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特表2024-503421組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法
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  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図1
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図2
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図3
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図4
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図5A
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図5B
  • 特表-組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法 図5C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/12 20060101AFI20240118BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20240118BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20240118BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B01J19/12 C
C08F2/01
C08F2/50
B01J19/00 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542010
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 US2022011912
(87)【国際公開番号】W WO2022150743
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,771
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595100646
【氏名又は名称】アベリー・デニソン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】フル,アンドリュー ピー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターマン,マイケル ティ
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,デイビッド
【テーマコード(参考)】
4G075
4J011
【Fターム(参考)】
4G075AA32
4G075AA62
4G075AA65
4G075BA10
4G075CA01
4G075CA32
4G075DA02
4G075EA06
4G075EB01
4G075EC11
4G075ED01
4J011AA01
4J011DB12
4J011DB16
4J011DB19
4J011DB22
4J011DB28
(57)【要約】
組成物、特に高溶融粘度の組成物を重合又は脱揮させるための装置が開示されている。組成物、特に高溶融粘度の組成物を重合又は脱揮させる方法もまた、開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を重合又は脱揮するための装置(1)であって、前記装置は、
第1内部チャンバ(20)を画定する第1反応容器(10)であって、前記第1反応容器が、
前記内部チャンバへのアクセスを提供する少なくとも1つの第1カラー(30)と、
前記第1カラーによって支持される少なくとも1つの第1プローブアセンブリ(40)と
を有しており、前記第1プローブアセンブリが、
前記組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ(50)を有する、前記第1反応容器(10)と、
前記第1反応容器の外部であり、通路チャネルを画定する、少なくとも1つの循環ループ(60)であって、前記循環ループが、
ポンプ(70)と、
前記通路チャネルへのアクセスを提供する少なくとも1つの第2カラー(80)と、
前記第2カラーによって支持される少なくとも1つの第2プローブアセンブリ(90)と
を有しており、前記第2プローブアセンブリが、
前記組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ(100)を有する、前記循環ループ(60)とを備える装置。
【請求項2】
前記循環ループは、ミキサ(110)をさらに有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記循環ループは、少なくとも1つの連行剤のための注入器(120)をさらに有する、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記連行剤は、蒸気、凝縮水、窒素、アルゴン、又は二酸化炭素、又はそれらの混合物から選択される物質である、
請求項1~3の何れか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記循環ループは、熱交換器(130)をさらに有する、
請求項1~4の何れか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記循環ループは、分析器(140)をさらに有する、
請求項1~5の何れか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記分析器は、フーリエ変換赤外分光計、粘度計、及び屈折計からなる群から選択される少なくとも1つのデバイスである、
請求項1~6の何れか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記第1プローブアセンブリ(310A、310B、310C)は、
前記エミッタ(312A、312B、312C)から延びており、前記反応容器の前記内部チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、光管(314A、314B、314C)と、
前記第1反応容器の前記内部チャンバ内の前記光管の位置を管理するための調整可能な位置決め装置(316A、316B、316C)と、
前記光管の遠位端(315A、315B、315C)に配置されており、前記エミッタから発される光の通過に対して透明又は実質的に透明である、カバー(317A、317B、317C)と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2プローブアセンブリ(90)は、前記エミッタから前記通路チャネル(65)に向かって延びる光管(314D)をさらに備える、
請求項1~8の何れか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記ポンプは、ギヤポンプであり、前記第1反応容器の下方に配置されている、
請求項1~9の何れか1つに記載の装置。
【請求項11】
前記第1反応容器は、少なくとも1つの撹拌機(190)をさらに有する、
請求項1~10の何れか1つに記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの凝縮器(200)と、
前記第1反応容器への戻りライン(210)と
をさらに備える、請求項1~11の何れか1つに記載の装置。
【請求項13】
前記凝縮器と前記戻りラインとの間に少なくとも1つの凝縮貯蔵タンク(220)
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記光は、化学線である、
請求項1~13の何れか1つに記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、前記組成物の構成物のための少なくとも1つの供給ライン(230)をさらに備えており、
前記少なくとも1つの供給ラインは、前記第1内部チャンバに接続されている、
請求項1~14の何れか1つに記載の装置。
【請求項16】
第2内部チャンバ(250)を画定する第2反応容器(240)と、
前記第2反応容器と前記第1反応容器との間の少なくとも1つの通路(260)と
をさらに備える、請求項1~15の何れか1つに記載の装置。
【請求項17】
方法であって、前記方法は、
反応容器において光重合可能な反応混合物を形成すること、
ここで前記光重合可能な反応混合物は、
モノマーと、
第1光重合開始剤と、
前記第1光重合開始剤の活性化波長において実質的に非光反応性である第2光重合開始剤と
を有しており、
前記モノマーを少なくとも部分的に重合させて前記反応容器において溶融組成物を形成するために、前記光重合可能な反応混合物に、前記第1光重合開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、
ここで前記溶融組成物は、ポリマー溶融と任意の未反応モノマーとを有しており、
前記溶融組成物の少なくとも一部を前記反応容器の外部で循環させること、
のステップを備える、方法。
【請求項18】
前記ポリマー溶融、任意の未反応モノマー、及び連行剤を有する転換混合物を形成するために、前記溶融組成物を前記連行剤と混合させること、
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記未反応モノマーを重合させて照射転換混合物を形成するために、前記溶融組成物に、前記第1光重合開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、
をさらに備える請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリマー溶融、前記未反応モノマー、及び連行剤を有する転換混合物を形成するために、前記溶融組成物を前記連行剤と混合させること、
前記未反応モノマーを重合させて照射転換混合物を形成するために、前記溶融組成物に、前記第1光重合開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、
をさらに備える、請求項17~19の何れか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記ポリマー溶融から熱を除去すること、
をさらに備える、請求項17~20の何れか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記ポリマー溶融を検査すること、
をさらに備える、請求項17~21の何れか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記検査は、フーリエ変換赤外分光法、レオロジー、及び屈折率測定からなる群から選択された技術である、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記未反応モノマーと連行剤とを個々の容器で蒸留すること、
をさらに備える、請求項17~23の何れか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年1月11日に出願された米国仮特許出願第63/135,771号の利益を主張し、参照により全体の開示がここに組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、組成物、特に高溶融粘度の組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
本発明は概して、組成物、特に高溶融粘度の組成物を重合又は脱揮するための装置及び同様の装置の使用方法に関するものである。
【0004】
例えばコーティング、マスチック、及び接着剤で使用されるポリマー等の材料の商業生産では、例えばモノマー、開始剤、及び任意の溶媒又は媒体を含む出発材料を最終反応生成物に変換するのに数時間又はさらに数日かかり得る。工程の時間を低減させるような、装置又は方法のステップに対する何らかの変更は、製造業者が一定の時間内での処量を増加させることができ、コストと時間との観点から望ましい。これらのサイクルタイムの減少が材料の品質を維持するだけでなく、品質を向上させるのであれば、特に有益である。
【0005】
ポリマーが、溶媒又はキャリヤを有さないニート溶融形態であれば、製造中に分子量が大きくなるにつれて高粘度となり得るため、反応生成物の混合は、困難となり得る。さらに、高粘度のポリマー溶融では、未反応モノマー等の残留揮発物の除去が問題となる。従って、溶媒ベース及び乳化ベースの重合において、サイクルタイムを低減させ、不要な揮発残留物の除去するための従来の手段は、重合及び脱揮の両段階の間にニート溶融形態の高分子量ポリマーをもたらすプロセスにおいて、課題であり得る。
【0006】
本発明の装置及び方法は、これらに向けられ、同様に他の重要な目的にも向けられる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は概して、組成物、特に高溶融粘度の組成物を重合又は脱揮させるための装置及び同様の装置を使用する方法に関するものである。
【0008】
一側面において、本発明は、組成物を重合又は脱揮させるための装置1に向けられている。装置は、第1内部チャンバ20を画定する第1反応容器10と、第1反応容器の外部であり、通路チャネル65を画定する、少なくとも1つの循環ループ60とを備える。第1反応容器は、該内部チャンバへのアクセスを提供する少なくとも1つの第1カラー30と、第1カラーによって支持される少なくとも1つの第1プローブアセンブリ40とを有する。第1プローブアセンブリは、組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ50を有する。循環ループは、ポンプ70と、通路チャネルへのアクセスを提供する少なくとも1つの第2カラー80と、第2カラーによって支持される少なくとも1つの第2プローブアセンブリ90とを有する。第2プローブアセンブリは、組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ100を有する。
【0009】
特定の好ましい側面において、装置は、任意のデバイスを備える。例えば、循環ループは、少なくとも1つのミキサ110と、少なくとも1つの連行剤のための注入器120と、熱交換器130と、分析器140とを有する。
【0010】
他の側面において、本発明は、反応容器において光重合可能な反応混合物を形成すること、ここで光重合可能な反応混合物は、モノマーと、第1光重合開始剤と、第1光重合開始剤の活性化波長において実質的に非光反応性である第2光重合開始剤とを有しており、モノマーを少なくとも部分的に重合させて反応容器において溶融組成物を形成するために、光重合可能な反応混合物に、第1光重合開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、ここで溶融組成物は、ポリマー溶融と任意の未反応モノマーとを有しており、溶融組成物の少なくとも一部を反応容器の外部で循環させること、のステップを備える方法に向けられている。
【0011】
本発明の装置及び方法は、とりわけ、組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する表面下(すなわち材料反応内)光エミッタを有する循環ループを利用する。循環ループはまた、第1反応容器の上部から底部への混合を促進する。任意の熱交換器、特に循環ループの光エミッタの下流に設置される熱交換器の追加によって、光エミッタの表面下を通過して出ていく流れ(重合の発熱によってより高温となる)の後の温度をより良く維持するに役立つ。この温度制御は、循環ループで使用される任意のジャケット冷却を補う。循環ループに任意の連行剤注入器の追加によって、脱揮中の不要な揮発性残留物の除去がさらに改善する。最後に、循環に任意のセンサの追加によって、反応及び反応生成物のより良いモニタリングが可能となり、特にオフラインではなく、リアルタイムでのオンライン又はインラインの分析が実行されることができる場合はなおさらである。
【0012】
本発明の概要は、本発明のいくつかの実施形態に対する概略の紹介として提供されるものであり、限定を意図するものでない。本発明の変形及び代替の構成を含む追加の例示的な実施形態は、ここに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の更なる理解を提供するために含まれ、組み込まれ、この特徴の一部を構成する、添付の図面は、本発明の実施形態を示しており、明細書と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。理解されるように、ここに記載された内容は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、請求された内容から全く逸脱することなく、様々な点で修正が可能である。従って、図面及び明細書は、例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものでない。図において、
【0014】
図1】1つの反応容器が示されている、本発明の一実施形態の装置を示している。
【0015】
図2】2つの反応容器が示されている、本発明の一実施形態の装置を示している。
【0016】
図3】第1反応容器の頂部に複数の第1プローブアセンブリが示されている、本発明の一実施形態の装置を示している。
【0017】
図4】循環ループに単一のプローブアセンブリが示されている、本発明の一実施形態の装置を示している。
【0018】
図5A】熱交換器130の一実施形態である、典型的な解放装置の多様な図を示している。
図5B】熱交換器130の一実施形態である、典型的な解放装置の多様な図を示している。
図5C】熱交換器130の一実施形態である、典型的な解放装置の多様な図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[定義]
上記及び本開示を通して使用されるように、以下の用語は、特に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
【0020】
本明細書で使用される用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」又はそれらの他の変形は、オープンエンドであり、非排他的な包含をカバーしていること、を意図している。例えば、要素のリストを構成する、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれら要素だけに限定されるものではなく、明確にリストされていない、又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の、他の要素を含んでいてもよい。また、「a」又は「an」の使用は、本明細書で説明される要素及び構成を説明するために使用される。これは、単なる便宜のためであり、本発明の範囲の一般的な感覚を与えるためである。本明細書では、「1つ」又は「少なくとも1つ」を含んで読まれるべきであり、文脈によって他の意味であることが明らかでない限り、単数形はまた複数形を含む。本明細書で使用される用語「約」は、量、時間的持続、及びそのようなもの等の測定可能な値に言及する時、開示される方法を実現するのに適切なそのような変動として、規定値から±10%、好ましくは±8%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、なおさらにより好ましくは±0.1%の変動を包含していることを意味する。
【0021】
本明細書で使用される「組成物」は、重合等の化学反応を受けることが可能である材料を意味しており、化学反応の過程の間で化学的構造が変化し得、例えば1つ以上のモノマー、開始剤、任意の媒体又は溶媒、及び他の任意の添加材、の初期混合物から、1つ以上のモノマーの重合残留物とその間の全ての中間段階とを有する材料に変換される。
【0022】
本明細書で使用される「カラー」は、少なくとも特定の光の波長に対して透明である視覚的アクセスポイントを意味する。本発明の文脈において使用されるカラーの適当な例は、ポート、ノズル、又はサイドグラスを含むが、これに限定されない。
【0023】
本明細書で使用される「連行剤」は、例えば容器内の圧力が低下した時、残留モノマー及び溶媒等の揮発物を捕捉し、これら揮発物を除去するために使用される、通常流体である物質を意味する。連行剤の適当な例は、蒸気、凝縮水、窒素、アルゴン、又は二酸化炭素、又はそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される「分析器」は、循環ループを流れる材料の測定を行うことができるデバイス又はシステムを意味する。分析器は、インライン又はオンラインで稼働することができてもよい。分析器の適当な例は、フーリエ変換赤外分光計(FTIR)、粘度計、屈折計、その他同種のものを含むが、これに限定されない。
【0025】
本明細書で使用される「化学線」は、特にスペクトルのうち可視(波長が約380~750ナノメートル)及び紫外(波長が約10~400nm)の部分における放射エネルギによって化学変化を生じさせることができる光を意味する。
【0026】
[装置]
第1実施形態において、本発明は、組成物を重合又は脱揮させるための装置1に向けられている。図1を参照して示されるように、装置は、第1内部チャンバ20を画定する第1反応容器10と、第1反応容器の外部であり、通路チャネル65を画定する、少なくとも1つの循環ループ60とを備える。第1反応容器は、該内部チャンバへのアクセスを提供する少なくとも1つの第1カラー30a、30bと、第1カラーによって支持される少なくとも1つの第1プローブアセンブリ40a、40bとを有する。第1プローブアセンブリは、組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ50を有する。循環ループは、ポンプ70と、通路チャネルへのアクセスを提供する少なくとも1つの第2カラー80と、第2カラーによって支持される少なくとも1つの第2プローブアセンブリ90とを有する。第2プローブアセンブリは、組成物を重合、架橋、又は重合及び架橋する、光を発するためのエミッタ100を有する。
【0027】
本装置の特定の実施形態において、循環ループは、ミキサ110をさらに有する。
【0028】
本装置の特定の実施形態において、循環ループは、少なくとも1つの連行剤のための注入器120をさらに有する。特定の実施形態において、連行剤は、蒸気、凝縮水、窒素、アルゴン、又は二酸化炭素、又はそれらの混合物から選択される物質である。蒸気が好ましい。
【0029】
本装置の特定の実施形態において、循環ループは、熱交換器130をさらに有する。特定の実施形態において、熱交換器は、図5A、5B、及び5Cに示される装置のような、解放装置500である。図5A、5B、及び5Cにおいて、ノズル510は、入り口であり、外部の循環ループ60に接続され得る。ボトムフランジ520は、反応器10の上部に直接取り付けられ得る。図5Aは、本体/容器(図示されない)に取り付けられる開放装置の蓋530を有する開放装置の側面図である。斜線部は、熱伝達流体を示す。図5Bは、蓋が除去された解放装置の別の側面図(90°回転)であり、本体の外郭が覆われていることを示している。図5Cは、解放/熱交換器容器の本体540の底面図である。
【0030】
本装置の特定の実施形態において、循環ループは、分析器140をさらに有する。特定の実施形態において、分析器は、フーリエ変換赤外分光計、粘度計(回転円筒型又は動的機械分光計等)、及び屈折計からなる群から選択される少なくとも1つのデバイスである。
【0031】
本装置の特定の実施形態において、循環ループは、フィルタ125、具体的にはパティキュレートフィルタをさらに有する。
【0032】
図3を参照して示される本装置の特定の実施形態において、第1プローブアセンブリは、エミッタ312A、312B、312Cから延びており、反応容器の内部チャンバ内に少なくとも部分的に配置される、光管314A、314B、314Cと、第1反応容器の内部チャンバ内の光管の位置を管理するための調整可能な位置決め装置316A、316B、316Cと、光管の遠位端315A、315、315Cに配置され、エミッタから発される光の通過に対して透明又は実質的に透明である、カバー317A、317B、317Cとをさらに有する。
【0033】
図4を参照して示される本装置の特定の実施形態において、循環ループに配置される第2プローブアセンブリ310Dは、エミッタから通路チャネル60に向かって延びる光管314Dをさらに有する。カラー330Dもまた、示されている。
【0034】
本装置の特定の実施形態において、ポンプは、ギヤポンプであり、好ましくは、第1反応容器の下方に配置される。
【0035】
本装置の特定の実施形態において、第1反応容器は、少なくとも1つの撹拌機190をさらに有する。
【0036】
特定の実施形態において、装置は、少なくとも1つの凝縮器200と、第1反応容器1への戻りライン210とをさらに備える。他の実施形態において、装置はまた、凝縮器と戻りラインとの間に少なくとも1つの凝縮貯蔵タンク220と任意の2次貯蔵タンク225とをさらに備える。第1内部チャンバ20は、ライン205を介して凝縮器200に接続されている。
【0037】
特定の実施形態において、光は、化学線である。
【0038】
特定の実施形態において、装置は、組成物の構成物(モノマー230a及び開始剤230b)のための少なくとも1つの供給ライン230をさらに備えており、少なくとも1つの供給ラインは、第1内部チャンバに接続されている。
【0039】
図2を参照して示される特定の実施形態において、装置2は、第2内部チャンバ250を画定する第2反応容器240と、第2反応容器と第1反応容器との間の少なくとも1つの通路260とをさらに備える。
【0040】
特定の実施形態において、第1及び第2プローブアセンブリは、表面位置、角度付いた表面位置、表面下位置、及び角度付いた表面下位置からなる群から選択される少なくとも1つの位置に位置決め可能である。特定の実施形態において、装置は、単一の第1又は第2プローブアセンブリを備える。特定の他の実施形態において、装置は、複数の第1又は第2プローブアセンブリを備える。
【0041】
特定の実施形態において、第1カラー及び少なくとも1つの第1プローブアセンブリは、第1反応容器の頂壁に沿って配置されている。特定の他の実施形態において、第1カラー及び少なくとも1つの第1プローブアセンブリは、反応容器の側壁に沿って配置されている。特定の他の実施形態において、第1カラー及び少なくとも1つのプローブアセンブリは、反応容器の底壁に沿って配置されている。
【0042】
特定の実施形態において、第1及び第2反応容器は、混合装置又はミキサをさらに有する。
【0043】
一実施形態において、本発明は、接着剤又はプレ接着剤組成物を重合及び/又は架橋するための装置に向けられており、該装置は、第1内部チャンバを画定する第1反応容器と、中に組み込まれ、通路チャネルへの視覚的アクセスを提供する、少なくとも1つのサイトグラスを有する循環ループと、第1反応容器の壁に組み込まれ、第1内部チャンバへの視覚的なアクセスを提供する、少なくとも1つのサイトグラスと、サイトグラスのそれぞれに隣接する少なくとも1つのプローブアセンブリとを備えており、ここでそれぞれのプローブアセンブリは、組成物を重合及び/又は架橋する光を発するためのエミッタを有しており、プローブアセンブリは、エミッタから発された光がサイトグラスに向けられ、反応容器の第1内部チャンバ又は通路チャネルに通過されるように、配置されており、サイトグラスは、関連するエミッタから発される光の通過に対して透明又は実質的透明である。
【0044】
特定の実施形態において、プローブアセンブリは、サイトグラスとエミッタとの間に配置される光管をさらに有する。サイトグラスは、第1反応容器の頂壁、側壁、及び/又は底壁に沿って配置されていてもよい。
【0045】
特定の実施形態において、本発明は、接着剤又はプレ接着剤組成物を重合及び/又は架橋するための装置に向けられており、該装置は、第1内部チャンバを画定する第1反応容器と、反応容器の第1内部チャンバ内に配置される少なくとも1つのバッフルとを備える。容器は、少なくとも1つのブレードを有する混合装置を有する。バッフルは、組成物を重合及び/又は架橋する光を発するための少なくとも1つのエミッタを有する。バッフルは、光を発する単一の面を有する一方向発光バッフルであってもよい。バッフルは、混合装置又はミキサの作動時に少なくとも1つのブレードが光を発するバッフルの単一面に向かって移動するように、第1内部チャンバ内に配向されていてもよい。任意の第2反応容器はまた、同じ又は異なった混合装置又はミキサを含んでいてもよい。
【0046】
[方法]
特定の実施形態において、本発明は、反応容器において光重合可能な反応混合物を形成すること、ここで光重合可能な反応混合物は、モノマーと、第1光重合開始剤と、第1光重合開始剤の活性化波長において実質的に非光反応性である第2光重合開始剤とを有しており、モノマーを少なくとも部分的に重合させて反応容器において溶融組成物を形成するために、光重合可能な反応混合物に、第1光重合開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、ここで溶融組成物は、ポリマー溶融と任意の未反応モノマーとを有しており、溶融組成物の少なくとも一部を反応容器の外部で循環させること、のステップを備える方法に向けられている。
【0047】
特定の実施形態において、本方法は、ポリマー溶融、任意の未反応モノマー、及び連行剤を有する転換混合物を形成するために、溶融組成物を連行剤と混合させるステップをさらに備える。
【0048】
特定の実施形態において、本方法は、未反応モノマーを重合させて照射転換混合物を形成するために、溶融組成物に、第1光開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射するステップをさらに備える。
【0049】
特定の実施形態において、本方法は、ポリマー溶融、未反応モノマー、及び連行剤を有する転換混合物を形成するために、溶融組成物を連行剤と混合させること、未反応モノマーを重合させて照射転換混合物を形成するために、転換混合物に、第1光開始剤の少なくとも1つの活性化波長における化学線を照射すること、のステップをさらに備える。
【0050】
特定の実施形態において、本方法は、ポリマー溶融から熱を除去するステップをさらに備える。
【0051】
特定の実施形態において、本方法は、例えばフーリエ変換赤外分光法、レオロジー、及び屈折率測定からなる群から選択された技術を用いること等によって、ポリマー溶融を検査するステップをさらに備える。
【0052】
特定の実施形態において、本方法は、未反応モノマーと連行剤とを個々の容器で蒸留するステップをさらに備える。
【0053】
本発明の装置及び方法の特定の特徴の他の詳細は、US-A-5,772,851及びUS-A1-2017/0240783において知られ、ここにそれらの全体が組み込まれている。
【0054】
分子量等の物理的特性又は化学式等の化学的特性についての範囲が本明細書で使用される場合、その中の特定の実施形態の範囲の全ての組み合わせ及び下位の組み合わせが含まれることを意図する。
【0055】
本明細書に引用又は記載されている、各特許、特許出願、及び刊行物の開示は、参照によってそれらの全体がここに組み込まれる。
【0056】
当業者は、多数の変更及び修正を本発明の好ましい実施形態に対して行うことができ、そのような変更及び修正を本発明の真意から逸脱することなく行われることができることを認識する。従って、添付の請求項は、本発明の真の真意及び範囲に収まることと等価であるそのような変形を全てカバーすることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
【手続補正書】
【提出日】2023-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
特定の実施形態において、図3を参照して、装置3は、組成物のための内部チャンバ20を画定する反応容器10を備える。装置3は、カラー330(330A、330B、330C)を介して反応容器10と係合される1つ以上のプローブアセンブリ310(310A、310B、310C)をさらに備える。カラー330は、容器10の内部チャンバ20へのアクセスをそれぞれ提供し、容器10の上部領域に沿って、典型的には容器10の頂壁内それぞれ配置されている。カラー330は、プローブアセンブリ310を開放可能に係合させ、容器10に対してプローブアセンブリを支持するための、装置をそれぞれ含む。それぞれのプローブアセンブリ310A、310B、310Cは、エミッタ312A、312B、312Cからそれぞれ延びており、反応容器10の内部チャンバ内に少なくとも部分的にそれぞれ配置される、光管314A、314B、314Cと、光管314(314A、314B、314Cそれぞれ)と係合又は関連付けられており、第1反応容器10の内部チャンバ内の光管の所望の位置を管理及び/又は維持するために役立つ、調整可能な位置決め装置316A、316B、316Cと、光管314A、314B、314Cそれぞれの遠位端315A、315、315Cに配置され、エミッタ312A、312B、312Cそれぞれから発される光の通過に対して透明又は実質的に透明である、カバー317A、317B、317Cとを有する。特定の実施形態において、プローブアセンブリ310は、エミッタ312が容器10の上方に配置され、光管314がカラー330を通って容器10の内部チャンバ20内に延びるように、反応容器10に対して配置される。図3は、容器10、具体的には容器10内に含まれる組成物(例えば接着剤又はプレ接着剤)の上側表面302に対する光管314の多様な位置を描いている。例えば、プローブアセンブリ310Aは、光管314Aが非垂直方向にあり、光管314Aの遠位端315Aが容器10内に含まれている組成物の上側表面302の下方にあるので、角度付いた表面下位置に描かれている。プローブアセンブリ310Bは、光管314Bが垂直方向にあり、光管314Bの遠位端315Bが上側表面302の下方にあるので、表面下位置に描かれている。プローブアセンブリ310Cは、組成物の上側表面302の上方にぶら下げられ、光管314Cの遠位端315が上側表面302の上方にある、角度付いた位置に描かれている。認識されるように、プローブアセンブリの表面位置は、垂直位置に配向され、上側表面の上方に配置される光管の遠位端を有する、光管に対応する。
【国際調査報告】