(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】多段階処理を用いる高品質の基油の生成方法
(51)【国際特許分類】
C10G 65/08 20060101AFI20240118BHJP
C10M 101/02 20060101ALI20240118BHJP
C10N 20/00 20060101ALN20240118BHJP
C10N 30/02 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
C10G65/08
C10M101/02
C10N20:00 A
C10N30:02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543394
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2022012705
(87)【国際公開番号】W WO2022159360
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イーファ
(72)【発明者】
【氏名】レイ、グワン - ダオ
【テーマコード(参考)】
4H104
4H129
【Fターム(参考)】
4H104DA02A
4H129AA02
4H129CA07
4H129CA09
4H129CA18
4H129KA10
4H129KA11
4H129KB03
4H129KC10X
4H129KD24X
4H129KD25X
4H129KD26X
4H129KD44X
4H129MA01
4H129MA12
4H129MB18A
4H129MB19A
4H129NA15
4H129NA32
4H129NA35
4H129NA37
(57)【要約】
もう1つ多い改善される特性、例えば低級芳香族化合物がある基油を、経済的に及び/または効率的に生成する方法が記載される。いくつかの実施形態では、方法は、比較可能な方法よりも低級の芳香族化合物の基油を有利にもたらす水素化仕上げステップの前またはそれと同時に、残留耐火性硫黄化合物の量を低減するステップを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低級芳香族基油を生成するための方法であって、
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1のSSZ-91異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、ニッケルを含む卑金属触媒と接触させること、及び
前記第2の異性化ストリームを、水素化仕上げストリームをもたらす水素化仕上げ条件下で貴金属水素化仕上げ触媒と接触させること、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法により生成される基油が0.4重量%未満の芳香族化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法によって生成される基油が、約-5℃~約-20℃の流動点を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法により生成される基油の前記全芳香族化合物が、残留耐火性硫黄化合物を含む第1の異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で卑金属触媒と接触させるステップを欠く比較可能な方法よりも少なくとも約60%少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
残留耐火性硫黄化合物を含む前記異性化ストリームが、前記異性化ストリームをもたらす水素化異性化脱蝋条件下で炭化水素供給原料を水素及び貴金属水素化異性化触媒と接触させることによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記貴金属水素化異性化触媒が、結晶性モレキュラーシーブSSZ-91及び白金を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記貴金属水素化仕上げ触媒は、シリカアルミナ担体と、パラジウム、白金、またはそれらの組み合わせから選択される貴金属とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記卑金属触媒がニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記貴金属水素化仕上げ触媒が、約0.1~約1.0重量%の貴金属含有量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水素化仕上げ条件が、約350°F~約500°Fの温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームが、約130°F~約230°Fの温度で前記卑金属触媒と接触される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記水素化異性化脱蝋条件が約550°F~約700°Fの温度を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記水素化異性化脱蝋条件が、約15~約3000psigの範囲の圧力を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記水素化異性化脱蝋条件は、水素の存在下で約0.1~約20hr
-1LHSVの範囲の炭化水素供給原料供給速度を含み、前記水素対炭化水素の比は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィートの範囲にある、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記水素化仕上げ条件が、約15~約3000psigの範囲の圧力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記水素化仕上げ条件が、約0.1~約20hr
-1LHSVの水素化仕上げストリーム供給速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームと前記卑金属触媒との前記接触が、前記第2の異性化ストリームと前記貴金属水素化仕上げ触媒との前記接触と同じ前記反応器で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームと前記卑金属触媒との前記接触が、前記第2の異性化ストリームと前記貴金属水素化仕上げ触媒との前記接触と異なる反応器で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記水素化仕上げストリームを蒸留し脱ブタン化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
低級芳香族基油を生成するための方法であって、
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1の異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、ニッケルを含む卑金属触媒と接触させることであって、前記条件が約130°F~約230°Fの温度を含む、前記接触させること、及び
前記第2の異性化ストリームを、シリカアルミナ担体と、パラジウム、白金、またはそれらの組み合わせから選択される貴金属とを含む貴金属水素化仕上げ触媒と接触させることであって、前記貴金属含有量が、水素化仕上げストリームをもたらす水素化仕上げ条件下で約0.1~約1.0重量%であり、それにおいて前記水素化仕上げ条件は、約15~約3000psigの範囲の圧力及び約350°F~約500°Fの範囲を含む、前記接触させること、を含み、
前記方法により生成される基油が0.4重量%未満の芳香族化合物を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年1月20日出願の米国特許出願係属番号第17/153,869号に対する優先権の利益を主張し、その開示は全体が本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本開示は、例えば、水素化処理ステップの前またはそれと同時に残留耐火性硫黄化合物の量を低減するステップを含む新規な方法を用いた、高品質の基油の生成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景と概要
原油から潤滑油を生成するための現代の精製方法では、通常、多数の水素による方法が使用される。この方法は、広範囲の動作条件にわたり適切な潤滑特性を有する潤滑油を生成するために使用される。水素化処理/水素化分解は、一般に、硫黄や窒素を含有する分子などの低粘度指数の分子を除去することによって粘度指数を高めるための、品質向上の方法である。水素化脱蝋は、通常、長鎖蝋状分子を異性化することで低温特性を改善する方法であり、別様であれば除去しないと留分の流動点と曇り点に悪影響を与える可能性がある。水素化仕上げは、通常、多くの場合芳香族分子を飽和させることにより、色や酸化安定性などの潤滑油基油の品質をさらに向上させる方法を指す。しかし、多くの場合、基油には望ましくないレベルの芳香族化合物、残留有機硫黄、及び/または窒素が依然として含まれる可能性がある。したがって、1つまたは複数の改善された特性を有する基油を経済的かつ効率的に生成するための追加または代替的な方法が発見されると望ましい。
【発明の概要】
【0004】
有利には、本発明の方法は、もう1つ多い改善される特性、例えば低級芳香族化合物がある基油を、経済的に及び/または効率的に生成する。一実施形態において、本願は、低級芳香族基油を生成する方法に関する。この方法は、ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1のSSZ-91異性化ストリームを、第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、卑金属触媒と接触させることを含む。次いで、第2の異性化ストリームを水素化仕上げ条件下で貴金属水素化仕上げ触媒と接触させて、水素化仕上げストリームをもたらす。
【0005】
別の実施形態では、本願は、低級芳香族基油の生成方法に関し、ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1の異性化ストリームを、第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下でニッケルを含む卑金属触媒と接触させることを含み、それにおいて条件は約130°F~約230°Fの温度を含む。次いで、第2の異性化ストリームを、シリカアルミナ担体と、パラジウム、白金、またはそれらの組み合わせから選択される貴金属とを含む貴金属水素化仕上げ触媒と接触させる。貴金属含有量は約0.1~約1.0重量%である。接触は水素化仕上げ条件下で行われ、水素化仕上げストリームが得られる。水素化仕上げ条件は、約15~約3000psigの範囲の圧力、及び約350°F~約500°Fの範囲を含む。この方法によって生成される基油は、0.4重量%未満の芳香族化合物を含み得る。
【0006】
開示された設計のさらなる特徴、及びそれによってもたらされる利点が、添付の図面に示される特定の例示的な実施形態を参照しながら、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な記述
【
図1】
図1は、1つの水素化脱蝋段階とそれに続く生成物分離システムに関する比較的簡略化されたプロセスフロースキームを示している。
【0008】
【
図2】
図2は、1つの水素化脱蝋段階とそれに続く水素化仕上げ段階及び生成物分離システムに関する比較的簡略化されたプロセスフロースキームを示している。
【0009】
【
図3】
図3は、1つの水素化脱蝋段階とそれに続く2つの水素化仕上げ段階及び生成物分離システムに関する簡略化されたプロセスフロースキームを示している。
【0010】
【
図4】
図4は、1つの水素化脱蝋段階とそれに続く2つのゾーンの水素化仕上げ段階(卑金属ゾーンと貴金属ゾーン)及び生成物分離システムに関する簡略化されたプロセスフロースキームを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な記述
本明細書には、1つ以上の態様の例示的な実施形態が示されているが、開示されている方法は、いずれの数の技法を用いて実施してもよい。本開示は、本明細書に例示及び記載されているいずれの例示的な設計及び実施形態も含め、本明細書に例示されている例示的または具体的な実施形態、図面及び技法に限定されず、均等物の全範囲と共に、添付の請求項の範囲内で改変してよい。
【0012】
以下の実施形態の説明は、本発明の様々な態様の特徴及び教示を具体的に説明するために、番号を参照しながら、非限定的な代表的な例を提示する。説明された実施形態は、実施形態の説明から、別個に、または他の実施形態と組み合わせて実施することが可能であると認識されるべきである。実施形態の説明を概観する当業者は、説明される本発明の様々な態様を学び、理解することができるはずである。具体的にカバーされていなくとも、実施形態の説明を読んだ当業者の知識の範囲にある他の実装が、本発明の適用と一貫性があると理解される程度まで、実施形態の説明は本発明の理解を容易にするはずである。
【0013】
定義
本明細書で使用される以下の用語は、別段の指示がない限り、本明細書で後に定義される意味を有する。
【0014】
「水素化処理」という用語は、炭化水素供給原料の成分(例えば、不純物)の水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱メタル化、及び/または水素化脱芳香族化、及び/または供給原料の不飽和化合物の水素化のために、水素の存在下で行われる方法またはステップを指す。水素化処理の種類及び反応条件に応じて、水素化処理の方法の生成物は、芳香族含有量、粘度、粘度指数、飽和物含有量、低温特性、揮発性、及び脱分極などが改善され得る。
【0015】
本明細書で使用される「モレキュラーシーブ」という用語は、均一なサイズの細孔、空洞、または間隙を含む結晶材料を指し、細孔、空洞、または間隙を通過するのに十分に小さい分子は吸着されるが、より大きな分子は吸着されない。モレキュラーシーブの例としては、ゼオライト及び非ゼオライトモレキュラーシーブ、例えば、SAPO(シリコアルミノホスフェト)、MeAPO(メタロアルミニウムホスフェート)、AlPO4、及びELAPO(非金属置換アルミノホスフェートファミリー)を含むがこれらに限定されないゼオライト類似体が挙げられる。
【0016】
本明細書で使用する「流動点」という用語は、制御された条件下で油が流れ始める温度を指す。流動点は、例えばASTM D5950によって判定され得る。
【0017】
「目標流動点」とは、潤滑油基油生成物の望ましいまたは要求される流動点を意味する。目標流動点は一般に約-10℃未満であり、典型的には約-10℃~-50℃の範囲である。
【0018】
本明細書で使用するとき、「曇り点」は、潤滑油試料が、油が特定の条件下で冷却されるときに曇りを生じ始める温度を指す。潤滑油基油の曇り点は、その流動点と相補的である。曇り点は、例えばASTM D5773によって判定され得る。
【0019】
基油の「流動点/曇り点スプレッド」または「流動・雲りスプレッド」は、曇り点と流動点の間の広がりまたは差を指し、℃単位で測定したとき、曇り点から流動点を引いたものとして定義される。一般に、流動点と曇り点の間の広がりを最小限に抑えることが望ましい。
【0020】
この開示で参照される元素の周期表は、Chemical Abstract Serviceによって発行された、Handbook of Chemistry and Physics, 72nd edition (1991-1992)のCASバージョンである。
【0021】
「第VIII族金属」とは、元素周期表の第VIII族から選択される元素金属、及び/またはそのような金属(複数可)を含む金属化合物を指す。
【0022】
特に明記しない限り、触媒反応ゾーンに供給される炭化水素または他の供給原料の「供給速度」は、本明細書では、1時間当たりの触媒の体積あたりの供給物の体積として表され、これは、時間の逆数の単位(h-1)が付され、液空間速度(LHSV)と呼ばれる場合がある。
【0023】
「水素化異性化」という用語は、水素の存在下、水素化異性化(脱蝋)触媒でn-パラフィン(n-アルカン)をより分岐した対応物に異性化する方法を指す。
【0024】
特に明記しない限り、個々の成分または成分の混合物を選択できる元素、材料、または他の成分の種類の記載は、列挙された成分及びそれらの混合物のすべての可能な下位一般的な組み合わせを含むことを意図する。また、「含む」及びその変形は、非限定的なものであることを意図しており、列挙した際の項目の記載は、本発明の材料、組成物、及び方法においても有用であり得る他の同様の項目を排除するものではない。
本明細書に記載される材料の特性は、いくつかの実施形態では次のように決定され得る:
【0025】
(a)SiO2/Al2O3比(SAR):ICP元素分析によって求められる。無限大(∞)のSARは、ゼオライトにアルミニウムが含まれないこと、すなわち、アルミナに対するシリカのモル比が無限大である場合を表す。その場合、モレキュラーシーブは本質的にすべてシリカから構成される。
【0026】
(b)表面積:その沸点におけるN2の吸着により求められる。BET表面積は、P/P0=0.050、0.088、0.125、0.163、及び0.200の5点法によって計算する。まず、試料を400℃で6時間、乾燥N2の流れの存在下で前処理し、水または有機物のようないずれの吸着揮発性物質も除去する。
【0027】
(c)微細孔容積:その沸点におけるN2吸着によって求められる。微細孔容積は、P/P0=0.050、0.088、0.125、0.163及び0.200のtプロット法により計算される。まず、試料を400℃で6時間、乾燥N2の流れの存在下で前処理し、水または有機物のようないずれの吸着揮発性物質も除去する。
【0028】
(d)メソ細孔径:その沸点におけるN2吸着によって求められる。メソ細孔径は、E.P. Barrett, L.G. Joyner and P.P. Halenda, “The determination of pore volume and area distributions in porous substances.I. Computations from nitrogen isotherms” J. Am. Chem. Soc. 1951 73, 373-380に記載されているBJH法により、N2等温線から計算される。まず、試料を400℃で6時間、乾燥N2の流れの存在下で前処理し、水または有機物のようないずれの吸着揮発性物質も除去する。
【0029】
(e)全細孔容積:P/P0=0.990で、その沸点におけるN2吸着によって求められる。まず、試料を400℃で6時間、乾燥N2の流れの存在下で前処理し、水または有機物のようないずれの吸着揮発性物質も除去する。
【0030】
(f)芳香族重量パーセントは、ASTM D2008に従って220nm~400nmの波長でのUV吸収によって求められる。
【0031】
芳香族化合物の転化率は、脱蝋生成物の芳香族化合物含有量を使用することにより、次の式によって計算される:X=(C供給物-C生成物)/C供給物*100。
【0032】
許可される場合、本願で引用されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、その開示が本発明と矛盾しない範囲に、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0033】
硫黄低減ステップを使用する本願の一般的な方法
本願の方法は一般に、低級芳香族基油を生成するための水素化仕上げステップの前またはそれと同時に、硫黄低減ステップを伴う異性化及び/または水素化仕上げ方法を含む。典型的には、方法は、第1の異性化ストリームよりも少量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、第1の異性化ストリームを卑金属触媒と接触させる硫黄低減ステップを含む。より少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームを、水素化仕上げ条件下で貴金属水素化仕上げ触媒と接触させて、水素化仕上げストリームをもたらす。
【0034】
第1の異性化ストリームを卑金属触媒と接触させるときに使用される条件及び触媒は、供給原料及び所望の基油生成物及び特性に応じて変化し得る。典型的には、圧力、温度、供給速度、及び触媒などの条件は、第2の異性化ストリームを従来の方法で水素化仕上げして、芳香族化合物の重量基準で、約0.4%未満、または約0.35%未満、または約0.3%未満、または約0.2%未満の基油を生成できるように選択される。他の実施形態では、この方法によって生成される基油の全芳香族化合物は、残留耐火性硫黄化合物を低減させるステップを欠く比較可能な方法よりも、少なくとも約60%少なくても、または少なくとも約55%少なくても、または少なくとも約50%少なくても、または少なくとも約45%少なくても、または少なくとも約40%少なくてもよい。
【0035】
圧力、温度、接触時間、供給速度、触媒、及び硫黄低減量などの硫黄低減ステップの典型的な条件には、例えば、少なくとも約130°F、または少なくとも約150°F、または少なくとも約160°F、または少なくとも約170°F、最大約230°F、または最大約220°F、または最大約210°F、または最大約200°F、または最大約190°Fの温度、約1800~2400psi、または約2000~2200psiの範囲の圧力、約0.8~1.5hr-1、または約1.0~1.4hr-1、または約1.1~1.3hr-1の範囲の液空間速度(LHSV)、及び約20~80%、または約20~60%、または約30~50%の範囲の硫黄の低減が含まれ得る。有用な触媒としては、例えばニッケルを含む卑金属触媒を挙げることができる。
【0036】
硫黄低減ステップは、水素化仕上げの前に行っても、水素化仕上げと同時に行ってもよい。すなわち、第1の異性化ストリームは、
図3に示すように、水素化異性化反応器とは別の反応器で、水素化異性化反応器よりも前に、卑金属触媒と接触させることができる。
【0037】
あるいは、硫黄低減ステップは、最初に第1の異性化ストリームを卑金属触媒と接触させて、第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームを生成し、次いで、第2の異性化ストリームを水素化仕上げ触媒と接触させることによって、水素化仕上げと同じ反応器で実施することができる。これは、任意の便利な方法で達成することができる。一実施形態では卑金属触媒は反応器の入口近くに充填され、一方、水素化仕上げ触媒は反応器の出口近くに充填される。いくつかの実施形態では、卑金属触媒と水素化仕上げステップを混合することができる。さらに、または代わりに、第1の異性化ストリームは、卑金属触媒と水素化仕上げ触媒の交互の段階で接触されてもよい。
【0038】
有用な異性化及び水素化仕上げ条件及び触媒を以下に記載する。
【0039】
水素化仕上げユニット
異性化供給原料は通常、1つ以上の水素化仕上げユニットに供給されて、最終的に1つ以上の水素化仕上げストリームを生成し、所望の基油生成物の適切な質及び収率をもたらす。このような1または複数の水素化仕上げステップは、基油生成物から微量のいずれの芳香族化合物、オレフィン、着色体なども除去し得る。水素化仕上げユニットは、シリカアルミナ担体及び貴金属、典型的にはパラジウム、またはパラジウムと組み合わせた白金を含む水素化仕上げ触媒を含んでもよい。実施形態では、水素化仕上げ触媒の貴金属含有量は、典型的には約0.1~約1.0重量%、通常約0.1~約0.6重量%、多くの場合約0.2~約0.5重量%の範囲であり得る。
【0040】
水素化仕上げは、当技術分野で公知であるように、水素化触媒の存在下で行うことができ、それはまた水素化仕上げ触媒とも呼ばれ得る。水素化仕上げに使用される水素化触媒は、例えば、シリカアルミナ担体の白金、パラジウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。水素化仕上げは、約350°F~約650°F(204℃~343℃)の範囲の温度、及び約400psig~約4000psig(2.76~27.58MPa)の範囲の圧力で行うことができる。潤滑油を生成するための水素化仕上げについては、例えば、米国特許第3,852,207号に記載されており、その開示は参照により本明細書に援用する。
【0041】
反応器の内部で、供給物は水素化処理条件下で、水素化処理触媒と接触することができる。供給原料を水素化処理触媒と接触させることは、供給原料の芳香族化合物を効果的に水素化し、一部の場合には、供給物から幾分かのN含有化合物及びS含有化合物を除去する役割を果たす。「芳香族化合物を効果的に水素化する」とは、水素化処理触媒が供給原料の芳香族含有量を少なくとも約20%減少させることができることを意味する。水素化処理された供給原料は、一般に、C10+n-パラフィン及びわずかに分枝したイソパラフィンを含み、一般には少なくとも約20%の蝋含有量を有することができる。水素化処理された供給原料は、まず、水素化異性化脱蝋条件下で水素化異性化触媒と接触させて、異性化ストリームをもたらすことができる。本発明の触媒脱蝋方法に使用できる水素化処理及び水素化異性化条件を、本明細書において後述する。
【0042】
水素化仕上げ触媒
実施形態では、本発明の触媒システムは、水素化処理または水素化触媒とも呼ばれ得る水素化仕上げを含むことができる。本発明において有用な水素化処理触媒は、耐火性無機酸化物担体及び第VIII族金属を含んでもよい。酸化物担体は、本明細書では結合剤とも呼ばれ得る。水素化処理触媒の担体は、アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニアなど、またはそれらの組み合わせから調製するか、またはそれらを含むことができる。触媒担体は、非晶質材料、結晶性材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。非晶質材料の例としては、非晶質アルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカ-アルミナなどが挙げられるが、これらに限定されない
【0043】
実施形態では、担体は非晶質アルミナを含んでもよい。シリカとアルミナの組み合わせを使用する場合、担体のシリカとアルミナの分布は均一であっても不均一であってもよい。いくつかの実施形態では、担体は、シリカ、シリカ/アルミナ、またはアルミナ基材が分散されたアルミナゲルからなり得る。担体は、アルミナまたはシリカ以外の耐火性材料、例えば他の無機酸化物または粘土粒子などを含んでもよいが、ただし、そのような材料が最終的な触媒の水素化活性に悪影響を及ぼさない、または供給原料の有害な分解を引き起こさないことを条件とする。
【0044】
副次的実施形態では、シリカ及び/またはアルミナは、一般に、水素化処理触媒の担体の少なくとも約90重量%を構成し、いくつかの実施形態では、担体は、少なくとも実質的にすべてシリカまたはすべてアルミナであり得る。水素化処理触媒の担体材料の種類に関係なく、本発明の方法及び触媒システムで使用される水素化処理触媒は、典型的には低い酸性度を有する。必要に応じて、担体の酸性度は、アルカリ及び/またはアルカリ土類金属カチオンで処理することによって、低下させることができる。
【0045】
本発明の実施において使用できる様々な結晶質及び非結晶質の触媒担体材料、ならびにそれらの酸性度レベルの定量化及び触媒担体の酸の部位を中和する方法は、同時係属中の共通譲渡された米国特許出願公開第2011/0079540号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0046】
水素化処理触媒の第VIII族金属成分(複数可)は、白金、パラジウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。実施形態では、水素化処理触媒は、約5:1~約1:5、典型的には約3:1~約1:3、多くの場合約1:1~1:2の範囲のPt:Pd比を有する白金とパラジウムを含む。水素化処理触媒の第VIII族金属含有量は、一般に、約0.01重量%~約5重量%、典型的には約0.2重量%~約2重量%の範囲であり得る。実施形態では、水素化処理触媒は、約0.1~約1.0重量%の範囲の濃度で白金を、約0.2~約1.5重量%の範囲の濃度でパラジウム含むことができる。
【0047】
実施形態において、水素化処理触媒の第VIII族金属は、無機酸化物担体に分散され得る。白金及び/またはパラジウム金属、または白金及び/またはパラジウムを含む化合物を担体の上に堆積させるための多くの方法が当技術分野で知られている。このような方法には、イオン交換、含浸、共沈などが含まれる。実施形態では、白金及び/またはパラジウム金属による担体の含浸は、制御されたpHの値で実行され得る。白金及び/またはパラジウムは、典型的には、ハロゲン化物塩、及び/またはアミン錯体、及び/または鉱酸の塩などの金属塩として、含浸溶液に添加される。アンモニウム塩は、第VIII族金属を含浸するための溶液を調製するのに特に有用であることがわかっている。使用され得る金属塩の他の例には、硝酸塩、炭酸塩、及び重炭酸塩、ならびに酢酸塩、クエン酸塩、及びギ酸塩などのカルボン酸塩が含まれる。
【0048】
場合により、含浸された担体を、含浸溶液と共に、例えば約2~約24時間の範囲の期間、放置してもよい。酸化物担体に第VIII族金属を含浸させた後、含浸させた担体を乾燥及び/またはか焼することができる。水素化処理触媒が乾燥され、か焼された後、調製された触媒は、当技術分野で慣用されているように、水素で還元され、使用に供され得る。
【0049】
典型的には、水素化処理触媒は、触媒の総体積の約5%~約20%、通常は触媒の総体積の約5%~約15%を構成し得る。
【0050】
異性化ストリーム、触媒及び反応条件
一般に、硫黄低減ステップのための異性化ストリームは、供給原料の特定の条件、基油の所望の特性、及び他の要因に応じて変化し得る任意の好都合な方法で得ることができる。有用な異性化ストリームは特に限定されず、所望の生成物、異性化、水素化仕上げ、及び/または他の条件、使用される触媒などに応じて変化し得る。異性化条件及び触媒は大きく異なり得る。典型的には、炭化水素供給原料は、水素化異性化脱蝋条件下で水素化異性化触媒と接触させて、異性化ストリームをもたらす。異性化ストリームは、炭化水素供給原料を、水素及び貴金属水素化異性化触媒と、水素化異性化脱蝋条件下で接触させて、異性化ストリームをもたらすことによって、生成され得る。
【0051】
貴金属水素化異性化触媒は多様であり得るが、いくつかの実施形態では、結晶性モレキュラーシーブSSZ-91及び白金を含む。このようなSSZ-91触媒は、“Molecular sieve SSZ-91, methods for preparing SSZ-91, and uses for SSZ-91”と題する米国特許第10,618,816号に詳細に記載されており、参照により本明細書に援用される。同様に、水素化異性化脱蝋条件は変化し得るが、いくつかの実施形態では、約550°F~約700°F、好ましくは590°F~約675°Fの温度を含む。いくつかの実施形態では、水素化異性化脱蝋条件は、約15~約3000psigの範囲、好ましくは約100~約2500psigの範囲の圧力を含む。
【0052】
水素化異性化脱蝋条件は、水素の存在下で約0.1~約20hr-1LHSVの範囲の炭化水素供給原料供給速度を含むことができ、水素対炭化水素の比は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィートの範囲にある。他の実施形態では、炭化水素供給原料の供給速度は、約0.1~約5hr-1LHSVであってもよい。いくつかの実施形態では、水素対炭化水素の比は、炭化水素1バレル当たり約2500~約5000標準立方フィートであってもよい。
【0053】
水素化異性化触媒は、例えば実質的に上記「水素化異性化触媒」で記載したような、1-D、10環モレキュラーシーブ及び第VIII族金属を含んでもよい。水素化異性化触媒は、供給原料成分が分解されるよりも優先的に異性化されるように、供給原料のn-パラフィンの異性化に対して選択的であり得る。
【0054】
水素化異性化触媒
実施形態では、本発明の方法は、炭化水素供給原料のn-パラフィンの異性化に対して選択的な水素化異性化触媒を使用する。有用な水素化異性化触媒は、モレキュラーシーブ及び第VIII族金属を含むことができる。実施形態では、水素化異性化触媒のモレキュラーシーブは、1-D、10環モレキュラーシーブを含むことができる。第1及び第2の水素化異性化触媒の第VIII族金属は、白金、パラジウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。実施形態では、水素化異性化触媒は、約0.1~約1.5重量%の第VIII族金属、典型的には約0.2~約1.0重量%であり、通常は約0.325~約1.0重量%の第VIII族金属を含んでもよい。実施形態では、水素化異性化触媒は、実質的に本明細書において後に説明されるように、Mg、Ca、Sr、Ba、K、La、Pr、Nd、Cr、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属改質剤をさらに含むことができる。
【0055】
一般に、水素化異性化触媒は、またさらに担体または結合剤を含む。担体は耐火性無機酸化物を含んでもよい。水素化異性化触媒に適した無機酸化物担体としては、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-チタニアなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。水素化異性化触媒は、モレキュラーシーブ成分の約5~約95重量%またはそれより多く、モレキュラーシーブの典型的には約15~約85重量%、通常はモレキュラーシーブの約25~約75重量%を含んでもよい。一般に、触媒が必要な活性及び選択性レベルを保持する限り、経済的な理由からモレキュラーシーブ成分を最小限に抑えることが有利である。水素化異性化触媒は、担体材料の約0~約95重量%、より典型的には約5~約90重量%を含んでもよい。
【0056】
本発明の方法に従って炭化水素供給原料を脱蝋するための例示的な触媒システムにおいて、各水素化異性化触媒は、1-D、10環モレキュラーシーブ及び第VIII族金属を含み得る。水素化異性化触媒のモレキュラーシーブは、中細孔ゼオライト、例えば約0.39nm~約0.7nmの範囲の細孔開口を有するゼオライトを含んでもよい。実施形態では、水素化異性化触媒のそれぞれは、約0.325重量%~約1重量%のプラチナをさらに含んでもよい。
【0057】
水素化異性化触媒の配合に有用であり得るモレキュラーシーブの例としては、SAPO-11、SAPO-31、SM-3、SM-6などのAELフレームワークタイプのコード、ならびにMTTまたはTONコードのゼオライトタイプの材料のモレキュラーシーブが挙げられる。MTTコードのモレキュラーシーブには、ZSM-23、SSZ-32、EU-13、ISI-4、及びKZ-1が含まれる。本発明の実施に有用であり得るTONコードのモレキュラーシーブには、Theta-1、ISI-1、KZ-2、NU-10、及びZSM-22が含まれる。MTT及びTONタイプのモレキュラーシーブのパラメータは、国際ゼオライト協会(International Zeolite Association、IZA)が発行するAtlas of Zeolite Framework Typesにさらに記載されている。実施形態では、水素化異性化触媒はゼオライトSSZ-32を含む。副次的実施形態では、水素化異性化触媒はSSZ-32を含む。本発明の方法は、いかなる特定の水素化異性化触媒配合物にも限定されない。
【0058】
触媒の金属充填
実施形態では、水素化異性化触媒は、1つ以上の金属改質剤(複数可)をさらに含むことができる。典型的には、金属改質剤(複数可)は、Mg、Ca、Sr、Ba、K、La、Pr、Nd、Cr、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。副次的実施形態で、金属改質剤はMgを含んでもよい。非限定的な例として、水素化異性化触媒は、1-D、10環モレキュラーシーブ、例えばSSZ-32、第VIII族貴金属、例えばプラチナ、及びいくつかの実施形態における金属改質剤、例えばマグネシウムを含んでもよい。実施形態では、本発明の金属被改質触媒は、Mgまたは他の金属改質剤(複数可)の約0.5~約3.5重量%、典型的にはMgまたは他の金属改質剤(複数可)の約0.5~約2.5重量%、通常は約0.9~約2.5重量%を含んでもよい。
【0059】
本発明の脱蝋方法のための触媒または触媒システムを配合する際、モレキュラーシーブと酸化物結合剤の混合物を、広範囲の物理的形状及び寸法を有する粒子または押出物に形成することができる。実施形態では、金属を充填する前に、押出物または粒子を乾燥及びか焼することができる。か焼は、典型的には約390°F~約1100°F(199℃~593℃)の範囲の温度で、約0.5~約5時間、またはそれより長い範囲の時間、実施することができる。次いで、か焼押出物または形成された粒子に、Ca、Cr、Mg、La、Na、Pr、Sr、K、Nd、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの金属改質剤を充填してもよい。理論に束縛されるものではないが、そのような金属は、金属改質水素化異性化触媒のモレキュラーシーブの酸部位の数を効果的に減少させることができ、それにより、供給原料のn-パラフィンの異性化(対分解)に対する触媒の選択性が高まる可能性がある。触媒(複数可)への改質する金属(複数可)の充填は、含浸またはイオン交換などの当技術分野で公知の技術によって達成され得る。イオン交換技術は、典型的には、押出物または粒子を、所望の金属カチオン(複数可)の塩を含む溶液と接触させることを含む。これに関しては、ハロゲン化物、硝酸塩、及び硫酸塩などの様々な金属塩を使用することができる。所望の金属カチオン(複数可)の塩溶液との接触後、押出物または粒子は、例えば約150°F~約800°F(66℃~427℃)の範囲の温度で乾燥され得る。その後、押出物または粒子に触媒の第VIII族金属成分をさらに充填することができる。
【0060】
実施形態において、本発明のモレキュラーシーブまたは触媒は、改質金属及び第VIII族金属と共含浸され得る。第VIII族を充填して金属を改質した後、触媒を空気または不活性ガス中、約500°F~約900°F(260℃~482℃)の範囲の温度でか焼することができる。金属改質剤を含むモレキュラーシーブ触媒の調製は、共通に譲渡された米国特許第7,141,529号及び米国特許出願公開第2008/0083657号に開示されており、それぞれの開示はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0061】
異性化及び水素化仕上げの反応条件
本発明の方法が実施される条件には、一般に、約390°F~約800°F(199℃~427℃)の範囲内の温度が含まれる。実施形態では、水素化異性化脱蝋条件には、約550°F~約700°F(288℃~371℃)の範囲の温度が含まれる。さらなる実施形態では、温度は、約590°F~約675°F(310℃~357℃)の範囲とすることができる。圧力は、約15~約3000psig(0.10~20.68MPa)の範囲、一般には約100~約2500psig(0.69~17.24MPa)の範囲とすることができる。
【0062】
一般には、本発明の脱蝋方法における触媒システム/反応器への供給速度は、約0.1~約20hr-1LHSV、通常は約0.1~約5hr-1LHSVの範囲とすることができる。一般に、本発明の脱蝋方法は水素の存在下で行われる。典型的には、炭化水素に対する水素の比率は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィート、通常、炭化水素1バレル当たり約2500~約5000標準立方フィートでの範囲内であり得る。
【0063】
上記の条件は、1つまたは複数の水素化異性化ゾーンの水素異性化条件だけでなく、水素化処理ゾーンの水素化処理条件にもあてはまり得る。反応器の温度及び他のプロセスパラメータは、使用される炭化水素供給原料の性質、ならびに所望の特性(例えば、流動点、曇り点、VI)及び基油生成物の収率などの要因に従って変化し得る。
【0064】
水素化異性化触媒は、例えば「水素化異性化触媒」下で実質的に本明細書で上記したような、1-D、10環モレキュラーシーブ及び第VIII族金属を含んでもよい。水素化異性化触媒は、供給原料の成分が分解されるよりも優先的に異性化されるように、供給原料のn-パラフィンの異性化に対して選択的であり得る。
【0065】
本発明の方法が実施される水素化仕上げ条件には、一般に、約300°F~約600°F(199℃~427℃)の範囲内の温度が含まれる。実施形態では、水素化仕上げ条件には、約300°F~約700°F(288℃~371℃)の範囲の温度が含まれる。さらなる実施形態では、温度は、約400°F~約600°F(310℃~357℃)の範囲とすることができる。圧力は、約15~約3000psig(0.10~20.68MPa)の範囲、典型的には約100~約2500psig(0.69~17.24MPa)の範囲とすることができる。
【0066】
一般には、本発明の水素化仕上げ方法における触媒システム/反応器への供給速度は、約0.1~約20hr-1LHSV、通常は約0.1~約5hr-1LHSVの範囲とすることができる。一般に、本発明の水素化仕上げ方法は水素の存在下で行われる。典型的には、炭化水素に対する水素の比率は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィート、通常、炭化水素1バレル当たり約2500~約5000標準立方フィートでの範囲内であり得る。
【0067】
基油生成物
基油生成物は、約-9℃以下、典型的には約-12℃以下、通常は約-14℃以下の流動点を有し得る。基油生成物は、約-5℃以下、典型的には約-7℃以下、通常は約-12℃以下の曇り点を有し得る。基油生成物は、約7℃以下、典型的には約5℃以下、通常は約3℃以下の流動・雲りスプレッドを有し得る。実施形態では、上記の特性を有する基油生成物は、少なくとも約89%の収率で得ることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、低い価値の蝋状炭化水素供給原料から高い価値、高い品質の潤滑油を良好な収率でもたらす。潤滑油は、例えばASTMD97によって測定したとき、約-9℃未満、通常は約-12℃未満、多くの場合約-14℃未満の流動点を有し得る。実施形態では、潤滑油生成物は、約-10℃~約-30℃の範囲の流動点を有し得る。生成物は、100℃で3~30cStの範囲の粘度、及びASTM D445によって測定した場合、約95~約170の範囲のVIを有し得る。
【0069】
基油生成用供給物
本発明は、全原油、還元原油、真空塔残渣、サイクル油、合成原油、軽油、減圧軽油、フッツ油、フィッシャー・トロプシュ誘導蝋などを含む広範囲の炭化水素供給原料と共に使用することができる。実施形態では、炭化水素供給原料は、一般に約0℃よりも高い流動点を有し、約0℃まで冷却すると固化、沈殿、または固体粒子を形成する傾向を有する蝋状供給物として説明することができる。16個以上の炭素原子を有する直鎖n-パラフィンは、単独で、またはわずかにのみ分枝した鎖のパラフィンと共に、本明細書では蝋と呼ばれる場合がある。供給原料は通常、一般に約350°F(177℃)よりも高い温度で沸騰するC10+供給原料である。
【0070】
実施形態では、供給原料は重質供給物を含んでもよい。本明細書において、「重質供給物」という用語は、成分の少なくとも約80%が約900°F(482℃)よりも高い沸点を有する炭化水素供給原料を指して用いることができる。本発明を実施するのに適した重質供給物の例には、重質ニュートラル(600N)及びブライトストックが含まれる。
【0071】
実施形態では、本発明の炭化水素供給原料は、一般に0℃を超える流動点を有し、いくつかの実施形態では約20℃を超える流動点を有し得る。これに対して、本発明の方法の基油生成物は、一般には0℃未満、典型的には約-12℃未満、頻繁に約-14℃未満の流動点を有する。
【0072】
実施形態では、本発明の方法で使用される供給原料は、約20%を超える蝋、約50%を超える蝋、または約70%を超える蝋を含む蝋状供給物であり得る。より典型的には、供給物は約5%~約30%の蝋を含む。本明細書で使用する場合、用語「蝋状炭化水素供給原料」には、石油由来の蝋に加えて、植物由来の蝋及び動物由来の蝋が含まれ得る。
【0073】
本発明の方法の一態様によれば、低芳香族化合物、低流動点、低曇り点、低い流動・雲りスプレッド、及び高粘度指数を含む良好なパフォーマンス特性を備えた潤滑油基油を高収率で生成するために、広範な供給物を使用することができる。本発明の潤滑油基油生成物の品質及び収率は、本明細書に記載される水素化仕上げステップ及び条件を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存し得る。
【0074】
例
比較例1
比較例1は、
図1の簡略化されたプロセスフロースキームに示されるように、段階1のみを使用し、その後に生成物分離システム4、5、及び6が続く比較例である。貴金属水素化異性化触媒を段階1反応器に設置した。この貴金属触媒は微結晶SSZ-91と白金を複合化したものである。第1段階は水素化脱蝋段階とも呼ばれる。この方法の構成を評価するために、「重質ニュートラル」供給物(HN)が使用された。表1に供給物の特性を示す。
【0075】
図1の記号:1-第1段階、4-高圧分離器、5-蒸留システム、及び6-脱ブタン塔。
【表1】
【0076】
反応は記載された構成を備えたマイクロユニットで実行され、実行は2100psigの全圧下で操作された。供給物を導入する前に、標準的な還元手順によって触媒を活性化した。HN供給物を1.2hr-1のLHSVで水素化脱蝋反応器に通し、次いで102で水素化仕上げした。油に対する水素の比率は、約3000scfbであった。潤滑油未完成生成物は、蒸留部を通して燃料から分離された。生成物の芳香族化合物含有量を測定した。
【0077】
第1段階の反応器を600~650°Fで動作させて、蝋分子を変換して生成物の流動点目標に到達させた。脱蝋生成物の芳香族化合物の含有量を使用することにより、芳香族化合物の転化率は次の式、つまりX=(C供給物-C生成物)/C供給物*100によって計算される。
【0078】
比較例2
比較例2は、
図2の簡略化されたプロセスフロースキームに示されるように、段階1及び3を使用し、その後に生成物分離システム4、5、及び6が続く比較例である。貴金属水素化異性化触媒を第1段階の反応器に設置した。第1段階を通過した後、次いで流出液は潤滑油生成物の品質をさらに向上させるためにPd/Pt触媒が充填された第3段階の反応器で水素化仕上げされた。油に対する水素の比率は、約3000scfbであった。潤滑油生成物は、蒸留部を通して燃料から分離された。生成物の芳香族化合物の含有量を測定した。
【0079】
図2の記号:1-第1段階、3-第3段階、4-高圧分離器、5-蒸留システム、及び6-脱ブタン塔。
【0080】
第1段階の反応器を600~650°Fで動作させて、蝋分子を変換して生成物の流動点目標に到達させた。第3段階の反応器は約450°Fで動作され、単環芳香族化合物と多環芳香族化合物を飽和させ、生成物の品質と安定性を向上させた。生成物の芳香族含有量を使用することにより、芳香族化合物の転化率は次の式、つまりX=(C供給物-C生成物)/C供給物*100によって計算される。
【0081】
例(実施例)3
例3は、例えば、
図3の簡略化されたプロセスフロースキームに示されるように、段階1、2、及び3に続いて生成物分離システム4、5、及び6を含む。貴金属水素化異性化触媒を第1段階の反応器に設置した。第1段階を通過した後、流出物はまず第2段階の反応器で卑金属触媒Ni BASFで処理され、次に潤滑油生成物の品質をさらに向上させるためにPd/Pt触媒が充填された第3段階の反応器に送られた。油に対する水素の比率は、約3000scfbであった。潤滑油生成物は、蒸留部を通して燃料から分離された。生成物の芳香族化合物の含有量を測定した。
【0082】
図3の記号:1-第1段階、2-第2段階、3-第3段階、4-高圧分離器、5-蒸留システム、及び6-脱ブタン塔。
【0083】
第1段階の反応器を600~650°Fで動作させて、蝋分子を変換して生成物の流動点目標に到達させた。第3段階の反応器は約450°Fで動作され、単環芳香族化合物と多環芳香族化合物を飽和させ、生成物の品質と安定性を向上させた。第2段階の反応器は、第3段階の反応器に送る前に流出物を最適化するために180°Fで動作された。生成物の芳香族化合物の含有量を使用することにより、芳香族化合物の転化率は次の式、
つまりX=(C供給物-C生成物)/C供給物*100によって計算される。
【0084】
例4
例4には、段階1と3に続いて生成物分離システム4、5、及び6が含まれている。これは、
図4の簡略化されたプロセスフロースキームに示されている。貴金属水素化異性化触媒を第1段階の反応器に設置した。第1段階を通過した後、流出液は次いで第3段階の反応器で水素化仕上げされた。比較例2と比較すると、例4では、層状触媒システムを第3段階の反応器に適用し、それは10体積%の卑金属触媒Ni-BASFを上部(ゾーン1)に、続いて90体積%の貴金属水素化仕上げ触媒(ゾーン2)を含む。油に対する水素の比率は、約3000scfbであった。潤滑油生成物は、蒸留部を通して燃料から分離された。生成物の芳香族化合物の含有量を測定した。
【0085】
図4の記号:1-第1段階、3-第3段階(卑金属ゾーンと貴金属ゾーン)、4-高圧分離器、5-蒸留システム、及び6-脱ブタン塔。
【0086】
第1段階の反応器を600~650°Fで動作させて、蝋分子を変換して生成物の流動点目標に到達させた。第3段階の反応器は約450°Fで動作され、単環芳香族化合物と多環芳香族化合物を飽和させ、生成物の品質と安定性を向上させた。生成物の芳香族化合物の含有量を使用することにより、芳香族化合物の転化率は次の式、つまりX=(C供給物-C生成物)/C供給物*100によって計算される。
【0087】
結果の概要
比較例1は、最高の芳香族化合物の含有量2.4重量%を示し、最低の芳香族化合物の転化率86.8重量%を示した。水素化仕上げ段階を追加した後、転化率は97.3重量%まで増加した。卑金属触媒を備えた段階2を追加した後、芳香族化合物の転化率は99.2重量%まで増加した。あるいは、第3段階の性能は、ゾーン1に卑金属触媒を積層することによって改善でき、芳香族化合物の転化率が98.1重量%に増加した。
【0088】
残留耐火性硫黄種は、段階3の水素化仕上げ触媒を汚染する可能性がある。出願で開示されているように、卑金属触媒を含む第2段階またはゾーン1の層を追加することにより、残留耐火性硫黄種が減少し、水素化仕上げ触媒機能が強化された。上記により、第2段階の卑金属触媒が芳香族種を飽和することも確認された。基油生成物の芳香族化合物の含有量と転化率を表2に示す。
【表2】
【0089】
図5は、本明細書に記載の多段階方法を使用すると、従来の方法よりも芳香族化合物の含有量が50%減少し得ることを示している。
【0090】
システム
上述の方法及び例で使用されるシステムはまた、本願によって企図されており、以下の番号を付けた実施形態でさらに後述される。
【0091】
1. 低級芳香族基油を生成するためのシステムであって、
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1のSSZ-91異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、卑金属触媒と接触させるための異性化ゾーン、及び
前記第2の異性化ストリームを、水素化仕上げストリームをもたらす水素化仕上げ条件下で貴金属水素化仕上げ触媒と接触させるための水素化仕上げゾーン、を含む、前記方法。
【0092】
2. 前記システムによって生成される基油が0.4重量%未満の芳香族化合物を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0093】
3. 前記システムによって生成される基油が、約-5℃~約-20℃の流動点を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0094】
4. 前記システムにより生成される基油の前記全芳香族化合物が、残留耐火性硫黄化合物を含む第1の異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で卑金属触媒と接触させるステップを欠く比較可能なシステムよりも少なくとも約60%少ない、実施形態1に記載のシステム。
【0095】
5. 残留耐火性硫黄化合物を含む前記異性化ストリームが、前記異性化ストリームをもたらす水素化異性化脱蝋条件下で炭化水素供給原料を水素及び貴金属水素化異性化触媒と接触させることによって生成される、実施形態1に記載のシステム。
【0096】
6. 前記貴金属SSZ-91水素化異性化触媒が、結晶性モレキュラーシーブSSZ-91及び白金を含む、実施形態5に記載のシステム。
【0097】
7. 前記貴金属水素化仕上げ触媒は、シリカアルミナ担体と、パラジウム、白金、またはそれらの組み合わせから選択される貴金属とを含む、実施形態1に記載のシステム。
【0098】
8. 前記卑金属触媒がニッケルを含む、実施形態1に記載のシステム。
【0099】
9. 前記貴金属水素化仕上げ触媒が、約0.1~約1.0重量%の貴金属含有量を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0100】
10. 前記水素化仕上げ条件が、約350°F~約500°Fの温度を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0101】
11. ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームが、約130°F~約230°Fの温度で前記卑金属触媒と接触される、実施形態1に記載のシステム。
【0102】
12. 前記水素化異性化脱蝋条件が約550°F~約700°Fの温度を含む、実施形態5に記載のシステム。
【0103】
13. 前記水素化異性化脱蝋条件が、約15~約3000psigの範囲の圧力を含む、実施形態5に記載のシステム。
【0104】
14. 前記水素化異性化脱蝋条件は、水素の存在下で約0.1~約20hr-1LHSVの範囲の炭化水素供給原料供給速度を含み、前記水素対炭化水素の比は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィートの範囲にある、実施形態5に記載のシステム。
【0105】
15. 前記水素化仕上げ条件が、約15~約3000psigの範囲の圧力を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0106】
16. 前記水素化仕上げ条件が、約0.1~約20hr-1LHSVの 水素化仕上げストリーム供給速度を含む、実施形態1に記載のシステム。
【0107】
17. ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームと前記卑金属触媒との前記接触が、前記第2の異性化ストリームと前記貴金属水素化仕上げ触媒との前記接触と同じ前記反応器で行われる、実施形態1に記載のシステム。
【0108】
18. ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む前記第1の異性化ストリームと前記卑金属触媒との前記接触が、前記第2の異性化ストリームと前記貴金属水素化仕上げ触媒との前記接触と異なる反応器で行われる、実施形態1に記載のシステム。
【0109】
19. 前記水素化仕上げストリームを蒸留し脱ブタン化することをさらに含む、実施形態1に記載のシステム。
【0110】
20. 低級芳香族基油を生成するためのシステムであって、
ある量の残留耐火性硫黄化合物を含む第1の異性化ストリームを、前記第1の異性化ストリームよりも少ない量の残留耐火性硫黄化合物を含む第2の異性化ストリームをもたらす条件下で、ニッケルを含む卑金属触媒と接触させるための異性化ゾーンであって、前記条件が約130°F~約230°Fの温度を含む、前記異性化ゾーン、及び
前記第2の異性化ストリームを、シリカアルミナ担体と、パラジウム、白金、またはそれらの組み合わせから選択される貴金属とを含む貴金属水素化仕上げ触媒と接触させるための水素化仕上げゾーンであって、前記貴金属含有量が、水素化仕上げストリームをもたらす水素化仕上げ条件下で約0.1~約1.0重量%であり、それにおいて前記水素化仕上げ条件は、約15~約3000psigの範囲の圧力及び約350°F~約500°Fの範囲を含み、前記システムによって生成される基油は、0.4重量%未満の芳香族化合物を含む、前記水素化仕上げゾーンを含む、前記システム。
【0111】
本開示は、本願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではなく、それは、様々な態様の例示として意図されている。明白であるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内で機能的に同等の方法及びシステムは、前述の代表的な説明から明白になり得る。そのような修正及び変形は、添付の代表的な特許請求の範囲に含まれることを意図している。本開示は、添付の代表的な請求項の用語によってのみ、また、そのような代表的な請求項が権利を有する均等物の全範囲によってのみ限定されるものとする。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0112】
前述の説明は、関連する実施形態と共に、例示のみを目的として提示されたものである。これは網羅するものではなく、開示された正確な形式に本発明を限定するものではない。当業者は、上記の説明から、上記の教示に照らして修正及び変形することが可能であること、または開示された実施形態を実践することによって修正及び変更が成し得ることを、理解することができる。例えば、説明したステップは、論じたのと同じ順序で、または同じ程度隔たせて実行する必要はない。同様に、同じまたは類似の目的を達成するために、必要に応じて、様々なステップを省略、繰り返し、または組み合わせてもよい。したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、代わりに均等物の全範囲を考慮して添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0113】
以上の明細書では、添付の図面を参照しながら、様々な好ましい実施形態について説明してきた。しかし、後続する特許請求の範囲で述べられる本発明のより広い範囲から逸脱することなく、それに様々な修正及び変更がなされ得、また追加の実施形態を実施し得るということが明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。
【国際調査報告】