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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】航空機消毒装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20240118BHJP
   B64D 11/06 20060101ALI20240118BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61L2/10
B64D11/06
A61L9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562453
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021062512
(87)【国際公開番号】W WO2022132546
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/127,590
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/518,910
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523231303
【氏名又は名称】アッドマン エンジニアリング リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】サバートン マーク
(72)【発明者】
【氏名】サバートン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】グラウデル スティーヴン
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD07
4C058DD16
4C058EE26
4C058KK02
4C180AA07
4C180AA10
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH19
4C180KK04
4C180LL04
(57)【要約】
本発明は小さなプライベートジェット、プロペラ駆動飛行機、ヘリコプター、宇宙船、又は他の航空車両のような一般航空機内での設置のために特に適合された設備又は装置を提供し、設備又は装置は、室内の空気を連続的に消毒し、COVID-19ウイルスだけでなく他のウイルスによる伝染を防ぐため、安全範囲内、つまり、規定された安全な波長、放射照度及び航空機が占有される時間(「光化学照射量」未満)でUV-Cを照射する。装置は一般的に、2ピース又は2パーツの組立体からなり、航空機の天井又は壁に取り付けるベースとカバーを有する。UV-Cランプ、典型的にLEDは設備内に配置され、そこからキャビンと、LEDによる安全照射制限を確保するための制御電子回路とに投射する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖された空間でのUVC消毒装置であって、
上面と、底カバー板と、その間の実質的に円筒型の側壁とを含み前記上面、前記底面及び前記側壁が内部チャンバを提供するように協働し、上面が、離間された一対の第一の開口部を有し、離間された第二の対の開口部と、第三の拡大開口部と、を有するハウジングと、
前記第一の対の開口部を通って投射する一対のUVC発光電球と、
前記拡大開口部を通して光を照射する投光LEDと、
前記上面内の関連した手段を通して投射する少なくとも一対のPIRセンサと、
人間及び/又は動物の不在または存在を検知するために前記上面に固定されるモーションセンサと、を有し、
前記LEDは、閉鎖空間の内部を消毒するためのUVCLEDである、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記UVCLEDが光を投射しているかどうかを示すためのステータスライトを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置の内部に配置され、前記上面に固定された取付板を更に含み、前記LEDは、前記取付板に取り付けられ、前記上面の関連する前記開口部を通して投射し、前記PIRは、前記LEDの動作を制御するために前記板とPC板取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
人間の不在又は存在に応じて、消毒される範囲へ照射する光化学照射量の量を制御するための制御器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置を電気の供給源に電気的に接続するための手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
航空機及び請求項1に記載の装置の組み合わせであって、前記PIRセンサは、前記投光LEDの放射照度の範囲内の人間の不在又は存在に応じて前記UVCライトの照射を制御する、ことを特徴とする組み合わせ。
【請求項7】
前記ハウジングを所定位置に保持するための一対の正反対の保持ばねを囲むベゼルと、前記ハウジングを表面に固定するためのカラーと、をさらに含む、請求項6に記載の組み合わせ装置。
【請求項8】
前記装置は、航空機の天井又は前記側壁に取り付けられている、請求項7に記載の組み合わせ装置。
【請求項9】
前記取付板に固定され、前記上面に形成される開口部を通して投射する少なくとも一つのPIRセンサを更に含み、前記PIR及びLiDarセンサは、前記LEDの範囲内の人又は動物の存在又は不在を検知するために使用される、請求項8に記載のハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月18日に出願された「Aircraft Disinfecting Device」に関する同時係属中の米国特許仮出願番号第63/127590号の優先権の利益を主張する本出願であり、その開示は、図面を含め、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、宇宙船、航空機、ヘリコプター等の内部で使用するための消毒装置に関する。より詳細には、本発明は、特にUVライトを使用するそのような内部のための消毒装置に関する。さらに詳細には、本発明は、宇宙船、航空機、ヘリコプター等の高度に規制された産業の、狭い領域内でウイルスを駆除するためのUVライト照射装置に関する。
【背景技術】
【0003】
世界がCOVID-19ウイルスに起因すると考えられるパンデミックの苦しみの中にあると気がつくにつれ、多くの意識が、ウイルスの影響を妨げるため治療法及びワクチンの開発に向けられてきた。並行して、多くの意識がウイルスの伝染を妨げることに向けられてきた。典型的には、これは、たとえ無症状であっても、感染者からの飛沫及びエアゾールが、他の人に当たって他の人が感染するのを妨げるためにマスク及びフェイスシールドを着用するのとともに、表面の「減菌」によって行われてきた。「距離の確保」もまた、エアゾール経由の伝染を制限する効果的な手段である。しかしながら、航空機の狭い領域は、この試みを不可能にする。
【0004】
航空産業は、このウイルスの影響及び/又は恐怖に起因すると考えられる、より壊滅的な産業の一つである。今やフライトの間で接触面を消毒することが普通になってきた。しかしながら、それはCOVID-19の主な感染方法ではない。
【0005】
空気が絶え間なく航空機の内部で循環されていることにより、乗客が搭乗して他の乗客とエアゾールを交換した後に航空機の内部を消毒することは特に難しい。しかしながら、宇宙船、ヘリコプター、及び飛行機を含むそのような航空機、特に一般的な飛行機が、機械的にだけでなく、衛生的にも「安全」な状況下で飛ぶことができることはきわめて重要である。
【0006】
COVID-19及び多くの他のウイルスが、エアゾールとして、つまり直接的な人から人へ拡散されることは、今では一般的に認められている。より具体的には、急速に変異し、かくしてワクチンによってあまりよく緩和されないRNAベースウイルスの複数のファミリーは、現代世界の流行及び世界的流行の原因であり、危険性はより低いが依然として経済的に有害な「病欠」であり、例えば、コロナ、インフルエンザ、肺炎ウイルス、ライノウイルス、などである。結果として、人間の接触間の媒介として表面を消毒することは、人間の間、特に航空機の狭い領域内でのこれらのウイルスの拡散を妨げない。したがって、たとえ、座席、テーブル上面、壁、天井及びその他の表面が、消毒され、または絶え間なく消毒され続けたとしても、これはこれらのウイルスの拡散を妨げない。
【0007】
紫外線は波長(100nm~400nm)の範囲内にある。同様に、病原体も多数の形態がある。いくつかのUV-A波長(315nm~400nm)はいくつかのバクテリア及び菌、例えば、MRSAのような医療関連感染、HAIsを駆除することができることが知られている一方で、大部分の非代謝性の病原体、例えば、上述のウイルスに対しては効果的ではない。UV-Aは、これらの非常に小さい病原体の減少した生化学的補体を目的とせず、それらは宿主の外ではあまり長く生存できないからである。
【0008】
また、UV-C波長(200nm~280nm)の紫外線は、COVID-19を含むコロナウイルスだけでなく、すべての既知のウイルスも駆除できるということもよく知られている。また、ジュール平方メートルで測定されるいくらかより高い「照射量」、つまり、時間に対する照射量において、UV-Cもまた、バクテリア/菌及び原生生物のようなより大きく、生きている代謝性の病原体を殺すことができる。UV-Cは、複製/転写またはタンパク質翻訳のどちらかのためにコピーされることができなくなるようにさせる核酸(RNA/DNA)上の直接衝突によってこれを行う。より詳細には、約254nmのUV-C波長を使用する核酸吸収の(つまり病原体の殺傷率に関連する)多数の公開文書がある。かくして、UV-C照射装置、例えば、飲料水の消毒のために使用される高出力水銀アークランプなどが何十年もの間、幅広く使用されてきた。しかしながら、公知の先行技術装置は一般的には、そのようなUV-C光源へ人間の時間/照射量/近接性を制御しない。
【0009】
紫外線の「制御」は、UV-Cが高い照射量(高い放射照度、又は長時間)にさらされる人の肌と目の両方に危険な効果を有するので、きわめて重要である。典型的に、人間は、例えば水銀アークランプのような高出力の消毒装置の近辺に数秒の単位でいることはできない。
【0010】
世界的に認められた光生物学的安全性規格IEC-62471は、UV-Cの人間への曝露の制限を証明するために何年もの間、利用可能であった。この「光化学照射量」は、24時間にわたる、毎平方メートル30ジュールの継続的な上限として定義される。
【0011】
公開データは、たとえ空間が人に占められていても、「光化学照射量」より少ないUV-C、つまり、消毒照明を用いても、多くの異なる病原体を無力化することができる速度を論証する。かくして、航空機や宇宙船のような人が集まる場所で、環境内の空気をUV-C光で連続して消毒するために、必要な照射量(放射照度×露光時間)を制御すれば、COVID-19を含む複数の病原体に対する戦いの中で、特に狭い閉鎖された空間での使用のための主要なツールが、提供されることになることは、容易に理解できるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、これに向けられたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、小さなプライベートジェット、プロペラ駆動飛行機、ヘリコプター、宇宙船、又は他の航空車両のような民間航空機内での設置のために特に適合された設備又は装置を提供し、この設備または装置は、室内の空気を連続的に消毒し、COVID-19ウイルスだけでなく同様に他のウイルスによる伝染を防ぐため、航空機が占有されている間、安全範囲内、つまり、規定された安全な波長、放射照度及び(光化学照射量未満での)時間でUV-Cを照射する。
【0014】
装置は一般的に、2ピース又は2パーツの組立体を含み、航空機の天井又は壁に取り付けるベース及びカバーを有する。UV-Cランプ、典型的にはLEDは、LEDによる安全照射制限を確保するに、装置内に配置され、そこからキャビン及び制御電子回路へ投射する。
【0015】
リングまたはカラーが、装置周辺で天井又は壁をベースとカラーの間に装置に対して挟む。
【0016】
この装置はFAAに準拠しているため、振動や圧縮による衰弱はない。
【0017】
本発明をより完全に理解するために、以下の発明の説明および添付図面を参照する。
【0018】
図面中、同様の参照文字は、いくつかの図を通して同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る消毒装置の第1実施形態の部分分解組立図である。
図2図1の側面図である。
図3】消毒装置の底部の斜視図である。
図4図1の底部の平面図である。
図5図1のカバーの平面図である。
図6】装置の内部チャンバの平面図である。
図7A】本明細書の第2実施形態で使用されるハウジングの第1の斜視図である。
図7B】カバーを取り外された本装置の第2の斜視図である。
図8】第2実施形態で使用されるハウジング内に配置された取り付け組立体の断面図である。
図9】本装置の航空機内への設置を示す分解組立図である。
図10】航空機キャビンが占有されていないときの放射照度を示す図である。
図11】航空機キャビンの座席が占有されているときの放射照度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
はじめに、以下の説明は「航空機」を参照して行われることに留意されるべきである。しかしながら、本明細書で使用される場合、用語「航空機」は、一般的なおよび商業用両方の航空機、ヘリコプター、宇宙船などを含むことが理解されるべきである。
【0021】
ところで、図面を参照すると、本発明の消毒装置または設備の一実施形態が記載されており、一般に10で示されている。
【0022】
示されるように、装置10は、一般的にベース12と、カバー又はカバー板14と、を含む。ベースは、上面16と、下面18と、を有する。カバー14は、外面17と、内面又は下面19と、を有する。
【0023】
図3に示されるように、内部空間またはチャンバ15が、ベース12の上面又は内面16とカバー14の内面19との間に提供される。取付板13が、中間の表面に固定され、設備のさまざまな部品を装置に取り付け固定するために使用される。
【0024】
ベース12は、装置を航空機の機体の内部の屋根又は天井21若しくは壁23に固定するために使用される、実質的に円形の部材である。本装置は円形として記載されるが、長方形、卵型、六角形などを含む他の幾何学的形状をとることができることは理解されるべきである。
【0025】
通常、下記に論じられるように、プリント基板又はPC板11が、チャンバ15内に配置され、部品に電力を供給したり装置から装置へ信号を伝達したりするために、プラグ又は他のコネクタがプリント基板又はPC板11に接続される。
【0026】
本発明に関する当業者に知られているように、典型的には、架線配線、動力ポンプ、冷却ファン等の電気ハーネスは、内部コンパートメントの天井/壁と機体の外板との間の空間に配置され、かくして、客室内で機体の屋根を横切る多目的空間(図示せず)を画定する。
【0027】
本明細書で以下に論じられるように、ベース12の下面は、内部の屋根又は天井に対して設置され、客室及びコックピット内で本装置を航空機の電気系統に接続するのに使用される。
【0028】
示されるように、間隔をあけたプラグ24のペアが、ベース12の外面に取り付けられ、多目的空間内に配置される。FAA規格により、プラグは、よく知られ商業的に利用可能なキャノンプラグであることが好ましく、又は本装置の電気部品を多目的空間内に配置される従来の電気ハーネス(図示せず)に電気的に相互接続するために使用される、必要な他のFAA認証済みのコネクタでもよい。
【0029】
リード線が、プラグ24から装置の部品及びチャンバ15内に収容されるPC板11へ延びる。
【0030】
開口部26、29、31及び31が、カバー14内で形成される。
【0031】
図1を参照すると、少なくとも一つのUV-C LEDランプ32が、チャンバ15内に収容される。UV-C LEDランプは、PC板の板13に取り付けられ、カバー内の関連する開口部を通って投射し、航空機の客室内へUV-Cライトを照射するために使用される。
【0032】
最適に、少なくとも一つ、好ましくは二つ又それより多い他の可視波長のはっきりと色づけられたLEDランプが、同様に板13に取付けられ、カバー内の関連する開口部へ投射し、UV-Cランプ32の状態を特定するための表示として使用される。例えば、緑、黄、赤のようなLEDカラーが、それぞれ「電源の入り切り」、「消毒」及び「安全でない放射照度」の状態を指すために使用されてもよい。あるいは、状態スイッチと結合された単一状態表示具が、下記に説明されるように使用されてもよい。
【0033】
また、可聴信号を送るための手段が提供されてもよく、「安全でない照射量」の場合に使用されてもよい指定のLEDと共に音声を送るために使用されてもよく、これにより、目の見えないまたは耳の聞こえない乗客が、(それが現実的であれば)航空機を出ることを知ることができ、及び/又は乗務員が、設備に接続されている強制停止装置を介して電力を断つことを知ることができる。
【0034】
照射量は、物理学の逆2乗の法則によれば、UVエミッターと床のような「ターゲット」との間の物理的距離に関係するが、ターゲットは乗客、食品トレイ、などであることができ、
【0035】
本発明を実施する際、「通常」の位置、つまり、着席し通路から離れている位置における乗客が、「光化学照射量」未満を常に受け取るように、UV-C放射照度レベルが選択される。しかしながら、約6フィートの一般的な乗客の身長と比較して航空機の低い天井の高さを考慮すると、装置又は設備10の真下で歩き、立ち、長居する乗客は安全でない位置にいる。かくして、再度、図を参照すると、本発明は、制御器38(図6)を介してUV-Cエミッターを減光又は電源を切ることにより照射量を方向付けし直す手段35を含む。
【0036】
モーションセンサ又は検知部40が、PC板11に接続され、カバー14に取り付けられ、UV-Cランプ32によって照射されるUV-Cライトに潜在的に危険な近さにいる人や動物のような物体の存在を検知するために使用される。
【0037】
モーションセンサ40は、UV-Cランプ32に接近しすぎた生物、つまり、人又は動物の存在を検知し、センサが人の不在を指さない限り且つ不在を指すまでは、減光または停止のどちらかをするようにランプ32へ信号を送る、受動赤外線(PIR)モーションセンサであることが好ましい。
【0038】
図7に示されるように、LEDランプ32の照射範囲又は照射パターンは、典型的には円錐型である。かくして、PIRの検知範囲の形を制御するために、非球面レンズ又は囲い板42が、カバーされる面積を制御又は管理するようにセンサを覆う。あるいは、以下に論じられるように、開口部又は孔(図10)が、カバー内に形成されてもよく、光がそれを通って照射される際に検知範囲を制御するために使用される。
【0039】
好ましくは、このPIRセンサ40は、航空機の通路内又はその天井付近の物体の存在を検知し、減光させるか停止させるようにそれをUV-Cランプ32用の電気コントローラ38に通信する。旅客機はほとんど常に「円筒型」の機体を使用している(つまり、天井が通路から離れるにつれて低くなる)ので、幾何学的形状は、通路から離れて座る乗客は立つことができないことを示し、従って安全で効果的なUV-Cの消毒照射量(つまり、「光化学限度」未満)(図7)を受け取るであろう。検知範囲を重複させるため又は検知範囲を形作るため、各設備内に二つ又はそれより多くのPIRモーションセンサを使用することが可能である。
【0040】
任意で、選択的なケーブル接続が、この同じパック/設備でUV-Cランプを減光/停止することだけでなく、隣接した設備(つまり、下り通路と上り通路)に同じ効果を有するように、存在センサまたはモーションセンサを採用することを可能にするために使用されてもよい。かくして、乗客又は乗務員が天井の近く又は通路内で検知されると、検知センサに加えて、物体近くの前方装置設備及び後方設備は、自動的に停止される。乗客が検知エリア外になると、LEDは再び点灯される。このオプションは、設備が、センサの円錐型/卵型の存在検知が重なり合って取り付けられる場合、ある程度の存在検知の重複を提供することができる。そのようなオプションは、また、乗客の下り通路の歩行のより早い検知を提供することができ、それによって、彼/彼女が行こうとする場所のすぐ前方のUV-C照射量を下げる。
【0041】
本発明の実施において図8に示すように、好ましくは、一つは上り通路を「狙い」、一つはより下り通路を「狙う」、重なり合う検知範囲を有する少なくとも二つのセンサ40’、40’が配備されてもよい。これは同じ安全な重複性を可能にするが、装置と装置の隣接性についての要求はない。
【0042】
直列に配置される間隔をあけた一対のUV-C LEDを表示することも可能である。ここで、センサと電気的に連通するLEDは、より大きな設備と設備との間隔及びより長いUV-C光の長さを提供するために、約30°から60°の傾斜角で角度配置される。これはより大きな空気体積を消毒することにつながる。
【0043】
UV-Cエミッターの傾斜角は、下り通路に接近する物体のためのPIR検知角に合わせなければならないことは留意されるべきである。
【0044】
人間/物体の存在がもはや検知されないと、UV-Cランプ32は再び作動するようになる。
【0045】
UV-Cランプ32は、座った物体近辺にビームを照射し続け、検知範囲の体積内の人又は動物によってのみ中断させられることは理解されるべきである。
【0046】
留意されているように、存在検知部は、受動赤外線センサー(RIP)であることが好ましい。しかしながら、飛行時間型(タイム・オブ・フライト)又は類似のセンサが、LiDarセンサと同じ効力で採用されることができる。
【0047】
図をもう一度参照すると、示されるように、カバー14は、ベース12と嵌合し、例えば、開口部35を通るねじ付き締結具等のような任意の適切な手段でベース12に着脱可能に接続され固定される。
【0048】
同様に、ベース12は、ねじ付き締結具等を通して機体の内部の屋根又は天井に固定される。ここで、カラー42が、多目的空間内に据え付けられ、ベース内に提供される位置合わせ孔46と整合する開口部44を有する。その後ねじ付き締結具はベースをカラーに固定し、それによってその間に天井部分を挟む。
【0049】
今、図7~11を参照すると、本発明の第二実施形態が記載され、一般的に、110で示される。これによれば、装置は、上部外向き上面114、円筒型の側壁115及び裏面または裏カバー116を有するハウジング112を含む。本装置は、下記に論じられるように、開口内部143を有し、その中に、必要な部品を有する組立体141、取り付けられる。
【0050】
上面114は、下記に説明されるように、組立体の部品と位置合わせされる複数の開口部を備える。開口部又は孔118、120が、上面114上に提供され、スポット又は狭いビームLED123,124がそこを通って投影する。また、図7A及び図10に示すように、拡大された開口部122が、上面114に提供され、そこを通って「投光」ビーム又は広いビームLED126、127が照射される。狭いビームLEDは、通路が占有されていない時に通路をきれいにするために使用される高強度なLEDである。
【0051】
広いビームは、占有されているかいないかどうかに関わらず低い又は安全な放射照度限度で、空間の内部の連続した消毒のために使用される。
【0052】
透明なカバー136が、開口部122を覆って配置される。
【0053】
図8及び図10に示すように、そして上記に参照されるように、取り付け組立体141が、内部に配置され、そこに様々な部品が固定される。組立体は、LED板142、PC板又は制御板142及びパッド147を含む。
【0054】
超音波センサ145が、パッド147上に配置される。センサ145は、高強度又は低強度の放射照度が使用されるかどうかを決定するために、占有者の存在又は不在を検知する。
【0055】
受動赤外線センサ(PIR)133、135は、ビーム内の人の不在又は存在を検知するために使用され、また、制御板に固定される。センサ133、135からのビームは、開口部129、131を通り照射される。同様に、範囲センサ144及び146、好ましくはLiDarセンサがPC板142に取り付けられ、航空機の通路内で人の不在、存在を検知するために使用される。これらのセンサからのビームは、開口部137、139を通して照射される。
【0056】
投光LED126,127はPC板142に取り付けられ、拡大された開口部122と整列される。
【0057】
超音波視野センサ145はパッド147に固定され、表面114上に提供されるカバー開口部149を通って延びる。
【0058】
本装置の配置にあたり、各取付け台180、182に設置される正反対の保持ばね160,162が、ハウジングの側壁に固定され、以下に詳述の通り、装置が設置されると、航空機天井の内張り170に対して一定の力を提供するように使用される。
【0059】
第一の実施形態と同様に、一つのLED指示灯156が、装置のステータスの目視観察を可能にするように提供される。LED156は、LED板に取り付けられ、表面又は板114上に提供される開口部158を通りビームを投射する。
【0060】
任意で、モードスイッチ180が、どの消毒モード、つまり、通路消毒又は投光又はその両方、が運転中にされるかを命令することができるように設置されてもよい。
【0061】
示されるように、一対の正反対の取付け台178、180(図7B)は、ベース14の側壁115内に形成される。装置の配置又は設置にあたって、図8及び図9に示すように、適切な開口部が、それを通しての装置の設置を可能にするために、航空機天井の内張り170内に提供される。
【0062】
第一の実施形態と同じように、装置は航空機の外板と従来の航空機天井の内張りとの間に配置される。
【0063】
好ましくは、設置シム174及びベゼル176が、装置を所定位置に固定するために天井の内張り170及び航空機の外板の間に入れられる。保持ばね160、162は所定位置で装置を維持する。
【0064】
第一の実施形態と同じように、電源又はケーブル188が、PC板と電気的に連通し、必要な電力をそこへ伝達する。
【0065】
装置自体は、射出成型、付加製造等によるような任意の適切な手段で、FAA準拠の任意の適切な材料、例えば、防爆構造及び耐振動性又は耐圧縮性だけでなく、耐久性があり、耐薬品性及び耐火性のAVS/PVCを含む熱可塑性樹脂などで製造される。カバーとベースは、他の金属が使われてもよいが、FAA認可のT6航空機用アルミニウムから形成されることが好ましい。
【0066】
本装置はUV-A光及びUV-C光の両方を照射するように改造することができるということは留意されるべきである。
【0067】
上記に留意されるように、本装置を配置するにあたって、乗客によって占有されているときは、UV-C波長は、肌及び目の両方を傷つけることを妨げるために調節されなければならず、それゆえ、UV-C波長は、選ばれた又は所定の照射量だけでなく、定められた範囲内及び選ばれた期間にある。
【0068】
UV-C光は、約225nMから約325nMの間の好ましい波長にあり、典型的に、約250nMから300nMの間の波長で1つまたはそれ以上のLEDによって照射される。
【0069】
使用の際、IEC規格に基づき、例えば海外便のため24時間の期間にわたって、人間が絶えずこの放射照度に曝されることができるので、放射照度は、通常、デフォルト設定として、24時間完全に安全な「光化学照射量」を管理するように設定される。
【0070】
図10及び図11は本装置が配置されている際に提供される放射照度を説明する。座席が占有されていないとき、狭いビームLEDは、航空機の通路下方へ3本のビームを照射する一方で、「投光」又は広い範囲のビームは座席及び他の側板を含める航空機の一部を照射する。
【0071】
24時間未満の光化学照射量を管理するための制御器は図示されていないが、照射量はこのより低い露光時間でより高く設定されることができ、より高い照射量の効力が含まれてよく、これは、乗客間の感染力の可能性を減らす間、より急速にウイルスを駆除するだろう。これは、乗客及び乗務員がその日に航空機内にいてよい合計時間の計算し、24を時間数割る係数によって照射量を増加することによって達成される。これは固定板の調整によって行われることが好ましい。
【0072】
航空機が完全に占有されていなければ、UV-C LEDは、危険な形で人間/動物がいないので、占有されていない時間の間、光化学「照射量」の安全制限より上で照射を提供してよい。これは任意のエアゾールだけでなく表面(例えば、より単純なウイルスの代わりにバクテリア/内生胞子のすみかとなりそうな、微細な乾燥した粘液/血液のような「媒介物」)も消毒できるように、短時間(例えばフライトの間)でのキャビンの完全な「消毒」を可能にする。これは航空機の外部の板の調整を固定することで実行される。
【0073】
本発明の実施するにあたって、エキシマがLED電球の代わりに使用されてもよい。
【0074】
「混合された」消毒を提供するために、UV-Aランプを統合することも可能であることも留意するべきである。
【0075】
本装置は他の閉ざされた環境内で使用されることもできということも理解されるべきである。
【0076】
全ての材料の選択は、実証済みの不燃性材料のみを含むようにFAAの規制によって高度に規制されるということがさらに理解されるべきである。
【0077】
COVID-19ウイルスだけでなくインフルエンザウイルスのような他のたくさんのウイルスを含むウイルスに対して、占有された航空機の内部を安全に消毒する装置がこれまで本明細書に説明されてきたということが理解されるべきである。
【0078】
このように本発明を説明したが、特許請求の範囲は次のようなものである。
図1
図2
図3
【図
【図
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
【図
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖された空間でのUVC消毒装置であって、
上面と、底カバー板と、その間の実質的に円筒型の側壁とを含み、前記上面、前記底面及び前記側壁が内部チャンバを提供するように協働し、且つ上面が、離間された一対の第一の開口部と、離間された第二の対の開口部と、第三の拡大開口部と、を有する、ハウジングと、
前記第一の対の開口部を通って投射する一対のUVC発光電球と、
前記拡大開口部を通して光を照射する投光LEDと、
前記上面内の関連した手段を通して投射する少なくとも一対のPIRセンサと、
人間及び/又は動物の不在または存在を検知するために前記上面に固定されるモーションセンサと、を有し、
前記LEDは、閉鎖空間の内部を消毒するためのUVCLEDである、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記UVCLEDが光を投射しているかどうかを示すためのステータスライトを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置の内部に配置され、前記上面に固定された取付板であって、前記PIRセンサ及び前記LEDが前記取付板に取り付けられ且つ前記板に取り付けられた前記上面の関連する前記開口部を通して投射する、前記取付板と、前記LEDの動作を制御するためのプリント基板と、を更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
人間の不在又は存在に応じて、消毒される範囲へ照射する光化学照射量の量を制御するための制御器をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置を電気の供給源に電気的に接続するための手段をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
航空機及び請求項1~5のいずれか1項に記載の装置の組み合わせであって、前記PIRセンサは、前記投光LEDの放射照度の範囲内の人間の不在又は存在に応じて前記UVCライトの照射を制御する、ことを特徴とする組み合わせ。
【請求項7】
前記ハウジングを所定位置に保持するための一対の正反対の保持ばねを囲むベゼルと、前記ハウジングを表面に固定するためのカラーと、をさらに含む、請求項6に記載の組み合わせ装置。
【請求項8】
前記装置は、前記航空機の前記天井又は前記側壁に取り付けられている、請求項6又は7に記載の組み合わせ装置。
【請求項9】
前記取付板に固定され、前記上面に形成される開口部を通して投射する少なくとも一つのPIRセンサを更に含み、前記PIR及びLiDarセンサは、前記LEDの範囲内の人又は動物の存在又は不在を検知するために使用される、請求項6~8のいずれか1項に記載のハウジング。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図1】本発明に係る消毒装置の第1実施形態の上面斜視図である。
図2図1のその側面図である。
図3】消毒装置の底部の斜視図である。
図4図1の底部の平面図である。
図5図1のカバーの平面図である。
図6】装置の内部チャンバの平面図である。
図7A】本明細書の第2実施形態で使用されるハウジングの第1の斜視図である。
図7B】カバーを取り外された本装置の第2の斜視図である。
図8】第2実施形態で使用されるハウジング内に配置された取り付け組立体の断面図である。
図9】本装置の航空機内への設置を示す分解組立図である。
図10第2実施形態の装置の取付組立体の斜視図である。
図11航空機キャビンが占有されていないときの放射照度を示す図である。
図12航空機キャビンの座席が占有されているときの放射照度を示す図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】