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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】マイクロカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541974
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 IB2022050142
(87)【国際公開番号】W WO2022153159
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/136,350
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モリヤマ、エドゥアルド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK07
4C160KK16
4C160KK20
4C160KK70
4C160MM34
4C160NN09
4C160NN11
(57)【要約】
マイクロカテーテルであって、患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように、及び、少なくとも部分的に患者の生体組織に近接して配置可能であるように;及び、生体組織に関連する情報信号を医療システムに送信するように構成されており、医療システムは、使用中にマイクロカテーテルから情報信号を受信し、使用中にマイクロカテーテルから受信した情報信号を処理するものである、マイクロカテーテル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システム及び患者の生体組織と共に使用可能な装置であって、前記装置は、
マイクロカテーテルであって、
前記患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、
少なくとも部分的に前記生体組織に近接して配置可能であるように;及び、
前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成された前記マイクロカテーテル
を含み、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである、装置。
【請求項2】
前記医療システムは医用画像システムを含み、
前記マイクロカテーテルはさらに、
少なくとも部分的に前記マイクロカテーテルに近接して配置され又は位置する前記生体組織の存在を検出するように;及び
前記生体組織の存在の検出を示す前記情報信号を、前記マイクロカテーテルによって提供された前記情報信号に対して実行される計算に基づいて医用画像を生成するように構成された前記医用画像システムに送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロカテーテルはさらに、
エネルギー源に選択的に接続されるように;及び
前記生体組織を治療するために、少なくとも部分的に、エネルギーを前記生体組織に向けて選択的に放出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが前記マイクロカテーテルに近接して配置された前記生体組織を検出している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが前記生体組織に関連する前記情報信号を送信している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記医療システムは医用画像システムを含み、
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが、外科医による前記マイクロカテーテルの、前記医用画像システムによって形成された医用画像の所望の位置での位置決めを支援している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが、前記マイクロカテーテルによって提供される前記情報信号から生成された医用画像に示される前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出している間、生体組織を検出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記マイクロカテーテルは、
シースと共に使用可能であるように;及び
前記シース内に少なくとも部分的に受け入れられるように構成された拡張器と共に使用可能であるように;及び
前記拡張器内に少なくとも部分的に受け入れられるように構成されており、
前記シース及び前記拡張器は、前記マイクロカテーテル上を所望の位置まで前進するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記マイクロカテーテルは、近位マイクロカテーテル部分及び遠位マイクロカテーテル部分を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記遠位マイクロカテーテル部分は、前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成された遠位エネルギーエミッタを支持する遠位先端部分を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロカテーテルは、前記医療システムに選択的に接続されるように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記医療システムはエネルギー源を含み、前記エネルギー源は、
前記マイクロカテーテルに動作可能に接続されるように;及び
前記エネルギー源が前記マイクロカテーテルに動作可能に接続された後、前記マイクロカテーテルにエネルギーを提供するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記医療システムは、治療される生体組織を示す医用画像を生成するように構成された医用画像システムを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記医療システムは、前記マイクロカテーテルによって提供されるECG信号を収集するように構成されたECGシステムを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロカテーテルは、少なくとも1つ又はそれ以上の視覚化マーカーを含むように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記マイクロカテーテルは、心電図信号を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを含むように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記マイクロカテーテルは、電気焼灼デバイスを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記マイクロカテーテルは、前記マイクロカテーテルの長さに沿って固定的に配置された離隔した電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記離隔した電極は、前記情報信号を検出し、検出された前記情報信号を前記医療システムに送信するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記マイクロカテーテルは、
前記マイクロカテーテルの長さに沿って固定的に配置された離隔した電極;及び
前記マイクロカテーテルの遠位部分に取り付けられた遠位エネルギーエミッタ
を含み、
前記離隔した電極のうちの最も遠位に位置する1つの電極は前記遠位エネルギーエミッタから離隔している、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記離隔した電極は、等間隔に離隔されるとともに、隣接して配置された電極間に2ミリメートルの間隔を有し、かつ
最も遠位に位置する離隔した電極と前記遠位エネルギーエミッタとの間の間隔は5ミリメートルである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記離隔した電極のうちの任意の1つの電極は、前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、
前記遠位エネルギーエミッタは、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されている、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記離隔した電極のうちの任意の1つの電極は、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されている、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記マイクロカテーテルは、
前記マイクロカテーテルの長さに沿って固定的に配置された離隔した電極;及び
前記マイクロカテーテルの遠位部分に取り付けられた遠位エネルギーエミッタ
を含み、
前記離隔した電極のうちの最も遠位に位置する1つの電極は、前記遠位エネルギーエミッタから離隔しており、
前記離隔した電極のうちの任意の1つの電極は、前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、
前記遠位エネルギーエミッタは、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されており、
前記離隔した電極のうちの選択された電極は、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
医療システム;及び
マイクロカテーテルであって、
患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿った前記マイクロカテーテルの移動に対応して、少なくとも部分的に前記患者の生体組織に近接して配置可能であるように;及び
前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成された前記マイクロカテーテル
を含み、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである、装置。
【請求項26】
医療システム及び患者の生体組織と共に使用可能な方法であって、前記方法は、
マイクロカテーテルを使用することを含み、前記マイクロカテーテルは、
前記患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、
少なくとも部分的に前記生体組織に近接して配置可能であるように;及び、
前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理する、方法。
【請求項27】
患者の生体組織と共に使用可能な方法であって、前記方法は、
医療システムをマイクロカテーテルと共に使用することを含み、前記マイクロカテーテルは、
前記患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、
少なくとも部分的に前記生体組織に近接して配置可能であるように;及び、
前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、カテーテル(及びそれに限定されない)の技術分野に関し、より具体的には、マイクロカテーテル(及びそれのための方法)に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の医療デバイスは、医療処置を容易にするとともに、医療提供者が病気の患者の病状を診断及び/又は治療するのを助けるように構成されている。
【発明の概要】
【0003】
既存の(既知の)カテーテルに関連する少なくとも1つの問題を(少なくとも部分的に)軽減する必要性が存在することが理解されるであろう。既存の(既知の)カテーテルについて多くの研究と実験を行った結果、そうした問題の(少なくとも部分的な)理解とその解決策が(少なくとも部分的に)特定され、次のように(少なくとも部分的に)明確にされている。
【0004】
既知のカテーテルは、所与の医療処置の結果を改善するために使用することはできない。
(上記問題を解決するために)必要とされるのは、患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように、及び、少なくとも部分的に生体組織に近接して配置可能であるように;及び、前記生体組織に関連する情報信号を医療システムに発信するように構成されたマイクロカテーテルであって、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである、マイクロカテーテルである。
【0005】
既存の技術に関連する少なくとも1つの問題を少なくとも部分的に軽減するために、(主要な態様に従って)装置が提供される。この装置は、医療システム及び患者の生体組織と共に使用可能である。この装置は、患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、少なくとも部分的に生体組織に近接して配置可能であるように;及び、前記生体組織に関連する情報信号を医療システムに発信するように構成されたマイクロカテーテルを含み(ただし、これに限定されない)、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである。マイクロカテーテルに関連する技術的利点は、マイクロカテーテルを生体組織の比較的近くに配置できることに基づいて、医療システムに提供される情報信号の品質が向上する(強化される)ため、外科医が所与の医療処置に対してより良い結果に達することが可能となることである。マイクロカテーテルを、生体組織に比較的近い位置に到達するようなサイズにするように、及び/又は患者の曲がりくねった解剖学的構造を進むように構成すること等には利点がある。
【0006】
既存の技術に関連する少なくとも1つの問題を少なくとも部分的に軽減するために、(主要な態様に従って)方法が提供される。この方法は、医療システム及び患者の生体組織と共に使用可能である。この方法は、患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、少なくとも部分的に生体組織に近接して配置可能であるように;及び、前記生体組織に関連する情報信号を医療システムに発信するように構成されたマイクロカテーテルであって、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである、マイクロカテーテルの使用を含むが、これに限定されない。
【0007】
他の態様は特許請求の範囲で特定される。非限定的な実施形態の他の態様及び特徴は、添付の図面とともに非限定的な実施形態についての以下の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念を簡略化した形式で紹介するために提供されている。この概要は、開示された主題の潜在的に重要な特徴又は考えられる本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、開示された各実施形態又は開示された主題のすべての実装を説明することを意図したものではない。この説明が進むにつれて、他の多くの新規な利点、特徴、及び関係が明らかになるであろう。以下の図及び説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
非限定的な実施形態は、添付の図面と併せて、以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解され得る。
図1】心臓内に(少なくとも部分的に)配置されたマイクロカテーテルの医用画像(医用画像システムによって生成されたもの)の一実施形態の側面図を示す。
図2図1のマイクロカテーテルの一実施形態の斜視図を示す。
図3図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図4図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図5図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図6図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図7図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図8図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図9図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図10図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図11図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図12図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図13図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
図14図1のマイクロカテーテルの一実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は必ずしも縮尺どおりではなく、仮想線、概略図、及び部分図によって示される場合がある。場合によっては、実施形態の理解に不必要な詳細(及び/又は他の詳細を認識しにくくする詳細)は省略されていることがある。対応する参照文字は、図面のいくつかの図を通して対応する構成要素を示す。いくつかの図の要素は、簡略化及び明確化のために図示されており、一定の縮尺で描かれていない。開示された様々な実施形態の理解を容易にするために、図中のいくつかの要素の寸法は他の要素と比べて強調されている場合がある。さらに、商業的に実現可能な実施形態において有用な一般的でよく理解されている要素は、本開示の実施形態の図示を遮らないようにするために、描かれていないことが多い。
【0010】
図面で使用される参照番号一覧
マイクロカテーテル 102
離隔した電極(104A~104H)
近位マイクロカテーテル部分 118
遠位マイクロカテーテル部分 120
遠位エネルギーエミッタ 122
シース 202
拡張器 204
近位シース部分 208
遠位シース部分 210
近位拡張器部分 212
遠位拡張器部分 214
ステップ501からステップ519
エネルギー放出デバイス 800
心臓 900
アブレーションされた組織部分 902
肺静脈 904
非限定的な実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明は単なる例示であり、説明される実施形態、又は説明される実施形態の応用及び用途を限定することを意図するものではない。使用される「例示的な」という言葉は、「例又は実例として機能する」ことを意味する。「例示的」として説明される実装は、必ずしも他の実装よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。以下に説明する実装はすべて、当業者が本開示の実施形態を作成又は使用できるようにするために提供される例示的な実装であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の範囲は特許請求の範囲によって定められる。説明において、「上」、「下」、「左」、「後」、「右」、「前」、「垂直」、「水平」という用語、及びそれらの派生語は、図面に示された向きでの例に関するものとする。前述の技術分野、背景技術、概要、又は以下の詳細な説明における明示又は暗示された理論に拘束される意図はない。添付の図面に示され、以下の明細書に記載されるデバイス及び方法は、添付の特許請求の範囲に定義される例示的な実施形態(例)、態様及び/又は概念であることも理解されるべきである。したがって、開示された実施形態に関連する寸法及び他の物理的特徴は、特許請求の範囲に明示的に別段の記載がない限り、限定的なものとみなされるべきではない。「少なくとも1つ」という語句は「1つ」と同等であることが理解される。態様(例、変更、修正、オプション、変形、実施形態、及びそれらの任意の等価物)は、図面に関して説明される。本開示は特許請求の範囲によって提供される主題に限定され、本開示は図示され説明された特定の態様に限定されないことが理解されるべきである。物品に結合される(つまり、物品に接続される、物品と相互作用するなど)ように構成されたデバイスの意味の範囲は、デバイスが物品に直接又は間接的に結合されるように構成されていると解釈されることが理解されるであろう。したがって、特に明記しない限り、「~ように構成される」には「直接又は間接的に」という意味が含まれ得る。
【0011】
図1は、心臓900内に(少なくとも部分的に)配置されたマイクロカテーテル102の(医用画像システムによって生成された)医用画像の一実施形態の側面図を示す。
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は:(A)患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って、少なくとも部分的に移動可能な幾何学的形状を有するように;及び/又は(B)少なくとも部分的に、(外科医によって)生体組織(心臓900の内部生体組織など)に近接して配置可能であるように;及び/又は(C)前記生体組織に関連する情報信号を医療システム(図2に示される医療システム124など、既知であり図1には示されていない)に、使用中の医療システム124にマイクロカテーテル102からの前記情報信号を直接又は間接的に、及び/又は有線で又は無線で受信させる目的で、発信するように構成される(第1の主要な実施形態及び他のすべての実施形態に適用可能)。マイクロカテーテル102は、生体(患者)によって画定された限られた空間に挿入されるように構成される。生体組織に関連する情報信号の送信は、マイクロカテーテル102を、(医療システム124がマイクロカテーテル102から受信した情報信号を処理できるように、医療システム124にマイクロカテーテル102からの情報信号を受信させる目的で)必要に応じて、医療システム124に選択的に信号接続可能であるように構成することを含み得る。
【0012】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102に関連する技術的利点(第1の主要な実施形態及び他のすべての実施形態に適用可能)は、図1に示されるように、マイクロカテーテル102を(治療を受け得る)生体組織の比較的近くに配置できることに基づいて、医療システム124(医用画像システムなど)に提供される情報信号の品質が向上する(強化される)ため、外科医が所与の医療処置に対してより良い結果に達することが可能となることである。マイクロカテーテル102を、(A)生体組織に比較的近い位置に到達するようなサイズにするように、及び/又は(B)患者の曲がりくねった解剖学的構造を進むように構成すること等には利点がある。
【0013】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、産業用及び/又は規制上の安全基準に準拠(又は医療用途に適合)する等のために、特定のパフォーマンスに適した生体適合性材料特性(絶縁耐力、断熱性、電気絶縁性、腐食、耐水性、耐熱性など)を(好ましくは)含む。適切な材料を選択する際の考慮事項については、次の出版物を参照されたい:Properties,Requirements,and Applications;第2版;著者:Vinny R.Sastri;ハードカバー ISBN:9781455732012;公開日:2013年11月21日;出版社:オランダ国アムステルダム:Elsevier/William Andrew,[2014]。
【0014】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102はさらに:(A)少なくとも部分的にマイクロカテーテル102に近接して配置され又は位置する生体組織(心臓900など)の存在を検出するように(これは、例えば又は好ましくは、使用中のマイクロカテーテル102が医用画像システムに選択的に接続された後に行われる);及び/又は(B)(少なくとも1つ又はそれ以上の)(生体組織の存在の検出を示す)情報信号を医用画像システムに送信する(情報信号をマイクロカテーテル102から医用画像システムに送信するためのシステム及び/又は方法は周知であるため、これ以上は説明しない)ように構成され得、医用画像システムは、(マイクロカテーテル102によって提供された情報信号に対して実行される計算に基づいて;前記医用画像は、例示として図1に示されている)医用画像を生成(形成)するように構成される。この特定の事例では、マイクロカテーテル102に関連する技術的利点は、マイクロカテーテル102が(治療を受け得る)生体組織の比較的近くに配置され得ることに基づいて、医用画像システムによって形成される医用画像の品質が向上する(強化される)ことである。マイクロカテーテル102を、(A)生体組織に比較的近い位置に到達するようなサイズにするように、及び/又は(B)患者の曲がりくねった解剖学的構造を進むように構成すること等には利点がある。
【0015】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、操作及び/又は変形された後、(操作前に)形状記憶材料が設定された元の形状に戻るように構成された形状記憶材料を含み得る。形状記憶材料(SMM)は既知であるため、これ以上詳細には説明しない。形状記憶材料は、重大かつ外見的に塑性の変形から、形状記憶材料に加えられる特定の刺激に応答して元の形状に回復するように構成される。これは形状記憶効果(SME)として知られている。形状記憶材料が刺激力の存在(印加)下で変形すると、(合金における)超弾性が観察される場合がある。
【0016】
図1に示される実施形態を参照すると、医療システム124は、例えば(これに限定されないが)医用画像システム、及び、EAMS(電気解剖学的測定システム(Electro Anatomical Measurement System))などの(これらに限定されない)任意の同等及び/又は類似のシステムを含み得る。このようなシステムは既知であるため、図示されていない(他のタイプの医療システムについては、本明細書で説明又は特定されている)。(医用画像システムによって生成された)医用画像は、外科医が医療処置中に医用画像を有利に参照できるように、医用画像システムの表示装置(既知であり図示されていない)に描画される(これにより、患者の転帰が有利に改善される)。EAMS(電気解剖学的測定システム(マッピングシステム))は、(一部の実施形態では好ましくない場合があるが、必要に応じて)蛍光透視マッピングシステムを含み得る。電気解剖学的マッピングシステムには、好ましくは、非蛍光透視マッピングシステム、例えば、限定するものではないが、(A)CARTO EP(商標)マッピングシステム(米国に本拠を置くBIOSENSE WEBSTER製)、(B)ENSITE PRECISION(商標)心臓マッピングシステム(米国に本拠を置くAbbott Laboratories製)、(C)LOCALISA(商標)心臓内マッピングシステム(米国に本拠を置くMEDTRONICS INC.製)、及び(D)RHYTHMIA HDx(商標)マッピングシステム(米国に本拠を置くBoston Scientific Corp.製)が含まれる。
【0017】
図1に示される実施形態を参照すると、医用画像システムは、医療処置を受ける生体組織の部分(穿刺部位など)を識別するために利用され得る。前記生体組織の部分は、任意の適切な視覚化方法、例えば、限定するものではないが、(A)ROマーカー及び/又は遠位電極の使用による蛍光透視法、及び(B)マイクロカテーテルの遠位端の向きと位置を決定するための血管造影(同時血管造影又はほぼ同時の血管造影)、及び(C)CT又はリアルタイムで事前に決定された標的を使用してマイクロカテーテルとシースをリアルタイムに配置するための電気解剖学的マッピング、及び(D)病因の描写及び周囲の血管系などの損傷を避けるための最適な標的部位の描写のためのICE(心腔内心エコー検査)又はTEE(経食道心エコー検査)の使用を可能にし得る、マイクロカテーテル又はサポートカテーテルのいずれかにあるエコー源性マーカー又は特徴を通じて決定され得る。
【0018】
図1に示される実施形態を参照すると、第1の主要な実施形態によれば、長尺のエネルギー放出デバイス800は、患者の心臓900の内部に配置されるように構成されたエネルギーエミッタを含む。長尺のエネルギー放出デバイス800の一例には、カナダに拠点を置くBAYLIS MEDICAL COMPANY製のBAYLIS(登録商標)モデルPOWER WIRE(商標)RFガイドワイヤが含まれる。エネルギー放出デバイス800は、(A)エネルギー源(既知であり図示されていない、高周波源など)に選択的に接続されるように;及び/又は(B)生体組織に近接して(外科医によって)移動及び配置される(好ましくは、生体組織は患者の心臓900の内部に位置するなど)ように;及び/又は(C)使用中にエネルギー放出デバイス800がエネルギー源に選択的に接続された後、(エネルギー放出デバイス800の)エネルギーエミッタの近くに位置する(心臓900の)生体組織に向けて、エネルギー源からエネルギー(高周波エネルギーなど)を選択的に放出するように構成される。(C)は、(生体組織に向けて放出される)エネルギーが(例えば、心臓900の)生体組織上にアブレーションされた組織部分902の少なくとも1つのインスタンスを形成するために(少なくとも部分的に)使用されるような方法で行われ得る。外科医がエネルギー放出デバイス800のエネルギーエミッタを位置決めするのを支援する目的で、(アブレーションされた組織部分902の形成のための)医療処置を行う外科医は、有利には、マイクロカテーテル102によって提供される情報信号に基づいて医用画像システムによって生成された(図1に示すような)医用画像を利用できることが理解されるであろう。この配置により、患者の転帰が改善され得る。所望であれば、(長尺のエネルギー放出デバイス800の)エネルギーエミッタがエネルギーを放出している間に、マイクロカテーテル102は情報信号を送信することができる。
【0019】
図1に示される実施形態を参照すると、第2の主要な実施形態によれば、エネルギー放出デバイス800は(それ自体)使用されず、したがって、この場合、マイクロカテーテル102はさらに、生体組織を治療する(穿刺、アブレーションなど)目的で、(少なくとも部分的に)エネルギー(高周波エネルギーなど)を(心臓900の)生体組織に向けて選択的に放出するように構成される。これは、エネルギーが生体組織上にアブレーションされた組織部分902の少なくとも1つのインスタンスを形成するために(すなわち、医用画像システムによって医用画像が形成された後で又は形成されている間に)使用されるような方法で(好ましくは)行われる。この場合、マイクロカテーテル102は、(A)必要に応じて、エネルギー源(既知であり図示されていない)に選択的に接続可能であるように;及び(B)医療システムにマイクロカテーテル102から信号を受信させる目的で、医療システム124(図2に示す)に(使用中に)信号を選択的に発信するように;及び(C)医療システムがマイクロカテーテル102から受信した情報信号を処理できるように、医療システムにマイクロカテーテル102から情報信号を受信させる目的で、必要に応じて、医療システム124に選択的に信号接続可能であるように構成される。
【0020】
図1に示される実施形態を参照すると、さらに第2の主要な実施形態によれば、マイクロカテーテル102は、さらに、(より好ましくは、(A)外科医がマイクロカテーテル102を生体組織に(相対的に)近接して移動させ及び位置決めすることに対応して、(心臓900などの)生体組織の存在を検出(存在を感知、存在に応答)するように(これは、使用中のマイクロカテーテル102が医用画像システムに選択的に信号接続された後に行われることが好ましい);及び/又は(B)(マイクロカテーテル102によって検出された)生体組織に関連する(少なくとも1つ又はそれ以上の)情報信号を医用画像システムに送信するように(これは、好ましくは、情報信号が、好ましくは医用画像システムによって医用画像を形成するために使用されるような方法で行われることが好ましい);及び/又は(C)(医用画像システムによって形成された医用画像内の所望の位置又はその医用画像上の所望の位置で)マイクロカテーテル102の位置決め(移動)のために外科医を支援するように;及び/又は(D)(使用中、マイクロカテーテル102がエネルギー源に選択的に接続された後で)マイクロカテーテル102によって提供された情報信号から生成された医用画像に基づいて、(心臓900の)生体組織に向けてエネルギー(高周波エネルギーなど)を選択的に放出するように構成され得る。
【0021】
図1に示される実施形態を参照すると、技術的利点は(第2の主要な実施形態による)マイクロカテーテル102に関連付けられ、それは(第1の主要な実施形態に関連する利点と同様に)医用画像の品質が改善される(強化される)ことである。別の技術的利点は、(第2の主要な実施形態による)マイクロカテーテル102に関連付けられ、それは、デバイス及び/又はデバイス交換の数を減らすことができる改善された能率化されたワークフローであり、それによって医療処置中の合併症を軽減することに従ってワークフローを最適化することができる(例えば、限定するものではないが、PVI(肺静脈隔離)処置、血栓形成、処置時間、及び/又は患者へのX線曝露など)。
【0022】
図1に示される実施形態を参照すると、さらに第2の主要な実施形態によれば、マイクロカテーテル102は、以下のような様々な動作モードの下で(所望に応じて任意の組み合わせ及び/又は順列で)動作することができる:(A)マイクロカテーテル102は、使用中にマイクロカテーテル102がマイクロカテーテル102に近接して配置された生体組織(心臓900など)を検出している間、エネルギーを放出しないように構成され得る;及び/又は(B)マイクロカテーテル102は、使用中にマイクロカテーテル102が(マイクロカテーテル102によって検出された)生体組織に関連する情報信号(の少なくとも1つ又はそれ以上)を送信している間、エネルギー(高周波エネルギーなど)を放出しないように構成され得る;及び/又は(C)マイクロカテーテル102は、使用中にマイクロカテーテル102が、外科医によるマイクロカテーテル102の(医用画像システムによって形成された医用画像の所望の位置又は場所での)位置決めを支援している間、エネルギーを放出しないように構成され得る;及び/又は(D)マイクロカテーテル102は、使用中にマイクロカテーテル102が、(マイクロカテーテル102によって提供される情報信号から生成された医用画像に示される、又は医用画像によって形成される)生体組織に向けてエネルギー(高周波エネルギーなど)を選択的に放出している間、生体組織を検出しないように構成され得る。
【0023】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、心房細動(AF又はA-Fibとも呼ばれる)として知られる一種(又はタイプ)の不規則心拍(不整脈)の治療法である肺静脈隔離術(PVI)を行う外科医を支援するために利用され得る。肺静脈隔離術は心臓アブレーションの一種である。心臓アブレーションは、異常な心拍リズムを引き起こす心臓の内部にある生体組織を損傷させ又は破壊することで機能する。マイクロカテーテル102は、必要に応じて、単一のデバイスで複数のタスク(心房細動などのアブレーションなど)を実行できるように構成された複数の電極を含む。
【0024】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、好ましくは、低侵襲性の医療処置で使用される小径のカテーテルであり、少なくとも1つ又はそれ以上のデバイスを送達するように構成される。マイクロカテーテル102は、人体内の複雑な脈管構造を進むのに十分小さいことが好ましい。例えば、マイクロカテーテル102は、約0.70~約1.30ミリメートル(mm)の直径を有し得る。例えば、マイクロカテーテル102は、ガイドワイヤ支持、デバイス交換(医療デバイスが交換される場合など)、遠位解剖学的構造へのアクセス、病変の通過、治療用塞栓の送達、造影剤の注入、及び/又は複雑な血管内処置などの他の処置を行うために用いられ得る。例えば、マイクロカテーテル102はステアラブルであり得る。例えば、マイクロカテーテル102は、高齢患者の血管の流れを改善するためのバルーン送達などの心臓用途に使用され得る。例えば、マイクロカテーテル102は、診断及び治療用途のためのガイドワイヤ及び他の介入装置を配置及び交換するために使用され得る。例えば、マイクロカテーテル102は、潤滑性のコーティングを含み得る。例えば、マイクロカテーテル102は、一体化されたステアラブルな先端を含み得る。例えば、マイクロカテーテル102は、貫通及び送達を比較的容易にするために、角度の付いた先端を含み得る。例えば、マイクロカテーテル102は、コイルピッチが可撓性及び近位方向への押しやすさを増大させながら、曲がりくねった脈管構造内での進行を強化することができる親水性コーティングを含み得る。例えば、マイクロカテーテル102は、経皮的冠動脈インターベンションに使用され得る。
【0025】
図1に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(好ましくは)以下の構成又は機能のうちの任意の1つ以上を(任意の組み合わせ及び/又は順列で)提供するように構成される:(A)経中隔穿刺を行う;及び/又は(B)LA(心臓左前下行動脈)アクセスを確保する;及び/又は(C)アンカーとして機能する;及び/又は(D)心臓信号(診断情報)を検出及び収集する;及び/又は(E)心臓ペーシングを行う;及び/又は(F)EKG信号を記録する;及び/又は(G)治療装置の送達を支援する;及び/又は(H)治療(心室性期外収縮の治療など)を行う;及び/又は(I)アクセスデバイスを複数のデバイスに交換する必要性を低下させ又は排除する;及び/又は(J)PVI(肺静脈隔離術)ワークフローの各ステップにおいて機能する、など。
【0026】
図2(7枚のうち2枚目)は、図1のマイクロカテーテル102の一実施形態の斜視図を示す。
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は(好ましくは):(A)シース202と共に使用可能であるように;及び(B)シース202内に(少なくとも部分的に)受け入れられるように構成された拡張器204と共に使用可能であるように;及び(C)拡張器204内に(少なくとも部分的に)受け入れられるように構成される。シース202及び拡張器204は、(その後)マイクロカテーテル102上を(大腿静脈などを介して心臓などの)所望の位置まで前進させることができる。マイクロカテーテル102は、シース202及び拡張器204によって所望の部位に導かれ得る。例えば、マイクロカテーテル102を(図1の心臓900の)大腿静脈に挿入することができ、マイクロカテーテル102の遠位先端を、右動脈、上大静脈などの心臓900内の所望の位置に配置することができる。
【0027】
図2に示される実施形態を参照すると、シース202は、(好ましくは)他の医療デバイス(拡張器204、ステントやシャントなどの治療装置など)を患者の体内の標的位置(例えば、心臓の上大静脈(SVC)など)に向けて誘導するために使用可能であるように構成される。シース202は、近位シース部分208及び遠位シース部分210を有する。シース202は、近位シース部分208から遠位シース部分210までシース202の長尺長さに沿って延びるシース管腔(図示省略)を形成する(有する)。シース202は、(任意選択で)固定された湾曲を有し得る。シース202は、(任意選択で)ステアラブルであるように構成することができる(すなわち、任意選択で、シース202の湾曲を複数の平面で必要に応じて変更することができる)。
【0028】
図2に示される実施形態を参照すると、シース202は固定された湾曲を有し得る。シース202はステアラブルであるように構成され得、マイクロカテーテル102はステアラブルであり得る。シース202は、小口径のステアラブルなキット(例えば、直径約10フレンチ(3.3mm)未満)を有し得る。シース202は、大口径のステアラブル(例えば、10フレンチ(3.3mm)超など)を有し得る。
【0029】
図2に示される実施形態を参照すると、拡張器204は、穿孔(生物学的な壁を貫通する穴など)を拡張するように構成される。拡張器204は、近位拡張器部分212と、拡張先端部分を有する遠位拡張器部分214とを有する。拡張器204は、拡張器204の長尺長さに沿って近位拡張器部分212から遠位拡張器部分214まで延びる拡張器管腔(図示省略)を形成する(有する)。拡張器204は、固定された湾曲を有するように構成され得る。拡張器204は、ステアラブルであるように構成され得る(すなわち、任意選択で複数の平面などで湾曲を変更することができる)。拡張器204は、ステアラブルシースなどと適合できるように可撓性であるように構成され得る。
【0030】
図2に示される実施形態を参照すると、拡張器204は、(好ましくは、その任意の組み合わせ及び/又は順列で):(A)ステアラブルであるように;及び/又は(B)傷を作らない遠位先端を有するように;及び/又は(C)双方向性であるように;及び/又は(D)多平面でのステアリング性を有するように;及び/又は(E)1つ以上の開放管腔を有するように;及び/又は(F)湾曲する能力を有するように;及び/又は(G)部位選択のために遠位マイクロカテーテル部分120の直接配置を提供するように;及び/又は(H)1つ以上の視覚化マーカーを有するように構成される。
【0031】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(好ましくは)以下の構成のうちの任意の1つ以上を(任意の組み合わせ及び/又は順列で)提供するように構成される:(A)ステアラブルであること;及び/又は(B)形状が変化すること(牽引システムなど)。
【0032】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(好ましくは)以下の構成のうちの任意の1つ以上を(任意の組み合わせ及び/又は順列で)提供するように構成される:(A)約2フレンチ(2F)(0.7mm)の直径などの任意の直径を有すること;及び/又は(B)ポリマー又は他の絶縁材料で作られたシャフトを有すること;及び/又は(C)180センチメートル(cm)などの任意の適切な長さを有すること;及び/又は(D)様々なシステム(エネルギー源、医用画像システム、ECGシステムなど)とインターフェースをとるように構成されたコネクタ(電気コネクタ)を有すること;及び/又は(E)J型先端を有すること;及び/又は(F)真っ直ぐであること;及び/又は(G)湾曲状、円形、半円形などであること(円又は湾曲の直径は、所与の医療処置に最適なものであり得る);及び/又は(H)マイクロカテーテル102の遠位端に配置された1つ以上のセンサ又は電極を有すること(電極の数及び/又は寸法、ならびにセンサ間又は電極間の間隔は変化し得る);及び/又は(I)医用画像を生成(マッピング)するために医用画像システムに情報信号を提供するために使用され得ること;及び/又は(J)ECGシステムに接続可能であること;及び/又は(K)(1つ以上のアダプタ/ケーブルを介して)エネルギー源に接続可能であること。
【0033】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、近位マイクロカテーテル部分118及び遠位マイクロカテーテル部分120を有する。好ましい実施形態によれば、遠位マイクロカテーテル部分120は、遠位エネルギーエミッタ122(電極など)を支持する(支持するように構成された)遠位先端部分を有する。遠位エネルギーエミッタ122は、(前述したように)生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成される。遠位マイクロカテーテル部分120は、任意の形状(予め決められた形状など)を有し得る。
【0034】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(必要に応じて)医療システム124に選択的に接続されるように構成される。選択的な接続には、(直接的又は間接的な)有線接続、無線接続(通信)などが含まれる。
【0035】
図2に示される実施形態を参照すると、医療システム124は、(図1に関連して説明した)エネルギー源を含み得る。エネルギー源(エネルギー発生器とも呼ばれる)は、(エネルギー源がマイクロカテーテル102に動作可能に接続されると)マイクロカテーテル102にエネルギー(高周波エネルギー、又は任意の他の形態のエネルギーなど)を提供するように構成される。
【0036】
図2に示される実施形態を参照すると、医療システム124は、(図1に関連して説明した)医用画像システムを含み得る。医用画像システムは、マッピングシステムを含み得る。医用画像システムは、マイクロカテーテル102の位置を補助するため、及び/又は図1の心臓900の一部など、治療すべき生体組織(領域)を特定するために利用され得る。医療システム124は、治療される生体組織を示す医用画像を生成するように構成された医用画像システムを含み得る。
【0037】
図2に示される実施形態を参照すると、医療システム124は、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120が心電図信号(ECG又はEKG)を検出する(そしてECGシステムに提供する)ように構成された少なくとも1つのセンサを含むように構成されている場合、マイクロカテーテル102からECG信号を収集(受信)するように構成されたECGシステム(既知であり図示されていない)を含み得る。
【0038】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は(好ましくは、それらの任意の組み合わせ及び/又は順列で):(A)傷を作らないように;及び/又は(B)比較的薄べったくなるように;及び/又は(C)予め成形されているように構成される。
【0039】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は(好ましくは、それらの任意の組み合わせ及び/又は順列で):(A)角度の付いた輪郭を有するように;及び/又は(B)真っ直ぐな輪郭を有するように;及び/又は(C)既知の交換ワイヤと同等又はそれ以上の剛性を有するように;及び/又は(D)固定された湾曲を有するように構成される。
【0040】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102又は遠位マイクロカテーテル部分120は、生体組織の存在を検出し、医用画像システムに情報信号を送信するように構成された少なくとも1つ又はそれ以上のセンサ(既知であり図示されていない、電極など)を含むように構成される。
【0041】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は、エネルギーエミッタ(既知であり図示されていない、電極など)を含むように構成され、好ましくは、(例えば、経中隔穿刺を行うために)遠位マイクロカテーテル部分120の最遠位部分に配置される。
【0042】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は、エネルギーの伝達(放出)を容易にするために電気絶縁(既知であり図示されていない)を含むように構成される。
【0043】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は、少なくとも1つ又はそれ以上の視覚化マーカー(既知であり図示されていない)を含むように構成される。
【0044】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102及び/又は遠位マイクロカテーテル部分120は、心電図信号(ECG又はEKG)を検出するように構成された少なくとも1つのセンサ(既知であり図示されていない)を含むように構成される。
【0045】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、カナダに本拠を置くBAYLIS MEDICAL COMPANY製のBAYLIS(登録商標)モデルVERSACROSS(登録商標)経中隔ワイヤ内に配置され得る。
【0046】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、カナダに本拠を置くBAYLIS MEDICAL COMPANY製のBAYLIS(登録商標)モデルPOWER WIRE(商標)RFガイドワイヤ内に配置され得る。
【0047】
図2に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、電流を使用して金属ワイヤを加熱するように構成された電気焼灼デバイス(及びBOVIE型電気外科ユニットなどの任意の同等物)を含み、その後、これは組織の特定の領域をアブレーション又は凝固するために標的生体組織に適用される(好ましくは、これは組織に電流を流すために使用されるのではなく、治療の標的領域に直接適用される)。
【0048】
図3図4図5図6、及び図7は、図1のマイクロカテーテル102の実施形態の側面図を示す。
図3に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(第1の主要な実施形態に従って)マイクロカテーテル102の長さに沿って固定的に配置された離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)を含む。
【0049】
図3に示される実施形態を参照すると、全般的に、離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)は、少なくとも1つ(又はそれ以上)の信号を検出し、(検出された)少なくとも1つの信号を(図2に示すような)医療システム124に送信するように構成される。
【0050】
図3に示される実施形態を参照すると、第1の選択肢によれば、(図2に示すような)医療システム124は、(図1に関連して説明した)医用画像システムを含み、離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)は、生体組織の情報信号を検出し、(生体組織の医用画像を生成する目的で)情報信号を医用画像システムに送信するように構成されている。
【0051】
図3に示される実施形態を参照すると、第2の選択肢によれば、(図2に示すような)医療システム124は、ECG信号処理システムを含み、離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)のうちの少なくとも1つの電極は、ECG信号を検出し、ECG信号をECGシステム(ECG信号処理システム)に(直接又は間接的に)送信するように構成され得る。
【0052】
図3に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(第2の主要な実施形態に従って):(A)マイクロカテーテル102の長さに沿って固定的に配置された離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)と;(B)マイクロカテーテル102の遠位部分に取り付けられた遠位エネルギーエミッタ122との相乗的な組み合わせを含む。離隔した電極(104A、104B、104C、104D、104E)のうちの最も遠位に位置する1つの電極は、遠位エネルギーエミッタ122から離隔している。
【0053】
図3に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は(好ましくは)真っ直ぐである。
図4及び図5に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、(好ましくは)以下の構成のうちの任意の1つ又はそれ以上を(任意の組み合わせ及び/又は順列で)提供するように構成される:湾曲、円形、半円形など(円又は湾曲の直径は所与の医療処置に最適なものであり得る)。特定の医療処置に必要とされる場合があるように、マイクロカテーテル102は、ECG信号の検出及び収集のための最適な接触を可能にするように予め成形され得る。特定の医療処置に必要とされる場合があるように、マイクロカテーテル102は、生体組織のアブレーションを可能にするために予め成形され得る。例えば、生体組織との接触は、(A)マイクロカテーテル102の遠位部分が円形である場合;及び/又は(B)マイクロカテーテル102の端部が半円形又はバナナ形(湾曲)である場合;及び/又は(C)マイクロカテーテル102の端部が真っ直ぐである場合に、マイクロカテーテル102の遠位端を露出させることによって確実にすることができる。
【0054】
図6に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、マイクロカテーテル102の長さに沿って固定的に配置された、離隔した電極(104A~104H)を含む。離隔した電極(104A~104H)は、好ましくは等間隔に離隔される(好ましくは、隣接して配置された電極間に2ミリメートル(mm)の間隔があり得る)。遠位電極104A及び遠位エネルギーエミッタ122は、(好ましくは)それらの間に5ミリメートルの間隔を有し得る。
【0055】
図7に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は心臓900内に配置され、(所望であれば)心臓900の肺静脈904内に移動可能であり得る。
図7に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、経皮アクセスに使用することができ、経中隔穿刺部位は、(図1に示す心臓900の)右心房につながる任意の血管に対してマイクロカテーテル102を(セルディンガー(Seldinger)法などと共に)用いて血管系を通じて提供することができる。
【0056】
図7に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102は、遠位エネルギーエミッタ122にエネルギーを放出するように選択的に作動され得、右心房と左心房(RA-LA)との間の連絡(図1に示されるように)を形成し、マイクロカテーテル102はLAに入り込む。場合によっては、(所望であれば)マイクロカテーテル102の端部に位置する電極にのみエネルギーが選択的に送達され得る。
【0057】
図7に示される実施形態を参照すると、左心房(LA)へのアクセスの確認は、以下のようないくつかの方法によって決定され得る:(A)シース202及び/又はマイクロカテーテル102上に配置された少なくとも1つのRO(放射線不透過性)マーカーの使用による蛍光透視法;及び/又は(B)CTスキャン(コンピュータ断層撮影スキャン)上で、又はリアルタイム等で所定の(又は特定された)ものを標的とすることができる、マイクロカテーテル102及びシース202をリアルタイム(ほぼリアルタイム)に配置するための電気解剖学的マッピングシステム;及び/又は(C)右心房から左心房(RAからLA)までの圧力差;及び/又は(D)造影剤の注入;又は、(E)エコー源性マーカー、又は位置の確認のためのICE又はTEEの使用を可能にするコイル又はマイクロカテーテル102のいずれかの特徴。
【0058】
図7に示される実施形態を参照すると、シース202及び拡張器204は、心臓900の窩壁(fossa wall)などの生体壁を横切る。次いで、拡張器204が除去され、シース202及びマイクロカテーテル102が左心房(LA)内に残される。場合によっては、マイクロカテーテル102の遠位端は、心臓900のPV(肺静脈)内に留置されてもよい。場合によっては、シース202はマイクロカテーテル102をPVに導くことができる。
【0059】
図7に示される実施形態を参照すると、場合によっては、エネルギーは、離隔した電極(104A~104H)のうちの任意の1つの電極及び/又は遠位エネルギーエミッタ122(所望であれば)に送達され得る。
【0060】
図7に示される実施形態を参照すると、場合によっては、例えば、マイクロカテーテル102をわずかに回転させてエネルギーを再適用することなどにより、治療領域(生体組織)を拡大することができる。
【0061】
図7に示される実施形態を参照すると、場合によっては、ECG信号は、電極(104A~104H)のうちの任意の1つの電極と生体組織との最適な接触及び/又は配置を確実にするために使用され得る。
【0062】
図7に示される実施形態を参照すると、場合によっては、マイクロカテーテル102は、ECG信号を収集するために(治療が完了したことを確認するために)使用され得る。
図7に示される実施形態を参照すると、場合によっては、マイクロカテーテル102は、心臓900のペーシングを行うために使用され得る。
【0063】
図8図9図10図11図12図13及び図14は、図1のマイクロカテーテル102の実施形態の側面図を示しており、図1のマイクロカテーテル102を使用するための様々な方法(ステップ)が示されている。
【0064】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第1のステップ501は、経皮アクセス(大腿静脈など)を容易にするためにマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。第1のステップ501は、任意の既知の(従来の)アクセス手順(例えば、セルディンガー法)を含み得る。
【0065】
図8に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102を使用するための第2のステップ502は、マイクロカテーテル102を大腿静脈に挿入し、次に、心臓900の右心房(RA)などの心臓900の解剖学的構造又は上大静脈(SVC)などに挿入することを含み得る。マイクロカテーテル102は、前進させることができるスターターガイドワイヤとして使用され得る。マイクロカテーテル102は、ECG信号、及び/又はマッピング情報を画像化するための医用画像信号などの信号を(場合によっては蛍光透視法に依存せずに)受信及び/又は検出するために作動(使用)され得る。
【0066】
図9に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102を使用するための第3のステップ503は、マイクロカテーテル102の先端が拡張器204と並ぶまで、マイクロカテーテル102上にシース202及び拡張器204を挿入することを含み得る。
【0067】
図10に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102を使用するための第4のステップ504は、(A)マイクロカテーテル102と医用画像システムとの間の信号通信を確立すること;及び(B)医用画像システム(EAMシステムなど)を使用することによりRAをマッピングするために、マイクロカテーテル102を使用することを含み得る。(マイクロカテーテル102に取り付けられた)電極は、構築(組織の医用画像(三次元マップなど)の形成)のために生体組織を検出する目的で移動されることが理解されるであろう。
【0068】
図11に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102を使用するための第5のステップ505は、マイクロカテーテル102、シース202及び拡張器204を、(ドロップダウン手順中などに)卵円窩などの生物学的構造に向けて移動させる(操縦する)ことを含み得る。
【0069】
図12に示される実施形態を参照すると、マイクロカテーテル102を使用するための第6のステップ506は、(A)マイクロカテーテル102をエネルギー源に接続すること;及び(B)通路(右心房(RA)と左心房(LA)との間に延在する連絡通路など)を形成するためにマイクロカテーテル102にエネルギーを適用するステップを含み得る。第6のステップ506中に、(A)マイクロカテーテル102からのエネルギーの放出を可能にする前に、マイクロカテーテル102と医用画像システムとの間の信号通信を無効にすること;及び(B)マイクロカテーテル102と医用画像システムとの間の信号通信を可能にする前に、マイクロカテーテル102とエネルギー発生器との間の接続を無効にすることが望ましい場合がある。
【0070】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第7のステップ507は、穿刺部位を拡大するために隔壁を横切ってシース202及び拡張器204を移動させることを含み得る。
【0071】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第8のステップ508は、EAMシステムを使用することにより心臓900の左心房(LA)をマッピングするためにマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。このステップは、PV(心室性期外収縮)の特定に役立ち得る。
【0072】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第9のステップ509は、マイクロカテーテル102が所定の非直線形状を有し、拡張器204の後退によりマイクロカテーテル102の所定の形状の展開が(ある程度まで)容易になる場合などの特別な状況のために拡張器204を除去する(後退させる)ことを含み得る。拡張器204は、マイクロカテーテル102を所望の位置に移動させ、その移動を制御するために使用されることが理解される。
【0073】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第10のステップ510は、マイクロカテーテル102を心臓のPV(肺静脈)の門脈又は入口の方に及びその近傍に向ける(動かす)ことを含み得る。
【0074】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第11のステップ511は、マイクロカテーテル102が応力のない形状(予め成形された弛緩した形状又は円形などの元の形状)をとることができるように、マイクロカテーテル102の端部をシース202の外に押し出す(移動させる)ステップを含み得る。
【0075】
図13及び図14に示される実施形態を参照すると(図14図13の拡大図である)、マイクロカテーテル102を使用するための第12のステップ512は、マイクロカテーテル102の電極を心臓のPV(肺静脈)内に配置(位置決め)することを含み得る。PVの入口は(医用画像システムと協働するマイクロカテーテル102によって)マッピングされ得ることが理解されるであろう。マッピングが完了した後、マイクロカテーテル102は、生体組織の標的部分(例えば、組織はPVの入口を取り囲み得るなど)を治療(アブレーション)するために位置決めされ、作動され得る。
【0076】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第13のステップ513は、ECG信号を収集するため(アブレーション又は治療などを必要とし得る生体組織の部分を識別するため)にマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。
【0077】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第14のステップ514は、(A)マイクロカテーテル102をエネルギー発生器に接続すること;及び(B)例えばPVI処置(組織のアブレーションなど)中に、マイクロカテーテル102を使用して(マイクロカテーテル102に取り付けられた電極を介して)エネルギーを適用することを含み得る。エネルギー発生器と同等のものには、生体組織をアブレーションするために使用できる任意のエネルギーシステム(熱、電気など)が含まれ得る。
【0078】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第15のステップ515は、ECG信号を収集するため(治療の完了を確認するため)にマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。
【0079】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第16のステップ516は、追加の処置のために(マイクロカテーテル102上に)他の治療装置をレールするためにマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。
【0080】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第17のステップ517は、他の医学療法などのためのペーシング目的(心拍動の管理)のためにマイクロカテーテルを心臓900、例えば左心房(LA)内に残すことを含み得る。
【0081】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第18のステップ518は、医療処置(診断及び/又はペーシング目的)のために、マイクロカテーテル102を心臓900の任意の他の領域に移動させることを含み得る。
【0082】
特定の図を参照することなく、マイクロカテーテル102を使用するための第19のステップ519は、心臓900の右心房(RA)内の肺静脈内でPVIを行うためにマイクロカテーテル102を使用することを含み得る。
【0083】
以下は、実施形態のさらなる説明として提供されるものであり、(詳細な説明、発明の概要、及び特許請求の範囲に記載された)任意の1つ以上の技術的特徴は、(詳細な説明、発明の概要、及び特許請求の範囲に記載された)他の任意の技術的特徴のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができる。特に明記しない限り、特許請求の範囲の各請求項はオープンエンドクレームであることが理解される。特に指定がない限り、これらの仕様で使用される関連語は、当業者が同等の機能を提供すると認識する特定の許容誤差を含むものとして解釈されるべきである。一例として、垂直という用語は必ずしも90.0度に限定されるものではなく、関連する部材又は要素について説明された目的のために同等の機能を提供すると当業者が認識するであろうそのバリエーションを含み得る。構成の文脈における「約」及び「実質的に」などの用語は総じて、開示内容を実質的に変更しないように、開示内の要素の操作性を維持するために、その関連する要素の位置、配置、又は構成に一致するか、又はそれらに十分に近い配置、位置、又は構成に関連する。同様に、文脈から特に明確にされない限り、数値は、本開示の操作性を実質的に変更しないために当業者がさほど重要でないと認識する特定の許容誤差を含むものと解釈されるべきである。本明細書及び/又は図面は、装置の実施形態を(明示的に又は本質的に)特定し、説明することが理解されるであろう。装置は、特定の技術的目的及び/又は技術的機能に適合するために必要とされ及び/又は望まれる場合に、詳細な説明で特定される技術的特徴の任意の適切な組み合わせ及び/又は並べ替えを含み得る。可能かつ適切な場合には、装置の任意の1つ以上の技術的特徴を、装置の他の1つ以上の技術的特徴と(任意の組み合わせ及び/又は順列で)組み合わせることができることが理解されるであろう。当業者であれば、上記で明示的に述べられていなくても、各実施形態の技術的特徴が(可能な場合には)他の実施形態に導入できることを理解するであろう。当業者であれば、装置の構成要素の構成を製造要件に合わせて調整するために他の選択肢が可能であり、それでもなお少なくとも1つ又はそれ以上の請求項に記載の範囲内に留まり得ることを理解するであろう。本明細書は、最良の形態を含む実施形態を提供し、また、当業者がその実施形態を作成及び使用できるようにする。特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され得る。本明細書及び/又は図面は、特許請求の範囲を理解するのに役立ち得る。開示された主題のすべての重要な態様が本願に提供されていると考えられる。本願では、「包含する(include)」という用語は、「含む(comprising)」という用語と、両方の用語がアセンブリ、コンポーネント、部品などのオープンエンドのリストを示すために使用されるという点で同等であると理解される。「含む(comprising)」という用語は、「包含する(including)」、「含有する(containing)」、又は「特徴づけられる(characterized by)」という用語と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の記載されていない要素又は方法ステップを排除するものではない。~を含む(~から構成される)は「オープン」な表現であり、追加の記載されていない要素を使用する技術を包含することができる。特許請求の範囲で使用される場合、「含む」という用語は、請求項の前提部と開示の技術的特徴を分ける移行動詞(移行句)である。以上、非限定的な実施形態(例)の概要を説明した。この説明は、特定の非限定的な実施形態(例)についてなされている。非限定的な実施形態は、単に例として説明するためのものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システム及び患者の生体組織と共に使用可能な装置であって、前記装置は、
マイクロカテーテルであって、
前記患者の曲がりくねった解剖学的構造に沿って移動可能な幾何学的形状を有するように;及び、
少なくとも部分的に前記生体組織に近接して配置可能であるように;及び、
前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成された前記マイクロカテーテル
を含み、前記医療システムは、使用中に前記マイクロカテーテルから前記情報信号を受信し、使用中に前記マイクロカテーテルから受信した前記情報信号を処理するものである、装置。
【請求項2】
前記医療システムは医用画像システムを含み、
前記マイクロカテーテルはさらに、
少なくとも部分的に前記マイクロカテーテルに近接して配置され又は位置する前記生体組織の存在を検出するように;及び
前記生体組織の存在の検出を示す前記情報信号を、前記マイクロカテーテルによって提供された前記情報信号に対して実行される計算に基づいて医用画像を生成するように構成された前記医用画像システムに送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロカテーテルはさらに、
エネルギー源に選択的に接続されるように;及び
前記生体組織を治療するために、少なくとも部分的に、エネルギーを前記生体組織に向けて選択的に放出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが前記マイクロカテーテルに近接して配置された前記生体組織を検出している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが前記生体組織に関連する前記情報信号を送信している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記医療システムは医用画像システムを含み、
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが、外科医による前記マイクロカテーテルの、前記医用画像システムによって形成された医用画像の所望の位置での位置決めを支援している間、エネルギーを放出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記マイクロカテーテルは、使用中に前記マイクロカテーテルが、前記マイクロカテーテルによって提供される前記情報信号から生成された医用画像に示される前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出している間、生体組織を検出しないように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記マイクロカテーテルは、
シースと共に使用可能であるように;及び
前記シース内に少なくとも部分的に受け入れられるように構成された拡張器と共に使用可能であるように;及び
前記拡張器内に少なくとも部分的に受け入れられるように構成されており、
前記シース及び前記拡張器は、前記マイクロカテーテル上を所望の位置まで前進するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記マイクロカテーテルは、近位マイクロカテーテル部分及び遠位マイクロカテーテル部分を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記遠位マイクロカテーテル部分は、前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成された遠位エネルギーエミッタを支持する遠位先端部分を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロカテーテルは、
前記マイクロカテーテルの長さに沿って固定的に配置された離隔した電極;及び
前記マイクロカテーテルの遠位部分に取り付けられた遠位エネルギーエミッタ
を含み、
前記離隔した電極のうちの最も遠位に位置する1つの電極は前記遠位エネルギーエミッタから離隔している、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記離隔した電極のうちの任意の1つの電極は、前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、
前記遠位エネルギーエミッタは、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロカテーテルは、
前記マイクロカテーテルの長さに沿って固定的に配置された離隔した電極;及び
前記マイクロカテーテルの遠位部分に取り付けられた遠位エネルギーエミッタ
を含み、
前記離隔した電極のうちの最も遠位に位置する1つの電極は、前記遠位エネルギーエミッタから離隔しており、
前記離隔した電極のうちの任意の1つの電極は、前記生体組織に関連する情報信号を前記医療システムに発信するように構成されており、
前記遠位エネルギーエミッタは、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されており、
前記離隔した電極のうちの選択された電極は、少なくとも部分的に、前記生体組織を治療するために前記生体組織に向けてエネルギーを選択的に放出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【国際調査報告】