(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】センシングアプリケーションの識別及び予測のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20240119BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20240119BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W24/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534669
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2021087571
(87)【国際公開番号】W WO2022156996
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519061251
【氏名又は名称】ヴェステル・エレクトロニキ・サナイ・ヴェ・ティジャレット・ア・セ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アイギュル, メフメット アリ
(72)【発明者】
【氏名】トルクメン, ハリス
(72)【発明者】
【氏名】アルスラン, フセイン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示のいくつかの実施形態は、センシングアプリケーションの識別に関する。特に、ワイヤレス信号が取得されてさらに処理される。次いで、受信信号内のセンシング信号の存在が推定され、センシング信号はセンシングアプリケーションによって生成された信号である。次いで、センシング信号の推定に基づいて、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングが実行される。センシングアプリケーションの検出及び/又は識別は、機械学習ベースのモジュールなどの訓練済みモジュールによって実行されてもよい。推定の結果に従って実行されるワイヤレスの受信、送信、又はセンシングは、チャネルアクセス、リソース割り当て、自身のセンシングの目的のための検出されたセンシング信号の利用などをさらに含んでもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシングアプリケーションを識別するための方法であって、
受信ワイヤレス信号を取得するステップと、
訓練済みモジュールによって、前記受信信号内のセンシング信号の存在を推定するステップであって、前記センシング信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号である、推定するステップと、
前記センシングアプリケーションの前記推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記センシングアプリケーションが、予め設定された周期で、又は連続的な送信信号として、前記センシング信号を生成するアプリケーションである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センシングアプリケーションが、レーダーセンシング、ワイヤレスセンシング、ワイヤレスローカルエリアセンシング、チャネル状態情報センシングのうちの1つである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記推定するステップが、前記センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定することをさらに含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記センシングアプリケーションが、予め設定された周期で前記センシング信号を生成するアプリケーションであり、
前記センシングアプリケーションを前記決定することが、
前記受信ワイヤレス信号内で以前に推定された前記センシング信号の前記存在に基づいて前記予め設定された周期を推定することと、
前記推定された予め設定された周期を使用して、前記複数の予め定義されたセンシングアプリケーションの中から前記センシングアプリケーションを識別することと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記センシングアプリケーションを前記決定することが、特性のうちの1つ又は複数に基づいて実行され、前記特性が、
フレーム構造、
帯域幅、
センシングの持続時間、
センシングの開始時間、
センシングの終了時間、及び
波形、
であり、
前記1つ又は複数の特性が、前記複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの少なくとも2つで異なる、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記センシングアプリケーションを前記決定することが、特性のうちの1つ又は複数に基づいて実行され、前記特性が、
帯域幅、
ビーム幅、
送信電力、及び
センシングレート、
であり、
前記1つ又は複数の特性が、前記複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの少なくとも2つで異なる、
請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記センシングアプリケーションを前記複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして前記決定することが、
前記受信ワイヤレス信号内の前記センシング信号の前記存在が前記推定するステップによって確認された場合に実行され、
前記受信ワイヤレス信号内の前記センシング信号の前記存在が前記推定するステップによって確認されなかった場合に実行されない、
請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記受信ワイヤレス信号を取得する前記ステップが、
パワー密度スペクトル、受信信号強度、又は受信信号強度インジケータのうちの1つ又は複数を測定することと、
訓練済みのモデルによって、前記受信ワイヤレス信号内の通信信号又はセンシング信号の存否を判定することと、
通信信号又はセンシング信号が前記受信ワイヤレス信号内に存在すると判定された場合、前記信号がセンシング信号であるか否かを推定することと、
前記信号がセンシング信号である場合、前記センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定することと、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記センシングアプリケーションを前記決定すること及び前記存在を推定する前記ステップが、前記訓練済みモジュールによって統合的に実行される、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記推定するステップの結果に基づいて、前記センシングアプリケーションによる将来のリソースの占有を予測するステップ
をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行する前記ステップが、前記センシングアプリケーションによって占有されていないと予測されるリソース内で前記ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングをスケジューリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行する前記ステップが、
前記推定するステップの結果に基づいてセンシング信号を送信するか否かを判定することと、
前記判定するステップに応じて前記センシングを実行する又は実行しないことと、
を含む、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するための方法であって、
受信ワイヤレス信号の表現と、前記表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示及び前記センシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方とを前記モジュールに入力するステップと、
前記入力に従って前記モジュールの少なくとも1つのパラメータを変更するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
センシングアプリケーションを識別するためのデバイスであって、
処理回路であって、
受信ワイヤレス信号を取得することと、
前記受信信号内のセンシング信号の存在を推定することであって、前記センシング信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号である、推定することと、
を実行するように構成される処理回路と、
前記センシングアプリケーションの前記推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するための送受信機と、
を備える、デバイス。
【請求項16】
センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するためのデバイスであって、
受信ワイヤレス信号の表現と、前記表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示及び前記センシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方とを前記モジュールに入力することと、
前記入力に従って前記モジュールの少なくとも1つのパラメータを変更することと、
を実行するように構成される処理回路を備える、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信及びセンシングの分野に関する。特に、本開示は、ワイヤレス通信及びセンシングシステムのための装置及び方法を提供する。
【背景】
【0002】
ワイヤレス通信は現在、数十年にわたって進歩してきている。著名な規格化団体の例には、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)及び一般にWi-Fiと呼ばれているIEEE802.11などがある。実際には、そのような規格をサポートするデバイス、又は独自の通信及びセンシングアプリケーションを有するデバイスが、スペクトルを少なくとも部分的に共有する場合がある。
【0003】
コグニティブ無線は、システムスペクトルを活用するための新興技術の1つである。コグニティブ無線デバイスは、スペクトル効率を向上させるために、付近にある最良のワイヤレスチャネルを動的に使用することになっている。これを実現するために、スペクトル占有情報が望まれる場合があり、これは効率的な動的なスペクトルアクセスのためにスペクトルの利用可能性をモデル化及び予測するのに役立つ。スペクトル占有予測は、以前のスペクトル占有に関する情報を使用して将来の占有を予測することに基づく場合がある。そのような予測は、過去及び未来の占有の間の固有の相関を利用することに基づいている。いくつかのアプローチは時間ドメインの相関を利用して、スペクトル予測を時系列予測として位置付ける。いくつかのアプローチは、周波数軸に沿った相関を利用することをさらに考慮し、したがって時間-周波数相関を利用する。相関は空間ドメインにも存在する場合がある。したがって、言及した全てのドメインでの相関を利用することが望ましい場合がある。
【0004】
いくつかの特定の研究は、自己回帰モデルベースの方法又はベイズ推定ベースの方法などの従来の統計的方法をスペクトル予測に使用している。ウェーブレットニューラルネットワーク及び浅層(shallow)人工ニューラルネットワークなどの機械学習(ML:machine learning)の方法を用いるいくつかのアプローチがある。いくつかのより最近の研究は、パフォーマンスをさらに向上させるために深層学習(DL:deep learning)ベースのアプローチについて言及している。DLベースの方法は、複数のドメインにおける相関を使用することができる。
【概要】
【0005】
ワイヤレススペクトルの使用を改善するためのコグニティブ無線アプリケーション及び他のアプローチを促進する方法及び技術並びに対応するデバイスについて説明する。本開示では、特に、異なり得る通信デバイス及び/又はセンシングデバイスによってスペクトルが共有される場合に、ワイヤレススペクトルの使用の1つ又は複数の側面をさらに改善するために、センシングアプリケーションの識別が用いられてもよいことが特に認識される。
【0006】
本発明は、独立請求項によって定義される。いくつかの例示的な実装は、従属請求項によって提供される。
【0007】
いくつかの例示的な実装では、センシングアプリケーションを識別するための方法であって、受信ワイヤレス信号を取得するステップと、訓練済みモジュールによって、受信信号内のセンシング信号の存在を推定するステップであって、センシング信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号である、推定するステップと、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するステップと、を含む、方法が提供される。
【0008】
他の例示的な実装は、訓練(training、トレーニング)方法、訓練装置、及びセンシングアプリケーションを識別するための装置、並びにプログラム及びそれらの方法を実行するためのプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体に関する。
【0009】
本明細書で開示した主題のこれら及び他の特徴及び特性は、構造の関連要素の動作方法及び機能、並びに部品の組み合わせ及び製造の経済性と共に、全てが本明細書の一部を形成する添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮することにより、より明らかになるであろう。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的としており、開示した主題の範囲を定義することを意図したものではないことを明確に理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、「a」、「an」、及び「the」といった単数形には、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
様々な実施形態の性質及び利点の理解は、以下の図を参照することによって実現されよう。
【
図1】
図1は、基本的な通信システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、例示的なスペクトル管理方法を示すフロー図である。
【
図3】
図3は、例示的なパルスレーダー信号を示す概略図である。
【
図4】
図4は、フレームを生成するアプリケーションがセンシング、通信、又はJSCのいずれであるかに応じた様々なフレームフォーマットを示す概略図である。
【
図5】
図5は、例示的なセンシングアプリケーション予測のブロック図である。
【
図6A】
図6Aは、検出対象のオブジェクトが存在しない場合の単純なセンシングシナリオを示す概略図である。
【
図6B】
図6Bは、検出対象のオブジェクトが存在する場合の単純なセンシングシナリオを示す概略図である。
【
図7】
図7は、複数のデバイスが見通し線を介して通信及びセンシングするセンシングシナリオを示す概略図である。
【
図8】
図8は、複数のデバイスが非見通し線を介して通信及びセンシングするセンシングシナリオを示す概略図である。
【
図9】
図9は、センシング信号の検出及び/又は識別のための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図10】
図10は、センシング信号の検出及び/又は識別のためのモジュールの訓練のための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図11】
図11は、センシング信号の検出及び/又は識別のための例示的な装置を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、センシング信号の検出及び/又は識別のためのモジュールを訓練する例示的な装置を示すブロック図である。
【詳細な説明】
【0011】
以下の説明の目的で、「端」、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「横」、「縦」という用語及びその派生語は、図面で向きを決められるときに、開示した主題に関連する。しかしながら、開示した主題は、そうでないことを明示的に指定していない限り、様々な代替の変形及びステップシーケンスを想定してもよいことを理解されたい。添付の図面に示し、以下の明細書に記載した特定のデバイス及びプロセスは、開示した主題の単なる例示的な実施形態又は態様であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示した実施形態又は態様に関連する特定の寸法及び他の物理的特性は、別段の指示がない限り、限定的なものと考えられるべきではない。
【0012】
本明細書で使用する態様、コンポーネント、要素、構造、行為、ステップ、機能、命令、及び/又は同様のものは、明示的に記載していない限り、決定的な又は必須のものと解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ又は複数の項目を含むものとし、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」と交換可能に使用されてもよい。さらに、本明細書で使用する場合、「セット」という用語は、1つ又は複数の項目(たとえば、関係する項目、無関係の項目、関係する項目と無関係の項目との組み合わせ、及び/又は同様のもの)を含むものとし、「1つ又は複数」又は「少なくとも1つ」と交換可能に使用されてもよい。1つの項目のみを意図している場合、「1つの」という用語又は同様の文言を使用する。また、本明細書で使用する場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などの用語は、オープンエンドな用語であるものとする。さらに、「~に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「~に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。
【0013】
前述の技術はうまくいく場合があるが、将来のスペクトル又はその使用に関する完全な情報又は認識を提供するものではない。一方、ワイヤレスセンシングは、環境モニタリング、健康モニタリング、及び他の多数のアプリケーションのための商用デバイスで人気が高まっている。レーダーなどのワイヤレスセンシングの軍事利用は常に人気となっている。信号の存否又はその特徴に関する知識は、一般的には行動(behavior)アプリケーションを識別又は予測するには十分ではないので、この情報はセンシングアプリケーションに非常に有用というわけではない。特に、センシングアプリケーションは、典型的にはいくつかの通信アプリケーションのパターンとは異なるパターンを有する場合がある信号を生成する。たとえば、ほとんどのワイヤレスセンシングアプリケーションは、様々な周期の周期的な信号送信を生成する。これらの送信を効果的にスケジューリングして管理すると、スペクトル及び電力の浪費が少なくなる。したがって、デバイスは、どのセンシングアプリケーションがスペクトルを利用しているかを決定することができる場合、自身の送信を空きスロットに収まるように計画し、又は適切であればこれらの送信を自身のセンシングに利用することができる。この情報のさらなる利用例が可能であり、たとえば、スペクトルが共有されるか否かにかかわらず、スペクトル予測をエリア内のさらなるデバイスに提供して、効率的なリソースアクセスを可能にしてもよい。まとめると、場合によっては単一の中央リソース管理エンティティがなくても、リソースのアクセス及び利用を向上させるために、センシングアプリケーションの識別及び予測のためのアプローチを提供することが望ましいであろう。このようにして、複数の共存するセンシングデバイス及び通信デバイスのうちの一部は、より効果的な方法で動作することができる。
【0014】
図1は例示的なワイヤレスシステムWiSを示しており、ここで、Txはワイヤレス信号の送信機を表し、Rxはワイヤレス信号の受信機を表す。送信機Txは、受信機Rx又は受信機のグループに信号を送信し、又はインターフェースItfを介して信号をブロードキャストすることが可能である。インターフェースは、任意のワイヤレスインターフェースであってもよい。インターフェースは、送信機Tx及び受信機Rxによる送信及び受信に使用することができるリソースによって指定されてもよい。そのようなリソースは、時間ドメイン、周波数ドメイン、符号ドメイン、及び空間ドメインのうちの1つ又は複数(或いは全て)で定義されてもよい。一般に、「送信機」及び「受信機」は両方とも同一のデバイスに統合されてもよいことに留意されたい。換言すれば、
図1のデバイスTx及びRxは、それぞれRx及びTxの機能を含んでもよい。
【0015】
本開示は、いかなる特定の送信機Tx、受信機Rx、及び/又はインターフェースItfの実装にも限定されない。しかしながら、いくつかの既存の通信システムだけでなく、そのようなシステムの拡張又は新しい通信システムにも容易に適用され得る。例示的な既存の通信システムは、たとえば、現在若しくは将来のリリースでの5Gの新しい無線(NR:New Radio)、及び/又は最近研究されているIEEE802.11beなどのIEEE802.11ベースのシステムであってもよい。ワイヤレス信号は、必ずしも人間又は機械の通信を実行しないという意味で、必ずしも通信信号ではない。これは特にセンシング信号、たとえば、レーダー信号又はサウンディング信号、或いはセンシングデバイスからの他の任意の種類のワイヤレス信号、たとえば、センシング結果を他のデバイス(複数可)に報告する何らかの信号であってもよい。
【0016】
たとえば、改正IEEE802.11bf、すなわち、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングは、WLANネットワークにおけるワイヤレスセンシングのサポートを含み得る。いくつかの実施形態は、この規格に準拠するデバイスのパフォーマンスを高めるために、たとえば、エリア又はネットワーク内の冗長なセンシング信号の量を削減するために使用されてもよい。第5世代(5G)の新しい無線(NR)規格又は6G規格も、将来のセルラー通信ネットワークの一部としてワイヤレスセンシングを適用する可能性がある。本開示のいくつかの実施形態は、日和見的(opportunistic)なスペクトルの使用中にライセンス不要スペクトル内の空きスペースを予測するのに役立つ場合があり、ここでほとんどのワイヤレスセンシングが行われると予想される。本開示は、ロングタームエボリューション(LTE)/アンライセンスLTE(LTE-U)の通信技術にも適用可能である。
【0017】
上記のように、スペクトル認識はコグニティブ無線(CR:cognitive radio)の重要な部分である。本開示のいくつかの実施形態は、センシング送信の識別及び予測を容易にすることができる。IEEE802.22及びIEEE802.15規格はCRをサポートしているので、本開示から利益が得られる場合がある。本開示は、冗長なセンシング送信の数を削減することによって電力効率を向上させるのに役立つので、低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN:low-power wide-area network)技術にも適用可能である。したがって、たとえば、Wize、ZigBee(登録商標)、NarrowBand IoT、LoRaWANなどのLPWAN規格に関連している。一般に、いくつかの実施形態は、高周波数又はミリ波(mm波)で使用することができ、その理由は、スペクトルの利用可能性及び伝播特性が高分解能ワイヤレスセンシングに適しているためである。これはワイヤレスセンシングのリソース管理に使用することができる。
【0018】
図2のデバイスTx及びRxは、それぞれRx及びTxの機能を含んでもよい。送信機Tx及び受信機Rxは任意のデバイス、たとえば、基地局(eNB、AP)若しくは端末(UE、STA)、又はワイヤレスシステムWiSの他の任意のエンティティに実装されてもよい。基地局、アクセスポイント、又は端末などのデバイスは、Rx及びTxの両方を実装してもよい。本開示は、いかなる特定の送信機Tx、受信機Rx、及び/又はインターフェース200の実装にも限定されない。しかしながら、いくつかの既存の通信システムだけでなく、そのようなシステムの拡張、又は新しい通信システムにも容易に適用され得る。例示的な既存の通信システムは、たとえば、現在若しくは将来のリリースでの5Gの新しい無線(NR)、及び/又は最近研究されているIEEE802.11beなどのIEEE802.11ベースのシステムであってもよい。センシングアプリケーション信号はまた、いくつかのIEEE802.11規格又はセンシングアプリケーションをサポートするためのそれらの可能性のある特定の拡張など、知られているシステムのうちの1つ又は複数によって提供されるリソース内に埋め込まれてもよい。
【0019】
センシングアプリケーション識別のアプリケーションの1つはスペクトル占有である。一般に、スペクトル占有は、時間-周波数グリッドに配置された以前の占有を、そのような占有の空間相関と共に使用して、将来のスペクトル占有状態を予測することに基づいていてもよい。これは、たとえば、時間-周波数占有グリッドの占有確率を予測するようにいくつかの訓練可能なモデルを訓練することによって、実現されてもよい。機械学習又は深層学習及び分類器モデルは、測定を通じて取得された実際のデータで訓練されてもよく、その後それらはすぐにスペクトル予測に使用可能であることに留意されたい。深層学習とは、2つ以上の層を有する訓練可能なモデルを指す。機械学習とは、1つ又は複数の層を適用する層構造を含む、任意の構造を有する訓練可能なモデルを指す。これらのモデルは、機能モジュール及び/又は物理モジュールに埋め込まれてもよい。したがって、本明細書で訓練可能なモジュールに言及する場合、機械学習、深層学習、又は他の種類のモデルなどの訓練可能なモデルを実装する機能モジュールを意味する。そのようなモデルは、用いられる場合、典型的には(訓練フェーズで)予め訓練され、動作中に変更(更新)されない。しかしながら、本開示は、いかなる特定のスペクトル占有予測にも限定されない。また、訓練済みモジュールを用いずに、統計モデル又は他のモデルを使用して実行されてもよい。
【0020】
スペクトル占有予測の非限定的なアプリケーションの1つは、移動通信ネットワーク(たとえば、4G、5G、6Gなど)又はワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)などのいくつかのワイヤレスネットワークにおける無線リソース管理及び/又はスペクトル割り当てのためのものである。一般に、スペクトル占有予測はコグニティブ無線システムで利用され得る。
図2は、コグニティブ無線におけるスペクトルセンシングの使用例を示している。無線環境210は、複数のBS及びUE並びに/或いは他のエンティティ、たとえば
図1に示すようなものによって形成されてもよい。次いで、エンティティのうちの1つ又は複数がスペクトルセンシング220を実行してもよい。スペクトルセンシングは、デバイスが信号を送信する前に、他のデバイスが既に送信しているか否かをリスニング(listen)(検出)する手続きである。そのようなアプローチは、WLAN並びにセルラーシステム又は他のシステムによって使用される場合があるアンライセンススペクトル部分など、異なるシステムによって使用される場合があるスペクトル部分で特に有用である場合がある。ステップ220において送信用の帯域が利用可能であると検出された場合、ステップ240においてそのスペクトルを送信に使用することが決定されてもよい。ステップ220においてスペクトルが利用可能でない場合、ステップ230において異なるスペクトルが選択されて利用されてもよい。以て、250においてスペクトルが効率的な方法で共有されてもよく、スペクトル利用情報が無線環境210によってさらに検討されてもよい。ここでは、無線環境によってスペクトル占有予測を実行して、予測結果に基づいてセンシングするスペクトルを選択してもよい。スペクトル占有予測は、CNN又はLSTM(一般的には、リカレントネットワーク)などのニューラルネットワーク(複数可)を用いてもよい。
【0021】
将来のワイヤレスデバイスは、通信アプリケーションをサポートするために、並びに/或いは他の幅広いアプリケーション、たとえば、完全に没入型の拡張現実、スマート環境の実現による生活の質の向上、非侵襲的検査及びバイタルサインモニタリングなどによる健康関連のアプリケーション等々を提供するために、センシング対応であること、又は場合によってはワイヤレスセンサのみとなることが期待されている。ワイヤレスセンシングアプリケーションは、周期的又は連続的なセンシング送信を必要とする場合がある。しかしながら、全てのセンシング/センシング対応デバイスが自身のセンシング送信を送信すること許可すると、スペクトル効率が低下し、ライセンス不要帯域で動作するネットワークのパフォーマンスが低下する場合がある。さらに、センシング送信は周期的であるので、日和見的にスケジューリングされる場合、又は日和見的なチャネルアクセスメカニズムを有する場合、通信送信への干渉を引き起こす可能性が高い。この問題は、センシングを意識したチャネルアクセス及びセンシング調整プロトコルを規格に含めることによって解決することができる。しかしながら、これらは同じネットワーク内のセンシング及びデバイスの通信及び調整しか可能にしない。同時に、これにより制御信号伝達(signalization)のオーバーヘッド及び複雑さが増加する。ワイヤレス通信のトレンドは、同じエリア内に多数のワイヤレスネットワークが共存する分散型の最小限の調整のネットワークに向かっている。そのため、将来のセンシング送信を送信前に識別及び予測するための方法又は識別及び予測する行為が規格で必要になる。これにより、デバイスはリソースをより適切に割り当て、送信をスケジューリングすることが可能になる。
【0022】
ワイヤレスセンシングは、受信した(たとえば、反射された又は直接受信した)電磁信号の測定を通じて環境の情報又は認識を取得するプロセスである。この定義では、たとえば、スペクトル/チャネルセンシング、レーダー、統合されたレーダー及び通信、WLANセンシング、及び他の方法などのプロセスをワイヤレスセンシングの方法と考えることができる。ほとんどのワイヤレスセンシングの方法は、周期的又は連続的な送信パターンを有する。一例はレーダーとすることができ、連続的な信号又は周期的なパルスが送信される。他の例はチャネル状態情報(CSI:channel state information)ベースのWLANセンシングとすることができ、パケットがある周期で送信される。センシング送信は、特定のフレーム設計又は送信メカニズムを含む場合があり、これはいくつかのセンシングアプリケーション(複数可)に固有のものであり、センシングアプリケーションの要件及び環境条件に基づいて異なる場合がある。周期はセンシングアプリケーションにとって重要な条件であり、その理由は、他のデバイスからの干渉、送信をスケジューリングできないこと、又はチャネルアクセスプロトコルを使用してチャネルにアクセスできないことに起因して送信/受信信号の周期が乱れると、測定が乱れる場合があるためである。これにより、誤警報、検出の見逃し、センシングされた情報の分解能の低下、センシングアプリケーションの全体的なパフォーマンスの低下が発生する場合がある。アプリケーションによっては、これによって重大な金銭的影響又は生命の危険が生じ得る。
【0023】
信号識別により、デバイスは、帯域幅、スペクトログラム画像などの信号のいくつかの特性に基づいて、ワイヤレス技術(LTE、5Gなど)、波形、変調タイプなどの信号のいくつかの特徴を識別することが可能になる。同期又は認証の目的で特定の特性が識別されるいくつかのアプリケーションが存在する。また、主要なユーザのスペクトル占有ステータスを識別するために使用されるスペクトルセンシングが知られている。しかしながら、これには連続的なスペクトルセンシングが必要になる場合がある。或いは、スペクトル予測技術を使用して、スペクトルセンシングに必要な時間、エネルギー、計算オーバーヘッドを節約することもできる。
【0024】
上記の技術は多数のアプリケーションで成功を収めているが、将来及び現在のセンシングアプリケーションに関する完全な情報を提供するものではない。ネットワーク内のこれらのアプリケーションは、上位層の情報を使用して予測することができる。しかしながら、異なるネットワーク又はデバイス間でスペクトルが共有される場合に問題が発生する。これは、アクセスポイント(AP)/基地局(BS:base station)/他のデバイスがこれらの送信を認識せず、送信がAP/BS/他のデバイスのセンシング方法に適していない場合があり、又は干渉を引き起こすためである。この状況では、スペクトル占有予測技術を使用してスペクトル占有を予測することができる。
【0025】
将来のワイヤレス通信では、いくつかのワイヤレスセンシングアプリケーションが存在し得る。一般に、センシングアプリケーションは連続的な信号(何らかの周期性を有する)を使用するので、スペクトル効率が大幅に低下する場合がある。これは、多数のセンシングアプリケーション/デバイスが同時に及び/又は同じエリアで使用される場合に特に当てはまる。いくつかの実施形態及び例示的な実装は、受信信号のいくつかの特徴に応じたセンシングアプリケーションの識別及び予測のための方法及び装置を提供する。センシングアプリケーションが既知の場合、他のデバイスはそれに応じて、他のアプリケーションと干渉することなく自身の送信をスケジューリングし、又は現在のセンシング送信を自身のセンシングアプリケーションに利用することができる。以て、スペクトル、電力、及び他のリソースを効率的に使用することができる。
【0026】
本開示には2つの態様、すなわち、センシングアプリケーションの識別及びセンシングアプリケーションの予測がある。センシングアプリケーションの識別では、最初のステップは、信号が通信信号であるかセンシング信号であるかを識別することである。これを識別するには、周期及びフレーム構造並びに他の特徴を使用することができる。これらについては以下で詳述する。
アプリケーションのタイプの検出:周期
【0027】
センシング信号は、特定のレート又は周期で送信される場合がある。検出対象の特徴及び分解能又は精度に応じて、信号を様々なレートで送信することができる。一方、通信信号は典型的にはよりランダムであり、大きな周期性を有さない(スケジューリングの性質により、2~3パケットでは周期的になる場合があるが、長期的には周期的ではなくなる)。例示的なセンシング信号を
図3に示す。
【0028】
使用できるレーダー波形には様々なものがある。最も一般的なものは、パルスレーダー及び周波数変調連続波(FMCW:frequency modulated continuous wave)チャープレーダーである。パルスレーダーでは、
図3に示すように、信号は総フレーム時間のうちの一部の時間中は「オン」(又は送信される)になり、残りの時間は「オフ」(送信されない)になる。信号が「オン」又は「オフ」である持続時間(デューティサイクル)により、レンジとレンジ分解能との間にトレードオフが与えられる。「オン」期間が長い(パルス幅が広い)とレンジは向上するが分解能は低下し、逆も同様である。FMCWチャープは連続的(オフ時間なし)であり、相対速度を検出することもできる(パルスレーダーは何らかの変更なしではこれを実行することができない)。
【0029】
信号がセンシングアプリケーションの信号であるか通信アプリケーションの信号であるかを判定する目的で、たとえば、信号の周期を決定することなく、信号が連続的で特定の波形を有するか否か、又は信号が周期的な信号であるか否かを識別すれば十分である場合がある。しかしながら、本開示はこれに限定されず、周期が識別されてもよく、これは判定の信頼性に寄与する場合があり、これを使用してセンシングアプリケーションをさらに識別してもよいことに留意されたい。
アプリケーションのタイプの検出:フレーム構造
【0030】
センシングアプリケーションの要件に応じて、異なるフレーム構造をワイヤレスセンシングに使用することができる。センシング送信は、いくつかのワイヤレス通信規格における知られているフレーム構造を有する場合がある。このフレーム構造は、場合によっては、
図4の第2及び第3のフレーム構造に示すように、センシングに使用されてもよいより適切なパイロット又は訓練シーケンスを有し、その上データ伝送をサポートしてもよいということを除いて、データ伝送フレーム構造と似ている場合がある。
【0031】
特に、
図4は最初の行に例示的な通信伝送フレーム構造を示しており、これは、プリアンブル部分、データ部分(ここでペイロード又は上位層シグナリングが伝送されてもよい)と、チャネル推定及び/又は同期などに使用されてもよい2つの訓練シーケンス(TRN SEQ)部分とを含む。2行目には、例示的なセンシング伝送フレーム構造を示している。見て分かるように、このフレーム構造ではデータは伝送されない。訓練シーケンスTRN SEQの代わりに、センシングシーケンスSENS SEQが提供されている。3行目では、統合されたセンシング及び通信(JSC:joint sensing and communication)伝送フレーム構造が用いられており、これはセンシングフレーム構造に似ているが、通信フレーム構造に示すようにDATA部分も含む。しかしながら、これらの3つの例示的なフレーム構造は単純化した例にすぎず、実際のフレーム構造は、様々なプリアンブル部分、訓練部分、センシング部分、データ部分、及び場合によってはさらにシグナリング部分又は他の部分(たとえば、パディング部分)を搬送するより多くの部分(フィールド)を含む場合があることに留意されたい。
【0032】
さらに、ワイヤレス通信規格に準拠していないデバイスは、データ伝送のフレーム設計とは異なる場合がある様々なフレーム設計を使用する場合がある。
アプリケーションのタイプの検出:さらなる特徴
【0033】
周期及びフレーム構造に加えて、通信信号及びセンシング信号で異なる任意の種類の特徴を周期及びフレーム構造と共に使用して、それらを識別し、又は識別に寄与することができる。たとえば、波形は様々な異なる規格によって特徴がある場合があり、場合によってはセンシングシステム及び通信システムで異なる場合もある。まとめると、第1のステップとして、いくつかの実施形態によれば、信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号であるか、通信アプリケーションによって生成された信号であるか(否か)が判定されてもよい。いくつかの例示的な実装では、検出はまた、通信アプリケーション、JSCアプリケーション、及びセンシングアプリケーションを区別してもよい。そのような区別は、リソース使用のパターンの識別、及びソースアプリケーション若しくは規格又はデバイスの識別に役立つ場合がある。
【0034】
信号がセンシング信号である場合、第2のステップ(信号が通信アプリケーション又はセンシングアプリケーションのいずれによって生成された信号であるかを識別した後)は、その特徴、すなわち、周期、帯域幅、センシングの持続時間、及び/又は同様のものを使用して、信号が属するセンシングアプリケーションを識別してもよい。これらの特徴の一部については以下で詳述する。
アプリケーションの識別:周期
【0035】
センシングアプリケーションによって、予め定義された又は予め決定された周期が異なる場合がある。上記のように、周期は、信号が送信される時間間隔(オン)と、信号が送信されない時間間隔(オフ)とを含む場合がある。
【0036】
周期はセンシング送信の伝送レートに対応し、測定値(センシングタスク)の時間分解能に対応する。一般に、高速に変化するアクション/モーション/オブジェクトを検出するためのアプリケーションには、より高い周期又はパケットレートが必要であり、その逆も同様である。レーダーのパケット(波束、パルス)レートが低いことは、最大レンジが長くなる要因となり得る。これは、パケット間でレーダーが反射をリスニングするためである場合がある。いくつかの実装では、パケットレートが高くなるほど、受信機が反射をリスニングする必要があり得る時間が短くなる。発生する反射が、送信信号による干渉の影響を受ける場合がある。遠くのオブジェクトからの反射は、受信機に届くまでにより長い時間がかかる場合がある。その時点で他のチャープ又はレーダー信号が送信された場合、反射信号が存在するか否か、及び反射信号がどの送信信号に属するかを判断することが困難になる場合がある。さらに、最大レンジは送信電力に関係する場合がある。
【0037】
たとえば、CSI、受信信号強度(RSS:received signal strength)、又は受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)を使用するWi-Fiセンシングアプリケーションの場合、ジェスチャ認識には100パケット毎秒(パケット/秒)が使用される場合があり、睡眠モニタリング(位置及び呼吸数)には5~20パケット/秒が使用される場合がある。
【0038】
たとえば、ジェスチャ認識の場合、これらの測定値から特定の種類のモーションのパターンを抽出し、これを使用して新たな測定で同じモーションを検出することができる。或いは、学習アルゴリズムを適用して、測定値を特定のグループ/アクションにクラスタリング又は分類することができる。ここでのパケットレートにより、測定分解能が決まる場合がある。検出対象のアクションが高速に変化するものである場合、より高い分解能が必要になる場合がある。
【0039】
まとめると、センシングアプリケーションの識別は、信号の周期のみに基づいて、又はさらなる特徴と組み合わせて実行されてもよい。
アプリケーションの識別:帯域幅
【0040】
特定のセンシングアプリケーションで必要になる場合がある、より優れたレンジ分解能及び粒度の細かいCSI情報を得るには、広い帯域幅が必要になる場合がある。たとえば、高解像度のワイヤレスイメージング又は微小なオブジェクト及びモーションの検出などのアプリケーションには、より広い帯域幅が必要になる。いくつかのワイヤレスセンシングプロセスでは、帯域幅が訓練/センシングシーケンスのサブキャリアの数及び配置にも影響を与える場合がある。いくつかのアプリケーションでは、異なるサブキャリア周波数が、異なるモーション/アクションによって異なる影響を受ける。したがって、帯域幅が広いほど、より多くの情報を収集可能にすることができる。逆に、センシング方法がRSS/RSSIなどの他の測定値に依存する場合、デバイスは搬送波周波数のみで測定を行ってもよく、帯域幅はあまり重要ではない場合がある。直感的には、これらのセンシングアプリケーションは、たとえば電力を節約し、場合によっては実装コストを節約するために、より狭い帯域幅の送信を使用することになる。したがって、センシングアプリケーションによって占有される帯域幅によって、異なるオブジェクトサイズを対象とするセンシングアプリケーション、並びにオブジェクトを全くセンシングしないアプリケーションなどが区別される場合がある。
アプリケーションの識別:センシングの持続時間及び開始/終了時間
【0041】
Wi-Fiデバイスが継続的に環境をセンシングすることは、アプリケーションがそれを必要としない場合、又はアプリケーションが終了した場合に、合理的でない場合がある。たとえば、完全に没入型のビデオゲームは、1日の特定の時間に数時間しか継続しない場合がある。しかしながら、ホーム/部屋モニタリングアプリケーションは24時間・週7日、又はアプリケーションがユーザによってオフにされるまで継続する。同様に、睡眠モニタリングアプリケーションは夜間にしか継続しない。運動中のバイタルサインのモニタリングは数時間しか継続せず、スケジュール通りに行われる可能性が最も高い。したがって、センシング信号の送信持続時間及び開始/終了時間もセンシングアプリケーションを示すことができる。
センシングアプリケーションの識別:さらなる例
【0042】
まとめると、センシングアプリケーションは、上記の特徴のうちの1つ又は複数或いは全てに基づいて識別されてもよい。さらに、波形、時刻、曜日、又は通日などのさらなる特徴が使用されてもよい。センシングアプリケーションの識別に言及する場合、たとえば、レーダー信号、及び医療/ヘルスケア測定報告、並びに/或いは他のセンシングアプリケーションを区別することを意味する場合がある。
【0043】
一例の目的で、センシングアプリケーションの識別のための環境は、ローカルネットワーク又はエリアネットワークであってもよく、これらはホームネットワーク、又はいくつかの建物がある近所の通りをカバーするネットワークであってもよい。しかしながら、本開示はいかなる特定の規模にも限定されない。たとえば、通りは活発であり、自動運転車が定期的に通過する。自動運転車は、FMCW信号を使用してレーダーセンシングを実行している。さらに、高度道路交通システムの路側機も、車両及び歩行者の交通に関して道路をセンシングしている。建物は、個人住宅及びオフィス、公共/政府の建物、学校、ホテルなどであってもよい。建物は、ホーム/オフィスモニタリングセンサ、ジェスチャ認識センサ、睡眠モニタリングセンサなどの関連するワイヤレス環境センサ、並びに様々なアプリケーション、通信、又はその他のもののためにセンシングを実行する多数のWLANデバイスを含む。
【0044】
以下では、ホームモニタリングセンサ、ジェスチャ認識センサ、及び睡眠モニタリングセンサを有する個人住宅の例について詳しく説明する。また、全ての周波数帯域に多数の通信デバイスが存在する。まとめると、初期シナリオのセンシング要素及び例示的なパラメータは以下に列挙したとおりであってもよい。
(可動)自動運転車:
●単一の送受信機
●FMCWレーダー波形
●周波数=6GHz
●帯域幅(BW)=40MHz
●周期=100パケット/秒
(静止)路側機:
●単一の送受信機
●FMCWレーダー波形
●周波数=60GHz
●BW=1GHz
●周期=100パケット/秒
ホームモニタリング:
●2つのAP及び5つのセンシング/応答ノード
●Wi-Fi物理層プロトコルデータユニット(PPDU:Physical-layer Protocol Data Unit)フレームフォーマット
●周波数=2.4GHz
●BW=20MHz
●周期=100パケット/秒
睡眠モニタリング
●1つの送信機及び1つの受信機
●Wi-Fi PPDU
●周波数=60GHz
●BW=20MHz
●周期=10パケット/秒
ジェスチャ認識
●1つのAP及び5つのセンシング/応答ノード
●FMCWレーダー波形
●周波数=60GHz
●帯域幅=120MHz
●周期=100パケット/秒
【0045】
上記の例から分かるように、アプリケーション間の区別を可能にする1つ又は複数の特徴が存在する。上記の例は架空のものであり、測定値は変更されてもよく、これによって正確な区別がより容易になる場合もあれば、より困難になる場合もあることに留意されたい。ここでは、これらの5つの特徴(送信機及び/又は受信機の数、フレーム構造/波形、搬送波周波数、帯域幅、及び周期)は単なる例示であることに留意されたい。一般に、センシングアプリケーションの識別に求められる分解能に応じて、これら5つの特徴のうちの1つ又は複数、並びに/或いはセンシングアプリケーション間を区別(又は区別に寄与)可能な他の任意の特徴が使用されてもよい。例示的かつ非限定的な実装では、特徴は上記のように検出可能であってもよい。送信機及び/又は受信機の数に関して、送信デバイス又はAP/STAを識別するためにPHY認証で使用されるRFフィンガープリンティング又は他の識別技術によって検出されてもよい。
【0046】
上記のような送信パラメータは、ヌルデータパケット(NDP)サウンディングに使用されてもよく、したがってセンシング動作パラメータに対応してもよい。チャネルの測定は典型的にはNDPによって行われるので、センシングアプリケーションのパフォーマンス要件を満たすためには、NDPの送信パラメータのネゴシエーションが重要になる場合がある。
【0047】
ある環境内で、一意的なセンシングアプリケーションに属する複数のセンシングセッションが同時に発生し得る。信号カバレッジが重複するいくつかのデバイスが存在することによって、様々な構成が存在する場合がある。いくつかの例示的な構成オプションは以下である。
a)主に自身のセンサによって環境をセンシングする自動運転車などのスタンドアロンデバイス
b)AP-非AP STA、非AP STA-非AP STA(ポイントツーポイント、P2P)センシング、並びに/或いは統合されたセンシング及び通信
c)AP-複数の非AP STA、非AP STA-複数の非AP STA(ポイントツーマルチポイント、P2M)センシング、並びに/或いは統合されたセンシング及び通信
【0048】
既に上記で述べたように、(測定値に基づく)いくつかの例示的なタイプのセンシングには、以下が含まれてもよい。
●上記のレーダーベースのセンシング(これは遅延の測定、又は遅延並びにドップラーシフトの測定に基づいてもよい)
●CSIベースのセンシング
●RSSIベースのセンシング
●SNRベースのセンシング(たとえば、センシングビームSNR)
【0049】
トリガベースのセンシングの場合、センシングセッションセットアップ中にセンシング動作パラメータがネゴシエートされる場合がある。これにより、パラメータがセッション中に1回しか送信されないという利点が得られる場合がある。一方、それらはセッション中に変化する要件に適応させることができない。これを行うには、セッションを終了して再ネゴシエートする必要がある。
【0050】
他の選択肢は、測定セットアップ中にセンシング動作パラメータをネゴシエートすることである。そのようなネゴシエーションにより、センシング動作パラメータを必要な頻度で送信することができる。一方、応答側のSTA(RSTA:responding STA)はこれらのパラメータをサポートすることができない場合がある。
【0051】
STA又はAPなどのセンシングデバイスの有利な実装では、動作パラメータのネゴシエーションは、センシングセッションセットアップで強制的に実行され、任意選択により測定セットアップで実行される。動作パラメータは、測定セットアップで(再)定義されない場合、センシングセッションセットアップでネゴシエートされた動作パラメータと比較して無変更のままであると想定される。したがって、例示的なSTA又はAPは、セッション開始時にセンシング動作パラメータをネゴシエートするように構成され、測定セットアップ内で動作パラメータをネゴシエートするようにさらに構成されてもよい。たとえば、チャネル状態などに基づく条件が存在する場合があり、それに従ってセンシングデバイスは、最初にネゴシエートされたセンシング動作パラメータを(再)ネゴシエートするか否かを判定する。
【0052】
上記で論じた動作パラメータの中で、センシングの品質及びレート(場合によってはさらに計算の複雑さ)により大きく影響を与える可能性のあるパラメータは以下である。
●要求センシングレート(センシングが実行される頻度を指定し、これは、たとえば、送信デバイスによって送信される1秒あたりの最小フレーム数によって与えられてもよい)
●帯域幅又はチャネル幅(たとえば、中断のない(周波数ドメインで連続した)送信帯域幅を指定する)
●ビーム幅(たとえば、相対的なビーム幅(これはたとえば、60GHzを超える帯域の場合、粗い、中間、細かい、の3つのレベルなどのレベルによって与えられる))
●送信出力電力(たとえば、送信の許容される最小及び最大の送信出力電力を指定する)
【0053】
以下では、これらのセンシング動作パラメータ及びそれらの影響についてより詳細に論じる。
【0054】
要求センシングレートは、NDP及び対応する測定値の頻度によって表されてもよく、測定値の時間ドメイン分解能を決定する。センシングアプリケーションによって、時間分解能の要件が異なる場合がある。たとえば、ジェスチャ認識は、上記の睡眠モニタリング(5フレーム/秒でもまだ良好に機能する)よりも頻繁な測定(たとえば、100フレーム/秒)を必要とする。NDP及び対応する測定値が少なすぎる場合、測定値が古くなる(期限切れになる)場合があり、これはNDP繰り返し周期内でチャネル条件が変化したことが原因である場合がある。一方、NDP及び対応する測定値が多すぎる場合、ネットワークトラフィックが不必要に増加する場合がある。時間あたりの一定数の測定値を超える測定値は、センシングパフォーマンスの大幅な向上にさらに寄与しない場合がある。厳格な(固定の)レートでNDPを送信することは、機器の欠陥、その時点で空きチャネルがないこと、及び/又は衝突の可能性若しくはさらなる要因により、適切でない場合があることに留意されたい。同様の理由で、連続する送信間の時間間隔は常に正確に実現可能でない場合がある。したがって、要求センシングレートを指定する有意義な動作パラメータは、送信デバイスによって送信される1秒あたりの最小フレーム数である場合がある。或いは、又はそれに加えて、1秒あたりの平均フレーム数が指定されてもよい。
【0055】
帯域幅は、レーダーセンシングのレンジ分解能に影響する。帯域幅が広いほど、分解能が高くなる。自動運転車及びV2Vのシナリオでは、802.11pのPPDUを使用するレーダーが研究されており、許可された10MHzの帯域幅では、典型的に望まれるレンジ分解能(ひいては目標の分離能)には十分ではなく、約100MHzが十分であり得るということ分かっている。したがって、帯域幅がネゴシエート可能な場合、そのようなアプリケーションでIEEE802.11bfの改正を使用することができる。帯域幅により、CSIベースのセンシングのフレームあたりの測定値の数も増加するので、圧縮されたCSIメトリックが報告される場合でも、より多くの情報が捕捉される。
【0056】
ビーム幅の定量的な値の決定又は標準化は、ハードウェアに大きく依存する場合がある。したがって、送信デバイスの能力を反映する相対的又は定性的な用語を決めると有利である。たとえば、上記のように、60GHzを超える帯域幅での送信のビーム幅は、デバイスの能力に対する相対的なNDPのビーム幅である。そのような相対値は、たとえば、粗いビーム、中間のビーム、及び細かいビームであってもよい。しかしながら、本開示はこれに限定されず、一般に、2つのレベルのみ(たとえば、広い及び狭い)、又は4つ以上の値が存在してもよい。一般に、本開示の実施形態はまた、上記の相対値ではなく、ビーム幅を直接示すことによって実装されてもよいことにも留意されたい。
【0057】
レーダーベースのセンシングでは、送信電力は、測定できるレンジ又は距離に直接関係する。アプリケーションの中には、送信機から特定の半径内にあるオブジェクトにしか関心がないものがあり得る。送信出力電力を動作パラメータとして有することにより、不必要な反射及び計算が防止されるので、これらの反射が除去され、電力が節約され、干渉が低減され、スペクトルの再利用が改善される、などとなる。帯域幅の場合と同様に、NDPはその信号伝達にTx電力を含めてもよい。しかしながら、センシング送信機がセンシング受信機と同じでない場合、依然として送信電力をネゴシエートする必要がある場合がある。送信出力電力の固定値を決定することは、規格又は干渉軽減技術によって規定される他の制約により、常に可能ではない場合がある。動作パラメータを提供するために、送信電力は、センシングパフォーマンスを実現するために要求される信号の最小及び最大送信出力電力としてネゴシエート(ひいては定義)されてもよい。
【0058】
一般に、本開示の一実施形態によれば(これは、共存するワイヤレスセンシングアプリケーション並びに統合されたセンシング及び通信アプリケーションに関する上記の実施形態と組み合わせられてもよい)、センシングセッションセットアップで動作パラメータのネゴシエーションが実行される。さらに、動作パラメータのネゴシエーションは測定セットアップで実行されてもよい。たとえば、NDP送信及び/又は受信デバイスは、大きく変化するチャネル条件の測定などの何らかのイベントに基づいて、測定セットアップでネゴシエーションを開始してもよい。そのようなイベントが発生したか否かは、チャネル状態の変化又は受信電力などに関する特定の閾値を超えることなどの条件に基づいて判定されてもよい。
【0059】
動作パラメータは、測定セットアップで定義されていない場合、無変更であると想定される。
【0060】
以下のパラメータのうちの1つ又は複数(或いは全て)は、有利にはセンシングセッションセットアップフェーズでネゴシエートされ、任意選択により測定セットアップフェーズでネゴシエートすることができる。
●要求センシングレート
●帯域幅又はチャネル幅
●ビーム幅
●送信出力電力
【0061】
本開示はさらなるパラメータを追加することを排除しないことに留意されたい。たとえば、送信及び受信アンテナの数は、ビーム幅に加えて、利用可能なハードウェアに関するさらなる情報を提供することができる。
【0062】
特定の例示的な実装によれば、要求センシングレートは、送信デバイスによって送信される1秒あたりのセンシングフレームの最小数である。帯域幅は、センシング送信の連続した帯域幅である。60GHzを超える帯域幅での送信のビーム幅は、デバイスの能力に対する相対的なNDPのビーム幅である。区別(ネゴシエート)することができる3つの可能な幅を示す値があってもよい。送信出力電力は、センシングパフォーマンスを実現するために要求される信号の最小及び最大送信出力電力であってもよい。
【0063】
以下の表には、異なる値がセンシング又は通信のパフォーマンスにどのように影響し得るかを示す、知られている例示的なユースケースを示している。
【0064】
特に、表1は要求センシングレートに関連している。ここでは、一部のアプリケーションに関する、他の送信に対するセンシング送信の割合を示している。たとえば、存在検出の場合、センシング送信により最大で2%のネットワーク負荷が発生する。これは周期に関係し、ひいては要求センシングレートに関係する。
【表1】
【0065】
以下の表2は、連続した帯域幅又はチャネル幅に関連している。特に、帯域幅Bは、レンジ分解能(これには分離能が関係する)ΔR、ΔR=c/(2B)、及び最大速度v_max=λB/2に以下の影響を及ぼし、ここで、λは信号の波長である。
【表2】
【0066】
さらに、表3は、ビーム幅が角度分離能(分解能)に及ぼす影響、ひいては様々なアプリケーションに及ぼす影響を示している。60GHzの帯域幅(及びそれ以上)の場合、角度分解能Δθは、
【数1】
で与えられ、ここで、θはビーム幅であり、Rはスラントレンジである。
【表3】
【0067】
表4は、特定のアプリケーションに必要な最大レンジを示している。最大レンジは送信電力に比例する。
【表4】
【0068】
上記の例示的なセンシングアプリケーション要件(又はより一般的には特性)から分かるように、それらによって多種多様な異なるセンシングアプリケーションを区別することができる。したがって、帯域幅、センシングレート(周期)、ビーム幅、及び/又は送信電力は、本開示の実施形態及び例示的な実装のいずれかで説明しているように、センシングアプリケーション識別に入力される特性として使用されてもよい。
【0069】
以下に、センシングアプリケーションの識別が、自身のセンシングのために使用される例を提供する。たとえば、センシングデバイス及び通信デバイスは最初に自身の信号を送信している(簡単にするために、相互に干渉がないものとし、干渉がある場合、これは通常のケースであるが、結果は識別精度に関して影響を受ける場合がある)。路側機は極めて重要なセンシングアプリケーションであるので、継続的に信号を送信している。ジェスチャ認識アプリケーションは極めて重要ではなく、オンデマンドのアプリケーションである。ジェスチャ認識アプリケーションが開始されると、センシングデバイスはまず、自身が必要とする周波数帯域(60GHz)におけるスペクトルのスナップショットを取得して分析する。睡眠モニタリングデバイス及び路側機からの2つの周期的な送信が存在することに気づく。その他の信号は破棄され、ジェスチャ認識デバイスはこれらの信号をさらに分析し、それらのパラメータを自身が必要とする送信パラメータと比較する。2つの送信のうち、路側機の送信は、同様の波形(FMCWレーダータイプ)、周波数などを適用するので、ジェスチャ認識アプリケーションにより適している。したがって、ジェスチャ認識アプリケーションは、自身の信号を送信するのではなく、路側機の信号を利用してもよい。両方のアプリケーションのいくつかの性質(波形、周波数、周期)が同様であるので、これは可能性がある。帯域幅要件のみが異なる場合がある。たとえば、路側機の帯域幅は、典型的にはジェスチャ認識よりも広い場合がある。したがって、路側機信号の帯域幅はジェスチャ認識には十分である。その結果、スペクトルがより効率的に使用され得る。或いは、自身の必要な信号パラメータ及び利用可能な信号パラメータを比較せずに、ジェスチャ認識アプリケーション(モジュール)は訓練フェーズに入ることができ、(ハードウェアの適合性に関して)処理可能な全てのセンシング送信を利用し、エラーが最小限になるか、又はセンシングアプリケーションのパフォーマンス指標を最もよく満たすものを選択する。
【0070】
ここで、この例では、センシングアプリケーションのスムーズな継続を可能にするために、ジェスチャ識別デバイスはセンシング送信が継続するようにする必要がある場合がある。これは、センシングアプリケーションを識別することによって行うことができる。センシング信号パラメータ及びアプリケーションの辞書から、又は学習技術によって、ジェスチャ認識デバイスは、使用しているセンシング信号が極めて重要なセンシングアプリケーションに属していることを認識又は決定することができるので、センシング送信が継続される。センシング信号パラメータ及びアプリケーションの辞書に言及する場合、アプリケーションの識別と、上記の周波数、帯域幅、波形などの特徴の値とが取り込まれた、予め記憶されたリストを意味する。センシングアプリケーションの識別は、統計アルゴリズムを用いて実行されてもよい。或いは、機械学習アルゴリズム又は深層学習アルゴリズムを使用して、信号を入力として受け取り、信号を発信したセンシングアプリケーションを予め定義されたセンシングアプリケーションのセットのうちの1つとして分類してもよい。信号そのままではなく、特徴の値を訓練済み(訓練可能な)モジュールに供給して、センシングアプリケーションの識別を出力する(信号を発信したセンシングアプリケーションを分類する)ハイブリッドアプローチが考えられる。
【0071】
また、同様の実施形態及び例示的な実装が諜報活動(signal intelligence)に使用されてもよい。換言すれば、敵のアプリケーションを識別することができ、それらが発生する前に何らかの警告を行うことができる。たとえば、敵が自己の兵士又は一般的には人々のモーションをセンシングしたいことを検出によって知った場合、スパイしようとしているのは明らかである。したがって、起こり得る危害を防ぐために何らかの警告を行うことができる。
【0072】
本開示は、予測制御メカニズムとして使用することもできる。たとえば、APはセンシングアプリケーションを識別し、以前に予測された信号と一致するか否かをチェックすることができる。そのような以前の予測は、たとえば、スペクトルのより効率的な使用、リソースの割り当てなど、コグニティブ無線におけるあらゆる目的で存在し得る。スペクトルを予測するために、Aygulらに示されたいずれかの方法を使用することができる。一方、センシングアプリケーションを予測する場合、将来のスペクトルに関する情報を提供する信号の周期が既知である場合がある。したがって、予測されたスペクトル(たとえば、Aygulらの方法によって予測されたもの)が、周期に基づく技術によって得られる予測されたスペクトルと一致するか否かをチェックすることができる。
【0073】
他の例として、上記で定義した環境では、他のセンシングデバイス又はアプリケーションがエリアに侵入する場合がある。まず、既存のセンシングアプリケーションを識別及び予測することができる。自身と類似又は同一のアプリケーションが存在する場合、これらのセンシング信号を自身のセンシングアプリケーションに利用することができ、新たな信号を生成する必要はない。その結果、必要な電力が削減され、干渉も減少する場合がある。また、スペクトルをより効率的に使用することができる。
【0074】
まとめると、上記で示したように、本開示は、最初に述べたスペクトル(占有)予測に決して限定されない。しかしながら、スペクトル予測もまた、例示的な実装において以下に提供するように、本発明のセンシングアプリケーション識別が適用され得るアプリケーションのうちの1つである。スペクトル占有予測のために(監視、脅威及びスパイの検出などの他の目的でも)、センシングアプリケーション予測が使用されてもよい。
スペクトル予測
【0075】
センシングアプリケーションの予測は、センシングアプリケーションの識別と同じくらい重要である場合がある。これにはいくつかの利点があり、以下のセクションで詳述する。センシングアプリケーションの予測は2つのステップを有する。最初のステップは、スペクトル占有を予測することである。このために、Aygul,M.A.、Nazzal,M.、Saglam,M.I.、daCosta,D.B.、Ates,H.F.、及びArslan,H.(2021)、「Efficient Spectrum Occupancy Prediction Exploiting Multidimensional Correlations through Composite 2D-LSTM Models」、Sensors2021、21、135:https://dx.doi.org/10.3390/s21010135(これは引用により本明細書に組み込まれており、以下ではAygulらと呼ぶ)で使用されている技術を使用することができるが、適用可能な技術は、そこに定義されている特定の技術に限定されない。スペクトルが空いている(利用可能である)場合、これは今後センシングアプリケーションが存在しないであろうことを意味する。満たされている(占有されている)場合、センシング信号であるか、スペクトル内に存在する通信信号などの他の信号であるかを定める必要がある。上記の通信信号及びセンシング信号を区別するために上述した特徴及び技術をこの目的で使用することができる。センシング信号である場合、そのアプリケーション(センシング信号を発信したアプリケーション)が識別される。センシングアプリケーションを予測するために、センシングアプリケーションの識別用に定義された技術及び特徴を使用することができる。このブロック図を
図5に示す。
【0076】
特に、訓練済みモジュール520への入力は、スペクトル510の測定値である。この例示的な図面では、スペクトル510は、たとえば、直交周波数分割変調(又は多重)又は一般的には他の様々な周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplex)アプローチなどの時間-周波数リソースベースのシステムではよくあるように、2次元の時間周波数グリッドとして表される。この例示的な実装における訓練済みモジュール520は、スペクトル占有検出という特定のタスクのために訓練された、機械学習モジュール又は深層学習モジュールなどの学習モジュールである。訓練済みモジュールの結果530は、特定の1つの時間インスタンス又はその後のいくつかの時間インスタンスについての特定のスペクトル部分のスペクトル占有の予測である。この結果に基づいて、評価ステップ540において、スペクトルが占有されていない場合(この例では2進数の零「0」で表す)、それ以上のアクションは行われない。スペクトルが占有されている場合(この例では2進数の一「1」で表す)、スペクトルを占有している信号が通信信号であるかセンシング信号であるかが判定される。評価ステップ550において、スペクトルを占有している信号が通信信号である場合、本明細書でセンシングアプリケーションの識別に焦点を当てている本開示の文脈では少なくとも、さらなる処理は必要ない。評価ステップ550において、スペクトルを占有している信号がセンシング信号である場合、この信号を生成したセンシングアプリケーションがさらに識別される。
【0077】
最初にスペクトル占有を見つけてからセンシングアプリケーションを見つける代わりに、深層学習などの学習アルゴリズムを使用して両方を実行することができる。深層学習はこの統合された作業を行うことが可能である。統合されたスペクトル占有及びセンシングアプリケーションの例の詳細は以下に提供する。
【0078】
訓練及びテストの2つの段階がある。訓練段階では、まずデータセットが収集される。このデータセットには、スペクトル測定値のセット、これらの測定値の2値の占有、及びセンシングアプリケーションのクラスが含まれる。訓練及びテストの後、推論フェーズ(本番フェーズとも呼ばれる)は、センシングアプリケーションの識別及び/又は予測のための訓練済みモジュールの実際の動作に対応する。本開示は特定のネットワークモジュール化に限定されないことに留意されたい。たとえば、上述のようにアプリケーションタイプ(センシング/通信)の認識を2ステップで実行することが考えられる。これは、2つの異なる別々に訓練されたモジュール(たとえば、2つの異なるニューラルネットワーク又は長短期記憶など)によって実行されてもよい。また、機械学習(訓練済み)モジュール及び統計アルゴリズムを混合して実行されてもよい。しかしながら、両方を実行するように、すなわち、入力に基づいて、入力が通信信号であるか、予め定義されたセンシングアプリケーションのセットのうちの1つであるかを判定するようにモジュールを訓練させることも可能である。以下では、後者のアプローチを例として論じる。
【0079】
訓練の前に、訓練データセットを様々な方法で取得することができる。たとえば、2値のスペクトル占有は、パワースペクトル密度(PSD:power spectral density)測定値(又は他のパワー若しくは振幅関連測定値)を特定の閾値に関して閾値処理することによって、取得されてもよい。いくつかの実施形態では、閾値は熱雑音のパワーに応じて調整される。雑音レベルは、測定値によって決定されてもよく、又は当技術分野で知られているようにして推定されてもよい。予期せぬ影響及び変動を考慮して、最終的な閾値を決定するために、3dBのマージンが追加で考慮されてもよい。特定の周波数帯域で測定されたPSDがこの閾値を上回っている(超えている)場合、この周波数帯域は占有されていると報告される。一方、この周波数帯域で測定されたPSDが閾値以下である場合、この周波数帯域は占有されていないと報告される(決定される)。
【0080】
Aygulらで説明されているように、測定値の収集後、入力データセットは時間、周波数、空間で取得することができる。出力に関しては、2つの異なるタスクが学習されてもよい。1つ目はスペクトル占有予測であり、2つ目はセンシングアプリケーションである。スペクトル占有予測は1単位の2値で表現することができる。換言すれば、スペクトル部分ごとに、スペクトルのこの部分が占有されているか否かを2値が指定する。センシングアプリケーションの識別では、いくつかの可能性のあるセンシングアプリケーションが存在するので、出力単位の数は、それら全てを表すために、センシングアプリケーションの数と同じである必要がある。ここで、スペクトルが占有されていると想定される場合(又は事前情報がある場合)、出力データセットとしてのセンシングアプリケーションのみを使用できることに留意されたい。それ以外の場合は、スペクトル占有をセンシングアプリケーションのクラスとして使用することができる。データセットが取得されると、入力データセット及び出力データセットに従って機械を訓練することができる。その後、テスト段階では、スペクトル占有予測及びそのアプリケーションを見つけることができる。ここで、スペクトル占有の代わりにスペクトルを予測できることに留意されたい。その場合、スペクトル占有の出力単位はスペクトル予測に変更され、たとえば、2値から数値に変更される。
【0081】
図6A及び
図6Bは、一般的なセンシングアプリケーションの図を示している。ここで、ワイヤレスセンサ(WS)送信機(Tx)610はワイヤレスセンサ送信機であり、WS受信機(Rx)690はワイヤレスセンサ受信機である。WS Tx及びWS Rxは同期しており、ワイヤレス信号伝達を通じて又は有線接続を介して相互に連携することができる。WS Tx610及びWS Rx690は、部屋600などの制限されたエリアに配置されている。同心円部分は、WS Tx610によって生成される電磁場(ワイヤレスセンシング信号)を示している。図から分かるように、WS Rx690はワイヤレスセンシング信号のレンジ内にある。上記で論じたように、ワイヤレスセンシング信号は、レーダー又はサウンディング信号などのセンシングパルス又は連続信号であってもよい。しかしながら、これはパケット形式などでの定期的な測定値の報告であってもよい。
【0082】
図6Aは、ワイヤレスセンシングハードウェアの例示的な構成にすぎない。他の構成は、2つ以上の送信機及び/又は2つ以上の受信機、送受信機などを含み得る。ここで、送受信機という用語は、受信機若しくは送信機又は両方の組み合わせを表す。最初に、WS Tx610は、
図6Aに示すように、検出対象がない(モニタリングされるオブジェクトサイズレンジ内にオブジェクトが存在しない)ときに、センシング信号を送信してもよい。WS Rx690はこれらのセンシング信号を受信し、たとえば、CSI又は任意の信号強度を示す測定値などの測定値を取得する。次いで、
図6Bに棒人間650として示す検出対象が存在する場合、測定値の変化がそれを示す。換言すれば、オブジェクト650の存在によってチャネルが変化し、ひいては受信信号が変化し、これはWS Rx690で検出することができる。これは、協力する送信機及び受信機WSが存在する一例にすぎないことに留意されたい。しかしながら、本開示はこれに限定されず、受信機の位置と異なる位置にある特定の送信機から送信された信号を検出する代わりに、いくつかのセンシングアプリケーションは、同じ位置に配置された送信機及び受信機を含む送受信機に依存してもよく、これはたとえばパルスレーダーであり、その場合、検出される信号は検出されたオブジェクトから反射された信号である。
【0083】
図7及び
図8は、さらに異なる例示的なセンシングシナリオを示している。領域内でセンシング及び通信を実行する異なるデバイスは、WS Tx及びWS Rxとして示すように、センシングデバイスのみであり得る。或いは、又はそれに加えて、AP(若しくは他のネットワークコントローラ/コーディネータ)とステーション(STA)との間、又はSTAと他のSTAとの間でセンシングが実行され得る。同時に、他のネットワークデバイスが通信し得る。センシングデバイスは、
図7に示すように見通し線(LOS:line of sight)であってもよく、
図8に示すように非見通し線(nLOS:non-line of sight)であってもよい。たとえば、
図7において、WS Txは第1のセンシング信号(点線)を送信する。AP1は他のセンシング信号(実線)を送信する。STA1はAP1からセンシング信号を受信してもよく、一方、WS RxはWS Txからセンシング信号を受信してもよい。しかしながら、いくつかのシナリオでは、STA1はWS Txからのセンシング信号も使用してもよく、WS RxはAP1からセンシング信号も受信してもよい。ここで、受信とは、存在を検出すること、及び場合によってはさらに処理することを意味し、すなわち、単にノイズの一部として受信することを意味しない。さらに、AP2及びSTA2は互いに通信しており、すなわち、通信信号を交換する。この単純化した例では、これら全てのデバイスがLoS内にある。これらのデバイスの一部又は全ては、同じスペクトル又は少なくとも部分的に重複するスペクトルで動作してもよい。
【0084】
図に示すように、センシング信号は異なる周期(これはセンシング信号を示す同心円部分の異なる密度によって示す)を有してもよい。この場合、他のワイヤレスデバイスとの直接的な通信又は調整を行わずにセンシングアプリケーションを識別することが有益な場合がある。センシング信号の検出に応答して、デバイスは、自身のセンシング信号を送信するのではなく、自身に適した信号を使用することができる。たとえば、STA1は、WS Txがセンシング信号を送信していることを検出すると、そのセンシング信号を、AP1からのセンシング信号に加えて又はその代わりに使用してもよい。1つのセンシング信号で十分な場合があるので、AP1がWS Txからのセンシング信号を検出し、自身のセンシング信号の送信を停止することさえ可能である。又はその逆に、WS TxはAP1がセンシング信号を送信していることを検出し、自身のセンシング信号の送信を停止する。当業者には明らかなように、センシングアプリケーション(センシングアプリケーションからの信号)がエリア内で検出された時点で、センシング環境の調整及び適応の様々な実装が提供されてもよい。
【0085】
図8は、デバイスの一部又は全ての間にLoSが必ずしも存在しないシナリオを示している。この図では、実際には、センシングエリア内に存在するデバイスSTA3、STA4、及びSTA5はいずれも、他のデバイスに対してLoSを有していないにもかかわらず、依然としてセンシング信号はセンシング信号受信デバイスで受信される場合がある。たとえばSTA5はSTA3及びSTA4に対してLoSを有さないが、依然としてそれらのセンシング信号を受信する場合がある。したがって、STA5は、自身の信号をオフにして、STA4又はSTA3などのセンシング信号を使用することを決定してもよい。上記で論じたセンシングアプリケーションの識別及び予測技術を使用することにより、デバイスは、信号がどのセンシングアプリケーションのものであるかを知り、その持続時間及び将来のスペクトル使用を予測し、干渉が生じないように自身の信号をスケジューリング(リソース割り当て)するか、又はこれらの信号を自身のセンシングアプリケーションに利用することができる。
【0086】
上記の説明では、いくつかの特定の例を示した。しかしながら、本開示はそれらの例に限定されない。むしろ、シナリオによっては、変形及び変更が有利である場合がある。たとえば、センシング信号と通信信号とで異なる特徴を使用してそれらを区別することができ、たとえば、フレーム構造、周期、分解能、RSS/RSSI値、又は将来の規格で定義されるセンシングのいくつかの特徴、たとえば、周期的なチャネルアクセスメカニズム、バックオフ動作、特別なセンシングシーケンス又は波形などがある。PSDの代わりにRSS/RSSIを使用して、スペクトル占有の検出及び/又は信号の測定を行うことによって、信号が通信信号であるかセンシング信号であるかを判定し、又は前記信号を発信したセンシングアプリケーションを決定することができる。たとえば、RSS/RSSI測定は、ほとんどの通信デバイスで造作なく利用することができ、ユーザのアクティビティ、すなわちスペクトル使用の大まかな定量化を与えることができる。ここでの「ユーザ」という用語はより広義に、デバイス上で動作する特定のアプリケーションを指す。
【0087】
本開示のいくつかの実施形態は、軍事防衛目的で、或いは家庭監視、家電製品、娯楽などの民間用途に使用されてもよい。たとえば、他の当事者によってどのセンシングアプリケーションが使用されているかを知ることができる。それに加えて、PSD値及びアプリケーション要件に基づいて、センサの位置を見つけることができる。たとえば、センシングアプリケーションが分かれば(これは、センシングアプリケーションが既知であり、訓練済みモジュールがそれを区別するように訓練されていることを意味する)、異なるアプリケーションは異なるRSS/RSSI値を必要とするので、RSS/RSSI値に関する知識を得ることが可能である。RSS/RSSIは送信機及び受信機の間の距離に依存する。したがって、センシングデバイス(たとえば送信機)の位置又は相対位置を少なくとも近似的に予測することが可能である。
【0088】
スペクトル占有予測、並びに/或いはセンシングアプリケーションの検出、識別及び/又は予測のために本開示で用いることができる多様な深層学習(DL)技術が存在する。例には、多層パーセプトロン(MLP:multi layer perceptron)、長短期記憶(LSTM:long short-term memory)などのリカレントニューラルネットワーク(RNN:recurrent neural network)、又は畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)などが含まれる。DL技術ではなく統計的方法を使用することもできる。センシング信号の識別及び予測は、必ずしもML技術及びDL技術のみで行われるわけではない。センシングアプリケーションの識別及び予測は、時間、周波数、空間、又は符号ドメインなどのいくつかのドメインで、統合的に又は別々に行うことができる。
【0089】
DLの出現により、人間ベースの特徴抽出/作成/エンジニアリングの必要性が軽減される。したがって、特徴抽出を行わずに、上記の方法を実際の測定値(PSD又はRSS/RSSI)に直接適用することが可能である。逆に、使用されるMLの「深層(deep)」属性は、より多くの特徴抽出を追加するという代償を払って削減され得る。極端なケースでは、弁別的特徴を抽出することが可能な場合には、DLを完全に回避し、MLを使用してもよい。一般に深層とは、2つ以上の処理層が用いられることを意味するが、機械学習は単一の層でも可能である。訓練及び訓練済みモジュールの設計では、分類器に供給されるベクトルの形に受信信号を拡張するのではなく、他の種類の拡張がさらに検討されてもよい。たとえば、他の2次元(2D)グリッド(たとえば、時間-周波数グリッド)として形成することができる。
いくつかの効果及び利点
【0090】
本開示の利点のうちの1つは、向上したスペクトル効率の提供である場合がある。センシングアプリケーションの場合、センシングに使用できる信号が既に存在する場合があるので、新しい信号を生成する必要がない場合がある。したがって、スペクトルの浪費を回避することができ、節約されたスペクトルを他のことに使用することができる。電力効率は、センシングアプリケーションの検出及び/又は識別のもう1つの利点である場合がある。追加の信号を送信する必要がない場合があるので、無駄な電力が少なくなる。これは、IoT及び他の電力に制約のあるワイヤレスセンシングデバイスにとって極めて重要である場合がある。上述のいくつかの実施形態によってリソース割り当てが容易になる場合がある。既存のWiFi規格には、ネットワーク間APの間の制御がない。したがって、スペクトルを効率的に利用しながら干渉を排除するには、異なるAP間の調整技術が必要になる。しかしながら、センシング信号の検出、識別、及び/又は予測に基づいてセンシング信号の送信を削減することによって、干渉も低減され得る。
【0091】
スペクトル占有予測を支援するために、センシング信号の周期に関する知識が使用されてもよい。信号がセンシング信号として識別され、その周期を決定することができる場合、将来(近い将来)の送信が予測され、より正確なスペクトル占有予測に使用されてもよい。
【0092】
また、センシングされた情報の学習が実行されてもよい。どの信号がセンシング信号であるかを知っている場合、他のデバイスからの送信を利用するだけで、信号を処理して環境に関する情報を知ることができる。
【0093】
ブラインド信号分析は、(たとえば、軍事)防衛又は民間用途に役立つ場合があり、センシング信号の情報が軍事偵察に使用される場合がある。たとえば、他の当事者が何をセンシングしたいのか、及び何をセンシングしているかを知ることができる。これは、ブラインド信号分析(又は他の方法)を使用してセンシング信号を分析することによって行うことができる。通信では、通信中の信号は典型的には個々のユーザ専用であるので、ノードが不正なノード(たとえば、盗聴者)でない場合、他人の信号を使用できない場合がある。しかしながら、センシングでは、センシングの信号は典型的にはプライベート/機密のデータ又は情報を搬送しないので、センシングアプリケーションの要件を満たすあらゆる種類の信号が使用され得る。
【0094】
ブラインド信号分析は商業用途にも使用されてもよく、本開示のいくつかの実施形態は、CR及びソフトウェア無線(SDR:software-defined radio)、公共安全無線、スペクトル効率の向上、スペクトルを共有する様々なネットワークの動作の最適化、テスト、通信デバイス及びセンシングデバイスの測定を可能にする又は容易にするために使用されてもよい。これは、ブラインド信号分析(又は他の方法)を使用してセンシング信号を分析することによって行うことができる。
【0095】
上記の利点はいずれも、複数のセンシングデバイス並びに統合されたセンシング及び通信(JSC)デバイスを現行及び次世代のワイヤレスネットワークに統合しやすくするのに役立つ。
【0096】
上述のように、一般的に言えば、一実施形態によれば、センシングアプリケーションを識別するための方法が提供される。この方法のフロー図を
図9に示す。この方法は、受信ワイヤレス信号を取得するステップ910と、訓練済みモジュールによって、受信信号内の(一般的には1つ又は複数の)センシング信号の存在を推定するステップ920とを含み、センシング信号はセンシングアプリケーションによって生成された信号である。この文脈において、取得することは、たとえば、送受信機フロントも含むデバイスなど、デバイスのいくつかの実施形態におけるワイヤレスインターフェースを介して受信することを指す。しかしながら、本開示のデバイスは、実際の送受信機から分離されてもよく、通信(受信した/送信する信号の制御及び取得/提供)するためのインターフェースを単に有してもよい。たとえば、取得することは、その場合、そのようなインターフェース又はストレージ/バッファなどから取得することであってもよい。訓練済みモジュールは、ML若しくはDLモジュール、又は他の種類の訓練済みモジュールであってもよい。一般に、本開示は、たとえば、いくつかの予め定義された特徴(たとえば、周期、搬送波、帯域幅、波形などを含む上記の特徴のうちの1つ又は複数)に基づいてセンシングアプリケーション間を区別する条件に基づいて、訓練済みモジュールを、ある種の統計アルゴリズム又は他の決定アルゴリズムを実装するモジュールによって置き換えてもよい。訓練済みモジュールと、何らかの決定ベースのモジュールとの組み合わせが考えられる。
【0097】
換言すれば、訓練済みの(たとえば、ML/DL)モジュールの代わりに、又はこれと組み合わせて、統計的方法又は決定論的方法などの他の種類の方法が推定に用いられてもよい。たとえば、信号が周期的に繰り返していることが観察された場合、そのようなセンシング信号の存在を検出するためにML又はDL方法は必要ない場合がある。センシングが行われているか否かを決定論的に判定することができる。同様に、センシングアプリケーションの識別の場合、特定のアプリケーションに関する予め定義された特徴のセット及びそれらの値を考慮して、識別が実行されてもよい。またさらに、センシングアプリケーションがネットワークタイプを検出するための特定のヘッダ情報を使用する場合、このヘッダ情報又は他のヘッダ情報を検出し、決定論的に使用して、アプリケーションの識別を決定してもよい。環境ごとにパラメータ(特徴及びそれらの値)並びにアプリケーションセットを定義することには欠点がある場合がある。したがって、展開シナリオに応じて、たとえば、決定論的又は確率的な区別が困難又は複雑であるより複雑なシナリオでは、訓練済みモジュールがより良い結果を提供する場合がある。
【0098】
さらに、
図9の方法は、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいて、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行すること930を含む。推定に応答して又は推定に従って取られるそのようなアクションのいくつかの例には、以下の例示的な実装が含まれる。
【0099】
複数の測定時間インスタンスにおけるセンシング信号の存否に基づいて、センシング信号の周期を決定する。これは、受信信号内のセンシング信号の存否検出を捕捉し、次いで、過去の捕捉した信号を分析することによって実行されてもよい。これはまた、特定のセンシングアプリケーションの波形を、他の信号からのノイズ及び干渉を含む場合がある受信信号と相関させることによって実行されてもよい。これは訓練済みモジュールによって実行されてもよい。信号の周期は、スペクトル占有予測を改善するために、たとえばスペクトル占有予測への追加入力又はフィードバックとして、さらに使用されてもよい。スペクトル占有予測に基づいて、信号のスケジューリングがワイヤレスデバイス(STA、AP、WSなど)において実行されてもよい。たとえば、スペクトル占有予測(たとえば、識別されたセンシング信号の周期に基づく)により、識別されたセンシングアプリケーションによってスペクトルの特定の部分が使用されることが示されている場合、ワイヤレスデバイスは、(センシングアプリケーションで予測されたものとは)異なるスペクトル部分において、及び/又は異なる時間インスタンスで、信号(通信又はセンシング或いは両方)を送信することを決定してもよい。いくつかの実施形態では、センシングアプリケーションの識別及び/又はスペクトル占有予測が、識別結果を使用する同じデバイス内で実行されてもよいことに留意されたい。しかしながら、第1の(たとえば、制御)デバイスがスペクトル占有予測及び/又はセンシングアプリケーションの検出若しくは識別を実行する実施形態があってもよい。その場合、そのようなデバイスは、エリア内の1つ又は複数のデバイスに結果をブロードキャスト(若しくはマルチキャスト又は単に送信)してもよい。次いで、それらはそれに応じて自身の行動(たとえば、チャネルアクセス、センシング信号の送信又はセンシング信号の受信及び評価)を適応させてもよい。
【0100】
換言すれば、検出されたセンシングアプリケーションは、スペクトル占有予測を改善するために使用されてもよい。さらに、検出されたセンシングアプリケーションの特徴は、スケジューリングで使用されてもよい。特定のセンシングアプリケーションの存在(及び特定のリソースにおける将来の存在の予測)に関する知識を有するデバイスは、同じ周波数及び/又は帯域幅並びに/或いは時間を使用しないように自身のデータ又はセンシング信号をスケジューリングしてもよい。或いは、又はそれに加えて、特定の送信機によって送信されるセンシング信号の予測を有するデバイスは、センシング信号を自身のセンシングに、たとえばエリア内のオブジェクトの存在の評価などに使用してもよい。暗号化されていないアプリケーションでは、センシングアプリケーションが環境条件又はチャネル条件を報告する場合、報告は、そのような信号の存在を検出及び予測する複数のデバイスによって読まれてもよい。或いは、又はそれに加えて、センシング信号の送信機は、同じエリアで(たとえば、近くで)検出/識別された同様のセンシングアプリケーションに関する知識を有する場合、センシング信号の送信を停止するか、又は自身のセンシング信号の周期を低下させることを決定してもよい。
【0101】
いくつかの例示的な実装では、センシングアプリケーションは、予め設定された周期で、又は連続的な送信信号として、センシング信号を生成するアプリケーションである。そのようなアプリケーションは、それらを通信信号から容易に区別することを可能にする特徴(繰り返しの性質、及び/又は場合によっては通信信号からの特定の波形)を有する場合がある。したがって、そのようなセンシングアプリケーション信号の検出及び識別は、ある程度の信頼性で実行され、上記の例示的なシナリオのいずれでも使用され得る。
【0102】
周期は、たとえば、人によって(たとえば健康モニタリングデバイスで)又はアプリケーションなどによって、センシングアプリケーションの送信機で予め設定されてもよい。連続性についてここで言及する場合、連続信号は最小時間分解能の下で連続的であることに留意されたい。たとえば、連続信号は、連続的に送信されるオン/オフ信号パターン又は正弦波パターンなどである場合があり、信号が一定でなければならないという意味ではない。最小時間分解能はハードウェアの能力に依存する場合がある。換言すれば、連続的な送信であっても、典型的には周期的な性質を有している。本明細書では、連続という用語は、当技術分野におけるものと同じように使用しており、連続とは、一方向に送信されるレーダーチャープ信号のように、センシング信号に識別可能なギャップがないことを意味する。さらに、上記で言及した周期は、センシング信号(波束)間に予め定義された時間的なギャップがある場合のものである。当然ながら、予め定義されたギャップは、不完全なハードウェア又は(受信機での)波の伝播条件の下では、多少の変動を有する場合もある。
【0103】
例示的な実装では、センシングアプリケーションは、レーダーセンシング、ワイヤレスセンシング、ワイヤレスローカルエリアセンシング、チャネル状態情報センシングのうちの1つである。
【0104】
ワイヤレスセンシングは、チャネル又はスペクトルのセンシングを含んでもよい。ワイヤレスローカルエリアセンシングは、ビームフォーミングセンシングを含んでもよい。ワイヤレスセンシングという用語は、より一般的なものと考えられてもよく、ワイヤレス信号をセンシング自体のために、又はセンシング結果の(場合によっては周期的な)報告のために使用する任意の種類のセンシングを含むことにも留意されたい。そのようなワイヤレスセンシング又はワイヤレスローカルエリアセンシングはまた、Wi-Fi技術を使用したセンシングを含んでもよい。この使用は、機器(STA又はAPを使用)、周波数帯域、フレーム設計、通信関連の測定値、たとえば、CSI、CIR、CFR、RSS、RSSIなどに関するものであってもよい。ワイヤレスセンシング及びワイヤレスローカルエリアセンシングのいくつかの例は、たとえば、Yongsen Ma、Gang Zhou、及びShuangquan Wang、2019、「WiFi Sensing with Channel State Information:A Survey」、ACM Comput.Surv、52、3、Article46(2019年6月)、36ページ、https://doi.org/10.1145/3310194に提供されている。
【0105】
上記の実施形態又は例のいずれかに基づくいくつかの例示的な実装では、推定することは、センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定すること(たとえば、アプリケーション又はアプリケーションタイプを識別すること)をさらに含む。上記のように、センシングアプリケーションの存在の検出、及びそのようなアプリケーション(又はアプリケーションタイプ)のより正確な識別は、統合的に又は別々に実行されてもよい。ここで、アプリケーションの識別という用語は、広く理解されるべきである。たとえば、いくつかの実装では、一方では健康/フィットネス/睡眠モニタリングなどであり、他方ではオブジェクトの存在/動き/速度などである、予め定義されたアプリケーションタイプのセットの間の区別を意味する場合がある。しかしながら、いくつかの実装では、上記の詳細な実施形態で例示したもののように、より細かい区別が実行されてもよい。ジェスチャ検出信号を、健康若しくは睡眠モニタリング又は信号の報告などからさらに区別することが可能であってもよい。
【0106】
例示的な実施形態では、センシングアプリケーションは、予め設定された周期でセンシング信号を生成するアプリケーションである。そして、センシングアプリケーションを決定することは、受信ワイヤレス信号内で以前に推定されたセンシング信号の存在に基づいて予め設定された周期を推定することと、推定された予め設定された周期を使用して、複数の予め定義されたアプリケーションの中からセンシングアプリケーションを識別することと、を含む。識別は、訓練済みモジュール(たとえば、ML、DL)によって実行されてもよい。存在(及び場合によっては周期も)の検出は、決定論的アプローチ又は統計的アプローチによって実行されてもよい。しかしながら、既に上記で述べたように、訓練済みモジュールによる統合された検出及び識別、2つの別個の訓練済みモジュール、又は純粋な統計的/決定論的アプローチを含む他の構成も可能である。
【0107】
たとえば、センシングアプリケーションを決定することは、特性のうちの1つ又は複数に基づいて実行され、特性は、フレーム構造、帯域幅、センシングの持続時間、センシングの開始時間、センシングの終了時間、及び波形である。前記1つ又は複数の特性は、複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの少なくとも2つで異なる。その後、現在のアプリケーションの識別について何らかの推定を実行することが可能となる。特性とは、たとえば、少なくとも2つのアプリケーションで値が異なる定量化可能なパラメータを含む、上記の実施形態で例示したような特徴を指す。
【0108】
上記のように、存在の検出及び識別は順次的に実行されてもよい。そのような場合、一実施形態では、センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして前記決定することは、
●受信ワイヤレス信号内のセンシング信号の存在が推定するステップによって確認された場合に実行され、
●受信ワイヤレス信号内のセンシング信号の存在が推定するステップによって確認されなかった場合に実行されない。
【0109】
これについては、
図5を参照して既に説明している。特に、例示的な実装では、受信ワイヤレス信号を取得することは、パワー密度スペクトル、受信信号強度、又は受信信号強度インジケータのうちの1つ又は複数を測定することを含む。この方法は、訓練済みのモデルによって、受信ワイヤレス信号内の通信信号又はセンシング信号の存否を判定することをさらに含む。通信信号又はセンシング信号が受信ワイヤレス信号内に存在すると判定された場合、その信号がセンシング信号であるか否かを推定することが実行される。信号がセンシング信号である場合、センシングアプリケーションを予め定義された複数のセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定することが実行される。
【0110】
図5を参照して説明した例は2値の占有を示していたが、一般に、ソフト値が占有検出/予測に使用されてもよいことに留意されたい。そのようなソフトな値は、占有予測の信頼性を表してもよい。センシング信号が存在しないと判定された場合、この方法は、推定(識別)ステップをバイパスすることを含んでもよい。信号が通信信号である場合、この方法は、アプリケーションの識別の決定をバイパスすることをさらに含んでもよい。それに加えて、又はその代わりに、信号が通信信号である場合、この方法は、当技術分野で知られている任意の方法に従って通信信号を識別することを含んでもよい。
【0111】
上記のように、いくつかの実施形態では、センシングアプリケーションを決定すること及び存在を推定することは、訓練済みモジュールによって統合的に実行される。
【0112】
いくつかの例示的な実装では、推定するステップの結果に基づいて、センシングアプリケーションによる将来のリソースの占有を予測することが実行されてもよい。予測は、訓練済みモジュールによって、又は特定の周期を決定論的に想定することによって、或いは両方の混合によって行われてもよい。予測器は状況に基づいて変更することができる。送信するセンシングアプリケーションが多数存在する場合、機械学習を使用する方がよい場合がある。そうでない場合、明確に区別可能なセンシングアプリケーションを伴うより単純なシナリオでは、パラメータベースの予測がより良好に機能する場合がある。
【0113】
上記の実施形態及び例のいずれかにおいて、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行することは、センシングアプリケーションによって占有されていないと予測されるリソース内でワイヤレスの受信、送信、又はセンシングをスケジューリングすることを含んでもよい。それに加えて、又はその代わりに、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行することは、推定するステップの結果(存否及び/又は識別)に基づいてセンシング信号を送信するか否かを判定することと、判定するステップに応じてセンシングを実行する又はしないことと、を含む。
【0114】
したがって、センシングの識別に基づくセンシング信号の自身の使用が実行されてもよい。そのような自身の使用は、上記で既に説明したように、センシングアプリケーション信号の存在及びタイプに関する知識を使用して、自身のセンシング信号を送信するか、又は利用可能な信号を利用するかを判定する。ネットワーク内では、これを使用して、他のデバイスと連携し、削減されたさらには最小数のセンシング送信を使用してセンシングアプリケーションをサービス提供することによって、センシングトラフィックを削減することができる。
【0115】
センシングアプリケーションの検出及び識別の上記のアプローチに加えて、検出/識別に使用されるモジュールを訓練するための訓練方法及びデバイスが提供される。たとえば、
図10に示すように、センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するための方法が提供される。この方法は、ステップ1010において受信ワイヤレス信号を取得することと、ステップ1020においてグランドトゥルースを取得することと、を含む。この実施形態におけるグランドトゥルースは、存否を検出するためのモジュールが設けられる場合には、センシング信号の存否の判定であってもよい。他の実施形態におけるグランドトゥルースは、識別のための(又は存在検出及び識別の両方のための)モジュールが訓練される場合には、センシング信号を発信したアプリケーションの識別であってもよい。この方法は、受信ワイヤレス信号の取得された表現(たとえば、RSSI、又は信号若しくはその特性を表す他の測定値)と、その表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示(indication)及びセンシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方と、をモジュールに入力することをさらに含む。訓練ペアを入力した後、この方法は、入力に従ってモジュールの少なくとも1つのパラメータを変更すること1030を含む。そのようなアプローチは、複数の(場合によっては大量の)訓練データ(教師あり学習における訓練ペア)に対して繰り返されてもよい。この訓練方法は単なる例示であり、教師なし学習などの他のアプローチも同様に適用されてもよいことに留意されたい。
【0116】
本開示の実施形態及び例は上記の方法に関して提供したが、これらの方法によって説明した機能を提供する対応するデバイスも提供されることに留意されたい。たとえば、センシングアプリケーションを識別するためのデバイスが提供される。このデバイスは、上記の方法のいずれかによるステップを実行するように構成される処理回路を含んでもよい。たとえば、処理回路は、受信ワイヤレス信号を取得し、受信信号内のセンシング信号の存在を推定するように構成されてもよく、センシング信号はセンシングアプリケーションによって生成された信号である。このデバイスは、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するための送受信機をさらに含んでもよい。送受信機の代わりに、処理回路は外部の送受信機を制御して、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行してもよい。
【0117】
図11は、本開示のいくつかの実施形態を実装してもよい例示的なデバイス1100を示している。たとえば、このデバイスは、センシングアプリケーションの検出及び識別のためのデバイスであってもよい。そのようなデバイスは、メモリ1110、処理回路1120、ワイヤレス送受信機1140、及び場合によりユーザインターフェース1130を含んでもよい。このデバイスは、たとえば、基地局又は端末/STA(の一部)、或いは上記のような他のデバイスであってもよい。
【0118】
メモリ1110は、上記の方法のうちのいずれかの方法のステップを実行するために処理回路1120によって実行されてもよいプログラムを記憶してもよい。処理回路は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は他の専用若しくはプログラム可能なハードウェアを含んでもよい。ワイヤレス送受信機1140は、ワイヤレス信号を受信及び/又は送信するように構成されてもよい。送受信機1140はまた、何らかの規格又は予め定義された規約に従ってデータを検出、復号及び解釈してもよいベースバンド処理を含んでもよい。しかしながら、これは必須ではなく、センシングアプリケーションのみを有するデバイスは、下位の1つ又は2つのプロトコル層のみを実装してもよい。たとえば、送受信機を使用して、測定を実行し、基地局及び/又は端末などの他のデバイスと通信してもよい。デバイス1100は、デバイスのメッセージ若しくはステータスなどを表示するための、及び/又はユーザの入力を受け取るためのユーザインターフェース1130をさらに含んでもよい。バス1101は、メモリ、処理回路、ワイヤレス送受信機、及びユーザインターフェースを相互接続する。
【0119】
図12は、受信信号を取得するためのモジュール1160と、上記の推定のためのモジュール1170と、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを適応させるように送受信機1140を制御するためのモジュール1180とを含むメモリ1110の一例を示している。これらのモジュール1160~1180は、メモリからフェッチされ、処理回路1120によって実行されてもよい。
【0120】
上記の例は本開示を限定するものではない。以下に簡単に説明するように、追加又は代替として使用されてもよい多くの変更及び構成が存在する。
【0121】
同様に、センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するためのデバイスが提供され、このデバイスは、受信ワイヤレス信号の表現と、その表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示及びセンシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方と、をモジュールに入力し、入力に従ってモジュールの少なくとも1つのパラメータを変更するように構成される処理回路を含む。
【0122】
この本開示は、ワイヤレスセンシングに使用される任意の種類のデバイスで使用することができる。たとえば、健康モニタリング、アクティビティ分類、ジェスチャ認識、人数カウント、壁透過センシング、感情認識、注意モニタリング、キーストローク認識、空中描画、イメージング、歩数カウント、速度推定、睡眠検出、交通モニタリング、喫煙検出、金属検出、手話認識、湿度推定、小麦水分検出、果物熟度検出、くしゃみセンシングなどである。これらのアプリケーションに加えて、本開示の実施形態は、JSC技術で使用することができる。本開示は、ビーム管理のための障害物追跡など、通信アプリケーションをサポートするためのセンシングアプリケーションにも使用することができる。したがって、本発明を利用することができるデバイスは、キッチン家電、テレビセット、スマートバス停、スマートオフィス機器(プリンタなど)、照明システム、WLAN及びWiFiデバイスなどのような、スマートホーム/オフィス/都市/工場などのデバイスであってもよい。他のデバイスは、心拍数モニタ、モーション検出器、スマートウォッチなどのスタンドアロンのワイヤレスセンサであってもよい。これらのアプリケーションに加えて、本発明は、敵のセンサなどの軍事業務にも使用することができ、敵のデバイスの存在及びそれらがセンシングしているものを知ることができ、何らかの予防策を講じることができる。本開示は、特に、CR、再構成可能無線システムなどの技術のための、AP、BS、エッジノード、拡張ノードなどのネットワークコントローラ及び管理デバイスで使用することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、センシング信号は、連続的な又は周期的なレーダー信号である。いくつかの実施形態では、センシング信号は、ワイヤレスセンシング、ワイヤレスローカルエリアセンシング、及び/又は非侵襲的医療センシングをサポートするセンシングアプリケーションによって生成される信号である。
【0124】
一般に、ワイヤレスセンシングは、受信信号のいくつかの特徴を測定することによって実行される。一方、通信は、受信信号から、送信機でその中に符号化された情報を検出することによって実行される。通信では、受信信号のいくつかの特徴を使用して検出(たとえば、復調及び復号)が実行される。
【0125】
ワイヤレスセンシング及びJSCに使用されている多数のフレーム設計、波形、及び伝送方式がある。それらの使用は、使用されているワイヤレスセンシングの方法に依存する。たとえば、ワイヤレスセンシングは次の方法のうちの1つで実行されてもよい。
●ワイヤレスフィンガープリンティング:異なるアクションが実行されている間に、異なる場所で又は固定センサによって測定値が取得される。これらの測定値は予め処理され、それぞれの位置/アクションと共にルックアップテーブルに記憶されてもよい。
●レーダーベースのセンシング:センシング信号は特定のレート及びデューティサイクルで送信され、これらの信号の反射が処理されて、オブジェクトに関する情報、たとえば、そのレンジ、サイズ、相対速度、材質などが分かる。レーダーアプリケーションでは、高い送信電力及び非常に低い受信電力により高い自己相関性及び低いピーク対平均電力比(PAPR:peak to average power ratio)を有する波形又はフレーム設計が好ましい。一般的な波形は、パルス波形又は周波数変調された連続波波形である。レーダーのパフォーマンスに影響を与える可能性のあるフレーム設計及び送信メカニズムベースの要因は、送信電力、デューティサイクル、パルス繰り返し周波数、周波数変調、搬送波周波数、自己相関性、帯域幅、信号周期、発射角、ビーム幅、ビームスイープレートなどである。レーダーのパフォーマンスに影響を与える可能性のある環境要因は、クラッタの量、オブジェクトの物理的性質(サイズ、材質など)、オブジェクトの位置、大気条件(たとえば、湿度)などである。レーダーのパフォーマンスに影響を与える可能性のあるスペクトル条件は、占有、ユーザ数、干渉、チャネル条件(時間/周波数選択性)などである。
●パターンベースのセンシング:これはワイヤレスフィンガープリンティングに類似しているが、異なるのは、測定値がルックアップテーブルに予め記憶されるのではなく、それらから検出対象のアクション/オブジェクトを表すパターンが抽出され、パターンが今後の測定でアクション/オブジェクトを検出するために使用されるという点である。フレーム設計及び波形の例は、Wi-Fi及びOFDMの物理プロトコルデータユニット(PPDU)パケット並びに直交時間周波数空間(OTFS:orthogonal time frequency space)波形である。センシングのパフォーマンスに影響を与える可能性のあるフレーム設計及び送信メカニズムに関連する要因は、センシング/訓練/パイロットシーケンス、これらのシーケンスの配置(どのサブキャリアか)、帯域幅、搬送波周波数、パケット長、パケット繰り返し周波数、発射角、ビーム幅、ビームスイープレート、RF障害などである。センシングパフォーマンスに影響を与える可能性のある環境関連要因は、エリア内の移動オブジェクトの数(環境の定常性)、検出対象のユーザ/オブジェクトの数、検出対象のモーション/アクション/アクティビティの性質(大きい/小さい変位、遅い/速い動きなど)、大気条件、検出対象のオブジェクト/ユーザの物理的性質などである。レーダーのパフォーマンスに影響を与える可能性のあるスペクトル条件は、占有、ユーザ数、干渉、チャネル条件(時間/周波数選択性)などである。
【0126】
一般に、本開示は、上記の3つのタイプのセンシングに限定されない。
【0127】
ワイヤレスセンシングによって測定される受信信号の特徴には、飛行時間、RSSI、CSIなどを含まれてもよいが、これらに限定されない。ワイヤレスセンシングのパフォーマンスに影響を与える送信信号パラメータは、送信周波数、帯域幅、波形、電力、訓練シーケンス又はセンシングシーケンス、自動相関能力、パイロット、ビーム角度及び幅(ビームフォーミングが行われている場合)、デューティサイクル、伝送レートなどであるが、これらに限定されない。
【0128】
ワイヤレスセンシングデバイス、通信デバイス、及びJSCデバイスは、スペクトルの使用、電力などの観点から最大の効率で、また、スループット、信頼性、センシング精度などの観点から最大のセンシングパフォーマンス及び通信パフォーマンスで、同じ(又は少なくとも部分的に重複する)周波数帯域内で平和的に動作/共存することが望まれる。これは、本明細書に記載のように、センシング信号を検出及び/又は識別することによって促進され得る。
ソフトウェア及びハードウェアでの実装
【0129】
本明細書に記載の方法論は、アプリケーションに応じて様々な手段によって実装されてもよい。たとえば、これらの方法論は、ハードウェア、オペレーティングシステム、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらのうちの2つ又は全ての任意の組み合わせで実装されてもよい。ハードウェア実装では、1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい任意の処理回路が使用されてもよい。たとえば、ハードウェアには、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD:digital signal processing device)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、任意の電子デバイス、又は上述の機能を実行するように設計された他の電子回路ユニット若しくは要素のうちの1つ又は複数が含まれてもよい。
【0130】
プログラムコードとして実装される場合、送信装置(デバイス)によって実行される機能は、メモリ610又は他の任意のタイプのストレージなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に1つ又は複数の命令又はコードとして記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体には、物理的なコンピュータ記憶媒体が含まれ、これはコンピュータによって、又は一般的には処理回路620によってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。そのようなコンピュータ可読媒体には、RAM、ROM、EEPROM、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、半導体ストレージ、又は他のストレージデバイスが含まれてもよい。いくつかの特定の非限定的な例には、コンパクトディスク(CD)、CD-ROM、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイ(BD)ディスクなどが含まれる。異なる記憶媒体の組み合わせも可能であり、換言すれば、分散ストレージ及び異種ストレージが用いられてもよい。
【0131】
上記の実施形態及び例示的な実装は、いくつかの非限定的な例を示している。特許請求している主題から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよいことは理解される。たとえば、本明細書に記載の中心概念から逸脱することなく、例を新しいシステム及びシナリオに適合させるように変更が行われてもよい。
選択された実施形態及び例
【0132】
まとめると、本開示のいくつかの実施形態は、センシングアプリケーションの識別に関する。特に、ワイヤレス信号が取得されてさらに処理される。次いで、受信信号内のセンシング信号の存在が推定され、センシング信号はセンシングアプリケーションによって生成された信号である。次いで、センシング信号の推定に基づいて、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングが実行される。センシングアプリケーションの検出及び/又は識別は、機械学習ベースのモジュールなどの訓練済みモジュールによって実行されてもよい。推定の結果に従って実行されるワイヤレスの受信、送信、又はセンシングは、チャネルアクセス、リソース割り当て、自身のセンシングの目的のための検出されたセンシング信号の利用などをさらに含んでもよい。
【0133】
一実施形態によれば、センシングアプリケーションを識別するための方法であって、受信ワイヤレス信号を取得するステップと、訓練済みモジュールによって、受信信号内のセンシング信号の存在を推定するステップであって、センシング信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号である、推定するステップと、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するステップと、を含む、方法が提供される。
【0134】
たとえば、センシングアプリケーションが、予め設定された周期で、又は連続的な送信信号として、センシング信号を生成するアプリケーションである。
【0135】
たとえば、センシングアプリケーションが、レーダーセンシング、ワイヤレスセンシング、ワイヤレスローカルエリアセンシング、チャネル状態情報センシングのうちの1つである。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態では、推定するステップが、センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定することをさらに含む。
【0137】
例示的な実装によれば、センシングアプリケーションが、予め設定された周期でセンシング信号を生成するアプリケーションであり、センシングアプリケーションを決定することが、受信ワイヤレス信号内で以前に推定されたセンシング信号の存在に基づいて予め設定された周期を推定することと、推定された予め設定された周期を使用して、複数の予め定義されたセンシングアプリケーションの中からセンシングアプリケーションを識別することと、を含む。
【0138】
たとえば、センシングアプリケーションを決定することが、特性のうちの1つ又は複数に基づいて実行され、特性が、フレーム構造、帯域幅、センシングの持続時間、センシングの開始時間、センシングの終了時間、及び波形であり、前記1つ又は複数の特性が、複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの少なくとも2つで異なる。
【0139】
たとえば、センシングアプリケーションを決定することが、特性のうちの1つ又は複数に基づいて実行され、特性が、帯域幅、ビーム幅、送信電力、及びセンシングレートである。さらに、前記1つ又は複数の特性が、複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの少なくとも2つで異なる。これらの特性は、センシングアプリケーションのいくつかの動作パラメータに対応しており、上記のように、様々な異なるアプリケーション間の適切な区別を提供する。区別したいアプリケーションに基づいて、特性のうちの1つ、或いはこれら4つの特性のうちの2つ以上又は全ての組み合わせが使用されてもよい。そのような特性は、センシングセッションの開始時に(及び任意選択によりその最中でも)ネゴシエートされてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして前記決定することが、受信ワイヤレス信号内のセンシング信号の存在が推定するステップによって確認された場合に実行され、受信ワイヤレス信号内のセンシング信号の存在が推定するステップによって確認されなかった場合に実行されない。
【0141】
いくつかの例示的な実装では、受信ワイヤレス信号を取得するステップが、パワー密度スペクトル、受信信号強度、又は受信信号強度インジケータのうちの1つ又は複数を測定することと、訓練済みのモデルによって、受信ワイヤレス信号内の通信信号又はセンシング信号の存否を判定することと、通信信号又はセンシング信号が受信ワイヤレス信号内に存在すると判定された場合、信号がセンシング信号であるか否かを推定することと、信号がセンシング信号である場合、センシングアプリケーションを複数の予め定義されたセンシングアプリケーションのうちの1つとして決定することと、を含む。
【0142】
たとえば、センシングアプリケーションを決定すること及び存在を推定するステップが、訓練済みモジュールによって統合的に実行される。
【0143】
この方法は、推定するステップの結果に基づいて、センシングアプリケーションによる将来のリソースの占有を予測するステップをさらに含んでもよい。
【0144】
たとえば、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するステップが、センシングアプリケーションによって占有されていないと予測されるリソース内でワイヤレスの受信、送信、又はセンシングをスケジューリングすることを含む。
【0145】
たとえば、ワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するステップが、推定するステップの結果に基づいてセンシング信号を送信するか否かを判定することと、判定するステップに応じてセンシングを実行する又は実行しないことと、を含む。
【0146】
一実施形態によれば、センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するための方法であって、受信ワイヤレス信号の表現と、表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示及びセンシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方とをモジュールに入力するステップと、入力に従ってモジュールの少なくとも1つのパラメータを変更するステップと、を含む、方法が提供される。
【0147】
一実施形態によれば、センシングアプリケーションを識別するためのデバイスであって、処理回路であって、受信ワイヤレス信号を取得することと、受信信号内のセンシング信号の存在を推定することであって、センシング信号がセンシングアプリケーションによって生成された信号である、推定することと、を実行するように構成される処理回路と、前記センシングアプリケーションの推定された存在に基づいてワイヤレスの受信、送信、又はセンシングを実行するための送受信機と、を備える、デバイスが提供される。
【0148】
一実施形態によれば、センシングアプリケーションを識別するためのモジュールを訓練するためのデバイスであって、受信ワイヤレス信号の表現と、表現におけるセンシング信号の存否の所望の表示及びセンシング信号を生成したセンシングアプリケーションの所望の表示の一方又は両方とをモジュールに入力することと、入力に従ってモジュールの少なくとも1つのパラメータを変更することと、を実行するように構成される処理回路を備える、デバイスが提供される。
【0149】
さらに、上記の処理回路実装のうちのいずれかによって実行されるステップを含む、対応する方法が提供される。
【0150】
またさらに、非一時的媒体に記憶され、コンピュータ又は処理回路によって実行された場合に、上記の方法のうちのいずれかの方法のステップを実行するコード命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、処理回路及び/又は送受信機は集積回路ICに組み込まれる。
【0152】
開示した主題は、現在最も実際的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて、例示の目的で詳細に説明してきたが、そのような詳細は単にその目的のためのものであり、開示した主題は開示した実施形態に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲内にある変更及び同等の構成を網羅することを意図しているということを理解されたい。たとえば、本開示の主題は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴を他の任意の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができることを企図しているということを理解されたい。
【国際調査報告】