(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】肥料にフォーカスして圃場を処置する処置スケジュールを決定する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240118BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542523
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022050630
(87)【国際公開番号】W WO2022152787
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ホス-クーネ,モリー,ヨー
(72)【発明者】
【氏名】キーペ,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】イルバシ,ウミット バラン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC01
(57)【要約】
圃場を処置するために農機具で使用され又は使用可能なように構成される制御データを生成するコンピュータ実施方法は、(S50)作物データ及び圃場データに基づいてデータ処理を実行するステップと、(S60)養分固有リスクを特定するステップと、(S70)養分固有閾値を提供するステップと、(S80)養分固有リスク、養分固有閾値、及びデータ処理に基づいて、養分を標的とすることが可能な処置スケジュールを決定するステップと、(S90)処置スケジュールを統計(Q1)からランク付けするステップと、(S100)処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、(S110)制御データを生成するステップであって、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく、生成するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を処置するために農機具で使用され又は使用可能なように構成される制御データを生成するコンピュータ実施方法であって、
(S10)作物データを提供するステップであって、前記作物データは、圃場で生長、播種、生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、前記圃場データは前記圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、前記過去データは、前記圃場又は前記圃場における前記圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含むステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、前記環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも前記作物データ及び前記圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、前記データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)前記データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、前記養分固有リスクは、特定の圃場に存在、存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、前記養分固有閾値は前記養分固有リスクの基準値であり、前記養分固有リスクが前記養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)前記養分固有リスク及び前記養分固有閾値に基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおける前記データ処理に基づいて、前記少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な少なくとも2つの処置スケジュールを決定するステップであって、前記処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、
(S90)前記少なくとも2つの処置スケジュールを以下の統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、前記定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の前記処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の前記処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の前記処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存有効時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の前記少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の前記少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)前記対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、前記少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの前記処置スケジュールの前記効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの前記処置スケジュールの前記効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)前記少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、
(S110)農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データを生成するステップであって、前記制御データは、前記ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又は前記ランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく、生成するステップと、
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
各処置スケジュールの統計を計算するステップを更に含む請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記ランク付けすること(ステップS90)は、前記統計(Q1)から(Q13)の1つ又は複数に基づくとともに、前記統計(Q14)から(Q22)の1つ又は複数に基づく、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記ランク付けすること(ステップS90)は、前記統計(Q23)から(Q28)の1つ又は複数に基づく、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記ランク付けすること(ステップS90)は、前記統計(Q1)から(Q13)の1つ又は複数及び/又は前記統計(Q14)から(Q22)の1つ又は複数及び前記統計(Q23)から(Q28)の1つ又は複数に基づく、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、前記少なくとも2つの処置の前記時間窓は同一ではない、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、前記少なくとも2つの処置の前記農法及び/又は前記農産物は同一ではない、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、前記少なくとも2つの処置の前記農法及び/又は農産物は同一ではなく、前記少なくとも2つの処置の前記時間窓は同一ではない、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品、及び
(D)各処置に使用される前記少なくとも1つの肥料製品の少なくとも1つの用量又は量範囲
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記少なくとも2つの養分の前記養分固有リスクが特定される、請求項1~10のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
少なくとも1つの養分は、特定のpH値、塩度、保水性、表土層又は任意の他の土層の親水性又は疎水性等の化学条件;根粒菌、菌根菌、土壌細菌、放線菌、原虫等の生物有機体;並びに有機炭素、土壌有機物、腐植土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、含有成分、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、及び水等の化学物質からなる群から選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
少なくとも1つの養分は、有機炭素、土壌有機物、腐葉土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガンからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記方法は、圃場データと処置スケジュールとを組み合わせることにより適用マップを提供するステップを更に含む請求項1~12のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
農機具を制御する制御データを提供するために、請求項1~14のいずれか1項に記載のコンピュータ実施方法によって決定される処置スケジュールの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農場を処置する処置スケジュールを決定する方法、農機具を制御するための制御データを提供するためのそのような処置スケジュールの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の肥料製品を異なる時間窓で、即ち第1の製品を1日目に施用し、第2の製品を2日目に施用することにより使用することは、窒素、リン、及びカリウム等の2つ以上の養分を標的とするのに有用であることができ、特定の製品の活性を強化することができ、処置範囲を広げることができる。
【0003】
しかしながら、実際には、ユーザは、どの製品をどの時間窓で使用すべきかを決定するに当たり、幾つかの不確実性に直面する。不確実性の1つは、各製品について、許容/施用可能な施用時間及び施用範囲を考慮する必要があることによって生じる。更に、異なる製品を異なる時間窓で施用する場合、各処置スケジュールを最も効率的に使用することができる農作物、種類/特性、養分を考慮する必要もある。これに関する目標は、十分な効能であるが、環境への影響及び経済的影響は最小の状態で、現在又は予期される養分(例えば、窒素、リン、及びカリウム)スペクトルを標的とした処置スケジュールを選択することである。この点に関する別の目標は、これもまた最高の柔軟性及び適応可能性を有する処置スケジュール、例えば、第1の処置が第2の処置と潜在的に融合することができるように、第1の処置の時間窓を後の日付に延期することができる処置スケジュールを選択することである。しかしながら、上記因子は、所与の施用時における肥料製品の組み合わせを考慮する場合、季節にわたり可能な処置スケジュール数を多くさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、処置スケジュールのそのような選択を簡易化する必要が更にあることがわかっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑みて、本発明の目的は、ユーザにより容易に適用することができ、各処置スケジュール推奨をユーザに提供し、又は最高ランクの処置スケジュールをユーザに提供する、処置スケジュールを決定し、少なくとも2つの処置スケジュールをランク付けする方法を提供することである。これら及び他の目的は、以下の説明を読んだ上で明らかになり、独立請求項の主題により解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を指す。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、
養分固有リスクを特定するコンピュータ実施方法に関し、本方法は、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)任意選択的に、養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S75)任意選択的に、養分固有リスクが養分固有閾値を超える時間窓を特定するステップと、
を含む。
【0007】
本発明の別の態様によれば、本発明は、圃場を処置する少なくとも1つの処置スケジュールを決定するコンピュータ実施方法に関し、本方法は、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)養分固有リスク及び養分固有閾値に基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて、少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な少なくとも2つの処置スケジュールを決定するステップであって、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、を含む。
【0008】
本発明の別の態様によれば、本発明は、圃場を処置する少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを決定するコンピュータ実施方法に関し、本方法は、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報(その地理的位置及び地形特性を含む)を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)養分固有閾値及び養分固有リスクに基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて、少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な(好ましくは効能閾値を超える効能を有する)少なくとも2つの処置スケジュールを決定するステップであって、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、
(S90)少なくとも2つの処置スケジュールを以下の統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの処置スケジュールの効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、
を含む。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも2つの処置スケジュールは決定され、
(S90)少なくとも2つの処置スケジュールを統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの処置スケジュールの効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、を更に含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明は、圃場を処置するために農機具で使用され又は使用可能なように構成される制御データを生成するコンピュータ実施方法に関し、本方法は、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)養分固有リスク及び養分固有閾値に基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて、少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な少なくとも2つの処置スケジュールを決定するステップであって、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、
(S90)少なくとも2つの処置スケジュールを以下の統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの処置スケジュールの効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、
(S110)農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データを生成するステップであって、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく、生成するステップと、
を含む。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、各処置スケジュールで統計を計算するステップを更に含む。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q28)の少なくとも2つに基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q23)から(Q28)の1つ又は複数に基づく。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q28)のうちの少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくは少なくとも5つに基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q28)のうちの少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくは少なくとも5つに基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q13)の1つ又は複数に基づくとともに統計(Q14)から(Q22)の1つ又は複数に基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q13)の1つ又は複数及び/又は統計(Q14)から(Q22)の1つ又は複数に基づくとともに統計(Q23)から(Q28)の1つ又は複数に基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q1)に基づく。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q2)に基づく。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q4)に基づく。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q5)に基づく。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q6)に基づく。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q7)に基づく。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q8)に基づく。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q9)に基づく。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q10)に基づく。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q11)に基づく。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q12)に基づく。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q13)に基づく。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q14)に基づく。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q15)に基づく。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q16)に基づく。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q17)に基づく。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q18)に基づく。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q19)に基づく。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q20)に基づく。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q21)に基づく。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q22)に基づく。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q23)に基づく。
【0040】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q24)に基づく。
【0041】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q25)に基づく。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q26)に基づく。
【0043】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q27)に基づく。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q28)に基づく。
【0045】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q3)及び(Q11)に基づく。
【0046】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q3)及び(Q19)に基づく。
【0047】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は(Q11)及び(Q19)に基づく。
【0048】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q13)の少なくとも2つに基づくとともに、統計(Q14)から(Q22)の少なくとも2つに基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0049】
本発明の好ましい実施形態によれば、ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q13)の少なくとも3つに基づくとともに、統計(Q14)から(Q22)の少なくとも3つに基づき、好ましくは、ランク付けに使用される異なる統計に異なる加重因子を定義することができ、加重因子は好ましくは、ユーザにより(ユーザインタフェースを介して)予め定義されてもよく、又はユーザ関連データ(近隣場所又は圃場があるのと同じ地理的領域で他のユーザにより選択された処置スケジュールに関するデータを含む)、過去処置データ、及び/又は環境データ等の特定のデータに基づいてデータ処理ステップ(データインタフェースを介して)により定義されてもよい。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含む。
【0051】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置の時間窓は同一ではない。一例として、処置スケジュール(TS1)は、1日目(例えば2020年4月1日)に製品番号1を使用する第1の処置及び2日目(2020年4月10日)に製品番号1を使用する第2の処置を含む。
【0052】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置に使用される農法及び/又は農産物は同一ではない。一例として、処置スケジュール(TS2)は、1日目(例えば2020年4月1日)に製品番号1を使用する第1の処置を含むとともに、また1日目(2020年4月1日)に製品番号2を使用する第2の処置を含む。
【0053】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置に使用される農法及び/又は農産物は同一ではなく、少なくとも2つの処置の時間窓は同一ではない。一例として、処置スケジュール(TS3)は、1日目(例えば2020年4月1日)に製品番号1を使用する第1の処置を含み、2日目(2020年4月10日)に製品番号2を使用する第2の処置を含む。
【0054】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含む。
【0055】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含み、農法は、機械的方法、物理的方法、化学的方法、及び生物学的方法からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0056】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含み、
農法は、
a)耕起、中耕、畝立て等の一般耕作手段等の機械的方法、
b)より多くの光の提供等の物理的方法、
c)肥料製品の施用又は噴霧等の化学的方法、及び
d)生物学的肥料製品としての微生物の適用又は噴霧等の生物学的方法
からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0057】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含み、
農法は、
a)施肥の任意の機械的方法、物理的方法、化学的方法、及び/又は生物学的方法、
b)ウレアーゼ阻害、窒化阻害、及び/又は硝化阻害の任意の機械的方法、物理的方法、化学的方法、及び/又は生物学的方法、
c)植物生長調節の任意の機械的方法、物理的方法、化学的方法、及び/又は生物学的方法
からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0058】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含み、
農法は、
a)施肥の任意の化学的方法及び/又は生物学的方法、
b)ウレアーゼ阻害、窒化阻害、及び/又は硝化阻害の任意の化学的方法及び/又は生物学的方法、
c)植物生長調節の任意の化学的方法及び/又は生物学的方法
からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0059】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法
を含み、
農法は、
a)施肥の任意の化学的方法、
b)ウレアーゼ阻害、窒化阻害、及び/又は硝化阻害の任意の化学的方法、
c)植物生長調節の任意の化学的方法
からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0060】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの製品
を含む。
【0061】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの製品
を含み、製品は、
a)施肥に使用される任意の製品、
b)ウレアーゼ阻害、窒化阻害、及び/又は硝化阻害に使用される任意の製品、
c)植物生長調節に使用される任意の製品
からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0062】
本発明の好ましい実施形態によれば、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品、及び
(D)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品の少なくとも1つの用量又は量範囲
を含む。
【0063】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定される。
【0064】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも2つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0065】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも3つの養分の養分固有リスクが特定される。
【0066】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも3つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも3つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0067】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも4つの養分の養分固有リスクが特定される。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも4つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも4つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0069】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも5つの養分の養分固有リスクが特定される。
【0070】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも5つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも5つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも6つの養分の養分固有リスクが特定される。
【0072】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも6つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも6つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0073】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも10の養分の養分固有リスクが特定される。
【0074】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも6の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも10の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0075】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも20の養分の養分固有リスクが特定される。
【0076】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも20の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも20の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0077】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも30の養分の養分固有リスクが特定される。
【0078】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも30の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも30の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0079】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも40の養分の養分固有リスクが特定される。
【0080】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも40の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも40の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0081】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも50の養分の養分固有リスクが特定される。
【0082】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも50の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも50の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0083】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも100の養分の養分固有リスクが特定される。
【0084】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも100の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも100の養分の養分固有閾値が提供又は特定される。
【0085】
養分固有リスクが特定される養分の数及び/又は種は、予め定義されてもよく(例えばユーザインタフェースを介して)、又は作物データ、圃場データ、過去処置データ-特に圃場又は圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、並びに/或いは環境データ-特に圃場又は圃場がある地理的領域における養分の予測される存在及び/又は関連性等の特定のデータに基づいて決定されてもよい(例えばデータインタフェースを介して)。
【0086】
一般に、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子を含む。本発明の好ましい実施形態によれば、環境データは、圃場又は圃場がある地理的領域における養分の予測される存在及び/又は関連性も含む。
【0087】
本発明の好ましい実施形態によれば、ステップ(S50)におけるデータ処理は、圃場又は圃場がある地理的領域において高い関連性を有する養分の養分固有リスクを見つける目的で、少なくとも1つの養分固有リスクを特定又は出力するように実行される。
【0088】
本発明の好ましい実施形態によれば、ステップ(S80)におけるデータ処理は、効能閾値を超える効能レベルを有する養分を標的とすることができる処置スケジュールを決定又は出力するように実行される。
【0089】
本発明の好ましい実施形態によれば、養分固有閾値は、閾値論理により予め定義又は決定(例えば計算)される。好ましくは、閾値論理は、圃場に存在するか、又は存在が予期される少なくとも2つの養分間の相互作用も考慮する。好ましくは、閾値論理は、養分の重要度も考慮し、養分の重要度は、環境因子と養分との間の相互作用に依存し得る。
【0090】
本発明の好ましい実施形態によれば、養分固有リスクの特定(ステップS60)は、養分固有リスクの前の特定時に考慮されなかった過去処置データ及び/又は環境データの変化に基づいて5日以下、好ましくは4日以下、より好ましくは3日以下、最も好ましくは2日以下、特に1日以下(即ち毎日の時間間隔)の時間間隔内で更新される-好ましくは作物生育期内で。
【0091】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの処置スケジュールの決定(ステップS80)は、処置スケジュールの前の決定時に考慮されなかった過去処置データ及び/又は環境データの変化に基づいて5日以下、好ましくは4日以下、より好ましくは3日以下、最も好ましくは2日以下、特に1日以下(即ち毎日の時間間隔)の時間間隔内で更新され-好ましくは作物生育期内で-、少なくとも1つの処置スケジュールの決定は、少なくとも1つの処置に使用される農法又は農産物に関して及び/又は少なくとも1つの処置の時間窓に関して更新される。
【0092】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法は、圃場データと処置スケジュールとを組み合わせることにより適用マップを提供するステップを更に含む。圃場データは、地理的詳細についての情報、例えば境界及び圃場の詳細、アレンジメント及び作物生育段階、及び/又は養分の分布/位置を含み得る。圃場データは、傾斜、高度、及び起伏等の地形特性についての情報を含むこともできる。そのような圃場データを提供し、それを処置スケジュールと組み合わせることにより、どの用量を圃場のどこに噴霧すべきかについての情報を含む空間的に分解された適用マップを提供することができる。特に、圃場データは、ユーザインタフェースにより、画像認識により、又は各圃場の遠隔又は近傍検知により提供することができる。またここで、各画像は衛星又はドローンシステムにより提供することができる。くわえて、圃場データは、第三者、例えば各画像を解析するサービス提供業者により提供することができる。
【0093】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法は、農機具で使用され又は使用可能なように構成される制御データを生成するステップを更に含み、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく。
【0094】
本発明の更なる態様によれば、本発明において、本発明のコンピュータ実施方法を実行する手段を含むデータ処理システムにも関する。
【0095】
本発明の更なる態様によれば、本発明において、プログラムがコンピュータにより実行されると、コンピュータに本発明のコンピュータ実施方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品にも関する。
【0096】
本発明の更なる態様によれば、本発明において、コンピュータにより実行されると、本発明によるコンピュータ実施方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体にも関する。
【0097】
本発明の更なる態様によれば、本発明において、農機具を制御するための制御データを提供する本発明のコンピュータ実施方法により決定される処置スケジュールの使用にも関する。
【0098】
一例では、上記統計(Q1)から(Q28)の全てが、処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも2つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも3つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも4つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも5つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも6つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;好ましくは、上記統計の少なくとも7つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用され;及び/又は好ましくは、上記統計の少なくとも8つが処置スケジュールをランク付けるステップで使用される。
【0099】
一例では、本発明は、特に各製品の全詳細、例えば各製品の有効成分、それらのインジケータ、及びそれらの許容適用時間について通知される必要なく、最小所要情報に基づく処置スケジュールのランク付けを提供することができる解決策を提供する。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、処置関連データベースは、各肥料製品の有効成分、各肥料製品の適した適用時間、及び各肥料製品の適用エリア、例えば、肥料製品が特定の養分に使用されるか否か及び/又は肥料製品が通常、どの養分に使用されるかについての情報を含む肥料製品データベースである。そのような肥料製品データベースは、一般的な肥料製品の全て若しくは大半を網羅してもよく、又は特定の提供業者の肥料製品に制限されてもよい。更に、各法域で許容されている肥料製品に肥料製品データベースを制限することも可能である。肥料製品データベースは、第三者により提供されてもよい。しかしながら、使用を意図する各肥料製品のレベルをスキャンし、各肥料製品についての各情報を供給業者データベースから取得することにより、ユーザが各自に適合された肥料製品データベースを作成することも可能である。後者により、ユーザが、更なる肥料製品についての情報を追加して肥料製品データベースを補足することも可能である。好ましくは、肥料製品データベースは、肥料適用に関する、特に肥料適用の時間、持続時間、場所、用量、適用法、及び他のパラメータに関する、国又は圃場がある行政区域の規制要件又は制約についての情報を含む。
【0101】
特に、本発明による「肥料」という用語は、広義で理解されるべきであり、任意の施肥剤、多量養素、微量養素、石灰、植物成育調整剤、窒化阻害剤、硝化阻害剤、ウレアーゼ阻害剤、生物学的作物保護製品(有益生物学的製品等)、作物強化製品、養分を含まない作物強化剤(例えば、炭酸カルシウム、石灰)、土壌品質、植物健康、及び/又は植物生長を改良する物質、土壌湿潤剤等のであり得る。好ましくは、肥料は、施肥剤、多量養素、微量養素、窒化阻害剤、硝化阻害剤、ウレアーゼ阻害剤等である。より好ましくは、肥料は施肥剤である。最も好ましくは、肥料は、窒素含有施肥剤、アンモニア含有施肥剤、硝酸塩含有施肥剤、尿素含有施肥剤、リン含有施肥剤(例えば、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム)、カリウム含有施肥剤、ホウ素含有施肥剤、硫黄含有施肥剤、硫酸塩含有施肥剤、カルシウム含有施肥剤、鉄含有施肥剤、及び塩素含有施肥剤からなる群から選択される。肥料は、液体の形態であってもよく、又は固体の形態であってもよい。更に、肥料は、土壌中若しくは土壌上に施用してもよく、又は作物植物の葉若しくは他の部分に施用してもよい。更に、肥料は、有効成分を直接放出してもよく、又は有効成分をゆっくりと放出してもよい(徐放性若しくは制御放出性施肥剤等)。
【0102】
作物データは、ユーザインタフェース又はデータ処理ユニットにより提供されることが好ましい。例えば、各ユーザインタフェースは、ユーザが各情報を提供できるようにする各入力手段を含むデータ処理システム、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等により提供することができる。しかしながら、作物データがデータ処理ユニット、例えば、圃場に農作物を播種するのに使用される播種機のデータ処理ユニット又は作物データが記憶された任意の他のデータ処理ユニットにより提供されることも好ましい。
【0103】
過去処置データがユーザインタフェース又はデータ処理ユニットにより提供されることが好ましい。例えば、各ユーザインタフェースは、ユーザが各情報を提供できるようにする各入力手段を含むデータ処理システム、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等により提供することができる。しかしながら、過去処置データがデータ処理ユニット、例えば、圃場にわたって移動するのに施用される農機具のデータ処理ユニット又は過去処置データが記憶された任意の他のデータ処理ユニットにより提供されることも好ましい。
【0104】
環境データがユーザインタフェース又はデータ処理ユニットにより提供されることが好ましい。例えば、各ユーザインタフェースは、ユーザが各情報を提供できるようにする各入力手段を含むデータ処理システム、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等により提供することができる。しかしながら、環境データがデータ処理ユニット、例えば、圃場にわたって移動するのに施用される農機具のデータ処理ユニット又は環境データが記憶された任意の他のデータ処理ユニットにより提供されることも好ましい。
【0105】
好ましくは、肥料製品データベースに含まれる肥料製品情報は、養分についての肥料製品の効能についての情報を更に含み、生成された処置スケジュールをランク付けするステップは、養分についての肥料背品の効能に更に基づく。それにより、全ての養分を標的とするのに必要な肥料製品の数のみならず、肥料製品の効能も、生成された処置スケジュールのランク付けに施用することができる。効能は、市販又は公開されているデータベース及び/又は専門家が改訂した効能が手元にある場合、そのようなデータが好ましい専門家改訂からとることができる。更に、効能は、各用途、例えば、バーンダウン、2回目のバーンダウン、植え付け前後、出芽、収穫に応じて加重することができる。更に、効能は、各用途、例えば窒素施肥、リン施肥、硫黄施肥、カリウム施肥、ウレアーゼ施肥、窒化阻害、又は硝化阻害に応じて加重することができる。これに関して、効能は、単一の効能にわたる平均をとり、処置スケジュールにおける肥料製品数で更に加重してもよい。そのようなランク付けにより、潜在的に最小数の肥料製品を用いて各養分を標的化する最高効能を見つけることができる。より詳細には、ランク付けは統計(Q1)から(Q28)に基づき得る。
【0106】
これらの統計は、各処置スケジュールの一因となり得るランク値を計算するのに使用し得る。
【0107】
特に、上記統計は、少なくとも2つの処置スケジュールのランク付けに考慮/使用される、好ましいパラメータ/統計に関連する。しかしながら、更なるパラメータ/統計/情報を処置スケジュールのランク付けに考慮/使用してもよい。
【0108】
肥料製品データベースに含まれる肥料製品情報が、複数の特定の肥料製品を混合した場合の有害作用についての情報を更に含み、生成された処置スケジュールをランク付けするステップが、複数の特定の肥料製品を混合した場合の有害作用に更に基づくことが更に好ましい。それにより、意味のない肥料製品組み合わせ又は拮抗作用を有する肥料製品組み合わせを除去するか、又は各拮抗作用に応じて、生成された処置スケジュールの末尾に列記することができる。
【0109】
提供される作物データが、実際に観測又はモデリングされた作物生育段階及び播種日についての情報を更に含み、肥料製品情報が、作物生育段階及び播種日に鑑みた肥料製品の効能についての情報を更に含み、処置スケジュールをランク付けするステップが、作物生育段階又は播種時に鑑みた肥料製品の効能に更に基づくことが好ましい。特に、各肥料製品の効能は、様々な作物生育段階、例えば、播種、初期、幼期、成熟/開花で提供することができ、それにより、各効能を実際の作物生育段階に鑑みて考慮することができる。
【0110】
好ましくは、提供される作物データは、圃場で生育された過去の農作物及び/又は圃場で生育が計画されている次の農作物についての情報を更に含み、生成された処置スケジュールをランク付けするステップは、圃場で生育された過去の農作物及び/又は圃場で生育が計画されている次の農作物についての情報に更に基づく。それにより、生成された処置スケジュールをランク付けする際、農作物のローテーションを考慮することができ、同じ肥料製品又は同じ作用機序の繰り返しの適用を回避することができる。したがって、同じ作用機序を有する肥料製品の繰り返しの施用及び/又は同じ有効成分の繰り返しの適用を含む組み合わせは低くランク付けされ、同じ有効成分の繰り返しの適用は、耐性を回避するために、作用機序の繰り返しよりも低くランク付けされる。
【0111】
適用時について、天候データが取得され、肥料製品情報が、肥料製品適用の天候要件及び/又は天候状況に鑑みた肥料製品の効能についての情報を更に含み、生成された処置スケジュールをランク付けするステップが、肥料製品を適用するための天候要件及び/又は天候データに鑑みた肥料製品の効能に更に基づくことが更に好ましい。特に、天候データは、第三者、例えばサービス提供業者又は現場のセンサにより提供することができる。
【0112】
処置関連データベースサーチ及び/又は処置スケジュールにおけるデータ処理は、予め選択された肥料製品に制限することができることが好ましい。例えば、ユーザは、主に使用することができるように、既に利用可能な/記憶された肥料製品を予め選択し得る。
【0113】
好ましくは、処置スケジュールは、肥料製品の用量及び混合に有用又は必要とされる添加剤についての情報を含む混合指示を含む。例えば、肥料及び添加剤は両方とも投与論理を有するため、肥料及び添加剤の最小、最大、及び推奨用量率(L/ha)を提供することができる。更に、特定の圃場のレシピとしての詳細なタンク混合を提供することもできる(例えば、肥料1xL、肥料2xL、添加剤1zL、水3000L)。それにより、処置スケジュールに記載された肥料製品の混合を簡易化することができ、肥料製品混合時の失敗、例えば混合順の誤り、攪拌時間が短すぎる等を回避することができる。
【0114】
最後に、本方法が、農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データを生成するステップを更に含み、制御データが、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づくことが好ましい。例えば、ユーザは、データ処理ユニット、例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン等の各受信手段により各処置スケジュールを選択することにより、各自の考慮事項又は優先度に応じて処置スケジュールを選択し得る。
【0115】
本発明は、農機具を制御するための制御データを提供するための、上述した肥料の処置スケジュールを決定し提供する方法に従って受信された処置スケジュールの使用にも関する。これに関して、農機具という用語は、広義で理解されるべきであり、全ての機械、データ処理ユニット、車両、船、航空機、又は無人航空機、例えば混合機/肥料混合物を準備するシステム、肥料混合物を圃場に輸送し又は圃場で噴霧するための輸送機及び噴霧機も指す。
【0116】
したがって、コンピュータプログラム要素は、同様に一実施形態の一部であり得るコンピュータユニットに記憶され得る。このコンピューティングユニットは、上述の方法のステップを行うように、又はその実行を誘導するように構成され得る。更には、コンピューティングユニットは、上述した装置及び/又はシステムの構成要素を動作させるように構成されていてもよい。コンピューティングユニットは、自動的に動作するように及び/又はユーザの命令を実行するように構成できる。コンピュータプログラムが、データプロセッサの作業メモリに読み込まれてもよい。したがって、データプロセッサは、前述した実施形態のうちの1つに従う方法を実施するための装備を有してもよい。
【0117】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム及び更新により既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムにするコンピュータプログラムの両方を網羅する。
【0118】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述した本方法の例示的な実施形態の手順を遂行するために必要な全てのステップを提供可能であり得る。
【0119】
本開示の更なる例示的な実施形態によれば、CD-ROM、USBスティック等のコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体にはコンピュータプログラム要素が記憶されており、コンピュータプログラム要素は前のセクションに記載されている。
【0120】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に格納され得る、且つ/又はそのような適切な媒体で分配され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するなど、他の形態で分配されてもよい。
【0121】
しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワークを経由して提示することもでき、そのようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本発明の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードに利用できるようにする媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本明細書の上記実施形態の1つによる方法を行うように構成される。
【0122】
本発明の更なる態様によれば、環境データは、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する天候についての情報(「天候データ」と呼ぶ)及び/又は圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌についての情報(「土壌データ」と呼ぶ)を含む。
【0123】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する天候データは、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する温度、気温、土壌温度、表土温度、キャノピー温度、湿度、気湿、相対湿度、降雨、水分、風況、風速、及び/又は日光レベルデータを含む。好ましい実施形態では、天候データは、来る数日及び数週間に予測される天候データを含む。好ましい実施形態では、天候データは、圃場又はサブ圃場ゾーンへの作物の植え付けを計画する前の4日間、より好ましくは少なくとも1週間、最も好ましくは少なくとも2週間、特に好ましくは少なくとも3週間の天候データを含む。好ましい実施形態では、天候データは、圃場又はサブ圃場ゾーンへの作物の植え付け後の来る4日間、より好ましくは少なくとも来る1週間、最も好ましくは少なくとも来る2週間、特に好ましくは少なくとも来る3週間の天候データを含む。好ましい実施形態では、天候データは、圃場又はサブ圃場ゾーンへの作物植え付け前の数日又は数週間の天候データ及び/又は圃場又はサブ圃場ゾーンへの作物植え付け後の数日又は数週間に予測される天候データを含む。好ましい実施形態では、天候データは気温、相対湿度、及び/又は降雨を含む。
【0124】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する天候データは、好ましくは遠隔又は近傍天候センサを使用してリアルタイム測定値からコンピューティングユニットにより受信される。
【0125】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する天候データは、天候データの予測モデルにより生成される。
【0126】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、好ましくは遠隔又は近傍土壌センサ、例えば近赤外線センサ、ガンマ放射線センサ、導電率センサ、サーモメータ、光学カメラを使用してリアルタイム測定値からコンピューティングユニットにより受信される。
【0127】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の生物学的、生化学的、化学的、及び/又は物理的性質を示すデータである。
【0128】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、
a)圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の土壌有機物、全炭素含量、有機炭素含量、無機炭素含量、ホウ素含量、リン含量、カリウム含量、窒素含量、硫黄含量、カルシウム含量、鉄含量、アルミニウム含量、塩素含量、モリブデン含量、マグネシウム含量、ニッケル含量、銅含量、亜鉛含量、マンガン含量、及び/又はpH値、並びに/或いは
b)圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の土壌品質、土壌砂質、土壌水分、土壌湿度、土壌温度、表土温度、土壌密度、土性、土壌導電率、及び/又は保水力
を含む。
【0129】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の土壌有機物、全炭素含量、有機炭素含量、及び/又は無機炭素含量を含む。本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の窒素含量を含む。本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、圃場又はサブ圃場ゾーンにおける土壌の土壌品質、土壌砂質、土壌水分、土壌湿度、土壌温度、表土温度、土壌密度、土性、土壌導電率、及び/又は保水力を含む。本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは土性を含む。本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは土壌水分を含む。本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは土性及び土壌水分を含む。
【0130】
本発明の更なる態様によれば、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、少なくとも2つの異なるタイプの治定データ、例えば土性及び土壌水分又は例えば土性及び土壌有機物を含む。
【0131】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、好ましくは遠隔又は近傍土壌センサ、例えば近赤外線センサ、ガンマ放射線センサ、導電率センサ、サーモメータ、光学カメラを使用してリアルタイム測定値からコンピューティングユニットにより受信される。
【0132】
本発明の好ましい実施形態では、圃場又はサブ圃場ゾーンに関連する土壌データは、土壌データの予測モデルにより生成される。
【0133】
定義
本発明に関して、「含む(include)」という用語は「含む(comprise)」を意味する。
【0134】
本発明に関して、「決定する(determining)」という用語は、「決定を開始する(initiating determining)」ことも意味する。
【0135】
本発明に関して、養分、養分固有リスク、又は養分固有需要に関連する「標的とする」(動詞として)又は「標的化」という用語は、「養分固有リスクを軽減すること」又は「養分固有需要を賄う又は満たすこと」を意味する。
【0136】
本発明に関して、「処置関連パラメータ」という用語は、広義で理解されるべきであり、処置に使用される製品(有効成分)、投与、適用技術、環境データ(天候データ、土壌データ)を指す。
【0137】
本発明に関して、「効能」という用語は、広義で理解されるべきであり、標的とされる養分(窒素、リン、又はカリウム等)に対する製品(肥料等、例えば施肥剤)の有効性を指す。好ましくは、効能は天候状況に従属する。効能は種々の他の因子に依存し得、リン含有肥料施肥の効能の場合、効能は、土壌のpH値、粘土含量、及び/又は有機物含量に依存し得る。特に、「効能」という用語は、特定の肥料施肥により賄われる養分需要-特に作物養分需要-の割合を指し得る。
【0138】
本発明に関して、「制御データ」又は「制御ファイル」という用語は、機械又は装置、例えば農業処置装置の制御に有用な任意のバイナリファイル、データ、信号、識別子、コード、画像、又は任意の他の機械可読若しくは機械検出可能な要素であると理解される。
【0139】
本発明に関して、「養分固有リスク」という用語は、「養分固有需要」の意味で、広義で理解されるべきである。
【0140】
本発明に関して、「圃場」という用語は、作物植物が生産、生長、播種、生産が計画、生長が計画、及び/又は播種が計画されている任意のエリアとして理解される。「圃場」という用語は、農場、園芸場、及び林業場を含む。好ましくは、圃場は農場である。
【0141】
本発明に関して、「延期可能性」という用語は、特に処置スケジュールの一環として単一の処置の時間窓に関しての延期可能性であると理解される。
【0142】
本発明に関して、「前倒し可能性」という用語は、特に処置スケジュールの一環として単一の処置の時間窓に関しての前倒し(計画よりも早い期日に移る)可能性であると理解される。
【0143】
本発明に関して、「データベース」という用語は、記憶され、コンピュータシステムから電子的にアクセスすることができるデータの任意の編成された集まりとして理解され、限定ではなく、関係データベース、非関係データベース、グラフデータベース、ネットワークデータベース、クラウドデータベース、インメモリデータベース、アクティブデータベース、データウェアハウス、演繹データベース、分散データベース、組み込みデータベース、エンドユーザデータベース、ハイパーテキスト又はハイパーメディアデータベース、知識データベース、モバイルデータベース、オペレーショナルデータベース、並列データベース、確率データベース、リアルタイムデータベース、空間データベース、時間データベース、用語指向データベース、及びExcelデータベースを含む。本発明の好ましい実施形態では、データベースは以下のデータベースの少なくとも1つである:関係データベース、非関係データベース、グラフデータベース、ネットワークデータベース、クラウドデータベース、インメモリデータベース、アクティブデータベース、データウェアハウス、演繹データベース、分散データベース、組み込みデータベース、エンドユーザデータベース、ハイパーテキスト又はハイパーメディアデータベース、知識データベース、モバイルデータベース、オペレーショナルデータベース、並列データベース、確率データベース、リアルタイムデータベース、空間データベース、時間データベース、用語指向データベース、及びExcelデータベース。
【0144】
本発明に関して、「データベースシステム」という用語は、互いに接続された2つ以上のデータベースを含むシステムとして理解され、限定ではなく、連結データベースシステム、アレイデータベース管理システム、及び他のデータベース管理システムを含む。
【0145】
本発明の別の好ましい実施形態では、「データ処理」という用語は、コンピュータシステムによって行われる、有意味情報を生成又は出力するためのデータに対する任意の動作として理解される。データ処理は、限定ではなく、データ検証、データ解析、データ集計、データソート、データ分類、データ合算、データ変換、データ変更、データ更新等を含む。データベース又はデータベースシステムにおけるデータ処理は、データベース又はデータベースシステムにおける自動要求及びそのような要求の結果の自動出力を含むこともできる。データ処理は、機械学習プロセスを含むこともできる。
【0146】
本発明に関して、「処置」という用語は、農場で可能な任意の種類の処置として理解され、限定ではなく、施肥、作物保護、生長制御、収穫、養分-特に作物植物-の追加又は除去、並びに土壌処置、土壌養分管理、土壌窒素管理、耕運、耕作、灌漑を含む。本発明の好ましい実施形態では、処置は以下の活動の1つである:施肥、作物保護、生長制御、収穫、養分-特に作物植物-の追加又は除去、並びに土壌処置、土壌養分管理、土壌窒素管理、耕運、耕作、灌漑。本発明の別の好ましい実施形態では、処置は施肥である。本発明の別の好ましい実施形態では、処置は作物保護である。本発明の別の好ましい実施形態では、処置は生長制御である。本発明の別の好ましい実施形態では、処置は収穫である。本発明の別の好ましい実施形態では、処置は養分-特に作物植物-の追加又は除去である。
【0147】
本発明に関して、「製品」という用語は、処置に有用な任意の物体又は材料として理解される。本発明に関して、「製品」という用語は、限定ではなく、
-化学製品、例えば防カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、誘引剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、窒化阻害剤、硝化阻害剤、又はそれらの任意の組み合わせ、
-生物学的製品、例えば防カビ剤(バイオ防カビ剤)、除草剤(バイオ除草剤)、殺虫剤(バイオ殺虫剤)、殺ダニ剤(バイオ殺ダニ剤)、軟体動物駆除剤(バイオ軟体動物駆除剤)、殺線虫剤(バイオ殺線虫剤)、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤、又はそれらの任意の組み合わせとして有用な微生物、
-肥料、
-水、及び
-それらの任意の組み合わせ
を含む。
【0148】
本発明に関して、「製品」という用語は、様々な製品の組み合わせも含む。
【0149】
本発明の好ましい実施形態に関して、製品は、肥料、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、窒化阻害剤、及び/又は硝化阻害剤等の化学製品である。本発明の別の好ましい実施形態では、製品は肥料である。
【0150】
本発明に関して、「用量率」又は「用量」という用語は、例えば1ヘクタール当たりのリットル数(L/ha)として表される、単位面積当たりで適用される製品量として理解される。
【0151】
本発明に関して、(処置の)時間窓は、好ましくは10日~1時間、より好ましくは7日~3時間、最も好ましくは5日~5時間、特に好ましくは3日~8時間、特により好ましくは2日~12時間、特に36時間~16時間、例えば28時間~20時間に及ぶことができる。
【0152】
本発明に関して、「適用マップ」という用語は、圃場内の異なる場所又はゾーンで適用されるべき製品の量、又は用量率、又はタイプ、又は形態の二次元空間分布を示すマップとして理解される。本発明に関して、「ゾーン」という用語は、サブフィールドゾーン又は圃場の一部として理解され、即ち、圃場は2つ以上のゾーンに空間的に分割することができ、各ゾーンは、異なるバイオマスレベル又は異なる雑草及び/又は病原体感染リスク等の異なる性質を有し得る。特に、適用マップは、異なるゾーンで、異なる量、又は異なる用量率、又は異なるタイプ、又は異なる形態の製品が適用されるべきであることを示し得る。例えば、適用マップは、第1のゾーンにおいて、製品は1ヘクタール当たり10リットルの製品用量率で適用されるべきであり、第2のゾーンにおいて、同製品は1ヘクタール当たり20リットルの製品用量率で適用されるべきであることを示し得る。
【0153】
本発明に関して、「地理的領域」という用語は、広義で理解されるべきであり、行政区域[独国での管区(「クライス)若しくは連邦(「連邦州」)等]、経済領域(欧州連合等)、国(独国等)、大陸(ヨーロッパ等)若しくは大陸の一部(中欧)、天候ゾーン、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0154】
本発明に関して、「農法」という用語は、限定ではなく、
a)耕起、中耕、畝立て等の一般耕作手段等の機械的方法、
b)より多くの光の提供等の物理的方法、
c)肥料製品の施用又は噴霧等の化学的方法、
d)生物学的肥料製品としての微生物の適用又は噴霧等の生物学的方法
を含む。
【0155】
本発明に関して、作物データに関連するデータは、
a)作物データに結びついた若しくは関連する任意のデータ-例えばデータベース若しくはデータベースシステム内の-、
b)作物データに変換若しくは翻訳することができる任意のデータ、
c)作物データの識別子、又は
d)そのような作物データ
であり得る。
【0156】
本発明に関して、圃場データに関連するデータは、
a)圃場データに結びついた若しくは関連する任意のデータ-例えばデータベース若しくはデータベースシステム内の-、
b)圃場データに変換若しくは翻訳することができる任意のデータ、
c)圃場データの識別子、又は
d)そのような圃場データ
であり得る。
【0157】
本発明に関して、過去処置データに関連するデータは、
a)過去処置データに結びついた若しくは関連する任意のデータ-例えばデータベース若しくはデータベースシステム内の-、
b)過去処置データに変換若しくは翻訳することができる任意のデータ、
c)過去処置データの識別子、又は
d)そのような過去処置データ
であり得る。
【0158】
本発明に関して、環境データに関連するデータは、
a)環境データに結びついた若しくは関連する任意のデータ-例えばデータベース若しくはデータベースシステム内の-、
b)環境データに変換若しくは翻訳することができる任意のデータ、
c)環境データの識別子、又は
d)そのような環境データ
であり得る。
【0159】
ランク付け統計(Q23)から(Q28)は、処置スケジュールの柔軟性及び適応性の良好なインジケータである。ランク付けにランク付け統計(Q23)から(Q28)を使用することにより、最高の柔軟性を有する処置スケジュールが最高ランクを有する。一例としてランク付け(Q23)を採用すると、処置スケジュールが3つの単一処置T1、T2、T3を含み、第2の単一処置T2の時間窓が多かれ少なかれ延期可能である場合、これはユーザに、単一処置T2を後の期日に延期するという柔軟性を与え、それにより、単一処置T2及びT3を潜在的に同日に実行することができ、したがって潜在的に、例えば農機具の費用を制限することができる。
【0160】
(Q23)の場合、各処置の時間窓の持続時間が長くなるにつれて、単一処置を行うことの柔軟性が高くなるため、処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなる。
【0161】
(Q24)の場合、特に複数の単一処置の中の最初の処置で、各処置の時間窓の延期可能性が良好なほど、例えば(合計で)2つの処置のうちの最初の単一処置を延期することができ、2番目の単一処置と「融合」することができる尤度が高くなり、ひいては処置数が1だけ減るため、処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなる。
【0162】
(Q25)の場合、特に複数の単一処置の中の最後の処置で、各処置の時間窓の前倒し可能性が良好なほど、例えば2番目の単一処置を前倒し、最初の単一処置と「融合」することができる尤度が高くなり、ひいては処置数が1だけ減るため、処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなる。
【0163】
(Q26)の場合、複数の処置のうちの1つを除外ことができる尤度が高くなるため、柔軟性が高くなるに伴って処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなる。
【0164】
(Q27)の場合、前又は後の処置からの処置スケジュールの効率の独立性の増大に伴って処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなり、何故ならば、独立性が高い場合、結果に関係なく、前又は後の処置を除外することができる尤度が高いためである。
【0165】
(Q28)の場合、環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の増大に伴って処置スケジュールのランク付けは改善し、又はランク付けスコアは高くなり、何故ならば、独立性が高い場合、厳しい天候状況の場合でも処置スケジュールをなお実行することができる尤度が高いためである。
【0166】
処置スケジュールのランク付けは、ランク付けスコア(数値、行列、又はベクトルとして)を計算することにより行うことができる。
【0167】
本発明に関して、「養分」という用語は、広義で理解されるべきであり、生長及び繁殖のために作物植物により使用され、又は生長及び繁殖に関して作物植物にとって有益である任意の化学物質、任意の生物有機体、又は任意の化学条件を指し、限定ではなく、
-表土層又は任意の他の土層等の特定のpH値、塩度、保水性、親水性、又は疎水性等の化学条件、
-根粒菌、菌根菌、土壌細菌、放線菌、原虫等の生物有機体、
-有機炭素、土壌有機物、腐植土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、及び水等の化学物質
を含む。
【0168】
好ましい実施形態では、養分は、生長及び繁殖のために作物植物により使用され、又は生長及び繁殖に関して作物植物にとって有益である、有機炭素、土壌有機物、腐植土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガンからなる群から選択される化学物質である。
【0169】
処置スケジュールは、各肥料製品の用量範囲及び閾値についての情報を更に含むことが更に好ましく、閾値は予め定義されてもよく、又は手動で入力されてもよく、予め定義される閾値は、ユーザ可変閾値と組み合わせることもでき、閾値は、過去データ及び/又は規制データ等の更なるデータに基づいて計算することもできる。これに関して、各肥料製品の用量範囲について提供される情報は、作物生育段階又は季節的段階(例えば植え付け前、旬、及び収穫後)に鑑みて各肥料製品の異なる用量範囲を含むこともできる。更に、特に、処置スケジュールに使用される混合物が第三者により提供される場合、適用前又は適用中、混合物が、例えば、実際の混合物を使用される処置スケジュールと比較することができるように、タンク混合に提供され、対応する読み取り手段によりスキャンすることができるバーコード、QRコード(登録商標)、RFID等により確認されることが更に好ましい。
【0170】
以下の実施形態(実施形態1から38)は、本発明の好ましい実施形態である。
【0171】
実施形態1:
圃場を処置する少なくとも1つの処置スケジュールを決定するコンピュータ実施方法であって、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)養分固有リスク及び養分固有閾値に基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて、少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な少なくとも1つの処置スケジュールを決定するステップであって、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、
を含む方法。
【0172】
実施形態2:
少なくとも2つの処置スケジュールが決定され、方法は、(S90)少なくとも2つの処置スケジュールを統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの処置スケジュールの効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、
を更に含む、実施形態1に記載のコンピュータ実施方法。
【0173】
実施形態3:
方法は、各処置スケジュールで統計を計算するステップを更に含む、実施形態2に記載のコンピュータ実施方法。
【0174】
実施形態4:
ランク付けすること(ステップS90)は、統計(Q1)から(Q13)の1つ又は複数に基づくとともに統計(Q14)から(Q22)の1つ又は複数に基づく、実施形態2に記載のコンピュータ実施方法。
【0175】
実施形態5:
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0176】
実施形態6:
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置の時間窓は同一ではない、実施形態1~4のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0177】
実施形態7:
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置の農法及び/又は農産物は同一ではない、実施形態1~4のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0178】
実施形態8:
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置の農法及び/又は農産物は同一ではなく、少なくとも2つの処置の時間窓は同一ではない、実施形態1~4のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0179】
実施形態9:
処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品
(D)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品の少なくとも1つの用量又は量範囲
を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0180】
実施形態10:
少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0181】
実施形態11:
少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも2つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0182】
実施形態12:
少なくとも10の養分の養分固有リスクが特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0183】
実施形態13:
少なくとも10の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも10の養分の養分固有閾値が提供又は特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0184】
実施形態14:
少なくとも50の養分の養分固有リスクが特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0185】
実施形態15:
少なくとも50の養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも50の養分の養分固有閾値が提供又は特定される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0186】
実施形態16:
養分固有リスクの特定(ステップS60)は、養分固有リスクの前の特定時に考慮されなかった過去処置データ及び/又は環境データの変化に基づいて5日以下の時間間隔内で更新される、実施形態1~15のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0187】
実施形態17:
少なくとも1つの処置スケジュールの決定(ステップS80)は、処置スケジュールの前の決定時に考慮されなかった過去処置データ及び/又は環境データの変化に基づいて5日以下の時間間隔で更新され、少なくとも1つの処置スケジュールの決定は、少なくとも1つの処置に使用される農法又は農産物及び/又は少なくとも1つの処置の時間窓に関して更新される、実施形態1~16のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0188】
実施形態18:
少なくとも1つの養分は、特定のpH値、塩度、貯水性、表土層又は任意の他の土層の親水性又は疎水性等の化学条件;根粒菌、菌根菌、土壌細菌、放線菌、原虫等の生物有機体;並びに有機炭素、土壌有機物、腐植土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、含有成分、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、及び水等の化学物質からなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0189】
実施形態19:
少なくとも1つの養分は、有機炭素、土壌有機物、腐葉土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、含有成分、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガンからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0190】
実施形態20:
方法は、圃場データと処置スケジュールを組み合わせることにより、適用マップを提供するステップを更に含む実施形態1~19のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0191】
実施形態21:
方法は、農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データを生成するステップを更に含み、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく、実施形態1~19のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0192】
実施形態22:
農機具を制御するための制御データを提供するための、実施形態1~21のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法により決定される処置スケジュールの使用。
【0193】
実施形態23:
実施形態1~21のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行する手段を備えたデータ処理システム。
【0194】
実施形態24:
コンピュータにより実行されると、コンピュータに実施形態1~21のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【0195】
実施形態25:
コンピュータにより実行されると、コンピュータに実施形態1~21のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【0196】
実施形態26:
養分固有リスクを特定するコンピュータ実施方法であって、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報を含む、提供するステップと、
(S30)-任意選択的-過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を含む、提供するステップと、
(S40)-任意選択的-環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、又は存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)任意選択的に、養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S75)任意選択的に、養分固有リスクが養分固有閾値を超える時間窓を特定するステップと、
を含むコンピュータ実施方法。
【0197】
実施形態27:
少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定される、実施形態26に記載のコンピュータ実施方法。
【0198】
実施形態28:
少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定され、これらの少なくとも2つの養分の養分固有閾値が提供又は特定される、実施形態26又は27に記載のコンピュータ実施方法。
【0199】
実施形態29:
養分固有リスクの特定(ステップS60)は、養分固有リスクの前の特定時に考慮されなかった過去処置データ及び/又は環境データの変化に基づいて5日以下の時間間隔内で更新される、実施形態26~28のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0200】
実施形態30:
少なくとも1つの養分は、特定のpH値、塩度、貯水性、表土層又は任意の他の土層の親水性又は疎水性等の化学条件;根粒菌、菌根菌、土壌細菌、放線菌、原虫等の生物有機体;並びに有機炭素、土壌有機物、腐植土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、含有成分、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、及び水等の化学物質からなる群から選択される、実施形態26~29のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0201】
実施形態31:
少なくとも1つの養分は、有機炭素、土壌有機物、腐葉土、フミン酸、ホウ素、リン、カリウム、窒素、含有成分、硫黄、カルシウム、鉄、アルミニウム、塩素、モリブデン、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、マンガンからなる群から選択される、実施形態26~29のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0202】
実施形態32:
農機具を制御するための制御データを提供するための、実施形態26~31のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法により決定される養分固有リスクの使用。
【0203】
実施形態33:
実施形態26~31のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行する手段を備えたデータ処理システム。
【0204】
実施形態34:
コンピュータにより実行されると、コンピュータに実施形態26~31のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【0205】
実施形態35:
コンピュータにより実行されると、コンピュータに実施形態26~31のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【0206】
実施形態36:
圃場を処置する少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを決定するコンピュータ実施方法であって、
(S10)作物データを提供するステップであって、作物データは、圃場で生長、又は播種、又は生長が計画、又は播種が計画される農作物種についての情報を含む、提供するステップと、
(S20)圃場データを提供するステップであって、圃場データは圃場についての情報(その地理的位置及び地形特性を含む)を含む、提供するステップと、
(S30)過去処置データを提供するステップであって、過去データは、圃場又は圃場における圃場がある地理的領域における養分の過去の存在及び/又は関連性、処置時間、処置関連パラメータ、過去に行われたか又は計画されている処置の養分強化効能についての情報を提供するステップと、
(S40)環境データを提供するステップであって、環境データは、天候、土壌、作物ストレス、生物多様性要件、規制データ、及び他の環境因子についての情報を含む、提供するステップと、
(S50)少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて、少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータ処理を開始及び/又は実行するステップであって、データベース及び/又はデータベースシステムは、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)環境データに関連するデータ
を含む、開始及び/又は実行するステップと、
(S60)データ処理の結果に基づいて養分固有リスクを特定するステップであって、養分固有リスクは、特定の圃場に存在、存在が予期、又は必要とされる少なくとも1つの養分が欠乏する時間関連発生確率である、特定するステップと、
(S70)養分固有閾値を提供及び/又は決定するステップであって、養分固有閾値は養分固有リスクの基準値であり、養分固有リスクが養分固有閾値を超える場合、少なくとも1つの処置が必要とされる、提供及び/又は決定するステップと、
(S80)養分固有閾値及び養分固有リスクに基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて、少なくとも1つの養分(好ましくは効能閾値を超える効能を有する)を標的とすることが可能な少なくとも2つの処置スケジュールを決定するステップであって、
処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む、決定するステップと、
(S90)少なくとも2つの処置スケジュールを以下の統計(Q1)から(Q28):
(Q1)最小所要処置数、
(Q2)塗布される最小製品数、
(Q3)塗布される最小肥料製品数、
(Q4)製品の最小総用量又は最小総量、
(Q5)肥料製品の最小総用量又は最小総量、
(Q6)最小所要農機具数、
(Q7)農機具の最小所要使用時間、
(Q8)適用される最小塗布方法数、
(Q9)処置が行われる最小日数、
(Q10)処置が行われる最小総時間、
(Q11)最小処置頻度指数、
(Q12)最小環境負荷(e負荷)指数、
(Q13)有益生物種への最小影響、
(Q14)定義される閾値を超える効能を有する、標的とする優先養分数であって、一例では、定義される閾値は80%超であり、一例では、この定義される閾値は、1処置スケジュール当たりで最も加重される統計を表す、優先養分数、
(Q15)定義される第2の閾値を超える効能を有する、標的とされる非優先養分数を用いて加重又は結合される、定義される第1の閾値を超える効能を有する、標的とされる優先養分数、
(Q16)定義される閾値を超える効能を有する、標的とされる全ての養分数、
(Q17)所与の肥料製品により複数の養分にわたり達成される又は達成が予期される最大効能、
(Q18)適用時における既知の好ましい使用の処置スケジュールにおける肥料製品の割合、
(Q19)優先養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q20)全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和、
(Q21)妥当な場合、土壌中の残存時間の予期される平均コントロール、及び/又は
(Q22)前の適用と比較した作用機序及び/又は有効成分の繰り返しを説明する指標、
(Q23)各処置の少なくとも1つの時間窓の持続時間、
(Q24)各処置の少なくとも1つの時間窓の延期可能性、
(Q25)各処置の少なくとも1つの時間窓の前倒し可能性、
(Q26)対応する処置スケジュールが少なくとも2つの処置を含む場合、少なくとも2つの処置のうちの1つを除外する柔軟性、
(Q27)前の処置又は後の処置からの処置スケジュールの効能の独立性の程度、
(Q28)環境状況及び/又は天候状況からの処置スケジュールの効能の独立性の程度
の1つ又は複数に基づいてランク付けするステップと、
(S100)少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストを出力するステップと、
を含むコンピュータ実施方法。
【0207】
実施形態37:
少なくとも1つの処置スケジュールは少なくとも2つの処置を含み、少なくとも2つの処置に使用される農法及び/又は農産物は同一ではなく、少なくとも2つの処置の時間窓は同一ではなく、及び/又は処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品、及び
(D)各処置に使用される少なくとも1つの肥料製品の少なくとも1つの用量又は量範囲
を含み、
及び/又は少なくとも2つの養分の養分固有リスクが特定される、実施形態36に記載のコンピュータ実施方法。
【0208】
実施形態38:
方法は、農機具で使用又は使用可能なように構成される制御データを生成するステップを更に含み、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュールに基づく、実施形態36又は37に記載のコンピュータ実施方法。
【0209】
実施例1:
本発明の以下の例示的な実施形態が提供される:
3つの処置スケジュール(TA)、(TB)、及び(TC)が、2つの養分(O1)及び(O2)に関連して本発明の方法により決定され、即ち、2つの養分(O1)及び(O2)関連した養分固有リスクも本発明の方法により特定された。
【0210】
処置スケジュール(TA)は以下のパラメータを含む:
-3つの単一処置(TA1)、(TA2)、及び(TA3)
-(TA1)の時間窓は1日目(例えば、2020年4月1日)であり、(TA2)の時間窓は3日目(例えば、2020年4月10日)であり、(TA3)の時間窓は6日目(例えば、2020年4月20日)である
-(TA1)に使用される製品は(P1)であり、(TA2)に使用される製品は(P2)であり、(TA3)に使用される製品は(P3)であり、処置スケジュール(TA)に使用される(P1)+(P2)+(P3)の総量は例えばXリットルである(X<Y<Z)
-2つの養分(O1)及び(O2)を標的とするための処置スケジュール(TA)の予期される効能の和はx%である(x>y>z)。
【0211】
処置スケジュール(TB)は以下のパラメータを含む:
-2つの単一処置(TB1)及び(TB2)
-(TB1)の時間窓は2日目(例えば、2020年4月5日)であり、(TB2)の時間窓は5日目(例えば、2020年4月15日)である
-(TB1)に使用される製品は(P4)であり、(TB2)に使用される製品は(P5)であり、処置スケジュール(TB)に使用される(P4)+(P5)の総量はYリットルである(X<Y<Z)
-2つの養分(O1)及び(O2)を標的とするための処置スケジュール(TB)の予期される効能の和はy%である(x>y>z)。
【0212】
処置スケジュール(TC)は以下の処置を含む:
-1つの単一処置(TC1)
-(TC1)の時間窓は4日目(例えば、2020年4月12日)である
-(TC1)に使用される製品は(P6)であり、処置スケジュール(TC)に使用される(P6)の総量はZリットルである(X<Y<Z)
-2つの養分(O1)及び(O2)を標的とするための処置スケジュール(TC)の予期される効能の和はz%である(x>y>z)。
【0213】
x=95%、y=90%、z=85%であり、3つの処置スケジュールが(Q1)(「最小所要処置数」)及び(Q20)(「全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和」)に従って(Q1)及び(Q20)の各々で50%の定義された加重因子を用いてランク付けられる場合、3つの処置スケジュールは以下のようにランク付けられる:
-上(1番):処置スケジュール(TC)-特に1つの単一処置だけでよいため
-中(2番):処置スケジュール(TB)
-下(3番):処置スケジュール(TA)
【0214】
x=95%、y=90%、z=85%であり、3つの処置スケジュールが(Q4)(「製品の最小総用量又は最小総量」)及び(Q20)(「全養分の処置スケジュールにおける全肥料製品の予期又は達成される効能の和」)に従って(Q4)及び(Q20)の各々で50%の定義された加重因子を用いてランク付けられる場合、3つの処置スケジュールは以下のようにランク付けられる:
-上(1番):処置スケジュール(TA)-特に使用される製品の総量が最も低いため
-中(2番):処置スケジュール(TB)
-下(3番):処置スケジュール(TC)
【0215】
以下、添付の図面を参照しながら本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による方法の概略図である。
【
図2】本発明のコンピュータ実施方法のデータフローの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0217】
図1は、本発明の好ましい実施形態による方法の概略図である。以下、例示的な順序の本発明によるステップについて説明する。しかしながら、提供される順序は必須ではなく、即ち、全て又は幾つかのステップは異なる順序で又は同時に実行してもよい。ステップ(S10)において、作物データが提供される。ステップ(S20)において、圃場が提供される。ステップ(S30)において、過去処置データが任意選択的に提供される。ステップ(S40)において、環境データが任意選択的に提供される。ステップ(S50)において、
(i)作物データに関連するデータ、
(ii)圃場データに関連するデータ、
(iii)任意選択的に、過去処置データに関連するデータ、及び
(iv)任意選択的に、環境データに関連するデータ
を含む少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおけるデータ処理が、少なくとも作物データ及び圃場データに基づいて開始及び/又は実行される。ステップ(S60)において、データ処理の結果に基づいて養分固有リスクが特定される。ステップ(S70)において、養分固有閾値が決定又は特定される。ステップ(S80)において、少なくとも1つの養分を標的とすることが可能な少なくとも1つの処置スケジュールが、養分固有リスク及び養分固有閾値に基づくとともに、少なくとも1つの処置関連データベースにおけるデータ処理に基づいて決定され、処置スケジュールは、
(A)圃場における少なくとも1つの処置、
(B)各処置の少なくとも1つの時間窓、及び
(C)各処置に使用される少なくとも1つの農法及び/又は農産物
を含む。ステップ(S90)において、これらの少なくとも2つの処置スケジュールが、統計(Q1)から(Q28)の1つ又は複数に従ってランク付けられる。ステップ(S100)において、少なくとも2つの処置スケジュールのランク付きリストが出力される。ステップ(S110)において、農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データが生成され、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく。
【0218】
本発明は、例として好ましい実施形態と併せて説明された。しかしながら、図面、本開示、及び特許請求の範囲を検討することにより、他の変形形態が、当業者によって、また特許請求の範囲に記載の発明を実施することによって理解され、実施され得る。とりわけ、特にステップS10からS40は任意の順序で実行され得る、すなわち、本発明はこれらのステップの特定の順序に限定されるものではない。更に、異なるステップが特定の場所又は1つの場所で実行されることも必須ではない、すなわち、各ステップは、異なる機器/データ処理ユニットを使用して異なる場所で実行され得る。特許請求の範囲及び本明細書においては、「備える(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数のものを排除するものではない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかのエンティティ又は項目の機能を果たすことがある。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有利な実装形態において使用することができないことを示すものではない。
【0219】
参照符号
S10 作物データを提供すること
S20 圃場データを提供すること
S30 任意選択的に過去処置データを提供すること
S40 任意選択的に環境データを提供すること
S50 少なくとも1つのデータベース及び/又はデータベースシステムにおいてデータベース処理を開始/実行すること
S60 養分固有リスクを特定すること
S70 養分固有閾値を決定すること
S80 少なくとも2つの処置スケジュールを決定すること
S90 少なくとも2つの処置スケジュールをランク付けすること
S100 ランク付きリストを出力すること
S110 農機具で使用又は使用可能なように構成された制御データを生成することであって、制御データは、ランク付きリストからの最高ランクの処置スケジュール又はランク付きリストからユーザが選択した処置スケジュールに基づく、生成すること。
【0220】
図2
図2は、本発明のコンピュータ実施方法のデータフローの一実施形態を示す。
【0221】
最初のデータフローセクションにおいて、データソース101が提供され、データソースは、例えばユーザデバイス103、データベース105、及び/又はセンサ107であることができる。「ユーザ入力デバイス」という用語は、人及びロボットを含め、ユーザが圃場管理システム112にデータを入力又は転送できるようにするコンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、モニタ、データ記憶装置、又は任意の他のデバイスであると理解される。「入力データベース」という用語は、記憶し、コンピュータシステムから電子的にアクセスすることができ、圃場管理システム112にデータを入力又は転送することができるデータの任意の編成された集まりであると理解される。「センサ」という用語は、温度センサ、湿度センサ、水分センサ、pHセンサ、圧力センサ、土壌センサ、作物センサ、水センサ、及びカメラを含め、現実世界情報を検出又は受信し、この現実世界情報を別のシステムに送信することが可能な任意の種類の物理的又は仮想デバイス、モジュール、又はマシンであると理解される。
【0222】
更なるデータフローセクションにおいて、データソース101の1つを発端とするデータが任意選択的に、データ前処理セクション110において前処理され、そのようなデータ前処理は、データ較正、データ変換(例えば異なるフォーマットへの)、データ補正、データ確認、及びデータ検証を含み得る。
【0223】
本発明のコンピュータ実施方法のステップ(S10)、(S20)、(S30)、及び(S40)に対応する更なるデータフローセクションにおいて、データソース101の1つを発端とし、任意選択的にデータ前処理セクション110において前処理されたデータが、例えば作物データ122、圃場データ124、過去処置データ126、環境データ128、又は天候データ130として圃場管理システム112に入力、即ち提供される。
【0224】
本発明のコンピュータ実施方法のステップ(S50)に対応する更なるデータフローセクションにおいて、上記データは、例えば、1つ若しくは複数の作物関連モデル142、1つ若しくは複数の圃場関連モデル144、1つ若しくは複数の過去処置関連モデル146、1つ若しくは複数の環境関連モデル148、1つ若しくは複数の天候モデル150、又はそのようなモデルの組み合わせを使用してデータ処理セクション120において圃場管理システムにより処理される。作物関連モデル142は、特定の入力データに基づいて、作物種、作物フェノロジー、作物生育、作物生長、及び他の作物関連性質を決定、予測、及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。圃場関連モデル144は、特定の入力データに基づいて、圃場の土壌性質又は他の圃場関連性質を決定、予測、及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。過去処置関連モデル146は、特定の入力データに基づいて、過去処置の結果、影響、効能、又は性能を決定、予測、及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。環境関連モデル148は、天候、気候変化、放出(温室効果ガス放出を含む)、土壌性質、作物ストレス、生物多様性要件、保護される又は保護すべき有益有機体の存在、保護ゾーンの存在、化学物質又は農薬の適用が許容されていないか、又は許容されていても量が制限される緩衝ゾーンの存在等の、発展を含む任意の環境関連パラメータを決定、予測、及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。天候モデル150は、温度、降雨、水分、湿度、日照、又は風速等の、発展を含む任意の天候関連パラメータを決定、予測、及び/又はシミュレートすることが可能なアルゴリズムである。データ処理セクション120内で、上記モデルのうちのあるモデルの出力は、上記モデルのうちの別のモデルの入力として直接使用することもできる。データ処理セクション120内で、上記モデルの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つは、並列構成、順次構成、又は並列構成と順次構成との組み合わせで実行することもできる。
【0225】
本発明のコンピュータ実施方法のステップ(S60)に対応する更なるデータフローセクションにおいて、データ処理セクション120における上記モデルの最終出力がリスク特定セクション160に転送され、そこで、これらの出力に基づいて養分固有リスクが特定される。次いで、養分固有リスクは、農学的決定モデル162に入力として転送される。農学的決定モデル162は、特定の現実世界の農学的目的を達成するために、特に施肥等の現実世界の作物養分タスクを達成するために、特定の入力データに基づいて製品(特に肥料製品)、用量、適用方法、時間窓、又は他の処置パラメータを決定及び/又は計算することが可能なアルゴリズムである。農学的決定モデルの出力は処置スケジュール決定セクション170に転送され、そこで、農学的決定モデルの出力に基づいて、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは少なくとも4つの処置スケジュールが決定される。続けて、少なくとも2つの処置スケジュールが処置スケジュール決定セクション170において決定された場合、これらの少なくとも2つの処置スケジュールは、好ましくは、少なくとも2つの処置スケジュールの各々のランクスコアを計算する処置スケジュールランク付けモデルを使用して、処置スケジュールランク付けセクション180において統計(Q1)から(Q28)に従ってランク付けられる。
【0226】
更なるデータフローセクションにおいて、処置スケジュールランク付けセクション180の最終出力が、圃場管理システムからデータ出力層190に転送され、例えば、ユーザデバイス192に出力され、出力データベース194に出力され、又は制御ファイル196として出力される。「ユーザ出力デバイス」という用語は、人及びロボットを含め、ユーザが圃場管理システム112からデータを受信できるようにするコンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、モニタ、データ記憶装置、又は任意の他のデバイスであると理解される。「出力データベース」という用語は、記憶し、コンピュータシステムから電子的にアクセスすることができ、圃場管理システム112から出力又は転送されたデータを受信することができる、データの任意の編成された集まりであると理解される。「制御ファイル」という用語は、任意のバイナリファイル、機械又はデバイス、例えば農業処置デバイスを制御するのに有用なデータ、信号、識別子、コード、画像、又は任意の他の機械可読若しくは機械検出可能な要素であると理解される。
【0227】
図3
図3は、処置管理システム500を概略的に示す。本発明のコンピュータ実施方法により決定された処置パラメータは、処置管理システム500に組み込まれた農機具の制御信号として出力又は更に処理され、農機具は好ましくは噴霧装置である。処置管理システム500は、可動式農機具510、データ管理システム520、圃場管理システム112、及びクライアントコンピュータ540を含み得る。可動式農機具510は、例えば、率可変アプリケータを有する地上ロボット又は製品(特に肥料製品)を圃場502に適用するための他の率可変アプリケータであり得る。
【0228】
図3の例では、可動式農機具510は、スマート農業機械として実施される。スマート農業機械510は、スマート噴霧機であり得、連結システム512を含み得る。連結システム512は、スマート農業機械510を分散コンピューティング環境に通信可能に結合するように構成し得る。連結システム512は、スマート農業機械510で収集されたデータをデータ管理システム520、圃場管理システム112、及び/又は分散コンピューティング環境のクライアントコンピュータ540に提供するように構成し得る。
【0229】
データ管理システム520は、データをスマート農業機械510に送信し、又はスマート農業機械510からデータを受信するように構成し得る。例えば、検出又は適用された歳、圃場502への適用中に記録されたデータを含むマップをスマート農業機械510からデータ管理システム520に送信し得る。例えば、データ管理システム520は、異なる圃場のジオリファレンスされたデータ及び関連する処置マップを含み得る。
【0230】
圃場管理システム520は、制御プロトコル、アクティブ化コード、又は決定論理をスマート農業機械510に提供し、又はスマート農業機械510からデータを受信するように構成し得る。そのようなデータは、データ管理システム520を通して受信することもできる。
【0231】
圃場コンピュータ540は、ユーザ入力を受信し、圃場識別子及び任意選択的に処置指定子を圃場管理システム112に提供するように構成し得る。代替的には、圃場識別子を可動式農機具510により提供し得る。代替的には、例えば生長段階モデル、天候モデリング、近隣圃場発生率等を使用して任意選択的な処置指定子を決定し得る。圃場管理システム112は、圃場識別子及び任意選択的な処置指定子に基づいて、対応する農場及び関連する処置マップをデータ管理システム520においてサーチし得る。圃場コンピュータ540は、圃場管理システム112及び/又はスマート農業機械510からクライアントデータを受信するように更に構成し得る。そのようなクライアントデータは、例えば、スマート農業機械510を用いて特定の圃場で行うべき適用スケジュール又は特定の圃場の健康状態についての洞察を提供する圃場解析データを含み得る。
【0232】
処置デバイス510、データ管理システム520、圃場管理システム112、及びクライアントコンピュータ540は、ネットワークと関連付け得る。例えば、ネットワークは、インターネットであり得る。代わりに、ネットワークは、任意の他の種類及び任意の他の数のネットワークであり得る。例えば、ネットワークは、ワイドエリアネットワークに接続されたいくつかのローカルエリアネットワークによって実施され得る。ネットワークは、有線ネットワーク、無線ネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク等の任意の組み合わせを含み得る。
【0233】
本発明のデータ処理システムは、圃場管理システム112として、圃場管理システム112において、又は圃場管理システム112の一環として実施されて、上記方法を実行し、スマート農業機械510に制御データを提供し得る。例えば、圃場管理システム112は、連結システム512を介して可動式農機具510から噴霧デバイス構成データを受信し得る。圃場管理システム112は、地理依存環境データ(例えば、温度、水分、湿度、及び/又は風速)を可動式農機具510に設置された1つ又は複数のセンサから受信して、環境データをモニタし得る。代替又は追加として、圃場管理システム112は、天候サービスから地理依存環境データを受信し得る。
【0234】
本発明の全体的な技術的利点は、季節前又は処置スケジュールの実行が必要になる前、処置スケジュールの効能、環境影響、及び柔軟性を含む28の異なる統計を潜在的に考慮した最適な処置スケジュールの完全自動化又は半自動化された選択-この選択に基づく制御データの生成を含む-にある。
【国際調査報告】