(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】外科手術用装置の機械アームにおける熱除去ループ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
A61B1/12 541
A61B1/12 542
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575677
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 IB2021055108
(87)【国際公開番号】W WO2021250607
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520060483
【氏名又は名称】モーメンティス サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MOMENTIS SURGICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】3 YEHADUT CANADA STREET OR-YEHUDA, ISRAEL 6037503
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ネタ, イフタ
(72)【発明者】
【氏名】レビンソン, ヤロン
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ, ヨアヴ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161JJ11
4C161JJ13
4C161LL02
4C161PP15
4C161QQ06
(57)【要約】
外科手術用装置は、可撓性アームおよび/またはアーム、アームに対して遠位に接続されるカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、その内部に配置された1つまたは複数の発熱撮像部品および/または電子部品を有する)、ならびにコンジットアレイ(コンジットアレイと、コンジットアレイの外部にあるカプセルアセンブリ内部の一部とが、カプセルアセンブリ内部からの熱の対流除去のための液体密封閉鎖型流動ループを集合的に形成し、閉鎖型流動ループはコンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備え、コンジットアレイは、少なくとも部分的にアームに沿っておよび/またはアーム内に配置され、アームの少なくとも長手方向の大部分を、集合的に長手方向に、2回かつ平行にかかる)を備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械アームの発熱部品から熱を除去するためのシステムであって、前記システムは、
a.遠位発熱部品を囲み、カプセルを規定する内部シェル、
b.前記内部シェルを囲み、前記内部シェルとの間に環状ギャップを形成する外部シェル、
c.前記環状ギャップと流体連通し、かつ、この中を通って互いに連通する、第1および第2の遠位開口部をそれぞれ備えるコンジットアレイ、ならびに
d.前記第1の遠位開口部を介して前記環状ギャップに流体を導入し、前記第2の遠位開口部を介して前記環状ギャップから前記流体を排出するように構成され、前記流体が前記環状ギャップを通過することによって前記発熱部品によって生成された熱を吸収する、循環機構を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コンジットアレイの長手方向部分が、少なくとも1つの可撓性アームセクションにかかるように、少なくとも部分的に前記機械アーム内および/または前記機械アームに沿って配置されている、システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムであって、
前記発熱部品は、撮像装置の一部を構成する、システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記発熱部品は、チップを先端に配置するチップオンチップ(chip on tip)装置の一部を構成する、システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記循環装置は、前記少なくとも1つの可撓性アームセクションから近位に配置され、前記流体に機械的に結合されたポンプを備える、システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記コンジットアレイの長手方向の大部分が前記アーム内に配置されている、システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記カプセル内に配置され、前記発熱部品と前記内部シェルとを少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備える、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴づけられる金属を備える、システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載のシステムであって、
前記カプセル内に配置され、前記内部シェルと、前記発熱部品または前記内部ケーシングとを、少なくとも間接的に熱連通するように構成された、熱ゲルまたは熱ペーストをさらに備える、システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記コンジットアレイが、少なくとも1つの可撓性アームセクションの少なくとも長さ方向の大部分に、集合的に、長手方向に2回かつ平行にかかる、前記コンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備える、システム。
【請求項11】
請求項5~10のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記外部シェルの内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成する、システム。
【請求項12】
請求項5~11のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記発熱部品の動作中、前記カプセルの表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m
2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成する、システム。
【請求項13】
外科手術用器具であって、
a.多関節アーム、
b.カプセルアセンブリ、および
c.強制熱対流システムを備え、
前記多関節アームは、(i)少なくとも120°の角度に、および(ii)屈曲後の曲率半径が、曲げ可能部の直径の最大3倍となるように、屈曲するように構成された前記曲げ可能部を有し、
前記カプセルアセンブリは、前記機械アームに対して遠位に接続されており、前記カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、発熱部品は、前記カプセルアセンブリ内部に配置され、
前記強制熱対流システムは、(i)前記カプセルアセンブリ内部と流体連通している1つまたは複数のコンジットセクション、および(ii)1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体に機械的に結合されたポンプを備える、器具。
【請求項14】
請求項13に記載の外科手術用器具であって、
前記発熱部品は、チップを先端に配置するチップオンチップ撮像器具を含む、器具。
【請求項15】
請求項13または14に記載の外科手術用器具であって、
前記カプセルアセンブリは、カプセルと前記シェルとの間にエアギャップを形成するように前記シェルの中に配置された前記カプセルを含み、
熱は、前記カプセルアセンブリ内壁とコンジットアレイとの間に形成される前記エアギャップを介して除去される、器具。
【請求項16】
外科手術用装置であって、
a.可撓性アーム
b.カプセルアセンブリ、および
c.コンジットアレイを備え、
前記カプセルアセンブリは、前記アームに対して遠位に接続されており、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、1つまたは複数の発熱部品が前記カプセルアセンブリ内部に配置されており、
前記コンジットアレイと、前記コンジットアレイの外部にある前記カプセルアセンブリ内部の一部とが、前記カプセルアセンブリ内部からの熱の対流除去のための液体密封閉鎖型流動ループを集合的に形成し、前記液体密封閉鎖型流動ループは、前記コンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備え、
前記1つまたは複数のアーム配置セクションは、
i.少なくとも部分的に前記アームに沿って、および/または前記アーム内に配置され、および
ii.前記可撓性アームの少なくとも長手方向の大部分を、集合的に長手方向に、2回かつ平行にかかる、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の外科手術用装置であって、
前記1つまたは複数の発熱部品によって生成された熱を前記カプセルアセンブリ内部から強制対流によって除去するために、前記液体密封閉鎖型流動ループを通して流体を流動させるための容積式ポンプをさらに備える、装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の外科手術用装置であって、
前記アーム配置セクションは、前記液体密封閉鎖型流動ループの少なくとも75%を備える、装置。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルアセンブリ内部の内側かつ前記コンジットアレイの外部の前記液体密封閉鎖型流動ループの一部が、少なくとも5mmの長さを有する、装置。
【請求項20】
請求項16~19のいずれか1項に記載の外科手術用器具であって、
前記カプセルアセンブリ内部の内側かつ前記コンジットアレイの外部の前記液体密封閉鎖型流動ループの一部が、前記カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%に等しい長さを有する、器具。
【請求項21】
請求項17~20のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記液体密封閉鎖型流動ループを形成する、装置。
【請求項22】
請求項16~21のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
(i)カプセルが、前記カプセルの外側かつ前記シェル内に環状領域を規定するように前記カプセルアセンブリ内部に固定的に配置され、(ii)1つまたは複数の撮像部品および/または電子部品を前記環状領域から密封するように、前記1つまたは複数の前記撮像部品および/または前記電子部品をカプセル内に配置する、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である、装置。
【請求項24】
請求項22または23に記載の外科手術用装置であって、
0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さが、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持される、装置。
【請求項25】
請求項22~24のいずれか一項に記載の外科手術用器具であって、
0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さが、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持される、器具。
【請求項26】
請求項22~25までのいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
流体が前記コンジットアレイを通って前記環状領域に流されるとき、前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状領域を長手方向に通過する、装置。
【請求項27】
請求項22~26のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m
2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、前記液体密封閉鎖型流動ループを形成する、装置。
【請求項28】
請求項16~27のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセル内に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通する熱ゲルまたは熱ペーストをさらに備える、装置。
【請求項29】
請求項16~27のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルの内部に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを、少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備える、装置。
【請求項30】
請求項29に記載の外科手術用装置であって、
前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴づけられる金属を備える、装置。
【請求項31】
外科手術用装置であって、
a.可撓性アーム、
b.カプセルアセンブリ、
c.1つまたは複数のコンジットセクション、および
d.ポンプを備え、
前記カプセルアセンブリは、前記アームに対して遠位に接続されており、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、1つまたは複数の発熱部品が前記カプセルアセンブリ内部に配置されており、
前記1つまたは複数のコンジットセクションは、
i.少なくとも部分的に前記アームに沿って、および/または前記アーム内に配置され、
ii.前記アームの長手方向の大部分の少なくとも大部分を、集合的に長手方向に、2回かつ平行にまたがり、
iii.前記カプセルアセンブリに到達し、
前記ポンプは、カプセルアセンブリ内部を強制的に熱対流冷却するためのものであり、前記1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体に機械的に結合され、
前記外科手術用装置は、前記1つまたは複数のコンジットセクションが、前記カプセルアセンブリに熱的に結合された液体密封閉鎖型流体流動ループの一部であるように構成される、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記液体密封閉鎖型流動ループを形成する、装置。
【請求項33】
請求項31または32に記載の外科手術用装置であって、
前記液体密封閉鎖型流体ループが、前記1つまたは複数のコンジットセクションの外部にある前記カプセルアセンブリ内部の一部を備える、装置。
【請求項34】
請求項31~33のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
カプセルは、前記カプセルアセンブリ内部に固定的に配置されて、前記カプセルの外側かつ前記シェル内に環状領域を規定する、装置。
【請求項35】
請求項31~34のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m
2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、前記液体密封閉鎖型流動ループを形成する、装置。
【請求項36】
外科手術用装置であって、
a.可撓性アーム
b.カプセルアセンブリ、ならびに
c.第1および第2のコンジットセクションを備え、
前記カプセルアセンブリは、前記アームに対して遠位に接続されており、外部シェルと、前記外部シェルと前記カプセルとの間に環状ギャップを形成するように前記外部シェルの中に配置されたカプセルとを備え、
前記カプセルは、前記環状ギャップからこの中に密封された発熱部品を含み、
前記第1および第2のコンジットセクションはそれぞれ、前記カプセルアセンブリと直接流体連通し、前記環状ギャップを通して互いに間接流体連通している、第1および第2の遠位開口部を有し、流体が前記第1の遠位開口部から前記カプセルアセンブリの内部へ出されるとき、前記流体は前記環状ギャップを横断してそこから前記第2の遠位開口部へ出される、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の外科手術用装置であって、
0.05mmから0.3mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセルアセンブリ周の少なくとも180度にわたって保持する、装置。
【請求項38】
請求項36または37に記載の外科手術用装置であって、
前記環状ギャップが、前記カプセルの長さの少なくとも20%に対して、前記カプセル周の少なくとも75%にわたって少なくとも0.05mm、最大0.3mmの厚さを有する、装置。
【請求項39】
請求項36~38のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記第1および第2の遠位開口部が、互いから少なくとも5mmの距離にある、装置。
【請求項40】
請求項36~39のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記第1および第2の遠位開口部が、互いから、前記カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%に等しい距離にある、装置。
【請求項41】
請求項36~40のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である、装置。
【請求項42】
請求項36~41のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通するように前記カプセル内に配置された熱ゲルまたは熱ペーストをさらに備える、装置。
【請求項43】
請求項36~41のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルの内部に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備える、装置。
【請求項44】
請求項43に記載の外科手術用装置であって、
前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率で特徴づけられる金属を備える、装置。
【請求項45】
外科手術用装置であって、
a.可撓性アーム、
b.カプセルアセンブリ、および
c.流体輸送システムを備え、
前記可撓性アームは、少なくとも90°屈曲するように構成されたアームセクションを備え、
前記カプセルアセンブリは、前記アームに対して遠位に接続されており、前記外科手術用装置の作動中に熱を発生させる熱発生部品を含み、
前記流体輸送システムは、前記カプセルアセンブリから熱を除去するためのものであり、
i.前記屈曲するように構成されたアームセクションから近位に配置されたポンプ、ならびに
ii少なくとも前記屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、少なくとも部分的に前記アーム内に配置され、および/または前記アームに沿って配置されたコンジットアレイを備える、装置。
【請求項46】
請求項45に記載の外科手術用装置であって、
前記コンジットアレイが、前記カプセルアセンブリから前記ポンプを通って遠位に前記カプセルアセンブリに戻り、近位で連続し、前記カプセルアセンブリ内で不連続である流路を形成する、装置。
【請求項47】
請求項45または46に記載の外科手術用装置であって、
前記屈曲するように構成されたアームセクションは、少なくとも120°に屈曲するように構成されている、装置。
【請求項48】
請求項45~47のいずれか一項に記載の外科手術装置であって、
前記屈曲するように構成されたアームセクションは、反り返り構成に移行するように構成され、および反り返りセクションから外れるように構成される、反り返りセクションを備える、装置。
【請求項49】
請求項45~48のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルアセンブリの内部容積を通る流体流動が10~200ml/秒になるように前記流体輸送システムを選択し、前記コンジットアレイを形成する、装置。
【請求項50】
請求項45~49のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記屈曲するように構成されたアームが屈曲したとき、前記流路は、前記カプセルアセンブリから近位へ至って前記ポンプを通り、遠位にある前記カプセルアセンブリに戻るよう連続したままである、装置。
【請求項51】
請求項45~50のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記屈曲するように構成されたアームが屈曲したとき、前記流路の流体容量が30%を超えて減少しない、装置。
【請求項52】
請求項45~51のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルアセンブリは、前記発熱部品を含むカプセルを備え、
前記カプセルアセンブリからの熱の除去は、前記流体輸送システムを通り、ポンプで送られる流体中の前記カプセルからの熱を、対流的に吸収することにより行われる、装置。
【請求項53】
請求項52に記載の外科手術用装置であって、
前記吸収された熱の少なくとも70%が、前記ポンプで送られた流体が前記コンジットアレイを横断する際に前記ポンプで送られた流体によって失われるように、前記流体輸送システムを構成する、装置。
【請求項54】
請求項52または53に記載の外科手術用装置であって、
前記吸収された熱の第1の部分が、前記カプセルアセンブリから前記ポンプを通って近位方向に横断するときに失われ、前記吸収された熱の第2の部分が、前記ポンプから前記カプセルアセンブリに遠位方向に横断する際に失われるように、前記流体輸送システムを構成する、装置。
【請求項55】
可撓性外科手術用アームから熱を除去する方法であって、
前記アームは、前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ内に配置された発熱部品を有し、
前記方法は、
a.強制対流熱放散システムを前記カプセルアセンブリに熱的に結合する工程、および
b.ポンプを操作する工程を備え、
前記強制対流熱放散システムは、(i)少なくとも部分的に前記アーム内に配置されたコンジットアレイ、および(ii)この流動を引き起こすために前記流体に機械的に結合された前記ポンプを備え、
前記コンジットアレイはこの中に配置された熱除去流体を有し、
前記ポンプを操作する工程は、前記流体を、(i)前記コンジットアレイの第1のコンジットを通って遠位に前記カプセルアセンブリまで流し、(ii)前記カプセルアセンブリから、強制対流によって、前記照明部品および/または撮像部品から生じた熱の少なくとも一部を除去し、(iii)前記コンジットアレイの第2のコンジットを通って前記カプセルアセンブリから近位方向に流し、前記カプセルアセンブリから除去した熱の少なくとも一部がそこで放熱するようにする、方法。
【請求項56】
請求項55に記載の方法であって、
前記コンジットアレイの長さの少なくとも75%が前記アーム内に配置される、方法。
【請求項57】
請求項55または56に記載の方法であって、
前記流体によって前記カプセルアセンブリから、熱の少なくとも一部を除去する工程は、前記流体を、少なくとも5mmの長さを有する流路に沿って、前記コンジットアレイの外部である前記カプセルアセンブリの内部容積を通して流す工程を含む、方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法であって、
前記カプセルアセンブリの前記内部容積かつ前記コンジットアレイの外部を通る前記流路は、前記内壁カプセルアセンブリの直径の少なくとも50%に等しい長さを有する、方法。
【請求項59】
請求項55~58のいずれか一項に記載の方法であって、
前記流体が、10~200ml/秒の流速で前記カプセルアセンブリの内部を流れる、方法。
【請求項60】
請求項55~59のいずれか一項に記載の方法であって、
前記発熱部品を備えるカプセルが、前記カプセルアセンブリの内部に固定的に配置されて、前記カプセルの外側かつ前記流体が流れる前記カプセルアセンブリ内の環状領域を規定する、方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、
0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持する、方法。
【請求項62】
請求項60または61に記載の方法であって、
0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持する、方法。
【請求項63】
請求項60~62のいずれか一項に記載の方法であって、
前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状領域を長手方向に通過する、方法。
【請求項64】
請求項60~63のいずれか一項に記載の方法であって、
前記熱流体流動の少なくとも一部を前記カプセルアセンブリから除去する工程は、前記外科手術用アームの動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m
2kに維持する工程を含む、方法。
【請求項65】
外科手術用装置であって、
a.可撓性アーム、
b.カプセルアセンブリ、および
c.強制対流熱除去システムを備え、
前記可撓性アームは、少なくとも90°に屈曲するように構成されたアームセクションを備え、
前記カプセルアセンブリは、前記アームに対して遠位に接続されており、外部シェルおよび、前記外部シェルとカプセルとの間に環状ギャップを形成するように前記外部シェルの中に配置された前記カプセルとを備え、
前記カプセルは、前記外科手術用装置の動作中に熱を発生する発熱電子部品および/または撮像部品を含み、
前記熱除去システムは、前記カプセルアセンブリから熱を除去するためのものであり、
i.コンジットアレイ、および
ii.ポンプを備え、
前記コンジットアレイの長手方向部分は、少なくとも前記屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、少なくとも部分的に前記アーム内に、および/または前記アームに沿って配置されており、
前記コンジットアレイは、それぞれ前記カプセルアセンブリと直接流体連通し且つ前記環状ギャップを通して互いに間接流体連通している第1および第2の遠位開口部を備え、前記コンジットアレイ内に配置された流体が第1の遠位開口部から前記カプセルアセンブリの内部へ出されるとき、前記流体が前記環状ギャップを横断してそこから前記第2の遠位開口部へ出され、
前記ポンプは、前記屈曲するように構成されたアームセクションから近位に配置され、前記流体に機械的に結合される、装置。
【請求項66】
請求項65に記載の外科手術用装置であって、
前記環状ギャップを通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成する、装置。
【請求項67】
請求項65または66に記載の外科手術用装置であって、
前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である、装置。
【請求項68】
請求項65~67のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
0.05mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセルアセンブリ周の少なくとも180度にわたって保持する、装置。
【請求項69】
請求項65~68のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
0.1mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持する、装置。
【請求項70】
請求項65~69のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記流体が前記コンジットアレイを通って前記環状ギャップへ流されるとき、前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状ギャップを長手方向に通過する、装置。
【請求項71】
請求項65~70のいずれか一項に記載の外科手術用装置であって、
前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m
2kに維持する流体流動を引き起こすような、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、2020年6月10日に出願された米国仮出願第63/037018号の利益を主張するものであり、該仮出願全体を参照することにより本明細書に援用する。
【0003】
本発明は、一般的に、低侵襲外科手術の分野に関し、とりわけ、撮像システムなどの発熱外科手術用デバイスの熱管理およびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
低侵襲外科手術に利点があることは十分に確立されている。このような外科手術用の器具は、典型的に、多関節外科手術用アーム(好ましくは最小直径を有する)の遠位端部に位置する外科手術用エンドエフェクタを有しており、外科手術用エンドエフェクタは、小さな開口部(例えば、体壁切開、自然開口部)を通じて挿入されて外科手術部位に到達する。いくつかの例では、内視鏡を使用して外科手術部位の画像を提供することができる。場合によっては、外科手術用アームは、機械ケーブルで制御される1つまたは複数の曲げ部を有している。機械ケーブルの長手方向の移動が曲げに影響を与え、最終的にエンドエフェクタの位置を制御し、外科手術用アームの長手軸を基準にしてエンドエフェクタの向きを変える。場合によっては、外科手術用アームを、当該外科手術用アームの長手軸に対して反り返るように曲げることおよび/または回転させることが可能である。
【0005】
外科手術用アームは、高解像度の原位置画像を取得するために内視鏡シャフトの遠位領域に配置される画像センサおよび関連照明を有するチップを先端に配置するチップオンチップアプローチ(chip on tip approach)を利用するものが開発されてきた。当該画像は、小型化された電子部品および/または撮像部品を使用するものである。近年、例えばCMOS(相補型金属酸化膜半導体)画像センサのような、高い光感度および解像度を有するより高度な画像センサが開発されてきた。さらに、照明の程度やコントラストを大幅に改良するために、最近では、強力な発光ダイオードやレーザーダイオードの使用も望まれている。しかし、これらの発光ダイオードおよび/または高解像度画像センサは、高温の熱を発生させるため、最大熱出力に関する規制基準を満たすために十分な冷却が必要である。冷却または熱放散は、MIS外科手術用ツールにおける限られた利用可能なサイズの制限、可撓性(および/または多関節)外科手術用アームの可撓性の要件、さらに外科手術環境における無菌性の要件の維持の中で特に困難である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示された実施形態によれば、機械アームの発熱部品から熱を除去するためのシステムは、(a)遠位発熱部品を囲み、カプセルを規定する内部シェル、(b)前記内部シェルを囲み、前記内部シェルとの間に環状ギャップを形成する外部シェル、(c)前記環状ギャップと流体連通し、かつ、この中を通って互いに連通する、第1および第2の遠位開口部をそれぞれ備えるコンジットアレイ、ならびに(d)前記第1の遠位開口部を介して前記環状ギャップに流体を導入し、前記第2の遠位開口部を介して前記環状ギャップから前記流体を排出するように構成され、前記流体が前記環状ギャップを通過することによって前記発熱部品によって生成された熱を吸収する、循環機構を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記コンジットアレイの長手方向部分を、少なくとも1つの可撓性アームセクションにかかるように、少なくとも部分的に前記機械アーム内および/または前記機械アームに沿って配置することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記発熱部品は、撮像装置の一部を構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記発熱部品は、チップを先端に配置するチップオンチップ装置の一部を構成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記循環装置は、前記少なくとも1つの可撓性アームセクションから近位に配置され、前記流体に機械的に結合されたポンプを備えることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記コンジットアレイの長手方向の大部分を前記アーム内に配置することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記システムは、前記カプセル内に配置され、前記発熱部品と前記内部シェルとを少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴づけられる金属を備えることができる。いくつかの実施形態では、前記システムは、前記カプセル内に配置され、ならびに/または前記内部シェルと、前記発熱部品または前記内部ケーシングとを、少なくとも間接的に熱連通するように構成された、熱ゲルまたは熱ペーストをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、前記システムは、カプセル内に配置され、ならびに/または内部シェルと、前記発熱部品または前記内部ケーシングとを、少なくとも間接的に熱連通するように構成された、熱ゲルまたは熱ペーストをさらに備えることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記コンジットアレイが、少なくとも1つの可撓性アームセクションの少なくとも長さ方向の大部分に、集合的に、長手方向に2回かつ平行にかかる、前記コンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記外部シェルの内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記発熱部品の動作中、前記カプセルの表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成することができる。
【0016】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用器具は(a)多関節アーム(前記多関節アームは、(i)少なくとも120°の角度に、および(ii)屈曲後の曲率半径が、曲げ可能部の直径の最大3倍となるように、屈曲するように構成された前記曲げ可能部を有する)、(b)機械アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、前記カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、発熱部品は、前記カプセルアセンブリ内部に配置される)、ならびに(c)強制熱対流システム(前記強制熱対流システムは、(i)前記カプセルアセンブリ内部と流体連通している1つまたは複数のコンジットセクション、および(ii)1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体に機械的に結合されたポンプを備える)を備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記発熱部品は、チップを先端に配置するチップオンチップ撮像器具を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリは、カプセルと前記シェルとの間にエアギャップを形成するように前記シェルの中に配置された前記カプセルを含むことができ、熱は、前記カプセルアセンブリ内壁とコンジットアレイとの間に形成される前記エアギャップを介して除去される。
【0019】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用装置は、(a)可撓性アーム、(b)前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、1つまたは複数の発熱部品が前記カプセルアセンブリ内部に配置されている)、ならびに(c)コンジットアレイ(前記コンジットアレイと、前記コンジットアレイの外部である前記カプセルアセンブリ内部の一部とが、前記カプセルアセンブリ内部からの熱の対流除去のための液体密封閉鎖型流動ループを集合的に形成し、前記液体密封閉鎖型流動ループは、前記コンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備え、前記1つまたは複数のアーム配置セクションは、(i)少なくとも部分的に前記アームに沿って、および/または前記アーム内に配置され、および(ii)前記可撓性アームの少なくとも長手方向の大部分を、集合的に長手方向に、2回かつ平行にかかる)を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置は、前記1つまたは複数の発熱部品によって生成された熱を前記カプセルアセンブリ内部から強制対流によって除去するために、前記液体密封閉鎖型流動ループを通して流体を流動させるための容積式ポンプをさらに備えることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記アーム配置セクションは、前記液体密封閉鎖型流動ループの少なくとも75%を備えることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリ内壁の内側かつ前記コンジットアレイの外部の前記液体密封閉鎖型流動ループの一部が、少なくとも5mmの長さを有することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリ内壁の内側かつ前記コンジットアレイの外部の前記液体密封閉鎖型流動ループの一部が、前記カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%に等しい長さを有することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、および/または前記液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、(i)カプセルが、前記カプセルの外側かつ前記シェル内に環状領域を規定するように前記カプセルアセンブリ内部に固定的に配置され、ならびに/または(ii)1つもしくは複数の撮像部品および/もしくは電子部品を前記環状領域から密封するように、前記1つまたは複数の前記撮像部品および/または前記電子部品をカプセル内に配置することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能とできる。
【0027】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さが、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持されることができる。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さが、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持されることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、流体が前記コンジットアレイを通って前記環状領域に流されるとき、前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状領域を長手方向に通過することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、および/または前記液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、熱ゲルおよび/または熱ペーストは前記カプセル内に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置は前記カプセルの内部に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを、少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴づけられる金属を備えることができる。
【0032】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用装置は、(a)可撓性アーム、(b)前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、1つまたは複数の発熱部品が前記カプセルアセンブリ内部に配置されている)、(c)1つまたは複数のコンジットセクション(前記1つまたは複数のコンジットセクションは、(i)少なくとも部分的に前記アームに沿って、および/または前記アーム内に配置され、(ii)前記アームの長手方向の大部分の少なくとも大部分を、集合的に長手方向に、2回かつ平行にまたがり、(iii)前記カプセルアセンブリに到達する)、ならびに(d)カプセルアセンブリ内部を強制的に熱対流冷却するためのポンプ(前記ポンプは、前記1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体に機械的に結合される)を備え、前記外科手術用装置は、前記1つまたは複数のコンジットセクションが、前記カプセルアセンブリに熱的に結合された液体密封閉鎖型流体流動ループの一部であるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、前記液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記液体密封閉鎖型流体ループが、前記1つまたは複数のコンジットセクションの外部にある前記カプセルアセンブリ内部の一部を備えることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、カプセルは、前記カプセルアセンブリ内部に固定的に配置されて、前記カプセルの外側かつ前記シェル内に環状領域を規定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kに維持する流体流動を引き起こすように、前記ポンプを選択し、および/または前記液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0037】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用装置は、(a)可撓性アーム、(b)前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、外部シェルと、前記外部シェルと前記カプセルとの間に環状ギャップを形成するように前記外部シェルの中に配置されたカプセルとを備え、前記カプセルは、前記環状ギャップからこの中に密封された発熱部品を含む)、ならびに(c)第1および第2のコンジットセクション(前記第1および第2のコンジットセクションは、それぞれ前記カプセルアセンブリと直接流体連通し、且つ前記環状ギャップを通して互いに間接流体連通している第1および第2の遠位開口部を有し、流体が前記第1の遠位開口部から前記カプセルアセンブリの内部へ出されるとき、前記流体は前記環状ギャップを横断してそこから前記第2の遠位開口部へ出される)を備える。
【0038】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.3mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセルアセンブリ周の少なくとも180度にわたって保持することができる。いくつかの実施形態では、前記環状ギャップが、前記カプセルの長さの少なくとも20%において、前記カプセル周の少なくとも75%にわたって少なくとも0.05mm、最大0.3mmの厚さを有することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の遠位開口部が、互いから少なくとも5mmの距離にあることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の遠位開口部が、互いから、前記カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%に等しい距離にあることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能とできる。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通するように前記カプセル内に配置された熱ゲルおよび/または熱ペーストをさらに備えることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置は、前記カプセルの内部に配置され、前記1つまたは複数の発熱部品と、前記カプセルのカプセル被覆とを少なくとも間接的に熱連通している内部ケーシングをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、前記内部ケーシングは、少なくとも200W/mKの熱伝導率で特徴づけられる金属を備えることができる。
【0044】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用装置は、(a)少なくとも90°屈曲するように構成されたアームセクションを備える可撓性アーム、(b)前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、前記外科手術用装置の作動中に熱を発生させる熱発生部品を含む)、ならびに(c)前記カプセルアセンブリから熱を除去するための流体輸送システム(前記流体輸送システムは、(i)前記屈曲するように構成されたアームセクションから近位に配置されたポンプ、ならびに(ii)少なくとも前記屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、少なくとも部分的に前記アーム内に配置され、および/または前記アームに沿って配置されたコンジットアレイを備える)を備える。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記コンジットアレイが、前記カプセルアセンブリから前記ポンプを通って遠位に前記カプセルアセンブリに戻り、近位で連続し、前記カプセルアセンブリ内で不連続である流路を形成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、前記屈曲するように構成されたアームセクションを、少なくとも120°屈曲するように構成することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、前記屈曲するように構成されたアームセクションは、反り返り構成に移行するように構成され、および反り返りセクションから外れるように構成される、反り返りセクションを備えることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリの内部容積を通る流体流動が10~200ml/秒になるように前記流体輸送システムを選択し、および/または前記コンジットアレイを形成することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、前記屈曲するように構成されたアームが屈曲したとき、前記流路は、前記カプセルアセンブリから近位へ至って前記ポンプを通り、遠位にある前記カプセルアセンブリに戻るように連続したままとできる。
【0050】
いくつかの実施形態では、前記屈曲するように構成されたアームが屈曲したとき、前記流路の流体容量が30%を超えて減少しないようにできる。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリは、前記発熱部品を含むカプセルを備えることができ、前記カプセルアセンブリからの熱の除去は、前記流体輸送システムを通り、ポンプで送られる流体中の前記カプセルからの熱を、対流的に吸収することにより行われる。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記吸収された熱の少なくとも70%が、前記ポンプで送られた流体が前記コンジットアレイを横断する際に前記ポンプで送られた流体によって失われるように、前記流体輸送システムを構成することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、前記吸収された熱の第1の部分が、前記カプセルアセンブリから前記ポンプを通って近位方向に横断するときに失われ、前記吸収された熱の第2の部分が、前記ポンプから前記カプセルアセンブリに遠位方向に横断する際に失われるように、前記流体輸送システムを構成することができる。
【0054】
実施形態によれば、可撓性外科手術用アームから熱を除去する方法が開示される。前記方法によれば、前記アームは、前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ内に配置された発熱部品を有する。前記方法は、(a)強制対流熱放散システム前記カプセルアセンブリに熱的に結合する工程(前記強制対流熱放散システムは、(i)少なくとも部分的に前記アーム内に配置されたコンジットアレイ、および(ii)この流動を引き起こすために前記流体に機械的に結合された前記ポンプを備え、前記コンジットアレイはこの中に配置された熱除去流体を有する)、ならびに(b)ポンプを操作する工程(前記ポンプを操作する工程は、前記流体を、(i)前記コンジットアレイの第1のコンジットを通って遠位に前記カプセルアセンブリまで流し、(ii)前記カプセルアセンブリから、強制対流によって、前記照明部品および/または撮像部品から生じた熱の少なくとも一部を除去し、(iii)前記コンジットアレイの第2のコンジットを通って前記カプセルアセンブリから近位方向に流し、前記カプセルアセンブリから除去した熱の少なくとも一部がそこで放熱するようにする)を備える。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記コンジットアレイの長さの少なくとも75%が前記アーム内に配置される。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記流体によって前記カプセルアセンブリから、熱の少なくとも一部を除去する工程は、前記流体を、少なくとも5mmの長さを有する流路に沿って、前記コンジットアレイの外部である前記カプセルアセンブリの内部容積を通して流す工程を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記カプセルアセンブリの前記内部容積かつ前記コンジットアレイの外部を通る前記流路は、前記内壁カプセルアセンブリの直径の少なくとも50%に等しい長さを有することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、前記流体が、10~200ml/秒の流速で前記カプセルアセンブリの内部を流れることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、前記発熱部品を備えるカプセルが、前記カプセルアセンブリの内部に固定的に配置されて、前記カプセルの外側かつ前記流体が流れる前記カプセルアセンブリ内の環状領域を規定することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持することができる。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状領域を長手方向に通過することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、前記熱流体流動の少なくとも一部を前記カプセルアセンブリから除去する工程は、前記外科手術用アームの動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kに維持する工程を含むことができる。
【0063】
本明細書に開示された実施形態によれば、外科手術用装置は、(a)少なくとも90°屈曲するように構成されたアームセクションを備える可撓性アーム、(b)前記アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(前記カプセルアセンブリは、外部シェルおよび、前記外部シェルとカプセルとの間に環状ギャップを形成するように前記外部シェルの中に配置された前記カプセルとを備え、前記カプセルは、前記外科手術用装置の動作中に熱を発生する発熱電子部品および/または撮像部品を含む)、ならびに(c)前記カプセルアセンブリから熱を除去するための強制対流熱除去システム(前記熱除去システムは、(i)コンジットアレイ(前記コンジットアレイの長手方向部分は、少なくとも前記屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、少なくとも部分的に前記アーム内に、および/または前記アームに沿って配置されており、前記コンジットアレイはそれぞれ、前記カプセルアセンブリと直接流体連通し、前記環状ギャップを通して互いに間接流体連通している、第1および第2の遠位開口部を備え、前記コンジットアレイ内に配置された流体が第1の遠位開口部から前記カプセルアセンブリの内部へ出されるとき、前記流体が前記環状ギャップを横断してそこから前記第2の遠位開口部へ出される)、および(ii)ポンプ(前記屈曲するように構成されたアームセクションから近位に配置され、前記流体に機械的に結合される)を備える)を備える。
【0064】
いくつかの実施形態では、前記環状ギャップを通る流体流動が10~200ml/秒になるように、前記ポンプを選択し、および/または前記コンジットアレイを形成することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、前記カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能とできる。
【0066】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも1cmに対して、カプセルアセンブリ周の少なくとも180度にわたって保持することができる。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さを、前記カプセルの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、前記流体が前記コンジットアレイを通って前記環状ギャップへ流されるとき、前記流動流体の一部が、前記カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、前記環状ギャップを長手方向に通過することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、前記外科手術用装置の動作中、前記カプセル表面から前記流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kに維持する流体流動を引き起こすような、前記ポンプを選択し、前記コンジットアレイを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
次に、添付の図面を参照して、例として本発明をさらに説明する。図中に示す部品および特徴の寸法は、提示の利便性および明瞭性のために選択されており、必ずしも縮尺通りではない。また、いくつかの図面では、便宜上、オブジェクトの相対的なサイズやオブジェクト間の相対的な距離が誇張して大きかったり小さかったり、表現が明確であったりする場合がある。
【0070】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る外科手術用アームユニットを示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施形態に係る曲げ可能部を有する機械アームを示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施形態に係る曲げ可能部を有する機械アームを示す図である。
図2Bは、
図2Aの機械アームの曲げ可能部の、中心軸に対する屈曲角度を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示で用いる機械アームの中心軸、機械アームの断面の直径、および機械アームの曲げ可能部の曲率半径を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る、1つまたは複数の電子部品および/または撮像部品を備えるカプセルの概略透視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る、それぞれカプセルアセンブリを備える外科手術用アームの遠位部分の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る、それぞれカプセルアセンブリを備える外科手術用アームの遠位部分の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る、遠位被覆を含まないカプセルアセンブリを備える例示的な外科手術用アームの遠位部分を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る、流体流動を示す、
図6の外科手術用アームの遠位部分およびカプセルアセンブリを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る、カプセルアセンブリの近位部分の概略断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係るカプセルアセンブリの概略断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係るカプセルアセンブリの概略断面図である。
【
図12A】
図12Aは、外部シェルとカプセル被覆を取り除いた
図7の外科手術用アームの遠位部分を示す図である。
【
図13】
図13は、外科手術用アームにおける流体輸送用のコンジットアレイの概略透視図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係る、カプセルアセンブリから熱を除去するための外科手術用アームにおける流体輸送用のコンジットアレイの概略透視図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係る、カプセルアセンブリから熱を除去するための外科手術用アームにおける流体輸送用のコンジットアレイの概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本明細書において、添付の図面を参照しながら、本発明を例としてのみ説明する。ここで、詳細かつ具体的に図面を参照すると、示された特徴は、例として、本発明の好ましい実施形態の例示的な議論のみを目的としており、本発明の原理および概念的な態様の最も有用かつ容易に理解できる説明であると考えられるものを提供するために提示することを強調する。この点で、本発明の基本的な理解に必要以上に詳細に本発明の構造的な詳細を示そうとする試みはなされておらず、図面と共に扱われる説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにするものである。図面全体を通して、通常、同様に参照する文字は同様の要素を指定するために使用される。
【0072】
注:本開示全体を通じて、下付き参照番号(例えば、101)または文字修飾参照番号(例えば、100a)を、単一の図面における複数の別々の外観の要素を指定するために使用することができる。例えば、101は要素10の(複数の外観のうちの)1つの外観であり、同様に、100aは要素100の(複数の外観のうちの)1つの外観である。
【0073】
実施形態によれば、機械外科手術用アームは、その遠位端部に取り付けられるか、または他の方法で接続される外科手術用デバイスを有することができる。外科手術デバイスを、恒久的に取り付けるか、または取り外し可能に(すなわち、着脱可能に)取り付けることができる。いくつかの実施形態において、外科手術用デバイスを、外科手術使用の後にアームから取り外し、このアームの遠位端部で別のデバイスに置き換えもよく、および/または取り外されたデバイスを滅菌後に同じアームまたは異なるアームで再使用することができる。代替的に、または付加的に、外科手術用デバイスを、外科手術使用の後に取り外し、別々に消毒することができる。例えば、オートクレーブ滅菌され、次いで、繰り返し使用するためにアームの遠位端部に戻すことができる。代替的に、または付加的に、外科手術用デバイスを、外科手術用アームに恒久的に取り付け、繰り返し使用するためにアーム全体として滅菌処理を施すことができる。
【0074】
アームの「遠位」端部を、本明細書では、外科手術用デバイスが接続される端、すなわち、通常の外科手術において、アームを備える外科手術用装置のオペレータまたはユーザから最も遠い端を意味するために使用する。外科手術の間、遠位端部は、最初に患者の体内に入るアームの端部である。本明細書では、「遠位」という用語は、遠位端部に向かう方向を示すためにも使用される。本明細書で使用される「近位」は、明らかに、遠位端部または遠位方向と反対である端部または方向を指す。
【0075】
「機械アーム」という用語を、本明細書ではアームが機械的に制御可能な部品を備え、一般に、アームに機械的および/または電子的に接続された制御ユニットまたは入力デバイスを用いて遠隔制御することができることを示すために使用する。外科手術用アームは、人体への挿入に適したサイズおよび/または形状であることが望ましいことがある。例えば、アームを、腹腔鏡ポートを通じて挿入するため、および/または腹腔鏡手術を行うのに適した大きさおよび/または形状にすることができる。例えば、アームを、自然の体の開口部、例えば膣、肛門、気管、食道、外耳道を通して挿入するのに適した大きさおよび/または形状にすることができる。アームは、可撓性および/または多関節性を有することができる。アームは機械式とできる。「可撓性アーム」という用語は、本明細書では、アームの少なくとも一部(または複数の部分)が、所望の角度または方向へ屈曲、すなわち、曲がることおよび/または旋回することが可能であることを意味して使用される。屈曲には、「s」字形状または他の形状を形成するための複数の屈曲、および反り返り、すなわち180°を超えて後ろに曲がることが含まれる。用語「多関節アーム」は、アームが1つまたは複数の「関節」、すなわち、曲がることおよび/または旋回することが可能な機械的アセンブリを含むことを意味するために使用される。したがって、「可撓性アーム」と「多関節アーム」という用語の使用の間には多くの重複があり、ほとんどの、あるいはすべての目的に対して、機械アームには、可撓性アームと多関節アームの両方が本発明の実施に適している。
【0076】
本開示および添付の特許請求の範囲を通して「内に配置された」という用語の使用は、「完全に内に配置された」または「部分的に内に配置された」のいずれか一方を置き換え可能に含むと理解されたい。
【0077】
外科手術用アームと共に使用するための外科手術用デバイスの一例は、医療従事者に内臓の画像を提供するために体内に挿入することができる内視鏡カプセルである。内視鏡カプセルは、限定されないが、撮像装置(例えば、撮像用センサ)、照明部品および/もしくは撮像部品、ならびに/または他の電子部品を含むことができる。撮像部品または撮像装置の非限定的な例は、撮像センサを組み込むことができる「チップを先端に配置するチップオンチップ(chip on tip)」カメラまたは「チップを先端に配置するチップオンチップ」装置(例えば、センサおよび/または他の部品)である。チップを先端に配置するチップオンチップデバイスは、外科手術用アームの遠位先端部に配置された内視鏡カプセルに組み込むのに特に適している。また、カプセルは、1つまたは複数の撮像部品によって撮像される内蔵を照らすための発光ダイオード(LED)などの光源を含むこともできる。これらの部品の一部または全部は、外科手術の間、ならびに外科手術の前および/または外科手術の後の使用中に熱を発生させるおそれがあり、その熱は、「ホットスポット」からのリスクなしに外科手術またはカプセルの他の使用を継続できるようにするため、カプセルから過剰な熱を除去しなければならない程度になり得る。このような機械アームには、ホットスポットを防止するための熱除去システムを設けることが望ましい場合がある。ホットスポットは、発熱部品が存在し得るアームの遠位端部、またはアームの区間に沿った他の場所で形成され得る(例えば、熱除去の間にあまりにも多くの熱があまりにも速く伝達されて、アーム自体中の他の場所またはアームの表面上の局所ホットスポットとして顕在化し得る)。望ましくないホットスポットは、例えば、アームまたはアームの部品が高い局所温度、例えば41℃以上、または50℃以上に達するおそれがある場所である。したがって、熱除去システムは、これらの閾値のいずれかまたは両方よりも低い温度を維持するように設計される。
【0078】
ここで図、特に
図1を参照すると、アームユニット204は、支持ユニット223がアーム102に取り付けられる近位端部と、内視鏡カプセルアセンブリ305などの外科手術用デバイスがアーム102に取り付けられる遠位端部とを含んでいる。内視鏡カプセルアセンブリの例では、任意の適切な発熱デバイスを本発明の実施形態の実施に使用することができるので、ここでは非限定的であることを意図している。アーム102の曲げ可能部200は、アームの区間に沿って、遠位端部に近い方に位置している。実施形態において、アーム102は、少なくとも50cmの長さ、または少なくとも100cmの長さ、または少なくとも120cmの長さ、または少なくとも150cmの長さとできる。実施形態において、曲げ可能部200は、少なくとも50cmの長さ、または少なくとも100cmの長さ、または少なくとも120cmの長さ、または少なくとも150cmの長さとできる。
【0079】
ここで、
図2Aおよび
図2Bを参照する。アーム102の曲げ可能部200は、アーム102に外部可撓性を提供する一連の積層リンク199を備えることができる。アーム102の曲げ可能部200における複数の積層リンク199の一例では、アーム102または曲げ可能部200の1つもしくは複数のセグメントは、中心軸中心線CLに対して少なくとも90°の角度θで屈曲することが可能である。いくつかの実施形態では、屈曲可能なアームセクションを、少なくとも120°、または少なくとも150°、または少なくとも180°、少なくとも210°、少なくとも240°、または少なくとも270°に屈曲するように構成することができる。いくつかの実施形態では、曲げ可能なアームセクションを、(i)少なくとも90°、または少なくとも100°、または少なくとも110°、または少なくとも120°、または少なくとも130°、または少なくとも140°、または少なくとも150°、または少なくとも160°、または少なくとも170°、または少なくとも180°、または少なくとも190°、または少なくとも200°、または少なくとも210°、または少なくとも220°、または少なくとも230°、または少なくとも240°、または少なくとも250°、または少なくとも260°、または少なくとも270°の角度に屈曲するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アーム102の曲げ可能部200は、非連続的なセグメントを備えることができる。言い換えれば、曲げ可能部200は、これらの間に介在する非曲げ可能セグメントを有する、または有さない複数の曲げ可能部を備えることができる。注:屈曲または反り返りの角度は、本明細書およびこれに添付された特許請求の範囲全体を通して、
図2Bに例示されるように、屈曲された1つまたは複数の可撓性要素および/または曲げ可能部に対して近位であるアームの非曲げ可能部分の中心線と、屈曲された同じ1つまたは複数の可撓性要素および/または曲げ可能部に対して遠位にある同一アームの非曲げ可能部の中心線との間で測定される角度を意味する。
【0080】
アームの屈曲能力を維持するためには、アームに設置される熱除去システムの部品が同様の屈曲能力を有することが重要である。熱除去システムおよびその部品が、
図2Aおよび
図2Bの例のアームのようなアーム102で使用するように構成されることが望ましい場合がある。例えば、熱除去流体を搬送するためにコンジット(例えば、チューブ、パイプなど)を採用する場合、アーム102がその最大可能範囲まで屈曲されたときに有用性を維持するためにコンジットに十分な可撓性があることが望ましい可能性がある。本発明の実施形態では、熱除去流体を搬送するために使用されるコンジットは、これらのそれぞれの区間の全体にわたって流体搬送能力を保持する。いくつかの実施形態では、可撓性/多関節アームがその最大可能範囲まで曲げられるとき、30%以下、または20%以下、または10%以下まで、これらの能力は減少する可能性がある。実施形態では、コンジットを、多層チューブで製造することができる。多層チューブは、可撓性材料の層の間に付加的な強化層/支持層を含むことができる。支持層は、非限定的な例として、ポリマーベースのワイヤ、例えば、ナイロンワイヤを含むことができる。
【0081】
アーム102およびこの中を長手方向に走るコンジットの機械的特性、例えば、可撓性を、アーム102の最小曲率半径の観点から評価することができる。アーム102の曲げ可能部200における任意の部分またはセグメントは、曲率半径Rに曲げることができる。この曲率半径は、本開示の目的では、明確にするために
図3に示されているように、中心軸、または中心線CLの曲率半径として算出される。実施形態において、曲率半径Rの下限を、曲げ可能部およびこの構成リンクのサイズおよび特定の設計によって、ならびにアーム102の直径Dによって規定することができる。例えば、曲率半径Rを、アーム102の直径の最大3倍、またはアーム102の直径の最大2倍、またはアームの直径の最大1.5倍、またはアーム102の直径の最大1.25倍であるように制限することができる。
【0082】
外科手術に適した、特に低侵襲外科手術に適した機械外科手術用アーム102の曲げ可能部200(またはこの任意のセグメント)の直径Dは、6~12mm、または7~11mm、または8~10mm、または8~9mmの範囲とできる。異なるセグメントは異なるD値を有するように設計することができる。リンク199の「長さ」、すなわち、曲がっていない曲げ可能部200に組み込まれたときの長さは、1.5~4mm、または2.0~3.25mm、または2.25~2.75mmの範囲とできる。各リンク199は、対応する曲げ可能部200(またはこのセグメント)が最大限に屈曲されたときまたは曲げられたとき、5°~15°、または6°~13°、または7°~11°、または8°~10°の弧に対応することができる。結果として生じる曲率半径Rは、10~20mm、または11~16mm、または12~15mm、または13~14mmの範囲とできる。いくつかの実施形態では、アームの屈曲を、熱除去システムのコンジットの可撓性によって制限することができ、この場合、結果として生じる曲率半径Rは、10~30mm、または15~20mmの範囲とできる。
【0083】
ここで
図4を参照すると、カプセル320は、円周外面321、および遠位外面322を有するカプセル被覆323(
図4には示されていない)を含む。周囲は便宜上、円筒形として図示されているが、前述したように、断面形状は重要でない。さらに、幅または厚さに対する長さの比率、および外部表面の規則性は、図示の簡略化のために、すべて非限定的な例である。遠位外面322は、1つまたは複数の電子部品および/または撮像部品325のそれぞれの少なくとも外部部分を含む。実施形態では、カプセルは、内視鏡用途のために「チップオンチップ(chip on tip)」撮像および/または照明技術を使用することができる。当業者は、電子部品および/または撮像部品を備えるカプセルを他の目的にも使用でき、それが本発明の範囲に入ること理解するであろう。カプセル320は、好ましくは液密性を有するように密封され、好ましい実施形態では、例えば、カプセルから熱を除去するための冷却流体、またはオートクレーブ滅菌に用いられる温度および圧力の水蒸気に対して流体密性を有する。オートクレーブ滅菌に用いられる温度および圧力の非限定的な例としては、690mbar(ミリバールゲージ)で115℃、1034mbarで121℃、および1862mbarで132℃が挙げられる。したがって、カプセル320は、好ましくは、オートクレーブ滅菌に用いられる温度および圧力の前述の例のうちの1つまたは複数の例において、水蒸気に対して流体密な状態を維持するという点で、オートクレーブ可能である。さらに、好ましくは、少なくとも10サイクルにわたるオートクレーブ、または少なくとも25サイクルにわたるオートクレーブ、または少なくとも50サイクルにわたるオートクレーブ、または少なくとも100サイクルにわたるオートクレーブにおいて、オートクレーブに用いられる温度および圧力の前述の例のうちの1つまたは複数の例において水蒸気に対して流体密な状態を維持するという点で、カプセル320は反復的にオートクレーブ可能である。
【0084】
ここで、
図5および
図6を参照する。
図5は、機械アーム102の遠位端部に取り付けられたカプセルアセンブリ305を示す。内視鏡カプセルアセンブリ305は、任意の実用的な断面を有することができ、カプセルの形状は単なる設計上の選択にすぎない。楕円形断面および円形断面の例が様々な図に示されており、本明細書に記載される任意の例における設計上の選択肢のいずれかの用途に特別な意味が付されるべきものではない。
図5は、幅または厚さよりもはるかに長く見える長さを有するカプセルアセンブリ305を示し、
図6は、
図5のものと比較して長さが非常に小さく見えるカプセルアセンブリ305を示すが、両図は単なる概略図にすぎず、示されたそれぞれの寸法には何の意味もない。
図5および
図6のいずれも、アーム102の外部は説明のために透明であり、第1および第2の流体コンジット340A、340B、および中心コア380を示している。本明細書で示される中心コア380は、外科手術用アーム102に設置される様々な要素を単純化したものであり、実際の単一搬送装置を表すものではない。したがって、中心コア380は、他のアーム部品とともに、1つまたは複数の個々の長手方向要素を含むことができる。実施形態において、中心コア380は、機械外科手術用アーム内に配置され、一般に、アームの長さの一部、大部分、または全部に沿って走る。中心コア380は、例えば、限定されないが、外科手術用デバイスに電力を供給するための電力搬送装置(例えば、遠位で取り付けられたカプセルアセンブリ305の電力部品)、カプセルアセンブリ305に制御命令を出すための、および/またはカプセルアセンブリ305からデータ(例えば、画像)を送信するための電子伝達媒体、ならびにアーム102を屈曲させるための機械的要素を含むことができる。第1のコンジット340Aは、熱除去流体をカプセルアセンブリ305に輸送するために設けられる。実施形態において、流体(図示せず)は、例えば、網羅的にではないが、空気、窒素もしくはヘリウムなどの熱伝達ガス、または、例えば、油性の液体または水性の液体などの液体を含むことができる。第2のコンジット340Bは、カプセルアセンブリ305から離れる熱除去流体の輸送のために設けられる。
【0085】
カプセルアセンブリ305は、例えば
図4のカプセル320のように、カプセルアセンブリ305の中に配置されたカプセル320を含むことができ、これは
図6の破断図に示されている。
図6から分かるように、外部シェル310は、カプセル320と外部シェル310との間に環状ギャップを形成するようにカプセル320を取り囲む。本開示およびこれに添付された特許請求の範囲で使用される「環状」という用語は、厳密な「円形」の字義よりも広範に意図され、
図6における「環状ギャップ311はカプセル320を囲む」のように、「囲む」という意味として解釈されたい。
図6では、カプセル320が例示的に楕円形に描かれておりカプセル320は必ずしも断面が円形ではない。さらに、環状ギャップ311は、いくつかの設計において、カプセル320の円周、すなわち周囲の長さ、および/またはカプセル320もしくはカプセルアセンブリ305の(長手方向の)長さに沿って不均一な厚さであってよい。構造的に、図示されているような外部シェル310は、特に以下の3つの設計上の特徴を有する。シェル310とカプセル320との間に環状ギャップ311を確立し、ギャップ311を必要に応じて維持しながらカプセル320をシェル310内の所望の位置に保持するのに役立ち、少なくとも円周方向および遠位端部で環状ギャップ311を周囲から密封する。ギャップ311の機能を、
図8~
図10に関連して以下に説明する。依然として
図5および
図6を参照すると、シェル310は、いくつかの設計では、遠位被覆318を含むように形成されてもよい。遠位被覆318の開口部316は、カプセル320の遠位外面322上の電子部品および/または撮像部品325のそれぞれの周りにシールを設けるように形成でき、したがって、周囲からカプセルの環状ギャップ311を密封するように形成することができる。このようなシールは、好ましくは液密性である。いくつかの実施形態では、シールはまた、気密性でもある。
図7に示す設計を含む他の設計では、シェルは、遠位被覆318を有しなくてもよい。このような設計(図示せず)では、カプセル320の遠位外面322は周囲に露出していてもよく、カプセルは代わりに、カプセル周(例えば、カプセル320の遠位端部またはその付近)の周りで密封される。いくつかの設計では、カプセルを、シェル310の遠位端部および近位端部でそれぞれ環状「リング」内に適当に着座させることができる。実施例(図示せず)では、リングは、シェル310の一部として形成され、カプセル320の長さの大部分(例えば、カプセルの円周面321が「リング」と係合する場所を除く)についてカプセル320の周りにギャップ311を維持しながら、カプセル320を外部シェル310内の所望の位置で保持するのに役立つ。
図7の例では、カプセル320は、その遠位端部で遠位外面322に対して、およびカプセル320をアーム102に接続するコネクタ要素327に対して密封される。
【0086】
ここで、
図8および
図9を参照する。
図8は、
図6の破断図上に流体流動スキームを組付けており、
図9は、カプセルアセンブリ305の近位部分を概略的に描いた断面図である。流入矢印140Aは、カプセルアセンブリ305の内部に入る流体の流動、具体的には、カプセル被覆323を囲む環状ギャップ311に入る流体の流動を示している。
図8に示すように、流体は、第1の流体コンジット340Aの遠位開口部345Aからカプセルアセンブリ305の内部へ入る。
図8および
図9の両方において貫通流矢印150によって示されるように、流体は、カプセル320の周りを流れ、第2の流体コンジット340Bの遠位開口部345Bを介してカプセルアセンブリの内部から出る。カプセルアセンブリ305の内部から出る流体の流動の方向は、流出矢印140Bによって示される。
図8および
図9から明らかなように、図示された要素を、流体のための流路を提供し維持するために使用することができる。ここで流路は、(i)第1の流体コンジット340Aを通る、その遠位開口部345Aまでの遠位流動、(ii)カプセル320によって占有されていないカプセルアセンブリ305の内部の部分を通る「環状(本明細書において定義される)」流動、(iii)第2の流体コンジット340Bを通るその遠位開口部345Bから出る近位流動を含む。流体流動を、第1の流体コンジット340Aに加えられる正圧、または第1の流体コンジット340A内の正圧によって維持することができる。カプセルアセンブリ内壁の内側であり、コンジットのいずれかの外部にある流体流路の部分、すなわち、矢印150で示される部分は、少なくとも5mmまたは少なくとも1cmの長さを有する。この長さは、流体流動がカプセルアセンブリ305を通って適当に分散され、カプセル被覆323の外面321のできるだけ多くに接触するように選択することができる。いくつかの実施形態では、
図11および
図12Aに示されるように、流路348は、第1の流体コンジット340Aの遠位開口部345Aからギャップ311へ、およびギャップ311から第2の流体コンジット340Bの遠位開口部345Bへ流体流動を経路づける形状にすることができる。
【0087】
これらの図で使用される慣例、例えば、「第1」および「第2」のコンジットまたは開口部、ならびに環状ギャップを通る流動の、特に左から右への方向は、単に便宜上のものにすぎず、重要性はなく、他の例では、左右方向および流動方向が切り替えられることに留意されたい。
【0088】
図10は、実施形態に係るカプセルアセンブリ305の別の例の断面図である。環状ギャップ311は、カプセル320と外部シェル310との間に介在するように、カプセル320を取り囲む。外部シェルは、例えば、1W/mK未満または0.5W/mK未満の熱伝導率によって特徴付けられる熱可塑性プラスチックなどの熱絶縁材料から作製されることが好ましい。この特性は、網羅的ではないが、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホン、またはポリエチレンなどの熱可塑性ポリマーを含む。カプセル320は、外面321を有する外部被覆323を含む。別の観点から、カプセル320の「外部被覆323」は、外部シェル310で囲まれているという点で、カプセルアセンブリ305の「内部シェル」であることは当業者には明らかであろう。したがって、本開示または添付の特許請求の範囲で使用される「内部シェル」という用語は、カプセルが本明細書で使用されるようなカプセルアセンブリ内に設置される場合、カプセル被覆または「外部被覆」を意味し、これは外部シェルによって囲まれるか、外部シェルによって囲まれるよう構成されるカプセルの外部被覆を意味すると理解されることが可能である。外部被覆323は、アルミニウム、銅、銀、または金などの少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴付けられる材料から作製されることが好ましい。熱伝導率が高い外部被覆323と熱伝導率が低い外部シェル310との配置は、伝達された熱が外部シェル310を通ってカプセル320から離れないようにしつつ、カプセル320内から環状ギャップ311内に熱を伝達するのに有用である。電子部品を含むカプセル320の電子部品330が内部カプセルケーシング329に接触するように配置されていることは、部品330からカプセル被覆323に熱を伝達する際、および/またはカプセル被覆323のための内部構造を支持するために有用である。内部カプセルケーシング329は、アルミニウム、銅、銀、または金などの少なくとも200W/mKの熱伝導率によって特徴付けられる材料から作製されることが好ましい。
【0089】
図11は、カプセルアセンブリ305への流体の流動、カプセルアセンブリを通る流体の流動、およびカプセルアセンブリ305から出る流体の流動をより良く示すための、
図10の断面図と直交する、
図10のカプセルアセンブリ305の別の断面図である。
図11は流路348の例示的形状を示す。流路348は、流体流入140Aを第1の流体コンジット340Aの遠位開口部345Aからギャップ311へ、および、カプセルアセンブリ305の反対側で、流体流出140Bをギャップ311から第2の流体コンジット340Bの遠位開口部345Bへ経路づける。上述したように、貫通流150の矢印は、環状ギャップ311を通る流体の円周方向の移動を表す。
【0090】
図12Aは、カプセルアセンブリ305の外部シェル310とカプセル被覆323の両方を取り外して、内部カプセルケーシング329、カプセル320をアーム102に接続する近位配置のコネクタ要素327、および遠位キャップ349を有する
図7のアームのカプセル320を示す。遠位キャップは、電子部品および/または撮像部品325のそれぞれの少なくとも一部を取り囲むが、電子部品および/または撮像部品325の遠位面は露出しているという、構造的特徴を含む。明確にするために、遠位キャップ349はカプセル320の部品である一方、遠位被覆318は外部シェル310の任意の構造的特徴であることを指摘する。カプセル320は、親カプセルアセンブリ305が遠位被覆318を有するように形作られた外部シェル310を含むかどうかにかかわらず、一般に遠位キャップ349を含む。いくつかの実施形態では、
図12Aに示されるように、内部カプセルケーシング329の外側に面する表面は、溝341、または条線または他の同等のチャネルもしくはトラフを含む。これらの中に、内部カプセルケーシング329からカプセル被覆323(これは
図12Aに示されていない)への熱伝導を改善するために熱ペースト(図示せず)を適用することができる。熱ペースト、例えばアルミナベースの熱ペーストまたは5W/mK超、7W/mK超の熱伝導率を有する任意の他の熱ゲルを、溝内に適用される量に加えて、内部カプセルケーシング329の外層上に薄い層で広げることができる。カプセル320からの全体的な熱除去を改善するように、(特に
図10および
図11に示すように、カプセル内部の電子部品および/または光学部品325または他の電子部品330を含む)発熱部品は、任意選択で熱ペーストを介して、カプセル被覆323と接触している内部カプセルケーシング329と接触している。本明細書で上述したように、内部カプセルケーシング329およびカプセル被覆323の両方は、高い熱伝導率によって特徴付けられる金属材料から作製され、したがって、実施形態によれば、熱は、種々の部品325、330からカプセル被覆323の外面321に効率的に伝達され、ここから、本明細書に記載するように対流によって熱が除去される。
図12Bは、説明のために遠位キャップ349が取り外された
図12Aの詳細(詳細部A)を示す。内部カプセルケーシング329を、
図12Bの部品325A、325Dに関して明確に示されているように、遠位に配置された電子部品および/または光学部品325の1つまたは複数と直接接触するように形成することができる。
【0091】
次に、外科手術用装置の部品の例を概略的に示す
図13~
図15を参照する。
【0092】
図13は、第1および第2のコンジット340A、340Bを備えるコンジットのアレイを示す。コンジットは、それぞれ遠位開口部345A、345Bを有する。コンジット340A、340Bは、中心コア380と並んで位置づけられ、中心コア380を介して対向しているように図示されているが、2つのコンジット340A、340Bの相対間隔は、設計ニーズにしたがって変えることが可能である。実施形態において、コンジットアレイを、外科手術用アーム102内に、例えば、中心コア380の要素と並んで配置し、アーム102の一部、大部分、またはすべての区間に沿って走らせることができる。実施形態において、コンジットアレイを、外科手術用アーム102の曲げ可能部200内に配置し、曲げ可能部200の一部、大部分、またはすべての区間に沿って走らせることができる。図示されるように、アーム内のコンジットアレイの部分は、コンジットアレイがアームまたはその一部を少なくとも2回またぐように、2つ(またはより多く)のコンジット340を備えることができる。コンジットアレイは、好ましくは、本明細書において上述したようなアームの可撓性の要件にしたがって屈曲されたときに、1つまたは複数の構成コンジット内の流体搬送の「閉鎖」または「停止(choking off)」に対する適当な抵抗を与える材料を用いて、適切な長手方向の可撓性を有するように形成される。例えば、曲げ可能部200は、少なくとも90°、または少なくとも135°、または少なくとも180°、少なくとも210°、少なくとも240°または少なくとも270°に屈曲させることが可能である。言い換えれば、コンジットアレイの任意のコンジット340は、この中の流体流動を維持することができつつ、本明細書で論じた曲率半径まで曲げることができるということである。
【0093】
図13において、第1および第2のコンジット340A、340Bは、単一の連続したコンジット(例えば、単一の可撓性チューブ)を備えるが、他の実施形態においては、コンジット340A、340Bは、互いに接合された複数のチューブを備えてもよい。コンジットアレイは、ポンプ390と機械的に連通している。ポンプ390は、好ましくは容積式ポンプである。適当なポンプの例は、流体自体に直接物理的に接触することなく、コンジットアレイを通る流体流動を作り出すために配備され得る蠕動ポンプである。いくつかの実施形態では、ポンプ390は、例えば、インペラポンプなどの遠心ポンプとできる。
【0094】
次に
図14を参照すると、第1および第2のコンジット340A、340Bを備えるコンジットアレイは、外部シェル310内に配置されたカプセル320から熱を除去する流体の流動を促進し、集合的にカプセルアセンブリ305を形成するために用いられる。カプセルアセンブリ305は、その遠位端部にシール要素、例えば、遠位被覆318を有しない状態で概略的に示されている。第1および第2のコンジット340A、340Bの遠位開口部345A、345Bからカプセルアセンブリ305の内部の環状ギャップ311を通る流体の流路は示されていないが、
図8、9および/または11に図示された流路140A、140B、150に従えばよい。
【0095】
図15は、第1および第2のコンジット340A、340Bを備えるコンジットアレイを示している。これらは、カプセルアセンブリ305を形成するために外部シェル310内に配置されたカプセル320から熱を除去するように流体の流動を搬送するためにも用いられる。
図15において、流体の流動のための閉鎖した(例えば、液密性および/または流体密性)ループは、第1のコンジット340A、カプセルアセンブリ内の(およびカプセル320の周りの)環状ギャップ311、ならびに第2のコンジット340Bを備える。流体の流路は、コンジットアセンブリ全体にわたって連続であり、カプセルアセンブリ305の内部を横断するため、カプセルアセンブリに関して不連続である。カプセルアセンブリ305の内部の流路の部分は、カプセルアセンブリ305の内壁の直径の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%に等しいことが好ましい。
【0096】
本明細書で先に開示したように、コンジットアレイは、アーム102の区間の一部、大部分、または全部を横断する。閉鎖型流動ループのアーム内部分は、閉鎖型流動ループの長さに対して少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の長さを備えることができる。
【0097】
ポンプ390は、ループ全体の流動を維持するために、第1のコンジット340A内の正圧を維持する。実施形態において、ポンプ390と接触するコンジットアレイの部分は、アームの外側にある。例えば、ポンプは、支持ユニット223内にあることができる。ポンプの実際の位置は、設計選択の機能である。外科手術用装置の設計の非限定的な例では、ポンプ自体を、支持ユニット223内に配置することができ、外部から電力供給することができる。またはポンプは、アーム102および支持ユニット223の両方に対して外部にありながら、支持ユニット223内または他の場所から電力供給されることができる。
【0098】
図15のカプセル320からの、および一般にカプセルアセンブリ305内からの熱の伝達は、以下のように達成される。流体は、コンジットアレイの第1のコンジット340Aを通って(ポンプ390のポンプ作用によって)流れ、コンジット340Aの遠位出口345Aから、カプセル320と外部シェル310との間のカプセルアセンブリ内部の環状ギャップ311の中に出される。したがって、ポンプ390は、流体をコンジット340Aの第1の遠位開口部345Aを介して環状ギャップ311に導入し、前記流体がコンジット340Bの第2の遠位開口部345Bを介して環状ギャップ311から排出されるように構成された循環機構の一部であり、流体が環状ギャップ311を通過することによって発熱部品(例えば、電子部品および/または撮像部品325)から発生する熱を吸収するように構成されている。流体は、狭い環状ギャップ311を通って流れる。この環状ギャップは、好ましくは、カプセルの長さの少なくとも半分、またはカプセル320の長さの少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、または少なくとも5cmの間の長さに対して、カプセル320の円周の少なくとも半分にわたって0.05mmと0.3mmの間の厚さ、または任意選択で0.05mmと0.4mmとの間、または0.1mmと0.3mmとの間、または0.1mmと0.4mmの間、または0.2mmと0.3mmの間、または0.2mmと0.4mmの間の厚さを有する。実施形態では、1秒あたりの流体容積に関してカプセルアセンブリ305の内部を通る流体流動は、10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒の間である。
【0099】
実施形態において、流体輸送体制の要素(部品およびポンプ設計ならびに流体容量および流体流量)は、第2のコンジット340Bの第2の遠位出口345Bを介して出て行く前に、カプセルの周りを流れてそこから熱を除去しながら、カプセルアセンブリ305の区間の少なくとも50%または少なくとも70%または少なくとも90%に等しい距離で、流体が長手方向に環状ギャップ311を「通過」する(すなわち、カプセルアセンブリ305の近位部分における第1のコンジット340Aの遠位出口345Aから通過する)ように選択される。熱除去は、主に、カプセルから流動流体への熱の強制対流による熱伝達を介して達成される。アームが動作している間の熱除去システムの動作中、流体流動は、好ましくは、アームユニット204の動作中、カプセル表面から流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2k、または50~100W/m2kの間に維持する。ここで、面積成分はカプセル320の表面積を意味する。
【0100】
加熱された流体は、第2のコンジット340Bを横断し、これは、第1のコンジット340Aと同様に、アーム102の区間の一部、または大部分、または全部にまたがり、コンジット壁に熱を奪われる。コンジット壁の材料は、先に言及した可撓性基準に加えて、その熱伝達/熱吸収特性に適するものが選択される。例えば、コンジット材料の熱伝達係数が高すぎる場合、加熱された流動流体の熱があまりにも「速く」失われ、カプセルアセンブリから近接した第2のコンジット340Bにホットスポットが形成される可能性がある。コンジット材料の熱伝達係数が低すぎる場合、加熱された流動流体の熱は、あまりにも「ゆっくり」失われ、コンジットアセンブリ全体からポンプ390まで通過し、遠位のカプセルアセンブリ305に戻った後でも、流体は、コンジット壁による冷却が不完全である可能性がある。いくつかの設計では、カプセルから除去された熱の全ては、流体がカプセルアセンブリ305からポンプ390に近位方向に流れる際に、第2のコンジット340Bの壁によって吸収される。いくつかの設計では、熱は、第2のコンジット340B(流体が近位方向にカプセルアセンブリ305からポンプ390に流れるとき)および第1のコンジット340A(流体が遠位方向にポンプ390からカプセルアセンブリ305に戻るように流れるとき)の両方の壁に吸収される。実施形態では、加熱された流体がコンジットアレイを横断する際に、カプセルアセンブリ305内の流体によって吸収された熱の少なくとも70%または少なくとも80%または少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも99%が失われる。
【0101】
当業者には、この開示において明示的に組み合わせていない場合でも、いずれかの図に関連して説明した特徴のいずれかを、本発明の範囲内で互いに組み合わせることができることは明らかであろう。
【0102】
実施形態の第1の付加的な検討
【0103】
実施形態によれば、外科手術用器具は、以下を備える。
(a)(i)少なくとも90°、もしくは少なくとも100°、もしくは少なくとも110°、もしくは少なくとも120°、もしくは少なくとも130°、もしくは少なくとも140°、もしくは少なくとも150°、もしくは少なくとも160°、もしくは少なくとも170°、もしくは少なくとも180°、もしくは少なくとも190°、もしくは少なくとも200°もしくは少なくとも210°、もしくは少なくとも220°、もしくは少なくとも230°、もしくは少なくとも240°、もしくは少なくとも250°、もしくは少なくとも260°、もしくは少なくとも270°の角度で屈曲するように、および/または(ii)屈曲後の曲率半径が曲げ可能部の直径の最大3倍、もしくは曲げ可能部の直径の最大2倍、もしくは曲げ可能部の直径の最大1.5倍、もしくは曲げ可能部の直径の最大1.25倍になるように構成された曲げ可能部を有する可撓性および/または多関節アーム。
(b)機械アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、発熱部品はカプセルアセンブリ内部に配置される)。
(c)(i)カプセルアセンブリ内部と流体連通している1つまたは複数のコンジットセクション、および(ii)1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体と機械的に結合されているポンプを備える強制熱対流システム。
【0104】
いくつかの実施形態では、可撓性アームは、機械アームを備えることができる。いくつかの実施形態では、可撓性アームは多関節性とできる。
【0105】
いくつかの実施形態では、外科手術用器具は、撮像器具であってよい。いくつかの実施形態では、外科手術用器具は、チップを先端に配置するチップオンチップ撮像器具を備えることができる。いくつかのこのような実施形態では、外科手術用器具は、発光ダイオードをさらに備えることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、発熱部品を、画像センサ、画像プロセッサ、電極、照明源、レーザーダイオード、超音波トランスデューサ、およびデータ処理要素からなる群から選択することができる。いくつかのこのような実施形態では、画像センサは、CMOS画像センサとできる。いくつかのこのような実施形態では、照明デバイスは、少なくとも1つの発光ダイオードを含むことができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、カプセルアセンブリは、カプセルを備えることができ、カプセルは、カプセルとシェルとの間にエアギャップを形成するようにカプセルアセンブリ中に配置されている。熱は、カプセルアセンブリ内壁とコンジットアレイとの間に形成されるエアギャップを介して除去される。
【0108】
いくつかの実施形態では、ポンプは、容積式ポンプとできる。いくつかの実施形態では、ポンプは遠心ポンプとできる。
【0109】
実施形態の第2の付加的な検討
【0110】
実施形態によれば、外科手術用装置が開示される。外科手術用装置は以下を備える。
(a)可撓性アーム。
(b)アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、発熱部品は、カプセルアセンブリ内部に配置されている)。
(c)コンジットアレイ(コンジットアレイとコンジットアレイの外部にあるカプセルアセンブリ内部の一部とが、カプセルアセンブリ内部からの熱の対流除去のための液体密封閉鎖型流動ループを集合的に形成し、液体密封閉鎖型流動ループは、コンジットアレイの1つまたは複数のアーム配置セクションを備え、1つまたは複数のアーム配置セクションは、(i)少なくとも一部がアームに沿って、および/またはアーム内に配置され、ならびに(ii)集合的に長手方向に、可撓性アームの少なくとも長手方向の大部分を2回、かつ平行にかかる)。
【0111】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置は、カプセルアセンブリ内部から、1つまたは複数の撮像部品および/または電子部品によって発生した熱を強制対流によって除去するために、液体密封閉鎖型ループを通して流体を流動させるための容積式ポンプをさらに備えることができる。
【0112】
いくつかの実施形態において、アーム配置セクションは、液体密封閉鎖型流動ループの長さに対し少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の長さを備えることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、カプセルアセンブリ内部の内側かつコンジットアレイの外部の液体密封閉鎖型流動ループの一部は、少なくとも5mmまたは少なくとも1cmの長さを有することができる。いくつかの実施形態では、カプセルアセンブリ内部の内側かつコンジットアレイの外部の液体密封閉鎖型流動ループの一部は、カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%に等しい長さを有することができる。
【0114】
いくつかの実施形態において、カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒になるように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖流動ループを形成することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、カプセルの外側かつシェル内に環状領域を規定するために、カプセルをカプセルアセンブリ内部に固定的に配置することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の撮像部品および/または電子部品を環状領域から密封するようにカプセル内に、1つまたは複数の撮像部品および/または電子部品を配置することができる。いくつかの実施形態において、カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である。
【0117】
いくつかの実施形態において、0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5cm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5mm、もしくは少なくとも10mm、もしくは少なくとも15mm、もしくは少なくとも25mm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、流体を、コンジットアレイを通って環状領域へ流れるようにすることができ、流動流体の一部は、カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、環状領域を長手方向に通過する。
【0119】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置の動作中、カプセル表面から流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kの間または50~100W/m2kの間に維持する流体流動を引き起こすように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0120】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を50℃未満に維持するように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。いくつかの実施形態では、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を41℃未満に維持するように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも50cmの長さを有することができる。いくつかのこのような実施形態において、アームは、少なくとも50cmの長さを有する遠隔操作可能な部分を含むことができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、コンジットアレイは単一のコンジットを備えることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、ポンプは蠕動ポンプとできる。
【0124】
いくつかの実施形態では、発熱部品は、撮像部品および電子部品の少なくとも1つを含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、アームは機械的および/または多関節型とすることができる。
【0126】
実施形態の第3の付加的な検討
【0127】
実施形態によれば、外科手術用装置が開示される。外科手術用装置は、以下を備える。
(a)可撓性アーム。
(b)アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、カプセルアセンブリ内部を規定する液密シェルを備え、1つまたは複数の発熱撮像部品および/または電子部品がカプセルアセンブリ内部に配置されている)。
(c)(i)少なくとも部分的にアームに沿って、および/またはアーム内に配置され、(ii)集合的に長手方向に、アームの長手方向の大部分の少なくとも大部分を2回かつ平行にまたがり、(iii)カプセルアセンブリに到達する、1つまたは複数のコンジットセクション。
外科手術用装置は、さらに以下を備える。
(d)カプセルアセンブリ内部を強制熱対流冷却するためのポンプ(ポンプは、1つまたは複数のコンジットセクション内に配置された流体に機械的に結合されている)。
外科手術用装置は、1つまたは複数のコンジットセクションが、カプセルアセンブリに熱的に結合された液体密封閉鎖型流体流動ループの一部であるように構成される。
【0128】
いくつかの実施形態において、カプセルアセンブリ内部を通る流体流動が10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒となるように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、液体密封閉鎖型流体ループは、1つまたは複数のコンジットセクションの外部にあるカプセルアセンブリ内部の一部を備えることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、カプセルを、カプセルの外側かつシェル内に環状領域を規定するために、カプセルアセンブリ内部に固定的に配置することができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置の動作中、カプセル表面から流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kの間または50~100W/m2kの間に維持する流体流動を引き起こすように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することが可能である。
【0132】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を50℃未満に維持するように、ポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することが可能である。いくつかの実施形態では、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を41℃未満に維持するようにポンプを選択し、液体密封閉鎖型流動ループを形成することが可能である。
【0133】
いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも50cmの長さを有することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも90°、または少なくとも135°、または少なくとも180°、または少なくとも210°に屈曲するように構成されたアームセクションを備えることができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、アームセクションは、少なくとも50cmの長さを有することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンジットセクションは、単一の連続的なコンジットを備えることができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、ポンプは蠕動ポンプまたはインペラポンプとできる。
【0138】
実施形態の第4の付加的な検討
【0139】
実施形態によれば、外科手術用装置が開示される。外科手術用装置は、以下を備える。
(a)可撓性アーム。
(b)アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、外部シェルと、外部シェルとカプセルの間に環状ギャップを形成するように外部シェルの中に配置されたカプセルとを備え、カプセルは、環状ギャップからこの中に密封された発熱電子部品および/または撮像部品を含む)。
(c)第1および第2のコンジットセクション(第1および第2のコンジットセクションはそれぞれ、カプセルアセンブリと直接流体連通し、環状ギャップを通って互いに間接流体連通している、第1および第2の遠位開口部を有し、流体が第1の遠位開口部からカプセルアセンブリの内部へ出されるとき、流体は環状ギャップを横断し、そこから第2の遠位開口部に出される)。
【0140】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.3mmの間の環状領域ギャップ厚さを、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5cm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、環状ギャップは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも2cm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも20%に対して、カプセル周の少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも99%にわたって少なくとも0.05mm、最大0.3mmの厚さを有することが可能である。
【0142】
いくつかの実施形態では、第1および第2の遠位開口部は、互いから少なくとも5mmまたは少なくとも1cmの距離にあることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の遠位開口部は、互いから、カプセルアセンブリ内壁の直径の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%に等しい距離にあることができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である。
【0144】
いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも90°、または少なくとも120°、または少なくとも150°、または少なくとも180°、または少なくとも210°、または少なくとも240°、または少なくとも270°に屈曲するように構成されたアームセクションを備えることができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、第1および第2のコンジットは、いずれも単一の連続したコンジットの一部とできる。
【0146】
実施形態の第5の付加的な検討
【0147】
実施形態によれば、外科手術用装置が開示される。外科手術用装置は、以下を備える。
(a)少なくとも90°屈曲するように構成されたアームセクションを備える可撓性アーム。
(b)アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、外科手術用装置の動作中に発熱する発熱部品を含む)。
(c)カプセルアセンブリから熱を除去するための流体輸送システム(流体輸送システムは、(i)屈曲するように構成されたアームセクションより近位に配置されたポンプ、および(ii)少なくとも屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、アーム内および/またはアームに沿って少なくとも部分的に配置されたコンジットアレイを備える)。
【0148】
いくつかの実施形態では、コンジットアレイは、カプセルアセンブリからポンプを通って遠位でカプセルアセンブリに戻り、近位で連続し、カプセルアセンブリ内で不連続である流路を形成することができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、屈曲するように構成されたアームセクションは、少なくとも120°、または少なくとも150°、または少なくとも180°、または少なくとも210°、または少なくとも240°、または少なくとも270°に屈曲するように構成されることができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、屈曲するように構成されたアームセクションは、反り返り構成に移行するように構成され、および反り返りセクションから外れるように構成される反り返りセクションを備えることができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、ポンプは蠕動ポンプとできる。
【0152】
いくつかの実施形態において、カプセルアセンブリの内部容積を通る流体流動が10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒になるように流体輸送システムを選択し、コンジットアレイを形成することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、屈曲するように構成されたアームが屈曲したとき、流路はカプセルアセンブリから近位へ至ってポンプを通って、遠位にあるカプセルアセンブリに戻るように連続したままとできる。
【0154】
いくつかの実施形態において、屈曲するように構成されたアームが屈曲するとき、流路の流体容量が30%を超えて、20%を超えて、または10%を超えて減少しないようにできる。
【0155】
いくつかの実施形態では、カプセルアセンブリは、発熱部品を含むカプセルを備えることができ、カプセルアセンブリからの熱の除去は、流体輸送システムを通り、ポンプで送られる流体がカプセルから対流的に熱を吸収することにより行われる。
【0156】
いくつかの実施形態では、ポンプで送られた流体がコンジットアレイを横断するときに、吸収された熱の少なくとも70%または少なくとも80%または少なくとも90%または少なくとも95%がポンプで送られた流体によって失われるように、流体輸送システムを構成することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、ポンプで送られた流体がカプセルアセンブリからポンプを通って近位方向に横断するときに、吸収された熱の第1の部分が失われ、ポンプで送られた流体がポンプからカプセルアセンブリに遠位方向に横断するときに吸収された熱の第2の部分が失われるように、流体輸送システムを構成することができる。
【0158】
実施形態の第6の付加的な検討
【0159】
実施形態によれば、可撓性外科手術用アームから熱を除去するための方法が開示される。アームは、アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ内に配置された発熱照明部品および/または撮像部品を有する。本方法は、以下の工程を備える。
(a)強制対流熱放散システムをカプセルアセンブリに熱的に結合する工程(強制対流熱放散システムは、(i)少なくとも部分的にアーム内に配置されたコンジットアレイ(コンジットアレイは、そこに配置された熱除去流体を有する)、および(ii)この流動を引き起こすために流体に機械的に結合されたポンプを備える)。
(b)流体を、(i)コンジットアレイの第1のコンジットを通ってカプセルアセンブリまで遠位方向に流し、(ii)強制対流によって、照明部品および/または撮像部品によって生じた熱の少なくとも一部をカプセルアセンブリから除去し、(iii)コンジットアレイの第2のコンジットを通してカプセルアセンブリから近位方向に流し、カプセルアセンブリから除去した熱の少なくとも一部をそこで放熱するように、ポンプを操作する工程。
【0160】
いくつかの実施形態では、ポンプは蠕動ポンプとできる。
【0161】
いくつかの実施形態では、コンジットアレイの長さの少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも95%、または少なくとも99%を、アーム内に配置することができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、流体によってカプセルアセンブリから熱の少なくとも一部を除去するようにする工程は、少なくとも5mmまたは少なくとも1cmの長さを有する流路に沿って、コンジットアレイの外部であるカプセルアセンブリの内部容積を通して流体を流す工程を含むことができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、カプセルアセンブリの内部容積およびコンジットアレイの外部を通る流路は、内壁カプセルアセンブリの直径の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%に等しい長さを有することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、流体を、10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒の流速でカプセルアセンブリの内部を通して流すことができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、発熱照明部品および/または撮像部品を備えるカプセルは、カプセルアセンブリの内部に固定的に配置されて、カプセルの外側かつカプセルアセンブリ内にある、流体が流れる環状領域を規定することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、発熱照明部品および/または発熱撮像部品を環状領域から密封するように、発熱照明部品および/または撮像部品をカプセル内に配置することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である。
【0168】
いくつかの実施形態において、0.05mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5cm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状領域ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも15mm、または少なくとも25mm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。
【0169】
いくつかの実施形態において、流動流体の一部は、カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、環状領域を長手方向に通過することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、熱流体流動の少なくとも一部をカプセルアセンブリから除去する工程は、外科手術用アームの動作中、カプセル表面から流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kの間または50~100W/m2kの間に維持する工程を含むことができる。
【0171】
いくつかの実施形態では、熱流体流動の少なくとも一部をカプセルアセンブリから除去する工程は、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を50℃未満に維持する工程を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱流体流動の少なくとも一部をカプセルアセンブリから除去する工程は、外科手術用装置の動作中のカプセルアセンブリの最大外面温度を41℃未満に維持する工程を含むことができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも50cmの長さを有することができる。いくつかのこのような実施形態では、アームは、少なくとも50cmの長さを有する遠隔操作可能な部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンジットアレイは、単一のコンジットを備えることができる。
【0173】
実施形態の第7の付加的な検討
【0174】
実施形態によれば、外科手術用装置が開示される。外科手術用装置は以下を備える。
(a)少なくとも90°屈曲するように構成されたアームセクションを備える可撓性アーム。
(b)アームに対して遠位に接続されたカプセルアセンブリ(カプセルアセンブリは、外部シェルと、外部シェルとカプセルとの間に環状ギャップを形成するように外部シェルの中に配置されたカプセルとを備え、カプセルは、外科手術用装置の動作中に熱を発生する発熱電子部品および/または発熱撮像部品を含む)。
(c)カプセルアセンブリから熱を除去するための強制対流熱除去システム(熱除去システムは、(i)少なくとも屈曲するように構成されたアームセクションをまたぐように、少なくとも部分的にアーム内および/またはアームに沿って配置されたコンジットアレイ(コンジットアレイはそれぞれ、カプセルアセンブリと直接流体連通し、環状ギャップを通して互いに間接流体連通している第1および第2の遠位開口部を備え、コンジットアレイ内に配置された流体が、第1の遠位開口部からカプセルアセンブリの内部へ出るときに、流体は、環状ギャップを横断し、そこから第2の遠位開口部に出る)、ならびに(ii)屈曲するように構成されたアームセクションから近位に変位し、流体に機械的に結合されるポンプを備える。)。
【0175】
いくつかの実施形態では、コンジットアレイの長さの少なくとも85%、または少なくとも95%、または少なくとも99%が、アーム内に配置される。
【0176】
いくつかの実施形態では、環状ギャップを横断する流体の流路は、少なくとも5mmまたは少なくとも1cmの長さを有することができる。いくつかのこのような実施形態において、環状ギャップを横切る流体の流路は、カプセルアセンブリの内径の少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%に等しい長さを有することができる。
【0177】
いくつかの実施形態において、環状ギャップを通る流体流動が10~200ml/秒、または30~150ml/秒、または50~100ml/秒になるよう、ポンプを選択し、コンジットアレイを形成することができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、カプセルは、繰り返しオートクレーブ可能である。
【0179】
いくつかの実施形態では、0.05mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5cmおよび/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対して、カプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。いくつかの実施形態では、0.1mmから0.6mmの間の環状ギャップ厚さは、カプセルアセンブリの長さの少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも15mm、または少なくとも25mm、および/またはカプセルアセンブリの長さの少なくとも50%に対してカプセル周の少なくとも180度にわたって保持され得る。
【0180】
いくつかの実施形態において、流体がコンジットアレイを通って環状ギャップへ流されるとき、流動流体の一部は、カプセルアセンブリの長さの少なくとも50%、環状ギャップを長手方向に通過する。
【0181】
いくつかの実施形態において、外科手術装置の動作中、カプセル表面から流動流体への対流熱伝達の熱伝達係数を10~200W/m2kの間または50~100W/m2kの間に維持するような流体流動を引き起こすように、ポンプを選択し、コンジットアレイを形成することができる。
【0182】
いくつかの実施形態において、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を50℃未満に維持するように、ポンプを選択し、コンジットアレイを形成することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、外科手術用装置の動作中、カプセルアセンブリの最大外部表面温度を41℃未満に維持するように、ポンプを選択し、コンジットアレイを形成することができる。
【0184】
本発明を、発明を実施するための形態を用いて説明してきたが、これらは例として提供されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。説明された実施形態は、異なる特徴を有し、このすべてが本発明のすべての実施形態で必要とされるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、特徴のいくつかまたは特徴の可能な組み合わせのみを利用する。本発明が属する技術分野の当業者には、説明された本発明の実施形態の変形、および説明された実施形態で指摘される特徴の様々な組み合わせを備える本発明の実施形態が思い浮かぶであろう。
【0185】
本書に記載された任意の特徴または特徴の組み合わせは、2018年3月8日に出願され、米国特許出願公開第20180256246号明細書として公開された米国特許出願第15/915,237号、2017年3月9日に出願され、米国特許出願公開第20170258539号明細書として公開された米国特許出願第15/454,123号、および2017年2月6日に出願され、米国特許出願公開第20170239005号明細書として公開された米国特許出願第15/501,862号に記載された任意の特徴および組み合わせと組み合わせることができ、これらは全てこの全体を完全に記載するかのようにここに参照によって援用する。
【0186】
本開示の明細書および特許請求の範囲において、各動詞「備える」、「含む」および「有する」、ならびにこれらの活用は、動詞の1つまたは複数の目的語が、必ずしも動詞の1つまたは複数の主語の部品、構成、要素または一部の完全なリストであるとは限らないことを示すために使用する。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを規定しない限り、複数形の参照を含む。例えば、「マーキング」または「少なくとも1つのマーキング」という用語は、複数のマーキングを含むことができる。
【国際調査報告】