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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】マルチバンドアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/16 20060101AFI20240118BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20240118BHJP
   H01Q 19/10 20060101ALI20240118BHJP
   H01Q 5/35 20150101ALI20240118BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20240118BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240118BHJP
   H01Q 1/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H01Q13/16
H01Q21/24
H01Q19/10
H01Q5/35
H01Q1/32 Z
H01Q1/22 A
H01Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543155
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022012965
(87)【国際公開番号】W WO2022159481
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/139,189
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コナヌール,アナンド エス.
(72)【発明者】
【氏名】シング,シュレヤ
(72)【発明者】
【氏名】ブレデン,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ホリキ,ヤスタカ
(72)【発明者】
【氏名】エレントク,アイジャン
(72)【発明者】
【氏名】ザッカー,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】バート,ナーガールジュン
(72)【発明者】
【氏名】モレイラ,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ナボヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】バンダーリー,リーシャーブ
(72)【発明者】
【氏名】ロスチャイルド,オースティン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】ル トゥムラン,ロイック
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
5J045
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA01
5J020BA06
5J020BC04
5J020BC12
5J020DA02
5J020DA07
5J020DA08
5J021AA05
5J021AA10
5J021AA12
5J021AB05
5J021BA01
5J021CA03
5J021CA06
5J021FA23
5J021FA26
5J021JA03
5J021JA06
5J021JA08
5J045AA03
5J045AA05
5J045CA04
5J045DA07
5J045FA02
5J045FA08
5J045HA02
5J045JA11
5J045NA06
5J046AA04
5J046AB03
5J046AB08
5J046CA03
5J046MA09
5J046MA11
5J047AA04
5J047AB03
5J047AB08
5J047EA01
5J047EA06
(57)【要約】
マルチバンド・アンテナ・システムが提供される。アンテナシステムは、車両のガラス外面の下に配置され、そのガラス外面内に埋め込まれ得る。利得を向上するための寄生要素として、ならびにアンテナを覆うガラス領域上の雪および/または氷の蓄積を溶かす加熱要素としての両方で機能し得る、ガラス外面上に、またはガラス外面に隣接する容量結合金属要素を、そのようなアンテナシステムは含み得る。特定の用途では、アンテナの構造自体をヒータとして使用して、加熱要素を熱に弱い電子機器から離して配置しつつ、悪天候での性能を向上させ得る。加熱と統合されたアンテナシステムは、螺旋状アンテナを含み得る。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板であって、前記プリント回路基板が、低ノイズ増幅器、様々な信号周波数にフィルタリングするように構成される少なくとも2つのダイプレクサを含む、プリント回路基板と、
少なくとも1つの信号を受信するように構成されるマルチバンドアンテナ構成要素であって、
前記少なくとも1つの信号を受信するように構成される前記第1のプリント回路基板内の複数のスロットであって、前記複数のスロットの個々のスロットの少なくとも第1の部分が、前記プリント回路基板の中心から径方向外側に延在し、前記複数の個々のスロットの第1の部分が、前記プリント回路基板に対して互いに径方向に等距離に構成され、前記複数のスロットの個々のスロットの少なくとも第2の部分が、前記プリント回路基板の中心の周囲に螺旋状を形成する、複数のスロットと、
前記複数のスロットから前記少なくとも1つの信号を受信するように構成される少なくとも2つの給電部であって、前記給電部が、前記プリント回路基板内の複数の第1の部分の各々に接続し、前記少なくとも2つのダイプレクサの各々が、前記少なくとも2つの給電部のうちの1つに接続される、少なくとも2つの給電部と、を備える、マルチバンドアンテナ構成要素と、
前記アンテナによる受信のために、前記信号と同相の信号を反射するように構成される、反射器と、
を備えるアンテナシステム。
【請求項2】
前記複数のスロットが前記少なくとも1つの信号を受信するためのアレイとして構成されるように、前記少なくとも2つの給電部の各々によって受信される前記少なくとも1つの信号が前記複数のスロットの各スロットから同相で受信されるように、前記少なくとも2つの給電部が、前記複数のスロットに接続するように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記複数のスロットが、全地球航法衛星システム信号を受信するように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記マルチバンド全地球航法衛星システム信号が、1558MHz~169MHz、1215MHz~1254MHz、および1164MHz~1214MHzの周波数範囲を有する、請求項3に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記反射器が、前記少なくとも1つの信号の供給源に対して前記アンテナ構成要素の後面に対して配置される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記反射器が、前記プリント回路基板に接続された金属板である、請求項5に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記反射器が、金属化表面である、請求項5に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記アンテナシステムが、車両のバックミラーアセンブリの装飾カバーに統合されるように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記反射器が、前記プリント回路基板と前記装飾カバーとの間に配置される、請求項8に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記反射器が、前記アンテナ構成要素と同一面内になるように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記反射器が、前記プリント回路基板に統合されるように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム
【請求項12】
前記反射器が、人工磁気導体グランドプレーンである、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
前記アンテナ構成要素と前記少なくとも1つの信号の供給源との間の表面に統合される加熱回路を更に備え、前記加熱回路が、前記アンテナ構成要素に隣接する表面を加熱するように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項14】
前記加熱回路が、電流を生成するように構成された寄生回路である、請求項13に記載のアンテナシステム。
【請求項15】
信号が前記少なくとも2つの給電部間で交差しないように構成されるフィルタを更に備える、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項16】
プリント回路基板であって、前記プリント回路基板が、低ノイズ増幅器、様々な信号周波数にフィルタリングするように構成される少なくとも2つのダイプレクサを含む、プリント回路基板と、
少なくとも1つの信号を受信するように構成されるマルチバンドアンテナ構成要素であって、
前記少なくとも1つの信号を受信するように構成される前記第1のプリント回路基板内に提供される複数のスロットであって、前記複数のスロットの個々のスロットの少なくとも第1の部分が、前記プリント回路基板の中心から径方向外側に延在し、前記複数のスロットの個々のスロットの第1の部分が、前記プリント回路基板に対して互いに径方向に等距離に構成され、前記複数のスロットの個々のスロットの少なくとも第2の部分が、前記プリント回路基板の中心の周囲に螺旋状を形成する、複数のスロットと、
前記複数のスロットから前記少なくとも1つの信号を受信するように構成される少なくとも2つの給電部であって、前記給電部が、前記プリント回路基板内の複数の第1の部分の各々に接続し、前記少なくとも2つのダイプレクサの各々が、前記少なくとも2つの給電部のうちの1つに接続される、少なくとも2つの給電部と、を備える、マルチバンドアンテナ構成要素と、
前記アンテナによる受信のために、前記信号と同相の信号を反射するように構成される、反射器と、
前記アンテナ構成要素と前記少なくとも1つの信号の供給源との間の表面に統合される加熱回路であって、前記加熱回路が、前記アンテナ構成要素に隣接する表面を加熱するように構成される、加熱回路と、
を備えるアンテナシステム。
【請求項17】
前記反射器が、前記アンテナ構成要素と同一面内になるように構成される、請求項16に記載のアンテナシステム。
【請求項18】
前記反射器が、前記プリント回路基板に統合されるように構成される、請求項16に記載のアンテナシステム。
【請求項19】
前記加熱回路が、電流を生成するように構成された寄生回路である、請求項16に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、アンテナおよびアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
全地球航法衛星システム(GNSS)技術は、地球の大気中の衛星から信号を受信し得るアンテナを含む。GNSSアンテナシステムは、様々な状況において全地球測位システム(GPS)信号および/または他の信号を提供するために有用であり得る。GNSSアンテナは、位置精度を高めたい場合に、複数の周波数の信号を受信し得る。マルチバンド信号受信は、2つ以上の帯域で信号を受信するようにアンテナを構成することに関連する技術的課題を提示する可能性がある。GNSSアンテナは、閉塞がない場合、効果的に機能し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下の図面を参照して、様々な特徴を説明する。図面を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用することがある。図面は、本明細書に記載の例を説明するために提供しており、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0004】
図1A】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
図1B】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0005】
図2A】本出願の1つまたは複数の態様による、アンテナの2つのポートのアンテナ利得性能の比較を説明するチャートである。
図2B】本出願の1つまたは複数の態様による、アンテナの2つのポートのアンテナ利得性能の比較を説明するチャートである。
【0006】
図3A】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
図3B】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
図3C】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0007】
図4A】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
図4B】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0008】
図5】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0009】
図6A】本出願の1つまたは複数の態様による、車両機器に組み込まれた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図6B】本出願の1つまたは複数の態様による、車両機器に組み込まれた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図6C】本出願の1つまたは複数の態様による、車両機器に組み込まれた例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0010】
図7】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムおよび加熱システムを示す図である。
【0011】
図8A】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図8B】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図8C】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図8D】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図8E】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
図8F】本出願の1つまたは複数の態様による、加熱要素と組み合わせた例示的なアンテナシステムを示す図である。
【0012】
図9】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムおよび加熱システムを示す図である。
【0013】
図10】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムおよび加熱システムを示す図である。
【0014】
図11】本出願の1つまたは複数の態様による、例示的なアンテナシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特定の実施形態の以下の説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義され、包含されるように、多数の様々な方法で実施され得る。この説明では、同じ参照番号が同一または機能的に同様の要素を示し得る図面を参照する。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。更に、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素を、および/または図面に示されている要素のサブセットを含み得ることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組合せを組み込んでもよい。
【0016】
全地球航法衛星システム(GNSS)技術は、地球の大気中の衛星から信号を受信し得るアンテナを含む。GNSSシステムアンテナは、位置精度を高めたい場合に、複数の周波数で信号を受信することに利がある。L1(1559MHz~1610MHz)、L2(1215MHz~1254MHz)、およびL5(1164MHz~1214MHz)帯域から衛星信号を受信し得るGNSSアンテナは、大気誤差の現場補正を実施する能力をもたらす。更に、GNSSアンテナは、搬送波位相ベースのGNSSアルゴリズムにおけるアンビギュイティ決定を可能にし、拡張されたスタンドアロン性能を可能にする。マルチバンドアンテナ精度および単一周波数ソリューションの両方が同じ品質補正を提供されるとき、マルチバンドアンテナ精度は、単一周波数ソリューションよりも高いままである。そのようなアンテナはまた、シングル・バンド・アンテナ性能を低下させる傾向があるマルチパス信号の排除に役立つ。
【0017】
GNSSアンテナシステムは、正確な位置情報を含む様々な機能のために、全地球測位システム(GPS)信号および/または他の信号を、車両システムに提供するために有用であり得る。例えば、GNSSアンテナから受信した信号を他のセンサ(例えば、超音波センサおよび/またはカメラ)からのデータと組み合わせて、車両を、所有者または別の人の所に呼び出すなど、車両を目標位置に運ぶ経路を計画してもよい。GNSSアンテナシステムはまた、ナビゲーション、オートパイロットおよび他の自動運転機能、近くのガソリンスタンド、レストラン、または商店の検索など、正確または一般的な位置情報を含む他の機能にも有用であり得る。GNSSアンテナシステムはまた、地域およびローカル広告に関する関連情報を中継するための正確または一般的な位置情報を中継するためにも有用であり得る。
【0018】
特定のマルチバンドGNSSアンテナは、積層パッチアンテナまたは螺旋アンテナの使用に関係している。このようなマルチバンドアンテナは、右手円偏波利得を向上させ、左手円偏波利得を抑制し、それによって性能を高めるように設計された複雑な給電部構造を有し得る。このようなマルチバンドアンテナは、寸法が厚くなったり、狭帯域に制限されたりする傾向があり、性能の低下を引き起こす可能性がある。特定のマルチバンドアンテナのこれらの特徴は、アンテナが車両表面のエンベロープ内に統合される自動車用途に関して、そのようなマルチバンドアンテナの望ましさを損なう可能性がある。
【0019】
本開示の態様は、GNSSアンテナを含むシステムなど、マルチバンド・アンテナ・システムに関する。アンテナは、例示的に、使用のために設計され得るか、または車両に統合され得る。そのようなアンテナは、複数のスロットと、複数の螺旋状給電部と、を含み得る。スロットおよび螺旋状給電部は、回路基板または他の基板の対向する側にあってもよい。アンテナは、アンテナ放射を上半球に反射するための反射器を含む。反射器は、回路基板から4分の1波長未満だけ離隔され、反射器は、放射を同相で反射し得る。特定の例では、アンテナシステムの厚さは15ミリメートル以下であり得る。アンテナは、反射器と同じ表面に埋め込まれ得る。この反射器は、アンテナを比較的薄くしつつ、アンテナ利得を向上し得る。特定の実施形態では、反射器は、人工磁気グランドプレーンであってもよい。反射器は、いくつかの他の実施形態では、車両(例えば、車両乗員に見える内部表面)の金属化表面であってもよい。アンテナは、低ノイズ増幅器も含むアクティブ・アンテナ・システムに含まれてもよい。アンテナは、他の回路要素も含むハウジングに含まれてもよい。アンテナの様々な螺旋状給電部は、アンテナと低ノイズ増幅器との間に結合されるダイプレクサの異なるそれぞれのポートに接続され得る。
【0020】
本開示の態様は、統合された加熱を有するアンテナシステムに関する。アンテナシステムは、アンテナ上の表面に雪および/または氷がある場合など、悪天候下でアンテナ機能を維持し得る。アンテナシステムは、車両用に設計され得る。アンテナシステムは、GNSSアンテナなど、マルチバンドアンテナを含み得る。アンテナシステムは、車両のガラス外面の下に配置され、そのガラス外面内に埋め込まれ得る。利得を向上するための寄生要素として、ならびにアンテナを覆うガラス領域上の雪および/または氷の蓄積を溶かす加熱要素としての両方で機能し得る、ガラス外面上に、またはガラス外面に隣接する容量結合金属要素を、そのようなアンテナシステムは含み得る。特定の用途では、アンテナの構造自体をヒータとして使用して、加熱要素を熱に弱い電子機器から離して配置しつつ、悪天候での性能を向上させ得る。統合された加熱部を有するアンテナシステムは、本明細書に開示した特徴の任意の適切な組合せを有する螺旋状アンテナを含み得る。いくつかの他の用途では、様々なアンテナを、統合された加熱部と共に使用して、車両表面から雪および/または氷を除去してもよい。
【0021】
ここで、アンテナの例示的な実施形態について説明する。これらのアンテナの任意の適切な原理および利点は、適切に互いに組み合わせられ得る。
【0022】
図1Aは、アンテナシステム100の一実施形態を示している。アンテナシステム100は、無線信号を受信するための複数のスロット104を含むプリント回路基板(PCB)102として具現化されたアンテナ構成要素を含み得る。例示的には、複数のスロットは、6つ以上のスロットのセットとして例示的に示す様々なスロットを含んでもよい。スロット104は、PCB102の最上層にエッチングされて、アンテナシステム100のアンテナ構成要素を形成し得る。例示的には、PCB102は、最上層106と、最下層108と、を含んでもよい。複数のスロット104(例えば、アンテナスロット)は、PCB102の最上層または上面の周囲で螺旋状であってもよい。例示的には、各個々のスロットは、第1の表面106上に等距離に配置されるように構成された第1の部分105を含んでもよい。個々のスロットは、アンテナ構成要素102の中心部分(例えば、PCBの中心)の周囲を径方向に螺旋状に組織化された第2の部分107を更に含み得る。PCB(図示せず)の最下層108は、PCB102の最上層のスロット104に接続するように配置された一対の螺旋状給電部110を含み得る。PCB102の最下層上の2つの螺旋状給電部110は、設計の対称性を維持し得る。例示的には、螺旋状給電部110の対称設計の実施形態は、螺旋状給電部110の各々が別々に給電されることを可能にし、デュアル・フィード・アンテナ・システム100を形成する。これにより、少ない部品で低ノイズの増幅器トポロジーが可能になり、したがってシステム全体のコストを低減する。このような低ノイズ増幅器を有するシステムの一例を、図5を参照して説明する。アンテナスロット104、PCB102、およびアンテナ給電部110は共に、特定の用途では約0.5ミリメートル~約3ミリメートルの範囲の全体的な厚さを有してもよく、その範囲内で定義された任意の値を含む。
【0023】
図1Aでは、アンテナシステム100は、反射器として機能する人工磁気導体(AMC)112グランドプレーンを含む。AMCは、それに衝突する信号を反射する表面であり得る。AMC112は、供給源と同相の信号を反射し得る。供給源と同相で信号を反射することによって、AMC112を4分の1波長よりもアンテナの近くに配置し得る。AMC112は、アンテナによって受信されている信号の平均上半球利得を増加させることによって、信号の利得を向上し得る。平均上半球利得のこの増加は、AMCからのエネルギーを反映した結果であり得る。いくつかの実施形態では、AMC112は、他の反射面のためにアンテナシステム110から省略されてもよい。
【0024】
図1Aに示すように、AMC112は、一連の径方向に対称なパッチ114を含むことができ、各パッチは、ビアを介して下の固体銅層に接地される。これらの径方向に対称なパッチは、L2/L5帯域などの2つの異なる周波数帯域に近い帯域ギャップを生成する領域を有するように設計され得る。したがって、各径方向に対称なパッチの表面を励起して、目標周波数および信号を反射して同相に戻し、その信号の利得を向上し得る。この反射は、上半球の利得を向上し得る。信号が各径方向に対称なパッチの表面に沿って伝播するので、他の周波数は、反射されない可能性がある。AMC112はまた、アンテナ全体の径方向の対称性を保持し得る。図1BのアンテナがAMC112の代わりに金属ディスクを含むことを除いて、図1Bは、図1Aのアンテナと同様のアンテナを示している。金属ディスク114は、いくつかの実施形態では完全な導電体と呼ばれ得る。
【0025】
図2Aおよび図2Bはそれぞれ、図1Aおよび図1Bのアンテナの2つのポートのアンテナ利得性能を比較するグラフである。図1Aのアンテナが、図2Bのグラフに見られるように、図1Bのアンテナによって実現されない約1.15GHz~1.25GHzの第2の動作帯域を有することを、図2Aは示している。薄型アンテナにおけるこの第2の共振帯域の出現は、ゼロ度の位相変化でそれに入射する信号を反射する表面としてのAMCに起因する可能性がある。したがって、図1Aのアンテナが図1Bのアンテナに対して追加の動作帯域を有し得ることを、図2Aおよび図2Bは示している。
【0026】
このマルチバンドアンテナ設計は、GNSS衛星からの信号の受信に有用である。このマルチバンドアンテナは、右手円偏波利得を向上させ、左手円偏波利得を抑制し、それによって性能を向上させるように設計された単純な給電部構造を含み得る。したがって、実施形態によるアンテナは、高性能のために比較的広い帯域の周波数で動作しつつ、薄型を維持し得る。そのようなアンテナは、アンテナが車両の外面のエンベロープ内に統合されるという仕様など、厳しい設計基準を有する車両で使用され得る。
【0027】
図3A図3Cへの参照は、図1Aに関して前述した構成要素のうちの1つまたは複数への参照を含む。図3Aは、例示的な構成要素の特定の構成を有するアンテナシステム300の一実施形態を示している。スペーサ118が、アンテナ構成要素102と分離用グランドプレーン112との間に配置される。スペーサ118は、アンテナ構成要素102の給電部とグランドプレーン112との間の短絡の可能性を防止し、および/または低減し得る。スペーサは、3D印刷されてもよく、あるいは任意の適切な絶縁材料および/または非導電性材料で作られてもよい。
【0028】
図3Bを参照すると、一実施形態は、六角形の単位セル352を備えるAMC表面350を含む。図3Bは、個々の六角形の単位セル352の縁部を示している。図3Aのグランドプレーン112は、図3BのAMC表面350であり得る。これらの六角形のセル352は、三角形のサブセル354に分割される。図3Bは、単一の三角形のサブセル354の中心を示している。六角形のセル352および三角形のサブセル354は、目標周波数および信号を反射して同相に戻し、その信号の利得を向上させる。六角形のセル352および三角形のサブセル354は、下半球からのエネルギーを反射することによって上半球の利得を向上させ得る。いくつかの他の実施形態では、三角形のサブセル352は、同一の形状または実質的に同一の形状に対応してもよく、アンテナ応答の容易で正確な分析のために、AMC表面350にわたって正多角形のセルを使用してもよい。
【0029】
一実施形態では、これらのサブセル354は、個々の六角形の単位セル352ごとに径方向の対称性を維持する。別の実施形態では、これらのサブセル354は、AMC350の表面全体に対して径方向の対称性を維持する。別の実施形態では、各サブセル352の面積は、反復多角形ユニットからなる無限に大きい構造によって支持される固有モードを計算することによって決定される。
【0030】
図3Bは、デュアルバンド螺旋状アンテナを取り付ける前の六角形の単位セルベースのAMC350の一実施形態を示している。図3Cは、図1Aに示すアンテナ構成要素など、デュアルバンド螺旋状アンテナ構成要素を取り付けた後の六角形の単位セルベースのAMCを含むアンテナシステム370の一実施形態を示している。具体的には、図3Cは、図3Aのアンテナシステムの例示的な上面図である。前述したように、アンテナ構成要素(例えば、螺旋状スロットまたは螺旋状アンテナ)は、アンテナ構成要素102の最下層の給電部スパイラルと、AMC表面PCBの最上面350のセル352および/またはサブセル354との間の短絡を防止するために、スペーサ118によってAMC表面から分離され得る。
【0031】
図4A図4Bへの参照は、図1Aに関して前述した構成要素のうちの1つまたは複数への参照を含む。図4Aを参照すると、アンテナシステム400の一実施形態では、アンテナシステムが単一層(または実質的に単一層)に対応するように、アンテナ構成要素102は、AMC表面402の内側に埋め込まれる。このようにして、AMC表面402は、アンテナ構成要素102(例えば、螺旋状アンテナ)をフレーム化する。これにより、アンテナの良好なマルチバンド性能を維持する1つのPCB厚さである薄型設計となり得る。AMC表面402は、図3に関して上述したものと同様に機能し得る。
【0032】
図4Bは、図4Aのアンテナシステム400など、アンテナシステムの一実施形態の底面図406を示している。この実施形態では、最下部PCB層406は、螺旋状給電部408を含み得る。先に開示したように、螺旋状給電部408は、アンテナ構成要素102に接続し得る。
【0033】
図5は、図1図4に示すアクティブ・アンテナ・システムの様々な実施形態など、アクティブ・アンテナ・システムの実施形態のブロック図500を示している。アンテナシステム500は、アンテナ502と、ダイプレクサ504と、低ノイズ増幅器506と、ケーブル508と、受信機システム510と、を備える。アンテナシステム500は、第1の給電部512と、第2の給電部514と、を更に含む。第1の給電部512及び第2の給電部514は、例示的に、アンテナ構成要素502に接続する螺旋状給電部であり得る。図5のシステムは、本明細書に開示する任意の適切なアンテナ構成要素502を実装し得る例示的なシステムである。
【0034】
アンテナからの第1の給電部512および第2の給電部514は、信号を、ダイプレクサ04を介して低ノイズ増幅器506に供給する。これらのGNSS信号は、衛星、他の軌道プラットフォーム、または地上信号供給源から発生し得る。更に、GNSSシステム信号は、衛星、他の軌道プラットフォームを通して中継される、または地上波信号からアンテナに中継される、別の供給源から発する信号であってもよい。第1の給電部および第2の給電部を有することにより、様々な周波数帯域の別個のフィルタリングが、および/またはシングル・バンド・アンテナ性能を低下させる傾向があるマルチパス信号の排除が、可能になる。
【0035】
第1の給電部512および第2の給電部514は、ダイプレクサ504の様々なそれぞれのポートに接続される。ダイプレクサ504は、様々なGNSS周波数帯域のための別個のフィルタリングを提供する。ダイプレクサ504はまた、GNSS周波数帯域に関連付けられたフィルタリングされた信号を結合する。これらの周波数帯域は、L1、L2、またはL5帯域を含み得る。例えば、一実施形態では、第1の給電部512が、L1周波数帯域に同調される一方で、第2の給電部は、L2周波数帯域に同調されてもよい。別の実施形態では、第2の給電部514は、L5帯域に同調されてもよい。代替的に、第1の給電部512は、L2帯域に同調されてもよい。様々な周波数帯域への給電部の調整は、シングル・バンド・アンテナ性能を通常劣化させるマルチパス信号を拒否するために使用され得る。L1帯域は、1559MHz~1610MHzの周波数範囲を含み得る。L2帯域は、1215MHz~1254MHzの周波数を含み得る。L5帯域は、1164MHz~1214MHzの周波数を含み得る。このようにして、ダイプレクサ504は、第1の給電部512および第2の給電部514からの信号をフィルタリングし、低ノイズ増幅器506に電気的に接続された単一のポートで信号を結合し得る。
【0036】
次いで、結合した信号は、GNSSシステムによってアンテナシステムに送信された信号の利得を向上するために、低ノイズ増幅器によって増幅され得る。いくつかの実施形態では、低ノイズ増幅器の第2の追加段または複数の追加段が存在してもよい。図5のシステムは、アンテナおよび低ノイズ増幅器を含むので、アクティブ・アンテナ・システムと呼ばれ得る。信号の利得が向上され、増幅されると、増幅された信号は、ケーブルを介して受信機システムに出力され得る。
【0037】
図6Aは、アンテナシステム用の反射器が車両の内部表面である、実施形態600を示している。いくつかの車両設計では、アンテナ構成要素(例えば、アンテナ構成要素102)と別個のグランドプレート(例えば、反射器112)とを統合して、下半球から上半球にエネルギーを反射するための空間がない場合がある。同様に、いくつかの車両設計では、AMCによってフレーム化された単一のPCB層アンテナを有するために利用可能な空間がない場合がある。そのような車両では、内部表面(例えば、内部平面)が、アンテナの反射器として機能し得る。内部表面は、車両乗員に見える任意の材料平面を、または車両の外部に対して車両の内側に位置する任意の平面を、含んでもよい。AMCは、特定の用途において車両の内面をコーティングし得る。車両の既存の表面は、様々な目的に加えて、AMCまたはグランドプレーンなど、複数の目的に使用され得る。
【0038】
内部表面は、アンテナの利得を向上する反射器であるように構成される。例えば、内部表面は、金属であってもよく、または金属材料を含んでもよい。あるいは、車両の外部に向けられた内部表面の面(以下、内部面と呼ぶ)を金属化してもよい。内部面は、金属化プラスチック、別の金属化材料、または金属、金属材料、金属化プラスチック、もしくは他の金属化材料の組合せであってもよい。内部面または金属内部表面は、目標信号を反射して利得を向上させるように成形され得る。内部面または金属内部表面は、特定の信号を反射するセル、サブセル、またはパッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、内部面または金属内部表面は、目標信号が同相で反射されることを保証するため、アンテナからの目標周波数の4分の1波長に配置されてもよい。内部表面または内部面は、平坦である必要はなく、湾曲、または他の方法で構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナおよび反射器を含むアンテナシステムは、図6Bおよび図6Cに見られる筐体のような、車両のフロントガラスの下の筐体内に配置されてもよい。図示のように、筐体は、アンテナ606のための反射器として内部面604を提供する。図6Bに示すように、装飾カバーの内部面を金属化してもよい。装飾カバー608を取り外した状態のアンテナの底面図を図6Cに示す。
【0040】
本明細書で開示する任意の適切な原理および利点によるアンテナシステムは、車両の様々な異なる位置に配置され得る。いくつかの実施形態では、アンテナシステムは、図6A図6Cに示すように、車両のバックミラーアセンブリ内に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、アンテナシステムは、車両の後部ヘッダにあってもよい。いくつかの他の実施形態では、アンテナシステムは、車両のフレームの周囲の任意の表面に配置されてもよい。様々な実施形態では、アンテナシステムは、金属であるか、または金属化され得る、車両の任意の表面に配置されてもよい。
【0041】
あるいは、反射器は、GNSS信号を受信するためのアンテナを有する非車両対象物の内部表面であり得る。そのようなアンテナシステムは、GNSS信号を受信および/または送信するように構成された任意の対象物において使用され得る。
【0042】
GNSSアンテナシステムは、天頂および上空で周回している衛星との接続を維持し得る。しかしながら、地上GNSSアンテナは、雪または氷によって遮られる可能性がある。このような条件下では、GNSSアンテナが、機能しない可能性、または性能が著しく低下する可能性がある。雪および/または氷を除去することは、呼出し動作などの車両の自律動作に、または車両の任意の他の適切な先進運転者支援機能に、有用であり得る。
【0043】
図7は、加熱要素702を含むアンテナシステム700の一実施形態を示す。加熱要素702は、加熱要素702にエネルギーを供給するリード線704のセットを含み得る。アンテナ構成要素102がGNSSシステムから信号を送受信し得るように、加熱要素702は、例示的に、アンテナ構成要素102の上のガラス層に配置された容量結合金属要素であり得る。図7に示すように、スペーサ118は、いくつかの実施形態では、アンテナ構成要素102から加熱要素702を分離し得る。加熱要素702は、アンテナを覆うガラス領域上の雪および/または氷の蓄積を溶かし得る。加熱要素は、アンテナ利得を向上するための寄生要素としても機能し得る。アンテナと加熱要素とを容量結合することによって、熱に弱い電子機器を加熱要素から断熱し得る。
【0044】
図7に示すように、アンテナシステム700は、加熱要素702と、スペーサ118と、アンテナ構成要素102と、を含み得る。図88A図88Fは、加熱要素を含むアンテナシステムの一実施形態のいくつかの層を示している。図8Aは、アンテナ構成要素102上のガラス領域に埋め込まれた加熱要素902の実施形態900を示している。加熱要素902は、例えば導電性ペースト(例えば、銀ペースト)を使用して、ガラス上にパターニングされ得る。加熱要素902は、アンテナおよびアンテナスロットのパターンおよび/または設計を複製するように設計され得る。加熱要素902は、加熱するために、直流(DC)または低周波電流が供給され、これにより、アンテナの上方のガラスを加熱して、雪および/または氷の蓄積を溶かし得る。加熱要素902がアンテナによって受信された無線周波数信号と相互作用することなく、直流によって給電され得るように、加熱要素902は、1つまたは複数のインダクタ904を含み得る。1つまたは複数のインダクタ904は、ガラス上にパターニングされ得る。いくつかの実施形態では、加熱要素を覆って、配線がガラス層を通して見えないようにしてもよい。一例として、黒色セラミックフリットが、加熱要素の配線を隠すために、加熱要素を覆ってもよい。加熱要素902を覆う材料は、加熱要素の熱性能への影響を最小限にするように選択され得る。
【0045】
図8Bは、加熱要素902とアンテナ構成要素102とを分離するスペーサ118の実施形態に対応する。例示的には、スペーサ118は、限定はしないが、空気、熱スポンジ、または熱伝導率が低い別の材料を含む、任意の数の材料に、または材料がない状態に相当し得る。スペーサは、加熱要素が埋め込まれるガラス層に面一に取り付けられ得る。例示的には、加熱要素702(図7)からの熱が、ガラスを加熱し、雪および/または氷の蓄積を溶かすために主に使用されることを保証するため、スペーサ118は、熱障壁として機能し得る。図8Cは、スペーサ118の下に配置されたアンテナ構成要素102の一例を示している。アンテナ構成要素102は、銅など、導電性金属間にスロットを含む。図8Eは、アンテナ給電部を示す実施形態を示している。図8Eに示すように、アンテナ給電部は、LNAと同じ層に含まれ得る。図8Eはまた、Fakra接続を示す。例えば、遮蔽構造810が、図8Fに示すように、アンテナ給電部およびLNAの下の層に含まれ得る。
【0046】
図9は、上部アンテナトレース902がDC電力をインダクタ904,906を介して受電して、アンテナトレースを加熱し得ることを示す図900である。図示のインダクタ904,906の各々は、集中素子またはパタードインダクタであってもよい。
【0047】
加熱要素を含むアンテナシステム900は、車両に配置され得る。加熱要素を含むアンテナシステムは、ワイパによって拭き取り得る領域下で、車両に配置されてもよい。一実施形態では、ワイパを作動させて、アンテナシステムの加熱要素によって加熱された雪および/または氷を拭き取ってもよい。拭き取りと共に加熱することにより、約200秒以内に雪および/または氷を除去し得る。
【0048】
特定の実施形態では、加熱要素1000は、図10に示すようにヒータ・グリッド・パターン1002を有してもよい。図示のように、ヒータ・グリッド・パターン1002は、加熱要素に電流を流すことによって加熱され得るアンテナの上方のガラス内の導電性材料で作られ得る。ヒータ・グリッド・パターン1002は、アンテナ構成要素102を二等分する線に対して対称であり、図10に示すように、アンテナ構成要素上に比較的広い開口部を有する。このような開口部により、アンテナは、ヒータ・グリッド・パターンから自由であり、ヒータが、アンテナの軸比に及ぼす影響を限定的にし得る。狭い開口部および/またはアンテナとの多くの重なりを有するヒータ・グリッド・パターンは、図10に示すヒータ・グリッド・パターンよりもアンテナの軸比を低下させる可能性がある。
【0049】
図11は、本明細書に記載の統合アンテナシステムの一実施形態を示す図である。文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの単語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「限定しないが、含んでいる」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合される」という単語は、直接接続されるか、または1つまたは複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続される」という単語は、直接接続されているか、または1つまたは複数の中間要素によって接続されている2つ以上の要素を指す。更に、「本明細書」、「上記」、「以下」という単語、および同様の意味の単語は、本出願で使用されるとき、本出願全体を指すものであり、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数字を使用する上記の詳細な説明の単語はまた、それぞれ複数または単数を含み得る。2つ以上の項目の列挙に関連する「または」という単語は、その単語の以下の解釈のすべて、すなわち、列挙内の項目のいずれか、列挙内の項目のすべて、および列挙内の項目の任意の組合せを網羅する。
【0050】
更に、本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「can」、「could」、「might」、「may」、「e.g.」、「for example」、「such as」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、特定の実施形態は、特定の特徴、要素、および/または状態を含むが、他の実施形態がそれらを含まないことを、伝えることを一般的に意図している。したがって、そのような条件付き言語は、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされることを暗示することを、一般的に意図しない。
【0051】
本開示および実施例を添付の図面を参照して説明したが、様々な変更および修正が当業者には明らかになるであろう。そのような変更および修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図しない。上記の例示的な議論は、網羅的であること、または本発明を記載された正確な形態に限定すること、を意図しない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用し得る。上述した様々な実施形態の要素および/または特徴の任意の適切な組合せは、更なる実施形態を提供するために組み合わせられ得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9
図10
図11
【国際調査報告】