(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】水素化異性化触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 29/80 20060101AFI20240118BHJP
C01B 39/48 20060101ALI20240118BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20240118BHJP
B01J 37/00 20060101ALI20240118BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20240118BHJP
C10G 45/64 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B01J29/80 M
C01B39/48
B01J37/04 102
B01J37/00 D
B01J37/02 101D
C10G45/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542623
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 IB2022050225
(87)【国際公開番号】W WO2022153197
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イーファ
(72)【発明者】
【氏名】オジョ、アデオラ フローレンス
(72)【発明者】
【氏名】レイ、グワン - ダオ
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H129
【Fターム(参考)】
4G073BA10
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4H129NA37
(57)【要約】
ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、水素化異性化触媒。モレキュラーシーブは、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。モレキュラーシーブは、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、水素化異性化触媒であって、前記モレキュラーシーブが、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、前記モレキュラーシーブが、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記水素化異性化触媒。
【請求項2】
前記モレキュラーシーブが、その合成形態で、実質的に以下の表に示されるようなX線回折パターン:
【表1】
及び/または
その焼成された形態で、実質的に以下の表に示されるようなX線回折パターンを有する、請求項1に記載の水素化異性化触媒:
【表2】
【請求項3】
前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、請求項1または請求項2に記載の水素化異性化触媒。
【請求項4】
前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%(例えば、約20wt.%~約70wt.%)の前記モレキュラーシーブを含む、いずれかの先行請求項に記載の水素化異性化触媒。
【請求項5】
前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下(例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%)の前記1つ以上の第2の改質剤を含む、いずれかの先行請求項に記載の水素化異性化触媒。
【請求項6】
前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下(例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%)の前記1つ以上の第1の改質剤を含む、いずれかの先行請求項に記載の水素化異性化触媒。
【請求項7】
前記水素化異性化触媒が約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、いずれかの先行請求項に記載の水素化異性化触媒。
【請求項8】
前記水素化異性化触媒が、焼成された押出物または形成された粒子の形態で提供される、いずれかの先行請求項に記載の水素化異性化触媒。
【請求項9】
水素化異性化触媒を作製する方法であって、前記方法が、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブ及び無機酸化物を含む混合物を形成することであって、前記モレキュラーシーブが、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、前記モレキュラーシーブが、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記形成することと、押出物または形成された粒子を形成するために前記混合物を押出することと、前記押出物または形成された粒子を乾燥することと、前記乾燥された押出物または形成された粒子を焼成することとを含み、前記方法が、前記水素化異性化触媒に、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤、ならびにカルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤を組み込むことをさらに含む、前記方法。
【請求項10】
前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を前記水素化異性化触媒に組み込むことが、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第1の改質剤もしくは前記1つ以上の第2の改質剤のいずれかを含む第1の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子にそれぞれ少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤もしくは1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させること、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第2の改質剤もしくは前記1つ以上の第1の改質剤の対応する他方を含む第2の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子にそれぞれ少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤もしくは1つ以上の第1の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させること、または前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤の両方を含む第3の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子に少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させることにより、前記焼成された押出物または形成された粒子に前記1つ以上の第1の改質剤及び/または前記1つ以上の第2の改質剤を装填して、改質された焼成された押出物または形成された粒子を形成することと、前記改質された焼成された押出物または形成された粒子を乾燥することとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記水素化異性化触媒に、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を組み込むことが、前記混合物を形成する前に、場合により、前記モレキュラーシーブに少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤を装填するのに十分な条件下で、前記モレキュラーシーブに前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を装填することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記水素化異性化触媒に、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を組み込むことが、前記水素化異性化触媒に約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを装填することを含む、請求項9~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、請求項9~11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記混合物が、約5wt.%~約80wt.%の前記モレキュラーシーブを含む、請求項9~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
請求項9~14のいずれかに記載の方法によって製造された、水素化異性化触媒。
【請求項16】
炭化水素質供給原料を水素化異性化する方法であって、前記炭化水素質供給原料を、請求項1~8または15のいずれかに記載の水素化異性化触媒に、水素化異性化条件下で接触させて、水素化異性化された溶出物を生成することを含む、前記方法。
【請求項17】
前記炭化水素質供給原料が、ガス油;真空ガス油;常圧蒸留残油;真空残油;常圧蒸留物;重油;油;ろう及びパラフィン;使用済油;脱歴残油もしくは粗製油;熱もしくは触媒変換プロセスから生じるチャージ;シェール油;サイクル油;動物及び植物由来の脂肪、油、及びろう;石油及びスラックろう;またはこれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、前記炭化水素質供給原料を水素化異性化によって脱ろうする方法である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記炭化水素質供給原料が、未転化油または基油生成物である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水素化異性化条件が、約400°F~約950°F(約204℃~約510℃)、例えば、約650°F~約850°F(約343℃~約454℃)の反応温度、約500psi~約5000psi(約3447kPa~約34474kPa)、例えば、約1500psi~約2500psi(約10342kPa~約17237kPa)、もしくは約1200psi~約2500psi(約8274kPa~約17237kPa)の反応ゲージ圧力、約0.1hr
-1~約15hr
-1、例えば、約0.2hr
-1~約10hr
-1、もしくは約0.2hr
-1~約2.5hr
-1、もしくは約0.1hr
-1~約10hr
-1のLHSV、及び/または液体炭化水素フィード1バレル当たり約100scf~約2500scf(約17.8~約445m
3H
2/m
3フィード)、例えば、約200scf~約2500scf/バレル(約35.6~約445m
3H
2/m
3フィード)、もしくは100scf~約1500scf/バレル(約17.8~約267m
3H
2/m
3フィード)の水素消費を含む、請求項16~18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、前記水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、前記水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、前記水素化異性化触媒におけるモレキュラーシーブの使用であって、前記モレキュラーシーブが、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属し、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有し、前記水素化異性化触媒が、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、前記使用。
【請求項22】
前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば約20wt.%~約70wt.%の前記モレキュラーシーブと、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、もしくは約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤、及び/または前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤とを含み、例えば、前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、請求項21または請求項22に記載の使用。
【請求項24】
水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、前記水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、前記水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の改質剤の前記水素化異性化触媒における使用であって、前記水素化異性化触媒が、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブであって、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記モレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の金属とをさらに含む、前記使用。
【請求項25】
前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば約20wt.%~約70wt.%の前記モレキュラーシーブと、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、もしくは約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤、及び/または前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤とを含み、例えば、前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、請求項24または請求項25に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第17/147,725号(2021年1月13日出願)の優先権の利益を主張するものであり、その開示内容は、全体として本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、水素化異性化触媒、水素化異性化触媒を作製する方法、炭化水素質供給原料を水素化異性化する方法、及び関連する使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
水素化異性化は、例えば炭化水素質供給原料を接触脱ろうするために使用される、重要な精製プロセスである。脱ろうは、潤滑基油及び燃料留分の低温特性を改善する。接触脱ろうは、供給原料から長鎖n-パラフィンを除去する。これを除去しなければ、留分の流動点及び曇点に悪影響が及ぶが、脱ろうは、基油留分の粘度指数(VI)も低下し得る。高いVIは、基油に温度範囲不感受性をもたらすために必要である。これは、基油が低温及び高温の両方で潤滑性を提供可能であることを意味する。
【0004】
American Petroleum Institute (API)は、基油を5つのグレードI~Vに分類している。APIグレードI~IIIは、原油から精製された基油に関するもので、硫黄含量、飽和レベル及びVIによって区別され、グレードIV及びVは、合成基油または他の供給源(例えば、シリコーン)から得られた基油に関するものである。グレードI及びグレードIIの基油に80~120のVI値が要求されるのに対し、石油から精製された基油がグレードIIIの基油に認定されるには、120超のVI値を達成しなければならない。
【0005】
接触脱ろう設備を運用する精製業者は、収率を最大化し、目標とする製品仕様(VI、流動点)を満たしながら、反応器温度(高温での高コストの水素消費及びVI低減に対応する)及びライトエンド生産を最小限に抑えることを望んでいる。
【0006】
概して、接触脱ろうに使用される従来の水素化異性化触媒は、長鎖n-パラフィンの異性化に適した少なくとも1つのモレキュラーシーブと、結合材料(「担体材料」とも称される)(例えば、アルミナ、チタニア、シリカなど)と、周期表の第6族及び第8~10族から選択される1つ以上の活性水素化/脱水素化金属(詳細には、白金及びパラジウム)とを含む。
【0007】
水素化異性化プロセスで生じる反応には、2つの大きな分類が存在する。反応の第1の分類は、飽和により供給原料から芳香性の不純物を除去する水素化/脱水素化である。反応の第2の分類は、長鎖n-パラフィンがその分枝状対応物に異性化される異性化である。水素化異性化触媒は二機能性であり、ハイドロトリートメントが、金属構成要素によって提供される水素化機能によって促進され、異性化反応が、酸性のモレキュラーシーブ構成要素によって促進される。いずれの反応も、高圧水素の存在が必要である。
【0008】
モレキュラーシーブは、特徴的なX線回折パターンによって示される特徴的な結晶構造を有する。結晶構造は、異なる種に特徴的な空洞及び細孔を定義する。
【0009】
モレキュラーシーブは、IUPAC Commission on Zeolite Nomenclatureの規則に従って、International Zeolite AssociationのStructure Commissionによって分類される。この分類によれば、構造が確立されているフレームワークタイプゼオライト及び他の結晶質マイクロポーラスモレキュラーシーブには3文字のコードが割り当てられており、“Atlas of Zeolite Framework Types” Sixth Revised Edition, Elsevier (2007)及びInternational Zeolite AssociationのウェブサイトにあるDatabase of Molecular sieve Structures (http://www.iza-online.org)に記載されている。
【0010】
モレキュラーシーブの構造は、秩序的なことも無秩序的なこともある。秩序的構造を有するモレキュラーシーブは、三次元全てにおいて周期的に並んだ周期的構成単位(PerBU)を有する。構造上無秩序な構造は、三次元未満の次元(すなわち二次元、一次元、またはゼロ次元)で周期的な秩序を示す。PerBUが異なる方法で接続したり、同じ結晶内で2つ以上のPerBUが相互成長したりすると、無秩序が生じる。PerBUから構築された結晶構造は、三次元全てで周期的な秩序が達成されている場合、エンドメンバー構造と呼ばれる。
【0011】
無秩序材料において、材料が二次元で秩序を含む場合、平面的な積層欠陥が生じる。平面欠陥は、材料の細孔系によって形成されたチャネルを破壊する。表面付近に位置する平面欠陥は、供給原料の構成要素が細孔系の触媒的活性部分にアクセスするのに他に必要な拡散経路を制限する。そのため、欠陥の程度が増大するにつれ、典型的には、材料の触媒活性が低下する。
【0012】
平面欠陥を有する結晶の場合、X線回折パターンの解釈には、積層無秩序の影響をシミュレートする能力が必要である。DIFFaXは、平面欠陥を含む結晶から強度を計算するための数学的モデルに基づくコンピュータプログラムである(M. M. J. Treacy et al., Proceedings of the Royal Chemical Society, London, A(1991), Vol.433, pp.499-520を参照)。DIFFaXは、モレキュラーシーブの相互成長相のXRD粉末パターンをシミュレートするための、International Zeolite Associationにより選択され、そこから入手可能なシミュレーションプログラムである(“Collection of Simulated XRD Powder Patterns for Zeolites” (M. M. J. Treacy and J. B. Higginsによる)2001, Fourth Edition (Structure Commission of the International Zeolite Associationのために刊行)を参照)。また、K. P. Lillerudらにより“Studies in Surface Science and Catalysis”, 1994, Vol.84, pp.543-550で報告されているように、DIFFaXは、AEI、CHA、及びKFIモレキュラーシーブの相互成長相を理論的に研究するためにも使用されている。DIFFaXは、平面欠陥を有する無秩序結晶材料(例えば、相互成長したモレキュラーシーブ)の特性を評価するための周知され、確立された方法である。
【0013】
ZSM-48という呼称は、各々が一次元の10環管状細孔系を有することを特徴とする無秩序材料のファミリーを指す。細孔は、融合した四面体6環構造のハニカム状シートが巻き上げられて形成され、細孔開口部には10個の四面体原子が含まれる。ゼオライトEU-2、ZSM-30、及びEU-11は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに分類される。
【0014】
Lobo及びKoningsveldによれば、ZSM-48ファミリーのモレキュラーシーブは9つのポリタイプからなる(J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 13222-13230を参照)。これらの材料は、非常に類似しているが同一ではないX線回折パターンを有する。Lobo及びKoningsveldの論文では、Chevron CorporationのDr.Alexander Kupermanにより提供された3つのZSM-48試料の分析について記載している。3つの異なる構造指示剤を用いて、それぞれ試料A、B、及びCとラベル付けた3つの試料を調製した。
【0015】
Lobo及びKoningsveldの論文では、試料Aをポリタイプ6として、試料Bを欠陥があるポリタイプ6として記載している。この論文ではさらに、試料Aの形態について、直径約20nm、長さ約0.5μmの針状結晶からなると説明している。試料Bの形態は、約0.5μmの幅及び4~8μmの長さを有する細長い結晶からなるものであった。
【0016】
Kirschhock及び共同研究者は、純粋相ポリタイプ6の合成に成功したと述べている(Chem. Mater. 2009, 21, 371-380を参照)。Kirschhock及び共同研究者らはその論文の中で、彼らの純粋相ポリタイプ6材料(彼らはCOK-8と称している)は、非常に大きな長さ/幅比を有する長い針状結晶(幅15~80nm、長さ0.5~4μm)からなる形態を有し、相互接続する細孔方向に沿って成長すると説明している。
【0017】
Kirschhockの論文に示されているように、ZSM-48ファミリーのモレキュラーシーブは、10環1次元細孔構造からなり、相互接続された細孔により形成されたチャネルが、針の長軸に対し垂直に延びている。そのため、チャネル開口部は針の短端部に位置する。これらの針の長さ:直径比(別名アスペクト比)が増加するにつれ、炭化水素フィードの拡散経路も増加する。拡散経路が増加するにつれ、フィードがチャネル内で滞留する時間も増加する。滞留時間が長くなると、結果としてフィードの望ましくないハイドロクラッキングが増加し、それに付随して選択性が低減する。
【0018】
Adeola Florence Ojo, Dan Xie, Yihua Zhang及びGuan-Dao Leiを発明者として指定する米国特許出願第14/837,094号(US2017/0056870A1として公開)では、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブについて記載されている。モレキュラーシーブは、「モレキュラーシーブSSZ-91」または単に「SSZ-91」として知られている。
【発明の概要】
【0019】
概要
第1の態様によれば、本発明は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、水素化異性化触媒を対象とする。モレキュラーシーブは、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。モレキュラーシーブは、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。
【0020】
第2の態様において、水素化異性化触媒を作製する方法が提供される。当該方法は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブ及び無機酸化物を含む混合物を形成することと、当該混合物を押出して、押出物または形成された粒子を形成することと、当該押出物または形成された粒子を乾燥することと、当該乾燥された押出物または形成された粒子を焼成することとを含む。モレキュラーシーブは、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。モレキュラーシーブは、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。当該方法はさらに、水素化異性化触媒に、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを組み込むことを含む。
【0021】
第3の態様において、第2の態様による方法によって製造された水素化異性化触媒が提供される。
【0022】
第4の態様において、炭化水素質供給原料を水素化異性化する方法であって、炭化水素質供給原料を、水素化異性化条件下で、第1の態様または第3の態様による水素化異性化触媒に接触させて、水素化異性化された溶出液を生成することを含む、方法が提供される。
【0023】
第5の態様において、水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、水素化異性化触媒におけるモレキュラーシーブの使用が提供される。モレキュラーシーブは、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属する。モレキュラーシーブは、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。モレキュラーシーブは、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。水素化異性化触媒はさらに、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む。
【0024】
第6の態様において、水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の改質剤の使用が提供される。水素化異性化触媒は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の金属とをさらに含む。モレキュラーシーブは、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。モレキュラーシーブは、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。
【0025】
当業者は、相互排他的である場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して記載された特徴が、必要な変更を考慮しながら他の態様にも適用することができることを理解するであろう。さらに、相互排他的である場合を除き、本明細書に記載の特徴は、任意の態様に適用することができ、及び/または本明細書に記載の任意の他の特徴と組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な記述
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的において、別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量、パーセンテージ、または割合を表現する全ての数字、及び他の数値は、全ての場合において「約」という用語により修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値的パラメーターは、取得が求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、明示的かつ明白に1つの指示対象に限定されない限り、複数の参照先を含むことに留意されたい。本明細書で使用する場合、「含む(include)」という用語及びその文法的変形は、非限定的であるように意図されており、リスト内の項目の列挙は、挙げられた項目に対し置き換えまたは追加され得る他の同様の項目を除外するものではない。本明細書で使用する場合、「からなる」という用語は、当該用語に続いて特定される要素またはステップを含むことを意味するが、いかなるこのような要素またはステップも網羅的ではなく、実施形態は、他の要素またはステップを含むことができる。
【0027】
別段の指定がない限り、個々の構成要素または構成要素の混合物を選択することができる要素、材料、または他の構成要素の属の列挙は、挙げられた構成要素及びその混合物の全ての可能な亜属の組合せを含むことが意図されている。加えて、本明細書で示される全ての数値範囲は、その上限値及び下限値を含む。
【0028】
本明細書で標準試験について言及される場合、別段の明記がない限り、参照する試験のバージョンは、本特許の出願時点で最新のものである。
【0029】
特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に相当される他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。本明細書に矛盾しない程度において、本明細書で言及されている全ての引用は、参照により本明細書に援用される。
【0030】
改善された水素化異性化触媒は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む。
【0031】
モレキュラーシーブ
「モレキュラーシーブ」及び「ゼオライト」という用語は同義であり、(a)中間及び(b)最終または目標モレキュラーシーブ、ならびに(1)直接合成または(2)結晶化後処理(二次修飾)によって生成されたモレキュラーシーブが含まれる。二次合成技法は、ヘテロ原子の格子置換または他の技法によって、中間材料から目標材料の合成を可能にする。例えば、アルミノシリケートは、AlのBへの結晶化後ヘテロ原子格子置換によって、中間体ボロシリケートから合成することができる。このような技法は、例えば、C.Y.Chen及びStacey Zonesに対する米国特許第6,790,433号(2004年9月14日発行)(参照により全体として本明細書に援用される)に記載のように既知である。
【0032】
モレキュラーシーブは、特徴的なX線回折パターンによって示される特徴的な結晶構造を有する。結晶構造は、異なる種に特徴的な空洞及び細孔を定義する。
【0033】
モレキュラーシーブは、IUPAC Commission on Zeolite Nomenclatureの規則に従って、International Zeolite AssociationのStructure Commissionによって分類される。この分類によれば、構造が確立されているフレームワークタイプゼオライト及び他の結晶質マイクロポーラスモレキュラーシーブには3文字のコードが割り当てられており、“Atlas of Zeolite Framework Types” Sixth Revised Edition, Elsevier(2007)及びInternational Zeolite AssociationのウェブサイトにあるDatabase of Molecular Sieve Structures (http://www.iza-online.org)に記載されている。
【0034】
モレキュラーシーブの構造は、秩序的なことも無秩序的なこともある。秩序的構造を有するモレキュラーシーブは、三次元全てにおいて周期的に並んだ周期的構成単位(PerBU)を有する。構造上無秩序な構造は、三次元未満の次元(すなわち二次元、一次元、またはゼロ次元)で周期的な秩序を示す。PerBUが異なる方法で接続したり、同じ結晶内で2つ以上のPerBUが相互成長したりすると、無秩序が生じる。PerBUから構築された結晶構造は、三次元全てで周期的な秩序が達成されている場合、エンドメンバー構造と呼ばれる。
【0035】
無秩序材料において、材料が二次元で秩序を含む場合、平面的な積層欠陥が生じる。平面欠陥は、材料の細孔系によって形成されたチャネルを破壊する。表面付近に位置する平面欠陥は、供給原料の構成要素が細孔系の触媒的活性部分にアクセスするのに他に必要な拡散経路を制限する。そのため、欠陥の程度が増大するにつれ、典型的には、材料の触媒活性が低下する。
【0036】
平面欠陥を有する結晶の場合、X線回折パターンの解釈には、積層無秩序の影響をシミュレートする能力が必要である。DIFFaXは、平面欠陥を含む結晶から強度を計算するための数学的モデルに基づくコンピュータプログラムである(M. M. J. Treacy et al., Proceedings of the Royal Chemical Society, London, A(1991),Vol.433,pp.499-520を参照)。DIFFaXは、モレキュラーシーブの相互成長相のXRD粉末パターンをシミュレートするための、International Zeolite Associationにより選択され、そこから入手可能なシミュレーションプログラムである(“Collection of Simulated XRD Powder Patterns for Zeolites” (M. M. J. Treacy and J. B. Higginsによる)2001,Fourth Edition (Structure Commission of the International Zeolite Associationのために刊行)を参照)。また、K. P. Lillerudらにより“Studies in Surface Science and Catalysis”,1994,Vol.84,pp.543-550で報告されているように、DIFFaXは、AEI、CHA、及びKFIモレキュラーシーブの相互成長相を理論的に研究するためにも使用されている。DIFFaXは、平面欠陥を有する無秩序結晶材料(例えば、相互成長したモレキュラーシーブ)の特性を評価するための周知され、確立された方法である。
【0037】
水素化異性化触媒は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブを含む。モレキュラーシーブは、「モレキュラーシーブSSZ-91」または単に「SSZ-91」として知られている。SSZ-91は、Adeola Florence Ojo, Dan Xie, Yihua Zhang及びGuan-Dao Leiを発明者として指定する米国特許出願第14/837,094号(US2017/0056870A1号として公開)に記載されていた。米国特許出願第14/837,094号及び同公開第US2017/0056870A1号は、参照により全体として本明細書に援用される。
【0038】
ZSM-48という呼称は、各々が一次元の10環管状細孔系を有することを特徴とする無秩序材料のファミリーを指す。細孔は、融合した四面体6環構造のハニカム状シートが巻き上げられて形成され、細孔開口部には10個の四面体原子が含まれる。ゼオライトEU-2、ZSM-30、及びEU-11は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに分類される。Lobo及びKoningsveldによれば、ZSM-48ファミリーのモレキュラーシーブは9つのポリタイプからなる(J.Am.Chem.Soc.2002,124,13222-13230を参照)。これらの材料は、非常に類似しているが同一ではないX線回折パターンを有する。米国特許出願第14/837,094号は、SSZ-91ファミリーの結晶性モレキュラーシーブについて説明している。モレキュラーシーブSSZ-91は、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するシーブに構造的に類似しており、(1)欠陥の程度が低いこと、(2)8超のアスペクト比を有する従来のZSM-48材料と比較してハイドロクラッキングを抑制する低いアスペクト比を有すること、及び(3)実質的に純粋な相であることを特徴とする。
【0039】
本明細書で使用する場合、「実質的に純粋な相」という用語は、材料が、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属する相以外のゼオライト相を完全に含まないか、またはこのような他のゼオライト相が、材料の選択性に測定可能な影響を及ぼすに満たないか、または材料の難点を付与するに満たない量で存在することを意味する。SSZ-91と共結晶化する2つの一般的な相は、EU-1などのEUOタイプモレキュラーシーブならびにマガディアイト及びケニヤアイトである。これらの追加の相は、別々の相として存在することもあれば、SSZ-91相と相互成長することもある。米国特許出願第14/837,094号に示されているように、生成物中に多量のEU-1が存在すると、SSZ-91による水素化異性化に対する選択性にとって有害である。
【0040】
水素化異性化触媒中のモレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、典型的には、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセント(両端値を含む)の量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含む。水素化異性化触媒中のモレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、典型的には、合わせて約1~約8(両端値を含む)の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する。
【0041】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約50以上、例えば約70以上、または約75以上、または約80以上、または約100以上、または約125以上の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有することができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約200以下、例えば、約175以下、または約160以下、または約150以下、または約140以下、または約125以下の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有することができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約50~約220、例えば、約70~約220、または約75~約220、または約80~約220、または約100~約220、または約125~約220、または約40~約200、または約70~約200、または約75~約200、または約80~約200、または約100~約200、または約125~約200、または約40~約175、または約40~約160、または約40~約150、または約40~約140、または約40~約125、または約50~約200、または約50~約175、または約50~約160、または約50~約150、または約50~約140、または約50~約125、または約70~約200、または約70~約175、または約70~約160、または約70~約150、または約70~約140、または約70~約125、または約75~約200、または約75~約175、または約75~約160、または約75~約150、または約75~約140、または約75~約125、または約80~約200、または約80~約175、または約80~約160、または約80~約150、または約80~約140、または約80~約125、または約100~約200、または約100~約175、または約100~約160、または約100~約150、または約100~約140、または約100~約125、または約125~約200、または約125~約175、または約125~約160、または約125~約150、または約125~約140の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有することができる。
【0042】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約75%、例えば少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%のポリタイプ6を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の最大約100%、例えば、約99%以下、または約95%以下、または約90%以下のポリタイプ6を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の約70%~約100%、例えば、約70%~約99%、または約70%~約95%、または約70%~約90%、または約80%~約100%、または約80%~約99%、または約80%~約95%、または約80%~約90%、または約85%~約100%、または約85%~約99%、または約85%~約95%、または約85%~約90%、または約90%~約100%、または約90%~約99%、または約90%~約95%、または約95%~約100%、または約95%~約99%のポリタイプ6を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、実質的に完全にポリタイプ6からなってもよい。
【0043】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約0.1wt.%以上、例えば約0.5wt.%以上、または約1.0wt.%以上のEUOタイプモレキュラーシーブ相を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約5.0wt.%以下、例えば、約3.5wt.%以下、または約2.5wt.%以下、または約2.0wt.%以下、または約1.5wt.%以下、または約1.0wt.%以下、または約0.5wt.%以下のEUOタイプモレキュラーシーブ相を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約0wt.%~約5.0wt.%、例えば、約0wt.%~約3.5wt.%、または約0wt.%~約2.5wt.%、または約0wt.%~約2.0wt.%、または約0wt.%~約1.5wt.%、または約0wt.%~約1.0wt.%、または約0wt.%~約0.5wt.%、または約0.1wt.%~約7.0wt.%、または約0.1wt.%~約5.0wt.%、または約0.1wt.%~約3.5wt.%、または約0.1wt.%~約3.0wt.%、または約0.1wt.%~約2.5wt.%、または約0.1wt.%~約2.0wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1.0wt.%、または約0.1wt.%~約0.5wt.%、または約0.5wt.%~約7.0wt.%、または約0.5wt.%~約5.0wt.%、または約0.5wt.%~約3.5wt.%、または約0.5wt.%~約3.0wt.%、または約0.5wt.%~約2.5wt.%、または約0.5wt.%~約2.0wt.%、または約0.5wt.%~約1.5wt.%、または約0.5wt.%~約1.0wt.%、または約1.0wt.%~約7.0wt.%、または約1.0wt.%~約5.0wt.%、または約1.0wt.%~約3.5wt.%、または約1.0wt.%~約3wt.%、または約1.0wt.%~約2.5wt.%、または約1.0wt.%~約2wt.%、または約1.0wt.%~約1.5wt.%のEUOタイプモレキュラーシーブ相を含むことができる。
【0044】
EUOタイプモレキュラーシーブ相は、EU-1を含む(例えば、それである)ことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約0wt.%以上、例えば約0.1wt.%以上、または約0.5wt.%以上、または約1.0wt.%以上のEU-1を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約7.0wt.%以下、例えば、約5.0wt.%以下、または約3.5wt.%以下、または約2.5wt.%以下、または約2.0wt.%以下、または約1.5wt.%以下、または約1.0wt.%以下、または約0.5wt.%以下のEU-1を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約0wt.%~約7.0wt.%、例えば、約0wt.%~約5.0wt.%、または約0wt.%~約3.5wt.%、または約0wt.%~約2.5wt.%、または約0wt.%~約2.0wt.%、または約0wt.%~約1.5wt.%、または約0wt.%~約1.0wt.%、または約0wt.%~約0.5wt.%、または約0.1wt.%~約7.0wt.%、または約0.1wt.%~約5.0wt.%、または約0.1wt.%~約3.5wt.%、または約0.1wt.%~約3.0wt.%、または約0.1wt.%~約2.5wt.%、または約0.1wt.%~約2.0wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1.0wt.%、または約0.1wt.%~約0.5wt.%、または約0.5wt.%~約7.0wt.%、または約0.5wt.%~約5.0wt.%、または約0.5wt.%~約3.5wt.%、または約0.5wt.%~約3.0wt.%、または約0.5wt.%~約2.5wt.%、または約0.5wt.%~約2.0wt.%、または約0.5wt.%~約1.5wt.%、または約0.5wt.%~約1.0wt.%、または約1.0wt.%~約7.0wt.%、または約1.0wt.%~約5.0wt.%、または約1.0wt.%~約3.5wt.%、または約1.0wt.%~約3wt.%、または約1.0wt.%~約2.5wt.%、または約1.0wt.%~約2wt.%、または約1.0wt.%~約1.5wt.%のEU-1を含むことができる。
【0045】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)の多結晶凝集体は、合わせて約2以上、例えば、約3以上の平均アスペクト比を有する結晶子を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)の多結晶凝集体は、合わせて約7以下、例えば、約6以下、または約5以下、または約4以下、または約3以下、または約2以下の平均アスペクト比を有する結晶子を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)の多結晶凝集体は、合わせて約1~約7、例えば、約1~約6、または約1~約5、または約1~約4、または約1~約3、または約1~約2、または約2~約8、または約2~約7、または約2~約6、または約2~約5、または約2~約4、または約2~約3、または約3~約8、または約3~約7、または約3~約6、または約3~約5、または約3~約4の平均アスペクト比を有する結晶子を含むことができる。モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)の多結晶凝集体は、合わせて約1の平均アスペクト比を有する結晶子を含むことができる。SSZ-91は、より高いアスペクト比を有するZSM-48材料より低い程度のハイドロクラッキングを示す。アスペクト比1が理想的な最低値であり、これは長さ及び幅が同じとなる。
【0046】
多結晶凝集体は(すなわち各々)、約100nm以上、例えば、約500nm以上の直径を有することができる。多結晶凝集体は(すなわち各々)、約1.5μm以下、例えば、約1μm以下の直径を有することができる。多結晶凝集体は(すなわち各々)、約100nm~約1.5μm、例えば約500nm~約1.5μm、または約100nm~約1μm、または約500nm~約1μmの直径を有することができる。
【0047】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、結晶子は、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する。
【0048】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、その合成された形態で、実質的に以下の表1に示すような(すなわち、粉末)X線回折パターンを有することができる。
【表1】
【0049】
モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)は、その焼成された形態で、実質的に以下の表2に示すような(すなわち、粉末)X線回折パターンを有することができる。
【表2】
【0050】
本明細書で示されている粉末X線回折パターンは、標準的技法により収集された。放射線はCuKα線であった。ピークの高さ及び位置を、2θ(θはブラッグ角)の関数として、ピークの相対強度(バックグラウンドに対し調整)から読み取り、d(記録された線に対応する格子面間隔)を計算することができる。
【0051】
水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%以上、例えば約10wt.%以上、または約20wt.%以上、または約30wt.%以上、または約40wt.%以上、または約50wt.%以上のモレキュラーシーブを含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約80wt.%以下、例えば約70wt.%以下、または約60wt.%以下、または約50wt.%以下のモレキュラーシーブを含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%のモレキュラーシーブを含むことができる。
【0052】
第1の改質剤
水素化異性化触媒は、元素周期表の第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤を含む。1つ以上の第1の改質剤は、水素化/脱水素化反応を促進することができる。そのため、1つ以上の第1の改質剤は、1つ以上の水素化/脱水素化金属であり得る。
【0053】
誤解を避けるために言及すると、元素周期表の第8族は鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及びハッシウム(Hs)を含む。元素周期表の第9族は、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、及びマイトネリウム(Mt)を含む。元素周期表の第10族は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びダームスタチウム(Ds)を含む。
【0054】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、第8族~第10族から選択される1つのみの第1の改質剤を含む。他の例において、水素化異性化触媒は、第8族から第10族から選択される2つ以上の(すなわち異なる)第1の改質剤を含む。
【0055】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)から選択される1つ以上の第1の改質剤を含む。例えば、水素化異性化触媒は、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)の一方のみを含むことができる。代替的に、水素化異性化触媒は、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)の両方を含むことができる。
【0056】
水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約8wt.%以下、または約6wt.%以下、または約4wt.%以下、または約2wt.%以下、または約1wt.%以下の1つ以上の第1の改質剤を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%以上、例えば約1wt.%以上、または約2wt.%以上の1つ以上の第1の改質剤を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約10wt.%、例えば、約0.1wt.%~約8wt.%、または約0.1wt.%~約6wt.%、または約0.1wt.%~約4wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約10wt.%、または約1wt.%~約8wt.%、または約1wt.%~約6wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約2wt.%~約10wt.%、または約2wt.%~約8wt.%、または約2wt.%~約6wt.%、または約2wt.%~約4wt.%の1つ以上の第1の改質剤を含むことができる。
【0057】
第2の改質剤
水素化異性化触媒は、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤を含む。1つ以上の第2の改質剤は、モレキュラーシーブ上の酸部位の数を効果的に低減して、例えば、ハイドロクラッキング反応と比較して、水素化異性化触媒の異性化(例えば、n-パラフィンの異性化)に対する選択性を増加させる(すなわち、促進する)ことができる。そのため、1つ以上の第1の改質剤は、1つ以上のプロモーター金属または1つ以上のプロモーターであり得る。
【0058】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)及びネオジム(Nd)から選択される1つのみの第2の改質剤を含む。他の例において、水素化異性化触媒は、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)から選択される2つ以上の(すなわち、異なる)第2の改質剤を含む。
【0059】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、マグネシウム(Mg)を第2の改質剤として含む。いくつかの例において、水素化異性化触媒は、マグネシウム(Mg)を1つのみの第2の改質剤として含む。
【0060】
水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約8wt.%以下、または約6wt.%以下、または約4wt.%以下、または約2wt.%以下、または約1.5wt.%以下、または約1wt.%以下の1つ以上の第2の改質剤を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%以上、例えば約1wt.%以上、または約2wt.%以上の1つ以上の第2の改質剤を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約10wt.%、例えば、約0.1wt.%~約8wt.%、または約0.1wt.%~約6wt.%、または約0.1wt.%~約4wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約10wt.%、または約1wt.%~約8wt.%、または約1wt.%~約6wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約1wt.%~約1.5wt.%、または約2wt.%~約10wt.%、または約2wt.%~約8wt.%、または約2wt.%~約6wt.%、または約2wt.%~約4wt.%の1つ以上の第2の改質剤を含むことができる。
【0061】
水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約4wt.%以下、または約2wt.%以下、または約1.5wt.%以下、または約1.4wt.%以下、または約1wt.%以下、または約0.7wt.%以下、または約0.5wt.%以下、または約0.4wt.%以下のマグネシウム(Mg)を(例えば、1つのみの)第2の改質剤として含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約0.1wt.%以上、例えば、約0.2wt.%以上、または約0.3wt.%以上、または約0.4wt.%以上、または約0.5wt.%以上、または約0.6wt.%以上、または約0.7wt.%以上、または約0.8wt.%以上、または約0.9wt.%以上、または約1wt.%以上、または約1.3wt.%以上、または約1.5wt.%以上、または約2wt.%以上のマグネシウム(Mg)を(例えば、1つのみの)第2の改質剤として含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約0.1wt.%~約4wt.%、例えば、約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1.4wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約0.1wt.%~約0.7wt.%、または約0.1wt.%~約0.5wt.%、または約0.1wt.%~約0.4wt.%、または約0.2wt.%~約4wt.%、または約0.2wt.%~約2wt.%、または約0.2wt.%~約1.5wt.%、または約0.2wt.%~約1.4wt.%、または約0.2wt.%~約1wt.%、または約0.2wt.%~約0.7wt.%、または約0.2wt.%~約0.5wt.%、または約0.2wt.%~約0.4wt.%、または約0.3wt.%~約4wt.%、または約0.3wt.%~約2wt.%、または約0.3wt.%~約1.5wt.%、または約0.3wt.%~約1.4wt.%、または約0.3wt.%~約1wt.%、または約0.3wt.%~約0.7wt.%、または約0.3wt.%~約0.5wt.%、または約0.3wt.%~約0.4wt.%、または約0.4wt.%~約4wt.%、または約0.4wt.%~約2wt.%、または約0.4wt.%~約1.5wt.%、または約0.4wt.%~約1.4wt.%、または約0.4wt.%~約1wt.%、または約0.4wt.%~約0.7wt.%、または約0.4wt.%~約0.5wt.%、または約0.5wt.%~約4wt.%、または約0.5wt.%~約2wt.%、または約0.5wt.%~約1.5wt.%、または約0.5wt.%~約1.4wt.%、または約0.5wt.%~約1wt.%、または約0.5wt.%~約0.7wt.%、または約0.6wt.%~約4wt.%、または約0.6wt.%~約2wt.%、または約0.6wt.%~約1.5wt.%、または約0.6wt.%~約1.4wt.%、または約0.6wt.%~約1wt.%、または約0.6wt.%~約0.7wt.%、または約0.7wt.%~約4wt.%、または約0.7wt.%~約2wt.%、または約0.7wt.%~約1.5wt.%、または約0.7wt.%~約1.4wt.%、または約0.7wt.%~約1wt.%、または約0.8wt.%~約4wt.%、または約0.8wt.%~約2wt.%、または約0.8wt.%~約1.5wt.%、または約0.8wt.%~約1.4wt.%、または約0.8wt.%~約1wt.%、または約0.9wt.%~約4wt.%、または約0.9wt.%~約2wt.%、または約0.9wt.%~約1.5wt.%、または約0.9wt.%~約1.4wt.%、または約0.9wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約1wt.%~約1.5wt.%、または約1wt.%~約1.4wt.%、または約1.3wt.%~約4wt.%、または約1.3wt.%~約2wt.%、または約1.3wt.%~約1.5wt.%、または約1.3wt.%~約1.4wt.%、または約1.5wt.%~約4wt.%、または約1.5wt.%~約2wt.%、または約2wt.%~約4wt.%のマグネシウム(Mg)を(例えば、1つのみの)第2の改質剤として含むことができる。
【0062】
担体
水素化異性化触媒は無機酸化物担体を含む。無機酸化物担体は、結合剤としても知られ得る。
【0063】
無機酸化物担体は耐火性の無機酸化物担体であり得る。
【0064】
無機酸化物担体は、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、シリカ-マグネシア、シリカ-チタニアなど、またはこれらの組合せを含むことができる。無機酸化物担体は、非晶質であっても、結晶質であっても、これらの組合せであってもよい。非晶質材料の例としては、非晶質アルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカ-アルミナなどが挙げられる。
【0065】
無機酸化物担体がシリカ及びアルミナを含む例において、無機酸化物担体中のシリカとアルミナの分布は、均質であっても不均質であってもよい。いくつかの例において、無機酸化物担体は、シリカ、シリカ/アルミナ、及び/またはアルミナ基材が分散しているアルミナゲルからなることがある。
【0066】
無機酸化物担体は、アルミナまたはシリカ以外の材料(例えば、無機酸化物または粘土粒子)を含んでもよい。
【0067】
いくつかの例において、シリカ及び/またはアルミナは、無機酸化物担体の約80wt.%以上、例えば約90wt.%以上、または約95wt.%以上を構成する。いくつかの例において、無機酸化物担体は、実質的に完全にシリカ及び/またはアルミナからなり、例えば、実質的に完全にシリカからなる、または実質的に完全にアルミナからなる。
【0068】
水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%以上、例えば約10wt.%以上、または約20wt.%以上、または約30wt.%以上、または約40wt.%以上、または約50wt.%以上の無機酸化物担体を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約80wt.%以下、例えば約70wt.%以下、または約60wt.%以下、または約50wt.%以下の無機酸化物担体を含むことができる。水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%の無機酸化物担体を含むことができる。
【0069】
触媒組成
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%のモレキュラーシーブと、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%の無機酸化物担体と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約10wt.%、例えば、約0.1wt.%~約8wt.%、または約0.1wt.%~約6wt.%、または約0.1wt.%~約4wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約10wt.%、または約1wt.%~約8wt.%、または約1wt.%~約6wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約2wt.%~約10wt.%、または約2wt.%~約8wt.%、または約2wt.%~約6wt.%、または約2wt.%~約4wt.%の1つ以上の第1の改質剤と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約10wt.%、例えば、約0.1wt.%~約8wt.%、または約0.1wt.%~約6wt.%、または約0.1wt.%~約4wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約10wt.%、または約1wt.%~約8wt.%、または約1wt.%~約6wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約1wt.%~約1.5wt.%、または約2wt.%~約10wt.%、または約2wt.%~約8wt.%、または約2wt.%~約6wt.%、または約2wt.%~約4wt.%の1つ以上の第2の改質剤とを含む(例えば、それらからなる)。
【0070】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%のモレキュラーシーブと、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約5wt.%~約50wt.%、約10wt.%~約80wt.%、約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約50wt.%、約20wt.%~約80wt.%、約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約50wt.%、約30wt.%~約80wt.%、約30wt.%~約70wt.%、または約30wt.%~約60wt.%、または約30wt.%~約50wt.%、約40wt.%~約80wt.%、約40wt.%~約70wt.%、または約40wt.%~約60wt.%、または約40wt.%~約50wt.%、約50wt.%~約80wt.%、約50wt.%~約70wt.%、または約50wt.%~約60wt.%の無機酸化物担体と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約10wt.%、例えば、約0.1wt.%~約8wt.%、または約0.1wt.%~約6wt.%、または約0.1wt.%~約4wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約10wt.%、または約1wt.%~約8wt.%、または約1wt.%~約6wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約2wt.%~約10wt.%、または約2wt.%~約8wt.%、または約2wt.%~約6wt.%、または約2wt.%~約4wt.%の1つ以上の第1の改質剤と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、(例えば、1つのみの)第2の改質剤としての約0.1wt.%~約4wt.%、例えば、約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%、または約0.1wt.%~約1.4wt.%、または約0.1wt.%~約1wt.%、または約0.1wt.%~約0.7wt.%、または約0.1wt.%~約0.5wt.%、または約0.1wt.%~約0.4wt.%、0.2wt.%~約4wt.%、または約0.2wt.%~約2wt.%、または約0.2wt.%~約1.5wt.%、または約0.2wt.%~約1.4wt.%、または約0.2wt.%~約1wt.%、または約0.2wt.%~約0.7wt.%、または約0.2wt.%~約0.5wt.%、または約0.2wt.%~約0.4wt.%、または約0.3wt.%~約4wt.%、または約0.3wt.%~約2wt.%、または約0.3wt.%~約1.5wt.%、または約0.3wt.%~約1.4wt.%、または約0.3wt.%~約1wt.%、または約0.3wt.%~約0.7wt.%、または約0.3wt.%~約0.5wt.%、または約0.3wt.%~約0.4wt.%、または約0.4wt.%~約4wt.%、または約0.4wt.%~約2wt.%、または約0.4wt.%~約1.5wt.%、または約0.4wt.%~約1.4wt.%、または約0.4wt.%~約1wt.%、または約0.4wt.%~約0.7wt.%、または約0.4wt.%~約0.5wt.%、または約0.5wt.%~約4wt.%、または約0.5wt.%~約2wt.%、または約0.5wt.%~約1.5wt.%、または約0.5wt.%~約1.4wt.%、または約0.5wt.%~約1wt.%、または約0.5wt.%~約0.7wt.%、または約0.6wt.%~約4wt.%、または約0.6wt.%~約2wt.%、または約0.6wt.%~約1.5wt.%、または約0.6wt.%~約1.4wt.%、または約0.6wt.%~約1wt.%、または約0.6wt.%~約0.7wt.%、または約0.7wt.%~約4wt.%、または約0.7wt.%~約2wt.%、または約0.7wt.%~約1.5wt.%、または約0.7wt.%~約1.4wt.%、または約0.7wt.%~約1wt.%、または約0.8wt.%~約4wt.%、または約0.8wt.%~約2wt.%、または約0.8wt.%~約1.5wt.%、または約0.8wt.%~約1.4wt.%、または約0.8wt.%~約1wt.%、または約0.9wt.%~約4wt.%、または約0.9wt.%~約2wt.%、または約0.9wt.%~約1.5wt.%、または約0.9wt.%~約1.4wt.%、または約0.9wt.%~約1wt.%、または約1wt.%~約4wt.%、または約1wt.%~約2wt.%、または約1wt.%~約1.5wt.%、または約1wt.%~約1.4wt.%、または約1.3wt.%~約4wt.%、または約1.3wt.%~約2wt.%、または約1.3wt.%~約1.5wt.%、または約1.3wt.%~約1.4wt.%、または約1.5wt.%~約4wt.%、または約1.5wt.%~約2wt.%、または約2wt.%~約4wt.%のマグネシウム(Mg)とを含む(例えば、それらからなる)。
【0071】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約20wt.%~約70wt.%のモレキュラーシーブと、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約20wt.%~約70wt.%の無機酸化物担体と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の1つ以上の第1の改質剤と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の1つ以上の第2の改質剤とを含む(例えば、それらからなる)。
【0072】
いくつかの例において、水素化異性化触媒は、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約20wt.%~約70wt.%のモレキュラーシーブと、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約20wt.%~約70wt.%の無機酸化物担体と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の1つ以上の第1の改質剤と、水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgとを含む(例えば、それらからなる)。
【0073】
触媒形態
水素化異性化触媒は、押出物または形成された粒子、例えば、焼成された押出物または形成された粒子の形態で提供することができる。例えば、水素化異性化触媒は、複数の当該(例えば焼成された)押出物及び/または形成された粒子を含むことができる。(例えば、焼成された)触媒押出物及び/または形成された粒子は、約0.5mm~約5mm、例えば約1mm~約3mm、または約1mm~約2mmの直径を有することができる。(例えば、焼成された)触媒押出物及び/または形成された粒子は、約1~約5、例えば約1~約4、または約2~約5、または約2~約4、または約2~約3の長さ/直径比を有することができる。
【0074】
触媒を作製する方法
水素化異性化触媒を作製する方法は、概して、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブ及び無機酸化物を含む混合物を形成することと、当該混合物を押出して、押出物または形成された粒子を形成することと、当該押出物または形成された粒子を乾燥することと、当該乾燥された押出物または形成された粒子を焼成することとを含み、当該方法はさらに、水素化異性化触媒に、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを組み込むことを含む。
【0075】
1つ以上の第1の改質剤及び/または1つ以上の第2の改質剤は、押出物または形成された粒子を乾燥及び焼成した後に、水素化異性化触媒に組み込むことができる。
【0076】
例えば、水素化異性化触媒に、1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を組み込むことは、焼成された押出物または形成された粒子を、1つ以上の第1の改質剤または1つ以上の第2の改質剤のいずれかを含む第1の含浸溶液に接触させること、焼成された押出物または形成された粒子を、1つ以上の第2の改質剤または1つ以上の第1の改質剤の対応する他方を含む第2の含浸溶液に接触させることにより、焼成された押出物または形成された粒子に1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を装填して、改質された焼成された押出物または形成された粒子を形成することと、改質された焼成された押出物または形成された粒子を乾燥させることとを含むことができる。当該方法はさらに、改質された焼成された押出物または形成された粒子を焼成することを含むことができる。
【0077】
焼成された押出物または形成された粒子は、焼成された押出物または形成された粒子に少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第1の改質剤または1つ以上の第2の改質剤のそれぞれの1つを含浸するのに十分な含浸条件下で、第1の含浸溶液に接触させることができる。焼成された押出物または形成された粒子は、焼成された押出物または形成された粒子に少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第1の改質剤または1つ以上の第2の改質剤の対応する他方を含浸するのに十分な含浸条件下で、第2の含浸溶液に接触させることができる。
【0078】
代替的に、水素化異性化触媒に、1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を組み込むことは、焼成された押出物または形成された粒子を、1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤の両方を含む第3の含浸溶液に接触させることにより、焼成された押出物または形成された粒子に1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を装填して、改質された焼成された押出物または形成された粒子を形成することと、改質された焼成された押出物または形成された粒子を乾燥することとを含むことができる。当該方法はさらに、改質された焼成された押出物または形成された粒子を焼成することを含むことができる。
【0079】
焼成された押出物または形成された粒子は、焼成された押出物または形成された粒子に少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、第3の含浸溶液に接触させることができる。
【0080】
代替的に、1つ以上の第1の改質剤及び/または1つ以上の第2の改質剤は、押出物または形成された粒子を乾燥及び焼成する前に、水素化異性化触媒に組み込むことができる。例えば、水素化異性化触媒に1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を組み込むことは、混合物を形成する前に、1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤をモレキュラーシーブに装填することを含むことができる。モレキュラーシーブに1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を装填することは、モレキュラーシーブを、1つ以上の第1の改質剤または1つ以上の第2の改質剤のいずれかを含む第4の含浸溶液に接触させることと、モレキュラーシーブを、1つ以上の第2の改質剤または1つ以上の第1の改質剤の対応する他方を含む第5の含浸溶液に接触させることと、改質されたモレキュラーシーブを乾燥することとを含むことができる。代替的に、モレキュラーシーブに1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を装填することは、モレキュラーシーブを、1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤の両方を含む第6の含浸溶液に接触させることと、改質されたモレキュラーシーブを乾燥することとを含むことができる。モレキュラーシーブは、モレキュラーシーブに少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%(例えば、少なくとも約1wt.%)の1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、第4、第5、または第6の含浸溶液に接触させることができる。
【0081】
水素化異性化触媒に1つ以上の第1の改質剤及び1つ以上の第2の改質剤を組み込むことは、水素化異性化触媒に約0.1wt.%~約4wt.%(例えば、約0.1wt.%~約2wt.%、または約0.1wt.%~約1.5wt.%)のマグネシウム(Mg)を装填することを含むことができる。
【0082】
含浸溶液は、それぞれの金属カチオン(複数可)の塩(例えば、ハロゲン化物、硝酸塩、または硫酸塩)を含むことができる。含浸溶液は、当該塩を脱イオン水に溶解することにより調製することができる。含浸溶液の濃度は、無機酸化物担体の細孔容積及び所望される金属装填レベルに基づいて選択される。
【0083】
押出前の混合物は、約5wt.%以上、例えば、約10wt.%以上、または約20wt.%以上のモレキュラーシーブを含むことができる。押出前の混合物は、約80wt.%以下、例えば、約70wt.%以下、または約60wt.%以下のモレキュラーシーブを含むことができる。押出前の混合物は、約5wt.%~約80wt.%、例えば、約5wt.%~約70wt.%、または約5wt.%~約60wt.%、または約10wt.%~約80wt.%、または約10wt.%~約70wt.%、または約10wt.%~約60wt.%、または約20wt.%~約80wt.%、または約20wt.%~約70wt.%、または約20wt.%~約60wt.%のモレキュラーシーブを含むことができる。
【0084】
押出前の混合物はさらに、水溶液を含むことができる。
【0085】
含浸前の押出物または形成された粒子の乾燥は、約194°F~約302°F(約90℃~約150℃)の温度で約1時間~約12時間実施することができる。乾燥された押出物または形成された粒子の焼成は、約390°F~約1100°F(約199℃~約593℃)の温度で約0.5時間~約5時間実施することができる。
【0086】
含浸後の改質された押出物または形成された粒子の乾燥は、約100°F~約300°F(約38℃~約149℃)の温度で約0.1時間~約10時間実施することができる。改質された押出物または形成された粒子の焼成は、約600°F~約1200°F(約316℃~約649℃)の温度で約0.1時間~約10時間実施することができる。
【0087】
触媒を使用する方法
水素化異性化触媒は、炭化水素質供給原料を水素化異性化する方法に使用することができる。この方法は、典型的には、水素の存在下及び水素化異性化条件下で、炭化水素質供給原料を水素化異性化触媒に接触させることを含む。
【0088】
炭化水素質供給原料は、ガス油;真空ガス油;常圧蒸留残油;真空残油;常圧蒸留物;重油;油;ろう及びパラフィン;使用済油;脱歴残油もしくは粗製油;熱もしくは触媒変換プロセスから生じるチャージ;シェール油;サイクル油;動物及び植物由来の脂肪、油、及びろう;石油及びスラックろう;またはこれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含むことができる。
【0089】
当該方法は、炭化水素質供給原料を水素化異性化により脱ろうする方法であり得る。したがって、炭化水素質供給原料は、未転化油または基油生成物であり得る。
【0090】
水素化異性化条件は、約500°F~約800°F(約260℃~約427℃)、例えば、約550°F~約750°F(約288℃~約399℃)の反応温度、約350psi~約5000psi(約2413kPa~約34474kPa)、例えば、約1500psi~約2500psi(約10342kPa~約17237kPa)、約1200psi~約2500psi(約8274kPa~約17237kPa)の反応ゲージ圧力、約0.1hr-1~約15hr-1、例えば、約0.2hr-1~約10hr-1、約0.2hr-1~約2.5hr-1、約0.1hr-1~約10hr-1の液空間速度(LHSV)、合わせたフィード1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィートH2の比における反応器に供給した水素及び合わせたフィード(約360~約1800m3H2/m3フィード)、及び/または液体炭化水素フィード1バレル当たり約100scf~約2500scf(約17.8~約445 m3H2/m3フィード)、例えば、約200scf~約2500scf/バレル(約35.6~約445m3H2/m3フィード)、約100scf~約1500scf/バレル(約17.8~約267m3H2/m3フィード)の水素消費を含むことができる。
【0091】
本発明の水素化異性化触媒は、単独で、または1つ以上の他の水素化異性化触媒、ハイドロトリートメント触媒及び/またはハイドロクラッキング触媒と組み合わせて使用することができる。
【0092】
本発明者らは、本発明による水素化異性化触媒を炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用することにより、モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)及び/または1つ以上の第2の改質剤(例えば、マグネシウム(Mg))を含まない水素化異性化触媒と比較して、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、短鎖(例えば、4個以下の炭素原子を含む)炭化水素の収率を低減することができることを見出した。例えば、いくつかの場合において、水素化異性化された溶出液の収率、特に潤滑油生成物の収率は、少なくとも約0.5wt.%、または0.8wt.%、または1.0wt.%、または1.2wt.%、または1.4wt.%、または1.6wt.%、または1.8wt.%、または2.0wt.%増加させることができる。また、本発明による水素化異性化触媒は、モレキュラーシーブ(すなわち、SSZ-91)及び/または1つ以上の第2の改質剤(例えば、マグネシウム(Mg))を含まない水素化異性化触媒と比較して、水素化異性化に対する選択性の増加も示すことができる。例えば、水素化異性化された溶出液の収率の利点に加えて、またはそれとは別に、異性化されたn-C16に対する選択性も、例えば、少なくとも約2wt.%、または5wt.%、または10wt.%増加させることができる。
【0093】
本発明が、上述の実施形態に限定されるものではないこと、そして本明細書に記載の概念から逸脱することなく、様々な変更及び改善が行われ得ることが理解されよう。相互排他的である場合を除き、これらの特徴はいずれも、別個に、または他の特徴と組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載の1つ以上の特徴の全ての組合せ及び部分組合せに及び、これらを含むものである。
【0094】
誤解を避けるため、本出願は、以下の番号付けされた項目に記載された主題を対象とする。
1.ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、水素化異性化触媒であって、前記モレキュラーシーブが、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、前記モレキュラーシーブが、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記水素化異性化触媒。
2.前記モレキュラーシーブが、その合成形態で、実質的に以下の表に示されるようなX線回折パターン:
【表1】
及び/または
その焼成された形態で、実質的に以下の表に示されるようなX線回折パターンを有する、第1項に記載の水素化異性化触媒:
【表2】
3.前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、第1項または第2項に記載の水素化異性化触媒。
4.前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%(例えば、約20wt.%~約70wt.%)の前記モレキュラーシーブを含む、いずれかの先行項に記載の水素化異性化触媒。
5.前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下(例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%)の前記1つ以上の第2の改質剤を含む、いずれかの先行項に記載の水素化異性化触媒。
6.前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下(例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%)の前記1つ以上の第1の改質剤を含む、いずれかの先行項に記載の水素化異性化触媒。
7.前記水素化異性化触媒が約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、いずれかの先行項に記載の水素化異性化触媒。
8.前記水素化異性化触媒が、焼成された押出物または形成された粒子の形態で提供される、いずれかの先行項に記載の水素化異性化触媒。
9.水素化異性化触媒を作製する方法であって、前記方法が、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブ及び無機酸化物を含む混合物を形成することであって、前記モレキュラーシーブが、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、前記モレキュラーシーブが、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記形成することと、押出物または形成された粒子を形成するために前記混合物を押出することと、前記押出物または形成された粒子を乾燥することと、前記乾燥された押出物または形成された粒子を焼成することとを含み、前記方法が、前記水素化異性化触媒に、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤、ならびにカルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤を組み込むことをさらに含む、前記方法。
10.前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を前記水素化異性化触媒に組み込むことが、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第1の改質剤もしくは前記1つ以上の第2の改質剤のいずれかを含む第1の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子にそれぞれ少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤もしくは1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させること、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第2の改質剤もしくは前記1つ以上の第1の改質剤の対応する他方を含む第2の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子にそれぞれ少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤もしくは1つ以上の第1の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させること、または前記焼成された押出物もしくは形成された粒子を、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤の両方を含む第3の含浸溶液に、場合により、前記焼成された押出物もしくは形成された粒子に少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤を含浸するのに十分な含浸条件下で、接触させることにより、前記焼成された押出物または形成された粒子に前記1つ以上の第1の改質剤及び/または前記1つ以上の第2の改質剤を装填して、改質された焼成された押出物または形成された粒子を形成することと、前記改質された焼成された押出物または形成された粒子を乾燥することとを含む、第9項に記載の方法。
11.前記水素化異性化触媒に、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を組み込むことが、前記混合物を形成する前に、場合により、前記モレキュラーシーブに少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤及び少なくとも約0.1wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤を装填するのに十分な条件下で、前記モレキュラーシーブに前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を装填することを含む、第9項に記載の方法。
12.前記水素化異性化触媒に、前記1つ以上の第1の改質剤及び前記1つ以上の第2の改質剤を組み込むことが、前記水素化異性化触媒に約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを装填することを含む、第9~11項のいずれかに記載の方法。
13.前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、第9~11項のいずれかに記載の方法。
14.前記混合物が、約5wt.%~約80wt.%の前記モレキュラーシーブを含む、第9~13項のいずれかに記載の方法。
15.第9~14項のいずれかに記載の方法によって製造された、水素化異性化触媒。
16.炭化水素質供給原料を水素化異性化する方法であって、前記炭化水素質供給原料を、第1~8項または第15項のいずれかに記載の水素化異性化触媒に、水素化異性化条件下で接触させて、水素化異性化された溶出物を生成することを含む、前記方法。
17.前記炭化水素質供給原料が、ガス油;真空ガス油;常圧蒸留残油;真空残油;常圧蒸留物;重油;油;ろう及びパラフィン;使用済油;脱歴残油もしくは粗製油;熱もしくは触媒変換プロセスから生じるチャージ;シェール油;サイクル油;動物及び植物由来の脂肪、油、及びろう;石油及びスラックろう;またはこれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、第16項に記載の方法。
18.前記方法が、前記炭化水素質供給原料を水素化異性化によって脱ろうする方法である、第16項に記載の方法。
19.前記炭化水素質供給原料が、未転化油または基油生成物である、第18項に記載の方法。
20.前記水素化異性化条件が、約400°F~約950°F(約204℃~約510℃)、例えば、約650°F~約850°F(約343℃~約454℃)の反応温度、約500psi~約5000psi(約3447kPa~約34474kPa)、例えば、約1500psi~約2500psi(約10342kPa~約17237kPa)、もしくは約1200psi~約2500psi(約8274kPa~約17237kPa)の反応ゲージ圧力、約0.1hr
-1~約15hr
-1、例えば、約0.2hr
-1~約10hr-1、もしくは約0.2hr
-1~約2.5hr
-1、もしくは約0.1hr
-1~約10hr
-1のLHSV、及び/または液体炭化水素フィード1バレル当たり約100scf~約2500scf(約17.8~約445m
3H
2/m
3フィード)、例えば、約200scf~約2500scf/バレル(約35.6~約445m
3H
2/m
3フィード)、もしくは100scf~約1500scf/バレル(約17.8~約267m
3H
2/m
3フィード)の水素消費を含む、第16~18項のいずれかに記載の方法。
21.水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、前記水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、前記水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、前記水素化異性化触媒におけるモレキュラーシーブの使用であって、前記モレキュラーシーブが、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属し、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有し、前記水素化異性化触媒が、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の第1の改質剤と、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の第2の改質剤とを含む、前記使用。
22.前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、第21項に記載の使用。
23.前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば約20wt.%~約70wt.%の前記モレキュラーシーブと、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、もしくは約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤、及び/または前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤とを含み、例えば、前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、第21項または第22項に記載の使用。
24.水素化異性化触媒が、炭化水素質供給原料の水素化異性化に使用されるときに、水素化異性化された溶出液の収率を増加させ、前記水素化異性化された溶出液の粘度指数を増加させ、前記水素化異性化触媒の水素化異性化に対する選択性を増加させ、及び/または短鎖炭化水素の収率を低減するための、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、プラセオジム(Pr)、ストロンチウム(Sr)、カリウム(K)、及びネオジム(Nd)からなる群より選択される1つ以上の改質剤の前記水素化異性化触媒における使用であって、前記水素化異性化触媒が、ゼオライトのZSM-48ファミリーに属するモレキュラーシーブであって、約40~約220の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比と、生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも約70%のポリタイプ6と、全生成物の約0~約7.0重量パーセントの量の追加のEUOタイプモレキュラーシーブ相とを含み、合わせて約1~約8の平均アスペクト比を有する結晶子を含む多結晶凝集体として特徴付けられる形態を有する、前記モレキュラーシーブと、無機酸化物担体と、第8族~第10族から選択される1つ以上の金属とをさらに含む、前記使用。
25.前記モレキュラーシーブが、約70~約160(例えば、約80~約140)の酸化ケイ素の酸化アルミニウムに対するモル比を有し、前記モレキュラーシーブが、前記生成物中に存在する全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%(例えば、少なくとも約90%)のポリタイプ6を含み、前記モレキュラーシーブが、約0.1~約2wt.%のEU-1を含み、及び/または前記結晶子が、合わせて約1~約5(例えば、約1~約3)の平均アスペクト比を有する、第24項に記載の使用。
26.前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、約5wt.%~約80wt.%、例えば約20wt.%~約70wt.%の前記モレキュラーシーブと、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、もしくは約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第1の改質剤、及び/または前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約10wt.%以下、例えば、約0.1wt.%~約10wt.%、または約0.1wt.%~約2wt.%の前記1つ以上の第2の改質剤とを含み、例えば、前記水素化異性化触媒が、前記水素化異性化触媒のバルク乾燥重量に基づいて、合計で約0.1wt.%~約1.5wt.%のMgを含む、第24項または第25項に記載の使用。
【0095】
例
以下の例示的な例(実施例)は、非限定的であることが意図されている。
【0096】
SSZ-91を、全ての触媒についてUS-A-9920260(参照により本明細書に援用される)に従い、また米国特許出願第17/138,260号(弁護士整理番号T-10756;参照により本明細書に援用される)に記載のように調製した。
【0097】
例1:触媒1~4の調製及び水素化異性化性能
触媒1(第2の改質剤を含まない)を以下の手順で作製した。SSZ-91モレキュラーシーブをアルミナ及び水溶液と混合して、65wt.% SSZ-91のモレキュラーシーブ含量を有する混合物を形成した。混合物を押出して、押出物を形成した。押出物を乾燥し、次いで焼成して押出物基材を形成した。押出物基材に、白金を含む溶液を含浸した。次いで含浸させた触媒を空気中で乾燥し、その後に焼成して水素化異性化触媒を得た。水素化異性化触媒生成物の全体的な白金装填量は0.6wt.%であった。
【0098】
触媒2、3、及び4(Mgの第2の改質剤を含む)を以下の手順により作製した。触媒1に使用したものと同じ手順に従って調製した焼成された押出物に、Mgを含む含浸溶液を接触させ、押出物を乾燥することにより、触媒2、3、及び4の各々にMgを装填した。続いて、押出物を、白金を含む含浸溶液に接触させ、押出物を乾燥することにより、押出物の各々に白金を装填した。最後に、押出物を焼成して、完成状態の結合した水素化異性化触媒を形成した。水素化異性化触媒生成物の全体的な白金装填量は0.6wt.%であった。
【0099】
触媒1、2、3、及び4は、表3に記載のように、Mgの装填量によって互いに区別される。
【表3】
【0100】
触媒1、2、3、及び4を使用して、米国特許出願第14/862,358号(US2016/0089666A1として公開)(参照により全体として本明細書に援用される)に記載の方法により、表4及び5に概説されている性質を有する軽質中性真空ガス油(VGO)ハイドロクラッキング供給原料を水素化異性化した。反応は、2つの固定床反応器を備えたマイクロユニットで実施した。2100psigの総圧力下で運転を作動した。フィードの導入の前に、触媒を標準的な還元手順により活性化した。原料を、2hr
-1の液空間速度(LHSV)で水素化異性化反応器に通し、次いで米国特許第8,790,507B2号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載のように、第2の反応器(潤滑油生成物の品質をさらに改善するためPd/Pt触媒を装填)で水素化仕上げした。水素の油に対する比率は約3000scfbであった。潤滑油を蒸留セクションで燃料から分離した。生成物の潤滑油収率、触媒温度、及び粘度指数(VI)(ASTM D-2270に従って測定)を定量した。表6は、触媒2、3、及び4の潤滑油生成物収率、CAT、ならびにVIを、触媒1を用いて得られた結果と比較して示したものである。
【表4-6】
【0101】
例2:触媒5~8の調製及び水素化異性化性能
触媒5、6、7、及び8を以下の方法により調製した。触媒5は、パラジウムテトラアミンジニトレート(0.5wt.% Pd)を用いてアンモニウム交換したSSZ-91試料でパラジウムイオン交換を行うことにより、作製した。このパラジウム交換試料を乾燥し、次いで空気中で焼成して、パラジウム-テトラアミンジニトレートを酸化パラジウムに変換した。触媒6、7、及び8の各々は、硝酸マグネシウム水溶液を含浸して試料に最初にMgを装填し、次に乾燥及び焼成してPdを装填したこと以外は、触媒5について記載したのと同じ手順を用いて作製した。
【0102】
次いで各触媒をアルミナ及び水溶液と混合して、65wt.% SSZ-91のモレキュラーシーブ含量を有する混合物を形成した。混合物を押出して、押出物を形成した。押出物を乾燥し、次いで焼成して、完成状態の結合した水素化異性化触媒を形成した。水素化異性化触媒生成物の全体的なパラジウム装填量は0.6wt.%であった。
【0103】
触媒5、6、7、及び8は、表7に記載のように、Mgの装填量によって互いに区別される。
【表7】
【0104】
触媒5、6、7、及び8を、米国特許第5,282,958号(参照により本明細書に援用される)に記載のように、n-C
16(n-ヘキサデカン)モデル化合物異性化試験に使用した。反応は、温度の影響を取り除くために等温条件下で実行した。変換は、空間速度の変化により調整することができた。最初に、全ての材料を630°Fの流動水素中で2時間還元した。運転を開始したら、条件は、下方流反応器に充填した0.50グラムの触媒を使用することとした。水素圧力は1200psigとし、160ml/分で流した。触媒6、7、及び8の各々について、異性化されたn-C
16に対する選択性、触媒温度、及びC
4の収率を触媒5の結果と比較して測定した。結果を表8に示す。
【表8】
【0105】
本発明が、上述の実施形態に限定されるものではないこと、そして本明細書に記載の概念から逸脱することなく、様々な変更及び改善が行われ得ることが理解されよう。相互排他的である場合を除き、これらの特徴はいずれも、別個に、または他の特徴と組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載の1つ以上の特徴の全ての組合せ及び部分組合せに及び、これらを含むものである。
【0106】
米国特許の実施の目的において、及び許可されている他の特許庁において、上記の本発明の説明で引用された全ての特許及び刊行物は、そこに含まれる情報が上記の開示と一致する及び/またはそれを補足する限りにおいて、参照により本明細書に援用される。
【国際調査報告】