(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】統一的な照明を作るためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20240119BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61B1/06 610
A61B1/07 731
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541031
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 US2022011424
(87)【国際公開番号】W WO2022150465
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハルダーマン,ジョナサン ディー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161NN01
4C161PP12
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161RR02
4C161RR06
4C161RR22
(57)【要約】
光ファイバベースの照明では、光ファイバへの入力での入力角度依存の強度分布を用いて、画像キャプチャデバイスで均一な知覚照明を達成することができる。このような角度強度分布を静的にあるいはプログラマブルまたは制御可能なデバイスを介して達成する様々なデバイスおよび関連する動作方法が開示される。例示的な実施形態は、光ファイバへの入力に先立つ変換平面での光の空間強度変調、光軸からの異なる距離または光軸に対する異なる角度にある複数の個別に制御可能なエミッタによる放射、および/または所望の角度強度分布を生成するために強度制御と同期したある範囲の入力角に亘るビーム掃引を利用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを照らす方法であって、
1つ以上の光ファイバの入力端で、前記入力端での前記1つ以上の光ファイバの光軸に対する複数の入力角で前記1つ以上の光ファイバ内に光を結合することと、
前記1つ以上の光ファイバの出力端で前記1つ以上の光ファイバを出る前記光で前記ターゲットを照らすことと、
前記入力端での前記光の入力角度放射強度分布を制御して、出力角の増加に伴って出力強度の増加を示す出力角度放射強度分布を生じさせることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布は、カメラによって測定されるような前記ターゲットの均一な知覚照明を達成するように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラは、前記1つ以上の光ファイバの前記出力端と実質的に同じ場所に置かれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットは、解剖学的ターゲットを含み、前記1つ以上の光ファイバの前記出力端は、患者の身体の内側に配置され、前記入力端での前記光は、前記患者の前記身体の外側の前記入力端で前記1つ以上の光ファイバ内に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の光ファイバは、ファイバ束を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布を制御することは、入力角の増加に伴って前記入力端での前記光の放射強度を増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の光ファイバ内に前記光を結合することは、1つ以上の光エミッタによって放射される光をコリメートすることと、前記コリメートされた光を前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に集束させることと、を含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布を制御することは、変換平面において前記コリメートされた光を制御することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記変換平面において前記コリメートされた光を制御することは、前記変換平面において空間フィルタリングすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記空間フィルタリングすることは、静的位相プロファイルを有する回折素子または静的吸収プロファイルを有する勾配吸収フィルタのうちの1つを使用して行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記空間フィルタリングすることは、プログラマブル空間フィルタの制御可能な要素を調整することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記制御可能な要素を調節することは、電気的にアドレス指定可能な液晶領域に印加される電圧を調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御可能な要素を調整することは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端での前記入力角度放射強度分布、前記1つ以上の光ファイバの前記出力端での前記出力角放射強度分布、または前記ターゲットの照明のうちの少なくとも1つのものの測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記制御可能な要素を調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の光ファイバ内に前記光を結合することは、複数の光エミッタによって放射される光を前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に方向付けることを含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の光ファイバの前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布を制御することは、前記複数の光エミッタの相対的な出力強度を制御することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の光エミッタの前記相対的な出力強度は、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端での入力角度放射強度分布、前記1つ以上の光ファイバの出力端での出力角度放射強度分布、または前記ターゲットの照明のうちの少なくとも1つのものの測定値に少なくとも部分的に基づいて制御される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の光エミッタは、異なるそれぞれの波長で光を放射する1つ以上のグループの光エミッタを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の光エミッタは、コリメーティング光学系の光軸に対する複数の角度で、前記コリメーティング光学系の前方集束平面にある集束領域に向かって光を放射するように方向付けられ、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記光を方向付けることは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させることを含む、請求項14~17のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させるために使用される集束光学系と前記コリメーティング光学系との間の変換平面で前記コリメートされた光を斑点状ノイズ除去することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の光エミッタは、前記複数の入力角で前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に向かって前記光を放射するように方向付けられる、請求項14~17のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の光エミッタは、1つ以上のグループの光エミッタを含み、各グループは、前記入力端で前記1つ以上の光ファイバの前記光軸を含む平面内に配置される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の光エミッタは、実質的にコリメートされた光を放射するように方向付けられ、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記光を方向付けることは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させることを含む、請求項14~17のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の光エミッタは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させる集束光学系の前方集束平面に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の光エミッタは、単一の平面内に配置された、異なるそれぞれの波長の光を放射する複数のグループの光エミッタを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の光エミッタは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させる集束光学系に向かって第1の方向において第1の波長で実質的にコリメートされた光を放射する第1のグループの光エミッタを含み、当該方法は、前記第1の方向とは異なる第2の方向において前記第1の波長とは異なる第2の波長で実質的にコリメートされた光を放射することと、前記第2の波長で実質的にコリメートされた光を前記集束光学系に向かって前記第2の方向から前記第1の方向に方向変更することとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の光ファイバに前記光を結合することは、コリメートされた光を生成するコリメーティング光学系に亘って1つ以上の光エミッタからの光を走査することと、前記コリメートされた光を前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に集束させることとを含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布を制御することは、前記走査される光の強度を前記走査される光の走査角と協調させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記走査される光の強度および走査角は、1つ以上の音響光学変調器における回折角および回折強度を介して制御される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記走査される光の強度を前記走査される光の走査角と協調させることは、前記走査される光の走査角に基づいて前記1つ以上の光エミッタの出力強度を制御することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記光は、一次元において前記コリメーティング光学系に亘って走査される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記光は、二次元において前記コリメーティング光学系に亘って走査される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、
前記1つ以上の光エミッタによって放射される前記光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に前記コリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、
前記コリメーティング光学系と前記集束光学系との間の変換平面に位置付けられる光変調器と、を含み、前記光変調器は、前記集束領域内の光の強度を前記1つ以上の光ファイバへの入力角の関数として変化させるように構成される、
照明源。
【請求項33】
前記光変調器は、スタティック変調器を含む、請求項32に記載の照明源。
【請求項34】
前記光変調器は、回折素子または勾配吸収フィルタを含む、請求項33に記載の照明源。
【請求項35】
前記光変調器は、プログラム可能である、請求項34に記載の照明源。
【請求項36】
前記光変調器は、可変制御可能な透過率を有する複数の個別にアドレス指定可能な要素を含む、請求項35に記載の照明源。
【請求項37】
前記光変調器は、個別にアドレス指定可能な要素の前記透過率を制御するための電子回路をさらに含む、請求項36に記載の照明源。
【請求項38】
前記要素は、液晶材料を含む、請求項36に記載の照明源。
【請求項39】
前記光変調器は、空間的に変化する位相プロファイルまたは透過プロファイルを有する、請求項32に記載の照明源。
【請求項40】
前記位相プロファイルまたは前記透過プロファイルは、光軸を中心として半径方向に変化する、請求項39に記載の照明源。
【請求項41】
照明源であって、
当該照明源の光軸に対する異なる角度で共通領域に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタと、
前記角度に基づいて、前記放射される光の相対強度を変化させるように構成される、コントローラと、を含む、
照明源。
【請求項42】
前記共通領域は、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる、請求項41に記載の照明源。
【請求項43】
前記複数の光エミッタによって放射される前記光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれた集束領域内に前記コリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、をさらに含み、
前記共通領域は、前記コリメーティング光学系の前方集束平面に配置される、
請求項41に記載の照明源。
【請求項44】
前記コリメーティング光学系と前記集束光学系との間の変換平面に配置される斑点状ノイズ低減器をさらに含む、請求項43に記載の照明源。
【請求項45】
前記コントローラは、前記複数の光エミッタによって生成される出力強度または前記複数の光エミッタの出力で振幅変調器によって付与される強度低下のうちの少なくとも1つを制御することによって前記放射される光の前記相対強度を変化させるように構成される、請求項41に記載の照明源。
【請求項46】
前記複数の光エミッタは、2つよりも多くのグループの光エミッタを含み、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第1のグループの光エミッタは、第1の波長の光を放射するように構成され、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第2のグループの光エミッタは、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射するように構成される、請求項41に記載の照明源。
【請求項47】
前記第1のグループの光エミッタは、前記光軸を含む第1の半平面内に配置され、前記第2のグループの光エミッタは、前記光軸を含む第2の半平面内に配置され、前記第2の半平面は、前記第1の半平面とは異なる、請求項46に記載の照明源。
【請求項48】
実質的にコリメートされた光を放射するように構成される複数の光エミッタと、
前記複数の光エミッタによって放射される光を1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、
光軸からの前記光エミッタの半径方向距離に部分的に基づいて前記複数の光エミッタによって放射される前記光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、
照明源。
【請求項49】
前記共通領域は、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる、請求項48に記載の照明源。
【請求項50】
前記コントローラは、前記複数の光エミッタによって生成される出力強度または前記複数の光エミッタの出力で振幅変調器によって付与される強度低下のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記放射される光の前記相対強度を変化させるように構成される、請求項48に記載の照明源。
【請求項51】
前記複数の光エミッタは、前記集束光学系の前方集束平面内に配置される、請求項48に記載の照明源。
【請求項52】
前記複数の光エミッタは、共通平面内に配置される2つよりも多くのグループの光エミッタを含み、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第1のグループの光エミッタは、第1の波長の光を放射するように構成され、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第2のグループの光エミッタは、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射するように構成される、請求項48に記載の照明源。
【請求項53】
前記複数の光エミッタは、第1の波長で実質的にコリメートされた光を第1の方向において前記集束光学系に向かって放射する第1のグループの光エミッタと、前記第1の波長とは異なる第2の波長で実質的にコリメートされた光を前記第1の方向とは異なる第2の方向において放射する第2のグループの光エミッタとを含み、当該照明源は、前記第2の波長で実質的にコリメートされた光を前記第2の方向から前記第1の方向に前記集束光学系に向かって方向変更するミラーをさらに含む、請求項48に記載の照明源。
【請求項54】
光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、
前記1つ以上の光エミッタによって放射される前記光を掃引するように構成されるビーム掃引器と、
前記掃引される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に前記コリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、
前記ビーム掃引器に前記コリメーティング光学系に亘って前記光を掃引させるように構成され、掃引される光の強度を前記掃引と同期して変化させるように構成される、コントローラと、を含む、
照明源。
【請求項55】
前記コントローラは、前記1つ以上の光エミッタを制御して、前記掃引と同期して前記放射される光の前記強度を変化させるように構成される、請求項54に記載の照明源。
【請求項56】
前記コントローラは、前記ビーム掃引器を制御して、前記掃引と同期して前記ビーム掃引器を出る前記光の前記強度を変化させるように構成される、請求項54に記載の照明源。
【請求項57】
前記ビーム掃引器は、1つ以上の音響光学変調器を含む、請求項54に記載の照明源。
【請求項58】
前記ビーム掃引器は、1つ以上の検流計を含む、請求項54に記載の照明源。
【請求項59】
前記ビーム掃引器は、前記光を二次元的において前記コリメーティング光学系に亘って掃引する2つの交差したデバイスを含む、請求項54に記載の照明源。
【請求項60】
入力端と、出力端とを有する、1つ以上の光ファイバと、
前記1つ以上の光ファイバの前記出力端を出る光によって照らされるターゲットからの光を受けるように位置付けられるカメラと、
前記入力端で前記1つ以上の光ファイバ内に光を結合するように構成され、前記1つ以上の光ファイバに対する入力角に基づいて前記光の強度を変化させるように構成される、照明源と、を含む、
システム。
【請求項61】
前記カメラは、前記1つ以上の光ファイバの前記出力端と実質的に同じ場所に置かれる、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記照明源は、入力角の増加に伴って放射強度の増加を示す前記入力端での前記光の入力角度放射強度分布を生じさせるように構成される、請求項60に記載のシステム。
【請求項63】
前記照明源は、
光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、
前記1つ以上の光エミッタによって放射される前記光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
前記コリメートされた光を前記1つ以上の光ファイバの前記入力端にある集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、
前記コリメーティング光学系と前記集束光学系との間の変換平面に位置付けられる光変調器と、を含み、前記光変調器は、前記1つ以上の光ファイバに対する前記入力角に基づいて前記光の強度を変化させるように構成される、
請求項60に記載のシステム。
【請求項64】
前記光変調器は、回折素子、勾配吸収フィルタ、または可変制御可能な透過率を有する複数の個別にアドレス指定可能な素子を有するプログラマブル変調器のうちの1つを含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記照明源は、
異なる入力角で前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタと、
前記異なる入力角に基づいて前記放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、
請求項60に記載のシステム。
【請求項66】
前記照明源は、
前記照明源の光軸に対して異なる角度で共通領域に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタであって、前記照明源の光軸は、前記入力端での前記1つ以上の光ファイバの光軸と一致する、複数の光エミッタと、
前記複数の光エミッタによって放射される前記光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
前記コリメートされた光を前記1つ以上の光ファイバの前記入力端にある集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、
前記コリメーティング光学系と前記集束光学系との間の変換平面に配置される斑点状ノイズ低減器と、
前記光軸に対する前記異なる角度に基づいて前記放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、
請求項60に記載のシステム。
【請求項67】
前記照明源は、
実質的にコリメートされた光を放射するように構成される複数の光エミッタと、
前記複数の光エミッタによって放射される前記光を1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、
光軸からの前記光エミッタの半径方向距離に部分的に基づいて前記複数の光エミッタによって放射される前記光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、
請求項60に記載のシステム。
【請求項68】
前記照明源は、
光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、
前記1つ以上の光エミッタによって放射される前記光を掃引するように構成されるビーム掃引器と、
前記掃引される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
前記コリメートされた光を前記1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、
前記ビーム掃引器に前記コリメーティング光学系に亘って前記光を掃引させるように構成され、前記掃引される光の強度を前記掃引と同期して変化させる構成される、コントローラと、を含む、
請求項60に記載のシステム。
【請求項69】
前記コントローラは、前記1つ以上の光エミッタを制御して、前記放射される光の前記強度を前記掃引と同期して変化させるように構成される、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記ビーム掃引器は、1つ以上の音響光学変調器を含み、前記コントローラは、前記ビーム掃引器を制御して、前記ビーム掃引器を出る前記光の前記強度を前記掃引と同期して変化させるように構成される、請求項68に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2021年1月6日に出願された米国仮特許出願第63/134,327号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、光ファイバを介した照明ターゲットに関し、特に、光ファイバの近位端に光を結合するために使用される装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
内部臓器および組織のように容易にアクセス可能でないターゲット(標的)の光学的撮像中に、光ファイバが、ターゲットを照らすためにしばしば使用される。内視鏡検査では、例えば、光ファイバまたはファイバ束を備える内視鏡および内視鏡の遠位端にあるカメラが、身体にある天然の身体オリフィスまたは小さな切開を通して挿入されることがある。内視鏡は、例えば、消化管、気道、または尿道のような体腔の内側で、あるいは外科的切開を通じて、解剖学的な関心部位(以下「ターゲット」と呼ぶ)に向けて誘導されることがある。ターゲットを照らすために、ファイバの遠位端は、ターゲットに向けられることがあり、光は、ファイバの近位端に結合され、全反射を介して遠位端に誘導され、そこから、光は、全方向に出て行くことがある。よって、光ファイバの遠位端は、本質的に、点光源として機能することがある。照らされるターゲットから反射または後方散乱される光は、カメラでキャプチャされる(取り込まれる)ことがある。遠位ファイバ端に関連する光軸に対して垂直な均一な表面条件を有する拡散反射ターゲットまたは蛍光ターゲットが、結果として得られる画像内に均一な輝度(brightness)で現れることが望ましい。しかしながら、カメラの画像センサによって測定される強度に対応する実際に観測された輝度は、画像の中心領域に最大を示すことがあり、光軸からより大きい距離に向かって所与のサイズのターゲット領域によって限定された(subtended)立体角の減少の結果として、外側の画像領域に向かって低下する(fall off)ことがある。この低下は、ターゲットにわたる実際の表面条件のいかなる差にも起因せず、ターゲットの蛍光または吸光度挙動の定量的分析に対する障害を構成して、画像の情報価値を低下させ得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載されるのは、照明ファイバまたはファイバ束の入力端(本明細書では近位ファイバ端と同義)での角度放射強度分布(angular radiant intensity distribution)を修正することによってターゲットの均一な知覚照明(perceived illumination)を達成するファイバベース照明のための装置、システム、および方法である。様々な実施形態では、外側画像領域に向かう画像センサで測定された強度の低下を補償するために、近位端でファイバ(束)に結合される光の強度は、出力端(本明細書では遠位ファイバ端と同義)で、より大きな出力角に向かって増加する強度を有する非等方性出力放射強度分布を生成するように、入力角の関数として制御される。
【0005】
有利には、均一な光学的表面特性を有する平坦なターゲットについて均一に観察される強度をもたらす、均一な知覚される照明を作成することは、照明されるシーン内の構成(特徴)を識別し、場所特定し、監視する際により大きな精度を可能にする。さらに、照明する点光源の角度放射強度分布を変化させることによって知覚される照明における均一性を達成することは、空間的に依存する物質においてセンサ信号を増幅することによって不均一性を補償するよりも好ましくあり得る。何故ならば、そのような不均一な増幅は、例えば、増大した空間的に依存するノイズレベルを引き起こし得るからである。ノイズの問題とは別に、センサ信号の増幅は、幾つかの環境では不均一な照明を補償する手段としては利用可能でないことさえある。例えば、蛍光撮像は、一般に、最小励起強度に依存して、センサによって検出可能な蛍光応答を生成する。よって、視野の中心および視野のエッジに存在する同じ量の(例えば、悪性細胞にタグを付ける)蛍光マーカで、不均一な照明は、センサ信号に適用される増幅にかかわらず、視野のエッジにある蛍光マーカが検出されないであろう視野のエッジにおけるそのように低い強度を生じさせることがある。他方、照明の全体的な強度照度を増大させてエッジに向かう下降を補償するならば、蛍光マーカが視野の中心に「ブルームする(blooms)」こと(実際のマーカの場所に対応するより多くの画素をカバーすることを意味し、明確に場所特定することを困難にする)、または光退色することが可能である。
【0006】
本開示は、入力角の関数として光ファイバ(束)に入力で光を提供することができる装置の複数の実施形態を記載する。様々な実施形態では、1つ以上の光エミッタ(例えば、発光ダイオード(LED)または他のレーザ)からの光がコリメートされ、次に、ファイバ(束)の入力端に集束される。これらの構成では、コリメーティング光学系と集束光学系との間のフーリエ変換平面での強度を光軸からの距離の関数として変化させることができ、それによって、光ファイバの入力端での集束領域における強度を入力角の関数として変化させることができる。代替的に、コリメーティング光学系に先行するビーム掃引器を使用して、光エミッタから受け取る光をコリメーティング光学系に亘って掃引し、それによって、入力角を時間の関数として変化させてよく、光の強度を掃引と同期して制御して、強度を入力角の関数として変化させてよい。他の実施形態において、複数の光エミッタは、異なる方向からではあるが、光ファイバの入力端で共通の集束領域に向かって直接光を放射するように構成され、入力角度依存強度は、異なる光源の相対的な光出力パワーを制御することによって達成される。代替的に、複数の光エミッタは、フーリエ変換平面における斑点状ノイズ除去を容易にするコリメーティング光学系および集束光学系とともに使用されてもよい。
【0007】
前述の要約は、開示された主題の基本的な概観を提供することを意図しているが、全ての想定される実施形態の広範な要約ではなく、鍵となるまたは重要な要素を特定することも、そのような実施形態の範囲を境界付けることも意図していない。
【0008】
前述は、特に添付の図面と併せて理解されるときに、様々な例示的な実施形態の以下の記述からより容易に理解されるであろう
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】様々な実施形態による、光ファイバを介してターゲットの照明を達成する例示的な画像キャプチャシステムのブロック図である。
【0010】
【
図2A】様々な実施形態による画像キャプチャセットアップにおけるターゲットに対する光源および同じ場所に置かれた画像センサの場所の概念図である。
【0011】
【
図2B】
図2Aの画像センサに亘る所望の均一な強度分布の例を示す。
【0012】
【
図2C】等方性光源について
図2Aの画像センサに亘る実際の強度分布の例を示す。
【0013】
【
図3】
図2Cで観察された強度の半径方向低下を説明する概略図である。
【0014】
【
図4A】光ファイバに結合されたコリメートされた光の様々な入力角について光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
【
図4B】光ファイバに結合されたコリメートされた光の様々な入力角について光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
【
図4C】光ファイバに結合されたコリメートされた光の様々な入力角について光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
【
図4D】光ファイバに結合されたコリメートされた光の様々な入力角について光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
【
図4E】光ファイバに結合されたコリメートされた光の様々な入力角について光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
【0015】
【
図5】
図4A~
図4Eの画像から導き出されるような、出力角の関数としての光ファイバの出力強度のグラフを示す。
【0016】
【
図6】様々な実施形態による、フーリエ変換平面における空間フィルタリングによって光ファイバに結合された光の角度放射強度分布を制御するための例示的な照明源の概略図である。
【0017】
【
図7A】様々な実施形態による、光ファイバに結合された光の角度放射強度分布を制御するための、光ファイバに対する複数の角度での複数の光エミッタを含む例示的な照明源の概略図である。
【0018】
【
図7B】様々な実施形態による、デスティックリング用の光学系と共に光ファイバに結合された光の角度放射強度分布を制御するための、複数の角度での複数の光エミッタを含む例示的な照明源の概略図である。
【0019】
【
図7C】様々な実施形態による、光ファイバに光を集束さする集束光学系の光軸に平行にコリメートされた光を放射する複数の光エミッタを含む例示的な照明源の概略図である。
【0020】
【
図7D】様々な実施形態による、
図7Cの照明源の光エミッタの例示的な平面配置の概略図である。
【
図7E】様々な実施形態による、
図7Cの照明源の光エミッタの例示的な平面配置の概略図である。
【
図7F】様々な実施形態による、
図7Cの照明源の光エミッタの例示的な平面配置の概略図である。
【0021】
【
図7G】様々な実施形態による、複数のそれぞれの平面に配置された光エミッタのグループによって発光された複数の波長で光を結合する、
図7Cに他の方法で示されるような、例示的な照明源の概略図である。
【0022】
【
図8A】様々な実施形態による、光の強度が変化するにつれて、1つ以上の光エミッタからの光をコリメーティング光学系に亘って走査することによって光ファイバに結合される光の角度放射強度分布を制御するための、例示的な照明源の概略図である。
【0023】
【
図8B】様々な実施形態による、光の強度が変化するにつれて、1つ以上の光エミッタからの光をコリメーティング光学系に部分的に亘って走査することによって光ファイバに結合された光の角度放射強度分布を制御するための、例示的な照明源の概略図である。
【0024】
【
図9】様々な実施形態による、ターゲットを照明するための方法のフローチャートである。
【0025】
【
図10A】様々な実施形態による、光ファイバに結合される光の角度放射強度分布を制御するための様々な方法のフローチャートである。
【
図10B】様々な実施形態による、光ファイバに結合される光の角度放射強度分布を制御するための様々な方法のフローチャートである。
【
図10C】様々な実施形態による、光ファイバに結合される光の角度放射強度分布を制御するための様々な方法のフローチャートである。
【
図10D】様々な実施形態による、光ファイバに結合される光の角度放射強度分布を制御するための様々な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
画像キャプチャシステムは、照明源がターゲットを直接照明するために位置決めされることが空間的または他の制約によって妨げられるシナリオにおいて、照明源から照明ターゲットに光を誘導するために光ファイバを利用することがある。そのようなファイバベースの照明の例示的な適用は、内視鏡であり、それは、内視鏡を身体内に挿入して、目視観察のために内部臓器または組織のような解剖学的ターゲットにアクセスすることを含む。内視鏡は、照明ファイバのためのハウジングと、ターゲットから反射された光をキャプチャするための遠位ファイバ端にあるカメラとを含むことがある。一般的にボアスコープと呼ばれる類似の光学デバイスが、例えば、パイプ、エンジンまたは他の機械等の内側で、さもなければアクセス不能な領域における(非解剖学的)ターゲットの品質試験および検査のために、様々な工業的脈絡において使用されることがある。
【0027】
図1は、様々な実施形態による、光ファイバまたはファイバ束104を介してターゲット102の照明を達成する例示的な画像キャプチャシステム100のブロック図である。ファイバまたはファイバ束104は、照明源108の出力からターゲット102に近い場所まで延びることがある、例えば、カテーテルのような、剛性または可撓性のチューブ106内に収容される。参照を容易にするために、以下の記述は、光ファイバ104を単に参照する。しかしながら、(例えば、保護シースと共に、光ファイバケーブルを形成する)光ファイバ束が、しばしば、使用される場合があることが理解されるべきである。本記述は、一般に、単一のファイバおよびファイバ束の実施形態の両方に等しく適用可能である。例えば、ファイバ束内の個々のファイバは、共通の近位端および共通の遠位端を共有すると仮定される。
【0028】
近位ファイバ端(または入力端)110で光ファイバに光を発生しかつ光を結合するように構成される照明源108は、レーザ(例えば、ダイオードレーザ)、発光ダイオード(LEDs)、または広帯域光源のような、1つ以上の光エミッタ112を含むことがあり、光ファイバ104に光を方向付ける光学系を(任意に)含むことがある。図示のように、光学系は、例えば、光エミッタ112から受け取る光の発散するビームを平行光のコリメートされたビームに変えるコリメーティング光学系114と、ファイバ104の入力端110またはその直ぐ近傍の領域に光を集束させる集束光学系116とを含むことがある。ファイバ入力端110は、換言すると、集束光学系116の焦平面に実質的に配置されることがある。コリメーティング光学系および集束光学系114、116は、図示のように、ファイバの入力端110と、ならびにコリメーティング光学系114によって受光された光の発散ビームおよび光ファイバに入る光の集束ビームと、共通の光軸117を共有することがある。コリメーティング光学系114および集束光学系116は、一般に、レンズおよび/または(球面または放物面)ミラーのような、屈折および/または反射光学コンポーネントであることがあり、あるいはそれらを含むことがある。異なる波長での照明を容易にするために、コリメーティング光学系114は、光発生デバイス112からの光をコリメーティング光学系114に向かって方向付ける働きをする光路内の1つ以上のビームスプリッタ119で、異なる波長で発光する複数の光エミッタ112からの光を受光して組み合わせることがある。照明源108によって近位端110にあるファイバ104内に結合された光は、遠位端(または出力端)118でファイバ104から離れて、使用時にターゲット102に方向付けられる発散ビームを形成する。従って、遠位ファイバ端118は、ターゲット102の照明のための点光源として機能することがある。
【0029】
画像キャプチャシステム100は、照射されたターゲット102の画像を取得するための1つ以上のカメラを含む。各カメラは、適切な撮像光学系(例えば、図示しないレンズ)、および、例えば、ターゲット102から反射または拡散散乱されたあるいはターゲット102から蛍光的に放射された光を検出するフォトダイオードアレイとして実装される(例えば、詳細図に示す)画像センサ120を含む。2つのカメラのような、複数のカメラを使用して、ターゲット102の立体ビューを提供することがある。照明光ファイバ104のカメラおよび遠位端118は、実質的に同軸照明のためにそれらの相対的な位置および向きにおいて構成されることがあり、それは、カメラの光軸(より正確には、カメラの撮像光学系の光軸)および(単一の光ファイバ104の遠位端118で生成された点光源については遠位端118でのファイバ104の光軸121に概ね対応する)照明の光軸が一致するかあるいは少なくともほぼ一致することを意味する。同軸照明は、カメラが遠位ファイバ端118と同じ場所に配置され、両方ともターゲットの同じ領域に向かって方向付けられるならば、一般に達成されることができる。同軸照明は、照明の均一性について利点を有するが、原則として、斜め照明を使用することも可能であり、その場合、カメラの光軸および照明の光軸は、実質的な角度を囲む。同軸照明または斜め照明のいずれにおいても、カメラの視野および照明の視野角は、最大の効率のために整合されることがある。
【0030】
様々な実施形態では、図示のように、(画像センサ120によって象徴的に示される)カメラが、遠位ファイバ端118に隣接してチューブ106内に配置される。カメラのための空間を提供するために、チューブ106は、遠位端で、より大きな直径のハウジング内に膨張することがある。幾つかの実施形態では、実質的に同軸照明を提供するために、カメラは、光ファイバ104の遠位端118と実質的に同じ場所に置かれる。例えば、遠位ファイバ端118での光ファイバ104の出力面およびカメラの撮像光学系は、(ターゲット102の観点から、照明のための点光源として作用することがある遠位ファイバ端118と画像センサ120とが実際に同じ場所にあるように)遠位ファイバ端118とターゲット102との間の距離よりも有意に(例えば、1以上のオーダの大きさで)小さい互いの距離で、遠位端118でファイバ104の光軸121に対して垂直な平面内に並んで位置してよい。別の例として、ファイバ束104の個々の光ファイバは、遠位端で分割されて、例えば、カメラを同心円的に囲むリング、またはカメラの周囲に分散された2つ以上の連続しない発光エリア(例えば、カメラの両側にある2つの半月形状の部分)を形成してよく、リングの直径または発光エリア間の距離は、個々のファイバが集合的に点光源を形成するように、ファイバ端118とターゲット102との間の距離に比べて、再び小さくてよい。本開示の目的のために、ターゲットから実質的に同じ距離に配置される、光ファイバ104の遠位端118およびカメラは、(視野の中心がターゲット上のどこにあるかを決定する)カメラの光軸と、光ファイバ104のうちのいずれかの光ファイバの遠位端118に形成された光源とターゲット上の視野の中心との間に画定される方向であると理解される照明の方向との間の最大角度が、15°以下であるならば、「実質的に同じ場所に置かれている(substantially collocated)」と考えられる。理解されるように、この角度閾値より下に留まることは、カメラの光軸および光ファイバ端の光軸が、(わずかな角度を囲もうが、あるいは平行であるがわずかにずれていようが)、少なくともほぼ一致し、よって、「実質的に同軸照明」を達成することを確実にする。
【0031】
画像キャプチャシステム全体の記述に戻ると、カメラの画像センサ120は、例えば、チューブ106の内側の光ファイバ104に沿って走る電気ワイヤを介して、画像センサ120から情報を読み出して画像データを処理するための適切な電子回路に通信的に結合される。幾つかの実施形態において、そのような画像処理機能性は、計算ハードウェアおよび/またはソフトウェアの適切な組み合わせで一般に実装される、システムコントローラおよびデータプロセッサ124内の照明源を制御する機能性と組み合わされる。例えば、システムコントローラおよびデータプロセッサ124は、適切な制御および画像処理ソフトウェアを実行する汎用コンピュータであってよく、あるいは、代替的または追加的に、適切に構成された(例えば、グラフィカル処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPG)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)のような)特殊目的プロセッサを利用してよい。1つ以上の中央処理装置を含む汎用コンピュータは、例えば、複雑ではあるが固定された画像処理タスクを実行するようにカスタマイズされた(例えば、GPUを使用する)ハードウェアアクセラレータで時折増強される。1つ以上の汎用/特殊目的プロセッサに加えて、システムコントローラおよびデータプロセッサ124は、(ランダムアクセスメモリ(RAM)のような)揮発性メモリおよび(リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または磁気もしくは光コンピュータ記憶デバイスのような)不揮発性メモリの両方を含むことがある、1つ以上の機械可読記憶デバイスを有することがある。さらに、システムコントローラおよびデータプロセッサ124は、入出力デバイス(例えば、キーボード、ディスプレイ)と、人のオペレータおよび他のコンピュータとの通信のためのネットワークインターフェースとを含むことがある。
【0032】
図2A~
図5を参照して、次に、平坦ターゲットの知覚された照明を記載して、従来の照明源で得られる不均一な照明および開示される主題事項に従って所望の均一な照明を達成するための基本原理の両方を図示する。
【0033】
図2Aは、様々な実施形態に従った画像キャプチャセットアップにおけるターゲット204に対する、光源200および画像センサ202として象徴的に表現された同じ場所に置かれたカメラの場所の概念図である。光源200は、全ての方向に均一な半径方向の強度を特徴とする点光源であると仮定されるが、実際には、光源は、発光を、例えば、半球形または実質的に円錐形の領域に制限する、関連する孔を一般に有する。いずれにしても、光源200は、ターゲット204に向かって一般的な方向に光を放射するように位置付けられる。
図2Aは、ターゲット204を照らす光源200から放射された光206の部分を示す。(光源200および画像センサ202の描写は象徴的であり、よって、光源200および画像センサ202の両方がターゲット204に面することを反映していないことに留意のこと)。多くの適用シナリオにおいて、ターゲット204は、平坦なランベルトスクリーンであると仮定されてよく、それは、ターゲットが、均一に照明されると、任意の角度から等しく明るく見える、理想的な拡散反射面を有することを意味する。ランベルトスクリーンの放射強度(すなわち、それが、単位立体角あたりステラジアンで測定された、単位立体角あたりで放射する光パワー)は、光が反射される方向とスクリーンに対して法線方向208の表面との間の角度の余弦(コサイン)に直接比例する。代替的に、幾つかのシナリオにおいて、ターゲット204は、等方性スクリーンであると仮定することができ、等方性スクリーンは、均一に照らされると、全方向に同じ放射強度を有する光を放射する。そのような均一な放射は、例えば、スクリーンに亘る蛍光材料の均一な分布から生じ得る。
【0034】
図2Bは、
図2Aの画像センサ202に亘る所望の均一な強度分布210の一例を示す。画像センサ202は、その取得された信号が画像の画素を形成する均一サイズのセンサ素子の規則的なアレイ(例えば、長方形の形状)を含むことがある。簡潔性のために、センサ素子自体を以下では「画素」と呼ぶ。以下の議論の目的のために、ターゲット204内の撮像される領域は、概念的には、画素数が等しい、サブ領域の長方形グリッド(本明細書では「セル(cells)」)に分割される。画像センサ202と関連付けられる撮像光学系(図示せず)は、撮像される領域内の各セルを画像内の対応する画素上に効果的にマッピングする。
図2Bは、画像の中心で垂直に、(本明細書ではx座標として示される)水平寸法に沿った画素の単一の行212(row)を示す。画像センサ202は、(y座標として示される)垂直寸法に沿う複数のそのような画素行を含む。ターゲット102の光学表面特性が均一であるならば、すなわち、(例えば、ランベルトスクリーンまたは均一な蛍光もしくは他の等方性スクリーンの場合のように)全てのセルに対して同じであるならば、キャプチャされた画像は、強度分布210によって示されるように、全ての画素に亘って等しい信号振幅(例えば、グレースケール値)で、この均一性を反映することが望ましい。
【0035】
図2Cは、等方性光源200、すなわち、全方向に均一な放射強度で放射する光源200について、
図2Aの画像センサ202に亘る実際の強度分布214の例を示す。図からわかるように、強度は、画像の中心で最大であり、半径方向に低下する。
【0036】
図3は、
図2Cで観察された強度の半径方向の低下を説明する概略図である。点302に位置する画像センサ202によって取得された画像内の中心行212に沿った画素に対応する、ターゲット内の水平行300に沿ったセルを考慮する。dは、ターゲットとセンサとの間の法線距離であるとする。(この議論の目的のために、画像センサ220と関連付けられる撮像光学系のアパーチャストップ(aperture stop)の空間的な広がりは、通常のターゲット-センサ間距離dおよびターゲット102の幅と比較して無視できると仮定する)。さらに、θは、ターゲットに対する法線304と、302でのセンサと所与のセル308との間の視線306との間の角度であるとする。302でのセンサとセル308との間の距離rは、d/cosθに等しい。固定されたセルの高さhの場合、セル308によって限定された(subtended)垂直角度は、以下の通りである。
【数1】
すなわち、セルの限定された垂直角度(または「角度高さ(angular height)」)は、cosθとして中心(セル310)でのh/dから低下する。固定されたセル幅の場合、セル308によって限定された水平角度は、以下の通りである。
【数2】
すなわち、セルの限定された水平角度(または「角度幅(angular width)」)は、(cosθ)
2として中心(セル310)でのh/dから低下する。cosθの余分な因数(factor)は、視線306に対して垂直な方向へのセルの突出から生じる。角度高さと角度幅の低下(drop-off)を組み合わせると、セルによって限定された立体角が、撮像された領域の中心にあるセル310から水平方向に沿って(cosθ)
3として低下することが分かる。同じ分析は、取得された画像を持つ中心列に対応するセルの垂直ストリップにも当て嵌まる。従って、画像の画素上にマッピングされる、撮像された領域内のセルによって限定された立体角は、画像中心からの半径方向距離で(cosθ)
3として低下する。
【0037】
(例えば、光ファイバ104の遠位端によってほぼ提供されるような)点302での理想的な点光源は、全ての方向で、すなわち、(ワット/ステラジアンで測定された)等方性放射強度で、均一に光を放射する。従って、ターゲットの任意のセル308によって受け取られる光の量は、セル308によって限定された立体角に比例し、よって、(cosθ)
3に比例する。反対に、(等方性スクリーンの場合と同様に)反射光の点光源として照明されたセル308を考慮すると、画像センサ220の対応する画素で受け取られるセル308によって放射される光の割合(fraction)は、(cosθ’)
3に比例する、(セル308の観点から)画素によって限定された立体角に比例し、ここで、θ’は、センサに対する法線と、センサとセル308との間の視線306との間の角度である。センサ法線がターゲットに対する法線と平行であると仮定すると、θ’=θである。よって、例えば、等方性光源によって照らされた均一な蛍光ターゲットからの、画像センサで受け取る光は、(cosθ)
6で変化し、
図2Cに示す画像強度の観測された半径方向の低下を生じさせる。中心から外側エッジ(外縁)に例えば30°の角度で広がる(span)撮像領域の場合、エッジ(縁)のセルは、セルが中心で受け取る光パワーの約65%のみを受け取り、画像センサのエッジにある対応する画素は、中心画素が中心セルから受け取る反射光の割合(fraction)の65%のみを受け取る。その結果、エッジにある画素によって測定される強度は、中心強度の約42%のみである。ランベルトスクリーンの場合、画素からセンサに角度θ’=θで放射される光は、(cosθ)
7の画像強度の半径方向低下について、別の因数を集める。
【0038】
様々な実施形態によれば、ターゲットの特定の領域に到達し、次に、そのターゲット領域から画像センサに戻される、光の割合の上述の角度依存性は、角度放射強度分布を有する非等方性光源を生成することによって補償される。より具体的には、光ファイバの端にある光源の放射強度は、より大きな出力角で増加した放射強度が中心からより大きな半径方向距離で対応するターゲット領域を照らし、それらの対応するターゲット領域によってセンサに向かって反射または蛍光放射される、より小さな割合の光を補うような方法において、より大きな出力角に向かって増加するように修正される。そのような角度放射強度分布は、近位端で光ファイバに発射される光の入力角に対する光ファイバの遠位端で出力される光の角度分布の依存を利用することによって達成されることができる。
【0039】
図4A~
図4Eは、光ファイバに結合されたコリメート光の様々な入力角についての光ファイバの光出力の例示的な画像を示す。
図4Aから分かるように、0°での、すなわち、入力端のファイバの光軸に沿って入力された光は、0°で、すなわち、出力端にあるファイバの光軸に沿う方向において最大である角度放射強度分布に対応する、出力での明るい中心スポットを生じさせる。10°の小さな入力角については、
図4Bに示すように、出力光は、依然として中心スポットを形成する。しかしながら、20°、30°、および35°の入力角について、
図4C~
図4Eの画像は、出力での半径方向強度分布の最大が出力角の増加にシフトすることを反映する、入力角の増加に向かって直径が増加する明るいリングを示す。光ファイバの環状の(すなわち、リング状の)強度出力を理解するために、ファイバに入射する光線を考慮する。光ファイバの光軸を含む平面に入るメリジオナル光線は、全反射によって誘導されて、その平面内でファイバに沿って進行する。一方、光軸を含まない平面内でファイバに入るスキュー光線は、ファイバのコア-クラッド界面に斜めの角度で当たり、概ね螺旋状の経路に沿って伝搬する。曲がったファイバの場合、これらの螺旋状光線の経路長は一般に異なり、それはそれらの出力角をランダム化して、出力光の円錐(コーン)を生成する。
【0040】
図5は、様々な入力角についての
図4A~
図4Eの画像から導き出された、出力角θの関数としての光ファイバの出力強度のグラフ500、502、504、506、508を示す。ここで画素グレイスケール値として与えられる出力強度は、中心から反対方向に対応する正および負の出力角で、(半径方向に対称な強度分布を通じる直径に対応する)それぞれの画像の中心を通じる画素の行に沿ってプロットされる。20°、30°、および35°の入力角について、グラフ504、506、508は、光がファイバ内に発射される入力角に概ね一致する出力角でピーク514、516、518を有する二重ピーク分布を示す。例えば、20°の入力角についてのグラフ504は、ほぼ±20°の出力角で最大を示す。ピークの角度半値幅は、0°および10°入力角での単一の中心ピークについて約30°であり、3つのより大きな入力角での二重ピーク分布の各ピークについて約15°である。
図5は、強度低下を表す曲線520も含み、これは、分かるように、グラフ500、502、504、506、508の上に概略の包絡線を形成する。
【0041】
図5に示すように、光ファイバの出力端での角度放射強度分布は、入力端でファイバに発射される光の角度強度分布を介して制御されることができる。同軸照明では、任意の所与の角度で光ファイバに結合された光は、概ね円形の照明領域をもたらし、円の直径は入力角とともに増加し、異なる入力角に対応する異なる直径を有する複数のそのような円形の照明領域を組み合わせて、全体的に均一な照明を作り出すことができる。斜め照明では、円形の対称性は破壊され、任意の所与の角度で光ファイバに結合される光は、例えば、ほぼ楕円形の照明領域をもたらす。少なくとも原理的には、複数の入力角について照明される(例えば楕円形の)領域は、照明の均一性を向上させるために組み合わせられることができるが、対称性の喪失は、所望の出力角度強度分布をもたらす入力角度強度分布を決定することを複雑にする。以下では、ファイバ入力で制御可能な角度強度分布を達成するための照射源の様々な実施形態を記載する。
【0042】
図6は、様々な実施形態による、変換平面602(例えば、フーリエ変換平面)における空間フィルタリングによって光ファイバ104に結合された光の角度強度分布を制御するための例示的な照明源600の概略図である。照明源600は、例えば、LEDまたは他のレーザのような、少なくとも1つの光エミッタ112と、コリメーティング光学系114(例えば、レンズ)と、集束光学系116(例えば、レンズ)とを含む。コリメーティング光学系114は、光エミッタ112から受け取った発散光604をコリメートされた、すなわち、平行な光606に変換するように、その焦点距離f1にほぼ等しい光エミッタ112からの距離に配置されてよい。集束光学系116は、ファイバ入力110で平行な光を再集束するように、その焦点距離f2にほぼ等しい光ファイバ104の入力端110からの距離に配置されてよい。
【0043】
レンズおよび他の集束光学系は、(異なる波形ベクトルを有する平面波としてモデル化された)異なる方向から光学系に入射する平行な光を、後方集束平面内の異なるそれぞれの空間場所にマッピングし、逆に、前方集束平面内の異なる空間場所から入射する光を、異なる方向に伝搬する平行な出射光にマッピングする点で、空間ドメインと空間周波数(または波形ベクトル)ドメインとの間の入射光の(計算的なフーリエ変換とは対照的な)物理的フーリエ変換を行う。例えば、光軸に平行に伝搬する平面波は、光軸上の焦点にマッピングされ、光軸に対してある角度で伝搬する平面波は、光軸からの半径方向距離が角度とともに増加する集束平面内の焦点にマッピングされる。光ファイバ104の入力端110に入射する光608の角度分布を制御する集束光学系のこの特性を利用するために、照明源600は、(コリメーティング光学系114に続いて焦点距離f1で配置されるコリメーティング光学系114の平面に対して平行な平面である)コリメーティング光学系114の後方焦点平面が、平面602内の(集束光学系116に先立って焦点距離f2で配置される集束光学系116の平面に対して平行な平面である)集束光学系116の前方焦点平面と一致するように構成される。その平面602における空間強度分布は、コリメーティング光学系114の前方焦点平面での空間周波数分布ならびに集束光学系116の後方焦点平面のフーリエ変換である。従って、平面602を「フーリエ変換平面」または単に「変換平面」とも呼ぶ。変換平面602における光606の空間強度分布を制御することによって、光ファイバ104に入射する光608の角度分布を制御することができる。
【0044】
入射するコリメートされた光606の空間強度分布を制御または調整するために、照明源600は、コリメーティング光学系114と集束光学系116との間の変換平面602に位置付けられた光変調器610を含む。光変調器610は、光軸117にある中心からより大きな半径に向かって増加する半径方向に変化する強度分布を生成するように構成されてよい。半径方向に沿うこの強度変化は、連続的であってよく、あるいは、代替的に、強度が段階的に増加する複数の同心状のリングの形態を取って不連続であってよい。光変調器610として機能することがある様々なデバイスは、当業者に知られている。
【0045】
幾つかの実施形態において、光変調器610は、回折光学素子(時には「回折素子」)であってよく、それは、バイナリまたはアナログの連続位相プロファイルのいずれかを使用して、干渉および回折によって任意の所望の空間強度分布を生成するように設計された、薄い位相素子であってよい。回折素子は、一般に、ビーム成形器または拡散器/ホモジナイザとして使用され、様々な材料から、例えば、ガラス基板上にポリマを堆積すること、硬質半導体材料または溶融シリカをエッチングすること、またはエンボス加工もしくは射出成形プラスチックを含む、様々な方法を使用して作られることができる。商業的に入手可能な回折素子の例は、RPC Photonics, Inc.(Rochester, NY)によるEngineered Diffusers(TM)である。入射光から逆ガウスビームプロファイルを生成するように設計された回折光学素子は、光変調器610として適切であることがある。何故ならば、逆ガウスプロファイルは、より大きな半径に向かって強度が1/(cosθ)6で増加するプロファイルの良好な近似であるからである。代替的に、1/(cosθ)6または1/(cosθ)7プロファイルを達成するカスタム製造された回折光学素子が、必要に応じて使用されてよい。
【0046】
光変調器610のための別のオプションは、空間的に可変な光の透過および吸収を提供する、光エミッタの波長で動作するように設計された、勾配吸収フィルタである。そのようなフィルタの透過プロファイルは、例えば、ガラス基板に塗布された誘電体および/または金属コーティングによって達成される様々な光学密度から生じる。適切な勾配吸収フィルタは、例えば、Reynard Corporation(San Clemente, CA)から商業的に入手可能である。例えば、Reynard CorporationからのBullseye(登録商標)Apodizingフィルタは、中心からエッジに向かって減少し、より大きな半径でより多くの光を透過する、ガウス光学密度分布を提供する。ガウス分布を有するフィルタを使用する代わりに、回折素子のような勾配吸収フィルタが、カスタム空間プロファイルで作られることもできる。
【0047】
光変調器610のためのさらに別のオプションは、所望の波長範囲(例えば、可視および/または紫外線領域)で制御可能に透過する材料から作られたプログラマブル空間フィルタである。プログラマブル空間フィルタは、例えば、2つの光学的透過性プレートの間に配置された液晶材料と、液晶層内に複数の個別にアドレス指定可能な領域(または画素)を生成する電極を形成するように構造化されたプレート上に配置された導電性および光学的(またはUV)透過性層(例えば、インジウムスズ酸化物)とを含むことがある。これらの領域における液晶の透過率は、各領域において液晶層に亘る電圧の印加を介して調節されることができる。よって、プログラマブル空間フィルタは、これらの素子をアドレス指定するための電子回路とともに、複数の可変透過性素子および個々に制御可能な素子を含む。幾つかの実施形態において、これらの素子は、光軸117を中心として環状領域を形成し、各々は、異なる範囲の照明角度と関連付けられる。
【0048】
有利には、光変調器610としてプログラマブル空間フィルタを使用することは、照明光の結果として得られる角度強度分布を最適化するために、光変調器610を較正すること、または使用中にその動作を調整することを可能にする。較正のために、光の角度放射強度分布は、例えば、(光ファイバ104への入力に対応する)照明源600の出力または光ファイバ104の出力で測定されることがあり、所望(例えば、1/(cosθ)6または1/(cosθ)7)の角度強度分布を生成するように空間フィルタで印加される電圧を調整するためにフィードバックとして機能する。代替的に、例えば、光ファイバ104の出力端118と同じ場所に置かれるカメラによって測定されるような、ターゲットによって反射される光の強度分布は、均一な知覚照明を達成するためのフィードバックとして直接使用されることがある。測定に基づくプログラマブル空間フィルタの制御は、例えば、システムコントローラおよびデータプロセッサ124または別の適切な計算デバイスで実施されるデジタル写真においてしばしば使用されるような自動露光アルゴリズムに類似する、適切なアルゴリズムによって実装されてよい。幾つかの実施形態では、光変調器610を介するファイバ出力での放射強度分布の調節は、ターゲット102の三次元(3D)トポロジ測定と組み合わされる。単純な例において、照明光源および画像センサは、積分球の中心に配置される。球の行に沿う全てのセルの立体角は、同一である。また、全てのセルは、光源と積分球の壁との間の視線に対して垂直である。従って、点光源は、積分球内のあらゆるセルで均一な照明を発生させる。セルが光を反射して撮像システムのアパーチャストップに戻すと、セルからアパーチャストップまでの立体角は、全ての反射セルについて一定である。しかしながら、アパーチャストップは、反射セルによって見られるように、アパーチャストップに対するセル視線と撮像システムの光軸との間の角度θのコサインによって、予備短縮される。従って、この場合、最適照明分布は、球の内側で照明の均一な知覚を達成するために、1/cos(θ)である。
【0049】
図7Aは、様々な実施形態による、光ファイバ104に結合された光の角度強度分布を制御するための、光ファイバ104に対する複数の角度にある複数の光エミッタ702、704を含む例示的な照明源700の概略図である。この実装において、照明源700は、ファイバ入力で光を方向付けるためのコリメーティング光学系および集束光学系を含まないことがある。その代わり、光エミッタ702、704(例えば、レーザまたはLEDs)は、使用時に入力端110でファイバ104の光軸と一致する、照明源700の光軸706に対して異なる角度で、光ファイバ104の入力端110で光を直接放射するように方向付けられることがある。光エミッタ702、704は、複数のそれぞれの波長の光を生成するエミッタのグループを含むことがあり、それらの波長が、最小の光学系であるいは光学系を伴わずに、ファイバ入力で組み合わされることを可能にする。例えば、光エミッタ702の1つのグループは、緑色光を放射する一方で、光エミッタ704の別のグループは、青色光を放射する。各グループ内で、光エミッタ702または704は、出力強度が独立して変化することができる。そのような強度変化は、例えば、(例えば、ダイオードレーザに供給される電力を調節することによってあるいはポンプレーザへのパワーを介してポンピングされるレーザの利得を調節することによって)各エミッタの光出力パワーを直接変化させることによって、あるいはレーザ出力で制御可能な振幅変調器を使用して強度を可変的に減少させることによって達成されることができる。各エミッタの出力強度を独立して変更することは、様々な入力角での光の相対強度、よって、ファイバ入力での角度強度分布を(各波長で別々に)制御することを可能にする。様々な実施形態では、少なくとも3つ、または少なくとも5つの光エミッタが、角度強度分布の制御性において十分な角度分解能(angular resolution)を達成するために、各波長で使用される。有利には、離散角でファイバ内に発射される光は、入力での離散角度強度分布が出力での所望の連続角度強度分布をもたらすように、その角度の周りで「ぼやける(blurred)」傾向がある。
【0050】
図示のように、光エミッタ702または704の各グループは、光軸706を含む平面内に配置されてよい。集合的に、グループのうちの光エミッタ702または704は、関心ターゲット領域を完全に照明するように、例えば、ゼロまたはゼロに近い入力角と光ファイバ104の出力端118での所望のビーム発散に基づいて決定されることがある最大入力角との間の入力角の範囲をカバーする。単一の方向から所与の角度で光ファイバ104内に結合される光は、入力端110と出力端118との間で光ファイバ104内に分散されて、環状の円錐状の光出力をもたらす傾向があるので、光エミッタ702または704のグループは、依然として実質的に円筒状に対称的な出力を達成しながら、光軸706の一方の側に拘束されることができる。光軸706の他方の側は、異なる波長の光エミッタのグループのために使用されることがある。例えば、図示の例において、緑色光エミッタ702は、光軸706の上方に配置されることがあり、青色光エミッタ704は、光軸706の下方に配置されることがある。図の平面から外れると、他の波長、例えば、赤色、紫外線、および/または近赤外光での光エミッタを追加することが可能である。
【0051】
当業者が理解するように、単一の1/4平面内の光エミッタ(例えば、702、704)の各グループの図示された配置は、様々な可能な構成のうちの1つにすぎない。代替的に、異なる波長のための光エミッタは、半平面内の角度に沿って、例えば、交互または(3つ以上の波長について)周期的に、散在させられてよい。光軸706の両側にある同じ波長の光エミッタは、入力角の数を増加させるために、それらの角度向きにおいて僅かにシフトさせられてよい。例えば、6つの青色光エミッタが、-40°、-20°、0°、10°、30°および50°に配置されてよく、5つの緑色光エミッタが、-50°、-30°、-10°、20°および40°に配置されてよい。さらに、所与の波長の光エミッタは、必ずしも単一の平面内に配置される必要はない。代替的な構成は、例えば、光軸706を中心とするエミッタの方位角がエミッタ軸と光軸706との間に囲まれる角度とともに変化する、「円錐スパイラル(conical spiral)」を形成する配置を含む。
【0052】
個別に強度制御可能なエミッタ702、704を異なる角度で含む照明源700が、プログラマブル空間フィルタを含む光変調器を用いて、照明源600と同様に較正および作動されることができる。例えば、異なるエミッタの相対強度は、ファイバ入力またはファイバ出力で結果として得られる光の角度放射強度分布の測定に基づいて、あるいはターゲットの照明の直接観察に基づいて、任意にターゲットの3Dトポロジ測定とともに、決定されることができる。フィードバック制御ループが、例えば、システムコントローラおよびデータプロセッサ124のような計算デバイス上で実行される自動露光または類似のアルゴリズムを使用して実装されることができる。
【0053】
図7Bは、様々な実施形態による、斑点状ノイズ除去(スペックル除去)(despeckling)を可能にするコリメーティング光学系および集束光学系114、116と関連して、複数の角度にある複数の光エミッタ702、704を含む例示的な照明源750の概略図である。光エミッタ702、704は、それらの出力をコリメーティング光学系114の前方集束平面754内の焦点領域752に方向付ける。コリメートされた光756は、コリメーティング光学系114および集束光学系116の焦点距離が等しいならば、各光エミッタ702、704についての光軸706に対する光放射のそれぞれの角度に等しい入力角で、集束光学系116によって、光ファイバ104の入力に再集束される。焦点距離が異なるならば、各入力角の接線は、光エミッタ702または704によるそれぞれの放射角度の接線に、コリメーティング光学系114および集束光学系116の焦点距離の比を乗じたものに等しい。よって、エミッタ702、704の強度を光軸706に対するそれらのそれぞれの角度の関数として制御することによって、
図7Aに示す照明源700と同様に、光ファイバ104の入力における角度強度分布を直接制御することができる。共通の放射される波長を共有する複数のエミッタ702または704からの光の間の局所干渉は、レーザスペックルパターンを引き起こし得る。そのようなレーザ斑点状ノイズ(レーザスペックル)は、コリメーティング光学系114と集束光学系116との間の変換平面に配置されたレーザ斑点状ノイズ低減器758(レーザスペックル低減器)(laser speckle reducer)によって減少されることができる。斑点状ノイズ低減器758は、振動または他の移動するディフューザ、例えば、変換平面において小さな円形運動を受けるように作動される薄い弾性膜上に担持された軽量のディフューザ、またはパルス化された磁場を介して共振するようにされた鋼構造内に取り付けられたガラスディフューザによって実装されることができる。斑点状ノイズ低減器は、当業者に一般的に知られており、容易に商業的に入手可能である。
図7Aに示す照明源700と同様に、
図7Bに示す照明源750のための単一の1/4平面における光エミッタ(例えば、702、704)の各グループの図示された配置は、様々な可能な構成のうちの1つにすぎず、照明源750は、上述の光エミッタの他の配置を使用してよい。その上、照明源750は、緑色、青色、および赤色光エミッタ(および/または紫外線、近赤外線などのような、他の波長の光エミッタ)のような、光エミッタの2つよりも多くのグループを含んでよい。
【0054】
図7Cは、様々な実施形態による、光ファイバ104上に光を集束させる集束光学系116に向かって実質的にコリメートされた光を集合的に放射する複数の光エミッタ772、774を含む例示的な照明源770の概略図である。光エミッタ772、774は、個々の光エミッタ772、774によって放射される「マイクロビーム(microbeams)」が、特定の好ましい実施形態の場合のように各々コリメートされるか、あるいは他の実施形態の場合のようにある程度のビーム発散を示すかにかかわらず、集束光学系116の光軸706に対して概ね平行な光を発光するように方向付けられて、光ビーム全体のコリメーションを達成してよい。光学系116の集束特性の結果として、放射されて、光軸706からより大きな半径方向の距離で集束光学系116の(フーリエ変換平面に対応する)前方集束平面を横断する光は、より大きな入力角で光ファイバ104に入る。幾つかの実施形態において、光エミッタ772、774は、共通の平面的な回路基板上に取り付けられ、それらの出力ファセットは、全て単一の平面に沿って配置される。図示のように、この平面は、集束光学系116の前方集束平面776と一致するように位置付けられてよい(すなわち、それは集束光学系116に先行して焦点距離fに配置されてよい)。入射するコリメートされた光の空間強度分布が(フーリエ変換平面を構成する)集束光学系116の前方集束平面内に配置された光変調器で変調される、
図6に示す照明源600と比較すると、照明源700は、光エミッタ772、774の出力強度を直接介して、前方集束平面776またはフーリエ変換平面内の空間強度分布を制御することを可能にし、それによって、光ファイバ104内に結合される光の角度強度分布を制御することができる。フーリエ変換平面にエミッタを配置することは(例えば、それが照明源770のための設計、製造、および試験プロセスを単純化し得るという点で)有益なことがあるが、光軸706からのエミッタの半径方向距離と光ファイバ104への入力角との間のマッピングは、光軸706に対して平行なエミッタ出力については、当業者によって容易に理解されるように、光軸706に沿ってエミッタ772、774がどこに配置されるかにかかわらず、少なくとも原理的には同じである。
【0055】
図7Aおよび
図7Bのマルチエミッタ実施形態におけるように、個々の光エミッタ772、774の出力強度は、(例えば、ダイオードレーザに供給される電力を調節すること、またはポンプレーザへのパワーを介してポンピングされるレーザの利得を調節することによって)各エミッタの光出力パワーを直接変化させることによって、あるいはレーザ出力で制御可能な振幅変調器を使用することによって強度を可変的に減少させることによって、変更されることができる。さらに、照明源700、750に関して上述したように、光エミッタ772、774は、複数のそれぞれの波長で光を生成するエミッタのグループ(例えば、緑色光を放射するエミッタ772のグループおよび青色光を放射するエミッタ774のグループ)を含んで、それらの波長が、最小の光学系であるいは光学系を伴わずに、ファイバ入力で組み合わされることを可能にしてよい。各グループ内で、光エミッタ772または774は、出力強度が独立して変化させられることができ、それは、様々な入力角での光の相対強度、よって、ファイバ入力での角度強度分布を、各波長について別々に制御することを可能にする。
【0056】
図7D~
図7Fは、様々な実施形態による、(例えば、前方集束平面776内の)照明源770の光エミッタの例示的な平面配置の概略図である。
図7Dの構成780では、全てが同じ波長で出力光を生成するエミッタ772(一対のみがラベルが付されている)が、平面内の同心円782に沿って配置される。エミッタの各円782は、光ファイバ104の入力で特定の入力角にマッピングされる。各円782に沿ったエミッタ772は、光ファイバ104への対応する入力角で所望の光強度を生成するために、グループとして一緒に制御されてよく、グループ間の相対出力強度は、ファイバ入力で所望の角度強度分布を達成するために制御されてよい。
図7Eの構成784は、同心円788に配置された3つの異なる波長(例えば、赤色、緑色、および青色)で放射する光エミッタ772、774、786を含み、各円788は、全ての3つの波長についての光エミッタ772、774、786を含む。よって、所与の波長についてのエミッタの各グループは、(光軸706がある)中心から異なる半径方向距離にあるエミッタを含み、その波長での角度強度分布に対する制御を容易にする。
図7Fは、光エミッタの星構成790を示しており、星構成では、複数の波長の各々について、その波長で光を出力するエミッタのグループ(例えば、エミッタ79、またはエミッタ794)が半径に沿って配置され、その波長での角度強度分布を制御するための入力角の範囲にマッピングする、中心(または光軸706)からの半径方向距離の範囲に跨がる(spanning)、
【0057】
図7Gは、様々な実施形態による、複数のそれぞれの平面に配置された複数の光エミッタ797、798のグループによって放射される複数の波長にある光を組み合わせる、さもなければ
図7Cに示されるような、例示的な照明源796の概略図である。光エミッタ797の1つのグループが、集束光学系116に先立つ焦点距離fで、例えば、図示のように、集束光学系の光軸706上に配置され、集束光学系116に直接向かう光軸706に対して平行な第1の方向に光を放射することがある。光エミッタ798の追加的なグループが、光軸706に向かう光軸706に対する角度で(例えば、光軸706に対して垂直に)、1つ以上の第2の方向に光を放射するように方向付けられてよい。光軸706に沿って配置されたミラー799が、光エミッタ798のグループから放射される光ビーム内で、それらのビームを光軸706に沿って集束光学系116に向かって方向転換させることがある。幾つかの実施形態において、光エミッタ797、798のグループおよびミラー799は、ミラー799が光軸706に沿って伝搬する光を遮らないように構成される。例えば、光軸706が水平な平面内に位置する場合、光エミッタ797、798は、それぞれ、(例えば、それぞれ、光エミッタ792および光エミッタ794について
図7Fに示すように)水平方向に対して異なるそれぞれの方向に沿って直線的に配置されてよい。代替的に、エミッタ797、798からのマイクロビームが空間的にオーバーラップするならば、ミラー799は、各ミラーが、関連するエミッタ798のグループの波長での高反射率と、光軸706上に配置されたエミッタ797の波長および光軸706上のミラー799に先行する他のエミッタのうちのいずれかのエミッタの波長での光の高透過率とのために構成された、二色性ミラー799(dichroic mirrors)であってよい。
【0058】
光エミッタ798の各グループは、それぞれの平面内に配置されることがあり、光エミッタ798のグループに関連する光軸は、関連するミラー799の平面内の集束光学系116の光軸706と一致するそれぞれの平面に対して法線方向の軸として定義されることがある。(光エミッタ798のグループに関連する軸は、ミラー799から集束光学系106への光軸706のセグメントとともに、また、「折り畳まれた(folded)」光軸と考えられてもよい)。各平面内で、光エミッタ798は、例えば、(
図7Dに示すように)それぞれの光軸で中心化される同心円に沿って、あるいは、一般に、光エミッタ798のグループに関連する光軸からの半径方向距離の範囲に亘る任意の方法で、配置されてよい。図示のように、エミッタ798の各グループは、エミッタ798が位置する平面が、その光学機能において、集束光学系116の前方集束平面であるように、関連する(例えば、二色性)ミラー799からのその距離と集束光学系116からのそのミラー799の距離との合計が、集束光学系の焦点距離116fになるように、配置されてよい。しかしながら、上述のように、光エミッタ798と集束光学系116との間の特定の光学距離は必要でなく、光軸からの半径方向距離と光ファイバ104への入力角との間の同じマッピングは、光エミッタ798がそれらのそれぞれの光軸に対して平行に光を放射する限り、達成される。
【0059】
照明源796は、原則として、任意の数の波長を組み合わせることができる。例えば、図示のように、それは、例えば、限定されるものではないが、赤色、青色、緑色、および紫外光に対応することがある、4つの波長を組み合わせることがある。異なる波長にある光を生成する光エミッタは、図示のように、異なるそれぞれの平面内に別々に配置されてよい。しかしながら、例えば、
図7Eまたは
図7Fに示す方法で、単一の平面内の複数の波長のサブセットのためのエミッタを組み合わせることも可能である。例えば、集束光学系116の光軸706に沿う平面内に配置される光エミッタ797は、赤色光のエミッタおよび緑色光のエミッタを含んでよく、その出力がミラー799によって集束光学系116に反射される、別個の平面内に配置される光エミッタ798は、青色光のエミッタおよび紫外光のエミッタを含んでよい。当業者は、
図7C~
図7Gに関して記載した構成を様々な方法でどのように組み合わせるかを知っているであろう。
【0060】
図8Aおよび
図8Bは、様々な実施形態による、強度が変化するにつれて、1つ以上の光エミッタ112からの光801をコリメーティング光学系114に亘って走査することによって光ファイバ104に結合された光の角度強度分布を制御するための、例示的な照明源800の概略図である。図示のように、光エミッタ112からのコリメートされた光801は、光軸117に沿って伝搬する際に、コリメーティング光学系114の前方集束平面804に配置されたビーム掃引器802(beam sweeper)によって遮断される。ビーム掃引器802は、光の伝搬方向を時間の関数として変化させ、それによって、コリメーティング光学系114の表面に亘ってビーム掃引器802から(全体的または部分的に)出る光ビーム806を走査する。ビーム806がコリメーティング光学系114に入る光軸117に対する(本明細書では「走査角度(scanning angle)」とも呼ぶ)角度は、コリメーティング光学系114および集束光学系116の焦点距離が同じであるならば、集束光学系116から出るビーム808の光軸117に対する同じ角度となる。このようにして、光ファイバ104に結合される光ビーム808は、コリメーティング光学系114に入る光ビーム806をその同じ角度範囲に亘って走査することによって、入力角の範囲に亘って走査されることができる。
【0061】
幾つかの実施態様において、ビーム掃引器802は、光ビーム806を1つの横方向寸法(光軸117に対して垂直な1つの方向および入射ビームの伝搬方向)においてのみ走査する「単軸(single-axis)」ビーム掃引器である。例えば、光軸117に沿う光の伝搬方向をzとして示すと、単軸ビーム掃引器は、x方向においてコリメーティング光学系114に亘ってビーム806を走査するように方向付けられてよく、ビーム805は、この場合、x-z平面内を伝搬する。幾つかの実施形態において、ビーム掃引器802は、「二軸(dual-axis)」ビーム掃引器である。入射する光ビームを任意の方向に偏向させることによって、2つの横方向において、すなわち、x-y平面に亘って光ビーム806を走査することを可能にする。光ファイバ104自体は、たとえ光が1つの方向からファイバ104に入るとしても、環状出力を生成する傾向があるので、多くの場合に、光軸117と交差するコリメーティング光学系114の表面に亘る線に沿う走査で十分なことがある。さらに、走査は、コリメーティング光学系への法線方向の入射と最大所望の入力角との間の線セグメントに制限されてよい。そのような部分的走査を
図8Bに示す。
【0062】
ビーム掃引器802は、当業者に知られている様々なデバイスのうちのいずれかによって実装されてよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の音響光学変調器(AOM:acoustic-optic modulators)が使用される。AOMは、例えば、ガラスまたは光に対して透明な他の材料から作られたプレートに取り付けられた圧電トランスデューサによって生成される音波を使用して光を回折するために音響光学効果を使用する。音波は、ブラッグ回折と同様の方法において、入射光を散乱させて干渉させるガラス中の移動する周期的な屈折率変調を作り出す。回折角は、音波の周波数に依存し、その角度で回折される光の量は、音の強度に依存する。よって、ビーム掃引器802としてAOMを使用することで、ビーム806と光軸117との間の走査角に対応する回折角、およびビーム806の強度は、例えば、圧電トランスデューサによって生成される振動の周波数および振幅を介して、音の周波数および強度を同時に制御することによって、調整された態様で調整されることができる。音波が光軸117に対して垂直な方向に伝搬するように方向付けられた単一のAOMでは、その方向における回折を達成することができる。例えば、光軸117に沿う光の伝搬方向をz、音波の伝搬方向をxとして示すと、回折ビームは、x-z平面内の方向において伝搬する。ビーム806をx-y平面に亘って走査するように任意の方向において回折を達成するために、1つがx方向に方向付けられ、1つがy方向に方向付けられた、2つの交差したAOMが使用されてよい。
【0063】
代替的な実施形態では、1つ以上のミラー検流計(mirror galvanometers)が、ビーム掃引器802として機能する。ミラー検流計は、磁場中に配置された通電コイル(current-carrying coil)に沿って回転して、ミラーが回転するときにミラーから反射される光ビームを偏向させるミラーを含む。光の偏向を介してコイル内の電流を測定するために従来使用されてきたが、ミラー検流計は、現在では、(例えば、レーザショーにおいて)レーザビームを移動させるためにも一般的に使用される。照明源800では、ミラー検流計、より一般的には、電気的に駆動される回転ミラーを使用して、入射光を電気的に制御可能な角度で偏向させることができる。AOMと同様に、単一の回転ミラーは、1つの横方向に沿ってビームを走査することを可能にするのに対し、2つの交差した回転ミラーは、両方の横方向において完全な走査柔軟性を達成する。しかしながら、AOMとは異なり、(例えば、ミラー検流計における)回転ミラーは、それ自体は光の強度を変えない。
【0064】
光軸117に対する光の角度を単に変化させるビーム掃引器802を使用するとき、光エミッタの出力強度は、光ファイバ104内に結合される光の所望の角度強度分布をもたらすために、走査角度と同期して(直接的に、あるいはエミッタ出力で振幅変調器を介して間接的に)変更されてよい。例えば、システムコントローラおよびデータプロセッサ124、または別個のコントローラは、システムコントローラおよびデータプロセッサ124のメモリに記憶されることがあるように、強度と角度との間の所望の機能的依存性(例えば、コサイン)に従って、光エミッタ(または、関連する振幅変調器)およびビーム掃引器802を同時に制御することがある。代替的に、光エミッタ112は、ビーム掃引器802および/またはその逆から受信される信号に基づいて制御されてよく、あるいは、光エミッタ112およびビーム掃引器802の両方が、それぞれ、掃引を同期させるように機能するトリガ信号を用いて、光の強度および角度の所定(例えば、線形または正弦波)掃引を実行してよい。
【0065】
上述のように、ビーム掃引器802は、例えば、単一のAOMまたはミラー検流計のみ、または一対の交差したAOMまたは検流計が使用されるかどうかに依存して、一次元または二次元においてビーム806を走査することを可能にする。光ファイバ104自体は、たとえ光が1つの方向のみからファイバ104に入るとしても、環状出力を生成する傾向があるので、多くの場合に、光軸117と交差するコリメーティング光学系114の表面に亘る線に沿った走査で十分なことがある。さらに、走査は、コリメーティング光学系への法線方向の入射と最大所望の入力角との間の線セグメントに制限されてよい。
【0066】
変換平面内の空間フィルタリングを利用する照明源600、700、750、または光軸に対して異なる角度で方向付けられた複数の光エミッタは、複数の入力角の光を同時に含む光ファイバへの集束入力ビームを生成するが、ビーム掃引器ベースの照明源800は、様々な角度で入力を一時的に広げる。ターゲットの全体的に均一に知覚照明は、センサによって取得された各画像が、(1つの方向の全走査の期間であると理解される)走査期間の全走査期間または整数倍に亘って受け取られた光を集約するように、走査速度が画像取得速度と少なくとも等しく、協調しているならば、そのような走査を介して達成されることができる。様々な実施形態において、画像取得速度は、毎秒30フレーム~毎秒120フレームの間であり、走査速度は、300Hz~12kHzの間である。走査照明では、好ましくは、センサのフルフレーム読み出しが使用される。シャッタは、読出中に光がセンサに到達するのを妨げてよく、十分な光子を蓄積するために複数の連続する掃引が読出の間に行われる場合には、(走査が双方向であるならば)走査方向の変化に関連するビーム掃引器のターンアラウンド期間中に、あるいは(走査が一方向であるならば)ビーム掃引器が開始位置に戻される期間中に妨げてよい。システムコントローラおよびデータプロセッサ124は、光エミッタ112、ビーム掃引器802、センサ120、およびシャッタの動作を、同時に協調的な方法で制御することがある。
【0067】
図9は、様々な実施形態による、ターゲットを照明する一般的な方法900を示すフローチャートである。方法900は、照明源(例えば、600、700、750、800)を利用して、(902において)入力端で1つ以上の光ファイバに複数の角度にある光を結合する一方で、(904において)光の角度放射強度分布を制御し、光ファイバを使用して、(906において)出力端で1つ以上の光ファイバから出る光でターゲットを照らす。ファイバ内に結合される光の入力角度放射強度分布は、出力角の増加に伴って出力強度の増加を示すように、光ファイバを出る光の出力角度放射強度分布を生じさせるように制御されてよい。様々なステップ902、904、906は、光がその経路に沿ってどのように伝搬するかを示すために順番に示されているが、一般に、ある時間期間に亘って連続的に並列に行われる。
【0068】
図10A~
図10Dは、様々な実施形態による、光ファイバへの入力で制御された角度放射強度分布を生成するための様々な方法1000、1002、1003、1004を示すフローチャートである。これらの方法1000、1002、1003、1004は、知覚される均一な照明を達成するために使用されることができる。機能的に等価なステップには、
図10A~
図10Dに亘って同じ参照番号が与えられる。
【0069】
図10Aを参照すると、
図6に示すような照明源600を用いて実施し得る方法1000は、(1006において)1つ以上の光エミッタによって光を生成および放射することと、(1008において)光をコリメートすることと、(1010において)光を空間的にフィルタリングすることと、(1012において)光を再集束させて、所望の強度分布を角度の関数として達成することと、(1014において)その入力端で集束光を光ファイバ内に結合させることとを含む。コリメーティング光学系と集束光学系との間でフーリエ変換平面において行われることがある(1010における)空間フィルタリングは、静的空間フィルタ(例えば、回折素子または勾配吸収フィルタ)またはプログラマブル空間フィルタ(例えば、電子制御液晶フィルタ)によって実行されることがある。プログラマブル空間フィルタの場合、方法1000は、空間フィルタが、例えば、照明源600の出力、光ファイバ104の出力、および/またはカメラの画像センサ120によって取得される照明ターゲットの画像の測定に基づいて、例えば、液晶素子に印加される制御電圧に対する調整を介して、(1016において)調整される、フィードバック制御ループを含んでよい。そのような調整は、空間フィルタの電圧設定を最適化するために較正ターゲットを利用する較正手順の一部として、照明源600の前配置が実行されてよく、次に、決定された設定は、照明源600のその後の使用中に適用されてよい。代替的または追加的に、調整は、元位置で(in situ)行われてよい。何故ならば、照明源600は、改良された照明の均一性のために空間フィルタを微調整するために、例えば、解剖学的ターゲットを照らすために、最終用途において使用されるからである。
【0070】
図10Bを参照すると、
図7A~
図7Bに示されるような照明源700または750を用いて実施し得る方法1002では、複数のエミッタからの光が、(1020において)共通の焦点に向けられる。エミッタは、それらが光軸に対して複数の異なる角度で光を放射するように方向付けられ、エミッタの強度は、所望の角度強度分布を達成するために、(1022において)角度の関数として個々に制御される。強度制御は、エミッタの機能を制御することによって、あるいはエミッタによって出力される光を別個の光変調デバイスで変調することによって達成されることができる。複数のエミッタの共通の焦点は、幾つかの実施形態において、(1014において)光を光ファイバ内に直接結合するように、光ファイバの入力端に配置される。他の実施形態において、エミッタによって出力される光は、(1014において)光ファイバに結合される前に、(1008において)コリメートされ、(1024において)斑点状ノイズ除去され、(1012において)再集束される。この場合、共通の焦点は、コリメーティング光学系の前方集束平面に配置されてよい。
【0071】
図10Cを参照すると、
図7C~
図7Gに示すような照明源770または796を用いて実施することができる方法1003において、コリメートされた光は、複数のエミッタによって放射される、例えば、(1026において)集束光学系の前方集束平面(または複数の前方集束平面)に配置され、放射された光は、集束光学系によって、(1012において)光ファイバの入力上に集束される。エミッタは、光軸(例えば、集束光学系の光軸、または、ビーム経路内のミラーが光を方向変更するならば、光エミッタに関連する光軸)からの複数の異なる半径方向距離に配置され、エミッタの強度は、所望の角度分布を達成するために、(1028において)半径方向距離の関数として個別に制御される。強度制御は、エミッタの機能を制御することによって、あるいはエミッタによって出力される光を別個の光変調装置で変調することによって達成されることができる。
【0072】
図10Dを参照すると、
図8A~
図8Bに示すような照明源800を用いて実施することができる方法1004は、(1030において)1つ以上のエミッタによって概ねコリメートされた光ビームを生成することと、(1032において)(下流)コリメーティング光学系の表面に亘ってコリメートされたビームを走査することとを含む。コリメーティング光学系は、(1008において)光軸に対して平行な光のコリメートされたビームを、瞬間的な走査角度および走査されたビームがコリメーティング光学系の表面に当たる場所に依存する光軸からの距離で生成する。軸からの任意の距離でコリメーティング光学系から出るコリメートされた光は、それが(1014において)光ファイバ内に結合される光ファイバの入力端で(1012において)集束される。光ファイバへの入力で所望の角度強度分布を達成するために、コリメーティング光学系に亘って走査される光の走査角度および強度は、エミッタの出力強度またはビーム掃引器によって固有に適用される強度変調と関連してビーム掃引器の走査角度を制御することによって、(1034において)同時に協調的な方法において制御されてよい。
【0073】
光ファイバに結合された光の角度強度分布を制御するための様々なアプローチを記載した。様々な実施形態において、開示された装置(例えば、照明源600、700、750、800)は、撮像されたターゲットの表面特性が変化することに起因する任意の変化を除いて均一であるキャプチャされた画像に亘る測定された強度において反射されるような、ターゲットの知覚された均一な照明を達成するために、ファイバベースの画像キャプチャシステム(例えば、システム100)内で作動される。具体的には、ファイバ入力での角度強度分布は、光ファイバの出力端で実質的に等方性の光を出力する従来のシステムで観察される強度における半径方向低下を補償するように調整されることがある。有利には、均一な照明の技術的効果は、センサ出力信号を電子的に補償する如何なる必要も伴わずに、画像センサで達成されることができる。よって、ターゲット表面の蛍光または吸光度の挙動を測定する際の改良された精度を含む、均一に知覚された照明の利点は、増大したおよび/または空間的に不均一な電子的ノイズのような、電子的補償に関連する技術的問題を伴わずに実現されることができる。
【0074】
以下の番号を付した実施例は、例示的な実施形態である。
【0075】
1.ターゲットを照らす方法であって、1つ以上の光ファイバの入力端で、入力端での1つ以上の光ファイバの光軸に対する複数の入力角で1つ以上の光ファイバ内に光を結合することと、1つ以上の光ファイバの出力端で1つ以上の光ファイバを出る光でターゲットを照らすことと、入力端での光の入力角度放射強度分布を制御して、出力角の増加に伴って出力強度の増加を示す出力角度放射強度分布を生じさせることと、を含む、方法。
【0076】
2.入力端での光の入力角度放射強度分布は、カメラによって測定されるようなターゲットの均一な知覚照明を達成するように制御される、例1に記載の方法。
【0077】
3.カメラは、1つ以上の光ファイバの出力端と実質的に同じ場所に置かれる、例1または例2に記載の方法。
【0078】
4.ターゲットは、解剖学的ターゲットを含み、1つ以上の光ファイバの出力端は、患者の身体の内側に配置され、入力端での光は、患者の身体の外側の入力端で1つ以上の光ファイバ内に結合される、例1~3のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0079】
5.1つ以上の光ファイバは、ファイバ束を形成する、例1~4のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0080】
6.入力端での光の入力角度放射強度分布を制御することは、入力角の増加に伴って入力端での光の放射強度を増加させることを含む、例1~5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0081】
7.1つ以上の光ファイバ内に光を結合することは、1つ以上の光エミッタによって放射される光をコリメートすることと、コリメートされた光を1つ以上の光ファイバの入力端に集束させることと、を含む、例1~6のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0082】
8.入力端での光の入力角度放射強度分布を制御することは、変換平面においてコリメートされた光を制御することを含む、例7に記載の方法。
【0083】
9.変換平面においてコリメートされた光を制御することは、変換平面において空間フィルタリングすることを含む、例8に記載の方法。
【0084】
10.空間フィルタリングすることは、静的位相プロファイルを有する回折素子または静的吸収プロファイルを有する勾配吸収フィルタのうちの1つを使用して行われる、例9に記載の方法。
【0085】
11.空間フィルタリングすることは、プログラマブル空間フィルタの制御可能な要素を調整することを含む、例9に記載の方法。
【0086】
12.制御可能な要素を調節することは、電気的にアドレス指定可能な液晶領域に印加される電圧を調整することを含む、例11に記載の方法。
【0087】
13.制御可能な要素を調整することは、1つ以上の光ファイバの入力端での入力角度放射強度分布、1つ以上の光ファイバの出力端での出力角放射強度分布、またはターゲットの照明のうちの少なくとも1つのものの測定値に少なくとも部分的に基づいて、制御可能な要素を調整することを含む、例11または例12に記載の方法。
【0088】
14.1つ以上の光ファイバ内に光を結合することは、複数の光エミッタによって放射される光を1つ以上の光ファイバの入力端に方向付けることを含む、例1~6のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0089】
15.1つ以上の光ファイバの入力端での光の入力角度放射強度分布を制御することは、複数の光エミッタの相対的な出力強度を制御することを含む、例14に記載の方法。
【0090】
16.複数の光エミッタの相対的な出力強度は、1つ以上の光ファイバの入力端での入力角度放射強度分布、1つ以上の光ファイバの出力端での出力角度放射強度分布、またはターゲットの照明のうちの少なくとも1つのものの測定値に少なくとも部分的に基づいて制御される、例15に記載の方法。
【0091】
17.複数の光エミッタは、異なるそれぞれの波長で光を放射する1つ以上のグループの光エミッタを含む、例14~16のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0092】
18.複数の光エミッタは、コリメーティング光学系の光軸に対する複数の角度で、コリメーティング光学系の前方集束平面にある集束領域に向かって光を放射するように方向付けられ、1つ以上の光ファイバの入力端に光を方向付けることは、1つ以上の光ファイバの入力端にコリメートされた光を集束させることを含む、例14~17のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0093】
19.1つ以上の光ファイバの入力端にコリメートされた光を集束させるために使用される集束光学系とコリメーティング光学系との間の変換平面でコリメートされた光を斑点状ノイズ除去することをさらに含む、例18に記載の方法。
【0094】
20.複数の光エミッタは、複数の入力角で1つ以上の光ファイバの入力端に向かって光を放射するように方向付けられる、例14~17のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0095】
21.複数の光エミッタは、1つ以上のグループの光エミッタを含み、各グループは、入力端で1つ以上の光ファイバの光軸を含む平面内に配置される、例20に記載の方法。
【0096】
22.複数の光エミッタは、実質的にコリメートされた光を放射するように方向付けられ、1つ以上の光ファイバの入力端に光を方向付けることは、1つ以上の光ファイバの入力端にコリメートされた光を集束させることを含む、例14~17のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0097】
23.複数の光エミッタは、1つ以上の光ファイバの入力端にコリメートされた光を集束させる集束光学系の前方集束平面に配置される、例22に記載の方法。
【0098】
24.複数の光エミッタは、単一の平面内に配置された、異なるそれぞれの波長の光を放射する複数のグループの光エミッタを含む、例22または例23に記載の方法。
【0099】
25.複数の光エミッタは、1つ以上の光ファイバの入力端にコリメートされた光を集束させる集束光学系に向かって第1の方向において第1の波長で実質的にコリメートされた光を放射する第1のグループの光エミッタを含み、当該方法は、第1の方向とは異なる第2の方向において第1の波長とは異なる第2の波長で実質的にコリメートされた光を放射することと、第2の波長で実質的にコリメートされた光を集束光学系に向かって第2の方向から第1の方向に方向変更することとをさらに含む、例22または例23に記載の方法。
【0100】
26.1つ以上の光ファイバに光を結合することは、コリメートされた光を生成するコリメーティング光学系に亘って1つ以上の光エミッタからの光を走査することと、コリメートされた光を1つ以上の光ファイバの入力端に集束させることとを含む、例1~6のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0101】
27.入力端での光の入力角度放射強度分布を制御することは、走査される光の強度を走査される光の走査角と協調させることを含む、例26に記載の方法。
【0102】
28.走査される光の強度および走査角は、1つ以上の音響光学変調器における回折角および回折強度を介して制御される、例27に記載の方法。
【0103】
29.走査される光の強度を走査される光の走査角と協調させることは、走査される光の走査角に基づいて1つ以上の光エミッタの出力強度を制御することを含む、例27または例28に記載の方法。
【0104】
30.光は、一次元においてコリメーティング光学系に亘って走査される、例26~29のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0105】
31.光は、二次元においてコリメーティング光学系に亘って走査される、例26~29のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0106】
32.光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、1つ以上の光エミッタによって放射される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内にコリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、コリメーティング光学系と集束光学系との間の変換平面に位置付けられる光変調器と、を含み、光変調器は、集束領域内の光の強度を1つ以上の光ファイバへの入力角の関数として変化させるように構成される、照明源。
【0107】
33.光変調器は、スタティック変調器を含む、例32に記載の照明源。
【0108】
34.光変調器は、回折素子または勾配吸収フィルタを含む、例33に記載の照明源。
【0109】
35.光変調器は、プログラム可能である、例32に記載の照明源。
【0110】
36.光変調器は、可変制御可能な透過率を有する複数の個別にアドレス指定可能な要素を含む、例35に記載の照明源。
【0111】
37.光変調器は、個別にアドレス指定可能な要素の透過率を制御するための電子回路をさらに含む、例36に記載の照明源。
【0112】
38.要素は、液晶材料を含む、例36または例37に記載の照明源。
【0113】
39.光変調器は、空間的に変化する位相プロファイルまたは透過プロファイルを有する、例32に記載の照明源。
【0114】
40.位相プロファイルまたは透過プロファイルは、光軸を中心として半径方向に変化する、例39に記載の照明源。
【0115】
41.照明源であって、当該照明源の光軸に対する異なる角度で共通領域に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタと、角度に基づいて、放射される光の相対強度を変化させるように構成される、コントローラと、を含む、照明源。
【0116】
42.共通領域は、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる、例41に記載の照明源。
【0117】
43.複数の光エミッタによって放射される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれた集束領域内にコリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、をさらに含み、共通領域は、コリメーティング光学系の前方集束平面に配置される、例41または例42に記載の照明源。
【0118】
44.コリメーティング光学系と集束光学系との間の変換平面に配置される斑点状ノイズ低減器(スペックル低減器)をさらに含む、例43に記載の照明源。
【0119】
45.コントローラは、複数の光エミッタによって生成される出力強度または複数の光エミッタの出力で振幅変調器によって付与される強度低下のうちの少なくとも1つを制御することによって放射される光の相対強度を変化させるように構成される、例41~44のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0120】
46.複数の光エミッタは、2つよりも多くのグループの光エミッタを含み、2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第1のグループの光エミッタは、第1の波長の光を放射するように構成され、2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第2のグループの光エミッタは、第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射するように構成される、例41~45のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0121】
47.第1のグループの光エミッタは、光軸を含む第1の半平面内に配置され、第2のグループの光エミッタは、光軸を含む第2の半平面内に配置され、第2の半平面は、第1の半平面とは異なる、例46に記載の照明源。
【0122】
48.実質的にコリメートされた光を放射するように構成される複数の光エミッタと、複数の光エミッタによって放射される光を1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、光軸からの光エミッタの半径方向距離に部分的に基づいて複数の光エミッタによって放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、照明源。
【0123】
49.共通領域は、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる、例48に記載の照明源。
【0124】
50.コントローラは、複数の光エミッタによって生成される出力強度または複数の光エミッタの出力で振幅変調器によって付与される強度低下のうちの少なくとも1つを制御することによって、放射される光の相対強度を変化させるように構成される、例48または例49に記載の照明源。
【0125】
51.複数の光エミッタは、集束光学系の前方集束平面内に配置される、例48~50のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0126】
52.複数の光エミッタは、共通平面内に配置される2つよりも多くのグループの光エミッタを含み、2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第1のグループの光エミッタは、第1の波長の光を放射するように構成され、2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第2のグループの光エミッタは、第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射するように構成される、例48~51のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0127】
53.複数の光エミッタは、第1の波長で実質的にコリメートされた光を第1の方向において集束光学系に向かって放射する第1のグループの光エミッタと、第1の波長とは異なる第2の波長で実質的にコリメートされた光を第1の方向とは異なる第2の方向において放射する第2のグループの光エミッタとを含み、当該照明源は、第2の波長で実質的にコリメートされた光を第2の方向から第1の方向に集束光学系に向かって方向変更するミラーをさらに含む、例48~51のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0128】
54.光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、1つ以上の光エミッタによって放射される光を掃引するように構成されるビーム掃引器と、掃引される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内にコリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、ビーム掃引器にコリメーティング光学系に亘って光を掃引させるように構成され、掃引される光の強度を掃引と同期して変化させるように構成される、コントローラと、を含む、照明源。
【0129】
55.コントローラは、1つ以上の光エミッタを制御して、掃引と同期して放射される光の強度を変化させるように構成される、例54に記載の照明源。
【0130】
56.コントローラは、ビーム掃引器を制御して、掃引と同期してビーム掃引器を出る光の強度を変化させるように構成される、例54に記載の照明源。
【0131】
57.ビーム掃引器は、1つ以上の音響光学変調器を含む、例54~56のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0132】
58.ビーム掃引器は、1つ以上の検流計を含む、例54~56のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0133】
59.ビーム掃引器は、光を二次元的においてコリメーティング光学系に亘って掃引する2つの交差したデバイスを含む、例54~58のうちのいずれか1つに記載の照明源。
【0134】
60.入力端と、出力端とを有する、1つ以上の光ファイバと、1つ以上の光ファイバの出力端を出る光によって照らされるターゲットからの光を受けるように位置付けられるカメラと、入力端で1つ以上の光ファイバ内に光を結合するように構成され、1つ以上の光ファイバに対する入力角に基づいて光の強度を変化させるように構成される、照明源と、を含む、
システム。
【0135】
61.カメラは、1つ以上の光ファイバの出力端と実質的に同じ場所に置かれる、例60に記載のシステム。
【0136】
62.照明源は、入力角の増加に伴って放射強度の増加を示す入力端での光の入力角度放射強度分布を生じさせるように構成される、例60または例61に記載のシステム。
【0137】
63.照明源は、光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、1つ以上の光エミッタによって放射される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、コリメートされた光を1つ以上の光ファイバの入力端にある集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、コリメーティング光学系と集束光学系との間の変換平面に位置付けられる光変調器と、を含み、光変調器は、1つ以上の光ファイバに対する入力角に基づいて光の強度を変化させるように構成される、例60~62のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【0138】
64.光変調器は、回折素子、勾配吸収フィルタ、または可変制御可能な透過率を有する複数の個別にアドレス指定可能な素子を有するプログラマブル変調器のうちの1つを含む、例63に記載のシステム。
【0139】
65.照明源は、異なる入力角で1つ以上の光ファイバの入力端に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタと、異なる入力角に基づいて放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、例60~62のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【0140】
66.照明源は、照明源の光軸に対して異なる角度で共通領域に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタであって、照明源の光軸は、入力端での1つ以上の光ファイバの光軸と一致する、複数の光エミッタと、複数の光エミッタによって放射される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、コリメートされた光を1つ以上の光ファイバ入力端にある集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、コリメーティング光学系と集束光学系との間の変換平面に配置される斑点状ノイズ低減器(スペックル低減器)と、光軸に対する異なる角度に基づいて放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、例60~62のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【0141】
67.照明源は、実質的にコリメートされた光を放射するように構成される複数の光エミッタと、複数の光エミッタによって放射される光を1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、光軸からの光エミッタの半径方向距離に部分的に基づいて複数の光エミッタによって放射される光の相対強度を変化させるように構成されるコントローラと、を含む、例60~62のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【0142】
68.照明源は、光を放射するように構成される1つ以上の光エミッタと、1つ以上の光エミッタによって放射される光を掃引するように構成されるビーム掃引器と、掃引される光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、コリメートされた光を1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる集束領域内に集束させるように位置付けられる集束光学系と、ビーム掃引器にコリメーティング光学系に亘って光を掃引させるように構成され、掃引される光の強度を掃引と同期して変化させる構成される、コントローラと、を含む、例60~62のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【0143】
69.コントローラは、1つ以上の光エミッタを制御して、放射される光の強度を掃引と同期して変化させるように構成される、例68に記載のシステム。
【0144】
70.ビーム掃引器は、1つ以上の音響光学変調器を含み、コントローラは、ビーム掃引器を制御して、ビーム掃引器を出る光の強度を掃引と同期して変化させるように構成される、例68に記載のシステム。
【0145】
開示された主題事項は、様々な例示的な実施形態に関して本明細書に記載されかつ説明されるが、これらの例は、例示的なものとしてのみ意図されており、限定的であるものとして意図されていない。主題事項の範囲から逸脱しない様々な修正、構成の追加的な組み合わせ、および記載された実施形態のさらなる適用が、当業者の心に思い浮かぶことがある。従って、本発明の主題事項の範囲は、以下の請求項および本開示によって裏付けられる全ての追加的な請求項、ならびにそのような請求項の全ての均等物によって決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを照らす方法であって、
1つ以上の光ファイバの入力端で、前記入力端での前記1つ以上の光ファイバの光軸に対する複数の入力角で前記1つ以上の光ファイバ内に
複数の光エミッタによって放射される光を結合することと、
前記1つ以上の光ファイバの出力端で前記1つ以上の光ファイバを出る前記光で前記ターゲットを照らすことと、
前記複数の光エミッタの相対的な出力強度を制御することによって、前記入力端での前記光の入力角度放射強度分布を制御して、出力角の増加に伴って出力強度の増加を示す出力角度放射強度分布を生じさせることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布は、カメラによって測定されるような前記ターゲットの均一な知覚照明を達成するように制御され
、任意的に、前記カメラは、前記1つ以上の光ファイバの前記出力端と実質的に同じ場所に置かれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力端での前記光の前記入力角度放射強度分布を制御することは、入力角の増加に伴って前記入力端での前記光の放射強度を増加させることを含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の光エミッタの前記相対的な出力強度は、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端での入力角度放射強度分布、前記1つ以上の光ファイバの出力端での出力角度放射強度分布、または前記ターゲットの照明のうちの少なくとも1つのものの測定値に少なくとも部分的に基づいて制御される、請求項
1~3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の光エミッタは、異なるそれぞれの波長で光を放射する1つ以上のグループの光エミッタを含む、請求項
1~4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の光エミッタは、コリメーティング光学系の光軸に対する複数の角度で、前記コリメーティング光学系の前方集束平面にある集束領域に向かって光を放射するように方向付けられ、
前記コリメーティング光学系は、前記コリメーティング光学系の前記光軸に対する前記複数の角度で前記光からコリメートされた光を生成し、前記複数の光エミッタによって放射される前記光を、前記入力端での前記1つ以上の光ファイバの光軸に対する前記複数の入力角で前記1つ以上の光ファイバ
内に結合することは、前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させることを含
み、
任意的に、当該方法は、
前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に前記コリメートされた光を集束させるために使用される集束光学系と前記コリメーティング光学系との間の変換平面で前記コリメートされた光を斑点状ノイズ除去することをさらに含む、
請求項
1~5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の光エミッタは、前記複数の入力角で前記1つ以上の光ファイバの前記入力端に向かって前記光を放射するように方向付けられる、請求項
1~5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の光エミッタは、1つ以上のグループの光エミッタを含み、各グループは、前記入力端で前記1つ以上の光ファイバの前記光軸を含む平面内に配置される、請求項
1~7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
照明源であって、
当該照明源の光軸に対する異なる角度で共通領域に向かって光を放射するように構成される複数の光エミッタと、
前記角度に基づいて、前記放射される光の相対強度を変化させるように構成される、コントローラと、を含む、
照明源。
【請求項10】
前記共通領域は、1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれる、請求項
9に記載の照明源。
【請求項11】
前記複数の光エミッタによって放射される前記光をコリメートするように位置付けられるコリメーティング光学系と、
1つ以上の光ファイバの入力端と動作的に同じ場所に置かれた集束領域内に前記コリメートされた光を集束させるように位置付けられる集束光学系と、をさらに含み、
前記共通領域は、前記コリメーティング光学系の前方集束平面に配置される、
請求項
9に記載の照明源。
【請求項12】
前記コリメーティング光学系と前記集束光学系との間の変換平面に配置される斑点状ノイズ低減器をさらに含む、請求項
11に記載の照明源。
【請求項13】
前記コントローラは、前記複数の光エミッタによって生成される出力強度または前記複数の光エミッタの出力で振幅変調器によって付与される強度低下のうちの少なくとも1つを制御することによって前記放射される光の前記相対強度を変化させるように構成される、請求項
9~12のうちのいずれか1項に記載の照明源。
【請求項14】
前記複数の光エミッタは、2つよりも多くのグループの光エミッタを含み、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第1のグループの光エミッタは、第1の波長の光を放射するように構成され、前記2つよりも多くのグループの光エミッタのうちの第2のグループの光エミッタは、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射するように構成される、請求項
9~13のうちのいずれか1項に記載の照明源。
【請求項15】
前記第1のグループの光エミッタは、前記光軸を含む第1の半平面内に配置され、前記第2のグループの光エミッタは、前記光軸を含む第2の半平面内に配置され、前記第2の半平面は、前記第1の半平面とは異なる、請求項
14に記載の照明源。
【国際調査報告】