(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】故障検出のためのデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240118BHJP
G01R 31/08 20200101ALI20240118BHJP
【FI】
H02J13/00 301D
G01R31/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023559177
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 IB2021061456
(87)【国際公開番号】W WO2022123457
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ZA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220259
【氏名又は名称】エスコム ホールディングス エスオーシー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ESKOM HOLDINGS SOC LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アディグン, ピーター アヨトラ
【テーマコード(参考)】
2G033
5G064
【Fターム(参考)】
2G033AA05
2G033AB01
2G033AC06
2G033AD18
2G033AD21
2G033AE07
2G033AG14
5G064AA01
5G064AA04
5G064AC09
5G064BA09
5G064CB08
5G064CB19
5G064DA03
(57)【要約】
本発明は、架空送電ラインのための故障電流検出デバイスに関する。故障電流検出デバイスは、継続時間テスト及び通常状態復帰テストを含む故障検出アルゴリズムを適用するように構成される。故障電流検出デバイスは、両方のテストに合格した場合にだけ、故障電流を遠隔故障監視デバイスに報告する。故障監視デバイスは、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、複数の故障電流検出デバイスのうちのどれが故障に最も近いかを求めるように構成される。アラート順位付けアルゴリズムは、故障電流検出デバイスに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することと、上流ソースから最も下流の故障電流検出デバイスを故障に最も近いものとして分類することと、を含む。このような故障電流検出方法及び故障検出システムが開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空送電ラインの支持構造体に装着されるように構成された筐体と、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記架空送電ラインの電気導体の近傍に、前記電気導体と直接的に接触しないように位置付けられるように構成された磁界センサであって、磁界測定値を取得するように構成されている、当該磁界センサと、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記磁界センサによって取得された前記磁界測定値を分析し、予め定められた閾値を超える変化が前記磁界測定値において検出された場合に故障検出アルゴリズムを適用するように構成された処理構成要素であって、前記故障検出アルゴリズムが、前記変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、前記変化に続いて前記磁界測定値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストと、を含み、前記処理構成要素が、前記変化が前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストの両方に合格した場合にだけ前記変化を故障電流として分類するように構成されている、当該処理構成要素と、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記処理構成要素が前記変化を故障電流と分類した場合に、遠隔故障監視デバイスに故障アラートを送信するように構成された通信モジュールと、
前記磁界センサ、前記処理構成要素、及び前記通信モジュールに電力供給するための電源と、
を備える、故障電流検出デバイス。
【請求項2】
前記磁界測定値が、磁束密度の測定値又は磁界強度の測定値である、請求項1に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項3】
前記磁界センサが、磁力計又はデジタルコンパスセンサである、請求項1又は2に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項4】
前記磁界センサが、三軸磁力計である、請求項3に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項5】
前記筐体が、前記故障電流検出デバイスが前記支持構造体に装着されることを可能にする装着構成体、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項6】
前記支持構造体が、柱であり、前記故障電流検出デバイスが、前記電気導体から約5m以内に配置されるように前記柱に装着されるように構成されている、請求項5に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項7】
前記故障電流検出デバイスが、前記電気導体の約2.5m下方に装着されるように構成されている、請求項6に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項8】
前記通信モジュールが、GSM(移動体通信用グローバルシステム)モジュールである、請求項1~7のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項9】
前記通信モジュールが、前記遠隔故障監視デバイスから遠隔設定命令を受信するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項10】
前記電源が、再充電可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項11】
前記電源が、
前記筐体の外側に装着されたソーラーパネルと、
前記磁界センサ、前記処理構成要素、及び前記通信モジュールに電力を提供するために前記ソーラーパネルに接続された1つ又は複数の再充電可能バッテリと、
を含む太陽光発電装置である、請求項10に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項12】
前記変化が初期閾値を超えた場合にだけ、前記変化が故障と分類され、
前記初期閾値が、ユーザ選択可能な閾値である、請求項1~11のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項13】
前記故障電流検出デバイスは、
前記変化が前記初期閾値を超えた場合に前記磁界センサからデータをサンプリングするように構成され、前記データは前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストにかけられる、請求項12に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項14】
架空送電ラインの電気導体の近傍に、前記電気導体と直接的に接触しないように位置付けられたセンサを使用して、磁界測定値を取得するステップと、
処理構成要素によって、前記センサにより取得された前記磁界測定値を分析するステップと、
予め定められた閾値を超える変化が磁界値において検出された場合に、前記処理構成要素を使用して、前記変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、前記変化に続いて前記磁界測定値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストと、を含む故障検出アルゴリズムを適用するステップと、
前記変化が前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストの両方に合格した場合に前記変化を故障電流として分類するステップと、
前記変化を故障電流と分類した場合に、遠隔故障監視デバイスに故障アラートを送信するステップと、
を含む、故障電流検出方法。
【請求項15】
前記センサ及び前記処理構成要素が、
請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスに備えられた、センサ及び処理構成要素である、
請求項14に記載の故障電流検出方法。
【請求項16】
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスであって、各故障電流検出デバイスが、請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスである、複数の故障電流検出デバイスと、
前記故障電流検出デバイスと通信可能とされた故障監視デバイスであって、
前記ネットワークにおける故障電流を示す故障アラートを前記故障電流検出デバイスから受信するための受信モジュール、
前記故障電流検出デバイスのサブセットが、各々、故障アラートを前記故障監視デバイスに送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるように構成されたプロセッサであって、前記アラート順位付けアルゴリズムが、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットの各々の場所を特定又は確証すること、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証すること、及び、前記上流ソースから最も下流の前記サブセットにおける前記故障電流検出デバイスを前記故障に最も近いものとして分類すること、を含む、当該プロセッサ、並びに、
前記最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は前記故障の場所を示す故障場所アラートを送信するための送信モジュール、
を含む、当該故障監視デバイスと、
を備える、故障検出システム。
【請求項17】
前記監視デバイスが、前記故障電流検出デバイスの全てに接続された又は接続可能な主局、である、請求項16に記載の故障検出システム。
【請求項18】
前記ネットワークが、中電圧(MV)ネットワークである、請求項16又は17に記載の故障検出システム。
【請求項19】
前記故障監視デバイスの前記プロセッサが、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットを、前記上流ソースからのそれぞれの距離に基づいて、順位付けするように構成されており、
最も高い又は最も低い順位を有する前記故障電流検出デバイスが、前記故障に最も近い前記故障電流検出デバイスに属する、請求項16~18のいずれか一項に記載の故障検出システム。
【請求項20】
前記送信モジュールが、前記故障場所アラートを1つ又は複数のユーザデバイスに送信するように構成されている、請求項16~19のいずれか一項に記載の故障検出システム。
【請求項21】
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスの各々から故障アラートを受信するステップであって、各故障電流検出デバイスが、請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスである、当該受信するステップと、
プロセッサによって、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるステップであって、前記アラート順位付けアルゴリズムが、
前記故障電流検出デバイスの各々の場所を特定又は確証すること、
前記故障電流検出デバイスに関連する上流ソースの場所を特定又は確証すること、及び、
前記上流ソースから最も下流の前記故障電流検出デバイスを前記故障に最も近いものとして分類すること、
を含む、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるステップと、
前記最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は前記故障の場所を示す故障場所アラートを送信するステップと、
を含む、故障検出方法。
【請求項22】
前記故障検出方法は、
前記故障電流検出デバイスを、前記上流ソースからのそれぞれの距離に基づいて、順位付けするステップであって、最も高い又は最も低い順位を有する前記故障電流検出デバイスが、前記故障に最も近い前記故障電流検出デバイスに属する、当該順位付けするステップ、
を含む、請求項21に記載の故障検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障検出のための、特に(ただし、非排他的に)、中電圧(medium-voltage(MV))ネットワークにおける故障電流検出のためのデバイス、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力分配において、MVネットワークは、しばしば、数百キロメートルにわたって延在する。したがって、これらのネットワークでの故障の発見は、数時間の間、又は数日の間さえも顧客を電気なしの状態のままにしてしまう長く困難なプロセスになり得る。このことは、市民の日常生活及び経済機能に悪影響を有する。
【0003】
故障インジケータとも呼ばれる故障感知又は検出デバイスは、現地サービススタッフが故障発見プロセスを故障の場所のより近くで開始することを保証することによって、現地サービススタッフがこれらのネットワークで故障を発見するための時間を短縮し得る。導体装着式デバイス及び柱装着式デバイスなど、架空ラインで使用するための様々な種類の故障電流インジケータが存在する。しかしながら、現在の故障電流インジケータに関して、本出願人が気付いたいくつもの欠点がある。
【0004】
本出願人は、既存の故障インジケータが比較的高コストであることに起因して、通常、既存の故障インジケータをネットワークにおける全ての所望の場所に設置することができないことを見出した。代わりに、既存の故障インジケータは、典型的には、故障履歴又は地理的地形などの要因に基づいて、戦略的な場所に設置されることがある。
【0005】
故障インジケータは、誤トリガに影響されやすいこともある。例えば、雷サージ又は負荷変化によって、このようなデバイスが故障電流を間違って報告することがあり、そのため、誤ったアラームを調査する際の不必要な時間、労力及びコストにつながる。
【0006】
更に、故障インジケータが、電圧ネットワーク全体にわたって設置された場合、故障電流は、いくつもの故障インジケータがトリガされ、故障を報告し、又は故障を示すことにもつながることがある。このことは現地サービススタッフにとって有益な開始ポイントを提供するが、故障に最も近い故障インジケータの場所を特定し、問題の源を特定することは、依然として困難で、時間がかかることがある。
【0007】
本発明は、上述された問題に対して、少なくともある程度まで対処又は緩和し、以て効率的な診断、場所特定及び/又は送電ラインの問題の修復を支援することを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、故障電流検出デバイスが提供され、故障電流検出デバイスは、
架空送電ラインの支持構造体に装着されるように構成された筐体と、
筐体の中に又は上に配置されており、架空送電ラインの電気導体の近傍に、ただし直接的に接触しないように位置付けられるように構成された磁界センサであって、磁界センサは磁界測定値を取得するように構成されている、磁界センサと、
筐体の中に又は上に配置されており、磁界センサによって取得された測定値を分析し、予め定められた閾値を超える変化を磁界値において検出した場合に故障検出アルゴリズムを適用するように構成された処理構成要素であって、故障検出アルゴリズムが、変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、変化に続いて磁界値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストとを含み、処理構成要素が、変化が継続時間テスト及び通常状態復帰テストの両方に合格した場合にだけ変化を故障電流として分類するように構成されている、処理構成要素と、
筐体の中に又は上に配置されており、処理構成要素が変化を故障電流と分類したことに応じて遠隔故障監視デバイスに故障アラートを送信するように構成された通信モジュールと、
磁界センサ、処理構成要素及び通信モジュールに電力供給するための電源と、
を備える。
【0009】
磁界測定値は、磁束密度又は磁界強度の測定値であってもよい。それ故、磁界値は、磁界センサによって測定された磁束密度又は磁界強度であってもよく、変化は磁束密度又は磁界強度における予め定められた変化であってもよい。
【0010】
本発明の実施形態において、変化は、初期閾値を超えた場合にだけ故障として分類される。閾値は、ユーザが選択可能な閾値であることが好ましい。このような場合、閾値を超えると、故障電流検出デバイスは、磁界センサからのデータ(測定値)をサンプリングし、次いで、このデータは、継続時間テスト及び通常状態復帰テストにかけられる。データは、約100ミリ秒~300ミリ秒間、例えば、およそ200ミリ秒の間にサンプリングされ得る。
【0011】
筐体は、故障電流検出デバイスが支持構造体に装着されることを可能にする装着構成体を含み得る。支持構造体は、柱であってもよく、故障電流検出デバイスは、導体に対して約5mよりも近くに、好ましくは使用時に導体から約2.5m下方に配置されるように柱にストラップで固定されてもよい。故障電流検出デバイスは可搬式であってもよい。
【0012】
磁界センサは、磁力計又はデジタルコンパスセンサであってもよく、三軸磁力計であることが好ましい。
【0013】
通信モジュールは、GSM(登録商標)(移動体通信用グローバルシステム)又はGPRS(汎用パケット無線サービス)モジュール又は他の適切な通信モジュールを含み得る。
【0014】
故障監視デバイスは、故障電流検出デバイスに接続された又は接続可能な主局であってもよい。
【0015】
処理構成要素は、遠隔故障監視デバイス、例えば遠隔主局から、遠隔設定命令を受信するように構成され得る。閾値、電気ネットワーク名、動作の場所/デバイスの場所、デバイスの優先順位番号、及びデバイスがその周波数において又はその周波数を使用して故障監視デバイスに「チェックイン」してその状態を故障監視デバイスとともにアクティブとして維持しなければならない周波数など、処理構成要素によって用いられるパラメータは、設定命令に基づいて修正され得る。
【0016】
電源は再充電可能であり得る。電源は、筐体の外側に装着されたソーラーパネルと、磁界センサ、処理構成要素、及び通信モジュールに電力を提供するためにソーラーパネルに接続された1つ又は複数の再充電可能バッテリとを含む太陽光発電装置であってもよい。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、故障電流検出方法が提供され、故障電流検出方法は、
架空送電ラインの電気導体の近傍に、ただし直接的に接触しないように位置付けられたセンサを使用して磁界測定値を取得するステップと、
処理構成要素によって、センサによって取得された測定値を分析するステップと、
予め定められた閾値を超える変化を磁界値において検出した場合に、処理構成要素を使用して、変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、変化に続いて磁界値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストとを含む故障検出アルゴリズムを適用するステップと、
変化が継続時間テスト及び通常状態復帰テストの両方に合格した場合に変化を故障電流として分類するステップと、
変化を故障電流と分類したことに応じて遠隔故障監視デバイスに故障アラートを送信するステップと
を含む。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、故障検出システムが提供され、故障検出システムは、
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスと、
故障電流検出デバイスに通信可能に結合された故障監視デバイスであって、故障監視デバイスは、
ネットワークにおける故障電流を示す故障アラートを故障電流検出デバイスから受信するための受信モジュール、
故障電流検出デバイスのサブセットが、各々、故障アラートを故障監視デバイスに送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるように構成されたプロセッサであって、アラート順位付けアルゴリズムが、故障電流検出デバイスのサブセットの各々の場所を特定又は確証することと、故障電流検出デバイスのサブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することと、上流ソースから最も下流のサブセットにおける故障電流検出デバイスを故障に最も近いものとして分類することとを含む、プロセッサ、並びに、
最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は故障の場所を示す故障場所アラートを送信するための送信モジュール、
を含む、故障監視デバイスと、
を備える。
【0019】
故障監視デバイスは、故障電流検出デバイスの全てに接続された又は接続可能な主局であってもよい。
【0020】
ネットワークは、中電圧(MV)ネットワークであってもよい。
【0021】
故障監視デバイスのプロセッサは、故障電流検出デバイスのサブセットを、上流ソースからのそれぞれの距離に基づいて、順位付けするように構成され得、最も高い又は最も低い順位を有する(アルゴリズムの実施態様に依存する)故障電流検出デバイスが故障に最も近い故障電流検出デバイスに属する。
【0022】
故障電流検出デバイスの各々は、上に定められた検出デバイス(例えば、本発明の第1及び第2の態様を参照して定められたもの)であることが好ましい。
【0023】
送信モジュールは、故障場所アラートを1つ又は複数のユーザデバイスに送信するように構成され得る。
【0024】
本発明の第4の態様によれば、故障検出方法が提供され、故障検出方法は、
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスの各々から故障アラートを受信するステップと、
プロセッサによって、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるステップであって、アラート順位付けアルゴリズムは、
故障電流検出デバイスの各々の場所を特定又は確証すること、
故障電流検出デバイスに関連する上流ソースの場所を特定又は確証すること、及び
上流ソースから最も下流の故障電流検出デバイスを故障に最も近いものとして分類することとを含む、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるステップと、
最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は故障の場所を示す故障場所アラートを送信するステップと、
を含む。
【0025】
故障電流検出デバイスの各々は、上に定められた検出デバイス(例えば、本発明の第1及び第2の態様を参照して定められたもの)であることが好ましい。
【0026】
方法は、故障電流検出デバイスを、上流ソースからのそれぞれの距離に基づいて、順位付けするステップであって、最も高い又は最も低い順位を有する(アルゴリズムの実施態様に依存する)故障電流検出デバイスが故障に最も近い故障電流検出デバイスに属する、順位付けするステップを含み得る。
【0027】
次に、本発明は、添付の図面を参照して、実施例として更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による故障検出システムの実施形態の概略的な図である。
【
図2】
図1のシステムの一部を形成する、故障電流検出デバイス(「検出デバイス」)の実施形態及び故障監視デバイス(「主局」)の実施形態の論理的/機能的構成要素を示すブロック図である。
【
図3】本発明による故障電流検出デバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図7】送電ラインの柱に装着された、
図3から
図6の故障電流検出デバイスの3次元図を示す。
【
図8】送電ラインの柱に装着された、
図3から
図6の故障電流検出デバイスの3次元図を示す。
【
図9】故障検出アルゴリズムの適用を示すために、雷に起因する磁界変化を示すグラフである。
【
図10】故障検出アルゴリズムの適用を更に示すために、負荷変化に起因する磁界変化を示すグラフである。
【
図11】故障検出アルゴリズムの適用を更に示すために、故障電流に起因する磁界変化を示すグラフである。
【
図12】上流ソース(「ソース」)に結合された故障電流検出デバイスのネットワークの概略的な図である。
【
図13】
図12のネットワークの別の概略的な図であって、アラート順位付けアルゴリズムの適用を示す図である。
【
図14】2つのセクション遮断器とともに示された、故障電流検出デバイスの別のネットワークの概略的な図である。
【
図15】
図14の故障電流検出デバイスから取得されたテストデータ及びこのテストデータに対するアラート順位付けアルゴリズムの適用を含む表である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の以下の説明は、本発明を可能にする教示として提供され、本発明の原理の説明であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。依然として本発明の有益な結果を達成しつつ、説明及び図解された(1つ又は複数の)実施形態に対して変更がなされてもよいことが理解されよう。更には、本発明のいくつかの利点は、本発明の特徴のうちのいくつかを、他の特徴を利用することなく選択することによって達成され得ることが理解されよう。それ故、当業者は、本発明に対する修正及び適合が可能であり、特定の状況においては望ましくさえあり得、本発明の一部であることを認識されよう。
【0030】
図1を参照すると、故障電流検出デバイス10(以下「検出デバイス10」)は、中電圧(MV)電気分配ネットワーク全体にわたって様々なポイントに設置され、故障電流を検出し、主局50の形態の遠隔故障監視デバイスに報告する。主局50は、検出デバイス10から主局50が受信した故障アラートを分析し、ユーザデバイス80、82、84にネットワークにおける故障場所又はゾーンをアラートする。この例示的な実施形態において、デバイス10、50、80、82、84は適切なセルラネットワークを介して通信する。しかしながら、デバイス10、50、80、82、84は、他のネットワーク又はプロトコルを使用して、例えばインターネットを介して通信してもよいことは理解されよう。
【0031】
検出デバイス10は柱装着式であり、すなわち、検出デバイス10は、架空送電ライン14の柱12の形態の支持構造体に装着される。検出デバイス10は、ライン14の電気導体16の約2.5m下方に配置されることが好ましい(
図7及び
図8における実施例も参照)。
【0032】
検出デバイス10及び主局50の構成要素が
図2において論理的に図示されている。検出デバイス10は、筐体18であって、磁界センサ20を含み、処理構成要素22及び通信モジュール24の機能を提供する8cm×6cmの回路基板を収容する筐体18を有する。再充電可能バッテリパック28も、筐体18に収納され、回路基板に結合される。検出デバイス10は、使用時にバッテリ28を充電するソーラーパネル30を更に含む。
【0033】
この例示的な実施形態において、磁界センサ20は、「Honeywell HMC5883L digital compass」センサであり、これは磁界の方向及び大きさの両方を測定するように構成された三軸磁力計である。かくして、使用時に、磁界センサ20は、この場合には磁束密度の測定値(Gauss/Teslaで測定される)である磁界測定値を取得し、報告する。
【0034】
処理構成要素22は、磁界センサ20によって取得された測定値を分析し、故障検出アルゴリズムを測定値に適用するように構成される。このことは、以下において
図9から
図11を参照してより詳細に説明される。
【0035】
この実施形態において、通信モジュール24は、主局50にデータを送るように及び主局50からデータを受信するように構成されたGSMモジュールである。特に、通信モジュール24は、検出デバイス10によって故障電流が検出され、故障であると分類された場合に、故障アラートを主局50に送信する。通信モジュール24は、命令、例えば、デバイス10の故障閾値を変更する命令又はデバイス10によって用いられる故障検出アルゴリズムに適用するパラメータについての命令などの設定命令を主局50から受信するようにも構成され得る。
【0036】
デバイス10は、バッテリ及びセンサアラームを実現するようにも構成され、自己再設定ウォッチドッグタイマを含む(
図2の番号26を参照)。
【0037】
上述されたように、この例示的な実施形態において、電源は、太陽光発電装置の形態である。ソーラーパネル30は、筐体18の外側に取り付けられ、バッテリパック28を充電するために使用され、検出デバイス10の上述された構成要素が電力供給されることを保証する。
【0038】
デバイス10の例示的なバージョンの筐体18が、
図3から
図6において図示され、この筐体18は、筐体18が柱に装着されることを可能にするブラケット32の形態の装着構成体を含む。
図7及び
図8における実施例を参照すると、デバイス10は、ブラケット32に通されて柱34、36に固定されたストラップ/バンド38を使用して柱34、36に装着され得る。例えば、バンド-イット(BAND-IT)(商標)ステンレス鋼バンド又は類似のストラップ/バンドがこの目的のために用いられてもよい。
【0039】
図5及び
図6を参照すると、パネル30に加えて、検出デバイス10の外側は、オフ/オンスイッチ40と、検出デバイス10が作動されているかを示すために、及び/又は故障が検出されたことを示すために使用され得るライト42とを含んでもよい。デバイス10は押しボタン44も含む。ボタン44は、デバイス10を、デバイス10が新しい設定を受信する設定モードに強制的に移行させるために使用され得る。ボタン44は、デバイス10のスイッチがオンの間に押下され、デバイス10を強制的に設定モードで起動させる。主局50から設定が受信されると、デバイス10は、自動的に再起動し、新たに受信された設定で主局50に「チェックイン」する。設定には、以下の、電気ネットワーク名、動作場所(デバイス10が設置される場所)、アラーム閾値、デバイスの優先順位番号及び「チェックイン」周波数などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
上述されたように、主局50は、ネットワーク全体にわたっていくつもの検出デバイス10と通信し得る。典型的には、主局50は、使用時に、数百又は数千のこれらの検出デバイス10と(ときには、異なる/異種の配電ネットワークにわたって)通信し得る。
【0041】
図2において図示されているように、主局50は、架空ラインで検出された故障電流を示す故障アラートを検出デバイス10から受信するための受信モジュール52を含む。主局50は、アラート順位付けアルゴリズムを適用するように構成されたプロセッサ54も含み、アラート順位付けアルゴリズムは、以下において
図12から
図15を参照してより詳細に説明される。主局50は、ユーザデバイス80、82、84に故障場所アラートを送るための送信モジュール56も含む。ユーザデバイス80、82、84は、例えば、現地スタッフ、監督者、管理者などに故障を報知するために、これらの人々のデバイスであってもよい。
【0042】
故障場所アラートは、アラート順位付けアルゴリズムを使用して主局50によって確証された故障場所又は故障に最も近い検出デバイス10の場所を示し得る。いくつかの場合において、故障場所アラートは、故障に最も近いデバイス10又は他のネットワーク構成要素の名称又は別の識別子を単純に含んでもよい。主局は、適切なアラーム58、例えば、従来のバッテリアラーム及び/又はエラーアラームと、再充電可能バッテリ又は主電源接続部などの適切な電源60とも含んでもよい。
【0043】
使用時に、故障電流は、検出デバイス10のセンサ20によって検出され得るような磁界における大きな変化を生むことがある。故に、MVネットワークでの故障電流の存在又は通過は、センサ20を(1つ又は複数の)関連するラインの近傍に置くことによって検出される。しかしながら、磁力計は、サージ(例えば、雷の結果としてもたらされるもの)及び負荷のシフト(例えば、ピーク電気使用期間の開始時及び終了時に発生するもの)にも反応する。それ故、検出デバイス10は、具体的には、故障によってもたらされるものではないサージ及びシフトを検出してフィルタリングによって除去し、故障が間違って/不必要に報告されないことを保証するように構成されている。
【0044】
これらの「偽陽性」を検出してフィルタリングによって除去するために、デバイス10は故障検出アルゴリズムを用いる。センサ20が測定する磁界値において変化を検出すると、継続時間テスト及び通常状態復帰テストが、測定されたセンサデータに適用される。小さすぎたり/微小すぎたりする変化をフィルタリングによって除去するように、変化は予め定められた閾値を超えていなければならず、故に、閾値はユーザが選択可能であってもよい。継続時間テストは、変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となり、通常状態復帰テストは、変化に続いて値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる。この例示的な実施形態において、通常状態復帰テストは、以下のように働く。すなわち、磁界は、ユーザが選択可能なアラーム閾値との交差に続いて100msサンプル期間後であるが200msサンプル期間以内に通常状態に復帰しなければならない。
【0045】
検出デバイス10は、変化を故障と分類し、主局50に報告する前に、継続時間テスト及び通常状態復帰テストの両方に合格とならなければならないように構成及びプログラムされる。
【0046】
第1の実施例として、
図9は、雷サージが主局50に報告されることを継続時間テストが防止し得る方法を示す。
図9において図示されているように、雷の結果として、磁束密度において、例えば、約1Gauss(0.0001Tesla)から7~8Gaussの間(0.0007~0.0008Tesla)までの非常に短いスパイクが存在することがある。しかしながら、この変化は短期間しか発生しなかったので、継続時間テストに合格せず、(通常状態復帰テストに合格したとしても)故障電流として分類されない。
【0047】
第2の実施例として、
図10は、負荷増加/減少が主局50に報告されることを通常状態復帰テストが防止する方法を示す。
図10において図示されているように、ピーク使用期間の開始に起因する負荷の増加の結果として、磁束密度において、例えば、約1Gauss(0.0001Tesla)から約2Gauss(0.0007~0.0008Tesla)までの増加が存在することがある。しかしながら、値は変化の後に通常状態に復帰しなかったので(値はピーク期間の継続中に高いままである)、変化は通常状態復帰テストに合格せず、(継続時間テストに合格したとしても)故障電流として分類されない。この例示的な実施形態において、磁界は、デバイス10が故障の正当性を判定するために使用される追加データを収集/サンプリングする200msの期間の中間ポイント(100ms)の後に通常状態に復帰しなければならない。
【0048】
第3の実施例として、
図11は、主局50に実際に報告される故障につながる故障プロファイルを示す。
図11の場合において、故障電流の存在/通過の結果として、センサ20による磁界測定値は、予め定められた期間よりも長く変化し(故に継続時間テストに合格している)、その後、通常状態に復帰した(故に通常状態復帰テストに合格している)。故に、
図11において図示されているプロファイルを検出したことに応じて、検出デバイス10は変化を故障電流として分類し、故障アラートを主局50に送信する。
【0049】
検出デバイス10がネットワーク全体にわたって設置されると、故障電流が、いくつものデバイス10がトリガされて主局50に故障を報告し又は故障を知らせることにつながることがあり、実質的に「故障電流経路」を定めることは理解されよう。主局50は、具体的には、検出デバイスを「故障経路インジケータ(fault path indicator)」(それ故、
図12から
図14において「FPI」と略記される)として使用し、故障に最も近い検出デバイスを特定するように構成される。
【0050】
この例示的な実施形態の主局50は、ネットワーク上での検出デバイス10の場所に基づいて検出デバイス10を順位付けするアラート順位付けアルゴリズムを通じてこのプロセスを自動化するように構成される。この実施形態において、主局50は、最も高い順位の検出デバイスを故障に最も近い検出デバイスに属するものとして特定する。
【0051】
いくつもの検出デバイスが、各々、故障アラートを主局50に送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムが開始され、これは以下の複数のステップ、すなわち、
・故障を報告した検出デバイスの各々の場所を特定するステップと、
・これらの検出デバイスに関連する上流ソース(典型的には、最も近い上流の発電所又は副発電所)の場所を特定するステップと、
・上流ソースから最も下流の検出デバイスを故障に最も近いものとして分類するステップと、
を含む。
【0052】
図12及び
図13を参照すると、プロセッサ54は、検出デバイス(FPI)を、上流ソースからのそれぞれの距離に従って順位付けする。例えば、
図12及び
図13において図示されているように、最も近い検出デバイスには優先順位番号「n」が与えられ得、最も遠い(1つ又は複数の)検出デバイスが最も高い優先順位/順位付けを有するように、プロセッサ54が下流に進むにつれて1が加えられ得る。
【0053】
図14の実施例を参照すると、以下の場所の以下の検出デバイス(FPI)が主局50に故障アラートを報告した。
・T779L1
・T833L1
・S3309
・S2500
【0054】
次いで、主局50は、技術者/スタッフが故障を見つけること又は故障をより迅速/効率的に見つけることを支援するために、どの検出デバイスが故障に最も近いか、すなわち、どのアラームメッセージが最も「妥当な」デバイスに対応するかを判定する必要がある。これを行うために、主局50は順位付けアルゴリズムを実施する。それ故、場所T779L1のFPIは上流ソースに最も近いので「1」と順位付けされ、アルゴリズムが下流に進むにつれて、T833L1、S3309及びS2500のFPIは、それぞれ「2」、「3」及び「4」と順位付けされる。こうして、場所S2500のFPIが、(最も高い順位付け/優先順位を有しているので)故障に最も近いものとして分類され、故障電流経路は
図14に図示されているようなものになる。例えば、故障は、S2500の下流で/S2500の向こうにある故障した変圧器であるかもしれない。次いで、故障の場所を特定するために役立つこの場所又はいくつかの他の識別子を示す故障場所アラートが、ユーザデバイス80、82、84に送られ得る。
【0055】
図15は、主局50によって分析され得る例示的なデータセットを図示している。
図15の実施例において、5セットの故障が問題になっている4つの検出デバイス(FPI)によって検出され、該当の検出デバイス10が主局50に故障アラート(
図15において示されているデータのうちのいくつかを含む)を送信した。デバイスの順位付けは、
図15における「優先順位」の列に示される。
【0056】
本出願人は、本発明の実施形態は多くの技術的な利点を提供し得ると確信する。本明細書において説明される検出デバイスは、比較的低コストなデバイスであり、これらのデバイスをネットワーク全体にわたってより広範に、「2G」セルラ通信可能範囲だけが得られるエリアにさえも設置することを可能にする。
【0057】
更に、故障検出アルゴリズムが、誤トリガを防止又は低減し得る一方、アラート順位付けアルゴリズムが、故障の場所を迅速に特定してそこに赴く際にスタッフ/技術者を支援し得る。これらの故障場所アラートは、故障の発生から2分足らずの間に関連するユーザデバイスに送信され得ることが分かっている。
【0058】
継続時間テスト及び通常状態復帰テストは、アラートが発せられる前に検出デバイス10において行われることが好ましく、三軸磁力計の使用は、検出デバイス10が、架空ラインから来たものではないトリガを無視することを可能にし得る。更に、三軸磁力計の使用は、デバイス10の故障電流を感知する性能及びデバイス10の柔軟な方向を許容する性能を低下させることなく検出デバイス10においてソーラーパネルが用いられることを可能にし得る。
ソーラーパネルの使用は、このような性質のデバイスのランニングコストを低減するために有益であり得る。長寿命のバッテリは、通常、高価であり、わずか18か月しか持たないが、再充電可能バッテリはいっそう安価であり、数年にわたって長持ちし得る。検出デバイス10は導体の2.5m下方に設置され、地面より上の非常に高い柱に固定されるように構成されるので、盗難のリスクは非常に低い。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空送電ラインの支持構造体に装着されるように構成された筐体と、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記架空送電ラインの電気導体の近傍に、前記電気導体と直接的に接触しないように位置付けられるように構成された磁界センサであって、磁界測定値を取得するように構成されている、当該磁界センサと、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記磁界センサによって取得された前記磁界測定値を分析し、予め定められた閾値を超える変化が前記磁界測定値において検出された場合に故障検出アルゴリズムを適用するように構成された処理構成要素であって、前記故障検出アルゴリズムが、前記変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、前記変化に続いて前記磁界測定値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストと、を含み、前記処理構成要素が、前記変化が前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストの両方に合格した場合にだけ前記変化を故障電流として分類するように構成されている、当該処理構成要素と、
前記筐体の中に又は前記筐体の上に配置されており、前記処理構成要素が前記変化を故障電流として分類した場合に、遠隔
の主局に故障アラートを送信するように構成された通信モジュールであって、
前記主局は、複数の故障電流検出デバイスと通信可能に構成され、プロセッサを備えており、前記プロセッサは、前記故障電流検出デバイスのサブセットが、各々、故障アラートを前記主局に送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるように構成されたプロセッサであり、前記アラート順位付けアルゴリズムは、
故障電流経路を定義する前記故障電流検出デバイスの前記サブセットの各々の場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することであって、前記上流ソースは、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する最も近い上流の発電ステーション又はサブステーションである、当該上流ソースの場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットを、前記故障電流経路に沿った前記上流ソースからのそれぞれの距離に応じて、順位付けすることと、
前記故障電流経路に沿って前記上流ソースから最も下流の前記サブセットにおける前記故障電流検出デバイスを、前記故障に最も近いものとして、最も高い順位又は最も低い順位に分類することと、
を含む、当該通信モジュールと、
前記磁界センサ、前記処理構成要素、及び前記通信モジュールに電力供給するための電源と、
を備える、故障電流検出デバイス。
【請求項2】
前記磁界測定値が、磁束密度の測定値又は磁界強度の測定値である、請求項1に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項3】
前記磁界センサが、磁力計又はデジタルコンパスセンサである、請求項1又は2に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項4】
前記磁界センサが、三軸磁力計である、請求項3に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項5】
前記筐体が、前記故障電流検出デバイスが前記支持構造体に装着されることを可能にする装着構成体、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項6】
前記支持構造体が、柱であり、前記故障電流検出デバイスが、前記電気導体から約5m以内に配置されるように前記柱に装着されるように構成されている、請求項5に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項7】
前記故障電流検出デバイスが、前記電気導体の約2.5m下方に装着されるように構成されている、請求項6に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項8】
前記通信モジュールが、GSM(登録商標)(移動体通信用グローバルシステム)モジュールである、請求項1~7のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項9】
前記通信モジュールが、前記
主局から遠隔設定命令を受信するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項10】
前記電源が、再充電可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項11】
前記電源が、
前記筐体の外側に装着されたソーラーパネルと、
前記磁界センサ、前記処理構成要素、及び前記通信モジュールに電力を提供するために前記ソーラーパネルに接続された1つ又は複数の再充電可能バッテリと、
を含む太陽光発電装置である、請求項10に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項12】
前記変化が初期閾値を超えた場合にだけ、前記変化が故障として分類され、
前記初期閾値が、ユーザ選択可能な閾値である、請求項1~11のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項13】
前記故障電流検出デバイスは、
前記変化が前記初期閾値を超えた場合に前記磁界センサからデータをサンプリングするように構成され、前記データは前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストにかけられる、請求項12に記載の故障電流検出デバイス。
【請求項14】
架空送電ラインの電気導体の近傍に、前記電気導体と直接的に接触しないように位置付けられたセンサを使用して、磁界測定値を取得するステップと、
処理構成要素によって、前記センサにより取得された前記磁界測定値を分析するステップと、
予め定められた閾値を超える変化が磁界値において検出された場合に、前記処理構成要素を使用して、前記変化が予め定められた期間よりも長く発生した場合に合格となる継続時間テストと、前記変化に続いて前記磁界測定値が通常の又は以前のレベルに実質的に復帰した場合に合格となる通常状態復帰テストと、を含む故障検出アルゴリズムを適用するステップと、
前記変化が前記継続時間テスト及び前記通常状態復帰テストの両方に合格した場合に前記変化を故障電流として分類するステップと、
前記変化が故障電流として分類された場合に、
主局に故障アラートを送信するステップであって、
前記主局は複数の故障電流検出デバイスと通信可能に構成され、前記主局はプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記故障電流検出デバイスのサブセットが、各々、故障アラートを前記主局に送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるように構成されたプロセッサであり、前記アラート順位付けアルゴリズムは、
故障電流経路を定義する前記故障電流検出デバイスの前記サブセットの各々の場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することであって、前記上流ソースは、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する最も近い上流の発電ステーション又はサブステーションである、当該上流ソースの場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットを、前記故障電流経路に沿った前記上流ソースからのそれぞれの距離に応じて、順位付けすることと、
前記故障電流経路に沿って前記上流ソースから最も下流の前記サブセットにおける前記故障電流検出デバイスを、前記故障に最も近いものとして、最も高い順位又は最も低い順位に分類することと、
を含む、当該故障アラートを送信するステップと、
を含む、故障電流検出方法。
【請求項15】
前記センサ及び前記処理構成要素が、
請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスに備えられた、センサ及び処理構成要素である、
請求項14に記載の故障電流検出方法。
【請求項16】
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスであって、各故障電流検出デバイスが、請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスである、複数の故障電流検出デバイスと、
前記故障電流検出デバイスと通信可能とされた
主局であって、
前記ネットワークにおける故障電流を示す故障アラートを前記故障電流検出デバイスから受信するための受信モジュール、
前記故障電流検出デバイスのサブセットが、各々、故障アラートを前記
主局に送信した場合に、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるように構成されたプロセッサであって、前記アラート順位付けアルゴリズムは、
故障電流経路を定義する前記故障電流検出デバイスの前記サブセットの各々の場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することであって、前記上流ソースは、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する最も近い上流の発電ステーション又はサブステーションである、当該上流ソースの場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットを、前記故障電流経路に沿った前記上流ソースからのそれぞれの距離に応じて、順位付けすることと、
前記故障電流経路に沿って前記上流ソースから最も下流の前記サブセットにおける前記故障電流検出デバイスを、前記故障に最も近いものとして、最も高い順位又は最も低い順位に分類することと、
を含む、当該プロセッサ、並びに、
前記最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は前記故障の場所を示す故障場所アラートを送信するための送信モジュール、
を含む、当該
主局と、
を備える、故障検出システム。
【請求項17】
前記ネットワークが、中電圧(MV)ネットワークである、請求項
16に記載の故障検出システム。
【請求項18】
前記送信モジュールが、前記故障場所アラートを1つ又は複数のユーザデバイスに送信するように構成されている、請求項
16又は17に記載の故障検出システム。
【請求項19】
架空送電ラインのネットワーク全体にわたって設置された複数の故障電流検出デバイスの各々から故障アラートを受信するステップであって、各故障電流検出デバイスが、請求項1~13のいずれか一項に記載の故障電流検出デバイスである、当該受信するステップと、
プロセッサによって、アラート順位付けアルゴリズムを適用して、どの故障電流検出デバイスが故障に最も近いかを求めるステップであって、前記アラート順位付けアルゴリズムが、
故障電流経路を定義する前記故障電流検出デバイスの前記サブセットの各々の場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する上流ソースの場所を特定又は確証することであって、前記上流ソースは、前記故障電流検出デバイスの前記サブセットに関連する最も近い上流の発電ステーション又はサブステーションである、当該上流ソースの場所を特定又は確証することと、
前記故障電流検出デバイスの前記サブセットを、前記故障電流経路に沿った前記上流ソースからのそれぞれの距離に応じて、順位付けすることと、
前記故障電流経路に沿って前記上流ソースから最も下流の前記サブセットにおける前記故障電流検出デバイスを、前記故障に最も近いものとして、最も高い順位又は最も低い順位に分類することと、
を含む、当該求めるステップと、
前記最も近い故障電流検出デバイスの場所及び/又は前記故障の場所を示す故障場所アラートを送信するステップと、
を含む、故障検出方法。
【国際調査報告】