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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】サンプル受取装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
G01N1/10 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541915
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022050447
(87)【国際公開番号】W WO2022152699
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021200214.5
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021214685.6
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519365311
【氏名又は名称】アンヴァジョ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Anvajo GmbH
【住所又は居所原語表記】Zwickauer Str.46, 01069 Dresden,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】エスケラ フェルナンデス アイトール
(72)【発明者】
【氏名】ハマー ダニエル
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA26
2G052AA30
2G052AD06
2G052AD26
2G052BA17
2G052DA02
2G052JA07
2G052JA16
(57)【要約】
本開示に係るサンプル受取装置は、第1の部分(1)と第2の部分(2)とを有する。第1の部分(1)は、屈曲可能な接続部(17)を介して互いに接続された少なくとも2つの棒状のサンプル受取ユニット(7、8、9)を有する。2つの棒状のサンプル受取ユニット(7、8、9)は、屈曲可能な接続部(17)から離隔する方向に向いた端部は、基本的な状態において空間的に離間する。第2の部分(2)は、ロック装置を有し、ロック装置は、第1の部分(1)が第2の部分(2)上のサンプル受取ユニット(7、8、9)と離隔する方向に向くように配置された場合に、屈曲可能な接続部(17)がロック装置の形状によって屈曲され、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の端部が互いにガイドされて、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)におけるサンプルの方向に向いた側が互いに隣り合うように配置されるように設計され、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)は、ロック装置によってこの位置にロックされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に、または少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を用いて単一のサンプルを受取る。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル受取装置であって、
第1の部分(1)および第2の部分(2)を備え、
前記第1の部分(1)は、屈曲可能な接続部(17)を介して互いに接続され、棒状の少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を備え、
前記棒状の少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)における前記屈曲可能な接続部(17)から離隔する方向に向いた端部は、基本状態において互いに空間的に離間しており、
前記第2の部分(2)は、ロック装置を有し、
前記ロック装置は、
前記第1の部分(1)が前記サンプル受取ユニット(7、8、9)から離隔する方向に向いた前記第2の部分(2)に載置されたとき、前記屈曲可能な接続部(17)が前記ロック装置の形状により屈曲され、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の端部が互いにガイド可能なように設計され、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)のサンプルの方向を向いた端部が互いに隣り合って配置され、前記ロック装置によりこの位置にロックされ、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に、又は前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)によって単一のサンプルを受取ることができる、
サンプル受取装置。
【請求項2】
前記屈曲可能な接続部(17)がヒンジ形状の接続部であることを特徴とする請求項1に記載のサンプル受取装置。
【請求項3】
前記屈曲可能な接続部(17)は、前記2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の中央に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のサンプル受取装置。
【請求項4】
前記サンプル受取ユニット(7、8、9)の少なくとも一つが、キャピラリー、管、繊維、
好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、スコップ、スプーン、スポンジ、
好ましくは固体スポンジ、又はロッド、
好ましくはヘリカルロッドの形態である、
又は
前記サンプル受取ユニット(7、8、9)の少なくとも一つが、キャピラリー、管、繊維、
好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、スコップ、スプーン、スポンジ、
好ましくは固体スポンジ、又はロッド、
好ましくはヘリカルロッドを有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項5】
前記第1の部分(1)は、列状に配置され、前記サンプル受取ユニット(7、8、9)においてサンプルに対向する側が基本状態で平面に配置されたサンプル受取ユニット(7、8、9)を正確に3つ有し、
2つのサンプル受取ユニット(7、9)の中央に配置された、1つの前記サンプル受取ユニット(8)は、それぞれ1つの前記屈曲可能な接続部(17)を介して隣接する前記2つのサンプル受取ユニット(7、9)に接続された、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項6】
前記第1の部分(1)は、前記サンプルの方向に対向して配置された前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の先端から離隔した側に閉じて形成された、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項7】
前記第2の部分(2)の前記ロック装置は、前記第1の部分(1)を受取るための漏斗形状であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項8】
前記第1の部分(1)と前記第2の部分(2)とは、嵌合又は圧入により連結可能であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を有する前記第1の部分(1)が、光学的に可視な波長範囲の電磁波に対して透明なプラスチック材料から形成されたことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項10】
上部を第1の部分(1)、下部を第2の部分(2)とし、互いに嵌合及び圧入方法の少なくとも一方で連結することができ、
上部(1)は、保持ハウジング(3)を有し、棒状の前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)、又は少なくとも2つの屈曲可能なサンプル受取ユニット(7、8、9)が保持ハウジング(3)上に配置され、それぞれ屈曲可能な接続部(4、5、6)を介して接続され、基本的な状態では互いに空間的に離れ、
前記下部(2)は、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)が外力又は前記下部(2)のロック装置のいずれかによって互いにガイドされ、サンプルの方向に向く少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の側が互いに隣り合って配置されるように設計されたロック装置を備え、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)が前記ロック装置によってこの位置にロックされ、
単一のサンプルを前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に又は少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を用いて受けることができる、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項11】
前記下部(2)は、前記ロック装置としての開口部(10)を備えたハウジング(11)を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載のサンプル受取装置。
【請求項12】
前記サンプル受取ユニット(7、8、9)は、前記ハウジング(11)の開口部(10)に挿入可能であり、
挿入後、前記サンプル受取ユニット(7、8、9)が前記ロック装置としての開口部(10)にロックされるように外力により相対移動可能である、
ことを特徴とする請求項11に記載のサンプル受取装置。
【請求項13】
前記下部(2)は、前記ロック装置としての貫通開口部(10)を備え、かつ、少なくとも1つのテーパ部(13)を有する前記ハウジング(11)を有し、
前記下部(2)は、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)が前記下部(2)のテーパ部(13)に導入されたときに、前記サンプルの方向を向いて配置された側面のテーパ形状により互いにガイドされるように、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の上に並進移動して載置可能である、
ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項14】
前記下部(2)のテーパ部は、円錐状のテーパ部(13)として設計された、
ことを特徴とする請求項13に記載のサンプル受取装置。
【請求項15】
前記下部(2)は、直線状に延びた部分(12)を含み、
前記下部(2)の直線状に延びた部分(12)は、前記並進移動中に前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の動作準備を確立するために、前記上部(1)の対応する凹部に挿入可能である、
ことを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項16】
前記下部(2)の直線状に延びた部分(12)の長さは、前記サンプル受取ユニット(7、8、9)の長さ、及び、前記サンプル受取ユニット(7、8、9)のサンプル方向を向く側が前記下部(2)に設けられた開口部(10)の領域内に配置されるように選択された、前記サンプル受取ユニット(7、8、9)の長さの少なくとも1つに対応する、
ことを特徴とする請求項11~15のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項17】
前記下部(2)は、前記上部(1)の保持ハウジング(3)内に配置されたガイド内を移動可能にガイドされており、好ましくは、前記移動能力が少なくとも1つのストッパによって限定される、
ことを特徴とする請求項11~16のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項18】
前記下部(2)は、前記外力によって移動された前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を前記位置にクランプすることにより、前記ロック装置として好ましくは2パート構成の保持装置を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載のサンプル受取装置。
【請求項19】
前記上部(1)は、列状に配置されたサンプル受取ユニット(7、8、9)を正確に3つ有し、
前記サンプル受取ユニット(7、8、9)は、端部に配置された2つのサンプル受取ユニット(7、9)のうち、前記保持ハウジング(3)から離隔する方向に向いた側が基本状態で第1平面に配置され、
中央に配置されたサンプル受取ユニット(8)において前記保持ハウジング(3)から離隔する方向に向いた側が、横方向に配置された2つのサンプル受取ユニット(7、9)に対して、基本状態で、第1平面とは異なり、前記保持ハウジング(3)に近い第2平面に配置された、
ことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項20】
前記下部(2)は、開口部(10)を覆う容積可変の洗浄エレメント(14)、好ましくはスポンジを有し、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を挿入することができ、又は少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の上に開口部(10)を覆う容積可変の洗浄エレメント(14)を置くことができる、
ことを特徴とする請求項1~19のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項21】
前記保持ハウジング(3)は、サンプル方向に向いて配置された少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の側から離隔する方向に向いた側に閉じて形成される、
ことを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載のサンプル受取装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載のサンプル受取装置によるサンプル受取方法において、
前記第1の部分(1)がサンプル受取ユニット(7、8、9)の端部から離隔する方向に向いて第2の部分(2)上に載置されたときに、
前記屈曲可能な接続部(17)が前記ロック装置の形状により屈曲され、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の端部が互いにガイドされて、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)のサンプルの方向を向いた端部が互いに隣り合うように配置され、前記ロック装置によりこの位置にロックされ、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に、又は前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を用いて単一のサンプルを受取ることができる、
サンプル受取方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)が外力又は前記下部(2)のロック装置により互いにガイドされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)の側が互いに隣り合うように配置され、前記ロック装置によりこの位置にロックされ、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に、又は前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)を用いて単一のサンプルによって受取る、
請求項10~21のいずれか1項に記載のサンプル受取装置によるサンプル受取方法。
【請求項24】
サンプル受取方法であって、
請求項13~17、又は19~21のいずれか1項に記載のサンプル受取装置の下部(2)は、少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)が前記下部(2)のテーパ部(13)に導入され、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)のサンプルの方向を向いた側が互いにガイドされるように、前記上部(1)に対して移動され、
前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)のサンプルの方向を向いた側が互いに隣り合うように配置され、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット(7、8、9)内に単一のサンプルを受取る、
サンプル受取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル受取装置及びサンプル受取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプル処理の分野では、特に少量のサンプルを採取して分析する液体サンプルにおいて、適切な数のサンプルを迅速に採取し、さらに処理することは課題である。ここでは、いわゆる「アリコート」を使用すること、すなわち、分析の品質に悪影響を及ぼすことなく部分的なサンプルを使用することによって、効率の向上が可能である。例えば、米国特許第5741412号明細書は、サンプル収集および分析のための複数のキャピラリーを有する配置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5741412号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシステムの欠点は、連続的な流れを可能にするものの分析の柔軟性(フレキシビリティ)を制限する剛性の配置である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本開示は、上述した欠点を回避し、サンプル採取を迅速に行うことができ、さらに、その後の分析を柔軟に取り扱うことができるサンプル受取装置を提案することを目的とする。
【0006】
本開示は、主請求に記載のサンプル受取装置及び独立請求項に記載の方法により解決することを目的とする。特許請求の範囲には、有利な実施形態及び更なる開発が記載されている。
【0007】
一実施形態では、サンプル受取装置は、第1の部分及び第2の部分を有する。第1の部分は、屈曲可能な接続を介して相互に接続された少なくとも2つの棒状のサンプル受取ユニットを備え、少なくとも2つの棒状のサンプル受取ユニットにおける前記屈曲可能な接続部から離隔する方向に向いた端部は、基本状態において互いに空間的に離間している。前記第2の部分は、ロック装置を有し、前記ロック装置は、前記第1の部分が前記サンプル受取ユニットから離隔する方向に向いた状態で前記第2の部分に載置されたとき、前記屈曲可能な接続部が前記ロック装置の形状により屈曲され、少なくとも2つのサンプル受取ユニットの端部が互いにガイド可能なように設計され、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニットの前記サンプルの方向を向いた端部が互いに隣り合って配置され、前記ロック装置によりこの位置にロックされ、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット内に、又は前記少なくとも2つのサンプル受取ユニットによって単一のサンプルを受取ることができる。
【0008】
サンプル受取ユニットは、基本状態において互いに規定された距離にあり、適切な並進移動、すなわち第1の部分と第2の部分との連結または第2の部分への第1の部分の配置が行われるまで、その先端または端部、すなわち受け取ったサンプルに対向する側で互いにガイドされないという事実は、明確な空間的分離を提供し、それにもかかわらず、移動が行われた後に迅速なサンプル受取を可能にする。サンプル受取ユニットの屈曲可能または多関節接続は、柔軟な設計、すなわち屈曲可能および伸長可能であり、サンプル受取ユニットを再現可能な方法で移動することを可能にする。サンプル受取ユニットの端部または先端部を互いにガイドすることは、典型的には、サンプル受取ユニットを傾斜させることによって達成される。
【0009】
第1の部分を上部、第2の部分を下部と呼ぶこともできるが、第1の部分を下部、第2の部分を上部と呼ぶこともできる。曲げ可能な接続から離れているサンプル受取ユニットの端は、通常、下向き、すなわち地球の中心に向けられている。サンプル受取ユニット(すなわち、サンプル受取ユニットは、サンプルをピックアップするように設計されている。)によって拾い上げられた個々のサンプルは、サンプル受取ユニットによって完全に拾い上げられてもよいが、サンプルの部分的な体積のみを拾い上げるために設けられてもよい。第2の部分は、ロック装置のみを備えてもよいが、ロック装置に加えて、他の要素、例えば、第2の部分を把持して保持するための保持ユニットがサンプル受取装置の第2の部分の一部であっててもよい。
【0010】
サンプル受取ユニットの先端またはサンプル受取ユニットの端部は、第1の部分が第2の部分に配置され、屈曲可能な接続部が屈曲または角度付けされた後、互いに直接接触していることが好ましい。この文脈において、用語「直接接触」は、サンプル受取ユニットの先端間の0mmの距離だけでなく、最大2mmの距離、典型的には0.1mmから1mmの小さな距離を意味すると理解されるべきである。
【0011】
屈曲可能な接続は、多関節接続とも呼ばれることがあり、ヒンジ形状の接続であることを提供してもよい。あるいは、この接続は、多関節接続として、好ましくは固体多関節接続またはスイベルジョイント接続として設計することもできる。典型的には、サンプル受取ユニットおよび接続は、材料結合として、すなわち、単一コンポーネントまたはワンピースとして設計される。しかし、代替的には、サンプル受取ユニットは、それぞれが個々の部品として存在し、フォームフィット接続によって互いに接触および接続されることができる。また、個々のユニットとして設計されたサンプル受取ユニットの間に接着接続があり、接着接続によって互いに接続されるようにすることもできる。これにより、容易に接続することができ、容易に変更することができる。
【0012】
曲げ可能な接続は、2つのサンプル受取ユニット間の中央に配置することも、2つ以上のサンプル受取ユニットが設けられている場合は、隣接する2つのサンプル受取ユニット間の中央に配置することもできる。これにより、均一な曲げが得られる。ただし、非対称の曲げを可能にするために、例えば、曲げ可能な接続を2つのサンプル受取ユニットの間の中心から外れた位置に配置することによって、準備を行うこともできる。
【0013】
1つの実施形態では、サンプル受取装置は、嵌合および/または圧入で相互に接続可能な上部および下部を有する。上部は、保持ハウジングを含み、少なくとも2つの棒状のサンプル受取ユニットまたは少なくとも2つの屈曲可能なサンプル受取ユニットが保持ハウジング上に配置され、それぞれ屈曲可能な接続を介して接続され、これらのサンプル受取ユニットは、基本状態で互いに空間的に間隔を置いて配置される。下部は、少なくとも2つのサンプル受取ユニットが、外力又は下部のロック装置のいずれかによって互いにガイドされ、サンプルの方向に向いて配置された少なくとも2つのサンプル受取ユニットの側面が互いに真横に配置され、ロック装置によってこの位置にロックされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット又は少なくとも2つのサンプル受取ユニットで単一のサンプルを受けることができるように設計されたロック装置を有する。したがって、第1の部分は上部に対応し、第2の部分は下部に対応するが、さらなる実施例では、第1の部分は下部に対応し、第2の部分は上部に対応することもできる。
【0014】
サンプル受取ユニットは、基本状態で互いに規定された距離にあり、上部の方向への下部の適切な並進移動または下部の方向への上部の上部の適切な並進移動が実行されるまで、それらの先端、すなわち保持ハウジングから反対側で互いにガイドされないという事実は、それにもかかわらず、それらの並進移動が実行された後に迅速なサンプル受取ユニットを可能にする明確な空間的分離を提供する。サンプル受取ユニットの保持ハウジングへの屈曲可能な接続は、柔軟な設計、すなわち屈曲可能で拡張可能であり、サンプル受取ユニットを再現可能な方法で移動することを可能にする。上部と下部が、嵌合および/または圧入の方法で互いに接続または接続可能であることにおいて、コンパクトで機械的に安定した配置も提供され、所望のように記述された移動を実行することができる。
【0015】
ここで、「曲げ可能」という用語は、特に、破壊前の曲げ半径が0.25°~180°、好ましくは0.25°~90°であり、サンプル受取ユニットの弾性、塑性、大弾性または大塑性変形が、小さな不可逆的な塑性または弾性変形成分で起こる本開示の実施形態を意味することを意図する。また、サンプル受取ユニットは、典型的には網状である接合部であり、接合部が破壊するように、それぞれの曲げ半径を超えて曲げることによって、保持ハウジングから分離可能であってもよい。典型的には、接続点は、下部が上部から引き離されたときに、サンプル受取ユニットが元の位置、すなわち、下部が装着される前の位置、または、サンプル受取ユニットが元の位置またはサンプル受取ユニットが一緒になった位置よりも離れた位置に戻されるように設計され、サンプル受取ユニットを分離しやすくする。
【0016】
用語「棒状」は、特に本書の文脈において、それによって指定される要素の長さがその幅および/または深さより少なくとも10%大きいことを意味するものとして理解されるべきである。特に円筒状要素または中空円筒状要素は、用語「棒状」によって記述されるものとする。
【0017】
下部には、ロック装置としての開口部を備えたハウジングを設けてもよい。これにより、サンプル受取ユニットは、開口部を介して所定の方法で空間的に固定できる。下部は、典型的には、ディスク形状またはリング形状である。
【0018】
サンプル受取ユニットは、ハウジングの開口部に挿入され、挿入後にサンプル受取ユニットがロック装置として機能する開口部にロックされ、サンプル受取装置が所定の位置に確実に保持されるように、外力によって互いに相対的に移動することができる。
【0019】
下部は、ロック装置として機能する貫通開口部を備えたハウジングを有し、ハウジングは、少なくとも1つのテーパ部を有し、下部は、少なくとも2つのサンプル受取ユニットが下部のテーパ部に挿入されたときに、サンプルの方向に対向して配置された側面のテーパ形状によって互いにガイドされるように、並進運動で少なくとも2つのサンプル受取ユニットに配置することができる。また、下部は、直線状に延びる部分を有してもよい。下部のテーパ部が設けられ、かつ、下部が開口方向にテーパ部のみで形成されていない場合には、下部の直線状に延びる部分よりも、保持ハウジングからの空間距離が大きくなるため、サンプル受取ユニットの誘導性も確保される。サンプル受取ユニットの先端部が、並進運動が行われた後、通常、少なくとも先端部の領域において、互いに直接接触している、すなわち、直接接触しているという事実は、下部の開口部を介してサンプル受取ユニットを誘導することができ、また、比較的小さなサンプル体積を占めることを意味する。この文脈において、用語「直接接触」は、サンプル受取ユニットの先端部間の0mmの距離だけでなく、最大2mmの距離、通常は0.1mmから1mmの小さな距離を意味すると理解されるべきである。
【0020】
下部は、サンプル受取ユニットの先端部の均一なガイドを提供するために、円錐テーパ部、典型的には円錐テーパ下部を有するとよい。
【0021】
下部の直線状に延びる部分は、並進運動中に少なくとも2つのサンプル受取ユニットの動作準備を確立するために、上部の対応する凹部に挿入可能であってもよい。これにより、サンプル受取装置の小型化を実現し、下部を保持することにより並進運動も特に誘導することができる。また、下部の直線状に延びる部分は、下部のテーパ部よりもテーパが小さいが、テーパ部の方向にもテーパするように構成することができる。5°までのテーパは、この文脈において「直線」とみなされる。
【0022】
下部の直線的に延びる部分の長さは、サンプル受取ユニットの長さに対応することができるので、基本状態では、下部または下部のサンプル受取ユニットは、互いに離れて配置され、並進運動の開始時に、テーパ部に接触することによって、その先端と直ちに一緒になる。あるいは、または追加的に、サンプル受取ユニットの長さは、サンプル受取ユニットにおいてサンプルの方向を向いている側が下部に設けられた開口部の領域に位置するように選択することができる。ここで、開口部の領域とは、特に開口部からの距離が開口部の長さよりも短い領域として理解される。
【0023】
下部は、典型的には、上部の保持ハウジング内に配置されたガイド内で移動可能にガイドされ、好ましくは、その移動能力は、少なくとも1つのストッパによって制限される。これは、上部と下部が一緒に押し込まれていない基本状態から、一緒に押し込まれた押合状態にサンプル受取装置を移動すると、明確に定義された移動をもたらす。また、下部と上部がプラグイン接続によって相互に接続されていてもよい。通常、下部と上部は同一の材料で構成されるが、下部と上部に異なる材料を使用することも可能である。また、下部の最初の部分と2番目の部分を同じ長さにすることもできる。
【0024】
また、一般的に2つの部分で構成される保持装置を、外力によって移動される少なくとも2つのサンプル受取ユニットをその位置にクランプするロック装置として用いることもできる。この目的のために、保持装置は、接続部に取り付けられるか、または接続部内に取り付けられることが好ましい。
【0025】
サンプル受取ユニットの少なくとも1つは、キャピラリー、管、繊維、好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、スコップ、スプーン、スポンジ、好ましくは固体スポンジ、またはロッド、好ましくはヘリカル(螺旋状)ロッドの形態であること、またはキャピラリー、管、繊維、好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、スコップ、スプーン、スポンジ、好ましくは固体スポンジ、またはロッド、好ましくはヘリカルロッドを有してもよい。したがって、異なるタイプのサンプル受取りが可能であり、それぞれの用途に適合させることができる。サンプル自体は、固体としての液体形態であってもよいが、ゲルであってもよい。棒状または細長いサンプル受取ユニットは、サンプルを開口部の方向に移動させると同時に、サンプルを収容するのに十分な体積を残すことができる。
【0026】
上部または第1部は、列状に配置された、正確に3つのサンプル受取ユニットを有し、そのうちの端部に配置された2つのサンプル受取ユニットの保持ハウジングから離隔する方向に向いた側は基本状態で第1平面に配置され、そのうちの中央に配置されたサンプル受取ユニットの保持ハウジングから離隔する方向に向いた側は、両側に配置された2つのサンプル受取ユニットに対して基本状態で第1平面とは異なり、保持ハウジングに近い第2平面に配置される。特に、サンプル受取ユニットの長さを適宜調整すれば、並進移動が行われた後、すなわち押合状態において、すべてのサンプル受取ユニットが同一平面すなわち同一高さで終了するコンパクトで省スペースな配置を実現することができる。特に、先端部の平面図、すなわちサンプルに面する側または保持ハウジングから離れた側に三角形が形成され、最大の内角が少なくとも120°である配置は、この文脈では列状配置とみなされる。したがって、3つのサンプル受取ユニットすべてが横方向から見て一平面内に配置され、サンプル受取ユニットの少なくとも1つが他の2つのサンプル受取ユニットの平面からオフセットされた平面内に配置されていることの両方を提供することができる。
【0027】
下部は、少なくとも2つのサンプル受取ユニットを挿入することができる開口部を覆う容積可変の洗浄エレメント、好ましくはスポンジを有することができる。あるいは、開口部を覆う容積可変の洗浄エレメントを、少なくとも2つのサンプル受取ユニット上に配置することができる。これにより、各サンプル採取後に、サンプル受取ユニットの少なくとも外側の洗浄を行うことができる。洗浄エレメントは、典型的には、下部と共に変位され、したがって、サンプル受取ユニットの外側に沿ってスライドする。理想的には、これらの外側の側面は、縦方向に一度下に落ちる。洗浄エレメントは、ポリ塩化ビニル(PVC)、典型的にはPVCフォーム、ポリウレタン(PU)、典型的にはPUフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴムフォーム、エチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム、軟質ポリエチレン(低密度ポリエチレン、LDPE)、典型的にはLDPEフォーム、ネオプレン、発泡ポリスチレン、シリコーンゴムフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリテレフタレートフォーム、セルロース、ニトロセルロースまたは綿から作ることができ、少なくとも上記材料を含むことができる。
【0028】
開口部自体は好ましくは細長い、すなわちその長さはその幅より大きい。これは、サンプル受取ユニットを開口部に挿入することを容易にする。あるいは、開口部は円形であってもよく、又は、開口部は、丸みのある角を備えてもよい。
【0029】
保持ハウジングまたは第1の部分は、機械的安定性を高めるため、サンプル受取ユニットに含まれるサンプルへの望ましくない影響を防止するため、または受け取ったサンプルのための障壁(バリヤ)を形成するために、少なくとも2つのサンプル受取ユニットから離れる方向に向いた側の1つに閉じて形成することができる。
【0030】
第2の部分のロック装置は、第1の部分を受け入れるために漏斗形状であってもよい。代替的に、または追加的に、第1の部分と第2の部分とが、嵌合または圧入の方法で互いに接続されているか、または接続可能であることを提供することができる。嵌合または圧入の方法で接続されているか、または接続可能である2つの部分は、また、所望のように記述された動きを実行することができるコンパクトで機械的に安定した配置を可能にする。
【0031】
少なくとも2つのサンプル受取ユニットと共に、少なくとも第1の部分は、光学的に可視の波長範囲、すなわち400nmと700nmの間の波長範囲の電磁放射に対して透明であるプラスチックから作られるか、またはプラスチックから構成されることができる。この場合の「透過性」とは、ユーザがサンプル受取ユニットの充填レベルを視覚的に確認できるように、入射電磁放射の少なくとも90%がコンポーネントを介して透過されることを意味すると理解されるべきである。これは、正確なサンプル収集が困難な場合(例えば、指先から血液サンプルを採取するとき)に特に有利である。通常、第1の部分と第2の部分は同一の材料から形成されるが、第1の部分と第2の部分に異なる材料を使用することも可能である。
【0032】
サンプル受取ユニットは、または上部または第1の部分と、下部または第2の部分とから形成されてもよく、または少なくともポリマー、金属、ゴム、ガラスまたはエラストマーから構成されてもよい。上部および下部は、典型的には同じ材料から作られるが、異なる材料を異なる部品またはユニットに使用することもできる。好ましくは、サンプル受取ユニット、すなわち上部および下部は、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィン共重合体(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、硬質ポリエチレン(高密度ポリエチレン、HDPE)または軟質ポリエチレン(低密度ポリエチレン、LDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、典型的にはPVCフォーム、ポリウレタン(PU)、典型的にはPUフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴムフォーム、エチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム、低密度ポリエチレン(LDPE)、典型的にはLDPEフォーム、ネオプレン、発泡ポリスチレン、シリコーンゴムフォーム、ポリプロピレンフォーム、またはポリテレフタレートフォームからなるか、または少なくとも前記材料のいずれかを含む。しかしながら、典型的には、下部のみが発泡体、通常は上述の発泡体の1つ、または発泡体と上述のポリマーの1つから形成されるか、または発泡体または発泡体と上述のポリマーの1つから構成される、すなわち、上部は好ましくは製造され得るか、または発泡体を除いて上述のポリマー材料から製造される。
【0033】
また、本開示は、少なくとも2つのサンプル受取ユニットが外力または下部のロック装置によって互いにガイドされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニットにおけるサンプルの方向に向いた側が互いに隣り合うように配置され、ロック装置によってこの位置にロックされ、単一のサンプルを、少なくとも2つのサンプル受取ユニット内に、または少なくとも2つのサンプル受取ユニットを用いて受け取る、記載されたサンプル受取装置によるサンプル受取方法の実施例に関する。
【0034】
サンプル受取方法において、特に、少なくとも2つのサンプル受取ユニットが下部のテーパ部に挿入され、少なくとも2つのサンプル受取ユニットにおいてサンプルに向かって配置された側面が互いにガイドされるように、記載されたサンプル受取装置の下部が上部に対して移動され、少なくとも2つのサンプル受取ユニットにおいてサンプルに向かって配置された側面が互いに隣り合うように配置され、単一のサンプルを少なくとも2つのサンプル受取ユニット内にピックアップすることができる。
【0035】
また、本開示は、前記サンプル受取装置によるサンプル採取方法の一実施形態であって、前記第1の部分が前記サンプル受取装置の端部と反対側を向いて前記第2の部分に載置されたときに、屈曲可能な接続部が前記ロック装置の形状により屈曲され、前記少なくとも2つのサンプル受取装置の端部が互いにガイドされて、少なくとも2つのサンプル受取装置のサンプルの方向を向いたの端部が互いに隣り合うように配置され、前記ロック装置によりこの位置にロックされ、前記少なくとも2つのサンプル受取装置内に、又は前記少なくとも2つのサンプル受取装置を用いて単一のサンプルを受取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示発明の実施形態の例を図面に示し、図1から図23を参照して以下に説明する。
図1図1はサンプル受取装置の上部の断面図である。
図2図2図1に示す上部の上面図である。
図3図3は、図1に対応する上部のサンプル受取ユニットをまとめた図である。
図4図4は、図3に示す条件の図2に対応する図である。
図5図5は、下部の透視図である。
図6図6は、下部の断面図である。
図7図7は、上部と下部を合わせた断面図である。
図8図8は、図7に対応する図で、上部と下部が互いに押し込まれている図である。
図9図9は、図5に対応する図であって、洗浄エレメント付きの図である。
図10図10は、図8に対応する図であって、洗浄エレメントである。
図11図11は、円板状またはリング状の下部を有する図7に対応する図である。
図12図12は、下部を配置した図12に対応する図である。
図13図13は、図7に対応する2パートクランプシステムの図である。
図14図14は、2パートクランプシステムを取り付けた図13に相当する図である。
図15図15は、図12に対応する図であって、円板状の下部および洗浄エレメントが所定の位置にあるものである。
図16図16は、図14に対応する二部式クランピングシステムと洗浄エレメントを取り付けた図である。
図17図17は、分離された状態のサンプル受取装置の第1部と第2部の概略断面図である。
図18図18は、組み立てられた状態の図17に対応する図である。
図19図19は、サンプル受取装置の更なる実施形態の図17に対応する図である。
図20図20は、図3に示す実施形態の図18に対応する図である。
図21図21は、サンプル受取装置の更なる実施形態の図17および図19に対応する図である。
図22図22は、図19に示す実施形態の図18に対応する図である。
図23図23は、接続機構を有する実施形態の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、サンプル受取装置の上部1の断面図である。図示の実施形態では、一体型の上部1は、光学的に可視な波長範囲400nmから700nmの電磁波に対して透明なプラスチック材料からなる保持ハウジング3で構成されており、入射する電磁波の少なくとも90%が上部1を透過する。しかしながら、上部1は、光学的に可視な波長範囲における入射電磁波の透過率が30°%未満の不透明な材料から形成することもできる。3つのサンプル受取ユニット7、8、9は、保持ハウジング3に対向して配置され、保持ハウジング3に、可撓性(フレキシブル)を有する接続部4、5、6、すなわち接続点を介して接続される。
【0038】
図示した実施例では、サンプル受取ユニット7、8、9と保持ハウジング3は同一の材料から形成されているが、異なる材料を用いてもよいし、異なる要素、例えば透明性などの特性に関して異なる材料を用いてもよい。
【0039】
サンプル受取ユニット7、8、9は、細長い形状または棒状であり、内部が中空、すなわち中空の円筒状または中空のチューブ状である。しかしながら、さらなる実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9またはサンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つは、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、ロッド、ヘリカルロッド、繊維、中空繊維、スコップ、ヘラ、スプーン、スポンジまたはフォーム(発泡体)の形態でもよい。さらに、すべてのサンプル受取ユニット7、8、9が同じタイプである必要はない。また、サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも一方が他のサンプル受取ユニット7、8、9と異なるタイプであってもよい。図示した実施例のサンプル受取ユニットは、保持ハウジング3から離隔する方向に向いた(背中を向いた)側であり、かつ、採取されて分析される側であるため、保持ハウジング3に対向する側よりも小径である。保持ハウジング3自体は、サンプル受取ユニット4、5、6に対向する側で開放されているが、他の実施例では閉鎖されていてもよい。
【0040】
可撓性(フレキシブル)を有する、すなわち、曲げ及び伸長可能な接続部4、5、6を介して、サンプル受取ユニット7、8、9をわずかに曲げ又は回転させることができるので、接続部4、5、6はヒンジ形状である。また、サンプル受取ユニット7、8、9をそれぞれの曲げ半径を超えて曲げて保持ハウジング3から分離すること、すなわち、接続部4、5、6を分離することも可能である。また、接続部4、5、6または接続部4、5、6の少なくとも1つまたは2つは、下部2が取り外されたときに元の位置、すなわち図1に再現された位置に戻るように設計されていてもよい。
【0041】
図1に示す実施形態では、横方向に配置された2つのサンプル受取ユニット7、9は、中央に配置されたサンプル受取ユニット8よりも短く、すなわち、サンプル受取ユニット7、9の長さは、中央のサンプル受取ユニット8の長さよりも短い。また、横方向に配置された2つのサンプル受取ユニット7、9は、保持ハウジング3から離隔する方向に向いた端部が共通平面上に配置されており、中央のサンプル受取ユニット8の端部は、この共通平面上ではなく、保持ハウジング3に近い平面上に位置している。サンプル受取ユニット7、8、9は、同一の設計であってもよいが、異なるサンプル受取ユニット7、8、9を一対で使用してもよい。また、個数も可変であり、図示の3個のサンプル受取ユニット7、8、9に加えて、2個のサンプル受取ユニットのみでもよいし、2個以上のサンプル受取ユニット、例えば最大10個のサンプル受取ユニットを含むこともできる。サンプル受取ユニットの長さは通常1mmから20mmの間であり、好ましくは8mmから14mmの範囲である。
【0042】
図示されたサンプル受取ユニット7、8、9はそれぞれ、液体サンプル、例えば指先からの血液の滴のような分析される特定の液体の滴をミリリットルの範囲で保持するためのキャピラリー(毛細管、毛管)として設計される。図示されたサンプル受取ユニット7、8、9はそれぞれ、好ましくは0.25μlから25μl、特に好ましくは1μlから20μlのサンプル体積を保持することができる。サンプル受取ユニット7、8、9の正確な数にかかわらず、サンプル受取ユニット7、8、9の各々は、一般的に同一の内部体積または同一の体積を有する内部空洞を有し、すなわち、サンプル受取ユニット7、8、9の各々に等しく大きなサンプル体積を保持することができる。しかしながら、さらなる実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つのサンプル体積は、他のサンプル受取ユニット7、8、9の体積と異なってもよい。しかしながら、固体として存在するサンプル、例えば、顆粒、粉末又は他のバルク材料として存在するサンプル、又はゲル形態のサンプルも収容することができる。図示した実施形態ではサンプル受取ユニット7、8、9は、剛体であるが、他の実施形態ではサンプル受取ユニット7、8、9が屈曲可能であってもよい。
【0043】
図2は、上述した上部1の上面図を示しており、これにより、上部1は、下から、すなわち、受け取られる(ピックアップされる)サンプルから疑似的に見ることができる。繰り返し要素には、この図及び次の図において同一の符号が付されている。サンプル受取ユニット7、8、9は、列状に配置されており、すなわち、その下端は、サンプル受取ユニット8の角度が120°より大きい二等辺三角形を形成している。
【0044】
図3は、図1に対応する図において、連結された(joined)サンプル受取ユニット7、8、9を有する上部1を示しており、すなわち、これらは、それぞれ、網状の接続部4、5、6で曲げられ、互いに直接接触するように先端と共にガイドされている。この位置では、すべての先端が同じ高さにある、すなわち、すべての先端が単一の平面で終わるので、サンプルを取ることができ、サンプル受取ユニット7、8、9のそれぞれに部分的なサンプルまたはアリコートを含むことができる。
【0045】
図4は、図2に対応する図に、図3に示す結合状態を示し、サンプル受取ユニット7、8、9の3つの先端により実質的に共通の吸引先端が形成されている。
【0046】
図5の斜視図には、図1図4に示す上部1に対応する一体または一体の下部2が示されている。下部2のハウジング11も上部1の材料で作られており、直線状の第1部12と、第1部12に嵌合(a form-fitting manner)して接続されたテーパ状の第2部13とを有する。第1部12は、内部が中空であり、図示の実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9の長さに対応する長さを有しており、互いに位置を変えることなく、第1部12の内部にサンプルを受けることができる。第1部12は、第2部13方向にテーパ状に形成してもよいが、この場合、テーパのピッチ角は、第2部13の対応するピッチ角よりも小さい。図4に示す実施例では、第1部12のピッチ角は、直線状であるため0°(ただし5°まで可能)であり、第2部13のピッチ角は45°である。
【0047】
また、第2部13は、内部に空洞を有し、終端に細長い開口部10を有し、その結果、ハウジング11の貫通開口部、すなわち、下部2の両側に開口を形成する。しかしながら、第2部13は、開口部10の方向に円錐状にテーパされている。ハウジング11において、凹部15が第1部12に横方向に設けられている。凹部15は上部1の対応するガイド部に差し込まれ、下部2はこのガイド部に沿って変位可能であり、上部1に皿状に沈めることができる。このような上部1と下部2との並進移動を行うと、下部2の第2部13によってサンプル受取ユニット7、8、9の先端が互いに移動し、最終的に開口部10で再び浮上し、サンプル受取ユニット7、8、9のサンプル受け位置が確定される。
【0048】
図6において、説明のために下部2を図5に対応する断面図で示す。ここでは、開口部10の方向に径が減少していることがより明確に理解でき、サンプル受取ユニット7、8、9の先端が内面に沿ってスライドするように互いに案内されている。このため、第2部13の内面は滑らか、すなわち無段階であり、先端が抵抗なくスライドできる。
【0049】
図7は、下部2と上部1の組み立て状態を斜視断面図で示す。下部2は、上部1の上に配置されており、第1部12がサンプル受取ユニット7、8、9を囲むだけで、サンプル受取ユニット7、8、9が離間した初期位置から移動しないようになっている。
【0050】
下部2を上部1の方向またはその逆方向に移動させた後の状態を図7に対応する図8に示す。この場合、下部2は上部1の凹部に挿入され、第1部12は保持ハウジング3の内部にあり、保持ハウジング3によって囲まれ、第2部13は保持ハウジング3の外部にある。この押合状態では、サンプル受取ユニット7、8、9の先端は開口部10から突出して共通の吸引先端を形成し、これも開口部10によって機械的に固定される。これにより、下部2と上部1は、互いにフォームフィットまたはフォースフィット接続で接続することができる。また、上部1または下部2にストッパを設けて、両部、つまり第1部12および第2部13間の並進運動を所定の位置で停止することができる。
【0051】
このように、サンプル受取装置は、手動または自動で、単一のステップで単一のサンプルから部分サンプルまたはアリコートを受動的に収集することができる、典型的には単一の使用のための消耗品として提供される。次に、採取された部分サンプルをさらに分析することができる。また、各サンプル受取ユニット7、8、9を保持ハウジング3から分離できるため、各部分サンプルをさらに別々に処理して分析することができ、診断能力を向上させることができる。本開示によれば、少量のサンプルであってもサンプル物質の変化を極力少なくすることができ、かつ、単一のオリジナルサンプルから部分サンプルを採取することにより、部分サンプルの均質化を高度に達成することができる。さらに、例えば指先からサンプルを採取する場合など、複数のサンプル採取による患者への不必要なストレスを回避する。サンプル受取ユニット7、8、9の適切な設計により、例えばキャピラリーとして、装置は複雑なマイクロ流体のような活性成分を必要とせず、必要であれば、さらに複雑な装置を必要とせずに手で簡単に操作することができる。
【0052】
図9は、図5に対応する図において、下部2のさらなる実施形態を示す。ここで、開口部10は、少なくとも開口部10を満たし、ハウジング11の内部またはハウジング11の外部に配置されるスポンジのような洗浄エレメント14によって覆われている。洗浄エレメント14は、第2部13または第1部12内に代替的または追加的に配置することができる。洗浄エレメント14は、単一の部分、すなわち、一つの部分またはモノリシック(単一の塊)から構成されることもできるが、いくつかの個別の部分から形成することもでき、しかし、これらの部分は、互いに接続され、例えば、一緒に溶接されることもできる。洗浄エレメント14は、上述した上部1および下部2の相対移動を行う際に、サンプル受取ユニット7、8、9の外側に沿って移動し、洗浄する。したがって、サンプルを受け取った後に、下部2および上部1を引き離し、サンプル受取ユニット7、8、9を空間的に離間させてサンプルを受取り、外側を洗浄する際にも洗浄が行われる。したがって、図10は、図8に対応する図における崩壊状態を示す。
【0053】
体積可変の洗浄エレメント14は、サンプル受取装置の使用者が実験室での作業のための特別な訓練を受けている可能性があり、したがって、クリーンなサンプル受取りのための規則に十分または全く精通していない場合に使用するのに特に有利である。進行中の生物学的または化学的プロセス、例えば尿のために分析に関して時間的に重要であるサンプルの場合、外部の洗浄がストリッピング(stripping)中にすでに実行されているので、より迅速な分析を実行することができる。また、洗浄エレメント14は、下部2の内壁の汚染はもちろんのこと、サンプル受取ユニット7、8、9の外側の汚染も回避することができるので、サンプル容器が清浄であることによる再現性が向上し、サンプル受取ユニット7、8、9に所望のサンプルのみが含まれる確率が高くなるとともに、サンプルとの意図しない接触が回避されるので、使用者の安全性が向上する。
【0054】
図11は、既に説明した上部1の図7に対応する斜視図であるが、ここでは、円盤状又はリング状の下部2を取り付ける。このため、円盤状の下部2は、従来通り中央に配置された開口部10を有しているが、下部2の高さは、その長さ又は幅よりも著しく低く、通常、高さは、長さ又は幅の最大10%である。サンプル受取ユニット7、8、9は、例えば、手動又は他の機械による外力により、接続部4、5、6に沿って、先端が互いに接触する所望の位置まで移動され、開口部10に挿入されること、即ち、下部2を上に置くことにより、この位置にロック又は固定される。ここで、上部1と下部2との間には、順次、形状による嵌合(a form-fitting)、又は圧入(force-fitting)による接続が可能となる。図12は、図11で説明した実施の形態の上部1と下部2との接続を示す。
【0055】
ロック装置の更なる形態として、図7に対応する斜視図で図13に示すように、2つのクランプ16の形態の保持装置を下部2として使用することもできる。この場合、図11及び図12に再現された実施例のように、サンプル受取ユニット7、8、9が外力によって所望の位置に移動し、図14の対応する図に示すように、2つのクランプ16によってこの位置に固定される。この設計の特定の利点は、サンプル受取ユニット7、8、9の間の異なる距離を設定できることである。さらなる実施形態では、単一のクランプ16のみを使用してもよいし、または、2つのクランプは、ワンピース設計、すなわち、単一の部品のみを含んでもよい。
【0056】
図15および図16は、図12および図14に示される実施形態を再現するが、ここで、洗浄エレメント14は、サンプル受取ユニット7、8、9の先端に配置される。この目的のために、洗浄エレメント14は、下部2に統合される必要はなく、別個の構成要素として存在することもできる。
【0057】
図17は、サンプル受取装置の第1の部分1(例えば下部)と第2の部分2(例えば上部)の概略断面図を示す。第1の部分1は、3つの棒状のサンプル受取ユニット7、8、9が並んで配置されている。隣接する2つのサンプル受取ユニット7、8、9の間には、ヒンジ状の屈曲可能な接続部17が中央に配置されている。図17に示す基本状態では、屈曲可能な接続部17と対向するから離隔する方向に向いたサンプル受取ユニット7、8、9の端部または先端部、すなわち受取るサンプルの方向を向いた端部が空間的に離間している。
【0058】
図17に示す実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9は列状に配置され、サンプル受取ユニット7、8、9のサンプルに対向する側は平面上に配置されている。サンプル受取ユニット7、8、9の長さは同一であるが、他の実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも一方の長さが他のサンプル受取ユニット7、8、9と異なるように設計することもできる。同様に、第1の部分1のサンプルと対向する側は、基本状態で平面上に配置される。サンプル受取ユニット7、8、9のサンプルと離隔して対向する側(すなわち、屈曲可能な接続部17も配置されている側)は閉じており、サンプル受取ユニット7、8、9は、キャピラリーとして設計され、サンプルと対向する側に開口部を有する。サンプル受取ユニット7、8、9の数も変更してもよく、図示の3つのサンプル受取ユニット7、8、9に加えて、2つのサンプル受取ユニットのみを含んでもよいし、2つ以上のサンプル受取ユニット、例えば最大10個のサンプル受取ユニットを含んでもよい。サンプル受取ユニット7、8、9の長さは、通常1mmから20mmの間であり、好ましくは8mmから14mmの範囲である。
【0059】
図示されたサンプル受取ユニット7、8、9は、それぞれ、液体サンプル、例えば、指先からの血液の滴のような分析される特定の液体の滴をミリリットルの範囲で保持するためのキャピラリーとして設計され、好ましくは、0.25μlから25μl、特に好ましくは1μlから20μlのサンプル体積を保持することができる。サンプル受取ユニット7、8、9の正確な数に関係なく、各サンプル受取ユニット7、8、9は、一般的に、同一の内部体積または同一の体積を有する内部空洞を有する。すなわち、各サンプル受取ユニット7、8、9は、等しく大きなサンプル体積を保持することができる。しかしながら、更なる実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つのサンプル体積は、他のサンプル受取ユニット7、8、9の体積と異なってもよい。しかしながら、固体として存在するサンプル、例えば、顆粒、粉末または他のバルク材料として存在するサンプル、またはゲル状のサンプルも受取ることができる。示された実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9は剛性であるが、さらなる実施形態では、それら自体が屈曲可能であってもよい。
【0060】
図17に示された実施形態では、第2の部分2は、第1の部分1と同じ材料で作られているが、さらなる実施形態では、異なる材料で作られてもよい。第2の部分2は、第1の部分1が第2の部分2上のサンプル受取ユニット7、8、9と反対側を向いて配置されたときに、屈曲可能な接続部17がロック装置の形状によって曲げられ、例えば、漏斗状の凹部が示され、サンプル受取ユニット7、8、9が互いに傾斜するように設計されたロック装置を有する。
【0061】
図17に対応する図18に示すように、組み立てられた状態では、第1の部分1と第2の部分2は互いに直接接触しており、サンプル受取ユニット7、8、9の先端又は端部は、受取るサンプルの方向(又は少なくともその一部の体積又はアリコート)に直接接触している。棒状のサンプル受取ユニット7、8、9の縦軸の交点には、ピックアップされるサンプル、典型的には液体が位置し、そこからキャピラリーに入ることができる。第1の部分1と第2の部分2の形状による嵌合接続(a form-fitting connection)は、サンプル受取ユニット7、8、9を位置に固定する。
【0062】
すでに説明したように、サンプル受取ユニット7、8、9は、細長いまたは棒状であり、内部が中空、すなわち、キャピラリーまたは中空の円筒またはチューブである。しかしながら、さらなる実施形態では、サンプル受取ユニット7、8、9、またはサンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つは、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、ロッド、ヘリカルロッド、繊維、中空繊維、スコップ、ヘラ、スプーン、スポンジ、またはフォームの形態でもよい。さらに、すべてのサンプル受取ユニット7、8、9が同じタイプである必要はない。また、サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つが他のサンプル受取ユニット7、8、9異なるタイプであってもよい。サンプル受取ユニット7、8、9は、屈曲可能な接続部17に離隔して対向しつつピックアップされた後分析されるサンプルに対向する側もおいて、それぞれ、図示の実施形態では、屈曲可能な接続部17に対向する側よりも小さい直径を有する。
【0063】
可撓性のある、すなわち、屈曲可能で伸縮可能な接続部17を介して、サンプル受取ユニット7、8、9は、わずかな範囲で屈曲または回転することができ、したがって、接続部17はヒンジ形状である。また、サンプル受取ユニット7、8、9をそれぞれの曲げ半径を超えて曲げることによって、すなわち、接続部17を切断することによって、サンプル受取ユニット7、8、9を互いに分離することも可能である。また、接続部17または接続部17の少なくとも1つまたは2つは、第1の部分1が第2の部分2から除去されたときに、元の位置、すなわち図1に再現された位置に戻るように構成されてもよい。
【0064】
図19において、図17に対応する側面図は、第1の部分1が、並んで配置された3つの棒状のサンプル受取ユニット7、8、9を有する別の実施形態を示す。サンプル受取ユニット7、8、9の隣接する2つの間には、ヒンジ状の屈曲可能な接続部17が再び中央に配置される。この場合、第2の部分2は、第1の部分1の屈曲可能な接続部17と同様の機械的性質を有し、屈曲可能な接続部17に対応して屈曲可能な領域20が配置された屈曲可能な板として設計される。図20において、図18に対応する図において、サンプル受取装置は組み立てられた状態で示されており、すなわち、第1の部分1と第2の部分2が互いに接続され、屈曲可能な接続部17と屈曲可能な領域20がそれぞれ外部に屈曲され、摩擦、接着接続、または両方の組み合わせにより、第1部と第2部が互いに保持されている。
【0065】
図21は、図1および図3に対応する図において、図3に示される実施例とは対照的に、第2の部分2が、第1の部分1の対応する凹部に挿入可能なボルト状の突起18を有する更なる実施例を示している。図22は、プレフォームされた(形成済みの)第2の部分2を示しており、その上に第1の部分1をその後に置き、突起18とそれらが挿入される凹部との間の摩擦によって保持される接着接続および/または接続によって再び固定することができる。
【0066】
図23は、図23b)の側面断面図における凹部19の可能な設計を示す。一方、図23a)では、ボルト状の突起18が中空体として示されている。図23c)では、両方の要素が組み立てられており、凹部19上のストッパ21が凹部18の動きを制限している。したがって、図示された実施例では、第2の部分2が第1の部分1に挿入される。
【0067】
このように、サンプル受取装置は、手動または自動で、単一のステップで単一のサンプルから部分的なサンプルまたはアリコートを受動的に収集することができ、典型的な単一の使用のための消耗品として提供される。次に、採取された部分的なサンプルをさらに分析することができる。また、異なるサンプル受取ユニット7、8、9を分離することができるため、各部分サンプルをさらに別々に処理して分析することができ、診断能を向上させることができる。本開示によれば、少量のサンプルであってもサンプル物質をできるだけ変化させずにサンプルを採取することができるとともに、単一の原サンプルから部分サンプルを採取することにより、部分サンプルの均質化を高度に達成することができる。また、例えば指先からサンプルを採取する場合など、複数のサンプル採取による患者への不必要なストレスを回避することができる。サンプル受取ユニット7、8、9の適切な設計により、例えばキャピラリーとして、装置は複雑なマイクロ流体のような活性成分を必要とせず、必要であれば、さらに複雑な装置を必要とせずに手で簡単に操作することができる。
【0068】
記載された装置または前記サンプル受取装置を備えた対応するサンプル受取方法は、医療または獣医学分野で使用することができるが、工業的に、または飲料のような食品の分析または生態学的分析のためにも使用することができる。記載された装置は、サンプル損失(一般的に避けるべきである)、サンプルスミア(誤った測定結果をもたらす可能性がある)、および潜在的に感染性または他の有害なサンプルへのユーザ曝露の両方が完全にまたは大部分に回避されるという点で特に有利である。
【0069】
特に、本開示はまた、以下の側面に関する。
【0070】
第1の態様において、サンプル受取装置は、嵌合及び圧入の少なくとも1つによって互いに連結可能な上部1と下部2とを有し、上部1は保持ハウジング3を有し、少なくとも2つの棒状のサンプル受取ユニット7、8、9又は少なくとも2つの屈曲可能なサンプル受取ユニット7、8、9が保持ハウジング3上に配置され、サンプル受取ユニット7、8、9が互いに空間的に離間して基本的な状態で配置された屈曲可能な接続部4、5、6を介してそれぞれ接続され、下部2は、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9が外力又は下部2のロック装置により互いに案内され、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の側がガイドされるように設計されたロック装置を有し、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の側面は、サンプルの方向を向いて配置され、互いに隣り合って配置され、ロック装置によってこの位置にロックされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9内に、または少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9を用いて、1つのサンプルを受取ることができる。
【0071】
第2の態様において、前記下部2は、ロック装置としての開口部10を備えたハウジング11を備える、第1の態様のサンプル受取装置。
【0072】
第3の態様において、前記サンプル受取ユニット7、8、9は、前記ハウジング11の開口部10に挿入可能であり、挿入後に前記ロック装置としての開口部10にサンプル受取ユニット7、8、9がロックされるように外力により互いに移動可能である、第2の態様のサンプル受取装置。
【0073】
第4の態様は、前記下部(2)が、ロック装置としての貫通開口部10を備えたハウジング11を備え、前記ハウジング11が、少なくとも1つのテーパ部13を有し、
前記下部2が、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9が前記下部2のテーパ部13に導入されたときに、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9がサンプルの方向を向いて配置された両側のテーパ形状により互いに案内されるように、前記少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9に並進移動して載置可能である、態様1~3のいずれかに記載のサンプル受取装置。
【0074】
第5の態様は、前記下部2のテーパ部が、円錐状のテーパ部13として構成されている、前記第4の態様に記載のサンプル受取装置。
【0075】
第6の態様は、前記下部2が、直線状に延びた部分12を有し、前記下部2の直線状に延びた部分12が、前記並進移動中の少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の動作準備を確立するために、前記上部1の対応する凹部内に挿入可能である、前記第2の態様から第5の態様のいずれかに記載のサンプル受取装置。
【0076】
第7の態様は、前記下部2の直線状に延びた部分12の長さが、前記サンプル受取ユニット7、8、9の長さ、及び、は前記サンプル受取ユニット7、8、9のサンプル方向を向く側が、前記下部2に設けられた開口部10の領域内に配置されるように選択され、前記サンプル受取ユニット7、8、9の長さに対応する、前記第2の態様から第6の態様のいずれかに記載のサンプル受取装置。
【0077】
第8の態様は、前記下部2が、前記上部1の保持ハウジング3内に配置されたガイド内を移動可能にガイドされており、好ましくは、前記移動可能力が少なくとも1つのストッパに限定される、前記第2の態様から第7の態様のいずれかに記載のサンプル受取装置。
【0078】
第9の態様は、前記下部2が、前記外力により移動された少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9を所定の位置にクランプするロック装置として好ましくは2部構成の保持装置を備えることを特徴とする、前記第1の態様に記載のサンプル受取装置。
【0079】
第10の態様は、前記サンプル受取ユニット7、8、9の少なくとも1つが、キャピラリー、管、繊維、好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜(メンブレン)、スコップ、スプーン、スポンジ、好ましくは固体スポンジ、ロッド、好ましくはヘリカルロッドの形態である、またはキャピラリー、管、繊維、好ましくは中空繊維、綿棒、ブラシ、ヘラ、ヘラナイフ、針、膜、スコップ、スプーン、スポンジ、好ましくは固体スポンジ、またはロッド、好ましくはヘリカルロッドで形成されることを特徴とする、前記いずれか1つに記載のサンプル受取装置。
【0080】
第11の態様は、サンプル受取装置において、前記上部1は、列状に配置された正確に3つのサンプル受取ユニット7、8、9を有し、前記2つのサンプル受取ユニット7、9のうち、前記保持ハウジング3から離隔する方向に向いた端部に配置された2つのサンプル受取ユニット7、9の側が基本状態で第1平面に配置され、前記中央に配置されたサンプル受取ユニット8の前記保持ハウジング3から離隔する方向に向いた側が、前記横方向に配置された2つのサンプル受取ユニット7、9に対して、基本状態で前記第1平面とは異なり、前記保持ハウジング3に近い第2平面に配置されている。
【0081】
第12の態様は、サンプル受取装置において、前記下部2は、開口部10を覆う容積可変の洗浄エレメント14、好ましくはスポンジを含み、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9が挿入でき、又は少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の上に開口部10を覆う容積可変の洗浄エレメント14を載置可能である。
【0082】
第13の態様は、サンプル受取装置において、前記保持ハウジング3は、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9から離隔する方向に向いた側に閉じて形成されている。
【0083】
第14の態様は、第1~13の態様のいずれか1つの態様のサンプル受取装置によるサンプル受取方法であって、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9が外力又は下部2のロック装置により互いにガイドされ、サンプル方向に向いて配置された少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の側が互いに隣り合うように配置され、ロック装置によりこの位置にロックされ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9内に又は少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9を用いて単一のサンプルを受け取る。
【0084】
第15の態様は、サンプル受取方法において、第4~8、10~13の態様のいずれか1つの態様のサンプル受取装置の下部2を上部1に対して少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9を下部2のテーパ部13に挿入し、サンプルの方向を向いて配置された少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の側面を互いにガイドすることにより、サンプルの方向を向いて配置された少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9の側面を互いに隣り合うように配置し、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9に単一のサンプルを採取することにより、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8の側面を、サンプル方向に対向しつつ互いに隣り合うよう配置するよう、ガイドするように移動させ、少なくとも2つのサンプル受取ユニット7、8、9内に単一のサンプルを受け取る。
【0085】
実施例においてのみ開示される種々の実施形態の特徴は、組み合わせて、個別に主張することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23a)】
図23b)】
図23c)】
【国際調査報告】