩冷蔵した。得られた固体を濾過し、乾燥させ、所望の生成物を得た(10.7g、44.4%収率)。
【0176】
N-フタロイルグルタミン酸無水物の合成-ステップb
N-フタロイルグルタミン酸無水物を下記の通り合成した:N-フタロイルグルタミン酸(10g、0.036mol)を含む無水酢酸(40ml)の懸濁液を100℃で2時間加熱し、透明無色溶液を得、次いで、室温まで冷却し、蒸発させ、所望の化合物、白色のピンクがかった固体を得た(8.6g、91.6%収率)。
【0177】
N-Pht-Glu-BPの合成-ステップc,d
N-フタロイルグルタミン酸無水物(8g、0.031mol)を200mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)に窒素雰囲気下で溶解し、透明オフホワイト溶液を得た。次いで、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(20g、0.07mol)を溶液に添加し、一晩撹拌した。得られた透明無色溶液を蒸発させ、透明なピンクがかった油を得、次いで、これをメタノール(150ml)に溶解し、2時間撹拌し、透明無色溶液を得た。メタノール溶液を蒸発させ、得られたオレンジ油をジエチルエーテル(700ml)で洗浄し、乾燥させ、所望の化合物を得た(10.8g、83.3%収率)。
【0178】
γ-Glu-BPの合成-ステップe
N-Pht-Glu-BP(10.8g、0.036mol)をHCl溶液(6M、190ml)に溶解し、透明無色溶液を一晩還流させた。溶液を室温まで冷却し、次いで4時間冷蔵した。得られたフタル酸の白色結晶を濾過し、透明無色濾液を蒸発させ、所望の化合物を得た(5.9g、98.7%収率)。
【0179】
実施例3
モノマースチリルビスホスホネートの合成(StBP、スキーム3)
【化53】
スキーム3:StBPモノマーの合成スキーム
StBPモノマーを下記に記載されるように調製した(スキーム3):塩化オキサリル(35ml、2M)およびN,Nジメチルホルムアミド(1滴)を4-ビニル安息香酸(27mmol)に添加し、これを無水DCM(100ml)に溶解し、一晩室温(RT)で撹拌し、塩化4-ビニルベンゾイルを生成させた。溶液を蒸発させ、黄色油を生成させ、次いで無水THF(100ml)に溶解した。亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(77mmol)を添加し、混合物を一晩RTで撹拌した。溶液を蒸発さ、所望の化合物を得た。無水メタノール(100ml)を添加し、続いてNaOH(3.24g)を含むメタノールの溶液60mlを添加し、2時間RTで撹拌した。生成物を濾過し、過剰の試薬をメタノールで洗浄し、真空で乾燥させた(2mmHg)。得られた固体残渣(StBPモノマー)を、核磁気共鳴(NMR)分光法、H、13Cおよび31P NMR(Bruker DMX-600分光計、それぞれ、600.1、150.9および242.9MHz)、フーリエ変換赤外(FTIR-IR)分析(Bruker ALPHA-FTIR、QuickSnap(商標)、ドイツ)、および元素分析(Perkin-Elmer2400シリーズII分析計、Microanalysis Lab., Institute of Chemistry of The Hebrew University of Jerusalem, Jerusalem、イスラエル)により分析した。
【0180】
実施例4
架橋ポリ(スチリルビスホスホネート)ナノ粒子の合成(ポリ(StBP) NP、スキーム4)
【化54】
スキーム4:ポリ(StBP) NPの合成。
65±7nmの乾燥直径(149±15nmの流体力学直径)を有するポリ(StBP) NPを、分散共重合プロセスにより、1-プロパノール(40%(v/v))を含む0.3M HCl水溶液(2.5ml)中、5%(w/v)の総モノマー濃度:57.25mgの実施例3で記載されるStBPモノマー、および62.5mgのTEGDMA[トリエチレングリコールジメタクリレート]を用いて合成した。加えて、開始剤として6.25mgのPPS(5%(w/w))[過硫酸カリウム]および安定剤として25mgの360K分子量のPVP[ポリビニルピロリドン](1%w/v)をモノマー溶液に添加した。
【0181】
重合前に、混合物を含むバイアルをNでパージして空気を排除し、80℃で一晩振盪させた。得られた粒子は、DDWを用いた広範な透析サイクル(1,000kDのカットオフ)により過剰な試薬を洗浄した。粒子分散物を中空糸ダイアフィルトレーション(750kDポリスルホン膜、Spectrum Labs MiniKros(登録商標)Sampler Plus P/N M4AB-260-01P)を使用して濃縮した。
【0182】
実施例5
クロラミンナノ/マイクロ粒子
【化55】
スキーム6:架橋P(MAA-MBAA) NPの合成
架橋P(MAA-MBAA)ナノ粒子の調製(スキーム6):
18±2~460±60nmの範囲の流体力学サイズの架橋P(MAA-MBAA)ナノ粒子(スキーム6)P(MAA-MBAA)ナノ粒子の調製を、連続相としての水中でのモノマーMAAおよびMBAAの界面活性剤フリー分散共重合により形成させた。手短に述べると、27±3nm流体力学直径のP(MAA-MBAA)ナノ粒子を4.4gのMAA、3.6gのMBAA(2%w/v総モノマー)、および240mgのPPSの400mLの蒸留水での溶解により形成させた。
【0183】
この溶液を含む1L丸底フラスコを、メカニカルスターラー(200rpm)を用いて100℃で1時間撹拌した。MAAおよびMBAA残渣をその後、ナノ粒子水性分散物から、水に対する広範な透析により除去した。乾燥P(MAA-MBAA)ナノ粒子を凍結乾燥により得た。
【0184】
モノマーのP(MAA-MBAA)ナノ粒子へのパーセント変換(重合収率)を、下記式を使用して計算し:
【数1】
式において、WP(MMA-MBAA)は得られた乾燥P(MAA-MBAA)ナノ粒子の重量であり、W(MAA+MBAA)はモノマーMAおよびMBAAの初期重量である。異なるサイズのP(MAA-MBAA)ナノ粒子を、様々な重合パラメータ、例えば、モノマー濃度、開始剤型、および濃度を変化させることにより形成させた。
【0185】
P(MAA-MBAA)ナノ粒子の塩素化(スキーム7)
【化56】
スキーム7:架橋P(MAA-MBAA) NPの塩素化
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(5mL、4%w/v)をP(MAA-MBAA)ナノ粒子(5mL、15mg/mL)の水性分散物に添加し、これを室温で1時間振盪させた。過剰な次亜塩素酸ナトリウムをP(MAA-MBAA)-Clナノ粒子分散物から、水に対する広範な透析により除去した。
【0186】
P(MAA-MBAA)-Clナノ粒子の結合-Cl量をヨード滴定/チオ硫酸滴定により、文献[32]に従い下記式を用いて決定し:
【数2】
式において、Nは規定度(equiv/L)であり、Vは滴定したチオ硫酸ナトリウム溶液の体積(L)である。
重合ハラミンの他の例はハロゲン化ポリMAA(メタクリルアミド)またはハロゲン化ポリMBAA(N,Nメチレンビスアクリルアミド)のNP/MPを含み:

【化57】
または
【化58】
式中、Xはハロゲン化物であり、nは2~200の整数である。
【0187】
実施例6
コアおよびコアシェルシリカハラミン-尿素粒子の調製(スキーム8)
コアおよびコアシェルシリカ尿素粒子の調製
【化59】
スキーム8:SiO-尿素N/MPの合成
SiO-尿素N/MPを、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)および1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]尿素(TMSPU)の改良Stober重合プロセスを使用して調製した。典型的な実験では、コア粒子を、異なる量の無水エタノール、脱イオン水、水酸化アンモニウム、TEOSおよびTMSPUを管に添加し、室温で4時間振盪させて調製した。次いで、形成したSiO-尿素N/MPを水にエタノール蒸発により移した。
【0188】
コア/シェルSiO尿素 NP/MPを2段階で調製した。最初に、コアSiO NP/MPを、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)の改良Stober重合を用いて調製した。その後、1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]尿素(TMSPU)を管に添加し、前に生成させたSiON/MP上に重合させた。次いで、形成したSiO-尿素コア/シェルN/MPを水にエタノール蒸発により移した。コアまたはコア/シェルSiO2-尿素粒子の塩素化を、前に記載されるように、漂白剤を用いて達成した。
【0189】
実施例7
SUTP、ポリ(StBP) NP、およびγ-Glu-BPのヒトの歯に対する効果
SUTP(実施例1)、ポリ(StBP) NP(実施例4)、およびγ-Glu-BP(実施例2)のヒトの歯に対する効果を下記の通り評価した:
【0190】
歯を下記の3つの別個の水溶液中:SUTP、ポリ(StBP) NP、およびγ-Glu-BP(1mg/ml、4ml、pH=4)、RTで1時間インキュベートした。15分のインキュベーション後、歯石の新しい沈殿物が自然に観察された。次いで、歯を歯ブラシによりブラッシングして歯上の残った歯石層を除去し、SUTP、ポリ(StBP) NP、およびγ-Glu-BPの新しい溶液中で一晩インキュベートした。次いで、歯をDDWにより洗浄し、写真撮影した。図1-3はSUTP(図1A-1D)、ポリ(StBP) NP(図2A-2B)、およびγ-Glu-BP(図3A-3B)溶液を使用した歯石で汚れた歯のクリーニングを示す。
【0191】
実施例8
ハラミン NPのヒトの歯に対する効果
ヒトの歯上での成熟歯石除去に対するハラミンナノ粒子(表1で提示)およびSUTP化合物の効果を研究した。5mLの各水性懸濁液を20mLバイアルに添加し、歯石を有する歯を各バイアルに添加した。次いで、溶液を10分間室温で撹拌した。10分後、柔らかい歯ブラシを使用して歯をブラッシングした、歯の写真を撮った。
【表1】
【0192】
歯から歯石を除去するためのPMAA-Cl NPの活性が図5A-5Dに提示される。PMAA-Cl NPを用いて20mMの濃度で処置した歯は、10分の撹拌およびブラッシング後、完全に清浄であった(図5Aおよび5Bにおいて示される)。PMAA-Cl NPを用いて2mMのより低い濃度で処置した歯(図5Cおよび5D)は部分的に清浄であり、歯石を除去する可能性を示した。しかしながら、1mMの濃度のPMAA-Cl NPは歯石に対して何の効果も示さなかった。
【0193】
歯から歯石を除去することに対するSi-尿素-Cl NPの活性を図4A-4Dに提示した。図4Aおよび4CはSi-尿素 NPによる治療前の歯を提示する。Si-尿素-Cl NPを用いて7.5mMの濃度で処置した歯は10分の撹拌およびブラッシング後完全に清浄であった(図4B)。2mMのより低い濃度は、歯石に対して有意の効果を示さず、歯はその初期状態のようであった(図4D)。撹拌時間をより長くすると、より低い濃度をより有効にすることは可能である。
【0194】
歯から歯石を除去するためのSUTPの活性が図1A-1Dにおいて示される。図1A、および1CはSUTPを用いた治療前の歯を提示する。SUTPを用いて10mg/mLの濃度(pH3-4)で処置した歯は、10分の撹拌およびブラッシング後完全に清浄であった(図1B)。SUTPを用いて1mg/mLのより低い濃度で(pH3-4およびpH6-7(図1D、それぞれ)処置した歯は部分的に清浄であり、歯石を除去する有望な可能性を示した。DDWを使用した場合歯石に対する効果はなかった(陰性対照)。
【0195】
実施例9
スクシニルテトラホスホネートおよび2つのタイプの工業用ピロホスフェートのヒトの歯への活性の比較
スクシニルテトラホスホネートおよび2つのタイプの工業用ピロホスフェートの成熟歯石を有するヒトの歯への効果を下記の通り比較した:
【0196】
ヒトの歯をSUTP((a)下記構造を参照されたい)、ピロリン酸ナトリウム四塩基性((b)下記構造を参照されたい)およびピロリン酸ナトリウム二塩基性((c)下記構造を参照されたい)(1mg/ml、pH=7)を有するPBSの溶液5ml中で10分間インキュベートし、振盪させた。次いで、歯を歯ブラシにより2分間ブラッシングした。画像を治療前後に獲得した、図6(SUTPを用いて)、図7(ピロリン酸ナトリウム四塩基性を用いて)、および図8(ピロリン酸ナトリウム二塩基性を用いて)。
【化60】
【0197】
図6において示されるように、かなりの成熟歯石がSUTPにおいて除去された。ピロリン酸ナトリウム四塩基性は成熟歯石を除去しなかった(図7)。ピロリン酸ナトリウム二塩基性もまた、成熟歯石を除去しなかった(図8)。
【0198】
加えて、濃度1mg/mlを有する溶液(図9)を歯磨き後に獲得し、濁った溶液が示されたが、SUTP溶液は、両方の濃度において他のものよりも著しく濁っており、歯から除去された歯石が著しくより多いことが示された。
【0199】
発明のある一定の特徴について、本明細書で図示し、記載さしてきたが、多くの改変、置換、変更、および等価物が今や、当業者であれば思い付くであろう。そのため、添付の特許請求の範囲は、発明の真の精神の範囲内に入るそのような改変および変更を全て包含することを意図すると理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A-9C】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記構造またはその塩により表されるテトラホスホネート化合物であって、
【化1】
式中、
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である、テトラホスホネート化合物
【請求項2】
記構造:(スクシニルテトラホスホネート(SUTP)またはそのアルカリ塩;またはマロン酸テトラホスホネートまたはそのアルカリ塩により表される、請求項1に記載のテトラホスホネート化合物
【化2】
または
【化3】
【請求項3】
ンタルケア組成物であって、前記組成物の0.05重量%-30重量%の量の請求項1または2に記載の少なくとも1つのテトラホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体を含む、デンタルケア組成物
【請求項4】
前記テトラホスホネートはカプセル化されている、請求項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項5】
前記組成物は、少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を前記組成物の0.1重量%-10重量%の量でさらに含む、請求項3または4に記載のデンタルケア組成物。
【請求項6】
前記N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む、請求項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項7】
前記N-ハラミン系粒子は、ナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項8】
前記N-ハラミン系粒子は、下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化4】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である、請求項5または7に記載のデンタルケア組成物。
【請求項9】
前記N-ハラミンポリマーは、下記構造により表され:
【化5】
【化6】
または
【化7】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である、請求項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項10】
前記ハロゲン化物は塩化物である、請求項8または9に記載のデンタルケア組成物。
【請求項11】
前記N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子はカプセル化されている、請求項5-10のいずれか一項に記載のデンタルケア組成物。
【請求項12】
請求項3-11のいずれか一項に記載の組成物を投与/適用することにより、被験体の歯表面から歯石を除去するための方法。
【請求項13】
前記歯石は成熟歯石である、請求項12に記載の方法
【請求項14】
組成物の0.05重量%-30重量%の量の少なくとも1つのポリホスホネートまたはその塩;および薬学的に許容される担体を含むデンタルケア組成物を投与/適用することにより、被験体の歯表面から成熟歯石を除去するための方法であって、前記ポリホスホネート化合物は式Iの構造またはその塩により表され:
【化8】
式中、
Rは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、
【化9】
または
【化10】
であり;
Lはアルキル、アリール、アルキルアリール、アルキニル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換であり、あるいは前記ポリホスホネートは、下記の重合形態である、方法
【化11】
【請求項15】
前記ポリホスホネート化合物は下記構造(γ-Glu-BP)またはその塩により表されるビスホスホネート化合物であり:
【化12】
あるいは、前記ポリホスホネートは下記構造またはその塩により表されるテトラホスホネート化合物であり
【化13】
式中、
Lはアルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖であり;
前記アミノ酸の前記側鎖は炭素に結合され;ならびに
前記アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アリール、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキルアミド、アルキルアミン、またはアミノ側鎖は各々置換され、または非置換である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物は、少なくとも1つのN-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子を前記組成物の0.1重量%-10重量%の量でさらに含む、請求項14または15に記載の方法
【請求項17】
前記N-ハラミン化合物は、ハロゲン化一級アミン、ハロゲン化二級アミン、ハロゲン化アミドまたはハロゲン化尿素を含む、請求項16に記載の方法
【請求項18】
前記N-ハラミン系粒子は、ナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項16に記載の方法
【請求項19】
前記N-ハラミン系粒子は、下記構造により表されるコア/シェルシリカハラミン-尿素粒子の形態であり:
【化14】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、kは1-10である、請求項16または18に記載の方法
【請求項20】
前記N-ハラミンポリマーは、下記構造により表され:
【化15】

【化16】
または
【化17】
式中、Xは独立してハロゲン化物であり、nは2-100である、請求項16に記載の方法
【請求項21】
前記ハロゲン化物は塩化物である、請求項19または20に記載の方法
【請求項22】
前記N-ハラミン系ポリマーは、ナノ粒子またはマイクロ粒子である、請求項16または20に記載の方法
【請求項23】
前記ポリホスホネートはカプセル化されている、請求項14-22のいずれか一項に記載の方法
【請求項24】
前記N-ハラミン化合物、N-ハラミン系ポリマー、またはN-ハラミン系粒子はカプセル化されている、請求項16-23のいずれか一項に記載の方法
【国際調査報告】