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特表2024-503675故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240119BHJP
   G01R 31/3183 20060101ALI20240119BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
G01R31/28 Q
G01R31/3183
G01R31/28 A
G06F11/22 605A
G06F11/22 675Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542630
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022113373
(87)【国際公開番号】W WO2023020586
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110958241.7
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522123315
【氏名又は名称】地平▲線▼(上海)人工智能技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウェンシン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、イー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チンユー
【テーマコード(参考)】
2G132
5B048
【Fターム(参考)】
2G132AA01
2G132AB02
2G132AC03
2G132AD06
2G132AG01
2G132AL12
5B048AA20
5B048CC11
(57)【要約】
本開示は、故障診断回路、方法、装置、およびコンピュータ可読記憶媒体を開示する。故障診断回路は、安全保護回路および診断モジュールを備え、安全保護回路は、被保護回路に電気的に接続され、被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、第1検査データおよびエラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成し、診断モジュールは、安全保護回路と電気的に接続され、第1検査結果信号に基づいて、安全保護回路に対して故障診断を実行する。本開示の実施例では、簡単なハードウェア構造で安全保護回路の故障診断を実現することできる。これにより、診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作を保証することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全保護回路と、診断モジュールと、を備え、
前記安全保護回路は、被保護回路に電気的に接続されており、前記被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、前記第1検査データおよび前記エラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記安全保護回路と電気的に接続されており、前記第1検査結果信号に基づいて、前記安全保護回路に対して故障診断を実行することを特徴とする故障診断回路。
【請求項2】
前記安全保護回路は、前記第1検査データおよび前記第2検査データに基づいて、第2検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記第2検査データに基づいて、前記被保護回路に対して故障診断を実行することを特徴とする請求項1に記載の故障診断回路。
【請求項3】
前記安全保護回路は、処理モジュールと、計算モジュールと、比較モジュールとを備え、
前記比較モジュールは、前記処理モジュール、前記計算モジュールおよび前記診断モジュールに電気的に接続され、前記計算モジュールは、前記被保護回路にも電気的に接続され、
前記計算モジュールは、前記記憶済みデータに対して検査演算を実行して前記第1検査データを取得し、
前記処理モジュールは、前記第2検査データに対してエラー注入を実行し、
前記比較モジュールは、前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとの比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成し、前記第1検査結果信号は、前記第3検査結果信号に基づいて生成され、
前記比較モジュールは、前記第1検査データと前記第2検査データとの比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成し、前記第2検査結果信号は、前記第4検査結果信号に基づいて生成されることを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項4】
前記処理モジュールは、第1NOTゲートと、第1マルチプレクサと、メモリと、を備え、
前記第1マルチプレクサは、前記メモリに電気的に接続され、前記メモリは、前記第1NOTゲートを介して前記第1マルチプレクサにも電気的に接続され、前記第1マルチプレクサは、データバスにも電気的に接続され、前記メモリは、前記比較モジュールにも電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記第1マルチプレクサは、前記データバスにより取得された前記第2検査データを出力することにより、前記メモリに前記第2検査データを記憶させ、その第2検査データを前記比較モジュールに出力させ、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記第1マルチプレクサは、前記第1NOTゲートによる前記メモリに記憶の前記第2検査データに対する反転結果を出力することにより、前記メモリが前記第2検査データの反転結果を前記比較モジュールに出力し、この第2検査データの反転結果を前記エラー注入後の第2検査データとすることを特徴とする請求項3に記載の故障診断回路。
【請求項5】
前記安全保護回路は、第2NOTゲートをさらに備え、
前記比較モジュールは、前記第2NOTゲートを介して前記診断モジュールに電気的に接続され、前記第2NOTゲートによる前記第3検査結果信号の反転結果は、第1検査結果信号となり、前記第2NOTゲートによる前記第4検査結果の反転結果は、第2検査結果信号となることを特徴とする請求項4に記載の故障診断回路。
【請求項6】
前記安全保護回路および前記被保護回路の数は、いずれも複数であり、複数の前記安全保護回路と複数の前記被保護回路とは、対応して電気的に接続され、前記診断モジュールは、第1論理ゲートと、第2論理ゲートと、第2マルチプレクサと、を備え、
前記第1論理ゲートと前記第2論理ゲートとは、いずれも各前記安全保護回路に電気的に接続され、前記第1論理ゲートと前記第2論理ゲートとは、いずれも前記第2マルチプレクサにも電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記第2マルチプレクサは、複数の前記安全保護回路による複数の前記第2検査結果信号を前記第1論理ゲートで第1論理演算して得られた第1演算結果信号を出力し、前記第1演算結果信号は、複数の前記被保護回路のうち故障された前記被保護回路があるかどうかを確定し、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記第2マルチプレクサは、複数の前記安全保護回路による複数の前記第1検査結果信号を前記第2論理ゲートで第2論理演算して得られた第2演算結果信号を出力し、前記第2演算結果信号は、複数の前記安全保護回路のうち故障された前記安全保護回路があるかどうかを確定することを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項7】
前記安全保護回路および前記被保護回路の数は、いずれも複数であり、複数の前記安全保護回路と複数の前記被保護回路とは、対応して電気的に接続され、前記診断モジュールは、故障定位回路を備え、
前記故障定位回路は、各前記安全保護回路に電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記故障定位回路は、複数の前記安全保護回路による複数の前記第2検査結果信号に基づいて、複数の前記被保護回路のうち故障された前記被保護回路を指定するための第1指定信号を出力し、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記故障定位回路は、複数の前記安全保護回路による複数の前記第1検査結果信号に基づいて、複数の前記安全保護回路のうち故障された前記安全保護回路を指定するための第2指定信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の故障診断回路に適用され、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得するステップと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行するステップと、
前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成するステップと、
前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行するステップと、を含むことを特徴とする故障診断方法。
【請求項9】
前記第1検査データと前記第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成するステップと、
前記第2検査結果データに基づいて、前記被保護回路に対して故障診断を実行するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の故障診断方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の故障診断回路に適用され、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得する第1処理モジュールと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する第2処理モジュールと、
前記第1処理モジュールによる前記第1検査データと前記第2処理モジュールによる前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する第1生成モジュールと、
前記第1生成モジュールによる前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する第3処理モジュールと、を備えることを特徴とする故障診断装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載の故障診断方法を実行するためのコンピュータープログラムが記憶されることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な命令を記憶するための記憶手段と、備え、
前記プロセッサは、前記記憶手段から前記実行可能な命令を読み取って実行して、請求項8または9に記載の故障診断方法を実現することを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月20日に国家知識産権局に出願された、出願番号が202110958241.7であり、発明名称が「故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体」である中国特許出願による優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、故障診断の技術分野に関し、特に、故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
機能安全のグレード要件により、チップにおける一部の回路には対応的な安全保護回路が必要である。しかしながら、安全保護回路自体に故障が発生してチップの正常的な動作に影響を与える可能性があるため、安全保護回路の故障診断をどのように実現するかは、当業者として注目に値する課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本開示を提出する。本開示の実施例は、故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の一態様に係る故障診断回路は、安全保護回路と、診断モジュールと、を備え、
前記安全保護回路は、被保護回路に電気的に接続されており、前記被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、前記第1検査データおよび前記エラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記安全保護回路と電気的に接続されており、前記第1検査結果信号に基づいて、前記安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0006】
本開示の実施例の別の態様に係る、前記故障診断回路に適用される故障診断方法は、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得するステップと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行するステップと、
前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成するステップと、
前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行するステップと、を含む。
【0007】
本開示の実施例のまた別の態様に係る、前記故障診断回路に適用される故障診断装置は、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する第1処理モジュールと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する第2処理モジュールと、
前記第1処理モジュールによる前記第1検査データと前記第2処理モジュールによる前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する第1生成モジュールと、
前記第1生成モジュールによる前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する第3処理モジュールと、を備える。
【0008】
本開示の実施例のさらに別の態様に係るコンピュータ可読記憶媒体は、前記故障診断方法を実行するためのコンピュータープログラムが記憶される。
【0009】
本開示の実施例のさらに別の態様に係る電子デバイスは、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な命令が記憶される記憶手段と、備え、
前記プロセッサは、前記記憶手段から前記実行可能な命令を読み取って実行して、前記故障診断方法を実現する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の上記実施例に係る故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体によれば、安全保護回路は、検査データの取得にエラー注入を組み合わせて第1検査結果信号を生成し、生成された第1検査結果信号を診断モジュールに提供することができ、診断モジュールは、これに基づいて、安全保護回路に対して故障診断を実行することができるので、本開示の実施例は、簡単なハードウェア構造で安全保護回路の故障診断を実現し、診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作を保証することができる。
【0011】
以下、図面および実施例を参照して、本開示の技術的構成をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面を参照しながら本開示の実施例をより詳細に説明することにで、本開示の上記および他の目的、特徴および利点は、さらに明らかになる。図面は、本開示の実施例のさらなる理解のために提供されるのであり、明細書の一部を構成し、本開示の実施例とともに本開示を説明することに使用されるものであり、本開示を限定するためのものではない。図面において、同じ符号は、通常、同じ部品またはステップを示す。
図1】本開示が適用される態様の概略図である。
図2】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。
図3】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路における安全保護回路の構造概略図である。
図4】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。
図5】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路における診断モジュールの構造概略図である。
図6】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路のエラー注入の概略的なフローチャートである。
図7】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。
図8】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。
図9】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。
図10】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。
図11】本開示の一例示的な実施例に係る電子デバイスの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。説明される実施例は、本開示のすべての実施例ではなく、本開示の実施例の一部にすぎず、本開示は、ここで説明される例示的な実施例によって限定されない。
【0014】
本実施例で説明される部品およびステップの相対的な配置、数式および数値は、特別な説明がない限り、本開示の範囲を限定するものではない。
【0015】
本開示の実施例における「第1」、「第2」などの用語は、異なるステップ、デバイス、またはモジュールなどを区別するためにのみ使用され、特定の技術的意味やそれらの間の必然的な論理的順序を表すものではないことを当業者としては理解することができ。
【0016】
本開示の実施例では、「複数」は、2つ以上を意味し、「少なくとも1つ」は、1つ、2つ、または2つ以上を意味する。
【0017】
本開示の実施例は、端末デバイス、コンピュータシステム、サーバなどの電子デバイスに適用されることができ、数多くの他の汎用または専用のコンピューティングシステム環境または配置と共に動作することができる。端末デバイス、コンピュータシステム、サーバなどの電子デバイスと共に使用されることに適した周知の端末デバイス、計算システム、環境および/または配置の例としては、チップ(例えば、自動車用チップ、汽船用チップ、飛行機用チップなど)を備えるデバイスまたはシステム、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドデバイスまたはラップトップデバイス、マイクロプロセッサに基づくシステム、セットトップボックス、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークパーソナルコンピュータ、小型コンピュータシステム、大型コンピュータシステム、および上記のいずれかを含む分散クラウドコンピューティング技術環境などが挙げられるが、これらに限定されることではない。
【0018】
出願の概要
本開示の実現過程において、発明者は、機能安全のグレード要件により、チップにおける一部の回路(被保護回路と呼ぶこともある)が対応的な安全保護回路を有する必要があり、安全保護回路が特定の安全保護メカニズムを通じて保護回路を保護することができることを発見した。選択的に、チップは、スマートカーのチップであることができ、被保護回路は、レジスタであることができる。
【0019】
安全保護回路自体にも故障が発生してチップの正常的な動作に影響を与える可能性があり、安全保護回路の故障を排除してチップの正常的な動作を保証するためには、安全保護回路に対して故障診断を実行する必要がある。
【0020】
例示的なシステム
図1に示すように、被保護回路1に対応して本開示の実施例に係る故障診断回路が設けられることができ、故障診断回路は、被保護回路1に電気的に接続される安全保護回路3を備えることができる。故障診断回路の動作により、安全保護回路3に対する故障診断を実現することができ、選択的に、故障診断回路の動作により、被保護回路1に対する故障診断も実現することができる。
【0021】
なお、本開示の実施例は、NOTゲート、ORゲート、ANDゲートなどの論理ゲートおよびマルチプレクサ(MUX)に関する。
【0022】
例示的な回路
図2は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。図2に示すように、故障診断回路は、安全保護回路3と、診断モジュール5と、を備える。
【0023】
安全保護回路3は、被保護回路1に電気的に接続されており、被保護回路1における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、第1検査データおよびエラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0024】
診断モジュール5は、安全保護回路3に電気的に接続されており、第1検査結果信号に基づいて、安全保護回路3に対して故障診断を実行する。
【0025】
ここで、被保護回路1は、データを記憶することができる回路(例えば、レジスタ)であることができる。選択的に、レジスタは、データレジスタであってもよく、制御レジスタであってもよい。なお、制御レジスタは、チップ全体、チップにおけるサブシステム、またはチップにおけるモジュールの機能配置を制御することができる。データレジスタは、データの先入れ先出し(First Input First Output,FIFO)キューを記憶し、データキャッシュを実行することができる。レジスタ幅は、4ビット、8ビット、16ビット、32ビットなどとすることができるが、これに限定されず、実際のニーズに応じて選択されることができ、本開示の実施例は、レジスタ幅についていかなる限定もしない。
【0026】
本開示の実施例では、安全保護回路3は、安全保護回路3と被保護回路1との間の電気的接続により、被保護回路1における記憶済みデータを取得することができる。次に、安全保護回路3は、予め設定された検査方法に従って、記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得することができる。
【0027】
選択的に、安全保護回路3は、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check、CRC)アルゴリズムを使用して、記憶済みデータに対してCRC演算を実行して、対応するCRC値を取得し、取得されたCRC値を第1検査データとすることができる。または、安全保護回路3は、奇偶検査アルゴリズムを使用して、記憶済みデータに対して奇偶検査演算を実行して、対応する奇偶検査値を取得し、取得された奇偶検査値を第1検査データとすることができる。
【0028】
理解の便利上、本開示の実施例では、予め設定された検査方法として奇偶検査アルゴリズムを使用する場合を例として説明する。
【0029】
なお、安全保護回路3は、記憶済みデータに対応する第2検査データをさらに取得することができる。第2検査データの取得を実現するために、安全保護回路3は、AXI(Advanced eXtensible Interface)、APB(Advanced Peripheral Bus)などのデータバスに電気的に接続されることができ、データバスは、記憶すべきデータを伝送し、具体的には、被保護回路1は、データバスから記憶すべきデータを取得して記憶することができ、被保護回路1が記憶しているデータを、記憶済みデータとすることができる。安全保護回路3は、データバスにより記憶済みデータに対応する第2検査データを取得することができる。
【0030】
選択的に、安全保護回路3は、データバスから記憶すべきデータを取得し、予め設定された検査方法に従って、取得したデータに対して検査演算を実行することができ、取得された検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとすることができる。または、データバスは、記憶すべきデータを伝送することに加えて、記憶すべきデータに対応する検査データも伝送することができ、この検査データは、予め設定された検査方法に従って、データバスにより伝送されるデータに対して検査演算を実行して取得されるものであることができ、データバスにより伝送される検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとすることができる。
【0031】
第2検査データを取得した後、安全保護回路3は、第2検査データにエラーを導入するために、第2検査データに対してエラー注入を実行することができる。これにより、エラー注入後に第2検査データを取得して、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとに基づいて第1検査結果信号を生成する。
【0032】
選択的に、安全保護回路3は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第1検査結果信号を生成することができ、第1検査結果信号は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用される信号であることができる。
【0033】
安全保護回路3が第1検査結果信号を生成した後、診断モジュール5は、診断モジュール5と安全保護回路3との間の電気的接続をより、第1検査結果信号を取得し、それに応じて安全保護回路3に対して、安全保護回路3に故障があるか否かを確定するような故障診断を実行することができる。
【0034】
本開示の実施例に係る故障診断回路において、安全保護回路3は、検査データの取得とエラー注入との組み合わせで第1検査結果信号を生成し、生成された第1検査結果信号を診断モジュール5に提供することができ、診断モジュール5は、これに基づいて、安全保護回路3に対して故障診断を実行することができるので、本開示の実施例は、簡単なハードウェア構造で安全保護回路3の故障診断を実現し、その診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作を保証することができる。
【0035】
ある選択的な例では、安全保護回路3は、第1検査データおよび第2検査データに基づいて、第2検査結果信号を生成することもでき、診断モジュール5は、第2検査データに基づいて、被保護回路1に対して故障診断を実行することもできる。
【0036】
本開示の実施例では、安全保護回路3は、第1検査データと第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第2検査結果信号を生成することができ、第2検査結果信号は、第1検査データと第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用される信号であることができる。
【0037】
安全保護回路3が第2検査結果信号を生成した後、診断モジュール5は、診断モジュール5と安全保護回路3との間の電気的接続により、第2検査結果信号を取得し、それに応じて被保護回路1に対して、被保護回路1に故障があるか否かを確定するような故障診断を実行することができる。
【0038】
以上から分かるように、本開示の実施例では、簡単なハードウェア構造により、安全保護回路3の故障診断だけでなく、被保護回路1の故障診断も実現することできる。これにより、診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作をさらに保証することができる。
【0039】
ある選択的な例では、図3に示すように、安全保護回路3は、処理モジュール31、計算モジュール33、および比較モジュール35を備えることができる。
【0040】
比較モジュール35は、処理モジュール31、計算モジュール33および図2の診断モジュール5に電気的に接続され、計算モジュール33は、被保護回路1にも電気的に接続される。
【0041】
計算モジュール33は、記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0042】
処理モジュール31は、第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0043】
比較モジュール35は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとの比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成するために使用され、第1検査結果信号は、第3検査結果信号に基づいて生成される。
【0044】
比較モジュール35は、第1検査データと第2検査データとの比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成するためにも使用され、第2検査結果信号は、第4検査結果信号に基づいて生成される。
【0045】
ここで、比較モジュール35は、コンパレータであることができる。
【0046】
具体的な実施例では、処理モジュール31は、第1NOTゲート311、第1マルチプレクサ313、およびメモリ315を備える。
【0047】
第1マルチプレクサ313は、メモリ315に電気的に接続され、メモリ315は、第1NOTゲート311を介して第1マルチプレクサ313に電気的に接続され、第1マルチプレクサ313は、データバスにも電気的に接続され、メモリ315は、比較モジュール35にも電気的に接続される。
【0048】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、データバスにより取得された第2検査データを出力することにより、メモリ315に第2検査データを記憶させ、その第2検査データを比較モジュール35に出力させる。
【0049】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、第1NOTゲート311によるメモリ315に記憶の第2検査データに対する反転結果を出力することにより、メモリ315が第2検査データの反転結果を比較モジュール35に出力し、この第2検査データの反転結果をエラー注入後の第2検査データとする。
【0050】
ここで、第1NOTゲート311は、第1ポートP1および第2ポートP2を有し、第1マルチプレクサ313は、第3ポートP3、第4ポートP4および第5ポートP5を有し、メモリ315は、第6ポートP6および第7ポートP7を有し、比較モジュール35は、第8ポートP8、第9ポートP9および第10ポートP10を有することができる。第1ポートP1は、第7ポートP7に電気的に接続され、第2ポートP2は、第3ポートP3に電気的に接続され、第4ポートP4は、データバスに電気的に接続され、第5ポートP5は、第6ポートP6に電気的に接続され、第7ポートP7は、第8ポートP8に電気的に接続され、第9ポートP9は、計算モジュール33に電気的に接続され、第10ポートP10は、診断モジュール5に電気的に接続されることができる。
【0051】
なお、第1ポートP1は、第1NOTゲート311の入力端として機能し、第2ポートP2は、第1NOTゲート311の出力端として機能し、第3ポートP3および第4ポートP4は、それぞれ第1マルチプレクサ313の入力端として機能し、第5ポートP5は、第1マルチプレクサ313の出力端として機能し、第8ポートP8および第9ポートP9は、それぞれ比較モジュール35の入力端として機能し、第10ポートは、比較モジュール35の出力端として機能することができる。
【0052】
ここで、故障診断回路は、第1動作モードと第2動作モードという2つの動作モードを含むことができる。第1動作モードでは、被保護回路1の故障診断を実行し、第1動作モードは、通常動作モードとも呼ばれることができ、第2動作モードでは、安全保護回路3の故障診断を実行し、第2動作モードは、エラー注入モードとも呼ばれることができる。
【0053】
本開示の実施例では、計算モジュール33は、記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得するので、故障診断回路が第1動作モードにあるか第2動作モードにあるかに関係なく、比較モジュール35は、第9ポートP9を介して計算モジュール33からの第1検査データを取得することができる。
【0054】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、第4ポートP4から第2検査データ(この第2検査データは、図3のreg updateから得られるものであり、reg updateでの論理は、データバスから記憶すべきデータを取得し、予め設定された検査方法に従って、取得されたデータに対して検査演算を実行し、取得された検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとするのである)を受信し、受信された第2検査データを第5ポートP5から出力することができる。メモリ315は、第1マルチプレクサ313からの第2検査データを第6ポートP6から受信することができ、メモリ315は、受信した第2検査データを記憶することができ、メモリ315は、受信した第2検査データを、第7ポートP7から出力することもできる。比較モジュール35は、メモリ315からの第2検査データを第8ポートP8から受信することができ、比較モジュール35は、第9ポートP9から受信した第1検査データと、第8ポートP8から受信した第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成することができる。
【0055】
ここで、第4検査結果信号は、第1検査データと第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用されることができる。第1検査データと第2検査データとが同一である場合、第4検査結果信号は、ハイレベル信号であり、第4検査結果信号を「1」と表現させることができ、そうでない場合、第4検査結果信号は、ローレベル信号であり、第4検査結果信号を「0」と表現させることができる。
【0056】
なお、第4検査結果信号は、後続の第2検査結果信号の生成に使用されることができる。
【0057】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、メモリ315は、記憶している第2検査データを第7ポートP7から出力することができる。第1NOTゲート311は、メモリ315からの第2検査データを第1ポートP1から受信し、受信した第2検査データに対して反転処理を実行した後、第2検査データの反転結果を第2ポートP2から出力することができる。ここで、第2検査データが「1」と表現された場合、第2検査データの反転結果を「0」と表現させ、第2検査データが「0」と表現された場合、第2検査データの反転結果を「1」と表現させる。第1マルチプレクサ313は、第1NOTゲート311からの第2検査データの反転結果を第3ポートP3から受信し、受信した第2検査データの反転結果を第5ポートP5から出力することができる。メモリ315は、第1マルチプレクサ313からの第2検査データの反転結果を第6ポートP6から受信し、受信した第2検査データの反転結果を第7ポートP7から出力することができる。比較モジュール35は、メモリ315からの第2検査データの反転結果を第8ポートP8から受信することができる。これにより、比較モジュール35がエラー注入後の第2検査データを第8ポートP8から受信したことに該当し、次い、比較モジュール35は、第9ポートP9から受信した第1検査データと第8ポートP8から受信したエラー注入後の第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成することができる。
【0058】
ここで、第3検査結果信号は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データが同一であるか否かを確定するために使用されることができる。第1検査データとエラー注入後の第2検査データが同一である場合、第3検査結果信号は、ハイレベル信号であり、第3検査結果信号を「1」と表現させることができ、そうでない場合、第3検査結果信号は、ローレベル信号であり、この第3検査結果信号を「0」と表現させることができる。
【0059】
第3検査結果信号は、後続の第1検査結果信号の生成に使用されることができる。
【0060】
選択的に、第1マルチプレクサ313は、診断(diagnose)信号を受信することができ、第1マルチプレクサ313は、受信したdiagnose信号に基づいて、故障診断回路が現在第1動作モードにあるか、第2動作モードにあるかを確定し、確定された動作モードに基づいて、第5ポートP5から、第2検査データを出力するか、エラー注入後の第2検査データを出力するかをさらに確定することができる。
【0061】
第1マルチプレクサ313が受信するdiagnose信号は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)から直接受信されるものであってもよく、専用的にdiagnose信号を記憶するためのレジスタから直接受信されるものであってもよく、このレジスタにおけるdiagnose信号は、CPUにより書き込まることができる。
【0062】
選択的に、第1検査結果信号および第2検証結果信号の生成を実現するために、安全保護回路3は、第2NOTゲート37をさらに備える。
【0063】
比較モジュール35は、第2NOTゲート37を介して診断モジュール5に電気的に接続され、第2NOTゲート37による第3検査結果信号の反転結果は、第1検査結果信号となり、第2NOTゲート37による第4検査結果の反転結果は、第2検査結果信号となる。
【0064】
ここで、図3を参照すると、第2NOTゲート37は、第11ポートP11および第12ポートP12を有し、第11ポートP11は、第10ポートP10に電気的に接続され、第12ポートP12は、診断モジュール5に電気的に接続されることができる。第11ポートP11は、第2NOTゲート37の入力端として機能し、第12ポートP12は、第2NOTゲート37の出力端として機能することができる。
【0065】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、比較モジュール35は、第4検査結果信号を第10ポートP10から出力することができ、第2NOTゲート37は、比較モジュール35からの第4検査結果信号を第11ポートP11から受信することができ、第2NOTゲート37は、受信した第4検査結果信号に対して反転処理を実行して第4検査結果信号の反転結果を取得し、第4検査結果信号の反転結果を第12ポートP12から出力することができる。
【0066】
ここで、第4検査結果信号が「1」と表現された場合、第4検査結果信号の反転結果を「0」と表現させ、第4検査結果信号が「0」と表現された場合、第4検査結果信号の反転結果を「1」と表現させる。
【0067】
さらに、診断モジュール5は、比較モジュール35からの第4検査結果信号の反転結果を受信することができる。これにより、診断モジュール5が第2検査結果信号を受信したことに該当し、診断モジュール5は、それに応じて被保護回路1に対して故障診断を実行することができる。
【0068】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、比較モジュール35は、第3検査結果信号を第10ポートP10から出力することができ、第2NOTゲート37は、比較モジュール35からの第3検査結果信号を第11ポートP11から受信することができ、第2NOTゲート37は、受信した第3検査結果信号に対して反転処理を実行して第3検査結果信号の反転結果を取得し、第3検査結果信号の反転結果を第12ポートP12から出力することができる。
【0069】
ここで、第3検査結果信号が「1」と表現された場合、第3検査結果信号の反転結果を「0」と表現させ、第3検査結果信号が「0」と表現された場合、第3検査結果信号の反転結果を「1」と表現させる。
【0070】
さらに、診断モジュール5は、比較モジュール35からの第3検査結果信号の反転結果を受信することができる。これにより、診断モジュール5が第1検査結果信号を受信したことに該当し、診断モジュール5は、それに応じて安全保護回路3に対して故障診断を実行することができる。
【0071】
以上から分かるように、第2NOTゲート37の反転処理により、第4検査結果信号に基づいて第2検査結果信号を、第3検査結果に基づいて第1検査結果信号を効率的かつ確実に生成するできる。
【0072】
安全保護回路3に第2NOTゲート37を特に設ける必要はなく、この場合、第10ポートP10は、第2NOTゲート37を介して診断モジュール5に電気的に接続されることなく、診断モジュール5に直接に電気的に接続されてもよい。この場合、第3検査結果信号をそのまま第1検査結果信号として使用することができ、第4検査結果信号をそのまま第2検査結果信号として使用することができる。
【0073】
本開示の実施例では、計算モジュール33は、検査演算を効率的かつ確実に実行して第1検査データの取得を実現することができ、第1NOTゲート311、第1マルチプレクサ313およびメモリ315を含む処理モジュール31は、回路自体における反転処理を利用して、エラー注入後の第2検査データとしてのエラー値を特に計算する必要がなく、第2検査データのエラー注入を効率的かつ確実に実現することができ、その後、比較モジュール35は、対応する検査データの比較および対応する検査結果信号の生成を効率的かつ確実に実現し、生成された検査結果信号に基づいて、安全保護回路3および被保護回路1に対する故障診断を実現することができる。
【0074】
なお、被保護回路1における記憶済みデータは、更新可能であり、例えば、CPUは、データバスにより記憶済みデータを更新することができ、別の例として、被保護回路1は、ハードウェア自体の回路により記憶済みデータを更新することができる。被保護回路1における記憶済みデータが更新される場合、それに応じてメモリ315に記憶される第2検査データも更新される必要がある。
【0075】
選択的に、図3に示すように、メモリ315は、第13ポートP13を有することができ、第13ポートP13は、特定の回路に電気的に接続されることができ、この特定の回路は、データバスにより伝送される信号および/または図3に係るいくつかの信号に基づいて、メモリ315に記憶される第2検査データの更新条件を制御するための制御判定論理を生成する。
【0076】
ある選択的な例では、図4に示すように、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数であり、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、対応して電気的に接続され、図5に示すように、診断モジュール5は、第1論理ゲート51、第2論理ゲート53、および第2マルチプレクサ55を備える。
【0077】
第1論理ゲート51と第2論理ゲート53とは、いずれも各安全保護回路3に電気的に接続され、第1論理ゲート51と第2論理ゲート53とは、いずれも第2マルチプレクサ55にも電気的に接続される。
【0078】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第2マルチプレクサ55は、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号を第1論理ゲート51で第1論理演算して得られた第1演算結果信号を出力し、第1の演算結果信号は、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを確定するために使用される。
【0079】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、第2マルチプレクサ55は、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号を第2論理ゲート53で第2論理演算して得られた第2演算結果信号を出力し、第2の演算結果信号は、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを確定するために使用される。
【0080】
ここで、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数(例えば、n)であることができ、nは、2、3、4、5、または5より大きい整数であることができ、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1は、1対1に対応して電気的に接続されることができる。
【0081】
ここで、第1論理ゲート51は、ORゲートであり、第1論理演算は、OR演算であり、第2論理ゲート53は、ANDゲートであり、第2論理演算は、AND演算であることができるか、あるいは、第1論理ゲート51は、ANDゲートであり、第1論理演算は、AND演算であり、第2論理ゲート53は、ORゲートであり、第2論理演算は、OR演算であることができる。
【0082】
ここで、第1論理ゲート51は、第14ポートP14を有し、第2論理ゲート53は、第15ポートP15を有し、第2マルチプレクサ55は、第16ポートP16、第17ポートP17および第18ポートP18を有し、第16ポートP16は、第14ポートP14に電気的に接続され、第17ポートP17は、第15ポートP15に電気的に接続されることができる。
【0083】
第14ポートP14は、第1論理ゲート51の出力端として機能し、第15ポートP15は、第2論理ゲート53の出力端として機能し、第16ポートP16と第17ポートとは、第2マルチプレクサ55の入力端として機能し、第18ポートP18は、第2マルチプレクサ55の出力端として機能することができる。
【0084】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、複数の安全保護回路3は、各自が生成した第2検査結果信号を出力し、第1論理ゲート51は、複数の入力端を介して複数の第2検査結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)を受信し、受信した複数の第2検査結果信号に対して第1論理演算を実行して第1演算結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity errorに相当)を取得し、第1演算結果信号を第14ポートP14から出力することができる。
【0085】
さらに、第2マルチプレクサ55は、第1論理ゲート51からの第1演算結果信号を第16ポートP16から受信し、受信した第1演算結果信号を第18ポートP18から出力し、関係者は、第1演算結果信号に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを把握することができる。
【0086】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の被保護回路1のいずれにも故障がない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現され、そうでない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorの少なくとも一部は、「1」と表現されることができる。
【0087】
したがって、第1論理ゲート51がORゲートである場合、第1動作モードでのParity errorが「0」と表現されると、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1が存在しないと判断され、第1動作モードでのParity errorが「1」と表現されると、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1が存在すると判断されることができる。
【0088】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、複数の安全保護回路3は、各自が生成した第1検査結果信号を出力し、第2論理ゲート53は、複数の入力端を介して複数の第1検査結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)を受信し、受信した複数の第1検査結果信号に対して第2論理演算を実行して第2演算結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity errorに相当)を取得し、第2演算結果信号を第15ポートP15から出力することができる。
【0089】
さらに、第2マルチプレクサ55は、第2論理ゲート53からの第2演算結果信号を第17ポートP17から受信し、受信した第2演算結果信号を第18ポートP18から出力し、関係者は、第2演算結果信号に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを把握することができる。
【0090】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「1」と表現され、そうでない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現されることができる。
【0091】
したがって、第2論理ゲート53がANDゲートである場合、第2動作モードでのParity errorが「1」と表現されると、故障診断回路における複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3が存在しないと判断され、第2動作モードでのParity errorが「0」と表現されると、故障診断回路における複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3が存在すると判断されることができる。
【0092】
選択的に、上記の第1マルチプレクサ313と同様に、第2マルチプレクサ55もdiagnose信号を受信し、第2マルチプレクサ55は、受信したdiagnose信号に基づいて、故障診断回路が現在第1動作モードにあるか、第2動作モードにあるかを判断することができる。
【0093】
本開示の実施例では、第1論理ゲート51、第2論理ゲート53および第2マルチプレクサ55を備える診断モジュール5の配置により、第1論理ゲート51での論理演算に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを効率的かつ確実に診断することができ、第2論理ゲート53での論理演算に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを効率的かつ確実に診断することができる。すなわち、本発明の実施例では、診断モジュール5は、被保護回路1に対する一括的な故障診断と安全保護回路3に対する一括的な故障診断を実現することができる。
【0094】
ある選択的な例では、図4に示すように、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数であり、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、対応して電気的に接続され、図5に示すように、診断モジュール5は、故障定位回路57を備える。
【0095】
故障定位回路57は、各安全保護回路3に電気的に接続される。
【0096】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、故障定位回路57は、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1を指定するための第1指定信号を出力する。
【0097】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、故障定位回路57は、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3を指定するための第2指定信号を出力する。
【0098】
ここで、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数(例えば、n)であることができ、nは、2、3、4、5、または5より大きい整数であることができ、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、1対1に対応して電気的に接続されることができる。
【0099】
ここで、故障定位回路57は、第19ポートP19および第20ポートP20を有し、第19ポートP19および第20ポートP20は、それぞれ故障定位回路57の出力端として機能することができる。
【0100】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、故障定位回路57は、例えば、error番号が低から高へ、または高から低への順のような設定された順序に従って、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)をスキャンして、複数の被保護回路1のうち故障がある被保護回路1を確定し、これに応じて第1指定信号(図4図5のfunction error number(function error number)に相当)を第19ポートP19から出力する。
【0101】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の被保護回路1のいずれにも故障がない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現され、そうでない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのうち故障がある被保護回路1に対応するerrorが「1」と表現される。
【0102】
以上により、第1動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのいずれも「0」と表現される場合、function error numberは、デフォルト値としての「0」であることができ、関係者は、これに応じて、複数の被保護回路1のいずれにも故障がないことを把握することができ、第1動作モードにおいて、図4図5のParity 2 errorが「1」と表現される場合、function error numberは、「2」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができる。第1動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorとParity 2 errorとの両方が「1」と表現される場合、function error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができ、または、function error numberが「2」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができ、すなわち、故障された被保護回路1の数が少なくとも1つである場合、function error numberは、対応するerror番号が最大または最小の被保護回路1のみを指定することができる。
【0103】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、故障定位回路57は、例えば、error番号が低から高へ、または高から低への順のような設定された順序に従って、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)をスキャンして、複数の安全保護回路3のうち故障がある安全保護回路3を確定し、これに応じて第2指定信号(図4図5のdiagnose error numberに相当)を第20ポートP20から出力することができる。
【0104】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「1」と表現され、そうでない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのうち故障がある安全保護回路3に対応するerrorが「0」と表現される。
【0105】
以上により、第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのいずれも「1」と表現される場合、diagnose error numberは、デフォルト値としての「0」であることができ、関係者は、これに応じて、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がないことを把握することができ、第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorが「0」と表現される場合、diagnose error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができる。第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorとParity 2 errorとの両方が「0」と表現される場合、diagnose error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができ、または、diagnose error numberが「2」であるkとおができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができ、すなわち、故障された安全保護回路3の数が少なくとも1つである場合、diagnose error numberは、対応するerror 番号が最大または最小の安全保護回路3のみを指定することができる。
【0106】
本開示の実施例では、故障定位回路57の配置により、すべての被保護回路1のエラーと安全保護回路3のエラーとを集約して位置決めることができ、具体的には、故障定位回路57は、第1動作モードでは第1指定信号を出力して故障された被保護回路1の位置を正確に指定し、第2動作モードでは第2指定信号を出力して故障された安全保護回路3の位置を正確に指定することができる。
【0107】
ある選択的な例では、図6に示すように、まず、故障診断回路を通常動作モードに設定し、電源投入して初期化した後、ソフトウェアでエラー注入機能を有効化させて故障診断回路をエラー注入モードに設定し、次に、エラー注入モードでエラーが検出されたかを確認する(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorがいずれも「1」と表現されたかを検出することに相当)。エラー注入モードでエラーが検出された場合(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorがいずれも「1」と表現された場合に相当)、テストに成功し、図4の各安全保護回路3に潜在的な故障がないと判断することができる。この場合、エラー注入機能をオフにして通常動作モードに切り替えることができる。
【0108】
エラー注入モードでエラーを検出することができなかった場合(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorうちの少なくとも一部のerrorが「1」と表現されなかった場合に相当)、エラーの位置決めを行い(どの安全保護回路3に故障があるかを確定することに相当)、エラー処理を実行することができる。例えば、図4の各被保護回路1に記憶済みデータを改めて書込んたり、IP(Intellectual Property)モジュールを再起動したりし、ここで、IPモジュールは、一定の機能を実現可能なモジュールである。
【0109】
以上により、本開示の実施例に係る故障診断回路を使用すれば、通常動作モードでは、すべての被保護回路1を一括的に診断することができ、いずれかの被保護回路1が故障された場合、故障された被保護回路1の位置を正確に指定し、エラー注入モードでは、上記の第1NOTゲート311により反転処理を一括的に実行することができるので、個別的にエラー注入を行う必要がなく、エラー注入の効率を大幅に向上させ、ソフトウェアによる1回の操作のみですべての安全保護回路3を一括的に診断することができ、いずれかの安全保護回路3が故障された場合、故障された安全保護回路3の位置を正確に指定することができる。
【0110】
例示的な方法
図7は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。図7に示す方法は、上記の故障診断回路に適用され、ステップ701、ステップ702、ステップ703およびステップ704を含む。
【0111】
ステップ701では、被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0112】
ステップ702では、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0113】
ステップ703では、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0114】
ステップ704では、第1検査結果信号に基づいて、故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0115】
ある選択的な例では、図8に示すように、故障診断方法は
第1検査データと第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成するステップ711と、
第2検査結果信号に基づいて、被保護回路に対して故障診断を実行するステップ712と、
をさらに含む。
【0116】
本開示の実施例に係るいずれがの故障診断方法は、端末デバイスおよびサーバなどを含むがこれらに限定されない、データ処理機能を有する任意の適切な装置により実行されることができる。または、本開示の実施例に係るいずれがの故障診断方法は、プロセッサにより実行されてもよく、例えば、プロセッサは、記憶手段に記憶された対応の命令を呼び出すことにより、本開示の実施例で言及された故障診断方法のいずれかを実行する。その詳細な説明は省略する。
【0117】
例示的な装置
図9は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。図9に示す装置は、第1処理モジュール901、第2処理モジュール902、第1生成モジュール903および第3処理モジュール904を備える。
【0118】
第1処理モジュール901は、被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0119】
第2処理モジュール902は、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0120】
第1生成モジュール903は、第1処理モジュール901による第1検査データと第2処理モジュール902によるエラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0121】
第3処理モジュール904は、第1生成モジュール903による第1検査結果信号に基づいて、故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0122】
ある選択的な例では、図10に示すように、故障診断装置は、
第1処理モジュール901による第1検査データと第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成する第2生成モジュール911と、
第2生成モジュール911による第2検査結果信号に基づいて、被保護回路に対して故障診断を実行する第4処理モジュール912と、
をさらに備える。
【0123】
例示的な電子デバイス
以下、図11を参照して、本開示の実施例に係る電子デバイスを説明する。電子デバイスは、第1デバイスおよび第2のデバイスのいずれかまたは両方、またはそれらから独立したスタンドアロンデバイスであってもよく、このスタンドアロンデバイスは、第1デバイスおよび第2デバイスと通信して、収集された入力データをそれらから受信することができる。
【0124】
図11は、本開示の実施例に係る電子デバイスのブロック図を示す。
【0125】
図11に示すように、電子デバイス1100は、1つまたは複数のプロセッサ1101および記憶手段1102を備える。
【0126】
プロセッサ1101は、CPU、またはデータ処理能力および/または命令実行能力を有する他の形態の処理ユニットであってもよく、所望の機能を実行するために電子デバイス1100内の他のコンポーネントを制御することがてぎる。
【0127】
記憶手段1102は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリなどの様々な形態のコンピュータ可読記憶媒体を含む1つまたは複数のコンピュータプログラム製品を備えることができる。前記揮発性メモリには、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはキャッシュメモリ(cache)などが含まれ得る。前記不揮発性メモリには、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどが含まれ得る。前記コンピュータ可読記憶媒体には、1つまたは複数のコンピュータプログラム命令が記憶されることができ、プロセッサ1101は、前記プログラム命令を実行して、上記の本開示の各実施例の故障診断方法および/または他の所望の機能を実現することができる。前記コンピュータ可読記憶媒体には、入力信号、信号成分、ノイズ成分などの様々なコンテンツも記憶され得る。
【0128】
一例では、電子デバイス1100は、バスシステムおよび/または他の形態の接続手段(図示せず)を介して互いに接続される、入力装置1103および出力装置1104をさらに備えることができる。
【0129】
例えば、電子デバイスが第1デバイスまたは第2デバイスである場合、入力装置1103は、マイクまたはマイクアレイであってもよい。電子デバイスがスタンドアロンデバイスである場合、入力装置13は、収集された入力信号を第1デバイスおよび第2デバイスから受信するための通信ネットワークコネクタであってもよい。
【0130】
また、入力装置1103には、例えば、キーボードやマウス等が含まれてもよい。
【0131】
出力装置1104は、確定された距離情報や方向情報などの様々な情報を外部に出力することができる。出力装置1104は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ、通信ネットワークおよびそれに接続されるリモート出力デバイスなどを含むことができる。
【0132】
簡略化のために、図11には、電子デバイス1100内の、本開示に関連するコンポーネントの一部のみが示され、バス、入出力インターフェースなどのコンポーネントは省略されている。さらに、具体的な応用状況に応じて、電子デバイス1100は、他の任意の適切なコンポーネントをさらに備えることができる。
【0133】
例示的なコンピュータプログラム製品およびコンピュータ可読記憶媒体
本開示の実施例は、上記の方法及び機器に加え、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であることができる。前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、本明細書の上記「例示的な方法」部分に記載の本開示の様々な実施例に係る故障診断方法におけるステップを実行させる。
【0134】
以上、具体的な実施例を参照しながら本開示の基本的原理を説明してきたが、本開示に言及された利点、長所、効果などは、例示に過ぎず、限定的なものではない。本開示の様々な実施例がそれらの利点、長所、効果を必ずしも備えることではない。また、上記開示の具体的な細部は、例示的な作用及び理解しやすい作用のためにのものにすぎず、限定的なものではなく、上記細部は、本開示を必ずしも上記具体的な詳細により実現されるように制限するものではない。
【0135】
本明細書における各実施例は、逐次的な方法で説明されており、各実施例では、主に他の実施例との相違点を重点として説明し、各実施例間の同一又は類似の部分は、互に参照すればよい。システムの実施例については、基本的に方法の実施例に対応するため、比較的簡単に説明したが、関連部分は方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0136】
本開示に係るデバイス、装置、機器、システムのブロック図は、単なる例示的なものに過ぎず、必ずしもブロック図に示すような方式で接続、配置、構成されることを要求又は暗示することを意図しない。当業者が理解できるように認識するように、これらのデバイス、装置、機器、システムを任意の形態で接続、レイアウト、配置することができる。
【0137】
本開示の方法及び装置は、多くの形態で実現され得る。例えば、本開示の方法及び装置は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアのいかなる組み合わせで実現され得る。前記方法に使用されるステップの上記順序は、単なる説明のためのものであり、本開示の方法のステップは、特に他の形態で説明しない限り、以上具体的に説明された順序に限定されない。また、いくつかの実施例では、本開示は、記録媒体に記録されたプログラムとして実施されてもよく、これらのプログラムは、本開示に係る方法を実現するための機械読み取り可能な命令を含む。したがって、本開示に係る方法を実行するためのプログラムを記憶する記録媒体も本開示に含まれる。
【0138】
また、本開示の装置、機器、及び方法において、各部材又は各ステップは、分解及び/又は再度組み合わせされてもよいことに指摘されたい。これらの分解及び/又は再度組み合わせは、本開示の同等な形態とみなされるべきである。
【0139】
開示された態様の上記の説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者にとって非常に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示された態様に制限されることを意図しておらず、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に従うものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月20日に国家知識産権局に出願された、出願番号が202110958241.7であり、発明名称が「故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体」である中国特許出願による優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、故障診断の技術分野に関し、特に、故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
機能安全のグレード要件により、チップにおける一部の回路には対応的な安全保護回路が必要である。しかしながら、安全保護回路自体に故障が発生してチップの正常的な動作に影響を与える可能性があるため、安全保護回路の故障診断をどのように実現するかは、当業者として注目に値する課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本開示を提出する。本開示の実施例は、故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の一態様に係る故障診断回路は、安全保護回路と、診断モジュールと、を備え、
前記安全保護回路は、被保護回路に電気的に接続されており、前記被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、前記第1検査データおよび前記エラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記安全保護回路と電気的に接続されており、前記第1検査結果信号に基づいて、前記安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0006】
本開示の実施例の別の態様に係る、前記故障診断回路に適用される故障診断方法は、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得するステップと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行するステップと、
前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成するステップと、
前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行するステップと、を含む。
【0007】
本開示の実施例のまた別の態様に係る、前記故障診断回路に適用される故障診断装置は、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する第1処理モジュールと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する第2処理モジュールと、
前記第1処理モジュールによる前記第1検査データと前記第2処理モジュールによる前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する第1生成モジュールと、
前記第1生成モジュールによる前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する第3処理モジュールと、を備える。
【0008】
本開示の実施例のさらに別の態様に係るコンピュータ可読記憶媒体は、前記故障診断方法を実行するためのコンピュータープログラムが記憶される。
【0009】
本開示の実施例のさらに別の態様に係る電子デバイスは、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な命令が記憶される記憶手段と、備え、
前記プロセッサは、前記記憶手段から前記実行可能な命令を読み取って実行して、前記故障診断方法を実現する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の上記実施例に係る故障診断回路、方法、装置およびコンピュータ可読記憶媒体によれば、安全保護回路は、検査データの取得にエラー注入を組み合わせて第1検査結果信号を生成し、生成された第1検査結果信号を診断モジュールに提供することができ、診断モジュールは、これに基づいて、安全保護回路に対して故障診断を実行することができるので、本開示の実施例は、簡単なハードウェア構造で安全保護回路の故障診断を実現し、診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作を保証することができる。
【0011】
以下、図面および実施例を参照して、本開示の技術的構成をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面を参照しながら本開示の実施例をより詳細に説明することにで、本開示の上記および他の目的、特徴および利点は、さらに明らかになる。図面は、本開示の実施例のさらなる理解のために提供されるのであり、明細書の一部を構成し、本開示の実施例とともに本開示を説明することに使用されるものであり、本開示を限定するためのものではない。図面において、同じ符号は、通常、同じ部品またはステップを示す。
図1】本開示が適用される態様の概略図である。
図2】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。
図3】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路における安全保護回路の構造概略図である。
図4】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。
図5】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路における診断モジュールの構造概略図である。
図6】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路のエラー注入の概略的なフローチャートである。
図7】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。
図8】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。
図9】本開示の一例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。
図10】本開示の別の例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。
図11】本開示の一例示的な実施例に係る電子デバイスの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。説明される実施例は、本開示のすべての実施例ではなく、本開示の実施例の一部にすぎず、本開示は、ここで説明される例示的な実施例によって限定されない。
【0014】
本実施例で説明される部品およびステップの相対的な配置、数式および数値は、特別な説明がない限り、本開示の範囲を限定するものではない。
【0015】
本開示の実施例における「第1」、「第2」などの用語は、異なるステップ、デバイス、またはモジュールなどを区別するためにのみ使用され、特定の技術的意味やそれらの間の必然的な論理的順序を表すものではないことを当業者としては理解することができ。
【0016】
本開示の実施例では、「複数」は、2つ以上を意味し、「少なくとも1つ」は、1つ、2つ、または2つ以上を意味する。
【0017】
本開示の実施例は、端末デバイス、コンピュータシステム、サーバなどの電子デバイスに適用されることができ、数多くの他の汎用または専用のコンピューティングシステム環境または配置と共に動作することができる。端末デバイス、コンピュータシステム、サーバなどの電子デバイスと共に使用されることに適した周知の端末デバイス、計算システム、環境および/または配置の例としては、チップ(例えば、自動車用チップ、汽船用チップ、飛行機用チップなど)を備えるデバイスまたはシステム、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドデバイスまたはラップトップデバイス、マイクロプロセッサに基づくシステム、セットトップボックス、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークパーソナルコンピュータ、小型コンピュータシステム、大型コンピュータシステム、および上記のいずれかを含む分散クラウドコンピューティング技術環境などが挙げられるが、これらに限定されることではない。
【0018】
出願の概要
本開示の実現過程において、発明者は、機能安全のグレード要件により、チップにおける一部の回路(被保護回路と呼ぶこともある)が対応的な安全保護回路を有する必要があり、安全保護回路が特定の安全保護メカニズムを通じて保護回路を保護することができることを発見した。選択的に、チップは、スマートカーのチップであることができ、被保護回路は、レジスタであることができる。
【0019】
安全保護回路自体にも故障が発生してチップの正常的な動作に影響を与える可能性があり、安全保護回路の故障を排除してチップの正常的な動作を保証するためには、安全保護回路に対して故障診断を実行する必要がある。
【0020】
例示的なシステム
図1に示すように、被保護回路1に対応して本開示の実施例に係る故障診断回路が設けられることができ、故障診断回路は、被保護回路1に電気的に接続される安全保護回路3を備えることができる。故障診断回路の動作により、安全保護回路3に対する故障診断を実現することができ、選択的に、故障診断回路の動作により、被保護回路1に対する故障診断も実現することができる。
【0021】
なお、本開示の実施例は、NOTゲート、ORゲート、ANDゲートなどの論理ゲートおよびマルチプレクサ(MUX)に関する。
【0022】
例示的な回路
図2は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断回路の構造概略図である。図2に示すように、故障診断回路は、安全保護回路3と、診断モジュール5と、を備える。
【0023】
安全保護回路3は、被保護回路1に電気的に接続されており、被保護回路1における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、第1検査データおよびエラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0024】
診断モジュール5は、安全保護回路3に電気的に接続されており、第1検査結果信号に基づいて、安全保護回路3に対して故障診断を実行する。
【0025】
ここで、被保護回路1は、データを記憶することができる回路(例えば、レジスタ)であることができる。選択的に、レジスタは、データレジスタであってもよく、制御レジスタであってもよい。なお、制御レジスタは、チップ全体、チップにおけるサブシステム、またはチップにおけるモジュールの機能配置を制御することができる。データレジスタは、データの先入れ先出し(First Input First Output,FIFO)キューを記憶し、データキャッシュを実行することができる。レジスタ幅は、4ビット、8ビット、16ビット、32ビットなどとすることができるが、これに限定されず、実際のニーズに応じて選択されることができ、本開示の実施例は、レジスタ幅についていかなる限定もしない。
【0026】
本開示の実施例では、安全保護回路3は、安全保護回路3と被保護回路1との間の電気的接続により、被保護回路1における記憶済みデータを取得することができる。次に、安全保護回路3は、予め設定された検査方法に従って、記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得することができる。
【0027】
選択的に、安全保護回路3は、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check、CRC)アルゴリズムを使用して、記憶済みデータに対してCRC演算を実行して、対応するCRC値を取得し、取得されたCRC値を第1検査データとすることができる。または、安全保護回路3は、奇偶検査アルゴリズムを使用して、記憶済みデータに対して奇偶検査演算を実行して、対応する奇偶検査値を取得し、取得された奇偶検査値を第1検査データとすることができる。
【0028】
理解の便利上、本開示の実施例では、予め設定された検査方法として奇偶検査アルゴリズムを使用する場合を例として説明する。
【0029】
なお、安全保護回路3は、記憶済みデータに対応する第2検査データをさらに取得することができる。第2検査データの取得を実現するために、安全保護回路3は、AXI(Advanced eXtensible Interface)、APB(Advanced Peripheral Bus)などのデータバスに電気的に接続されることができ、データバスは、記憶すべきデータを伝送し、具体的には、被保護回路1は、データバスから記憶すべきデータを取得して記憶することができ、被保護回路1が記憶しているデータを、記憶済みデータとすることができる。安全保護回路3は、データバスにより記憶済みデータに対応する第2検査データを取得することができる。
【0030】
選択的に、安全保護回路3は、データバスから記憶すべきデータを取得し、予め設定された検査方法に従って、取得したデータに対して検査演算を実行することができ、取得された検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとすることができる。または、データバスは、記憶すべきデータを伝送することに加えて、記憶すべきデータに対応する検査データも伝送することができ、この検査データは、予め設定された検査方法に従って、データバスにより伝送されるデータに対して検査演算を実行して取得されるものであることができ、データバスにより伝送される検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとすることができる。
【0031】
第2検査データを取得した後、安全保護回路3は、第2検査データにエラーを導入するために、第2検査データに対してエラー注入を実行することができる。これにより、エラー注入後に第2検査データを取得して、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとに基づいて第1検査結果信号を生成する。
【0032】
選択的に、安全保護回路3は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第1検査結果信号を生成することができ、第1検査結果信号は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用される信号であることができる。
【0033】
安全保護回路3が第1検査結果信号を生成した後、診断モジュール5は、診断モジュール5と安全保護回路3との間の電気的接続をより、第1検査結果信号を取得し、それに応じて安全保護回路3に対して、安全保護回路3に故障があるか否かを確定するような故障診断を実行することができる。
【0034】
本開示の実施例に係る故障診断回路において、安全保護回路3は、検査データの取得とエラー注入との組み合わせで第1検査結果信号を生成し、生成された第1検査結果信号を診断モジュール5に提供することができ、診断モジュール5は、これに基づいて、安全保護回路3に対して故障診断を実行することができるので、本開示の実施例は、簡単なハードウェア構造で安全保護回路3の故障診断を実現し、その診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作を保証することができる。
【0035】
ある選択的な例では、安全保護回路3は、第1検査データおよび第2検査データに基づいて、第2検査結果信号を生成することもでき、診断モジュール5は、第2検査データに基づいて、被保護回路1に対して故障診断を実行することもできる。
【0036】
本開示の実施例では、安全保護回路3は、第1検査データと第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第2検査結果信号を生成することができ、第2検査結果信号は、第1検査データと第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用される信号であることができる。
【0037】
安全保護回路3が第2検査結果信号を生成した後、診断モジュール5は、診断モジュール5と安全保護回路3との間の電気的接続により、第2検査結果信号を取得し、それに応じて被保護回路1に対して、被保護回路1に故障があるか否かを確定するような故障診断を実行することができる。
【0038】
以上から分かるように、本開示の実施例では、簡単なハードウェア構造により、安全保護回路3の故障診断だけでなく、被保護回路1の故障診断も実現することできる。これにより、診断結果に基づいて故障を排除して、チップの正常的な動作をさらに保証することができる。
【0039】
ある選択的な例では、図3に示すように、安全保護回路3は、処理モジュール31、計算モジュール33、および比較モジュール35を備えることができる。
【0040】
比較モジュール35は、処理モジュール31、計算モジュール33および図2の診断モジュール5に電気的に接続され、計算モジュール33は、被保護回路1にも電気的に接続される。
【0041】
計算モジュール33は、記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0042】
処理モジュール31は、第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0043】
比較モジュール35は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとの比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成するために使用され、第1検査結果信号は、第3検査結果信号に基づいて生成される。
【0044】
比較モジュール35は、第1検査データと第2検査データとの比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成するためにも使用され、第2検査結果信号は、第4検査結果信号に基づいて生成される。
【0045】
ここで、比較モジュール35は、コンパレータであることができる。
【0046】
具体的な実施例では、処理モジュール31は、第1NOTゲート311、第1マルチプレクサ313、およびメモリ315を備える。
【0047】
第1マルチプレクサ313は、メモリ315に電気的に接続され、メモリ315は、第1NOTゲート311を介して第1マルチプレクサ313に電気的に接続され、第1マルチプレクサ313は、データバスにも電気的に接続され、メモリ315は、比較モジュール35にも電気的に接続される。
【0048】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、データバスにより取得された第2検査データを出力することにより、メモリ315に第2検査データを記憶させ、その第2検査データを比較モジュール35に出力させる。
【0049】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、第1NOTゲート311によるメモリ315に記憶の第2検査データに対する反転結果を出力することにより、メモリ315が第2検査データの反転結果を比較モジュール35に出力し、この第2検査データの反転結果をエラー注入後の第2検査データとする。
【0050】
ここで、第1NOTゲート311は、第1ポートP1および第2ポートP2を有し、第1マルチプレクサ313は、第3ポートP3、第4ポートP4および第5ポートP5を有し、メモリ315は、第6ポートP6および第7ポートP7を有し、比較モジュール35は、第8ポートP8、第9ポートP9および第10ポートP10を有することができる。第1ポートP1は、第7ポートP7に電気的に接続され、第2ポートP2は、第3ポートP3に電気的に接続され、第4ポートP4は、データバスに電気的に接続され、第5ポートP5は、第6ポートP6に電気的に接続され、第7ポートP7は、第8ポートP8に電気的に接続され、第9ポートP9は、計算モジュール33に電気的に接続され、第10ポートP10は、診断モジュール5に電気的に接続されることができる。
【0051】
なお、第1ポートP1は、第1NOTゲート311の入力端として機能し、第2ポートP2は、第1NOTゲート311の出力端として機能し、第3ポートP3および第4ポートP4は、それぞれ第1マルチプレクサ313の入力端として機能し、第5ポートP5は、第1マルチプレクサ313の出力端として機能し、第8ポートP8および第9ポートP9は、それぞれ比較モジュール35の入力端として機能し、第10ポートは、比較モジュール35の出力端として機能することができる。
【0052】
ここで、故障診断回路は、第1動作モードと第2動作モードという2つの動作モードを含むことができる。第1動作モードでは、被保護回路1の故障診断を実行し、第1動作モードは、通常動作モードとも呼ばれることができ、第2動作モードでは、安全保護回路3の故障診断を実行し、第2動作モードは、エラー注入モードとも呼ばれることができる。
【0053】
本開示の実施例では、計算モジュール33は、記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得するので、故障診断回路が第1動作モードにあるか第2動作モードにあるかに関係なく、比較モジュール35は、第9ポートP9を介して計算モジュール33からの第1検査データを取得することができる。
【0054】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第1マルチプレクサ313は、第4ポートP4から第2検査データ(この第2検査データは、図3のreg updateから得られるものであり、reg updateでの論理は、データバスから記憶すべきデータを取得し、予め設定された検査方法に従って、取得されたデータに対して検査演算を実行し、取得された検査データを、記憶済みデータに対応する第2検査データとするのである)を受信し、受信された第2検査データを第5ポートP5から出力することができる。メモリ315は、第1マルチプレクサ313からの第2検査データを第6ポートP6から受信することができ、メモリ315は、受信した第2検査データを記憶することができ、メモリ315は、受信した第2検査データを、第7ポートP7から出力することもできる。比較モジュール35は、メモリ315からの第2検査データを第8ポートP8から受信することができ、比較モジュール35は、第9ポートP9から受信した第1検査データと、第8ポートP8から受信した第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成することができる。
【0055】
ここで、第4検査結果信号は、第1検査データと第2検査データとが同一であるか否かを確定するために使用されることができる。第1検査データと第2検査データとが同一である場合、第4検査結果信号は、ハイレベル信号であり、第4検査結果信号を「1」と表現させることができ、そうでない場合、第4検査結果信号は、ローレベル信号であり、第4検査結果信号を「0」と表現させることができる。
【0056】
なお、第4検査結果信号は、後続の第2検査結果信号の生成に使用されることができる。
【0057】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、メモリ315は、記憶している第2検査データを第7ポートP7から出力することができる。第1NOTゲート311は、メモリ315からの第2検査データを第1ポートP1から受信し、受信した第2検査データに対して反転処理を実行した後、第2検査データの反転結果を第2ポートP2から出力することができる。ここで、第2検査データが「1」と表現された場合、第2検査データの反転結果を「0」と表現させ、第2検査データが「0」と表現された場合、第2検査データの反転結果を「1」と表現させる。第1マルチプレクサ313は、第1NOTゲート311からの第2検査データの反転結果を第3ポートP3から受信し、受信した第2検査データの反転結果を第5ポートP5から出力することができる。メモリ315は、第1マルチプレクサ313からの第2検査データの反転結果を第6ポートP6から受信し、受信した第2検査データの反転結果を第7ポートP7から出力することができる。比較モジュール35は、メモリ315からの第2検査データの反転結果を第8ポートP8から受信することができる。これにより、比較モジュール35がエラー注入後の第2検査データを第8ポートP8から受信したことに該当し、次い、比較モジュール35は、第9ポートP9から受信した第1検査データと第8ポートP8から受信したエラー注入後の第2検査データとを比較し、その比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成することができる。
【0058】
ここで、第3検査結果信号は、第1検査データとエラー注入後の第2検査データが同一であるか否かを確定するために使用されることができる。第1検査データとエラー注入後の第2検査データが同一である場合、第3検査結果信号は、ハイレベル信号であり、第3検査結果信号を「1」と表現させることができ、そうでない場合、第3検査結果信号は、ローレベル信号であり、この第3検査結果信号を「0」と表現させることができる。
【0059】
第3検査結果信号は、後続の第1検査結果信号の生成に使用されることができる。
【0060】
選択的に、第1マルチプレクサ313は、診断(diagnosis)信号を受信することができ、第1マルチプレクサ313は、受信したdiagnosis信号に基づいて、故障診断回路が現在第1動作モードにあるか、第2動作モードにあるかを確定し、確定された動作モードに基づいて、第5ポートP5から、第2検査データを出力するか、エラー注入後の第2検査データを出力するかをさらに確定することができる。
【0061】
第1マルチプレクサ313が受信するdiagnosis信号は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)から直接受信されるものであってもよく、専用的にdiagnosis信号を記憶するためのレジスタから直接受信されるものであってもよく、このレジスタにおけるdiagnosis信号は、CPUにより書き込まることができる。
【0062】
選択的に、第1検査結果信号および第2検証結果信号の生成を実現するために、安全保護回路3は、第2NOTゲート37をさらに備える。
【0063】
比較モジュール35は、第2NOTゲート37を介して診断モジュール5に電気的に接続され、第2NOTゲート37による第3検査結果信号の反転結果は、第1検査結果信号となり、第2NOTゲート37による第4検査結果の反転結果は、第2検査結果信号となる。
【0064】
ここで、図3を参照すると、第2NOTゲート37は、第11ポートP11および第12ポートP12を有し、第11ポートP11は、第10ポートP10に電気的に接続され、第12ポートP12は、診断モジュール5に電気的に接続されることができる。第11ポートP11は、第2NOTゲート37の入力端として機能し、第12ポートP12は、第2NOTゲート37の出力端として機能することができる。
【0065】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、比較モジュール35は、第4検査結果信号を第10ポートP10から出力することができ、第2NOTゲート37は、比較モジュール35からの第4検査結果信号を第11ポートP11から受信することができ、第2NOTゲート37は、受信した第4検査結果信号に対して反転処理を実行して第4検査結果信号の反転結果を取得し、第4検査結果信号の反転結果を第12ポートP12から出力することができる。
【0066】
ここで、第4検査結果信号が「1」と表現された場合、第4検査結果信号の反転結果を「0」と表現させ、第4検査結果信号が「0」と表現された場合、第4検査結果信号の反転結果を「1」と表現させる。
【0067】
さらに、診断モジュール5は、比較モジュール35からの第4検査結果信号の反転結果を受信することができる。これにより、診断モジュール5が第2検査結果信号を受信したことに該当し、診断モジュール5は、それに応じて被保護回路1に対して故障診断を実行することができる。
【0068】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、比較モジュール35は、第3検査結果信号を第10ポートP10から出力することができ、第2NOTゲート37は、比較モジュール35からの第3検査結果信号を第11ポートP11から受信することができ、第2NOTゲート37は、受信した第3検査結果信号に対して反転処理を実行して第3検査結果信号の反転結果を取得し、第3検査結果信号の反転結果を第12ポートP12から出力することができる。
【0069】
ここで、第3検査結果信号が「1」と表現された場合、第3検査結果信号の反転結果を「0」と表現させ、第3検査結果信号が「0」と表現された場合、第3検査結果信号の反転結果を「1」と表現させる。
【0070】
さらに、診断モジュール5は、比較モジュール35からの第3検査結果信号の反転結果を受信することができる。これにより、診断モジュール5が第1検査結果信号を受信したことに該当し、診断モジュール5は、それに応じて安全保護回路3に対して故障診断を実行することができる。
【0071】
以上から分かるように、第2NOTゲート37の反転処理により、第4検査結果信号に基づいて第2検査結果信号を、第3検査結果に基づいて第1検査結果信号を効率的かつ確実に生成するできる。
【0072】
安全保護回路3に第2NOTゲート37を特に設ける必要はなく、この場合、第10ポートP10は、第2NOTゲート37を介して診断モジュール5に電気的に接続されることなく、診断モジュール5に直接に電気的に接続されてもよい。この場合、第3検査結果信号をそのまま第1検査結果信号として使用することができ、第4検査結果信号をそのまま第2検査結果信号として使用することができる。
【0073】
本開示の実施例では、計算モジュール33は、検査演算を効率的かつ確実に実行して第1検査データの取得を実現することができ、第1NOTゲート311、第1マルチプレクサ313およびメモリ315を含む処理モジュール31は、回路自体における反転処理を利用して、エラー注入後の第2検査データとしてのエラー値を特に計算する必要がなく、第2検査データのエラー注入を効率的かつ確実に実現することができ、その後、比較モジュール35は、対応する検査データの比較および対応する検査結果信号の生成を効率的かつ確実に実現し、生成された検査結果信号に基づいて、安全保護回路3および被保護回路1に対する故障診断を実現することができる。
【0074】
なお、被保護回路1における記憶済みデータは、更新可能であり、例えば、CPUは、データバスにより記憶済みデータを更新することができ、別の例として、被保護回路1は、ハードウェア自体の回路により記憶済みデータを更新することができる。被保護回路1における記憶済みデータが更新される場合、それに応じてメモリ315に記憶される第2検査データも更新される必要がある。
【0075】
選択的に、図3に示すように、メモリ315は、第13ポートP13を有することができ、第13ポートP13は、特定の回路に電気的に接続されることができ、この特定の回路は、データバスにより伝送される信号および/または図3に係るいくつかの信号に基づいて、メモリ315に記憶される第2検査データの更新条件を制御するための制御判定論理を生成する。
【0076】
ある選択的な例では、図4に示すように、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数であり、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、対応して電気的に接続され、図5に示すように、診断モジュール5は、第1論理ゲート51、第2論理ゲート53、および第2マルチプレクサ55を備える。
【0077】
第1論理ゲート51と第2論理ゲート53とは、いずれも各安全保護回路3に電気的に接続され、第1論理ゲート51と第2論理ゲート53とは、いずれも第2マルチプレクサ55にも電気的に接続される。
【0078】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、第2マルチプレクサ55は、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号を第1論理ゲート51で第1論理演算して得られた第1演算結果信号を出力し、第1の演算結果信号は、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを確定するために使用される。
【0079】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、第2マルチプレクサ55は、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号を第2論理ゲート53で第2論理演算して得られた第2演算結果信号を出力し、第2の演算結果信号は、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを確定するために使用される。
【0080】
ここで、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数(例えば、n)であることができ、nは、2、3、4、5、または5より大きい整数であることができ、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1は、1対1に対応して電気的に接続されることができる。
【0081】
ここで、第1論理ゲート51は、ORゲートであり、第1論理演算は、OR演算であり、第2論理ゲート53は、ANDゲートであり、第2論理演算は、AND演算であることができるか、あるいは、第1論理ゲート51は、ANDゲートであり、第1論理演算は、AND演算であり、第2論理ゲート53は、ORゲートであり、第2論理演算は、OR演算であることができる。
【0082】
ここで、第1論理ゲート51は、第14ポートP14を有し、第2論理ゲート53は、第15ポートP15を有し、第2マルチプレクサ55は、第16ポートP16、第17ポートP17および第18ポートP18を有し、第16ポートP16は、第14ポートP14に電気的に接続され、第17ポートP17は、第15ポートP15に電気的に接続されることができる。
【0083】
第14ポートP14は、第1論理ゲート51の出力端として機能し、第15ポートP15は、第2論理ゲート53の出力端として機能し、第16ポートP16と第17ポートとは、第2マルチプレクサ55の入力端として機能し、第18ポートP18は、第2マルチプレクサ55の出力端として機能することができる。
【0084】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、複数の安全保護回路3は、各自が生成した第2検査結果信号を出力し、第1論理ゲート51は、複数の入力端を介して複数の第2検査結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)を受信し、受信した複数の第2検査結果信号に対して第1論理演算を実行して第1演算結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity errorに相当)を取得し、第1演算結果信号を第14ポートP14から出力することができる。
【0085】
さらに、第2マルチプレクサ55は、第1論理ゲート51からの第1演算結果信号を第16ポートP16から受信し、受信した第1演算結果信号を第18ポートP18から出力し、関係者は、第1演算結果信号に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを把握することができる。
【0086】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の被保護回路1のいずれにも故障がない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現され、そうでない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorの少なくとも一部は、「1」と表現されることができる。
【0087】
したがって、第1論理ゲート51がORゲートである場合、第1動作モードでのParity errorが「0」と表現されると、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1が存在しないと判断され、第1動作モードでのParity errorが「1」と表現されると、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1が存在すると判断されることができる。
【0088】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、複数の安全保護回路3は、各自が生成した第1検査結果信号を出力し、第2論理ゲート53は、複数の入力端を介して複数の第1検査結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)を受信し、受信した複数の第1検査結果信号に対して第2論理演算を実行して第2演算結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity errorに相当)を取得し、第2演算結果信号を第15ポートP15から出力することができる。
【0089】
さらに、第2マルチプレクサ55は、第2論理ゲート53からの第2演算結果信号を第17ポートP17から受信し、受信した第2演算結果信号を第18ポートP18から出力し、関係者は、第2演算結果信号に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを把握することができる。
【0090】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「1」と表現され、そうでない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現されることができる。
【0091】
したがって、第2論理ゲート53がANDゲートである場合、第2動作モードでのParity errorが「1」と表現されると、故障診断回路における複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3が存在しないと判断され、第2動作モードでのParity errorが「0」と表現されると、故障診断回路における複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3が存在すると判断されることができる。
【0092】
選択的に、上記の第1マルチプレクサ313と同様に、第2マルチプレクサ55もdiagnosis信号を受信し、第2マルチプレクサ55は、受信したdiagnosis信号に基づいて、故障診断回路が現在第1動作モードにあるか、第2動作モードにあるかを判断することができる。
【0093】
本開示の実施例では、第1論理ゲート51、第2論理ゲート53および第2マルチプレクサ55を備える診断モジュール5の配置により、第1論理ゲート51での論理演算に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1があるかどうかを効率的かつ確実に診断することができ、第2論理ゲート53での論理演算に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3があるかどうかを効率的かつ確実に診断することができる。すなわち、本発明の実施例では、診断モジュール5は、被保護回路1に対する一括的な故障診断と安全保護回路3に対する一括的な故障診断を実現することができる。
【0094】
ある選択的な例では、図4に示すように、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数であり、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、対応して電気的に接続され、図5に示すように、診断モジュール5は、故障定位回路57を備える。
【0095】
故障定位回路57は、各安全保護回路3に電気的に接続される。
【0096】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、故障定位回路57は、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号に基づいて、複数の被保護回路1のうち故障された被保護回路1を指定するための第1指定信号を出力する。
【0097】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、故障定位回路57は、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号に基づいて、複数の安全保護回路3のうち故障された安全保護回路3を指定するための第2指定信号を出力する。
【0098】
ここで、安全保護回路3および被保護回路1の数は、いずれも複数(例えば、n)であることができ、nは、2、3、4、5、または5より大きい整数であることができ、複数の安全保護回路3と複数の被保護回路1とは、1対1に対応して電気的に接続されることができる。
【0099】
ここで、故障定位回路57は、第19ポートP19および第20ポートP20を有し、第19ポートP19および第20ポートP20は、それぞれ故障定位回路57の出力端として機能することができる。
【0100】
故障診断回路が第1動作モードにある場合、故障定位回路57は、例えば、error番号が低から高へ、または高から低への順のような設定された順序に従って、複数の安全保護回路3による複数の第2検査結果信号(第1動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)をスキャンして、複数の被保護回路1のうち故障がある被保護回路1を確定し、これに応じて第1指定信号(図4図5のfunction error number(function error number)に相当)を第19ポートP19から出力する。
【0101】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の被保護回路1のいずれにも故障がない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「0」と表現され、そうでない場合、第1動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのうち故障がある被保護回路1に対応するerrorが「1」と表現される。
【0102】
以上により、第1動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのいずれも「0」と表現される場合、function error numberは、デフォルト値としての「0」であることができ、関係者は、これに応じて、複数の被保護回路1のいずれにも故障がないことを把握することができ、第1動作モードにおいて、図4図5のParity 2 errorが「1」と表現される場合、function error numberは、「2」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができる。第1動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorとParity 2 errorとの両方が「1」と表現される場合、function error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができ、または、function error numberが「2」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する被保護回路1に故障があることを把握することができ、すなわち、故障された被保護回路1の数が少なくとも1つである場合、function error numberは、対応するerror番号が最大または最小の被保護回路1のみを指定することができる。
【0103】
故障診断回路が第2動作モードにある場合、故障定位回路57は、例えば、error番号が低から高へ、または高から低への順のような設定された順序に従って、複数の安全保護回路3による複数の第1検査結果信号(第2動作モードにある場合の、図4図5のParity 1 errorからParity n errorに相当)をスキャンして、複数の安全保護回路3のうち故障がある安全保護回路3を確定し、これに応じて第2指定信号(図4図5diagnosis error numberに相当)を第20ポートP20から出力することができる。
【0104】
具体的な例では、各安全保護回路3には、図3に示す第2NOTゲート37が設けられており、理論的に、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorは、いずれも「1」と表現され、そうでない場合、第2動作モードでは、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのうち故障がある安全保護回路3に対応するerrorが「0」と表現される。
【0105】
以上により、第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorからParity n errorのいずれも「1」と表現される場合、diagnosis error numberは、デフォルト値としての「0」であることができ、関係者は、これに応じて、複数の安全保護回路3のいずれにも故障がないことを把握することができ、第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorが「0」と表現される場合、diagnosis error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができる。第2動作モードにおいて、図4図5のParity 1 errorとParity 2 errorとの両方が「0」と表現される場合、diagnosis error numberは、「1」であることができ、関係者は、これに応じて、Parity 1 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができ、または、diagnosis error numberが「2」であるkとおができ、関係者は、これに応じて、Parity 2 errorに対応する安全保護回路3に故障があることを把握することができ、すなわち、故障された安全保護回路3の数が少なくとも1つである場合、diagnosis error numberは、対応するerror 番号が最大または最小の安全保護回路3のみを指定することができる。
【0106】
本開示の実施例では、故障定位回路57の配置により、すべての被保護回路1のエラーと安全保護回路3のエラーとを集約して位置決めることができ、具体的には、故障定位回路57は、第1動作モードでは第1指定信号を出力して故障された被保護回路1の位置を正確に指定し、第2動作モードでは第2指定信号を出力して故障された安全保護回路3の位置を正確に指定することができる。
【0107】
ある選択的な例では、図6に示すように、まず、故障診断回路を通常動作モードに設定し、電源投入して初期化した後、ソフトウェアでエラー注入機能を有効化させて故障診断回路をエラー注入モードに設定し、次に、エラー注入モードでエラーが検出されたかを確認する(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorがいずれも「1」と表現されたかを検出することに相当)。エラー注入モードでエラーが検出された場合(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorがいずれも「1」と表現された場合に相当)、テストに成功し、図4の各安全保護回路3に潜在的な故障がないと判断することができる。この場合、エラー注入機能をオフにして通常動作モードに切り替えることができる。
【0108】
エラー注入モードでエラーを検出することができなかった場合(第2動作モードで図4図5のParity 1 errorからParity n errorうちの少なくとも一部のerrorが「1」と表現されなかった場合に相当)、エラーの位置決めを行い(どの安全保護回路3に故障があるかを確定することに相当)、エラー処理を実行することができる。例えば、図4の各被保護回路1に記憶済みデータを改めて書込んたり、IP(Intellectual Property)モジュールを再起動したりし、ここで、IPモジュールは、一定の機能を実現可能なモジュールである。
【0109】
以上により、本開示の実施例に係る故障診断回路を使用すれば、通常動作モードでは、すべての被保護回路1を一括的に診断することができ、いずれかの被保護回路1が故障された場合、故障された被保護回路1の位置を正確に指定し、エラー注入モードでは、上記の第1NOTゲート311により反転処理を一括的に実行することができるので、個別的にエラー注入を行う必要がなく、エラー注入の効率を大幅に向上させ、ソフトウェアによる1回の操作のみですべての安全保護回路3を一括的に診断することができ、いずれかの安全保護回路3が故障された場合、故障された安全保護回路3の位置を正確に指定することができる。
【0110】
例示的な方法
図7は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断方法の概略的なフローチャートである。図7に示す方法は、上記の故障診断回路に適用され、ステップ701、ステップ702、ステップ703およびステップ704を含む。
【0111】
ステップ701では、被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0112】
ステップ702では、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0113】
ステップ703では、第1検査データとエラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0114】
ステップ704では、第1検査結果信号に基づいて、故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0115】
ある選択的な例では、図8に示すように、故障診断方法は
第1検査データと第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成するステップ711と、
第2検査結果信号に基づいて、被保護回路に対して故障診断を実行するステップ712と、
をさらに含む。
【0116】
本開示の実施例に係るいずれがの故障診断方法は、端末デバイスおよびサーバなどを含むがこれらに限定されない、データ処理機能を有する任意の適切な装置により実行されることができる。または、本開示の実施例に係るいずれがの故障診断方法は、プロセッサにより実行されてもよく、例えば、プロセッサは、記憶手段に記憶された対応の命令を呼び出すことにより、本開示の実施例で言及された故障診断方法のいずれかを実行する。その詳細な説明は省略する。
【0117】
例示的な装置
図9は、本開示の一例示的な実施例に係る故障診断装置の構造概略図である。図9に示す装置は、第1処理モジュール901、第2処理モジュール902、第1生成モジュール903および第3処理モジュール904を備える。
【0118】
第1処理モジュール901は、被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して、第1検査データを取得する。
【0119】
第2処理モジュール902は、記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する。
【0120】
第1生成モジュール903は、第1処理モジュール901による第1検査データと第2処理モジュール902によるエラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する。
【0121】
第3処理モジュール904は、第1生成モジュール903による第1検査結果信号に基づいて、故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する。
【0122】
ある選択的な例では、図10に示すように、故障診断装置は、
第1処理モジュール901による第1検査データと第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成する第2生成モジュール911と、
第2生成モジュール911による第2検査結果信号に基づいて、被保護回路に対して故障診断を実行する第4処理モジュール912と、
をさらに備える。
【0123】
例示的な電子デバイス
以下、図11を参照して、本開示の実施例に係る電子デバイスを説明する。電子デバイスは、第1デバイスおよび第2のデバイスのいずれかまたは両方、またはそれらから独立したスタンドアロンデバイスであってもよく、このスタンドアロンデバイスは、第1デバイスおよび第2デバイスと通信して、収集された入力データをそれらから受信することができる。
【0124】
図11は、本開示の実施例に係る電子デバイスのブロック図を示す。
【0125】
図11に示すように、電子デバイス1100は、1つまたは複数のプロセッサ1101および記憶手段1102を備える。
【0126】
プロセッサ1101は、CPU、またはデータ処理能力および/または命令実行能力を有する他の形態の処理ユニットであってもよく、所望の機能を実行するために電子デバイス1100内の他のコンポーネントを制御することがてぎる。
【0127】
記憶手段1102は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリなどの様々な形態のコンピュータ可読記憶媒体を含む1つまたは複数のコンピュータプログラム製品を備えることができる。前記揮発性メモリには、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはキャッシュメモリ(cache)などが含まれ得る。前記不揮発性メモリには、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどが含まれ得る。前記コンピュータ可読記憶媒体には、1つまたは複数のコンピュータプログラム命令が記憶されることができ、プロセッサ1101は、前記プログラム命令を実行して、上記の本開示の各実施例の故障診断方法および/または他の所望の機能を実現することができる。前記コンピュータ可読記憶媒体には、入力信号、信号成分、ノイズ成分などの様々なコンテンツも記憶され得る。
【0128】
一例では、電子デバイス1100は、バスシステムおよび/または他の形態の接続手段(図示せず)を介して互いに接続される、入力装置1103および出力装置1104をさらに備えることができる。
【0129】
例えば、電子デバイスが第1デバイスまたは第2デバイスである場合、入力装置1103は、マイクまたはマイクアレイであってもよい。電子デバイスがスタンドアロンデバイスである場合、入力装置13は、収集された入力信号を第1デバイスおよび第2デバイスから受信するための通信ネットワークコネクタであってもよい。
【0130】
また、入力装置1103には、例えば、キーボードやマウス等が含まれてもよい。
【0131】
出力装置1104は、確定された距離情報や方向情報などの様々な情報を外部に出力することができる。出力装置1104は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ、通信ネットワークおよびそれに接続されるリモート出力デバイスなどを含むことができる。
【0132】
簡略化のために、図11には、電子デバイス1100内の、本開示に関連するコンポーネントの一部のみが示され、バス、入出力インターフェースなどのコンポーネントは省略されている。さらに、具体的な応用状況に応じて、電子デバイス1100は、他の任意の適切なコンポーネントをさらに備えることができる。
【0133】
例示的なコンピュータプログラム製品およびコンピュータ可読記憶媒体
本開示の実施例は、上記の方法及び機器に加え、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であることができる。前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、本明細書の上記「例示的な方法」部分に記載の本開示の様々な実施例に係る故障診断方法におけるステップを実行させる。
【0134】
以上、具体的な実施例を参照しながら本開示の基本的原理を説明してきたが、本開示に言及された利点、長所、効果などは、例示に過ぎず、限定的なものではない。本開示の様々な実施例がそれらの利点、長所、効果を必ずしも備えることではない。また、上記開示の具体的な細部は、例示的な作用及び理解しやすい作用のためにのものにすぎず、限定的なものではなく、上記細部は、本開示を必ずしも上記具体的な詳細により実現されるように制限するものではない。
【0135】
本明細書における各実施例は、逐次的な方法で説明されており、各実施例では、主に他の実施例との相違点を重点として説明し、各実施例間の同一又は類似の部分は、互に参照すればよい。システムの実施例については、基本的に方法の実施例に対応するため、比較的簡単に説明したが、関連部分は方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0136】
本開示に係るデバイス、装置、機器、システムのブロック図は、単なる例示的なものに過ぎず、必ずしもブロック図に示すような方式で接続、配置、構成されることを要求又は暗示することを意図しない。当業者が理解できるように認識するように、これらのデバイス、装置、機器、システムを任意の形態で接続、レイアウト、配置することができる。
【0137】
本開示の方法及び装置は、多くの形態で実現され得る。例えば、本開示の方法及び装置は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアのいかなる組み合わせで実現され得る。前記方法に使用されるステップの上記順序は、単なる説明のためのものであり、本開示の方法のステップは、特に他の形態で説明しない限り、以上具体的に説明された順序に限定されない。また、いくつかの実施例では、本開示は、記録媒体に記録されたプログラムとして実施されてもよく、これらのプログラムは、本開示に係る方法を実現するための機械読み取り可能な命令を含む。したがって、本開示に係る方法を実行するためのプログラムを記憶する記録媒体も本開示に含まれる。
【0138】
また、本開示の装置、機器、及び方法において、各部材又は各ステップは、分解及び/又は再度組み合わせされてもよいことに指摘されたい。これらの分解及び/又は再度組み合わせは、本開示の同等な形態とみなされるべきである。
【0139】
開示された態様の上記の説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者にとって非常に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示された態様に制限されることを意図しておらず、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に従うものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全保護回路と、診断モジュールと、を備え、
前記安全保護回路は、被保護回路に電気的に接続されており、前記被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得し、前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行し、前記第1検査データおよび前記エラー注入後の第2検査データに基づいて、第1検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記安全保護回路と電気的に接続されており、前記第1検査結果信号に基づいて、前記安全保護回路に対して故障診断を実行することを特徴とする故障診断回路。
【請求項2】
前記安全保護回路は、前記第1検査データおよび前記第2検査データに基づいて、第2検査結果信号を生成し、
前記診断モジュールは、前記第2検査データに基づいて、前記被保護回路に対して故障診断を実行することを特徴とする請求項1に記載の故障診断回路。
【請求項3】
前記安全保護回路は、処理モジュールと、計算モジュールと、比較モジュールとを備え、
前記比較モジュールは、前記処理モジュール、前記計算モジュールおよび前記診断モジュールに電気的に接続され、前記計算モジュールは、前記被保護回路にも電気的に接続され、
前記計算モジュールは、前記記憶済みデータに対して検査演算を実行して前記第1検査データを取得し、
前記処理モジュールは、前記第2検査データに対してエラー注入を実行し、
前記比較モジュールは、前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとの比較結果に基づいて、第3検査結果信号を生成し、前記第1検査結果信号は、前記第3検査結果信号に基づいて生成され、
前記比較モジュールは、前記第1検査データと前記第2検査データとの比較結果に基づいて、第4検査結果信号を生成し、前記第2検査結果信号は、前記第4検査結果信号に基づいて生成されることを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項4】
前記処理モジュールは、第1NOTゲートと、第1マルチプレクサと、メモリと、を備え、
前記第1マルチプレクサは、前記メモリに電気的に接続され、前記メモリは、前記第1NOTゲートを介して前記第1マルチプレクサにも電気的に接続され、前記第1マルチプレクサは、データバスにも電気的に接続され、前記メモリは、前記比較モジュールにも電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記第1マルチプレクサは、前記データバスにより取得された前記第2検査データを出力することにより、前記メモリに前記第2検査データを記憶させ、その第2検査データを前記比較モジュールに出力させ、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記第1マルチプレクサは、前記第1NOTゲートによる前記メモリに記憶の前記第2検査データに対する反転結果を出力することにより、前記メモリが前記第2検査データの反転結果を前記比較モジュールに出力し、この第2検査データの反転結果を前記エラー注入後の第2検査データとすることを特徴とする請求項3に記載の故障診断回路。
【請求項5】
前記安全保護回路は、第2NOTゲートをさらに備え、
前記比較モジュールは、前記第2NOTゲートを介して前記診断モジュールに電気的に接続され、前記第2NOTゲートによる前記第3検査結果信号の反転結果は、第1検査結果信号となり、前記第2NOTゲートによる前記第4検査結果の反転結果は、第2検査結果信号となることを特徴とする請求項4に記載の故障診断回路。
【請求項6】
前記安全保護回路および前記被保護回路の数は、いずれも複数であり、複数の前記安全保護回路と複数の前記被保護回路とは、対応して電気的に接続され、前記診断モジュールは、第1論理ゲートと、第2論理ゲートと、第2マルチプレクサと、を備え、
前記第1論理ゲートと前記第2論理ゲートとは、いずれも各前記安全保護回路に電気的に接続され、前記第1論理ゲートと前記第2論理ゲートとは、いずれも前記第2マルチプレクサにも電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記第2マルチプレクサは、複数の前記安全保護回路による複数の前記第2検査結果信号を前記第1論理ゲートで第1論理演算して得られた第1演算結果信号を出力し、前記第1演算結果信号は、複数の前記被保護回路のうち故障された前記被保護回路があるかどうかを確定し、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記第2マルチプレクサは、複数の前記安全保護回路による複数の前記第1検査結果信号を前記第2論理ゲートで第2論理演算して得られた第2演算結果信号を出力し、前記第2演算結果信号は、複数の前記安全保護回路のうち故障された前記安全保護回路があるかどうかを確定することを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項7】
前記安全保護回路および前記被保護回路の数は、いずれも複数であり、複数の前記安全保護回路と複数の前記被保護回路とは、対応して電気的に接続され、前記診断モジュールは、故障定位回路を備え、
前記故障定位回路は、各前記安全保護回路に電気的に接続され、
前記故障診断回路が第1動作モードにある場合、前記故障定位回路は、複数の前記安全保護回路による複数の前記第2検査結果信号に基づいて、複数の前記被保護回路のうち故障された前記被保護回路を指定するための第1指定信号を出力し、
前記故障診断回路が第2動作モードにある場合、前記故障定位回路は、複数の前記安全保護回路による複数の前記第1検査結果信号に基づいて、複数の前記安全保護回路のうち故障された前記安全保護回路を指定するための第2指定信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の故障診断回路。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の故障診断回路に適用され、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得するステップと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行するステップと、
前記第1検査データと前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成するステップと、
前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行するステップと、を含むことを特徴とする故障診断方法。
【請求項9】
前記第1検査データと前記第2検査データとに基づいて、第2検査結果信号を生成するステップと、
前記第2検査結果データに基づいて、前記被保護回路に対して故障診断を実行するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の故障診断方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の故障診断回路に適用され、
被保護回路における記憶済みデータに対して検査演算を実行して第1検査データを取得する第1処理モジュールと、
前記記憶済みデータに対応する第2検査データに対してエラー注入を実行する第2処理モジュールと、
前記第1処理モジュールによる前記第1検査データと前記第2処理モジュールによる前記エラー注入後の第2検査データとに基づいて、第1検査結果信号を生成する第1生成モジュールと、
前記第1生成モジュールによる前記第1検査結果信号に基づいて、前記故障診断回路における安全保護回路に対して故障診断を実行する第3処理モジュールと、を備えることを特徴とする故障診断装置。
【請求項11】
請求項8に記載の故障診断方法を実行するためのコンピュータープログラムが記憶されることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な命令を記憶するための記憶手段と、備え、
前記プロセッサは、前記記憶手段から前記実行可能な命令を読み取って実行して、請求項8に記載の故障診断方法を実現することを特徴とする電子デバイス。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【国際調査報告】