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▶ イリエフ,ロマン ラジロビッチの特許一覧

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  • 特表-二層渦対向流バーナ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】二層渦対向流バーナ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/02 20060101AFI20240119BHJP
   F23D 14/70 20060101ALI20240119BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
F23D14/02 M
F23D14/70 A
F23D14/24 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542901
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 RU2021050380
(87)【国際公開番号】W WO2022154693
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】2021100530
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523267081
【氏名又は名称】イリエフ,ロマン ラジロビッチ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】イリエフ,ロマン ラジロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】メシコフ,セルゲイ,アナトレビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ミスラフスキー,ボリス ウラドレノビッチ
【テーマコード(参考)】
3K017
3K019
【Fターム(参考)】
3K017AA02
3K017AA03
3K017AB05
3K017AC06
3K017AD07
3K017AE02
3K017AE03
3K017CE07
3K017DD06
3K019AA02
3K019AA03
3K019BA02
3K019BD06
3K019BD11
3K019CA02
3K019CA03
(57)【要約】
本発明は、気体燃料を燃焼させる装置、特に渦流バーナに関する。技術的結果は、バーナのより簡単な設計を含み、この設計は火炎管の内面の低温を保証し、それによって高価な熱保護コーティングの必要性が排除され、並びに火炎管内の対向流渦流の形成による燃焼プロセスの改善された安定化及びより高い過剰空気比(希薄混合気)での燃焼の実現性を保証する。二層渦対向流バーナは、円筒形バーナハウジングと、その中に同軸に設置された火炎管及びノズルとを備え、バーナハウジングと火炎管との間に空気チャネルがあり、火炎管が、入口窓が配置された前壁と、ノズルが配置された後壁とを有し、入口窓に燃料を供給する装置がバーナハウジングに設置され、スワラが入口窓の空気チャネル内に設けられ、追加のスワラ及び追加の燃料供給装置が後壁に配置され、ノズルが火炎管内に部分的に配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形バーナハウジングと、その中に同軸に設置された火炎管及びノズルとを備え、前記バーナハウジングと前記火炎管との間に空気チャネルがあり、前記火炎管が、入口窓が配置された前壁と、前記ノズルが配置された後壁とを有し、前記入口窓に燃料を供給する装置が前記バーナハウジングに設置され、スワラが前記入口窓の前記空気チャネル内に設けられ、追加のスワラ及び追加の燃料供給装置が前記後壁に配置され、前記ノズルが前記火炎管内に部分的に配置され、前記入口窓がその中に設置されるリングとして作られる、二層渦対向流バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体燃料を燃焼させる装置、特に渦流バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
PSM社によって開発されたバーナが、ガスタービンユニット(記事「A Revolution in Combustion Technology for Power Generation Gas Turbines」、FlameSheet、Power Systems Mfg.,LLC、2020年11月版を参照)に使用される最先端の技術から既知である。既知のバーナは、円筒形バーナハウジングと、その中に同軸に配置された火炎管とを備え、燃焼プロセスが行われ、火炎管は2つの空気チャネルによってハウジングから分離され、そのうちの1つはバーナハウジングの内面に沿って延在し、第2のチャネルは火炎管の外面に沿って延在する。ハウジングの一端には、燃料が供給されるノズルが設置されている。第1のチャネルからの空気は、火炎管の始端においてスワラを通過し、燃料と混合して第1の燃料空気混合物を形成し、火炎管に入る。旋回空気又は燃料空気混合物はまた、第2のチャネルに供給されると、第2のチャネルから火炎管の始端に入り、第1の混合物と混合し、それらの点火後、燃焼生成物が火炎管の他端でノズルに出る。旋回空気及び燃料の二重層供給は、バーナの動作モードを一貫して制御することを可能にし、したがって、その性能を拡張する。特に、第1のチャネル又は第1の燃焼段のみが、部分(共有)負荷で動作することができ、GTU負荷が増加すると、第2のチャネルにおける燃料供給制御が更に有効になる。したがって、燃料供給の分配は、公称負荷及び部分負荷における環境特性を改善するように最適化され、部分負荷(いわゆるターンダウン)におけるバーナの動作範囲が拡大される。
【0003】
当該バーナは、特許請求される発明と技術的本質が最も類似しており、プロトタイプとして使用された。
【0004】
その欠点は、製造が複雑であり、火炎管の内面を冷却することができないため、高価な熱保護コーティングをその上に使用する必要があることである。
【発明の概要】
【0005】
特許請求される発明の技術的結果は、二層渦対向流バーナのより簡単な設計を含み、この設計は火炎管の内面の低温を保証し、それによって高価な熱保護コーティングの必要性が排除され、並びに火炎管内の対向流渦流の形成による燃焼プロセスの改善された安定化及びより高い過剰空気比(希薄混合気)での燃焼の実現性を保証する。
【0006】
当該結果は、二層渦対向流バーナが、円筒形バーナハウジングと、その中に同軸に設置された火炎管及びノズルとを備え、バーナハウジングと火炎管との間に空気チャネルがあり、火炎管が、入口窓が配置された前壁と、ノズルが配置された後壁とを有し、入口窓に燃料を供給するための装置がバーナハウジングに設置され、スワラが入口窓の空気チャネル内に設けられ、追加のスワラ及び追加の燃料供給装置が後壁に配置され、ノズルが火炎管内に部分的に配置されるという事実によって達成される。
【0007】
火炎管の後壁における追加のスワラにより、管の内面近くにおける周辺渦空気運動の生成が確実になり、したがって火炎管の表面は、空気チャネルの側及び追加のスワラによって内側に生成された渦の両側から「低温」空気によって洗浄され、それによってその温度を低下させるので、高価な熱保護コーティングを使用する必要がない。加えて、火炎管の前壁における周辺渦の回転は、火炎管の軸方向部分における火炎及び燃焼プロセスの安定化した安定領域を提供する。
【0008】
バーナ設計及びその動作原理の詳細な説明を以下に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、特許請求される二層渦対向流バーナの構造図を示す図によって説明される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特許請求されるバーナは、円筒形バーナハウジングと、内部で燃焼プロセスが行われる火炎管と、燃焼生成物が出るノズルとを備える。火炎管及びノズルは、円筒形バーナハウジング内に同軸に配置される。
【0011】
火炎管は、前壁及び後壁を有する。前壁には、壁の規則的な穴又はその中に設置されるリングとして作ることができる入口窓が設けられている。ノズルは後壁に設置され、本発明の一実施形態では、ノズルは、追加のスワラを出た後にノズルに直接ガスが漏れるのを防ぐために、火炎管(図を参照)の内側に部分的に配置されるように設置される。
【0012】
火炎管は、バーナハウジングと隙間をあけて設置されることにより、空気が火炎管に入る空気チャネルが形成される。スワラは、火炎管の入口窓の空気チャネルに設置され、管の内側に近軸渦流を生成する。火炎管はまた、火炎管の内側に周辺渦流を形成する後壁に配置される追加のスワラを有し、流れの方向は、第1のスワラによって形成される近軸流の方向とは反対である(管の内側に二層の流れ構造をもたらす)。
【0013】
バーナは、対応するスワラに燃料を供給する2つの燃料供給装置を有し、この燃料はそこで点火前に空気と混合される。
【0014】
バーナ構成要素は、耐熱鋼等の既知のバーナで使用される様々な材料から作ることができる。
【0015】
燃料供給装置として、火炎管への燃料の流れを確実にするために様々な装置を使用することができる。このような装置の一例は、液体又は気体燃料用の様々なノズルである。
【0016】
特許請求されるバーナで使用される燃料として、気体(例えば、メタン、プロパン、又は高い水素含有量(最大60~80重量%)の他の燃料)又は液体(例えば、ディーゼル油又は灯油)の高エネルギ燃料を使用することができる。
【0017】
以下は、二層渦対向流バーナの動作原理であり、一実施形態の構造図が添付図面に示されており、矢印はガス流の方向を示す。
【0018】
加圧された空気が空気チャネル内に供給される。空気は入口窓に設置されたスワラ(スワラ1)を通過すると、燃料供給装置によって供給された燃料(燃料1)と撚り合って混合し、火炎管内に燃料混合物(燃料空気混合物)の近軸旋回流を形成して、点火される。また、空気チャネルからの空気は、後壁に配置された追加のスワラ(スワラ2)に入り、そこで追加の燃料供給装置によって供給される燃料(燃料2)と混合する。追加のスワラを通過した後、結果として生じる混合物は、前壁に向けられた周辺渦流を形成し、それに到達した後、近軸流と結合する。近軸流内の点火された混合物は、ノズルを通って火炎管から出る。
【0019】
提供される設計では、火炎管ハウジングは、両側(空気チャネルの側及び周辺渦の側)で空気によって洗浄されるので、その温度は低く、管を冷却するための追加の手段、特に高価な熱保護コーティングの適用は必要とされない。加えて、対向流渦流の使用により、近軸渦における燃焼プロセスの安定化が改善され、より高い過剰空気比(希薄混合気が使用される)での燃焼が可能になる。この設計では(プロトタイプとは異なり)、壁の間のスワラにのみ燃料が供給される第1段と、追加のスワラを介して別個に燃料が供給される第2段との両方が、部分負荷において等しく効果的に動作することができる。公称モードでは、燃料は両方のスワラに供給されるので、バーナの最適な動作が保証される。
図1
【国際調査報告】