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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】機器性能欠陥の知的な緩和又は防止
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540025
(86)(22)【出願日】2022-01-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022011007
(87)【国際公開番号】W WO2022147489
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/133,554
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルクハリファ,サレハ
(72)【発明者】
【氏名】バグル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガービン,クリストファー・ジョン
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA05
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF22
3C223FF24
3C223FF35
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH08
(57)【要約】
機器の性能を診断又は予測する方法が、機器に関連する1つ以上のパラメータの値を、機器が使用中である期間にわたって1つ以上のパラメータを監視することにより決定することを含む。本方法はまた、1つ以上のパラメータの値を分類モデルを使用して処理することにより機器の性能分類を決定することと、性能分類を緩和又は防止措置にマッピングすることと、緩和又は防止措置を示す出力を生成することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の性能欠陥を緩和又は防止する方法であって、前記方法は
機器に関連する1つ以上のパラメータの値を、前記機器が使用中である期間にわたって前記1つ以上のパラメータを監視することにより決定することと、
コンピューティングシステムにより、前記1つ以上のパラメータの前記値を分類モデルを使用して処理して、前記機器の性能分類を決定することと、
前記コンピューティングシステムにより前記性能分類を緩和又は防止措置にマッピングすることと、
前記コンピューティングシステムにより、前記緩和又は防止措置を示す出力を生成することと、を含む方法。
【請求項2】
前記分類モデルは、パラメータ値の所与のセットに対して、複数の利用可能な分類のうちの1つを出力するように構成され、前記複数の利用可能な分類は、(i)緩和又は防止措置が推奨されないことを示す分類、及び(ii)緩和又は防止措置が推奨されることを示す1つ以上の他の分類、を含み、
前記性能分類を決定することは、前記分類モデルにより、前記1つ以上の他の分類のうちの1つを出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の他の分類は複数の分類を含み、各分類は、前記機器の性能欠陥に関連する異なる診断又は予測に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記分類モデルは、サポートベクターマシン(SVM)モデルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記分類モデルは、決定木モデルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記分類モデルは、ニューラルネットワークを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のパラメータを監視することは、前記コンピューティングシステムにより、1つ以上のセンサデバイスにより生成されるセンサ読取り値を受信することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記機器は、前記1つ以上のセンサデバイスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサデバイスは、(i)1つ以上の温度センサ、及び(ii)1つ以上の圧力センサ、の一方又は両方を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサ読取り値は、複数のセンサデバイスにより生成され、
前記1つ以上のパラメータの前記値を決定することは、前記センサ読取り値に次元削減技術を適用することにより前記値を生成することを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記性能分類を前記緩和又は防止措置にマッピングすることは、前記機器に関連する既知のシナリオに関する既知の緩和又は防止措置を含むデータベースにおいて、どの措置が前記性能分類に対応するかを決定することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記緩和又は防止措置を示す前記出力を生成することは、前記出力をディスプレイを介してユーザに提示することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記機器に関連する前記1つ以上のパラメータの前記値を決定する前に、
(i)前記1つ以上のパラメータの履歴値の複数のセット、及び(ii)複数の対応するラベル、を使用して前記分類モデルを訓練することを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記機器の前記性能分類を決定した後に、
前記コンピューティングシステムにより、前記1つ以上のパラメータの前記値に対する手動分類を表すユーザ割り当てラベルを受信することと、
(i)前記1つ以上のパラメータの前記値、及び(ii)前記ユーザ割り当てラベル、を使用して前記分類モデルを更に訓練することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記機器は、タンク及び1つ以上の温度センサを含み、
前記1つ以上のパラメータを監視することは、前記コンピューティングシステムにより、前記1つ以上の温度センサにより生成されたセンサ読取り値を受信することを含み、
前記分類モデルは、パラメータ値の所与のセット対して、複数の利用可能な分類のうちの1つを出力するように構成され、前記複数の利用可能な分類は、(i)緩和又は防止措置が推奨されないことを示す分類、及び(ii)複数の他の分類であって、前記複数の他の分類の各々が、前記機器の性能欠陥に関連する異なる診断又は予測に対応する、複数の他の分類、を含み、
前記複数の他の分類は、(i)温度下降に対応する1つ以上の分類、(ii)温度振動に対応する1つ以上の分類、又は(iii)温度オーバーシュートに対応する1つ以上の分類、のうちの1つ以上を含み、
前記性能分類を決定することは、前記分類モデルが前記複数の他の分類のうちの1つを出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
機器の性能欠陥を緩和又は防止するシステムであって、前記システムは
1つ以上のプロセッサと、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体とを有するコンピューティングシステムを備え、前記非一時的コンピュータ可読媒体は命令を格納し、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記コンピューティングシステムに、
前記機器に関連する1つ以上のパラメータの値を、前記機器が使用中である期間にわたって前記1つ以上のパラメータを監視することにより決定させ、
前記1つ以上のパラメータの前記値を、分類モデルを使用して処理することにより、前記機器の性能分類を決定させ、
前記性能分類を緩和又は防止措置にマッピングさせ、
前記緩和又は防止措置を示す出力を生成させる、システム。
【請求項17】
前記分類モデルは、パラメータ値の所与のセットに対して、複数の利用可能な分類のうちの1つを出力するように構成され、前記複数の利用可能な分類は、(i)緩和又は防止措置が推奨されないことを示す分類、及び(ii)緩和又は防止措置が推奨されることを示す1つ以上の他の分類、を含み、
前記性能分類を決定することは、前記分類モデルにより、前記1つ以上の他の分類のうちの1つを出力することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の他の分類は複数の分類を含み、各分類は、前記機器の性能欠陥に関連する異なる診断又は予測に対応する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記分類モデルは、サポートベクターマシン(SVM)モデル、決定木モデル、又はニューラルネットワークを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記機器は、1つ以上のセンサデバイスを含み、
前記1つ以上のパラメータを監視することは、前記1つ以上のセンサデバイスにより生成されたセンサ読取り値を受信することを含む、請求項16~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上のセンサデバイスは、(i)1つ以上の温度センサ、及び(ii)1つ以上の圧力センサ、の一方又は両方を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上のセンサデバイスは、複数のセンサデバイスを含み、
前記1つ以上のパラメータの前記値を決定することは、前記センサ読取り値に次元削減技術を適用することにより前記値を生成することを含む、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記性能分類を前記緩和又は防止措置にマッピングすることは、前記機器に関連する既知のシナリオに関する既知の緩和又は防止措置を含むデータベースにおいて、どの措置が前記性能分類に対応するかを決定することを含む、請求項16~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
ディスプレイを更に備える、請求項16~23のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記緩和又は防止措置を示す前記出力を生成することは、前記ディスプレイを介して前記出力をユーザに示すことを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全般的には、製造、製品開発、及び/又は他のプロセスで使用できる機器(例えば、医薬品を開発するため又は商業製造するために使用される機器)に関し、より具体的には、そのような機器に関する性能欠陥を緩和又は防止できる措置の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な開発及び生産との関連で、十分に高いレベルの品質を伴って出力(例えば、物理的な製品)を提供するために、様々なタイプの機器に依存している。例えば、バイオ医薬品を製造するために必要な機器には、媒体保持タンク、濾過機器、バイオリアクタ、分離機器、精製機器等が含まれ得る。場合によっては、機器は、プロセスのリアルタイムの又はほぼリアルタイムの監視を可能にするセンサ(例えば、温度及び/又は圧力プローブ)などの補助デバイスを含み得る又はそれに関連し得る。そのような監視が利用可能な場合、好ましくは、機器がその主要な目的のために使用される(例えば、製品開発又は製品の商業製造に使用される)前の時点で、機器に関する問題を特定し、機器に関する問題の開始を予測するために、主題に関する専門家又はチームが自身の訓練及び経験を活用することができる。例えば、主題の専門家は、「定置蒸気」滅菌手順のために使用されるタンク内で監視された温度の特定のパターン又は挙動を観察し、自身の個人的な知識を適用して、そのパターン又は挙動が、蒸気トラップの不具合、不適切な温度プローブ較正、又は何らかの他の特定の真の原因の結果であると理論付けることができる。次いで、主題の専門家は、自身の個人的な知識を適用して、診断に応答して適切な措置又は実施すべき措置(例えば、蒸気トラップの点検及び/又は置換、又は温度プローブの較正、等)を決定し、措置の完了又は措置の完了の要求のいずれかを実施してもよい。
【0003】
しかしながら、この専門知識は、典型的には各個人又はチームに特有であり、したがって、場所にわたって(例えば、工場又は研究室)及び時間にわたって(例えば、重要な従業員が不在となる際に)、一貫性なく適用される可能性がある。更には、主題の専門家は、機器の問題(例えば、センサ読取り値の短時間の下降)を表す信号が断続的である場合などに、特定の警告の兆候に気づくことに失敗する場合がある。主題の専門家が、問題又は潜在的問題を正確に一貫して特定できた場合であっても、その過程は一般に多くの時間を要し、多くの費用を要する(例えば、非常に熟練した個人から必要とされる工数に起因して)。状況によっては、連続する手動監視に関連するコストは極めて高く、したがって代わりに「2番目に良い」慣行が用いられる。例えば、いくつかの機器は、問題の可能性を低下させるために、カレンダに基づいて定期的に(例えば、3ヵ月ごとに1回、又は1年ごとに1回)、又は使用に基づいて(例えば、100時間の使用ごとに、又は各「稼働」後に)、保守(例えば、検査、較正、等)が実施される場合がある。しかしながら、この結果、リソースの不必要に高い消費(必要な頻度よりも頻繁に保守が実施される場合)、又は許容できないほどの回数若しくは頻度の性能課題(必要な頻度よりも、少なく保守が実施される場合)がもたらされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
現在の/従来の慣行の上述した欠点のいくつかに対処するために、本明細書に記載される実施形態は、機器の性能課題/欠陥の特定、並びにそれらの課題/欠陥に基づいてどの措置をとるべきかという決定、を自動化及び改善するシステム及び方法を含む。機器は、滅菌又は保持タンク、バイオリアクタ等の、特定のプロセスで使用される任意のタイプのデバイス又はシステムであってもよく、いくつかの実施形態では、機器を監視するために使用されるセンサデバイスのいくつか又は全てを含んでもよい。本明細書で提供される実施例は、主に医薬品製造又は開発に関するが、本明細書で開示されるシステム及び方法は、他の状況(例えば、非医薬品開発で使用される機器、又は例えば食品、織物、自動車などのための製造プロセス)において使用されるように設計された機器に適用できる、機器を選ばないプラットフォームを提供することを理解されたい。
【0005】
機器性能課題を特定するために、履歴データを使用して分類モデルが訓練される。分類モデルは、特定の機器が使用された(又は、複数の類似した機器が使用された)期間に関するセンサ読取り値の履歴の集合を、そのような期間の各々に関して、主題の専門家又はチームが何らかの性能課題を又はその不在をどのように分類したかを示すラベルと共に使用して訓練されてもよい。例えば、入力データの所与のセットについて、主題の専門家が、[「良好」、「不良タイプ1」、…「不良タイプN]からなる群から選択されるラベルを割り当ててもよく、Nは1以上の整数である。本明細書で使用する場合、用語「専門家」は、何らかの最低レベルの資格(例えば、訓練、知識、経験など)を示すとは限らないが、いくつかの実施形態では示し得ることを理解されたい。分類モデルを訓練するために、どの特徴(例えば、どのセンサ読取り値)を使用するかを決定するために、主成分分析法又は他の適切な技術を使用して、どの特徴が特定の性能課題を最もよく予測するかを決定してもよい。
【0006】
分類モデルは、いったん訓練されると、新しいデータ(例えば、所定時間窓にわたるリアルタイムのセンサ読取り値)で動作して、同じ(又は少なくとも類似の)タイプの機器が特定のタイプの欠陥をいつ経験しているかを診断/推測するように、又は機器が特定のタイプの欠陥をいつ経験することになるかを予測するように構成されてもよい。例えば、所与の時間窓における入力データ(訓練中に使用される特徴に対応する)の所与のセットについて、分類モデルは、訓練中に使用されるラベル(例えば、「良好」、「不良タイプ1」、等)のうちの1つに対応する分類を出力してもよい。
【0007】
更に、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム(場合によっては、分類モデルを訓練及び/又は実行するものと同じコンピューティングデバイスであるが、必ずしもそうではない)は、診断された性能問題を矯正するために、又は予測された性能問題が生じることを防止するために、分類モデルの出力を、実施すべき特定の措置又は措置のセットにマッピングしてもよい。コンピューティングシステムは、推奨措置を1人以上のユーザに通知してもよく、場合によっては更に、措置の完了を調査するために、措置にマッピングされた診断又は予測された性能課題をユーザに通知してもよい。コンピューティングシステムは、例えば、主題の専門家知識のリポジトリを含むデータベースにアクセスすることにより、マッピングを実行してもよい。更に、いくつかの実施形態では、分類モデルにより出力された特定の分類が正しかったかどうかを確認するために、個人(例えば、主題の専門家)が情報を入力してもよく、コンピューティングシステムは、この情報を訓練ラベルとして使用して、分類モデルの精度を更に改善してもよい。
【0008】
本明細書で開示されるシステム及び方法は、上記の「背景技術」に記載されている従来の慣行と比較すると、機器に関する問題及び/又は潜在的問題を、改善された信頼性/一貫性を伴って、且つ遙かに迅速に特定することができる。それにより、さもなければ生産中(又は、開発中など)に生じるかも知れない機器性能の不良又は他の欠陥に関連する危険性及びコストを削減できる。更には、人間による監視の必要性が低減されることに起因して、人件費が大幅に低減できる。更に、いくつかの実施形態では、保守活動を、単に時間経過又は機器使用の程度に基づくのではなく、その活動が本当に必要な場合にトリガすることにより、それに対応する機器の不良/欠陥の危険性を増加させることなく、過剰な保守に関連するコストを低減できる。本明細書に記載されるシステム及び方法は、(例えば、モデル分類のユーザ確認に基づいて、更に訓練することにより)時間の経過に伴い、精度を向上させることもでき、以前には認識されていなかった機器欠陥タイプ/モードの特定を容易にすることができる。
【0009】
当業者は、本明細書に記載される図は、例示を目的として含まれるものであり、本開示を限定するものではないことを理解するであろう。図面は、必ずしも縮尺が正確ではなく、その代わりに、本開示の原理を図示することに重点が置かれている。いくつかの例では、記載されている実装形態の理解を促進するために、記載されている実装形態の様々な態様が誇張又は拡大されて示されている場合があることを理解されたい。図面中、様々な図面を通して同様の参照符号は、全般的に、機能的に類似する及び/又は構造的に類似する構成要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】特定のプロセスで使用される機器について欠陥を診断又は予測し、それらの欠陥に基づいて適切な措置を特定し、特定された措置をユーザに通知するために使用できる例示的なシステムの簡略化されたブロック図である。
図2図1のコンピューティングシステムにより実装され得る例示的なプロセスを示す。
図3】異なる機器欠陥モードに対応する例示的なセンサ読取り値を示すプロットを示す。
図4】サポートベクターマシン(SVM)分類モデルにより実施された例示的な分類を示すプロットを示す。
図5図1のコンピューティングシステムによって生成及び/又は提示され得る例示的なプレゼンテーションを示す。
図6】機器性能欠陥を緩和又は防止する例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記で導入され、以下でより詳細に論じられる様々な概念は、多くの手法のうちのいずれかで実装することができ、説明される概念は、いかなる特定の実装形態にも限定されない。実装形態の例は、例証を目的として提供されている。
【0012】
図1は、特定のプロセスで使用される機器102について欠陥を診断又は予測し、それらの欠陥に基づいて適切な措置を特定し、特定された措置をユーザに通知し得る、例示的なシステム100の簡略化されたブロック図である。いくつかの実施形態では、機器102は、バイオ医薬品製造プロセスなどの商業生産プロセスで使用するために構成された物理デバイス又はシステム(例えば、相互に関係付けられたデバイス/構成要素の集合体)である。他の実施形態では、機器102は、製品開発プロセスなどの異なるタイプのプロセスで使用するために構成された物理デバイス又はシステムである。機器102が使用され得るプロセスのより具体的な例は、配合、水和、細胞培養、採取、分離、精製、並びに最終充填及び仕上げプロセスを含むことができる。ごく一部の例を挙げると、機器102は、滅菌タンク、媒体保持タンク、フィルタ、バイオリアクタ、遠心分離機等であり得る。他の実施形態では、機器102は、医薬品の開発又は生産に無関係のプロセス(例えば、食品製造工場、油処理工場など)において使用される機器である。
【0013】
システム100はまた、機器102及び/又はその内容物若しくは近位の外部環境に関連する物理パラメータを感知するように構成された1つ以上のセンサデバイス104を含む。例えば、センサデバイス104は、1つ以上の温度センサ(例えば、動作中に機器102の内部、表面及び/又は外部の温度を読取るための)、1つ以上の圧力センサ(例えば、動作中に機器102の内部及び/又は外部の圧力を読取るための)、及び/又は1つ以上の他のセンサタイプを含むことができる。より具体的な例として、機器102は滅菌タンクであってもよく、センサデバイス104は、タンク内の異なる位置に複数の温度センサを含んでもよい。センサデバイス104は、機器102のタイプ、及び機器102が使用されるように構成された動作にとって適切となるような、(例えば、温度、圧力、流量などを)直接測定するだけのセンサ、及び/又はパラメータ値を間接的に決定する「ソフト」感知デバイス又はシステム(例えば、化学組成及び分子構造を非破壊で決定するラマン分析器及びプローブ)、を含んでもよい。
【0014】
センサデバイス104は、機器102上に又は機器102内に一体化された1つ以上のデバイス、及び/又は機器102に取り付けられた又は機器102に近接して置かれた1つ以上のデバイスを含んでもよい。実施形態に応じて、センサデバイス104を機器102の一部として見なくてもよく、センサデバイス104のいくつか又は全てを機器102の一部と見てもよい。具体的には、センサデバイス104のいずれか又は全ての性能が(以下で更に説明するような)機器性能分析に含まれる実施形態では、「機器102」への本明細書での参照は、それらセンサデバイス104を含む。例えば、滅菌タンクの性能の分析は、タンクが、その意図されたタスク(例えば、所望の内容物をリークなしで保持し、その内容物を所望の温度プロファイルに曝すこと)を行う能力を分析することだけでなく、タンクに取り付けられた又はタンクに一体化された複数の温度センサの性能を分析することも包含し得る。
【0015】
システム100はまた、センサデバイス104に結合されたコンピューティングシステム110を含む。以下で更に詳細に論じるように、コンピューティングシステム110は、単一のコンピューティングデバイス、又は同じ位置に配置された若しくは互いに遠隔に配置された複数のコンピューティングデバイス(例えば、1つ以上のサーバ及び1つ以上のクライアントデバイス)を含んでもよい。コンピューティングシステム110は、一般に、(1)機器102の欠陥(例えば、不具合又は許容できない性能)を推測/診断するか又は予測/予想するために、センサデバイス104により生成された読取り値を分析し、(2)予測又は推測された欠陥に基づいて、実施しなければならない措置を特定し、(3)特定された措置をユーザに通知するように構成されている。図1に示す例示的な実施形態では、コンピューティングシステム110は、処理ユニット120、ネットワークインターフェース122、ディスプレイ124、ユーザ入力デバイス126、及びメモリ128を含む。
【0016】
処理ユニット120は1つ以上のプロセッサを含み、プロセッサの各々は、メモリ128に格納されたソフトウェア命令を実行して、本明細書に記載されるコンピューティングシステム110の機能のいくつか又は全てを実行するプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。代わりに、処理ユニット120内のプロセッサのうちの1つ以上が、他のタイプのプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等)であってもよい。
【0017】
ネットワークインターフェース122は、1つ以上の通信プロトコルを使用して外部デバイス及び/又はシステム(例えば、センサデバイス104、又はコンピューティングシステム110とセンサデバイス104との間のインターフェースを提供する、図1には示されないサーバ、など)と通信するように構成された、任意の好適なハードウェア(例えば、フロントエンド送信器及び受信器ハードウェア)、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含んでもよい。例えば、ネットワークインターフェース122は、イーサネットインターフェースであってもよく、又はイーサネットインターフェースを含んでいてもよい。図1には示されないが、コンピューティングシステム110は、単一の通信ネットワークを介して、又は1つ以上のタイプの複数の通信ネットワーク(例えば、1つ以上の有線及び/又は無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又は1つ以上の有線及び/又は無線ワイドエリアネットワーク(WAN)、例えばインターネット又はイントラネット)を介して、センサデバイス104と、及び/又はコンピューティングシステム110とセンサデバイス104との間のインターフェースを提供する任意のデバイスと通信してもよい。
【0018】
ディスプレイ124は、情報をユーザに提示するために任意の適切な表示技術(例えば、LED、OLED、LCDなど)を使用してもよく、ユーザ入力デバイス126は、キーボード又は他の適切な入力デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ124及びユーザ入力デバイス126は、単一のデバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)内に一体化される。一般に、ディスプレイ124及びユーザ入力デバイス126を組み合わせて、例えば、機器不具合又は他の欠陥をユーザに通知し、ユーザが行うべき何らかの緩和又は防止措置を推奨することのような目的のため、コンピューティングシステム110により出力された視覚プレゼンテーション(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又は表示された情報)をユーザが見ること及び/又はそれと相互作用することを可能にしてもよい。
【0019】
メモリ128は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含む1つ以上の物理メモリデバイス又はユニットを含んでもよく、コンピューティングシステム110の様々なコンピューティングデバイスに位置するメモリを含んでもよい。読取り専用メモリ(ROM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)などの、任意の適切な1つ以上のタイプのメモリが使用されてもよい。メモリ128は、機器分析アプリケーション130を含む1つ以上のソフトウェアアプリケーションの命令を格納する。機器分析アプリケーション130は、処理ユニット120により実行されると、分類モデル132を訓練し、訓練された分類モデル132を使用して機器性能の欠陥を推測又は予測し(すなわち、機器102、及び場合によっては別の機器も)、矯正措置を特定し、欠陥及び対応する措置をユーザに通知するように概ね構成されている。この目的のため、機器分析アプリケーション130は、次元削減ユニット140、訓練ユニット142、分類ユニット144、及びマッピングユニット146を含む。ユニット140~146は、機器分析アプリケーション130の別個のソフトウェア構成要素又はモジュールであってもよく、又は単に、異なる構成要素/モジュールの間で必ずしも分割されていない、機器分析アプリケーション130の機能を表してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、分類ユニット144及び訓練ユニット142は、単一のソフトウェアモジュールに含まれる。更には、いくつかの実施形態では、異なるユニット140~146は、機器分析アプリケーション130の複数のコピー間で(例えば、コンピューティングシステム110における異なるデバイスで実行して)、又は、コンピューティングシステム110の1つ以上のデバイスにおいて格納され実行される異なるタイプのアプリケーション間で分散されてもよい。ユニット140~146のそれぞれの動作は、システム100の動作を参照して以下で更に詳述する。
【0020】
分類モデル132は、任意の適切なタイプの分類器であってもよく、例えば、サポートベクターマシン(SVM)モデル、決定木モデル、ディープニューラルネットワーク、k最近傍法(KNN)モデル、単純ベイズ分類器(NBC)モデル、長短期記憶(LSTM)モデル、HDBSCANクラスタリングモデル、又は入力データのセットを2つ以上の可能な分類のうちの1つに分類できる他の任意のモデルであってもよい。いくつかの実施形態では、分類モデル132は、センサデバイス104によって生成される値に加えて、1つ以上の他のタイプのパラメータの値でも動作する。例えば、分類モデル132は、入力として、センサデバイス104からの読取り値に加えて、時間パラメータ値(例えば、プロセスが始まってからの分数又は時間数)を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、分類モデル132は、入力として、1つ以上のカテゴリパラメータを受け取る(例えば、0若しくは1、又はカテゴリA、B若しくはC、など)。カテゴリ(例えば、バイナリ)パラメータが、特定の動作が発生したかどうか、特定の物質が添加されたかどうか、などを表すことができる。更には、分類モデル132は、「メモリ」構成要素を反映する1つ以上の入力を受け入れることができる。例えば、1つのパラメータがx分におけるプローブからの温度読取り値であってもよく、別のパラメータが、X-1分における同じプローブからの温度読取り値であってもよい。他の実施形態では、分類モデル132自体がメモリ構成要素を有する(すなわち、分類モデル132は、「ステートフル」である)を有する。
【0021】
実施形態に応じて、分類モデル132は、入力(パラメータ値)のセットを、2つの可能な分類(例えば、「良い性能」又は「悪い性能」)のうちの1つとして、又は2つ以上の可能な分類(例えば、「良好」、「不良タイプA」、又は「不良タイプB」)のうちの1つとして分類してもよい。良好な性能に又は機器欠陥の特定タイプに対応し得るセンサ読取り値のいくつかの実施例が、図3に関連して以下で論じられる。いくつかの実施形態では、分類モデル132は、入力の同一セットで又は入力の異なる(おそらく重なり合う)セットで動作し得る2つ以上の個別に訓練されたモデルを含む。例えば、分類モデル132は、パラメータ値のセットを「良い」又は「悪い」として分類するKNNモデルを含んでもよく、更に「悪い」データセットだけを分析し、それらデータセットを、特定のタイプの不良又は他の欠陥として分類するニューラルネットワークを含んでもよい。別の例として、分類モデル132は、複数の異なるニューラルネットワークを含んでもよく、その各々が機器欠陥のそれぞれのタイプを検出するように特に訓練されている。
【0022】
以下でも更に詳細に説明されるように、コンピューティングシステム110は、訓練目的のために履歴データベース150にアクセスするように構成されており、エキスパート知識データベース152にアクセスして、推奨措置を特定するように構成されている。履歴データベース150は、機器102の過去の稼働及び/又は他の類似する機器の過去の稼働に関連するパラメータ値を格納してもよい。例えば、履歴データベース150は、センサデバイス104により(及び/又は、他の類似するセンサデバイスにより)生成されたセンサ読取り値を、及び場合によっては他の関連するパラメータ(例えば、時間)も格納してもよい。履歴データベース150は、履歴パラメータ値の各セットについて、特定の機器欠陥を示す又はそのような欠陥の不在を示す「ラベル」情報を格納してもよい。例えば、センサ読取り値のいくつかのセットが、履歴データベース150において「良好」ラベルに関連付けられてもよく、センサ読取り値の他のセットが、履歴データベース150において「不良タイプ1」ラベルに関連付けられてもよい、等である。
【0023】
エキスパート知識データベース152は、特定のタイプの機器欠陥が特定されたときに(機器102及び/又は類似の機器について)機器課題を緩和又は防止するために、主題の専門家が過去に実施した措置を表す情報のリポジトリであってもよい。例えば、エキスパート知識データベース152は、履歴データベース150(例えば、「不良タイプ1」等)のラベルにより表される欠陥タイプの各々を、対応する問題を緩和又は防止できる1つ以上の適切な措置に関連付ける1つ以上のテーブルを含んでもよい。データベース150、152は、メモリ128の永続メモリに、又は、コンピューティングシステム110又は他のデバイス若しくはシステムの異なる永続メモリに格納されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム110は、ネットワークインターフェース122を使用してインターネットを介してデータベース150、152の一方又は両方にアクセスする。
【0024】
上述したように、コンピューティングシステム110は、1つのデバイス又は複数のデバイスを含んでもよく、複数のデバイスを含む場合、同じ位置に配置されてもよく、又は遠隔に分散されてもよい(例えば、異なるデバイス間のイーサネット及び/又はインターネット通信を有して)。一実施形態では、例えば、コンピューティングシステム110の第1のサーバ(ユニット140、142を含む)が、分類モデル132を訓練し、コンピューティングシステム110の第2のサーバが、センサデバイス104からリアルタイム測定値を収集し、コンピューティングシステム110の第3のサーバ(ユニット144、146を含む)が、第2のサーバから測定値を受信し、訓練された分類モデル132のコピーを使用して、受信した測定値に基づいて分類(すなわち、診断又は予測)を生成する。別の実施例として、上記実施例の第3のサーバは、訓練された分類モデル132のコピーを格納せず、代わりに、第2のサーバに測定値を提供することにより分類モデル132を利用する(例えば、分類モデル132がウェブサービス構成を介して利用可能な場合)。本明細書で使用する場合、用語の使用状況が明らかに別様に示さない限り、分類モデル132などのモデルを「実行する」、「使用する」、「実装する」等の用語は、ローカルに格納されたモデルを直接実行する、又は他のデバイス(例えば、リモートサーバ)にモデルを実行させるように要求する、という代替形態を包含するように広範囲に使用される。図1に示し及び/又は本明細書に記載されるものを超える機能の更なる他の構成及び分散も可能であり、本発明の範囲内にあることが理解される。
【0025】
ここで、図1の構成要素及び図2に示すプロセス200の両方を参照してシステム100の動作を更に詳細に説明する。最初に、初期訓練フェーズにおいて、機器分析アプリケーション130が履歴データベース150から(例えば、過去のセンサ読取り値を含む)履歴データ202を取り出す。プロセス200のステージ204において、次元削減ユニット140が、履歴データ202におけるパラメータ値を組み合わせて(例えば、線形結合を形成して)、より少ない数の値を生成する。その値の各々が、分類モデル132により実行される分類に強く寄与する。例えば、次元削減ユニット140は、主成分分析法(PCA)、確率的主成分分析法(PPCA)、ベイズ的確率的主成分分析法(BPPCA)、混合ガウスモデル(GMM)、又は別の適切な技術を使用して、履歴データ202からパラメータ値を処理してもよい。次元削減ユニット140は、センサ読取り値(及び、場合によっては他の入力値)を任意の適切な次元数(例えば、2、3、5など)に削減できる。
【0026】
ステージ204の後、プロセス200のステージ206において、訓練ユニット142が、ステージ204で生成されたパラメータ値を使用して分類モデル132を訓練する。例えば、ステージ204において、次元削減ユニット140がPCA技術を実装して、元々のパラメータ値(例えば、センサデバイスからの履歴読取り値)を2次元(PC1、PC2)の値に削減する場合、訓練ユニット142は、ステージ206において、それら(PC1、PC2)の値及びそれらの対応する手動で生成されたラベルを使用して分類モデル132を訓練してもよい。しかしながら、他の実施形態では、ステージ204はプロセス200から省略され、次元削減ユニット140はシステム100から省略される。この後者の場合、訓練ユニット142は、代わりに、履歴データ202からの元々のパラメータ値を直接入力として使用して、分類モデル132を訓練してもよい。いずれの場合も、分類モデル132の良好な性能のために、履歴データ202は、所望の分類の各タイプの多数の多様な例(例えば、「良好な」性能、及び機器欠陥の1つ以上の特定のタイプ)を含むべきである。訓練ユニット142はまた、ステージ206において訓練された分類モデル132を、検証及び/又は更に認定してもよい(例えば、訓練に使用されなかった履歴データ202の一部分を使用して)。
【0027】
図3は、センサデバイス104が温度センサを含み、機器102が滅菌タンクを含む例示的な実施形態における、異なる機器欠陥タイプ/モードに対応し得る例示的なセンサ読取り値を示す図面300を示す。図3のトレース302は、機器102の期待される/所望の(「良好な」)性能を表す一方で、3つの他のトレース304、306、308は、異なるタイプの機器欠陥を示すシナリオを表す。特に、トレース304は、温度センサ読取り値が(温度上昇中に)初期的に振動して、温度制御システムに関する問題を示し得るか、又はシステム完全性課題を示し得るシナリオを示す。トレース306は、温度が最小滅菌温度を超える温度である(したがって、技術的には「異常」状態でない場合がある)「オーバーシュート」シナリオを示し、これも、温度制御システムに関する問題、又は温度センサ較正に関する問題を示し得る。トレース308は、温度センサからの信号が短時間遮断される「下降」シナリオを示し、これは、タイマーに滅菌プロセスを再開させる可能性があり、したがって、機器性能及び寿命に関する課題を引き起こす可能性がある。他のタイプの欠陥も可能である。例えば、第4の欠陥タイプ/モードは、温度が上昇して定常状態になった後の、その後の時間に生じる振動に対応してもよく、第5の欠陥タイプ/モードは、図3に示すものよりも頻度が大幅に少ない振動に対応してもよく、第6の欠陥タイプ/モードは、図3に示すものよりも、大幅に長い期間にわたる下降に対応してもよく、第7の欠陥タイプ/モードは、複数の下降に対応してもよい。理想的には、良好な又は許容可能な性能を認識/分類することに加えて、分類モデル132は、任意のタイプの機器欠陥を認識し、その欠陥のタイプが推測/診断又は予測された場合に、対応する分類を出力するように訓練される。
【0028】
ここで図2に戻ると、ステージ210~218において、分類ユニット144は、機器102が使用中である間に、訓練された分類モデル132を、新しい(例えば、リアルタイムの、又はほぼリアルタイムの)データ208(例えば、センサデバイス104からの新規なセンサ読取り値)で実行させる。例えば、機器102が滅菌タンクである場合、ステージ210~218は、滅菌タンクを使用して実施される滅菌(例えば、「定置蒸気」)処置の複数の繰り返しの間に生じてもよい。
【0029】
機器102が動作するにつれて、センサデバイス104は新しいデータ208の少なくとも一部分を生成する。例えば、センサデバイス104は各々が、一定期間ごと(例えば、5秒ごと、毎分、等)に、1つのリアルタイム読取り値(例えば、温度、圧力、pHレベル、等)を生成し得る。読取り値のタイプ及び頻度は、訓練フェーズにおいて使用されたデータに整合してもよい。
【0030】
ステージ210において、機器分析アプリケーション130(又は他のソフトウェア)は、新しいデータ208をフィルタ処理/前処理する。ステージ210は、例えば、フィルタを適用して、いくつかの所定の現在の時間窓からのデータだけが取得されることを確実にしてもよい。別の例として、機器分析アプリケーション130(又は他のソフトウェア)は、ステージ210において、センサ読取り値を前処理して、それらの読取り値を訓練のために使用された履歴データ202と同じフォーマットにする。センサデバイス104からのセンサ読取り値が、例えば、訓練中に使用されるセンサ読取り値よりも捕捉される頻度が少ない場合、機器分析アプリケーション130は、補間技術を使用して、ステージ210において追加の「読取り値」を生成してもよい。
【0031】
ステージ212において、次元削減ユニット140又は類似のユニットが(場合によっては、フィルタ処理ステージ210における処理の後に)、新しいデータ208により反映されたパラメータ値の次元を削減する。
【0032】
ステージ214において、分類ユニット144は、ステージ212で生成されたパラメータ値を使用して、訓練された分類モデル132を実行させる。例えば、ステージ212において、次元削減ユニット140がPCA技術を実装して、元々のパラメータ値(例えば、センサデバイス104からの読取り値)を2次元(PC1、PC2)の値に削減する場合、分類ユニット144は、ステージ214において分類モデル132をそれらの値(PC1、PC2)で実行させてもよい。次元削減ユニット140が入力パラメータ値を2次元に削減し、分類モデル132がSVMモデルであるような、一実施形態における分類の一例を、図4に関連して以下で論じる。
【0033】
代替的実施形態では、ステージ212はプロセス200から省略され、その場合、分類ユニット144が代わりに、分類モデル132を、直接入力として新しいデータ202からの元々のパラメータ値で実行させてもよい(場合によっては、ステージ210における処理の後に)。例えば、システム100は、次元削減ユニット140を省略してもよく、プロセス200はステージ204及びステージ212の両方を省略してもよい。
【0034】
分類モデル132は、入力データの各セットに対して特定の分類を、例えば、機器102が使用中である複数の均一な期間の各々に対して(例えば、10分ごと、又は1時間ごと、6時間ごと、毎日など)出力する。分類は、推測、すなわち、機器102により呈される現在の問題(例えば、不良/不具合)の診断であってもよい。代わりに、分類は、機器102が将来、特定の問題を呈するであろうという予測であってもよく、又はその機器102が将来、問題を呈しないであろうという予測であってもよい。いくつかの実施形態では、分類モデル132は、推測及び予測の両方を含む分類のいずれか1つのセットを出力するように構成/訓練される。例えば、分類「A」が、機器102に対して現在の又は予想される問題が存在しないことを示してもよく、分類「B」が、機器102が現在、特定のタイプの不具合を経験していることを示してもよく、分類「C」が、矯正措置がとられないと、機器102が比較的近い将来に、特定のタイプの不具合を経験する(又は、性能欠陥につながる)可能性が高いことを示してもよい。
【0035】
ステージ216において、分類モデル132により出力される分類は、分類モデル132の更なる訓練(改良)での使用のために履歴データ202に戻される。この追加訓練について、機器分析アプリケーション130又は他のソフトウェアは、分類が正しいかどうかを確認するための、又は分類モデル132の出力が間違っている場合に正しい分類を入力するためのユーザインターフェースを、個人(例えば、主題の専門家)のために提供してもよい。これらの手動で入力された又は確認された分類は、次いで、追加訓練のためのラベルとして使用されてもよい。追加訓練は、初期的な訓練のために利用可能な履歴データ202の量が比較的少ない場合に特に有益であり得る。いくつかの実施形態では、ステージ216は、プロセス200から省略される。
【0036】
ステージ218において、マッピングユニット146は、分類モデル132により実行された分類を、1つ以上の推奨措置にマッピングする。この目的のため、例えば、マッピングユニット146は、この分類を、エキスパート知識データベース152に格納されるテーブルのキーとして使用してもよい。対応する措置は、1つ以上の予防的/保守的措置、及び/又は現在の問題を修復するための1つ以上の措置を含んでもよい。例えば、マッピングユニット146は、分類「不具合タイプC」を、フィルタを検査及び/又は変更するための措置にマッピングしてもよい。いくつかの実施形態では、マッピングユニット146は、利用可能な分類の少なくともいくつかを、有用かも知れない代替措置のセットにマッピングする(例えば、主題の専門家が、機器102又は類似の機器に関する特定の問題に最も良好に対処するためのいくつか異なる方法があることを過去に見つけていた場合)。
【0037】
機器102が滅菌タンクである実施形態について、エキスパート知識データベース152における欠陥分類と、対応する措置との間のいくつかの例示的なマッピングが以下の表に示される。
【0038】
【表1】
【0039】
上記の実施例では、分類モデル132は、「良好な」性能に対応し、したがってマッピングを必要としない、第4の分類をサポートすることもできる。しかしながら、いくつかの実施形態では、「良好な」分類でさえ、(例えば、最小又はデフォルトレベルの保守を表す1つ以上の保守措置への)マッピングを必要とする。
【0040】
ステージ220において、機器分析アプリケーション130は、1人以上のシステムユーザに推奨措置を提示するか又は提供する。例えば、機器分析アプリケーション130は、ステージ220において、ディスプレイ124及び/又は1つ以上の他のディスプレイ/デバイスを介してユーザに提示するためのグラフィカルユーザインターフェース又は他のプレゼンテーション(又は、その一部分)を生成又は提示してもよい。措置(及び、場合によっては、分類モデル132により生成された分類)は、個別に示されてもよく、及び/又は、より高位レベル統計などの図を提供するために使用されてもよい。加えて又は代わりに、機器分析アプリケーション130は、1人以上のユーザのために、推奨措置及び対応する分類を示すメッセージを含む電子メール又はテキスト通知を自動的に生成してもよい。通知は、センサデータが利用可能になると(例えば、所与の時間窓内における最後のセンサ読取り値がセンサデバイス104により生成されるとすぐに)、リアルタイムで又はほぼリアルタイムで提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、プロセス200は、図2に示されていない追加のステージを含む。例えば、いくつかの実施形態では、図2に示すステージのいずれかの前に、次元削減ユニット140は、分類ユニット144と連動して動作して、例えば、推測又は予測する場合に分類モデル132がどのパラメータ値に最も強く依存するかを特定することにより、「特徴量エンジニアリング」を促進する出力を生成する。例えば、次元削減ユニット140は、PCA技術を適用して20個の入力パラメータを2次元に削減することができ、更に、それら2次元に対する値を次元削減ユニット140が計算するときに、それら20個の入力パラメータの各々の値にどれくらい強く依存したか(例えば、重み付けしたか)の指標を生成してもよい。その後、分類モデル132の訓練及び実行は、最も重要な入力パラメータ(例えば、予測強度が最も強いパラメータ)だけに基づくことができる。
【0042】
いくつかの実施形態及び/又はシナリオでは、ステージ204~220は全て、機器102の主要な意図された使用の前に生じる。例えば、機器102がバイオ医薬品の商業製造用に意図される場合、ステージ204~220は、その医薬品の商業製造プロセス中に機器102が使用される前に生じてもよい。このように、製造中に許容できない機器性能が生じる危険性は大幅に低減でき、それにより、「ダウンタイム」に起因するコスト及び遅延の危険性が低下し、及び/又は品質問題が防止できる。別の例として、機器102が製品開発段階での使用を意図される場合、その開発プロセス中に機器102が使用される前にステージ204~220が生じて、コスト及び医薬品開発期間が減る場合がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、機器102の主要な使用中に(例えば、商業製造又は製品開発中に)、ステージ210~220(又は、ステージ210~216だけ)も生じる、又は代わりにこれらのステージが生じる。
【0043】
いくつかのシナリオでは、新しいタイプの機器欠陥がプロセス200中に発見される場合がある。例えば、ステージ220において出力された推奨措置が、特定の機器問題を緩和又は防止することに失敗する場合がある。その場合、主題の専門家が問題を調査して、「解決策」を特定することができる。いったん解決策が特定されると、問題を手動で再構築して、履歴データベース150における追加の訓練データを構築することができる。次いで、新しく特定された問題に対応する追加分類を用いて、分類モデル132を修正し再訓練することができる。更には、その問題に対する適切な緩和又は防止措置を含むように、エキスパート知識データベース152を拡大できる。
【0044】
場合によっては、分類モデル132が特定の機器課題を正確に特定することを可能にするスケールで新しい訓練データを開発することが非現実的な場合がある。このような場合、分類モデル132は、「ハードコードされた」分類器(例えば、特定のタイプの機器欠陥を特定するための固定されたアルゴリズム/規則)で補足されてもよい。
【0045】
「定置蒸気」滅菌タンクの例示的な場合について、システム100及びプロセス200に類似するシステム及びプロセスの性能を、特徴量エンジニアリング技術(例えば、PCA、PPCA、等)及び分類モデル(例えば、SVM、決定木、等)の約20個の異なる組合せでテストした。(n個の特徴量/入力に対する)n次元データを2次元に削減するためのPCA技術と、SVM分類モデルとを使用することにより、その特定の使用ケースについて最良の性能が提供され、その結果、試験及び訓練データセットとして機能させるためにどのデータがランダムに選択されたかに依存して、及び考慮中の機器に依存して、約94%~97%の分類精度が得られた。異なるデータセット及び機器にわたる、PCAを用いたSVM分類モデルについて、全体的な精度は約95%であった。図4は、SVM分類モデルにより作成された例示的な分類を示すプロット400を表す。プロット400のx軸及びy軸は、PCA技術を使用して生成された値(例えば、次元削減ユニット140により生成された値)を表す。プロット400では、破線は、本実施例の3つの可能な分類、すなわち、良好な性能(分類402)、欠陥タイプA(分類404)、及び欠陥タイプB(分類406)を分割する決定境界を表す。具体的には、欠陥タイプAは、昇温中の温度読取り値の振動に関する課題に対応し、欠陥タイプBは、温度のオーバーシュートに関する課題に対応する(すなわち、上の表1に反映されている最初の2つの欠陥)。
【0046】
異なるデータセット及び機器にわたって、PCAを用いたランダムフォレスト分類も良好に実行され、約96%の全体的な精度が得られた。しかしながら、SVM分類は、調査した全ての使用ケースにわたって、より一貫して正確であった。NBC分類、決定木分類、及びKNN分類(それぞれ、PCAを用いた)は、それぞれ約89%、89%、及び85%の全体的な精度を提供した。
【0047】
図5は、図1のコンピューティングシステム110によって生成及び/又は提示され得る例示的なプレゼンテーション500を示す。例えば、機器分析アプリケーション130は、ディスプレイ124上で及び/又は1つ以上の他のデバイス(例えば、ユーザのモバイルデバイス、等)の1つ以上の他のディスプレイ上で見るためのプレゼンテーション500を生成及び/又は提示してもよい。一般に、プレゼンテーション500は、複数の実行の各々に対する(分類モデル132による)分類をそれら分類に関連する情報(ここでは、温度読取り値)と共に示す情報を表す。
【0048】
図5から分かるように、本実施例では、プレゼンテーション500は、複数の温度トレースに重なるプロット502を含む。各温度トレースは、分類モデル132が、分類(この例では、「不良A」、「不良B」、又は「良好」)を出力するために分析/処理した(例えば、センサデバイス104のうちの1つにより生成された)温度センサデータを表してもよい。プレゼンテーション500のパイチャート504は、各分類の数を、分類モデル132により実施された全ての分類のパーセンテージとして示す。プレゼンテーション500のチャート506は、複数の異なるバッチ及びタグについての結果(すなわち、存在する場合、特定の不良タイプ)を示す。各バッチ(B22、B23、等)が、異なるロットの材料(例えば、製造されている特定の医薬品/物質の特定のロット)を指してもよく、各タグ(T1、T2、等)が、異なる機器又は異なる機器構成要素(例えば、特定の温度センサ)を指してもよい。他の実施形態では、プレゼンテーション500は、図5に示すものよりも少ない情報、多くの情報、及び/又は異なる情報を含んでもよいこと、及び/又は情報を異なるフォーマットで示してもよいことを理解されたい。
【0049】
いくつかの実施形態では、機器分析アプリケーション130は更に(又は代わりに)、他のタイプのプレゼンテーションを生成及び/又は提示する。いくつかの実施形態では、機器分析アプリケーション130は、(例えば、図2のステージ220における)それぞれの実行/分類ごとに、テキストベースのメッセージ又は視覚化を生成又は提示し、テキストベースのメッセージ又は視覚化は、分類モデル132により出力される分類、並びに分類がマッピングされる推奨措置を示す。機器分析アプリケーション130又は別のアプリケーションは、テキストベースのメッセージ又は視覚化を、1人以上のユーザに提示させてもよい(例えば、電子メール、SMSテキストメッセージ、専用アプリケーションの画面/ディスプレイなどを介して)。
【0050】
図6は、機器性能欠陥を緩和又は防止する例示的な方法600のフロー図である。例えば、方法600は、例えば、図1のコンピューティングシステム110などのコンピューティングシステム(例えば、コンピューティングデバイス)により(例えば、機器分析アプリケーション130の命令を実行する処理ユニット120により)実装されてもよい。
【0051】
ブロック602において、機器(例えば、機器102)に関連する1つ以上のパラメータの値が、機器が使用中(例えば、機器の性質に応じて、滅菌作業中、又は採取作業中など)である期間にわたってパラメータを監視することにより決定される。パラメータは、温度、圧力、pHレベル、湿度、又は機器に関連する任意の他の適切なタイプの物理的特性を含んでもよい。ブロック602は、直接的又は間接的に、その値を生成した1つ以上のセンサデバイス(例えば、センサデバイス104)からパラメータ値を受信することを含んでもよい。他の実施形態では(例えば、方法600が全体としてシステム100により実行される場合)、ブロック602は、(例えば、センサデバイス104により)値を生成する動作を含んでもよい。期間は任意の適切な時間の長さ(例えば、10分、6時間、1日など)であってもよく、その期間中、パラメータ値は、任意の適切な1つの頻度で(例えば、1秒ごとに1回、1分ごとに1回など)、又は(例えば、複数のセンサデバイスが使用されるいくつかの実施形態では)複数の頻度で実施された測定値に対応してもよい。
【0052】
ブロック604において、ブロック602において決定された値を分類モデルを使用して処理することにより、機器の性能分類が決定される。分類モデル(例えば、分類モデル132)は、SVMモデル、決定木モデル、ディープニューラルネットワーク、KNNモデル、NBCモデル、LSTMモデル、HDBSCANクラスタリングモデル、又は入力データのセットを複数の利用可能な分類のうちの1つに分類できる任意の他の適切なタイプのモデルを含んでもよい。分類モデルは、単一の訓練されたモデルであってもよく、又は複数の訓練されたモデルを含んでもよい。
【0053】
ブロック606において、性能分類は、緩和又は防止措置にマッピングされる。ブロック606は、例えば、データベース(例えば、エキスパート知識データベース152)のキーとして性能分類を使用することを含んでもよい。すなわち、ブロック606は、どのような措置が、そのようなデータベースにおける性能分類に対応するかを決定することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、性能分類は、1つ以上の追加の緩和又は防止措置にもマッピングされ、これは、累積的に実施されなければならない措置(例えば、構成要素Aを洗浄し、構成要素Bを検査する)、及び/又は、代替として考えなければならない措置(例えば、構成要素Aを洗浄する又は構成要素Aを置換する)を含んでもよい。
【0054】
ブロック608において、緩和又は防止措置を示す出力が生成される。いくつかの実施形態では、出力は、措置にマッピングされた性能分類(例えば、分類に対応するコード、及び/又は分類のテキスト記述)をも示す。更には、いくつかの実施形態では、出力は、機器が使用された複数の期間の各々に対して、分類及び/又は対応する措置を表す情報を含んでもよい。出力は、例えば、(例えば、ディスプレイ124上の)視覚プレゼンテーション、視覚プレゼンテーションの一部(例えば、特定のフィールド又はチャートなど)、又は、そのようなプレゼンテーションのいずれかを生成又はトリガするために使用されるデータ、であってもよい。いくつかの実施形態では、ブロック608は、複数のユーザがウェブブラウザを介してアクセスできるウェブベースのレポートを提示するデータを生成することを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法600は、図6に示していない1個以上の追加ブロックも含む。例えば、方法600はまた、ブロック602の前に、ブロックを含んでもよく、そのブロックでは、分類モデルが、パラメータの履歴値のセットと、それらセットに対して対応するラベル(例えば、「良好」、「不良タイプA」等)とを使用して訓練される。方法600は、ブロック604の後に(及び、場合によっては、ブロック606及び/又は608の後に)、ブロックを含んでもよく、そのブロックでは、パラメータ値(例えば、「良好」、「不良タイプA」、等)についての手動分類を表すユーザ指定ラベルが(例えば、ユーザ入力後に、ユーザ入力デバイス126を介して)受信され、次いで、分類モデルは、ブロック602において決定された値、及びユーザ指定ラベルを使用して更に訓練される。
【0056】
本開示の実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を遂行するためのコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。「コンピュータ可読格納媒体」という用語は、本明細書に記載される動作、手法、及び技術を遂行するための一連の命令又はコンピュータコードを格納又は符号化することができる任意の媒体を含むように本明細書において使用される。媒体及びコンピュータコードは、本開示の実施形態を目的として特別に設計及び構築されたものであってもよく、又はコンピュータソフトウェア技術の当業者に周知且つ利用可能な種類のものであってもよい。コンピュータ可読格納媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROM及びホログラフィデバイスなどの光媒体、光ディスクなどの光磁気媒体、並びにASIC、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、及びROMやRAMデバイスなどのプログラムコードを格納及び実行するために特別に構成されたハードウェアデバイスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
コンピュータコードの例としては、コンパイラにより生成されるものなどの機械コード、及びインタープリタ又はコンパイラを使用してコンピュータにより実行されるより高位レベルのコードを含むファイルが挙げられる。例えば、本開示の一実施形態は、Java、C++、又は他のオブジェクト指向プログラミング言語及び開発ツールを使用して実装されてもよい。コンピュータコードの更なる例としては、暗号化コード及び圧縮コードが挙げられる。更に、本開示の一実施形態は、コンピュータプログラム製品としてダウンロードされてもよく、これは、リモートコンピュータ(例えば、サーバコンピュータ)から送信チャネルを介して要求元コンピュータ(例えば、クライアントコンピュータ又は異なるサーバコンピュータ)に転送されてもよい。本開示の別の実施形態は、機械実行可能なソフトウェア命令の代わりに、又はこれと組み合わせてハードワイヤード回路に実装されてもよい。
【0058】
本明細書で使用される場合、単数形の用語「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に示さない限り、複数の参照物を含み得る。
【0059】
本明細書で使用する場合、「接続する(connect)」、「接続される(connected)」、及び「接続(connection)」という用語は、動作可能な結合又は連結を指す(及び、図示する接続は、動作可能な結合又は連結を表す)。接続された構成要素は、直接的に、又は例えば別の構成要素の組を介して間接的に、互いに結合され得る。
【0060】
本明細書で使用する場合、「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」、「実質的な(substantial)」、及び「約(about)」という用語は、小さな変動を記述及び説明するために使用される。事象又は状況と併せて使用される場合、これらの用語は、事象又は状況が厳密に生じている場合だけでなく、極めて近い事象又は状況が生じている場合も指す場合がある。例えば、数値と併せて使用される場合、これらの用語は、当該数値の±10%以下、例えば、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの変動幅を指す場合がある。例えば、2つの数値の差がこれらの数値の平均の±10%以下、例えば、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下であれば、2つの数値は「実質的に」同一と見なすことができる。
【0061】
加えて、本明細書では、量、比、及び他の数値が、範囲形式で提示される場合がある。このような範囲形式が、利便性及び簡潔性を目的として使用されること、並びに範囲の限界値として明示的に指定された数値を含むが、当該範囲に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に指定されているように含むものとして柔軟に理解されるべきであることを理解されたい。
【0062】
本開示は、その特定の実施形態を参照して説明及び図示されているが、これらの説明及び図示は、本開示を限定するものではない。当業者には、添付の特許請求の範囲により規定される本開示の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、且つ等価物で代替できることを理解されるはずである。図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない場合がある。製造プロセス、公差、及び/又は他の理由に起因して、本開示における技術的表現と実際の装置との間には、差異が存在し得る。具体的に例証されていない本開示の他の実施形態が存在し得る。(特許請求の範囲以外の)本明細書及び図面は、限定的というよりも、むしろ例示的なものと見なされるべきである。特定の状況、材料、物質の組成、技術、又はプロセスを本開示の目的、趣旨、及び範囲に適合させるために変更がなされる場合がある。そのような変更は全て、本明細書に添付する特許請求の範囲内であるように意図されている。本明細書に開示される技術について、特定の順序で遂行される特定の動作を参照して記載してきたが、これらの動作が、本開示の教示から逸脱することなく、等価な技術を形成するために組み合わされ、細分化され、又は再順序付けされ得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書において具体的に示されていない限り、動作の順序及びグループ分けは、本開示を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】