(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】ポータブルクーラーコンテナ
(51)【国際特許分類】
F25D 3/14 20060101AFI20240119BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
F25D3/14
B65G61/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541034
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 US2021072955
(87)【国際公開番号】W WO2022150242
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517360055
【氏名又は名称】エンバー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】リース ダレン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカム クリストファー トマス
(72)【発明者】
【氏名】ティンペリ ミッコ ジュハニ
(72)【発明者】
【氏名】ムリンティ ラーフル
【テーマコード(参考)】
3L044
【Fターム(参考)】
3L044AA01
3L044AA04
3L044BA03
3L044CA11
3L044DC02
3L044GA01
3L044HA01
3L044HA06
3L044HA07
3L044JA01
3L044KA02
3L044KA04
(57)【要約】
1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物のための積載物チャンバを有するポータブルクーラーコンテナシステムを提供する。積載物チャンバ内に冷却ユニットが設けられている。冷却ユニットは、容器を有する。容器は、冷却材料(例えば、ドライアイス)で満たされ、蓋で閉じられる。冷却ユニットは1つ又は複数の可変の開口部を有する。開口部は、積載物を冷却するため、冷却材料によって生成された冷却ガス(CO2ガス)を断熱容器の積載物チャンバに制御可能に放出するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルクーラーコンテナシステムであって、
1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように構成された積載物チャンバを有する断熱容器と、
前記断熱容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合され、前記断熱容器の前記積載物チャンバを密封するように構成された蓋と、
前記断熱容器内の冷却ユニットと、
を備え、
前記蓋は、前記積載物チャンバ内の圧力が所定の圧力量を超えたときに少なくとも部分的に開くように構成された1つ又は複数の圧力逃がし弁を有し、
前記冷却ユニットは、
内部に冷却材料を受けるように構成されたチャンバを画定する冷却容器と、
前記冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合された蓋であって、前記冷却容器の前記チャンバを密封するように構成された蓋と、
前記冷却容器及び前記蓋の一方に設けられた1つ又は複数の可変開口部と、
を備え
前記可変開口部は、複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に前記積載物を冷却するため、前記冷却材料によって生成された冷却ガスを前記断熱容器の前記積載物チャンバに制御可能に放出するように動作可能である、システム。
【請求項2】
前記断熱容器は真空断熱されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記蓋における前記1つ又は複数の圧力逃がし弁は、前記蓋の両側の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記冷却容器は二重壁を有する断熱容器である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記冷却容器は二重壁を有する真空断熱容器である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記冷却材料がドライアイスである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却材料は、蒸発又は昇華を介して冷却ガスを生成する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記冷却容器の前記チャンバは、環状のチャンバである、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記冷却容器の前記チャンバは、円筒形のチャンバである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ又は複数の可変開口部は、前記冷却容器の前記チャンバと前記積載物チャンバとの間の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作し、
前記圧力差は前記積載物チャンバ内の温度を示す、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の可変開口部が開放される量及び当該可変開口部の開放の時間の少なくとも一方により、前記積載物チャンバを前記複数の所定の温度又は温度範囲のうちの一方に冷却するように、前記1つ又は複数の可変開口部が制御される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の可変開口部は、前記冷却ユニットの回路を介して電気的に動作し、
前記回路は、前記1つ又は複数の可変開口部が開放される量及び前記1つ又は複数の可変開口部の開放の時間の少なくとも一方を制御して、制御された量の冷却ガスが前記冷却容器の前記チャンバから前記積載物チャンバに排出されて、前記積載物チャンバを所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成されている、ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の所定の温度又は温度範囲の各々は、積載物のタイプの所望の温度に対応している、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記回路は、前記冷却ユニットの前記冷却容器又は蓋におけるユーザインターフェースを介して手動で又は遠隔電子デバイスから無線で、ユーザが選択した所定の温度又は温度範囲を受信する、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記冷却ユニットは、前記容器に取り外し可能に配置されている、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配置された表示画面を更に備え、
前記表示画面は、前記ポータブルクーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
ユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備え、
前記ボタン又は前記タッチスクリーンは、前記表示画面に電気的に接続された回路に、
a)前記ポータブルクーラーコンテナの送り主への返送を容易にするため、前記表示画面における送り主及び受取人に関する情報を自動的に切り替えること、及び
b)新しい電子出荷ラベルが発行されたこと及び前記ポータブルクーラーコンテナがピックアップできる状態であることを出荷業者に警告するため、当該出荷業者に信号を自動的に無線送信すること、
の一方又は両方を行わせる、ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
冷却ユニットを備えるポータブルクーラーコンテナシステムであって、
前記冷却ユニットは、
冷却材料を受けるように構成され、かつ前記冷却材料の1つ又は複数の表面に隣接する1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように寸法決めされたチャンバを画定する冷却容器と、
前記冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合された蓋であって、前記冷却容器の前記チャンバを密封するように構成された蓋と、
前記冷却容器及び前記蓋の一方に設けられた1つ又は複数の可変開口部と、
を備え
前記1つ又は複数の可変開口部は、前記冷却材料によって生成された冷却ガスを前記冷却容器の前記チャンバから複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に制御可能に放出するように動作可能である、ことを特徴とするポータブルクーラーコンテナシステム。
【請求項19】
前記冷却ユニットを取り外し可能に受けるように構成されたチャンバと、前記冷却容器の外壁と前記断熱容器の内壁との間に画定された1つ又は複数の間隙と、を有する断熱容器を更に備える、ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の間隙は環状の間隙である、ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記断熱容器は真空断熱されている、ことを特徴とする請求項18~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記冷却容器の外面と前記断熱容器の内面との間に配置された1つ又は複数のガスケット又はシールを更に備え、
前記1つ又は複数のガスケットは、前記1つ又は複数の間隙を介して冷却ガスを排気するように構成されている、ことを特徴とする請求項18~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つ又は複数の可変開口部は、前記冷却容器の前記チャンバの内部と外部との間の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作する、ことを特徴とする請求項18~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記1つ又は複数の可変開口部は、前記冷却ユニットの前記蓋における回路を介して電気的に動作し、
前記1つ又は複数の可変開口部が開放される量及び前記1つ又は複数の可変開口部の開放の時間の少なくとも一方を制御して、制御された量の冷却ガスを前記冷却容器の前記チャンバから排出するように、前記回路が構成されている、ことを特徴とする請求項18~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記冷却材料は、前記積載物より大きいフォームファクタを有する、ことを特徴とする請求項18~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記冷却材料は、2つの積載物の間に配置される、ことを特徴とする請求項18~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配置された表示画面を更に備え、
前記表示画面は、前記ポータブルクーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、ことを特徴とする請求項18~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
ユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備え、
前記ボタン又は前記タッチスクリーンは、前記表示画面に電気的に接続された回路に、
a)送り主に対する前記ポータブルクーラーコンテナの返送を容易にするように、前記表示画面上の送り主及び受取人情報を自動的に切り替えること、及び、
b)新しい電子出荷ラベルが発行されたこと及び前記ポータブルクーラーコンテナがピックアップできる状態であることを出荷業者に警告するため、信号を前記出荷業者に自動的に無線送信すること、
の一方又は両方を行わせる、ことを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポータブルクーラーに関し、より詳細には、温度感受性の物品を出荷するためのポータブルクーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルクーラーは、冷却状態の製品(例えば、液体、飲料、医薬品、臓器、食品など)を保管するために使用される。いくつかは、製品を冷却状態に保つためにしばしば氷で満たされる発泡スチロールコンテナである。しかし、最終的に氷は溶けて製品を浸されるため、液体を空にする必要がある。また、このようなクーラーは、輸送中に漏れが生じる可能性があるため、望ましくない。更に、このようなクーラーは、製品を冷却状態に維持することができず、氷が溶け、かつ/又はクーラーから液体が漏れる可能性があるため、長距離にわたって物品を輸送するのに望ましくない。したがって、このようなクーラーは、温度感受性の製品(例えば、食品、ワクチン、医薬品、臓器移植片、腐敗性材料など)の使用には適していない。このようなクーラーは、クーラー内の製品を使用不可能にしてしまう可能性がある。例えば、医薬品(例えば、ワクチン)は効力が失われると、効力を回復することができず、医薬品を無効及び/又は使用不能にする。既存のコンテナのもう1つの欠点は、1回使用した後に最終的に埋め立て地に送られる使い捨てコンテナであることである。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、クーラーコンテナは、1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品のための積載物チャンバを備える。積載物チャンバには、冷却ユニットが配置されている。冷却ユニットは、冷却材料(例えば、ドライアイス)で満たされ、蓋で閉鎖された容器を含む。冷却ユニットの1つ又は複数の可変開口部は、積載物を冷却するために、冷却材料によって生成された冷却ガス(例えば、CO2ガス)を容器の積載物チャンバに制御可能に放出するように動作可能である。
【0004】
本開示の別の態様によれば、ポータブルクーラーコンテナシステムが提供される。システムは、1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように構成された積載物チャンバを有する断熱容器を備える。システムはまた、断熱容器にヒンジ結合又は取り外し可能に結合され、断熱容器のチャンバを密封するように構成された蓋を備える。蓋は、チャンバ内の圧力が所定の圧力量を超えたときに少なくとも部分的に開くように構成された1つ又は複数の圧力逃がし弁を有する。システムはまた、断熱容器内に冷却ユニットを備える。冷却ユニットは、冷却材料を受けるように構成されたチャンバを画定する冷却容器と、冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合され、冷却容器のチャンバを密封するように構成された蓋と、を備える。冷却容器及び蓋の一方における1つ又は複数の可変開口部は、積載物を複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に冷却するために、冷却材料によって生成された冷却ガスを容器の積載物チャンバに制御可能に放出するように動作可能である。
【0005】
本開示の別の態様によれば、ポータブルクーラーコンテナシステムが提供される。システムは冷却ユニットを備える。冷却ユニットは冷却容器を備える。冷却容器は、冷却材料を受けるように構成され、かつ冷却材料の1つ又は複数の表面に隣接する1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように寸法決めされたチャンバを画定する。冷却ユニットはまた、冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合され、冷却容器のチャンバを密封するように構成された蓋を備える。冷却容器及び蓋の一方における1つ又は複数の可変開口部は、冷却材料によって生成された冷却ガスを冷却容器のチャンバから複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に制御可能に放出するように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】蓋のない
図3のクーラーコンテナの概略上面図である。
【
図5】
図3のクーラーコンテナが挿入される前後の二重壁断熱容器の概略断面図である。
【
図7】蓋のない
図6のクーラーコンテナの概略上面図である。
【
図8】
図7のクーラーコンテナが挿入される前後の二重壁断熱容器の概略断面図である。
【
図9】クーラーコンテナと遠隔電子デバイスとの間の通信を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、クーラーコンテナアセンブリ100(「クーラーコンテナ」)の概略図を示す。クーラーコンテナ100は、容器10を含む。容器10は、一実施態様では、外壁と、外壁から内側に離間してそれらの間に間隙を画定する内壁と、を有する二重壁容器10である。容器10の内壁は、積載物(例えば、ワクチン、食料品、飲料)を受ける積載物チャンバ12を画定する。一実施態様では、間隙は真空下にある。別の実施態様では、間隙は、断熱材料(例えば、発泡体)で満たされる。
【0008】
容器10は蓋40で覆われる。一実施態様では、蓋40は、容器10(例えば、蓋40と容器10との間のヒンジによって)に移動可能に結合される。別の実施態様では、蓋40は、容器10に(例えば、蓋40を容器10から完全に切り離すことができるように)取り外し可能に結合される。一実施態様では、蓋40は断熱されている(例えば、その上壁と底壁との間の発泡体などの断熱材料を有する真空断熱二重壁)。蓋40は、容器10に固定されたときにチャンバ12を密封する。蓋40は、その中に逃がし弁42(例えば、ばね式逃がし弁、電磁弁などの電子弁)を含む。弁42は、蓋40が容器10に固定されている間、チャンバ12を所定の圧力及び/又は所定の圧力範囲(例えば、大気圧を超える)内に維持するように動作する。これにより、チャンバ12が大気圧よりも高いレベルに加圧される。
【0009】
積載物チャンバ12の内部には、冷却システム200(例えば、ドライアイスキャニスタ)が配置される。冷却システム200は、内部に冷却材料(例えば、ドライアイス)220を受け、容器210を閉鎖する蓋230で密封する容器210を含む。蓋230は、所定の量の冷却ガス(例えば、ガス状CO2)が容器210から積載物チャンバ12に排出されて、チャンバ12を(例えば、ドライアイスの昇華を介して)冷却し、これにより、チャンバ12内の積載物を冷却するように動作可能な可変開口部(例えば、弁)232を有する。別の実施態様では、可変開口部は、蓋230でなく、容器210に設けられてもよい。
【0010】
一実施態様では、可変開口部(例えば、弁)232は、電子的に(例えば、回路EMによって、
図9を参照)制御される。例えば、可変開口部232は、冷却ガスを容器210から積載物チャンバ12に排出するように作動可能な電磁弁又はリニアアクチュエータの一部とすることができる。可変開口部232は、所定の量の冷却ガス(例えば、CO
2ガス)が積載物チャンバ12に排出されて積載物チャンバ12の温度を所定の温度及び/又は所定の温度範囲内にするような量及び時間だけ開くことができる。回路(例えば、
図9のEM、又は蓋230における)は、回路に(例えば、センサが容器210の表面上にある場合には有線方式で、センサが積載物チャンバ12内にある場合には蓋230内の受信機又はトランシーバを介して無線で)通信された検知温度に少なくとも部分的に基づいて可変開口部232の開閉を制御して(例えば、開口部のデューティサイクルを制御して)、冷却ガス(例えば、CO
2ガス)を制御された方法で積載物チャンバ12に排出することができる。例えば、チャンバ12内の検知温度が所定の温度を上回っており、かつ/又は所定の温度範囲外である(例えば、-20℃より高い)場合、回路は、可変開口部232の開放を(例えば、全開の特定の量又は割合まで、特定の時間にわたって)制御して、冷却ガス(例えば、CO
2ガス)を積載物チャンバ12に排出することができる。積載物チャンバ12内の検知温度が、温度が所定の温度及び/又は所定の温度範囲内にあることを示すと、回路は可変開口部232を制御して、冷却ガスのチャンバ12内への排気を閉鎖して禁止することができる。電源(例えば、1つ又は複数のバッテリ)は、任意選択的に蓋230内にあってもよく、本明細書で説明する回路、センサ及び/又は可変開口部232に電力を供給してもよい。冷却ガスの積載物チャンバ12への排気により、チャンバ12内の圧力が蓋40内の逃がし弁42の所定の作動圧力を超える場合、逃がし弁42を開いて積載物チャンバ12内の圧力を低下させることができる。
【0011】
上述したように、(例えば、蓋230における)回路は、可変開口部232の開放量及び時間を制御することができ、これにより、冷却ガス(例えば、CO2ガス)の積載物チャンバ12への制御された排気が可能になる。これは、有利には、冷却システム200(例えば、ドライアイスキャニスタ)が積載物の温度を複数の温度のうちの1つの温度に(例えば、積載物の性質及びその温度要件に応じて)維持する能力を可能にする。一実施態様では、異なるタイプの積載物材料の温度要件を、回路と通信する冷却システム200のメモリに記憶することができ、積載物のタイプを選択することができる(例えば、蓋230上のユーザインターフェースを介して、スマートフォン、タブレットコンピュータ、又は他の遠隔電子デバイスもしくは遠隔制御などから、蓋230におけるトランシーバ又は受信機を介して回路に通信される情報を介して無線で)。次いで、回路は、特定の積載物のタイプ(例えば、ワクチン、インスリン、医薬品、組織試料など)の動作を制御して(例えば、可変開口部232の開放量及び開放時間を制御する)、それを積載物のタイプに関連する所定の温度及び/又は所定の温度範囲内に維持することができる。
【0012】
別の実施態様では、可変開口部(例えば、弁)232は、(例えば、電子機器なしで)機械的に制御される。例えば、可変開口部232は、積載物チャンバ12と容器210のチャンバとの間の圧力差(例えば、容器210内の圧力が積載物チャンバ12内の圧力よりも大きい場合)に基づいて開く圧力作動弁の一部とすることができ、圧力差は積載物チャンバ12内の温度に依存する。したがって、圧力差に基づいて機械的に作動する可変開口部232と、圧力差とは、積載物チャンバ12内の温度が所定の温度に、及び/又は可変開口部232が動作する圧力差に対応する所定の温度範囲内に収まるように制御されるように、積載物チャンバ12内の温度に相関させることができる(例えば、可変開口部232は、圧力差がX量より大きいときに開くことができ、Xは、積載物チャンバ12の温度が積載物のタイプの所望の温度よりも高いこと、及び/又は所望の温度範囲外であることに対応する圧力差である)。
【0013】
冷却システム200は、積載物チャンバ12に取り外し可能に配置することができる(例えば、蓋230を取り外すこと、ドライアイスを容器210内に装填すること、蓋230を容器210に結合して容器210を密封すること、を可能にするため)。一実施態様では、蓋230は、容器210がチャンバ12内の安定した位置に留まることを可能にするフォームファクタ(form factor)を有する。一実施態様では、蓋40は、チャンバ12のベース面に(例えば、磁気的に、蓋230とチャンバ12との間のキースロット機構を介して)取り外し可能に結合される。
【0014】
図2は、クーラーコンテナシステム100’(「クーラーコンテナ」)の概略図を示す。クーラーコンテナ100’の特徴のいくつかは、
図1のクーラーコンテナ100の特徴と同様である。したがって、クーラーコンテナ100’の様々な構成要素を示すために使用される参照番号は、数値に「’」が追加されていることを除いて、
図1のクーラーコンテナ100の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、
図1のクーラーコンテナ100の様々な特徴の構造及び説明、並びにどのように動作及び制御されるかは、以下に説明するものを除いて、
図2のクーラーコンテナ100’の対応する特徴にも適用されると理解されたい。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ100’に関連して説明されるが、この特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ100,100’’,100’’’などのすべてのクーラーコンテナにも適用される。
【0015】
クーラーコンテナ100’は、冷却システム200’の構造においてクーラーコンテナ100とは異なる。冷却システム200’は、冷却材料(例えば、ドライアイス)220で充填された環状の容器210’を含み、蓋230’で密封される。図示していないが、蓋230’は、容器210’から(例えば、容器210’内のチャンバに冷却材料を充填することを可能にするために)取り外し可能である。任意選択的に、容器210’は、容器10’内に取り外し可能に配置することができる取り外し可能なユニットであり、環状の容器210’の内壁は、積載物チャンバ12’の壁を画定する。別の実施態様では、容器210’は、容器10’に内蔵される(例えば、冷却システム200’は、容器10’から取り外すことができない)。容器210’は、(例えば、可変開口部232’を閉鎖するためにチャンバ12’のベースに向かって移動するゲートによって)開閉することができる1つ又は複数の(例えば、2つの)可変開口部232’を有する。クーラーコンテナ100に関して上述したように、可変開口部232’は、(例えば、回路、例えば
図9のEM、冷却システム200’における回路及び/又はクーラーコンテナ100’の回路を介して)電子的又は機械的に制御される(例えば、積載物チャンバ12’と容器210’内のチャンバとの間の圧力差に基づいて動作する)。
【0016】
図3~
図5は、クーラーコンテナシステム100’’(「クーラーコンテナ」)の概略図を示す。クーラーコンテナ100’’の特徴のいくつかは、
図1のクーラーコンテナ100の特徴と同様である。したがって、クーラーコンテナ100’’の様々な構成要素を示すために使用される参照番号は、数値に「’’」が追加されていることを除いて、
図1のクーラーコンテナ100の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、
図1のクーラーコンテナ100の様々な特徴の構造及び説明、並びにどのように動作及び制御されるかは、以下に説明するものを除いて、
図3~
図5のクーラーコンテナ100’’の対応する特徴にも適用されると理解される。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ100’’に関連して説明されるが、この特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ100,100’’,100’’’などのすべてのクーラーコンテナにも適用される。
【0017】
クーラーコンテナ100’’は、二重壁を有する真空断熱容器である容器10’’を有する。他の実施態様では、容器10’’は、内壁と外壁との間の間隙に材料断熱体を有する二重壁である。容器10’’はチャンバ12’’を有する。冷却システム200’’は、容器210’’ (例えば、二重壁の真空断熱容器)を有する。冷却材料220’’は、(例えば、ドライアイス)を受けるチャンバを有し、当該チャンバは、積載物が冷却材料220’’の少なくとも一部に隣接するように積載物を受けるサイズを有する。
図3では、積載物は冷却材料220’’に亘って配置されている。冷却システム200’’はまた、容器210’’を密封するために容器210’’に取り外し可能に結合された蓋230’’を有する。蓋230’’は、容器210’’から冷却ガス(例えば、容器210’’内のドライアイスの昇華から生成されたCO
2ガス)を(例えば、電気的又は機械的に制御して)排出するための通気口232’’を有する。通気口232’’は、容器210’’から冷却ガス(CO
2ガス)を通気するために特定の圧力設定で開く。冷却ガスは積載物を通過して積載物を冷却する。所定の温度及び/又は所定の温度範囲に容器210’’内の積載物を維持するため、任意選択的に所定の量の冷却材料220’’が容器210’’内に配置される。
図4に示すように、積載物は、冷却材料220’’(例えば、ドライアイス)よりも小さい外周を有し、冷却材料220’’の昇華から生成された冷却ガスが積載物の表面を介して積載物を冷却することを可能にする。
【0018】
冷却システム200’’は、容器210’’の外面と容器10’’の内面との間に1つ又は複数の間隙(例えば、環状間隙)が画定されるように、チャンバ12’’内に(例えば、上下逆さまに)取り外し可能に配置される。任意選択的に、蓋(図示せず)を容器10’’の上部に結合することができ、容器210’’の外壁と容器10’’の内壁との間の環状部を通って流れる冷却ガス(例えば、CO2ガス)を通気するための通気口を有する。1つ又は複数のガスケット又はシールは、1つ又は複数の間隙に配置され、冷却ガス(例えば、CO2ガス)を通すように動作可能である。
【0019】
図6~
図8は、クーラーコンテナシステム100’’’(「クーラーコンテナ」)の概略図を示す。クーラーコンテナ100’’’の特徴のいくつかは、
図3~
図5のクーラーコンテナ100’’の特徴と同様である。したがって、クーラーコンテナ100’’’の様々な構成要素を示すために使用される参照番号は、数値に「’」が追加されていることを除いて、
図3~
図5のクーラーコンテナ100’’の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、
図3~
図5のクーラーコンテナ100’’の様々な特徴の構造及び説明、並びにどのように動作及び制御されるかは、以下に説明するものを除いて、
図6~
図8のクーラーコンテナ100’’の対応する特徴にも適用されると理解される。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ100’’’に関連して説明されるが、この特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ100,100’,100’’などのすべてのクーラーコンテナにも適用される。
【0020】
クーラーコンテナ100’’’は、容器210’’’内の冷却材料220’’’の形状が、クーラーコンテナ100’’と異なっている。冷却材料220’’’(例えば、ドライアイス)は、積載物が冷却材料220’’’の両側に配置されるように形成され、冷却材料が一方の積載物だけでなく両方の積載物を冷却することを可能にする。
図7に示すように、冷却材料220’’’は、深さよりも大きい幅を有し、積載物よりも大きい幅を有するため、容器210’’’のチャンバ内に間隙が生じ、これを介して冷却材料220’’’の蒸発により生じた冷却ガス(例えば、CO
2ガス)が1つ又は複数の積載物に亘って流れて積載物を冷却する。
【0021】
図9は、本明細書に記載のデバイス(例えば、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’)のための(例えば、デバイスに組み込まれている)制御システムのブロック図を示す。図示の実施形態では、回路EM(例えば、制御回路、マイクロコントローラユニットMCU、1つ又は複数のコンピュータプロセッサなど)は、1つ又は複数のセンサS1~Sn(例えば、レベルセンサ、体積センサ、温度センサ、圧力センサ、ジャイロスコープなどの方位センサ、加速度計、バッテリ充電センサ、バイオメトリックセンサ、負荷/重量センサ、全地球測位システム又はGPSセンサ、無線周波数識別又はRFIDリーダなど)から検知情報を受信することができる。
【0022】
一実施態様では、少なくとも1つの温度センサSn(例えば、Sn1,Sn2,及び/又はSn3)は、容器10,10’,10’’,10’’’又は蓋40,40’,40’’,40’’’に設けられ、チャンバ12,12’,12’’,12’’’に露出して、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の温度を検知する。別の実施態様では、追加的又は代替的に、少なくとも1つの温度センサSn、Taは、容器10,10’,10’’,10’’’又は蓋40,40’,40’’,40’’’上にあり、周囲温度を測定するためにコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の外側に露出している。一実施態様では、容器10,10’,10’’,10’’’又は蓋40,40’,40’’,40’’’におけるRFIDリーダは、チャンバ12,12’,12’’,12’’’に配置された構成要素(例えば、薬剤、バイアル、液体コンテナ、食品パッケージ)のRFIDタグを読み取る。RFIDリーダは、任意選択的に、積載物がチャンバ12,12’,12’’,12’’’に挿入されたときにログを記録することができ、追加的又は代替的に、RFIDリーダは、任意選択的に、積載物のうちの1つ又は複数のそれぞれがチャンバ12,12’,12’’,12’’’から除去されたときにログを記録して、容器10,10’,10’’,10’’’に対するそれらの位置を追跡し、この情報を回路EMに(例えば、回路EMのメモリに)通信することができる。
【0023】
一実施態様では、センサS1~Snのうちの1つ又は複数のセンサは、圧力センサを含む。圧力センサは、任意選択的に、周囲圧力を感知することができ、周囲圧力は、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の高度を示す。任意選択的に、圧力センサは、検知圧力情報を回路EMに通信し、回路EMは、任意選択的に、圧力センサからのデータをログに記録又は記憶させ、かつ/又は圧力センサからの検知圧力情報に少なくとも部分的に基づいて、上述したように、冷却システム200,200’の1つ又は複数の構成要素を動作させる(例えば、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の温度を示して、チャンバ12,12’,12’’,12’’’を所望の温度又は温度範囲に維持することができる)。そのような1つ又は複数の圧力センサは、有利には、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’を(例えば、標高の高い場所で)飛行機又はトラックなどで輸送している間、チャンバ12,12’,12’’,12’’’が所望の温度又は温度範囲にあるように、冷却システム200,20’を動作させることができる。
【0024】
一実施態様では、センサS1~Snのうちの1つ又は複数のセンサは、加速度計を含む。加速度計は、任意選択的に、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の動き(例えば、突然の動き)を感知する。任意選択的に、加速度計は回路EMと通信し、回路EMは、任意選択的に加速度計からのデータをログに記録又は記憶し、及び/又は加速度計からの検知情報に少なくとも部分的に基づいて、冷却システム200,200’の1つ又は複数の構成要素を動作させる。そのような1つ又は複数の加速度計は、例えば、飛行機又はトラックなどによる輸送中に、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’が(例えば、安全でない高さから)落下した、又は衝撃を受けたことを有利に検知する。一実施形態では、加速度計はまた、回路EMにクーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の検知方位情報を提供する。別の実施態様では、別個の方位センサ(例えば、ジャイロスコープ)が、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の方位を検知し、検知方位情報を回路EMに伝達することができ、回路EMは、任意選択的に、方位センサからのデータをログに記録又は記憶することができ、かつ/又は検知方位情報に少なくとも部分的に基づいて、冷却システム200,200’の1つ又は複数の構成要素を動作させることができる。
【0025】
回路EMは、コンテナ容器10,10’,10’’,10’’’又は蓋40,40’,40’’,40’’’の中又は上に収容される。回路EMは、冷却システム200,200’及び任意選択的に1つ又は複数の蓄電デバイスPS(例えば、バッテリを充電するか、あるいはバッテリによって1つ又は複数の加熱もしくは冷却要素に供給される電力を管理するなどのためのバッテリ)から情報を受信し、及び/又はこれらに情報(例えば、命令)を送信する。
【0026】
任意選択的に、回路EMは、無線送信機、受信機及び/又はトランシーバを含む。無線送信機、受信機及び/又はトランシーバは、a)ユニット(例えば、コンテナ容器10,10’,10’’,10’’’又は蓋40,40’,40’’,40’’’の本体)におけるユーザインターフェースUI1、b)電子デバイスED(例えば、携帯電話、PDA、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子時計、デスクトップコンピュータ、リモートサーバ、クラウドサーバなどのモバイル電子デバイス)、c)クラウドCLを介したもの、又は、d)WiFi(登録商標)、ブロードバンドネットワーク、及び/もしくはBluetooth(登録商標)BTなどの無線通信システムを介したもの1つ又は複数と(例えば、検知温度及び/又は位置データなどの情報を送信するために)通信し、これらから情報(例えば、ユーザ命令)を受信する。例えば、回路EMは、セル無線アンテナ又はセル無線機(例えば、LTEセル無線機)を有することができ、これを介して無線で(例えば、クラウドCL、スマートフォンなどの遠隔電子デバイスなどに)情報(例えば、GPS位置、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の検知温度、周囲温度など)を通信する。次いで、ユーザは、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の位置を(例えば、スマートフォン上のウェブサイト又はアプリを介して)追跡する。追加的又は代替的に、回路EMは、センサS1~Snのうちの1つ又は複数によって検知されたデータ(例えば、検知周囲温度、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の検知温度、検知圧力、チャンバ12,12’,12’’,12’’’外の検知湿度、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の検知湿度)を、例えば無線で、遠隔電子デバイス又はクラウドCLに報告する(例えば、薬局又は医療機関への輸送中に、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の内容物のログ温度、圧力、及び/又は湿度情報を伴うレポートを薬局又は医療機関に送信する)。電子デバイスEDは、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の動作に関連する情報を表示することができ、ユーザから情報(例えば、命令)を受信し、情報をクーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’に(例えば、冷却システム200,200’の動作を調整するために)通信するユーザインターフェースUI2を有する。
【0027】
動作中、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’は、コンテナ容器100のチャンバ12,12’,12’’,12’’’を予め選択された温度及び/又は所定の温度範囲内に維持するように動作させることができる。
【0028】
任意選択的に、クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’の回路EMは、チャンバ12,12’,12’’,12’’’の温度履歴などの情報を遠隔地(例えば、クラウドベースのデータ記憶システム、リモートコンピュータ、リモートサーバ、スマートフォンもしくはタブレットコンピュータ又はラップトップもしくはデスクトップコンピュータなどのモバイル電子デバイス)に、及び/又はコンテナを運ぶ個人に(例えば、その個人の携帯電話を介して、コンテナ上のビジュアルインターフェースを介してなど)、(例えば、無線で)通信して、使用可能な記録(例えば、コンテナ内の薬剤の有効性を評価するため、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の内容物が腐敗しているか否かを評価するためなど)及び/又はチャンバ12,12’,12’’,12’’’の状態及び/又はチャンバ12,12’,12’’,12’’’内の内容物に関する警告を提供する。
【0029】
一実施態様では、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の1つ又は複数のセンサS1~Snは、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’の位置を追跡するためのもう1つの全地球測位システム(GPS)センサを含む。位置情報は、上述したように、回路EMに関連する送信機(例えば、LTEセル無線機などのセル無線アンテナ又はセル無線機)及び/又はトランシーバによって遠隔地(例えば、モバイル電子デバイス、クラウドベースのデータ記憶システムなど)に通信する。一実施態様では、GPS位置は、一定の間隔(例えば、毎分、5分毎、10分毎、15分毎など)で回路EMによって(例えば、自動的に、クエリ又は要求への応答ではなく)通信される。別の実施態様では、GPS位置は、ユーザなどからの(例えば、ユーザがクーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’の位置を追跡することができるアプリ又はウェブサイトを介した)要求又はクエリを受信すると、回路EMによって通信される。
【0030】
クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、
図10に示す形態を有することができ、任意選択的に視覚ディスプレイ188(例えば、電気泳動ディスプレイ)を有する。図示されていないが、
図10のクーラーコンテナは、上述の冷却システム200,200’,200’’,200’’’を含む(例えば、コンテナのチャンバ内に取り外し可能に配置することができる)。任意選択的に、視覚ディスプレイ188は、出荷ラベル(例えば、電子出荷ラベル)を表示する。クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、任意選択的に、ユーザがユーザインターフェースを手動で係合することによって出荷ラベル上の送り主及び宛先を自動的に変更することを可能にするユーザインターフェース184(例えば、押下可能ボタン、タッチセンシティブボタン、静電容量感知ボタン)を有する。
【0031】
図10は、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の断面を示しているが、当業者であれば、一実施態様におけるコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、断面平面に関して対称であり(例えば、コンテナは、
図10の断面平面に対する横断面に沿って正方形の断面を有するなど、略箱形又は立方体の外形を有する)、所与の容積(例えば、配送トラック)に貯蔵することができるコンテナ100,100’,100’’,100’’’の数を有利に最大化することができることを認識されるであろう。コンテナ100,100’,100’’,100’’’は、他の好適な形状(例えば、円筒形、長方形など)を有してもよい。
【0032】
クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、外側ハウジング102を有する。任意選択的に、外側ハウジング102’は、1つ又は複数の部分を有する。図示の実施態様では、外側ハウジング102は、任意選択的に、第1の(例えば、外側の)部分102A及び第2の(例えば、内側の)部分102Bを含む2つの部分を有する。他の実施態様では、外側ハウジング102は、より少ない(例えば、1つ)部分又はより多い(例えば、3つ、4つなどの)部分を有する。
【0033】
第1の部分102Aは、任意選択的に外殻部を提供する。
図10に示すように、第1の部分102Aは、任意選択的に、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の外面の少なくとも一部(例えば、すべてではない)を覆う。例えば、一実施態様では、第1の部分102Aは、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の少なくとも縁部を覆う。一実施態様では、第1の部分102Aは、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の縁部のみを覆う。一実施態様では、第1の部分102Aは、プラスチックなどの耐衝撃性材料から形成される。他の好適な材料を使用してもよい。別の実施態様では、追加的又は代替的に、第1の部分102Aは、断熱材料から形成される。
【0034】
第2の部分102Bは、任意選択的に、発泡体材料などの断熱材料から形成される。他の好適な材料を使用してもよい。別の実施態様では、追加的又は代替的に、第2の部分102Bは、耐衝撃性(例えば、圧縮性)材料から形成される。
【0035】
いくつかの実施態様では、外側ハウジング102は、第1の部分102Aのみを含み(例えば、ハウジング102は、第1の部分102Aによってのみ画定される)、第2の部分102Bを含まない。いくつかの実施態様では、外側ハウジング102は、第2の部分102Bのみを含み(例えば、ハウジング102は、第2の部分102Bによってのみ画定される)、第1の部分102Aを含まない。
【0036】
一実施態様におけるコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、任意選択的に、外壁106Aと内壁106Bとの間に画定された真空断熱チャンバ107(例えば、二重壁断熱チャンバ)を含み、壁106A,106Bは、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の積載物チャンバ12,12’,12’’,12’’’の周囲及びベースに沿って延びる。したがって、腐敗性又は温度感受性の内容物(例えば、医薬品、食品、他の腐敗性の物品など)を受けるチャンバ12,12’,12’’,12’’’は、真空断熱チャンバ107によってその周囲及びベースが囲まれており、その周囲又はベースを介したチャンバ12,12’,12’’,12’’’からの熱伝達(例えば、冷却の損失)を抑制する(例えば、防ぐ)。別の実施態様では、コンテナ100,100’,100’’,100’’’は、真空断熱チャンバを含まない。
【0037】
クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、任意選択的に、コンテナ100,100’,100’’,100’’’内に配置される相変化材料135を含む。一実施態様では、相変化材料(PCM)135又はサーマルマスは、内壁106Bによって囲まれ、チャンバ12,12’,12’’,12’’’の内壁126Aを画定するスリーブ130内に設けられる(例えば、含まれる)。別の実施態様では、相変化材料又はサーマルマスは、代替的に、チャンバ12,12’,12’’,12’’’内の1つ又は複数のパック(例えば、1つ又は複数のアイスパック)内に配置され、チャンバ12,12’,12’’,12’’’は内壁106Bによって画定される。別の実施態様では、相変化材料135又はサーマルマスは、スリーブ130内、並びにチャンバ12,12’,12’’,12’’’内に挿入された(例えば、腐敗性の内容物の周りの)別個のパック(例えば、1つ又は複数のアイスパック)内に設けられる。コンテナ100,100’,100’’,100’’’の別の実施態様では、相変化材料135は含まれない。
【0038】
チャンバ12,12’,12’’,12’’’は、蓋40,40’,230’’,230’’’により密封される。任意選択的に、蓋40,40’,230’’,230’’’は、断熱材料(例えば、発泡体材料)から形成された少なくとも一部分410を含む。別の実施態様では、蓋40,40’,230’’,230’’’は、任意選択的に、中空とすることができ、チャンバ12,12’,12’’,12’’’からの熱伝達を更に低減するために相変化材料を挿入することができる空間を有してもよい。
【0039】
上述したように、コンテナ100,100’,100’’,100’’’は、電子表示画面188(例えば、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の側面上、上面上)を含む。表示画面188は、任意選択的に、電子インク又はEインクディスプレイ(例えば、電気泳動インクディスプレイ)であり得る。別の実施態様では、表示画面188はデジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ又はLCD、発光ダイオード又はLEDなど)であり得る。任意選択的に、表示画面188は、ラベル(例えば、送り主の住所、受取人の住所、マキシーコード機械可読記号、QRコード(登録商標)、ルーティングコード、バーコード、及び追跡番号のうちの1つ又は複数を有する出荷ラベル)を表示することができるが、任意選択的に、追加的又は代替的に、他の情報(例えば、温度履歴情報、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の内容物に関する情報)を表示することができる。
【0040】
また、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’は、任意選択的に、ユーザインターフェース184を含むこともできる。
図10では、ユーザインターフェース184は、コンテナ100,100’,100’’,100’’’の側面にある。別の実施態様では、ユーザインターフェース184は、コンテナ100,100’,100’’,100’’’のハウジング102の上面(例えば、角部)及び/又は蓋40,40’,230’’,230’’’の表面に配置される。ユーザインターフェース184は、任意選択的に、ボタン(例えば、「ホームに戻る」ボタン)であり得る。一実施態様では、ユーザインターフェース184は、押下可能なボタンである。別の実施態様では、ユーザインターフェース184は、静電容量センサ(例えば、タッチセンシティブセンサ、タッチセンシティブスイッチ)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184は、スライドスイッチ(例えば、スライドレバー)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184は、回転可能なダイヤルである。更に別の実施態様では、ユーザインターフェース184は、タッチスクリーン部分であり得る(例えば、表示画面188とは別個であるか又は表示画面188の一部として組み込まれている)。有利には、ユーザインターフェース184の作動は、Eインクディスプレイ188に示される出荷ラベルの形態など、ディスプレイ188に示される情報を変更することができる。例えば、ユーザインターフェース184の作動は、送り主及び受取人に関連付けられたテキストを切り替えることができ、受領者がそれを使用し終えると、クーラーコンテナアセンブリ100,100’,100’’,100’’’を送り主に戻すことができる。追加的又は代替的に、ユーザインターフェース184の作動は、上述したように、アセンブリ100,100’,100’’,100’’’内の回路によって出荷業者(例えば、UPS、FedEx、DHL)に信号を(例えば、自動的に)送信させ、出荷ラベル(例えば、新しい出荷ラベル)がポータブルクーラー100,100’,100’’,100’’’に割り当てられており、クーラーがピックアップ及び出荷の準備ができていることを出荷業者に通知する。
【0041】
有利には、クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、複数回(例えば、500回、1000回、1500回、20000回)再利用することができ、腐敗性の材料(例えば、医薬品、食品、他の腐敗性の物品)を送達するための持続可能なクーラーコンテナを提供する。更に、コンテナ100,100’,100’’,100’’’は、使用が容易であり、出荷プロセスを簡素化する。例えば、ユーザインターフェース184(例えば、ボタン)は、新しい出荷ラベルを印刷する必要なく、またピックアップのために出荷業者に別途連絡を取る必要なく、コンテナを戻すことを容易にし、それにより、パッケージを取り扱う人員の生産性を向上させる。クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’は、例えば、6つのコンテナ100,100’,100’’,100’’’の列に積み重ねることができ、ユーザは、はしごを必要とせずにそれらを積み重ねたり、積み下ろしたりすることができる。
【0042】
図1~
図8、
図10は、クーラーコンテナ100,100’,100’’,100’’’の断面を示す。一実施態様では、容器10,10’,10’’,10’’’は、(例えば、図に示す容器10,10’,10’’,10’’’の壁をその中心軸の周りで回転させることによって画定される)円筒形のフォームファクタを有する。対応する蓋40,40’,40’’,40’’’はまた、円筒形の容器10,10’,10’’,10’’’の円形の開口部に嵌合する円形のフォームファクタを有する。別の実施態様では、容器10,10’,10’’,10’’’は、立方体形状フォームファクタを有する。チャンバ12,12’,12’’,12’’’は、同様に立方体形状であってもよく、又は円筒形であってもよい。
【0043】
(追加の実施形態)本開示の実施形態では、ポータブルクーラーコンテナシステムは、以下の条項のいずれかに従ってもよい。
条項1.ポータブルクーラーコンテナシステムであって、
1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように構成された積載物チャンバを有する断熱容器と、
断熱容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合され、断熱容器のチャンバを密封するように構成された蓋と、
断熱容器内の冷却ユニットと、
を備え、
蓋は、チャンバ内の圧力が所定の圧力量を超えたときに少なくとも部分的に開くように構成された1つ又は複数の圧力逃がし弁を有し、
容器内の冷却ユニットは、
冷却材料を受けるように構成されたチャンバを画定する冷却容器と、
冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合され、冷却容器のチャンバを密封するように構成された蓋と、
冷却容器及び蓋のうちの一方に設けられた1つ又は複数の可変開口部と、
を備え、
1つ又は複数の可変開口部は、積載物を複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に冷却するため、冷却材料によって生成された冷却ガスを断熱容器の積載物チャンバに制御可能に放出するように動作可能である、ことを特徴とするポータブルクーラーコンテナシステム。
条項2.断熱容器は真空断熱されている、条項1に記載のシステム。
条項3.蓋における1つ又は複数の圧力逃がし弁は、蓋の両側の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作する、条項1又は2に記載のシステム。
条項4.冷却容器は二重壁の断熱容器である、条項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
条項5.冷却容器は二重壁の真空断熱容器である、条項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
条項6.冷却材料はドライアイスである、条項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
条項7.冷却材料は、蒸発又は昇華を介して冷却ガスを生成する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
条項8.冷却容器のチャンバは、環状のチャンバである、条項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
条項9.冷却容器のチャンバは、円筒形のチャンバである、条項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
条項10.1つ又は複数の可変開口部は、冷却容器のチャンバと積載物チャンバとの間の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作し、圧力差は、積載物チャンバの温度を示す、条項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
条項11.1つ又は複数の可変開口部が開放される量及び当該可変開口部の開放の時間の少なくとも一方により、積載物チャンバを複数の所定の温度又は温度範囲のうちの一方に冷却するように、1つ又は複数の可変開口部が制御される、条項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
条項12.1つ又は複数の可変開口部は、冷却ユニットの回路を介して電気的に動作し、回路は、1つ又は複数の可変開口部が開放される量及び1つ又は複数の可変開口部の開放の時間の少なくとも一方を制御して、制御された量の冷却ガスが冷却容器のチャンバから積載物チャンバに排出されて、積載物チャンバを所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成されている、条項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
条項13.複数の所定の温度又は温度範囲の各々は、積載物のタイプの所望の温度に対応する、条項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
条項14.回路は、冷却ユニットの冷却容器又は蓋におけるユーザインターフェースを介して手動で又は遠隔電子デバイスから無線で、ユーザが選択した所定の温度又は温度範囲を受信する、条項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
条項15.冷却ユニットは、容器に取り外し可能に配置されている、条項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
条項16.冷却ユニットを備えるポータブルクーラーコンテナシステムであって、
冷却ユニットは、
冷却材料を受けるように構成され、かつ冷却材料の1つ又は複数の表面に隣接する1つ又は複数の温度感受性又は腐敗性の物品の積載物を受けるように寸法決めされたチャンバを画定する冷却容器と、
冷却容器にヒンジ結合されるか又は取り外し可能に結合された蓋であって、冷却容器の前記チャンバを密封するように構成された蓋と、
冷却容器及び蓋の一方に設けられた1つ又は複数の可変開口部と、
を備え
1つ又は複数の可変開口部は、冷却材料によって生成された冷却ガスを冷却容器のチャンバから複数の所定の温度又は温度範囲のうちの1つ又は複数の温度又は温度範囲に制御可能に放出するように動作可能である、ことを特徴とするポータブルクーラーコンテナシステム。
条項17.内部に冷却ユニットを取り外し可能に受けるように構成されたチャンバと、冷却容器の外壁と断熱容器の内壁との間に画定された1つ又は複数の間隙と、を有する断熱容器を更に備える、条項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
条項18.1つ又は複数の間隙は環状の間隙である、条項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
条項19.断熱容器は真空断熱されている、条項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
条項20.冷却容器の外面と断熱容器の内面との間に配置された1つ又は複数のガスケット又はシールを更に備え、1つ又は複数のガスケットは、1つ又は複数の間隙を介して冷却ガスを排気するように構成されている、条項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
条項21.1つ又は複数の可変開口部が、冷却容器のチャンバの内部と外部との間の圧力差に基づいて電気的又は機械的に動作する、条項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
条項22.1つ又は複数の可変開口部は、冷却ユニットの蓋における回路を介して電気的に動作し、回路は、可変開口部が開放される量及び可変開口部の開放の時間の一方又は両方を制御して、制御された量の冷却ガスを冷却容器のチャンバから排出するように構成されている、条項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
条項23.冷却材料は、積載物よりも大きいフォームファクタを有する、条項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
条項24.冷却材料は、2つの積載物の間に配置される、条項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【0044】
本発明の特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化され得る。更に、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、システム及び方法の種々の省略、置き換え、及び変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物は、本開示の範囲及び精神に含まれるような形態又は修正を包含することを意図している。これにより、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0045】
特定の態様、実施形態、又は例に関連して記載された特徴、材料、特性、又はグループは、矛盾しない限り、このセクション又は本明細書の他の箇所に記載された任意の他の態様、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴のすべて、及び/又はそのように開示された任意の方法もしくはプロセスのステップのすべては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせ、あるいはそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0046】
更に、別個の実施態様の文脈で本開示に記載されている特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施態様の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実施態様において別々に、又は任意の好適な部分的組み合わせで実施することもできる。更に、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上述され得るが、特許請求される組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、組み合わせは、部分的組み合わせ又は部分的組み合わせの変形として特許請求され得る。
【0047】
更に、動作は、特定の順序で図面に示され、又は本明細書に記載され得るが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、又は連続した順序で実行される必要はなく、あるいはすべての動作が実行される必要はない。図示又は説明されていない他の動作は、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、記載された動作のいずれかの前、後、同時に、又は間に、1つ又は複数の追加の動作を実行することができる。更に、動作は、他の実施態様では再配置又は並べ替えられてもよい。いくつかの実施形態では、図示及び/又は開示されたプロセスで行われる実際のステップは、図に示されたものとは異なり得ることが当業者には理解されよう。実施形態に応じて、上述したステップのうちの特定のステップを削除してもよく、他のステップを追加してもよい。更に、上記で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わせることができ、そのすべてが本開示の範囲内に入る。また、上記の実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、一般に、単一の製品に一緒に統合され得る、あるいは複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0048】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されている。必ずしもそのような利点のすべてが、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点のグループを達成するように具体化又は実施され得ることを認識するであろう。
【0049】
「可能(can)」、「できる(could)」、「かもしれない(might)」、又は「してもよい(may)」などの条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つもしくは複数の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つもしくは複数の実施形態が、ユーザ入力もしくはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれる、又は実行されるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを意図するものではない。
【0050】
句「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」などの接続詞は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解される。したがって、そのような接続詞は、一般に、特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0051】
本明細書で使用される「おおよそ(approximately)」、「約(about)」、「一般に(generally)」、及び「実質的に(substantially)」などの本明細書で使用される程度の言語は、依然として所望の機能を実行するか、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「おおよそ(approximately)」、「約(about)」、「一般に(generally)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の量を指すことができる。別の例として、特定の実施形態では、「略平行(generally parallel)」及び「実質的に平行(substantially parallel)」という用語は、正確な平行から15度、10度、5度、3度、1度、又は0.1度以下だけ逸脱する値、量、又は特性を指す。
【0052】
本開示の範囲は、このセクション又は本明細書の他の場所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、このセクションもしくは本明細書の他の場所に提示されるように、又は将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で使用される文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例又は出願の審査中に記載された例に限定されず、例は非排他的であると解釈されるべきである。
【0053】
もちろん、前述の説明は、本発明の特定の特徴、態様、及び利点の説明であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができる。更に、本明細書に記載のデバイスは、上述の目的、利点、特徴、及び態様のすべてを特徴とする必要はない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点のグループを達成又は最適化するように具体化又は実施され得ることを認識するであろう。更に、本発明のいくつかの変形例を詳細に示し説明してきたが、本発明の範囲内にある他の修正及び使用方法は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかであろう。実施形態のこれらの特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ又は部分的組み合わせが行われてもよく、依然として本発明の範囲内に入ることが企図される。したがって、開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、説明されたデバイスの様々なモードを形成するために、互いに組み合わされ得る、又は互いに置換され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】