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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】緊急解放結合デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/12 20060101AFI20240119BHJP
   F16L 37/32 20060101ALI20240119BHJP
   F16L 59/18 20060101ALI20240119BHJP
   F16L 55/07 20060101ALN20240119BHJP
【FI】
F16L23/12
F16L37/32
F16L59/18
F16L55/07 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539087
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2022050825
(87)【国際公開番号】W WO2022157091
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】2100472
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】コレイロー、ガエタン
(72)【発明者】
【氏名】ペネク、ヤン
【テーマコード(参考)】
3H036
3J106
【Fターム(参考)】
3H036AA02
3H036AA04
3H036AA07
3H036AB33
3J106GA03
3J106GA04
3J106GA23
3J106GB05
3J106GB06
(57)【要約】
長手方向に延在する2つのパイプ(2、3)を含み、それぞれが接続端部に、接続端部が分離された時にパイプを自動的に閉じ、接続端部が結合された時にパイプを開くように構成された弁機構(4、6、8、及び5、7、9)を含む、極低温流体を輸送するための自動閉鎖する緊急解放結合デバイスであって、デバイス(1)は、各パイプ(2、3)の周囲に配置され、パイプライン(2、3)を断熱するために真空空間を画定する管(10、11)を更に含み、デバイス(1)は、デバイス(1)が、弁機構(4、6、8、及び5、7、9)の周囲に配列され、外部管(10、11)と輸送パイプ(2、3)との間に配置された壁アセンブリ(12、13)によって境界を定められた、チャンバ(18、19)を更に含み、断熱チャンバ(18、19)の容積は、外部管(10、11)と輸送パイプ(2、3)との間の真空空間と無関係であることを特徴とする、緊急解放結合デバイス。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って延在する2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、それぞれが接続端部に、前記接続端部が分離された時に前記パイプを自動的に閉じ、前記接続端部が結合された時に前記パイプを開くように構成された逆止弁機構(4、6、8、及び5、7、9)を含む、極低温流体を輸送するための自動閉鎖する緊急解放結合デバイスであって、前記デバイス(1)は、その上、各輸送パイプ(2、3)の周囲に配列され、前記輸送パイプ(2、3)を断熱するための真空下の空間を画定する外部管(10、11)を含み、前記デバイス(1)は、前記デバイス(1)が、その上、前記逆止弁機構(4、6、8、及び5、7、9)の周囲に配列され、前記外部管(10、11)と前記輸送パイプ(2、3)との間に配置された1つ又は複数の壁(12、13)のアセンブリによって境界を定められた、断熱チャンバ(18、19)を有し、前記断熱チャンバ(18、19)の容積は、前記外部管(10、11)と前記輸送パイプ(2、3)との間に配置された前記真空下の空間と無関係であることと、前記デバイス(1)が、各接続端部に断熱チャンバ(18、19)を有し、各断熱チャンバ(18、19)の容積は、長手方向に延在し、横方向に離間された管状壁によって境界を定められ、前記接続端部に配置された各断熱チャンバ(18、19)の容積の第1の端部は開き、反対の第2の長手方向端部は閉じ、前記2つの断熱チャンバ(18、19)の前記開いた第1の端部は、封止状態で互いに接続され、前記接続端部が結合された時に単一の封止し閉じた断熱容積を形成するように構成され、前記デバイスは、前記断熱容積のためのパージシステム、及び/又は前記断熱容積を排除するためのシステムを含み、前記パージシステムは、前記断熱容積に流体接続された流体回路(30、26)を含み、前記パージシステムは、前記断熱容積に導く端部を有する輸送パイプ(30)、前記輸送パイプ(30)に接続され、前記断熱容積にパージガスを供給できるように構成された、圧力下のパージガスの貯蔵器(31)を含み、前記パージシステムは、前記パージガスのための排出手段(32、33)を含み、前記排除システムは、前記容積に導く端部を含む流体輸送チャネル(26)を含むこととを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
パージガスのための前記排出手段(32、33)は、以下の少なくとも1つ、すなわち抽出ゾーン、例えば周囲に接続された通気口、ポンピング部材、例えば真空ポンプを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)は、1つ若しくは複数の弁(34)のアセンブリ、及び/又は1つ若しくは複数の逆止弁(35)、とりわけ1つ若しくは複数の逆流防止逆止弁のアセンブリを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記外部管(10、11)と前記輸送パイプ(2、3)との間の機械的リンクは、前記断熱チャンバ(18、19)の境界を定める、1つ又は複数の壁(12、13)の前記アセンブリを含み、前記長手方向に沿って少なくとも1つの往復を生成する熱経路、例えば縦断面に沿った「S」字形の熱経路を形成することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記断熱チャンバ(18、19)の境界を定める1つ又は複数の壁(12、13)の前記アセンブリ、及び/又は前記断熱チャンバ(18、19)の内部の少なくとも一部は、多層型(「MLI」)の断熱(21)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記断熱チャンバ(18、19)の境界を定める1つ又は複数の壁(12、13)の前記アセンブリは、一方は壁(12、13)の前記アセンブリの間、他方は前記輸送パイプ(2、3)と前記外部管(10、11)との間の機械的リンクを介して、前記外部管(10、11)内に前記輸送パイプ(2、3)の維持を確保し、前記機械的リンクは、基本的に前記接続端部に又は前記接続端部のみに配置されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
結合することを意図した前記外部管(10、11)の前記端部及び前記輸送パイプ(2、3)の前記端部は、1つ又は複数のそれぞれの取付フランジ(14、15、16、17)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
1つ又は複数の取付フランジ(14、15、16、17)の前記アセンブリは、内部フランジ(16、17)が取り外された時に、前記逆止弁機構(4、6、8、及び5、7、9)並びに前記デバイスのシールにアクセスすることを可能にする、ネジなどの1つ又は複数の取付部材(20)のアセンブリを介して、前記内部管(2、3)の前記端部に固定される、環状形状の前記フランジ(16、17)を含むことを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記断熱チャンバ(18、19)の境界を定める1つ又は複数の壁(12、13)の前記アセンブリは、前記輸送パイプ(2、3)に、及び前記外部管(10、11)に溶接により機械的にリンクされることを特徴とする、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記接続端部が結合された時に、前記2つの外部管(10、11)の前記端部は、封止状態でリンクされ、前記2つの輸送パイプ(2、3)の前記端部は、封止状態でリンクされることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記逆止弁機構(4、6、8、及び5、7、9)は、戻り部材(8、9)により座部(6、7)に対して閉位置に向かって付勢された逆止弁(4、5)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記2つの輸送パイプ(2、3)の前記逆止弁(4、5)の終端は、前記接続端部が結合された時に、接触して機械的に互いを前記それぞれの座部から前記戻り部材(5、9)に対抗して押し戻すように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記外部管(10、11)と前記輸送パイプ(2、3)との間の前記真空下の空間は、多層断熱(22)、「MLI」を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記断熱チャンバ(18、19)は、決定された閾値を超えるあらゆる過圧を排出するように構成された安全逃し弁(27)を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急解放結合デバイスに関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、長手方向に沿って延在する2つの流体輸送パイプを含み、それぞれが接続端部に、接続端部が分離された時にパイプを自動的に閉じ、接続端部が結合された時にパイプを開くように構成された逆止弁機構を含む、極低温流体を輸送するための自動閉鎖する緊急解放結合デバイスに関し、デバイスは、その上、各輸送パイプの周囲に配列され、輸送パイプを断熱するための真空下の空間を画定する外部管を含む。
【0003】
本発明は、熱の流入を制限するように遮断され、流体を消失若しくは流出することなく、緊急の場合に導管を断絶することができる、極低温流体(例えば液化水素)を輸送するための1つ又は複数の導管のシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
これらのデバイスは、概して用語「分離」で示されている(例えば欧州特許出願公開第3581839A1号明細書を参照)。公知のデバイスは、比較的不満足な熱性能及び/又は複雑な構造及び/又は不都合な人間工学的使用を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上に説明された先行技術の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明による結合デバイスは、それ以外は上の前文に与えられたその一般的な定義に従い、更に、逆止弁機構の周囲に配列され、外部管と輸送パイプとの間に配置された1つ又は複数の壁のアセンブリによって境界を定められた断熱チャンバを有することを基本的に特徴とし、断熱チャンバの容積は、外部管と輸送パイプとの間に置かれた真空下の空間と無関係である。
【0007】
更に、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を有してもよい、すなわち
デバイスは、各接続端部に断熱チャンバを有し、各断熱チャンバの容積は、長手方向に延在し、横方向に離間された管状壁によって境界を定められ、接続端部に置かれた各断熱チャンバの容積の第1の端部は開き、反対の第2の長手方向端部は閉じ、2つの断熱チャンバの開いた第1の端部は、接続端部が結合された時に、封止状態で互いに接続され、単一の封止し閉じた断熱容積を形成するように構成され、
デバイスは、接続端部が結合された時に、2つの断熱チャンバによって形成された断熱容積を排除するためのシステムを含み、排除システムは、前記容積に導く端部を含む流体輸送チャネルを含み、
外部管と輸送パイプとの間の機械的リンクは、断熱チャンバの境界を定める1つ又は複数の壁のアセンブリを含み、長手方向に沿って少なくとも1つの往復を生成する熱経路、例えば縦断面に沿った「S」字形の熱経路を形成し、
断熱チャンバの境界を定める1つ又は複数の壁のアセンブリ、及び/又は断熱チャンバの内部の少なくとも一部は、多層型(「MLI」)の断熱を含み、
断熱チャンバの境界を定める1つ又は複数の壁のアセンブリは、一方は壁のアセンブリの間、他方は輸送パイプと外部管との間の機械的リンクを介して外部管内に輸送パイプの維持を確保し、前記機械的リンクは、基本的に接続端部に又は接続端部のみに配置され、
結合することを意図した外部管の端部又は輸送パイプの端部は、1つ又は複数のそれぞれの取付フランジを有し、
1つ又は複数の取付フランジのアセンブリは、フランジが取り外された時に、逆止弁機構及びデバイスのシールにアクセスすることを可能にする、ネジなどの1つ又は複数の取付部材のアセンブリを介して内部管の端部に固定される、環状形状の内部フランジを含み、
断熱チャンバの境界を定める1つ又は複数の壁のアセンブリは、輸送パイプに、及び外部管に溶接により機械的にリンクされ、
接続端部が結合された時に、2つの外部管の端部は、封止状態でリンクされ、2つの輸送パイプの端部は、封止状態でリンクされ、
逆止弁機構は、戻り部材により座部に対して閉位置に向かって付勢された逆止弁を含み、
2つの輸送パイプの逆止弁の終端は、接続端部が結合された時に、接触して機械的に互いをそれぞれの座部から戻り部材に対抗して押し戻すように構成され、
外部管と輸送パイプとの間の真空下の空間は、多層断熱、「MLI」を含み、
断熱チャンバは、決定された閾値を超えるあらゆる過圧を排出するように構成された安全逃し弁を含む。
【0008】
本発明は、特許請求の範囲内で上記若しくは下記の特徴のあらゆる組合せを含む、あらゆる代替デバイス又は方法にも関することがある。
【0009】
更なる具体的な特徴及び利点は、図を参照して与えられる以下の説明を読むことにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】分離状態の本発明による結合デバイスの例示的実施形態を示す、縦断面における概略部分図を示す。
図2】結合状態の本発明による結合デバイスの別の例示的実施形態を示す、縦断面における概略部分図を示す。
図3】断熱チャンバの構造の可能な例示的実施形態を示す、デバイスの詳細の縦断面における概略部分図を示す。
図4】結合状態の本発明による結合デバイスの別の例示的実施形態を示す、縦断面における概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
示された極低温流体を輸送するための自動閉鎖する緊急解放結合デバイス1は、長手方向Aに沿って延在する2つの流体輸送パイプ2、3を含む。各輸送パイプ2、3は、ステンレス鋼又は極低温(例えば-100℃未満)に適合できるあらゆる他の材料から構成されてもよい。
【0012】
各輸送パイプ2、3は、接続端部が分離された時にパイプを自動的に閉じ(図1参照)、接続端部が結合された時に開く(図2参照)ように構成された、逆止弁機構4、6、8、及び5、7、9を接続端部に含む。
【0013】
逆止弁機構は、バネ、とりわけ圧縮バネなどの戻り部材8、9によって座部6、7に対して閉位置に向かって付勢された逆止弁4、5を含んでもよい。
【0014】
2つの輸送パイプ2、3の逆止弁4、5の終端は、接続端部が結合された時に、接触して機械的に互いをそれぞれの座部から戻り部材5、9に対抗して押し戻すように構成される。
【0015】
例えば2つのパイプ2、3の逆止弁4、5の終端は、輸送パイプ2、3の端部を超えて長手方向に突出する(及び適切な場合に、補完形状を有してもよい)。
【0016】
デバイス1は、その上、各輸送パイプ2、3の周囲に(例えば同心状に)配列される(ステンレス鋼、金属又はその他から作成された)外部管10、11を含み、輸送パイプ2、3の断熱のために輸送パイプ2、3の周囲の間に真空下の空間を画定する。
【0017】
真空下のこの空間は、断熱22、例えば多層型(MLI)を含有してもよい。
【0018】
デバイス1は、その上、各逆止弁機構の周囲に配列され、外部管10、11と輸送パイプ2、3との間に配置された1つ又は複数の壁12、13のアセンブリによって境界を定められた、断熱チャンバ18、19を有する。断熱チャンバ18、19内のこの容積は、好ましくは、外部管10、11と輸送パイプ2、3との間に置かれた真空下の空間に無関係である。
【0019】
示されたように、各断熱チャンバ18、19の容積は、長手方向に延在し、横方向に離間される管状壁によって境界を定められてもよい(チャンバ18、19の容積は、こうして円筒の2つの離間した部分の間で境界を定められてもよい)。
【0020】
例えば接続端部に置かれた各断熱チャンバ18、19の容積の第1の端部は、開いている(図1参照)。反対の第2の長手方向端部は、封止状態でその一部が閉じてもよい。
【0021】
2つの断熱チャンバ18、19の開いた第1の端部は、封止状態で互いに接続され、接続端部が結合された時に、単一の封止し閉じた断熱容積を形成する(図2参照)ように構成されてもよい。
【0022】
好ましくは、デバイス1は、接続端部が結合された時に、2つの断熱チャンバ18、19によって形成されたこの断熱容積を排除するためのシステムを含み、この排除システムは、前記容積に導く端部、及び例えばポンピング部材にリンクすることができる別の端部を含む、例えば流体輸送チャネル26を含む。これは、外部管10、11と輸送パイプ2、3との間に置かれた真空と無関係である、真空下の閉じた容積を生成することを可能にする。安全逆流防止逆止弁システムが、真空のこの容積のために提供されてもよい。
【0023】
同様に、断熱チャンバ18、19は、決定された閾値を超えるあらゆる過圧を(異なる又は同一のチャネル27を通過して)排出するように構成された、安全逃し弁システムを含んでもよい。
【0024】
この閉じた断熱容積は、以下により詳細に記載されるように、逆止弁機構の周囲に追加の断熱スクリーンを、及びデバイスの高温(外)部と低温(内)部との間に断熱経路を形成する。
【0025】
断熱チャンバ18、19の境界を定める1つ又は複数の壁12、13のアセンブリ、及び/又は断熱チャンバ18、19の内部の少なくとも一部は、例えば多層型(「MLI」)の断熱21を含んでもよい。
【0026】
具体的に及び好都合なことに、外部管10、11と輸送パイプ2、3との間の機械的リンクは、断熱チャンバ18、19の境界を定める1つ又は複数の壁12、13のアセンブリを含み、又はアセンブリから作成されてもよい。壁のこのアセンブリは、こうして長手方向に沿って少なくとも1つの往復を生成する熱経路、例えば縦断面に沿った「S」字形の熱経路を形成してもよい。
【0027】
好ましくは、壁は、金属、ステンレス鋼又はあらゆる他の適切な材料から構成され、0.3mm~0.5mmの厚さ、及び10mm~500mmの長さを有してもよい。この構成は、その2つの端部の間に断熱経路を構成する。
【0028】
結果として、例えば左に示されたパイプを考慮すると、第1の長手方向壁121は、右側端部で外部管10の終端(又はこの端部に固定されたフランジ14)にリンク(例えば溶接)されてもよい。図3も参照されたい。この第1の壁の第2の端部(左側)は、パイプ10の内側(第2の横方向壁)に向かって角度122にリンクされてもよい。次いで第3の長手方向壁123は、この第2の壁にリンク(例えば溶接)されてもよい。この第3の壁123の第2の端部(右側)は、輸送パイプ2、3の外部管10の終端(右側、又はこの端部に固定されたフランジ16)にリンク(例えば溶接)されてもよい。結果として、断熱チャンバ18、19の境界を定める1つ又は複数の壁12、13のこのアセンブリは、パイプの終端(同様に右側の他のパイプ)に機械的にリンクされてもよい。
【0029】
結果として、断熱チャンバ18、19の境界を定める1つ又は複数の壁12、13のアセンブリは、一方は壁12、13のアセンブリの間、他方は輸送パイプ2、3と外部管10、11(及び/又はフランジ)との間の機械的リンク(溶接若しくはその他)を介して、外部管10、11内に輸送パイプ2、3の維持を少なくとも部分的に確保することができる。機械的リンクは、基本的に接続端部に又は接続端部のみに据えられてもよい。
【0030】
結果として、断熱チャンバ18、19の境界を定める1つ又は複数の壁12、13のアセンブリは、輸送パイプ2、3に、及び外部管10、11に溶接によって機械的にリンクされてもよい。
【0031】
上に示されて記載されたように、結合することを意図した外部管10、11の端部及び輸送パイプ2、3の端部は、1つ又は複数のそれぞれの取付フランジ14、15、16、17を有してもよい。
【0032】
例えば、環状形状の内部フランジ16、17は、好ましくはフランジ16、17が取り外された時に、逆止弁機構4、6、8、及び5、7、9、並びにデバイス1のあらゆるシールにアクセスすることを可能にする、ネジなどの1つ又は複数の取付部材20のアセンブリを介して、内部管2、3の端部に固定される。これは、維持管理を促進する。具体的には、ネジ20は、それらの螺合に関して、パイプの内側に向かって長手方向に配向されてもよい。
【0033】
接続端部が結合された時に、2つの外部管10、11の端部は、封止状態でリンクされ、2つの輸送パイプ2、3の端部は、封止状態でリンクされる。これは、適切なシールのアセンブリによって獲得することができる。
【0034】
例えば、外部管10と11との間の封止は、外部フランジ14と15との間に挿入された1つ又は複数のシール28(高分子などから作成された型のシール)により、周囲温度で少なくとも部分的に確保されてもよい。デバイス1の最大直径におけるこの場所は、熱膨張の管理を改善することができる。具体的には、漏れ率は、シールが内側に向かって収縮して封止の方向に力を増加するので、低減する。
【0035】
2つの輸送パイプ2と3との間の封止は、内部フランジ16と17との間に挿入された1つ又は複数のシール29、例えば金属極低温シール、とりわけ「C」字形又は半径方向の型により、少なくとも部分的にその一部に対して確保され得る。
【0036】
逆止弁4、5とその座部(例えば内部フランジによって形成される)との間の封止は、リップシール25(例えば通電性高分子又はPTFEから作成される)を有してもよい。前記シール25は、座部を形成してもよく、好都合なことに、内部フランジ16、17上に、前記内部フランジ16、17の面上に配置され、輸送パイプ2、3の内側に向かって配向される。これは、衝撃、擦傷及び汚れからこれらの傷付きやすい封止要素を保護する。バネ8、9の力は、漏れの危険なしにシール25を介してフランジ16と逆止弁4、5との間に封止された閉鎖を可能にする。
【0037】
これは、何度も循環を開/閉し、あらゆる温度レベルで封止した後に、かなりの信頼性を確保する。逆止弁の位置付けが促進され、これは、大きい圧力差に耐えることができる。
【0038】
デバイス1は、極低温に適合できる良質の断熱、逆止弁の自動開閉、及びかなりの信頼性を有する。
【0039】
具体的には、液体の漏れのために真空が消失した場合に、断熱チャンバ18、19の独立した容積の圧力は、上昇することができない。これは事故を防ぐ。
【0040】
図4に概略的に示されたように、デバイスは、好ましくは封止された断熱容積のためのパージシステムを含む。このパージシステムは、断熱容積にリンクされた流体回路(例えば断熱容積に導く)を有してもよい。
【0041】
このパージにより、断熱容積内のガス雰囲気(ガスの性質及び/又はその中の圧力)を制御することが可能になる。例えばガス断熱容積は、(周囲圧力より低い圧力に)排除され、又は(周囲圧力より高い圧力に)パージガスで加圧されてもよく、パージガスは、輸送されたガスの沸点以下の沸点を有するガスであってもよい。この例では、このガスは、水素、ヘリウム又は2つの混合物であってもよい。
【0042】
示されたように、パージシステムは、断熱容積に導く輸送パイプ30、及び例えば少なくとも1つの弁34を介して、この輸送パイプ30にリンクされた加圧されたパージガス(例えば水素又はヘリウム)の貯蔵器31を含んでもよい。この方法で、貯蔵器31は、断熱容積に向かってパージガスの流れを供給することができる。
【0043】
パージガスは、排出手段、例えば輸送パイプ30の別の端部32に向かって抽出されてもよい。この排出端部32は、通気口33(環境若しくは排除システム)及び/又はポンピング部材33、例えば真空ポンプに向かう流れを制御する、逆流防止弁34及び/又は逆止弁35を具備してもよい。
【0044】
これは、断熱容積を浄化したパージガスを排出し、及び/又はそれをポンプ供給することを可能にする。
【0045】
これは、断熱容積を完璧に断熱し、完全に安全に構成することを可能にする。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】