IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジュハイ ナインスター マネージメント カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図1
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図2
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図3
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図4
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図5
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図6
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図7
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図8
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図9
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図10
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図11
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図12
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図13
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図14
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図15
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図16
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図17
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図18
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図19
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図20
  • 特表-インクカートリッジ及び印刷機器 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】インクカートリッジ及び印刷機器
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240118BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 151
B41J2/175 175
B41J2/01 451
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543226
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2022074399
(87)【国際公開番号】W WO2022161444
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110111127.0
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120527499.7
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521451341
【氏名又は名称】ジュハイ ナインスター マネージメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI NINESTAR MANAGEMENT CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シア、チンチャン
(72)【発明者】
【氏名】リャン、シーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヂォンタオ
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA22
2C056EB20
2C056EB44
2C056EB45
2C056KC02
2C056KC04
2C056KC05
2C056KC16
2C056KC30
(57)【要約】
インクカートリッジ(10)及び当該インクカートリッジが適用されている印刷機器を開示する。インクカートリッジはインクカートリッジ本体(11)とチップ(12)とチップ固定ベース(13)を備え、チップがチップ固定ベースに固着され、インクカートリッジが装着方向にプリンタ(20)に装着されるとき、プリンタはチップ固定ベースがインクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動でき、チップ固定ベースは移動する前に、第1の位置にあり、チップ固定ベースは移動した後、第2の位置にあり、第1の位置にあるチップは第2の位置にあるチップよりもインクカートリッジ本体の頂面に近く、且つチップ固定ベースは第2の位置にあると、チップはプリンタのスタイラス(210)に当接される。チップとプリンタ内のスタイラスとの電気的接続は、インクカートリッジ及び印刷機器によって、安定性が高くなる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに適用される、インクカートリッジであって、前記プリンタにはスタイラスが装着されており、前記インクカートリッジはインクカートリッジ本体、チップ、及びチップ固定ベースを備え、前記チップが前記チップ固定ベースに固着されており、
前記インクカートリッジが装着方向に沿って前記プリンタに装着されると、前記プリンタは、前記チップ固定ベースが前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前に、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、
前記第1の位置に位置する前記チップは前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される、ことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項2】
前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との一方にはスライド部が設けられ、前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との他方にはガイド部が設けられており、前記ガイド部が前記チップ固定ベースの移動方向に沿って延在し、前記スライド部が前記ガイド部に挿着されて且つ前記ガイド部に対して移動でき、且つ前記チップ固定ベースがまた前記スライド部の延伸方向を中心として前記インクカートリッジ本体に対して回転できる、ことを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記インクカートリッジ本体には前記インクカートリッジ本体から突出する駆動部が設けられ、前記駆動部が前記スタイラスに向かって突出し、前記駆動部が前記チップ固定ベースの前記スタイラスから離れる側に位置し、
且つ前記駆動部が前記チップ固定ベースの移動軌跡に設けられ、前記チップ固定ベースは、前記チップ固定ベースが前記駆動部の壁面に沿って前記駆動部に対して移動すると同時に前記スライド部を中心として回転するとともに、前記チップと前記インクカートリッジ本体との間の間隔が変化するように、前記駆動部に接触することができる、ことを特徴とする請求項2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
前記チップ固定ベースには、前記駆動部を収容するための収容溝が設けられ、前記収容溝の輪郭が前記駆動部の輪郭に合致するか、又は、前記収容溝の前記チップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さが前記駆動部の前記チップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さよりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
前記ガイド部の延伸長さは、前記チップと前記スタイラスとが電気的に接続されるとき前記スライド部が前記ガイド部の端部に当接されるように、前記チップ固定ベースの移動行程と同じであるようにしている、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
前記スライド部は前記チップ固定ベースに設けられ、前記ガイド部は前記インクカートリッジ本体に設けられている、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記インクカートリッジ本体に設けられているスライド可能ガイド溝であり、前記スライド部は前記チップ固定ベース上に設けられている円柱状構造のものであり、
前記スライド部は前記スライド可能ガイド溝内に挿着され且つ前記スライド可能ガイド溝に対して移動することができる、ことを特徴とする請求項6に記載のインクカートリッジ。
【請求項8】
前記インクカートリッジ本体にはストッパ部が設けられ、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップ固定ベースが前記第2の位置から前記第1の位置まで移動することを回避するために、前記チップ固定ベースは前記ストッパ部に当接されるようにしている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項9】
前記ストッパ部は前記インクカートリッジ本体の外面から突出し、前記チップ固定ベースの外壁面は前記ストッパ部に当接されることができる、ことを特徴とする請求項8に記載のインクカートリッジ。
【請求項10】
前記チップ固定ベースの前記インクカートリッジ本体に向く側には突出する係接部が設けられ、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記係接部は前記ストッパ部に当接され、
且つ前記チップ固定ベースは前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替えられると、前記係接部は前記ストッパ部の壁面に沿って前記ストッパ部の両側に移動することができる、ことを特徴とする請求項9に記載のインクカートリッジ。
【請求項11】
前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との間には、弾性力が前記チップ固定ベースの移動方向と平行かつ反対である弾性復帰部材が設けられ、
前記インクカートリッジが前記プリンタから離れると、前記チップ固定ベースは、前記チップと前記インクカートリッジ本体との間の間隔が減少するように、前記弾性復帰部材の弾性力の作用下で前記ガイド部の延伸方向に沿って移動することができる、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項12】
前記チップ固定ベースの前記プリンタに当接される位置は前記チップ固定ベースの自身の移動方向に沿う端部に位置し、及び/又は、
前記チップ固定ベースの前記プリンタに当接される位置は前記チップ固定ベースの自身の移動方向に沿う両側に位置する、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項13】
前記ガイド部は延伸方向が前記インクカートリッジの装着方向と平行であるように設けられており、
前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されるとき、前記チップ固定ベースは前記インクカートリッジの装着方向の逆方向に向かって前記インクカートリッジ本体に対して移動することができる、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項14】
前記インクカートリッジ本体には遮光部がさらに設けられており、前記遮光部は、前記インクカートリッジが前記プリンタに装着されるとき、前記プリンタの探知光を遮り、前記インクカートリッジの装着完了をプロンプトするために用いられる、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項15】
前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、
前記第1の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、
前記第2の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い、ことを特徴とする請求項14に記載のインクカートリッジ。
【請求項16】
前記インクカートリッジ本体内には保護収納溝が設けられ、前記遮光部は前記保護収納溝内に収容されることができ、
前記遮光部は前記チップ固定ベースに固着して接続され、前記チップ固定ベースは伸び出し、前記チップと前記スタイラスとは電気的に接続されるとき、前記遮光部は前記保護収納溝から伸び出して前記探知光を遮る、ことを特徴とする請求項14又は15に記載のインクカートリッジ。
【請求項17】
プリンタと請求項1~16のいずれか1項に記載のインクカートリッジとを備える印刷機器であって、前記インクカートリッジが少なくとも1つあり、前記プリンタには前記インクカートリッジに対応するスタイラスが設けられ、
前記プリンタには前記インクカートリッジに対応する装着部がさらに設けられており、前記インクカートリッジは前記装着部を介して前記プリンタに固定され、
前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される、ことを特徴とする印刷機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷機器技術の分野に関し、より具体的には、インクカートリッジ及び印刷機器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機器は、オフィス機器として一般的なものである。従来の印刷機器は、主にインクジェット印刷の手段を採用し、インクを収容したインクカートリッジを備え、インクカートリッジは、プリンタに装着されて用紙に所望の文字やパターンをインクジェット形成する。
【0003】
例えばUS10507665B2特許文献に開示されているインクカートリッジが存在し、インクカートリッジにはチップが搭載され、プリンタにはスタイラスが装着されており、インクカートリッジをプリンタに装着すると、チップとスタイラスとが電気的に接続され、インクカートリッジとプリンタとの通信は実現される。そこで、インクカートリッジにチップ固定ベースが設けられ、チップをチップ固定ベースに固着するように設けられ、チップ固定ベースとインクカートリッジとを弾性部材を介して接続し、弾性部材の弾性力をスタイラス側に向けて、チップを弾性部材の弾性力によってスタイラスに押し付けることにより、チップとスタイラスとの電気的接続を実現する。
【0004】
しかしながら、弾性部材は伸縮しやすいため、チップ固定ベースの揺れを引き起こし、チップとスタイラスとの電気的接続が不安定になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、チップとプリンタ内のスタイラスとの電気的接続の安定性が高い、インクカートリッジ及び印刷機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願は、プリンタに適用される、インクカートリッジを開示し、プリンタにはスタイラスが装着されており、当該インクカートリッジは、インクカートリッジ本体、チップ、及びチップ固定ベースを含み、前記チップが前記チップ固定ベースに固着されており、前記インクカートリッジが装着方向に沿って前記プリンタに装着されると、前記プリンタは、前記チップ固定ベースが前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第1の位置に位置する前記チップは、前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される。
【0007】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との一方にはスライド部が設けられ、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との他方にはガイド部が設けられており、ガイド部はチップ固定ベースの移動方向に沿って延在し、スライド部はガイド部に挿着されて且つガイド部に対して移動することができ、且つチップ固定ベースはスライド部の延伸方向を中心としてインクカートリッジ本体に対して回転することができる。
【0008】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体にはインクカートリッジ本体から突出する駆動部が設けられ、駆動部はスタイラスに向かって突出し、駆動部はチップ固定ベースのスタイラスから離れる側に位置し、且つ駆動部はチップ固定ベースの移動軌跡に設けられ、チップ固定ベースは、チップ固定ベースが駆動部の壁面に沿って駆動部に対して移動すると同時にスライド部を中心として回転するとともにチップとインクカートリッジ本体との間の間隔が変化するように、駆動部に接触する構成とする。
【0009】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースには、駆動部を収容するための収容溝が、収容溝の輪郭が駆動部の輪郭に合致するか、又は、収容溝のチップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さが駆動部のチップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さよりも大きい、ように設けられている。
【0010】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部の延伸長さは、チップとスタイラスとが電気的に接続されるときスライド部がガイド部の端部に当接されるように、チップ固定ベースの移動行程と同じであるようにしている。
【0011】
いくつかの選択的な実施形態では、スライド部はチップ固定ベースに設けられ、ガイド部はインクカートリッジ本体に設けられている。
【0012】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部はインクカートリッジ本体に設けられているスライド可能ガイド溝とし、スライド部はチップ固定ベースに設けられている円柱状構造のものとし、スライド部はスライド可能ガイド溝内に挿着されて且つスライド可能ガイド溝に対して移動することができる。
【0013】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体にはストッパ部が設けられており、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップ固定ベースが前記第2の位置から前記第1の位置まで移動することを回避するために、前記チップ固定ベースは前記ストッパ部に当接されるようにしている。
【0014】
いくつかの選択的な実施形態では、前記ストッパ部は前記インクカートリッジ本体の外面から突出し、前記チップ固定ベースの外壁面は前記ストッパ部に当接されることができる。
【0015】
いくつかの選択的な実施形態では、前記チップ固定ベースの前記インクカートリッジ本体に向く側には突出する係接部が設けられており、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記係接部は前記ストッパ部に当接され、且つ前記チップ固定ベースは前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替えられると、前記係接部は前記ストッパ部の壁面に沿って前記ストッパ部の両側に移動することができる。
【0016】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との間には弾性力がチップ固定ベースの移動方向と平行かつ反対である弾性復帰部材が設けられており、インクカートリッジはプリンタから離れると、チップ固定ベースは、チップとインクカートリッジ本体との間の間隔が減少するように、弾性復帰部材の弾性力の作用下でガイド部の延伸方向に沿って移動することができる。
【0017】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースのプリンタに当接される位置はチップ固定ベースの自身の移動方向に沿う端部に位置し、及び/又は、チップ固定ベースのプリンタに当接される位置はチップ固定ベースの自身の移動方向に沿う両側に位置する。
【0018】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部は、その延伸方向がインクカートリッジの装着方向と平行であるように設けられており、インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップ固定ベースはインクカートリッジ装着方向の逆方向に向かってインクカートリッジ本体に対して移動することができる。
【0019】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体には遮光部がさらに設けられており、遮光部は、インクカートリッジがプリンタに装着されるとき、プリンタの探知光を遮り、インクカートリッジの装着完了をプロンプトするために用いられる。
【0020】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、前記第1の位置にあるとき、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、前記第2の位置にあるとき、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い。
【0021】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体内には保護収納溝が設けられており、遮光部が保護収納溝内に収納でき、遮光部がチップ固定ベースに固着して接続され、チップ固定ベースは伸び出し、チップとスタイラスとは電気的に接続されると、遮光部は保護収納溝から伸び出して前記探知光を遮る。
【0022】
第2の態様では、本願は、プリンタと上記の第1の態様に記載のインクカートリッジとを備える印刷機器を開示し、インクカートリッジが少なくとも1つあり、プリンタにはインクカートリッジに対応するスタイラスが設けられており、プリンタにはインクカートリッジに対応する装着部がさらに設けられており、インクカートリッジが装着部によってプリンタに固定され、前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される。
【発明の効果】
【0023】
上記の技術的解決手段を参照して、本願により提供されるインクカートリッジはプリンタに装着されるとき、プリンタは、インクカートリッジ上のチップ固定ベースがインクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、このようにすると、チップとスタイラスとが電気的に接続されるまで、チップ固定ベース上のチップとインクカートリッジとの間隔は増加しつつ、チップとスタイラスとの距離は減少し、このとき、インクカートリッジはプリンタに固定して接続されるようになる。同時に、チップ固定ベースはプリンタによってスタイラスに突き当てられ、インクカートリッジとプリンタとの間に相対的移動がない限り、チップはスタイラスとの電気的接続状態を維持することができ、すなわり、チップとスタイラスとの接続は比較的安定になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の実施例により提供される印刷機器の構造概略図である。
図2図1のインクカートリッジの分解構造概略図である。
図3図1のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。
図4図3のA部分の構造概略図である。
図5図3のストッパ部配置時A部分の構造概略図である。
図6図5の分解構造概略図である。
図7図3のスタイラスの構造概略図である。
図8図3の側面図である。
図9図8のB部分の構造概略図である。
図10図8のストッパ部配置時B部分の構造概略図である。
図11図1のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図12図11のC部分の構造概略図である。
図13図11のインクカートリッジの一部の構造概略図である。
図14図13のD部分の構造概略図である。
図15図13の側面図である。
図16図15のE部分の構造概略図である。
図17図12のストッパ部配置時E部分の構造概略図である。
図18図1の遮光部とチップ固定ベースとが接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図19図18のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。
図20図18のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図21図1のプリンタがチップ固定ベースの両側に当接されるときインクカートリッジの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
背景技術に記述したように、従来の技術において、チップは弾性部材を介してインクカートリッジに接続され、弾性部材はその弾性力がプリンタの揺れや弾性部材の使用寿命の長短などの外力の影響を受けて伸縮しやすいため、チップがスタイラスに強固に当接できないという状況は発生しやすい。
【0026】
このことを鑑みて、本願の実施例は、インクカートリッジ及び印刷機器を提供し、そのうち、インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップ固定ベース上のチップとスタイラスとの距離を、チップとスタイラスとを電気的に接続するまで小さくするために、プリンタは、チップ固定ベースがインクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、このとき、インクカートリッジはプリンタに固定して装着され、チップ固定ベースはプリンタによってスタイラスに突き当てられ、チップとスタイラスとの接続は強固になる。
【0027】
図1は、本願の実施例により提供される印刷機器の構造概略図である。図2は、図1のインクカートリッジの分解構造概略図である。図3は、図1のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。図4は、図3のA部分の構造概略図である。図5は、図3のストッパ部配置時A部分の構造概略図である。図6は、図5の分解構造概略図である。図7は、図3のスタイラスの構造概略図である。図8は、図3の側面図である。図9は、図8のB部分の構造概略図である。図10は、図8のストッパ部配置時B部分の構造概略図である。図11は、図1のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図12は、図11のC部分の構造概略図である。図13は、図11のインクカートリッジの一部の構造概略図である。図14は、図13のD部分の構造概略図である。図15は、図13の側面図である。図16は、図15のE部分の構造概略図である。図17は、図12のストッパ部配置時E部分の構造概略図である。図18は、図1の遮光部とチップ固定ベースとが接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図19は、図18のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。図20は、図18のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図21は、図1のプリンタがチップ固定ベースの両側に当接されるときインクカートリッジの構造概略図である。
【0028】
図1図21を参照されたい。本実施例は、プリンタ20に適用される、インクカートリッジ10を提供し、プリンタ20にはスタイラス210が設けられ、当該インクカートリッジ10は、インクカートリッジ本体11、チップ12、及びチップ固定ベース13を備え、チップ12がチップ固定ベース13に固着され、インクカートリッジ10が装着方向Xに沿ってプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20は、チップ固定ベース13が前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第1の位置に位置する前記チップは前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される。
【0029】
具体的に、プリンタ20はインクジェットプリンタとすることができ、インクカートリッジ10は、プリンタ20に接続され、プリンタ20にインクを供給するために用いられる。
【0030】
インクカートリッジ10はインクカートリッジ本体11を含み、インクカートリッジ本体11内には、インク袋又はインクカートリッジ本体11の内部に直接に形成されている密閉空洞など、インクを盛る容器状の構造が設けられている。容器状の構造にはインク排出口114が設けられており、インク排出口114がプリンタ20のインク供給部材(図示しない)に連通し、プリンタ20上のプリントヘッド(図示しない)がインク供給部材に接続される。このように、インクは、プリンタ20が予め設定された文字や画像を印刷するように、インク排出口114及びインク供給部材によってプリントヘッドに輸送されることができる。
【0031】
インクカートリッジ本体11には、インクがインク排出口114を経由して排出できるように、インクカートリッジ本体11の内部の圧力を調整するための空気口115がさらに設けられている。
【0032】
インクカートリッジ本体11にはチップ12及びチップ固定ベース13がさらに設けられ、チップ12がチップ固定ベース13に係止されている。プリンタ20にはスタイラス210がさらに設けられ、スタイラス210の構造は当業者に周知の構造とすることができ、例えば、スタイラス210は弾性部材とすることができる。チップ12には電気的接続部が設けられ、電気的接続部がスタイラス210に当接して接触されると、チップ12は電気スタイラス210と電気的に接続され、チップ12はプリンタ20と通信することができる。
【0033】
ここで、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続され、例えばチップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対してスライド又は回転するように接続される。本実施例では、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11の頂面に沿って直線的に移動することができ、これによって、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11から伸び出し、すなわち、チップ12がインクカートリッジ本体11から伸び出すように駆動し、このとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間隔は増加し、チップ12とスタイラス210との間隔は小さくなる。
【0034】
すなわち、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する前、チップ固定ベースは第1の位置に位置し、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動した後、チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第2の位置に位置する前記チップは前記第1の位置に位置する前記チップよりも前記スタイラスに近く、このように、チップとスタイラスとの電気的接続は実現される。
【0035】
ここで、インクカートリッジ本体11の頂面の構造に応じて、チップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する方式は異なってもよい。例えば、チップ固定ベース13に接触するインクカートリッジ本体11の位置が平たい面である場合、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する直線的な移動は平たい面に沿う並進移動となる。
【0036】
チップ固定ベース13の直線的な移動距離はプリンタ20上のスタイラス210の装着位置に応じて設定されることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0037】
プリンタ20にインクカートリッジ10を装着するとき、プリンタ20はチップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動するように駆動すると、チップ固定ベース13のチップ12が固定されている一端とスタイラス210との間の間隔が小さくなり、すなわち、チップ12の電気的接続部がスタイラス210のスタイラス210に突き当てられチップ12がスタイラス210と電気的に接続されるまで、チップ12とスタイラス210との間の間隔が小さくなっていき、このとき、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、インクカートリッジ10はプリンタ20とは相対的に固定されるようになる。
【0038】
すなわち、このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に設けられるようになり、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合によって固定され、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との接続は強固であるため、インクカートリッジ本体11はプリンタ20に対して相対的に移動しない限り、例えばインクカートリッジ本体11はプリンタ20から取り外されない限り、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に支持されることができ、すなわち、チップ12とスタイラス210との電気的接続は強固となる。
【0039】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11の頂面は凹凸のある頂面である場合、チップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する方式は、チップがスタイラスの一側に向かって伸び出すことができるように、並進移動と回転との組み合わせの形式とすることができる。具体的に、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との一方にはスライド部131が設けられ、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との他方にはガイド部111が設けられており、ガイド部111がチップ固定ベース13の移動方向Yに沿って延在し、スライド部131はガイド部111に挿着されて且つガイド部111に対して移動することができ、また、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を中心としてインクカートリッジ本体11に対して回転することもできる。
【0040】
ここで、スライド部131はガイド部111の延伸方向に沿ってガイド部111に対して移動することができ、これによって、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との相対的な並進移動は実現される。さらに、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を軸として回転することもできる。このように、チップ固定ベース13の一端はインクカートリッジ本体11に近い側に向かって直線的に移動し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている他端はインクカートリッジ本体11から離れる側に向かって直線的に移動することによって、チップ12とスタイラス210との間隔を小さくする。
【0041】
チップ固定ベース13は、スタイラス210の配置位置及び向きに応じて、移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xと角度をもって設けられることができる。選択的に、ガイド部111は延伸方向がインクカートリッジ10の装着方向Xと平行であるように設けられ、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ10の装着方向Xの逆方向に向かってインクカートリッジ本体11に対して移動することができ、構造が簡単である。
【0042】
そして、スライド部131は延伸方向がガイド部111の延伸方向に垂直であるように設けられる。このように、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を中心として回転すると、チップ固定ベース13の一端はインクカートリッジ本体11に近い側に向かって回転し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている他端はインクカートリッジ本体11から離れる側に向かって回転し、チップ12とスタイラス210との間の間隔を減少していく。
【0043】
ここで、スライド部131はインクカートリッジ本体11に、ガイド部111はチップ固定ベース13に設けられるようにしてもよい。また、チップ固定ベース13の小さなサイズを考えると、選択的に、スライド部131はチップ固定ベース13に、ガイド部111はインクカートリッジ本体11に設けられるようにしてもよく、容易に加工成形することができる。
【0044】
スライド部131及びガイド部111は構造が異なってもよい。例示的に、スライド部131はチップ固定ベース13にヒンジ接続され、ガイド部111はスライド部131に接続されるガイド突起又はガイド溝などであるようにする。
【0045】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部111はインクカートリッジ本体11に設けられるスライド可能ガイド溝とし、スライド部131はチップ固定ベース13に設けられる円柱状構造のものとし、スライド部131は、スライド可能ガイド溝内に挿着され、且つスライド可能ガイド溝に対して移動することができる。このとき、スライド部131はチップ固定ベース13から突出するように設けられ、スライド可能ガイド溝はインクカートリッジ本体11に設けられ、構造が簡単で、容易に成形することができる。
【0046】
そこで、スライド部131をスライド可能ガイド溝の内壁面によって位置制限するとともに、ガイド部111の幅方向でのスライド部131のブレを回避するために、スライド可能ガイド溝は幅が円柱状構造の外径と同じであるように設けられることができ、チップ固定ベース13は移動安定性が高い。
【0047】
チップ固定ベース13はプリンタ20の駆動下でインクカートリッジ本体11に対して回転することができる。例えば、プリンタ20には突当り部が設けられ、チップ固定ベース13は突当り部の端面に当接されると、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11から離れる方向への駆動力を得られ、チップ固定ベース13が回転するように駆動する。
【0048】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11にはインクカートリッジ本体11から突出する駆動部112が設けられ、駆動部112はスタイラス210に向かって突出し、駆動部112はチップ固定ベース13のスタイラス210から離れる側に位置し、且つ駆動部112はチップ固定ベース13の移動軌跡に設けられ、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13が駆動部112の壁面に沿って駆動部112に対して移動すると同時にスライド部131を中心として回転するとともに、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が変化するように、駆動部112に接触することができる。
【0049】
駆動部112はインクカートリッジ本体11の壁面から突出し、駆動部112の壁面が1つの滑らかな曲面を少なくとも含み、このように、チップ固定ベース13は駆動部112に接触して駆動部112の壁面に沿って駆動部112に対して移動するとき、チップ固定ベース13は移動過程が平穏である。
【0050】
駆動部112は柱状突起又は球状突起とすることができ、駆動部112は柱状突起である場合、駆動部112は断面形状が不規則な曲線形状とすることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0051】
チップ固定ベース13と駆動部112との接触軌跡の長さに応じて、滑らかな曲面のガイド部111の延伸方向に沿う分布の長さは異なってもよい。例示的に、本実施例では、滑らかな曲面はガイド部111の延伸方向に沿って駆動部112をカバーする構成とすることができ、この場合、駆動部112は、壁面がインクカートリッジ本体11と滑らかに接続される。
【0052】
駆動部112はチップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端に位置し、このように、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端は駆動部112の異なる位置に接触するとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔はそれに応じて増加又は減少し、すなわち、チップ12とスタイラス210との間の間隔はそれに応じて増加又は減少し、このとき、チップ固定ベース13はスライド部131を軸として回転する。
【0053】
例示的に、チップ固定ベース13は駆動部112の頂端に接触するとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔は最も大きく、チップ12とスタイラス210とは電気的に接続される。このとき、チップ固定ベース13の1つの側面が駆動部112に押し付けられ、チップ固定ベース13上のチップ12がスタイラス210に押し付けられ、チップ12とスタイラス210との接続は堅固である。
【0054】
駆動部112は、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する相対的な移動方向Yに応じて、異なる位置に設けられることができ、例えば、チップ固定ベース13の移動方向Yが装着方向Xと同じ方向である場合、駆動部112はチップ固定ベース13の一側に設けられることができ、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して移動する過程では、駆動部112に近い側又は遠い側に向かって移動する。
【0055】
チップ固定ベース13の移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xと逆である場合、いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13には駆動部112を収容するための収容溝132が、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致するか、又は、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きい、ように設けられている。
【0056】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されていないとき、駆動部112はチップ固定ベース13の収容溝132内に位置する。
【0057】
プリンタ20へのインクカートリッジ10の装着中に、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、スライド部131は駆動部112から離れる側に向かって移動し、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触するとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるまで増加していき、すなわち、チップ固定ベース13は移動すると同時にスライド部131を中心として回転していく。
【0058】
そして、チップ固定ベース13は、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致する場合に、ガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転する。また、チップ12の固定部材は、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きい場合に、まず、ガイド部111に沿ってインクカートリッジ本体11に対して移動し、そして、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触し、このとき、チップ固定ベース13はガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転し、チップ固定ベース13がガイド部111に沿って移動する行程に応じて決定する。
【0059】
図11図16を参照されたい。いくつかの選択的な実施形態では、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるときスライド部131がガイド部111の端部に当接されるようにするために、ガイド部111の延伸長さを、チップ固定ベース13の移動行程と同じであるようにしている。
【0060】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されると、スライド部131はガイド部111の端部まで移動してガイド部111の端部に当接される。
【0061】
このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112に当接され、チップ固定ベース13の対向する側面にはスタイラス210に当接されるチップ12が搭載され、且つチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う一端がプリンタ20に当接され、チップ固定ベース13のスライド部131がガイド部111の端部に当接される。このように、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合関係によって、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に挟み込まれ、チップ12とスタイラス210との接続も強固になる。
【0062】
理解できるものとして、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20は印刷作業を行うことができる。プリンタ20が印刷作業を継続的に行われるようにするために、プリンタ20上のスタイラス210はチップ12とは安定した電気的接続状態にあるようにする必要がある。
【0063】
図5図6図10、及び図17を参照されたい。本実施例におけるインクカートリッジ本体11にはストッパ部116が設けられ、チップ固定ベース13は第2の位置に位置し、インクカートリッジ10はプリンタ20に電気的に接続されると、チップ固定ベース13はストッパ部116に当接される。そこで、チップ固定ベース13がストッパ部116に当接される部位はストッパ部116の第2の位置に向く側に位置し、このように、チップ固定ベース13の第2の位置から第1の位置までの移動路径にストッパ部116を設けることにより、チップ固定ベース13が第1の位置側に向かって移動することを回避し、すなわち、チップ12とスタイラス210との安定した電気的接続状態を保持される。
【0064】
ストッパ部116はインクカートリッジ本体11の頂面に設けられる溝とすることができ、このように、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13の構造の一部がストッパ部116内に伸びてストッパ部116に係接されることによって、第2の位置に係止されるようになっている。
【0065】
いくつかの選択的な実施形態では、ストッパ部116はインクカートリッジ本体11の外面から突出し、チップ固定ベース13の外壁面がストッパ部116に当接されることができる。
【0066】
このように、ストッパ部116は、第2の位置側に向く側面及び第1の位置側に向く側面を備えるようになっている。ストッパ部116の第2の位置側に向く側面とインクカートリッジ本体11の頂面との間は収容溝として挟むように構成されることができ、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置は収容溝内に収容されてストッパ部116の第2の位置側に向く側面に当接されることができる。
【0067】
このとき、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置はチップ固定ベース13の外壁面の一部とすることができ、構造が簡単であり、容易に成形することができる。
【0068】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に向く側には突出する係接部134が設けられ、チップ固定ベース13は第2の位置に位置すると、係接部134はストッパ部116に当接され、且つチップ固定ベース13は第1の位置と第2の位置との間で切り替えられると、係接部134はストッパ部116の壁面に沿ってストッパ部116の両側に移動することができる。
【0069】
すなわち、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置はまた、突出する係接部134とすることもでき、係接部134はインクカートリッジ本体11側に向かって突出し、構造が簡単であり、係接状態は堅固である。
【0070】
係接部134の突出高さとストッパ部116の突出高さは同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。本実施例では、係接部134の突出高さとストッパ部116の突出高さとは同じで、このように、チップ固定ベース13は外壁面がストッパ部116の頂端に当接でき、且つインクカートリッジ本体11は頂面が係接部134に当接でき、インクカートリッジ本体11とチップ固定ベース13との接触面積は大きく、係接は安定性が高い。
【0071】
このように、チップ固定ベース13は第2の位置に位置すると、係接部134はストッパ部116の第2の位置に向く側に位置してストッパ部116に当接されることができる。チップ固定ベース13は第1の位置側に向かって移動すると、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11の頂面に沿って先に移動し、係接部134はそれに応じてストッパ部116の外壁面に沿ってストッパ部116の第1の位置に向く側まで移動してストッパ部116から離れる側に向かって移動することができる。すなわち、チップ固定ベース13は第1の位置と第2の位置との間で切り替えられると、係接部134はストッパ部116の壁面に沿ってストッパ部116の第1の位置に向く側と第2の位置に向く側との両側に移動することができる。
【0072】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体には突出する駆動部が設けられるとき、ストッパ部は駆動部の外壁面に設けられ、且つ駆動部112はチップ固定ベース13の移動軌跡に設けられ、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13が駆動部112とストッパ部116との壁面に沿って駆動部112に対して移動すると同時にスライド部131を中心として回転するとともに、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が変化するように、駆動部112とストッパ部116とに接触することができる。
【0073】
このとき、ストッパ部116は駆動部112の外壁面に形成されている溝とすることができる。このとき、チップ固定ベース13が溝に当接されるとき第1の位置に位置するチップ12が第2の位置に位置するチップ12よりもインクカートリッジ本体11の頂面に近いようにするために、溝の凹み深さを駆動部112の突出高さよりも小さくしている。
【0074】
本実施例は、ストッパ部116が駆動部112の外壁面から突出することを例にして説明する。理解できるものとして、ストッパ部116がインクカートリッジ本体11の頂面から突出する突出高さは、駆動部112がインクカートリッジ本体11の頂面から突出する突出高さよりも大きいようにしている。このように、係接部134は端部がストッパ部116の端部に当接されるとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間の間隔は最も大きく、このとき、チップ12はスタイラス210に押し付けられるようになる。チップ固定ベース13は第2の位置まで移動すると、係接部134は端部がストッパ部116とインクカートリッジ本体11との間に形成している収容溝内に移動し、係接部134は側壁面がストッパ部116の第2の位置側に向く側壁面に当接され、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間の間隔は減少され、スタイラス210とチップ12との押し付け程度もそれに応じて低くなる。
【0075】
駆動部112は、インクカートリッジ10がプリンタ20に装着されるときチップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する相対的な移動方向に応じて、異なる位置に設けられることができ、例えば、駆動部112は、チップ固定ベース13の移動方向が装着方向Xと同方向である場合、チップ固定ベース13の一側に設けられることができ、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11に対して移動する過程では、駆動部112に近い側又は遠い側に向かって移動する。
【0076】
インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、チップ固定ベース13の移動方向がインクカートリッジ10の装着方向Xと逆である場合、いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置は収容溝132の外に位置する。
【0077】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されていないとき、駆動部112とストッパ部116はチップ固定ベース13の収容溝132内に位置する。
【0078】
プリンタ20へのインクカートリッジ10の装着中に、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、スライド部131は駆動部112から離れる側に向かって移動する。チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触するとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は増加し、すなわち、チップ固定ベース13は移動すると同時にスライド部131を中心として回転する。そこで、係接部134の端部がストッパ部116の端部に当接されるとき、当該間隔は最大値に達する。この後、チップ固定ベース13は、係接部134がストッパ部116とインクカートリッジ本体11とで形成された収容溝内に落ち込むまで、第2の位置側に向かって引き続き移動することにしたがって、当該間隔はそれに応じて減少していき、このときチップ12とスタイラス210とは電気的に接続されるようになっている。
【0079】
収容溝132は輪郭が異なるようにすることができる。例えば、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致し、チップ固定ベース13がガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転するようにすることができる。この場合、ストッパ部116は駆動部112の外壁面から突出し、収容溝132にはそれに応じて駆動部112を収容する領域が設けられる。又は、ストッパ部116は駆動部112に形成されている溝とする場合、当該溝の開口は収容溝132の内壁面によって封鎖され得る。
【0080】
当然ながら、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きく、すなわち、収容溝132の収容空間が駆動部112の体積よりも大きい。チップ固定ベース13はまずガイド部111に沿ってインクカートリッジ本体11に対して移動し、そしてチップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触することができ、このとき、チップ固定ベース13はガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転し、チップ固定ベース13のガイド部111に沿う移動行程に応じて決定する。
【0081】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部111の延伸長さがチップ固定ベース13の移動行程に等しく、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるとき、スライド部131はガイド部111の端部に当接され且つチップ固定ベース13はストッパ部116に当接される。
【0082】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されると、スライド部131はガイド部111の端部まで移動してガイド部111の端部に当接される。
【0083】
このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112とストッパ部116とに当接され、チップ固定ベース13の対向する側面にはスタイラス210に当接されるチップ12が搭載され、且つチップ固定ベース13のスライド部131がガイド部111の端部に当接される。このように、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合関係によって、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に挟み込まれ、チップ12とスタイラス210との接続も強固になっている。
【0084】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との間には弾性力がチップ固定ベース13の移動方向Yと平行かつ反対である弾性復帰部材14が設けられ、インクカートリッジ10はプリンタ20から離れると、チップ固定ベース13は、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が減少するように、弾性復帰部材14の弾性力の作用下でガイド部111の延伸方向に沿って移動することができる。
【0085】
このように、インクカートリッジ10を点検などのためにプリンタ20から取り外すとき、チップ固定ベース13は弾性部材の弾性力の作用下で移動することができ、チップ固定ベース13は、駆動部112が収容溝132内に収容されるまで、インクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112に対して移動し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は減少していく。このように、チップ12とインクカートリッジ本体11との間隔を小さくすることにより、チップ12を保護し、外部のものがチップ12に衝突する確率を低下することができる。
【0086】
弾性復帰部材14はバネや弾性ゴムブロックなどとすることができる。
【0087】
当然ながら、チップ固定ベース13は弾性復帰部材14の弾性力を継続的に受けるが、インクカートリッジ本体11の頂面にはストッパ部116が設けられているため、チップ固定ベース13は弾性力の作用下でストッパ部116に突き当てられることができ、チップ固定ベース13は弾性復帰部材14の弾性力によってチップ12がスタイラス210から離れるという状況を回避する。
【0088】
プリンタ20は、チップ固定ベース13の構造及びプリンタ20の構造に応じて、チップ固定ベース13の任意の位置に当接され得る。チップ固定ベース13は移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xとは逆であるように設けられていることを考えると、選択的に、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置はチップ固定ベース13の自身の移動方向Yに沿う端部に位置し、及び/又は、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置はチップ固定ベース13の自身の移動方向Yに沿う両側に位置する。
【0089】
そこで、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置は、チップ固定ベース13とプリンタ20との接触面積が大きく、チップ固定ベース13とプリンタ20との接触が安定的であるようにするために、接触面133とすることができる。接触面133はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う端面(図11図16に示すように)とすることができる。当然ながら、当該接触面133は、チップ固定ベース13の装着方向Xに沿う任意の片側又は両側(図18図21に示すように)に設けられてもよく、本実施例はそれを限定しない。
【0090】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11には遮光部15がさらに設けられており、遮光部15は、インクカートリッジ10がプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20の探知光を遮り、インクカートリッジ10の装着完了をプロンプトするために用いられる。
【0091】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、インクカートリッジ本体11上の遮光部15はプリンタ20の探知光を遮断又は反射することができ、プリンタ20の制御システムは探知光が遮断又は反射されたという信号を受信すると、インクカートリッジ10の装着完了、すなわち、インクカートリッジ10とプリンタ20とが強固に接続されると判断する。
【0092】
インクカートリッジ10はさまざまな種類があってもよく、例えばインクカートリッジ10に異なる色や種類のインクを配置することができ、プリンタ20がインクカートリッジ10の種類を識別して区別できるようにするためには、いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11の探知光の放射方向に沿う異なる位置に遮光部15を設け、探知光の放射距離を変えることによってインクカートリッジ10の種類を区別することができる。
【0093】
このように、探知光の放射方向に沿う異なる位置に遮光部15を設けることに応じて、プリンタ20上の探知光を発光する部材と遮光部15との間隔は変化し、すなわち、探知光の放射距離は変化し、プリンタ20の制御システムは探知光の放射距離に従って現在のインクカートリッジ10の種類を識別することができる。
【0094】
遮光部15はインクカートリッジ本体11に固着して接続され得る。
【0095】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、前記第1の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、前記第2の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い。
【0096】
ここで、インクカートリッジ本体でのインク排出口、遮光部、及びチップ固定ベースの相対的な位置関係は必要に応じて設定されることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0097】
遮光部はインクカートリッジ本体に固着されるとき、遮光部はインクカートリッジ本体の外壁面から突出する。そのため、チップ固定ベースは第1の位置に位置すると、チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高く、遮光部はチップを保護することができる。例えば、インクカートリッジ本体に外部のものは衝突したとしても、遮光部に衝突すると止まるので、チップを外物の衝突から守る。
【0098】
インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップはスタイラスの一側に向かって伸び出し、チップの重力方向に沿う伸出距離はインクカートリッジのプリンタに対する組立の構造に応じて設定されることができ、例えば、チップとスタイラスとが電気的に接続されると、チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高いようにする。
【0099】
なお、遮光部15はさらにインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続され得る。いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11には保護収納溝113が設けられ、遮光部15は保護収納溝113内に収容され得る。
【0100】
このように、遮光部15は、外力の衝突に当てられると、保護収納溝113内に自動的に移動し、このとき、遮光部15はインクカートリッジ本体11の外壁面から突出しないようになるので、遮光部15は保護され、遮光部15が外力の衝突によって変形したり破損したりすることは回避される。
【0101】
インクカートリッジ本体11には保護収納溝113が設けられるとき、インクカートリッジ10の種類を容易に識別できるためには、いくつかの選択的な実施形態では、保護収納溝113は、遮光部15が保護収納溝113から伸び出すようにするための複数の出入口1131を備え、複数の出入口1131は探知光の放射方向に沿って間隔を置いて設けられ、遮光部15は異なる出入口1131を経由して伸び出し、探知光の放射距離を変えることによってインクカートリッジ10の種類を区別することができる。
【0102】
このとき、インクカートリッジ本体11には出入口1131に対応する複数の遮光部15を設け、インクカートリッジ10の種類に応じて遮光部15のうちの1つを選択し出入口1131を経由して保護収納溝113から伸び出させてもよい。
【0103】
当然ながら、インクカートリッジ本体11には1つの遮光部15を設け、インクカートリッジ10の種類に応じて遮光部15を対応する出入口1131の位置に設けてもよい。
【0104】
このように、遮光部15は異なる出入口1131を経由して保護収納溝113から伸び出すとき、プリンタ20上の探知光を発光する部材と遮光部15との間隔は変化し、すなわち、探知光の放射距離は変化し、プリンタ20の制御システムは探知光の放射距離に従って現在のインクカートリッジ10の種類を識別することができる。
【0105】
遮光部15はインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続されるとき、遮光部15は、保護収納溝113に対する取り込み又は伸び出しが実現されるように、構造が異なってもよい。例示的に、遮光部15はインクカートリッジ本体11にスライド接続され得る。
【0106】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ10はインクカートリッジ本体11に対して回転するように接続されている遮光部材16を有し、遮光部材16はカウンターウェイト部161と遮光部15とを有し、カウンターウェイト部161と遮光部15はそれぞれ遮光部材16の回転軸の両側に設けられ、且つ遮光部材16の回転軸とカウンターウェイト部161とがいずれも保護収納溝113内に位置し、また、遮光部15が保護収納溝113から伸び出すようにするためには、カウンターウェイト部161の重力が遮光部15の重力よりも大きいように設定し、さらに、遮光部15は遮光部材16の回転軸を中心として回転して保護収納溝113内に収容されてもよい。
【0107】
このように、自然の状態下では、カウンターウェイト部161は遮光部15の高さ方向に沿う下側に位置し、遮光部15は保護収納溝113から伸び出す構成である。
【0108】
遮光部15は外部の物体から衝突や衝撃を受けると、遮光部材16は自身の回転軸を中心として回転し、遮光部15は保護収納溝113内に回転することができ、このとき、カウンターウェイト部161は遮光部材16の回転軸を中心として上へと回転しながらも依然として保護収納溝113内に位置し、すなわち、このとき、遮光部材16全体は保護収納溝113内に位置する。
【0109】
外部の物体は遮光部15又はインクカートリッジ本体11から離れると、カウンターウェイト部161は自身の重力の作用下で遮光部材16の回転軸を中心として回転し、遮光部15はそれに応じて保護収納溝113から伸び出し、構造が簡単である。
【0110】
図18図20を参照されたい。いくつかの選択的な実施形態では、遮光部15はチップ固定ベース13に固着して接続され、チップ固定ベース13は伸び出し、チップ12とスタイラス210とは電気的に接続されるとき、遮光部15は保護収納溝113から伸び出す。
【0111】
このとき、チップ固定ベース13は駆動部112に当接されていないとき、遮光部15は保護収納溝113内に収容され得る。
【0112】
プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、且つチップ固定ベース13が駆動部112に当接されるとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は大きくなり、このとき、遮光部15はチップ固定ベース13に従って回転して保護収納溝113から伸び出す。
【0113】
すなわち、本実施例では、自然の状態下では、遮光部15は保護収納溝113内に収容されている。インクカートリッジ10はプリンタ20に固定して接続されるとき、遮光部15は保護収納溝113から伸び出してプリンタ20の探知光を遮る。
【0114】
このとき、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される接触面はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う端面となる。
【0115】
チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される接触面はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う両側に位置するとき、図21を参照されたい。このとき、チップ固定ベース13は遮光部15とは互いに独立して設けられ、接触面133はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う任意の一側に位置してもよいし両側に同時に設けられてもよい。プリンタ20のチップ固定ベース13に当接される位置はそれに応じて、チップ固定ベース13の装着方向Xに沿う両側に位置する。
【0116】
本実施例は、さらに、プリンタ20と上記のインクカートリッジ10とを備える印刷機器を提供し、インクカートリッジ10が少なくとも1つあり、プリンタ20にはインクカートリッジ10に対応するスタイラス210が設けられ、プリンタ20にはインクカートリッジ10に対応する装着部21がさらに設けられ、インクカートリッジ10は装着部21を介してプリンタ20に固定される。
【0117】
プリンタ20はプリントヘッド(図示しない)と、プリントヘッドとインクカートリッジ本体11との間に設けられているインク供給部(図示しない)と、を備える。インクカートリッジ本体11内には、インク袋又はインクカートリッジ本体11の内部に直接に形成されている密閉空洞など、インクを盛る容器状の構造が設けられている。容器状の構造には、プリンタ20のインク供給部材(図示しない)に連通するインク排出口114が設けられている。このように、インクは、プリンタ20が予め設定された文字や画像を印刷するように、インク排出口114及びインク供給部材によってプリントヘッドに輸送される。インクカートリッジ10の構造、作業原理及び達成できる技術的効果は上記の実施例で説明されているため、本実施例は繰り返して説明しない。
【0118】
プリンタ20は、さらに、スタイラス210を備え、スタイラス210はチップ12に電気的に接続されると、チップ12とプリンタ20との通信は実現される。本実施例はプリンタ20の構造を限定しない。
【0119】
インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動すると同時にチップ固定ベース13が回転するように駆動し、チップ固定ベース13のチップ12が固定されている一端とスタイラス210との間の間隔は小さくなり、すなわち、チップ12の電気的接続部がスタイラス210に突き当てられるまで、チップ12とスタイラス210との間の間隔は小さくなっていき、このとき、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、インクカートリッジ10とプリンタ20とは相対的に固定されるようになっている。
【0120】
すなわち、このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に設けられ、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合によって固定され、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との接続が比較的強固であるため、インクカートリッジ本体11とプリンタ20とが相対的に移動しない限り、例えばインクカートリッジ10をプリンタ20から取り外す場合、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に支持されることができ、すなわち、チップ12とスタイラス210との電気的接続は強固になっている。
【0121】
いくつかの選択的な実施形態では、装着部21はプリンタ20に形成されている装着用溝であり、前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される。
【0122】
このように、インクカートリッジ10は装着用溝内に挿着されることによってプリンタ20に固定して接続される。装着用溝内へのインクカートリッジ10の挿着中に、装着用溝の内壁面の構造の一部、すなわち、突当り部22はチップ固定ベース13の移動及び回転を駆動することができる。突当り部22はチップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して移動するように駆動するプロセスは、上記の実施例で説明されているため、本実施例は繰り返して説明しない。
【0123】
突当り部22は装着用溝の内壁面の突出構造とすることができ、突出構造はバンプや他の任意の構造とすることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0124】
以上は、本願の具体的な実施形態にすぎず、本願の保護範囲はそれに限定されるものではなく、本願に開示された技術範囲内で当業者が容易に想到し得る変形や置換は、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、記載される特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【0125】
本願は、2021年01月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202110111127.0で、出願の名称が「インクカートリッジ及び印刷機器」という中国特許出願の優先権、及び2021年03月11日に中国特許局に提出された、出願番号が202120527499.7で、出願の名称が「インクカートリッジ」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0126】
10 インクカートリッジ
11 インクカートリッジ本体
111 ガイド部
112 駆動部
113 保護収納溝
1131 出入口
114 インク排出口
115 空気口
116 ストッパ部
12 チップ
13 チップ固定ベース
131 スライド部
132 収容溝
133 接触面
134 係接部
14 弾性復帰部材
15 遮光部
16 遮光部材
161 カウンターウェイト部
20 プリンタ
21 装着部
22 突当り部
210 スタイラス
X 装着方向
Y 移動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに適用される、インクカートリッジであって、前記プリンタにはスタイラスが装着されており、前記インクカートリッジはインクカートリッジ本体、チップ、及びチップ固定ベースを備え、前記チップが前記チップ固定ベースに固着されており、
前記インクカートリッジが装着方向に沿って前記プリンタに装着されると、前記プリンタは、前記チップ固定ベースが前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前に、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、
前記第1の位置に位置する前記チップは前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される、ことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項2】
前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との一方にはスライド部が設けられ、前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との他方にはガイド部が設けられており、前記ガイド部が前記チップ固定ベースの移動方向に沿って延在し、前記スライド部が前記ガイド部に挿着されて且つ前記ガイド部に対して移動でき、且つ前記チップ固定ベースがまた前記スライド部の延伸方向を中心として前記インクカートリッジ本体に対して回転できる、ことを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記インクカートリッジ本体には前記インクカートリッジ本体から突出する駆動部が設けられ、前記駆動部が前記スタイラスに向かって突出し、前記駆動部が前記チップ固定ベースの前記スタイラスから離れる側に位置し、
且つ前記駆動部が前記チップ固定ベースの移動軌跡に設けられ、前記チップ固定ベースは、前記チップ固定ベースが前記駆動部の壁面に沿って前記駆動部に対して移動すると同時に前記スライド部を中心として回転するとともに、前記チップと前記インクカートリッジ本体との間の間隔が変化するように、前記駆動部に接触することができる、ことを特徴とする請求項2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
前記チップ固定ベースには、前記駆動部を収容するための収容溝が設けられ、前記収容溝の輪郭が前記駆動部の輪郭に合致するか、又は、前記収容溝の前記チップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さが前記駆動部の前記チップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さよりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
前記ガイド部の延伸長さは、前記チップと前記スタイラスとが電気的に接続されるとき前記スライド部が前記ガイド部の端部に当接されるように、前記チップ固定ベースの移動行程と同じであるようにしている、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
前記スライド部は前記チップ固定ベースに設けられ、前記ガイド部は前記インクカートリッジ本体に設けられている、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記インクカートリッジ本体に設けられているスライド可能ガイド溝であり、前記スライド部は前記チップ固定ベース上に設けられている円柱状構造のものであり、
前記スライド部は前記スライド可能ガイド溝内に挿着され且つ前記スライド可能ガイド溝に対して移動することができる、ことを特徴とする請求項6に記載のインクカートリッジ。
【請求項8】
前記インクカートリッジ本体にはストッパ部が設けられ、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップ固定ベースが前記第2の位置から前記第1の位置まで移動することを回避するために、前記チップ固定ベースは前記ストッパ部に当接されるようにしている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項9】
前記ストッパ部は前記インクカートリッジ本体の外面から突出し、前記チップ固定ベースの外壁面は前記ストッパ部に当接されることができる、ことを特徴とする請求項8に記載のインクカートリッジ。
【請求項10】
前記チップ固定ベースの前記インクカートリッジ本体に向く側には突出する係接部が設けられ、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記係接部は前記ストッパ部に当接され、
且つ前記チップ固定ベースは前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替えられると、前記係接部は前記ストッパ部の壁面に沿って前記ストッパ部の両側に移動することができる、ことを特徴とする請求項9に記載のインクカートリッジ。
【請求項11】
前記チップ固定ベースと前記インクカートリッジ本体との間には、弾性力の方向が前記チップ固定ベースの移動方向と平行かつ反対である弾性復帰部材が設けられ、
前記インクカートリッジが前記プリンタから離れると、前記チップ固定ベースは、前記チップと前記インクカートリッジ本体との間の間隔が減少するように、前記弾性復帰部材の弾性力の作用下で前記ガイド部の延伸方向に沿って移動することができる、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項12】
前記チップ固定ベースの前記プリンタに当接される位置は前記チップ固定ベースの自身の移動方向に沿う端部に位置し、及び/又は、
前記チップ固定ベースの前記プリンタに当接される位置は前記チップ固定ベースの自身の移動方向に沿う両側に位置する、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項13】
前記ガイド部は延伸方向が前記インクカートリッジの装着方向と平行であるように設けられており、
前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されるとき、前記チップ固定ベースは前記インクカートリッジの装着方向の逆方向に向かって前記インクカートリッジ本体に対して移動することができる、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項14】
前記インクカートリッジ本体には遮光部がさらに設けられており、前記遮光部は、前記インクカートリッジが前記プリンタに装着されるとき、前記プリンタの探知光を遮り、前記インクカートリッジの装着完了をプロンプトするために用いられる、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
【請求項15】
前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、
前記第1の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、
前記第2の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い、ことを特徴とする請求項14に記載のインクカートリッジ。
【請求項16】
前記インクカートリッジ本体内には保護収納溝が設けられ、前記遮光部は前記保護収納溝内に収容されることができ、
前記遮光部は前記チップ固定ベースに固着して接続され、前記チップ固定ベースは伸び出し、前記チップと前記スタイラスとは電気的に接続されるとき、前記遮光部は前記保護収納溝から伸び出して前記探知光を遮る、ことを特徴とする請求項14又は15に記載のインクカートリッジ。
【請求項17】
プリンタと請求項1~16のいずれか1項に記載のインクカートリッジとを備える印刷機器であって、前記インクカートリッジが少なくとも1つあり、前記プリンタには前記インクカートリッジに対応するスタイラスが設けられ、
前記プリンタには前記インクカートリッジに対応する装着部がさらに設けられており、前記インクカートリッジは前記装着部を介して前記プリンタに固定され、
前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される、ことを特徴とする印刷機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷機器技術の分野に関し、より具体的には、インクカートリッジ及び印刷機器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機器は、オフィス機器として一般的なものである。従来の印刷機器は、主にインクジェット印刷の手段を採用し、インクを収容したインクカートリッジを備え、インクカートリッジは、プリンタに装着されて用紙に所望の文字やパターンをインクジェット形成する。
【0003】
例えばUS10507665B2特許文献に開示されているインクカートリッジが存在し、インクカートリッジにはチップが搭載され、プリンタにはスタイラスが装着されており、インクカートリッジをプリンタに装着すると、チップとスタイラスとが電気的に接続され、インクカートリッジとプリンタとの通信は実現される。そこで、インクカートリッジにチップ固定ベースが設けられ、チップをチップ固定ベースに固着するように設けられ、チップ固定ベースとインクカートリッジとを弾性部材を介して接続し、弾性部材の弾性力をスタイラス側に向けて、チップを弾性部材の弾性力によってスタイラスに押し付けることにより、チップとスタイラスとの電気的接続を実現する。
【0004】
しかしながら、弾性部材は伸縮しやすいため、チップ固定ベースの揺れを引き起こし、チップとスタイラスとの電気的接続が不安定になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、チップとプリンタ内のスタイラスとの電気的接続の安定性が高い、インクカートリッジ及び印刷機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願は、プリンタに適用される、インクカートリッジを開示し、プリンタにはスタイラスが装着されており、当該インクカートリッジは、インクカートリッジ本体、チップ、及びチップ固定ベースを含み、前記チップが前記チップ固定ベースに固着されており、前記インクカートリッジが装着方向に沿って前記プリンタに装着されると、前記プリンタは、前記チップ固定ベースが前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第1の位置に位置する前記チップは、前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される。
【0007】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との一方にはスライド部が設けられ、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との他方にはガイド部が設けられており、ガイド部はチップ固定ベースの移動方向に沿って延在し、スライド部はガイド部に挿着されて且つガイド部に対して移動することができ、且つチップ固定ベースはスライド部の延伸方向を中心としてインクカートリッジ本体に対して回転することができる。
【0008】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体にはインクカートリッジ本体から突出する駆動部が設けられ、駆動部はスタイラスに向かって突出し、駆動部はチップ固定ベースのスタイラスから離れる側に位置し、且つ駆動部はチップ固定ベースの移動軌跡に設けられ、チップ固定ベースは、チップ固定ベースが駆動部の壁面に沿って駆動部に対して移動すると同時にスライド部を中心として回転するとともにチップとインクカートリッジ本体との間の間隔が変化するように、駆動部に接触する構成とする。
【0009】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースには、駆動部を収容するための収容溝が、収容溝の輪郭が駆動部の輪郭に合致するか、又は、収容溝のチップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さが駆動部のチップ固定ベースの移動方向に沿う延伸長さよりも大きい、ように設けられている。
【0010】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部の延伸長さは、チップとスタイラスとが電気的に接続されるときスライド部がガイド部の端部に当接されるように、チップ固定ベースの移動行程と同じであるようにしている。
【0011】
いくつかの選択的な実施形態では、スライド部はチップ固定ベースに設けられ、ガイド部はインクカートリッジ本体に設けられている。
【0012】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部はインクカートリッジ本体に設けられているスライド可能ガイド溝とし、スライド部はチップ固定ベースに設けられている円柱状構造のものとし、スライド部はスライド可能ガイド溝内に挿着されて且つスライド可能ガイド溝に対して移動することができる。
【0013】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体にはストッパ部が設けられており、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップ固定ベースが前記第2の位置から前記第1の位置まで移動することを回避するために、前記チップ固定ベースは前記ストッパ部に当接されるようにしている。
【0014】
いくつかの選択的な実施形態では、前記ストッパ部は前記インクカートリッジ本体の外面から突出し、前記チップ固定ベースの外壁面は前記ストッパ部に当接されることができる。
【0015】
いくつかの選択的な実施形態では、前記チップ固定ベースの前記インクカートリッジ本体に向く側には突出する係接部が設けられており、前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記係接部は前記ストッパ部に当接され、且つ前記チップ固定ベースは前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替えられると、前記係接部は前記ストッパ部の壁面に沿って前記ストッパ部の両側に移動することができる。
【0016】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースとインクカートリッジ本体との間には弾性力の方向がチップ固定ベースの移動方向と平行かつ反対である弾性復帰部材が設けられており、インクカートリッジはプリンタから離れると、チップ固定ベースは、チップとインクカートリッジ本体との間の間隔が減少するように、弾性復帰部材の弾性力の作用下でガイド部の延伸方向に沿って移動することができる。
【0017】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベースのプリンタに当接される位置はチップ固定ベースの自身の移動方向に沿う端部に位置し、及び/又は、チップ固定ベースのプリンタに当接される位置はチップ固定ベースの自身の移動方向に沿う両側に位置する。
【0018】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部は、その延伸方向がインクカートリッジの装着方向と平行であるように設けられており、インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップ固定ベースはインクカートリッジ装着方向の逆方向に向かってインクカートリッジ本体に対して移動することができる。
【0019】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体には遮光部がさらに設けられており、遮光部は、インクカートリッジがプリンタに装着されるとき、プリンタの探知光を遮り、インクカートリッジの装着完了をプロンプトするために用いられる。
【0020】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、前記第1の位置にあるとき、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、前記第2の位置にあるとき、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い。
【0021】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体内には保護収納溝が設けられており、遮光部が保護収納溝内に収納でき、遮光部がチップ固定ベースに固着して接続され、チップ固定ベースは伸び出し、チップとスタイラスとは電気的に接続されると、遮光部は保護収納溝から伸び出して前記探知光を遮る。
【0022】
第2の態様では、本願は、プリンタと上記の第1の態様に記載のインクカートリッジとを備える印刷機器を開示し、インクカートリッジが少なくとも1つあり、プリンタにはインクカートリッジに対応するスタイラスが設けられており、プリンタにはインクカートリッジに対応する装着部がさらに設けられており、インクカートリッジが装着部によってプリンタに固定され、前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される。
【発明の効果】
【0023】
上記の技術的解決手段を参照して、本願により提供されるインクカートリッジはプリンタに装着されるとき、プリンタは、インクカートリッジ上のチップ固定ベースがインクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、このようにすると、チップとスタイラスとが電気的に接続されるまで、チップ固定ベース上のチップとインクカートリッジとの間隔は増加しつつ、チップとスタイラスとの距離は減少し、このとき、インクカートリッジはプリンタに固定して接続されるようになる。同時に、チップ固定ベースはプリンタによってスタイラスに突き当てられ、インクカートリッジとプリンタとの間に相対的移動がない限り、チップはスタイラスとの電気的接続状態を維持することができ、すなわり、チップとスタイラスとの接続は比較的安定になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の実施例により提供される印刷機器の構造概略図である。
図2図1のインクカートリッジの分解構造概略図である。
図3図1のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。
図4図3のA部分の構造概略図である。
図5図3のストッパ部配置時A部分の構造概略図である。
図6図5におけるA部分の部分分解構造概略図である。
図7図3のスタイラスの構造概略図である。
図8図3におけるインクカートリッジの側面図である。
図9図8のB部分の構造概略図である。
図10図8のストッパ部配置時B部分の構造概略図である。
図11図1のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図12図11のC部分の構造概略図である。
図13図11のインクカートリッジの一部の構造概略図である。
図14図13のD部分の構造概略図である。
図15図13におけるインクカートリッジの側面図である。
図16図15のE部分の構造概略図である。
図17図12のストッパ部配置時E部分の構造概略図である。
図18図1の遮光部とチップ固定ベースとが接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図19図18のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。
図20図18のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。
図21図1のプリンタがチップ固定ベースの両側に当接されるときインクカートリッジの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
背景技術に記述したように、従来の技術において、チップは弾性部材を介してインクカートリッジに接続され、弾性部材はその弾性力がプリンタの揺れや弾性部材の使用寿命の長短などの外力の影響を受けて伸縮しやすいため、チップがスタイラスに強固に当接できないという状況は発生しやすい。
【0026】
このことを鑑みて、本願の実施例は、インクカートリッジ及び印刷機器を提供し、そのうち、インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップ固定ベース上のチップとスタイラスとの距離を、チップとスタイラスとを電気的に接続するまで小さくするために、プリンタは、チップ固定ベースがインクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、このとき、インクカートリッジはプリンタに固定して装着され、チップ固定ベースはプリンタの装着部によってスタイラスに突き当てられ、チップとスタイラスとの接続は強固になる。
【0027】
図1は、本願の実施例により提供される印刷機器の構造概略図である。図2は、図1のインクカートリッジの分解構造概略図である。図3は、図1のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。図4は、図3のA部分の構造概略図である。図5は、図3のストッパ部配置時A部分の構造概略図である。図6は、図5におけるA部分の部分分解構造概略図である。図7は、図3のスタイラスの構造概略図である。図8は、図3におけるインクカートリッジの側面図である。図9は、図8のB部分の構造概略図である。図10は、図8のストッパ部配置時B部分の構造概略図である。図11は、図1のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図12は、図11のC部分の構造概略図である。図13は、図11のインクカートリッジの一部の構造概略図である。図14は、図13のD部分の構造概略図である。図15は、図13におけるインクカートリッジの側面図である。図16は、図15のE部分の構造概略図である。図17は、図12のストッパ部配置時E部分の構造概略図である。図18は、図1の遮光部とチップ固定ベースとが接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図19は、図18のスタイラスがチップから離れるときインクカートリッジの構造概略図である。図20は、図18のスタイラスとチップとが電気的に接続されるときインクカートリッジの構造概略図である。図21は、図1のプリンタがチップ固定ベースの両側に当接されるときインクカートリッジの構造概略図である。
【0028】
図1図21を参照されたい。本実施例は、プリンタ20に適用される、インクカートリッジ10を提供し、プリンタ20にはスタイラス210が設けられ、当該インクカートリッジ10は、インクカートリッジ本体11、チップ12、及びチップ固定ベース13を備え、チップ12がチップ固定ベース13に固着され、インクカートリッジ10が装着方向Xに沿ってプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20は、チップ固定ベース13が前記インクカートリッジ本体の頂面に沿って直線的に移動するように駆動することができ、前記チップ固定ベースは直線的に移動する前、前記チップ固定ベースは第1の位置に位置し、前記チップ固定ベースは直線的に移動した後、前記チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第1の位置に位置する前記チップは前記第2の位置に位置する前記チップよりも前記インクカートリッジ本体の頂面に近く、且つ前記チップ固定ベースは前記第2の位置に位置すると、前記チップは前記スタイラスに当接される。
【0029】
具体的に、プリンタ20はインクジェットプリンタとすることができ、インクカートリッジ10は、プリンタ20に接続され、プリンタ20にインクを供給するために用いられる。
【0030】
インクカートリッジ10はインクカートリッジ本体11を含み、インクカートリッジ本体11内には、インク袋又はインクカートリッジ本体11の内部に直接に形成されている密閉空洞など、インクを盛る容器状の構造が設けられている。容器状の構造にはインク排出口114が設けられており、インク排出口114がプリンタ20のインク供給部材(図示しない)に連通し、プリンタ20上のプリントヘッド(図示しない)がインク供給部材に接続される。このように、インクは、プリンタ20が予め設定された文字や画像を印刷するように、インク排出口114及びインク供給部材によってプリントヘッドに輸送されることができる。
【0031】
インクカートリッジ本体11には、インクがインク排出口114を経由して排出できるように、インクカートリッジ本体11の内部の圧力を調整するための空気口115がさらに設けられている。
【0032】
インクカートリッジ本体11にはチップ12及びチップ固定ベース13がさらに設けられ、チップ12がチップ固定ベース13に係止されている。プリンタ20にはスタイラス210がさらに設けられ、スタイラス210の構造は当業者に周知の構造とすることができ、例えば、スタイラス210は弾性部材とすることができる。チップ12には電気的接続部が設けられ、電気的接続部がスタイラス210に当接して接触されると、チップ12は電気スタイラス210と電気的に接続され、チップ12はプリンタ20と通信することができる。
【0033】
ここで、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続され、例えばチップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対してスライド又は回転するように接続される。本実施例では、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11の頂面に沿って直線的に移動することができ、これによって、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11から伸び出し、すなわち、チップ12がインクカートリッジ本体11から伸び出すように駆動し、このとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間隔は増加し、チップ12とスタイラス210との間隔は小さくなる。
【0034】
すなわち、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する前、チップ固定ベースは第1の位置に位置し、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動した後、チップ固定ベースは第2の位置に位置し、前記第2の位置に位置する前記チップは前記第1の位置に位置する前記チップよりも前記スタイラスに近く、このように、チップとスタイラスとの電気的接続は実現される。
【0035】
ここで、インクカートリッジ本体11の頂面の構造に応じて、チップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する方式は異なってもよい。例えば、チップ固定ベース13に接触するインクカートリッジ本体11の位置が平たい面である場合、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する直線的な移動は平たい面に沿う並進移動となる。
【0036】
チップ固定ベース13の直線的な移動距離はプリンタ20上のスタイラス210の装着位置に応じて設定されることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0037】
プリンタ20にインクカートリッジ10を装着するとき、プリンタ20はチップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動するように駆動すると、チップ固定ベース13のチップ12が固定されている一端とスタイラス210との間の間隔が小さくなり、すなわち、チップ12の電気的接続部がスタイラス210のスタイラス210に突き当てられチップ12がスタイラス210と電気的に接続されるまで、チップ12とスタイラス210との間の間隔が小さくなっていき、このとき、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、インクカートリッジ10はプリンタ20とは相対的に固定されるようになる。
【0038】
すなわち、このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に設けられるようになり、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合によって固定され、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との接続は強固であるため、インクカートリッジ本体11はプリンタ20に対して相対的に移動しない限り、例えばインクカートリッジ本体11はプリンタ20から取り外されない限り、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に支持されることができ、すなわち、チップ12とスタイラス210との電気的接続は強固となる。
【0039】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11の頂面は凹凸のある頂面である場合、チップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して直線的に移動する方式は、チップがスタイラスの一側に向かって伸び出すことができるように、並進移動と回転との組み合わせの形式とすることができる。具体的に、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との一方にはスライド部131が設けられ、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との他方にはガイド部111が設けられており、ガイド部111がチップ固定ベース13の移動方向Yに沿って延在し、スライド部131はガイド部111に挿着されて且つガイド部111に対して移動することができ、また、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を中心としてインクカートリッジ本体11に対して回転することもできる。
【0040】
ここで、スライド部131はガイド部111の延伸方向に沿ってガイド部111に対して移動することができ、これによって、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との相対的な並進移動は実現される。さらに、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を軸として回転することもできる。このように、チップ固定ベース13の一端はインクカートリッジ本体11に近い側に向かって直線的に移動し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている他端はインクカートリッジ本体11から離れる側に向かって直線的に移動することによって、チップ12とスタイラス210との間隔を小さくする。
【0041】
チップ固定ベース13は、スタイラス210の配置位置及び向きに応じて、移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xと角度をもって設けられることができる。選択的に、ガイド部111は延伸方向がインクカートリッジ10の装着方向Xと平行であるように設けられ、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ10の装着方向Xの逆方向に向かってインクカートリッジ本体11に対して移動することができ、構造が簡単である。
【0042】
そして、スライド部131は延伸方向がガイド部111の延伸方向に垂直であるように設けられる。このように、チップ固定ベース13はスライド部131の延伸方向を中心として回転すると、チップ固定ベース13の一端はインクカートリッジ本体11に近い側に向かって回転し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている他端はインクカートリッジ本体11から離れる側に向かって回転し、チップ12とスタイラス210との間の間隔を減少していく。
【0043】
ここで、スライド部131はインクカートリッジ本体11に、ガイド部111はチップ固定ベース13に設けられるようにしてもよい。また、チップ固定ベース13の小さなサイズを考えると、選択的に、スライド部131はチップ固定ベース13に、ガイド部111はインクカートリッジ本体11に設けられるようにしてもよく、容易に加工成形することができる。
【0044】
スライド部131及びガイド部111は構造が異なってもよい。例示的に、スライド部131はチップ固定ベース13にヒンジ接続され、ガイド部111はスライド部131に接続されるガイド突起又はガイド溝などであるようにする。
【0045】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部111はインクカートリッジ本体11に設けられるスライド可能ガイド溝とし、スライド部131はチップ固定ベース13に設けられる円柱状構造のものとし、スライド部131は、スライド可能ガイド溝内に挿着され、且つスライド可能ガイド溝に対して移動することができる。このとき、スライド部131はチップ固定ベース13から突出するように設けられ、スライド可能ガイド溝はインクカートリッジ本体11に設けられ、構造が簡単で、容易に成形することができる。
【0046】
そこで、スライド部131をスライド可能ガイド溝の内壁面によって位置制限するとともに、ガイド部111の幅方向でのスライド部131のブレを回避するために、スライド可能ガイド溝は幅が円柱状構造の外径と同じであるように設けられることができ、チップ固定ベース13は移動安定性が高い。
【0047】
チップ固定ベース13はプリンタ20の駆動下でインクカートリッジ本体11に対して回転することができる。例えば、プリンタ20には突当り部が設けられ、チップ固定ベース13は突当り部の端面に当接されると、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11から離れる方向への駆動力を得られ、チップ固定ベース13が回転するように駆動する。
【0048】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11にはインクカートリッジ本体11から突出する駆動部112が設けられ、駆動部112はスタイラス210に向かって突出し、駆動部112はチップ固定ベース13のスタイラス210から離れる側に位置し、且つ駆動部112はチップ固定ベース13の移動軌跡に設けられ、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13が駆動部112の壁面に沿って駆動部112に対して移動すると同時にスライド部131を中心として回転するとともに、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が変化するように、駆動部112に接触することができる。
【0049】
駆動部112はインクカートリッジ本体11の壁面から突出し、駆動部112の壁面が1つの滑らかな曲面を少なくとも含み、このように、チップ固定ベース13は駆動部112に接触して駆動部112の壁面に沿って駆動部112に対して移動するとき、チップ固定ベース13は移動過程が平穏である。
【0050】
駆動部112は柱状突起又は球状突起とすることができ、駆動部112は柱状突起である場合、駆動部112は断面形状が不規則な曲線形状とすることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0051】
チップ固定ベース13と駆動部112との接触軌跡の長さに応じて、滑らかな曲面のガイド部111の延伸方向に沿う分布の長さは異なってもよい。例示的に、本実施例では、滑らかな曲面はガイド部111の延伸方向に沿って駆動部112をカバーする構成とすることができ、この場合、駆動部112は、壁面がインクカートリッジ本体11と滑らかに接続される。
【0052】
駆動部112はチップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端に位置し、このように、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端は駆動部112の異なる位置に接触するとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔はそれに応じて増加又は減少し、すなわち、チップ12とスタイラス210との間の間隔はそれに応じて増加又は減少し、このとき、チップ固定ベース13はスライド部131を軸として回転する。
【0053】
例示的に、チップ固定ベース13は駆動部112の頂端に接触するとき、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔は最も大きく、チップ12とスタイラス210とは電気的に接続される。このとき、チップ固定ベース13の1つの側面が駆動部112に押し付けられ、チップ固定ベース13上のチップ12がスタイラス210に押し付けられ、チップ12とスタイラス210との接続は堅固である。
【0054】
駆動部112は、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する相対的な移動方向Yに応じて、異なる位置に設けられることができ、例えば、チップ固定ベース13の移動方向Yが装着方向Xと同じ方向である場合、駆動部112はチップ固定ベース13の一側に設けられることができ、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に対して移動する過程では、駆動部112に近い側又は遠い側に向かって移動する。
【0055】
チップ固定ベース13の移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xと逆である場合、いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13には駆動部112を収容するための収容溝132が、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致するか、又は、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きい、ように設けられている。
【0056】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されていないとき、駆動部112はチップ固定ベース13の収容溝132内に位置する。
【0057】
プリンタ20へのインクカートリッジ10の装着中に、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、スライド部131は駆動部112から離れる側に向かって移動し、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触するとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるまで増加していき、すなわち、チップ固定ベース13は移動すると同時にスライド部131を中心として回転していく。
【0058】
そして、チップ固定ベース13は、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致する場合に、ガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転する。また、チップ12の固定部材は、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きい場合に、まず、ガイド部111に沿ってインクカートリッジ本体11に対して移動し、そして、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触し、このとき、チップ固定ベース13はガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転し、チップ固定ベース13がガイド部111に沿って移動する行程に応じて決定する。
【0059】
図11図16を参照されたい。いくつかの選択的な実施形態では、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるときスライド部131がガイド部111の端部に当接されるようにするために、ガイド部111の延伸長さを、チップ固定ベース13の移動行程と同じであるようにしている。
【0060】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されると、スライド部131はガイド部111の端部まで移動してガイド部111の端部に当接される。
【0061】
このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112に当接され、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に反対する側面にはスタイラス210に当接されるチップ12が搭載され、且つチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う一端がプリンタ20に当接され、チップ固定ベース13のスライド部131がガイド部111の端部に当接される。このように、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合関係によって、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に挟み込まれ、チップ12とスタイラス210との接続も強固になる。
【0062】
理解できるものとして、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20は印刷作業を行うことができる。プリンタ20が印刷作業を継続的に行われるようにするために、プリンタ20上のスタイラス210はチップ12とは安定した電気的接続状態にあるようにする必要がある。
【0063】
図5図6図10、及び図17を参照されたい。本実施例におけるインクカートリッジ本体11にはストッパ部116が設けられ、チップ固定ベース13は第2の位置に位置し、インクカートリッジ10はプリンタ20に電気的に接続されると、チップ固定ベース13はストッパ部116に当接される。そこで、チップ固定ベース13がストッパ部116に当接される部位はストッパ部116の第2の位置に向く側に位置し、このように、チップ固定ベース13の第2の位置から第1の位置までの移動路径にストッパ部116を設けることにより、チップ固定ベース13が第1の位置側に向かって移動することを回避し、すなわち、チップ12とスタイラス210との安定した電気的接続状態を保持される。
【0064】
ストッパ部116はインクカートリッジ本体11の頂面に設けられる溝とすることができ、このように、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13の構造の一部がストッパ部116内に伸びてストッパ部116に係接されることによって、第2の位置に係止されるようになっている。
【0065】
いくつかの選択的な実施形態では、ストッパ部116はインクカートリッジ本体11の外面から突出し、チップ固定ベース13の外壁面がストッパ部116に当接されることができる。
【0066】
このように、ストッパ部116は、第2の位置側に向く側面及び第1の位置側に向く側面を備えるようになっている。ストッパ部116の第2の位置側に向く側面とインクカートリッジ本体11の頂面との間は収容溝として挟むように構成されることができ、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置は収容溝内に収容されてストッパ部116の第2の位置側に向く側面に当接されることができる。
【0067】
このとき、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置はチップ固定ベース13の外壁面の一部とすることができ、構造が簡単であり、容易に成形することができる。
【0068】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に向く側には突出する係接部134が設けられ、チップ固定ベース13は第2の位置に位置すると、係接部134はストッパ部116に当接され、且つチップ固定ベース13は第1の位置と第2の位置との間で切り替えられると、係接部134はストッパ部116の壁面に沿ってストッパ部116の両側に移動することができる。
【0069】
すなわち、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置はまた、突出する係接部134とすることもでき、係接部134はインクカートリッジ本体11側に向かって突出し、構造が簡単であり、係接状態は堅固である。
【0070】
係接部134の突出高さとストッパ部116の突出高さは同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。本実施例では、係接部134の突出高さとストッパ部116の突出高さとは同じで、このように、チップ固定ベース13は外壁面がストッパ部116の頂端に当接でき、且つインクカートリッジ本体11は頂面が係接部134に当接でき、インクカートリッジ本体11とチップ固定ベース13との接触面積は大きく、係接は安定性が高い。
【0071】
このように、チップ固定ベース13は第2の位置に位置すると、係接部134はストッパ部116の第2の位置に向く側に位置してストッパ部116に当接されることができる。チップ固定ベース13は第1の位置側に向かって移動すると、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11の頂面に沿って先に移動し、係接部134はそれに応じてストッパ部116の外壁面に沿ってストッパ部116の第1の位置に向く側まで移動してストッパ部116から離れる側に向かって移動することができる。すなわち、チップ固定ベース13は第1の位置と第2の位置との間で切り替えられると、係接部134はストッパ部116の壁面に沿ってストッパ部116の第1の位置に向く側と第2の位置に向く側との両側の間で移動することができる。
【0072】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体には突出する駆動部が設けられるとき、ストッパ部は駆動部の外壁面に設けられ、且つ駆動部112はチップ固定ベース13の移動軌跡に設けられ、チップ固定ベース13は、チップ固定ベース13が駆動部112とストッパ部116との壁面に沿って駆動部112に対して移動すると同時にスライド部131を中心として回転するとともに、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が変化するように、駆動部112とストッパ部116とに接触することができる。
【0073】
このとき、ストッパ部116は駆動部112の外壁面に形成されている溝とすることができる。このとき、チップ固定ベース13が溝に当接されるとき第1の位置に位置するチップ12が第2の位置に位置するチップ12よりもインクカートリッジ本体11の頂面に近いようにするために、溝の凹み深さを駆動部112の突出高さよりも小さくしている。
【0074】
本実施例は、ストッパ部116が駆動部112の外壁面から突出することを例にして説明する。理解できるものとして、ストッパ部116がインクカートリッジ本体11の頂面から突出する突出高さは、駆動部112がインクカートリッジ本体11の頂面から突出する突出高さよりも大きいようにしている。このように、係接部134は端部がストッパ部116の端部に当接されるとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間の間隔は最も大きく、このとき、チップ12はスタイラス210に押し付けられるようになる。チップ固定ベース13は第2の位置まで移動すると、係接部134は端部がストッパ部116とインクカートリッジ本体11との間に形成している収容溝内に移動し、係接部134は側壁面がストッパ部116の第2の位置側に向く側壁面に当接され、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間の間隔は減少され、スタイラス210とチップ12との押し付け程度もそれに応じて低くなる。
【0075】
駆動部112は、インクカートリッジ10がプリンタ20に装着されるときチップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に対する相対的な移動方向に応じて、異なる位置に設けられることができ、例えば、駆動部112は、チップ固定ベース13の移動方向が装着方向Xと同方向である場合、チップ固定ベース13の一側に設けられることができ、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11に対して移動する過程では、駆動部112に近い側又は遠い側に向かって移動する。
【0076】
インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、チップ固定ベース13の移動方向がインクカートリッジ10の装着方向Xと逆である場合、いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13のストッパ部116に当接される位置は収容溝132の外に位置する。
【0077】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されていないとき、駆動部112とストッパ部116はチップ固定ベース13の収容溝132内に位置する。
【0078】
プリンタ20へのインクカートリッジ10の装着中に、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、スライド部131は駆動部112から離れる側に向かって移動する。チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触するとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は増加し、すなわち、チップ固定ベース13は移動すると同時にスライド部131を中心として回転する。そこで、係接部134の端部がストッパ部116の端部に当接されるとき、当該間隔は最大値に達する。この後、チップ固定ベース13は、係接部134がストッパ部116とインクカートリッジ本体11とで形成された収容溝内に落ち込むまで、第2の位置側に向かって引き続き移動することにしたがって、当該間隔はそれに応じて減少していき、このときチップ12とスタイラス210とは電気的に接続されるようになっている。
【0079】
収容溝132は輪郭が異なるようにすることができる。例えば、収容溝132の輪郭が駆動部112の輪郭に合致し、チップ固定ベース13がガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転するようにすることができる。この場合、ストッパ部116は駆動部112の外壁面から突出し、収容溝132にはそれに応じて駆動部112を収容する領域が設けられる。又は、ストッパ部116は駆動部112に形成されている溝とする場合、当該溝の開口は収容溝132の内壁面によって封鎖され得る。
【0080】
当然ながら、収容溝132のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さが駆動部112のチップ固定ベース13の移動方向Yに沿う延伸長さよりも大きく、すなわち、収容溝132の収容空間が駆動部112の体積よりも大きい。チップ固定ベース13はまずガイド部111に沿ってインクカートリッジ本体11に対して移動し、そしてチップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112の壁面に接触することができ、このとき、チップ固定ベース13はガイド部111に沿って移動すると同時にスライド部131を中心として回転し、チップ固定ベース13のガイド部111に沿う移動行程に応じて決定する。
【0081】
いくつかの選択的な実施形態では、ガイド部111の延伸長さがチップ固定ベース13の移動行程に等しく、チップ12とスタイラス210とが電気的に接続されるとき、スライド部131はガイド部111の端部に当接され且つチップ固定ベース13はストッパ部116に当接される。
【0082】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されると、スライド部131はガイド部111の端部まで移動してガイド部111の端部に当接される。
【0083】
このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112とストッパ部116とに当接され、チップ固定ベース13のインクカートリッジ本体11に反対する側面にはスタイラス210に当接されるチップ12が搭載され、且つチップ固定ベース13のスライド部131がガイド部111の端部に当接される。このように、チップ固定ベース13は、インクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合関係によって、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に挟み込まれ、チップ12とスタイラス210との接続も強固になっている。
【0084】
いくつかの選択的な実施形態では、チップ固定ベース13とインクカートリッジ本体11との間には弾性力の方向がチップ固定ベース13の移動方向Yと平行かつ反対である弾性復帰部材14が設けられ、インクカートリッジ10はプリンタ20から離れると、チップ固定ベース13は、チップ12とインクカートリッジ本体11との間の間隔が減少するように、弾性復帰部材14の弾性力の作用下でガイド部111の延伸方向に沿って移動することができる。
【0085】
このように、インクカートリッジ10を点検などのためにプリンタ20から取り外すとき、チップ固定ベース13は弾性部材の弾性力の作用下で移動することができ、チップ固定ベース13は、駆動部112が収容溝132内に収容されるまで、インクカートリッジ本体11に向く側面が駆動部112に対して移動し、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は減少していく。このように、チップ12とインクカートリッジ本体11との間隔を小さくすることにより、チップ12を保護し、外部のものがチップ12に衝突する確率を低下することができる。
【0086】
弾性復帰部材14はバネや弾性ゴムブロックなどとすることができる。
【0087】
当然ながら、チップ固定ベース13は弾性復帰部材14の弾性力を継続的に受けるが、インクカートリッジ本体11の頂面にはストッパ部116が設けられているため、チップ固定ベース13は弾性力の作用下でストッパ部116に突き当てられることができ、弾性復帰部材14の弾性力によってチップ固定ベース13でのチップ12がスタイラス210から離れるという状況を回避する。
【0088】
プリンタ20は、チップ固定ベース13の構造及びプリンタ20の構造に応じて、チップ固定ベース13の任意の位置に当接され得る。チップ固定ベース13は移動方向Yがインクカートリッジ10の装着方向Xとは逆であるように設けられていることを考えると、選択的に、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置はチップ固定ベース13の自身の移動方向Yに沿う端部に位置し、及び/又は、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置はチップ固定ベース13の自身の移動方向Yに沿う両側に位置する。
【0089】
そこで、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される位置は、チップ固定ベース13とプリンタ20との接触面積が大きく、チップ固定ベース13とプリンタ20との接触が安定的であるようにするために、接触面133とすることができる。接触面133はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う端面(図11図16に示すように)とすることができる。当然ながら、当該接触面133は、チップ固定ベース13の装着方向Xに沿う任意の片側又は両側(図18図21に示すように)に設けられてもよく、本実施例はそれを限定しない。
【0090】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11には遮光部15がさらに設けられており、遮光部15は、インクカートリッジ10がプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20の探知光を遮り、インクカートリッジ10の装着完了をプロンプトするために用いられる。
【0091】
すなわち、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、インクカートリッジ本体11上の遮光部15はプリンタ20の探知光を遮断又は反射することができ、プリンタ20の制御システムは探知光が遮断又は反射されたという信号を受信すると、インクカートリッジ10の装着完了、すなわち、インクカートリッジ10とプリンタ20とが強固に接続されると判断する。
【0092】
インクカートリッジ10はさまざまな種類があってもよく、例えばインクカートリッジ10に異なる色や種類のインクを配置することができ、プリンタ20がインクカートリッジ10の種類を識別して区別できるようにするためには、いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11の探知光の放射方向に沿う異なる位置に遮光部15を設け、探知光の放射距離を変えることによってインクカートリッジ10の種類を区別することができる。
【0093】
このように、探知光の放射方向に沿う異なる位置に遮光部15を設けることに応じて、プリンタ20上の探知光を発光する部材と遮光部15との間隔は変化し、すなわち、探知光の放射距離は変化し、プリンタ20の制御システムは探知光の放射距離に従って現在のインクカートリッジ10の種類を識別することができる。
【0094】
遮光部15はインクカートリッジ本体11に固着して接続され得る。
【0095】
いくつかの選択的な実施形態では、前記インクカートリッジ本体はインク排出口を備え、前記チップと前記チップ固定ベースとは、前記インクカートリッジの装着方向において、前記遮光部に対して前記インク排出口からさらに離れており、且つ、前記第1の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも低く、前記第2の位置にある場合、前記チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高い。
【0096】
ここで、インクカートリッジ本体でのインク排出口、遮光部、及びチップ固定ベースの相対的な位置関係は必要に応じて設定されることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0097】
遮光部はインクカートリッジ本体に固着されるとき、遮光部はインクカートリッジ本体の外壁面から突出する。そのため、チップ固定ベースは第1の位置に位置すると、チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高く、遮光部はチップを保護することができる。例えば、インクカートリッジ本体に外部のものは衝突したとしても、遮光部に衝突すると止まるので、チップを外物の衝突から守る。
【0098】
インクカートリッジはプリンタに装着されるとき、チップはスタイラスの一側に向かって伸び出し、チップの重力方向に沿う伸出距離はインクカートリッジのプリンタに対する組立の構造に応じて設定されることができ、例えば、チップとスタイラスとが電気的に接続されると、チップの最高点は重力方向に前記遮光部よりも高いようにする。
【0099】
なお、遮光部15はさらにインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続され得る。いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ本体11には保護収納溝113が設けられ、遮光部15は保護収納溝113内に収容され得る。
【0100】
このように、遮光部15は、外力の衝突に当てられると、保護収納溝113内に自動的に移動し、このとき、遮光部15はインクカートリッジ本体11の外壁面から突出しないようになるので、遮光部15は保護され、遮光部15が外力の衝突によって変形したり破損したりすることは回避される。
【0101】
インクカートリッジ本体11には保護収納溝113が設けられるとき、インクカートリッジ10の種類を容易に識別できるためには、いくつかの選択的な実施形態では、保護収納溝113は、遮光部15が保護収納溝113から伸び出すようにするための複数の出入口1131を備え、複数の出入口1131は探知光の放射方向に沿って間隔を置いて設けられ、遮光部15は異なる出入口1131を経由して伸び出し、探知光の放射距離を変えることによってインクカートリッジ10の種類を区別することができる。
【0102】
このとき、インクカートリッジ本体11には出入口1131に対応する複数の遮光部15を設け、インクカートリッジ10の種類に応じて遮光部15のうちの1つを選択し出入口1131を経由して保護収納溝113から伸び出させてもよい。
【0103】
当然ながら、インクカートリッジ本体11には1つの遮光部15を設け、インクカートリッジ10の種類に応じて遮光部15を対応する出入口1131の位置に設けてもよい。
【0104】
このように、遮光部15は異なる出入口1131を経由して保護収納溝113から伸び出すとき、プリンタ20上の探知光を発光する部材と遮光部15との間隔は変化し、すなわち、探知光の放射距離は変化し、プリンタ20の制御システムは探知光の放射距離に従って現在のインクカートリッジ10の種類を識別することができる。
【0105】
遮光部15はインクカートリッジ本体11に対して移動可能に接続されるとき、遮光部15は、保護収納溝113に対する取り込み又は伸び出しが実現されるように、構造が異なってもよい。例示的に、遮光部15はインクカートリッジ本体11にスライド接続され得る。
【0106】
いくつかの選択的な実施形態では、インクカートリッジ10はインクカートリッジ本体11に対して回転するように接続されている遮光部材16を有し、遮光部材16はカウンターウェイト部161と遮光部15とを有し、カウンターウェイト部161と遮光部15はそれぞれ遮光部材16の回転軸の両側に設けられ、且つ遮光部材16の回転軸とカウンターウェイト部161とがいずれも保護収納溝113内に位置し、また、遮光部15が保護収納溝113から伸び出すようにするためには、カウンターウェイト部161の重力が遮光部15の重力よりも大きいように設定し、さらに、遮光部15は遮光部材16の回転軸を中心として回転して保護収納溝113内に収容されてもよい。
【0107】
このように、自然の状態下では、カウンターウェイト部161は遮光部15の高さ方向に沿う下側に位置し、遮光部15は保護収納溝113から伸び出す構成である。
【0108】
遮光部15は外部の物体から衝突や衝撃を受けると、遮光部材16は自身の回転軸を中心として回転し、遮光部15は保護収納溝113内に回転することができ、このとき、カウンターウェイト部161は遮光部材16の回転軸を中心として上へと回転しながらも依然として保護収納溝113内に位置し、すなわち、このとき、遮光部材16全体は保護収納溝113内に位置する。
【0109】
外部の物体は遮光部15又はインクカートリッジ本体11から離れると、カウンターウェイト部161は自身の重力の作用下で遮光部材16の回転軸を中心として回転し、遮光部15はそれに応じて保護収納溝113から伸び出し、構造が簡単である。
【0110】
図18図20を参照されたい。いくつかの選択的な実施形態では、遮光部15はチップ固定ベース13に固着して接続され、チップ固定ベース13は伸び出し、チップ12とスタイラス210とは電気的に接続されるとき、遮光部15は保護収納溝113から伸び出す。
【0111】
このとき、チップ固定ベース13は駆動部112に当接されていないとき、遮光部15は保護収納溝113内に収容され得る。
【0112】
プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動し、且つチップ固定ベース13が駆動部112に当接されるとき、チップ固定ベース13のチップ12が搭載されている一端とインクカートリッジ本体11との間隔は大きくなり、このとき、遮光部15はチップ固定ベース13に従って回転して保護収納溝113から伸び出す。
【0113】
すなわち、本実施例では、自然の状態下では、遮光部15は保護収納溝113内に収容されている。インクカートリッジ10はプリンタ20に固定して接続されるとき、遮光部15は保護収納溝113から伸び出してプリンタ20の探知光を遮る。
【0114】
このとき、チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される接触面はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う端面となる。
【0115】
チップ固定ベース13のプリンタ20に当接される接触面はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う両側に位置するとき、図21を参照されたい。このとき、チップ固定ベース13は遮光部15とは互いに独立して設けられ、接触面133はチップ固定ベース13の装着方向Xに沿う任意の一側に位置してもよいし両側に同時に設けられてもよい。プリンタ20のチップ固定ベース13に当接される位置はそれに応じて、チップ固定ベース13の装着方向Xに沿う両側に位置する。
【0116】
本実施例は、さらに、プリンタ20と上記のインクカートリッジ10とを備える印刷機器を提供し、インクカートリッジ10が少なくとも1つあり、プリンタ20にはインクカートリッジ10に対応するスタイラス210が設けられ、プリンタ20にはインクカートリッジ10に対応する装着部21がさらに設けられ、インクカートリッジ10は装着部21を介してプリンタ20に固定される。
【0117】
プリンタ20はプリントヘッド(図示しない)と、プリントヘッドとインクカートリッジ本体11との間に設けられているインク供給部(図示しない)と、を備える。インクカートリッジ本体11内には、インク袋又はインクカートリッジ本体11の内部に直接に形成されている密閉空洞など、インクを盛る容器状の構造が設けられている。容器状の構造には、プリンタ20のインク供給部材(図示しない)に連通するインク排出口114が設けられている。このように、インクは、プリンタ20が予め設定された文字や画像を印刷するように、インク排出口114及びインク供給部材によってプリントヘッドに輸送される。インクカートリッジ10の構造、作業原理及び達成できる技術的効果は上記の実施例で説明されているため、本実施例は繰り返して説明しない。
【0118】
プリンタ20は、さらに、スタイラス210を備え、スタイラス210はチップ12に電気的に接続されると、チップ12とプリンタ20との通信は実現される。本実施例はプリンタ20の構造を限定しない。
【0119】
インクカートリッジ10はプリンタ20に装着されるとき、プリンタ20はチップ固定ベース13が移動するように駆動すると同時にチップ固定ベース13が回転するように駆動し、チップ固定ベース13のチップ12が固定されている一端とスタイラス210との間の間隔は小さくなり、すなわち、チップ12の電気的接続部がスタイラス210に突き当てられるまで、チップ12とスタイラス210との間の間隔は小さくなっていき、このとき、インクカートリッジ10はプリンタ20に装着され、インクカートリッジ10とプリンタ20とは相対的に固定されるようになっている。
【0120】
すなわち、このとき、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に設けられ、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11のプリンタ20に対する組立嵌合によって固定され、インクカートリッジ本体11とプリンタ20との接続が比較的強固であるため、インクカートリッジ本体11とプリンタ20とが相対的に移動しない限り、例えばインクカートリッジ10をプリンタ20から取り外す場合、チップ固定ベース13はインクカートリッジ本体11とプリンタ20との間に強固に支持されることができ、すなわち、チップ12とスタイラス210との電気的接続は強固になっている。
【0121】
いくつかの選択的な実施形態では、装着部21はプリンタ20に形成されている装着用溝であり、前記装着部内には1つの突出する突当り部を有し、前記インクカートリッジは前記プリンタに装着されると、前記突当り部は前記チップ固定ベースに当接される。
【0122】
このように、インクカートリッジ10は装着用溝内に挿着されることによってプリンタ20に固定して接続される。装着用溝内へのインクカートリッジ10の挿着中に、装着用溝の内壁面の構造の一部、すなわち、突当り部22はチップ固定ベース13の移動及び回転を駆動することができる。突当り部22はチップ固定ベース13がインクカートリッジ本体11に対して移動するように駆動するプロセスは、上記の実施例で説明されているため、本実施例は繰り返して説明しない。
【0123】
突当り部22は装着用溝の内壁面の突出構造とすることができ、突出構造はバンプや他の任意の構造とすることができ、本実施例はそれを限定しない。
【0124】
以上は、本願の具体的な実施形態にすぎず、本願の保護範囲はそれに限定されるものではなく、本願に開示された技術範囲内で当業者が容易に想到し得る変形や置換は、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、記載される特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【0125】
本願は、2021年01月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202110111127.0で、出願の名称が「インクカートリッジ及び印刷機器」という中国特許出願の優先権、及び2021年03月11日に中国特許局に提出された、出願番号が202120527499.7で、出願の名称が「インクカートリッジ」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0126】
10 インクカートリッジ
11 インクカートリッジ本体
111 ガイド部
112 駆動部
113 保護収納溝
1131 出入口
114 インク排出口
115 空気口
116 ストッパ部
12 チップ
13 チップ固定ベース
131 スライド部
132 収容溝
133 接触面
134 係接部
14 弾性復帰部材
15 遮光部
16 遮光部材
161 カウンターウェイト部
20 プリンタ
21 装着部
22 突当り部
210 スタイラス
X 装着方向
Y 移動方向
【国際調査報告】