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特表2024-503465履物具、ならびに履物具用アッパーおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】履物具、ならびに履物具用アッパーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20240118BHJP
   A43B 1/04 20220101ALI20240118BHJP
   A43B 1/05 20220101ALI20240118BHJP
【FI】
A43B23/02 101A
A43B1/04
A43B1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542638
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 IB2022050270
(87)【国際公開番号】W WO2022153215
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,903
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ボック,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ジーギスムント,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC01
4F050BC03
4F050HA05
4F050HA18
4F050HA30
4F050JA01
4F050JA02
4F050JA04
4F050JA05
4F050JA09
4F050JA12
4F050JA13
4F050KA01
4F050KA02
(57)【要約】
履物具は、アッパー、踵要素、ソール構造体、内側側面、および外側側面を含む。アッパーは、前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を含む。アッパーは、メンブレン層および材料層を含む。材料層は、ニット生地を含み、第1のニットゾーンおよび第2のニットゾーンを画定する。第1のニットゾーンは、第2のニットゾーンよりも密なニットを有する。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を備えるアッパーと、
踵領域に近接して前記アッパーを固定する踵要素と、
ソール構造体と、
内側側面と、
外側側面と、を含み、
前記アッパーは、メンブレン層および材料層を含み、
前記材料層は、ニット生地を含み、第1のニットゾーンおよび第2のニットゾーンを画定する、履物具。
【請求項2】
前記材料は、さらに、第3のニットゾーンを画定する、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記第1のニットゾーンは、前記前足領域内に配置され、
前記第2のニットゾーンは、前記中足領域内に配置され、
前記第3のニットゾーンは、踵領域に配置される、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記第1のニットゾーンは、前記第2のニットゾーンおよび前記第3のニットゾーンよりも密なニットから形成されている、請求項2に記載の履物具。
【請求項5】
前記第2のニットゾーンは、前記第1のニットゾーンおよび前記第3のニットゾーンよりも緩いニットから形成されている、請求項2に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1のニットゾーンは、第1の直径を有する第1の糸から形成され、
前記第2のニットゾーンは、第2の直径を有する第2の糸から形成され、
前記第3のニットゾーンは、第3の直径を有する第3の糸から形成され、
前記第1の直径、前記第2の直径、および前記第3の直径は、それぞれ、異なる、請求項2に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1のニットゾーンは、第1の色を有する第1の糸から形成され、
前記第2のニットゾーンは、第2の色を有する第2の糸から形成され、
前記第3のニットゾーンは、第3の色を有する第3の糸から形成され、
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色は、それぞれ、異なる、請求項2に記載の履物具。
【請求項8】
前記第1のニットゾーンは、第1の弾性を有し、
前記第2のニットゾーンは、第2の弾性を有し、
前記第3のニットゾーンは、第3の弾性を有し、
前記第1の弾性、前記第2の弾性、前記第3の弾性は、それぞれ、異なる、請求項2に記載の履物具。
【請求項9】
前記最も緩いニットゾーンは、前記中足領域に位置する、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記アッパーは、前記材料層に固定され、10%~30%の色合いを有するTPUスキン層を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項11】
さらに、前記アッパーに固定され、つま先部、バンプ本体部、および舌部を含む、バンプアセンブリを含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項12】
前記つま先部は、革から形成され、前記バンプ本体部に縫い付けられている、請求項11に記載の履物具。
【請求項13】
前記バンプアセンブリは、靴ひもを前記バンプアセンブリの舌部の下に通せるように、前記アッパーに緩く固定されている、請求項11に記載の履物具。
【請求項14】
前記踵要素は、単一の革である、請求項1に記載の履物具。
【請求項15】
前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を備えるアッパーと、
踵領域に近接して前記アッパーに固定される踵要素と、
ソール構造体と、
内側側面と、
外側側面と、を含み、
前記アッパーは、第1の弾性を有する第1のニットゾーン、第2の弾性を有する第2のニットゾーン、および第3の弾性を有する第3のニットゾーンを形成するニット生地を含み、
前記第1の弾性、前記第2の弾性、および前記第3の弾性は、それぞれ、異なる、履物具。
【請求項16】
前記第1のニットゾーン、前記第2のニットゾーン、および前記第3のニットゾーンは、一体的に形成される、請求項15に記載の履物具。
【請求項17】
前記第1のニットゾーンは、前記前足領域内に配置され、
前記第2のニットゾーンは、前記中足領域内に配置され、
前記第3のニットゾーンは、前記踵領域内に配置され、
前記第2の弾性は、前記第3の弾性よりも大きい、請求項15に記載の履物具。
【請求項18】
前記第1のニットゾーンは、前記前足領域内に配置され、
前記第2のニットゾーンは、前記中足領域内に配置され、
前記第3のニットゾーンは、前記踵領域内に配置され、
前記第1の領域および前記第2の領域の通気性は、前記第3の領域の通気性よりも大きい、請求項15に記載の履物具。
【請求項19】
さらに、水分が前記履物具の外部から前記履物具の内部に侵入することを防ぎながら、前記履物具の前記内部から前記履物具の前記外部にのみ水分が移動することができるように一方向性膜として構成されるメンブレン層を含む、請求項15に記載の履物具。
【請求項20】
履物具の前足領域、中足領域、および踵領域を画定する履物具用アッパーの製造方法であって、
前記前足領域内に第1の弾性を有する第1のニットゾーンを形成し、
前記中足領域内に第2の弾性を有する第2のニットゾーンを形成し、
前記踵領域内に第3の弾性を有する第3のニットゾーンを形成し、
前記第1のニットゾーン、前記第2のニットゾーン、および前記第3のニットゾーンの各々に、メンブレン層を固定する、履物具用アッパーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、ニット材料の複数のゾーンを有する履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴または履物具は、一般に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを含む。従来の靴は、アッパーおよびソールの内面によって形成される内部空間、すなわち、空洞またはキャビティをさらに含み、靴を足に固定する前に着用者の足を受け入れる。ソールはアッパーの下面に取り付けられ、アッパーと地面の間に位置する。その結果、ソールは通常、シューズの着用時および/または使用時に着用者に安定性とクッション性を提供する。いくつかの実施例では、ソールは、アウトソール、ミッドソール、インソールなどの複数の構成要素を含む場合がある。アウトソールは、ソールの底面にトラクションを提供し、ミッドソールはアウトソールの内面に取り付けられ、ソールにクッション性および/または追加された安定性を提供する場合がある。例えば、ソールは、ソールに沿った1つまたは複数の所望の位置で安定性を高めることができる特定の発泡材、またはランニング、ウォーキング、または別の活動中に足および/または脚にかかる応力または衝撃エネルギーを軽減することができる発泡材を含む場合がある。
【0003】
アッパーは、一般に、ソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部空洞を画定する。多くの場合、アッパーは、足の甲およびつま先の領域の上において、その内側および外側の側面を横切って延びている。多くの履物具には、空洞への開口部を画定するアッパーの縁の間のギャップを埋めるために、甲領域を横切って延びる舌も含まれる場合がある。舌は、また、靴の締め付けを調節するために設けられ、内部空間または空洞への足の出入りを可能にするために使用者が操作可能な靴ひもシステムの下に設けられる場合もある。さらに、靴ひもシステムは、着用者がアッパーおよび/またはソールの特定の寸法を調整することを可能にし、それにより、アッパーが、様々なサイズおよび形状を有する多種多様な足のタイプに対応することを可能にする。
【0004】
多くの靴のアッパーは、多種多様な材料を含む場合があり、それらはアッパーを形成するために利用され、シューズの1つまたは複数の意図された用途に基づいて使用するために選択される場合がある。アッパーは、また、アッパーの特定の領域に特化した様々な材料を含む部分を含む場合もある。例えば、アッパーの前部や踵部分に隣接して、より高い抵抗力や剛性を提供するために、安定性を追加することが望ましい場合がある。これとは対照的に、靴の他の部分には、伸縮抵抗性、柔軟性、通気性、吸湿発散性などの特性を持たせるために、柔らかい織物生地を含む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの場合、改善されたクッションシステムまたは構造的特性を有するソールとともに、快適性が向上し、より優れたフィット感を有するアッパーを有する履物具が望まれている。多くの履物具は、異なる織物構造または組成物を使用することによって提供され得る、安定性が強化された領域を含む場合がある。例えば、ニットは、履物具用アッパーを作るために一般的に使用されている。安定性を向上させる領域を作るために、アッパーの領域は、より密度の高いニット構造、異なる材料、またはリブなどの様々なニット技術もしくは織物技術を含む場合がある。多くの場合、アッパーを作るために織物材料が使用される。織物またはニットのアッパーで安定性を高めるために、領域は、より高密度の織物もしくはニット、より高デニールの糸、または異なる素材を含む場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で説明する履物具は、様々な構成を有する場合がある。履物具は、アッパー、踵要素、ソール構造、内側側面、および外側側面を含むことができる。アッパーは、前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を含むことができる。アッパーは、メンブレン層および材料層を含むことができる。材料層はニット生地を含むことができ、第1のニットゾーンおよび第2のニットゾーンを画定する。第1のニットゾーンは、第2のニットゾーンよりも密なニットを有する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、履物具を提供する。履物具は、前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を備えたアッパーを含むことができる。踵要素は、踵領域に近接してアッパーを固定することができる。履物具は、ソール構造体、内側側面、および外側側面を含むこともできる。アッパーは、メンブレン層および材料層を含むことができる。材料層は、少なくとも第1のニットゾーンおよび第2のニットゾーンを画定するニット生地を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、履物具は、第3のニットゾーンを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、履物具は、前足領域内に配置された第1のニットゾーン、中足領域内に配置された第2のニットゾーン、および踵領域内に配置された第3のニットゾーンを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、履物具は、第2のニットゾーンおよび第3のニットゾーンよりも密なニットから形成された第1のニットゾーンを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、履物具は、第1のニットゾーンおよび第3のニットゾーンよりも緩いニットから形成された第2のニットゾーンを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、履物具は、第1の糸直径を有する第1の糸から形成される第1のニットゾーン、第2の糸直径を有する第2の糸から形成される第2のニットゾーン、および第3の糸直径を有する第3の糸から形成される第3のニットゾーンを含むことができる。第1の直径、第2の直径、および第3の直径は、それぞれ、異なっていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、履物具は、第1の色を有する第1の糸から形成される第1のニットゾーン、第2の色を有する第2の糸から形成される第2のニットゾーン、および第3の色を有する第3の糸から形成される第3のニットゾーンを含むことができる。第1の色、第2の色、および第3の色は、それぞれ、異なっていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、履物具は、第1の弾性を有する第1のニットゾーン、第2の弾性を有する第2のニットゾーン、および第3の弾性を有する第3のニットゾーンを含むことができる。第1の弾性、第2の弾性、および第3の弾性は、それぞれ、異なっていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、履物具は複数のニットゾーンを含むことができる。最も緩いニットゾーンは、履物具の中足領域内に配置されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、履物具は、材料層に固定されたTPUスキン層を有するアッパーを含むことができる。TPUスキン層は10%~30%の色合いを有してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、履物具は、アッパーに固定されたバンプアセンブリを含むことができる。バンプアセンブリは、つま先部、バンプ本体部、および舌部を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、履物具は、革から形成され、バンプ本体部に縫い付けられるつま先部を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、履物具は、靴ひもをバンプアセンブリの舌部の下に通せるように、アッパーに緩く固定されるバンプアセンブリを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、履物具は、単一の革として構成された踵要素を含むことができる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は、前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を備えたアッパーを有する履物具を提供する。踵要素は、踵領域に近接してアッパーを固定することができる。履物具は、ソール構造、内側側面、および外側側面を含むこともできる。アッパーは、第1の弾性を有する第1のニットゾーン、第2の弾性を有する第2のニットゾーン、および第3の弾性を有する第3のゾーンを形成するニット生地を含むことができる。第1の弾性、第2の弾性、および第3の弾性はそれぞれ異なっていてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、履物具は、第1のニットゾーン、第2のニットゾーン、および第3のニットゾーンを含むことができる。これらのそれぞれ(またはそれらの組み合わせ)は、一体的に形成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、履物具は、前足領域内に配置された第1のニットゾーン、中足領域内に配置された第2のニットゾーン、および踵領域内に配置された第3のニットゾーンを含むことができる。第2のニットゾーンの弾性は、第3のニットゾーンの弾性より大きくてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、履物具は、前足領域内に配置された第1のニットゾーン、中足領域内に配置された第2のニットゾーン、および踵領域内に配置された第3のニットゾーンを含むことができる。所与の温度および圧力の水分が第1および第2の領域を通過できるが第3の領域を通過できないように、第1の領域および第2の領域の通気性は、第3の領域の通気性より大きくてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、履物具は、水分が履物具の外部から履物具の内部に侵入することを防ぎながら、履物具の内部から履物具の外部にのみ水分が移動することができるように、一方向性膜として構成されるメンブレン層を含むことができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態は、履物具のアッパーを製造する方法を提供する。アッパーは、前足領域、中足領域、および踵領域を画定することができる。本方法は、前足領域に第1の弾性を有する第1のニットゾーンを形成し、中足領域に第2の弾性を有する第2のニットゾーンを形成し、および踵領域に第3の弾性を有する第3のニットゾーンを形成すること、を含むことができる。本方法は、また、メンブレン層を、第1のニットゾーン、第2のニットゾーン、および第3のニットゾーンのそれぞれに固定するステップを含むことができる。
【0027】
履物具の特徴および利点を含む履物具の他の態様は、図面および本明細書の詳細な説明を検討することにより当業者には明らかとなるであろう。したがって、履物具のそのような態様はすべて、詳細な説明および本発明の概要に含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示的なニット生地の概略図である。
図2】例示的なニット生地の詳細な概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る履物具の左側面図である。
図4図3の履物具の右側面図である。
図5図3の履物具の底面図である。
図6図3の履物具の背面図である。
図7図3の履物具のアッパーの層の平面図である。
図8】材料層を含む図7のアッパーの平面図である。
図9】着色層を含む図8のアッパーの平面図である。
図10】ニットゾーンを含む図3の履物具の模式的な左側面図である。
図11図10のニットゾーンを含む図8のアッパーの平面図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態に係る履物具の左側面図である。
図13図12の履物具の右側面図である。
図14図12の履物具の上面斜視図である。
図15図12の履物具のアッパーの層の平面図である。
図16】材料層を含む図15のアッパーの平面図である。
図17】テープ層を含む図16のアッパーの平面図である。
図18】着色層を含む図17のアッパーの平面図である。
図19図12の履物具のバンプ領域の分解図である。
図20図19のバンプ領域を含む図18のアッパーの平面図である。
図21】踵キャップを含む図20のアッパーの平面図である。
図22図12の履物具のニットゾーンを示す。
図23図22のニットゾーンの染料の間隔の概略図である。
図24図12の履物具の糸の勾配の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明および添付の図は、アッパーおよびソール構造体を含み得る靴の様々な実施形態または構成を開示する。靴またはソール構造体の実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズを参照して開示されているが、靴またはソール構造体の実施形態に関連する概念は、例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物および履物のスタイルに適用され得る。靴またはソール構造体の概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、およびヒールなど、非運動用とされる靴にも適用することができる。履物に加えて、本明細書に記載されている特定の概念は、ヘルメット、パディングまたは保護パッド、すね当て、および手袋などのアパレルまたは他の運動用具を含む他のタイプにも適用して組み込むことができる。さらに、本明細書に記載された特定の概念は、クッション、バックパックストラップ、ゴルフクラブ、または他の消費者製品もしくは工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載されている概念は、様々な製品に利用することができる。
【0030】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、履物具または本明細書の開示の実施形態を含み得る他の製造品に使用される典型的な測定および製造手順、これらの手順における不注意なエラー、組成物または混合物の製造または方法の実施に使用される成分の製造、供給源、または純度の違いなどによって生じる可能性のある数値量の変動をいう。本開示全体を通して、「約」および「概ね」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の範囲を意味する。
【0031】
本明細書で使用される「重量パーセント」、「wt%」、「重量によるパーセント」、「重量%」という用語、およびそれらの変形は、物質または成分の重量を、例えば、組成物または組成物の特定の成分の総重量で割り、100を乗じた濃度をいう。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」などは、「重量パーセント」および「重量%」と同義であることが理解される。
【0032】
本開示は、履物具、アッパーおよび/またはソールまたはソール構造体などの履物具の特定の構成要素を対象としている。アッパーは、ニット構成要素を含んでもよい。ニット構成要素は、例えば、糸または靴ひもを編むことによって作製することができる。ニット生地は、縦編み、横編み、平編み、丸編み、および/または他の適切な編み方法によって形成された生地を含む。ニット生地は、例えば、平編み構造、メッシュ編み構造、および/またはリブ編み構造を有してもよい。アッパーは、第1の糸、第2の糸、または第3の糸などの様々な材料を含んでいてもよく、これらの材料は、様々な特性または様々な視覚的特性を有する場合がある。
【0033】
上述したように、いくつかの履物具は、安定性が向上した領域を含むことができる。アッパーの特定の領域は、より高密度のニット構造、異なる材料、または様々な編み技術を含む場合がある。多くの場合、アッパーの作製には織物材料が使用される。織物またはニットのアッパーに安定性を高めた領域を作り出すために、領域には、より高密度の織物またはニット、より高デニールの糸が含まれてもよく、または異なる材料が組み込まれてもよい。
【0034】
ニットおよび/または織物の材料を含むアッパーの場合、特定の領域またはゾーンの安定性を高めるための一般的な技術は、材料の表面に熱可塑性層、すなわちスキンを追加することを含む。しかしながら、複数の性能特性を備えたアッパーを製造する従来の方法は、長い製造タイムラインを必要とする場合がある。さらに、従来の製造方法では、実験的な機会が制限され、段階的な設計変更が増加する場合がある。すなわち、履物具にわずかな変更を加えるには、製造メカニズムに大幅な変更が必要となる場合がある。
【0035】
図1および図2は、ニット材料の一例を示す。材料100は、例えば、図1に示すように、少なくとも第1の領域102および第2の領域104を含む。第1の領域102および第2の領域の各々は、材料100内に縦編みを形成するウェビング106を含む。ウェビング106は、複数の織糸から織られる。ニットは、複数の山108および谷110を含む。ウェビング106は、山108がウェビング106の谷110の間に配置されるように、波状の配向で配置される。波の構造およびパターンが繰り返されて、連続した生地が形成される。図1に示される例では、第2の領域104は、第1の領域102よりも密度が高い。特に、単一ラインのウェビング106の山108と谷110は、第1の領域102と比較して、第2の領域104においてより接近している。
【0036】
他の実施形態では、第1のウェビングの頂点が第2のウェビングの2つの頂点の間に位置するように、第1および第2のウェビングを波状の配向で配置することができる。いくつかの実施形態では、ニット構造体は、少なくとも1つの結合線またはワイヤで固定することができる。例えば、図2は、ニットのウェビング106の配向の例示的な実施形態を示す。ニットは結合線112を含み、その周りにウェビング106を山108および谷110で織ることができる。結合線112の間の距離は、単一の生地における材料100の密度を変えることで増減させることができる。
【0037】
図3図6は、アッパー122およびソール構造体124を含む履物具120の例示的な実施形態を示す。本明細書でさらに説明するように、アッパー122は、ソール構造体124に取り付けられ、足が入り得る内部空洞をともに画定する。参考までに、履物具120は、前足領域126、中足領域128、および踵領域130を画定する(例えば、図6を参照)。前足領域126は、概ね、つま先、母指球、およびつま先または指節骨を接続する関節を含む足の一部を包む履物具120の部分に対応する。中足領域128は、前足領域126に近接して隣接しており、概ね、足橋とともに足の土踏まずを覆う履物具120の部分に対応する。踵領域130は、中足領域128に近接して隣接しており、概ね、踵または踵骨、足首、および/またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具120の部分に対応する。
【0038】
従来の履物のアッパーの多くは、縫い目での接着または縫合によって接合される複数の要素(例えば、織物、ポリマーフォーム、ポリマーシート、皮革、および合成皮革)から形成されている。いくつかの実施形態では、履物具120のアッパー122は、ニット構造体またはニット構成要素から形成される。様々な実施形態において、ニット構成要素は、アッパーに異なる特性を提供し得る様々なタイプの糸を組み込んでもよい。例えば、アッパー122の1つの領域は、第1の特性のセットを付与する第1の種類の糸から形成され、アッパー122の別の領域は、第2の特性のセットを付与する第2の種類の糸から形成されてもよい。この構成を使用すると、アッパー122の異なる領域に対して特定の糸を選択することによって、アッパー122の特性をアッパー122全体にわたって変化させることができる。
【0039】
特定のタイプの糸がニット構成要素の領域に与える特定の特性は、糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に部分的に依存する場合がある。例えば、綿はニット材料に柔らかな効果、生分解性、または自然な美しさを提供することができる。エラスタンおよび伸縮性ポリエステルは、それぞれ、ニット構成要素に所望の弾性および回復性を提供することができる。レーヨンは光沢があり吸湿性の高い材料を、ウールは吸湿性が高い材料を、ナイロンは耐摩耗性のある耐久性のある材料、ポリエステルは疎水性で耐久性のある材料を提供することができる。
【0040】
ニット構成要素の他の側面も、ニット構成要素の特性に影響を与え、所望の属性を提供するために変更することができる。例えば、ニット構成要素を形成する糸は、モノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含んでもよく、または糸は、それぞれが2つ以上の異なる材料で形成されたフィラメントを含んでもよい。さらに、ニット構成要素は、ニット構成要素の領域に特定の特性を与えるために、特定の編みプロセスを使用して形成される場合がある。したがって、糸を形成する材料と糸の他の側面の両方を選択して、アッパー122の特定の領域に様々な特性を付与することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ニット構造体の弾性は、第1の非伸長状態におけるニット構造体の幅または長さと、横方向に力が加えられた後の第2の伸長状態におけるニット構造体の幅または長さとを比較することに基づいて測定され得る。さらなる実施形態では、アッパー122は追加の構造要素を含むこともできる。例えば、いくつかの実施形態では、踵要素132を踵領域130上に設けて、使用者の踵に追加のサポートを提供することができる。場合によっては、他の要素(プラスチック材料、ロゴ、商標など)も、接着剤または熱成形プロセスを使用して外面に適用され、固定されてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー122に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、ヤーンタイプ、または、異なるステッチタイプまたはヤーンタイプに関連する特性、例えば、弾性、美的外観、厚さ、空気透過性、または耐擦り傷性などを変化させてもよい。
【0042】
履物具120は、内側側面(図3を参照)および外側側面(図4を参照)を含む。特に、外側側面は履物具120の外側部分に対応し、内側側面は履物具120の内側部分に対応する。このように、左右の履物具は、対向する外側側面および内側側面を有する。内側側面は、使用者が履物具120を着用しているときに互いに最も近く、一方、外側側面は、着用中に互いに最も遠い側面として定義される。以下により詳細に説明するように、内側側面および外側側面は、履物具120の対向する遠位端で互いに隣接する。
【0043】
特に指定しない限り、特に図5に示すように、前足領域126、中足領域128、踵領域130、内側側面、および外側側面は、履物具120の境界または領域を画定することを意図している。そのため、前足領域126、中足領域128、踵領域130、内側側面、および外側側面は、概ね、履物具120の区画を特徴付ける。本開示のある態様は、前足領域126、中足領域128、踵領域130、内側側面、および/または外側側面のうちの1つまたは複数と併存する部分または要素をいう場合がある。さらに、アッパー122およびソール構造体124の両方は、前足領域126、中足領域128、踵領域130内、ならびに内側側面および外側側面に部分を有するものとして特徴付けることができる。したがって、アッパー122およびソール構造体124、および/またはアッパー122およびソール構造体124の個々の部分は、前足領域126、中足領域128、踵領域130内、ならびに内側側面および外側側面に配置される部分を含むことができる。
【0044】
概ね、前足領域126は、つま先端から履物具120の最も広い部分まで延びる。最も広い部分は、つま先端の遠位部分からつま先端の反対側の踵端の遠位部分まで延びる長手方向軸に対して垂直な線に沿って定義または測定される。中足領域128は、履物具120の最も広い部分から最も薄い部分まで延びる。履物具120の最も薄い部分は、長手方向軸に対して垂直な線を横切って測定された履物具120のウエストの最も薄い部分として定義される。踵領域130は、最も薄い部分から履物具120の踵端まで延びる。
【0045】
内側側面は踵端から始まり、踵領域130に沿って中足領域128に向かって履物具120の内側に沿って外側に反っている。内側側面は最も広い踵部分に達し、その点で内側側面は長手方向軸に向かって内側に反っている。内側側面は、最も広い踵部分から最も薄い部分に向かって中足領域128内に延びる。最も薄い部分から、内側側面は外側に向かって長手方向軸から離れるように外側に反り、その点で内側側面は前足領域126内に延び、最も広い部分に向かう。最も広い部分に達すると、内側側面はつま先端に向かって内側に反り、そこで内側側面は履物具120の外側側面と交差する。
【0046】
外側側面もまた、踵端から始まり、踵領域130に沿って中足領域128に向かって履物具120の外側に沿って外側に反っている。内側側面は最も広い踵部分に達し、その点で外側側面は長手方向軸に向かって内側に反っている。外側側面は、最も広い踵部分から最も薄い部分に向かって中足領域128内に延びる。最も薄い部分から、外側側面は外側に向かって長手方向軸から離れるように外側に反り、その点で内側側面は前足領域126内に延び、最も広い部分に向かう。最も広い部分に達すると、外側側面はつま先端に向かって内側に反り、上述したように、外側側面は内側側面と交差する。
【0047】
ソール構造体124は、アッパー122に接続または固定され、履物具120が使用者によって着用されるとき、使用者の足と地面との間に延びる。ソール構造体124は、アウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、および/またはインソールを含み得る1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造体は、使用者にトラクションを提供するとともにソール構造体に構造的完全性を提供するアウトソール、クッションシステムを提供するミッドソール、および使用者の足橋のサポートを提供するインソールを含むことができる。
【0048】
アッパー122は、ソール構造体124から上方に延び、使用者の足を受け入れて固定する内部空洞を画定する。アッパー122は、足領域および足首領域によって画定される場合がある。概ね、足領域は、ソール構造体124から前足領域126、中足領域128、および踵領域130を通って上方に延びる。足首領域は主に踵領域130に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、足首領域は、部分的に中足領域128まで延びていてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、履物具120は、靴ひも、複数の開口部、および複数のバンドまたは靴ひもストラップを含む靴ひもシステムを有することもできる。他の実施形態では、履物具120と同様の履物具は、靴ひもなしであってもよい。例えば、アッパー122の特性(例えば、弾性)は、靴ひもストラップを使用せずに、履物具120を使用者の足に固定することができる。
【0050】
引き続き図3図6を参照すると、アッパー122は、概ね、外側側面および内側側面に沿って延在し、前足領域126、中足領域128、および踵領域130を横切って延在し、使用者の足を収容し、包み込むことができる。アッパー122は、また、内面および外面を含む。内面は内側を向き、概ね、内部空洞を画定し、アッパー122の外面は、外側を向き、概ね、アッパー122の外周または境界を画定する。アッパー122は、また、履物具120の踵領域130に少なくとも部分的に位置し、内部空洞へのアクセスを提供し、そこから足を出し入れすることができる開口部も含む。
【0051】
ここで図7図9を参照すると、アッパー122は、サポート、耐伸縮性、柔軟性、通気性、または吸湿発散性を提供し得る1つ以上の層を含むことができる。特に、図7は、本開示のいくつかの実施形態に係るメンブレン層150を示す。メンブレン層150は、水分がメンブレン層150を一方向にのみ通過できるように、一方向膜として構成することができる。例えば、メンブレン層150は、アッパー122の外側は実質的に防水であるように、水分が外部から履物具の内部に侵入するのを防ぎながら、足からの水分を内部から外部へ移動させるように構成され得る。
【0052】
メンブレン層150は、アッパー122がソール構造体124に固定される前のアッパー122の輪郭と実質的に類似の幾何学的輪郭を有してもよい。メンブレン150は、前足領域152、中足領域154、内側踵領域156、および外側踵領域158を含む。アッパー122がソール構造体124に固定されているとき、前足領域152および中足領域154は、履物具120の対応する前足領域126および中足領域128に概ね対応し、それらに隣接して配置される。同様に、内側踵領域156および外側踵領域158は、履物具120の対応する踵領域130に概ね対応し、その近傍に配置される。
【0053】
内側踵領域156および外側踵領域158は、それらの間に舌ギャップ160を画定する。舌ギャップ160は、輪郭が形成され、舌ギャップ160を取り囲むトップライン162によってさらに画定される。舌ギャップ160は、内側踵領域156と外側踵領域158との間に延びる。メンブレン層150は、さらに、内側および外側の輪郭164を含む。いくつかの実施形態では、輪郭164は、ソール構造体124の輪郭に対応することができる。
【0054】
図8は、本開示のいくつかの実施形態に係る、メンブレン層150に貼り付けられた材料層170および舌材料172を示す。いくつかの実施形態では、材料層170は、ステッチラインを介してメンブレン層150に固定され得る。ステッチラインは、厚さおよび材料特性を変えることができ、アッパー122に追加の構造的サポートを提供することができる。例えば、ステッチラインは、プロネーションに対するサポートを提供するなど、特定のサポートを必要とするアッパー122の領域に適用することができる。図示の実施形態では、舌材料172は、例えば、無縫合テープなどの接着ストリップ174を介して舌ギャップ160に近接したメンブレン層150に固定される。接着ストリップ174は、トップライン162の少なくとも一部に沿って固定される。
【0055】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る、材料層170の一部に真空吸着されたスキン180を示す。図示の実施形態では、スキン180は、30%の色合いを有する熱可塑性ポリウレタン(TPU)スキンである。本開示のいくつかの実施形態は、0%の色合い(例えば、透明)と100%の色合い(例えば、不透明)との間の範囲の色合いを有するスキンを含むことができる。スキン180は、前足領域152、中足領域154、内側踵領域156、および外側踵領域158を含む内側側面および外側側面に沿ってアッパー122に取り付けることができる。アッパー122は、また、ホログラム仕上げとして構成された仕上げ要素182を含むことができる。仕上げ要素182は、スキン180に固定することができる。
【0056】
ここで図10を参照すると、材料層170は、様々なニットゾーンを含むことができる。図示の実施形態では、材料層170はゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCを含む。ゾーンAは概ね前足領域152に位置し、ゾーンBは概ね中足領域154に位置し、ゾーンCは概ね踵領域156、158に位置する。上記で簡単に説明したように、履物具は、材料層内に様々なニット構造を有することができる。様々なニット構造は、安定性を高め、例えば、通気性やサポートなど、対象とするゾーンにおける履物具の特性を改善することができる。図10に示されるように、ゾーンAは、ゾーンBおよびゾーンCと比較すると、概ね、より密なニットを有する。同様に、ゾーンBは、ゾーンAおよびCと比較すると、概ね、より密でないニットを有する。
【0057】
図11は、アッパー122を横切り、材料層170に形成されるニットゾーンの一例を示す。いくつかの実施形態では、ゾーンAおよびゾーンCがゾーンBと一体的に形成されるように、アッパー122を単一の材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ニットゾーンは、例えば、前足領域、中足領域、および踵領域などの履物具の複数の領域にわたって延在することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、各ゾーンは、例えば、通気性、浸透性、柔軟性、支持性、耐久性、剛性などの様々な材料特性を有することができる。特に、履物具の用途(例えば、特定のスポーツでの使用)に応じて、つま先の安定性を促進し、足の中央領域付近の空気の流れを増加するために、アッパーの前足領域の柔軟性を低下させ、アッパーの中足領域の通気性を高めることが概ね有用である場合がある。一般に、通気性とは、生地、材料、織物、または編物が、材料を通じて水蒸気を透過させることができる機能である。例えば、より多くの水分が第1の材料または第1の材料ゾーンを通過できる場合、第1の材料または第1の材料ゾーンは、第2の材料または第2の材料ゾーンよりも通気性が高くなる可能性がある。
【0059】
図12図14は、履物具320の別の例示的な実施形態を示す。履物具120と同様に、履物具320は、アッパー322およびソール構造体324を含む。アッパー322は、ソール構造体324に取り付けられ、足が挿入することができる内部空洞をともに画定する。履物具320は、前足領域326、中足領域328、および踵領域330を画定する。
【0060】
いくつかの実施形態では、履物具320のアッパー322は、ニット構造体またはニット構成要素から形成される。様々な実施形態において、ニット構成要素は、アッパーに異なる特性を提供し得る様々なタイプの糸またはひもを組み込んでもよい。例えば、アッパー322の1つの領域は、第1の特性のセットを付与する第1の種類の糸から形成されてもよく、アッパー322の別の領域は、第2の特性のセットを付与する第2の種類の糸から形成されてもよい。この構成を使用すると、アッパー322の異なる領域に対して特定の糸を選択することによって、アッパー322の特性をアッパー322全体で変化させることができる。糸を形成する材料および糸の他の側面は、アッパー322の特定の領域に様々な特性を付与するように選択されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、アッパー322は追加の構造要素を含むこともできる。例えば、いくつかの実施形態では、踵要素332を踵領域330に設けて、使用者の踵に追加のサポートを提供することができる。いくつかの実施形態では、他の要素(プラスチック材料、ロゴ、商標など)も、接着剤または熱成形プロセスを使用して外面に適用され、固定されてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー322に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、糸タイプ、または異なるステッチタイプまたはヤーンタイプに関連する特性として弾性、美的外観、厚さ、空気透過性、または耐擦り傷性などを変化させてもよい。
【0062】
履物具320は、内側側面(図12を参照)および外側側面(図13を参照)を含む。特に、外側側面は履物具320の外側部分に対応し、内側側面は履物具320の内側部分に対応する。このように、左右の履物具は、対向する外側側面および内側側面を有し、使用者が履物具320を着用しているときに内側側面が互いに最も近くなる一方、外側側面は着用中に互いに最も遠い側として定義される。以下により詳細に説明するように、内側側面および外側側面は、履物具320の対向する遠位端で互いに隣接する。
【0063】
概ね、前足領域326は、つま先端から履物具320の最も広い部分まで延びる。最も広い部分は、つま先端の遠位部分から、つま先端と反対側の踵端の遠位部分まで延びる長手方向軸に対して垂直な線に沿って定義または測定される。中足領域328は、履物具320の最も広い部分から最も薄い部分まで延びる。履物具320の最も薄い部分は、長手方向軸に対して垂直な線を横切って測定される履物具320のウエストの最も薄い部分として定義される。踵領域330は、最も薄い部分から履物具320の踵端まで延びる。
【0064】
内側側面は踵端から始まり、踵領域330に沿って中足領域328に向かって履物具320の内側に沿って外側に反っている。内側側面は最も広い踵部分に達し、その点で内側側面は長手方向軸に向かって内側に反っている。内側側面は、最も広い踵部分から最も薄い部分に向かって中足領域328内に延びる。最も薄い部分から、内側側面は外側に向かって長手方向軸から最も広い部分に向かって離れるように反り、その点で内側側面は前足領域326に延び、最も広い部分に向かう。最も広い部分に達すると、内側側面はつま先端に向かって内側に反り、そこで内側側面は履物具320の外側側面と交差する。
【0065】
外側側面もまた、踵端から始まり、踵領域330に沿って中足領域328に向かって履物具320の外側に沿って外側に反っている。内側側面は最も広い踵部分に達し、その点で外側側面は長手方向軸に向かって内側に反っている。外側側面は、最も広い踵部分から最も薄い部分に向かって中足領域328内に延びる。最も薄い部分から、外側側面は外側に向かって長手方向軸から最も広い部分に向かって離れるように反り、その点で内側側面が前足領域326内に延び、最も広い部分に向かう。最も広い部分に達すると、外側側面はつま先端に向かって内側に反り、上述したように、外側側面は内側側面と交差する。
【0066】
ソール構造体324は、アッパー322に接続または固定され、履物具320が使用者によって着用されるとき、使用者の足と地面との間に延びる。ソール構造体324は、アウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、および/またはインソールを含み得る1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造体は、使用者にトラクションを提供するとともにソール構造体に構造的完全性を提供するアウトソール、クッションシステムを提供するミッドソール、および使用者の足橋のサポートを提供するインソールを含むことができる。
【0067】
アッパー322は、ソール構造体324から上方に延び、使用者の足を受け入れて固定する内部空洞を画定する。アッパー322は、足領域および足首領域によって画定される場合がある。概ね、足領域は、ソール構造体324から前足領域326、中足領域328、および踵領域330を通って上方に延びる。足首領域は主に踵領域330に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、足首領域は、部分的に中足領域328内に延びていてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、履物具320は、靴ひも342、および複数のバンドまたは靴ひもストラップを含む靴ひもシステム340を有することもできる。他の実施形態では、履物具320と同様の履物具は、靴ひもなしであってもよい。例えば、アッパー322の特性(例えば、弾性)は、靴ひもストラップを使用せずに、履物具320を使用者の足に固定することができる。
【0069】
引き続き図12図14を参照すると、アッパー322は、概ね、外側側面および内側側面に沿って延在し、前足領域326、中足領域328、および踵領域330を横切って延在し、使用者の足を収容し、包み込むことができる。アッパー322は、また、内面および外面を含む。内面は内側を向き、概ね、内部空洞を画定し、アッパー322の外面は、外側を向き、概ね、アッパー322の外周または境界を画定する。アッパー322は、また、履物具120の踵領域330に少なくとも部分的に位置し、内部空洞へのアクセスを提供し、そこから足を出し入れすることができる開口部も含む。
【0070】
ここで図15図21を参照すると、アッパー322は、サポート、耐伸縮性、柔軟性、空気透過性、または吸湿発散性を提供し得る1つ以上の層を含むことができる。特に、図15は、本開示のいくつかの実施形態に係るメンブレン層350を示す。メンブレン層350は、アッパー322がソール構造体324に固定される前のアッパー322の輪郭と実質的に類似の幾何学的輪郭を有してもよい。メンブレン層350は、前足領域352、中足領域354、内側踵領域356、および外側踵領域358を含む。アッパー322がソール構造体324に固定されているとき、前足領域352および中足領域354は、履物具320の対応する前足領域326および中足領域328に概ね対応し、それらに隣接して配置される。同様に、内側踵領域356および外側踵領域358は、履物具320の対応する踵領域332に概ね対応し、その近傍に配置される。
【0071】
内側踵領域356および外側踵領域358は、それらの間に舌ギャップ360を画定する。舌ギャップ360は、輪郭が形成され、舌ギャップ360を取り囲むトップライン362によってさらに画定される。舌ギャップ360は、内側踵領域356と外側踵領域358との間に延びる。メンブレン層350は、さらに、内側および外側の輪郭364を含む。いくつかの実施形態では、輪郭364は、ソール構造体324の輪郭に対応することができる。
【0072】
図16は、本開示のいくつかの実施形態に係る、材料層370と、伸縮性があり、ジグザグステッチによってメンブレン層350に取り付けられた舌材料372と、を示す。図17は、材料層370をメンブレン層350に固定するのに役立つ接着ストリップ374を示す。接着ストリップ374は、舌ギャップ360に近接するトップライン362の少なくとも一部に沿って固定される。
【0073】
図12図14に戻って参照すると、材料層370は、靴ひもシステム340の靴ひも342を受けるように構成されている。例えば、靴ひも342を材料層370に通し、靴ひも342が材料層370の複数のステッチを通過するように、靴ひもシステム340をアッパー322に固定することができる。靴ひもシステム340は、靴ひも342が張力方向に引っ張られると、アッパー322の少なくとも一部が内部空洞内で足の周りに締め付けられるように、アッパー322に固定されるように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、例えば、追加のステッチまたはより強力な糸などの補強材を、靴ひも342が延びる材料層370の部分の周囲に追加することができる。補強材は、靴ひも342が延びる材料層370の部分の伸縮機能を制限するために使用することができる。さらに、靴ひも342は、靴ひもシステム340がカスタマイズ可能であるように、材料層370の様々な位置でアッパー322に選択的に固定されるように構成することができる。例えば、靴ひもシステム340を履物具120から取り外し、アッパー322にカスタマイズ可能なスタイルまたは張力効果を提供するために、再度通すことができる。図18は、本開示のいくつかの実施形態に係る、材料層370の一部に真空吸着されたスキン380を示す。図示の実施形態では、スキン380は、10%の色合いを有するTPUフィルムである。本開示のいくつかの実施形態は、0%の色合い(例えば、透明)と100%の色合い(例えば、不透明)との間の範囲の色合いを有するフィルムを含むことができる。スキン380は、中足領域354、内側踵領域356、および外側踵領域358を含む内側側面および外側側面に沿ってアッパー322に取り付けられる。
【0075】
ここで図19を参照すると、履物具320は、バンプアセンブリ390を含むこともできる。バンプアセンブリ390は、つま先部392、バンプ本体394、および舌部396を含む。図示の実施形態では、つま先部392は、革から形成され、履物具320の内側の前足領域326の近くに位置される(例えば、図14参照)。革製のつま先部392は、バンプ本体394に縫い付けることができる。バンプ本体394は、履物具320の前足領域326から中足領域328に向かって延び、アッパー322に固定される。バンプ本体394は、例えば、ロゴなどのマーキングを受けるように構成されている。いくつかの実施形態では、マーキングはバンプ本体394にスクリーン印刷されてもよい。
【0076】
バンプアセンブリ390の舌部396は、材料層370とバンプ本体394との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、舌部396は、約1ミリメートル~5ミリメートルの厚さを有することができる。舌部396は、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)発泡パッドなどのポリマーから形成することができる。図示の実施形態では、舌部396は複数の角度を付けた切り欠きを含むが、他の構成も可能である。例えば、舌部396は、任意の数の切り欠き、スロット、凹部、輪郭などを含むことができる。他の実施形態では、バンプアセンブリは中実の舌部を含むことができる。概ね、舌部396はアッパー322に緩く取り付けられており、靴ひもをバンプアセンブリ390の下に通すことができる。
【0077】
図20は、アッパー322に固定されたバンプアセンブリ390を示す。バンプ本体394の一部は、スキン380に近接して配置される。さらに、舌部396を含むバンプアセンブリ390の一部は、舌ギャップに近接して配置される。他の実施形態では、バンプアセンブリは、バンプ本体、つま先部、および舌部のうちの1つ以上を含むことができる。他の実施形態では、つま先部392と同様のつま先部を、例えば、ポリマーなどの他の材料から作製することができる。
【0078】
図21は、内側踵領域356および外側踵領域358でアッパー322に固定された踵要素332を示す。踵要素332は、踵キャップとして構成され、一枚の牛革から形成されるが、他の材料も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、踵キャップは、天然材料および合成材料を含む様々な材料から形成することができる。踵要素332は、縫い合わせることによってアッパー322に固定することができる。図示の実施形態では、踵要素332は舌ギャップ360に近接して固定される。
【0079】
ここで図22を参照すると、材料層370は、様々なニットゾーンを含むことができる。図示の実施形態では、材料層370はゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCを含む。上記で簡単に説明したように、履物具は、材料層内に様々なニット構造を有することができる。様々なニット構造により、安定性を高め、例えば、通気性など、対象とするゾーンにおける履物具の特性を改善することができる。図10に示されるように、ゾーンAは、ゾーンBおよびゾーンCと比較すると、概ね、より密なニットを有する。同様に、ゾーンBは、ゾーンAおよびCと比較すると、概ね、より密でないニットを有する。その結果、ゾーンAの各々は、第1の弾性を画定することができ、ゾーンBは、第2の弾性を画定することができ、ゾーンCは、第3の弾性を画定することができる。いくつかの実施形態では、第1の弾性、第2の弾性、および第3の弾性のそれぞれは異なっていてもよい。
【0080】
図23および図24は、本開示の実施形態に係る履物粒子320の材料層370の糸の直径、染料の間隔、および糸の勾配を示す。図23に示されるように、ゾーンAの糸のストランドは第1の直径を画定することができ、ゾーンBの糸のストランドは第2の直径を画定することができ、ゾーンCの糸のストランドは第3の直径を画定することができる。図示の実施形態では、第1の直径、第2の直径、および第3の直径のそれぞれは異なる。特に、第1の直径は第2の直径よりも小さく、第2の直径は第3の直径よりも小さい。アッパー322の特定のゾーンで使用される個々の糸の厚さを増減して、様々なパターンおよび材料特性を提供することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、図23のゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCのそれぞれにおける糸の直径は、約0.01ミリメートルと約50ミリメートルとの間であってもよい。特に、いくつかの実施形態では、ゾーンAの糸は、約0.01ミリメートルと約8ミリメートルとの間、または約1ミリメートルと約5ミリメートルとの間の直径を有していてもよい。ゾーンBは、約1ミリメートルと約15ミリメートルとの間、または約6ミリメートルと約10ミリメートルとの間の直径を有する糸を含んでいてもよい。ゾーンCは、約1ミリメートルと約20ミリメートルとの間、または約8ミリメートルと約15ミリメートルとの間の直径を有する糸を含む。
【0082】
さらに、履物具320のアッパー322を形成するニットに使用される個々の糸に沿った染料の色および間隔は、履物具320のアッパー322にわたって所望の色の勾配およびパターンを提供することができる。特に、いくつかの実施形態では、ゾーンA内の糸は第1の色を含むことができ、ゾーンB内の糸は第2の色を含むことができ、ゾーンC内の糸は第3の色を含むことができる。第1の色、第2の色、および第3の色は、それぞれ、別個の色および/または異なる色とすることができる。
【0083】
本明細書に記載された実施形態のいずれも、異なる実施形態と関連付けて開示された任意の構造または方法を含むように変更することができる。また、本開示は、具体的に示されたタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示された実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物、衣料、または他の運動用具で機能するように変更されてもよい。
【0084】
先に述べたように、本発明は特定の実施形態および例に関連して記載してきたが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、例、使用、変更、ならびに実施形態、例、および使用からの発展が、本明細書に添付された請求項によって包含されることが当業者であれば理解される。本明細書で引用された各特許および出版物の開示全体は、そのような各特許または出版物が参照として個別に組み込まれたように、本明細書に参照として組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点は、以下の請求項に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0085】
前述の説明を考慮すると、本発明の多数の変形は当業者にとって明らかである。したがって、本明細書の説明は、単に説明のためのものとして理解され、当業者が本発明を実行し、および使用することを可能にすることを目的として提示されたものである。添付された請求項の趣旨の範囲内にあるすべての変更に対する排他的権利は留保される。
【0086】
本特許出願は、2021年1月15日に出願された米国仮特許出願63/137,903の優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本特許出願の一部とみなされる。
図1
図2
図3
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図10
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【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面を備えるアッパーと、
踵領域に近接して前記アッパーを固定する踵要素と、
ソール構造体と、
内側側面と、
外側側面と、を含み、
前記アッパーは、メンブレン層および材料層を含み、
前記材料層は、ニット生地を含み、第1のニットゾーン第2のニットゾーン、および第3のニットゾーンを画定し
前記第1のニットゾーンは、第1の直径を有する第1の糸から形成され、
前記第2のニットゾーンは、第2の直径を有する第2の糸から形成され、
前記第3のニットゾーンは、第3の直径を有する第3の糸から形成され、
前記第1の直径、前記第2の直径、および前記第3の直径は、それぞれ、異なる、履物具。
【請求項2】
前記第1のニットゾーンは、前記前足領域内に配置され、
前記第2のニットゾーンは、前記中足領域内に配置され、
前記第3のニットゾーンは、踵領域に配置される、請求項に記載の履物具。
【請求項3】
前記第1のニットゾーンは、前記第2のニットゾーンおよび前記第3のニットゾーンよりも密なニットから形成されている、請求項に記載の履物具。
【請求項4】
前記第2のニットゾーンは、前記第1のニットゾーンおよび前記第3のニットゾーンよりも緩いニットから形成されている、請求項に記載の履物具。
【請求項5】
前記第1のニットゾーンは、第1の色を有する第1の糸から形成され、
前記第2のニットゾーンは、第2の色を有する第2の糸から形成され、
前記第3のニットゾーンは、第3の色を有する第3の糸から形成され、
前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色は、それぞれ、異なる、請求項に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1のニットゾーンは、第1の弾性を有し、
前記第2のニットゾーンは、第2の弾性を有し、
前記第3のニットゾーンは、第3の弾性を有し、
前記第1の弾性、前記第2の弾性、前記第3の弾性は、それぞれ、異なる、請求項に記載の履物具。
【請求項7】
も緩いニットゾーンは、前記中足領域に位置する、請求項1に記載の履物具。
【請求項8】
前記アッパーは、前記材料層に固定され、10%~30%の色合いを有するTPUスキン層を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
さらに、前記アッパーに固定され、つま先部、バンプ本体部、および舌部を含む、バンプアセンブリを含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記つま先部は、革から形成され、前記バンプ本体部に縫い付けられている、請求項に記載の履物具。
【請求項11】
前記バンプアセンブリは、靴ひもを前記バンプアセンブリの舌部の下に通せるように、前記アッパーに緩く固定されている、請求項に記載の履物具。
【請求項12】
前記踵要素は、単一の革である、請求項1に記載の履物具。
【請求項13】
前足領域、中足領域、および踵領域を画定する外面と
メンブレン層と、
ニット生地を含み、第1のニットゾーンおよび第2のニットゾーンを画定する材料層と、
前記外面に固定され、つま先部、バンプ本体部、および舌部を含むバンプアセンブリと、を含む、履物具用アッパー
【請求項14】
足領域、中足領域、および踵領域を画定する履物具用アッパーの製造方法であって、
前記前足領域内に第1の弾性を有する第1のニットゾーンを形成し、
前記中足領域内に第2の弾性を有する第2のニットゾーンを形成し、
前記踵領域内に第3の弾性を有する第3のニットゾーンを形成し、
前記第1のニットゾーン、前記第2のニットゾーン、および前記第3のニットゾーンの各々に、メンブレン層を固定する、ことを含み、
前記第1のニットゾーンは、第1の直径を有する第1の糸から形成され、
前記第2のニットゾーンは、第2の直径を有する第2の糸から形成され、
前記第3のニットゾーンは、第3の直径を有する第3の糸から形成され、
前記第1の直径、前記第2の直径、および前記第3の直径は、それぞれ、異なる、履物具用アッパーの製造方法。
【請求項15】
さらに、前記履物具用アッパーに、つま先部、バンプ本体部、および舌部を含むバンプアセンブリを固定する、ことを含む、請求項14に記載の履物具用アッパーの製造方法。
【国際調査報告】