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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示端末
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240119BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240119BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240119BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240119BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/30 308Z
G09F9/00 350Z
H10K59/10
H10K59/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537792
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2021134171
(87)【国際公開番号】W WO2023065465
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111219998.0
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】胡 磊
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107EE63
3K107FF15
5C094AA36
5C094BA27
5C094DA06
5C094FA01
5C094FA04
5C094JA08
5G435AA07
5G435BB05
5G435EE13
5G435EE16
5G435KK02
5G435LL07
(57)【要約】
本願の実施例は表示パネル及び表示端末を開示し、表示パネルは、表示パネル本体と、支持層とを含み、前記支持層は折曲部に対応するパターン部と、非折曲部に対応する平坦部とを含み、パターン部は少なくとも1つの凹溝を含み、凹溝と平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される。本願の実施例は、支持層のパターンの応力集中の発生を回避し、クラックの発生を防止し、折曲性能を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、表示パネル本体と、支持層とを含み、
前記表示パネル本体は少なくとも1つの折曲部と非折曲部とを含み、
前記支持層は前記表示パネル本体の裏側に設置され、前記支持層は前記折曲部に対応するパターン部と、前記非折曲部に対応する平坦部とを含み、
前記パターン部は少なくとも1つの凹溝を含み、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される、表示パネル。
【請求項2】
前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は第1面取りとなるように設置され、前記第1面取りの形状は円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1面取りの形状は複数本の線分で構成された面取りであり、隣接する2本の前記線分の間は滑らかに遷移接続される、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記凹溝の底部は弧状の形状である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記凹溝は底部と、前記底部と前記平坦部との間を接続する側壁とを含み、前記側壁と前記凹溝の底部とを接続する遷移部位は第2面取りとなるように設置される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記凹溝は複数の側壁を含み、隣接する前記側壁を接続する遷移部位は第3面取りとなるように設置される、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記折曲部は折曲軸を含み、前記第1面取りは第1サブ面取りと第2サブ面取りとを含み、前記第2サブ面取りは前記折曲軸上に位置し、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径とは異なる、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径よりも大きい、請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記支持層は交差する2つの前記凹溝を含み、且つ2つの前記凹溝が交差する遷移部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記パターン部は前記支持層の前記表示パネル本体から離れる表面に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
表示端末であって、端末本体と、表示パネルとを含み、前記端末本体と前記表示パネルとは一体に組み合わせられ、前記表示パネルは、表示パネル本体と、支持層とを含み、
前記表示パネル本体は少なくとも1つの折曲部と非折曲部とを含み、
前記支持層は前記表示パネル本体の裏側に設置され、前記支持層は前記折曲部に対応するパターン部と、前記非折曲部に対応する平坦部とを含み、
前記パターン部は少なくとも1つの凹溝を含み、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される、表示端末。
【請求項12】
前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は第1面取りとなるように設置され、前記第1面取りの形状は円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである、請求項11に記載の表示端末。
【請求項13】
前記第1面取りの形状は複数本の線分で構成された面取りであり、隣接する2本の前記線分の間は滑らかに遷移接続される、請求項12に記載の表示端末。
【請求項14】
前記凹溝の底部は弧状の形状である、請求項11に記載の表示端末。
【請求項15】
前記凹溝は底部と、前記底部と前記平坦部との間を接続する側壁とを含み、前記側壁と前記凹溝の底部とを接続する遷移部位は第2面取りとなるように設置される、請求項11に記載の表示端末。
【請求項16】
前記凹溝は複数の側壁を含み、隣接する前記側壁を接続する遷移部位は第3面取りとなるように設置される、請求項12に記載の表示端末。
【請求項17】
前記折曲部は折曲軸を含み、前記第1面取りは第1サブ面取りと第2サブ面取りとを含み、前記第2サブ面取りは前記折曲軸上に位置し、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径とは異なる、請求項12に記載の表示端末。
【請求項18】
前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径よりも大きい、請求項17に記載の表示端末。
【請求項19】
前記支持層は交差する2つの前記凹溝を含み、且つ2つの前記凹溝が交差する遷移部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である、請求項11に記載の表示端末。
【請求項20】
前記パターン部は前記支持層の前記表示パネル本体から離れる表面に位置する、請求項11に記載の表示端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示分野に関し、具体的に表示パネル及び表示端末に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル有機発光表示装置(OLED)などのフレキシブル表示装置は生活に幅広く用いられており、通常、有機発光表示装置の裏側に支持層が設置され、支持層の材料はSUS(ステンレス鋼)などの材料であってもよい。支持層はフレキシブル表示装置に対して支持作用を果たすことができるだけでなく、同時に支持層はフレキシブル表示装置の折曲回復性を高め、フレキシブル材料の繰り返し折曲による折れ目の発生を回避し、消費者の体験感を高める。しかし、薄すぎる支持層は往々にして体験効果が低く、厚すぎる支持層は繰り返し折り曲げることができない。従って、どのように金属層が耐折曲性に優れるだけでなく、良好な支持性を有するようにするかは、各製造業者が緊急に解決すべき問題となっている。現状では、通常の工法としては、支持層の折曲領域にパターン化設計を行って、支持層の折曲領域を中空化又は薄肉化するが、パターンに応力集中が容易に発生するためにクラックが発生し、支持層の信頼性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は表示パネル及び表示端末を提供し、既存の支持層のパターン化設計において応力集中が容易に発生するためにクラックが発生し、支持層の信頼性が低下するという問題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は表示パネルを提供し、表示パネル本体と、支持層とを含み、
前記表示パネル本体は少なくとも1つの折曲部と非折曲部とを含み、
前記支持層は前記表示パネル本体の裏側に設置され、前記支持層は前記折曲部に対応するパターン部と、前記非折曲部に対応する平坦部とを含み、
前記パターン部は少なくとも1つの凹溝を含み、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される。
【0005】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は第1面取りとなるように設置され、前記第1面取りの形状は円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである。
【0006】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第1面取りの形状は複数本の線分で構成された面取りであり、隣接する2本の前記線分の間は滑らかに遷移接続される。
【0007】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝の底部は弧状の形状である。
【0008】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝は底部と、前記底部と前記平坦部との間を接続する側壁とを含み、前記側壁と前記凹溝の底部とを接続する遷移部位は第2面取りとなるように設置される。
【0009】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝は複数の側壁を含み、隣接する前記側壁を接続する遷移部位は第3面取りとなるように設置される。
【0010】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記折曲部は折曲軸を含み、前記第1面取りは第1サブ面取りと第2サブ面取りとを含み、前記第2サブ面取りは前記折曲軸上に位置し、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径とは異なる。
【0011】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径よりも大きい。
【0012】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記支持層は交差する2つの前記凹溝を含み、且つ2つの前記凹溝が交差する遷移部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である。
【0013】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記パターン部は前記支持層の前記表示パネル本体から離れる表面に位置する。
【0014】
相応に、本願の実施例は表示端末を提供し、端末本体と、表示パネルとを含み、前記端末本体と前記表示パネルとは一体に組み合わせられ、前記表示パネルは、表示パネル本体と、支持層とを含み、
前記表示パネル本体は少なくとも1つの折曲部と非折曲部とを含み、
前記支持層は前記表示パネル本体の裏側に設置され、前記支持層は前記折曲部に対応するパターン部と、前記非折曲部に対応する平坦部とを含み、
前記パターン部は少なくとも1つの凹溝を含み、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される。
【0015】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝と前記平坦部とを接続する遷移部位は第1面取りとなるように設置され、前記第1面取りの形状は円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである。
【0016】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第1面取りの形状は複数本の線分で構成された面取りであり、隣接する2本の前記線分の間は滑らかに遷移接続される。
【0017】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝の底部は弧状の形状である。
【0018】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝は底部と、前記底部と前記平坦部との間を接続する側壁とを含み、前記側壁と前記凹溝の底部とを接続する遷移部位は第2面取りとなるように設置される。
【0019】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記凹溝は複数の側壁を含み、隣接する前記側壁を接続する遷移部位は第3面取りとなるように設置される。
【0020】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記折曲部は折曲軸を含み、前記第1面取りは第1サブ面取りと第2サブ面取りとを含み、前記第2サブ面取りは前記折曲軸上に位置し、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径とは異なる。
【0021】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2サブ面取りの半径は前記第1サブ面取りの半径よりも大きい。
【0022】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記支持層は交差する2つの前記凹溝を含み、且つ2つの前記凹溝が交差する遷移部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である。
【0023】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記パターン部は前記支持層の前記表示パネル本体から離れる表面に位置する。
【発明の効果】
【0024】
[有益な効果]
本願の実施例において、表示パネル及び表示端末を提供し、凹溝と平坦部とを接続する遷移部位が第1面取りとなるように、又は/及び凹溝の側壁と凹溝の底部とを接続する遷移部位が第2面取りとなるように設置することによって、凹溝の設置に起因する鋭い角又は辺を完全になくして、各部位をいずれも滑らかに遷移させることができる。それにより応力集中をなくし、特に2つの交差方向の折曲部を有する表示パネルに適合し、支持層のパターンの応力集中の発生を回避し、クラックの発生を防止し、表示パネルの信頼性及び折曲性能を高めることができる。
【0025】
本願の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述において使用される必要がある図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の記述における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を必要としない前提下で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願の一実施例が提供する表示パネルの断面模式図である。
図2】本願の一実施例が提供する表示パネルの上面模式図である。
図3】本願の一実施例が提供する支持層の第1の断面模式図である。
図4】本願の一実施例が提供する支持層の第2の断面模式図である。
図5】本願の一実施例が提供する円弧形状の面取りの模式図である。
図6】本願の一実施例が提供する複数本の線分で構成された面取りの模式図である。
図7】本願の一実施例が提供する凹溝の部分側面模式図である。
図8】本願の一実施例が提供する凹溝の部分の平面側面模式図である。
図9】本願の一実施例が提供する第1サブ面取り及び第2サブ面取りの模式図である。
図10】本願の一実施例が提供する凹溝の平面上面模式図である。
図11】本願の一実施例が提供する表示端末の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願の実施例における図面と併せて、本願の実施例における技術的手段を明確で、完全に記述する。明らかなように、記述される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全部の実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要としない前提下で取得する全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。また、理解すべきであるように、ここで記述される具体的な実施形態は本願を説明及び解釈することに用いられるものに過ぎず、本願を制限することに用いられるものではない。本願において、逆の説明をしない場合においては、使用される方位詞、例えば「上」及び「下」は、通常、装置の実際の使用又は動作状態下での上及び下を指し、具体的に図面における図面方向であり、「内」及び「外」は装置の輪郭に対するものである。
【0028】
本願の実施例は表示パネルを提供し、表示パネルは表示パネル本体と、支持層とを含み、上記表示パネル本体は少なくとも1つの折曲部を含み、上記支持層は表示パネル本体の裏側に設置され、支持層は折曲部に対応するパターン部を含む。ここで、パターン部は平坦部と少なくとも1つの凹溝とを含み、凹溝と平坦部とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される。
【0029】
本願の実施例は表示パネル及び表示端末を提供する。以下、それぞれ詳細に説明する。説明する必要がある点として、以下の実施例の記述順序は実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0030】
[実施例1]
【0031】
図1図2図3、及び図4に参照されるように、図1は本願の実施例が提供する表示パネル100の断面模式図であり、図2は本願の実施例が提供する表示パネル100の上面模式図であり、図3は本願の実施例が提供する支持層10の第1の断面模式図であり、図4は本願の実施例が提供する支持層10の第2の断面模式図である。
【0032】
本願の実施例は表示パネル100を提供し、表示パネル100は、表示パネル本体20と支持層10とを含み、表示パネル本体20は少なくとも1つの折曲部FF1と非折曲部CC1とを含み、支持層10は表示パネル本体20の裏側に設置され、支持層10は折曲部FF1に対応するパターン部FF2と、非折曲部CC1に対応する平坦部11とを含む。ここで、パターン部FF2は少なくとも1つの凹溝12を含み、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は面取りとなるように設置される。より具体的には、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は第1面取り123となるように設置される(図面における破線の円に示される)。
【0033】
具体的には、表示パネル100は表示パネル本体20と支持層10とを含み、支持層10は表示パネル本体20の裏側に設置され、表示パネル本体20は視聴するために画像を表示する正側を含んでもよく、正側の裏面は裏側であり、支持層10は表示パネル本体20の裏側に設置されて、表示パネル本体20に支持作用を提供する。
【0034】
具体的には、表示パネル本体20は少なくとも1つの折曲部FF1を含み、すなわち表示パネル本体20は折曲部FF1以外の非折曲部CC1を含んでもよく、又は表示パネル本体20は1つ以上の折曲部FF1を含んでもよく、表示パネル本体20が2つの方向の折曲部位FF1を含むときに、2つの折曲方向は交差してもよく、ここで限定されない。
【0035】
具体的には、本願の実施例において、図2に示すように、好ましくは表示パネル本体20が少なくとも2つの折曲部FF1を含むことを考慮する。支持層10は対応して少なくとも2つのパターン部FF2を含み、2つの折曲部FF1は交差することができ、例えば2つの折曲部FF1は互いに垂直であり、2つのパターン部FF2も交差し、例えば2つのパターン部FF2は互いに垂直である。
【0036】
いくつかの実施例において、パターン部FF2は支持層10の表示パネル本体20から離れる表面に位置する。
【0037】
具体的には、支持層10の表示パネル本体20に近い表面は平らな表面であり、支持層10の表示パネル本体20から離れる表面はパターン部FF2を有する。支持層10の表示パネル本体20に近い表面は平らな表面であるため、表示パネル本体20に良好な支持作用を提供することができ、同時に支持層10の表示パネル本体20から離れる表面はパターン部FF2を有するため、支持層10をより容易に折り曲げ、折曲応力を低減させ、折曲性能を向上させることができる。
【0038】
具体的には、本願の実施例において、支持層10は表示パネル本体20の折曲部位FF1に対応してパターン部が設置される。パターン部は少なくとも1つの凹溝12を含み、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は第1面取り123となるように設置される。第1面取り123の設置によって、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位の鋭い角又は辺を除去することができ、折曲過程において、支持層10が凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位に応力集中を発生させることを防止し、それによりクラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。また、支持層10が2つ又は2つ以上のパターン部FF2を含むときに、すなわち表示パネル100が交差方向に折り曲げることができるときに、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は複数の折曲方向に第1面取り123が設置され、いずれも応力集中が発生することなく、クラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。理解できるように、折曲方向とは折曲部FF1の長軸方向と垂直である方向を指す。
【0039】
いくつかの実施例において、図3に示すように、凹溝12の底部121は弧状の形状である。
【0040】
具体的には、凹溝12は底部121と側壁122とを含み、凹溝12の底部121と側壁122とは一体に接続されて弧状の形状に形成され、例えば円弧状の形状である。このとき、さらに、凹溝12の底部121と側壁122とは滑らかに遷移し、鋭い角又は辺が存在することなく、応力集中の発生を防止し、それによりクラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。
【0041】
いくつかの実施例において、図4に示すように、凹溝12は底部121と、底部121と平坦部11との間を接続する側壁122とを含み、側壁122と凹溝12の底部121とを接続する遷移部位は第2面取り124(図面における破線の円に示される)となるように設置される。
【0042】
具体的には、凹溝12の底部121は平面又は曲面などの形態であってもよく、底部121と側壁122とを接続する遷移部位は第2面取り124となるように設置されることで、この部位に鋭い角又は辺が存在することなく、応力集中の発生を防止する。それによりクラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。
【0043】
図5、及び図6に参照されるように、第1面取り123の拡大図である。図5は円弧形状の面取りの模式図であり、図6は複数本の線分で構成された面取りの模式図である。
【0044】
いくつかの実施例において、第1面取り123の形状は円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである。隣接する2本の複数本の線分101の間は滑らかに遷移接続される。
【0045】
具体的には、第1面取り123又は/及び第2面取り124は円弧状の面取りであってもよく、又は複数本の線分で構成された面取りであってもよい。第1面取り123又は/及び第2面取り124が複数本の線分で構成された面取りであるときに、隣接する2本の複数本の線分101の間は滑らかに遷移接続され、任意の隣接する2本の複数本の線分101の間の夾角を90度よりも大きくすることで、鋭い角及び辺がなくなる。
【0046】
本願の実施例において、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は第1面取り123となるように設置される。第1面取り123の設置によって、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位の鋭い角又は辺を除去することができ、支持層10が凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位に応力集中を発生させることを防止し、それによりクラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。また、支持層10が2つ又は2つ以上のパターン部FF2を含むときに、すなわち表示パネル100が交差方向に折り曲げることができるときに、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位は複数の方向又は任意の方向に第1面取り123が設置されるため、いずれも応力集中が発生することなく、クラックの発生を防止し、支持層10の信頼性を向上させる。
【0047】
さらに、凹溝12の側壁122と凹溝12の底部121とを接続する遷移部位は第2面取り124となり、この部位の鋭い角又は辺をなくし、側壁122と底部121とを接続する遷移部位に応力集中が発生することを防止し、クラックの発生を防止することができる。
【0048】
本願の実施例において、凹溝12と平坦部11とを接続する遷移部位が第1面取り123となるように設置され、又は/及び凹溝12の側壁122と凹溝12の底部121とを接続する遷移部位が第2面取り124となるように設置されるように構成することによって、凹溝の設置に起因する鋭い角又は辺を完全になくして、各部位をいずれも滑らかに遷移させることができる。それにより応力集中をなくし、特に2つの交差方向の折曲部を有する表示パネル100に適合し、表示パネル100の折曲性能を高める。
【0049】
本願の実施例において、第1面取り123は凹溝12と平坦部11とを接続する複数の遷移部位に設置され、例えば第1折曲方向及び第2折曲方向に垂直な方向において第1面取り123又は/及び第2面取り124が設置され、第1折曲方向と第2折曲方向とは交差する。表示パネル100が折り曲げられるときに、折曲方向に垂直な部位に変形が発生し、応力集中が容易に発生するが、本願の実施例の構成によって、凹溝に起因する折曲方向に垂直な方向における鋭い角又は辺をなくして、各部位をいずれも滑らかに遷移させることができ、それにより応力集中をなくし、特に2つの交差方向の折曲部を有する表示パネル100に適合させることができる。
【0050】
説明する必要がある点として、支持層10の平坦部位11の厚さは側壁122の厚さよりも大きく、側壁122の厚さは底部121の厚さよりも大きい。
【0051】
説明する必要がある点として、同一の凹溝内、又は異なる凹溝の間において、第1面取り123又は/及び第2面取り124の面取り形状及び面取り程度は異なってもよい。例えば、第1面取り123は円弧状の面取りであり、第2面取り124は複数本の線分で構成された面取りであり、例えば、同一の凹溝12における対向する2つの第1面取り123の形状は円弧状であり、且つ第1面取り123の円弧状の形状の半径は異なる。このとき、応力集中を回避し、クラックの発生を防止することもできる。
【0052】
具体的には、表示パネル本体20は有機発光表示パネルの本体であってもよく、例えば、表示パネル本体20はアレイ基板、アレイ基板上に設けられた発光デバイス、及び発光デバイス上に設けられた封止層を含み、表示パネル本体20の構造はこれに限定されない。
【0053】
[実施例2]
【0054】
本実施例は上記実施例と同じであるか、又は類似しており、相違点は、凹溝12の隣接する側壁122を接続する遷移部位が第3面取り125となるように設置されることである。
【0055】
図7に参照されるように、図7は凹溝12の部分側面模式図を示す。
【0056】
具体的には、凹溝12は複数の側壁122を含み、隣接する側壁122を接続する遷移部位は第3面取り125となる。第3面取り125は円弧状の面取りであってもよく、又は複数本の線分で構成された面取りであってもよく、隣接する側壁122の間の鋭い角又は辺を除去し、隣接する側壁122を接続する遷移部位に応力集中が発生することを防止し、クラックの発生を回避し、表示パネルの信頼性を高めることができる。特に、複数の折曲方向を有する表示パネル100において、例えば、任意に折り曲げることができる表示パネル100において、表示パネルが折り曲げられるときに、折曲軸は隣接する側壁122を接続する遷移部位に対応する。このとき、隣接する側壁122を接続する遷移部位での応力が非常に大きく、隣接する側壁122を接続する遷移部位が第3面取り125となるように設置されることで、応力がある点に集中することを回避することができ、それによりクラックの発生を回避する。
【0057】
説明する必要がある点として、本願の各実施例において、第1面取り123、第2面取り124及び第3面取り125は円弧状の面取りであってもよく、又は複数本の線分で構成された面取りであってもよく、隣接する側壁122の間の鋭い角又は辺を除去し、隣接する側壁122を接続する遷移部位に応力集中が発生することを防止し、クラックの発生を回避することができる。従って、第1面取り123、第2面取り124及び第3面取り125の半径は90度よりも大きく、且つ180度よりも小さい。同時に、第1面取り123、第2面取り124及び第3面取り125の半径は180度に近いほど、応力集中を低減させ、クラックの発生を回避することに役立つ。
【0058】
[実施例3]
【0059】
本実施例は上記実施例と同じであるか、又は類似しており、相違点は、折曲部FF1が折曲軸110を含み、第1面取り123が第1サブ面取り1231と第2サブ面取り1232とを含み、第2サブ面取り1232が折曲軸110上に位置し、第2サブ面取り1232の半径R2が第1サブ面取り1231の半径R1とは異なることである。
【0060】
図8、及び図9に参照されるように、図8は凹溝12の部分の平面側面模式図であり、図9は第1サブ面取り1231及び第2サブ面取り1232の模式図である。
【0061】
具体的には、折曲軸110とは折曲部の長軸方向を指し、表示パネル100は折曲軸110を中心に折り曲げられる。第2サブ面取り1232が折曲軸110上に位置することとは、第2サブ面取り1232を有する辺又は部位と折曲軸とが90度の夾角又は約90度の夾角をなすことを指し、表示パネル100又は支持層10が折り曲げられるときに、第2サブ面取り1232を有する辺又は部位には変形及び応力集中が容易に発生する。第1サブ面取り1231が折曲軸上に位置しないこととは、第1サブ面取り1231を有する辺又は部位と折曲軸とが0度の夾角又は約0度の夾角をなすことを指し、表示パネル100又は支持層10が折り曲げられるときに、第1サブ面取り1231を有する辺又は部位には変形及び応力集中が容易に発生しない。図8において、第2サブ面取り1232が折曲軸110上に位置し、第2サブ面取り1232を有する辺又は部位と折曲軸110とが90度の夾角をなすことが示され、図8において、第1サブ面取り1231が折曲軸110上に位置せず、第1サブ面取り1231を有する辺又は部位と折曲軸110とが0度の夾角をなすことが示されている。
【0062】
具体的には、第2サブ面取り1232の半径R2が第1サブ面取り1231の半径R1とは異なるように設定することによって、第2サブ面取り1232の大きさ及び第1サブ面取り1231の大きさを折曲軸の設置に適応させ、第2サブ面取り1232及び第1サブ面取り1231の応用範囲を広くすることができる。
【0063】
さらに、第2サブ面取り1232の半径R2は第1サブ面取り1231の半径R1よりも大きい。
【0064】
具体的には、第2サブ面取り1232を有する辺又は部位と折曲軸とは90度の夾角又は約90度の夾角をなすため、表示パネル100又は支持層10が折り曲げられるときに、第1サブ面取り1231を有する辺又は部位は変形が発生する主な部位となり、応力集中が非常に容易に発生する。第2サブ面取り1232の半径R2は第1サブ面取り1231の半径R1よりも大きく、すなわち第2サブ面取り1232の面取り程度を増加させることで、凹溝12の側壁122と平坦部11との遷移がより平らになり、厚さの変化によって発生した変形及び応力集中をより良好になくすことができる。従って、応力集中をより良好になくし、それによりクラックの発生を防止し、折曲性能を向上させることができる。
【0065】
[実施例4]
【0066】
本実施例は上記実施例と同じであるか、又は類似しており、相違点は、支持層10が複数の凹溝12を含む状況をさらに詳細に紹介することである。
【0067】
図10に参照されるように、図10は支持層10が複数の凹溝12を有する平面上面模式図である。
【0068】
いくつかの実施例において、支持層10は交差する2つの凹溝12を含み、且つ2つの凹溝12が交差する遷移部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である。
【0069】
具体的には、表示パネル100は2つの折曲部FF1を含み、各々の折曲部FF1は1つの折曲軸110を含み、2つの凹溝12が交差すれば、2つの折曲部FF1は交差し、2つの折曲軸110は交差する。
【0070】
具体的には、好ましい実施例において、2つの凹溝12が互いに垂直であれば、2つの折曲部FF1は互いに垂直であり、2つの折曲軸110は互いに垂直である。このとき、交差する2つの凹溝12は十字形であり、2つの折曲軸110は十字形である。
【0071】
具体的には、2つの凹溝12が交差する接続部位のエッジは弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である。すなわち図10における交差部位15(図面における破線の円に示される)は弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状であるか、又は交差部位15の支持層10の裏側表面での正投影は弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状である。
【0072】
具体的には、複数の折曲方向を有する表示パネル100において、例えば、交差する2つの折曲方向を有する表示パネル100において(交差する2つの折曲軸110を有する)、例えば、任意に折り曲げることができる表示パネル100において、交差部位15は、表示パネル100が複数の方向に沿って折り曲げられるときに、いずれも変形及び応力集中が発生する。この部位に応力集中が容易に発生するが、交差部位15は弧状であるか、又は滑らかに遷移接続された複数本の線分の形状であることで、表示パネル100が複数の折曲方向に沿って折り曲げられるときの変形及び応力をなくす又は低減させることができ、それによりクラックの発生を防止し、折曲性能を向上させる。
【0073】
[実施例5]
【0074】
図11に参照されるように、図11は本願の実施例が提供する表示端末200の模式図である。
【0075】
本願の実施例は表示端末200を提供し、表示端末200は端末本体201と、上記実施例のいずれか1項に記載の表示パネル100とを含み、端末本体201と表示パネル100とは一体に組み合わせられる。
【0076】
説明する必要がある点として、上記実施例における面取りとは、R面取りされること又は/及び斜辺となるように切り落とされることを指し、例えば円弧状の面取りであるか、又は複数本の線分で構成された面取りである。
【0077】
説明する必要がある点として、上記実施例における遷移部位とは接続部位を指し、すなわち2つの隣接する部位の接続部位である。
【0078】
以上、本願の実施例が提供する表示パネル及び表示端末を詳細に紹介し、本明細書において具体的な例を応用して本願の原理及び実施形態を論述した。以上の実施例の説明は、本願の方法及びその中心となる思想の理解を助けることのみに用いられる。同時に、当業者にとって、本願の思想に従って具体的な実施形態及び応用範囲において、いずれも変更することができるものであり、以上のように、本明細書の内容は本願に対する制限ではないと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
10 支持層
11 平坦部
12 凹溝
15 交差部位
20 表示パネル本体
100 表示パネル
101 線分
110 折曲軸
121 底部
122 側壁
200 表示端末
201 端末本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】