(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】デュアル超音波カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
A61B17/22 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537225
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 US2021049791
(87)【国際公開番号】W WO2022159147
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523223168
【氏名又は名称】ウルトラテレッジ ユーエスエー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【氏名又は名称】吉川 雅也
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】デュ,シュー
(72)【発明者】
【氏名】ソン,タオ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE04
4C160EE12
4C160MM32
(57)【要約】
装置は、トランスデューサハウジングと、トランスデューサハウジング内に配置された超音波トランスデューサと、を含むトランスデューサアセンブリを含む。トランスデューサホーンが、トランスデューサハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、プローブ結合を含む。第1プローブが、第1カプラと、第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含む。第1カプラは第1結合部分及び第2結合部分を有し、かつ、第1結合部分は、第1プローブが超音波トランスデューサに結合されるようにトランスデューサホーンのプローブ結合に解放可能に結合されるように構成される。第2プローブは、第2カプラと、第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含む。第2カプラは、第2プローブが超音波トランスデューサに結合されるように第1カプラの第2結合部分に解放可能に結合可能な第3結合部分を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスデューサハウジングと、前記トランスデューサハウジング内に配置された超音波トランスデューサと、を含むトランスデューサアセンブリと、
前記トランスデューサハウジング内に少なくとも部分的に配置され、かつ、プローブ結合を含むトランスデューサホーンと、
第1カプラと、前記第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含む第1プローブであって、前記第1カプラは第1結合部分及び第2結合部分を有し、前記第1結合部分は、前記第1プローブが前記超音波トランスデューサに結合されるように前記トランスデューサホーンの前記プローブ結合に解放可能に結合されるように構成される、第1プローブと、
第2カプラと、前記第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含む第2プローブであって、前記第2カプラは、前記第2プローブが前記超音波トランスデューサに結合されるように前記第1カプラの前記第2結合部分に解放可能に結合可能な第3結合部分を有する、第2プローブと、を備える装置。
【請求項2】
前記第1結合部分はねじ結合であり、前記プローブ結合は、前記第1プローブが前記トランスデューサホーンにねじ結合可能であるようにねじ結合である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2プローブが前記第1カプラにねじ結合可能であるように、前記第1プローブの前記第2結合部分はねじ結合であり、かつ、前記第2カプラの前記第3結合部分はねじ結合である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2プローブの前記第2長尺部材は、近位端及び遠位端を含み、かつ、前記近位端と前記遠位端との間に内腔を規定し、前記第1プローブの前記第1長尺部材は前記第2長尺部材の前記内腔内に少なくとも部分的に配置されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1長尺部材が前記第2長尺部材の前記内腔内に配置された場合、前記第1長尺部材が前記第2長尺部材と同軸である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1長尺部材の中心線が前記第2長尺部材の中心線からオフセットされている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1長尺部材は第1材料で形成され、前記第2長尺部材は、前記第1材料とは異なる第2材料で形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2材料は編組金属である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1長尺部材は、前記第2長尺部材よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2長尺部材は、前記第1長尺部材よりも高い可撓性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1長尺部材は、前記第1プローブが前記トランスデューサアセンブリに結合された場合に、前記超音波トランスデューサから超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に前記超音波エネルギーを伝達するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2長尺部材は、前記第2プローブが前記第1プローブに結合された場合に、前記超音波トランスデューサから超音波エネルギーを受け取り、かつ、前記患者の身体内の前記標的対象に前記超音波エネルギーを伝達するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1長尺部材は、近位端及び遠位端を有し、かつ、前記近位端と前記遠位端との間に延在する内腔を規定し、
前記第1カプラは、前記第1長尺部材の前記内腔と流体連通するポートを規定し、前記装置はさらに、
前記第1プローブに結合され、かつ、前記ポートと流体連通している伝達ラインを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
患者の脈管内に超音波プローブアセンブリの遠位部分を導入するステップであって、前記超音波プローブアセンブリは超音波トランスデューサアセンブリに結合されるように構成され、前記超音波プローブアセンブリは第1プローブ及び第2プローブを含み、前記第1プローブは、第1カプラと、前記第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含み、前記第1プローブは、前記第1カプラを介して前記トランスデューサアセンブリに結合され、前記第2プローブは、第2カプラと、前記第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含み、前記第2カプラは、前記第2プローブが前記第1プローブを介して前記超音波トランスデューサアセンブリに結合されるように前記第1カプラに解放可能に結合される、導入するステップと、
前記第1長尺部材の遠位端部分が閉塞を貫通し、かつ、前記第2長尺部材の遠位端部分が前記閉塞を貫通するように、前記超音波プローブアセンブリの前記遠位部分を脈管内の前記閉塞を通って移動させるステップと、
前記超音波エネルギーが前記第1長尺部材及び前記第2長尺部材を通じて前記閉塞に送達されるように、前記超音波トランスデューサアセンブリから前記第1プローブ及び前記第2プローブに超音波エネルギーを伝達するステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記第2長尺部材が、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に規定された内腔と、を有し、前記方法が、
前記導入するステップに先立って、前記第1長尺部材の遠位先端部分が前記第2長尺部材の前記内腔の外側に延在するように、前記第1プローブの前記第1長尺部材を前記第2プローブの前記内腔を通って挿入することによって前記第1プローブに前記第2プローブを結合するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記超音波エネルギーを伝達するステップ後、前記第1プローブから及び前記超音波トランスデューサアセンブリから前記第2プローブを切り離すステップと、
脈管内に前記第2プローブを配置したまま前記脈管から前記第1プローブを除去するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2プローブの前記内腔内に第3プローブを挿入するステップであって、前記第3プローブは、第3カプラと、前記第3カプラに結合された第3長尺部材と、を有し、前記第3長尺部材は、前記第3長尺部材の前記遠位端部分の少なくとも一部が前記第2長尺部材上の接触位置で前記第2長尺部材の内壁に接触するように、前記第1長尺部材の遠位端部分の直径よりも大きい直径を有する遠位端部分を有する、挿入するステップと、
前記超音波トランスデューサアセンブリに前記第3プローブを結合するステップと、
超音波エネルギーが前記第3長尺部材及び前記第2長尺部材を通じて前記閉塞に送達されるように、前記第3プローブ及び前記第2プローブに超音波エネルギーを伝達するステップと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第3プローブに超音波エネルギーを伝達するステップ中、超音波エネルギーが、前記第3長尺部材の前記遠位端部分の一部から前記第2長尺部材に送達され、超音波エネルギーが前記接触位置に近接した前記閉塞に送達されるように前記接触位置で前記第2長尺部材の前記内壁に前記第3長尺部材の前記遠位端部分の前記一部が接触する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記導入するステップに先立って、前記第1プローブの前記第1カプラに前記第2プローブの前記第2カプラを結合して前記第1プローブに前記第2プローブを結合するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記超音波エネルギーを伝達するステップ後、前記閉塞内の前記超音波プローブアセンブリの前記遠位端部分を前記閉塞内の第1位置から第2位置に移動させるステップと、
超音波エネルギーが、前記第1長尺部材及び前記第2長尺部材を通じて前記閉塞内の前記第2位置に送達され、かつ、前記閉塞の少なくとも一部を破壊するように、前記第1プローブ及び前記第2プローブに超音波エネルギーを伝達するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
患者の脈管内に超音波プローブアセンブリの遠位部分を導入するステップであって、前記超音波プローブアセンブリは超音波トランスデューサアセンブリに結合されるように構成され、前記超音波プローブアセンブリは第1プローブ及び第2プローブを含み、
前記第1プローブは、第1カプラと、前記第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含み、前記第1プローブは、前記第1カプラを介して前記超音波トランスデューサアセンブリに結合され、
前記第2プローブは、第2カプラと、前記第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含み、前記第2長尺部材は内腔を規定し、前記第1長尺部材は、前記第1長尺部材の第1遠位先端が前記前記第2長尺部材の第2遠位先端を通じて前記第2長尺部材の前記内腔の外側に延在するように前記第2長尺部材の前記内腔内にあり、前記第2カプラは前記第1カプラに解放可能に結合される、導入するステップと、
前記第1長尺部材の少なくとも前記遠位先端が閉塞を貫通するように、前記超音波プローブアセンブリの前記遠位部分を前記脈管内の前記閉塞を通って移動させるステップと、
超音波エネルギーが少なくとも前記第1長尺部材を通って前記閉塞に送達されるように、前記超音波トランスデューサアセンブリから少なくとも前記第1プローブに超音波エネルギーを伝達するステップと、
前記第2プローブ内から前記第1プローブを除去するステップと、
前記第2プローブの前記内腔内に第3プローブを挿入するステップであって、前記第3プローブは、第3カプラと、前記第3カプラに結合された第3長尺部材と、を含み、前記第3長尺部材は、前記第2長尺部材の前記第2遠位先端を通じて第3遠位先端の移動を制限するサイズを有する第3遠位先端を有する、挿入するステップと、
前記脈管内の前記閉塞を通るように前記第2プローブ及び前記第3プローブを位置決めするステップと、
前記第3プローブを挿入するステップ後、前記第3プローブの前記第3カプラに前記第2プローブの前記第2カプラを結合するステップであって、前記結合するステップは、前記第3長尺部材に対して近位に前記第2長尺部材を移動させることによって、前記第2遠位先端を前記第3遠位先端に係合させ、かつ、前記第2長尺部材の遠位部分を変形させ、前記第3長尺部材と前記第2長尺部材との間に接触位置を生成する、結合するステップと、
前記超音波トランスデューサアセンブリから少なくとも前記第3プローブに超音波エネルギーを伝達するステップであって、超音波エネルギーの少なくとも一部が前記第3長尺部材から前記接触位置及び前記第2長尺部材を通じて前記閉塞に送達される、伝達するステップと、を含む方法。
【請求項22】
前記第2プローブ内から前記第1プローブを除去するステップが、前記脈管内に前記第2プローブを維持しながら実行される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1001] 本願は、「デュアル超音波プローブ及びその使用方法」の発明の名称で2021年1月22日に出願された米国仮特許出願第63/140,372号に対する優先権及び当該出願からの利益を主張し、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[1002] 本明細書に記載の実施形態は、概して、超音波トランスデューサアセンブリとともに使用されるデバイスに関し、より具体的には、超音波エネルギー源から生体組織に超音波エネルギーを伝達するように構成された超音波プローブアセンブリに関する。
【0003】
[1003] 既知の超音波エネルギー伝送システムは、閉塞を破壊するため及び/又は生体組織を切除するための例えば医用画像などの多様な医療用途で使用される。組織切除のための既知の超音波エネルギー伝送システムでは、超音波エネルギーは、超音波エネルギー源からトランスデューサアセンブリ(例えば、超音波ホーンを含む)を通じて、及びその後、ワイヤ又は他の長尺部材などの伝送部材に、遠位ヘッドに伝達される。伝送部材は、例えば、超音波プローブアセンブリであり得る。超音波エネルギーは、周期波として伝送部材を通って伝搬し、それによって遠位ヘッドを振動させる。このような振動エネルギーは、例えば脈管閉塞、腎臓結石などの生体組織を切除又は他の方法で破壊するために使用可能である。脈管内閉塞又は尿路内の領域の処置のためにさまざまな部位に効果的に到達するため、そのような超音波伝送部材はたいてい約65cm以上の長さを有している。
【0004】
[1004] 既知の超音波伝送部材(例えば、プローブアセンブリ)は、さまざまな身体内腔を通過するのに十分な可撓性を有するように構成されているが、(例えば、脈管閉塞又は尿路閉塞を切除するために)遠位先端に超音波エネルギーを伝送するのに十分な強度を有するように構築されている。より強力でより耐久性を有する伝送部材は、より大きなエネルギー伝送を可能にするが、脈管構造を通って所望の処置領域に前進するのに十分な可撓性又は薄さを有していない場合がある。より薄い伝送部材は、より高い可撓性を有するが、耐久性が低く、破損しやすい。
【0005】
[1005] 強度と可撓性との間のバランスを見出す試みにおいて、ある既知の超音波伝送部材は、縮小されたサイズを有する又はより低い剛性を有するので、閉塞(例えば、脈管構造内の慢性完全閉塞(CTO))を処置するのに十分に適していない場合がある。例えば、ある既知の超音波伝送部材は、閉塞に対して十分に拡張する又は閉塞に超音波エネルギーを送達するためには小さすぎる。他の既知の超音波伝送部材は、閉塞を貫通するのに十分な剛性を有していないので、超音波エネルギーの送達の有効性を制限する。ある既知のシステムは、その内部に伝送部材を配置可能なより大きなガイドカテーテルを含むが、多くの既知のシステムは、内部伝送部材を介してエネルギーを伝送して閉塞を切除する。したがって、多くの場合、内部伝送部材から伝送されるエネルギーは、閉塞のより小さい部分に制限される。
【0006】
[1006] ある既知のシステムは、生体組織を切除するため、それを通じてエネルギー(例えば、電気エネルギー)を伝送可能な複数の伝送部材を含むが、そうした既知のシステムは、複数の伝送部材の間で選択的にエネルギーを伝送する能力を提供しない。さらに、そうした既知のシステムは、個々の伝送部材を各々別個にエネルギー源に結合することを必要とする場合がある。
【0007】
[1007] したがって、超音波エネルギー源から生体組織に超音波エネルギーを伝達するための改良された装置及び方法が必要とされている。脈管構造内の慢性完全閉塞(CTO)を切除する改善された方法も必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
[1008] 超音波切除システムとともに使用するための超音波プローブアセンブリの使用のデバイス及び方法が本明細書に記載される。ある実施形態では、装置は、トランスデューサアセンブリと、第1プローブと、第2プローブと、を含む。トランスデューサアセンブリは、トランスデューサハウジングと、トランスデューサハウジング内に配置された(又は結合された)超音波トランスデューサホーンと、を含む。トランスデューサホーンはプローブ結合を含む。第1プローブは、第1カプラと、第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含む。第1カプラは第1結合部分及び第2結合部分を有し、第1結合部分は、第1プローブが超音波トランスデューサに結合されるようにトランスデューサホーンのプローブ結合に解放可能に結合されるように構成される。第2プローブは、第2カプラと、第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含む。第2カプラは、第2プローブが超音波トランスデューサに結合されるように第1カプラの第2結合部分に解放可能に結合可能な第3結合部分を有する
【0009】
[1009] ある実施形態では、方法は、患者の脈管内に超音波プローブアセンブリの遠位部分を導入するステップを含む。超音波プローブアセンブリは、超音波トランスデューサアセンブリに結合可能であり、かつ、第1プローブ及び第2プローブを含む。第1プローブは、第1カプラと、第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含み、かつ、第1カプラを介してトランスデューサアセンブリに結合される。第2プローブは、第2カプラと、第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含み、かつ、第2プローブが第1プローブを介して超音波トランスデューサアセンブリに結合されるように第1カプラに解放可能に結合される。超音波プローブアセンブリの遠位部分は、第1長尺部材の遠位端部分が閉塞を貫通し、かつ、第2長尺部材の遠位端部分が閉塞を貫通するように、脈管内の閉塞を通って移動させられる。超音波エネルギーが第1長尺部材及び第2長尺部材を通って閉塞に送達されるように、超音波エネルギーが超音波トランスデューサアセンブリから第1プローブ及び第2プローブに伝送される。
【0010】
[1010] ある実施形態では、方法は、患者の脈管内に超音波プローブアセンブリの遠位部分を導入するステップを含む。超音波プローブアセンブリは、超音波トランスデューサアセンブリに結合可能であり、かつ、第1プローブ及び第2プローブを含む。第1プローブは、第1カプラと、第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含み、かつ、第1カプラを介して超音波トランスデューサアセンブリに結合される。第2プローブは、第2カプラと、第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含み、かつ、第2長尺部材は内腔を規定する。第1長尺部材は、第1長尺部材の第1遠位先端が第2長尺部材の第2遠位先端を通って第2長尺部材の内腔の外側に延在するように第2長尺部材の内腔内にある。第2カプラは第1カプラに解放可能に結合される。超音波プローブアセンブリの遠位部分は、少なくとも第1長尺部材の遠位先端が閉塞を貫通するように、脈管内の閉塞を通って移動させられる。超音波エネルギーが少なくとも第1長尺部材を通って閉塞に送達されるように、超音波エネルギーは超音波トランスデューサアセンブリから少なくとも第1プローブに伝送される。第1プローブは第2プローブ内から除去される。第3プローブは第2プローブの内腔内に挿入される。第3プローブは、第3カプラと、第3カプラに結合された第3長尺部材と、を含む。第3長尺部材は、第2長尺部材の第2遠位先端を通じて第3遠位先端の移動を制限するようなサイズを有する第3遠位先端を有する。第2プローブ及び第3プローブは脈管内の閉塞を通って位置決めされる。第3プローブを挿入した後、第2プローブの第2カプラは第3プローブの第3カプラに結合され、このことは、第3長尺部材に対して近位に第2長尺部材を移動させ、第3遠位先端に第2遠位先端を係合させて第2長尺部材の遠位部分を変形させ、第3長尺部材と第2長尺部材との間の接触位置を生成するステップを含む。超音波エネルギーは、超音波トランスデューサアセンブリから少なくとも第3プローブに伝送される。超音波エネルギーの少なくとも一部は、第3長尺部材から、接触位置及び第2長尺部材を通じて閉塞に送達される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[1011] 一実施形態に係る、生体組織に超音波エネルギーを送達するためのシステムの図である。
【
図2】[1012]
図1のシステムに含まれる超音波トランスデューサの断面図である。
【
図3A】[1013] 一実施形態に係る超音波プローブアセンブリの斜視図である。
【
図4A】[1015]
図3Aの超音波プローブアセンブリの側面図である。
【
図4B】[1016]
図4AのA-A線に沿った断面側面図である。
【
図5】[1017]
図4Bの詳細Bの拡大図である。
【
図6A】[1018]
図3Aの超音波プローブアセンブリの内側プローブの斜視図である。
【
図6B】[1019]
図3Aの超音波プローブアセンブリの外側プローブの斜視図である。
【
図7A】[1020] 一実施形態に係る超音波プローブアセンブリの内側プローブ及び外側プローブの概略図である。
【
図7B】[1021] 別の実施形態に係る超音波プローブアセンブリの内側プローブ及び外側プローブの概略図である。
【
図7C】[1022] さらに別の実施形態に係る超音波プローブアセンブリの内側プローブ及び外側プローブの概略図である。
【
図8】[1023] 閉塞の近くの脈管内に挿入されるように示されている、一実施形態に係る超音波プローブアセンブリの概略側面図である。
【
図9A】[1024] 閉塞を有する患者の脈管の側面図であり、一実施形態に係る第1超音波プローブアセンブリ及び第2超音波プローブアセンブリは、閉塞の近くの脈管内に挿入されるように示されており、かつ、使用構成では、閉塞に超音波エネルギーを作用させるように示されている。
【
図9B】[1025]
図9Aの脈管の側面図であり、第3超音波プローブアセンブリは、閉塞の近くで、第1構成の第1超音波プローブアセンブリ内に挿入されるように示されている。
【
図9C】[1026] 脈管と、閉塞に超音波エネルギーを作用させるために閉塞の近くの第2構成の
図9Cの第3超音波プローブアセンブリの側面図である。
【
図10A】[1027] 別の実施形態に係る超音波プローブアセンブリの斜視図である。
【
図13A】[1032]
図8Aの超音波プローブアセンブリの内側プローブの斜視図である。
【
図13B】[1033]
図8Aの超音波プローブアセンブリの外側プローブの斜視図である。
【
図14】[1034] 別の実施形態に係る超音波プローブアセンブリの側面図である。
【
図15A】[1035]
図14の超音波プローブアセンブリの内側プローブの側面図である。
【
図15B】[1036]
図14の超音波プローブアセンブリの外側プローブの側面図である。
【
図16】[1037]
図14のプローブアセンブリの近位端部分の側面図であり、外側プローブが内側プローブから切り離されている。
【
図17A】[1038]
図14のプローブアセンブリの近位端部分の側面図であり、外側プローブが内側プローブに接続されている。
【
図17B】[1039]
図14のプローブアセンブリの遠位端部分の側面図である。
【
図18A】[1040]
図14のプローブアセンブリの外側プローブの近位端部分の側面図である。
【
図18B】[1041]
図14のプローブアセンブリの外側プローブの遠位端部分の側面図である。
【
図18C】[1042]
図14のプローブアセンブリの外側プローブの近位端の斜視図である。
【
図19】[1043]
図14のプローブアセンブリの内側プローブの近位端部分の側面図である。
【
図20】[1044] 生体組織に超音波エネルギーを伝達する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1045] トランスデューサアセンブリと、トランスデューサアセンブリに結合可能な超音波プローブアセンブリと、を有する超音波切除システムの使用のためのデバイス及び方法が本明細書で説明される。超音波切除システムは、超音波エネルギー源から生体組織に超音波エネルギーを伝達するために使用され得る。例えば、超音波切除システムは、患者の脈管内の閉塞に超音波エネルギーを伝達するために使用され得る。脈管は、例えば、静脈、動脈、尿管、胆管などであり得る。
【0013】
[1046] ある実施形態では、トランスデューサアセンブリは、トランスデューサホーンと、トランスデューサと、を含む。超音波プローブアセンブリは、各々がトランスデューサアセンブリに結合されてトランスデューサ及び/又はトランスデューサホーンに第1プローブ及び第2プローブを選択的に結合することができる第1プローブ及び第2プローブを含んでもよい。したがって、第1プローブ及び第2プローブは各々、同じトランスデューサから超音波エネルギーを受け取ることができる。トランスデューサは、例えば、1以上の圧電トランスデューサ部材を含んでもよい。ある実施形態では、トランスデューサはトランスデューサのスタックを含んでもよい(及び超音波スタックともいう)。第1プローブ及び第2プローブは、本明細書でより詳細に説明するように、互いに同軸又は非同軸の関係でともに結合されてもよい。
【0014】
[1047] 本明細書で使用される場合、用語「近位」及び「遠位」は、それぞれ、患者にデバイスを接触させるユーザに近づく方向及びユーザから離れる方向のことをいう。したがって、例えば、患者の身体に最初に接触するデバイスの端部は遠位端である一方、デバイスの反対側の端部(例えば、ユーザによって操作されるデバイスの端部)はデバイスの近位端である。
【0015】
[1048] 本明細書で使用される場合、用語「約」及び「およそ」は概して、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味する。例えば、約0.5は0.45及び0.55を含み、約10は9~11を含み、約1000は900~1100を含む。
【0016】
[1049] 本明細書で使用される場合、用語「セット」は、複数の特徴又は複数の部分を有する単数の特徴のことをいう。例えば、壁のセットを参照する場合、壁のセットは、複数の部分を有する1つの壁とみなされてもよい、又は、壁のセットは、複数の別個の壁とみなされてもよい。したがって、モノリシックに構成されたアイテムは壁のセットを含んでもよい。このような壁のセットは、例えば、互いに連続した又は不連続のいずれかである複数の部分を含んでもよい。壁のセットは、別個に製造されてその後にともに(例えば、溶接、接着又は任意の適切な方法を介して)接合される複数のアイテムから製造されてもよい。
【0017】
[1050] 本明細書で使用される場合、用語「標的組織」は、超音波エネルギー切除技術が適用される患者の又は患者内の内部組織又は外部組織のことをいう。例えば、標的組織は、癌細胞、腫瘍細胞、病変、脈管閉塞、血栓症、結石、子宮筋腫、骨転移、腺筋症又は任意の他の生体組織であり得る。さらに、標的組織の提示された例は適切な標的組織の網羅的なリストではない。したがって、本明細書に記載される超音波エネルギーシステムは、上述の組織の処置に限定されず、かつ、任意の適切な生体組織に使用可能である。さらに、「標的組織」は、例えば、ステント、人工管の一部、身体内の留め具などのような、身体内の又は身体に関連する人工物質を含み得る。したがって、例えば、本明細書に記載される超音波エネルギーシステムはステント又は人工バイパスグラフトの上又は内で使用可能である。
【0018】
[1051] 本明細書で使用される場合、用語「剛性」は、加えられた力によって生成される撓み、変形及び/又は変位に対する物体の抵抗に関するものであり、かつ、概して、物体の「可撓性」の反対であることが理解される。例えば、より高い剛性を有するチューブの壁は、より低い剛性を有するチューブの壁よりも、力に曝された場合に、撓み、変形及び/又は変位に対してより抵抗を有している。同様に、より高い剛性を有するチューブは、より低い剛性を有するチューブよりも、剛性が高いものとして特徴付けられ得る。剛性は、物体に加えられる力の量と、物体の第1部分が物体の第2部分に対して撓み、変形し及び/又は変位する結果として生じる距離と、に関して特徴付けられ得る。物体の剛性を特徴付ける場合、撓んだ距離は、力が直接加えられる物体の部分とは異なる物体の部分の撓みとして測定され得る。別の方法では、あるオブジェクトにおいて、撓みのポイントは、力が加えられたポイントとは区別される。
【0019】
[1052] 剛性(及びしたがって、可撓性)は、説明される物体の広範な特性であり、及びしたがって、物体が形成される材料及び物体の特定の物理的特性(例えば、断面形状、長さ、境界条件など)に依存する。例えば、所望の弾性率、曲げ弾性率及び/又は硬度を有する材料を物体に選択的に含めることによって物体の剛性を増減させることができる。弾性率は、構成材料の(すなわち、に固有の)示強性であり、かつ、加えられた力に応答して弾性的に(すなわち、非永久的に)変形する物体の傾向を記述する。高い弾性率を有する材料は、均等に加えられた応力の存在下で低い弾性率を有する材料ほど撓まない。したがって、例えば、物体に導入すること、及び/又は、比較的低い弾性率を有する材料の物体を構築することによって、物体の剛性を低下させることができる。
【0020】
[1053] 物体の形状又は断面積など、物体の物理的特性を変化させることによって物体の剛性を増減させることができる。例えば、長さ及び断面積を有する物体は、同一の長さを有するが、より小さい断面積を有する物体よりも、高い剛性を有する場合がある。別の例として、より低い応力及び/又は物体の特定の位置において変形を引き起こす1以上の応力集中ライザ(又は不連続な境界)を含むことによって物体の剛性を低下させることができる。したがって、物体の形状を減少及び/又は変化させることによって物体の剛性を低下させることができる。
【0021】
[1054] 本明細書に記載の実施形態は超音波エネルギー切除システムに関する。こうしたシステムでは、超音波プローブアセンブリは、超音波エネルギー源に動作可能に結合されて、標的組織に超音波エネルギーを送達することができる。例えば、
図1は、一実施形態に係る超音波エネルギー切除システム100の図である。超音波エネルギー切除システム100(本明細書では、「超音波システム」又は「超音波切除システム」又は単に「システム」ともいう。)は、超音波発生器180(本明細書では、「発生器」ともいう。)と、フットスイッチ170と、超音波トランスデューサアセンブリ150と、超音波プローブアセンブリ110(本明細書では、「プローブアセンブリ」ともいう。)と、を含む。超音波発生器180は、電気信号(例えば、電圧)を生成、制御、増幅及び/又はトランスデューサアセンブリ150に伝達するように構成された任意の適切な発生器であってもよい。
【0022】
[1055] 超音波発生器180は、超音波トランスデューサアセンブリ150によって受信され、かつ、超音波エネルギーに変換され得る所望の特性を有する電子信号(すなわち、電流及び電圧)を生成するために、少なくとも、プロセッサ、メモリ及び回路(
図1では図示せず)を含む。ある実施形態では、超音波発生器180は、超音波発生器180が電流の流れを受け取るように電気レセプタクルに電気的に結合され得る(例えば、「差し込まれ得る」)。例えば、ある実施形態では、超音波発生器180は、所定の電圧(例えば、120V、230V又は他の適切な電圧)及び所定の周波数(例えば、60Hz、50Hz又は他の適切な周波数)で交流(AC)電力を送達する壁コンセントに差し込まれ得る。
【0023】
[1056]
図1には図示していないが、超音波発生器180は、電子回路、ハードウェア、ファームウェア、及び/又は、超音波発生器180を周波数インバータ及び/又は電圧ブースタとして機能させる命令を含む。こうして、超音波発生器180は、所望の超音波エネルギー出力を生成するために、所望の特性を有するトランスデューサアセンブリ150に電圧を生成及び/又は出力することができる。例えば、ある実施形態では、超音波発生器180は、およそ60Hzの周波数及びおよそ120Vの電圧で交流電力を受け取り、かつ、およそ500~1500VAC(RMS)の電圧で最大およそ20000Hz~35000Hzの周波数に電圧を変換することができる。したがって、超音波発生器180は、超音波周波数を有する交流電力の流れをトランスデューサアセンブリ150に供給することができる。
【0024】
[1057]
図1に示すように、システム100は、任意選択的に、フットスイッチケーブル171を介して超音波発生器180と電気通信するフットスイッチ170を含んでもよい。フットスイッチ170は、超音波トランスデューサアセンブリ150に供給される超音波電気エネルギーの送達を制御するように動作するペダル172(例えば、図示するように2つのペダル)のセットを含む。例えば、ある実施形態では、ユーザ(例えば、医師、技師等)は、本明細書で詳細にさらに説明するように、プローブアセンブリ110が所望の超音波エネルギーを生体組織に送達するように、ペダル172のうちの1以上に係合及び/又は押圧して、超音波トランスデューサアセンブリ150に供給される電流を制御することができる。
【0025】
[1058] トランスデューサアセンブリ150は、トランスデューサケーブル167を介して超音波発生器180と電気通信する。このようにして、トランスデューサアセンブリ150は、超音波発生器180から電気信号(すなわち、電圧及び電流)を受け取ることができる。トランスデューサアセンブリ150は、圧電部材162(すなわち、圧電リング)及びトランスデューサホーン163(例えば、
図2参照)のセットを介して、所望の超音波エネルギーを生成及び増幅し、かつ、プローブアセンブリ110及び/又は伝送部材120に超音波エネルギーを伝達するように構成される。トランスデューサアセンブリ150は、本明細書に示されて説明されるタイプの任意の適切なアセンブリであってもよい。
【0026】
[1059] 例えば、ある実施形態では、
図2に示すように、トランスデューサアセンブリ150は、近位端部分152及び遠位端部分153を有するハウジング151を含む。ハウジング151は、流管157、ボルト158、背面板160、絶縁体161のセット、圧電リング162のセット(絶縁体及び圧電リングのセットを超音波スタックともいう)、及び、トランスデューサホーン163を収容又は他の方法で包囲するように構成される。
【0027】
[1060] ハウジング151の近位端部分152は、(例えば、接着剤、プレス嵌め又は摩擦嵌め、ねじ結合、機械的留め具などを介して)近位カバー154に結合される。近位カバー154は、近位カバー154がその近位側(例えば、ハウジング151の実質的に外側)のコネクタ156(例えば、ルアーコネクタ)の一部と、その遠位側(実質的にハウジング151の内部)の流管157の一部と、を受け入れることができるように、開口155を規定する。さらに拡張すると、近位カバー154がコネクタ156及び流管157と実質的に流体密シールを形成するように、近位カバー154はコネクタ156及び流管157を受け入れることができる。このようにして、プローブアセンブリ110が配置される身体の領域を灌注する及び/又は吸引するために、コネクタ156を介して真空が適用され得る。同様に、この配置によって、コネクタ156は、伝送部材120によって規定された内腔と流体連通するように配置される。トランスデューサアセンブリ150は、トランスデューサアセンブリ150を通る灌注及び/又は吸引を容易にするための流路(及びコネクタ156)を含むものとして示されているが、他の実施形態では、灌注及び/又は吸引のための流路は、トランスデューサアセンブリ内にある必要はないが、代わりに、(例えば、プローブアセンブリ内の)システムの他の部分内にのみであってもよい。
【0028】
[1061] ハウジング151の遠位端部分153は、トランスデューサホーン163がハウジング151の内面に結合されるようにトランスデューサホーン163を受け入れるように構成される。より具体的には、(例えば、超音波エネルギーを増幅する場合)トランスデューサホーン163がハウジング151に対して移動させられ得るが、通常の使用中にハウジング151から外側に移動させられないように、トランスデューサホーン163はハウジング151内に少なくとも部分的に配置され得る。トランスデューサホーン163は、近位端部分164と遠位端部分165とを含み、かつ、それらを通る内腔166を規定する。内腔166は、トランスデューサホーン163の近位端部分164におけるボルト158の一部と、トランスデューサホーン163の遠位端部分165におけるプローブアセンブリ120の一部と、を受け入れるように構成されており、その両方が本明細書でさらに詳細に説明される。
【0029】
[1062]
図2に示すように、背面板160、絶縁体161及び圧電部材162は、ハウジング151内、かつ、ボルト158周りに配置されている。したがって、圧電部材162及び絶縁体161はリングの形状であってもよい。より具体的には、背面板160、絶縁体161及び圧電部材162は、背面板160が絶縁体161及び圧電部材162の近位に配置されるように配置される。圧電部材162は各々、絶縁体161の間に配置される。同様に、第1絶縁体161は、圧電部材162の近位に配置され、かつ、第2絶縁体161は圧電リング162の遠位に配置される。圧電部材162は、本明細書でさらに詳細に説明するように、(例えば、
図1及び
図2に図示されないワイヤを介して)超音波発生器180と電気通信する。
【0030】
[1063]
図2に示すように、ボルト158の一部は、トランスデューサホーン163によって規定された内腔166内に配置されるように構成される。より具体的には、ボルト158の一部は、内腔166を規定するトランスデューサホーン163の内面とねじ嵌合を形成する。このように、ボルト158が背面板160、絶縁体161及び圧電部材162に圧縮力を及ぼすように、ボルト158は内腔166内で前進させられてもよい。したがって、背面板160、絶縁体161及び圧電部材162は、ボルト158の頭部(例えば、近位端)とトランスデューサホーン163の近位面との間に保持される。ボルトに加えられるトルク及び/又はボルト158の頭部とトランスデューサホーン163の近位面との間に作用するクランプ力は、トランスデューサ固有周波数偏差の偏差が公称から10%以内となるようなものである。したがって、使用中、圧電部材162は、本明細書にさらに説明するように、トランスデューサホーン163を振動及び/又は移動させることができる。
【0031】
[1064] ボルト158の近位端部分が流管157の遠位端部分を受け入れることができるように、ボルト158は内腔159をさらに規定する。このようにして、ボルト158及び流管157によって規定された内腔159は、トランスデューサホーン163によって規定された内腔166をコネクタ156と流体連通するように協働して配置する。したがって、トランスデューサホーン163の内腔166は、ハウジング151の近位端の実質的に外側の容積と流体連通するように配置されてもよい。
【0032】
[1065]
図1及び
図2に示すように、プローブアセンブリ110は、少なくとも、長尺伝送部材120(本明細書では、「伝送部材」又は「長尺部材」ともいう。)及びカプラ130を含む。ある実施形態では、プローブアセンブリ110は、各々が長尺部材及びカプラを有する複数のプローブを含んでもよい。以下、こうした実施形態について説明する。例えば、ある実施形態では、トランスデューサアセンブリ150は、プローブアセンブリ210とともに使用され得る(又は結合され得る)。カプラ130は、近位端部分131及び遠位端部分132を含み、それらを通って延在する内腔133を規定する。カプラ130の近位端部分131は、トランスデューサホーン163の遠位端部分165で内腔166内に配置され、かつ、内腔166を規定するトランスデューサホーン163の内面にプローブ結合168とねじ嵌合を形成する。本実施形態では、プローブ結合168はねじ結合である。カプラ130の遠位端部分131は、伝送部材120の一部を受け入れて、伝送部材120をカプラ130に固定的に結合するように構成される。このようにして、プローブアセンブリ110は、カプラ130を介してトランスデューサアセンブリ150に取り外し可能に結合されてもよい。
【0033】
[1066] 伝送部材120は、近位端部分121及び遠位端部分122を有する長尺チューブである。伝送部材120は、任意の適切な形状、サイズ又は構成であってもよく、かつ、特定の実施形態に関して本明細書でさらに詳細に説明される。ある実施形態では、伝送部材120は、伝送部材120の少なくとも一部の可撓性を増加させ(例えば、剛性を低下させ)、それによって、患者内の曲がりくねった内腔(例えば、尿路、静脈、動脈等)を通る伝送部材120の通過を容易にするように構成された任意の適切な特徴を任意選択的に含んでもよい。例えば、ある実施形態では、伝送部材120の一部は、より高い剛性を有する材料から形成された伝送部材120の異なる部分よりも低い剛性を有する材料から形成されてもよい。ある実施形態では、開口(例えば、ノッチ、溝、チャネル、切り欠き等)を規定することによって、伝送部材120の少なくとも一部の剛性が低減され、それによって、伝送部材120の一部の断面二次モーメントを低減することができる。
【0034】
[1067] 使用中、ユーザ(例えば、外科医、技師、医師等)は、超音波システム100を操作して、患者内の標的生体組織に超音波エネルギーを送達することができる。例えば、超音波システム100は、患者における慢性完全閉塞(CTO)を処置するために使用されてもよい。ユーザは、例えば、超音波発生器180が所望の超音波周波数(例えば、20000Hz)を有する交流電流(AC)及び電圧を生成するように、フットスイッチ170のペダル172に係合することができる。このようにして、超音波発生器180は圧電リング162に交流電力を供給することができる。交流電力は、圧電リング162を所望の周波数で振動させる(例えば、拡張させる、収縮させる又は他の方法で変形させる)ことができ、これによって今度は、ハウジング151に対してトランスデューサホーン163を移動させる。したがって、プローブアセンブリ110がトランスデューサホーン163に結合された状態で、トランスデューサホーン163の移動はプローブアセンブリ110を振動及び/又は移動させる。このようにして、伝送部材120が超音波エネルギーの少なくとも一部を標的組織(
図1及び
図2には図示せず)に伝達するように、伝送部材120の遠位端部分122は、標的組織に隣接する患者の一部とともに配置されてもよい。例えば、ある実施形態では、伝送部材120の遠位先端は、例えば、閉塞を破断するなどのため、標的組織に衝撃を与えることができる。ある実施形態では、伝送部材120の遠位端部分122は、キャビテーションが患者の一部内で発生するように動かされる。このようにして、キャビテーションは標的組織をさらに破断することができる。ある実施形態では、超音波システム100は、任意選択的に、標的組織部位を吸引及び/又は標的組織部位に灌注を供給するために使用されてもよい。例えば、プローブアセンブリ110の一部は、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位の閉塞から粒子を吸引するために使用可能な流体ラインに結合されたポートを含んでもよい。
【0035】
[1068]
図3A~
図6Bは、上述したシステム100などの超音波エネルギー切除システム内で使用可能な超音波プローブアセンブリ210を示している。例えば、超音波プローブアセンブリ210は、トランスデューサアセンブリ150に解放可能に結合されてもよい。本実施形態では、プローブアセンブリ210は、以下でさらに詳細に説明するように、第1プローブ235(例えば、
図5及び
図6A参照)と、第1プローブ235に解放可能に結合され得る第2プローブ245(例えば、
図5及び
図6B参照)と、を含む。第1プローブ235は、第1長尺伝送部材220(本明細書では、「第1伝送部材」又は「第1長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」ともいう。)及びカプラ230を含む。カプラ230は、近位端部分231及び遠位端部分232を含み、かつ、カプラ230を通じて少なくとも部分的に延在する中心内腔223(例えば、
図5参照)を規定する。カプラ230は、中心内腔223と流体連通する側内腔224を規定する。ある実施形態では、第1プローブ235を通じて吸引及び/又は灌注を提供するために、側ポート(例えば、後述する側ポート425と同様)が側内腔224に及び/又は側内腔224内に結合されてもよい。例えば、側内腔は、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位の閉塞から粒子を吸引するために使用され得る伝達ラインに結合され、かつ、伝達ラインに流体連通してもよい。流体ラインを示す一実施形態は、プローブアセンブリ410に関して後述される。他の実施形態では、カプラ230は、側内腔を含まなくてもよく、かつ代わりに、吸引及び/又は灌注を容易にする中心内腔のみを含んでもよい。カプラ230の近位端部分231は、トランスデューサアセンブリの遠位端部分(例えば、トランスデューサアセンブリ150の遠位端部分165)におけるプローブ結合(例えば、
図2のプローブ結合168参照)に解放可能に結合されるように構成された第1結合部分234を含む。例えば、第1結合部分234は、トランスデューサホーン163の遠位端部分165における内腔166内の嵌合ねじプローブ結合168に、トランスデューサアセンブリ150内でねじ結合されたねじ結合であってもよい。このようにして、プローブ235は、カプラ230を介してトランスデューサアセンブリ150に取り外し可能に結合されてもよい。カプラ230は、カプラ230をプローブ結合に固定することを補助するための工具を受け入れるために使用可能な2つの平坦な凹面237を含む。例えば、医療レンチなどの工具は、表面237にクランプし、かつ、プローブ結合にカプラ230を締め付けるために使用されてもよい。
【0036】
[1069] カプラ230の遠位端部分232は、伝送部材220の一部を受け入れて(すなわち、中心内腔223内)、カプラ230に伝送部材220を固定的に結合するように構成される。伝送部材220は近位端部分221及び遠位端部分222を含む。近位端部分221は、カプラ230の遠位端部分232に固定的に結合される。遠位端部分222は、以下でより詳細に説明するように、患者の身体内に挿入されるように構成される。上述したように、第1プローブ235は、第2プローブ245に第1プローブ235を解放可能に結合するための第2結合部分236を含む。
【0037】
[1070] 第2プローブ245は、長尺伝送部材244(本明細書では、「第2伝送部材」又は「第2長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」という。)及びカプラ240を含む。カプラ240は、近位端部分243及び遠位端部分247を含み、かつ、少なくとも部分的にそれらを通って延在する腔239(例えば、
図5参照)を規定する。伝送部材244は近位端部分241及び遠位端部分242を含む。近位端部分241は、カプラ240の遠位端部分247に固定的に結合される。カプラ240の近位端部分243は、第1プローブ235の第2結合部分236に解放可能に結合されるように構成された結合部分246(本明細書では、「第3結合部分」ともいう。)を含む。したがって、第2プローブ245は、第1プローブ235を介して(例えば、カプラ230を介して)トランスデューサアセンブリ150に取り外し可能又は解放可能に結合されてもよい。このようにして、第1プローブ235及び第2プローブ245の両方が、同じトランスデューサアセンブリに結合され、かつ、同じ超音波トランスデューサによって駆動されてもよい。より具体的には、第2プローブ245の内腔248は、第1プローブ235の第1長尺部材220の少なくとも一部を受け入れてもよく、かつ、カプラ230は、カプラ240に解放可能に結合されてもよい。第1プローブ235の長尺部材220は、例えば、第1長尺部材220の遠位端が内腔248の外側に延在するように、第2長尺部材244の内腔248を通じて挿入されてもよい。このようにして、第2長尺部材244は、以下で説明するように、ガイドカテーテルとして機能することができる。内腔248の外側に遠位に延在することによって、長尺部材220の遠位端部分222が標的組織内に前進させられてもよい。
【0038】
[1071] 本実施形態では、第2結合部分236は、クイックリリースコネクタ(例えば、ルアーロックタイプコネクタ)であり、第2プローブ245の第3結合部分246は、第1プローブ235と第2プローブ245との間にクイックリリース接続を提供するための嵌合クイックリリースコネクタである。代替の実施形態では、第2結合部分236はねじ結合であってもよく、第3結合部分246は、第2プローブ246に第1プローブ235をねじ結合するねじ結合であってもよい。こうした実施形態は、プローブアセンブリ310及び410を参照して以下で説明される。ある実施形態では、第2プローブ245は、第2長尺部材244に組み込まれ得る又は別個の構成要素として提供され得るテーパ状の遠位端部分を含んでもよい。こうした実施形態は、テーパ状の遠位端部分449を含むプローブアセンブリ410、又は、テーパ状の遠位端部分249’を含む代替の第2プローブ245’(
図9A~
図9Cに示す)を参照して以下で説明される。ある実施形態では、第2プローブ245のテーパ状の遠位端部分は、第2長尺部材244の中心線に対して30~40度の角度を有してもよい。第2プローブ245のテーパ状の遠位端部分249’は、処置されるべき組織内へのプローブアセンブリ210の挿入を補助することができる。さらに、
図9A~
図9Cを参照して説明するように、テーパ状の遠位端部分249’は、第1プローブと第2プローブとの間の接触を強化するため、プローブアセンブリの所望の変形を容易にすることができる。この接触の強化は、第1(内側)プローブから標的組織への超音波エネルギーの伝送を改善することができる。
【0039】
[1072] 第1長尺部材220及び第2長尺部材244は各々、本明細書に記載されるような任意の適切な形状、サイズ又は構成であってもよい。ある実施形態では、長尺部材220及び244は、任意選択的に、伝送部材220、244の少なくとも一部の可撓性を増加させ(例えば、剛性を低下させ)、それによって、患者内の曲がりくねった内腔(例えば、尿路、静脈、動脈等)を通る長尺部材220、244の通過を容易にするように構成された任意の適切な特徴を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、長尺部材220及び/又は244の一部は、より高い剛性を有する材料から形成された長尺部材220、244の異なる部分よりも低い剛性を有する材料から形成されてもよい。ある実施形態では、長尺部材220及び/又は244の少なくとも一部の剛性は、長尺部材220及び/又は244に開口(例えば、ノッチ、溝、チャネル、切り欠き等)を規定することによって、若しくは、長尺部材220及び/又は244が以下に説明するように形成され得る編組材料内に開口を設けることによって低減され、それによって、伝送部材220、244の一部の断面二次モーメントを低減することができる。
【0040】
[1073] さらに、第1長尺部材220は、第2長尺部材244と同じ又は異なる材料で形成されてもよい。ある実施形態では、第2長尺部材244は、第1長尺部材220よりも高い可撓性を有する材料で形成される。言い換えると、第1長尺部材220は、第2長尺部材244より高い剛性を有している。ある実施形態では、第2長尺部材244は編組金属材料で形成される。ある実施形態では、編組材料は、ステンレス鋼(例えば、304ステンレス鋼)、ニチノール(登録商標)(すなわち、ニッケル-チタン合金)、又は、例えば60-75PPI(インチ長さ当たりの打ち込み本数)及びダイヤモンド及び/又は螺旋パターンを有する他の金属合金である。
【0041】
[1074] 先の実施形態に関して上述したように、使用中、ユーザ(例えば、外科医、技師、医師等)は、(上述した)超音波システム100を操作して、患者内の標的生体組織に超音波エネルギーを送達することができる。例えば、超音波システム100及びプローブアセンブリ210は、患者内の慢性完全閉塞(CTO)を処置するために使用されてもよい。
【0042】
[1075] 2つの超音波プローブ(第1プローブ235及び第2プローブ245)を有するプローブアセンブリ210は、ユーザが、第1プローブ235及び第2プローブ245の両方を使用して標的対象を処置することを可能にする、又は、ユーザは、超音波エネルギーが第1長尺部材220のみに伝達されるように第1プローブ235から第2プローブ245を選択的に切り離すことができる。こうした使用中、第2プローブ245は、例えば、ガイドカテーテルとして機能することができる。ユーザは、プローブアセンブリ210が患者の身体内に挿入されている間、第1プローブ235に第2プローブ245を選択的に結合及び第1プローブ235から第2プローブ245を選択的に切り離すことができる。例えば、場合によっては、ユーザは、トランスデューサアセンブリに第1プローブ235を接続し、かつ、患者の身体内に第1プローブ235を挿入するためのガイドカテーテルとして第2プローブ245を使用することができる。超音波エネルギーは、トランスデューサアセンブリのトランスデューサを介して、第1プローブ及び処置されるべき標的組織に提供されてもよい。その後、ユーザは、(カプラ230及び第2カプラ240を介して)第1プローブ235に第2プローブ245を接続し、それによって、トランスデューサアセンブリ及びトランスデューサに第2プローブ245を接続し、かつ、両方のプローブを通じて標的組織に超音波エネルギーを作用させることができる。場合によっては、第2プローブ245は使用されなくてもよい。場合によっては、第1プローブ235及び第2プローブ245の両方がトランスデューサに結合され、かつ、超音波エネルギーが両方のプローブを通じて標的組織に適用される。
【0043】
[1076] プローブアセンブリ210の少なくとも第1プローブ235が(プローブアセンブリ110に代えて)トランスデューサアセンブリ150に結合された場合、第1長尺部材220は、トランスデューサアセンブリ150の超音波トランスデューサ(例えば、圧電部材162)から超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的物体に超音波エネルギーを伝達することができる。同様に、第2プローブ245が第1プローブ235に結合された場合、第2長尺部材244は、超音波トランスデューサから超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に超音波エネルギーを伝達することができる。第2(外側)プローブ245がより大きい直径を有するので、第2プローブ245を通じて超音波エネルギーを伝達することにより、標的組織(例えば、CTO)を通じてより大きな開口を生成することができる。
【0044】
[1077] 上述したように、ユーザは、例えば、超音波発生器180が所望の超音波周波数(例えば、20000Hz)で交流電流(AC)及び電圧を生成するように、フットスイッチ170のペダル172に係合することができる。このようにして、超音波発生器180は、圧電部材162に交流電力を供給することができる。交流電力は、所望の周波数で圧電部材162を振動させる(例えば、拡張させる、収縮させる又は他の方法で変形させる)ことを促すことができ、そのことが今度は、トランスデューサホーン163をハウジング151に対して相対的に移動させる。したがって、プローブアセンブリ210がトランスデューサホーン163に結合された状態では、トランスデューサホーン163の移動は、プローブアセンブリ210、及びより具体的には、それらがトランスデューサアセンブリ150に結合された場合に第1長尺部材220及び/又は第2長尺部材244を振動及び/又は移動させる。
【0045】
[1078] 使用中、プローブアセンブリ210の遠位端部分は、第1長尺部材220又は第1長尺部材220及び第2長尺部材244が標的組織に超音波エネルギーの少なくとも一部を伝達することができるように、標的組織(例えば、CTOなどの閉塞)に隣接又は貫通する患者の脈管内に挿入されてもよい。プローブアセンブリ220の遠位端部分は、トランスデューサアセンブリに第1プローブ235及び/又は第2プローブ245を結合する前又は後のいずれかに、脈管内に挿入されてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材220の遠位先端又は端部は、第2長尺部材244の内腔248の外側に延在してもよく、かつ、例えば、閉塞を破断するために、標的組織に衝撃を与えてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材220の遠位端部分222は、キャビテーションが患者の一部内で発生するように移動させられる。このようにして、キャビテーションは、標的組織をさらに破断することができる。本明細書で説明するように、ある実施形態では、プローブアセンブリ210は、任意選択的に、標的組織部位を吸引及び/又は標的組織部位に灌注を供給するために使用されてもよい。例えば、第1プローブのポートは、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位の閉塞から粒子を吸引するために使用され得る伝達ラインに結合されてもよい。
【0046】
[1079] ある実施形態では、第1長尺部材220は、例えば
図7Aに概略的に示すように、第1長尺部材220が第2長尺部材244の内腔248内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材244と同軸である。
図7Aに示すように、第1プローブ235の第1長尺部材220と第2プローブ245の第2長尺部材244とは、共通の中心軸線A1(例えば、それらは同軸上に配置されている)を共有する。さらに、第1長尺部材220は直径D1を有し、かつ、第2長尺部材244は、直径D1よりも大きい直径D2を有し、第1長尺部材220が第2長尺部材244を通って挿入されることを可能にする。
【0047】
[1080] ある実施形態では、第1長尺部材は、第1長尺部材220が第2長尺部材の内腔内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材内で非同軸であってもよい。この構成は、例えば
図7Bに概略的に示されている。
図7Bに示すように、第1プローブ635は、第1中心軸線A1を有する第1長尺部材620に結合された第1カプラ630を含み、かつ、第2プローブ645は、第1中心軸線A1からオフセットされた第2軸線A2を有する第2長尺部材644に結合された第2カプラ640を含む。言い換えると、第1長尺部材620は第2長尺部材644と非同軸である。こうした非同軸の構成では、第1長尺部材620と第2長尺部材644との間での近接又は場合によっては接触が、超音波エネルギーが第1長尺部材620から第2長尺部材644に伝達され、及びその後、標的組織に伝達され、処置部位により多くの超音波エネルギーを提供することを可能にする。
【0048】
[1081] プローブアセンブリ210は、2つのプローブ(第1プローブ235及び第2プローブ245)を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、プローブアセンブリ210は任意の数のプローブを含んでもよい。例えば、ある実施形態では、プローブアセンブリは、1以上の「内側」プローブを含んでもよい。異なる内側プローブが、所望の処置を容易にするための異なるサイズ及び/又は特性を有してもよい。例えば、ある実施形態では、プローブアセンブリは、第1プローブよりも大きいサイズ(例えば、長尺部材の直径)を有する第3プローブ(すなわち、第2「内側」プローブ)を有してもよい。サイズの増大によって、外側プローブとのより良好な接触を容易にすることができ、それによって、内側プローブから外側プローブへの(及びしたがって、標的組織への)超音波エネルギーの伝送を増強することができる。
図7Cは、本明細書に記載のプローブアセンブリ210又は任意の他のプローブアセンブリとともに使用可能な第3プローブ275を示している。第3プローブ275は第3長尺部材274及び第3カプラ270を含む。第3プローブ275の第3長尺部材274は、直径D1よりも大きい直径D3を有する。場合によっては、第3長尺部材274は、第2長尺部材244の遠位端を出るために直径が大きすぎることがあり得る。第3プローブ275の例示的な使用は
図9A~
図9Cを参照して以下に説明される。
【0049】
[1082]
図8は、閉塞Oの近くで患者の脈管V内に配置された第1プローブ635及び第2プローブ645(
図7Bに示す)の概略図である。上述したように、この例示では、第1プローブ635は、第2プローブ645と非同軸の関係に配置される。プローブアセンブリ610の遠位部分が閉塞Oの近くで脈管V内に挿入された状態では、トランスデューサアセンブリは、第1プローブ635の第1長尺部材620及び第2プローブ645の第2長尺部材644を介して、閉塞内に超音波エネルギーを送達するように作動されてもよい。
【0050】
[1083]
図9A~
図9Cは、本明細書に記載されるプローブアセンブリの例示的な使用を示している。
図9Aは、閉塞Oの近く又は閉塞O内で患者の脈管V内に配置された第1プローブ235及び代替の第2(又は外側)プローブ245’を含むプローブアセンブリ210’の概略図を示している。この例示では、第1プローブ235は第2プローブ245’と同軸の関係に配置される。第2プローブ245’は、本明細書に記載の第2プローブ245又は第2プローブのいずれかと同じように構成されてもよい。例えば、第2プローブ245は第2長尺部材244’を含む。この実施形態では、第2長尺部材244’は、テーパ状の遠位端部分249’を含む。ある実施形態では、テーパ状の遠位端部分249’は、第2長尺部材244’の中心線に対して30~40度の角度を有してもよい。上述したように、第2プローブ245’は、他の実施形態に関して本明細書で説明したのと同様に、第1プローブ235に結合されてもよい。
図9Aに示すように、第1プローブ235の遠位端部分は、第2プローブ245’の外側に延在している。図示していないが、プローブアセンブリ210’の遠位部分は、場合によっては、閉塞内に侵入することができる。プローブアセンブリ210’の遠位部分が閉塞Oの近く又は閉塞O内で脈管V内に挿入された(又は閉塞を貫通した)状態では、トランスデューサアセンブリは、第1プローブ235の第1長尺部材220及び任意選択的に第2プローブ245’の第2長尺部材244’に沿って、及び閉塞内に、超音波エネルギーを送達するように作動させられてもよい。閉塞を少なくとも部分的に破壊するために超音波エネルギーを送達した後、この例の使用では、第1プローブ235は、トランスデューサアセンブリから及び第2プローブ245’から切り離され、かつ、患者の身体から除去される。第2プローブ245’内からの第1プローブ235の除去は、第2プローブ245’を脈管V内に維持しながら実行されてもよい。ある実施形態では、第2プローブ245’は、少なくとも部分的に閉塞(超音波エネルギーの初期送達によって生成された開口を介して)内に侵入するように脈管V内に再配置されてもよい。
【0051】
[1084]
図9Bに示すように、第3プローブ275は、第2プローブ245’の内腔を通って挿入される第3長尺部材274を含む。第3プローブ275は、第2プローブ245’のカプラ(図示せず)に第3プローブ275を結合する第3カプラ(図示せず)を含む。
図9Bに示すように、第3長尺部材274は、第3長尺部材274が第2長尺部材244’のテーパ状の遠位端249’を通って出ることができないように、第1長尺部材220の直径よりも大きい直径を有する。言い換えると、第3長尺部材274は、第2長尺部材245’の遠位先端を通る遠位先端の移動を制限するようなサイズを有する遠位先端を有する。第3プローブ275が第2プローブ245’内に配置された状態で、第2プローブ245’及び第3プローブ275の遠位部分は閉塞内に位置決めされてもよい。
【0052】
[1085] 第3プローブ275を挿入した後、
図9Bの矢印AAによって示すように、第3長尺部材274に対して第2長尺部材244’を近位に移動させることによって、第2プローブ245’のカプラは第3プローブ275のカプラに結合されてもよい。第2(外側)プローブ245’が近位に移動することによって、第2長尺部材244’のテーパ状の遠位先端部分249’は第3長尺部材274の遠位先端部分に係合する。第2(外側)プローブ245’を連続的に近位に移動させると(第3プローブ275のカプラに第2プローブ245’を結合するため)、
図9Cの矢印BBによって示すように、第2長尺部材244’の遠位部分及び/又は第3長尺部材274の遠位部分が変形し、第3長尺部材274と第2長尺部材244’との間の接触位置Cを生成する。具体的には、この変形によって、第3長尺部材274の外面と第2長尺部材244’の内面との間の接触が引き起こされる(又は、既存の接触を強化する)。その後、超音波エネルギーが、超音波トランスデューサアセンブリから少なくとも第3プローブ275に伝送されてもよく、かつ、超音波エネルギーの少なくとも一部が、(
図9Cの超音波エネルギーUSによって示されるように)第3長尺部材274から接触位置C及び第2長尺部材244’を通って閉塞に送達される。
【0053】
[1086]
図10A~
図13Bは、2つの超音波プローブを含み、かつ、上述したシステム100などの超音波エネルギー切除システムに結合され得る及び超音波エネルギー切除システム内で使用され得る超音波プローブアセンブリの別の実施形態を示している。この実施形態では、プローブアセンブリ310は、以下でさらに詳細に説明するように、第1プローブ335(例えば、
図12及び
図13A参照)と、第1プローブ335に解放可能に結合され得る第2プローブ345(例えば、
図12及び
図13B参照)と、を含む。第1プローブ335は、第1長尺伝送部材320(本明細書では、「第1伝送部材」又は「第1長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」という。)及びカプラ330を含む。カプラ330は、近位端部分331及び遠位端部分332を含み、かつ、カプラ330を少なくとも部分的に延長する中心内腔323(例えば、
図12参照)を規定する。カプラ330は、中心内腔323と流体連通する側内腔324を規定する。ある実施形態では、第1プローブ335を通って吸引及び/又は灌注を提供するために、側ポート(例えば、後述する側ポート425と同様)が側内腔324に結合され得る及び/又は側内腔324内に結合され得る。例えば、側内腔324は、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位から粒子を吸引するために使用可能な伝達ラインに結合されてもよく、かつ、伝達ラインに流体連通してもよい。以下では、プローブアセンブリ410について、流体ラインを示す実施形態を説明する。他の実施形態では、カプラ330は、側内腔を含む必要はなく、代わりに、吸引及び/又は灌注を容易にするそこを通る中心内腔のみを含んでもよい。カプラ330の近位端部分331は、トランスデューサアセンブリの遠位端部分(例えば、トランスデューサアセンブリ150の遠位端部分165)におけるプローブ結合(例えば、
図2のねじプローブ結合168参照)に解放可能に結合されるように構成された第1結合部分334を含む。例えば、この実施形態では、第1結合部分334は、トランスデューサアセンブリ150内で、トランスデューサホーン163の遠位端部分165における内腔166内の嵌合ねじプローブ結合168にねじ結合されるねじ結合である。このようにして、第1プローブ335は、カプラ330を介してトランスデューサアセンブリ150に取り外し可能に結合されてもよい。カプラ330は、プローブ結合にカプラ330を固定するのを補助するための工具を受け入れるために使用可能な2つの平坦な凹面337を含む。例えば、医療レンチなどの工具が、表面337にクランプし、かつ、プローブ結合にカプラ230を締め付けるために使用されてもよい。
【0054】
[1087] カプラ330の遠位端部分332は、伝送部材320の一部を受け入れて、カプラ330に(すなわち、中心内腔323内で)伝送部材320を固定的に結合するように構成される。伝送部材320は近位端部分321及び遠位端部分322を含む。近位端部分321は、カプラ330の遠位端部分332に固定的に結合される。遠位端部分322は、以下でより詳細に説明するように、患者の身体内に挿入されるように構成される。上述したように、第1プローブ335は、第2プローブ345に第1プローブ335を解放可能に結合するための第2結合部336も含む。
【0055】
[1088] 第2プローブ345は、長尺伝送部材344(本明細書では、「第2伝送部材」又は「第2長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」という。)及びカプラ340を含む。カプラ340は、近位端部分343及び遠位端部分347を含み、かつ、少なくとも部分的にそこを貫通する内腔339(例えば、
図12参照)を規定する。伝送部材344は近位端部分341及び遠位端部分342を有する。近位端部分341は、カプラ340の遠位端部分347に固定的に結合される。カプラ340の近位端部分343は、第1プローブ335の第2結合部分336に解放可能に結合されるように構成された結合部分346(本明細書では、「第3結合部分」ともいう。)を含む。したがって、第2プローブ345は、第1プローブ335を介して(例えば、カプラ330を介して)トランスデューサアセンブリ150に取り外し可能又は解放可能に結合されてもよい。このようにして、第1プローブ335及び第2プローブ345の両方が、同じトランスデューサアセンブリに結合されてもよく、かつ、同じ超音波トランスデューサによって駆動されてもよい。より具体的には、第2プローブ345の内腔348は、第1プローブ335の第1長尺部材320の少なくとも一部を受け入れてもよく、かつ、カプラ340はカプラ330に解放可能に結合されてもよい。第1プローブ335の長尺部材320は、例えば、第1長尺部材320の遠位端が内腔348の外側に延在するように、第2長尺部材344の内腔348に挿入されてもよい。この実施形態では、第2結合部分336はねじ結合であり、かつ、第3結合部分346は、第2プローブ346に第1プローブ335をねじ結合するためのねじ結合である。第2プローブ345は、第2長尺部材344内に組み込まれ得る又は別個の構成要素として提供され得るテーパ状の遠位端部分を含んでもよい。こうした一実施形態は、テーパ状の遠位端部分449を含むプローブアセンブリ410、又は、テーパ状の遠位端部分249’を含む代替の第2プローブ245’(
図9A~
図9Cに示す)を参照して以下で説明される。第2プローブ345のテーパ状の遠位端部分は、処置されるべき組織内へのプローブアセンブリ310の挿入を補助することができる。このようにして、第2長尺部材344は、以下で説明するように、ガイドカテーテルとして機能することができる。内腔348の外側に遠位に延在することによって、長尺部材320の遠位端部分322は標的組織内に前進させられてもよい。
【0056】
[1089] 第1長尺部材320及び第2長尺部材344は各々、本明細書に記載されるような任意の適切な形状、サイズ又は構成であってもよい。ある実施形態では、長尺部材320及び344は、任意選択的に、伝送部材320、344の少なくとも一部の可撓性を増大させ(例えば、剛性を低下させ)、それによって、患者内の曲がりくねった内腔(例えば、尿路、静脈、動脈等)を通る長尺部材320、344の通過を容易にするように構成された任意の好適な特徴を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、長尺部材320及び/又は344の一部は、より高い剛性を有する材料から形成された長尺部材320、344の異なる部分よりも低い剛性を有数材料から形成されてもよい。ある実施形態では、長尺部材320及び/又は344に開口(例えば、ノッチ、溝、チャネル、切り欠き等)を規定することによって、及び/又は、長尺部材320及び/又は344が形成され得る編組材料内に開口を設けることによって、長尺部材320及び/又は344の少なくとも一部の剛性は低減され、それによって、伝送部材320、344の一部の断面二次モーメントを減少させることができる。
【0057】
[1090] さらに、第1長尺部材320は、第2長尺部材344と同じ又は異なる材料で形成されてもよい。ある実施形態では、第2長尺部材344は、第1長尺部材320よりも高い可撓性を有する材料で形成される。言い換えると、第1長尺部材320は、第2長尺部材344より高い剛性を有する。編組材料は、長尺部材244に関して上述した編組材料と同じであってもよい。
【0058】
[1091] 先の実施形態に関して上述したように、第1長尺部材320は、第1長尺部材320が第2長尺部材344の内腔348内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材344と同軸に配置されてもよい。他の実施形態では、第1長尺部材320は、第1長尺部材320が第2長尺部材344の内腔348内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材344と非同軸である。こうした非同軸の構成では、第1長尺部材320と第2長尺部材344との間の近接又は場合によっては接触が、第1長尺部材320から第2長尺部材344に、及びその後、標的組織に超音波エネルギーを伝送し、処置部位により多くの超音波エネルギーを提供することを可能にする。
【0059】
[1092] 先の実施形態に関して上述したように、使用中、ユーザ(例えば、外科医、技師、医師等)は、(上述した)超音波システム100を操作して、患者内の標的生体組織に超音波エネルギーを送達することができる。例えば、超音波システム100及びプローブアセンブリ310は、患者における慢性完全閉塞(CTO)を処置するために使用されてもよい。
【0060】
[1093] 2つの超音波プローブ(第1プローブ335及び第2プローブ345)を有するプローブアセンブリ310は、ユーザが、第1プローブ335及び第2プローブ345の両方を使用して標的対象を処置することを可能にし、又は、ユーザが、超音波エネルギーが第1長尺部材320にのみ伝達されるように第1プローブ335から第2プローブ345を選択的に切り離すことができる。こうした使用中、第2プローブ345は、例えば、ガイドカテーテルとして機能することができる。ユーザは、プローブアセンブリ310が患者の身体内に挿入されている間、第1プローブ335に第2プローブ345を選択的に結合する及び第1プローブ335から第2プローブ345を選択的に切り離すことができる。例えば、場合によっては、ユーザは、トランスデューサアセンブリに第1プローブ335を接続し、かつ、患者の身体内に第1プローブ335を挿入するためのガイドカテーテルとして第2プローブ345を使用することができる。超音波エネルギーは、トランスデューサアセンブリのトランスデューサを介して、第1プローブに及び処置されるべき標的組織に提供されてもよい。その後、ユーザは、(カプラ330及び第2カプラ340を介して)第1プローブ335に第2プローブ345を接続し、それによって、トランスデューサアセンブリ及びトランスデューサに第2プローブ345を接続し、かつ、両方のプローブを通じて標的組織に超音波エネルギーを作用させることができる。場合によっては、第2プローブ345は使用されなくてもよい。場合によっては、第1プローブ335及び第2プローブ345の両方がトランスデューサに結合され、かつ、超音波エネルギーが両方のプローブを通じて標的組織に適用される。
【0061】
[1094] プローブアセンブリ310の少なくとも第1プローブ335が(プローブアセンブリ110に代えて)トランスデューサアセンブリ150に結合された場合、第1長尺部材320は、トランスデューサアセンブリ150の超音波トランスデューサ(例えば、圧電部材162)から超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に超音波エネルギーを伝達することができる。同様に、第2プローブ345が第1プローブ335に結合された場合、第2長尺部材344は、超音波トランスデューサから超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に超音波エネルギーを伝達することができる。第2(外側)プローブ345がより大きい直径を有するので、第2プローブ345を通じて超音波エネルギーを伝達することにより、標的組織(例えば、CTO)を通じてより大きな開口を生成することができる。
【0062】
[1095] 上述したように、ユーザは、例えば、超音波発生器180が所望の超音波周波数(例えば、20000Hz)で交流電流(AC)及び電圧を生成するように、フットスイッチ170のペダル172に係合することができる。このようにして、超音波発生器180は、圧電部材162に交流電力を供給することができる。交流電力は、所望の周波数で圧電部材162を振動させる(例えば、拡張させる、収縮させる又は他の方法で変形させる)ことを促すことができ、このことが今度は、ハウジング151に対してトランスデューサホーン163を相対的に移動させる。したがって、プローブアセンブリ310がトランスデューサホーン163に結合された状態では、トランスデューサホーン163の移動は、プローブアセンブリ310、及びより具体的には、それらがトランスデューサアセンブリ150に結合された場合に第1長尺部材320及び/又は第2長尺部材344を振動及び/又は移動させる。
【0063】
[1096] 使用中、プローブアセンブリ310の遠位端部分は、第1長尺部材320又は第1長尺部材320及び第2長尺部材344が標的組織に超音波エネルギーの少なくとも一部を伝達することができるように、標的組織(例えば、CTOなどの閉塞)に隣接又は標的組織を貫通する患者の脈管内に挿入されてもよい。プローブアセンブリ320の遠位端部分は、トランスデューサアセンブリに第1プローブ335及び/又は第2プローブ345を結合する前又は後のいずれかに脈管内に挿入されてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材320の遠位先端又は端部は、第2長尺部材344の内腔348の外側に延在してもよく、かつ、例えば、閉塞を破断するなどのために、標的組織に衝撃を与えてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材320の遠位端部分322は、キャビテーションが患者の一部内で発生するように移動する。このようにして、キャビテーションは標的組織をさらに破断することができる。本明細書で説明するように、ある実施形態では、プローブアセンブリ310は、任意選択的に、標的組織部位を吸引するため及び/又は標的組織部位に灌注を供給するために使用されてもよい。例えば、第1プローブのポートは、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位の閉塞から粒子を吸引するために使用され得る伝達ラインに結合されてもよい。
【0064】
[1097]
図14~
図19は、2つの超音波プローブを含み、かつ、上述したシステム100などの超音波エネルギー切除システムに結合されて超音波エネルギー切除システム内で使用され得る超音波プローブアセンブリの別の実施形態を示している。この実施形態では、プローブアセンブリ410は、以下でさらに詳細に説明するように、第1プローブ435(例えば、
図15A参照)と、第1プローブ435に解放可能に結合され得る第2プローブ445(例えば、
図15B参照)と、を含む。第1プローブ435は、第1長尺伝送部材420(本明細書では、「第1伝送部材」又は「第1長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」という。)及びカプラ430を含む。カプラ430は、近位端部分431及び遠位端部分432を含み、かつ、少なくとも部分的にそこを通って延在する中心内腔(図示せず)を規定する。カプラ430の近位端部分431は、トランスデューサアセンブリの遠位端部分(例えば、トランスデューサアセンブリ150の遠位端部分165)においてプローブ結合(例えば、
図2のねじプローブ結合168参照)に解放可能に結合されるように構成された第1結合部分434を含む。例えば、この実施形態では、第1結合部分434は、トランスデューサアセンブリ150内で、トランスデューサホーン163の遠位端部分165における内腔166内の嵌合ねじプローブ結合168にねじ結合されるねじ結合である。このようにして、第1プローブ435は、カプラ430を介してトランスデューサアセンブリ150に取り外し可能に結合されてもよい。カプラ430は、プローブ結合にカプラ430を固定するのを補助するための工具を受け入れるために使用され得る2つの平坦な凹面437を含む。例えば、医療レンチなどの工具は、表面437にクランプし、かつ、プローブ結合にカプラ430を締め付けるために使用されてもよい。
【0065】
[1098] カプラ430の遠位端部分432は、伝送部材420の一部を受け入れて、カプラ430に(すなわち、カプラ430の中心内腔内に)伝送部材420を固定的に結合するように構成される。伝送部材420は近位端部分421及び遠位端部分422を含む。近位端部分421は、カプラ430の遠位端部分332に固定的に結合される。遠位端部分422は、本明細書でより詳細に説明するように、患者の身体内に挿入されるように構成される。上述したように、第1プローブ435は、第1プローブ435に第2プローブ445に解放可能に結合するための第2結合部分436を含む。
【0066】
[1099] 第2プローブ445は、長尺伝送部材444(本明細書では、「第2伝送部材」又は「第2長尺部材」若しくは「伝送部材」又は「長尺部材」ともいう。)及びカプラ440を含む。カプラ440は、近位端部分443及び遠位端部分447を含み、かつ、少なくとも部分的にそこを通って延在する内腔439を規定する。伝送部材444は近位端部分441及び近位端部分442を有する。近位端部分441は、カプラ440の遠位端部分447に固定的に結合される。カプラ430の近位端部分443は、第1プローブ435の第2結合部分436に解放可能に結合されるように構成された結合部分446(例えば、
図18C参照)(本明細書では、「第3結合部分」ともいう。)を含む。したがって、第2プローブ445は、第1プローブ435を介して(例えば、カプラ430を介して)トランスデューサアセンブリ150に取り外し可能又は解放可能に結合されてもよい。このようにして、第1プローブ435及び第2プローブ445の両方が、同じトランスデューサアセンブリに結合されてもよく、かつ、同じ超音波トランスデューサによって駆動されてもよい。より具体的には、第2プローブ445の内腔は、第1プローブ435の第1長尺部材420の少なくとも一部を受け入れることができ、かつ、カプラ440はカプラ430に解放可能に結合されてもよい。例えば、
図14及び
図17Bに示すように、第1長尺部材420の遠位端が内腔448の外側に延在するように、第1プローブ435の長尺部材420は第2長尺部材444の内腔を通って挿入されてもよい。この実施形態では、第2結合部分436はねじ結合であり、かつ、第3結合部分446は、第2プローブ446に第1プローブ435をねじ結合するねじ結合である(例えば、
図18C参照)。第2プローブ445は、本実施形態では第2長尺部材444の遠位端部分442に結合された別個の構成要素である、テーパ状の遠位端部分449を含んでもよい。第2プローブ445のテーパ状の遠位端部分449は、処置されるべき組織内へのプローブアセンブリ410の挿入を補助することができる。このようにして、第2長尺部材444は、以下に説明するように、ガイドカテーテルとして機能することができる。内腔448の外側に遠位に延在することによって、長尺部材420の遠位端部分422は標的組織内に前進させられてもよい。ある実施形態では、テーパ状の遠位端部分449は、第2長尺部材444の中心線に対して30度~40度の角度を有する角度付き遠位端を提供してもよい。
【0067】
[1100] 第1カプラ430は、第1長尺部材420の中心内腔と流体連通するポート425を含む。ポート425は、標的組織部位を吸引及び/又は標的組織部位に灌注を供給するために使用されてもよい。ポート425は、コネクタ427を介して流体源又は廃棄容器に結合され得る伝達ライン426に結合される(例えば、
図14及び
図15A参照)。ポート425及び流体ライン426が使用されて、処置部位の閉塞に灌注を供給する又は処置部位の閉塞から粒子を吸引してもよい。
【0068】
[1101] 第1長尺部材420及び第2長尺部材444は各々、本明細書に記載されるような任意の適切な形状、サイズ又は構成であってもよい。この実施形態では、第1長尺部材420はステンレス鋼などの金属で形成され、かつ、第2長尺部材444は編組金属材料で形成される。第2長尺部材444の編組金属は、第1長尺部材420のステンレス鋼よりも高い可撓性を有する。したがって、第1長尺部材420は第2長尺部材444よりも高い剛性を有する。代替の実施形態では、第1長尺部材420は、第2長尺部材444と同じ材料で形成されてもよい。可撓性を有する編組第2長尺部材444と、より高い剛性を有する内側の長尺部材420との組み合わせは、プローブアセンブリ410における強度と、患者の脈管を通じてプローブアセンブリ410を操作するための可撓性との両方を提供する。
【0069】
[1102] ある実施形態では、長尺部材420及び444は、任意選択的に、伝送部材420、444の少なくとも一部の可撓性を増大させ(例えば、剛性を低下させ)、それによって、患者内の曲がりくねった内腔(例えば、尿路、静脈、動脈等)を通る長尺部材420、444の通過を容易にするように構成された任意の適切な特徴を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、長尺部材420及び/又は444の一部は、より高い剛性を有する材料から形成された長尺部材420、444の異なる部分よりも低い剛性を有する材料から形成されてもよい。ある実施形態では、長尺部材420及び/又は444の少なくとも一部の剛性は、長尺部材420及び/又は444に開口(例えば、ノッチ、溝、チャネル、切り欠き等)を規定することによって、若しくは、長尺部材420及び/又は444が形成され得る編組材料内に開口を設けることによって低減され、それによって、伝送部材420、444の一部の断面二次モーメントを減少させることができる。
【0070】
[1103] 先の実施形態に関して上述したように、第1長尺部材420は、第1長尺部材420が第2長尺部材444の内腔内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材444と同軸に配置されてもよい。他の実施形態では、第1長尺部材420は、第1長尺部材420が第2長尺部材444の内腔448内に少なくとも部分的に配置された場合に第2長尺部材444と非同軸である。このような非同軸の構成では、第1長尺部材420と第2長尺部材444との間の近接又は場合によっては接触が、第1長尺部材420から第2長尺部材444に、及びその後、標的組織に超音波エネルギーを伝送し、処置部位においてより多くの超音波エネルギーを提供することを可能にする。
【0071】
[1104] 先の実施形態に関して上述したように、使用中、ユーザ(例えば、外科医、技師、医師等)は、(上述した)超音波システム100を操作して、患者内の標的生体組織に超音波エネルギーを送達することができる。例えば、超音波システム100及びプローブアセンブリ410は、患者における慢性完全閉塞(CTO)を処置するために使用されてもよい。
【0072】
[1105] 2つの超音波プローブ(第1プローブ435及び第2プローブ445)を有するプローブアセンブリ410は、ユーザが、第1プローブ435及び第2プローブ445の両方を使用して標的対象を処置することを可能にする、又は、ユーザは、超音波エネルギーが第1長尺部材420のみに伝達されるように第1プローブ435から第2プローブ445を選択的に切り離すことができる。そのような使用中、第2プローブ445は、例えば、ガイドカテーテルとして機能することができる。ユーザは、プローブアセンブリ410が患者の身体内に挿入されている間、第1プローブ435に第2プローブ445を選択的に結合する及び第1プローブ435から第2プローブ445を選択的に切り離すことができる。例えば、場合によっては、ユーザは、トランスデューサアセンブリに第1プローブ435を接続してもよく、かつ、患者の身体内に第1プローブ435を挿入するためのガイドカテーテルとして第2プローブ445を使用してもよい。超音波エネルギーは、トランスデューサアセンブリのトランスデューサを介して、第1プローブ及び処置されるべき標的組織に提供されてもよい。その後、ユーザは、(カプラ430及び第2カプラ440を介して)第1プローブ435に第2プローブ445を接続し、それによって、トランスデューサアセンブリ及びトランスデューサに第2プローブ245を接続し、かつ、両方のプローブを通じて標的組織に超音波エネルギーを作用させることができる。場合によっては、第2プローブ445は使用されなくてもよい。場合によっては、第1プローブ435及び第2プローブ445の両方がトランスデューサに結合され、かつ、超音波エネルギーが両方のプローブを通じて標的組織に適用される。
【0073】
[1106] プローブアセンブリ410の少なくとも第1プローブ435が(プローブアセンブリ110に代えて)トランスデューサアセンブリ150に結合された場合、第1長尺部材420は、トランスデューサアセンブリ150の超音波トランスデューサ(例えば、圧電部材162)から超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に超音波エネルギーを伝達することができる。同様に、第2プローブ445が第1プローブ435に結合された場合、第2長尺部材444は、超音波トランスデューサから超音波エネルギーを受け取り、かつ、患者の身体内の標的対象に超音波エネルギーを伝達することができる。第2(外側)プローブ445がより大きい直径を有するので、第2プローブ445を通じて超音波エネルギーを伝達することにより、標的組織(例えば、CTO)を通じてより大きな開口を生成することができる。
【0074】
[1107] 上述したように、ユーザは、例えば、超音波発生器180が所望の超音波周波数(例えば、20000Hz)で交流電流(AC)及び電圧を生成するように、フットスイッチ170のペダル172に係合することができる。このようにして、超音波発生器180は圧電部材162に交流電力を供給することができる。交流電力は、所望の周波数で圧電部材162を振動させる(例えば、拡張させる、収縮させる又は他の方法で変形させる)ことを促すことができ、このことが今度は、ハウジング151に対してトランスデューサホーン163を相対的に移動させる。したがって、プローブアセンブリ410がトランスデューサホーン163に結合された状態では、トランスデューサホーン163の移動は、プローブアセンブリ410、及びより具体的には、それらがトランスデューサアセンブリ150に結合された場合に第1長尺部材420及び/又は第2長尺部材444を振動及び/又は移動させる。
【0075】
[1108] 使用中、プローブアセンブリ410の遠位端部分は、第1長尺部材420又は第1長尺部材420及び第2長尺部材444が標的組織に超音波エネルギーの少なくとも一部を伝達することができるように、標的組織(例えば、CTOなどの閉塞)に隣接する又は標的組織を貫通する患者の脈管内に挿入されてもよい。プローブアセンブリ420の遠位端部分は、トランスデューサアセンブリに第1プローブ435及び/又は第2プローブ445を結合する前又は後のいずれかに、脈管内に挿入されてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材420の遠位先端又は端部は、第2長尺部材444の内腔の外側に延在してもよく、かつ、例えば、閉塞を破断するなどのために、標的組織に衝撃を与えてもよい。ある実施形態では、第1長尺部材420の遠位端部分422は、キャビテーションが患者の部分内で発生するように移動する。このようにして、キャビテーションは標的組織をさらに破断することができる。
【0076】
[1109]
図20は、一実施形態に係る、本明細書に記載の超音波プローブアセンブリを使用して患者の身体内の標的組織に超音波エネルギーを伝達するための方法580を示すフローチャートである。ある実施形態では、方法580は、581で、患者の脈管内に、プローブアセンブリ(例えば、プローブアセンブリ210、310、410)の少なくとも遠位端部分を挿入又は導入するステップを含む。プローブアセンブリは、超音波切除システム(例えば、100)の超音波トランスデューサアセンブリ(例えば、150)に各々結合可能な第1プローブ及び第2プローブを含んでもよい。第1プローブは、第1カプラと、第1カプラに結合された第1長尺部材と、を含み、かつ、第1カプラを介してトランスデューサアセンブリに結合可能である。第2プローブは、第2カプラと、第2カプラに結合された第2長尺部材と、を含み、かつ、第2カプラは、第2プローブが第1プローブを介して超音波トランスデューサアセンブリに結合されるように第1カプラに解放可能に結合される。ある実施形態では、脈管内にプローブアセンブリの遠位部分を導入する前に、第2プローブは、第1長尺部材の遠位先端部分が第2長尺部材の内腔の外側に延在するように、第2プローブの内腔を通じて第1プローブの第1長尺部材を挿入することによって第1プローブに結合される。
【0077】
[1110] 582で、超音波プローブアセンブリの遠位部分は、第1長尺部材の遠位端部分が閉塞を貫通し、かつ、第2長尺部材の遠位端部分が閉塞を貫通するように、脈管内の閉塞を通じて移動させられる。583で、超音波エネルギーが第1長尺部材及び第2長尺部材を通じて閉塞に送達されるように、超音波エネルギーが超音波トランスデューサアセンブリから第1プローブ及び第2プローブに伝達される。
【0078】
[1111] ある実施形態では、超音波エネルギーを第1プローブ及び第2プローブに伝達した後、超音波プローブアセンブリの遠位端部分は、閉塞内の第1位置から第2位置まで閉塞内を移動させられ、かつ、超音波エネルギーは、第1長尺部材及び第2長尺部材を通じて閉塞内の第2位置に送達され、かつ、閉塞の少なくとも一部を破壊するように、超音波エネルギーが第1プローブ及び第2プローブに伝達される。
【0079】
[1112] ある実施形態では、584で、超音波エネルギーを伝送した後、第2プローブは、任意選択的に、第1プローブから及び超音波トランスデューサアセンブリから切り離され、かつ、第1プローブは、脈管内に第2プローブを配置したままにして脈管から取り外される。585で、第3超音波プローブが第2プローブの内腔内に挿入される。ある実施形態では、第3プローブは、第3カプラと、第3カプラに結合された第3長尺部材と、を有する。ある実施形態では、第3長尺部材の遠位端部分の少なくとも一部が第2長尺部材上の接触位置で第2長尺部材の内壁に接触するように、第3長尺部材は、第1長尺部材の遠位端部分の直径よりも大きい直径を有する遠位端部分を有する。
【0080】
[1113] 586で、第3プローブは超音波トランスデューサアセンブリに結合され、かつ、超音波エネルギーは、超音波エネルギーが第3長尺部材及び第2長尺部材を通じて閉塞に送達されるように、第3プローブ及び第2プローブに伝達される。ある実施形態では、第3プローブに超音波エネルギーを伝達する間、第3長尺部材の遠位端部分の一部から第2長尺部材に超音波エネルギーが送達され、そこで、接触位置に近接した閉塞に超音波エネルギーが送達されるように、第3長尺部材の遠位端部分の一部が接触位置で第2長尺部材の内壁に接触する。
【0081】
[1114] 本明細書に記載の実施形態及び/又は構成要素は独立してパッケージ化されてもよく、又は、実施形態の任意の部分はキットとしてともにパッケージ化されてもよい。例えば、ある実施形態では、キットは、本明細書に記載されるように、超音波トランスデューサアセンブリ(例えば、
図2を参照して上述した超音波トランスデューサアセンブリ150など)及びプローブアセンブリ(例えば、210、310、410)を含んでもよい。
【0082】
[1115] 超音波発生器のいずれかに含まれるプロセッサは、メモリに記憶された1以上の命令を実行するように構成された汎用プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))又は他のプロセッサであってもよい。ある実施形態では、プロセッサは、代替的に、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。プロセッサは、例えば、ハードウェアモジュール、メモリに記憶されてプロセッサで実行されるソフトウェアモジュール、及び/又は、それらの任意の組み合わせであり得る特定のモジュール及び/又はサブモジュールを実行するように構成されてもよい。超音波発生器180に含まれるメモリは、例えば、フラッシュメモリ、ワンタイムプログラマブルメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)等であってもよい。ある実施形態では、メモリは、プロセッサに、システムの別の部分、例えばトランスデューサアセンブリ150に対して電流を生成、制御、増幅及び/又は伝達するために使用されるモジュール、プロセス及び/又は機能を実行させる命令のセットを含む。
【0083】
[1116] 例えば、上述した超音波発生器に関する実施形態など、本明細書で説明されるある実施形態は、さまざまなコンピュータ実装動作を実行するための命令又はコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体ともいい得る。)を有するコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、一時的な伝搬信号自体(例えば、空間又はケーブルのような伝送媒体上に情報を保持する伝搬電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体及びコンピュータコード(コードともいい得る。)は、特定の単一の目的又は複数の目的のために設計及び構築されたものであってもよい。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体;コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)及びホログラフィック装置等の光記憶媒体;光ディスクなどの光磁気記憶媒体;搬送波信号処理モジュール;及び、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどの、プログラムコードを記憶して実行するように特に構成されたハードウェアデバイスが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載される他の実施形態は、例えば、本明細書で説明する命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0084】
[1117] コンピュータコードの例には、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、及び、インタプリタを使用してコンピュータによって実行される上位命令を含むファイルが含まれるが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、Java、C++又は他のプログラミング言語(例えば、オブジェクト指向プログラミング言語)及び開発ツールを使用して実装されてもよい。コンピュータコードの追加の例には、制御信号、暗号化されたコード及び圧縮されたコードを含むが、これらに限定されない。
【0085】
[1118] さまざまな実施形態が上述されたが、これらは、例としてのみ提示されたものであり、それらに限定されないことを理解されたい。上述した方法及び/又は概略図は、ある順序で発生する特定の事象及び/又は流れパターンを示しており、特定の事象及び/又は流れパターンの順序は変更されてもよい。さらに、特定のイベントが、可能な場合に並列処理で同時に実行されてもよく、また、順次実行されてもよい。実施形態が特に図示して説明されたが、形態及び詳細のさまざまな変更がなされてもよいことが理解される。さまざまな実施形態が、構成要素の特定の特徴及び/又は組み合わせを有するものとして説明されたが、他の実施形態は、適切な実施形態のいずれかからの任意の特徴及び/又は構成要素の組み合わせを有することが可能である。
【0086】
[1119] 例えば、上述したプローブアセンブリ(110、210、310、410)は、
図1及び
図2を参照して説明した超音波エネルギーシステム100などの任意の適切な超音波エネルギーシステムで使用されてもよい。上述したように、プローブアセンブリの第1プローブ及び第2プローブは、ユーザがプローブアセンブリの第1プローブのみ又は第1プローブ及び第2プローブの両方を選択的に使用して標的対象を処置することを可能にするため、互いに結語されてもよく、又は、互いに切り離されてもよい。本明細書に記載されるプローブアセンブリの長尺伝送部材はさまざまな形状及びサイズ(例えば、直径、長さ等)を有してもよい。例えば、ある実施形態では、外側長尺伝送部材は、0.95mm~2.5mmの外径と、0.5mm~2.3mmの内径と、を有してもよく、内側長尺伝送部材は、0.4mm~2.2mmの外径と、0.1mm~2.0mmの内径と、を有してもよい。ある実施形態では、外側長尺伝送部材は、450mm~1790mmの長さを有してもよく、内側長尺伝送部材は、460mm~1800mmの長さを有してもよい。
【0087】
[1120] トランスデューサアセンブリ150は、2つの絶縁体161及び2つの圧電リング162を含むように
図2に示されているが、他の実施形態では、トランスデューサアセンブリは、任意の適切な数の絶縁体161及び/又は圧電リング162を任意の適切な配列で含んでもよい。さらに、絶縁体161は、任意の適切な絶縁材料、セラミック材料(例えば、ポリアミド、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ETFE)等)から形成されてもよい。同様に、圧電リング162は、任意の適切な圧電材料(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT-5)、PZT-8、チタン酸鉛(PT)、メタニオブ酸鉛(PbNbO
6)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)であってもよい。
【国際調査報告】