(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】車両ウィンドスクリーンを清掃するワイパーブレードおよびワイパー装置、ならびにワイパーブレードを取り付けるための方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/40 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B60S1/40 300E
B60S1/40 300A
B60S1/40 100A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543233
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2022050964
(87)【国際公開番号】W WO2022157137
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021101016.0
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート、バイプル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、ブス
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD01
3D225AE25
(57)【要約】
本発明は、車両ウィンドスクリーン(FS)を清掃するためのワイパーブレード(10)であって、長手方向軸線(22)に沿って延在するワイパーブレード本体(12)と、ワイパーブレード本体(12)に接続されると共にワイパーブレード本体(12)に接続される第1のアダプタ要素(16)を有するワイパーブレードアダプタ(15)と、ワイパーアーム(1)に接続され得る第2のアダプタ要素(18)と、を有し、2つのアダプタ要素(16,18)が、回転軸(20)において長手方向軸線(22)に対して垂直に延びる方向に互いに対して枢動され得るように配置され、ワイパーブレード(10)が平坦な構造を有するワイパーブレードに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ウィンドスクリーン(FS)を清掃するためのワイパーブレード(10)であり、長手方向軸線(22)に沿って延在するワイパーブレード本体(12)を有し、前記ワイパーブレード本体(12)に接続されたワイパーブレードアダプタ(15)であって、前記ワイパーブレード本体(12)に接続された第1のアダプタ要素(16)と、ワイパーアーム(1)に接続され得る第2のアダプタ要素(18)と、を有するワイパーブレードアダプタ(15)を有し、前記2つのアダプタ要素(16,18)が、回転軸(20)において前記長手方向軸線(22)に対して垂直に延びる方向に互いに対して枢動され得るように配置され、前記ワイパーブレード(10)が平坦な構造を有する、ワイパーブレード(10)であって、
前記第2のアダプタ要素(18)が、前記ワイパーアーム(1)の断面的に特に矩形の少なくとも実質的に平坦な端部部分(4)を受け入れるように設計されたレセプタクル(40)を有し、前記ワイパーブレードアダプタ(15)の動作位置において、前記第2のアダプタ要素(18)が前記第1のアダプタ要素(16)内の断面的にU字形状の凹部(26)内に配置され、前記第2のアダプタ要素(18)に面する側壁(28,30)の領域において、前記第1のアダプタ要素(16)が、前記第2のアダプタ要素(18)上に配置され、好ましくは円形断面を有し、前記ワイパーブレードアダプタ(15)の前記動作位置において前記回転軸(20)と一直線に並ぶように配置された延長部(46)を受け入れるための溝状ガイド(34)を有し、前記ガイド(34)が、前記ワイパーブレードアダプタ(15)の前記動作位置にある前記延長部(46)のために、前記長手方向軸線(22)の方向に延びる第1の制限停止部(38)を形成し、前記第2のアダプタ要素(18)のために前記第1の制限停止部(38)の方向とは反対の前記長手方向軸線(22)の方向に形成される第2の制限停止部(55)が、前記凹部(26)を長手方向に画定し、前記第2のアダプタ要素(18)が前側(50)の前記領域に位置する横壁(32)によって形成される、
ことを特徴とする、ワイパーブレード(10)。
【請求項2】
前記ワイパーブレード本体(12)から離れる方を向く側において、前記側壁(28,30)上の前記ガイド(34)が、前記延長部(46)を挿入するための開口部(36)を有し、前記開口部(36)が、前記第1の制限停止部(38)と前記横壁(32)との間の第2の間隔(a
2)よりも小さい前記横壁(32)からの第1の間隔(a
1)を有する、
ことを特徴とする、
請求項1に記載のワイパーブレード。
【請求項3】
前記前側(50)または前記横壁(32)の前記領域内の前記第2のアダプタ要素(18)が、少なくとも特定の領域において凸状である、
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のワイパーブレード。
【請求項4】
前記第2のアダプタ要素(18)内のレセプタクル(40)が、前記ワイパーアーム(1)の前記端部部分(4)を嵌合して受け入れるように設計された特に矩形の内部断面を有する、
ことを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項5】
前記ワイパーアーム(1)の前記端部部分(4)を前記長手方向軸線(22)の方向に拘束するためのラッチ要素(48)が前記第2のアダプタ要素(18)上に形成される、
ことを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項6】
前記ラッチ要素(48)および前記延長部(46)が、前記側壁(42)の弾性的に変形可能な領域のうちの前記領域に配置され、前記延長部(46)および前記ラッチ要素(48)が、互いにから離れる方を向く側に配置される、
ことを特徴とする、
請求項5に記載のワイパーブレード。
【請求項7】
前記2つのアダプタ要素(16,18)がプラスチックからなり、射出成形部品の形態である、
ことを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項により設計されたワイパーブレード(10)と、前記第2のアダプタ要素(18)の前記レセプタクル(40)と相互作用する端部部分(4)を有するワイパーアーム(1)と、を有する、車両ウィンドスクリーン(FS)を清掃するためのワイパー装置(100)であって、前記端部部分(4)が、前記レセプタクル(40)の外側かつ前記アダプタ要素(15)に近いS字形状の接続部分(3)に移行する、ワイパー装置(100)。
【請求項9】
前記第2のアダプタ要素(18)の前記レセプタクル(40)の領域内の前記端部部分(4)が、前記端部部分(4)を前記長手方向軸線(22)の方向に嵌合して位置決めする目的で前記第2のアダプタ要素(18)のラッチ要素(48)と相互作用する凹部(5,6)を有する、
ことを特徴とする、
請求項8に記載のワイパー装置。
【請求項10】
請求項8または9により設計されるワイパー装置(100)の場合に、ワイパーブレード(10)をワイパーアーム(1)に取り付けるための方法であって、少なくとも、
前記ワイパーアーム(1)の前記端部部分(4)を前記第2のアダプタ要素(18)の前記レセプタクル(40)内に挿入し、前記レセプタクル(40)内に前記端部部分(4)を前記レセプタクル(40)の長手方向に固定するステップと、
前記第2のアダプタ要素(18)の前記延長部(46)を前記第1のアダプタ要素(16)の前記ガイド(34)に対して位置合わせするステップであって、前記第2のアダプタ要素(18)が、前記第2のアダプタ要素(18)の前記前側(50)が前記第2のアダプタ要素(18)の後側(56)よりも前記第1のアダプタ要素(16)からのより大きい間隔を有するように、前記第1のアダプタ要素(16)に対して斜めの角度(α)で配置される、ステップと、
前記第2のアダプタ要素(18)の前記延長部(46)を前記第1のアダプタ要素(16)の前記開口部(36)に挿入し、前記延長部(46)が前記ガイド(34)の前記第1の制限停止部(38)に当接するまで、前記アダプタ要素(16,18)間の傾斜角(α)を維持または減少させながら、前記延長部(46)を前記ガイド(34)に沿って移動させるステップと、
前記第2のアダプタ要素(18)の前記前側(50)が前記第1のアダプタ要素(16)の前記横壁(32)と動作可能に接続するまで、前記傾斜角(α)を減少させることによって前記2つのアダプタ要素(16,18)を枢動させるステップと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ウィンドスクリーンを清掃するためのワイパーブレードおよびワイパー装置、ならびにワイパーアームへのワイパーブレードの取り付けに関する。ワイパーブレードは、とりわけ、ワイパーアームに装着するためのワイパーブレードアダプタの有利な実施形態によって区別される。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前文の特徴を有する車両ウィンドスクリーンを清掃するためのワイパーブレードは、本出願人の独国特許出願公開第102014114688A1号から知られている。既知のワイパーブレードは、ワイパーブレードアダプタを有し、ワイパーブレードアダプタは、関節式に互いに接続され、通常はユーザによって取り外すことができないようにする2つのアダプタ要素からなる。この点において、2つのアダプタ要素は、ワイパーブレードのワイパーブレード本体に予め装着され、その結果、ワイパーブレードは、ワイパーアームに割り当てられるおよび/またはワイパーアームに面するワイパーブレードアダプタのアダプタ要素にワイパーアームを接続することによってワイパーアームに締結される。さらに、ワイパー装置のワイパーアームは、ワイパーブレードアダプタへの接続領域にU字形状の断面を装備し、その結果、ワイパーアームは、ワイパーアームに割り当てられたアダプタ要素を覆うおよび/または受け入れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014114688A1号明細書
【発明の概要】
【0004】
請求項1の特徴を有する車両ウィンドスクリーンを清掃するための本発明によるワイパーブレードは、ワイパーブレードに割り当てられるワイパーブレードアダプタのアダプタ要素なしでまたはワイパーブレードに割り当てられるワイパーブレードアダプタのアダプタ要素とは独立して、ワイパーアームの方を向くワイパーブレードアダプタのアダプタ要素をワイパーアームに接続することを可能にする。したがって、従来技術とは対照的に、それは、ワイパーアーム上のワイパーブレードを交換するための装着動作の代替実施形態を提供し、また、互いに接続され得るワイパーブレードアダプタの2つのアダプタ要素の実施形態を提供する。特に、本発明によるワイパーブレードは、さらに、その特別に設計されたワイパーブレードアダプタに起因して、ワイパーブレードアダプタに接続されることができるワイパーアームの端部部分上のワイパーアームの特に単純な構造設計を実現することを可能にする。
【0005】
したがって、上記の記述の背景に対して、本発明は、ワイパーアームに割り当てられる第2のアダプタ要素が、ワイパーアームの断面的に特に矩形の少なくとも実質的に平坦な端部部分を受け入れるように設計されたレセプタクルを有するように車両ウィンドスクリーンを清掃するためのワイパーブレードを設計することを提案し、ワイパーブレードアダプタの動作位置において、第2のアダプタ要素が、ワイパーブレード本体に割り当てられる第1のアダプタ要素内の断面的にU字形状の凹部に配置され、第2のアダプタ要素に面する側壁の領域において、第1のアダプタ要素が、第2のアダプタ要素上に配置され、好ましくは円形断面を有し、ワイパーブレードアダプタの動作位置において回転軸と一直線に並ぶように配置された延長部を受け入れるための溝状ガイドを有し、第1のアダプタ要素内のガイドが、ワイパーブレードアダプタの動作位置にある延長部のために、ワイパーブレード本体の長手方向軸線の方向に延在し、第1の制限停止部の方向とは反対にワイパーブレード本体の長手方向軸線の方向に形成された、第2のアダプタ要素のための第2の制限停止部が、第1のアダプタ要素上の横壁によって形成され、横壁に対して第2のアダプタ要素の前側が位置する。
【0006】
車両ウィンドスクリーンを清掃するための本発明によるワイパーブレードの有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
一方では、第2のアダプタ要素が第1のアダプタ要素の構成要素を変形させることなく可能な限り容易に第1のアダプタ要素に取り付けられることを可能にし、他方では、ワイパーブレードアダプタの動作位置において第1のアダプタ要素に第2の制限停止部を形成することができるようにするために、ワイパーブレードの好ましい設計実施形態では、ワイパーブレード本体から外方を向く側において、側壁上のガイドが第2のアダプタ要素の延長部を挿入するための開口部を有し、開口部が、第1の制限停止部と横壁との間の第2の間隔よりも小さい横壁から長手方向に延びる第1の間隔を有することが提供される。
【0008】
また、第2のアダプタ要素がその前側または横壁の領域において少なくとも特定の領域において凸状である場合にも特に有利である。これにより、2つのアダプタ要素が互いに対して枢動されているときに、横壁の領域内のアダプタ要素間の間隔が最小になり、したがって、2つのアダプタ要素間に長手方向の遊びが生じることなく、2つのアダプタ要素間の小さな回転角度が可能になる。2つのアダプタ要素間のこの枢動角度は、ワイパーブレードまたはそのワイパーリップが車両ウィンドスクリーンに沿って移動するときに車両ウィンドスクリーンに常に当接できるようにするために必要である。
【0009】
第2のアダプタ要素上のワイパーアームの端部部分の嵌合した配置を考慮して、第2のアダプタ要素上のレセプタクルは、ワイパーアームの端部部分を嵌合して受け入れるように設計された特に矩形の内部断面を有することに加えて設けられる。ワイパー装置の装着状態では、嵌合した受け入れは、第2のアダプタ要素とワイパーアームの端部部分との間にチルトフリーまたは剛性の構成をもたらす。
【0010】
ワイパーアームの端部部分の長手方向においてワイパーアームをアダプタ要素上に確実に拘束するために、ワイパーアームの端部部分を長手方向軸線の方向において拘束するためのラッチ要素が第2のアダプタ要素上に形成されることに加えて設けられる。この種のラッチ要素の有利な実施形態では、ラッチ要素および第2のアダプタ要素上の延長部は、側壁の弾性的に変形可能な領域の領域に配置され、延長部およびラッチ要素は、互いに反対向きの側面に配置されることが提供される。
【0011】
ワイパーブレードアダプタの有利で費用効果の高い製造は、2つのアダプタ要素がプラスチックからなり、射出成形部品の形態であるという点で達成することができる。
【0012】
本発明はさらに、本発明による上述のワイパーブレードを有する、車両ウィンドスクリーンを清掃するためのワイパー装置を備える。ワイパー装置は、第2のアダプタ要素のレセプタクルと相互作用する端部部分を有するワイパーアームによって区別され、端部部分は、レセプタクルの外側でアダプタ要素に近いS字形状部分に移行する。ワイパー装置のそのような実施形態は、特に、特にコンパクトに構成されたワイパーアームまたは特に小さい全高を有するワイパー装置を可能にする。
【0013】
このタイプのワイパー装置の発展形態では、第2のアダプタ要素のレセプタクルの領域内のワイパーアームの端部部分が凹部を有し、凹部は、第2のアダプタ要素のラッチ要素と相互作用して、端部部分を長手方向軸線の方向に嵌合して位置決めすることを目的とする。
【0014】
最後に、本発明はまた、上述のワイパー装置の場合にワイパーブレードをワイパーアームに取り付けるための方法を備える。装着方法は、まず、ワイパーアームの端部部分が第2のアダプタ要素のレセプタクル内に挿入され、ワイパーアームの端部部分がレセプタクルの長手方向にレセプタクル内に固定される点で区別される。次いで、第2のアダプタ要素の延長部は、第1のアダプタ要素のガイドに対して位置合わせされ、第2のアダプタ要素は、第2のアダプタ要素の前側が第2のアダプタ要素の後側よりも第1のアダプタ要素からのより大きい間隔を有するように、第1のアダプタ要素に対して傾斜角で配置される。次いで、第2のアダプタ要素の延長部が第1のアダプタ要素の開口部に挿入され、延長部はガイドに沿って移動され、延長部がガイドの第1の制限停止部に対向するようになるまで、アダプタ要素間の傾斜角を可能な限り減少させる。最後に、2つのアダプタ要素は、第2のアダプタ要素の前側が第1のアダプタ要素の横壁と動作可能に接続するまで、傾斜角を減少させることによって枢動され、その結果、ワイパーブレードはワイパーアームに長手方向に固定される。
【0015】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明および図面を参照することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ワイパーアームがワイパーブレードに取り付けられている間に車両ウィンドスクリーンを清掃するためのワイパー装置を示す図である。
【
図2】ワイパーブレードアダプタのアダプタ要素が接続された
図1によるワイパーアームの端部部分の上面図である。
【
図3】
図2によるアダプタ要素およびワイパーアームのそれら自体の斜視図である。
【
図4】異なる取り付け段階におけるワイパー装置のワイパーアームに対するワイパーブレードの取り付け動作の部分断面側面図である。
【
図5】異なる取り付け段階におけるワイパー装置のワイパーアームに対するワイパーブレードの取り付け動作の部分断面側面図である。
【
図6】異なる取り付け段階におけるワイパー装置のワイパーアームに対するワイパーブレードの取り付け動作の部分断面側面図である。
【
図7】異なる取り付け段階におけるワイパー装置のワイパーアームに対するワイパーブレードの取り付け動作の部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
同一の要素または同一の機能を有する要素は、図面において同じ符号で示されている。
【0018】
図に示すワイパー装置100は、
図1の特定の領域にのみ示される車両ウィンドスクリーンFSを清掃するのに役立つ。ワイパー装置100は、ワイパーブレード10とは反対側に第1のワイパーアーム部分2を有するワイパーアーム1を備え、第1のワイパーアーム部分2は、
図1に簡略化して示されている。第1のワイパーアーム部分2は、S字形状または斜めの接続部分3を介して端部部分4に移行する。少なくとも端部部分4、好ましくはワイパーアーム1全体が矩形断面を有し、端部部分4は第1のワイパーアーム部分2と平行に延在する。平坦な端部部分4の形態である端部部分4は、その2つの対向する長手方向側面に、横溝5、6の形態で端部部分4の全高にわたって延在するそれぞれの凹部をさらに有する。図示する例示的な実施形態では、2つの横溝5、6は、その軸方向範囲に関して端部部分4のほぼ中央に配置される。
【0019】
ワイパーブレード10は、
図1にのみ示されるワイパーブレード本体12を有し、このワイパーブレード本体は、弾力的な弾性材料からなり、車両ウィンドスクリーンFSを清掃する目的で、車両ウィンドスクリーンFSに当接するワイパーリップを有する。ワイパーブレード10は、従来技術からそれ自体知られているように、平坦な構造として知られているものを有する。ワイパーブレード本体12とワイパーアーム1との間の接続は、ワイパーブレードアダプタ15によって行われる。プラスチックからなり、射出成形法によって製造されるワイパーブレードアダプタ15は、ワイパーブレード本体12に接続される第1のアダプタ要素16を有する。第1のアダプタ要素16は、ワイパーアーム1の端部部分4に接続されることができる第2のアダプタ要素18に接続されることができ、ワイパー装置100の動作位置において、2つのアダプタ要素16,18は、ワイパーブレード本体12の長手方向軸線22に対して垂直に延在する回転軸20(
図7)の領域において互いに対して特定の角度を中心として枢動されることができるように配置される。2つのアダプタ要素16,18間の枢動可能な配置は、特に湾曲した車両ウィンドスクリーンFSの場合に、ワイパーブレード本体12またはワイパーブレード10が車両ウィンドスクリーンFSに沿って移動しているときに良好な拭き取り結果を達成するために車両ウィンドスクリーンFS上でワイパーブレード本体12の最適な支持を可能にするために必要である。
【0020】
ワイパーブレード本体12に面する側では、第1のアダプタ要素16は、ワイパーブレード本体12の長手方向軸線22と平行に延びかつワイパーブレード本体12がワイパーブレード本体12内に配置されるばねレール(図示せず)を介して第1のアダプタ要素16によって保持される領域内にある縦溝23を有する。
【0021】
第1のアダプタ要素16は、第2のアダプタ要素18に面する側に断面的にU字形状の凹部26を有する。凹部26は、2つの側壁28、30と、凹部26を一方の側の長手方向に画定する横壁32とによって画定される。2つの側壁28,30は、それらの互いに対向する内側に、ワイパーブレード本体12とは反対側の2つの側壁28,30の上側に開口部36内に開口部する溝形状のガイド34をそれぞれ有する。第1のアダプタ要素16の中心平面(図示せず)に関して対称的に配置された2つのガイド34は、実質的に鎌状の形態を有し、長手方向軸線22の方向に見て横壁32から第1の間隔a
1を有する。開口部36から外方に面するガイド34の端部は、長手方向軸線22の方向に延在し、横壁32から間隔a
2を有する第1の制限停止部38を形成し、
図7に示すように、第2の間隔a
2は第1の間隔a
1よりも大きい。
【0022】
第2のアダプタ要素18は、スリーブ状の形態を有し、レセプタクル40を形成するための内部断面を有し、その断面は、レセプタクル40の領域における端部部分4の嵌合した受け入れが可能になるように、端部部分4の(外部)断面と一致する。例として、弾性変形可能な長手方向に延伸するウェブ44は、その端部領域上に一体成形された円形の外部断面を有する延長部46を有し、第2のアダプタ要素18の側壁42から進む。特に
図2を参照すると分かるように、延長部46は、それぞれのウェブ44の外側に配置されるだけでなく、端部部分4またはレセプタクル40に面するウェブ44の内側にも配置され、延長部46はラッチ要素48の形態で存在する。第2のアダプタ要素18が端部部分4に取り付けられた状態では、ラッチ要素48は、第2のアダプタ要素18をワイパーアーム1の端部部分4に対して長手方向に固定するために、横溝5,6と係合するように機能する。対照的に、延長部46は、第1のアダプタ要素16のガイド34と相互作用し、ワイパーブレード10の動作位置に回転軸20を形成するように機能する。このために、回転軸20と一直線を成して配置される延長部46は、ワイパーブレード10の動作位置においてそれらをガイド34の領域内に隙間なく受け入れることを可能にする外部断面を有する。さらに、第2のアダプタ要素18は、一例として凸状ウェブ52によって、端部部分4から外方に面する前側50上に画定される。
図4に示すワイパーブレード10の動作位置において、ウェブ52は、好ましくは、少なくとも実質的に隙間なく第1のアダプタ要素16の横壁32に当接する。
【0023】
ワイパーアーム1には、ワイパー装置100またはワイパーブレード10が多段に取り付けられている。このために、まず
図3を参照する。そこでは、第2のアダプタ要素18とワイパーアーム1との間の相対移動が、第2のアダプタ要素18をワイパーアーム1の端部部分4に装着することを可能にすることが分かる。このプロセスにおいて、端部部分4は、第2のアダプタ要素18のレセプタクル40の領域に挿入される。端部部分4がレセプタクル40に挿入されているとき、傾斜部54を有するラッチ要素48は、ラッチ要素48が横溝5、6の領域に入るまで外側に弾性的に曲げられ、そこで第2のアダプタ要素18を端部部分4に対して長手方向に固定する。この状態を
図2に示す。
【0024】
次に、
図4~
図7によれば、ワイパー装置100は、第2のアダプタ要素18を第1のアダプタ要素16に接続することによってさらに取り付けられる。まず、
図4によれば、端部部分4または第2のアダプタ要素18と第1のアダプタ要素16との間に傾斜角αが設定され、2つの延長部46はガイド34の開口部36の上方に配置される。このプロセスでは、第2のアダプタ要素18の前側50は、第2のアダプタ要素18の後側56よりも第1のアダプタ要素16からの間隔が大きい。次に、
図5によれば、延長部46がガイド34の開口部36に挿入され、延長部46がガイド34内を摺動する。このプロセスでは、角度αは維持されるか、または場合によっては減少する。
図6は、延長部46がガイド34内のそれらの最終位置に到達した状態を示しており、延長部46は第1の制限停止部38に当接している。次に、
図7によれば、角度αは、典型的には約0°に減少する。このプロセスでは、第2のアダプタ要素18の前側50は、ウェブ52に面する側に、第2のアダプタ要素18のための第1の制限停止部38の方向とは反対に作用する第2の制限停止部55を形成する横壁32と動作可能に接続する。さらに、
図7において、ワイパーブレード10の動作位置において、第2のアダプタ要素18は、その上面から実質的に離れて、長手方向軸線22の方向に見て第1のアダプタ要素16の凹部26内に遊びなしで受け入れられることが分かる。
【0025】
上述のワイパーブレード10またはワイパー装置100は、本発明の概念から逸脱することなく、多種多様な方法で変更または修正され得る。
【符号の説明】
【0026】
1 ワイパーアーム
2 ワイパーアーム部分
3 接続部分
4 端部部分
5 横溝
6 横溝
10 ワイパーブレード
12 ワイパーブレード本体
15 ワイパーブレードアダプタ
16 第1のアダプタ要素
18 第2のアダプタ要素
20 回転軸
22 長手方向軸線
23 縦溝
26 凹部
28 側壁
30 側壁
32 横壁
34 溝状ガイド
36 開口部
38 第1の制限停止部
40 レセプタクル
42 側壁
44 ウェブ
46 延長部
48 ラッチ要素
50 前側
52 ウェブ
54 傾斜部
55 第2の制限停止部
56 後側
a1 間隔
a2 間隔
FS 車両ウィンドスクリーン
100 ワイパー装置
α 角度
【国際調査報告】