(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】喫煙物品用可燃性熱源の組成物及びそれを含む喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/22 20200101AFI20240119BHJP
A24F 42/10 20200101ALI20240119BHJP
C10L 11/04 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A24D1/22
A24F42/10
C10L11/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530571
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2022019080
(87)【国際公開番号】W WO2023121030
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186251
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウン ミ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
4H015
【Fターム(参考)】
4B045AA02
4B045AA50
4B162AA03
4B162AA24
4B162AB12
4B162AB32
4B162AC23
4H015AA14
4H015AA19
4H015AA25
4H015AB01
4H015AB03
4H015AB05
4H015BA13
4H015CA02
4H015CB01
4H015CB04
(57)【要約】
本発明は可燃性熱源組成物に関し、より詳しくは、炭素粉末、有機バインダー、及び発火促進剤を含む可燃性熱源組成物として、前記発火促進剤は硝酸カリウム及び還元糖を含み、前記硝酸カリウム及び還元糖は5~3:2の重量比含まれる、可燃性熱源組成物に関する。前記組成物で構成された可燃性熱源適用喫煙物品は着火性及び燃焼性が優れたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素粉末、有機バインダー、及び発火促進剤を含む可燃性熱源組成物であって、
前記発火促進剤は硝酸カリウム及び還元糖を含み、
前記硝酸カリウム及び還元糖は5~3:2の重量比含まれる、可燃性熱源組成物。
【請求項2】
前記発火促進剤は、10~20重量%含まれる、請求項1に記載の可燃性熱源組成物。
【請求項3】
前記還元糖は、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、還元パラチノース、及び還元水飴からなる群より選択される1種以上の糖アルコールである、請求項1に記載の可燃性熱源組成物。
【請求項4】
前記炭素粉末は、チャコール及び黒鉛を含むものとして、40重量%以上含まれる、請求項1に記載の可燃性熱源組成物。
【請求項5】
前記有機バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、メチルセルロース(MC)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の可燃性熱源組成物。
【請求項6】
可燃性熱源は、30秒内に着火され、燃焼が140秒以上持続する、請求項1に記載の喫煙物品用の可燃性熱源組成物。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の可燃性熱源組成物で構成された可燃性熱源を含む喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用可燃性熱源の組成物及びそれを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喫煙物品は燃焼されるよりも加熱される数多い喫煙物品が提案されている。このような非燃焼式の喫煙物品は、従来における喫煙物品とは異なって喫煙物品の媒質を燃焼させず、喫煙物品の媒質を加熱することによって発生したエアロゾルを吸引して使用される。このような加熱式喫煙物品のタイプの1つとして炭素熱源の適用された喫煙物品製品がある。
【0003】
前記炭素熱源が適用された喫煙物品は、炭素熱源からこの炭素熱源の下流に位置する喫煙物品の媒質への熱伝達によってエアロゾルが発生する。
【0004】
炭素熱源が適用された喫煙物品製品は、一般的な加熱式電子喫煙物品が専用デバイスを使用することとは異なって、伝統型の喫煙物品に類似の喫煙形態を有しており、消費者における喫煙の便宜性及び満足度の向上を期待することができる。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]韓国公開特許第2020-0030364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、着火性及び燃焼持続性に優れた可燃性熱源組成物と、前記熱源を含む喫煙物品とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
炭素粉末、有機バインダー、及び発火促進剤を含む可燃性熱源組成物であって、前記発火促進剤は硝酸カリウム及び還元糖を含み、前記硝酸カリウム及び還元糖は5~3:2の重量比含まれる可燃性熱源組成物を提供する。
【0007】
本発明の一具現例において、前記発火促進剤は、10~20重量%含まれることができる。
【0008】
本発明の他の具現例において、前記還元糖は、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、還元パラチノース、及び還元水飴からなる群より選択される1種以上の糖アルコールを含むことができる。
【0009】
本発明の更なる具現例において、前記炭素粉末は、チャコール及び黒鉛を含むものとして、40重量%以上含むことができる。
【0010】
本発明の更なる具現例において、前記有機バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、メチルセルロース(MC)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)からなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0011】
本発明の更なる具現例において、前記熱源は、30秒内に着火され、燃焼が140秒以上持続することができる。
【0012】
また、本発明は、組成物で構成された可燃性熱源を含む喫煙物品を提供する。
【発明の効果】
【0013】
従来における可燃性熱源は、主成分をチャコールとして着火が容易でないという限界があった。ここで、本発明は、可燃性熱源の着火を容易にするために硝酸カリウム及び還元糖を使用するものとして、本発明の組成物で構成された熱源は従来の熱源に比べて着火性及び燃焼性が向上したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態において製造した可燃性熱源の燃焼結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現されることができ、ここで説明する内容に限定されない。
【0016】
明細書の全体において、「可燃性熱源を含む喫煙物品の長手方向」は、可燃性熱源を含む喫煙物品の長さが延長される方向、又は可燃性熱源を含む喫煙物品が燃焼する場合に燃焼が行われる方向を意味する。
【0017】
明細書の全体において、用語「上流」及び「下流」は、ユーザが可燃性熱源を含む喫煙物品を用いて外気を吸入するとき、可燃性熱源を含む喫煙物品の外部から内部に空気が入ってくる部分が「上流」であり、可燃性熱源を含む喫煙物品の内部から外部に空気が出て行く部分が「下流」である。用語「上流」及び「下流」は、可燃性熱源を含む喫煙物品を構成している部分の間の相対的な位置又は方向を示すために使用され得る。
【0018】
加熱式電子喫煙物品に対する需要が増加している。多くの加熱式電子喫煙物品は、[デバイス+専用スティック]という構造でデバイスを備えており、新しい形態の喫煙物品として炭素基盤の熱源を喫煙物品の先端に適用して一般の喫煙物品に類似の喫煙形態を有する製品が開発されている。ここで、本発明は、一般の喫煙物品と類似の喫煙形態(着火、喫煙の開始時点)を有する可燃性熱源を開発しようと試みた。
【0019】
従来の可燃性熱源は、主にチャコールを含んで着火が容易でない限界があった。
【0020】
ここで、本発明は、着火性が向上した可燃性熱源組成物とこれを含む可燃性熱源適用喫煙物品とを提示する。
【0021】
ここで、本発明は、炭素粉末、有機バインダー、及び発火促進剤を含む可燃性熱源組成物として、前記発火促進剤は硝酸カリウム及び還元糖を含み、前記硝酸カリウム及び還元糖は5~3:2の重量比含まれる可燃性熱源組成物を提供する。
【0022】
また、本発明は、前記組成物から構成された可燃性熱源を含む喫煙物品を提供することができる。
【0023】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0024】
本発明の可燃性熱源は、水分除去反応、還元糖の熱分解反応、硝酸カリウムと還元糖の反応、及び炭素粉末(チャコール)の燃焼反応によって燃焼が行われる。
【0025】
先ず、可燃性熱源に着火を開始すると、最初のステップにおいて、0~150℃間で発生する水分除去反応が生じる。実際に、既存の常温で空気乾燥(air-dry)を行うとき、表面の水分(surface moisture)が除去された以後に100℃以上で発生する固有の水分(inherent moisture)の蒸発過程が発生し、内部に僅かの気孔が発生し、それにより表面積が一定に上昇する。
【0026】
第2のステップにおいて、着火が行われる還元糖の熱分解反応が行われ、200℃~360℃の付近で還元糖の自体熱分解反応が生じる。この過程の間で、一部の還元糖が溶融(melting)されながら酸化反応し、僅かに熱が発生する。
【0027】
第3の燃焼ステップにおいて、360℃~400℃の付近で短い時間内に硝酸カリウムと還元糖とが爆発的に反応する。実際に、燃焼時間についても他の反応よりも相対的に短い時間に反応するだけでなく、熱量が大量発生されることから実質的な着火が開始される。即ち、本発明では、前記硝酸カリウムと還元糖との適切な配合量を確認することで、熱源の着火性を調整することができる。
【0028】
第4の燃焼ステップにおいて、第3のステップで着火された後400℃~600℃でチャコールの燃焼反応が徐々に進行される。
【0029】
即ち、本発明の可燃性熱源組成物は、前記発火促進剤として硝酸カリウム及び還元糖を含むことを特徴とする。前記硝酸カリウム及び還元糖は5~3:2の重量比に混合されて含まれるもので、前記重量比で優れた着火効率を達成することができる。前記発火促進剤において硝酸カリウムは、還元糖よりもさらに多い量が含まれることが好ましい。
【0030】
前記発火促進剤は、10~20重量%含まれるものとして、発火促進剤が10重量%未満含まれる場合に着火が円滑に行われず、20重量%を超過すれば着火性は増加するものの、熱源の燃焼を過多に促進して喫煙可能な時間を減少させる。前記発火促進剤において硝酸カリウムは5~12重量%、還元糖は1~9重量%含まれてもよい。前記硝酸カリウム及び還元糖は最も好ましくは3:2の重量比で混合して使用されるときに最適な着火効率を有することができる。
【0031】
本発明の組成物において還元糖は糖アルコールとして、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、還元プラタナス、又は、還元水飴であってもよく、糖アルコールであれば前記の種類に制限されないが、マンニトールは吸湿性が低くて燃料概念として使用することが好ましく、硝酸カリウム/還元糖の適用から生じる噴出物を低減させ得るソルビトールが使用されることができる。
【0032】
本発明の組成物の炭素粉末は、チャコール及び黒鉛を含む。
【0033】
前記チャコールは熱源の主な素材として、着火されて燃焼を保持させる燃料として使用されている。前記チャコールは、固形分100重量%に対して40重量%以上含まれることが好ましく、40重量%以上含まれることで3分以上の喫煙に必要な温度を保持することができる。
【0034】
前記黒鉛は熱源の密度を増加させるものとして、燃焼の保持を補助することができる。前記黒鉛は1~10重量%含まれるものとして、1重量%未満含まれる場合に熱源の密度が足りなくて燃焼持続性が減少し、10重量%を超過して含まれる場合は密度が過密になって着火性にその影響を及ぼす。
【0035】
本発明において、前記有機バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、メチルセルロース(MC)、又は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が使用されるが、炭素粉末をバインディングできる素材であれば、前記の種類に制限されず含まれることができる。
【0036】
本発明の熱源組成物は、混合した後圧搾して成形体に製造されることができる。本発明では、前記組成物に多価アルコールを追加して使用してもよい。前記多価アルコールは燃焼を補助するものであって、グリセリン又はプロピレングリコールであってもよい。前記多価アルコールは、熱源組成物100重量部に対して1~5重量部が使用される。
【0037】
前記熱源は、30秒内に着火され、燃焼が140秒以上持続されてもよい。前記着火時間及び燃焼時間を有する熱源は、直径が5~10mmであり、長さが8~15nmであってもよいが、これに限定されることはない。
【0038】
本発明の一実施形態により、前記可燃性熱源は前記組成物を混合し、この混合物を所望の形状に予め形成したものとして、例えば、スリップ鋳込み(slip casting)、押出、射出成形、及び金型圧縮又は加圧のような任意の適切な周知のセラミック形成方法を用いて所望する形状に予め形成してもよい。
【0039】
好ましくは、可燃性熱源は、加圧工程又は押出工程によって形成されている。最も好ましくは、可燃性熱源は加圧工程によって形成されている。
【0040】
好ましくは、可燃性熱源は、約0.8g/cm3~約3.0g/cm3の間の仮比重(apparent density)を有してもよく、好ましくは、可燃性熱源は約300mgと約500mgとの間、より好ましくは約400mgと約450mgとの間の質量を有してもよい。
【0041】
前記可燃性熱源は、円形断面の円筒状又はテーパされた円筒状であるか、実質的に楕円形の断面の円筒状又はテーパされた円筒状であってもよいが、これに制限されることはない。
【0042】
また、本発明は、前記熱源が適用された喫煙物品を提供することができる。
【0043】
前記「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)、又は、タバコ代用物に基づくかに関係なく、喫煙可能な任意の製品又は喫煙体験を提供できる任意の製品を意味する。例えば、前記喫煙物品は、巻タバコ、葉巻(cigar)、短くて細い葉巻(cigarillo)などのようなエアロゾルを発生させ得る喫煙可能物品を意味する。
【0044】
前記喫煙物品は、前記組成物で構成された可燃性熱源、媒質部、熱伝導性ラッパー及び巻タバコ紙、冷却部、フィルタ部などを含んでもよく、可燃性熱源;媒質部;冷却部;及びフィルタ部が長手方向を基準にして順に整列されてもよいが、可燃性熱源が上流側に位置することを除いて、前記順は自由に変更されてもよい。その他にも、追加構成をさらに含んだり上述した構成のうちの1つ以上が省略されたりしてもよい。前記喫煙物品の直径は、例示として4mm~10mmであり、周縁は14mm~29mmであってもよい。また、長さは45mm~100mmであってもよい。
【0045】
前記媒質部は、例えば、切断された刻草、シート刻草、喫煙物品葉、膨化喫煙物品、及びニコチン抽出物のうち少なくとも1つを含んでもよい。媒質部はニコチン(nicotine)成分を含んでもよい。前記媒質部の他に、エアロゾル発生物質をさらに含んでもよい。エアロゾル発生物質は、多価アルコール、グリセロールモノ-、ジ-又はトリアセテートのような多価アルコールのエステル、及びジメチルドデカン二酸(dodecanedioate)及びジメチルテトラデカン二酸(tetradecanedioate)のようなモノ-、ジ-又はポリカルボン酸の脂肪族エステルであってもよい。より具体的に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含んでもよい。例えば、媒質部は、グリセリンに浸漬されたシート刻草を含んでもよい。但し、これは例示として本発明がこれに必ず制限されることはない。
【0046】
前記媒質部は、5mmと約20mmとの間、より好ましくは約8mmと約12mmとの間の長さを有してもよい。媒質部は、紙又はその他のラッパーによって包まれ、加熱に反応して揮発性化合物を放出できる物質を含むプラグ又は部位の形態であってもよい。上述したように、媒質部がプラグ又は部位形態である場合、任意のラッパーを含んでいるプラグ又は部位全体が媒質部であると考慮される。
【0047】
前記冷却部は冷却物質を含むことができる。冷却部は、末端が開放された管状の中空体を含むものとして、前記熱源及び媒質部を通過する気流を冷却させることができる。前記冷却部は、高分子物質又は生分解性高分子物質に製造され、冷却機能を有する。例えば、冷却部は、紙、板紙、プラスチック、例えば、酢酸セルロース、セラミック及びその組み合わせであってもよい。さらに、前記冷却部は、金属ホイル、高分子物質、及び実質的に非多孔性紙又は板紙からなるグループより選択された物質のシワシートを含んでもよい。所定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)、及びアルミニウムホイルからなるグループより選択された物質のシワシートを含んでもよい。前記冷却部は、5mmと約30mmとの間、より好ましくは、約8mmと約25mmとの間の長さを有するが、加熱性熱源で発生する熱の温度などを考慮して前記の長さを自由に調節することができる。
【0048】
前記フィルタ部はフィルタ物質を含むものとして、前記フィルタ部の形状には制限がない。例えば、フィルタ部は円柱タイプ(type)ロッドであってもよく、内部に中空部を含むチューブタイプ(type)ロッドであってもよい。又は、リセースタイプ(type)ロッドであってもよい。もし、フィルタ部が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状に製造されてもよい。例えば、前記フィルタ部は、高分子、紙、セルロースアセテート、活性炭及び炭素のうち少なくとも1つを含む繊維、フィラメント、又はこの2つを含むフィルタートウを含むが、これに制限されることはない。前記フィルタ部は、例示として5~20mmの長さを有してもよい。
【0049】
これに加えて、フィルタ物質を包む口と接触するティッピングペーパーなどがさらに含まれてもよい。前記ティッピングペーパーは1つ以上の穿孔が形成されていてもよい。
【0050】
前記フィルタ部は香味が発生するように製造することができる。一例として、フィルタ物質に加香液が噴射されてもよく、加香液の塗布された別途の繊維がフィルタ部の内部に挿入されてもよい。
【0051】
前記冷却部及びフィルタ部ではエアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の冷却部、フィルタ部、及びティッピングペーパーのうちの1つ以上は、1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。適切なエアロゾル改質剤はこれに限定されることはないが、香味剤;物体感覚剤(chemesthetic agent)を含んでいる。前記香味剤は、使用する際に喫煙物品のタバコ物質及びエアロゾル発生物質によって発生したエアロゾルに味(taste)又は香り(aroma)のうちの1つ又は全てを付与する任意の物質を説明するために使用される。
【0052】
また、前記巻タバコ紙は、木、亜麻又は他の物質から得られるセルロース繊維から構成されるもので、媒質部を包んだり媒質部を含んで喫煙物品を全体的に包んだり、フィルタ部を除いた部分を包んだりするものである。前記巻タバコ紙のベースペーパー(base paper)の厚さは約30μm~約100μmであってもよく、ベースペーパーの評量は約15g/m2~約80g/m2であってもよい。
【0053】
本発明に係る喫煙物品は、下流に香味剤でありながら物体感覚剤である1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の冷却部、及びフィルタ部のうちの1つ以上は、冷却物体感覚の効果を提供するメントール又は更なる香味剤を含んでもよい。
【0054】
また、可燃性熱源を含む喫煙物品は、前記可燃性熱源及び媒質部を包む熱伝導性ラッパーを含むことができる。前記熱伝導性ラッパーは、熱源及び媒質部を完全に包んでもよく、前記熱源の一部と媒質部の一部とを包んだり、熱源の一部と媒質部の全てとを包んだりしてもよい。前記熱伝導性ラッパーは、可燃性熱源から発生した熱をタバコ物質に伝達するもので、前記ラッパーは、アルミホイルラッパー、スチールラッパー、鉄ホイールラッパー及び銅ホイールラッパーのような金属ホイールラッパー、及び金属合金ホイールラッパーであってもよく、熱を効率よく伝達できる素材であれば前記素材に制限されない。
【0055】
加熱性熱源と媒質部との間には金属バリアが形成されてもよい。ここで、金属バリアは、可燃性熱源部が媒質部と直接接触することを防止することができ、可燃性熱源部で発生する成分のうちの一部が媒質部に移動することを防止できる。
【0056】
バリアの厚さは、良好な喫煙性能を取得するために適切に調節され得る。特定の実現形態において、バリアは、約10ミクロンと約500ミクロンとの間の厚さを有してもよい。バリアは、点火及び燃焼時の可燃性熱源によって得られた温度で実質的に熱的に安定的で不燃性である1つ以上の金属性材料を含んでもよい。適切な材料は本分野に知られており、これが制限されることはないものの、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、及びその組み合わせを含む。
【0057】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。しかし、実施形態には様々な変更が加えられ、特許出願の権利範囲がこの実施形態によって制限されたり限定されたりすることはない。実施形態に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれるものと理解しなければならない。
【0058】
実施形態において、使用する用語は単に説明を目的に使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0059】
異なるように定義がされない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0060】
また、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。図面を参照して説明する際に、図面符号に拘わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0061】
[実施形態]
1.可燃性熱源の製造
下記の表1に示した組成により、チャコール、硝酸カリウム、バインダー及び還元糖を含む可燃性熱源組成物を準備した。熱源は、直径7mm及び約11mmの高さのシリンダの形態に製造された。熱源を製造するための材料は、配合比に適するように準備した後、大気圧ミキサー(THINKY社のARE-310)を用いて混合した。配合時に各材料が加えられるたびに1分間1500RPMで混合した。
【0062】
混合したパウダーに適当量の油分(2%)を添加して5分間1500RPMで混合した。混合したサンプルを約0.6gに分けて圧搾器を介して圧搾しシリンダ形態に成形した。
【0063】
圧搾されたサンプルをTGA(LECO社TGA791)を介して80℃で30分間乾燥した。
【表1】
【0064】
2.可燃性熱源の燃焼結果確認
製造された熱源を着火した後燃焼させて下記の表2に観察結果を示した。
【表2】
【0065】
前記表2の結果から確認されるように、実施形態1~6のような組成を有する場合、良好な着火性及び燃焼性が確認された。特に、硝酸カリウムと還元糖とを3:2の含量として含む実施形態1、2、5、6で良好な表面燃焼が確認された。
【0066】
これに比較して、還元糖を相対的に多く含んでいる比較例1~3では表面が粘っこくて成形フレームくっついて、燃焼後部分的に破れる現像が発生した。また、硝酸カリウム及び還元糖を10%未満として含む比較例4~6では、着火性が減少して着火が行われないか、煙が多量発生することが確認された。
【0067】
また、硝酸カリウム及び還元糖を20%を超過して含む比較例7、8では炎が発生し、燃焼体が破れて燃焼が中断された。
【0068】
上記の実施形態1、比較例6、及び比較例8に対して燃焼イメージを
図1に示した。
図1に示したように、硝酸カリウム及び還元糖を3:2として含む実施形態1は優れた着火性と共に、燃焼後の形状も安定的に保持されることが分かる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されたりしても適切な結果を達成することができる。
【0070】
したがって、他の実現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する特許請求の範囲の範囲に属する。
【国際調査報告】