(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】外科用ガス送達システムのためのガス密封マニホールド組立品
(51)【国際特許分類】
A61B 17/94 20060101AFI20240118BHJP
A61B 17/34 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61B17/94
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543341
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022013051
(87)【国際公開番号】W WO2022159537
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルツ マイケル ジュニア
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM23
(57)【要約】
外科用ガス送達システムのためのマニホールド組立品が開示されており、マニホールド組立品は、コンプレッサの出口側からガスを受け入れるための入口ポート及びコンプレッサの入口側にガスを再循環するための出口ポートを含む、マニホールド本体と、マニホールド本体の入口ポート及び出口ポートと連通する、バイパス弁と、大気からの空気の侵入を動的に制御するための空気換気弁と、ガス送達システムが煙排出モードで動作しているときにマニホールド組立品からのガスの退出を動的に制御するための煙排出弁と、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するためのガス充填と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ガス送達システムのためのマニホールド組立品であって、
a)コンプレッサの出口側からガスを受け入れるための入口ポート及び前記コンプレッサの入口側にガスを再循環するための出口ポートを含む、マニホールド本体と、
b)前記マニホールド本体の前記入口ポート及び前記出口ポートと連通する、バイパス弁であって、前記バイパス弁が、前記バイパス弁を通るガスの流れを動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む、バイパス弁と、
c)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記入口側と動作可能に関連付けられた空気換気弁であって、前記空気換気弁が、大気からの空気の侵入を動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む、空気換気弁と、
d)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた煙排出弁であって、前記煙排出弁は、前記ガス送達システムが煙排出モードで動作しているときに前記マニホールド組立品からのガスの退出を動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む、煙排出弁と、
e)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス充填弁であって、前記ガス充填弁が、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む、ガス充填弁と、
を備える、マニホールド組立品。
【請求項2】
前記マニホールド組立品からのガスの放出を制御するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた過圧逃し弁を更に備え、前記過圧逃し弁が、電磁弁である、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項3】
前記マニホールド本体が、ガスをガス密封アクセスポートに送達するための送達ポートと、前記ガス密封アクセスポートからガスを受け入れるための受け入れポートと、を含む、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項4】
前記マニホールド本体が、前記マニホールド組立品を通って再循環するガス中のCO
2のレベルを監視するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス品質センサを含む、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項5】
前記マニホールド本体が、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの入口側と動作可能に関連付けられた第1の圧力センサと、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられた第2の圧力センサと、を含む、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項6】
各電気機械弁アクチュエータが、それぞれのラックアンドピニオン式機構を含む電動式リニアアクチュエータである、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項7】
各ラックアンドピニオン式機構が、水平作動シャフトと、前記水平作動シャフトと動作可能に関連付けられた水平駆動ラックギアと、前記水平駆動ラックギアによって駆動される回転駆動ピニオンギアと、前記駆動されるピニオンギアによって駆動され、かつばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた垂直被駆動ラックギアと、を含む、請求項6に記載のマニホールド組立品。
【請求項8】
各水平駆動ラックギアが、第1の水平軸に沿って並進するように取り付けられ、各回転被駆動ピニオンギアが、前記第1の水平軸に垂直に延在する第2の水平軸を中心に回転するように取り付けられている、請求項7に記載のマニホールド組立品。
【請求項9】
各電気機械弁アクチュエータが、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた減速ギア組立品を含む電動式回転アクチュエータである、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項10】
各電気機械弁アクチュエータが、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた軸方向駆動ねじを含む電動式回転アクチュエータである、請求項1に記載のマニホールド組立品。
【請求項11】
外科用ガス送達システムのためのマニホールド組立品であって、
a)コンプレッサの出口側からガスを受け入れるための入口ポート及び前記コンプレッサの入口側にガスを再循環するための出口ポートを含む、マニホールド本体と、
b)前記マニホールド本体の前記入口ポート及び前記出口ポートと連通する、バイパス弁であって、前記バイパス弁が、前記バイパス弁を通るガスの流れを動的に制御するための電動式リニア弁アクチュエータを含む、バイパス弁と、
c)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記入口側と動作可能に関連付けられた空気換気弁であって、前記空気換気弁が、大気からの空気の侵入を動的に制御するための電動式リニア弁アクチュエータを含む、空気換気弁と、
d)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた煙排出弁であって、前記煙排出弁は、前記ガス送達システムが煙排出モードで動作しているときに前記マニホールド組立品からのガスの退出を動的に制御するための電動式リニア弁アクチュエータを含む、煙排出弁と、
e)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス充填弁であって、前記ガス充填弁が、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するための電動式リニア弁アクチュエータを含む、ガス充填弁と、
を備える、マニホールド組立品。
【請求項12】
前記マニホールド組立品からのガスの放出を制御するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた過圧逃し弁を更に備え、前記過圧逃し弁が、電磁弁である、請求項11に記載のマニホールド組立品。
【請求項13】
前記マニホールド本体が、ガスをガス密封アクセスポートに送達するための送達ポートと、前記ガス密封アクセスポートからガスを受け入れるための受け入れポートと、を含む、請求項11に記載のマニホールド組立品。
【請求項14】
前記マニホールド本体が、前記マニホールド組立品を通って再循環するガス中のCO
2のレベルを監視するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス品質センサを含む、請求項11に記載のマニホールド組立品。
【請求項15】
前記マニホールド本体が、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの入口側と動作可能に関連付けられた第1の圧力センサと、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられた第2の圧力センサと、を含む、請求項11に記載のマニホールド組立品。
【請求項16】
各電動式リニア弁アクチュエータが、それぞれのラックアンドピニオン式機構を含む、請求項11に記載のマニホールド組立品。
【請求項17】
各ラックアンドピニオン式機構が、水平作動シャフトと、前記水平作動シャフトと動作可能に関連付けられた水平駆動ラックギアと、前記水平駆動ラックギアによって駆動される回転駆動ピニオンギアと、前記駆動されるピニオンギアによって駆動され、かつばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた垂直被駆動ラックギアと、を含む、請求項16に記載のマニホールド組立品。
【請求項18】
各水平駆動ラックギアが、第1の水平軸に沿って並進するように取り付けられ、各回転被駆動ピニオンギアが、前記第1の水平軸に垂直に延在する第2の水平軸を中心に回転するように取り付けられている、請求項7に記載のマニホールド組立品。
【請求項19】
外科用ガス送達システムのためのマニホールド組立品であって、
a)コンプレッサの出口側からガスを受け入れるための入口ポート及び前記コンプレッサの入口側にガスを再循環するための出口ポートを含む、マニホールド本体と、
b)前記マニホールド本体の前記入口ポート及び前記出口ポートと連通する、バイパス弁であって、前記バイパス弁が、前記バイパス弁を通るガスの流れを動的に制御するための電動式回転弁アクチュエータを含む、バイパス弁と、
c)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記入口側と動作可能に関連付けられた空気換気弁であって、前記空気換気弁が、大気からの空気の侵入を動的に制御するための電動式回転弁アクチュエータを含む、空気換気弁と、
d)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた煙排出弁であって、前記煙排出弁は、前記ガス送達システムが煙排出モードで動作しているときに前記マニホールド組立品からのガスの退出を動的に制御するための電動式回転弁アクチュエータを含む、煙排出弁と、
e)前記バイパス弁の上流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス充填弁であって、前記ガス充填弁が、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するための電動式回転弁アクチュエータを含む、ガス充填弁と、
を備える、マニホールド組立品。
【請求項20】
前記マニホールド組立品からのガスの放出を制御するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられた過圧逃し弁を更に備え、前記過圧逃し弁が、電磁弁である、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【請求項21】
前記マニホールド本体が、ガスをガス密封アクセスポートに送達するための送達ポートと、前記ガス密封アクセスポートからガスを受け入れるための受け入れポートと、を含む、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【請求項22】
前記マニホールド本体が、前記マニホールド組立品を通って再循環するガス中のCO
2のレベルを監視するための、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの前記出口側と動作可能に関連付けられたガス品質センサを含む、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【請求項23】
前記マニホールド本体が、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの入口側と動作可能に関連付けられた第1の圧力センサと、前記バイパス弁の下流にある、前記コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられた第2の圧力センサと、を含む、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【請求項24】
各電動式回転弁アクチュエータが、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた減速ギア組立品を含む、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【請求項25】
各電動式回転弁アクチュエータが、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた軸方向駆動ねじを含む、請求項19に記載のマニホールド組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月22日に出願された米国特許出願第17/155,478号の一部継続である2021年6月7日に出願された米国特許出願第17/340,519号、及び2021年1月22日に出願された米国特許出願第17/155,572号の一部継続に対する優先権を主張するものであり、その開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
1.技術分野
本発明は、低侵襲手術、より具体的には、内視鏡又は腹腔鏡外科処置中のガス密封送気及び再循環に使用される外科用ガス送達システムのガス密封マニホールド組立品を対象とする。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
腹腔鏡下又は「低侵襲性」外科的手術技術は、胆嚢摘出、虫垂切除術、ヘルニア修復及び腎摘出などの手術の実施において普及している。そのような処置の利点には、患者への外傷の減少、感染の機会の低減、及び回復時間の短縮が含まれる。腹(腹膜)腔内のこのような手術は、典型的には、トロカール又はカニューレとして知られる装置を通して実施され、これは腹腔鏡器具の患者の腹腔内への導入を促進する。
【0004】
加えて、このような処置は、一般に、二酸化炭素などの加圧流体で腹腔の充填又は腹腔に「送気」して、気腹と称される手術空間を作り出すことを含む。送気は、送気用流体を送達するように装備されたトロカールなどの手術用アクセス装置、又は送気用(ベレス)ニードルなどの別個の送気用装置によって、実施され得る。気腹を維持するために、送気ガスの実質的な損失なしに、外科手術器具の気腹への導入が望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡下処置中に、外科医は、通常各々約12ミリメートル以下の3、4個所の小さな切開を行い、これは通常、手術用アクセス装置自体を用いて、しばしばその中に配置された別個の挿入器又は閉塞具を使用して行われる。挿入後、閉塞具が取り外され、トロカールは腹腔内に挿入される器具に対するアクセスを可能にする。典型的なトロカールは、外科医が作業する開放内部空間を持つように、腹腔に送気する経路を提供する。
【0006】
トロカールは、トロカールと使用されている外科手術器具の間の密封によって空洞内の圧力を維持する方式を提供しつつも、なお外科手術器具の少なくとも最小量の移動の自由を可能にしなければならない。このような器具には、例えば、はさみ、把持器具及び閉塞具、焼灼ユニット、カメラ、光源及びその他の外科手術器具が含まれ得る。密封要素又は機構は通常、腹腔からの送気ガスの漏れを防ぐためにトロカールに提供される。これらの密封機構は多くの場合、トロカールを通過する外科手術器具の外側表面の周りに密封するために、比較的柔軟な材料で作られたダックビル型弁を含む。
【0007】
ConMed Corporationの完全子会社であるSurgiQuest,Inc.は、例えば米国特許第7,854,724号及び米国特許第8,795,223号に記載されるように、従来の機械的弁シールを必要とせずに、送気された外科手術腔にすぐにアクセスすることを可能にする、独自のガス密封手術用アクセス装置を開発した。これらの装置は、内側管状体部分及び同軸外側管状体部分を含むいくつかのネストされた構成要素から構築される。内側管状体部分は、従来の腹腔鏡又は内視鏡外科手術器具を患者の外科手術腔に導入するための中央ルーメンを画定し、外側管状体部分は、患者の外科手術腔に送気ガスを送達し、腹圧の定期的な感知を促進するための内側管状体部分を囲む環状ルーメンを画定する。
【0008】
SurgiQuest社はまた、上述の独自のガス密封アクセス装置と併用するためのマルチモード外科用ガス送達システムも開発した。例えば、米国特許第9,199,047号及び米国特許第9,375,539号に開示されているこれらのガス送達システムは、体腔へのガス密封アクセスを提供する第1の動作モード、体腔からの煙排出を実施するための第2の動作モード、及び体腔に送気ガスを提供する第3の動作モードを有する。
【0009】
先行技術であるSurgiQuest社のガス送達システムでは、体腔への送気ガスの送達又は流出は、ガス流量を動的に制御する能力に関して特定の制限を有する電磁弁によって制御される。例えば、6mmの開口部を有する電磁弁は、ゼロ及び差圧の関数としての6mmの開口部流という2つの流れ状態を有する。しかしながら、6mmの開口部の比例弁は、無限数の中間流れ設定、又は同等の開口部直径を有する。
【0010】
流れは開口部直径の二乗の関数であるため、比例弁の追加的な中間弁の位置は、単純な直線関係を超えた微細な制御、並びにより低い圧力で安定した流量を達成し、圧力振動を低減し、空気ハンマーを除去する能力を提供する。更に、弁開口部の最初の10%、又は有効開口部直径0.6mmは、全開流量の1パーセント(10%2)を調節するが、これは小児用途に好都合であり得る。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、外科用ガス送達システムのための新しく有用なマニホールド組立品を対象としており、マニホールド組立品は、コンプレッサの出口側からガスを受け入れるための入口ポート及びコンプレッサの入口側にガスを再循環するための出口ポートを含む、マニホールド本体と、マニホールド本体の入口ポート及び出口ポートと連通する、バイパス弁であって、バイパス弁が、バイパス弁を通るガスの流れを動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む、バイパス弁と、を含む。
【0012】
マニホールド組立品は、バイパス弁の上流にある、コンプレッサの入口側と動作可能に関連付けられている空気換気弁を更に含む。空気換気弁は、大気からの空気の侵入を動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む。煙排出弁は、バイパス弁の上流にある、コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられている。煙排出弁は、ガス送達システムが煙排出モードで動作しているときにマニホールド組立品からのガスの退出を動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む。
【0013】
ガス充填弁は、バイパス弁の上流にある、コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられている。ガス充填弁は、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するための電気機械弁アクチュエータを含む。マニホールド組立品は、マニホールド組立品からのガスの放出を制御するための、バイパス弁の下流にある、コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられている、過圧逃し弁を更に含む。好ましくは、過圧逃し弁は、電磁弁である。
【0014】
マニホールド本体は、ガスをガス密封アクセスポートに送達するための送達ポートと、ガス密封アクセスポートからガスを受け入れるための受け入れポートと、を含む。加えて、マニホールド本体は、マニホールド組立品を通って再循環するガス中のCO2のレベルを監視するための、バイパス弁の下流にある、コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられたガス品質センサを含む。マニホールド本体はまた、バイパス弁の下流にある、コンプレッサの入口側と動作可能に関連付けられた第1の圧力センサと、バイパス弁の下流にある、コンプレッサの出口側と動作可能に関連付けられた第2の圧力センサと、を含む。
【0015】
本発明の一実施形態では、各電気機械弁アクチュエータは、それぞれのラックアンドピニオン式機構を含む電動式リニアアクチュエータである。各ラックアンドピニオン式機構は、水平作動シャフト、水平作動シャフトと動作可能に関連付けられた水平駆動ラックギア、水平駆動ラックによって駆動される回転駆動ピニオンギア、及び駆動されるピニオンギアによって駆動され、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた垂直被駆動ラックギアを含む。好ましくは、各水平駆動ラックギアは、第1の水平軸に沿って並進するように取り付けられ、各回転被駆動ピニオンギアは、第1の水平軸に垂直に延在する第2の水平軸を中心に回転するように取り付けられている。
【0016】
本発明の別の実施形態では、各電気機械弁アクチュエータは、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた減速ギア組立品を含む電動式回転アクチュエータである。本発明の更に別の実施形態では、各電気機械弁アクチュエータは、ばね式垂直弁ステムと動作可能に関連付けられた軸方向駆動ねじを含む電動式回転アクチュエータである。
【0017】
本発明のマニホールド組立品のこれら及びその他の特徴は、以下の図面の簡単な説明と併せてなされた好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明に関連する当業者にはより容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
当業者は、必要以上の実験なしに、本発明のガス送達システム及び方法を製造及び使用する方法を容易に理解するであろうゆえに、その好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0019】
【
図1】
図1は、ガス密封アクセスポートと連通するためのガス密封マニホールド、及びガス密封アクセスポート及び弁密封アクセスポートと連通するための送気マニホールドを含む、本発明のマルチモードガス送達システムの概略図である。
【
図2】
図2は、複数の電動式リニア弁アクチュエータを含む、
図1に示すガス送達システムで使用するためのガス密封マニホールド組立品の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すガス密封マニホールド組立品の右側図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すガス密封マニホールド組立品の左側図である。
【
図5】
図5は、
図2に示すガス密封マニホールド組立品の正面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すガス密封マニホールド組立品の背面図である。
【
図7】
図7は、
図3の線7-7に沿って切り取られた断面図である。
【
図8】
図8は、
図3の線8-8に沿って切り取られた断面図である。
【
図9】
図9は、
図5の線9-9に沿って切り取られた断面図である。
【
図11】
図11は、複数の電動式回転弁アクチュエータを含む、
図1のガス送達システムで使用するための別のガス密封マニホールド組立品の斜視図である。
【
図12】
図12~
図14は、ステッパーモーター及び軸方向駆動ねじを含む、
図11に示す例示的な電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図12は、回転アクチュエータの立面図である。
【
図13】
図12~
図14は、ステッパーモーター及び軸方向駆動ねじを含む、
図11に示す例示的な電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図13は、
図12の線13-13に沿った回転アクチュエータの断面図である。
【
図14】
図12~
図14は、ステッパーモーター及び軸方向駆動ねじを含む、
図11に示す例示的な電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図14は、回転アクチュエータの斜視図である。
【
図15】
図15~
図17は、ステッパーモーター及び減速ギア組立品を含む別の電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図15は、回転アクチュエータの立面図である。
【
図16】
図15~
図17は、ステッパーモーター及び減速ギア組立品を含む別の電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図16は、
図15の線16-16に沿った回転アクチュエータの断面図である。
図17は、回転アクチュエータの斜視図である。
【
図17】
図15~
図17は、ステッパーモーター及び減速ギア組立品を含む別の電動式回転弁アクチュエータの関連図であり、
図17は、回転アクチュエータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、同様の参照番号が本発明の類似の構造要素及び特徴を識別する図面を参照すると、内視鏡外科処置中又は腹腔鏡外科処置中にガス密封送気、再循環及び煙排出のために適合及び構成されている、新しく有用なマルチモード外科用ガス送達システム10が
図1に図示されている。本発明のマルチモード外科用ガス送達システム10は、ガス密封アクセスポート20と連通するためのガス密封マニホールド110、及びガス密封アクセスポート20及び弁密封アクセスポート30と連通するための送気マニホールド210を含む。
【0021】
ガス密封アクセスポート20は、同一出願人による米国特許第8,795,223号に開示されているタイプのものであり、これは参照により本明細書に組み込まれる。ガス密封アクセスポート20は、体腔内で安定した圧力(例えば、腹膜腔又は腹腔内の安定した気腹)を維持しながら、体腔へのアクセスをガス密封器具に提供するように適合及び構成される。対照的に、弁密封アクセスポート30は、例えば、ダックビル型シール、セプタムシールなどの機械的弁シールを介して体腔へのアクセスを提供するための従来的又は標準的なトロカールである。特定の外科処置の要件に左右されるが、マルチモードガス送達システム10は、ガス密封アクセスポート20、弁密封アクセスポート30、又は両方のアクセスポート20、30のいずれかと同時に利用することができる。
【0022】
ガス送達システム10は、ガス密封マニホールド110によってガス密封アクセスポート20を通して外科用ガスを再循環するためのコンプレッサ又は陽圧ポンプ40を更に含む。コンプレッサ40は、好ましくは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第10,702,306号に開示されるように、ガス送達システム10内のガス圧及び流量を調整するように有利に制御され得るブラシレスDC(直流)モーターによって駆動される。代替的に、コンプレッサ40はACモーターによって駆動され得るが、DCモーターは比較的小さくより軽量であるため、製造の観点からより有利である。
【0023】
中間冷却器及び/又は凝縮器50は、ガス密封マニホールド110を通って再循環するガスを冷却又は他の方法で調整するために、コンプレッサ40と動作可能に関連付けられる。UVC照射器52は、その中にコンプレッサ40によって形成される内部流路54を通って再循環するガスを滅菌するために、中間冷却器又は凝縮器50と動作可能に関連付けられる。加えて、UVC照射器52は、ガスが中間冷却器/凝縮器50内に流れるガス導管又は流路54の内面を滅菌することを意図している。
【0024】
UVC照射器は、好ましくは、少なくとも1つのLED光源、又は約240~350nm、好ましくは約265nmの波長のUVC放射を生成するように適合及び構成される蛍光光源を含む。このような波長でのこの紫外線光は、システムのガス導管内のウイルス、細菌及び微生物を滅菌することができ、SARS-COV-2を含むコロナウイルスを低減することができる。
【0025】
好ましくは、コンプレッサ40、中間冷却器/凝縮器50、ガス密封マニホールド110及び送気マニホールド210は全て、共通ハウジング内に囲まれており、これには、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第9,199,047号に開示されているグラフィカルユーザーインターフェース及び制御電子機器を含む。
【0026】
ガス送達システム10は、ガス密封マニホールド110及び送気マニホールド210と連通する外科用ガス源60を更に含む。ガス源60は、局所的な圧力容器又は病院又は医療施設と関連付けられた遠隔供給タンクであってもよい。好ましくは、外科用ガス源60からのガスは、高圧調節器65及びガスヒーター70を通って流れ、その後、ガス密封マニホールド110及び送気マニホールド210に送達される。好ましくは、高圧調節器65及びガスヒーター70はまた、共通ハウジングのコンプレッサ40、中間冷却器50、ガス密封マニホールド110及び送気マニホールド210で囲まれている。
【0027】
ガス送達システム10は、弁密封アクセスポート30への送気ガスの流れを制御するための送気マニホールド210と動作可能に関連付けられている第1の出口ライン弁(OLV1)212と、ガス密封アクセスポート20への送気ガスの流れを制御するための送気マニホールド210と動作可能に関連付けられている第2の出口ライン弁(OLV2)214とを更に含む。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、送気マニホールド210の第1の出口ライン弁212及び第2の出口ライン弁214は、患者の体腔で発生する体積変動に合わせて、アクセスポート20、30への送気ガスの流出を動的に変化させるか、又は他の方法で制御するように構成された比例弁である。第1の比例出口ライン弁212及び第2の比例出口ライン弁214は、送気ガス流量の微細な制御をガス送達システム10に提供し、より低い圧力での安定した流量を達成し、圧力振動を低減し、空気ハンマーを除去する。
【0029】
第1の比例出口ライン弁212及び第2の比例出口ライン弁214は、患者の近位にあり、流量摩擦損失が比較的低いため、ガス送達システム10は、腹膜圧を正確に測定することができる。更に、閉ループ煙排出又はガス密封アクセスポート20のいずれかによって、ガス送達システム10全体にわたり一定のガス再循環があるため、この目的のために比例出口ライン弁を使用することが独自に可能である。
【0030】
比例弁は、最小流れ状態と最大流れ状態との間の無限可変ガス流の調整を可能にする。呼吸などの患者の体腔のいくらかの体積変化が予想され、かつ一貫していることを考えると、比例出口ライン弁を採用することによって、送気マニホールド210は、体腔へのガス流を動的に変化させて、予想される体積変化を逆転させ、体腔内の圧力に対する中立的効果をもたらすことができる。
【0031】
マニホールド210からの送気ガスの流出を制御するために比例弁を使用する更なる利点は、電磁弁の利点と比較して応答時間が短縮されることである。電磁弁は、コイルにエネルギーを印加することによって動作し、これによりピストンを移動させる電磁力を生成する。しかしながら、コイルの通電にはある程度の時間がかかり、これは、命令された動作とピストンの物理的移動との間に遅延を生じさせる。対照的に、本発明のガス送達システム10で用いられる比例弁には、概して通電の遅延がなく、したがって、電磁弁と比較して改善された応答時間を有する。
【0032】
送気マニホールド210は、第1の出口ライン弁212の下流にある、第1の患者圧力センサ(PWS1)222と、第2の出口ライン弁214の下流にある、第2の患者圧力センサ(PWS1)224と、を更に含む。これらの2つの患者圧力センサは、それぞれ、出口ライン弁212、214を制御するため、腹圧を測定するために使用される。2つの他の圧力センサは、出口ライン弁212、214の上流に位置し、DPS1及びDPS2として表示されている。これらの2つの圧力センサは、送気マニホールド210から患者の体腔への総ガス流量を推定するために使用される圧力差を測定するために、ベンチュリ内に配置される。
【0033】
一次比例弁(PRV)216はまた、送気マニホールド210と動作可能に関連付けられ、第1の出口ライン弁212及び第2の出口ライン弁214の上流に位置し、第1の出口ライン弁212及び第2の出口ライン弁214への送気ガスの流れを制御する。比例弁216は、送気マニホールド210(LPUの中央ノードとして)内の中間圧力を、システム動作モードに応じて、1~80mmHgの間の一定圧力で維持する機能を果たす。PRV 216の開放は、患者の呼吸、PRV 216の下流でのガス漏れ、又は安全弁LSV 227若しくは換気弁VEV 228の開放、すなわち、中間圧力を降下させる任意の事象のいずれかによって、間接的に開始され得る。システム内で、LSV 227及びVEV 228は、以下でより詳細に説明される。
【0034】
ガス密封マニホールド110はまた、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている高圧ガス充填弁(GFV)112を含む。GFV 112は、外科用ガス60の供給源からガス密封マニホールド110内に送達されるガスを制御するように適合及び構成される。好ましくは、ガス充填弁112は、ガス密封マニホールド110内に送達される外科用ガスを動的に制御することができる比例弁である。
【0035】
ガス密封マニホールド110はまた、例えば、ガス送達装置10が煙排出モードで動作しているときなど、特定の動作条件下で、ガス密封マニホールド110と送気マニホールド210との間のガス流を動的に制御するための、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている煙排出弁(SEV)114を含む。好ましくは、煙排出弁114は比例弁である。
【0036】
バイパス弁(SPV)116は、特定の動作条件下でガス密封マニホールド110内のガス流を制御するために、コンプレッサ40の出口側とコンプレッサ40の入口側との間に位置付けられる。好ましくは、バイパス弁116は、比例弁であり、比例弁は、ガス密封アクセスポート20内に生成されるガスシールを確立して制御するために可変的に開放される。更に、バイパス弁116は、以下で更に詳細に説明する、圧力センサ122、124からのフィードバックを使用してガスシールへのガス流量を制御する。
【0037】
ガス密封マニホールド110はまた、空気換気弁(AVV)118を含み、これは、特定の動作条件下でのシステム10への大気の混入を制御するために、コンプレッサ40の入口側と動作可能に関連付けられる。例えば、AVV 118は、大気をガス密封回路内に導入して、回路内の空気質量(すなわち、標準体積)を増加させることを可能にする。臨床使用条件の熱力学が、ガス回路内での標準体積の喪失を引き起こす可能性がある。換気弁118は、ポンプ圧力及び流量がガス密封アクセスポート20内のガスシールを維持するのに十分なことを保証するために、ガス送達システム10がこの失われた体積を補うことを可能にする。換気弁118はまた、ガスシール回路の真空側圧力を減少させるために開放され得る。
【0038】
過圧逃し弁(ORV)120は、特定の動作条件下でシステム10から大気へのガス放出を制御するために、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられる。好ましくは、過圧逃し弁120は、特に、ガス送達システム10への電力喪失などの緊急時に、ガスシール回路の陽圧側を減少させるために開かれる比例弁である。逃し弁120の通常開放されている構成は、その弁への電力喪失時の患者体腔への過圧リスクを減少させる。
【0039】
第1の圧力センサ(RLS)122は、コンプレッサ40の入口側と動作可能に関連付けられ、第2の圧力センサ(PLS)124は、コンプレッサ40の出口側に動作可能に関連付けられる。これらの圧力センサ122、124は、連続的にかつ正確に腔内圧を測定するために、患者の腹腔内に遮られることなく、かつ最小限に限定的な連通を有するように位置付けられる。これらの2つの圧力センサ122、124からの信号は、2つの出口ライン弁212及び214の開口部を調節して患者の腔内圧を制御するために、ガス送達システム10のコントローラによって使用される。
【0040】
加えて、ガス密封マニホールド110は、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられているガス品質センサ126を含む。ガス品質センサは、米国特許第9,199,047号に開示されているように、患者の体腔内のCO2濃度に対応する再循環回路内の酸素レベルを監視する。
【0041】
第1の遮断弁(BV1)132は、ガス密封マニホールド110の出口流路と動作可能に関連付けられ、第2の遮断弁(BV2)134は、ガス密封マニホールド110への入口流路と動作可能に関連付けられる。遮断弁132、134は、米国特許第9,199,047号に開示されているように、外科処置前のセルフテスト中に用いられる。第1の遮断弁132及び第2の遮断弁134は、機械作動式又は空気作動式であり得ることが想定される。
【0042】
第1のフィルタ要素142は、コンプレッサ40からガス密封アクセスポート20に流れる加圧ガスをフィルタリングするために第1の遮断弁132の下流に位置付けられ、第2のフィルタ要素144は、ガス密封アクセスポート20からコンプレッサ40に戻るガスをフィルタリングするために、第2の遮断弁134の上流に位置する。好ましくは、フィルタ要素142、144は、例えば、米国特許第9,199,047号に開示されるように、共通フィルタカートリッジ内に収容される。
【0043】
第1の遮断弁132及び第2の遮断弁134は、送気マニホールド210内に含まれる遮断弁パイロット(BVP)226と連通する。好ましくは、遮断弁パイロット226は、電磁弁である。BVP 226は、示されるようにコンプレッサ出口から、又は外科用ガス若しくは空気などのガス源から供給され得ることが想定される。送気マニホールド110は、一次比例弁216の下流及び出口ライン弁212、214の上流に位置する圧力センサ(PMS)225を更に含む。2つの出口ライン弁は、アクセスポート23、30によって患者の体腔に送気ガスを導入するために開放される。このガスの導入には、体腔内の圧力を増加させる効果がある。加えて、出口ライン弁212、214は、体腔からガスを放出し、脱気及び腔内圧の低下の影響を有するために、空気換気弁228と併せて開放されることができる。
【0044】
送気マニホールド210は、特定の動作条件下で、システム10から大気へのガスの放出を制御するための、一次比例弁216の下流にあり、第1の出口ライン弁212及び第2の出口ライン弁214の上流にある、低圧安全弁(LSV)227を更に含む。LSV 227は純粋に機械弁であり、停電、圧力コントローラの誤動作、又はLSVの上流に位置する弁が開位置にある場合、マニホールド210内又はLPU(低圧ユニット)内の最大中間圧力を制限するように機能する。
【0045】
加えて、換気排気弁(VEV)228は、特定の動作条件下でシステム10から大気へのガス放出を制御するために、一次比例弁216の下流及び出口ライン弁212、214の上流に位置する。換気排気弁228は、好ましくは、患者の腔内圧を脱気するか、他の方法で低下させるために開放される比例弁である。加えて、VEV 228は、LPU内の中間圧力を減少させるために開放され得る。
【0046】
フィルタ要素242は、送気マニホールド210から弁密封アクセスポート30へ流れる送気ガスをフィルタリングするために、第1の出口ライン弁212の下流に位置する。別のフィルタ要素244は、送気マニホールド210からガス密封アクセスポート20へ流れる絶縁ガスをフィルタリングするために、第2の出口ライン弁224の下流に位置する。好ましくは、フィルタ要素244は、共通フィルタカートリッジ内にフィルタ要素142及び144と共に収容され、一方でフィルタ要素242は別々に配置される。
【0047】
ここで
図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成され、
図1に図示するガス送達システム10での使用のために適合及び構成される、概して参照番号310によって示されるガス密封マニホールド組立品が図示されている。ガス密封マニホールド組立品310は、コンパクト、すぐに使用可能な、交換可能なモジュラーユニットとして設計される。それは、コンプレッサ(例えば、
図1のコンプレッサ40)の出口側からガスを受け入れるための入口ポート330と、コンプレッサ40の入口側にガスを再循環するための出口ポート340と、を有する、マニホールド本体315を含む。代替的に、マニホールド本体315のポート440は、ガスをコンプレッサの入口側に引き戻すために利用され得る。
図3及び
図4に示すように、マニホールド本体315はまた、ガスをガス密封アクセスポート20に送達するための送達ポート350、及びガス密封アクセスポート20からガスを受け入れるための受け入れポート360を含む(
図1も参照)。
【0048】
図8~
図10で最もよく分かるように、マニホールド本体315は、ガス密封マニホールド組立品310の様々な制御弁及びセンサ間の外科用ガスと空気の流れを促進する、一連の相互接続された内部ドリル式通路を画定する。当業者であれば、マニホールド本体315内のこれらの通路の配置及び位置は設計によって変わる場合があるため、本発明の範囲に対する制限として考慮されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0049】
図3~
図6と併せて
図2を引き続き参照すると、バイパス弁(SPV)116は、マニホールド本体315の入口ポート330及び出口ポート340と連通する。上述のように、バイパス弁116は、圧力センサ122(RLS)、124(PLS)からのフィードバックを使用してガスシールへのガス流量を制御する。バイパス弁116は、ガス流を動的に制御するための電動式リニアアクチュエータ316を含む。マニホールド本体315は、センサ122(RLS)と連通する第1の圧力センサポート322と、圧力センサ124(PLS)と連通する第2の圧力センサポート324とを含む。
【0050】
空気換気弁(AVV)118は、バイパス弁116の上流にある、コンプレッサ40の入口側と動作可能に関連付けられている。空気換気弁114は、大気からの空気の侵入を動的に制御するための電動式リニアアクチュエータ318を含む。空気換気ポート418は、空気換気弁118内に大気を閉じ込めるためのマニホールド本体315内に提供されている(
図5及び
図10を参照)。
【0051】
煙排出弁(SEV)114は、バイパス弁116の上流にある、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている。マニホールド本体315上のポート414は、煙排出弁114と連通する。煙排出弁114は、ガス送達システム10が煙排出モードで動作しているときにマニホールド組立品310からのガスの退出を動的に制御するための電動式リニアアクチュエータ314を含む。
【0052】
ガス充填弁112(GFV)は、バイパス弁116の上流にある、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている。マニホールド本体315上のポート412は、ガス充填弁112と連通する。ガス充填弁112は、外科用ガス源からのガスの受け入れを動的に制御するための電動式リニアアクチュエータ312を含む。
【0053】
過圧逃し弁(ORV)120は、マニホールド組立品310からのガスの放出を制御するために、バイパス弁116の下流にある、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている。過圧逃し弁120は、直立ブラケット329上に支持された側面ハウジング327内に位置するばね式弁ステム323を有する、電磁アクチュエータ320を含む。この弁は、電力喪失時に開くことができる必要があるため、マニホールド組立品内の唯一の弁であり、電動式リニアアクチュエータによって駆動されない。
【0054】
マニホールド本体315はまた、バイパス弁116の下流にある、コンプレッサ40の出口側と動作可能に関連付けられている、ガス品質センサ326を含む。ガス品質センサは、必要に応じてガス送達システム10がガス品質を調整することができるように、マニホールド組立品310を通って再循環するガス中のCO2のレベルを監視する。
【0055】
ここで
図7~
図10を参照すると、各電動式リニアアクチュエータ(312、314、316、318)は、それぞれの弁の正確な動的制御を実施するための、それぞれのラックアンドピニオン式機構を含む。各ラックアンドピニオン式機構は、それぞれの水平作動シャフト(352、354、356、358)及びそれぞれの対応する水平駆動ラックギア(362、364、366、368)を含む。加えて、各電動式リニアアクチュエータ(312、314、316、318)は、水平駆動ラックギア(362、364、366、368)によって駆動される、回転駆動ピニオンギア(372、374、376、378)、及び駆動されるピニオンギア(372、374、376、378)によって駆動され、ばね式垂直弁ステム(392、394、396、398)と動作可能に関連付けられる、垂直被駆動ラックギア(382、384、386、388)を含む。各水平駆動ラックギア(362、364、366、368)は、第1の水平軸に沿って並進するように取り付けられ、各回転被駆動ピニオンギア(372、374、376、378)は、第1の水平軸に垂直に延在する第2の水平軸を中心に回転するように取り付けられている。
【0056】
使用時に、ガス送達システム10のコントローラから指令を受信すると、水平作動シャフト(右又は左)の直線的な移動は、対応するピニオンギア(時計回り又は反時計回り)を回転させる、関連する水平ギアラック(右又は左)の対応する直線移動を引き起こす。次に、そのピニオンギアは、関連する垂直駆動ラック(上下)を移動し、それによって、制御弁(112、114、116、118)の対応する弁ステム(392、394、396、398)の上向き又は下向きの移動を制御する。
【0057】
4つの電動式リニアアクチュエータ(312、314、316、318)は、マニホールド本体315上の2つの反対向きの対に一緒に群化される。より具体的には、ガス充填弁112のリニアアクチュエータ312及び煙排出弁114のリニアアクチュエータ314は、第1のハウジング325内に一緒に群化される。また、バイパス弁116のリニアアクチュエータ316、及び空気換気弁118のリニアアクチュエータ318は、第2のハウジング335内で一緒に群化される。前部及び後部の上部横断方向スペーサーロッド345及び355は、第1のハウジング325に構造的剛性を提供し、一方で前部及び後部の上部横断方向スペーサーロッド365及び375は、第2のハウジング335に構造的剛性を提供する。下部横断方向スペーサーロッド385は、第1のハウジング325に更に構造的剛性を提供し、下部横断方向スペーサーロッド395は、第2のハウジング335に対して同様の構造的剛性を提供する。当業者であれば、リニアアクチュエータ(312、314、316及び318)の各々と関連付けられたフラットリボンケーブルが、4つのアクチュエータに電力及び制御信号を伝達するガス送達システム10のコントローラに延在することを、図面から理解するであろう。
【0058】
ここで
図11を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成され、
図1に図示するガス送達システム10での使用のために適合及び構成される、概して参照番号510によって示される別のガス密封マニホールド組立品が図示されている。マニホールド組立品510は、ガス流を動的に制御するための同じ比例制御弁(すなわち、GFV、SEV、SPV、及びAVV)を含むという点で、
図2に示すマニホールド組立品310と実質的に類似しているが、本発明のこの実施形態では、これらの比例制御弁は、上述の電動式リニアアクチュエータ(312、314、316、318)ではなく、それぞれの電動式回転アクチュエータ500を有する。
【0059】
より具体的には、
図12~
図14に示すように、各電動式回転アクチュエータ500は、DC回転ステッパーモーター524によって駆動されるハウジング522内の垂直並進のためにサポートされる軸方向駆動ねじ520を含む。各回転アクチュエータでは、軸方向駆動ねじ520は、
図1に示す4つの制御弁112、114、116、118のうちのそれぞれ1つと関連付けられたばね式垂直弁ステム526と動作可能に関連付けられる。使用時に、駆動ねじ520の回転は、対応する弁ステム526の垂直移動を引き起こし、関連する制御弁を通って流れるガスの量を動的に調整する。
【0060】
代替的に、
図15~
図17に示されるように、電動式回転アクチュエータ600は、ガス流を動的に制御するためのガス密封マニホールド組立品510に採用されてもよく、その各々が、DC回転ステッパーモーター624によって駆動されるハウジング622内にサポートされる減速ギア組立品625を含む。減速ギア組立品は、ステッパーモーターによって生成されるトルクを低減する。各回転アクチュエータでは、減速ギア組立品625は、駆動ねじ620及びそれに接続されたばね式垂直弁ステム626と動作可能に関連付けられる。使用時に、減速ギア組立品の作動は、対応する駆動ねじ620及び取り付けられた弁ステム626の垂直移動を引き起こし、関連する制御弁(すなわち、112、114、116、118)を通って流れるガスの量を動的に調整する。
【0061】
本開示のガス送達システム及びガス密封マニホールド組立体が、好ましい実施形態を参照して示され、記述されてきたが、当業者であれば、変更及び/又は修正が、本開示の範囲から逸脱することなく作成され得ることを容易に理解するであろう。
【国際調査報告】