(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】繊維物品又は皮革物品を製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A41H 42/00 20060101AFI20240119BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A41H42/00
A41H43/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541963
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021080201
(87)【国際公開番号】W WO2022152424
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021000000398
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514038672
【氏名又は名称】モンクレール ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト アルサント
(72)【発明者】
【氏名】デニス クディネッリ
(57)【要約】
本発明は、繊維物品又は皮革物品、特に詰め物をした物品を製造するための方法及び装置に関する。該方法及び装置は、
基準縫製ライン(S1-S5)のパターンを含む、記憶されたテンプレートに従って、刺繍機(3)で、重ね合わされた生地(20d)を自動的に縫製するステップと、
記憶されたテンプレート内に備えられた、対応する基準マーキング(M1-M4)の配置に従って、それぞれの追加的な縫目の形で複数のマーキングを施すステップと、
生地の縫製された部分を光学的に捕捉し(5)、かつ、施されたマーキングの、基準マーキング(M1-M4)の配置に対する、変位を決定する、ステップと、
上記の変位、及び基準マーキング(M1-M4)の相互配置、及び記憶された縫製ラインのパターン(S1-S5)、に基づき、縫製された生地(20d)上に存在する実際の縫製ラインのパターンを、補間によって決定するステップと、
上記の補間によって得られた実際のパターンに基づき、縫製ラインに沿って自動的に裁断する(53)ステップと、
を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維物品又は皮革物品、特に詰め物をした物品を製造するための方法であって、
少なくとも2枚の、互いに重ね合わされた生地(20a-20c)を、刺繍機(3)に供給するステップと、
重ね合わされた前記生地(20a-20c、20d)を、実質的に直線である方向(D)に沿って、段階的に前進させるステップと、
記憶され、かつ、基準縫製ライン(S1-S5)のパターンを含む、テンプレートに従った、縫製ラインに沿って、前記刺繍機(3)で、少なくとも2枚の前記生地(20a-20c)を、自動的に縫製するステップと、
を含む、方法において、
前記自動的に縫製するステップの間に、それぞれの追加的な縫目の形で複数のマーキングを施すステップであって、前記マーキングは、記憶された前記テンプレート内に備えられた、対応する基準マーキング(M1-M4)の配置に従って、前記生地(20d)の露出した表面に二次元的に分布させられる、ステップと、
前記自動的に縫製するステップの後に、重ね合わされた前記生地(20d)の縫製された部分を、自動的に裁断するステップのためのステーション(53)に供給するステップと、
前記縫製された部分を光学的に捕捉し、かつ、前記生地(20d)に施された前記マーキングの、前記テンプレート内に記憶された前記基準マーキング(M1-M4)の前記配置に対する、変位を決定する、ステップと、
前記変位、及び前記基準マーキング(M1-M4)の相互配置、及び記憶された前記テンプレート内に備えられた前記縫製ライン(S1-S5)の前記パターンの相互配置、に基づき、前記生地(20d)の前記縫製された部分上に存在する前記縫製ラインの実際のパターンを、補間によって決定するステップと、
前記縫製された部分を自動的に裁断するステップであって、前記裁断するステップは、前記縫製するステップの後に、前記生地(20d)の弛み及び/又は皺に、前記裁断するステップを自動的に適合させるために、前記補間によって得られた前記実際のパターンに基づき、前記縫製ラインに実質的に沿って実施される、ステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
施されたマーキングの各々を得るために使用された糸が、好ましくは、前記表面の、前記マーキングのそれぞれが施された領域の配色に対して、光学的に区別可能な色を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
記憶された前記テンプレート内に備えられた基準マーキング(M1-M4)の前記配置が、複数の周縁基準マーキング(M1、M2)、及び、少なくとも1つの内側基準マーキング(M3、M4)、を含み、前記少なくとも1つの内側基準マーキング(M3、M4)が、好ましくは、前記パターンの前記縫製ライン(S1-S5)のうち1つの、曲線部分(S1´、S2´)のそれぞれに、外側で隣接して配置されている、請求項1又は2の一項又は複数項に記載の方法。
【請求項4】
前記自動的に縫製するステップにおいて、重ね合わされた前記生地が、緊張させられ続け、少なくとも1つの、実質的に矩形かつ平面の縫製領域(A)を形成し、前記縫製領域(A)が、前記刺繍機(3)によって施される前記縫製ライン及び前記マーキングを、記憶された前記パターン及び基準の前記配置(M1-M4)に、それぞれ対応させるように適合し、
かつ、前記生地の前進する前記方向(D)における前記矩形の辺が、前記前進させるステップに実質的に等しいか、又は前記前進させるステップの約数である、請求項1ないし3のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項5】
前記自動的に縫製するステップが、前記パターンに従った前記縫製ライン(S1-S5)を、それぞれの縫製ヘッドを用いて、実質的に直線である前記方向(D)に沿って並んで配置された複数の前記矩形の領域上に、並行して等しく再現するステップを含み、前記前進させるステップが、好ましくは、前記辺の長さを乗算した前記矩形の領域の数に実質的に等しい、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記縫製するステップと前記裁断するステップの間に、これら2つのステップ間の速度差を埋め合わせるために、前記生地を一時的に滞積させるステップと、及び、前記裁断するステップの後に、半製品をラベリングする、任意選択的なステップと、をさらに含む、請求項1ないし5のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項7】
前記パターンの前記縫製ライン(S1-S5)のうち少なくとも1つが、実質的に閉じたラインであり、その外側に前記基準マーキング(M1-M4)が配置され、前記縫製することが、前記実質的に閉じたラインの1つ以上の部分(O1-O5)に沿って中断され、前記部分(O1-O5)が、重ね合わされた前記生地の間に形成されたポケットのそれぞれにアクセスするための対応する入口を、前記縫製するステップによって画定するように適合し、前記方法が、前記ポケットの内側にダウンを挿入する、任意選択的なステップをさらに含む、請求項1ないし6のいずれか一項又は複数項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項又は複数項に記載の方法を実施するように適合した、繊維物品又は皮革物品、特に詰め物をした物品を製造するための装置(1)であって、前記装置が、
複数の生地(20a-20c)の供給装置(2)であって、前記供給装置(2)は、前記生地(20a-20c)を、それぞれのロール(21a-21c)から、前進する方向(D)に向けて巻き外し、かつ、それらを相互に重ね合わせるように構成された、供給装置(2)と、
記憶されたテンプレートを含む記憶手段であって、記憶された前記テンプレートが、基準縫製ライン(S1-S5)のパターン及び複数の基準マーキング(M1-M4)を含み、前記複数の基準マーキング(M1-M4)は、前記パターンに関連し、基準の配置に従って、配置される、記憶手段と、
刺繍機(3)であって、少なくとも1つの縫製ヘッド(31a-31f)及び少なくとも1つのフレーム(32)を含み、前記少なくとも1つのフレーム(32)は、縫製することの間に、重ね合わされた前記生地(20d)を緊張させ、かつ、一時的に保持するように適合した、刺繍機(3)であり、前記刺繍機(3)が、制御手段に関連付けられ、前記制御手段が、重ね合わされた前記生地(20d)を自動的に縫製することを、前記少なくとも1つの縫製ヘッド(31a-31f)と前記フレーム(32)の間の相対運動を用いて、記憶された前記テンプレートの前記パターンに対応する、縫製ライン(S1-S5)に沿って、実施するように構成された、刺繍機(3)と、を備え、
前記刺繍機(3)が、重ね合わされた前記生地(20d)上に、複数のマーキングを、縫目の形で、二次元的に、施すように適合し、前記複数のマーキングは、前記テンプレート内に記憶された基準の前記配置(M1-M4)に対応する位置に施され、
前記装置が、さらに、
前進する前記方向(D)に関して前記刺繍機の下流に、前記刺繍機(3)によって縫製された生地を光学的に捕捉することのための手段(52)、及び、縫製された前記生地を自動的に裁断することのための機械(53)と、
記憶された命令を含む制御手段と、を備え、前記記憶された命令が、
光学的に捕捉する前記手段(52)により、縫製された前記生地上に施された前記マーキングの位置を検出することと、
施された前記マーキングの、前記テンプレート内に記憶された基準の前記配置(M1-M4)に対する、変位を決定することと、
前記変位、及び前記基準マーキング(M1-M4)の前記相互配置、及び記憶された前記テンプレート内に備えられた前記縫製ラインの前記パターン、に基づき、縫製された前記生地上に存在する前記縫製ラインの前記実際のパターンを、補間によって決定することであって、前記刺繍機の前記フレーム(32)によって、前記縫製された生地を解放することの後に、縫製された前記生地の弛み及び/又は皺に、前記裁断するステップを自動的に適合させるための、決定することと、のための命令であり、
自動的に裁断する前記機械(53)が、前記生地を自動的に裁断することを、前記補間によって得られた前記実際のパターンに基づき、前記縫製ラインに実質的に沿って実施するように適合した、装置。
【請求項9】
前記刺繍機が、前記縫製ヘッド(31a-31f)を複数含み、前記縫製ヘッド(31a-31f)は、前進する前記方向(D)に沿って並んで配置され、かつ、前進する前記方向(D)に沿って並んで配置された複数の矩形の領域上に、記憶された前記パターンに従って、前記縫製ライン(S1-S5)を並行して複製するように適合し、
かつ、前記装置(1)が、前記刺繍機(3)から出力された縫製された前記生地を、一時的に滞積させることのためのバッファ(4)を含み、前記バッファ(4)は、前記刺繍機(3)の下流であり、かつ、自動的に裁断する前記機械(53)の上流であり、前記バッファ(4)は、前記バッファ(4)の上流と下流の前記機械の間の速度差を埋め合わせるための、請求項8記載の装置。
【請求項10】
捕捉する前記手段(52)が、自動的に裁断する前記機械(53)に配置され、自動的に裁断する前記機械(53)が、
前進させるベルト(56)であって、前記刺繍機(3)から出た、重ね合わされた前記生地(20d)の、前記縫製された部分が、その上で横たえられ、受取られるように適合した、前進させるベルト(56)と、
支持体(54)であって、命令に応じて、複数の軸に従った前記ベルトに沿って移動することができ、かつ、少なくとも1つの裁断ツールを備えた、支持体(54)と、を備え、捕捉する前記手段(52)が、好ましくは、基準の前記配置(M1-M4)に従って施された前記マーキングの全てを含む矩形の領域全体を捕捉すべく、前進させる前記ベルト(56)の上方の固定された位置に取付けられた、請求項8又は9の一項又は複数項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維物品又は皮革物品、特に、例えばグースダウンを用いて、詰め物をした物品を製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動的にキルティングする方法であって、連続的な、詰め物をした生地を、まず縫製ヘッドで、次に裁断ヘッドで、前進させる、方法が知られている。該方法では、有孔コンベアベルトが用いられ、それを用いることで、空気吸引によって、生地は全く滑ることなく保持される。この種の方法は、特許文献1で記述されている。
【0003】
縫目が閉じたラインであり、その縫目の周囲で裁断を実施する方法の欠点は、裁断ラインを、先に設けた縫製ラインから離隔しなければならない精度にある。
【0004】
他の欠点は、裁断することの終了時に得られる半製品が、オペレータには区別することができず、その結果、生産ラインを全体的に遅滞させることなく分類を行うことが困難である場合があることである。
【0005】
また、上記の既知の縫製及び裁断する方法を使用することは、生産ラインにおける、特に、特定のステップを実施するために連続的な手作業が必要である、ラインにおける、幾つかの問題を伴う可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】西独国特許出願公開第3801820号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の趣旨は、上記の1つ以上の側面において背景技術を改善することが可能な、繊維物品又は皮革物品を製造するための方法、及び対応する装置を提供することである。
【0008】
この趣旨の範囲内で、本発明の目的の1つは、縫製され、かつ、縫目に正確に沿って裁断された、半製品を得ることを可能にする、繊維物品又は皮革物品を製造するための方法、及び対応する装置を提供することである。
【0009】
他の目的は、複数の互いに異なるテンプレートを使用することが可能な、繊維物品又は皮革物品を製造するための方法、及び対応する装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、詰め物をすること、及び/又は衣服を仕立てること、といった後続の工程に備え、容易かつ迅速に識別可能な半製品を得るための、繊維物品又は皮革物品を製造するための方法、及び対応する装置を提供することである。
【0011】
他の目的は、衣服の生産ラインにおいても利用可能な、繊維物品又は皮革物品を製造するための装置を提供することである。
【0012】
さらに、本発明の目的の1つは、全ての既存の解決方法に代わる方法で、先行技術の欠点を克服することである。
【0013】
最後に、本発明の目的は、信頼性が高く、提供が比較的容易で、コストの面で競争力がある、方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この趣旨、及びこれらの目的、及び以下でよりよく明らかになる他の目的は、繊維物品又は皮革物品、特に詰め物をした物品を製造するための方法によって達成される。その方法は、
少なくとも2枚の、互いに重ね合わされた生地を、刺繍機に供給するステップと、
重ね合わされた生地を、実質的に直線である方向に沿って、段階的に前進させるステップと、
記憶され、かつ、基準縫製ラインのパターンを含む、テンプレートに従った、縫製ラインに沿って、上記の刺繍機で、上記の少なくとも2枚の生地を、自動的に縫製するステップと、
を含む、方法において、
上記の自動的に縫製するステップの間に、それぞれの追加的な縫目の形で複数のマーキングを施すステップであって、該マーキングは、記憶されたテンプレート内に備えられた基準マーキングの対応する配置に従って、重ね合わされた生地の露出した表面に二次元的に分布させられる、ステップと、
上記の自動的に縫製するステップの後に、重ね合わされた生地の縫製された部分を、自動的に裁断するステップのためのステーションに供給するステップと、
上記の縫製された部分を光学的に捕捉し、かつ、重ね合わされた生地に施されたマーキングの、上記のテンプレート内に記憶された基準マーキングの配置に対する、変位を決定する、ステップと、
上記の変位、及び基準マーキングの相互配置、及び記憶されたテンプレート内に備えられた縫製ラインのパターンの相互配置、に基づき、生地の縫製された部分上に存在する縫製ラインの実際のパターンを、補間によって決定するステップと、
上記の縫製された部分を自動的に裁断するステップであって、その裁断するステップは、上記の縫製するステップの後に、生地の弛み及び/又は皺に、裁断するステップを自動的に適合させるために、上記の補間によって得られた上記の実際のパターンに基づき、上記の縫製ラインに実質的に沿って実施される、ステップと、
を含むことを特徴とする、方法である。
【0015】
選択的には、上記の方法は、従属請求項に記載の特徴を1つ以上備えてもよい。
【0016】
また、本発明の趣旨及び目的は、上記の方法を実施するように適合した、繊維物品又は皮革物品、特に詰め物をした物品を製造するための装置によっても、達成される。その装置が、
複数の生地の供給装置であって、上記の供給装置は、上記の生地を、それぞれのロールから、前進する方向に向けて巻き外し、かつ、それらを相互に重ね合わせるように構成された、供給装置と、
記憶されたテンプレートを含む記憶手段であって、記憶されたテンプレートが、基準縫製ラインのパターン及び複数の基準マーキングを含み、その複数の基準マーキングは、上記のパターンに関連し、基準の配置に従って、配置される、記憶手段と、
刺繍機であって、少なくとも1つの縫製ヘッド及び少なくとも1つのフレームを含み、その少なくとも1つのフレームが、縫製することの間に、重ね合わされた生地を緊張させ、一時的に保持することに適合した、刺繍機であり、該刺繍機が、制御手段に関連付けられ、該制御手段は、重ね合わされた生地を自動的に縫製することを、上記の少なくとも1つの縫製ヘッドと上記のフレームの間の相対運動を用いて、記憶されたテンプレートのパターンに対応する、縫製ラインに沿って、実施するように構成された、刺繍機と、を備え、
上記の刺繍機が、重ね合わされた生地上に、複数のマーキングを、縫目の形で、二次元的に、施すように適合し、その複数のマーキングは、上記のテンプレート内に記憶された基準の配置に対応する位置に施され、
該装置が、さらに、
前進する方向に関して刺繍機の下流にある、刺繍機によって縫製された生地を光学的に捕捉することのための手段、及び、縫製された生地を自動的に裁断することのための機械と、
記憶された命令を含む制御手段と、を備え、その記憶された命令が、
光学的に捕捉する手段により、縫製された生地上に施されたマーキングの位置を検出することと、
上記のマーキングの、上記のテンプレート内に記憶された基準の配置に対する、変位を決定することと、
上記の変位、及び基準マーキングの相互配置、及び記憶されたテンプレート内に備えられた縫製ラインのパターン、に基づき、縫製された生地上に存在する縫製ラインの実際のパターンを、補間によって決定することであって、刺繍機のフレームによって、縫製された生地を解放することの後に、縫製された生地の弛み及び/又は皺に、裁断するステップを自動的に適合させるための、決定することと、
のための命令であり、
自動的に裁断する機械が、生地を自動的に裁断することを、補間によって得られた実際のパターンに基づき、縫製ラインに実質的に沿って実施するように適合した、装置である。
【0017】
選択的には、そのような装置は、従属請求項に記載の特徴を備えてもよい。
【0018】
本発明のさらなる特徴及び有利な点は、添付の図面において非限定的な例として例示されている、本発明に係る装置の、好ましいが排他的ではない実施形態の記述から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】
図3は、
図1及び2の装置の刺繍機内にある、生地を緊張させるフレームの、部分的な詳細図である。
【
図4】
図4は、
図1から3の装置で使用される、記憶されたテンプレートの実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
引用図を参照すると、一般に参照符号1で指定される、本発明に係る装置は、複数のロール状の生地の供給装置2を含む。供給装置2は、水平な巻き外し軸を備えた、複数の巻き外しユニット2a、2b、2cを備える。これらのユニットは、生地20a、20b、20cが、それぞれのロール21a、21b、21cから巻き外され、そして、相互に重ね合わされた形で、かつ、実質的に直線である前進する方向Dに沿って、下流の機械に供給されることができるように、配置される。これは、投入される生地20a、20b、20cの数に対応した数の層を有する、多層シート20dを形成するためである。
【0021】
任意選択的であって、必須ではないが、生地20a、20b、20cは、前進する方向Dに垂直な方向に関して、実質的に同一な幅を有するとよい。その結果としては、それらの生地が、供給装置2の出口で実質的に正しい相対配置で重ね合わされることができる。
【0022】
図示された実施形態においては、重ね合わされた生地は3つであり、その3つの生地は、後続の充填するステップにおいてダウンのための袋を形成するように適合した、2つの生地20a-20b、及び、ダウンを用いて詰め物をした衣服の外層を形成するように、かつ、装置1の下流で仕立てられるように、適合した、第3の生地20c、で形成される。
【0023】
代替的には、供給装置2で、例えば参照により本明細書に組み込まれるイタリア国特許出願第102016000111981号に記載されたように、かつ、予め定義された配置に従って、重ね合わせるステップの間に、少なくとも2つの生地の間に、予め形成されたダウンのための袋を間置することが可能である。
【0024】
本発明の生地に使用される材料は、繊維業界及び/又は室内装飾品業界において、特に、例えばグースダウンを詰められた衣服のような、詰め物をした物品を製造するために、通常使用されるものである。
【0025】
特に、使用される生地は、繊維(この用語は、編地、メッシュ、不織布、詰め物シート又は詰め物をするためのポリエステルシート、合成シート一般、を意味することを意図している)製、及び/又は皮革(イミテーションレザーを含む)製であってよい。しかしながら、プラスチックフィルム又は他の材料から成るシートを、常に好ましくはロールから巻き外されたそれらを、繊維製及び/又は皮革製の生地に関連付けるために、加えてもよい。
【0026】
装置1は、供給装置2の下流に、刺繍機3を備える。刺繍機3は、少なくとも1つの縫製ヘッドを備え、より好ましくは、前進する方向Dに沿って整列した、複数の縫製ヘッド31a-31fを、例えば6つ(スペースの都合上、図中に全てが示されているわけではない)の縫製ヘッドを、備える。縫製ヘッド31a-31fは、前進する方向Dに平行な、共通の長手方向部材30上に取付けられ得る。
【0027】
さらに、刺繍機3は、少なくとも1つの刺繍フレーム32を含む。該刺繍フレーム32は、縫製することの間に、重ね合わされた生地20dを、それ自体では公知の方法で、緊張させ、一時的に保持するように、かつ、記憶された刺繍プログラムに従って移動するように、適合する。
【0028】
固定された縫製ヘッド、及び、記憶された刺繍プログラムに従って移動する、生地の刺繍フレーム、を備えた刺繍機は、それ自体では公知であり、例えば独国特許出願公開第19722616号明細書に記載されている。
【0029】
図示された実施形態においては、刺繍フレーム32は、長手方向爪33及び横断方向爪34を含んでいる。長手方向爪33及び横断方向爪34は、刺繍機3に入力され供給された、重ね合わされた生地20dを、縫製するステップの間に、命令に応じて作動させられ、重ね合わされた生地20dを、2つの互いに垂直な方向に沿って、保持し、かつ、緊張させることができる。
【0030】
装置1はさらに、例えば刺繍機3自体の内部に、記憶手段を備える。該記憶手段は、少なくとも1つのテンプレートを格納、記憶する。該テンプレートは、基準縫製ラインS1、S2、S3、S4、S5の図面又はパターン、及び、該パターンに関連し、基準の配置に従って分配される、複数の基準マーキングM1、M2、M3、M4、を含む。
【0031】
記憶されたテンプレートは、例えばベクターファイル形式の、デジタルパターンに対応する。記憶されたテンプレートはさらに、複数の実質的に閉じた基準ラインS1、S2、S3、S4、S5を含み、それらは、矩形の領域A内部の特定のレイアウトの、実際の縫製ラインに対応する。実際の縫製ラインは、縫製ヘッド31a-31fのうち1つによって提供されなければならない。図示された例においては、該レイアウトは、複数の半製品(又はアイテム)P1、P2、P3、P4、P5で形成されている。それらは、例えば詰め物をしたコート又はジャケットを形成するために、裁断することによって得られた後に加工される。
【0032】
刺繍機3は、制御手段に、例えば装置1全体のコンピュータ数値制御(CNC)に、関連付けられる。該制御手段は、縫製ヘッド31a-31fと刺繍フレーム32の間の相対運動を、記憶されたテンプレートに基づいて、起こさせるように構成される。これは、記憶されたテンプレートのパターンに対応する縫製ラインに沿って、重ね合わされた生地20dを自動的に縫製することを得るためであり、さらに、本発明の特定の態様によれば、マーキングの基準の配置に従った追加的な縫目を得るためである。その結果としては、記憶されたパターンのマーキングM1-M4が、重ね合わされた生地20d上で、有利には、対応する追加的な縫目の形で、複製される。
【0033】
本発明の有利な点の1つは、上記のマーキングが、例えば円の形状をした、それぞれ縫目から成ることである。それらの縫目は、テンプレート内に記憶されたパターンS1-S5を縫目の形で再現する縫製ヘッドと同じ縫製ヘッド31a-31fを用いて得られる。従って、上記の縫製するステップでは、上記のマーキングも、重ね合わされた生地20d上で、追加的な縫目の形で、同時に施される。該マーキングは、生地20dに施された縫製ラインに関連して、記憶されたテンプレートと同様に、配置される。
【0034】
公知の刺繍機の、縫製ヘッドは、異なる色の糸を適用することができるので、縫製ラインS1-S5に使用される糸とは異なる糸、例えば、重ね合わされた生地20dの露出した表面の色に対して高いコントラストを有する糸を、上記のマーキングに関連付けることが可能である。これは、後続のステーションにおける、自動的に認識することを、容易化するためである。
【0035】
刺繍機3は、フレーム32を、縫製ヘッド31a-31fに対して移動させるように、かつ、縫目を、重ね合わされた生地20d上に設けるべく、上記の縫製ヘッドを作動させるように、適合する。該縫目は、基準ラインS1-S5、及びマーキングM1-M4の基準の配置に、(1対1の比率で、又は既知のスケール因子に従って)対応する。
【0036】
重ね合わされた生地20dは、刺繍フレーム32によって緊張させられ続けるので、各縫製ヘッド31a-31fの作業領域は、平面で矩形の領域である。平面で矩形の領域は、記憶されたテンプレート又はデジタルパターンの矩形の領域Aに、1対1の比率で、又は既知のスケール因子で、対応する。従って、縫製ヘッド31a-31fの各々によって設けられる、実際の縫製ラインの各々は、記憶された基準縫製ラインS1-S5のそれぞれに、(既知のスケール因子を除いて)正確に対応する。
【0037】
基準縫製ラインS1-S5は、任意選択的には、1つ以上の部分O1、O2、O3、O4、O5に沿った中断部を有し、結果として、縫製ヘッド31a-31fは、これらの部分O1-O5では、重ね合わされた生地20dを縫製することを全く実施しないような、基準縫製ラインS1-S5である。こうすることで、縫製するステップの終了時には、これらの部分O1-O5において、生地20-20b-20cの間に形成され、かつ、縫目によって区切られた、内ポケットのそれぞれに、アクセスするための、対応する入口が得られる。その入口を通して、詰め物材料(例えば、グースダウン)が、充填ステーション(図示されていない)において、挿入され得るのであって、該充填ステーションは、前進する方向Dに関して刺繍機3の下流に位置してよい。図示された実施形態においては、充填ステーションは、方向Dに関して装置1全体の下流に位置している。
【0038】
1つの与えられた閉じた縫製ラインS1-S5内に、複数のポケットを得るために、基準縫製ラインS1-S5は、1つ以上の弦(chord)T1、T2、T3、T4、T5を、さらに含み得る。該弦は、閉じた縫製ラインS1-S5それぞれの、それぞれ2つの点を結ぶ。縫製することは、ラインS1-S5に対応した縫製することを実施するのと同じ縫製ヘッド31a-31fによって、上記の弦T1-T5に沿って、実施される。有利には、縫目を有さず、かつ、閉じたラインに沿って並んで配置された、部分O1-O5が、上記の弦T1-T5のうち1つの、一方の側によって区切られる。その結果としては、後で充填される各ポケットが、上記の弦T1-T5の少なくとも1つによって区切られる。
【0039】
記憶されたテンプレート内のマーキングM1-M4の基準の配置は、二次元的(すなわち、1つの軸に沿うのみならず、X-Yデカルト平面全体上)であり、かつ、好ましくは、基準マーキングM1-M4が、パターンの閉じたラインS1-S5の外側に配置されるような、配置である。特に、複数の周縁基準マーキングM1、M2は、矩形の領域Aの周縁領域に沿って、例えば、矩形Aの頂点全てに近接して、配置される。一方、少なくとも1つの他の基準マーキングM3-M4は、周縁マーキングM1-M2に比べ、上記の領域Aのより内側に配置される。より正確には、少なくとも1つの他の基準マーキングM3-M4は、パターンの縫製ラインS1-S5の曲線部分それぞれ(S1´、S2´等)の近傍に、かつ、好ましくは、上記の曲線部分の曲率半径の方向を向いて、配置される。
【0040】
装置1は、刺繍機3の下流に、縫製された生地(これは、縫製することを経た後の、重ね合わされた生地20dに対応する)を引出すための引出しステーション4を備え得る。引出しステーション4は、個々の生地20a-20cを、上流側のロール21a-21cそれぞれから巻き外すこと、重ね合わされた生地20dを、前進する方向Dに沿って段階的に前進させること、及び、生地20dの縫製された部分を、下流側のステーションに向けて供給すること、を可能にする。これらについては、以下で記述される。
【0041】
重ね合わされた生地20dを、供給装置2と引出しステーション4の間で前進させるステップは、方向Dにおける刺繍フレーム32の長さと実質的に等しい。これは、刺繍機3に、重ね合わされた生地20dの部分を供給するためである。該部分は、その長さが、縫製ヘッド31a-31fを並行して作動させることによって、重ね合わされた生地20dの複数の隣接する矩形の領域上に、記憶されたテンプレートを同時に複製することができるような長さの、部分である。刺繍フレーム32の、方向Dにおける長さは、上記の矩形の領域のうち1つの、前進する方向Dにおける辺の長さの、実質的に倍数である。
【0042】
縫製するステップを通じて、引出しステーション4の上流で、重ね合わされた生地を前進させることは、停止される。
【0043】
有利には、引出しステーション4は、刺繍機3から出た、重ね合わされた生地20dの縫製された部分を、一時的に滞積させるための、バッファユニットを含む。
【0044】
該バッファユニットは、セットを成すデフレクタローラ42-43を含む。デフレクタローラ42-43は、水平軸を有し、かつ、互いに向かうように/互いから離れるように(例えば、前進する方向Dに実質的に垂直な方向に)移動可能である。さらに、重ね合わされた生地20dの縫製された部分(これは、本明細書では「縫製された生地」とも称される)が、デフレクタローラ42-43の間の、曲路へと導かれる。1つのセットを成すデフレクタローラ42が、可動支持体41上に配置され得る一方、他のセットを成すデフレクタローラ43は、例えばデフレクタローラ42に対して枝分かれして、固定された位置に備えられてもよい。
【0045】
ローラのセット42-43を、相互に離隔すること/接近させることによって、引出しステーション4のバッファユニットは、刺繍機3によって上流で製造された、より多い/少ない量の縫製された生地を、下流の処理ステーションを詰まらせることなく、それぞれ滞積させることができる。
【0046】
上記の下流のステーションは、縫製された生地を、自動的に裁断することのための、機械53を含み、機械53は、記憶されたテンプレートに従って刺繍機によって縫製された生地20dを、光学的に捕捉することのための、手段5に関連付けられる。光学的に捕捉する手段5は、1つ以上のビデオカメラ52を含み得る。ビデオカメラ52は、自動的に裁断する機械53の上方に位置する取付フレーム51上に配置され、自動的に裁断する機械53に向けられている。こうすることで、矩形の領域全体(記憶されたテンプレートの領域Aに、実質的に対応する)を捕捉することが可能であり、矩形の領域全体には、刺繍機3によって、特に、その領域上で縫製することを実施した縫製ヘッド31a-31fによって、その領域に施された、全てのマーキングが含まれる。
【0047】
図示されていない、代替的な実施形態によれば、光学的に捕捉する手段は、裁断する機械53の上流、かつ、刺繍機3及び/又は引出しステーション4の下流、に位置してもよい。
【0048】
自動的に裁断する機械53は、コンベアベルト56を備え得る。重ね合わされた生地20dの縫製された部分のセグメントが、コンベアベルト56上に横たえられ、そして、裁断するステップの間だけはベルト56が停止するよう、断続的に、前進させられる。
【0049】
該ベルトの上方には、支持体がある。該支持体は、例えば直交タイプであり、ビーム55に沿って移動できるように取付けられた、裁断ヘッド54を備える。裁断ヘッド54は、次に、ビーム55の長手方向に対して垂直な方向に移動可能である。裁断ツールは、任意の種類のものでよく、例えばレーザー又はブレードであってよい。
【0050】
装置1の制御手段は、ビデオカメラ52によって光学的に捕捉するステップを妨げない位置に、裁断する機械53の可動ビーム55を、移動させるように、プログラムされる。
【0051】
図示された実施形態においては、裁断する機械53は、1つのレイアウトP1-P5を一度に裁断することを、所定の時間T1内に、記憶されたテンプレートの単一の矩形の領域Aに対応する、縫製された生地の部分の、縫製ラインに沿って、実施するように、構成されている。
【0052】
プリセットされた裁断時間T1は、刺繍機3によって使用される、プリセットされた刺繍時間T2に関連している。この刺繍時間T2は、記憶されたテンプレートを、それぞれの縫製ヘッド31a-31fを用いて、重ね合わされた生地20dの複数の隣接する矩形の領域上に、並行して完全に再現するために、使用される。この場合においては、T2=n×T1であり、「n」は刺繍機の縫製ヘッドの数である。引出しステーション4のバッファユニットは、刺繍機3と自動的に裁断する機械53の間の、この速度差を埋め合わせるように適合する。
【0053】
縫製するステップの終了時に、刺繍フレーム32の係合を解除することにより、下流に供給される、重ね合わされた生地20dの縫製された部分は、もはや2つの垂直な方向に緊張させられてはいない。従って、それらの部分は、縫製ライン及び縫目の配置を、記憶されたテンプレートに対して変形させ得る、又はサイズの面で小さくさせ得る、弛み及び皺、の影響を受ける。
【0054】
従って、本発明は、装置1を制御するための手段が、命令を含むこと、及び、命令を記憶すること、を規定する。該命令は、
ビデオカメラ52の光学的に捕捉することによって、刺繍機3から出力された重ね合わされた生地20dの縫製された部分上に施された、すなわち縫製された生地上に施された、マーキングの位置を検出することと、
施されたマーキングの、テンプレート内に記憶された基準の配置M1-M4に対する、変位を、すなわち異なる配置を、決定することと、
上記の変位、及び、記憶されたテンプレート内に備えられた縫製ラインS1-S5のパターンに対する、基準マーキングM1-M4の相互配置、に基づき、捕捉する手段5で、生地20dの縫製された部分に存在する実際の縫製ラインのパターンを、補間によって決定することであって、それに応じて裁断する機械53を作動させるための、決定することと、のための、命令である。このようにすると、刺繍機3の刺繍フレーム32によって生地20dの縫製された部分を解放することの結果として、上記の部分の弛み及び/又は皺に、裁断することを自動的に適合させることが、可能となる。
【0055】
従って、自動的に裁断する機械53は、重ね合わされた生地20dの縫製された部分を、上記の補間によって得られた実際のパターンに従って、特に、刺繍機3によって形成された縫製ラインの周囲で、かつ、上記の縫製ラインから実質的に一定の距離(例えば、1cm未満)を離して、自動的に裁断することを実施することに、適する。この自動的に裁断することの実施により、オリジナルのレイアウトの半製品P1-P5を得ることができる。上記の裁断することの結果としての、互いに完全に分離された、これらの半製品は、その後にダウンを用いて詰め物をされ、及び/又はその後に結合され、例えば衣服といった、完成物品を形成し得る。
【0056】
裁断する機械53の下流に、ラベリングステーション6を設けることが可能である。ラベリングステーション6は、直交アプリケータ61を備え、直交アプリケータ61は、自動的に裁断するステップで得られた半製品P1-P5それぞれの上に、自動的な読取りが可能なそれぞれのラベル(例えば、QRコード(登録商標)又はバーコードを有するラベル)を貼付することに適する。
【0057】
また、ラベリングステーション6は、プリセットされた時間内に、その作業を完了させるように、構成される。プリセットされた時間は、好ましくは、裁断ステーション53の時間T1に等しい。
【0058】
装置1の下流に、1かたまりの半製品P1-P5を受取るための、さらなるテーブル(図示されていない)を設けることが可能である。1かたまりの半製品P1-P5を受取ることは、関連付けられたピックアップすること、及び、例えば(ダウンを用いる)充填ステーション及び/又は衣服製造ステーション等の、後続の処理ステーションに供給すること、のためである。受取るテーブルにおいて、半製品を手動ピックアップすることを実施する場合には、確認ボタンを、受取るテーブルに設けることが可能であり、該確認ボタンは、装置1を制御するための手段に接続されており、かつ、オペレータが受取るテーブルから全ての半製品P1-P5をピックアップすることを完了する度毎に、手動で押される。T1(すなわち、裁断する機械53の作業時間)に対応する所定の時間内に該ボタンが押されない場合、制御手段は、装置1を停止させる。
【0059】
本発明に係る、作業及び対応する方法は、上記した装置の構造から明らかである。
【0060】
実際上、本発明は意図した趣旨及び目的を達成することが判明している。
【0061】
従って、創出された本発明は、本発明の概念の範囲内である、多くの修正及び変形を全て許容する。さらに、全ての細部は、他の技術的に同等な要素に置き換えられ得る。
【0062】
実際上は、使用される材料は、形状及び寸法が確定されていないのと同様に、要件及び技術状況に従った任意のものであってよい。
【0063】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102021000000398号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
本出願の任意の請求項において、記載された技術的特徴の後に、参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、請求項の明瞭度を高める目的のみのために付されており、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号を用いた例示によって特定される要素各々の解釈を限定する効果を、全く有さない。
【国際調査報告】