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特表2024-503676二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーター
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  • 特表-二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーター
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
C12M3/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542633
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022100136
(87)【国際公開番号】W WO2023000901
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110825839.9
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523129077
【氏名又は名称】青島海尓生物医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER BIOMEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 280 Fengyuan Road, High-tech Zone Qingdao, Shandong 266111, China
(71)【出願人】
【識別番号】523129088
【氏名又は名称】青島海尓生物医療股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER BIOMEDICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, Economic Technology Development Zone Qingdao, Shandong 266510, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 歓
(72)【発明者】
【氏名】劉 占杰
(72)【発明者】
【氏名】陳 海涛
(72)【発明者】
【氏名】唐 先双
(72)【発明者】
【氏名】胡 偉
(72)【発明者】
【氏名】夏 元通
(72)【発明者】
【氏名】段 澤鵬
(72)【発明者】
【氏名】鞠 煥文
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA14
4B029BB01
4B029DD06
4B029DF01
(57)【要約】
本出願は、温度制御技術分野に関し、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を開示する。ボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを取得し、パワーインデックスにより二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を取得するとともに、この戦略に従って各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整することによって、二酸化炭素インキュベーターによる内面のヒーター線それぞれの制御を実現し、二酸化炭素インキュベーターに結露が発生することを防止し、複数の制御アルゴリズムにより算出する必要がなくヒーター線に対する制御を実現し、アルゴリズムの冗長化を低減させ、制御効率を向上させ、システムリソースを節約する。本出願は、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置及び二酸化炭素インキュベーターも開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法であって、前記二酸化炭素インキュベーターの複数の内面にはいずれもヒーター線が設けられ、前記方法は、
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップと、
前記現在温度が目標温度以下である場合に、前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップと、
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップと、を含む
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップは、
前記現在温度を取得するステップと、
前記現在温度と前記目標温度を比例・積分・微分PIDアルゴリズムに入力して、前記パワーインデックスを出力するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップは、
予め設定されたパワーテーブルに基づいて、前記パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線パワーを特定するステップ、及び/又は、
予め設定されたタイムテーブルに基づいて、前記パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線の出力時間を特定するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップは、
前記各内面のヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを所定パワーに調整するステップ、及び/又は、
前記各内面のヒーター線の出力時間に従って、各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整した後は、さらに、
第1設定時間後、前記二酸化炭素インキュベーターボックスの第1現在温度と温度変化速度を取得するステップと、
前記第1現在温度、前記温度変化速度及び残り時間に基づいて、第2現在温度を算出するステップと、
前記第2現在温度が前記目標温度よりも小さい場合に、前記第1現在温度と前記第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整するステップとを、含み、
ここで、前記残り時間は、前記目標温度に達する時間と、前記第1設定時間との時間差値である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1現在温度及び前記温度変化速度に基づいて第2現在温度を算出するステップは、
T2=T1+t×Vを算出するステップを含み、
ここで、T2が前記第2現在温度、T1が前記第1現在温度、tが前記残り時間、Vが前記温度変化速度である
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1現在温度と前記第2現在温度の差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する前記ステップは、
予め設定された対応関係に基づいて、前記差値に対応する前記各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を特定するステップ、
前記ヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに調整するステップ、及び/又は、
前記ヒーター線の出力時間に従って前記各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定した後は、さらに、
現在温度が目標温度よりも大きい場合に、前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップと、
前記各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、且つ/又は各内面のヒーター線の出力時間を低減させるステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、プログラム指令が記憶されたメモリーとを含む二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置であって、前記プロセッサは、前記プログラム指令の実行時に、請求項1から8のいずれか一項に記載の二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を実行する
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置。
【請求項10】
複数の内面にいずれもヒーター線が設けられ、各内面のヒーター線が対応するシリコン制御整流器によって制御される二酸化炭素インキュベーターであって、請求項9に記載の二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置をさらに含む
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、温度制御技術分野に関し、例えば、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素インキュベーターは、インキュベーターボックス内で細胞/組織の生物体内における成長環境に類似した環境を模倣形成することにより、細胞/組織の体外培養を行う装置であり、細胞、組織、細菌の培養用の先進的な機器であり、免疫学、腫瘍学、遺伝学、生物工学を展開するための必要で重要な機器である。これによって、このような機器は温度、湿度、内部環境に非常に厳しい要求を持っているが、二酸化炭素インキュベーターは、使用中にしばしば結露の問題が発生するが、結露は細菌の繁殖を促すため、これは二酸化炭素インキュベーターで許容されない。
【0003】
従来技術には、二酸化炭素インキュベーターの各面の複数のヒーター線のパワーを制御することによって結露の問題を解決する技術手段があり、通常、複数のPID(Proportion,Integration,Differentiation 比例・積分・微分)アルゴリズムにより各ヒーター線のパワーをそれぞれ制御し、或いは1つのシリコン制御整流器により各面の複数のヒーター線パワーを制御することによって、各面の複数のヒーター線のパワーに対する制御を実現する。
【0004】
本開示の実施例の実現中、関連技術に少なくとも下記の問題があることを発見した。
【0005】
複数のPIDアルゴリズムにより複数のヒーター線のパワーをそれぞれ制御し、よって二酸化炭素インキュベーターの各面の複数のヒーター線のパワーに対する制御が非常に面倒くさく冗長化になり、システムリソースが浪費される。
【発明の概要】
【0006】
以下、開示された実施例のいくつかの態様を基本的に理解するために、簡単な概要が示される。前記概要は、一般的な説明を行うものでもなく、重要な構成要素を特定したり、これらの実施例の保護範囲を記述したりするものでもなく、後の詳細な説明の序文である。
【0007】
本開示の実施例は、二酸化炭素インキュベーターの各面のヒーター線のパワーに対する制御の効率を向上させ、システムリソースを節約するように、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーターを提供する。
【0008】
いくつかの実施例において、二酸化炭素インキュベーターの複数の内面にはいずれもヒーター線が設けられ、前記方法は、
二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップと、
現在温度が目標温度以下である場合に、パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップと、
各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記装置は、
プロセッサと、プログラム指令が記憶されたメモリーと、を含み、プロセッサは、上記プログラム指令の実行時に、上記した二酸化炭素インキュベーター用の制御方法を実行するように配置される。
【0010】
いくつかの実施例において、前記二酸化炭素インキュベーターは、
上記した二酸化炭素インキュベーター用の制御装置を含む。
【0011】
本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法、装置及び二酸化炭素インキュベーターは、下記の技術効果を奏することができる。
【0012】
現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを取得し、パワーインデックスにより二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を取得するとともに、この戦略に従って各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整することによって、二酸化炭素インキュベーターによる内面のヒーター線のそれぞれの制御を実現し、二酸化炭素インキュベーターに結露が発生することを防止し、複数の制御アルゴリズムにより算出する必要がなくヒーター線に対する制御を実現し、アルゴリズムの冗長化を低減させ、制御効率を向上させ、システムリソースを節約する。
【0013】
上記の全体的な説明および後述の説明は、例示的および解説的な目的であり、本出願を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
1つ又は複数の実施例は、それらに対応する図面により例示的に説明され、これらの例示的な説明および図面は、実施例に対する制限を構成するものではなく、図面中の同じ参照符号を持つ素子は、類似の素子として示され、図面は比例制限を構成しない。
【0015】
図1】本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法の概略図である。
図2】本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法の概略図である。
図3】本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法の概略図である。
図4】本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法の概略図である。
図5】本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施例の特徴および技術内容をより詳細に理解するために、以下に図面を合わせて本開示の実施例の実施について詳細的に説明し、添付の図面は、本開示の実施例を制限するためのものではなく、参照説明のためにのみ提供される。以下の技術的説明では、解釈の便宜上、複数の詳細によって開示された実施例に対する十分な理解を提供する。しかしながら、これらの詳細がない場合にも、1つ又は複数の実施例が依然として実施可能である。他の場合には、図面を簡単化するために、既知の構造や装置は簡単化して表示されてもよい。
【0017】
本開示の実施例の説明書、特許請求の範囲、および上記の図面における用語「第1」、「第2」などは、類似の対象を区別するために使用されるもので、特定の順序や前後順序を説明するために必要ではない。このように使用されるデータは、ここで本開示の実施例を説明するために、適当な場合に交換可能であると理解すべきである。また、「含む」及び「有する」という用語、およびそれらの任意の変形は、非独占的な包含をカバーすることを意図する。
【0018】
「複数」という用語は、特に説明がない限り、2つ以上を表すという意味である。
【0019】
本開示の実施例において、キャラクター「/」は前後の対象が「または」の関係であることを示す。例えば、A/Bは、A又はBを表す。
【0020】
用語「及び/又は」は、対象の関連性を説明するもので、3つの関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、A、又はB、あるいは、A及びBという3つの関係を表す。
【0021】
用語「対応」は関連付けやバインディングの関係を指すことができ、「AとBが対応する」とは、AとBの間に関連付けやバインディングの関係があるという意味である。
【0022】
図1を参照して示すように、本開示の実施例は、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を提供し、この方法は下記のステップを含む。
【0023】
S01であって、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定する。
【0024】
S02であって、現在温度が目標温度以下である場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の加熱戦略を特定する。
【0025】
S03であって、二酸化炭素インキュベーターは、各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整する。
【0026】
本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を用いて、現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを取得し、次に、パワーインデックスにより二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を取得するとともに、この戦略に従って各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整することによって、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線に対するそれぞれの制御を実現し、二酸化炭素インキュベーターに結露が生じることを防止する。本実施例は、1つのアルゴリズムだけで1つのパワーインデックスを取得でき、このパワーインデックスによりテーブルをチェックすると、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線の加熱戦略を取得できる。複数の制御アルゴリズムによりそれぞれ算出する必要がなくヒーター線に対する制御を実現し、アルゴリズムの冗長化を低減させ、制御効率を向上させ、システムリソースを節約する。
【0027】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップは、二酸化炭素インキュベーターが現在温度を取得するステップと、二酸化炭素インキュベーターが現在温度と目標温度を比例・積分・微分PIDアルゴリズムに入力し、パワーインデックスを出力するステップと、を含む。
【0028】
このように、PIDアルゴリズムを用いて、二酸化炭素インキュベーターの内部の現在温度と目標温度をPIDアルゴリズムの入力値として、パワーインデックスを取得することができる。1つのPIDアルゴリズムによりパワーインデックスを算出するのは、従来技術において複数のPIDアルゴリズムにより二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱パワーをそれぞれ算出する手段に比べると、本実施例で複数のPIDアルゴリズムによる制御冗長化が低減し、システムリソースが節約され、制御効率が向上する。
【0029】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターがパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップは、二酸化炭素インキュベーターが予め設定されたパワーテーブルに基づいて、パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線パワーを特定するステップ、及び/又は、二酸化炭素インキュベーターが予め設定されたタイムテーブルに基づいて、パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線出力時間を特定するステップを含む。
【0030】
このように、予め設定されたパワーテーブルにより、パワーインデックスに基づいてパワーテーブルにおける対応の各内面のヒーター線のパワーを検索し、即ち1つのパワーインデックスだけで、各内面におけるヒーター線の制御戦略を取得することができる。或いは、予め設定されたタイムテーブルにより、1つのパワーインデックスだけで、タイムテーブルの対応する箇所で各内面のヒーター線の出力時間を取得することができる。或いは、予め設定されたパワーテーブル及びタイムテーブルにより、1つのパワーインデックスだけで、各内面のヒーター線の出力時間及びパワーを取得することができる。
【0031】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップは、二酸化炭素インキュベーターが各内面のヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを所定パワーに調整するステップ、及び/又は、二酸化炭素インキュベーターが各内面のヒーター線の出力時間に従って、各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップを含む。
【0032】
ここで、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップは、シリコン制御整流器により実現されることができる。具体的には、二酸化炭素インキュベーターの複数の内面にシリコン制御整流器を設け、1つのシリコン制御整流器ごとに1つの内面のヒーター線があり、特定された各内面のヒーター線の出力時間に基づいて、シリコン制御整流器に付値して、ヒーター線の開始・停止を制御するようにしてもよい。
【0033】
このように、パワーテーブルによって特定された各内面のヒーター線のパワーに基づいて、各内面のヒーター線を所定パワーに制御し、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線のパワーに対するそれぞれの制御を実現し、各内面のヒーター線のパワーを合理的に割り当て、結露の発生を防止する。或いは、タイムテーブルによって特定された各内面のヒーター線の出力時間に基づき、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御し、各内面のヒーター線の開始・停止を制御することによって1つの加熱段階でのヒーター線の出力時間を制御して、ヒーター線のパワーを割り当て、二酸化炭素インキュベーターの複数の内面に対するそれぞれの制御を実現し、結露の発生を防止する。或いは、パワーテーブル及びタイムテーブルに基づいて各内面のヒーター線のパワー及び出力時間を特定し、各内面のヒーター線のパワーの大きさ及び開始・停止時点を制御し、二酸化炭素インキュベーターの複数の内面に対するそれぞれの制御を実現し、結露の発生を防止する。
【0034】
図2を参照して示すように、本開示の実施例は、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を提供し、この方法は下記のステップを含む。
【0035】
S01であって、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定する。
【0036】
S02であって、現在温度が目標温度以下である場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の加熱戦略を特定する。
【0037】
S03であって、二酸化炭素インキュベーターは、各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整する。
【0038】
S21であって、第1設定時間後、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの第1現在温度と温度変化速度を取得する。
【0039】
S22であって、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度、温度変化速度及び残り時間に基づいて、第2現在温度を算出する。
【0040】
S23であって、第2現在温度が目標温度よりも小さい場合に、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度と第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する。
【0041】
ここで、残り時間は、目標温度に達する時間と、第1設定時間との時間差値である。
【0042】
本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を用い、第1設定時間後、二酸化炭素インキュベーターボックスの第1現在温度及び温度変化速度を取得し、残り時間が経った後、二酸化炭素インキュベーター内部の温度が目標温度に達するか否かを予測することができる。目標温度に達していない場合に、この際に二酸化炭素インキュベーター内の各内面の加熱戦略が需要を満たすことができず、結露が発生する恐れがあると説明される。したがって、予測された第2リンク温度と目標温度との差値に基づいて、改めて加熱戦略を特定し、加熱戦略に従って各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する。二酸化炭素インキュベーターが加熱戦略を特定し、加熱戦略に従ってヒーター線を調整した後に緊急状況が発生し、設定時間において目標温度に達することを実現できないことを回避し、二酸化炭素インキュベーターの適用性を向上させる。
【0043】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが第1現在温度及び温度変化速度に基づいて第2現在温度を算出するステップは、二酸化炭素インキュベーターがT2=T1+t×Vを算出するステップを含み、ここで、T2が第2現在温度、T1が第1現在温度、tが残り時間、Vが温度変化速度である。
【0044】
このように、残り時間と温度変化率との積を算出すると、残り時間が経った温度の変化値を取得でき、この温度の変化値を現在検出した第1リンク温度と合計すると、残り時間が経った第2現在温度を予測できる。
【0045】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが第1現在温度と第2現在温度との差に基づいて各内面のヒーター線のパワーを調整するステップは、二酸化炭素インキュベーターが予め設定された対応関係に基づいて、差値と対応する各内面のヒーター線のパワーを特定するステップと、二酸化炭素インキュベーターがヒーター線のパワーにしたがって、各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに調整するステップと、を含む。
【0046】
このように、予め設定された対応関係に基づいて、差値に対応する各内面のヒーター線のパワーを特定し、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線について制御戦略を作成するとともに、ヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに調整する。対応する制御戦略に基づいて各内面のヒーター線を制御し、二酸化炭素インキュベーターを設定時間で目標温度に達するようにして、緊急状況の対応を実現し、二酸化炭素インキュベーターの適用性を向上させる。
【0047】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが第1現在温度と第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線の出力時間を調整するステップは、二酸化炭素インキュベーターが予め設定された対応関係に基づいて、差値に対応する各内面の出力時間を特定するステップと、二酸化炭素インキュベーターがヒーター線の出力時間に従って、各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップとを含む。
【0048】
このように、予め設定された対応関係に基づいて、差値に対応する各内面の出力時間を特定し、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線について制御戦略を作成するとともに、ヒーター線の出力時間に従って各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御し、対応する制御戦略に従って各内面のヒーター線を制御し、二酸化炭素インキュベーターが設定時間で目標温度に達するようにして、緊急状況の対応を実現し、二酸化炭素インキュベーターの適用性を向上させる。
【0049】
好ましくは、二酸化炭素インキュベーターが第1現在温度と第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び出力時間を調整するステップは、二酸化炭素インキュベーターが予め設定された対応関係に基づいて、差値に対応する各内面のヒーター線のパワー及び出力時間を特定するステップと、二酸化炭素インキュベーターがヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに調整するステップと、二酸化炭素インキュベーターがヒーター線の出力時間に従って、各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップと、を含む。
【0050】
このように、予め設定された対応関係に基づいて、差値に対応する各内面のヒーター線及び出力時間を特定し、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線について制御戦略を作成するとともに、ヒーター線のパワーに従って各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに制御し、ヒーター線の出力時間に従って各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御し、対応する制御戦略に従って各内面のヒーター線を制御し、二酸化炭素インキュベーターが設定時間で目標温度に達するようにして、緊急状況の対応を実現し、二酸化炭素インキュベーターの適用性を向上させる。
【0051】
図3を参照して示すように、本開示の実施例は、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を提供し、この方法は下記のステップを含む。
【0052】
S01であって、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定する。
【0053】
S02であって、現在温度が目標温度以下である場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の加熱戦略を特定する。
【0054】
S03であって、二酸化炭素インキュベーターは、各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整する。
【0055】
S31であって、現在温度が目標温度よりも大きい場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の温度制御戦略を特定する。
【0056】
S32であって、二酸化炭素インキュベーターは各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、且つ/又は各内面のヒーター線の出力時間を低減させる。
【0057】
S21であって、第1設定時間後、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの第1現在温度と温度変化速度を取得する。
【0058】
S22であって、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度、温度変化速度及び残り時間に基づいて、第2現在温度を算出する。
【0059】
S23であって、第2現在温度が目標温度よりも小さい場合に、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度と第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する。
【0060】
ここで、残り時間は、目標温度に達する時間と、第1設定時間との時間差値である。
【0061】
本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を用い、二酸化炭素インキュベーター内部の現在温度が目標温度よりも大きい場合に、この際、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線を制御し、やみくもに加熱効率を上げると、二酸化炭素インキュベーター内部のサンプルの保存を破壊することがあるので、二酸化炭素インキュベーターに対して対応する制御戦略を作成する必要がある。現在温度が目標温度よりも大きい場合に、パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の温度制御戦略を特定するとともに、各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、或いは、各内面のヒーター線の出力時間を低減させ、或いは、各内面のヒーター線のパワーを低減させるとともに、各内面のヒーター線の出力時間を低減させることができる。各内面におけるヒーター線から出力された熱を低減させ、その加熱効率を低減させるようにする。よって、二酸化炭素インキュベーター内部の生物保存機能を保証し、内部サンプルへの破壊を回避する。
【0062】
図4を参照して示すように、本開示の実施例は、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を提供し、この方法は下記のステップを含む。
【0063】
S01であって、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定する。
【0064】
S02であって、現在温度が目標温度以下である場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の加熱戦略を特定する。
【0065】
S03であって、二酸化炭素インキュベーターは、各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整する。
【0066】
S21であって、第1設定時間後、二酸化炭素インキュベーターは、ボックスの第1現在温度と温度変化速度を取得する。
【0067】
S22であって、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度、温度変化速度及び残り時間に基づいて、第2現在温度を算出する。
【0068】
S23であって、第2現在温度が目標温度よりも小さい場合に、二酸化炭素インキュベーターは、第1現在温度と第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する。
【0069】
S31であって、現在温度が目標温度よりも大きい場合に、二酸化炭素インキュベーターはパワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして各内面の温度制御戦略を特定する。
【0070】
S32であって、二酸化炭素インキュベーターは各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、且つ/又は各内面のヒーター線の出力時間を低減させる。
【0071】
ここで、残り時間は、目標温度に達する時間と、第1設定時間との時間差値である。
【0072】
本開示の実施例で提供される二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を用い、二酸化炭素インキュベーター内部の現在温度が目標温度よりも大きい場合に、この際、二酸化炭素インキュベーターの各内面のヒーター線を制御し、やみくもに加熱効率を上げると、二酸化炭素インキュベーター内部のサンプルの保存を破壊することがあるので、二酸化炭素インキュベーターに対して対応する制御戦略を作成する必要がある。現在温度が目標温度よりも大きい場合に、パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の温度制御戦略を特定するとともに、各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、或いは、各内面のヒーター線の出力時間を低減させ、或いは、各内面のヒーター線のパワーを低減させるとともに、各内面のヒーター線の出力時間を低減させることができる。各内面におけるヒーター線から出力された熱を低減させ、その加熱効率を低減させるようにする。よって、二酸化炭素インキュベーター内部の生物保存機能を保証し、内部サンプルへの破壊を回避する。
【0073】
図5を参照して示すように、本開示の実施例は、プロセッサ(processor)100とメモリー(memory)101を含む、二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置を提供する。好ましくは、この装置は、通信インターフェース(Communication Interface)102とバス103をさらに含んでもよい。ここで、プロセッサ100、通信インターフェース102、メモリー101は、バス103により相互間の通信を完了することができる。通信インターフェース102は情報転送用のものであってもよい。プロセッサ100は、上記実施例の二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を実行するように、メモリー101におけるロジック指令を呼び出すことができる。
【0074】
また、上記したメモリー101におけるロジック指令は、ソフトウェア機能ユニットの形で実現され、独立した製品として販売され又は利用されることができる場合に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0075】
メモリー101は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム、例えば本開示の実施例における方法に対応するプログラム指令/モジュールの記憶に用いることができる。プロセッサ100は、メモリー101に記憶されたプログラム指令/モジュールを実行することにより、機能的なアプリケーションおよびデータ処理を実行し、即ち上記実施例における二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を実現する。
【0076】
メモリー101は、記憶プログラム領域及び記憶データ領域を含み、記憶プログラム領域には、オペレーティング・システム、少なくとも1つの機能に所要のアプリケーションが記憶され、記憶データ領域には、端末機器の使用に基づいて作成されたデータ等が記憶されるようにしてもよい。また、メモリー101は、高速ランダムアクセスメモリーを含んでもよいし、不揮発性メモリーを含んでもよい。
【0077】
本開示の実施例は、複数の内面にいずれもヒーター線が設けられ、各内面のヒーター線が対応するシリコン制御整流器によって制御される二酸化炭素インキュベーターを提供し、上記した二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置も含む。
【0078】
本開示の実施例は、上記した二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を実行するように設置されるコンピュータ実行可能命令が記憶された記憶媒体を提供する。
【0079】
上記した記憶媒体は、一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよいし、非一時的な記憶媒体であってもよい。
【0080】
本開示の実施例の技術手段は、ソフトウェア製品の形で体現されてもよく、このコンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワークデバイスなどであってもよい。)が本開示の実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行するように、1つ又は複数の指令を含む。なお、前記記憶媒体は、Uディスク、携帯ハードディスク、読み取り専用メモリー(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリー(RAM,Random Access Memory)、ディスクやCD等の複数種類のプログラムコード記憶可能媒体を含む非一時的な記憶媒体であってもよいし、一時的な記憶媒体であってもよい。
【0081】
上記の説明および図面は、当業者が本開示の実施例を実践できるように、本開示の実施例を十分に示す。他の実施例には、構造的、論理的、電気的、過程的、その他の変更が含まれてもよい。実施例は、可能な変化のみを表す。明示的な要求がない限り、個別の部品や機能は選択可能であり、操作順序も変更可能である。いくつかの実施例の部分や特徴は、他の実施例の部分や特徴に含まれたり、置き換えたりしてもよい。そして、本出願で使用される用語は、実施例を説明するためにのみ使用され、請求項を制限するためには使用されない。本開示の実施例および請求項の記載で使用されるように、用語「1つ」、「前記」などの単数形は、文脈が明示的に示されていない限り、複数形をも同様に含む。同様に、本出願で使用される「及び/又は」という用語とは、関連付けて示された1つ以上の可能な任意、及びすべての組み合わせを指す。また、本出願に用いられる場合に、「含む」(comprise)及びその派生語「含まれる」(comprises)及び/又は「含み」(comprising)等の用語とは、記載された特徴、全体、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指すが、1つ以上のその他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、コンポーネントおよび/またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではない。追加の制限がない限り、「…を含む」という文によって制限された要素は、前記要素が含まれているプロセス、方法、または機器に、他の同一の要素が存在することが排除されない。本明細書で、各実施例について重点的に説明したものは、他の実施例との相違点であってもよく、実施例間で同一・類似する部分は相互に参照可能である。実施例に記載された方法、製品などについて、それが実施例に開示の方法部分に対応する場合、関連する点について方法部分の記載を参照してもよい。
【0082】
当業者であれば、本明細書に開示された実施例で説明された各例示のユニット及びアルゴリズムステップに合わせて、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現することができることを意識することができる。これらの機能がハードウェアで実行されるか、あるいはソフトウェアで実行されるかについては、技術手段の特定の適用及び設計の制約条件に決められる。前記当業者は各特定の適用に対して異なる方法を用いて説明された機能を実現してもよいが、このような実現は本開示の範囲を超えると考えられるべきではない。前記当業者は、説明の便利さ及び簡単さのために、上記説明されたシステム、装置及びユニットの具体的な作動プロセスについて、前述方法実施例における対応するプロセスを参照することをよく知っているが、ここで重複に説明しない。
【0083】
本明細書に開示された実施例において、開示された方法、製品(装置、機器等を含むが、これらに限定されない)は、他の方式で実現されることができる。例えば、上記説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分けは、論理的機能分けに過ぎず、実際に実現時に他の分け方式があってもよく、例えば複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせるか、或いは他のシステムに統合することができ、又はいくつかの特徴を無視してもよく、あるいは実行しなくてもよい。また、表示され、又は議論される相互間の結合又は直接結合又は通信接続はいくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。前記分離部材として説明されたユニットは物理的に分離されてもよいし、又はそうでなくてもよく、ユニットとして表示される部材は物理的ユニットであってもよいし、又はそうでなくてもよく、即ち一つの箇所に位置してもよいし、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施例を実現することができる。なお、本開示の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在してもよいし、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。
【0084】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を図示する。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、前記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は、所定の論理機能を実現するための一つ又は複数の実行可能な命令を含む。いくつかの代替としての実現において、ブロックにマークされた機能は、図面にマークされた順序と異なる順序で発生してもよい。例えば、連続する2つのブロックは、実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは時々逆の順序で実行されてもよく、これは関連する機能によって決められる。図面におけるフローチャートおよびブロック図に対応する説明では、異なるブロックに対応する操作またはステップは、説明で開示された順序と異なる順序で発生してもよく、場合によっては、異なる操作またはステップ間で特定の順序が存在しないこともある。例えば、連続する2つの操作又はステップは、実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは時々逆の順序で実行されてもよく、これは関連する機能によって決められる。ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は作動を実行する専用のハードウェアによるシステムで実現されてもよいし、又は専用のハードウェアとコンピュータコマンドとの組み合わせで実現されてもよい。
【0085】
本出願は、出願番号が202110825839.9、出願日が2021年7月21日である中国専利出願に基づいて提出され、この中国専利出願の優先権を要求し、この中国専利出願の全部内容が参照として本出願に導入される。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法であって、前記二酸化炭素インキュベーターの複数の内面にはいずれもヒーター線が設けられ、前記方法は、
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップと、
前記現在温度が目標温度以下である場合に、前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップと、
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップと、を含む
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定するステップは、
前記現在温度を取得するステップと、
前記現在温度と前記目標温度を比例・積分・微分PIDアルゴリズムに入力して、前記パワーインデックスを出力するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップは、
予め設定されたパワーテーブルに基づいて、前記パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線パワーを特定するステップ、及び/又は、
予め設定されたタイムテーブルに基づいて、前記パワーインデックスに対応する各内面のヒーター線の出力時間を特定するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整するステップは、
前記各内面のヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを所定パワーに調整するステップ、及び/又は、
前記各内面のヒーター線の出力時間に従って、各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記各内面の加熱戦略に従って、各内面のヒーター線のパワー及び/又は開始・停止時点を調整した後は、さらに、
第1設定時間後、前記二酸化炭素インキュベーターボックスの第1現在温度と温度変化速度を取得するステップと、
前記第1現在温度、前記温度変化速度及び残り時間に基づいて、第2現在温度を算出するステップと、
前記第2現在温度が前記目標温度よりも小さい場合に、前記第1現在温度と前記第2現在温度との差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整するステップとを、含み、
ここで、前記残り時間は、前記目標温度に達する時間と、前記第1設定時間との時間差値である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1現在温度及び前記温度変化速度に基づいて第2現在温度を算出するステップは、
T2=T1+t×Vを算出するステップを含み、
ここで、T2が前記第2現在温度、T1が前記第1現在温度、tが前記残り時間、Vが前記温度変化速度である
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1現在温度と前記第2現在温度の差値に基づいて、各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を調整する前記ステップは、
予め設定された対応関係に基づいて、前記差値に対応する前記各内面のヒーター線のパワー及び/又は出力時間を特定するステップ、
前記ヒーター線のパワーに従って、各内面のヒーター線のパワーを対応するパワーに調整するステップ、及び/又は、
前記ヒーター線の出力時間に従って前記各内面のヒーター線の開始・停止時点を制御するステップを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素インキュベーターボックスの現在温度及び目標温度に基づいてパワーインデックスを特定した後は、さらに、
現在温度が目標温度よりも大きい場合に、前記パワーインデックスに基づいて、テーブルをチェックして二酸化炭素インキュベーターの各内面の加熱戦略を特定するステップと、
前記各内面の温度制御戦略に従って、各内面のヒーター線のパワーを低減させ、且つ/又は各内面のヒーター線の出力時間を低減させるステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、プログラム指令が記憶されたメモリーとを含む二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置であって、前記プロセッサは、前記プログラム指令の実行時に、請求項1から8のいずれか一項に記載の二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の方法を実行する
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置。
【請求項10】
複数の内面にいずれもヒーター線が設けられ、各内面のヒーター線が対応するシリコン制御整流器によって制御される二酸化炭素インキュベーターであって、請求項9に記載の二酸化炭素インキュベーターの電力配分用の装置をさらに含む
ことを特徴とする二酸化炭素インキュベーター。
【国際調査報告】