(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】車両用ステアリングホイール用の照明装置及び車両用ステアリングホイール
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/283 20170101AFI20240118BHJP
【FI】
B60Q3/283
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541692
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2022051093
(87)【国際公開番号】W WO2022157177
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】サグナ,ブバカール
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA07
3K040CA05
(57)【要約】
【解決手段】 車両用ステアリングホイールリム(10)用の照明装置(100)であって、
・少なくとも2つの光源(120)と、
・照明装置(100)がリム(10)に組み込まれたときに光源(120)によって放射された光を車両の乗員に伝達するように配置された集光面(131)及び拡散面(132)を含む光拡散体(130)と、を備え、
集光面(131)は、拡散面(132)によって伝達された光が均一になるように、光源(120)に対して位置決めされた少なくとも2つの突出部(133)を含むことを特徴とする、照明装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ステアリングホイールリム(10)用の照明装置(100)であって、
・少なくとも2つの光源(120)と、
・前記照明装置(100)が前記リム(10)に組み込まれたときに前記光源(120)によって放射された光を前記車両の乗員に伝達するように配置された集光面(131)及び拡散面(132)を含む光拡散体(130)と、を備え、
前記集光面(131)は、前記拡散面(132)によって伝達された前記光が均一になるように、前記光源(120)に対して位置決めされた少なくとも2つの突出部(133)を含むことを特徴とする、照明装置。
【請求項2】
前記突出部(133)は、前記光源(120)に対向して配置される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源と前記集光面との間に配置された光ガイドを更に備え、前記光ガイドは、少なくとも2つの別個の光学部分が設けられた入力面を備え、前記突出部はまた、前記拡散面によって伝達される前記光が均一であるように前記光学部分に対して配置されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記拡散面(132)は、高輝度ゾーン及び低輝度ゾーンを含み、前記低輝度ゾーンの平均輝度は、前記高輝度ゾーンの平均輝度の少なくとも66%、好ましくは少なくとも74%を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項5】
支持体を更に備え、前記光源(120)は、第1の間隔に従って前記支持体上に規則的に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項6】
前記突出部(133)は、前記第1の間隔又は前記第1の間隔の一部に等しい第2の間隔に従って、前記集光面(131)上に規則的に配置される、請求項5に記載の照明装置(100)。
【請求項7】
前記突出部(133)は各々、前記集光面(131)の凸面を画定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項8】
前記集光面(131)は、各突出部(133)の間に凹部(134)又は凹面を画定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項9】
溝(151)を画定するハウジング(150)を更に備え、前記光拡散体(130)は、前記拡散面(132)が前記溝(151)内に又はそれを通して配置され、前記集光面(131)が前記ハウジング(150)の内側に配置されるように配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項10】
前記拡散面(132)の周囲に配置されたスクリーン(160)を更に備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の照明装置(100)。
【請求項11】
リム(10)と、請求項1から10のいずれか一項に記載の照明装置(100)とを備える車両用ステアリングホイール。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の照明装置(100)を備える自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、自動車両のステアリングホイールリムに取り付けられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールリムに取り付けられた照明装置は、従来技術において知られている。国際公開第2019048538(A1)号は、そのような照明装置を開示している。一方、従来技術のこのシステムは、車両の乗員に不均一な光を伝達するという欠点を有し得る。
【0003】
更に、国際公開第2020064590号は、壁14に形成されたオリフィスに組み込まれた光源32が設けられた光ボックス14を備える、車両の室内照明用の光学システムを開示している。壁14は、光源32の光反射面として機能する。一方、従来技術のこのシステムは、車両の乗員に不均一な光を伝達するという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、上述した従来技術の欠点に対処することであり、特に、まず第1に、車両の乗員への均一な光の伝達を可能にするステアリングホイールリム用の照明装置を提案することである。
【0005】
それゆえ、本発明の第1の態様は、車両用ステアリングホイール用の照明装置であって、
・少なくとも2つの光源と、
・照明装置がリムに組み込まれたときに光源によって伝送された光を車両の乗員に伝達するように配置された集光面及び拡散面を含む光拡散体と、を備え、
集光面は、拡散面によって伝達された光が均一になるように、光源に対して位置決めされた少なくとも2つの突出部を含むことを特徴とする、照明装置に関する。
【0006】
したがって、突出部と光源との相対的な配置は、拡散面によって伝達される均一な光を得ることを可能にする。
【0007】
一実施形態によれば、突出部は、光源に対向して配置することができる。好ましくは、突出部の数は少なくとも光源の数に等しく、各光源は突出部に対向して配置される。この実施形態は、簡単かつ安価な方法で均一な光の伝達を得ることを可能にする。これは、突出部が、拡散体の伝達係数を局所的に変化させることを可能にすることができ、したがって、光源に対向する集光面に到達する光の過剰な強度を補償することができるからである。
【0008】
一実施形態によれば、照明装置は、光源と集光面との間に配置された光ガイドを更に備えてもよく、光ガイドは、少なくとも2つの別個の光学部分が設けられた入力面を備え、突出部はまた、拡散面によって伝達される光が均一であるように光学部分に対して配置されている。
【0009】
この実施形態は、より複雑な照明装置を製造することを可能にし、例えば、狭い空間、特により薄い空間内に照明装置を収容することを可能にする。例えば、光ガイドは、光源によって伝送された光のいくつかの内部反射を生成するように構成され得る。更に、光ガイドは、光束が光ガイド内の全内部反射によって光源から集光面にルーティングされることを確実にし、本照明装置の機械的環境における光損失を回避することを可能にすることができる。
【0010】
あるいは、光源はそれらの間にあり、光源と集光面は光源によって伝達された光を吸収又は変更することができる壁又は要素なしで、自由空間又は空き空間によって分離される。そのような自由空間又は空き空間は、拡散面によって伝達される光が均一であることに寄与し、照明装置の構造を単純化する。
【0011】
一実施形態によれば、拡散面は、高輝度領域及び低輝度領域を含んでもよく、低輝度領域の平均輝度は、高輝度領域の平均輝度の少なくとも66%、好ましくは少なくとも74%を表す。このようなパラメータにより、均一な光を得ることができる。人間の目は、対数によって近似することができる法則に従って、輝度の非線形知覚を有することに留意されたい。そのような変化は、拡散面の均一な視覚的レンダリングを可能にすることができる。
【0012】
一実施形態によれば、照明装置は、支持体を更に有してもよく、光源は、例えば第1の間隔に従って、当該支持体上に規則的に配置される。これにより、拡散面によって均一な光を伝達させながら、本発明による照明装置の設計及び製造を簡略化することができる。支持体は、例えばプリント回路である。
【0013】
一実施形態によれば、突出部は、例えば、第1の間隔に等しいか又は第1の間隔の何分の1かに等しい第2の間隔に従って、当該集光面上に規則的に配置することができる。これにより、拡散面による均一な光の伝達を可能にしながら、本発明による照明装置の設計及び製造を更に簡素化することができる。例えば、突出部の数は、光源の数に等しいか、又は光源の数の倍数である。
【0014】
一実施形態によれば、複数の光源は、集光面に対して固定することができる。例えば、支持体は固定されているか、又は光拡散体に対して固定されている。
【0015】
一実施形態によれば、突出部は各々、集光面の凸面を画定することができる。このような突出部形状は、製造が簡単であり、最適な方法で均一な光を得ることを可能にする。
【0016】
一実施形態によれば、集光面は、各突出部の間に凹部又は凹面を画定することができる。この場合、集光面は、均一な光を得ることに更に寄与する規則的な起伏の最適な形状、例えば正弦波プロファイルを有することができる。有利には、各突出部の間にただ1つの凹部又は凹面がある。
【0017】
一実施形態によれば、照明装置は、溝を画定するハウジングを更に備えてもよく、光拡散体は、拡散面が溝内に又は溝を通って配置され、集光面がハウジング内に配置されるように配置される。これにより、ステアリングホイールリムへの本照明装置の確実かつ審美的な取り付けが可能になる。
【0018】
一実施形態によれば、幾つかの光源、例えば2つ、5つ又はそれ以上の光源が溝内に配置される。
【0019】
一実施形態によれば、全ての突出部は、好ましくはその全体が溝の内側に配置される。したがって、装置はより小型であり、光損失がより少ない。
【0020】
一実施形態によれば、光源は、光を放射するように構成された放射面を含み、放射面は溝内に配置される。これは、伝達光の全てが光拡散体に伝達されることを確実にする。
【0021】
一実施形態によれば、照明装置は、拡散面の周囲に配置されたスクリーンを更に備えてもよい。これにより、ステアリングホイールリムに一体化された本照明装置の美観を向上させることができる。
【0022】
上記の実施形態は、完全に又は部分的に組み合わせることができる。
【0023】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による照明装置を備える車両用ステアリングホイールに関する。
【0024】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による照明装置及び/又は本発明の第2の態様による車両用ステアリングホイールを備える自動車両に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、例として提供されるが決してそれらに限定されることなく、添付図面によって例示される、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むと、より明らかとなるであろう。
【
図1】
図1は、リムに照明装置を備えたステアリングホイールの正面図である。
【
図2】
図2は、照明装置の一部を平面的に見た側面図である。
【
図4】
図4は、照明装置の細長い開口部又は溝開口部を通して車両の乗員に向けて光を拡散するように配置された光源を有する照明装置におけるリムの断面を示す。
【
図5】
図5は、突出部を備えていない照明装置(曲線A)と、本発明の一実施形態による、光ガイドの集光面上に突出部を備える照明装置(曲線B)との拡散面の輝度の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、均一な光を拡散させる照明装置に関する。好ましくは、このような照明装置は、輸送の分野において、例えば、ハンドルバー、ステアリングホイール又はレバーなどの車両の制御要素に一体化されて使用される。
【0027】
図1は、典型的には、複数のブランチ30によってハブ20に接続されたリム10を備える、車両用ステアリングホイールの図を示す。リム10は、例えば、「12時」位置としても知られる上部位置に、照明装置100を備える。
【0028】
この照明装置100は、約30°~40°の角度セクタにわたってリムに沿って延在する外部ディスプレイ壁を有することができるが、より大きい又はより小さい角度範囲、例えば180°まで又はそれ以上の角度範囲を提供することができる。
【0029】
図2は、照明装置100の一部の側面図を示す。この照明装置は、
図2に見られるように直線状であってもよいし、
図1のステアリングホイールなどの、照明装置が組み込まれる車両の要素によって課される任意の形態を採用してもよい。
【0030】
照明装置100は、少なくとも2つの光源120、好ましくは複数の光源120を収容するプリント回路基板110又はPCBを有する。これらの光源は、好ましくは、当業者に知られているように、可視光、例えば白色光を生成することができる発光ダイオード又はLEDである。プリント回路基板110は、光拡散体130、例えば拡散面132に平行であってもよい。
【0031】
これらの光源120は各々、同じ出力を有してもよく、すなわち、可視スペクトルにおいて同じ輝度又は同じ光束を生成してもよい。それらは、プリント回路基板110上に規則的に、すなわち第1の間隔に従って配置することができる。この第1の間隔は、光源の電力、照明装置の所望の輝度、及び光ガイドの有無に応じて選択することができる。例えば、第1の間隔は、5~30mm、好ましくは6~25mm、更により好ましくは8~20mm、より好ましくは10~15mm、例えば13又は14mmである。更に、光源は好ましくは互いに対向しており、すなわち、それらはウェル内に配置されず、又はそれらの間の光の伝達を制限する壁又は他の要素によって分離されない。
【0032】
図2において、光拡散体130は、光源120の上方に、すなわち光伝送方向の下流に位置する。光拡散体130は、光源120によって伝達された光を受け取るように構成された集光面131と、光源120によって伝達された光を車両の乗員に伝達するように構成された拡散面132とを備える。
【0033】
光拡散体は、ガラス、ポリアミド又はポリカーボネートなどの半透明材料で作られ、好ましくは均一であり、すなわち、光拡散体は、材料のあらゆる点において、又は少なくとも集光面131と拡散面132との間の交差平面において同じ光学特性を有する。それは、好ましくは、単一部品及び/又は中実で作られ、すなわち、真空、中空又は内部空洞を有さず、光源の光が通過するように設けられる。これにより、拡散面に沿った光の均一性及び/又は連続性を向上させることができる。
【0034】
好ましくは、集光面131はまた、全ての点において同じ光学特性、特に均一又は一定の屈折率を有する。拡散面132は、均一な光学特性を有してもよい。例えば、拡散体の半透明材料は、ISO 13468に従って測定されたヘイズ値が2.0mmの厚さに対して90%を超える。
【0035】
集光面131は、少なくとも2つの突出部133、好ましくは複数の突出部133を含む。突出部133は、任意選択的に切頭された任意の適切な形状、例えば、ピラミッド形状、円錐形状、歯形状、砂丘形状、波形状、又は更に「Toblerone」形状を有することができる。突出部133は、光源120の光を通過させるための光拡散体130の材料の厚さが、集光面131の各点で受け取られる光の量に比例するように配置することができる。
【0036】
図2の図では、突出部は波形状を有し、すなわち凸形状を有し、凹面としての凹部134によって各々分離されている。凹部134に対する各突出部133の高さは一定であり得る。例えば、50%~2.0mmの厚さの伝達率を有する乳白色の外観の材料の場合、この高さは、0.5mm~5.0mm、好ましくは1.0~3.0mm、更により好ましくは1.5~2.5mm、例えば2.0mmであってもよい。2.0mmの厚さに対して5%~20%、優先的には8%~15%の伝達率を有する暗い外観の拡散体の場合、突出部の高さは、0.1~1.0mm、好ましくは0.2~0.5mmであってもよい。
【0037】
突出部133は、一般に、拡散面によって伝達される光が均一になるように光源に対して配置される。例えば、一実施形態によれば、拡散面は、高輝度領域及び低輝度領域を含んでもよく、低輝度領域の平均輝度は、高輝度領域の平均輝度の少なくとも66%、好ましくは少なくとも74%、更により好ましくは82%を表す。を表す。
【0038】
輝度は、単位面積当たり及び単位立体角当たりの、所与の方向において表面要素を通過する又は表面要素内に伝達される可視光のパワーとして定義することができる。したがって、拡散面132を通過する光パワーは、この面の単位面積当たりで、当該表面に垂直な所与の角度、例えば90°であってもよい。
【0039】
これらの高輝度領域及び低輝度領域は、シミュレーションによって、又は当業者に知られている輝度計又はスポットメータである輝度測定装置を用いた直接測定によって決定することができる。
【0040】
突出部133は、集光面131上に規則的に、すなわち第2の間隔に従って配置することができる。この第2の間隔は、
図2に示されるように第1の間隔に等しくてもよく、あるいは、特に光ガイドが光源120と突出部133との間に配置され、この光ガイドが集光面131に衝突する光の異なる分布をもたらす場合には、第1の間隔の何分の1か、例えば1/2、1/3、1/4又は1/5であってもよい。
【0041】
集光面131は、平均してプリント回路基板110と平行であり得る、すなわち突出部133を考慮せずに平行であり得る。すなわち、光源とこれに対向する突出部との間の自由長を一定にすることができる。この自由長は、リムのサイズ又は直径、並びに光源の性質に従って選択することができる。この自由長は、1.0~10.0mm、好ましくは2.0~8.0mm、更により好ましくは3.0~7.0mm、最も好ましくは4.0~7.0mm、例えば4.0、4.5又は5.0mmであってもよい。
【0042】
図2の実施形態では、突出部133は、光源120に対向して又は面して配置される。突出部133の数が光源120の数よりも多い場合、突出部の少なくとも一部は、光源120に対向又は面して配置することができる。例えば、光源120及び突出部133は、ステアリングホイールのリム10の半径上に位置合わせすることができる。
【0043】
したがって、突出部133は、光源120に沿って最大厚さを画定することができ、窪み134は、2つの光源120の間の間隙に対向して、すなわち、最小の光を受ける領域において最小厚さを画定することができる。突出部133間の厚さはまた、光源120によって伝達される光の強度に基づいて調整することができる。図示の実施形態では、全ての光源120が同一であるので、全ての突出部133が同一である。異なる突出部133は、異なる光強度を有する光源に対向して配置されることができ、各突出部の形状及び/又は高さは、各光源120によって伝達される光に適合されることができる。
【0044】
より一般的には、光源120は、高輝度領域と、光束が高輝度領域よりも小さい低輝度領域とを生成することができる。したがって、光源は、集光面131上に高輝度領域及び低輝度領域を生成することができる。例えば、高輝度領域は、集光面131の平均輝度よりも少なくとも10%大きい輝度を有する。
【0045】
突出部133は、これらの高輝度領域に配置することができ、すなわち、集光面131の高輝度領域を占有することができる。窪み134又は凹部のような突出部間の空間は、低い輝度を有するゾーンに配置されることができ、すなわち、集光面131の低輝度ゾーンを占有することができる。
【0046】
代替的に又は組み合わせて、輝度は、例えば光拡散体130が存在しない場合に、光源120と集光面131との間の正中面のような測定面において測定することができる。好ましくは、測定面はステアリングホイールの回転軸に対して垂直であり、輝度計は、遠近法欠陥を回避又は制限するように配置することができる。輝度計の焦点は、測定面に合わせることができる。
【0047】
図3は、照明装置100の部分底面図に対応する。この図は、
図1の車両用ステアリングホイールに組み込まれるように構成されたその湾曲形状を示す。集光面131の正弦波プロファイルを示すために、光源120及び集光器130のみが
図3に示されている。周辺側方部分135は、照明装置100内、特に以下の図に示されるスクリーン160内でのその位置決め及び組み立てを可能にするように、集光器130の途中に位置付けられる。
【0048】
図4は、
図3の照明装置100が設けられた、
図1のステアリングホイールのリム10の断面図に対応する。光源120が設けられたプリント回路基板110は、
図4によれば、カバー140と、溝151を画定するハウジング150との間に配置される。代替的な実施形態において、プリント回路基板110は、空間を節約するカバーとして機能することができる。
【0049】
光拡散体130の拡散面132は、集光面131よりも小さい寸法、例えば、
図4に見られるような幅及び/又は面積を有してもよい。例えば、拡散面132の幅は、集光面131の幅の最大85%、例えば最大75%に相当する。更に、拡散面132の幅は、集光面131の幅の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは少なくとも60%に相当してもよい。このようなより狭い幅は、光のより良い集中のために、拡散面132によって高輝度で均一な光の伝達を得ることに寄与する。
【0050】
したがって、光拡散体130の最大寸法は、光拡散体130、集光面131及び/又は拡散面132の長さに相当することができ、この寸法に垂直な寸法は、集光面131との間の幅及び距離に相当することができ、拡散面132は、光拡散体130の高さ又は深さに相当することができる。
【0051】
光拡散体130は溝151内に配置され、集光面131はハウジング150の内部に向けられ、拡散面132はハウジング150の外部に向けられ、すなわち、ステアリングホイールが車両に取り付けられたときに車両の内部に向けられる。溝151は、好ましくは、集光面131と光源120との間に、溝151の壁以外に光の拡散を制限することができる壁又は要素のない自由空間を有する。したがって、溝(又はチャネル)151、特に溝(又はチャネル)151の壁の全体は、光の誘導に関与し得る。有利には、溝151の壁は、典型的には80%を超える反射率を有する白色材料、例えばポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)タイプのプラスチック材料などの光学グレードを有する反射面を有する。
【0052】
任意選択のスクリーン160はまた、溝151の中又は上に、例えば光拡散体130のいずれの側にも配置することができる。例えば、スクリーンは、ハウジング150の溝151と2つの平行な溝152との間に配置することができ、及び/又は平行な溝152内に部分的に収容することができる。これらの2つの平行な溝152は、
図3に見られるように、溝151の端部を越えて互いに接合することができる。スクリーン160は、拡散面132が外側から直接見えるようにする中央溝を有することができる。例えば、拡散面132は、スクリーン160と面一であってもよいし、突出していてもよい。
【0053】
光拡散体130は、組み立てを簡単にするように、溝151を画定するハウジング150の端部とスクリーン160との間で塞がれ得る。例えば、スクリーン160は、平行溝152内に接着され、及び/又はこれらの平行溝152内に部分的に収容されたステアリングホイールの皮又は革によって塞がれる。
【0054】
光拡散体130は、
図3に見える周辺側方部分135、又は光拡散体の幅に沿って、例えば光拡散体130の中間高さに延在する独立した側方部分を更に有してもよい。この側方部分135は、内面、すなわち光源120の方に向けられた内面を有することができ、ハウジング150に、例えば溝151の壁に当接することを可能にする。
【0055】
更に、側方部分135は、上面、すなわち、光源120とは反対の方向に向けられた上面を有してもよく、スクリーン160を位置決め又はオーバーモールドすることを可能にする。換言すれば、この側方部分は、拡散面132よりも広くすることができ、側方部分は、組み立てられると、スクリーン160によって優先的にマスクされる。したがって、光拡散体130の側方部分135は、照明装置100内での光拡散体130の容易な位置決め及び組み立てを可能にする。特に、スクリーン160がオーバーモールドされる場合、光の拡散に必須ではないこの側方部分135は、接触マークが光拡散欠陥を生成することなく、オーバーモールド金型内の接触面として使用することができる。
【0056】
動作中、光源によって伝達された光は、集光面131上に伝達される。光の第1の部分は、突出部133において光拡散体130を通過し、次いで、光拡散体130内を進むために一定の距離が残される。光の第2の部分は、凹部134において光拡散体を通過し、次いで、突出部がないために、光拡散体130を通って移動する距離が短い。
【0057】
光の第1の部分は、光の第2の部分よりも多く吸収され、これは、拡散面132によって伝達される光が均一になるように、集光面131上に生成される高輝度領域及び低輝度領域を補償することができる。
【0058】
図5は、各々が規則的に配置された10個の光源を備える、
図2又は
図3のものと同様の2つの照明装置の拡散面上で得られた輝度を示す。曲線Aは、突出部のない、すなわち平坦な集光面を有する光拡散体で得られた輝度の変化を表す。曲線Bは、本発明の一実施形態による光拡散体、すなわち、光源に対向して配置された突出部が設けられた光拡散体を用いて得られた輝度の変化を表す。
【0059】
2つの照明装置に関して、対応する光拡散体は、暗い外観を得るためにバルク着色ポリカーボネート作製され、光源は、20mAの強度で動作するLRTB GVSGタイプの発光ダイオードであった。それらの光強度は、赤色スペクトルにおいて500~1000mcdであり、真の緑色スペクトルにおいて1250~2010mcdであり、青色スペクトルにおいて180~560mcdである。2つの光源間の間隔は13.3mmであり、光源とそれに対向する突出部との間の自由長は4.5mmであり、光拡散体の窪みに対する突出部の高さは1.8mmである。
【0060】
図5から明らかなように、本発明に従って得られた輝度の変化(曲線B)は、突出部のない比較照明装置について得られた輝度の変化(曲線A)よりも制限されている。したがって、本発明による照明装置は、高輝度ゾーン(曲線Bのピーク)の平均輝度の少なくとも74%に相当する低輝度ゾーン(曲線Bの谷)の平均輝度を得ることを可能にする。この実施形態による照明装置は、車両の乗員への均一な光の伝達を可能にする。
【0061】
図示されていない実施形態では、集光面131と光源120との間に光ガイドを配置することができる。この光ガイドは、突出部133と光源120との間の自由長に収容することができる。それは、任意の適切な形態をとることができ、例えば、光源120に対向して又は接触して配置された別個の光学部分が設けられた入口面を含むことができる。
【0062】
この場合、突出部133はまた、別個の光学部分に対して配置することができる。個別の光学部分は、例えば光源の第1の間隔に等しい第3の間隔に従って規則的に配置することができる。光学部分は、溝及び/又はプライマーなどの分散パターンを更に含むことができる。光ガイドは、全ての光学部分に共通の出力面を有してもよく、例えば、光拡散体の集光面に平行であるか、又は少なくとも対向してもよい。
【0063】
より一般的には、光ガイドは、出力面と集光面131との間に追加の高輝度領域、すなわち集光面131上の他の高輝度領域を生成することに寄与することができる。この場合、これらの追加の高輝度領域に追加の突出部を配置することができる。代替として、又は組み合わせて、光拡散体は、集光面131上の高輝度領域を修正することができ、次いで、突出部133の位置は、それに応じて修正することができる。
【0064】
光ガイドは、光ガイドの入力面と光拡散体の集光面との間で光の主方向の変化を生成するように、光ガイドの内部で光のいくつかの反射を生成することを可能にするいくつかの偏向面を含んでもよい。
【0065】
このようにして、光源は、拡散面に平行な平面内に配置されなくてもよく、このことは、よりコンパクトな照明装置を作り出すことに寄与し得る。加えて、光ガイドは、光の集中又は拡散などの他の光学効果を生成するように構成されてもよい。
【0066】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されている本発明の種々の実施形態に対して、当業者に明白な様々な修正及び/又は改善を加えることができる点が理解されるであろう。
【0067】
例えば、ハウジング150及びスクリーン160は、任意の適切な形状をとることができる。更に、拡散面132の上方にディスプレイを配置することができ、光源からの光は、このディスプレイを伝達する。拡散面132はまた、任意の好適な形状をとってもよく、例えば、平坦、はざま付き、又は半円形であってもよい。
【国際調査報告】