(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ベルト鋳造システム用冷却パッドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B22D 11/06 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B22D11/06 340
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541616
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2022070491
(87)【国際公開番号】W WO2022170329
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】ヘインツ ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エス.ルース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エム.ゲイテンビー
(72)【発明者】
【氏名】デニス ピー.チャドウィック
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ウィリアム バーカー
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004DA22
4E004QB05
(57)【要約】
ベルト鋳造システム用の冷却パッドは、第1のノズル装置及び第2のノズル装置を含む。いくつかの実施形態では、第1のノズル装置は細長ノズルアセンブリを含み、細長ノズルアセンブリは、受容エリアを画定する基部、受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物、及び受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物を含む。第1の挿入物及び基部は一緒に第1の細長い分配スロットを画定する。第2の挿入物は第1の挿入物に対して調節可能であり、第2の挿入物及び基部は一緒に第2の細長い分配スロットを画定する。様々な実施形態では、第2のノズル装置は複数の多位置ノズルを含み、それぞれが基部位置とオフセット位置との間で移動可能であることにより、冷却キャビティ全体にわたって熱伝達率を局所的に制御し得る。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは細長ノズルアセンブリを含み、前記細長ノズルアセンブリは、
受容エリアを画定する基部と、
前記受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物であって、前記第1の挿入物及び前記基部が一緒に第1の細長い分配スロットを画定する、前記第1の挿入物と、
前記受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物であって、前記第2の挿入物及び前記基部が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する、前記第2の挿入物と、を含み、
前記冷却パッドは、前記第1の細長い分配スロット及び前記第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成され、
前記第1の挿入物は、前記受容エリア内で前記第2の挿入物に対して独立して調節可能である、前記冷却パッドアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを前記縦方向に画定する、請求項1に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の細長い分配スロットは、加工経路ライン方向に対して垂直である、請求項1に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項4】
前記基部は、第1の複数の分配開口、第2の複数の分配開口、及び複数の排水開口を画定し、
前記複数の排水開口は、前記第1の複数の分配開口と前記第2の複数の分配開口との間に設けられ、
前記複数の排水開口の各排水開口は、前記第1の複数の分配開口の対応する分配開口から、及び前記第2の複数の分配開口の対応する分配開口から、縦方向にオフセットされる、請求項1に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の複数の分配開口は、前記第2の複数の分配開口と縦方向に整列されている、請求項4に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを横方向に画定し、
前記第1の挿入物は、前記第1の複数の分配開口と流体連通する複数の第1の挿入物開口を含み、
前記第2の挿入物は、前記第2の複数の分配開口と流体連通する複数の第2の挿入物開口を含み、
前記細長い排水スロットは、前記複数の排水開口と流体連通する、請求項4に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項7】
支持アセンブリをさらに備え、前記細長ノズルアセンブリは前記支持アセンブリ上に支持される、請求項1に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項8】
前記細長ノズルアセンブリから下流にある前記支持アセンブリ上に支持された第2の細長ノズルアセンブリ、または、
前記細長ノズルアセンブリから下流にある前記支持アセンブリ上に支持された複数の多位置ノズルであって、前記複数の多位置ノズルのうちの多位置ノズルのそれぞれは、基部位置とオフセット位置との間で移動可能である、前記複数の多位置ノズル、
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項7に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを前記縦方向に画定し、前記支持アセンブリは、
前記冷却剤の供給量を保管するように構成されたチャンバーと、
前記チャンバーと流体連通して垂直方向に延在する複数の供給通路であって、前記複数の供給通路のうちの少なくとも1つの供給通路は、前記第1の細長い分配スロットと流体連通し、前記複数の供給通路の少なくとも1つの他の供給通路は、前記第2の細長い分配スロットと流体連通する、前記複数の供給通路と、
前記細長い排水スロットと流体連通し、前記垂直方向に延在する、複数の排水通路と、を備え、
前記複数の排水通路の各排水通路は、前記複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる、請求項7に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項10】
前記支持部はさらに排水チャネルを含み、前記排水チャネルが、水平方向に延在し、前記複数の排水通路のうちの少なくとも2つの排水通路で交差することにより、前記排水チャネル及び少なくとも2つの排水通路は流体連通する、請求項9に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項11】
ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは、
冷却剤を分配するように構成された複数の多位置ノズルを含むノズル装置であって、多位置ノズルのそれぞれは、ステムと、基部位置とオフセット位置との間で前記ステムに沿って回転自在及び縦方向に移動可能なキャップとを含み、前記キャップは分配端を含む、前記ノズル装置を備え、
前記基部位置では、前記分配端は、前記ベルト鋳造システムの鋳造キャビティの中心面に対して冷却パッドノズル面に配置され、
前記オフセット位置では、前記分配端は、前記冷却パッドノズル面から一定距離オフセットされ、前記中心面から離れている、前記冷却パッドアセンブリ。
【請求項12】
前記距離は0.1mm~2.0mmである、請求項11に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項13】
前記ノズル装置は第1のノズル装置であり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1のノズル装置から上流に第2のノズル装置を備え、細長ノズルアセンブリを含み、前記細長ノズルアセンブリは、
受容エリアを画定する基部と、
前記受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物であって、前記第1の挿入物及び前記基部が一緒に第1の細長い分配スロットを画定する、前記第1の挿入物と、
前記受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物であって、前記第2の挿入物及び前記基部が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する、前記第2の挿入物と、を含み、
前記冷却パッドは、前記第1の細長い分配スロット及び前記第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成され、
前記第1の挿入物は、前記受容エリア内で前記第2の挿入物に対して独立して調節可能である、請求項11に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項14】
多位置ノズルのそれぞれの前記分配端は、前記分配端が六角形面を含むように、六角形の外周を形成する複数の端を含み、前記複数の端のうちの2つの端の交点は位置指標を含む、請求項11に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項15】
鋳造方向に対して横断方向にある前記冷却パッドの幅全体にわたって、少なくとも1つの多位置ノズルは前記基部位置にあり、少なくとも1つの多位置ノズルは前記オフセット位置にある、請求項11に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項16】
ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは、
支持アセンブリであって、
冷却剤の供給量を保管するように構成されたチャンバーと、
前記チャンバーと流体連通し、垂直方向に延在する複数の供給通路と、
前記垂直方向に延在する複数の排水通路であって、前記複数の排水通路の各排水通路は、前記複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる、前記複数の排水通路と、を備える、前記支持アセンブリと、
前記支持アセンブリ上に支持され、少なくとも1つの分配開口及び少なくとも1つの排水開口を備えるノズル装置であって、前記少なくとも1つの分配開口は、前記複数の供給通路のうちの少なくとも1つの供給通路と流体連通し、前記少なくとも1つの排水開口は、前記複数の排水通路のうちの少なくとも1つの排水通路と流体連通する、前記ノズル装置と、
を備える、前記冷却パッドアセンブリ。
【請求項17】
前記支持アセンブリはさらに排水チャネルを含み、前記排水チャネルが、横方向に延在し、前記複数の排水通路のうちの少なくとも2つの排水通路で交差することにより、前記排水チャネル及び少なくとも2つの排水通路は流体連通し、前記少なくとも1つの排水開口は少なくとも2つの排水通路と流体連通する、請求項16に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項18】
前記支持アセンブリは、さらに、前記チャンバーへのアクセスを提供するサイドポートと、前記サイドポートを選択的に密閉するように構成されたサイドキャップとを備える、請求項16に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項19】
前記支持アセンブリは第1のモジュールであり、前記支持部は、前記冷却パッドアセンブリの長さが調節可能であるような複数のモジュールを備え、各モジュールは、チャンバー、複数の供給通路、及び複数の排水通路を含む、請求項16に記載の冷却パッドアセンブリ。
【請求項20】
前記ノズル装置は第1のノズル装置であり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1のノズル装置から下流に第2のノズル装置を備え、前記第2のノズル装置は、前記第1のノズル装置から下流にある前記支持アセンブリ上に支持された複数の多位置ノズルを備え、前記複数の多位置ノズルのうちの多位置ノズルのそれぞれは複数の位置の間で移動可能であり、前記複数の位置の1つの位置の高さは前記複数の位置の別の位置の高さからオフセットされる、請求項16に記載の冷却パッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2021年2月5日に出願され、「COOLING PAD ASSEMBLY FOR A BELT CASTING SYSTEM」と題された米国仮出願第63/199,962号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、ベルト鋳造システムに関し、より具体的には、ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
金属製品は、ベルト鋳造システム、回転ブロック鋳造システム、双ロール鋳造システム等の連続鋳造システムによって製造され得る。ベルト鋳造システムは、概して、所望によりローラー及び/または他の支持体の上で駆動するエンドレスベルトを含み、各エンドレスベルトは、鋳造面と、鋳造面とは反対側にある後面とを有する。ベルトは、ベルトが鋳造方向に駆動すると、ベルトの鋳造面の対向するセクションの間に形成される鋳造キャビティを画定する。溶融金属は、インジェクタまたは他の供給デバイスによって鋳造キャビティの入口端に連続的に導入され、金属は鋳造キャビティを通過すると冷却され、所望の厚さの連続金属製品として現れる。特に、鋳造キャビティ内の金属から熱が鋳造面によって奪われ、金属が冷却され、鋳造面間の間隔と同様の厚さを有する固体金属製品が生成される。通常、側部堰は、金属の損失を防止し、鋳造キャビティの側縁を画定するために、最も横方向の縁において鋳造面の間に設けられる。鋳造面は、鋳造キャビティの外部で、出口から入口まで連続的に再循環されるため、使用するために連続的に利用可能である。
【0004】
鋳造面は、概して、鋳造キャビティ内の金属から熱を奪い、金属製品に所望の特性をもたらすことが可能になるように、活発に冷却される。場合によっては、鋳造面は、冷却液またはガス等の冷却剤で冷却される。例えば、冷却液(通常、適切な添加物を含む水)の連続流が、再循環エンドレスベルトが互いに向かい合って鋳造キャビティを形成する領域で、再循環エンドレスベルトの後面に当たり、その結果、鋳造キャビティから鋳物表面及びベルトを通って熱が抽出され、冷却剤によって除去される。次に、冷却剤は、所望の冷却効果が得られた後に回収され得る。そのような冷却システムは冷却をもたらし得るが、鋳造状態を制御する能力が限られており、そのような冷却システムは、より薄い金属製品及び/または長い凝固範囲の金属の鋳造中、良好な表面及び内部品質ならびに金型内での固化を達成するのが困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
本特許の適用を受ける本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な実施形態の高水準の概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションにさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許請求される主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用することも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、図面のいずれかまたは全て、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されたい。
【0006】
特定の実施形態によれば、ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリは、細長ノズルアセンブリを含む。細長ノズルアセンブリは、基部、第1の挿入物、及び第2の挿入物を含む。基部は受容エリアを画定し、第1の挿入物及び第2の挿入物はそれぞれ受容エリア内に位置付け可能である。第1の挿入物及び基部は一緒に第1の細長い分配スロットを画定し、第2の挿入物及び基部は一緒に第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する。冷却パッドは、第1の細長い分配スロット及び第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成される。様々な実施形態では、第1の挿入物は、受容エリア内で第2の挿入物に対して独立して調節可能である。
【0007】
様々な実施形態によれば、ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリは、冷却剤を分配する複数の多位置ノズルを有するノズル装置を含む。多位置ノズルのそれぞれは、ステムと、基部位置とオフセット位置との間でステムに沿って回転自在及び縦方向に移動可能なキャップとを含む。キャップは分配端を含む。様々な実施形態では、基部位置では、分配端は、ベルト鋳造システムの鋳造キャビティの中心面に対して冷却パッドノズル面に配置され、オフセット位置では、分配端は、冷却パッドのノズル面から一定距離だけオフセットされ、中心面から離れている。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリは、支持アセンブリと、支持アセンブリ上に支持されたノズル装置とを含む。支持アセンブリは、冷却剤の供給量を保管するチャンバーと、チャンバーと流体連通して垂直方向に延在する複数の供給通路と、垂直方向に延在する複数の排水通路とを含む。様々な実施形態では、複数の排水通路の各排水通路は、複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる。ノズル装置は、少なくとも1つの分配開口及び少なくとも1つの排水開口を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの分配開口は、複数の供給通路のうちの少なくとも1つの供給通路と流体連通し、少なくとも1つの排水開口は、複数の排水通路のうちの少なくとも1つの排水通路と流体連通する。
【0009】
本明細書に説明される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含み得、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。そのようなシステム、方法、特徴、及び利点の全てが、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0010】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用について、同様または類似の構成要素を示すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】複数の実施形態による、鋳造システムの断面図である。
【
図2】
図1の四角2の細部から取られた
図1の鋳造システムの拡大図である。
【
図3】鋳造システムの鋳型を通って延在する鋳造軸に沿った
図1の鋳造システムの上部断面図である。
【
図4】
図3の四角4の細部から取られた鋳造システムの拡大図である。
【
図5】
図1の鋳造システムの冷却パッドの斜視図である。
【
図7】支持アセンブリが見えるように、いくつかの細長ノズルアセンブリが取り外されている、
図1の冷却パッドの一部の斜視図である。
【
図8】
図5の冷却パッドの支持アセンブリの斜視図である。
【
図9】
図6の線9-9に沿って取られた冷却パッドの断面図である。
【
図10】
図6の線10-10に沿って取られた冷却パッドの断面図である。
【
図11】
図9の四角11の細部から取られた冷却パッドの拡大図である。
【
図12】
図10の四角12の細部から取られた冷却パッドの拡大図である。
【
図13】
図6の線13-13に沿って取られた冷却パッドの断面図である。
【
図14】
図6の線14-14に沿って取られた冷却パッドの断面図である。
【
図15】
図13の四角15の細部から取られた冷却パッドの拡大図である。
【
図16】
図14の四角16の細部から取られた冷却パッドの拡大図である。
【
図17】
図5の冷却パッドの細長ノズルアセンブリの1つの斜視図である。
【
図20】
図19の線20-20に沿って取られた
図17の細長ノズルアセンブリの基部の断面図である。
【
図21】
図5の冷却パッドの多位置ノズルの斜視図である。
【
図24】複数の実施形態による、1つのノズルが基部位置にあり、別のノズルがオフセット位置にある、
図21のノズルのうちの3つのノズル装置の側面図である。
【
図25】複数の実施形態によるノズル装置の例の上面図である。
【
図26】複数の実施形態によるノズル装置の別の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性を用いて本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも、特許請求の範囲を制限することを意図していない。特許請求される主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存の技術または今後の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に説明されるときを除き、様々なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「縦」、「横」、「垂直」、「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」等の方向の参照は、とりわけ、構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)に示され、説明される向きを指すことを意図している。
【0013】
本明細書で使用される「X」軸は、加工材料(例えば、金属製品)が移動する「パスライン方向」を識別する。「X」軸は縦方向または下流方向とも呼ばれ得る。「Y」軸は加工材料製品の「横幅方向」を識別する。「Y」軸は、パスライン方向(または「X」軸)に対して水平に垂直であり、横断方向または横方向と呼ばれ得る。「Z」軸は、「X」軸及び「Y」軸に垂直な方向を識別する。「Z」軸は、「X-Y」平面の水平方向を定義し、垂直方向または上/下方向とも呼ばれ得る。
【0014】
本明細書では、限定ではないが、ツインベルト鋳造システムを含む、ベルト鋳造システム用の冷却システムが説明される。ツインベルト鋳造システムは、概して、第1のエンドレスベルトを有する上部キャリッジと、第2のエンドレスベルトを有する下部キャリッジとを含み得る。上部キャリッジ及び下部キャリッジは一緒に鋳造キャビティを画定し得る。そのようなシステムによって生成された金属製品は様々な適切な金属であり得るが、そのようなシステムは、限定ではないが、アルミニウム及びアルミニウム合金を含む金属に特に適切であり得る。
【0015】
様々な実施形態では、冷却システムは少なくとも1つの冷却パッドアセンブリを含み得、特定の実施形態では、冷却システムは少なくとも2つの冷却パッドアセンブリを含む。各冷却パッドアセンブリは、エンドレスベルトの内面(すなわち、エンドレスベルトの鋳造面とは反対側にある面)に冷却剤を選択的に供給し、鋳造面が活発に冷却されて鋳造キャビティ内の金属から熱を奪うようになる。様々な態様では、各冷却パッドアセンブリは、エンドレスベルトが鋳造キャビティを部分的に形成する領域において、エンドレスベルトの内部後面に冷却剤を供給する。各冷却パッドアセンブリは、多数の冷却パッドモジュールで構成される。各冷却パッドモジュールは、冷却システム全体の場所及び機能に応じて、任意の数のノズルタイプ、アセンブリ、及び構成を有し得る。本明細書に説明される冷却パッドモジュールは、概して、第1のノズル装置及び第2のノズル装置を含む。
【0016】
ツインベルト鋳造システムでは、各エンドレスベルトは1つ以上の冷却パッドアセンブリを備え得る。様々な実施形態では、1つの冷却パッドアセンブリは、鋳造キャビティの上部から熱を抽出する上部キャリッジ冷却パッドアセンブリであり得、別の冷却パッドアセンブリは、鋳造キャビティの底部から熱を抽出する下部キャリッジ冷却パッドアセンブリであり得る。特定の実施形態では、各キャスターキャリッジ冷却パッドアセンブリは、キャスターキャビティに面する第1のノズル装置の外面によって、独自の冷却パッドノズル面を画定する。第2のノズル装置の外面は、第2のノズル装置の外面の1つ以上の部分が冷却パッドノズル面と同一平面上にある、または冷却パッドノズル面と同一平面上にないように設定され得る。様々な実施形態では、上部キャリッジは、鋳造スラブの厚さを設定するために上下に垂直に調整可能であり、また、下部キャリッジに対して収束または発散するように「Y」軸を中心に傾き得る。したがって、上部キャリッジの冷却パッドノズル面は、鋳造中に下部キャリッジの冷却パッドノズル面と平行であり得る、または平行でない場合がある。
【0017】
第1のノズル装置は、少なくとも1つの細長ノズルアセンブリを含む。細長ノズルアセンブリは、基部、第1の挿入物、及び第2の挿入物を含む。基部は受容エリアを画定し、第1の挿入物及び第2の挿入物はそれぞれ受容エリア内に位置付け可能である。特定の実施形態では、第1の挿入物及び基部は一緒に第1の細長い分配スロットを形成し、第2の挿入物及び基部は一緒に第1の細長い分配スロットからオフセットされる第2の細長い分配スロットを形成する。第1の細長い分配スロットは、第2の細長い分配スロットと平行であり得るが、他の実施形態ではそうである必要はない。特定の態様では、第1の細長い分配スロット及び/または第2の細長い分配スロットは、パスライン方向に垂直であり得るが、他の実施形態ではそうである必要はない。様々な実施形態では、各挿入物は、同じ基部の他の細長い分配スロットに影響を与えることなく、その細長い分配スロットの寸法を微調整するために、独立して位置付け及び調整できる。第1の挿入物及び第2の挿入物は一緒に、細長い排水スロットを形成する。プロセス生産の目標を満たすために、冷却パッドモジュールのいずれかに任意の組み合わせで搭載されたいくつかの線形ノズルアセンブリがあり得る。
【0018】
第2のノズル装置は、パスライン方向で第1のノズル装置から下流にあり、複数の多位置ノズルを含む。多位置ノズルのそれぞれは、ステムと、基部位置とオフセット位置との間でステムに沿って回転自在及び縦方向に移動可能なキャップとを含む。基部位置では、キャップの分配端が冷却パッドノズル面に配置される。オフセット位置では、分配端は冷却パッドノズル面からオフセットされる。ノズルの2つの位置が説明されるが、他の実施形態では、ノズルは高さの範囲にわたって作動し得、2つの位置に限定されない。
【0019】
いくつかの実施形態では、各キャップは六角形であり得るが、他の実施形態では、第2のノズル装置の1つ以上のキャップは所望により他の形状を有し得る。各キャップは分配オリフィスを含み得る。特定の実施形態では、それぞれの多位置ノズルのキャップは、ステムの溝付きガイドウェイの対に沿って溝付きガイドウェイの第1の端または第2の端まで軸方向及び回転方向に移動可能な1つ以上のピンを含み得る。溝付きガイドウェイの垂直溝は、キャップをステムに設置し、ステムから取り外すための経路を提供し得る。キャップが第1の位置まで回転するとき、キャップは、公称動作位置であり得る基部位置にバネで留められる。この位置では、キャップの分配端の表面は、細長ノズルアセンブリの外面と同一平面上にあり、冷却パッドのノズル面内にある。キャップが第2の位置に回転すると、公称非動作位置にあり得る押し下げ位置にキャップが設置される。この位置では、キャップの分配端の表面は、冷却パッドのノズル面から離れてオフセットされ、エンドレスベルトの内面からさらに離れている。上述のように、他の実施形態では、キャップは、2つ以上の位置を含み得る高さの範囲にわたって作動し得る。したがって、第1の位置及び第2の位置の言及は、限定的であると見なすべきではない。
【0020】
様々な実施形態では、1つ以上のキャップは、特定のキャップが基部位置にある、またはオフセット位置にあるかどうかを示す位置指標を含み得る。いくつかの実施形態では、位置指標は、キャップの切り取られた先端または角であり得るが、所望により、他の様々な適切なタイプの位置指標を利用し得る。非限定的な一実施形態では、位置指標は、2つの切り取られた先端または角を含み得る。いくつかの実施形態では、位置指標はキャップのピンと整列し得る。非限定的な一例では、多位置ノズルが基部位置にあるとき、位置指標はパスライン方向と整列し得、六角形ノズルが非動作の押し下げ位置にあるとき、位置指標はパスラインの方向と整列しないで回転し得る。いくつかの実施形態では、位置指標はパスライン方向と整列しないで60°回転し得るが、他の実施形態では、他の様々な角度を利用し得る。パスライン方向と整列する、または整列しない位置指標は、どのノズルが押し下げられた非動作位置にあり、どのノズルが基部位置にあるかの速い視覚指標を鋳造作業者に提供し得る。
【0021】
様々な実施形態によれば、ベルト鋳造システム用の各冷却パッドモジュールは基部を含む。基部は、様々な冷却ノズルアセンブリタイプを支持するための搭載面を有し、オプションとして、限定ではないが、鋳造ベルト誘導部品を含む他の鋳造部品のための搭載面も有し得る。基部は、また、冷却剤の供給量を保管するように構成されるプレナムチャンバーと、プレナムチャンバーと流体連通して垂直方向に延在する複数の供給通路と、垂直方向に延在する複数の排水通路とを含む。特定の実施形態では、複数の排水通路の各排水通路は、複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、冷却剤供給通路は複雑な格子状に配置され、冷却剤をプレナムチャンバーから様々なノズルアセンブリに均一に導き得、次に、冷却剤が冷却ベルトの内面に噴射される。冷却剤排水通路は、プレナムチャンバーを通って冷却パッドモジュールの背面まで垂直に突出し、冷却剤を鋳造ベルトの内面から遠ざけるように導く。様々な態様では、少なくとも1つの排水通路が細長い排水スロットと流体連通する。特定の実施形態では、供給通路及び戻り通路のネットワークは、流れの均一性を最適化し、流れの制限を最小化するために、一体化されたマトリックス内で互いにオフセットされる。
【0022】
本明細書に説明される冷却パッドアセンブリ及びモジュールは、鋳造中の冷却剤の流動様式を改善し得る。場合によっては、細長ノズルアセンブリの供給チャンバーの体積が増加し、冷却剤の流れの均一性が向上し得る。さらに、冷却剤を冷却ベルトから遠ざけるように導く排水通路を拡大して流線形にすることで、背圧を下げ、線形ノズルの排水スロット付近での冷却剤の蓄積をなくし得る、または減らし得る。いくつかの実施形態では、第1のノズル装置の細長ノズルアセンブリはモジュール性を改善し、細長い分配スロットのそれぞれを個々にセットアップすることを可能にする。さらに、それは、所望により(例えば、メンテナンス中に)、ノズルアセンブリの個々の挿入物を取り外す、セットアップする、または再設置することを可能にする。様々な実施形態では、冷却パッドモジュールはモジュール性が向上しており、所望により異なるノズルレイアウトを可能にする。非限定的な例として、冷却パッドアセンブリは、鋳造される第1の合金のためのノズルレイアウトを伴う冷却パッドモジュールの第1の装置と、鋳造される第2の合金のための別のノズルレイアウトを伴う冷却パッドモジュールの第2の装置とを有し得る。様々な実施形態では、多位置ノズルは、基部位置または非動作の押し下げ位置(及び/または高さの範囲にわたる他の位置)にあるノズルを選択的に制御することによって、鋳造キャビティの幅全体にわたる熱伝達の制御の改善を可能にし得る装置に設けられ得る。例えば、場合によっては、鋳造製品の幅全体にわたって金属製品の温度を局所的に制御するために、局所エリアの熱流束を減らするようにノズルをセットアップし得る。そのような制御は、特に横幅の温度均一性を達成するために局所エリアの追加の加熱及び/または冷却を必要としない場合、より一貫した均質な製品プロファイルを提供し得る。特定の実施形態では、第2のノズル装置の多位置ノズルにより、冷却キャビティの有効長を、固定された機械の最大長から短縮することを可能にし得る。
【0023】
図1~
図30は、様々な実施形態による冷却パッドアセンブリ102を伴うベルト鋳造システム100を示す。ベルト鋳造システム100は、上部エンドレスベルト104A及び下部エンドレスベルト104Bを含む。
図2に示されるように、エンドレスベルト104A~Bのそれぞれは、鋳造面106及び後面108を含み、ベルト104は鋳造方向110に回転するように駆動する。
図1に示されるように、鋳造キャビティ112は、鋳造面106が一緒に接近して位置付けられ、鋳造キャビティ面119を有する領域に画定される。鋳造キャビティ112は、概して、トラフ118または他の適切な装置から溶融金属が導入される入口114と、鋳造金属製品が出る出口116とを含む。ベルト104A~Bは様々な適切な装置によってそれぞれ駆動及び支持され、その結果、鋳造キャビティ112の出口116を出ると互いに離れている方向に回転し、入口114で再び互いに接近する。鋳造プロセス中、溶融金属は鋳造キャビティ112に連続的に供給され得、溶融金属がベルト104A~Bとともに鋳造キャビティ112を通って移動すると、溶融金属は、鋳造面106との接触から連続的に冷却され、凝固する。不定の長さの固体の鋳造製品は、出口116から連続的に取り出され得る。出口116を出ると、金属製品は、所望により、さらに処理され得る。
【0024】
図1に示されるように、様々な場合、冷却パッドアセンブリ102は、エンドレスベルト104A~Bのそれぞれに設けられ得る。
図2は、鋳造プロセス中、下部エンドレスベルト104Bを冷却するように構成される冷却パッドアセンブリ102を示す。
図3に最良に示されるように、冷却パッドアセンブリ102は、第1のノズル装置122と、第1のノズル装置122から下流にある第2のノズル装置124とを伴う支持アセンブリ120を含む。様々な実施形態では、そして下記により詳細に説明されるように、支持アセンブリ120は、1つ以上の冷却パッドモジュールを含み得る(
図9~
図16に最良に示される)。
図4に最良に示されるように、そして下記により詳細に説明されるように、第1のノズル装置122は1つ以上の細長ノズルアセンブリ126を含み、第2のノズル装置124は1つ以上の多位置ノズル128を含む。冷却パッドアセンブリ102は、鋳造プロセス中、特定のエンドレスベルト(例えば、エンドレスベルト104B)の内面108が第1のノズル装置122及び第2のノズル装置124を通過して近接して通過するように配置される。エンドレスベルトが第1のノズル装置122及び第2のノズル装置124の上を通過すると、冷却パッドアセンブリ102は、冷却剤を第1のノズル装置122及び第2のノズル装置124から後面108に向かって分配し、エンドレスベルトを冷却し、鋳造キャビティ112内の金属から熱を奪う。
【0025】
冷却パッドアセンブリ
図5~
図16に最良に示されるように、冷却パッドアセンブリ102は、第1のノズル装置122及び第2のノズル装置124の両方を支持する。
図9及び
図10に最良に示されるように、様々な例では、冷却パッドアセンブリ102は支持アセンブリ120を含み、支持アセンブリ120は、冷却パッドアセンブリ102の縦寸法(すなわち、鋳造方向110に延在する寸法)が、所望により調整可能である、または異なる長さに固定され得るように、複数の冷却パッドモジュール(またはセグメント)を含み得る。特定の態様では、冷却パッドアセンブリ102は、少なくとも前部モジュール130及び後部モジュール134を含む。前部モジュール130は、第1のノズル装置122の細長ノズルアセンブリ126を支持し得、オプションとして、第2のノズル装置124の多位置ノズル128の少なくとも一部を支持する。バックモジュール134は、第2のノズル装置124の多位置ノズル128の少なくとも一部を支持し得る。いくつかの例では、冷却パッドアセンブリ102は、前部モジュール130と後部モジュール134との間に1つ以上の中間モジュール132を含み得る。図示例では、冷却パッドアセンブリ102は、3つの中間モジュール132A~Cを含む。他の例では、中間モジュール132の数は省略され得る、またはより少ないもしくはより多い中間モジュールを含み得る。モジュール130、132、134は、所望により、様々な適切な機構によって結合され得る。場合によっては、1つ以上のモジュール130、132、134が互いに流体連通し得るが、他の例ではそうである必要はない。特定の実施形態では、モジュール130、132、134のそれぞれは、所望により、冷却剤がモジュール130、132、134のそれぞれに個々に供給されるように、個別の冷却剤供給を有し得る。
【0026】
以下の説明は、前部モジュール130を参照して行われるが、その説明は、特に断りのない限り、中間モジュール132A~C及び後部モジュール134に等しく適用可能である。
図8~
図10に示されるように、前部モジュール130は、プレナムチャンバー136、複数の供給通路138、及び複数の排水通路140を有する基部135を含む。プレナムチャンバー136は、冷却剤をモジュール130のノズルに供給するための分配マニホールドとして機能する。いくつかの実施形態では、プレナムチャンバー136は、全ての供給通路に冷却剤の均一な供給を提供し得るが、他の実施形態では、プレナムチャンバー136は、全ての通路に冷却剤の均一な供給を提供する必要はなく、所望により、任意の特定のノズルへの冷却剤の量を変化させ得る、または調整し得る。オプションとして、そして
図15及び
図16に最良に示されるように、プレナムチャンバー136は(オプションとして、プレナムチャンバー136の両端に)サイドポート142を含み、サイドキャップ144は、サイドポート(複数可)142を通るプレナムチャンバー136へのアクセスを選択的に可能にするように、または防止するように取り外し可能に取り付けられる。様々な態様では、これらの取り外し可能なサイドキャップ144及びサイドポート142は、プレナムチャンバー136への容易なアクセスを提供することによって、冷却パッドアセンブリ102のメンテナンスを容易にし得る。
【0027】
供給通路138及び排水通路140は、それぞれ、垂直方向に延在し得る。供給通路138のそれぞれは、プレナムチャンバー136と流体連通する。下記に詳細に説明されるように、供給通路138のそれぞれは、また、第1のノズル装置122または第2のノズル装置124の少なくとも1つの分配開口と流体連通し、その結果、冷却剤がプレナムチャンバー136から供給通路(複数可)138を通って流れ、分配開口から流出し、エンドレスベルトを冷却することができる。排水通路140は、冷却剤が分配され、ノズル装置の排水口を通って(例えば、第1のノズル装置122の排水スロットを通って、または第2のノズル装置124の隣接する多位置ノズル128の間で)、回収された後、冷却剤を受け、運び得る。
【0028】
いくつかの例では、排水通路140のそれぞれは、隣接供給通路138に対して横方向及び縦方向にオフセットされるが、他の例ではそうである必要はない。特定の態様では、そして
図7及び
図8に最良に示されるように、第1のノズル装置122を支持する前部セクション130の少なくとも一部は、隣接供給通路138から横方向及び縦方向にオフセットされる排水通路140を有する。様々な態様では、第1のノズル装置122を支持する前部セクション130の少なくとも一部において、供給通路138の横断寸法(例えば、直径)は、排水通路140の横断寸法よりも小さい。様々な例では、そして
図7及び
図8に最良に示されるように、第1のノズル装置122を支持する前部セクション130の少なくとも一部は、縦方向に延在する1つ以上の排水チャネル146を含む。様々な態様では、排水チャネル(複数可)146は、第1のセクション130の幅の少なくとも一部にわたって延在し得る。
図7及び
図8に最良に示されるように、特定の排水チャネル146が2つ以上の排水通路140と交差し得ることにより、少なくとも2つの排水通路140が互いに流体連通する。特定の態様では、排水チャネル(複数可)146は、冷却剤の除去を改善し得、特定の排水通路140がブロックされる場合でも、またはそうでなければ問題がある場合でも、冷却剤を除去することを可能にし得る。
【0029】
第1のノズル装置
図5~
図7及び
図9~
図20に最良に示されるように、第1のノズル装置122は、1つ以上の細長ノズルアセンブリ126を含む。様々な態様では、第1のノズル装置122は冷却パッドアセンブリ102の第1のモジュール130上に支持され、その結果、第1のノズル装置122は、第2のノズル装置124よりも鋳造キャビティ112の入口114に近くなり、第1のノズル装置122は、鋳造キャビティ112を通って移動するエンドレスベルト104を冷却するための第1のノズル装置である。
【0030】
図示例では、冷却パッドアセンブリ102は2つの細長ノズルアセンブリ126を含み、細長ノズルアセンブリ126の一方は、他方の細長ノズルアセンブリ126から下流にある。1つのノズルアセンブリ126、3つのノズルアセンブリ126、4つのノズルアセンブリ126等を含む、任意の数の細長ノズルアセンブリ126を利用し得る。
【0031】
図17~
図20に最良に示されるように、細長ノズルアセンブリ126のそれぞれは、基部148、第1の挿入物150、及び第2の挿入物152を含む。基部148は、受容エリア154を画定し、複数の分配開口156及び複数の排水開口158を含む。細長ノズルアセンブリ126が冷却パッドアセンブリ102の第1の冷却パッドモジュール130上に組み立てられるとき、基部148は、所望により、様々な適切な機構またはデバイスを介して基部135に接続され得る。様々な実施形態では、細長ノズルアセンブリ126が第1の冷却パッドモジュール130上に組み立てられるとき、分配開口156のそれぞれは、対応する供給通路138と流体連通し、排水開口158のそれぞれは、少なくとも1つの対応する排水通路140と流体連通する。基部148の上にある支持体上の排水通路140及び供給通路138の配置と同様に、分配開口156のそれぞれは、隣接する排水開口158から横方向及び縦方向にオフセットされ得る。様々な実施形態では、そして
図20に最良に示されるように、排水開口158は、分配開口156の第1のサブセットと分配開口156の第2のサブセットとの間に横方向に位置付けられ得るが、他の例ではそうである必要はない。特定の態様では、分配開口156の横断寸法は、排水開口158の横断寸法よりも小さいが、他の実施形態ではそうである必要はない。
【0032】
第1の挿入物150及び第2の挿入物152は、それぞれ、受容エリア154の内部に位置付け可能である。
図17~
図18に示されるように、第1の挿入物150及び基部148は一緒に第1の細長い分配スロット160及び第1の分配チャンバー162を画定し、第2の挿入物152及び基部148は一緒に第2の細長い分配スロット164及び第2の分配チャンバー166を画定する。特定の実施形態では、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164は、加工パスライン方向に対して垂直な方向に延在し得る。しかしながら、他の実施形態では、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164は、加工パスライン方向に垂直な方向に延在する必要はない。非限定的な一例として、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164は、パスライン方向に対して鈍角または鋭角(または任意の他の角度)で延在し得る。別の非限定的な例として、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164は、所望により、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164がシェブロンパターンまたは他の適切なパターンを形成するように配置され得る。この例では、細長ノズルアセンブリ126は、わずかに角度が付けられ、パスライン方向に対して垂直ではない細長い分配スロット160、164を含み得る。別の非限定的な例では、第1の細長い分配スロット160及び/または第2の細長い分配スロット164は、加工パスライン方向に垂直な方向に、ジグザグのように及び/または交互のスタイルの波形パターンのように、より短い線形ノズルセグメントから構成された平行シェブロンセグメントのセットとして配置され得る。所望により、細長ノズルアセンブリの他の様々な構成が利用され得る。
【0033】
様々な例では、第1の細長い分配スロット160及び第1の分配チャンバー162は、分配開口156の第1のサブセットと流体連通し、第2の細長い分配スロット164及び第2の分配チャンバー166は、分配開口156の第2のサブセットと流体連通する。
図18に示されるように、例えば、受容エリア154の内部に位置付けられた第1の挿入物150及び第2の挿入物152は、一緒に、排水開口158と流体連通する細長い排水スロット168及び排水チャンバー170を画定する。2つ以上の細長ノズルアセンブリ126がある実施形態では、隣接する細長ノズルアセンブリ126の基部148は、また、細長い排水スロット168及び排水チャンバー170を画定し得る(例えば、
図11を参照)。
【0034】
第1の挿入物150及び第2の挿入物152は、互いに対して独立して調節可能または移動可能である。換言すれば、第1の挿入物150は、第2の挿入物152に対して、及び/または第2の挿入物152の移動を必要としないで移動でき、逆もまた同様である。様々な実施形態では、第1の挿入物150及び第2の挿入物152が互いに対して独立して調整可能であり得ることにより、第1の細長い分配スロット160及び第1の分配チャンバー162の寸法は、第2の細長い分配スロット164及び第2分配チャンバー166に対して独立して設定または調整され得る。同様に、細長い排水スロット168及び排水チャンバー170は、第1の挿入物150、第2の挿入物152、または第1の挿入物150及び第2の挿入物152の両方を調整することによって、調整または設定され得る。細長ノズルアセンブリ126の分配スロット及びチャンバーの独立した制御により、冷却パッド102によって分配される冷却剤の制御を改善して、所望の冷却プロファイルを提供し得る。独立して調整可能な第1の挿入物150及び第2の挿入物152は、また、挿入物の一方の取り外し及び/または交換を必要とすることなく、他方の挿入物のメンテナンス及び/または交換を可能にする。
【0035】
第1のノズル装置122の細長ノズルアセンブリ126が冷却パッドアセンブリ102の第1のモジュール130上に組み立てられるとき、第1の細長い分配スロット160、第2の細長い分配スロット164、及び細長い排水スロット168は、鋳造方向110の横断方向に伸びる、または冷却パッドアセンブリ102の幅全体にわたって伸びる。単一の細長ノズルアセンブリ126が、冷却パッドアセンブリ102の幅全体にわたってスロットを画定し得る、または、複数のノズルアセンブリ126は、冷却パッドアセンブリ102の幅全体にわたって配置され、連続スロットを形成し得る。各スロットは、特定のエンドレスベルト104の幅を完全にまたは部分的に横断して延在し、内面108に面し得る。様々な例では、細長ノズルアセンブリ(複数可)126を伴う第1のノズル装置122は、鋳造キャビティ112の入口114に直接隣接して位置付けられ、細長い分配スロット160、164を通って導入された冷却剤が第1の冷却剤となり、第1の冷却剤はエンドレスベルト104が鋳造キャビティ112を通って鋳造方向110に移動すると、エンドレスベルト104の後面108に接触する。様々な例では、細長い分配スロット160、164は、それぞれ、冷却剤の均一な流れを供給して、エンドレスベルト104の幅全体にわたって実質的に均一な冷却をエンドレスベルト104に提供し得る。前述のように、細長い分配スロット160、164の寸法はそれぞれ個々に制御され得、スロットの制御は、冷却剤によって設けられる冷却の均一性及び量を制御し得る。細長い分配スロット160、164を通って分配された後、冷却剤は、細長い排水スロット168を通って排水され得る。
【0036】
第2のノズル装置
図5~
図7、
図9~
図12、及び
図21~
図30に最良に示されるように、第2のノズル装置124は複数の多位置ノズル128を含む。様々な態様では、多位置ノズル128は、所望により、冷却パッドアセンブリ102の第1のモジュール130、中間モジュール132A~C、及び/または後部モジュール134のうちの1つ以上で支持され得る。
図5~
図8に最良に示されるように、第2のノズル装置124が第1のノズル装置122から下流で支持されることにより、第2のノズル装置124は第1のノズル装置122の後にエンドレスベルト104上に冷却剤を供給する。冷却パッドアセンブリ102の幅全体にわたって(ひいては、冷却パッド構成102を横断してエンドレスベルト104の幅全体にわたって)実質的に均一な冷却をもたらす第1のノズル装置122と比較して、第2のノズル装置124は、均一な冷却及び不均一な冷却の両方を含む、エンドレスベルト104の幅全体にわたって様々な冷却プロファイルを提供するように制御され得る。
【0037】
図21~
図30を参照すると、多位置ノズル128のそれぞれは、キャップ172及びステム174を含む。様々な例では、弾性部材176はステム174に設けられ得、ステム174は、キャップ172に対して付勢され、キャップ172をステム174に対して特定の位置にロックする(これは後述される)。キャップ172は、分配開口部180を有する分配端178を含む。オプションとして、丸く先細りの皿179は、分配端178の中心(または他の適切な場所)に設けられ得る。冷却剤は、鋳造プロセス中、多位置ノズル128を通って、分配オリフィス180から流出され得る。様々な例では、分配端178は六角形の周囲を形成する複数の端182を含み、その結果、分配端178の表面184は平坦な六角形状を有する。他の実施形態では、分配端178は、所望により、他の様々な形状を有し得る。
【0038】
図27~
図30に最良に示されるように、ステム174は、溝付きガイドウェイ161の対を含み得る。溝付きガイドウェイ161のそれぞれは、第1の端163、第2の端165、及び垂直溝167を含む。キャップ172は、溝付きガイドウェイ161に沿って回転して及び軸方向に移動可能なピン169の対を含み得る。様々な実施形態では、垂直溝167は、キャップ172をステム174に設置し、キャップ172をステム174から取り外すための経路を提供し得る。様々な実施形態では、第1の端163及び第2の端165が溝付きガイドウェイ161の底部の上方で垂直にオフセットされ得ることにより、キャップ172が特定の端でロックされ得る(例えば、キャップを特定の端から外すために、キャップを押し下げる必要がある)。特定の実施形態では、溝付きガイドウェイ161上で、第1の端163の高さは、第2の端165の高さから垂直にオフセットされ得る。特定の実施形態では、そして下記に詳細に説明されるように、溝付きガイドウェイ161の第1の端163と係合するキャップ172のピン169により、キャップ172は基部位置に位置付けられ得、溝付きガイドウェイ161の第2の端165と係合するキャップ172のピン169により、キャップ172はオフセット位置に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、ピン169が第1の端163と係合するようにキャップ172が回転するとき、キャップ172は基部位置にバネで留められる。ピン169が第2の端165と係合するようにキャップ172が回転すると、キャップを押し下げられた非動作位置に設置し得る。特定の実施形態では、キャップ172は、2つ以上の位置を含み得る高さの範囲にわたって作動し得る。そのような実施形態では、高さの範囲は、図に示される2つの位置の間であり得、図示されたものよりも広い高さの範囲であり得、及び/または図示された高さと少なくとも部分的に重複し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、キャップ172は位置指標186を含み得る。任意の数の位置指標186を利用し得、図示される実施形態では、キャップ172は2つの位置指標186を有する。位置指標186は、限定ではないが、特定の色、パターン、端プロファイル、端形状、または所望によりの他の適切な指標を含む、様々な適切な視覚指標であり得る。図示される実施形態では、位置指標186は、切り取られた、または丸められた2つの隣接する端182の交点に角を含む。特定の実施形態では、位置指標186がピン169と整合することにより、位置指標186の位置または向きはピン169の向きを示す。下記に詳細に説明されるように、位置指標186は、ステム174上に組み立てられたとき、キャップ172の位置の視覚指標を与え得る。非限定的な例として、そして下記に詳細に説明されるように、位置指標186は、鋳物方向110に対する位置指標186の向きまたは配置に基づいて、ステム174上のキャップ172の作業位置の視覚指標を与え得る。
【0040】
図24を参照すると、例えば、キャップ172は、ステム174に沿って回転自在及び軸方向に移動可能であることにより、多位置ノズル128は、基部位置(
図24の多位置ノズル128Bによって表される)、またはオフセット位置(
図24の多位置ノズル128Aによって表される)にあり得る。様々な例では、オフセット位置では、キャップ172が押し下げられ、分配端178は、基部位置の分配端178によって画定された平面181から距離185だけ、キャビティ面119から離れている方向(ひいては、エンドレスベルト104から離れている方向)にオフセットされる。特定の実施形態では、距離185は、約0.1mm~約2.0mmである。非限定的な一例では、距離185は1.0mmである。
【0041】
様々な実施形態では、キャップ172は、ピン169を溝付きガイドウェイ161の垂直溝167と係合させることによって、ステム174とともに組み立てられ得る。キャップ172が垂直溝176のこの対の底まで完全に押し下げられると、キャップ172がいずれかの方向に回転できることにより、ピン169が溝付きガイドウェイ161の第1の端163または第2の端165と係合し、その結果、キャップ172は2つの位置のうちの一方にあるようになる。キャップ172が第1の端163と係合するとき、キャップ172は基部位置にあり得る。場合によっては、この向きでは、位置指標186(ピン169と整列している)はパスライン方向に向けられ得、これは、キャップ172の表面184が線形ノズル面によって画定されたようなノズル面と同一平面であることを示す。ピン169が第2の端165と係合するようにキャップ172が反対方向に回転するとき、キャップ172はオフセット位置にあり得る。この向きでは、位置指標186は、パスライン方向にオフセットされ得る、及び/またはそうでなければ整列されない場合があり、これは、キャップ172が押し下げられた非動作位置にあり、エンドレス鋳造ベルト104の内面からさらに離れていることを示す。これにより、特定のノズル128の向き及び設定の状態に関する速い目視確認を提供し得る。
【0042】
特定の実施形態では、多位置ノズル128は、ピン169が、第1の端163と係合しなくなるように、キャップ172を押し下げてキャップ172のロックを解除し、キャップ172をステム174に対して所定角度、そして所定方向に回転させることにより、基部位置からオフセット位置まで移動可能になる。様々な例では、キャップ172を回転させることは、また、ステム174に沿ってキャップ172を軸方向に移動させることも含む。様々な例では、所定角度は0°超~90°である。非限定的な一例では、所定角度は60°である。非限定的な一例として、多位置ノズル128を基部位置からオフセット位置に移動させるため、キャップ172はステム174に対して60°時計回り方向に回転し得、そして、多位置ノズル128をオフセット位置から基部位置に移動させるために、キャップ172は、ステムに対して60°反時計方向に回転し得る。
【0043】
多位置ノズル128の位置に応じて、多位置ノズル128により、エンドレスベルト104が鋳造キャビティ112の金属と異なるレベルの接触がもたらされるようになり、ひいては、金属とエンドレスベルト104との間に異なるレベルの熱伝達を生じさせ得る。例えば、基部位置(または、キャビティ面119に最も近くにあり、エンドレスベルト104に最も近い位置)にある多位置ノズル128は、エンドレスベルト104と金属との間の接触を最大に提供し得る(ひいては、熱伝達を最大にする)。逆に、オフセット位置(または、キャビティ面119から最も遠くにあり、エンドレスベルト104から最も遠い位置)にある多位置ノズル128は、ベルト104が金属との密接な接触をしなくすることを可能にし得(すなわち、ベルト104は金属から引き離され得)、このノズルがある領域で熱伝達率が低下する。
【0044】
冷却パッドアセンブリ102の幅全体にわたる等の多位置ノズル128の配置では、個々の多位置ノズル128は基部位置及び/またはオフセット位置に選択的に位置付けられ、所望の冷却プロファイルを提供し得る。
図25及び
図26は、異なる冷却プロファイルを提供する3つの多位置ノズル128D~Fの配置の非限定的な例を示す。配置2500及び配置2600は、例証だけを目的として提供され、多位置ノズル128の他の様々な配置は第2のノズル装置124で利用され得る。
【0045】
図25の配置2500では、ノズル128D~Fのそれぞれは、配置2500の全体にわたって均一な冷却をもたらすために同じ位置(例えば、基部位置)にある。
図25に示されるように、位置指標186は、ノズル128D~Fの全てが同じ位置にあるという視覚指標を提供し得る。この理由として、位置指標186の全てが鋳造方向110に対して同じ向きになるためである。
図25の例では、位置指標186は、全て、鋳造方向110に実質的に平行になるように整列される。
【0046】
図26の配置2600では、複数のノズルのうちの2つ(例えば、ノズル128D及びノズル128F)が同じ位置(例えば、基部位置)にあり、複数のノズルのうちの1つ(例えば、ノズル128E)が異なる位置(例えば、オフセット位置)にあることにより、配置2600が不均一な冷却がもたらされる。この例では、ノズル128Eに対応する領域では、他の領域に比べて熱伝達の低下がもたらされ得る。
図26に示されるように、位置指標186は、ノズル128Eがノズル128D及びノズル128Fの位置とは異なる位置にあるという視覚指標を提供する。この理由として、ノズル128Eの位置指標186は、鋳物方向110に対して時計回り方向に60°オフセットされるためである。
【0047】
例証
本明細書に説明された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「例証」として明示的に列挙された少なくとも一部を含む、例示的な実施形態の集合が下記に提供される。これらの例証は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例の例証に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0048】
例証1。ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは細長ノズルアセンブリを含み、前記細長ノズルアセンブリは、受容エリアを画定する基部と、前記受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物であって、前記第1の挿入物及び前記基部が一緒に第1の細長い分配スロットを画定する、前記第1の挿入物と、前記受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物であって、前記第2の挿入物及び前記基部が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する、前記第2の挿入物と、を含み、前記冷却パッドは、前記第1の細長い分配スロット及び前記第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成され、前記第1の挿入物は、前記受容エリア内で前記第2の挿入物に対して独立して調節可能である、前記冷却パッドアセンブリ。
【0049】
例証2。前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを前記縦方向に画定する、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0050】
例証2a。前記第1の細長い分配スロットは、加工経路ライン方向に対して垂直である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0051】
例証3。前記基部は、第1の複数の分配開口、第2の複数の分配開口、及び複数の排水開口を画定し、前記複数の排水開口は、前記第1の複数の分配開口と前記第2の複数の分配開口との間に設けられ、前記複数の排水開口の各排水開口は、前記第1の複数の分配開口の対応する分配開口から、及び前記第2の複数の分配開口の対応する分配開口から、縦方向にオフセットされる、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0052】
例証4。前記第1の複数の分配開口は、前記第2の複数の分配開口と縦方向に整列されている、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0053】
例証5。前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを横方向に画定し、前記第1の挿入物は、前記第1の複数の分配開口と流体連通する複数の第1の挿入物開口を含み、前記第2の挿入物は、前記第2の複数の分配開口と流体連通する複数の第2の挿入物開口を含み、前記細長い排水スロットは、前記複数の排水開口と流体連通する、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0054】
例証6。支持アセンブリをさらに備え、前記細長ノズルアセンブリは前記支持アセンブリ上に支持される、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0055】
例証7。前記細長ノズルアセンブリは第1の細長ノズルアセンブリであり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1の細長ノズルアセンブリから下流にある前記支持アセンブリ上に支持された第2の細長ノズルアセンブリを備える、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0056】
例証8。前記細長ノズルアセンブリから下流にある前記支持アセンブリ上に支持された複数の多位置ノズルをさらに含み、前記複数の多位置ノズルのうちの多位置ノズルのそれぞれは、基部位置とオフセット位置との間で移動可能である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0057】
例証9。前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを前記縦方向に画定し、前記支持アセンブリは、前記冷却剤の供給量を保管するように構成されたチャンバーと、前記チャンバーと流体連通して垂直方向に延在する複数の供給通路であって、前記複数の供給通路のうちの少なくとも1つの供給通路は、前記第1の細長い分配スロットと流体連通し、前記複数の供給通路の少なくとも1つの他の供給通路は、前記第2の細長い分配スロットと流体連通する、前記複数の供給通路と、前記細長い分配スロットと流体連通し、前記垂直方向に延在する複数の排水通路であって、前記複数の排水通路の各排水通路は、前記複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる、前記複数の排水通路と、を備える、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0058】
例証10。前記支持部はさらに排水チャネルを含み、前記排水チャネルが、水平方向に延在し、前記複数の排水通路のうちの少なくとも2つの排水通路で交差することにより、前記排水チャネル及び少なくとも2つの排水通路は流体連通する、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0059】
例証11。任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリを組み立てる方法であって、前記方法は、前記第1の挿入物を前記受容エリア内に位置付け、前記第1の細長い分配スロットが所望の寸法を有するように、前記第1の挿入物を前記基部に対して固定することと、前記第2の挿入物を前記受容エリア内に位置付け、前記第2の細長い分配スロットが所望の寸法を有するように、前記基部に対して前記第2の挿入物を固定することと、を含む、前記方法。
【0060】
例証12。前記第2の挿入物を位置決めすることは、前記第1の挿入物に対して前記受容エリア内に前記第2の挿入物を位置決めすることを含み、前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物によって画定された細長い排水スロットは所望の寸法を有する、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の方法。
【0061】
例証13。ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは、冷却剤を分配するように構成された複数の多位置ノズルを含むノズル装置であって、多位置ノズルのそれぞれは、ステムと、基部位置とオフセット位置との間で前記ステムに沿って回転自在及び縦方向に移動可能なキャップとを含み、前記キャップは分配端を含む、前記ノズル装置を備え、前記基部位置では、前記分配端は、前記ベルト鋳造システムの鋳造キャビティの中心面に対して冷却パッドノズル面に配置され、前記オフセット位置では、前記分配端は、前記冷却パッドのノズル面から一定距離オフセットされ、前記中心面から離れている、前記冷却パッドアセンブリ。
【0062】
例証14。前記距離は0.1mm~2.0mmである、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0063】
例証15。前記距離は1.0mmである、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0064】
例証16。前記ノズル装置は第1のノズル装置であり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1のノズル装置から上流に第2のノズル装置を備え、細長ノズルアセンブリを含み、前記細長ノズルアセンブリは、受容エリアを画定する基部と、前記受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物であって、前記第1の挿入物及び前記基部が一緒に第1の細長い分配スロットを画定する、前記第1の挿入物と、前記受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物であって、前記第2の挿入物及び前記基部が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する、前記第2の挿入物と、を含み、前記冷却パッドは、前記第1の細長い分配スロット及び前記第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成され、前記第1の挿入物は、前記受容エリア内で前記第2の挿入物に対して独立して調節可能である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0065】
例証17。多位置ノズルのそれぞれの前記分配端は、前記分配端が六角形面を含むように、六角形の外周を形成する複数の端を含み、前記複数の端のうちの2つの端の交点は位置指標を含む、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0066】
例証18。鋳造方向に対して横断方向にある前記冷却パッドの幅全体にわたって、少なくとも1つの多位置ノズルは前記基部位置にあり、少なくとも1つの多位置ノズルは前記オフセット位置にある、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0067】
例証19。任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリを用いて金属製品を連続的に鋳造する方法であって、鋳造方向に前進する間隔を空けて対向する鋳造面の間に画定された鋳造キャビティの入口に溶融金属を連続的に導入することであって、各鋳造面はエンドレスベルトの第1の面である、前記導入することと、前記鋳造キャビティの出口を通って前記鋳造キャビティから金属製品を連続的に排出することと、少なくとも1つの鋳造面が前記少なくとも1つの鋳造面の幅全体にわたって不均一な熱伝達プロファイルを含むように、前記冷却パッドを制御することと、を含む、前記方法。
【0068】
例証20。前記冷却パッドアセンブリを制御することは、前記複数の多位置ノズルのうちの少なくとも1つの多位置ノズルを前記基部位置に位置付け、前記鋳造面とは反対側にある前記エンドレスベルトの面に対して、前記複数の多位置ノズルのうちの少なくとも1つの多位置ノズルを前記オフセット位置に位置付けることを含む、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の方法。
【0069】
例証21。前記冷却パッドアセンブリを制御することは、前記複数の多位置ノズルのうちの少なくとも1つの多位置ノズルを、前記基部位置から前記オフセット位置に変更することを含み、前記少なくとも1つの多位置ノズルを変更することは、前記ステムに対して前記キャップを所定角度回転させ、前記ステムに沿って前記キャップを垂直に移動させることを含む、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の方法。
【0070】
例証22。前記所定角度は0°超~90°である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の方法。
【0071】
例証23。前記所定角度は60°である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の方法。
【0072】
例証24。ベルト鋳造システム用の冷却パッドアセンブリであって、前記冷却パッドアセンブリは支持アセンブリを含み、前記支持アセンブリは、冷却剤の供給量を保管するように構成されたチャンバーと、前記チャンバーと流体連通し、垂直方向に延在する複数の供給通路と、前記垂直方向に延在する複数の排水通路であって、前記複数の排水通路の各排水通路は、前記複数の供給通路の隣接供給通路から縦方向及び横方向にオフセットされる、前記複数の排水通路と、前記支持アセンブリ上に支持され、少なくとも1つの分配開口及び少なくとも1つの排水開口を備えるノズル装置であって、前記少なくとも1つの分配開口は、前記複数の供給通路のうちの少なくとも1つの供給通路と流体連通し、前記少なくとも1つの排水開口は、前記複数の排水通路のうちの少なくとも1つの排水通路と流体連通する、前記ノズル装置と、を備える、前記冷却パッドアセンブリ。
【0073】
例証25。前記支持アセンブリはさらに排水チャネルを含み、前記排水チャネルが、横方向に延在し、前記複数の排水通路のうちの少なくとも2つの排水通路で交差することにより、前記排水チャネル及び少なくとも2つの排水通路は流体連通し、前記少なくとも1つの排水開口は少なくとも2つの排水通路と流体連通する、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0074】
例証26。前記ノズル装置は第1のノズル装置であり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1のノズル装置から下流に第2のノズル装置を備え、前記第2のノズル装置は、前記第1のノズル装置から下流にある前記支持アセンブリ上に支持された複数の多位置ノズルを備え、前記複数の多位置ノズルのうちの多位置ノズルのそれぞれは、基部位置とオフセット位置との間で移動可能である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0075】
例証27。前記少なくとも1つの分配開口は第1の細長い分配スロットであり、前記少なくとも1つの排水開口は細長い排水スロットであり、前記ノズル装置はさらに細長ノズルアセンブリを備え、前記細長ノズルアセンブリは、受容エリアを画定する基部と、前記受容エリア内に位置付け可能な第1の挿入物であって、前記第1の挿入物及び前記基部が一緒に前記第1の細長い分配スロットを画定する、前記第1の挿入物と、前記受容エリア内に位置付け可能な第2の挿入物であって、前記第2の挿入物及び前記基部が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットから縦方向にオフセットされる第2の細長い分配スロットを画定する、前記第2の挿入物と、を含み、前記第1の挿入物及び前記第2の挿入物が一緒になって、前記第1の細長い分配スロットと前記第2の細長い分配スロットとの間に細長い排水スロットを前記縦方向に画定し、前記冷却パッドは、前記第1の細長い分配スロット及び前記第2の細長い分配スロットのそれぞれを通って、冷却剤を分配するように構成され、前記第1の挿入物は、前記受容エリア内で前記第2の挿入物に対して独立して調節可能である、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0076】
例証28。前記支持アセンブリは、さらに、前記チャンバーへのアクセスを提供するサイドポートと、前記サイドポートを選択的に密閉するように構成されたサイドキャップとを備える、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0077】
例証29。前記支持アセンブリは第1のモジュールであり、前記支持部は、前記冷却パッドアセンブリの長さが調節可能であるような複数のモジュールを備える、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0078】
例証30。各モジュールは、チャンバー、複数の供給通路、及び複数の排水通路を含む、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0079】
例証31。前記ノズル装置は第1のノズル装置であり、前記冷却パッドは、さらに、前記第1のノズル装置から下流に第2のノズル装置を備え、前記第2のノズル装置は、前記第1のノズル装置から下流にある前記支持アセンブリ上に支持された複数の多位置ノズルを備え、前記複数の多位置ノズルのうちの多位置ノズルのそれぞれは複数の位置の間で移動可能であり、前記複数の位置の1つの位置の高さは前記複数の位置の別の位置の高さからオフセットされる、任意の前述もしくは後述の例証または複数の例証の組み合わせに記載の冷却パッドアセンブリ。
【0080】
上述の態様は、実施態様の考えられる単なる例であり、単に、本開示の原理を明確に理解するために記述されている。本開示の精神及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求項は、本開示によって立証されることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは一般的及び説明的な意味だけで使用されており、説明される実施形態、また以下の特許請求の範囲を制限する目的ではない。
【国際調査報告】