(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B64C 13/50 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B64C13/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563907
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021062769
(87)【国際公開番号】W WO2022140077
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523240903
【氏名又は名称】ホイッパニー アクチュエーション システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】リウ シジエ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドハマー カート
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】デマウロ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ドイル マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】チヴィリー フィリップ
(57)【要約】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムは、1次レーンシステムと、2次レーンシステムと、を有する。1次レーンシステムは、2次レーンシステムがスタンバイ構成のままである間、通常動作中に構成要素の作動を提供するように構成され、2次レーンシステムは、1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに、構成要素の作動を提供するが、構成要素への出力から解放されるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次レーンシステムと、
2次レーンシステムと、を備え、
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムがスタンバイ構成のままである間、通常動作中に構成要素の作動を提供するように構成され、
前記2次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるが、前記構成要素への出力から解放されたときに、前記構成要素の作動を提供するように構成されている、
ことを特徴とするジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項2】
前記構成要素は、航空機のコントロール面に接続されている、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項3】
前記コントロール面は、エルロン、エレベータ、ラダーベータ、前縁フラップ、前縁スロット、グランドスポイラー、インボードフラップ、インボードエルロン、インボードエルロンタブ、アウトボードフラップ、バランスタブ、アウトボードエルロン、フライトスポイラー、トリムタブ、スラット、エアブレーキ、エレベータトリム、コントロールホーン、ラダートリム及びエルロントリムのうちの少なくとも1つを備える、
請求項2に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項4】
前記構成要素は、航空機の構成要素に接続されている、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項5】
前記航空機の構成要素は、逆推力装置、兵器システム、飛行中給油システム、テールフック拘束システム、ランディングギアシステム、ドア及び/又はハッチのうちの少なくとも1つを備える、
請求項4に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項6】
前記1次レーンシステムは、前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記1次レーンシステムが前記構成要素を動作させる前記通常動作から、前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記1次レーンシステムが接続解除されてもはや前記構成要素を動作させないフォールトトレランス又はジャムフリー状態に移行するように構成されている、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項7】
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムが前記スタンバイ構成のままである間、前記通常動作中に前記構成要素の作動を提供するように構成されている、1次レーン作動モータ及び1次レーンギアボックスを備える、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項8】
前記1次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに前記構成要素から前記1次レーンシステムを離脱させるように構成された1次レーン離脱モータを更に備える、
請求項7に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項9】
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムがスタンバイ構成のままである間、前記通常動作中に前記構成要素の作動を提供するように構成された、スプライン内部出力シャフト、スプライン外部出力シャフト及び1次レーンスプラインカップリングナットを更に備え、
前記1次レーンスプラインカップリングナットは、外径上に配置されたねじ山と、内径上に配置された内部スプラインと、を有する、
請求項7に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項10】
前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記通常動作中、前記1次レーン作動モータは、回転して、前記1次レーンギアボックスに回転トルクを加え、
前記1次レーンギアボックスは、前記1次レーン作動モータから受け取った前記回転トルクを出力し、この回転トルクを前記スプライン内部出力シャフトに加え、
前記スプライン内部出力シャフトは、前記1次レーンスプラインカップリングナットを介して前記スプライン外部出力シャフトに前記回転トルクを伝達し、
前記スプライン外部出力シャフトは、前記回転トルクを前記構成要素に出力する、
請求項9に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項11】
前記1次レーンシステムは、1次レーン離脱モータと、スプライン内部出力シャフトと、スプライン外部出力シャフトと、1次レーンスプラインカップリングナットと、を更に備え、
前記1次レーン離脱モータは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに、前記スプライン内部出力シャフトを前記スプライン外部出力シャフトから離脱させるように構成されている、
請求項7に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項12】
前記2次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるが、前記構成要素への出力から解放されたときに、前記構成要素の作動を提供するように構成された、2次レーンアクチュエータモータ、2次レーンギアボックス及び2次レーン出力シャフトを備える、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項13】
前記2次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムのときに、前記2次レーンシステムを前記構成要素に接続するように構成されている、2次レーンプラネタリ出力段、2次レーン係合ギア及び2次レーン係合モータを更に備える、
請求項12に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項14】
前記2次レーンプラネタリ出力段は、リングホイールと、1又は2以上のプラネタリギアと、前記2次レーン出力シャフトに接続されたサンギアと、を備える、
請求項13に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項15】
前記2次レーンシステムは、前記構成要素を制御する、
請求項6に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項16】
前記1次レーンシステムの故障を感知するように構成されたセンサと、
前記センサが前記1次レーンシステムの前記故障を感知したのに応答して、前記構成要素の作動を提供するように前記2次レーンシステムを制御するよう構成されたコントローラと、を更に備える、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項17】
スクリューシャフト、回転ガイド、ウォームギア、機械的ストップ、ホイール、内側及び外側軸受、並びに1次レーンスプラインカップリングナットのうちの少なくとも1つを備える1次レーンシステム接続解除機構を更に備え、
前記ウォームギアは、雌ねじを備える、
請求項1に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項18】
1次レーンシステムと、
2次レーンシステムと、
前記1次レーンシステムの故障を感知するように構成されたセンサと、
前記センサが前記1次レーンシステムの前記故障を感知したのに応答して、構成要素の作動を提供するように前記2次レーンシステムを制御するよう構成されたコントローラと、を備え、
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムがスタンバイ構成のままである間、通常動作中に前記構成要素の作動を提供するように構成されている、
ことを特徴とするジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項19】
前記1次レーンシステムは、前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記1次レーンシステムが前記構成要素を作動させる前記通常動作から、前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記1次レーンシステムが接続解除され、前記構成要素を作動させない第2の構成に移行するように構成されている、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項20】
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムが前記スタンバイ構成のままである間、前記通常動作中に前記構成要素の作動を提供するように構成されている、1次レーン作動モータ及び1次レーンギアボックスを備える、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項21】
前記1次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに、前記構成要素から前記1次レーンシステムを離脱させるように構成された1次レーン離脱モータを更に備える、
請求項20に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項22】
前記1次レーンシステムは、前記2次レーンシステムがスタンバイ構成のままである間前記通常動作中に前記構成要素の作動を提供するように構成された、スプライン加工された内部出力シャフト、スプライン加工された外部出力シャフト及び1次レーンスプラインカップリングナットを更に備え、
前記1次レーンスプラインカップリングナットは、外径上に配置されたねじ山と、内径上に配置された内部スプラインと、を有する、
請求項20に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項23】
前記ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの前記通常動作中、前記1次レーン作動モータは回転して、前記1次レーンギアボックスに回転トルクを加え、
前記1次レーンギアボックスは、前記1次レーン作動モータから受け取った前記回転トルクを出力し、この回転トルクを前記スプライン内部出力シャフトに加え、
前記スプライン内部出力シャフトは、前記1次レーンスプラインカップリングナットを介して前記スプライン外部出力シャフトに前記回転トルクを伝達し、
前記スプライン外部出力シャフトは、前記回転トルクを前記構成要素に出力する、
請求項22に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項24】
前記1次レーンシステムは、1次レーン離脱モータと、スプライン内部出力シャフトと、スプライン外部出力シャフトと、1次レーンスプラインカップリングナットと、を更に備え、
前記1次レーン離脱モータは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに、前記スプライン内部出力シャフトを前記スプライン外部出力シャフトから離脱させるように構成されている、
請求項20に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項25】
前記2次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに前記構成要素の作動を提供するように構成されている、2次レーンアクチュエータモータ、2次レーンギアボックス及び2次レーン出力シャフトを備える、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項26】
前記2次レーンシステムは、前記1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに前記2次レーンシステムを前記構成要素に接続するように構成されている、2次レーンプラネタリ出力段、2次レーン係合ギア及び2次レーン係合モータを更に備える、
請求項25に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項27】
前記2次レーンプラネタリ出力段は、リングホイールと、1又は2以上のプラネタリギアと、前記2次レーン出力シャフトに接続されたサンギアと、を備える、
請求項26に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項28】
前記2次レーンシステムは、前記構成要素を制御する、
請求項19に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項29】
スクリューシャフト、回転ガイド、ウォームギア、機械的ストップ、ホイール、内側及び外側軸受、並びに1次レーンスプラインカップリングナットのうちの少なくとも1つを備える1次レーンシステム接続解除機構を更に備え、
前記ウォームギアは、雌ねじを備える、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項30】
前記構成要素は、航空機のコントロール面に接続される、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項31】
前記コントロール面は、エルロン、エレベータ、ラダーベータ、前縁フラップ、前縁スロット、グランドスポイラー、インボードフラップ、インボードエルロン、インボードエルロンタブ、アウトボードフラップ、バランスタブ、アウトボードエルロン、フライトスポイラー、トリムタブ、スラット、エアブレーキ、エレベータトリム、コントロールホーン、ラダートリム及びエルロントリム、のうちの少なくとも1つを備える、
請求項30に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項32】
前記構成要素は、航空機の構成要素に接続される、
請求項18に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【請求項33】
航空機の前記構成要素は、逆推力装置、兵器システム、飛行中燃料補給システム、テールフック拘束システム、ランディングギアシステム、ドア及び/又はハッチのうちの少なくとも1つを備える、
請求項32に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムに関する。本開示はまた、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャー方法に関する。より詳細には、開示されたシステム及び方法は、アクティブ及び/又はスタンバイ構成を有する電気機械式二重冗長アクチュエータが、ジャム及び/又は故障したアクティブ及び/又は1次レーンを離脱し、ジャムフリー二重冗長アクチュエータのスタンバイ及び/又は2次レーンに係合することを可能にする。
【0002】
本開示は、更に、航空機及び/又は航空宇宙用途、或いはジャムフリー作動システムを必要とする何れかの用途に実装されるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムに関する。本開示はまた、航空機及び/又は航空宇宙用途、或いはジャムフリー作動システムを必要とする何れかの用途において実装されるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャー方法に関する。より詳細には、開示されたシステム及び方法は、アクティブ及び/又はスタンバイ構成を有する航空機及び/又は航空宇宙用途又はジャムフリー作動システムを必要とする何れかの用途における電気機械式二重冗長アクチュエータが、ジャム及び/又は故障したアクティブ及び/又は1次レーンを離脱し、ジャムフリー二重冗長アクチュエータのスタンバイ及び/又は2次レーンに係合することを可能にする。
【背景技術】
【0003】
航空機及び/又は航空宇宙用途において現在使用されている主たるアクチュエータ技術は、液圧式である。例えば、現在使用されている主たる飛行表面制御技術は液圧式である。この点で、液圧アクチュエータは、二重冗長性を容易に組み込むことができる。しかしながら、液圧アクチュエータは、多くの固有の問題を有する。例えば、典型的な液圧アクチュエータは、漏洩、高重量の欠点、高要求のメンテナンス、高い故障率等の問題がある。
【0004】
電気機械アクチュエータ(EMA)は、その固有の低コスト、有利な低重量及び/又は同様のものに起因して、航空機産業によってますます必要とされている。EMAに対するこのような需要の増加は、航空宇宙飛行制御のような高信頼性用途及び/又は重要な用途にまで及んでいる。高信頼性用途及び/又は重要な用途におけるアクチュエータの故障は極めて望ましくなく、機器の損傷の可能性だけでなく、安全上の懸念を提示する可能性がある。
【0005】
従って、低い故障率の必要性に対処するために、二重冗長アクチュエータが採用されている。しかしながら、多くの二重冗長アクチュエータシステム設計構成の限界は、電気的/電子的冗長性だけを提供する状況であり、ジャムフリー二重冗長機構を提供しないことである。つまり、一方のアクチュエータ機械レーンがジャムした場合、第2レーンもジャムすることになる。これは、両方ともが同じ構造部材にハードリンクされているため、その結果、1つのレーンでジャム又は故障した構成要素は、実質的に第2のレーンで同じ故障した構成要素になることに起因する。
【0006】
従って、レーンジャムを回避するために、ジャムフリー冗長システム及び/又は冗長アクチュエータ方法を備えたアクチュエータを有することが望ましいだろう。機械的故障を回避するための二重冗長電気機械アクチュエータに対するこの能力は、より高い信頼性を達成し、安全性を高め、機器の損傷を制限し、及び/又は同様のものを達成するために重要である。
【発明の概要】
【0007】
前述の必要性は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム及び/又は二重冗長アクチュエータレーンチェンジャー方法を記載する本開示によって、大いに満たされる。
【0008】
本開示の一形態は、1次レーンシステムと2次レーンシステムを含むジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムであって、1次レーンシステムは、2次レーンシステムが待機構成のままである間に、通常動作中に構成要素の作動を提供するように構成され、2次レーンシステムは、1次レーンシステムが故障又はジャムであるときに構成要素の作動を提供するように構成される、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムを含む。
【0009】
本開示の一形態は、1次レーンシステムと、2次レーンシステムであって、2次レーンシステムが待機構成にある間、1次レーンシステムが通常動作中に構成要素の作動を提供するように構成された、2次レーンシステムと、1次レーンシステムの故障を感知するように構成されたセンサと、センサが1次レーンシステムの故障を感知したことに応答して構成要素の作動を提供するように2次レーンシステムを制御するよう構成されたコントローラと、を含む、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムを含む。
【0010】
このように、本明細書においてその詳細な説明がよりよく理解できるように、及び本技術への貢献がよりよく理解できるように、本開示の特定の形態をかなり大まかに概説した。勿論、以下に説明され、本明細書に添付される特許請求の範囲の主題を形成する本開示の追加の形態が存在する。
【0011】
この点に関して、本開示の少なくとも1つの形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において以下の説明に記載され又は図面に例示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、記載された形態に加えて、様々な方法で実施及び実行することができる。また、本明細書において採用される表現及び用語は、要約と同様に、説明の目的のものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0012】
このように、本開示が基づいている概念が、本開示の幾つかの目的を実施するための他の構造、方法、及びシステムの設計の基礎として容易に利用できることは、当業者であれば理解されるであろう。従って、特許請求の範囲は、本開示の思想及び範囲から逸脱しない限り、このような均等な構造を含むものとみなされることは重要である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一形態によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの概略図である。
【
図2】
図1の1次レーンシステムの部分分解斜視図である。
【
図3】
図2の1次レーンシステムの組立図の側断面図である。
【
図4】動作モードにおける1次レーンシステムの側断面図である。
【
図5】1次レーンアクティブモードにおける
図4の1次レーンシステムの線V-Vに沿った機構の離脱を示す部分断面図である。
【
図6】1次レーンモードを離脱する際の
図4の1次レーンシステムの機構の離脱を示す部分断面図である。
【
図7】
図1の2次レーンシステムの部分斜視端面図である。
【
図8】
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分上面断面図である。
【
図9】1次レーン作動モード及び2次レーンスタンバイモードにおける、
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分端面図である。
【
図10】2次レーン保持位置及び1次レーン離脱モードにおける、
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分端面図である。
【
図11】2次レーンスタンバイモードにおける
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分断面図である。
【
図12】ジャムフリーモードにおける1次レーンシステムの断面図である。
【
図13】本開示によるコントローラを示す図である。
【
図14】
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムを動作させる方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本開示について、図面を参照して説明するが、ここで図面全体を通じて同じ参照数字は、同様の要素を指す。本開示の様々な形態は、アクチュエータに冗長駆動をもたらすトランスミッションを有利に提供する。
【0015】
図1は、本開示の一形態による、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの概略図である。
【0016】
この点に関して、
図1は、ブロック図を介して、本開示の一形態によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの主要要素を示す。詳細には、
図1は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100を示す。ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、1次レーンシステム200と、2次レーンシステム300と、を含むことができる。ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、構成要素400を作動させるように動作することができる。
【0017】
一形態において、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、航空機のコントロール面、フライト面及び/又は同様のものを含む、接続される、及び/又は動作する構成要素400を作動させるように構成することができる。一形態では、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、エルロン、エレベータ、ラダー、ラダーベータ、前縁フラップ、前縁スラット、グランドスポイラー、インボードフラップ、インボードエルロン、インボードエルロンタブ、アウトボードフラップ、バランスタブ、アウトボードエルロン、フライトスポイラー、トリムタブ、スラット、エアブレーキ、エレベータトリム、コントロールホーン、ラダートリム、エルロントリム及び/又は同様のもののうちの1又は2以上を含む、航空機用のフライト面を作動させるように構成することができる。一形態において、アクチュエータは、逆推力装置、兵器システム、飛行中燃料補給システム、テールフック拘束システム、ランディングギアシステム、ドア、ハッチ及び/又は同様のものなどの航空機のための構成要素を作動させるように構成することができる。この点において、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、信頼性、重量及び/又は同様のものがより重要視される航空機システム用に特に構成され、及び/又は有効である。
【0018】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、1次レーン作動モータ202と、1次レーンギアボックス204と、スプライン内部出力シャフト206と、スプライン外部出力シャフト208と、1次レーン離脱モータ210と、1次レーンスプラインカップリングナット212と、ホイール214を含むことのできる1次レーン離脱機構と、2次レーンアクチュエータモータ302と、2次レーンギアボックス304と、2次レーンプラネタリ出力段306と、2次レーン出力シャフト308と、2次レーン係合機構310と、2次レーン係合モータ312と、を含むことができる。しかしながら、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、より少ない構成要素、より多くの構成要素及び/又は同等の機能を提供する異なる構成要素で実施することができる。
【0019】
この点に関して、1次レーンシステム200は、1次レーン作動モータ202、1次レーンギアボックス204、スプライン内部出力シャフト206、スプライン外部出力シャフト208、1次レーン離脱モータ210、1次レーンスプラインカップリングナット212、及びホイール214を含むことのできる1次レーン離脱機構のうちの1又は2以上を含むことができる。詳細には、1次レーンシステム200は、2次レーンシステム300がスタンバイ構成のままである間、典型的な通常動作中に構成要素400の作動を提供するように実施することができる。より具体的には、1次レーンシステム200は、2次レーンシステム300がスタンバイ構成のままである間、典型的な通常動作中に構成要素400の作動を提供するようにアクティブ構成で実施することができる。更に、1次レーンシステム200は、より少ない構成要素、より多くの構成要素及び/又は同等の機能を提供する異なる構成要素で実施することができる。
【0020】
一方で、2次レーンシステム300は、2次レーンアクチュエータモータ302、2次レーンギアボックス304、2次レーンプラネタリ出力段306、2次レーン出力シャフト308、2次レーン係合機構310及び2次レーン係合モータ312のうちの1又は2以上を含むことができる。詳細には、2次レーンシステム300は、1次レーンシステム200が故障、ジャム及び/又は同様の場合に、構成要素400の作動を提供するように実施することができる。更に、2次レーンシステム300は、より少ない構成要素、より多くの構成要素及び/又は同等の機能を提供する異なる構成要素で実施することができる。
【0021】
より具体的には、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、1次レーンシステム200を実装することにより、構成要素400を動作させるアクティブ構成で動作することができる。1次レーンシステム200が故障、ジャム及び/又は同様の場合に、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、1次レーンシステム200を構成要素400から接続解除し、2次レーンシステム300を構成要素400に接続するフォールトトレランス構成に置かれるように動作することができる。その後、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300は、構成要素400を作動させる。
【0022】
図2は、
図1の1次レーンシステムの部分分解斜視図である。
【0023】
【0024】
図2及び
図3を参照すると、1次レーンシステム200は、2つのセクションに分割することができる回転スプライン出力シャフトを含むことができ、これにより、故障が検出された場合に回転スプライン出力シャフトを離脱させることができる。より具体的には、1次レーンシステム200の回転スプライン出力シャフトは、スプライン内部出力シャフト206と、スプライン外部出力シャフト208と、を含むことができる。1次レーンスプラインカップリングナット212は、スプライン内部出力シャフト206のスプラインシャフト等の特徴部232及びスプライン外部出力シャフト208のスプライン234に結合することができる内部スプライン230を有するナットとして構成することができる。1次レーンスプラインカップリングナット212はまた、外径上にねじ山236を有することができる。1次レーンシステム200は、ホイール214を更に含むことができる。ホイール214は、
図3に示すように、雌ねじ238を含むことができる。ホイール214は、雌ねじ238と共に、転回すると、1次レーンスプラインカップリングナット212を駆動する。一形態では、ホイール214は、その外径に沿って配置されたウォームギア歯を有するウォームホイールとすることができる。更に、1次レーンシステム200は、より少ない構成要素、より多くの構成要素及び/又は同等の機能を提供する異なる構成要素で実施することができる。
【0025】
より具体的には、スプライン内部出力シャフト206、1次レーンスプラインカップリングナット212、ホイール214、及びスプライン外部出力シャフト208は、
図2及び
図3に示されるように、X軸に平行な軸に沿って配置することができる。スプライン内部出力シャフトの回転は、1次レーンシステム200が作動して係合されると、1次レーンスプラインカップリングナット212及びスプライン外部出力シャフト208の回転をもたらし、この回転は、構成要素400(
図1に示される)に提供される。この点に関して、スプライン内部出力シャフト206の特徴232は、1次レーンスプラインカップリングナット212の内部スプライン230と係合し、1次レーンスプラインカップリングナット212の内部スプライン230は、同様に、スプライン外部出力シャフト208のスプライン234と係合する。更に、スプライン内部出力シャフト206は、上述のようにスプライン外部出力シャフト208の回転を提供するために、1次レーンシステム200によって駆動することができる。1次レーンスプラインカップリングナット212と、ホイール214と、スプライン外部出力シャフト208と、を含む1次レーンシステム200は、
図2及び
図3に示されるように、X軸に平行な単一の共通軸に沿って実装することができるが、他の配置も同様に企図される。更に、1次レーンシステム200は、同等の機能を提供する構成要素を含むことができる。
【0026】
図2を更に参照すると、スプライン内部出力シャフト206は、キャリア240に接続された特徴部232を含むことができる。キャリア240は、1次レーンギアボックス204(
図1に示す)及び/又は1次レーン作動モータ202(
図1に示す)と係合するための機械的締結具を受け入れるためのアパーチャ242を含むことができる。スプライン内部出力シャフト206は、キャリア240と特徴部232との間に配置することができるキャリア部品244を更に含むことができる。キャリア部品244は、スプライン加工された内部出力シャフト206の円滑な回転及び/又は低摩擦回転を確実にするために、
図4に示されるように軸受に係合することができる。内部出力シャフト206は、1次レーンスプラインカップリングナット212に接続されたスプラインのような動作可能な接続部を有する限り、1次レーンギアボックス204から動作する何れかのタイプの出力シャフトとすることができる。
【0027】
図4は、
図2の1次レーンシステム組立体の更なる部分側断面図を示す。
【0028】
図4を参照すると、1次レーンシステム200は更に、外側軸受216と、内側軸受218と、機械的ストップ220と、バネ222と、を含むことができる。
【0029】
1次レーンシステム200は、本明細書に記載の1又は2以上の構成要素と共に、出力係合特徴/出力離脱特徴を有するように構成することができる。この点に関して、ホイール214がX軸を中心に回転すると、1次レーンのスプラインカップリングナット212がスプライン内部出力シャフト206上に乗るので、1次レーンのスプラインカップリングナット212は、スプライン外部出力シャフト208に向かってX軸に沿って直線的に並進可能であり、内部スプライン230は、回転防止ガイドとして機能する。スプライン外部出力シャフト208は、スプライン外部出力シャフト208の外面に配置された機械的ストップ220を有することができる。通常の運転状態では、1次レーンシステム200はアクティブモードにあり、ホイール214は自由に回転できる。1次レーンスプラインカップリングナット212が通常動作中又は第1の構成中に所定位置に留まることを確実にするために、バネ222は、ホイール214の雌ねじ238と1次レーンスプラインカップリングナット212のねじ山236との間のねじ山摩擦が、外側軸受216及び/又は内側軸受218からのホイール214の摩擦よりも大きくなるように設置及び/又は配置することができる。幾つかの形態では、ホイール214のフリーホイールが運転にとって重要であるため、ホイール214の軸受は重要とすることができる。故障率を最小化するために、
図4に示されるように配置及び/又は利用される外側軸受216及び/又は内側軸受218を含む二重軸受機能を利用することができる。
【0030】
より具体的には、スプライン外部出力シャフト208は、1次レーンスプラインカップリングナット212の内部スプライン230に係合するためのスプライン234が配置された第1の端部を有することができる。スプライン外部出力シャフト208は、部品400への接続及び/又は出力のために、第1の端部とは反対側の第2の端部を更に含むことができる。更に、スプライン外部出力シャフト208は、第1の端部と第2の端部との間に配置された機械的ストップ220を含むことができる。機械的ストップ220は、1次レーンスプラインカップリングナット212の内径よりも大きい直径を有する周縁として実施することができる。従って、機械的ストップ220は、
図4に示されるように、X軸に沿った右方向への1次レーンスプラインカップリングナット212の移動を防止することができる。
【0031】
バネ222は、何れかのタイプのバネ構造、バネ実施構成及び/又はバネ構成によって実装することができる。バネ222は、スプライン加工された内部出力シャフト206の周りにコイル状にすることができる。詳細には、バネ222は、スプライン加工された内部出力シャフト206の特徴部232の部分にコイル状とすることができる。バネ222の第1の端部は、スプライン加工された内部出力シャフト206の表面と特徴部232の間に係合することができる。バネ222の第2の端部は、ねじ山236と内部スプライン230との間で1次レーンスプラインカップリングナット212の表面に係合することができる。バネ222は、1次レーンスプラインカップリングナット212をスプライン加工された外部出力シャフト208に向かって付勢するのに十分な力を1次レーンスプラインカップリングナット212に加えるように構成することができる。
【0032】
ホイール214の外側軸受216は、ホイール214の回転を可能にするようにX軸の周りに配置することができる。外側軸受216は、内側軸受218の外側に周方向に配置することができる。詳細には、外面軸受216は、内面軸受218とも係合する面に係合することができる。内軸受218は、ホイール214の表面に接触することができる。詳細には、内軸受218は、ホイール214の周面に直接接触することができる。
【0033】
図4を更に参照すると、1次レーン作動モータ202は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内の1次レーンギアボックス204と接続することができる。更に、1次レーンギアボックス204は、
図4に示されるように、1又は2以上の軸受によって、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内で支持することができる。更に、スプライン内部出力シャフト206は、1又は2以上の軸受によりジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内で支持され、1又は2以上の機械的締結具254により支持することができる1次レーン作動モータ202の出力シャフト256に接続することができる。更に、
図4は、
図5及び
図7に関して更に詳細に説明される、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内のスクリューシャフト246、及びスクリューシャフト346の位置決めを示す。
【0034】
図5は、アクティブモードにおける
図4の1次レーンシステムの線V-Vに沿った離脱機構の部分断面図である。
【0035】
図6は、1次レーンモードを離脱する際の
図4の1次レーンシステムの線V-Vに沿った離脱機構の部分断面図を示す。
【0036】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の通常動作中、1次レーン作動モータ202は回転し、且つ1次レーンギアボックス204に回転トルクを加える。1次レーンギアボックス204は、1次レーン作動モータ202から受け取った回転トルクを出力し、且つこの回転トルクをスプライン内部出力シャフト206に加える。スプライン内部出力シャフト206は、1次レーンスプラインカップリングナット212を介してスプライン外部出力シャフト208に回転トルクを伝達する。最後に、スプライン外部出力シャフト208は、回転トルクを構成要素400に出力する。
【0037】
図5を参照すると、1次レーンシステム200は、1次レーンシステム200をアクティブモードから離脱モードに移行させるための1又は2以上の構成要素を更に含むことができる。詳細には、1次レーンシステム200をアクティブモードから離脱モードに移行させる1又は2以上の構成要素は、固定ナット224と、ウォームギア226と、磁気プローブ228と、を含むことができる。しかしながら、1次レーンシステム200は、1次レーンシステム200をアクティブモードから離脱モードに移行させるために異なる構成要素を利用することができる。
【0038】
1次レーンシステム200の1次レーン離脱モータ210は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の1次レーンシステム200の故障又はジャムが検出されると、スクリューシャフト246を駆動するために通電することができる。1次レーン離脱モータ210は、スクリューシャフト246に直接接続されてもよく、又は1次レーン離脱モータ210は、介在部品を介してスクリューシャフト246に接続することができる。スクリューシャフト246は、
図5に示されるように、介在部品、すなわちベベルギアを介して、y軸に沿って又はz軸に沿って、又はx軸に沿って延びることができる。スクリューシャフト246は、エンドキャップ及び/又は軸受によってその長さに沿って支持することができる。例えば、1又は2以上の軸受は、y軸に沿ってスクリューシャフト246の両端に配置することができる。ウォームギア226は、スクリューシャフト246の周囲に配置することができる固定ナット224内に配置することができる。
【0039】
スクリューシャフト246は、1次レーン離脱モータ210に応答してウォームギア226を静止ナット224から駆動することができる。この場合、固定ナット224は、ウォームギア226のための「回転」ガイドとして機能することができる。スクリューシャフト246が回転すると、ウォームギア226が固定ナット224に案内されるので、ウォームギア226は、ウォームギア226が回転する間、y軸に沿って直線的に並進可能とすることができる。ウォームギア226が下方に並進すると、ウォームギア226は、
図6に示されるように、ホイール214に係合する。その後、ホイール214は回転を開始し、ウォームギア226はy軸に沿って前方及び下方に移動し続ける。ウォームギア226が固定ナット224から移動すると、3つの状態が起こり得る。
【0040】
状態1-ホイール214の回転摩擦がウォーム/スクリュー摩擦よりも小さい場合、ウォームギア226は直線的な移動を停止し、ホイール214を回転駆動するためにのみ回転する可能性がある。
【0041】
状態2-ウォームギア226は、ホイール214の回転摩擦が大きすぎるため、ホイール214を押しながら前進してホイールを噛み合わせ、その後、下方に回転/並進可能な状態を続けることがある。
【0042】
状態3-ウォームギア226が前方に並進可能な状態で回転する。
【0043】
1次レーンスプラインカップリングナット212にはバネ222による摩擦が常に存在する可能性があるため、特にジャム状態では、状態2又は状態3が発生する可能性が高い。ウォームギア226が機械的な停止248(直線的に固定されているが、スクリューシャフト246に対して自由に回転する)まで移動すると、ウォームギア226は、直線的な移動を停止し、ホイール214のみを駆動するように回転することができる。ホイール214が回転している状態で(
図6に矢印で示すように)、1次レーンスプラインカップリングナット212は、
図12に示すように、スプライン加工された外部出力シャフト208を離脱させるように強制的に移動させることができる。
【0044】
更に、開始組み込み試験(IBIT)の目的のために、ウォームギア226のウォームギアガイドを、静止ナット224を実装する静止ナットとして設計することができる。このようにして、ウォームギア226は、Y軸に沿って前後に移動することができる。磁気プローブ228は、1次レーンスプラインカップリングナット212の係合特徴/離脱特徴をチェックするために配置及び構成することができる。
【0045】
従って、
図5及び
図6は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の1次レーンシステム200が構成要素400を動作させるアクティブモード又は通常動作構成から、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の1次レーンシステム200が切り離され、もはや構成要素400を動作させないフォールトトレランスモード又はジャムフリーに移行するために、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内、特に1次レーンシステム200内で動作する様々な構成要素を示している。詳細には、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300は、現在、構成要素400を制御している。
【0046】
図7は、
図1の2次レーンシステムの部分斜視端面図である。
【0047】
詳細には、
図7は、2次レーンシステム300が1次レーンアクティブモード又は通常動作構成にあることを示している。換言すれば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300は、構成要素400を制御するために利用されていない。
図7は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300を第2の構成に移行させるための多数の構成要素を更に図示する。詳細には、
図7は、2次レーンシステム300の2次レーンプラネタリ出力段306を示している。より具体的には、2次レーンプラネタリ出力段306は、リングホイール314と、1又は2以上のプラネタリギア316と、2次レーン出力シャフト308に接続された太陽ギア318(
図7では2次レーン出力シャフト308の後ろに隠れている、
図9に図示)と、を含むことができる。詳細には、
図7は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300が待機しているアクティブ又は通常動作構成の1次レーンから、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300が接続され、構成要素400を動作させるフォールトトレランス又はジャムフリー構成に2次レーンシステム300を移行させるために、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内、及び特に2次レーンシステム300内で動作する様々な構成要素を図示している。
【0048】
2次レーンシステム300の場合、1又は2以上のプラネタリギア316は、リングホイール314をフリー(これは出力を入力から切り離す)にして実装することができる。これにより、2次レーンシステム300の2次レーン出力シャフト308をバック駆動することができる。リングホイール314の外径は、ウォームギア326と協働するための歯を有することができる。リングホイール314の内径は、1又は2以上のプラネタリギア316と噛み合うことがあり、且つ1又は2以上のプラネタリギア316は、太陽ギア318と噛み合うことがある(
図9参照)。更に、1又は2以上のプラネタリギア316は、リングホイール314の内径上に配置されたリングギア322と噛み合うことがある。
【0049】
1次レーンシステム200と同様に、2次レーンシステム300は、リングホイール314に係合するウォームギア326を駆動するスクリューシャフト346を含むことができる。1次レーンシステム200との違いは、
図7に示すように、「固定ナット」の代わりに「ブレード又はスリーブ」356とすることができるウォームギアガイドの実施形態とすることができる。
【0050】
スクリューシャフト346は、
図7に示されるように、Y軸に沿って延びることができる。スクリューシャフト346は、その長さに沿って支持することができる。更に、スクリューシャフト346は、1又は2以上の軸受によって支持することができる。例えば、1又は2以上の軸受は、y軸に沿ってスクリューシャフト346の両端に配置することができる。スクリューシャフト346は、ガイドとして機能するブレード356に沿ってウォームギア326を駆動することができる。ウォームギア326は、スクリューシャフト346が回転すると、スクリューシャフト346が回転する間、y軸に沿って下方に直線的に並進するのがよい。
【0051】
1次レーンシステム200が詰まった場合には、2次レーン係合モータ312がスクリューシャフト346を駆動し、スクリューシャフト346は、ウォームギア326を駆動することができる。
図11に図示されるような回転防止ガイド又は回転防止スリーブ356は、ウォームギア326を直線的に並進可能な状態にし、
図10に図示されるようなリングホイール314と係合させることができる。詳細には、ウォームギア326は、機械的ストップ362に係合するまで並進可能である。リミットスイッチ、ストール電流及び/又は同様のものからの信号の何れかが、リングホイール314が係合していることを示すことができる。
【0052】
図8は、
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分上面断面図である。
【0053】
図9は、1次レーンアクティブモードにおける
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分端面図を示す。
【0054】
図10は、フォールトトレランス又はジャムフリー状態における
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分端面図を示す。
【0055】
図11は、係合モードにある第2のレーンのプロセスにおける、
図1によるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムの部分断面図を示す。
【0056】
図12は、フォールトトレランス又はジャムフリー状態において離脱される1次レーンシステムの断面図を示す。
【0057】
図8を参照すると、通常の動作状態では、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、アクティブモードであり、1次レーンシステム200がアクティブであるように動作し、1次レーン作動モータ202の出力を、2次レーンギアボックス304、スプライン内部出力シャフト206、1次レーンスプラインカップリングナット212及びスプライン外部出力シャフト208を介して構成要素400に駆動する。通常の動作状態では、2次レーンシステム300の2次レーン出力シャフト308はスタンバイモードにあり、1又は2以上のプラネタリギア316が自由である可能性があるため離脱され、1次レーンシステム200が構成要素400を介して容易にバック駆動されることを可能にする。
【0058】
しかしながら、1次レーンシステム200の故障、例えば、1次レーン作動モータ202、1次レーンギアボックス204、ギアトレイン、1次レーンギアボックス204等の何れか1又は2以上の故障が発生した場合、本明細書に記載のセンサ、本明細書に記載のコントローラ、出力センサ、モータ電流監視及び/又はこれらを介して故障を検出することができる。故障が検出されると、フライトコンピュータ、セントラルメンテナンスシステム(CMS)、フライトマネジメントシステム(FMS)、フライトワーニングシステム(FWS)及び/又はこれらに類するものは、リングホイール314に係合するように2次レーン係合モータ312に通電し、位置を保持するように2次レーンアクチュエータモータ302に通電することができる。詳細には、2次レーン係合モータ312は、
図9から
図10に示すように、スクリューシャフト346を駆動してウォームギア326を機械的ストップ362まで下降させ、ウォームギア326をリングホイール314と係合させることができる。詳細には、リングホイール314は、2次レーン出力シャフト308に出力を提供するために、2次レーンアクチュエータモータ302及び2次レーンギアボックス304と係合することができる。
【0059】
1次レーンシステム200の1次レーン離脱モータ210は、1次レーンシステム200の離脱機構を開始することができる。この機構は、スクリューシャフト246と、ウォームギア226と、軸受を取り付けることができる機械的ストップ248と、雌ねじを有するウォームギア226によって駆動することができるホイール214と、(ホイール214が回転すると移動する)1次レーンスプラインカップリングナット212と、を含むことができ、1次レーンスプラインカップリングナット212は、スプライン内部出力シャフト206、スプライン外部出力シャフト208等に係合することができる。
【0060】
スクリューシャフト246が回転すると、スクリューシャフト246は、ウォームギア226を、
図5に図示されるようなホームポジション(非係合)から、
図6に図示されるようにホイール214に係合するように下方に駆動することができる。スクリューシャフト246が回転し続ける間、ウォームギア226は回転し、且つ摩擦負荷に応じて移動することができる。最終的に、ウォームギア226は、機械的ストップ248に係合することができる。ウォームギア226が機械的ストップ248に接触すると、ウォームギア226は、強制的に回転させられ、ホイール214を駆動することができる。
【0061】
(ホイール214の)雌ねじは、ホイール214が回転すると、
図12に示されるように、1次レーンスプラインカップリングナット212を軸方向に並進可能な状態にすることができる。1次レーンスプラインカップリングナット212は、機械的な停止に達するまで移動することがあり、このとき、1次レーンスプラインカップリングナット212は、スプライン外部出力シャフト208から完全に離脱して、ジャム状態を緩和することができる。換言すれば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の1次レーンシステム200は、ジャム状態に応答して、1次レーンシステム200がジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から切り離されるために、通常動作又はアクティブモードから移行するように動作している。その後、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の2次レーンシステム300は、構成要素400に接続して作動させることができる。
【0062】
図8に戻って参照すると、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、第1の端部プレート102と、機械的締結具104と、第1のハウジング106と、第2のハウジング108と、第3のハウジング110と、を含むことができる。詳細には、第1の端部プレート102は、1次レーンギアボックス204及び1次レーンアクチュエータモータ202の間に配置することができる。1次レーンギアボックス204のシャフトは、第1の端部プレート102を通って延び、1次レーン作動モータ202に接続することができる。更に、第1の端部プレート102は、2次レーンギアボックス304及び2次レーンアクチュエータモータ302の間に配置することができる。2次レーンギアボックス304のシャフトは、第1の端部プレート102を通って延び、2次レーンアクチュエータモータ302に接続することができる。第1の端部プレート102は、第1の端部プレート102を航空機、1次レーンアクチュエータモータ202、2次レーンアクチュエータモータ302等に関連する構造体に接続するための機械的締結具104を含むことができる。
【0063】
第1のハウジング106は、1次レーンギアボックス204及び/又は2次レーンギアボックス304、並びに2次レーンシステム300及び1次レーンシステム200の他の部分を支持することができる。第1のハウジング106は、第1のハウジング106を2次レーンギアボックス304及び1次レーンギアボックス204に取り付けるための機械的締結具を更に受けることができる。第2のハウジング108は、第1のハウジング106及び第2のハウジング108に接続することができ、2次レーンプラネタリ出力段306並びに2次レーンシステム300及び1次レーンシステム200の他の部分を支持することができる。第3のハウジング110は、第2のハウジング108に接続することができる。第3ハウジング110は、2次レーン出力シャフト308及びスプライン外部出力シャフト208、並びに2次レーンシステム300及び1次レーンシステム200の他の部分を支持することができる。
【0064】
本明細書に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300の1又は2以上の構成要素は、1又は2以上の金属、合成材料、複合材料及び/又はこれらを含む様々な材料で形成することができる。更に、本明細書に記載のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300の構成要素の1又は2以上は、鋳造、機械加工、型押し、成形、3次元印刷及び/又はこれらに類するものとすることができる。
【0065】
【0066】
詳細には、
図13は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100と共に使用することができるコントローラ500を示す。コントローラ500は、コンピュータ可読媒体504に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサ502を含むことができる。特定の形態において、コントローラ500は、通常動作及び故障動作の両方の間、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300の動作を制御するように構成することができる。詳細には、コントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の動作を制御して、正常な構成から故障した構成に変更することができる。
【0067】
一形態では、プロセッサ502は、以下に説明するように、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャー方法600を実施する。命令は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の構成要素を制御するための様々なコマンドを含むことができる。コンピュータ可読媒体504は、磁気固定ディスク記憶装置、クラウドベースのメモリ、フラッシュメモリ又はこれらのような不揮発性メモリを含む、当該技術分野において公知の何れかのタイプのメモリであってよい。プロセッサ502は、ランダムアクセスメモリ506及び読み取り専用メモリ508を含む他のタイプのメモリと通信することもできる。コントローラ500はまた、プロセッサ502によって実行される命令に関連する様々な状態及び表示を表示することができるディスプレイ510を含むことができる。例えば、ディスプレイ510は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の故障及び2次レーンシステム300の実施を表示することができる。
【0068】
コントローラ500は、複数の入力デバイス512及び出力デバイス514と通信することができる。複数の入力デバイス512は、キーボード、マウス、ボタン、及び/又はユーザ又はパイロットの入力を受け取るための他の周辺デバイス等のユーザ又はパイロットインタフェースデバイスを含むことができる。ユーザ又はパイロットの入力は、2次レーンシステム300の開始を含むことができる。
【0069】
複数の入力デバイス512は、位置センサ、動きセンサ、速度センサ、電圧センサ、電流センサ及び/又は当該技術分野において公知の他の検出デバイスのような、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の様々な構成要素と通信するセンサを含むこともできる。詳細には、センサは、1次レーンシステム200の故障を判定するためのセンサを含むことができる。
【0070】
複数の出力デバイス514は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の様々な構成要素を制御するために使用することができる様々な電気的及び/又は機械的制御デバイス、例えば、スイッチ、電気的及び/又は電磁リレー、アクチュエータ、又は当該技術分野において公知の他の構成要素を含むことができる。詳細には、出力デバイス514は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100を制御して、通常構成からフィールド構成に切り替えることができる。
【0071】
図14は、
図1による二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムを動作させる方法を示す。
【0072】
図14は、
図1による二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステムを動作させる方法を示す図である。
【0073】
詳細には、
図14は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100のジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を示す。ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の通常動作モード中、1次レーンシステム200が動作することができる。換言すれば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、アクティブ構成とすることができる。
【0074】
図14を更に参照すると、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンシステムの動作を感知することができる(602)。詳細には、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を実施するコントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から信号を受信して、1次レーンシステム200に関連する構成要素の動作を感知することができる。例えば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、本明細書に記載されるようなセンサを介して、1次レーンシステム200及び/又は構成要素400の動きを検出することができる場合がある。詳細には、センサは、1次レーンシステム200の故障を検出するために使用することができる。
【0075】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンが適切に動作しているか否かを判定することができる(604)。詳細には、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を実施するコントローラ500は、1次レーンシステム200及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100が適切に動作しているか否かを判定することができる。コントローラ500が、1次レーンシステム200及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の何れにも問題を感知しない場合、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、動作を継続することができる。コントローラ500は、ステップ602に戻り、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の動作に関する信号を1次レーンシステム200から受信し続けることができる。
【0076】
状況によっては、コントローラ500は、1次レーンシステム200及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100内の問題を検出することができる。例えば、1次レーンシステム200内の故障は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の焼き付き又は静止を引き起こす可能性がある。その結果、1次レーンシステム200が正しく機能しなくなることがある。故障が検出されたとき、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100に動作可能に結合されたコントローラ500は、ステップ606に進むことができる。
【0077】
次に、コントローラ500は、1次レーンシステムの動作を停止し、2次レーン係合機構を開始することができる(606)。詳細には、コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンシステム200の動作を停止してもよく、且つジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、本明細書に記載されるように、2次レーンシステム300を開始することができる。
【0078】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、2次レーン係合機構がリングホイールをロックしたか否かを判定することができる(608)。詳細には、コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、
図10に関して本明細書で説明したように、2次レーンシステム300がリングホイール314をロックしたか否かを判定することができる。例えば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を実施するコントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から信号を受信して、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300に関連する構成要素の動作を感知し、2次レーンシステム300がリングホイール314をロックしたか否かを判定することができる。
【0079】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、2次レーン駆動モータシステムを起動し、保持モードを開始することができる(610)。詳細には、コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、2次レーンアクチュエータモータ302を作動させてもよい。
【0080】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、2次レーンシステムが保持モードにあるか否かを判定することができる(612)。例えば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を実施するコントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から信号を受信して、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300に関連する構成要素の動作を感知し、2次レーンシステムが保持モード612にあるか否かを決定することができる。
【0081】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーン離脱機構を開始することができる(614)。詳細には、コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、本明細書に記載されるような1次レーン離脱モータ210の実施を含むことのできる1次レーン離脱機構を開始することができる。
【0082】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンが解放されたか否かを判定することができる(616)。例えば、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600を実施するコントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から信号を受信して、1次レーンシステム200及び/又は2次レーンシステム300に関連する構成要素の動作を感知し、1次レーン200が解放されたか否かを判定することができる。
【0083】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンを無効化し、2次レーンの動作を開始することができる(618)。詳細には、コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム方法600は、1次レーンシステム200を無効にし、2次レーンシステム300の動作を開始することができる。
【0084】
幾つかの形態において、コントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100の故障を飛行警告システムに通知することができる。例えば、2次レーンシステム300が作動したという警告メッセージは、フライトコンピュータ、パイロット、セントラルメンテナンスシステム(CMS)、飛行管理システム(FMS)、飛行警告システム(FWS)、客室管理システム及び/又はこれらに送信することができる。パイロットは、コントローラ500と通信しているディスプレイ510又は他の出力デバイス514を介して通知を受けることができる。コントローラ500は、入力デバイス512から受信した情報に基づいて、故障に関連する追加の診断情報をユーザ又はパイロットに提供することができる。例えば、コントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100による故障のタイプをユーザ又はパイロットに通知することができる。
【0085】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、コントローラ500によって監視される感知回路からの出力を利用して動作するように構成することができる。コントローラ500は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100のための様々な安全保護を実施するように構成することができる。安全保護は、過電圧保護、過電流保護、過熱保護、短絡保護及び/又は同様のものを含むことができる。
【0086】
一形態において、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100及び/又はコントローラ500は、航空機システムに応答して動作することができる。航空機システムは、セントラルメンテナンスシステム(CMS)、飛行管理システム(FMS)、飛行警告システム(FWS)、客室管理システム又はその類とすることができる。
【0087】
ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100及び/又はコントローラ500は、組み込み式試験装置(BITE)を含むことができる。組み込み式試験装置(BITE)は、故障管理に対処するように構成され、保守方法を支援するために空中システムに組み込まれた診断装置を含むことができる。組み込み式試験装置(BITE)は、試験を可能にし、診断を実行するために、センサ、マルチメータ、オシロスコープ、放電プローブ、周波数発生器及び/又はこれらに類するものを含むことができる。組み込み式試験装置(BITE)には、故障の検出、故障の収容(システムが故障に対してどのように能動的に応答するか)、起こり得る影響を警告する及び/又は故障機器のトラブルシューティングを支援するための故障の告知又はロギング、又はそのようなものが含まれる。
【0088】
コントローラ500は、機能を処理し、他のサービスを提供し、及び/又は同様のものを提供するように構成することができる。コントローラ500は、完全な機能を提供するために、アナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、通信デバイス、オペレーティングシステム、タッチスクリーンコントローラ、通信構成要素、グラフィック構成要素、接触/モーション構成要素及び/又はこれらを含むことができる。詳細には、プロセッサ502は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100を制御するように構成されたソフトウェアアプリケーションを実行するように構成することができる。一形態では、ソフトウェアアプリケーションは、センサ、航空機システム及び/又はこれらと相互作用するように構成することができる。
【0089】
コントローラ500及び/又はジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100、航空機システム等の状態を感知するために、本明細書に記載の1又は2以上のセンサを更に含むことができる。詳細には、1又は2以上のセンサは、プロセッサ502に信号を提供することができる。1又は2以上のセンサは、電流センサ、電圧センサ、温度センサ及び/又は同様のものを含むことができる。
【0090】
従って、説明されるジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、機械的故障を克服し、安全性、信頼性を高め、機器の損傷を制限し、及び/又はそのようなことを行うために、冗長システムを実装するように構成される。詳細には、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100は、1次レーンシステム200の故障を判定し、ジャムフリー二重冗長アクチュエータレーンチェンジャーシステム100から1次レーンシステム200を切り離し、構成要素400を作動させるために2次レーンシステム300を実施することができる。
【0091】
更に、本開示の様々な形態によれば、本明細書に記載される方法は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ及び本明細書に記載される方法を実施するように構成された他のハードウェアデバイスを含む、専用のハードウェア実装による動作を意図している。
【0092】
また、本明細書で説明する本開示のソフトウェア実装は、任意選択的に、ディスク又はテープ等の磁気媒体、ディスク等の光磁気媒体又は光学媒体、又は1又は2以上の読み取り専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、又は他の再書き込み可能(揮発性)メモリを収容するメモリカード又は他のパッケージ等の固体媒体等の有形記憶媒体に格納されることに留意すべきである。電子メール又は他の自己完結型情報アーカイブ又はアーカイブの集合に添付されるデジタルファイルは、有形記憶媒体と同等の配信媒体とみなされる。従って、本開示は、本明細書に列挙され、及び本明細書におけるソフトウェア実装が格納される、技術的に認識された等価物及び後継媒体を含む、有形記憶媒体又は配信媒体を含むと考えられる。
【0093】
更に、本開示の様々な形態は、非一般的なコンピュータ実装において実施することができる。更に、本明細書に記載の本開示の様々な形態は、本開示から明らかなように、システムの機能を改善する。更に、本開示の様々な形態は、本開示によって対処される複雑な問題を解決するために特別にプログラムされたコンピュータハードウェアを含む。従って、本開示の様々な形態は、本開示によって規定され、及び特許請求の範囲によって定義される方法を実行するための具体的な実装において、全体としてシステムの機能を改善する。
【0094】
本開示の多くの特徴及び利点は、詳細な明細書から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲によって、本開示の真の思想及び範囲内に入る、本開示の全てのそのような特徴及び利点をカバーすることが意図される。更に、多数の修正及び変形が当業者に容易に生じるので、本開示を、図示及び記載された正確な構造及び動作に限定することは望まれず、従って、本開示の範囲内に入る全ての好適な修正及び均等物に頼ることができる。
【国際調査報告】