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特表2024-503426自動車用のルーフレール、自動車、およびルーフレールの製造方法
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  • 特表-自動車用のルーフレール、自動車、およびルーフレールの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】自動車用のルーフレール、自動車、およびルーフレールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/04 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B60R9/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542517
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2022050725
(87)【国際公開番号】W WO2022152834
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021200375.3
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519106714
【氏名又は名称】フィサム オート デコラティブ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジレンベルク,シュテファン
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020AB01
3D020AC01
3D020AD13
(57)【要約】
自動車用のルーフレール、自動車、およびルーフレールの製造方法。本発明は、少なくとも1つのギャラリーバー(5)と、自動車のルーフにギャラリーバー(5)の端部で締結するための少なくとも1つの締結具(11)とを有する自動車(1)用のルーフレール(3)に関し、締結具(11)は、ギャラリーバー(5)に締結され、ルーフ(2)に締結され得る締結装置(18)と、締結装置(18)を少なくとも部分的に収容するアダプター部品(17)とを有する。本発明によれば、アダプター部品(17)は、射出成形部品の形であり、締結装置(18)は、アダプター部品(17)内にオーバーモールドされた形で存在する。本発明はまた、ルーフ(2)とルーフ(2)に取り付けられたルーフレール(3)とを有する自動車(1)、およびルーフレール(3)の製造方法に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用のルーフレール(3)であって、
少なくとも1つのギャラリーバー(5)と、前記自動車(1)のルーフ(2)に前記ギャラリーバー(5)の端部で締結するための少なくとも1つの締結具(11)とを有し、
前記締結具(11)は、
前記ギャラリーバー(5)に締結され、前記ルーフ(2)に締結され得る締結装置(18)と、
前記締結装置(18)を少なくとも部分的に収容するアダプター部品(17)とを有し、
前記アダプター部品(17)は、射出成形部品として構成され、前記締結装置(18)は、前記アダプター部品(17)内にオーバーモールドされた形で存在する、ルーフレール。
【請求項2】
前記締結装置(18)は、複数の第1締結用凹部(22)と複数の第2締結用凹部(23)とを有し、前記第1締結用凹部(22)は、前記締結具(11)を前記ギャラリーバー(5)に締結する機能を果たす第1ねじコネクタ(19)を収容するために提供および構成され、前記第2締結用凹部(23)は、前記締結具(11)を前記ルーフ(2)に締結する機能を果たす第2ねじコネクタ(20)を収容するために提供および構成されている、請求項1に記載のルーフレール。
【請求項3】
前記第2締結用凹部(23)のそれぞれは、前記アダプター部品(17)の下面(25)と面一である、または前記ギャラリーバー(5)とは反対を向く方向に前記アダプター部品(17)の下面(25)を越えて突出する前記締結装置(18)の縁面(24)によってそれぞれ取り囲まれている、請求項2に記載のルーフレール。
【請求項4】
前記アダプター部品(17)は、前記第1ねじコネクタ(19)の頭部が前記アダプター部品(17)の前記下面から間隔を隔てて配置される第1ねじコネクタ頭部レセプタクル(29)を有する、請求項3に記載のルーフレール。
【請求項5】
前記第1ねじコネクタ頭部レセプタクル(29)は、前記ルーフレール(3)が前記自動車(1)に配置された後、前記自動車(1)の前記ルーフ(2)によって閉鎖される、請求項4に記載のルーフレール。
【請求項6】
前記締結装置(18)は、連続した部品として構成されている、または、前記アダプター部品(17)内に互いに間隔を隔てて収容され、前記締結用凹部(22、23)を有する複数の補強要素(31)を有する、請求項2から5のいずれか一項に記載のルーフレール。
【請求項7】
前記補強要素(31)は、少なくとも部分的に前記アダプター部品(17)にオーバーモールドされた少なくとも1つの形状嵌合カラー(32)をそれぞれ有するブッシュとして構成され、前記第2締結用凹部(23)を有する前記ブッシュは、前記形状嵌合カラー(32)から間隔を空けて配置された追加の形状嵌合カラー(33)をそれぞれ追加的に有し、前記アダプター部品(17)は、前記形状嵌合カラー(32)と前記追加の形状嵌合カラー(33)との間に形状嵌合で係合する、請求項6に記載のルーフレール。
【請求項8】
前記ギャラリーバー(5)は、断面視において前記締結具(11)とは反対を向く上側(6)と、前記上側(6)から延びている側壁(8)と、前記締結具(11)の支持面(28)に載置された底壁(9)とを有する、請求項2から7のいずれか一項に記載のルーフレール。
【請求項9】
前記第1締結用凹部(22)は、前記支持面(28)を貫通している、請求項8に記載のルーフレール。
【請求項10】
前記アダプター部品(17)は、前記支持面(28)を越えて突出し、前記アダプター部品(17)に対する前記ギャラリーバー(5)の横方向のガイドのために、前記ギャラリーバー(5)の前記側壁(8)の1つまたは前記ギャラリーバー(5)の前記側壁(8)の1つから延びている側壁延長部(16)を支える、少なくとも1つの支持壁(15)を有する、請求項8または9に記載のルーフレール。
【請求項11】
前記1つの側壁(8)および前記側壁延長部(16)は、前記支持壁(15)を越えて延びている前記ギャラリーバー(5)の屈曲部を介して接続されている、請求項10に記載のルーフレール。
【請求項12】
前記アダプター部品(17)は、前記第2締結用凹部(23)に隣接し、前記第2ねじコネクタ(20)のねじコネクタ頭部(30)が配置され、形状嵌合で回転方向に固定されて保持される第2ねじコネクタ頭部レセプタクル(29)を有する、請求項2から11のいずれか一項に記載のルーフレール。
【請求項13】
前記アダプター部品(17)は、前記支持面(28)を越えて突出し、前記ルーフ(2)を向く前記ギャラリーバー(5)のフット領域(12)に係合する延長部(14)を有し、前記フット領域(12)は、前記ルーフ(2)を向くフット面(13)を有し、前記フット面(13)は、前記延長部(14)の周りにU字状に係合し、前記アダプター部品(17)の下面(25)と面一である、または前記ルーフ(2)を向く方向に前記アダプター部品(17)の前記下面(25)を越えて突出している、請求項8から11のいずれか一項に記載のルーフレール。
【請求項14】
ルーフ(2)と、前記ルーフ(2)に締結されるルーフレール(3)、特に請求項1から13のいずれか一項に記載のルーフレール(3)とを有する自動車(1)であって、前記ルーフレール(3)は、少なくとも1つのギャラリーバー(5)と、前記自動車(1)のルーフ(2)に前記ギャラリーバー(5)の端部で締結するための少なくとも1つの締結具(11)とを有し、前記締結具(11)は、前記ギャラリーバー(5)および前記ルーフ(2)に締結される締結装置(18)と、前記締結装置(18)を少なくとも部分的に収容するアダプター部品(17)とを有し、前記アダプター部品(17)は、射出成形部品として構成され、前記締結装置(18)は、前記アダプター部品(17)内にオーバーモールドされている、自動車。
【請求項15】
ルーフレール(3)、特に請求項1から8のいずれか一項に記載のルーフレール(3)の製造方法であって、前記ルーフレール(3)は、少なくとも1つのギャラリーバー(5)と、前記自動車(1)のルーフ(2)に前記ギャラリーバー(5)の端部で締結するための少なくとも1つの締結具(11)とを有し、前記締結具(11)は、前記ギャラリーバー(5)に締結され、前記ルーフ(2)に締結され得る締結装置(18)と、前記締結装置(18)を少なくとも部分的に収容するアダプター部品(17)とを有し、前記アダプター部品(17)は、射出成形部品として構成され、前記締結装置(18)は、前記アダプター部品(17)にオーバーモールドされ、前記アダプター部品(17)内にオーバーモールドされた形で存在する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのギャラリーバーと、自動車のルーフにギャラリーバーの端部で締結するための少なくとも1つの締結具とを有する自動車用のルーフレールに関し、締結具は、ギャラリーバーに締結され、ルーフに締結され得る締結装置と、締結装置を少なくとも部分的に収容するアダプター部品とを有する。本発明はまた、ルーフとルーフに取り付けられたルーフレールとを有する自動車、およびルーフレールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術からは、例えば、国際公開第2013/107683号の刊行物が知られている。この刊行物は、少なくとも1つのギャラリーバーを備え、ギャラリーバーと自動車のルーフとの間に形成された間隔を橋絡するため、および自動車のルーフにルーフレールを固定するためにギャラリーバーに締結された少なくとも1つの支持要素を備え、支持要素のための少なくとも1つのカバーを備える自動車用ルーフレールを説明しており、このギャラリーバー、支持要素、およびカバーは独立した部品として構成されている。ギャラリーバーの少なくとも1つの端部領域は湾曲区間として形成され、その端面がルーフ接触端を形成し、支持要素は押出部品として形成され、支持要素およびカバーは少なくとも部分的に湾曲区間の領域内にあることが提供されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、公知のルーフレールに対する利点を有し、特に、とりわけ信頼性があり、耐久性のある方法で自動車のルーフに固定することができ、とりわけ美しい視覚的デザインを有する自動車用のルーフレールを提案することである。
【0004】
これは、本発明によれば、請求項1の特徴を有する自動車用のルーフレールによって達成される。アダプター部品は、射出成形部品として構成され、締結装置は、アダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在することが提供される。
【0005】
本発明の好都合なさらなる実施形態を有する有利な構成は、従属請求項に示されている。
【0006】
ルーフレールは、好ましくは自動車の一部であるが、当然ながら、自動車から分離させることもできる。ルーフレールは、例えば、ルーフレールを自動車に取り付けるために使用される。この場合、ルーフレールは、ルーフレールを介して自動車のルーフに支持されている。しかし、当然ながら、ルーフレールを単に視覚的な理由のために自動車に配置することもできる。
【0007】
ルーフレールは、少なくとも1つのギャラリーバーと、少なくとも1つの締結具とを備える。ギャラリーバーは、ルーフレールの要素であって、これは、ルーフレールが自動車に取り付けられた後、好ましくは自動車の長手方向または少なくとも略長手方向に延びる、つまり、自動車の長手方向軸と平行または略平行に配置されることが理解される。この場合、ギャラリーバーは、長手方向軸の方向に、ルーフの延長部の相当な部分にわたって、好ましくは少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%にわたって延びる。ただし、ギャラリーバーの他の配向および延長もまた、原則として実現可能である。ギャラリーバーは、断面視において締結具とは反対を向く上側と、上側から延びている側壁と、締結具の支持面に載置される底壁とを有することが好ましい。上側および底壁は、側壁を介して互いに接続されている。
【0008】
例えば、ギャラリーバーは、ルーフレールが自動車に取り付けられた後、特に、連続的にまたは中断されずに、少なくともその長手方向延長部の大部分にわたって自動車のルーフに支持されるように構成される。好ましくは、ギャラリーバーは、自動車のルーフにその長手方向の範囲全体にわたって支持される。しかしながら、ギャラリーバーは、自動車のルーフに部分的にのみ、特に、1つの締結具によって、または複数の締結具によって、片側のみで支持されることも可能である。ギャラリーバーは、締結具によって端部でルーフに支持され、締結具の間の特定の領域のみでルーフから間隔を空けて配置されることも可能である。ここで提示されるルーフレールは、基本的に、ギャラリーバーの前述の構成のすべてに使用することができる。
【0009】
ギャラリーバーは、好ましくは、特にプラスチック製の、特にエラストマーおよび/または発泡体製の保護フィルムによってルーフに支持され、これは、ルーフレールによるルーフの損傷、または逆にルーフによるルーフレールの損傷を確実に防止し、および/または、ルーフレールと自動車のルーフとの間の防水接続を形成し、ルーフレールを介してまたはルーフレールのルーフへの締結を介して自動車の外部環境から水分が侵入することが防止される。保護フィルムは、本明細書の目的のためにルーフの一部とみなすことができる。したがって、ルーフレールがルーフに支持されていると言う場合、これは、保護フィルムなしで直接、または好ましくは保護フィルムを介して行うことができる。前者の場合、ルーフレールはルーフに直接載置され、後者の場合、ルーフに配置された保護フィルムに載置される。
【0010】
ギャラリーバーは、少なくとも1つの締結具を用いて自動車のルーフに端部で締結され、または締結され得る。「端部で締結」とは、締結具がギャラリーバーの一端に係合し、ギャラリーバーを自動車のルーフに接続することを意味する。言い換えると、締結具はギャラリーバーの一端に配置されている、または締結されている。締結することにより、ギャラリーバーが締結具によって完全に、すなわち自動車の長手方向軸、縦軸、および横軸の方向に固定され、ギャラリーバーとルーフとの間に遊びを生じさせない、または最大でもわずかな遊びを許容することが理解されるべきである。
【0011】
特に好ましくは、ギャラリーバーは、複数の締結具で自動車のルーフに締結される。各締結具は、ルーフにギャラリーバーの端部で締結するための機能を果たし、複数の締結具がギャラリーバーの間隔を空けて配置された端部に作用し、ギャラリーバーをルーフに対して固定する。締結具によって締結されたギャラリーバーの領域の間に存在するギャラリーバーの領域は、例えば、少なくとも部分的に、好ましくは連続的にまたは部分的にのみ、自動車のルーフに支持されている、またはルーフから連続的に間隔を空けている。いずれの場合でも、ギャラリーバーは締結具を介して少なくとも端部でルーフに支持されており、特にギャラリーバー自体はそこで自動車のルーフまたは保護フィルムに載置されている。
【0012】
特に好ましくは、ルーフレールは複数のギャラリーバーを有し、これらは、特に互いに平行に間隔を空けて自動車のルーフに配置される。これらのギャラリーバーは、それぞれ、少なくとも1つの締結具によって自動車のルーフに端部で締結される。好ましくは、各ギャラリーバーを締結するために複数の締結具、特に正確に2つの締結具が使用される。この点において、本発明はまた、少なくとも1つのギャラリーバーと、自動車のルーフにギャラリーバーの端部でそれぞれ締結するための複数の締結具とを有する自動車用のルーフレールに関し、締結具のそれぞれは、ギャラリーバーに締結され、ルーフに締結され得る締結装置と、締結装置を少なくとも部分的に収容するアダプター部品とを有する。この場合、アダプター部品のそれぞれは、射出成形部品として構成され、締結装置のそれぞれは、対応するアダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在することが改めて提供される。
【0013】
アダプター部品は、基本的に射出成形部品として構成される。つまり、アダプター部品は射出成形によって製造される。締結装置は、アダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在する。つまり、締結装置は、アダプター部品が製造される前に設けられ、アダプター部品の製造中に射出成形材料によりオーバーモールドされるので、射出成形の直後に、締結装置が中に配置されたアダプター部品が得られる。締結装置は、アダプター部品内に形状接続で保持されるように、アダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在する。締結装置はアダプター部品内に完全に収容され、締結装置が少なくともアダプター部品を越えて突出しないことが特に好ましい。この場合、締結装置がアダプター部品の外部環境から見えることも十分に想定され得る。しかしながら、締結装置は、アダプター部品のエンベロープ内に完全に収容されているか、または最大でもアダプター部品のエンベロープと位置合わせされていることが好ましい。エンベロープは、アダプター部品の輪郭と呼ぶ場合もある。
【0014】
好ましくは、アダプター部品および締結装置は、異なる材料で作られている。例えば、締結装置は金属製である一方で、アダプター部品はプラスチック製であり、したがって、射出成形されたプラスチック部品である。例えば、締結装置は鋼鉄製であり、好ましくは被覆鋼製である。例えば、鋼鉄は亜鉛および/またはニッケルで被覆されている。亜鉛被覆鋼の場合、亜鉛めっき鋼とも呼ばれる。使用される鋼鉄は、好ましくはマイクロ合金鋼、例えば、DIN EN 10149-2に準拠したS355MCである。この鋼鉄は、1.0976とも呼ばれる。アダプター部品に使用されるプラスチックは、例えば、アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体(ASA)、特にTL52311に準拠したアクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体である。アダプター部品の表面には、好ましくは、少なくとも一部の領域に、特にシボ、例えばK31のシボの表面構造が設けられている。シボは、アダプター部品の目に見える領域のみで実現されることが好ましい。
【0015】
締結装置は、様々な方法で実現することができる。例えば、締結装置は連続した部品として存在し、特にストリップ、特に金属ストリップ、または押出部品である。ストリップは、薄板金属ストリップの形であることが好ましい。連続した部品は、特に好ましくは、湾曲または屈曲している。したがって、締結装置は少なくとも1つの屈曲部または湾曲部を有し、特に好ましくは平行に配置された複数の屈曲部または湾曲部を有する。代替的に、締結装置は、互いに間隔を隔てて配置された複数の補強要素を有する。
【0016】
押出部品は、好ましくは押出成形部品の形であり、すなわち、押出成形により製造される。つまり、押出部品は、一方向、すなわち押出部品が押出成形により製造される押出方向に連続的な一定の断面を有する。好ましくは、まず押出工程を用いてブランクを製造し、これは、互いに平行に配置された平面で分離することによって、特に同一である複数の押出部品に分割される。押出部品を押出成形部品として構成することにより、特に高い強度と、低い製造コストとが同時に可能になる。
【0017】
締結装置が押出部品または押出成形部品として構成されている場合、ルーフおよびギャラリーバーの輪郭に一方向にしか適合することができない。この場合、アダプター部品は、部品をルーフまたはギャラリーバーに適合させる働きをする。例えば、同一の構成の締結装置が複数のルーフレールに使用され、これらは特に異なる構成のギャラリーバーを有することが想定される。各ルーフレールは、各締結装置を異なるギャラリーバーに適合させるアダプター部品を有する。したがって、締結装置は大量に製造することが可能であり、コスト面での利点をもたらす。
【0018】
アダプター部品を射出成形部品として構成することにより、アダプター部品の構成に高度な柔軟性が確保され、締結具は、締結装置の構成とほとんど関係なく、ギャラリーバーおよび/またはルーフに極めて正確に適合する。結果的に、一方では、すなわち締結装置の使用により、ギャラリーバーとルーフとの間の接続に高い強度が実現され、他方では、ルーフレールの特に美しい視覚的印象が実現される。射出成形部品として構成されているために、アダプター部品は、一体に、および均一材料として製造される。この点において、アダプター部品は、例えば形状接続および/または材料接続で互いに締結される複数の部品により構成されていない。むしろ、アダプター部品はすでに一体に、すなわち、単一要素として製造されている。このこともまた、費用対効果が高く効率的な製造につながる。
【0019】
従来のルーフレールにおいては、締結装置のみがギャラリーバーを支持および締結する機能を果たす一方、アダプター部品は、たとえ存在するとしても、締結装置を視覚的に隠す機能を果たすのみである。しかしながら、本発明によれば、アダプター部品もまた支持効果を有しており、特に締結装置、および結果としてギャラリーバーもアダプター部品を介して自動車のルーフに支持される。例えば、ギャラリーバーは、アダプター部品および/または締結装置に直接支えられることが意図される。特に好ましくは、ギャラリーバーは、縦断面視において締結装置から連続的な距離を空けて配置され、アダプター部品に支持されている。ギャラリーバーは、ねじコネクタによって締結装置に締結されている。追加的にまたは代替的に、締結装置は、ルーフに直接、またはアダプター部品を介して間接的にのみ支持されることが提供されている。特に好ましいルーフレールの構成は、締結装置が一部の領域ではルーフに直接載置され、一部の領域ではアダプター部品を介してルーフに間接的にのみ支持されているものである。
【0020】
したがって、ギャラリーバーは締結装置に締結され、それによって、ルーフレールが自動車に取り付けられた後、締結装置が次に自動車のルーフに支持される、または締結されることが意図されている。締結装置が自動車のルーフのみに直接支持される、すなわち、ルーフまたは保護フィルムに直接載置されることが提供されてもよい。しかしながら、締結装置はアダプター部品を介して少なくとも部分的にルーフに支持されることが好ましい。特に好ましくは、締結装置の少なくとも大部分がアダプター部品によってルーフから間隔を空けており、その結果、締結装置のごく一部がルーフまたは保護フィルムに直接支持される一方で、締結装置の残りの部分は、アダプター部品を介してのみルーフまたは保護フィルムに支持される。これにより、締結装置によるルーフの損傷を確実に防止する。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、締結装置は、複数の第1締結用凹部と複数の第2締結用凹部とを有し、第1締結用凹部は、締結具をギャラリーバーに締結する機能を果たす第1ねじコネクタを収容するために提供および構成され、第2締結用凹部は、締結具をルーフに締結する機能を果たす第2ねじコネクタを収容するために提供および構成されている。締結装置は、複数の締結用凹部、すなわち複数の第1締結用凹部および複数の第2締結用凹部を有する。締結用凹部は貫通穴として構成されており、すなわち、これらはそれぞれ締結装置を完全に貫通する。
【0022】
第1ねじコネクタは、これにより締結装置をギャラリーバーに締結するものであり、第1締結用凹部に配置される。その一方で、第2締結用凹部には第2ねじコネクタが配置され、これにより締結装置がルーフに締結され得る、または締結されている。ねじコネクタ、すなわち第1ねじコネクタおよび第2ねじコネクタは、ねじまたはボルトが好ましい。したがって、各ねじコネクタは、少なくとも1つのねじコネクタ頭部と、ねじコネクタのねじ山とを有する。
【0023】
締結用凹部、すなわち第1締結用凹部および第2締結用凹部の両方は、互いに間隔を隔てて配置されている。好ましくは、これらの長手中心軸は、共通の仮想平面内にある。追加的に、これらの長手中心軸は、互いに平行であってよい。しかしながら、好ましくは、少なくとも一部の締結用凹部の長手中心軸、特に共通の仮想平面内の長手中心軸は、互いに対して角度をなしている、すなわち0°よりも大きく180°よりも小さい角度を囲んでいる。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、第2締結用凹部のそれぞれは、アダプター部品の下面と面一である、またはギャラリーバーとは反対を向く方向にアダプター部品の下面を越えて突出する締結装置のそれぞれの縁面によって取り囲まれている。締結装置の縁面は、各第2締結用凹部の連続的な縁を形成する締結装置の表面として理解されるべきである。したがって、縁面は対応する第2締結用凹部を途切れることなく完全に包囲する。この点において、縁面は環状、特に円形である。特に好ましくは、締結装置は、自動車のルーフまたは保護フィルムに縁面を介して支持されている。したがって、締結装置は、縦断面においてギャラリーバーとは反対を向くアダプター部品の下面と面一であるか、またはアダプター部品の下面を越えて突出してさえいる。したがって、ルーフレールを自動車のルーフに取り付けた後、少なくとも締結装置の縁面はルーフに接している。アダプター部品の下面もまた、少なくとも部分的にルーフに接触していることが好ましい。このような構成は、ルーフレールと自動車との特に確実かつ永久的な接続を可能にする。
【0025】
本発明のさらなる実施形態によれば、アダプター部品は、第1ねじコネクタの頭部がアダプター部品の下面から間隔を隔てて配置される第1ねじコネクタ頭部レセプタクルを有する。第1ねじコネクタは、締結装置をギャラリーバーに取り付ける働きをする。第1ねじコネクタは、ギャラリーバー上で直接、または例えばねじスリーブ等を介して少なくとも間接的に、ねじコネクタのねじ山と係合することが好ましい。いずれの場合も、第1ねじコネクタのねじコネクタ頭部は、縦断面において締結装置のギャラリーバーとは反対を向く側に配置される。この側に、アダプター部品は第1ねじコネクタ頭部レセプタクルを有する。これらは、ルーフレールが自動車に取り付けられた後、第1ねじコネクタおよび特にそれらのねじコネクタ頭部がルーフと間隔を隔てて配置されるような寸法になっている。これにより、第1ねじコネクタによるルーフへの損傷、とりわけルーフの傷付きが防止される。
【0026】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1ねじコネクタ頭部レセプタクルは、ルーフレールが自動車に配置された後、自動車のルーフによって閉鎖される。ルーフレールが目的どおりに配置されている場合、第1ねじコネクタ頭部レセプタクルは、ルーフを向く側に、アダプター部品の下面を貫通する開口を有する。これらの開口は、自動車のルーフにより閉鎖される。これは特に、ルーフが開口を覆う、または開口上に係合するように、ルーフがアダプター部品に接することを意味する。特に好ましくは、ルーフは完全に開口を覆う。例えば、アダプター部品により形成される開口を画定する縁は、特に連続的にまたは中断されずにルーフに接触している。
【0027】
代替的に、開口はルーフと間隔を隔てて配置されている。ただし、この場合、ルーフから開口の間隔は比較的小さい。間隔は最大でも第1ねじコネクタの直径に相当し、特に、より小さいことが好ましい。例えば、間隔は、最大でも第1ねじコネクタの直径に0.75、0.5、または0.25の係数を乗じたものに相当する。いずれの場合でも、第1ねじコネクタ頭部レセプタクルは、特に好ましくは、第1ねじコネクタがギャラリーバーから外れる前にルーフに接触するような寸法になっている。これは、ルーフレールが意図せず緩まないように固定する、特に効果的な方法である。
【0028】
本発明のさらなる実施形態によれば、締結装置は、連続した部品として構成されている、または、アダプター部品内に互いに間隔を隔てて収容され、締結用凹部を有する複数の補強要素を有する。締結装置に相当する構成についてはすでに述べた。連続した部品の場合、ギャラリーバーは、締結装置を介してルーフに直接取り付けられる。つまり、締結装置は一方ではギャラリーバーに、他方ではルーフに取り付けられており、ギャラリーバーとルーフとの間に作用する力は締結装置を介して連続的に伝達される。
【0029】
一方、締結装置が補強要素を有する場合、連続した部品は存在しない。むしろ、補強要素の一部はギャラリーバーに取り付けられ、他の補強要素はルーフに取り付けられ、アダプター部品内に互いに間隔を隔てて収容される。そのため、ギャラリーバーとルーフとの間に作用する力は、締結装置を介して連続的に伝達されるのではなく、少なくとも部分的にアダプター部品を介して伝達される。なぜなら、一方ではギャラリーバーに接続された補強要素と、他方ではルーフに接続された、または接続可能な補強要素とは、アダプター部品を介してのみ互いに接続または締結されるからである。
【0030】
連続した部品として構成された締結装置は、高強度を特徴とする一方で、補強要素を備える締結装置は、特に低コストで実現することができ、かつ軽量である。連続した部品は、押出成形部品またはストリップであることが特に好ましい。
【0031】
本発明のさらなる実施形態によれば、補強要素は、少なくとも部分的にアダプター部品にオーバーモールドされた少なくとも1つの形状嵌合カラーをそれぞれ有するブッシュとして構成され、第2締結用凹部を有するブッシュは、形状嵌合カラーから間隔を空けて配置された追加の形状嵌合カラーをそれぞれ追加的に有し、アダプター部品は、形状嵌合カラーと追加の形状嵌合カラーとの間に形状嵌合で係合する。したがって、補強要素は、締結用凹部が形成されたブッシュの形である。各ブッシュは少なくとも1つの形状嵌合カラーを有し、これは、各ブッシュの基体から延びるウェブ状の突起であると理解されるべきである。形状嵌合カラーは、例えば、円周状のウェブ、したがって環状ウェブである。
【0032】
形状嵌合カラーは、各ブッシュを締結するためにアダプター部品に配置され、すなわち、各ブッシュに形状接続で係合する。少なくとも、第2締結用凹部が形成されたこれらのブッシュは、形状嵌合カラーに加えて追加的な形状嵌合カラーを有する。形状嵌合カラーおよび追加の形状嵌合カラーは、互いに間隔を隔てて、特に平行に間隔を隔てて配置される。追加の形状嵌合カラーは、形状嵌合カラーの実施形態に従って構成することができる。アダプター部品は、対応するブッシュを形状接続で締結するために、形状嵌合カラーと追加の形状嵌合カラーとの間に形状接続で係合する。形状嵌合カラーのうちの1つ、例えば別の形状嵌合カラーは、アダプター部品の下面と面一であることが特に好ましい。これにより、ルーフレールをルーフに堅固に締結するための締結点が形成される。
【0033】
好ましくは、第1締結用凹部が形成されたブッシュは、第2締結用凹部が存在するブッシュとは異なる構成を有する。特に、第1締結用凹部を有するブッシュは、形状嵌合カラーのみを有し、追加の形状嵌合カラーを有しない。好ましくは、形状嵌合カラーは、各ブッシュの長手中心軸方向において、各ブッシュの中心に、または少なくともほぼ中心に形成されている。一方、第2締結用凹部を有するブッシュには、形状嵌合カラーおよび追加の形状嵌合カラーが、好ましくは中心を外れて配置され、特にそれぞれの場合で端部側に配置されている。つまり、形状嵌合カラーおよび追加の形状嵌合カラーは、各ブッシュの両端に配置されている。これにより、ギャラリーバーおよび自動車のルーフの両方に補強要素を確実に締結することが達成される。
【0034】
本発明のさらなる実施形態によれば、ギャラリーバーは、断面視において締結具とは反対を向く上側と、上側から延びている側壁と、締結装置の支持面に載置された底壁とを有する。断面で見ると、ギャラリーバーは、上側、側壁、および底壁に大別することができる。上側および底壁は、側壁を介して互いに接続されている。断面で見ると、例えば、上側、側壁、および底壁は、少なくとも部分的に閉じた輪郭を形成する。ギャラリーバーは、締結具の支持面に支持される。支持面は、アダプター部品に形成されている。支持面は、好ましくはギャラリーバーの底壁の形状および寸法に適合しており、底壁は支持面と平らになるように接触している。
【0035】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1締結用凹部は、支持面を貫通している。この点において、締結具またはアダプター部品のギャラリーバーを向く側に存在する第1締結用凹部の開口は、支持面により画定されている。言い換えると、開口の縁は支持面により形成されている。これにより、締結装置によってコンパクトかつ視覚的に目立たないようにギャラリーバーを締結することが可能になる。
【0036】
本発明のさらなる実施形態によれば、アダプター部品は、支持面を越えて突出し、アダプター部品に対するギャラリーバーの横方向のガイドのためにギャラリーバーの側壁の1つまたはギャラリーバーの側壁の1つから延びている側壁延長部を支える、少なくとも1つの支持壁を有する。アダプター部品に対するギャラリーバーの横方向のガイドを改善するために、アダプター部品に支持壁が形成されており、これは、支持面を越えて、すなわち自動車のルーフとは反対を向く方向に突出している。ギャラリーバーの側壁の1つは、例えば、この支持壁に支えられている。
【0037】
代替的に、側壁延長部がギャラリーバーの側壁から延び、支持壁に支持されている。側壁延長部とは、各側壁から自動車のルーフの方向に延びている側壁の延長部を意味する。好ましくは、側壁延長部は、対応する側壁に対してオフセットして配置され、特に平行にオフセットして配置されている。説明したルーフレールの構成は、一方では組立時にギャラリーバーの位置合わせを容易にし、他方ではギャラリーバーをルーフに確実に取り付けることを確保する。
【0038】
本発明のさらなる実施形態によれば、側壁および側壁延長部は、支持壁を越えて延びているギャラリーバーの屈曲部を介して接続されている。側壁および側壁延長部は、好ましくは互いにオフセットされ、特に平行にオフセットされていることは、すでに上記で述べた。このオフセットは、屈曲部を用いて達成される。屈曲部は、側壁から側壁延長部の方向にギャラリーバーの幅が減少するギャラリーバーの領域であることが理解される。この点において、屈曲部は、ルーフの方向の断面視においてギャラリーバーを先細りにすることを達成している。
【0039】
本発明のさらなる実施形態によれば、アダプター部品は、第2締結用凹部に隣接し、第2ねじコネクタのねじコネクタ頭部が配置され、形状嵌合で回転方向に固定されて保持される第2ねじコネクタ頭部レセプタクルを有する。第2ねじコネクタは、締結具を自動車のルーフに締結する働きをする。第2ねじコネクタは、締結装置の第2締結用凹部に配置される。通常、締結具は、最初にギャラリーバーに取り付けられ、続いて締結具とギャラリーバーとのアセンブリが自動車のルーフに設置される。このため、締結具を迅速かつ確実にルーフに締結できるようにするために、第2ねじコネクタがすでに締結具上に配置されていることが必要となる。したがって、締結具およびギャラリーバーが互いに締結される前に、第2ねじコネクタが第2締結用凹部に挿入されることが意図される。その後に初めて締結具はギャラリーバーに締結され、続いて締結具とギャラリーバーとのアセンブリがルーフに配置される。
【0040】
ルーフレールのルーフへの締結時の第2ねじコネクタの回転運動を防止するために、アダプター部品は、第2ねじコネクタのねじコネクタ頭部を形状嵌合で回転方向に固定して保持するように構成されている。このために、アダプター部品は、第2ねじコネクタのねじコネクタ頭部と形状および寸法において適合する第2ねじコネクタ頭部レセプタクルを有し、すなわち、少なくともアダプター部品での第2ねじコネクタの形状接続による保持が実現されるようになっている。特に、第2締結用凹部のうちの少なくとも1つは、締結具がギャラリーバーに締結された後、少なくとも特定の領域において、ギャラリーバーが重なるように、特にギャラリーバーの底壁が重なるように配置されている。したがって、2つのねじコネクタのうちの少なくとも1つは、外れることのないようにアダプター部品上でギャラリーバーにより保持される。説明したルーフレールの構成により、自動車のルーフへの簡単かつ迅速な取り付けが確保される。
【0041】
本発明のさらなる実施形態によれば、アダプター部品は、支持面を越えて突出し、ルーフを向くギャラリーバーのフット領域に係合する延長部を有し、フット領域は、ルーフを向くフット面を有し、フット面は、延長部の周りにU字状に係合し、アダプター部品の下面と面一である、またはルーフを向く方向に下面を越えて突出している。延長部はアダプター部品の一部である。例えば、延長部は、支持面から直接延びている。ただし、延長部は支持面と間隔を隔てて配置することもできる。いずれの場合でも、延長部は、ルーフレールのフット領域を確実に固定するために、特にフット領域に対する横方向のガイドを実現するために、ギャラリーバーのフット領域に係合する。
【0042】
フット領域では、ルーフレールが自動車に取り付けられた後にギャラリーバーがルーフに支えられる、または、ギャラリーバーの延長部から長手方向に見て、少なくともギャラリーバーとルーフとの間の距離が最小になる。フット領域は、ギャラリーバーのルーフを向く側に形成されたフット面で終了する。フット領域は、連続的であり、かつ完全に仮想平面内に位置することができる。しかしながら、フット面はそれ自体が湾曲していることが好ましい。この場合、フット面は連続的な経路を有する。
【0043】
フット面は、ルーフレールが自動車に取り付けられた後、ルーフと連続的および完全に接触していることが好ましい。フット領域はU字状であり、アダプター部品の延長部を包囲する。特に好ましくは、延長部は、フット領域に連続的に接している。フット領域は、アダプター部品またはその下面を越えてルーフを向く方向に突出することが可能である。しかしながら、フット領域は、アダプター部品またはその下面と面一であることが好ましい。一方では、これにより、ルーフレールの自動車への確実な締結が確保され、他方では、極めて美しい視覚的印象が確保される。
【0044】
自動車用のルーフレールの特に好ましい実施形態は、少なくとも1つのギャラリーバーと、自動車のルーフにギャラリーバーの端部で締結するための少なくとも1つの締結具とを有し、締結具は、ギャラリーバーに締結され、ルーフに締結され得る締結装置と、締結装置を少なくとも部分的に収容するアダプター部品とを有する。ギャラリーバーは、断面視において締結具とは反対を向く上側と、上側から延びている側壁と、側壁を介して上側に接続された底壁とを有する。アダプター部品は、射出成形部品として構成され、締結装置は、アダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在する。この場合、底壁は、アダプター部品の支持面に平らに支えられ、締結装置は、支持面を通過する複数の第1締結用凹部および複数の第2締結用凹部を有することが提供され、第1締結用凹部は、締結具をギャラリーバーに締結する機能を果たす第1ねじコネクタを収容するために提供および構成され、第2締結用凹部は、締結具をルーフに締結する機能を果たす第2ねじコネクタを収容するために提供および構成されている。アダプター部品は、縦断面においてギャラリーバーとは反対を向く側に、第1ねじコネクタのねじコネクタ頭部がアダプター部品の下面と間隔を隔てて配置された第1ねじコネクタ頭部レセプタクルを有する。
【0045】
本発明はさらに、ルーフと、ルーフに締結されるルーフレール、特に本明細書の適用範囲内の実施形態に係るルーフレールとを有する自動車に関し、ルーフレールは、少なくとも1つのギャラリーバーと、自動車のルーフにギャラリーバーの端部で締結するための少なくとも1つの締結具とを有し、締結具は、ギャラリーバーおよびルーフに締結される締結装置と、締結装置を少なくとも部分的に収容するアダプター部品とを有する。アダプター部品は射出成形部品として構成され、締結装置はアダプター部品内にオーバーモールドされた形で存在することが提供される。
【0046】
自動車またはルーフレールのこのような構成の利点はすでに指摘されている。自動車およびルーフレールは共に本明細書の説明に従ってさらに構成することができるので、これを参照する。
【0047】
本発明はまた、ルーフレール、特に本明細書中に説明されているルーフレールの製造方法に関し、ルーフレールは、少なくとも1つのギャラリーバーと、自動車のルーフにギャラリーバーの端部で締結するための少なくとも1つの締結具とを有し、締結具は、ギャラリーバーに締結され、ルーフに締結され得る締結装置と、締結装置を少なくとも部分的に収容するアダプター部品とを有する。アダプター部品は射出成形部品として構成され、締結装置は、アダプター部品にオーバーモールドされ、アダプター部品内にオーバーモールドされた形で提供される。
【0048】
改めて、本方法およびルーフレールの利点および考えられる有利なさらなる実施形態に関して、本明細書の適用範囲内の説明を参照する。
【0049】
本明細書に記載されている特徴および特徴の組み合わせ、特に以下の図面の説明に記載されている、および/または図面に示されている特徴および特徴の組み合わせは、本発明の範囲を逸脱することなく、示されているそれぞれの組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたはそれら自体で使用することができる。したがって、本明細書および/または図面に明示的に示されていない、または説明されていないが、説明された実施形態から生じる、またはそれらから導出され得る実施形態も、本発明の範囲内であるとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明にいかなる限定もすることなく、図面に示した実施形態の例を参照して以下により詳細に本発明を説明する。よって以下に示す。
図1】自動車のルーフにルーフレールが取り付けられた自動車の概略図である。
図2】ギャラリーバーをルーフに取り付けるための締結具を有する、ルーフレールの第1実施形態の概略縦断面図である。
図3】ルーフレールの第1実施形態の締結具の概略図である。
図4】第2実施形態におけるルーフレールの概略縦断面図である。
図5】ルーフレールの第2実施形態の締結具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、ルーフ2とルーフレール3とを有する自動車1の概略図を示す。ルーフレール3は、ルーフ2に取り付けられている。保護フィルム4は、ルーフ2とルーフレール3との間に配置され、ルーフ2およびルーフレール3が互いに損傷を与えることを防止する。保護フィルム4もルーフ2の一部としてみなすことができ、ルーフ2は、領域に、すなわちルーフレール3がルーフ2に支持されている、または接触している領域に保護フィルム4を有する。ルーフレール3はギャラリーバー5を有する。原則として、ルーフレール3は、任意の数のギャラリーバー5を有することができる。この場合、複数のギャラリーバー5は互いに平行に延びていることが好ましい。以下では、ギャラリーバー5のみを説明する。複数のギャラリーバー5がある場合、これらのギャラリーバー5のそれぞれにも同様に説明を適用することができる。
【0052】
ギャラリーバー5は、ルーフ2とは反対を向く側に、ギャラリーバー5の一方の端部7の方向にルーフ2へ向かって湾曲した上側6を有する。特に、示されているように、ギャラリーバーの全体がルーフ2の方向に湾曲している。側壁8は上側6から延びており、ここではそのうちの1つのみが見えている。側壁8は互いに平行に延び、好ましくはギャラリーバー5の長さの大部分にわたって延びている。ギャラリーバー5は、少なくとも特定の領域において、底壁9によって底部で境界付けられており、底壁9は側壁8を介して上側6に接続されている。底壁9は、好ましくは、ルーフレール3の長手方向に、上側6および側壁8よりも短い延長部を有する。これにより、ギャラリーバー5の端部7の領域にここでは見えない凹部10を形成する。
【0053】
ギャラリーバー5の端部は、締結具11によってルーフに取り付けられている。このために、締結具11は、凹部10にも係合することが好ましい。ギャラリーバー5の上側6は、断面視においてギャラリーバー5の締結具11とは反対を向く側にある一方で、底壁9は、締結具11に対向する、またはギャラリーバー5の締結具11を向く側に配置されている。特に、底壁9は、ここでは図示されていない締結具11の支持面29に載置され、ギャラリーバー5がこれに支持されている。
【0054】
例えば、ギャラリーバー5の端部7は、ギャラリーバー5にフット面13が形成されたフット領域12を有し、これは基本的にU字状である。ギャラリーバー5は、フット面13によってルーフ2または保護フィルム4に直接支持されていることが好ましい。このために、フット面13は、例えばルーフ2の形状に適合するように湾曲している。ギャラリーバー5の横方向のガイドをその端部7でも実現するために、フット面13は、締結具11の領域、すなわち延長部14の周りに係合する。締結具11に対するギャラリーバー5の追加の横方向のガイドは、支持壁15によって付随的に達成される。支持壁15は締結具11の要素であり、側壁8またはここに示す実施形態の例のように側壁延長部16が平らに接している。支持壁は締結具11のアダプター部品17の一部である。
【0055】
アダプター部品17に加えて、締結具11は締結装置18を有するが、これはアダプター部品17により隠されているため、ここでは見えていない。アダプター部品17は、射出成形部品の形であり、アダプター部品17を収容する。この場合、締結装置18はアダプター部品17内にオーバーモールドされて設けられ、したがって、その中に形状嵌合で保持されている。好ましくは、締結装置18はアダプター部品17のエンベロープ内または輪郭内に完全に配置され、すなわちアダプター部品17を越えて突出しない。
【0056】
最終的に、ギャラリーバー5は、第1ねじコネクタ19および第2ねじコネクタ20によってルーフ2に締結され、ここでは第2ねじコネクタ20のみが見えている。第1ねじコネクタ19は、締結具11、またはより正確には締結装置18をギャラリーバー5に締結する機能を果たす。一方、第2ねじコネクタ20によって、締結具11、またはより正確には締結装置18はルーフ2に締結される。第1ねじコネクタ19および第2ねじコネクタ20は、互いに間隔を隔ててそれぞれ締結具11および締結装置18に係合する。保護フィルム4は、第2ねじコネクタ20のための凹部21を有することが好ましい。
【0057】
図2は、ルーフレール3の第1実施形態の概略縦断面図を示す。第1実施形態において、ここで認識できる締結装置18は、連続した部品として構成され、特に屈曲した薄板金属ストリップの形である。これにより、締結装置18は、全体にわたって一定の材料厚さを有し、第1方向に、この第1方向に直交する第2方向よりも著しく大きい寸法を有することが理解されるべきである。第1方向および第2方向は、ひいては材料厚さが存在する第3方向に直交する。例えば、第1方向における寸法は、第2方向における寸法の少なくとも5倍、少なくとも7.5倍、または少なくとも10倍よりも大きい。
【0058】
締結装置18は、第1締結用凹部22および第2締結用凹部23を有する。第1ねじコネクタ19は第1締結用凹部22に配置され、第2ねじコネクタ20は第2締結用凹部23に配置される。縦断面視において、第1締結用凹部22は第2締結用凹部23の上方、すなわち、締結装置18の仮想の長手中心面または締結装置18と交差する仮想平面のギャラリーバー5を向く側に配置されている。ここで示す実施形態の例では、第2締結用凹部23のうちの1つは締結装置18の屈曲した領域に配置され、この領域では、連続した部品がルーフ2の方向またはギャラリーバー5とは反対を向く方向に曲げられている。
【0059】
第2締結用凹部23はそれぞれ、締結装置18の縁面24によって完全におよび中断されずに囲まれている。この点において、縁面はそれぞれ環状である。縁面24は、それぞれ完全におよび連続的に仮想平面内に位置していることが好ましい。好ましくは、縁面24は、アダプター部品17の下面25と位置合わせされているか、またはギャラリーバー5とは反対を向く方向に下面25を越えて突出してさえいる。これは、ルーフレール3が少なくとも縁面24を介してルーフ2に支持されている、または縁面24がルーフ2と直接接触していることを意味する。特に好ましくは、締結装置18は、縁面24のみでルーフ2に支えられ、それ以外はルーフ2から間隔を空けて配置されており、好ましくはその縁面24から離れて位置する領域がアダプター部品17内に収容され、少なくともその輪郭またはエンベロープを越えて突出しない。
【0060】
ルーフレール3は、底壁9でアダプター部品17に支えられており、特に、締結装置18から間隔を空けられていることがわかる。ギャラリーバー5は、アダプター部品17および/または締結装置18を介してルーフ2に支持されている。加えて、任意選択で、ギャラリーバー5は、フット面13で直接ルーフ2に支えられている。特に、アダプター部品17がギャラリーバー5を垂直方向に支持し、その一方で、ギャラリーバー5は、締結装置18によって、特にルーフ2に対して長手方向および横方向に固定されることが意図される。当然ながら、締結装置18もまた、ギャラリーバー5がルーフ2から垂直方向に離れること、すなわち、ギャラリーバー5のルーフ2とは反対を向く方向へのずれを防止する。概して、ギャラリーバー5は、このようにアダプター部品17と締結装置18との相互作用によって堅固かつ確実にルーフ2に固定される。
【0061】
第1ねじコネクタ19によるルーフ2の損傷を防止するために、アダプター部品17、すなわち締結装置18のギャラリーバー5とは反対を向く側に、第1ねじコネクタ頭部レセプタクル26が存在する。第1ねじコネクタ19のねじコネクタ頭部27は、ルーフ2と間隔を隔てて存在するように、第1ねじコネクタ頭部レセプタクル26に係合する。
【0062】
図3は、ルーフレール3の第1実施形態の締結具11の概略図を示す。アダプター部品17ならびに第1ねじコネクタ19および第2ねじコネクタ20のみが見られる。ここで、ギャラリーバー5をその底壁9で支持する支持面28が見られる。また、支持壁15は、ギャラリーバー5の方向に支持面28を越えて突出していることがわかる。延長部14もまた、支持面28を越えて、すなわちルーフレール3またはギャラリーバー5の長手方向に突出している。
【0063】
第1ねじコネクタ頭部レセプタクル26に加えて、アダプター部品17は、第2ねじコネクタ20のねじコネクタ頭部30が配置される第2ねじコネクタ頭部レセプタクル29を有する。第2ねじコネクタ頭部レセプタクル29は、形状および寸法においてねじコネクタ頭部30に適合しており、ねじコネクタ頭部30、ひいては第2ねじコネクタ20は、形状嵌合で、アダプター部品17に対して回転方向に固定されるように固定される。これにより、ルーフレール3を簡単かつ迅速に自動車1のルーフ2に取り付けることが達成される。
【0064】
図4は、第2実施形態におけるルーフレール3の概略縦断面図を示す。原則として、第1実施形態に関する前述の説明を参照し、相違点のみを説明する。相違点は、締結装置18がもはや連続した部品として構成されておらず、互いに間隔を隔ててアダプター部品17内に収容され、締結用凹部22および23を有する複数の補強要素31を有するという点にある。補強要素31はブッシュの形であり、それぞれ、アダプター部品17にオーバーモールドされた少なくとも1つの形状嵌合カラー32を有する。
【0065】
第1締結用凹部22を収容するこれらの補強要素31は、それぞれの長手中心軸方向のほぼ中心または正確に中心に配置された、単一の形状嵌合カラー32のみを有する。その一方で、第2締結用凹部23が形成された補強要素31は、形状嵌合カラー32と間隔を隔てて形成された追加の形状嵌合カラー33を有する。アダプター部品17は、形状嵌合カラー32と追加の形状嵌合カラー33との間に係合して、それぞれの補強要素31を固定する。追加の形状嵌合カラー33はアダプター部品17の下面25と面一であり、追加の形状嵌合カラー33が前述の縁面24を形成することが特に好ましい。
【0066】
図5は、ルーフレール3の第2実施形態の締結具11の概略図を示す。ここでもまた、上記説明を参照し、第1実施形態との相違点のみを説明する。相違点は、基本的に第2ねじコネクタ頭部レセプタクル29の構成に起因する。第1実施形態では、アダプター部品17に第2ねじコネクタ頭部レセプタクル29を形成するための凹部があった一方で、第2の表現形式の第2ねじコネクタ頭部レセプタクル29は、好ましくは互いに平行に延びている2つのウェブのみによって画定されている。これらの2つのウェブ34は、それぞれの第2ねじコネクタ20を、アダプター部品17に対して回転方向に固定されるように、形状接続で保持する機能を果たす。
【0067】
説明された自動車1またはルーフレール3の構成は、ルーフレール2を簡単かつ迅速に自動車のルーフ2に取り付けることを可能にする。それと共に、締結具11は、低コストで製造することができ、ギャラリーバー5からルーフ2への確実な荷重伝達を確保する。
【符号の説明】
【0068】
1 自動車
2 ルーフ
3 ルーフレール
4 保護フィルム
5 ギャラリーバー
6 上側
7 端部
8 側壁
9 底壁
10 凹部
11 締結具
12 フット領域
13 フット面
14 延長部
15 支持壁
16 側壁延長部
17 アダプター部品
18 締結装置
19 第1ねじコネクタ
20 第2ねじコネクタ
21 凹部
22 第1締結用凹部
23 第2締結用凹部
24 縁面
25 下面
26 第1ねじコネクタ頭部レセプタクル
27 ねじコネクタ頭部
28 支持面
29 第2ねじコネクタ頭部レセプタクル
30 ねじコネクタ頭部
31 補強要素
32 形状嵌合カラー
33 形状嵌合カラー
34 ウェブ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】