IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティドの特許一覧

特表2024-503470制限されたTWTを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】制限されたTWTを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20230101AFI20240118BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240118BHJP
   H04W 72/512 20230101ALI20240118BHJP
   H04W 74/08 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
H04W72/12
H04W84/12
H04W72/512
H04W74/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542762
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 KR2022000668
(87)【国際公開番号】W WO2022154534
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0004957
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0014361
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0028292
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ハンスル・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末が開示される。無線通信端末は、送受信部及びプロセッサを含む。前記プロセッサは、制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、前記制限されたサービスピリオド内では前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックに対する応答の送信以外の送信が制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末であって、
送受信部;及び
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、
前記制限されたサービスピリオド内では、前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックの送信以外の送信が制限される無線通信端末。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオド開始前に前記低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのTXOPを終了する、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記プロセッサは、
競合ウィンドウ内で無作為整数を取得し、
前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセスを行い、
前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセスを完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセスを再び行う、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスで用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持する、請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスの再送信カウントをそのまま維持する、請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、
前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しない、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定し、
前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視し、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わない、請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内である、請求項8に記載の無線通信端末。
【請求項10】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末の動作方法であって、
制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含み、
前記制限されたサービスピリオド内では前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックに対する応答の送信以外の送信が制限される動作方法。
【請求項11】
前記動作方法は、
前記制限されたサービスピリオド開始前に前記低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのTXOPを終了する段階をさらに含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
前記動作方法は、
競合ウィンドウ内で無作為整数を取得する段階;
前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセスを行う段階;及び
前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセスを完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセスを再び行う段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項13】
前記チャネルアクセスを再び行う段階は、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスに用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記チャネルアクセスを再び行う段階は、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスの再送信カウントをそのまま維持する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項15】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階;及び
前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しない段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項16】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階;及び
前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項17】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階は、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視する段階;及び
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わない段階を含む、請求項16に記載の動作方法。
【請求項18】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記TWTのサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内である、請求項17に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制限されたTWTを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの週は酢を使用して最大54Mpbsの通真相度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個伝送するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのデバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例によってベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末は、送受信部;及び、プロセッサを含む。前記プロセッサは、制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する。この時、前記制限されたサービスピリオド内では、前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックの送信以外の送信が制限される。
【0010】
前記プロセッサは、前記制限されたサービスピリオド開始前に前記低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのTXOPを終了できる。
【0011】
前記プロセッサは、競合ウィンドウ内で無作為整数を取得し、前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセスを行い、前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセスを完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセスを再び行うことができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスで用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持してよい。
【0013】
前記プロセッサは、前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスの再送信カウントをそのまま維持してよい。
【0014】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されなくてよい。前記プロセッサは、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しなくてよい。
【0015】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されなくてよい。このとき、前記プロセッサは、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定し、前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信できる。
【0016】
前記プロセッサは、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視し、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わなくてよい。
【0017】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内であってよい。
【0018】
本発明の実施例によってベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末の動作方法は、制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含む。この時、前記制限されたサービスピリオド内では、前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックに対する応答の送信以外の送信が制限されてよい。
【0019】
前記動作方法は、前記制限されたサービスピリオド開始前に前記低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのTXOPを終了する段階をさらに含んでよい。
【0020】
前記動作方法は、競合ウィンドウ内で無作為整数を取得する段階;前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセスを行う段階;及び、前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセスを完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセスを再び行う段階を含んでよい。
【0021】
前記チャネルアクセスを再び行う段階は、前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスに用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持する段階を含んでよい。
【0022】
前記チャネルアクセスを再び行う段階は、前記無線通信端末が前記チャネルアクセスを再び行う時に、前記完了したチャネルアクセスの再送信カウントをそのまま維持する段階を含んでよい。
【0023】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されなくてよい。この時、前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階;及び、前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しない段階を含んでよい。
【0024】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されなくてよい。この時、前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階;及び、前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含んでよい。
【0025】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階は、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視する段階;及び、前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わない段階を含んでよい。
【0026】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記TWTのサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内であってよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施例は、制限されたTWT機能を提供する無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示す図である。
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示す図である。
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。
図8】本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
図9】本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
図10】本発明の実施例によってマルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
図11】本発明の一実施例によってリンクが変更された場合に、マルチリンク装置の動作を示す。
図12】本発明の一実施例によってnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信中である時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスが禁止されることを示す。
図13】本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置のステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、チャネルアクセス禁止を解除する動作を示す。
図14】本発明の実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止が解除された後にチャネルアクセスを行うことを示す。
図15】本発明の一実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止解除後に送信を行う動作を示す。
図16】本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置内のステーションの状態に基づいて行われる送信を示す。
図17】リンク間の干渉又は衝突が発生し得る状況を示す。
図18】本発明の実施例に係るマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対のうち第1リンクで受信中であるPPDUの受信をあきらめ、non-STRマルチリンク対のうち第2リンクでPPDU送信を試みることを示す。
図19】マルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対でRTS/CTSフレームを交換して低遅延トラフィックを送信できない状況を示す。
図20】本発明の実施例に係るマルチリンク装置がフレーム交換前に、トラフィックの優先順位に基づいてトラフィックを送信するか否かを決定することを示す。
図21】本発明の実施例に係るRTSフレームのFrame Controlフィールドフォーマットを示す。
図22】本発明の実施例に係るMU-RTSフレームのUser Infoフィールドフォーマットを示す。
図23】RTSフレームを受信したステーションが、本発明の実施例によってRTSフレームを送信したAPに送信機会譲渡を要請することを示す。
図24】本発明の実施例によって低遅延トラフィックの優先処理要請を含むCTSフレームのFrame Controlフィールドのフォーマットを示す。
図25】本発明の実施例によってAPとステーション間にブロードキャストTWTを設定する方法を示す。
図26】本発明の実施例によってAPがクアイエット区間を設定することを示す。
図27】本発明の実施例によってステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してTXOPを設定する方法を説明する。
図28】本発明の実施例に係るステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してチャネルアクセス手順を再び行うことを示す。
図29】本発明の実施例によってAPが制限されたサービスピリオドを早期に終了する動作を示す。
図30】本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-SRTリンク対で送信を行うことを示す。
図31】本発明の実施例を適用していないnon-APステーションマルチリンク装置から始まったフレーム交換を示す。
図32】本発明の実施例によってnon-APステーションマルチリンク装置から始まったフレーム交換を示す。
図33】本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請する送信を行う時に、第2リンクで即刻の応答を要請しない送信を行うことを示す。
図34】本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクでUL OFDMA送信を行う時に、第2リンクで送信を行う動作を示す。
図35】本発明の実施例によって一つのリンク対が送信方向によってnon-STRリンク対であるか或いはSTRリンク対であるかが決定される場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0030】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定臨界値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
【0031】
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【0033】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0034】
図1に示すように、インフラストラクチャBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0035】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のデバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0036】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0037】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0038】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。図2の実施例において、図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0039】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0040】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0041】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0042】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
【0043】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサン110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0044】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってもよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0045】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはデバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したデバイスのエレメントは、デバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0046】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。図4において、AP200の構成のうち図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0047】
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0048】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0049】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0050】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を獲得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
【0051】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0052】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0053】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【0054】
無線LAN通信を行う端末は、データを伝送する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば該当チャネルが占有状態と判別され、前記端末は該当チャネル対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA臨界値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA臨界値以上の無線信号が該当端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、該当チャネルから無線信号が感知されないかCCA臨界値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
【0055】
チャネルが遊休状態と判別されれば、伝送するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、該当端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が該当チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競争ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイム間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達すると、端末は当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
【0056】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競争ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競争ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競争ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0057】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
【0058】
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0059】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0060】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0061】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0062】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0063】
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0064】
L_LENGTHフィールドの単位はbyteであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナリング可能であり、L_RATEフィールドとの組合せで当該PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを互いに異なる方法で解析できる。
【0065】
まず、レガシー端末又はノン-レガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて当該PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドが6Mbpsに設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデューレーションである4usで3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びテール(Tail)フィールドに該当する3バイトを足し、これを、1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデューレーションである4usをかけた後、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、当該PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が取得される。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0066】
【数1】
【0067】
このとき、
【数2】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
【0068】
【数3】
【0069】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0070】
【数4】
【0071】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0072】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0073】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0074】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0075】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0076】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0077】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
【0078】
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0079】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネルを除く残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0080】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネルを除く残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0081】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を図示する。また、SU PPDUの320MHz BW構成においてプライマリー160MHzとセカンダリー160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0082】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドに、シグナルされたPPDUフォーマットによって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、初めからEHT-SIG-Aをシグナルしなくてよいので、これを考慮して、U-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを完全にシグナルする必要がある。しかし、EHT MU PPDUである場合に、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードを、SU PPDUと異なる方法でシグナルできる。EHT ER PPDUの場合に、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzのいずれの帯域を使用するPPDUであるかをシグナルできる。前記PPDUタイプ別に細部的なパンクチャリングパターンは、図11及び図12で詳細に後述する。
【0083】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0084】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0085】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0086】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0087】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0088】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0089】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0090】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0091】
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
【0092】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
【0093】
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
【0094】
1つの無線通信装置が複数のリンクを用いて通信する場合に、無線通信装置の通信効率を高めることができる。このとき、リンクは物理的経路(path)であり、MSDU(MAC service data unit)を伝達するために使用可能な一つの無線媒介体として構成されてよい。例えば、いずれか一つのリンクの周波数帯域が他の無線通信装置によって使用中である場合に、無線通信装置は、他のリンクで継続して通信を行うことができる。このように、無線通信装置は複数のチャネルを有用に使用することができる。また、無線通信装置が複数のリンクを用いて同時に通信を行う場合に、全体スループット(throughput)を高めることができる。ただし、既存無線LANは、1つの無線通信装置が1つのリンクを用いることを前提に規定されている。このため、複数のリンクを用いるための無線LAN動作方法が必要である。図9図26を参照して、複数のリンクを用いる無線通信装置の無線通信方法について説明する。まず、図9を用いて、複数のリンクを用いる無線通信装置の具体的な形態について説明する。
【0095】
図9は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【0096】
前述した複数のリンクを用いる無線通信方法のためにマルチリンク装置(multi-link device,MLD)が定義されてよい。マルチリンク装置は、一つ以上の提携された(affiliated)ステーションを有する装置を表すことができる。具体的な実施例によって、マルチリンク装置は、2つ以上の提携されたステーションを有する装置を表すことができる。また、マルチリンク装置はマルチリンクエレメントを交換することができる。マルチリンクエレメントは、一つ以上のステーション又は一つ以上のリンクに関する情報を含む。マルチリンクエレメントは、後述されるmulti-link setupエレメントを含むことができる。このとき、マルチリンク装置は論理的なエンティティ(entity)であってよい。具体的には、マルチリンク装置は複数の提携されたステーションを有することができる。マルチリンク装置は、MLLE(multi-link logical entity)又はMLE(multi-link entity)と呼ぶことができる。マルチリンク装置は、ロジカルリンク制御(logical link control,LLC)まで一つのMACサービスアクセスポイント(medium access control service access point,SAP)を有することができる。また、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有することができる。
【0097】
マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のリンクで動作できる。また、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のチャネルで動作できる。具体的には、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、異なる複数のリンク又は異なる複数のチャネルで動作できる。例えば、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzの異なる複数のチャネルで動作できる。
【0098】
マルチリンク装置の動作は、マルチリンクオペレーション、MLD動作、又はマルチ-バンド動作と呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがAPである場合に、マルチリンク装置は、AP MLDと呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがノン-APステーションである場合に、マルチリンク装置は、non-AP MLDと呼ぶことができる。
【0099】
図9は、non-AP MLDとAP-MLDとが通信する動作を示す。具体的には、non-AP MLDとAP-MLDはそれぞれ3個のリンクを用いて通信する。AP MLDは、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。non-AP MLDは、第1non-AP STA(non-AP STA1)、第2non-AP STA(non-AP STA2)及び第3non-AP STA(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)と第1non-AP STA(non-AP STA1)は第1リンク(Link1)を通じて通信する。また、第2AP(AP2)と第2non-AP STA(non-AP STA2)は第2リンク(Link2)を通じて通信する。また、第3AP(AP3)と第3non-AP STA(non-AP STA3)は第3リンク(Link3)を通じて通信する。
【0100】
マルチリンク動作はマルチリンク設定(setup)動作を含むことができる。マルチリンク設定は、前述したシングルリンク動作の結合(association)動作に対応するものであり、マルチリンクでのフレーム交換のために先行される必要がある。マルチリンク装置は、マルチリンク設定のために必要な情報をmulti-link setupエレメントから取得することができる。具体的には、multi-link setupエレメントは、マルチリンクと関連した能力情報を含むことができる。このとき、能力情報は、マルチリンク装置に含まれた複数の装置のいずれか一つが送信を行い、同時に他の装置が受信を行うことができるかを示す情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるリンクに関する情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるチャネルに関する情報を含むことができる。
【0101】
マルチリンク設定はピアステーション間の交渉によって設定されてよい。具体的には、APとの通信無しでステーション間の通信によってマルチリンク設定が行われてよい。また、マルチリンク設定は、いずれか一つのリンクを通じて設定されてよい。例えば、マルチリンクを通じて第1リンク~第3リンクが設定される場合であっても、第1リンクを通じてマルチリンク設定が行われてよい。
【0102】
また、TID(traffic identifier)とリンクとのマッピングが設定されてよい。具体的には、特定値のTIDに該当するフレームは、あらかじめ指定されたリンクのみを通じて交換されてよい。TIDとリンクとのマッピングは、方向ベース(directional-based)で設定されてよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが設定された場合に、第1マルチリンク装置は、複数の第1リンクに第1TIDのフレームを送信するように設定され、第2マルチリンク装置は、第1リンクに第2TIDのフレームを送信するように設定されてよい。また、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は、基本(default)設定にしたがって各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全TIDが交換されるものであってよい。
【0103】
TIDについて具体的に説明する。TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データを分類するIDである。また、TIDは、MACレイヤよりも上位レイヤにおいて用いられたリ割り当てられてよい。また、TIDは、トラフィックカテゴリー(traffic category,TC)、トラフィックストリーム(traffic stream,TS)を示すことができる。また、TIDは16個に区別されてよい。例えば、TIDは、0から15のいずれか一つと指定されてよい。アクセス政策(access policy)、チャネルアクセス又は媒体(medium)アクセス方法によって、使用されるTID値が異なるように指定されてよい。例えば、EDCA(enhanced distributed channel access)又はHCAF(hybrid coordination function contention based channel access)が用いられる場合に、TIDの値は0から7の範囲で割り当てられてよい。EDCAが用いられる場合に、TIDはユーザ優先順位(user priority,UP)を示すことができる。このとき、UPはTC又はTSによって指定されてよい。UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられてよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HCCA又はSPCAが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。また、HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。
【0104】
UPとAC(access category)はマップされてよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベルであってよい。ACは、EDCAパラメータセットを示すためのラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータセットは、EDCAのチャネル競合(contention)で用いられるパラメータである。QoSステーションはACを用いてQoSを保障することができる。また、ACは、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOを含むことができる。AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOのそれぞれは、バックグラウンド(background)、ベストエフォート(best effort)、ビデオ(video)、ボイス(voice)を示すことができる。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOは、下位ACに分類されてよい。例えば、AC_VIは、AC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化できる。また、AC_VOは、AC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化できる。また、UP又はTIDはACにマップされてよい。例えば、UP又はTIDにおける1、2、0、3、4、5、6、7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6及び7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6、及び7はその順に優先順位が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先順であり、7の方が高い優先順位であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先順位が高くなってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのそれぞれは、ACI(AC index)0、1、2、3のそれぞれに該当し得る。このようなTIDの特性上、TIDとリンクとのマッピングは、ACとリンクとのマッピングを表すことができる。また、リンクとACとのマッピングは、TIDとリンクとのマッピングを表すことができる。
【0105】
前述したように、複数のリンクのそれぞれにTIDがマップされてよい。マッピングは、特定TID又はACに該当するトラフィックが交換され得るリンクが指定されることであってよい。また、リンク内で送信方向別に送信され得るTID又はACが指定されてよい。前述したように、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は基本(default)設定にしたがって、各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全てのTIDが交換されるものであってよい。常に、ある時点に、いかなるTID又はACも少なくともいずれか一つのリンクとマップされてよい。マネジメントフレームとコントロールフレームは全てのリンクで送信されてよい。
【0106】
リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされたTID又はACに該当するデータフレームのみが送信されてよい。したがって、リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされていないTID又はACに当該しないフレームは送信されなくてよい。リンクがTID又はACにマップされた場合に、ACKもTID又はACがマップされたリンクに基づいて送信されてよい。例えば、ブロックACK合意(agreement)が、TIDとリンクとのマッピングに基づいて決定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、TIDとリンクとのマッピングがブロックACK合意に基づいて決定されてよい。具体的には、特定リンクにマップされたTIDに対してブロックACK合意が設定されてよい。
【0107】
前述したTIDとリンクとのマッピングにより、QoSが保障されてよい。具体的には、相対的に少ない数のステーションが動作するか、或いはチャネル状態の良いリンクに優先順位の高いAC又はTIDがマップされてよい。また、前述したTIDとリンクとのマッピングにより、ステーションがより長い時間に節電状態を保つようにすることができる。
【0108】
図10は、本発明の実施例によって、マルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
【0109】
マルチリンク装置の具現によって、マルチリンクで同時動作が支援されないことがある。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信を行う、複数のリンクで同時に受信を行う、或いはいずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行うことが支援されことがある。いずれか一つのリンクで行われる受信又は送信が他のリンクで行われる受信又は送信に影響を及ぼすことがあるわけである。具体的に、一つのリンクでの送信が他のリンクの干渉として作用することがある。一つのマルチリンク装置の一つのリンクで他のリンクに作用する干渉を内部洩れ(internal leakage)と呼ぶことができる。リンク間の周波数間隔が小さいほど内部洩れが大きくなることがある。内部洩れが大きすぎないと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信が行うことができる。内部洩れが大きいと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信を行うことができない。このように、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に動作を行うことをSTR(simultaneous transmit and receive,simultaneous transmission and reception)と呼ぶことができる。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信する、いずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行う、或いは複数のリンクで同時に受信を行うことを、STRと呼ぶことができる。
【0110】
先に言及したように、マルチリンク装置はSTRを支援することもでき、制限的に支援することもできる。具体的に、マルチリンク装置は特定条件下でのみSTRを支援することができる。例えば、マルチリンク装置が単一ラジオ(single radio)で動作する場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。また、マルチリンク装置が単一アンテナで動作する場合に、マルチリンク装置がSTRを行えないことがある。また、内部洩れがあらかじめ指定された大きさ以上と感知される場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。
【0111】
ステーションは、ステーションのSTR能力に関する情報を他のステーションと交換できる。具体的に、ステーションは、ステーションが複数のリンクで同時に送信を行うか複数のリンクで同時に受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報を、他のステーションと交換できる。具体的に、複数のリンクで送信又は受信を行う能力の制限の有無に関する情報は、複数のリンクで同時に送信するか、同時に受信するか、或いは送信と受信が同時に行われるかを示すことができる。また、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、段階別に指示される情報であってよい。具体的に、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報であってよい。具体的な実施例において、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、内部洩れによって発生する干渉の大きさを示す段階を指示する情報であってよい。さらに他の具体的な実施例において、内部洩れに影響を及ぼし得るリンク間の周波数間隔を示す段階を指示する情報であってよい。また、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、リンク間の周波数間隔と内部洩れの大きさとの関係を段階別に指示する情報であってよい。
【0112】
図10で、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携(affiliate)される。また、第1AP(AP1)と第2AP(AP2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携されてよい。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)との間には第1リンク(link1)が設定され、第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)との間には第2リンク(link2)が設定される。図10で、non-APマルチリンク装置は制限的にSTRを行うことができる。第2ステーション(STA2)が第2リンク(Link2)で送信を行う場合に、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。例えば、次のような場合、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第1データ(Data1)を送信し、第1AP(AP1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を第1ステーション(STA1)に送信する。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第2データ(Data2)を送信する。この時、第2データ(Data2)の送信時期と第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)の送信時期が重なることがある。この時、第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)への送信によって第1リンク(Link1)に干渉が発生し得る。このため、第1ステーション(STA1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を受信できないことがある。
【0113】
マルチリンク装置がチャネルアクセスを行う動作について説明する。具体的な説明がないマルチリンクの動作は、図6で説明したチャネルアクセス手順に従うことができる。
【0114】
マルチリンク装置は、複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行うことができる。このとき、チャネルアクセスはバックオフベースチャネルアクセスであってよい。マルチリンク装置が複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行い、複数のリンクでバックオフカウンターが0に到達する場合に、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。具体的な実施例において、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達し、あらかじめ指定された条件を満たす場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。具体的に、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達した場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでエネルギー感知を行うことができる。この時、あらかじめ指定された大きさ以上のエネルギーが感知されない場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、エネルギー感知を行ったリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。これにより、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。エネルギー感知に用いられる閾値の大きさは、バックオフカウンターを減少させるかを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。また、バックオフカウンターを減らすかを判断する時に、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。また、前述したエネルギー感知において、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。内部洩れは無線LAN信号として感知されないことがある。このような場合、マルチリンク装置は、内部洩れによって感知される信号をエネルギー感知によって感知することができる。また、前述したように、エネルギー感知に用いられる閾値の大きさが、バックオフカウンターを減らすか否かを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。したがって、いずれか一つのリンクで送信が行われている中であっても、マルチリンク装置は他のリンクでバックオフカウンターを減らすことができる。
【0115】
マルチリンク装置が用いるリンク間の干渉の程度によって、マルチリンク装置は、各リンクで動作するステーションが独立して動作できるかが決定されてよい。このとき、リンク間の干渉程度は、マルチリンク装置のいずれか一つのステーションがいずれか一つのリンクで送信を行う時にマルチリンク装置の他のステーションが感知する干渉の大きさであってよい。マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ以上の干渉を発生させる場合に、第2ステーションの動作が制限されてよい。具体的に、第2ステーションの受信又はチャネルアクセスが制限されてよい。干渉が発生する場合に、第2ステーションは干渉によって受信する信号のデコーディングに失敗することがあるわけである。また、干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが使用中であると判断することがあるわけである。
【0116】
また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して動作できる。具体的に、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立してチャネルアクセスを行うことができる。また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して送信又は受信を行うことができる。あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションは、干渉が存在する場合にも、受信する信号のデコーディングに成功できるわけである。また、あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが遊休であると判断できるわけである。
【0117】
マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、ステーションが動作するリンクの周波数帯域間の間隔だけでなく、マルチリンク装置のハードウェア特性によって変わることがある。例えば、高RF(radio frequency)装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉は、低RF装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉もより小さくてよい。したがって、マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、マルチリンク装置の特性に基づいて判断されてよい。
【0118】
図10には、リンクの周波数帯域間の間隔とマルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが変わることを示す。図10の実施例において、第1マルチリンク装置(MLD#1)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)-1と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA1)-2を含む。第2マルチリンク装置(MLD#2)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA2)-1と、第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)-2を含む。第1マルチリンク装置(MLD#1)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔と、第2マルチリンク装置(MLD#2)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔は同一である。ただし、第1マルチリンク装置(MLD#1)の特性と第2マルチリンク装置(MLD#2)の特性との差によって発生する干渉の大きさが異なる。具体的に、第1マルチリンク装置(MLD#1)で発生する干渉の大きさよりも第2マルチリンク装置(MLD#2)で発生する干渉の大きさが大きくてよい。このように、マルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが異なることがあり、マルチリンク装置別にSTR支援の有無が異なることがあることを考慮するとき、STR支援がされるか否かに関する情報が交換される必要がある。
【0119】
マルチリンク装置は、マルチリンク装置が含むステーションのSTR支援の有無をシグナルすることができる。具体的に、APマルチリンク装置とnon-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置が含むAPのSTR支援の有無とnon-APマルチリンク装置が含むSTAのSTR支援の有無を交換することができる。このような実施例において、STR支援の有無を示すエレメントが用いられてよい。STR支援の有無を示すエレメントは、STR支援(support)エレメントと呼ぶことができる。STR支援エレメントは、1ビットにより、STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置のステーションのSTR支援の有無を示すことができる。具体的に、STR支援エレメントは、STR支援エレメントを送信するマルチリンク装置が含むステーションのそれぞれのSTR支援の有無を1ビット別に示すことができる。このとき、ステーションがSTRを支援する場合に、ビットの値は1であり、ステーションがSTRを支援しない場合に、ビットの値は0であってよい。STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置が第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含み、第1ステーション(STA1)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援し、第2ステーション(STA2)はSTRを支援しない場合に、STR支援エレメントは、1011bを有するフィールドを含むことができる。互いに異なる周波数帯域で動作するステーションはSTRを支援すると仮定され、STR支援エレメントは、互いに異なる周波数帯域で動作するステーション間のSTR支援の有無に対するシグナリングを省略してよい。例えば、第1ステーション(STA1)が2.4GHzの第1リンクで動作し、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)のそれぞれが5GHzの第2リンクと第3リンクで動作する。この時、STR支援エレメントは、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)間にSTRが支援されることを1ビットで示すことができる。また、STR支援エレメントは、STR支援エレメントがシグナルするステーションが2個である場合に1ビットのみを含むことができる。
【0120】
具体的な実施例において、マルチリンク装置のリンクのうち2.4GHzに位置しているリンクと、5GHz又は6GHzに位置しているリンクとの関係は、常にSTRと判断されてよい。したがって、2.4GHzに位置しているリンクと5GHz又は6GHzに位置しているリンクのSTRの有無に対してはシグナリングが省略されてよい。
【0121】
前述した実施例において、マルチリンク装置のステーションの動作として説明したものは、マルチリンク装置の動作に置換されてよい。また、前述した実施例において、APの動作はnon-APステーションの動作に置換され、non-APステーションの動作はAPの動作に置換されてよい。したがって、non-STRマルチリンク装置のAPの動作はnon-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換され、STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作はSTRマルチリンク装置のAPの動作に置換されてよい。また、non-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作はnon-STRマルチリンク装置のAPの動作に置換され、STRマルチリンク装置のAPの動作はSTRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換されてよい。
【0122】
図11には、本発明の一実施例によってリンクが変更された場合に、マルチリンク装置の動作を示す。
【0123】
リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援エレメントが交換されてよい。前述したように、ステーションのSTR支援の有無は、リンクの周波数帯域間の距離によって変わることがあり、リンクの周波数帯域が変更される場合に、ステーションのSTR支援の有無が変更されることがあるためである。リンクの周波数帯域が変更される場合は、リンクの中心周波数の変更、周波数帯域の帯域幅の変更及び20MHz主チャネルのうち少なくともいずれか一つを含むことができる。APとステーションは要請と応答によってSTR支援エレメントを交換することができる。さらに他の具体的な実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援エレメントが別途の要請無しにも交換されてよい。また、前述した実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合は、ステーションの動作チャネル(operating channel)が変更されることを含むことができる。
【0124】
non-APマルチリンク装置のステーションがSTRを行うことができない場合に、non-APマルチリンク装置のステーションはAPにリンクの変更を要請することができる。具体的に、non-APマルチリンク装置のステーションは、中心周波数の変更、周波数帯域の帯域幅の変更及び20MHz主チャネルのうち少なくともいずれか一つの変更を要請することができる。リンク変更要請は、変更を要請するリンクを通じてAPに送信されてよい。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、変更を要請しないリンクを通じてAPに送信されてよい。このとき、リンク変更要請は、変更を要請するリンクを指示する情報を含むことができる。リンクを指示する情報は、リンクを識別する番号であってよい。このような実施例において、リンクの変更は、一つの周波数帯域内で動作(operating)チャネルが変更されることであってよい。また、リンクの変更は、リンクを変更する方法に関する情報を含むことができる。具体的に、リンク変更要請は、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも高い周波数に移動させるか、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも低い周波数に移動させるかを示すことができる。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、隣接したリンクと遠ざかる周波数帯域への変更を暗示的に示すことができる。また、リンク変更要請は、リンクの帯域幅を減らすことを示すことができる。また、リンク変更要請は、主チャネルの位置の変更を要請できる。具体的に、リンク変更要請は、主チャネルの位置を、現在の主チャネルの位置よりも低い周波数帯域のチャネル又は高い周波数帯域のチャネルに変更することを示すことができる。リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請に応じてリンクを変更することができる。また、具体的な実施例において、リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請を無視できる。
【0125】
図11の実施例において、non-APマルチリンク装置の第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援できない状態である。Non-APマルチリンク装置はAPマルチリンク装置に第3リンク(Link3)の変更を要請する。リンク変更要請を受信したAPマルチリンク装置は、第3AP(AP3)の動作リンクを変更する。この時、変更する第3リンク(link3)で動作する第3ステーション(STA3)が、第3AP(AP3)に変更要請を送信できる。さらに他の具体的な実施例において、第3リンク(link3)で動作しないステーションが、第3リンク(link3)で動作しないAPに変更要請を送信できる。
【0126】
APがリンクを変更する場合に、APはビーコンフレームを用いてリンク変更に関する情報をブロードキャストすることができる。このとき、リンク変更に関する情報はリンクの周波数に関する情報を含むことができる。リンクの周波数に関する情報は、リンクの中心周波数、動作帯域幅及び主チャネルの変更のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。また、リンク変更に関する情報は、リンク変更時点に関する情報を含むことができる。また、リンク変更は、リンク変更に関する情報を含むビーコン送信時に完了されてよい。
【0127】
図11で、第3ステーション(STA3)が動作するリンクが変更され、第3ステーション(STA3)と第2ステーション(STA2)はSTRを支援できる。前述したように、non-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置にSTR支援エレメントを送信し、変更されたSTR支援の有無をシグナルすることができる。
【0128】
前述したリンク変更が許容されないか或いはリンク変更によってもSTRが支援されないことがある。また、図11の実施例のように、APマルチリンク装置はSTRを支援するが、non-APマルチリンク装置がSTRを支援しないことがある。これは、APマルチリンク装置に相対的に高RF装置が用いられ、non-APマルチリンク装置に相対的に低RF装置が用いられることが一般的であるためである。したがって、マルチリンク装置間の通信時に、いずれか一つのマルチリンク装置がSTRを支援しない時にも効率的な通信ができる方法が必要である。この時、STRは、送信と受信が同時に行われることを表すことができる。これについて図12で説明する。
【0129】
図12には、本発明の一実施例によってnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信中である時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスが禁止されることを示す。
【0130】
non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで送信が行われ、non-STRマルチリンク装置の他のリンクで受信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置の受信と送信に失敗することがある。これを解決するために、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスが禁止されてよい。具体的に、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これにより、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われる時にnon-STRマルチリンク装置の他のリンクで送信が始まることを防止できる。具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が始まる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これは、チャネル接近禁止フラグのようなメモリの特定ビットによって設定されてよい。これは、マルチリンク装置内部のメモリによってチャネルアクセス禁止の有無が共有されてよい。このような実施例により、別途のフレーム交換無しでチャネルアクセス禁止を具現することができる。説明の便宜のために、本明細書で用いられるチャネルアクセス禁止は、特に説明がない限り、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するためにチャネルアクセス又は送信を禁止することを表す。
【0131】
チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なくバックオフ手順を行うことができない。また、チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なく送信を行うことができない。ただし、チャネルアクセスが禁止されても、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは受信を行うことができる。また、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時に基づいて解除されてよい。具体的に、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点に基づいて解除されてよい。具体的に、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKの送信が完了した時点に解除されてよい。また、チャネルアクセス禁止が解除された直後に、ステーションは追加センシング無しでバックオフカウンターを直ちに減らすことができる。このとき、追加センシングは、DIFS(DCF Interframe Space)間に行われるセンシングを表すことができる。さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止が解除される直前に、あらかじめ指定された時間でチャネルが遊休である場合に、ステーションは、追加センシング無しでバックオフカウンターを直ちに減らすことができる。このとき、あらかじめ指定された時間は、PIFS(PCF Interframe Sapce)、DIFS、SIFS(Short Interframe Sapce)及びAIFS(Arbitration Interframe Space)のいずれか一つであってよい。
【0132】
図12の実施例において、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)が受信を行う間に第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が送信を行う場合に、装置内干渉が発生する。前述したように、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)が受信を行う間に、第2リンク(Link2)で行われる第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。第1リンク(Link1)での第1ステーション(STA1)の受信が完了した後に、チャネルアクセス禁止が解除される。チャネルアクセス禁止が解除された直後に、第2ステーション(STA2)は追加センシング無しで以前バックオフカウンター値を3から2へと、1減らすことができる。
【0133】
表現上の便宜のために、図12では、Rx及びTxを単一ブロック(Tx実線、Rx点線)を用いて表現しており、該単一ブロックは別途のAckブロックが示されていなくとも、Tx/Ack受信、Rx/Ack送信が含まれた動作を表現したものと理解されてよい。これは、以後に説明する図面にも同一に適用されてよい。
【0134】
ステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、ステーションはPPDUの受信を中断してよい。このような場合、マルチリンク装置のチャネルアクセス禁止解除動作が問題になる。本明細書において、意図した受信者は、目的ステーションと同じ意味で使われる。
【0135】
図13には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置のステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、チャネルアクセス禁止を解除する動作を示す。
【0136】
ステーションが受信するPPDUの意図した受信者がステーションでないことを確認した場合に、ステーションはチャネルアクセス禁止を解除できる。ステーションは、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報に基づいて、ステーションがPPDUの意図した受信者であるか否か判断できる。このとき、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報は、前述したEHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドの値であってよい。具体的に、ステーションは、EHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドがステーションを指示するか否か判断できる。また、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドの値に基づいて、ステーションがPPDUの意図した受信者であるか否か判断できる。具体的に、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドがステーションを指示するか否か判断できる。図13で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)がPPDUを受信する。第1ステーション(STA1)は、受信されるPPDUの意図した受信者が第1ステーション(STA1)でないことに判断し、PPDUの受信を中断する。この時、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止を解除することができる。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止が解除されても、第2ステーション(STA2)に設定されたNAVによって第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが遅延されることがある。
【0137】
図13のように、チャネルアクセス禁止が解除されても、マルチリンク装置に含まれないステーション又はSTRマルチリンク装置に含まれたステーションに比べて、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションがチャネルアクセス機会を有し得ない場合が多い。したがって、他のステーションと公正な競合のために、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションのチャネルアクセス機会を補償するための方法が必要である。例えば、チャネルアクセス禁止解除の直後に、チャネルアクセス禁止が解除されたステーションがバックオフカウンターを減らす時に2以上減らすことが許容されてよい。これについては図14で説明する。
【0138】
図14には、本発明の実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止が解除された後にチャネルアクセスを行うことを示す。
【0139】
チャネルアクセス禁止が解除されたステーションは、チャネルアクセス禁止解除直後にバックオフカウンターを2以上減らすことができる。ステーションのチャネルアクセスが禁止される間に他のステーションはバックオフ手順を行ったため、他のステーションとチャネルアクセス機会の公平性を合わせるためである。
【0140】
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止される間にCCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。図14で、第1ステーション(STA1)が受信を行う間に第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)は、CCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減らす。
【0141】
また、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止される間にバックオフカウンターが0に到達しても送信を始めずに送信を遅延させることができる。この時、ステーションはバックオフカウンターの値を0と維持できる。また、ステーションが送信を遅延させても、ステーションはCWの値をそのまま維持できる。したがって、ステーションのアクセスするチャネルが使用中(busy)であることから、ステーションがCWの値をダブリング(doubling)することとは差別化される。これは、送信が遅延された事由が、チャネルが使用中であると判断された場合でないためである。図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)はCCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減らすチャネルアクセス手順を行うことができる。図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減らす。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)のバックオフカウンターが0に到達する。第2ステーション(STA2)は送信を遅延させ、チャネルアクセス禁止が解除された後に送信を始める。
【0142】
前述したように、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、第2ステーションに対する送信が禁止されることを含むことができる。また、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信を行う時に、第2ステーションの送信が禁止されることを含むことができる。
【0143】
図14(b)で説明される実施例において、チャネルアクセスが禁止されたステーションが複数である場合に、複数のステーションのチャネルアクセス禁止が同時に解除され、複数のステーションが同時に送信を試みる可能性が高い。このため、送信衝突確率を下げ得る方法が必要である。これについては図15で説明する。
【0144】
図15には、本発明の一実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止解除後に送信を行う動作を示す。
【0145】
前述したように、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち、第1リンクで送信が行われ、第2リンクで送信が禁止されることがある。第1リンクで当該送信が完了した場合に、第2リンクでの送信はRTS/CTSフレーム交換によって始まってよい。したがって、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち第1リンクで送信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置は第2リンクでRTS/CTSフレーム交換を始めることができる。チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止解除後に、ステーションは、遅延された送信を始める前にRTS/CTS(request to send/clear to send)フレームの交換を始めることができる。この時、ステーションがCTSフレームを受信できないと、遅延された送信を開始できないことがある。図15(a)の実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションは、遅延された送信を始める前にRTSフレームを送信する。ステーションはRTSフレームに対する応答としてCTSフレームを受信した後、遅延された送信を始める。
【0146】
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止解除後に、ステーションは、遅延された送信の一部のみを含むフレームを送信できる。この時、ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答、例えばACKを受信した後に、ステーションは、遅延された送信のうち送信されていない部分の送信を行うことができる。ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答を受信できないと、ステーションは、遅延された送信のうち、送信されない部分の送信を行わなくてよい。このように、ステーションがチャネルアクセス禁止解除後にRTS/CTS交換を始める或いは遅延された送信の一部のみを送信することは、一般的な送信に比べてチャネルアクセス禁止後の送信の衝突確率が高いためである。したがって、前述した実施例が、チャネルアクセス禁止解除後に行われた送信に義務的に適用されてよい。既存の無線LAN動作においてRTS/CTSフレームは隠しノード(hidden node)問題を解決するために用いられ、送信データの大きさに基づいて用いることができた。前述した実施例においてRTS/CTSフレームは、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するために遅延された送信を行おうとするステーションとの送信衝突を防止するためのものである。
【0147】
前述したように、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションの送信が制限されてよい。また、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションが、ステーションが動作するリンクのチャネル状態を正確にセンシングし難いことがあり得る。具体的に、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネル状態を常に使用中(busy)と判断することがある。このため、第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネルが遊休である場合にも、装置内干渉によってチャネルを使用中と判断することがある。このように、装置内干渉によってチャネル状態を判断できないステーション又はnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションの送信が継続中である場合に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションをブラインド(blind)状態であるという。前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、バックオフ手順を行って送信を試みることが困難であり得る。また、前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、PPDUの受信を始めたりデコーディングに成功したりすることが難しいであろう。このため、ブラインド状態であるステーションを考慮した送信方法が必要である。これについては図16で説明する。
【0148】
図16には、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置内のステーションの状態に基づいて行われる送信を示す。
【0149】
non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かによって送信を行うか否かを決定できる。このとき、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、STRマルチリンク装置に含まれたステーションであってよい。また、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、APマルチリンク装置に含まれたAPであり、non-STRマルチリンク装置は、non-APマルチリンク装置であってよい。non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かによって判断できる。送信を行おうとするステーションは、ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置に送信を実行中であるか否か判断できる。ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置から受信を実行中である場合に、ステーションは、ステーションの送信を受信するnon-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であると判断できる。図16の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。したがって、第2AP(AP2)は第2ステーション(STA2)から受信中であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。具体的に、第2AP(AP2)は、第2AP(AP2)に対する送信の主体が第2ステーション(STA2)であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。さらに他の具体的な実施例において、第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)が現在送信中であることを第1AP(AP1)に知らせることができる。この時、第1AP(AP1)は、知らせに基づいて、第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断できる。
【0150】
マルチリンク装置内のステーションは共通MACを介して動作することができるので、上述した第1のAP(AP1)と第2のAP(AP2)との情報交換は明示的に行われない場合がある。
【0151】
ステーションは、ブラインド状態であるステーションに送信を行わなくてよい。これは、ブラインド状態であるステーションに送信を行っても、ブラインド状態であるステーションが受信を開示できないか、或いはブラインド状態であるステーションがPPDUをデコードできない可能性が高いためである。この時、ステーションは、ブラインド状態であるステーションに対する送信を取消し、他のステーションに対する送信を行うことができる。
【0152】
STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に送信を行う時に、STRマルチリンク装置は複数のリンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行うことができる。具体的に、STRマルチリンク装置が第1リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行う時に、STRマルチリンク装置は第2リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を始めることができる。この時、STRマルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置に対する送信であることに基づいて、第2リンクで行われる送信の長さを決定できる。具体的に、STRマルチリンク装置は、第1リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さに基づいて第2リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さを決定できる。具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、第1リンクでの送信と第2リンクでの送信を同時に終了できる。これは、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つに対する送信が先に終了し、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つが送信に対する応答、例えばACKを送信する間にnon-STRマルチリンク装置の他のステーションに対する送信が行われることを防止するためである。前述した実施例によってnon-STRマルチリンク装置の複数のステーションが複数のステーションに対する送信に対する応答を同時に送信することができる。
【0153】
STRマルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態を実時間で判断できない。このため、STRマルチリンク装置が図16で説明した実施例によって動作しても、non-STRマルチリンク装置が動作するリンク間で干渉又は送信衝突が発生することがある。例えば、図16の実施例において、第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に対する送信を実行中であることを認識する前に、第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に対する送信を始めることがある。このように、リンク間の干渉又は衝突の発生確率がリンク内干渉又は送信衝突の発生確率よりも大きいことがある。これについては図17でより具体的に説明する。
【0154】
図17には、リンク間の干渉又は衝突が発生し得る状況を示す。
【0155】
non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信と同時に始まる場合に、リンク間で送信衝突が発生することがある。これは図17(a)に示さている。これは、前述したように、STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態を実時間で判断出できないことから発生し得る。
【0156】
また、non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信よりも早く始まった場合であっても、リンク間で送信衝突が発生し得る。れは図17(b)に示されている。第2AP(AP2)が第1AP(AP1)に、第2ステーション(STA2)が送信を実行中であることを知らせるまでに時間がかかり得るためである。このように、互いに異なる時点に送信を始めたステーション間でも送信衝突が発生するので、装置間の干渉又は送信衝突の発生確率が、リンク内干渉又は衝突の発生確率よりも大きいことがある。また、STRマルチリンク装置のAPが受信するPPDUの送信者を識別する時間が遅延されるほどリンク間の干渉又は送信衝突の発生確率が大きくなり得る。したがって、これを解決するための方法が必要である。STRマルチリンク装置のステーションのうち一つが受信を実行中である場合に、STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスを行わなくてよい。ただし、このようにチャネルアクセスが禁止される場合、STR機能具現の意味が消えることがある。このため、STRマルチリンク装置のチャネルアクセス禁止でない動作方法が必要である。これについては図18で説明する。
【0157】
前述のように、マルチリンク装置がマルチリンク装置に送信を行うステーションを迅速に判断することが重要であり得る。EHT UL PPDUのEHT-SIGのUserフィールドは、EHT UL PPDUを送信するステーションの識別子(STA-ID)を示すことができる。具体的には、EHT PPDUのシグナリングフィールドのDL/ULフィールドが、EHT PPDUがUL PPDUであることを示す場合に、EHT PPDUのEHT-SIGのUserフィールドは、EHT UL PPDUを送信するステーションの識別子を示すことができる。EHT PPDUを受信するマルチリンク装置は、EHT UL PPDUのEHT-SIGのUserフィールドに基づいてEHT PPDUを送信するステーションを識別することができる。これにより、APマルチリンク装置はEHT UL PPDUを送信するステーションを判断し、APマルチリンク装置は、送信の宛先装置を決定することができる。具体的には、APマルチリンク装置は、実行しようとした送信がリンク間(Inter-link)衝突により失敗する可能性が高いか否かを判断することができる。また、APマルチリンク装置が実行しようとした送信に失敗する可能性が高い場合に、APマルチリンク装置は、実行しようとした送信を遅延させ、他の送信を行うことができる。
【0158】
無線LANを用いた様々なサービスが具現されている。特に、無線VR(virtual reality)装置の普及が拡大されるなど、低遅延サービス支援の必要性が高まっている。したがって、低遅延サービスを支援するための無線LAN動作方法が必要である。説明の便宜のために、低遅延サービスのためのトラフィックを低遅延トラフィックと称する。低遅延トラフィックはステーションによって指定されてよい。このとき、ステーションはAPを含む。具体的には、MACレイヤよりも上位のレイヤにおいてどのトラフィックが低遅延トラフィックであるか指定されてよい。また、特定トラフィックが低遅延トラフィックとして指定されてよい。また、低遅延トラフィックは、トラフィックの優先順位があらかじめ指定された優先順位に優先するトラフィックであってよい。このとき、優先順位はAC(access category)に基づいて決定されてよい。
【0159】
前述したnon-STRマルチリンク装置の動作においても低遅延サービス支援が考慮される必要がある。non-STRマルチリンク装置の動作特性によって低遅延トラフィックの送信が遅延されることがあるためである。例えば、non-STRマルチリンク装置は、第1リンクで受信中の場合に、第1リンクで送信されるPPDUの送信を保護するために第2リンクで送信が制限されてよい。このため、第2リンクで送信されるべき低遅延トラフィックの送信が遅延されることがある。これを解決するための方法について図18で説明する。
【0160】
図18には、本発明の実施例に係るマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対のうち第1リンクで受信中であるPPDUの受信をあきらめ、non-STRマルチリンク対のうち第2リンクでPPDU送信を試みることを示す。
【0161】
マルチリンク装置は、non-STRリンク対のうち第1リンクで受信を行っている中であっても、non-STRリンク対のうち第2リンクで低遅延トラフィックの送信を行うことができる。non-STRリンク対は、non-STRマルチリンク装置が2つのリンクのいずれか一つで送信を行い、同時に残りリンクでは受信を行うことができないリンク対を表す。このとき、マルチリンク装置は第1リンクでの受信をあきらめる。具体的には、マルチリンク装置は、non-STRリンク対のうち第1リンクでPPDUを受信する中であっても、non-STRリンク対のうち第2リンクで低遅延トラフィックを含むPPDUの送信を試みることができる。このとき、マルチリンク装置は第1リンクでPPDUの受信を中断してよい。
【0162】
また、マルチリンク装置が第1リンクで受信するPPDUに含まれたトラフィックの優先順位よりも第2リンクで送信しようとするPPDUに含まれたトラフィックの優先順位が高い場合に、non-STRマルチリンク装置は、non-STRリンク対のうち第1リンクでPPDUを受信する中であっても、non-STRリンク対のうち第2リンクで優先順位の高いトラフィックを含むPPDUの送信を試みることができる。この時、マルチリンク装置は第1リンクでPPDUの受信を中断してよい。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置は、第2リンクで送信を行い、第1リンクでは受信される信号を無視してよい。
【0163】
前述した実施例において、マルチリンク装置が受信を中断できる条件は、第1リンクで進行中である受信に含まれたトラフィックの優先順位が、第2リンクで送信するトラフィックの優先順位よりも低い場合である。したがって、第1リンクで進行中である受信に含まれたトラフィックの優先順位が第2リンクで送信するトラフィックの優先順位よりも高い場合に、マルチリンク装置は第1リンクでの受信を中断できない。
【0164】
ただし、特定リンクで低遅延トラフィックが受信される時には、前記特定リンクとnon-STR関係である他のリンクでのチャネルアクセス及び送信(応答を含む。)が制限されてよい。
【0165】
図18の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)が第2AP(AP2)から第1PPDUを受信する。この時、第1PPDUが低遅延トラフィックでないトラフィックのみを含み、第2リンク(Link2)で低遅延トラフィックの送信が必要な場合に、APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で第1PPDUの受信をあきらめ、第2リンク(Link2)で低遅延トラフィックを含む第2PPDUの送信を試みることができる。又は、APマルチリンク装置が第1リンク(Link1)で受信する第1PPDUが含むトラフィックの優先順位よりも第2リンク(Link2)で送信しようとする第2PPDUが含むトラフィックの優先順位が高い場合に、APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で第1PPDUの受信を中断し、第2リンク(Link2)で第2PPDUの送信を試みることができる。
【0166】
このような実施例によってマルチリンク装置はトラフィックのタイプ又は優先順位によってトラフィック交換の優先順位を調節することができる。また、前述した実施例において、トラフィックの優先順位はあらかじめ指定された政策によって設定されてよい。また、前述したように、MACレイヤよりも上位レイヤでトラフィックの優先順位が指定されてよい。
【0167】
図18を用いて、PPDUの受信段階、すなわちフィジカルレイヤレベルで低遅延トラフィック送信の遅延を防止する実施例について説明した。図19図22では、フレーム交換段階、すなわち、MACレイヤレベルで低遅延トラフィックの送信遅延を防止する実施例について説明する。
【0168】
図19は、マルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対でRTS/CTSフレームを交換して低遅延トラフィックを送信できない状況を示す。
【0169】
マルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対のうちいずれか一つでフレーム交換を行う場合に、non-STRマルチリンク対の残りリンクで低遅延トラフィックの送信が遅延されることがある。図19の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)にRTSフレームを送信する。第1ステーション(STA1)はRTS(request to send)フレームに対する応答として第1AP(AP1)にCTS(clear to send)フレームを送信する。第1リンクで行われるRTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスによって、第2リンク(Link2)では第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)間のフレーム交換を行うことができない。また、RTSフレーム/CTSフレーム交換が完了した後にも、第2リンク(Link2)で一定時間、例えばMediumSyncDelay又はNAVSyncDelayの間に送信が制限されることがある。
【0170】
また、既存の無線LAN動作においてRTSフレームを受信したステーションは、CTSフレームを送信しなければならない。したがって、既存の無線LAN動作がそのまま適用される場合に、図18で説明したPPDUの受信中断実施例が適用されても、RTSフレーム/CTSフレーム交換以後まで低遅延トラフィックが遅延されることがある。
【0171】
図20には、本発明の実施例に係るマルチリンク装置がフレーム交換前に、トラフィックの優先順位に基づいてトラフィックを送信するか否かを決定することを示す。
【0172】
マルチリンク装置は、低遅延トラフィックの送信のために、non-STRマルチリンク対のうちいずれか一つで行われるフレーム交換シーケンスでフレーム交換を中断できる。具体的には、マルチリンク装置は、フレーム交換シーケンスで送信するべきフレームを送信せずに、低遅延トラフィックの送信を行うことができる。具体的な実施例において、マルチリンク装置は、低遅延トラフィックの送信のために、フレーム交換シーケンスで応答フレームを送信しなくてよい。このような実施例において、マルチリンク装置は、低遅延トラフィックの送信を行った後にフレーム交換シーケンスを再開できる。
【0173】
また、フレーム交換シーケンスは、NAV(network allocation vector)設定のためのフレーム交換シーケンスであってよい。NAV設定のためのフレーム交換シーケンスは、RTS(request to send)フレーム/CTS(clear to send)フレーム交換シーケンス及びMU(multi user)-RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。また、フレーム交換シーケンスにおいてフレーム間の間隔はSIFSであってよい。この時、フレーム交換シーケンスからデータフレーム交換シーケンスは除外されてよい。
【0174】
また、フレーム交換シーケンスで交換されるフレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。このとき、優先順位に関する情報は、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックが低遅延トラフィックであるか否かを示す情報であってよい。また、優先順位に関する情報は、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックのTID(traffic identifier)であってよい。また、優先順位に関する情報は、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位を表すことができる。このような実施例において、マルチリンク装置は、non-STRマルチリンク対のうちいずれか一つで行われるフレーム交換シーケンスでフレームを受信し、受信したフレームの追加情報に基づいてフレーム交換シーケンスを持続するか否かを決定できる。例えば、マルチリンク装置の受信したフレームが、フレーム交換シーケンス後に低遅延トラフィックが送信されないことを指示する場合に、マルチリンク装置は、フレーム交換シーケンスを中断できる。また、マルチリンク装置の受信したフレームが、フレーム交換シーケンス後に低遅延トラフィックが送信されることを指示する場合に、マルチリンク装置は、フレーム交換シーケンスを持続してよい。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置の受信したフレームが、フレーム交換シーケンス後に送信されるトラフィックの優先順位がnon-STRマルチリンク対のうち残りリンクで送信を待機中であるトラフィックの優先順位よりも低いことを示す場合に、マルチリンク装置はフレーム交換シーケンスを中断できる。また、マルチリンク装置の受信したフレームが、フレーム交換シーケンス後に送信されるトラフィックの優先順位がnon-STRマルチリンク対のうち残りリンクで送信を待機中であるトラフィックの優先順位と等しい又は高いことを示す場合に、マルチリンク装置はフレーム交換シーケンスを持続してよい。フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位に関する情報の具体的なフォーマットについては図21及び図22で説明する。
【0175】
前述した実施例において、マルチリンク装置は、受信したフレームの追加情報に基づいて、受信したフレームに対する応答フレームを送信するか否かを決定できる。また、マルチリンク装置は、受信したフレームの追加情報に基づいて、受信したフレームに対する応答フレームの種類を決定できる。
【0176】
また、フレーム交換シーケンスで応答フレームを受信できなかったステーションは、フレーム再送信を行わなくてよい。ステーションがフレーム再送信を行う場合に、フレーム交換シーケンスの代わりに進行される低遅延トラフィックの送信を妨害し得るためである。具体的には、non-STRマルチリンク装置にフレームを送信したステーションが応答フレームを受信できなくても、ステーションはフレーム再送信を行わなくてよい。non-STRマルチリンク対のうちいずれか一つでフレームを送信したステーションが応答フレームを受信できなくても、ステーションはフレーム再送信を行わなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、フレーム交換シーケンスで応答フレームを受信できなかったステーションは、フレームが送信されたリンクとnon-STRマルチリンク対に該当するリンクが低遅延トラフィック送信のためのサービスピリオドに到達したか否かに基づいて、フレーム再送信を行うか否かを決定できる。例えば、フレームが送信されたリンクとnon-STRマルチリンク対に該当するリンクが低遅延トラフィック送信のためのサービスピリオドに到達した場合に、フレームを送信したステーションはフレーム再送信を行わなくてよい。フレーム交換シーケンスで応答フレームを受信できなかったステーションは、フレームの受信者が低遅延トラフィック送信のためのサービスピリオド交渉(negotiation)に参加したか否かに基づいて、フレーム再送信を行うか否かを決定できる。例えば、フレームの受信者が低遅延トラフィック送信のためのサービスピリオド交渉に参加した場合に、フレームを送信したステーションはフレーム再送信を行わなくてよい。上の実施例において、低遅延トラフィック送信のためのサービスピリオドは、制限された(restricted,R)-TWT(target wakeup time)のサービスピリオドであってよい。R-TWTについては図25で説明する。
【0177】
図20の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は、第1リンク(Link1)で動作する。第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)にRTSフレームを送信する。第1ステーション(STA1)はRTS(request to send)フレームに対する応答として第1AP(AP1)にCTS(clear to send)フレームを送信する。この時、RTSフレームは、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に送信されるトラフィックの優先順位に関する情報を含む。優先順位に関する情報が、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に低遅延トラフィックでないトラフィックが送信されることを示すことができる。又は、優先順位に関する情報が、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に、第2リンクで送信を待機中であるトラフィックの優先順位よりも低い優先順位を有するトラフィックが送信されることを示すことができる。このような場合、第1ステーション(STA1)はCTSフレームを送信しなく、第2ステーション(STA2)は第2AP(AP2)に低遅延トラフィックを送信する。
【0178】
第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)からCTSフレームを受信できなかったが、第1ステーション(STA1)にRTSフレームを再送信しない。また、第1AP(AP1)は、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)以外のステーションにRTSフレームを送信する。
【0179】
図21には、本発明の実施例に係るRTSフレームのFrame Controlフィールドフォーマットを示す。また、図22には、本発明の実施例に係るMU-RTSフレームのUser Infoフィールドフォーマットを示す。
【0180】
前述したように、フレーム交換シーケンスで交換されるフレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。具体的には、フレーム交換を開始する開始(initiating)フレームは、トラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。具体的には、開始フレームが制御フレームである場合に、フレームコントロールフィールドがトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。例えば、開始フレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックが低遅延トラフィックであるか否かを示す1ビットフィールド(Low latency indication)を含んでよい。このとき、1ビットフィールドは開始フレームにMore Dataフィールドの代わりに含まれてよい。また、開始フレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックのTID(traffic identifier)を示す4ビットフィールド(TID Info)を含んでよい。さらに他の具体的な実施例において、開始フレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるトラフィックの優先順位を示す4ビットフィールド(Priority Info)を含んでよい。このとき、4ビットフィールドは開始フレームにTo DSフィールド、From DSフィールド、More Fragmentsフィールド及びRetryフィールドの代わりに含まれてよい。また、開始フレームは、フレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位に関する情報を含むか否かを示す1ビットフィールド(Traffic info Flag)を含んでよい。このとき、1ビットフィールドはProtected Frameフィールドの代わりに含まれてよい。制御フレームにおいてMore Dataフィールド、To DSフィールド、From DSフィールド、More Fragmentsフィールド、Retryフィールド、及びProtected Frameフィールドは付加意味を伝達しないわけである。
【0181】
図21(a)には、トラフィックの優先順位に関する情報を含まないRTSフレームのFrame Controlフィールドを示す。また、図21(b)には、本発明の実施例によってトラフィックの優先順位に関する情報を含むRTSフレームのFrame Controlフィールドを示す。
【0182】
MU-RTSフレームはトリガーフレームの一種である。トリガーフレームは一つ以上のステーションの送信をトリガーできる。そのために、トリガーフレームは、送信をトリガーするステーションの個数だけのUser Infoフィールドを含んでよい。User Infoフィールドのそれぞれは、トリガーフレームの送信をトリガーするステーションのそれぞれにシグナルする情報を指示する。MU-RTSフレームのUser Infoフィールドは、MU-RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンス後に送信されるフレームに含まれるトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。このとき、MU-RTSフレームのUser Infoフィールドは、リザーブドフィールドを用いてトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。具体的には、User Infoフィールドは、UL FEC Coding Typeフィールド、UL HE-MCSフィールド、UL DCMフィールド、SS Allocation/RA-RU Informationフィールド、及びUL Target Receive Powerフィールドを用いてトラフィックの優先順位に関する情報を含んでよい。
【0183】
トラフィックの優先順位に関する情報のフォーマットは、図21を用いて説明した実施例が適用されてよい。図22(a)には、トラフィックの優先順位に関する情報を含まないMU-RTSフレームのUser Infoフィールドを示す。また、図22(b)には、本発明の実施例によってトラフィックの優先順位に関する情報を含むMU-RTSフレームのUser Infoフィールドを示す。
【0184】
MU-RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスは一つのAPと複数のステーションとの間に行われてもよいので、マルチリンク装置がCTSフレームを送信しない場合であってもMU-RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスが持続し得る。
【0185】
既存の無線LAN動作を適用する場合に、フレーム交換シーケンス中断後にもマルチリンク装置が低遅延トラフィックを送信するためには送信機会を取得しなければならない。したがって、他の無線通信装置と競合をしなければならず、この過程で低遅延トラフィック送信が再び遅延されることがある。これを防止するための低遅延トラフィック送信方法が必要であり得る。これについて図23及び図24で説明する。
【0186】
図23には、RTSフレームを受信したステーションが、本発明の実施例によってRTSフレームを送信したAPに送信機会譲渡を要請することを示す。
【0187】
低遅延トラフィックをバッファに保存するステーションがフレーム交換シーケンスを開始する開始フレームを受信する場合に、ステーションは、開始フレームに対する応答フレームに低遅延トラフィックの優先処理要請を挿入し、応答フレームを送信できる。開始フレームを送信したステーションは、低遅延トラフィックの優先処理要請を受諾又は拒絶することができる。低遅延トラフィックの優先処理要請を含む応答フレームを受信したステーションは、応答フレームを送信して低遅延トラフィックの優先処理要請を受諾することができる。また、低遅延トラフィックの優先処理要請を含む応答フレームを受信したステーションは、フレーム交換シーケンス後に予定された送信を行い、低遅延トラフィックの優先処理要請を拒絶することができる。
【0188】
例えば、第1ステーションが第2ステーションからRTSフレームを受信する。このとき、第1ステーションが低遅延トラフィック送信をバッファに保存している場合に、第1ステーションは、CTSフレームに低遅延トラフィックの優先処理要請を挿入して第2ステーションにCTSフレームを送信できる。第2ステーションは、低遅延トラフィックの優先処理要請を含むCTSフレームを受信する。この時、第2ステーションが低遅延トラフィックの優先処理要請を受諾する場合に、第2ステーションは第1ステーションにCTSフレームを送信する。この時、第1ステーションはCTSフレームを受信し、低遅延トラフィックを含むフレームを送信する。第2ステーションが低遅延トラフィックの優先処理要請を拒絶する場合に、第2ステーションは第1ステーションにDLデータを送信する。このような実施例において、フレーム間の間隔はSIFSであってよい。
【0189】
さらに他の具体的な実施例において、低遅延トラフィックをバッファに保存するステーションがフレーム交換シーケンスを開始する開始フレームを受信する場合に、ステーションは、開始フレームに対する応答として開始フレームを送信し、低遅延トラフィックの優先処理を要請することができる。このとき、開始フレームに対する応答で送信される開始フレームは、ステーションがバッファに保存する低遅延トラフィックの特性に関する情報を含んでいる。例えば、第1ステーションが第2ステーションからRTSフレームを受信する。この時、第1ステーションが低遅延トラフィック送信をバッファに保存している場合に、第1ステーションは第2ステーションにRTSフレームを送信できる。この時、RTSフレームのFrame Controlフィールドは、ステーションがバッファに保存する低遅延トラフィックの特性に関する情報を含んでよい。この時、低遅延トラフィックの特性に関する情報は、図21で説明した実施例の通りに指示されてよい。
【0190】
上の実施例によって低遅延トラフィックの優先処理要請を受信したステーションは、低遅延トラフィックの優先処理要請も受諾せず、フレーム交換シーケンスも終了してよい。例えば、RTSフレームに対する応答としてRTSフレームを受信し、又は低遅延トラフィックの優先処理要請を含むCTSフレームを受信したステーションは、その後にDLデータフレームを送信しなくてよい。これは、低遅延トラフィックの優先処理要請フレーム交換シーケンス以後の連続したシーケンスを所望しないシグナリングと解釈し得るためである。
【0191】
また、開始フレームを送信するステーションは、開始フレームに、フレーム交換シーケンス後に送信しようとするトラフィックの特性に関する情報を含めることができる。例えば、RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスでRTSフレームを送信するステーションは、RTSフレームに、RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンス後に送信するトラフィックの特性に関する情報を含めることができる。トラフィックの特性に関する情報は、図21で説明した実施例の通りに指示されてよい。このような実施例において、開始フレームを受信したステーションは、開始フレームが含むトラフィックの特性に関する情報に基づいて、低遅延トラフィックの優先処理を要請するか否かを判断できる。例えば、第1ステーションは、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックの特性に関する情報を含むRTSフレームを第2ステーションに送信できる。第2ステーションは、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックの特性に関する情報に基づいて、第1ステーションに低遅延トラフィックの優先処理を要請するか否かを決定できる。具体的には、第2ステーションは、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックが低遅延トラフィックでない場合に、第1ステーションに低遅延トラフィックの優先処理を要請してよい。また、第2ステーションは、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックが低遅延トラフィックである場合に、第1ステーションに低遅延トラフィックの優先処理を要請しなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックの優先順位が、第2ステーションのバッファに保存された低遅延トラフィックの優先順位よりも低い場合に、第1ステーションに低遅延トラフィックの優先処理を要請してよい。また、RTSフレーム/CSTフレーム交換後に送信されるトラフィックの優先順位が、第2ステーションのバッファに保存された低遅延トラフィックの優先順位と等しい又は高い場合に、第1ステーションに低遅延トラフィックの優先処理を要請しなくてよい。
【0192】
図23の実施例において、APがステーションにRTSフレームを送信する。この時、RTSフレームは、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に送信されるトラフィックに関する特性を含む。具体的には、RTSフレームは、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に送信されるトラフィックが低遅延トラフィックでないことを指示し、RTSフレーム/CTSフレーム交換後に送信されるトラフィックの優先順位を指示できる。RTSフレーム/CTSフレーム交換後に送信されるトラフィックが低遅延トラフィックでないので、ステーションは、低遅延トラフィックの優先処理を要請するCTSフレーム(CTS#1)を送信する。この時、ステーションは、CTSフレーム(CTS#1)のデューレーションフィールドの値を、RTSフレームのデューレーションフィールドの値からCSTフレーム送信にかかる時間(CTStime)及びSIFSを引いた値に設定する。APはステーションからCTSフレーム(CTS#1)を受信する。APはステーションにCTSフレーム(CTS#2)を送信し、低遅延トラフィックの送信を受諾する。この時、APは、CSTフレーム(CTS#2)のデューレーションフィールドの値を、CTSフレーム(CTS#1)のデューレーションフィールドの値からCSTフレーム送信にかかる時間(CTStime)及びSIFSを引いた値に設定する。
【0193】
前述した実施例において、低遅延トラフィックの送信が終了し、フレーム交換のために設定されたTXOPが残った場合に、低遅延トラフィックを送信したステーションは応答フレームを送信し、低遅延トラフィックの送信が完了することをシグナルすることができる。具体的には、RTSフレーム/CTSフレーム交換シーケンスで低遅延トラフィックの優先処理を要請し、低遅延トラフィックの送信を完了したステーションは、CTSフレームを送信できる。この時、ステーションは、non-HT PPDU以外のフォーマット、例えば、HT PPDU、VHT PPDU、EHT PPDUを用いてCTSフレームを送信できる。具体的な実施例において、non-HT PPDU以外のフォーマットはEHT PPDUフォーマットであってよい。これは、CTSフレームがNAVを設定する意図で送信されるものではなく、低遅延トラフィックの送信が完了したことを知らせる意図で送信されるものであるためである。
【0194】
前述した実施例において、CTSフレーム/RTSフレーム送信に関して説明した実施例において、あるステーションに送信するということは、CTSフレーム/RTSフレームのRAフィールドを当該ステーションのMACアドレスに設定することを表す。
【0195】
図24には、本発明の実施例によって低遅延トラフィックの優先処理要請を含むCTSフレームのFrame Controlフィールドのフォーマットを示す。
【0196】
前述したように、CTSフレームは、低遅延トラフィックの優先処理要請に関する情報を含んでよい。
【0197】
CTSフレームは、低遅延トラフィックの優先処理要請を示す1ビットフィールド(Low latency indication)を含んでよい。また、CTSフレームは、フレーム低遅延トラフィックのTID(traffic identifier)を示す4ビットフィールド(TID Info)を含んでよい。さらに他の具体的な実施例において、CTSフレームは、低遅延トラフィックの優先順位を示す4ビットフィールド(Priority Info)を含んでよい。また、CTSフレームは、CTSフレームを送信するステーションが上り送信を要請するか否かを示す1ビットフィールド(UL Request)を含んでよい。
【0198】
低遅延トラフィック送信のためのスケジューリングについては図25図30で説明する。従来の無線LAN通信では、EDCA(enhanced distributed channel access)を用いて各AC別にチャネルアクセスパラメータを設定し、設定されたチャネルアクセスパラメータを用いて各AC別に優先順位によってトラフィックが処理されるように支援する。ただし、既存EDCAは、確率的に優先順位の高いチャネルアクセスを提供することであるため、低遅延トラフィックの送信を支援するには不足する面があった。このような面を補完するために、低遅延トラフィックを優先して送信できる時間区間を設定することができる。説明の便宜のために、低遅延トラフィックが優先して送信される時間区間を、制限されたサービスピリオドと呼ぶ。VR/ARなどの低遅延トラフィック送信を必要とする大部分のサービスには周期的なトラフィック送信が必要であり、よって、制限されたサービスピリオドによる低遅延トラフィックの送信遅延減少効果が大きい。
【0199】
制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信と低遅延トラフィックに対する応答の送信が優先的に許容される時間区間であってよい。具体的には、制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信のみが許容される時間区間であってよい。さらに他の具体的な実施例において、制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信が行われ、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信が完了した後に低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信が許容される時間区間であってよい。
【0200】
まず、制限されたサービスピリオドの設定方法について説明する。制限されたサービスピリオドは、既存WLANのTWTによって設定されてよい。TWTは、APとステーションの協議によってサービスピリオドを設定し、サービスピリオド区間でAPとステーションが送受信を行い、サービスピリオド以外の区間に低電力モードに進入することを支援する。これについては図25で具体的に説明する。説明の便宜のために、制限されたサービスピリオドをTWTによって設定し、APとステーションが前記制限されたサービスピリオドに基づいて動作することを、制限されたTWTと呼ぶ。
【0201】
図25に、本発明の実施例によってAPとステーション間にブロードキャストTWTを設定する方法を示す。
【0202】
TWTにおいてサービスピリオドは次のように設定されてよい。APは、APに連結された(associated)ステーションに、TWTに参加することを要請する。ステーションは、ブロードキャストTWTに参加し、又はAPと個別(individual)TWTについて協議することができる。この時、APは、HE OperationエレメントのTWT Requiredサブフィールドの値を1に設定してステーションにTWTの参加を要請できる。また、APは、ブロードキャストTWTエレメントをマネジメントフレーム、例えばビーコンフレームで送信し、ステーションにブロードキャストTWTの参加に必要な情報を伝達できる。この時、APは、dot11TWTOptionActivatedがtrueであり、HE CapabilitiesエレメントのBroadcast TWT Supportフィールド(elementの)を1に設定し、ブロードキャストTWTを支援する旨をシグナルできる。APは、制限されたサービス区間をTWTのサービスピリオドと類似に設定できる。
【0203】
図25の実施例において、第1ステーション(STA1)は、APにTWT設定を要請する。APと第1ステーション(STA1)は、TWTパラメータ、例えば、最初TBTT、リッスン区間(listen interval)を設定する。これにより、APと第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)は、ブロードキャストTWTが設定される。APは、ビーコンフレームを用いてブロードキャストTWTサービスピリオドを指示する。ブロードキャストTWTサービスピリオドの間に、APは、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)にDL(downlink)PPDU(physical layer protocol data unit)を送信するか、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)にトリガーフレームを送信してUL(uplink)送信をトリガーできる。ブロードキャストTWTサービスピリオドで第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)はビーコンフレームを受信するためにウエイク-アップする。第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)は、受信したビーコンフレームからTWTに関する情報を取得する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にトリガーフレームを送信し、第1ステーション(STA1)はAPにPS-Pollフレームを送信し、第2ステーション(STA2)はAPにQoS Nullフレームを送信する。APは、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)が送信したPS-Pollフレーム及びQoS Nullフレームを受信し、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)がアウェイク(awake)状態であると判断する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にmulti-STA Block ACKフレームを送信する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にDL PPDUを送信する。
【0204】
既存TWTのサービスピリオドにTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスを行い、或いは送信を行うことを制限しない。TWTは、TWTに参加するステーションが節電状態(doze state)に進入することを助けるためのものであるためである。ただし、低遅延トラフィックの送信遅延を防止するための制限されたサービスピリオドは低遅延トラフィックの優先的な送信を保障しなければならず、そのため、制限されたサービスピリオドを保護するための方法が必要である。
【0205】
制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスすることを制限することができる。具体的には、制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスできなくてよい。制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスを完了した場合に、当該ステーションは送信を行わないでチャネルアクセス手順を再開始してよい。このとき、ステーションは、制限されたサービスピリオドが終了した時に、チャネルアクセス手順を再開始できる。また、ステーションのチャネルアクセスは、EDCAバックオフ手順を表すことができる。チャネルアクセスを完了したことは、EDCAバックオフ手順のバックオフカウンターが0に到達したことを表すことができる。また、ステーションがチャネルアクセス手順を再開始する時に、ステーションは、直前のチャネルアクセスに用いたCW内で無作為に整数を取得し、取得した整数をバックオフカウンターに用いることができる。すなわち、ステーションは、直前のチャネルアクセスに用いたCWのサイズを2倍に増やさなくてよい。この時、CWはAC別に維持されてよい。このようなチャネルアクセス制限は、制限されたTWTを支援するステーションにのみ適用されてよい。具体的には、このようなチャネルアクセス制限は、ノン-レガシー(EHT)ステーションのうち、EHT Capabilitiesエレメントのdot11RestrictedTWTOptionImplementedがtrueと設定されたステーションにのみ適用され、ノン-レガシー(EHT)ステーションのうち、EHT Capabilitiesエレメントのdot11RestrictedTWTOptionImplementedがfalseと設定されたステーションには適用されなくてよい。本明細書において、ノン-レガシーステーションは、EHTステーション及びEHTステーション以後ステーションを表すことができる。また、レガシーステーションはEHTステーション以前ステーションであり、non-HTステーション、HTステーション、VHTステーション及びHEステーションを表すことができる。
【0206】
また、制限されたサービスピリオドの間にノン-レガシーステーションに、低遅延トラフィック以外のトラフィックにNAVが設定されてよい。具体的には、低遅延トラフィック以外のトラフィックにNAVが設定されたように、ステーションは低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのチャネルアクセス手順を中止できる。このような実施例において、NAVは、従来NAV(ベーシックNAV、Intra-BSS NAV)と独立したNAVであってよい。このとき、ノン-レガシーステーションは、制限されたTWTを支援するステーションに限定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、ノン-レガシーステーションは、制限されたTWTに参加するステーションに限定されてよい。
【0207】
制限されたサービスピリオドは、ブロードキャストTWTサービスピリオド内に含まれてよい。さらに他の具体的な実施例において、制限されたサービスピリオドは、ブロードキャストTWTサービスピリオド内に含まれなくてよい。
【0208】
また、制限されたサービスピリオドは、APが指定した周期で反復されてよい。すなわち、APは、制限されたサービスピリオドの反復周期を指定できる。これにより、APは、制限されたサービスピリオドを設定するために毎度ビーコンフレームのTWTエレメントを送信する必要がない。このとき、サービスピリオドの周期は、低遅延トラフィックが用いられる低遅延サービスの特性によって設定されてよい。例えば、低遅延トラフィックが50msごとに生成される低遅延サービスピリオドの周期は50msであってよい。
【0209】
また、制限されたTWTを支援しないステーションにはクアイエット区間(Quiet Interval)が設定されてよい。従来無線LANにおいてクアイエット区間はチャネルセンシングを支援するための区間である。クアイエット区間が設定される場合に、全てのステーションは送信を中断する。このようなクアイエット区間の特徴を用いて、制限されたサービスピリオドを保護することができる。これについて図26で説明する。このとき、制限されたTWTを支援しないステーションはレガシーステーションに限定されてよい。
【0210】
図26に、本発明の実施例によってAPがクアイエット区間を設定することを示す。
【0211】
制限されたTWTを運営するAPはQuietエレメントを送信し、クアイエット区間を設定することができる。クアイエット区間ではステーションはチャネルアクセスを中断する。ただし、制限されたTWTに参加するステーションのチャネルアクセスまで制限されると、低遅延トラフィックの送信を行うことができない。したがって、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視してよい。このとき、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間は、制限されたTWTの制限されたサービスピリオドを保護するために設定されたクアイエット区間を表す。具体的には、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を、制限されたサービスピリオドと見なすことができる。制限されたTWTを運営するAPは、クアイエット区間を制限されたサービスピリオドと一致するように設定しなくてよい。Quietエレメントにおいてクアイエット区間はTU(time unit,1024us)単位で設定され、TWTは256us単位で設定されるためである。
【0212】
ただし、制限されたサービスピリオドのために設定されないクアイエット区間以外のクアイエット区間でチャネルアクセスを行う場合に、制限されたサービスピリオドのために設定されていないクアイエット区間を妨害することがある。このため、制限されたサービスピリオドのために設定されたクアイエット区間、すなわち、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を区別する必要がある。したがって、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応しないクアイエット区間を無視できないことがある。制限されたサービスピリオドに対応しないクアイエット区間でステーションは全ての送信を行うことができない。具体的には、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドと重ならないクアイエット区間を無視できないことがある。具体的な実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドと重ならないクアイエット区間では全ての送信を行うことができない。
【0213】
また、上の実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点があらかじめ指定された時間内であり、サービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点があらかじめ指定された時間内である場合に、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間と見なすことができる。前述したように、制限されたTWTを運営するAPは、クアイエット区間を制限されたサービスピリオドと一致するように設定しなくてよいためである。
【0214】
図25の実施例において、APはビーコンフレームを送信してクアイエット区間及び制限されたサービスピリオドを設定する。図25(a)で、クアイエット区間は、制限されたサービスピリオドと同じ時間区間に設定される。したがって、クアイエット区間で制限されたTWTに参加するステーションは、チャネルアクセスを行う。図25(b)で、クアイエット区間は、制限されたサービスピリオドの開始時点よりも早い時点から制限されたサービスピリオドの終了時点よりも遅い時点まで設定される。図25(b)で、制限されたサービスピリオドとオーバーラップしないクアイエット区間で制限されたTWTに参加するステーションのチャネルアクセスが制限される。制限されたサービスピリオドにオーバーラップしているクアイエット区間で、制限されたTWTに参加するステーションはチャネルアクセスを行う。
【0215】
前述したように、制限されたサービスピリオドの間にチャネルアクセスが制限されてよい。これにより、TXOP設定に関連してもこのような制限が適用され得る。これについて図27で説明する。
【0216】
図27に、本発明の実施例によってステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してTXOPを設定する方法を説明する。
【0217】
制限されたサービスピリオドが始まる前にTXOPを得たステーション、すなわちTXOPホルダーであるステーションが、制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了する必要があり得る。これは、制限されたサービスピリオドが始まった場合にもTXOPホルダーのフレーム交換が続くと、低遅延トラフィックの送信に妨害になり得るためである。このとき、ステーションはノン-レガシーステーションであってよい。さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたTWTを支援するステーションに限定されてよい。すなわち、dot11RestrictedTWTOptionImplementedのフィールドの値がfalseに設定されたステーションは、このような制限が適用されなくてよい。
【0218】
具体的な実施例において、TXOPホルダーであるステーションが低遅延トラフィックを送信する場合に、制限されたサービスピリオドが始まった後にもフレーム交換を持続することがある。
【0219】
ステーションが制限されたサービスピリオド前にTXOPを終了する具体的な方法について説明する。
【0220】
ステーションは、制限されたサービスピリオドに基づいてTXOPを設定できる。具体的には、ステーションは、TXOPの終了時点を、制限されたサービスピリオド開始前と設定できる。この時、ステーションは、フレーム交換シーケンスを開始する開始フレームのデュレーションを、制限されたサービスピリオド開始前と設定できる。例えば、ステーションがチャネルアクセスに成功した時点が、制限されたサービスピリオドが始まる3m以前であれば、ステーションは、TXOPを3ms以前と設定できる。また、ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信してTXOを終了してよい。このとき、ステーションは、CTS-to-Selfフレームを基本送信速度、6Mbpsで送信できる。ステーションが基本送信速度でフレームを送信するとき、多くのレガシーステーションがフレームを受信できるためである。
【0221】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始前にCF-Endフレームを送信できる。これにより、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了できる。このとき、ステーションは、CF-Endフレームを基本送信速度、6Mbpsで送信できる。ステーションが基本送信速度でフレームを送信するとき、多くのレガシーステーションがフレームを受信できるためである。
【0222】
また、TXOPホルダーでないステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点に、制限されたサービスピリオド開始前に設定されたNAVを解除できる。このとき、ステーションは、制限されたTWTを支援するステーションであってよい。すなわち、ステーションは、dot11RestrictedTWTOptionImplementedのフィールドの値をTrueに設定したステーションであってよい。TXOPホルダーでないステーションであるが、制限されたTWTを支援しないステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点に、制限されたサービスピリオド開始前に設定されたNAVを解除することができない。ただし、ステーションがフレーム交換を完了し、TXOPの残ったデュレーションが、CF-Endフレームの送信にかかる時間とSIFSとの和の2倍未満である場合に、ステーションはCF-Endフレームを送信しなくてよい。この時、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点にTXOPが解除されたと見なすことができる。具体的には、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点にベーシックNAVが解除されたと見なすことができる。
【0223】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたTWTに参加するステーションに限定されてよい。
【0224】
図27の実施例において、APは、TWTエレメントを含むビーコンフレームを送信し、制限されたサービスピリオドが設定されることをシグナルする。図27(a)の実施例において、ステーションはRTSフレームを送信してTXOPを設定する。このとき、ステーションは、RTSフレームのDurationフィールドの値を、制限されたサービスピリオド前までと設定する。ステーションは、APとフレーム交換を行い、制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了する。この時、ステーションは最後にCTS-to-Selfフレームを送信する。図27(b)の実施例において、ステーションは、RTSフレームを送信してTXOPを設定する。この時、ステーションは、RTSフレームのdurationフィールドの値を、制限されたサービスピリオドを考慮しないで設定する。ステーションはAPとフレーム交換を行い、制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了する。この時、ステーションは最後にCF-endフレームを送信してTXOPを解除する。
【0225】
従来の無線LAN動作では、TXOP規則の例外として、TXOPリミット(limit)を超えて送信され得る動作を定義する。例えば、単一MPDUの再送信、Block ack合意(agreement)下で単一MSDU送信(A-MSDU及び2個以上のMPDUで構成されたA-MPDUに含まれない)、制御フレーム及びQoS Nullフレーム(2個以上のMPDUで構成されたA-MPDUに含まれない)の送信は、TXOPリミット(limit)を超えて送信されてよい。制限されたサービスピリオドに対してもこのような例外が認定されると、低遅延トラフィックの送信が遅延されることがある。このようなTXOPリミットの例外は、制限されたサービスピリオドを侵犯して適用されてはならない。
【0226】
TXOPの終了時点及び制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間差内である場合に、ステーションは、TXOPが制限されたサービスピリオドの開始前に取得されたTXOPであると判断できる。あらかじめ指定された時間は100usであってよい。さらに他の具体的な実施例において、TXOPの終了時点が制限されたサービスピリオド内である場合に、ステーションは、TXOPが制限されたサービスピリオドの開始前に取得されたTXOPであると判断できる。
【0227】
前述したように、ステーションは、制限されたサービスピリオド前にフレーム交換を完了する必要があり得る。これにより、ステーションは、フレーム交換の完了時点が制限されたサービスピリオド内である場合に、フレーム交換を始めることが許容されなくてよい。この時、ステーションは、フラグメンテーションを行って制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了してよい。
【0228】
また、TXOPホルダーであるステーションが行うフレーム交換で低遅延トラフィックが送信される場合に、ステーションは、低遅延サービスピリオド開始後にもフレーム交換を持続してよい。
【0229】
制限されたサービスピリオドを考慮したチャネルアクセス手順について図28で説明する。
【0230】
図28には、本発明の実施例に係るステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してチャネルアクセス手順を再び行うことを示す。
【0231】
前述したように、ステーションが制限されたサービスピリオド前にチャネルアクセスを完了しても、フレーム交換完了時点が制限されたサービスピリオド開始以後である場合に、ステーションは送信を行わないで再びチャネルアクセス手順を始めることができる。この時、ステーションはバックオフカウンターの値を再び取得することができる。この時、ステーションは、直前チャネルアクセス手順に用いたCWのサイズをそのまま用いることができる。すなわち、ステーションは、直前チャネルアクセス手順に用いたCWのサイズを2倍に増加させず、CWが有し得る値の最小値に初期化しなくてよい。また、ステーションは、再試行(retry)回数、例えば、QSRC(QoS STA Retry Counter)を増加させなくてよい。
【0232】
また、ステーションがチャネルアクセスを完了した時点が、制限されたサービスピリオド開始時点からあらかじめ指定された時間以内である場合に、ステーションは送信を行わないで再びチャネルアクセス手順を始めることができる。
【0233】
上の実施例において、低遅延トラフィックを送信しようとするステーションは、フレーム交換完了時点が制限されたサービスピリオド開始以後である場合にも、チャネルアクセス完了後にフレーム交換を始めることができる。このような例外は、低遅延トラフィックを送信しようとするステーションが、制限されたTWTに参加するステーションである場合にのみ許容されてよい。
【0234】
また、前述したように、ステーションは、低遅延トラフィック以外のトラフィックのACにNAVが設定されているように動作できる。したがって、ステーションは、低遅延トラフィック以外のトラフィックのACの送信のためのCCA結果が遊休でない(BUSY)と判断できる。
【0235】
図28の実施例において、APは、TWTエレメントを含むビーコンフレームを送信し、制限されたサービスピリオドが設定されることをシグナルする。制限されたサービスピリオド開始前にステーションのチャネルアクセスのバックオフカウンター値が0に到達する。ステーションは、送信しようとするトラフィックを含むフレーム交換完了時点がサービスピリオド開始時点以後であると判断する。したがって、ステーションは、直前チャネルアクセス手順で用いたCW値内でバックオフカウンターを取得する。ステーションは、取得したバックオフカウンターを用いて再びチャネルアクセス手順を行う。この時、ステーションは再送信カウンターを増加させない。
【0236】
制限されたサービスピリオド完了前に全ての低遅延トラフィック送信が完了することがある。このような場合、低遅延サービスピリオドによって低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信が制限されることは非効率的であり得る。したがって、制限されたサービスピリオドを早期に終了する方法が必要であり得る。これについて図29の実施例を用いて説明する。
【0237】
図29には、本発明の実施例によってAPが制限されたサービスピリオドを早期に終了する動作を示す。
【0238】
APが、制限されたサービスピリオドを早期終了するためには、制限されたTWTに参加するステーションの全ての低遅延トラフィック送信が完了したことを判断できなければならない。そのために、制限されたTWTに参加するステーションは、送信するフレームに低遅延トラフィックをさらに送信するか否かをシグナルできる。具体的には、ステーションは、フレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値を設定し、低遅延トラフィックをさらに送信することをシグナルできる。このとき、制限されたサービスピリオドで送信されるフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値が1であれば、More dataサブフィールドは、低遅延トラフィックの追加送信が必要であることを示し、低遅延トラフィック以外のトラフィックの追加送信が必要であるかは示さなくてよい。例えば、制限されたTWTに参加するステーションが送信バッファに低遅延トラフィックを保存しないで低遅延トラフィック以外のトラフィックのみを保存する場合に、ステーションは、制限されたサービスピリオドでステーションが送信するフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値を0に設定できる。APは、制限されたTWTに参加するステーションが制限されたサービスピリオドでフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値に0がないかに基づいて、制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。具体的には、APの送信バッファに送信する低遅延トラフィックがなく、制限されたTWTに参加するステーションが制限されたサービスピリオドでフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値に0がない場合に、APは、制限されたサービスを早期に終了できる。
【0239】
APは、あらかじめ指定された制御フレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。このとき、コントロールフレームはCF-Endフレームであってよい。この時、APは、CF-EndフレームのBSSID(TA)フィールドをAPのMAC address又はBSSIDに設定できる。また、APは、CF-EndフレームのBSSID(TA)フィールドのIndividual/Groupビットを1に設定できる。さらに他の具体的な実施例において、APは、あらかじめ指定されたマネジメントフレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。
【0240】
制限されたサービスピリオド内で制限されたサービスピリオドを終了するとあらかじめ指定されたフレームを受信したステーションは、制限されたサービスピリオドが終了したと判断できる。この時、あらかじめ指定されたフレームを受信したステーションは、制限されたサービスピリオドに適用される制限無しでチャネルアクセスを再開できる。前述したように、あらかじめ指定されたフレームはCF-Endフレームであってよい。この時、ステーションが制限されたサービスピリオドで受信したCF-EndフレームのTA(BSSID)フィールドの値が、ステーションが連結された(associated)APのMACアドレスである場合に、ステーションは、制限されたサービスピリオドを終了するCF-Endフレームとして判断できる。
【0241】
前述したように、レガシー無線通信端末から制限されたサービスピリオドを保護するために、制限されたサービスピリオドのためのクアイエット区間が設定されてよい。このとき、APは、制限されたサービスピリオドを終了するためにCF-Endフレームを送信できる。APがCF-Endフレームを送信する場合に、レガシーステーションに設定されたクアイエット区間も解除できるわけである。
【0242】
前述した実施例において、CF-Endフレームは、Frame ControlフィールドのTypeが制御フレーム(Type value B3 B2==01)であり、SubtypeがCF-Endフレーム(Subtype value B7 B6 B4 B4==1110)フレームであってよい。
【0243】
制限されたサービスピリオドのためのクアイエット区間が設定されるとき、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオド内でCF-Endフレームを送信することが許容されなくてよい。具体的な実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間でCF-Endフレームを送信することが許容されなくてよい。制限されたTWTに参加するステーションがCF-Endフレームを送信する場合に、レガシーステーションに設定されたNAVが解除されるためである。ただし、前述したように、CF-Endフレームが制限されたサービスピリオドを早期に終了するために用いられる場合に、APは、制限されたサービスピリオド内でCF-Endフレームを送信できる。
【0244】
図29の実施例において、APは、TWTエレメントとQuietエレメントを含むビーコンフレームを送信する。制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドが設定されたと判断し、制限されたTWTを支援しないステーションは、クアイエット区間が設定されたと判断する。APが、制限されたサービスピリオド内で全ての低遅延トラフィックの送信が完了したと判断した場合に、APは、CF-Endフレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了し、レガシーステーションに設定されたクアイエット区間を解除する。この時、制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドで適用されていたチャネルアクセス制限がなくなったと判断する。具体的には、前述したように、制限されたサービスピリオドの間にNAVが設定される実施例が適用された場合に、制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドのためのNAVが解除されたと判断できる。また、CF-Endフレームを受信した制限されたTWTを支援しないステーションはNAVを解除する。
【0245】
図11図24を用いてマルチリンク装置の動作について説明した。図30図35を用いてマルチリンク装置のチャネルアクセス動作について説明する。
【0246】
non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが第1リンクで特定フレームを受信する予定である場合に、第1リンクで特定フレームを受信した時点に第2リンクで動作するnon-STRマルチリンク装置の第2ステーションは、チャネルアクセス又は送信を行わなくてよい。このとき、特定フレームは、周期的に送信されるフレームであってよい。具体的には、特定フレームはDTIMフレームであってよい。
【0247】
また、第2ステーションがTXOPホルダーである場合に、第1リンクで特定フレームを受信した時点前に第2ステーションはTXOPを終了できる。このとき、TXOPを終了する方法は、図28で説明したTXOPを終了する実施例が適用されてよい。具体的には、第2ステーションは、TXOPの終了を第1リンクで特定フレームを受信した時点前として設定できる。例えば、特定フレームがDTIMである場合に、第2ステーションは、DTIMの受信周期に基づいてTXOPの終了時点を設定できる。また、第2ステーションは、第1リンクで特定フレームを受信した時点前にCF-Endフレームを送信することができる。また、このような実施例にTXOPリミット例外は適用されなくてよい。
【0248】
また、第2ステーションは、第1リンクで特定フレームを受信した時点前にチャネルアクセスを中止できる。このとき、図28で説明したチャネルアクセス中断実施例が適用されてよい。具体的には、第2ステーションがチャネルアクセスを完了した時点と第1リンクで特定フレームの受信が予定された時点との差が、第2ステーションが行おうとするフレーム交換を完了するのに不足する場合に、第2ステーションはチャネルアクセス手順を再び行うことができる。このとき、第2ステーションは、直前チャネルアクセス手順で用いたCWのサイズをそのまま用いてバックオフカウンターを取得できる。また、第2ステーションは再送信カウンターを増加させなくてよい。
【0249】
図30には、本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-STRリンク対で送信を行うことを示す。
【0250】
マルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクでフレームを送信するとき、マルチリンク装置は、フレーム送信完了時点から一定時間においてnon-STRリンク対の第2リンクでフレーム送信が制限されてよい。このとき、マルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置であってよい。このとき、一定時間はMediumSyncDelayと呼ばれてよい。フレーム送信動作が制限されることは、当該MediumSyncDelayにおいて前述のチャネルアクセス手順を行うことができないことであってよい。具体的には、マルチリンク装置が第2リンクでMediumSyncDelayの間に、IEEE 802.11で定義されたDCF(Distributed Coordination Function)又はEDCAF(Enhanced Distributed Channel Access Function)動作を行うことができないことであってよい。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置が第2リンクでMediumSyncDelayの間にチャネルセンシングを行う時に、マルチリンク装置がチャネル占有(busy)状態の基準である閾値のエネルギーレベルを下げることができる。このとき、マルチリンク装置は、閾値のエネルギーレベルを-82dBmに設定できる。
【0251】
non-STRマルチリンク装置で動作するマルチリンク装置は、non-STRマルチリンク対で送信の開始時間を同期化することができる。この時、フレームの送信開始時間は、フレームを含むPPDUの送信開始時間を示すことができる。マルチリンク装置は、non-STRリンク対で送信開始時間を同期化するために、チャネルアクセス手順においてバックオフ値を0に維持し、送信を猶予することができる。
【0252】
また、non-STRマルチリンク対で送信後に受信が連続して行われる場合に、マルチリンク装置は、non-SRTマルチリンク対で送信の終了時点を同期化してよい。そのために、マルチリンク装置は、送信するフレーム又はPPDUにパディングのためのビット又はフィールドを追加できる。また、マルチリンク装置は、パケットエクステンション(Packet Extension,PE)を追加できる。また、non-STRマルチリンク対で連続したフレーム交換が行われる場合に、マルチリンク装置は、最初のフレーム交換後にnon-STRマルチリンク上で送信開始時点を同期化できる。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置は、フラグメンテーションを行って送信の終了時点を同期化できる。
【0253】
複数のリンクでTXOP開始時点が同一である場合に、各リンクでのフレーム送信のためのTXOPが同期化されてよい。このとき、複数のリンクでの同時送信のための交渉段階後に、複数のリンクを用いた同時送信が行われてよい。同時送信のための交渉段階は、送信を行うマルチリンク装置が同時送信のためのTXOPを取得する要請フレームを、複数のリンクで同期化された送信で送信し、要請フレームを受信したマルチリンク装置が、要請フレームとのSIFS(Short Interframe Space)間隔で応答フレームを送信できる。この時、前記応答フレームは、前記要請フレームを受信した一つ以上のリンクで同時に送信されてよい。要請フレームは制御フレームであってよい。例えば、要請フレームは、RTSフレーム、MU(Multi-user)-RTSフレームのうち一つであってよい。このとき、応答フレームはCTSフレームであってよい。同時送信のためのチャネル競合中にいずれか一リンクのチャネルが占有状態であれば、マルチリンク装置は同時送信動作を行うために待機し、或いは遊休のチャネルが含まれたリンクのみを用いた送信を行うことができる。前述した要請フレームと応答フレームの交換は複数のリンクで同時に行われなくてよい。また、同期化されたフレーム交換は、フレームを含むPPDUの送信開始時点が同期化され、フレームを含むPPDUの送信終了時点が同期化されることであってよい。
【0254】
マルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請するフレームを送信する場合、マルチリンク装置は、non-STRリンク対の第1リンクと第2リンクでの送信終了時点を同期化できる。このとき、即刻の応答は、受信されたフレームと応答フレームとの間隔があらかじめ指定された間隔であることを表す。あらかじめ指定された間隔はSIFSであってよい。さらに他の具体的な実施例において、あらかじめ指定された間隔はPIFSであってよい。また、マルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請しないフレームを送信する場合に、マルチリンク装置は、non-STRリンク対の第1リンクと第2リンクでの送信終了時点を同期化しなくてよい。このとき、マルチリンク装置は、第2リンクでも即刻の応答を要請しないPPDUを送信し、即刻の応答を要請するPPDUを送信することは許容されなくてよい。
【0255】
前述した実施例において、送信開始時点が同期化されることは、送信開始時点間の差があらかじめ指定された時間以内であることを示すことができる。また、送信終了時点が同期化されることは、送信終了時点間の差があらかじめ指定された時間以内であることを示すことができる。このとき、あらかじめ指定された時間は、リンクで個別にチャネルセンシング及びバックオフ動作を行う時に、一つのリンクでのフレーム送信開始によって他のリンクでチャネル状態がチャネル占有(busy)状態と認識されないようにする時間であってよい。具体的な実施例において、あらかじめ指定された時間は、受信送信転換時間(RxTxTurnaroundTime)であってよい。例えば、あらかじめ指定された時間は、8us又は4usであってよい。
【0256】
これらの実施例により、マルチリンク装置は、non-STRリンク対でいずれか一つのリンクでの送信によって他のリンクで送信が行われないことを防止することができる。
【0257】
図30の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。図30(a)で、APマルチリンク装置及びステーションマルチリンク装置は、同期化された送信及び同期化された受信を行う。これにより、non-STRマルチリンク対のいずれか一つのリンクで送信が中断されることを防止する。図30(b)で、第1AP(AP1)は第1リンク(Link1)で即刻の応答を要請しないDL PPDUを送信する。即刻の応答を要請しないDL PPDUが第1リンク(Link1)で送信されるので、第2ステーション(STA2)は、第2リンク(Link2)で即刻の応答を要請しないDL PPDUを、第1リンクの送信と同期化せずに送信する。
【0258】
図30では、non-STRマルチリンク対で、STRマルチリンク装置であるAPマルチリンク装置からフレーム交換が始まる実施例を示した。図30で説明した実施例は、フレーム交換がnon-STRマルチリンク装置から始まる場合にも適用されてよい。これについて図31図32で説明する。
【0259】
図31には、本発明の実施例を適用しないnon-APステーションマルチリンク装置から始まったフレーム交換を示す。図32には、本発明の実施例によってnon-APステーションマルチリンク装置から始まったフレーム交換を示す。
【0260】
図31の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)の送信の終了時点が同期化されない。第1ステーション(STA1)の送信が第2ステーション(STA2)の送信よりも先に終了する。したがって、第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)にBAフレームを送信する間に第2ステーション(STA2)の送信が続く。このため、第1AP(AP1)の送信に失敗する。
【0261】
したがって、non-STRマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請するフレームを送信する場合に、non-STRマルチリンク装置は、non-STRリンク対の第1リンクと第2リンクでの送信終了時点を同期化してよい。このとき、即刻の応答は、受信されたフレームと応答フレームとの間隔があらかじめ指定された間隔であることを表す。あらかじめ指定された間隔はSIFSであってよい。さらに他の具体的な実施例において、あらかじめ指定された間隔はPIFSであってよい。また、non-STRマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請しないフレームを送信する場合に、non-STRマルチリンク装置は、non-STRリンク対の第1リンクと第2リンクでの送信終了時点を同期化しなくてよい。この時、non-STRマルチリンク装置は、第2リンクでも即刻の応答を要請しないPPDUを送信し、即刻の応答を要請するPPDUを送信することは許容されなくてよい。
【0262】
図32の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)の送信の終了時点が同期化される。したがって、第1AP(AP1)の送信と第2AP(AP2)の送信とが互いに妨害しないで成功的に完了する。
【0263】
図33図35を用いて、non-STRリンク対で同期化されていない送信が許容される場合について説明する。
【0264】
図33には、本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請する送信を行う時に、第2リンクで即刻の応答を要請しない送信を行うことを示す。
【0265】
マルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクで即刻の応答を要請するフレームを送信する場合に、マルチリンク装置は、non-STRリンク対のうち第2リンクで第1リンクの送信終了時点よりも先に完了し、即刻の応答を要請しない送信を行うことができる。このような実施例において、第2リンクでは応答フレームが送信されないので、第1リンクでのマルチリンク装置の送信及び送信に対する応答フレームが第2リンクでのマルチリンク装置の送信によって妨害されることを防止できる。また、第2リンクでのマルチリンク装置の送信が第1リンクの送信終了時点よりも先に完了しない場合に、第1リンクでの応答フレームの送信が第2リンクでのマルチリンク装置の送信によって妨害されることがある。このため、第2リンクでのマルチリンク装置の送信は第1リンクの送信よりも先に完了しなければならない。
【0266】
図33の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。第1リンクで第1ステーション(STA1)が即刻の応答を要請する上り送信を行う時に、第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)の送信が終了する前に終了し、即刻の応答を要請しない上り送信を行う。第1ステーション(STA1)の上り送信と第2ステーション(STA2)の上り送信が互いに妨害しないで完了する。
【0267】
図34には、本発明の実施例によってマルチリンク装置がnon-STRリンク対のうち第1リンクでUL OFDMA送信を行う時に第2リンクで送信を行う動作を示す。
【0268】
non-STRマルチリンク対で送信が行われるRUによってリンク間の影響の大きさが変わってよい。したがって、マルチリンク装置がnon-STRマルチリンク対である第1リンク及び第2リンクのうち第1リンクで送信を行っても、マルチリンク装置が送信を行う第1リンクのRUとマルチリンク装置が送信を行う第2リンクのRUの位置によって第2リンクでの送信が許容されてよい。具体的には、マルチリンク装置がUL OFDMA送信を行う時に、どのRUでUL OFDMA送信を行うかによって第2リンクでの送信が許容されてよい。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置が各リンクで送信を行う時に用いる帯域幅の大きさによって第2リンクでの送信が許容されてよい。このとき、マルチリンク装置は20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、又は320MHzの帯域幅のいずれかの帯域幅を用いて送信を行うことができる。
【0269】
図34の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)でUL OFDMA送信に参加する。この時、第1ステーション(STA1)がUL OFDMAを行うRUと第2ステーション(STA2)が送信を行うRUの位置とがあらかじめ指定された条件を満たす場合に、第2ステーション(STA2)は上り送信を行う。このとき、あらかじめ指定された条件は、RU間の間隔があらかじめ指定された間隔よりも小さいことであってよい。また、送信が行われる帯域幅の拡張方向によって第2リンクでの送信が許容されるか否かが決定されてよい。
【0270】
送信方向によってリンク対がnon-STRリンク対であるか或いはSTRリンク対であるかが決定されてよい。これについて図35で説明する。
【0271】
図35には、本発明の実施例によって一つのリンク対が送信方向によってnon-STRリンク対であるか或いはSTRリンク対であるかが決定される場合を示す。
【0272】
第1マルチリンク装置がリンク対のうち第1リンクでの受信が行われる場合に第2リンクで送信を行うことができないが、第1マルチリンク装置が第2リンクで受信を行う場合に第1リンクで送信を行うことができる。例えば、6GHz帯域でステーションの送信パワーがあらかじめ指定されたパワー以下に制限されてよい。したがって、第1リンクが6GHz帯域に位置する場合に、第1マルチリンク装置がリンク対のうち第1リンクでの受信が行われる場合に第2リンクで送信を行うことができないが、第1マルチリンク装置が第2リンクで受信を行う場合に第1リンクで送信を行うことができる。したがって、送信方向によって第1リンクで送信が行われる間に第2リンクで第1リンクの送信終了時点と送信終了時点とが同期化していない送信が許容されてよい。この時、マルチリンク装置は第1リンクでの送信よりも第2リンクでの送信を先に終了してよい。このために、マルチリンク装置は、第2リンクで送信しようとするトラフィックに対してフラグメンテーションを行うことができる。
【0273】
図35の実施例において、APマルチリンク装置は第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含み、non-STRマルチリンク装置であるnon-APステーションマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)は第1リンク(Link1)で動作する。第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)は第2リンク(Link2)で動作する。このとき、non-APステーションは、6GHz帯域に位置する第1リンクでの受信が行われる場合に第2リンクで送信を行うことができないが、non-APステーションが第2リンク(Link2)で受信を行う場合に第1リンク(Link1)で送信を行うことができる。第1ステーション(STA1)が第1リンク(Link1)で上り送信を行う途中に第2ステーション(STA2)が第2リンク(Link2)で上り送信を始める。この時、第2ステーション(STA1)は第1ステーション(STA1)の上り送信が完了する前に上り送信を完了する。このような動作によって第1リンクと第2リンクで上り送信が完了し、BAフレームも成功的に送信される。
【0274】
上記のように無線LAN通信を取り上げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、セルラー通信などの他の通信システムでも同一に適用可能である。また、本発明の方法、装置及びシステムは特定の実施例と関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピュータシステムによって具現可能である。
【0275】
以上で実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せ又は変形して実施可能である。したがって、このような組合せ及び変形に関係する内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【0276】
以上では実施例を中心に説明したが、これは単に例示であるだけ、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形及び応用が可能であることが理解できよう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形実施が可能である。また、このような変形及び応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0277】
110 プロセッサ
120 通信部
140 ユーザインタフェース部
150 ディスプレーユニット
160 メモリ
210 プロセッサ
220 通信部
260 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図16
図17(a)】
図17(b)】
図18
図19
図20
図21(a)】
図21(b)】
図22(a)】
図22(b)】
図23
図24
図25
図26(a)】
図26(b)】
図27(a)】
図27(b)】
図28
図29
図30(a)】
図30(b)】
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末であって、
送受信部;及び
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、
前記制限されたサービスピリオド内では、前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックに対する前記応答の送信以外の送信が制限される無線通信端末。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了する、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記プロセッサは、
競合ウィンドウ内で無作為整数を取得し、
前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセス手順を行い、
前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセス手順を完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセス手順を再び行う、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセス手順を再び行う時に、前記完了したチャネルアクセス手順で用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持する、請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセス手順を再び行う時に、前記完了したチャネルアクセス手順に対応するQSRC(QoS STA Retry Counter)を増加させない、請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信し、
前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しない、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定し、
前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視し、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わない、請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内である、請求項8に記載の無線通信端末。
【請求項10】
ベース無線通信端末と無線で通信する無線通信端末の動作方法であって、
制限されたサービスピリオド内で、低遅延送信のためのトラフィックとして設定された低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含み、
前記制限されたサービスピリオド内では前記低遅延トラフィックの送信及び前記低遅延トラフィックに対する応答の送信以外の送信が制限される動作方法。
【請求項11】
前記動作方法は、
前記制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了する段階をさらに含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
前記動作方法は、
競合ウィンドウ内で無作為整数を取得する段階;
前記取得した無作為整数に基づいてチャネルアクセス手順を行う段階;及び
前記制限されたサービスピリオド開始前にチャネルアクセス手順を完了し、前記制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換が完了不可であると判断して送信をあきらめた場合に、チャネルアクセス手順を再び行う段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項13】
前記チャネルアクセス手順を再び行う段階は、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセス手順を再び行う時に、前記完了したチャネルアクセス手順に用いた前記競合ウィンドウのサイズをそのまま維持する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記チャネルアクセス手順を再び行う段階は、
前記無線通信端末が前記チャネルアクセス手順を再び行う時に、前記完了したチャネルアクセス手順に対応するQSRC(QoS STA Retry Counter)を増加させない段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項15】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階;及び
前記制限されたサービスピリオド内でCF Endフレームを送信しない段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項16】
前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間が設定され、前記クアイエット区間では全ての送信が許容されず、
前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階は、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階;及び
前記クアイエット区間を無視すると決定した場合に、前記制限されたサービスピリオドに対応するクアイエット区間を無視して前記制限されたサービスピリオド内で前記低遅延トラフィック又は前記低遅延トラフィックに対する応答を送信する段階を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項17】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいてクアイエット区間を無視するか否かを決定する段階は、
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たす場合に、前記クアイエット区間を無視する段階;及び
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及び前記クアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件を満たさない場合に、全ての送信を行わない段階を含む、請求項16に記載の動作方法。
【請求項18】
前記制限されたサービスピリオドの開始時点及びクアイエット区間の開始時点に基づいて判断される条件は、前記クアイエット区間の開始時点及び前記制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間以内である、請求項17に記載の動作方法。
【国際調査報告】