(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】グラフィックユーザーインターフェースを備えた薬剤送達システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240119BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540194
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021057261
(87)【国際公開番号】W WO2022146541
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519167449
【氏名又は名称】インスレット コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン オコナー
(72)【発明者】
【氏名】チュン ポク リー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ナッザロ
(72)【発明者】
【氏名】イービン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ポーリーン タンドン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
ユーザーへ薬剤を自動送達するためのシステムが開示される。ユーザーに装着されたセンサーは、ユーザーに関する情報を収集することができる。スマートフォンを例とするユーザーデバイスは、収集された情報を用いて、ユーザーに提供する薬剤の量を決定するユーザーアプリケーションを実行する。ユーザーアプリケーションは、ユーザーがユーザーアプリケーションと容易に情報交換して、薬剤送達の様々な態様を指定することができるグラフィックユーザーインターフェースを含む。ユーザーアプリケーションは、薬剤をユーザーに投薬するようにウェアラブル薬物送達デバイスを制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達システムであって、
薬物送達デバイスと、
前記薬物送達デバイスと無線通信するユーザーデバイスと、
グラフィックユーザーインターフェースを有し、前記ユーザーデバイス上で実行され、前記薬物送達デバイスによる薬剤の送達を制御するユーザーアプリケーションと、を備え、
前記グラフィックユーザーインターフェースは、前記ユーザーアプリケーションの起動時に表示されるデフォルト画面と、を含み、
前記デフォルト画面は、ユーザーの最新の血中グルコースレベルと、複数のこれまでの血中グルコース記録値によって示される前記ユーザーの血中グルコースレベルの傾向を示す傾向インジケータと、推計残存インスリンのインジケータと、を表示する情報エリアと、
前記薬物送達デバイスによって送達された最新のボーラスのインジケータを備えたボーラス表示エリアと、
選択されると、ユーザーが選択可能な期間内での血中グルコース記録値のグラフを表示する、CGMエリアと、
前記ユーザーアプリケーションが自動モード又はマニュアルモードで操作中であることを示すモードインジケータと、を備える、
薬剤送達システム。
【請求項2】
前記起動画面が、さらに、ダッシュボードタブ、インスリンタブ、及びポッドインフォタブを備えたタブバー、を備え、
インスリンタブが選択されると、前記情報エリアが、前記ユーザーアプリケーションによって現在実行中の基礎プログラムをグラフで表して表示し、前記CGMエリアが、前記ユーザーの前記最新の血中グルコースレベルを表示し、
前記ポッドインフォタブが選択されると、前記情報エリアが、前記薬物送達デバイス中に残っている薬剤のユニット数を含む前記薬物送達デバイスについてのステータス情報を表示し、前記CGMエリアが、前記ユーザーの前記最新の血中グルコースレベルを表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記デフォルト画面の前記ボーラス表示エリアが前記ユーザーによって選択されると、前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記ボーラス表示エリアに、前記残存インスリンの推計量の指標を表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記起動画面が、さらに、前記ユーザーによって選択されると、前記薬剤のボーラス投与量の前記送達を開始するボーラスボタンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ボーラスボタンが選択されると、前記グラフィックユーザーインターフェースに、前記ユーザーによって摂取された炭水化物の量、前記ユーザーの前記最新の血中グルコース記録値、及び前記残存インスリンの推計値に基づいて送達されるべき前記薬剤の総ボーラス投与量を計算するためのボーラス計算機画面を表示する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザーが、即時ボーラス投与量として又は持続ボーラス投与量として、前記ボーラス投与量の送達を開始することができる、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記薬剤の前記持続ボーラス送達のパラメータを前記ユーザーが指定することができる画面を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
ボーラス投与量又は持続ボーラス投与量が送達されている場合、前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記デフォルト画面の前記情報エリアに、前記ボーラス投与量又は前記持続ボーラス投与量のステータスを表示する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
インスリンタブが選択されると、前記グラフィックユーザーインターフェースが、基礎プログラムのリストを表示する、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記基礎プログラムが、当日の前記薬剤の基礎投与量の送達のタイミング及び量を定める、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、新規基礎プログラムを前記ユーザーが作成することができる画面を提供する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
新規基礎プログラムを前記ユーザーが作成することができる前記画面が、1又は複数の時間の範囲と、各時間の範囲の過程における前記薬剤の送達に対する基礎レートと、を示すグラフ表示を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
基礎プログラムの前記リストが、当日の一部に対して基礎投与量の送達のタイミング及び量を指定する1又は複数の一時的基礎プログラムを含み、前記一時的基礎プログラムは、現在実行中の基礎プログラムによって指定された前記薬剤の前記量を増加させる又は減少させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、さらに、選択されると前記グラフィックユーザーインターフェースの現在表示されている画面上に重ねて複数のメニュー項目を備えたメニューを表示するメニューボタンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記メニュー項目のうちの1つが、選択されると、ユーザーが指定した継続時間にわたって前記薬剤の送達を一時停止するHypoProtectモードを開始する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
HypoProtectモードが有効とされると、前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記デフォルト画面の前記情報エリアにHypoProtectモードの標識を表示する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記薬物送達デバイスを交換するための指示を提供する画面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、食品ライブラリへのインターフェースを提供する画面を含み、前記食品ライブラリは、前記食品ライブラリ中の個々の食品に含有される炭水化物の量を少なくとも含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記ユーザーアプリケーションへのアクセスが、ユーザーPINの入力を必要とし、さらに前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記ユーザーが前記PINを設定し、入力することができる画面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記メニュー項目のうちの1つが、選択されると、前記グラフィックユーザーインターフェースに、前記薬剤の前記送達の履歴、及びイベントのタイムラインを表示させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記メニュー項目のうちの1つが、選択されると、前記グラフィックユーザーインターフェースに、前記ユーザーが前記自動モードと前記マニュアルモードとの間で切り替えることができる画面を表示させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムが、さらに、前記ユーザーデバイスと無線通信する連続グルコースモニターを備え、前記連続グルコースモニターは、前記ユーザーからの定期的な血中グルコース記録値を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記ユーザーアプリケーションによって生成されたデータの閲覧が許可されている人のリストを表示することができる画面、及び新規に許可された人を追加することができる画面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記ユーザーアプリケーションが、1又は複数のログファイルを生成し、前記グラフィックユーザーインターフェースが、前記1又は複数のログファイルをカスタマーケアセンターへ送信することができる画面を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、全内容が参照により本明細書に援用される2020年12月31日に出願された米国特許仮出願第63/132,694号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本明細書の実施形態は、自動薬剤送達全般に関し、より詳細には、ウェアラブル薬剤送達デバイスを用いた無線薬剤送達システム、及びウェアラブル薬剤送達デバイスを制御するためのユーザーアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0003】
ウェアラブル薬剤送達システム、特にインスリンを送達するためのシステムは、ユーザーのグルコースレベルをモニタリングすること、モニタリングしたグルコースレベルに基づいてユーザーにとっての適切なインスリンレベルを決定すること、及び続いてインスリンをユーザーに投薬することが典型的には可能である。このようなシステムに必要とされる高度な制御アルゴリズムには、一般に、強力なコンピューティング資源及び大容量の電源が必要である。その結果、従来の薬剤送達システムでは、システムコンポーネント間での無線通信、完全な自律動作、スマートフォンなどのユビキタス電子デバイスが関与する向上されたユーザー体験、及び改善されたセキュリティ機能は提供されない。したがって、そのような機能を含むインスリン管理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
図面中、類似の符号は、一般に、異なる図面全体を通して同じ部分を指す。以下の記述において、本発明の様々な実施形態が、以下の図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2a】本明細書で開示されるシステム及び方法を実行するのに適した例示的な医療デバイスの、表側を上にした斜視図及び裏側から見た斜視図を示す。
【
図2b】本明細書で開示されるシステム及び方法を実行するのに適した例示的な医療デバイスの、表側を上にした斜視図及び裏側から見た斜視図を示す。
【
図2c】アドオンモジュールを示す
図2a及び
図2bのデバイスの第一及び第二の図を示す。
【
図2d】アドオンモジュールを示す
図2a及び
図2bのデバイスの第一及び第二の図を示す。
【
図3】ユーザー上の所定の位置にあるシステムコンポーネントを示す。
【
図4】ユーザーアプリケーションのデフォルトホーム画面を示す。
【
図5a】「ダッシュボード」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図5b】「ダッシュボード」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図5c】「ダッシュボード」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図5d】「ダッシュボード」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6a】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6b】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6c】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6d】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6e】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図6f】「インスリン」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図7a】「ポッドインフォ」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図7b】「ポッドインフォ」タブが選択された場合にホーム画面のメインエリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図8a】ユーザーアプリケーションが即時ボーラス又は持続ボーラスの送達を行っている場合に、ホーム画面のメインエリアの上に重ねて表示されるページの例を示す。
【
図8b】ユーザーアプリケーションが即時ボーラス又は持続ボーラスの送達を行っている場合に、ホーム画面のメインエリアの上に重ねて表示されるページの例を示す。
【
図9a】ホーム画面の「直近のボーラス」エリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図9b】ホーム画面の「直近のボーラス」エリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図10a】ホーム画面の「CGMインフォ」エリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図10b】ホーム画面の「CGMインフォ」エリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図10c】ホーム画面の「CGMインフォ」エリアに表示される情報ページの例を示す。
【
図11a】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図11b】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図11c】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図11d】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図11e】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図11f】デフォルトホーム画面上のボーラスボタンが選択された場合に表示されるボーラス計算機を提供する画面の例、さらにはユーザーが持続ボーラス送達を指定することができる画面の例を示す。
【
図12】ユーザーがデフォルトホーム画面から通知インジケータを選択した場合に表示される通知のリストを示す画面の例である。
【
図13a】ホーム画面からメニューボタンが選択された場合に現れるメインメニューの例を示す。
【
図13b】ホーム画面からメニューボタンが選択された場合に現れるメインメニューの例を示す。
【
図14a】特別の状況又はエラーの状態に関する情報をユーザーに提供するためのモーダルメッセージの例を示す。
【
図14b】特別の状況又はエラーの状態に関する情報をユーザーに提供するためのモーダルメッセージの例を示す。
【
図15】ウェアラブル薬物送達デバイスに関する詳細情報を示す画面の例を示す。
【
図16a】ユーザーが新しい薬物送達デバイスを初期設定し、ユーザーの身体に薬物送達デバイスを装着するための段階的な指示を提供する指示画面の例を示す。
【
図16b】ユーザーが新しい薬物送達デバイスを初期設定し、ユーザーの身体に薬物送達デバイスを装着するための段階的な指示を提供する指示画面の例を示す。
【
図16c】ユーザーが新しい薬物送達デバイスを初期設定し、ユーザーの身体に薬物送達デバイスを装着するための段階的な指示を提供する指示画面の例を示す。
【
図16d】ユーザーが新しい薬物送達デバイスを初期設定し、ユーザーの身体に薬物送達デバイスを装着するための段階的な指示を提供する指示画面の例を示す。
【
図17a】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図17b】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図17c】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図17d】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図17e】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図17f】ユーザーが基礎プログラムを表示、作成、編集、及び開始することができる画面の例を示す。
【
図18a】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図18b】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図18c】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図18d】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図18e】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図18f】ユーザーが一時的基礎プロファイルを作成又は選択することができる画面の例を示す。
【
図19a】ユーザーが血中グルコース記録値をマニュアル入力することができる画面の例を示す。
【
図19b】ユーザーが血中グルコース記録値をマニュアル入力することができる画面の例を示す。
【
図19c】ユーザーが血中グルコース記録値をマニュアル入力することができる画面の例を示す。
【
図19d】ユーザーが血中グルコース記録値をマニュアル入力することができる画面の例を示す。
【
図20a】食事中に摂取する総カーボを計算する目的で、ユーザーが食事に追加する食品を選択するために使用することができる食品ライブラリを実行する画面の例を示す。
【
図20b】食事中に摂取する総カーボを計算する目的で、ユーザーが食事に追加する食品を選択するために使用することができる食品ライブラリを実行する画面の例を示す。
【
図20c】食事中に摂取する総カーボを計算する目的で、ユーザーが食事に追加する食品を選択するために使用することができる食品ライブラリを実行する画面の例を示す。
【
図20d】食事中に摂取する総カーボを計算する目的で、ユーザーが食事に追加する食品を選択するために使用することができる食品ライブラリを実行する画面の例を示す。
【
図21a】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21b】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21c】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21d】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21e】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21f】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図21g】ユーザーアプリケーションの初期セットアップに用いる画面の例を示す。
【
図22a】グラフィックユーザーインターフェースによって表示される情報画面及びエラー画面の例を示す。
【
図22b】グラフィックユーザーインターフェースによって表示される情報画面及びエラー画面の例を示す。
【
図22c】グラフィックユーザーインターフェースによって表示される情報画面及びエラー画面の例を示す。
【
図23a】ユーザーアプリケーション及び薬剤送達デバイスの操作履歴を示す画面の例を示す。
【
図23b】ユーザーアプリケーション及び薬剤送達デバイスの操作履歴を示す画面の例を示す。
【
図23c】ユーザーアプリケーション及び薬剤送達デバイスの操作履歴を示す画面の例を示す。
【
図24a】ユーザーアプリケーション及び関連するデバイスについての情報を示す画面の例を示す。
【
図24b】カスタマーケアセンターにログファイルを送信するために用いられる画面を示す。
【
図24c】カスタマーケアセンターにログファイルを送信するために用いられる画面を示す。
【
図25a】アプリケーションの全般的セットアップを提供するメニューを示す。
【
図25b】インスリン送達の計算の基になるタイムゾーンを変更することができる画面を示す。
【
図25c】インスリン送達の計算の基になるタイムゾーンを変更することができる画面を示す。
【
図26a】ユーザーが薬剤の送達を中断及び開始することができる画面の例を示す。
【
図26b】ユーザーが薬剤の送達を中断及び開始することができる画面の例を示す。
【
図27a】ユーザーがHypoProtect(商標)モードを開始及びキャンセルすることができる画面の例を示す。
【
図27b】ユーザーがHypoProtect(商標)モードを開始及びキャンセルすることができる画面の例を示す。
【
図28a】ユーザーがユーザーアプリケーションの操作を自動モードとマニュアルモードとの間で切り替えることができる画面の例を示す。
【
図28b】ユーザーがユーザーアプリケーションの操作を自動モードとマニュアルモードとの間で切り替えることができる画面の例を示す。
【
図29a】ユーザーが新しい薬剤送達デバイスをユーザーアプリケーションと接続することができる画面の例を示す。
【
図29b】ユーザーが新しい薬剤送達デバイスをユーザーアプリケーションと接続することができる画面の例を示す。
【
図30a】ユーザーがユーザーアプリケーションによって提供されるリマインダのパラメータを設定することができる画面の例を示す。
【
図30b】ユーザーがユーザーアプリケーションによって提供されるリマインダのパラメータを設定することができる画面の例を示す。
【
図31a】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【
図31b】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【
図31c】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【
図31d】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【
図31e】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【
図31f】ユーザーアプリ160によって生成されたデータの閲覧が許可されている人(「閲覧者」)のリストを表示し、ユーザーがそのリストに新しい閲覧者を追加することができる画面の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の様々な実施形態は、ウェアラブル薬物デバイス(本明細書において「ポッド」と称される場合もある)を用い、自動的に、又は電子デバイスから受信される無線シグナルに従って、薬剤をユーザーに送達するためのシステム及び方法を含む。様々な実施形態では、電子デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートネックレス、薬物送達デバイスに取り付けられたモジュール、又はユーザーの身体に装着若しくは携行可能であり、薬剤送達の時間及び投与量を計算するアルゴリズムを実行するものである他の何れかのタイプ若しくは種類の電子デバイスを含むユーザーデバイスであり得る。例えば、ユーザーデバイスは、インスリン送達の時間及び投与量を計算する「人工膵臓」アルゴリズムを実行し得る。ユーザーデバイスはまた、グルコースレベルなどのユーザーの身体的属性又は状態に関するデータを収集するグルコースセンサーなどのセンサーと通信し得る。センサーは、ユーザーの身体の中又は上に配置されてよく、薬物送達デバイスの一部であってよい、又は別個のデバイスであってもよい。別の選択肢として、薬物送達デバイスは、センサーとユーザーデバイスとの間の通信の代わりに又はそれに加えて、センサーと通信し得る。通信は、直接(例えばセンサーが薬物送達デバイスと一体化されている、又はそうでなければ薬物送達デバイスの一部である場合)、又はリモート/無線(例えばセンサーが医療デバイスとは異なる筐体中に配置されている場合)であってよい。これらの実施形態では、センサー及び/又は薬物送達デバイスは、薬剤送達の時間及び投与量を計算するアルゴリズムの一部又はすべてを実行するコンピューティングハードウェア(例:プロセッサ、メモリ、ファームウェアなど)を有する。
【0007】
図1は、本明細書で述べるシステム及び方法の実行に適する例示的な薬物送達システム100の機能ブロック図を示す。薬物送達システム100は、インスリンなどの薬物又は薬剤のユーザーへの自動送達を管理又は制御するための(例:正常血糖、血中の正常グルコースレベル、を維持するための)薬剤送達アルゴリズムを実行し得る(及び/又は薬剤送達アルゴリズムのための機能を提供し得る)。薬物送達システム100は、ウェアラブル薬物送達デバイス102、分析物センサー108、及びユーザーデバイス105を含み得る自動薬物送達システムであり得る。
【0008】
薬物送達システム100は、所望に応じて選択されてよい例において、スマートウォッチ、携帯情報端末、又は同種のものなどのアクセサリーデバイス106も含んでよく、これらは、有線又は無線の何れかの通信リンク191~193を介して、システム100の他のコンポーネントと通信し得る。
【0009】
ユーザーデバイス105は、スマートフォン、タブレット、パーソナル糖尿病管理(personal diabetes management、PDM)デバイス、糖尿病治療法管理専用デバイス(dedicated diabetes therapy management device)、又は同種のものなどのコンピューティングデバイスであり得る。例えば、ユーザーデバイス105は、プロセッサ151、デバイスメモリ153、ユーザーインターフェース158、及び通信インターフェース154を含み得る。ユーザーデバイス105はまた、ユーザーの血中グルコースレベルを管理するための、及びユーザーへの薬物、薬剤、又は治療剤の送達を制御するための、さらには以下で考察するように、炭水化物補償投与量(carbohydrate-compensation dosage)、補正ボーラス投与量(correction bolus dosage)、及び同種のものを計算するなどの他の機能を提供するためのユーザーアプリケーション160など、デバイスメモリ153に記憶されたプログラムコードに基づいてプロセスを実行するためのプロセッサ151として実装され得るアナログ及び/又はデジタル回路も有し得る。ユーザーデバイス105は、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200b及び/又は分析物センサー103、さらには所望に応じて用いられてよいスマートアクセサリーデバイス106のプログラム、セッティングの調節、及び/又は操作の制御を行うために用いられ得る。
【0010】
プロセッサ151はまた、ユーザーアプリ160などのデバイスメモリ153に記憶されたプログラムコードを実行するようにも構成され得る。ユーザーアプリ160は、分析物センサー103、クラウドサービス111、及び/又はユーザーデバイス105若しくは所望に応じて用いられてよいアクセサリーデバイス106から受け取った情報に基づいて薬物を送達するように操作可能であるコンピュータアプリケーションであり得る。メモリ153はまた、例えばユーザーインターフェース158(例:タッチスクリーンデバイス、カメラ、又は同種のもの)、通信インターフェース154、及び同種のものを操作するためのプログラムコードも記憶し得る。プロセッサ151は、ユーザーアプリ160を実行する場合、食事の摂取、血中グルコース測定値、及び同種のものに関連する表示及び通知を実行するように構成され得る。ユーザーインターフェース158は、プロセッサ151の制御下にあり得、並びに本明細書で述べる食事の報告の入力、セッティング選択肢の調節、及び同種のものを可能とするグラフィックユーザーインターフェースを提示するように構成され得る。
【0011】
具体的な例では、ユーザーアプリ160がインスリン送達アプリケーションである場合、プロセッサ151は、ユーザーアプリ160によって管理される糖尿病治療プラン(これはメモリに記憶されていてよい)を実行するようにも構成される。上記で述べた機能に加えて、ユーザーアプリ160は、インスリン送達アプリケーションである場合、炭水化物補償投与量、補正ボーラス投与量を決定し、及び糖尿病治療プランに従って基礎投与量を決定するための機能もさらに提供し得る。加えて、インスリン送達アプリケーションとして、ユーザーアプリ160は、決定されたボーラス投与量及び基礎投与量を送達するために、通信インターフェース154を介してウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bにシグナルを出力するための機能を提供する。
【0012】
通信インターフェース154は、1又は複数の無線周波数プロトコルに従って作動する1又は複数のトランシーバーを含み得る。1つの実施形態では、トランシーバーは、セルラートランシーバー及びBluetooth(登録商標)トランシーバーを含み得る。通信インターフェース154は、ユーザーアプリ160が使用可能である情報を含んだシグナルを受信及び送信するように構成され得る。
【0013】
ユーザーデバイス105はさらに、様々なシグナルをユーザーに提供するために、例えばスピーカー又は振動変換器であってよい1又は複数の出力デバイス155を備え得る。
【0014】
ウェアラブル薬物送達デバイス102の好ましい実施形態は、貯留部124及び駆動機構125を含んでよく、これらは、メモリ123に記憶された薬剤送達アルゴリズム(MDA)129を実行するコントローラ121によって制御可能である。別の選択肢として、コントローラ121は、ユーザーデバイス105上で実行され、通信リンク194を介してウェアラブル薬物送達デバイス102と通信するユーザーアプリ160から受け取ったシグナルに基づいて、貯留部124及び駆動機構125を制御するように働き得る。
【0015】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、さらに、ユーザーインターフェース127、患者インターフェース186、通信インターフェース126、デバイスセンサー184、及び電源128を含み得る。
【0016】
別の選択肢としての実施形態では、ウェアラブル薬物送達デバイス102は、所望に応じて存在してよい第二の貯留部124-2及び第二の駆動機構125-2を含んでよく、これによって、2つの異なる液体薬物を独立して送達することが可能となる。例として、貯留部124には、インスリンが充填されてよく、一方貯留部124-2には、プラムリンチド又はGLP-1が充填されてよい。いくつかの実施形態では、貯留部124、124-2の各々は、それぞれ別々の駆動機構125、125-2と共に構成されてよく、これらは、MDA129の命令の下でコントローラ121によって別々に制御可能であり得る。両方の貯留部124、124-2は、共通の患者インターフェース186に接続され得る。
【0017】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、所望に応じて、ユーザーからの入力を受け取るための手段及びユーザーに情報を出力するための手段を提供するユーザーインターフェース127と共に構成されていてよい。ユーザーインターフェース127は、例えば、発光ダイオード、ウェアラブル薬物送達デバイス102の筐体上のボタン、サウンド変換器、マイクロディスプレイ、マイクロホン、ユーザーのジェスチャー(例:デバイスの筐体を叩く)によるデバイスの動きを検出するための加速度計、又はユーザーが情報を入力できるように及び/若しくはウェアラブル薬物送達デバイス102がユーザーに提示するために情報を出力(例:アラームシグナル又は同種のもの)できるように構成された他の何らかのタイプのインターフェースデバイスを含み得る。
【0018】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、液体薬物を送達するためにユーザーと相互接続するための患者インターフェース186を含む。患者インターフェースは、例えば、薬物をユーザーの身体に送達するための針又はカニューレであってよい(これは、皮下、腹腔内、又は静脈内で成されてよい)。ウェアラブル薬物送達デバイス102は、さらに、患者インターフェース186をユーザーの身体に挿入するための手段を含み、これは、1つの実施形態では、ユーザーの皮膚の下に針/カニューレを挿入し、その後針を引いてカニューレを正しい位置に残すアクチュエータを備え得る。
【0019】
1つの実施形態では、ウェアラブル薬物送達デバイス102は、通信インターフェース126を含み、これは、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信、セルラー、又は同種のものなどの1又は複数の無線周波数プロトコルに従って作動するトランシーバーであってよい。コントローラ121は、例えば、通信インターフェース126を介してユーザーデバイス105及び分析物センサー108と通信し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル薬物送達デバイス102は、1又は複数のセンサー184を備え得る。センサー184は、コントローラ121と通信で結合され、様々なシグナルを提供する圧力センサー、電力センサー、又は同種のもののうちの1又は複数を含み得る。例えば、圧力センサーは、患者インターフェース186と貯留部124との間の流体経路で検出された流体圧力の指標を提供するように構成され得る。圧力センサーは、患者インターフェース186をユーザーに挿入するためのアクチュエータと結合され得る又は一体的であり得る。例えば、コントローラ121は、流体圧力の指標に基づいて薬物注入速度を決定するように操作可能であり得る。薬物注入レートは、注入レート閾値と比較されてよく、比較の結果は、残存インスリン(IOB)の量又は一日総インスリン(TDI)量を決定するのに使用可能であり得る。
【0021】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、さらに、コントローラ121、メモリ123、駆動機構125、及び/又はウェアラブル薬物送達デバイス102の他のコンポーネントに電力を供給するためのバッテリー、圧電デバイス、エネルギーハーベスティングデバイス、又は同種のものなどの電源128を含む。
【0022】
クラウドサービス111をシステム100のそれぞれのデバイス102、105、106、108と結合させる通信リンク115は、セルラーリンク、Wi-Fiリンク、Bluetoothリンク、又はこれらの組み合わせであってよい。クラウドサービス111によって提供されるサービスは、血中グルコース測定値、IOB又はTDI履歴、以前の炭水化物補償投与量、及び他の形態のデータなどの匿名化したデータを記憶するデーターストレージを含み得る。加えて、クラウドサービス111は、複数のユーザーからの匿名化したデータを処理して、TDI、インスリン感受性、IOB、及び同種のものに関連する一般化された情報を提供し得る。
【0023】
無線通信リンク191~196は、公知の無線通信標準又は専有標準(proprietary standards)を用いて作動するいかなるタイプの無線リンクであってもよい。例として、無線通信リンク191~196は、それぞれの無線インターフェース154、174、126、及び135を介して、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信標準、セルラー標準、又は他の何れかの無線プロトコルに基づいた通信リンクを提供し得る。
【0024】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、ユーザーデバイス105又は所望に応じて用いられてよいアクセサリーデバイス106からの入力なしに、ユーザーに薬剤の投与量を送達するのに必要とされるプロセスを実施及び実行するように構成され得る。より詳細に説明されるように、MDA129は、例えば、送達されるべきインスリンの量、IOB、インスリン残量、及び同種のものを決定するように、及び貯留部124から薬剤を送達するために駆動機構125をコントローラ121に作動させるように操作可能であり得る。MDA129は、分析物センサー108から又はユーザーアプリ160から受け取ったデータを入力として利用し得る。
【0025】
貯留部124、124-2は、インスリン、プラムリンチド、GLP-1、インスリンとGLP-1との共製剤、モルヒネ、血圧薬、化学療法剤、排卵誘発剤、又は同種のものなどの自動送達に適する薬物、薬剤、又は治療剤を貯蔵するように構成され得る。
【0026】
ウェアラブル薬物送達デバイス102は、患者又は糖尿病患者などのユーザーの身体の取り付け位置に取り付けることができ、インスリン又は同種のものなどの何れかの薬物又は医薬を含む何れかの治療剤を、取り付け位置又はその周囲においてユーザーに送達し得る。ウェアラブル薬物送達デバイス102の1つの面は、ユーザーの皮膚への取り付けを容易とするための接着剤を含み得る。
【0027】
ユーザーデバイス105又は分析物センサー108などの外部デバイスと通信するように構成された場合、ウェアラブル薬物送達デバイス102は、リンク194を介してユーザーデバイス105から、又はリンク196を介して分析物センサー108からシグナルを受け取り得る。ウェアラブル薬物送達デバイス102のコントローラ121は、それぞれの外部デバイスからのシグナルを受け取って処理し得、さらにはMDA129又はユーザーアプリケーション160によって実行される糖尿病治療プラン又は他の薬物送達計画に従ってユーザーへの薬物送達を実行し得る。
【0028】
操作の例では、コントローラ121は、MDA129の実行時、インスリンの炭水化物補償投与量、補正ボーラス、修正基礎投与量、様々な液体薬物の共製剤、又は同種のものを送達するために駆動機構125を動かすように操作可能である制御シグナルを生成、出力し得る。
【0029】
アクセサリーデバイス106は、例えば、Apple Watch(登録商標)、他のウェアラブルスマートデバイス、例えばアイグラス、スマートジュエリー、ウェアラブルとされたグローバル・ポジショニング・システム、ウェアラブルフィットネスデバイス、スマートクロージング、又は同種のもの、であり得る。ユーザーデバイス105と同様に、アクセサリーデバイス106も、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bを制御することを含む様々な機能を行うように構成され得る。例えば、アクセサリーデバイス106は、通信インターフェース174、プロセッサ171、ユーザーインターフェース178、及びメモリ173を含み得る。ユーザーインターフェース178は、スマートアクセサリーデバイス106のタッチスクリーンディスプレイ上に提示されるグラフィックユーザーインターフェースであり得る。メモリ173は、スマートアクセサリーデバイス106の異なる機能を操作するためのプログラムコード、さらには、ユーザーアプリ160のインスタンス、又は機能を減らしたユーザーアプリ160の簡易バージョン(pared-down versions)を記憶し得る。
【0030】
分析物センサー108は、コントローラ131、メモリ132、検知/測定デバイス133、所望に応じて存在してよいユーザーインターフェース137、電源/エネルギーハーベスティング回路134、及び通信インターフェース135を含み得る。分析物センサー108は、管理デバイス105のプロセッサ151又はウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bのコントローラ121と通信で結合され得る。メモリ132は、情報及びプログラムコード136を記憶するように構成され得る。
【0031】
分析物センサー108は、ラクテート、ケトン、尿酸、ナトリウム、カリウム、アルコールレベル、又は同種のものなどの複数の異なる分析物を検出し、測定値又は同種のものなどの検出の結果を出力するように構成され得る。分析物センサー108は、好ましい実施形態において、5分間ごと、又は同種の間隔などの所定の時間間隔で血中グルコース値を測定するように構成され得る。分析物センサー108の通信インターフェース135は、測定された血中グルコース値を、無線リンク195を介してユーザーデバイス105に通信するための、又は無線通信リンク108を介してウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bと通信するためのトランシーバーとして作動する回路を有し得る。本明細書において分析物センサー108と称するが、分析物センサー108の検知/測定デバイス133は、グルコース測定素子、心拍数モニター、圧力センサー、又は同種のものなどの1又は複数の追加の検知素子を含み得る。コントローラ131は、メモリ(メモリ132など)に記憶されたソフトウェア命令、ファームウェア、プログラム命令、又はこれらの何れかの組み合わせを実行する独立した専用の論理回路及び/若しくはコンポーネント、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、又はプロセッサを含み得る。
【0032】
ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bのコントローラ221と同様に、分析物センサー108のコントローラ131は、多くの機能を行うように操作可能であり得る。例えば、コントローラ131は、プログラムコード136によって、検知及び測定デバイス133によって検出されたデータの収集及び分析を管理するように構成され得る。
【0033】
分析物センサー108は、ウェアラブル薬物送達デバイス102から分離されて
図1に示されているが、様々な実施形態では、分析物センサー108及びウェアラブル薬物送達デバイス102は、同じユニットに組み込まれていてよい。すなわち、様々な例では、分析物センサー108は、ウェアラブル薬物送達デバイス102の一部であり、それと一体的であってよく、ウェアラブル薬物送達デバイス102と同じ筐体中に収容されていてよい。そのような実施形態では、コントローラ221は、ユーザーデバイス105、クラウドサービス111、別のセンサー(図示せず)、所望に応じて用いられてよいアクセサリーデバイス106、又は同種のものからのいかなる外部入力もなしで、単独で薬剤の適切な送達に必要とされる機能を実行することが可能であり得る。
【0034】
ユーザーアプリ160(又はMDA129)は、60分間の予測区間にわたる予測グルコースに基づいた定期的なインスリンマイクロボーラスを提供し得る。最適な食後コントロールには、ユーザーが、現行のポンプ療法と同じ方法で食事ボーラスを投与することが必要であるが、ユーザーアプリ160の通常の操作では、行わなかった食事ボーラスを補償し、持続的な高血糖を軽減する。ユーザーアプリ160は、設定したターゲットグルコース値を実現し、維持するように試みるターゲットに向けたコントロール戦略(control-to-target strategy)を用い、それによって、持続的な高血糖及び低血糖の継続期間が短縮される。
【0035】
ユーザーアプリ160は、ユーザーとの主要なインターフェースであり、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bの制御、マニュアルモードのための基礎及びボーラス計算機セッティングのプログラム、さらには自動モード(ハイブリッドクローズドループ又はクローズドループ)専用のセッティングのプログラムを行うために用いられるグラフィックユーザーインターフェースを実行する。
【0036】
マニュアルモードでは、ユーザーアプリ160は、プログラムされた基礎レート及びボーラス量でインスリンを送達し、一時的基礎プロファイルを設定するオプションも有する。コントローラ121は、マニュアルモードにおいてセンサー付きポンプとして機能する能力も有し、分析物センサー108から提供されるセンサーグルコースデータを用いてボーラス計算機にデータを追加する。
【0037】
自動モードでは、ユーザーアプリ160は、複数のターゲット血中グルコース値の使用を支援する。例えば、1つの実施形態では、ターゲット血中グルコース値は、10mg/dLごとの増分での、5mg/dLごとの増分での、又は他の増分での、しかし好ましくは10mg/dLごとの増分での、110~150mg/dLの範囲内であり得る。ユーザーが経験することは、現時点でのセットアップの流れを反映しており、ここでは、ユーザーが基礎レート、グルコース目標値、及びボーラス計算機セッティングをプログラムすることを医療提供者が補助する。続いてこれらは、ユーザーアプリ160に、インスリン投与パラメータについての情報を与える。インスリン投与パラメータは、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bの各使用の過程で送達される一日総インスリン(TDI)に基づいて時間経過と共に適合される。一時的低血糖保護モードが、自動モードにおいて、様々な継続時間にわたってユーザーによって実行され得る。低血糖保護モードでは、アルゴリズムは、インスリンの送達を減少させるものであり、運動の最中などのインスリン感受性が高まることが予想される場合に、一時的な期間にわたって使用することを意図している。
【0038】
ユーザーアプリ160は、大きいテキスト、グラフィック、及びオンスクリーンでの指示を用いて、ユーザーがセットアッププロセスを通り、システム100を使用することを促すことができる。それはまた、ユーザーに合わせた基礎インスリン送達プロファイルのプログラム、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bのステータスのチェック、インスリンのボーラス投与の開始、患者のインスリン送達プロファイルの変更、システム警告及びアラームの対処、並びにユーザーによる自動モードとマニュアルモードとの間の切り替え、を行うためにも用いられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ユーザーデバイス105及び分析物センサー108は、互いに直接通信しなくてもよい。その代わり、分析物センサーからのデータ(例:血中グルコース記録値)は、ウェアラブル薬物送達デバイス200a、200bに、リンク196を介して通信され、続いてリンク194を介してユーザーデバイス105に中継されてよい。いくつかの実施形態では、分析物センサー108とユーザーデバイス105との間の通信を可能とするためには、分析物センサーのシリアルナンバーをユーザーアプリ160に入力しなければならない。
【0040】
ユーザーアプリ160は、ボーラス計算機を用いることで、提案されるボーラス投与量を計算する能力を提供し得る。ボーラス計算機は、摂取した炭水化物、最新の血中グルコース記録値(又は、フィンガースティックを用いた場合は、血中グルコース記録値)、プログラム可能な補正因子、インスリン対炭水化物比、ターゲットグルコース値、及び残存インスリン(IOB)に基づいて提案されるボーラス投与量を決定する際の補助とするために、ユーザーの利便性を考えて提供される。IOBは、マニュアルによるボーラス及びアルゴリズムによって送達されたインスリンの何れをも考慮に入れて、ユーザーアプリ160によって推計される。
【0041】
本明細書で述べる様々な実施形態は、ユーザーに薬剤を自動送達するためのシステム及び方法を含む。ユーザーに結合されたセンサーは、ユーザーに関する情報を収集することができる。コントローラは、収集された情報を用いて、ユーザーに提供する薬剤の量を決定することができる。コントローラは、薬物送達デバイスに対して、薬剤をユーザーに投薬するように命令することができる。薬物送達デバイスは、ユーザーに直接結合されたウェアラブルインスリンポンプであってよい。コントローラは、全体として又は部分的に、スマートフォンアプリとして実行することができる。ユーザーは、ユーザーの検出されたグルコースレベルに基づいて決定された量のインスリンをユーザーに投与させるためには、確認入力を提供することが求められ得る。
【0042】
本明細書で述べる技術のソフトウェアに関連する実行としては、これらに限定されるものではないが、ファームウェア、特定用途向けソフトウェア、又は1若しくは複数のプロセッサによって実行され得る他の何からのタイプのコンピュータ可読命令が挙げられ得る。コンピュータ可読命令は、非一時的コンピュータ可読媒体を介して提供され得る。本明細書で述べる技術のハードウェアに関連する実行としては、これらに限定されるものではないが、集積回路(IC)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、及び/又はプログラマブルロジックデバイス(PLD)が挙げられ得る。いくつかの例では、本明細書で述べる技術、及び/又は本明細書で述べる何れのシステム若しくは構成コンポーネントも、1又は複数のメモリコンポーネントに記憶されたコンピュータ可読命令を実行するプロセッサを用いて実行されてよい。
【0043】
図2aは、薬物送達デバイス102の表側を上にした斜視図を示し、薬物送達デバイス102の1又は複数の筐体が示されている。
図2bは、薬物送達デバイス102の裏側から見た図を示す斜視図であり、接着剤裏張り206及び針/カニューレキャップ208が見える。接着剤裏張り206を取り除くと、接着パッド204が露出し、これを用いて、薬物送達デバイス102をユーザーの皮膚に接着する。針/カニューレキャップ208は、デバイスの使用まで針/カニューレを保護するものであり、デバイスをユーザーの皮膚に接着させる前に示されるように取り除いて、針/カニューレを露出させるべきである。接着剤は、薬物送達デバイス102をユーザーの皮膚に接着させるのに充分に強くするべきであるが、薬物送達デバイス102を容易に取り外すことも可能とする。
【0044】
図2c~
図2dに示されるように、薬物送達デバイス102は、薬物送達デバイス102の1又は複数の筐体に取り付けられた又は結合されたモジュール202を含み得る。別の選択肢として、モジュール202は、薬物送達デバイス102の筐体とモジュール202との間がシームレスに移行するように、薬物送達デバイス102の主筐体内に配置されてよい、又は薬物送達デバイス102の別の筐体に近接した位置とされてよい。
【0045】
モジュール202は、ユーザーデバイス105を参照して上記で述べた特徴の一部若しくはすべて、又は他の電子コンポーネント若しくは耐久性コンポーネント若しくは半耐久性コンポーネントを含み得る。様々な実施形態では、モジュール202は、薬物送達デバイス102を、
図1に示される他の何れかのデバイス又はコンポーネントと無線通信可能とするトランシーバーを含み得る。モジュール202及び薬物送達デバイス102は、公知の何れの無線若しくは有線通信標準又はプロトコル上で通信してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、薬物送達デバイス102とモジュール202との間の通信に、近距離無線通信が用いられる。他の実施形態では、薬物送達デバイス102とモジュール202との間の通信に、ユニバーサルシリアルバス接続などの有線接続が用いられる。
【0046】
モジュール202は、薬剤をユーザーの身体中に押し出すポンプを駆動するためのモーター、少なくとも1つのバッテリー及び/又はスーパーキャパシター、プリント回路基板、メモリ、プロセッサ、Bluetoothトランシーバー、Bluetooth低エネルギートランシーバー、ボディエリアネットワーク(BAN)トランシーバー、セルラー通信トランシーバー、又はWiFiトランシーバーなどの無線通信インターフェース、少なくとも1つのアンテナ、温度センサー、加速度計、気圧センサー、及び/又は光センサーなどのセンサーを含有し得る。モジュール202はまた、ユーザーにフィードバックを提供するための、1又は複数のLEDなどの光出力部、振動変換器、及び/又はスピーカーなどのオーディオ出力部も含有し得る。ポンプは、薬物送達デバイス102の中に収容されていてよく、例えば、容積式ポンプ又は往復ポンプであってよい。モジュール202中のプロセッサは、中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特殊用途コントローラチップ、又はシステムオンチップ(SoC)を含む多くの様々な形態を取り得る。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラム命令を実行し得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、コンピュータ可読メモリストレージ、及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されない1又は複数のタイプのストレージを含み得る。メモリは、薬物送達デバイス102の操作のためのデータ及び他の有用な情報も保持し得る。電子モジュール202に取り付けられた薬物送達デバイス102は、例えば、薬剤を貯蔵するための貯留部、ユーザーの身体に薬剤を送達するための針、カニューレ、及び/又はマイクロニードルアレイ、並びに針、カニューレ、又はマイクロニードルアレイを通してユーザーの身体に貯留部から薬剤を移送するためのポンプを含む、薬物送達システムの他のコンポーネントを有し得る。薬物送達デバイス102は、ポンプ及び/又は薬物送達デバイス102の他のコンポーネントに電力を供給するためのバッテリーなどの電源も含み得る。
【0047】
モジュール202は、一部又は全体が使い捨てであり得る複数の薬物送達デバイス102と共にモジュール202を使用することができるように、モジュール202が再使用可能であり得るように、薬物送達デバイス102に取り外し可能に取り付けられ得る。これにより、貯留部124にある薬剤を使い切った後に使い捨てであってよい薬物送達デバイス102のすべてのコンポーネントを再度製造する必要性が回避され、それによって、薬物送達デバイス102のコストが低減される。モジュール202は、密封された防水性であり得る。モジュール202は、無線又は有線による充電を用いて充電可能であり得るバッテリーを有し得る。
【0048】
様々な実施形態では、本明細書で述べる薬物送達デバイス102及び/又はモジュール202は、ユーザー入力デバイス及び/又はユーザー出力デバイスを含む。ユーザー入力デバイスは、薬物送達デバイス102若しくはモジュール202の上に配置されたボタン、薬物送達デバイス102若しくはモジュール202の動きを検知するための加速度センサー、又は他のそのような何れかの入力デバイスであってよい。ユーザー出力デバイスは、音を鳴らすためのスピーカー、振動を作り出すための振動発生器(例:重心のずれたモーター付きギア)、ユーザーの身体に電気ショックを与えるための金属端子、視覚的アラームを発するための表示ディスプレイ及び/若しくは1つ以上の色付きライト、又は他のそのような何れかの出力デバイスであってよい。
【0049】
様々な実施形態では、薬物送達デバイス102においてユーザーデバイス105からのコマンドを受けた場合、コマンドに関連するアクション(例:ボーラスの送達)は、ユーザーからの入力を受けるまでは実施されない。入力としては、薬物送達デバイス102若しくはモジュール202の上にあるボタンを押すこと、薬物送達デバイス102若しくはモジュール202を振ること(加速度センサーによって検知されるため)、薬物送達デバイス102若しくは電子モジュール202を1回以上叩くこと(加速度センサーによって検知されるため)、RFID若しくはNFCタグ、キーカード、若しくはフォブ(fob)をスキャンすること、又は他のそのような何れかの入力、又はユーザーデバイス105上でボタンを押す、若しくは上記で述べた動作に類似の動作を行うこと、が挙げられ得る。入力をある特定の時間以内(例:30秒間、1分間、2分間、又は他の何れかの時間)に受けなかった場合、薬物送達デバイス102及び/又はモジュール202は、薬物送達のアクションを行うことができない。すなわち、決定されたインスリン投与量が送達され得ず、ユーザーは、それに応じて警告を受け得る。いくつかの実施形態では、出力デバイスは、例えばアラームを鳴らす、振動する、又は視覚的シグナルを発するなどによって、薬物送達デバイス102又はモジュール202にコマンドが到着していることについてユーザーに警告する。出力デバイスは、アクションの実行後、及び/又はユーザーの入力がないことによってアクションがキャンセルされた場合にも、同様にユーザーに警告し得る。
【0050】
システム100の好ましい実施形態が、
図3に示され、この図は、ユーザー上の所定の位置にあるシステムコンポーネントを示す。この実施形態では、薬物送達デバイス102及び分析物センサー108は、直接通信してよく、並びに一方又は両方は、ユーザーデバイス105又はクラウドデバイス若しくはサービス111などの他のデバイスと直接通信してよい。上記で述べたように、分析物センサー108は、薬物送達デバイス102に組み込まれてよい、又は隣接する筐体中においてそれに取り付けられてもよい。
【0051】
ユーザーアプリ160のためのグラフィックユーザーインターフェースについて次に考察する。
図4は、デフォルトホーム画面400を示す。ユーザーアプリ160が起動されると、デフォルトホーム画面400、又はそのバリエーションが表示される。
【0052】
ホーム画面
デフォルトホーム画面400は、様々な情報を示す複数のページのうちの1つを表示する情報エリア404を含み、現在表示されているページは、タブバー402に表示されている複数のタブのうちの1つをユーザーが選択することに応じて異なる。本発明の1つの実施形態では、タブバー402は、様々なページ表示オプションを提供する3つのタブ、「ダッシュボード」タブ、「インスリン」タブ、及び「ポッドインフォ」タブを有し、これらの詳細については、後ほど考察する。
【0053】
1つの実施形態では、「ダッシュボード」タブは、ユーザーアプリ160の起動時に表示されるデフォルトタブであり得る。
図4に示されるように、タブバー402は、「ダッシュボード」タブのアンダーライン、「ダッシュボード」の語の色が異なること、及びページインジケータ403の一番左のドットのハイライトで示されるように、「ダッシュボード」タブが選択されていることを示している。ページインジケータ103は、タブバー402中の「ダッシュボード」、「インスリン」、及び「ポッドインフォ」のタブに対応する3つのドットを有するが、他の実施形態では、タブバー402に表示されるオプションの数に応じて異なる数のドットを有し得る。情報エリア404に表示されるページは、タブバー402中のタブのうちの1つを選択することによって、又は情報エリア404内で左又は右にスワイプすることによって変更され得る。タブのうちの1つを選択すること又はエリア404内で左若しくは右にスワイプすることにより、画面のエリア406又は408に表示されている内容に影響を与えることなく、情報エリア404に表示されている内容が変更される。情報エリア404は、操作モードに応じて色が変化し得る境界線404aで構成される。例えば、境界線は、ユーザーアプリケーション160がマニュアルモードである場合、又は作動中のポッドがない若しくはポッド通信がない場合、薄グレー色とされ得る。ユーザーアプリケーションが自動モードである場合、境界線404aは、ポッドが完全な自動状態の操作であると報告する場合は、紫色又は別の色、ポッドが限定的な自動状態の操作であると報告する場合は、暗グレー色であり得る。
【0054】
ユーザーアプリ160が起動された場合又はユーザーがホーム画面400へとナビゲートとした場合に現れるホーム画面400のバリエーションは、ユーザーアプリ160の現在の状態に応じて異なる。1つの実施形態では、例えば、即時ボーラスが送達されている場合、デフォルトホーム画面は、
図8aに示されるように現れる。持続ボーラスが送達されている場合は、ホーム画面は、
図8bに示されるように現れる。
【0055】
ある特定の状況下では、起動後に「ポッドインフォ」タブが選択されることになり、適切な情報ページが情報エリア404に表示される。例としては、ウェアラブル薬物送達デバイス102との有効な接続がない場合、ウェアラブル薬物送達デバイス102の貯留部のインスリンが、5Uなどの特定の量以下である場合、ポッドの期限切れまでの時間が、6時間などの特定の時間長さ以下である場合、ポッドの期限切れまでの時間が、6~12時間などの特定の範囲内である場合、及び/又はユーザーがポッド期限切れのリマインダを設定した場合、が挙げられる。他の状況が、「ポッドインフォ」タブの選択を引き起こして、他の情報画面が表示される場合もある。
【0056】
ある特定の状況下では、起動後に「インスリン」タブが選択されることになり、適切な情報ページが情報エリア404に表示される。これらとしては、例えば、一時的基礎プログラムが実行されている場合、又はユーザーアプリ160が、HypoProtect(商標)モードなどの低血糖保護モードで実行されている場合が挙げられる。それ以外では、
図4に示されるようなデフォルトホーム画面400が表示される。
【0057】
情報エリア404に表示され得る様々なページの例を、
図5~
図10に示し、後程詳細に考察する。
【0058】
デフォルトホーム画面400のボーラス表示エリア406は、直近のボーラス量若しくはステータス、及び/又は残存インスリン(IOB)の状態を表示する。直近のボーラス投与量又は残存インスリン状態の両方の詳細は、後程考察する。ボーラス表示エリア406に表示される情報は、ユーザーアプリ160の現在の状態に応じて自動的に選択されてよい。別の選択肢として、表示は、ボーラス表示エリア406内をユーザーがタップすることにより、ユーザーによって変更されてもよい。ボーラス表示エリア406に表示されるページの例を、
図9a~
図9bに示す。
【0059】
デフォルトホーム画面400のCGMエリア408は、ユーザーの連続グルコースモニタリングに関する情報を表示するオプションを提供する。ある特定の実施形態では、CGMエリア408は、例えば、最新のグルコース記録の読み取り値、又は連続グルコースモニタリングからの所定の数の最新のグルコース記録値のグラフを表示し得る。CGMエリア408に表示される情報は、ユーザーアプリ160の現在の状況に基づいて自動的に選択されてよい、又はCGMエリア408内を指でタップすることにより、ユーザーによって選択されてもよい。CGMエリア408に表示されるページの例を、
図10a~
図10cに示す。
【0060】
デフォルトホーム画面400は、モードインジケータ410を含み、これは、ユーザーアプリ160の現在のモードを示す。様々なモードが、異なるアイコン、モードを示す語、及び/又はモードインジケータ410の色によって示され得る。本発明の好ましい実施形態では、モードインジケータ410は、以下の4つのモードのうちの1つを示し得る。(1)「ポッド通信なし」モードインジケータ、これは、ユーザーアプリ160とウェアラブル薬物送達デバイス102との間に有効な通信がないことを示し、このモードは、CGM及び/又はIOB値が期限切れとなった後にのみ表示され得る;(2)「制限」モードインジケータ、これは、自動モードにおいて、薬物送達デバイス102が制限された状態にあることを報告した場合に表示される;(3)「マニュアル」モードインジケータ、これは、ユーザーアプリ160がマニュアルモードで操作中である場合に表示される;並びに(4)「自動」モード、これは、薬物送達デバイス102が完全自動状態で又はハイブリッド自動状態で操作中であることを報告した場合に表示される。
【0061】
デフォルトホーム画面400は、メニューボタン414を含み、これは、ユーザーがメニューアイコンをタップすることによって作動されると、本発明の1つの実施形態では、ホーム画面400の左側に重ねて縦メニューを表示する。表示されるメニュー1300の例を、
図13a~
図13bに示す。
【0062】
図5a~
図5dは、「ダッシュボード」タブが選択された場合にデフォルトホーム画面400の情報エリア404に表示され得るページを示す。
図5aは、デフォルトページを示し、そこには、残存インスリンのインジケータ502、接続されたCGM108からの最新の記録値504、及びCGM108からの記録値の傾向を示す矢印506が含まれる。いくつかの場合では、矢印506が存在しない場合があり、これは、CGM108が傾向を識別するのに充分なデータをまだ有していないことを示している。最新のCGM記録値502及び傾向矢印506の両方は、CGM記録値を所望される値と比較して示す様々な色で表示され得る。例えば、好ましい実施形態では、青色は、CGM記録値502が、ユーザーが設定したCGM/BG目標範囲内であり、ユーザーアプリ160がマニュアルモードで操作中であることを示し、赤色は、最新のCGM記録値504が、ユーザーが設定したCGM/BG目標範囲よりも低いことを示し(マニュアルモード及び自動モードの両方)、黄色は、最新のCGM記録値504が、ユーザーが設定したCGM/BG目標範囲よりも高いことを示し(マニュアルモード及び自動モードの両方)、紫色は、最新のCGM記録値504が、ユーザーが設定したCGM/BG目標範囲内であること、及びユーザーアプリ160が自動モードで操作中であることを示す。他の実施形態では、他の色が、他の状態の指標として用いられ得る。
【0063】
図5bは、CGMモニター108がユーザーアプリ160に登録されていない場合、及び作動中のウェアラブル薬物送達デバイス102が存在する場合に、情報エリア404に表示されるページの例である。この場合、最新のCGM記録値504は利用可能でなくてよく、このため、残存インスリンのみが表示される。
図5cは、CGM108が「高い」というステータスを返してきたことを示す画面を示す。高いというステータスは、黄色で表示され、最新のCGM記録値504が、ユーザーが設定したCGM/BG目標よりも高いことを示している。同様に、この種類のページは、「低い」の指標を示す可能性もあり(図示せず)、これは、赤色で示され、最新のCGM記録値504が、ユーザーが設定したCGM/BG目標範囲よりも低いことを示している。
図5dは、
図5aに示されるページに類似のページを示すが、インスリンのボーラス投与量の送達をユーザーが開始することができるボタン508が追加されている。他の画面も利用可能であり、例えば、CGM108の接続ステータスを示す画面が情報エリア404に表示され得る。
【0064】
図6a~
図6fは、「インスリン」タブが選択された場合にデフォルトホーム画面400の情報エリア404に表示され得るページを示す。
図6aは、基礎プログラムが進行中の場合に表示されるデフォルトページを示す。基礎プログラムアイコン602は、画面の上部左角に表示される。異なる基礎プログラムは、異なるアイコンを有し得る。基礎プログラムが実行中である場合、基礎プログラムアイコン602は緑色で示され、基礎プログラムが実行されていない場合、基礎プログラムアイコン602はグレーアウトとなり得る。基礎プログラムの名称及びステータス604は、基礎プログラムアイコン602の横に示される。基礎グラフ606は、現在実行中の基礎プログラムによって24時間の期間に送達されるべきインスリンの総単位数を示す全24時間グラフを示す。現在の基礎レート608は、一日の現在時間に従って、基礎グラフ606の上にあるボックス中に示される。基礎グラフ606の下には、総インスリンインジケータ610があり、これは、その日の間に現在実行中の基礎プログラムによって送達されるべき総インスリンを示す。ボタン612は、その上をユーザーがタップすることによって選択されると、画面を
図6bに示されるページに遷移し、そこでは、保存されている基礎プログラムのリスト614が、デフォルトホーム画面400上のボーラス表示エリア406及びCGMエリア408の上に重なって表示される。現在実行中の基礎プログラム613は、情報エリア404に示される。ボタン616は、新しい基礎プログラムをユーザーに作成させ、それはリスト614に保存されることになる。基礎プログラムの作成、編集、及び開始のための画面は、
図17a~
図17fに示される。
【0065】
図6dは、一時的基礎プリセットプログラムが実行中の場合に情報エリア404に表示されるページを示す。このページは、基礎プログラムのページと同一であるが、但し、総一日インスリン610が、一時的基礎プログラムによる基礎送達の変化618に置き換えられている。加えて、このページは、キャンセルボタン620を含み、これは、ユーザーによって選択されると、一時的基礎プログラムをキャンセルする。一時的基礎プログラムが実行されていると、タブバー402中の「インスリン」タブが、
図6cに示される「一時的 オン」ボタン618に変わる。一時的基礎プログラムが完了すると、「インスリン」タブは、再度タブバー402に表示されることになる。
【0066】
図6fは、HypoProtect(商標)モードがユーザーによって選択された場合に情報エリア404に表示されるページを示す。HypoProtect(商標)モードは、ユーザーがインスリンから負の反応を経験した場合に、ユーザーが、インスリンに対する感受性が高まる活動若しくは時間枠を開始しようとしている場合に、又はユーザーが単に、所定の時間にわたってインスリンの送達を中断若しくは低減したいと考えた場合に、ユーザーによって呼び出され得る。1つの好ましい実施形態では、HypoProtectモードが選択されると、自動基礎インスリン送達が75%減少し、ユーザーのターゲット血中グルコースレベルが上昇する。情報エリア404は、HypoProtect(商標)モードが進行中であることを示すアイコン624、さらには通常操作が再開するまでの残り時間を示す時間インジケータ626を含む。また、HypoProtect(商標)モードを直ちにキャンセルするためにユーザーが選択し得るボタン628(「キャンセル」)も含む。HypoProtect(商標)モードにある場合、タブバー402中の「インスリン」タブが、
図6eに示される「保護」ボタン622に変わる。HypoProtect(商標)モードが終了すると、「インスリン」タブは、再度タブバー402に表示されることになる。
【0067】
「インスリン」タブが選択された場合に、他のステータスページ(図示せず)も情報エリア404に表示され得る。例えば、ユーザーアプリ160が自動モード又は制限モードで実行されている場合に「インスリン」タブが選択されると、
図6fに示されるHypoProtect(商標)モードのステータスページに類似するステータス画面が現れ、現在のモードを示す。
【0068】
図7a~
図7bは、「ポッドインフォ」タブが選択された場合にデフォルトホーム画面400の情報エリア404に表示され得るページを示す。デフォルトポッドインフォページは、
図7aに示され、ページのトップに示されるポッドステータス702を含む。ポッドステータス702は変更され得る。例えば、薬物送達デバイス102が期限切れに近い場合、ポッドステータス702は、「間もなくポッドの交換です」又は「ポッドを交換してください」に変更され得、異なる色で、例えばステータスの緊急性を示すために黄色又は赤色で表示され得る。加えて、デフォルトポッドインフォページは、使用中の薬物送達デバイス102のグラフィック704、薬物送達デバイス102に残っているインスリンの量(ユニット単位で)を示す量インジケータ706、及び薬物送達デバイス102が期限切れとなる日時を示す期限切れ指標708を含む。このページはまた、ポッド詳細ボタン710も含み、これは、ユーザーによって選択されると、薬物送達デバイス102についてのより詳細な情報を示す。
図7bは、ユーザーが新しい薬物送達デバイス102をセットアップすることができるページを示す。このページは、例えば、所定の時間にわたってユーザーアプリ160がウェアラブル薬物送達デバイス102との通信を喪失した場合に表示され得る。このページは、新しいウェアラブル薬物送達デバイス102の初期化ができる「新ポッドをセットアップ」ボタン714を備える。
【0069】
図8a~
図8bは、ボーラスが送達されている場合のデフォルトホーム画面400を示す。
図8aは、即時ボーラスの送達及びそのステータスを示す。即時ボーラスの送達中は、メニューボタン414、アラームアイコン416、及びモードインジケータ40が隠される(そして無効とされる)ことには留意されたい。総ボーラスのうちのどの程度が送達されたのか(例えば、パーセントの量を含む)を示し、ボーラスが送達されるに従って変化する進行バー802が含まれる。
図8bは、持続ボーラスの送達中におけるデフォルトホーム画面400を示す。持続ボーラスはより長い時間にわたって続くことから、持続ボーラス中は、メニューボタン414、アラームアイコン416、及びモードインジケータ410は隠されず、無効にもされない。
【0070】
図9aは、デフォルトホーム画面400のボーラス表示エリア406に表示される画面を示す。この画面は、即時ボーラス投与量及び持続ボーラス投与量の両方を含む、送達されたインスリンの直近のボーラス投与量の量インジケータ902を含む。ボーラスの送達中は、量インジケータ902は、グレーアウトとなり、ボーラス投与量の送達がまだ完了していないことを示す。ユーザーアプリ160はボーラスの送達が完了したと想定しているが、ウェアラブル薬剤送達デバイス102からの確認をまだ受け取っていない場合に、注意アイコン906が表示される。ボーラス投与量の送達が完了すると、注意アイコン906は消え、量インジケータ902がグレーアウトではないフォーマット(図示せず)で示される。また、ボーラス投与量が送達された時間及び日付を示す日時スタンプ906も含まれる。
図9bは、デフォルトホーム画面400のボーラス表示エリア406に表示され得る別の選択肢としての画面を示し、これは残存インスリン908を示す。ボーラス投与量の送達中、残存インスリンインジケータ908は絶えず更新されて、ボーラスが投与されるに従って上昇する残存インスリンを示す。この表示はまた、
図9aに示される注意アイコンと同じ意味を有する注意アイコン906も含み得る。ユーザーは、
図9aに示される画面と
図9bに示される画面とを、デフォルトホーム画面400のボーラス表示エリア406上をタップすることによって切り替えることができる。ボーラスが送達されなかった場合、ボーラスが送達されなかったことを示すメッセージがエリア406に現れ得ることには留意されたい。
【0071】
図4のCGMエリア408では、CGMに関する情報にアクセスすることができる。CGMエリア408のデフォルトページを
図10aに示す。デフォルトページは、グラフィック及び「表示」ボタン1002を含み、これがユーザーによって選択されると、デフォルト使用ホーム画面400の情報エリア404に、
図10cに示すグラフが現れる。
図10bに示されるページは、「インスリン」若しくは「ポッドインフォ」タブがタブバー402から選択された場合に、又は「ダッシュボード」タブが選択され、情報エリア404が、
図8a~
図8bに示される即時ボーラス若しくは持続ボーラスのグラフィックで隠されている場合に表示される。エリア1004に表示される情報は、
図5aに示されるデフォルトダッシュボードページに表示される情報によく似ている。
図10bに示されるページはまた、グラフ表示ボタン1006も含み、これがユーザーによって選択されると、エリア404に、
図10cに示すグラフが現れる。
【0072】
図10cに示されるグラフは、デフォルトホーム画面400の情報エリア404に出現する。デフォルトグラフ1010は、現時点から遡って3時間超のCGM記録値を示す。グラフ1010の各ドットは、CGM108から受け取ったCGM記録値を表す。グラフ1010中のグレーアウト領域1012は、ユーザーによって設定されたCGM/BGの目標範囲を示し、点線1014は、やはりユーザーによって設定され得るターゲットBGである。タイムライン1016は、記録値のタイムスケールを示す。タイムライン1016の下は、イベントエリアであり、これは、1つの実施形態では、例えば、ユーザーアプリ160が自動モードであった時間に対しては紫色の背景;ユーザーアプリ160がマニュアルモードであった時間、作動中のウェアラブル薬物送達デバイス102がなかった場合、又はウェアラブル薬物送達デバイス102との通信がない場合に対しては白色の背景;ユーザーアプリ160が制限状態の自動モードでインスリンを送達していた場合には暗グレー色背景;一時的基礎送達が進行中である場合には青色背景;インスリン送達が中断されていた時間には赤色線;許容される最大の基礎インスリンが送達されていた時間には橙色線;HypoProtect(商標)モードが進行中であった場合には緑色線;及びユーザーがインスリンのボーラス送達を開始した時間にはボーラスアイコン(
図4の412を参照)、を示す。当業者であれば認識されるように、異なる色が用いられてよく、異なるイベントがこのエリアに示されてもよい。
【0073】
ユーザーは、エリア1020に示されるボタンのうちの1つを選択することによって、グラフの表示を6時間、12時間、又は24時間のタイムラインに変更することができる。ステータスエリア1008は、傾向矢印と共に最新のCGM記録値を、さらには現在の残存インスリンを示す。
【0074】
ホーム画面400上の通知インジケータ416は、利用可能な通知があることをユーザーに示す。いくつかの実施形態では、通知インジケータ416は、例えば色が変わること、点滅すること、又は示される形状が変わることによって、その外観が変化し得る。ユーザーがアイコンをタップすることによって通知インジケータ416を選択すると、
図12に示される画面が示され、これは、所定の数の過去の通知を含む通知のリスト1202を、通知が発せられた時間と共に表示する。ユーザーは、戻る矢印1204をタップすることによって、デフォルトホーム画面400に戻ることができる。
【0075】
図13a~
図13bは、デフォルトホーム画面400上のメニューボタン414をユーザーが選択すると表示されるメニュー1300のバリエーションの例を示す。ユーザーアプリ160のモードに応じて、メニュー1300上で様々な機能を有効又は無効とすることができる。
図13aは、ユーザーアプリ160が「自動」モードである場合に表示される通りのメニュー1300を示す。ボタン1302(「一時的基礎設定」)、1310(「インスリン中断」)、及びセクション1306(「プログラム&プリセットの管理」)にあるボタンのすべては無効とされている。HypoProtect(商標)モードが実行中である場合は、ボタン1308(「HypoProtect(商標)モード」)も無効とされる。
図13bは、ユーザーアプリ160が「マニュアル」モードである場合に表示される通りのメニュー1300を示す。このモードでは、ボタン1308(「HypoProtect(商標)モード」)は無効とされている。ボタン1602(「一時的基礎設定」)は、一時的基礎プログラムが進行中である、インスリン送達が中断されている、又は作動中のウェアラブル薬物送達デバイス102がないという場合でない限り、有効とされる。ボタン1310(「インスリン中断」)は、作動中のウェアラブル薬物送達デバイス102がない場合、無効とされる。ボタン1302が選択され、インスリン送達が中断された場合、ボタン1310は、「インスリン開始」ボタンに置き換えられる。メニュー1300にあるボタンの機能については、本明細書において後程記載する。
【0076】
ユーザーアプリ160、ウェアラブル薬物送達デバイス102、又はCGM108の操作に起因して発生する何れの異常な状況又はエラー状態も、ホーム画面400で上に重ねて表示されるモーダルメッセージを表示させ得る。モーダルメッセージの例は、
図14a~
図14bに示される。各モーダルメッセージは、「OK」ボタン1402を備えていてよく、これは、ユーザーによって選択されると、モーダルメッセージを消して、ホーム画面400の表示に戻す。
【0077】
ボーラス画面
ホーム画面400上のボーラスボタン412は、ユーザーによって選択されると、デフォルトホーム画面400を、
図11a~
図11fに示されるボーラス計算機に置き換える。ボーラスボタン412は、異なる色で現れ得る。例えば、ボーラスボタン412は、即時ボーラス送達が進行中である場合又はインスリン送達が中断されている場合、ボタンが無効とされていることを示すグレー色で現れ得る。ボーラスボタン412は、ユーザーアプリ160がマニュアルモードである場合は青色で、ユーザーアプリ160が自動モードである場合は紫色で現れ得る。
【0078】
ボーラス計算機は、
図11aに示される。画面は、ユーザーが食事中に摂取した総カーボを入力することができるフィールド1102を備える。フィールド1102を選択すると、画面の上に重ねてモーダルキーボードが現れ、ここで、ユーザーはカーボの量を入力することができる。モーダルキーボードから出ると、入力した量がフィールド1102に移される。食事中に摂取したカーボの量に基づいたボーラスのためのインスリン量は、「食事ボーラス」1114として表示される。
【0079】
ユーザーの現在の血中グルコース記録値に基づいて、補正ボーラスが必要とされる場合がある。フィールド1104には、現在の血中グルコース記録値を入力することができる。フィールド1104を選択すると、モーダルキーボードが現れて、ユーザーは現在の血中グルコース記録値をマニュアル入力することができる。別の選択肢として、ボタン1106を押すことにより、CGM108からの最新の記録値が用いられ、フィールド1104に入力される。補正ボーラスは、1116に「補正ボーラス」として表示される。補正ボーラスは、正の数又は負の数であり得ることには留意されたい。
【0080】
現在の残存インスリンは、「IOB」として1118に表示される。フィールド1110に表示される送達されるべき総ボーラスは、食事ボーラスと現在の残存インスリン量に対して調節された補正ボーラスとの合計である。総ボーラスが計算されると、それはフィールド1120に現れる。
【0081】
ユーザーがボタン1108(「計算」)を選択すると、
図11cに示される画面が表示され、これは、食事ボーラス量、補正ボーラス量、IOB調節量、及び/又は総ボーラス量を増減させるためにユーザーによって入力される量を含む総ボーラスの個々の構成要素を示している。
図11bは、ボーラス計算が完了した状態を示す。いくつかの実施形態では、フィールド1104は、最新のCGM記録値を示し得るだけでなく、ユーザーの血中グルコース記録値の傾向を示す傾向矢印(図示せず)も示し得る。傾向矢印が示された場合、「計算」画面は、傾向に対する補正のためのさらなる調節も提供し得る。ユーザーが
図11bのボタン1122(「確認」)を選択すると、
図11dに示される画面が表示される。この画面から、ユーザーは、ボタン1126(「開始」)を押してボーラスの送達を開始することができる。
【0082】
ユーザーは、ボーラスの送達を持続ボーラスとして指定することを希望する場合がある。ユーザーが
図11bのボタン1124(「持続ボーラス」)を選択すると、
図11eに示される画面が表示され、これにより、ユーザーは、即時に送達されるべきボーラスの割合と持続的な時間にわたって送達されるべきボーラスの割合とを入力することができる。ユーザーは、フィールド1128(「即時」)又はフィールド1130(「持続」)の何れかに入力することができる。フィールド1128又は1130の何れかを選択することにより、様々な割合に対するメニュー項目を有するモーダルメニューが現れる。ユーザーが割合のうちの1つを選択すると、選択された割合は、現在フォーカスのあるフィールド(すなわち、フィールド1128又は1130)に移される。どちらのフィールドがユーザーによって入力された場合であっても、他方のフィールドは、100%からの差し引きにより、ユーザーアプリ160によって自動的に入力される。フィールド1132(「持続時間」)では、ユーザーは、ボーラスの持続部分が送達される持続時間を指定することができる。フィールド1132を選択すると、様々な時間間隔の選択肢を含むモーダルメニューが現れる。ユーザーがモーダルメニューにある時間間隔の値を選択すると、その時間間隔は、フィールド1132に移される。ボーラスの概要が、画面のエリア1134に現れる。ユーザーがボタン1136(「確認」)を選択すると、
図11fに示される画面が表示され、これは、即時送達されるべき割合及び持続時間にわたって送達されるべき割合を含むボーラスの概要1138を示す。ユーザーがボタン1140(「開始」)を選択すると、ボーラスの送達が開始される。
【0083】
ポッド関連画面
このセクションは、ウェアラブル薬物送達デバイス102(すなわち、「ポッド」)の操作、初期化、及びステータスを扱うすべての画面に関する。ポッドに関連する画面は、典型的には、ホーム画面400を置き換える。
【0084】
図15は、ポッドの現在の状態についての詳細を提供する情報画面1500を示す。画面1500には、ホーム画面500から「ポッドインフォ」タブを選択し、続いて
図7aに示される情報ページからボタン1010(「ポッド詳細表示」)を選択した後に到達することができる。画面のセクション1502は、ウェアラブル薬物送達デバイス102中のインスリン残量を示す。この情報は、ウェアラブル薬物送達デバイス102からユーザーアプリ160に無線通信される。ある特定の実施形態では、ウェアラブル薬物送達デバイス102中のインスリン残量が所定の閾値未満に下がると、表示は、実際の量を示す代わりに「低い」を示す。セクション1504は、現在使用中の薬物送達デバイス102が期限切れとなる時間及び日付を示す。1つの実施形態では、薬物送達デバイス102が作動されてから72時間に達すると、表示は、薬物送達デバイス102の期限切れの時間及び日付を示す代わりに、「期限切れ」を示す。画面1500は、ユーザーが薬物送達デバイス102を交換することを可能とするボタン1508を含み得る。このボタンは、例えば、ユーザーが薬物送達デバイス102を最近交換したばかりである場合、無効とされ得る。戻る矢印ボタン1510は、ユーザーによって選択されると、ユーザーをナビゲートしてホーム画面400に戻す。
【0085】
ユーザーは、薬物送達デバイス102を交換するための段階的な指示を提供する一連の画面を提示され得る。これらの画面は、ユーザーが
図14のボタン1508を選択した後に表示され得る。
図16a~
図16dは、一連の画面のうちの4つの例を示す。各画面は、ユーザーを手順の次の指示画面に移動させるボタン(1602)を備える。ユーザーは、何れの指示ページ上でも、キャンセルボタン1606を押すことによって、いつでも操作をキャンセルすることができる。薬物送達デバイス102が適切にセットアップされ、配置されると、ユーザーは、
図16bのボタン1604を選択することによって、薬物送達デバイス102の操作を開始することができる。セットアッププロセスの過程で、ユーザーには、例が
図16dに示される1又は複数のモーダル画面が提示される場合があり、これは、薬物送達デバイス102本体の筐体上に見えるピンク色のステータスライトによって示されるように、薬物送達デバイス102のカニューレが正しく挿入されたことを確認するようユーザーに求める画面を示す。ユーザーは、画面上の「はい」又は「いいえ」ボタンを押すことによって応答することができる。いくつかの指示ページは、ユーザーを他の指示ページに飛ばせる
図16bに示されるハイパーリンク1608を例とするハイパーリンクを備え得る。
図16bのハイパーリンク1608を押すと、ユーザーは
図16cの画面に飛び、そこでは、ユーザーは、薬物送達デバイス102を配置する身体上の位置を記録することができる。このページは、薬物送達デバイス102が取り付けられていた異なるスポットの過去の位置及び日付も表示することができ、それによって、ユーザーは、新しい薬物送達デバイス102を作動させるごとに、新しい位置を選択することができる。他のページ(図示せず)にも、指示ページ上のハイパーリンクを介して到達することができる。
【0086】
基礎プログラム画面
このセクションは、ユーザーアプリ160によって実行するための基礎プログラムの表示、選択、編集、及び作成をユーザーが行うことができる画面に関する。
図17aは、上に重なったモーダルメニュー1704を有する
図6bの画面を示す。基礎プログラム及びリスト614の何れに対するモーダルメニュー1704も、リスト914の各基礎プログラムの横に位置する3ドットメニュー呼び出しコントロール1703にタッチすることで呼び出すことができる。モーダルメニュー1704は、現在選択されている基礎プログラムの開始、編集、又は削除をユーザーが行うことができるメニュー項目を含む。ユーザーは、「新規作成」ボタン616を選択することによって、基礎プログラムを作成することができる。
【0087】
図17bは、基礎プログラムの作成時に使用する画面を示す。ユーザーは、プログラムに名称1709を与えることができ、それは、画面のトップ近くに表示される。基礎プログラムの各セグメントに対して、ユーザーは、セグメントの開始時間、セグメントの終了時間又は継続時間、及び指定したセグメントの間に送達されるべき基礎レートを指定しなければならない。名称1709の次にあるのは、現在指定中のセグメントのインジケータである。ユーザーがフィールド1708でセグメントの開始時間及び終了時間を指定すると、画面のエリア1707に、セグメントの開始時間及び終了時間を示す縦線1706が現れる。いくつかの実施形態では、開始時間は、入力済みのフィールドであってよく、ユーザーは、終了時間だけを指定する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、フィールド1708に終了時間をマニュアルでタイプ入力してよい、又はモーダルメニュー(図示せず)から終了時間を選択してもよい、又はモーダルメニュー(図示せず)から継続時間を選択してもよい。ユーザーがセグメントに対する終了時間を選択すると、この終了時間は、次のセグメントに対する開始時間として用いられ、開始時間フィールドを入力済みとするのに用いられる。
【0088】
図17cは、現在のセグメントに対する基礎レートを選択するためにユーザーが用い得る基礎レートモーダルメニュー1710を示す。このメニューは、
図17bに示される基礎レートフィールド1705をユーザーが選択することによって呼び出され得る。ユーザーが基礎レートを選択すると、選択された基礎レートは、
図17dに示されるように、フィールド1705の入力に用いられる。加えて、その時間セグメントに対する基礎レートを示すバー1712が、画面のエリア1707の、セグメントの開始時間と終了時間とを示す縦線の間に配置される。
図17eは、ほぼ完了した基礎プログラムを示し、一方
図17fは、完了したプログラムを示し、プログラムの各セグメントがリスト1722に列挙されている。プログラムの何れのセグメントも、そのセグメントの横にある編集ボタン1724をユーザーが選択することによって編集することができる。基礎プログラム1720によって送達されるべきインスリンの総量は、グラフの下に示される。ユーザーが基礎プログラムに満足した場合は、基礎プログラムは、ボタン1726(「保存」)を選択することによって保存することができる。基礎プログラムの作成は、ボタン1728(「キャンセル」)を押すことによって、いつでもキャンセルすることができる。
【0089】
一時的基礎画面
ユーザーアプリ160の一時的基礎機能では、ユーザーが、基礎レートを所定の時間にわたって一時的に改変することができる。例えば、ユーザーは、何らかの運動を行った又は早く就寝した可能性があり、そのため、その期間は、基礎の必要量が減少する。この機能を呼び出すには、ユーザーは、ホーム画面400上のメニューボタン414を選択すればよい。
図13a~
図13bに示されるようにメニューが表示されると、ユーザーは、メニューボタン1302(「一時的基礎の設定」)を選択すればよく、これによって、
図18a又は
図18cの何れかに示される画面が表示される。ユーザーは、一時的基礎プロファイルの間に送達されるべき基礎レートを、現在実行中の基礎プログラムの一部として送達されている基礎レートのパーセントとして入力するか、又はユニットの絶対数値を入力するかの何れかのオプションを有する。オプションは、ユーザーアプリ160の「セッティング」部分で設定することができ、後ほど考察する。
【0090】
図18aは、ユーザーが一時的基礎レートを、現在基礎プログラムを実行中の基礎レートのパーセントとして設定することができる画面の例である。現在実行中の基礎プログラムに対するグラフ1802は、画面400の情報エリア404に示される。また、現在時刻(すなわち「今」)を示す縦線1804も表示される。基礎レートは、フィールド1806にユニット毎時間の単位でレートを入力することによって設定することができる。いくつかの実施形態では、フィールド1806が選択されると、モーダル画面が現れて、ユーザーが選択可能な基礎レートのリストが提供され、ユーザーが基礎レートを選択すると、フィールド1806には、選択された基礎レートが付与される。フィールド1808では、ユーザーは、一時的基礎の継続時間を設定する。ユーザーは、フィールド1806に継続時間を入力してよい、又はいくつかの実施形態では、フィールド1808が選択されると、様々な継続時間のメニュー項目を有するモーダルメニューが現れてもよい。ユーザーがモーダルメニューから継続時間を選択した場合、フィールド1808には、選択された継続時間が付与される。
【0091】
別の選択肢として、ユーザーは、基礎レート及び継続時間を指定することをせず、代わりに、ボタン1810(「プリセットから選択」)を選択することによって、保存済みの一時的基礎プロファイルのリストから一時的基礎プロファイルを選択することを選んでもよい。ユーザーは、ボタン1814(「キャンセル」)を選択することによって、一時的基礎プロファイルの作成をいつでもキャンセルすることができる。ユーザーは、フィールド1806に基礎レートを、フィールド1808に継続時間を入力すると、ボタン1812(「確認」)を選択することによって選択内容を確認することができ、それによって、
図18bに示される画面が現れる。
【0092】
図18bは、ユーザーが一時的基礎プロファイルの指定内容を確認した後に表示される画面を示す。画面の情報エリア404には、現在実行中の基礎プログラムからの基礎プロファイル1802が表示されており、一時的基礎プロファイル1814がその上に重なっている。好ましくは、一時的基礎プロファイル1814は、現在実行中の基礎プログラムからの基礎プロファイルとは異なる色で示される。点線1816は、基礎プロファイルと一時的基礎プロファイルとの間の違いを見ることができるように、現在実行中の基礎プログラムからの基礎プロファイルを示す。縦線1818は、一時的基礎プロファイルの終了を示す。指定した基礎レート及び継続時間は、それぞれフィールド1806及び1808に示される。ユーザーがこの作成したプロファイルに満足した場合は、このプロファイルを、ボタン1820(「確認」)を押すことによって確認することができる。
【0093】
図18c~
図18dに示される画面は、
図18a~
図18bに示される画面に類似しているが、但し、基礎レートは、現在実行中の基礎プログラムの基礎プロファイルのパーセントとしてではなく、ユニット毎時間の絶対数値としてフィールド1822に指定される。プロファイルが確認されると、
図18dに示される画面が表示され、これは、現在実行中の基礎プログラムの基礎プロファイル上に重ねて表示された一時的基礎プロファイル1816を示す。
【0094】
ユーザーは、一時的基礎プロファイルの作成又は一時的基礎プロファイルの設定の何れかを行うことができる。
図18c~
図18dに示されるように、一時的基礎プロファイルが作成されている場合、ユーザーがボタン1822(「確認」)を選択すると、一時的基礎プロファイルを保存することができる画面にナビゲートされる。
図18a~
図18bに示されるように、一時的基礎プロファイルが設定されている場合、ユーザーがボタン1820(「確認」)を選択すると、一時的基礎プロファイルを開始することができる画面にナビゲートされる。
【0095】
図18a又は
図18cの何れかに示される画面からボタン1810を選択すると、保存済みの一時的基礎プロファイルのリスト1824を示す
図18eに示される画面にナビゲートされる。このページにはまた、戻る矢印1826も備えられ、選択されると、ユーザーをナビゲートしてホーム画面400に戻す。さらに、ボタン1806(「新規作成」)も備えられ、これは、選択されると、
図18a又は
図18cの何れかに示される画面にナビゲートすることで、新しい一時的基礎プロファイルをユーザーが作成できるようにする。
【0096】
リスト1824に列挙された保存済みの一時的基礎プロファイルの何れの横にもあるメニューインジケータ1828を選択することで、
図18fに示されるようにモーダルメニュー1830が現れる。ユーザーは、モーダルメニュー1830から、それぞれの一時的基礎プロファイルの開始、編集、又は削除を選択することができる。
【0097】
血中グルコース画面
ユーザーアプリ160は、ユーザーが血中グルコース記録値をマニュアルで入力するための手段を提供する。
図13a~
図13bに示されるメニューからボタン1312(「BG入力」)を選択すると、ユーザーアプリ160は、
図19aに示される血中グルコース入力画面を表示する。1つの実施形態では、ユーザーには、円1902に沿ってユーザーが移動させることができる円形カーソル1903を有する円形グラフィック1902が提供される。カーソル1903を時計回りの方向に移動させると、血中グルコース記録値が増加し、それは、円の中心のフィールド1904に示される。別の選択肢として、ユーザーは、フィールド1904を選択してもよく、これによってモーダルキーボードが現れ、ユーザーは血中グルコース記録値を入力することができるようになる。モーダルキーボードを消すと、血中グルコース記録値は、フィールド1904に移される。当業者であれば認識されるように、マニュアルで血中グルコースレベルを入力する多くの他の手段が可能であり、それらも、本発明の範囲内であることが企図される。
【0098】
円形グラフィック1902の色は、フィールド1904に表示される血中グルコース記録値の値に応じて変化し得る。例えば、円形グラフィック1903は、血中グルコースレベルがユーザーのターゲット範囲よりも高いが、予め選択した上限閾値よりは低い場合、
図19bに示されるように黄色で現れ得る。フィールド1904に表示される血中グルコースレベル記録値が上限閾値を超えて上昇した場合、グラフィックは、フィールド1904に「高い」を表示する。同様に、入力した値がユーザーのターゲット範囲よりも低いが、予め選択した下限閾値よりは高い場合、円形グラフィック1902は、
図19cに示されるように赤色で表示され得る。フィールド1904に表示される血中グルコースレベル記録値が下限閾値よりも下に低下した場合、「低い」の指標がフィールド1904に現れ得る。血中グルコースレベルがフィールド1904に入力され、ユーザーによって確認されると、ユーザーは、ボタン1906(「保存」)を押すことによって記録値を保存することができる。
図19dに示されるこの実施形態の第一の変型例では、グラフィックは、ユーザーがカーソル1903から指を離した後の数秒間、プラス及びマイナスのサインを追加することによって改変されてよく、これによって、ユーザーは、フィールド1904に表示されている血中グルコース記録値を1ずつ増減させることができ、より微細な制御が可能となる。第二の変型例では、血中グルコース入力画面は、
図11aに示されるボーラス計算機から、フィールド1104をタップすることによって直接表示され得る。
図19dに示されるように、ボタン1906(「保存」)が、ボタン1912(「計算機に追加」)に置き換えられており、これは、ユーザーによって選択されると、フィールド1904に示される血中グルコース値を、
図11aに示されるボーラス計算機の血中グルコースフィールド1104に追加する。
【0099】
食品ライブラリ画面
ユーザーアプリ160は、ユーザーが食事中に含まれる炭水化物のグラム数を判断する補助となる食品ライブラリを提供することができ、このグラム数は、ボーラス計算機によってイスリンのボーラス投与量を計算するために用いられる。
【0100】
図20aは、ユーザーが食品ライブラリを閲覧することを選択した場合に表示される画面2000を示す。画面2000は、2つのタブ、「わたしの食品」タブ及び「ブラウズ」タブを有するタブバー2002を含む。「わたしの食品」タブが選択されると、食品のリスト2006が表示される。表示された食品のリスト2006は、例えば、ユーザーが最近選択した食品、又はユーザーが「お気に入り」であるとして指示した食品を含む。「わたしの食品」リスト2006にある食品項目は、ボタン2005(「+」)を押すことによって、食事に対するカーボ合計に追加することができる。ボタン2005が押されると、選択された食品のカーボ含有量が、リストの下に表示されている食品カーボ合計2008に追加される。食品カーボ合計2008は、選択された項目の数及び選択された食品項目の各々に対するカーボの和の両方を含む。ユーザーが食品の選択を完了すると、ユーザーがボタン2010(「計算機に追加」)を選択することで、食品カーボ合計2008が、
図11aに示されるボーラス計算機のカーボフィールド1102に追加される。
【0101】
「わたしの食品」画面はまた、ボタン2004(「カスタム食品を追加」)も含み、これにより、例えばその食品が食品ライブラリに現時点で存在しない場合に、ユーザーはカスタマイズした食品の選択肢を追加することができる。ボタン2004を選択すると、「わたしの食品」画面のボタン部分が
図20bに示される画面に置き換わり、これによって、ユーザーは、カスタム食品についての詳細を入力することができる。フィールド2014では、ユーザーは、食品に名前を付けることができる。フィールド2014を選択すると、モーダル英数字キーボードが現れ、ユーザーはこれを使ってカスタム食品の名称を入力することができる。モーダル英数字キーボードを消すと、食品の名称は、フィールド2014に移される。フィールド2016では、ユーザーは、モーダル数字キーボードを介して食品のカーボ値を入力することができ、フィールド2018では、ユーザーは(オプションとして)、モーダル数字キーボードを介してカスタム食品の繊維含有量を入力することができる。画面のエリア2020では、ユーザーは、カスタム食品に対する様々なタグを選択することができる。ユーザーがカスタム食品のすべての詳細を入力すると、ボタン2022(「わたしの食品に保存」)を選択することで、カスタム食品を、
図20aに示される「わたしの食品」リスト2006にあるリストに追加することができる。
【0102】
タブバー2002から「ブラウズ」タブが選択されると、ユーザーは、食品ライブラリをカテゴリーごとにブラウズすることができる。カテゴリーの初期リストは、リスト2024に示される。カテゴリーのうちの1つ、例えば「バー、ブレックファストシリアル」タブが選択されると、二次カテゴリーが、リスト2026として
図20dに示される。カテゴリーの選択を繰り返すと、最終的に個々の食品項目に到達し、ユーザーはそれを選択して、食事に対するカーボ合計に追加することができる、及び/又は「わたしの食品」リスト2006に追加することができる。ユーザーは、
図20cに示される画面を表示させるボタン2028を押すことによって、前に閲覧していたカテゴリーに戻ることができる。食品ライブラリ中の各画面は、ボタン2009(「キャンセル」)と共に構成され、これは、選択されると、ホーム画面400又は
図11aに示されるボーラス計算機画面の何れかにユーザーを戻す。
【0103】
最初のセットアップ画面
ユーザーアプリ160は、ユーザーがユーザーアプリ160の最初のセットアップを行うことができる一連の画面を提供する。この画面で提供される機能は、1回のみ行われることになり、典型的にはユーザーがユーザーアプリ160を初めて起動する時である。ユーザーアプリ160を初めて起動すると、
図21aに示される画面に類似する「ようこそ」画面2100がユーザーに提供され得る。ようこそ画面2100は、歓迎のメッセージ2102、及びユーザーを次の画面へ移動させるボタン2104(「OK」)を含み得る。セットアップの一部として、ユーザーは、ある特定の情報をオンラインで入力するように求められ得る。
図21bは、ユーザーがオンラインセンターにログインすることができる画面を示し、そこでは、ユーザーは、ウェアラブル薬物送達デバイス102を操作するために必要なある特定の情報を入力することができる。オンラインセンター上のユーザーアカウントにアクセスするためには、ユーザーは、ユーザーネーム2106及びパスワード2108の入力が求められ得る。
【0104】
ユーザーアプリ160のセットアップのある特定の態様は、ローカルで行われ得る。例として、
図21cは、ユーザーがセキュリティPIN2110を設定してユーザーアプリ160へのアクセスを制限することができる画面を示す。ユーザーは、PINを入力することができるモーダルキーボード2112を提供され得る。PINを再入力することでユーザーがPINの入力を確認することができる追加の画面が、それに続き得る。
図21dは、インターネットにアクセスするための無線アクセスポイントへの接続を可能とするWi-Fiセッティングをユーザーが入力することができる画面を示す。ユーザーは、ボタン2113をユーザーが選択することによって、Wi-Fiセッティングを入力することができる画面(図示せず)にアクセスすることができる。いくつかの場合では、ボタン2113を選択すると、ユーザーは、ユーザーアプリ160が実行されているユーザーデバイス105に対するネイティブなWi-Fiセッティング画面に飛ばされ得る。いくつかの場合では、ユーザーアプリ160が実行されているユーザーデバイス105は、既に無線アクセスポイントに接続されている可能性があり、その場合は、
図21dに示される画面は不要となるであろう。
【0105】
セットアッププロセスの過程において、ユーザーアプリ160は、ユーザーデバイス105の位置情報へのアクセスが必要であると判断する場合がある。例えば、ユーザーアプリ160は、ユーザーデバイス105の現在の位置を追跡して、ユーザーデバイス105が現在位置するタイムゾーンを特定すること、及びユーザーがタイムゾーン間を移動する場合にタイムゾーンを調節することを行おうとする場合がある。タイムゾーンは、インスリン送達のための時間を計算するベースとして用いられ得る。ユーザーは、
図21eに示されるモーダル画面を提示される場合があり、これによってユーザーは、ユーザーアプリ160に対してユーザーデバイス105の位置情報へのアクセスを許可することができる。
図21a~
図21eに示される画面は、例示的な性質のものであり、認識されるように、ユーザーがユーザーアプリ160の様々な他の態様をセットアップできる他の多くのセットアップ画面が提供される可能性がある。例えば、ユーザーは、ユーザーアプリ160がロックされた場合に表示されるメッセージをセットアップすることができ、例えばそれは、ユーザーの連絡先情報を確認するもので、ユーザーデバイス105を紛失した場合に用いられ得る。加えて、ユーザーは、ロック画面に表示される個人情報を入れた背景をセットアップすることもできる。ユーザーが設定可能である他の多くの機能が、ユーザーに利用可能であり得る。
【0106】
全般的なセットアップ項目に加えて、ユーザーは、液体薬物の基礎投与量及びボーラス投与量の送達のためのパラメータをセットアップするように促され得る。例として、ユーザーは、基礎プロファイルをセットアップすることができる。
図21fは、ユーザーがフィールド2114に時間あたりのユニット数を入力することによって最大基礎レートを設定することができる例示的な画面を示す。
図21gは、ユーザーがボーラスをセットアップすることができる例示的な画面を示す。フィールド2116は、ボーラスの名称を示し、一方フィールド2118では、ユーザーは、ボーラスの開始時間及び終了時間を生成することができる。ユーザーはまた、フィールド2120にはターゲット血中グルコースレベルを、フィールド2122には「超えたら補正」の値を入力することができる。液体薬物のボーラス投与量及び基礎投与量に関して上記で既に考察したものと同様に、液体薬物の基礎送達及びボーラス送達のための他の多くのパラメータを、他の画面で入力することができる。
【0107】
アラーム及び警告画面
ユーザーアプリ160は、その操作中における様々な時点で、アラーム、警告、及び/又はエラー画面を示す画面をユーザーに提供する場合がある。いくつかの場合では、アラーム又は警告は、感嘆符(「!」)アイコンを伴うことがあり、例えば、
図22aのアイコン2202として示される例のように、黄色背景といったある特定の色の背景上にそのアイコンを提供し得る。
図22aに示される特定の画面は、ユーザーに、インスリン送達を再開するべきであることを警告している。警告の理由を示しているメッセージ2204が、さらには警告に応答してユーザーがアクションを取ることができる1又は複数のボタン2006が表示され得る。より深刻なエラー又は警告は、アイコン2208として
図22bに示されるように、赤色背景上の発掘点(excavation point)を例えば示すアイコンによって提供され得る。加えて、
図22bのメッセージ2210によって示されるように、エラー及びエラーを解決するためにユーザーが取るべきアクションを記載するメッセージも提供され得る。警告及びエラーは、
図22aに示されるようにフル画面として、又は
図22bに示されるようにモーダルポップアップとして提供され得る。
図22cは、一般的エラーのなお別の例を示す。
【0108】
履歴画面
ユーザーアプリ160は、その操作の履歴を示す機能を有する。履歴情報には、ユーザーがメニュー1300のボタン1314(「履歴詳細」)を選択することによってアクセスすることができる。デフォルトの履歴画面は、
図23aに示されるように、縦のモーダルポップアップ2300として、メニュー1300の上に重ねて又はメニュー1300に置き換えて現れる。デフォルトでは、履歴画面は、当日の履歴情報を示す。しかし、他の日の履歴情報は、ボタン2302(「<」)をユーザーが選択することによって示すことができる。履歴画面2300は、2つのタブ、「一覧」タブ2304及び「自動イベント」タブ2305を有するタブボタンを含む。一覧タブ2304が選択された場合の表示を示す画面は、
図23aに示される通りである。表示は、CGM履歴2306を含み、これには、平均CGM記録値、並びにユーザーの血中グルコースレベルがユーザー指定の範囲内であった時間、範囲より上であった時間、及び範囲より下であった時間の割合に関する情報が含まれる。また、一覧タブ2304が選択された場合、インスリン及びカーボの情報2308も表示される。画面2300のこのエリアは、その日に送達された総インスリン、基礎インスリンとして送達された割合、ボーラスインスリンとして送達された割合、及びその日の間にユーザーが摂取した総カーボを示す。
【0109】
履歴画面2300のエリア2310は、個々のイベント及びそれらの個々のイベントが発生した時間を示すタイムラインを示す。各個々のイベントについてのさらなる詳細は、例えば、下向き矢印2312を選択することによって表示することができ、それによって、個々のタイムラインイベントに関する詳細を表示するようにエリアが拡張される。
図23bに示されるように、エリア2314に示されるグラフは、タイムライン2314の「一時的基礎開始」エリア上の下向き矢印2312をユーザーが選択した結果として表示される。異なるタイムラインイベントが拡張されると、異なる種類の情報が示され得る。タイムラインイベントは、ボタン2316を選択することによって折り畳むことができ、それによって、エリア2314に示されるグラフが消えることになる。
【0110】
「自動イベント」タブ2305を選択すると、
図23cに示される画面が表示される結果となり、この画面は、イベントバナー及びデータ列を示す。イベントバナー2316、2320は、モード切替イベント及びタイムゾーン切替イベントを示す。イベントバナー2316、2320は、異なる色で表示されてもよく、例えば、自動モード開始時に紫色のバナーが表示されてよく、自動モード終了時に青色バナーが表示されてよい。この画面にはデータ列2318もあり、CGM記録値及び送達されたマイクロボーラス投与量を示す。
【0111】
セッティング画面
ユーザーアプリ160のユーザーが設定可能なオプション及びセッティングはすべて、
図13aに示されるように、ボタン1316(「セッティング」)からアクセスすることができる。ボタン1316は、拡張して、拡張セッティングメニュー1318を示すことができる。
図13aは、拡張形態のセッティングメニューを示す。
【0112】
ユーザーがボタン1320(「アプリについて」)を選択すると、メインメニュー1300は、
図24に示されるユーザーアプリ160についての情報を示す画面に置き換わる。ここでは様々な情報が入手可能であり、例えば、シリアルナンバー、ウェアラブル薬物送達デバイス102のバージョン、ウェアラブル薬物送達デバイス102又はクラウド111との直近の通信についての情報などである。
【0113】
いくつかの実施形態では、ユーザーアプリ160は、ユーザーが分析のためにカスタマーケアセンターにログファイルを送信することができる機能を備えている。ボタン2402(「ファイルをカスタマーケアへ送信」)を選択することにより、ユーザーは、カスタマーサービスセンターにログファイルを送信することができる。これらは、例えば、ユーザーがデバイスの操作中に遭遇した問題の診断に有用であり得る。注意アイコン(「!」)は、ログファイルは送信のプロセス中であるが、送信プロセスはまだ完了していないことを示す。
【0114】
ボタン2402が選択されると、
図24bに示される画面が表示される。いくつかの実施形態では、ログファイルを送信するには、ユーザーは個人識別番号(PIN)を持っていなければならない。このため、
図24bに示される画面は、PIN2406を取得するための指示も含み得る。ユーザーは、例えば、ユーザーアプリ160を通した通信又はユーザーアプリ160とは独立した通信を介してPINを受け取ることができる。ユーザーが既にPINを持っている場合、ユーザーは、ボタン2404(「次へ」)を選択してよく、それによって、
図24cの画面が表示される。ユーザーは、次に、キーパッド2410を用いてフィールド2408にPINを入力し、完了後、ボタン2412(「ファイルの送信」)を選択して、カスタマーケアセンターへのログファイルの送信を開始する。ボタン2412を選択すると、
図24cに示される画面は消えて、前に表示されていた画面の操作に戻る。
【0115】
ユーザーがメインメニュー1300からボタン1322(「PDMセッティング」)を選択すると、メインメニュー1300は、
図25aに示されるメニューに置き換わり、これによって、ユーザーは、ユーザーアプリ160が実行されているユーザーデバイス105の操作及び表示の様々な態様を設定することができる。例えば、ユーザーは、機内モードのオン又はオフを切り替えることができ、Wi-Fiセッティング、画面のタイムアウト、画面の明るさ、ロック画面のメッセージ、背景イメージ、及びセキュリティPINなどを変更することができる。
【0116】
加えて、ユーザーは、
図25aのボタン2502を選択することによって、デフォルトのタイムゾーンと言語、並びにインスリン送達のための時間を計算する基となるタイムゾーンも設定することができる。これによって、
図25bに示される画面が現れ、最初に、タイムゾーンが変更可能となる前にインスリン送達を中断する必要があることをユーザーに注意喚起する。ユーザーがボタン2504(「インスリン中断」)を押すことによってインスリン送達を中断すると、
図25cに示されるように画面が変化し、インスリン送達が中断されていることを示すバナー2506が示され、タイムゾーンの選択にユーザーが用いることができる選択メニュー2508が有効となる。タイムゾーンが選択されると、ユーザーは、ボタン2510(「保存」)を選択してよく、これによって、タイムゾーンの選択が保存され、
図25cに示される画面が消え、中断されていた場合は、インスリン送達が再開される。ユーザーがセットアップの過程でデバイスの位置情報へのアクセスを許可していた場合、タイムゾーンは、ユーザーがタイムゾーン間を移動する際に自動的に変更されてよく、ユーザーは、タイムゾーンが更新されたことを通知され得る、又はユーザーが現在位置するタイムゾーンを更新するかどうかの確認を求められ得る。システムは、ユーザーが現在位置するタイムゾーンが、薬物送達のためにシステムが現在用いているタイムゾーンと同じであることを定期的に確認し得る。タイムゾーンに食い違いがあると、ユーザーは、警告を受けて、タイムゾーンを更新するべきかどうかを質問され得る。タイムゾーンが更新されると、インスリン送達に対して対応する変更が成される結果となる。例えば、1日のうちの異なる時間で異なる量又はレートのインスリンを送達し得る基礎プロファイルは、以降、更新されたタイムゾーンに対応し得る。加えて、ユーザーがタイムゾーンを設定(デフォルトで又はそれ以外で)しなければならない代わりに、ユーザーデバイス105が、ユーザーアプリ160及び/又はウェアラブル薬物送達デバイス102に対して自動的に時間及びタイムゾーンを検出及び/又は提供することができ、それによって、ユーザーは、時間又はタイムゾーンを入力する必要がなくなる。さらに、ユーザーデバイス105の時間及び/又はタイムゾーンが自動的に更新される場合(例えば、スマートフォンの場合)、ユーザーアプリ160及びウェアラブル薬物送達デバイス102が用いる時間及び/又はタイムゾーンも、自動的に更新することができる。ユーザーアプリ160は、例えば新しい場所に移動した場合に、時間及び/又はタイムゾーンがユーザーによって変更されたか又はユーザーデバイス105によって自動的に更新されたかどうかを判断するために、ユーザーデバイス105に対して定期的にクエリを送り得る。
【0117】
加えて、ユーザーは、言語の選択、診断の実行、又はユーザーアプリ160のリセットを行うことができる。「PDMセッティング」メニュー上の何れのメニュー項目の選択も、具体的なセッティングを設定するための他の画面を表示させる結果となり得る。ユーザーアプリ160が実行されている現在のモードに応じて、いくつかのオプションが利用可能であってよく、又は利用可能でなくてもよい。
【0118】
インスリン中断画面
図13a~
図13bに示されるメインメニュー1300からボタン1310(「インスリン中断」)をユーザーが選択すると、ユーザーは、指定された時間にわたってインスリンの送達を一時停止することができる。ボタン1310は、ある特定の条件が満たされた場合にのみ利用可能であり得ることには留意されたい。例えば、一時的基礎プロファイル又は持続ボーラスプログラムが実行中である場合、ボタン1310は無効とされ得る。ボタン1310を選択すると、
図26aに示される画面を表示することができ、そこでは、ユーザーは、インスリン送達を中断する長さを指定することができる。いくつかの実施形態では、フィールド2602を選択すると、ユーザーには、時間をマニュアルで入力することができるモーダルキーパッドが提示され得る。他の実施形態では、フィールド2602を選択すると、ユーザーには、継続時間のメニュー項目を選択することができるメニューが提供され得る。モーダル画面を消すと、中断のための指定した時間がフィールド2602に移される。ユーザーは、ボタン2604を押すことによって中断を開始することができる。インスリンの送達が中断されると、メインメニュー1300のボタン1310は、「インスリン中断」から「インスリン開始」に変更されてよく、これを選択すると、ユーザーはインスリンの送達を再開することができる。ユーザーがボタン1310(「インスリン開始」)を選択すると、
図26bの画面が現れ、これによって、ユーザーは、直近に有効であった基礎プログラムを用いたインスリン送達を再開することができる。再開は、ユーザーがボタン2606を選択することで成される。インスリンの送達が再開されると、メニュー1300のボタン1310は、元に戻って「インスリン中断」の文字を表示し、他のすべての条件が満たされていれば、有効とされる。
【0119】
HypoProtect(商標)モード画面
ユーザーは、
図13a~
図13bに示されるメインメニュー1300のボタン1308をユーザーが選択することによって、「HypoProtect(商標)モード」を開始することができる。HypoProtect(商標)モードは、基礎インスリン送達を停止し、又はいくつかの実施形態では、25~95%(50%又は75%など)減少させることができ、基礎送達のターゲット血中グルコースレベルを、所定の量(例:200mg/dLなどの150~200mg/dLの範囲内)に設定する。HypoProtect(商標)モードは、典型的には、運動の間又は睡眠時間の間又は朝の最初に起床した時など、低血糖のリスクが高まる時間に用いられる。ボタン1308を選択すると、
図27aに示される画面が現れ、これによって、ユーザーはHypoProtect(商標)モードの継続時間を設定することができる。フィールド2702を選択すると、ユーザーには、時間をマニュアルで入力することができるモーダルキーパッドが提示され得る。他の実施形態では、フィールド2702を選択すると、ユーザーには、継続時間のメニュー項目を選択することができるメニューが提供され得る。モーダル画面を消すと、HypoProtect(商標)モードの継続時間に対して指定した時間が、フィールド2702に移される。ボタン2704(「確認」)を選択すると、HypoProtect(商標)モードが開始され、
図27bに示される画面が表示される。この画面は、HypoProtect(商標)モードを実行する残り時間2706及び2708にHypoProtect(商標)モードが終了する正確な日付と時間を示す。ユーザーは、ボタン2710(「キャンセル」)を選択することによって、HypoProtect(商標)モードをいつでもキャンセルすることができる。HypoProtect(商標)モード中である場合、ホーム画面400の情報エリア404は、
図6fに示されるように現れ得る。
【0120】
モード切り替え画面
図13a~
図13bに示されるメインメニュー1300のボタン1324(「モード切り替え」)により、ユーザーは、自動モードとマニュアルモードとを切り替えることができる。ユーザーが現在マニュアルモードにある場合、ユーザーがボタン1324を選択すると、
図28aに示される画面が表示される。この画面には情報ブロック2802が示され、これは、ユーザーに対していつ自動モードに入ることができるかを示しており、緑色のチェックマークは、記載の条件が満たされていることを示している。何れかの条件が満たされていない場合、その条件の横に赤色の「X」が示され得る。すべての条件が満たされている場合、ユーザーは、ボタン2804(「切り替える」)を選択することによって自動モードに入ることができる。ユーザーアプリ160が現在自動モードにある場合、ボタン1324を選択することによって、
図28bに示される画面が現れ、ユーザーはマニュアルモードに切り替えることができる。この画面は、情報ブロック2806を示し、これは、切り替えが成された場合に実行されることになる基礎プログラムをユーザーに知らせるものである。ユーザーは、ボタン2808(「切り替える」)を押すことによって切り替えを確認することができる。
【0121】
CGM送信器画面
図13a~
図13bに示されるメニュー1300からボタン1326を選択することにより、ユーザーは、CGM108のシリアルナンバーを表示及び/又は変更することができる。
図29aに示される図は、ボタン1326の選択時に最初に示される。シリアルナンバー2902が表示されている。ある特定の場合において、CGMが期限切れとなっている場合、シリアルナンバーは、赤色で表示され得、「期限切れ」の標識も画面上に表示され得る。ユーザーは、ボタン3204及び3206を用いて、新しいCGMのシリアルナンバーを入力することができる。ボタン2906を選択すると、
図29bに示される画面が表示される。この画面は、CGM108上のシリアルナンバーの位置をユーザーに示す情報ブロック2908を示す。加えて、フィールド2910を選択すると、モーダルキーボードがユーザーに提示され、ユーザーは、CGM108からのシリアルナンバーを入力することができる。ユーザーは、シリアルナンバーの入力を終えると、ユーザーがボタン2912(「保存」)を選択することでシリアルナンバーを保存することができ、それによって、
図29aに示される画面に戻り、新しいシリアルナンバーがフィールド2902に移される。
【0122】
リマインダ画面
ユーザーは、どの時点でユーザーアプリ160からリマインダが提供されるかについてのパラメータを、有効/無効とすることができ、及び/又は設定することもできる。
図13a~
図13bに示されるメインメニュー1300の「セッティング」サブメニューにあるボタン1328(「リマインダ」)を選択すると、
図30aに示される画面が表示される。この画面は、リマインダのリストを示す。各リマインダに対する現在のセッティング3002は、リマインダ名の下に示される。例えば、
図30aに示される例示的な画面では、ユーザーは、薬物送達デバイス102の期限切れの4時間前に「ポッド期限切れ」リマインダを設定しており、これは、薬物送達デバイス102の期限切れの4時間前に、ユーザーアプリ160からユーザーにリマインダが提供されることを示す。ある特定のリマインダは、ユーザーがスライダ3004を選択することによって有効又は無効とすることができる。スライダ3004をタップすることで、「オン」と「オフ」の間で状態が切り替わる。例示的な画面は、3つのリマインダが有効とされていることを示す。
図30bは、リマインダのうちの1つのパラメータを設定するために用いることができる画面の例を示す。例示的な画面では、「ポッド期限切れ」リマインダを設定している。ある特定の実施形態では、ユーザーがフィールド3006を選択すると、モーダル数字キーボードが現れ、ユーザーは、リマインダが表示される期限切れまでの時間数を入力することができる。他の実施形態では、様々な時間数のメニュー項目を有するモーダルメニューが現れ得る。モーダルメニューを消すと、指定した時間数がフィールド3006に移される。ユーザーは、ユーザーがボタン3008を選択することによって、セッティングを保存することができる。
【0123】
閲覧者画面
ユーザーアプリ160は、ユーザーアプリ160によって生成されたデータを指定された人が閲覧できる機能を備え得る。ユーザーデータを閲覧する許可を有する閲覧者のリストを表示するには、ユーザーは、
図13a~
図13bに示されるメインメニュー1300からボタン1330(「閲覧者」)を選択し得る。ボタン1330が選択されると、
図31aに示される画面が表示され、閲覧者のリスト3102が示される。ユーザーデータを閲覧する許可を有する閲覧者のリストは、クラウドサービス111に保持することができ、ボタン1330を選択することでユーザーデバイス105にダウンロードできる。リスト3102の各閲覧者には、モーダルオプションメニュー3105が付随しており、これは、選択されると、様々なメニュー項目を表示する。例えば、メニューは、閲覧者を編集又は削除するオプションを含み得る。ユーザーが閲覧者を編集しようとする場合、モーダルメニュー3105からメニュー選択肢の「編集」を選択してよく、
図31eに示される画面が表示され、以下で説明するように、閲覧者の情報を編集することができる。
【0124】
ボタン3104(「新規閲覧者」)を押すことによって
図31bの画面が表示され、新規閲覧者を追加することができる。この画面は、フィールド3104を提供し、そこにユーザーは、氏名、Eメールアドレス、及びユーザーとの関係を例とする新規閲覧者についての様々な必要な又は任意の情報を入力することができる。様々な実施形態では、他のフィールドも、新規閲覧者を識別するために必要とされ得る又は所望され得る。
【0125】
ユーザーがフィールド3106のうちの1つを選択すると、
図31cに示されるように、モーダルキーボード3108が画面上に表示され、ユーザーは、新規閲覧者についての必要な情報を入力することができる。必要なフィールドがすべて入力されると、
図31dに示される画面が表示され、新規閲覧者の情報の一覧が示される。新規閲覧者の情報における何らかの間違いを訂正するには、ユーザーは、ボタン3114(「編集」)を選択してよく、これによって、ユーザーは
図31bに示される画面に戻る。
図31dに示される画面には、
図31aに示されるリスト3102からの閲覧者の横にあるモーダルメニュー3105から「編集」ボタンを選択することによっても到達することができることには留意されたい。これにより、ユーザーは、既存の閲覧者の情報を編集することができ、例えば、その閲覧者のEメールアドレスを変更することができる。ボタン3112(「新規招待を送信」)を選択すると、ユーザーデータ閲覧への招待が、新規閲覧者に送信される。招待が送信されると、
図31eに示される画面が表示される。この画面は、
図31aに示される画面と同じであるが、新規ユーザー3115がリストに追加されており、ステータスインジケータ3116によって示されるように、「待機中」であるとして示される。新規閲覧者が招待を受け入れると、
図31fに示される画面が表示され、それは、ステータスインジケータ3118によって示されるように、「有効」ステータスを有する新規ユーザー3115を示す。これは、
図31aに示されるものと同じ画面に新規ユーザー3115が追加されたものであることには留意されたい。
【0126】
当業者であれば認識されるように、ユーザーインターフェースは、広く様々な機能を提供する多くの画面を備えており、その大部分は、本明細書に示されていない。ユーザーアプリ160の様々な機能を示すために、ユーザーインターフェースを構成する画面のうちの例示的に選択したものを本明細書で提示してきた。本発明は、例えば、各画面に表示される具体的なテキスト文、各画面上の機能の配置、様々な機能が画面上で表示される色、及び1つの画面から次へのフローを含む、各個別の画面の厳密な描写に限定されることを意図するものではない。認識されるように、ユーザーインターフェースのこれらの態様の何れについても、依然として同じ機能を提供しながら様々に異なってよい。その代わりに、本発明の意図する範囲は、以下の請求項に収められている。
【国際調査報告】