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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】スパースアンテナアレイ較正
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20240119BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
G01S7/40 126
G01S7/02 216
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540777
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2022011111
(87)【国際公開番号】W WO2022150292
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/134,575
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ハンシャリック,デイビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,パーカー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィッコフ,ペーター エス.
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC11
5J070AD05
5J070AD09
(57)【要約】
通信のためのシステムは、アンテナアレイであって、アンテナアレイのアンテナの素子間間隔がアンテナアレイ全体にわたって異なり得る、アンテナアレイと、それぞれのアンテナと結合されており、かつそれぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離を表すパラメータを測定するために使用される測距信号を送信及び受信するように構成されている、アンテナマネージャと、測定されたパラメータ及び基準アンテナの位置に基づいて、アンテナの位置を判定する、較正ユニットと、アンテナの判定された位置に基づいて、アンテナアレイについて決定されたビーム係数に従って端末と通信する、通信マネージャと、を含み得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信のためのシステム(100)であって、
複数のアンテナ(111)を備えるアンテナアレイ(105)であって、前記複数のアンテナ(111)のうちのアンテナの素子間間隔が、前記アンテナアレイ(105)全体にわたって異なる、アンテナアレイ(105)と、
複数のアンテナマネージャ(112)であって、前記複数のアンテナマネージャ(112)の各アンテナマネージャが、前記複数のアンテナ(111)のうちのそれぞれのアンテナと結合されており、かつ
前記複数のアンテナ(111)のうちの前記それぞれのアンテナからそれぞれの測距信号(220、620)を送信することと、
前記複数のアンテナ(111)のうちの他のアンテナから測距信号(220、620)のそれぞれのセットを受信することと、
測距信号(220、620)の前記それぞれのセットを受信することに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれのアンテナと前記他のアンテナとの間の距離を表すそれぞれのパラメータを測定することと、を行うように構成されている、複数のアンテナマネージャ(112)と、
較正ユニット(340)であって、
複数の基準アンテナ(211)の位置を判定することであって、前記複数の基準アンテナ(211)のうちの第1の基準アンテナ(211-1)の位置が、前記アンテナアレイ(105)の原点にあり、前記複数の基準アンテナ(211)のうちの他の基準アンテナの位置が、前記第1の基準アンテナ(211-1)に対して判定され、前記複数のアンテナ(111)が、前記複数の基準アンテナ(211)を含む、判定することと、
前記複数のアンテナマネージャ(112)によって測定された前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の距離を判定することと、
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記アンテナアレイ(105)の基準配向を判定することと、
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置と、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離と、前記アンテナアレイ(105)の前記基準配向と、に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の位置を計算することと、を行うように構成された、較正ユニット(340)と、
前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置に少なくとも部分的に基づいて、前記アンテナアレイ(105)について決定されたビーム係数に従って端末(120)と通信するように構成された通信マネージャ(350)であって、前記ビーム係数が、複数のビームを形成するために使用される、通信マネージャ(350)と、を備える、システム(100)。
【請求項2】
前記アンテナアレイ(105)について、前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置に少なくとも部分的に基づいて、前記ビーム係数を決定するように構成されたビームマネージャ(320)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置を計算するために、前記較正ユニット(340)が、
前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記アンテナアレイ(105)の前記原点に対して、前記基準配向に従って、前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置を計算するように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記複数のアンテナマネージャ(112)が、前記較正ユニット(340)に、前記複数のアンテナマネージャ(112)によって測定された前記パラメータを送信するように構成されており、
前記較正ユニット(340)が、前記複数のアンテナマネージャ(112)によって測定された前記パラメータを受信することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離を判定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記複数のアンテナマネージャ(112)の各アンテナマネージャが、
パラメータのそれぞれのセットを測定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)のうちの前記それぞれのアンテナと前記他のアンテナとの間の前記距離を判定し、かつ
前記較正ユニット(340)に、前記それぞれのアンテナと前記他のアンテナとの間の前記距離の指示を送信するように構成されており、
前記較正ユニット(340)が、前記複数のアンテナマネージャ(112)から受信された前記それぞれのアンテナと前記他のアンテナとの間の前記距離の前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離を判定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記複数のアンテナ(111)から送信された前記それぞれの測距信号(220、620)が、固有である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちのアンテナマネージャ(212-4)によって送信された測距信号(220-4)が、前記アンテナマネージャ(212-4)の識別子、前記測距信号(220-4)が送信されたときのタイムスタンプ、前記アンテナマネージャ(212-4)の測位座標、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記それぞれの測距信号(220、620)が、端末(120)と通信するために前記通信マネージャ(350)によって使用される第2の帯域と重ならない第1の帯域で送信される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記それぞれの測距信号(220、620)を送信するために使用される第1の周波数帯域が、通信信号を送信するために使用される第2の周波数帯域よりも高い、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記測距信号(220、620)の波長が、通信信号の波長よりも小さい、請求項9に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記測距信号(220、620)の帯域幅が、前記第2の周波数帯域の中心周波数よりも大きい、請求項9に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記複数のアンテナマネージャ(112)に、共通の時間基準を提供するように構成されたタイミングコンポーネント(343)を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちの第2のアンテナマネージャ(212-5)が、
前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちの第1のアンテナマネージャ(212-4)と結合された第1のアンテナ(211-4)と、前記第2のアンテナマネージャ(212-5)と結合された第2のアンテナ(211-5)と、の間の距離を、前記第1のアンテナ(211-4)から受信された測距信号(220-4)に少なくとも部分的に基づいて判定するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項14】
前記第2のアンテナマネージャ(212-5)が、
前記測距信号(220-4)によってシグナリングされたタイムスタンプと、前記測距信号(220-4)が受信された時間と、に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナ(211-4)と前記第2のアンテナ(211-5)との間の前記距離を判定するように更に構成されている、請求項13に記載のシステム(100)。
【請求項15】
前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちの第1のアンテナマネージャ(212-4)が、
前記第1のアンテナマネージャ(212-4)と結合された第1のアンテナ(211-4)と、前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちの第2のアンテナマネージャ(212-5)と結合された第2のアンテナ(211-5)と、の間の距離を、前記第1のアンテナマネージャ(212-4)によって送信された測距信号(220-4)と、前記測距信号(220-4)に応答して前記第2のアンテナ(211-5)から受信された応答信号(225)と、に少なくとも部分的に基づいて判定するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項16】
前記第1のアンテナマネージャ(212-4)が、
前記測距信号(220-4)が前記第1のアンテナマネージャ(212-4)によって送信された第1の時間と、前記応答信号(225)が前記第2のアンテナ(211-5)から受信された第2の時間と、の間の差を判定することであって、前記第1のアンテナ(211-4)と前記第2のアンテナ(211-5)との間の前記距離が、前記差に少なくとも部分的に基づく、判定することを行うように構成されている、請求項15に記載のシステム(100)。
【請求項17】
前記複数のアンテナマネージャ(112)のうちのアンテナマネージャが、
複数の期間にわたって、前記複数の期間にわたって測定された複数のパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)のうちの前記それぞれのアンテナと第2のアンテナとの間の複数の距離を判定し、かつ
前記複数の距離の関数に少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれのアンテナと前記第2のアンテナとの間の距離を取得するように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項18】
前記複数のアンテナマネージャ(112)の各アンテナマネージャが、
測距信号(220、620)の前記それぞれのセットから、前記複数のアンテナ(111)のうちの前記他のアンテナに関連するGPS座標のセットを取得し、かつ
GPS座標の前記セットに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)のうちの結合されたアンテナと前記他のアンテナとの間の距離の粗い推定値を判定するように構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項19】
前記アンテナアレイ(105)が、
前記複数の基準アンテナ(211)間の複数の固定的接続(215)であって、前記較正ユニット(340)が、前記複数の固定的接続(215)に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置を判定するように構成されている、複数の固定的接続(215)を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項20】
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置を測定して、測定された位置を取得するように、かつ前記複数の基準アンテナ(211)の前記測定された位置を前記較正ユニット(340)にシグナリングするように構成された、地上ベースの測定局(365)を更に備え、
前記較正ユニット(340)が、前記複数の基準アンテナ(211)の前記測定された位置を含む信号を受信するように、かつ前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置を判定するように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項21】
通信のための方法であって、
アンテナアレイ(105)の複数の基準アンテナ(211)の位置を判定することであって、前記アンテナアレイ(105)が、前記複数の基準アンテナ(211)及び複数のアンテナ(111)を備え、
前記複数の基準アンテナ(211)のうちの第1の基準アンテナ(211-1)の位置が、前記アンテナアレイ(105)の原点にあり、
前記複数の基準アンテナ(211)のうちの他の基準アンテナの位置が、前記第1の基準アンテナ(211-1)に対して判定され、
前記複数のアンテナ(111)のうちのアンテナの素子間間隔が、前記アンテナアレイ(105)全体にわたって異なる、判定することと、
前記複数のアンテナ(111)と結合された複数のアンテナマネージャ(112)から、前記アンテナアレイ(105)のアンテナ間の距離を表すパラメータを受信することと、
前記複数のアンテナマネージャ(112)から受信された前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の距離を判定することと、
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記アンテナアレイ(105)の基準配向を判定することと、
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置と、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離と、前記アンテナアレイ(105)の前記基準配向と、に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のアンテナ(111)の位置を計算することと、
通信マネージャ(350)に、前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置を提供することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記複数のアンテナ(111)の前記位置を計算することが、
前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記アンテナアレイ(105)の前記原点に対して、前記基準配向に従って、前記複数のアンテナ(111)の前記計算された位置を計算することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記パラメータが、前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離の指示を含み、
前記複数のアンテナ(111)の各アンテナ間の前記距離を判定することが、前記距離の前記指示に少なくとも部分的に基づく、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置が、前記複数の基準アンテナ(211)間の複数の固定的(215)接続に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
地上ベースの測定局(365)から、前記複数の基準アンテナ(211)の測定された位置を受信することであって、前記複数の基準アンテナ(211)の前記位置が、前記測定された位置に少なくとも部分的に基づいて判定される、受信することを更に含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
以下の内容は、概して、スパースアンテナアレイ較正を含む、電子通信に関する。
【0002】
通信デバイスは、有線接続、ワイヤレス(例えば、無線周波数(RF))接続、又はその両方を使用して互いに通信し得る。通信デバイス間のワイヤレス通信は、サービスプロバイダ、ワイヤレス技術、又はその両方のために指定されたワイヤレススペクトルを使用して実行され得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信され得る情報の量は、サービスプロバイダに指定されたワイヤレススペクトルの量と、サービスが提供される領域内の周波数再利用の量とに基づく。ワイヤレス通信(例えば、セルラ通信、衛星通信など)は、周波数再利用を増加させるために、デバイス間の通信のためのビームフォーミング及び多入力多出力(MIMO)技法を使用し得る。しかしながら、衛星通信などのいくつかのタイプの通信システムで高レベルの周波数再利用を提供することは、課題を提示する。
【発明の概要】
【0003】
通信のためのシステムは、アンテナアレイを含み得、アンテナアレイのアンテナの素子間間隔は、アンテナアレイ全体にわたって異なり得る。システムはまた、それぞれのアンテナと結合され、かつそれぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離を表すパラメータを測定するために使用される測距信号を送信及び受信するように構成された、アンテナマネージャを含んでもよい。システムはまた、測定されたパラメータ及び基準アンテナの位置に基づいて、アンテナの位置を判定する、較正ユニットを含んでもよい。システムはまた、アンテナの判定された位置に基づいて、アンテナアレイについて決定されたビーム係数に従って端末と通信する、通信マネージャを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする衛星通信システムの一例を示す。
図2図2は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートするスパースアンテナアレイの一例を示す。
図3図3は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信ネットワークの一例を示す。
図4図4は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信サブシステムの一例を示す。
図5図5は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信サブシステムの一例を示す。
図6図6は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正のための動作のセットの一例を示す。
図7図7は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正のための動作のセットの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
通信システム(例えば、衛星システム)は、複数のアンテナを備えたデバイス(例えば、衛星)を含み得る。通信システムは、これらのデバイスを使用して、複数の端末による同時通信をサポートし得る。いくつかの例では、通信システムは、これらのデバイスを使用して、ビームフォーミングされた通信をサポートし得る。ビームフォーミングされた通信は、例えば、ワイヤレススペクトルが地理的エリアの異なる領域中で再使用されることを可能にすることによって、通信リソースの利用を増加させるために使用され得る。いくつかの例では、ビームフォーミング技法は、(例えば、少なくとも部分的に重なるパターンで)地理的エリアをカバーするスポットビームのセットを形成するためにマルチアンテナデバイスを使用し得る。
【0006】
ビームフォーミング技法は、スペクトル利用を増加させるために使用され得るが、ビームフォーミング技法の分解能は、例えば、アンテナアレイのサイズに基づいて制限され得る。いくつかの例では、スポットビームのカバレージエリアは、衛星システムのアンテナアレイのサイズ、衛星システムによって使用される周波数、又は衛星システムによって使用される軌道(例えば、地球同期軌道)に基づく。典型的な衛星ペイロード(例えば、反射器が10~30メートルに及ぶアレイ給電反射器)では、衛星システムによって地球の表面上に形成されるスポットビームのカバレージエリアは、比較的大きい(例えば、直径が数百又は数千キロメートル)場合がある。したがって、(例えば、より小さいスポットビームを使用することによって)周波数リソースの再利用を増加させるための現在のビームフォーミング技法の使用は、制限され得る。
【0007】
ビームフォーミングの分解能を増加させ、地理的エリア内の増加した量のユーザをサポートするために、本明細書に記載される技法は、アンテナアレイにわたって異なる素子間間隔を有するアンテナを有する大きいスパースアンテナアレイを使用し得る。現在のアンテナアレイは、固定的であり、一貫した素子間間隔を有する場合があり、したがって、現在の技法を使用する大きなアンテナアレイを開発することは実行不可能である場合がある。いくつかの例では、大きいスパースアンテナアレイは、フレキシブルアンテナアレイを使用することに基づいて、大きい距離(例えば、キロメートルよりも大きい)にわたる場合がある。場合によっては、フレキシブルアンテナアレイのアンテナ間の間隔は、固定的に設定されなくてもよく、したがって、アンテナアレイは、異なる素子間間隔を有してもよい。場合によっては、素子間間隔は、(例えば、互いに対するアンテナのドリフトに起因して)経時的に変化し得る。場合によっては、大きいスパースアンテナアレイのアンテナは、アンテナのセット(例えば、アンテナサブアレイ)にグループ化され得、アンテナの各セットは、ビーム(例えば、ディスカバリビーム)を形成するために使用され得る。また、大きいスパースアンテナアレイの複数のセットのアンテナは、1つ以上のビーム(例えば、1つ以上の通信ビーム)を形成するために使用され得る。
【0008】
大きいスパースアンテナアレイを使用して(例えば、それぞれのビーム係数と組み合わせて)、幾何学的解釈を使用して地理的エリア内にビームを形成し得る。そのような場合、ビーム係数は、地理的エリアに対するスパースアンテナアレイのアンテナの位置に基づいて選択され得る。いくつかの例では、地理的エリアに対するスパースアンテナアレイのアンテナの位置を判定する前に、アンテナ自体の位置が判定され得る。いくつかの例では、アンテナマネージャは、大きいスパースアンテナアレイのそれぞれのアンテナと結合され得る。アンテナマネージャは、測距信号を、(例えば、それぞれのアンテナを介して)送信し、(例えば、それぞれのアンテナを介して)受信するように構成され得る。測距信号を使用して、(例えば、アンテナマネージャによって)それぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離を表すパラメータを測定し得る。アンテナの位置は、測定されたパラメータ及び基準アンテナの位置に基づいて、(例えば、較正ユニットによって)判定され得る。アンテナの位置を判定することに基づいて、スパースアンテナアレイを使用して、アンテナの判定された位置を使用してアンテナアレイについて決定されたビーム係数に従って、(例えば、通信マネージャと組み合わせて)端末と通信し得る。
【0009】
図1は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする衛星通信システム100の一例を示す。衛星通信システム100は、地上システム135、端末120、及び衛星システム101を含み得る。
【0010】
地上システム135は、衛星システム101と通信するように構成されたアクセスノード140のネットワークを含み得る。アクセスノード140は、対応するアクセスノード140から受信され、それを通して送信されるべき信号を処理するように構成されたアクセスノードトランシーバ145に結合され得る。アクセスノードトランシーバ145はまた、例えば、ネットワーク125と通信するためのインターフェースを提供し得るネットワークデバイス130(例えば、ネットワークオペレーションセンタ、衛星及びゲートウェイ端末コマンドセンタ、又は他の中央処理センタ若しくはデバイス)を介して、ネットワーク125(例えば、インターネット)とインターフェースするように構成され得る。
【0011】
端末120は、信号を衛星システム101と通信するように構成された様々なデバイスを含み得、これは、固定端末(例えば、地上静止端末)又は船舶、航空機、地上車両などにある端末などの移動端末を含み得る。端末120は、衛星システム101を介してアクセスノード140とデータ及び情報を通信し得る。データ及び情報は、ネットワークデバイス130などの宛先デバイス、又はネットワーク125に関連付けられるいくつかの他のデバイス若しくは分散サーバで通信され得る。
【0012】
衛星システム101は、単一の衛星、又は宇宙軌道(例えば、低地球軌道、中地球軌道、静止軌道など)に配備された衛星のネットワークを含み得る。衛星システム101に含まれる1つ以上の衛星は、複数のアンテナ(例えば、1つ以上のアンテナアレイ)を備えてもよい。いくつかの例では、複数のアンテナを備えた1つ以上の衛星は、各々、均一に分散されたアンテナ(アンテナ素子と呼ばれることもある)のアレイを含む1つ以上のアンテナパネルを含み得る。いくつかの例では、衛星は、広い領域にわたって不均一に分散されたアンテナを含むアンテナアレイを備えてもよい。いくつかの例では、アンテナは、有線リンク又はワイヤレスリンクを介して中央エンティティに接続され得る。大きい領域にわたってアンテナを展開することは、(例えば、均一に分散されたアンテナを有する大きいアンテナアレイを製造及び展開することに関連する制限に起因して)均一に分散されたアンテナを含むアンテナアレイに対して衛星のアンテナアレイの開口サイズを増加させ得る。いくつかの例では、各々がアンテナを含む衛星のセットは、広い領域にわたって不均一に分散され、各衛星は、中央エンティティ(例えば、中央サーバ又は地上局)と通信し得る。そのような場合、衛星のセットのアンテナは、アンテナアレイを形成するために使用され得る。いくつかの例では、各々がアンテナサブアレイを含む衛星のセットは、広い領域にわたって不均一に分散され、各衛星は、中央エンティティ(例えば、中央サーバ又は地上局)と通信し得、アンテナサブアレイは、均一に分散されたアンテナのアレイを含み得る。そのような場合、衛星のセットのアンテナサブアレイは、アンテナアレイを形成するために使用され得る。
【0013】
衛星システム101は、例えば、ワイヤレススペクトルが地理的エリアの異なる地理的領域において時間及び周波数において再使用されることを可能にすることによって、通信のために使用される周波数リソースの利用を増加させるために、多入力多出力(MIMO)技法をサポートするために1つ以上の衛星を使用し得る。同様に、衛星システム101は、通信のために使用される周波数リソースの利用を増加させるために、ビームフォーミング技法をサポートするために1つ以上の衛星を使用し得る。
【0014】
MIMO技法は、異なる空間レイヤを介して複数の信号を送信又は受信することによって、マルチパス信号伝搬を活用し、スペクトル効率を増加させるために使用され得る。複数の信号は、例えば、重み付け係数のセットに従ってアンテナのセットを介して送信デバイス(例えば、衛星システム)によって送信され得る。同様に、複数の信号は、重み付け係数のセットに従ってアンテナのセットを介して受信デバイス(例えば、衛星システム)によって受信され得る。複数の信号の各々は、別個の空間ストリームに関連し得、同じデータストリーム(例えば、同じコードワード)又は異なるデータストリーム(例えば、異なるコードワード)に関連するビットを搬送し得る。MIMO技法は、複数の空間レイヤが1つのデバイスと通信するために使用されるシングルユーザMIMO(SU-MIMO)と、複数の空間レイヤが複数のデバイスと通信するために使用されるマルチユーザMIMO(MU-MIMO)とを含む。
【0015】
N個の空間レイヤが形成されるようにアンテナのセットに適用するための重み付け係数を決定するために、(M×N)MIMO行列が形成され得、Mは、アンテナのセットのアンテナの数を表し得る。いくつかの例では、Mは、Nに等しくなり得る。MIMO行列は、チャネル行列に基づいて決定され、チャネルの異なる空間レイヤを分離するために使用され得る。いくつかの例では、重み付け係数は、他の空間レイヤ中で送信された信号の干渉を低減しながら、異なる空間レイヤを使用して送信された信号を強調するように選択される。したがって、MIMO行列を使用してアンテナのセットを用いて各アンテナにおいて受信された信号(例えば、アンテナのセットにおいて受信された信号)を処理することは、複数の信号が出力されることをもたらし得、複数の信号の各々は、空間レイヤのうちの1つに対応し得る。チャネルの空間レイヤを形成するために使用されるMIMO行列の要素は、例えば、1つ以上のデバイスから衛星システム101において受信されたチャネルサウンディングプローブに基づいて決定され得る。いくつかの例では、MIMO通信のために使用される重み付け係数は、ビーム係数と呼ばれ得、複数の信号又は空間レイヤは、ビーム信号と称され得る。
【0016】
ビームフォーミング技法は、衛星システム101と地理的エリアとの間の空間経路に沿って通信ビームを成形又はステアリングするために使用され得る。通信ビームは、アンテナアレイに対して特定の向きに伝搬する信号が強め合う干渉を受ける一方で、他の信号が弱め合う干渉を受けるように、アンテナ素子から送信された信号又はアンテナ素子で受信された信号が結合されることをもたらすアンテナアレイのアンテナ素子に対する重み付け係数を決定することによって形成され得る。したがって、ビームフォーミングは、通信ビームの方向に集束されるエネルギーを有する信号を送信し、(ビームフォーミングの不在に対して)増加した信号電力で通信の方向に到着する信号を受信するために使用され得る。重み付け係数は、アンテナを介して搬送される信号に振幅オフセット、位相オフセット、又はその両方を適用するために使用され得る。いくつかの例では、アンテナに適用される重み付け係数は、複数の方向に関連する複数のビームを形成するために使用され得、複数のビームは、同じ周波数を有する複数の信号を同時に通信するために使用され得る。ビームフォーミングのために使用される重み付け係数は、ビーム係数と呼ばれ得、複数の信号は、ビーム信号と称され得る。
【0017】
いくつかの例では、地理的エリアにわたってタイル化される(例えば、モザイク化される)スポットビームを形成するために、衛星システム101によってビームフォーミング技法が使用され得る。いくつかの例では、衛星システム101によって使用されるワイヤレススペクトルは、端末120と衛星システムとの間の通信のためにスポットビームのセットにわたって再使用され得る。いくつかの例では、ワイヤレススペクトルは、重ならないスポットビームにおいて再使用され得、隣接する地理的領域は、各々が直交リソース(例えば、直交時間、周波数、又は偏波リソース)を使用する重なるスポットビームによってカバーされ得る。
【0018】
地理的エリア内の増加した数のユーザをサポートするために、アンテナアレイにわたって異なる素子間間隔を有するアンテナを有するアンテナアレイ(大きいスパースアンテナアレイと呼ばれ得る)が、ビームフォーミング技法の分解能を増加させるために使用され得る。すなわち、大きいスパースアンテナアレイは、小さいカバレージエリア(例えば、直径10キロメートル未満)を有する通信ビームを形成するために(例えば、それぞれのビーム係数と組み合わせて)使用され得る。アンテナアレイ105などの大きいスパースアンテナアレイは、エリア全体にわたって、例えば空間内に、不均一に分散された複数のアンテナユニット110(例えば、数百又は数千のアンテナ)を含み得る。いくつかの例では、各アンテナユニット110は、個々の衛星であるか、又は個々の衛星上に設置されている。他の例では、アンテナユニット110は、単一の衛星上に設置されており、各アンテナユニット110は、例えば物理的接続を介して、中央ロケーションにつながれている。
【0019】
追加的に、アンテナユニット110間の距離は、大きいスパースアンテナアレイによって通信のためにサポートされる信号の波長に関連する距離よりも大きくてもよく、例えば、アンテナユニット110間の距離は、波長に関連する距離よりも大きくてもよい。いくつかの例では、アンテナユニット110間の距離は、波長の10倍よりも大きくてもよい。いくつかの例では、アンテナアレイ105全体を通してなどで、アンテナユニット110のうちの第1のアンテナユニットとアンテナユニット110のうちの第2のアンテナユニットとの間の第1の距離(d)は、アンテナユニット110のうちの第2のアンテナユニットと第3のアンテナユニットとの間の第2の距離(d)とは異なり得る。
【0020】
いくつかの例では、大きいスパースアンテナアレイは、エリア全体にわたって不均一に分散された複数のアンテナサブアレイ(例えば、数十又は数百のアンテナサブアレイ)を含む。いくつかの例では、アンテナサブアレイは各々、アンテナユニット110のグループを含み得る。いくつかの例では、アンテナサブアレイは、単一のアンテナユニット110を含み得、このアンテナユニットは、対応するアンテナサブアレイ全体にわたって均一に分散されたアンテナ素子のセットを含むアンテナパネルと結合され得る。いくつかの例では、大きく、かつスパースであることに加えて、アンテナアレイ105は、アンテナアレイ105のアンテナユニット110間の距離が制御されない場合があるか、又は部分的に制御される場合がある(例えば、1つ以上の次元において制約されないか、又は他のアンテナユニット110に対して1つ以上の次元においてドリフトすることが可能である)ように、ランダム又は半ランダムであり得る。
【0021】
小さい通信ビームを形成するために、地理的領域と大きいスパースアンテナアレイ105のアンテナユニット110との間の幾何学的関係が使用され得る。いくつかの例では、地理的領域と大きいスパースアンテナアレイ105のアンテナユニット110との間の幾何学的関係は、例えば、信号入射の限定された方向、端末について既知のロケーション情報、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて、マッシブMIMO技法のために使用される処理を簡略化するためにも使用され得る。
【0022】
いくつかの例では、小さいカバレージエリアを有する通信ビーム117を使用して通信することをサポートするために、大きいスパースアンテナアレイ105が、地理的エリア150内にディスカバリビーム119を形成するために(例えば、それぞれのビーム係数と組み合わせて)使用され得、各ディスカバリビーム119は、アンテナアレイ105のアンテナユニット110の対応するセットによって形成され得、地理的エリア150内のディスカバリエリア155をカバーし得る。例えば、各サブアレイは、ディスカバリビーム119を形成してもよく、ディスカバリビームは、地理的エリア150全体にわたってタイル化され得る。ディスカバリビーム119のディスカバリエリア155内の端末120から送信されたプリアンブルは、大きいスパースアンテナアレイ105を使用して検出され得る(例えば、各サブアレイは、対応するディスカバリエリア155内から送信されたプリアンブルを検出し得る)。
【0023】
ディスカバリビーム119を使用してプリアンブルを検出することに基づいて、ディスカバリビーム119のディスカバリエリア155内の端末120の存在が判定され得る。端末120の存在を検出することに基づいて、アンテナアレイ105のアンテナユニット110のセット(例えば、2つ以上のサブアレイからのアンテナ、アンテナユニット110のかなりの部分、アンテナユニット110の大部分、又はアンテナユニット110の全て)及び対応するビーム係数は、端末120の位置を含むディスカバリエリア155内のビームカバレージエリア160を有する通信ビーム117(例えば、小さい又は細いビーム)を形成するように選択され得る。その後、アンテナアレイ105において検出された信号は、小さい通信ビーム117を形成するために使用されるビーム係数に従って処理され得、小さい通信ビーム117のためのビーム信号をもたらす。いくつかの例では、ビーム信号は、ビームカバレージエリア160内に位置付けられた1つ以上の端末から送信された1つ以上の信号を含み得る。
【0024】
いくつかの例では、アンテナアレイ105は、複数のアンテナサブアレイを含み、各アンテナサブアレイは、対応するディスカバリエリア155に関連するディスカバリビーム119を形成するために使用され得る。端末120のセットからのプリアンブルは、ディスカバリビーム119のサブセットを使用して検出され得る。ディスカバリビーム119のサブセットを使用して端末を検出することに基づいて、通信ビーム117は、対応するディスカバリエリア155内で(例えば、幾何学的解釈又はMIMOベースの技法を使用して)形成され得、通信ビーム117のビームカバレージエリア160は、検出された端末120を包含し得る。通信は、通信ビーム117を使用してアンテナアレイ105と検出された端末120との間で実行され得、通信ビーム117の少なくともサブセットは、共通の時間、周波数、及び偏波リソースを再使用し得る。
【0025】
通信ビーム117を形成するために使用されるアンテナアレイ105のビーム係数を決定するために(例えば、幾何学的解釈又は幾何学的に通知されたMIMOを使用して)、通信ビーム117によってカバーされる地理的領域とアンテナユニット110との間の幾何学的関係が使用され得る。例えば、アンテナユニット110と地理的領域との間の距離を使用して、アンテナユニット110で受信された信号に位相遅延を導入するために使用されるビーム係数の値を決定し得る。また、アンテナユニット110と地理的領域との間の幾何学的関係を使用して、アンテナユニット110での信号の到来角を判定してもよい。いくつかの例では、アンテナユニット110での信号の到来角を使用して、アンテナユニット110で受信された信号の大きさを調整するために使用されるビーム係数の値を決定し得る。いくつかの例では、アンテナユニット110の相対位置を使用して、アンテナユニット110のビーム係数を決定してもよく、例えば、他のアンテナユニット110のビーム係数は、基準アンテナユニット110のために決定されたビーム係数に対して決定されてもよい。
【0026】
アンテナユニット110と地理的領域との間の、及び/又はアンテナユニット110間の幾何学的関係を判定するために、アンテナユニット110の各々の位置が最初に判定され得る。例えば、地上ベースの測定技術(例えば、無線検出及び測距(RADAR))を使用して、各アンテナユニット110の位置(例えば、xyz座標)を判定し得る。追加的又は代替的に、アンテナユニット110は、例えばアンテナアレイ105の中央処理装置に、これらのアンテナユニットの位置をブロードキャストして、アンテナユニット110と中央位置との間の距離を判定してもよい。そのような場合、中央処理装置はまた、判定された距離とともに使用するブロードキャスト信号の各々についての到来角を測定して、ブロードキャストアンテナユニット110の位置を判定してもよい。
【0027】
いくつかの例では、各アンテナユニット110は、アンテナアレイ105における送信アンテナユニット110と他のアンテナユニット110との間の距離を判定するために使用される測距信号(例えば、固有の測距信号)を送信し得る。また、各アンテナユニット110は、他のアンテナユニット110から送信された測距信号を受信してもよい。そのような場合、各アンテナユニット110は、アンテナ111及びアンテナマネージャ112を含み得る。アンテナ111は、単一のアンテナ又は複数のアンテナであり得る。いくつかの例では、アンテナ111は、一貫して隔設されたアンテナ素子のセットを含む(アンテナサブアレイと呼ばれ得る)アンテナパネルであり得る。アンテナマネージャ112は、対応するアンテナユニット110に固有の測距信号を生成するために使用され得る。いくつかの例では、アンテナマネージャ112は、測距信号であって、対応するアンテナユニット110の識別子(例えば、各アンテナユニット110は、インデックスを割り当てられ得る)、測距信号がいつ送信されたかを示すタイムスタンプ、全地球測位(GPS)座標、又はそれらの任意の組み合わせを含む、測距信号を生成し得る。いくつかの例では、アンテナユニット110の各々は、測距信号を同時に送信するように構成されている。アンテナマネージャ112はまた、他のアンテナユニット110から送信された測距信号を受信するために使用されてもよい。いくつかの例では、アンテナマネージャ112を使用して、受信された測距信号に関連するパラメータ(例えば、測距信号が受信された時間、到来角、送信アンテナユニット110の識別子など)を検出する。
【0028】
いくつかの例では、アンテナマネージャ112は、検出されたパラメータを中央処理装置(例えば、較正ユニット)に送信することができ、中央処理装置は、アンテナユニット110の各々の間の距離(又は、いくつかの例では、アンテナユニット110のアンテナ111の各々の間の距離)を判定することができる。他の例では、アンテナマネージャ112は、検出されたパラメータに基づいて、それ自体と他のアンテナユニットの各々との間の距離を判定し、距離を中央処理装置に送信し得る。そのような場合、中央処理装置は、受信された距離を組み合わせて、アンテナユニット110の各々の間の距離を判定し得る。いずれの場合も、アンテナユニット110の各々の間の距離を判定した後、中央処理装置は、距離を使用して、アンテナユニット110の各々の位置を判定し得る。いくつかの例では、距離を使用することに加えて、中央処理装置は、基準アンテナユニット(アンカーアンテナユニットとも呼ばれ得る)として指定されたアンテナユニット110のセットの既知の位置を使用して、アンテナアレイ105の配向を判定する。中央処理装置は、アンテナアレイ105の距離及び配向の両方を使用して、アンテナユニット110の位置を判定し得る。アンテナユニット110の各々の位置を判定することは、較正と呼ばれ得る。
【0029】
各アンテナユニット110を、測距信号を送信するように、かつ他のアンテナユニット110から送信された測距信号を受信するように構成し、かつアンカーポイントを使用してアンテナアレイ105の配向を判定することによって、アンテナユニット110間の距離(及び、したがって、アンテナユニット110の位置)は、例えば地上ベースの測定技法、位置ブロードキャスト技法などに対して、低減された遅延、増加した精度、及び低減された複雑さで、判定され得る。
【0030】
図2は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートするスパースアンテナアレイ205の一例を示す。
【0031】
アンテナアレイ205は、アンテナアレイ205全体を通して不均一に分散され得るアンテナユニット210を含む。いくつかの例では、アンテナユニット210のセットは、基準アンテナユニットとして指定され得る。例えば、第1のアンテナユニット210-1、第2のアンテナユニット210-2、及び第3のアンテナユニット210-3は、基準アンテナユニットとして指定され得る。いくつかの例では、第1のアンテナユニット210-1のアンテナの位置は、アンテナアレイ205の原点として指定され得る。すなわち、三次元のxyz座標系が使用される場合、第1のアンテナユニット210-1のアンテナの位置は、(0,0,0)として指定され得る。各アンテナユニット210は、アンテナ211を含み得る。
【0032】
いくつかの例では、基準アンテナユニットとして指定された他のアンテナユニットの位置は、第1のアンテナユニット210-1の位置に対して決定され得る。例えば、第2のアンテナユニット210-2のアンテナは、第1のアンテナユニット210-1のアンテナからx方向にユニット間隔(例えば、既知の距離、通信信号の波長に相当する距離、又は通信信号の波長の倍数)離れて位置付けられ得る。すなわち、第2のアンテナユニット210-2のアンテナの位置は、(1,0,0)として指定され得る。第3のアンテナユニット210-3のアンテナは、y方向に第1のアンテナユニット210-1のアンテナからユニット間隔離れて位置付けられ得る。すなわち、第3のアンテナユニット210-3のアンテナの位置は、(0,1,0)として指定され得る。いくつかの例では、xyz座標系の軸は、固定ではなくてもよく、アンテナアレイ205の現在の配向にかかわらず、基準アンテナユニットのアンテナ間の先行する関係を維持するために、アンテナアレイ205とともに回転し得る。
【0033】
いくつかの例では、第4の基準アンテナユニットは、第1のアンテナユニット210-1からZ方向にユニット間隔離れて位置するアンテナを有する。すなわち、第4の基準アンテナユニットのアンテナの位置は、(0,0,1)として指定され得る。他の座標系、例えば極性座標系を使用して、アンテナアレイ205におけるアンテナユニット210の位置を表してもよい。
【0034】
いくつかの例では、基準アンテナユニットの上記の構成は、基準アンテナユニット間の固定的接続215を使用して維持され得る。例えば、固定的接続215-1は、アンテナユニット210-1と210-3とを接続することができ、固定的接続215-2は、アンテナユニット210-1と210-2とを接続することができる。他の例では、基準アンテナユニットの上記の構成は、コマンド及び制御シグナリングを介して軌道保持(例えば、スラスタ)などの他の技法を使用して維持され得る。
【0035】
追加的又は代替的に、他の基準アンテナユニットの位置を、地上ベースの測定技法を使用して判定してもよい。例えば、地上局は、RADARを使用して、基準アンテナユニットの各々の位置を判定してもよい。いくつかの例では、地上局は、RADARを使用して、第1のアンテナユニット210-1に対する他の基準アンテナユニットの位置を判定し得る。基準アンテナユニットの相対位置を維持するための機構が使用されず、かつ地上ベースの測定技法が使用される例では、基準アンテナユニットの位置は、上記とは異なるように構成されてもよく、例えば、第1のアンテナユニット210-1のアンテナの位置は、(0,0,0)であってもよく、第2のアンテナユニット210-2のアンテナの位置は、(2,0,1)であってもよく、第3のアンテナユニット210-3のアンテナの位置は、(0,1,3)であってもよい。
【0036】
本明細書に記載されているように、アンテナユニット210(基準アンテナユニットを含む)の各々は、測距信号220を送信し得る。アンテナユニット210によって送信される測距信号220の各々は、固有であってもよく、例えば、他のアンテナユニットに対して、第4のアンテナユニット210-4は、アンテナ211-4から、第4のアンテナユニット210-4に固有である第4の測距信号220-4(異なるアンテナユニット210によって受信される異なるコンポーネントが示されている)を送信してもよく、第5のアンテナユニットは、アンテナ211-5から、第5のアンテナユニット210-5に固有である第5の測距信号220-5(異なるアンテナユニット210によって受信される異なるコンポーネントが示されている)を送信してもよい、などである。
【0037】
いくつかの例では、測距信号は、送信アンテナユニットに固有である周波数範囲を使用して送信される。いくつかの例では、測距信号は、送信アンテナユニットに固有である変調シーケンスを使用して変調され得る。いくつかの例では、測距信号を変調するために使用される変調シーケンスは、送信アンテナユニットのアイデンティティを示すために使用され得る。測距信号220を送信するために使用される変調シーケンスは、互いに直交するように選択され得る。いくつかの例では、測距信号は、測距信号がいつ送信されたかを示すタイムスタンプ、測距信号を送信したアンテナユニットのアイデンティティ、測距信号を送信したアンテナユニットの最新のGPS座標などのような情報を含み得る。
【0038】
測距信号220は、帯域外周波数を使用して送信され得る。すなわち、測距信号220は、通信信号に使用される周波数帯域とは異なる(例えば、重ならない)周波数帯域を使用して送信され得る。いくつかの例では、測距信号220は、例えば測距信号の周波数が通信信号のキャリア周波数よりも高い場合があるように、通信信号に使用される周波数帯域よりも高い周波数帯域を使用して送信される。より高い周波数帯域を使用することは、測距信号の波長が、変調された通信信号の波長よりも小さいことを確実にし得る。いくつかの例では、測距信号は、60GHz以上の周波数帯域を使用して通信される。
【0039】
本明細書に記載されているように、各アンテナユニット210(基準アンテナユニットを含む)は、他のアンテナユニット210から送信された測距信号の各々のコンポーネントを受信し得る)。アンテナユニットのアンテナマネージャ212は、受信された測距信号220の各々を処理し得る。いくつかの例では、アンテナマネージャ212は、受信された測距信号220のパラメータを判定する。例えば、アンテナマネージャ212は、受信された測距信号220を送信したそれぞれのアンテナユニット210を判定し得る。アンテナマネージャ212はまた、測距信号220が受信された時間を判定し得る。いくつかの例では、タイミングコンポーネントは、アンテナユニット210にクロック又は時間基準を提供する。アンテナマネージャ212はまた、受信された測距信号220の到来角を判定してもよい。アンテナマネージャ212はまた、受信された測距信号220を送信したそれぞれのアンテナユニット210(例えば、アンテナ211)のGPS座標を判定してもよい。
【0040】
いくつかの例では、各アンテナユニット210は、受信された測距信号220に応答して、応答信号(例えば、応答信号225の)を送信する。そのような場合、アンテナユニット210は、応答信号225に基づくパラメータのセットを判定し得る。例えば、アンテナユニット210は、応答信号225が受信された時間、応答信号225の到来角、受信された応答信号225を送信したそれぞれのアンテナユニット210、受信された応答信号225を送信したそれぞれのアンテナユニット210のGPS座標、又はそれらの任意の組み合わせを判定し得る。応答信号225を伴う技法は、往復シグナリングと呼ばれ得る。
【0041】
いくつかの例では、アンテナマネージャ212は、判定されたパラメータを中央処理装置(例えば、中央処理装置)に送信し、中央処理装置は、これらのパラメータを使用して、アンテナアレイ205のアンテナユニット210(又はアンテナ211)の各々の間の距離を判定し得る。追加的又は代替的に、アンテナマネージャ212は、判定されたパラメータに基づいて、例えば、測距信号が送信された時間と測距信号が受信された時間とを、測距信号が移動する速度(例えば、光速)で除算して比較することによって、アンテナユニット210(又はアンテナ211)間の距離をアンテナマネージャ212自体で判定してもよい。いくつかの例では、アンテナマネージャ212は、共通の時間基準を使用することなく、例えば、往復信号が使用される場合に、測距信号が送信された時間と応答信号が受信された時間とを知ることに基づいて、他のアンテナユニットまでの距離を判定し得る。アンテナユニット210は、判定された距離を中央処理装置に送信し得る。例えば、アンテナユニット210-4及び210-5のアンテナマネージャ212-4及び212-5は、それぞれ、測距信号220-4及び220-5から判定された距離を中央処理装置に送信し得る。
【0042】
中央処理装置は、受信されたパラメータのセット又はアンテナユニットから受信された距離に基づいて、アンテナアレイ205のアンテナユニット210の各々の間の距離を判定し得る。中央処理装置は、判定された距離を使用して、アンテナユニット210の各々の位置を判定し得る。いくつかの例では、中央処理装置は、基準アンテナユニットを使用して、アンテナアレイ205の配向を判定し得る。中央処理装置は、判定された距離の両方と、基準アンテナユニットの既知の位置と、アンテナアレイの配向と、を使用して、アンテナユニットの各々の位置を判定し得る。アンテナユニットの各々の位置を判定するために中央処理装置によって使用される技法は、本明細書に、及び図3に関して、より詳細に記載されている。
【0043】
図3は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信ネットワーク300の一例を示す。
【0044】
通信ネットワーク300は、MIMO技法、幾何学的解釈技法、及び幾何学的に通知されたMIMO技法のうちの1つ以上を使用して通信するためのシステムを示す。通信ネットワーク300はまた、アンテナアレイ305を較正するためのシステムを示す。
【0045】
通信ネットワーク300は、アンテナアレイ305、バス315、ビームマネージャ320、較正ユニット340、プロセッサ347、通信マネージャ350、及びメモリ355を含み得る。通信ネットワーク300の少なくとも一部分(例えば、全て)は、通信ネットワーク300の空間セグメント内(例えば、衛星システム内)に位置し得る。いくつかの例では、空間セグメントに含まれない通信ネットワーク300の一部分は、通信ネットワーク300の地上セグメント内(例えば、地上システム内)に位置し得る。例えば、アンテナアレイ305、ビームマネージャ320、較正ユニット340、プロセッサ347、及びメモリ355は、通信ネットワーク300の空間セグメントに含まれ得るが、通信マネージャ350は、通信ネットワーク300の地上セグメントに含まれ得る。別の例では、アンテナアレイ305は、通信ネットワーク300の空間セグメントに含まれ得るが、ビームマネージャ320、較正ユニット340、プロセッサ347、メモリ355、及び通信マネージャ350は、通信ネットワーク300の地上セグメントに含まれ得る。
【0046】
アンテナアレイ305は、図1及び図2のアンテナアレイの一例であり得、アンテナユニット310を含み得る。アンテナユニット310は、図1及び図2を参照して記載したアンテナユニットの例であり得る。アンテナユニット310間の間隔は、アンテナアレイ305全体にわたって異なり得る。いくつかの例では、アンテナユニット310のうちの1つ以上は、図1を参照して記載したように、アンテナサブアレイ(一貫していない間隔を有するアンテナサブアレイ)に含まれ得るか、又はアンテナサブアレイ(例えば、一貫したアンテナ間隔を有するアンテナサブアレイ)を含み得る。いくつかの例では、アンテナユニット310間の距離(例えば、平均距離)は、アンテナアレイ305を使用して通信される信号の波長に関連する距離よりも大きい。いくつかの例では、アンテナユニット310間の距離(例えば、平均距離)は、アンテナアレイ305を使用して通信される信号の波長の10倍に関連する距離よりも大きい。
【0047】
アンテナユニット310は、アンテナ311及びアンテナマネージャ312を含み得る。いくつかの例では、アンテナ311は、一貫して隔設されたアンテナ素子を含む単一のアンテナ又はアンテナパネルであり得る。アンテナマネージャ312は、それぞれのアンテナユニット310からの測距信号の送受信を管理するために使用され得る。いくつかの例では、アンテナユニット310のサブセット(例えば、アンテナユニット310のうちの3つ以上)は、基準アンテナユニットとして指定されている。そのような場合、アンテナユニット310のサブセットの1つの基準アンテナユニットは、アンテナアレイ305の原点として指定され得、原点基準アンテナユニットと呼ばれ得る。すなわち、原点基準アンテナユニットは、(0,0,0)のxyz位置を有するものとして指定され得る。いくつかの例では、基準アンテナユニットは、アンテナアレイ305を含む衛星に対する絶対配向内のアフィン点セットである。
【0048】
いくつかの例では、原点基準アンテナユニットに対する他の基準アンテナユニットの位置は、既知であり得る。いくつかの例では、他の基準アンテナユニットの位置は、アンテナアレイ305のアーキテクチャに基づいて既知であり得る。例えば、アンテナアレイ305は、第2の基準アンテナが(1,0,0)のxyz位置を有し、かつ第3の基準アンテナが(0,1,0)のxyz位置を有するように構成され得る。いくつかの例では、アンテナアレイ305は、第4の基準アンテナが(0、0、1)のxyz位置を有するように構成され得る。いくつかの例では、xyz座標系の単位は、通信信号に使用される波長に相当する。また、いくつかの例では、座標系の軸は、アンテナアレイ305の現在の配向にかかわらず、上記の座標を維持するために、アンテナアレイ305とともに回転し得る。いくつかの例では、先行する座標で構成された基準アンテナユニットを取得するために、基準アンテナユニット間の固定的接続が使用され得る。
【0049】
他の例では、原点基準アンテナユニットに対する他の基準アンテナユニットの位置は、地上ベースの測定に基づいて既知であり得る。例えば、原点基準アンテナユニットに対する他の基準アンテナユニットの位置は、RADAR又は光検出及び測距(LIDAR)技法を使用して地上局で判定され得る。いくつかの例では、地上局は、基準アンテナユニットの位置を較正ユニット340にシグナリングし得る。
【0050】
バス315は、アンテナアレイ305と、通信ネットワーク300の信号処理コンポーネント(例えば、ビームマネージャ320及び較正ユニット340に信号を分配するために使用され得る中央ロケーションと、の間で信号が交換され得るインターフェースを表し得る。バス315は、アンテナの各々に接続するワイヤの集合を含み得る。追加的又は代替的に、バス315は、例えば通信プロトコルに従って、アンテナアレイ305と信号処理コンポーネントとの間でシグナリングをワイヤレスに通信するために使用されるワイヤレスインターフェースであり得る。
【0051】
ビームマネージャ320は、ディスカバリビーム、通信ビーム、幾何学的解釈ベースのビーム、MIMOベースのビームなどを含むビームを形成するように構成され得る。いくつかの例では、ビームマネージャ320は、アンテナアレイ305によってカバーされる地理的エリア(例えば、図1の地理的エリア150)内に1つ以上のディスカバリビーム(例えば、図1のディスカバリエリア155をカバーするディスカバリビーム)を形成するように構成され得る。ディスカバリビームを形成するために、アンテナユニット310のアンテナ311のセットのネイティブアンテナパターンが使用され得るか、又はビームフォーミング技法、MIMO技法、若しくはそれらの組み合わせと組み合わせられ得る。
【0052】
ビームマネージャ320はまた、1つ以上の通信ビーム(例えば、図1のビームカバレージエリア160を形成する通信ビーム)を形成するように構成され得る。通信ビームを形成するために、幾何学的解釈ベースのビームフォーミング技法、MIMO技法、又は幾何学的に通知されたMIMO技法が使用され得る。ビームマネージャ320は、幾何学的コンポーネント325とMIMOコンポーネント330とを含み得る。
【0053】
幾何学的コンポーネント325は、端末の位置とアンテナアレイ305のアンテナユニット310のセット(例えば、最大で全てを含む)との間の幾何学的関係を使用して、小さい通信ビーム(例えば、10kmよりも小さいか、又は5kmよりも小さい直径を有する通信ビーム)を形成するように構成され得る。いくつかの例では、幾何学的コンポーネント325は、アンテナユニット310の異なるアンテナ311において検出された信号を時間的に位置合わせするために使用され得るビーム係数(例えば、位相シフト、振幅コンポーネント)を決定し得、その結果、信号は、端末の空間ロケーションに従って一緒に加算され得、検出された信号の各々に関連する送信信号の信号強度を増加させる。いくつかの例では、幾何学的コンポーネント325は、第1のビームカバレージエリアに関連するビーム係数の第1のセット、第2のビームカバレージエリアに関連するビーム係数の第2のセットなどを決定し得る。したがって、幾何学的コンポーネント325は、ビーム係数の複数のセットを独立して決定し、これらをアンテナアレイ305から受信された信号に適用し得、ビーム係数の各セットは、異なるビームカバレージエリアに関連する。
【0054】
MIMOコンポーネント330は、MIMOベースのビームを形成するためにマルチパス信号伝搬を使用するように構成され得る。いくつかの例では、MIMOコンポーネント330は、送信機(例えば、端末)のセットからチャネルサウンディングプローブを受信し得、チャネルサウンディングプローブの構造はMIMOコンポーネント330に知られ得、異なる送信機から送信されたチャネルサウンディングプローブは互いに直交し得る。MIMOコンポーネント330は、チャネルサウンディングプローブを使用して、アンテナアレイ305と送信機との間のチャネルを推定し得る。推定されたチャネルに基づいて、MIMOコンポーネント330は、チャネルの空間レイヤを明らかにするために使用され得るビーム係数(例えば、振幅及び位相シフト)を決定し得る。いくつかの例では、MIMOコンポーネント330は、例えば、各空間レイヤにおいて、空間レイヤ内で送信された信号を強調し、他の空間レイヤ内で送信された信号からの干渉をキャンセルすることによって、空間レイヤ上で送信された信号を互いから分離するために使用され得るビーム係数を決定し得る。MIMOコンポーネント330は、アンテナアレイ305においてアンテナユニット310のアンテナ311のセット(例えば、全て)において検出された信号に適用されるビーム係数の単一のセットを決定し得る。ビーム係数は、M×N行列に含まれ得、Mの値は、アンテナユニット310の数を示し得、Nの値は、空間レイヤの数を示し得、Nの値は、Mの値以下であり得る。
【0055】
較正ユニット340は、アンテナアレイ305のアンテナユニット310(又はアンテナ311)の各々の位置(例えば、座標)を判定するように構成され得る。較正ユニット340は、アンテナアレイ305のアンテナユニット310(又はアンテナ311)の各々の間の距離を判定するように構成され得る。較正ユニット340は、アンテナアレイ305の配向を判定するように構成され得る。いくつかの例では、較正ユニット340は、アンテナユニット310の各々とアンテナアレイ305の配向との間の判定された距離を使用して、アンテナユニット310(又はアンテナ311)の各々の位置を判定する。いくつかの例では、ビームマネージャ320(例えば、幾何学的コンポーネント325又はMIMOコンポーネント330のいずれか)は、較正ユニット340によって判定されたアンテナユニット310の位置を使用して、アンテナアレイ305のビーム係数を決定して、1つ以上の端末、ディスカバリビーム、又はその両方と通信するための通信ビームを形成し得る。較正ユニット340は、測位コンポーネント341、測定コンポーネント342、及びタイミングコンポーネント343を含み得る。
【0056】
測位コンポーネント341は、基準アンテナユニットとして指定されたアンテナユニット310のセットの位置を判定するように構成され得る。いくつかの例では、測位コンポーネント341は、アンテナアレイ305のアーキテクチャに基づいて、基準アンテナユニットの位置を判定する。例えば、測位コンポーネント341は、第1の基準アンテナユニットがアンテナアレイ305の原点(例えば、(0,0,0))にあり、第2の基準アンテナユニットが第1の軸に沿って原点からユニット間隔離れた点(例えば、(1,0,0))にあり、かつ第3の基準アンテナユニットが第2の軸に沿って原点からユニット間隔離れた点(例えば、(0,0,1))にあると判定し得る。いくつかの例では、基準アンテナユニットは、基準アンテナユニット間のこの幾何学的関係を維持する固定的接続によって互いに接続され得る。いくつかの例では、基準アンテナユニットの軌道は、この幾何学的関係を維持するように制御され得る。そのような場合、座標系は、基準アンテナユニット間のこの幾何学的関係を維持するために、アンテナアレイ305とともに回転し得る。
【0057】
いくつかの例では、測位コンポーネント341は、基準アンテナユニットによってブロードキャストされる測位座標に基づいて、例えば固定座標系に従って、基準アンテナユニットの位置を判定する。いくつかの例では、測位コンポーネント341は、基準アンテナユニットの各々の位置を測定する地上測距局から受信された基準アンテナユニットの測位座標に基づいて、基準アンテナユニットの位置を判定する。
【0058】
測定コンポーネント342は、アンテナユニット310(又はアンテナ311)の各々の間の距離を判定するように構成され得る。いくつかの例では、測定コンポーネント342は、アンテナユニット310から受信されたパラメータのセットに基づいて、アンテナユニット310(又はアンテナ311)の各々の間の距離を判定し、パラメータのセットは、送信タイムスタンプ及び受信タイムスタンプを含み得る。いくつかの例では、測定コンポーネント342は、アンテナユニット310によって判定され、かつアンテナユニット310から受信された距離に基づいて、アンテナユニット310の各々の間の距離を判定する。いくつかの例では、測定コンポーネント342は、地上ベースの測距局から受信された距離に基づいて、アンテナユニット310の各々の間の距離を判定する。いくつかの例では、距離は、主通信周波数の波長の倍数、例えば、通信帯域幅でカバーされる最低周波数、中心周波数、又は最高周波数として表される。例えば、通信帯域幅が240MHz~380MHzの範囲である場合、測定の単位として使用される波長は、240MHz、310MHz、又は380MHzの波長として選定され得る。他の例では、距離は、主通信周波数に関連する異なる波長の倍数(例えば、通信帯域幅の最高周波数の2倍に対応する波長)として表され得る。
【0059】
いくつかの例では、測定コンポーネント342は、判定された距離を、ユークリッド距離行列と呼ばれ得る行列形態で配置し得る。例えば、測定コンポーネント342は、アンテナユニットの全てについて、第1の行に、第1のアンテナユニットと他のアンテナユニット(第1のアンテナユニット自体を含む)との間の判定された距離を配置することができ、第2の行に、第2のアンテナユニットと他のアンテナユニット(第2のアンテナユニット自体を含む)との間の判定された距離を配置することができる、などである。そのような行列を、
と表すことができ、ここで、d1,1は、第1のアンテナユニットと第1のアンテナユニット自体との間の距離を表し、d1,Nは、第1のアンテナユニットと第Nのアンテナユニットとの間の距離を表し、dN,1は、第Nのアンテナユニットと第1のアンテナユニットとの間の距離を表し、dN,Nは、第Nのアンテナユニットと第Nのアンテナユニットとの間の距離を表す。そのような行列は、例えばアンテナユニットとそのアンテナユニット自体との間の距離がゼロに等しくなり得るため、対角線に沿ってゼロを有し得る。また、行列は、対称であってもよく、すなわち、無雑音測定を仮定すると、di,jは、dj,iに等しくてもよい。したがって、また、行列を
と表してもよく、行列内のエントリdi,jは、
に等しくてもよく、これは、
と同等であり得、これは、
と同等であり得る。
【0060】
測定コンポーネント342はまた、アンテナアレイ305の配向を判定するように構成されてもよい。いくつかの例では、測定コンポーネント342は、基準アンテナユニットに基づいて、アンテナアレイ305の配向を判定し得る。場合によっては、測定コンポーネント342は、固定座標系に対する基準アンテナユニットの測位座標を受信し、かつ基準アンテナユニット間の所望の幾何学的関係を提供する回転された座標系(例えば、(0,0,0)、(1,0,0)、(0,1,0))を判定することに基づいて、アンテナアレイ305の配向を判定してもよい。測定コンポーネント342は、アンテナアレイ305の配向を判定するために、固定座標系と回転された座標系とを比較し得る。他の場合、測定コンポーネント342は、アンテナユニット310から回転情報を受信し得、アンテナマネージャ312は、アンテナユニット310の位置と固定座標系の位置との間のオフセットを判定し得る。
【0061】
測位コンポーネント341は、例えばアンテナユニット310の各々の間の判定された距離に基づいて、アンテナユニット310の位置を計算するように更に構成され得る。測位コンポーネント341は、アンテナユニットの位置を行列形態で配置し得る。例えば、第1のアンテナユニットの位置は、行列Pの第1の列で表され得、第2のアンテナユニットの位置は、行列の第2の列で表され得る、などである。そのような行列は、
と表され得る。いくつかの例では、アンテナユニットのサブセット、例えば基準アンテナユニットの位置は、既知である。そのような場合、行列は、
と表され得る。測位コンポーネント341は、ユークリッド距離行列に基づいて、アンテナユニットの未知の位置に対応するx座標、y座標、及びz座標を計算し得る。いくつかの例では、判定された行列Pは、
と表され得る行列Rによって、固定座標系に対して回転され得る。
【0062】
タイミングコンポーネント343は、アンテナユニット310に共通の時間基準を提供するように構成され得る。いくつかの例では、タイミングコンポーネント343は、アンテナユニット310がこれらのアンテナユニット310の内部クロックを同期させることを可能にする1つ以上の信号を(例えば、定期的に)送信するように構成されている。
【0063】
較正ユニット340はまた、カルマンフィルタを含んでもよい。いくつかの例では、測定コンポーネント342によって受信された測定値(例えば、パラメータのセット)は、カルマンフィルタに適用され、アンテナユニット310の位置のモデルを更新するために使用され得る。そのような場合、アンテナユニット310が決定論的に移動している場合、カルマンフィルタの結果は、後でアンテナユニット310の位置を予測するために使用され得る。
【0064】
いくつかの例では、測位コンポーネント341は、例えば、複数の他のアンテナユニット310で受信された、アンテナユニット310によって送信された測距信号の信号強度測定値と、アンテナユニット310のアンテナ111の既知の放射パターンと、を使用して、アンテナユニット310のアンテナ(例えば、アンテナ111)の配向を計算するように更に構成され得る。例えば、アンテナ111の配向は、アンテナユニット310間で判定された相対距離を考慮して、測距信号の相対信号強度測定値を比較することによって、判定され得る。
【0065】
通信マネージャ350は、ビームマネージャ320から受信されたビーム信号を処理するように構成され得る。通信マネージャ350は、ビーム信号に含まれるデータシンボルを復号し得る。いくつかの例では、通信マネージャ350は、ビームマネージャ320において異なるモードを構成し得る。例えば、通信マネージャ350は、地理的エリア内の端末をディスカバリするために使用されるビームマネージャ320において第1のモードを構成し得る。第1のモードが構成されている間、ビームマネージャ320は、ビームフォーミング及び/又はMIMO技法を使用して、ディスカバリエリアを形成し得る。通信マネージャ350はまた、小さいビームを使用して地理的エリア内の端末と通信するために使用される第2のモードをビームマネージャ320において構成し得る。第2のモードが構成されている間、ビームマネージャ320は、幾何学的解釈を使用して、ディスカバリされた端末と通信するためのビームカバレージエリアを形成し得る。
【0066】
プロセッサ347は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路()、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理コンポーネント、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせ)を含み得る。プロセッサ347は、通信ネットワーク300に様々な機能(例えば、スパースアンテナアレイ較正をサポートする機能又はタスク)を実行させるために、メモリ(例えば、メモリ355)に格納されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。例えば、通信ネットワーク300又は通信ネットワーク300のコンポーネントは、プロセッサ347と、プロセッサ347に接続されたメモリ355とを含み得、これらは、本明細書に記載される様々な機能を実行するように構成されている。
【0067】
メモリ355は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)を含み得る。メモリ355は、コンピュータ可読及びコンピュータ実行可能なコードを格納し得る。コードは、プロセッサ347によって実行されるときに、通信ネットワーク300に、本明細書に記載される様々な機能を実行させる命令を含み得る。コード360は、システムメモリ又は別のタイプのメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に格納され得る。場合によっては、コード360は、プロセッサ347によって直接実行可能でなくてもよいが、(例えば、コンパイルされて実行されると)コンピュータに、本明細書に記載される機能を実行させ得る。場合によっては、メモリ355は、とりわけ、周辺コンポーネント又はデバイスとの対話などの基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得る基本I/Oシステム(BIOS)を含み得る。
【0068】
いくつかの例では、ビームマネージャ320、較正ユニット340、通信マネージャ350、又はそれらの様々な組み合わせ若しくはコンポーネントは、ハードウェアで(例えば、通信管理回路で)実装され得る。ハードウェアは、プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、若しくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本開示に記載された機能を実行するための手段として構成されるか、若しくは別様にサポートする、それらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例では、プロセッサ及びプロセッサに結合されているメモリは、(例えば、メモリに格納された命令をプロセッサによって実行することによって)本明細書に記載される機能のうちの1つ以上を実行するように構成され得る。
【0069】
追加的又は代替的に、ビームマネージャ320、較正ユニット340、通信マネージャ350、又はそれらの様々な組み合わせ又はコンポーネントは、プロセッサ347によって実行されるコード360で(例えば、通信管理ソフトウェア又はファームウェアとして)実装され得る。プロセッサ347によって実行されるコード360で実装される場合、ビームマネージャ320、較正ユニット340、通信マネージャ350、又はそれらの様々な組み合わせ若しくはコンポーネントの機能は、汎用プロセッサ、DSP、中央処理装置(CPU)、ASIC、FPGA、又はこれら若しくは他のプログラマブル論理デバイスの任意の組み合わせ(例えば、本開示に記載された機能を実行するための手段として構成されるか、若しくは別様にサポートする)によって実行され得る。
【0070】
測距局365は、アンテナアレイ305の幾何学的情報を判定するように構成され得る。いくつかの例では、測距局365は、基準アンテナユニットとして指定されたアンテナユニット310のセットの位置を判定するように構成され得る。測距局365はまた、アンテナユニット310の各々の間の距離を判定するように構成されてもよい。測距局365は、地上ベース又は衛星ベースであり得る。
【0071】
図4は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信サブシステム400の一例を示す。通信サブシステム400は、アンテナアレイ405のアンテナユニット410と端末420との間の幾何学的関係を使用して処理される、アンテナアレイ405と端末420との間の通信を示す。いくつかの例では、信号の第1のセット425(信号425-1~425-M)は、第1の端末420-1とアンテナアレイ405との間で送信され、信号の第2のセット430(例えば、信号430-1~430-N)は、第2の端末420-2とアンテナアレイ405との間で送信される。いくつかの例では、信号の第1のセット425は、第1の端末420-1からアンテナアレイ405に送信される単一の信号(例えば、プリアンブル又はデータ信号)に関連し得、信号の第1のセット425は、第1の端末420-1から送信される信号のコンポーネント(例えば、マルチパスコンポーネント)であってもよい。他の例では、信号の第1のセット425は、第1の端末420-1への送信のためにアンテナアレイ405において取得された単一の信号(例えば、プリアンブル応答又はデータ信号)に関連し得、信号の第1のセット425は、アンテナアレイ405から送信された信号のコンポーネント(例えば、要素)であってもよい。同様に、信号の第2のセット430は、第2の端末420-2からアンテナアレイ405に送信される単一の信号(例えば、プリアンブル又はデータ信号)、又は第2の端末420-2への送信のためにアンテナアレイ405において取得される単一の信号(例えば、プリアンブル応答又はデータ信号)に関連し得る。
【0072】
いくつかの例では、アンテナユニット410の第1のセット及び第1のビーム係数が、ディスカバリエリア455を有するディスカバリビーム419を形成するために使用される。アンテナユニット410の第1のセット及び第1のビーム係数を使用してアンテナアレイ405において受信された信号は、端末の存在を示すプリアンブルが信号に含まれているかどうかを判定するために分析され得る。いくつかの例では、第1の端末420-1の存在が、第1の端末420-1がプリアンブルを送信することに基づいて検出され、信号の第1のセット425は、プリアンブル送信の信号コンポーネントであり得る。プリアンブルは、繰り返し波形を含み得る。いくつかの例では、波形は、送信前に拡散コードで変調され得るか、又はプリアンブルをスプーフィングすることに関連する困難性を増加させるために符号化データを含み得る。プリアンブルはまた、例えば、プリアンブルの第2のパートにおいて、測位情報を含み得る。
【0073】
いくつかの例では、第1の端末420-1の位置は、プリアンブルに含まれる測位情報に基づいて決定され得る。追加的又は代替的に、第1の端末420-1の位置は、第1の端末420-1の存在を検出した後に、ディスカバリエリア455の周りのビームカバレージエリアをディザリングすることに基づいて決定され得る。第1の端末420-1の位置は、第1のビームカバレージエリア460-1に関連する信号品質が、閾値を満たすか、ディザリング動作によってカバーされる他のビームカバレージエリアに関連する信号品質よりも高いか、又はその両方に基づいて決定され得る。第2の端末420-2の存在及び位置は、同様に、第2の端末420-2から送信されたプリアンブルに基づいて検出されてもよく、信号の第2のセット430は、プリアンブル送信の信号コンポーネントであってもよい。同様に、第2の端末420-2の位置は、第2の端末420-2の存在を検出した後に、ディスカバリエリア455の周りのビームカバレージエリア460-2をディザリングすることに基づいて判定されてもよい。
【0074】
第2のビーム係数は、第1の端末420-1の位置に基づいて第1の端末420-1に対して決定されてもよい。第2のビーム係数はまた、第1の端末420-1に対するアンテナユニット410の位置に基づいて決定されてもよく、アンテナユニット410の位置は、上述したように判定され得る。場合によっては、第2のビーム係数はまた、アンテナユニット410の判定された配向に基づいて決定されてもよく、アンテナユニットの配向は、上述したように判定され得る。第2のビーム係数は、アンテナユニット410の第2のセットとともに、第1のビームカバレージエリア460-1を有する第1の通信ビーム417-1の形成において使用され得る。第2のビーム係数は、第1のビームカバレージエリア460-1内で送信された信号が隣接するビームカバレージエリア内で送信された信号と区別可能であるように、アンテナユニット410の第2のセットの異なるアンテナにおいて検出された信号にタイミングシフト(例えば、位相シフト)又は振幅重み付けを適用するために使用され得る。いくつかの例では、第2のビーム係数は、M×1ベクトルを使用して表され得、Mは、アンテナユニット410の第2のセットのアンテナの数(例えば、100個のアンテナ、1000個のアンテナなど)を表し得る。場合によっては、M×1ベクトルは、アンテナユニット410の全てについての係数を含み得、いくつかの係数は、0係数であり得る(例えば、第1の通信ビーム417-1に寄与するアンテナユニット410の第2のセットは、アンテナユニット410のサブセットであり得る)。
【0075】
第3のビーム係数は、第2の端末420-2に対して同様に決定されてもよい。いくつかの例では、第3のビーム係数は、M×1ベクトルを使用して表され得、Mは、アンテナユニット410の第3のセットのアンテナの数(例えば、100個のアンテナ、1000個のアンテナなど)を表し得る。いくつかの例では、アンテナユニット410の第3のセットとアンテナユニット410の第2のセットとは、(例えば、部分的に又は完全に)重複している。
【0076】
いくつかの例では、ディスカバリビーム419に関連するアンテナユニット410の第1のセットは、ディスカバリエリア460内の信号の第1のセット425を検出し得、第1の通信ビーム417-1を形成するために使用される第2のビーム係数が決定され得る。決定に基づいて、第2のビーム係数は、第1の通信ビーム417-1に関連するアンテナユニット410の第2のセットによって出力される(例えば、第1の端末420-1によって送信される後続のデータ信号に対応する)検出された信号の後続のセットに適用され得る。いくつかの例では、アンテナユニット410の第2のセットは、アンテナアレイ405におけるアンテナユニット410の大部分(例えば、50%、60%、70%、80%、又は90%よりも大きい)を含む。場合によっては、アンテナユニット410の第2のセットは、ディスカバリビーム419に関連するアンテナユニット410の第1のセットの一部分(又は全て)を含み得、アンテナユニット410の第2のセットは、アンテナユニット410の第1のセットよりも多い数のアンテナユニット410を含み得る。
【0077】
ディスカバリビーム419に関連するアンテナユニット410の第1のセットはまた、ディスカバリエリア460内の信号の第2のセット430を検出し得、第2の通信ビーム417-2を形成するために使用される第3のビーム係数が決定され得る。決定に基づいて、第3のビーム係数は、第2の通信ビーム417-2に関連するアンテナユニット410の第3のセットによって出力される(第2の端末420-2によって送信された後続のデータ信号に対応する)検出された信号の後続のセットに適用され得る。アンテナユニット410の第3のセットは、アンテナユニット410の第2のセットと重複してもよく、例えば、アンテナユニット410の第2のセットの一部分を含むか、又はアンテナユニット410の第2のセットと同じであってもよい。アンテナユニット410の第2のセットはまた、アンテナアレイ405におけるアンテナユニット410の大部分(例えば、50%、60%、70%、80%、又は90%よりも大きい)を含み得る。
【0078】
信号図401は、第1の通信ビーム417-1に関連するアンテナユニット410の第2のセットにおいて検出された素子信号の第1のセット435(例えば、素子信号435-1~435-M)と、第2の通信ビーム417-2に関連するアンテナユニット410の第3のセットにおいて検出された素子信号の第2のセット440(例えば、素子信号440-1~440-N)と、を示す。信号図401はまた、素子信号の第1のセット435及び素子信号の第2のセット440がそれぞれのアンテナにおいて検出されるときに関連する時間遅延を示す。素子信号の第1のセット435は、信号の第1のセット425に対応し得、素子信号の第2のセット440は、信号の第2のセット430に対応し得る。いくつかの例では、素子信号の第1のセット435及び信号の第1のセット425は、第1の端末420-1から送信されたデータ信号に関連し得る。また、素子信号の第2のセット440及び信号の第2のセット430は、第2の端末420-2から送信されたデータ信号に関連し得る。
【0079】
信号図401はまた、第1のビーム係数464-1(第1の通信ビーム417-1を形成するために使用される第2のビーム係数に対応し得る)を素子信号の第1のセット435に適用して、結果として生じる素子信号465(例えば、素子信号465-1~465-M)を取得した結果を示す。いくつかの例では、第1のビーム係数464-1の各ビーム係数は、アンテナユニット410の第2のセットのそれぞれのアンテナに適用され得る。第1のビーム係数464-1の各ビーム係数は、それぞれのアンテナ素子において受信された信号に時間遅延(例えば、位相シフト)若しくは振幅重み、又はその両方を適用するために使用されてもよく、そのため、結果として生じる素子信号465が時間的に位置合わせされ、互いに組み合わされて(例えば、加算コンポーネント466を介して加算されて)、第1の通信ビーム417-1のための第1のビーム信号475-1を形成してもよく、第1のビーム信号475-1の信号対雑音比(SNR)値は、素子信号465の数に比例してもよい。いくつかの例では、加算コンポーネント466は、それぞれの通信ビームのために取得された素子信号を加算するために使用される別個の加算コンポーネントを含み得る。
【0080】
第2のビーム係数464-2(第2の通信ビーム417-2を形成するために使用される第3のビーム係数に対応し得る)は、同様に、素子信号の第2のセット440に適用され得、結果として生じる素子信号470(例えば、素子信号470-1~470-N)は、第2の通信ビーム417-2のための第2のビーム信号475-2を取得するために組み合わされ得る(例えば、加算コンポーネント466を介して加算され得る)。したがって、通信ビーム417を形成するために使用されるビーム係数は、独立して決定され、アンテナユニット410において受信される信号に適用され得る。
【0081】
いくつかの例では、第1の端末420-1からの関連するデータ信号及び第2の端末420-2からの関連するデータ信号の送信は、時間的に互いに(例えば、部分的に又は完全に)重複し得る。そのような場合、素子信号の第1のセット435及び素子信号の第2のセット440は、重畳されて、複合信号を形成し得る。また、そのような場合、第1のビーム係数464-1は、複合信号に適用されて、結果として生じる素子信号465を取得し得、第2のビーム係数464-2は、複合信号に適用されて、結果として生じる素子信号470を取得し得る。そのような場合、複合信号内の望ましくない信号は、結果として生じるビーム信号475内の雑音をもたらす場合があり、多数の素子信号に対してキャンセルされるように近づく場合がある。
【0082】
いくつかの例では、複数の通信ビーム417から受信されたビーム信号を決定するために、以下の式が使用され得る。
式中、
は、アンテナのセットのうちのi番目のアンテナで受信された信号に対応し、fは、信号の搬送波周波数であり、tは、現在の時間であり、
は、信号がi番目のアンテナで受信される時間であり、
は、i番目のアンテナで受信された信号と、アンテナのセットで受信された最も早い信号と、の間の時間遅延の量子化された推定値であり、
は、信号の位相である。i番目のアンテナで列挙された信号と、アンテナのセットで受信された最も早い信号と、の間の時間遅延は、各i番目のアンテナにおけるアレイ全体にわたる遅延拡散を表す。個々の遅延を減算することは、全ての信号サンプルを、例えば、それらが全て「最も早い信号」到着ロケーションにおいてコロケートされているかのように、位置合わせし得る。
【0083】
図5は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正をサポートする通信サブシステム500の一例を示す。通信サブシステム500は、MIMO処理又は幾何学的に通知されたMIMO処理を使用して処理しているアンテナアレイ505と端末520との間の通信を示す。いくつかの例では、第1の端末520-1は、図5の第1の端末520-1の一例であり、第2の端末520-2は、図5の第2の端末520-2の一例である。
【0084】
端末520とアンテナアレイ505との間の通信経路は、チャネルと呼ばれることがある。チャネルは、複数の空間レイヤから構成され得、アンテナアレイ505の複数のアンテナユニット510は(ビーム係数のセットとともに)、チャネルの空間レイヤを公開するために使用され得る。いくつかの例では、(MIMO係数と呼ばれることもある)ビーム係数のセットは、(通信ビーム又はMIMOビームと呼ばれることもある)第1の端末520-1を包含するチャネルの第1の空間レイヤと、第2の端末520-2を包含するチャネルの第2の空間レイヤとを公開するように選択される。
【0085】
いくつかの例では、ビーム係数は、端末520から送信されたチャネルサウンディングプローブに基づいて決定される。チャネルサウンディングプローブは、通信ネットワークに知られており、空間レイヤがそれぞれの端末(又は端末のグループ)にフォーカスされることを保証するようにビーム係数を適応させるために使用され得る信号パターンを有し得る。チャネルサウンディングプローブは、互いに直交してもよい。最大比合成(MRC、maximum ratio combining)、最小平均二乗誤差(MMSE、minimum mean square error)、ゼロフォーシング、逐次干渉キャンセル、最尤推定、又はニューラルネットワークMIMO検出技法などの推定技法を使用して、アンテナアレイ505と端末520との間のチャネルを推定し、ビーム係数を決定してもよい。ビーム係数は、複数の端末から受信されたチャネルサウンディングプローブを使用して形成されるので、結果として生じるビーム係数は、異なる空間レイヤにおいて送信されたチャネルサウンディングプローブに依存し得る。すなわち、ビーム係数は、互いに対するチャネルサウンディングプローブからの干渉を減少させるように決定され得、1つのビーム係数に対する変更は、他のビーム係数に対する変更をもたらし得る。したがって、ビーム係数は、単一のMIMO行列(例えば、M×N行列、Mは、アンテナユニット510の数を表し得、Nは、空間ストリームの数を表し得る)に含まれ得、行列の要素は、互いに依存し得る。
【0086】
いくつかの例では、ビーム係数を決定するための動作は、高レベルの処理を使用し、非常に複雑である。処理の量及び複雑さは、アンテナの数が増加するにつれて、及び空間ストリームの数が増加するにつれて増加し得る。いくつかの例では、端末520とアンテナユニット510との間の幾何学的関係は、例えば、チャネル行列を制約すること、可能なビーム係数のセットを低減すること、又はその両方によって、ビーム係数を決定するための動作を簡略化するために使用され得る。いくつかの例では、チャネルサウンディングプローブは、端末520及びアンテナアレイ505の相対位置に基づいて、より少ない散乱を受け得る。したがって、チャネルサウンディングプローブを使用して推定されたチャネルは制約され得、これは、ビーム係数を決定することに関連する複雑さを低減し得る。
【0087】
端末520とアンテナユニット510との間の幾何学的関係は、以下の理由のうちの1つ以上のために、可能なビーム係数のセットが低減されることを可能にし得、すなわち、空間内のアンテナの位置は、地上用途に考慮される散乱及びマルチパスコンポーネントの量を低減し得ること、空間内のアンテナの位置は、端末520から送信された信号が到来し得る角度を低減し得ること、異なるアンテナユニット510における時間遅延は、ビーム係数の決定を容易にする空間情報を決定するために利用され得ること、などである。
【0088】
信号図501は、アンテナアレイ505で受信される素子信号535の第1のセット(例えば、素子信号535-1、535-2、535-3~535-M)を示し得、各素子信号535は、それぞれのアンテナで受信され得、例えば、第1の素子信号535-1は、アンテナユニット510の第1のアンテナに対応し得る。各素子信号535は、ダイレクトパス信号及びマルチパス信号を含む、第1の端末520-1及び第2の端末520-2から(及び、いくつかの例では、他の端末から)送信された信号に関連する信号コンポーネントを受信し得る。
【0089】
MIMO行列540は、素子信号535に適用されてもよく、MIMO行列540の要素は、端末のセットから送信されるチャネルサウンディングプローブを使用して事前に決定されてもよい。MIMO行列540が素子信号535に適用された後に、ビーム信号575のセット(例えば、ビーム信号575-1~575-N)が出力され得、ビーム信号575は、MIMO行列540によって公開されたチャネルのそれぞれの空間レイヤに関連し得る。
【0090】
図6は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正のための動作の例示的なセットを示す。プロセスフロー600は、処理ユニット615及びアンテナアレイ605のアンテナユニット610(例えば、アンテナユニット610-1、610-2~610-N)によって実行され得る。処理ユニット615は、図3を参照して記載したように、較正ユニット及びビームマネージャを含み得る。アンテナアレイ605及びアンテナユニット610は、図1図5を参照して記載したようなアンテナアレイ及びアンテナユニットのそれぞれの例であり得る。
【0091】
いくつかの例では、プロセスフロー600は、スパースアンテナアレイ較正をサポートするために実行される動作の例示的なシーケンスを示す。例えば、プロセスフロー600は、端末をディスカバリし、スパースアンテナアレイを使用して小さい通信ビームを形成するための動作を示す。プロセスフロー600に記載された動作のうちの1つ以上は、プロセスにおいてより早期に、又はより後で実行されてもよく、省略されてもよく、置き換えられてもよく、補足されてもよく、又は別の動作と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載される、プロセスフロー600に含まれない追加の動作が含まれてもよい。
【0092】
620において、アンテナユニット610は、各々、測距信号をブロードキャストし得る。測距信号の各々は、送信アンテナユニットに固有のものであり得る。例えば、各測距信号は、送信アンテナユニットに固有である変調シーケンスを使用して変調され得る。いくつかの例では、測距信号は、送信アンテナユニットのアイデンティティ、測距信号が送信された時間、送信アンテナユニットのGPS座標、又はそれらの任意の組み合わせなどの情報を含み得る。いくつかの例では、アンテナユニット610は、各々、測距信号を同時にブロードキャストし得る。他の例では、測距信号のブロードキャストは、例えば時間ウィンドウ内で、時間差を設けられ得る。
【0093】
625において、アンテナユニット610は、各々、測距信号のセットを受信することに応答して、応答信号を送信し得る。いくつかの例では、送信アンテナユニット610は、ブロードキャスト測距信号を送信するために使用されるのと同じ変調シーケンスを使用して、応答信号を送信し得る。応答信号の各々は、それぞれの測距信号を受信してから固定又は既知の時間の後に、送信され得る。いくつかの例では、応答信号は、応答アンテナユニットのアイデンティティ、応答信号が送信された時間、応答アンテナユニットのGPS座標、又はそれらの任意の組み合わせなどの情報を含み得る。
【0094】
630において、アンテナユニット610は、測距信号、応答信号、又はその両方のパラメータを測定し得る。他のアンテナユニットによって送信された測距信号を受信することに基づいて、アンテナユニット610の各々は、受信された測距信号の各々のパラメータを判定し得る。例えば、第2のアンテナユニット610-2は、第1のアンテナユニット610-1から受信された測距信号のパラメータ(例えば、タイミング情報、到来角、受信信号強度など)を判定し得、逆もまた同様である。他のアンテナユニットからの応答信号を受信することに基づいて、受信アンテナユニットは、応答信号のパラメータを判定し得る。例えば、第1のアンテナユニット610-1は、第1のアンテナユニット610-1によって送信された測距信号に応答して第2のアンテナユニット610-2から受信された応答信号のパラメータ(例えば、タイミング情報、受信信号強度、到着角など)を判定し得、逆もまた同様である。いくつかの例では、アンテナユニット610は、対応する測距信号又は応答信号によって示される識別情報に基づいて、測定されたパラメータがアンテナユニット610のうちのいずれに属するかを判定する。例えば、アンテナユニット610は、対応する測距信号又は応答信号からの識別情報を復号化し得る。追加的又は代替的に、アンテナユニット610は、測距信号に使用される変調シーケンスのインデックスに基づいて、対応するアンテナユニットのアイデンティティを判定し得、例えば、アンテナユニット610の各々は、変調シーケンスのセットのそれぞれの変調シーケンスを使用するように割り当てられ得る。
【0095】
635において、アンテナユニット610の各々は、例えば測定されたパラメータ、測距信号に含まれる情報、応答信号に含まれる情報に基づいて、アンテナユニット610自体と他のアンテナユニットとの間の距離を判定し得る。いくつかの例では、アンテナユニット610は、測距信号で受信されたタイムスタンプを使用して、距離を判定し得る。例えば、第2のアンテナユニット610-2は、第1のアンテナユニット610-1から送信された測距信号に含まれるタイムスタンプ、測距信号が第2のアンテナユニット610-2で受信された時間、及び測距信号が伝播する速度に基づいて、第2のアンテナユニット610-2自体と第1のアンテナユニット610-1との間の距離を判定し得る。測距信号の各々が同時に送信される例では、第2のアンテナユニット610-2は、共通の送信時間、第1のアンテナユニット610-1によって送信された測距信号が第2のアンテナユニット610-2で受信された時間、及び測距信号が伝播する速度に基づいて、第2のアンテナユニット610-2自体と第1のアンテナユニット610-1との間の距離を判定し得る。いくつかの例では、アンテナユニット610は、測距信号で受信されたGPS座標を使用して、距離を大まかに判定し得る。
【0096】
640において、アンテナユニット610は、測距情報を処理ユニット615に送信し得る。いくつかの例では、測距情報は、他の各アンテナユニットの各々についてアンテナユニット610によって測定されたパラメータを含む。いくつかの例では、測距情報は、アンテナユニット610の各々によって判定された、アンテナユニット610自体と他のアンテナユニットとの間の距離を含む。
【0097】
645において、処理ユニット615は、例えば受信されたパラメータ、受信された距離、又はそれらの組み合わせに基づいて、アンテナユニット610の各々の間の距離を判定し得る。処理ユニット615は、本明細書に記載されているように、図3を参照して、距離に基づくユークリッド距離行列を生成し得、ユークリッド距離行列は、アンテナユニット610の各々の間の距離を表し得る。
【0098】
650において、処理ユニット615は、アンテナアレイ605の配向を判定し得る。いくつかの例では、アンテナユニット610のサブセットは、アンテナアレイ605の原点が基準アンテナユニットのうちの1つに位置付けられた基準アンテナユニットとして指定され得、処理ユニット615は、本明細書に記載されているように、図2及び図3を参照して、基準アンテナユニットを使用して、アンテナアレイ605の配向を判定し得る。
【0099】
655において、処理ユニット615は、アンテナユニット610の各々の間で判定された距離(例えば、ユークリッド距離行列)に基づいて、アンテナユニット610の位置を判定し得る。いくつかの例では、処理ユニット615はまた、アンテナアレイ605の配向を使用して、アンテナユニット610の位置を判定してもよい。いくつかの例では、処理ユニット615は、アンテナユニットの各々について判定された距離、測距信号又は応答信号の測定された信号強度、及びアンテナユニット610の既知のアンテナ放射パターンに基づいて、アンテナアレイ605の配向に対するアンテナユニット610の各々の配向を判定し得る。
【0100】
660において、処理ユニット615は、アンテナアレイ605のビーム係数を決定し得る。ビーム係数を、アンテナアレイ605と組み合わせて使用して、1つ以上の端末を包含するビームカバレージエリアを有する1つ以上の通信ビームを形成し得る。ビーム係数は、アンテナアレイ605の判定された配向、アンテナユニット610の判定された位置、及び/又はアンテナアレイ605の配向に対するアンテナユニット610の判定された配向に基づいて、判定され得る。
【0101】
665において、処理ユニット615は、アンテナユニット610を介して1つ以上の端末から通信信号を受信し得る。
【0102】
670において、処理ユニット615は、決定されたビーム係数を受信された通信信号に適用して、1つ以上の端末から送信された1つ以上のビーム信号を取得し得る。例えば、アンテナユニット610は、受信された通信信号の表現を処理ユニット615に送信し得、処理ユニット615は、決定されたビーム係数を適用して、1つ以上のビーム信号を取得し得る。いくつかの例では、ビーム係数をアンテナユニット610において適用して、1つ以上のビーム信号のコンポーネントを取得し、アンテナユニット610は、1つ以上のビーム信号のコンポーネントを処理ユニット615に送信する。処理ユニット615は、1つ以上のビーム信号のコンポーネントを組み合わせて(例えば、加算して)、1つ以上のビーム信号を取得し得る。
【0103】
675において、処理ユニット615は、ビーム信号を復調し、結果として生じるデータ信号を復号化し得る。
【0104】
図7は、本明細書に記載された例による、スパースアンテナアレイ較正のための動作の例示的なセットを示す。方法700は、図1及び図3を参照して記載された通信ネットワーク(又はそのコンポーネント)の例であり得る、アンテナアレイ、地上システム、較正ユニット、又はそれらの組み合わせなどの、通信ネットワークのコンポーネントによって実行され得る。いくつかの例では、通信ネットワークは、記載される機能を実行するように通信ネットワークの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的又は代替的に、通信ネットワークは、専用ハードウェアを使用して、記載される機能の態様を実行し得る。
【0105】
705において、方法700は、複数の基準アンテナ及び複数のアンテナを備えるアンテナアレイの複数の基準アンテナの位置を判定することを含み得、複数の基準アンテナのうちの第1の基準アンテナの位置は、アンテナアレイの原点にあり、複数の基準アンテナの他の基準アンテナの位置は、第1の基準アンテナに対して判定され、複数のアンテナのうちのアンテナの素子間間隔は、アンテナアレイ全体にわたって異なる。705の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、705の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測位コンポーネントによって実行され得る。
【0106】
710において、方法700は、アンテナアレイのアンテナ間の距離を表すパラメータを、複数のアンテナアレイと結合された複数のアンテナマネージャから受信することを含み得る。710の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、710の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測位コンポーネントによって実行され得る。
【0107】
715において、方法700は、複数のパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの各アンテナ間の距離を判定することを含み得る。715の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、715の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測位コンポーネントによって実行され得る。
【0108】
720において、方法700は、複数の基準アンテナの位置に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイの基準配向を判定することを含み得る。720の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、720の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測位コンポーネントによって実行され得る。
【0109】
725において、方法700は、複数の基準アンテナの位置、複数のアンテナの各アンテナ間の距離、及びアンテナアレイの基準配向に少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの位置を計算することを含み得る。725の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、725の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測定コンポーネントによって実行され得る。
【0110】
730において、方法700は、通信マネージャに、複数のアンテナの計算された位置を提供することを含み得る。730の動作は、本明細書に開示された例に従って実行され得る。いくつかの例では、730の動作の態様は、図3を参照して本明細書に記載されたように、測定コンポーネントによって実行され得る。
【0111】
いくつかの例では、本明細書に記載の装置は、方法700などの方法(単数又は複数)を実行し得る。装置は、複数の基準アンテナ及び複数のアンテナを含むアンテナアレイの複数の基準アンテナの位置を判定することであって、複数の基準アンテナのうちの第1の基準アンテナの位置が、アンテナアレイの原点にあり、複数の基準アンテナのうちの他の基準アンテナの位置が、第1の基準アンテナに対して判定され、複数のアンテナの素子間間隔が、アンテナアレイ全体にわたって異なる、判定することと、複数のアンテナと結合された複数のアンテナマネージャから、アンテナアレイのアンテナ間の距離を表すパラメータを受信することと、複数のパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの各アンテナ間の距離を判定することと、複数の基準アンテナの位置に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイの基準配向を判定することと、複数の基準アンテナの位置、複数のアンテナの各アンテナ間の距離、及びアンテナアレイの基準配向に少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの位置を計算することと、通信マネージャに、計算された複数のアンテナの位置を提供することと、のための特徴、回路、論理、手段、又は命令(例えば、メモリとメモリに格納された命令を実行するためのプロセッサとを含む装置、プロセッサによって実行可能な命令を含むコードを格納した非一時的コンピュータ可読媒体)を含み得る。
【0112】
いくつかの例では、複数のアンテナの位置を計算するために、装置は、複数のアンテナの各アンテナ間の距離に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイの原点に対して、基準配向に従って、複数のアンテナの計算された位置を計算するための特徴、回路、論理、手段、又は命令を含み得る。
【0113】
いくつかの例では、パラメータのセットは、複数のアンテナの各アンテナ間の距離の指示を含み、複数のアンテナのうちのアンテナの各々の間の距離を判定することが、距離の指示に少なくとも部分的に基づく。
【0114】
いくつかの例では、複数の基準アンテナの位置は、複数の基準アンテナ間の複数の固定的接続に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0115】
いくつかの例では、装置は、地上ベースの測定局から、複数の基準アンテナの測定された位置を受信することであって、複数の基準アンテナの位置が、測定された距離に少なくとも部分的に基づいて判定される、受信することのための特徴、回路、論理、手段、又は命令を含み得る。
【0116】
これらの方法は、実装形態の例を説明しており、動作及びステップは、他の実装形態が可能であるように再構成又は他の方法で修正し得ることに留意されたい。いくつかの例では、方法のうちの2つ以上からの態様を組み合わせ得る。例えば、方法の各々の態様は、他の方法のステップ若しくは態様、又は本明細書に記載の他のステップ若しくは技法を含み得る。
【0117】
いくつかの例では、本明細書に記載されるシステムは、方法700などの方法(単数又は複数)を実行してもよい。システムは、複数のアンテナを備えるアンテナアレイであって、複数のアンテナのうちのアンテナの素子間間隔が、アンテナアレイ全体にわたって異なる、アンテナアレイと、複数のアンテナマネージャであって、複数のアンテナマネージャの各アンテナマネージャが、複数のアンテナのうちのそれぞれのアンテナと結合されており、複数のアンテナのうちのそれぞれのアンテナからそれぞれの測距信号を送信し、複数のアンテナのうちの他のアンテナからそれぞれの測距信号のセットを受信し、測距信号のそれぞれのセットを受信することに少なくとも部分的に基づいて、それぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離を表すそれぞれのパラメータを測定するように構成されている、複数のアンテナマネージャと、較正ユニットであって、複数の基準アンテナの位置を判定することであって、複数の基準アンテナのうちの第1の基準アンテナの位置が、アンテナアレイの原点にあり、複数の基準アンテナのうちの他の基準アンテナの位置が、第1の基準アンテナに対して判定され、複数のアンテナが、複数の基準アンテナを含む、判定することと、複数のアンテナマネージャによって測定されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの各アンテナ間の距離を判定することと、複数の基準アンテナの位置に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイの基準配向を判定することと、複数の基準アンテナの位置、複数のアンテナの各アンテナ間の距離、及びアンテナアレイの基準配向に少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの位置を計算することと、を行うように構成された、較正ユニットと、通信マネージャであって、計算された複数のアンテナの位置に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイについて決定されたビーム係数に従って端末と通信するように構成された、通信マネージャと、を含み得る。
【0118】
システムのいくつかの例では、システムは、アンテナアレイに対して、計算された複数のアンテナの位置に少なくとも部分的に基づいて、ビーム係数を決定するように構成された、ビームマネージャを含む。
【0119】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナの位置を計算するために、較正ユニットは、複数のアンテナの各アンテナ間の距離に少なくとも部分的に基づいて、アンテナアレイの原点に対して、基準配向に従って、計算された複数のアンテナの位置を計算するように更に構成されている。
【0120】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャは、較正ユニットに、複数のアンテナマネージャによって測定されたパラメータを送信するように構成されており、較正ユニットは、複数のアンテナマネージャによって測定されたパラメータを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの各アンテナ間の距離を判定するように構成されている。
【0121】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャの各アンテナマネージャは、パラメータのそれぞれのセットを測定することに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナのうちのそれぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離を判定するように、かつ較正ユニットに、それぞれのアンテナと他のアンテナとの間の距離の指示を送信するように構成されており、較正ユニットは、複数のアンテナマネージャから受信されたそれぞれの距離の指示に少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナの各アンテナ間の距離を判定するように構成されている。
【0122】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナから送信されたそれぞれの測距信号は、固有である。
【0123】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャのうちのアンテナマネージャによって送信された測距信号は、アンテナマネージャの識別子、測距信号が送信されたときのタイムスタンプ、アンテナマネージャの測位座標、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0124】
システムのいくつかの例では、それぞれの測距信号は、端末と通信するために通信マネージャによって使用される第2の帯域と重ならない第1の帯域で送信される。
【0125】
システムのいくつかの例では、それぞれの測距信号を送信するために使用される第1の周波数帯域は、通信信号を送信するために使用される第2の周波数帯域よりも高い。
【0126】
システムのいくつかの例では、測距信号の波長は、通信信号の波長よりも小さい。
【0127】
システムのいくつかの例では、測距信号の帯域幅は、第2の周波数帯域の中心周波数よりも大きい。
【0128】
いくつかの例では、システムは、複数のアンテナマネージャに、共通の時間基準を提供するように構成されたタイミングコンポーネントを含む。
【0129】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャのうちの第2のアンテナマネージャは、第1のアンテナから受信された測距信号に少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナマネージャのうちの第1のアンテナマネージャと結合された第1のアンテナと、第2のアンテナマネージャと結合された第2のアンテナと、の間の距離を判定するように構成されている。
【0130】
システムのいくつかの例では、第2のアンテナマネージャは、測距信号によってシグナリングされたタイムスタンプと測距信号が受信された時間とに少なくとも部分的に基づいて、第1のアンテナと第2のアンテナとの間の距離を判定するように更に構成されている。
【0131】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャのうちの第1のアンテナマネージャは、第1のアンテナマネージャによって送信された測距信号と、測距信号に応答して第2のアンテナから受信された応答信号と、に少なくとも部分的に基づいて、第1のアンテナマネージャと結合された第1のアンテナと、複数のアンテナマネージャのうちの第2のアンテナマネージャと結合された第2のアンテナと、の間の距離を判定するように構成されている。
【0132】
システムのいくつかの例では、第1のアンテナマネージャは、測距信号が第1のアンテナマネージャによって送信された第1の時間と、応答信号が第2のアンテナから受信された第2の時間と、の間の差を判定するように構成されており、第1のアンテナと第2のアンテナとの間の距離は、差に少なくとも部分的に基づく。
【0133】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャのうちのアンテナマネージャは、複数の期間にわたって、複数の期間にわたって測定された複数のパラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナのうちのそれぞれのアンテナと第2のアンテナとの間の複数の距離を判定し、複数の距離の関数に少なくとも部分的に基づいて、それぞれのアンテナと第2のアンテナとの間の距離を取得するように構成されている。
【0134】
システムのいくつかの例では、複数のアンテナマネージャの各アンテナマネージャは、測距信号のそれぞれのセットから、複数のアンテナのうちの他のアンテナに関連するGPS座標のセットを取得し、GPS座標のセットに少なくとも部分的に基づいて、複数のアンテナのうちの結合されたアンテナと他のアンテナとの間の距離の粗い推定値を判定するように構成されている。
【0135】
システムのいくつかの例では、アンテナアレイは、複数の基準アンテナ間の複数の固定的接続を含み、較正ユニットは、複数の固定的接続に少なくとも部分的に基づいて、複数の基準アンテナの位置を判定するように構成されている。
【0136】
いくつかの例では、システムは、複数の基準アンテナの位置を測定して、測定された位置を取得するように、かつ複数の基準アンテナの測定された位置を較正ユニットにシグナリングするように構成された地上ベースの測定局を含み、較正ユニットは、複数の基準アンテナの測定された位置を含む信号を受信するように、かつ信号に少なくとも部分的に基づいて複数の基準アンテナの位置を判定するように構成されている。
【0137】
本明細書に記載された情報及び信号は、多様な技術及び技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、若しくはこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0138】
本明細書の開示に関連して記載された様々な例示的なブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、該プロセッサは、任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0139】
本明細書に記載された機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装された場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に格納され得るか、又は1つ以上の命令若しくはコードとしてコンピュータ可読媒体上に送信され得る。他の実施例及び実装形態は、開示及び添付の特許請求の範囲内に入っている。例えば、ソフトウェアの性質上、本明細書に記載の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハード配線、又はこれらのいずれかの組み合わせによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴部はまた、機能の部分が異なる物理的位置に実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置されてもよい。
【0140】
コンピュータ可読媒体としては、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と、の両方が挙げられる。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用のコンピュータからアクセス可能であり得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体としては、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)若しくは他の光ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイス若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を実行若しくは格納するために使用することができ、汎用若しくは専用のコンピュータ、又は汎用若しくは専用のプロセッサによってアクセスすることができる任意の他の非一時的媒体が挙げられ得る。また、任意の接続体をコンピュータ可読媒体と称することが妥当である。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は、赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔ソースから送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は、赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)及びディスク(disc)としては、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクが挙げられ、ここで、diskは、通常、磁気的にデータを再生するものである一方、discは、レーザで光学的にデータを再生するものである。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0141】
特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されるとき、項目のリスト(例えば、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」などの語句によって前置きされた項目のリスト)において使用される「又は」は、例えば、「少なくとも1つのA、B、又はC」のリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味するように、包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づく」という語句は、条件の限定されたセットへの参照として解釈されてはならない。例えば、「条件Aに基づく」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づき得る。換言すれば、本明細書で使用されるとき、「に基づく」という語句は、「に少なくとも部分的に基づく」という語句と同じように解釈されるものとする。
【0142】
添付の図において、類似のコンポーネント又は特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。更に、同じタイプの様々なコンポーネントは、類似のコンポーネントの中で区別するダッシュ及び第2のラベルによる参照ラベルに従うことによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベル、又は他の後続の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似のコンポーネントのうちのいずれか1つに適用可能である。
【0143】
添付図面に関連して本明細書に記載された説明は、例示的な構成を記載するものであり、実装され得るか、又は特許請求の範囲の範囲内にある全ての実施例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的な」という用語は、「例、実例、又は例証としての役割を果たす」を意味し、「好ましい」又は「他の例より有利」ではない。詳細な説明は、説明される技術の理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの具体的な詳細を伴わずに実践されてもよい。場合によっては、記載された実施例の概念を曖昧にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形態で示されている。
【0144】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作製又は使用することを可能にするために提供されている。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載される実施例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
図1
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【国際調査報告】