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特表2024-503362成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法
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  • 特表-成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法 図1
  • 特表-成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法 図2
  • 特表-成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/26 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B29D30/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540816
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2021142573
(87)【国際公開番号】W WO2022143792
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011638978.2
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517095962
【氏名又は名称】▲軟▼控股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523248965
【氏名又は名称】青▲島▼▲軟▼控机▲電▼工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼孝松
(72)【発明者】
【氏名】▲ゆ▼一航
(72)【発明者】
【氏名】宋建▲玲▼
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VP03
(57)【要約】
本発明は、成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法を提供する。中ドラムアセンブリは、ドラム肩と、取付溝と固定孔とを有する中ドラムブロックと、ドラム肩内に可動に穿設され、成形ドラムの軸方向に移動可能な第1の締結具と、一部がドラム肩内に穿設された第2の締結具と、を備え、第1の締結具は、ドラム肩に成形ドラムの軸方向に沿って移動でき、段差面を有し、中ドラムブロックは、成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩にドッキングした際に、取付溝と第1の締結具とが位置合わせされ、中ドラムブロックは、段差面を押圧して第1の締結具の一部を取付溝内に入り込み、第1の締結具の一部が取付溝に入り込んだ後、固定孔と第2の締結具とが位置合わせされ、中ドラムブロックが成形ドラムの軸方向に沿ってドラム肩に近接し、ドラム肩に露出した第2の締結具の一部を固定孔内に入り込む。本発明は、従来技術におけるドラム肩部の歯形ブロックの交換の際に時間と手間がかかる問題を解決した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形ドラムの中ドラムアセンブリであって、
ドラム肩(10)と、取付溝(21)と固定孔(22)とを有する中ドラムブロック(20)と、前記ドラム肩(10)内に可動に穿設され、前記成形ドラムの軸方向に移動可能な第1の締結具(30)と、一部が前記ドラム肩(10)内に穿設された第2の締結具(40)と、を備え、前記第1の締結具(30)は、段差面を有し、前記中ドラムブロック(20)は、前記成形ドラムの径方向に沿って前記ドラム肩(10)にドッキングした際に、前記取付溝(21)と前記第1の締結具(30)とが位置合わせされ、前記中ドラムブロック(20)は、前記段差面を押圧して前記第1の締結具(30)の一部を前記取付溝(21)内に入り込み、前記第1の締結具(30)の一部が前記取付溝(21)に入り込んだ後、前記固定孔(22)と前記第2の締結具(40) とが位置合わせされ、前記中ドラムブロック(20)が前記成形ドラムの軸方向に沿って前記ドラム肩(10)に近接し、前記ドラム肩(10)に露出した前記第2の締結具(40) の一部を前記固定孔(22)内に入り込む、
ことを特徴とする成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項2】
前記中ドラムブロック(20)は、円弧状であり、前記取付溝(21)は、前記円弧状の内側壁と前記円弧状の端面とに連通していることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の締結具(30)は、順次連結される大径段と、小径段と、を備え、前記大径段と前記小径段との間に前記段差面が形成され、前記小径段が前記ドラム肩(10)内に入り込み、前記大径段が前記取付溝(21)内に入り込むことができることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項4】
前記取付溝(21)は、順次連通される拡径段と、縮径段と、を備え、前記縮径段は、前記拡径段よりも前記ドラム肩(10) の端面に近接し、前記大径段は、前記拡径段内に入り込み、前記小径段は、前記縮径段内に入り込み、前記段差面は、前記拡径段に向かう前記縮径段の端面に当接することを特徴とする請求項3に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項5】
前記取付溝(21)の外縁には、前記中ドラムブロック(20)が前記成形ドラムの径方向に沿って前記ドラム肩(10)にドッキングする方向に沿って、斜面(23)が設置され、前記斜面(23)は、前記ドラム肩(10)から離れる方向に傾斜し、前記中ドラムブロック(20)が前記成形ドラムの径方向に前記ドラム肩(10)にドッキングした際に、前記斜面(23)は、前記段差面を押圧し、前記第1の締結具(30)を前記ドラム肩(10)から延出する方向に移動させ、前記取付溝(21)内に入り込むことを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項6】
前記成形ドラムの中ドラムアセンブリは、弾性部材(50)をさらに備え、前記弾性部材(50)の両端がそれぞれ前記ドラム肩(10)と前記第1の締結具(30)とに当接し、前記第1の締結具(30)に前記ドラム肩(10)に入り込む方向に移動する弾性力を与えることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項7】
前記中ドラムブロック(20)は、前記中ドラムブロック(20)の外側面に位置する歯形部(24)と、前記歯形部(24)の端部内側面に位置する接続部(25)と、を備え、前記取付溝(21)と前記固定孔(22)とは、いずれも前記接続部(25)の端面に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項8】
前記固定孔(22)と前記第2の締結具(40)とは、いずれも複数であり、前記取付溝(21)の両側には、それぞれ少なくとも1つの前記固定孔(22)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項9】
前記取付溝(21)はU溝であり、前記第1の締結具(30)はねじ頭を有するねじであり、前記第2の締結具(40)はピンであることを特徴とする請求項1に記載の成形ドラムの中ドラムアセンブリ。
【請求項10】
成形ドラムであって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の成形ドラムの前記中ドラムアセンブリを備えることを特徴とする成形ドラム。
【請求項11】
中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法であって、
前記中ドラムアセンブリは、ドラム肩(10)と、取付溝(21)と固定孔(22)とを有する中ドラムブロック(20)と、前記ドラム肩(10)に穿設された第1の締結具(30)と、第2の締結具(40)と、を備え、前記中ドラムアセンブリの中ドラムブロック(20)の交換方法は、下記のステップを含む、即ち、前記中ドラムブロック(20)が、前記中ドラムアセンブリの径方向に前記ドラム肩(10)の一側に近接し、前記ドラム肩(10)の端面と隙間を形成して、前記中ドラムブロック(20)が前記中ドラムアセンブリの中心に向かって移動し続け、移動過程では、前記中ドラムブロック(20)は、前記第1の締結具(30)の段差面を押圧し、前記第1の締結具(30)の一端が前記ドラム肩(10)から離れて前記取付溝(21)内に入り込み、前記中ドラムブロック(20)が前記固定孔(22)と前記第2の締結具(40)と位置合わせされた後まで移動して、前記中ドラムブロック(20)が前記中ドラムアセンブリの軸方向に沿って前記ドラム肩(10)の端面に近接し、前記第1の締結具(30)の一部が前記ドラム肩(10)に引き込まれ、前記第2の締結具(40)が前記固定孔(22)に入り込むことを特徴とする中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法。
【請求項12】
前記第1の締結具(30)は、順次連結される大径段と、小径段と、を備え、前記大径段と前記小径段との間に前記段差面を形成し、前記中ドラムブロック(20)が前記段差面を押圧する際に、前記第1の締結具(30)が前記ドラム肩(10)から延出する方向に移動し、前記大径段が前記取付溝(21)内に入り込むことを特徴とする請求項11に記載の中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法。
【請求項13】
前記取付溝(21)の外縁には斜面(23)が設置され、前記中ドラムブロック(20)が前記中ドラムアセンブリの中心に向かって移動し続ける際に、前記斜面(23)が前記段差面を押圧することを特徴とする請求項11に記載の中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法。
【請求項14】
前記中ドラムアセンブリは、弾性部材(50)をさらに備え、前記中ドラムブロック(20)が前記段差面を押圧する際に、前記第1の締結具(30)が前記弾性部材(50)を圧縮し、前記弾性部材(50)の長さが短くなり、前記中ドラムブロック(20)が前記中ドラムアセンブリの軸方向に前記ドラム肩(10)の端面に近接する際に、前記第1の締結具(30)が前記弾性部材(50)を解放し、前記弾性部材(50)の長さが長くなることを特徴とする請求項11に記載の中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年12月31日に中国特許庁に提出され、出願番号は202011638978.2であり、発明名称は「成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法」である中国特許出願の優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、タイヤ加工の技術分野に関し、具体的には、成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法。
【背景技術】
【0003】
成形ドラムのドラム肩部の歯形ブロック長さは、タイヤ仕様によって異なるサイズの歯形ブロックを交換する必要があり、通常の歯形ブロックは、歯形ブロック接続台にねじで連結され、このように歯形ブロックを交換する際に、接続ねじを取り外す必要があり、多大な時間がかかり、効率に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、従来技術におけるドラム肩部の歯形ブロックの交換の際に時間と手間のかかるという問題を解決するために、成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の選択可能な一実施形態によれば、成形ドラムの中ドラムアセンブリが提供される。成形ドラムの中ドラムアセンブリは、ドラム肩と、取付溝と固定孔とを有する中ドラムブロックと、ドラム肩内に可動に穿設され、成形ドラムの軸方向に移動可能な第1の締結具と、一部がドラム肩内に穿設された第2の締結具と、を備え、第1の締結具は、段差面を有し、中ドラムブロックは、成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩にドッキングした際に、取付溝と第1の締結具とが位置合わせされ、中ドラムブロックは、段差面を押圧して第1の締結具の一部を取付溝内に入り込み、第1の締結具の一部が取付溝に入り込んだ後、固定孔と第2の締結具とが位置合わせされ、中ドラムブロックが成形ドラムの軸方向に沿ってドラム肩に近接し、ドラム肩に露出した第2の締結具の一部が固定孔内に入り込む。
【0006】
選択可能な一実施形態では、中ドラムブロックは、円弧状であり、取付溝は、円弧状の内側壁と円弧状の端面とに連通している。
【0007】
選択可能な一実施形態では、第1の締結具は、順次連結される大径段と小径段とを備え、大径段と小径段との間に段差面が形成され、小径段がドラム肩に入り込み、大径段が取付溝内に入り込むことができる。
【0008】
選択可能な一実施形態では、取付溝は、順次連通される拡径段と縮径段とを備え、縮径段が拡径段よりもドラム肩の端面に近接し、大径段が拡径段内に入り込み、小径段が縮径段内に入り込み、前記拡径段に向かう前記縮径段の端面に当接する。
【0009】
選択可能な一実施形態では、中ドラムブロックが成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩にドッキングする方向に沿って、斜面が設置され、斜面がドラム肩から離れる方向に傾斜して、ドラムブロックがドラムの径方向に沿ってドラム肩にドッキングした際に、斜面が段差面を押圧し、第1の締結具をドラム肩に延出する方向に移動させて、取付溝内に入り込む。
【0010】
選択可能な一実施形態では、中ドラムアセンブリは、弾性部材をさらに備え、弾性部材の両端は、それぞれドラム肩と第1の締結具とに当接しており、第1の締結具には、ドラム肩に入り込む方向に移動する弾性力が与えられる。
【0011】
選択可能な一実施形態では、中ドラムブロックは、中ドラムブロックの外側面に位置する歯形部と、歯形部の端部内側面に位置する接続部と、備え、取付溝と固定孔とがいずれも接続部の端面上に開設している。
【0012】
選択可能な一実施形態では、固定孔と第2の締結具とは、いずれも複数であり、取付溝の両側には、それぞれ少なくとも1つの固定孔が設置されている。
【0013】
選択可能な一実施形態では、取付溝はU溝であり、第1の締結具はねじ頭を有するねじであり、第2の締結具はピンである。
【0014】
本発明の選択可能な一実施形態によれば、上記の中ドラムアセンブリを備える成形ドラムが提供される。
【0015】
本発明の選択可能な一実施形態によれば、中ドラムアセンブリの中ドラムブロック交換方法が提供される。中ドラムアセンブリは、ドラム肩と、中ドラムブロックと、ドラム肩に穿設された第1の締結具と第2の締結具とを備え、中ドラムブロックは、取付溝と固定孔とを有し、中ドラムブロック交換方法は、下記のステップを含む、即ち、中ドラムブロックが、中ドラムアセンブリの径方向に沿ってドラム肩の一側に近接し、ドラム肩の端面と隙間を形成して、中ドラムブロックが中ドラムアセンブリの中心に向かって移動し続け、移動過程では、中ドラムブロックは、第1の締結具の段差面を押圧し、第1の締結具の一端がドラム肩から離れて取付溝内に入り込み、中ドラムブロックが固定孔と第2の締結具と位置合わせされた後まで移動し、中ドラムブロックが中ドラムアセンブリの軸方向に沿ってドラム肩の端面に近接し、第1の締結具の一部がドラム肩に引き込まれ、第2の締結具が固定孔に入り込む。
【0016】
選択可能な一実施形態では、第1の締結具は、順次連結される大径段と小径段とを備え、大径段と小径段との間に段差面が形成され、中ドラムブロックが段差面を押圧する際に、第1の締結具がドラム肩に延出する方向に移動し、大径段が取付溝内に入り込む。
【0017】
選択可能な一実施形態では、取付溝の外縁には斜面が設置され、中ドラムブロックが中ドラムアセンブリの中心に向かって移動し続けるとき、斜面が段差面を押圧する。
【0018】
本発明の選択可能な一実施形態によれば、中ドラムアセンブリは、弾性部材をさらに備え、中ドラムブロックが段差面を押圧する際に、第1の締結具が弾性材を圧縮し、弾性材の長さが短くなり、中ドラムブロックが中ドラムアセンブリの軸方向に沿ってドラム肩の端面に近接すると、第1の締結具が弾性材を解放し、弾性材の長さが長くなる。
【0019】
本発明の技術的解決手段の適用において、中ドラムブロックに取付溝と固定孔を設置するとともに、第1の締結具と第2の締結具とをそれぞれ設置することで、第1の締結具と第2の締結具とが予めドラム肩に穿設されている。中ドラムブロックを装着する必要がある場合には、まず、中ドラムブロックを成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩の一側に近接し、中ドラムブロックが押し下げられる。この過程では、中ドラムブロックが第1の締結具の段差面を押圧し、第1の締結具をドラム肩に延出する方向に移動させ、第1の締結具の一端は、取付溝内に入り込むことができるとともに、中ドラムブロックの端面とドラム肩の端面との間に距離が形成され、この距離は、第2の締結具がドラム肩から露出する距離よりも小さくないことにより、中ドラムブロックが第2の締結具を回避して移動することができ、中ドラムブロックが径方向に所定位置に移動した際に、固定孔と第2の締結具とが位置合わせされ、このとき、軸方向に中ドラムブロックを動かせ、中ドラムブロックがドラム肩に近接する方向に移動するように軸方向に中ドラムブロックが押さられ、第1の締結具がドラム肩に引き込まれる方向に移動するとともに、第2の締結具が固定孔内に入り込むことで、中ドラムブロックの径方向の移動が第2の締結具によってロックされ、中ドラムブロックの軸方向の移動のために外力によって中ドラムブロックが引っ張られることが必要で、このように、中ドラムブロックをドラム肩に取り付けることができる。中ドラムブロックを取り外す必要がある場合には、外力によって軸方向に中ドラムブロックが引っ張られて、第2の締結具を固定孔から離脱させた後、中ドラムブロックを径方向に引き上げて、第1の締結具を取付溝から離脱させることにより、中ドラムブロックを取り外して交換することができる。上記の設置方法により、中ドラムブロックの着脱にねじを取り外す必要がなく、迅速に着脱することができ、交換効率を大幅に向上する。着脱過程は、1回押圧、1回引き、1回引っ張れ、1回引き上げのみを必要とするため、簡単に着脱して、時間や労力を節約する。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から、本発明の上記実施形態は、以下の技術的効果を奏することがわかる。
【0021】
1.従来技術におけるドラム肩部分の歯形ブロックの交換という、時間と手間のかかる問題を解決した。
【0022】
2.中ドラムブロックの着脱にねじを取り外す必要がなく、迅速に着脱することができ、交換効率を大幅に向上させることができる。
【0023】
3.着脱過程では、1回押圧、1回引き、1回引っ張れ、1回引き上げのみを必要とするため、着脱の利便性を向上し、時間や労力を節約する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の一部を構成する明細書及び図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【0025】
図1】本発明に係る中ドラムアセンブリが取付溝に位置する箇所を示す断面図である。
図2図1の中ドラムアセンブリが固定孔に位置する箇所を示す断面図である。
図3図1の中ドラムアセンブリの中ドラムブラックの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態および実施形態における特徴は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることに留意されたい。 以下、図面を参照し、実施形態と併せて本発明を詳細に説明する。
【0027】
従来技術におけるドラム肩部の歯形ブロックの交換に時間がかかり、手間がかかるという問題を解決するために、本発明は、成形ドラムの中ドラムアセンブリ、成形ドラム及び中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法を提供する。 特に、成形ドラムは、後述する中ドラムアセンブリを有する。
【0028】
図1図3に示すような成形ドラムの中ドラムアセンブリであって、ドラム肩10と、取付溝21と固定孔22とを有する中ドラムブロック20と、ドラム肩10内に可動に穿設され、成形ドラムの軸方向に移動可能な第1の締結具30と、一部がドラム肩10内に穿設された第2の締結具40と、を備え、第1の締結具30は、段差面を有し、中ドラムブロック20は、成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩10にドッキングした際に、取付溝21と第1の締結具30とが位置合わせされ、中ドラムブロック20は、段差面を押圧して第1の締結具30の一部を取付溝21内に入り込み、第1の締結具30の一部が取付溝21に入り込んだ後、固定孔22と第2の締結具40とが位置合わせされ、中ドラムブロック20が成形ドラムの軸方向に沿ってドラム肩10に近接し、ドラム肩10に露出した第2の締結具40の一部が固定孔22内に入り込む。
【0029】
本実施形態では、中ドラムブロック20に取付溝21と固定孔22を設置するとともに、第1の締結具30と第2の締結具40とをそれぞれマッチして設置され、第1の締結具30と第2の締結具40とが予めドラム肩10に穿設されている。ドラムブロック20を装着する必要がある場合には、まず、中ドラムブロック20を成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩10一側に近接し、中ドラムブロック20が押し下げられる、この過程では、中ドラムブロック20が第1の締結具30の段差面を押圧し、第1の締結具30をドラム肩10に延出する方向に移動させ、第1の締結具30の一端は、取付溝21内に入り込むことができるとともに、中ドラムブロック20の端面とドラム肩10の端面との間に距離が形成され、この距離は、第2の締結具40がドラム肩10から露出する距離よりも小さくないことにより、中ドラムブロック20が第2の締結具40を回避して移動することができ、中ドラムブロック20が径方向の所定位置に移動した際に、固定孔22と第2の締結具40とが位置合わせされ、このとき、軸方向に中ドラムブロック20が動かせ、中ドラムブロック20がドラム肩10に近接する方向に移動するように軸方向に中ドラムブロックが押さられ、第1の締結具20がドラム肩10に引き込まれる方向に移動するとともに、第2の締結具40が固定孔22内に入り込むことで、中ドラムブロック20の径方向の移動が第2の締結具40によってロックされ、中ドラムブロックの軸方向の移動のために外力によって中ドラムブロックが引っ張られることが必要で、このように、中ドラムブロック20をドラム肩10に取り付けることができる。中ドラムブロック20を取り外す必要がある場合には、外力によって軸方向に中ドラムブロック20が引っ張られて、第2の締結具40を固定孔22から離脱させた後、中ドラムブロック20を径方向に引き上げて、第1の締結具30を取付溝21から離脱させることにより、中ドラムブロック20を取り外して交換することができる。上記の設置方法は、中ドラムブロック20の着脱にねじを取り外す必要がなく、迅速に着脱することができ、交換効率を大幅に向上させ、着脱過程は、1回押圧、1回引き、1回引っ張れ、1回引き上げのみを必要とするため、簡単に着脱して、時間や労力を節約する。
【0030】
本実施形態でいう軸方向及び径方向とは、いずれも成形ドラムの軸方向と径方向、より具体的には成形ドラムの主軸の軸方向と径方向をいう。
【0031】
本実施形態では、中ドラムブロック20は、円弧状であり、円弧状は、例えば、パッドやスライダーなど、成形ドラムの他の構造にフィットし、取付溝21は円弧状の内側壁と円弧状の端面とに連通しており、第1締結具30は、円弧状の内側壁から取付溝21内に入り込み、端面の連通が第1の締結具30を回避させるためのものであり、第1の締結具30が取付溝21内に入り込むことを保証する。
【0032】
本実施形態の取付溝21は、U字状に設置され、U字状の開口側が円弧状の中ドラムブロック20の内側に向けられていることが好ましい。
【0033】
本実施形態の取付溝21と固定孔22の長手方向、第1の締結具30と第2の締結具40の軸方向はいずれも成形ドラムの軸方向に沿っており、第1の締結具30のスライド方向も成形ドラムの軸方向である。
【0034】
本実施形態では、第1の締結具30は、順次連結される大径段と小径段とを備え、大径段と小径段との間に段差面が形成され、小径段がドラム肩10内に入り込み、大径段が取付溝21内に入り込むことができる。本実施形態の第1の締結具30は、ねじを用いて、ねじの一端で直径が大きいねじ頭は大径段であり、他の部分は小径段であり、小径段がドラム肩10内に穿設され、大径段がドラム肩10の外部に露出され、このように、ドラムブロック20が径方向に押し下げられる際に、大径段の寸法が大きいため、取付溝21の外縁で大径段と小径段との間に形成される段差面を押圧して、第1の締結具30をドラム肩10から離れて、第2の締結具40を回避し、及び後続のドラムブロック20を締め付ける効果を奏する。
【0035】
第1の締結具30の構造に合わせて、取付溝21は、順次連通する拡径段と縮径段とを備え、縮径段は拡径段よりもドラム肩部10の端面に近接し、中ドラムブロック20を押し下げる際に、大径段が拡径段に入り込み、小径段が縮径段に入り込む。このように、第1の締結具30の段差面が拡径段に向かって縮径段の端面に当接して、第1の締結具30と中ドラムブロック20との係止係合を実現することができ、中ドラムブロック20をドラム肩部10から離れる方向に引っ張る際に、縮径段の端面が段差面を押圧することにより第1の締結具30を移動させるように駆動することができる。
【0036】
本実施形態では、取付溝21の外縁、つまりドラムブロック20の端面内側の取付溝21の角部には、斜面23が設置され、ドラムブロック20が成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩10にドッキングする方向に沿って、斜面23がドラム肩10から離れる方向に傾斜し、このように、中ドラムブロック20が押し下げられる際に、中ドラムブロック20が成形ドラムの径方向に沿ってドラム肩10にドッキングするとともに、斜面23が段差面の縁を押圧することで、第1の締結具30をドラム肩10に延出する方向に移動させることにより、ドラム肩10が引っ張られて、第1の締結具30の大径段を取付溝21内に入り込むことができる。斜面23を設置することで、第1の締結具30が第1の締結具30をスムーズに押し出して、押し下げ動作の円滑性を保証することができる。
【0037】
本実施形態では、中ドラムアセンブリは、弾性部材50をさらに備え、弾性部材50は、第1の締結具30に外嵌されたばねであり、弾性部材50の両端は、それぞれドラム肩10と第1の締結具30とに当接し、第1の締結具30がドラム肩10に入り込む方向に移動するために弾性力を与えて、このように、中ドラムブロック20を着脱する際に、係止面が常に中ドラム肩10に当接し、中ドラムブロック20が軸方向に移動する際に、常に第1の締結具30と同期移動を保持する一方、取付が完了した後に、弾性部材50が、第1の締結具30によって中ドラムブロック20がドラム肩10に近接する引っ張り力を与えて、常にドラムブロック20がドラム肩10に密着してマッチし、外力を受けなく、または一定の大きさを超えない外力を受けた際に、ドラムブロック20の取付後の安定性を確保するために、ドラムブロック20が常にドラム肩10に近接する位置にあり、第2の締結具40が固定孔22内に常に入り込んでいる。説明すべきは、ばねの弾性力は、成形ドラムの通常使用際に中ドラムブロック20の軸方向のがたつきの力よりも大きくする必要があり、これにより、中ドラムブロック20の正常動作際に中ドラムブロック20の安定化を保証することができ、作業者の取り外し際のみにドラムブロック20を取り外すことができる。勿論、弾性部材50の他に、上記効果を実現するように他の方式を採用してもよく、例えば第1の締結具30を弾性部材に交換し、それ自体の弾性を利用して上記効果を実現する。または他の方式を採用してもよい。
【0038】
本実施形態の中ドラムブロック20は、中ドラムブロック20の外側面に位置し、タイヤ加工を行うための歯形部24と、歯形部24の端部内側面に位置し、ドラム肩10等の部材にマッチするための接続部25と、を備える歯形ブロックであり、取付溝21と固定孔22とは、いずれも接続部25の端面に開設している。
【0039】
本実施形態の取付溝21と第1の締結具30とは、それぞれ一つ設置され、互いにマッチする一方、固定孔22と第2の締結具40は複数であり、本実施形態では2つ設置され、取付溝21の両側に少なくとも1つの固定孔22が設置されていることにより、中ドラムブロック20が力バランスを受けて、成形ドラムの正常動作際に中ドラムブロック20の安定性が保証される。本実施形態の固定孔22は、ブラインドホールに設置され、第2の締結具40は、等径のピンである。勿論、上記各部材の設置数および具体的な選択は、必要に応じて変更してもよい。
【0040】
本実施形態は、中ドラムアセンブリの中ドラムブロックの交換方法が提供される。中ドラムアセンブリは上記の中ドラムアセンブリであり、中ドラムアセンブリは、ドラム肩10と、取付溝21と固定孔22とを有する中ドラムブロック20と、ドラム肩10に穿設された第1の締結具30と第2の締結具40と、を備え、中ドラムアセンブリの中ドラムブロック20の交換方法は下記のことを含む、即ち、中ドラムブロック20を取付する際には、中ドラムブロック20は、中ドラムアセンブリの径方向に沿ってドラム肩10の一側に近接し、ドラム肩10の端面と隙間を形成した。そして、中ドラムブロック20が中ドラムアセンブリの中心へ移動し続ける。移動過程では、第1の締結具30の一端がドラム肩10から離れて取付溝21内に入り込むように、中ドラムブロック20が第1の締結具30の段差面を押圧する。中ドラムブロック20は固定孔22と第2の締結具40と位置合わせされた後に移動し、中ドラムブロック20が中ドラムアセンブリの軸方向に沿ってドラム肩10の端面に近接し、第1の締結具30の一部がドラム肩10に引き込まれ、第2の締結具40が固定孔22に入り込む。中ドラムブロック20を取り外す必要がある際に、上記の過程が逆方向で操作されればよい。
【0041】
本実施形態では、第1の締結具30は、順次連結される大径段と小径段とを備え、大径段と小径段との間に段差面が形成されているため、中ドラムブロック20が段差面を押圧する際に、第1の締結具30は、中ドラムブロック20の押圧によってドラム肩10に延出する方向に移動し、大径段が取付溝21内に入り込む。
【0042】
本実施形態では、取付溝21の外縁に斜面23が設置され、中ドラムブロック20が中ドラムアセンブリの中心に向かって移動し続けると、斜面23が段差面を押圧する。
【0043】
本実施形態では、中ドラムアセンブリが弾性部材50をさらに備え、中ドラムブロック20が段差面を押圧する際に、第1の締結具30が弾性部材50を圧縮し、弾性部材50の長さが短くなり、中ドラムブロック20が中ドラムアセンブリの軸方向に沿ってドラム肩10の端面に近接する際に、第1の締結具30が弾性部材50を解放し、弾性部材50の長さが長くなる。弾性部材50により、中ドラムブロック20の軸方向の移動を規制する効果を奏する。
【0044】
なお、上記実施形態における複数の意味は、少なくとも2つである。
【0045】
明らかに、上記で説明した実施形態は本発明の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではない。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0046】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変更や変更が可能である。本発明の精神及び原則内でなされたいかなる修正、同等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0047】
10 ドラム肩
20 中ドラムブロック
21 取付溝
22 固定孔
23 斜面
24 歯形部
25 接続部
30 第1の締結具
40 第2の締結具
50 弾性部材
図1
図2
図3
【国際調査報告】